JP2022551823A - 抗菌化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、次の化合物(I)【化1】TIFF2022551823000034.tif25170(式中、整数は本明細書で定義される通りである)に関し、化合物は、例えば、結核の治療に(例えば組み合わせて)使用するための薬剤として有用であり得る。

Description

本発明は、新規化合物に関する。本発明はまた、医薬として使用するための、及び更に細菌性疾患、例として、病原性マイコバクテリア、例えば、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を原因とする疾患の治療に使用するための、そのような化合物に関する。そのような化合物は、呼吸鎖を標的とし、それによりマイコバクテリアの全てのエネルギー産生を遮断することによって機能し得る。マイコバクテリアの電子伝達系を標的とする方法はいくつか存在し、例としては、結核菌(M.tuberculosis)のATPシンターゼを妨害することによるものである。この特定の発明は、主な作用機序であり得る呼吸鎖のシトクロムbd標的に焦点を当てている。したがって、主に、そのような化合物は抗結核剤であり、特に、別の結核薬(例えば、電子伝達系の異なる標的の別の阻害剤)と組み合わせた場合にそのように作用し得る。
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、全世界に分布する、重篤で致死的となり得る感染症である結核(TB)の病原体である。世界保健機構(World Health Organization)の推定によると、毎年800万を超える人がTBに罹患し、年間200万人が結核により死亡する。最近の10年間で、TBの症例は世界中で20%増加しており、最も貧困な地域で最も負担が大きくなっている。これらの傾向が継続すると、TB発生率は次の20年で41%増加することになる。有効な化学療法の導入以来50年であるが、TBは依然として、世界でAIDSに次ぐ、成人の感染による死亡原因の主たるものである。TBの蔓延を助長するのは、多剤耐性株の出現の増加、及びHIVとの極めて有害な共生である。HIV陽性のTB感染者が活動性TBを発病する可能性は、HIV陰性の感染者と比べて30倍を超えて高く、世界中でHIV/AIDS患者の3人に1人がTBにより死亡している。
結核の治療に対する既存の手段は全て、複数薬剤の組み合わせを含む。例えば、米国公衆衛生局(U.S.Public Health Service)により推奨されるレジメンは、イソニアジド、リファンピシン、及びピラジナミドの組み合わせを2ヶ月間と、それに続いてイソニアジド及びリファンピシンのみを更に4ヶ月間である。これらの薬剤はHIVに感染した患者では更に7ヶ月間継続される。結核菌(M.tuberculosis)の多剤耐性株に感染した患者の場合には、エタンブトール、ストレプトマイシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、エチオナミド、サイクロセリン、シプロフォキサシン(ciprofoxacin)、及びオフロキサシンなどの薬剤が、この組み合わせ療法に加えられる。結核の臨床治療に有効な単一薬剤も、6ヶ月未満の治療を可能にする薬剤の組み合わせも存在しない。
患者及び提供者のコンプライアンスを容易にするレジメンを可能にすることにより現行の治療を改善する、新規薬剤に対する医療上の高い必要性が存在する。より短期間のレジメン、及び管理の必要性が少ないレジメンがこれを達成するための最良の方法である。治療による恩恵の大部分は、4種の薬剤が合わせて与えられ、細菌負荷が大きく低減し、患者が非感染性となる、最初の2ヶ月以内の、集中段階即ち殺菌段階で得られる。4~6ヶ月の継続段階、即ち滅菌段階が、残存する細菌を排除し、再発のリスクを最小限に抑えるために必要とされる。治療を2ヶ月以下に短縮する強力な滅菌薬があれば、極めて有益であろう。集中的に管理する必要性を少なくすることによりコンプライアンスを容易にする薬剤もまた必要とされている。明らかに、治療の全期間及び薬剤の投与頻度の両方を低減させる化合物があれば、最も大きな恩恵が得られるであろう。
TBの蔓延を助長するのは、多剤耐性株、即ちMDR-TBの発生の増加である。世界中の全ての症例の最大4パーセントが、MDR-TB、即ち、最も有効な薬剤である4種の標準薬、イソニアジド、及びリファンピンに耐性である菌株と考えられている。MDR-TBは、治療しなければ致死的であり、また標準的治療により十分に治療することができず、そのため、最大2年間、「第2選択」薬が治療に必要となる。これらの薬剤は、多くの場合、毒性があり、高価で、且つ有効性もわずかである。有効な治療法がない状態で、感染性のMDR-TB患者がこの疾患を拡散し続けており、MDR-TB株による新たな感染を生み出している。薬剤耐性株、特にMDR株に対する活性を示す可能性のある、新規作用機序を有する新規薬剤に対する医療上の高い必要性が存在する。
本明細書の上記又は下記に使用される「薬剤耐性」という用語は、微生物学分野の当業者により十分理解されている用語である。薬剤耐性マイコバクテリウム(Mycobacterium)は、以前有効であった少なくとも1種の薬剤に対してもはや感受性を示さず、以前有効であった少なくとも1種の薬剤による抗菌性攻撃に耐える能力を発達させたマイコバクテリウム(Mycobacterium)である。薬剤耐性株は、この耐性力をその子孫に受け継がせることができる。上記耐性は、単一薬剤又は様々な薬剤に対するその感受性を変化させる、細菌細胞におけるランダムな遺伝子変異によるものであり得る。
MDR結核は、少なくともイソニアジド及びリファンピシン(現在最も強力な2種の抗TB薬である)に対する細菌耐性(他の薬剤に対する耐性の有無を問わない)による特定形態の薬剤耐性結核である。したがって、本明細書の上記又は下記に使用される場合は常に、「薬剤耐性」には、多剤耐性が含まれる。
TBの蔓延を制御することに関する別の要因には、潜伏性TBの問題がある。数十年に及ぶ結核(TB)制御プログラムにもかかわらず、約20億の人が
無症候性ではあるが結核菌(M.tuberculosis)に感染している。これらの個体の約10%に、一生の間に活動性TBを発症するリスクがある。TBの世界的な蔓延は、HIV患者のTB感染及び多剤耐性TB株(MDR-TB)の増加により加速される。潜伏性TBの再活性化が、疾患発症の高リスク因子であり、HIV感染個体の死亡原因の32%を占める。TBの蔓延を制御するためには、休止状態又は潜伏状態の細菌を死滅させることができる新規薬剤の発見が必要である。休止状態のTBは、腫瘍壊死因子α又はインターフェロン-γに対する抗体などの免疫抑制剤の使用により宿主の免疫が抑制されるなどのいくつかの要因によって再活性化されて疾患を引き起こし得る。HIV陽性患者の場合、潜伏性TBに利用可能な唯一の予防的治療は、リファンピシン、ピラジナミドの2~3ヶ月レジメンである。この治療レジームの効力は依然として不明確であり、更に、資源が限られている環境下では、治療期間が重大な制約となる。したがって、潜伏性TB細菌を保持する個体に対して、化学予防剤として作用し得る新規薬剤を同定する必要性が大いにある。
結核菌は、吸入により健常個体に侵入するが、肺の肺胞マクロファージにより貪食される。これにより、強力な免疫応答及び肉芽腫の形成がもたらされるが、この肉芽腫は、T細胞により取り囲まれた、結核菌(M.tuberculosis)感染マクロファージからなる。6~8週間後、宿主免疫応答により、壊死による感染細胞の死、及び特定の細胞外細菌を含む乾酪性物質の蓄積が生じ、この物質は、マクロファージ、類上皮細胞、及び周辺リンパ組織の層に取り囲まれている。健常個体の場合、マイコバクテリアの大部分はこれらの環境において死滅するが、ごく一部の細菌は依然として生存しており、非複製性の低代謝状態で存在すると考えられ、これらはイソニアジドなどの抗TB薬による殺傷に対して耐性である。これらの細菌は、疾患の何らの臨床症状を示すことなく、生理的環境の変化がある中で、個体の生涯にわたってさえ残存することができる。しかしながら、症例の10%で、これらの潜伏性細菌が再活性化して疾患を引き起こすことがある。これらの持続性細菌の発生に関する仮説の1つは、ヒト病変における病態生理学的環境、即ち、低下した酸素分圧、限定された栄養源、及び酸性pHである。これらの要因によって、主要な抗マイコバクテリウム(Mycobacterium)薬に対してこれらの細菌が表現型的に耐性を有するようになると仮定されている。
TBの蔓延への対応に加えて、第1選択の抗生物質に対する耐性の問題が出現しつつある。重要な例の一部として、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、バンコマイシン耐性腸球菌(enterococci)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、多剤耐性サルモネラ菌(salmonellae)が挙げられる。
抗生物質に対する耐性は、重大な結果をもたらしている。耐性菌を原因とする感染は、治療に応答せず、その結果、疾病が長期にわたり、また死のリスクが高まる。また、治療の不成功により、感染力のある期間が延長され、それによって地域社会の中を移動する感染者の数が増加し、したがって、一般住民が耐性菌感染に罹患するリスクに曝される。
病院は、全世界において抗菌薬耐性問題の重要な構成要素である。感受性が極めて高い患者、集中的且つ長期間の抗菌薬の使用、及び交差感染が組み合わさると、耐性が極めて高い病原菌による感染が生じる。
抗菌薬による自己治療は、耐性に寄与する別の主要な要因である。自己治療の抗菌薬は、不必要であることもあり、投薬が不十分であることも多く、又は十分な量の活性薬を含有していないこともある。
推奨治療に関する患者のコンプライアンスは、別の主要な問題である。患者は、気分がよくなり始めると薬物の服用を忘れ、治療を中断するか、又は全コースを行うことができず、それによって、微生物が死滅するよりも適応するのに理想的な環境が築かれることがある。
複数の抗生物質に対する耐性が出現するため、医師は、有効な治療法がない感染症に直面している。そのような感染症の罹患率、死亡率、及び財政的費用により、世界中で医療制度に対する負担が増大している。
したがって、細菌感染、特に薬剤耐性及び潜伏性のマイコバクテリア感染を含むマイコバクテリア感染、更に他の細菌感染、特に耐性細菌株を原因とする細菌感染を治療するための新規化合物に対する高い必要性が存在する。
マイコバクテリアの電子伝達系を標的とする方法はいくつか存在し、例としては、結核菌(M.tuberculosis)のATPシンターゼを妨害することによるものである。多くの細菌とは異なり、結核菌(M.tuberculosis)は呼吸に応じて適切な量のATPを合成する。したがって、マイコバクテリアの電子伝達系を標的とし、それによりマイコバクテリアのエネルギー産生を遮断することは、マイコバクテリアに対する効果的なレジメンを提供する有効な方法である可能性があると考えられる。既に知られている標的はATPシンターゼ阻害剤であり、その例としては、ベダキリン(Sirturo(登録商標)として販売されている)、シトクロムbc阻害剤(その例としては、Pethe et al “Discovery of Q203,a potent clinical candidate for the treatment of tuberculosis”によるJournal article Nature Medicine,19,1157-1160(2013)に記載されている化合物Q203、並びに国際公開第2017/001660号パンフレット、同第2017/001661号パンフレット、同第2017/216281号パンフレット、及び同第2017/216283号パンフレットなどの特許出願が挙げられる)である。
加えて、Arora et alによる学術雑誌論文Antimicrob.Agents Chemother,2014,6962-6965は、結核菌(M.tuberculosis)の呼吸bc複合体を標的とする化合物、及びシトクロムbdオキシダーゼの欠失により過敏性変異体が生じたことについて記載している。Kalia et alによる学術雑誌論文PANS(Early Edition),2017,“Exploiting the synthetic lethality between terminal respiratory oxidases to kill Mycobacterium tuberculosis and clear host infection”は、呼吸鎖を標的とする様々な結核化合物に関する様々なデータを開示している。例えば、化合物Q203(既知のbc阻害剤、上記を参照されたい)は、シトクロムbdオキシダーゼをコードする遺伝子であるCydABを遺伝子欠失させた後、マイコバクテリアを完全に阻害し、殺菌作用を有する可能性があることが示されている。同様に、学術雑誌論文MBio,2014 Jul 15;5(4)のBerney et alによる“A Mycobacterium tuberculosis cytochrome bd oxidase mutant is hypersensitive to bedaquiline”は、bdが不活性化されるとベダキリンの活性が増強されることを示している。
既知のシトクロムbd阻害剤の1つは、比較的長い側鎖を有するキノロンであるオーラチンD(Aurachin D)である。シトクロムbd自体は好気性増殖に必須ではないが、例えば、Giuffre et al.による学術雑誌論文Biochimica et Biophysica Acta 1837(2014)1178-1187に記載されているように、上方制御され、様々な細菌株における様々なストレスから保護する。したがって、シトクロムbd阻害剤による単剤療法は、必ずしもマイコバクテリアの増殖阻害が期待されるわけではないが、マイコバクテリアの電子伝達系の標的の別の阻害剤と組み合わせることで阻害が期待できる。
様々な化合物が国際公開第2012/069856号パンフレット及び同第2017/103615号パンフレットに記載されており、後者の出願は、シトクロムbd阻害剤などの化合物を記載しており、1種以上の呼吸電子伝達系阻害剤とシトクロムbd阻害剤とを含む治療的組み合わせ製品が開示されていることを示している。具体的には、化合物CK-2-63が様々な阻害活性データを示すシトクロムbd阻害剤として記載されており、CK-2-63とマイコバクテリウム(mycobacterium)シトクロムbcc阻害剤(例えば、シトクロムbcc阻害剤Q203と構造的に関連していることがその中で示されているAWE-402)との組み合わせを含む組み合わせデータもまた開示されている。このような二剤の組み合わせによりマイコバクテリアの死滅が増加したことが示されている。また、ベダキリン(既知のATPシンターゼ阻害剤)とCK-2-63との組み合わせについても記載されており、CK-2-63が低濃度でベダキリン活性の増強を示したことが示されている。ベダキリン、AWE-402(bc阻害剤、上記を参照されたい)、及びCK-2-63の三剤の組み合わせに関するデータも示されている。
この特定の発明は、呼吸鎖のシトクロムbd標的の新規化合物に焦点を当てている。組み合わせて使用するために試験する/用いることができる、新たな代替化合物/改良された化合物が必要とされている。
式(I)の化合物
Figure 2022551823000002

[式中、
は、C1~6アルキル、-Br、水素、若しくはC(O)N(Rq1)Rq2を表し;
q1及びRq2は、独立して、水素若しくはC1~6アルキルを表すか、若しくは共に連結して、1つ以上のC1~3アルキル置換基により任意選択的に置換されている3~6員のカルボシリック環(carbocylic ring)を形成してもよく;
Subは、ハロ、-CN、C1~6アルキル、及び-O-C1~6アルキル(後の2つのアルキル部分は、1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されている)から選択される1つ以上の任意選択的な置換基を表し;
2つの「X」環は、一緒になって9員の二環式ヘテロアリール環(別の5員の芳香環に縮合した6員の芳香環からなる)を表し、二環式ヘテロアリール環は、1~4個のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を含み、二環式環は、ハロ及びC1~6アルキル(それ自体が1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されている)から選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されており;
は、任意選択のリンカー基を表しており、したがって、直接結合、-O-、-OCH-、-C(Rx1)(Rx2)-、若しくは-C(O)-N(H)-CH-であってよく;
x1及びRx2は、独立して、水素若しくはC1~3アルキルを表し;
は、以下の部分:
Figure 2022551823000003

(v)パーフルオロC1~3アルキル(例えば、-CF);
(vi)-F、-Br、-Cl、若しくは-CNのうちのいずれか1つを表し;
環Aは、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する(好ましくは少なくとも1個の窒素原子を含有する)5員の芳香環を表し、この環は、Rから独立して選択される1つ以上の置換基により任意選択的に置換されており;
環Bは、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する(好ましくは少なくとも1個の窒素原子を含有する)6員の芳香環を表し、この環は、Rから独立して選択される1つ以上の置換基により任意選択的に置換されており;
は、-CH若しくはNHを表し、Rは、NとYとを含有する6員の環上の1つ以上の置換基を表し(R置換基がY上に存在してもよい);
、R、R、R、及びRは、独立して、水素若しくはBから選択される置換基を表し;
各R、各R、及び各R(これらは任意選択的な置換基である)は、存在する場合、独立して、Bから選択される置換基を表し;
各Bは、独立して、
(i)ハロ;
(ii)-Rd1
(iii)-ORe1
(iv)-C(O)N(Re2)Re3
(v)-SF
(vi)-N(Re4)S(O)e5から選択される置換基を表し;
d1は、1個以上のハロ(例えば、フルオロ)原子により任意選択的に置換されているC1~6アルキルを表し;
e1、Re2、Re3、Re4、及びRe5は、各々独立して、水素若しくは1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されているC1~6アルキルを表す]
又はその薬学的に許容される塩がここで提供され、
この化合物は、本明細書において「本発明の化合物」と称され得る。
薬学的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。そのような塩は、従来の手段によって、例えば、遊離酸又は遊離塩基形態の式Iの化合物と1当量以上の適切な酸又は塩基との、任意選択で溶媒中での、又は塩が溶解しない媒体中での反応と、それに続く、標準的な技術を用いた(例えば、真空中での、凍結乾燥による、又は濾過による)上記溶媒又は上記媒体の除去によって、形成され得る。塩は、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して別の対イオンと交換することによっても調製され得る。
前述の薬学的に許容される酸付加塩は、式(I)の化合物が形成され得る、治療活性を有する非毒性の酸付加塩の形態を含むものとする。これらの薬学的に許容される酸付加塩は、塩基の形態をそのような適切な酸で処理することにより容易に得ることができる。適切な酸には、例えば、無機酸、例えば、塩酸又は臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸;又は有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(即ち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(即ち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモ酸などの酸が含まれる。
本発明の目的のためには、本発明の化合物の溶媒和物、プロドラッグ、N-酸化物、及び立体異性体もまた、本発明の範囲に含まれる。
本発明の関連化合物の「プロドラッグ」という用語は、経口又は非経口投与後、インビボで代謝されて、その化合物を、所定の時間内(例えば、6~24時間の間(即ち、1日1回~4回)の投与間隔内)に実験的に検出可能な量で形成する、任意の化合物を含む。疑義を回避するために述べると、「非経口」投与という用語は、経口投与以外のあらゆる投与形態を含む。
本発明の化合物のプロドラッグは、この化合物上に存在する官能基を、そのようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与された際にインビボで修飾が切断されるような形で修飾することによって調製され得る。この修飾は、典型的には、親化合物をプロドラッグ置換基を用いて合成することによって達成される。プロドラッグには、本発明の化合物中のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、又はカルボニル基が、それぞれ遊離のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、又はカルボニル基を再生するようにインビボで切断され得る任意の基に結合している、本発明の化合物が含まれる。
プロドラッグの例としては、ヒドロキシ官能基のエステル及びカルバメート、カルボキシル官能基のエステル基、N-アシル誘導体及びN-マンニッヒ塩基が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグに関する一般的な情報は、例えばBundegaard,H.“Design of Prodrugs”p.1-92,Elesevier,New York-Oxford(1985)に見出され得る。
本発明の化合物は、二重結合を含有し得、したがって、各個々の二重結合に関してE(entgegen)及びZ(zusammen)幾何異性体として存在し得る。位置異性体もまた、本発明の化合物に包含され得る。全てのそのような異性体(例えば、本発明の化合物が二重結合又は縮合環を含む場合は、シス型及びトランス型が包含される)及びそれらの混合物は、本発明の範囲に含まれる(例えば、単一の位置異性体及び位置異性体の混合物は、本発明の範囲に含まれ得る)。
本発明の化合物はまた、互変異性を示し得る。全ての互変異性形態(又は互変異性体)及びそれらの混合物は、本発明の範囲に含まれる。「互変異性体」又は「互変異性形態」という用語は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能な、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られる)には、プロトンの移動を介した相互変換、例えば、ケト-エノール及びイミン-エナミンの異性化が含まれる。原子価互変異性体には、結合電子のうちのいくつかの再編成による相互変換が含まれる。
本発明の化合物はまた、1個以上の不斉炭素原子を含有し得、したがって、光学異性及び/又はジアステレオ異性を示し得る。ジアステレオ異性体は、従来技術、例えば、クロマトグラフィー又は分別結晶を使用して分離され得る。様々な立体異性体が、従来の、例えば分別結晶又はHPLC技術を使用した、化合物のラセミ混合物又は他の混合物の分離により単離され得る。或いは、所望の光学異性体は、ラセミ化若しくはエピマー化を引き起こさない条件下における適切な光学的に活性な出発物質の反応(即ち、「キラルプール」法)により、適切な出発物質と後に適切な段階で除去され得る「キラル補助剤」との反応により、例えばホモキラル酸を用いた誘導体化(即ち、動的分割を含む分割)と、それに続く従来の手段(例えば、クロマトグラフィー)によるジアステレオマー誘導体の分離により、又は適切なキラル試薬若しくはキラル触媒を用いた反応により、いずれも当業者に公知の条件下において、作製され得る。
全ての立体異性体(ジアステレオ異性体、鏡像異性体、及びアトロプ異性体が含まれるがこれらに限定されない)及びそれらの混合物(例えば、ラセミ混合物)が、本発明の範囲に含まれる。
本明細書に示される構造において、任意の特定のキラル原子の立体化学が指定されていない場合、全ての立体異性体が企図されており、本発明の化合物として包含される。立体化学が特定の配置を表す実線の楔又は破線で指定されている場合、その立体異性体はそのように指定され、定義される。
本発明の化合物は、非溶媒和形態及び薬学的に許容される溶媒(例えば、水、エタノールなど)との溶媒和形態で存在し得、本発明が溶媒和形態及び非溶媒和形態の両方を包含することが意図される。
本発明はまた、自然界で通常見られる原子質量又は質量数(又は自然界で見られる最も豊富なもの)とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により1個以上の原子が置換されている以外は、本明細書に記載の化合物と同一の、同位体標識された本発明の化合物も包含する。本明細書で規定されている、任意の特定の原子又は元素の全ての同位体は、本発明の化合物の範囲内にあると考えられる。本発明の化合物に組み込まれ得る例示的な同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iが挙げられる。本発明の特定の同位体標識化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、化合物において、また基質組織分布アッセイにとって有用である。三重水素化(H)及び炭素-14(14C)同位体は、それらの調製容易性及び検出可能性から有用である。更に、重水素(即ち、Hなどのより重い同位体による置換は、より大きい代謝安定性の結果としてもたらされる特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増加又は投薬必要量の減少)をもたらすことができるため、したがって一部の状況で好ましい可能性がある。15O、13N、11C、及び18Fなどの陽電子放射性同位体は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影(PET)の試験に有用である。本発明の同位体標識化合物は、一般に、以下の説明/実施例で開示されているものと類似の手順に従い、非同位体標識試薬の代わりに同位体標識試薬を用いることによって、調製することができる。
特に断らない限り、本明細書で定義されるC1~qアルキル基(ここで、qは範囲の上限である)は、直鎖であるか、又は十分な数(即ち、最低2個若しくは3個で適宜)の炭素原子が存在する場合は、分岐鎖、及び/若しくは環状(したがって、C3~q-シクロアルキル基を形成している)であり得る。そのようなシクロアルキル基は、単環式又は二環式であり得、且つ更に架橋されているものであり得る。更に、十分な数(即ち、最低4個)の炭素原子が存在する場合、そのような基はまた、部分的に環状であり得る。そのようなアルキル基はまた、飽和であるか、又は十分な数(即ち、最低2個)の炭素原子が存在する場合、不飽和(例えば、C2~qアルケニル基若しくはC2~qアルキニル基を形成している)であり得る。
具体的に言及され得るC3~qシクロアルキル基(ここで、qは範囲の上限である)は、単環式又は二環式のアルキル基であり得、このシクロアルキル基は、更に架橋されている(したがって、例えば、3つの縮合シクロアルキル基などの縮合環系を形成している)ものであり得る。そのようなシクロアルキル基は、飽和であるか、又は1つ以上の二重結合を含有する不飽和のもの(例えば、シクロアルケニル基を形成している)であり得る。置換基は、シクロアルキル基上の任意の位置で結合され得る。更に、十分な数(即ち、最低4つ)が存在する場合、そのようなシクロアルキル基はまた、部分的に環状であり得る。
「ハロ」という用語は、本明細書で使用される場合、好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを含む。
本明細書で言及される場合、複素環基は、芳香族複素環基又は非芳香族複素環基を含み、したがって、ヘテロシクロアルキル及びヘテレオアリール(hetereoaryl)を包含し得る。同様に、「芳香族又は非芳香族の5員環又は6員環」は、環中に5員又は6員を有する複素環基(及び炭素環基)であり得る。
言及され得るヘテロシクロアルキル基には、環系中の原子のうちの少なくとも1個(例えば、1個~4個)が炭素以外(即ち、ヘテロ原子)であり、且つ環系中の原子の総数が3個~20個(例えば、3個~10個(例えば、3個~8個(例えば、5個~8個)))である、非芳香族の単環式及び二環式のヘテロシクロアルキル基が含まれる。そのようなヘテロシクロアルキル基はまた、架橋しているものであり得る。更に、そのようなヘテロシクロアルキル基は、飽和であるか、又は不飽和で1つ以上の二重結合及び/又は三重結合を含有し得、例えばC2~qヘテロシクロアルケニル(ここで、qは範囲の上限である)基を形成している。言及され得るC2~qヘテロシクロアルキル基には、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.2.1]-オクタニル、8-アザビシクロ-[3.2.1]オクタニル、アジリジニル、アゼチジニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピロリル(2,5-ジヒドロピロリルを含む)、ジオキソラニル(1,3-ジオキソラニルを含む)、ジオキサニル(1,3-ジオキサニル及び1,4-ジオキサニルを含む)、ジチアニル(1,4-ジチアニルを含む)、ジチオラニル(1,3-ジチオラニルを含む)、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6-オキサビシクロ[3.2.1]オクタニル、オキセタニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、非芳香族ピラニル、ピラゾリジニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、スルホラニル、3-スルホレニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロピリジル及び1,2,3,6-テトラヒドロピリジル)、チエタニル、チイラニル、チオラニル、チオモルホリニル、トリチアニル(1,3,5-トリチアニルを含む)、トロパニルなどが含まれる。適切な場合、ヘテロシクロアルキル基上の置換基は、環系中の任意の原子(ヘテロ原子を含む)上に位置し得る。ヘテロシクロアルキル基の結合点は、環系中の、(適切な場合は)ヘテロ原子(例えば、窒素原子)を含む任意の原子、又は環系の一部として存在し得る任意の縮合炭素環上の原子を介し得る。ヘテロシクロアルキル基はまた、N又はS酸化形態であり得る。本明細書において言及されるヘテロシクロアルキルは、明示的に単環式又は二環式であると述べられ得る。
芳香族基は、アリール又はヘテロアリールであり得る。言及され得るアリール基には、C6~12(例えばC6~10)などのC6~20アリール基が含まれる。そのような基は、単環式、二環式、又は三環式であり得、少なくとも1つの環が芳香族である6~12個(例えば、6~10個)の環炭素原子を有し得る。C6~10アリール基には、フェニル、ナフチルなど、例えば1,2,3,4-テトラヒドロナフチルが含まれる。アリール基の結合点は、環系の任意の原子を介し得る。例えば、アリール基が多環式である場合、結合点は、非芳香環の原子を含む原子を介し得る。しかしながら、アリール基が多環式(例えば、二環式又は三環式)である場合、それらは、芳香環を介して分子の残部に連結されることが好ましい。本明細書において言及され得る最も好ましいアリール基は、「フェニル基」である。
特に断らない限り、本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、好ましくはN、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子(例えば、1~4個のヘテロ原子)を含有する芳香族基を指す。ヘテロアリール基には、5~20員(例えば、5~10)のものが含まれ、単環式、二環式、又は三環式であり得る(但し、環のうちの少なくとも1つは芳香環である(したがって、例えば、単環式、二環式、又は三環式ヘテロ芳香族基を形成する))。ヘテロアリール基が多環式である場合、結合点は、非芳香環の原子を含む任意の原子を介し得る。しかしながら、ヘテロアリール基が多環式(例えば、二環式又は三環式)である場合、それらは、芳香環を介して分子の残部に連結されることが好ましい。言及され得るヘテロアリール基には、3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル、1,3-ジヒドロイソインドリル、1,3-ジヒドロイソインドリル(例えば、3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル、1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル、1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル;即ち、非芳香環を介して連結しているヘテロアリール基)、又は好ましくは、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジオキソリル(1,3-ベンゾジオキソリルを含む)、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアジアゾリル(2,1,3-ベンゾチアジアゾリルを含む)、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル(2,1,3-ベンゾオキサジアゾリルを含む)、ベンゾオキサジニル(3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジニルを含む)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾモルホリニル、ベンゾセレナジアゾリル(2,1,3-ベンゾセレナジアゾリルを含む)、ベンゾチエニル、カルバゾリル、クロマニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、インダゾリル、インドリニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアジオリル、イソチオクロマニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル(1,6-ナフチリジニル、又は好ましくは1,5-ナフチリジニル及び1,8-ナフチリジニルを含む)、オキサジアゾリル(1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、及び1,3,4-オキサジアゾリルを含む)、オキサゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル及び5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニルを含む)、テトラヒドロキノリニル(1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル及び5,6,7,8-テトラヒドロキノリニルを含む)、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル及び1,3,4-チアジアゾリルを含む)、チアゾリル、チオクロマニル、チオフェネチル、チエニル、トリアゾリル(1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、及び1,3,4-トリアゾリルを含む)などが含まれる。適切な場合、ヘテロアリール基上の置換基は、環系中の任意の原子(ヘテロ原子を含む)上に位置し得る。ヘテロアリール基の結合点は、環系中の、(適切な場合は)ヘテロ原子(例えば、窒素原子)を含む任意の原子、又は環系の一部として存在し得る任意の縮合炭素環上の原子を介し得る。ヘテロアリール基はまた、N又はS酸化形態であり得る。本明細書において言及されるヘテロアリール基は、明示的に単環式又は二環式であると述べられ得る。ヘテロアリール基が非芳香環の存在する多環式である場合、その非芳香環は、1つ以上の=O基により置換されていてもよい。本明細書で言及され得る最も好ましいヘテロアリール基は、1個、2個又は3個のヘテロ原子(例えば、好ましくは窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を含有する、5員又は6員の芳香族基であり得る。
ヘテロアリール基が単環式又は二環式であることは、明示的に述べられ得る。ヘテロアリールが二環式であると指定されている場合、それは、別の5員、6員、又は7員の環(例えば、単環式のアリール環又はヘテロアリール環)と縮合した、5員、6員、又は7員の単環式環(例えば、単環式ヘテロアリール環)からなり得る。
言及され得るヘテロ原子には、リン、ケイ素、ホウ素、並びに好ましくは、酸素、窒素、及び硫黄が含まれる。
本明細書において「芳香族」基が言及される場合、それらはアリール又はヘテロアリールであり得る。本明細書において「芳香族リンカー基」が言及される場合、それらは、本明細書において定義されている通りのアリール又はヘテロアリールであり得、好ましくは単環式(但し多環式でもよい)であり、そのリンカー基の任意の考えられる原子を介して分子の残部に結合している。しかしながら、具体的にカルボシリック(carbocylic)芳香族リンカー基が言及される場合、そのような芳香族基はヘテロ原子を含有しない場合があり、即ち、それらはアリールであり得る(但しヘテロアリールではない)。
疑義を回避するために述べると、ある基が1つ以上の置換基(例えば、C1~6アルキル基から選択される)で置換されてもよいと本明細書で述べられている場合、そのような置換基(例えば、アルキル基)は互いに独立している。即ち、そのような基は、同一の置換基(例えば、同一のアルキル置換基)で、又は異なる置換基(例えば、アルキル置換基)で置換されていてもよい。
本明細書において言及される全ての個々の特徴(例えば、好ましい特徴)は、単独で、又は本明細書において言及される任意の他の特徴(好ましい特徴を含む)と組み合わせて解釈され得る(したがって、好ましい特徴は、他の好ましい特徴と併せて、又はそれらから独立して解釈され得る)。
当業者は、本発明の主題である本発明の化合物には安定なものが含まれることを理解するであろう。即ち、本発明の化合物には、例えば反応混合物からの、有用な程度の純度への単離に十分に耐え得る強固なものが含まれる。
本発明の好ましい化合物には、
が-C(O)N(Rq1)Rq2を表す場合、Rq1及びRq2は独立して水素C1~3アルキルを表し(したがって、例えば、-C(O)N(H)CH又は-C(O)N(CHを形成しており);
は、一実施形態では、水素、C1~6アルキル又は-C(O)N(Rq1)Rq2を表し;
q1及びRq2のうちの一方は、C1~3アルキル(例えば、メチル)を表し、他方は、水素又はC1~3アルキル(例えば、メチル)を表し;
は、更なる実施形態では、C1~6アルキル、例えば、メチルなどのC1~3アルキルを表し;
Subは存在しないか(即ち、関連する芳香族/ベンゼン環上に更なる置換基はないか)、又はハロ(例えば、フルオロ及び/若しくはクロロ)並びに-OC1~3アルキル(例えば、-OCH)から選択される1つ若しくは2つの置換基を表すものが含まれる。
本発明の化合物は、「X」環で表される9員の二環式ヘテロ芳香族基を含有する。一実施形態では、本発明の更なる化合物は、そのような二環式環が、少なくとも1個の窒素原子を(一実施形態では、環接合部に)含有し;及び/又は
合計で1個、2個、3個、若しくは4個のヘテロ原子を含有し;及び/又は
により置換されていることに加えて、任意選択で、C1~3アルキル及び-OC1~3アルキル(後の2つのアルキル部分は、各々がフルオロで任意選択的に置換されており、したがって、例えば、-CF、-OCF、又は-OCH置換基を形成している)から選択される1つ又は2つ(例えば1つ)の更なる置換基により更に置換されているものを含む。
本発明の一実施形態では、本発明の化合物は、「X」環(二環式ヘテロアリール基)が以下に定義される部分式(IA)で表されるものであり(原子価の規則が遵守されることが理解される場合、例えば、Cに言及する場合、CはCに結合したHを有する必要がある場合がある)、式中:
及びXのうちの一方はNを表し(即ち、必須の窒素が環接合部にあり)、他方はCを表し;
他の整数X、X、及びXは、C(若しくはCH)若しくはヘテロ原子(例えばN、O、及び/若しくはS)を表すことができ;並びに/又は
、X、及びXのうちの0個、いずれか1つ若しくは2つは、ヘテロ原子(例えばN、O、及び/若しくはS)を表し、その他はC(若しくはCH)を表す。
本発明の化合物中の「X」環(9員の二環式ヘテロアリール基)は、以下の通り示すことができる(式中、左側は必要なキノリノン又は式(I)に更に結合しており、右側は式(I)のL基に更に結合している):
Figure 2022551823000004
更なる実施形態では、本発明の好ましい化合物は、上記の部分式(IA)において、
、X、X、X、及びXのうちのいずれか3つがヘテロ原子(例えば、窒素)を表し、他の2つがC(若しくはCH)を表し;
及びXのうちの一方がNを表し(即ち、必須の窒素が環接合部にあり)、他方がCを表し;
、X、及びXのうちの0個、いずれか1つ若しくはいずれか2つが、Nヘテロ原子を表し、その他はC(若しくはCH)を表し;及び/又は
Xにより示される9員の二環式ヘテロアリール基が上記の式で定義された通りであるものを含む
(ここで、上記の全ての場合において、原子価の規則を遵守する必要があることが理解される)。
本発明の他の好ましい化合物には、
が、直接結合、-O-、-OCH- -C(Rx1)(Rx2)-、又は-C(O)-N(H)-CH-を表し;
x1及びRx2が、独立して水素を表すもの;例えば、
が、直接結合、-O-、-OCH-、若しくは-CH-(又はより具体的な実施形態では、直接結合、-O-、若しくは-CH-;特に、直接結合若しくは-CH-)を具体的に表し得るものが含まれる。
本発明の実施形態では、Zは、
Figure 2022551823000005

(v)パーフルオロC1~3アルキル(例えば、-CF);又は
(vi)-F、-Br、-Cl、若しくは-CNを表し;
したがって、本発明には6つの実施形態があり、一態様では、Zは(i)、(ii)、又は(iii)を表し(例えば、Zは、(i)又は(ii)を表す)、更なる態様では、Zは(iv)を表し、別個の実施形態では、Zは(v)又は(vi)を表す(例えば、Zは(v)を表す)。したがって、一実施形態では、Zは、芳香環(即ち、上記の(i)、(ii)、又は(iii))、例えば、(i)又は(ii)を表す。
更なる実施形態では、本発明の化合物には、
環Aは、存在する場合、5員の芳香環を表し、好ましくは窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を含有し;更なる実施形態では、そのような環は、Rから独立して選択される1つ又は2つの置換基により任意選択的に置換されており;
環Bは、存在する場合、1個の窒素原子を含有する6員の芳香環を表し;更なる実施形態では、そのような環は、Rから独立して選択される1つ又は2つの置換基により任意選択的に置換されており;
は、-CH又はNHを表し、Rは、NとYとを含有する6員の環上の1つ又は2つの置換基を表し(R置換基がY上に存在してもよい);
、R、R、R、及びRは、独立して、水素又はBから選択される置換基を表し;
、R、及びRは、各々独立して、Bから選択される置換基を表すものが含まれる。
一実施形態では、環Aが存在する(即ち、Zが(ii)を表す)場合、そのような芳香族5員(任意選択的に置換されている)環は、(i)1個の硫黄原子を含有し得る(したがって、チエニルを形成している);(ii)1個の窒素原子及び1個の硫黄原子を含有し得る(したがって、例えばチアゾリルを形成している);(iii)2個の窒素原子を含有し得る(したがって、例えばピラゾリルを形成している);(iv)2個の窒素原子及び1個の硫黄原子を含有し得る;(v)2個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有し得る;(vi)3個の窒素原子を含有し得る。
一実施形態では、環Bが存在する(即ち、Zが(iii)を表す)場合、そのような芳香族6員環は、1個の窒素原子を含有し、したがって、ピリジル基(例えば、3-ピリジル基)を形成し得る。
一実施形態では、本発明の更に好ましい化合物には、
、R、R、R、及びRのうちの0個、但し好ましくは1つ若しくは2つ(例えば1つ)が、Bを表し、その他が水素を表し;並びに/又は
、R、及びRのうちの1つ(好ましくはR)が、Bを表し、その他が水素を表すものが含まれる。
更なる実施形態では、なお更に好ましい本発明の化合物には、
が、
(i)フルオロ;
(ii)-ORe1
(iii)1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されているC1~3アルキル;
(iv)-C(O)N(Re2)Re3
(v)-N(Re4)S(O)e5
(vi)-SFから選択される置換基を表し;
e2及びRe4が、独立して水素を表し;
e1、Re3、及びRe5が、各々独立して、1個以上のフルオロ原子により(例えば、任意選択的に)置換されているC1~3アルキル(例えば、メチル)を表すものが含まれる。
本発明の更なる実施形態では、Bは、ハロ(例えば、フルオロ)、C1~3アルキル(1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されている)、及び-ORe1(式中、Re1は1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されており、したがって、例えば-OCFを形成しているC1~3アルキルを表す)から選択される置換基を表す。具体的な実施形態では、Bは、フルオロ、-CH、-CF、-CHCF、及び-OCFから選択される。
薬理
本発明による化合物は、驚くべきことに、マイコバクテリア感染、特に、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(その潜伏形態及び薬剤耐性形態を含む)などの病原性マイコバクテリアを原因とする疾患を含む、細菌感染の治療に適していることが示された。したがって、本発明はまた、医薬として使用するための、特にマイコバクテリア感染を含む細菌感染の治療用医薬として使用するための、上で定義した本発明の化合物に関する。
そのような本発明の化合物は、結核菌(M.tuberculosis)中でATPシンターゼを妨害することにより作用し得、シトクロムbd活性の阻害が主な作用機序である。そのようなbd阻害は、マイコバクテリアを死滅させる作用を有し得る(したがって、直接的な抗結核作用を有する)。しかしながら、シトクロムbdは必ずしも好気性増殖に必須とは限らないため、マイコバクテリアの電子伝達系の標的の別の阻害剤と組み合わせると、bd阻害は最も顕著な作用を有し得る。そのような化合物は、酵素アッセイで試験することによりシトクロムbd活性について試験することができ、また、例えばそのような化合物を単独で又は組み合わせて(本明細書において言及されるように、例えば、マイコバクテリアの電子伝達系の(異なる)標的の1種以上の他の阻害剤を用いて(そのような他の異なる標的は、好気性増殖に更に関与し得る))殺傷動態を試験することにより、細菌感染(例えば、マイコバクテリア感染)の治療における活性について試験することもできる。
シトクロムbdは、電子伝達系の構成要素であり、したがって、ATP合成に、例えば、単独で又は特にマイコバクテリアの電子伝達系の標的の1種以上の他の阻害剤とともに関与し得る。
更に、本発明はまた、マイコバクテリア感染を含む細菌感染の治療用薬剤の製造のための、本発明の化合物の使用及び後述するようなその医薬組成物のいずれかの使用(例えば、本発明のそのような化合物がマイコバクテリアの電子伝達系の標的の別の阻害剤と組み合わせて使用される場合)に関する。
したがって、別の態様では、本発明は、マイコバクテリア感染を含む細菌感染に罹患しているか又はそのリスクのある患者の治療方法を提供し、本方法は、治療有効量の本発明による化合物又は医薬組成物(例えば、マイコバクテリアの電子伝達系の標的の1種以上の他の阻害剤と組み合わせた、治療有効量の本発明の化合物又は医薬組成物)を患者に投与することを含む。
本発明の化合物はまた、(例えば、単独で又はマイコバクテリアの電子伝達系の標的の別の阻害剤と組み合わせて)耐性細菌株に対する活性も示す。
本明細書の上記又は下記に使用される場合は常に、化合物が(単独で又は組み合わせて)細菌感染を治療することができるということは、その化合物が、1種以上の細菌株による感染を治療することができることを意味する。
本発明はまた、薬学的に許容される担体と、活性成分として治療有効量の本発明による化合物とを含む組成物に関する。本発明による化合物は、投与目的のための様々な薬学的形態に製剤化され得る。適切な組成物として、全身投与薬に通常用いられる全ての組成物を挙げることができる。本発明の医薬組成物を調製するために、有効量の特定の化合物を、活性成分として、任意選択により付加塩形態で、薬学的に許容される担体と組み合わせて均質混合物にするが、この担体は、投与に所望される調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとり得る。これらの医薬組成物は、特に経口投与又は非経口注射による投与に好適な、単位剤形のものが望ましい。例えば、経口剤形の組成物の調製において、懸濁液、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤、及び液剤などの経口液体調製物の場合には、通常の医薬媒体(例えば、水、グリコール、油、アルコールなど)のいずれかを用い得るか、又は散剤、丸剤、カプセル剤、及び錠剤の場合には、固体担体(例えば、デンプン、糖、カオリン、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤など)を用い得る。錠剤及びカプセル剤は、その投与が容易であるため、最も有利な経口単位剤形であり、その場合、固体医薬担体が当然ながら用いられる。非経口組成物の場合、担体は、通常、滅菌水を少なくとも大部分含むことになるが、他の成分、例えば溶解性を促進するための成分が含まれ得る。例えば、担体に生理食塩水、グルコース溶液、又は生理食塩水とグルコース溶液との混合物が含まれる注射用溶液が調製され得る。注射用懸濁液が調製されてもよく、その場合、適切な液体担体、懸濁剤などが用いられ得る。使用の直前に液体形態調製物に変換されることが意図される固体形態調製物もまた包含される。
投与方法に応じて、医薬組成物は、好ましくは0.05~99重量%、より好ましくは0.1~70重量%、より一層好ましくは0.1~50重量%の活性成分を含み、1~99.95重量%、より好ましくは30~99.9重量%、より一層好ましくは50~99.9重量%の薬学的に許容される担体を含むことになる(パーセンテージは全て、組成物の全重量を基準とする)。
医薬組成物は、更に、当該技術分野において公知の様々な他の成分、例えば、滑沢剤、安定剤、緩衝剤、乳化剤、粘度調整剤、界面活性剤、保存剤、着香料、又は着色料を含有し得る。
投与を容易にし、且つ投与量を均一にするために、前述の医薬組成物を単位剤形に製剤化することが特に有利である。単位剤形は、本明細書で使用される場合、単位用量として好適である物理的に分離した単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性成分を含む。そのような単位剤形の例は、錠剤(分割錠剤又はコーティング錠剤を含む)、カプセル剤、丸剤、粉末パケット、オブラート剤、坐剤、注射用液又は懸濁液など、及びこれらの分離複合剤である。本発明による化合物の1日投与量は、当然ながら、用いられる化合物、投与方法、所望される治療、及び示されるマイコバクテリウム(Mycobacterium)疾患によって変動することになる。しかしながら、一般的に、満足のいく結果は、本発明による化合物が1グラムを超えない、例えば10~50mg/kg体重の範囲内の1日投与量で投与される場合に得られるであろう。
本発明の化合物が細菌感染に対して有用であるという事実を考慮すると、細菌感染を効果的に駆除するために、本化合物を他の抗菌剤と組み合わせることができる。化合物が細菌感染に対して有用であり得ると示されている場合、それらの化合物は、それ自体で活性を有し得るか、又はそれらの化合物は、例えば、以下の実施例で説明され得るように、活性を増強するか、又は相乗的組み合わせをもたらすことによって、(本明細書に記載の通り、例えばマイコバクテリアの電子伝達系の1種以上の他の阻害剤と)組み合わせて有効であり得ることを意味する。
したがって、本発明はまた、(a)本発明による化合物と、(b)1種以上の他の抗菌剤(例えば、マイコバクテリアの電子伝達系の1種以上の他の阻害剤、例えば、シトクロムbc阻害剤、ATPシンターゼ阻害剤、NDH2阻害剤、及び/又はメナキノン合成経路の阻害剤、例えば、MenG阻害剤)との組み合わせに関する。本発明はまた、医薬として使用するためのそのような化合物又は組み合わせに関する。
本発明はまた、細菌感染を治療するための、直ぐ上に定義された組み合わせ又は医薬組成物の使用に関する。
薬学的に許容される担体と、活性成分として、治療有効量の(a)本発明による化合物、並びに(b)1種以上の他の抗菌剤(例えば、マイコバクテリアの電子伝達系の1種以上の他の阻害剤、例えば、シトクロムbc阻害剤、ATPシンターゼ阻害剤、NDH2阻害剤、及び/又はメナキノン合成経路の阻害剤、例えば、MenG阻害剤)とを含む医薬組成物もまた、本発明に含まれる。
組み合わせとして与えられる場合の(a)本発明による化合物と(b)他の抗菌剤との重量比は、当業者により決定され得る。上記比、並びに正確な投与量及び投与頻度は、当業者に周知の通り、使用される本発明による特定の化合物及び他の抗菌剤、治療される特定の状態、治療される状態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、食事、投与時間、及び全般的健康状態、投与方法、並びにその個体が服用している可能性がある他の医薬に依存する。更に、有効1日量を、治療される対象の応答に応じて及び/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて減少又は増加させ得ることが明らかである。本発明の本化合物と別の抗菌剤との具体的な重量比は、1/10~10/1の範囲、より特には1/5~5/1の範囲、更により特には1/3~3/1の範囲をとり得る。
本発明による化合物及び1種以上の他の抗菌剤は、単一の調製物中に組み合わされ得るか、又はそれらは、それらが同時に、別個に、又は逐次的に投与され得るように、別個の調製物に製剤化され得る。したがって、本発明はまた、(a)本発明による化合物と、(b)1種以上の他の抗菌剤(例えば、マイコバクテリアの電子伝達系の1種以上の他の阻害剤、例えば、シトクロムbc阻害剤、ATPシンターゼ阻害剤、NDH2阻害剤、及び/又はメナキノン合成経路の阻害剤、例えば、MenG阻害剤)とを、細菌感染の治療において同時に、別個に、又は逐次的に使用するための組み合わせ調製物として含有する製品に関する。
本発明の化合物と組み合わせることができる他の抗菌剤は、例えば、当該技術分野で公知の抗菌剤である。例えば、本発明の化合物は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の呼吸鎖を妨害することが知られている抗菌剤、例えば、ATPシンターゼの直接阻害剤(例えば、ベダキリン、ベダキリンフマル酸塩、又は先行技術に開示されている場合がある任意の他の化合物、例えば国際公開第2004/011436号パンフレットに開示されている化合物)、ndh2の阻害剤(例えば、クロファジミン)及びシトクロムbdの阻害剤などと組み合わせることができる。本発明の化合物と組み合わせることができる更なるマイコバクテリア薬剤には、例えば、リファンピシン(=リファンピン);イソニアジド;ピラジナミド;アミカシン;エチオナミド;エタンブトール;ストレプトマイシン;パラ-アミノサリチル酸;サイクロセリン;カプレオマイシン;カナマイシン;チオアセタゾン;PA-824;デラマニド;キノロン系剤/フルオロキノロン系剤、例えばモキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、スパルフロキサシンなど;マクロライド系剤、例えばクラリスロマイシン、アモキシシリン/クラブラン酸など;リファマイシン系剤;リファブチン;リファペンチン;及び現在開発中の他の薬剤(但し未上市であり得る;例えばhttp://www.newtbdrugs.org/pipeline.phpを参照されたい)がある。特に、また本明細書において言及されるように、本発明の化合物は、マイコバクテリアの電子伝達系の1種以上の他の阻害剤、例えば、シトクロムbc阻害剤、ATPシンターゼ阻害剤、NDH2阻害剤、及び/又はメナキノン合成経路の阻害剤、例えば、MenG阻害剤と組み合わせることができる。本発明の化合物がシトクロムbd阻害剤として作用し得、したがってマイコバクテリアの電子伝達系を標的とする(それによりマイコバクテリアのエネルギー産生を遮断する)ことを考慮すると、電子伝達系の1種以上の他の阻害剤と組み合わせた本発明の化合物(シトクロムbd阻害剤)は、マイコバクテリアに対する効果的なレジメンを提供する有効な方法である可能性があると考えられる。本発明の化合物(シトクロムbd阻害剤)単独ではマイコバクテリアに対して有効ではない可能性があるが、1種以上の他のそのような阻害剤と組み合わせると、組み合わせの1種以上の成分の活性が増強され、及び/又はそのような組み合わせがより効果的に(例えば相乗的に)作用する、有効なレジメンが提供され得る。
全般的調製
本発明の化合物は、一般に、一連の工程により調製することができ、各工程は、当業者に公知であり得るか又は本明細書に記載されている。
実験部
式Iの化合物は、以下の実施例で用いられる技術(及び当業者に公知の方法)に従って、例えば、次の技術を使用することにより調製することができる。
式(I)の化合物は、
(i)式(II)
Figure 2022551823000006

(式中、整数は上記で定義されている)の化合物を、適切な試薬、例えばBBr又はNaSCHと(例えば、実施例に記載のように)反応させることにより変換すること;
(ii)式(III)
Figure 2022551823000007

(式中、整数は上記で定義された通りである)の化合物を、式(IV)
Figure 2022551823000008

(式中、整数は上記で定義されている)の化合物と、例えば、ZrCl、PTSAなどの試薬の存在下で、任意選択でアルコール(例えばブタノール)などの溶媒の存在下で、適切な反応条件下(実施例に更に記載され得る)にて反応させることにより調製することができる。
前述の反応及び以下の反応において、反応生成物が反応媒体から単離され、必要な場合、当該技術分野において一般に知られている方法(例えば、抽出、結晶化、及びクロマトグラフィー)に従って更に精製され得ることは、明らかである。更に、2種以上の鏡像異性形態で存在する反応生成物が、公知の技術、特に分取クロマトグラフィー、例えば、分取HPLC、キラルクロマトグラフィーによりそれらの混合物から単離され得ることは、明らかである。個々のジアステレオ異性体又は個々の鏡像異性体はまた、超臨界流体クロマトグラフィー(SCF)によっても得ることができる。
出発物質及び中間体は、市販されているか、又は当該技術分野において一般に知られている従来の反応手順に従って調製され得るかのいずれかである化合物である。
実験
中間体AA-2の合成
Figure 2022551823000009

中間体BA-1の調製
4-ヒドロキシ-3-メチルキノリン-2(1H)-オン(CAS[1873-59-2]、2.00g、11.4mmol)とKCO(3.15g、22.8mmol)とのアセトン(150mL)中溶液に、硫酸ジメチル(1.30mL、13.7mmol)を室温で添加した。反応混合物を60℃で4時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。反応混合物を濃縮乾固させ、水でトリチュレートし、ガラスフリットで濾過することにより白色固体を回収して、水で洗浄し、50℃で真空乾燥させて、中間体BA-1をベージュ色固体(1.76g、82%)として得た。
中間体BA-2の調製
BA-1(3.08g、14.2mmol)とPOCl(13.2mL、141mmol)との混合物を60℃で1時間撹拌し、次いで室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。
残渣を氷水(300mL)で注意深くクエンチし、DCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaHCOの飽和水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。
残渣(ベージュ色固体、5g)をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR-50SI/200Gカラム、シクロヘキサン/DCMを95:5~0:100、45分)により精製した。生成物画分を収集し、溶媒を蒸発させ、生成物を高真空下で乾燥させて、中間体BA-2を白色固体(2.38g(81%))として得た。
化合物1
Figure 2022551823000010

中間体A1の調製
5-ブロモ-2-メチル-ピリジン(CAS[3430-13-5]、840mg、4.88mmol)と3-トリフルオロメトキシ-安息香酸メチルエステル(CAS[148438-00-0]、2.15g、9.77mmol)とのTHF(2.2mL)中混合物を、窒素雰囲気下にて0℃で冷却した。次に、THF中の1Mリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(CAS[4039-32-1]、14.7mL、14.7mmol)を0℃で滴加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。酢酸エチル及び水を溶液に添加し、次いで有機相を水(10mL)及びブライン(2×10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(IR-50SI/F0120、シクロヘキサン/EtOAcを100:0~90:10)により精製し、中間体A1を黄色固体(1.04g(58%))として得た。
中間体A2の調製
MSHの粗溶液(18.6mL、最大3.07mmol)を0℃に冷却し、次いで中間体A1(745mg、2.07mmol)のDCM(7.2mL)中溶液を0℃で滴加した。反応混合物を室温まで加温し、19時間撹拌した。反応混合物を濾過し、次いで濾液を水(25mL)、NaHCOの飽和水溶液(25mL)及びブライン(2×25mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させ、黄色油状物を得た。粗残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR-50SI/F0040、シクロヘキサン/EtOAcを100/0~95/5)により精製して、中間体A2を黄色固体(0.29g(39%))として得た。
CHCl中の(O-(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン)(=MSH)の新たな溶液の調製:
O-(2-メシチレンスルホニル)アセトヒドロキサム酸エチル(ethyl O-(2-mesitylenesulfonyl)acethydroxamate)(CAS[38202-27-6]、1.22g、4.28mmol)の1,4-ジオキサン(9.8mL)中溶液を0℃で撹拌した。過塩素酸(70%、0.554mL、6.43mmol)を滴加し、混合物を室温まで加温し、15分間撹拌し、次いで氷水に注ぎ、2時間撹拌した。沈殿物を濾過により収集し、水で洗浄し、CHCl(100mL)中に溶解させた。溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、体積26mLまで濃縮した。定量的収率を考慮して、CHCl中のMSHの新たに調製した粗溶液(最大濃度0.165M)をそのままアミノ化に使用した。MSH溶液の濃度は、実験によって異なる場合があった。
中間体A3の調製
1,4-ジオキサン(2.5mL)中の、中間体A2(287mg、0.804mmol)と、ビス(ピナコラト)ジボロン(CAS[73183-34-3]、245mg、0.964mmol)と、酢酸カリウム(197mg、2.01mmol)と、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(58.8mg、0.080mmol)との窒素雰囲気でパージした混合物を、100℃で2時間撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)に通して濾過し、濾過ケークをEtOAc(20mL)ですすぎ、濾液を濃縮乾固させ、中間体A3を0.53gの黒色油状物(純度60%、定量的)として得た。この生成物を次の工程に使用した。
中間体A4の調製
1,4-ジオキサン(0.8mL)と水(0.2mL)との混合物中の、BA-2(111mg、0.536mmol)と、中間体A3(533mg、最大0.804mmol)と、リン酸カリウム一水和物(370mg、1.61mmol)との混合物をアルゴンでパージした後、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(39.2mg、0.054mmol)を添加し、混合物を再度アルゴンでパージして、100℃で2時間撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)に通して濾過し、濾過ケークをEtOAc(20mL)ですすぎ、濾液を濃縮乾固させ、黒色油状物を得た。粗油状物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR-50SI/F0025、シクロヘキサン/EtOAcを100/0から80/20)により精製して、中間体A4を黄色固体(0.22g、90%)として得た。
化合物1の調製
中間体A4(217mg、0.483mmol)のDMF(2.1mL)中溶液に、ナトリウムチオメトキシド(sodium thiometoxyde)(169mg、2.41mmol)を室温で添加し、得られた混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、水層をガラスフリットで濾過し、収集した固体を水で洗浄し、真空乾燥させた後、黄色固体(0.28g)を得た。これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR-50SI/F0025、DCM/MeOHを100/0から96/4)により精製し、黄色固体(0.13g)として得た。
固体をDCM及びMeOH 90/10の混合物でトリチュレートし、混合物を濃縮乾固させ、黄色固体を得た。次に、これを還流EtOAc(80mL、15分間撹拌)中に溶解させ、濃縮乾固させ白色固体を得て、高真空下にて60℃で乾燥させて、化合物1を白色固体(0.118g(56%))として得た。
融点:243.7℃(DSC1 Mettler Toledo 5℃/分)。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 11.71(s,1H),9.11(s,1H),8.15(d,J=8.2Hz,1H),8.09(d,J=8.0Hz,1H,),7.99(s,1H),7.89(d,J=9.1Hz,1H),7.68-7.57(m,3H),7.45-7.40(m,2H),7.35-7.30(m,2H),2.00(s,3H).
化合物2
中間体BA-2の合成
Figure 2022551823000011

中間体BA-1の調製
4-ヒドロキシ-3-メチルキノリン-2(1H)-オン(CAS[1873-59-2]、2.00g、11.4mmol)とKCO(3.15g、22.8mmol)とのアセトン(150mL)中溶液に、硫酸ジメチル(1.30mL、13.7mmol)を室温で添加した。反応混合物を60℃で4時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。反応混合物を濃縮乾固させ、水でトリチュレートし、ガラスフリットで濾過することにより白色固体を回収し、水で洗浄し、50℃で真空乾燥させて、中間体BA-1をベージュ色固体(1.76g、82%)として得た。
中間体BA-2の調製
中間体BA-1(1.45g、7.66mmol)とPOCl(7.14mL、76.6mmol)との混合物を、60℃で1時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、0.264mmolの中間体ZZ-1から得た別の反応混合物と合わせ、濃縮乾固させた。残渣を氷水で注意深くクエンチし、CHClで抽出した。合わせた有機層をNaHCOの飽和水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させた。粗残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR50SI、シクロヘキサン/CHClを95:5から40:60)により精製し、中間体BA-2を白色固体(1.34g、81%)として得た。
中間体BB-2の合成
Figure 2022551823000012

中間体BB-1の調製
中間体BA-2(3.00g、14.4mmol)と、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(CAS[97674-02-7]、6.35mL、18.8mmol)とのトルエン(60mL)中溶液をアルゴンでパージし、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.507g、0.722mmol)を添加し、混合物を再度アルゴンでパージして、110℃で14時間撹拌した。反応混合物を減圧下で約15mLに濃縮し、次いでMeOH(60mL)及び12M HCl水溶液(15mL)を添加して、混合物を50℃で3.5時間撹拌した。MeOHを減圧下で除去し、3M NaOH水溶液をpHが約7になるまで添加した。水層をCHClで抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮乾固させた。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR50SI、シクロヘキサン/EtOAc 95:5)により精製し、中間体BB-1を白色固体(2.09g、64%)として得た。
化合物BB-2の調製
中間中間体BB-1(2.09g、9.20mmol)のAcOH(40mL)中溶液に、酢酸中の33重量% HBr(6.50mL、37.1mmol)及び臭素(0.498mL、9.66mmol)を順次添加して、混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮乾固させ、次いで、残渣をCHCl及びNaHCO飽和水溶液で溶解させ、水層をCHClで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。粗生成物である中間体BB-2を定量的であると見なし、次の工程でそのまま使用した(最大9.20mmolを含有する2.84g)。
中間体BC-1の合成
Figure 2022551823000013

化合物BC-1の調製
1,4-ジオキサン(7mL)と水(1.75mL)との混合物中の、中間体BA-2(1.00g、4.82mmol)と、2-アミノピリジン-5-ボロン酸ピナコールエステル(CAS[827614-64-2]、1.27g、5.78mmol)と、KPO・HO(3.33g、14.4mmol)と、Pd(dppf)Cl(0.352g、0.482mmol)とのアルゴンでパージした混合物を、100℃で3時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。反応混合物をCelite(登録商標)のパッドで濾過し、これをEtOAcですすぎ、濾液を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させた。粗残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR50SI、CHCl/MeOHを100:0から94:6)により精製し、中間体BC-1を褐色固体(1.14g、89%)として得た。
化合物2
Figure 2022551823000014

中間体BK-1の調製
4-(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(CAS[4315-07-5]、2.00g、9.09mmol)と、N,N-ジメチルホルムアミド(0.0352mL、0.454mmol)とのCHCl(15mL)中溶液に、塩化オキサリル(0.846mL、9.99mmol)をアルゴン雰囲気下にて0℃で滴加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮乾固させ、中間体BK-1を黄色液体(2.09g、96%)として得た。
中間体BK-2の調製
THF(5mL)とMeCN(5mL)との混合物中の中間体BK-1(2.09g、8.76mmol)の溶液に、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(EtO中2M)(8.76mL、17.5mmol)をアルゴン雰囲気下にて0℃で滴加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮乾固させた。粗混合物をAcOH(35mL)中に溶解させ、0℃に冷却して、48重量%のHBr水溶液(1.67ml、14.7mmol)を滴加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、3M NaOH水溶液でpH約7までクエンチした。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。粗残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR50SI、シクロヘキサン/CHClを100:0から70:30)により精製し、中間体BK-2を褐色液体(1.58g、59%)として得た。
中間体BK-3の調製
中間体BC-1(0.250g、0.942mmol)と、中間体BK-2(0.509g、0.942mmol)と、NaHCO(0.158g、1.89mmol)とのEtOH(9mL)中混合物を、80℃で17時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。次に、反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をCHClに入れ、水で洗浄した。次に、水層をCHClで抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR50SI、CHCl/MeOHを100:0から96:4)により精製し、中間体BK-3を褐色泡状物(0.293g、67%)として得た。
化合物2の調製
中間体BK-3(0.266g、0.574mmol)とNaSMe(0.201g、2.87mmol)のDMF(1.5mL)中混合物を、80℃で1時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。次に、反応混合物を酢酸イソプロピルで希釈し、水、NHCl飽和水溶液、及びブラインで洗浄した。次に、水層をCHClで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。粗残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR50SI、CHCl/MeOHを100:0から95:5)により精製し、化合物2をベージュ色固体(0.174g、67%)として得た。
1H NMR(400MHz DMSO-d)δ ppm 11.64(s,1H),8.84(dd,J=1.7,0.9Hz,1H),8.13(dd,J=8.2,1.3Hz,1H),7.81(s,1H),7.66-7.60(m,2H),7.57(d,J=8.3Hz,1H),7.45(d,J=8.7Hz,2H),7.37(dd,J=9.2,1.8Hz,1H),7.34-7.28(m,3H),4.13(s,2H),1.95(s,3H).
化合物3
Figure 2022551823000015

中間体BL-1の調製
ブロモ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エタン-1-オン(CAS[237386-01-5]、2.00g、7.07mmol)と5-ブロモ-2-メチルピリジン(CAS[3430-13-5]、1.58g、9.19mmol)とのアセトン(20ml)中混合物を、90℃で12時間撹拌した。形成された固体を濾過により収集し、EtN(4.92ml、35.3mmol)及びMeCN(40ml)で希釈した。得られた黄色溶液を60℃で12時間撹拌し、次いで濃縮乾固させた。残渣をジクロロメタン中に溶解させ、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させ、中間体BL-1を黄色固体(0.882g、35%)として得た。生成物を次の工程でそのまま使用した。
中間体BL-2及びBL-3の調製
1,4-ジオキサン(18mL)中の、中間体BL-1(441mg、1.24mmol)と、ビス(ピナコラト)ジボロン(377mg、1.49mmol)と、KOAc(304mg、3.10mmol)と、Pd(dppf)Cl2(90.6mg、0.124mmol)とのアルゴンでパージした混合物を、100℃で7時間撹拌した。混合物をCelite(登録商標)に通して濾過し、濾過ケークをEtOAcですすぎ、濾液を濃縮乾固させ、粗中間体BL-2(840mg)を黒色油状物として得た。この粗中間体BL-2(840mg)と、中間体BA-2(110mg、0.531mmol)と、K3PO4・H2O(367mg、1.59mmol)との1,4-ジオキサン(18ml)及び水(1mL)中混合物をアルゴンでパージし、次いでPd(dppf)Cl2(38.9mg、0.053mmol)を添加し、混合物再度アルゴンでパージして、100℃で4時間撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)のパッドに通して濾過し、これをEtOAcですすぎ、濾液を水及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。粗生成物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(IR-50SI、シクロヘキサン/EtOAc勾配を100/0から90/10)により精製して、中間体BL-3を帯黄色固体(82.1mg)として得た。
化合物3の調製
アルゴン雰囲気下にて-78℃で冷却した中間体BL-3(80.0mg、0.178mmol)のCH2Cl2(3.8mL)中溶液に、CH2Cl2中の1M BBr3溶液(0.892ml、0.892mmol)を滴加し、得られた混合物を室温まで加温して4.5時間撹拌し、次いで水でクエンチし、CH2Cl2で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。残渣を、75.1mg(0.167mmol)のBL-3から出発する第2の実験(反応時間6時間)で同様に得た追加の化合物と合わせ、逆相フラッシュクロマトグラフィー(IR-50C18;水/MeCNを70/30から0/100)により精製し、MeOH中でトリチュレートし、真空乾燥(50℃)させて、化合物3を黄色固体(22.3mg、合計収率:15%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)□ ppm 11.66(s,1H),8.57(s,1H),8.21(d,J=1.3Hz,1H),8.13(dd,J=8.1Hz,1Hz,1H),7.82-7.78(m,1H),7.72(s,1H),7.66-7.53(m,4H),7.33-7.29(m,1H),7.26(d,J=8.4Hz,1H),7.02(s,1H),6.89(dd,J=9.1Hz,1.5Hz,1H),2.00(s,3H).
化合物4
Figure 2022551823000016

中間体BM-1の調製
窒素雰囲気下にて、-78℃の2-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-カルボニトリル(CAS[214958-29-9]、537mg、2.45mmol)の乾燥THF(10.7mL)中懸濁液に、CuBr・SMe2(20.1mg、0.098mmol)及びTHF中の臭化エチルマグネシウムの1M溶液(3.67mL、3.67mmol)を添加した。次に、反応混合物を室温まで加温し、1時間撹拌した。反応混合物を水で1時間加水分解した。水相をCH2Cl2で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、褐色固体を得て、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(不定形SiOH、15~40μm、40g、Grace、乾式充填(シリカ)、移動相勾配:15CVでDCM 100%~DCM 90%、MeOH 10%)により精製し、中間体BM-1を橙色固体(0.360g、59%)として得た。
化合物4の調製
中間体BM-1(209mg、1.10mmol)と、2-(2-アミノフェニル)-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン(CAS[63478-10-4]、302mg、1.21mmol)と、p-トルエンスルホン酸一水和物(83mg、0.44mmol)とのn-ブタノール(3mL)中溶液を、窒素下にて130℃で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させた。残渣をEtOAc中に溶解させ、水で洗浄した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、残渣を得た。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(不定形SiOH、15~40μm、40g、Grace、乾式充填(シリカ)、移動相勾配:15CVでDCM 100%~DCM 90%、MeOH 10%)により精製し、黄色固体を得た。
この固体を別のバッチと合わせ、Et2O中でトリチュレートし、上清をピペットで除去してオフホワイト固体を得て、これをEtOH中に溶解させ、真空下でゆっくりと濃縮乾固させ、化合物4をオフホワイト固体(0.124g、合計収率16%)として得た。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)□ ppm 11.74(br s,1H)8.90(s,1H)8.52(s,1H)8.15(d,J=8.0Hz,1H)8.03(d,J=7.3Hz,2H)7.77(d,J=9.1Hz,1H)7.65(t,J=7.7Hz,1H)7.60(d,J=8.2Hz,1H)7.42-7.51(m,3H)7.30-7.39(m,2H)1.99(s,3H).
化合物5
Figure 2022551823000017

中間体BN-1の調製
5-ブロモ-2-アミノピリジン(CAS[1072-97-5]、1.8g、10.4mmol)と、2-ブロモ-1-(3-トリフルオロメトキシフェニル)エタノン(CAS[237386-01-5]、3g、10.6mmol)と、NaHCO3(1.2g、14.3mmol)とのエタノール(14mL)中混合物を、17時間還流した。室温まで冷却した後、水を添加して固体を濾過した。沈殿物を水及びエタノールで洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、中間体BN-1を薄褐色固体(3.22g、87%)として得た。
中間体BN-2の調製
密封チューブ内で、dppf(160mg、0.289mmol)の乾燥DMF(14mL)中混合物を窒素で2分間パージし、次いでPd(dba)(130mg、0.142mmol)、Zn(CN)(200mg、1.70mmol)、及び中間体BN-1(1g、2.8mmol)を添加して、混合物を100℃で2時間加熱した。混合物を濾別し、ケークをEtOAcで洗浄した。濾液を真空中で蒸発させて固体を得て、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(不定形SiOH、15~40μm、50g、Merck、乾式充填(Celite(登録商標))、移動相勾配:12CVでヘプタン90%、EtOAc 10%~ヘプタン55%、EtOAc 45%)により精製して、中間体BN-2を黄色固体(0.795g、94%)として得た。
中間体BN-3の調製
密封チューブ内で、CuBr・SMe(40mg、0.195mmol)及びB(3.2mL、3.2mmol)を、中間体BN-2(745mg、2.46mmol)の乾燥Me-THF(7.5mL)中懸濁液に、窒素下にて-78℃で添加した。次に、反応混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。1M HCl水溶液を添加して、混合物を室温で15分間撹拌した。水及びCHClを添加し、層を分離して、水層をCHClで抽出した(2回)。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾別し、真空中で蒸発させ固体を得て、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(不定形SiOH、15~40μm、50g、Merck、乾式充填(Celite(登録商標))、移動相勾配:12CVでヘプタン85%、EtOAc 15%~ヘプタン50%、EtOAc 50%)により精製して、中間体BN-3を黄色固体(0.531g、65%)として得た。
化合物5の調製
中間体BN-3(225mg、0.673mmol)と、2-(2-アミノフェニル)-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン(CAS[63478-10-4]、155mg、0.815mmol)と塩化ジルコニウム(IV)(60mg、0.257mmol)とのn-ブタノール(3mL)中溶液を、窒素下にて130℃で一晩撹拌した。反応混合物を他のバッチと合わせ、Celite(登録商標)のパッドに通して濾過した。濾液を真空中で蒸発させた。残留ゴム状物をEtOAc中に溶解させ、次いで水及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾別し、真空中で蒸発させて、褐色ゴム状物を得た。このゴム状物を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(不定形SiOH、15~40μm、50g、Merck、乾式充填(Celite(登録商標))、移動相勾配:12CVでヘプタン100%~ヘプタン25%、EtOAc 75%)により精製して、淡黄色ゴム状物を得て、これをEt2O/DCM(9:1)中でトリチュレート及び超音波処理し、ガラスフリット上で濾過し、次いで高真空下で乾燥させて(50℃、16時間)、オフホワイト固体を得た。この固体をEtOHと共蒸発させ(2回)、iPrO中でトリチュレートし、次いで高真空下で乾燥させて、白色固体(0.103g、合計収率14%)の化合物5を得た。
1H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 11.75(br s,1H)8.92(s,1H)8.65(s,1H)8.15(br d,J=8.2Hz,1H)8.06(br d,J=7.9Hz,1H)8.00(br s,1H)7.80(d,J=9.1Hz,1H)7.57-7.68(m,3H)7.48(br d,J=9.5Hz,1H)7.30-7.38(m,2H)1.98(s,3H)
化合物6
Figure 2022551823000018

中間体BO-1の調製
したがって、中間体BO-1を、中間体BN-3と同じ手法で、2-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-カルボニトリル(CAS[1972643-35-8]、770mg、2.54mmol)から出発して調製して、0.394g、収率:46%で得た。
化合物6の調製
したがって、化合物6を、化合物5と同じ手法で、中間体BO-1(394mg、1.18mmol)及び2-(2-アミノフェニル)-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン(CAS[63478-10-4]、270mg、1.42mmol)から出発して調製して、0.103g、収率:20%で得た。
1H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 11.73(s,1H)8.92(s,1H)8.57(s,1H)8.15(d,J=8.5Hz,3H)7.78(d,J=9.1Hz,1H)7.65(t,J=7.7Hz,1H)7.59(d,J=8.1Hz,1H)7.44-7.50(m,3H)7.33(t,J=7.5Hz,1H)1.99(s,3H)
化合物7
Figure 2022551823000019

中間体BP-1の調製
密封チューブに、1-(6-アミノピリジン-3-イル)プロパン-1-オン[1355218-29-9](50mg、0.33mmol)、NaHCO(56mg、0.67mmol)、アセトニトリル(0.59mL)、エチル-3-オキソバレラート(0.048mL、0.330mmol)、及びブロモトリクロロメタン(0.066mL、0.670mmol)を充填した。チューブを密封し、反応混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、水層をEtOAc(5×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(GraceResolv、4g、SiOH 25~40μM、Celite(登録商標)上への乾式充填、ヘプタン:酢酸エチル;40:60)により精製し、中間体BP-1をオフホワイト固体(24.6mg、収率27%)として得た。
中間体BP-2の調製
中間体BP-1(44.3mg、0.16mmol)のエタノール(3mL)中溶液に、NaOH(3N溶液、0.16mL、0.48mmol)室温で添加した。反応混合物を完了まで室温で撹拌し、HCl(3N溶液、0.16mL、0.48mmol)でクエンチし、溶媒を真空中で除去した。粗生成物である中間体BP-2(39.8mg、0.16mmol)を、精製せずに次の工程に使用した。
中間体BP-3の調製
中間体BP-2(39.8mg、0.16mmol)とHATU(67.5mg、0.18mmol)とのDMF(3mL)中溶液に、DIPEA(0.083mL、0.48mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分撹拌した後、4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミン(0.027mL、0.18mmol)を添加した。この反応混合物を一晩撹拌し、EtOAc(20mL)で希釈した。有機層をブライン(5×10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空中で除去した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(GraceResolv、4g、SiOH 25~40μM、Celite(登録商標)上への乾式充填、ヘプタン:酢酸エチル;60:40)により精製し、中間体BP-3を62.8g、収率93%の褐色固体として得た(HATU誘導体が混入しており、次の工程にそのまま使用した)。
化合物7の調製
2-(2-アミノフェニル)-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン(CAS[63478-10-4]、25.9mg、0.14mmol)と中間体BP-3(62.8mg、0.15mmol)とのn-ブタノール(0.32mL)中溶液に、PTSA(14.1mg、0.082mmol)を室温で添加した。反応混合物を140℃で16時間加熱した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(GraceResolv、SiOH 25~40μM、Celite(登録商標)上への乾式充填、CHCl:MeOH:AcOH;95:5:0.1)により精製し、続いてトリチュレートして(MeCN:EtOH;8:2)、化合物7を無色固体(28mg、(3工程で)33%)として得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 11.72(br s,1H),9.21(s,1H),8.56(t,J=5.8Hz,1H),8.14(dd,J=8.0,1.1Hz,1H),7.79(d,J=9.1Hz,1H),7.62-7.67(m,1H),7.56-7.61(m,2H),7.51(d,J=8.8Hz,2H),7.30-7.36(m,3H),4.56(d,J=5.7Hz,2H),3.06(q,J=7.5Hz,2H),1.95(s,3H),1.31(t,J=7.6Hz,3H);19F NMR(471MHz,DMSO-d)δ ppm -56.84(s,1 F).
次の化合物も、本明細書に記載の方法に従って調製する/調製した:
Figure 2022551823000020
略語
CO 炭酸カリウム
CHCl ジクロロメタン
DCM ジクロロメタン
NaSO 硫酸ナトリウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム(Sodium Bicarbonae)
THF テトラヒドロフラン
EtOAc 酢酸エチル
MSH O-メシチレンスルホニルヒドロキシルアミン
MeOH メタノール
EtO ジエチルエーテル
NHCl 塩化アンモニウム
EtOH エタノール
二水素ガス
POCl 塩化ホスホリル
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
DMF ジメチルホルムアミド
分析方法
反応
他のガス雰囲気が必要とされない場合、一般にアルゴン雰囲気下にて無水溶媒中で行った。
NMR
Bruker 400MHz分光計で行った。
融点
Mettler-Toledo DSC1機器(標準的なアルミニウム40μLパンを使用し、空気をパージガスとして、-10℃~350℃の温度勾配で使用)又は融点装置Buchi M-560でのDSCで決定し、いずれも指示された加熱速度を適用した。
フラッシュクロマトグラフィーについては、一般に次の固定相(Interchim)を使用した:
シリカゲルIR-50SI(不定形、50μm)、シリカゲルPF-15SIHP(球状、15μm)、又はC18-逆シリカゲルIR-50C18(不定形、50μm)。
LCMS
一部の化合物の質量は、LCMS(液体クロマトグラフィー質量分析)を用いて記録した。使用した方法を以下に記載する。
一般的手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、それぞれの方法で指定される通りのLCポンプ、ダイオードアレイ検出器(DAD)又はUV検出器、及びカラムを使用して実施した。必要に応じて、追加の検出器を含めた(下記の方法の表を参照されたい)。
カラムからの流れを、大気圧イオン源とともに構成された質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、スキャン範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ収集を、適切なソフトウェアで実施した。
化合物を、それらの実験保持時間(R)及びイオンで説明する。データの表に別段記載されていない場合には、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に対応する。化合物を直接イオン化できなかった場合には、付加物の種類を記載する(即ち、[M+NH、[M+HCOO]など)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Clなど)の場合には、報告された値は、最も低い同位体質量に関して得られた値である。全ての結果は、使用される方法に通常付随する実験的不確実性を伴って得られた。
以下、次の略語が使用され得る:「SQD」はシングル四重極検出器を意味し、「RT」は室温を意味し、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「HSS」は高強度シリカを意味し、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味し、「MSD」は質量選択検出器を意味する。
Figure 2022551823000021
Figure 2022551823000022
化合物がLCMS法で異なるピークを与える異性体の混合物である場合、主成分の保持時間のみをLCMS表に示す。
Figure 2022551823000023
薬理学的実施例
下記の試験において、本発明/実施例の個々の化合物(又はそのような化合物を含有する組み合わせ、例えば、本明細書に記載されるようにマイコバクテリアの電子伝達系の(異なる)標的の1種以上の他の阻害剤と組み合わせた本発明/実施例のシトクロムbd阻害剤)を試験することができる。例えば、試験1~4において、組み合わせを試験することができる(例えば、シトクロムbd試験化合物と、Q203及び化合物Xなどの既知のシトクロムbc阻害剤との組み合わせ)。シトクロムbd対照化合物を使用する場合は、CK-2-63を用いる。
化合物Q203(シトクロムbc1阻害剤)は、J.Medicinal Chemistry,2014,57(12),pp5293-5305及び国際公開第2011/113606号パンフレットにおける手順に従って調製することができる(化合物289「6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド」を参照されたい)。
化合物Xは、6-クロロ-2-エチル-N-({4-[2-(トリフルオロメタンスルホニル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル]フェニル}メチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドであり、これは国際公開第2017/001660号パンフレットの化合物154として記載されており、その中に記載されている手順に従って調製することができる。
CK-2-63は、国際公開第2017/103615号パンフレットに開示されている手順に従って調製することができる(国際公開第2012/2069856号パンフレット(「3-メチル-2-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)フェニル)キノリン-4(1H)-オン」についての実験手順が提供されている)に言及している、その中の実験及び開示を参照されたい)。
結核菌(M.tuberculosis)に対するMICの決定:試験1
試験化合物及び参照化合物をDMSOに溶解させ、1μlの溶液を96ウェルプレートのウェル毎に最終濃度の200倍でスポットした。カラム1及びカラム12は化合物を含まないままとし、カラム2~11までの化合物濃度を3倍に希釈した。緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現する結核菌(Mycobacterium tuberculosis)株EH4.0の凍結ストックを、事前に調製し、滴定した。接種材料を調製するために、1バイアルの凍結細菌ストックを室温に解凍し、7H9ブロスで1ml当たり5×10exp5コロニー形成単位に希釈した。1×10exp5コロニー形成単位に相当する200μlの接種材料を、カラム12を除いてウェル毎にプレート全体に移した。200μlの7H9ブロスをカラム12のウェルに移した。蒸発を防止するために、プレートをプラスチック袋中にて37℃でインキュベートした。7日後、Gemini EM Microplate Readerを用いて励起波長485nm及び発光波長538nmで蛍光を測定し、IC50及び/又はpIC50値(又は同類のもの、例えば、IC50、IC90、pIC90など)を算出した(又は算出することができる)。
結核菌(M.tuberculosis)に対するMICの決定:試験2
実験化合物及び参照化合物の適切な溶液を、7H9培地を用いて96ウェルプレート中で作製した。結核菌(Mycobacterium tuberculosis)株H37Rvの試料を対数増殖期の培養物から採取した。まず、これらを希釈して波長600nmで0.3の光学密度を得て、次いで1/100に希釈して、1ml当たり約5×10exp5コロニー形成単位の接種材料を得た。5×10exp4コロニー形成単位に相当する100μlの接種材料を、カラム12を除いてウェル毎にプレート全体に移した。蒸発を防止するために、プレートをプラスチック袋中にて37℃でインキュベートした。7日後、レサズリンを全てのウェルに添加した。2日後、Gemini EM Microplate Readerを用いて励起波長543nm及び発光波長590nmで蛍光を測定し、MIC50及び/又はpIC50値(又は同類のもの、例えば、IC50、IC90、pIC90など)を算出した(又は算出することができる)。
時間的殺傷動態アッセイ(time kill kinetics assay):試験3
化合物の殺菌又は静菌活性を、液体希釈法を使用して、時間的殺傷動態アッセイで判定することができる。本アッセイでは、結核菌(M.tuberculosis)(H37Rv株及びH37Ra株)の開始接種材料は、Middlebrook(1×)7H9ブロス中で10CFU/mlである。試験化合物(cyt bd阻害剤)を、cyt bc阻害剤(例えば、Q203又は化合物X)と組み合わせて、それぞれ10~30μMから0.9~0.3μMの範囲の濃度で試験する。抗菌剤を入れないチューブを培養増殖の対照とする。微生物及び試験化合物を含有するチューブを37℃でインキュベートする。0、1、4、7、14及び21日間のインキュベーション後、Middlebrook 7H9培地中での段階希釈(10~10-6)及びMiddlebrook 7H11寒天培地上への播種(100μl)による生菌数の決定のために試料を取り出す。プレートを37℃で21日間インキュベートして、コロニー数を測定する。時間に対して1mL当たりのlog10CFUをプロットすることにより、殺傷曲線を作成することができる。シトクロムbc阻害剤及びシトクロムbd阻害剤(単独又は組み合わせのいずれか)の殺菌効果は、一般に、0日目と比較して2log10の減少(1ml当たりのCFUの減少)として定義される。薬剤の持ち越し効果の可能性は、寒天培地プレート中に0.4%木炭を使用することにより、及び連続希釈を行い、播種に使用可能な最高希釈でコロニーを計数することにより、制限される。
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のO消費率を決定するための表現型アッセイ:試験4
本アッセイの目的は、細胞外フラックス技術を使用して、cyt bc1及びcyt bdの阻害後の結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(Mtb)細菌のO消費率を評価することである。cyt bc1を(例えば、Q203又は化合物Xなどの既知の阻害剤を使用して)阻害すると、細菌はエネルギー効率の低い末端オキシダーゼcyt bdを使用するようになる。cyt bdの阻害により、O消費量が大幅に減少する。脱共役剤CCCPの添加による、膜電位撹乱条件下でのO消費量の持続的な減少は、cyt bd阻害剤の有効性を示す。
Cell-Tak(BD Biosciences)をコーティングしたXF細胞培養マイクロプレート(Agilent)の底に、ウェル当たり5×10個の細菌で付着したMtb(H37Ra染色)細菌の酸素消費率(OCR)を、Agilent Seahorse XFe96を使用して測定した。アッセイの前に、10%及び0.02%のチロキサポールを補充した7H9を使用して、Mtb細菌を液体培地中でOD600が約0.7~0.9となるまで2日間培養した。使用したアッセイ培地は、0.2%グルコースのみを補充した非緩衝の7H9である。本アッセイでは、化合物X(最終濃度0.9μMの化合物X)を使用してcyt bc1を阻害し、cyt bd阻害剤であるCK-2-63(最終濃度10μM)を陽性対照として使用する。脱共役剤CCCPを、最終濃度1μMで使用する。
一般に、センサーカートリッジの薬剤ポートAを介して化合物Xを自動的に追加する前に基礎OCR測定を4回行い、その後、cyt bc1の阻害に十分な時間を与えるために、OCR測定を更に7回行う。次に、cyt bd試験化合物(最終濃度10μM)、並びに陽性及び陰性対照(最終DMSO濃度が0.4%のアッセイ培地)を添加し(薬物ポートB)、続いてOCR測定を7回行う。最後に、CCCPを添加し、続いてOCR測定を3回行う。これを2回行う(薬剤ポートC及びD)。対照の測定については8つの複製ウェルで実施し、アッセイ化合物の測定については、条件毎に6つの複製ウェルで実施する。陽性及び陰性対照と比較して、cyt bdの持続的阻害について化合物をスコア付けする。
更なる表現型アッセイ:シトクロムbcノックアウトTB株の使用及び結核菌(M.tuberculosis)に対するMICの決定:試験5
実験化合物及び参照化合物の適切な溶液を、7H9培地を用いて384ウェルプレート中で作製した。結核菌(Mycobacterium tuberculosis)株H37Rv ΔctaE-ΔqcrCAB(Nat Commun 10,4970,2019,https://doi.org/10.1038/s41467-019-12956-2)の試料を、対数増殖期の培養物から採取した。まず、これらを希釈して波長600nmで0.4の光学密度を得て、次いで1/150に希釈して、1ml当たり約5×10exp5コロニー形成単位の接種材料を得た。5×10exp5コロニー形成単位に相当する30μlの接種材料を、カラム23~24を除いてウェル毎にプレート全体に移した。蒸発を防止するために、プレートを、過剰に加湿したインキュベーター内でプラスチック袋中にて37℃でインキュベートした。10日後、波長620nmでの光学密度を、Photometric 620/8励起フィルターを備えたEnVision 2105 Multimode Plate Readerで測定し、MIC50及び/又はpIC50値(又は同類のもの、例えば、IC50、IC90、pIC90など)を算出した(又は算出することができる)。
薬理学的結果
生物学的データ-実施例A
本発明/実施例の化合物(又は組み合わせ、例えば、電子伝達系の標的の1種以上の他の阻害剤と組み合わせた本発明/実施例の化合物)は、例えば、試験1~3のいずれかにおいて試験した場合、活性を示すことができる。
生物学的データ-実施例B
実施例の化合物を、上記の試験4(「薬理学的実施例」のセクション;O消費率試験)において、上記の通りの化合物X(既知のシトクロムbc阻害剤)とともに試験し、次の結果を得た:
Figure 2022551823000024
生物学的データ-実施例C
実施例の化合物を上記の試験3(殺傷動態)で試験し、0日目と比較した1ml当たりのCFUの対数減少として表される結果を得る。
生物学的データ-実施例D
実施例の化合物を、上記の試験5において再度試験し、次の結果を得た:
Figure 2022551823000025
更なるデータ
本発明/実施例の化合物は、インビトロ効力、インビトロでの殺傷動態(即ち、殺菌効果)、PK特性、食事の影響、安全性/毒性(肝臓毒性、凝固、5-LOオキシゲナーゼを含む)、代謝安定性、エイムスII陰性、MNT陰性、水性基剤への溶解性(及び製剤化能力)並びに/又は例えば動物(例えば麻酔したモルモット)に対する心血管作用に関連する利点を有し得る。作成/算出した以下のデータは、標準的方法/アッセイを使用して得ることができ、例えば、それらは文献中で利用可能であるか、又は供給業者により実施され得る(例えば、ミクロソーム安定性アッセイ-Cyprotex、ミトコンドリア毒性(Glu/Gal)アッセイ-Cyprotex、及び文献のCYPカクテル阻害アッセイ)。
ミトコンドリア毒性データ:
Figure 2022551823000026
他の化合物のスコアは次の通りである:
化合物1:陽性
化合物2:陽性
化合物3:陰性
化合物7:陰性
本発明/実施例の特定の化合物は、(例えば、Glu/Galアッセイにおいて)ミトコンドリア毒性アラートが観察されなかったため、有利であることが判明し得る。
Figure 2022551823000027
したがって、本発明/実施例の化合物は、例えば、他の化合物、例えば先行技術の化合物と比較して、
- インビトロでの心毒性が観察されない(例えば、CVSの結果若しくはGlu/Galアッセイの結果のいずれかによる、例えば、低いミトコンドリア毒性(Glu/Galアッセイでの<3は、ミトコンドリア毒性アラートがないことを示す);及び/又は
- 反応性代謝物の形成が観察されない(例えば、GSH);
という利点を有し得る。

Claims (20)

  1. 式(I)の化合物
    Figure 2022551823000028

    [式中、
    は、C1~6アルキル、-Br、水素、若しくはC(O)N(Rq1)Rq2を表し;
    q1及びRq2は、独立して、水素若しくはC1~6アルキルを表すか、若しくは共に連結して、1つ以上のC1~3アルキル置換基により任意選択的に置換されている3~6員のカルボシリック環(carbocylic ring)を形成してもよく;
    Subは、ハロ、-CN、C1~6アルキル、及び-O-C1~6アルキル(後の2つのアルキル部分は、1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されている)から選択される1つ以上の任意選択的な置換基を表し;
    2つの「X」環は、一緒になって9員の二環式ヘテロアリール環(別の5員の芳香環に縮合した6員の芳香環からなる)を表し、二環式ヘテロアリール環は、1~4個のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を含み、二環式環は、ハロ及びC1~6アルキル(それ自体が1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されている)から選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換されており;
    は、任意選択のリンカー基を表しており、したがって、直接結合、-O-、-OCH-、-C(Rx1)(Rx2)-、若しくは-C(O)-N(H)-CH-であってよく;
    x1及びRx2は、独立して、水素若しくはC1~3アルキルを表し;
    は、以下の部分:
    Figure 2022551823000029

    (v)パーフルオロC1~3アルキル(例えば、-CF);
    (vi)-F、-Br、-Cl、若しくは-CNのうちのいずれか1つを表し;
    環Aは、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する(好ましくは少なくとも1個の窒素原子を含有する)5員の芳香環を表し、この環は、Rから独立して選択される1つ以上の置換基により任意選択的に置換されており;
    環Bは、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する(好ましくは少なくとも1個の窒素原子を含有する)6員の芳香環を表し、この環は、Rから独立して選択される1つ以上の置換基により任意選択的に置換されており;
    は、-CH若しくはNHを表し、Rは、NとYとを含有する6員の環上の1つ以上の置換基を表し(R置換基がY上に存在してもよい);
    、R、R、R、及びRは、独立して、水素若しくはBから選択される置換基を表し;
    各R、各R、及び各R(これらは任意選択的な置換基である)は、存在する場合、独立して、Bから選択される置換基を表し;
    各Bは、独立して、
    (i)ハロ;
    (ii)-Rd1
    (iii)-ORe1
    (iv)-C(O)N(Re2)Re3
    (v)-SF
    (vi)-N(Re4)S(O)e5から選択される置換基を表し;
    d1は、1個以上のハロ(例えば、フルオロ)原子により任意選択的に置換されているC1~6アルキルを表し;
    e1、Re2、Re3、Re4、及びRe5は、各々独立して、水素若しくは1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されているC1~6アルキルを表す]
    又はその薬学的に許容される塩。
  2. が、メチルなどのC1~3アルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記「X」環が、
    少なくとも1個の窒素原子を(一実施形態では、環接合部に)含有し;及び/又は
    合計で1個、2個、3個、若しくは4個のヘテロ原子を含有する、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記「X」環が、以下の式:
    Figure 2022551823000030

    [式中、
    及びXのうちの一方は、Nを表し(即ち、必須の窒素が環接合部にあり)、他方はCを表し;
    他の整数X、X、及びXは、C(若しくはCH)若しくはヘテロ原子(例えばN、O、及び/若しくはS)を表すことができ;並びに/又は
    、X、及びXのうちの0個、いずれか1つ若しくは2つは、ヘテロ原子(例えばN、O、及び/若しくはS)を表し、その他はC(若しくはCH)を表す]のいずれかにより表される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. が、直接結合、-O-、-OCH-、-C(Rx1)(Rx2)-、又は-C(O)-N(H)-CH-を表し;
    x1及びRx2が、独立して水素を表す、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 、R、R、R、及びRのうちの0個、但し好ましくは1つ若しくは2つ(例えば1つ)が、Bを表し、その他が水素を表し;並びに/又は
    、R、及びRのうちの1つ(好ましくはR)が、Bを表し、その他が水素を表す、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. が、
    (i)フルオロ;
    (ii)-ORe1
    (iii)1個以上のフルオロ原子により置換されているC1~3アルキル;
    (iv)-C(O)N(Re2)Re3
    (v)-N(Re4)S(O)e5
    (vi)-SFから選択される置換基を表す、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. e2及びRe4が、独立して水素を表し;
    e1、Re3、及びRe5が、各々独立して、1個以上のフルオロ原子により任意選択的に置換されているC1~3アルキル(例えば、メチル)を表す、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 医薬として使用するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 薬学的に許容される担体と、活性成分として治療有効量の請求項1~8のいずれか一項に定義された通りの化合物とを含む、医薬組成物。
  11. 結核の治療に使用するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
  12. 結核の治療用薬剤の製造のための、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  13. 結核を治療する方法であって、治療有効量/有用量の請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物の投与を含む、方法。
  14. (a)請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物と、(b)1種以上の他の抗結核剤(例えば、マイコバクテリアの電子伝達系の1種以上の他の阻害剤、例えば、シトクロムbc阻害剤、ATPシンターゼ阻害剤、NDH2阻害剤、及び/又はメナキノン合成経路の阻害剤、例えば、MenG阻害剤)との組み合わせ。
  15. (a)請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物と、(b)1種以上の他の抗結核剤(例えば、マイコバクテリアの電子伝達系の1種以上の他の阻害剤、例えば、シトクロムbc阻害剤、ATPシンターゼ阻害剤、NDH2阻害剤、及び/又はメナキノン合成経路の阻害剤、例えば、MenG阻害剤)とを、細菌感染の治療において同時に、別個に、又は逐次的に使用するための組み合わせ調製物として含有する製品。
  16. 結核の治療に使用するための、請求項14又は請求項15に記載の組み合わせ又は製品。
  17. 結核の治療用薬剤の製造のための、請求項14又は請求項15に記載の組み合わせ又は製品の使用。
  18. 結核を治療する方法であって、治療有効量の請求項14又は請求項15に記載の組み合わせ又は製品の投与を含む、方法。
  19. 組み合わせて用いた場合に、別の抗結核剤(請求項14又は請求項15に定義された通りのもの)の活性の増強に使用するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 請求項1に記載の式(I)の化合物を調製するためのプロセスであって、
    (i)式(II)
    Figure 2022551823000031

    (式中、整数は請求項1で定義されている)の化合物を、適切な試薬、例えばBBr又はNaSCHと反応させることにより変換することと、
    (ii)式(III)
    Figure 2022551823000032

    (式中、整数は請求項1で定義された通りである)の化合物を、式(IV)
    Figure 2022551823000033

    (式中、整数は請求項1で定義されている)の化合物と反応させることとを含む、プロセス。
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