JP2022550450A - 神経毒性を処置するための方法および材料 - Google Patents
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Abstract
本文書は、神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を有する哺乳動物を処置するための方法および材料に関する。たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998などの1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を含む組成物)を、神経毒性を有する哺乳動物に投与して、哺乳動物を処置することが可能である。
Description
関連出願の相互参照
本出願は2019年10月2日に出願された米国特許出願第62/909,694号の利益を主張するものである。先行出願の開示は本出願の開示の一部とみなされる(かつ参照により本出願の開示に組み込まれる)。
本出願は2019年10月2日に出願された米国特許出願第62/909,694号の利益を主張するものである。先行出願の開示は本出願の開示の一部とみなされる(かつ参照により本出願の開示に組み込まれる)。
本文書は、神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を有する哺乳動物を処置するための方法および材料に関する。たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物などの1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を含む組成物)を、哺乳動物を処置するのに有効な量で神経毒性を有する哺乳動物に投与することが可能である。
多発性骨髄腫の主要臨床試験において、ボルテゾミブ(BTZ)単独または併用療法は、全奏功率の向上、病勢進行までの時間の延長、全生存率の上昇などの臨床的に重要な恩恵をもたらすことが示された(Chen et al., 2011 Curr Cancer Drug Targets 11(3):239-253; Knopf et al., 2014 Clin Lymphoma Myeloma Leuk 14(5):380-388; Aguiar et al., 2017 Crit Rev Oncol Hematol 113:196-212; and Sun et al., 2017 Biosci Rep 37(4):BSR20170304)。
しかしながら、化学療法剤誘発性末梢神経毒性(CIPN)は化学療法抗がん剤による重篤な副作用である(Argyriou et al., 2012 Crit Rev Oncol Hematol 82:51-77; Cavaletti et al., 2010 Nat Rev Neurol 6:657-666; Grisold et al., 2012 Neurol Oncol 14(Suppl 4):45-54; and Flatters et al., 2017 Br J Anaesth 119:737-749)。CIPNは、運動ニューロンおよび感覚ニューロンに悪影響を及ぼし、神経線維の変性を引き起こす(Carozzi et al., 2013 PLoS One 8:e72995; Cavaletti et al., 2007 Exp Neurol 204:317-325; Gilardini et al., 2012 Neurotoxicol 33:1-7; and Quartu et al., 2014 Biomed Res Int 2014:180428)。化学療法の1カ月以内に、がん患者の68%がCIPNを発症する(Seretny et al., 2014 Pain 155:2461-2470)。現在の薬物療法は、CIPNの病態生理をターゲットにしておらず、障害を逆転させることはできない(Starobova et al., 2017 Front Mol Neurosci 10:174; and Hershman et al., 2014 J Clin Oncol 32:1941-1967)。
化学療法剤を用いた処置中にCIPNを処置することおよび/または予防することは、依然として満たされない医療ニーズのままである。
本文書は、神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または神経毒性を発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性を伴う化学療法剤の投与が予定または予想される哺乳動物)を処置するための方法および材料を提供するものである。たとえば、1種または複数の(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を、神経毒性を有する哺乳動物に投与して、哺乳動物を処置することが可能である。いくつかの場合では、神経毒性を有する、または神経毒性を発現するリスクのある哺乳動物に、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を投与して、哺乳動物を処置することが可能である。
CX-8998は、T型カルシウムチャネルの活性を低減することができ、ヒトなどの哺乳動物に使用しても安全なT型カルシウムチャネルの強力かつ高選択的な電位活性化型負性アロステリック調節因子である(Egan et al., 2013 Hum Psychopharmacol. 28(2):124-133; and Papapetropoulos et al., 2018 Mov Disord. 33(S2):S14 (abstract 29))。本明細書で実証されるように、CX-8998とBTZとの共処置(たとえば、両方の投与)はインビトロでのヒト多発性骨髄腫細胞株に対するBTZ活性、またはインビボでの多発性骨髄腫細胞株RPMI-8226細胞に対するBTZ活性を妨害しなかった。本明細書で実証されるように、CX-8998とBTZとの共処置はBTZ誘発性神経毒性を逆転させた。たとえば、CX-8998(10および30mg/kg)とBTZとの共処置は、BTZ誘発性プロテアソーム阻害を妨害することなく、BTZ誘発性神経伝導速度(NCV)低下を逆転させた。たとえば、CX-8998(30mg/kg)とBTZの共処置は、BTZ誘発性β-チューブリン重合および神経線維喪失を低減した。神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を低減するまたは除去する能力を有することは、化学療法の神経毒性副作用を低減または除去しつつ、化学療法の治療的恩恵(たとえば、抗がん効果)を最大限にする、唯一かつ未実現の機会を与える。たとえば、神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を低減するまたは除去する能力は、不十分ながん処置および/または生存期間の短縮をもたらし得る任意の用量の減少または終了を必要とすることなく、患者が化学療法に耐えることを可能にすることができる。
一般に、本文書の一態様は、神経毒性を有する哺乳動物を処置するための方法を特徴とする。方法は、哺乳動物における神経毒性の症状を低減するために、T型カルシウムチャネル調節因子またはその塩を含む有効量の組成物を哺乳動物に投与することを含むか、または本質的にそれからなることが可能である。方法は、哺乳動物が神経毒性を有すると特定することを含むことも可能である。哺乳動物はヒトでもよい。神経毒性は化学療法剤誘発性神経毒性でもよい。上記化学療法剤誘発性神経毒性はボルテゾミブ誘発性神経毒性でもよい。神経毒性を有する哺乳動物は、その化学療法剤を投与されて、哺乳動物内のがんを処置したことがある可能性がある。がんは、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、白血病、消化管がん、肺がん、精巣がん、卵巣がん、脳腫瘍、子宮がん、前立腺がん、骨がん、乳がん、または膀胱がんでもよい。症状は、疼痛、四肢脱力、四肢痺れ、痒み、知覚障害、麻痺、無嗅覚、下垂症、慢性咳嗽、運動機能障害、記憶喪失、視力低下、頭痛、認知障害、脳症、認知症、気分障害、便秘、性機能障害、膀胱性尿閉、出血、またはそれらの任意の組合せでもよい。T型カルシウムチャネル調節因子は負性調節因子でもよい。負性調節因子は負性アロステリック調節因子でもよい。T型カルシウムチャネル調節因子はT型カルシウムチャネル活性を低減することができる。T型カルシウムチャネル調節因子は、CX-8998を含むことができる。CX-8998は塩の形態でもよい。T型カルシウムチャネル調節因子は、CX-8998の代謝産物を含むことができる。CX-8998の代謝産物は、
別段に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を使用して本発明を実施することができるが、好適な方法および材料について以下に記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾が生じた場合は、定義を含めて本明細書が優先される。さらに、材料、方法および実施例は例示に過ぎず、限定することを意図していない。
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細を、添付図面および以下の説明に記載する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本文書は、神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または神経毒性を発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性を伴う化学療法剤の投与が予定または予想される哺乳動物)を処置するための方法および材料を提供するものである。たとえば、1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を、神経毒性を有する哺乳動物に投与して、哺乳動物を処置することが可能である。いくつかの場合では、神経毒性を有する、または神経毒性を発現するリスクのある哺乳動物に、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子および/またはその1種または複数の代謝産物を投与して、哺乳動物を処置することが可能である。
いくつかの場合では、神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)に1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を投与して、神経毒性の1種または複数の症状を低減するまたは除去することが可能である。たとえば、本明細書に記載のように1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を哺乳動物に投与して、神経毒性の1種または複数の症状の重症度を、たとえば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95パーセント以上低減させることができる。いくつかの場合では、神経毒性の症状は、遅延症状(たとえば、神経毒性が発現した後、数時間、数日、または数週間検出されないことがある)となることがある。本明細書に記載の方法により低減または除去することができる神経毒性の症状の例としては、限定されないが、疼痛、脱力(たとえば、四肢脱力)、痺れ(たとえば、四肢痺れ)、痒み、知覚障害、麻痺、無嗅覚、下垂症、慢性咳嗽、運動機能障害、記憶喪失、視力低下、頭痛、認知障害、脳症、認知症、気分障害、便秘、性機能障害、膀胱性尿閉、および/または出血が挙げられる。
神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある任意の適切な哺乳動物(たとえば、ヒト)は、本明細書に記載のようにCX-8998またはその代謝産物などの1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を投与することにより処置することが可能である。いくつかの場合では、神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物はその哺乳動物が神経毒性を発現しやすくなる疾患または障害を有することがある。本明細書に記載のように処置することが可能である神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物の例としては、限定されないが、ヒト、サルなどの非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、マウス、およびラットが挙げられる。いくつかの場合では、神経毒性を有する、または発現するリスクのあるヒトは、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子をヒトに投与することにより処置することが可能である。
任意の適切な神経毒性は、本明細書に記載のようにCX-8998またはその代謝産物などの1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を投与することにより処置することが可能である。神経毒性は、神経系の任意の適切な部位に影響を与える(たとえば、損傷を与える)可能性がある。いくつかの場合では、神経毒性は中枢神経系(CNS)に存在し得る。いくつかの場合では、神経毒性は末梢神経系(PNS)に存在し得る。いくつかの場合では、神経毒性はCNSとPNSの両方に存在し得る。神経毒性は、神経系にあらゆる種類の損傷を与える可能性がある。いくつかの場合では、神経毒性は神経組織(たとえば、1つまたは複数のニューロン)に対する可逆的な損傷を含むことができる。たとえば、神経毒性は、神経系の正常な活動を変化させることができる(たとえば、1つまたは複数のニューロンの機能を破壊することができる)。いくつかの場合では、神経毒性は、神経組織(たとえば、1つまたは複数のニューロン)への永久的な損傷を含むことができる。たとえば、神経毒性は、1つまたは複数のニューロンを死滅させるか、または機能を低下させることができる。いくつかの場合では、神経毒性は特定の物質への曝露により誘発される。神経毒性の原因としては、限定されないが、薬物療法(たとえば、化学療法)、放射線治療、重金属(たとえば、鉛および水銀)への曝露、糖尿病、ウイルス感染、神経損傷、遺伝性遺伝子状態(hereditary genetic conditions)、農薬への曝露、溶剤(例えば、工業溶剤および洗浄溶剤)への曝露、カビ、食品、食品添加物および毒素(例えば、自然発生毒素および人工毒素)への曝露が挙げられる。いくつかの場合では、神経毒性は化学療法剤により誘発される(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)。化学療法剤誘発性神経毒性では、神経毒性は任意の化学療法剤により引き起こされ得る。哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与したときに神経毒性を引き起こす可能性のある化学療法剤の例としては、限定されないが、プロテアソーム阻害剤(たとえば、VELCADE(登録商標)、CHEMOBORT(商標)、およびBORTECAD(商標)などのBTZ)、エポチロン、ビンカアルカロイド、タキサン、免疫調節薬、アントラサイクリン、シクロホスファミドおよびプラチナ系治療薬が挙げられる。化学療法剤誘発性神経毒性では、化学療法は、任意の種類のがんを有する哺乳動物(たとえば、ヒト)に実施され得る。いくつかの場合では、がんは1種または複数の固形腫瘍を含み得る。いくつかの場合では、がんは血液がんでもよい。いくつかの場合では、がんは、原発性がん、転移性がん、または再発性がんでもよい。化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある化学療法剤で処置され得るがんの例としては、限定されないが、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、白血病、消化管がん、肺がん、精巣がん、卵巣がん、脳腫瘍、子宮がん、前立腺がん、骨がん、乳がん、および膀胱がんが挙げられる。いくつかの場合では、多発性骨髄腫(たとえば、再発した多発性骨髄腫)を有し、化学療法剤誘発性(たとえば、BTZ誘発性)神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)は、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を哺乳動物に投与することにより処置することが可能である。
いくつかの場合では、神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)を処置するための方法は、哺乳動物が神経毒性を有する、または発現するリスクがあると特定することを含むことも可能である。哺乳動物が神経毒性を有する、または発現するリスクがあると特定するために任意の適切な方法を使用することができる。哺乳動物が神経毒性を有すると特定するために、たとえば、神経学的検査(たとえば、筋力、協調性、感覚、記憶および思考などの認知機能、ならびに視覚および発声などの神経学的検査)、神経学的画像化(たとえば、磁気共鳴画像化(MRI))、神経または皮膚生検、および/または筋電図検査(例えば、神経伝導速度)を使用することができる。哺乳動物が神経毒性を発現するリスクがあると(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性を発症しやすいと)特定するために、たとえば、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある化学療法剤(たとえば、BTZ)の現在の投与、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある化学療法剤(たとえば、BTZ)の予定された投与、年齢(たとえば、高齢の患者はリスクが高い)、ウイルス感染(たとえば、ヘルペス)、喫煙歴、傍腫瘍性抗体、クレアチニンクリアランスが低下した腎機能障害、既存の神経障害症状(たとえば、糖尿病、遺伝性神経障害、および/または神経毒への以前の曝露による)を使用することができる。
神経毒性(たとえば、化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクがあると特定されると、哺乳動物(たとえば、ヒト)に1種もしくは複数のT型カルシウムチャネル調節因子を投与する、または自己投与するように指示することが可能である。
T型カルシウムチャネル調節因子は、T型カルシウムチャネルを阻害することのできる任意の分子(たとえば、低分子、核酸、ポリペプチド、またはそれらの組合せ)でもよい。T型カルシウムチャネルは、電位活性化カルシウム3(Cav3)チャネルとも呼ばれ得る。いくつかの場合では、T型カルシウムチャネル調節因子はT型カルシウムチャネル拮抗剤でもよい。たとえば、T型カルシウムチャネル調節因子はT型カルシウムチャネル(たとえば、T型カルシウムチャネルのサブユニット)の発現を阻害(たとえば、低減または除去)することができる。いくつかの場合では、T型カルシウムチャネル調節因子はT型カルシウムチャネルの活性を阻害(たとえば、低減または除去)することができる(たとえば、チャネルに結合すること、またはそうでなければチャネルの活性を阻害もしくは遮断することを通して)。本明細書では、用語「CX-8998」は、構造アナログが本明細書に記載のCX-8998の医薬機能(たとえば、用量依存的な振戦の低減、発作の低減および/もしくは除去、ならびに/または疼痛の低減および/もしくは除去)を維持するという条件でCX-8998の構造アナログも指し得る。同様に、CX-8998の代謝産物は、構造アナログが本明細書に記載のCX-8998の代謝産物の医薬機能を維持するという条件でCX-8998の代謝産物の構造アナログも指し得る。いくつかの場合では、T型カルシウムチャネル調節因子がCX-8998であるとき、CX-8998は、CX-8998の代謝産物の1種または複数の代謝産物に代謝され得る(たとえば、T型カルシウムチャネル調節因子の哺乳動物への投与後に哺乳動物により代謝される)。CX-8998の化学名としては、限定されないが、(R)-2-(4-イソプロピルフェニル)-N-(1-(5-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリジン-2-イル)エチル)アセトアミドおよび2-(4-イソプロピルフェニル)-N-{1R)-1-(5-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピリジン-2-イル)エチル}アセトアミド塩酸塩が挙げられる。本発明の例示的なT型カルシウムチャネル調節因子としては、限定されないが、CX-8998(MK-8998とも呼ばれる)、CX-8998の代謝産物、CX-5395、およびCX-6526が挙げられる。いくつかの場合では、神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)はCX-8998を哺乳動物に投与することにより処置することが可能である。CX-8998の化学構造は、以下に示す通りである。
T型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)は任意の適切な形態でもよい。いくつかの場合では、T型カルシウムチャネル調節因子は塩基の形態(たとえば、化合物の遊離塩基形態)でもよい。いくつかの場合では、T型カルシウムチャネル調節因子は塩の形態(たとえば、化合物の塩形態)でもよい。CX-8998またはその代謝産物などのT型カルシウムチャネル調節因子が塩である場合では、塩は任意の適切な塩でもよい。たとえば、CX-8998塩としては、任意の適切な酸(たとえば、塩酸、クエン酸、臭化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、および酒石酸)で形成した塩などが挙げられ得る。たとえば、CX-8998はCX-8998塩酸塩(たとえば、CX-8998-HCl)でもよい。いくつかの場合では、CX-8998塩は重水素化され得る。
いくつかの場合では、T型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)は他の箇所で記載されている通りでもよい(たとえば、2019年10月3日に出願された表題「Treating Essential Tremor Using (R)-2-(4-Isopropylphenyl)-N-(1-(5-(2,2,2-Trifluoroethoxy)pyridin-2-yl)ethyl)acetamide」の国際特許出願を参照されたい)。
いくつかの場合では、T型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)は血液脳関門を通過することができる。たとえば、CX-8998またはその代謝産物は血液脳関門を通過することができる(たとえば、脳脊髄液(CSF)および/またはCNSに存在することができる)。いくつかの場合では、T型カルシウムチャネル調節因子は血液脳関門を通過することができない。
T型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)は選択的調節因子でもよい。この文脈での「選択的」とは、T型カルシウムチャネル調節因子が、他の電位活性化カルシウムチャネルと比較して、T型カルシウムチャネルを調節する際により強力であることを意味する。たとえば、T型カルシウムチャネル調節因子は、他の種類のカルシウムチャネル(たとえば、L型カルシウムチャネル、P型カルシウムチャネル、N型カルシウムチャネル、およびR型カルシウムチャネル)と比較して、T型カルシウムチャネルを調節する際により強力でもよい。たとえば、T型カルシウムチャネル調節因子は、他の種類のイオンチャネル標的(たとえば、塩素チャネル、カリウムチャネル、およびナトリウムチャネル)と比較して、T型カルシウムチャネルを調節する際により強力でもよい。選択性は、任意の適切な方法を使用して決定することができる。たとえば、選択性は、第1の種類のイオンチャネル(たとえば、T型カルシウムチャネル)を阻害する際のT型カルシウム調節因子のIC50と第2の種類のイオンチャネル(たとえば、ナトリウムチャネル)を阻害する際のそのIC50とを比較することにより決定することができる。第1の種類のチャネルを阻害するIC50が第2の種類のチャネルを阻害するIC50よりも低い場合、T型カルシウム調節因子は選択的であると考えることができる。0.1(以下)のIC50比は10倍(以上)の選択性を示す。0.01(以下)のIC50比は100倍(以上)の選択性を示す。0.001(以下)のIC50比は1000倍(以上)の選択性を示す。いくつかの場合では、CX-8998またはその代謝産物などのT型カルシウムチャネル調節因子は、他の種類のイオンチャネルと比較して、2倍以上、10倍以上、100倍以上、または1000倍以上のT型カルシウムに対する選択性を有し得る。たとえば、CX-8998またはその代謝産物などのT型カルシウムチャネル調節因子は、他のイオンチャネルに対して100倍を超える選択性を有し得る。いくつかの場合では、CX-8998またはその代謝産物などのT型カルシウムチャネル調節因子は、Cav3アイソフォームのいずれか(たとえば、Cav3.1、Cav3.2、および/またはCav3.3)に選択的に拮抗し得る。いくつかの場合では、CX-8998またはその代謝産物などのT型カルシウムチャネル調節因子は、Cav3アイソフォームの3つすべて(たとえば、Cav3.1、Cav3.2、およびCav3.3)に選択的に拮抗し得る。
いくつかの場合では、1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)は、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)への投与のための組成物(たとえば、薬学的に許容される組成物)に製剤化することが可能である。たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子は、1種または複数の薬学的に許容される担体(添加物)、賦形剤、および/または希釈剤と共に製剤化することが可能である。いくつかの場合では、薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤は、天然に存在しない薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤でもよい。いくつかの場合では、薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤は、合成の薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤でもよい。本明細書に記載の組成物中に使用することができる薬学的に許容される担体、賦形剤、および希釈剤の例としては、限定されないが、スクロース、ラクトース、デンプン(たとえば、デンプングリコール酸塩)、セルロース、セルロース誘導体(たとえば、微結晶性セルロースなどの変性セルロース、ならびにヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびセルロースエーテルであるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロースエーテル)、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ゼラチン、ポリマー(たとえば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、および架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム))、酸化チタン、アゾ色素、シリカゲル、ヒュームドシリカ、タルク、炭酸マグネシウム、植物性ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、抗酸化剤(たとえば、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸レチニル、およびセレン)、クエン酸、クエン酸ナトリウム、パラベン(たとえば、メチルパラベンおよびプロピルパラベン)、ペトロラタム、ジメチルスルホキシド、鉱油、血清タンパク質(たとえば、ヒト血清アルブミン)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、水、塩または電解質(たとえば、生理食塩水、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、および亜鉛塩)、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリアクリル酸塩、ろう、羊毛脂、レシチン、およびコーン油が挙げられる。
1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を含む組成物は、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)への任意の種類の投与のために設計することが可能である。たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を含む組成物は、神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物への経口または非経口(たとえば、限定されないが、皮下、筋肉内、静脈内、皮内、脳内、髄腔内、または腹腔内(i.p.)注射)投与のために設計することが可能である。経口投与に適した組成物としては、限定されないが、液体、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、ゲル、および顆粒が挙げられる。いくつかの場合では、CX-8998またはその代謝産物を含む組成物は、即時放出性経口剤形でもよい。いくつかの場合では、CX-8998またはその代謝産物を含む組成物は、制御(たとえば、遅延および/または持続)放出性経口剤形でもよい。いくつかの場合では、CX-8998またはその代謝産物を含む組成物は、少なくとも即時放出のために設計された第1の成分および制御放出のために設計された第2の成分を有する経口剤形でもよい。非経口投与に適した組成物としては、限定されないが、水性および非水性の無菌注射溶液が挙げられ、これは抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る。
1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を含む組成物を、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)に任意の適切な量(たとえば、任意の適切な用量)で投与することが可能である。たとえば、本明細書に記載の組成物は、神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物に有効量の1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を送達するように製剤化することが可能である。有効量は、投与経路、対象の年齢および全般的健康状態、賦形剤の使用、他の薬剤の使用などの他の治療的処置との共使用の可能性、および処置を行う医師の判断に応じて様々でもよい。1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を含む組成物の有効量は、哺乳動物に顕著な毒性(たとえば、神経組織以外の細胞への損傷(細胞毒性)、組織への損傷、および/または臓器への損傷(肝毒性など))を生じることなく、本明細書に記載の神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物を処置することのできる任意の量でもよい。たとえば、有効量のCX-8998は約10nM~約1000nM(たとえば、約10nM~約900nM、約10nM~約800nM、約10nM~約700nM、約10nM~約600nM、約10nM~約500nM、約10nM~約400nM、約10nM~約300nM、約10nM~約200nM、約10nM~約100nM、約10nM~約50nM、約50nM~約1000nM、約10nM~約1000nM、約100nM~約1000nM、約200nM~約1000nM、約300nM~約1000nM、約400nM~約1000nM、約500nM~約1000nM、約600nM~約1000nM、約700nM~約1000nM、約800nM~約1000nM、約900nM~約1000nM、約100nM~約900nM、約200nM~約800nM、約300nM~約700nM、約400nM~約600nM、約100nM~約300nM、約300nM~約500nM、約500nM~約700nM、または約700nM~約900nM)でもよい。いくつかの場合では、有効量のCX-8998は約10nM、約30nM、約100nM、約300nM、または約1000nMでもよい。たとえば、有効量のCX-8998は、1日あたり処置される哺乳動物の体重1kgあたり約10マイクログラム(μg/kg)~約1000μg/kg(たとえば、1日あたり約10μg/kg~約900μg/kg、約10μg/kg~約800μg/kg、約10μg/kg~約700μg/kg、約10μg/kg~約600μg/kg、約10μg/kg~約500μg/kg、約10μg/kg~約400μg/kg、約10μg/kg~約300μg/kg、約10μg/kg~約200μg/kg、約10μg/kg~約100μg/kg、約10μg/kg~約50μg/kg、約50μg/kg~約1000μg/kg、約100μg/kg~約1000μg/kg、約200μg/kg~約1000μg/kg、約300μg/kg~約1000μg/kg、約400μg/kg~約1000μg/kg、約500μg/kg~約1000μg/kg、約600μg/kg~約1000μg/kg、約700μg/kg~約1000μg/kg、約800μg/kg~約1000μg/kg、約900μg/kg~約1000μg/kg、約50μg/kg~約900μg/kg、約75μg/kg~約800μg/kg、約100μg/kg~約600μg/kg、約200μg/kg~約700μg/kg、約300μg/kg~約600μg/kg、約400μg/kg~約500μg/kg、約100μg/kg~約200μg/kg、約200μg/kg~約300μg/kg、約300μg/kg~約400μg/kg、約400μg/kg~約500μg/kg、約500μg/kg~約600μg/kg、約600μg/kg~約700μg/kg、約700μg/kg~約800μg/kg、または約800μg/kg~約900μg/kg体重)でもよい。いくつかの場合では、有効量のCX-8998は1日あたり約100μg/kg、約300μg/kg、または約600μg/kgでもよい。有効量は、処置に対する哺乳動物の反応に応じて、一定に維持することも、またはスライディングスケールもしくは変動用量として調整することも可能である。特定の用途に使用される実際の有効量には、様々な要因が影響する可能性がある。たとえば、投与頻度、処置期間、複数の処置剤の使用、投与経路、および/または処置されている哺乳動物における神経毒性の重症度によって、実際に投与する有効量の増加または減少が必要となる場合がある。
1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を含む組成物を、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)に任意の適切な頻度で投与することが可能である。投与頻度は、哺乳動物に顕著な毒性(たとえば、神経組織以外の細胞への損傷(細胞毒性)、組織への損傷、および/または臓器への損傷(肝毒性など))を生じることなく、神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物を処置することのできる任意の頻度でもよい。たとえば、投与頻度は、1日複数回程度(たとえば、BID)~1日1回程度、1日1回程度~1週間に1回程度、1週間に1回程度~1カ月に1回程度、1カ月に2回程度~1カ月に1回程度でもよい。投与頻度は、処置期間中、一定に維持することも、または可変であることも可能である。有効量と同様に、特定の用途に使用される実際の投与頻度には、様々な要因が影響する可能性がある。たとえば、有効量、処置期間、複数の処置剤の使用、および/または投与経路によって、投与頻度の増加または減少が必要となる場合がある。
1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を含む組成物を、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)に任意の適切な期間投与することが可能である。1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を含む組成物を投与するまたは使用するのに効果的な期間は、哺乳動物に顕著な毒性(たとえば、神経組織以外の細胞への損傷(細胞毒性)、組織への損傷、および/または臓器への損傷(肝毒性など))を生じることなく、神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物を処置することのできる任意の期間でもよい。たとえば、効果的な期間は、数日~数週間、数週間~数カ月、数カ月~数年、数年~一生と様々でもよい。いくつかの場合では、効果的な期間は約10年~約一生の期間の範囲でもよい。特定の処置に使用される実際の効果的な期間には、複数の要因が影響する可能性がある。たとえば、効果的な期間は、投与頻度、有効量、複数の処置剤の使用、および/または投与経路によって、様々でもよい。
いくつかの場合では、1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を含む組成物は、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)を処置するのに有効な組成物中に、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を唯一の活性成分として含むことができる。
いくつかの場合では、1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子(たとえば、CX-8998またはその代謝産物)を含む組成物は、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)を処置するのに有効な組成物中に、1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)の追加の活性剤(たとえば、治療剤)を含むことができる。
いくつかの場合では、本明細書に記載のようにCX-8998またはその代謝産物などの1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を投与することにより処置を受けている、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)はまた、1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)の追加の治療剤で処置することも可能である。本明細書に記載の1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子と併用される治療剤は、任意の適切な治療剤でもよい。いくつかの場合では、神経毒性の処置に使用される治療剤は、神経毒性の1種または複数の症状を低減するまたは除去することが可能な薬剤でもよい。神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物を処置するために、本明細書に記載の1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子と併用することができる治療剤の例としては、限定されないが、ステロイド(たとえば、コルチコステロイド)、鎮痛薬(たとえば、アセトアミノフェン、イブプロフェンおよびナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ならびにヒドロコドン、ヒドロモルホン、メタドン、モルヒネ、およびオキシコドンなどのオピオイド)、抗てんかん剤、および抗うつ剤(たとえば、セロトニン-ノルエピネフリン再取込み阻害剤(SNRI)、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、三環系抗うつ薬、およびモノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI))が挙げられる。いくつかの場合では、1種または複数の追加の治療剤を、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子と共に(たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を含み、1種または複数の追加の治療剤を含む組成物において)投与することが可能である。いくつかの場合では、1種または複数の追加の治療剤を、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子とは独立して投与することが可能である。1種または複数の追加の治療剤を、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子とは独立して投与するとき、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を先に投与し、1種または複数の追加の治療剤を次に投与することが可能であり、またはその逆も可能である。
いくつかの場合では、本明細書に記載の神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)を処置する(たとえば、CX-8998またはその代謝産物などの1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を投与することによる)ための方法は、哺乳動物に神経毒性を処置するのに有効な1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)の追加の処置(たとえば、治療的介入)を受けさせて哺乳動物を処置することを含むことも可能である。神経毒性を有する、または発現するリスクのある哺乳動物を処置するために、本明細書に記載のように使用することができる追加の処置の例としては、限定されないが、酸素療法(たとえば、高圧酸素療法)、作業療法、物理療法、手術、および瞑想が挙げられる。いくつかの場合では、神経毒性の1種または複数の症状を処置するのに有効な1種または複数の追加の処置は、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子の投与と同時に実施することができる。いくつかの場合では、神経毒性の1種または複数の症状を処置するのに有効な1種または複数の追加の処置は、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子の投与の前および/または後に実施することができる。
いくつかの場合では、本明細書に記載のようにCX-8998またはその代謝産物などの1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)のT型カルシウムチャネル調節因子を投与することにより処置を受けている、神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)に、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数(たとえば、1種、2種、3種、4種、5種以上)の化学療法剤を投与するか、または投与を予定することができる。哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある、本明細書に記載の1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子と併用することができる化学療法剤は、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある任意の適切な化学療法剤でもよい。哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある化学療法剤の例としては、限定されないが、プロテアソーム阻害剤(たとえば、VELCADE(登録商標)、CHEMOBORT(商標)、およびBORTECAD(商標)などのBTZ)、エポチロン、ビンカアルカロイド、タキサン、免疫調節薬、アントラサイクリン、シクロホスファミドおよびプラチナ系治療薬が挙げられる。たとえば、がんを有し、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤を投与されている、または投与が予定されている哺乳動物に、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を投与することもできる(たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子と共処置することができる)。本明細書では、共処置または共投与は、処置の過程における2種以上の治療剤(たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子、および哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤)の投与を含み得る。いくつかの場合では、2種以上の治療剤の共投与は、2種以上の治療剤の同時投与または実質的な同時投与を含み得る。たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤の投与から数秒または数分以内(たとえば、約0分~約5分間隔)に投与することが可能である。いくつかの場合では、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤を、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子と共に(たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を含み、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤を含む組成物において)投与することが可能である。いくつかの場合では、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤を、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子とは独立して投与することが可能である。たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤の投与から数分、数時間、数日、または数週間以内に投与することが可能である。哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤を、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子とは独立して投与するとき、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を先に投与し、哺乳動物に投与したときに化学療法剤誘発性神経毒性を引き起こす可能性のある1種または複数の化学療法剤を次に投与することが可能であり(たとえば、1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を予防的に投与することが可能であり)、またはその逆も可能である。
いくつかの場合では、本明細書に記載の神経毒性(たとえば、BTZ誘発性神経毒性などの化学療法剤誘発性神経毒性)を有する、または発現するリスクのある哺乳動物(たとえば、ヒト)を処置する(たとえば、CX-8998またはその代謝産物などの1種または複数のT型カルシウムチャネル調節因子を投与することによる)ための方法は、処置されている哺乳動物をモニターすることを含むことも可能である。哺乳動物における神経毒性の重症度をモニターするために任意の適切な方法を使用することができる。哺乳動物における神経毒性の重症度をモニターするために、たとえば、神経学的検査(たとえば、筋力、協調性、感覚、記憶および思考などの認知機能、ならびに視覚および発声などの神経学的検査)、神経学的画像化(たとえば、MRI)、神経または皮膚生検、および/または筋電図検査(例えば、神経伝導速度)を使用することができる。いくつかの場合では、本明細書に記載の方法は、他の種類の毒性(たとえば、神経組織以外の細胞への損傷(細胞毒性)、組織への損傷、および/または臓器への損傷(肝毒性および腎毒性など))について、本明細書に記載のように処置されている哺乳動物をモニターすることを含むことも可能である。毒性がある場合、そのレベルは、特定の組成物の既知の量を投与する前および後の哺乳動物の臨床徴候および症状を評価することにより決定することができる。哺乳動物に投与される特定の組成物の有効量は、所望の結果ならびに哺乳動物の反応および毒性のレベルに従って調整され得ることに留意されたい。
本発明を以下の実施例でさらに説明するが、これらは特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]
CX-8998によるボルテゾミブ誘発性神経毒性の逆転
本実施例は、選択的T型カルシウムチャネル調節因子であるCX-8998の、ボルテゾミブ(BTZ)細胞毒性の妨害および化学療法剤誘発性末梢神経毒性(CIPN)の逆転について評価する。
CX-8998によるボルテゾミブ誘発性神経毒性の逆転
本実施例は、選択的T型カルシウムチャネル調節因子であるCX-8998の、ボルテゾミブ(BTZ)細胞毒性の妨害および化学療法剤誘発性末梢神経毒性(CIPN)の逆転について評価する。
方法
インビトロ研究
化学物質および薬物
RPMI(Roswell Park Memorial Institute)1640培地、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、重炭酸ナトリウム、およびピルビン酸ナトリウムはEuroClone SpA(Pero、Italy)から購入した。ウシ胎児血清(FBS)はHyclone Laboratories,Inc(Logan、UT、USA)から入手した。その他の化学物質はすべてSigma-Aldrich(St.Louis、MO、USA)から入手した。BTZはLC Laboratories(Woburn、MA、USA)から入手し、CX-8998はCavion,Inc.(Charlottesville、VA、USA)から提供された。BTZ(2.6mM)およびCX-8998(10mM)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、培養培地で希釈した。
インビトロ研究
化学物質および薬物
RPMI(Roswell Park Memorial Institute)1640培地、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、重炭酸ナトリウム、およびピルビン酸ナトリウムはEuroClone SpA(Pero、Italy)から購入した。ウシ胎児血清(FBS)はHyclone Laboratories,Inc(Logan、UT、USA)から入手した。その他の化学物質はすべてSigma-Aldrich(St.Louis、MO、USA)から入手した。BTZはLC Laboratories(Woburn、MA、USA)から入手し、CX-8998はCavion,Inc.(Charlottesville、VA、USA)から提供された。BTZ(2.6mM)およびCX-8998(10mM)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、培養培地で希釈した。
ヒト多発性骨髄腫細胞株
MM.1SおよびU266B1細胞はAmerican Type Culture Collection(San Giovanni、Italy)から入手した。すべての細胞株は、10%FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補った2mMのL-グルタミンを含むRPMI培地で浮遊培養で維持された。MM.1S細胞培地には1.5g/Lの重炭酸ナトリウム、10mMのHEPES、および1mMのピルビン酸ナトリウムが補われた。細胞は浮遊細胞用75cm2培養フラスコ(Corning Inc.Corning、NY、USA)で、37℃、5%CO2および95%空気で培養した。
MM.1SおよびU266B1細胞はAmerican Type Culture Collection(San Giovanni、Italy)から入手した。すべての細胞株は、10%FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補った2mMのL-グルタミンを含むRPMI培地で浮遊培養で維持された。MM.1S細胞培地には1.5g/Lの重炭酸ナトリウム、10mMのHEPES、および1mMのピルビン酸ナトリウムが補われた。細胞は浮遊細胞用75cm2培養フラスコ(Corning Inc.Corning、NY、USA)で、37℃、5%CO2および95%空気で培養した。
インビトロでのBTZ細胞毒性研究
スルホローダミンBアッセイ(SRB)によりBTZの細胞増殖阻害効果(細胞生存率)を測定した。細胞を96ウェルプレート(Eppendorf、Milano、Italy)に10000細胞/ウェルでプレーティングした。24時間後、細胞をBTZ(0.05~250nM)に72時間曝露した。インキュベーション後、BTZを培養培地で試験用の用量範囲に希釈した。細胞をトリクロロ酢酸で1時間固定した。細胞をSRBの1%酢酸溶液で15分間染色した。結合していない色素を1%酢酸で5回洗浄することにより取り除いた。結合した色素をトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩基の溶液で溶解し、540nMで内容物の吸光度を測定した。増殖阻害は、細胞のDMSO対照吸光度に対するパーセンテージとして表し、薬物添加前の吸光度で補正した。BTZによる対照に対する細胞生存率の50%阻害濃度(IC50)は、GraphPad Prismソフトウェア(バージョン4.0、GraphPad Software,Inc.、La Jolla、CA、USA)を用いて非線形最小二乗曲線あてはめで算出した。
スルホローダミンBアッセイ(SRB)によりBTZの細胞増殖阻害効果(細胞生存率)を測定した。細胞を96ウェルプレート(Eppendorf、Milano、Italy)に10000細胞/ウェルでプレーティングした。24時間後、細胞をBTZ(0.05~250nM)に72時間曝露した。インキュベーション後、BTZを培養培地で試験用の用量範囲に希釈した。細胞をトリクロロ酢酸で1時間固定した。細胞をSRBの1%酢酸溶液で15分間染色した。結合していない色素を1%酢酸で5回洗浄することにより取り除いた。結合した色素をトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩基の溶液で溶解し、540nMで内容物の吸光度を測定した。増殖阻害は、細胞のDMSO対照吸光度に対するパーセンテージとして表し、薬物添加前の吸光度で補正した。BTZによる対照に対する細胞生存率の50%阻害濃度(IC50)は、GraphPad Prismソフトウェア(バージョン4.0、GraphPad Software,Inc.、La Jolla、CA、USA)を用いて非線形最小二乗曲線あてはめで算出した。
インビトロでの併用(BTZとCX-8998)妨害研究
3種のヒトMMC(RPMI8226,MM.1S,U266B1)をIC50濃度のBTZ単独または5つの濃度(10、30、100、300、1000nM)のCX-8998との併用に72時間曝露した。これらのCX-8998の濃度(2桁以上)は、以前の細胞培養実験に基づいた。5つの濃度のCX-8998単独およびDMSO(対照)単独でのインキュベーションも実施した。3種の細胞株それぞれの増殖阻害をSRBアッセイにより測定し、各濃度の薬物または薬物の併用について、対照に対する平均±SD細胞生存率として表した(対照値100%)。各薬物または薬物の併用と対照との細胞生存率の差は、非線形最小二乗法により解析し、p<0.05で統計的に有意とした。
3種のヒトMMC(RPMI8226,MM.1S,U266B1)をIC50濃度のBTZ単独または5つの濃度(10、30、100、300、1000nM)のCX-8998との併用に72時間曝露した。これらのCX-8998の濃度(2桁以上)は、以前の細胞培養実験に基づいた。5つの濃度のCX-8998単独およびDMSO(対照)単独でのインキュベーションも実施した。3種の細胞株それぞれの増殖阻害をSRBアッセイにより測定し、各濃度の薬物または薬物の併用について、対照に対する平均±SD細胞生存率として表した(対照値100%)。各薬物または薬物の併用と対照との細胞生存率の差は、非線形最小二乗法により解析し、p<0.05で統計的に有意とした。
インビボ研究
インビボでのBTZおよび併用(BTZとCX-8998)抗腫瘍(妨害)研究
マウスの飼育および管理は、USDA(U.S.Department of Agriculture)動物福祉法およびSTART IACUC(Institutional Animal Care and Use Committee)の規定に準拠した。プロトコルはSTART IACUCにより調査され承認された。マウスはSealsafe(登録商標)Plus換気ケージ(Techniplast、West Chester、PA、USA)に個別に収容され、Teklad 2919(Envigo、Somerset、NJ、USA)、放射線照射、19%タンパク質、9%脂質、および4%繊維のマウス用食料を与えられた。マウスは制御された環境条件(温度22+/-2℃)、相対湿度55+/-10%、および12時間明暗サイクル(午前7時~午後7時)で維持された。
インビボでのBTZおよび併用(BTZとCX-8998)抗腫瘍(妨害)研究
マウスの飼育および管理は、USDA(U.S.Department of Agriculture)動物福祉法およびSTART IACUC(Institutional Animal Care and Use Committee)の規定に準拠した。プロトコルはSTART IACUCにより調査され承認された。マウスはSealsafe(登録商標)Plus換気ケージ(Techniplast、West Chester、PA、USA)に個別に収容され、Teklad 2919(Envigo、Somerset、NJ、USA)、放射線照射、19%タンパク質、9%脂質、および4%繊維のマウス用食料を与えられた。マウスは制御された環境条件(温度22+/-2℃)、相対湿度55+/-10%、および12時間明暗サイクル(午前7時~午後7時)で維持された。
South Texas Accelerated Research Therapeutics(START)(San Antonio、TX、USA)が本研究を実施した。BTZおよびBTZとCX-8998の併用は、START細胞ベース異種移植(START cell-based xenograft、START-CBX)無胸腺ヌードマウス(Crl:NU(NCr)-Foxn1nu)のヒト骨髄腫腫瘍モデルで抗腫瘍活性について試験された。RPMI-8226細胞を、6~12週齢の雌無胸腺ヌードマウス(Charles River Laboratories、Houston、TX、USA)32匹に皮下注射(105細胞)した。腫瘍体積(TV)が125~250mm3に達した時点で研究を開始した。TVは触知できる塊をデジタルノギスで測定することにより推定し、幅2×長さ×0.52の式で単位mm3で表した。マウスを平均TVにより各8匹ずつの4群に層別化した:腫瘍媒体対照(0.5%塩化メチレンおよび1%Tween80を経口によって毎日1回18日間)、非腫瘍対照(28日間処置なし)、腫瘍BTZ(1mg/kgのBTZ静脈内注射を週2回28日間)、腫瘍BTZおよびCX-8998(1mg/kgのBTZ静脈内注射を週2回28日間、および30mg/kgのCX-8998を経口によって毎日1回28日間)。30mg/kgの用量は、前臨床安全性研究で許容され、28日間治療範囲を超える曝露をもたらすと予想されたものであった。体重、TVおよび動物観察は、媒体対照マウスは18日目(終了)まで週2回、他の3群はそれぞれ28日目(終了)まで週2回収集した。平均±SD体重およびTVは、18日目はクラスカル・ウォリス検定およびダン多重比較検定で、28日目はマン・ホイットニー検定で解析し、p<0.05で統計的に有意とした。
インビボでのBTZおよび併用(BTZとCX-8998)CIPN逆転研究
ウィスターラット研究のための飼育および管理は、ミラノ・ビコッカ大学のガイドラインに従い、国内(D.L.n.26/2014)および国際的な規定および方針(指令2010/63/EU)に準拠した。ラットは、妨害研究でのヌードマウスと同様の環境条件下で、1ケージあたり2~3匹収容された。プロトコル(47123/14)は、ミラノ・ビコッカ大学倫理委員会により承認された。
ウィスターラット研究のための飼育および管理は、ミラノ・ビコッカ大学のガイドラインに従い、国内(D.L.n.26/2014)および国際的な規定および方針(指令2010/63/EU)に準拠した。ラットは、妨害研究でのヌードマウスと同様の環境条件下で、1ケージあたり2~3匹収容された。プロトコル(47123/14)は、ミラノ・ビコッカ大学倫理委員会により承認された。
10~11週齢のウィスター雌ラット(n=52)(Envigo、Correzzano、Italy)を利用した。本研究は4週間ずつの2段階に分けられた。第1段階では、ラットを2群に無作為抽出した:第1群はBTZ(n=44)を0.2mg/kgで週3回4週間尾静脈を介して静脈内に受け、第2群(n=8)は無処置(対照)とした。体重は、ベースライン(1日目)~28日目までの第1段階中に定期的に測定した。ベースラインおよび第1段階の終わり(28日目)に、尾部神経および坐骨神経の神経伝導速度(NCV)を実施し、動的知覚計テスト(DAT)によって後肢の機械的閾値(MT)を測定した。その後、次の段階のためにBTZラットを4群に再度無作為抽出した。第2段階では、1つの群(n=8)は無処置のまま(対照)、第2群(n=8)はBTZを0.2mg/kgで週3回4週間受け、残りの3群(各n=12)はBTZを0.2mg/kgで週3回4週間と、CX-8998を3、10、または30mg/kgで強制経口により毎日4週間との共処置を受けた。CX-8998の用量は、先行の前臨床試験に基づいて予想される治療範囲内およびそれを上回る十分に許容される範囲の曝露をもたらした。体重はベースライン(28日目)~56日目(終了)まで定期的に測定した。4群すべてにおいて、ベースラインならびに35および56日目にNCVおよびMTを測定した。1、28、35、および56日目に、BTZの投与から1時間後に、プロテアソーム測定のために血液試料を回収した。終了時に、坐骨神経をβ-チューブリン重合用に入手し、皮膚試料を表皮内神経線維(IENF)密度および組織病理学用に入手した。平均±SEM体重、平均±SEM NCV、平均±SEM MT、平均±SEM IENF密度、平均±SEM β-チューブリン重合および平均±SEMプロテアソーム阻害の差は、4週間の処置期間終了時の対照群とBTZ群との比較にはマン・ホイットニー検定で、5週間および8週間の時点でのすべての群間での比較にはクラスカル・ウォリス検定およびダン多重比較検定で解析し、p<0.05で統計的に有意とした。
CIPN逆転研究の評価方法
NCV
NCV(メートル/秒)は筋電図検査ツール(Myto 2、ABN Neuro、Firenze、Italy)を用いて尾部神経および坐骨神経から得た。尾部NCVは、記録針電極を尾部の遠位に、刺激針電極を記録点の近位5cmと10cmに配置することにより測定した。神経刺激後の2箇所で記録された電位のピーク潜時を測定し、NCVを算出した。坐骨NCVは、針記録電極を足首の骨の近くに、かつ刺激電極を大腿の近くに配置することにより測定した。ピーク潜時を尾部神経と同様に記録し、NCVを算出した。NCVは温度管理された施設(22±2℃)で標準的な条件下で実施され、ラットにはバイタルサインをモニターしながらイソフルラン麻酔をかけた。
NCV
NCV(メートル/秒)は筋電図検査ツール(Myto 2、ABN Neuro、Firenze、Italy)を用いて尾部神経および坐骨神経から得た。尾部NCVは、記録針電極を尾部の遠位に、刺激針電極を記録点の近位5cmと10cmに配置することにより測定した。神経刺激後の2箇所で記録された電位のピーク潜時を測定し、NCVを算出した。坐骨NCVは、針記録電極を足首の骨の近くに、かつ刺激電極を大腿の近くに配置することにより測定した。ピーク潜時を尾部神経と同様に記録し、NCVを算出した。NCVは温度管理された施設(22±2℃)で標準的な条件下で実施され、ラットにはバイタルサインをモニターしながらイソフルラン麻酔をかけた。
DAT
MTはDAT装置(Model 37450、Ugo Basile Biological Instruments、Comerio、Italy)を使用して評価した。順化後、後肢の足裏表面にサーボ制御の尖った金属製フィラメント(直径0.5mm)を配置し、20秒以内に最大50グラムの段階的な穿刺圧をかけた。この圧力は自発的な後肢の引き抜き反応を引き起こし、それを記録してMT指標として表した。MTは2分毎に各側交互に3回収集し、平均値を出した。MTの平均値は、各ラットにより許容される最大圧力(グラム)を表した。各動物の機械的刺激への曝露は30秒に制限された。
MTはDAT装置(Model 37450、Ugo Basile Biological Instruments、Comerio、Italy)を使用して評価した。順化後、後肢の足裏表面にサーボ制御の尖った金属製フィラメント(直径0.5mm)を配置し、20秒以内に最大50グラムの段階的な穿刺圧をかけた。この圧力は自発的な後肢の引き抜き反応を引き起こし、それを記録してMT指標として表した。MTは2分毎に各側交互に3回収集し、平均値を出した。MTの平均値は、各ラットにより許容される最大圧力(グラム)を表した。各動物の機械的刺激への曝露は30秒に制限された。
プロテアソーム阻害アッセイ
末梢血単核球(PBMC)は、Ficoll-Hypaque密度分離で分離した。細胞を溶解溶液(50mMのHepes、5mMのEDTA、150mMのNaCl、および1%Triton-X100の水溶液)に加え、抽出した。ライセートは4℃、13500rpmで15分間回転させた。タンパク質抽出物をプロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を含まない溶解バッファー(10%グリセロール、25mMのTRIS-HCl pH7.5、1%TritonX-100、5mMのEDTA pH8、および1mMのEGTA pH8)に可溶化し、4℃、14000rpmで10分間遠心分離した。タンパク質濃度は、Coomassie(登録商標)Protein Assay Reagent Kit(Pierce、Thermo Scientific、Rockford、IL、USA)を用いてブラッドフォードアッセイにより評価した。蛍光定量的アッセイによりプロテアソーム活性を評価し、タンパク質抽出物をN-スクシニル-Leu-Leu-Val-Tyr-7-アミド-4-メチルクマリン基質(Sigma Aldrich、Milano、Italy)と2時間インキュベートした。プロテアソーム活性は、試薬中で切断された基質から発生する相対光単位として検出された。各反応からの蛍光(F)を蛍光光度計(Wallac 1420 multilabel counter、Perkin Elmer Italia SPA、Monza、Italy)を使用して評価した。プロテアソーム活性(PA)は%PA=(F BTZ-F 基質)/(F 対照-F 基質)として算出し、阻害は100×(1-PA)として表した。
末梢血単核球(PBMC)は、Ficoll-Hypaque密度分離で分離した。細胞を溶解溶液(50mMのHepes、5mMのEDTA、150mMのNaCl、および1%Triton-X100の水溶液)に加え、抽出した。ライセートは4℃、13500rpmで15分間回転させた。タンパク質抽出物をプロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を含まない溶解バッファー(10%グリセロール、25mMのTRIS-HCl pH7.5、1%TritonX-100、5mMのEDTA pH8、および1mMのEGTA pH8)に可溶化し、4℃、14000rpmで10分間遠心分離した。タンパク質濃度は、Coomassie(登録商標)Protein Assay Reagent Kit(Pierce、Thermo Scientific、Rockford、IL、USA)を用いてブラッドフォードアッセイにより評価した。蛍光定量的アッセイによりプロテアソーム活性を評価し、タンパク質抽出物をN-スクシニル-Leu-Leu-Val-Tyr-7-アミド-4-メチルクマリン基質(Sigma Aldrich、Milano、Italy)と2時間インキュベートした。プロテアソーム活性は、試薬中で切断された基質から発生する相対光単位として検出された。各反応からの蛍光(F)を蛍光光度計(Wallac 1420 multilabel counter、Perkin Elmer Italia SPA、Monza、Italy)を使用して評価した。プロテアソーム活性(PA)は%PA=(F BTZ-F 基質)/(F 対照-F 基質)として算出し、阻害は100×(1-PA)として表した。
組織試料の採取
56日目に動物をCO2吸入により安楽死させ、組織試料を1群あたり4匹のラットから入手した。右坐骨神経はβ-チューブリン重合アッセイ用に液体窒素で凍結し、足裏の無毛の皮膚試料はIENF密度用に採取した。
56日目に動物をCO2吸入により安楽死させ、組織試料を1群あたり4匹のラットから入手した。右坐骨神経はβ-チューブリン重合アッセイ用に液体窒素で凍結し、足裏の無毛の皮膚試料はIENF密度用に採取した。
β-チューブリン重合アッセイ
坐骨神経からのタンパク質抽出物は、新たに加えられたプロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を含む溶解バッファー(10mMのオルトバナジン酸ナトリウム、4mMのフッ化フェニルメチルスルホニル、1%アプロチニン、および20mMのピロリン酸ナトリウム)以外はプロテアソームアッセイと同様に処理した。タンパク質抽出物を遠心分離(4℃、14000rpmで10分間)し、可溶性(S)の遊離チューブリン画分と重合(P)画分とを分離した。上清を回収し、重合チューブリンのペレットを0.5%デオキシコール酸ナトリウムが補われた(S画分と等量の)体積の溶解バッファー中で20秒間超音波処理することにより再懸濁した。タンパク質のアリコート(10μg)を13%SDS-PAGEに載せ、電気泳動後、ニトロセルロースフィルターに移した。マウス抗β-チューブリン抗体を使用して、免疫ブロット解析を実施した。一次抗体とのインキュベーション後、メンブレンを洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Perkin Elmer Italia SPA、Monza、Italy)と共にインキュベートした。検出にはECL chemiluminescence system(Amersham GE Healthcare Europe GmbH、Milano、Italy)を使用した。バンド強度はGel Logic 100 Image System(Eastman Kodak、Rochester、NY、USA)を用いて定量化した。最終的な平均値は三連の実験から得られ、データは対照と比較した処置ラットのP/P+Sのパーセンテージとして表された。
坐骨神経からのタンパク質抽出物は、新たに加えられたプロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を含む溶解バッファー(10mMのオルトバナジン酸ナトリウム、4mMのフッ化フェニルメチルスルホニル、1%アプロチニン、および20mMのピロリン酸ナトリウム)以外はプロテアソームアッセイと同様に処理した。タンパク質抽出物を遠心分離(4℃、14000rpmで10分間)し、可溶性(S)の遊離チューブリン画分と重合(P)画分とを分離した。上清を回収し、重合チューブリンのペレットを0.5%デオキシコール酸ナトリウムが補われた(S画分と等量の)体積の溶解バッファー中で20秒間超音波処理することにより再懸濁した。タンパク質のアリコート(10μg)を13%SDS-PAGEに載せ、電気泳動後、ニトロセルロースフィルターに移した。マウス抗β-チューブリン抗体を使用して、免疫ブロット解析を実施した。一次抗体とのインキュベーション後、メンブレンを洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Perkin Elmer Italia SPA、Monza、Italy)と共にインキュベートした。検出にはECL chemiluminescence system(Amersham GE Healthcare Europe GmbH、Milano、Italy)を使用した。バンド強度はGel Logic 100 Image System(Eastman Kodak、Rochester、NY、USA)を用いて定量化した。最終的な平均値は三連の実験から得られ、データは対照と比較した処置ラットのP/P+Sのパーセンテージとして表された。
IENF密度
後肢からの足裏の無毛の皮膚試料(5mm)を2%PLP(パラホルムアルデヒド-リジン-過ヨウ素酸ナトリウム)中で4℃、24時間固定し、一晩凍結保護した。試料をクライオスタットで連続的に切断して、20μmの切片を得た。各足蹠から3つの切片を無作為に選び、自由浮遊プロトコル(free-floating protocol)を使用して、ビオチン化抗ラビットIgGおよびVector SG substrate kit peroxidase(Vector Laboratories、Burlingame、CA)を併用したウサギポリクローナル抗タンパク質遺伝子産物9.5(PGP 9.5;GeneTex、Irvine、CA、USA)で免疫染色した。盲検化された観察者が顕微鏡ビデオカメラを用い、高倍率の光学顕微鏡下で、各切片の免疫陽性IENFの総数を数えた。真皮-表皮表面を横切る個々の繊維を数えた。表皮内の二次分岐は除外した。表皮の長さを測定し、他の場所で記載されたように(Canta et al., 2016 Neurobiol Aging45:136-148)IENF/ミリメートルの線密度を生成した。
後肢からの足裏の無毛の皮膚試料(5mm)を2%PLP(パラホルムアルデヒド-リジン-過ヨウ素酸ナトリウム)中で4℃、24時間固定し、一晩凍結保護した。試料をクライオスタットで連続的に切断して、20μmの切片を得た。各足蹠から3つの切片を無作為に選び、自由浮遊プロトコル(free-floating protocol)を使用して、ビオチン化抗ラビットIgGおよびVector SG substrate kit peroxidase(Vector Laboratories、Burlingame、CA)を併用したウサギポリクローナル抗タンパク質遺伝子産物9.5(PGP 9.5;GeneTex、Irvine、CA、USA)で免疫染色した。盲検化された観察者が顕微鏡ビデオカメラを用い、高倍率の光学顕微鏡下で、各切片の免疫陽性IENFの総数を数えた。真皮-表皮表面を横切る個々の繊維を数えた。表皮内の二次分岐は除外した。表皮の長さを測定し、他の場所で記載されたように(Canta et al., 2016 Neurobiol Aging45:136-148)IENF/ミリメートルの線密度を生成した。
結果
インビトロでのBTZ細胞毒性研究およびインビトロでの併用(BTZとCX-8998)細胞毒性妨害研究
BTZは3種のMCLにおいて濃度依存的な細胞増殖の阻害(細胞毒性)を引き起こした。BTZのIC50値は、MM.1S、RPMI8226、およびU266B1細胞株でそれぞれ6±0.5nM、4±1.7nM、および2.5±0.6nMであった。
インビトロでのBTZ細胞毒性研究およびインビトロでの併用(BTZとCX-8998)細胞毒性妨害研究
BTZは3種のMCLにおいて濃度依存的な細胞増殖の阻害(細胞毒性)を引き起こした。BTZのIC50値は、MM.1S、RPMI8226、およびU266B1細胞株でそれぞれ6±0.5nM、4±1.7nM、および2.5±0.6nMであった。
BTZ単独(MM.1S、RPMI8226、およびU266B1細胞株でそれぞれ6、4、および2.5nMのIC50濃度)は、DMSO対照と比較して、3種のMCLの細胞生存率を有意に減少させた(p<0.001)(図1A)。CX-8998(10~1000nM)とBTZとの併用は、DMSO対照と比較して、3種のMCLの細胞生存率を有意に減少させ(p<0.001)、BTZ単独と比較して同様の減少を示した(図1A)。CX-8998(全濃度)単独は、いずれのMCLにおいても細胞生存率を減少させず、DMSO対照の細胞生存率と比較して同様のレベルの細胞生存を示した(図1A)。
インビボでの併用(BTZとCX-8998)抗腫瘍妨害研究
CX-8998のBTZ抗腫瘍活性に対するインビボでの影響を、RPMI-8229ヒトMCL異種移植片を担持するヌードマウスにおいて評価した。ベースライン(0日目)~18日目まで、体重増加率は媒体対照群で明らかとなり(腫瘍異種移植片の増殖と一致)、非腫瘍対照群(通常の動物の成長)ではそれほどでもなかった(図1B)。1mg/kgのBTZ単独または30mg/kgのCX-8998との併用での処置では、処置の初めの2週間の間に一過性の体重減少が見られ、18日目および28日目には体重増加が見られなかった。これは、このモデルにおけるBTZの既知の抗腫瘍効果および許容性プロファイルに一致する(図1B)。
CX-8998のBTZ抗腫瘍活性に対するインビボでの影響を、RPMI-8229ヒトMCL異種移植片を担持するヌードマウスにおいて評価した。ベースライン(0日目)~18日目まで、体重増加率は媒体対照群で明らかとなり(腫瘍異種移植片の増殖と一致)、非腫瘍対照群(通常の動物の成長)ではそれほどでもなかった(図1B)。1mg/kgのBTZ単独または30mg/kgのCX-8998との併用での処置では、処置の初めの2週間の間に一過性の体重減少が見られ、18日目および28日目には体重増加が見られなかった。これは、このモデルにおけるBTZの既知の抗腫瘍効果および許容性プロファイルに一致する(図1B)。
18日目には、BTZ単独およびCX-8998との併用の両方で、媒体対照マウスと比較してTVが有意に減少した(それぞれp<0.001およびp<0.05)(図1C)。BTZ単独で処置したマウスでは18日目~28日目までTVが増加する傾向にあったが、CX-8998との併用ではTVが減少する傾向にあり、2群間の差は終了時に統計的に有意(p<0.01)に達した(図1C)。全体として、インビトロでの細胞生存データならびにインビボでのTVおよび体重増加データは収束し、CX-8998がBTZの抗腫瘍活性および許容性を妨害しないことが支持された。
インビボでの併用(BTZとCX-8998)CIPN逆転研究
BTZ誘発性神経毒性のラットモデルにおいて、CX-8998のCIPN逆転に対する効果を2段階研究デザインを使用して評価した。第1段階の終了時(4週目)では、雌ウィスターラットのBTZ群と対照群とで平均±SEM体重(グラム)に統計的に有意差は見られなかった。再度無作為抽出し、さらに1週間または4週間(それぞれ5週目および8週目)処置した後では、体重変化はBTZ群、3、10、および30mg/kgのCX-8998と併用したBTZ群、ならびに対照群間で有意差は見られなかった。BTZ単独およびCX-8998との併用での処置は、良好に許容された。2匹の動物で死亡が確認され、それぞれ、BTZと3mg/kgのCX-8998との併用、およびBTZと10mg/kgのCX-8998との併用であった。
BTZ誘発性神経毒性のラットモデルにおいて、CX-8998のCIPN逆転に対する効果を2段階研究デザインを使用して評価した。第1段階の終了時(4週目)では、雌ウィスターラットのBTZ群と対照群とで平均±SEM体重(グラム)に統計的に有意差は見られなかった。再度無作為抽出し、さらに1週間または4週間(それぞれ5週目および8週目)処置した後では、体重変化はBTZ群、3、10、および30mg/kgのCX-8998と併用したBTZ群、ならびに対照群間で有意差は見られなかった。BTZ単独およびCX-8998との併用での処置は、良好に許容された。2匹の動物で死亡が確認され、それぞれ、BTZと3mg/kgのCX-8998との併用、およびBTZと10mg/kgのCX-8998との併用であった。
BTZ処置により、4週目の循環PBMCにおける平均±SEMプロテアソーム活性率は、ベースラインと比較して有意に阻害された(p<0.05)(図1D)。5週目および8週目において、プロテアソーム活性はBTZおよびBTZとCX-8998のすべての併用により同様に阻害された(図1D)。MCLのインビトロおよびインビボ研究と一致して、これらのデータは、CX-8998の共投与がBTZの抗プロテアソーム活性を妨害しないことを示唆している。
CX-8998の生理的および行動的エンドポイントに対する影響
NCVの低下および機械的アロディニアは、ラットにおけるBTZ誘発性神経毒性に特徴的である(Cavaletti et al., 2007 Exp Neurol 204:317-325; and Meregalli et al., 2010 EJP 14:343-350)。ベースライン(1日目)において、尾部神経(図2)および坐骨神経(図3)の平均±SEM NCV(メートル/秒)は、対照群とBTZ単独群とで同様であった。処置後のすべての時点において、尾部および坐骨NCVは、尾部神経については4週目、5週目、および8週目に(それぞれp<0.01、p<0.05、p<0.001)(図2)、坐骨神経については4週目および8週目に(それぞれp<0.01、p<0.05)(図3)、対照群と比較してBTZ処置により有意に低下した。5週目において、坐骨神経のNCVは対照より数値的に小さくなったが、差は統計的に有意ではなかった(表1)。坐骨神経NCV値の全体的な変動が大きいこと、5週目における1群あたりの動物数が少ないこと、および/または8週目に対して5週目におけるNCV低下に対するBTZの絶対効果が低いことが、統計的有意性を欠く一因となった可能性がある。
NCVの低下および機械的アロディニアは、ラットにおけるBTZ誘発性神経毒性に特徴的である(Cavaletti et al., 2007 Exp Neurol 204:317-325; and Meregalli et al., 2010 EJP 14:343-350)。ベースライン(1日目)において、尾部神経(図2)および坐骨神経(図3)の平均±SEM NCV(メートル/秒)は、対照群とBTZ単独群とで同様であった。処置後のすべての時点において、尾部および坐骨NCVは、尾部神経については4週目、5週目、および8週目に(それぞれp<0.01、p<0.05、p<0.001)(図2)、坐骨神経については4週目および8週目に(それぞれp<0.01、p<0.05)(図3)、対照群と比較してBTZ処置により有意に低下した。5週目において、坐骨神経のNCVは対照より数値的に小さくなったが、差は統計的に有意ではなかった(表1)。坐骨神経NCV値の全体的な変動が大きいこと、5週目における1群あたりの動物数が少ないこと、および/または8週目に対して5週目におけるNCV低下に対するBTZの絶対効果が低いことが、統計的有意性を欠く一因となった可能性がある。
8週目において、尾部神経のNCVは、BTZ単独と比較して、BTZと併用した10および30mg/kgのCX-8998により有意に増加した(それぞれp<0.01、p<0.001)(図2)。坐骨神経のNCVは、8週目において、BTZ単独と比較して、10mg/kgおよび30mg/kgのCX-8998との併用群で有意な増加(p<0.05)を示した(図3)。5週目において、BTZ単独と比較して、併用群では尾部神経または坐骨神経のNCVに有意差は見られなかった(図2、3、表1)。尾部神経では、5週目において、BTZ単独と比較して、BTZとのすべての併用でNCVが増加する数値傾向を示した(表1)。逆に、5週目の坐骨神経では、BTZ単独と比較して、すべての併用投与群でNCVが低下する数値傾向が観察された(表1)。上記の要因に加え、CX-8998の処置期間が短いことが、5週目の時点で有意な処置効果が観察されない一因となった可能性がある。
ベースライン(1日目)において、後肢の平均±SEM MT(グラム)は対照群とBTZ単独群とで同程度であった(図4)。4週目において、MTは対照ラットに対してBTZにより有意に減少し(p<0.0001)、機械的アロディニアの発現を示唆した(図4)。5週目および8週目において、BTZと3および30mg/kgのCX-8998との併用で処置したラットは、BTZ単独と比較してMTの増加傾向(機械的アロディニアの低減)を示したが、統計的に有意差はなかった(図4、表1)。
CX-8998の組織への影響の評価
IENF密度の減少およびβ-チューブリン重合の増加は、BTZ誘発性神経毒性に関連する組織異常である(Cavaletti et al., 2007 Exp Neurol 204:317-325; and Meregalli et al., 2010 EJP 14:343-350)。
IENF密度の減少およびβ-チューブリン重合の増加は、BTZ誘発性神経毒性に関連する組織異常である(Cavaletti et al., 2007 Exp Neurol 204:317-325; and Meregalli et al., 2010 EJP 14:343-350)。
平均±SEM β-チューブリン重合(%)は、対照と比較して、BTZ単独ならびに3および10mg/kgのCX-8998と併用したBTZにより有意に増加した(p<0.05)(図5A)。この増加は、BTZを30mg/kgのCX-8998と併用したとき、8週目にBTZ単独と比較して逆転する傾向があったが、統計的有意性には至らなかった(図5A、表1)。
ラット後肢組織試料中の平均±SEM IENF密度(1ミリメートルあたりの繊維の数)は、対照と比較して、BTZ単独により有意に減少し(p<0.001)(図5B)、NCV障害と一致した。30mg/kgのCX-8998を共投与すると、8週目に、BTZ誘発性IENF密度の減少を有意に逆転させた(p<0.05)(図5B)。BTZと3mg/kgのCX-8998との併用は、逆転傾向を示したがBTZと比較して統計的有意性には至らず、10mg/kgのCX-8998の共投与は、8週目にBTZと比較して、逆転は見られなかった(図5B、表1)。
後肢の足裏の無毛の皮膚における神経線維の定性的な光学顕微鏡による解析では、BTZ単独および3mg/kgの用量のCX-8998と併用したBTZと比較して、BTZと30mg/kgのCX-8998との併用でより多くの神経線維(矢印)が認められたことが示唆された(図5C)。これらの神経線維の定性的な観察は、IENF密度データと一致する。
これらの結果を合わせると、CX-8998はBTZの細胞毒性に影響を与えることなく、CIPNモデルの神経毒性を逆転させるために使用できることが実証された。
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と合わせて説明したが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例証することを意図しており、限定することを意図していないことを理解されたい。他の態様、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲内にある。
本発明をその詳細な説明と合わせて説明したが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例証することを意図しており、限定することを意図していないことを理解されたい。他の態様、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲内にある。
Claims (20)
- 神経毒性を有する哺乳動物を処置するための方法であって、T型カルシウムチャネル調節因子またはその塩を含む有効量の組成物を前記哺乳動物に投与して、前記哺乳動物における前記神経毒性の症状を低減することを含む方法。
- 前記哺乳動物が前記神経毒性を有すると特定することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記哺乳動物がヒトである、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
- 神経毒性が化学療法剤誘発性神経毒性である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記化学療法剤誘発性神経毒性がボルテゾミブ誘発性神経毒性である、請求項4に記載の方法。
- 前記神経毒性を有する哺乳動物が、前記化学療法剤を投与されて、前記哺乳動物内のがんを処置したことがある、請求項4または5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記がんが、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、白血病、消化管がん、肺がん、精巣がん、卵巣がん、脳腫瘍、子宮がん、前立腺がん、骨がん、乳がん、および膀胱がんからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記症状が、疼痛、四肢脱力、四肢痺れ、痒み、知覚障害、麻痺、無嗅覚、下垂症、慢性咳嗽、運動機能障害、記憶喪失、視力低下、頭痛、認知障害、脳症、認知症、気分障害、便秘、性機能障害、膀胱性尿閉、および出血からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記T型カルシウムチャネル調節因子が負性調節因子である、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記負性調節因子が負性アロステリック調節因子である、請求項9に記載の方法。
- 前記T型カルシウムチャネル調節因子がT型カルシウムチャネル活性を低減する、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記T型カルシウムチャネル調節因子がCX-8998を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記CX-8998が塩の形態である、請求項12に記載の方法。
- 前記T型カルシウムチャネル調節因子がCX-8998の代謝産物を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記CX-8998の代謝産物が塩の形態である、請求項15に記載の方法。
- 前記T型カルシウムチャネル調節因子がCX-8998および1種または複数のCX-8998の代謝産物を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記組成物が約10nM~約1000nMの前記T型カルシウムチャネル調節因子を含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記組成物が、前記哺乳動物に対する前記T型カルシウムチャネル調節因子を、約3mg/kg前記哺乳動物の体重~約30mg/kg前記哺乳動物の体重で含む、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
- 前記組成物が経口投与される、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
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