JP2023018980A - 光検出器および測距装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023018980000001
【課題】大型化を抑制し、かつ高速に光の検出を可能とする光検出器および測距装置を提供する。
【解決手段】入射光を検出する光検出器であって、前記入射光を導光する導光部と、前記導光部により導光された前記入射光を偏向させる偏向部と、前記偏向部により偏向された前記入射光のうち一部を検出する受光部と、を備え、前記偏向部は、前記入射光を偏向させる複数の光偏向素子を含む光偏向素子群を複数有し、前記光偏向素子群は、前記複数の光偏向素子が互いに電気的に並列に接続されて構成され、前記光偏向素子群が有する前記複数の光偏向素子は、パッシブマトリクス駆動により、同時に偏向動作を行い、複数の前記光偏向素子群は、時間経過と共に同時または順番に前記偏向動作を行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、光検出器および測距装置に関する。
近年、自動運転の自動車向けにLIDAR(Light Detection And Ranging)と称する測距装置の開発が進んでいる。このLIDARにおいては、時速100[km/h]程度の車速で走行する場合、安全上300[m]程度先までの物体との距離を正確に測定する必要があり、その方法として直接TOF(Time Of Flight)方式が主流である。直接TOF方式とは、コヒーレントなレーザ光を、検出する方向に放射し、物体に衝突し反射してきたレーザ光をレンズを経由してフォトダイオード等の受光部に入射させ、放射から検出までの時間と光速とから物体までの距離を測定する方式であり、広範囲かつ長距離を高精度かつ高速に測定することが求められる。直接TOF方式を用いた測距装置は、機械的に360[°]水平面で回転させ、垂直方向に測定系を複数積層する構成が一般的である。
しかし、今までの測距装置では、垂直方向に積層する測定系の個数はその大きさに起因して制約があるため縦方向では十分な解像度が得られないという課題があり、かつ該測定系を多数積層した場合には機器の小型化が困難となる課題があった。さらに、機械的に360°回転させる機構の耐久性を確保しなければならず、かつ耐震性を考慮した構造にしなければならないという課題があった。
このような縦方向の解像度、および機械的な耐久性の課題を解決するための技術として、検出器の信号対雑音比を大幅に高めることを目的として、偏向アレーに撮像光学系による画像情報を直前に入力させて視野中の各点に対応する2次元アレー内で動作させる画素を決定し、オン動作させた画素からの反射光をフォトダイオードへ向けることと、オフ動作させた画素からの反射光をフォトダイオードから離れた吸光板に向けることを特徴とし、かつ当該フォトダイオードは感光画素が2次元に配列したアレーからなる感光部材すなわちフォトダイオードアレーであり、2次元の光偏向アレーから得られた2次元配列の検出光をそのまま2次元のフォトダイオードアレーで検出するという構成が開示されている(例えば特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載された技術では、撮像した画像情報を書き込むための、各画素直下に配置された複数のトランジスタ等を有する構造が必要となり、各画素の動作情報を書き込むための時間が必要であるため、高速動作が困難であるという課題がある。また、光偏向アレーから得られた2次元の反射光はそのまま2次元のフォトダイオードアレーに入射させるため、大型で高性能なフォトダイオードアレーが必要となるという課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大型化を抑制し、かつ高速に光の検出を可能とする光検出器および測距装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、入射光を検出する光検出器であって、前記入射光を導光する導光部と、前記導光部により導光された前記入射光を偏向させる偏向部と、前記偏向部により偏向された前記入射光のうち一部を検出する受光部と、を備え、前記偏向部は、前記入射光を偏向させる複数の光偏向素子を含む光偏向素子群を複数有し、前記光偏向素子群は、前記複数の光偏向素子が互いに電気的に並列に接続されて構成され、前記光偏向素子群が有する前記複数の光偏向素子は、パッシブマトリクス駆動により、同時に偏向動作を行い、複数の前記光偏向素子群は、時間経過と共に同時または順番に前記偏向動作を行うことを特徴とする。
本発明によれば、大型化を抑制し、かつ高速に光の検出を可能とする。
図1は、一般的な光検出器を説明する図である。 図2は、一般的な光検出器の構成の一例を示す図である。 図3は、従来の光検出器の構成の一例を示す図である。 図4は、DMDの光偏向素子の断面の概略を示す図である。 図5は、実施形態に係る測距装置の構成の一例を示す図である。 図6は、実施形態に係る測距装置の光偏向素子の上面図および断面図である。 図7は、実施形態に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作の一例を説明する図である。 図8は、実施形態に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作のタイミングチャートの一例を示す図である。 図9は、実施形態に係る測距装置の測距動作の流れの一例を示すフローチャートである。 図10は、変形例1に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作の一例を説明する図である。 図11は、変形例2に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作の一例を説明する図である。 図12は、変形例2に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作のタイミングチャートの一例を示す図である。 図13は、変形例3に係る測距装置においてレーザ強度を変える動作を示すタイミングチャートの一例を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る光検出器および測距装置の実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
(従来の光検出器について)
図1は、一般的な光検出器を説明する図である。図2は、一般的な光検出器の構成の一例を示す図である。図1および図2を参照しながら、一般的な検出器の構成について説明する。
図1において、測距装置101は、一般的な測距装置であり、物体102~105は、それぞれ空間に存在する測距対象となる物体を示している。測距装置101は、物体102~105等の外界の物体との距離を測定する装置である。測距装置101は、それぞれ距離が異なる場所に存在する物体102~105との距離を同時に、または順次に測定する。
図2に示すように、測距装置101は、例えば、レーザ光源201と、整形レンズ202と、ポリゴンミラー203と、レンズ204と、結像レンズ205と、受光器206と、を備えている。
レーザ光源201は、例えば近赤外線のレーザ光を放射する光源である。整形レンズ202は、レーザ光源201から放射されたレーザ光をコヒーレントなレーザ光に整形するレンズである。ポリゴンミラー203は、整形レンズ202により整形されたレーザ光を水平方向(例えば120[°]~360[°]の範囲)に走査するように反射させて、レンズ204へ向かわせる部材である。レンズ204は、ポリゴンミラー203により反射されたレーザ光を測距装置101外部へ放射させるレンズである。このように、レンズ204から放射したレーザ光は、外界に存在する物体で反射し、反射光として測距装置101に入射する。
結像レンズ205は、外界から入射した物体からの反射光を受光器206に結像させるレンズである。受光器206は、結像レンズ205を透過した反射光を同時にまたは順次に検出する部材である。測距装置101は、受光器206により検出された反射光によって、各物体との距離を測定し、水平方向、垂直方向および奥行き方向の3次元の情報を取得する。
以上のような測距装置101は、広範囲の測距データを高解像度でできるだけ高速に検出することが望まれており、かつ小型で安価であることが望まれているが、現状では非常に高価で大規模な機器となる課題を有している。
図3は、従来の光検出器の構成の一例を示す図である。図4は、DMDの光偏向素子の断面の概略を示す図である。次に、図3および図4を参照しながら、例えば米国特許出願公開第2017/0357000号明細書等に記載された従来の光検出器の構成について説明する。
光検出器101aは、物体111、112等の外界の物体からの反射光を入射して検出する装置である。反射光は、図1に示したように、何らかのレーザ光源から放射された場合の反射光であってもよい。図3に示すように、光検出器101aは、結像レンズ211と、DMD(Digital Micromirror Device)212と、結像レンズ213と、受光器214と、を備えている。
結像レンズ211は、外界から入射した物体からの反射光をDMD212に結像させるレンズである。DMD212は、可動式の微小なミラー(図4に示す光偏向素子212a)を、集積回路の基板の上に多数2次元配列した光偏向アレーである。結像レンズ213は、DMD212における光偏向素子212aのオン動作により反射された光を、受光器214へ結像させるレンズである。受光器214は、DMD212におけるオン動作した光偏向素子212aで反射した光であって、結像レンズ213を透過した光を検出するフォトダイオードアレーである。遠方の物体を測距するためには、受光器214について、通常のフォトダイオードよりも、少ない光子を計測することに適したアバランシェフォトダイオードを用いることが望ましい。
光検出器101aは、外界の物体に対する画像情報を、DMD212による検出の直前に取得して、DMD212の各光偏向素子212aのうち、オン動作させる光偏向素子212aと、オフ動作させる光偏向素子212aとを決定する。この際、各光偏向素子212aのオン/オフ動作の情報を記憶しておくことが必要となる。そして、光検出器101aのDMD212は、オン動作させるものと決定した光偏向素子212aのみをオン動作させて、結像レンズ211からの反射光を、結像レンズ213へ向けて反射させる。これにより、光検出器101aは信号対雑音比を向上させることができるものとしている。
ここで、DMD212の光偏向素子212aの構成について、図4を参照しながら説明する。光偏向素子212aは、図4に示すように、ミラー構成部301と、SRAM(Static Random Access Memory)302と、を有する。
ミラー構成部301は、SRAM302の上に積層され、捩じり梁によりミラー部材の角度を変える構成を有する。SRAM302は、上述のように、当該光偏向素子212aのオン/オフ動作の情報を記憶するための、P型トランジスタ、N型トランジスタおよび多層配線等を含む記憶部分である。光偏向素子212aは、このような構成を備えることよって、SRAM302に記憶されたオン/オフ情報に従ってミラー構成部301のミラー部材を可動させる。
以上のような光検出器101aにおいては、上述のように、外界の物体に対する画像情報を、DMD212による検出の直前に取得して、当該画像情報に基づいて、オン動作させる光偏向素子212aを特定することになるが、例えば、上述の米国特許出願公開第2017/0357000号明細書では、どのような方法で特定するのかが必ずしも明確ではない。また、光検出器101aにおいては、測距動作時に毎回画像情報を読み込みことが必要となるが、当該画像情報が取得できない等の予測できない場合に対応するための動作が明確でない。また、光検出器101aにおいては、撮像した画像情報を書き込むための、DMD212の各画素直下に配置された複数のトランジスタ等を有する構造が必要となるため複雑な構成とならざるを得ず、コストが高くなり、各画素の動作情報を書き込むための時間が必要であるため、高速動作が困難であるという課題がある。また、光偏向素子212aは、捩じり梁型で可動する構成であるため、反射方向の変位において梁の復元力および残留振動が発生するため、偏向時間が長くかかり高速動作が困難であるという課題がある。また、オン動作する光偏向素子212aを特定した後に測距動作を行っているので、特定した後に測距を行っているので、特定したタイミングよりも少し時間がずれたタイミングでの測距データが得られるという不具合もある。また、光偏向アレーとしてのDMD212から得られた2次元の反射光はそのまま2次元のフォトダイオードアレーである受光器214に入射させるため、大型で高性能なフォトダイオードアレーが必要となるという課題がある。
以下では、上述の課題を解決することができる本実施形態に係る測距装置1の構成および動作について説明する。
(測距装置の構成)
図5は、実施形態に係る測距装置の構成の一例を示す図である。図6は、実施形態に係る測距装置の光偏向素子の上面図および断面図である。図5および図6を参照しながら、本実施形態に係る測距装置1の構成について説明する。
図5に示すように、測距装置1は、レーザ光源11(光源)と、整形レンズ12と、光走査装置13(光走査部)と、反射ミラー14(光学系の一例)と、垂直方向拡大レンズ15(光学系の一例)と、結像レンズ16(導光部)と、光偏向アレー17(偏向部)と、吸光板18(吸光部)と、結像レンズ19と、受光器20(受光部)と、コントローラ21と、を備えている。
レーザ光源11は、例えば近赤外線のパルス状のレーザ光を放射する光源である。
整形レンズ12は、レーザ光源11から放射されたレーザ光をコヒーレントなレーザ光に整形するレンズである。
光走査装置13は、整形レンズ12により整形されたレーザ光を水平方向(第1方向の一例)に走査するように反射させて、反射ミラー14へ向かわせる部材である。なお、光走査装置13によるレーザ光の走査方向は、水平方向に限定されるものではない。
反射ミラー14は、光走査装置13により反射されたレーザ光を、垂直方向拡大レンズ15へ向けて反射するミラー部材である。
垂直方向拡大レンズ15は、反射ミラー14により反射されたレーザ光を、垂直方向に拡大して測距装置1の外部へ放射させるレンズである。このように、垂直方向拡大レンズ15から放射したレーザ光は、外界に存在する物体で反射し、反射光(検出光)として測距装置1に入射する。なお、垂直方向拡大レンズ15によるレーザ光の拡大方向は、光走査装置13によるレーザ光の走査方向(例えば水平方向)に直交する方向に限定されるものではなく、少なくとも当該走査方向に交差する方向であればよい。
結像レンズ16は、外界から入射した物体からの反射光(入射光)を導光して光偏向アレー17に結像させるレンズである。
光偏向アレー17は、図6に示す光偏向素子17aを2次元配列した光偏向アレーである。光偏向アレー17は、複数の光偏向素子17aのうち任意の光偏向素子17aが互いに電気的に並列に接続された光偏向素子群を複数形成し、光偏向素子群を構成する各光偏向素子17aについてはパッシブマトリクス駆動により同時に光偏向動作を行わせ、各光偏向素子群を時間の経過と共に同時または順番に光偏向動作を行わせる。光偏向素子群は、パッシブマトリクス駆動により、外部信号(コントローラ21からの信号等)により直接駆動される。このように、光偏向アレー17のいずれかの光偏向素子群に対するパッシブマトリクス駆動によるオン動作により、当該光偏向素子群を構成するいずれかの光偏向素子17aに入射した、結像レンズ16からの反射光は、当該光偏向素子17aにより結像レンズ19へ向かうON光として反射(偏向)される。オン動作が行われた光偏向装置群によりON光として反射された光は纏められるか分別され、受光器20において同時に検出されることとなる。また、一方、オフ動作となっている光偏向素子群を構成するいずれかの光偏向素子17aに入射した結像レンズ16からの反射光は、当該光偏向素子17aにより吸光板18へ向かうOFF光として反射(偏向)される。
吸光板18は、光偏向アレー17によりOFF光として反射された光を吸光する部材である。
結像レンズ19は、光偏向アレー17により反射されたON光を受光器20に結像させるレンズである。
受光器20は、結像レンズ19を透過したON光を順次に検出(受光)する1~数個のフォトダイオード(受光素子の一例)である。なお、フォトダイオードに限定されるものではなく、例えばアバランシェフォトダイオード(受光素子の一例)で構成されるものとしてもよい。
コントローラ21は、測距装置1の動作全体を制御する制御装置である。コントローラ21は、例えば、レーザ光源11によるレーザ光の放射動作、光走査装置13による走査動作、および、光偏向アレー17による光偏向素子群のオン/オフ動作を実行する。また、コントローラ21は、レーザ光源11によりレーザ光が放射されてから受光器20によりON光が検出されるまでの時間と光速とから、物体の点までの距離を測定し、その距離情報を用いて3Dマップ(三次元画像)を生成する。
以上のような測距装置1の構成とすることにより、外界の物体に対する距離の測定を時間経過と共に1点ずつ順次に行うことができる。なお、受光器20のフォトダイオードを数個とした場合、複数点での距離の測定を同時に行うことも可能である。
なお、測距装置1のうち、結像レンズ16、光偏向アレー17、吸光板18、結像レンズ19、受光器20およびコントローラ21の構成部分を抽出した場合、外界から入射した光を順次に検出する光検出器の一例と捉えることもでき、測距装置1自体についても当該構成部分だけを考えた場合、光検出器の一例と捉えることもできる。
次に、光偏向アレー17の光偏向素子17aの構成の詳細について説明する。
図6に示すように、光偏向素子17aは、基板31と、配線32と、絶縁膜33と、接続孔34と、電極35a、35bと、接触部材36と、支点部材37と、板形状部材38と、柱39と、笠形状部材40と、を有する。図6(b)は、図6(a)におけるA-A’断面図である。
基板31は、平面状部分を有する板形状部材である。配線32は、図6(a)に示すように、基板31上に互いに平行に並設された導体で形成された複数の配線である。絶縁膜33は、図6(b)に示すように、基板31上に配置された配線32を絶縁して保護するとともに、平坦化するための膜である。
接続孔34は、図6(b)に示すように、絶縁膜33を貫通して、電極35aと任意の配線32とを電気的に接続し、電極35bと任意の配線32とを電気的に接続する部材である。この接続孔34によって、電極35a、35bと任意の配線32とが電気的に接続されることにより異なる光偏向素子17aと電気的に接続され、上述したように、任意の光偏向素子17aを互いに電気的に並列に接続された光偏向素子群が形成される。
電極35a、35bは、絶縁膜33上に支点部材37に対して対称となるように配置された電極である。上述したように、電極35a、35bは、接続孔34によってそれぞれ任意の配線32に電気的に接続されている。
接触部材36は、図6(b)に示すように、支点部材37に対して電極35a、35bの反対側の絶縁膜33上に配置された部材であり、板形状部材38が傾斜したときに接触させる部材である。
支点部材37は、基板31の平面状部分の電極35aと電極35bとの間に複数(図6(a)の例では2つ)配置され、板形状部材38の反射面と反対側の面に接離自在に接触し、当該板形状部材38の傾斜動作の支点となる部材である。
板形状部材38は、電極35a、35bに対向する態様で、支点部材37に接離自在に支持され、支点部材37に接触した面とは反対側の面が、検出光を反射する高反射率の反射面となっており、支点部材37に接触した面の少なくとも一部に電極35a、35bと対向した導電性領域を含む板形状の弾性部材である。
柱39は、基板31の平面状部分、かつ、複数の支点部材37の支点を結ぶ線上の板形状部材38の当該線方向の端部側にそれぞれ配設されることにより板形状部材38の配置を規制する柱形状部である。笠形状部材40は、それぞれの柱39の基板31と反対側の端部に設置された笠形状の部材であり、板形状部材38の上述の線方向の端部の一部を覆うことによって板形状部材38の配置を規制し飛び出しを防止する部材である。ただし、板形状部材38と笠形状部材40との間には、板形状部材38の傾斜動作が自在に行われるように空隙が設けられている。
以上のように、光偏向素子17aでは、上述の図4に示した光偏向素子212aのように、トランジスタ等を含むSRAM302に相当する部分がなく、ミラー構成部301に相当する部分の構成のみとなっている。このため、光偏向素子17aを有する光偏向アレー17は、従来のDMD212と比較して、作製の工数を大幅に削減することができ、歩留まりがよく、容易に作製することができる。
また、以上のような光偏向素子17aの構成によって、図6(a)に示す矢印方向に冷光偏向動作が行われる。具体的には、板形状部材38は、支点部材37、接触部材36および笠形状部材40との接触により傾斜角度が決定され、電極35a、35bへの印加電圧により傾斜方向が定まる。すなわち、板形状部材38は、電極35a、35bに対する印加電圧の状態によって、図6(b)に示すように、検出光をON光として反射するように傾斜動作を行い、または検出光をOFF光として反射するように傾斜動作を行う。このように、光偏向素子17aは、上述のDMD212の光偏向素子212aのように捩じり梁における復元力を持たないので、高速に光偏向動作を行うことができる。
(光偏向素子群のパターンの切り替え動作)
図7は、実施形態に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作の一例を説明する図である。図8は、実施形態に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作のタイミングチャートの一例を示す図である。図7および図8を参照しながら、オン動作させる光偏向素子群のパターンの切り替え動作について説明する。なお、図7および図8では、測距装置1において、水平視野角120[°]、垂直視野角20[°]、検出レート5[Hz]、測距距離300[m]まで、水平画素数1200点、垂直画素数40点で検出するものとする。ここで、検出レートとは、光偏向アレー17の画素(光偏向素子17a)のすべてで検出された場合を1回とした場合の処理レートである。また、図7に示す光偏向アレー17の画素数は、簡易的に説明するために、上述の水平および垂直の画素数と同一になっていないことを付言しておく。
図7では、光偏向アレー17における光偏向素子群として、各水平方向(第2方向の一例)に並んだ画素(光偏向素子17a)を電気的に並列に接続して形成した例を示す。図7に示す光偏向アレー17のうち各セルが各光偏向素子17aに相当し、光偏向アレー17の全域が外界の測定空間の全域に対応する。そして、複数の光偏向素子群のうちどの光偏向素子群をオン動作させるかのパターンについて、図7ではパターン(1)~パターン(40)があるものとしている。具体的には、パターン(1)では、図7の紙面視の上から1番目の水平方向の光偏向素子群をオン動作(他の光偏向素子群はオフ動作とする。以下も同様である。)させた状態を示し、パターン(2)では、2番目の水平方向の光偏向素子群がオン動作させた状態を示す。同様に、パターンを規定し、最後のパターン(40)では、図7の紙面視の一番下の水平方向の光偏向素子群をオン動作させた状態を示す。また、図7では、外界の物体から反射された反射光(検出光)が光偏向アレー17の左から3番目の垂直方向の画素列(入射光領域ILA)に入射している状態を示している。これは、上述したように、垂直方向拡大レンズ15により垂直方向に拡大されたレーザ光が外部へ放射されるため、当該レーザ光についての物体からの反射光も、垂直方向に拡大された検出光として測距装置1に入射するためである。なお、光偏向素子群に含まれる各光偏向素子17aの配列方向は、水平方向に限定されるものではなく、他の方向であってもよい。
このように規定された各パターンについて、例えば、図7に示すように、入射光領域ILAに検出光が入射している状態において、コントローラ21は、パターン(1)からパターン(40)までを順次切り替える。この場合、各パターンでオン動作している光偏向素子群と入射光領域ILAとが交差する画素である検出点DPで反射されたON光が受光器20で検出されることになる。この場合、受光器20は、単一のフォトダイオードまたはアバランシェフォトダイオードで構成されるものとしてもよい。すなわち、コントローラ21は、当該タイミングにおいて受光器20で検出された光が、当該パターンでオン動作している光偏向素子群と入射光領域ILAとが交差する画素からのON光であることが認識できるので、当該ON光に対応する物体の点までの距離情報として用いることにより、最終的に3Dマップを生成することができる。
一方、入射光領域ILAのうち検出点DP以外の領域で反射された反射光(検出光)は、当該領域に対応する光偏向素子17aはオフ動作の状態となっているので、OFF光として吸光板18へ向かい、吸光板18で吸光される。これによって、反射光(検出光)のうちON光以外の光が、測距装置1内を迷光として残存することを抑制することができる。
すなわち、従来技術のDMD212のように、外界の物体に対する画像情報を検出の直前に取得して、各光偏向素子212aのオン/オフ動作の情報を直下のトランジスタ等の素子に記憶させておく必要がなく、本実施形態に係る測距装置1の光偏向アレー17では、予め決められた任意のパターンに対応する光偏向素子群のオン動作により、受光器20へ反射させる反射光束を形成する。
ここで、図8に、各パターンの切り替えのタイミングチャートを示す。水平方向の解像度(水平画素数)から算出される、特定の入射光領域ILAあたりの検出時間、すなわちパターン(1)~パターン(40)の全体の検出時間は、166.7[μsec]である。これを垂直方向に40分割し、40個のパターンそれぞれにおける検出時間は、等しい時間であることが望ましいので、1画素の検出時間は、図8に示すように、4[μsec]となる。ここで、例えば300[m]までの測距に要する時間は、最大で2[μsec]であるので十分検出が可能となり、高速な検出が可能となる。これに対して、上述の従来技術におけるDMD212に代表される捩じり梁型のデバイスでは、変位後の残留振動があるため、上述のような短時間での光偏向動作は困難である。
なお、オン動作させる光偏向素子群における光偏向素子17aの接続構成、および、各パターンにおいてどの光偏向素子群をオン動作させるかについては、図7に示した構成に限定されるものではなく、光検出動作または測距動作の仕様に応じて任意に決定することが可能である。また、光偏向アレー17の画素数、および光偏向アレー17内の光偏向素子17aに大きさ等についても、測距装置1の仕様に応じて任意に決定することが可能である。
(測距装置の測距動作の流れ)
図9は、実施形態に係る測距装置の測距動作の流れの一例を示すフローチャートである。図9を参照しながら、本実施形態に係る測距装置1の測距動作の流れについて説明する。
<ステップS11>
レーザ光源11は、コントローラ21による制御に従って、赤外線等のパルス状のレーザ光を放射する。そして、レーザ光源11から放射されたレーザ光は、整形レンズ12によりコヒーレントなレーザ光に整形される。そして、ステップS12へ移行する。
<ステップS12>
光走査装置13は、コントローラ21による制御に従って、整形レンズ12により整形されたレーザ光を、特定の水平方向に走査した状態で反射させて、反射ミラー14へ向かわせる。そして、反射ミラー14は、光走査装置13により反射されたレーザ光を、垂直方向拡大レンズ15へ向けて反射する。そして、ステップS13へ移行する。
<ステップS13>
垂直方向拡大レンズ15は、反射ミラー14により反射されたレーザ光を、垂直方向に拡大して測距装置1の外部へ放射させる。そして、ステップS14へ移行する。
<ステップS14>
垂直方向拡大レンズ15から放射したレーザ光は、外界に存在する物体で反射し、反射光(検出光)として測距装置1に入射する。そして、ステップS15へ移行する。
<ステップS15>
結像レンズ16は、外界から入射した物体からの反射光を光偏向アレー17に結像させる。そして、ステップS16へ移行する。
<ステップS16>
光偏向アレー17は、コントローラ21による制御に従って、特定にパターンに対応する光偏向素子群をパッシブマトリクス駆動によりオン動作させて、オン動作している光偏向素子群と、反射光(検出光)が入射している入射光領域とが交差する画素(光偏向素子17a)により、当該反射光をON光として受光器20へ向かわせる。そして、ステップS17へ移行する。
<ステップS17>
光偏向アレー17により反射されたON光は、結像レンズ19により受光器20に結像される。そして、受光器20は、結像レンズ19を透過したON光を検出する。そして、コントローラ21は、レーザ光源11によりレーザ光が放射されてから受光器20により当該ON光が検出されるまでの時間と光速とから、物体の点までの距離を測定する。そして、ステップS18へ移行する。
<ステップS18>
まだ切り替えらえていないパターンがある場合(ステップS18:Yes)、ステップS19へ移行し、すべてのパターンの切り替えが終了した場合(ステップS18:No)、ステップS20へ移行する。
<ステップS19>
光偏向アレー17は、コントローラ21による制御に従って、次に切り替えるべきパターンに切り替える。このようなパターンの切り替えは、上述のような光偏向素子17aの構成に基づく高速な光偏向動作によって、高速に実行することが可能である。そして、ステップS16へ移行する。
<ステップS20>
コントローラ21は、反射光(検出光)が入射している光偏向アレー17の入射光領域に対応する画素(垂直1列の画素)に対応する、測距された距離情報を得る。そして、ステップS21へ移行する。
<ステップS21>
光偏向アレー17における入射光領域の水平方向の走査が全領域で完了した場合(ステップS21:Yes)、ステップS22へ移行し、完了していない場合(ステップS21:No)、光走査装置13によるレーザ光の水平方向の走査により、光偏向アレー17の次の入射光領域へ走査させるために、ステップS12へ戻る。
<ステップS22>
コントローラ21は、光偏向アレー17の各画素(光偏向素子17a)に対応する距離情報を用いて3Dマップを生成する。
以上のステップS1~ステップS22の流れで、測距装置1による測距動作が実行される。すなわち、レーザ光源11、整形レンズ12、光走査装置13、反射ミラー14および垂直方向拡大レンズ15を含む送信器としての構成と、結像レンズ16、光偏向アレー17、吸光板18、結像レンズ19および受光器20を含む受信器(光検出器)としての構成とが、同期を取りながら、外界の測定空間内の全点に対する測距動作が可能となる。
以上のように、本実施形態に係る測距装置1では、結像レンズ16は、入射光を導光し、光偏向アレー17は、結像レンズ16より導光された入射光を偏向させ、受光器20は、光偏向アレー17により偏向された入射光のうち一部を検出し、光偏向アレー17は、入射光を偏向させる複数の光偏向素子17aを含む光偏向素子群を複数有し、光偏向素子群は、複数の光偏向素子17aが互いに電気的に並列に接続されて構成され、光偏向素子群が有する複数の光偏向素子17aは、パッシブマトリクス駆動により、同時に偏向動作を行い、複数の光偏向素子群は、時間経過と共に同時または順番に偏向動作を行うものとしている。これによって、従来のように複数の測定系となる検出器を垂直方向に積層する必要がなく、画像情報を記憶させておく必要もないため、当該画像情報を入力する時間も不要となるため、大型化を抑制し、かつ高速に光の検出が可能となる。また、画像情報を書き込むための、DMD212ように各画素直下に配置された複数のトランジスタ等を有する構造が不要であるため、簡易な構造とすることができる。また、パッシブマトリクス駆動としていることにより、外部から画素ごとに駆動する信号が不要となるため、コントローラの構成が簡易になる。また、複数の光偏向素子17aを並列に接続して同時に光偏向動作を行わせるため、電圧印加用のパッド数を低減することができる。
また、本実施形態に係る測距装置1では、光偏向素子17aは、基板31は、平面状部分を有し、板形状部材38は、入射光を偏向する偏向面を有し、支点部材37は、平面状部分に突設され、板形状部材38の偏向面と反対側の面に接離自在に、板形状部材38の傾斜動作の支点となるものとし、笠形状部材40は、板形状部材38の配置を規制し、板形状部材38との間に空隙が設けられることにより板形状部材38の傾斜動作を自在に可能とし、複数の電極35a、35bは、平面状部分に、支点部材に対して対称に配置され、板形状部材38は、板形状部材38の反射面の反対側の面において複数の電極35a、35bに対向する導電性領域を含むものとしている。これによって、上述のDMD212の光偏向素子212aのように捩じり梁における復元力を持たないので、高速に光偏向動作を行うことができる。
また、本実施形態に係る光偏向素子17aでは、受光器20は、単一の受光素子としている。これによって、複数の測定系となる検出器を垂直方向に積層する必要がなくなるため、大型化を抑制することができる。
(変形例1)
変形例1に係る光検出器の一例としての測距装置1について、上述の実施形態に係る測距装置1と相違する点を中心に説明する。
図10は、変形例1に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作の一例を説明する図である。図10を参照しながら、本変形例におけるオン動作させる光偏向素子群のパターンの切り替え動作について説明する。
図10では、光偏向アレー17における光偏向素子群として、3×3の9つの画素(光偏向素子17a)を電気的に並列に接続して形成した例を示す。図10に示す光偏向アレー17のうち各セルが各光偏向素子17aに相当し、光偏向アレー17の全域が外界の測定空間の全域に対応する。そして、複数の光偏向素子群のうちどの光偏向素子群をオン動作させるかのパターンについて、図10ではパターン(1)~パターン(40)があるものとしている。すなわち、各パターンにおいて、異なる3×3の9つの画素(光偏向素子17a)が電気的に並列に接続された光偏向素子群を対応させている。なお、40のパターン数は仮に示したものであり、実際には、光偏向素子群に含まれる光偏向素子17aの数、および光偏向アレー17全体の水平および垂直方向の画素数に応じて定まるものである。また、光偏向素子群についても、3×3の9つの画素に限定されるものではなく、水平方向および垂直方向に異なる画素数の画素群により光偏向素子群が形成されるものとしてもよい。
このように規定された各パターンについて、図10に示すようにコントローラ21は、パターン(1)からパターン(40)までを順次切り替える。測距装置1の送信器からのレーザ光の放射動作の仕様については、このような各パターンの構成に依存するものであり、当該パターンの構成に応じて決定するものとすればよい。上述の実施形態と同様に、各パターンでオン動作している光偏向素子群と入射光領域とが重なる画素である検出点で反射されたON光が受光器20で検出されることになる。すなわち、コントローラ21は、当該タイミングにおいて受光器20で検出された光が、当該パターンでオン動作している光偏向素子群と入射光領域とが重複する画素からのON光であることが認識できるので、当該ON光に対応する物体の点までの距離情報として用いることにより、最終的に3Dマップを生成することができる。なお、この場合、1つのフォトダイオードで構成された受光器20で検出されることに限定されるものではなく、数個のフォトダイオードで構成された受光器20で検出されるものとしてもよい。
以上のような変形例1に係る測距装置1においても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
(変形例2)
変形例2に係る光検出器の一例としての測距装置1について、上述の実施形態に係る測距装置1との相違点を中心に説明する。
図11は、変形例2に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作の一例を説明する図である。図12は、変形例2に係る測距装置においてオン動作させる光偏向素子群のパターンを切り替える動作のタイミングチャートの一例を示す図である。図11および図12を参照しながら、本変形例におけるオン動作させる光偏向素子群のパターンの切り替え動作について説明する。
図11では、光偏向アレー17における光偏向素子群として、中央部分の画素群(光偏向素子17a群)を電気的に並列に接続して形成した領域R1、当該領域R1の外側に位置する画素群を電気的に並列に接続して形成した領域R2、さらに、当該領域R2の外側に位置する画素群を電気的に並列に接続して形成した領域R3、というように構成される。そして、本変形例の特徴としては、上述の実施形態および変形例1の場合のように、1つのパターンに1つの光偏向素子群を対応させているのではなく、1つのパターンに1以上の光偏向素子群を対応させている点である。例えば、パターン(2)では、領域R1、R2の2つの光偏向素子群を対応させ、パターン(3)では、領域R1~R3の3つの光偏向素子群を対応させている。さらに、パターン(18)では、領域R1~R3に加えて、間のパターン(4)~(17)で層状的に追加されていった複数の光偏向素子群を含む領域R11を対応させている。パターン(19)では、領域R1~R3、R11に加えて、領域R11の外側に位置する画素群を電気的に並列に接続して形成した1または複数の光偏向素子群を含む領域R12を対応させている。さらに、パターン(20)では、領域R1~R3、R11、R12に加えて、領域R12の外側に位置する画素群を電気的に並列に接続して形成した1または複数の光偏向素子群を含む領域R13を対応させている。
すなわち、上述の実施形態および変形例1で説明したパターン構成は、カメラでいうところのローリングシャッタの効果を目的とした構成であるのに対し、本変形例のパターン構成は、カメラでいうところの猫の目絞りの効果を目的とした構成である。なお、20のパターン数は仮に示したものであり、実際には、光偏向素子群に含まれる光偏向素子17aの数、および光偏向アレー17全体の水平および垂直方向の画素数に応じて定まるものである。
このように規定された各パターンについて、図11に示すようにコントローラ21は、パターン(1)からパターン(20)までを順次切り替える。測距装置1の送信器からのレーザ光の放射動作の仕様については、このような各パターンの構成に依存するものであり、当該パターンの構成に応じて決定するものとすればよい。上述の実施形態と同様に、各パターンでオン動作している光偏向素子群と入射光領域とが重なる画素である検出点で反射されたON光が受光器20で検出されることになる。すなわち、コントローラ21は、当該タイミングにおいて受光器20で検出された光が、当該パターンでオン動作している光偏向素子群と入射光領域とが重複する画素からのON光であることが認識できるので、当該ON光に対応する物体の点までの距離情報として用いることにより、最終的に3Dマップを生成することができる。なお、この場合、1つのフォトダイオードで構成された受光器20で検出されることに限定されるものではなく、数個のフォトダイオードで構成された受光器20で検出されるものとしてもよい。
ここで、図12に、各パターンの切り替えのタイミングチャートを示す。例えば、特定の入射光領域の検出時間、すなわちパターン(1)~パターン(20)の全体の検出時間は、166.7[μsec]とする。パターン(1)~パターン(3)のオン動作している光検出素子群の領域が小さい場合には、レンズとの相関により近距離の測距を行うことを目的とし検出時間は短くてよく例えば2[μsec]とする。後半のパターン(18)~パターン(20)においては、遠方の測距を行うことを目的とし検出時間が相対的に長いので6~8[μsec]とする。このとき、遠方ゆえに光量が低下することを考慮して開口を大きくするようなパターン構成としている。
このように、本変形例では、光偏向アレー17を用いてカメラ構成でいうところの猫の目絞りのような開口の調整を高速に行うことができる。これによって、高性能な光検出を提供することができる。
(変形例3)
変形例3に係る光検出器の一例としての測距装置1について、上述の実施形態に係る測距装置1と相違する点を中心に説明する。
図13は、変形例3に係る測距装置においてレーザ強度を変える動作を示すタイミングチャートの一例を示す図である。図13を参照しながら、本変形例に係る測距装置1において、外界から入射した他のレーザ光との誤検出を抑制するためのレーザ強度を変える動作について説明する。
例えば、上述の図7に示したパターン構成において、各パターンにおける測距時間が4[μsec]となる場合、光偏向素子17aの傾斜動作に1.5[μsec]を要すると仮定すると、検出する時間は、残りの2.5[μsec]ということになる。例えば300[m]先までの測距には2[μsec]で可能なので十分であるが、このとき検出されたレーザ光が測距装置1自身から放射されたレーザ光であるか否かを判断する必要がある。特に、例えば自動運転を行う車両等に測距装置1を搭載する場合、他の車両に搭載された測距装置等レーザ光との混合による誤検出を抑制できることが要請される。
そのため、本変形例に係る測距装置1は、レーザ光をナノ秒レベルのパルス状にして、出力の途中で強度または位相のうち少なくともいずれかを変更することにより、測距装置1自身から放射されたレーザ光なのか、他のレーザ光なのかを判別して誤検出を抑制する。例えば、図13の点線で示したパルス状波形に示すように、測距装置1は、光偏向アレー17の光偏向素子群の傾斜動作と同期させてレーザ光を放射させるとき、任意の周期でレーザ強度が変わるようなレーザ光を放射する。これによって、このようなレーザ光についての物体からの反射光も、同様な強度比を有するので、測距装置1は、当該強度比を同様な光を検出した場合には、測距装置1自身から放射されたレーザ光に対する反射光であると判別でき、異なる強度比の光を検出した場合には、他のレーザ光であると判別することができるので、正確な測距が可能となる。
1 測距装置
11 レーザ光源
12 整形レンズ
13 光走査装置
14 反射ミラー
15 垂直方向拡大レンズ
16 結像レンズ
17 光偏向アレー
17a 光偏向素子
18 吸光板
19 結像レンズ
20 受光器
21 コントローラ
31 基板
32 配線
33 絶縁膜
34 接続孔
35a、35b 電極
36 接触部材
37 支点部材
38 板形状部材
39 柱
40 笠形状部材
101 測距装置
101a 光検出器
102~105、111、112 物体
201 レーザ光源
202 整形レンズ
203 ポリゴンモミラー
204 レンズ
205 結像レンズ
206 受光器
211 結像レンズ
212 DMD
212a 光偏向素子
213 結像レンズ
214 受光器
301 ミラー構成部
302 SRAM
DP 検出点
ILA 入射光領域
R1~R3、R11~R13 領域
米国特許出願公開第2017/0357000号明細書
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、検出器であって、外界から入射した物体からの反射光である入射光を導光する導光部と、前記導光部に入射した前記入射光であって該導光部により導光された入射光を偏向させる偏向部と、前記偏向部により偏向された前記入射光の光束のうち一部を検出する受光部と、を備え、前記偏向部は、前記入射光を偏向させる複数の光偏向素子を含む光偏向素子群を複数有し、前記光偏向素子群は、前記複数の光偏向素子が互いに電気的に並列に接続されて構成され、前記光偏向素子群が有する前記複数の光偏向素子は、パッシブマトリクス駆動により、同時に偏向動作を行い、複数の前記光偏向素子群は、時間経過と共に同時または順番に前記偏向動作を行うことを特徴とする。

Claims (8)

  1. 入射光を検出する光検出器であって、
    前記入射光を導光する導光部と、
    前記導光部により導光された前記入射光を偏向させる偏向部と、
    前記偏向部により偏向された前記入射光のうち一部を検出する受光部と、
    を備え、
    前記偏向部は、前記入射光を偏向させる複数の光偏向素子を含む光偏向素子群を複数有し、
    前記光偏向素子群は、前記複数の光偏向素子が互いに電気的に並列に接続されて構成され、
    前記光偏向素子群が有する前記複数の光偏向素子は、パッシブマトリクス駆動により、同時に偏向動作を行い、
    複数の前記光偏向素子群は、時間経過と共に同時または順番に前記偏向動作を行う光検出器。
  2. 前記光偏向素子は、
    平面状部分を有する基板と、
    前記入射光を偏向する偏向面を有する板形状部材と、
    前記平面状部分に突設され、前記板形状部材の前記偏向面と反対側の面に接離自在に、該板形状部材の傾斜動作の支点となる支点部材と、
    前記板形状部材の配置を規制し、該板形状部材との間に空隙が設けられることにより該板形状部材の傾斜動作を自在に可能とする笠形状部材と、
    前記平面状部分に、前記支点部材に対して対称に配置された複数の電極と、
    を備え、
    前記板形状部材は、前記反対側の面において前記複数の電極に対向する導電性領域を含む請求項1に記載の光検出器。
  3. 前記偏向面は、反射面である請求項2に記載の光検出器。
  4. 前記受光部は、単一の受光素子で構成された請求項1~3のいずれか一項に記載の光検出器。
  5. 前記光偏向素子が前記入射光を前記受光部に向けて反射させない状態において、該入射光が入射した場合に該光偏向素子により反射された該入射光を吸光する吸光部を、さらに備えた請求項1~4のいずれか一項に記載の光検出器。
  6. レーザ光を放射する光源と、
    前記レーザ光を第1方向に走査するように偏向させる光走査部と、
    前記光走査部により偏向された前記レーザ光を外部へ放射させる光学系と、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の光検出器と、
    を備えた測距装置。
  7. 前記光学系は、前記光走査部により反射された前記レーザ光を、前記第1方向と交差する方向に拡大して外部へ放射させ、
    前記光偏向素子群は、前記複数の光偏向素子を第2方向に並べて構成された請求項6に記載の測距装置。
  8. 前記光源から前記レーザ光が放射されてから、前記受光部により光が検出されるまでの時間により求まる距離に基づいて、三次元画像を生成する生成部を、さらに備えた請求項6または7に記載の測距装置。
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