JP2022553758A - 人工呼吸器及びeclsのためのエキスパートモジュール - Google Patents

人工呼吸器及びeclsのためのエキスパートモジュール Download PDF

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Abstract

本発明は、人工呼吸器のためのエキスパートモジュールと、対応する人工呼吸器及びECLSシステムと、同じく、複合医療システム内の作動パラメータを最適化するための及び医師がそれぞれのデバイスに対してどの設定が行われるかを判断する際に支援するための方法とに関する。従って、患者(14)の人工呼吸器(12)のためのエキスパートモジュール(10)を提案し、エキスパートモジュール(10)は、患者(14)の少なくとも1つの現在のバイタルパラメータ(16)を連続的に受信するように設計され、エキスパートモジュール(10)は、評価ユニット(18)を備える。評価ユニット(18)は、バイタルパラメータ(16)を予め定められた期間にわたって格納するように、バイタルパラメータ(16)の傾向(22)及び/又は予め定められた臨床情報に基づいてバイタルパラメータ(16)に対するターゲット値(20)を決定するように、かつ人工呼吸器の少なくとも1つの作動パラメータに対する望ましい値(24A)を決定するように設計される。【選択図】 図1

Description

本発明は、患者のための人工呼吸器とECLSシステムとのためのエキスパートモジュール及び方法、並びに人工呼吸器、ECLSシステム、及び対応する人工呼吸器とECLSシステムとを有する、特に、患者のバイタルパラメータに関してそれらの最適化された作動パラメータを提案する目的を有するシステムに関する。
重度の肺損傷及び不十分なガス交換を伴うARDSのような重篤な又は進行した肺疾患では、患者の換気が必要になる場合がある。これは、患者がほとんど呼吸することができないほど患者自身の呼吸機能が不足する場合は特にそうである。そのような場合に、呼吸は、人工呼吸器によってサポートされなければならず、又は患者は、更に例えば侵襲的な機械的人工呼吸器を使用して人為的に換気されなければならない。そのような治療介入は、肺疾患患者だけでなく、心臓疾患患者に又は患者が完全麻酔されて又は鎮静化されて患者が自発的呼吸するのを人為的に妨げる手術又は治療中に行われる場合がある。
患者の病状を安定させてそれを長期的に改善するために、作動パラメータは、患者のバイタルパラメータに適応されなければならない。作動パラメータは、生理学的極限条件と対峙しており、従って、これらは、任意的に設定することはできず、患者に対して潜在的に危険な状況を考慮した上で設定しなければならない。例えば、呼吸容積を過度に増すと、機械的な肺の外傷を引き起こす可能性があり、一方で呼吸容積が少ないと、例えば、アシドーシスに至る可能性がある。治療の臨床状況では、例えば、集中治療ユニットでは、多数の重要なバイタルパラメータ及び生理学的因子を通常は考慮しなければならず、従って、設定される作動パラメータ値を選択する時に最大の注意が必要である。
従って、人工呼吸器の設定値は、患者の病状及びバイタルパラメータに対して定期的に調節されなければならず、換気は、可能な最善の治療を患者に提供するためにかつ実際に患者の健康に対する悪影響のリスクを低減するために絶えずモニタされなければならない。
しかし、考慮される多数のパラメータ及び生理学的相互作用の高度な複雑さは、医療専門家でも把握することが困難であり、従って、設定は、多くの場合に患者に対して最適な治療サポートを提供しない場合がある公知の臨床基準に基づいて行われる。医師の判断は、従って、経験値に依存する。
機械的人工呼吸器を使用する治療は、特に、そのような治療が、少なからず人工呼吸器によって引き起こされる感染症を発症する危険性のために罹患率を高め、これが、従って患者の病状に更に影響し易いので、肺移植の禁忌である可能性もある。生命維持肺移植を受けている患者に対して、機械的換気の短縮化及び治癒の加速化は、いずれにせよ望ましい。
患者のバイタルパラメータ値が大きく変化する場合に、いずれの状況下でも生理学的極限状態又は許容範囲を超えないように作動パラメータ値を調節することは、従来技術によると困難である。バイタルパラメータ値の急速な変化及びそれらの影響は、従って、特に長期的な治療要件の場合に従来技術によると十分に考慮することができない。患者の重篤な病状では、臨床ルーチンにおいてどの人工呼吸器設定値も十分に安全かつ有効な治療手法を提供することができないことは珍しくない。
従って、改善が見込めない場合又は臨床基準に基づく事前設定作動モードが患者の病状に対して受け入れられない場合に、医師は、どのように進めるかを判断しなければならない。
体外膜酸素化は、患者の人為的換気の代替として使用することができる。ECMO(「体外膜酸素化」)としても公知のそのような手順では、患者の呼吸機能は、外部医療デバイスによって引き継がれる。従って、患者の肺疾患機能又は肺機能又は呼吸は、すなわち、そのような医療デバイスによって置換され、それによって手順は、数日又は数週間にわたる血液の酸素化及び特に二酸化炭素低減を保証し、従って、肺は、それを外部性換気なしに治癒することができるように休ませることができる。
ECLS(体外ライフサポート)としても公知の体外生命維持システムとして、膜人工肺を備えて患者の血液のためのガス交換器として機能するECMOシステムを従って使用することができる。2つの血管の中にカニューレが挿入され、血液は、肺内のガス交換に取って代わる膜人工肺を通して連続的にポンピングされる。血液から二酸化炭素がこうして除去され、酸素に富む血液が患者に戻される。血液は、例えば、静脈アクセスから取り出され、静脈又は動脈アクセスを通じて戻すことができる。酸素化が、次に、例えば、静脈-静脈ECMO(VV-ECMO)又は静脈-動脈ECMO(VA-ECMO)を使用して行われる。
ECMOの使用に関する技術的及び人的要件に起因して、ECMO療法は、換気の代替としてのみ及び多くの場合に換気で患者の病状の十分な改善が見込まれない時にのみ、現在、臨床慣例で通常は使用される。しかし、危険度限界を超える場合に、それに続くECMO療法でも患者の病状を十分に安定させることができないということが起こる場合がある。CMOシステムのようなECLSシステムの適時使用は、従って、生命維持に対して非常に重要である可能性がある。
ECMO治療のパラメータは、訓練を受けた医師又は心臓技術者によって手動で設定されるように継続されている。ECMO療法に切り換えるか否かに関する治療上の判断において、医療関係者は、従って、複合作動手順及び他の治療リスクを管理する又は考慮することができなければならない。意思決定は、多くの生理学的態様との複合相互作用又はそれに対するターゲットECMO療法の影響によっても複雑である。従って、担当医が患者のバイタルパラメータ、デバイスの作動パラメータ、及び生理学的状況の間で満足できる均衡を維持することは現時点で非常に困難である。
従って、治療効果及び従って患者の健康状態を更に改善して治癒を加速するために、換気パラメータを更に改善してそれらを重篤患者病状に適応させる必要性が存在する。
公知の従来技術に基づいて、本発明の目的の1つは、作動パラメータ値の連続的な改善を可能にすることである。
この目的は、独立請求項によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項、説明、及び図から導出可能である。
従って、患者の少なくとも1つの現在のバイタルパラメータを連続的に検出するように設計された患者の人工呼吸器のためのエキスパートモジュールを提案する。エキスパートモジュールは、少なくとも1つのバイタルパラメータを予め決められた期間にわたって格納するように、バイタルパラメータの経過及び/又は予め決められた臨床データに基づいて少なくとも1つのバイタルパラメータのターゲット値を決定するように、かつ少なくとも1つのバイタルパラメータの経過とバイタルパラメータのターゲット値とに基づいてかつ患者の少なくとも2つの生理学的因子に応じて人工呼吸器の少なくとも1つの作動パラメータの設定点又は設定点の値を決定するようになった評価ユニットを備える。更に、評価ユニットは、バイタルパラメータの経過とバイタルパラメータのターゲット値とに基づいてかつ生理学的因子に応じて、患者に結合されたECLSシステムの少なくとも1つの作動パラメータの設定点又は設定点の値を決定するようになっている。最後に、評価ユニットは、作動パラメータの設定点又は設定点の値を示す信号を出力するようになっている。
設定点又は設定点の値の自動決定は、患者の病状に関して人工呼吸器に対する可能な最良の設定を行うための意思決定補助を担当医に提供する。同時に、本発明によるエキスパートモジュールは、ECLSシステム、特にECMOシステム又は体外膜人工肺の治療統合を可能にし、それにより、バイタルパラメータ及び生理学的因子に対する膜人工肺の影響を考慮することができる。このようにして、換気及びECMOを使用する二重又は同時治療手法は、これらの組合せを通してこれらの療法の各々の個々の複雑さを更に増大させることなく可能にされる。医療スタッフによる手動操作は、従来技術により、そのような併用療法の場合にその限界に達する。同時に、ECLSシステムの設定点又は設定点の値の自動決定は、本発明により、ECMOシステムの改善された使用を可能にする。
設定点又は設定点の値は、患者のバイタルパラメータ値を連続的に受信又は検出することにより、少なくとも周期的に、好ましくは連続的にも決定することができるので、作動パラメータ値をいつでも患者の病状に適応させることができる。これらの値の自動設定も可能であるが、そうせずに医師に任せることが好ましい。それにより、評価ユニットは、設定点又は設定点の値を提案する。しかし、信号は、設定点又は設定点の値を受容するオプション又は可能性を含有すると規定することができるので、対応する作動パラメータ値は、医師による決定提案の受容後に自動的に設定することができる。
本発明により、このようにして、医師には、患者の最も重要なバイタルパラメータ、人工呼吸器の設定値、及び最も重要な生理学的因子に対するそれらの効果又は影響を考慮した作動パラメータの少なくとも1つの最適化値を示唆することによる決定補助が与えられる。上述のように、人工呼吸器設定値の選択は、医療専門家に対して既に難題となっている。選択された判断は、患者の一方の生理学的因子には有利であるが、他方の生理学的因子には禁忌になる場合がある。既存の従来技術システムで提供される唯一のサポートは、バイタルパラメータ及び作動パラメータ値のモニタである。例えば、許容範囲を超えた状態で、現在の値が患者に対して有害であるか又は脅威にさえなる場合に、その時点で、警報機能がトリガされる。しかし、そのようなモニタはスナップショットにしか基づいていないので、この手法では最適化することができない。従って、従来技術に従って患者の病状又は対応する生理学的因子の展開に対する更に別の効果又は影響を考慮することができない。
対照的に、本発明により、設定点又は設定点の値の自動決定及びこれら全因子の考慮により、治療上の意思決定がかなり簡略化され、医療スタッフを運用及びモニタの義務から解放し、設定での誤りの発生を低減する。
同時に、本発明はまた、体外膜酸素化に切り換えるか、又はそれを救急治療に含めるか否かについての医療上の決定を容易にし、それにより、好ましいか又は最適化された設定値は、評価ユニットによって自動的に示唆される。ECMOシステムの作動は既に困難を伴い、特別に訓練された職員だけによって実行することができるので、そのようなシステムの治療計画への統合は、換気機能との組合せでも、本発明によって著しく簡略化され、多くの場所で全く初めて可能となった。従って、ECMOシステムを換気と共に同時に使用することの制御可能性により、治療効果の改善が保証され、より速い治癒過程を通して患者の罹患率が低減される。
これに代えて、自動的に決定された設定点又は設定点の値は、体外生命維持システム又は療法をオンにすることなく、患者の換気を全くECLSシステムのみで継続することが好ましいと示すことができる。従って、設定値に関する決定を段階的に行うことができ、それにより、治療システムの使用が最初に入力され、又は確認され、設定点又は設定点の値が次に(再び)決定され、必要に応じて採用される。例えば、医師は手動でECLSシステムを作動させることができる。評価ユニットは、人工呼吸器及びECLSシステムの設定点又は設定点の値を自動的に再計算する。
医師に対する意思決定サポートは、信号を出力することで提供され、それにより、信号は、特定の設定点又は設定点の値に対応する。言い換えれば、信号は、例えば、光学的及び/又は音響的インジケータを使用して提案される所与の作動パラメータ値での減少又は増加のインジケータとすることができる。例えば、エキスパートモジュールの面に1又は2以上のLEDを設けることができ、これらは、その色又は位置決めにより、それぞれの作動パラメータ値の対応する変化を示唆する。
設定点又は設定点の値は、評価ユニットに格納され、患者のバイタルパラメータ値を受け入れる生理学的モデルによって決定されることが好ましい。生理学的モデルは、ターゲット値を先験的に決定することができる。従って、このモデルは、スナップショットに基づくだけでなく、バイタルパラメータの経過又は展開及び変動をも含む。それぞれの患者の臨床実態に対する臨床指針値が優先される。更に、患者の少なくとも2つの生理学的因子に対する作動パラメータ値の効果又は影響が考えられている。例えば、相関関係は、データベースに格納されたそれまでに収集された患者データを使用して、すなわち、同等の臨床実態及びバイタルパラメータ値を有する患者集団から及び/又は連続検査及び実験値との比較によって確立することができる。例えば、患者固有の疾患の経過をも考慮する学習アルゴリズムを使用することができる。
患者の治療に対して、呼吸ガスとして異なるガス混合物を供給することができるので、自然な組成の空気の他に、例えば、酸素、窒素酸化物、ヘリウム、一酸化炭素を濃縮した医療ガス混合物、及び/又は1又は2以上の霧状の薬剤を供給することができる。生理学的モデルは、医療混合ガスの組成が生理学的因子及びバイタルパラメータに及ぼす効果又は影響を考慮することができるように、又は逆に供給する混合ガスの適した選択に関する提案を行うことができるようになっている場合がある。
意思決定サポートとして機能し、少なくとも1つのバイタルパラメータ及び/又は作動パラメータ値に対するモニタモジュールとして構成することができるエキスパートモジュールは、例えば、人工呼吸器又はECMOコンソールに実施することができ、又は別ユニットとして人工呼吸器又はECMOコンソールと通信的に結合することができるモジュール式ユニットである。同じく、エキスパートモジュールは、医療スタッフの携帯型で好ましくは無線デバイス及び/又は中央モニタリングシステムのようなモニタ又は外部デバイスと通信的に結合することができるように提供することができる。バイタルパラメータ、特に複数の人工呼吸器及び/又はECLSシステムの作動パラメータ値は、例えば、統合通信モジュールを使用して容易に更に外部的にモニタすることができる。そのような通信モジュールは、データセットの拡張及び生理学的モデルの改善を可能にするために、受信されたバイタルパラメータ及び計算された設定点又は設定点の値のような非パーソナル化データを中央生理学学習モジュールに供給するように提供することができる。そのようなデータは、例えば、サーバ又はクラウドを通して送信され、及び/又はそこに格納され、必要に応じて処理されるものとすることができる。
エキスパートモジュールはまた、人工呼吸器及びECLSシステムから作動パラメータの実際値を受信するようになっていることが好ましく、それにより、評価ユニットは、実際値の関数として設定点又は設定点の値を決定するようになっている。このようにして、好ましい設定が現在の設定と一致するか否か、又は治療を最適化するために作動設定値又は作動パラメータ値が調節されるか否かを評価することができる。それにより、提案された作動パラメータ値が採用された時に、その限度でフィードバックが提供され、それにより、エキスパートモジュールはまた、生理学的因子及び/又はバイタルパラメータに対する計算された又はモデル化された効果又は影響が適切に表示されるか否かを調べることができる。
実際値は、インタフェースを通して連続的に受信されることが好ましい。エキスパートモジュールが人工呼吸器又はECLSシステムに実施される場合に、1又は2以上のバイタルパラメータは、そのようなインタフェースを通して、例えば、外部測定デバイスとの通信接続を通して、又は人工呼吸器又はECLSシステムの統合測定デバイスとの通信接続を通して受信することができる。
人工呼吸器は、患者の自発的呼吸を支援するように、又は患者の換気を提供するように構成することができる。気道への侵襲的導入の後に、機械的人工呼吸器は、必要に応じて、例えば、気管内挿管又は気管切開により、呼吸を支援するか又は患者の呼吸を置換することができる。集中治療ユニットでは、そのような手順は、ARDS患者の約10~15%で行われている。しかし、実際にそのような治療が必要になるのは、これらの患者の約20%であることは公知である。
人工呼吸器の作動モードは患者の病状に依存する可能性があるが、人工呼吸器をサポート的にして例えば離脱又は経過観察を可能にすることができる。人工呼吸器を統括的な作動モードに切り換えると、完全な換気が行われる。この作動モードでは、患者の自発的呼吸がないか又はごく僅かな場合に、人工呼吸器単独で呼吸が行われる。原則として患者に鎮静剤を投与して自発的呼吸がもはや必要でないようにされる。しかし、高すぎるか又は長引く鎮静剤の投与はリスクをもたらすので、通常、ターゲット投与量は、患者を可能な限り覚醒状態に保つように設定されるが、患者の自発的呼吸は排除されない。
ARDSのような重篤な適応症では、そのような鎮静剤投与の可能性はないことが多い。依然として、換気の継続時間を可能な限り低減するように努めるべきである。本発明による換気とECLS又はECMO療法を組み合わせることにより、適した方法が可能になる。患者に最善の治療の示唆により、患者の病状及び治癒を改善することができ、治療期間の短縮という基本的なターゲットを達成することができる。エキスパートモジュール又は評価ユニットは、人工呼吸器及び例えばECMOシステムの助けを借りた併用療法を必要とするか、又はECMOシステム又は人工呼吸器をそれぞれ単独に使用した単独療法がより有望な転帰を提供することができるか否かの意思決定をサポートすることができる。治療については、ECMOシステム及び/又は人工呼吸器の作動パラメータを選択することへのサポートを提供する。ECMOシステムの場合に、作動パラメータは、特に血流の設定値(速度設定又はl/min仕様の形態で)及びガス交換器に対するガス流の設定値(l/min)に関する。設定する人工呼吸器の作動パラメータは、例えば、吸気圧、吸気時間、及び呼気時間であるとすることができる。
好ましくは、エキスパートモジュールはモニタと結合され、それにより、信号の出力は、設定点又は設定点の値、実際値、ターゲット値、及び/又は対応する値の経過のグラフ再現又は表示を含む。例えば、モニタは、換気システム又は人工呼吸器のモニタ又はユーザインタフェースとすることができ、それにより、エキスパートモジュールは、人工呼吸器に結合され、又は人工呼吸器内に実施される。これに代えて、エキスパートモジュールは、個別のモジュールユニットとして又はモニタを有するECMOコンソールに実施することができる。好ましい設定点又は設定点の値を表示することにより、医療関係者は、患者の病状を安定化させるか又は改善するために人工呼吸器のどの作動パラメータ値を修正することができる又は修正されるかを直ちに突き止めることができる。
実際値を表示することにより、現在の設定との比較も可能であるために、スタッフ又は医師は、現在の実際値から提案された設定点又は設定点の値のうちのどの逸脱が生じたかを直ちに認識することができる。例えば、これがごく僅かに逸脱している場合に、医師は、微調節が必要であるか、又はその逆にこれ以上の調節は必要でないのかを判断することができる。一方、逸脱が大きくなると、医師は、患者の病状、特に人工呼吸器及びECLSシステムの設定値と機能性を再精査する必要に迫られる可能性がある。
最後に、ターゲット値の表示により、バイタルパラメータへの効果又は影響を例示する可能性が提供され、それにより、ターゲット値は必要に応じて修正され、又は手動で入力することができる。疾患の経過の提示は、更に別の意思決定補助を提供し、医師は、疾患の経過又は患者の病状の全体像を得ることができ、悪化又は改善が見られない場合に、適宜、提案された設定点又は設定点の値の調節によって介入することができる。
評価ユニットは、好ましくは、評価ユニットに格納された生理学的モデルから設定点又は設定点の値を決定するものとし、信号は、評価ユニットによってモデル化された生理学的因子に対する設定点又は設定点の値の効果のグラフィック表現を含むことができる。上述の生理学的モデルは、評価関数を使用して例えば負の範囲と正の範囲の間のスケールを選択する又は他のあらゆる評価手法を使用することにより、生理学的因子に対する効果又は影響を予想することができる。例えば、悪影響は負の値で、中立的又は安定維持の効果はゼロ付近の値で、患者の病状を改善する予後は正の値で表すことができる。そのような評価は、これに代えて又はそれに加えて、更に(グラフ)表示を使用して、例えば、相反する生理学的因子(すなわち、ある生理学的因子の改善予想が別の生理学的因子の同時に起こる悪化予想を伴う)を表すことができる。例えば、2よりも多い生理学的因子を考慮する場合に、その周囲領域が悪影響に対応し、その中央領域が正として予想された効果に対応する多角形をマップすることができる。異なる影響予想は、多角形内の点として表すことができる。医師による解釈を容易にし、簡略化するために、必要に応じてそれらの点を多角形として結合することができる。
それぞれの生理学的因子は、上述のように、互いに異なる展開をする場合もあるので、例えば、作動パラメータ値の調節により、1つの因子を僅かに改善する一方、別の因子がそれによって危機的な範囲に移る可能性がある。個々の因子のこれらの展開は、グラフィック表現でも考慮することができるので、本発明により、多くの変数の得られる複雑な関係に対する精神的対処は、もはや医師が行う必要はなく、それによって決定を容易にすることができる。関連するパラメータを異なるデバイス上に表示し、個々の値から逸脱した場合に警報信号を出力するのとは対照的に、本発明により、全ての決定関連データは、結果として好ましいことに中央モニタ上で直接見ることができ、患者の病状の経過の状況で可視である。
設定値の効果を人工呼吸器とECLSシステムとで別々に表示することが好ましい場合がある。設定点又は設定点の値の予想される効果に加えて、例えば、生理学的因子に対する実際値のモデル化された効果のグラフィック表現を行うことができる。そのようなグラフィック表現、例えば、多角形を使用する表示により、医師又は医療関係者は、特に実際の病状と計算された及び/又は示唆された病状との比較により、どの因子について改善が期待されるかを直ちに認識することができる。更に、ECLSシステムを使用しない実際の病状の表示と、ECLSシステムを使用する後の提案された病状の表示とにより、医師は、例えば、ガス交換器の機能の患者の病状への期待される効果を直ちに認識することができる。ECLSシステムの設定点又は設定点の値の表示により、その実施を簡略化することができ、医師の判断がより容易になる。
生理学的因子は異なる患者関連因子を含み、これは、患者関連因子が一般的に人工呼吸器の作動パラメータではないことを意味するが、これらは主として、患者の肺疾患機能又は肺機能、人工呼吸器系及び/又は心血管系に関する。従って、生理学的因子は、過換気又は換気不全を優先して表すものである。特に、生理学的因子は、機械的な肺の外傷、萎縮、気圧性外傷、容積損傷、アルカローシス、酸素中毒、吸収性肺拡張不全、アシドーシス、低酸素症、ストレス、及び血行力学的副作用を含む群から選択することができる。一実施形態では、少なくとも2つの生理学的因子のいずれも患者の血圧ではない。本発明により、これらの生理学的因子のうちの1又は2以上を表すことができる。
例えば、1又は2以上の作動パラメータを最適化して呼吸容積及びピーク吸気気道圧を低減し、肺外傷を防止することができる。その一方、アシドーシスを回避する必要があるので、肺外傷の発症リスクを高めることなく、換気圧をごく僅か調節しなければならない。生理学的因子に対する計算された効果は、必要に応じて、患者から受け入れた現在のバイタルパラメータを使用するフィードバック及び対応する計算により、その予後信頼性を継続的に改善することができる。フィードバック最適化の結果を改善するために、エキスパートモジュール又は評価ユニットが少なくとも1つの追加のバイタルパラメータの測定を要求することは、任意的であるとすることができる。
患者の病状は、典型的に多くのバイタルパラメータによって特徴付けられ、それらは、相応に多くの生理学的因子に関連付けられるので、評価ユニットは、優先的に3又は4以上、好ましくは5又は6の生理学的因子に応じて設定点又は設定点の値を決定するようになっている。機械的肺外傷、萎縮、酸素中毒、アシドーシス、低酸素症又は低酸素飽和度、及び/又はストレスという群からの因子のうちの少なくとも1つが優先されるべきである。
上述のように、生理学的因子は互いに影響し合うので、1つの因子の改善は、別の因子の悪化を引き起こす可能性がある。従って、評価ユニットは、考慮される全ての生理学的因子に対する負の影響が最小にされるように、及び/又はそれぞれの指定された又は予め決められた許容範囲に修正した後でどの場合にも生理学的因子を超えないように、評価ユニットに格納された生理学的モデルを使用して設定点又は設定点の値を決定するようになっていることが好ましい。
それぞれの因子の全てについて最適な条件が達成されるわけではないが、設定点又は設定点の値は、個々の因子の許容範囲を超えることなく、バイタルパラメータ及び生理学的因子を改善するということが常態的に観察されることになる。従って、1つの因子に対する効果は治療上それほど有用でない場合があるが、そのような状況は、得られる全体的な改善(他の因子の改善による)の観点から、個別的かつケースバイケースで許容される可能性がある。同じく、1又は2以上の因子を狙い撃ちで改善することができるが、評価ユニットは、好ましくは、それが他の因子の許容範囲を超えることに繋がらないように設定点又は設定点の値を決定しなければならない。
また、生理学的因子は、患者の病状又は好ましい治療に応じて異なる重み付けをすることができるので、設定点又は設定点の値を決定する時に、1又は2以上の因子に特別な考慮を払うことができる。本発明により、ECLSシステムの(提案された)作動によって治療を補完することが依然として可能であり、これは、特に患者の重篤な病状では、ECLSシステムを使用しないとそれが次に患者を危険に露出しかねない換気パラメータ及び条件をそれによって回避することができるからである。必要に応じて、ECLSシステムをオンにすることで換気を低減するか又はオフにすることができるので、ECLSシステムに切り換えることも可能である。
また、医師が生理学的モデルを治療方法及び患者に適応させることができるように、重み付けは、可変とすることができる。本発明の更に進んだ実施形態では、医師は、グラフィック表現内の点を手動で修正することができると規定することができ、それにより、生理学的モデル又は評価ユニットは、必要である設定点又は設定点の値を判断し、必要に応じて設定点又は設定点の値が生理学的極限状態を超えるか否かを示す。それにより、医師は、異なるオプションと、提案された設定点又は設定点の値からのあらゆる逸脱の効果とを比較することができ、従って、医師の意思決定過程で更に別のサポートを提供する。
例えば、エキスパートモジュールが人工呼吸器に実施されている場合、又はエキスパートモジュールを他の外部デバイスと結合することができる場合に、バイタルパラメータは、エキスパートモジュールと通信的に結合された測定デバイスによって直接提供され、評価ユニットによって受信されるものとすることができる。従って、少なくとも1つのバイタルパラメータは、パルスオキシメトリ酸素飽和度、呼気酸素分率、呼気二酸化炭素分率、酸素摂取機能、二酸化炭素放出量、及び血液pHを含むリストから選択されることが好ましい。
決定される設定点又は設定点の値の精度を高めるために、エキスパートモジュールは、少なくとも2つのバイタルパラメータ、好ましくは少なくとも3つ又は4つのバイタルパラメータを受信するようになっていることが好ましい。
更に、人工呼吸器の少なくとも1つの作動パラメータは、好ましくは、呼吸容積、ピーク吸気圧、終末呼気陽圧、呼吸周波数、吸気酸素分率、吸気二酸化炭素分率及び/又は吸気持続時間と呼気持続時間の間の比率を含む。更に、ECLSシステムの少なくとも1つの作動パラメータは、血液ポンプ流量、ガス体積流量、及び/又はシステム圧力を含むことが好ましい。
PEEP(「終末呼気陽圧」)としても公知の終末呼気陽圧は、機能的残気量の低下及び肺胞の崩壊、すなわち、肺拡張不全の形成に対抗することを助ける。増加すると、肺の換気領域の過伸展、心拍出量の減少、及び/又は頭蓋間圧の上昇により、悪影響を与える可能性がある。それでも、終末呼気陽圧の上昇は、特にARDS患者では死亡率を低減する可能性がある。従来技術では、圧力を設定するための実施要項が常に設けられる。しかし、これらの記録表は、異なる個々の呼吸力学を考慮しておらず、従って、治療する医師に対して信頼性のない意思決定補助を提供するだけである。しかし、本発明によって使用される評価ユニットは、異なる生理学的因子に対して予想される影響だけでなく、結合されたECLSシステムの使用影響も考慮に入れるので、提案される設定点又は設定点の値は、多くの変数を有するシステム全体を考慮することができる。
更に、吸気酸素分率(FiO2)を調節することにより、患者の低酸素状態を防止することができ、それにより、例えば、酸素中毒を回避するために、その分率は、一般的に制限して調節しなければならない。例えば、酸素分率を調節して約80~95%の動脈血酸素飽和度、又は約50~90mmHgの動脈血酸素分圧が達成されるようにすることができる。
呼吸容積が高すぎると、過伸展による肺外傷を引き起こす可能性があるので、例えば、ARDS患者では、呼吸容積を患者の体重について6mL/kg以下に設定することが好ましい。しかし、ARDSを患っていない患者の場合に、これを患者の体重について8mL/kgまで増大することができる。
更に、気圧性外傷を回避するために、例えば、吸気ピーク圧を調節して好ましくは30cmH2O未満になるようにすることができる。
異なる人工呼吸器及び/又はECLSシステムの設定について医療専門家を最も良くサポートするために、評価ユニットは、2、3、又は4つの人工呼吸器作動パラメータに対する設定点又は設定点の値と、2つのECLSシステム作動パラメータに対する設定点又は設定点の値とを決定するように優先して構成される。吸気酸素分率、呼吸容積、終末呼気陽圧、及び呼吸数に対する設定点又は設定点の値は、生理学的因子に直接影響を与える最適化された設定値を医師に示唆することが好ましい。
評価ユニットはまた、バイタルサインの観点から(i)人工呼吸器サポートと(ii)ECLSサポートとの比率に応じて設定点又は設定点の値を決定するようになっていることが好ましく、それにより、比率は評価ユニットにより決定される。例えば、呼吸がECLSシステムによって約70パーセント、人工呼吸器によって約30パーセント助けられることになっている場合に、設定点又は設定点の値は、ECLSシステムに最大酸素摂取量の約70パーセントを供給させることができる。
設定点又は設定点の値の調節及び/又は人工呼吸器及びECLSシステムのサポート比率の修正により、設定点又は設定点の値の十分なモニタ及び継続的な最適化を可能にするために特定のバイタルパラメータを測定することも合理的なものになる。従って、信号は、別の好ましくは特定のバイタルパラメータを受信する要求を含み続けるように定めることができる。
評価ユニットはまた、バイタルパラメータの経過を許容範囲及び/又はモデル化された経過と比較し、予め決められた閾値又は限界値を超えるバイタルパラメータの逸脱が検出された場合に、警報機能を含む信号を出力するように適応させることができる。現在の実際値を超えると直ちに警報信号を出力するのではなく、患者の病状が全体的に負の傾向がある場合にのみ警報信号が出力される。
従って、作動パラメータ値の調節は、患者の病状が全体的に不安定になった場合にのみ必要である。例えば、バイタルサインのピーク値は許容範囲を超える場合があるが、短時間で正常に戻る可能性があるので、対応する作動パラメータ値の調節を必要としない。従って、本発明により、患者の知的モニタが可能になり、医師による時間を消費する制御を大きく制限すると同時に、作動パラメータの対応する特定の設定点又は設定点の値を示唆することさえ行って患者の病状を改善するようにする。
上述の目的は、更に、本発明のエキスパートモジュールを含む人工呼吸器によって解決される。この人工呼吸器は、好ましくは機械的人工呼吸器である。従って、人工呼吸器は、患者に侵襲的又は非侵襲的な換気を提供して呼吸を支援するか又は人工的にそれを置換することができ、サポートの程度は治療中に可変である。
この場合に、エキスパートモジュールが好ましくは人工呼吸器に統合されるので、エキスパートモジュールのモニタは、例えば、人工呼吸器のユーザインタフェースとして設計することができる。更に、バイタルパラメータを受信するためのインタフェースを設けることができ、及び/又は人工呼吸器は、エキスパートモジュールと通信的に結合されて患者の少なくとも1つのバイタルパラメータを記録するデバイスを備えることができる。
上述の目的は、引き続き、本発明のエキスパートモジュールを含むECLSシステムによって解決されることになる。ECLSシステムは、好ましくはECMOシステムである。従って、ECLSシステムは、患者の血液に関する体外膜人工肺を提供することができ、肺疾患機能又は肺機能又は呼吸がECLSシステムによって助けられるか又は人工的に置換される。ECLSシステムは、モニタを有するコンソールを含むことができ、モニタは、信号をマップするようになっている。
更に、人工呼吸器とECLSシステムとを含むシステムを提案する。従って、エキスパートモジュール、人工呼吸器、及びECLSシステムの構成要素は、冗長性が大きく排除されるように互いに適応させることができ、このシステムは、よりコンパクトに設計することができる。同じく、それにより、人工呼吸器とECLSシステムの両方に関する直接制御を実施することができる。中央通信インタフェースを設けることができ、それにより、本発明のシステムの関連構成要素は、エキスパートモジュールによって調節され、適応されるものとすることができる。
上述の目的は、更に、患者(14)のバイタルパラメータ(16)をモニタする方法によって解決され、本方法は、少なくとも以下の段階を含む:
-患者の少なくとも1つの現在のバイタルパラメータをエキスパートモジュールから連続的に受信する段階、
-少なくとも1つのバイタルサインを予め決められた期間にわたってエキスパートモジュールに格納する段階、
-エキスパートモジュールで、少なくとも1つのバイタルパラメータの経過及び/又は予め決められた臨床データに基づいて少なくとも1つのバイタルパラメータのターゲット値を決定する段階、
-エキスパートモジュールで、患者に提供される人工呼吸器の少なくとも1つの作動パラメータの設定点又は設定点の値を決定する段階であって、その設定点又は設定点の値が、少なくとも1つのバイタルパラメータの経過と少なくとも1つのバイタルパラメータのターゲット値とに基づいてかつ患者の少なくとも2つの生理学的因子に応じて決定される上記決定する段階、
-エキスパートモジュールで、患者に提供されるECLSシステムの少なくとも1つの作動パラメータの設定点又は設定点の値を決定する段階であって、その設定点又は設定点の値が、少なくとも1つのバイタルパラメータの経過と少なくとも1つのバイタルパラメータのターゲット値とに基づいてかつ生理学的因子に応じて決定される上記決定する段階、及び
-エキスパートモジュールにより、作動パラメータの設定値を特徴付ける信号を出力する段階。
本方法は、エキスパートモジュールに実施して実行することができ、それにより、個々の段階は、エキスパートモジュールに統合された評価ユニットによって実行されることが好ましい。本方法は、患者に対して有利で最善の治療を可能にするための医師の意思決定補助として役立つ。
特に、本方法は、呼吸不全の患者に対して有利である可能性があり、それにより、本方法は、使用される医療デバイス又はシステムを重み付けする時に医師をサポートする。
好ましくは、信号は、人工呼吸器及び/又はECMOシステムのようなECLSシステムの使用提案を表すことができる。従って、医療デバイスを使用するか又はオンにするか、又は別の医療デバイスに切り換えるべきか否かを必要に応じて最初に指定することができる。信号は、次に又は同時に、デバイス又はシステムの特定の作動パラメータ値を示して設定を行う及び/又は調節するのに臨床医をサポートし、作動パラメータ値を最適化して生理学的因子及び/又はバイタルサインを改善することができる。従って、信号及び設定点又は設定点の値はモデル化された値であり、それにより、多くの因子及び変数が考えられている。これらを医師に示唆して治療上の決定及び設定値の委任又は調節を容易にする。
それにより、別の又は代替の医療デバイス又はシステムとの統合がかなり容易にされ、それにより、決定サポートを適宜段階的に実施することができる。更に、設定点又は設定点の値はまた、少なくとも1つの受信されたバイタルパラメータに基づいて決定されるので、設定点又は設定点の値を決定する時に変動又は変化する値が考えられている。好ましくは、ターゲット値及び/又は設定点又は設定点の値は、連続的に又は周期的に決定される。
また、作動パラメータ値の手動設定後に、エキスパートモジュールがターゲット値及び/又は設定点又は設定点の値を再び決定することも可能である。従って、フィードバック又はフィードバックループが準備され、それにより、本方法は、必要に応じて、生理学的因子及び/又は少なくとも1つのバイタルパラメータに対する設定の効果が生理学的モデル又は学習アルゴリズムに給送されると規定することができる。
作動パラメータ値又は治療に使用される医療デバイス又はシステムの更に別の最適化が可能か否かを医師に示すために、エキスパートモジュールは、人工呼吸器及び/又はECLSシステムから作動パラメータの実際値を受信し続けることができ、それにより、設定点又は設定点の値は、実際値の関数として決定される。従って、実際の病状と計算された設定病状との比較が行われ、それにより、信号は、生理学的因子に対する理論的に計算された効果に基づいて更に別の治療上の改善が可能であるか否かを示す。
上述のような信号は、例えば、特定の作動パラメータ値の減少又は増加を示唆するインジケータとして1又は2以上のLEDの形態で出力することができるが、設定点又は設定点の値のより詳細な又はより具体的な視覚表示は、多くの場合に医師の決定を容易にする。それにより、例えば、標準的な又は指針に準拠した作動パラメータ値との比較が可能になる。従って、信号は、エキスパートモジュールと通信的に結合されたモニタ上の設定点又は設定点の値、実際値、ターゲット値、及び/又は対応する値の経過のグラフィック表現として出力されることが好ましい。
設定点又は設定点の値は、エキスパートモジュールに格納された生理学的モデルを使用して決定することができ、それにより、信号は、エキスパートモジュールによってモデル化された生理学的因子に対する設定点又は設定点の値の効果又は影響のグラフィック表現を含むことができる。更に好ましいのは、人工呼吸器及びECLSシステムについて別々に効果が再現されること、及び/又は信号が設定点又は設定点の値の効果に加えて生理学的因子に対する実際値のモデル化された効果のグラフによる再現表示を含むことである。
上述のように、生理学的モデルは、評価関数を使用して生理学的因子への効果を予想することができ、それにより、例えば、悪影響は負の値の表現で、中立的又は安定維持の効果はゼロ付近の値で、患者の病状を改善する予後は正の値で特徴付けることができる。
従って、エキスパートモジュールに格納された生理学的モデルを使用して生理学的因子に対する悪影響が最小になるように及び/又は生理学的因子が予め決められた許容範囲を超えないように設定点又は設定点の値が決定されると規定することができる。
例えば、生理学的因子は、過換気又は換気不全の特徴を示すとすることができる。従って、設定点又は設定点の値を決定する時に、相反する生理学的因子を考慮することができ、すなわち、1つの生理学的因子の改善予想は、同時に別の生理学的因子の悪化予想をもたらす可能性がある。そのような相反する効果は、必要に応じてグラフィック表現で表すことができるので、例えば、2よりも多い生理学的因子が考慮される場合に、その周囲領域が悪影響に対応し、中央領域が正の効果予想に対応する多角形を描写することができ、各コーナが生理学的因子に対応し、それぞれの影響予想は多角形の点として表される。医師による解釈を容易にして簡略化するために、必要に応じて点を多角形として結合することができる。従って、提案された設定点又は設定点の値がそれぞれの生理的因子に及ぼす影響は、簡略化され、ひと目で可視である。
人工呼吸器とECLSシステム、例えば、ECMOシステムとの治療の組合せが推奨されると信号が示す場合に、本方法は、更に、設定点又は設定点の値がエキスパートモジュールによって決定される少なくとも1つのバイタルパラメータに対する人工呼吸器のサポート強度とECLSシステムのサポート強度との比率の関数として決定されると規定することができる。
信号はまた、少なくとも1つの他の好ましくは特定のバイタルパラメータを受信する要求を含むことができる。例えば、ECMOシステムを有効にするために、特定の血液値を測定して提供することを必要とすることができ、及び/又は少なくとも1つの追加のバイタルサインを使用して生理学的因子に対する設定点又は設定点の値を更に最適化するために、計算された提案設定点又は設定点の値が追加のバイタルサインを考慮することが有利な場合がある。
更に、バイタルパラメータの経過は、好ましくは、エキスパートモジュールで許容範囲及び/又はモデル化された経過と比較され、それにより、予め決められた閾値又は限界値を超えるバイタルパラメータの逸脱が検出された状態で、警報信号が送出される。これに代えて又はこれに加えて、作動パラメータ値の手動設定値が、作動パラメータ値、少なくとも1つのバイタルパラメータ、及び/又は生理学的因子に対するモデル化された効果の指定された又は予め決められた閾値又は限界値を超えた状態で、エキスパートモジュールは、警報信号を送出することができる。従って、医師は、系統的誤差及び/又は生理学的に重篤な病状に可能な限り早く気付くことができ、又は潜在的な生理学的リスクは、手動調節が患者を危険に曝す可能性がある場合に指摘することができる。
本方法は、本発明によるエキスパートモジュールに限定されないが、本発明によるエキスパートモジュールを使用して実施されることが好ましい。同様に、上述のエキスパートモジュールの様々な態様は、本方法に関して既に明示的に説明していない限り、本方法をエキスパートモジュールの構造設計に限定することなく本方法に実施することができる。
以下の図の説明で本発明の好ましい形態をより詳細に説明する。
論理レベルでのエキスパートモジュール実施の概略図である。 評価ユニットに格納された生理学的モデルの概略図である。 通信的に結合された人工呼吸器及びECLSシステムと共にエキスパートモジュールを有するシステムの代替設計を示す図である。 通信的に結合された人工呼吸器及びECLSシステムと共にエキスパートモジュールを有するシステムの代替設計を示す図である。 通信的に結合された人工呼吸器及びECLSシステムと共にエキスパートモジュールを有するシステムの代替設計を示す図である。 人工呼吸器及びECLSシステムの作動パラメータの履歴/経過、バイタルサイン値、及び示唆された特定の設定点又は設定点の値を示す図である。 人工呼吸器及びECLSシステムの作動パラメータの履歴/経過、バイタルサイン値、及び示唆された特定の設定点又は設定点の値を示す図である。
以下では、図に基づいて好ましい実施形態について説明する。異なる図では同じ、類似、又は同等な要素に同一の参照符号を設け、冗長とならないようにこれらの要素に関する繰返しの説明を省略する。
図1は、患者の人工呼吸器のためのエキスパートモジュール10を模式的に示しており、これは、破線に示すように、本質的に論理レベルでの実施である。従って、それは、例えば、エキスパートモジュール10に設けられたマイクロプロセッサによって実行可能であり、対応するメモリに格納される論理部である。この論理部の入力信号として少なくとも1つのバイタルパラメータ16が、エキスパートモジュール10に存在する評価ユニット18から非表示のインタフェースを通して受信される。評価ユニット18は、中心的な構成要素を形成し、エキスパートモジュール10内のハードウエア及び/又はプログラムモジュールとして統合することができる。例えば、エキスパートモジュール10が人工呼吸器の一部として及び/又は人工呼吸器のコントローラとして必要に応じて設計される場合に、評価ユニット18は、エキスパートモジュール10の制御ユニットの一部として実施することができる。しかし、エキスパートモジュール10は、ECLSシステムの一部として又は人工呼吸器及び/又はECMOシステムのようなECLSシステムに通信的に結合された個別のユニットとして設計されると規定することができる。
評価ユニット18は、対応する矢印に示すように、少なくとも1つのバイタルパラメータ16を処理し、例えば、臨床基準に基づいてターゲット値20を決定する。更に、バイタルパラメータ16は連続的に受信されて格納されるので、ターゲット値20を決定する時にバイタルパラメータ16の経過22を考慮することができる。経過22及びターゲット値20に基づいて、人工呼吸器の作動パラメータに対して患者の生理学的条件を改善することになる設定点又は設定点の値24Aが予想される。この値を決定するのに、少なくとも2つの生理学的因子26A、26Bに対する設定点又は設定点の値の効果又は影響も考慮されるので、それぞれの作動パラメータ及び少なくとも1つの生理学的因子26A、26Bを最適化する時に、図2に関して以下で説明するように、別の生理学的因子26A、26Bに対する考えられる悪影響又は影響が最小にされる。
例えば、患者に関する現在の最大酸素摂取量は、バイタルパラメータ16として測定することができる。このパラメータは、呼吸容積を増大することによって改善することができる。しかし、呼吸容積の増加は、過伸展の結果として機械的肺外傷のリスクをもたらす可能性もある。この予想される負の影響を回避又は低減するために、例えば、呼吸容積に対する作動パラメータ値は、他の生理学的因子に対する許容限度までしか増大することができない。それにより、患者に対するいずれのリスクも、大部分は先験的に排除される。
更に、エキスパートモジュール10は、体外膜人工肺を備える(図示しない)ECMOシステムに結合され、かつコンソールを含むことができ、それにより、そのようなシステムは、患者の特定の臨床実態及び重篤な患者の病状に対してだけでなく、一般的に生理学的因子26A、26Bを改善するのに必要である。ECLSシステム又はECMOシステムの操作は、それ自体、運用職員にとって既に困難を伴っている。しかし、並列式換気に接続することになっている場合に、バイタルパラメータ16及び人工呼吸器の作動パラメータに加えて、ECMOシステムの別の作動パラメータを考慮しなければならない。これは、有資格の医療専門家にとっても膜人工肺又はECMOと換気の併用療法を使用する時の有意な参入障壁になる可能性が高い。従って、運用職員は、ECMOと人工呼吸器の並列併用療法を少しでも実施するか、又は換気を単独を使用して実施するか、ECMOを単独を使用して実施するかをまず決定しなければならない。例えば、体外膜人工肺を有するECMOシステムを患者の換気に対する置換として使用することを条件として規定することができる、すなわち、人工呼吸器をその後にオフにすることができる。しかし、作動パラメータは、各療法に対する生理学的因子を考慮して決定しなければならない。
しかし、エキスパートモジュール10は、結合されたECLSシステム、例えば、ECMOシステムも考慮し、それにより、ECMOシステム又はECMO療法に関する全ての制御パラメータがECMOコンソールに集中する。これはまた、人工呼吸器に加えて、血液ポンプに関する血流及び/又はガス混合器に関するガス流れのようなECLSシステムの少なくとも1つの設定点24Bを決定することを可能にする。これは、破線に示す生理学的モデル32によって可能になる。
従って、評価ユニット18は、人工呼吸器に関する少なくとも1つの設定点24Aだけでなく、ECLSシステムに関する少なくとも1つの設定点24Bも決定する。これらの設定点又は設定点の値24A、24Bは、対応する信号30を使用して、例えば、それぞれの作動パラメータに対する設定点又は設定点の値24A、24Bのグラフィック表現として医師又は医療スタッフに送信することができる。本発明により、これは、考慮される多くの変数及び因子を伴う場合でも、人工呼吸器及びECLSシステムに関する治療上賢明な設定がより容易になるか又はそもそも可能になるように医師に適した意思決定サポートを提供する。
図2は、生理学的モデル32を模式的に示している。上述のように、受信したバイタルパラメータ16から経過が記録され、対応するターゲット値20が決定される。次に、ターゲット値20と履歴又は経過(図示せず)から人工呼吸器及びECLSシステムの好ましい設定値が計算されるので、対応する設定点又は設定点の値24A及び24Bが決定される。各設定点又は設定点の値24A、24Bに対して、少なくとも1つの生理学的因子26Aに対する効果が計算され、又はモデル化され、それにより、その効果は、あるスケールでの評価に基づくことが好ましい。例えば、スケールは、最小の負値及び最大の正値を含むことができ、中立的効果、すなわち、生理学的因子の悪化も改善もない場合はゼロである。
また、生理学的モデル32は、1つの生理学的因子26Aに対する(最大の)正の効果を判断した後に、対応する矢印に示すように、少なくとも1つの他の生理学的因子26Bに対する効果が計算されるか又は模擬されるか又はモデル化されると規定する。予想された効果が負であり、例えば、許容範囲を超える場合に、24A、24Bの設定点又は設定点の値が再び決定される。設定点又は設定点の値24A,24Bの調節は、許容範囲に入るように別の生理学的因子26Bに対する効果を考慮する。生理学的因子26は相互に依存する可能性があるので、生理学的因子26A、26Bの一方だけが、対応する設定点又は設定点の値24A、24Bによって改善可能であり、それにより、他の生理学的因子26A、26Bのごく僅かな改善、安定化、又は多少の悪化さえもが避けられないものとして受容されると規定することができる。
この処理は、反復的であることが好ましい。公称値24A、24Bが、連続的にかつ動的な値を用いて入力される。生理学的因子26A、26Bに対する効果又は影響は、フィードバックとして使用される。例えば、24Aの第1の設定点又は設定点の値は、26Aという生理学的因子に対して正の効果(例えば、-10~10のスケールで5の評価)を与える可能性があり、一方、この選択は、26Bという別の生理学的因子に対して例えば-4の評価で悪影響を及ぼす可能性がある。この負値が許容範囲を超えないようにすることも可能である。しかし、第2の反復計算では、設定点又は設定点の値24Aは、例えば、20%だけ減らされる。それにより、第1の生理学的因子26Aの僅か4への減少がもたらされるが、別の生理学的因子の0に対する改善が達成される。生理学的因子26A、26Bに対する効果又は影響は、実際には、線形又は非線形とすることができる。このようにして、この設定点又は設定点の値24Aは、患者の生理学的条件の全体的な改善をもたらすことができる。
しかし、設定点又は設定点の値24Aの更に別の調節又は減少を伴う第3の反復計算は、第1の生理学的因子26Aも別の生理学的因子26Bも改善し、長期的に患者の回復過程を短縮することができる。しかし、本発明により、医師が自ら設定を行う必要があるが、設定に関する意思決定で助けられるように、自動設定を行うのではなく、設定点24A、24Bを示唆するだけにすることが好ましい。従って、例えば、特定の生理学的因子26A、26Bを具体的に改善するために、例えば、そのような因子の急性悪化が生じた場合に、設定点又は設定点の値24A、24Bを採用するか又はそれらから逸脱することができる。従って、医師は、少数の作動パラメータ及び因子を監視するだけとすることができ、人工呼吸器とECLSシステムの両方の設定を行う又は調節する時に、示唆された24A、24B設定点によって更に助けられる。しかし、主として通知しないとはいえ、本発明により、設定手順の完全自動化が可能である。
図3Aは、人工呼吸器12に実施されたエキスパートモジュール10と結合された体外膜人工肺28とを有するシステムを示し、それにより、患者14は、人工呼吸器12及びECLSシステム28によって同時に治療される。しかし、上述のように、この構成は任意的であり、エキスパートモジュール10がECLS28システム内に設計されるか又は人工呼吸器12及びECLS28システムに結合可能な個別のユニットとして設計されると規定することができる。例えば、人工呼吸器12は、気管内挿管によって患者の気道に侵襲的に結合される機械的人工呼吸器とすることができる。ECLSシステム28は、例えば、2つのカニューレを使用して患者の血液循環に接続することができるECMOシステムであり、それにより、例えば、血液が静脈アクセスから取り出され、静脈又は動脈アクセスを通して戻される。体外的に、血液は、肺でのガス交換を置換する膜人工肺に連続的にポンピングされるので、二酸化炭素は血液から除去され、酸素に富む血液が患者に戻される。対応する矢印に示すように、患者14は、人工呼吸器12とECMOシステム28の両方を使用して同時に治療される。
このバージョンでのエキスパートモジュール10は、人工呼吸器12に統合されている。しかし、エキスパートモジュール10は、個別の又は外部のデバイスとして設計されるか又は別のデバイスに統合されると規定することができる。エキスパートモジュール10は、上述のように、患者14の少なくとも1つのバイタルパラメータ16を受信するので、評価ユニット(図示せず)は、患者14の生理学的条件を改善するために、例えば、生理学的モデルを使用して人工呼吸器12とECLSシステム28の両方に対する設定点又は設定点の値を予後的に判断して提案することができる。これらの設定点又は設定点の値は、モニタ34上に存在する対応する信号30を使用して出力され、それにより、信号30に存在する設定点又は設定点の値と共に、ECMOシステム28及び人工呼吸器12が受信した実際値36A、36Bのグラフィック表現が可能になる。
モニタ34はまた、必要に応じて外部ユニットとして表示されるが、例えば、ユーザインタフェースの一部として人工呼吸器12に又はECLSシステム又はECMOシステム28のコンソールに統合することができる。必要に応じて制御モジュールのユーザインタフェースとして設計されるモニタ34はまた、破線に示すように、人工呼吸器12及びECMOシステム28の設定を行ってかつ調節するように構成される。従って、モニタ34は、設定点又は設定点の値を表示し、作動パラメータ値を1つの点で調節することにより、生命維持デバイスを設定するのに医師をサポートすることができ、医師による複雑な計算を不要にして更に医師が前後に移動することのないようにする。この手法により、デバイスを設置する時の医師の認知的労力が軽減され、全ての関連する因子及び変数を考慮して最善の作動パラメータ値を設定することができる。
図3Bは、個別のエキスパートモジュール10を有する対応するシステムを示し、それにより、エキスパートモジュール10は、人工呼吸器12及びECLSシステム28と結合される。このバージョンでは、エキスパートモジュール10には、必要に応じてモニタ34が設けられ、それにより、破線で模式的に示すように、モニタ34を使用して人工呼吸器12及びECLSシステム28の設定を行う又は調節することができる。図3Cはまた、エキスパートモジュール10をECLSシステム28に統合したバージョンを示し、それにより、ECLSシステム28は、例えば、コンソールに統合されたモニタ34も含む。ECLSシステム28の実際値36Bは、ECLSシステム28にエキスパートモジュール10を実施することにより、共通インタフェースを通して直接受信される。
測定されたバイタルパラメータ16及び経過22と共に、人工呼吸器及びECLSシステムの各々のサポートに関する特定の例を図4Aに示している。この例では、4つのバイタルパラメータ16、すなわち、呼気酸素分率(FetO2)、酸素供給量(DO2)、酸素摂取機能(VO2)、及び二酸化炭素放出量(VCO2)がエキスパートモジュールによって受信される。しかし、代替バイタルパラメータ16又は代替数のバイタルパラメータ16を受信することも可能である。
バイタルパラメータ16の経過22は、例えば、それまでに測定された値が臨床実態の現在の展開にもはや関連していない場合に、水平時間軸上に5分区切りで過去20分にわたって例として示している。バイタルサイン16の測定値は、パーセントで又はml/minとして合計値(合計、連続線)の隣に一方は人工呼吸器(Resp、二点鎖線)、他方はECLSシステム(ECMO、破線)という特定部分について別々に表示され、それにより、公称比率38又は人工呼吸器の部分も、合計値のパーセントでの値として表示される。
図4Bは、人工呼吸器12及びECLSシステム28に対して示唆された24A設定点又は設定点の値の特定例を示している。この例での人工呼吸器に対する24A設定点又は設定点の値は、吸気酸素分率(FiO2)、呼吸容積(Vt)、終末呼気陽圧(PEEP)、及び呼吸数(Rf)であり、それにより、ECLSシステムの24B設定点又は設定点の値は、血液ポンプ流量及びガス体積流量を含む。24A、24Bの示唆された設定点又は設定点の値に加えて、36A、36Bの現在の実際値も表示されるので、医師は、現在の状態と設定値に関するあらゆる示唆された調節とを容易に監視することができる。
更に、計算された設定点又は設定点の値24A、24Bの効果又は影響も右側にグラフに示し、それにより、関連する生理学的因子26A、26Bを多角形に、ここでは六角形に示している。生理学的因子26A、26Bは、相互決定因子が比較されるように配置され、周囲領域の1点が患者の生理学的条件に対する悪影響に対応し、中央領域の1点が正の効果に対応する。生理学的因子26A、26Bは、上側の生理学的因子26Aが過換気を表し、下側の生理学的因子26Bが換気不全を表すように示されている。そのような設計は任意的であるが、現在の治療に対する効果又は影響と技術的及び生理学的因子とが同時に提示されて理解可能な方法で解釈することができるので、治療する医師に対して更に別の簡易化と明確化の向上とを提供する。
グラフィック表現では、効果は同じく多角形として示され、それにより、作動パラメータ値の現在の実際値36A、36Bの効果と提案された設定点又は設定点の値24A、24Bの効果との両方は、それぞれ参照符号42及び40に示すように、別々に異なる色で表示される。従って、それぞれの作動パラメータ値の調節が患者の生理学的条件にどのように影響を及ぼすかが直ちに明らかになるので、医師は、必要に応じて最も関連のある(患者にとって特に重要であるので)生理学的因子26A、26Bに関してリアルタイムで治療を調節することができる。色識別子又は色勾配も、異なるハッチングで示すように、グラフィック表現の背景として使用され、それぞれの生理学的因子26A、26Bの改善及び/又は許容範囲を示し、設定点又は設定点の値24A、24Bの効果の解釈を更に容易にすることができる。
適用可能な場合に、実施形態に描かれた全ての個々の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく組み合わせる及び/又は交換することができる。
10 エキスパートモジュール
12 人工呼吸器
14 患者
16 バイタルパラメータ
18 評価ユニット
20 ターゲット値
22 経過
24A,B 設定点又は設定点の値
26A、B 生理学的因子
28 ECLSシステム又はECMOシステム
30 信号
32 生理学的モデル
34 モニタ
36A、B 実際値
38 比率
40 設定点又は設定点の値の効果
42 実際値の効果

Claims (42)

  1. 患者(14)の人工呼吸器(12)のためのエキスパートモジュール(10)であって、
    前記エキスパートモジュール(10)が、前記患者(14)の少なくとも1つの現在のバイタルパラメータ(16)を連続的に受信するようになっており、
    前記エキスパートモジュール(10)が、
    -予め決められた期間にわたって少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)を格納し、
    -前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の経過(22)及び/又は予め決められた臨床データに基づいて、前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)のターゲット値(20)を決定し、かつ
    -前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の経過(22)と前記少なくとも1つのバイタルパラメータの前記ターゲット値(20)とに基づいて、かつ、前記患者(14)の少なくとも2つの生理学的因子(26A,26B)に応じて、前記人工呼吸器(12)の少なくとも1つの作動パラメータの設定点又は設定点の値(24A)を決定する、
    ようになった評価ユニット(18)を備え、
    前記評価ユニット(18)は、更に、前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の前記経過(22)と該少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の前記ターゲット値(20)とに基づいて、かつ、前記生理学的因子(26A,26B)に応じて、前記患者(14)に結合されたECLSシステム(28)の少なくとも1つの作動パラメータの設定点又は設定点の値(24B)を決定し、かつ、該作動パラメータの該設定点又は設定点の値(24A,24B)を表す信号(30)を出力するようになっている、
    ことを特徴とするエキスパートモジュール(10)。
  2. 前記エキスパートモジュール(10)は、更に、前記人工呼吸器(12)及び前記ECLSシステム(28)から前記作動パラメータの実際値(36A,36B)を受信するようになっており、
    前記評価ユニット(18)は、前記実際値(36A,36B)に応じて、前記設定点又は設定点の値(24A,24B)を決定するようになっている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエキスパートモジュール(10)。
  3. 前記人工呼吸器(12)は、前記患者(14)の自発的呼吸を支援するように、又は、該患者(14)の人為的呼吸を提供するように構成され、
    前記人工呼吸器(12)は、好ましくは機械的人工呼吸器である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエキスパートモジュール(10)。
  4. 前記エキスパートモジュール(10)は、モニタ(34)に結合されており、
    前記信号(30)を出力することが、前記設定点又は設定点の値(24A,24B)、前記実際値(36A,36B)、前記ターゲット値(20)、及び/又は対応する値の前記経過(22)のグラフィック表現を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  5. 前記評価ユニット(18)は、該評価ユニット(18)に格納された生理学的モデル(32)から前記設定点又は設定点の値(24A,24B)を決定し、
    前記信号(30)は、前記評価ユニットによってモデル化された前記生理学的因子(26A,26B)に対する前記設定点又は設定点の値の影響(40)のグラフィック表現を更に備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載のエキスパートモジュール(10)。
  6. 前記影響は、前記人工呼吸器(12)及び前記ECLSシステム(28)に対して別々であり、及び/又は、
    前記信号(30)は、前記設定点又は設定点の値の前記影響(40)に加えて、前記生理学的因子(26A,26B)に対する前記実際値のモデル化された影響(42)のグラフィック表現を備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のエキスパートモジュール(10)。
  7. 前記生理学的因子(26A,26B)は、前記人工呼吸器(12)の作動パラメータではないことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  8. 前記生理学的因子(26A,26B)は、前記患者の肺疾患機能又は肺機能の機能性を表すことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  9. 前記生理学的因子(26A,26B)は、過換気(26A)又は換気不全(26B)を示すことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  10. 前記生理学的因子(26A,26B)は、機械的な肺の外傷、萎縮、気圧性外傷、容積損傷、アルカローシス、酸素中毒、吸収性肺拡張不全、アシドーシス、低酸素症、ストレス、及び血行力学的副作用を備える群から選択されることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  11. 前記評価ユニット(18)は、3又は4以上、好ましくは5又は6つの生理学的因子(26A,26B)に応じて、前記設定点又は設定点の値(24A,24B)を決定するようになっていることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  12. 前記評価ユニット(18)は、前記生理学的因子(26A,26B)に対する負の影響が最小であるように、及び/又は、該生理学的因子(26A,26B)が予め決められた許容範囲を超えないように、該評価ユニット(18)に格納された生理学的モデル(32)から前記設定点の値(24A,24B)を決定するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  13. 前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)は、パルスオキシメトリ酸素飽和度、呼気酸素分率、呼気二酸化炭素分率、酸素摂取機能、二酸化炭素放出量、及び血液pHを備える群から選択されることを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項1に記載のエキスパートモジュール(10)。
  14. 前記エキスパートモジュール(10)は、少なくとも2つのバイタルパラメータ(16)、好ましくは少なくとも3又は4つのバイタルパラメータを受信するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  15. 前記人工呼吸器(12)の前記少なくとも1つの作動パラメータは、呼吸容積、ピーク吸気圧、終末呼気陽圧、呼吸数、吸気酸素分率、吸気持続時間と呼気持続時間の間の比率、及び/又は吸気二酸化炭素分率を含み、及び/又は、
    前記ECLSシステム(28)の前記少なくとも1つの作動パラメータは、血液ポンプ流量、システム圧力、及び/又はガス体積流量を含む、
    ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  16. 前記評価ユニット(18)は、前記人工呼吸器(12)の2、3、又は4つの作動パラメータに対する設定点の値(24A)と、前記ECLSシステム(28)の2つの作動パラメータに対する設定点の値(24B)とを決定するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  17. 前記評価ユニット(18)は、更に、前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)に関連して該評価ユニット(18)によって決定された前記ECLSシステム(28)に対する前記人工呼吸器(12)のサポートの比率(38)に応じて、前記設定点の値(24A,24B)を決定するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  18. 前記信号(30)は、更に、少なくとも1つの更に別の好ましくは特定のバイタルパラメータ(16)を受信する要求を備えることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  19. 前記評価ユニット(18)は、前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の前記経過(22)を許容範囲及び/又はモデル化された経過と比較し、かつ、予め決められた閾値又は限界値を超える該少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の逸脱が検出された状態で警報を備える信号(30)を出力するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)。
  20. 人工呼吸器(12)、好ましくは機械的人工呼吸器であって、
    請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)を備えることを特徴とする人工呼吸器(12)。
  21. 前記人工呼吸器(12)は、前記エキスパートモジュール(10)と通信的に結合されて患者(14)の少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)を検出するためのデバイスを備えることを特徴とする請求項20に記載の人工呼吸器(12)。
  22. ECLSシステム(28)、好ましくはECMOシステム(28)であって、
    請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール(10)を備えることを特徴とするECLSシステム(28)。
  23. 前記ECLSシステム(28)は、前記エキスパートモジュール(10)と通信的に結合されて患者(14)の少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)を検出するためのデバイスを備えることを特徴とする請求項22に記載のECLSシステム(28)。
  24. 請求項1から請求項23のいずれか1項に記載の人工呼吸器(12)と、
    ECLSシステム(28)と、
    を備えることを特徴とするシステム。
  25. 患者(14)の少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)をモニタする方法であって、
    前記患者(14)の少なくとも1つの現在のバイタルパラメータ(16)をエキスパートモジュール(10)、特に請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のエキスパートモジュールから連続的に受信する段階と、
    前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)を予め決められた期間にわたって、前記エキスパートモジュール(10)、特に請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のエキスパートモジュールに格納する段階と、
    前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)のターゲット値(20)を、前記エキスパートモジュール(10)、特に請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール内で、該少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の経過(22)及び/又は予め決められた臨床データに基づいて決定する段階と、
    前記エキスパートモジュール(10)、特に請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール内で、前記患者(14)に対して提供されることになる人工呼吸器(12)の少なくとも1つの作動パラメータの設定点又は設定点の値(24A)を決定する段階であって、該設定点又は設定点の値(24A)が、前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の経過(22)と該少なくとも1つのバイタルパラメータの前記ターゲット値(20)とに基づいて、かつ、該患者(14)の少なくとも2つの生理学的因子(26A,26B)に応じて決定される、該決定する段階と、
    前記エキスパートモジュール(10)、特に請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のエキスパートモジュール内で、前記患者(14)に提供されることになるECLSシステム(28)の少なくとも1つの作動パラメータの設定点又は設定点の値(24B)を決定する段階であって、該設定点又は設定点の値(24B)が、前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の前記経過(22)と該少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の前記ターゲット値(20)とに基づいて、かつ前記生理学的因子(26A,26B)に応じて決定される、該決定する段階と、
    前記作動パラメータの前記設定点又は設定点の値(24A,24B)を示す信号(30)を、前記エキスパートモジュール(10)、特に請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のエキスパートモジュールによって出力する段階と、
    を備えることを特徴とする方法。
  26. 前記信号(30)は、前記人工呼吸器及び/又は前記ECLSシステムの提案する使用を示すことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 前記ターゲット値(20)及び/又は前記設定点又は設定点の値(24A,24B)を決定する段階は、連続的又は周期的であることを特徴とする請求項25又は請求項26に記載の方法。
  28. 前記エキスパートモジュール(10)は、前記作動パラメータ値の手動調節後に前記ターゲット値(20)及び/又前記設定点又は設定点の値(24A,24B)を再決定することを特徴とする請求項25から請求項27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記エキスパートモジュール(10)は、更に、前記人工呼吸器(12)及び前記ECLSシステム(28)から前記作動パラメータの実際値(36A,36B)を受信し、かつ、該実際値(36A,36B)に応じて前記設定点又は設定点の値(24A,24B)を決定することを特徴とする請求項25から請求項28のうちのいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記信号(30)は、前記エキスパートモジュール(10)と通信的に結合されたモニタ(24)上に、前記設定点又は設定点の値(24A,24B)、前記実際値(36A,36B)、前記ターゲット値(20)、及び/又は、対応する値の前記経過(22)のグラフィック表現として出力されることを特徴とする請求項25から請求項29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記設定点又は設定点の値(24A,24B)は、前記エキスパートモジュール(10)に格納された生理学的モデル(32)から決定され、
    前記信号(30)は、更に、前記エキスパートモジュール(10)によってモデル化された前記生理学的因子(26A,26B)に対する前記設定点又は設定点の値の影響(40)のグラフィック表現を備える、
    ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
  32. 前記影響の前記表現は、前記人工呼吸器(12)及び前記ECLSシステム(28)に対して別々に行われ、及び/又は
    前記信号(30)は、前記設定点又は設定点の値の前記影響(40)に加えて、前記生理学的因子(26A,26B)に対する前記実際値のモデル化された影響(42)のグラフィック表現を備える、
    ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
  33. 前記生理学的因子(26A,26B)は、前記人工呼吸器(12)の作動パラメータではないことを特徴とする請求項25から請求項32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記生理学的因子(26A,26B)は、前記患者の肺疾患機能又は肺機能の機能性を表すことを特徴とする請求項25から請求項33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記生理学的因子(26A,26B)は、過換気(26A)又は換気不全(26B)を示すことを特徴とする請求項25から請求項34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 少なくとも1つの生理学的因子(26A)に対する(最大に)正の影響の決定時に、少なくとも1つの他の生理学的因子(26B)に対する前記影響は、それぞれ計算されるか又は模擬され、又はモデル化されることを特徴とする請求項25から請求項35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記設定点又は設定点の値(24A.24B)は、前記生理学的因子(26A,26B)に対する負の影響が最小であるように、及び/又は、該生理学的因子(26A,26B)が予め決められた許容範囲を超えないように、前記エキスパートモジュール(10)に格納された生理学的モデル(32)に基づいて決定されることを特徴とする請求項25から請求項36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記設定点又は設定点の値(24A,24B)は、前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)に関連する前記ECLSシステム(28)によるサポート強度に対する前記人工呼吸器(12)によるサポート強度の前記エキスパートモジュールによって決定された比率(38)に応じて決定されることを特徴とする請求項25から請求項37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記信号(30)は、更に、少なくとも1つの更に別の好ましくは特定のバイタルパラメータ(16)を受信する要求を備えることを特徴とする請求項25から請求項38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の前記経過(22)は、前記エキスパートモジュール(10)内で許容範囲及び/又はモデル化された経過と比較され、
    警報が、予め決められた閾値又は限界値を超える前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)の逸脱が検出された状態で出力される、
    ことを特徴とする請求項25から請求項39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記エキスパートモジュール810)は、前記作動パラメータ値の手動設定値が、該作動パラメータ値、前記少なくとも1つのバイタルパラメータ(16)、及び/又は、前記生理学的因子(26A,26B)に対するモデル化された影響の予め決められた閾値又は限界値を超える状態で警報を送出することを特徴とする請求項25から請求項40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記エキスパートモジュール(10)は、請求項1から請求項19のいずれかに記載のエキスパートモジュール(10)であることを特徴とする請求項25から請求項41のいずれか1項に記載の方法。
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