JP2023009733A - モータ制御装置 - Google Patents

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毅 吉田
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重幸 野々村
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敦 小室
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清隆 片岡
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Abstract

【課題】モータの永久磁石の減磁診断の精度向上を図ることができるモータ制御装置の提供。【解決手段】モータ制御装置205は、モータ動作状態が診断可能領域内にある場合に、減磁診断パラメータの値が診断閾値を下回ると減磁異常と判定する減磁異常判定部305と、診断不能領域と診断可能領域との境界から離れた診断可能領域内に高精度診断領域を設け、高精度診断領域を除く診断可能領域では第1診断閾値に設定し、高精度診断領域では第1診断閾値よりも大きな第2診断閾値に設定する診断閾値設定部303と、モータ動作状態が高精度診断領域よりも高電力側に設定された移行可能領域にある場合には、モータ動作状態が移行可能領域から高精度診断領域へ変化するようにモータのトルクの指令値を変更する指令値補正部304とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、モータの減磁診断機能を備えるモータ制御装置に関する。
鉄道、建設機械、ハイブリッド車両等の電動車両の駆動で使用する永久磁石モータの減磁の有無を診断する技術として、例えば、特許文献1に記載のような技術がある。特許文献1には、検出したロータの回転速度とトルク指令値とに基づいて、モータの動作状態が判定実行領域に属するか判定禁止領域に属するかを判断し、動作状態が判定実行領域に属する場合には、モータ電圧に基づいて、モータの永久磁石の減磁率が判定閾値よりも低下しているか否かを判定し、動作状態が判定禁止領域に属する場合には減磁判定を禁止することが記載されている。このように、特許文献1に記載の技術では、判定実行領域に属する場合のみ判定を実行することで、誤判定の可能性を低減することが可能である。
特開2011-110042号公報
ところで、減磁率の算出に用いられるモータ電圧やトルク等の計測値は、値が小さいほど誤差の割合が大きくなる。しかしながら、判定閾値が全領域で一律である場合、誤差が比較的小さな領域では、実際の減磁が同程度であっても誤差の大きな領域に比べて異常と判定される可能性が低下する。すなわち、本来ならば異常と判定されるべき減磁状態でありながら、正常と誤判定される可能性が高くなり、減磁を見逃してしまう可能性が大きい。
本発明の態様によるモータ制御装置は、モータの回転数およびトルクを座標軸とする2次元座標領域を診断不能領域と診断可能領域とに分け、前記診断可能領域において減磁診断を行うモータ制御装置であって、モータの回転数およびトルクで表されるモータ動作状態が前記診断可能領域内にある場合に、減磁診断パラメータの値が診断閾値を下回ると減磁異常と判定する減磁異常判定部と、前記診断不能領域と前記診断可能領域との境界から離れた前記診断可能領域内に第1の領域を設け、前記第1の領域を除く前記診断可能領域では前記診断閾値の値を第1の値に設定し、前記第1の領域では前記診断閾値の値を前記第1の値よりも大きな第2の値に設定する診断閾値設定部と、前記モータ動作状態が前記第1の領域よりも高電力側に設定された第2の領域にある場合には、前記モータ動作状態が前記第2の領域から前記第1の領域へ変化するように前記モータの回転数および/またはトルクの指令値を変更する指令値補正部とを備える。
本発明によれば、モータの永久磁石の減磁診断の精度向上を図ることができる。
図1は、本実施の形態のモータ制御装置を備える車両の概略構成を示す図である。 図2は、車両のパワートレインの一例を示すブロック図である。 図3は、領域設定の一例を示す図である。 図4は、モータ制御装置における減磁診断機能の一例を示す機能ブロック図である。 図5は、減磁診断処理の一例を示すフローチャートである。 図6は、領域設定の第2の例を示す図である。 図7は、領域設定の第3の例を示す図である。 図8は、変形例における領域設定を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本実施の形態のモータ制御装置を備える車両1の概略構成を示す図である。車両1は、車両ECU(engine control unit)101、インバータ102、バッテリ103、モータ104、トランスミッション105およびブレーキ107を備えている。モータ104には、永久磁石モータが採用されている。
例えば、力行トルク運転時には、車両ECU101は、車両として達成すべきトルク量をそのままインバータ102にトルク指令として送信する。インバータ102は、指令トルクに応じて、バッテリ103から入力されるDC電流をAC電流に変換してモータ104に入力する。モータ104はAC電流によって駆動され、電力が機械的エネルギーと損失による熱とに変換される。モータ104で変換された機械的エネルギーは、トランスミッション105を通じてドライブシャフト106に伝達され、タイヤ108が回転駆動される。
一方、回生トルク運転時は、車両ECU101は、車両として達成すべきトルク量をインバータ102とブレーキ107とに配分し、トルク指令としてそれぞれに送信する。この時、インバータ102に配分されたトルク量の絶対値が、インバータ102で実現可能である回生トルク量の絶対値よりも大きい場合、インバータ102は、車両ECU101にインバータ102が実現可能である回生トルク量を送信する。実現可能である回生トルク量を受信した車両ECU101は、インバータ102に配分するトルク量をインバータ102が実現可能である回生トルク量に変更する。さらに、車両ECU101は、ブレーキ107に配分するトルク量を、車両として達成すべきトルクとインバータ102が実現可能である回生トルク量との差に変更する。ブレーキ107は、配分されたトルク量に応じてブレーキングをする。
図2は、図1に示した車両1のパワートレインに注目した図である。バッテリ103とインバータ102はDC電圧系で接続されている。インバータ102とモータ104はAC電圧系で接続されている。DC電圧センサ201はバッテリ103のDC電圧を測定する。DC電流センサ202はバッテリ103のDC電流を測定する。AC電流センサ203はインバータ102のAC電流を測定する。ロータポジションセンサ204はモータ回転数を測定する。
DC電圧センサ201、DC電流センサ202、AC電流センサ203およびロータポジションセンサ204の各測定値は、インバータ102に設けられたモータ制御装置205に入力される。モータ制御装置205は、AC電流センサ203の計測値に基づいてモータ104の推定トルクを算出する。ゲート制御装置206は車両ECU101から受信したトルク指令に基づいてインバータ102に設けられたスイッチング素子のゲートを制御する。また、モータ制御装置205から出力されたインバータ102が実現可能であるトルク量は、ゲート制御装置206を介して車両ECU101に送られる。
モータ制御装置205は、後述するモータ104の減磁異常の診断も行う。モータ制御装置205においてモータ104の減磁異常が診断されると、モータ制御装置205は減磁異常であることを通知する信号を警告灯表示部207に送信する。警告灯表示部207は、減磁異常の通知信号を受信すると、警告灯を点灯する。
図3は、モータ回転数およびトルクで表されるモータ動作状態における、診断可能領域、診断不能領域、高精度診断領域および移行可能領域を説明する図である。縦軸は推定トルクを表し、横軸はモータ回転数を表している。第1象限および第2象限は力行トルク運転状態を表し、第3象限および第4象限は回生トルク運転状態を表す。モータ回転数とトルクのマトリックス上において、モータ回転数と推定トルクとの積はモータの消費電力を表す。
ハッチングを施した診断不能領域R0とハッチングを施していない診断可能領域R1との境界を示すラインは、モータ回転数と推定トルクとの積が一定な双曲線で表される。モータ104の消費電力が小さい場合、DC電流センサ202の測定値も小さくなる。DC電流センサ202の測定値が小さい場合には、DC電流センサ202のオフセット誤差による測定値への影響が大きくなる。後述するようにモータ104の減磁診断に使用される減磁診断パラメータの算出にはDC電流センサ202の測定値も用いられるので、モータ104の消費電力が小さい場合には、オフセット誤差が原因で誤って減磁異常であると診断される可能性がある。
そのため、上記のような誤診断を防止するために、減磁診断の閾値(以下では、これを診断閾値と呼ぶ)とDC電流センサ202のオフセット誤差の影響とを考慮し、誤診断が生じる可能性があるので減磁診断を実施しない診断不能領域R0と、ハッチングを施した診断不能領域R0よりも外側の診断を実施する診断可能領域R1とが設定される。診断可能領域R1の全域に対して一律に同じ診断閾値が設定される場合、診断閾値の設定に際しては、診断可能領域R1の内で診断不能領域R0との境界線に近い領域のオフセット誤差を考慮して設定される。
診断可能領域R1で診断不能領域R0との境界線に近い領域では、診断閾値に対するマージンが小さく、モータ104の永久磁石の減磁を精度良く検出することができる。一方、診断可能領域R1で境界線から遠い領域では、センサのオフセット誤差の影響が小さいので、上述のように設定された診断閾値に対してマージンが大きい。マージンが大きい場合、永久磁石の減磁の程度が大きくなるまで減磁異常と判定されないという問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、図3に示すように診断可能領域R1の境界線から遠い領域に高精度診断領域R11を設定した。高精度診断領域R11では、上述した境界線に近い領域のオフセット誤差を考慮して設定される診断閾値(以下では、これを第1診断閾値D1と呼ぶ)よりも値の大きな第2診断閾値D2を用いて、すなわち、マージンを小さくする方向に診断閾値を変更して減磁異常の判定をより精度良く行うようにした。
さらに、モータ動作状態が、推定トルクの絶対値の大きさが高精度診断領域R11よりも大きな移行可能領域R12に含まれる場合には、モータ動作状態を移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ移行させるようにした。図3に示す移行可能領域R12は、トルク指令の絶対値を減少さてモータ運転状態を変更することで、モータ運転状態を高精度診断領域に移行させることが可能である領域を表している。
例えば、モータ回転数が5000rpmで、インバータ102に配分された回生トルク量と推定トルクがともに-150Nmであるとする。また、モータ回転数が5000rpmかつトルクが-100Nmである場合に高精度診断領域R11に入るとする。この場合には、インバータ102のモータ制御装置205は車両ECU101にインバータ102が実現可能である回生トルク量を-100Nmとして送信する。車両ECU101はインバータに対して-100Nmを配分するトルク指令をインバータ102に送信し、ブレーキ107に対して-50Nmを配分するトルク指令をブレーキ107に送信する。このトルク指令により運転状態が変更され、モータ104の推定トルクが-100Nmとなり、モータ動作状態がモータ回転数5000rpmかつ推定トルク-100Nmの領域へ、すなわち高精度診断領域R11へ移行する。
図4は、モータ制御装置205における減磁診断機能の一例を示す機能ブロック図である。減磁診断を行う減磁診断部301は、診断条件判定部302、診断閾値設定部303、指令値補正部304、減磁異常判定部305および信号出力部306を備えている。診断条件判定部302は、現在の推定トルクとモータ回転数とに基づいて、モータ動作状態が減磁診断に適している診断可能領域R1であるか減磁診断に適さない診断不能領域R0であるかを判定する。判定結果は減磁異常判定部305に入力される。
診断閾値設定部303は、現在の推定トルクとモータ回転数とに基づくモータ動作状態が高精度診断領域R11であるか否かを判定する。診断閾値設定部303は、高精度診断領域R11であると判定されると診断閾値として第2診断閾値D2を設定し、高精度診断領域R11でない判定されると診断閾値として第1診断閾値D1を設定する。診断閾値設定部303は、設定された診断閾値を減磁異常判定部305へ出力する。
指令値補正部304は、現在の推定トルクとモータ回転数とに基づくモータ動作状態が移行可能領域R12である場合には、モータ動作状態を移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ移行させるように、インバータ102が実現可能である回生トルク量を変更する。例えば、上述した例では、推定トルクが-150Nmの場合に、インバータ102が実現可能である回生トルク量を-100Nmとして送信している。変更された実現可能である回生トルク量は、ゲート制御装置206を介して車両ECU101へ送信される。
減磁異常判定部305は、診断条件判定部302の判定結果が診断不能領域R0であった場合には減磁判定すなわち減磁診断を実施せず、診断条件判定部302の判定結果が診断可能領域R1であった場合には減磁診断を実施する。なお、減磁診断を実施する場合、診断閾値設定部303によって入力された診断閾値を用いて減磁判定を行う。すなわち、現在の推定トルクとモータ回転数とに基づくモータ動作状態が高精度診断領域R11である場合には診断閾値設定部303から第2診断閾値D2が入力されるので、減磁異常判定部305は第2診断閾値D2を用いて減磁判定を行う。一方、診断可能領域R1であってかつ高精度診断領域R11でない場合には、診断閾値設定部303から第1診断閾値D1が入力されるので、減磁異常判定部305は第1診断閾値D1を用いて減磁判定を行う。
本実施の形態では、減磁診断に用いられ減磁診断パラメータとしてモータ効率比を用いる場合について説明する。モータ効率は、次式(1)で算出される。
モータ効率E=(DC電圧×DC電流)/(推定トルクの絶対値×モータ回転数) …(1)
モータ効率比Mは、次式(2)で示すように、式(1)で算出されるモータ効率Eと減磁していない場合のモータ効率(以下では、期待効率E0と呼ぶ)との比を求めることで与えられる。
モータ効率比M[%]=(モータ効率E/期待効率E0)×100 …(2)
期待効率E0は、減磁していないモータのモータ回転数、推定トルク、DC電圧から事前に適合した結果と、現在のモータ回転数、推定トルク、DC電圧を比較することで求められる。期待効率E0は、モータ制御装置205のソフトウェアに事前にマップとして備えられている。マップにおいては、モータ回転数と推定トルクとの2次元座標上に期待効率E0が設定されている。期待効率E0を求める場合には、得られたモータ回転数と推定トルクとをマップに適用して期待効率E0を選択すればよい。
減磁異常判定部305は、減磁診断パラメータであるモータ効率比と診断閾値設定部303から入力された診断閾値とを比較し、モータ効率比が診断閾値未満であった場合には現在異常状態と判定する。減磁診断部301による診断は所定の時間間隔で繰り返し実行されるが、現在異常状態の判定があらかじめ設定されている減磁異常確定時間以上継続した場合には、減磁異常判定部305はモータ104の永久磁石の減磁異常を確定する。減磁異常判定部305は、減磁異常を確定した場合、異常コードを記録し、信号出力部306から警告灯表示部207(図2参照)に減磁状態を通知する信号を送信する。警告灯表示部207は、信号出力部306から減磁状態を通知する信号を受信すると、警告灯表示部207に設けられた警告灯(不図示)を点灯してドライバに減磁異常発生を報知する。
図5は、減磁診断部301で実行される減磁診断処理の一例を示すフローチャートである。図5の減磁診断処理は所定時間間隔で繰り返し実行される。ステップS501では、AC電流センサ203の計測値を取得し、その計測値に基づいてモータ104の推定トルクを算出する。ステップS502では、ロータポジションセンサ204で計測されたモータ回転数と算出した推定トルクとに基づき、モータ動作状態が図3に示す診断不能領域R0および診断可能領域R1のいずれかを判定する。ステップS502で診断可能領域R1と判定されるとステップS503へ進み、診断不能領域R0であると判定された場合には、減磁診断処理を終了する。
ステップS503では、モータ回転数および推定トルクに基づくモータ動作状態が高精度診断領域R11である否かを判定する。ステップS503でモータ動作状態が高精度診断領域R11であると判定されるとステップS504へ進み、高精度診断領域R11でないと判定されるとステップS505へ進む。ステップS504では、モータ104の永久磁石の減磁を診断するために使用する診断閾値として第2診断閾値D2を設定する。
一方、ステップS503からステップS505へ進んだ場合には、ステップS505において診断閾値として第1診断閾値D1を設定する。ステップS506では、モータ回転数および推定トルクに基づくモータ動作状態が移行可能領域R12であるか否かを判定する。ステップS506でモータ動作状態が移行可能領域R12であると判定されるとステップS507へ進み、移行可能領域R12でないと判定されるとステップS508へ進む。ステップS507では、現在のモータ回転数と推定トルクに基づくモータ動作状態が移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ移行するように、実現可能である回生トルク量を変更する。その後、ステップS508へ進む。
ステップS508では、上述した式(1)に基づいて算出されるモータ効率E1と、得られたモータ回転数および推定トルクを期待効率のマップに適用して得られる期待効率E0とから、式(2)によりモータ効率比Mを算出する。ステップS509では、モータ効率比Mが診断閾値未満であるか否かを判定する。ステップS503,S504,S508と進んでステップS509の処理を行う場合には、診断閾値として第2診断閾値D2が用いられ、ステップS503、S505~S508と進んでステップS509の処理を行う場合には、診断閾値として第1診断閾値D1が用いられる。ステップS509においてM≧診断閾値と判定されると、ステップS511に進んで異常カウンタのカウント値Cをデクリメントし、減磁診断処理を終了する。
一方、ステップS509においてM<診断閾値と判定されると、ステップS510に進んで異常カウンタのカウント値CをインクリメントしてステップS512へ進む。ステップS512では、故障カウンタのカウント値Cと減磁異常確定とされるカウント閾値C0とを比較し、C≧C0か否かを判定する。ステップS512でC<C0と判定されると、減磁診断処理を終了する。一方、ステップS512でC≧C0と判定されると、ステップS513へ進んでモータ104の永久磁石の減磁異常を確定し、異常コードを記録し、減磁異常を通知する信号を警告灯表示部207(図2参照)へ送信する。その後、減磁診断処理を終了する。
図6は、領域設定の第2の例を示す図である。上述した実施の形態では、図3に示す例では、インバータ102が実現可能な回生トルク量を変更することで、移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ移行させる場合について説明した。しかしながら、原理的には、モータの回転数およびトルクの指令値を変更することで、モータ動作状態を移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ変化させることができる。そのように回転数およびトルクの指令値を変更する場合には、図3に代えて例えば図6に示すような領域設定をする必要がある。なお、図3に示した高精度診断領域R11および移行可能領域R12は、図6の破線で示す範囲H1の領域R11,R12に対応するものである。図3では、高精度診断領域R11を横軸に平行な帯状の領域としている。
図6において、高精度診断領域R11は、ラインL11とラインL12との間の領域である。ラインL11,L12は電力一定のモータ動作状態を示すラインであって、ラインL12の電力はラインL11の電力よりも大きい。移行可能領域R12は、診断可能領域R1内であって高精度診断領域R11よりも高電力側の領域である。例えば、移行可能領域R12の符号Pで示すモータ動作状態から矢印のように高精度診断領域R11に移行させる場合には、移行先のモータ回転数および回生トルクへの変更を要求する信号を、インバータ102から車両ECU101へ送信する。
インバータ102からの要求信号を受信した車両ECU101は、要求された回生トルクに基づいてモータ104とブレーキ107のトルク量の配分を変更し、要求された回生トルクをトルク指令値としてインバータ102へ送信する。また、車両ECU101は、要求されたモータ回転数に基づいてトランスミッション105に減速比変更を要求し、要求されたモータ回転数をモータ回転数の指令値としてインバータ102へ送信する。インバータは、車両ECU101から受信した回転数およびトルクの指令値に基づく駆動電流をモータ104に供給する。これにより、ドライブシャフト106およびタイヤ108の回転数は変化せず、車速に影響を及ぼすことなくモータ回転数を変更することが可能となる。モータ動作状態は、図6の矢印のように移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ移動する。
図7は、領域設定の第3の例を示す図である。回転数指令値を変更する場合には、図3に代えて例えば図7に示すような領域設定をする。図7に示した高精度診断領域R11および移行可能領域R12は、図6の破線で示す範囲H2の領域R11,R12に対応するものである。図7では、高精度診断領域R11を縦軸に平行な帯状の領域としている。
現在のモータ動作状態が図7の移行可能領域R12であった場合、モータ回転数を減少させてモータ動作状態を横軸に平行に図示左側に移動させることで、移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ移行させることができる。この場合、現在のモータ回転数から移行先のモータ回転数への変更を要求する信号を、インバータ102から車両ECU101へ送信する。
インバータ102からモータ回転数の変更要求信号を受信した車両ECU101は、トランスミッション105に減速比変更を要求し、インバータ102へのモータ回転数の指令値を要求されたモータ回転数に変更する。これにより、ドライブシャフト106およびタイヤ108の回転数は変化せず、車速に影響を及ぼすことなくモータ回転数を変更し、モータ動作状態を移行可能領域R12から高精度診断領域R11に移動させることができる。
(変形例)
図8は、変形例における領域設定を示す図である。上述した実施の形態では、モータで走行駆動する電動車両を例に説明したが、本発明はハイブリッド車両のように、モータとエンジンとで走行駆動する電動車両にも適用することができる。ハイブリッド車両の場合、車両走行時にモータとエンジンとでトルクを按分している。モータ動作状態が図8の移行可能領域R12にある場合には、モータのトルクを減らしてモータ動作状態を高精度診断領域R11に移動させる。モータのトルクを減らしたことで足りなくなったトルクは、エンジンが分担するトルクを増やすことで対処する。
この場合の高精度診断領域R11および移行可能領域R12は、図8に示すように第1象限の診断可能領域R1に設定される。図8の高精度診断領域R11および移行可能領域R12は、図3に示した高精度診断領域R11および移行可能領域R12を横軸に関して反転させたものである。
なお、図3,6~8は領域設定の一例を示したものであり、高精度診断領域R11および移行可能領域R12の領域設定はこれらに限定されるものではない。また、上述した実施形態では、減磁診断パラメータとして、式(2)に示すようなDC電圧およびDC電流とモータ104の推定トルクおよび回転数とで表されるモータ効率比を用いたが、さらにモータ温度も考慮した式としてもよい。また、モータ効率比に代えて、モータ104の永久磁石の磁束密度を磁気センサによって測定し、その測定値を減磁診断パラメータとして用いてもよい。
また、上述した実施の形態および変形例では、電動車両に搭載されたモータの永久磁石の減磁異常を診断する場合を例に説明したが、本実施の形態における減磁診断は電動車両に搭載されたモータに限らず、種々の装置に用いられるモータのモータ制御装置にも適用することが可能である。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(C1)図2~4に示すように、モータ制御装置205は、モータ104のモータ回転数および推定トルクを座標軸とする2次元座標領域を診断不能領域R0と診断可能領域R1とに分け、診断可能領域R1において減磁診断を行う。そして、モータ制御装置205は、モータの回転数およびトルクで表されるモータ動作状態が診断可能領域R1内にある場合に、減磁診断パラメータとしてのモータ効率比の値が診断閾値を下回ると減磁異常と判定する減磁異常判定部305と、診断不能領域R0と診断可能領域R1との境界から離れた診断可能領域R1内に第1の領域である高精度診断領域R11を設け、高精度診断領域R11を除く診断可能領域R1では診断閾値の値を第1診断閾値D1に設定し、高精度診断領域R11では診断閾値の値を第1診断閾値D1よりも大きな第2診断閾値D2に設定する診断閾値設定部303と、モータ動作状態が高精度診断領域R11よりも高電力側に設定された移行可能領域R12にある場合には、モータ動作状態が移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ変化するようにモータの回転数および/またはトルクの指令値を変更する指令値補正部304とを備える。
高精度診断領域R11は、診断不能領域R0と診断可能領域R1との境界から離れて設定されているので、境界付近よりも高電力な領域である。そのため、計測誤差等に起因する減磁診断パラメータの誤差は、境界付近よりも高精度診断領域R11のほうが小さい。本実施の形態では、減磁診断パラメータを用いて減磁異常を診断する際の診断閾値に関して、減磁診断パラメータの誤差が小さい高精度診断領域R11の第2診断閾値D2を、減磁診断パラメータの誤差がより大きな境界付近で用いられる第1診断閾値D1よりも大きく設定した。そのため、減磁の程度が大きいのにも関わらず減磁異常と診断されないという不都合が生じるのを防止することができ、高精度診断領域R11における減磁診断をより高精度に行うことができる。
さらに、モータ動作状態が高精度診断領域R11よりも高電力側に設定された移行可能領域R12にある場合には、指令値補正部304により回転数および/またはトルクの指令値を変更して能動的にモータ動作状態を移行可能領域R12から高精度診断領域R11へと変化させる。そのため、モータ104の永久磁石の減磁の程度が小さくても検出可能である診断が実行される割合を増加させることができる。
(C2)さらに、減磁診断パラメータは、診断時のモータ効率と減磁していない場合のモータ効率との比であるモータ効率比Mであって、モータ効率比Mは、モータ104を駆動するインバータ102に印加されるDC電圧およびDC電流と、モータ104の回転数および推定トルクとに基づいて算出される。例えば、DC電流の大きさに対する計測誤差の割合は電流値が大きいほど小さくなるので、計測誤差のより小さい高電力側の高精度診断領域R11においては誤差に対する診断閾値(%)のマージンをより小さく設定することで、すなわち、診断閾値をより大きく設定することで、減磁診断の精度をより高めることができる。
(C3)また、図3に示すように、高精度診断領域R11および移行可能領域R12は、診断可能領域R1においてモータの回転数が正でかつモータのトルクが負である領域に設定され、指令値補正部304は、モータ動作状態が移行可能領域R12にある場合には、モータのトルクの絶対値を減少させるようにトルクの指令値を変更する。その結果、モータ動作状態は移行可能領域R12から高精度診断領域R11に移行し、第2診断閾値D2を用いた高精度な減磁診断が行われることになる。
(C4)さらに、モータ104は、図1に示すような、ブレーキ制動力およびモータ回生による制動力の配分を制御する車両ECU101を備える電動車両の駆動用モータであって、指令値補正部304は、モータ動作状態を移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ変化させるようなトルク指令値を要求するための実現可能な回生トルク量を、車両ECU101へ出力する。その結果、車両ECU101からモータ制御装置205に対して、実現可能な回生トルク量をモータ104に要求するトルク指令が入力され、モータ動作状態が移行可能領域R12から高精度診断領域R11へ移行する。
(C5)さらに、図4に示すように、減磁異常判定部305によって減磁異常と判定されると減磁異常通知信号を出力する信号出力部306をさらに備える。例えば、図2に示すように信号出力部306から出力される減磁異常通知信号を車両に設けられた警告灯表示部207へ入力し、警告灯を点灯することによりドライバに減磁異常発生を報知することができる。
なお、以上の説明において、構成における機能部、例えば、モータ制御装置205,ゲート制御装置206および車両ECU101等は、電気回路、電子回路、論理回路、およびそれらを内蔵した集積回路のほか、マイコン、プロセッサ、及びこれらに類する演算装置と、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD、メモリカード、光ディスク及びこれらに類する記憶装置と、バス、ネットワーク及びこれらに類する通信装置、及び周辺の諸装置の組み合わせによって実行されるプログラムによって実現してもよく、いずれの実現態様でも本発明は成立し得る。
また、以上説明した各実施形態や各種変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…車両、101…車両ECU、102…インバータ、104…モータ、105…トランスミッション、107…ブレーキ、205…モータ制御装置、207…警告灯表示部、301…減磁診断部、302…診断条件判定部、303…診断閾値設定部、304…指令値補正部、305…減磁異常判定部、306…信号出力部

Claims (5)

  1. モータの回転数およびトルクを座標軸とする2次元座標領域を診断不能領域と診断可能領域とに分け、前記診断可能領域において減磁診断を行うモータ制御装置であって、
    モータの回転数およびトルクで表されるモータ動作状態が前記診断可能領域内にある場合に、減磁診断パラメータの値が診断閾値を下回ると減磁異常と判定する減磁異常判定部と、
    前記診断不能領域と前記診断可能領域との境界から離れた前記診断可能領域内に第1の領域を設け、前記第1の領域を除く前記診断可能領域では前記診断閾値の値を第1の値に設定し、前記第1の領域では前記診断閾値の値を前記第1の値よりも大きな第2の値に設定する診断閾値設定部と、
    前記モータ動作状態が前記第1の領域よりも高電力側に設定された第2の領域にある場合には、前記モータ動作状態が前記第2の領域から前記第1の領域へ変化するように前記モータの回転数および/またはトルクの指令値を変更する指令値補正部とを備える、モータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記減磁診断パラメータは、診断時のモータ効率と減磁していない場合のモータ効率との比であって、
    前記モータ効率は、前記モータを駆動するインバータに印加される電圧および電流と、前記モータの回転数およびトルクとに基づいて算出される、モータ制御装置。
  3. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記第1および第2の領域は、前記診断可能領域において前記モータの回転数が正でかつ前記モータのトルクが負である領域に設定され、
    前記指令値補正部は、前記モータ動作状態が前記第2の領域にある場合には、前記モータのトルクの絶対値を減少させるようにトルクの指令値を変更する、モータ制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータ制御装置において、
    前記モータは、ブレーキ制動力およびモータ回生による制動力の配分を制御する車両制御装置を備える電動車両の駆動用モータであって、
    前記指令値補正部は、前記モータ動作状態を前記第2の領域から前記第1の領域へ変化させるようなトルク指令値を要求するための実現可能な回生トルク量を、前記車両制御装置へ出力する、モータ制御装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のモータ制御装置において、
    前記減磁異常判定部によって減磁異常と判定されると減磁異常通知信号を出力する信号出力部をさらに備える、モータ制御装置。
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