JP2023013514A - ターボ圧縮機および冷凍装置 - Google Patents

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佑季 河内谷
Yuki KAWACHIYA
公佑 西村
Kosuke Nishimura
孝一 田中
Koichi Tanaka
有弘 岩田
Arihiro Iwata
大悟 福田
Daigo Fukuda
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Abstract

【課題】風損の増加を抑制しながら軸受を冷却する。【解決手段】ターボ圧縮機(20)は、ケーシング(21)と、ケーシング(21)の内部に収容される電動機(30)と、電動機(30)によって回転駆動される駆動軸(40)と、駆動軸(40)を回転可能に支持するラジアル軸受(63,67)と、ラジアル軸受(63,67)を冷却する液冷媒が流れる冷媒流路(R)とを備える。冷媒流路(R)は、ラジアル軸受(63,67)の外周面に沿って形成される第1流路(74,84)を含む。【選択図】図2

Description

本開示は、ターボ圧縮機および冷凍装置に関する。
従来より、ターボ圧縮機が知られている。特許文献1には、ターボ圧縮機を備える冷凍装置が開示されている。特許文献1の冷凍装置は、凝縮器から排出された冷媒の一部をターボ圧縮機に供給する冷媒供給部(冷媒流路)を備える。冷媒供給部は、ターボ圧縮機の駆動モータ(電動機)およびベアリング部材(軸受)を冷却するように冷媒を供給する。
特開2006-194579号公報
特許文献1では、凝縮器から排出された液冷媒の一部が、冷媒流路を経由して、軸受に供給される。軸受に供給された液冷媒は、軸受の回転部を通過することにより軸受を冷却する。
ところで、特許文献1では、軸受の回転部に液冷媒が流入するため、回転部の回転に伴って、流入した液冷媒が攪拌される。液冷媒が攪拌されると、回転部と液冷媒との間に摩擦が生じ、この摩擦による損失(いわゆる、風損)が増加してしまうという問題があった。
本開示の目的は、風損の増加を抑制しながら軸受を冷却することである。
第1の態様は、ケーシング(21)と、固定子(31)および回転子(32)を有し、前記ケーシング(21)の内部に収容される電動機(30)と、前記電動機(30)によって回転駆動される駆動軸(40)と、前記駆動軸(40)を回転可能に支持するラジアル軸受(63,67)と、前記ラジアル軸受(63,67)を冷却する液冷媒が流れる冷媒流路(R)とを備え、前記冷媒流路(R)は、前記ラジアル軸受(63,67)の外周面に沿って形成される第1流路(74,84)を含むターボ圧縮機である。
第1の態様では、冷媒流路(R)の第1流路(74,84)がラジアル軸受(63,67)の外周面に沿って形成される。このため、ラジアル軸受(63,67)の内部に液冷媒を流入させることなく、ラジアル軸受(63,67)を冷却できる。その結果、液冷媒の攪拌に起因して生じる風損の増加を抑制しながらラジアル軸受(63,67)を冷却できる。
第2の態様は、第1の態様において、前記ラジアル軸受(63,67)を保持する保持部(62,66)を更に備え、前記第1流路(74,84)は、前記保持部(62,66)の内面と前記ラジアル軸受(63,67)の外周面との間に形成される。
第2の態様では、第1流路(74,84)が保持部(62,66)の内面とラジアル軸受(63,67)の外周面との間に形成されるので、第1流路(74,84)を簡単に形成できる。
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記第1流路(74,84)は、前記駆動軸(40)の軸方向へ延びる螺旋状に形成される。
第3の態様では、第1流路(74,84)が螺旋状に形成されるので、ラジアル軸受(63,67)の外周面全体を効率よく冷却できる。
第4の態様は、第1~第3のいずれか1つの態様において、前記冷媒流路(R)から流出した前記液冷媒が貯留される貯留部(27)を更に備え、前記駆動軸(40)は、水平方向に沿って延び、前記貯留部(27)は、前記電動機(30)の下側に設けられる。
第4の態様では、貯留部(27)が電動機(30)の下側に設けられるので、貯留部(27)に溜まった液冷媒に電動機(30)の熱が伝わり、液冷媒が気化する。更に、貯留部(27)において気化したガス冷媒が電動機(30)の周辺を流れることにより、ガス冷媒に電動機(30)の熱が伝わり、ガス冷媒の温度が上昇する。このように、冷媒の状態変化および温度変化により、電動機(30)を冷却できる。
第5の態様は、第4の態様において、前記冷媒流路(R)は、前記貯留部(27)の上側に形成されて前記液冷媒が流出する流出口(76,86)を含み、前記貯留部(27)と前記流出口(76,86)との間には、前記電動機(30)が配置される。
第5の態様では、流出口(76,86)から流出した液冷媒は、自重により落下して電動機(30)を通過し、貯留部(27)に流れ落ちる。この結果、電動機(30)を冷却できる。
第6の態様は、第5の態様において、前記流出口(76,86)は、下向きに開口する。
第6の態様では、流出口(76,86)が下向きに開口しているので、液冷媒が自重で下方に流れやすくなる。
第7の態様は、第5または第6の態様において、前記固定子(31)は、コア(33)と、該コア(33)に巻回されるコイル(34)とを有し、前記貯留部(27)と前記流出口(76,86)との間には、前記コイル(34)が配置される。
第7の態様では、流出口(76,86)から流出した液冷媒は、自重によりコイル(34)に落下する。液冷媒がコイル(34)を通過することで、液冷媒がコイル(34)の熱を奪う。この結果、発熱しやすいコイル(34)を冷却できる。
第8の態様は、第1~第7のいずれか1つの態様において、前記ラジアル軸受(63,67)は、前記電動機(30)の一方側と他方側とに配置され、前記冷媒流路(R)は、一方側の前記ラジアル軸受(63,67)を冷却する第1冷媒流路(70)と、他方側の前記ラジアル軸受(63,67)を冷却する第2冷媒流路(80)とを含む。
第8の態様では、第1冷媒流路(70)によって一方側のラジアル軸受(63,67)を冷却でき、第2冷媒流路(80)によって他方側のラジアル軸受(63,67)を冷却できる。
第9の態様は、第1~第8のいずれか1つの態様において、前記冷媒流路(R)は、前記液冷媒が気化したガス冷媒を排出させる排出口(92)を含み、前記排出口(92)は、前記ケーシング(21)における前記電動機(30)の一方側にのみ形成される。
第9の態様では、ガス冷媒が排出される排出口(92)が、ケーシング(21)における電動機(30)の一方側にのみ形成される。このため、ガス冷媒が電動機(30)の固定子(31)と回転子(32)との間に形成された隙間(35)を電動機(30)の他方側から一方側に向かって流れる。その結果、電動機(30)を冷却できる。
第10の態様は、第1~第9のいずれか1つの態様において、前記駆動軸(40)を回転可能に支持するスラスト軸受(69a)を更に備え、前記冷媒流路(R)は、前記スラスト軸受(69a)に沿って形成される第2流路(73)を含む。
第10の態様では、冷媒流路(R)の第2流路(73)に液冷媒が流れることにより、スラスト軸受(69a)を冷却できる。
第11の態様は、第1~第10のいずれか1つの態様のターボ圧縮機(20)を備えた冷凍装置である。
図1は、実施形態の冷凍装置の概略の構成図である。 図2は、実施形態のターボ圧縮機の全体構成を示す概略の縦断面図である。 図3は、第1ラジアル軸受部材、およびその周辺を拡大した縦断面図である。 図4は、ターボ圧縮機における冷媒流路の冷媒の流れを示す縦断面図である。
《実施形態》
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解の容易のために必要に応じて寸法、比、または数を、誇張あるいは簡略化して表す場合がある。
(1)冷凍装置の概要
図1に示すように、本開示のターボ圧縮機(以下、圧縮機(20)ともいう)は、冷凍装置(1)に設けられる。冷凍装置(1)は、冷媒が充填された冷媒回路(10)を有する。冷媒回路(10)は、主回路(11)、副回路(12)、分岐回路(13)、および戻り回路(14)から構成される。主回路(11)は、主配管(11a)、圧縮機(20)、放熱器(凝縮器)(2)、第1減圧機構(3)、および蒸発器(4)を有する。圧縮機(20)、放熱器(2)、第1減圧機構(3)、および蒸発器(4)は、主配管(11a)によって直列に接続される。第1減圧機構(3)は、膨張弁である。主回路(11)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
冷凍サイクルでは、圧縮機(20)によって圧縮された冷媒が、放熱器(2)において空気に放熱する。放熱した冷媒は、第1減圧機構(3)によって減圧され、蒸発器(4)において蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機(20)に吸入される。
本例の圧縮機(20)は、二段式である。圧縮機(20)は、第1圧縮室(53)と第2圧縮室(58)とを有する。第1圧縮室(53)は、高圧側の圧縮室である。第2圧縮室(58)は、低圧側の圧縮室である。圧縮機(20)では、第1圧縮室(53)および第2圧縮室(58)において、冷媒を二段階で圧縮する。圧縮機(20)の詳細な構成については、後述する。
副回路(12)は、副配管(12a)を有する。副配管(12a)は、その一端が第1圧縮室(53)に接続され、その他端が第2圧縮室(58)に接続される。副配管(12a)は、第2圧縮室(58)の吐出側と、第1圧縮室(53)の吸入側とを接続する。
分岐回路(13)は、分岐主管(13a)、第1分岐管(13b)、第2分岐管(13c)、および第2減圧機構(5)を有する。分岐主管(13a)の一端は、主配管(11a)における放熱器(2)と第1減圧機構(3)との間に接続される。分岐主管(13a)には、第2減圧機構(5)が配置される。第2減圧機構(5)は、膨張弁である。
分岐主管(13a)の他端は、第1分岐管(13b)の一端および第2分岐管(13c)の一端が接続される。言い換えると、分岐回路(13)は、途中で2つに分岐する。第1分岐管(13b)の他端および第2分岐管(13c)の他端は、それぞれ後述する圧縮機(20)の冷媒流路(R)の流入口(71,81)に接続される。
戻り回路(14)は、戻り配管(14a)を有する。戻り配管(14a)の一端は、主配管(11a)における蒸発器(4)と圧縮機(20)との間に接続される。戻り配管(14a)の他端は、後述する圧縮機(20)の冷媒流路(R)の排出口(92)に接続される。
冷凍装置(1)は、空気調和装置である。空気調和装置は、冷房専用機、暖房専用機、あるいは冷房と暖房とを切り換える空気調和装置であってもよい。この場合、空気調和装置は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(例えば四方切換弁)を有する。冷凍装置(1)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する。減圧機構は、電子膨張弁、感温式膨張弁、膨張機、またはキャピラリーチューブで構成される。
(2)圧縮機
図2を参照しながら、圧縮機(20)の概略の構成について説明する。本例の圧縮機(20)は、2つの圧縮機構(50)を有する二段式である。圧縮機(20)は、ケーシング(21)、電動機(30)、駆動軸(40)、および圧縮機構(50)を備える。ケーシング(21)は、電動機(30)、駆動軸(40)、および圧縮機構(50)を収容する。圧縮機(20)は、駆動軸(40)を支持する軸受部材を備える。軸受部材は、第1ラジアル軸受部材(61)、第2ラジアル軸受部材(65)、およびスラスト軸受部材(69)を有する。各軸受部材は、軸受を含む。圧縮機(20)は、軸受を冷却する液冷媒が流れる冷媒流路(R)を備える。
なお、以下の説明において、「軸方向」とは駆動軸(40)の延びる方向のことであり、「径方向」とは軸方向に直交する方向のことであり、「周方向」とは駆動軸(40)の周囲に沿う方向のことである。
(2-1)ケーシング
ケーシング(21)は、胴部(22)と、第1閉塞部(23)と、第2閉塞部(24)とを有する。胴部(22)は、軸方向の両端が開放する筒状に形成される。胴部(22)は、その軸心が水平方向に沿って延びるように配置される。第1閉塞部(23)は、胴部(22)の軸方向の一端側の開放部を閉塞する。第1閉塞部(23)は、その中央に位置する第1ハウジング(25)を含む。第2閉塞部(24)は、胴部(22)の軸方向の他端側の開放部を閉塞する。第2閉塞部(24)は、その中央に位置する第2ハウジング(26)を含む。
胴部(22)は、胴部(22)の本体部(22a)から径方向内方に突出する突出部(22b)を含む。突出部(22b)は、胴部(22)の軸方向中央部に設けられる。突出部(22b)は、胴部(22)の内面の全周に亘って形成される。
ケーシング(21)の底部には、貯留部(27)が形成される。貯留部(27)には、冷媒流路(R)から流出した液冷媒が貯留される。貯留部(27)は、胴部(22)の下部における突出部(22b)の一方側および他方側に形成される。貯留部(27)は、胴部(22)およびラジアル軸受部材(61,65)によって囲まれた空間に設けられる。冷媒流路(R)の詳細については、後述する。
(2-2)電動機
電動機(30)は、胴部(22)の中央に配置される。電動機(30)は、胴部(22)における突出部(22b)の径方向内側に配置される。電動機(30)は、ケーシング(21)の内部空間を第1空間(S1)と第2空間(S2)とに区画する。第1空間(S1)は、第1閉塞部(23)側(電動機(30)の軸方向一方側)に形成される。第2空間(S2)は、第2閉塞部(24)側(電動機(30)の軸方向他方側)に形成される。
電動機(30)は、固定子(31)と回転子(32)とを有する。固定子(31)は、筒状に形成される。固定子(31)は、コア(33)とコイル(34)とを有する。コア(33)は、磁性材料で構成された筒状の部材である。コイル(34)は、コア(33)に巻回される。固定子(31)のコア(33)は、胴部(22)における突出部(22b)の内周面に固定される。コイル(34)は、貯留部(27)の上側に位置する。言い換えると、貯留部(27)は電動機(30)の下側に設けられる。
回転子(32)は、固定子(31)の径方向内側に設けられる。回転子(32)は、固定子(31)のコア(33)と隙間(35)を介して配置される。回転子(32)は、磁性材料で構成された筒状の部材である。隙間(35)は、いわゆるエアギャップである。隙間(35)は、第1空間(S1)と第2空間(S2)とを連通させる。
電動機(30)は、インバータ装置によって運転周波数(回転数)が調節される。言い換えると、圧縮機(20)は、回転数が可変なインバータ式である。このため、電動機(30)の回転数は、比較的低速の回転数から比較的高速の回転数までの間で変化する。
(2-3)駆動軸
駆動軸(40)は、回転子(32)の軸心に固定される。駆動軸(40)は、電動機(30)によって回転駆動される。電動機(30)は、駆動軸(40)の略中央部に配置される。駆動軸(40)は、水平方向に沿って延びる。駆動軸(40)は、ケーシング(21)の軸心に沿って延びる。駆動軸(40)は、第1端部(41)と第2端部(42)とを有する。第1端部(41)は第1閉塞部(23)側の端部であり、第2端部(42)は第2閉塞部(24)側の端部である。
本例の駆動軸(40)には、スラストプレート(43)が設けられる。スラストプレート(43)は、駆動軸(40)の本体(40a)に別部品で構成される。なお、駆動軸(40)の本体(40a)とは一体に構成されてもよい。本例のスラストプレート(43)は、第1端部(41)付近に設けられる。スラストプレート(43)は、駆動軸(40)の本体(40a)から径方向外方に延出する円盤状に形成される。
(2-4)ラジアル軸受部材
本例の圧縮機(20)は、2つのラジアル軸受部材(61,65)を有する。ラジアル軸受部材(61,65)の数、および位置は単なる一例である。
第1ラジアル軸受部材(61)は、駆動軸(40)の第1端部(41)寄りに配置される。第1ラジアル軸受部材(61)は、第1空間(S1)に配置される。第1ラジアル軸受部材(61)は、ケーシング(21)の胴部(22)に固定される。第1ラジアル軸受部材(61)は、第1保持部(62)および第1ラジアル軸受(63)を有する。
第1保持部(62)は、第1ラジアル軸受(63)を保持する。図3に示すように、第1保持部(62)は、第1円板部(62a)と第1円筒部(62b)とを含む。第1円板部(62a)は、第1保持部(62)の軸方向一方側の端部に位置する。第1円板部(62a)は、軸方向に厚みのある円環状に形成される。第1円板部(62a)の外周面は、胴部(22)の内周面に固定される。第1円板部(62a)の軸方向一方側の端面には、凹部(62c)が形成される。凹部(62c)は、軸方向他方側に向かって凹む。凹部(62c)の内部空間は、円柱状に形成される。凹部(62c)には、スラスト軸受部材(69)が配置される。
第1円筒部(62b)は、第1保持部(62)の軸方向他端側の端部に位置する。第1円筒部(62b)は、軸方向に延びる円筒状に形成される。第1円筒部(62b)の外側には、電動機(30)のコイル(34)が配置される。言い換えると、電動機(30)のコイル(34)は、第1円筒部(62b)の外周を囲んでいる。第1円筒部(62b)は、径方向から見て、コイル(34)と重なっている。第1円筒部(62b)の外径は、第1円板部(62a)の外形よりも小さい。第1円筒部(62b)の軸方向一端側の外周面と第1円板部(62a)の軸方向他端側の外周面とは、滑らかに繋がっている。
第1ラジアル軸受(63)は、駆動軸(40)との間に気体膜を形成することにより、駆動軸(40)の径方向に作用する荷重(ラジアル荷重)を支持する気体軸受である。第1ラジアル軸受(63)は、第1ラジアル軸受部材(61)の軸心部に配置される。第1ラジアル軸受(63)は、第1保持部(62)の内周面に固定される。第1ラジアル軸受(63)は、筒状に形成される。第1ラジアル軸受(63)は、駆動軸(40)の第1端部(41)側の部分を回転可能に支持する。
第2ラジアル軸受部材(65)は、駆動軸(40)の第2端部(42)寄りに配置される。第2ラジアル軸受部材(65)は、第2空間(S2)に配置される。第2ラジアル軸受部材(65)は、ケーシング(21)の胴部(22)に固定される。第2ラジアル軸受部材(65)は、第2保持部(66)および第2ラジアル軸受(67)を有する。
第2保持部(66)は、第2ラジアル軸受(67)を保持する。第2保持部(66)は、第2円板部(66a)と第2円筒部(66b)とを含む。第2円板部(66a)は、第2保持部(66)の軸方向他端側の端部に位置する。第2円板部(66a)は、軸方向に厚みのある円環状に形成される。第2円板部(66a)の外周面は、胴部(22)の内周面に固定される。
第2円筒部(66b)は、第2保持部(66)の軸方向一端側の端部に位置する。第2円筒部(66b)は、軸方向に延びる円筒状に形成される。第2円筒部(66b)の外側には、電動機(30)のコイル(34)が配置される。言い換えると、電動機(30)のコイル(34)は、第2円筒部(66b)の外周を囲んでいる。第1円筒部(62b)は、径方向から見て、コイル(34)と重なっている。第2円筒部(66b)の外径は、第2円板部(66a)の外形よりも小さい。第2円筒部(66b)の軸方向他端側の外周面と第2円板部(66a)の軸方向一端側の外周面とは、滑らかに繋がっている。
第2ラジアル軸受(67)は、駆動軸(40)との間に気体膜を形成することにより、駆動軸(40)の径方向に作用する荷重(ラジアル荷重)を支持する気体軸受である。第2ラジアル軸受(67)は、第2ラジアル軸受部材(65)の軸心部に配置される。第2ラジアル軸受(67)は、第2保持部(66)の内周面に固定される。第2ラジアル軸受(67)は、筒状に形成される。第2ラジアル軸受(67)は、駆動軸(40)の第2端部(42)側の部分を回転可能に支持する。
(2-5)スラスト軸受部材
スラスト軸受部材(69)は、第1ラジアル軸受部材(61)の凹部(62c)に固定される。スラスト軸受部材(69)は、駆動軸(40)の第1端部(41)寄りに位置する。スラスト軸受部材(69)は、電動機(30)の一方側に配置される。スラスト軸受部材(69)の内部は、スラストプレート(43)と摺接するスラスト軸受(69a)が形成される。スラスト軸受(69a)は、スラストプレート(43)との間に気体膜を形成することにより、駆動軸(40)の軸方向に作用する荷重(スラスト荷重)を支持する気体軸受である。スラスト軸受(69a)は、駆動軸(40)を回転可能に支持する。
(2-6)圧縮機構
本例の圧縮機構(50)は、羽根車(52,57)の遠心力により流体に運動エネルギーを与え、この運動エネルギーを圧力に変換する遠心式の圧縮機構である。本例の圧縮機(20)は、2つの圧縮機構(50)を有する。第1圧縮機構(51)は、駆動軸(40)の第1端部(41)側に設けられる。第2圧縮機構(56)は、駆動軸(40)の第2端部(42)側に設けられる。第1圧縮機構(51)は、第1ハウジング(25)および第1羽根車(52)を含む。第1羽根車(52)は、駆動軸(40)の第1端部(41)に連結される。第2圧縮機構(56)は、第2ハウジング(26)および第2羽根車(57)を含む。第2羽根車(57)は、駆動軸(40)の第2端部(42)に連結される。各羽根車(52,57)は、複数の羽根を有する。
第1圧縮機構(51)では、第1ハウジング(25)と第1羽根車(52)との間に第1圧縮室(53)が形成される。第1ハウジング(25)には、流体(冷媒)を第1圧縮室(53)に送る第1吸入通路(54)が形成される。第1圧縮室(53)は、高圧側の圧縮室である。第2圧縮機構(56)では、第2ハウジング(26)と羽根車(52,57)との間に第2圧縮室(58)が形成される。第2ハウジング(26)には、流体(冷媒)を第2圧縮室(58)に送る第2吸入通路(59)が形成される。第2圧縮室(58)は、低圧側の圧縮室である。
(3)圧縮機の運転動作
圧縮機(20)の運転動作について説明する。圧縮機(20)の運転時には、電動機(30)が通電状態となる。これにより、駆動軸(40)が回転する。駆動軸(40)が回転すると、駆動軸(40)と連結する各羽根車(52,57)が回転する。
第2羽根車(57)が回転すると、冷媒が第2吸入通路(59)から第2圧縮室(58)に流入する。第2圧縮室(58)では、複数の羽根によって冷媒が径方向外方へ送られ、冷媒の流速が早くなる。この冷媒の速度が加速されることで、冷媒の圧力が高くなる。第2圧縮室(58)に流入した冷媒は、中間圧まで圧縮される。中間圧まで圧縮された冷媒は、副回路(12)を経由して、第1吸入通路(54)に流入する。
第1吸入通路(54)に流入した冷媒は、第1羽根車(52)の回転によって、第1圧縮室(53)に送られる。第1圧縮室(53)では、第2圧縮室(58)と同様に、複数の羽根によって冷媒の速度が加速されることで冷媒の圧力が高くなる。第1圧縮室(53)に流入した冷媒は、高圧まで圧縮される。このようにして圧縮された冷媒は、吐出通路(図示省略)を介してケーシング(21)の外部へ送られる。圧縮機(20)から吐出された冷媒は、冷凍装置(1)の冷凍サイクルに利用される。
(4)冷媒流路
次に、冷媒流路(R)について、図2、図3および図4を参照しながら説明する。
冷媒流路(R)は、ラジアル軸受(63,67)、スラスト軸受(69a)、および電動機(30)を冷却する。冷媒流路(R)には、冷媒が流れる。図2に示すように、冷媒流路(R)は、第1冷媒流路(70)、第2冷媒流路(80)、および第3冷媒流路(90)を含む。
(4-1)第1冷媒流路
図3に示すように、第1冷媒流路(70)は、ケーシング(21)の胴部(22)および第1ラジアル軸受部材(61)に形成される。第1冷媒流路(70)は、スラスト軸受(69a)および第1ラジアル軸受(63)を冷却する。第1冷媒流路(70)は、液冷媒が流れる。第1冷媒流路(70)は、第1流入口(71)、第1導入路(72)、スラスト軸受冷却路(73)、第1ラジアル軸受冷却路(74)、第1流出路(75)、および第1流出口(76)を含む。第1ラジアル軸受冷却路(74)は、本開示の第1流路に対応する。スラスト軸受冷却路(73)は、本開示の第2流路に対応する。
第1流入口(71)は、液冷媒を第1冷媒流路(70)に流入させるための開口である。第1流入口(71)は、胴部(22)の頂部に形成される。第1流入口(71)は、胴部(22)における第1閉塞部(23)寄りに形成される。第1流入口(71)は、第1導入路(72)の流入端である。第1流入口(71)は、第1分岐管(13b)の流出端に接続される。
第1導入路(72)は、胴部(22)の本体部(22a)と第1保持部(62)の第1円板部(62a)とに跨って形成される。詳細には、第1導入路(72)は、胴部(22)の本体部(22a)を径方向に貫通した後、第1円板部(62a)の外縁部から径方向内方に延びる。言い換えると、第1導入路(72)は、胴部(22)の頂部から下方に真っ直ぐに延びる。第1導入路(72)の流出端は、スラスト軸受冷却路(73)の流入端に接続される。
スラスト軸受冷却路(73)は、スラスト軸受(69a)を冷却する通路である。スラスト軸受冷却路(73)は、スラスト軸受(69a)に沿って形成される。言い換えると、スラスト軸受冷却路(73)は、第1円板部(62a)の凹部(62c)における底面に沿って形成される。スラスト軸受冷却路(73)は、第1円板部(62a)の凹部(62c)の内部空間に面する。スラスト軸受冷却路(73)は、凹部(62c)に形成された溝である。スラスト軸受冷却路(73)は、凹部(62c)の底面の外縁部から径方向内方に真っ直ぐ延びる。スラスト軸受冷却路(73)に液冷媒が流れることで、スラスト軸受(69a)の側面に液冷媒が触れ、スラスト軸受(69a)が冷却される。スラスト軸受冷却路(73)の流出端は、第1ラジアル軸受冷却路(74)の流入端に接続する。
第1ラジアル軸受冷却路(74)は、第1ラジアル軸受(63)を冷却する通路である。第1ラジアル軸受冷却路(74)は、第1ラジアル軸受(63)の外周面に沿って形成される螺旋状の溝によって構成される。第1ラジアル軸受冷却路(74)は、駆動軸(40)の軸方向へ延びる。第1ラジアル軸受冷却路(74)は、第1保持部(62)の第1円板部(62a)の内周面から第1円筒部(62b)の内周面に亘って形成される。第1ラジアル軸受冷却路(74)は、第1保持部(62)の内周面と第1ラジアル軸受(63)の外周面との間に形成される。第1ラジアル軸受冷却路(74)に液冷媒が流れることで、第1ラジアル軸受(63)の外周面に液冷媒が触れ、第1ラジアル軸受(63)が冷却される。第1ラジアル軸受冷却路(74)の流出端は、第1流出路(75)の流入端に接続する。
第1流出路(75)は、第1円筒部(62b)を径方向に貫通する通路である。第1流出路(75)は、下方に真っ直ぐに延びる。第1流出路(75)の流出端は、第1流出口(76)である。第1流出口(76)は、第1冷媒流路(70)を通過した液冷媒が流出する開口である。第1流出口(76)は、第1円筒部(62b)における軸方向他端寄りに形成される。第1流出口(76)は、電動機(30)のコイル(34)の端部(コイルエンド)よりも固定子(31)のコア(33)側に形成される。第1流出口(76)は、貯留部(27)の上方に位置する。第1流出口(76)は、コイル(34)の上方に位置する。言い換えると、貯留部(27)と第1流出口(76)との間には、電動機(30)のコイル(34)が配置される。
第1流出口(76)から流出した液冷媒が自重によりコイル(34)に落下する。コイル(34)に落下した液冷媒は、コイル(34)の間を通過する際にコイル(34)を冷却しながら落下する。コイル(34)を通過した液冷媒は、さらに落下し、貯留部(27)に貯留される。このように第1流出口(76)がコイル(34)の上方に位置することにより、第1流出口(76)から流出した液冷媒によってコイル(34)が冷却される。
第1流出口(76)は、下向きに開口する。第1流出口(76)が下向きに開口することにより、ケーシング(21)内に駆動軸(40)の回転による旋回流が発生していても、第1冷媒流路(70)から流出した液冷媒が自重により下方に落下しやすくなる。これにより、さらにコイル(34)を冷却できる。
(4-2)第2冷媒流路
図4に示すように、第2冷媒流路(80)は、ケーシング(21)の胴部(22)および第2ラジアル軸受部材(65)に形成される。第2冷媒流路(80)は、第2ラジアル軸受(67)を冷却する。第2冷媒流路(80)は、液冷媒が流れる。第2冷媒流路(80)は、第2流入口(81)、第2導入路(82)、第2ラジアル軸受冷却路(84)、第2流出路(85)、および第2流出口(86)を含む。第2ラジアル軸受冷却路(84)は、本開示の第1流路に対応する。
第2流入口(81)は、液冷媒を第2冷媒流路(80)に流入させるための開口である。第2流入口(81)は、胴部(22)の頂部に形成される。第2流入口(81)は、胴部(22)における第2閉塞部(24)寄りに形成される。第2流入口(81)は、第2導入路(82)の流入端である。第2流入口(81)は、第2分岐管(13c)の流出端に接続される。
第2導入路(82)は、胴部(22)の本体部(22a)と第2保持部(66)の第2円板部(66a)とに跨って形成される。詳細には、第2導入路(82)は、胴部(22)の本体部(22a)を径方向に貫通した後、第2円板部(66a)の外縁部から径方向内方に延びる。言い換えると、第2導入路(82)は、胴部(22)の頂部から下方に真っ直ぐに延びる。第2導入路(82)の流出端は、第2ラジアル軸受冷却路(84)の流入端に接続される。
第2ラジアル軸受冷却路(84)は、第2ラジアル軸受(67)を冷却する通路である。第2ラジアル軸受冷却路(84)は、第2ラジアル軸受(67)の外周面に沿って形成される螺旋状の溝によって構成される。第2ラジアル軸受冷却路(84)は、駆動軸(40)の軸方向へ延びる。第2ラジアル軸受冷却路(84)は、第2保持部(66)の第2円板部(66a)の内周面から第2円筒部(66b)の内周面に亘って形成される。第2ラジアル軸受冷却路(84)は、第2保持部(66)の内周面と第2ラジアル軸受(67)の外周面との間に形成される。第2ラジアル軸受冷却路(84)に液冷媒が流れることで、第2ラジアル軸受(67)の外周面に液冷媒が触れ、第1ラジアル軸受(63)が冷却される。第2ラジアル軸受冷却路(84)の流出端は、第2流出路(85)の流入端に接続する。
第2流出路(85)は、第2円筒部(66b)を径方向に貫通する通路である。第2流出路(85)は、第2円筒部(66b)を下方に真っ直ぐに延びる。第2流出路(85)の流出端は、第2流出口(86)である。第2流出口(86)は、第2冷媒流路(80)を通過した液冷媒が流出する開口である。第2流出口(86)は、第2円筒部(66b)における軸方向一端寄りに形成される。第2流出口(86)は、電動機(30)のコイル(34)の端部(コイルエンド)よりも固定子(31)のコア(33)側に形成される。第2流出口(86)は、貯留部(27)の上方に位置する。第2流出口(86)は、コイル(34)の上方に位置する。言い換えると、貯留部(27)と第2流出口(86)との間には、電動機(30)のコイル(34)が配置される。
第2流出口(86)から流出した液冷媒が自重によりコイル(34)に落下する。コイル(34)に落下した液冷媒は、コイル(34)の間を通過する際にコイル(34)を冷却しながら落下する。コイル(34)を通過した液冷媒は、さらに落下し、貯留部(27)に貯留される。このように第2流出口(86)がコイル(34)の上方に位置することにより、第2流出口(86)から流出した液冷媒によってコイル(34)が冷却される。
第2流出口(86)は、下向きに開口する。第2流出口(86)が下向きに開口することにより、ケーシング(21)内に駆動軸(40)の回転による旋回流が発生していても、第2冷媒流路(80)から流出した液冷媒が自重により下方に落下しやすくなる。これにより、さらにコイル(34)を冷却できる。
(4-3)第3冷媒流路
第3冷媒流路(90)は、電動機(30)を冷却する。第3冷媒流路(90)は、ガス冷媒が流れる。第3冷媒流路(90)を流れるガス冷媒は、貯留部(27)に溜まった液冷媒が電動機(30)の熱により気化したものである。第3冷媒流路(90)は、第2空間(S2)、電動機(30)の隙間(35)、第1空間(S1)、ガス排出路(91)、および排出口(92)を含む。第3冷媒流路(90)を流れるガス冷媒は、第2空間(S2)、隙間(35)、第1空間(S1)、ガス排出路(91)、および排出口(92)の順に流れる。
ガス排出路(91)は、ガス冷媒をケーシング(21)の外部へ排出する通路である。ガス排出路(91)は、第1閉塞部(23)の上部を軸方向に貫通する。排出口(92)は、ガス排出路(91)の流出端である。排出口(92)は、第1閉塞部(23)の軸方向一方側の端面に形成される。排出口(92)は、戻り配管(14a)の流入端に接続される。
本例では、排出口(92)は、ケーシング(21)における電動機(30)の一方側の面にのみ形成される。このように排出口(92)が形成されることにより、ケーシング(21)内のガス冷媒が電動機(30)の他方側から一方側に流れる流れが形成される。具体的には、貯留部(27)で気化したガス冷媒が第2空間(S2)から第1空間(S1)に向かって、電動機(30)の隙間(35)を流れる。これにより、電動機(30)の隙間(35)を通過したガス冷媒が電動機(30)の熱を奪うことで、電動機(30)が冷却される。
(5)冷媒の流れ
次に、冷媒の流れについて、図1および図4を参照しながら説明する。
圧縮機(20)が駆動するとともに、冷凍装置(1)が運転を開始すると、図1に示すように、液冷媒が放熱器(2)の下流側から分岐主管(13a)に流入する。分岐主管(13a)に流入した液冷媒は、第1分岐管(13b)と第2分岐管(13c)とに分かれる。
(5-1)第1冷媒流路の流れ
図4において実線で示すように、第1分岐管(13b)に流入した液冷媒は、ケーシング(21)の第1流入口(71)から第1冷媒流路(70)に流入する。第1流入口(71)に流入した液冷媒は、第1導入路(72)内を下方に向かって流れ、スラスト軸受冷却路(73)に流入する。スラスト軸受冷却路(73)に流入した液冷媒は、スラスト軸受(69a)に沿って流れる。これにより、スラスト軸受(69a)の熱を奪うことで、スラスト軸受(69a)を冷却する。
スラスト軸受冷却路(73)から流出した液冷媒は、第1ラジアル軸受冷却路(74)に流入する。第1ラジアル軸受冷却路(74)に流入した液冷媒は、軸方向一方側から他方側に向かって流れる。ここで、第1ラジアル軸受冷却路(74)は、第1ラジアル軸受(63)の外周面に沿って螺旋状に形成されているので、ラジアル軸受(63,67)の外周面の全体を均一に冷却することができる。
第1ラジアル軸受冷却路(74)から流出した液冷媒は、第1流出路(75)を経由して、第1流出口(76)から流出する。第1流出口(76)から流出した液冷媒は、自重により電動機(30)のコイル(34)に落下し、コイル(34)の内部を通過する。その際に、液冷媒はコイル(34)から熱を奪うことで、コイル(34)を冷却する。コイル(34)を通過した液冷媒は、更に下方に落下し、第1空間(S1)の下部に形成された貯留部(27)に流れ込む。これにより、第1空間(S1)の貯留部(27)に液冷媒が貯留される。
(5-2)第2冷媒流路の流れ
図4において実線で示すように、第2分岐管(13c)に流入した液冷媒は、ケーシング(21)の第2流入口(81)から第2冷媒流路(80)に流入する。第2流入口(81)に流入した液冷媒は、第2導入路(82)内を下方に向かって流れ、第2ラジアル軸受冷却路(84)に流入する。第2ラジアル軸受冷却路(84)に流入した液冷媒は、軸方向他方側から一方側に向かって流れる。ここで、第2ラジアル軸受冷却路(84)は、第2ラジアル軸受(67)の外周面に沿って螺旋状に形成されているので、ラジアル軸受(63,67)の外周面の全体を均一に冷却することができる。
第2ラジアル軸受冷却路(84)から流出した液冷媒は、第2流出路(85)を経由して、第2流出口(86)から流出する。第2流出口(86)から流出した液冷媒は、自重により電動機(30)のコイル(34)に落下し、コイル(34)の内部を通過する。その際に、液冷媒はコイル(34)から熱を奪うことで、コイル(34)を冷却する。コイル(34)を通過した液冷媒は、更に下方に落下し、第2空間(S2)の下部に形成された貯留部(27)に流れ込む。これにより、第2空間(S2)の貯留部(27)に液冷媒が貯留される。
(5-3)第3冷媒流路の流れ
第2空間(S2)の貯留部(27)に貯留された液冷媒は、電動機(30)の熱を奪うことで気化する。このように冷媒の状態が変化することにより、電動機(30)が冷却される。図4において破線で示すように、貯留部(27)で気化したガス冷媒は、第2空間(S2)内を上昇し、電動機(30)の隙間(35)を介して、第1空間(S1)に流入する。
このとき、電動機(30)の周辺および隙間(35)を通過したガス冷媒は、電動機(30)の熱を奪うことで温度が上昇する。このように、冷媒の温度が上昇することにより、電動機(30)が冷却される。
第1空間(S1)の貯留部(27)に貯留された液冷媒は、第2空間(S2)の貯留部(27)の液冷媒と同様に、電動機(30)の熱を奪うことで気化する。第1空間(S1)で気化したガス冷媒に第2空間(S2)から流出したガス冷媒が合流し、合流したガス冷媒は、第1空間(S1)内を上昇する。このとき、合流したガス冷媒は、電動機(30)の熱を奪うことで、更に温度が上昇する。このように冷媒の温度が上昇することにより、電動機(30)が冷却される。
第1空間(S1)内を上昇したガス冷媒は、ガス排出路(91)に流入する。ガス排出路(91)に流入したガス冷媒は、排出口(92)を経由して、ケーシング(21)の外部へ排出される。排出口(92)から排出されたガス冷媒は、戻り配管(14a)を経由して、再び圧縮機(20)へ戻される。
(6)特徴
(6-1)
冷媒流路(R)は、ラジアル軸受(63,67)の外周面に沿って形成されるラジアル軸受冷却路(74,84)を含む。ここで、液冷媒をラジアル軸受(63,67)の回転部分に流入させることで、ラジアル軸受(63,67)を冷却する場合、ラジアル軸受(63,67)の回転に伴って、流入した液冷媒が攪拌される。液冷媒が攪拌されると、ラジアル軸受(63,67)の回転部分と液冷媒との間に摩擦が生じ、この摩擦による損失(いわゆる、風損)が増加してしまう。その結果、駆動軸(40)を高速回転させたときの損失が大きくなり、圧縮機(20)の効率が低下してしまう。
これに対し、本構成では、ラジアル軸受冷却路(74,84)がラジアル軸受(63,67)の外周面に沿って形成されるので、ラジアル軸受(63,67)の内部に液冷媒を流入させることなく、ラジアル軸受(63,67)を冷却できる。その結果、液冷媒の攪拌に起因して生じる風損の増加を抑制しながら、ラジアル軸受(63,67)を冷却できる。
ラジアル軸受(63,67)として気体軸受を用いる場合、本構成のラジアル軸受冷却路(74,84)では、ラジアル軸受(63,67)の外周面に沿って形成されるので、ラジアル軸受(63,67)の内部に液冷媒を流入させることなくラジアル軸受(63,67)を冷却できる。その結果、ラジアル軸受(63,67)としての気体軸受の破損を抑制しつつ冷却できる。
(6-2)
ラジアル軸受冷却路(74,84)は、ラジアル軸受(63,67)における保持部(62,66)の内周面と、ラジアル軸受(63,67)の外周面との間に形成される。このため、簡単にラジアル軸受冷却路(74,84)を形成できる。
(6-3)
ラジアル軸受冷却路(74,84)は、駆動軸(40)の軸方向へ延びる螺旋状に形成される。このため、1つの流路でラジアル軸受(63,67)の外周面の全体を均一に効率よく冷却できる。
(6-4)
貯留部(27)は、電動機(30)の下側に設けられる。このため、貯留部(27)に溜まった液冷媒に電動機(30)の熱が伝わり、液冷媒が気化する。更に、貯留部(27)において気化したガス冷媒が電動機(30)の周辺を流れることにより、ガス冷媒に電動機(30)の熱が伝わり、ガス冷媒の温度が上昇する。このように、冷媒の状態変化および温度変化により、電動機(30)を冷却できる。
(6-5)
流出口(76,86)は、貯留部(27)の上側に形成される。貯留部(27)と流出口(76,86)との間には、電動機(30)が配置される。このため、流出口(76,86)から流出した液冷媒は、自重により落下して電動機(30)を通過する。電動機(30)を通過した液冷媒は、貯留部(27)に流れ落ちる。液冷媒が電動機(30)を通過する際、液冷媒が電動機(30)の熱を奪う。この結果、電動機(30)を冷却できる。
(6-6)
流出口(76,86)は、下向きに開口する。このため、ケーシング(21)において駆動軸(40)の回転に伴う旋回流が生じていても、液冷媒が自重で下方に流れやすくなる。
(6-7)
貯留部(27)と流出口(76,86)との間には、電動機(30)のコイル(34)が配置される。このため、流出口(76,86)から流出した液冷媒は、自重によりコイル(34)に落下する。液冷媒がコイル(34)を通過することで、液冷媒がコイル(34)の熱を奪う。この結果、発熱しやすいコイル(34)を冷却できる。
(6-8)
冷媒流路(R)は、第1ラジアル軸受(63)を冷却する第1冷媒流路(70)と、第2ラジアル軸受(67)を冷却する第2冷媒流路(80)とを含む。このため、第1冷媒流路(70)によって第1ラジアル軸受(63)を冷却でき、第2冷媒流路(80)によって第2ラジアル軸受(67)を冷却できる。
(6-9)
冷媒流路(R)は、液冷媒が気化したガス冷媒を排出させる排出口(92)を含む。排出口(92)は、ケーシング(21)における電動機(30)の一方側にのみ形成される。このため、ガス冷媒が電動機(30)の固定子(31)と回転子(32)との間に形成された隙間(35)を、電動機(30)の他方側から一方側に向かって流れる。ガス冷媒が隙間(35)を流れる際に、ガス冷媒は電動機(30)の熱を奪う。その結果、電動機(30)を冷却できる。
(6-10)
冷媒流路(R)は、スラスト軸受(69a)に沿って形成されるスラスト軸受冷却路(73)を含む。このため、スラスト軸受冷却路(73)に液冷媒が流れることにより、スラスト軸受(69a)を冷却できる。
(7)変形例
上記実施形態については、以下のような変形例としてもよい。なお、以下の説明では、原則として実施形態と異なる点について説明する。
(7-1)変形例1:ラジアル軸受冷却路の構成
ラジアル軸受冷却路(74,84)は、直線状に形成されてもよい。この場合、ラジアル軸受冷却路(74,84)は、ラジアル軸受(63,67)の外周面に沿って軸方向に延びる1つの流路で構成されてもよく、複数の流路で構成されてもよい。
(7-2)変形例2:軸受の構成
ラジアル軸受(63,67)およびスラスト軸受(69a)は、気体軸受以外の軸受であってもよい。例えば、液体軸受、転がり軸受、すべり軸受、磁気軸受等であってもよい。
(7-3)変形例3:ケーシングの形状
ケーシング(21)の胴部(22)には、突出部(22b)が設けられなくてもよい。この場合、固定子(31)のコア(33)は、胴部(22)の本体部(22a)の内周面に固定される。貯留部(27)は、胴部(22)の内周面、固定子(31)のコア(33)、およびラジアル軸受部材(61,65)によって囲まれた空間に設けられる。
(7-4)変形例4:排出口(92)の位置
第3冷媒流路(90)のガス排出路(91)および排出口(92)は、ケーシング(21)における電動機(30)の他端側の面に形成されてもよい。言い換えると、ガス排出路(91)および排出口(92)は、ケーシング(21)における電動機(30)の一端側の面および他端側の面のいずれか一方にのみ形成されればよい。
(7-5)変形例5:その他の適用例
本開示の冷媒流路(R)は、1つの圧縮機構(50)を有する単段式のターボ圧縮機(20)に適用されてもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、及びその他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、ターボ圧縮機および冷凍装置について有用である。
1 冷凍装置
20 圧縮機(ターボ圧縮機)
21 ケーシング
27 貯留部
30 電動機
31 固定子
32 回転子
33 コア
34 コイル
40 駆動軸
62,66 保持部
63,67 ラジアル軸受
69a スラスト軸受
70 第1冷媒流路
73 スラスト軸受冷却路(第2流路)
74,84 ラジアル軸受冷却路(第1流路)
76,86 流出口
80 第2冷媒流路
92 排出口
R 冷媒流路

Claims (11)

  1. ケーシング(21)と、
    固定子(31)および回転子(32)を有し、前記ケーシング(21)の内部に収容される電動機(30)と、
    前記電動機(30)によって回転駆動される駆動軸(40)と、
    前記駆動軸(40)を回転可能に支持するラジアル軸受(63,67)と、
    前記ラジアル軸受(63,67)を冷却する液冷媒が流れる冷媒流路(R)とを備え、
    前記冷媒流路(R)は、前記ラジアル軸受(63,67)の外周面に沿って形成される第1流路(74,84)を含む
    ターボ圧縮機。
  2. 前記ラジアル軸受(63,67)を保持する保持部(62,66)を更に備え、
    前記第1流路(74,84)は、前記保持部(62,66)の内面と前記ラジアル軸受(63,67)の外周面との間に形成される
    請求項1に記載のターボ圧縮機。
  3. 前記第1流路(74,84)は、前記駆動軸(40)の軸方向へ延びる螺旋状に形成される
    請求項1または2に記載のターボ圧縮機。
  4. 前記冷媒流路(R)から流出した前記液冷媒が貯留される貯留部(27)を更に備え、
    前記駆動軸(40)は、水平方向に沿って延び、
    前記貯留部(27)は、前記電動機(30)の下側に設けられる
    請求項1~3のいずれか1つに記載のターボ圧縮機。
  5. 前記冷媒流路(R)は、前記貯留部(27)の上側に形成されて前記液冷媒が流出する流出口(76,86)を含み、
    前記貯留部(27)と前記流出口(76,86)との間には、前記電動機(30)が配置される
    請求項4に記載のターボ圧縮機。
  6. 前記流出口(76,86)は、下向きに開口する
    請求項5に記載のターボ圧縮機。
  7. 前記固定子(31)は、コア(33)と、該コア(33)に巻回されるコイル(34)とを有し、
    前記貯留部(27)と前記流出口(76,86)との間には、前記コイル(34)が配置される
    請求項5または6に記載のターボ圧縮機。
  8. 前記ラジアル軸受(63,67)は、前記電動機(30)の一方側と他方側とに配置され、
    前記冷媒流路(R)は、一方側の前記ラジアル軸受(63,67)を冷却する第1冷媒流路(70)と、他方側の前記ラジアル軸受(63,67)を冷却する第2冷媒流路(80)とを含む
    請求項1~7のいずれか1つに記載のターボ圧縮機。
  9. 前記冷媒流路(R)は、前記液冷媒が気化したガス冷媒を排出させる排出口(92)を含み、
    前記排出口(92)は、前記ケーシング(21)における前記電動機(30)の一方側にのみ形成される
    請求項1~8のいずれか1つに記載のターボ圧縮機。
  10. 前記駆動軸(40)を回転可能に支持するスラスト軸受(69a)を更に備え、
    前記冷媒流路(R)は、前記スラスト軸受(69a)に沿って形成される第2流路(73)を含む
    請求項1~9のいずれか1つに記載のターボ圧縮機。
  11. 請求項1~10のいずれか1つに記載のターボ圧縮機(20)を備えた冷凍装置。
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