JP2023008921A - ビームによる試料損傷を低減した走査型透過荷電粒子顕微鏡を使用して試料を調査する方法およびシステム - Google Patents

ビームによる試料損傷を低減した走査型透過荷電粒子顕微鏡を使用して試料を調査する方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】走査型透過荷電粒子顕微鏡において試料を検査するための方法に関する。【解決手段】本方法は、照明器および走査ユニットを有する走査型透過荷電粒子顕微鏡を提供するステップを含む。本方法は、当該複数の試料位置の少なくとも第1の試料位置に対して所望の線量を提供するステップと、当該顕微鏡のコントローラを使用して、当該第1の試料位置において当該所望の線量を実質的に達成するための当該照明器および当該走査ユニットのパラメータ設定の第1のセットを決定するステップと、を含む。【選択図】図4

Description

本開示は、走査型透過荷電粒子顕微鏡において試料を検査するための方法に関するものである。本開示はまた、本方法を実行することができる走査型透過荷電粒子顕微鏡に関するものである。
荷電粒子顕微鏡法は、周知であり、特に電子顕微鏡法の形態で微視的対象物を画像化するために、ますます重要になっている技術である。これまで、基本的な種類の電子顕微鏡は、透過電子顕微鏡(TEM)、走査電子顕微鏡(SEM)、および走査透過電子顕微鏡(STEM)のような、いくつかの周知の装置類に進化してきており、さらには、例えばイオンビームミリングまたはイオンビーム誘導蒸着(IBID)のような支援作用を可能にする「機械加工」集束イオンビーム(FIB)をさらに採用した、いわゆる「デュアルビーム」装置(例えば、FIB-SEM)のような様々な補助装置類に進化してきている。
STEMでは、走査電子ビームによる試料の照射は、一次電子と試料との間の相互作用をもたらす。相互作用により、弾性散乱電子が試料から出てくる可能性があり、これを検出して顕微鏡画像を形成できる。さらに、試料の照射は、二次電子、後方散乱電子、X線およびカソード発光(赤外線、可視、および/または紫外線光子)の形態で、試料からの「補助」放射線の放射を促進する。この放射放射線の1つ以上の成分が、顕微鏡画像の作成のために検出および使用され得る。
材料科学者は、比較的厚い試料でサブ1Åの解像度に到達するために、大きな加速電圧(例えば、200kVまたは300kV)で電子顕微鏡を使用してきた。これらの高エネルギー電子では、高解像度で、かつ損傷することなく調査できる材料の範囲が制限される。サブオングストローム低電圧電子顕微鏡法(60kVまたはより低い加速電圧)は、加速電圧を低減することで、ノックオン損傷によるビーム誘導損傷を最小限に抑え、サブ1Åの解像度で調査できる材料の範囲を拡大することができる。例としては、グラフェンおよびMoS2などの2D材料、またはMOF(金属有機フレームワーク)が挙げられる。しかし、このような低加速電圧では、例えば、イオン化損傷およびビーム誘起エッチング、他の損傷メカニズムが増加する可能性がある。そのため、検体ごとに撮影条件を最適化する必要があるが、これらの撮影条件の制御は容易ではなく、再現性がない場合が多いため、ユーザが専門家である必要がある。例えば、加速電圧を変更すると、ノックオン損傷は減少されるが、潜在的に数時間のドリフトを与え、多くの再チューニングが必要になる。
上記を考慮して、本発明は、例えばHRSTEMなどの走査型荷電粒子顕微鏡法で調査する際に、ビーム感度の高い試料上のビーム誘導損傷を最小化する方法およびシステムを提供することを目的とする。特に、専門家でないユーザがビーム感度の高い試料でこれらの結果をうまく達成することができる方法およびシステムを提供することが目的である。
このため、本開示は、走査型透過荷電粒子顕微鏡で試料を検査する方法を提供し、当該方法は、請求項1によって定義される。本明細書に記載されるように、本方法は、走査型透過荷電粒子顕微鏡を提供するステップを含み、当該走査型透過荷電粒子顕微鏡は、荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子ビーム源と、試料を保持するための試料ホルダと、荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを当該試料上に導くための照明器と、当該試料上の複数の試料位置に当該ビームを走査する走査ユニットと、走査型透過荷電粒子顕微鏡の動作を制御する制御ユニットとを備える。
本明細書で定義されるように、本方法は、当該複数の試料位置のうちの少なくとも第1の試料位置に対して所望の線量パラメータを提供するステップを含む。所望の線量パラメータは、例えば、ユーザによって、または当該コントローラによって提供され得る。所望の線量パラメータを提供することにより、直接境界条件がシステムに適用され、システムをより簡単に制御できるようになる。所望の線量パラメータは、線量、線量率、および総線量のうちの1つ以上を含み得る。以下、所望の線量パラメータと所望の線量という用語は同じ意味で使用される。したがって、一般的な用語「所望の線量パラメータ」または「所望の線量」が使用される箇所では、明示的に別段の記載がない限り、これは所望の線量、所望の線量率および/または所望の総線量を指し得ることが理解されるであろう。
本明細書に定義される方法は、当該コントローラを使用して、当該第1の試料位置で当該所望の線量パラメータを実質的に達成するための、当該照明器および当該走査ユニットのパラメータ設定の第1のセットを決定するステップをさらに含む。コントローラは、所望の線量をコントローラへの入力パラメータとしつつ、パラメータ設定の第1のセットを出力として決定するように構成されている。ここで、所望の線量は、例えば、試料でのビーム電流、線量率、または総線量であり得ることに留意されたい。
本明細書で定義される方法は、例えば、STEMなどの走査透過型電子顕微鏡法のための線量制御されたワークフローを提供する。特に、本方法により、STEMおよび材料科学用途向けの低線量ワークフローが可能になる。現在の顕微鏡において、例えばHRSTEM実験において使用されるビーム電流、つまり線量率および線量は、あまり周知ではなく、またはあまり高い信頼性をもって決定できないことが指摘されている。顕微鏡上の限られた時間で統計的に意味のあるデータを得るために、その業界の顧客は同じツールであっても、異なるツールであっても結果を再現する必要がある。つまり、同じ顕微鏡上および複数の顕微鏡間で使用するためには、最初に成功する設定を特定する必要があることを意味する。残念ながら、光学設定(例えば、ガンのレンズ設定、スポット数、抽出電圧、開口部)では、STEMで線量または線量率を再現することは不可能である。
本明細書で定義する本発明は、異なるアプローチによる新しいハンドリングを可能にするソリューションを提供し、例えば材料科学者が結果を定量的にモデル化してシミュレーションできるようにするなど、光学の専門家でなくても実験を再現性よく実行して実験の生産性を上げることができるようになる。
本明細書で定義される方法は、所望の線量を提供し、走査型透過荷電粒子顕微鏡の設定、特に少なくとも照明器および走査ユニットの設定を決定するためのコントローラを使用して、試料にその所望の線量を効果的に作用させることによってこれを行う。
原則として、コントローラは、以下の3つの基本方式のうちの1つ以上に基づいて、走査型透過荷電粒子顕微鏡の設定を決定してもよい。
1)数値モデルを使用して、入力パラメータとして所望の線量に基づいて顕微鏡の設定を計算する。
2)ビーム電流のアクティブ測定を使用し、入力パラメータとして所望の線量に基づいて顕微鏡の設定を修正する。
3)顕微鏡の較正データを使用して、入力パラメータとして所望の線量に基づいて顕微鏡の設定を決定する。
以下、これらの3つの基本方式および有利な実施形態は、以下でさらに詳細に解明される。
第1の基本方式によれば、数値モデルが使用される。
一実施形態では、コントローラは、走査型透過荷電粒子顕微鏡およびその構成要素の数値モデルを使用することによって、パラメータ設定の第1のセットを決定することができる場合がある。走査型透過荷電粒子顕微鏡の数値モデルは、顕微鏡をモデル化する他の方法も考えられるが、少なくとも部分的に、厚いレンズモデルに基づくことができる。
数値モデルを使用すると、ユーザは試料を事前に露光したり、デバイスで電流を測定したりすることなく、線量/線量率を変更できる。本方法と関連する顕微鏡により、照明器のパラメータ設定で線量/線量率を予測することができる。最終的な実験が実行される前に試料を損傷する電子を使用しないので、これは威力がある。
本実施形態で定義される数値モデルは、1つ以上の境界条件を使用してもよい。これらの境界条件は、ビーム電流、線量率および/または総線量のうちの少なくとも1つ以上によって調節されてもよい。一実施形態では、境界条件は、顕微鏡のユーザによって設定され得る。境界条件は、追加的または代替的に、自動的に設定されてもよい。
したがって、数値モデルは、例えば、試料でのビーム電流、線量、または線量率を制御するための、任意のコンデンサレンズなどの照明器またはその部品の設定を決定することができる。当業者は、荷電粒子デバイスの数値モデルの開発に精通しているであろう。
数値モデルは、パラメータのセットの一部として収差と焦点とを含み得る。したがって、数値モデルは、焦点、非点収差および/またはコマ(coma)を含んでもよく、線量および/または線量率を変更する際にこれらのパラメータを一定に保つことができる。
第2の基本方式に従って、ビーム電流のアクティブな測定が実行される。
走査型透過荷電粒子顕微鏡は、ビーム電流測定デバイスを備え得る。このビーム電流測定デバイスは、例えば、試料が受け取るビーム電流を測定するために、試料の近くに配置することができる。所望のビーム電流、線量率、または総線量に基づいて、コントローラは、顕微鏡のパラメータ設定の第1のセットを決定することができ、ここで、測定されたビーム電流が使用される。所望のビーム電流が測定されたビーム電流と等しい場合、それ以上のアクションを実行する必要はない。その他の事象では、顕微鏡の設定を微調整して、所望のビーム電流に近づけることができる。
一実施形態では、ビーム電流測定デバイスは、照明器の上流のビーム電流を測定するように構成されている。測定された照明器の上流のビーム電流は、例えば、抽出器の開口部の位置でのビーム電流である可能性があり、数値モデルの入力パラメータとして使用できる。このようにして、第1の基本方式(数値モデル)と第2の基本方式(ビーム電流の測定)との組み合わせが作成される。
第3の基本方式によれば、例えば、コントローラの一部であり得る較正データ記憶ユニットに記憶される事前に記録された較正データが使用される。
この実施形態では、事前に記録された較正データが使用される場合、所望の線量は、事前に記録された較正データおよび対応する結果として生じた線量と比較され得る。所望の線量に基づいて、コントローラは、その所望の線量をもたらすパラメータの第1のセットを選択することができる。顕微鏡の加速電圧のような他の境界条件も同様に提供され得る。加速電圧のこれらの違いは、同様に、事前に記録された較正データの一部であってもよいことに留意されたい。
以上、全部で3つの基本方式を説明した。数値モデル内でアクティブな測定値を使用する組み合わせの手段があると既に説明されているように、異なる基本方式を組み合わせて使用することも可能であることに留意されたい。また、いずれか1つの基本方式の組み合わせも考えられる。いずれにしても、以下にさらなる実施形態を説明するが、原則として、全てのさらなる実施形態は、説明した基本方式のいずれか1つ以上を利用することが可能である。
一実施形態では、本方法は、パラメータ設定の当該第1のセットを使用して、当該第1の位置で当該試料を照光するステップを含む。本方法は、パラメータの第1のセットに基づいた結果として生じる線量を評価するステップを含み得る。例えば、結果として生じる線量を(直接的または間接的に)測定することができる。パラメータの第1のセットの修正は、必要に応じて、所望の線量を達成するために行うことができる。
一実施形態では、本方法は、第2の所望の線量を提供するステップと、当該コントローラを使用して、当該第2の所望の線量を実質的に達成するための当該照明器および当該走査ユニットに対するパラメータ設定の第2のセットを決定するステップとを含む。第2の所望の線量は、第1の所望の線量とは異なり得る。第2の所望の線量は、試料上の同じ場所、または試料上の異なる場所を対象とすることができる。したがって、当該試料は、パラメータ設定の当該第2のセットを使用して当該第1の位置で照光され得、および/または当該試料は、当該複数の試料位置の第2の位置で照光され得る。第2の所望の線量は、第1の所望の線量と比較して高くても低くてもよい。
一実施形態では、パラメータ設定の第1のセットは、当該第2の位置で当該試料を照光するために使用される。
一実施形態では、コントローラは、当該対応する位置の累積線量効果を追跡するように構成されている。これは、原則として、第1および/または第2の場所など、照光される試料上の任意の場所であり得る。累積線量は、すでに訪問済みの領域について決定することができる。ある領域が複数回露光される場合、本実施形態では、総累積線量を追跡および表示することを可能にする。一例として、試料の画像(またはマップ)を作成してユーザに表示することができる。画像またはマップには、累積線量統計が含まれ得る。別の領域に移動するとき、この前のエリアをグラフィカルにマークし、累積線量を表示することができる。試料全体を検索する場合、ユーザには、すでに訪問済みとしてマークされている(特定の線量で露光した)領域のパッチワークが提供され得る。また、撮影した画像のメタデータに総線量を記憶することで、最後の画像の線量および線量率だけでなく、累積線量も文書化しておくことができるようにしてもよい。これにより、最後の露光線量だけでなく、総線量を文書化して把握することにより、実験の再現性をより高めることができる。
一実施形態では、走査型透過荷電粒子顕微鏡は、顕微鏡の少なくとも一部の温度を制御するために構成された温度制御システムを備える。温度制御システムは、特に、加速電圧を変更したときに顕微鏡の温度を制御するために構成されてもよい。一実施形態では、温度制御システムは、照明器の一部であり得る。温度制御システムにより、熱膨張による収差が最小限に抑えられ、さらには防止されることを保証する。これにより、加速電圧を変更するときに必要なドリフトと再調整を最小限に抑えられ、さらには防止することができる。
一実施形態では、温度制御システムは、例えば出願人名義のEP1498929B1に記載されている、いわゆる完全定電力レンズを備える。完全定電力レンズの実装により、加速電圧を変更する際に顕微鏡の総電力は固定されて維持できるので、その結果、温度が制御される。利点は、ノックオン損傷に感度の高い検体を調査する場合、最適な加速電圧を実験中に見出すことができるという利点がある。言い換えれば、最高の解像度と最小化されたノックオン損傷との間の妥協点を「オンザフライ」で見つけることができるのである。
一実施形態では、本方法は、照明器内の全てのレンズの度数を第1の度数設定に固定して維持するステップを含む。加速電圧の切り替え時に全てのレンズの度数を固定することで、ステージドリフト、ビームドリフト、焦点および非点収差ドリフトを最小化し、切り替え後ほぼすぐに作業を継続できることが分かった。
付加的または代替的に、温度制御システムは熱交換器を備え得る。熱交換器は、顕微鏡がより多くの電力を消費するときに熱放散を増加させるように構成されてもよく、その逆も同様である。
一実施形態において、走査型透過荷電粒子顕微鏡は、ユーザインターフェースを備え、ユーザインターフェースは、所望の線量を設定するために構成される。先に示したように、所望の線量は、ビーム電流、線量率および/または総線量のうちの1つ以上であり得る。ユーザインターフェースは、グラフィカルユーザインターフェースであり得る。ユーザインターフェースは、ユーザが当該第1および/または第2のセットのパラメータ設定の入力設定を提供することを可能にし、これらの入力設定は、一実施形態において、線量率、線量、および総線量のうちの少なくとも1つを含む、線量関連の設定を含む。
一実施形態では、本方法は、走査型透過荷電粒子顕微鏡の加速電圧を変更するステップを含む。加速電圧の変更は、例えば、ユーザによって行われるか、またはパラメータ設定のセットの一部であり得る。したがって、パラメータ設定の第1のセットは、当該ビーム源または顕微鏡の任意の他の部分の設定を付加的に含み得る。本方法は、提供された加速電圧の変更の結果として、当該コントローラを使用して、結果として生じる線量および/または線量率を決定するステップを含み得る。この実施形態は、特に、温度制御システムとの組み合わせにおいて、加速電圧の急速な変更(高張力)を可能にするので、ノックオン損傷の影響を迅速かつ最小の線量で最小化するので威力がある。
一実施形態では、本方法は、さらなる走査型透過荷電粒子顕微鏡を提供するステップを含む。当該さらなる走査型透過荷電粒子顕微鏡は、荷電粒子ビームを放出するためのそれぞれの荷電粒子ビーム源と、試料を保持するためのそれぞれの試料ホルダと、荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを当該試料上に導くためのそれぞれの照明器と、当該試料上の複数の試料位置上に当該ビームを走査するためのそれぞれの走査ユニットと、さらなる走査型透過荷電粒子顕微鏡の動作を制御するそれぞれの制御ユニットと、を備える。この実施形態では、本方法は、当該さらなる走査型透過荷電粒子顕微鏡の当該それぞれのコントローラを使用して、試料位置における当該所望の線量を実質的に達成するための当該さらなる走査型透過荷電粒子顕微鏡のパラメータ設定のそれぞれの第1のセットを決定するステップを含む。この実施形態は、実験のツール内再現性を可能にする。本明細書で定義される方法が少なくとも2つの顕微鏡で実行される場合、単一のツールで実験を再現して線量および線量率を予測することができるだけでなく、2つ目のツールでも同じ線量/線量率実験を再現することができる。これにより、世界中の異なる場所でのデータ生成の再現性を高めることができる。
一態様によれば、請求項13に定義されるように、走査型透過荷電粒子顕微鏡が提供される。本顕微鏡は、荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子ビーム源と、試料を保持するための試料ホルダと、荷電粒子ビーム源から放出された荷電粒子ビームを試料に導くための照明器と、走査型透過荷電粒子顕微鏡の動作を制御するための制御ユニットと、を備える。本明細書で定義される走査型透過荷電粒子顕微鏡は、
-当該複数の試料位置のうちの少なくとも第1の試料位置に所望の線量を受信するように、かつ
-当該コントローラを使用して、第1の試料位置で当該所望の線量を実質的に達成するための当該照明器および当該走査ユニットのパラメータ設定の当該第1のセットを決定するように、構成されている。
そのような顕微鏡の利点は、本明細書で定義される方法に基づいてすでに解明されている。
さらなる実施形態およびその利点は、従属請求項の対象となる。
走査型透過荷電粒子顕微鏡は、ブランカーを含み得る。ブランカーは、照明器の一部として線量および/または線量率を設定するために使用され得る。
ここで、本明細書において開示される装置および方法が、例示的な実施形態および添付の概略図面に基づいてより詳細に説明される。
荷電粒子顕微鏡の縦断面図を示す。 本明細書で定義されている方法の概略図を示す。 本明細書で定義されている顕微鏡の概略図を示す。 本明細書で定義されている顕微鏡で使用することができる(グラフィカル)ユーザインターフェースの概略的な実施形態を示す。
図面において、適切な場合、対応する部分は、対応する参照符号を使用して示される。概して、図は縮尺通りではないことに留意するべきである。
図1は、透過型荷電粒子顕微鏡Mの実施形態の非常に概略的な図であり、透過型荷電粒子顕微鏡Mは、この場合、TEM/STEMである(しかしながら、本開示の文脈において、透過型荷電粒子顕微鏡は、例えば、イオンベース顕微鏡または陽子顕微鏡でも有効であり得る)。図1において、真空筐体E内では、(例えば、ショットキーエミッタのような)電子源4が、電子-光学照明器6内を通過する電子のビーム(B)を生成し、電子-光学照明器6は、電子ビームを試料Sの選択された部分へ方向付ける/集束させるように機能する(試料Sは、例えば、(局所的に)薄くされてもよい/平坦化されてもよい)。この照明器6は、電子光学軸線B’を有し、多種多様な静電/磁気レンズ、(走査)偏向器D、補正器(非点収差補正装置のような)などを広く含み、典型的に、照明器6は、集光レンズ系を含むこともできる(部品6の全体は、「集光レンズ系」と称される場合がある)。
試料Sは、試料ホルダH上に保持されている。ここに示すように、(筐体E内の)このホルダHの一部は、位置決め装置(ステージ)Aによって複数の自由度で位置決め/移動させることができるクレードルA’に取り付けられている。例えば、クレードルA’は、(とりわけ)X、Y、およびZ方向に変位してもよく(図示のデカルト座標系を参照)、Xに対して平行な長手方向軸を中心に回転させられてもよい。このような動きにより、試料Sの様々な部分が、軸B’に沿って移動する電子ビームによって照射/画像化/検査される(および/または[偏向器Dを使用して]ビーム走査の代わりに走査動作が実行され、および/または試料Sの選択された部分が、例えば、(図示されていない)集束イオンビームによって機械加工される)。
軸線B’に沿って移動する(収束)電子ビームBは、試料Sと相互作用して、(例えば)二次電子、後方散乱電子、X線、および光照射線(陰極線発光)を含む様々なタイプの「誘導」放射線を試料Sから放出させる。必要に応じて、これらの放射線タイプのうちの1つ以上は、検出器22を用いて検出することができ、検出器22は、例えば、複合型シンチレータ/光電子増倍管、またはEDX(エネルギー分散型X線分光)モジュールであってもよく、このような場合では、画像は、SEMにおけるのと基本的に同じ原理を使用して構成することができる。しかしながら、代替的に、または補足的に、試料Sを横断(通過)し、試料から出射(放出)され、軸線B’に沿って伝搬し続ける(ただし、実質的には、概して、ある程度の偏向/散乱を受ける)電子を調査することができる。このような透過電子束は、多種多様な静電レンズ/磁気レンズ、偏向器、補正器(非点収差補正装置のような)などを広く含む画像化システム(複合型対物レンズ/投影レンズ)24に入射する。
通常の(非走査)TEMモードでは、この画像化システム24は、透過電子束を蛍光スクリーン26に集束させることができ、蛍光スクリーン26は、必要に応じて、軸線B’の邪魔にならないように格納/回収することができる(矢印26’によって概略的に示される)。試料Sの(一部の)画像(または、ディフラクトグラム)は、画像化システム24によりスクリーン26上に形成され、この画像は、筐体Eの壁の好適な部分に位置するビューイングポート28を通じて見ることができる。
スクリーン26上の画像を見ることの代替として、画像化システム24から出射する電子束の収束の深さが普通、極めて大きい(例えば、約1メートル)という事実を代わりに利用することができる。その結果、以下のような様々なタイプの検知デバイス/分析装置をスクリーン26の下流で使用することができる:
-TEMカメラ30。カメラ30の位置では、電子束が静止画像(または、ディフラクトグラム)を形成することができ、静止画像をコントローラCによって処理し、例えば、フラットパネルディスプレイのような表示デバイス(図示せず)に表示することができる。必要ではない場合、カメラ30は、後退/回収(矢印30´で概略的に示すように)されて、カメラを軸線B´から外れるようにすることができる。
-STEMレコーダ32。レコーダ32からの出力は、試料S上のビームBの(X,Y)走査位置の関数として記録することができ、X,Yの関数としてのレコーダ32からの出力の「マップ」である画像を構成することができる。レコーダ32は、カメラ30に特徴的に存在する画素のマトリックスとは異なり、例えば、20mmの直径を有する単一画素を含むことができる。さらに、レコーダ32は概して、カメラ30(例えば、10画像/秒)よりもはるかに高い取得レート(例えば、10箇所/秒)を有する。ここでもやはり、必要でない場合、レコーダ32を(矢印32’で概略的に示すように)後退/退避させて、線B’から外すことができる(但し、そのような後退は、例えば、ドーナツ形の環状暗視野レコーダ32の場合には必要とされず、そのようなレコーダでは、レコーダが使用されないときには中心孔がビームを通過させる)。
カメラ30またはレコーダ32を使用して画像化を行うことの代替として、例えば、EELSモジュールとすることができる分光装置34を駆動することもできる。
部品30、32、および34の順序/位置は厳密ではなく、多くの可能な変形が考えられることに留意されたい。例えば、分光装置34は、画像化システム24と一体化することもできる。
コントローラ(複合型コントローラおよびプロセッサとすることができる)Cは、図示の様々な構成要素に制御線(バス)C’を介して接続されることに留意されたい。コントローラを、ユーザインターフェース(UI)が設けられ得るコンピュータスクリーン51に接続することができる。このコントローラCは、動作を同期させること、設定値を提供すること、信号を処理すること、計算を実行すること、およびメッセージ/情報を表示デバイス(図示せず)に表示することなど、様々な機能を提供することができる。(概略的に図示される)コントローラCは、筐体Eの内部または外部に(部分的に)あるようにすることができ、単体構造または複合構造を必要に応じて有することができることが理解されよう。当業者であれば、筐体Eの内部が厳密な真空に維持される必要がないことを理解するであろう。例えば、いわゆる「環境的TEM/STEM」において、所与のガスのバックグラウンド雰囲気が、筐体E内に故意に導入/維持される。当業者であれば、実際には、筐体Eの容積を限定することが有利である場合があることも理解するであろう。これにより、可能な場合、筐体Eの容積は、基本的に軸線B’に沿って延び、使用される電子ビームが通過する(例えば、直径が約1cmの)小さなチューブの形態をなすが、電子源4、試料ホルダH、スクリーン26、カメラ30、レコーダ32、分光装置34などの構造を収容するために広がっている。
本開示は、図1で例として説明されている荷電粒子顕微鏡Mを、試料Sを検査するために走査透過モードで使用する方法に関する。したがって、ここで定義される方法は、STEM上で実施され得る。代替的に、本方法は、SEMでも実施することができる。
図1を参照して説明されているSTEM Mは、荷電粒子ビームBを放出するための荷電粒子ビーム源4と、試料Sを保持するための試料ホルダHと、荷電粒子源4から放出された荷電粒子ビームBを当該試料S上に導くための照明器6と、当該試料S上の複数の試料位置に対して当該ビームBを走査する走査ユニットDと、走査型透過荷電粒子顕微鏡の動作を制御する制御ユニットCとを少なくとも備えている。ここに示すSTEMは、以下に説明する本明細書に定義される方法を実行するように構成されている。
ここで図2に注目すると、本明細書で定義される方法の概略ブロック図が示されている。本明細書で定義される方法は、走査型透過荷電粒子顕微鏡Mを提供するステップ101と、当該複数の試料位置の少なくとも第1の試料位置に対する所望の線量を提供するステップ102と、走査型透過荷電粒子顕微鏡のコントローラCを使用して、当該第1の試料位置で当該所望の線量を実質的に達成するための当該照明器6および当該走査ユニットDに対するパラメータ設定の第1のセットを決定するステップ103と、を含む。
所望の線量が提供され、その所望の線量を実現するための設定を行うコントローラを使用した線量制御の試料検査を提供することにより、より再現性の高い検査が可能となる。これは、同じ顕微鏡Mで実行された実験だけでなく、異なる顕微鏡間での実験にも当てはまる。
ステップ102の所望の線量は、ユーザによって直接提供され得る。例えば、ユーザが所望の線量を直接入力することができるユーザインターフェースを用いることが考えられる。また、ユーザが調査する試料の種類を示し、コントローラCが、当該ユーザによって与えられた試料情報に基づいて所望の線量を決定するために使用されることが考えられる。所望の線量を提供する他の直接的または間接的な方法も同様に考えられる。
図3は、本明細書で定義される顕微鏡Mの概略構成を示す。ここで、顕微鏡Mは、コンピュータ画面51上に提供されるユーザインターフェースを有するワークステーションWを含むシステム200を定義し、ワークステーションWは、そこに埋め込まれたコントローラCの少なくとも一部を構成する。コントローラの他の部分(図示せず)は、顕微鏡M自体の一部であるか、またはその外部に配置することができる。図1に示すように、コントローラCは、コントローラ線C’によって顕微鏡の様々な部分に接続されている。ここでは、分かりやすくするために、顕微鏡Mを、光源4、照明器6、試料ホルダH上の試料S、およびSTEMレコーダ32と共に概略的に示している。検出器32は、原則として、走査型透過荷電粒子顕微鏡法で使用されるのに適した任意の所望の検出器とすることができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、検出器32は、非透過用途での荷電粒子顕微鏡法に適した任意の所望の検出器であり得る。
図3に示されるシステム200では、ユーザUは、例えば、コンピュータ画面51に提供されるグラフィカルユーザインターフェースを使用して、ワークステーションW上で所望の線量を入力することができる。コントローラCは、提供された所望の線量を使用し、当該第1の試料Sの位置で当該所望の線量を実質的に達成するために、当該照明器6および当該走査ユニットDのパラメータ設定の第1のセットを決定することとなる。
先に示したように、走査型透過荷電粒子顕微鏡の設定を決定するために、コントローラが単独で、または任意の組み合わせで使用できる主な基本方式が3つある。
1)数値モデルを使用して、入力パラメータとして所望の線量に基づいて顕微鏡の設定を計算する。
2)ビーム電流のアクティブ測定を使用し、入力パラメータとして所望の線量に基づいて顕微鏡の設定を修正する。
3)顕微鏡の較正データを使用して、入力パラメータとして所望の線量に基づいて顕微鏡の設定を決定する。
簡潔にするため、これらの基本方式をここでは繰り返さない。
図3および上記の基本方式を参照して、数値モデルは、例えばソフトウェアモジュールの形態でコントローラCの一部とすることができ、またはそれに接続することができることが追加されるであろう。例えば、数値モデルは、ワークステーションWの一部である別個のプロセッサの一部であり得る。他の実施形態も同様に考えられる。
さらに、顕微鏡Mは、少なくとも1つのビーム電流測定デバイス211、212を備え得る。ビーム電流測定デバイス211は、光源4の下流、および照明器6の上流に構成することができ、光源4の抽出開口部でビーム電流を測定するように構成され得る。ビーム電流測定デバイス212は、照明器6の下流に配置することができ、試料Sの位置でビーム電流を測定するように構成することができる。これらのビーム電流測定デバイス211、212は、ビーム電流のアクティブな測定に使用することができ、これらの測定値および所望の線量設定に基づいて顕微鏡Mの設定を修正するように、コントローラCによって使用可能である。
システム200は、顕微鏡Mの較正データをさらに含み得、その較正データは、ワークステーションWにソフトウェアデータとして、または顕微鏡M自体に記憶され得る。
次に図4に注目すると、所望の線量を提供するためのユーザインターフェース(UI)300の一部が示されている。所望の線量を得るために照明器および/または偏向器を制御するための上記の方法を用いて、線量は、このUIによって提供することができる。示されるUIは、最適化プローブボタン301、較正ボタン302、線量率表示303、線量表示304、総線量表示305、線量率を修正するためのプラスボタン331およびマイナスボタン330、線量を修正するためのプラスボタン341およびマイナスボタン340、および表示された総線量305をリセットするためのリセットボタン311を備える。
較正ボタン302は、上記のように、照明器6に現状提供されているビーム電流を較正するために使用することができる。線量率303は、例えば、光学モデル(すなわち、数値モデル)から計算することができ、UI300に表示されることとなる。試料Sがビーム誘導損傷を示す場合、ユーザUはマイナスボタン330を押して線量率を下げることができる。損傷がない場合、エンドユーザはプラスボタン331を押して線量率を上げ、信号対雑音比を改善することができる。これにより、顧客は、STEMにおいて、手元の実験に最適な総線量と線量率の設定を見つけることができる。
一実施形態において、本方法は、取得パラメータを提供するステップを含み、この取得パラメータは、例えば、画素滞留時間、画素サイズ、および走査視野を含む。これらの取得パラメータを用いると、1つの取得画像に対するÅ平方当たりの線量を計算することが可能である。エンドユーザは、プラスボタン341またはマイナスボタン340を押すことによって、線量304を調整することができる。この場合、照明器の設定だけでなく、画素の滞留時間の最適化も考慮することができる。
表示される総線量305は、同一領域における全取得された線量を加算した蓄積線量である。ここで、試料Sが累積的な損傷を示す前に、特定の線量と線量率で何枚の画像を撮影できるかをユーザに通知することができる。リセットボタン311は、総線量305をゼロに戻すために使用することができる。
一実施形態では、実験で使用されたパラメータが実験データセットのメタデータに記憶され、この文書化によって古い結果を再現することができる。さらに、走査された全ての領域もメタデータに記憶されるべきであり、これにより、同じ領域の多重露光が、文書化され、かつオペレータによって回避され得る。
一実施形態では、UIの較正は、STEM検出器を介して処理することができる。NGSTEMで使用されているようなBF検出器は、ビーム電流測定に最適である。利点は、顕微鏡をHRSTEM設定に維持できることである。回折の外に出て、カメラの視野の外にあるファラデーカップに小型プローブをセットする必要がないので、収差に影響を与える可能性のあるビームをシフトさせる必要がない。ワークフローでは、ステージを検体上の穴のある領域に移動させ、ビーム電流を正確に決定することができる。これは、図4に示すように、線量率較正の入力として使用できる。
関心領域の累積線量を最小限に抑えるために、ビームシフト偏向器Dを使用して、ビームをこの領域から遠ざけることができる。原則として、プローブ補正顕微鏡のビームシフトは、対物レンズのコマのない平面「ピボットポイント」を使用して実行される。このようにして、走査コマ収差を最小限に抑えることができる。ただし、大きなビームシフトはまた、寄生的な非点収差を引き起こす。我々の提案する低線量HRSTEMワークフローでは、ビームシフトに依存するスティグメータ補正を追加して、ビームシフトを作成するときに非点収差が完全に補正されたままになるようにする。原則として、コマに対して同様のビームシフト依存補正を行うことができる。これは、図4のUIに「プローブの最適化(Optimize Probe)」ボタン301を追加して、ビームシフトと光学性能の最適化と(例えば、OptiSTEMなどのアルゴリズムを実行して、プローブの非点収差とコマとに焦点を合わせて補正する)を行い、全ての最適化ステップを別の領域で行うため、極端にビーム感度の高い材料に対しては対象領域で1回の走査のみでよい。
一例では、本明細書で定義される方法および顕微鏡は、以下の方法で使用することができる。
1)検体領域Aでの光学性能(非点収差およびコマ収差の補正など)を最適化する。
2)ビームシフト(またはステージ)を使用して検体領域Bに移動し、光学性能を維持する。
3)較正された再現可能な線量(つまり、線量率)制御を介して、検体領域Bの線量(つまり、線量率)を最適化する。
4)必要に応じて、ハイテンションをその場で変更し、前のステップを繰り返す。
5)検体領域Cに移動して、最適化された線量(つまり、線量率)で最終的なHRSTEM取得を行う。
6)総累積線量を把握する。
7)総累積線量が特定の境界を超える場合は、検体領域Dに移動するか、例えば、N×N個のビームシフトのパターンなどでHRSTEMの取得を行う。
8)全ての設定を画像セットのメタデータに記憶して、後で全く同じ線量率または線量設定で実験を繰り返すことができるようにする。
他の例では、本明細書に定義される方法および顕微鏡は、画像を取得する際に使用されてもよく、線量および/または線量率は、数値モデル(光学モデル)によって決定され、実験中に(すなわち「ライブ」で)ユーザに指示される。その際に、以下の選択肢のうちの1つ以上が適用され得る。
a)損傷が発生している場合、線量および/または線量率が同じになるように加速電圧(HT)が変更され得、数値モデルが使用される。損傷が消失したかどうかを確認するために、さらに画像を取得することができる。その場合、ノックオン損傷が修繕される。
b)損傷が発生している場合は、線量および/または線量率を変更し、損傷が消失したかどうかを確認するためにさらに画像を取得することができる。その場合、放射線分解/温度効果は固定される。
c)損傷が発生していない場合は、光学性能を向上させるために、線量および/または線量率を同じに保ちながら、加速電圧(HT)を上げることができる。試料が依然として安定しているかどうかを確認するために、さらに画像を再度取得することができる。
d)損傷が発生しない場合は、画像のS/Nを改善するために、線量および/または線量率を上げることができる。試料が依然として安定しているかどうかを確認するために、さらに画像を再度取得することができる。
e)ステージa,bを使って配向された試料の回析に進み、配向中の総線量を測定し、どの程度の線量と、どの線量率とで良好な取得条件になったかを示す。S/TEMモードに切り替えて、データを記録する。その後、ワークフローの総線量、最終結果の総線量、および他の領域または他の試料での実験の文書化と再現性のための線量率を記憶する。
f)ステージを動かして関心対象の特徴を探索し、カメラまたはSTEM画像を読み取って、連続的に特徴を見出す。露光された領域(および画像)とその領域で使用された線量/線量率を照光するマップで照らされた領域をマークする。これにより、試料がすでに露光された場所の概要がわかり、以前に燃焼した同じ領域に二度訪れることを回避する。
g)より細かい特徴を検査するために倍率を変更し、線量と線量率とを一定に保つために照明器を自動的に適合させる。
h)STEMでサンプリングを変更し(解像度の変更、例えば512x512から1024x1024)、照明器を自動的に適応させることにより、線量と線量率とを同じにすることができる。
i)プローブのサイズを変更して解像度を上げ、照明器の数値モデルを使用して線量と線量率とを同じに保つ。
j)上記a~iの各ワークフローにおいて、試料を露光した後、ビームをブランクして、総線量を最小にし、走査が停止して、ビームが1つの領域にとどまる場合に試料に穴をあけないようにする。
本発明は、原則として、非透過型荷電粒子顕微鏡においても実施可能であることに留意されたい。その場合、本明細書で定義されるような、走査型透過荷電粒子顕微鏡を提供するステップは、特に非透過型の走査型荷電粒子顕微鏡を提供するステップに置き換えられることとなる。透過型荷電粒子顕微鏡を非透過型荷電粒子顕微鏡に置き換えるというこの修正は、本明細書に開示される全ての実施形態に適用され得る。
さらに、本発明は、原則として、TEMなどの非走査型透過荷電粒子顕微鏡においても実施され得ることに留意されたい。この場合、数値モデル(光学モデル)を同様に使用することができる。TEMにおいても、STEMモードと同様に、照明器のモデルを使用して、線量および線量率を設定することができる。TEMでは、走査ユニットが使用されないため、本明細書で定義される第1セットのパラメータには、照明器に対する設定のみを含む。TEMでは、カメラの露光時間を使用して線量率を制御することが可能になり、付加的に、焦点がぼけたビームの総照光領域を予測することができる。TEMにおいて数値モデルを使用して線量/線量率を予測することは、特にライフサイエンス用途などにおいて非常に有用である可能性がある。

Claims (14)

  1. 走査型透過荷電粒子顕微鏡で試料を検査するための方法であって、
    -走査型透過荷電粒子顕微鏡を提供するステップであって、前記走査型透過荷電粒子顕微鏡は、
    -荷電粒子ビーム(B)を放出するための荷電粒子ビーム源(4)と、
    -試料(S)を保持するための試料ホルダ(H)と、
    -前記荷電粒子ビーム源(4)から放出された前記荷電粒子ビーム(B)を前記試料(S)上に導くための照明器(6)と、
    -前記ビーム(B)を前記試料(S)上の複数の試料位置に走査するための走査ユニットと、
    -前記走査型透過荷電粒子顕微鏡の動作を制御するための制御ユニット(C)と、を備える、走査型透過荷電粒子顕微鏡を提供するステップ、を含み、
    -前記複数の試料位置のうちの少なくとも第1の試料位置に所望の線量パラメータを提供することと、
    -前記コントローラを使用して、前記第1の試料位置で前記所望の線量パラメータを実質的に達成するための、前記照明器および前記走査ユニットのパラメータ設定の第1のセットを決定することと、を特徴とする、方法。
  2. パラメータ設定の前記第1のセットを使用して、前記第1の位置で前記試料を照光するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 第2の所望の線量パラメータを提供するステップと、前記コントローラを使用して、前記第2の所望の線量パラメータを実質的に達成するための前記照明器および前記走査ユニットのパラメータ設定の第2のセットを決定するステップとを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記試料が、パラメータ設定の前記第2のセットを使用して前記第1の位置で照光される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記試料が、前記複数の試料位置の第2の位置で照光される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記試料が、パラメータ設定の前記第1のセットを使用して前記第2の位置で照光される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記試料が、パラメータ設定の前記第2のセットを使用して前記第2の位置で照光される、請求項3に記載の方法。
  8. 前記対応する位置についての累積線量効果を追跡するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記荷電粒子顕微鏡が、グラフィカルユーザインターフェースなどのユーザインターフェースを備え、前記ユーザインターフェースが、パラメータ設定の前記第1および/またはパラメータ設定の第2のセットに対する入力設定を提供することを可能にする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記入力設定が、線量率、線量、および総線量のうちの少なくとも1つを含む線量パラメータを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記走査型透過荷電粒子顕微鏡(M)の加速電圧を変更するステップと、前記コントローラを使用して、結果として生じる線量および/または線量率を決定するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
  12. さらなる走査型透過荷電粒子顕微鏡を提供するステップと、前記さらなる走査型透過荷電粒子顕微鏡のそれぞれのコントローラを使用して、前記所望の線量パラメータを実質的に達成するための前記さらなる走査型透過荷電粒子顕微鏡のパラメータ設定のそれぞれの第1のセットを決定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 走査型透過荷電粒子顕微鏡(M)であって、
    -荷電粒子ビーム(B)を放出するための荷電粒子ビーム源(4)と、
    -試料(S)を保持するための試料ホルダ(H)と、
    -前記荷電粒子ビーム源(4)から放出された前記荷電粒子ビーム(B)を前記試料(S)上に導くための照明器(6)と、
    -前記走査型透過荷電粒子顕微鏡の動作を制御するための制御ユニット(C)と、を備える、走査型透過荷電粒子顕微鏡(M)において、
    前記走査型透過荷電粒子顕微鏡(M)が、
    -前記複数の試料位置のうちの少なくとも第1の試料位置に所望の線量パラメータを受信するように、かつ
    -前記コントローラを使用して、前記第1の試料位置で前記所望の線量パラメータを実質的に達成するための、前記照明器および前記走査ユニットのパラメータ設定の第1のセットを決定するように、構成されていることを特徴とする、走査透過型電子顕微鏡(M)。
  14. グラフィカルユーザインターフェースなどのユーザインターフェースを備え、前記ユーザインターフェースが、ユーザが前記所望の線量パラメータの入力設定を提供することを可能にし、前記所望の線量パラメータが、線量率、線量、および総線量からなるリストからの1つ以上を備える、請求項13に記載の走査型透過荷電粒子顕微鏡。
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