JP2023010354A - 感染リスク定量化システム及び感染リスク定量化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】施設内で計測された環境データに加え、市中感染状況を含んだ疫学データを入力情報として取り込んで感染リスクを確率的に定量化するシステム又は方法を提供する。【解決手段】本発明の方法は、区画内のCO2濃度を計測しつつ施設外のCO2濃度を計測する工程S1と、疫学データ閲覧サイトから施設の属する地域の感染症流行情報を取得する工程S2と、数理モデルを用いて区画での感染確率Pを随時導出する工程S6とを含む。本発明の方法は、数理モデルを用いて、区画の安全レベルを判断するための警報閾値TAを決定する工程S5を含むことが好ましい。さらに、空気環境を整えるための少なくとも1つの機器を備えた機器監視制御部を区画内に配置して機器の運転状況を確認する工程S3と、数理モデルを用いて機器の運転状況を変更するための機器制御閾値TDを決定する機器制御閾値決定工程S5をさらに含むことが好ましい。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和3年6月8日、自社製品パンプレット (2)令和3年6月21日、http://www.ryokikogyo.co.jp/prooptiment/
本発明は、病院等の施設の建物内部における飛沫核・飛沫感染リスクを定量化するためのシステムや方法に関する。より具体的には、市中感染状況を踏まえつつ建物内部の感染寄与因子の状況をリアルタイムに計測しながら感染リスクを定量化するためのシステムや方法に関する。
近年流行しているコロナウイルスの他、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、結核菌などの感染症に人類は脅かされてきた。これらの感染症を引き起こす病原体は目に見えないほど小さいため、感染症を治療すべき病院などでも院内感染が頻繁に発生している。このような事情からも、病院等の施設内の特定区画毎に感染リスクをリアルタイムに定量化して医療従事者へ通知することが望まれている。
(先行技術としての特許文献1)
上記要望に対応する先行技術として、例えば、特許文献1に施設内監視システムが開示されている。特許文献1に記載のシステムでは、施設内の環境パラメータ(温度・湿度等)をモニタリングし、各区画(病室)の感染症毎の発生危険度を取得し、注意通知表示データをナースステーションのPCや携帯端末に送信し、特定の感染症の危険のある病室を表示・警告することができる。
(特許文献1における技術的課題)
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、施設(より具体的には各病室)内の温度や湿度などの環境パラメータを計測しているだけである。また、感染リスクの評価の際には計測中の各環境パラメータが「基準範囲」、「要注意」、又は「警告」に属するかを判定するための閾値を任意に設定しているだけであり(特許文献1の図面16を参照)、各閾値の設定にWHOなどの公的機関による疫学上の指針が反映されているわけではない。つまり、当該システムによる判定(基準範囲内か、要注意であるか否かの評価)は、システム提供者或いはシステムを操作する医療従事者の主観に依るところが大きい。
また、特許文献1に記載のシステムでは、感染リスクの評価に際して計測対象施設内の環境パラメータを利用するのみで、刻々と変動する施設外の市中感染状況の影響が反映されることは無い。例えば、インフルエンザの場合は季節による感染リスクが変動しており、こうした施設外の市中感染状況も感染リスクの評価に反映させられることが望ましい。
また、特許文献1に記載のシステムでは、感染リスクの評価に際して環境パラメータの変動を単にモニタリングしているだけであり、感染確率を定量的に導出するものではない。
(非特許文献1,2 空気感染リスクを推定する数理モデルの例)
なお、空気感染リスクを推定する数理モデルとしてWells-Rileyのモデルが知られている。この数理モデルは結核菌の感染確率がポアソン過程に従うとの実験結果(非特許文献1を参照)から得られたものである。また、このWells-Rileyのモデルを改良した非特許文献2に開示のRudnick and Miltonのモデルも知られている。
(先行技術としての特許文献2)
また、特許文献2に記載のインフルエンザ予測表示装置では、インフルエンザの流行を予測するために外気温度や外気湿度をセンサで計測し、これらの計測値を基に水蒸気圧等を算出して流行(危険度)の判定を行う。そして、LED報知手段などの表示部により予測結果を表示したり、加湿ユニットで加湿運転を駆動させたりすることができる。
(特許文献2における技術的課題)
しかしながら、特許文献2に記載の装置では施設外の環境パラメータを計測するものの、施設(例えば、施設内の各区画(各病室))内の環境パラメータを計測するものでは無い。また、特許文献2に記載の装置では、各センサから実測された気温や相対湿度、これらの実測値から算出された絶対湿度や水蒸気圧の変動をモニタリングし、予め任意に設定した閾値を超えると、「危険度小」から「危険度中」や「危険度大」と判定するものである。
従って、特許文献2に記載の装置も、特許文献1に記載の技術と同様に、各閾値の設定の際にWHOなどの公的機関による疫学上の指針が何ら反映されているわけではないし、感染リスクを確率的に定量化するものではない。さらに、市中感染状況を踏まえつつ施設内の環境パラメータをモニタリングしながら感染リスクを定量化するものではない。
(先行技術としての特許文献3)
また、特許文献3に記載の情報提供システムでは、複数の病原体検出装置(具体的にはウイルスセンサ)を用いて公共交通機関の駅や車両内の空気中の病原体を検出し、この検出結果(病原体への感染リスク)を踏まえてユーザは駅までの移動経路の決定が可能となる。
(特許文献3における技術的課題)
しかしながら、ウイルスセンサによってウイルス濃度を測定するとのことであるが、コロナウイルスなど多くのウイルス濃度を現実的かつリアルタイムに測定できる機器は存在していない。
また、特許文献3に記載のシステムも、特許文献1,2に記載の技術と同様に、各閾値の設定の際にWHOなどの公的機関による疫学上の指針が何ら反映されているわけではないし、感染リスクを確率的に定量化するものではない。
また、特許文献3に記載のシステムでは、環境情報データベースとして国立感染症研究所や自治体からインフルエンザ流行情報を取得して感染リスク情報の評価に利用することも記載されている。しかしながら、取得されたインフルエンザ流行情報は、図面4に示すように、任意の基準で「無し」、「注意」及び「警報」の3段階に分類されるだけである。
つまり、取得した現在の流行レベルが3段階のいずれの状態にあるかを示す情報のみが、その後の感染リスク情報の評価に利用されるだけであって、流行レベルの実測値(地域毎の患者数)を数理モデルのパラメータの一つとしてそのまま入力して感染リスク情報を評価・定量化していくものでは無い。
特開2019-079136号公報 特開2004-270998号公報 特開2020-008969号公報
W.F.Wells, Airborne Contagion and Air Hygiene(An Ecological Study of Droplet Infections), Harvard University Press, Cambridge, 1955 Rudnick SN, Milton DK, Risk of indoor airborne infection transmission estimated from carbon dioxide concentration, Indoor Air,237-45,2003
(本発明の目的)
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、施設内で計測された環境データの他に、市中感染状況を含んだ疫学データを入力情報(数理モデルに使用する入力パラメータ)として取り込んで一元化し、感染リスクを確率的に定量化する方法及びシステムを提供することを目的とする。
また、本発明のもう一つの目的は、ある区画での感染リスクの判定(例えば、安全、注意、又は危険であるか否かの評価)のための閾値の設定に、WHOなどの公的機関による疫学上の指針・基準を直接適用可能な感染リスク定量化方法及びそのシステムを提供することである。
さらに、本発明のもう一つの目的は、ある区画での区画内の空気環境を整える機器の運転状況を変更するための閾値の設定に、WHOなどの公的機関による疫学上の指針・基準を直接適用可能であり、これらの機器の運転の自動制御を可能とする感染リスク定量化方法及びそのシステムを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の末、上述の問題点を見事に解決できる新規なシステム及び方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、例えば、以下の構成・特徴を備えるものである。
(態様1)
施設内の少なくとも1つの区画の感染リスクを評価する感染リスク定量化方法であって、
前記区画内のCO濃度を計測しつつ、前記施設外のCO濃度を計測する計測工程と、
疫学データ閲覧サイトから、少なくとも1つの感染症に関する前記施設の属する地域の感染者報告数nを随時取得する工程と、
数理モデルを用いて前記区画での感染確率Pを随時導出する工程と、
を含み、かつ、
前記数理モデルは、以下の数式で求められる、
Figure 2023010354000002
ここで、Cは前記区画内の前記CO濃度であり、Cは前記施設外の前記CO濃度(但し、前記区画内CO濃度が夜間に前記施設外の前記CO濃度の値まで下がる場合は、前記区画内CO濃度の前記夜間の前記値で代用可能)であり、Cは人の呼気で発生するCO濃度の割合(C=0.038)であり、Fは前記感染症の前記地域における流行特性が前記施設内の在室者に与える影響因子であり、前記地域の全人口nに対する前記感染者報告数nの割合であり、qは前記感染症に感染した者の呼気による感染性粒子発生速度である、
ことを特徴とする感染リスク定量化方法。
(態様2)
前記数理モデルを用いて、前記区画の安全レベルを判断するための警報閾値Tを少なくとも1つ決定する警報閾値決定工程を更に含む、
ことを特徴とする態様1に記載の感染リスク定量化方法。
(態様3)
空気環境を整えるための少なくとも1つの機器を備えた機器監視制御部を前記区画内に配置して、前記機器の運転状況を確認する工程と、
前記数理モデルを用いて、前記機器の前記運転状況を変更するための機器制御閾値Tを少なくとも1つ決定する機器制御閾値決定工程と、
前記感染確率Pが前記機器制御閾値T未満であると判断されれば運転状態にある前記機器の数を減らす一方、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T以上であると判断されれば運転状態にある前記機器の数を増やす機器運転変更工程と、
を更に含む、
ことを特徴とする態様1又は2に記載の感染リスク定量化方法。
(態様4)
前記警報閾値決定工程又は前記機器制御閾値決定工程は、
室内側環境基準Bを第1公的指針から算定する工程と、
疫学側環境基準Bを第2公的指針から算定する工程と、
前記基準B,Bを前記数理モデルに代入し、得られた感染確率Pを閾値根拠基準Bとして設定する工程と、
前記基準Bを基に前記警報閾値T又は前記機器制御閾値Tを決定する工程と、
を含む、
ことを特徴とする態様2又は3に記載の感染リスク定量化方法。
(態様5)
前記数理モデルにより導出された感染確率Pをユーザが操作可能な端末に随時送信して、該端末の画面に表示可能にする、
ことを特徴とする態様1~4のいずれかに記載の感染リスク定量化方法。
(態様6)
施設内の少なくとも1つの区画の感染リスクを評価する感染リスク定量化システムであって、
通信網に接続された通信部と記憶部と演算部とを備えたシステムサーバと、
前記通信網に直接又は間接的に接続され、かつ、前記区画内のCO濃度を計測する室内環境センサと前記施設外のCO濃度を計測する屋外環境センサとを備えた計測監視部と、
前記通信網に接続され、かつ、少なくとも1つの感染症に関する前記施設の属する地域の感染者報告数nを随時蓄積する疫学データ閲覧サイトと、
を含み、かつ、
前記記憶部では、前記通信部を介して、前記計測監視部で取得されたCO濃度と、前記疫学データ閲覧サイトで蓄積された前記感染者報告数nを記憶し、
前記演算部では、前記記憶部で記憶された各CO濃度と、前記感染者報告数nとを以下の数式の数理モデルに代入して、前記区画での感染確率Pを導出する、
Figure 2023010354000003
ここで、Cは前記区画内の前記CO濃度であり、Cは前記施設外の前記CO濃度(但し、前記区画内CO濃度が夜間に前記施設外の前記CO濃度の値まで下がる場合は、前記区画内CO濃度の前記夜間の前記値で代用可能)であり、Cは人の呼気で発生するCO濃度の割合(C=0.038)であり、Fは前記感染症の前記地域における流行特性が前記施設内の在室者に与える影響因子であり、前記地域の全人口nに対する前記感染者報告数nの割合であり、qは前記感染症に感染した者の呼気による感染性粒子発生速度である、
ことを特徴とする感染リスク定量化システム。
(態様7)
前記システムサーバの前記演算部では、前記数理モデルを用いて、前記区画の安全レベルを判断するための警報閾値Tを少なくとも1つ決定し、
前記システムサーバの前記記憶部では、前記警報閾値Tを記憶する、
ことを特徴とする態様6に記載の感染リスク定量化システム。
(態様8)
前記感染リスク定量化システムは、空気環境を整えるための少なくとも1つの機器を備えた機器監視制御部と、
を更に含み、かつ、
前記システムサーバの前記制御部では、前記機器の運転状況を確認し、
前記システムサーバの前記演算部では、前記数理モデルを用いて、前記機器の前記運転状況を変更するための機器制御閾値Tを少なくとも1つ決定し、
前記システムサーバの前記制御部は、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T未満であると判断すれば運転状態にある前記機器の数を減らす一方、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T以上であると判断すれば運転状態にある前記機器の数を増やす、
ことを特徴とする態様6又は7に記載の感染リスク定量化システム。
(態様9)
前記システムサーバの前記演算部は、
室内側環境基準Bを第1公的指針から算定し、
疫学側環境基準Bを第2公的指針から算定し、
前記基準B,Bを前記数理モデルに代入し、得られた感染確率Pを閾値根拠基準Bとして設定し、かつ、
前記基準Bを基に前記警報閾値T又は前記機器制御閾値Tを決定する、
を含む、
ことを特徴とする態様7又は8に記載の感染リスク定量化システム。
(態様10)
前記感染リスク定量化システムは前記通信網に接続されたユーザ操作端末を更に含み、
前記ユーザ操作端末は、前記システムサーバから、前記数理モデルにより導出された感染確率Pを随時受信して、該端末の画面に表示可能にする、
ことを特徴とする態様6~9のいずれかに記載の感染リスク定量化システム。
本発明の方法によれば、数理モデルを利用して定量的な感染確率を算出することができ、より定量的な感染リスクの評価や可視化が可能となる。
また、本発明の感染リスクの定量化に際しては、施設内の環境データの変化の他に、施設外の感染状況(施設が属する地域の市中感染状況)に関する経時的な疫学データも利用するため、算出される感染確率は季節や地域によって変動しがちな感染症の流行レベルの実態が反映されたものになる。
また、本発明の方法によれば、感染リスクの判定における閾値の設定に、WHOなどの公的機関の指針・基準を直接適用できる。本発明では、従来技術に比べ、閾値設定の根拠に信頼がおけるようになる。さらに、本発明の好適な態様によれば、ある区画での区画内の空気環境を整える機器の運転状況を変更するための閾値の設定にも、WHOなどの公的機関による疫学上の指針・基準を直接適用可能であり、これらの機器の運転の自動制御が可能となる。
本発明の感染リスク定量化システムの概略的な構成を示した図である。 本発明の感染リスク定量化方法の各工程を示すフローチャートである。 本発明の各種閾値を決定する工程の詳細及び概略を示した図である。 本発明のユーザ操作端末の操作画面(ホーム画面)を示した図である。 本発明のユーザ操作端末の操作画面(施設管理画面、区画管理画面、及び、ユーザ管理画面)を示した図である。 本発明のユーザ操作端末の操作画面(監視画面及びグラフ画面)を示した図である。 本発明のユーザ操作端末の操作画面(閾値設定画面)を示した図である。
以下、添付の図面を参照しながら下記の具体的な実施形態に基づき本発明の技術的内容を説明するが、本発明はこれらの実施形態に何等限定されるものではない。
(感染リスク定量化システムの主要な構成)
図1に、本発明の感染リスク定量化システム1(以下、単に「システム」とも呼ぶ。)を示す。本システム1は、システムサーバ2と、環境データ入出力装置3と、ユーザ操作端末4と、疫学データ閲覧サイト5と、計測監視部6と、機器監視制御部7と、から構成されている。これらの各構成要素2~7は以下に詳述する。
(システムサーバの概要)
システムサーバ2は本システム1での感染リスク評価処理の中心的な役割を担う。なお、システムサーバ2は、通信網Wを経由しないスタンドアローン型の形態でも、通信網Wを経由したネットワーク型(例えば、図1に示すようなクラウドサーバ)の形態でもよい。図1の例では、システムサーバ2には通信部21、記憶部22、演算部23、制御部24、及び閲覧表示部25などが設けられている。
通信部21は、通信網Wを介して、環境データ入出力装置3やユーザ操作端末4と情報のやりとりを行う。なお、通信部21は、疫学データ閲覧サイト5から、後述する疫学データの取得を行う。
記憶部22では、システムサーバ2外部の構成要素3~7から通信部21を介して取得した信号やデータを保存したり、システムサーバ2内の演算部23で算出された演算データも保存したりすることができる。
演算部23では、通信部21で取得し記憶部22で保存された入力情報を利用しながら後述の定量化方法に示すように感染リスク情報を算出する。
制御部24では、通信網Wを介してシステムサーバ2と接続している環境データ入出力装置3、ユーザ操作端末4及び疫学データ閲覧サイト5とのデータの送受信に関する制御を行ったり、演算部23で算出した感染リスク情報(後述の感染確率P、機器制御閾値Tや警報閾値T(TA1,TA2))を利用し、機器監視制御部7の後述する運転状況の変更を行ったりすることができる。
閲覧表示部25では、システムサーバ2やユーザ操作端末4の画面等に演算部23で算出された感染リスク情報を感染症(病原種)毎にリアルタイムに表示することができる。この他にも、通信部21で取得した入力情報を表示させたり、演算部23での感染リスク評価の際に使用する閾値等の各種パラメータ(後述)の選択画面を表示させたり、計測監視部6における各種センサ61,62や機器監視制御部7の運転状況を表示させたりすることもできる。なお、システムサーバ2の画面等に表示される内容と同様の内容をユーザ操作端末4の操作画面4dに表示させるようにしてもよい。
(環境データ入出力装置の概要)
環境データ入出力装置3は、通信網Wを介してシステムサーバ2に接続されるとともに、計測監視部6や機器監視制御部7にも接続されている。なお、図示の例では、環境データ入出力装置3と計測監視部6及び機器監視制御部7との接続が直接的であるが、通信網Wを介した接続であってもよい。
環境データ入出力装置3には、通信部31や信号入出力部32などが設けられている。信号入出力部32は、例えば、計測監視部6の後述する各種センサ61、62にて計測された環境データを受信して通信部31を介してシステムサーバ2へ送信する。
さらに信号入出力部32は、機器監視制御部7から機器71,72,73の運転状況を受信してシステムサーバ2へ送信する。また、信号入出力部32はシステムサーバ2から機器監視制御部7への信号の受信も行う。具体的には、システムサーバ2の制御部24から発せられた制御信号を環境データ入出力装置3の通信部31を介して受信し、機器監視制御部7内の各種機器71~73の運転状況を変更する。信号入出力部32として、例えば、市販のPLC(Programmable Logic Controller)を利用することができる。
(ユーザ操作端末の概要)
ユーザ操作端末4は、施設(例えば、病院や介護施設)内の所定の空間を有した区画(例えば、ナースステーション、待合室、病室)内で使用されることを前提とするが、施設外での使用も可能である。ユーザ操作端末4は、ナースステーション等に据え置かれる据置端末41の形態であってもよいし、医療従事者が携帯する携帯端末42の形態であってもよい。
(疫学データ閲覧サイトの概要)
疫学データ閲覧サイト5は、少なくとも一種の感染症(病原種)の地域別の感染者情報などの感染症流行情報を閲覧・取得できるサイトである。例えば、国立感染症研究所や地方自治体のサイトが上記流行情報(例えば、地域別の感染者報告数n)を公表しており、これらの情報の閲覧・取得が可能である。なお、感染症には、例えば、インフルエンザウイルス、結核、麻疹、新型コロナウイルスなどが挙げられる。
(計測監視部の概要)
計測監視部6には、例えば、施設内(病室や待合室など)の二酸化炭素(CO)濃度を計測する室内環境センサ61と、施設外の二酸化炭素(CO)濃度を計測する屋外環境センサ62とが設けられる。
(機器監視制御部の概要)
機器監視制御部7には、例えば、計測監視部6により監視されている対象空間(病室や待合室等の区画)に浮遊するウイルスを死滅又は不活化させることを目的とした殺菌装置71(例えば、紫外線照射装置)と、対象空間の空気を換気可能な換気送風装置72と、対象空間の空気を吸引しフィルタでもってろ過可能なフィルタろ過装置73(例えば、空気清浄機)とが設けられる。
これらの機器監視制御部7の機器71~73の少なくとも1つは監視対象空間の各区画に設置されていることが望ましく、本発明のシステム1により、ある区画の感染リスクが高い(「注意」や「警告」)と判定された場合に、該区画内を浮遊するウイルスを殺菌したり、換気やろ過を行うことで該区画内の空気を清浄したりできるよう作動する。加えて、機器監視制御部7の機器71~73が複数配置されていた場合に、どの機器71~73から優先的に作動させるかについて作動順序の優先順位を決めておくことが望ましい。例えば、本発明者らの経験によれば、感染リスクが高いと判定された場合、殺菌装置71(紫外線照射装置)、フィルタろ過装置73(空気清浄機)、換気送風装置72の順番で、優先的に作動(増段)させることがさらに望ましい。
(本発明の感染リスク定量化方法)
次に、図2を参照しながら、本発明の感染リスク定量化方法について詳しく説明する。
先ず計測監視部6の各センサ61,62を運転させる。本実施例では、室内環境センサ61を用いて施設内の監視対象の各空間(区画)内のCO濃度をリアルタイムに計測するとともに、屋外環境センサ62を用いて施設外(屋外)のCO濃度をリアルタイムに計測する(工程S1)。このように計測されたCO濃度のデータは環境データ入出力装置3や通信網Wを経由してシステムサーバ2に送られ、記憶部22に保存・蓄積される。ここで、区画内のCO濃度は、一般に、日中、該区画内に患者や医療従事者等の在室者が居りCOを発生するために、人口密度の低い施設外の屋外CO濃度よりも高い。しかしながら、夜間になると、区画によっては在室者が減るか、全く存在しない状況も生まれ、区画内のCO濃度は屋外CO濃度に近づいていく。
そこで、夜間、監視区画内に在室者が居らず、室内環境センサ61で取得された該区画内CO濃度が屋外CO濃度と同等の値まで低下する場合に限り、夜間に低下した該区画内CO濃度(以下、「初期値」とも呼ぶ。)を屋外CO濃度として代用することも可能である。これにより、屋外環境センサ62を一時運休してその消費電力を抑制したり、或いは、屋外環境センサ62の設置を不要としたりすることができる。
次に、システムサーバ2は、疫学データ閲覧サイト5にアクセスして監視対象の施設が存在する地域(都道府県)の流行情報(言い換えれば、市中感染状況)を取得し、記憶部22に保存・蓄積する(工程S2)。例えば、国立感染症研究所のサイトでは都道府県毎や感染症(病原種)毎の感染者数が日々更新・蓄積されている。
また、システムサーバ2は、上述した機器監視制御部7について利用可能な機器71~73の種類や運転状況を確認する(工程S3)。なお、監視対象の区画に機器監視制御部7が設置されていなければ、これを配置して本システム1に接続したうえで、運転状況を確認する。
本システム1の操作者(「ユーザ」とも呼ぶ。)は、本システム1で監視(つまり、感染リスクの定量化)を希望する感染症(病原種)を選択する(工程S4)。図4などに示す例では、インフルエンザウイルス、結核、麻疹、新型コロナウイルスの合計4つの病原種から選択できる。
工程S4で選択した感染症に対応した機器制御閾値Tや警報閾値T(TA1,TA2)を決定することが望ましい(工程S5)。ここで、機器制御閾値Tや警報閾値T(TA1,TA2)は後述する数理モデルを利用して決定することができる。なお、機器制御閾値Tとは、システムサーバ2の制御部24が機器監視制御部7内の機器71~73の運転状態を変更するか否かの基準値であり、警報閾値T(TA1,TA2)とは、システムサーバ2の制御部24が、監視区画での現時点の感染確率Pから該区画の安全レベルを判定するための指標である。
上述の工程S1~S2で取得した入力値(環境データ、疫学データ)や工程S3~S4で選択した本システム1での運転条件や設定条件が揃うと、システムサーバ2の演算部23は、後述する数理モデルを利用して監視対象の各区画での感染確率P(選択した感染症における感染確率P)を算出する(工程S6)。この感染確率Pの算出は一定間隔毎に継続的に実行される。得られた感染確率Pは上述の設定条件(各種閾値T,T、機器運転状況)とともにユーザ操作端末4に送られて操作画面4dに表示される(工程S7)。なお、同様の感染リスク情報がシステムサーバ2の画面にも表示されるようにしてもよい。
随時算出される各区画の感染確率Pは上述の各種閾値T,Tと比較される。具体的には、感染確率Pが機器制御閾値Tを超えているかどうかを判断する(工程S8)。感染確率Pが該閾値Tを超えていない場合は、制御部24は、運転状態の機器監視制御部7の機器71~73の数を減らすよう信号を送信する(工程S81)。運転状態の機器監視制御部7が機器1台のみであれば、機器監視制御部7は停止状態となる。また、機器監視制御部7が既に停止状態であった場合は運転状態の機器71~73は存在しないため、停止状態を継続することになる。
一方で、監視対象のある区画の感染確率Pが機器制御閾値Tを超えてしまった場合は、停止状態から運転状態に変更可能な機器監視制御部7の機器71~73が少なくとも1つ存在するかどうかを判断する(工程S82)。もし存在すれば、予め定めた稼働優先順位に応じて機器監視制御部7の機器71~73の追加運転を開始する(工程S83)。このような本システム1の制御部24の処理により、機器監視制御部7の運転に関する自動制御が可能となる。なお、機器制御閾値Tは1つの値に限られず、複数の値が設定されてもよい。
この工程S8~S83を終えると、制御部24は、感染確率Pが警報閾値Tを超えているかどうかを判断する(工程S9(S9A))。警報閾値Tは、図2に示す例のように、値が異なる大小2種類の閾値TA1,TA2が用意されていてもよい。どちらの警報閾値TA1,TA2も超えていない場合は「安全」と判定して(工程S91)、当該信号をユーザ操作端末4へ向けて発信する(工程S10)。なお、一つ前のルーチン処理にて、後述の「注意」や「警告」と判定されていた場合は当該判定を解除する。この場合、システムサーバ2やユーザ操作端末4の操作画面4d上の対象区画の安全レベル表示欄に当該信号「安全」が表示される(図4を参照)。
これに対し、感染確率Pが、比較的小さな警報閾値TA1以上であるだけでなく比較的大きな警報閾値TA2以上であるかどうかを判定する(工程S9B)。感染確率Pが閾値TA2未満である場合(TA1≦P<TA2)には、「注意」と判定し(工程S92)、当該信号をユーザ操作端末4へ向けて発信する(工程S10)。この場合、システムサーバ2やユーザ操作端末4の操作画面4d上の対象区画の安全レベル表示欄に当該信号「注意」が表示される(図4を参照)。
さらに、感染確率Pが比較的大きな警報閾値TA2以上の範囲(TA2≦P)に入ってしまった場合には、「警告」と判定し、当該信号をユーザ操作端末4へ向けて発信する(工程S93)。この場合、システムサーバ2やユーザ操作端末4の操作画面4d上の対象区画の安全レベル表示欄に当該信号「警告」が表示される(図4を参照)。
(本システムに使用する数理モデルの導出)
次に、上述した工程S6での感染確率Pをリアルタイムに算出する数理モデルについて詳述する。このモデルは、非特許文献2に記載のRudnick and Miltonの感染確率モデル(数式3)から、本発明者らが独自に改良を加えて編み出した数式である。
Figure 2023010354000004
ここで、fは室内CO濃度全体に占める呼気由来のCO濃度の割合であり、Iは閉鎖空間での感染者数であり、qはある感染症(病原種)に感染した者の呼気による感染性粒子発生速度(「quanta」とも呼ばれ、単位は〔1/h〕)であり、tは室内滞在時間であり、nは区画内(室内)の人数である。
さらに、fは以下の数式4で示され、上述した各CO濃度の測定値を利用可能である。
Figure 2023010354000005
ここで、Cは室内環境センサ61で計測された区画内CO濃度であり、Cは屋外環境センサ62で計測された屋外CO濃度(但し、上述の区画内CO濃度が夜間に屋外CO濃度の値まで下がる場合は、区画内CO濃度の前記夜間の前記値(初期値)で代用可能)であり、Cは人の呼気で発生するCO濃度の割合(C=0.038の一定値)である。CやCは上述のセンサ61,62により計測し、システムサーバ2の記憶部22に保管されている環境データを利用することができる。
しかしながら、本発明者らは、公知の数式3では感染者数Iを「定数」として扱っていることに気が付いた。つまり、監視区画内の在室者の感染状況や空気中に浮遊する感染性粒子量を直接モニタリングできない以上、この数式3のままではリアルタイムに感染確率を随時求めていくことができないことになる。
そこで、本発明者らは、感染者数Iにリアルタイム性を持たせるために疫学データ閲覧サイト5で公開されている疫学データを取得し、これから地域流行特性が在室者に与える影響因子Fを推定した上で感染者数Iを特定した。例えば、取得された疫学データのうち当日の感染者数(都道府県毎の感染者報告数n)を対応する都道府県の人口で除することで、地域流行特性が在室者に与える影響因子F(例、F=(ある県の感染者報告数n)/(当該県の県人口n))とし、この影響因子Fに、監視対象区画の在室者数nを掛け合わせたものを感染者数I(I=n×F)とした。つまり、本発明の数理モデルは以下の数式5に書き直すことができる。
Figure 2023010354000006
ここで、qはある感染症(病原種)に感染した者の呼気による感染性粒子発生速度(quanta、単位は〔1/h〕)であり、病原種毎に決まった既定値である。例えば、本実施例で監視対象とする4つの感染症(病原種)の感染性粒子発生速度qを表1に示す。
Figure 2023010354000007
この数式5により、本システム1による感染確率Pの評価が、監視する対象施設が属する地域の市中感染状況の変動に応じたものとなり、よりリアルタイムで現地状況をより反映した感染リスクの定量化が実現する。このように市中感染状況の統計値(疫学データ)を用いることで、施設内で得られる環境データのみを用いた評価手法よりも高精度に感染リスクを補足できているし、屋内外の二酸化炭素濃度の差分(C-C)を用いることで、いわゆる「密」状況に起因するリスク上昇も感染リスクに反映することができるのである。
本発明者らは、監視対象区画に殺菌装置71、換気送風装置72,フィルタろ過装置73などの機器監視制御部7を設置することも想定しており、これらの機器71~73を稼働させることにより、空気中の病原を不活化したり、除去したりすることができる。従って、本発明者らはこれらの機器監視制御部7の運転による病原除去効果を数式5に織り込んで、以下の数式6を導き出した。
Figure 2023010354000008
ここで、ηは区画(室)内に設置されている機器監視制御部7のワンパス除去率であり、Qは室内に設置されている機器監視制御部7の処理風量であり、Vは室(監視対象)の気積である。
空気清浄機等の機器監視制御部7の性能は基本的に「ワンパス除去率η」と「処理風量Q」とで規定される。ワンパス除去率ηとは、空気清浄機に空気が1回通過する際に除去できる粒子の割合を示したものである。なお、実際の感染性粒子の除去量は、ワンパス除去率ηと処理風量Qとを乗じたものに、更に感染性粒子濃度と機器運転時間とを乗じて求めることになる。そして、当該除去量を濃度として表現する場合には、当該除去量を気積Vで除せばよく、装置が複数台ある場合に拡張すると、以下の数式7で表される。
Figure 2023010354000009
本システム1では、監視対象の区画内に、殺菌装置71、換気送風装置72,フィルタろ過装置73など、複数の機器監視制御部7を設置することを想定している。このため、上記数式は機器台数の総和の形で表している。mは機器番号を示し、Nは区画内の感染性粒子の濃度を示す。そして、数式7を数式6に反映することにより数理モデルは以下の数式8で表現される。
Figure 2023010354000010
この数式8が、本発明の感染リスク定量化方法で利用可能な数理モデルとなり、本システムの計測監視部6や機器監視制御部7で取得された環境データや信号、疫学データなどの入力情報を数式8に代入することによって、感染確率Pをリアルタイムに定量化し、本システム1のユーザ(例えば、医療従事者)に通知することができるようになる。
(機器制御閾値と警報閾値の算出方法)
図3(a)及び(b)を参照しながら上述の工程S5の実施内容(機器制御閾値Tと警報閾値T(TA1,TA2)の算出方法)の詳細について説明する。これらの閾値T,Tを決定するに当たり、本発明者らは、1)区画(室内)側環境基準Bと、2)疫学側(屋外側)環境基準Bとを決定し、3)これらの2つの指標B,Bを上述の数理モデルに代入して得られた感染確率Pを閾値根拠基準Bとすることにした。
(室内側環境基準への環境衛生上の公的指針(第1公的指針)の利用)
先ず、室内側環境基準Bは、厚生労働省などの官公庁が公表しているCO濃度に関する環境衛生上の指針(つまり、室内CO濃度が屋外CO濃度に700ppmを加算した値以下にすべきとの指針(「第1公的指針」とも呼ぶ。))から算定する(工程S51)。すなわち、室内側環境基準Bは、以下の数式9で表現できる。
Figure 2023010354000011
(疫学側(屋外側)環境基準への衛生上の公的指針(第2公的指針)の利用)
一方、疫学側(屋外側)環境基準Bは、世界保健機関(WHO)や国立感染症研究所などが公表している各感染症の流行レベルに関する警報指針(「第2公的指針」とも呼ぶ。))から算定する(工程S52)。
例えば、第2公的指針として、結核菌の場合、年間罹患率が10万人当たり10人以上になると警戒すべきとの指針が得られていることから、疫学側(屋外側)環境基準Bは以下の数式10で表現できる。
Figure 2023010354000012
(閾値根拠基準の決定)
このように決定した基準B,Bを、数理モデルのパラメータとして上述の数式7,8に代入し、最終的に得られた感染確率Pを閾値根拠基準Bとして設定する(工程S53)。例えば、以上のBやBの具体的数値を代入すると、感染確率P(閾値根拠基準B)=25×10-8(=0.000025%)が得られる(図7に示す感染症3の欄も参照)。
(閾値根拠基準を基に警報閾値を決定・調整)
以上の閾値根拠基準Bを基に、警報閾値T(TA1,TA2)や機器制御閾値Tをシステム管理者或いはユーザによって任意に決定すればよい(工程S54)。例えば、比較的大きな警報閾値TA2は閾値根拠基準Bと同じかそれ以上に設定し、比較的小さな警報閾値TA1は閾値根拠基準Bよりも幾分小さな値(例えば約80~90%)に設定してもよい。
例えば、ユーザは、閾値根拠基準Bの感染状況(例えば、新型コロナウイルスの判定でステージ3相当の状況であった場合)を確認しながら、閾値根拠基準Bの値に到達するよりも前に「注意」を発信(喚起)し、閾値根拠基準Bをやや超過したら「警告」を発信(喚起)したい等のユーザの個々の需要に対応して任意に警報閾値TA1,TA2を設定することができるようになる。もちろん、閾値根拠基準Bの値をそのまま警報閾値TA1(注意)又はTA2(警告)の値に定めてもよい。
(閾値根拠基準を基に機器制御閾値を決定・調整)
また、機器制御閾値Tも同様に閾値根拠基準Bを参照しながら決定することができる。例えば、該閾値Bよりも実質的小さな値(例えば約60~70%)に設定してもよい。これらの閾値のT(TA1,TA2),Tの設定は、システムサーバ2やユーザ操作端末4の操作画面4d(具体的には、図7に示すような設定画面4d7)上のGUI(例えば、感染症毎のスライダアイコンS(SL1,SL2,SL3,SL4))を操作することで簡単に設定変更するようにしてもよい。また、上述の工程S4にて本システム1で監視を希望する感染症(病原種)を選択する際には、同一の設定画面4d7のトグルボタンTBを押下げすることで選択の有無を切り替えることができる。
(システムサーバ又はユーザ操作端末の操作画面)
図4~7はシステムサーバ2又はユーザ操作端末4の操作画面4dの一例を示す。操作画面4dには、図4に示すホーム画面4dの他に、図5(a)に示す施設管理画面4d2、図5(b)に示す区画管理画面4d3、や図5(c)に示すユーザ管理画面4dが設けられており、それぞれの画面4d~4dに対応するアイコンをクリックすることで表示画面を互いに切り替えることができる。
図5(b)に示すように、区画管理画面4dでは監視対象として登録された区画一覧(図示では4つ)と評価結果(安全、注意、警告のいずれかの表示)が掲載される。なお、区画表示部一覧中の任意の区画表示部を選択すると、後述する当該区画の監視画面4d(図6(a)参照)に切り替わる。
また、図5(a)に示すように、施設管理画面4dでは、監視対象の施設の登録情報(例えば、住所、電話番号、メールアドレスなど)が表示可能である。一方、図5(c)に示すように、ユーザ管理画面4dでは、本システム1に登録されているユーザの一覧を表示することができ、各ユーザの登録情報(例えば、氏名、システム使用上の権限、メールアドレス、登録日、活性状態など)が表示可能である。なお、施設管理画面4dやユーザ管理画面4dは、システムサーバ2の操作画面4dにのみ表示されるようにしてもよい。
(ホーム画面)
ホーム画面4dは、図4に示すように、現在監視している区画の数(例えば、部屋数)や本システム1にログインしているユーザ操作端末4の数や操作者(ユーザ)の数を表示するとともに、現在監視している区画毎の監視状況の概要を示す。ホーム画面4d上にて監視中の区画表示部のいずれかを選択すると、図6(a)に示す当該区画の監視画面4dに切り替わる。監視画面4dでは、感染症(病原種)毎に本システム1で定量化した感染確率Pを、視認性を高めるために棒グラフで表示している。
(監視画面)
なお、区画管理画面4dには更に関連した後述の画面4d~4dが用意されている。より詳細には、監視対象の区画毎の監視画面4dには、施設内外の環境データや施設内の空調状態や機器監視制御部7等の運転状況を表示する欄も設けられている(図6(a)参照)。
(リスク変動グラフ)
さらに、区画管理画面4dから、図6(b)に示すような病原種(感染症1~4)毎の感染確率Pの時間変動を示したリスク変動グラフ(グラフ画面4d)を表示することができる。なお、図示では、感染症2の感染確率Pに関する経時的なデータを表示している。該グラフには「安全」と「注意」とを分ける警報閾値TA1、「注意」と「警告」とを分ける警報閾値TA2、閾値根拠基準Bも併せて表示されているため、例えば、監視区画の安全レベルが、この数日或いは数時間以内に「注意」や「警告」の範囲に入ってしまったかどうかが一目で判断することができる。
本発明者らが医療従事者を対象に独自に調査した結果によると、インフルエンザ流行情報等の市中感染リスクの把握や施設内の空気中のウイルスや細菌の濃度の監視の他、これらのウイルスや細菌の濃度を常時抑制するための施設内機器の制御への要望や関心が高いことが判った。
理想を言えば、空気中のウイルスや細菌濃度の直接的な監視が望ましいが、現在の技術水準ではウイルス直接監視の実現可能性は低い。
従って、施設内で直接監視された二酸化炭素濃度と市中感染状況に関する疫学データとを組み合わせて精度よく感染確率を定量化する本発明のシステムは、理想のウイルス直接監視に現実的に代替しかつ比較的信頼性のおける技術であるといえる。
従って、本発明の感染リスクの定量化システムや定量化方法は、産業上の利用価値及び利用可能性が高い。
1 感染リスク定量化システム
2 システムサーバ
3 環境データ入出力装置
4 ユーザ操作端末
4d,4d,4d,4d 操作画面,ホーム画面,施設管理画面,区画管理画面
4d,4d,4d,4d ユーザ管理画面,監視画面,グラフ画面,設定画面
5 疫学データ閲覧サイト
6 計測監視部
7 機器監視制御部
21,22,23,24,25 通信部,記憶部,演算部,制御部,閲覧表示部
31,32 通信部,信号入出力部
41,42 据置端末,携帯端末
61,62 室内環境センサ,屋外環境センサ
71,72,73 殺菌装置,換気送風装置,フィルタろ過装置
,B,B 室内側環境基準,疫学側(屋外側)環境基準,閾値根拠基準
P 感染確率
(SL1,SL2,SL3,SL4) スライダアイコン
(TA1,TA2),T 警報閾値,機器制御閾値
TB トグルボタン
W 通信網
すなわち本発明は、例えば、以下の構成・特徴を備えるものである。
(態様1)
施設内の少なくとも1つの区画の感染リスクを評価する感染リスク定量化方法であって、
前記区画内のCO濃度を計測しつつ、前記施設外のCO濃度を計測する計測工程と、
疫学データ閲覧サイトから、少なくとも1つの感染症に関する前記施設の属する地域の感染者報告数nを随時取得する工程と、
数理モデルを用いて前記区画での感染確率Pを随時導出する工程と、
を含み、かつ、
前記数理モデルは、以下の数式で求められる、
Figure 2023010354000024
ここで、Cは前記区画内の前記CO濃度であり、Cは前記施設外の前記CO濃度(但し、前記区画内CO濃度が夜間に前記施設外の前記CO濃度の値まで下がる場合は、前記区画内CO濃度の前記夜間の前記値で代用可能)であり、Cは人の呼気で発生するCO濃度の割合(C=0.038)であり、Fは前記感染症の前記地域における流行特性が前記施設内の在室者に与える影響因子であり、前記地域の全人口nに対する前記感染者報告数nの割合であり、qは前記感染症に感染した者の呼気による感染性粒子発生速度である、
ことを特徴とする感染リスク定量化方法。
(態様2)
前記数理モデルを用いて、前記区画の安全レベルを判断するための警報閾値Tを少なくとも1つ決定する警報閾値決定工程を更に含み、かつ、
前記警報閾値決定工程は、
室内側環境基準B を第1公的指針から算定する工程と、
疫学側環境基準B を第2公的指針から算定する工程と、
前記基準B ,B を前記数理モデルに代入し、得られた感染確率Pを閾値根拠基準B として設定する工程と、
前記基準B を基に前記警報閾値T を決定する工程と、
を含む、
ことを特徴とする態様1に記載の感染リスク定量化方法。
(態様3)
空気環境を整えるための少なくとも1つの機器を備えた機器監視制御部を前記区画内に配置して、前記機器の運転状況を確認する工程と、
前記数理モデルを用いて、前記機器の前記運転状況を変更するための機器制御閾値Tを少なくとも1つ決定する機器制御閾値決定工程と、
前記感染確率Pが前記機器制御閾値T未満であると判断されれば運転状態にある前記機器の数を減らす一方、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T以上であると判断されれば運転状態にある前記機器の数を増やす機器運転変更工程と、
を更に含み、かつ、
前記機器制御閾値決定工程は、
室内側環境基準B を第1公的指針から算定する工程と、
疫学側環境基準B を第2公的指針から算定する工程と、
前記基準B ,B を前記数理モデルに代入し、得られた感染確率Pを閾値根拠基準B として設定する工程と、
前記基準B を基に前記機器制御閾値T を決定する工程と、
を含む、
ことを特徴とする態様1又は2に記載の感染リスク定量化方法。
(態様4)
前記数理モデルにより導出された感染確率Pをユーザが操作可能な端末に随時送信して、該端末の画面に表示可能にする、
ことを特徴とする態様1~のいずれかに記載の感染リスク定量化方法。
(態様5)
施設内の少なくとも1つの区画の感染リスクを評価する感染リスク定量化システムであって、
通信網に接続された通信部と記憶部と演算部とを備えたシステムサーバと、
前記通信網に直接又は間接的に接続され、かつ、前記区画内のCO濃度を計測する室内環境センサと前記施設外のCO濃度を計測する屋外環境センサとを備えた計測監視部と、
前記通信網に接続され、かつ、少なくとも1つの感染症に関する前記施設の属する地域の感染者報告数nを随時蓄積する疫学データ閲覧サイトと、
を含み、かつ、
前記記憶部では、前記通信部を介して、前記計測監視部で取得されたCO濃度と、前記疫学データ閲覧サイトで蓄積された前記感染者報告数nを記憶し、
前記演算部では、前記記憶部で記憶された各CO濃度と、前記感染者報告数nとを以下の数式の数理モデルに代入して、前記区画での感染確率Pを導出する、
Figure 2023010354000025
ここで、Cは前記区画内の前記CO濃度であり、Cは前記施設外の前記CO濃度(但し、前記区画内CO濃度が夜間に前記施設外の前記CO濃度の値まで下がる場合は、前記区画内CO濃度の前記夜間の前記値で代用可能)であり、Cは人の呼気で発生するCO濃度の割合(C=0.038)であり、Fは前記感染症の前記地域における流行特性が前記施設内の在室者に与える影響因子であり、前記地域の全人口nに対する前記感染者報告数nの割合であり、qは前記感染症に感染した者の呼気による感染性粒子発生速度である、
ことを特徴とする感染リスク定量化システム。
(態様6)
前記システムサーバの前記演算部では、前記数理モデルを用いて、前記区画の安全レベルを判断するための警報閾値Tを少なくとも1つ決定し、
前記システムサーバの前記記憶部では、前記警報閾値Tを記憶し、かつ、
前記システムサーバの前記演算部は、
室内側環境基準B を第1公的指針から算定し、
疫学側環境基準B を第2公的指針から算定し、
前記基準B ,B を前記数理モデルに代入し、得られた感染確率Pを閾値根拠基準B として設定し、かつ、
前記基準B を基に前記警報閾値T を決定する、
を含む、
ことを特徴とする態様に記載の感染リスク定量化システム。
(態様7)
前記感染リスク定量化システムは、空気環境を整えるための少なくとも1つの機器を備えた機器監視制御部と、
を更に含み、かつ、
前記システムサーバの前記制御部では、前記機器の運転状況を確認し、
前記システムサーバの前記演算部では、前記数理モデルを用いて、前記機器の前記運転状況を変更するための機器制御閾値Tを少なくとも1つ決定し、
前記システムサーバの前記制御部は、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T未満であると判断すれば運転状態にある前記機器の数を減らす一方、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T以上であると判断すれば運転状態にある前記機器の数を増やし、かつ、
前記システムサーバの前記演算部は、
室内側環境基準B を第1公的指針から算定し、
疫学側環境基準B を第2公的指針から算定し、
前記基準B ,B を前記数理モデルに代入し、得られた感染確率Pを閾値根拠基準B として設定し、かつ、
前記基準B を基に前記機器制御閾値T を決定する、
を含む、
ことを特徴とする態様又はに記載の感染リスク定量化システム。
(態様8)
前記感染リスク定量化システムは前記通信網に接続されたユーザ操作端末を更に含み、
前記ユーザ操作端末は、前記システムサーバから、前記数理モデルにより導出された感染確率Pを随時受信して、該端末の画面に表示可能にする、
ことを特徴とする態様のいずれかに記載の感染リスク定量化システム。

Claims (10)

  1. 施設内の少なくとも1つの区画の感染リスクを評価する感染リスク定量化方法であって、
    前記区画内のCO濃度を計測しつつ、前記施設外のCO濃度を計測する計測工程と、
    疫学データ閲覧サイトから、少なくとも1つの感染症に関する前記施設の属する地域の感染者報告数nを随時取得する工程と、
    数理モデルを用いて前記区画での感染確率Pを随時導出する工程と、
    を含み、かつ、
    前記数理モデルは、以下の数式で求められる、
    Figure 2023010354000013
    ここで、Cは前記区画内の前記CO濃度であり、Cは前記施設外の前記CO濃度(但し、前記区画内CO濃度が夜間に前記施設外の前記CO濃度の値まで下がる場合は、前記区画内CO濃度の前記夜間の前記値で代用可能)であり、Cは人の呼気で発生するCO濃度の割合(C=0.038)であり、Fは前記感染症の前記地域における流行特性が前記施設内の在室者に与える影響因子であり、前記地域の全人口nに対する前記感染者報告数nの割合であり、qは前記感染症に感染した者の呼気による感染性粒子発生速度である、
    ことを特徴とする感染リスク定量化方法。
  2. 前記数理モデルを用いて、前記区画の安全レベルを判断するための警報閾値Tを少なくとも1つ決定する警報閾値決定工程を更に含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の感染リスク定量化方法。
  3. 空気環境を整えるための少なくとも1つの機器を備えた機器監視制御部を前記区画内に配置して、前記機器の運転状況を確認する工程と、
    前記数理モデルを用いて、前記機器の前記運転状況を変更するための機器制御閾値Tを少なくとも1つ決定する機器制御閾値決定工程と、
    前記感染確率Pが前記機器制御閾値T未満であると判断されれば運転状態にある前記機器の数を減らす一方、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T以上であると判断されれば運転状態にある前記機器の数を増やす機器運転変更工程と、
    を更に含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の感染リスク定量化方法。
  4. 前記警報閾値決定工程又は前記機器制御閾値決定工程は、
    室内側環境基準Bを第1公的指針から算定する工程と、
    疫学側環境基準Bを第2公的指針から算定する工程と、
    前記基準B,Bを前記数理モデルに代入し、得られた感染確率Pを閾値根拠基準Bとして設定する工程と、
    前記基準Bを基に前記警報閾値T又は前記機器制御閾値Tを決定する工程と、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の感染リスク定量化方法。
  5. 前記数理モデルにより導出された感染確率Pをユーザが操作可能な端末に随時送信して、該端末の画面に表示可能にする、
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の感染リスク定量化方法。
  6. 施設内の少なくとも1つの区画の感染リスクを評価する感染リスク定量化システムであって、
    通信網に接続された通信部と記憶部と演算部とを備えたシステムサーバと、
    前記通信網に直接又は間接的に接続され、かつ、前記区画内のCO濃度を計測する室内環境センサと前記施設外のCO濃度を計測する屋外環境センサとを備えた計測監視部と、
    前記通信網に接続され、かつ、少なくとも1つの感染症に関する前記施設の属する地域の感染者報告数nを随時蓄積する疫学データ閲覧サイトと、
    を含み、かつ、
    前記記憶部では、前記通信部を介して、前記計測監視部で取得されたCO濃度と、前記疫学データ閲覧サイトで蓄積された前記感染者報告数nを記憶し、
    前記演算部では、前記記憶部で記憶された各CO濃度と、前記感染者報告数nとを以下の数式の数理モデルに代入して、前記区画での感染確率Pを導出する、
    Figure 2023010354000014
    ここで、Cは前記区画内の前記CO濃度であり、Cは前記施設外の前記CO濃度(但し、前記区画内CO濃度が夜間に前記施設外の前記CO濃度の値まで下がる場合は、前記区画内CO濃度の前記夜間の前記値で代用可能)であり、Cは人の呼気で発生するCO濃度の割合(C=0.038)であり、Fは前記感染症の前記地域における流行特性が前記施設内の在室者に与える影響因子であり、前記地域の全人口nに対する前記感染者報告数nの割合であり、qは前記感染症に感染した者の呼気による感染性粒子発生速度である、
    ことを特徴とする感染リスク定量化システム。
  7. 前記システムサーバの前記演算部では、前記数理モデルを用いて、前記区画の安全レベルを判断するための警報閾値Tを少なくとも1つ決定し、
    前記システムサーバの前記記憶部では、前記警報閾値Tを記憶する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の感染リスク定量化システム。
  8. 前記感染リスク定量化システムは、空気環境を整えるための少なくとも1つの機器を備えた機器監視制御部と、
    を更に含み、かつ、
    前記システムサーバの前記制御部では、前記機器の運転状況を確認し、
    前記システムサーバの前記演算部では、前記数理モデルを用いて、前記機器の前記運転状況を変更するための機器制御閾値Tを少なくとも1つ決定し、
    前記システムサーバの前記制御部は、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T未満であると判断すれば運転状態にある前記機器の数を減らす一方、前記感染確率Pが前記機器制御閾値T以上であると判断すれば運転状態にある前記機器の数を増やす、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の感染リスク定量化システム。
  9. 前記システムサーバの前記演算部は、
    室内側環境基準Bを第1公的指針から算定し、
    疫学側環境基準Bを第2公的指針から算定し、
    前記基準B,Bを前記数理モデルに代入し、得られた感染確率Pを閾値根拠基準Bとして設定し、かつ、
    前記基準Bを基に前記警報閾値T又は前記機器制御閾値Tを決定する、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の感染リスク定量化システム。
  10. 前記感染リスク定量化システムは前記通信網に接続されたユーザ操作端末を更に含み、
    前記ユーザ操作端末は、前記システムサーバから、前記数理モデルにより導出された感染確率Pを随時受信して、該端末の画面に表示可能にする、
    ことを特徴とする請求項6~9のいずれかに記載の感染リスク定量化システム。
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