JP2023009331A - レーザ走査装置及びレーザ走査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザを適切に集光させた状態で被照射物に照射することが可能なレーザ走査装置を提供する。【解決手段】レーザ走査装置は、第1導光部と、ポリゴンミラーと、第2導光部と、を備える。第1導光部は、レーザ発生器が発生させたレーザを反射して導く。ポリゴンミラーは、多角形状に配置された反射面を有しており、第1導光部により導かれたレーザを、回転しながら反射面で反射する。第2導光部は、ポリゴンミラーの反射面で反射されたレーザを更に反射してレーザがワークに照射されるようにレーザを導く。第1導光部は、レーザの第1方向のビーム径が小さくなるようにレーザを集光する第1シリンドリカルレンズを備える。第2導光部は、レーザの第1方向に直交する第2方向のビーム径が小さくなるようにレーザを集光する第2シリンドリカルレンズ43を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、主として、レーザ走査装置に関する。
特許文献1は、レーザ等の光を走査する光走査装置を開示する。光走査装置は、レンズと、複数の折返しミラーと、ポリゴンミラーと、一次ミラーと、二次ミラーと、シリンドリカルレンズと、を備える。レンズは、レーザ発生器が発生させたレーザ光を集光する。複数の折返しミラーは、レーザの焦点をワークに合わせるために光路長を確保するとともに、レーザをポリゴンミラーに導く。ポリゴンミラーは、回転しながらレーザを反射することにより、ポリゴンミラーの回転位相に応じた反射角でレーザを反射する。ポリゴンミラーで反射されたレーザは、一次ミラー及び二次ミラーで反射されて、シリンドリカルレンズを通過してワークに照射される。シリンドリカルレンズは、レーザを扁平にするために用いられている。
特許第5401629号公報
特許文献1の光走査装置では、レンズの形状によっては、ワークに照射されるレーザが所定方向において十分に集光しない可能性がある。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、レーザを適切に集光させた状態でワークに照射することが可能なレーザ走査装置を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のレーザ走査装置が提供される。即ち、レーザ走査装置は、第1導光部と、ポリゴンミラーと、第2導光部と、を備える。前記第1導光部は、レーザ発生器が発生させたレーザを反射して導く。前記ポリゴンミラーは、多角形状に配置された反射面を有しており、前記第1導光部により導かれたレーザを、回転しながら前記反射面で反射する。前記第2導光部は、前記ポリゴンミラーの前記反射面で反射されたレーザを更に反射してレーザがワークに照射されるようにレーザを導く。前記第1導光部は、レーザの第1方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光する第1集光部を備える。前記第2導光部は、レーザの前記第1方向に直交する第2方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光する第2集光部を備える。
本発明の第2の観点によれば、以下のレーザ走査方法が提供される。即ち、レーザ走査方法は、第1導光工程と、ポリゴンミラー反射工程と、第2導光工程と、を含む。前記第1導光工程では、レーザ発生器が発生させたレーザを第1導光部を用いて反射して導く。前記ポリゴンミラー反射工程では、多角形状に配置された反射面を有するポリゴンミラーを用いて、前記第1導光部により導かれたレーザを、ポリゴンミラーを回転させながら前記反射面で反射する。前記第2導光工程では、前記ポリゴンミラーの前記反射面で反射されたレーザを第2導光部で更に反射してレーザがワークに照射されるようにレーザを導く。前記第1導光工程は、第1集光部を用いてレーザの第1方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光する処理を含む。前記第2導光工程は、第2集光部を用いてレーザの前記第1方向に直交する第2方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光する処理を含む。
これにより、レーザ発生器が発生させたレーザが2つの方向で集光するため、レーザの断面形状(ビーム形状)が円形又はそれに近い形状のレーザをワークに照射することができる。
本発明によれば、レーザを適切に集光させた状態でワークに照射できる。
本発明の一実施形態に係るレーザ加工装置の斜視図。 レーザ発生器で発生したレーザがワークに照射されるまでの光路を示す図。 ポリゴンミラーの偏向中心、第1照射ミラー、第2照射ミラー、及び走査線の位置関係を示す概略図。 第1シリンドリカルレンズ及び第2シリンドリカルレンズによりレーザが集光されることで、ビーム形状が円形となることを示す斜視図。
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。初めに、図1を参照して、レーザ加工装置1の構成を説明する。図1は、レーザ加工装置1の斜視図である。レーザ加工装置1は、ワーク(被照射物)100にレーザを照射することで、当該ワーク100を加工する装置である。
本実施形態のワーク100は、例えば電磁鋼板、シリコン基板、樹脂フィルム等である。なお、ワーク100は他の材料であってもよい。また、ワーク100は板状に限られず、例えばブロック状であってもよい。
本実施形態のレーザ加工装置1は、レーザを照射することでワーク100を蒸発させて加工するアブレーション加工を行う。なお、レーザ加工装置1はレーザの熱によりワーク100を溶融させて加工する熱加工を行う構成であってもよい。また、レーザ加工装置1はレーザによりワーク100を切断する加工を行う。レーザ加工装置1がワーク100に対して行う加工は切断に限られず、例えばワーク100の表面を所定形状に沿って除去する加工であってもよい。あるいは、レーザ加工装置1が行う加工は、ワーク100の溶接等のためにワーク100を溶融させる加工であってもよい。
なお、レーザは可視光であってもよいし、可視光以外の波長帯の電磁波であってもよい。また、本実施形態では、可視光だけでなく、可視光より波長が短い電磁波又は波長が長い電磁波を含めて「光」と称する。
図1に示すように、レーザ加工装置1は、搬送部11と、レーザ発生器12と、レーザ走査装置13と、を備える。
搬送部11は、ベルトコンベアであり、載置されたワーク100を所定の方向に搬送する。搬送部11は、ワーク100を搬送方向に搬送できるとともに、所定の位置で停止させることができる。搬送部11は、ワーク100を搬送して、レーザ加工を行うための位置で停止させる。なお、搬送部11はローラコンベアであってもよいし、ワーク100を把持して搬送する構成であってもよい。また、搬送部11を省略し、動かないように固定されたワーク100に対して、レーザを照射して加工することもできる。
レーザ発生器12は、パルス発振により時間幅が短いパルスレーザを発生させる。パルスレーザの時間幅は特に限定されないが、例えばナノ秒オーダー、ピコ秒オーダー、又はフェムト秒オーダー等の短い時間間隔でレーザを発生させる。なお、レーザ発生器12は連続波発振によりCWレーザーを発生させる構成であってもよい。
レーザ走査装置13は、レーザ発生器12が発生させたレーザを導いてワーク100に照射する。レーザ走査装置13は、ワーク100の表面に集光したレーザが照射されるように当該レーザを導くことで、ワーク100を加工する。
以下、図2及び図3を参照して、このレーザ走査装置13について詳細に説明する。図2に示すように、レーザ走査装置13は、ビームエキスパンダ19と、第1導光部20と、ポリゴンミラー30と、第2導光部40と、を備える。なお、これらの光学部品の少なくとも一部は、レーザ走査装置13の筐体の内部に配置されている。
ビームエキスパンダ19は、レーザ発生器12が発生させたレーザのビームを所定の方向(後述の第1方向)に広げる。ビームエキスパンダ19は、例えば、凹レンズと凸レンズを組み合わせた構成である。レーザ発生器12が発生させたレーザのビーム形状(レーザの断面形状)は円形である。ビームエキスパンダ19を通過することにより、ビーム形状が楕円に変化する。
第1導光部20は、レーザ発生器12が発生させたレーザをポリゴンミラー30まで導く光学部品から構成されている。第1導光部20は、レーザの光路に沿ってレーザ発生器12側から順に、第1シリンドリカルレンズ(第1集光部)21と、導入プリズム22と、第1導入ミラー23と、第2導入ミラー24と、を備える。
第1シリンドリカルレンズ21は、図4に示すように、レーザ発生器12が発生させたレーザを集光する。具体的には、第1シリンドリカルレンズ21は、第1方向におけるビーム径が小さくなるようにレーザを集光する。第1方向とは、レーザの走査方向に平行な方向である。本明細書では、第1シリンドリカルレンズ21に入射されるレーザの第1方向のビーム径をd1と示す。レーザの第1方向のビーム径は、第1シリンドリカルレンズ21を通過することにより徐々に小さくなり、ワーク100の表面又はその近傍において最も小さくなる。
導入プリズム22、第1導入ミラー23、及び第2導入ミラー24は、第1シリンドリカルレンズ21を通過したレーザをポリゴンミラー30へ導く。また、導入プリズム22、第1導入ミラー23、及び第2導入ミラー24は、ポリゴンミラー30よりも光路上流側で、ワーク100の表面上に焦点を位置させるために必要な光路長を確保するために光路を折り曲げる光学ユニットを構成する。本実施形態で示した第1導光部20を構成する光学部品は適宜省略可能であるし、他のプリズム又はミラーが第1シリンドリカルレンズ21とポリゴンミラー30との間に適宜追加されてもよい。
図2に示すように、ポリゴンミラー30は、全体として正多角形状(本実施形態では、正八角形状)に形成されている。詳細には、正多角形の各辺に相当する位置に平面状のミラーが配置されている。また、ポリゴンミラー30は図略の電動モータからの動力が伝達されることで、例えば等角速度で回転可能に構成されている。ポリゴンミラー30の回転軸方向と、図2の視点方向(即ちポリゴンミラー30が正多角形状となる視点方向)と、は同じである。
レーザ発生器12が発生させてポリゴンミラー30で反射したレーザは、第2導光部40によって導かれてワーク100に照射される。このとき、レーザの照射位置は、ポリゴンミラー30の反射面の角度に応じて変化する。言い換えれば、ポリゴンミラー30が回転することで、レーザ発生器12からのレーザが偏向されて当該ポリゴンミラー30でのレーザの反射角が変化する。これにより、レーザが、ワーク100上で走査される。走査とは、レーザ等の光の照射位置を所定方向に変化させることである。以下では、レーザの走査方向を単に走査方向と称する。ワーク100は走査方向に沿って加工される。
ポリゴンミラー30は、回転することにより、第2導入ミラー24によって導入されたレーザを等速で角移動させるようにして放射する。第2導光部40は、ポリゴンミラー30から出射した光を反射し、走査線91に導く。ポリゴンミラー30の回転角が変化することにより、照射位置は、ワーク100上の走査線91に沿って走査方向に順次移動する。
第2導光部40は、複数の反射面を有しており、ポリゴンミラー30で反射されたレーザを適宜反射させて、ワーク100の表面に導く。第2導光部40は、複数の第1照射ミラー41と、複数の第2照射ミラー42と、第2シリンドリカルレンズ(第2集光部)43と、を備える。
以下、図3を参照して、第1照射ミラー41及び第2照射ミラー42の配置及び機能について説明する。図3は、偏向中心Cと、第1照射ミラー41と、第2照射ミラー42と、走査線91と、の位置関係を示す概略図である。
仮に第2導光部40が存在しない場合、レーザの焦点(光に沿ってレーザ発生器12から一定距離離れた点)は、図3の上側に示すように、ポリゴンミラー30の回転角が正多角形の一辺に相当する分だけ変化するのに伴って円弧状の軌跡を描く。この軌跡の中心は、ポリゴンミラー30によってレーザを偏向させる偏向中心Cであり、その軌跡の半径は当該偏向中心Cから焦点までの光路長である。一方、走査線91は、円弧状の軌跡と異なり、走査方向に直線的に延びる。すると、走査線91上の照射位置から焦点までの距離が、当該照射位置に応じて変わってしまう。よって、上記の偏向中心Cから走査線91上の任意の照射位置までの光路長を考えると、当該光路長は一定とならず、当該照射位置の位置に応じて変化することになる。
第2導光部40は、この課題を解消するために備えられており、ポリゴンミラー30からのレーザを少なくとも2度反射してからワーク100(走査線91)に導く。第2導光部40は、ポリゴンミラー30の反射面からワーク100上の走査線91上の任意の照射位置までの光路長が全ての照射位置で略一定となるように、それぞれ配置されている。
本実施形態に係る第2導光部40は、ポリゴンミラー30からのレーザを反射する第1照射ミラー41と、当該第1照射ミラー41からのレーザを更に反射する第2照射ミラー42とを有し、ポリゴンミラー30からのレーザを2度反射する。第2導光部40は、これら第1照射ミラー41と第2照射ミラー42とにより構成される。ただし、第2導光部40では、レーザが3回以上反射されるように光学部品が配置されていてもよい。
上述したように、仮に、第1照射ミラー41及び第2照射ミラー42が存在しなければ、レーザの焦点は、光の出射角が変化するのに伴って、偏向中心Cを中心とした円弧(以下、仮想円弧)を描くこととなる。仮想円弧の半径Rは、偏向中心Cから焦点までの光路長である。第1照射ミラー41及び第2照射ミラー42は、偏向中心Cから焦点までの光路を折り曲げ、それにより仮想円弧をワーク100上で概ね走査方向に直線状に延びるように変換する。詳細に言えば、仮想円弧を分割した分割円弧DA1,DA2,・・・の位置は、その各弦VC1,VC2,・・・の向きが走査線91とほぼ一致するように、第2導光部40によって変換される。
即ち、第1照射ミラー41及び第2照射ミラー42はそれぞれ複数の反射面を有しており、レーザのポリゴンミラー30からの出射角の範囲が複数に分割された分割角度範囲ごとに、光に沿ってレーザ発生器12から一定距離離れた点(焦点)が当該分割角度範囲において光の出射角が変化するのに伴って描く軌跡である分割円弧DA1,DA2,・・・の弦VC1,VC2,・・・が、走査方向と同じ方向となるように(走査方向に並ぶように)、光を複数回反射させる。
仮想円弧の位置を走査線91に一致させるように変換するための具体的な方法について簡単に説明すると、まず、仮想円弧を等間隔に分割することにより複数の分割円弧DA1,DA2,・・・を得る。そして、複数の分割円弧DA1,DA2,・・・のそれぞれに対応した複数の仮想弦VC1,VC2,・・・を得る。そして、複数の仮想弦VC1,VC2,・・・がワーク100上で走査方向に順次に直線状に並ぶように、第1照射ミラー41及び第2照射ミラー42がそれぞれ有する反射面の位置及び向きを定める。
このように走査線91を形成すると、分割円弧DA1,DA2,・・・の両端2点が走査線91上に再配置され、分割円弧DA1,DA2,・・・(即ち、当該2点を繋ぐ曲線)が、走査線91よりも光軸方向下流側へと再配置される。レーザの焦点は、このように位置が変換された分割円弧DA1,DA2,・・・に沿って移動する。
仮想円弧を分割して複数の分割円弧DA1,DA2,・・・を得ると、分割円弧DA1,DA2,・・・はこれに対応した仮想弦VC1,VC2,・・・に良好に近似する。このため、ポリゴンミラー30の偏向中心Cから走査線91上の任意の照射位置までの光路長は、全ての照射位置にわたって略一定となる。分割円弧DA1,DA2,・・・は、対応する仮想弦VC1,VC2,・・・と良好に近似しているので、それぞれの分割円弧DA1,DA2,・・・における焦点の挙動は、走査線91に沿う等速直線運動と良好に近似する。
分割円弧DA1,DA2,・・・の分割数が増えれば増えるほど、仮想弦VC1,VC2,・・・の中点と分割円弧DA1,DA2,・・・の中点との間の距離が小さくなり、焦点の軌跡が仮想弦VC1,VC2,・・・に近づく。このため、光路長の一定性を高く保つことができる。分割数は、レーザ走査装置13に許容される誤差に応じて適宜に定めることができる。
第2照射ミラー42によって反射されたレーザは、第2シリンドリカルレンズ43を通過して、ワーク100に照射される。図4に示すように、第2シリンドリカルレンズ43は、第2方向におけるビーム径が小さくなるようにレーザを集光する。第2方向とは、レーザの走査方向に直交する方向である。言い換えれば、第2方向は、第1方向に直交する方向である。本明細書では、第2シリンドリカルレンズ43に入射されるレーザの第2方向のビーム径をd2と示す。レーザの第2方向のビーム径は、第2シリンドリカルレンズ43を通過することにより徐々に小さくなり、ワーク100の表面又はその近傍において最も小さくなる。これにより、レーザを集光してワーク100を加工することができる。
次に、図4を参照して、第1シリンドリカルレンズ21及び第2シリンドリカルレンズ43によるレーザの集光について詳細に説明する。図4は、レーザの集光を分かり易く示すため、レーザの光路が一直線となるように変換して示した仮想的な図である。
図4に示すように、第1シリンドリカルレンズ21は、円筒の中心軸が第2方向と一致するように配置される。更に、第1シリンドリカルレンズ21は、湾曲面がレーザの上流側を向くように、かつ、平面がレーザの下流側を向くように配置される。第1シリンドリカルレンズ21からワーク100までの光路長は、第1シリンドリカルレンズ21の焦点距離f1に等しい。
図4に示すように、第2シリンドリカルレンズ43は、円筒の中心軸が第1方向と一致するように配置される。更に、第2シリンドリカルレンズ43は、湾曲面がレーザの上流側を向くように、かつ、平面がレーザの下流側を向くように配置される。第2シリンドリカルレンズ43からワーク100までの光路長は、第2シリンドリカルレンズ43の焦点距離f2に等しい。
レーザが第1シリンドリカルレンズ21及び第2シリンドリカルレンズ43を通過することにより、第1方向及び第2方向のビーム径が小さくなり、ワーク100に照射される。以下では、ワーク100に照射されるレーザの第1方向のビーム径をD1と示し、ワーク100に照射されるレーザの第2方向のビーム径をD2と示す。本実施形態では、D1=D2となるように(言い換えればワーク100に照射されるレーザのビーム形状が円形となるように)設計されている。
以下、ワーク100に照射されるレーザのビーム形状を円形とするための条件について説明する。入射ビーム径をd、焦点距離をf、レーザの波長をλ、最小ビーム径をDとした場合、D=4λf/πdが成立することが一般的に知られている。この式を第1方向の集光について適用すると、図4に示す式(1)となる。同様に、この式を第2方向の集光について適用すると、図4に示す式(2)となる。そして、ビーム形状を円形とするための条件である、D1=D2を代入して、式(1)及び式(2)を整理することにより、式(3)を導出できる。
焦点距離を示すf1及びf2は、それぞれ第1シリンドリカルレンズ21及び第2シリンドリカルレンズ43の仕様によって定まる固定値である。従って、d2/d1=f2/f1が実質的に成立するようなd1及びd2を算出し、これを実現するためのビームエキスパンダ19を配置することにより、式(3)が満たされる。その結果、D1=D2となり、ワーク100に照射されるレーザのビーム形状が円形となる。なお、「実質的に成立する」とは、数式の両辺が完全に同じ値になる場合だけでなく、数式の両辺が概ね同じ値になる場合(例えば両辺の差異が10パーセント以下の場合)も含む。
ビーム形状が円形になることにより、レーザを用いてパターニングを行う場合の縦線と横線の幅を同じにすることができる。また、レーザが第1導光部20及び第2導光部40を通過する間は、レーザが十分に集光していないため、レーザから第1導光部20及び第2導光部40の各光学部品への入熱密度があまり高くならない。その結果、これらの光学部品の破損を防止できる。
以上に説明したように、本実施形態のレーザ走査装置13は、第1導光部20と、ポリゴンミラー30と、第2導光部40と、を備え、以下のレーザ走査方法を実行する。第1導光部20は、レーザ発生器12が発生させたレーザを反射して導く(第1導光工程)。ポリゴンミラー30は、多角形状に配置された反射面を有しており、第1導光部20により導かれたレーザを、回転しながら反射面で反射する(ポリゴンミラー反射工程)。第2導光部40は、ポリゴンミラー30の反射面で反射されたレーザを更に反射してレーザがワーク100に照射されるようにレーザを導く(第2導光工程)。第1導光部20は、レーザの第1方向のビーム径が小さくなるようにレーザを集光する処理のための第1シリンドリカルレンズ21を備える。第2導光部40は、レーザの第1方向に直交する第2方向のビーム径が小さくなるようにレーザを集光する処理のための第2シリンドリカルレンズ43を備える。
これにより、レーザ発生器12が発生させたレーザが2つの方向で集光するため、ビーム形状が円形又はそれに近い形状のレーザをワーク100に照射することができる。
本実施形態のレーザ走査装置13において、第1シリンドリカルレンズ21の焦点距離をf1とし、第1シリンドリカルレンズ21に入射されるレーザの第1方向の径をd1とする。第2シリンドリカルレンズ43の焦点距離をf2とし、第2シリンドリカルレンズ43に入射されるレーザの第2方向の径をd2とする。d2/d1=f2/f1が実質的に成立するように、レーザが照射される。
これにより、ワーク100に照射されるレーザのビーム形状を実質的に円形にすることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、レーザを集光させる光学部品としてシリンドリカルレンズを用いたが、別の光学部品(凹レンズ、凸レンズ)又はそれらを組み合わせて用いてもよい。
上記実施形態では、回転軸方向におけるポリゴンミラー30の位置は固定であり変化させることはできないが、回転軸方向におけるポリゴンミラー30の位置を変化させるための押し引きボルト(位置調整具)等が設けられていてもよい。
レーザ走査装置13は、導入プリズム22ではなくミラーを用いてレーザを反射する構成であってもよい。
1 レーザ加工装置
12 レーザ発生器
13 レーザ走査装置
20 第1導光部
21 第1シリンドリカルレンズ(第1集光部)
30 ポリゴンミラー
40 第2導光部
43 第2シリンドリカルレンズ(第2集光部)
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のレーザ走査装置が提供される。即ち、レーザ走査装置は、第1導光部と、ポリゴンミラーと、第2導光部と、を備える。前記第1導光部は、レーザ発生器が発生させたレーザを反射して導く。前記ポリゴンミラーは、多角形状に配置された反射面を有しており、前記第1導光部により導かれたレーザを、回転しながら前記反射面で反射する。前記第2導光部は、前記ポリゴンミラーの前記反射面で反射されたレーザを更に反射してレーザがワークに照射されるようにレーザを導く。前記第1導光部は、第1集光部を備える。前記第1集光部は、前記第1集光部に入射する前の第1方向のビーム径と比較して、前記第1集光部を通過した後の位置の第1方向のビーム径が小さくなるようにレーザを集光する。前記第2導光部は、第2集光部を備える。前記第2集光部は、前記第2集光部に入射する前の第1方向に直交する第2方向のビーム径と比較して、前記第2集光部を通過した後の位置の第2方向のビーム径が小さくなるようにレーザを集光する。前記第1集光部の焦点距離をf1とし、前記第1集光部に入射されるレーザの前記第1方向の径をd1とし、前記第2集光部の焦点距離をf2とし、前記第2集光部に入射されるレーザの前記第2方向の径をd2としたときに、d2/d1=f2/f1が成立するように、レーザが照射される。
本発明の第2の観点によれば、以下のレーザ走査方法が提供される。即ち、レーザ走査方法は、第1導光工程と、ポリゴンミラー反射工程と、第2導光工程と、を含む。前記第1導光工程では、レーザ発生器が発生させたレーザを第1導光部を用いて反射して導く。前記ポリゴンミラー反射工程では、多角形状に配置された反射面を有するポリゴンミラーを用いて、前記第1導光部により導かれたレーザを、ポリゴンミラーを回転させながら前記反射面で反射する。前記第2導光工程では、前記ポリゴンミラーの前記反射面で反射されたレーザを第2導光部で更に反射してレーザがワークに照射されるようにレーザを導く。前記第1導光工程は、第1集光部を用いてレーザを集光する処理を含む。前記第1集光部は、前記第1集光部に入射する前の第1方向のビーム径と比較して、前記第1集光部を通過した後の位置の第1方向のビーム径が小さくなるようにレーザを集光する。前記第2導光工程は、第2集光部を用いてレーザを集光する処理を含む。前記第2集光部は、前記第2集光部に入射する前の第1方向に直交する第2方向のビーム径と比較して、前記第2集光部を通過した後の位置の第2方向のビーム径が小さくなるようにレーザを集光する。前記第1集光部の焦点距離をf1とし、前記第1集光部に入射されるレーザの前記第1方向の径をd1とし、前記第2集光部の焦点距離をf2とし、前記第2集光部に入射されるレーザの前記第2方向の径をd2としたときに、d2/d1=f2/f1が成立するように、レーザが照射される。

Claims (4)

  1. レーザ発生器が発生させたレーザを反射して導く第1導光部と、
    多角形状に配置された反射面を有しており、前記第1導光部により導かれたレーザを、回転しながら前記反射面で反射するポリゴンミラーと、
    前記ポリゴンミラーの前記反射面で反射されたレーザを更に反射してレーザがワークに照射されるようにレーザを導く第2導光部と、
    を備え、
    前記第1導光部は、レーザの第1方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光する第1集光部を備え、
    前記第2導光部は、レーザの前記第1方向に直交する第2方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光する第2集光部を備えることを特徴とするレーザ走査装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ走査装置であって、
    前記第1集光部の焦点距離をf1とし、前記第1集光部に入射されるレーザの前記第1方向の径をd1とし、
    前記第2集光部の焦点距離をf2とし、前記第2集光部に入射されるレーザの前記第2方向の径をd2としたときに、
    d2/d1=f2/f1が実質的に成立するように、レーザが照射されることを特徴とするレーザ走査装置。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ走査装置であって、
    前記第1集光部が第1シリンドリカルレンズであり、前記第1シリンドリカルレンズでレーザの前記第1方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光し、
    前記第2集光部が第2シリンドリカルレンズであり、前記第2シリンドリカルレンズでレーザの第2方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光することを特徴とするレーザ走査装置。
  4. レーザ発生器が発生させたレーザを第1導光部を用いて反射して導く第1導光工程と、
    多角形状に配置された反射面を有するポリゴンミラーを用いて、前記第1導光部により導かれたレーザを、ポリゴンミラーを回転させながら前記反射面で反射するポリゴンミラー反射工程と、
    前記ポリゴンミラーの前記反射面で反射されたレーザを第2導光部で更に反射してレーザがワークに照射されるようにレーザを導く第2導光工程と、
    を含み、
    前記第1導光工程は、第1集光部を用いてレーザの第1方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光する処理を含み、
    前記第2導光工程は、第2集光部を用いてレーザの前記第1方向に直交する第2方向のビーム径が小さくなるように当該レーザを集光する処理を含むことを特徴とするレーザ走査方法。
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