JP2022551718A - Cag/ctg伸長障害におけるバイオマーカーとしてのranタンパク質 - Google Patents

Cag/ctg伸長障害におけるバイオマーカーとしてのranタンパク質 Download PDF

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Abstract

本開示の側面は、対象(例として、CAGおよび/またはCTG反復伸長に関連する疾患を有するかまたは有すると疑われる対象)においてある反復関連非ATG(RAN)を検出するための方法および組成物(例として、キット)に関する。いくつかの態様において、本開示によって記載される方法は、対象から得られた生体試料中の1以上のRANタンパク質を、RANタンパク質のホモポリマーの反復領域を標的にする1以上の抗体を使用する免疫アッセイによって検出することを含む。いくつかの態様において、本開示は、RANタンパク質のホモポリマーの反復領域を標的にする1以上の抗体、および免疫アッセイプレートおよび/または試薬を含む、キットに関する。いくつかの態様において、本開示は、抗RANタンパク質抗体を産生する方法を提供する。

Description

連邦政府支援研究
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金第NS040389の下、政府の支援によりなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
EFS-WEBを介してテキストファイルとして提出された配列表への言及
本出願は、EFS-Webを介してASCIIフォーマットで提出された配列表を含有しており、およびその全体において参照により本明細書に組み込まれる。2020年10月9日に作成された該ASCIIコピーは、U120270072WO00-SEQ-KZMと名付けられ、および16.1キロバイトのサイズである。
関連出願
本出願は、35 U.S.C. § 119(e)の下、2019年10月10日に出願され、「RAN PROTEINS AS BIOMARKERS IN CAG/CTG EXPANSION DISORDERS」と題された、米国仮出願第62/913,662の出願日の利益を主張し、この内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
背景
CAG・CTG反復伸長などのある伸長の突然変異は、複数のリーディングフレームにおいて生じ、および標準的なAUG開始コドンを必要としない、新規なタイプのタンパク質の翻訳を経ることが示されている。このタイプの翻訳は、反復関連非ATG(RAN)翻訳と呼ばれ、産生されるタンパク質は、RANタンパク質と呼ばれる。RANタンパク質が毒性を有し、およびますます多くの疾患に寄与することの証拠が増えている。
概要
本開示の側面は、試料中のホモポリマーの反復領域(例として、ポリロイシン反復領域、ポリセリン反復領域等)を有するRANタンパク質などのあるRANタンパク質を検出するための方法およびキットに関する。いくつかの態様において、免疫アッセイが、対象から得られた生体試料(例として、血清試料)中の1以上のRANタンパク質のレベルを検出または測定するために使用される。
本開示は、一部分において、ポリロイシン反復RANタンパク質およびポリセリン反復RANタンパク質などのあるRANタンパク質のホモポリマーの反復領域を標的にする(例として、特異的に結合する)抗RANタンパク質抗体に基づく。本明細書の他の箇所において記載されるように、ポリセリンおよびポリロイシンRANタンパク質が、脊髄小脳失調症(SCA)(例として、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17等)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、および筋強直症ジストロフィー(DM1)などの神経変性疾患に関連するある遺伝子のCAGおよび/またはCTG反復伸長から翻訳されることが、驚くべきことに発見された。よって、本開示によって記載される組成物および方法は、いくつかの態様において、CAGおよび/またはCTG反復伸長に関連する疾患または障害を有するものとして対象を診断するのに有用である。いくつかの態様において、本開示の組成物および方法は、加えてまたは代替的に、CAGおよび/またはCTG反復伸長に関連する疾患または障害の処置のための1以上の治療剤を投与されたことのある、または投与されている対象における1以上のRANタンパク質(例として、ポリロイシン、ポリセリン等)のレベルをモニタリングする(例として、縦断的に測定する)のに有用であるだろう。
いくつかの側面において、本開示は、対象における1以上のRANタンパク質を検出するための方法に関する。いくつかの態様において、方法は、以下を含む:対象から得られた生体試料とRANタンパク質ホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体とを接触させて、抗RAN抗体-標的RANタンパク質複合体を形成すること;複合体と検出可能な剤とを接触させて、標識化複合体を形成すること;標識化複合体を検出すること;および標識化複合体の存在に基づき、対象がCAGおよび/またはCTG伸長反復関連疾患を有することを同定すること。
いくつかの態様において、生体試料は、血液試料、血清試料、または組織試料である。いくつかの態様において、組織試料は、CNS組織試料である。いくつかの態様において、生体試料は、脳脊髄液(CSF)試料である。
いくつかの態様において、対象は、哺乳動物の対象である。いくつかの態様において、対象は、ヒトまたはマウスである。
いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、RANタンパク質のポリセリン反復領域またはポリロイシン反復領域を標的にする(例として、特異的に結合する)。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、ポリクローナル抗体である。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、RANタンパク質のいずれの他の部分にも結合しない(例として、RANタンパク質の非反復、C末端領域に結合しない)。
いくつかの態様において、伸長反復関連疾患は、脊髄小脳失調症(SCA)(例として、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17等)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、または筋強直症ジストロフィー(DM1)である。
いくつかの態様において、検出可能な剤は、抗体、フルオロフォア、化学発光剤、または電気化学発光剤である。いくつかの態様において、検出することは、免疫アッセイ、例えば、免疫組織化学アッセイ、免疫蛍光アッセイ、電気化学発光アッセイ、またはウェスタンブロットを実施することを含む。いくつかの態様において、電気化学発光アッセイは、Meso Scale検出(MSD)アッセイである。
いくつかの態様において、方法は、対象に治療剤を投与するステップをさらに含む。いくつかの態様において、治療剤は、小分子、抗体、ペプチド、または阻害性核酸である。いくつかの態様において、治療的な抗体は、抗RANタンパク質抗体である。
いくつかの態様において、方法は、治療剤の投与後に対象から第2の生体試料を得るステップおよび第2の生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出するステップをさらに含む。
いくつかの側面において、本開示は、対象におけるRANタンパク質レベルの薬物動態変化を測定するための方法に関する。いくつかの態様において、方法は、以下を含む:RANタンパク質ホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体を含む免疫アッセイを使用して、対象から得られた第1の生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出すること;RANタンパク質ホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体を含む免疫アッセイを使用して、対象から得られた第2の生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出すること、ここで第2の生体試料は、対象への治療剤の投与後に得られる;および第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量とは異なる場合に、対象への治療剤の投与が、対象における1以上のRANタンパク質レベルの変化をもたらすことを決定すること。
いくつかの態様において、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量よりも多い場合に、対象への治療剤の投与が、対象における1以上のRANタンパク質レベルの変化をもたらす。いくつかの態様において、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量よりも多い場合に、治療剤の投与が、停止される。
いくつかの態様において、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量未満である場合に、対象への治療剤の投与が、対象における1以上のRANタンパク質レベルの変化をもたらす。いくつかの態様において、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量未満である場合に、治療剤の投与が、継続される。
いくつかの態様において、第1および/または第2の生体試料は、血液試料、血清試料、または組織試料である。いくつかの態様において、組織試料は、CNS組織試料である。いくつかの態様において、第1および/または第2の生体試料は、脳脊髄液(CSF)試料である。
いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、ポリセリン反復領域またはポリロイシン反復領域を標的にする(例として、特異的に結合する)。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、ポリクローナル抗体である。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、モノクローナル抗体である。
いくつかの態様において、対象は、CAGおよび/またはCTG伸長反復疾患を有するとして特徴づけられる。いくつかの態様において、伸長反復関連疾患は、脊髄小脳失調症(SCA)(例として、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17等)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、および筋強直症ジストロフィー(DM1)から選択される。いくつかの態様において、対象は、哺乳動物である。いくつかの態様において、対象は、ヒトまたはマウスである。
いくつかの側面において、本開示は、RANタンパク質のポリセリンまたはポリロイシン反復領域を標的にする1以上の抗RANタンパク質抗体;および免疫アッセイプレートおよび/または試薬、を含むキットに関する。いくつかの態様において、キットは、対照試料をさらに含む。いくつかの態様において、対照試料は、1以上のRANタンパク質を含む。いくつかの態様において、対照試料は、1以上のRANタンパク質を含まない。いくつかの態様において、免疫アッセイプレートおよび/または試薬は、MSDアッセイプレートおよび/またはMSDアッセイ試薬である。
いくつかの側面において、本開示は、抗RANタンパク質抗体を産生する方法を提供する。本明細書に記載のとおりの抗体を産生する方法は、典型的には、細胞または対象に1以上のRANタンパク質ペプチド抗原を投与することを含む。よって、いくつかの側面において、本開示は、抗体を産生する方法を提供し、方法は、配列番号17~26のいずれか1つで表される配列を含むペプチド抗原を細胞または対象に投与することを含む。いくつかの態様において、抗体は、ポリ(Ser)RANタンパク質またはポリ(Leu)RANタンパク質へ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗体を産生する方法は、対象から抗体を単離するステップをさらに含む。いくつかの態様において、対象は、哺乳動物の細胞である。いくつかの態様において、哺乳動物の細胞は、B細胞である。いくつかの態様において、対象は、哺乳動物であり、任意にここで哺乳動物は、ヒト、ヤギ、ウサギ、モルモット、またはマウスである。
図面の簡単な記載
図1は、RANタンパク質の発現によって特徴づけられる伸長反復関連障害を描く概略図を示す。 図2は、新規なRANタンパク質反復-領域標的化抗体の産生のためのストラテジー、および関連する利点を記載する概略図を示す(上から下に配列番号5~10)。 図3は、CAG・CTG伸長障害を描く概略図を示す。
図4は、RANタンパク質のホモポリマーのセリン反復を標的にする抗ポリSER抗体が、トランスフェクトされた細胞中のポリセリンRANタンパク質を検出することを指し示す代表的なデータを示す。 図5は、ポリセリンRANタンパク質のユニークなC末端領域を標的にする抗ポリSer抗体と同様のやり方で、ホモポリマーのセリン反復を標的にする抗ポリSER抗体が、患者由来のハンチントン病組織中のポリセリンRANタンパク質を検出することを指し示す代表的なデータを示す。いずれの抗体も対照ヒト線条体においてRAN陽性細胞を検出しなかった。 図6は、抗ポリSER抗体が患者由来のHD線条体においてRAN陽性細胞を検出することを指し示す代表的なデータを示す。
図7は、抗ポリSER抗体が患者由来のSCA8小脳においてRAN陽性細胞を検出することを指し示す代表的なデータを示す。 図8は、抗ポリSER抗体が患者由来のSCA1組織においてRAN陽性細胞を検出することを指し示す代表的なデータを示す。(配列番号11)。 図9は、ポリSerRANタンパク質がPrp-ATXN1 82Qマウスにおいて蓄積しないことを指し示す代表的なデータを示す。
図10は、抗ポリSER抗体によって検出されるように、ポリSerRANタンパク質がSCA1ノックインマウス(154Q)において蓄積することを指し示す代表的なデータを示す。 図11は、抗ポリSER抗体によって検出されるように、ポリSerRANタンパク質が患者由来のSCA2組織において蓄積することを指し示す代表的なデータを示す。(配列番号12)。 図12は、抗ポリSER抗体および抗ポリGln抗体が、SCA2組織において異なる分布パターンを示すことを指し示す代表的なデータを示す。
図13は、患者由来のSCA3組織中の抗ポリSER免疫陽性細胞を指し示す代表的なデータを示す。(配列番号13)。 図14は、抗ポリSER抗体によって検出されるように、ポリSerRANタンパク質がSCA3マウス組織(atxn3 84Q)において蓄積することを指し示す代表的なデータを示す。 図15は、抗ポリSER抗体が患者由来のSCA7組織においてRAN陽性細胞を検出することを指し示す代表的なデータを示す。
図16は、抗ポリSER抗体が、患者由来のSCA6組織においてRAN陽性細胞を検出することを指し示す代表的なデータを示す。(配列番号14)。 図17は、抗1-ACTが、IRES依存性の機構によって翻訳され、およびCAG反復伸長を含有することを指し示す概略図を示す。(配列番号15)。 図18は、種々の反復伸長を担う抗1-ACTの予測された2次構造を示す。
図19は、ポリSerRANタンパク質がDM1患者の前頭皮質において蓄積することを指し示す代表的なデータを示す。 図20は、ポリSerRANタンパク質がDM1患者の前頭皮質において蓄積することを指し示す代表的なデータを示す。 図21は、抗ポリSER抗体が患者由来のHDL2線条体においてRAN陽性細胞を検出することを指し示す代表的なデータを示す。(配列番号16)。
図22は、RANタンパク質のホモポリマーのロイシン反復を標的にする抗ポリLEU抗体の有効な作用についての代表的なデータを示す。抗ポリLEUは、トランスフェクトされた細胞および患者由来のHD組織中の免疫陽性細胞を検出する。 図23は、アンチセンス翻訳されたポリLeuが、「ポリグルタミン」SCA(SCA2、SCA3、SCA7)の小脳において蓄積することを指し示す代表的なデータを示す。 図24は、アンチセンス翻訳されたポリLeuが、「ポリグルタミン」SCA6の小脳において蓄積することを指し示す代表的なデータを示す。
図25は、ポリLeuRANタンパク質がDM1患者の前頭皮質において蓄積することを指し示す代表的なデータを示す。 図26は、ポリLeuおよびポリSerRANタンパク質が、同じ領域に常に蓄積するのではないことを指し示す代表的なデータを示す。 図27は、抗ポリLEU抗体が患者由来のHDL2線条体においてRAN陽性細胞を検出することを指し示す代表的なデータを示す。
図28は、SCA患者の白質(WM)領域における脱髄およびミクログリアの蓄積を指し示す代表的なデータを示す。 図29は、代表的なルクソール・ファスト・ブルー(LFB)染色のデータを示す。 図30は、白質異常を伴う領域におけるポリSerおよびポリLeuの蓄積を指し示す代表的なデータを示す。
図31は、DM1ポリSerおよびポリLeuの蓄積が、神経炎症と強く関連することを指し示す代表的なデータを示す。 図32は、抗ポリLEUおよび抗ポリSER抗体が、すべてのCAG・CTG伸長疾患にわたりRANタンパク質を特徴づけるためのツールであることを描く概略図を示す。 図33は、例に記載された免疫染色データの概要を示す。 図34は、in vivoでのRANタンパク質の蓄積を描く概略図を示す。
図35A~35Dは、SerおよびLeu反復モチーフに対する新規な反復抗体の有効な作用を示す。flagタグ付けされたポリSerおよびポリLeu反復タンパク質を発現するために使用されたコンストラクトは、HEK293T細胞にトランスフェクトされた。図35Aおよび35Bは、トランスフェクトされた細胞の免疫蛍光を示し、このことはα-Flag(円で囲われた)および新しく開発された反復抗体(α-ポリSer(図35A)およびα-ポリLeu(図35B)、矢印で示される)の共局在化を実証する。空のベクターでトランスフェクトされた細胞において(中段、図35Aおよび35B)、または免疫前血清が一次抗体として使用されたとき(下段、図35Aおよび35B)は、シグナルは検出されなかった。図35Cおよび35Dは、HD前頭皮質に対する免疫組織化学的実験を示し、このことは新しく生成された反復抗体の特異性を、それらのシグナルとこれまでに検証されたHDポリSerおよびHDポリLeuC末端抗体を使用して得られたそれらを比較することによって検証する。シグナル(矢印)は、HD試料において特異的に検出された(最上段、図35Cおよび35D)が、対照試料に対しては検出されなかった(下段、図35Cおよび35D)。
図36は、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびSCA5(陰性対照)のヒト小脳におけるRAN-ポリSer染色を示す。免疫組織化学は、小脳にわたるポリSerの蓄積を示す。陽性領域は、歯状核の周囲のバーグマングリア、白質(WM)、および深部白質(DWM)領域を包含する。非罹患者またはSCA5陰性対照においてシグナルは検出されなかった。矢印(
Figure 2022551718000002
)=陽性染色、矢印(→)=核の対比染色。
図37A~37Uは、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびSCA5(陰性対照)のヒト小脳におけるポリSerRANタンパク質を示す。α-Ser抗体を用いた免疫組織化学的染色は、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、およびSCA7の小脳性の領域における核および細胞質の強く頻出するシグナルを示す。ポリSer凝集体は、バーグマングリア(図37D、37G、37J、37M、37P)、皮質白質領域(図37E、37H、37K、37N、37Q)の周囲、およびより頻繁には歯状核付近の深部白質領域(図37F、37I、37L、37O、37R)において、疾患間およびケース間でのいくらかのばらつきと共に顕著に検出される。健常な対照(図37A~37C)およびSCA5(図37S~37U)のケースは、ポリLeuシグナルについて陰性である。
図38A~38Uは、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびSCA5(陰性対照)の小脳におけるRANポリLeuの蓄積を示す。ポリLeu反復モチーフに対する抗体を使用する免疫染色は、頻出するポリLeu凝集体を示す。ポリLeu陽性領域は、プルキンエ細胞およびバーグマングリア(図38D、38G、38J、38M、38P)、皮質白質(図38E、38H、38K、38N、38Q)、および歯状核の周囲のニューロンならびにグリア細胞(図38F、38I、38L、38O、38R)を包含する。ポリLeuの蓄積は、白質領域においてより顕著である。ポリLeu凝集体は、核、細胞質、またはニューロピルにおいてあり得る。陰性対照は、健常(図38A~38C)およびSCA5(図38S~38U)のケースを包含する。
図39A~39Uは、RANポリLeu凝集体がSCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびSCA5(陰性対照)のケースの小脳において蓄積することを示す。免疫組織化学は、ポリLeuの蓄積のパターンおよび頻度を示す。ポリLeuは、核の、細胞質の、またはニューロピルの凝集体として蓄積する。ポリLeu陽性領域は、プルキンエ細胞およびバーグマングリア(図39D、39G、39J、39M、39P)、皮質白質(図39E、39H、39K、39N、39Q)、および歯状核の周囲のニューロンならびにグリア細胞(図39F、39I、39L、39O、39R)を包含する。陰性対照は、健常(図39A~39C)およびSCA5(図39S~39U)のケースを包含する。
図40A~40Jは、患者の小脳におけるC末端抗体を使用したポリSerおよびポリLeuRANタンパク質の検出を示す。免疫組織化学は、各タンパク質についてユニークなC末端領域に対する抗体を使用した、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、およびSCA7の小脳の白質領域におけるポリSer(図40A、40C、40E、40G、40I)およびポリLeu(図40B、40D、40F、40H、40J)の蓄積を示す。各抗体についてのエピトープは、灰色の枠、および以下の配列識別子によって指し示す:図40A(配列番号17);図40B(配列番号18);図40C(配列番号19);図40D(配列番号20);図40E(配列番号21);図40F(配列番号22);図40G(配列番号23);図40H(配列番号24);図40I(配列番号25);および図40J(配列番号26)。C末端抗体を使用した免疫組織化学は、反復抗体を使用した免疫組織化学的実験において検出されるものと同様のシグナルおよびRANタンパク質の蓄積のパターンを実証する。
図41A~41Hは、ポリSerおよびポリLeuRANタンパク質がSCA1、SCA3およびHDマウスにおいて蓄積することを示す。SCA3(図41A)およびSCA1(図41B)マウスの皮質領域の免疫組織化学的染色は、斑点状の凝集体としてポリSerの蓄積を示す。図41Cおよび41Dは、ポリSerが、プルキンエ細胞において導入遺伝子を特異的に発現するpcp2-Atxn1 82Qマウスに対して検出されない一方で、これらの細胞におけるポリGlnの検出は、非常に確固たるものであることを示す。図41Eおよび41Fは、ポリSer陽性細胞がHDノックインマウスの皮質において検出されることを示す。対立遺伝子のシリーズに対する免疫組織化学は、ポリSerの蓄積が、より長いCAG反復でより明白であり(図41E)、およびマウスの齢と共に増加する(図41F)ことを示す。アンチセンスRANポリLeu凝集体は、SCA3(図41G)およびHDマウス(図41H)において検出される。
図42A~42Yは、ポリSerおよびポリLeuRANタンパク質が病的状態のマーカーを示す領域において蓄積することを示す。連続切片の免疫組織化学は、Iba1染色で指し示されるように、豊富なRANタンパク質の蓄積を有する白質領域が増大したミクログリアの増殖(網目状)および活性化(アメーバ状)を有することを示す(図42V~42Y)。ポリSerおよびポリLeuRANの顕著な蓄積を有する領域は、ルクソール・ファスト・ブルー染色(LFB)で指し示されるように、白質の完全性の喪失を提示する(図42Q~42T)。ポリGln凝集体は、稀である(1C2染色;図42B~42E))。図42A~42Eは、対照(図42A)、SCA1(図42B)、SCA2(図42C)、SCA3(図42D)、およびSCA7(図42E)の組織のIC2染色を示す。図42F~42Jは、対照(図42F)、SCA1(図42G)、SCA2(図42H)、SCA3(図42I)、およびSCA7(図42J)のポリSer染色を示す。図42K~42Oは、対照(図42K)、SCA1(図42L)、SCA2(図42M)、SCA3(図42N)、およびSCA7(図42O)のポリLeu染色を示す。図42P~42Tは、対照(図42P)、SCA1(図42Q)、SCA2(図42R)、SCA3(図42S)、およびSCA7(図42T)のLFB染色を示す。図42U~42Yは、対照(図42U)、SCA1(図42V)、SCA2(図42W)、SCA3(図42X)、およびSCA7(図42Y)のIba1染色を示す。
図43A~43Yは、ポリSerおよびポリLeuRANタンパク質が、病的状態のマーカーを示す領域において蓄積することを示す。画像は、RANポリSerおよびRANポリLeu凝集体の頻度、ミクログリアの陽性細胞、白質損傷の程度、および少量のポリGln凝集体を示す低倍率のフィールドを示す。図43A~43Eは、対照(図43A)、SCA1(図43B)、SCA2(図43C)、SCA3(図43D)、およびSCA7(図43E)の組織のIC2染色を示す。図43F~43Jは、対照(図43F)、SCA1(図43G)、SCA2(図43H)、SCA3(図43I)、およびSCA7(図43J)のポリSer染色を示す。図43K~43Oは、対照(図43K)、SCA1(図43L)、SCA2(図43M)、SCA3(図43N)、およびSCA7(図43O)のポリLeu染色を示す。図43P~43Tは、対照(図43P)、SCA1(図43Q)、SCA2(図43R)、SCA3(図43S)、およびSCA7(図43T)のLFB染色を示す。図43U~43Yは、対照(図43U)、SCA1(図43V)、SCA2(図43W)、SCA3(図43X)、およびSCA7(図43Y)のIba1染色を示す。
図44A~44Fは、ポリSerおよびポリLeu凝集体が疾患の進行と共に増大することを示す。SCA6のヒト脳橋の免疫染色は、脳橋の白質路の周囲のRANポリSerおよびポリLeuタンパク質の凝集体を示す(図44A、44B、44D、および44E)。ポリSerおよびポリLeu凝集体は、サイズが可変であり、および後期の疾患の検死のケースにおいて頻繁に見出される(図44Aおよび44D)。対照的に、疾患に先立つ早期死亡が文書で記録されている検死のケースは、稀に、より小さな凝集体を示す(図44Bおよび44E)。健常な対照は、いかなるシグナルも示さなかった(図44Cおよび44F)。
詳細な記載
本開示の側面は、試料中にホモポリマーの反復領域(例として、ポリロイシン反復領域、ポリセリン反復領域等)を有するRANタンパク質などの、あるRANタンパク質を検出するための方法およびキットに関する。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られた生体試料(例として、血清試料)中の1以上のRANタンパク質のレベルを検出または測定するのに使用される。
いくつかの側面において、本開示は、対象における1以上のRANタンパク質を検出するための方法に関する。いくつかの態様において、方法は、以下を含む:対象から得られた生体試料とRANタンパク質ホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体とを接触させて、抗RAN抗体-標的RANタンパク質複合体を形成すること;複合体と検出可能な剤とを接触させて標識化複合体を形成すること;標識化複合体を検出すること;および標識化複合体の存在に基づき、対象がCAGおよび/またはCTG伸長反復関連疾患を有すると同定すること。
本開示は、一部分において、ポリロイシン反復RANタンパク質およびポリセリン反復RANタンパク質などのあるRANタンパク質のホモポリマーの反復領域を標的にする(例として、特異的に結合する)抗RANタンパク質抗体に基づく。驚くべきことに、ポリセリンおよびポリロイシンRANタンパク質が、脊髄小脳失調症(SCA)(例として、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17等)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、および筋強直症ジストロフィー(DM1)などの神経変性疾患に関連するある遺伝子のCAGおよび/またはCTG反復伸長から翻訳されることが発見された。
RANタンパク質
いくつかの側面において、本開示は、対象から得られた生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出する(例として、1以上のRANタンパク質のレベルを検出する)方法に関する。
「RANタンパク質(反復関連非ATG翻訳タンパク質)」は、AUG開始コドンの不在においてヌクレオチド伸長を担うmRNA配列から翻訳されるポリペプチドである。RANタンパク質は、1個のアミノ酸(ホモポリマーのアミノ酸反復と呼ばれる)、2個のアミノ酸(ジアミノ酸反復)、3個のアミノ酸(トリ-アミノ酸反復)、4個のアミノ酸(テトラ-アミノ酸反復)、または5個のアミノ酸(ペンタ-アミノ酸反復)の伸長反復を含んでもよい。
一般に、RANタンパク質は、約2と約10,000との間のアミノ酸反復を含んでもよい。いくつかの態様において、RANタンパク質は、20と100との間のアミノ酸反復、50と200との間のアミノ酸反復、100と500との間のアミノ酸反復、400と800との間のアミノ酸反復、700と1000との間のアミノ酸反復、800と1500との間のアミノ酸反復等を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質は、10と500との間のアミノ酸残基の長さであるポリ-アミノ酸反復を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質は、20と300との間のアミノ酸残基の長さであるポリ-アミノ酸反復を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質は、30と200との間のアミノ酸残基の長さであるポリ-アミノ酸反復を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質は、40と100との間のアミノ酸残基の長さであるポリ-アミノ酸反復を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質は、50と90との間のアミノ酸残基の長さであるポリ-アミノ酸を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質は、60と80との間のアミノ酸残基の長さであるポリ-アミノ酸反復を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質は、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、または少なくとも200アミノ酸残基の長さであるポリ-アミノ酸反復を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質は、200より多くのアミノ酸残基(例として、500、1000、5000、10,000等)の長さのポリ-アミノ酸反復を有する。いくつかの態様において、ホモポリマーの反復領域を含むRANタンパク質は、1以上の非反復領域(例として、N末端領域、C末端領域等)を含む。
いくつかの態様において、ホモポリマーの反復領域を含むRANタンパク質は、C末端領域を含む。RANタンパク質の「C末端部分」または「C末端」は、センス転写産物についての遺伝子(例として、Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPK等)のイントロン内のポリ-アミノ酸反復領域の下流にあるヌクレオチド配列によって、またはアンチセンス転写産物についての遺伝子(例として、Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPK等)のイントロン内のポリ-アミノ酸反復領域の下流にあるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様において、RANタンパク質のC末端部分は、RANタンパク質のポリ-アミノ酸反復部分の直後のアミノ酸で始まり、および遺伝子(例として、Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPK等)のセンス転写産物によってコードされる配列における1以上の連続したアミノ酸を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質のC末端部分は、RANタンパク質のポリ-アミノ酸反復部分の直後のアミノ酸で始まり、および遺伝子(例として、Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPK等)のアンチセンス転写産物によってコードされる配列における1以上の連続したアミノ酸を含む。
いくつかの態様において、RANタンパク質のC末端部分は、RANタンパク質のポリ-アミノ酸反復部分の直後のアミノ酸で始まる配列における1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、または75より多くの連続したアミノ酸を含む。いくつかの態様において、RANタンパク質のC末端部分は、RANタンパク質のポリ-アミノ酸反復部分の直後のアミノ酸で始まる1~5、3~10、5~15、8~20、10~25、13~30、15~35、18~40、20~45、23~50、25~55、28~60、30~65、33~70、35~75、または75より多くの連続したアミノ酸を含む。
RANタンパク質コード配列は、複数の遺伝子座で対象のゲノム(例として、ヒト対象のゲノム)において見出され得、これらに限定されないが、Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPKを包含する。いくつかの態様において、RANタンパク質は、CAG・CTG伸長反復によって翻訳される。いくつかの態様において、CAG伸長反復は、約10と約10,000との間のCAG反復(例として、約10、20、50、100、500、1000、2500、5000、または10000のCAG反復)を含む。いくつかの態様において、CAG伸長反復は、10000より多くのCAG反復を含む。いくつかの態様において、CTG伸長反復は、約10と約10,000との間のCTG反復(例として、約10、20、50、100、500、1000、2500、5000、または10000のCTG反復)を含む。いくつかの態様において、CTG伸長反復は、10000より多くのCTG反復を含む。
いくつかの態様において、CAG・CTG伸長によって引き起こされるRANタンパク質の翻訳は、1以上のホモポリマーのRANタンパク質、例えば、ポリ-グルタミン(ポリGlnまたはポリQ)に加えて、ポリアラニン、ポリセリン、ポリロイシン、またはポリシステイン(ポリAla、ポリSer、ポリLeuおよびポリCys)の翻訳をもたらす。ホモポリマーのRANタンパク質の例は、を包含する「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」(ポリ-アラニン)(配列番号1)、「LLLLLLLLLLLLLLLLLL」(ポリ-ロイシン)(配列番号2)、「SSSSSSSSSSSSSSSSSSSS」(ポリ-セリン)(配列番号3)、および「CCCCCCCCCCCCCCCCCCCC」(ポリ-システイン)(配列番号4)を包含する。RANタンパク質は、伸長反復のセンス鎖、伸長反復のアンチセンス鎖、または伸長反復のセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方から発現されてもよい。
ハンチントン病(HD)の文脈において、RANタンパク質の翻訳は、Htt遺伝子におけるCAG・CTG伸長によって引き起こされ、このことはポリ-グルタミン(ポリGlnまたはポリQ)に加えて、ポリアラニン、ポリセリン、ポリロイシン、およびポリシステイン(ポリAla、ポリSer、ポリLeuおよびポリCys)のRANタンパク質の翻訳をもたらす。
SCA8およびDM1の文脈において、RANタンパク質の翻訳は、CTG・CAG反復伸長によって引き起こされる。SCA8伸長突然変異は、双方向で転写され、および伸長突然変異を越えた反対方向において発現する、CUG(ATXN8OS)およびCAG(ATXN8)の両方の伸長RNAを産生する。CUG伸長転写産物は、RNA凝集体(RNA foci)を形成し、および反対方向において発現された伸長されたCAG ATXN8転写産物は、CAG反復の直接の上流にAUG開始コドンを含有する異常に短いORFからほぼ純粋なポリGlnタンパク質を産生する。このことは、ポリ-グルタミン(ポリGlnまたはポリQ)に加えて、ポリアラニン、ポリセリン、ポリロイシン、およびポリシステイン(ポリAla、ポリSer、ポリLeuおよびポリCys)のRANタンパク質の翻訳をもたらす。
追加のRANタンパク質の例およびRANタンパク質を同定する方法は、例えば、2020年7月2日に出願された国際PCT出願PCT/US2020/040725に記載されており、これらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
対象および生体試料
いくつかの態様において、生体試料は、RANタンパク質の翻訳に関連する疾患を有するかまたは有すると疑われる対象から得られる。一般に、生体試料は、血液、血清(例として、凝固タンパク質が取り除かれた血漿)、または脳脊髄液(CSF)であり得る。しかしながら、当業者は、CNS組織(例として、脳組織、脊椎組織等)および細胞(例として、脳細胞、神経細胞、皮膚細胞等)などの他の好適な生体試料を認識するだろう。いくつかの態様において、生体試料は、脳脊髄液(CSF)試料である。いくつかの態様において、生体試料は、血液試料または組織試料である。いくつかの態様において、血液試料は、全血の試料、血漿試料、または血清試料である。いくつかの態様において、組織試料は、CNS組織試料である。いくつかの態様において、血液試料は、試料のバフィーコートなどの白血球細胞)(例として、白血球)を取り除くよう処理される。
いくつかの態様において、対象から得られた生体試料は、-80℃と約23℃との間の温度(例として、室温)で保管される。いくつかの態様において、対象から得られた生体試料は、0℃と約23℃との間の温度(例として、約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23℃)で保管される。いくつかの態様において、対象から得られた生体試料は、20℃と約25℃との間の温度(例として、約20、21、22、23、24、または25℃)で保管される。
対象は、哺乳動物(例として、ヒト、マウス、ラット、ヤギ、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、またはブタ)であり得る。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。いくつかの態様において、対象は、哺乳動物の対象である。いくつかの態様において、対象は、ヒトまたはマウスである。いくつかの態様において、対象は、マウスである。いくつかの態様において、対象は、C9-BACマウスである。ALSのC9-BACマウスモデルは、例えば、2014年3月10日に出願され、WO2014/159247として公開された国際PCT出願PCT/US2014/022670、およびLiu, et al., (2016) Neuron 90(3):521-34に記載されており、これらの各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの態様において、対象は、Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPKから選択される遺伝子(例として、ヒト遺伝子またはそのオルソログ)中のCAG反復伸長および/またはCTG反復伸長によって特徴づけられる。一般に、RANタンパク質は、反復伸長のセンス鎖、反復伸長のアンチセンス鎖、または反復伸長のセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方(例として、上記:Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPKのいずれかのセンスおよび/またはアンチセンス鎖)から発現されてもよい。
いくつかの態様において、対象は、CAG・CTG伸長反復に関連する疾患を有するかまたは有すると疑われている。CAG・CTG伸長反復関連疾患の例は、これらに限定されないが、ハンチントン病(HD)、脊髄小脳失調症(SCA)(例として、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17等)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、および筋強直症ジストロフィー(DM1)を包含する。
いくつかの態様において、対象は、RANタンパク質の翻訳に関連する疾患の1以上の兆候または症状を呈する。例えば、「筋強直症ジストロフィーを有するかまたは有すると疑われる対象」(例として、筋強直症ジストロフィー1型(DM1)または筋強直症ジストロフィー2型(DM2))は、これらに限定されないが以下を包含する、DM1および/またはDM2の1以上の兆候または症状を呈する対象であり得る:遅延した筋弛緩、筋力低下、持続的な不随意筋収縮、または筋肉の喪失;および/または正常でない心リズム、白内障、または嚥下困難。
「脊髄小脳失調症を有するかまたは有すると疑われる対象」(例として、脊髄小脳失調症1型、2型、3型、6型、7型、8型、10型、12型、17型、31型、または36型)は、これらに限定されないが以下を包含する、脊髄小脳失調症の1以上の兆候または症状を呈する対象であり得る:発語および嚥下障害(swallowing difficulty)、筋硬直(例として、痙縮)、眼球運動を制御する筋肉における衰弱(例として、眼筋麻痺)、急速な、不随意の眼球運動(例として、眼振)、非協調運動およびバランスの不均衡(例として、運動失調)、筋肉の消耗、緩徐眼球運動、認知症、制御されない筋肉の緊張(例として、ジストニア)、こわばり、振戦、眼球突出、複視、腕における協調運動障害、進行性の視力低下、失明、感覚または反射における変化、体幹の不安定性、腱反射の機能亢進、長く引いた訥弁によって特徴づけられる構音障害、小脳性の運動失調、不安定歩行、上肢の運動失調、嚥下障害(dysphagia)、歩行機能障害、錐体外路の特色、錐体の衰弱、認知および行動障害、舞踏病、精神障害、感音性聴覚障害、損なわれた振動感覚、急速眼球運動(例として、サッケード)、目を左右交互に動かすことの不具合(例として、眼球運動失効)、および/または眼瞼下垂(例として、眼瞼下垂症)。
「球脊髄性筋萎縮症を有するかまたは有すると疑われる対象」は、これらに限定されないが以下を包含する、球脊髄性筋萎縮症の1以上の兆候または症状を呈する対象であり得る:発語障害、噛むことおよび嚥下することの困難、睡眠障害、呼吸困難、顔面筋力の低下、感情を伝達することの困難、腕および脚の筋肉の衰弱および萎縮、筋肉の単収縮および痙攣、拡大した乳房(男性対象において)、低減した生殖能力および睾丸の萎縮(例として、収縮)、男性ホルモンの正常でないプロセシング、筋肉の消耗、および/または歩行困難。
「歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)を有するかまたは有すると疑われる」対象は、これらに限定されないが以下を包含する、DRPLAの1以上の兆候または症状を呈する対象であり得る:運動失調、肢の制御不能な運動(例として、舞踏病アテトーゼ)、精神科的症状(例として、妄想)、および/または知的機能の劣化(例として、認知症)。
「ハンチントン病(HD)を有するかまたは有すると疑われる」対象は、これらに限定されないが以下を包含する、HDの1以上の兆候または症状を呈する対象であり得る:異常歩行、増大した筋活動、不随意の運動、協調運動の問題、筋肉の喪失、筋痙攣、健忘、妄想、集中力の欠如、精神錯乱、活動の遅さ、思考および理解の困難、強迫行動、そわそわすること、怒りっぽいこと、慎みがないこと、せん妄、うつ病、幻覚、偏執病、不安、無気力、気分変動、発話困難、記憶喪失、振戦、および/または重量減少。
「ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)を有するかまたは有すると疑われる」対象は、これらに限定されないが以下を包含する、HDL2の1以上の兆候または症状を呈する対象であり得る:進行性の運動障害(例として、パーキンソニズム、舞踏病)、認知および感情の減退(例として、認知症、精神障害)、てんかん発作(単数または複数)、および/またはHDに関連するいずれか他の兆候または症状。
「フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)を有するかまたは有すると疑われる」対象は、これらに限定されないが以下を包含する、FECDの1以上の兆候または症状を呈する対象であり得る:かすんだまたは曇った視覚(例として、全般的な視覚の明確さの欠如)、視力の揺動(例として、朝目が覚めた後により悪い症状であり、および日中徐々に改善する)、永続的な視力障害、まぶしさ、光の周囲に光輪が見える、および/または角膜の表面上の小水疱からの疼痛またはザラザラ感(grittiness)。
いくつかの態様において、「伸長反復関連疾患を有するかまたは有すると疑われる対象」は、Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPKから選択される遺伝子中に19より多く(例として、20、25、30、35、またはそれより多く)の反復を有することが知られているか決定される対象であり得るか、またはこれらに限定されないが、運動機能障害(例として、痙縮)、筋萎縮、および/または精神神経の病気の徴候(例として、強迫行動、無気力、不安等)を包含する、神経変性疾患(例として、HD、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、DRPLA、SBMA、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、DM1等)の兆候および症状を呈する対象であり得る。
治療剤
本開示の方法は、いくつかの態様において、RANタンパク質の翻訳に関連する疾患または障害の動物モデルにおける治療剤(例として、治療剤候補)の効き目を調査するために有用である。「治療剤候補」は、一般には、細胞または対象におけるRANタンパク質の翻訳を低減するかまたは阻害する能力について試験されている剤(例として、小分子、干渉RNA、タンパク質、ペプチド、抗体、ワクチン等)を指す。一般に、治療剤は、小分子(例として、メトホルミンまたはメトホルミン誘導体)、干渉RNA(例として、dsRNA、siRNA、miRNA、amiRNA、ASO、アプタマー等)、タンパク質またはそのフラグメント、ペプチド、抗体(例として、抗RANタンパク質抗体)等であり得る。いくつかの態様において、治療剤は、小分子、干渉核酸、修飾された干渉核酸、DNAアプタマー、RNAアプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体、抗体薬物抱合体、他の巨大分子、遺伝子治療(他の列挙されたタイプの治療剤の1以上を送達するよう設計された遺伝子治療を包含する)、天然産物、または生薬である。いくつかの態様において、治療剤は、例えば、プロテインキナーゼR(PKR)経路、EIF2経路、またはEIF3経路などのRANタンパク質の発現を制御する経路を調節することによって、RANタンパク質の発現を調節する。
いくつかの態様において、小分子は、真核生物開始因子2(eIF2)、真核生物開始因子3(eIF3)、プロテインキナーゼR(PKR)、p62(セクエストソーム-1またはユビキチン結合タンパク質)、LC3(微小管関連タンパク質1軽鎖3)Iサブユニット、LC3IIサブユニット、またはトール様受容体3(TLR3)の修飾因子である。いくつかの態様において、小分子は、メトホルミンまたはその薬学的に許容し得る塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体が濃縮された誘導体、もしくはプロドラッグである。いくつかの態様において、小分子は、ブホルミン、フェンホルミン、メトホルミン、またはその誘導体もしくは機能的類似体である。いくつかの態様において、小分子は、TARBP2などのPKRのインヒビターである。
いくつかの態様において、干渉核酸は、dsRNA、siRNA、shRNA、miRNA、人工miRNA(amiRNA)、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である。いくつかの態様において、干渉核酸は、真核生物開始因子2(eIF2)、真核生物開始因子3(eIF3)、プロテインキナーゼR(PKR)、p62、LC3Iサブユニット、LC3IIサブユニット、またはトール様受容体3(TLR3)の発現を改変する。いくつかの態様において、干渉核酸は、eIF2AまたはeIF2αの発現を改変する。いくつかの態様において、干渉核酸は、eIF3a、eIF3b、eIF3c、eIF3d、eIF3e、eIF3f、eIF3g、eIF3h、eIF3i、eIF3j、eIF3k、eIF3l、およびeIF3mからなる群から選択される1以上のeIF3サブユニットの発現を阻害する。いくつかの態様において、干渉核酸は、プロテインキナーゼR(PKR)の発現を阻害する。いくつかの態様において、干渉核酸は、遺伝子(例として、Htt、HDL2、ATXN1、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、ATXN8OS、およびDMPK等)の発現を阻害する。いくつかの態様において、干渉核酸は、本明細書に記載のとおりの反復配列に直接結合する。
いくつかの態様において、タンパク質(例として、治療用タンパク質)は、真核生物開始因子2(eIF2)、真核生物開始因子3(eIF3)、プロテインキナーゼR(PKR)、p62、LC3Iサブユニット、LC3IIサブユニット、またはトール様受容体3(TLR3)を修飾する。いくつかの態様において、タンパク質(例として、治療用タンパク質)は、プロテインキナーゼR(PKR)のドミナントネガティブバリアントまたはTLR3タンパク質のドミナントネガティブバリアントである。いくつかの態様において、ドミナントネガティブバリアントは、アミノ酸位置296での突然変異を含む。いくつかの態様において、突然変異は、K296Rである。
いくつかの態様において、治療剤(例として、治療用タンパク質をコードする核酸、干渉核酸等)は、ベクターによって対象へ送達される。いくつかの態様において、ベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの態様において、ベクターは、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。いくつかの態様において、ウイルスベクターは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)である。いくつかの態様において、rAAVは、AAV8カプシドタンパク質またはそのバリアントを含む。いくつかの態様において、抗RANタンパク質ペプチドワクチンは、ウイルスベクターによって送達される。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体またはそのフラグメントをコードする1以上のウイルスベクターは、ウイルスベクターによって送達される。
いくつかの態様において、治療剤候補は、抗体である。いくつかの態様において、抗体は、真核生物開始因子2(eIF2)、真核生物開始因子3(eIF3)、プロテインキナーゼR(PKR)、p62、LC3Iサブユニット、LC3IIサブユニット、またはトール様受容体3(TLR3)を標的にする。かかる抗体は、当該技術分野において知られている(例として、Duffy et al. Cell Immunol. 2007 Aug; 248(2):103-14. PubMed PMID: 18048020を参照)。当業者は、列挙されたタンパク質標的に結合する抗体の作製のしかた、および標的タンパク質の機能の所望のモジュレーションについてのスクリーニングのしかたを理解するだろう。
いくつかの態様において、抗体は、抗RANタンパク質抗体である。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、RANタンパク質のポリ-アミノ酸反復へ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、RANタンパク質の1以上のポリLeu反復へ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、RANタンパク質の1以上のポリSer反復へ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、RANタンパク質のC末端へ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、配列番号17~26のいずれか1つを含むアミノ酸配列へ特異的に結合する。
いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、ポリクローナル抗体である。いくつかの態様において、抗RAN抗体は、新規な濃縮反復伸長突然変異の配列によって予測される、RANタンパク質関連神経学的疾患において生じる新しく同定されたRANタンパク質への結合活性を有して生成される。いくつかの態様において、遺伝子座は、RANタンパク質関連神経学的疾患についての既知のリスク因子を含み、1以上のタイプのRANタンパク質を産生することができる新規な反復伸長突然変異を含有するものとして目下同定されている。抗RAN抗体の例は、例えば、2020年9月18日に出願された国際特許出願第PCT/US2020/051671号、および米国公開第2013/0115603号において開示されており、これらの各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの態様において、治療剤候補は、対象における伸長反復から発現される1以上のRANタンパク質(例として、ポリSer、ポリLeu等)に対して免疫応答を誘発するように構成されているワクチンである。1以上のRANタンパク質に対して免疫応答を誘発するように構成されているワクチンの例は、例えば、2020年9月18日に出願された国際特許出願第PCT/US2020/051670号において記載されており、これらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの態様において、治療剤候補は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である。
適切な追加の治療剤の同定および選択は、当業者の能力の内であり、および対象が患っている疾患に依存するだろう。例えば、いくつかの態様において、脆弱X症候群(例として、選択的セロトニン再取り込みインヒビター、カルバマゼピン、メチルフェニデート、トラゾドン、セルトラリン、メトホルミン、カンナビジオール(CBD)、アカンプロサート、ロバスタチン、ミノサイクリン等)、脊髄小脳失調症(例として、バクロフェン、リルゾール、アマンタジン、バレニクリン等)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)(例として、リルゾール等)、筋強直症ジストロフィー1型(チデグルシブ、メキシレチン等)、またはハンチントン病(テトラベナジン(Xenazine)、バクロフェン、デューテトラベナジン(Austedo)、ハロペリドール、クロルプロマジン、リスペリドン、クエチアピン、アマンタジン、レベチラセタム、クロナゼパム、シタロプラム、フルオキセチン、セルトラリン、オランザピン、バルプロ酸(alproate)、カルバマゼピン、ラモトリギン、システアミン、PBT2、PDE10Aインヒビター、プリドピジン、ラキニモド等)についての1以上の治療剤が、対象に投与される。
処置の投与は、当該技術分野において知られているいずれかの方法によって達成されるであろう(例として、Harrison’s Principle of Internal Medicine, McGraw Hill Inc.を参照)。投与は、局部であっても、または全身性であってもよい。治療剤は、腸内(例として、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、気管内、皮下、脳室内、経皮、皮内、眼、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、クリーム、および/または点滴薬によるものとして)、粘膜、経鼻、口腔内、舌下、気管内注入、気管支の点滴注入、吸入、経口スプレーとして、鼻腔用スプレーとして、および/またはエアロゾルとして、を包含するいずれかのルートによって投与され得る。全身性ルートは、経口および非経口を包含する。具体的に言うと、企図されるルートは、経口投与、静脈内投与(例として、全身性の静脈内注射)、血液および/またはリンパ液の供給を介しての局部の投与、および/または患部への直接投与である。いくつかの態様において、本開示によって記載されるとおりの処置は、筋肉内注射によって対象へ投与される。一般に、最も適切な投与のルートは、剤の性質(例として、胃腸管の環境におけるその安定性)、および/または対象の状態(例として、対象が、経口投与に耐えることができるか)を包含する様々な因子に依存するだろう。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、対象の目への局所投与に好適である。種々のルートの投与のための組成物は、当該技術分野において周知である(例として、E. W. Martin によるRemington's Pharmaceutical Sciencesを参照)。投薬量は、対象および投与のルートに依存するだろう。投薬量は、当業者によって決定され得る。
免疫アッセイ
いくつかの態様において、本開示によって記載される組成物および方法は、CAGおよび/またはCTG反復伸長に関連する疾患または障害を有するものとして対象を診断するのに有用である。いくつかの態様において、本開示によって記載される組成物および方法は、加えてまたは代替的に、CAGおよび/またはCTG反復伸長に関連する疾患または障害の処置のために1以上の治療剤を投与されたかまたは投与されている対象における、1以上のRANタンパク質(例として、ポリロイシン、ポリセリン等)のレベルのモニタリング(例として、縦断的に測定すること)に有用である。
いくつかの態様において、1以上のRANタンパク質の組織分布は、伸長反復関連疾患を有するものとして対象を診断するために使用され得る。いくつかの態様において、1以上のRANタンパク質の組織分布は、対象における伸長反復関連疾患の存在または重症度を検出するために使用され得る。
本開示は、一部分において、対象から得られた生体試料(例として、血清)中の1以上のRANタンパク質(例として、ポリSer、ポリLeuなどのホモポリマーのRANタンパク質)を検出するために使用され得るある免疫アッセイ(例として、免疫組織化学アッセイ、電気化学発光をベースとした免疫アッセイ、ウェスタンブロット、免疫蛍光アッセイ)に基づく。いくつかの態様において、試料の処理時間および条件(例として、インキュベーション時間およびインキュベーション温度)は、所与の血液試料において観察されるバックグラウンドシグナルの量に影響する。例えば、血清試料が、対象から得られたのちに24時間より長い間室温にインキュベートされた(例として、保持された、または保管された)場合に、いくつかの態様において、試料中のRANタンパク質のレベルは、高いバックグラウンドシグナルに起因して対照試料と識別不能である。
いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られた2日以内の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られたのち約1分と約48時間の間の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られたのち約10分と約45時間との間の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られたのち約20分と約40時間との間の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られたのち約30分と約32時間との間の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られたのち約40分と約30時間との間の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られたのち約50分と約26時間との間の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られたのち約60分と約24時間との間の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。いくつかの態様において、免疫アッセイは、対象から得られたのち約1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、60分(例として、1時間)、90分、120分(例として、2時間)、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、25時間、30時間、40時間、または48時間の間の生体試料(例として、血液試料)に対して実施される。
本開示によって記載される免疫アッセイ方法のいくつかの態様において、試料(例として、生体試料)は、試料内の1以上の抗原を検出剤(例として、抗体)にアクセス可能にするために抗原回復プロセスにより処理される。本明細書に使用されるとき、「抗原回復」(エピトープ回復、または抗原案マスキングとも称される)は、生体試料(例として、血液、血清、CSF等)が、プロセス前には、検出剤(例として、抗体、アプタマー、および他の結合分子)にこれまでアクセス不可能であった抗原(例として、エピトープ)を露出する条件下で処理されるプロセスを指す。一般に、抗原回復方法は、これらに限定されないが、加熱、圧力処理、酵素消化、還元剤での処理、酸化剤での処理、架橋剤での処理、変性剤(例として、洗浄剤、エタノール、酸)での処理、またはpHの変化、または上記のいずれかの組み合わせを包含するステップを含む。いくつかの抗原回復方法は、当該技術分野において知られており、これらに限定されないが、プロテアーゼ誘発エピトープ回復(PIER)および熱誘発エピトープ回復(HIER)を包含する。いくつかの態様において、抗原回復の手順は、バックグラウンドシグナルを低減し、および検出技法(例として、免疫組織化学(IHC)、イムノブロット(ウェスタンブロットなど)、ELISA等)の感度を増大させる。
例えば、いくつかの態様において、抗原回復技法は、偽陰性の場合を低減することによって、RANタンパク質の検出の再現性を増大させる。このことは、さもなければ「陽性」として同定されないであろう低レベルの標的タンパク質での「陽性の」試料の検出を可能とする。いくつかの態様において、1以上のRANタンパク質の検出(例として、ウェスタンブロット、免疫組織化学、ELISAなどのイムノブロットによる検出)の前に、抗原回復プロセスが生体試料に対して実施される。
いくつかの態様において、生体試料中のRANタンパク質の検出は、ウェスタンブロットによって実施される。ウェスタンブロットは、一般に検出剤またはプローブの使用を採用して、タンパク質またはペプチドの存在を同定する。いくつかの態様において、1以上のRANタンパク質の検出は、免疫ブロット(例として、ドットブロット、2-Dゲル電気泳動等)、免疫組織化学(IHC)、またはELISAによって実施される。いくつかの態様において、1以上のRANタンパク質の検出は、電気化学発光をベースとした免疫アッセイによって実施される。いくつかの態様において、1以上のRANタンパク質の検出は、免疫蛍光アッセイによって実施される。
一般に、「電気化学発光をベースとした免疫アッセイ」は、生体試料中に存在する1以上のRANタンパク質のマイクロプレートなどの基質へと結合されている1以上の抗RANタンパク質抗体(例として、ポリSer反復またはポリLeu反復などのRANタンパク質のホモポリマーの反復領域に特異的に結合する抗RANタンパク質抗体)への結合が、電気化学発光ラベル(例として、適切な化学的環境(例として、トリプロピルアミン、TPrAの存在下)における電気によって刺激されるときに光を放射する検出可能な部分)を使用して検出される、生物学的アッセイを指す。電気化学発光のラベルは、例えば、Muzyka (2014) Biosens Bioelectron 15(54):393-407に記載される。
いくつかの態様において、電気化学発光をベースとした免疫アッセイは、Meso Scale検出(MSD)アッセイである。本明細書に使用されるとき、用語「meso scale検出(MSD)アッセイ」は、電気化学発光(例として、電気化学的刺激の際に光を放出するSULFO-TAG(商標)ラベル(例として、1以上のルテニウム複合体を含むラベル)などの1以上の検出可能な試薬を使用する)によってアナライトの検出のために使用される免疫アッセイを指し、例えば、Moxness et al. (2005) Clin. Chem. 51(10):1983-5、およびMSDアッセイステップのその記載に関して参照により組み込まれている米国特許第7,008,796号に記載される通りである。
一般に、MSDアッセイは、固体基質、例えば、基質に取り付けられた1以上の標的抗体(例として、抗ポリLEU、抗ポリSERなどの1以上の抗RANタンパク質抗体)を含むマルチウェルアッセイプレートと、生体試料(例として、ホモポリマーの反復領域を有する1以上のRANタンパク質を含有する対象から得られた血液試料)とを、抗RANタンパク質抗体が1以上のRANタンパク質に結合して、複合体を形成する条件下で接触させること、および続いて複合体と1以上の検出可能な試薬と抱合されている二次抗体(例として、抗ヒト抗体、抗マウス抗体、抗ウサギ抗体などの複合体の抗RANタンパク質抗体部分に結合する抗体)とを接触させること、を含む。
検出可能な試薬は、蛍光ラベル、化学発光ラベル、放射ラベル、または電気化学発光のラベルであってもよい。いくつかの態様において、検出可能な試薬は、電気化学発光部分、例えば、米国特許第5,310,687号に記載される通りのものを含み、これは、このような電気化学発光部分に関する開示に関して参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様において、検出可能な試薬は、ルテニウム複合体、例えば、[Ru(Bpy)+2とも称されるルテニウム(II)トリス-ビピリジン-(4-メチルスルホン)、またはその塩を含む。
検出可能な試薬(例として、検出可能な部分、例えば、SULFO-TAG(商標)などのルテニウム複合体は、一般に二次抗体に抱合されている。いくつかの態様において、二次抗体は、検出抗体である。いくつかの態様において、検出抗体は、抗RANタンパク質抗体または、抗ヒト抗体、抗マウス抗体、抗ラット抗体、抗モルモット抗体などの、試料が得られた種に存在する抗原に結合する抗体である。
抗体
本開示の側面は、1以上の抗RANタンパク質抗体(例として、ポリSer反復またはポリLeu反復などのRANタンパク質のホモポリマーの反復領域に特異的に結合する抗RANタンパク質抗体)を使用することによって、生体試料中のホモポリマーのRANタンパク質を検出するための方法に関する。本開示のさらなる側面は、ポリSerまたはポリLeu反復含有タンパク質から選択されるジアミノ酸反復含有タンパク質(例として、RANタンパク質)に特異的な抗RANタンパク質抗体に関する。抗RANタンパク質抗体は、ジアミノ酸反復含有タンパク質の領域(単数または複数)(反復配列またはC末端など)を認識してもよく、またはジアミノ酸反復含有タンパク質全体を認識してもよい。
いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、抗ポリセリンまたは抗ポリロイシン抗体である。いくつかの態様において、抗RAN抗体は、RANタンパク質のホモポリマーの反復領域を標的にする(例として、特異的に結合する)。いくつかの態様において、抗RAN抗体は、ポリアミノ酸反復を含まないRANタンパク質のいかなる部分も標的にしない(例として、特異的に結合しない)。いくつかの態様において、抗RAN抗体のセット(または組み合わせ)(例として、抗ポリLEUおよび抗ポリSERなどの2以上の抗RAN抗体の組み合わせ)は、生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出するために使用される。
いくつかの態様において、本開示は、抗RANタンパク質抗体を産生する方法を提供する。本明細書に記載のとおりの抗体を産生する方法は、典型的には、細胞または対象に1以上のRANタンパク質ペプチド抗原を投与することを含む。いくつかの態様において、RANタンパク質ペプチド抗原は、CAG/CTG反復伸長によってコードされるRANタンパク質のユニークなC末端領域を含む。いくつかの態様において、抗RANタンパク質抗体は、抗ポリSer抗体または抗ポリLeu抗体である。いくつかの態様において、RANタンパク質ペプチド抗原は、配列番号17~26のいずれか1つで表される配列を含む。いくつかの態様において、対象は、哺乳動物の細胞、例えば、B細胞またはハイブリドーマ細胞である。いくつかの態様において、対象は、哺乳動物、例えば、霊長目の非ヒト動物、齧歯類の動物(例として、マウス、ラット、モルモット等)、またはヒトである。
抗RAN抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得る。典型的には、ポリクローナル抗体は、マウス、ウサギまたはヤギなどの好適な哺乳動物の接種によって産生される。より大きな哺乳動物は、収集され得る血清の量がより大きくなるものとしてしばしば好ましい。抗原は、哺乳動物内に注射される。このことは、Bリンパ球が抗原に特異的なIgG免疫グロブリンを産生するよう誘導する。このポリクローナルIgGは、哺乳動物の血清から精製される。一般にモノクローナル抗体は、単細胞株(例として、ハイブリドーマ細胞株)によって産生される。いくつかの態様において、抗RAN抗体は、精製される(例として、血清から単離される)。抗RAN抗体の例は、例えば、2020年9月18日に出願された国際特許出願第PCT/US2020/051671号、および米国公開第2013/0115603号において開示され、これらの各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
無数の方法が、抗RAN抗体を得るために使用されるであろう。例えば、抗体は、組換えDNA方法を使用して産生され得る。モノクローナル抗体は、既知の方法に従ったハイブリドーマの生成(例として、Kohler and Milstein (1975) Nature, 256: 495-499を参照)によって産生されてもまたよい。このやり方で形成されたハイブリドーマは、次いで、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)および表面プラズモン共鳴(例として、OCTETまたはBIACORE)分析などの表人的な方法を使用してスクリーニングされ、特定された抗原と特異的に結合する抗体を産生する1以上のハイブリドーマを同定する。特定された抗原(例として、RANタンパク質)のいずれかの形態は、免疫原、例として、組換え抗原、天然に存在する形態、いずれかのバリアントまたはそれらのフラグメントとして使用されてもよい。抗体を作製する1つの例示の方法は、抗体またはそのフラグメント(例として、scFv)を発現するスクリーニングタンパク質発現ライブラリ、例として、ファージまたはリボソームディスプレーライブラリを誘導する。ファージディスプレーは、例えば、Ladner et al.の米国特許第5,223,409号;Smith (1985) Science 228:1315-1317;Clackson et al. (1991) Nature, 352: 624-628;Marks et al. (1991) J. Mol. Biol., 222: 581-597;WO92/18619;WO91/17271;WO92/20791;WO92/15679;WO93/01288;WO92/01047;WO92/09690;およびWO90/02809に記載される。
ディスプレーライブラリの使用に加えて、特定された抗原(例として、1以上のRANタンパク質)は、非ヒト動物、例として、齧歯類の動物、例として、マウス、ハムスター、またはラットの免疫化に使用され得る。一態様において、非ヒト動物は、マウスである。
別の態様において、モノクローナル抗体は、非ヒト動物から得られ、および次いで当該技術分野において知られている組換えDNA技法を使用して改変、例として、キメラを作製される。キメラ抗体を作製するための様々なアプローチが記載されている。例として、Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:6851, 1985;Takeda et al., Nature 314:452, 1985、Cabilly et al.の米国特許第4,816,567号;Boss et al.の米国特許第4,816,397号;Tanaguchi et al.の欧州特許公開第EP171496号;欧州特許公開第0173494号、英国特許第GB2177096B号を参照。
抗体はまた、当該技術分野において知られている方法によってヒト化され得る。例えば、所望される結合特異性を有するモノクローナル抗体は、商業的にヒト化され得る(Scotgene、Scotland;およびOxford Molecular、Palo Alto、Calif.)。トランスジェニック動物において発現するものなどの完全ヒト化抗体は、本発明の範囲内である(例として、Green et al. (1994) Nature Genetics 7, 13;および米国特許第5,545,806号および第5,569,825号を参照)。
追加の抗体産生技法について、Antibodies: A Laboratory Manual, Second Editionを参照されたい。Edward A. Greenfield(Dana-Farber Cancer Institute)によって2014年に編集された。本開示は、必ずしも抗体のいずれかの具体的な供給源、産生の方法、または他の特別な特徴に限定されるものではない。
また本開示に網羅されるものは、ポリSerまたはポリLeuから選択されるジアミノ酸反復含有タンパク質、本明細書に記載のとおりのジアミノ酸反復含有タンパク質のC末端ペプチド、および/またはそれらの2以上の組み合わせに特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株である。
方法
本開示の側面は、ある神経変性疾患、例えばCAG・CTG伸長反復関連疾患を有するかまたは発症するリスクがあるものとして対象(例として、ヒト対象)を同定するための方法に関する。いくつかの態様において、本開示は、CAG・CTG伸長反復関連疾患を有するものとして対象を同定するための方法を提供し、該方法は、RANタンパク質のホモポリマーの反復領域へ結合する抗RANタンパク質抗体を含む免疫アッセイを使用して、対象から得られた生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出すること;および生体試料中の抗RANタンパク質抗体の存在に基づいて対象が疾患を有すると決定すること、を含む。
本開示は、いくつかの側面において、例えば、脊髄小脳失調症(SCA)(例として、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17等)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、筋強直症ジストロフィー(DM1)等、CAG・CTG伸長反復に関連する疾患について治療的処置の経過をモニタリングする方法に関する。いくつかの側面において、本開示は、増大したRANタンパク質の翻訳を呈する(例として、RANタンパク質の翻訳に関連する疾患または障害を有さない対象と比べて)と決定された対象に有効量の治療剤を投与すること、および本明細書に記載のとおりの免疫アッセイによって測定される1以上の抗RANタンパク質抗体のレベルを決定すること(例として、検出すること)、を含む、CAG・CTG伸長反復に関連する疾患を処置する方法を提供する。
いくつかの態様において、対象は、これまでに治療剤を投与されている(例として、決定することの前に)。いくつかの態様において、本発明の方法に従って対象に投与される治療剤は、これまでに投与された治療剤とは異なる。いくつかの態様において、対象は、免疫アッセイによって測定される生体試料中のRANタンパク質の上昇した、または低減したレベルの検出に基づき、治療剤の増大した、または減少した用量を投与される。
本開示によって記載される方法およびキットは、特定の期間にわたって(例として、処置の経過にわたって縦断的に)対象におけるRANタンパク質のレベルを測定することを可能にし、それによってある処置(例として、CAG・CTG伸長反復関連疾患を処置するための治療剤)の治療効果の査定を提供する。
いくつかの側面において、本開示は、対象におけるRANタンパク質レベルの薬物動態変化を測定するための方法に関する。いくつかの態様において、方法は、RANタンパク質のホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体を含む免疫アッセイを使用して、対象から得られた第1の生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出すること;RANタンパク質のホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体を含む免疫アッセイを使用して、対象から得られた第2の生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出すること、ここで第2の生体試料は、対象への治療剤の投与後に得られる;および対象への治療剤の投与が、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量とは異なる場合に、対象における1以上のRANタンパク質レベルの変化をもたらすと決定すること、を含む。いくつかの態様において、対象への治療剤の投与は、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量未満である場合に、対象における1以上のRANタンパク質レベルの変化をもたらす。対象への治療剤の投与は、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量よりも多い場合に、対象における1以上のRANタンパク質レベルの変化をもたらす。
いずれの具体的な理論によっても拘束されることは望まないが、生体試料中の検出(例として、RANタンパク質レベルの定量化)は、試料が得られる対象における治療剤またはレジメンの有効性を決定するために使用され得る。例えば、CAG・CTG伸長反復関連疾患の処置のための治療剤の投与後の対象における1以上のRANタンパク質の減少したレベル(例として、投与前の対象において測定されたRANタンパク質のレベルと比べて)を測定することは、CAG・CTG伸長反復関連疾患について治療剤が対象を有効に処置することを指示する。CAG・CTG伸長反復関連疾患の処置のための治療剤の投与後の対象における1以上のRANタンパク質の上昇したレベル(例として、投与前の対象において測定されたRANタンパク質のレベルと比べて)を測定することは、CAG・CTG伸長反復関連疾患について治療剤が対象を有効に処置しないことを指示する。
本明細書に使用されるとき、「変わりがないかまたは上昇した」は、生体試料(例として、血清試料)中に存在する1以上のRANタンパク質のレベルが、既定の閾値または対照試料中の1以上のRANタンパク質のレベルなどの対照レベル以上である(例として、それより多い)ことを意味する。対照および対照レベルは、RANタンパク質の発現、翻訳、および/または蓄積に関連する疾患または障害(例として、HD、SCA、DM1等)を有しないかまたは有すると疑われていない対象から得られた(例として、検出された)RANタンパク質レベルを包含する。いくつかの態様において、対照または対照レベルは、治療剤(例として、抗RANタンパク質抗体)の投与前のRANタンパク質レベルを包含する。変わりがないレベルは、対照レベルと同じであるレベルである。上昇したレベルは、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、または500%超対照レベルを上回るレベルを包含する。上昇したレベルはまた、現象がゼロ状態(例として、RANタンパク質発現またはレベルがないかまたは検出不能である)から非ゼロ状態(例として、RAN抗体発現または存在のレベルがいくらかあるかまたは検出可能である)まで増大することを包含する。いくつかの態様において、変化の欠如または増大(例として、対照または前の試料と比べての試料中の1以上のRANタンパク質のレベルの変化の欠如または増大)は、治療剤の治療効果の欠如(例として、試料が得られた対象における治療効果の欠如)を指示し得る。いくつかの態様において、RANタンパク質の発現、翻訳、および/または蓄積に関連する疾患または障害(例として、HD、SCA、DM1等)の処置のための治療剤の投与後の対象において1以上のRANタンパク質の変化の欠如したまたは上昇したレベル(例として、投与前の対象において測定されたRANタンパク質のレベルと比べて)を測定することは、RANタンパク質の発現、翻訳、および/または蓄積に関連する疾患または障害について治療剤が対象を有効に処置しないことを指示する。
本明細書に使用されるとき、「減少した」は、1以上のRANタンパク質のレベルが、既定の閾値または対照試料中の1以上のRANタンパク質のレベルなどの対照レベルを下回る(例として、未満である)ことを意味する。対照および対照レベルは、RANタンパク質の発現、翻訳、および/または蓄積に関連する疾患または障害(例として、HD、SCA、DM1等)を有しないかまたは有すると疑われていない対象から得られた(例として、検出された)RANタンパク質レベルを包含する。いくつかの態様において、対照または対照レベルは、治療剤(例として、抗RANタンパク質抗体)の投与前のRANタンパク質レベルを包含する。減少したレベルは、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、または500%超対照レベルを下回るレベルを包含する。減少したレベルはまた、現象が非ゼロ状態(例として、RANタンパク質の発現または存在がいくらかあるか検出可能である)からゼロ状態(例として、RANタンパク質の発現または存在がないかまたは検出不能である)まで減少することを包含する。いくつかの態様において、減少(例として、対照または前の試料と比べて試料中の1以上のRANタンパク質レベルのレベルにおける減少)は、治療剤の治療効果(例として、試料が得られた対象における治療効果)を指示し得る。いくつかの態様において、RANタンパク質の発現、翻訳、および/または蓄積に関連する疾患または障害(例として、HD、SCA、DM1等)の処置のための治療剤の投与後の対象において1以上のRANタンパク質の減少したレベル(例として、投与前の対象において測定されたRANタンパク質のレベルと比べて)を測定することは、RANタンパク質の発現、翻訳、および/または蓄積に関連する疾患または障害について治療剤が対象を有効に処置することを指示する。
本明細書に使用されるとき、対象における1以上のRANタンパク質レベルの「変化」は、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量とは異なる場合に生じる。第1の生体試料と比べて、1以上のRANタンパク質の上昇したレベルかまたは減少したレベルのいずれかが、第2の生体試料中で観察されたときに、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量は、第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量とは「異なる」とみなされる。
いくつかの態様において、処置後の試料において検出されるRANタンパク質のレベル(例として、量)が、処置前のRANタンパク質のレベル(例として、量)と比べて減少した場合、治療レジメンは、成功である。いくつかの態様において、処置後の試料において検出されるRANタンパク質のレベル(例として、量)が、処置前のRANタンパク質のレベル(例として、量)と比べて変わりがないかまたは増大した場合、治療レジメンは、成功ではない。いくつかの態様において、対象から得られた生体試料(例として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10よりも多い試料)中のRANタンパク質のレベルは、治療レジメンの間絶え間なくモニタリングされる(例として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10よりも多い別個の時に対して測定される)。
第1の生体試料と第2の生体試料とが得られる間の時間は、変更されてもよい。いくつかの態様において、第1の生体試料は、治療剤の投与(例として、治療剤の第1の投与)前1週間と1分との間に得られる。いくつかの態様において、第1の生体試料は、治療剤の投与(例として、治療剤の第1の投与)前1日(例として、24時間)と1分との間に得られる。いくつかの態様において、第2の生体試料は、治療剤の投与(例として、治療剤の第1の投与)後1分と6月との間に対象から得られる。いくつかの態様において、第2の生体試料は、治療剤の投与(例として、治療剤の第1の投与)後1日と1週間との間に対象から得られる。いくつかの態様において、第2の生体試料は、治療剤の投与(例として、治療剤の直近または最後の投与)後1日と1週間との間に対象から得られる。
いくつかの態様において、第2の生体試料は、治療剤の投与の約1時間、5時間、10時間、24時間(例として、1日)、48時間(例として、2日)、120時間(例として、5日)、30日、45日、または6月後に収集されてもよい。いくつかの態様において、いくつかの生体試料(例として、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くの生体試料)が、例えば、特定された時間枠(例として、治療経過の間)にわたって対象から得られ、および1以上のRANタンパク質が、検出される。
いくつかの態様において、本開示によって記載される方法は、生体試料(例として、第2の生体試料)中に検出されるRANタンパク質のレベルが、対照試料(例として、第1の生体試料)中に検出されるRANタンパク質のレベルと比べて変化する場合に、対象へ治療剤(例として、CAG・CTG伸長反復関連疾患の処置のための剤)を、投与するステップ、投与し続けるステップ、または投与を停止するステップ、を含む。いくつかの態様において、本開示によって記載される方法は、生体試料(例として、第2の生体試料)中に検出されるRANタンパク質のレベルが、対照試料(例として、第1の生体試料)中に検出されるRANタンパク質のレベルと比べて減少した場合(例として、検出されるRANタンパク質のレベルが、治療剤の投与に続いて変化しないかまたは減少した場合)に、対象へ治療剤(例として、CAG・CTG伸長反復関連疾患の処置のための剤)を投与するステップ、または投与し続けるステップを含む。いくつかの態様において、本開示によって記載される方法は、生体試料(例として、第2の生体試料)中に検出されるRANタンパク質のレベルが、対照試料(例として、第2の生体試料)中に検出されるRANタンパク質のレベルと比べて上昇した場合(例として、検出されるRANタンパク質のレベルが、治療剤の投与に続いて増大した場合)に、対象への治療剤(例として、CAG・CTG伸長反復関連疾患の処置のための剤)の投与を停止するステップを含む。
本明細書に使用されるとき、「処置する」または「処置」は、(a)RANタンパク質に関連する疾患または障害の発病を予防または遅延させること;(b)RANタンパク質に関連する疾患または障害の重症度を低減させること;(c)RANタンパク質に関連する疾患または障害に特徴的な症状の発症を低減または予防すること;(d)RANタンパク質に関連する疾患または障害に特徴的な症状が悪化するのを予防すること;および/または(e)これまでにRANタンパク質に関連する疾患または障害の症状を示していた対象において症状の再発を低減または予防すること、を指す。
例えば、HDの文脈において、「処置する」または「処置」は、(a)HDの発病を予防または遅延させること;(b)HDの重症度を低減すること;(c)HDに特徴的な症状の発症を低減または予防すること;(d)HDに特徴的な症状の悪化を予防すること;および/または(e)これまでにHDの症状を示していた対象においてHDの症状の再発を低減または予防すること、を指す。
対象は、治療的に有効な量の1以上の治療剤を投与されてもよい。本明細書に使用されるとき、「有効量」は、RANタンパク質の翻訳または蓄積に関連する疾患または障害(例として、神経変性疾患)によって引き起こされる1以上の兆候または症状の処置または回復などの医学的に所望の結果を提供するのに充分な治療剤の投薬量である。
ある態様において、有効量は、RANタンパク質のレベルを、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減する(例として、治療剤が投与されていない細胞または対象におけるRANタンパク質のレベルと比べてのRANタンパク質のレベル)のに有効な量である。ある態様において、有効量は、RANタンパク質の翻訳を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減する(例として、治療剤を投与されていない細胞または対象におけるRANタンパク質のレベルと比べてのRANタンパク質のレベル)のに有効な量である。ある態様において、有効量は、RANタンパク質の発現を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減する(例として、治療剤が投与されていない細胞または対象におけるRNAタンパク質のレベルと比べてのRANタンパク質のレベル)のに有効な量である。ある態様において、有効量は、RANタンパク質の凝集を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%低減する(例として、治療剤を投与されていない細胞または対象におけるRANタンパク質のレベルと比べてのRANタンパク質のレベル)のに有効な量である。
有効量は、処置される対象の齢および体調、対象における疾患または障害の重症度(例として、RANタンパク質の蓄積の量、またはかかる蓄積によって引き起こされる細胞毒性)、処置の期間、いずれかの併用治療の性質、特定の投与ルート健康実践者の知識および見解内の同様の因子によって変わるだろう。いくつかの態様において、治療的に有効な量は、対象において抗RANタンパク質抗体の産生を誘発するのに充分なワクチンの量である。
キット
いくつかの側面において、本開示は、本明細書に記載のとおりの1以上の抗RANタンパク質抗体を含有する第1の容器、および1以上の検出可能な試薬を含有する第2の容器を含む、キットを提供する。いくつかの態様において、1以上の抗RAN抗体は、RANタンパク質の1以上のホモポリマーの反復領域、例えば、ポリロイシン反復領域またはポリセリン反復領域に結合する。いくつかの態様において、1以上の検出可能な試薬は、ルテニウム複合体、例えば、ルテニウム(II)トリス-ビピリジン-(4-メチルスルホン)([Ru(Bpy)+2とも称される)、またはその塩を含む。いくつかの態様において、キットは、対照試料を含有する第3の容器を含む。対照試料は、陰性対照試料(例として、1以上のRANタンパク質を含有しないかまたは欠いている対照試料)であっても、または陽性対照試料(例として、1以上のRANタンパク質を含む対照試料であって、任意にここで試料中の1以上のRANタンパク質の量は既知である)であってもよい。

この例は、対象の生体試料中の反復関連非ATG(RAN)タンパク質の翻訳の検出を記載する。RANタンパク質は、図1に示されるとおり、いくつかの神経変性疾患に関連する伸長反復領域から翻訳されるであろう。いくつかの態様において、伸長反復領域は、CAG反復伸長および/またはCTG反復伸長を含む。ポリセリンおよびポリロイシンRANタンパク質などのRANタンパク質のホモポリマーの反復領域を標的にする新規な抗体(例として、ポリクローナル抗体)が、産生された。反復領域を標的にする抗体は、本明細書において、「抗ポリSER」および「抗ポリLEU」と呼ばれる。ホモポリマーの反復領域を標的にする抗体は、様々なCAG・CTG反復関連疾患において産生されるRANタンパク質を検出することができるという利点を提供する(図3)。しかしながら、ホモポリマーの反復タンパク質は、しばしば宿主生物において免疫原性応答を誘発するために必要とされる構造上の複雑さを欠いているために、かかる抗体を産生することは一般に困難である。
図4~21は、脊髄小脳失調症(SCA)(例として、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8等)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、および筋強直症ジストロフィー(DM1)などのいくつかの神経変性疾患におけるポリセリンRANタンパク質の検出を記載する。RANタンパク質は、免疫組織化学、免疫蛍光顕微鏡法、およびウェスタンブロットによってトランスフェクトされた細胞および患者由来の試料の両方において検出された。
図22~32は、脊髄小脳失調症(SCA)(例として、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8等)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、および筋強直症ジストロフィー(DM1)などのいくつかの神経変性疾患におけるポリロイシンRANタンパク質の検出を記載する。RANタンパク質は、免疫組織化学、免疫蛍光顕微鏡法、およびウェスタンブロットによってトランスフェクトされた細胞および患者由来の試料の両方において検出された。
図33および34は、図1~32に示される代表的なデータの概要を提供する。
本明細書に含有されるデータは、新規なポリLeuおよびポリSerタンパク質が、7つのCAG/CTG伸長障害においてセンスおよびアンチセンス転写産物から作製されることを実証する。ポリLeuおよびポリSerタンパク質が、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、HDL2、およびDM1患者のヒト剖検脳において凝集することもまた実証された。ポリLeuおよびポリSerタンパク質の両方は、罹患した脳領域-SCAについての小脳、DM1についての前頭皮質、およびHDL2についての線条体、において頻繁に染色することを示す。図面に示されるとおり、連続切片染色は、ポリLeuおよびポリSer反復が、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびDM1の白質変化を有する領域に存在し、DM1においては確立された病原性異常を有することを示す。ポリLeuおよびポリSerが、ミクログリアの活性化を有する領域において見出されることもまた本明細書において示される。
図35A~35Dは、SerおよびLeu反復モチーフに対する新規な反復抗体の検証を示す。flagタグ付けされたポリSerおよびポリLeu反復タンパク質を発現するために使用されたコンストラクトを、HEK293T細胞にトランスフェクトした。図35Aおよび35Bは、α-Flag(円で囲われた)および矢印で示される新しく開発された反復抗体:α-ポリSer(図35A)およびα-ポリLeu(図35B)の共局在化を実証する、トランスフェクトされた細胞の免疫蛍光を示す。空のベクターをトランスフェクトされた細胞(中段、図35Aおよび35B)または免疫前血清を一次抗体として使用したとき(下段、図35Aおよび35B)においては、シグナルは検出されなかった。図35Cおよび35Dは、これまでに検証されたHDポリSerおよびHDポリLeu C末端抗体を使用して得られたそれらを有するそれらのシグナルと比べることによって、新しく生成された反復抗体の特異性を検証する、HDの前頭皮質に対する免疫組織化学的実験を示す。シグナル(矢印)は、HD試料においては特異的に検出されたが(上段、図35Cおよび35D)、対照試料については検出されなかった(下段、図35Cおよび35D)。
図36は、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびSCA5(陰性対照)のヒト小脳におけるRAN-ポリSer染色を示す。免疫組織化学は、小脳にわたるポリSerの蓄積を示す。陽性領域は、歯状核の周囲のバーグマングリア、白質(WM)、および深部白質(DWM)領域を包含する。非罹患者またはSCA5陰性対照においてシグナルは検出されなかった。*矢印(
Figure 2022551718000003
)=陽性染色、矢印(→)=核の対比染色。
図37A~37Uは、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびSCA5(陰性対照)のヒト小脳におけるポリSerRANタンパク質を示す。α-Ser抗体を用いた免疫組織化学的染色は、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、およびSCA7の小脳性の領域における核および細胞質の強く頻出するシグナルを示す。ポリSer凝集体は、バーグマングリア(図37D、37G、37J、37M、37P)、皮質白質領域(図37E、37H、37K、37N、37Q)の周囲、およびより頻繁には歯状核付近の深部白質領域(図37F、37I、37L、37O、37R)において、疾患間およびケース間でのいくらかのばらつきと共に顕著に検出される。健常な対照(図37A~37C)およびSCA5(図37S~37U)のケースは、ポリLeuシグナルについて陰性である。
図38A~38Uは、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびSCA5(陰性対照)の小脳におけるRANポリSerの蓄積を示す。ポリLeu反復モチーフに対する抗体を使用する免疫染色は、頻出するポリLeu凝集体を示す。ポリLeu陽性領域は、プルキンエ細胞およびバーグマングリア(図38D、38G、38J、38M、38P)、皮質白質(図38E、38H、38K、38N、38Q)、および歯状核の周囲のニューロンならびにグリア細胞(図38F、38I、38L、38O、38R)を包含する。ポリLeuの蓄積は、白質領域においてより顕著である。ポリLeu凝集体は、核、細胞質、またはニューロピルにおいてあり得る。陰性対照は、健常(図38A~38C)およびSCA5(図38S~38U)のケースを包含する。
図39A~39Uは、RANポリLeu凝集体がSCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、およびSCA5(陰性対照)のケースの小脳において蓄積することを示す。免疫組織化学は、ポリLeuの蓄積パターンおよび頻度を示す。ポリLeuは、核の、細胞質の、またはニューロピルの凝集体として蓄積する。ポリLeu陽性領域は、プルキンエ細胞およびバーグマングリア(図39D、39G、39J、39M、39P)、皮質白質(図39E、39H、39K、39N、39Q)、および歯状核の周囲のニューロンおよびグリア細胞(図39F、39I、39L、39O、39R)を包含する。陰性対照は、健常(図39A~39C)およびSCA5(図39S~39U)のケースを包含する。
図40A~40Jは、患者の小脳におけるC末端抗体を使用したポリSerおよびポリLeuRANタンパク質の検出を示す。免疫組織化学は、各タンパク質についてユニークなC末端領域に対する抗体を使用した、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、およびSCA7の小脳の白質領域におけるポリSer(図40A、40C、40E、40G、40I)およびポリLeu(図40B、40D、40F、40H、40J)の蓄積を示す。各抗体についてのエピトープは、灰色の枠、および以下の配列識別子によって指し示す:図40A(配列番号17);図40B(配列番号18);図40C(配列番号19);図40D(配列番号20);図40E(配列番号21);図40F(配列番号22);図40G(配列番号23);図40H(配列番号24);図40I(配列番号25);および図40J(配列番号26)。C末端抗体を使用した免疫組織化学は、反復抗体を使用した免疫組織化学的実験において検出されるものと同様のシグナルおよびRANタンパク質の蓄積パターンを実証する。
図41A~41Hは、ポリSerおよびポリLeuRANタンパク質がSCA1、SCA3およびHDマウスにおいて蓄積することを示す。SCA3(図41A)およびSCA1(図41B)マウスの皮質領域の免疫組織化学的染色は、斑点状の凝集体としてポリSerの蓄積を示す。図41Cおよび41Dは、ポリSerが、プルキンエ細胞において導入遺伝子を特異的に発現する、pcp2-Atxn1 82Qマウスに対して検出されない一方で、これらの細胞におけるポリGlnの検出は、非常に確固たるものであることを示す。図41Eおよび41Fは、ポリSer陽性細胞が、HDノックインマウスの皮質において検出されることを示す。対立遺伝子のシリーズに対する免疫組織化学は、ポリSerの蓄積が、より長いCAG反復でより明白であり(図41E)、およびマウスの齢と共に増加する(図41F)ことを示す。アンチセンスRANポリLeu凝集体は、SCA3(図41G)およびHDマウス(図41H)において検出される。
図42A~42Yは、ポリSerおよびポリLeuRANタンパク質が病的状態のマーカーを示す領域において蓄積することを示す。連続切片の免疫組織化学は、Iba1染色で指し示されるように、豊富なRANタンパク質の蓄積を有する白質領域が増大したミクログリアの増殖(網目状)および活性化(アメーバ状)を有することを示す(図42V~42Y)。ポリSerおよびポリLeuRANの顕著な蓄積を有する領域は、ルクソール・ファスト・ブルー染色(LFB)で指し示されるように、白質の完全性の喪失を提示する(図42Q-42T)。ポリGln凝集体は、稀である(1C2染色;図42B~42E)。図42A~42Eは、対照(図42A)、SCA1(図42B)、SCA2(図42C)、SCA3(図42D)、およびSCA7(図42E)の組織のIC2染色を示す。図42F~42Jは、(図42F)、SCA1(図42G)、SCA2(図42H)、SCA3(図42I)、およびSCA7(図42J)のポリSer染色を示す。図42K~42Oは、対照(図42K)、SCA1(図42L)、SCA2(図42M)、SCA3(図42N)、およびSCA7(図42O)のポリLeu染色を示す。図42P~42Tは、対照(図42P)、SCA1(図42Q)、SCA2(図42R)、SCA3(図42S)、およびSCA7(図42T)のLFB染色を示す。図42U~42Yは、対照(図42U)、SCA1(図42V)、SCA2(図42W)、SCA3(図42X)、およびSCA7(図42Y)のIba1染色を示す。
図43A~43Yは、ポリSerおよびポリLeuRANタンパク質が、病的状態のマーカーを示す領域に蓄積することを示す。画像は、RANポリSerおよびRANポリLeu凝集体の頻度、ミクログリア陽性細胞、白質損傷の程度、および少量のポリGln凝集体を示す低倍率のフィールドを示す。図43A~43Eは、対照(図43A)、SCA1(図43B)、SCA2(図43C)、SCA3(図43D)、およびSCA7(図43E)の組織のIC2染色を示す。図43F~43Jは、対照(図43F)、SCA1(図43G)、SCA2(図43H)、SCA3(図43I)、およびSCA7(図43J)のポリSer染色を示す。図43K~43Oは、対照(図43K)、SCA1(図43L)、SCA2(図43M)、SCA3(図43N)、およびSCA7(図43O)のLeu染色を示す。図43P~43Tは、対照(図43P)、SCA1(図43Q)、SCA2(図43R)、SCA3(図43S)、およびSCA7(図43T)のLFB染色を示す。図43U~43Yは、対照(図43U)、SCA1(図43V)、SCA2(図43W)、SCA3(図43X)、およびSCA7(図43Y)のIba1染色を示す。
図44A~44Fは、ポリSerおよびポリLeu凝集体が、疾患の進行と共に増大することを示す。SCA6のヒト脳橋の免疫染色は、脳橋の白質路の周囲のRANポリSerおよびポリLeuタンパク質の凝集体を示す(図44A、44B、44D、および44E)。ポリSerおよびポリLeu凝集体は、サイズが可変であり、および後期の疾患の検死のケースにおいて頻繁に見出される(図44Aおよび44D)。対照的に、疾患に先立つ早期死亡が文書で記録されている検死のケースは、稀に、より小さな凝集体を示す(図44Bおよび44E)。健常な対照は、いずれのシグナルも示さなかった(図44Cおよび44F)。

Claims (36)

  1. 対象における1以上のRANタンパク質を検出するための方法であって、以下:
    (i)対象から得られた生体試料とRANタンパク質ホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体とを接触させて、抗RAN抗体-標的RANタンパク質複合体を形成すること;
    (ii)複合体と検出可能な剤とを接触させて、標識化複合体を形成すること;
    (iii)標識化複合体を検出すること;および
    (iv)標識化複合体の存在に基づき、対象が、CAGおよび/またはCTG伸長反復関連疾患を有することを同定すること、
    を含む、前記方法。
  2. 生体試料が、血液試料、血清試料、または組織試料であって、任意にここで組織試料が、CNS組織試料または脳脊髄液(CSF)試料である、請求項1に記載の方法。
  3. 対象が、哺乳動物の対象であり、任意にここで対象が、ヒトまたはマウスである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 抗RANタンパク質抗体が、ポリセリン反復領域またはポリロイシン反復領域を標的にする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 抗RANタンパク質抗体が、ポリクローナル抗体である、請求項4に記載の方法。
  6. 抗RANタンパク質抗体が、RANタンパク質のいずれの他の部分にも結合しない、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 伸長反復関連疾患が、脊髄小脳失調症(SCA)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、または筋強直症ジストロフィー(DM1)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 検出可能な剤が、抗体、フルオロフォア、化学発光剤、または電気化学発光剤である、請求項7に記載の方法。
  9. 検出することが、免疫組織化学アッセイ、免疫蛍光アッセイ、電気化学発光アッセイ、またはウェスタンブロットを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 電気化学発光アッセイが、Meso Scale検出(MSD)アッセイである、請求項9に記載の方法。
  11. 対象へ治療剤を投与するステップをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 治療剤が、小分子、抗体、ペプチド、または阻害性核酸である、請求項11に記載の方法。
  13. 抗体が、抗RANタンパク質抗体である、請求項12に記載の方法。
  14. 治療剤の投与後に対象から第2の生体試料を得るステップおよび第2の生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出するステップ、を含む請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 対象におけるRANタンパク質レベルの薬物動態変化を測定するための方法であって、以下:
    (i)RANタンパク質ホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体を含む免疫アッセイを使用して、対象から得られた第1の生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出すること;
    (ii)RANタンパク質ホモポリマーの反復を標的にする抗RANタンパク質抗体を含む免疫アッセイを使用して、対象から得られた第2の生体試料中の1以上のRANタンパク質を検出すること、ここで第2の生体試料は、対象への治療剤の投与後に得られる;および
    (iii)第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量とは異なる場合に、対象への治療剤の投与が、対象における1以上のRANタンパク質レベルの変化をもたらすことを決定すること、
    を含む、前記方法。
  16. 第1の生体試料および/または第2の生体試料が、血液試料、血清試料、または組織試料であり、任意にここで組織試料が、CNS組織試料または脳脊髄液(CSF)試料である、請求項15に記載の方法。
  17. 抗RANタンパク質抗体が、ポリセリン反復領域またはポリロイシン反復領域を標的にし、任意にここで抗RANタンパク質抗体が、ポリクローナル抗体である、請求項15または16に記載の方法。
  18. 対象が、CAGおよび/またはCTG伸長反復疾患を有するとして特徴づけられる、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 対象が、脊髄小脳失調症(SCA)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン病類縁疾患2型(HDL2)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、および筋強直症ジストロフィー(DM1)から選択される伸長反復関連疾患を有する、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 対象が、哺乳動物、任意にヒトである、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 以下:
    (i)RANタンパク質のポリセリンまたはポリロイシン反復領域を標的にする1以上の抗RANタンパク質抗体;および
    (ii)免疫アッセイプレートおよび/または試薬、
    を含むキット。
  22. 免疫アッセイプレートおよび/または試薬が、MSDアッセイプレートおよび/またはMSDアッセイ試薬である、請求項21に記載のキット。
  23. SCAが、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、またはSCA17のいずれか1つである、請求項7または19に記載の方法。
  24. 第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量未満である場合に、対象への治療剤の投与が、対象における1以上のRANタンパク質の変化がもたらすことを決定することを含む、請求項15に記載の方法。
  25. 第2の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量が、第1の生体試料中に検出されたRANタンパク質の量よりも多い場合に、対象への治療剤の投与が、対象における1以上のRANタンパク質レベルの変化をもたらすことを決定することを含む、請求項15に記載の方法。
  26. 治療剤の投与を継続することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  27. 治療剤の投与を停止することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  28. (iii)対照試料をさらに含む、請求項21に記載のキット。
  29. 対照試料が、1以上のRANタンパク質を含む、請求項23に記載のキット。
  30. 対照試料が、1以上のRANタンパク質を含まない、請求項23に記載のキット。
  31. 抗体を産生する方法であって、配列番号17~26のいずれか1つで表される配列を含むペプチド抗原を細胞または対象に投与することを含む、前記方法。
  32. 抗体が、ポリ(Ser)RANタンパク質またはポリ(Leu)RANタンパク質へ特異的に結合する、請求項31に記載の方法。
  33. 対象から抗体を単離するステップをさらに含む、請求項31または32に記載の方法。
  34. 対象が、哺乳動物の細胞である、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 哺乳動物の細胞が、B細胞である、請求項34に記載の方法。
  36. 対象が、哺乳動物、任意にここで哺乳動物が、ヒト、ヤギ、ウサギ、モルモット、またはマウスである、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
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