JP2023004319A - 溶接パラメータ調整方法及び溶接パラメータ設定装置、溶接システム - Google Patents

溶接パラメータ調整方法及び溶接パラメータ設定装置、溶接システム Download PDF

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Abstract

【課題】溶接作業者の熟練度に依らず、簡便かつ確実に溶接パラメータを調整可能な溶接パラメータ調整方法を提供する。【解決手段】溶接パラメータ調整方法は、溶接テーブルと評価指標とを設定し、溶接テーブルに基づいてワーク200を試行溶接する。溶接テーブルに含まれる一つ以上の溶接パラメータに関係する物理量を測定し、評価指標に関する評価スコアを算出する。評価スコアに基づいて溶接パラメータの値を推定する。試行溶接から溶接パラメータの値の推定までの一連の処理を繰り返し実行するとともに、各回の開始時点で、溶接パラメータの値の推定結果に基づいて、溶接パラメータの値を変更する。ワーク200の再度の試行溶接が不要と判断すると、評価スコアが最も高い場合の溶接パラメータを選択して、溶接テーブルを更新する。【選択図】図4

Description

本開示は、溶接パラメータ調整方法及び溶接パラメータ設定装置、溶接システムに関する。
従来、種々の形状及び材質のワークに対してアーク溶接が行われる。ワークの形状や材質に応じて、溶接条件が設定される。また、溶接条件に対応して、溶接品質を維持するために、溶接電流や溶接電圧、またワイヤ送給量等を決定するための溶接パラメータが設定される。
しかし、これらの溶接条件は設定すべき項目が多岐にわたる。これに応じて、調整すべき溶接パラメータの数も多くなっている。
そこで、溶接中に、溶接電流波形や溶接電圧波形またはそれ以外の物理量を測定し、測定結果に基づいて溶接パラメータを決定する手法が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、溶接ビードの外観の画像データや溶接中に発生するアーク音波形等に基づいて、溶接パラメータの学習を行い、溶接パラメータの最適化を図る手法が提案されている。
また、特許文献2には、溶接電流や溶接電圧を測定し、測定結果から得られた情報をフィードバックして溶接パラメータの最適化を図る手法が提案されている。
特許文献3には、パルスアーク溶接において、パルス周期毎に溶接ワイヤとワークとの短絡の発生時期を検出し、単位時間当たりの短絡発生時期の分布を表す指標を算出し、当該指標に基づいて溶接電流波形におけるパルスパラメータを変化させる手法が提案されている。
特許第6126174号公報 特開平10-249525号公報 特許第6100607号公報
特許文献1~3に開示された従来の構成によれば、一部の溶接パラメータの調整作業を簡素化できる。
しかし、溶接条件の変更に応じて、調整、変更すべき溶接パラメータの数は非常に多く、そのすべての調整作業を従来の構成で簡素化するのは難しかった。結局のところ、熟練した溶接作業者が、自身が有する知識やノウハウに基づいて、溶接パラメータを調整することが多かった。
また、通常、ワークの試行溶接と評価とをセットとした試行を行い、溶接箇所の評価結果に基づいて溶接パラメータを調整する。しかし、調整すべき溶接パラメータが多くなると、試行回数が多くなり、多くの工数を要していた。また、溶接システムのユーザーが単独で溶接パラメータを調整することが難しく、熟練作業者を派遣する等の手間がかかっていた。
本開示はかかる点に鑑みなされたもので、その目的は、溶接作業者の熟練度に依らず、簡便かつ確実に溶接パラメータを調整可能な溶接パラメータ調整方法及び溶接パラメータ設定装置、さらに溶接システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本開示に係る溶接パラメータ調整方法は、所定の溶接条件に対応する溶接テーブルを設定する第1ステップと、溶接品質に対応した評価指標を設定する第2ステップと、前記第1ステップにて設定した溶接テーブルに基づいて、ワークを試行溶接する第3ステップと、前記第3ステップの実行中に、前記溶接テーブルに含まれる一つ以上の溶接パラメータに関係する物理量を測定する第4ステップと、前記第4ステップで測定された前記物理量に基づいて、前記評価指標に関する評価スコアを算出する第5ステップと、前記ワークを再度、試行溶接するか否かを判断する第6ステップと、前記評価スコアに基づいて、前記評価指標に対応する溶接パラメータの値を推定する第7ステップと、を少なくとも備え、前記第3ステップから前記第7ステップまでの一連の処理を、繰り返し実行するとともに、各回の開始時点で、前記第7ステップでの推定結果に基づいて、前記評価指標に対応する溶接パラメータの値を変更し、前記第6ステップにて、再度の試行溶接が不要と判断した後に、前記評価スコアが最も高い場合の前記溶接パラメータを選択して、前記溶接テーブルを更新する第8ステップをさらに備えたことを特徴とする。
本開示に係る溶接パラメータ設定装置は、一つ以上の溶接パラメータに関係し、ワークの溶接中に測定された物理量が少なくとも入力される入力部と、所定の溶接条件に対応する前記溶接パラメータを設定する溶接パラメータ設定部と、前記入力部に入力された前記物理量に基づいて、前記ワークの溶接品質に対応した評価指標に関する評価スコアを算出する評価スコア算出部と、前記評価スコアに基づいて、調整すべき前記溶接パラメータの値を推定する溶接パラメータ推定部と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
本開示に係る溶接システムは、ワークを溶接する溶接装置と、前記溶接パラメータ設定装置と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
本開示によれば、溶接作業者の熟練度に依らず、簡便かつ確実に溶接パラメータを調整することができる。
実施形態1に係る溶接システムの概略構成図である。 溶接パラメータ設定装置の概略構成図である。 溶接電流波形の一例を示す図である。 溶接パラメータの調整手順を示すフローチャートである。 溶接パラメータの推定手順の一例を示す模式図である。 パラメータ調整前後の溶接テーブルの一例を示す図である。 評価指標と溶接品質と評価スコアとの関係の一例を示す図である。 正常な状態での溶接電流波形と溶接電圧波形の一例を示す図である。 ピーク区間中に短絡が生じた場合の溶接電流波形と溶接電圧波形の一例を示す図である。 スパッタ量と評価スコアとの関係を示す図である。 実施形態2に係る評価指標と溶接品質と評価スコアとの関係の一例を示す図である。 短絡溶接とスプレー溶接とが混在した場合の溶接ビードの外観と溶接電圧波形とを示す図である。 電源ケーブルの長さが標準条件を満たす場合の溶接電流波形を示す図である。 電源ケーブルの長さが標準条件よりも長い場合の溶接電流波形を示す図である。 実施形態3に係るパラメータ調整前後の溶接電流波形及び溶接電圧波形を示す図である。 実施形態3に係る別のパラメータ調整前後の溶接電流波形及び溶接電圧波形を示す図である。 実施形態4に係る溶接パラメータの調整手順を示すフローチャートである。 調整すべき溶接パラメータと試行回数との関係の一例を示す図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
[アーク溶接装置の構成]
図1は、本実施形態に係る溶接システムの概略構成図を示す。溶接システム300は、アーク溶接装置20と溶接パラメータ設定装置100とを有している。
アーク溶接装置20は、消耗電極である溶接ワイヤ50と溶接対象物であるワーク200との間で、アーク状態と短絡状態とを繰り返して溶接を行う。なお、溶接ワイヤ50は、トーチ30に保持されており、トーチ30が所定の速度で移動することで、溶接ワイヤ50の先端も同様に、同じ速度で所定の溶接区間に沿って移動する。なお、トーチ30は、溶接中にワーク200に吹き付けられるシールドガスの供給口(図示せず)を有している。
アーク溶接装置20は、主変圧器2と、一次側整流部3と、スイッチング部4と、DCL(リアクトル)5と、二次側整流部6と、溶接電流検出部7と、溶接電圧検出部8と、制御切替部9と、出力制御部10と、ワイヤ送給速度制御部13と、トーチ30と、を有している。また、アーク溶接装置20は、トーチ30を保持するロボット(図示せず)の動作を制御するロボット制御部(図示せず)を有している。また、アーク溶接装置20は、ワイヤ送給装置40を含んでいてもよい。
出力制御部10は、短絡溶接制御部11とパルス溶接制御部12を有している。ワイヤ送給速度制御部13は、ワイヤ送給速度検出部14と、ワイヤ送給速度算出部15とを有している。一次側整流部3は、アーク溶接装置20の外部にある入力電源(三相交流電源)1から入力した入力電圧を整流する。スイッチング部4は、一次側整流部3の出力を溶接に適した出力に制御する。主変圧器2は、スイッチング部4の出力を溶接に適した出力に変換する。二次側整流部6は、主変圧器2の出力を整流する。DCL(リアクトル)5は、二次側整流部6の出力を溶接に適した電流に平滑する。
溶接電流検出部7は、溶接電流を検出する。溶接電圧検出部8は、溶接電圧を検出する。なお、以降の説明において、溶接電流検出部7と溶接電圧検出部8とを総称して、物理量測定部16と呼ぶことがある。また、物理量測定部16には、ワイヤ送給速度検出部14やワーク200の溶接状態を評価する装置、例えば、ワーク200の溶接中にアーク60の状態を撮影するカメラ装置(図示せず)や溶接中に発生する音を測定する測音装置(図示せず)が含まれることがある。また、溶接後にワーク200の表面状態を撮影する別のカメラ装置(図示せず)が含まれていてもよい。
制御切替部9は、短絡溶接制御からパルス溶接制御に切り替えるタイミングを出力制御部10に出力する切替部である。
出力制御部10は、スイッチング部4に制御信号を出力して溶接出力を制御する。短絡溶接制御部11は、制御切替部9が短絡溶接を指令した場合に短絡溶接の制御を行う。パルス溶接制御部12は、制御切替部9がパルス溶接を指令した場合に、パルス溶接の制御を行う。なお、後述するように、出力制御部10には、溶接パラメータ設定装置100により設定された溶接パラメータが入力され、これに基づいて短絡溶接やパルス溶接の制御が行われる。
ワイヤ送給速度制御部13は、ワイヤ送給装置40を制御して溶接ワイヤ50の送給速度を制御する。ワイヤ送給速度検出部14は、ワイヤ送給速度を検出する。ワイヤ送給速度算出部15は、ワイヤ送給速度検出部14からの信号に基づいて、溶接ワイヤ50の送給量を算出する。また、溶接ワイヤ50の送給量の積算量を算出する。また、ワイヤ送給速度算出部15は、ワイヤ送給速度の指令値と検出値とを比較して差分を求め、当該差分の積算量に基づいて、実際のワイヤ送給速度を指令値にあわせるようにフィードバック制御を行う。
アーク溶接装置20には、ワイヤ送給装置40と溶接パラメータ設定装置100とが接続されている。溶接パラメータ設定装置100は、所定の溶接条件に対して、アーク溶接装置20に各種溶接パラメータを設定する。溶接パラメータ設定装置100の構成や各部の機能については後で詳述する。
なお、アーク溶接装置20と溶接パラメータ設定装置100とは、それぞれ図示しない通信インターフェイス部を有しているのが好ましい。アーク溶接装置20と溶接パラメータ設定装置100との間で、それぞれの通信インターフェイス部を介してデータの授受が行われる。その場合、イーサネット(登録商標)やアナログケーブル、あるいはシリアルケーブル等により、アーク溶接装置20と溶接パラメータ設定装置100とが接続されてもよい。
なお、前述の制御切替部9、出力制御部10及びワイヤ送給速度算出部15は、それぞれ、機能ブロックとして、溶接パラメータ設定装置100に組み込まれていてもよい(例えば、図2参照)。
アーク溶接装置20の溶接出力は、図示しないトーチSW(スイッチ)がONになると、電源ケーブル70と溶接チップ31とを介して溶接ワイヤ50に供給される。なお、電源ケーブル70は、溶接チップ31とワーク200の両方に接続される。そして、アーク溶接装置20の溶接出力により、溶接ワイヤ50とワーク200との間にアーク60を発生させて溶接を行う。
なお、実際にアーク溶接を行うにあたって、溶接ワイヤ50とワーク200との間で短絡状態を経ずにパルス溶接のみを行ってもよい。また、パルス溶接を行わずに短絡溶接のみを行ってもよい。
[溶接パラメータ設定装置の構成]
図2は、溶接パラメータ設定装置の概略構成図を示し、図3は、溶接電流波形の一例を示す。
溶接パラメータ設定装置100は、後で述べるように、複数の機能ブロックを有している。通常、溶接パラメータ設定装置100は、公知のコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)上に実装されたソフトウェアを実行することで溶接パラメータ設定装置100内の複数の機能ブロックが構成されるとともに、各機能ブロックが動作する。
なお、本願明細書において、「溶接条件」とは、ワーク200を溶接する場合の評価項目を言う。例えば、溶接条件として、溶接方式(MIG/MAG/TIG等)やワーク200の材質(軟鋼/アルミニウム等)等が挙げられる。また、溶接ワイヤ50の直径(ワイヤ径)や溶接制御条件の種類(溶接電流/溶接電圧/ワイヤ送給量等)も溶接条件に含まれる。
一方、「溶接パラメータ」とは、溶接制御条件における具体的な項目を言う。例えば、パルス溶接を行う場合、図3に示すように、溶接電流において、パルス幅や立上り/立下り時間は、いずれも溶接パラメータである。また、溶接電流のピーク電流値やベース電流値も溶接パラメータである。
図2に示すように、溶接パラメータ設定装置100は、以下に示す複数の機能ブロックを有している。溶接パラメータ設定装置100は、入力部101と出力部102と記憶部103と表示部104とを有している。溶接パラメータ設定装置100は、溶接パラメータ設定部105と評価スコア算出部106と溶接パラメータ推定部107とを有している。溶接パラメータ設定装置100は、さらに、調整パラメータ選択部108と評価関数設定部109と試行回数設定部110と溶接テーブル設定部111とを有している。
なお、図2に示す機能ブロックのうち、破線で囲まれた機能ブロックは、省略しうるか、または他の装置に組み込まれる。例えば、出力制御部10は、前述したようにアーク溶接装置20に組み込まれる。この場合、溶接パラメータ設定装置100に出力制御部10は設定されない。
入力部101には、アーク溶接装置20の物理量測定部16で測定された物理量が入力される。本実施形態では、溶接電流波形を例に取って説明するが、溶接電圧波形やワイヤ送給速度やその時間積分であるワイヤ送給量が入力されてもよい。
出力部102は、最終的に変更された溶接パラメータを含む溶接テーブル(例えば、図6参照)をアーク溶接装置20の出力制御部10に出力する。なお、図2に破線で示すように、出力制御部10が溶接パラメータ設定装置100の内部に設けられる場合、出力部102は省略されうる。
記憶部103は、入力部101に入力された物理量(溶接電流波形)を保存する。また、記憶部103は、前述の溶接テーブルを保存する。溶接テーブルは、溶接条件の詳細と溶接条件に関連付けられた複数の溶接パラメータの項目及びそれらの値(以下、溶接パラメータ群と呼ぶことがある。)が、表形式でまとめられたデータである(図6参照)。なお、各データはテキスト形式でまとめられていてもよい。また、記憶部103は、後で述べる評価スコア及び評価関数を保存する。記憶部103は、最適値を得るまでに1または複数回算出された溶接パラメータの推定値を一時的に保存する。
表示部104は、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成される。表示部104は、評価スコア算出部106で算出された評価スコアを表示する。その場合、後で述べる標準テーブルを用いて溶接結果を評価した場合の該当する評価スコアと比較した結果を表示させるようにしてもよい。
溶接パラメータ設定部105は、所与の溶接条件に基づいて、または当該溶接条件と物理量測定部16で取得された物理量とに基づいて、溶接出力の制御に用いられる具体的な項目である溶接パラメータを設定する。溶接パラメータの例については、前述した通りである。
評価スコア算出部106は、物理量測定部16で測定された物理量に対応する評価指標に基づいて、評価指標に関する評価スコアを算出する。なお、評価指標は物理量から検知/測定可能な溶接品質を表す事象である。評価指標の具体的な例に関しては、後で述べる。また、具体的には、評価関数設定部109で設定された評価関数で評価指標を評価して、評価スコアが算出される。なお、評価関数とは、数値化された評価指標に基づいて、評価スコアを算出する関数である。評価関数の具体的な例に関しても、後で述べる。
溶接パラメータ推定部107は、評価スコア算出部106で算出された評価スコアに基づいて、評価指標に対応する溶接パラメータの値を推定する。この場合の溶接パラメータの推定手法は、種々の方法を取りうる。これについては、後で述べる。
調整パラメータ選択部108は、調整すべき溶接パラメータを、ワーク200の溶接条件に基づいて選択する。溶接パラメータの調整に関係する溶接条件は、間接的な条件も含めて様々である。例えば、後で述べるように、電源ケーブルの長さや溶接ワイヤ50のワイヤ径が変更されると、一部の溶接パラメータを変更する必要が出てくる。また、ワーク200や溶接ワイヤ50の材質が変更された場合にも、一部の溶接パラメータで変更が必要となる。
なお、溶接条件の変更項目がある程度固定されている場合は、溶接パラメータの調整時に、溶接条件を表示部104に表示させ、かつ溶接条件の変更内容をプルダウン形式で選択できるようにしてもよい。その場合、溶接条件の変更内容を選択し、確定することで、調整パラメータ選択部108が、調整すべき溶接パラメータを自動的に選択するようにしてもよい。
評価関数設定部109は、評価スコアを算出するための評価関数を設定する。なお、溶接条件や調整すべき溶接パラメータに応じて、評価関数を複数準備する必要がある場合、評価関数は記憶部103に保存され、評価関数設定部109で対応する評価関数が選択される。
試行回数設定部110は、調整すべき溶接パラメータにおいて、最適な値を選択するのに必要な試行溶接、評価の回数を設定する。
溶接テーブル設定部111は、ワーク200を溶接するにあたって、与えられた溶接条件に対応した溶接テーブルを設定する。通常、過去に処理実績がある溶接条件では、これに対応した溶接テーブルが、標準テーブルとして記憶部103に保存されている。標準テーブルには、処理実績のある溶接条件とこれに関連付けられた溶接パラメータ(以下、標準パラメータと呼ぶことがある。)の群が、表形式でまとめられている。よって、過去に処理実績がある溶接条件を変更等する場合は、溶接テーブル設定部111は、記憶部103から標準テーブルを呼び出す。標準パラメータの群のうち、調整すべき溶接パラメータに関して、後で示すように、試行溶接と評価を繰り返して最適パラメータが選択される。
溶接パラメータ再調整部112は、溶接パラメータ推定部107での推定結果に基づいて、溶接パラメータの値を調整する。ただし、この機能は、他の機能ブロックに組み込まれてもよい。例えば、溶接パラメータ設定部105に、溶接パラメータ再調整部112の機能が組み込まれていてもよい。その場合、溶接パラメータ再調整部112は省略しうる。
なお、溶接テーブルの呼び出し、設定や調整すべき溶接パラメータの選択は、入力部101を介して溶接作業者が行い、入力部101からの入力信号に応じて、溶接テーブル設定部111や調整パラメータ選択部108が、選択内容を確定させる。同様に、評価関数の設定や試行回数の設定も、入力部101を介して溶接作業者が行い、入力部101からの入力信号に応じて、評価関数設定部109や試行回数設定部110が、設定内容を確定させる。
なお、表示部104をタッチパネルディスプレイとしてもよい。その場合、溶接作業者による溶接パラメータ設定装置100への入力作業は、表示部104を介して行われる。
また、溶接パラメータ設定装置100は、アーク溶接装置20の各制御部や演算部を共用する形で、アーク溶接装置20と一つの筐体内に設置されてもよい。
[溶接パラメータ調整方法]
図4は、溶接パラメータの調整手順のフローチャートを示す。なお、図4に示す例では、評価指標となる溶接パラメータとして、図3に示すピーク電流値及びピーク幅が選択される。ただし、溶接条件の修正内容や溶接品質で重視される項目、内容に応じて、調整すべき溶接パラメータの数及び種類が、適宜変更されることは言うまでもない。なお、前述の2つの溶接パラメータは、溶接時のスパッタの発生量に関係している。
溶接条件の修正内容や溶接品質に応じて、溶接パラメータを調整する場合、以下の手順で行う。
まず、アーク溶接装置20に対して初期設定を行う。また、溶接テーブルを設定する(ステップS1)。具体的には、ワーク200の形状やサイズや材質等に応じて、溶接条件が設定される。また、設定された溶接条件に応じて、溶接パラメータ設定部105は、当該溶接条件に基づいて、溶接パラメータを設定する。過去に処理実績のある溶接条件であれば、溶接テーブル設定部111が記憶部103から標準テーブルを呼び出して、溶接テーブルとして設定する。また、標準テーブルを出力制御部10にセットする。なお、過去に処理実績がない溶接条件であれば、溶接テーブル設定部111は、当該溶接条件に近く、過去に処理実績がある溶接テーブルを記憶部103から呼び出して、試行溶接に用いる溶接テーブルとして設定する。溶接パラメータ設定部105が、当該溶接テーブルにおける溶接パラメータを修正するようにしてもよい。
次に、調整パラメータ選択部108は、調整すべき溶接パラメータを、ワーク200の溶接条件に基づいて選択する(ステップS2)。例えば、標準テーブルの溶接条件が変更された場合、その変更内容に応じて、調整パラメータ選択部108は、調整すべき溶接パラメータを選択する。なお、本実施形態では、ピーク電流値とピーク幅が選択される。
なお、ステップS2において、溶接条件の変更内容に応じて、調整すべき溶接パラメータの候補が選択されるようにしてもよい。例えば、入力部101を介して表示部104に変更内容の候補を自動的に表示させ、溶接作業者が、当該候補の中から該当する変更内容を選択する。変更内容が確定すると、これに関連付けられた溶接パラメータの候補が表示部104に自動的に表示され、溶接作業者が当該候補の中から該当する溶接パラメータを選択する。また、溶接品質の要求仕様に応じて、調整すべき溶接パラメータの候補が選択されるようにしてもよい。この場合の選択手順は、前述したのと同様である。
評価スコア算出部106により、調整すべき溶接パラメータに対応した評価指標が選択される。また、評価関数設定部109により、前述の評価関数が選択される(ステップS3)。評価指標は、要求される溶接品質に対応して選択される(例えば、図7参照)。
さらに、試行回数設定部110は、ステップS2で選択された溶接パラメータの値を変更、更新するための試行回数を設定する。また、後で述べる溶接パラメータの推定方法を設定する(ステップS4)。
次に、ステップS1で設定された溶接テーブルに基づいて、ワーク200を試行溶接する(ステップS5)。また、ステップS5の実行中に、溶接電流検出部7で溶接電流が検出される。また、溶接電圧検出部8で溶接電圧が検出され、ワイヤ送給速度検出部14で溶接ワイヤ50の送給速度が検出される。言い換えると、溶接テーブルに含まれる一つ以上の溶接パラメータに関係する物理量が測定される。これらの物理量は、入力部101を介して溶接パラメータ設定装置100で取得される(ステップS6)。
次に、試行溶接の結果を評価する(ステップS7)。評価項目は、要求される溶接品質に応じて決定される。例えば、溶接により形成される溶接ビード210(例えば、図12参照)の外観美観性を評価する場合、ワーク200の表面に付着したスパッタ量を評価項目とする。また、溶接ビード210の形状、例えば、溶接ビード210の幅が長さ方向にわたって均一であるか、また、溶接ビード210の際の形状に乱れが無いか、等が評価される。また、これらは、溶接度にカメラ装置(図示せず)で撮影した画像に基づいて評価される。ステップS7での評価結果は、後で述べるステップS9の処理時に用いられる。
また、溶接ビード210の形状を直接的に評価せず、例えば、アーク60の安定性から推定する場合もある。この場合は、溶接中のアーク60の状態を撮影するか、あるいは、アーク音から推定する。なお、アーク音とは、アーク60の発生中に生じる音波である。
次に、ステップS7での評価結果に基づいて、評価スコア算出部106は、ステップS2で選択された溶接パラメータに対応する評価スコアを算出する(ステップS8)。具体的には、ステップS7の評価結果を定量化し、当該定量データがステップS3で選択された評価関数に入力されて評価スコアが得られる。なお、ステップS8は、ステップS10の実行前に行ってもよい。
さらに、再度、試行溶接を実行するか否かが判断される(ステップS9)。ステップS9の判断は、試行溶接を行った溶接作業者か、あるいは溶接結果を評価した評価者により行われる。ステップS9の判断結果が肯定的、つまり、再度、ワーク200の試行溶接を行う必要があると判断された場合は、ステップS10に進む。また、ステップS9の判断結果が否定的、つまり、これ以上、ワーク200の試行溶接を行う必要が無いと判断された場合は、ステップS12に進む。
ステップS10において、溶接パラメータ推定部107は、次の試行で適用される溶接パラメータの値を推定する。この溶接パラメータは、ステップS2で選択された、調整すべきパラメータである。また、ステップS4で設定された推定方法に則って、溶接パラメータの値が推定される。また、溶接パラメータの値を推定するにあたって、ステップS3で選択された評価関数と、ステップS8で算出された評価スコアとが用いられる。
推定方法は、種々の方法が適用される。例えば、ランダムサーチやベイズ最適化やニューラルネットワークによる機械学習等が適用されうる。ランダムサーチは、次に使用すべき数値の候補の値をランダムに組み合わせる手法である。ベイズ最適化は、次に探索を行うべき値を探していく最適化アルゴリズムの一種である。
溶接パラメータの値をステップS10で推定された推定値に変更する(ステップS11)。さらに、ステップS5に戻って、再度、ワーク200の試行溶接を行う。なお、値が変更された後の溶接パラメータまたは溶接テーブルは、記憶部103に一時的に保存される。また、この際、変更された溶接パラメータの値に、前述の評価スコアが関連付けられて、記憶部103に保存される。
ステップS9の判断結果が否定的になるまで、ステップS5~S8及びステップS10,S11の一連の処理を繰り返し実行する。また、ステップS10を実行する毎に、値が変更された後の溶接パラメータまたは溶接テーブルは、記憶部103に一時的に保存される。
ステップS9の判断結果が否定的になり、ステップS12に進むと、溶接パラメータ設定部105は、記憶部103に一時保存された複数の溶接パラメータの値から評価スコアが最も高い値を選択する(ステップS12)。さらに、溶接パラメータの値をステップS12で選択された値に更新する(ステップS13)。
以上に説明した手順を実行することで、溶接条件の変更内容や要求される溶接品質に応じた溶接パラメータが選択され、溶接テーブルが更新される。
なお、本願明細書において、「値の変更」とは、直前の値と異なる値に変えることをいう。具体的に言うと、変更前後の溶接パラメータの値は、互いに異なる値となる。また、「値の更新」とは、直前の値を新しいバージョンの値に改めることをいう。具体的に言うと、更新前後の溶接パラメータの値が同じであっても異なっていてもよい。更新情報は、例えば、バージョン情報として、更新後の溶接パラメータの値に関連付けられる。
本実施形態に示すように、試行溶接の要否を判断した上で、溶接パラメータの推定を繰り返し行うことで、溶接パラメータの最適値をより少ない回数で推定することができる。
図5は、溶接パラメータの推定手順の一例を模式的に示す。左下の星印に示すピーク電流値とピーク幅の組を始点とし、順次、試行溶接と溶接結果の評価とを繰り返し、都度、ピーク電流値とピーク幅の組を推定する。
図5に示す適正域は、例えば、スパッタ量が要求仕様を満たす水準以下となる領域である。本実施形態に示すように、4回目及び5回目の推定で、適正域に対応するピーク電流値とピーク幅の組を推定することができる。しかし、これが最適値であるか否かは、この時点では分からない。また、最適値に近づけるように、試行溶接と溶接結果の評価と溶接パラメータの推定とを繰り返すと、かえって工数を要し、調整作業の効率が低下するおそれがある。
そこで、さらなる試行溶接が不要と判断されるまで、溶接パラメータの推定を繰り返し、得られた複数の値に関し、評価スコアに基づいて最終的な値を選択することで、溶接パラメータの最適値をより少ない回数で推定することが可能となる。
なお、図6に示すように、調整前の溶接テーブルに対し、更新された溶接パラメータを組み込んで溶接テーブルが更新される。この場合は、調整前のピーク電流値Ip1及びピーク幅Tp1が、調整後に、ピーク電流値Ip2及びピーク幅Tp2にそれぞれ更新されている。
調整後の溶接テーブルは、記憶部103に保存される。なお、調整前の溶接テーブルが、記憶部103にそのまま保存されていてもよい。溶接条件の変更内容が図4に示す例と異なる場合に、どの溶接テーブルを標準テーブルとするかの選択肢を広げられる。
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係る溶接パラメータ調整方法は、所定の溶接条件に対応する溶接テーブルを設定する第1ステップ(ステップS1)と、溶接品質に対応した評価指標を設定する第2ステップ(ステップS3)と、第1ステップで設定された溶接テーブルに基づいて、ワークを溶接する第3ステップ(ステップS5)と、を少なくとも備えている。
溶接パラメータ調整方法は、第3ステップの実行中に、溶接テーブルに含まれる一つ以上の溶接パラメータに関係する物理量を測定する第4ステップ(ステップS6)と、第4ステップで測定された物理量に基づいて、評価指標に関する評価スコアを算出する第5ステップ(ステップS8)と、を備えている。
また、溶接パラメータ調整方法は、ワーク200を再度、試行溶接するか否かを判断する第6ステップ(ステップS9)と、評価スコアに基づいて、評価指標に対応する溶接パラメータの値を推定する第7ステップ(ステップS10)と、を備えている。
第3ステップから第7ステップまでの一連の処理を所定回数繰り返し実行するとともに、各回の開始時点で、第7ステップでの推定結果に基づいて、評価指標に対応する溶接パラメータの値を変更する(ステップS11)。
第6ステップにて、再度の試行溶接が不要と判断した後に、評価スコアが最も高い場合の溶接パラメータを選択して、溶接パラメータを更新する第8ステップ(ステップS12、S13)をさらに備えている。
本実施形態によれば、溶接作業者の熟練度に依らず、簡便かつ確実に溶接パラメータを調整することができる。また、このことにより、溶接条件に変更が加わった場合にも、溶接品質を維持できる。さらに、溶接パラメータの調整作業に関する工数が増加するのを抑制できる。
第5ステップを実行するにあたって、所定の評価関数を選択し、評価指標を評価関数で評価して評価スコアを得ることが好ましい。
このようにすることで、評価スコアを用いて、溶接パラメータの値を客観的に評価できる。複数の試行でそれぞれ推定された溶接パラメータの値を比較することが容易となる。また、推定された複数の溶接パラメータの値の中から最適値を容易に選択できる。
一連の処理を行うにあたり、いずれかの第1ステップにおいて、溶接条件に対応して、予め準備された標準テーブルを設定し、第3ステップでは、標準テーブルに基づいてワーク200を試行溶接することが好ましい。
予め準備された標準テーブルを用いた試行溶接を行い、その結果に対する評価スコアを得ることで、溶接パラメータの値の調整量を小さくできる、このことにより、最適パラメータを選択するまでの試行回数が大幅に増加するのを抑制でき、調整作業の効率化が図れる。なお、図4に示す例では、まず、標準テーブルを用いた試行溶接とその結果評価を行ったが、特にこれに限定されない。複数回の試行溶接を行う場合、いずれかで標準テーブルを用いた試行溶接とその結果評価、さらに評価スコアの算出を行えばよい。
また、評価スコアを標準テーブルを用いた場合の評価スコアと比較して表示させることがより好ましい。
このようにすることで、溶接パラメータの調整作業を適切に行えているか否かを、溶接作業者が容易に確認することができる。
溶接条件の変更内容に応じて、調整すべき溶接パラメータの候補が選択されてもよい。また、溶接品質の要求仕様に応じて、調整すべき溶接パラメータの候補が選択されてもよい。
このようにすることで、溶接パラメータの調整に関するノウハウを持たない溶接作業者であっても、状況に応じて簡便かつ適切に溶接パラメータを調整することができる。また、溶接品質に要求される仕様に応じて、調整すべき溶接パラメータの候補を選択することで、適切に溶接パラメータを調整でき、溶接品質が維持できる。
図7は、評価指標と溶接品質と評価スコアとの関係の一例を示す。図7に示す例では、溶接品質の評価点としてスパッタ量を選択している。また、スパッタ量に関する評価指標として、ピーク時の短絡回数とピーク回数との比x(指標1)と、短絡時の電流平均値y(指標2)を選択している。指標1と指標2についてさらに説明する。
図8は、正常な状態での溶接電流波形と溶接電圧波形の一例を示し、図9は、ピーク区間中に短絡が生じた場合の溶接電流波形と溶接電圧波形の一例を示す。
図8に示すように、ピーク区間中に短絡が発生していない場合、前述の比xはゼロである。この場合、図7に示すように、指標1に関する評価スコアは、0.5となる。また、溶接電圧がVsに低下した時点で、短絡が発生したと検知する。図8に示す例では、2回のピーク区間がそれぞれ終了した後に、短絡が検知される。よって、前述の電流平均値yは、(Ib+Ib)/2=Ibとなる。図8に示すIbは90Aであるから、図7に示すように、指標2に関する評価スコアは、0.4となる。
一方、図9に示すように、2回のピーク区間のうち、一方の期間で短絡が1回発生した場合、比xは、0.5である。この場合、図7に示すように、指標1に関する評価スコアは、0.2となる。また、図9に示す例では、最初のピーク区間中に短絡が検知され、2回目のピーク区間が終了した後に短絡が検知される。よって、電流平均値yは、(Ip+Ib)/2となる。図8に示すIp,Ibは、それぞれ350A、90Aであるから、電流平均値yは、220Aとなり、図7に示すように、指標2に関する評価スコアは、0.1となる。
また、図7に示すように、評価関数として、評価スコアを、指標1に関する評価スコアと指標2に関する評価スコアとの和に設定している。したがって、図8に示す例では、評価スコアは0.9となり、図9に示す例では、評価スコアは0.3となる。つまり、図8に示す例の方が、図9に示す例よりも評価スコアが高い。電流値が高いピーク区間中に短絡が発生すると、ワーク200に形成される溶融池の振動が大きくなり、スパッタが発生しやすく、また、スパッタ量が大きくなる。
図10は、スパッタ量と評価スコアとの関係を示し、評価スコアが増加するにつれてスパッタ量は低下する傾向が見られている。つまり、評価スコアが最も高い溶接パラメータの値を選択することで、スパッタの発生量が少ない高品質のアーク溶接を実現できる。なお、図10に示す評価スコアは、前述の指標1や指標2に関する評価スコア以外に、スパッタ量に対応する別の評価指標に関する評価スコアも併せて図示している。
本実施形態に係る溶接パラメータ設定装置100は、一つ以上の溶接パラメータに関係し、ワーク200の溶接中に測定された物理量が少なくとも入力される入力部101と、所定の溶接条件に対応する溶接パラメータを設定する溶接パラメータ設定部105と、を少なくとも備えている。
また、溶接パラメータ設定装置100は、前述の物理量に基づいて、ワーク200の溶接品質に対応した評価指標に関する評価スコアを算出する評価スコア算出部106と、評価スコアに基づいて、調整すべき溶接パラメータの値を推定する溶接パラメータ推定部107と、を備えている。
溶接パラメータ設定装置100をこのように構成することで、溶接作業者の熟練度に依らず、簡便かつ確実に溶接パラメータを調整することができる。また、このことにより、溶接条件に変更が加わった場合にも、溶接品質を維持できる。さらに、溶接パラメータの調整作業に関する工数が増加するのを抑制できる。
溶接パラメータ設定装置100は、溶接条件に対応する1または複数の溶接パラメータと、入力部101に入力された物理量と、評価スコア算出部106で算出された評価スコアと、を少なくとも保存する記憶部103と、評価スコアを少なくとも表示する表示部104と、をさらに備えるのが好ましい。
このようにすることで、溶接パラメータの調整作業を効率良く行うことができる。なお、記憶部103は、溶接パラメータ設定装置100の外部に設けられていてもよい。記憶部103は、溶接パラメータ設定装置100とデータの授受が可能に構成されていればよく、例えば、記憶部103が外部サーバーに設けられていてもよい。
溶接パラメータ設定装置100は、溶接条件に対応する前記溶接パラメータの群である溶接テーブルを設定する溶接テーブル設定部111と、調整すべき溶接パラメータを選択する調整パラメータ選択部108と、をさらに備えるのが好ましい。また、評価スコアを算出するための評価関数を設定する評価関数設定部109と、溶接パラメータの値を推定するのに必要なワーク200の試行溶接回数を設定する試行回数設定部と、をさらに備えるのが好ましい。
このようにすることで、簡便かつ確実に溶接パラメータを調整することができる。
本実施形態に係る溶接システム300は、ワーク200を溶接するアーク溶接装置20と溶接パラメータ設定装置100と、を少なくとも備えている。
溶接システム300をこのように構成することで、溶接条件の変更内容や溶接品質の要求仕様に応じて、簡便かつ適切に溶接パラメータを調整できる。このことにより、種々の形状や材質を有するワーク200に対して、高品質を維持してアーク溶接を行うことができる。
(実施形態2)
前述したように、溶接品質の要求仕様に応じて、調整すべき溶接パラメータの候補が選択される。この場合、調整すべき溶接パラメータに応じて、選択される評価指標や評価関数も変更される。
また、溶接品質の評価点は、スパッタ量だけでなく、種々の項目がある。例えば、溶接ビード210の外観美観性を、所定の評価指標に基づいて定量化し、評価スコアを算出することができる。
図11は、本実施形態に係る評価指標と溶接品質と評価スコアとの関係の一例を示す。図11に示す例では、溶接品質の評価点としてスパッタ量と溶接ビード210の外観とを選択している。また、スパッタ量に関する評価指標として、前述の指標1と指標2を選択している。一方、溶接ビード210の外観に関する評価指標として、短絡溶接とスプレー溶接の混在回数z(指標3)を選択している。指標3についてさらに説明する。
図12は、短絡溶接とスプレー溶接とが混在した場合の溶接ビードの外観と溶接電圧波形とを示し、短絡溶接時には、短絡により溶接電圧が不規則にゼロとなる。このため、溶接電圧波形は、振幅が大きく、かつ波形変化に周期性が見られない。一方、スプレー溶接時には、溶接電圧波形の振幅は安定しており、また波形変化も安定している。
このように、短絡溶接とスプレー溶接とが混在した場合、溶接電圧波形に大きな違いが見られる。このことを反映して、溶接ビード210の幅は、短絡溶接時とスプレー溶接時とで異なってくる。前者では幅が狭くなり、後者では幅が広くなる。
よって、溶接ビード210を形成する場合に、前述の混在回数zが大きくなると、溶接ビード210の幅の変化点が多くなり、外観美観性を損ねる。
本実施形態によれば、混在回数zを、溶接ビード210の幅の変化点や変化量等と関連付けて分類し、評価スコアを算出している。また、算出された評価スコアに基づいて、最適な溶接パラメータの値を推定している。このことにより、溶接ビード210の外観美観性を向上できる。 また、溶接品質を評価する上で、スパッタ量と溶接ビード210の外観に関して、どちらをどのように重視するかにより、異なる評価関数が選択される。
スパッタ量と溶接ビード210の外観のいずれも評価スコアに同等に反映させたい場合、例えば、図11に示す評価関数Aが選択される。つまり、最終的な評価スコアとして、指標1,2,3に関する評価スコアがそれぞれ加算される。
一方、スパッタ量が多くなることを重視する場合は、例えば、図11に示す評価関数Bが選択される。つまり、スパッタ量に関する評価指標である指標1,2の評価スコアの和に関し、重み付け係数1.5が乗ぜられる。一方、溶接ビード210の外観に関する評価指標である指標3の評価スコアには、重み付け係数0.5が乗ぜられる。
また、溶接品質に関し何を重視するかを入力部101に入力することで、評価関数設定部109が適切な評価関数を設定するようにしてもよい。例えば、前述したように、表示部104がタッチパネルで入力部101を兼ねる場合、溶接品質の要求仕様を表示部104に表示させる。その際、例えば、スパッタ量に関する要求仕様を重視する場合は、図11に示す指標1と指標2が表示され、これらを選択すると、評価関数Aが選択されるようにする。また、スパッタ量と溶接ビード210の外観の両方を重視する場合は、図11に示す指標1~3が表示され、これらを選択すると、評価関数Bが選択されるようにする。
つまり、溶接条件の変更内容に応じて、調整すべき溶接パラメータの候補が選択されるようにしてもよい。
(実施形態3)
図13Aは、電源ケーブルの長さが標準条件を満たす場合の溶接電流波形を示し、図13Bは、電源ケーブルの長さが標準条件よりも長い場合の溶接電流波形を示す。
電源ケーブル70の長さが、予め設定された標準条件を満たす場合、図13Aに示すように、溶接電流波形において、パルスの立上り時間及び立下り時間は、いずれも適切な値となる。
一方、電源ケーブル70の長さが標準条件よりも長い場合、電源ケーブル70の抵抗成分とインダクタンス成分がそれぞれ増加し、図13Bに示すように、パルスの立上り及び立下り波形がそれぞれ鈍ってくる。また、パルスの立上り時間及び立下り時間が、それぞれ設定値よりも長くなってしまう。さらに、実質的なパルス幅が短くなってしまう。このような場合、1パルス当たりのワーク200への入熱量が変化してしまうおそれがある。また、インダクタンス成分が増加することで、溶接電流が十分に低下しないうちに再び増加に転じるタイミングで微小短絡が生じやすくなる。また、微小短絡の発生に応じて、溶接電流波形に乱れが生じるおそれがある。
そこで、本実施形態では、溶接条件の変更内容を電源ケーブル70の長さとし、これに対応した調整すべき溶接パラメータとして、パルスの立上り時間及び立下り時間とパルス幅とを選択できるようにしている。この場合、前述したように、表示部104に溶接条件の変更内容として、電源ケーブル70の長さが表示できるようにする。また、当該内容を選択すると、調整すべき溶接パラメータとして、パルスの立上り時間及び立下り時間とパルス幅が、表示部104に表示されるようにする。なお、溶接品質の低下を抑制することを重視する場合は、調整すべき溶接パラメータとして、さらに、パルス高さ、つまり、ピーク電流が選択されるようにしてもよい。
なお、実際に溶接パラメータを調整するにあたっては、まず、パルスの立上り時間と立下り時間を選択し、実施形態1に示す手順でこれらの値を調整した。その後、パルス幅を調整した。
図14は、本実施形態に係るパラメータ調整前後の溶接電流波形及び溶接電圧波形を示す。なお、図14に示す例では、溶接方式はパルス溶接であり、ワーク200の材質は軟鋼である。
図14の上側の図に示すように、溶接パラメータの調整前では、微小短絡が不規則に発生し、これに応じて溶接電圧波形がゼロに低下していた。また、微小短絡の発生に応じて、溶接電亜流波形に乱れが生じていた。
一方、前述の3つの溶接パラメータ、つまり、パルスの立上り時間及び立下り時間とパルス幅を調整した場合、図14の下側の図に示すように、腹側な微小短絡の発生が抑制された。なお、調整後のパラメータの値は、調整前に比べて、ワーク200への入熱量を増やす方向に変化した。
図15は、本実施形態に係る別のパラメータ調整前後の溶接電流波形及び溶接電圧波形を示す。図15に示す例では、溶接方式及びワーク200の材質は図14に示す例と同様である。一方、調整前には、ワーク200の材質が軟鋼とは異なる材質向けの標準テーブルを用いてワーク200の溶接を行っていた。
その結果、図15の上側の図に示すように、不規則にワーク200と溶接ワイヤ50とが短絡し、例えば、スパッタ量が増加したり、溶接ビードの外観を損ねていた。
一方、実施形態1に示す手順で、調整すべき溶接パラメータの値を調整した後には、図15の下側の図に示すように、ワーク200と溶接ワイヤ50とが規則的に適切なタイミングで短絡するようになった。また、図示しないが、その結果、スパッタ量が大幅に低減し、溶接品質の向上が図れた。
(実施形態4)
図4に示す例において、調整すべき溶接パラメータの数に基づいて、試行回数を決定するようにしてもよい。特に、調整すべき溶接パラメータが複数ある場合、一部の溶接パラメータの値を更新した後、残りの溶接パラメータの値を更新するようにしてもよい。この場合、先に更新する溶接パラメータは、溶接品質への影響度が高いパラメータであることが好ましい。以下、具体的に説明する。
図16は、本実施形態に係る溶接パラメータの調整手順のフローチャートを示し、図17は、調整すべき溶接パラメータと試行回数との関係の一例を示す。
図16に示すステップS21~S28及びS30~S38は、図4に示すステップS1~S8及びS10~S13とそれぞれ同様の内容であるため、詳細な説明は省略する。ただし、後で述べるように、ステップS22で選択された溶接パラメータをすべて同時に探索し、さらに更新する場合と、一部の溶接パラメータのみを更新し、残りの溶接パラメータをその後で更新する場合がある。まず、前者について説明する。
図16に示すステップS29は、所定回数の試行を実行したか否か、言い換えると、事前に設定された試行回数に達したか否かを判断する点で、図4に示すステップS9と異なる。図4に示すフローチャートでは、さらなる試行溶接が不要と判断されるまで、溶接パラメータの推定を繰り返していた。一方、溶接パラメータの探索にあたって、所定回数の試行を繰り返せば、適切に溶接パラメータの値を推定できることも多い。例えば、前述したベイズ最適化やランダムサーチ等の手法により、パラメータを探索する場合等である。
このような場合は、所定回数の試行と溶接パラメータの推定を繰り返し、得られた複数の値に関し、評価スコアに基づいて最終的な値を選択することで、溶接パラメータの最適値をより少ない回数で推定することが可能となる。
図17に示す例で言えば、溶接条件が標準で、かつ調整すべき溶接パラメータがパルス幅のみの場合、試行回数を適切に設定することで、溶接パラメータの最適値をより少ない回数で推定することが可能となる。また、溶接品質を高品質に維持したい場合、調整すべき溶接パラメータは4種類(パルスの立上り時間、立下り時間、パルス幅、ピーク電流)に増えるが、この場合、試行回数を増やすことによって、溶接パラメータの最適値を推定することが可能となる。なお、図17に示す試行回数はあくまで一例であり、溶接パラメータの最適値を適切に推定できる範囲で適宜変更されうる。
また、電源ケーブル70の長さが標準条件より長くなる場合、微小短絡が生じやすくなり、また、ワーク200への入熱量が不足しやすくなることは前述の通りである。この場合に、調整すべき3種類の溶接パラメータ、つまり、パルスの立上り時間と立下り時間とパルス幅と同時に推定しようとすると、3つ以上の変数に関する試行の組み合わせにより、試行回数が大幅に増加することがある。
そのため、溶接品質に要求される仕様に基づいて、優先的に調整すべき溶接パラメータを選択し、この値を推定、更新する。その後で、残りの溶接パラメータの値を推定、更新する。このようにすることで、試行の組み合わせ数を大幅に減らせ、試行回数の増加を抑制できる。
なお、調整すべき溶接パラメータの数がさらに増え、溶接パラメータの値の推定に関しさらに細かい優先順位が付与される場合、ステップS33の後に、必要な溶接パラメータの値の更新がすべて完了したか否かを判断するステップ(ステップS34)を設けるのが好ましい。このようにすることで、調整すべき溶接パラメータの更新漏れを防止することができる。
なお、このような手法を採る場合、最適値の推定精度が低下する場合があるので、このことを考慮した上で、1回の推定時に得られる溶接パラメータの数には留意する必要がある。
本実施形態では、図17に示すように、微小短絡の発生を抑制するために、まず、パルスの立上り時間と立下り時間の推定と更新を実行する。その後で、パルス幅の推定と更新を実行する。このようにすることで、微小短絡によるスパッタの発生を抑制でき、スパッタ量を低減して溶接品質を高められる。なお、この場合も、図17に示す試行回数はあくまで一例であり、溶接パラメータの最適値を適切に推定できる範囲で適宜変更されうる。
また、図17に示す3つの例において、調整すべき溶接パラメータの数に基づいて、試行回数が決定されることは言うまでもない。
また、本実施形態の溶接パラメータ調整方法において、調整すべき溶接パラメータが複数ある場合、ステップS25~S31までの一連の処理を行って、複数の溶接パラメータのうち少なくとも一つ以上の溶接パラメータの値を更新する。さらに、前述の一連の処理を行って、残りの溶接パラメータのうち少なくとも一つ以上の溶接パラメータの値を更新する。
また、所定回数の試行、つまり、前述の一連の処理を行うにあたって、溶接品質への影響度が高い溶接パラメータの値を優先して更新することが好ましい。
(その他の実施形態)
実施形態1~4に示す各構成要素を適宜組み合わせて、新たな実施形態とすることもできる。例えば、実施形態2において、複数の溶接パラメータを調整する必要がある場合、実施形態4に示す手法を適用してもよい。
また、本願明細書では、アーク溶接装置20を例に取って説明したが、ワーク200を溶接する溶接装置は特にこれに限定されない。例えば、溶接装置がレーザ溶接装置であってもよい。この場合も、複数の溶接パラメータ、例えば、レーザ光の出力やビーム径、また、レーザ光をパルス状に照射する場合のパルス幅や周期等が存在する。
したがって、レーザ溶接装置を使用する場合も、これに接続される溶接パラメータ設定装置100を用いて、溶接条件の変更内容や溶接品質の要求仕様に応じて、実施形態1に示す手順で、調整すべき溶接パラメータの値を変更し、溶接テーブルを更新する。
このようにすることで、溶接作業者の熟練度に依らず、簡便かつ確実に溶接パラメータを調整することができる。また、このことにより、溶接条件に変更が加わった場合にも、溶接品質を維持できる。さらに、溶接パラメータの調整作業に関する工数が増加するのを抑制できる。
なお、レーザ溶接において、取得すべき物理量は、アーク溶接の場合と異なることは言うまでもない。レーザ溶接の実行中に、例えば、レーザ光源に接続される電源の出力をモニターすることで、レーザ光の出力を導出し、これを物理量としてもよい。あるいは、レーザ光を一部分岐して、直接的に出力を測定してもよい。
本開示の溶接パラメータ調整方法は、溶接作業者の熟練度に依らず、簡便かつ確実に溶接パラメータを調整できるため、有用である。
1 入力電源(三相交流電源)
2 主変圧器
3 一次側整流部
4 スイッチング部
5 DCL(リアクトル)
6 二次側整流部
7 溶接電流検出部
8 溶接電圧検出部
9 制御切替部
10 出力制御部
11 短絡溶接制御部
12 パルス溶接制御部
13 ワイヤ送給速度制御部
14 ワイヤ送給速度検出部
15 ワイヤ送給速度算出部
16 物理量測定部
20 アーク溶接装置
30 トーチ
40 ワイヤ送給装置
50 溶接ワイヤ
60 アーク
100 溶接パラメータ設定装置
101 入力部
102 出力部
103 記憶部
104 表示部
105 溶接パラメータ設定部
106 評価スコア算出部
107 溶接パラメータ推定部
108 調整パラメータ選択部
109 評価関数設定部
110 試行回数設定部
111 溶接テーブル設定部
112 溶接パラメータ再調整部
200 ワーク
210 溶接ビード
300 溶接システム

Claims (13)

  1. 所定の溶接条件に対応する溶接テーブルを設定する第1ステップと、
    溶接品質に対応した評価指標を設定する第2ステップと、
    前記第1ステップにて設定した溶接テーブルに基づいて、ワークを試行溶接する第3ステップと、
    前記第3ステップの実行中に、前記溶接テーブルに含まれる一つ以上の溶接パラメータに関係する物理量を測定する第4ステップと、
    前記第4ステップで測定された前記物理量に基づいて、前記評価指標に関する評価スコアを算出する第5ステップと、
    前記ワークを再度、試行溶接するか否かを判断する第6ステップと、
    前記評価スコアに基づいて、前記評価指標に対応する溶接パラメータの値を推定する第7ステップと、を少なくとも備え、
    前記第3ステップから前記第7ステップまでの一連の処理を、繰り返し実行するとともに、各回の開始時点で、前記第7ステップでの推定結果に基づいて、前記評価指標に対応する溶接パラメータの値を変更し、
    前記第6ステップにて、再度の試行溶接が不要と判断した後に、前記評価スコアが最も高い場合の前記溶接パラメータを選択して、前記溶接テーブルを更新する第8ステップをさらに備えたことを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  2. 請求項1に記載の溶接パラメータ調整方法において、
    前記第4ステップを実行するにあたって、所定の評価関数を選択し、前記評価指標を前記評価関数で評価して前記評価スコアを得ることを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  3. 請求項1または2に記載の溶接パラメータ調整方法において、
    前記評価スコアを標準テーブルを用いた場合の評価スコアと比較して表示させることを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の溶接パラメータ調整方法において、
    前記溶接条件の変更内容に応じて、調整すべき前記溶接パラメータの候補が選択されることを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の溶接パラメータ調整方法において、
    前記溶接品質の要求仕様に応じて、調整すべき前記溶接パラメータの候補が選択されることを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の溶接パラメータ調整方法において、
    前記第6ステップでは、事前に設定した試行回数に達したか否かを判断することを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  7. 請求項6に記載の溶接パラメータ調整方法において、
    調整すべき前記溶接パラメータの数に基づいて、前記試行回数を決定することを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  8. 請求項7に記載の溶接パラメータ調整方法において、
    調整すべき前記溶接パラメータが複数ある場合、
    前記一連の処理を行って、複数の前記溶接パラメータのうち少なくとも一つ以上の溶接パラメータの値を更新し、
    さらに、前記一連の処理を行って、残りの前記溶接パラメータのうち少なくとも一つ以上の溶接パラメータの値を更新することを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  9. 請求項8に記載の溶接パラメータ調整方法において、
    前記溶接品質への影響度が高い溶接パラメータの値を優先して更新することを特徴とする溶接パラメータ調整方法。
  10. 一つ以上の溶接パラメータに関係し、ワークの溶接中に測定された物理量が少なくとも入力される入力部と、
    所定の溶接条件に対応する前記溶接パラメータを設定する溶接パラメータ設定部と、
    前記入力部に入力された前記物理量に基づいて、前記ワークの溶接品質に対応した評価指標に関する評価スコアを算出する評価スコア算出部と、
    前記評価スコアに基づいて、調整すべき前記溶接パラメータの値を推定する溶接パラメータ推定部と、を少なくとも備えたことを特徴とする溶接パラメータ設定装置。
  11. 請求項10に記載の溶接パラメータ設定装置において、
    前記溶接条件に対応する1または複数の前記溶接パラメータと、前記入力部に入力された前記物理量と、前記評価スコア算出部で算出された前記評価スコアと、を少なくとも保存する記憶部と、
    前記評価スコアを少なくとも表示する表示部と、をさらに備えたことを特徴とする溶接パラメータ設定装置。
  12. 請求項11に記載の溶接パラメータ設定装置において、
    前記溶接条件に対応する前記溶接パラメータの群である溶接テーブルを設定する溶接テーブル設定部と、
    調整すべき前記溶接パラメータを選択する調整パラメータ選択部と、
    前記評価スコアを算出するための評価関数を設定する評価関数設定部と、
    前記溶接パラメータの値を推定するのに必要な前記ワークの試行溶接回数を設定する試行回数設定部と、をさらに備えたことを特徴とする溶接パラメータ設定装置。
  13. ワークを溶接する溶接装置と、
    請求項10ないし12のいずれか1項に記載の溶接パラメータ設定装置と、を少なくとも備えたことを特徴とする溶接システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118635732A (zh) * 2024-08-14 2024-09-13 恩督重工(南通)有限公司 一种管道焊接路径规划方法及系统

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