JP2023004563A - 解析システム、解析方法、および解析プログラム - Google Patents

解析システム、解析方法、および解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート表面に適用された被覆体の剥離を解析すること。【解決手段】本開示の一側面に係る解析システムは、コンクリート構造物の表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を含む解析モデルを設定するモデル設定部と、解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、コンクリート構造物の変位による表面からの被覆体の剥離を解析する解析部とを備える。【選択図】図1

Description

本開示の一側面は、解析システム、解析方法、および解析プログラムに関する。
コンクリート構造物に関連する解析を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、鉄筋コンクリート構造物の表面に現れる変状を入力するための携帯端末と、変状データに基づいて第1の健全度を判定する第1判定部と、第1判定部の判定結果によって定量的な評価が必要となった場合に、鉄筋の腐食に基づく劣化予測を行う劣化予測部と、劣化予測部の予測結果に対して性能照査を行う性能照査部とを備える性能解析システムが記載されている。特許文献2には、セメント系材料の力学的な要求性能を設定する要求性能設定工程と、混入する短繊維の長さ、混入率やマトリクスの水セメント比を選択し、解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、解析モデルを用いてシミュレーションを行うことによって、必要となる繊維の付着特性、引張強度及び直径を算定する繊維特性算定工程とを含む短繊維補強セメント系材料の配合決定方法が記載されている。
特開2019-200120号公報 特開2016-205990号公報
コンクリート表面に適用された被覆体の剥離を解析するための仕組みが望まれている。
本開示の一側面に係る解析システムは、コンクリート構造物の表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を含む解析モデルを設定するモデル設定部と、解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、コンクリート構造物の変位による表面からの被覆体の剥離を解析する解析部とを備える。
このような側面においては、その剥離条件が考慮された解析モデルに基づくシミュレーションによって、被覆体がコンクリート構造物の表面からどのように剥離するかを解析できる。
本開示の一側面によれば、コンクリート表面に適用された被覆体の剥離を解析できる。
実施形態に係る解析システムの機能構成の一例を示す図である。 実施形態に係る解析システムのために用いられるコンピュータの一般的なハードウェア構成の一例を示す図である。 実施形態に係る解析システムの動作の一例を示すフローチャートである。 コンクリート構造物および被覆体の構造モデルの一例を示す図である。 被覆体の材料モデルの例を示す図である。 コンクリート構造物および被覆体の離散化モデルの一例を示す図である。 剥離条件の一例を説明するための図である。 解析結果の表示の一例を示す図である。 解析結果の表示の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[システムの概要]
実施形態に係る解析システム1は、コンクリート構造物の表面(本開示ではこれを「コンクリート表面」ともいう)に適用された被覆体を解析するコンピュータシステムである。解析システム1は任意の構造物のコンクリート表面についてその解析を実行してよい。例えば、その構造物として、試験体が想定されてもよいし、一般に利用されている工作物(例えば、建物、橋梁、トンネルなど)が想定されてもよい。本開示において、被覆体とは、コンクリート表面を覆うように該表面に適用される材料をいう。コンクリート表面に適用された被覆体は該表面に固着する。例えば、被覆体はコンクリートの剥落を防止したり、コンクリート表面を補強したりするために用いられる。例えば、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)などの繊維強化プラスチック(FRP)を含む被覆体が想定されてもよい。
解析システム1は被覆体がコンクリート表面からどのように剥離するかをシミュレーションによって解析する。このコンピュータシミュレーションによって、解析システム1のユーザは、押抜き試験のような実験を行うことなく被覆体を簡単に解析できる。例えば、ユーザは被覆体の構造、コンクリート構造物に掛かる力などの様々な要因を変更しながらその解析を容易に繰り返すことができる。解析システム1によって実験がシミュレーションに代替されるので、ユーザは例えば、コンクリートの剥落を防止するという被覆体の性能を、作業時間および費用を抑えつつ、効率的に評価することができる。
[システムの構成]
図1は解析システム1の機能構成の一例を示す図である。解析システム1は機能的構成要素としてモデル設定部11および解析部12を備える。モデル設定部11は、シミュレーションに必要な前提条件を示す解析モデルを設定する機能モジュールである。解析部12は、その解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、コンクリート構造物の変位によるコンクリート表面からの被覆体の剥離を解析する機能モジュールである。一例では、モデル設定部11は離散化手法を用いてコンクリート構造物および被覆体のそれぞれについて離散化モデルを設定し、この離散化モデルを含む解析モデルを用意する。解析部12はその解析モデルに対してその離散化手法に基づくシミュレーションを実行して、被覆体の剥離を解析する。離散化手法とは、計算の対象を離散的な要素に変換し、その要素間の関係を設定する手法をいう。離散化モデルはその要素間の関係を関数、パラメータなどによって表す数理モデルである。離散化手法の例として有限要素法(FEM)、有限差分法(FDM。単に差分法とも呼ばれる)、および有限体積法(FVM)が挙げられる。一例では、解析システム1は有限要素法を用いて離散化モデルの設定とシミュレーションとを実行する。
図2は、解析システム1のために用いられるコンピュータ100の一般的なハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、コンピュータ100はプロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、入力装置105、および出力装置106を備える。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。主記憶部102は例えばROMおよびRAMで構成される。補助記憶部103は例えばハードディスクまたはフラッシュメモリで構成され、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶する。通信制御部104は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される。入力装置105は例えばキーボード、マウスなどで構成される。出力装置106は例えばモニタおよびスピーカで構成される。
解析システム1の各機能モジュールは、補助記憶部103に予め記憶される解析プログラム110により実現される。プロセッサ101または主記憶部102に解析プログラム110を読み込ませてプロセッサ101にその解析プログラム110を実行させることで実現される。プロセッサ101はその解析プログラム110に従って、通信制御部104、入力装置105、または出力装置106を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。処理に必要なデータまたはデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
解析プログラム110は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの非一時的な記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、解析プログラム110は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
解析システム1は1台のコンピュータ100で構成されてもよいし、複数台のコンピュータ100で構成されてもよい。複数台のコンピュータ100を用いる場合には、これらのコンピュータ100がインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つの解析システム1が構築される。解析システム1はクライアント-サーバ型のシステムとして構築されてもよいし、スタンドアロンのコンピュータ上に構築されてもよい。
[システムの動作]
図3を参照しながら解析システム1の動作の一例を説明する。図3は解析システム1の動作の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。
ステップS11では、モデル設定部11が解析モデルの設定に必要な入力データを取得する。一例では、この入力データは、コンクリート構造物に関連するパラメータ群と、被覆体に関連するパラメータ群とを含む。コンクリート構造物に関連するパラメータの例として、形状、寸法、弾性率などが挙げられる。被覆体に関連するパラメータの例として、形状、寸法、性質と方向との関係(直交異方性などの異方性、または等方性)、弾性率、せん断弾性係数、ポアソン比などが挙げられる。異方性を考慮する場合には、弾性率は少なくとも二つの方向について設定される。例えば、直交異方性を考慮するために、x軸方向(0°方向)、y軸方向(90°方向)、および45°方向のそれぞれについて弾性率が設定されてもよい。モデル設定部11は、ユーザ操作により入力された入力データを受け付けてもよいし、所与のデータベースまたはファイルシステムにアクセスして入力データを読み出してもよいし、他のコンピュータから入力データを受信してもよい。
ステップS12では、モデル設定部11が解析モデルを設定する。モデル設定部11は入力データおよび所与のルールに基づいて解析モデルを設定する。図4~図7を参照しながら、解析モデルに関する様々な例を説明する。
図4はコンクリート構造物および被覆体を示す構造モデルの一例を示す図である。この例に示す構造モデル200は、コンクリート構造物210と、そのコンクリート構造物210の下面に適用された被覆体220とを示す。コンクリート構造物210は、剥落した部分を示すコア部211と、剥落していない部分を示す残存部212とを有する。残存部212は、コンクリート構造物210のうちコア部211以外の部分であるともいえる。コア部211と残存部212との間には隙間が設定されており、これは、コア部211が既に剥落した部分であることを意味する。この構造モデル200は押抜き試験体の形状の対称性を考慮して、該試験体の1/4の部分を表す。したがって、この構造モデル200を用いたシミュレーションは、円柱状の剥落部分が中央に位置するコンクリート構造物を用いた押抜き試験に対応する。解析システム1(解析部12)は、コア部211が荷重により被覆体220に向けて変位することで生ずる該被覆体220の剥離を解析する。図4ではその荷重および変位の向きを矢印Aにより示す。
図5は被覆体の材料モデルの例を示す図である。材料モデル221は直交異方性を有する被覆体に関する。材料モデル221は、複数の特定方向のそれぞれにおける弾性率Eと、せん断弾性係数Gと、ポアソン比νとを含む。この例は、材料モデル221の弾性率として、x軸方向における弾性率E0°と、y軸方向における弾性率E90°と、xy平面(コンクリート表面と並行する面)での45°の方向における弾性率E45°とを示す。せん断弾性係数Gxyおよびポアソン比νxyはいずれも、xy平面における値である。材料モデル221は、弾性率が高い場合と弾性率が低い場合とのそれぞれについて例示的な値を示す。弾性率Eおよびせん断弾性係数Gの単位はいずれもギガパスカル(GPa)である。一方、材料モデル222は等方性を有する被覆体に関する。材料モデル222は弾性率E、せん断弾性係数G、およびポアソン比νを含む。弾性率Eおよびせん断弾性係数Gの単位はGPaである。材料モデル222は弾性率が高い被覆体を想定している。当然ながら、図5に示す個々の値は一例であり、他の値が設定され得ることに留意されたい。材料モデル221,222のそれぞれにおける被覆体の図は異方性および等方性を模式的に示すものである点にも留意されたい。
図4および図5に示すように、解析モデルは構造モデルおよび材料モデルを含んでもよい。一例では、構造モデルは物体の形状、寸法、および配置に焦点を当てたモデルであり、材料モデルは物体の材料に焦点を当てたモデルであるといえる。シミュレーションに必要な前提条件を示すことができる限り、解析モデルは他の様々な手法によって定義および表現されてもよい。
図6はコンクリート構造物および被覆体の離散化モデルの一例を示す図である。この例に示す離散化モデル300は、図4の構造モデル200に対応する。モデル設定部11は離散化手法を用いて、コンクリート構造物210を複数の第1要素311によって表現した第1離散化モデル310と、被覆体220を複数の第2要素321によって表現した第2離散化モデル320とを設定する。第1離散化モデル310および第2離散化モデル320はいずれも平面形状を呈する。
一例では、モデル設定部11は、コンクリート構造物210の少なくとも一部に対応し、且つ被覆体220が適用されるコンクリート表面に並行な第1平面を複数の第1要素311によって表現した第1離散化モデル310を設定してもよい。モデル設定部11は第1平面(すなわち第1離散化モデル310)を、コンクリート構造物210の内部に設定してもよいし、コンクリート表面に設定してもよい。一例では、モデル設定部11は、被覆体が適用されるコンクリート表面と直交する方向である垂直方向におけるコンクリート構造物210の中央に第1平面を位置させて、第1離散化モデル310を設定してもよい。この場合、第1離散化モデル310は、垂直方向におけるコンクリート構造物210の中央に対応する。図4~図6では垂直方向はz軸方向として示されている。この垂直方向はコア部211の変位の方向に相当する。一例では、モデル設定部11はすべての第1要素311を固定し、これにより、コンクリート構造物210は変形しない仮想的な剛体と見なされる。
一例では、モデル設定部11は、被覆体220の少なくとも一部に対応し、且つ該被覆体220が適用されるコンクリート表面に並行な第2平面を複数の第2要素321によって表現した第2離散化モデル320を設定してもよい。モデル設定部11は第2平面(すなわち第2離散化モデル320)を、被覆体220の内部に設定してもよいし、コンクリート表面に接する被覆体220の表面に設定してもよい。一例では、モデル設定部11は垂直方向(z軸方向)における被覆体220の中央に第2平面を位置させて、第2離散化モデル320を設定してもよい。この場合、第2離散化モデル320は、垂直方向における被覆体220の中央に対応する。
モデル設定部11は、コンクリート表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を設定する。一例では、モデル設定部11は、コンクリート構造物を表す第1離散化モデル310の複数の第1要素311のそれぞれと、被覆体を表す第2離散化モデル320のそれぞれとに、その剥離条件を設定する。
被覆体の剥離がコンクリート表面に掛かる応力に因ることを考慮して、モデル設定部11は該コンクリート表面での垂直応力およびせん断応力に基づいて剥離条件を設定してもよい。垂直応力は垂直方向(z軸方向)に沿った応力であり、せん断応力はコンクリート表面(xy平面)に沿った応力である。一例では、モデル設定部11は、そのコンクリート表面での最大垂直応力σ に対する垂直応力σの比と、該コンクリート表面での最大せん断応力σ に対するせん断応力σの比とに基づいて、剥離条件を設定する。一例では、この剥離条件は式(1)により表される。
Figure 2023004563000002
或る第1要素311または或る第2要素321において式(1)が成立するということは(すなわち、剥離条件が満たされるということは)、その要素に対応する箇所において被覆体がコンクリート表面から剥離することを意味する。対向し合う第1要素311および第2要素321の双方において式(1)が成立しないということは(すなわち、剥離条件が満たされないということは)、これらの要素に対応する箇所において被覆体がコンクリート表面に固着したままであることを意味する。
最大垂直応力σ および最大せん断応力σ は予め設定される。これらの最大応力は、コンクリート表面に生ずる引っ張りまたはせん断に被覆体がどのくらい耐えられるかを示す値、すなわち被覆体がコンクリート表面に固着する限界値であるといえる。一例では、モデル設定部11はσ およびσ を5MPaと設定してもよい。
図7は式(1)で表される剥離条件を説明するための図である。図7における例(a)は、式(1)を表すグラフであり、x軸は最大せん断応力に対するせん断応力の比を示し、y軸は最大垂直応力に対する垂直応力の比を示す。これら二つの比で示される座標が円Cの内側に位置するということは、被覆体がコンクリート表面に固着したままであることを意味する。その座標が円C上またはその外に位置するということは、被覆体がコンクリート表面から剥離することを意味する。
剥離条件は、図7の例(b)に示すようなばねモデルとして表現され得る。個々の仮想的なばね330は第1離散化モデル310(コンクリート構造物210)の第1要素311と、対応する第2離散化モデル320(被覆体220)の第2要素321とを接続する。ばね330が第1要素311および第2要素321を接続しているということは、その箇所において被覆体220がコンクリート表面に固着されていることを意味する。状態E1では被覆体220の全体がコンクリート表面に固着されている。或る要素において剥離条件が満たされるということは、その要素からばね330が離れることに相当する。状態E2では、左のばね330に対応する第2要素321において剥離条件が成立している。
図4~図7を参照しながら説明したように、一例では、モデル設定部11は離散化モデルおよび剥離条件を含む解析モデルを設定する。
図3に戻って、ステップS13では、解析部12が解析モデルに基づくシミュレーションを実行する。解析部12はこのシミュレーションによって、コンクリート構造物の変位によるコンクリート表面からの被覆体の剥離を解析する。一例では、解析部12はその解析モデルに対して離散化手法(例えばFEM)に基づくシミュレーションを実行して、コンクリートの一部が欠け落ちた時点からの、被覆体の剥離の挙動を解析する。一例では、解析部12はコンクリート構造物に掛かる荷重、コンクリート構造物の変位、被覆体に掛かる応力、および被覆体の剥離のそれぞれについての経時変化を求める。図4に示す構造モデル200を解析する場合には、解析部12はコア部211に掛かる荷重を設定して、残存部212を変位させることなくコア部211を被覆体220に向けて変位させる。そして解析部12は、コア部211のその変位により発生する、コンクリート構造物210からの被覆体220の剥離を解析する。
ステップS14では、解析部12が解析結果を出力する。解析部12は解析結果を、モニタ上に表示してもよいし、所与のデータベースに格納してもよいし、他のコンピュータシステムに送信してもよい。解析システム1はその解析結果を用いてさらなる処理を実行してもよい。解析結果は様々な手法によって表現され得る。例えば、解析部12は数値データ、テキストデータ、グラフ、およびコンピュータグラフィックス(CG)のうちの少なくとも一つによって解析結果を表現してもよい。
図8および図9を参照しながら、解析結果の表示の一例を説明する。図8および図9はいずれも、解析部12により表示される画面400の図である。画面400は、図4に示す構造モデル200の解析結果を4個のウィンドウで表示する。ウィンドウ401は構造モデル200の側面から見た被覆体220の剥離の挙動を表示する。ウィンドウ402はコア部211での荷重と変位との関係を示すグラフを表示する。ウィンドウ403は被覆体220に掛かる最大主応力の分布の経時変化を表示する。ウィンドウ404は被覆体220の剥離部分の経時変化を表示する。ウィンドウ401,403,404ではそれらの経時変化がアニメーションによって表現される。
図8は、コア部211を変位させる前の時点における状況、すなわち初期状態を示す。コア部211がまだ変位していないので、最大主応力は被覆体220の全領域で0であり、被覆体220において剥離部分は存在しない。
図9は、コア部211を変位させている途中の一時点における状況を示す。ウィンドウ401においてコア部211が被覆体220に向かって変位すると、ウィンドウ404で示されるように、白で表されている剥離部分229がコア部211付近から被覆体220の外縁に向かって(ウィンドウ404での右上に向かって)広がっていく。また、ウィンドウ403での分布で示されるように、その剥離部分229およびその外周付近(これから剥がれようとする部分)に応力が生ずる。
[効果]
以上説明したように、本開示の一側面に係る解析システムは、コンクリート構造物の表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を含む解析モデルを設定するモデル設定部と、解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、コンクリート構造物の変位による表面からの被覆体の剥離を解析する解析部とを備える。
本開示の一側面に係る解析方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える解析システムにより実行される。この解析方法は、コンクリート構造物の表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を含む解析モデルを設定するステップと、解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、コンクリート構造物の変位による表面からの被覆体の剥離を解析するステップとを含む。
本開示の一側面に係る解析プログラムは、コンクリート構造物の表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を含む解析モデルを設定するステップと、解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、コンクリート構造物の変位による表面からの被覆体の剥離を解析するステップとをコンピュータに実行させる。
このような側面においては、その剥離条件が考慮された解析モデルに基づくシミュレーションによって、被覆体がコンクリート構造物の表面からどのように剥離するかを解析できる。
他の側面に係る解析システムでは、モデル設定部が、表面での垂直応力およびせん断応力に基づいて剥離条件を設定してもよい。被覆体の剥離の原因となるこれらの応力が考慮されるので、精度の高いシミュレーション(解析)が期待できる。
他の側面に係る解析システムでは、モデル設定部が、表面での最大垂直応力に対する垂直応力の比と、表面での最大せん断応力に対するせん断応力の比とに基づいて、剥離条件を設定してもよい。被覆体がコンクリート構造物の表面に固着する限界値であるといえるそれらの最大応力がさらに考慮されるので、精度の高いシミュレーション(解析)が期待できる。
他の側面に係る解析システムでは、モデル設定部が、離散化手法を用いて、コンクリート構造物を複数の第1要素によって表現した第1離散化モデルと、被覆体を複数の第2要素によって表現した第2離散化モデルとをさらに含む解析モデルを設定し、複数の第1要素のそれぞれと、複数の第2要素のそれぞれとに、剥離条件を設定し、解析部が、離散化手法に基づくシミュレーションを実行して剥離を解析してもよい。離散化手法に基づくシミュレーションにおいて個々の要素に剥離条件を設定することで、該個々の要素において被覆体の剥離の挙動が得られるので、その挙動を詳細に解析できる。
他の側面に係る解析システムでは、モデル設定部が、コンクリート構造物の少なくとも一部に対応し、かつ表面に並行な第1平面を複数の第1要素によって表現した第1離散化モデルを設定し、被覆体の少なくとも一部に対応し、且つ表面に並行な第2平面を複数の第2要素によって表現した第2離散化モデルを設定してもよい。コンクリート構造物および被覆体の双方を2次元の離散化モデルで表現することで、3次元の離散化モデルを用いる場合よりも計算量が削減され、その分、シミュレーション(解析)を短時間で実行できる。
他の側面に係る解析システムでは、モデル設定部が、表面と直交する方向である垂直方向におけるコンクリート構造物の中央に第1平面を位置させて、第1離散化モデルを設定し、垂直方向における被覆体の中央に第2平面を位置させて、第2離散化モデルを設定してもよい。このように離散化モデルを設定することで、実際には3次元形状であるコンクリート構造物および被覆体の全体における応力分布を、第1離散化モデルおよび第2離散化モデルのそれぞれを基準とする対称性を考慮して簡易に計算することが可能になる。
他の側面に係る解析システムでは、モデル設定部が、剥落した部分を示すコア部と、剥落していない部分を示す残存部とを有するコンクリート構造物を示す解析モデルを設定し、解析部が、コア部が被覆体に向けて変位したことに伴う剥離を解析してもよい。コンクリート構造物に関してこのように解析モデルを設定することで、コンクリートの一部が剥落した時点からの被覆体の挙動を精度良く解析できる。
[変形例]
以上、本開示の実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
コンピュータ内で二つの数値の大小関係を比較する際には、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらを用いてもよく、「以下」および「未満」という二つの基準のうちのどちらを用いてもよい。このような基準の選択は、二つの数値の大小関係を比較する処理についての技術的意義を変更するものではない。
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念である。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念である。
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正又は削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
1…解析システム、11…モデル設定部、12…解析部、100…コンピュータ、101…プロセッサ、102…主記憶部、103…補助記憶部、104…通信制御部、105…入力装置、106…出力装置、110…解析プログラム、S1…処理フロー、S11~S14…ステップ、200…構造モデル、210…コンクリート構造物、211…コア部、212…残存部、220…被覆体、229…剥離部分、300…離散化モデル、310…第1離散化モデル、311…第1要素、320…第2離散化モデル、321…第2要素、330…ばね、400…画面、401~404…ウィンドウ。

Claims (9)

  1. コンクリート構造物の表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を含む解析モデルを設定するモデル設定部と、
    前記解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、前記コンクリート構造物の変位による前記表面からの前記被覆体の剥離を解析する解析部と、
    を備える解析システム。
  2. 前記モデル設定部が、前記表面での垂直応力およびせん断応力に基づいて前記剥離条件を設定する、
    請求項1に記載の解析システム。
  3. 前記モデル設定部が、前記表面での最大垂直応力に対する前記垂直応力の比と、前記表面での最大せん断応力に対する前記せん断応力の比とに基づいて、前記剥離条件を設定する、
    請求項2に記載の解析システム。
  4. 前記モデル設定部が、
    離散化手法を用いて、前記コンクリート構造物を複数の第1要素によって表現した第1離散化モデルと、前記被覆体を複数の第2要素によって表現した第2離散化モデルとをさらに含む前記解析モデルを設定し、
    前記複数の第1要素のそれぞれと、前記複数の第2要素のそれぞれとに、前記剥離条件を設定し、
    前記解析部が、前記離散化手法に基づく前記シミュレーションを実行して前記剥離を解析する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の解析システム。
  5. 前記モデル設定部が、
    前記コンクリート構造物の少なくとも一部に対応し、かつ前記表面に並行な第1平面を前記複数の第1要素によって表現した前記第1離散化モデルを設定し、
    前記被覆体の少なくとも一部に対応し、且つ前記表面に並行な第2平面を前記複数の第2要素によって表現した前記第2離散化モデルを設定する、
    請求項4に記載の解析システム。
  6. 前記モデル設定部が、
    前記表面と直交する方向である垂直方向における前記コンクリート構造物の中央に前記第1平面を位置させて、前記第1離散化モデルを設定し、
    前記垂直方向における前記被覆体の中央に前記第2平面を位置させて、前記第2離散化モデルを設定する、
    請求項5に記載の解析システム。
  7. 前記モデル設定部が、剥落した部分を示すコア部と、剥落していない部分を示す残存部とを有する前記コンクリート構造物を示す前記解析モデルを設定し、
    前記解析部が、前記コア部が前記被覆体に向けて変位したことに伴う前記剥離を解析する、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の解析システム。
  8. 少なくとも一つのプロセッサを備える解析システムにより実行される解析方法であって、
    コンクリート構造物の表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を含む解析モデルを設定するステップと、
    前記解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、前記コンクリート構造物の変位による前記表面からの前記被覆体の剥離を解析するステップと、
    を含む解析方法。
  9. コンクリート構造物の表面に適用された被覆体が該表面から剥離する条件である剥離条件を含む解析モデルを設定するステップと、
    前記解析モデルに基づくシミュレーションを実行して、前記コンクリート構造物の変位による前記表面からの前記被覆体の剥離を解析するステップと、
    をコンピュータに実行させる解析プログラム。
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