JP2023010981A - 生体圧迫クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】管腔臓器の粘膜組織を挟持しているクリップが発する蛍光を漿膜側から良好に確認する。【解決手段】生体圧迫クリップ100が、生体組織を挟持するアーム部5a、5bを有するクリップ本体1を備え、クリップ本体1はアーム部5a、5bの先端部から該アーム部5a、5bの長手方向に突出した圧迫片10を有する。圧迫片10は弾性を有する可撓性樹脂で形成され、蛍光色素を保持する。この生体圧迫クリップ100によれば、アーム部5a、5bが生体組織を挟持している状態で圧迫片10の屈曲した突出部分が該屈曲を戻す弾性力により生体組織をその厚み方向に圧迫する。【選択図】図8D

Description

本発明は、患部の位置を特定するマーカーとして有用なクリップに関する。
従来、止血クリップや外科手術時に患部の位置を特定するマーカー用クリップとして、内視鏡用クリップ装置に装着して用いる金属製のクリップが広く使用されている。例えば、ステンレス等の金属製の板バネをく字型に折り曲げ成形したものや、く字型に成形した金属製のクリップ本体と、クリップ本体に外嵌し、締着する締結具からなるものがある(特許文献1)。
本発明者は、このようなクリップで管腔臓器の粘膜組織を挟持した後、そのクリップの位置を漿膜側から確認できるようにするため、クリップの締結具を、蛍光色素を含有した樹脂で形成すること(特許文献2)や、クリップ本体それ自体を、蛍光色素を含有した樹脂で形成すること(特許文献3)を提案している。これらのクリップで粘膜組織を挟持すると粘膜組織が圧迫され、粘膜下層の血管網の血液が排除されるので、クリップに漿膜側から励起光を照射し、蛍光色素を発光させると、発光した蛍光が血管網の血液で殆ど吸収されず、蛍光を漿膜側から観察できることにより、クリップの位置を明確に確認することが可能となる。
特許第6572229号公報 特許第6161096号公報 特許第6675674号公報
しかしながら、特許文献2に記載のクリップでは、蛍光色素を含有した樹脂で形成された締結具が、該締結具で粘膜組織を圧迫できるように特定の形状であることを要し、また、特許文献3に記載のクリップでは、蛍光色素を含有した樹脂で形成されたクリップ本体が、クリップの開閉機能を担えるように特定の形状であることを要する。そのため、これらのクリップでは、従来の金属製のクリップに対して製造方法を大きく変えることが必要とされる。
また、特許文献3に記載のクリップは、金属製の従来のクリップに比して生体組織を挟持する力が弱いという問題もある。
これに対し、本発明は、内視鏡用クリップ装置に装着して使用されるクリップに関し、体内に留置したクリップを、蛍光の発光により確実に確認できるようにするにあたり、従来の金属製クリップの構成を利用して、より簡便に製造できるようにすることを課題とする。
本発明者は、生体組織を挟持する金属製のクリップ本体のアーム部の先端部に、蛍光色素を含有する可撓性樹脂で形成された圧迫片をアームの長手方向に突出するように取り付けると、クリップで生体組織を挟持した状態では圧迫片の突出部分で生体組織を圧迫できること、また、圧迫片を取り付けるクリップ本体の構成は、汎用されている金属製のクリップ本体と同様でよいことを想到し、本発明を想到した。
即ち、本発明は、生体組織を挟持する金属製のアーム部を有するクリップ本体を備えたクリップであって、クリップ本体はアーム部の先端部から該アーム部の長手方向に突出した圧迫片を有し、圧迫片は可撓性樹脂で形成されると共に蛍光色素を保持し、アーム部が生体組織を挟持している状態で圧迫片が生体組織を圧迫する生体圧迫クリップを提供する。
本発明のクリップは、止血用クリップや外科手術時に使用するマーカー用クリップとして汎用されている金属製のクリップ本体のアーム部の先端部に、可撓性樹脂で形成されると共に蛍光色素を保持した圧迫片を取り付けるだけで、容易に製造することができる。
また、このクリップによれば圧迫片がアーム部の先端部から突出した部分を有し、圧迫片が可撓性を有するので、アーム部が生体組織を挟持している状態では、圧迫片の突出部分が屈曲し、その屈曲した部分が生体組織を該生体組織の厚み方向に圧迫する。特に、圧迫片が弾性を有する場合には、屈曲を戻そうとする弾性力によって圧迫片が生体組織を圧迫する。したがって、例えば、アーム部が管腔臓器の粘膜組織を挟持すると圧迫片の突出部分が屈曲して粘膜を圧迫し、粘膜の厚みが薄くなる。よって、圧迫片に漿膜側から励起光を照射し、圧迫片に保持された蛍光色素に蛍光を発光させると、その蛍光の発光を漿膜側から良好に確認することが可能となる。
即ち、粘膜組織が圧迫されると粘膜下層の動脈及び静脈の血管網の血管が虚脱し、血管から血液が排除され、それによりヘモグロビンも排除される。したがって、蛍光色素として、励起光の照射により赤色乃至近赤外光を発光するものを使用すると、励起光がヘモグロビンでほとんど吸収されることなく、圧迫片の蛍光色素に吸収され、蛍光色素が発光した蛍光もヘモグロビンでほとんど吸収されることなく漿膜側に出射する。よって、管腔臓器の粘膜に取り付けられた生体圧迫クリップの圧迫片の発光を、管腔臓器の外側から良好に視認することが可能となる。
図1は、実施例の生体圧迫クリップで使用するクリップ本体の開いている状態の斜視図である。 図2は、実施例の生体圧迫クリップで使用するクリップ本体の開いている状態の側面図である。 図3Aは、実施例の生体圧迫クリップで使用するクリップ本体が締結具により閉じた状態の上面図である。 図3Bは、実施例の生体圧迫クリップで使用するクリップ本体が締結具により閉じた状態のA方向側面図及びB方向側面図である。 図4は、実施例の生体圧迫クリップが開いている状態の側面図である。 図5Aは、実施例の生体圧迫クリップが閉じている状態の上面図である。 図5Bは、実施例の生体圧迫クリップが閉じている状態のA方向側面図及びB方向側面図である。 図6は、実施例の生体圧迫クリップの圧迫片の可撓性の説明図である。 図7Aは、内視鏡装置を用いた実施例の生体圧迫クリップの使用方法の説明図である。 図7Bは、内視鏡装置を用いた実施例の生体圧迫クリップの使用方法の説明図である。 図7Cは、内視鏡装置を用いた実施例の生体圧迫クリップの使用方法の説明図である。 図7Dは、内視鏡装置を用いた実施例の生体圧迫クリップの使用方法の説明図である。 図8Aは、実施例の生体圧迫クリップの粘膜に対する作用の説明図である。 図8Bは、実施例の生体圧迫クリップの粘膜に対する作用の説明図である。 図8Cは、実施例の生体圧迫クリップの粘膜に対する作用の説明図である。 図8Dは、実施例の生体圧迫クリップの粘膜に対する作用の説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
<生体圧迫クリップの全体構成>
図1は、本発明の一実施例の生体圧迫クリップで使用するクリップ本体1と締結具2の斜視図であり、図2はその側面図である。また、図3Aは、クリップ本体1に締結具2を嵌めることによりクリップ本体1が閉じている状態の上面図であり、図3Bは、そのA方向側面図及びB方向側面図である。
<クリップ本体>
本実施例の生体圧迫クリップは、内視鏡用クリップ装置(アプライヤ)に装着されて生体組織のクリップに使用されるもので、クリップ本体1は、帯状の金属板を屈曲させた一対の板バネ3a、3bで形成されている。これらの板バネ3a、3bの一方の端部は細幅で、他方の端部は広幅に形成されている。細幅の端部はL字型に屈曲し、この屈曲部分に、アプライヤの操作ワイヤー21の連結部22(図7A)が係合する切り欠き(図示せず)が形成されている。また、屈曲部分の近傍には一対の板バネ3a、3bの離間距離を一定に保持してクリップ本体1と操作ワイヤー21の連結部22との掛合操作を行い易くするため、必要に応じて接続部材4が設けられる。接続部材4は、一対の板バネ3a、3bと同様の材料から形成することができる。接続部材4の取り付け方法は、ネジ、カシメ、溶接、接着等によることができる。
本発明において、クリップ本体1は一対の板バネ3a、3bから形成することに限られず、例えば、特許第6572229号公報(特許文献1)の図3に記載されているように、帯状の一枚の金属板の中央部を屈曲させることによりV字型に成形した板バネを使用してもよく、WO2017/068970号公報の図1に記載されているようにU字型に屈曲させた板バネを使用してもよい。また、例えば、特許4145149号公報に記載のように一対のアーム部5a、5bが交差するようにクリップ本体1を構成してもよい。
一対の板バネ3a、3bの広幅側は、一対の板バネ3a、3bの端部同士の間隔が広がるアーム部5a、5bとなっている。アーム部5a、5bの先端部はL字型に屈曲した爪部6となっている。爪部6は生体組織に直接的に食い込み、生体組織を挟持する部分である。本実施例では、生体組織への爪部6の食い込みを良好にするため、爪部6は三角波形状を有し、一対の板バネ3a、3bの爪部6の三角波形状が互いに嵌合するように形成されている(図3B)。
なお、本発明において、爪部6は三角波形状に限られない。例えば、矩形波形状でもよく、爪部が台形、矩形等に形成されていてもよい。また、本実施例では一対のアーム部5a、5bの爪部がクリップ本体1を閉じた状態で当接するように形成されているが、例えば特許6233146号公報に記載されているようにクリップ本体1を閉じた状態で一対のアーム部5a、5bの爪部同士が重なり合うようにしてもよい。
一対のアーム部5a、5bの側部7は、それぞれもう一方のアーム部5b、5aに向かって起立することでL字型に屈曲した部分となっている。このようにアーム部5a、5bの側部7を屈曲させることは、アーム部5a、5bの剛性を高めるため、必要に応じて行われる。
なお、本発明においてクリップ本体は一対のアーム部5a、5bを有するものに限られず、3本以上のアーム部を有していても良い。
<締結具>
締結具2は、クリップ本体1の接続部材4側に位置することでクリップ本体1を開いた状態とし(図2)、爪部6側に位置することでクリップ本体1を閉じた状態とするもので(図3B)、カシメリングとも言われる。本実施例の締結具2は、金属製の筒状部材で形成されている。締結具2として、線材をコイル状に巻き回した物、長手方向に垂直な断面がC字型のもの等を用いても良い。
<圧迫片>
図4は、本発明の一実施例の生体圧迫クリップ100であって、クリップ本体1が開いた状態の側面図である。この生体圧迫クリップ100は、上述したクリップ本体1のアーム部5a、5bの先端部に可撓性樹脂で形成された圧迫片10を有している。図5Aは、この生体圧迫クリップ100のクリップ本体1が締結具2の締着により閉じている状態の上面図であり、図5Bは、そのA方向側面図及びB方向側面図である。なお、図をわかりやすくするため、締結具2はグレーに塗りつぶしている。
圧迫片10は本発明に特徴的な構成であり、アーム部5a、5bの先端部(爪部6)から該アーム部5a、5bの長手方向に突出している。この圧迫片10は、アーム部5a、5bによる生体組織の挟持を妨げることのないようにクリップ本体1に設けられる。即ち、アーム部5a、5bが生体組織を挟持するときに生体組織に挟持圧をかける挟持部8(図4)が圧迫片10で覆われず、挟持部8が露出するように、アーム部5a、5bの背側(挟持部8の反対側)に沿って設けられている。
圧迫片10は可撓性樹脂で形成されると共に蛍光色素を保持する。このような圧迫片10は、例えば、蛍光色素を含有する可撓性樹脂で形成することができる。あるいは、可撓性樹脂で形成した圧迫片の表面に蛍光色素を含有する塗布膜を形成してもよい。
圧迫片10は可撓性樹脂で形成されていることにより、アーム部5a、5bの先端部6から突出している圧迫片10の突出部分11は図6に破線で示すように屈曲する。このため、後述するように、クリップ本体1のアーム部5a、5bが生体組織を挟持している状態では、圧迫片10の突出部分11が屈曲し、その屈曲した部分が生体組織を該生体組織の厚み方向(生体組織を挟持している状態でのアーム部5a、5bの長手方向)に圧迫する(図8D)。圧迫片10は、好ましくは弾性を有し、圧迫片10の屈曲を戻そうとする弾性力によって生体組織はその厚み方向に強く圧迫される。よって、粘膜下層の血管網の血液が排除され、圧迫片10に漿膜側から励起光を照射し、圧迫片に保持されている蛍光色素に蛍光を発光させると、その蛍光を漿膜側から良好に確認することが可能となる。
(圧迫片の形状)
本実施例の圧迫片10は、概略短冊状の形状を有しているが、アーム部5a、5bの先端部6近傍で、先端部6の外側(接続部材4から離れた方)にくびれ12を有し、先端部6の内側(接続部材4に近い方)にもくびれ13を有する。本発明において、圧迫片10のくびれは、屈曲した圧迫片10による生体組織への圧迫力を調整するため、アーム部の先端部の近傍に必要に応じて適宜設けられる。したがって、外側のくびれ12と内側のくびれ13のいずれか一方だけを設けても良く、双方とも設けなくても良い。
圧迫片10のアーム部5a、5bの先端部からの突出長さL1(図5B)は、短すぎると圧迫片10により十分な圧迫力を得にくく、長すぎるとクリップ本体で生体組織を挟持しにくくなることから、2~10mmとすることが好ましい。圧迫片10の全長L2は、短すぎると圧迫片10のアーム部5a、5bに対する取り付け強度が不足し、長すぎると内視鏡用クリップ装置で生体圧迫クリップ100を使用しにくくなることから5~13mmとすることが好ましい。
圧迫片10の上面視の幅L3(図5A)は、短すぎると圧迫片10により十分な圧迫力を得にくく、長すぎると生体圧迫クリップ100を内視鏡用クリップ装置に装着しにくくなることから、クリップ本体の先端部の幅L4よりも0.4~1.0mm大きく、又は圧迫片10の上面視の幅L3を1.4~2.6mmとすることが好ましい。
(圧迫片を形成する可撓性樹脂)
圧迫片10を形成する可撓性樹脂としては、消化管内に長期に留置しても変性することなく、胃酸に耐える耐酸性を有しているものが好ましい。このような可撓性樹脂としては、軟質ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の医療器具に用いられる樹脂を挙げることができる。
また、圧迫片10を形成する可撓性樹脂は、クリップ本体1のアーム部5a、5bが生体組織を挟持している状態で、屈曲した圧迫片10の突出部分11が生体組織を効果的に圧迫できるように適度な硬さと弾性を有していることが好ましい。
圧迫片10の硬さとしては、デュロメータで計測したショアA(JIS K 6253)としてA10~A90、または、ショアD(JIS K 6253)としてD40~70の範囲が好ましい。また、圧迫片10の硬さは、圧迫片10の形状、大きさ等に応じて適宜選択することが好ましい。
圧迫片10の弾性としては、曲げ弾性率(JIS K 7203)が4~200MPaであることが好ましい。
(蛍光色素)
圧迫片10に保持させる蛍光色素としては、600~1400nmの赤色光乃至近赤外光の波長域、好ましくは700~1100nmの赤色光又は近赤外光の波長域で蛍光を発するものが好ましい。この波長域の光は、皮膚、脂肪、筋肉等の人体組織に対して透過性が高く、例えば、直腸等の管状の人体組織の粘膜から漿膜面まで良好に到達することができる。
上述の波長域の蛍光を発する蛍光色素としては、リボフラビン、チアミン、NADH(nicotinamide adenine dinucleotide)、インドシアニングリーン(ICG)、特開2011-162445号公報に記載のアゾ-ホウ素錯体化合物、WO2016/132596号公報に記載の縮合環構造を有する色素、特許5177427号公報に記載のボロンジピロメテン骨格を有する色素、特開2020-74905号公報に記載のシリカ粒子と化学結合する色素、特開2020-105170号公報に記載のフタロシアニン系色素等をあげることができる。
圧迫片10に蛍光色素を保持させる具体的な態様としては、圧迫片10を形成する可撓性樹脂に蛍光色素を含有させたり、可撓性樹脂で形成した圧迫片の表面に蛍光色素を含有する塗布膜を形成したりすることができる。圧迫片10を形成する可撓性樹脂に蛍光色素を含有させる場合、蛍光色素の好ましい濃度は当該蛍光色素や樹脂の種類等に応じて設定することができ、通常、0.001~1質量%とすることが好ましい。
可撓性樹脂に蛍光色素を含有させる方法としては、例えば、二軸混練機を使用して可撓性樹脂に蛍光色素を混練すればよい。
可撓性樹脂には、必要に応じて硫酸バリウム等の造影剤を添加してもよい。これにより、生体内で粘膜を挟持していた生体圧迫クリップが粘膜から外れても、生体内の生体圧迫クリップを、X線を用いて撮影することにより追跡することが可能となる。
(圧迫片の形成方法)
圧迫片10の形成方法としては、例えば、蛍光色素を混練りした可撓性樹脂を、押出成形または射出成形にて所定形状に成形し、定尺カット、角取り、くぼみ形成等の加工を施すことで得ることができる。得られた圧迫片は接着剤によってクリップ本体1に接着すればよい。あるいは、クリップ本体とインサート成形することによりクリップ本体に固着した圧迫片10を得ても良い。
<生体圧迫クリップの使用方法>
生体圧迫クリップ100の使用方法としては、まず、図7Aに示すように、圧迫片10を有するクリップ本体1と締結具2とを備えた生体圧迫クリップ100を、内視鏡用アプライヤのクリップ用シース20に取り付ける。クリップ用シース20としては、例えば、特許4388324号公報、特許5045484号公報等に記載されているインナーシース23とアウターシース24と操作ワイヤー21を有するものを使用することができ、市販のものを使用することができる。生体圧迫クリップ100のクリップ用シース20への取り付け方法としては、例えば、図7Aに示すように操作ワイヤー21の連結部22をクリップ本体1の接続部材4側の端部に掛合させればよい。また、クリップ本体1を、V字型、U字型等に屈曲させた板バネから形成する場合には、特許第5781347号公報等に記載されているようにフックを用いても良い。
アプライヤの操作により生体圧迫クリップ100をアウターシース24内に引込むと図7Bに示すようにクリップ本体1が閉じ、クリップ本体1をアウターシース24から突出させると、クリップ本体1の挟持部8側が開く。また、図7Cに示すようにインナーシース23を締結具2に当接させ、締結具2を挟持部8側に摺動させると次第にクリップ本体1が閉じ、ついには図7Dに示すように開いていたクリップ本体1が完全に閉じる。
そこで、生体圧迫クリップ100で管腔臓器の粘膜の患部を挟持する場合を説明すると、クリップ本体1を操作ワイヤー21に取り付け、生体圧迫クリップ100をアウターシース24内に引き込み、クリップ本体1が閉じた状態でクリップ用シース20を管腔臓器の内部に挿入する。アプライヤを操作してアウターシース24から生体圧迫クリップ100を突出させ、患部41近傍でクリップ本体1のアーム部5a、5bの挟持部8側を開く(図8A)。次に、生体圧迫クリップ100を粘膜40に接触させ、締結具2を挟持部8側に移動させる。この移動量に応じてクリップ本体1が閉じ、圧迫片10の突出部分11が屈曲していく(図8B、図8C)。クリップ本体1が完全に閉じると挟持部で患部41近傍の粘膜40が挟持される(図8D)。このとき、圧迫片10の突出部分11は図8Dに示したように屈曲しており、圧迫片10が粘膜40を、該粘膜40の厚みが薄くなる方向に圧迫する。特に、圧迫片10が弾性を有すると圧迫片10の屈曲を戻す方向の弾性力が粘膜40の厚さを薄くする方向に作用する。したがって、粘膜下層の血管網42が虚脱し、血管から血液が排除され、ヘモグロビンも排除される。
よって、管腔臓器の外側(漿膜側)に赤色乃至近赤外の波長域の励起光を照射すると、その励起光は、圧迫片10を形成する可撓性樹脂に含まれる蛍光色素に、ヘモグロビンで殆ど吸収阻害されることなく吸収され、蛍光色素が赤色乃至近赤外の波長域の蛍光を発する。この蛍光は、ヘモグロビンで殆ど吸収阻害されることなく管腔臓器の外側に出射する。したがって、この蛍光を管腔臓器の外側から良好に観察することができ、管腔臓器の内部に挟持させた生体圧迫クリップの位置がわかり、患部41の位置を特定することができる。
ここで、管腔臓器の漿膜側に励起光を照射する方法としては、開胸又は開腹により管腔臓器の漿膜を露出させ、そこに励起光を照射してもよく、また、ラパロスコープ(手術用内視鏡)を胸壁又は腹壁に開けた孔より挿入し、管腔臓器の漿膜面あるいは腹膜面を観察しながら、赤色乃至近赤外の波長域の励起光を管腔臓器の漿膜面あるいは腹膜面に照射してもよい。
なお、管腔臓器の外側から観察する蛍光が可視光でない場合には、公知の赤外可視変換ガラスを通して観察することにより、あるいは、管腔臓器を外側から撮影し、画像処理で蛍光を可視化することにより、容易に発光部位を特定することができる。
この生体圧迫クリップ100は、食道、胃、大腸等の消化管粘膜、気管粘膜、膀胱粘膜、子宮粘膜等に取り付け可能であり、これらの管腔臓器の疾患部位を確実にマークすることが可能となる。
1 クリップ本体
2 締結具(カシメリング)
3a、3b 板バネ
4 接続部材
5a、5b アーム部
6 爪部
7 側部
8 挟持部
10 圧迫片
11 突出部分
20 クリップ用シース
21 操作ワイヤー
22 連結部
23 インナーシース
24 アウターシース
40 粘膜
41 患部
42 血管網
100 生体圧迫クリップ

Claims (1)

  1. 生体組織を挟持するアーム部を有するクリップ本体を備えたクリップであって、クリップ本体はアーム部の先端部から該アーム部の長手方向に突出した圧迫片を有し、圧迫片は弾性を有する可撓性樹脂で形成されると共に蛍光色素を保持し、アーム部が生体組織を挟持している状態で圧迫片の屈曲した突出部分が該屈曲を戻す弾性力により生体組織をその厚み方向に圧迫可能となっている生体圧迫クリップ。
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