JP2023013975A - エンドピン固定具 - Google Patents

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弘樹 長谷川
Hiroki Hasegawa
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【課題】楽器本体の持つ音響性能に影響を与えにくいエンドピン固定具を提供する。【解決手段】楽器3にエンドピン2を固定するエンドピン固定具1であって、楽器3に取り付ける台座部10、台座部10に取り付けられてエンドピン2を任意の長さで保持するエンドピン保持部20、の2つの部材を有しており、エンドピン保持部20に形成された係止手段22を台座部10に形成された被係止手段14に係止することでエンドピン保持部20が台座部10に取り付けられて、楽器3にエンドピン2を長さ調整自在に固定するように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、弦楽器や木管楽器などに用いられるエンドピンを楽器に固定するためのエンドピン固定具に関するものである。
エンドピンとは、弦楽器や木管楽器などの底部に取り付けられ、床に立てて楽器を支える棒状の部品である。エンドピンは楽器を支えるほか、振動を床に伝えて響きを増幅させるという役割を持つ。このエンドピンは、エンドピン固定具によって楽器に固定されるようになっている。従来、エンドピンを楽器に固定するエンドピン固定具は、エンドピンの長さを調節し、確実に固定し、楽器の振動、響きを確実にエンドピン、そして床に伝えるといった発想の下に作られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-067654号公報
しかしながら、前記したような従来のエンドピン固定具では、エンドピンの素材からくる重量、質量、振動特性により楽器本体が影響を受けてしまい、本来の楽器の振動、音響性能が変化してしまうという問題が生じていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、楽器本体の持つ音響性能に影響を与えにくいエンドピン固定具を提供することを課題としている。
かかる課題を達成するために、本発明は、楽器にエンドピンを固定するエンドピン固定具であって、前記楽器に取り付ける台座部、前記台座部に取り付けられて前記エンドピンを任意の長さで保持するエンドピン保持部、の2つの部材を有しており、前記エンドピン保持部に形成された係止手段を前記台座部に形成された被係止手段に係止することで前記エンドピン保持部が前記台座部に取り付けられて、前記楽器に前記エンドピンを長さ調整自在に固定するように構成されているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
また、本発明は、上記構成に加え、前記台座部及び前記エンドピン保持部は、略円筒形状の部材で構成されており、前記係止手段は、前記エンドピン保持部の一端部側に設けられて内部方向に突出する凸部で構成されており、前記被係止手段は、前記凸部に対向するように前記台座部の一端部側に設けられた溝部で構成されており、前記凸部が前記溝部に嵌合し、かつ、前記凸部と前記溝部の間に隙間が生じるように構成されているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
また、本発明は、上記構成に加え、前記エンドピン保持部が略半円筒形状の2つの分割片で構成されており、前記分割片にそれぞれ前記凸部を分割した分割凸部を有しており、前記溝部に、前記分割凸部を嵌合させて、前記分割片同士を係合させて前記エンドピン保持部を一体化させることで、前記エンドピン保持部が前記台座部に取り付けられるように構成されているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
また、本発明は、楽器にエンドピンを固定するエンドピン固定具であって、前記楽器に取り付ける台座部、前記エンドピンに取り付けられて前記エンドピンを任意の長さで保持するエンドピン保持部、の2つの部材を有しており、前記台座部は、前記エンドピンを挿通させて遊嵌するように構成され、前記エンドピン保持部は、前記エンドピンを保持した状態で前記台座部に下方から当接し、前記台座部を支持するように構成されているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
また、本発明は、上記構成に加え、前記エンドピン保持部は、略筒状部材の一部が開放された開放部を有する構成となっており、かつ、前記開放部の双方の端部を近接させる係止手段を有しており、前記エンドピン保持部の中心部に前記エンドピンを通した状態で、前記開放部の双方の端部を近接させることで、前記係止手段で前記エンドピンに保持するようになっているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
また、本発明は、上記構成に加え、前記エンドピン保持部は、外周部及び内周部の双方又は何れか一方に1又は複数の切込部が形成されているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
また、本発明は、上記構成に加え、楽器に取り付けたエンドピンを床面に保持する際に、前記床面に配置して前記エンドピンを載置するエンドピン載置具を備えており、前記エンドピン載置具は、略上面から略下面に掛けて貫通する貫通孔が設けられた載置具本体を有しており、前記貫通孔は、前記略上面から前記略下面に向けて径が小さくなるように1又は複数の段部を有しており、かつ、前記エンドピン載置具は、前記段部に保持する板状部材を有しており、1つの前記段部に対して複数の前記板状部材を重ねて保持可能に構成されているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
また、本発明は、上記構成に加え、前記エンドピンは、前記楽器に挿入する筒状のエンドピン本体を有しており、前記エンドピン本体は、その側面に複数の孔部が設けられており、前記孔部は、前記エンドピン本体の中心軸から見て複数方向に互い違いに設けられるように構成されているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
また、本発明は、上記構成に加え、前記エンドピンは、前記楽器に挿入する筒状のエンドピン本体と、前記エンドピン本体の先端に着脱可能に取り付けられる床面当接部と、を有しており、前記床面当接部が銅製となっているエンドピン固定具としたことを特徴とする。
本発明によれば、エンドピン固定具を、台座部とエンドピン保持部の2つの部材を有する構成とすることで、台座部とエンドピン保持部の間に隙間が形成されて完全には固定されない状態にできるため、従来のエンドピン固定具が一部材で構成されている場合と異なり、エンドピンの重量、質量、振動特性からくる振動の影響を軽減し、楽器の振動とエンドピンの振動が干渉することを軽減させて、楽器本来の持つ音響特性を損いにくい状態にすることができる(具体的には、響きの多さ、発音の速さが楽器本来の特性に近い状態にすることができる)。
また、本発明によれば、台座部とエンドピン保持部が略円筒形状で、エンドピン保持部の内部方向に突出する凸部が台座部の溝部に嵌合するようになっており、その際に凸部と溝部の間にわざと隙間が生じるように構成されていることで、台座部とエンドピン保持部の間に確実に隙間を生じさせた状態で、双方が外れないように確実に取り付けることができる。
また、本発明によれば、エンドピン保持部が略半円筒形状の2つの分割片で構成されていて、これらを係合させつつ台座部に取り付けるように構成されていることで、台座部とエンドピン保持部を簡単かつ確実に組み付けることができる。
また、本発明によれば、エンドピン固定具が、エンドピンを挿通させて遊嵌する台座部と、エンドピンに取り付けられて任意の長さでエンドピンを保持した状態で台座部に下方から当接して台座部を支持するエンドピン保持部、の2つの部材を有する構成となっていることで、台座部がどのような構成であっても、楽器を完全に固定せずにエンドピン保持部で下方から支持して、楽器の振動とエンドピンの振動が干渉することを軽減させることができる。
また、本発明によれば、エンドピン保持部が、略筒状部材の一部が開放された開放部を有し、かつ、開放部の双方の端部を近接させる係止手段を有し、エンドピン保持部の中心部にエンドピンを通した状態で、開放部の双方の端部を近接させることで、係止手段でエンドピンに保持するようになっているため、簡単かつ確実にエンドピンにエンドピン保持部を固定することができる。
また、本発明によれば、エンドピン保持部の外周部及び内周部の双方又は何れか一方に1又は複数の切込部が形成されているため、この切込部から音を響かせることができ、より楽器本来の持つ音響特性を保持することができる。
また、本発明によれば、楽器に取り付けたエンドピンを床面に保持するためのエンドピン載置具が、略上面から略下面に向けて貫通孔の径が小さくなる段部を有する載置具本体と、段部に保持する板状部材とを有していることで、エンドピンを直接床面に着けずに貫通孔の途中の段部にある板状部材に載置してその下方に空間を有する状態となり、その結果、より楽器本来の持つ音響特性を損いにくい状態にすることができる。また、載置具本体の1つの段部に対して複数の板状部材を重ねて保持可能となっていることで、重ねる板状部材の材質の組合せやそれぞれの厚み等でより音響効果を高めることができる。
また、本発明によれば、エンドピンにおける楽器に挿入する筒状のエンドピン本体の側面に複数の孔部が設けられ、その孔部がエンドピン本体の中心軸から見て複数方向に互い違いに設けられていることで、エンドピンから発せられる楽器の音を一方向でなく複数方向に向かって響かせることができる。
また、本発明によれば、エンドピンにおける楽器に挿入する筒状のエンドピン本体の先端に着脱可能に取り付けられる床面当接部が銅製となっていることで、他の材質で構成さえた場合と比べて、高い音響効果を発揮することができる。
本発明の実施の形態1に係るエンドピン固定具を楽器に取り付けた状態を示す正面図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具の一部断面正面図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具の台座部の(a)縦断面図、及び、(b)上面図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具のエンドピン保持部の縦断面図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具のエンドピン保持部を台座部に取り付ける際の図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具のエンドピン保持部の上面図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具のエンドピン保持部を2つ割にした状態の上面図である。 本発明の実施の形態2に係るエンドピン固定具を楽器に取り付けた状態を示す斜視図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具を楽器に取り付けた状態を示す正面図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具本体をエンドピンに取り付けた状態を示す斜視図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具本体をエンドピンに取り付けた状態を示す正面図である。 図11の縦断面図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具本体とエンドピンの分解斜視図である。 同実施の形態に係るエンドピン固定具本体とエンドピンの分解正面図である。 図14の縦断面図である。 同実施の形態に係るエンドピン保持部の斜視図である。 同実施の形態に係るエンドピン保持部の下面図である。 同実施の形態に係るエンドピン保持部の正面図である。 図17のA-A断面図である。 同実施の形態に係るエンドピンの斜視図である。 同実施の形態に係るエンドピン載置具の斜視図である。 同実施の形態に係るエンドピン載置具の縦断面図である。 同実施の形態に係るエンドピン載置具の載置具本体の斜視図である。 同実施の形態に係るエンドピン載置具の載置具本体に板状部材を保持する前の状態を示す側面図である。 同実施の形態に係るエンドピン保持部の変形例の斜視図である。 同実施の形態に係るエンドピン保持部の変形例の側面図である。 同実施の形態に係るエンドピン保持部の変形例の使用状態図である。
[発明の実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1について、図1~図7を参照しながら説明する。
まず、エンドピン2の一般的な事項について説明する。エンドピン2は、チェロを始めとする弦楽器や木管楽器等の楽器3の底部に設けられる、床に立てて楽器3を支える棒状の部品である。エンドピン2は楽器3を支えるほか、振動を床に伝えて音響効果を変化させるという役割を持つ。このエンドピン2は、図1に示すように、エンドピン固定具1を介して楽器3に固定されるようになっている。そして、エンドピン固定具1によって、楽器3の底部に配置されたエンドピン2を任意の長さに調節し、楽器3を支えるようになっている。
次に、本実施の形態のエンドピン固定具1について説明する。本実施の形態のエンドピン固定具1は、図2に示すように、台座部10と、エンドピン保持部20の2つの部材を有する構成となっている。また、挿入部30、エンドピン固定用ネジ40を有している。
以下、エンドピン固定具1の各構成要素について詳細に説明する。
台座部10は、エンドピン固定具1を楽器3に取り付けるための部材であり、図3(a),(b)に示すように、略円筒形状のもので、例えばアルミニウム等の金属で形成されている。
また、台座部10は、図2及び図3に示すように、エンドピンを挿通させる貫通孔12が形成された筒状部11を有しており、この筒状部11の周囲の所定位置には、当接部13が、外周方向に突出したフランジ状に形成されている。この当接部13は、台座部10が楽器3に挿入される際に、楽器3の底部の表面と当接し、それ以上楽器3の内部への侵入を防止したり、衝撃や損傷を防止したり、デザインの向上を測ったりするためのものである。当接部13は楽器3の底部に設けられたエンドピン固定具1の挿入口(図示省略)より大径に形成されており、このため楽器3の表面に当接して、エンドピン固定具1が必要以上に内部に侵入することを防止するようになっている。
また、筒状部11における当接部13より先端側(図2の下端側)には、被係止手段としての溝部14が形成されている。ここでは、溝部14は、周囲より中心方向に一定長凹んだ断面視略方形状の溝が筒状部11の全周にわたって形成されている。なお、溝部14は、後述するエンドピン保持部20の凸部22に対向して嵌合するように形成されており、凸部22が嵌合した際に、凸部22と溝部14の間に所定の隙間S(ガタ)が形成される程度の大きさ、形状に形成されている。
また、当接部13と溝部14の間(ここでは、当接部13に連続した位置)には、凹部15が形成されている。この凹部15は、エンドピン固定具1を楽器3から取り外す際に当該部位を持って引き抜くことで、台座部10を楽器3から引き抜き易くするものである。また、凹部15はテールガットと呼ばれる楽器のロープ(図示省略)を引っ掛けることにも利用される。
なお、本実施の形態の当接部13、溝部14は、それぞれ筒状部11の全周にわたって途切れなく形成されていたが、これに限るものではなく、筒状部11の一部が1箇所又は複数箇所、適宜の幅で突出して当接部13を形成していても良いし、また、筒状部11の一部が1箇所又は複数箇所、適宜の幅で凹んで溝部14を形成していても良い。
挿入部30は、エンドピン固定具1を楽器3に取り付ける際に、楽器3の内部に挿入される部材である。この挿入部30は、図1及び図2に示すように、楽器3に保持させるための円錐台形状を呈しており、当該円錐台形状を形成するテーパ面31により、楽器3の挿入口(図示省略)に挿入可能な適切な大きさ、かつ、挿入口に対して圧入させて保持可能に構成されている。また、挿入部30は、木材等の楽器3の挿入口の大きさに合わせて調節しやすい素材で形成されていることが望ましい。なお、台座部10と挿入部30は組み込み式となっており、台座部10を挿入部30に組み合わせた状態で楽器3に挿入、保持するようになっている。
エンドピン保持部20は、台座部10に取り付けられてエンドピン2を任意の長さで保持するための部材であり、図4~図7に示すように、エンドピン2を挿通させる貫通孔21が形成された略円筒形状のもので、例えばアルミニウム等の金属で形成されており、略半円筒形状の2つの分割片20a,20bを組み合わせて構成されている。
また、エンドピン保持部20には、一端部(図4の上端部)に、係止手段としての凸部22が設けられている。ここでは、凸部22は、内部方向に一定長突出した断面視略方形状の突起がエンドピン保持部20の全周にわたって形成されている。なお、ここでは、エンドピン保持部20が2つの分割片20a,20bで構成されているため、分割片20a,20bにそれぞれ凸部22を分割した分割凸部22a,22bを有しており、これらが組み合わされて凸部22を形成している。
そして、この分割凸部22a,22bを台座部10の溝部14に嵌合させつつ、分割片20a,20b同士を係合させてエンドピン保持部20として一体化させることで、エンドピン保持部20が台座部10に取り付けられるように構成されている。
なお、その際、凸部22は、前記した台座部10の溝部14に対向して嵌合するように形成されており、凸部22が嵌合した際に、凸部22と溝部14の間に所定の隙間S(ガタ)が形成される程度の大きさ、形状に形成されている。
また、一方の分割片20aには、エンドピン2を任意の長さに保持するためのノブ付きのエンドピン固定用ネジ40が取り付けられるエンドピン固定用ネジ穴23が設けられている。そして、エンドピン2を貫通孔21に挿通させた状態で、このエンドピン固定用ネジ穴23にエンドピン固定用ネジ40を螺合して、エンドピン2に当接させてエンドピン2を貫通孔21の壁面に押圧することで、エンドピン2を任意の長さに保持することができるようになっている。
また、図6及び図7に示すように、分割片20a,20bには、それぞれを組み付けてエンドピン保持部20を形成するための分割片固定用ネジ25を螺合させる分割片固定用ネジ穴24が、2箇所に形成されている。この分割片固定用ネジ25で分割片20a,20bを組み付け固定することで、前記した凸部22が機能し、エンドピン保持部20が台座部10に取り付けられて抜け落ちないようにすることができる。なお、分割片固定用ネジ穴24は、エンドピン保持部20にエンドピン2を組み込んだ際に、内側がエンドピン2に触れない程度の大きさのものとする。
また、本実施の形態では、前記したように、凸部22と溝部14の間に隙間S(ガタ)が生じるようになっているが、その隙間量は0.1mmほどである。従来のエンドピン固定具がエンドピン確実に止め、楽器の振動をエンドピンを通して床に伝えるために、隙間Sのようなガタを作るような機構を有していないのに対し、本発明は、0.1mm程度であるが、隙間S(ガタ)を生じさせることで、チェロ等の楽器3を演奏した際に楽器本体の振動と、エンドピン2の振動が干渉しにくくさせることができる。このことが本発明の特徴であり、課題を克服するための仕組みとなっている。
なお、隙間S(ガタ)の量は、楽器自体の違い、楽器の材質の違い等の種々の条件、状況に応じて適宜変更して最適な状態となるように対応すれば良い。また、場合によっては、隙間S(ガタ)部分に、オイルやグリス、ゴム等の緩衝材を入れることもあり得る。
このように本実施の形態のエンドピン固定具1によれば、エンドピン固定具1を、台座部10とエンドピン保持部20の2つの部材を有する構成とすることで、台座部10とエンドピン保持部20の間に隙間Sが形成されて完全には固定されない状態にできるため、従来のエンドピン固定具が一部材で構成されている場合と異なり、エンドピン2の重量、質量、振動特性からくる振動の影響を軽減し、楽器3の振動とエンドピン2の振動が干渉することを軽減させて、楽器本来の持つ音響特性を損いにくい状態にすることができる(具体的には、響きの多さ、発音の速さが楽器本来の特性に近い状態にすることができる)。
また、本実施の形態によれば、台座部10とエンドピン保持部20が略円筒形状で、エンドピン保持部20の内部方向に突出する凸部22が台座部10の溝部14に嵌合するようになっており、その際に凸部22と溝部14の間にわざと隙間Sが生じるように構成されていることで、台座部10とエンドピン保持部20の間に確実に隙間Sを生じさせた状態で、双方が外れないように確実に取り付けることができる。
また、本実施の形態によれば、エンドピン保持部20が略半円筒形状の2つの分割片20a,20bで構成されていて、これらを係合させつつ台座部10に取り付けるように構成されていることで、台座部10とエンドピン保持部20を簡単かつ確実に組み付けることができる。
また、本実施の形態では、凸部(係止手段)22と溝部(被係止手段)14の形を略同形状とすることで、隙間Sを形成しつつも、そのことによって発生する可能性のある揺れなどの不安定さを軽減させることができる。また、凸部22と溝部14以外の他のエンドピン保持部20と台座部10の係合部(例えば、台座部10の溝部14のさらに先端のお椀形の凸形の箇所(下方の角部がR形状の箇所)と当該箇所に係合しているエンドピン保持部20の凹形の箇所等)も含めて、双方を略同形状としておくことで、隙間Sにより発生する可能性のある揺れなどの不安定さをより軽減させることができる。なお、台座部10の溝部14のさらに先端の凸形の箇所は、本実施の形態ではお椀形としたが、長方形や台形、楕円形等の他の形なども考えられる。
なお、本発明は、前記した実施の形態のようなものに限らず、他の構成、他の使用状況にも適用できる。
例えば、本発明は、上記実施の形態の材質、大きさ、形状に限るものではなく、同様の作用効果を得ることができれば、上記実施の形態以外の材質やサイズ違い、形状の相違等、適宜決定したものが考えうる。
また、上記実施の形態では、チェロ用に使用する場合を想定して記載したが、これに限るものではなく、本発明は、例えばコントラバスや管楽器等の他の楽器に適用しても良い。その際には、当該楽器に合わせて材質、大きさ、形状等を適宜変更して用いれば良い。 また、台座部10とエンドピン保持部20の材質については、耐久性の面からアルミニウム等の金属であることが望ましいが、これに限るものではなく、強度及び音響効果が本発明に必要な状態を満たしているものであれば、適宜の材質で形成されていても良い。
また、上記実施の形態では、エンドピン保持部におけるエンドピンを保持する方式として、ノブ付きのエンドピン固定ネジ40を用いた方式となっていたが、これに限るものではなく、エンドピンを固定するための仕組みについては、所謂コレット式など他の固定方式を採用しても良い。
また、上記実施の形態では、エンドピン保持部20が2つの分割片20a,20bで構成されていたが、これに限るものではなく、3つ以上の分割片で構成されていても良いし、台座部への取付けが可能であれば、分割しないものであっても良い。
また上記実施の形態では、凸部22と溝部14とが嵌合していて台座部10からエンドピン保持部20が外れないように取り付けられていたが、これに限るものではなく、エンドピン保持部の係止手段と台座部の被係止手段とが互いに外れない構成ではなく、エンドピンを保持したエンドピン保持部に台座部が乗っかっているだけの係止状態であっても良い。この係止状態では、エンドピン保持部に台座部が乗っかっているというだけという状態になるため、本発明の課題とする「楽器本体の振動特性に影響を与えにくいエンドピン固定具」を確実に提供することができる。ただし、エンドピン保持部が台座部や楽器から抜け落ちる可能性があるので取り扱いに注意が必要となる。そのため、利便性の面で他の係止手段を設けることも考えられる。その場合は、台座部からエンドピン保持部が抜け落ちるのを防ぐために、ヒモやロープ等で繋ぐことが考えられる。
または、上記実施の形態とは異なり、係止手段をエンドピン固定具の内部ではなく外周側に設ける等の手段も考えられる。
また、上記実施の形態では、エンドピン保持部20の凸部22と台座部10の溝部14がそれぞれ断面視略方形状に形成されており、溝部14に対して凸部22が小さめに形成されていることで双方に隙間Sが生じるようにされていたが、これに限るものではなく、凸部と溝部の形状を異ならせること(例えば凸部が断面視方形状で溝部が断面視台形状の場合や、凸部が断面視略円形状で溝部が断面視略方形状の場合)で隙間を生じさせるようになっていても良い。
[発明の実施の形態2]
以下、本発明の実施の形態2について、図8~図27を参照しながら説明する。
なお、前記した実施の形態1と同様の構成については、説明を省略する場合もある。
まず、前記した実施の形態1との目的及び構成の違いを概略説明する。前記した実施の形態1では、「楽器の持つ音響性能に影響を与えにくいエンドピン固定具を提供する」という目的に基づいて発明したエンドピン固定具1について説明した。これに対し、本発明の実施の形態2では、既存の市販されているコレット式固定具を用いることもでき、「楽器の持つ音響性能に影響を与えにくく、かつ、安価にエンドピン固定具を提供する」という目的に基づいて発明したエンドピン固定具100について説明する。
また、本実施の形態では、図8及び図9に示すように、後述するエンドピピン固定具本体101に、エンドピン載置具150、エンドピン160までを含めたものを、エンドピン固定具100と称するものとする。本実施の形態では、市販品も使用可能なエンドピン固定具本体101における台座部(コレット式エンドピン固定具)110と、このために設計したエンドピン160、エンドピン固定具本体101におけるエンドピン保持部(エンドピンクリップ)120、エンドピン載置具(ストッパー)150を用いることにより、コストを抑えた上で、楽器の持つ音響性能に影響を与えにくいエンドピン固定具を提供するという課題を解決するものである。
まず、本実施の形態のエンドピン固定具本体101について、図8~図19を用いて説明する。本実施の形態のエンドピン固定具本体101は、図10~図15に示すように、台座部としてのコレット式エンドピン固定具110と、エンドピン保持部としのエンドピンクリップ120の2つの部材を有する構成となっている。
以下、本実施の形態のエンドピン固定具本体101の構成要素について詳細に説明する。
まずは、図12~図15を用いて、エンドピン固定具本体101の台座部としてのコレット式エンドピン固定具110の一般的な事項について説明する。図12に示すように、本実施の形態のコレット式エンドピン固定具110は、エンドピン160を挿通させる貫通孔112が形成された筒状部111を有しており、この筒状部111が楽器3に挿入されるようになっている。また、筒状部111の下方側には、ネジの替わりにエンドピン160を固定するためのコレット113が挿入されるようになっている。そして、筒状部111にコレット113を挿入した状態で、その下方から筒状部111に対してコレットナット114を締め上げることにより、コレットナット114と筒状部111が接近し、貫通孔112内でコレットナット114と筒状部111の内部のテーパ状部115の双方に挟まれて押されたコレット113が、略円柱状のエンドピン160を把持するようになっている。このように、コレット113がテーパ状部115により全方向より中心に締め上げられることにより、円柱状(または円筒状)のエンドピン160の把持力は、ネジ式のものと比べて大きくなるように構成されている。このコレット式エンドピン固定具110は、既に一般的に市販されているものを使用しても良い。
次に、図13~図19を用いて、エンドピン固定具本体101のエンドピン保持部としてのエンドピンクリップ120について説明する。
本実施の形態のエンドピンクリップ120は、棒状の部材を任意の場所で固定するために使用する市販のセットカラーと呼ばれるものを、本発明に適用させるように改造した物である。このエンドピンクリップ120は、所定の厚みを有する壁部を有する略円筒形状の部材であり、中央の孔にエンドピン160を通し、その周囲の壁部の内壁面でエンドピン160を押圧することで、任意の場所でエンドピン160を固定することができるようになっている。また通常、セットカラーは壁部の外壁面が円形状に形成されるものであるが、本実施の形態では音響効果を高めるために、外壁面の一部に平面部121を有している。また、同じく音響効果を高めるために、外壁面及び内壁面の一部に切込部としてのスリット124を有している。このことにより、エンドピンクリップ120を介して発せられる音の指向性を変化させることができ、結果として音響効果を高めることができる。
なお、本実施の形態では、平面部121はエンドピン160の挿通方向と略同じ方向に外壁面を切り欠いたような形状となっているが、これに限るものではなく、斜めに切り欠いたような形状になっていても良いし、場合によっては湾曲部であったり、凸凹した面を有する部位であったりと、平面でない形状となっていることもあり得る。また、本実施の形態では、90度の角度(エンドピン160の挿通方向と略同じ方向)でスリット124が入っているが、例えばスリット124が斜め方向に形成されていても良いし、スリットの長さも適宜の長さにしても良く、状況に応じてスリット124を適宜変化させても良い。
また、エンドピン160の太さに違いがある場合でも対応できる(太すぎても出し入れしやすい)ように、エンドピン160を出し入れする開放部122が、内壁面側が広く外壁面側が狭くなるように上面視略台形状にできている。また、開放部122の反対側の内壁面には、切欠部123が設けられており、エンドピン160の出し入れ時にエンドピンクリップ120を大きく開くことができ、さらに出し入れがし易くなるように構成されている。これらにより、中央の孔に対して太いエンドピン160でも出し入れがし易いように形成されている。なお、スリット124と切欠部123があることにより、エンドピンクリップ120の柔軟性を高めてエンドピン160に対する締め付けを一定方向から複数の方向にさせることができ、エンドピン160を四方八方から締め上げることができ、エンドピン160の保持力を向上させることができる。
また、本実施の形態では、エンドピンを保持するためのネジ穴125と係止手段としてのボルト127を有しており、エンドピン160を孔に挿通した状態でネジ穴125にボルト127を挿入し締め付けることで、エンドピン160を保持するように構成されている。なお、エンドピン160を保持する機構としては、上記の構成でなくても良く、例えば図25で示すようにノブ226を有するボルト227で締め付けるようになっていても良いし、他の手段で締め付ける等してエンドピン160を保持するようになっていても良い。
また、エンドピンクリップは上記したものに限るものではなく、同様の作用効果を生じさせるものであれば、他の形状、構造のものでも良い。例えば、図25~図27に示すような、本実施の形態の変形例としてのエンドピンクリップ220であっても良い。以下、この変形例としてのエンドピンクリップ220について説明する。なお、以下の説明において、上記した本実施の形態のエンドピンクリップ120と同様の構成については、当該構成に+100の符号を振って説明を省略又は短縮する場合がある。
本変形例のエンドピン保持部としてのエンドピンクリップ220は、上面視略多角形状の筒状部材で中央の孔にエンドピン160を挿通する形状となっており、外壁面の全てが平面部221となっている。ここでは、平面部221を異なる方向に8面有しており、上方から見ると平面部221を有するブロック状の部材が組み合わさって全体が多角形に形成されるような形状となっている。
また、本変形例でもエンドピン160を保持しやすくなるように開放部222、切欠部223を有している。また、本変形例でも切込部としてのスリット224を有しているが、ここでは上記実施の形態のように表裏(上面、下面)の片方から切り込まれたものとは異なり、表裏双方から切り込まれた形状となっている。そのため、より音の指向性を変化させることができ、さらに音響効果を高めて音の響きを良くすることができる。
また、エンドピンクリップ220の外壁面側では、角を面取りすることにより、音の響きを柔らかくすることができるようになっている。なお、外壁面側だけでなく他の箇所も面取りしていても構わない。
また、ネジ穴225を有しており、ここではノブ226が付いた係止手段としてのボルト227を使用して、エンドピンクリップ220に挿通されたエンドピン160を締め付け保持できるように構成されており、より利便性が増したものとなっている。
また、本変形例では、エンドピンクリップ220上面に複数の突起228を有している。この突起228が台座部110に当接して台座部110を支持することにより、台座部110との接触面積を減らすことが可能となる。その影響で、楽器の振動と地面、またエンドピン160の振動の干渉を減らすことが可能となり、音響効果を向上させることができる。
ここでは、突起228は、円柱形状の上に円錐台形状が形成されたような形状の一体部材で構成されている。これにより、安定して台座部110を支持することができると共に、台座部110との接触面積をできるだけ減らすことができるようになっている。なお、突起228の形状や数、大きさ等は適宜で良く、同様の効果を得られるものであれば、他の形状や大きさ、設置する数量等も変更可能である。
また、他にもコントラバス用のエンドピンのように、溝が掘られたエンドピンが存在するが、そのようなエンドピンの形状に合わせて対応するようにエンドピンクリップの内側(孔に面する内壁面)を丸く突出させて形成することも考えられる。
また、エンドピンクリップの形状は、例えばドーナツ型等、その他の形状になっていても良い。
次に、図20を用いて、本実施の形態のエンドピン160について説明する。
本実施の形態のエンドピン160は、カーボン製の長細形状のエンドピン本体161を有しており、その先端部に銅製の床面当接部165を配設するようになっている。また、エンドピン本体161の側面には、略方形状の複数の孔部162が設けられており、当該孔部162が単一方向ではなく、異なる方向に向くように形成されている。ここでは、同じ高さ位置に相対する(180度異なる)方向に2つの孔部162が形成されており、そのすぐ下の位置ではこれらの孔部162からそれぞれ90度ずれた位置に2つの孔部162が形成されており、これを上下方向で繰り返すようにして複数の孔部162が形成されている。このように、孔部162が形成される方向が互い違いとなっていることで、単一方向だと一方向に行きがちだった音の指向性を多方向に向かわせることができ、さらに音の広がりが増すようにすることができる。
また、孔部162を有することで、エンドピン固定具本体101にエンドピン160を挿通した後、エンドピン本体161の任意の場所の孔部162に結束バンドなどを通すことによって、遊嵌していても結束バンドが滑り止めとなって、エンドピン固定具本体101からエンドピン160が抜け落ちないようにすることができる。
また、床面当接部165は、エンドピン本体161の下端部に挿入して保持することで、エンドピン160の下端を構成して床面に当接するものである。この床面当接部165は、上部に位置してエンドピン本体161に挿入される細長形状の挿入部と、その下部に位置して床面に当接する当接部と、を有しており、当接部は略円柱形状と円錐形状を組み合わせた形状となっている。この床面当接部165は銅製となっている。銅は他の金属に比べ柔らかく、楽器の振動に干渉しにくい。これにより音色に影響を与えて音響効果を高めることができる。従来のエンドピンでは銅メッキなどの製品は見られるが、銅でできた製品は本発明が初である。なお、銅は錆びやすいのでメッキ加工しておくことも可能である。
また、エンドピン160の直径をコレット式固定具110のコレット113の内径より所定量太くする(例えば0.1~0.2mm)ことによって、コレットナット114を締めなくてもエンドピン160が簡単に滑り落ちないようになるため好ましい。また、コレット113自体にも伸縮性があるため、コレット113を伸び縮みさせながらエンドピン160を滑り落ち難くすることができるようになっている。
なお、エンドピン160の材質はカーボンに限らず、金属などでも良い。また、孔部162が形成される方向や大きさ、形状等は適宜で良く、例えば孔部162の形成される方向は上下で90度ずれるものに限らず、30度ずつずれる、45度ずつずれる等、他の角度でずれていくようになっていても良いし、ランダムでずれるようになっていても良い。
次に、図8~図15を用いて、本実施の形態のエンドピン固定具本体101のコレット式エンドピン固定具110、エンドピン固定具本体101のエンドピンクリップ120、エンドピン160の使用方法について説明する。
図13~図15に示すように、エンドピン160にエンドピンクリップ120を通した状態で、ネジ穴125にボルト127を挿入して締め付け、エンドピンクリップ120を任意の場所で固定し、図10~図12に示すように、コレット式エンドピン固定具110にエンドピンクリップ120が隣接するように設置する。コレット式エンドピン固定具110の通常の使い方であれば、コレットナット114を締めて、エンドピン160を固定するところであるが、本実施の形態では、コレットナット114は締めずに緩めて解放した状態で使用する。このことにより、前記した実施の形態1と同じような音響効果を生み出すことができる。ただしこれのみでは、エンドピン160を任意の場所で固定することができないため、エンドピン160に固定したエンドピンクリップ120をコレット式エンドピン固定具110の下方に隣接するように設置して支持することで、エンドピン160を任意の位置で固定して、楽器3を支えることができるようにしている。
なお、コレット式エンドピン固定具110の代わりに、ネジ式固定具のように他の固定具を使用することも可能であるが、その際は当該固定具の(床面当接部165とは反対側の)孔162に結束バンドなどを通して結ぶことで、結束バンドが引っ掛かりエンドピン160が抜け落ちない状況を作り出す必要がある。
次に、図21~図24を用いて、本実施の形態のエンドピン載置具としてのストッパー150について説明する。
本実施の形態のエンドピン載置具としてのストッパー150は、樹脂などでできた載置具本体151と、板状部材としてのプレート155,156を有する構成となっている。このうち、載置具本体151には、その略中央部に貫通孔152が設けられており、この貫通孔152には2つのサイズ(上側がより大きなサイズ、下側がより小さなサイズ)からなる段部153が設けられている。そして、それぞれの段部153における段部上面154に、後述する略円盤形状の板状部材としてのプレート155,156を設置できるように略円環形状となっている。
また、載置具本体151は、床面Yに設置したときに、その上面、貫通孔152、段部153が同じ方向に同じ角度だけ傾斜した状態となるように構成されている。この傾斜により、楽器を床面Yに対して斜めに設置しようとした際に、エンドピン160を比較的傾斜の少ない状態で受けることができ、楽器を安定して保持することができる。また、載置具本体151を床面Yに設置した際に滑らないように、載置具本体151の底面にはゲルシート157が貼り付けられている。
また、本実施の形態の板状部材としてのプレート155,156は、第1板状部材としての第1プレート155と、第2板状部材としての第2プレート156を有する2枚構成となっている。ここでは、双方とも略円盤形状に構成されており、略同一の大きさ及び形状に構成されている。なお、プレート155,156の中央には小さいな窪みがあり(図示省略)、エンドピン160をその窪みにひっかけられるようになっている。また、本実施の形態の第1プレート155は真鍮製、第2プレート156は銅製となっており、この2つのプレート155,156を直接重ねた状態で同じ段部153に設置するようになっている。
なお、ここでは、プレート155,156は略円盤形状に形成されていたが、これに限るものではなく、場合によっては四角形状や三角形状等の他の形状に構成されていても良い。その際には、載置具本体151の段部153の形状もそれらの形状に合わせて構成される必要がある。また、プレート155,156は、それぞれ略同一の大きさ及び形状に形成されていたが、これに限るものではなく、異なる大きさや異なる形状になっていても良い。異なる大きさの場合で2つのプレート155,156を同時に設置する場合には、2つの段部153に1枚ずつ載置するものとする。また、形状が異なる場合には、それぞれの形状に適合するように、段部153の形状が構成されている必要がある。
次に、本実施の形態のストッパー150の機能について説明する。通常、エンドピン160は床面Yに刺して使用することが多いが、楽器3を演奏すると生じる振動がエンドピン160を伝わって床面Yを振動させる。このとき、床面Yは広いのでうねりのような特有の振動となる。それがエンドピン160を介して楽器3の本来の振動に干渉していることがわかった。低音楽器が「こもる」「発音が悪い」と言われるのはこの現象による。
この現象を防ぐため、本実施の形態では貫通孔152の段部153に載置したプレート155,156の下に空間Kを設けて、エンドピン160が床面Yに達しないようになっている。またプレート155,156は載置具本体151にねじ止めなどしない自由な状態となっている。このことにより床面Yからくる振動の干渉を減らすことができるようになっている。
また、プレート155,156が単一の素材では音響性能が限定されるため、本実施の形態では第1プレート155は真鍮製、第2プレート156は銅製となっている。このように複数の素材のプレート155,156を介在させることにより、音響性能を向上させている。なお、第1プレート155、第2プレート156の組み合わせは他の金属でも良い。また、本発明のエンドピン載置具150と同様にエンドピン160を載置する目的の製品は従来存在しているものであるが、いずれも木製であったり、金属製であったり単一の素材からできていて、構成部材の素材を自由に変えることができるものはなく、本発明だけの特徴となっている。
また、本実施の形態では、段部153がサイズ違いの複数段を備える構成となっているため、プレート155,156のサイズを変えることができ、そのサイズの変更により、楽器に与える影響を変化させることができる。
また、本実施の形態では、段部上面154を凸凹状にしてさらに床面Yとの干渉を減らしたり、プレートが外れてしまわないように段部153の淵に返しのツメをつけたりするなどの構成を有していても良い。
本実施の形態の効果として、貫通孔152の段部153に載置したプレート155,156の下に空間Kがあることで、床面Yを伝わって起きる騒音を抑えることができる。通常、床面Yに接している楽器の特徴により、床が揺れて、マンションなどでは、床や壁を伝わった振動が他の部屋に伝わり、それが騒音問題となることがある。本実施の形態では、前記した空間Kを有しているため、床を揺らすことを大幅に抑えることができる。また空間Kの構造は、ピアノの打鍵の騒音問題を解消するための構成にも転用可能である。ここでは、チェロのストッパー150として説明したが、ピアノ用のインシュレーターとしても使用することもできる。
なお、前記した実施の形態のエンドピン載置具150では、エンドピン載置具本体151の上面や貫通孔152、段部153が斜めになるように傾斜を設けてあるが、これに限るものではなく、傾斜がなくても構わない。また、前記した実施の形態のエンドピン載置具150では、チェロやコントラバスのストッパーを想定して製作しているが、これに限るものではなく、地面と接している楽器、例えばピアノなどのインシュレーターとして使用することも可能である。
上記したように、本実施の形態のエンドピン固定具本体101によれば、エンドピン固定具本体101が、エンドピン160を挿通させて遊嵌する台座部110と、エンドピン160に取り付けられて任意の長さでエンドピン160を保持した状態で台座部110に下方から当接して台座部110を支持するエンドピン保持部120、の2つの部材を有する構成となっていることで、台座部110がどのような構成であっても、楽器3を完全に固定せずにエンドピン保持部120で下方から支持して、楽器3の振動とエンドピン160の振動が干渉することを軽減させることができる。
また、本実施の形態によれば、エンドピン保持部120が、略筒状部材の一部が開放された開放部122を有し、かつ、開放部122の双方の端部を近接させる係止手段127を有し、エンドピン保持部120の中心部にエンドピン160を通した状態で、開放部122の双方の端部を近接させることで、係止手段127でエンドピン160に保持するようになっているため、簡単かつ確実にエンドピン160にエンドピン保持部120を固定することができる。
また、本実施の形態によれば、エンドピン保持部120の外周部及び内周部の双方又は何れか一方に1又は複数の切込部124が形成されているため、この切込部124から音を響かせることができ、より楽器3本来の持つ音響特性を保持することができる。
また、本実施の形態によれば、楽器3に取り付けたエンドピン160を床面Yに保持するためのエンドピン載置具150が、略上面から略下面に向けて貫通孔152の径が小さくなる段部153を有する載置具本体151と、段部153に保持する板状部材155,156とを有していることで、エンドピン160を直接床面Yに着けずに貫通孔152の途中の段部153にある板状部材155,156に載置してその下方に空間Kを有する状態となり、その結果、より楽器3本来の持つ音響特性を損いにくい状態にすることができる。また、載置具本体151の1つの段部153に対して複数の板状部材155,156を重ねて保持可能となっていることで、重ねる板状部材155,156の材質の組合せやそれぞれの厚み等でより音響効果を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、エンドピン160における楽器3に挿入する筒状のエンドピン本体161の側面に複数の孔部162が設けられ、その孔部162がエンドピン本体161の中心軸から見て複数方向に互い違いに設けられていることで、エンドピン160から発せられる楽器3の音を一方向でなく複数方向に向かって響かせることができる。
また、本実施の形態によれば、エンドピン160における楽器3に挿入する筒状のエンドピン本体161の先端に着脱可能に取り付けられる床面当接部165が銅製となっていることで、他の材質で構成さえた場合と比べて、高い音響効果を発揮することができる。
なお、本発明は、前記した実施の形態のようなものに限らず、他の構成、他の使用状況にも適用できる。
例えば、本発明は、上記実施の形態の材質、大きさ、形状に限るものではなく、同様の作用効果を得ることができれば、上記実施の形態以外の材質やサイズ違い、形状の相違等、適宜決定したものが考えうる。
また、上記実施の形態では、チェロ用に使用する場合を想定して記載したが、これに限るものではなく、本発明は、例えばコントラバスや管楽器等の他の楽器に適用しても良い。その際には、当該楽器に合わせて材質、大きさ、形状等を適宜変更して用いれば良い。
また、上記実施の形態では、エンドピン固定具本体101、ストッパー150、エンドピン160をまとめて使用する例について説明したが、これに限るものではなく、それぞれのものを別々に使用することも可能である。
1 エンドピン固定具
2 エンドピン
3 楽器
10 台座部
11 筒状部
12 貫通孔
13 当接部
14 溝部(被係止手段)
15 凹部
20 エンドピン保持部
20a 分割片
20b 分割片
21 貫通孔
22 凸部(係止手段)
22a 分割凸部
22b 分割凸部
23 エンドピン固定用ネジ穴
24 分割片固定用ネジ穴
25 分割片固定用ネジ
30 挿入部
31 テーパ面
40 エンドピン固定用ネジ
S 隙間(ガタ)
100 エンドピン固定具
101 エンドピン固定具本体
103 楽器
110 コレット式エンドピン固定具(台座部)
111 筒状部
112 貫通孔
113 コレット
114 コレットナット
115 テーパ状部
120 エンドピンクリップ(エンドピン保持部)
121 平面部
122 開放部
123 切欠部
124 スリット(切込部)
125 ネジ穴
127 ボルト(係止手段)
150 ストッパー(エンドピン載置具)
151 載置具本体
152 貫通孔
153 段部
154 段部上面
155 第1プレート(第1板状部材,板状部材)
156 第2プレート(第2板状部材,板状部材)
157 ゲルシート
160 エンドピン
161 エンドピン本体
162 孔部
165 床面当接部
220 エンドピンクリップ(エンドピン保持部)
221 平面部
222 開放部
223 切欠部
224 スリット(切込部)
225 ネジ穴
226 ノブ
227 ボルト(係止手段)
228 突起
K 空間
S 隙間(ガタ)
Y 床面

Claims (9)

  1. 楽器にエンドピンを固定するエンドピン固定具であって、
    前記楽器に取り付ける台座部、
    前記台座部に取り付けられて前記エンドピンを任意の長さで保持するエンドピン保持部、
    の2つの部材を有しており、
    前記エンドピン保持部に形成された係止手段を前記台座部に形成された被係止手段に係止することで前記エンドピン保持部が前記台座部に取り付けられて、前記楽器に前記エンドピンを長さ調整自在に固定するように構成されていることを特徴とするエンドピン固定具。
  2. 前記台座部及び前記エンドピン保持部は、略円筒形状の部材で構成されており、
    前記係止手段は、前記エンドピン保持部の一端部側に設けられて内部方向に突出する凸部で構成されており、
    前記被係止手段は、前記凸部に対向するように前記台座部の一端部側に設けられた溝部で構成されており、
    前記凸部が前記溝部に嵌合し、かつ、前記凸部と前記溝部の間に隙間が生じるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンドピン固定具。
  3. 前記エンドピン保持部が略半円筒形状の2つの分割片で構成されており、
    前記分割片にそれぞれ前記凸部を分割した分割凸部を有しており、
    前記溝部に、前記分割凸部を嵌合させて、前記分割片同士を係合させて前記エンドピン保持部を一体化させることで、前記エンドピン保持部が前記台座部に取り付けられるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のエンドピン固定具。
  4. 楽器にエンドピンを固定するエンドピン固定具であって、
    前記楽器に取り付ける台座部、
    前記エンドピンに取り付けられて前記エンドピンを任意の長さで保持するエンドピン保持部、
    の2つの部材を有しており、
    前記台座部は、前記エンドピンを挿通させて遊嵌するように構成され、
    前記エンドピン保持部は、前記エンドピンを保持した状態で前記台座部に下方から当接し、前記台座部を支持するように構成されていることを特徴とするエンドピン固定具。
  5. 前記エンドピン保持部は、略筒状部材の一部が開放された開放部を有する構成となっており、かつ、前記開放部の双方の端部を近接させる係止手段を有しており、
    前記エンドピン保持部の中心部に前記エンドピンを通した状態で、前記開放部の双方の端部を近接させることで、前記係止手段で前記エンドピンに保持するようになっていることを特徴とする請求項4に記載のエンドピン固定具。
  6. 前記エンドピン保持部は、外周部及び内周部の双方又は何れか一方に1又は複数の切込部が形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のエンドピン固定具。
  7. 楽器に取り付けたエンドピンを床面に保持する際に、前記床面に配置して前記エンドピンを載置するエンドピン載置具を備えており、
    前記エンドピン載置具は、略上面から略下面に掛けて貫通する貫通孔が設けられた載置具本体を有しており、
    前記貫通孔は、前記略上面から前記略下面に向けて径が小さくなるように1又は複数の段部を有しており、
    かつ、前記エンドピン載置具は、前記段部に保持する板状部材を有しており、1つの前記段部に対して複数の前記板状部材を重ねて保持可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のエンドピン固定具。
  8. 前記エンドピンは、前記楽器に挿入する筒状のエンドピン本体を有しており、
    前記エンドピン本体は、その側面に複数の孔部が設けられており、
    前記孔部は、前記エンドピン本体の中心軸から見て複数方向に互い違いに設けられるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のエンドピン固定具。
  9. 前記エンドピンは、
    前記楽器に挿入する筒状のエンドピン本体と、
    前記エンドピン本体の先端に着脱可能に取り付けられる床面当接部と、
    を有しており、
    前記床面当接部が銅製となっていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のエンドピン固定具。
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