JP2023000164A - 車両挙動演算装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易なアルゴリズムで車両の横速度を算出可能な車両挙動演算装置を実現する。【解決手段】演算装置14は、IMU26が検出した車両の横角度と、車速センサ24が検出した車両の前後速度との積に、後輪の正規化コーナリングスティフネスと重力加速度と-2との積の逆数である比例係数を乗じて車両の後輪車軸中心における横速度を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両挙動演算装置に係り、特に、簡易なアルゴリズムで車両の横速度を算出可能な車両挙動演算装置に関する。
車両の運動の推定をする際に、車両の前後速度、横速度、及び車体のスリップ角の算出が求められる。車両を剛体であると仮定すると、剛体の6自由度の運動のうち、前後速度は車速センサ、ロール角とピッチ角はIMU(慣性計測装置)、方位角はGPSで計測をすることができる。また、走行中の車両において上下速度はゼロであり、計測を要しない。しかしながら、横速度及びスリップ角の各々はセンサ類で直接計測することができないことから様々な推定手法が提案されている。
代表的な推定手法は、ハンドルの操舵角のデータをもとに車体質量と重心位置、および前後のタイヤコーナリングスティフネス等の物理パラメータを用いて推定する手法がある。かかる手法では物理パラメータの数が多く、さらには推定演算のためのパラメータ調整が必要になり、推定結果が各々の物理パラメータの精度に依存してしまうという問題があった。
また、カルマンフィルタ等を用い、センサ等で検出した観測値から推定した予測値を新たな観測値と比較することを繰り返して予測値の精度を上げることにより車両の横速度の値を推定する場合があった。しかしながら、カルマンフィルタ等のアルゴリズムは、演算過程が複雑であり、車両の横速度を迅速に算出することが容易ではないという問題があった。
特許文献1には、センサで各々検出した車速とヨーレートと横加速度とで車両のロール角を推定すると共に、推定したロール角と操舵角センサの値とを用いて車両の横速度を推定する車両物理量推定装置の発明が開示されている。
特許文献2には、加速度センサの値を時間積分することによって車両の前後速度と横速度とを推定すると共に、車両のスリップ角を推定する車両のスリップ角推定方法の発明が開示されている。
特開2008-94375号公報 特開2006-256469号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、推定する横速度の精度がロール角の推定精度に依存するという問題があることに加えて、操舵角センサが別途必要になるという問題があった。
特許文献2に記載の発明は、加速度センサの値を時間積分するが、バイアスの影響で値が発散しやすく、常用域での精度が良くないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡易なアルゴリズムで車両の横速度を算出可能な車両挙動演算装置を実現することを目的とする。
第1の態様に係る車両挙動演算装置は、車両の後輪車軸中心における横加速度を検出可能な加速度検出部と、前記後輪車軸中心における前後速度を検出する車速検出部と、前記加速度検出部で検出した横加速度と前記車速検出部で検出した前後速度との積に、所定の比例係数を乗じて前記後輪車軸中心における横速度を算出する演算部と、を含んでいる。
第1の態様では、車両の後輪車軸中心における横速度が、加速度検出部で検出した横加速度と車速検出部で検出した前後速度との積に比例することに基づいて、後輪車軸中心における横速度を算出する。
第2の態様は、第1の態様において、前記演算部は、前記加速度検出部で検出した横加速度に前記所定の比例係数を乗じて前記車両の後輪車軸中心におけるスリップ角を算出する。
第2の態様では、車両の後輪車軸中心におけるスリップ角が、加速度検出部で検出した横加速度に比例することに基づいて、後輪車軸中心におけるスリップ角を算出する。
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様において、前記所定の比例係数は、後輪の正規化コーナリングスティフネスと重力加速度と-2との積の逆数である。
車両の後輪車軸中心におけるスリップ角と車両の後輪車軸中心における横速度とに共通する比例係数は、車両質量に依存しない正規化コーナリングスティフネスと、重力加速度とで算出される。かかる比例係数に、IMU等で検出可能な横加速度と車速センサで検出可能な車輪速とを乗算するのみで、簡易に車両の後輪車軸中心における横速度を算出できる。
第4の態様は、第1の態様又は第3の態様において、前記加速度検出部は、前記車両の姿勢角の角加速度であるロールレート及びヨーレートを各々検出可能で、前記演算部は、前記後輪車軸中心における横速度に対し、前記加速度検出部で検出したヨーレートと前記車両における任意の位置の前記後輪車軸中心から前記車両の前後方向の座標値との積を加算すると共に、前記加速度検出部で検出したロールレートと前記任意の位置の前記後輪車軸中心から前記車両の垂直方向の座標値との積を減算して前記任意の位置における横速度を算出する。
第4の態様では、後輪車軸中心における横速度に対し、IMU等で検出可能なヨーレート及びロールレートに係る値を加算又は減算することにより、車両の任意の位置における横速度を算出できる。
第5の態様は、第2の態様又は第3の態様において、前記加速度検出部は、前記車両の姿勢角の角加速度であるロールレート及びヨーレートを各々検出可能で、前記演算部は、前記後輪車軸中心におけるスリップ角に対し、前記加速度検出部で検出したヨーレートと前記車両における任意の位置の前記後輪車軸中心から前記車両の前後方向の座標値との積を前記車速検出部で検出した前後速度で除算して得た値を加算すると共に、前記加速度検出部で検出したロールレートと前記任意の位置の前記後輪車軸中心から前記車両の垂直方向の座標値との積を前記車速検出部で検出した前後速度で除算して得た値を減算して前記任意の位置におけるスリップ角を算出する。
第5の態様では、後輪車軸中心におけるスリップ角に対し、IMU等で検出可能なヨーレート及びロールレートに係る値を加算又は減算することにより、車両の任意の位置における横速度を算出できる。
本発明によれば、簡易なアルゴリズムで車両の横速度を算出可能な車両挙動演算装置を実現できるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る車両挙動演算装置の一例を示したブロック図である。 本発明の実施形態における座標系を示した概略図である。 本発明の実施形態における変数の一例を示した説明図である。 スリップ角の説明図である。 本発明の実施形態に係る演算装置の入出力関係の一例を示したブロック図である。 車両の重心における前後速度及び横速度、後輪車軸中心における前後速度及び横速度、重心から前輪車軸中心までの距離、重心から後輪車軸中心までの距離、前輪タイヤ横力、後輪タイヤ横力の関係を示した説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る車両挙動演算装置10は、演算装置14の演算に必要なデータ及び演算装置14による演算結果を記憶する記憶装置18と、車速センサ24が検出した車両前後速度、IMU26が検出した車両の姿勢角の角速度及び加速度が入力される入力装置12と、入力装置12から入力された入力データ及び記憶装置18に記憶されたデータに基づいて車両の横速度及びスリップ角等を推定する演算を行なう演算装置14と、演算装置14で算出された車両の横速度及びスリップ角等を出力する出力装置16と、で構成されている。
続いて、車両200の挙動に係る座標系を図2に示したように定義する。地球座標系204は地球平面を基準として重力加速度方向とzeとが平行で、yeが北方向を向いている座標系である。車体座標系208は車体バネ上に固定された座標系で、zvは車体鉛直上方向、xvは車体進行方向を向いている。従って、車両200の前後方向は、車体座標系208のx軸に平行な方向となる。後述するように、本実施形態では、車体座標系208の基準点を車両200の重心ではなく、車両200の後輪の車軸の車幅方向の中心とする。また、本実施形態では、車体座標系208を使用し、地球座標系204は使用しない。
また、オイラー姿勢角であるロール角φ、ピッチ角θ及びヨー角ψは、地球座標系204に対して、図2に示したように定義される。例えば、ロール角φはx軸まわりの回転角であり、ピッチ角θは、y軸まわりの回転角であり、ヨー角ψは、z軸まわりの回転角である。また、ロール角φ、ピッチ角θ及びヨー角ψの各々は、右ネジの方向(図2では、各々の矢印方向)の回転で正の値を示す。本実施形態では、以後、単に、ロール角φ、ピッチ角θ及びヨー角ψと記した場合は、基本的に、車体座標系208に対して定義されたロール角φv、ピッチ角θv及びヨー角ψvであるとする。
図3は、本実施形態における変数の一例を示した説明図である。本実施形態では、車両200の前後速度Vx、車両200の横速度Vy及び車両200の上下速度Vzの各々を定義する。Vxはx軸、Vyはy軸及びVzはz軸に各々平行する。
また、車両200のロール角φ、ピッチ角θ、ヨー角ψに対応するIMU26の出力値は、角速度であるロールレートP、ピッチレートQ、ヨーレートRと定義する。
図3に示したように、車体座標系208において、速度ベクトルをv=(Vx、V、Vz)、角速度ベクトルをω=(P、Q、R)、力のベクトルをF=(Fx、Fy、Fz)とする。
図4は、スリップ角βの説明図である。タイヤ中心線110の向きとタイヤ100の進行方向112はタイヤ100の回転軸102で交差するが、車両が旋回している場合、通常はタイヤ中心線110の向きとタイヤ100の進行方向112は、一致しない。図4に示したように、タイヤ100を例えば地球座標系204のz軸方向から見たとき、タイヤ中心線110の向きと、タイヤ100の進行方向112とのなす角度βをスリップ角または横すべり角という。
スリップ角の定義は上記の通りであるが、後述するように、本実施形態では、車両の横速度を被除数、車両の前後速度を徐数とした商としてスリップ角βを定義する。
以下に、車両の横速度及びスリップ角を算出する原理について説明する。
図5は、本実施形態に係る演算装置14の入出力関係の一例を示したブロック図である。本実施形態に係る演算装置14は、車速センサ24が検出した車速と、IMU26が検出した車両の横加速度とに基づいて、車体横速度を算出する。
図6は、車両200の重心CGにおける前後速度xc及び横速度yc、後輪車軸中心202における前後速度xw及び横速度yw、車両重心CGから前輪車軸中心210までの距離lf、車両重心CGから後輪車軸中心202までの距離lr、前輪タイヤ横力Ff、後輪タイヤ横力Frの関係を示した説明図である。
車両200の質量をm、路面姿勢角であるロール角をφ、同じく路面姿勢角であるピッチ角をθとすると、車両200の重心CGにおける横方向の運動方程式は、下記の式(1)によって表される。式(1)中のac,yは、車両重心CGにおける横加速度である。
Figure 2023000164000002
また、車両重心CG回りの車体慣性モーメントをI、車体ヨーレートをRとすると、回転の運動方程式は、下記の式(2)のようになる。式(2)の左辺は、車体慣性モーメントIと車体ヨーレートRの時間微分との積であり、同右辺は、車両重心CGから前輪車軸中心210までの距離lfと前輪タイヤ横力Ffとの積から、車両重心CGから後輪車軸中心202までの距離lrと後輪タイヤ横力Frとの積を減算することを示している。
Figure 2023000164000003
本実施形態では、スポーツ走行等の極限的な車両200の挙動は想定せず、日常的な運転における常用域での車両200の挙動を想定しているので、車体ヨーレートRの時間微分である回転加速度は0に近似すると仮定する。かかる仮定により、上記の式(2)から、下記の式(3)が得られる。
Figure 2023000164000004
上記の式(3)を式(1)に代入すると、下記の式(4)が得られる。
Figure 2023000164000005
車両200のホイールベースlは、l=lf+lrなので、式(4)から下記の式(5)が得られる。
Figure 2023000164000006
また、後輪位置における鉛直荷重mrgは、mrg=(lf /l)・mgなので、式(5)から下記の式(6)が得られる。
Figure 2023000164000007
タイヤ横力がスリップ角に比例する線形領域では、後輪タイヤ横力Frは、下記の式(7)で表わされる。式(7)において、Crは、コーナリングスティフネスを車輪荷重で除算して得られる正規化コーナリングスティフネスであり、Vc,y、Vc,xは、各々車両重心CGにおける横速度と前後速度である。
Figure 2023000164000008
以上の式(1)~(7)に基づいて、下記の式(8)が得られる。
Figure 2023000164000009
上記方程式を後輪車軸中心に変数変換をする上で3つの位置ベクトルを考える。地球座標系の原点から後輪車軸中心へのベクトルrew、地球座標系の原点から車両重心CGへのベクトルrec、車両重心CGから後輪車軸中心202へのベクトルrcwを考えると、下記の式(9)のような関係が成立する。
Figure 2023000164000010
上記の式(9)を時間微分すると、車両重心CGにおける速度を地球座標系における速度に変換する式が得られる。式(9)の時間微分は、重心における回転角速度ωcと後軸中心での回転角速度ωvは同じであることから、dr/dt=δr/δt + ω × rの関係を用いて下記のように整理される。下記の式(10)、(11)におけるrcwは、車両重心CGから後輪車軸中心202までの相対位置を示し、rcw=(lx、ly、lz)である。
Figure 2023000164000011
さらに、Vw=drew/dtとして、式(11)を時間微分することにより、車両重心CGにおける加速度を地球座標系における加速度に変換する式が得られる。
Figure 2023000164000012
車両重心CGの加速度acは下記の式(17A)、後輪車軸中心202での加速度awは下記の式(17B)のようになる。
Figure 2023000164000013
車両重心CGの加速度ac、及び後輪車軸中心202での加速度awの関係を用いて式(16)を変形すると、下記の式(18)が得られ、式(18)から加速度の変数変換の式(20)が得られる。
Figure 2023000164000014
車両重心CGから見た後輪車軸中心202の座標rcwは、rcw=[-lr、0、0]なので、式(13)及び式(20)の各々は、y(横)方向について下記のように整理されて、式(21)及び式(22)が得られる。式(21)は、車体横方向の速度の変数変換の式であり、式(22)は、車体横方向の加速度の変数変換の式である。
Figure 2023000164000015

Figure 2023000164000016
続いて、式(8)に式(21)及び式(22)を代入すると共に、車両重心CGにおける前後速度Vc,xと、後輪車軸中心202における前後速度Vw,xとが略等しいとすると、下記の式(23)が得られる。
Figure 2023000164000017
前述のように、本実施形態では、車体ヨーレートRの時間微分である回転加速度は0に近似すると仮定している。さらに、路面勾配の変動が微小であると仮定すれば、ロールレートPとピッチレートQとの積であるPQは0に近似すると考えられる。その結果、上記の式(23)は、下記の式(24)となる。
Figure 2023000164000018
また、後輪車軸中心202におけるIMU26の横加速度の出力Aw,yは、下記の式(25)で表される。
Figure 2023000164000019
ここで、


Figure 2023000164000020

であるとすると、式(25)は、下記の式(26)のようになる。
Figure 2023000164000021
式(24)及び式(26)から下記の式(27)が得られる。
Figure 2023000164000022
従って、横速度Vw,yは、下記の式(28)で表される。
Figure 2023000164000023
そして、スリップ角βは、β=Vy/Vxなので、下記の式(29)で表される。
Figure 2023000164000024
以上説明したように、本実施形態では、車両運動の方程式を後輪位置から見た変数に変換をすると共に、旋回角加速度であるヨーレートの時間微分が0に近似でき、かつ路面勾配の変動が微小な場合にロールレートとピッチレートとの積が0に近似できることに着目した。その結果、横速度は車速と横加速度に、スリップ角は横加速度に各々比例し、かかる場合の比例係数は後輪の正規化コーナリングスティフネスCrと重力加速度gと-2との積の逆数になるという式(28)、(29)に示した関係を導くことができる。
本実施形態では、式(28)に示したように、車両質量に依存しない正規化コーナリングスティフネスタと、重力加速度と、IMU26等で検出可能な横加速度と、車速センサで検出可能な車輪速と、のみで、簡易に横速度が演算できることが特徴である。スリップ角の演算については、式(29)に示したように、横加速度と正規化コーナリングスティフネスと、重力加速度と、のみで演算可能である。また、IMU26等の加速度センサの特徴により、路面の傾斜によって生じる重力加速度の影響も、姿勢角を推定することなく考慮することができるので、車両の姿勢角を求めなくても、車両の姿勢角を考慮した横速度及びスリップ角の算出が可能となる。
本実施形態では、式(28)、(29)の誘導の際には、横速度の微分値はゼロ近似しておらず、当該微分値は加速度センサの項に含まれているので、横速度及びスリップ角を精度よく算出できる。
車両の位置推定には、当該車両の横速度の値、及びスリップ角の値を要するが、横速度及びスリップ角の各々はセンサ類で直接計測できないので、ハンドルの操舵角のデータをもとに車体質量と重心位置、および前後のタイヤコーナリングスティフネスの多数の物理パラメータを用いて推定する等によって算出されていた。
また、カルマンフィルタ等を用い、センサ等で検出した観測値から推定した予測値を新たな観測値と比較することを繰り返して予測値の精度を上げることにより車両の横速度の値を推定する場合があった。
しかしながら、多数のパラメータを用いて横速度及びスリップ角を推定する場合、物理パラメータの数が多く、推定演算のためのパラメータ調整が必要になり、推定結果が各々の物理パラメータの精度に依存してしまうという問題があった。また、カルマンフィルタ等のアルゴリズムは、演算過程が複雑であり、車両の横速度を迅速に算出することが容易ではないという問題があった。
本実施形態では、式(28)、(29)に示した簡単な数式を用いることにより、横速度及びスリップ角が迅速に導出でき、導出した横速度及びスリップ角に基づいた自動運転等の迅速な制御が可能となる。
しかしながら、本実施形態は上記に限定されない。以下に、車両重心CG等の任意の位置aにおける横速度Va,yを算出する場合を説明する。横速度Va,yの算出に際しては、式(11)と同様の式(30)を用いる。式(30)におけるrwa=[xa,ya,za]は、後輪車軸中心202から見た任意の位置aの位置座標である。位置aの位置座標rwaのうち、xaは後輪車軸中心202から車両200の前後方向の座標値であり、yaは後輪車軸中心202から車両200の横方向の座標値であり、zaは後輪車軸中心202から車両200の垂直方向の座標値である。
Figure 2023000164000025
a=drwa/dtとして、式(30)を、式(13)と同様に整理すると、下記の式(31)が得られる。式(31)が示すように、任意の位置aでの横速度Va,yは、後輪車軸中心202から見た任意の位置aの位置座標のy成分の影響を受けない。
Figure 2023000164000026
また、位置aにおけるスリップ角βaは、βa=Va,y/Va,xであり、かつ位置aにおける前後速度Va,xと、後輪車軸中心202における前後速度Vw,xとが略等しいとすると、下記の式(32)で表される。
Figure 2023000164000027
また、上記の式(28)と、後輪車軸中心202から見た車両重心CGの位置座標rwcは、rwc=[lr,0,0]であることから、車両重心CGでの横速度Vc,yは、下記の式(33)で表される。
Figure 2023000164000028
以上のように、本実施形態によれば、式(31)、(32)、(33)に各々示したような簡易な数式によって、車両200の4輪の各々の横速度、さらには各々のスリップ角を算出することができる。
本実施形態は、IMU26で検出した車体姿勢角の角速度を用いたが、これに限定されない。例えば、地磁気センサ又はGPS等を用いて車体姿勢角の角速度を算出してもよい。IMU26、地磁気センサ及びGPS等は汎用的なセンサなので、本実施形態に係る車両挙動演算装置10は、多様な量産車両に幅広く搭載することができる。
なお、本実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、本実施形態では、プログラムがディスクドライブ50等に予め記憶(インストール)されている態様を想定したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記憶媒体に記憶された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
(付記項1)
メモリと、
前記メモリに接続された少なくとも1つのプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
加速度検出部で検出した車両の後輪車軸中心における横加速度と車速検出部で検出した前記後輪車軸中心における前後速度との積に、所定の比例係数を乗じて前記後輪車軸中心における横速度を算出する、
ように構成されている車両挙動演算装置。
10 車両挙動演算装置
12 入力装置
14 演算装置
16 出力装置
18 記憶装置
24 車速センサ
26 IMU
200 車両
202 後輪車軸中心
CG 車両重心

Claims (5)

  1. 車両の後輪車軸中心における横加速度を検出可能な加速度検出部と、
    前記後輪車軸中心における前後速度を検出する車速検出部と、
    前記加速度検出部で検出した横加速度と前記車速検出部で検出した前後速度との積に、所定の比例係数を乗じて前記後輪車軸中心における横速度を算出する演算部と、
    を含む車両挙動演算装置。
  2. 前記演算部は、前記加速度検出部で検出した横加速度に前記所定の比例係数を乗じて前記車両の後輪車軸中心におけるスリップ角を算出する請求項1に記載の車両挙動演算装置。
  3. 前記所定の比例係数は、後輪の正規化コーナリングスティフネスと重力加速度と-2との積の逆数である請求項1又は2に記載の車両挙動演算装置。
  4. 前記加速度検出部は、前記車両の姿勢角の角加速度であるロールレート及びヨーレートを各々検出可能で、
    前記演算部は、前記後輪車軸中心における横速度に対し、前記加速度検出部で検出したヨーレートと前記車両における任意の位置の前記後輪車軸中心から前記車両の前後方向の座標値との積を加算すると共に、前記加速度検出部で検出したロールレートと前記任意の位置の前記後輪車軸中心から前記車両の垂直方向の座標値との積を減算して前記任意の位置における横速度を算出する請求項1又は3に記載の車両挙動演算装置。
  5. 前記加速度検出部は、前記車両の姿勢角の角加速度であるロールレート及びヨーレートを各々検出可能で、
    前記演算部は、前記後輪車軸中心におけるスリップ角に対し、前記加速度検出部で検出したヨーレートと前記車両における任意の位置の前記後輪車軸中心から前記車両の前後方向の座標値との積を前記車速検出部で検出した前後速度で除算して得た値を加算すると共に、前記加速度検出部で検出したロールレートと前記任意の位置の前記後輪車軸中心から前記車両の垂直方向の座標値との積を前記車速検出部で検出した前後速度で除算して得た値を減算して前記任意の位置におけるスリップ角を算出する請求項2又は3に記載の車両挙動演算装置。
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