JP2023020322A - 地上給電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】送電時における漏洩磁界がシステム周囲に与える影響を低減する。【解決手段】車両3に非接触で電力を送電する地上給電装置2Aは、地上給電装置2Aと対になる他の地上給電装置2Bの電力送電時に地上給電装置2Aによって電力を送電する必要が生じたときは、地上給電装置2Aの電力送電時に発生する磁界の位相が、他の地上給電装置2Bの電力送電時に発生する磁界の位相とは逆位相となるように、地上給電装置2Aを動作させる制御装置22を備える。【選択図】図6A
Description
本発明は、地上給電装置に関する。
特許文献1には、磁界結合(電磁誘導)、電界結合、磁界共振結合(磁界共鳴)及び電界共振結合(電界共鳴)のような伝送方式を用いて、地面に設けられた地上給電装置から、走行中の車両に電力を非接触で伝送する非接触給電システムが開示されている。
非接触給電システムでは、送電時に発生する漏洩磁界がシステム周囲の例えば生体や電子機器などに与える影響を低減することが求められる。
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、送電時に発生する漏洩磁界がシステム周囲に与える影響を低減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、車両に非接触で電力を送電する地上給電装置は、地上給電装置と対になる他の地上給電装置の電力送電時に地上給電装置によって電力を送電する必要が生じたときは、地上給電装置の電力送電時に発生する磁界の位相が、他の地上給電装置の電力送電時に発生する磁界の位相とは逆位相となるように、地上給電装置を動作させる制御装置を備える。
本発明のこの態様によれば、漏洩磁界同士が打ち消し合ってそれらを相殺することができるので、漏洩磁界がシステム周囲に与える影響を低減することができる。
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
(第1実施形態)
<非接触給電システムの説明>
図1は、本発明の一実施形態による非接触給電システム100の概略構成図である。
<非接触給電システムの説明>
図1は、本発明の一実施形態による非接触給電システム100の概略構成図である。
本実施形態による非接触給電システム100は、サーバ1と、道路に沿って所定間隔で連続的に設置された複数の地上給電装置2と、地上給電装置2から無線送電される電力を受電するための受電装置5(図2参照)が搭載された複数の車両3と、を備え、地上給電装置2から車両3へ磁界共振結合(磁界共鳴)による非接触電力伝送を行う。特に本実施形態では、非接触給電システム100は、車両3が走行しているときに、地上給電装置2から車両3への非接触電力伝送を行う。したがって、地上給電装置2は、車両3が走行しているときに、車両3へ非接触で電力を送電し、車両3は、車両3が走行しているときに、地上給電装置2から非接触で電力を受電する。
なお、本明細書において、「走行」という用語は、車両が走行のために道路上に位置する状態を意味する。したがって、「走行」という用語は、車両が実際にゼロよりも大きい任意の速度で走っている状態のみならず、例えば信号待ちなどによって道路上で停止している状態も含む。一方、車両が道路上に位置していても、例えば駐停車されているような場合には、走行には含まれない。また、以下の説明では、地上給電装置2が設置されている道路のことを、必要に応じて「電化道路」という。
サーバ1は、サーバ通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ処理部13と、を備える。
サーバ通信部11は、サーバ1を例えばゲートウェイ等を介してネットワーク6と接続するための通信インターフェース回路を有する。サーバ1は、サーバ通信部11を介して地上給電装置2及び車両3と通信する。
サーバ記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)や光記録媒体、半導体メモリ等の記憶媒体を有し、サーバ処理部13での処理に用いられる各種のコンピュータプログラムやデータ等を記憶する。
サーバ処理部13は、一又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。サーバ処理部13は、サーバ記憶部12に格納された各種のコンピュータプログラムを実行し、サーバ1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えばプロセッサである。
図2は、本実施形態による地上給電装置2及び車両3の詳細な構成について説明する図である。
図2に示すように、地上給電装置2は、地上側通信装置71、送電装置4、電源21及び送電コントローラ22を有する。地上側通信装置71、電源21及び送電コントローラ22は、道路内に埋め込まれてもよいし、道路内とは別の場所(地上を含む)に配置されてもよい。
地上側通信装置71は、サーバ1、車両3及び周囲の他の地上給電装置2と通信可能に構成される。
本実施形態では、地上側通信装置71は、ネットワーク6(図1参照)と不図示のゲートウェイ等を介して接続される無線基地局7(図1参照)にアクセスすることで、無線基地局7を介してネットワーク6と接続される。これにより、地上側通信装置71とサーバ1との間で広域無線通信が行われ、例えば、車両3に対して非接触給電を行うために必要な各種の情報のやり取りが行われる。なお広域無線通信は、後述する狭域無線通信に比べて通信距離が長い通信であり、具体的には例えば通信距離が10メートルから10キロメートルの通信である。広域無線通信としては、通信距離が長い種々の無線通信を用いることができ、例えば、3GPP、IEEEによって策定された4G、LTE、5G、WiMAX等の任意の通信規格に準拠した通信が用いられる。
また本実施形態では、地上側通信装置71は、各車両3に搭載された車両側通信装置72との間で直接的に狭域無線通信を行い、車両側通信装置72から送信される接近信号を受信する。接近信号は、車両3が地上給電装置2に接近していることを知らせるための信号であって、地上側通信装置71を介して接近信号を受信した地上給電装置2に対して送電の準備を促すための信号である。なお狭域無線通信は、広域無線通信に比べて通信距離が短い通信であり、具体的には例えば通信距離が10メートル未満の通信である。狭域無線通信としては、通信距離が短い種々の近距離無線通信を用いることができ、例えば、IEEE、ISO、IEC等によって策定された任意の通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標))に準拠した通信が用いられる。また、狭域無線通信を行うための技術としては、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)、DSRC(dedicated Short Range Communication)等が用いられる。
さらに本実施形態では、地上側通信装置71は、所定の無線通信回線を利用して、周囲の或る一定範囲内(例えば、自装置を中心とする約30メートルの範囲内)に設置された他の地上給電装置2との間で無線通信を行い、自装置の例えば送電状況に関する情報(送電を実施しているか否かなどの情報)を周囲の他の各地上給電装置2に送信すると共に、周囲の他の地上給電装置2から、周囲の他の地上給電装置2の送電状況に関する情報を受信する。
電源21は、送電装置4に電力を供給する。電源21は、例えば、単層交流電力を供給する商用交流電源である。なお、電源21は、三相交流電力を供給する他の交流電源であってもよいし、燃料電池のような直流電源であってもよい。
送電装置4は、電源21から供給された電力を車両3へ送る。送電装置4は、送電側整流回路41、インバータ42及び送電側共振回路43を有する。送電装置4では、電源21から供給される交流電力が送電側整流回路41において整流されて直流電流に変換され、この直流電流がインバータ42において交流電力に変換され、この交流電力が送電側共振回路43に供給される。
送電側整流回路41は、電源21及びインバータ42に電気的に接続される。送電側整流回路41は、電源21から供給される交流電力を整流して直流電力に変換し、直流電力をインバータ42に供給する。送電側整流回路41は例えばAC/DCコンバータである。
インバータ42は送電側整流回路41及び送電側共振回路43に電気的に接続される。インバータ42は、送電側整流回路41から供給された直流電力を、電源21の交流電力よりも高い周波数の交流電力(高周波電力)に変換し、高周波電力を送電側共振回路43に供給する。
送電側共振回路43は、コイル44及びコンデンサ45から構成される共振器を有する。コイル44及びコンデンサ45の各種パラメータ(コイル44の外径及び内径、コイル44の巻数、コンデンサ45の静電容量等)は、送電側共振回路43の共振周波数が所定の設定値になるように定められる。所定の設定値は、例えば10kHz~100GHzであり、好ましくは、非接触電力伝送用の周波数帯域としてSAE TIR J2954規格によって定められた85kHzである。
送電側共振回路43は、コイル44の中心が車線の中央に位置するように、車両3が通過する車線の中央に配置される。インバータ42から供給された高周波電力が送電側共振回路43に印加されると、送電側共振回路43は、送電するための交流磁界を発生させる。なお、電源21が直流電源である場合には、送電側整流回路41は省略されてもよい。
送電コントローラ22は、例えば汎用コンピュータであり、地上給電装置2の各種制御を行う。例えば、送電コントローラ22は、送電装置4のインバータ42に電気的に接続され、送電装置4による電力送信を制御すべくインバータ42を制御する。また送電コントローラ22は、地上側通信装置71を介してサーバ1及び車両3と通信を行う。なお車両3とは、地上側通信装置71を介して直接的に通信することもできるし、地上側通信装置71からサーバ1を経由して間接的に通信することもできる。
図3は、送電コントローラ22及び送電コントローラ22に接続された機器の概略的な構成図である。
送電コントローラ22は、通信インターフェース221、記憶部222及び送電処理部223を備える。通信インターフェース221、記憶部222及び送電処理部223は信号線を介して互いに接続されている。
通信インターフェース221は、地上給電装置2を構成する各種機器(例えば、インバータ42、地上側通信装置71及び後述する地上側センサ23など)に送電コントローラ22を接続するためのインターフェース回路を有する。送電コントローラ22は、通信インターフェース221を介して地上給電装置2を構成する各種機器と通信する。
記憶部222は、HDDや光記録媒体、半導体メモリ等の記憶媒体を有し、送電処理部223での処理に用いられる各種のコンピュータプログラムやデータ等を記憶する。
送電処理部223は、一又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。送電処理部223は、記憶部222に格納された各種のコンピュータプログラムを実行し、地上給電装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えばプロセッサである。送電処理部223、ひいては送電コントローラ22は、例えば、地上側通信装置71を介して接近信号を受信すると、車両3が通過したときに当該車両3に対して電力を伝送することができるように、地上給電装置2を制御する。
また、送電コントローラ22には、地上側センサ23が接続されている。地上側センサ23は、例えば、送電装置4の各種機器(特に、送電側共振回路43、インバータ42及び送電側整流回路41)に流れる電流を検出する送電装置電流センサ、送電装置4の各種機器に加わる電圧を検出する送電装置電圧センサ、送電装置4の各種機器の温度を検出する送電装置温度センサ、送電装置4が埋め込まれた道路上の異物を検出する異物センサ、及び送電装置4が埋め込まれた道路上の生体を検出する生体センサを含む。地上側センサ23の出力は、送電コントローラ22に入力される。
図2に戻り、車両3は、車両側通信装置72、受電装置5、モータ31、バッテリ32、パワーコントロールユニット(PCU)33及び車両コントローラ34を有する。本実施形態による車両3は、バッテリ32のみを動力源とする電動車両(BEV;Battery Electric Vehicle)であるが、バッテリ32以外にも内燃機関等の動力源を備えるいわゆるハイブリッド車両(HEV;Hybrid Electric Vehicle、又はPHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)であってもよく、特にその種類が限られるものではない。
車両側通信装置72は、サーバ1及び地上給電装置2と通信可能に構成される。本実施形態では車両通信装置72は、ネットワーク6(図1参照)と不図示のゲートウェイ等を介して接続される無線基地局7(図1参照)にアクセスすることで、無線基地局7を介してネットワーク6と接続される。これにより、車両側通信装置72とサーバ1との間で広域無線通信が行われ、例えば、地上給電装置2から非接触給電を受けるために必要な各種の情報のやり取りが行われる。この際、サーバ1を介して車両3と地上給電装置2との間で情報のやり取りが行われる。
また車両側通信装置72は、所定の無線通信回線を利用して各地上給電装置2の地上側通信装置71との間で直接的に狭域無線通信を行い、各地上給電装置2に前述した接近信号を送信する。
モータ31は、例えば交流同期モータであり、電動機及び発電機として機能する。モータ31は、電動機として機能するとき、バッテリ32に蓄えられた電力を動力源として駆動される。モータ31の出力は減速機及び車軸を介して車輪30に伝達される。一方、車両3の減速時には車輪30の回転によってモータ31が駆動され、モータ31は発電機として機能して回生電力を発電する。
バッテリ32は、充電可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等から構成される。バッテリ32は車両3の走行に必要な電力(例えばモータ31の駆動電力)を蓄える。送電装置4から受電装置5が受電した電力が供給されると、バッテリ32が充電される。また、モータ31によって発電された回生電力がバッテリ32に供給されると、バッテリ32が充電される。バッテリ32が充電されると、バッテリ32の充電率(SOC:State Of Charge)が回復する。なお、バッテリ32は、車両3に設けられた充電ポートを介して地上給電装置2以外の外部電源によっても充電可能であってもよい。
PCU33はバッテリ32及びモータ31に電気的に接続される。PCU33は、インバータ、昇圧コンバータ及びDC/DCコンバータを有する。インバータは、バッテリ32から供給された直流電力を交流電力に変換し、交流電力をモータ31に供給する。一方、インバータは、モータ31によって発電された交流電力(回生電力)を直流電力に変換し、直流電力をバッテリ32に供給する。昇圧コンバータは、バッテリ32に蓄えられた電力がモータ31に供給されるときに、必要に応じてバッテリ32の電圧を昇圧する。DC/DCコンバータは、バッテリ32に蓄えられた電力がヘッドライト等の電子機器に供給されるときに、バッテリ32の電圧を降圧する。
受電装置5は、送電装置4から受電し、受電した電力をバッテリ32に供給する。受電装置5は、受電側共振回路51、受電側整流回路54及び充電回路55を有する。
受電側共振回路51は、路面との距離が小さくなるように車両3の底部に配置される。受電側共振回路51は、送電側共振回路43と同様の構成を有し、コイル52及びコンデンサ53から構成される共振器を有する。コイル52及びコンデンサ53の各種パラメータ(コイル52の外径及び内径、コイル52の巻数、コンデンサ53の静電容量等)は、受電側共振回路51の共振周波数が送電側共振回路43の共振周波数と一致するように定められる。なお、受電側共振回路51の共振周波数と送電側共振回路43の共振周波数とのずれ量が小さければ、例えば受電側共振回路51の共振周波数が送電側共振回路43の共振周波数の±20%の範囲内であれば、受電側共振回路51の共振周波数は送電側共振回路43の共振周波数と必ずしも一致している必要はない。
受電側共振回路51が送電側共振回路43と対向しているときに、送電側共振回路43によって交流磁界が生成されると、交流磁界の振動が、送電側共振回路43と同一の共振周波数で共鳴する受電側共振回路51に伝達される。この結果、電磁誘導によって受電側共振回路51に誘導電流が流れ、誘導電流によって受電側共振回路51において誘導起電力が発生する。すなわち、送電側共振回路43は受電側共振回路51へ送電し、受電側共振回路51は送電側共振回路43から受電する。
受電側整流回路54は、受電側共振回路51及び充電回路55に電気的に接続される。受電側整流回路54は、受電側共振回路51から供給される交流電力を整流して直流電力に変換し、直流電力を充電回路55に供給する。受電側整流回路54は例えばAC/DCコンバータである。
充電回路55は受電側整流回路54及びバッテリ32に電気的に接続される。特に、バッテリ32へは、リレー38を介して接続される。充電回路55は、受電側整流回路54から供給された直流電力をバッテリ32の電圧レベルに変換してバッテリ32に供給する。送電装置4から送電された電力が受電装置5によってバッテリ32に供給されると、バッテリ32が充電される。充電回路55は例えばDC/DCコンバータである。
車両コントローラ34は、車両3の各種制御を行う。例えば、車両コントローラ34は、受電装置5の充電回路55に電気的に接続され、送電装置4から送信された電力によるバッテリ32の充電を制御すべく充電回路55を制御する。また、車両コントローラ34は、PCU33に電気的に接続され、バッテリ32とモータ31との間の電力の授受を制御すべくPCU33を制御する。さらに、車両コントローラ34は、車両側通信装置72を制御する。
図4は、車両コントローラ34及び車両コントローラ34に接続された機器の概略的な構成図である。
車両コントローラ34は、通信インターフェース341、記憶部342及び車両処理部343を有する。通信インターフェース341、記憶部342及び車両処理部343は、信号線を介して互いに接続されている。
通信インターフェース341は、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内ネットワークに車両コントローラ34を接続するためのインターフェース回路を有する。車両コントローラ34は、通信インターフェース341を介して他の機器と通信する。
記憶部342は、HDDや光記録媒体、半導体メモリ等の記憶媒体を有し、車両処理部343での処理に用いられる各種のコンピュータプログラムやデータ等を記憶する。
車両処理部343は、一又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。車両処理部343は、記憶部342に格納された各種のコンピュータプログラムを実行し、車両3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えばプロセッサである。車両処理部343、ひいては車両コントローラ34は、例えば、車両3が電化道路に近づいたことを検知すると、車両側通信装置72を介して接近信号の送信を開始し、車両3が電化道路を走行しているときに地上給電装置2から電力を受けることができるように、受電装置5などを制御する。
また、車両3は、GNSS受信機35、ストレージ装置36、複数の車両側センサ37、リレー38及びHMI装置39を更に備える。GNSS受信機35、ストレージ装置36、車両側センサ37、リレー38及びHMI装置39は車内ネットワークを介して車両コントローラ34に電気的に接続される。
GNSS受信機35は、複数(例えば3つ以上)の測位衛星から得られる測位情報に基づいて、車両3の現在位置(例えば車両3の緯度及び経度)を検出する。GNSS受信機35の出力、すなわちGNSS受信機35によって検出された車両3の現在位置は車両コントローラ34に送信される。
ストレージ装置36は、データを記憶する。ストレージ装置36は、例えば、HDD、SSD(Solid State Drive)又は光記録媒体を備える。本実施形態では、ストレージ装置36は、地図情報を記憶する。地図情報には、道路に関する情報に加えて、地上給電装置2の設置位置情報等の情報が含まれる。車両コントローラ34はストレージ装置36から地図情報を取得する。なお、ストレージ装置36には地図情報が含まれていなくてもよく、この場合、車両コントローラ34は車両側通信装置72を介して車両3の外部(例えば、サーバ1)から地図情報を取得してもよい。
車両側センサ37は、車両3の状態を検出する。本実施形態では、車両側センサ37は、車両3の状態を検出するセンサとして、車両3の速度を検出する速度センサ、バッテリ32の温度を検出するバッテリ温度センサ、受電装置5の各種機器(特に、受電側共振回路51及び受電側整流回路54)の温度を検出する受電装置温度センサ、バッテリ32の充電電流値及び放電電流値を検出するバッテリ電流センサ、受電装置5の各種機器に流れる電流を検出する受電装置電流センサ、及び受電装置5の各種機器に加わる電圧を検出する受電装置電圧センサを含む。車両側センサ37の出力は、車両コントローラ34に入力される。
リレー38は、バッテリ32と受電装置5との間に配置されて、バッテリ32と受電装置5とを接続・遮断する。リレー38が接続されているときには受電装置5が受電した電力がバッテリ32に供給される。しかしながら、リレー38が遮断されているときには受電装置5からバッテリ32へ電流が流れず、よって受電装置5は実質的に受電することができなくなる。
HMI装置39は、車両乗員との間で情報のやり取りを行うためのインターフェースである。本実施形態によるHMI装置39は、車両乗員に各種の情報を提供するためのディスプレイ及びスピーカと、車両乗員が情報の入力操作を行うためのタッチパネル(又は操作ボタン)と、を備える。HMI装置39は、車両乗員によって入力された入力情報を、車内ネットワークを介して当該入力情報を必要とする各種の装置(例えばEUC34)に送信すると共に、車内ネットワークを介して受信した情報をディスプレイに表示するなどして車両乗員に提供する。
<漏洩磁界対策>
非接触給電システム100では、送電時に発生する漏洩磁界がシステム周囲の例えば生体や電子機器などに与える影響を低減することが求められる。特に非接触給電システム100では、近接する2台の地上給電装置2が略同時に駆動されて、例えば異なる2台の車両3や、受電装置5を2つ備える1台の大型車両などに対して、同時に送電が行われることがある。
非接触給電システム100では、送電時に発生する漏洩磁界がシステム周囲の例えば生体や電子機器などに与える影響を低減することが求められる。特に非接触給電システム100では、近接する2台の地上給電装置2が略同時に駆動されて、例えば異なる2台の車両3や、受電装置5を2つ備える1台の大型車両などに対して、同時に送電が行われることがある。
そのため、漏洩磁界同士が干渉したときのことを考慮せずに複数の地上給電装置2を略同時に駆動してしまうと、近接する2台の地上給電装置2(より詳しくは、近接する2台の地上給電装置2の送電装置4のコイル44)を波源とする2つの磁界の位相が同位相となった場合に、図5A及び図5Bに示すように、それらが干渉して強まり合ってシステム周囲に与える影響が大きくなる。
図5A及び図5Bは、近接する2台の地上給電装置2A,2Bを波源とする2つの磁界の位相が同位相となった場合に、それらが干渉して強まり合う様子を示した図である。なお図5Aは、左側の地上給電装置2Aを波源として放射状に広がる磁界波を太線で示し、右側の地上給電装置2Bを波源として放射状に広がる磁界波を細線で示したものであり、実線部分及び破線部分はそれぞれ磁界波の隣り合う腹の部分を示す。そして図5Bは、図5Aの一点鎖線に沿う部分における2つの磁界波の合成波を一点鎖線で示した図である。図5Bに示すように、近接する2台の地上給電装置2A,2Bを波源とする2つの磁界の位相が同位相となった場合は、それらが干渉して強まり合うことが分かる。
そこで本実施形態では、近接する2台の地上給電装置2を略同時に駆動する場合には、図6A及び図6Bに示すように、その2台の地上給電装置2からそれぞれ発生する磁界の位相が逆位相となるように、その2台の地上給電装置2を動作させることとした。
図6A及び図6Bは、近接する2台の地上給電装置2A,2Bを波源とする2つの磁界の位相が逆位相となった場合に、それらが相殺される様子を示した図であり、図6Bに示すように、近接する2台の地上給電装置2A,2Bを波源とする2つの磁界の位相を逆位相とすることで、それらが相殺されることが分かる。そのため、近接する2台の地上給電装置2A,2Bを略同時に駆動した場合に、漏洩磁界がシステム周囲の例えば生体や電子機器などに与える影響を低減することができる。
図7は、地上給電装置2の送電コントローラ22において実施される本実施形態による位相制御の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、送電コントローラ22は、接近信号を受信したか否か、すなわち、近い将来に地上給電装置2の送電装置4を駆動して車両に対して送電を行う予定があるか否かを判定する。送電コントローラ22は、接近信号を受信していれば、ステップS2の処理に進む。一方で送電コントローラ22は、接近信号を受信していなければ、今回の処理を終了する。
ステップS2において、送電コントローラ22は、周囲に設置された地上給電装置2の中で、送電を実施している地上給電装置2があるか否かを判定する。送電コントローラ22は、周囲に送電を実施している地上給電装置2があれば、ステップS3の処理に進む。一方で送電コントローラ22は、周囲に送電を実施している地上給電装置2がなければ、今回の処理を終了する。
なお本実施形態では、周囲に設置された各地上給電装置2の送電状況を把握できるようにするために、各地上給電装置2は、或る一定範囲内(例えば、自装置を中心とする約30メートルの範囲内)に設置された他の地上給電装置2に対して、自装置の送電状況に関する情報(以下「送電状況情報」という。)を送信している。本実施形態では、送電状況情報には、自装置の位置情報、送電を実施しているか否かの情報、送電時の位相情報が少なくとも含まれている。
ステップS3において、送電コントローラ22は、送電を実施している地上給電装置2の中で、最も自装置に近い地上給電装置2が発生させている磁界の位相と逆位相となるように、自装置の送電装置4を制御して車両3に対して送電を行う。
図8は、本実施形態による位相制御の動作の一例について説明する図であり、片側2車線道路において、4台の車両が信号待ちをしている様子を示している。
図8に示す例では、左側の車線の先頭の車両3-1に対して電力送電を実施している地上給電装置2-1の最寄りの電力送電中の地上給電装置は、右側の車線の先頭の車両3-4に対して電力送電を実施している地上給電装置2-4となる。そのため、地上給電装置2-1の磁界波の位相と、地上給電装置2-4の磁界波の位相とが逆位相となるように、地上給電装置2-1、2-4の動作が制御される。
そして、左側の車線の車両3-2に対して電力送電を実施している地上給電装置2-2の最寄りの電力送電中の地上給電装置は、車両3-2の後方に位置する車両3-3に対して電力送電を実施している地上給電装置2-3となる。そのため、地上給電装置2-2の磁界波の位相と、地上給電装置2-3の磁界波の位相とが逆位相となるように、地上給電装置2-2、2-3の動作が制御される。
以上、説明した本実施形態によれば、車両3に非接触で電力を送電する地上給電装置2Aは、地上給電装置2Aと対になる他の地上給電装置2Bの電力送電時に地上給電装置2Aによって電力を送電する必要が生じたときは、地上給電装置2Aの電力送電時に発生する磁界の位相が、他の地上給電装置2Bの電力送電時に発生する磁界の位相とは逆位相となるように、地上給電装置2Aを動作させる送電コントローラ22(制御装置)を備える。
これにより、各地上給電装置2A,2Bを波源とする2つの磁界が干渉したときにそれらを相殺することができるので、各地上給電装置2A,2Bを略同時に駆動したとしても、漏洩磁界がシステム周囲の例えば生体や電子機器などに与える影響を低減することができる。
また本実施形態では、地上給電装置2Aと対になる他の地上給電装置2Bは、地上給電装置2Aの周囲に位置し、かつ電力送電を実施している地上給電装置の中で、地上給電装置2Aから最も近い場所に位置する地上給電装置とされる。
磁界同士が干渉して強まり合った場合にシステム周囲に与える影響は、基本的にその2つの磁界の波源が近くなるほど大きくなる。そのため、最寄りの地上給電装置2との間で漏洩時間を相殺することで、漏洩磁界がシステム周囲の例えば生体や電子機器などに与える影響を効果的に低減することができる。
なお、本実施形態ではこのように、地上給電装置2Aと対になる他の地上給電装置2Bを、周囲の地上給電装置2の中から選択するようにしているが、これに限らず、例えば、地上給電装置2Aの前後又は左右に設置された予め決められた地上給電装置2を、地上給電装置2Aと対になる他の地上給電装置2Bとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上記の実施形態では、周囲に設置された各地上給電装置2の送電状況を把握するために、各地上給電装置2は、或る一定範囲内に設置された他の地上給電装置2に対して、自装置の送電状況情報を送信していた。しかしながら、周囲に設置された各地上給電装置2の送電状況を把握する方法はこのような方法に限られるものではない。例えば、各地上給電装置2からサーバ1に送電状況情報を送信するようにしておき、周囲に設置された各地上給電装置2の送電状況を把握したい地上給電装置2は、サーバ1と通信することにより周囲に設置された各地上給電装置2の送電状況を把握するようにしてもよい。
2 地上給電装置
22 送電コントローラ(制御装置)
3 車両
22 送電コントローラ(制御装置)
3 車両
Claims (2)
- 車両に非接触で電力を送電する地上給電装置であって、
前記地上給電装置と対になる他の地上給電装置の電力送電時に前記地上給電装置によって電力を送電する必要が生じたときは、前記地上給電装置の電力送電時に発生する磁界の位相が、前記他の地上給電装置の電力送電時に発生する磁界の位相とは逆位相となるように、前記地上給電装置を動作させる制御装置を備える、
地上給電装置。 - 前記地上給電装置と対になる前記他の地上給電装置は、前記地上給電装置の周囲に位置し、かつ電力送電を実施している地上給電装置の中で、前記地上給電装置から最も近い場所に位置する地上給電装置である、
請求項1に記載の地上給電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021125620A JP2023020322A (ja) | 2021-07-30 | 2021-07-30 | 地上給電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023020322A true JP2023020322A (ja) | 2023-02-09 |
Family
ID=85159421
Family Applications (1)
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JP2021125620A Pending JP2023020322A (ja) | 2021-07-30 | 2021-07-30 | 地上給電装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023020322A (ja) |
-
2021
- 2021-07-30 JP JP2021125620A patent/JP2023020322A/ja active Pending
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