JP2023013232A - 空調装置の有する機器を制御する制御装置を管理する管理装置、管理装置を備える空調システム、及び管理装置を用いて制御パラメータを調整する方法 - Google Patents

空調装置の有する機器を制御する制御装置を管理する管理装置、管理装置を備える空調システム、及び管理装置を用いて制御パラメータを調整する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】空調装置の機器の制御パラメータの短時間チューニングを可能とする管理装置、管理装置を備えた空調システム、及び管理装置を用いた制御パラメータの調整方法を提供する。【解決手段】管理装置1000は、データベース1500と制御部1100とを備える。データベースは、既設の空調装置について、空調装置毎に、装置構成の情報と、空調装置の機器を制御するために制御装置が用いる試運転時の第1パラメータ及びチューニング後の第2パラメータと、第1パラメータを用いて機器を制御した際の第1制御結果を格納する。制御部は、データベースから、装置構成の情報、第1パラメータ、及び第1制御結果が、空調装置10αの装置構成の情報、初期パラメータ、及び初期制御結果と類似する空調装置を特定し、類似する空調装置の第2パラメータに基づき、空調装置10αの機器を制御する制御装置100αで用いる制御パラメータの候補を決定し、出力する。【選択図】図2

Description

空調装置の有する機器を制御する制御装置を管理する管理装置、管理装置を備える空調システム、及び管理装置を用いて制御パラメータを調整する方法に関する。
空調装置の設置の際などに、空調装置が適切に動作するように試運転を行い、空調装置の機器の制御に用いる制御パラメータの調整(以後、チューニングと呼ぶ)を行うことがある。従来、このような制御パラメータのチューニングは、空調装置の設置作業者等が、手動で行ったり、制御装置のオートチューニング機能を利用して行ったりしている。しかし、このような方法で制御パラメータのチューニングを行う場合、制御パラメータのチューニング対象の機器が多いと、チューニングに長時間を要するという課題がある。
このような課題に対し、特許文献1(特開2009-301392号公報)には、複数の類似する装置の制御パラメータをチューニングする際、1の装置に対して制御パラメータのチューニングを行い、他の装置に対しては、1の装置に対するチューニングで得られた制御パラメータを流用するという、制御パラメータのチューニング方法が開示されている。
しかし、特許文献1(特開2009-301392号公報)の制御パラメータのチューニング方法では、少なくとも1の装置については、制御パラメータのチューニングを1から行う必要があり、この作業に長時間を要する可能性がある。
また、空調装置の有する構成機器の種類が類似していても、構成機器の種類以外の仕様の違いによって、適切な制御パラメータが異なる場合があり、1の空調装置について適切な制御パラメータを得ても、その制御パラメータを他の空調装置に流用できない場合がある。
第1観点の管理装置は、空調装置の有する機器を制御する制御装置を管理する管理装置である。管理装置は、データベースと、制御部と、を備える。データベースは、既設の空調装置について、空調装置毎に、空調装置の装置構成の情報、空調装置の有する機器を制御するために制御装置が用いる制御パラメータ、及び、制御パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の制御結果、を関連付けて格納する。データベースに格納される制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータと、チューニング後の第2パラメータと、を含む。データベースに格納される制御結果には、第1パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の第1制御結果を含む。制御部は、第1空調装置の装置構成の情報と、初期パラメータと、初期制御結果と、を取得する。第1空調装置は、機器として第1機器を有する。第1制御装置は、第1機器を制御する。初期パラメータは、第1機器の試運転の際に、第1制御装置が第1機器を制御するために用いる、制御パラメータである。初期制御結果は、第1制御装置が初期パラメータを用いて第1機器を制御した際の制御結果である。制御部は、データベースに格納されているデータから、関連付けられている装置構成の情報、第1パラメータ、及び第1制御結果が、第1空調装置の装置構成の情報、初期パラメータ、及び初期制御結果と類似する空調装置を、類似空調装置として特定する。制御部は、データベースに格納されている、類似空調装置の第2制御パラメータに基づいて、第1制御装置で用いる制御パラメータの候補を決定する。制御部は、決定した制御パラメータの候補を出力する。
第1観点の管理装置では、データベースに蓄積されている既設の空調装置のデータの中から、空調装置の構成や機器の応答特性が類似する類似空調装置のデータが特定され、類似空調装置のチューニング済みの第2パラメータに基づいて、第1制御装置が第1機器を制御するために用いる制御パラメータの候補が決定される。この結果、第1制御装置において、空調装置の構成や機器の応答特性が類似する既設の空調装置において実際に機器の制御に用いられる第2パラメータの情報を活用して、制御パラメータのチューニングを短時間で完了できる。
第2観点の管理装置は、第1観点の管理装置であって、初期パラメータは、第1空調装置の装置構成の情報に基づき設定される。
第2観点の管理装置では、例えば、常に同一の初期パラメータを用いる場合に比べ、試運転の際に、ある程度妥当な制御パラメータを用いて初期制御結果を得ることができる。そのため、制御部は、ある程度妥当な初期パラメータと、その初期パラメータを用いた初期制御結果と、に基づき、適切な制御パラメータの候補を決定できる。
第3観点の管理装置は、第1観点又は第2観点の管理装置であって、装置構成の情報には、第1情報と、第2情報と、を含む。第1情報は、空調装置が有する構成機器の種類に関する情報である。第2情報は、構成機器の台数、構成機器の接続状態、又は空調装置に設けられるセンサの種類及び位置に関する情報である。
第3観点の管理装置では、第1情報及び第2情報を含む装置構成の情報を利用することで、類似空調装置を適切に特定し、その類似空調装置の第2パラメータに基づいて、第1制御装置が第1機器を制御するために用いる制御パラメータの候補を適切に決定できる。
第4観点の管理装置は、第1観点から第3観点のいずれかの管理装置であって、データベースに格納される制御結果には、第2パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の第2制御結果を更に含む。制御部は、データベースに格納されている、類似空調装置の第2制御結果を、第1グループと、第2グループと、にクラスタリングする。制御部は、データベースに格納されている、第1グループの第2制御結果と関連付けられている第2パラメータに基づいて、第1制御装置で用いる制御パラメータの候補Aを決定する。制御部は、データベースに格納されている、第2グループの第2制御結果と関連付けられている第2パラメータに基づいて、第1制御装置で用いる制御パラメータの候補Bを決定する。制御部は、決定した制御パラメータの候補A及び候補Bを出力する。
第4観点の管理装置では、第2制御結果が複数のグループにクラスタリングされ、グループ毎に、第1制御装置で用いる制御パラメータの候補が決定される。そのため、第1制御装置で用いる制御パラメータのチューニングを行う作業者は、希望に近い制御結果が得られる制御パラメータをチューニングの際に利用できる。
第5観点の管理装置は、第4観点の管理装置であって、制御部は、制御パラメータの候補A及び第1制御装置が制御パラメータの候補Aを用いて第1機器を制御した際の制御結果の予想と、制御パラメータの候補B及び第1制御装置が制御パラメータの候補Bを用いて第1機器を制御した際の制御結果の予想と、を出力する。
第5観点の管理装置では、各候補の制御パラメータについて、その制御パラメータを用いた時の制御結果の予想も出力される。そのため、第1制御装置で用いる制御パラメータのチューニングを行う作業者は、各候補の制御パラメータを用いた時の制御結果を把握した上で、どの候補を選択するかを決定できる。
第6観点の管理装置は、第1観点から第3観点の管理装置であって、チューニング条件の選択を受け付ける受付部、を更に備える。データベースに格納される制御結果には、第2パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の第2制御結果を更に含む。制御部は、データベースに格納されている、類似空調装置の第2制御結果の中から、受付部が受け付けたチューニング条件に対応する第2制御結果を特定する。制御部は、データベースに格納されている、チューニング条件に対応する第2制御結果と関連付けられている第2パラメータに基づいて、第1制御装置で用いる制御パラメータの候補を決定する。制御部は、決定した制御パラメータの候補を出力する。
第6観点の管理装置は、選択したチューニング条件に対応する制御パラメータの候補を出力する。この管理装置を用いることで、希望のチューニング条件に合う制御パラメータの候補を得ることができる。
第7観点の管理装置は、第1観点から第6観点のいずれかの管理装置であって、制御結果は、制御パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の遅れ時間、立ち上がり時間、ピーク到達時間、最大行き過ぎ量、又は整定時間のいずれかを含む。
第8観点の空調システムは、空調装置と、空調装置の有する機器を制御する制御装置と、制御装置を管理する管理装置と、を備える。管理装置は、データベースと、制御部と、を備える。データベースは、既設の空調装置について、空調装置毎に、空調装置の装置構成の情報、空調装置の有する機器を制御するために制御装置が用いる制御パラメータ、及び、制御パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の制御結果、を関連付けて格納する。データベースに格納される制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータと、チューニング後の第2パラメータと、を含む。データベースに格納される制御結果には、第1パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の第1制御結果を含む。制御部は、第1空調装置の装置構成の情報と、初期パラメータと、初期制御結果と、を取得する。第1空調機器は、機器としての第1機器を有する。第1制御装置は、第1機器を制御する。初期パラメータは、第1機器の試運転の際に、第1制御装置が第1機器を制御するために用いる、制御パラメータである。初期制御結果は、第1制御装置が初期パラメータを用いて第1機器を制御した際の制御結果である。制御部は、データベースに格納されているデータから、関連付けられている装置構成の情報、第1パラメータ、及び第1制御結果が、第1空調装置の装置構成の情報、初期パラメータ、及び初期制御結果と類似する空調装置を、類似空調装置として特定する。制御部は、データベースに格納されている、類似空調装置の第2パラメータに基づいて、第1制御装置で用いる制御パラメータの候補を決定する。制御部は、決定した制御パラメータの候補を出力する。
第8観点の空調システムでは、第1制御装置において、空調装置の構成や機器の応答特性が類似する既設の空調装置において機器の制御に用いられる第2パラメータの情報を活用して、制御パラメータのチューニングを短時間で完了できる。
第9観点の方法は、空調装置の有する機器を制御する制御装置の管理装置を用いて、制御装置が機器の制御に用いる制御パラメータを調整する方法である。管理装置は、データベースと、制御部と、を備える。データベースは、既設の空調装置について、空調装置毎に、空調装置の装置構成の情報、空調装置の有する機器を制御するために制御装置が用いる制御パラメータ、及び、制御パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の制御結果、を関連付けて格納する。データベースに格納される制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータと、チューニング後の第2パラメータと、を含む。データベースに格納される制御結果には、第1パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の第1制御結果を含む。第10観点の方法は、以下のステップを備える。
1)制御部が、第1空調装置の装置構成の情報と、初期パラメータと、初期制御結果と、を取得するステップ。ここで、第1空調機器は、機器としての第1機器を有する。第1制御装置は、第1機器を制御する。初期パラメータは、第1機器の試運転の際に、第1制御装置が第1機器を制御するために用いる、制御パラメータである。初期制御結果は、第1制御装置が初期パラメータを用いて第1機器を制御した際の制御結果である。
2)制御部が、データベースに格納されているデータから、関連付けられている装置構成の情報、第1パラメータ、及び第1制御結果が、第1空調装置の装置構成の情報、初期パラメータ、及び初期制御結果と類似する空調装置を、類似空調装置として特定するステップ。
3)制御部が、データベースに格納されている、類似空調装置の第2パラメータに基づいて、第1制御装置で用いる制御パラメータの候補を決定するステップ。
4)制御部が、決定した制御パラメータの候補を出力するステップ。
第10観点の空調システムでは、第1制御装置において、空調装置の構成や機器の応答特性が類似する既設の空調装置において機器の制御に用いられる第2パラメータの情報を活用して、制御パラメータのチューニングを短時間で完了できる。
一実施形態に係る管理装置を含む空調システムの概略構成図である。 図1の管理装置のブロック図である。 空調装置の構成機器の違いの例を説明するための図である。 空調装置の構成機器の違いの他の例を説明するための図である。 空調装置の構成機器の違いの他の例を説明するための図である。 空調装置の構成機器の違いの他の例を説明するための図である。 図2の管理装置のデータベースに記憶されている、空調装置毎の装置構成の情報の例を示す図である。 図2の管理装置のデータベースに記憶されている、空調装置毎の制御パラメータ及び制御結果の例を示す図である。 第1空調装置の第1機器を制御するための初期パラメータの決定方法を説明するための図である。 第1空調装置の類似空調装置の特定方法を説明するための図である。 類似空調装置の制御装置が、チューニング後の制御パラメータ(第2パラメータ)を用いて相当機器を制御した際の制御結果(第2制御結果)を示した図である。 類似空調装置のチューニング後の制御パラメータ(第2パラメータ)を用いて、第1空調装置の第1機器の制御用の制御パラメータの候補を決定する方法を説明するための図である。 制御部による、制御パラメータの各候補と、第1制御装置が制御パラメータの各候補を用いて第1機器を制御した際の制御結果の予想と、の出力の例である。 管理装置による、第1空調装置の第1機器を制御するための制御パラメータ候補の決定処理のフローチャートの例である。 変形例Cの管理装置による、第1空調装置の第1機器を制御するための制御パラメータ候補の決定処理のフローチャートの例である。
本開示の管理装置及びその管理装置を備える空調システムの一例に係る管理装置1000及び管理装置1000を備える空調システム1について、図面を参照しながら説明する。
(1)全体概要
空調システム1について、図1及び図2を参照しながら概説する。図1は、管理装置1000を有する空調システム1の概略構成図である。図2は、管理装置1000のブロック図である。
空調システム1は、空調装置10と、空調装置10を構成する機器の動作を制御する制御装置100と、管理装置1000と、を備える(図1参照)。管理装置1000は、空調装置10の有する機器を制御する制御装置100を管理する装置である。
空調システム1では、制御装置100に対し、空調装置10を構成する機器の少なくとも1つに関し、その機器を制御するために使用する制御パラメータのチューニングが行われる。制御パラメータのチューニングとは、制御装置100が機器の制御に用いる制御パラメータの調整(設定)を意味する。
制御パラメータのチューニングは、空調装置10の設置時等に、空調装置10の設置作業者等が、経験等に基づいて一から手動で行う場合がある。これに対し、本開示の空調システム1では、制御パラメータのチューニングの際に、管理装置1000が、制御パラメータの候補を決定して出力する。
管理装置1000の構成や機能について概説する。
管理装置1000は、例えばコンピュータである。管理装置1000は、制御部1100と、データベース1500と、を備える(図2参照)。
データベース1500は、既設の空調装置について、空調装置毎に、装置構成の情報と、空調装置の有する機器を制御するために制御装置が用いる制御パラメータと、制御パラメータを用いて制御装置が機器を制御した際の制御結果と、を関連付けて格納している。
以下では、既設の空調装置を空調装置A~Zと呼ぶ場合がある。また、空調装置A~Zの制御装置を、制御装置A~Zと呼ぶ場合がある。また、既設の空調装置A~Zには、10a~10zの参照符号を付し、制御装置A~Zには、100a~100zの参照符号を付す場合がある。なお、ここで使用するA~Zの記号や、図2に描画された空調装置10a~10z及び制御装置100a~100zの台数は、データベース1500にデータが格納されている空調装置の台数を限定するものではない。
制御部1100は、空調装置が新たに設置される際に、空調装置の機器を制御するために制御装置が用いる制御パラメータの候補を決定して出力する。
空調装置が新たに設置される場合を想定する。ここでは、新たに設置される空調装置を、空調装置αと呼ぶ。そして、空調装置αを制御する制御装置(制御装置αと呼ぶ)において、空調装置αの機器Dα1,Dα2,・・・の中の第1機器Dα1を制御するための制御パラメータのチューニングを行う場合を想定する。なお、以下では、空調装置αには、10αの参照符号を付し、制御装置αには、100αの参照符号を付す場合がある。
制御部1100は、データベース1500に格納されている、空調装置10αと類似する空調装置の、第1機器Dα1に相当する機器の制御パラメータに基づいて、制御装置100αで用いる第1機器Dα1の制御パラメータの候補を決定し、これを出力する。第1機器Dα1に相当する機器は、第1機器Dα1と同一の機器、又は、第1機器Dα1と実質的に同一の機器である。以下では、記載の簡素化のため、第1機器Dα1に相当する機器を、相当機器CDと呼ぶ。空調システム1では、管理装置1000の出力する制御パラメータの候補を活用することで、制御装置100αが第1機器Dα1の制御に用いる制御パラメータのチューニングを、比較的短時間で完了できる。
管理装置1000の詳細については後述する。
(2)空調装置及び制御装置
空調装置10及び制御装置100の例を、図1を参照しながら説明する。
空調装置10は、室内空間RMの顕熱負荷及び潜熱負荷を必要量だけ処理し、室内空間RMの温度及び湿度を調節する装置である。空調装置10は、室内空間RMから室内空気RAを取り込み、温度や湿度を調節した後の空気を、供給空気SAとして室内空間RMに供給する。空調装置10は、用途を限定するものではないが、例えば、オフィスビル、店鋪、ホテル、医療施設、工場等の空調を行う装置である。
空調装置10は、チラー50、エアハンドリングユニット20、循環ポンプ42、流量調節弁44、冷却水ポンプ62と、クーリングタワー70と、を主に備える(図1参照)。
チラー50は、冷媒が循環する冷媒回路51を有する。チラー50の第2熱交換器58で冷却された熱媒体(例えば水)は、熱媒体が循環する熱媒体回路40を介してエアハンドリングユニット20へと送られ、空気と熱交換を行った後、熱媒体回路40を介してチラー50へと送られる。チラー50の第1熱交換器54で冷媒と熱交換して加熱された冷却水は、冷却水が循環する冷却水回路60を介してクーリングタワー70へと送られ、クーリングタワー70で放熱した後、冷却水回路60を介してチラー50へと送られる。
なお、図1では、エアハンドリングユニット20を1台しか描画していないが、空調装置10は、複数のエアハンドリングユニット20を有する。ただし、エアハンドリングユニット20の台数は1台であってもよい。また、図1では、空調装置10は、チラー50、冷却水ポンプ62、及び循環ポンプ42をそれぞれ1台しか有していないが、チラー50、冷却水ポンプ62、及び循環ポンプ42の一部又は全部は、複数であってもよい。また、空調システム1は、エアハンドリングユニット20に代え、又は、エアハンドリングユニット20に加えて、1又は複数のファンコイルユニットを備えていてもよい。
空調装置10の機器は、制御装置100と電気的に接続され、制御装置100により制御される。なお、空調装置10の機器は、無線で、制御装置100と通信可能に接続され、制御装置100からの制御信号を受信してもよい。
空調装置10の機器には、例えば、チラー50の圧縮機52及び膨張機構56、熱媒体回路40の循環ポンプ42及び流量調節弁44、エアハンドリングユニット20の電気ヒータ24、加湿器26及び送風ファン28、冷却水回路60に設けられた冷却水ポンプ62及びクーリングタワー70等を含む。
以下に、空調装置10のチラー50、冷却水回路60、熱媒体回路40及びエアハンドリングユニット20と、制御装置100について説明する。また、空調装置10の動作についても説明する。
(2-1)チラー
チラー50は、主に、冷媒回路51を有する(図1参照)。
冷媒回路51は、ここでは、冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う回路である。冷媒回路51で利用される冷媒は、限定するものではないが、例えばR134aやR32等である。なお、チラー50は、ここでは詳細な説明はしないが、吸収式冷凍サイクルを利用した装置であってもよい。
冷媒回路51では、圧縮機52と、第1熱交換器54と、膨張機構56と、第2熱交換器58と、が配管で接続されている(図1参照)。
圧縮機52は、容量可変のインバータ圧縮機である。圧縮機52は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、圧縮機52の動作(圧縮機52の運転、停止、圧縮機52のモータの回転数等)を制御する。圧縮機52の種類を限定するものではないが、圧縮機52は、ターボ圧縮機や、スクリュー圧縮機である。
第1熱交換器54は、放熱器として機能する。第1熱交換器54は、冷媒回路51と接続されている第1伝熱管54aと、冷却水回路60と接続されている第2伝熱管54bとを有する(図1参照)。第1熱交換器54では、冷媒回路51側の第1伝熱管54aを流れる冷媒と、冷却水回路60側の第2伝熱管54bを流れる冷却水と、の間で熱交換が行われる。第1熱交換器54では、圧縮機52が吐出した高温の冷媒が、第2伝熱管54bを流れる冷却水により冷却される。
膨張機構56は、第1熱交換器54で冷却された冷媒を減圧する機構である。膨張機構56の種類を限定するものではないが、膨張機構56は、例えば開度可変の電子膨張弁である。膨張機構56は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、膨張機構56の動作(膨張機構56としての電子膨張弁の開度等)を制御する。
第2熱交換器58は、蒸発器として機能する。第2熱交換器58は、冷媒回路51と接続されている第1伝熱管58aと、熱媒体回路40と接続されている第2伝熱管58bとを有している(図1参照)。第2熱交換器58では、冷媒回路51側の第1伝熱管58aを流れる冷媒と、熱媒体回路40側の第2伝熱管58bを流れる熱媒体との間で熱交換が行われる。第2熱交換器58では、膨張機構56で減圧された冷媒により、第2伝熱管58bを流れる熱媒体が冷却される。第2熱交換器58で熱媒体と熱交換をして蒸発した冷媒は、圧縮機52の吸入口へと送られる。
本実施形態では、空調装置10は、冷凍サイクルを利用して熱媒体回路40を循環する熱媒体を冷却するチラー50を有する。しかし、空調装置10は、主に室内空間RMの暖房に用いられる装置であってもよく、熱媒体回路40を循環する熱媒体を冷却するチラー50に代えて、冷凍サイクルを利用して熱媒体回路40を循環する熱媒体を加熱するヒートポンプユニットを有してもよい。ヒートポンプユニットは、チラー50と同様の機器を有する。ただし、圧縮機52から吐出された冷媒は、放熱器として機能する第2熱交換器58に送られ、膨張機構56で減圧され、蒸発器として機能する第1熱交換器54に送られる。第1熱交換器54では、冷媒と温排水等の熱媒体との間で熱交換が行われることが好ましく、第1熱交換器54で蒸発した冷媒は、圧縮機52の吸入口へと送られる。また、ヒートポンプユニットは、冷媒の流路を切り換える流路切換機構(例えば四方切換弁を有し、熱媒体回路40を循環する熱媒体の加熱と冷却との両方の用途に用いられてもよい。
(2-2)冷却水回路
冷却水回路60には、冷媒を冷却するための冷却水が循環する回路である。なお、ここでは水で冷媒を冷却することを想定しているが、水以外の媒体で冷媒を冷却してもよい。
冷却水回路60では、チラー50の第1熱交換器54と、冷却水ポンプ62と、クーリングタワー70と、が配管で接続されている(図1参照)。
冷却水ポンプ62は、容量可変のインバータポンプである。冷却水ポンプ62は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、冷却水ポンプ62の動作(冷却水ポンプ62の運転、停止、冷却水ポンプ62のモータの回転数等)を制御する。図1において、冷却水ポンプ62に付した矢印は、冷却水回路60における水の流れ方向を示している。
クーリングタワー70では、図示しない冷却ファンが駆動されることで、冷却水回路60を循環する水(第1熱交換器54で冷媒と熱交換して温度が上昇した水)が冷却される。クーリングタワー70で冷却された水は、第1熱交換器54へと送られる。クーリングタワー70は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、クーリングタワー70の動作(クーリングタワー70の運転、停止等)を制御する。
(2-3)熱媒体回路
熱媒体回路40は、熱媒体が充填された閉回路を構成している。熱媒体の種類を限定するものではないが、本実施形態では熱媒体は水である。
熱媒体回路40では、チラー50の第2熱交換器58と、循環ポンプ42と、エアハンドリングユニット20の熱交換器22と、が配管で接続されている(図1参照)。
循環ポンプ42は、容量可変のインバータポンプである。循環ポンプ42は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、循環ポンプ42の動作(循環ポンプ42の運転、停止、循環ポンプ42のモータの回転数等)を制御する。図1において、循環ポンプ42に付した矢印は、熱媒体回路40における水の流れ方向を示している。
エアハンドリングユニット20の熱交換器22では、熱交換器22に供給される空気が熱媒体回路40を循環する熱媒体としての水と熱交換して冷却され、冷却された空気は、供給空気SAとして室内空間RMに供給される。
本実施形態の空調装置10は、上述したように、複数のエアハンドリングユニット20を有する。熱媒体回路40は、複数のエアハンドリングユニット20のそれぞれの熱交換器22と、チラー50の第2熱交換器58とを接続している。複数のエアハンドリングユニット20のそれぞれの熱交換器22の出口側の配管には、流量調節弁44が配置されている。流量調節弁44の種類を限定するものではないが、流量調節弁44は、例えば、開度可変の電動弁である。流量調節弁44は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、流量調節弁44の動作(流量調節弁44の開度等)を制御する。
熱媒体回路40を循環する熱媒体の総量は、循環ポンプ42の吐出流量により調節される。一方、各エアハンドリングユニット20の熱交換器22に流れる熱媒体の量は、各エアハンドリングユニット20に対応して設けられた流量調節弁44の開度により調節される。
(2-4)エアハンドリングユニット
エアハンドリングユニット20は、概ね直方体形状のケーシング21を有している。ケーシング21の内部には、空気が流通する空気通路が形成されている。空気通路の流入端には、吸込ダクト32の一端が接続されている。吸込ダクト32の他端は、室内空間RMに連通している。空気通路の流出端には、給気ダクト31の一端が接続している。給気ダクト31の他端は室内空間RMに連通している。
ケーシング21内の空気通路には、空気の流向の上流側から下流側に向かって順に、熱交換器22、電気ヒータ24、加湿器26、送風ファン28が配置されている。
電気ヒータ24は、熱交換器22を通過した空気を加熱する。電気ヒータ24は、出力を段階的に変化させることが可能で、空気の加熱量を調節できる。電気ヒータ24は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、電気ヒータ24の動作(電気ヒータ24の運転、停止、出力の大きさ等)を制御する。
加湿器26は、ケーシング21の外部に設置されたタンク(図示省略)の水をノズルから空気中へ散布することで、ケーシング21内を流れる空気を加湿する。加湿器26は、空気の湿度を高めるための機器であり、空気への加湿量を調節できる。加湿器26は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、加湿器26の動作(加湿器26の動作、動作停止、散水量等)を制御する。
送風ファン28は、回転数可変のインバータファンである。送風ファン28は、熱交換器22、電気ヒータ24及び加湿器26を経て室内空間RMへと吹き出される空気の流れを生成する。送風ファン28は、制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100は、送風ファン28の動作(送風ファン28の運転、停止、送風量等)を制御する。
熱交換器22は、空気を冷却して空気の温度を下げたり、空気を除湿して湿度を低下させたりする機器である。言い換えれば、熱交換器22は、空気の冷却機能及び除湿機能を併せ持ち、空気を露点温度以下まで冷却することができる。熱交換器の種類を限定するものではないが、熱交換器22は、複数の伝熱フィンと、それらの伝熱フィンを貫通する伝熱管とを有する、フィンアンドチューブ式の熱交換器である。熱交換器22の伝熱管には、熱媒体回路40を循環する熱媒体である冷水が流れる。熱交換器22では、伝熱管及び伝熱フィンを介して冷水の冷熱が空気に供給されることで空気が冷却される。
(2-5)制御装置
制御装置100は、空調装置10の機器の動作を制御する装置である。
例えば、制御装置100は、1又は複数のマイクロコンピュータや周辺回路を有する。制御装置100は、マイクロコンピュータのCPUが、マイクロコンピュータのメモリに記憶されたプログラムを実行することで、空調装置10の動作の制御を行う。なお、本実施形態の制御装置100の構成は一例に過ぎず、制御装置は、本実施形態の制御装置100が発揮する機能と同様の機能を、論理回路等のハードウェアにより実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実現してもよい。
また、制御装置100は、単一の装置でもよいし、複数の制御装置を有してもよい。例えば、制御装置100は、チラー50の機器の動作を制御する制御装置と、エアハンドリングユニット20の機器及び熱媒体回路40に設けられた機器の動作を制御する制御装置と、冷却水回路60に設けられた機器の動作を制御する制御装置と、を有する。また、制御装置100の機能の一部又は全部は、空調装置10とは別の場所に設置されるサーバにより実現されてもよい。
制御装置100は、前述したような空調装置10の機器と電気的に接続され、空調装置10の機器の動作を制御する。なお、制御装置100は、空調装置10の機器と無線で接続され、空調装置10の機器に対して制御信号を送信してもよい。
制御装置100は、空調装置10の機器に加え、空調装置10に設けられている図示しない各種のセンサと電気的に接続されている。センサには、例えば、冷媒回路51の所定の箇所の冷媒の温度や圧力を測定するセンサを含む。また、センサには、例えば、冷却水回路60の所定の箇所の水の温度や、冷却水回路60を流れる水の流量を測定するセンサを含む。また、センサには、熱媒体回路40の所定の箇所の水の温度や、熱媒体回路40を流れる水の流量を測定するセンサを含む。また、センサには、例えば、室内空間RMの温度及び湿度(室内空気RAの温度及び湿度)や、エアハンドリングユニット20が室内空間RMに吹き出す空気の温度及び湿度(供給空気SAの温度及び湿度)を測定するセンサを含む。なお、空調装置10は、例示したセンサを全て有する必要は無く、また、例示した以外のセンサを有してもよい。
制御装置100は、図示しないリモコン等の操作部を介して、空調装置10の使用者や管理者からの空調装置10に対する指令を受信する。制御装置100は、例えばエアハンドリングユニット20の起動指令や、室内空間RMの設定温度や設定湿度の変更指令等を受け付ける。制御装置100は、受け付けた指令やセンサの計測値等に応じて、空調装置10の機器の動作を制御する。
(2-6)空調装置の動作
空調装置10の動作について説明する。空調装置10は、空気の冷却と除湿を行う冷房除湿運転、空気の冷却と加湿を行う冷房加湿運転、空気の除湿と加熱とを行う除湿暖房運転、又は空気の加熱と加湿とを行う暖房加湿運転を行い、室内空間RMの温度及び湿度が設定温度及び設定湿度になるように空気調和を行う。
(a)冷房除湿運転
冷房除湿運転では、制御装置100は、以下のように空調装置10の動作を制御する。
冷房除湿運転では、制御装置100は、圧縮機52、冷却水ポンプ62、クーリングタワー70、循環ポンプ42、及び送風ファン28を動作させ、必要に応じてモータの回転数を制御する。また、冷房除湿運転では、制御装置100は、図示しない冷媒の温度や圧力を計測するセンサの検出結果に応じて、膨張機構56としての電子膨張弁の開度を調節する。また、冷房除湿運転では、制御装置100は、冷房除湿運転を行うエアハンドリングユニット20に冷水を送るため、熱媒体回路40において、そのエアハンドリングユニット20の熱交換器22の下流に設けられた流量調節弁44を開き、開度を調節する。なお、冷房除湿運転中は、制御装置100は、電気ヒータ24の運転及び加湿器26の散水は停止する。
冷房除湿運転中は、冷媒回路51において冷凍サイクルが行われる。具体的には、冷媒回路51において、圧縮機52で圧縮された冷媒は、第1熱交換器54において、冷却水回路60を流れる水に放熱して凝縮する。第1熱交換器54で冷却された冷媒は、膨張機構56で減圧された後、第2熱交換器58において、熱媒体回路40を流れる水から吸熱して蒸発する。第2熱交換器58で蒸発した冷媒は、圧縮機52に吸入されて圧縮される。
なお、第1熱交換器54で冷媒を冷却した冷却水回路60を流れる水は(第1熱交換器54で冷媒により加熱された水は)、クーリングタワー70において室外空気に放熱する。クーリングタワー70において放熱した水は、再び第1熱交換器54へと送られる。
熱媒体回路40では、第2熱交換器58で冷媒により冷却された水が、熱交換器22において、ケーシング21内の空気通路を流れる空気を冷却する。熱交換器22を通過した水は、第2熱交換器58に戻って再び冷却される。熱媒体回路40では、第2熱交換器58において水が冷媒から得た冷熱が、熱交換器22に搬送され空気に供給される。
エアハンドリングユニット20では、吸込ダクト32を介して室内空間RMから取り込まれた室内空気RAが、ケーシング21内の空気通路を流れる。ケーシング21内の空気通路を流れる空気は、熱交換器22において熱媒体回路40を循環する水によって冷却され、除湿される。熱交換器22で冷却及び除湿された空気は、給気ダクト31を経由して、供給空気SAとして室内空間RMへ供給される。
(b)冷房加湿運転
冷房加湿運転は、上記の冷房除湿運転に加え、加湿器26の散水による加湿が行われる運転である。冷房加湿運転は、熱交換器22において空気が冷却/除湿される点は、上述の冷房除湿運転と同じである。冷房加湿運転では、更に、制御装置100は、散水を行うように加湿器26の動作を制御して、熱交換器22において冷却され除湿された空気を加湿する。
冷房加湿運転は、例えば、熱交換器22による冷却及び除湿で、設定温度が達成されるが、冷却に伴う除湿効果によって室内空間RMの湿度が設定湿度を下回る場合に行われる。
(c)暖房除湿運転
暖房除湿運転は、再熱除湿運転とも呼ばれる。暖房除湿運転では、冷房除湿運転の運転内容に加え、電気ヒータ24による空気の再加熱が行われる。暖房除湿運転中、制御装置100は、電気ヒータ24を運転する。空調装置10では、熱交換器22において冷却され除湿された空気は、電気ヒータ24により加熱され、給気ダクト31を経由して供給空気SAとして室内空間RMへ供給される。
暖房除湿運転は、例えば、熱交換器22による除湿により設定湿度は達成されるが、除湿のために空気に供給される冷熱量が大きく、そのまま室内空間RMに供給すると、室内空間RMの温度が設定温度を下回る場合に行われる運転である。
(d)暖房加湿運転
暖房加湿運転では、制御装置100は、電気ヒータ24、加湿器26及び送風ファン28を運転する。暖房加湿運転では、制御装置100は、圧縮機52、冷却水ポンプ62、及び循環ポンプ42を停止する。暖房加湿運転では、エアハンドリングユニット20において、室内空間RMから取り込まれた空気が、電気ヒータ24によって加熱され、加湿器26によって加湿されて、供給空気SAとして室内空間RMへ供給される。
(3)空調装置の装置構成のバリエーション
上記の空調装置10の構成は、一例に過ぎず、空調装置10は、様々な装置構成を取り得る。
ここで、空調装置10の装置構成の違いには、例えば、空調装置10が有する構成機器の種類の違いを含む。ここでの構成機器には、制御装置100により制御される機器に限定されず、熱交換器等の制御装置100により制御されない機器を含む。
構成機器の種類の違いには、例えば、構成機器のタイプの違いを含む。例えば、構成機器としての冷媒回路51の膨張機構が、電子膨張弁である場合と、キャピラリーチューブとでは、構成機器が異なると認識されてもよい。また、構成機器の種類の違いには、例えば、構成機器の仕様の違いを含む。例えば、構成機器としてのファンが、定速のファンである場合と、インバータ式のファンである場合とでは、構成機器が異なると認識されてもよい。また、構成機器の種類の違いには、例えば、構成機器の能力の違いを含む。例えば、構成機器としてのポンプの出力が、5.5kWである場合と、7.5kWである場合とでは、構成機器が異なると認識されてもよい。
また、空調装置10の装置構成の違いには、例えば、空調装置10の論理構成の違いを含む。空調装置10の論理構成の違いには、構成機器の台数の違い、構成機器の接続状態の違い、及び空調装置10に設けられるセンサの種類及び位置の違い、の少なくとも1つを含む。構成機器の接続状態とは、構成機器が、配管によりどのように接続されるかを意味する。
空調装置10の装置構成の違いの具体例を、図3~図5を参照しながら、エアハンドリングユニット20、あるいは、エアハンドリングユニット20の周辺の、装置構成の違いを例に説明する。
例えば、図1を用いて説明した空調装置10は、換気機能を有していない。しかし、空調装置10は、図3のように、エアハンドリングユニット20の送風ファン28に加え、換気ファン27を構成機器として有し、室外空気OAを室内空間RMに取り込み、室内空間RMの空気を排気空気EAとして室外に排出する換気機能を有する場合がある。換気機能を有するエアハンドリングユニット20は、二種換気及び三種換気が可能な図3の(a)~(c)のタイプの装置構成を取り得る。また、換気機能を有するエアハンドリングユニット20は、全熱交換器を有し、一種換気を行う図3の(d)のタイプの装置構成を取り得る。また、二種換気及び三種換気が可能なエアハンドリングユニット20は、図3の(a)~(c)のように、種々の位置に異なる台数のモータダンパMDを構成機器として有する場合がある。図3の(a)~(c)のエアハンドリングユニット20は、種々の位置に異なる台数のモータダンパMDを有することで、それぞれ異なる態様で動作可能である。
なお、図3の(a)~(d)の熱交換器22には、図1を用いて説明した空調装置10のように冷水が供給され、送風ファン28により供給される空気は、熱交換器22を流れる冷水により冷却されてもよい。あるいは、図3の(a)~(d)の熱交換器22には、図示しないボイラ等から温水が供給され、送風ファン28により供給される空気は、熱交換器22を流れる温水により加熱されてもよい。
また、空調装置10は、図1及び図3のような室内空気RAを冷却する空調機に代えて又は加えて、図4の(a)のような、二種換気及び三種換気が可能な外調機や、図4の(b)のような、全熱交換器を有し一種換気を行う外調機を有する場合もある。外調機とは、室内空間RMから取り込んだ室内空気RAに対して空気調和を行うのではなく、室外空気OAに対して空気調和を行って、室内空間RMに供給空気SAとして供給する装置である。
また、空調装置10は、図1のエアハンドリングユニット20に代えて、又は、図1のエアハンドリングユニット20に加えて、図5の(a)のような、電気ヒータ24を構成機器として有さないエアハンドリングユニット20を備える場合がある。また、空調装置10は、図1のエアハンドリングユニット20に代えて、又は、図1のエアハンドリングユニット20加えて、図5の(b)のような、電気ヒータ24に代えて、熱交換器24Aを構成機器として有するエアハンドリングユニット20を有する場合がある。熱交換器24Aは、熱交換器22とは異なり、冷水ではなく、ボイラ等から温水の供給を受けて、温水で室内空気RAを加熱する熱交換器である。
さらに、図3~図5で図示した例以外にも、空調装置10は、例えば、以下のような点で異なる装置構成をとり得る。
・換気ファン27が、定速ファンか、あるいは風量可変のファンか。
・送風ファン28が、定速ファンか、あるいは風量可変のファンか。
・加湿器26が、散水式加湿器か、あるいは気化式加湿器か。
・エアハンドリングユニット20に設けられる温度センサ及び湿度センサの台数及び設置位置。
・エアハンドリングユニット20が、室内空間RMの空気中のCO2濃度を計測するCO2濃度センサを有するか否か。
・空調装置10が、VAV(可変風量装置)を有し、エアハンドリングユニット20が吹き出す空気がVAVを介して室内空間RMに供給されるか否か。
空調装置10の装置構成の違いの他の具体例を、図6を参照しながら説明する。図6の(a)及び(b)は、空調装置10が、チラー50及び循環ポンプ42を同数ずつ(ここでは3台ずつ)有する場合を描画している。
ただし、図6の(a)では、チラー50と循環ポンプ42とが1対1に対応している(デディケート構成)。一方で、図6の(b)では、3台の循環ポンプ42が吐出する水は、一旦集合させられた後、3台のチラー50に分配される(マニホールド構成)。空調装置10の装置構成の違いには、このような構成機器の接続状態が異なる態様も取り得る。
(4)制御装置で用いられる制御パラメータ
制御装置100は、空調装置10の機器の制御に、制御パラメータを使用する。例えば、制御装置100は、以下のような機器の制御の際、制御装置100のメモリに記憶されている制御パラメータを使用する。なお、以下に示す制御パラメータを使用する機器の制御の種類は、例示に過ぎない。制御装置100は、例示する機器の制御に加え、又は、例示する機器の制御に代えて、例示する以外の機器の制御に制御パラメータを使用してもよい。
・エアハンドリングユニット20が吹き出す供給空気SAの温度が目標値になるよう、センサ(図1のように、給気ダクト31に設けられた温度センサ34)による供給空気SAの温度の計測値と目標値とに応じて、流量調節弁44の開度を調節する。例えば、制御装置100は、供給空気SAの温度が目標値になるように、流量調節弁44の開度を比例制御する。
・送風ファン28の静圧が目標値になるよう、制御装置100は、送風ファン28のモータのインバータ制御を行う。
・室内空間RMから取り込まれる室内空気RAの湿度が目標湿度になるよう、図示しないセンサによる室内空気RAの湿度の計測値と目標値とに応じて、加湿器26を制御する。例えば、制御装置100は、室内空気RAの湿度が目標値になるように、加湿器26を比例制御する。
・空調装置10が換気機能を有する場合に(例えば、図3の(c)のエアハンドリングユニット20を有する場合に)、室内空気RAのCO2濃度が設定値を超えないよう、図示しないセンサによる室内空気RAのCO2濃度の計測値と設定値とに応じて、モータダンパMDを制御する。例えば、制御装置100は、室内空気RAのCO2濃度が設定値となるよう、モータダンパMDを比例制御する。
制御パラメータには、チューニングを必要としない制御パラメータ(例えば、デフォルト値を用いれば足りるもの)もあれば、空調装置10毎にチューニングが必要な制御パラメータもある。チューニングが必要な制御パラメータについては、空調装置10の設置作業者等が、空調装置10の設置時等に、制御パラメータのチューニングを行う。制御パラメータのチューニングについては後述する。
(5)管理装置
管理装置1000について説明する。
管理装置1000は、CPUを含むプロセッサ、主記憶装置及び補助記憶装置を含む記憶装置、各種情報の入力を受け付ける入力装置1200、各種情報を出力する出力装置1300、外部装置との間で情報の送受信を行う通信装置1400等を備えたコンピュータである。管理装置1000のプロセッサは、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、制御部1100として機能する。また、管理装置1000の記憶装置は、情報を記憶するデータベース1500として機能する。
管理装置1000は、単一のコンピュータであってもよいし、複数のコンピュータを有し、複数のコンピュータが協働することで、管理装置1000として機能してもよい。限定するものではないが、例えば、空調装置10の設置作業者が携帯するコンピュータが制御部1100として機能し、そのコンピュータとインターネット等の通信回線を介して接続されるサーバがデータベース1500として機能する。
管理装置1000は、既存の空調装置10a~10zの制御装置100a~100zや、新設される空調装置10αの制御装置100αと、インターネット等の通信回線NWを介して通信可能に接続される(図2参照)。管理装置1000は、通信装置1400を用いて、制御装置100a~100zや制御装置100αと各種情報のやり取りが可能である。ただし、このような態様に限定されるものではなく、管理装置1000は、制御装置100a~100zや制御装置100αと通信可能に接続されなくてもよい。
(5-1)データベース
データベース1500には、既設の空調装置10a~10zについて、空調装置10a~10z毎に、装置構成の情報、その空調装置10a~10zが有する機器を制御するために制御装置100a~100zが用いる制御パラメータ、及び、その制御パラメータを用いて制御装置100a~100zが機器を制御した際の制御結果が、関連付けて格納されている(図7及び図8参照)。
空調装置10a~10zの装置構成の情報には、第1情報の一例である構成機器情報IN1と、第2情報の一例である論理構成情報IN2と、を含む(図7参照)。構成機器情報IN1は、空調装置10a~10zが有する構成機器の種類に関する情報である。論理構成情報IN2は、空調装置10a~10zが有する構成機器の台数の情報、空調装置10a~10zが有する構成機器の接続状態の情報、及び空調装置10a~10zに設けられるセンサの種類及び位置に関する情報の、少なくとも1つを含む。
例えば、制御装置100a~100zは、それぞれの制御対象の空調装置10a~10zの構成機器情報IN1及び論理構成情報IN2を記憶している。管理装置1000は、インターネット等の通信回線NWを介して、制御装置100a~100zから構成機器情報IN1及び論理構成情報IN2を取得し、空調装置10a~10z別にデータベース1500に格納する。ただし、このような態様に限定されず、管理装置1000は、データベース1500を管理する管理者等が入力装置1200に入力する構成機器情報IN1及び論理構成情報IN2を取得し、空調装置10a~10z別にデータベース1500に格納してもよい。
なお、データベース1500には、空調装置10a~10zの構成機器情報IN1及び論理構成情報IN2そのものが記憶されなくてもよい。データベース1500には、後述する制御部1100が、装置構成の観点から、データベース1500にデータが記憶されている空調装置A~Zの中で、どの空調装置が空調装置10αと類似するかを把握可能な情報が記憶されればよい。例えば、データベース1500には、構成機器情報IN1及び論理構成情報IN2に代えて、空調装置10a~10zの装置構成を特定可能な情報(例えば空調装置の機種を表す型番等)が記憶されていてもよい。
データベース1500に格納される制御パラメータには、空調装置10a~10zに関する第1パラメータIPa~IPzと、第2パラメータTPa~TPzと、を更に含む(図8参照)。第1パラメータIPa~IPzは、制御装置100a~100zが、空調装置10a~10zの機器の試運転の際に(最初に)使用する制御パラメータである。第1パラメータIPa~IPzは、後述する空調装置10αの初期パラメータIPαに相当する。第2パラメータTPa~TPzは、チューニング後の制御パラメータであり、制御装置100a~100zが、空調装置10a~10zの機器の制御に実際に使用している制御パラメータである。第1パラメータIPa~IPz(初期パラメータ)がどのように決定されるかについては後述する。
データベース1500に格納される制御結果には、空調装置10a~10zに関する第1制御結果IRa~IRzと、第2制御結果Ra~Rzと、を更に含む(図8参照)。第1制御結果IRa~IRzは、第1パラメータIPa~IPzを用いて制御装置100a~100zが空調装置10a~10zの機器を制御した際の制御結果である。第2制御結果Ra~Rzは、第2パラメータTPa~TPzを用いて制御装置100a~100zが空調装置10a~10zの機器を制御した際の制御結果である。
ここでの制御結果は、制御装置100a~100zが制御パラメータを用いて空調装置10a~10zの機器を制御することで、機器の動作が影響を与える指標(例えば、空気、熱媒体、冷媒等の温度)の経時変化のデータである。
また、制御結果は、制御パラメータを用いて制御装置100a~100zが機器を制御した際の、応答の特性を示す量であってもよい。例えば、制御結果には、制御パラメータを用いて制御装置100a~100zが機器を制御した際に、機器の動作が影響を与える指標の経時変化に現れる、遅れ時間、立ち上がり時間、ピーク到達時間、最大行き過ぎ量、又は整定時間の1つを含む。
なお、遅れ時間とは、応答が目標値の50%に達するまでの時間を意味する。立ち上がり時間は、応答が目標値の10%から90%までに達する時間を意味する。ピーク到達時間は、応答が最初のピークに到達するまでの時間を意味する。整定時間は、応答が、目標値に対して所定の範囲内(例えば±5%以内)に収まるまでの時間を意味する。
例えば、制御装置100a~100zは、それぞれ、自らが用いる第1パラメータIPa~IPz及び第2パラメータTPa~TPzと、その第1パラメータIPa~IPz及び第2パラメータTPa~TPzを用いた時の、第1制御結果IRa~IRz及び第2制御結果Ra~Rzを記憶している。管理装置1000は、インターネット等の通信回線NWを介して、制御装置100a~100zから第1パラメータIPa~IPz、第2パラメータTPa~TPz、第1制御結果IRa~IRz、及び第2制御結果Ra~Rzを取得し、空調装置A~Z別にデータベース1500に格納する。ただし、このような態様に限定されるものではなく、管理装置1000は、データベース1500を管理する管理者等が入力装置1200に入力する第1パラメータIPa~IPz、第2パラメータTPa~TPz、第1制御結果IRa~IRz、及び第2制御結果Ra~Rzを取得し、空調装置A~Z別にデータベース1500に格納してもよい。
(5-2)制御部
制御部1100は、空調装置10の機器を制御するために制御装置100が用いる制御パラメータのチューニングを行う際に、機器を制御するために制御装置が用いる制御パラメータの候補を決定し、出力する。
なお、制御部1100は、各空調装置10の複数の機器について、機器を制御するために制御装置100が用いる制御パラメータの候補を決定し、出力する場合がある。しかし、ここでは、説明が煩雑になるのを避けるため、制御部1100が、空調装置10αの複数の機器Dα1,Dα2,・・・のうち、1の機器(第1機器Dα1)を制御するために制御装置100αが用いる制御パラメータの候補を決定する場合を例に、以下の説明を行う。
制御部1100は、データベース1500にデータが格納されている既設の空調装置A~Zの中から、空調装置10αに類似する空調装置(類似空調装置)を特定する。そして、制御部1100は、データベース1500に格納されている類似空調装置の制御パラメータ(第2パラメータ)に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの候補を決定して出力する。
ここでの類似空調装置は、データベース1500に関連付けて記憶されている、装置構成の情報、相当機器CD用の制御パラメータ(第1パラメータ)、及び、制御装置100が相当機器CD用の制御パラメータ(第1パラメータ)で相当機器CDを制御した制御結果(第1制御結果)が、空調装置10αの装置構成、初期パラメータIPα、及び初期制御結果IRαと類似する空調装置10である。初期パラメータIPαは、空調装置10αの第1機器Dα1の試運転の際に、第1機器Dα1を制御するために制御装置100αが最初に用いる制御パラメータである。初期パラメータIPαの決定方法については、制御部1100の類似空調装置の特定方法の説明の中で説明する。初期制御結果IRαは、制御装置100αが初期パラメータIPαを用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果である。
制御部1100は、構成機器の観点から見て、ある空調装置が類似空調装置に該当する可能性があるかを、例えば以下のように判断する。
制御部1100は、インターネット等の通信回線NWを介して、制御装置100αに記憶されている空調装置10αの装置構成の情報(構成機器情報IN1及び論理構成情報IN2)を取得する。制御部1100は、制御装置100αに記憶されている空調装置10αの装置構成の情報を、データベース1500に記憶されている空調装置10a~10zの装置構成の情報(構成機器情報IN1及び論理構成情報IN2)と比較する。
例えば、制御部1100は、空調装置10αの装置構成と、空調装置10a~10zのそれぞれの装置構成とが、実質的に完全に一致するかを判断し、装置構成が実質的に完全に一致する空調装置を、類似空調装置に該当する可能性がある空調装置と判断する。以後、記載の簡素化のため、類似空調装置に該当する可能性がある空調装置(類似空調装置の候補となり得る空調装置)を、候補空調装置と呼ぶ。
他の例では、空調装置10αの装置構成と、類似空調装置の装置構成とは、一部が実質的に一致し、一部が異なっていてもよい。例えば、類似空調装置は、構成機器として、少なくとも第1機器Dα1に相当する相当機器CDを有する。また、例えば、空調装置10αの装置構成と類似空調装置の装置構成とは、その違いが第1機器Dα1や相当機器CDの制御結果に影響を与える内容については一致するように類似空調装置の特定が行われる。一方で、第1機器Dα1や相当機器CDの制御結果に実質的に影響を与えない内容については、空調装置10αの装置構成と類似空調装置の装置構成とは相違してもよい。
例えば、具体的には、制御部1100は、空調装置10αの装置構成と、空調装置10a~10zのそれぞれの装置構成とが、所定の内容について実質的に一致するかを判断し、所定の内容が実質的に一致する空調装置を、類似空調装置であると判断してもよい。
制御パラメータの類似、及び制御結果の類似については、制御部1100の類似空調装置の特定方法の説明の中で説明する。
(5-2-1)類似空調装置の特定方法
制御部1100が、データベース1500にデータが格納されている空調装置A~Zの中から、どのように類似空調装置を特定するかを説明する。図9~図10を参照して、類似空調装置の特定方法を説明する。
図9は、チューニング対象の空調装置10αの第1機器Dα1を制御するための初期パラメータの決定方法を説明するための図である。図10は、チューニング対象の空調装置10αの類似空調装置の特定方法を説明するための図である。
制御部1100は、空調装置10αの機器構成に関する情報と、初期パラメータIPαと、初期制御結果IRαと、に基づいて、類似空調装置を特定する。
具体的には、制御部1100は、上述のように、空調装置10αの機器構成に関する情報に基づいて、候補空調装置を判断する。制御部1100は、初期パラメータIPαと初期制御結果IRαとに更に基づいて、候補空調装置の中から類似空調装置を特定する。
候補空調装置の判断方法については既に説明したので、以下では、制御部1100が、どのようにして、初期パラメータIPαと初期制御結果IRαとに基づいて、候補空調装置の中から類似空調装置を特定するかを説明する。
初めに、制御部1100が、初期パラメータIPαをどのようにして決定するかを、図9を参照しながら説明する。
(a)初期パラメータの決定方法
空調装置10αの第1機器Dα1の制御に、2種類の制御パラメータX,Yが必要である場合を例に説明する。ただし、これに限定されるものではなく、空調装置10αの第1機器Dα1の制御に必要な制御パラメータの種類は、1種類でもよいし、3種類以上でもよい。
ここでは、制御部1100は、データベース1500にデータが記憶されている空調装置A~Zのデータの中で、空調装置a1~a10が候補空調装置と判断されているものとする。なお、候補空調装置を表す参照符号a1~a10は、候補空調装置の台数を限定するものではない。
候補空調装置を決定すると、制御部1100は、空調装置a1~a10の相当機器CDの試運転の際に、空調装置a1~a10を制御する制御装置100(制御装置a1~a10と呼ぶ)が用いた第1パラメータ(制御パラメータXと制御パラメータYとの組み合わせ)をデータベース1500から読み出す。ここでは、相当機器CDの試運転の際に、制御装置a1~a10が用いる第1パラメータに、参照符号IPa1~IPa10を付す。制御部1100は、読み出した第1パラメータIPa1~IPa10の制御パラメータXの平均値Xaと、読み出した第1パラメータIPa1~IPa10の制御パラメータYの平均値Yaと、の組合せを初期パラメータIPαに決定する。
ただし、初期パラメータIPαの決定方法は、この方法に限定されるものではない。制御部1100は、例えば、読み出したIPa1~IPa10の制御パラメータXの中央値Xmと、読み出したIPa1~IPa10の制御パラメータYの中央値Ymと、の組合せを初期パラメータIPαに決定してもよい。
制御部1100は、決定した初期パラメータIPαを、例えば、管理装置1000の出力装置1300(例えばディスプレイ)や、空調装置10αの設置作業者等の携帯端末に出力(表示)する。空調装置10αの設置作業者等は、この初期パラメータIPαを、図示しない制御装置100αの入力装置を介して、制御装置100αの第1機器Dα1の制御用のパラメータとして設定することができる。
あるいは、制御部1100は、決定した初期パラメータIPαを、インターネット等の通信回線NWを介して、制御装置100αに対して出力(送信)してもよい。この態様であれば、空調装置10αの設置作業者等が初期パラメータIPαを制御装置100αに入力する手間を省くことができる。
なお、上記の初期パラメータIPαの決定方法は、一例に過ぎず、例えば、管理装置1000の記憶装置には、空調装置10の装置構成別に、所定の制御パラメータが初期パラメータとして記憶されていてもよい。そして、制御部1100は、空調装置10αの装置構成に対応する制御パラメータを、管理装置1000の記憶装置から読み出し、この制御パラメータを初期パラメータIPαと決定してもよい。
なお、初期パラメータIPαは、上記のように空調装置10αの装置構成に基づいて決定されることが好ましいが、他の例では、空調装置10αの装置構成によらず、初期パラメータIPαとして一律の値を用いることもできる。この場合には、管理装置1000は、初期パラメータIPαを決定せず、例えば、制御装置100αは、予め記憶されているデフォルトの制御パラメータを、初期パラメータIPαとして利用してもよい。
さらに、他の例では、初期パラメータIPαには、空調装置10αの設置業者が自由に選択する値を用いることもできる。なお、このようなケースでは、空調装置10αと装置構成とが類似する空調装置a1~a10であっても、初期パラメータIPαが、空調装置a1~a10で用いられた第1パラメータIPa1~IPa10と相違する(比較的大きく乖離する)可能性がある。そのため、空調装置10αと装置構成とが類似する空調装置a1~a10であっても、第1パラメータIPa1~IPa10が初期パラメータIPαから大きく外れる場合には、その空調装置は候補空調装置から除外されてもよい。
(b)類似空調装置の特定方法
初期パラメータIPαが決定された後、制御装置100αは、空調装置10αの設置作業者の指示で、あるいは、自動で、空調装置10αの試運転を行い、その際のデータを取得する。試運転の際には、空調装置10αの少なくとも第1機器Dα1の制御に関連する機器が運転される。例えば、制御装置100αは、初期パラメータIPαを用いて第1機器Dα1を制御した際に、第1機器Dα1の動作が影響を与える指標(例えば、空気、熱媒体、冷媒等の温度)の経時変化のデータを取得する。具体例を挙げれば、第1機器Dα1が流量調節弁44である場合、制御装置100αは、例えば、試運転の際、空調装置10αの冷房除湿運転を行う。そして、制御装置100αは、初期パラメータIPαを用いて流量調節弁44を制御した際に、給気ダクト31に設けられた温度センサ34による供給空気SAの温度の計測値の経時変化のデータを取得する。
制御部1100は、制御装置100αの取得した第1機器Dα1の動作が影響を与える指標の経時変化のデータを取得する。例えば、制御部1100は、例えば、制御装置100αが送信し、通信装置1400が受信したデータを取得する。そして、制御部1100は、取得したデータを解析して、初期制御結果IRαを取得する。限定するものではないが、制御部1100は、例えば、取得した指標の経時変化のデータを解析して、量Q1(例えば、応答の最大行き過ぎ量)及び量Q2(例えば、応答の整定時間)を、初期制御結果IRαとして取得する。なお、ここでは、説明の前提として、データベース1500には、既設の空調装置10a~10zに関し、相当機器CDの動作が影響を与える指標の経時変化のデータに関し、初期制御結果IRαと同じ種類の量Q1,量Q2が、第1制御結果IRa~IRzとして格納されているものとする。要するに、初期制御結果IRαが、ある指標に関する応答の最大行き過ぎ量と整定時間とに関する情報であれば、第1制御結果IRa~IRzも、同一の指標に関する応答の最大行き過ぎ量と整定時間とである。
なお、ここでは、制御部1100が第1機器Dα1の動作が影響を与える指標の経時変化のデータを分析することで初期制御結果IRαを取得するが、これに限定されるものではない。例えば、管理装置1000は、第1機器Dα1の動作が影響を与える指標の経時変化のデータを取得するのに代えて、外部で算出済みの初期制御結果IRαを、入力装置1200や通信装置1400を介して取得してもよい。
制御部1100は、初期制御結果IRαを取得すると、候補空調装置である空調装置a1~a10の中から、類似空調装置を特定する。
概念的に説明すると、例えば、制御部1100は、量Q1をX軸に、量Q2をY軸に取ったグラフに、初期制御結果IRαが示す座標をプロットする。また、制御部1100は、データベース1500を参照し、空調装置a1~a10の第1制御結果(以後、参照符号IRa1~IRa10を付す)を読み出し、量Q1をX軸に、量Q2をY軸に取ったグラフに、第1制御結果IRa1~IRa10が示す座標をプロットする。そして、制御部1100は、初期制御結果IRαが示す座標から、第1制御結果IRa1~IRa10が示す座標までの距離が所定距離以内である空調装置を、類似空調装置と特定する(図10参照)。なお、ここでは理解の促進の観点からグラフを用いて説明しているが、制御部1100は、グラフを生成する必要は無く、計算に基づいて類似空調装置を決定すればよい。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、類似空調装置である空調装置に参照符号b1~b6を付す。なお、参照符号b1~b6は、説明の都合で用いるものであって、制御部1100が類似空調装置として特定する空調装置の台数を限定するものではない。
(5-2-2)制御パラメータの候補の決定方法
制御部1100は、類似空調装置としての空調装置b1~b6が特定されると、データベース1500に格納されている、空調装置b1~b6の制御パラメータに基づいて、制御装置100αが第1機器D1αを制御するために用いる制御パラメータの候補CPαを決定する。
例えば、制御部1100は、空調装置b1~b6を類似空調装置として特定すると、データベース1500に格納されている、空調装置b1~b6の第2パラメータ(参照部号として、TPb1~TPb6を用いる)に基づいて、制御装置100αが第1機器D1αを制御するために用いる制御パラメータの候補CPαを決定する。
図11及び図12を参照しながら具体例を説明する。図11は、空調装置b1~b6の制御装置100(以後、参照符号としてb1~b6を用いる)が、チューニング後の第2パラメータTPb1~TPb6を用いて、空調装置b1~b6の相当機器CDを制御した際の第2制御結果(以後、参照部号として、Rb1~Rb6を用いる)を示した図である。図12は、空調装置b1~b6のチューニング後の第2パラメータTPb1~TPb6を用いて、空調装置10αの第1機器D1αの制御用の制御パラメータの候補CPαを決定する方法を説明するための図である。
空調装置b1~b6の設置時等には、第1パラメータ(参照符号IPb1~IPb6を付して表す)を用いて第1制御結果(参照符号IRb1~IRb6を付して表す)が得られた後、(管理装置1000を利用して、あるいは管理装置1000を利用せずに)適切な制御結果が得られるように、空調装置b1~b6の設置作業者等が、相当機器CD用の制御パラメータのチューニングを行っている。そして、最終的に、空調装置b1~b6の制御装置100では、第2パラメータTPb1~TPb6が、相当機器CDの制御パラメータとして用いられている。データベース1500には、この第2パラメータTPb1~TPb6と、空調装置b1~b6の制御装置100において、第2パラメータTPb1~TPb6を用いて空調装置b1~b6の相当機器CDを制御した際の第2制御結果Rb1~Rb6が格納されている。
なお、制御結果には、常に単一の最適な制御結果があるとは限らず、空調装置b1~b6の使用者、管理者、設置作業者等が、相当機器CDの応答にどのような特性を求めるか(以後、チューニング条件と呼ぶ)によって適切な制御結果が異なる場合がある。そのため、第2制御結果Rb1~Rb6は、図11に示すように、特徴が異なる結果を含む場合がある。
例えば、第2制御結果Rb1~Rb6は、図11に示すように、量Q1の値が比較的小さい第1グループG1と、量Q2の値が比較的小さい第2グループG2と、を含む。そこで、制御部1100は、データベース1500に格納されている、空調装置b1~b6の第2制御結果Rb1~Rb6を、第1グループG1と、第2グループG2と、にクラスタリングする。そして、制御部1100は、グループG1に対応する制御装置100αで用いる制御パラメータの候補(第1候補CPα1)と、グループG2に対応する制御装置100αで用いる制御パラメータの候補(第2候補CPα2)と、を決定する。
制御部1100の、制御パラメータの候補の決定方法の具体例を説明する。
まず、制御部1100は、一般的なクラスタリング手法を用いて、第2制御結果Rb1~Rb6を2つ以上のグループ(例えばここでは2つのグループG1,G2)にクラスタリングする。ここでは、第2制御結果Rb1~Rb3が第1グループG1の第2制御結果であり、第2制御結果Rb4~Rb6が第2グループG2の第2制御結果である場合を例に、以下の説明を行う。
制御部1100は、データベース1500に格納されている、第1グループG1の第2制御結果Rb1~Rb3と関連付けられている第2パラメータTPb1~TPb3に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの第1候補CPα1(候補Aの一例)を決定する。また、制御部1100は、データベース1500に格納されている、第2グループG2の第2制御結果Rb4~Rb6と関連付けられている第2パラメータTPb4~TPb6に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの第2候補CPα2(候補Bの一例)を決定する。
例えば、ここでは、第2パラメータTPb1~TPb6の各々は、制御パラメータXと制御パラメータYとの組み合わせで表されるとする。この場合、制御部1100は、第2パラメータTPb1~TPb3の制御パラメータXの平均値Xaと、読み出した第2パラメータTPb1~TPb3の制御パラメータYの平均値Yaと、の組合せを制御装置100αで用いる制御パラメータの第1候補CPα1に決定する。また、制御部1100は、第2パラメータTPb4~TPb6の制御パラメータXの平均値Xaと、読み出した第2パラメータTPb4~TPb6の制御パラメータYの平均値Yaと、の組合せを制御装置100αで用いる制御パラメータの第2候補CPα2に決定する。
ただし、制御パラメータの第2候補CPα2の決定方法は、このような方法に限定されるものではない。制御部1100は、例えば、第2パラメータTPb1~TPb3の制御パラメータXの中央値Xmと、第2パラメータTPb1~TPb3の制御パラメータYの中央値Ymと、の組合せを、制御装置100αで用いる制御パラメータの第1候補CPα1に決定してもよい。組合せを制御装置100αで用いる制御パラメータの第2候補CPα2の決定方法についても同様である。
制御部1100は、決定した組合せを制御装置100αで用いる制御パラメータの第1候補CPα1及び第2候補CPα2を出力する。
例えば、制御部1100は、制御パラメータの第1候補CPα1及び第2候補CPα2を、管理装置1000の出力装置1300(例えばディスプレイ)や、空調装置10αの設置作業者等の携帯端末に出力(表示)する。空調装置10αの設置作業者等は、制御パラメータの第1候補CPα1又は第2候補CPαを、図示しない制御装置100αの入力装置を介して、制御装置100αの第1機器Dα1の制御用のパラメータとして設定することができる。
あるいは、制御部1100は、制御パラメータの第1候補CPα1及び第2候補CPα2を、インターネット等の通信回線NWを介して、制御装置100αに対して出力(送信)してもよい。この態様であれば、空調装置10αの設置作業者等が制御パラメータの第1候補CPα1及び第2候補CPαを制御装置100αに入力する手間を省くことができる。
なお、制御部1100は、好ましくは、組合せを制御装置100αで用いる制御パラメータの第1候補CPα1と、制御装置100αが制御パラメータの第1候補CPα1を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果の予想と、を出力する。また、制御部1100は、好ましくは、組合せを制御装置100αで用いる制御パラメータの第2候補CPα2と、制御装置100αが制御パラメータの第2候補CPα2を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果の予想と、を出力する(図13参照)。
制御部1100が、制御装置100αが制御パラメータの第1候補CPα1を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果を予想する方法(制御結果の予想を取得する方法)を、例を挙げて説明する。
例えば、制御部1100は、制御装置b1~b3のうち、第1候補CPα1の制御パラメータに最も近い制御パラメータ(最近接制御パラメータと呼ぶ)を第2パラメータとして用いる制御装置を特定する。最近接制御パラメータは、図12のようなグラフに第2パラメータTPb1~TPb3を表す座標をプロットした時に、第1候補CPα1を表す座標の最も近くに位置する第2パラメータである。例えば、具体例として、最近接制御パラメータを相当機器CDの第2パラメータとして用いる制御装置が制御装置b1であると、制御部1100が特定したと仮定する。この時、制御部1100は、制御装置b1が、第2パラメータTPb1を用いて空調装置b1の相当機器CDを制御した際の相当機器CDの動作が影響を与える指標の経時変化のデータを、制御装置b1から取得し、制御装置100αが制御パラメータの第1候補CPα1を用いて第1機器Dα1を制御した制御結果の予想として出力する。具体例を挙げれば、例えば第1機器Dα1が流量調節弁44である場合、制御部1100は、制御装置b1が、最近接制御パラメータ(第2パラメータTPb1)を用いて空調装置b1の流量調節弁44に相当する機器(相当機器OD)を制御した際に計測される、空調装置b1の供給空気SAの温度の計測値の経時変化のデータを、制御装置100αが制御パラメータの第1候補CPα1を用いて第1機器Dα1を制御した制御結果の予想として出力する。
説明の重複を避けるため、詳細は説明しないが、制御部1100が、制御装置100αが制御パラメータの第2候補CPα2を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果をどのように予想方法についても同様である。
このように構成されることで、空調装置10αの設置作業者等は、第1候補CPα1及び第2候補CPα2をそれぞれ制御パラメータとして用いて第1機器Dα1を制御した場合に、空調装置10αがどのような挙動を示すかをある程度把握した上で、第1候補CPα1及び第2候補CPα2のうち一方を選択することができる。
また、制御部1100は、以下の情報を、制御装置100αが制御パラメータの第1候補CPα1を用いて第1機器Dα1を制御した制御結果の予想として出力してもよい。
例えば、最近接制御パラメータを相当機器CDの第2パラメータとして用いる制御装置が制御装置b1である、と制御部1100が特定したと仮定する。この際、制御部1100は、最近接制御パラメータ(第2パラメータTPb1)を用いる制御装置b1の第2制御結果Rb1(パラメータの値)を、制御装置100αが制御パラメータの第1候補CPα1を用いて第1機器Dα1を制御した制御結果の予想として出力する。説明の重複を避けるため、詳細は説明しないが、制御部1100が出力する制御装置100αが制御パラメータの第2候補CPα2を用いて第1機器Dα1を制御した制御結果の予想についても同様である。
制御部1100が第1候補CPα1及び第2候補CPα2を決定し、出力すると、空調装置10αの設置作業者等は、第1候補CPα1及び第2候補CPα2の一方を、制御装置100αが第1機器Dα1を制御する際に用いる制御パラメータに設定する。
そして、空調装置10αの設置作業者等は、その制御パラメータを用いた時の、第1機器Dα1を制御した際の第1機器Dα1の動作が影響を与える指標の経時変化のデータを見た上で、必要に応じ、制御パラメータの更なる調整(チューニング)を行う。
(4-3)制御パラメータ候補の決定方法の流れ
以下に、図14のフローチャートを参照しながら、管理装置1000による制御パラメータ候補の決定方法の流れを説明する。図14は、管理装置1000による、空調装置10αの第1機器Dα1を制御するための制御パラメータ候補の決定処理のフローチャートの例である。
なお、ここの記載は、制御パラメータ候補の決定処理の流れの説明を主な目的としており、既に説明した処理の詳細な内容については、記載の重複を避けるため、説明を省略する場合がある。
ステップS1では、制御部1100は、空調装置10αの装置構成の情報を取得する。制御部1100は、例えば、制御装置100aから空調装置10αの装置構成の情報を取得してもよいし、入力装置1200に入力される空調装置10αの装置構成の情報を取得してもよい。
ステップS2では、制御部1100は、初期パラメータIPαを決定する。初期パラメータIPαは、空調装置10αの第1機器Dα1の試運転の際に、第1機器Dα1を制御するために制御装置100αが最初に用いる制御パラメータである。例えば、制御部1100は、空調装置10αの装置構成の情報に基づいて、候補空調装置(例えば、空調装置a1~a10)を決定し、候補制御装置が用いた第1パラメータ(例えば、第1パラメータIPa1~IPa10)に基づいて、初期パラメータIPαに決定する。
ステップS3では、制御部1100は、決定した初期パラメータIPαを、管理装置1000の出力装置1300や、空調装置10αの設置作業者の携帯端末等に出力したり、制御装置100αに対して出力したりする。初期パラメータIPαが、出力装置1300や、空調装置10αの設置作業者の携帯端末等に出力される場合には、空調装置10αの設置作業者等は、送信されてきた初期パラメータIPαを、制御装置100αに入力する。
初期パラメータIPαが決定されると、制御装置100αは、空調装置10αの試運転(特には、第1機器Dα1の制御に関連する機器の試運転)を行い、第1機器Dα1の動作が影響を与える指標の経時変化のデータを取得する。例えば、制御部1100は、取得した第1機器Dα1の動作が影響を与える指標の経時変化のデータを解析して、上記のような初期制御結果IRαを取得する(ステップS4)。
次に、制御部1100は、データベース1500に格納されているデータから、関連付けられている装置構成の情報、制御パラメータ(特には第1パラメータIPa~IPz)、及び制御結果(特には第1制御結果IRa~IRz)が、空調装置10αの装置構成の情報、初期パラメータIPα、及び初期制御結果IRαと類似する空調装置(例えば空調装置b1~b6)を、類似空調装置として特定する(ステップS5)。
次に、制御部1100は、類似空調装置(例えば空調装置b1~b6)の第2制御結果(例えば第2制御結果Rb1~Rb6)を、第1グループG1と、第2グループG2と、にクラスタリングする(ステップS6)。類似空調装置の第2制御結果は、3つ以上のグループにクラスタリングされてもよい。
次に、制御部1100は、データベース1500に格納されている、第1グループG1の第2制御結果(例えば、第2制御結果Rb1~Rb3)と関連付けられている第2パラメータ(例えば、第2パラメータTPb1~TPb3)に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの第1候補CPα1を決定する。また、制御部1100は、データベース1500に格納されている、第2グループG2の第2制御結果(例えば、第2制御結果Rb4~Rb6)と関連付けられている第2パラメータ(例えば、第2パラメータTPb4~TPb6)に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの第2候補CPα2を決定する。制御部1100は、好ましくは、制御パラメータの第1候補CPα1及び制御装置100αが制御パラメータの第1候補CPα1を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果の予想と、制御パラメータの第2候補CPα2及び制御装置100αが制御パラメータの第2候補CPα2を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果の予想と、を出力する(ステップS7)。
制御部1100は、制御パラメータの候補CPα1,CPα2や、制御装置100αが制御パラメータの候補CPα1,CPα2を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果の予想を、管理装置1000の出力装置1300や、空調装置10αの設置作業者の携帯端末等に出力したり、制御装置100αに対して出力したりする。
制御パラメータの候補CPα1,CPα2が出力されると、空調装置10αの設置作業者等は、第1候補CPα1及び第2候補CPα2のうち一方を、制御装置100αが第1機器Dα1を制御する際に用いる制御パラメータに設定する。
そして、空調装置10αの設置作業者等は、その制御パラメータを用いた時の、第1機器Dα1を制御した際の第1機器Dα1の動作が影響を与える指標の経時変化のデータを見た上で、必要に応じ、制御パラメータの更なる調整(チューニング)を行う。
(6)特徴
(6-1)
管理装置1000は、空調装置10の有する機器を制御する制御装置100を管理する管理装置である。管理装置1000は、データベース1500と、制御部1100と、を備える。データベース1500は、既設の空調装置10a~10zについて、空調装置10a~10z毎に、空調装置10の装置構成の情報、空調装置10の有する機器を制御するために制御装置100が用いる制御パラメータIPa~IPz,TPa~TPz、及び、制御パラメータIPa~IPz,TPa~TPzを用いて制御装置100が機器を制御した際の制御結果IRa~IRz,Ra~Rz、を関連付けて格納する。データベース1500に格納される制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータIPa~IPzと、チューニング後の第2パラメータTPa~TPzと、を含む。データベース1500に格納される制御結果には、第1パラメータIPa~IPzを用いて制御装置100が機器を制御した際の第1制御結果IRa~IRzを少なくとも含む。制御部1100は、第1空調装置の一例としての空調装置10αの装置構成の情報と、初期パラメータIPαと、初期制御結果IRαと、を取得する。空調装置10αは、機器として第1機器Dα1を有する。制御装置100αは、第1機器Dα1を制御する。初期パラメータIPαは、第1機器Dα1の試運転の際に、第1制御装置としての制御装置100αが第1機器Dα1を制御するために用いる、制御パラメータである。初期制御結果IRαは、制御装置100αが初期パラメータIPαを用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果である。制御部1100は、データベース1500に格納されているデータから、関連付けられている装置構成の情報、第1パラメータIPa~IPz、及び第1制御結果IRa~IRzが、第1空調装置10の装置構成の情報、初期パラメータIPα、及び初期制御結果IRαと類似する空調装置10を、類似空調装置として特定する。例えば、制御部1100は、空調装置b1~b6を、類似空調装置として特定する。制御部1100は、データベース1500に格納されている、類似空調装置としての空調装置b1~b6の第2パラメータTPb1~TPb6に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの候補CPα(第1候補CPα1及び第2候補CPα2)を決定する。制御部1100は、決定した制御パラメータの候補CPαを出力する。
管理装置1000では、データベース1500に蓄積されている既設の空調装置10a~10zのデータの中から、空調装置10a~10zの構成や、機器の応答特性が類似する類似空調装置のデータが特定され、類似空調装置のチューニング済みの第2パラメータに基づいて、制御装置100αが第1機器Dα1を制御するために用いる制御パラメータの候補が決定される。この結果、制御装置100αにおいて、空調装置10の構成や機器の応答特性が類似する既設の空調装置10において実際に機器の制御に用いられる第2パラメータの情報を活用して、制御パラメータのチューニングを短時間で完了できる。
(6-2)
管理装置1000では、初期パラメータIPαは、空調装置10αの装置構成の情報に基づき設定される。
管理装置1000では、例えば、常に同一の初期パラメータIPαを用いる場合に比べ、試運転の際、ある程度妥当な制御パラメータを用いて初期制御結果IRαを得ることができる。そのため、制御部1100は、ある程度妥当な初期パラメータIPαと、その初期パラメータIPαを用いた初期制御結果IRαと、に基づき、適切な制御パラメータの候補を決定できる。
(6-3)
管理装置1000では、装置構成の情報には、第1情報の一例としての構成機器情報IN1と、第2情報の一例としての論理構成情報IN2と、を含む。構成機器情報IN1は、空調装置10が有する構成機器の種類に関する情報である。論理構成情報IN2は、構成機器の台数、構成機器の接続状態、又は空調装置10に設けられるセンサの種類及び位置に関する情報である。
管理装置1000では、構成機器情報IN1及び論理構成情報IN2を含む装置構成の情報を利用することで、類似空調装置を適切に特定し、その類似空調装置の第2パラメータに基づいて、制御装置100αが第1機器Dα1を制御するために用いる制御パラメータの候補を適切に決定できる。
(6-4)
管理装置1000では、データベース1500に格納される制御結果には、第2パラメータTPa~TPzを用いて制御装置100が機器(相当機器CD)を制御した際の第2制御結果Ra~Rzを含む。制御部1100は、データベース1500に格納されている、類似空調装置の第2制御結果を、第1グループと、第2グループと、にクラスタリングする。例えば、制御部1100は、データベース1500に格納されている、類似空調装置である空調装置b1~b6の第2制御結果Rb1~Rb6を、第1グループG1と、第2グループG2と、にクラスタリングする。
そして、本実施形態の例を用いて説明すれば、制御部1100は、データベース1500に格納されている、第1グループG1の第2制御結果Rb1~Rb3と関連付けられている第2パラメータTPb1~TPb3に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの第1候補CPα1(候補Aの一例)を決定する。制御部1100は、データベース1500に格納されている、第2グループG2の第2制御結果Rb4~Rb6と関連付けられている第2パラメータTPb4~TPb6に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの第2候補CPα2(候補Bの一例)を決定する。制御部1100は、決定した制御パラメータの第1候補CPα1及び第2候補CPα2を出力する。
管理装置1000では、第2制御結果が複数のグループにクラスタリングされ、グループG1,G2毎に、制御装置100で用いる制御パラメータの候補CPα(第1候補CPα1及び第2候補CPα2)が決定される。そのため、制御装置100αで用いる制御パラメータのチューニングを行う作業者は、希望に近い制御結果が得られる制御パラメータをチューニングの際に利用できる。
(6-5)
管理装置1000では、制御部1100は、制御パラメータの第1候補CPα1及び制御装置100αが制御パラメータの第1候補CPα1を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果の予想と、制御パラメータの第2候補CPα2及び制御装置100αが制御パラメータの第2候補CPα2を用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果の予想と、を出力する。
管理装置1000では、各候補の制御パラメータについて、その制御パラメータを用いた時の制御結果の予想も出力される。そのため、制御装置100αで用いる制御パラメータのチューニングを行う作業者は、各候補の制御パラメータを用いた時の制御結果を把握した上で、どちらの候補を選択するかを決定できる。
(6-6)
管理装置1000では、制御結果は、制御パラメータを用いて制御装置100が機器を制御した際の遅れ時間、立ち上がり時間、ピーク到達時間、最大行き過ぎ量及び整定時間のいずれかを含む。
他の例では、制御結果は、制御装置100が制御パラメータを用いて空調装置10の機器を制御することで、機器の動作が影響を与える指標(例えば、空気、熱媒体、冷媒等の温度)の経時変化のデータであってもよい。
(6-7)
空調システム1は、空調装置10と、空調装置10の有する機器を制御する制御装置100と、制御装置100を管理する管理装置1000と、を備える。管理装置1000は、データベース1500と、制御部1100と、を備える。データベース1500は、既設の空調装置10a~10zについて、空調装置10a~10z毎に、空調装置10a~10zの装置構成の情報、空調装置10a~10zの有する機器を制御するために制御装置100a~100zが用いる制御パラメータIPa~IPz,TPa~TPz、及び、制御パラメータIPa~IPz,TPa~TPzを用いて制御装置100a~100zが機器を制御した際の制御結果IRa~IRz,Ra~Rz、を関連付けて格納する。データベース1500に格納される制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータIPa~IPzと、チューニング後の第2パラメータTPa~TPzと、を含む。データベース1500に格納される制御結果には、第1パラメータIPa~IPzを用いて制御装置100が機器を制御した際の第1制御結果IRa~IRzを少なくとも含む。制御部1100は、空調装置10αの装置構成の情報と、初期パラメータIPαと、初期制御結果IRαと、を取得する。空調装置10αは、機器としての第1機器Dα1を有する。制御装置100αは、第1機器Dα1を制御する。初期パラメータIPαは、第1機器Dα1の試運転の際に、制御装置100αが第1機器Dα1を制御するために用いる、制御パラメータである。初期制御結果IRαは、制御装置100αが初期パラメータIPαを用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果である。制御部1100は、データベース1500に格納されているデータから、関連付けられている装置構成の情報、第1パラメータIPa~IPz、及び第1制御結果IRa~IRzが、空調装置10αの装置構成の情報、初期パラメータIPα、及び初期制御結果IRαと類似する空調装置10を、類似空調装置として特定する。例えば、制御部1100は、空調装置b1~b6を、類似空調装置として特定する。制御部1100は、データベース1500に格納されている、空調装置b1~b6の第2パラメータTPb1~TPb6に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの候補CPα(第1候補CPα1及び第2候補CPα2)を決定する。制御部1100は、決定した制御パラメータの候補CPαを出力する。
この空調システム1では、制御装置100αにおいて、空調装置10の構成や機器の応答特性が類似する既設の空調装置10において機器の制御に用いられる第2パラメータの情報を活用して、制御パラメータのチューニングを短時間で完了できる。
(6-8)
上記の制御装置100が機器の制御に用いる制御パラメータを調整する方法は、空調装置10の有する機器を制御する制御装置100を管理する管理装置1000を用いて、制御装置100が機器の制御に用いる制御パラメータを調整する方法である。管理装置1000は、データベース1500と、制御部1100と、を備える。データベース1500は、既設の空調装置10a~10zについて、空調装置10a~10z毎に、空調装置10a~10zの装置構成の情報、空調装置10a~10zの有する機器を制御するために制御装置100a~100zが用いる制御パラメータIPa~IPz,TPa~TPz、及び、制御パラメータを用いて制御装置100a~100zが機器を制御した際の制御結果IRa~IRz,Ra~Rz、を関連付けて格納する。データベース1500に格納される制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータIPa~IPzと、チューニング後の第2パラメータTPa~TPzと、を含む。データベース1500に格納される制御結果には、第1パラメータIPa~IPzを用いて制御装置100が機器を制御した際の第1制御結果IRa~IRzを少なくとも含む。
本方法は、以下のステップを備える。
1)制御部1100が、空調装置10αの装置構成の情報と、初期パラメータIPαと、初期制御結果IRαと、を取得するステップ(図14のステップS1~S4)。空調装置10αは、機器として、第1機器Dα1を有する。制御装置100αは、第1機器Dα1を制御する。初期パラメータIPαは、第1機器Dα1の試運転の際に、制御装置100αが第1機器Dα1を制御するために用いる、制御パラメータである。初期制御結果IRαは、制御装置100αが初期パラメータIPαを用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果である。
2)制御部1100が、データベース1500に格納されているデータから、関連付けられている装置構成の情報、第1パラメータIPa~IPz、及び第1制御結果IRa~IRzが、空調装置10αの装置構成の情報、初期パラメータIPα、及び初期制御結果IRαと類似する空調装置を、類似空調装置として特定するステップ(図14のステップS5)。
3)制御部1100が、データベース1500に格納されている、類似空調装置の第2パラメータ(例えば空調装置b1~b6の第2パラメータ)に基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの候補CPα(第1候補CPα1及び第2候補CPα2)を決定するステップ(図14のステップS7)。
4)制御部1100が、決定した制御パラメータの候補CPαを出力するステップ(図14のステップS7)。
この空調システム1では、制御装置100αにおいて、空調装置10の構成や機器の応答特性が類似する既設の空調装置10において機器の制御に用いられる第2パラメータの情報を活用して、制御パラメータのチューニングを短時間で完了できる。
(7)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の変形例は、互いに矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。
(7-1)変形例A
上記実施形態では、制御部1100は、制御装置100αで用いる制御パラメータの候補CPαを複数決定する。
ただし、これに限定されるものではなく、制御部1100は、クラスタリング(図14中のステップS6の工程)は行わず、単一の制御パラメータの候補CPαを決定してもよい。また、この場合、ステップS7で、制御部1100は、制御結果の予想は出力せず、制御パラメータの候補だけを出力してもよい。また、制御部1100が、ステップS6のクラスタリングや、ステップS7の制御結果の予想を行わない場合、データベース1500には第2制御結果TRa~TRbは記憶されていなくてもよい。
(7-2)変形例B
上記実施形態では、管理装置1000が制御パラメータの候補CPα(上記実施形態では、第1候補CPα1及び第2候補CPα2)を決定した後に、空調装置10αの設置作業者等が、制御パラメータの候補CPαを基に、制御パラメータのチューニングを更に実行することを想定している。
ただし、これに限定されるものではなく、制御装置100αは、制御パラメータの候補CPα(上記実施形態では、第1候補CPα1及び第2候補CPα2)をそのまま制御パラメータとして用いてもよい。制御装置100αが制御パラメータの候補CPαをそのまま制御パラメータとして用いる場合、空調装置10αの設置作業者の、制御パラメータのチューニングの作業時間を短縮できる。
(7-3)変形例C
上記実施形態では、制御部1100は、制御装置100αで用いる制御パラメータの候補CPαを複数出力する。
ただし、これに限定されるものではなく、制御部1100は、図15に示すフローチャートのような態様で、制御パラメータの候補CPαを1つだけ出力してもよい。なお、図15に示すフローチャートと図14に示すフローチャートとは、同一の点が多い。そこで、ここでは、説明の重複を避けるため、図15に示すフローチャートと図14に示すフローチャートとの相違点について主に説明する。
図15のフローチャートでは、管理装置1000は、受付部として機能する入力装置1200や通信装置1400が、チューニング条件を受け付ける(ステップS0)。
図11を例に説明すれば、管理装置1000は、例えば、チューニング条件として、第1機器Dα1を制御した際の応答において、量Q1の値が比較的小さいという条件A(図11中の第1グループG1に対応)と、量Q2の値が比較的小さいという条件B(図11中の第2グループG2に対応)と、のどちらが好ましいかの選択を受け付ける。なお、図15では、ステップS0は、ステップS1に先んじて実行されるが、これに限定されるものではなく、ステップS0の実行タイミングは、矛盾がない範囲で適宜変更されてもよい。
図15のフローチャートのステップS1~ステップS5の処理は、図14のフローチャートのステップS1~ステップS5の処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図15のフローチャートのステップS6aでは、制御部1100は、類似空調装置の第2制御結果(例えば第2制御結果Rb1~Rb6)を、チューニング条件に合わせて第1グループG1と、第2グループG2と、にクラスタリングする(ステップS6a)。要するに、図15のフローチャートのステップS6aでは、制御部1100は、類似空調装置の第2制御結果(例えば第2制御結果Rb1~Rb6)を、条件Aに対応する量Q1の値が比較的小さい第1グループG1と、条件Bに対応する量Q2の値が比較的小さい第1グループG1と、にクラスタリングする。
次に、図15のフローチャートのステップS7aでは、制御部1100は、データベース1500に格納されている、空調装置b1~b6の第2制御結果Rb1~Rb6の中から、ステップS0で受け付けたチューニング条件に対応する第2制御結果Rb1~Rb6(第1グループG1の第2制御結果Rb1~Rb3、又は、第2グループG2の第2制御結果Rb4~Rb6)を特定する。そして、制御部1100は、データベース1500に格納されている、特定された第2制御結果と関連付けられている第2パラメータに基づいて、制御装置100αで用いる制御パラメータの候補を決定する。なお、制御部1100の制御パラメータの候補の決定方法は、図14のフローチャートのステップS7で説明した、制御部1100の各グループについての制御パラメータの候補の決定方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
変形例Cの管理装置1000では、チューニング条件を選択することで、そのチューニング条件に合う制御パラメータの候補を容易に得ることができる。
なお、ステップS7aでも、制御部1100は、制御パラメータの候補CPαと、制御装置100αが制御パラメータの候補CPαを用いて第1機器Dα1を制御した際の制御結果の予想と、を出力することが好ましい。
<付記>
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
本開示は、空調装置の有する機器を制御する制御装置を管理する管理装置、その管理装置を備える空調システム、及びその管理装置の制御パラメータの調整方法に広く適用でき有用である。
1 空調システム
10a~10z 空調装置(既存の空調装置)
10α 空調装置(第1空調装置)
100a~100z 制御装置(既存の空調装置の機器を制御する制御装置)
100α 制御装置(第1制御装置)
1000 管理装置
1100 制御部
1200 入力装置(受付部)
1300 出力装置
1400 通信装置(受付部)
1500 データベース
a1~a10 空調装置(候補空調装置)
b1~b6 空調装置(類似空調装置)
CD 相当機器
CPα 制御パラメータの候補
CPα1 制御パラメータの第1候補(候補A)
CPα2 制御パラメータの第2候補(候補B)
Dα1 第1機器
G1 第1グループ
G2 第2グループ
IN1 構成機器情報(第1情報)
IN2 論理構成情報(第2情報)
IPa~IPz 第1パラメータ
IPα 初期パラメータ
IRa~IRz 第1制御結果
IRα 初期制御結果
TPa~TPz 第2パラメータ
Ra~Rz 第2制御結果
特開2009-301392号公報

Claims (9)

  1. 空調装置(10a~10z,10α)の有する機器を制御する制御装置(100a~100z,100α)を管理する管理装置(1000)であって、
    既設の前記空調装置(10a~10z)について、前記空調装置毎に、前記空調装置の装置構成の情報、前記空調装置の有する前記機器を制御するために前記制御装置が用いる制御パラメータ(IPa~IPz,TPa~TPz)、及び、前記制御パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の制御結果(IRa~IRz,Ra~Rz)、を関連付けて格納するデータベース(1500)と、
    制御部(1100)と、
    を備え、
    前記データベースに格納される前記制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータと、チューニング後の第2パラメータと、を含み、
    前記データベースに格納される前記制御結果には、前記第1パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の第1制御結果を含み、
    前記制御部は、
    前記機器としての第1機器(Dα1)を有する、前記空調装置としての第1空調装置(10α)の前記装置構成の情報と、前記第1機器の試運転の際に、前記第1機器を制御するために前記第1機器を制御する前記制御装置としての第1制御装置(100α)が用いる、前記制御パラメータとしての初期パラメータ(IPα)と、前記第1制御装置が前記初期パラメータを用いて前記第1機器を制御した際の前記制御結果としての初期制御結果(IRα)と、を取得し、
    前記データベースに格納されているデータから、関連付けられている前記装置構成の情報、前記第1パラメータ、及び前記第1制御結果が、前記第1空調装置の前記装置構成の情報、前記初期パラメータ、及び前記初期制御結果と類似する前記空調装置を、類似空調装置として特定し、
    前記データベースに格納されている、前記類似空調装置の前記第2パラメータに基づいて、前記第1制御装置で用いる前記制御パラメータの候補(CPα)を決定し、
    決定した前記制御パラメータの候補を出力する、
    管理装置(1000)。
  2. 前記初期パラメータは、前記第1空調装置の前記装置構成の情報に基づき設定される、
    請求項1に記載の管理装置。
  3. 前記装置構成の情報には、前記空調装置が有する構成機器の種類に関する第1情報(IN1)と、前記構成機器の台数、前記構成機器の接続状態、又は前記空調装置に設けられるセンサの種類及び位置、に関する第2情報(IN2)と、を含む、
    請求項1又は2に記載の管理装置。
  4. 前記データベースに格納される前記制御結果には、前記第2パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の第2制御結果(Ra~Rz)を更に含み、
    前記制御部は、
    前記データベースに格納されている、前記類似空調装置の前記第2制御結果を、第1グループ(G1)と、第2グループ(G2)と、にクラスタリングし、
    前記データベースに格納されている、前記第1グループの前記第2制御結果と関連付けられている前記第2パラメータに基づいて、前記第1制御装置で用いる前記制御パラメータの候補A(CPα1)を決定し、
    前記データベースに格納されている、前記第2グループの前記第2制御結果と関連付けられている前記第2パラメータに基づいて、前記第1制御装置で用いる前記制御パラメータの候補B(CPα2)を決定し、
    決定した前記制御パラメータの前記候補A及び前記候補Bを出力する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の管理装置。
  5. 前記制御部は、前記制御パラメータの前記候補A及び前記第1制御装置が前記制御パラメータの前記候補Aを用いて前記第1機器を制御した際の制御結果の予想と、前記制御パラメータの前記候補B及び前記第1制御装置が前記制御パラメータの前記候補Bを用いて前記第1機器を制御した際の制御結果の予想と、を出力する、
    請求項4に記載の管理装置。
  6. チューニング条件の選択を受け付ける受付部(1200,1400)、を更に備え、
    前記データベースに格納される前記制御結果には、前記第2パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の第2制御結果(Ra~Rz)を更に含み、
    前記制御部は、
    前記データベースに格納されている、前記類似空調装置の前記第2制御結果の中から、前記受付部が受け付けた前記チューニング条件に対応する前記第2制御結果を特定し、
    前記データベースに格納されている、前記チューニング条件に対応する前記第2制御結果と関連付けられている前記第2パラメータに基づいて、前記第1制御装置で用いる前記制御パラメータの候補を決定し、
    決定した前記制御パラメータの候補を出力する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の管理装置。
  7. 前記制御結果は、前記制御パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の遅れ時間、立ち上がり時間、ピーク到達時間、最大行き過ぎ量、又は整定時間である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の管理装置。
  8. 空調装置(10a~10z,10α)と、
    前記空調装置の有する機器を制御する制御装置(100a~100z,100α)と、
    前記制御装置を管理する管理装置(1000)と、
    を備え、
    前記管理装置は、
    既設の前記空調装置(10a~10z)について、前記空調装置毎に、前記空調装置の装置構成の情報、前記空調装置の有する前記機器を制御するために前記制御装置が用いる制御パラメータ(IPa~IPz,TPa~TPz)、及び、前記制御パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の制御結果(IRa~IRz,Ra~Rz)、を関連付けて格納するデータベース(1500)と、
    制御部(1100)と、
    を備え、
    前記データベースに格納される前記制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータと、チューニング後の第2パラメータと、を含み、
    前記データベースに格納される前記制御結果には、前記第1パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の第1制御結果を含み、
    前記制御部は、
    前記機器としての第1機器(Dα1)を有する、前記空調装置としての第1空調装置(10α)の前記装置構成の情報と、前記第1機器の試運転の際に、前記第1機器を制御するために前記第1機器を制御する前記制御装置としての第1制御装置(100α)が用いる、前記制御パラメータとしての初期パラメータ(IPα)と、前記第1制御装置が前記初期パラメータを用いて前記第1機器を制御した際の前記制御結果としての初期制御結果(IRα)と、を取得し、
    前記データベースに格納されているデータから、関連付けられている前記装置構成の情報、前記第1パラメータ、及び前記第1制御結果が、前記第1空調装置の前記装置構成の情報、前記初期パラメータ、及び前記初期制御結果と類似する前記空調装置を、類似空調装置として特定し、
    前記データベースに格納されている、前記類似空調装置の前記第2パラメータに基づいて、前記第1制御装置で用いる前記制御パラメータの候補(CPα)を決定し、
    決定した前記制御パラメータの候補を出力する、
    空調システム(1)。
  9. 空調装置(10a~10z,10α)の有する機器を制御する制御装置(100a~100z,100α)を管理する管理装置(1000)を用いて、前記制御装置が前記機器の制御に用いる制御パラメータを調整する方法であって、
    前記管理装置は、
    既設の前記空調装置(10a~10z)について、前記空調装置毎に、前記空調装置の装置構成の情報、前記空調装置の有する前記機器を制御するために前記制御装置が用いる制御パラメータ(IPa~IPz,TPa~TPz)、及び、前記制御パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の制御結果(IRa~IRz,Ra~Rz)、を関連付けて格納するデータベース(1500)と、
    制御部(1100)と、
    を備え、
    前記データベースに格納される前記制御パラメータには、試運転の際に使用される第1パラメータと、チューニング後の第2パラメータと、を含み、
    前記データベースに格納される前記制御結果には、前記第1パラメータを用いて前記制御装置が前記機器を制御した際の第1制御結果を含み、
    前記方法は、
    前記制御部が、前記機器としての第1機器(Dα1)を有する、前記空調装置としての第1空調装置(10α)の前記装置構成の情報と、前記第1機器の試運転の際に、前記第1機器を制御するために前記第1機器を制御する前記制御装置としての第1制御装置(100α)が用いる、前記制御パラメータとしての初期パラメータ(IPα)と、前記第1制御装置が前記初期パラメータを用いて前記第1機器を制御した際の前記制御結果としての初期制御結果(IRα)と、を取得するステップと、
    前記制御部が、前記データベースに格納されているデータから、関連付けられている前記装置構成の情報、前記第1パラメータ、及び前記第1制御結果が、前記第1空調装置の前記装置構成の情報、前記初期パラメータ、及び前記初期制御結果と類似する前記空調装置を、類似空調装置として特定するステップと、
    前記制御部が、前記データベースに格納されている、前記類似空調装置の前記第2パラメータに基づいて、前記第1制御装置で用いる前記制御パラメータの候補(CPα)を決定するステップと、
    前記制御部が、決定した前記制御パラメータの候補を出力するステップと、
    を備える方法。
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