JP2022553211A - 飲料製造用カプセルを密封するための多層カバーエレメント - Google Patents

Abstract

抽出飲料の製造に使用されるカプセル（１００）を密封するためのカバーエレメント（１）は、抽出飲料を製造するためのカプセル（１００）の収容区域（１０６）に面する内面（２ａ）及び内面（２ｂ）と反対側の外面（２ｂ）を有する主層（２）を含み、堆肥化可能な材料から作られる主層（２）と；主層（２）の外面（２ｂ）を覆う保護層（３）と；主層（２）の内面（２ａ）の下に存在するフィルタ層（４）で構成されており、少なくとも主層（２）は表面（２ａ、２ｂ）の少なくとも一方から形成された複数の弱点線（１２）を有する。

Description

本発明は、抽出飲料（brewed beverages）の製造に使用されるカプセル用のカバーエレメントに関する。このカバーエレメントは、特に自動及び半自動飲料製造機に導入されるように適合されたカプセルを閉じるために適合されている。例として、本発明のカバーエレメントを備えるカプセルは、一般的にコーヒー、茶、牛乳、チョコレート、ハーブティー、浸出液などの飲料の製造に使用するために適合されている。

抽出飲料の製造に使用されるカプセル用のカバーエレメントは、当技術分野で知られている。このカバーエレメントは、例えばコーヒーの粉末などの、飲料を製造するための調製物で充填された収容区域を有するカプセルを密封するように設計されている。

カバーエレメントは、抽出飲料を製造するためのカプセルの収容区域に面するように適合された内面を有する主層を含む。カバーエレメントは、内面とは反対側に外面を更に有する。

保護層は、主層の外面の上にある。フィルタ層は、主層の内面の下にある。

本発明者らは、既知の型のエレメントを有するカプセルは、特に高湿度下で適切に機能しないという欠点に注目した。

例えば、特定の機種において、既知のカバーエレメントがまだ破損されていない状態で、飲料分注時の送水圧力の値が１８ｂａｒに達することが見出された。この場合、ポンプが塞がれて、飲料が分注されない。他の場合、カプセルが１２ｂａｒ超の圧力で開いて、分注時間が長くなる場合もある。最悪の場合、部分的な分注が生じる、又はポンプが塞がれる可能性がある。

本発明者らは、通常の操作では、カプセルは１２ｂａｒ未満の圧力で開いてもよく、分注時には、飲料の最適な分注のために圧力は１８ｂａｒまで上昇しなければならないことを見出した。

ＵＳ２０１７１５８４２２及びＷＯ２０１８０８３５６４は、破裂を容易にするための切り込みを有するカバーエレメントの例を開示する。ＵＳ２０１７１５８４２２は、フィルタ層にも到達する切り込みを提供する。ＷＯ２０１８０８３５６４の場合、全ての層の最も外側又は最も内側にあり、厚みで切り込みを少なくとも部分的に受ける金属防水層が提供され得る。上記の好ましい例は、少なくとも部分的に全ての層を通って延びる切り込みを示す。

したがって、本発明の技術的な目的は、前述の先行技術の欠点を回避することができる、抽出飲料の製造に使用されるカプセルを密封するカバーエレメントを提供することである。

具体的には、本発明の対象は、所定の圧力にさらされた場合に、飲料の分注時に確実に破裂させることができる抽出飲料の製造に使用するためのカバーエレメントを提供することである。

前述の技術的目的及び対象は、添付の請求項の一項以上に開示される技術的特徴を含む、抽出飲料の製造に使用されるカプセルを密封するためのカバーエレメントによって実質的に達成される。

特に、本発明による抽出飲料の製造に使用されるカプセルを密封するためのカバーエレメントは、主層を含む。この主層は、抽出飲料を製造するためのカプセルの収容区域に面するように適合された内面を有する。主層は、内面とは反対側に外面を更に有する。主層は、堆肥化可能な材料で作られている。

保護層は、主層の外面の上にある。

フィルタ層は、主層の内面の下にある。

少なくとも、主層は内面又は外面の少なくとも一方に形成された複数の弱点線を有する。

このカバーエレメントは、弱点線が所定の圧力下で破裂するように調整されているため、技術的な問題を解決し、飲料を適切に分注することを可能にする。

好ましい実施形態において、少なくとも１つの金属層を含む防水層は、主層とフィルタ層との間に配置されている。防水層及びフィルタ層は、弱点線を有さない。したがって、分注が行われるまで、カプセルは適切に密封されている。破裂時には、フィルタ層はいずれの場合においても、防水層の存在により弱点線に対して保護された位置にある。したがって、フィルタ層もまた破裂させる必要がなく、分注を有利に行うことができ、フィルタ層はそのフィルタ機能を適切に達成することができる。

本発明の更なる特徴及び利点は、以下の添付図面に示すような、抽出飲料の製造に使用されるカプセルを密封するためのカバーエレメントにおける、好ましい非排他的な実施形態の例示的、非限定的な説明からより明確にもたらされるであろう。

図１は、本発明による抽出飲料の製造に使用されるカプセルを密封するためのカバーエレメントの第１実施形態の模式的断面図である。；

図２は、本発明による抽出飲料の製造に使用されるカプセルを密封するためのカバーエレメントの第２実施形態の模式的断面図である。；

図３は、抽出飲料の製造に使用されるカプセルの模式的断面側面図である。

添付の図を参照するにあたり、数字１は、本発明のカバーエレメントを指定する。カバーエレメント１は、抽出飲料の製造に使用するために、カプセル１００に適用されるように適合されている。特に、カバーエレメント１は、カプセル１００を密封するように適合されている。

例として、カプセル１００を図３に模式的に示す。このカプセル１００は、好ましくは堆肥化可能な材料で作られた囲い１０１を含む。開口部１０３を有する収容区域１０６は、囲い１０１内に画定される。この囲い１０１は、一般的に円錐台の形状であり、底部１０２を有する。

前述の開口部１０３は、底部１０２の反対にある。囲い１０１は、開口部１０３から底部１０２に向かって近づく側壁１０４を含む。開口部１０３には、フランジ１０５が設けられている。抽出飲料を製造するための、例えば粉末状の調合品は、一般的に収容区域１０６の内部に配置される。

操作時に、本発明のカバーエレメント１は、前述の開口部１０３を閉じるように配置されている。カバーエレメント１は、特に堆肥化可能な材料で作られた、主層２を含む。この主層２は内面２ａを有しており、内面２ａは操作時に収容区域１０６に面する。外面２ｂは、内面２ａの反対側にある。主層２は、カバーエレメント１の支持構造を少なくとも部分的に画定する。さらに、主層２は堆肥化可能な材料、好ましくはセロファンで作られる。

主層２には追加の層が接合されており、本明細書において以下詳細に説明される。この目的のために、これらの層の位置は、「上」及び「下」という用語によって、主層２に関して特定される。このような用語は、任意の向きであってよいカバーエレメント１又はカプセル１００のいずれかの向きを限定するものとして理解されてはならない。逆に、これらの用語は、簡略化及びより包括的な説明のためにのみ使用される。本明細書で使用される場合、「下」という用語はカバーエレメント１からカプセル１００の内部へと向かう方向及び／又は位置を特定するために使用され、「上」という用語はカバーエレメント１から外部環境へと向かう方向を示すために使用される。

より詳細には、保護層３は主層２の外面２ｂの上にある。この保護層３は、特にラッカーによって画定され、外部環境に直接的に面する。図１に示すような実施形態において、保護層３は主層２の外面２ｂに直接適用されることに留意されたい。好ましくは、保護層３は当業者に周知のラッカーによって画定され、本明細書では更には説明されない。

フィルタ層４は、主層２の内面２の下にある。このフィルタ層４は、カプセル１００の内容物を保持し、飲料が分注される際に内容物が漏れるのを防止する目的を有する。両方の図示された実施形態において、フィルタ層４はカプセル１００の内部に位置する収容区域１０６に直接的に面する。このフィルタ層４は、当業者に知られている食料グレードの材料、例としてＰＬＡ不織布によって作られていてもよい。

水分がカプセル１００へと侵入することを防ぐために、カバーエレメント１は防水層５を備える。例えば、図１に示すように、防水層は接着層７によって結合された一対の金属層６によって画定されてもよい。この場合、防水層５は主層２の内面２ａに適用される。

図２で示す実施形態において、防水層５は主層２の外面２ｂに直接適用された単一の金属層６によって画定される。

いずれの場合においても、金属層６はアルミニウム、及び／又は酸化アルミニウム、及び／又は酸化ケイ素から作られるものであってよい。

任意で、カバーエレメントは成形コーティング８を有する。図２に示すように、このモールドコーティング８は、防水層５の上にあるプライマー層９を含む。インク層１０は、プライマー層９と保護層３の間に配置されている。

任意で、例えば図１に示すように、カバーエレメントは主層２の内面２ａとフィルタ層４の間に配置された補強層１１を含んでもよい。補強層１１の構造的な機能は、主層２の機能と同様である。その結果、補強層１１もまたセロファンで作られる。

本発明によれば、少なくとも主層２は表面２ａ、２ｂの少なくとも一方に形成される複数の弱点線１２を有する。これらの弱点線１２は、内面２ａの圧力が５～１５ｂａｒの範囲の値、好ましくは１０ｂａｒに達したときに、主層２２が破裂可能であるように配置されている。

図２に示す実施形態において、弱点線１２は主層２の内面２ａに形成されていることに留意されたい。あるいは、弱点線１２は主層２の外面２ｂに形成されてもよい。最後に、図１に示す実施形態において、弱点線１２は主層２の厚さ全体にわたって延びてもよい。

弱点線１２は、主層２の材料及び厚み、より一般的にはカバーエレメント１の組成に従って可変の深さを有してもよいことに注目されたい。好ましくは、弱点線１２は主層２の厚さの５０％～１００％、好ましくは８０％の範囲の長さで主層２の中を通る。

図２の実施形態において、弱点線１２は、機械的な材料除去によって主層２に形成されたノッチによって画定されていることに注目されたい。

あるいは、図１に示すように、弱点線１２は熱アブレーション、好ましくはレーザーによって形成された切り込みによって画定される。

図１に示す実施形態において、弱点線１２は保護層３を通って延びることに留意すべきである。このことは、下地、特に防水層５が無傷のままであるため、カプセル１００の密封に影響を与えない。これに関連して、図１の実施形態において補強層１１は弱点線１２を有さないことに留意すべきである。フィルタ層４にもまた、弱点線はない。

図１に示すように、主層２の内面２ａとフィルタ層４の間、より具体的には主層２と補強層１１の間に配置された防水層５は、弱点線１２を有する層の群、すなわち主層２及び保護層３と、弱点層１２を有さない層の群、すなわち防水層５自体、補強層１１及びフィルタ層４とを分離する。

全ての層２、３、４、５、８、１１は適合可能な材料、又は代替的に、堆肥化工程に適合可能な材料で有利に作られていることに留意しなければならない。

Claims (13)

1. －抽出飲料の製造に使用するカプセル（１００）の収容区域（１０６）に面するように適合された内面（２ａ）及び前記内面（２ｂ）から離れて向く外層（２ｂ）を有する主層（２）であって、堆肥化可能な材料から作られている主層（２）；
   －前記主層（２）の前記外面（２ｂ）の上にある保護層（３）；
   －前記主層（２）の前記内面（２ａ）に適用され、少なくとも１つの金属層（６）を含む防水層（５）
   －前記主層（２）の前記内面（２ａ）の下にあるフィルタ層（４）
   を含む、抽出飲料の製造に使用するカプセル（１００）を密封するためのカバーエレメント（１）であって、少なくとも前記主層（２）は、少なくとも前記外面（２ｂ）に形成された複数の弱点線（１２）を有し、前記防水層（５）及び前記フィルタ層（４）は、弱点線（１２）を有さないことを特徴とする、カバーエレメント（１）。
2. 前記内面（２ａ）における圧力が５～１５ｂａｒの範囲の値、好ましくは１０ｂａｒに達したときに、前記主層（２）が前記弱点部分（１２）で破裂するように構成されていることを特徴とする、請求項１に記載のカバーエレメント（１）。
3. 前記弱点線（１２）が、前記主層（２）の厚さの５０％～１００％の範囲、好ましくは８０％の長さで前記主層（２）の中を通ることを特徴とする、請求項１又は２に記載のカバーエレメント（１）。
4. 前記弱点線（１２）が前記主層（２）の厚さ全体にわたって延びることを特徴とする、請求項１～３のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）。
5. 前記防水層（５）が、前記主層（２）の前記内面（２ａ）と前記フィルタ層（４）の間に配置されていることを特徴とする、請求項１～４のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）。
6. 前記弱点線（１２）が、機械的な材料除去によって前記主層（２）に形成されるノッチによって画定されることを特徴とする、請求項１～５のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）。
7. 前記弱点線（１２）が、好ましくはレーザーを使用して、熱アブレーションによって作られる切り込みによって画定されることを特徴とする、請求項１～５のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）。
8. 前記弱点線（１２）が、前記保護層（３）を通って延びることを特徴とする、請求項１～７のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）。
9. 前記主層（２）の前記内面（２ａ）と前記フィルタ層（４）の間に配置された補強層（１１）を含むことを特徴とする、請求項１～８のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）。
10. 前記補強層（１１）が、弱点線（１２）を有さないことを特徴とする、請求項９に記載のカバーエレメント（１）。
11. 前記主層（２）及び／又は前記補強層（１１）が、セロファンで作られていることを特徴とする、請求項１～１１のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）。
12. 全ての前記層（２、３、４、５、８、１１）が、堆肥化工程に適合可能な材料で作られていることを特徴とする、請求項１～１１のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）。
13. 好ましくは堆肥化可能な材料から作られた囲い（１０１）を含むカプセル（１００）であって、前記囲い（１０１）は、開口部（１０３）を有する収容区域（１０６）と；前記開口部（１０３）を密封するための前記囲い（１０１）に取り付けられた、請求項１～１２のいずれか一項に記載のカバーエレメント（１）と；好ましくは前記収容区域（１０６）内に置かれた抽出飲料を製造するための調合品、より好ましくは粉末を含む、カプセル。

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