JP2023020273A - 情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数センサ時系列の中から抽出された波形のピーク候補の中から一つのピークを決定することで、解析を行う際の基準点を決定する。【解決手段】少なくとも1つ以上の波形データの中から、任意の一定時間内のピーク候補を、既定のパターンマッチングにより抽出する抽出手段と、前記波形データのピーク候補の中から、前記パターンマッチングにかかるスコアによって一つのピークを決定する決定手段と、前記ピークの位置を表示するための表示情報を出力する表示制御手段と、前記表示情報を表示する表示手段と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法に関する。
従来、臨床における脳磁図を用いたてんかん術前検査では、てんかん病変部の局在性を評価するために、頭皮上で計測された磁場を生み出す電流源(ダイポール)を推定する。ダイポールを推定するためには、複数センサの時系列の中から、特徴的な波形情報(IED:Interictal Epileptiform Discharge)が発生した時刻(起始部)とその波形情報が出現しているセンサの絞り込みが必要となる。
現状では、医師は手動でIEDの探索・起始部の決定を行っているが、脳磁計のデータは膨大であるため、個別のIEDについて手動で正確にセンサおよびIEDの時刻の抽出を行うのは困難である。
特許文献1には、測定結果を表示する画面上に複数の磁束センサが測定した出力のうちの1つの出力のピークデータの値とチャネル番号をリアルタイムで表示することで、個々のセンサが検出した脳磁の強い反応部位を表示する技術が開示されている。
しかしながら、従来技術によれば、複数のセンサからのデータを考慮したピーク時刻検出ができないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数センサ時系列の中から抽出された波形のピーク候補の中から一つのピークを決定することで、解析を行う際の基準点を決定することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つ以上の波形データの中から、任意の一定時間内のピーク候補を、既定のパターンマッチングにより抽出する抽出手段と、前記波形データのピーク候補の中から、前記パターンマッチングにかかるスコアによって一つのピークを決定する決定手段と、前記ピークの位置を表示するための表示情報を出力する表示制御手段と、前記表示情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数センサ時系列の中から抽出された波形のピーク候補の中から一つのピークを決定することで、解析を行う際の基準点を決定できる、という効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態にかかる生体信号計測システムの構成を示す概略図である。 図2は、サーバの機能構成を概略的に示すブロック図である。 図3は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図4は、測定収録画面の一例を示す図である。 図5は、情報処理装置の機能ブロック構成の一例を示す図である。 図6は、ピーク検出処理までの流れを示すフローチャートである。 図7は、図4に示す領域201Aの拡大図である。 図8は、ダイポール移動によるピークすれの一例を示す図である。 図9は、第2の実施の形態にかかるピーク検出部によるピーク検出処理の流れを示すフローチャートである。 図10は、ピーク点を表示する表示領域を示す図である。 図11は、波形合成の時間窓選択範囲の例を示す図である。 図12は、ピーク検出処理までの流れを示すフローチャートの変形例である。 図13は、頭皮上の磁場を表すUIの例を示す図である。 図14は、変形例1にかかるベッドセンサシステムの構成を示すシステム構成図である。 図15は、荷重センサの構成を示すブロック図である。 図16は、情報処理装置の機能ブロック構成の一例を示す図である。 図17は、ピーク検出処理までの流れを示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法の実施の形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施の形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
(第1の実施の形態)
(生体信号計測システムの概略)
図1は、第1の実施形態に係る生体信号計測システムの構成を示す概略図である。図1を参照しながら、本実施形態に係る生体信号計測システム1の概略について説明する。
生体信号計測システム1は、特定の発信源(生体部位)からの被検者の複数種類の生体信号(例えば、脳磁(MEG:Magneto-encephalography)信号、および脳波(EEG:Electro-encephalography)信号を計測し、表示するシステムである。なお、本発明において、測定対象となる生体信号は、脳磁信号および脳波信号に限られるものではなく、例えば、心臓の活動に応じて発生する電気信号(心電図として表現可能な電気信号)などであってもよい。
脳波信号とは、神経細胞の電気的な活動(シナプス伝達の際のニューロンの樹状突起で起きるイオン電荷の流れ)を電極間の電圧値として表される信号である。脳磁信号とは、脳の電気活動により生じた微小な電場変動を表す信号である。
図1に示すように、生体信号計測システム1は、被検者の1以上の生体信号を測定する測定装置3と、測定装置3で測定された1種類以上の生体信号を記録するサーバ40と、サーバ40に記録された1種類以上の生体信号を解析する生体信号表示装置である情報処理装置50と、を含む。測定装置3は、例えば脳磁場や刺激を与えたタイミング等の計測値を収集する脳磁計である。なお、図1では、サーバ40と情報処理装置50とが別々に記載されているが、例えば、サーバ40が有する機能の少なくとも一部が情報処理装置50に組み込まれる形態であってもよい。
ここで、てんかん手術前の脳磁計計測の目的について説明する。てんかんの病巣となる異常発火現象を起こす神経細胞を切除する手術のために、その病的な神経細胞が存在する位置を特定することが、脳磁計による計測の目的である。高い精度でその位置を正確に特定することで、切除エリアが小さくなり患者のQOLを高めることができる。
図1の例では、被検者(被測定者)は、頭に脳波測定用の電極(またはセンサ)を付けた状態で測定テーブル4に仰向けで横たわり、測定装置3のデュワ31の窪み32に頭部を入れる。デュワ31は、液体ヘリウムを用いた極低温環境の保持容器であり、デュワ31の窪み32の内側には脳磁測定用の多数の磁気センサが配置されている。測定装置3は、電極からの脳波信号と、磁気センサからの脳磁信号とを収集し、収集した脳波信号および脳磁信号を含むデータ(以下、「測定データ」と称する場合がある)をサーバ40へ出力する。サーバ40へ出力された測定データは、情報処理装置50に読み出されて表示され、解析される。一般的に、磁気センサを内蔵するデュワ31および測定テーブル4は、磁気シールドルーム内に配置されているが、図1では便宜上、磁気シールドルームの図示を省略している。
情報処理装置50は、複数の磁気センサからの脳磁信号の波形データと、複数の電極からの脳波信号の波形データを、同じ時間軸上に同期させて表示する装置である。脳波信号とは、神経細胞の電気的な活動(シナプス伝達の際のニューロンの樹状突起で起きるイオン電荷の流れ)を電極間の電圧値として表される信号である。脳磁信号とは、脳の電気活動により生じた微小な電場変動を表す信号である。脳磁場は、高感度の超伝導量子干渉計(SQUID:Superconducting Quantum Interference Device)センサで検知される。これらの脳波信号および脳磁信号は、「生体信号」の一例である。
ここで、図2はサーバ40の機能構成を概略的に示すブロック図である。図2に示すように、サーバ40は、データ取得部41と、データ記憶部42とを有する。
データ取得部41は、測定装置3から測定データを定期的に取得する。ここで、測定データは、測定装置3のデュワ31の複数の磁気センサで計測した個々の波形データである。
データ記憶部42は、測定装置3から取得した測定データを記憶する。
(情報処理装置のハードウェア構成)
図3は、情報処理装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。図3を参照しながら、情報処理装置50のハードウェア構成について説明する。
図3に示すように、情報処理装置50は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、補助記憶装置104と、ネットワークI/F105と、入力装置106と、表示装置107と、を有し、これらがバス108で相互に接続されている。
CPU101は、情報処理装置50の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う演算装置である。CPU101は、ROM103または補助記憶装置104に記憶された情報表示プログラムを実行して、測定収集画面および解析画面の表示動作を制御する。
RAM102は、CPU101のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータおよび情報を記憶する揮発性の記憶装置である。ROM103は、基本入出力プログラム等を記憶する不揮発性の記憶装置である。例えば、上述の情報表示プログラムがROM103に記憶されているものとしてもよい。
補助記憶装置104は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。補助記憶装置104は、例えば、情報処理装置50の動作を制御する制御プログラム、ならびに、情報処理装置50の動作に必要な各種のデータおよびファイル等を記憶する。
ネットワークI/F105は、サーバ40等のネットワーク上の機器と通信を行うための通信インターフェースである。ネットワークI/F105は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)に準拠したNIC(Network Interface Card)等によって実現される。
入力装置106は、タッチパネルの入力機能、キーボード、マウスおよび操作ボタン等のユーザインターフェース等である。表示装置107は、各種の情報を表示するディスプレイ装置である。表示装置107は、表示手段として機能するものであって、例えば、タッチパネルの表示機能、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)等によって実現される。表示装置107は、測定収集画面および解析画面を表示し、入力装置106を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
ここで、表示装置107に表示される画面例について説明する。
図4は、測定収録画面の一例を示す図である。図4に示す測定収録画面(または簡略して「画面」とも呼ぶ)201は、画面201のタブ111に「測定収録」画面であることが表示されている。測定収録画面201は、生体信号の信号波形を表示する領域201Aと、信号波形以外のモニタ情報を表示する領域201Bとを有する。信号波形を表示する領域201Aは、測定者からみて画面201の左側に配置され、信号波形以外のモニタ情報を表示する領域201Bは、測定者からみて画面201の右側に配置されている。リアルタイムで検出され画面201において水平に左端から右方向(方向u1)に向かって表示される波形の動きに合わせた測定者の視線の動きと、画面201の左側の領域201Aから右側の領域201Bへマウスを移動させるときの動きに無駄が生じず、作業効率が向上する。ここで言う「水平」とは、画面201において方向u1に平行する任意の線を指すものとし、以下においても同様とする。また、本明細書では画面全体の図を参照する場合に「左」、「右」、「上」、「下」を説明に適宜用いるが、「左」、「右」、「上」、「下」は、それぞれ、画面全体の図に添えた方向u1を水平にして見た場合の「左」、「右」、「上」、「下」を指すものとする。
領域201Bには、測定中に被測定者の様子を確認するためのモニタウィンドウ170を表示させる。測定中の被測定者のライブ映像を表示させることで、後述するように、信号波形のチェック、判断の信頼性を高めることができる。図4では、ひとつの表示装置28(図1参照)の表示画面に、測定収録画面201の全体を表示させた場合の表示形態を示しているが、領域201Aと領域201Bとを、2台もしくはそれ以上の表示装置に分けて別々に表示させてもよい。
なお、図3に示す情報処理装置50のハードウェア構成は一例であり、これ以外の装置が備えられるものとしてもよい。また、図3に示す情報処理装置50は、例えば、PC(Personal Computer)を想定したハードウェア構成であるが、これに限定されるものではなく、タブレット等のモバイル端末であってもよい。この場合、ネットワークI/F105は、無線通信機能を有する通信インターフェースであればよい。
(情報処理装置の機能ブロック構成)
図5は、情報処理装置50の機能ブロック構成の一例を示す図である。図5を参照しながら、情報処理装置50の機能ブロック構成について説明する。
図5に示すように、情報処理装置50は、前処理部501と、IED確率マップ算出部502と、閾値処理部503と、後処理部504と、ピーク検出部505と、を備える。
前処理部501は、ダウンサンプリングや周波数フィルタの適用、時間窓切り出し、磁場データの標準化などの前処理を行う。
ダウンサンプリングは、学習時に使用したサンプリング周波数に合わせる目的で適用される。周波数フィルタも同様で学習時に適用したフィルタリングと同じものを適用する。よく使われるフィルタは、35Hzのローパスフィルタ、3Hz-35Hzのバンドパスフィルタなどである。
時間窓の切り出し方は、時間窓の長さ分だけずらしていくオーバーラップなしのものや、時間窓の半分の長さをオーバーラップさせる方法、1/4の長さをオーバーラップさせる方法などがある。オーバーラップさせる場合には、後述のIED確率マップ算出の際にオーバーラップ分の加算平均を行う。
磁場データの標準化は、切り出した時間窓の中で平均が0、分散が1になるような標準化が適用される。標準化の他に、予め設定した磁場の範囲内を-1~1となるように正規化する手法などを用いてもよい。
IED確率マップ算出部502は、特徴的な波形(IED:Interictal Epileptiform Discharge)の確率マップを算出する。
IEDとは、てんかん病変部に特徴的なSpike Wave、Spike and Wave、Poly Spike and Wave、Sharp Waveなどの波形を指す。
正常な神経細胞は、シナプス伝達によって、ネットワークを作る次の神経細胞に信号を伝達する。このイオン電荷の流れ(電流)が発火という現象である。てんかんの異常発火現象では、無数の神経細胞が誘発され、ほぼ同時に発火を起こし、大きな電流となる。この電流によって生成される波形がIEDである。この大きな電流をダイポールと呼び、ダイポールが発生した位置(電流が流れた箇所)にてんかんの病巣となる神経細胞があると特定する。
閾値処理部503は、閾値用いて、IED確率マップ算出部502において得られたIEDの確率マップからIEDの確率が高い時間とセンサの領域の絞り込みを行う。
後処理部504は、閾値処理部503で閾値処理したIEDの確率マップからサンプリング時点およびセンサの抽出を行う後処理を実行する。また、後処理部504は、ピーク検出手法やマップが複数のピークを持つ場合(病変部が2つ存在する場合などにみられるケース)には、マップを分離するための後処理を行う。
ピーク検出部505は、少なくとも1つ以上の波形データの中から、任意の一定時間内のピーク候補を、既定のパターンマッチングにより抽出する抽出手段と、波形のピーク候補の中から、パターンマッチングにかかるスコアによって一つのピークを決定する決定手段と、して機能する。ピーク検出部505では、ピーク検出部505以前で得られたセンサ及びサンプリング時点を用いてスパイクのピーク検出を行う。
次に、ピーク検出処理までの流れについて説明する。
ここで、図6はピーク検出処理までの流れを示すフローチャートである。処理に先立ち、測定装置3は、脳磁計計測を実施し、デュワ31の複数の磁気センサで計測した個々の波形データをサーバ40に出力する。サーバ40は、測定装置3のデュワ31の複数の磁気センサで計測した個々の波形データをデータ記憶部42に記憶する。
そして、図6に示すように、まず、前処理部501は、測定装置3のデュワ31の複数の磁気センサで計測した個々の波形データをサーバ40のデータ記憶部42から取得する(ステップS1)。
次に、前処理部501は、取得したデータに対し、ダウンサンプリングや周波数フィルタの適用、時間窓切り出し、磁場データの標準化などの前処理を行う(ステップS2)。
次に、IED確率マップ算出部502は、特徴的な波形(IED)の確率マップを算出する(ステップS3)。
IEDの確率マップの算出については、機械学習を用いて算出したモデルを適用する方法のほかにも、従来のスパイク位置の検出アルゴリズムを用いたものでもよい。機械学習を用いる場合には、ダイポール推定の起始部を正解として学習させるため、従来のスパイク位置を検出する手法と比較して、医師が手動で選択するIEDの起始部と絞り込んだセンサにより類似した結果が得られるという効果がある。
次に、閾値処理部503は、IED確率マップ算出部502において得られたIEDの確率マップに対して閾値処理を行う(ステップS4)。具体的には、閾値処理部503は、閾値用いて、IED確率マップ算出部502において得られたIEDの確率マップからIEDの確率が高い時間とセンサの領域の絞り込みを行う。
次に、後処理部504は、閾値処理部503で閾値処理したIEDの確率マップからダイポール推定に使用するためのサンプリング時点およびセンサの抽出を行う後処理を実行する(ステップS5)。
また、後処理部504は、ピーク検出手法やIED確率マップが複数のピークを持つ場合(病変部が2つ存在する場合などにみられるケース)には、マップを分離するための後述の後処理を行う。
最後に、ピーク検出部505は、ピーク検出部505以前で得られたサンプリング時点を用いてピーク検出を行う(ステップS6)。例えば、ピーク検出部505は、ノイズの中に埋もれている特定のパターンの波形を、機械学習を用いたパターンマッチングなどによりピーク候補を検出する機能を有しており、その際には、決められた手順条件によって定量化したスコアが用いられ、ピークを決定する機能を有している。本発明では、「スコア」はパターンマッチングの強さ、2つの波形の適合率といった概念を定量化してものとして利用する。
ここで、ピーク検出部505におけるピーク検出処理の一例について詳述する。
ピーク検出部505は、サンプリング時点を基準とし、前後それぞれある一定区間の時間窓を設定する。そして、ピーク検出部505は、設定した時間窓内のデータに対して、ピーク候補となる時刻点の探索を行った後、ピーク候補点の中からピーク点を決定する。
ピーク候補点の探索方法としては、各センサにおいて波形の極値を探索し、極大、および極小を取る時刻をピーク候補点とする方法、予め決められた上限の閾値を超えた波形の山、下限の閾値を超えた波形の谷に相当する時刻をピーク候補点とする方法などが挙げられる。
ピーク点の決定方法としては、ピーク候補点となるセンサが最大となる時刻をピーク点として決定する方法、ピーク検出部505の処理以前で得られたサンプリング時点から直近となる時刻をピーク点として決定する方法、などが挙げられる。
ここで、ピーク点の表示手法について説明する。ピーク検出部505は、ピークの位置を表示するための表示情報を出力する表示制御手段として機能する。
図7は、図4に示す領域201Aの拡大図である。領域201Aは、信号検出の時間情報を表示する表示領域110と、信号検出に基づく複数の信号波形を並列に表示する表示領域101~103と、基準となるサンプリング時刻付近の複数の信号波形を並列に表示する表示領域204と、ピーク点を表示する表示領域205と、を有する。
表示領域110で表示される時間情報は、図7の例では、時間軸112に沿って時間(数字)が付された時間表示を含むタイムラインであるが、時間(数字)を表示せずに、帯状の軸だけでもよいし、軸を設けずに時間(数字)の表示だけであってもよい。また、表示領域110の他に、図7に示すように表示領域103の下側に同様の時間軸112を表示してもよい。
表示領域101~103には、複数の信号波形が水平に並列表示される。各信号波形として、同一のセンサ群からの信号波形だけを表示させてもよいし、異なるセンサ群からの信号波形を共に表示させてもよい。また、電極群からの信号波形を単独でまたは他の信号波形と共に表示させてもよい。これらの内の1種類以上の信号波形を表示する。ここで、同一のセンサ群は、例えば測定部位などにより分けることができる。この例では、被測定者の頭部右側に対応する磁気センサ群から得られる脳磁信号の波形と、被測定者の頭部左側に対応する磁気センサ群から得られる脳磁信号の波形と、被測定者の脳波測定用の電極から得られる脳波信号の波形とに分けられている。なお、「複数の信号波形」の組み合わせは、これに限られるものではない。例えば、頭頂部、前頭葉、側頭葉などのパートを任意に選択し、それぞれのパートのセンサから得た信号波形を選択的に表示させてもよい。信号波形を選択する方法についての詳しい説明は後述する。
図7において、表示領域101には被測定者の頭部右側から得られる複数の脳磁信号の波形が、表示領域102には被測定者の頭部左側から得られる複数の脳磁信号の波形が、表示領域103には複数の脳波信号の波形が、それぞれ水平に並列に表示されている。各信号波形は、同じ時間軸で同期して表示される。これらの複数の信号波形の各々は、その信号が取得されたチャネル番号107、具体的には電極の識別情報(例えば基準電極および探査電極の識別情報)やセンサの識別番号が対応付けられて表示されている。本実施形態では、電極の識別情報とチャネル番号、センサの識別情報とチャネル番号とが、それぞれ1対1で対応しているものとし、電極の識別情報、センサの識別情報、およびチャネル番号を、適宜説明に用いる。なお、これに限らず、電極の複数やセンサの複数を一塊にチャネル番号に対応付けるようにしてもよい。
測定が開始されると、各センサおよび各電極からの測定情報が収集され、各表示領域101~103において水平に、左端から右方向(方向u1)に向けて測定時刻の順に信号波形が表示される。ライン113は計測が行われている現在時刻を示しており、領域201Aの左端から右方向に向けて移動する。領域201Aの右端(時間軸112の右端)まで信号波形が表示されると、その後は領域201Aの左端から右方向に向けて徐々に信号波形が消え、消えた位置に新しい信号波形が順次左端から右方向に表示され且つライン113も左端から右に向けて移動していく。これとともに、時間軸112上の時間の表示も、新しい信号波形の経過時間の範囲に合わせて更新される。測定収録は、「Exit Measurement」ボタン179が押されるまで継続される。
実施形態の特徴として、測定者(収録者)がデータ収録中に信号波形上で波形の乱れや振幅の特異点等に気付いたときに、その箇所(注目すべき箇所)を信号波形上でマークすることができる。マークの位置や範囲は、マウスによるポインタ操作あるいはクリック操作などで指定することができる。注目すべき箇所は、表示領域101~103の信号波形上にマークが表示され、その指定結果が、表示領域110の時間軸112に沿った位置(対応時刻位置)に表示されることにより強調表示される。時間軸112に沿った表示を含むマーキングの情報は、信号波形データ(生体データ)とともに指定先に保存される。ここで、「注目すべき箇所」は或る点の信号波形に限らず或る範囲の信号波形を含む概念として用いており、以下においても同様のものとする。
図7には、一例として、時刻t1において表示領域103で1以上のチャネルで乱れた波形(注目すべき箇所)を含む範囲が指定された場合の表示状態を示している。図7に示すように注目すべき箇所がマーク103a-1で強調表示される。また、表示領域110において、マーク103a-1に対応する時刻位置に、指定結果を示すアノテーション110a-1が表示されることにより、強調表示される。強調表示は、マーク103a-1内のハイライト表示であってもよいし、マーク103a-1の近傍にアノテーションを表示するものであってもよい。また、図7では、時刻t2でも波形が乱れているため、その注目すべき箇所についてもマーク103a-2と指定結果を示すアノテーション110a-2とを示している。
なお、マーク103a-1およびマーク103a-2は、円形のものを示しているが矩形など、他の形状であってもよい。例えば円形の場合、マーク103a-1は、マーク103a-1の半径を指定し、マーク103a-1の中心点を配置する1点をクリック操作で指定するなどして設ける。マーク103a-1の半径は、所定の値を予め設定しておいてもよいし、測定者が注目すべき箇所を指定する際に任意の値に設定してもよい。マーク103a-2についても同様とする。
なお、アノテーションとは、あるデータに対して関連する情報を注釈として付与することを指す。本実施形態において特に対象を特定せずに「アノテーション」といった場合には、注目すべき箇所を強調表示するマークやアイコンなどを指すものとする。例えば、図7においてはマーク103a-1、マーク103a-2、アノテーション110a-1、アノテーション110a-2などが「アノテーション」に相当する。以下においても強調表示するものであれば、特に説明することなく、それも「アノテーション」の1つとして含めて説明する。
時刻t1で表示領域110に追加されたアノテーション110a-1は、一例として、アノテーション識別番号と、波形の属性を示す情報とを含む。この例では、アノテーション番号「1」とともに、波形の属性を表わすアイコンと「strong spike」(ストロングスパイク)というテキスト情報とが表示されている。
時刻t2で、測定者が別の波形箇所またはその近傍領域を指定すると、指定された箇所、ここではマーク103a-2で強調表示され、これとともに、表示領域110の対応する時刻位置に、アノテーション番号「2」が表示される。さらに、強調表示された箇所に、属性選択のためのポップアップウィンドウ115が表示される。ポップアップウィンドウ115は、種々の属性を選択する選択ボタン115aと、コメントや追加情報を入力する入力ボックス115bとを有する。選択ボタン115aには、波形の属性として「速波(fast activity)」、「眼球運動(eye motion)」、「体動(body motion)」、「スパイク(spike)」など、波形乱れの要因が示されている。測定者は、画面201(図4参照)の領域201Bのモニタウィンドウ170で被測定者の様子を確認することができるので、波形の乱れの原因を示す属性を適切に選択することができる。たとえば、波形にスパイクが生じたときに、てんかんの症状を示すスパイクなのか、被測定者の体動(くしゃみ等)に起因するスパイクなのかを判断することができる。
また、モニタウィンドウ170で確認する方法の他に、被測定者が動いたことを検知するセンサを設け、検知した期間に表示領域110に対して図7に示すような警告表示800を表示させてもよい。たとえば、被測定者の頭が動いたとき、その移動量が許容量を超えたら警告表示800を表示する。警告表示800には、波形データ(生体データ)として使えないセンサ番号を表示させる。これにより、測定者が、てんかんの症状を示すスパイクなのか、被測定者の体動(くしゃみ等)に起因するスパイクなのかを判断することができる。警告表示800は、「体動(body motion)」の種類別または「眼球運動(eye motion)」と「体動(body motion)」とで色を分けて表示してもよい。
また、警告表示800での表示のほかに、被測定者が動いたことを検知するセンサからの出力などに基づいてポップアップウィンドウ115内の波形の属性を自動入力させてもよい。
時刻t1でも同じ操作が行われており、図7では、ポップアップウィンドウ115で「スパイク」の選択ボタン115aが選択され、入力ボックス115bに「strong spike」と入力されたことにより表示領域110にアノテーション110a-1が表示されている。このような表示態様により、多数の信号波形を同期して表示する際に、信号波形の注目すべき箇所を同じ時間軸112上で視認により容易に特定することができ、かつ注目すべき箇所の基本情報を容易に把握することができる。
アノテーション110a-1の一部または全部、たとえば、属性アイコンとテキストアノテーションの少なくとも一方を、表示領域103の信号波形上のマーク103a-1の近傍にも表示してもよい。信号波形上へのアノテーションの追加は、波形形状のチェックの妨げになる場合もあり得るので、表示領域101~103の信号波形上にアノテーションを表示させる場合は、表示・非表示を選択可能にしておくことが望ましい。
カウンタボックス118は、スパイクアノテーションの累積数を表示する。「スパイク」が選択される都度、カウンタボックス118のカウンタ値がインクリメントされ、収録開始から現在(ライン113)までのトータルのスパイク数が一目でわかるようになっている。
表示領域204において、点線204aが基準となるサンプリング時刻である。表示領域204は、サンプリング時刻付近のスパイクを有する複数センサの信号波形を並列に拡大表示する。解析者は、表示領域204に信号波形を拡大表示することで、収録時にマークされた箇所の妥当性を再確認し、あるいは測定収録時にチェックされていない波形部分をチェックすることができる。たとえば、点線204aを左右にドラッグすることで、波形の乱れや特異点の正確な箇所を特定し、変更することもできる。また、表示領域204に表示する信号波形の種類(脳波波形や脳磁波形など)やチャネル範囲を指定することも可能である。
ダイポールは、数10msecという時間経過の中で、その位置が移動する。これはてんかん信号を発生させる神経細胞が束となって、ある方向性をもって電気的に繋がっているためと考えている。そして、センサの信号波形は、ダイポールの発生および終了による電流強度の変化と、ダイポールの移動による変化という2つの現象によって決定されていると考えられる。
上述したように、測定装置3のセンサは頭部を覆うように配置されており、ダイポールまでの距離はセンサによって異なる。ダイポールが近い位置では、ビオサバールの式に従い、磁場の信号は強くなる。ダイポールまでの距離が遠のくと、磁場の信号が弱くなる。これによって波形が変形する。
表示領域204に示すように、測定装置3の複数のセンサの信号波形を並列に表示した場合、図8に示すように、ダイポール移動によるピークずれがあることによって、目視による基準点の決定が難しくなる。
そこで、本実施形態においては、表示領域205に示すように、表示領域204において色付けされた時間区間の波形のピーク点を表示する。表示領域205に示すように、例えば、各センサにおいて波形の極値を探索し、極大、および極小を取る時刻をピーク候補点とし、ピーク候補点となるセンサが最大となる時刻をピーク点として表示する。極大値の中で波形を取る数値が最大の点をピークとした時、極大値a点がピークとなる。表示領域204に示すスパイクの複数センサ波形において、このa点の時刻を点線で示している。
このように本実施形態によれば、複数センサ時系列の中から決定されたスパイク時刻のピーク部分を検出することで、ダイポール解析を行う際の基準点を決定できる、という効果を奏する。
本発明は、ノイズの中に埋もれている特定のパターンの波形を、機械学習を用いたパターンマッチングなどによりピーク候補を検出する機能を有しており、その際には、決められた手順条件によって定量化したスコアが用いられ、ピークを決定する機能を有している。本発明では、「スコア」はパターンマッチングの強さ、2つの波形の適合率といった概念を定量化してものとして利用する。
従来、目視で手動の判断の場合には、アナログ的になり判断がぶれることがある。それに対し、客観的な決まったルール下での定量化によって、人間が下す判断に比べ、客観的で再現性が良くなる。具体的には、候補の抽出方法は、教師用の波形と候補となる波形との相関係数で算出する方法が考えられる。教師データ波形と候補波形の同一区間のデータ列のピアソンの相関係数(r)などを利用する方法が適応できる。このrの値をスコアとして利用できる。ただし、この場合には波形のノイズを除去する手法として、ベースラインを一定区間ごとに引くなど、ピークの周辺の波形が乱れていないことが条件となる。このベースラインのノイズ除去がうまくいかない場合、例えば、こめかみなどの頭部の筋電アーチファクトの除去不能な場合には、スピアマンの順位相関係数(rs)などもスコアとして利用することができる。また、マッチングを定量化する手法は上記に限らず、一定の式に基づいて相関関係を数値化できる方法が利用できる。
このスコアは、同じ波形に対しては、常に再現良く同じスコアを算出する。抽出する際に閾値となるスコア値を適切に設定することで、教師波形データと類似し抽出される波形は、常に同じ波形、区間であり、その再現性は目視による手動抽出よりも、非常に良い。ただし、多様な教師データを無数に準備するなどすると、その正答率は低下するため、教師データの準備は医師の判断をもって適切な手法で準備することが肝要である。多数の教師データを用いる場合には、その相関係数(r)も多数存在する。この場合には、この複数の相関係数(r)の平均値などで代替のスコアを機械的に表現して比較することで、再現性の良い結果を得ることができる。
このように一定のスコアを取得した教師データに類似したピーク波形の中で、ピークの位置を決定する。ピークの決定には、一定時間区間内の中での最大値や最小値を決定するというシンプルな方法の他にも、一定区間内をレベリングして、その後に最大最小値を決定するといった方法なども考えられる。本件では、特定パターンで抽出されたパターンが候補となっているため、概ね類似した波形の中での選別となる。本実施例に記載のてんかん性異常波のスパイクは3極の波形が多く、3つの屈曲点(極大値・極小値)の内、2番目の屈曲点が最大もしくは最小になる可能性が高い。
このように決定されたピーク位置を医師などのユーザに知らしめる必要がある。これには、図7に示すように、ピーク位置を明示的に表すユーザインターフェースを用いている。この明示の仕方は、ユーザである医師や介護士の方が、どのようなシチュエーションで画面を見るかを調査してそれに合わせる形で、最適化することで、間違いなくユーザが認識できるようにする。また、画面を見ていない場合にも、気づけるように、ブザー音や音声などでも、注意を引くような機能を有していてもよい。このように自動でピーク位置を検出することが可能となると、それを介護士や医師が集中して注意を払っていなくとも、正確にピーク位置を検出し、それに付随するイベント(てんかんや離床)に気づかせることが可能となる。
なお、ピーク検出部505は、探索範囲を拡張して極値を探索することも可能である。予め決められた時間窓ではスパイク波形が時間窓の中に正しく入っていない場合も考えられる。このような場合を考慮すると、ピーク検出ができない場合には探索範囲を拡張して極値を探索することが有効である。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、波形合成処理を追加した点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図9は第2の実施の形態にかかるピーク検出部505によるピーク検出処理の流れを示すフローチャートである。
第2の実施の形態と同様にサンプリング時点の抽出を行った後、図9に示すように、ピーク検出部505は、サンプリング時点を基準とした前後ある一定時間の時間窓を設定し、取得したすべてのセンサ情報を用いて1つの波形を合成する波形合成処理を実行する(ステップS11)。すなわち、ピーク検出部505は、抽出された波形データの同一時間区間の波形データを合波した合波データを生成する波形合算手段として機能する。
波形の合成方法としては、設定した時間窓において、波形のベースラインを定義し、ベースラインからの差分値を計算する方法が有効である。
まず、ピーク検出部505は、波形のベースラインを定義する。ベースラインの計算方法としては、各時刻方向に平均を取る方法や、各センサ方向に平均を取る方法などがあげられる。差分値の計算方法としては、各時刻において、ベースラインからの各センサ値の差分絶対値を平均もしくは合計する方法や、ベースラインからの各センサの差分値を平均もしくは合計する方法で合成波形が計算できる。
このように波形を合成することにより、複数センサの情報を考慮した波形を生成することが可能となる。
なお、ステップS11の波形合成処理において、IED確率マップ算出部502で得られた確率マップを基に、IEDの確率が高い時間範囲において波形合成を行うことも可能である。
次に、ピーク検出部505は、波形合成処理で得られた合成波形を用いてスパイク波形のピークとなる時刻の探索を行う。そして、ピーク検出部505は、合成された波形に対して、極値を取る点を探索し、条件を満たす極値をピークと決定する(ステップS12)。この時、条件としては、下記の条件などが挙げられる。
(1)極大、もしくは極小点の中で合成波形の値が最大、もしくは最小となる点
(2)直前と直後の極値点が極小点となる極大点のうち合成波形の値が最大となる点
(3)直前の極値点が極小となる極大点のうち合成波形が最大となる点
スパイク波形の特性上、ピークの極性は正と負の両方を取りうる。合成波形計算時にベースラインからの差分絶対値を合計もしくは平均する方法では、極性に関わらずピーク付近において合成波形が大きな値を取るため、探索した極値のうち極大値の中からピークを決めることができる。
ここで、図10はピーク点を表示する表示領域205を示す図である。図10に示す表示領域205は、表示領域204において色付けされた時間区間の波形について波形合成を行った結果におけるピーク点を表示する。表示領域205に示す合成波形において、極大値の中で合成波形を取る数値が最大の点をピークとした時、極大値a点がピークとなる。表示領域204に示すスパイクの複数センサ波形において、このa点の時刻を点線で示している。
ここで、図11は波形合成の時間窓選択範囲の例を示す図である。図11に示すように、ピーク検出部505は、サンプリング時点から前後異なる時間幅のセンサ情報を取得して波形合成を行うことも可能である。図11において、点線がサンプリング時点、色付けされた時間区間が波形合成を行う時間窓の幅である。スパイク波形はその特性上、起始部からピークまでの時間に比べ、ピークから終端部までの時間の方が長くなる。このことより、この方法を用いることで時間窓の中にスパイク波形が入る可能性がより高くなる。
このように本実施形態によれば、同一時間区間の波形データを合波した合波データを生成することで、複数センサにおける異なるタイミングで発生しているピークを1つの波形で表すことができる。
前述した第1の実施の形態では、機械学習などの波形マッチングにより、イベント時に発生する波形の適合率をスコアとして算出している例を示した。この適合率は「スコア」として、再現性良く定量化されている。
適合率としての「スコア」は、1つのセンサが出力する波形に対して、多くの時間区間に対して、算出することができる。例えば、時間区間として1000msecの波形データがあった場合、100msecの時間区間を1msecずつずらして作る波形データは900個の波形データが作れる。この900個の波形データが教師データに対して、適合しているか、そのスコアであるピアソンの相関係数rは900個存在する。例えば、この1000msecの間に1回だけてんかん性の異常波が発生していれば、900個のピアソン相関係数rは1回だけ、高い数値を示す。この1回に限定できるように適切な閾値を設定することが大切である。ただし、1msec刻みを、例えば、0.1msec刻み、0.01msec刻みなどにすると、てんかん性の異常波形が発生した時刻の前後0.5msec周辺にも相関係数が上昇する。この場合は1回だけ閾値を超えるという想定ではなく、てんかんの発生周辺で複数回閾値を超えることを前もって設定しておくこともできる。
これに対し、本実施形態の合波データは、複数センサの波形データを合波することを想定している。例えば、100chの脳磁計の場合、100個の波形が存在する。先の説明と同様に、1000msecの波形で100msecの時間区間を1msecずつずらすことを想定する。先の説明と同様に、1chに対し、900個のピアソンの相関係数rが、存在し、100chとすると、90000個となる。てんかん性の異常波形が発生した場合、その時間区間では、いくつかのchにおいて、ピアソンの相関係数が閾値を超える。この閾値を超えたchの波形データを抽出する。同一時間区間の閾値を超えたchの波形データだけを合波する。つまり、閾値を超える時間区間を選別するとともに、同一時間区間において、閾値を超えるセンサの選別も行うことになる。
このように合波した波形を図10に示すようなインターフェースの画面において表示する。この画面に示される合波した波形は、複数の波形を一瞥するよりも、判断が容易である。これはユーザが、1つの合波した波形だけに集中して注意を払っていることに起因する。適切なセンサを選別し、この波形を合波することで、てんかんや離床のイベント波形が一つの波形で表される。複数の波形を一覧する時に比べ、ノイズが低減した選別された波形の合波は、はるかに視認性に富んだ情報となる。これにより医師や介護士が、合波波形を一瞥するだけでイベントを判別することが可能となる。
本実施形態では、波形データによるセンサの選別を行っている。これは、てんかんの焦点から距離の離れた位置のセンサを除外していることに他ならない。つまりはノイズの大きいセンサや信号が表れていないセンサを除外することが可能となっている。このように選別されたセンサの合波波形は、ノイズが低減され、自動検出の精度も向上する。精度の高い自動検出をすることで、その結果を、図10に示すインターフェースのように、ブザー音を発報することや、視認性の高い表示マーカーを示すことができる。これは単に波形の視認性が向上したことよりも、ユーザの注意を向けさせて判断の正確さや容易さが向上する。
なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、サンプリング時点を基準とした一定時間の時間窓を設定し、すべてのセンサ情報を用いてピーク検出を行う。この時、ピーク検出部505は、IED確率マップ算出部502で得られた確率に応じて、特徴的な波形を持つセンサに重みをつけたセンサの値を計算し、その数値を用いて第1の実施の形態で説明したピーク検出、もしくは第2の実施の形態で説明した波形合成を行うようにしてもよい。ある時刻におけるIED確率マップ算出部502で得られた確率をp、あるセンサの値をxとすると、重み付けしたセンサの値xweightは、以下に示す式(1)で表すことができる。また、この確率pは正規化してもよい。
Figure 2023020273000002
このように特徴的な波形を持つセンサおよび時刻の波形情報の重み付けした値を用いることにより、単にすべてのセンサ・時刻に対して平均や合計を計算するよりもピーク検出精度が向上する。
また、ピーク検出部505は、後処理部504で抽出されたセンサおよびサンプリング時点の情報を用い、第1の実施の形態で説明したピーク検出、もしくは第2の実施の形態で説明した波形合成およびピーク検出を行うようにしてもよい。
これによれば、後処理部504までの処理において、IED確率マップの確率が高いセンサを閾値処理によって決定しているため、上述した特徴的な波形を持つセンサに重みをつける場合に比べ、より特徴的な波形を持つセンサに限定して解析が可能となる。
ここで、図12は、ピーク検出処理までの流れを示すフローチャートの変形例である。図12に示すように、図6で示したIED確率マップ検出処理(ステップS3)、閾値処理(ステップS4)、後処理(ステップS5)に代えて、センサ・時刻選択処理(ステップS7)を実行するようにしてもよい。すなわち、情報処理装置50は、図7に示す領域201Aにおいて、センサと時刻選択を手動で行うことも可能とする。ピーク検出部505は、医師の目視による判断によってスパイク波形を有するセンサおよびサンプリング時点の抽出を行い(ステップS7)、その結果を用いてピーク検出を行うものとする(ステップS6)。
センサと時刻の選択を手動で行う場合、図7に示すような画面を持つUI(User Interface)と連携することで、医師による波形の確認と、サンプリング時点とセンサを選択および記録することが可能となる。
なお、目視によるセンサの抽出方法としては、図7に示すような画面を持つUIに示すような波形情報から抽出を行うほかに、実際の頭皮上での磁場分布からの判断も可能となる。ここで、図13は頭皮上の磁場を表すUIの例を示す図である。図13に示すUI700は、ある時刻における各センサで得られた磁場値を色で表し、頭皮上の磁場を表すものである。ピーク検出部505は、図13に示すような選択センサの記録が可能なUI700と連携することで、頭皮上の磁場分布図から必要なセンサを選択することができる。
なお、上述の各実施の形態においては、測定装置3として脳磁計を適用した例で説明したが、これに限られることなく、本発明は脳波計や心電計などの複数センサで計測を行った信号を処理する情報処理装置に適用することが可能である。
(変形例1)
次に、測定装置3としてベッドセンサを適用した変形例1について説明する。
ここで、図14は変形例1にかかるベッドセンサシステム600の構成を示すシステム構成図である。図14に示す変形例1では、介護施設で利用する離床検知用のベッドセンサシステム600に関するものを記す。上述の各実施の形態と同様に、本発明を利用することで、複雑な波形データから自動でデータ加工し分析し、人(医師や介護士)に認識しやすい形態、例えば、波形のピークやアラームといった形態に変換することが可能となる。
まず、本変形例1の利用シーンである介護施設、およびその技術背景を説明する。介護施設では、介護者が注意を払っていない時に、被介護者がベッド601から立ち上がり、転んで怪我をしてしまうことがある。トイレなどに立ち上がった際に、足を滑らせて転倒し、腰椎などの骨折をしてしまうなど、被介護者にとっては重篤な怪我になることも多い。介護者としては、被介護者のベッド601からの立ち上がり(離床)に対して、できるだけ注意を払う必要がある。特に、被介護者が足や腰などに障害がある場合や認知症などの場合、常に離床介助する必要がある方もいる。
しかし、介護者も深夜など常に一人の被介護者の行動を見守っていることは事実上難しい。また、介護施設では個室であるなど、プライバシーの関係上、カメラでモニタすることは難しいのが実情である。そこで、ベッド601にセンサを設置して、被介護者の離床タイミングをモニタするシステムが利用されている。正確に離床タイミングが自動で検出できれば、そのタイミングでアラームを発報して、介護者へ知らせることができる。これにより、介護者が見守りに多くの時間を費やすことなく、タイミング良く離床介助、トイレ介助ができるなど、転倒事故を防止することができる。また、タイムリーな離床検出でなく、24時間継続的に波形を処理記録することで、1日に何度、「離床」するのか、その時間帯などを知ることができる。この24時間の経過を統計学的に処理することで、被介護者の睡眠時間など体調面にも注意を払うことが可能である。
図14に示すベッドセンサシステム600は、ベッド601の4つの脚に、荷重センサ602を設置している。情報処理装置50は、荷重センサ602によってベッド601上の荷重状態を検出して、その時間変化(波形)を読み取ることで離床するか否かを判断し、その離床行動を直前に検出する。
荷重センサ602は、どの程度の荷重がかかっているかを定量化するセンサで、一般的には圧電素子やひずみゲージなどを利用する。本変形例1では、荷重センサ602としてひずみゲージを採用する。ひずみゲージは、荷重によって生成する剛体の形状変化を、そこに固定している抵抗配線の配線距離の変化、それに付随し変化する電気抵抗変化として検出する。本変形例1では、電気抵抗変化は微弱なため、ブリッジ回路を採用した。ブリッジ回路は、電気抵抗の検出を高感度させると同時に、温度変化をできるだけ小さくできる。荷重の変化は、ブリッジ抵抗にかかる電圧変化として、現れ、アンプによって適切な電圧値に変換している。
図14に示すように、1つのベッド601に4つの荷重センサ602が設置されており、その情報を一度コントローラ603がデータを吸い上げる。コントローラ603は、吸い上げたデータを情報処理装置50に送信する。情報処理装置50は、後述する情報処理を行い、必要な場合には離床を知らせるアラームを、介護者が携帯している端末610へ、ネットワーク回線605を介して送る。ネットワーク回線605は、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの一般的な規格の通信を利用できる。
図15は、荷重センサ602の構成を示すブロック図である。図15に示すように、荷重センサ602は、アナログデジタル変換素子(ADコンバータ)6021、送信素子(I/F)6022、水晶振動子、スレーブマイクロプロセッサ(MPU)3023、RAM6025、クロック受信素子、ひずみゲージ6024、アンプなどから構成されている。荷重センサ602の水晶振動子は、100ppm程度の精度有しているものを採用している。そのため、3分間に一度程度に、キャリブレーション用にコントローラ603のマスタMPU6031からの信号を受け取り、タイミングの補正をすることで、クロック精度を約10msec程度に保つことができている。
ひずみゲージ6024からの出力は、接続したひずみアンプによって、最大数100mVレベルへ増幅している。このアナログ信号を、AD変換素子によって、デジタル信号へ変換する。ADコンバータ6021は、10Hz周期、12bitの検出値データとする素子を設定した。この検出値データを、I2C通信によって、スレーブMPU6023に送信する。
スレーブMPU6023は、スレーブMPU6023内に保有している記憶部に受信したセンサ検出値と同時にタイムスタンプを並列して一時格納する。これをデータセットとよぶ。タイムスタンプは、先のキャリブレーションによって、10msecレベルでコントローラ603のマスタMPU6031と同期されている。スレーブMPU6023は、格納されているデータセットを適切なタイミングで、スレーブMPU6023の認識番号を有するヘッダ信号と共に、マスタMPU6031へ送信する。
マスタMPU6031は、順次、4つのスレーブMPU6023からの信号を受信する。マスタMPU6031では、4つのスレーブMPU6023毎に、識別番号を割り振って、その識別番号、タイムスタンプ、検出値データの3列のデータセットを一時、記憶素子に格納する。格納されている4つの荷重センサ602毎にタイムスタンプ値が、msecレベルで異なることがあるので、それぞれのデータを補完し、100msec毎のデータセットへ変換する。検出値データの補完は、前後5点の検出値データを線形補完することで、その数値を決定する。これによって、同じタイムスタンプによって、4つの荷重センサ602の検出値データを並べた、5列のデータセットが完成する。コントローラ603は、このデータセットを情報処理装置50に送信し、情報処理装置50の内部の記憶部に格納する。
次に、このデータセットを利用した情報処理について述べる。
ここで、図16は変形例1にかかる情報処理装置50の機能ブロック構成の一例を示す図である。図16に示すように、前処理部501と、閾値処理部503と、後処理部504と、ピーク検出部505と、を備えるとともに、IED確率マップ算出部502に代えて、GOB確率マップ算出部510を備える。また、ピーク検出部505は、センサ選択部5051と、合波部5052と、を備える。
前処理部501は、ダウンサンプリングや周波数フィルタの適用、時間窓切り出し、検出データの標準化などの前処理を行う。
GOB確率マップ算出部510は、特徴的な波形(GOB:Getting Out of Bed:離床)の確率マップを算出する。
閾値処理部503は、閾値用いて、GOB確率マップ算出部510において得られたGOBの確率マップからGOBの確率が高い時間、確率の高い荷重センサ602の検出を行う。
センサ選択部5051は、先のGOB確率マップ算出部510によって数値化された確率を元に、4つの荷重センサ602の内、適切な荷重センサ602を選択する。センサ選択部5051は、通常、3つの荷重センサ602を選択するが、数値に合わせて、2つや4つを選択しても構わない。合波部5052は、選択された時間帯、期間で選択された荷重センサ602の波形を合波する。そして、ピーク検出部505では、合波された波形を元に、離床か否かを判断する。
後処理部504では、介護者に知らせるアラームの発報や、離床回数頻度より、健康状態の情報を提供する。
ここで、図17はピーク検出処理までの流れを示すフローチャートである。図17に示すように、ベッドセンサシステム600の動作を開始すると、コントローラ603は、検出値データの取得を始める(ステップS21)。コントローラ603は、荷重センサ602で計測した個々の波形データを情報処理装置50に送信し、記憶部に記憶する。
次に、前処理部501は、取得した波形データを元に、取得した検出値データに対してダウンサンプリングや周波数フィルタの適用、時間窓切り出しなどの前処理を行う(ステップS22)。
次に、GOB確率マップ算出部510は、特徴的な波形(GOB)の確率マップを算出する(ステップS23)。GOBの確率マップの算出については、機械学習を用いて算出したモデルを適用する方法を用いることができる。GOBの機械学習は、一般的な活動状況にある被験者の離床データを学習させる。離床データについては、特開2020-080121号公報などに開示されている。機械学習については、特開2021-069929号公報などに開示されている。なお、性別や四肢に不具合のある方など、個人差などがある場合もある。個人差は、その被介護者の行動と波形との紐づけた教師データを作成して起き、パターン検出を行う。また、このような検出値データには、ベッド601の個体差や、被介護者の個体差があるので、それぞれに適した学習方法をおよび教師データを準備する。これによって、波形から離床のタイミングを高精度に検出できる。
次に、閾値処理部503は、GOB確率マップ算出部510において得られたGOBの確率マップに対して閾値処理を行う(ステップS24)。具体的には、閾値処理部503は、閾値用いて、GOB確率マップ算出部510において得られたGOBの確率マップからGOBの確率が他の時間に対して高いか否かの判断をする。通常の利用では、離床しないで睡眠している時間帯でのベースラインを計測しておくことが望ましい。このベースラインに対して、GOBの確率がどの程度高まった時を閾値とするかを事前に決めておく。また、寝返りなどの振動も、離床と近い波形になることがある。このようなデータの蓄積も重要である。特に、寝返りと、離床では、ベッド601の4つの脚に対する荷重状態が異なる。離床の場合は、荷重中心がある一面(離床し足を踏み出すベッド601の側面)に偏りが生じる。寝返りの場合には、ベッド601中心から、寝返りの方向に向けて荷重を移行しているような波形となる。このように、4つの荷重センサ602の荷重バランスを見ることも、機械学習でデータを蓄積する価値がある。
したがって、GOB確率マップ算出部510は、4つの荷重センサ602のバランスによるトータルでのGOB確率算出と同時に、4つの荷重センサ602のそれぞれのGOB確率を算出する。
次に、センサ選択部5051は、GOBのスコアを比較して、荷重センサ602の選択を行う(ステップS25)。センサ選択部5051は、随時、そのスコアをモニタしながら、選択する荷重センサ602を変化させていく。そして、センサ選択部5051は、現在利用している4つの荷重センサ602から、3つの荷重センサ602を選択する。その目的効果を以下に記す。
上述したように、ベッド601の4つ脚にそれぞれ荷重センサ602設置されている。加重は、4つの脚に均等になるように調整はされているが、離床する際には、3つの脚に荷重がかかる。これは一般的に3点でバランスが取れてしまい、1点は若干浮いてしまい荷重がかからないという現象である。また、離床する際に、被験者がどの位置から、どちら側から立ち上がるかということで被験者の重心位置が異なるため、どの3点で荷重を支えるかは不定である。荷重センサ602は、一定の荷重にかかっていないと正確に離床の判別検出をできないことから、離床の波形を正しく検出できるのは、3つの荷重センサ602である。加重がかかっていない1つの荷重センサ602は、離床波形が乱れるので、ノイズとなり判断精度を低下させる。つまり、波形判断をして、荷重センサ602を選択することが、精度の良い波形検出に繋がり、精度の良い離床タイミングを検出できる。
次いで、合波部5052は、センサ選択部5051で選択された3つの荷重センサ602の波形を合波する(ステップS26)。ベッド601の荷重センサ602は、1つでは、外部要因などでも変化が発生しやすい。また、1つの荷重センサ602では、寝返りなのか、離床なのか、判断が難しい場合がある。そこで、合波部5052が、3か所の荷重センサ602の波形を合波することで、その検知が容易になる。
合波部5052による合波によって、さらに様々なノイズを除去することが可能となり、離床タイミング検出精度が向上する。ノイズには冷蔵庫の振動や、PC(Personal Computer)などのファンによる振動など、ある1つの荷重センサ602のみに不定期に乗る振動がある。このようなノイズは、合波部5052による合波によって、その影響を低減できる。
ピーク検出部505は、合波部5052によって合波した波形におけるピークの振幅によって、離床したか否かの最終判断を行う(ステップS27)。
ピーク検出部505は、ピーク検知がなされない場合には(ステップS27のNo)、再度、データ取得のループ(ステップS21)に戻る。このループは、5sec程度で回っていれば、離床の検知としては十分であるが、この回転が速いほど、介護者の対応が早くなる。波形分析のために適当な時間期間の波形が必要なため、早くとも500msec程度のループが適切である。
ピーク検出部505は、ピーク検知がされた場合には(ステップS27のYes)、離床アラームを発報する(ステップS28)。離床アラームは、介護者が携帯している端末610に情報が送信される。このアラームで介護者は被介護者の部屋を訪問して、車いすへの移行などの離床介助やトイレ介助などを行う。
一般的には、このベッドセンサシステム600は、被介護者が在籍している場合には、常に動作しておく。ベッドセンサシステム600は、被介護者が退所するなどしたときに(ステップS29のYes)、ベッドセンサシステム600を終了する。
本変形例1では、波形データによるセンサの選別を行っている。つまりはノイズの大きいセンサや信号が表れていないセンサを除外することが可能となっている。このような除外すべきセンサとして、変形例1に記載したベッド601の4脚のそれぞれの脚に設置された4つの荷重センサ602の内、例えば、荷重のかかっていない1つの荷重センサ602はノイズが大きく、イベント波形が表れにくいセンサとなる場合がある。このように選別された荷重センサ602の合波波形は、ノイズが低減され、自動検出の精度も向上する。精度の高い自動検出をすることで、その結果を、図10に示すインターフェースのように、ブザー音を発報することや、視認性の高い表示マーカーを示すことができる。これは単に波形の視認性が向上したことよりも、ユーザの注意を向けさせて判断の正確さや容易さが向上する。
上述の各実施形態において、生体信号計測システム1の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の実施形態に係る生体信号計測システム1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
また、上述の各実施形態の生体信号計測システム1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
また、上述の各実施形態の生体信号計測システム1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施形態の生体信号計測システム1で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUがROM等からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
50 情報処理装置
107 表示手段
505 抽出手段、決定手段、波形合算手段、表示制御手段
特開2009-118910号公報

Claims (6)

  1. 少なくとも1つ以上の波形データの中から、任意の一定時間内のピーク候補を、既定のパターンマッチングにより抽出する抽出手段と、
    前記波形データのピーク候補の中から、前記パターンマッチングにかかるスコアによって一つのピークを決定する決定手段と、
    前記ピークの位置を表示するための表示情報を出力する表示制御手段と、
    前記表示情報を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記抽出手段で抽出された波形データの同一時間区間の波形データを合波した合波データを生成する波形合算手段と、
    を備える請求項1に記載の情報処理装置。
  3. コンピュータを、
    少なくとも1つ以上の波形データの中から、任意の一定時間内のピーク候補を、既定のパターンマッチングにより抽出する抽出手段と、
    前記波形データのピーク候補の中から、前記パターンマッチングにかかるスコアによって一つのピークを決定する決定手段と、
    前記ピークの位置を表示するための表示情報を出力する表示制御手段と、
    前記表示情報を表示する表示手段と、
    として機能させるためのプログラム。
  4. 前記コンピュータを、
    前記抽出手段で抽出された波形データの同一時間区間の波形データを合波した合波データを生成する波形合算手段として、
    機能させるための請求項3に記載のプログラム。
  5. 情報処理装置を制御する情報処理方法であって、
    少なくとも1つ以上の波形データの中から、任意の一定時間内のピーク候補を、既定のパターンマッチングにより抽出する抽出工程と、
    前記波形データのピーク候補の中から、前記パターンマッチングにかかるスコアによって一つのピークを決定する決定工程と、
    前記ピークの位置を表示するための表示情報を出力する表示制御工程と、
    前記表示情報を表示する表示工程と、
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  6. 前記抽出工程で抽出された波形データの同一時間区間の波形データを合波した合波データを生成する波形合算工程を含む、
    ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理方法。
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