JP2023006554A - シートモールディングコンパウンドの製造方法、ピンローラー装置、繊維マット堆積装置、およびシートモールディングコンパウンド製造装置 - Google Patents

シートモールディングコンパウンドの製造方法、ピンローラー装置、繊維マット堆積装置、およびシートモールディングコンパウンド製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ピンローラー装置を備えたCF-SMCの製造技術に関する有益な改良を提供すること。【解決手段】シートモールディングコンパウンドの製造方法は、(i)短尺炭素繊維束をピンローラー装置で分散させながら走行するキャリアフィルム上に落下させて、前記キャリアフィルム上に炭素繊維マットを堆積させること、(ii)前記炭素繊維マットを熱硬化性樹脂組成物で含浸させて樹脂含浸炭素繊維マットを得ること、(iii)磁気センサー式金属検出機によって前記樹脂含浸炭素繊維マット中の金属異物の有無を検査すること、を含み、前記ピンローラー装置は回転駆動されるピンロールを備え、前記ピンロールはシリンダーとその周面に配置された複数のピンとからなり、前記複数のピンは磁性を有する金属を材質とする。【選択図】図1

Description

本発明は、主として、シートモールディングコンパウンド(SMC)の製造方法、とりわけ、炭素繊維(CF)を用いたSMCであるCF-SMCの製造方法に関する。本発明は、また、CF-SMCの製造に好適に用い得るピンローラー装置、繊維マット堆積装置およびSMC製造装置に関する。
CF-SMCは炭素繊維プリプレグの一種であり、短尺炭素繊維束(short carbon fiber bundle)からなる炭素繊維マットを熱硬化性樹脂組成物で含浸させた構造を有する。
SMCの製造において、上方から落下する強化繊維束を分散させるための分散ロールとその回転軸に垂直な整流板を内部に有する繊維散布ブースを用いることが提案されている(特許文献1)。
CF-SMCの製造方法において、製造したCF-SMC中の金属異物の有無を磁気センサー式金属検出方法で検査する工程を設けることが提案されている(特許文献2)。
国際公開第2021/010084号 国際公開第2020/246447号
本発明の主たる目的は、ピンローラー装置を用いたCF-SMCの製造技術に関する有益な改良を提供することにある。
本明細書中には、本発明の各実施形態により解決され得る課題が明示的にまたは黙示的に開示されている場合がある。
本発明の好ましい実施形態には以下が含まれるが、限定するものではない。
[1](i)短尺炭素繊維束をピンローラー装置で分散させながら走行するキャリアフィルム上に落下させて、前記キャリアフィルム上に炭素繊維マットを堆積させること、(ii)前記炭素繊維マットを熱硬化性樹脂組成物で含浸させて樹脂含浸炭素繊維マットを得ること、(iii)磁気センサー式金属検出機によって前記樹脂含浸炭素繊維マット中の金属異物の有無を検査すること、を含み、前記ピンローラー装置は回転駆動されるピンロールを備え、前記ピンロールはシリンダーとその周面に配置された複数のピンとからなり、前記複数のピンは磁性を有する金属を材質とする、シートモールディングコンパウンドの製造方法。
[2]前記ピンローラー装置の上方に設置されたチョッパーによって連続炭素繊維束を切断して前記短尺炭素繊維束とすることを含む、[1]に記載の製造方法。
[3]前記ピンローラー装置は、前記ピンロールとして、横並びに配置された第一ピンロールと第二ピンロールを備える、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記第一ピンロールは前記第二ピンロールに面する側でピンが上から下に向かって動くように回転駆動され、前記第二ピンロールは前記第一ピンロールに面する側でピンが上から下に向かって動くように回転駆動される、[3]に記載の製造方法。
[5]前記第一ピンロールの最大半径と前記第二ピンロールの最大半径の和が前記第一ピンロールと前記第二ピンロールの回転軸間距離よりも大きい、[3]または[4]に記載の製造方法。
[6]前記第一ピンロールおよび前記第二ピンロールの各々において、シリンダーの半径が最大半径の半分以上である、[3]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記第一ピンロールのピン先端における周速と、前記第二ピンロールのピン先端における周速が等しい、[3]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]回転駆動されるピンロールを備え、前記ピンロールはシリンダーとその周面に配置された複数のピンとからなり、前記複数のピンは磁性を有する金属を材質とする、ピンローラー装置。
[9]前記ピンロールとして、横並びに配置された第一ピンロールと第二ピンロールを備える、[8]に記載のピンローラー装置。
[10]前記第一ピンロールの最大半径と前記第二ピンロールの最大半径の和が前記第一ピンロールと前記第二ピンロールの回転軸間距離よりも大きい、[9]に記載のピンローラー装置。
[11]前記第一ピンロールおよび前記第二ピンロールの各々において、シリンダーの半径が最大半径の半分以上である、[9]または[10]に記載のピンローラー装置。
[12][8]~[11]のいずれかに記載のピンローラー装置を備える、繊維マット堆積装置。
[13]前記ピンローラー装置の上方に配置されたチョッパーを有する、[12]に記載の繊維マット堆積装置。
[14][12]または[13]に記載の繊維マット堆積装置と、磁気センサー式金属検出機とを備える、シートモールディングコンパウンド製造装置。
[15]更に、2つの塗工機と、含浸機とを備える、[14]に記載のシートモールディングコンパウンド製造装置。
ピンローラー装置を用いたCF-SMCの製造技術に関する有益な改良が提供される。
図1は、SMC製造装置の模式図である。 図2は、繊維マット堆積装置の模式図である。 図3は、ピンローラー装置が備え得るピンロールの模式図である。 図4は、ピンロールが備え得るピンの形状例を示す模式図である。 図5は、ピンローラー装置が備え得る2つのピンロールの位置関係等を示す模式図である。
本発明の一実施形態は、次の(i)~(iii)を含むCF-SMCの製造方法に関する。
(i)短尺炭素繊維束をピンローラー装置で分散させながら走行するキャリアフィルム上に落下させて、前記キャリアフィルム上に炭素繊維マットを堆積させること。
(ii)前記炭素繊維マットを熱硬化性樹脂組成物で含浸させて樹脂含浸炭素繊維マットを得ること。
(iii)磁気センサー式金属検出機によって前記樹脂含浸炭素繊維マット中の金属異物の有無を検査すること。
実施形態に係る上記の製造方法を用いてCF-SMCを製造するときに好ましく用い得るSMC製造装置の概念図を図1に示す。
図1を参照すると、SMC製造装置100は、第一塗工機110、第二塗工機120、繊維マット堆積装置130、含浸機140および磁気センサー式金属検出機150を有する。
図2に示すように、繊維マット堆積装置130は、第一キャリアフィルム41の走行路の上方に配置されており、チョッパー160、シューター170およびピンローラー装置180を有する。走行しているときの第一キャリアフィルム41の幅方向は水平である。
チョッパー160は、従来のSMC製造装置でも使用されているタイプのものであり、カッターロール161、受けロール(ゴムロール)162およびガイドロール163を備えている。
カッターロール161、受けロール162およびガイドロール163の回転軸は、いずれもT方向に平行である。T方向とは、水平かつM方向に垂直な方向をいう。M方向とは、第一キャリアフィルム41の走行方向に平行な方向をいう。
シューター170はチョッパー160の下方に設置されており、シューター170の下にピンローラー装置180が配置されている。シューター170の設置は省略することができる。
ピンローラー装置180は、それぞれがT方向に平行な回転軸を有する一対のピンロール、すなわち、第一ピンロール181および第二ピンロール182を備えている。
第一ピンロール181と第二ピンロール182は、横並びに配置されている。
図2に示す例では、ピンローラー装置180がハウジング183を備え、その内部にピンロールが配置されている。ハウジング183は、2つのピンロールを取り囲む壁と、シューターとの接続部分が開口した屋根とを有している。
図3に示すように、第一ピンロール181は、シリンダー181aと、シリンダー181aの周面に配置された複数のピン181bとを有している。
シリンダー181aは剛体であり、好ましくは金属(合金を含む)で形成される。
シリンダー181aの直径は、限定するものではないが、例えば60mm~150mmであり得る。
ピン181bは剛体であり、その材質は磁性を有する金属(合金を含む)である。磁性を有する金属としては、限定するものではないが、例えば鉄鋼や、磁性を有するステンレス鋼が好ましい。
様々なステンレス鋼のうち、クロム・ニッケル系ステンレス鋼に属するオーステナイト系ステンレス鋼(代表的鋼種は日本産業規格のSUS304のような18Cr-8Niステンレス鋼)は磁性を有さない。
一方、クロム・ニッケル系ステンレス鋼に属するオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(代表的鋼種は日本産業規格のSUS329J1やSUS329J4L)や、クロム系ステンレス鋼に属するフェライト系ステンレス鋼(代表的鋼種は日本産業規格のSUS430のような18Crステンレス鋼)およびマルテンサイト系ステンレス鋼(代表的鋼種は日本産業規格のSUS410のような13Crステンレス鋼)や、析出硬化系ステンレス鋼(代表的鋼種は日本産業規格のSUS630やSUS631)は、磁性体である。
複数のピン181bの全てが同じ材質で形成されていることが好ましいが、限定するものではない。
ピン181bの片方の端部にネジが切られるとともに、シリンダー181aの周面にネジ穴が形成される。ピン181bの該端部が、該ネジ穴にねじ込まれることによって、シリンダー181aにピン181bが固定される。好ましくは、この固定が緩まないように接着剤が使用される。
ピン181bはシリンダー181aに対し強固に固定されるが、それでも使用中に脱落する可能性に備えて対策をするに越したことはない。
ピンの材質に磁性を有する金属を用いるのは、かかる対策のひとつである。磁性体材料からなるピンは、CF-SMCの製造中にシリンダーから脱落して繊維マットに混入したとしても、磁気センサー式金属検出器を用いて容易に見つけ出すことができる。
ピン181bは第一ピンロール181の回転軸に垂直に伸びており、限定するものではないが、例えば円柱形状を有する。ピン181bの端面と周面の境界は面取りされていてもよい。他の例において、図4(a)~図4(e)に示すように、ピン181bの形状は、板、多角柱、円錐、円錐台または角錐台であってもよいし、あるいは、図4(f)に示すように、分岐していてもよい。
ピン181bの直径は、限定するものではないが、例えば1mm~5mmであり得る。
ピン181bの長さ、つまり、ピンの先端から根元までの距離は、限定するものではないが、例えば10mm~100mmであり得る。
複数のピン181bは、全てが互いに同じ形状と寸法を有していることが好ましい。
シリンダー181aの周面上におけるピン181bの配置は、軸方向および周方向のそれぞれについて周期的であることが好ましい。
本明細書では、ピンロールの最大半径を、その回転軸からピン先端までの距離と定義する。第一ピンロール181において、シリンダー181aの半径は第一ピンロール181の最大半径の半分以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。ピンロールの最大半径に対するシリンダー半径の比率が高い程、ピンロールが回転しているときに、ピンの先端における周速とピンの根元における周速の差が小さいからである。
第一ピンロール181について以上に述べたことは、全て、第二ピンロール182にも該当する。
限定するものではないが、ピンローラー装置180の設計、製造および保守のコストを下げるためには、軸方向長、最大半径、シリンダー径、ピンの形状、寸法、本数および配置、並びに、シリンダーおよびピンの材質を含め、できる限り多くの項目で第一ピンロール181と第二ピンロール182の設計および仕様を一致させることが好ましい。
図5に例示するように、第一ピンロール181の最大半径rM1と第二ピンロール182の最大半径rM2の和と、回転軸間距離d12との差{(rM1+rM2)-d12}は、正の値であることが好ましいが、限定するものではない。{(rM1+rM2)-d12}はゼロであってもよいし、負の値であってもよく、負の値である場合には、-10mm以上であることが好ましい。
第一ピンロール181と第二ピンロール182は、いずれも駆動機構(図示せず)によって回転駆動される。第一ピンロール181と第二ピンロール182の両方を回転させることは、これら2つのピンロールの間に短尺炭素繊維束20が詰まらないようにするうえで有利である。
第一ピンロール181と第二ピンロール182の回転方向と回転速度は、独立に制御可能であり得る。
好適例では、図2中に示されるように、第一ピンロール181は第二ピンロール182に面する側でピン181bが上から下に向かって動くように回転させ、第二ピンロール182は第一ピンロール181に面する側でピン182bが上から下に向かって動くように回転させる。このように回転させると、2つのピンロールの間を通過する短尺炭素繊維束に強いせん断力が加わり難いからである。強いせん断力は、炭素繊維束が毛羽立つ原因や、炭素繊維束の真直性が低下する原因となる。
この目的をより効果的に達成するためには、第一ピンロール181と第二ピンロール182の間でピン先端における周速を等しくすることが好ましい。
ピンローラー装置において、2個のピンロールを横並びに配置することは必須ではない。ピンローラー装置に設けられるピンロールの数は2個に限定されるものではなく、1個であってよいし、3個以上であってもよい。
磁気センサー式金属検出機150は、着磁器と磁気センサーとを備える。この方式の金属検出器は、導電性であるが磁性を有さない炭素繊維の影響を受けないため、炭素繊維を多量に含有するCF-SMCの金属異物検査に適している。
ピンロールのピンの材質が磁性を有する金属であれば、ピンが脱落してCF-SMC中に混入した場合に、この方式の金属検出器により確実に検出することができる。
磁性を有さないステンレス鋼であるSUS304を材質とするピンであっても、製造後に受けた応力により組織の一部がオーステナイトからマルテンサイトに変化している場合には、磁気センサー式金属検出器で検出される可能性が無いとはいえないが、確実性に欠ける。
従って、SUS304のような磁性を有さない金属を材質として製造された後に、応力によって一部が磁性を示すようになったピンは、「磁性を有する金属を材質とするピン」には包含されない。
SMC製造装置100を用いてCF-SMCを製造するときの手順を説明すると次の通りである。
まず、予め準備された繊維パッケージから連続炭素繊維束10が引き出され、チョッパー160に供給される。
連続炭素繊維束10の束当たりのフィラメント数は、限定するものではないが、例えば3000~100000本である。連続炭素繊維束は、予め複数本のサブ束に部分的スプリットされていてもよい。
連続炭素繊維束10はチョッパー160により切断されて短尺炭素繊維束20となる。
短尺炭素繊維束20の繊維長は、例えば10~60mmの範囲内であり、典型的には0.5インチ(約1.3cm)、1インチ(約2.5cm)、2インチ(約5.1cm)などであり得るが、限定はされない。
短尺炭素繊維束20は、シューター170を通ってピンローラー装置180に導かれ、回転する第一ピンロール181と第二ピンロール182によって分散されたうえで第一キャリアフィルム41上に落下して堆積し、炭素繊維マット30を形成する。
ピンローラー装置において、2つのピンロールを、それぞれ他方のピンロールに面する側でピンが上から下に動くように回転させることの利点として、短尺炭素繊維束に重さ分布がある場合であっても、炭素繊維マットに表裏ができ難いことが挙げられる。
炭素繊維マットに表裏ができ難い理由は、重い短尺炭素繊維束も軽い短尺炭素繊維束も、2つのピンロールの間の隙間を通って第一キャリアフィルム上に落下するからである。言い換えれば、重い短尺炭素繊維束が落下する位置と、軽い短尺炭素繊維束が落下する位置とが、第一キャリアフィルムの搬送方向に沿ってずれる傾向が生じ難いからである。
変形例では、その場でチョッパー160を使用して連続炭素繊維束10を切断し短尺炭素繊維束20を作ることに代えて、別途工程で予め製造された短尺炭素繊維束を、シューター170を通してピンローラー装置180に供給することもできる。
炭素繊維マット30を堆積させる前に、ロールから引き出される第一キャリアフィルム41には、第一塗工機110を用いて第一樹脂ペースト51が塗布される。
第一樹脂ペースト51は熱硬化性樹脂組成物であり、そのベース樹脂は、限定するものではないが、例えばビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹脂ともいう)、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂またはフェノール樹脂である。ビニルエステル樹脂と不飽和ポリエステル樹脂の混合樹脂をベース樹脂としてもよい。第一樹脂ペースト51には、必要に応じて、硬化剤、重合禁止剤、増粘剤、反応性希釈剤、低収縮剤、難燃剤、抗菌剤などが配合される。
別途工程では、第二塗工機120を用いて、第一樹脂ペースト51と同じ組成の第二樹脂ペースト52が第二キャリアフィルム42に塗布される。
第二キャリアフィルム42は、第二樹脂ペースト層52Lが形成された面を下にして、炭素繊維マット30を上面に載せた第一キャリアフィルム41に重ね合わされ、それにより形成される積層体60が含浸機140で加圧されることにより、炭素繊維マット30が第一樹脂ペースト51および第二樹脂ペースト52で含浸され、樹脂含浸炭素繊維マットとなる。
樹脂含浸炭素繊維マットは、磁気センサー式金属検出機150により金属異物の混入の有無が検査された後、ボビンに巻き取られる。金属異物の混入が認められた部分は、その場で切除され、ボビンに巻き取られないようにされるか、あるいは、後の工程で切除できるようにマーキングされる。ボビンに巻き取られた樹脂含浸炭素繊維マットは、必要に応じて増粘させられたうえで、CF-SMCとして出荷される。
CF-SMCは、例えば圧縮成形法を用いた、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製品の成形に用いられる。CF-SMCを用いて製造され得るCFRP製品は、航空機、自動車、船舶その他各種の輸送機器に用いられる部品、スポーツ用品、レジャー用品などを含め、多岐にわたる。
以上、本発明を具体的な実施形態に即して説明したが、各実施形態は例として提示されたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に記載された各実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、様々に変形することができ、かつ、実施可能な範囲内で、他の実施形態により説明された特徴と組み合わせることができる。
10 連続炭素繊維束
20 短尺炭素繊維束
30 炭素繊維マット
41 第一キャリアフィルム
42 第二キャリアフィルム
51 第一樹脂ペースト
51L 第一樹脂ペースト層
52 第二樹脂ペースト
52L 第二樹脂ペースト層
60 積層体
100 SMC製造装置
110 第一塗工機
120 第二塗工機
130 繊維マット堆積装置
140 含浸機
150 磁気センサー式金属検出機
160 チョッパー
161 カッターロール
162 受けロール(ゴムロール)
163 ガイドロール
170 シューター
180 ピンローラー装置
181 第一ピンロール
181b ピン
182 第二ピンロール
182b ピン

Claims (15)

  1. (i)短尺炭素繊維束をピンローラー装置で分散させながら走行するキャリアフィルム上に落下させて、前記キャリアフィルム上に炭素繊維マットを堆積させること、(ii)前記炭素繊維マットを熱硬化性樹脂組成物で含浸させて樹脂含浸炭素繊維マットを得ること、(iii)磁気センサー式金属検出機によって前記樹脂含浸炭素繊維マット中の金属異物の有無を検査すること、を含み、前記ピンローラー装置は回転駆動されるピンロールを備え、前記ピンロールはシリンダーとその周面に配置された複数のピンとからなり、前記複数のピンは磁性を有する金属を材質とする、シートモールディングコンパウンドの製造方法。
  2. 前記ピンローラー装置の上方に設置されたチョッパーによって連続炭素繊維束を切断して前記短尺炭素繊維束とすることを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ピンローラー装置は、前記ピンロールとして、横並びに配置された第一ピンロールと第二ピンロールを備える、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記第一ピンロールは前記第二ピンロールに面する側でピンが上から下に向かって動くように回転駆動され、前記第二ピンロールは前記第一ピンロールに面する側でピンが上から下に向かって動くように回転駆動される、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記第一ピンロールの最大半径と前記第二ピンロールの最大半径の和が前記第一ピンロールと前記第二ピンロールの回転軸間距離よりも大きい、請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 前記第一ピンロールおよび前記第二ピンロールの各々において、シリンダーの半径が最大半径の半分以上である、請求項3~5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記第一ピンロールのピン先端における周速と、前記第二ピンロールのピン先端における周速が等しい、請求項3~6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 回転駆動されるピンロールを備え、前記ピンロールはシリンダーとその周面に配置された複数のピンとからなり、前記複数のピンは磁性を有する金属を材質とする、ピンローラー装置。
  9. 前記ピンロールとして、横並びに配置された第一ピンロールと第二ピンロールを備える、請求項8に記載のピンローラー装置。
  10. 前記第一ピンロールの最大半径と前記第二ピンロールの最大半径の和が前記第一ピンロールと前記第二ピンロールの回転軸間距離よりも大きい、請求項9に記載のピンローラー装置。
  11. 前記第一ピンロールおよび前記第二ピンロールの各々において、シリンダーの半径が最大半径の半分以上である、請求項9または10に記載のピンローラー装置。
  12. 請求項8~11のいずれかに記載のピンローラー装置を備える、繊維マット堆積装置。
  13. 前記ピンローラー装置の上方に配置されたチョッパーを有する、請求項12に記載の繊維マット堆積装置。
  14. 請求項12または13に記載の繊維マット堆積装置と、磁気センサー式金属検出機とを備える、シートモールディングコンパウンド製造装置。
  15. 更に、2つの塗工機と、含浸機とを備える、請求項14に記載のシートモールディングコンパウンド製造装置。
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