本開示は、一般に、通信に関し、本明細書の実施形態は、ユーザ機器、ターゲットアクセスノード、およびそれらにおいて実行される方法に関する。詳細には、本開示に記載の様々な実施形態は、少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのデュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)ハンドオーバを実行するときにパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サービスデータユニット(SDU)をハンドリングするための装置および方法に関する。
典型的な無線通信ネットワークにおいて、無線通信デバイス、移動局、局(STA)、および/またはユーザ機器(UE)としても知られる無線デバイスは、Wi-Fiネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)または無線アクセスネットワーク(RAN)を介して1つまたは複数のコアネットワーク(CN)と通信する。RANは、サービスエリアまたはセルエリアに分割された地理的エリアをカバーする。これらのエリアは、ビームまたはビームグループと呼ばれることもあり、各サービスエリアまたはセルエリアは、無線アクセスノード、たとえば、Wi-Fiアクセスポイント、または、いくつかのネットワークでは、たとえば、ノードB、eノードB(eNB)、もしくは5Gでの表記ではgNBとも表記されることがある無線基地局(RBS)などの無線アクセスノードによってサーブされる。サービスエリアまたはセルエリアは、無線アクセスノードによって無線カバレッジが提供される地理的エリアである。無線アクセスノードは、無線周波数で動作するエアインターフェースを介して、無線アクセスノードの範囲内の無線デバイスと通信する。
第4世代(4G)ネットワークとも呼ばれるエボルブドパケットシステム(EPS)の仕様は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)内で完了しており、この取り組みは、たとえば5G新無線(NR:New Radio)とも呼ばれる第5世代(5G)ネットワークを指定するために、今後の3GPPリリースにおいても継続される。EPSは、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセスネットワークとしても知られる拡張ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)、およびシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)コアネットワークとしても知られるエボルブドパケットコア(EPC)を含む。E-UTRAN/LTEは、3GPP無線アクセスネットワークの変形であり、無線アクセスノードは、3Gネットワークで使用される無線ネットワークコントローラ(RNC)ではなく、EPCコアネットワークに直接接続される。一般に、E-UTRAN/LTEにおいて、3G RNCの機能は、無線アクセスノード、たとえばLTEではeノードBと、コアネットワークとの間で分散される。したがって、EPSのRANは、1つまたは複数のコアネットワークに直接接続されている、すなわちRNCに接続されていない無線アクセスノードを含む、本質的に「フラットな」アーキテクチャを有する。これを補うために、E-UTRAN仕様では、無線アクセスノード間の直接的なインターフェースが規定されており、このインターフェースはX2インターフェースと表記される。
マルチアンテナ技術は、無線通信システムのデータレートおよび信頼性を大幅に向上させることができる。特に、送信機と受信機の両方にマルチアンテナが装備されている場合にパフォーマンスが向上し、その結果、MIMO(マルチ入力マルチ出力)通信チャネルが生成される。このようなシステムおよび/または関連技術は、一般にMIMOと呼ばれる。
3GPPにおける無線通信システム
図1は、簡略化された無線通信システムを示す。図1の簡略化された無線通信システムについて考察する。UE12は、1つまたは複数のアクセスノード103~104と通信し、1つまたは複数のアクセスノード103~104は、ネットワークノード106に接続されている。アクセスノード103~104は、無線アクセスネットワーク10の一部である。
LTEまたは4Gとも呼ばれる3GPP EPSに準拠した無線通信システムの場合、3GPP TS36.300、v.15.6.0および関連する仕様で指定されている標準仕様では、アクセスノード103~104は通常、eNBに対応し、ネットワークノード106は通常、モビリティ管理エンティティ(MME)および/またはサービングゲートウェイ(SGW)のいずれかに対応する。eNBは無線アクセスネットワーク10の一部であり、この事例では、無線アクセスネットワーク10はE-UTRAN(拡張ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)であり、一方、MMEとSGWはいずれもEPC(エボルブドパケットコアネットワーク)の一部である。eNBは、X2インターフェースを介して相互接続され、S1インターフェースを介してEPCに、より具体的には、S1-Cを介してMMEに、S1-Uを介してSGWに接続される。
一方、3GPP 5Gシステムに準拠した無線通信システムの場合、3GPP TS38.300、v.15.6.0および関連する仕様で指定されている5GS(新無線、NR、または5Gとも呼ばれる)では、アクセスノード103~104は通常、5GノードB(gNB)に対応し、ネットワークノード106は通常、アクセスモビリティ管理機能(AMF)および/またはユーザプレーン機能(UPF)のいずれかに対応する。gNBは無線アクセスネットワーク10の一部であり、この事例では、無線アクセスネットワーク10はNG-RAN(次世代無線アクセスネットワーク)であり、一方、AMFとUPFはいずれも5Gコアネットワーク(5GC)の一部である。gNBは、Xnインターフェースを介して相互接続され、NGインターフェースを介して5GCに、より具体的には、NG-Cを介してAMFに、NG-Uを介してUPFに接続される。
NRとLTEとの間の高速モビリティをサポートし、コアネットワークの変更を回避するために、LTE eNBを、NG-U/NG-C経由で5G-CNに接続し、Xnインターフェースをサポートすることもできる。5GCに接続されたeNBは、次世代eNB(ng-eNB)と呼ばれ、NG-RANの一部とみなされる。5GCに接続されたLTEについては、本文書ではこれ以上説明しない。しかしながら、LTEおよびNRについて本文書で説明するソリューション/機能のほとんどは、5GCに接続されたLTEにも適用されることに留意されたい。本文書では、LTEという用語は、特に明記なしに使用される場合、LTE-EPCを指す。
LTEおよびNRにおけるRRC_CONNECTED状態のモビリティ
RRC_CONNECTED状態のモビリティは、ハンドオーバとしても知られる。ハンドオーバの目的は、たとえばモビリティによって、ソースセル接続としても知られるソース無線接続を使用するソースアクセスノードから、ターゲットセル接続としても知られるターゲット無線接続を使用するターゲットアクセスノードへ、UEを移動することである。ソース無線接続は、ソースアクセスノードによって制御されるソースセルに関連付けられる。ターゲット無線接続は、ターゲットアクセスノードによって制御されるターゲットセルに関連付けられる。すなわち、ハンドオーバ中、UEはソースセルからターゲットセルに移動する。ソースアクセスノードまたはソースセルは「ソース」と呼ばれることもあり、ターゲットアクセスノードまたはターゲットセルは「ターゲット」と呼ばれることもある。
いくつかの事例では、ソースアクセスノードおよびターゲットアクセスノードは、異なるeNBまたはgNBなどの異なるノードである。これらの事例は、ノード間ハンドオーバ、eNB間ハンドオーバ、またはgNB間ハンドオーバとも呼ばれる。他の事例では、ソースアクセスノードおよびターゲットアクセスノードは、同じeNBおよびgNBなどの同じノードである。これらの事例は、ノード内ハンドオーバ、eNB内ハンドオーバ、またはgNB内ハンドオーバとも呼ばれ、ソースセルおよびターゲットセルが同じアクセスノードによって制御される事例を対象とする。さらに他の事例では、ハンドオーバは同じセル内で(したがって、そのセルを制御する同じアクセスノード内でも)実行される。これらの事例は、セル内ハンドオーバとも呼ばれる。
したがって、ソースアクセスノードおよびターゲットアクセスノードは、特定のUEのハンドオーバ中に所与のアクセスノードによって提供される役割を指すことを理解されたい。たとえば、所与のアクセスノードは、あるUEのハンドオーバ中にソースアクセスノードとして機能することができ、別のUEのハンドオーバ中にターゲットアクセスノードとしても機能する。また、所与のUEのノード内ハンドオーバまたはセル内ハンドオーバの事例では、同じアクセスノードが、そのUEのソースアクセスノードとターゲットアクセスノードの両方として機能する。
E-UTRANまたはNG-RANのRRC_CONNECTED状態のUEを、ネットワークによって、サービングセルおよびネイバーセルの測定を実行するように設定することができ、ネットワークは、UEから送信された測定レポートに基づいて、UEのネイバーセルへのハンドオーバを実行することを決定してもよい。次いで、ネットワークは、ハンドオーバコマンドメッセージ、LTEの場合は、mobilityControlInfoと呼ばれるフィールドを有するRRConnectionReconfigurationメッセージを、NRの場合はreconfigurationWithSyncフィールドを有するRRCReconfigurationメッセージをUEに送信する。
これらの再設定は、実際には、ソースアクセスノードからの要求時に、EUTRA-EPCの場合はX2もしくはS1インターフェースを介して、NG-RAN-5GCの場合はXnもしくはNGインターフェースを介して、ターゲットアクセスノードによって準備され、既存のRRC設定、ならびにソースアクセスノードからの要求で提供されるUEの能力および独自の能力、ならびに所期のターゲットセルおよびターゲットアクセスノードのリソース状況を考慮する。ターゲットアクセスノードによって提供される再設定パラメータには、たとえば、UEがターゲットアクセスノードにアクセスするために必要とする情報、たとえば、ランダムアクセス設定、ターゲットアクセスノードによって割り当てられた新しいC-RNTI、およびUEがターゲットアクセスノードに関連付けられた新しいセキュリティキーを算出することを可能にするセキュリティパラメータが含まれ、したがって、UEは、ターゲットアクセスノードへのアクセス時に、新しいセキュリティキーに基づいて暗号化および完全性保護されたSRB1上で、ハンドオーバ完了メッセージ、LTEの場合はRRConnectionReconfigurationCompleteメッセージ、NRの場合はRRCReconfigurationCompleteメッセージを送信することができる。
LTEにおけるハンドオーバを示す図2は、例としてLTEを使用した、UEと、ソースgNB、ソースeNB、またはソースセルとしても知られるソースアクセスノードと、ターゲットgNB、ターゲットeNB、またはターゲットセルとしても知られるターゲットアクセスノードとの間のハンドオーバ中のシグナリングフローを要約したものである。
ハンドオーバ中のユーザプレーンのハンドリング
次のサブセクションで説明するように、必要なサービス品質(QoS)に応じてシームレスハンドオーバまたはロスレスハンドオーバのいずれかが、各ユーザプレーン無線ベアラに対して適切に実行される。
シームレスハンドオーバ
シームレスハンドオーバは、無線リンク制御(RLC)非確認型モード(UM)にマッピングされたユーザプレーン無線ベアラに適用される。これらのタイプのデータ、たとえば音声サービスは、通常、損失に対する耐性はかなり高くなるが、遅延に対する耐性は低くなる。したがって、シームレスハンドオーバは、複雑さおよび遅延を最小限に抑えるように設計されているが、一部のパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サービスデータユニット(SDU)の損失が生じる可能性がある。ハンドオーバ時に、シームレスハンドオーバが適用される無線ベアラの場合、ヘッダ圧縮コンテキストを含むPDCPエンティティがリセットされ、COUNT値がゼロにセットされる。いずれにしてもハンドオーバ時に新しいキーが生成されるので、COUNT値を維持するセキュリティ上の理由はない。送信がまだ開始されていないUE内のPDCP SDUは、ターゲットアクセスノードへのハンドオーバ後に送信されることになる。ソースアクセスノードでは、まだ送信されていないPDCP SDUを、X2/Xnインターフェースを介してターゲットアクセスノードに転送することができる。送信がすでに開始されているが正常に受信されていないPDCP SDUは、失われることになる。これにより、ハンドオーバ時にソースアクセスノードとターゲットアクセスノードとの間でコンテキスト、すなわち設定情報を転送する必要がなくなるので、複雑さが最小限に抑えられる。
ロスレスハンドオーバ
PDCPデータプロトコルデータユニット(PDU)に追加されたシーケンス番号(SN)に基づいて、ハンドオーバ中の順序通りの配信を保証し、さらに完全なロスレスハンドオーバ機能を提供して、ハンドオーバの前に受信がまだ確認されていないPDCP SDUの再送信を実行することが可能である。このロスレスハンドオーバ機能は、主に、1つのPDCP SDUが失われると伝送制御プロトコル(TCP)の反応によりデータレートの大幅な低下が生じる可能性がある、ファイルダウンロードなどの遅延耐性サービスのために使用される。
ロスレスハンドオーバは、RLC確認型モード(AM)にマッピングされているユーザプレーン無線ベアラに適用される。RLC AMが使用される場合、送信されたがRLCレイヤによってまだ確認されていないPDCP SDUは、PDCPレイヤの再送信バッファに格納される。
ダウンリンク(DL)でのロスレスハンドオーバを保証するために、ソースアクセスノードは、再送信バッファに格納されたDL PDCP SDUおよびゲートウェイから受信した新規のDL PDCP SDUを、(再)送信のためにターゲットアクセスノードに転送する。ソースアクセスノードは、ソースアクセスノードに送信された最後のパケット、いわゆる「エンドマーカ」パケットを示す指示をゲートウェイから受信する。ソースアクセスノードはまた、ゲートウェイから受信したパケットの送信をいつ開始できるかをターゲットアクセスノードが認識できるように、この指示をターゲットアクセスノードに転送する。
アップリンク(UL)でのロスレスハンドオーバを保証するために、UEはPDCP再送信バッファに格納されているUL PDPC SDUを再送信する。再送信は、ハンドオーバコマンドの受信時に実行されるPDCP再確立によってトリガされる。ソースアクセスノードは、復号および解凍の後、順不同で受信されたすべてのPDCP SDUをターゲットアクセスノードに転送する。したがって、ターゲットアクセスノードは、ハンドオーバ中に維持されるPDCP SNに基づいて、ソースアクセスノードから受信したPDCP SDUおよびUEから受信した再送信されたPDCP SDUを並べ替え、それらのPDCP SDUを正しい順序でゲートウェイに配信することができる。
ロスレスハンドオーバの追加機能は、いわゆる選択的再送信である。いくつかの事例において、PDCP SDUは正常に受信されたが、対応するRLC肯定応答が受信されないということが発生する可能性がある。この場合、ハンドオーバ後、UEまたはターゲットアクセスノードによって、RLCレイヤから受信した不正確なステータスに基づいた不要な再送信が開始される可能性がある。これらの不要な再送信を回避するために、PDCPステータスレポートを、ターゲットアクセスノードからUEに、またUEからターゲットアクセスノードに送信することができる。ハンドオーバ後にPDCPステータスレポートを送信するかどうかは、無線ベアラごとおよび方向ごとに個別に設定される。
Rel-14メイクビフォアブレイク(Make-Before-Break)ハンドオーバ
ハンドオーバ中断時間は、通常、UEがソースアクセスノードとの送受信を停止してから、ターゲットアクセスノードがUEとの送受信を再開するまでの時間と規定されている。ハンドオーバは、無線ベアラごとおよび方向ごとに個別に設定される。
LTE pre-Rel-14では、3GPP TR36.881、v.14.0.0によれば、ハンドオーバ中断時間は、少なくとも45msである。それ以来、LTEおよびNRでは、ハンドオーバ中断時間を短縮するための様々なソリューションが議論されてきた。中断時間の短縮が保証される低レイテンシ、たとえば、航空用、産業用自動化、産業用制御に関する新しいサービス要件によって改善が推進される。
このような改善の1つの一例として、LTE Rel-14では、ハンドオーバの中断時間を可能な限り短縮して0msに近づけることを目的とするメイクビフォアブレイク(MBB)が導入されている。Rel-14LTE MBBを示す図3を参照されたい。
LTE Rel-14で導入されたMBBハンドオーバ手順とは、UEが、ソースセル内のハンドオーバコマンドメッセージ、mobilityControlInfoを有するRRCConnectionReconfigurationメッセージの受信時にMACをリセットしてRLCおよびPDCPを再確立するという標準のハンドオーバ手順とは異なり、UEが、ソースセルから切断する前にターゲットセルに接続するというハンドオーバメカニズムを指す。RRCConnectionReconfigurationメッセージ内のmobilityControlInfoは、UE120にソースセル103への接続を継続するように指示するフィールド、makeBeforeBreakを含む。3GPP TS36.331、v.15.6.0によれば、次のとおりである。
注1a:makeBeforeBreakが設定されている場合、TS36.133[16]で指定されているように、ターゲットセルへの接続のための再調整を開始するために、ソースセルとのアップリンク送信/ダウンリンク受信をいつ停止するかは、UEの実装形態次第である。
MBBソリューションでは、ハンドオーバコマンドの受信後、UEがターゲットセルで初回のUL送信を実行するまで、ソースセルへの接続が維持される。すなわち、UEがターゲットセルでランダムアクセスを実行するまで、または、MBBがRACHなしのハンドオーバと組み合わされている場合(すなわち、mobilityControlInfo内にrach-Skipが存在する場合)はUEが初回のPUSCH送信を実行するまで、UEでは、MACのリセットならびにRLCおよびPDCPの再確立が遅延される。ターゲットセルへの接続のための再調整を開始するために、ソースセルとのUL送信/DL受信をいつ停止するかは、UEの実装形態(およびUEの能力)次第である。
ソースeNBがUEとの間の送受信を停止した時点で、ソースeNBは、ターゲットeNBにSN STATUS TRANSFERメッセージ(ステップ8)を送信して、PDCPステータス保存が適用される無線ベアラのアップリンクPDCP SN受信機ステータスおよびダウンリンクPDCP SN送信機ステータスを伝達する。
LTE Rel-14(3GPP TS36.300v.15.6.0およびTS36.331、v.15.6.0)で指定されているMBBには、MBBとRACHなしのハンドオーバなどの他の改善とを組み合わせた場合でも約0msのハンドオーバ中断時間に到達することはできないという、既知の制限がいくつかある。Rel-14におけるMBBは、周波数内ハンドオーバでのみサポートされ、UEに単一のRx/Txチェーンが装備されていることを前提としている。周波数内ハンドオーバのシナリオでは、単一のRx UEは、ターゲットセルとソースセルの両方から同時に受信することが可能である。しかしながら、単一のTx UEは、両方のセルに同時に送信することはできない。したがって、MBB Rel-14では、UEは、最初のUL送信の前にソースセルへの接続を解放する。この解放は、UEがRACHプリアンブルを送信するとき、またはRACHなしのHOが設定されている場合はハンドオーバ完了メッセージを送信するときに発生する。
結果として、UEは、パケット送受信のためにターゲットセルとの接続が準備できる前に、ソースセルとの接続を解放し、その結果、中断時間が約5msとなる。
Rel-16拡張メイクビフォアブレイク(eMBB)
Rel-14MBBの欠点に対処し、約0msの中断時間を達成するために、LTEとNRの両方のRel-16について、メイクビフォアブレイクの拡張バージョン(eMBB)が検討されている。この拡張バージョンでは、UEがソースセルとターゲットセルから同時に送信および受信することが可能であると想定されている。実際には、これには、UEにデュアルTx/Rxチェーンが装備されている必要がある場合がある。デュアルTx/Rxチェーンにより、周波数間ハンドオーバなどの他のハンドオーバシナリオでもeMBBをサポートできる可能性がある。
LTEの場合のeMBBノード間ハンドオーバの一例を図4に示す。
このソリューションにおけるいくつかの主要部分は次のとおりである。
・ステップ405において、ハンドオーバコマンドで「eMBB」指示を受信すると、UEは、ターゲットアクセスノードへの接続を確立している間、ソースアクセスノードへの接続を維持する。すなわち、UEは、中断することなく、ステップ405~408の間にソースアクセスノードを介してDL/ULユーザプレーンデータを送受信することができる。ステップ408の後、UEは、通常のHO手順と同様に、UL/DLユーザプレーンデータ送信に利用可能なターゲットリンクを有する。
・ステップ406において、ソースアクセスノードは、UL PDCP受信機ステータスおよび最初に転送されたDL PDCP SDUのSNを示すSNステータス転送メッセージを、ターゲットアクセスノードに送信する。アップリンクPDCP SN受信機ステータスは、少なくとも最初の欠落したUL SDUのPDCP SNを含み、UEがターゲットセルで再送信する必要がある順不同のUL SDUがある場合は、そのようなSDUの受信ステータスのビットマップを含み得る。SNステータス転送メッセージは、最初の欠落したUL SDUのハイパーフレーム番号(HFN)と、ターゲットアクセスノードでのCOUNT保存のためのHFN DLステータスも含む。
・ターゲットアクセスノードとの接続セットアップが成功すると、すなわちステップ408においてハンドオーバ完了メッセージを送信した後、UEは、1つがソースアクセスノードへのデータリンクおよびもう1つがターゲットアクセスノードへのデータリンクという2つのデータリンクを維持する。ステップ408の後、UEは、ターゲットアクセスノードのセキュリティキーおよび圧縮コンテキストを使用して、通常のHO手順と同様に、ターゲットアクセスノード上でULユーザプレーンデータを送信する。したがって、両方のノードへのULユーザプレーンデータ送信の必要はなく、これにより、2つのノード間のUE電力分割が回避され、UEの実装も簡素化される。周波数内ハンドオーバの事例では、ULユーザプレーンデータを一度に1つのノードに送信すると、UL干渉も減少し、ネットワーク側での復号が成功する可能性が高くなる。
・UEは、ソースリンクが解放されるまで、ソースアクセスノードとターゲットアクセスノードの両方のセキュリティおよび圧縮コンテキストを維持する必要がある。UEは、PDUが送信されるセルに基づいて、PDCP PDUに使用されるセキュリティ/圧縮コンテキストを区別することができる。
・パケットの重複を回避するために、UEは、ステップ408において、ハンドオーバ完了メッセージとともに、最後に受信したPDCP SNを指示するPDCPステータスレポートを送信し得る。ターゲットアクセスノードは、PDCPステータスレポートに基づいて、重複するPDCPパケット(すなわち、同一のシーケンス番号を有するPDCP PDU)、すなわち、ソースセルでUEによってすでに受信されたPDCPパケットをUEに送信することを回避することができる。
・ステップ413におけるソースセルの解放は、たとえば、ターゲットアクセスノードからの明示的なメッセージ(図示せず)、または解放タイマの満了などの何らかの他のイベントによってトリガされ得る。
ソースアクセスノードがステップ405の後(すなわち、UEにハンドオーバコマンドを送信した後)にパケットデータ転送を開始する代替として、ターゲットアクセスノードが、パケットデータ転送をいつ開始するかをソースアクセスノードに指示してもよい。たとえば、パケットデータ転送は、ターゲットセルへのリンクが確立された後の段階で、たとえば、UEがターゲットセルでランダムアクセスを実行した後に開始されてもよい。ソースアクセスノードにおいて後の段階でパケットデータ転送を開始することによって、UEがターゲットセルから受信する重複PDCP SDUの数が少なくなる可能性があり、それによってDLレイテンシはある程度減少する。しかしながら、後の段階でパケットデータ転送を開始することは、たとえば、ターゲットアクセスノードへの接続が確立される前にUEとソースアクセスノードとの間の接続が失われた場合、ロバスト性とレイテンシ短縮との間のトレードオフにもなる。このような場合、UEへのDLデータ転送が、短時間中断されることになる。
図5は、eMBBにおけるUE側のプロトコルスタックを示す。各ユーザプレーン無線ベアラは、関連するPDCPエンティティを有し、関連するPDCPエンティティは、2つの関連するRLCエンティティを有し、1つはソースセル用、もう1つはターゲットセル用である。PDCPエンティティは、ソースセルとターゲットセルに異なるセキュリティキーおよびROHCコンテキストを使用するが、SN割り当て(UL送信の場合)および並べ替え/重複検出(DL受信の場合)は共通である。
NRの場合、PDCPの上に、QoSフローをベアラにマッピングする役割を果たす、SDAPと呼ばれる追加のプロトコルレイヤがあることに留意されたい。このレイヤは図5には示されておらず、本文書ではこれ以上説明しない。
「拡張メイクビフォアブレイク」という名称はまだ合意されておらず、「同時接続によるハンドオーバ」、「デュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)」などの他の名称も提案されていることに留意されたい。LTEとNRが機能に異なる名称を使用する可能性もある。たとえば、LTEでは、LTE Rel-14メイクビフォアブレイクと区別するために「拡張メイクビフォアブレイク」という名称を使用する場合があり、NRでは、そのような旧来の手順がないため「メイクビフォアブレイク」という名称を使用する場合がある。本明細書全体を通して、これらの名称を同義で使用する。
条件付きハンドオーバ
3GPPリリース16では、3GPP RAN2によって、条件付きハンドオーバ手順が指定されている。条件付きハンドオーバは、典型的にはハンドオーバがセルエッジで実行される場合に、UEとソースアクセスノードとの間の無線リンクの品質不良に起因してUEからの測定レポートまたはネットワークからのハンドオーバコマンドが失われるなど、ハンドオーバ中に生じ得る信頼性の問題に対処する。
条件付きハンドオーバ(CHO)手順の原理を図6に示す。条件付きハンドオーバの考え方は、セルエッジ無線の不良を回避するために、ハンドオーバコマンドを早期に送信することである。
条件付きハンドオーバでは、ネットワークは、図6のCHO設定メッセージを使用して、ハンドオーバをいつ実行するべきかに関するトリガ条件をUEに設定する。このメッセージは、ハンドオーバが差し迫っているときだけでなく任意の時間的ポイントで送信され得る。隣接セルがサービングセルよりもオフセットが良好になることを意味するA3タイプのイベントなどの条件が満たされると、UEは、測定レポートをネットワークに送信する代わりに、ネットワークからのさらなる命令なしに、条件を満たす隣接セルを制御するターゲットアクセスノードへのハンドオーバを直接実行する。この手順の利点は、HOコマンドのようなメッセージ、図6のCHO設定を、無線状態が悪化する前の早い段階でUEに提供できることであり、これにより、メッセージの送信が成功する可能性が高くなり、従来のハンドオーバのように測定レポートが失われることがない。
ソースノードは、潜在的ターゲットノードを準備するとき、HO要求のCHOインジケータおよび現在のUE設定を含む、X2/Xnを介したHO準備手順を使用する。潜在的ターゲットノードは、CHO準備中に交換されるその設定および他の情報に基づいて、CHOが実行される場合にUEによって使用される専用の設定を生成する。ソースノードは、測定イベントのトリガ条件(たとえば、A3、A5などのしきい値)を決定し、トリガ条件および潜在的ターゲット設定をUEに提供する。
UEは、設定されたすべての潜在的ターゲットセルのCHOトリガ条件を監視する。潜在的ターゲットセルの条件が満たされると、UEは、そのセルへのハンドオーバを実行し、RRCReconfigurationCompleteがターゲットノードに送信される。
デュアルコネクティビティ
デュアルコネクティビティ(DC)により、2つの基地局またはアクセスノードがユーザデータをUEに同時に配信することが可能になる。LTE基地局間のDCは、2015年3月に完成した3GPPリリース12で導入され、LTEとWLANとのDCのような集約は、2016年3月に完成した3GPPリリース13で導入された。LTE-NR DCでは、ユーザデータは、LTE接続とともにUEとNR基地局との間で交換され得る。標準化された最初のソリューションは、拡張ユニバーサル地上無線アクセスと新無線とのデュアルコネクティビティ(EN-DC)である。
EN-DCでは、マスタノード(MN)はLTEであり、セカンダリノード(SN)または集約ノードはNRである。EN-DCでは、マスタノードに無線リソース制御(RRC)終端点が1つしかないLTE DCとは異なり、UEは、セカンダリノードに第2のRRC終端を有する。LTEのRRC終端点とNRのRRC終端点を分離することにより、セカンダリノードは、ネットワーク設定に応じて、NR内モビリティをトリガすること、すなわち、セカンダリノードの変更/解放/修正を開始することが可能になる。LTE DCでは、マスタノードのみがこれを実行することが可能だった。
3GPP TS37.340v.15.6.0で説明されているマルチ無線デュアルコネクティビティ(MR-DC)は、E-UTRA内デュアルコネクティビティ(DC)の一般化であり、複数のRx/Tx UEを、非理想バックホールを介して接続された2つの異なるノードによって提供されるリソースを利用するように設定することができ、一方のノードは、NRアクセスを提供し、他方のノードはE-UTRAまたはNRアクセスを提供する。一方のノードはマスタノード(MN)として機能し、他方のノードはセカンダリノード(SN)として機能する。MNおよびSNはネットワークインターフェースを介して接続され、少なくともMNはコアネットワークに接続される。
セカンダリノード追加手順を使用して、UEのセカンダリセルグループを追加する。この手順は、3GPP TS37.340、v.15.6.0において指定されており、EN-DC、および5GCを使用したMR-DCの場合は、以下のとおりである。
EN-DCのセカンダリノード追加手順
セカンダリノード追加手順は、MNによって開始され、SNからUEにリソースを提供するために、SNにおいてUEコンテキストを確立するために使用される。SCG無線リソースを必要とするベアラの場合、この手順を使用して、少なくともSCGの最初のセルを追加する。この手順は、SN終端MCGベアラを設定するためにも使用することができる(SCG設定は必要ない)。図7に、EN-DCのセカンダリノードの追加手順を示す。
1.MNは、特定のE-RABにリソースを割り当てるようにSNに要求することを決定し、E-RABの特性(E-RABパラメータ、ベアラタイプに対応するTNLアドレス情報)を指示する。さらに、SCG無線リソースを必要とするベアラの場合、MNは、UE能力全体およびUE能力の調整結果を含む、要求されたSCG設定情報を指示する。この場合、MNは、SNがSCGセルを選択して設定するための最新の測定結果も提供する。MNは、スプリットSRB動作のために無線リソースを割り当てるようにSNに要求してもよい。MNは、SNの決定に基づいてSRB3をセットアップできるようにするために、(SN終端ベアラがセットアップされていない場合でも)必要なすべてのセキュリティ情報を常にSNに提供する。MNとSNとの間にX2-Uリソースを必要とするベアラオプションの場合、MNは、それぞれのE-RABに関するX2-U TNLアドレス情報、SN終端ベアラに関するX2-U DL TNLアドレス情報、MN終端ベアラに関するX2-U UL TNLアドレス情報を提供する。SN終端スプリットベアラの場合、MNは、MNがサポートできる最大のQoSレベルを提供する。SNは、要求を拒否する場合がある。
注1:スプリットベアラの場合、MCGおよびSCGのリソースは、MCGとSCGの両方によって提供されるリソースの正確な合計によってそれぞれのE-RABのQoSが保証されるような量、またはそれ以上の量で要求され得る。MN終端スプリットベアラの場合、MNの決定は、ステップ1において、SNにシグナリングされたE-RABパラメータによって反映され、このパラメータは、S1を介して受信したE-RABパラメータとは異なる場合がある。
注2:特定のE-RABの場合、MNは、SCGまたはスプリットベアラの直接の確立、すなわち、最初にMCGベアラを確立する必要がないことを要求してもよい。また、すべてのE-RABをSN終端ベアラとして設定すること、すなわち、MN終端ベアラとして確立されるE-RABがないように設定することも可能である。
2.SN内のRRMエンティティがリソース要求を許可できる場合、RRMエンティティは、それぞれの無線リソースを割り当て、ベアラオプションに応じて、それぞれのトランスポートネットワークリソースを割り当てる。SCG無線リソースを必要とするベアラの場合、SNは、SN無線リソース設定の同期を実行できるように、ランダムアクセスをトリガする。SNは、Pscellおよび他のSCG Scellを決定し、SgNB追加要求肯定応答メッセージに含まれるNR RRC設定メッセージにおいて、新しいSCG無線リソース設定をMNに提供する。MNとSNとの間にX2-Uリソースを必要とするベアラオプションの場合、SNは、それぞれのE-RABに関するX2-U TNLアドレス情報、SN終端ベアラに関するX2-U UL TNLアドレス情報、MN終端ベアラに関するX2-U DL TNLアドレス情報を提供する。SN終端ベアラの場合、SNは、それぞれのE-RABに関するS1-U DL TNLアドレス情報、およびセキュリティアルゴリズムを提供する。SCG無線リソースが要求された場合、SCG無線リソース設定が提供される。
注3:SN終端スプリットベアラオプションの場合、SNは、MNとSNの両方によって提供されるリソースの正確な合計によってそれぞれのE-RABのQoSが保証されるような量のリソース、またはそれ以上の量をMNに要求することを決定し得る。SNの決定は、ステップ2において、MNにシグナリングされたE-RABパラメータによって反映され、このパラメータは、ステップ1で受信したE-RABパラメータとは異なる場合がある。MNから要求されるQoSレベルは、ステップ1でスプリットベアラをセットアップするときにMNが提供したレベルを超えてはならない。
注4:MN終端ベアラの場合、ユーザプレーンデータの送信は、ステップ2の後に行われてもよい。
注5:SN終端ベアラの場合、データ転送およびSNステータス転送は、ステップ2の後に行われてもよい。
3.MNは、NR RRC設定メッセージを修正することなく、NR RRC設定メッセージを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージをUEに送信する。
4.UEは、新しい設定を適用し、必要に応じて、NR RRC応答メッセージを含むRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージによってMNに応答する。RRCConnectionReconfigurationメッセージに含まれる設定(の一部)にUEが準拠できない場合、UEは再設定失敗手順を実行する。
5.MNは、UEからNR RRC応答メッセージを受信している場合、UEが再設定手順を正常に完了したことを、符号化されたNR RRC応答メッセージを含むSgNB ReconfigurationCompleteメッセージを介してSNに通知する。
6.SCG無線リソースを必要とするベアラによって設定されている場合、UEは、SNのPSCellに対して同期を実行する。UEがRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージを送信し、SCGに対してランダムアクセス手順を実行する順序は規定されていない。RRC接続再設定手順の完了を成功させるために、SCGに対するRA手順を成功させる必要はない。
7.RLC AMを使用するSN終端ベアラの場合、MNは、SNステータス転送を送信する。
8.RLC AMを使用するSN終端ベアラの場合、MNは、それぞれのE-RABのベアラ特性に応じて、EN-DC(データ転送)のアクティブ化によるサービスの中断を最小限に抑えるためのアクションを実行してもよい。
9~12.SN終端ベアラの場合、EPCへのUP経路の更新が実行される。
2.1.7.2 5GCを使用したMR-DCのセカンダリノード追加手順
セカンダリノード(SN)追加手順は、MNによって開始され、SNからUEにリソースを提供するために、SNにおいてUEコンテキストを確立するために使用される。SCG無線リソースを必要とするベアラの場合、この手順を使用して、少なくともSCGの初回SCGサービングセルを追加する。この手順は、SN終端MCGベアラを設定するためにも使用することができる(SCG設定は必要ない)。図8に、5GCを使用したSN追加手順を示す。
1.MNは、1つまたは複数の特定のPDUセッション/QoSフローにリソースを割り当てるようにターゲットSNに要求することを決定し、QoSフローの特性(QoSフローレベルのQoSパラメータ、PDUセッションレベルのTNLアドレス情報、およびPDUセッションレベルのネットワークスライス情報)を指示する。さらに、SCG無線リソースを必要とするベアラの場合、MNは、UE能力全体およびUE能力の調整結果を含む、要求されたSCG設定情報を指示する。この場合、MNは、SNがSCGセルを選択して設定するための最新の測定結果も提供する。MNは、スプリットSRB動作のために無線リソースを割り当てるようにSNに要求してもよい。MNは、SNの決定に基づいてSRB3をセットアップできるようにするために、(SN終端ベアラがセットアップされていない場合でも)必要なすべてのセキュリティ情報を常にSNに提供する。
MNとSNとの間にXn-Uリソースを必要とするMN終端ベアラオプションの場合、MNはXn-U UL TNLアドレス情報を提供する。SN終端ベアラの場合、MNは、使用可能なDRB IDのリストを提供する。S-NG-RANノードは、この情報を格納し、SN終端ベアラを確立するときにこの情報を使用する。SNは、要求を拒否する場合がある。
MNとSNとの間にXn-Uリソースを必要とするSN終端ベアラオプションの場合、MNは、ステップ1において、SNがQoSフローをDRBにマッピングする方法を決定する対象となるSCGリソースのセットアップを必要とするPDUセッションごとのQoSフローのリストを提供する。
注1:スプリットベアラの場合、MCGおよびSCGのリソースは、MCGとSCGの両方によって提供されるリソースの正確な合計によってそれぞれのQoSフローのQoSが保証されるような量、またはそれ以上の量で要求され得る。MN終端スプリットベアラの場合、MNの決定は、ステップ1において、SNにシグナリングされたQoSフローパラメータによって反映され、このパラメータは、NGを介して受信したQoSフローパラメータとは異なる場合がある。
注2:特定のQoSフローの場合、MNは、SCGおよび/またはスプリットベアラの直接の確立、すなわち、最初にMCGベアラを確立する必要がないことを要求してもよい。また、すべてのQoSフローをSN終端ベアラにマッピングできること、すなわち、MN終端ベアラにマッピングされるQoSフローがないことも可能である。
2.SN内のRRMエンティティがリソース要求を許可できる場合、RRMエンティティは、それぞれの無線リソースを割り当て、ベアラタイプオプションに応じて、それぞれのトランスポートネットワークリソースを割り当てる。SCG無線リソースを必要とするベアラの場合、SNは、SN無線リソース設定の同期を実行できるように、UEランダムアクセスをトリガする。SNは、PScellおよび他のSCG Scellを決定し、SN追加要求肯定応答メッセージに含まれるSN RRC設定メッセージにおいて、新しいSCG無線リソース設定をMNに提供する。MNとSNとの間にXn-Uリソースを必要とするベアラオプションの場合、SNは、それぞれのDRBに関するXn-U TNLアドレス情報、SN終端ベアラに関するXn-U UL TNLアドレス情報、MN終端ベアラに関するXn-U DL TNLアドレス情報を提供する。SN終端ベアラの場合、SNは、それぞれのPDUセッションに関するNG-U DL TNLアドレス情報、およびセキュリティアルゴリズムを提供する。SCG無線リソースが要求された場合、SCG無線リソース設定が提供される。
注3:MN終端ベアラの場合、ユーザプレーンデータの送信は、ステップ2の後に行われてもよい。
注4:SN終端ベアラの場合、データ転送およびSNステータス転送は、ステップ2の後に行われてもよい。
注5:CAとのPDCP複製が設定されているMN終端NR SCGベアラの場合、MNは、2つの個別のXn-Uベアラを割り当てる。
CAとのPDCP複製が設定されているSN終端NR MCGベアラの場合、SNは、2つの個別のXn-Uベアラを割り当てる。
2a.MCGリソースを使用するSN終端ベアラの場合、MNは、Xn-Uアドレス指示メッセージにおいてXn-U DL TNLアドレス情報を提供する。
3.MNは、SN RRC設定メッセージを修正することなく、SN RRC設定メッセージを含むMN RRC再設定メッセージをUEに送信する。
4.UEは、新しい設定を適用し、必要に応じて、SNのSN RRC応答メッセージを含むMN RRC再設定完了メッセージによってMNに応答する。MN RRC再設定メッセージに含まれる設定(の一部)にUEが準拠できない場合、UEは再設定失敗手順を実行する。
5.MNは、UEからSN RRC応答メッセージが受信された場合、UEが再設定手順を正常に完了したことを、符号化されたSN RRC応答メッセージを含むSN再設定完了メッセージを介してSNに通知する。
6.SCG無線リソースを必要とするベアラによって設定されている場合、UEは、SNによって設定されたPSCellに対して同期を実行する。UEがMN RRC接続再設定完了メッセージを送信し、SCGに対してランダムアクセス手順を実行する順序は規定されていない。RRC接続再設定手順の完了を成功させるために、SCGに対するRA手順を成功させる必要はない。
7.RLC AMを使用するSN終端ベアラの場合、MNは、SNステータス転送を送信する。
8.RLC AMを使用するSN終端ベアラの場合、MNは、それぞれのQoSフローのベアラ特性に応じて、MR-DC(データ転送)のアクティブ化によるサービスの中断を最小限に抑えるためのアクションを実行してもよい。
9~12.SN終端ベアラの場合、PDUセッション経路更新手順によって、5GCへのUP経路の更新が実行される。
セカンダリノード変更
セカンダリノード変更は、マスタノードまたはセカンダリノードのいずれかによって、2つの方法でトリガされてもよい。
MNによって開始されるSN変更
図9に、MNによって開始されるセカンダリノード変更のシグナリングフローの一例を示す。
1/2.MNは、SgNB追加手順を使用してUEにリソースを割り当てるようにターゲットSNに要求することによって、SN変更を開始する。MNは、ターゲットSNに関連する測定結果を含み得る。転送が必要な場合、ターゲットSNは、MNに転送アドレスを提供する。ターゲットSNは、RRC設定の全体または差分の指示を含み得る。
注2:MNは、ステップ1の前にSgNB修正要求メッセージを(ソースSNに)送信して、現在のSCG設定を要求してもよい。
3.ターゲットSNリソースの割り当てが成功した場合、MNは、SCGモビリティを示す要因を含むソースSNリソースの解放を開始する。ソースSNは、解放を拒否する場合がある。データ転送が必要な場合、MNは、データ転送アドレスをソースSNに提供する。SN終端ベアラに直接データ転送が使用される場合、MNは、ターゲットSNから受信されたデータ転送アドレスをソースSNに提供する。SgNB解放要求メッセージを受信すると、ソースSNがトリガされ、UEへのユーザデータの提供が停止し、該当する場合はデータ転送が開始する。
4/5.MNは、新しい設定を適用するようにUEをトリガする。MNは、ターゲットSNによって生成されたNR RRC設定メッセージを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージにおいて、新しい設定をUEに指示する。UEは、新しい設定を適用し、必要に応じて、ターゲットSNの符号化されたNR RRC応答メッセージを含むRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージを送信する。RRCConnectionReconfigurationメッセージに含まれる設定(の一部)にUEが準拠できない場合、UEは再設定失敗手順を実行する。
6.RRC接続再設定手順が成功した場合、MNは、UEからNR RRC応答メッセージを受信していれば、ターゲットSNに対する符号化されたNR RRC応答メッセージとともにSgNBReconfigurationCompleteメッセージによって、完了をターゲットSNに通知する。
7.SCG無線リソースを必要とするベアラで設定されている場合、UEは、ターゲットSNに同期する。
8.RLC AMを使用するSN終端ベアラの場合、ソースSNは、SNステータス転送を送信し、次いで、MNは、SNステータス転送をターゲットSNに送信する。
9.該当する場合、ソースSNからのデータ転送が行われる。データ転送は、ソースSNがMNからSgNB解放要求メッセージを受信するとすぐに開始されてもよい。
10.ソースSNは、セカンダリRATデータボリュームレポートメッセージをMNに送信し、関連するE-RABのNR無線を介してUEに配信されるデータボリュームを含む。
注3:SNがセカンダリRATデータボリュームレポートメッセージを送信し、MNでデータ転送を実行する順序は、規定されていない。SNは、関連するベアラの送信が停止したときにレポートを送信してもよい。
11~15.ベアラの1つがソースSNで終端した場合、MNによって経路更新がトリガされる。
16.ソースSNは、UEコンテキスト解放メッセージを受信すると、UEコンテキストに関連付けられた無線およびCプレーン関連のリソースを解放することができる。進行中のデータ転送は継続されてもよい。
SNによって開始されるSN変更
図10に、SNによって開始されるセカンダリノード変更のシグナリングフローの一例を示す。
1.ソースSNは、SgNB変更要求メッセージを送信することによってSN変更手順を開始し、SgNB変更要求メッセージは、ターゲットSN ID情報を含み、(差分設定をサポートするための)SCG設定およびターゲットSNに関連する測定結果を含み得る。
2/3.MNは、SgNB追加手順によって、UEにリソースを割り当てるようにターゲットSNに要求し、ソースSNから受信されたターゲットSNに関連する測定結果を含む。転送が必要な場合、ターゲットSNは、MNに転送アドレスを提供する。ターゲットSNは、RRC設定の全体または差分の指示を含み得る。
4/5.MNは、新しい設定を適用するようにUEをトリガする。MNは、ターゲットSNによって生成されたNR RRC設定メッセージを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージにおいて、新しい設定をUEに指示する。UEは、新しい設定を適用し、必要に応じて、ターゲットSNの符号化されたNR RRC応答メッセージを含むRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージを送信する。RRCConnectionReconfigurationメッセージに含まれる設定(の一部)にUEが準拠できない場合、UEは再設定失敗手順を実行する。
6.ターゲットSNリソースの割り当てが成功した場合、MNは、ソースSNリソースの解放を確定する。データ転送が必要な場合、MNは、データ転送アドレスをソースSNに提供する。SN終端ベアラに直接データ転送が使用される場合、MNは、ターゲットSNから受信されたデータ転送アドレスをソースSNに提供する。SgNB変更確定メッセージを受信すると、ソースSNがトリガされ、UEへのユーザデータの提供が停止し、該当する場合はデータ転送が開始する。
7.RRC接続再設定手順が成功した場合、MNは、UEからNR RRC応答メッセージを受信していれば、ターゲットSNに対する符号化されたNR RRC応答メッセージとともにSgNB再設定完了メッセージによって、ターゲットSNに通知する。
8.UEは、ターゲットSNに同期する。
9.RLC AMを使用するSN終端ベアラの場合、ソースSNは、SNステータス転送を送信し、次いで、MNは、SNステータス転送をターゲットSNに送信する。
10.該当する場合、ソースSNからのデータ転送が行われる。データ転送は、ソースSNがMNからSgNB変更確定メッセージを受信するとすぐに開始されてもよい。
11.ソースSNは、セカンダリRATデータボリュームレポートメッセージをMNに送信し、関連するE-RABのNR無線を介してUEに配信されるデータボリュームを含む。
注4:ソースSNがセカンダリRATデータボリュームレポートメッセージを送信し、MN/ターゲットSNでデータ転送を実行する順序は、規定されていない。SgNBは、関連するベアラの送信が停止したときにレポートを送信してもよい。
12~16.ベアラの1つがソースSNで終端した場合、MNによって経路更新がトリガされる。
17.ソースSNは、UEコンテキスト解放メッセージを受信すると、UEコンテキストに関連付けられた無線およびCプレーン関連のリソースを解放することができる。進行中のデータ転送は継続されてもよい。
2.1.8 LTEおよびNRにおけるPDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル)プロトコル
PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル)は、3GPP LTEおよびNRにおけるUEとアクセスノード(eNBまたはgNB)との間で動作するレイヤ2プロトコルである。LTEとNRは類似しているので、以下のPDCPの概論は、特に明記されていない限りLTEとNRの両方について有効である。
LTEおよびNRのPDCPプロトコルは、それぞれ3GPP TS36.323、v.15.4.0および38.323、v.15.6.0で指定されている。
各無線ベアラ(すなわち、SRB0およびSRB1bisを除く、DRB、SLRB、およびSRB)は、1つのPDCPエンティティに関連付けられる。各PDCPエンティティは、RB特性(すなわち、単方向性または双方向性)およびRLCモードに応じて、1つまたは2つ(各方向に1つ)のRLCエンティティに関連付けられる。
PDCPエンティティは、IPヘッダ圧縮(ROHC)を実行するように設定されてもよい。PDCPは、ユーザプレーンデータおよびコントロールプレーンデータの暗号化および解読、ならびにコントロールプレーンデータの完全性保護および完全性検証も実行する。さらに、PDCPは、データの並べ替え、データの重複破棄、および(PDCP SN、COUNTとしても知られる)PDCPシーケンス番号の保守などの他の機能を含む、順序通りの配信を実行する。
PDCP再確立およびPDCP回復の後、または他の手段によって(たとえば、RRCレイヤ、もしくはPDCPレイヤ自体でのタイマベースのポーリングによって)PDCPステータスレポートがトリガされたときなどの特定の状況において、PDCPエンティティは、そのピアPDCPエンティティに、PDCPステータスレポートとして知られるPDCP制御PDUを送信する。PDCPステータスレポートの内容は、(LTEの場合はフィールドFMS、NRの場合はフィールドFMCに対応する)最初の欠落したPDCP SDUのPDCP SNである。PDCPステータスレポートは、各ビットがPDCP SDUを表すビットマップフィールドも含み得る。ビットマップフィールドのサイズは、典型的には、最初の欠落したPDCP SDUを含まずそのPDCP SDUから、最後の順不同のPDCP SDUを含むそのPDCP SDUまでのSDUの数に対応する。各ビットは、SDUが受信されたか(値「1」によって示される)、SDUが受信されなかったか(値「0」によって示される)を指示する。
ピアPDCPエンティティは、PDCPステータスレポートを受信すると、シーケンス番号がFMS/FMCフィールドよりも小さいSDUおよび対応するPDCP PDU、ならびに正常に配信されたのでビットマップのビットが値「1」にセットされているSDUおよび対応するPDCP PDUを考慮し、次いで、これらのPDUは、このピアPDCPエンティティの送信機バッファにおいて、またこれらのPDUがRLCに配信された場合は対応するRLCエンティティにおいて、破棄される(NRの場合はSDU破棄、LTEの場合はPDCP破棄として知られる)。
本開示の様々な実施形態は、上記の背景および他の考慮事項に鑑みてなされたものである。
本明細書の実施形態の目的は、パケットの重複を低減し、ダウンリンクリソースを自由化するために、UEがソースアクセスノードから受信したすべてのダウンリンクパケットをターゲットアクセスノードが知ることを可能にするメカニズムを提供することである。
この全般的な目的は、添付の独立請求項によって対処されている。有利な実施形態は、添付の従属請求項に規定されている。
第1の態様によれば、無線通信ネットワークにおいて、少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのDAPSハンドオーバを実行するときに、PDCP SDUをハンドリングするためにUEによって実行される方法が提供される。方法は、前記少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのハンドオーバを実行するためのトリガを取得することと、少なくとも1つの無線ベアラのために、ターゲットアクセスノードとの無線接続を確立することとを含む。方法は、確立された無線接続を介して、PDCP SDUのUL送信をソースアクセスノードからターゲットアクセスノードに切り替えることと、ソースアクセスノードとの無線接続を解放することとをさらに含む。ソースアクセスノードとの無線接続が解放された後、方法は、ターゲットアクセスノードに、少なくとも1つの無線ベアラの設定済みの無線ベアラごとに、PDCPステータスレポートを送信することを含み、それぞれのPDCPステータスレポートは、欠落したPDCP SDUのPDCPシーケンス番号(SN)を指示する。
いくつかの実施形態において、方法は、ソースアクセスノードとの無線接続を解放する前に、第1のPDCPステータスレポートを送信することをさらに含む。ソースアクセスノードとの無線接続を解放した後に送信されるPDCPステータスレポートは、第2のPDCPステータスレポートである。
いくつかの実施形態において、方法は、ターゲットアクセスノードから、ソースアクセスノードとの無線接続の解放をトリガするメッセージを受信することをさらに含む。無線接続の解放をトリガするメッセージは、無線リソース制御(RRC)接続再設定メッセージおよびRRC再設定メッセージのうちのいずれか1つである。
いくつかの実施形態において、PDCPステータスレポートは、RRCメッセージと多重化された状態、RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージ、もしくはこのRRC応答メッセージ内のメッセージ、RRC接続再設定完了メッセージと多重化されたRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージ、RRC再設定完了メッセージ、PDCP制御PDUメッセージ、ハンドオーバ完了制御PDUメッセージ、またはターゲットアクセスノードに最初に送信されるULデータパケットを伴う状態のうちのいずれか1つで送信される。
いくつかの実施形態において、PDCPステータスレポートは、UEに設定された無線リンク制御確認型モード(RLC-AM)ベアラごとに、ターゲットアクセスノードに送信される。
第2の態様によれば、無線通信ネットワークにおいて、UEの少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのDAPSハンドオーバ中にPDCP SDUをハンドリングするためにターゲットアクセスノードによって実行される方法が提供される。方法は、ソースアクセスノードから、UEの少なくとも1つの無線ベアラのハンドオーバが実行されているとの指示を受信することと、ソースアクセスノードから、転送されたPDCP SDUを受信することとを含む。方法は、UEから、UEがソースアクセスノードとの無線接続を解放したとの指示、および少なくとも1つの無線ベアラの設定済みの無線ベアラごとにPDCPステータスレポートを受信することをさらに含む。それぞれのPDCPステータスレポートは、欠落したPDCP SDUのPDCP SNを指示する。方法は、その後、重複するPDCP SDUをUEに転送することを回避するために、受信したPDCPステータスレポートに基づいて、ソースアクセスノードから受信したPDCP SDUを破棄することを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、第1のPDCPステータスレポートを受信することをさらに含み、第1のPDCPステータスレポートは、UEがソースアクセスノードとの無線接続を解放したとの指示が受信される前に受信される。UEがソースアクセスノードとの無線接続を解放したとの指示に関連して受信されるPDCPステータスレポートは、第2のPDCPステータスレポートである。
いくつかの実施形態において、方法は、ソースアクセスノードとの無線接続の解放をトリガするメッセージをUEに送信することをさらに含む。メッセージは、RRC接続再設定メッセージまたはRRC再設定メッセージである。
いくつかの実施形態において、PDCPステータスレポートは、RRCメッセージと多重化された状態、RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージ、もしくはこのRRC応答メッセージ内のメッセージ、RRC接続再設定完了メッセージと多重化されたRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージ、RRC再設定完了メッセージ、PDCP制御PDUメッセージ、ハンドオーバ完了制御PDUメッセージ、またはターゲットアクセスノードに最初に送信されるULデータパケットを伴う状態のうちのいずれか1つで受信される。
いくつかの実施形態において、PDCPステータスレポートは、UEに設定されたRLC-AMベアラごとに受信される。
第3の態様によれば、第1の態様による方法を実行するように設定されたUEが提供される。
UEは、無線通信ネットワークにおいて、少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのDAPSハンドオーバを実行するときに、PDCP SDUをハンドリングするように設定される。UEは、前記少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのハンドオーバを実行するためのトリガを取得し、少なくとも1つの無線ベアラのために、ターゲットアクセスノードとの無線接続を確立するようにさらに設定される。UEは、確立された無線接続を介して、PDCP SDUのUL送信をソースアクセスノードからターゲットアクセスノードに切り替え、ソースアクセスノードとの無線接続を解放するようにさらに設定される。UEは、ターゲットアクセスノードに、少なくとも1つの無線ベアラのうちの設定済みの無線ベアラごとに、PDCPステータスレポートを送信するようにさらに設定される。それぞれのPDCPステータスレポートは、欠落したPDCP SDUのPDCP SNを指示する。
いくつかの実施形態において、UEは、ソースアクセスノードとの無線接続が解放される前に、第1のPDCPステータスレポートを送信するようにさらに設定される。ソースアクセスノードとの無線接続が解放された後に送信されるPDCPステータスレポートは、第2のPDCPステータスレポートである。
いくつかの実施形態において、UEは、ターゲットアクセスノードから、ソースアクセスノードとの無線接続の解放をトリガするメッセージを受信するようにさらに設定される。無線接続の解放をトリガするメッセージは、RRC接続再設定メッセージおよびRRC再設定メッセージのうちのいずれかである。
いくつかの実施形態において、PDCPステータスレポートは、RRCメッセージと多重化された状態、RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージ、もしくはこのRRC応答メッセージ内のメッセージ、RRC接続再設定完了メッセージと多重化されたRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージ、RRC再設定完了メッセージ、PDCP制御PDUメッセージ、ハンドオーバ完了制御PDUメッセージ、またはターゲットアクセスノードに最初に送信されるULデータパケットを伴う状態のうちのいずれか1つで送信される。
いくつかの実施形態において、PDCPステータスレポートは、UEに設定されたRLC-AMベアラごとに、ターゲットアクセスノードに送信される。
第4の態様によれば、第2の態様による方法を実行するように設定されたターゲットアクセスノードが提供される。
ターゲットアクセスノードは、無線通信ネットワークにおいて、UEの少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのDAPSハンドオーバ中にPDCP SDUをハンドリングするように設定される。ターゲットアクセスノードは、ソースアクセスノードから、UEの少なくとも1つの無線ベアラのハンドオーバが実行されているとの指示を受信し、ソースアクセスノードから、転送されたPDCP SDUを受信するように設定される。ターゲットアクセスノードは、UEから、UEがソースアクセスノードとの無線接続を解放したとの指示、および少なくとも1つの無線ベアラの設定済みの無線ベアラごとにPDCPステータスレポートを受信するように設定される。それぞれのPDCPステータスレポートは、欠落したPDCP SDUのPDCP SNを指示する。その後、ターゲットアクセスノードは、重複するPDCP SDUをUEに転送することを回避するために、受信したPDCPステータスレポートに基づいて、ソースアクセスノードから受信したPDCP SDUを破棄するように設定される。
いくつかの実施形態において、ターゲットアクセスノードは、第1のPDCPステータスレポートを受信するようにさらに設定され、第1のPDCPステータスレポートは、UEがソースアクセスノードとの無線接続を解放したとの指示の前に受信される。UEがソースアクセスノードとの無線接続を解放したとの指示に関連して受信されるPDCPステータスレポートは、第2のPDCPステータスレポートである。
いくつかの実施形態において、ターゲットアクセスノードは、ソースアクセスノードとの無線接続の解放をトリガするメッセージをUEに送信するようにさらに設定される。メッセージは、RRC接続再設定メッセージまたはRRC再設定メッセージである。
いくつかの実施形態において、PDCPステータスレポートは、RRCメッセージと多重化された状態、RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージ、もしくはこのRRC応答メッセージ内のメッセージ、RRC接続再設定完了メッセージと多重化されたRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージ、RRC再設定完了メッセージ、PDCP制御PDUメッセージ、ハンドオーバ完了制御PDUメッセージ、またはターゲットアクセスノードに最初に送信されるULデータパケットを伴う状態のうちのいずれか1つである。
いくつかの実施形態において、PDCPステータスレポートは、UEに設定されたRLC-AMベアラごとに受信される。
第5の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、少なくとも1つのプロセッサに第1の態様および/または第2の態様に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
第6の態様によれば、第5の態様に記載のコンピュータプログラムを含むキャリアが提供され、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
本明細書で提案する様々な実施形態は、DAPSハンドオーバ中のPDCP SDUの改良されたハンドリングを提供する。本明細書で提供される実施形態は、パケットの重複を低減、ダウンリンクリソースを自由化することができる。さらに、ダウンリンクパケットの遅延が減少し得る。
本明細書の実施形態は、上記の特徴および利点に限定されない。当業者であれば、以下の詳細な説明を読むことにより、さらなる特徴および利点を認識するであろう。
次に、実施形態について、開示の図面と関連付けてより詳細に説明する。
無線通信ネットワークを示す概略図である。
LTEにおけるハンドオーバを示す図である。
Rel-14LTEメイクビフォアブレイクハンドオーバを示す図である。
拡張メイクビフォアブレイクノード間ハンドオーバの一例を示す図である。
拡張メイクビフォアブレイクにおけるUE側のプロトコルスタックを示す図である。
条件付きハンドオーバ手順の原理を示す図である。
EN-DCのセカンダリノード追加手順を示す図である。
5GCを使用したセカンダリノード追加手順を示す図である。
マスタノードによって開始されるセカンダリノード変更の例示的なシグナリングフローを示す図である。
セカンダリノードによって開始されるセカンダリノード変更の例示的なシグナリングフローを示す図である。
無線通信ネットワークを示す概略図である。
本明細書の実施形態によるフローチャートである。
本明細書の実施形態によるフローチャートである。
本明細書の実施形態によるUEを示すブロック図である。
本明細書の実施形態によるUEを示すブロック図である。
本明細書の実施形態によるターゲットアクセスノードを示すブロック図である。
本明細書の実施形態によるターゲットアクセスノードを示すブロック図である。
中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを示す概略ブロック図である。
部分的な無線接続にわたって基地局を介してUEと通信するホストコンピュータの概略ブロック図である。
ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む通信システムにおける方法の実施形態を示すフローチャートである。
ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む通信システムにおける方法の実施形態を示すフローチャートである。
ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む通信システムにおける方法の実施形態を示すフローチャートである。
ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む通信システムにおける方法の実施形態を示すフローチャートである。
本明細書における実施形態の開発の一部として、本発明者らは、最初に議論する問題を特定した。
図4に示す拡張メイクビフォアブレイクソリューションでは、ハンドオーバコマンドメッセージをユーザ機器(UE)に送信した後、パケット損失を回避するために、ソースアクセスノードがすべてのダウンリンク(DL)データパケットをターゲットアクセスノードに転送することが提案されている。ステップ408において、UEは、ハンドオーバ完了メッセージとともに、ベアラごとに、ソースセルでPDCPシーケンス番号(SN)を受信したPDCPシーケンス番号(SN)、厳密には、最初の欠落したPDCPサービスデータユニット(SDU)のPDCP SNを示す1つまたは複数のパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)ステータスレポートを、UEに設定された無線リンク制御確認型モード(RLC-AM)ベアラごとに1つずつ送信する。次いで、ターゲットアクセスノードは、PDCPステータスレポート内の情報に基づいて、転送されたパケットをUEに送信し、同時に、重複するPDCPパケット、すなわち、ソースセルでUEによってすでに受信されたPDCPパケットを送信することを回避する。しかしながら、X2/Xnを介したパケットの転送は遅延を引き起こし、ステップ408の後にUEがソースアクセスノードからもDLデータパケットを受信し続けることを考慮すると、UEは、ソースアクセスノードから1つまたは複数のDLパケットを受信する可能性があり、1つまたは複数のDLパケットはターゲットアクセスノードにも転送される。アクセスノード間リンク(X2/Xnインターフェース)によって引き起こされる遅延に起因して、UEは、通常、ターゲットアクセスノードから同じパケットを受信するよりも早く、ソースアクセスノードからパケットを受信することになる。
しかしながら、ターゲットアクセスノードは、ステップ408でUEからPDCPステータスレポートを受信した後、UEがソースアクセスノードから受信したDLパケットを認識しない。これは、ターゲットアクセスノードが、UEがソースアクセスノードから受信したものと同じパケットをUEに送信する可能性があること、すなわち、ターゲットアクセスノードから送信されたDLパケットがUEで重複パケットとして扱われることを意味し、後続のDLパケットに遅延が生じ、したがって、DLデータストリームにジッタが生じる。
本明細書の実施形態は、一般に、無線通信ネットワークに関する。図11は、本明細書の実施形態が実装され得る無線通信ネットワーク100を示す概略図である。無線通信ネットワーク100は、1つまたは複数の無線アクセスネットワーク(RAN)および1つまたは複数のコアネットワーク(CN)を含む。無線通信ネットワーク100は、いくつかの可能な実装について言及すると、Wi-Fi、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、5G、新無線(NR)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、汎欧州デジタル移動電話方式/GSMエボリューション用拡張データレート(GSM/EDGE:Global System for Mobile communications/enhanced Data rate for GSM Evolution)、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMax)、またはウルトラモバイルブロードバンド(UMB)などの多くの異なる技術を使用することができる。本明細書の実施形態は、5Gのコンテキストで特に関心を集めている最近の技術動向に関する。しかしながら、実施形態は、たとえばWCDMAおよびLTEなどの既存の無線通信システムのさらなる開発にも適用可能である。
ソースアクセスノード111およびターゲットアクセスノード112などのアクセスノードは、無線通信ネットワーク100で動作する。ソースアクセスノード111は、地理的エリア、ソースセル115と呼ばれるサービスエリアにわたる無線カバレッジを提供し、これらのエリアは、5G、LTE、Wi-Fiなどの第1の無線アクセス技術(RAT)のビームまたはビームグループとも呼ばれる。ターゲットアクセスノード112は、地理的エリア、ターゲットセル116と呼ばれるサービスエリアにわたる無線カバレッジも提供し、これらのエリアは、5G、LTE、Wi-Fiなどの第1のRATのビームまたはビームグループとも呼ばれる。第1のアクセスノード111および第2のアクセスノード112はそれぞれ、NR-RANノード、送受信点、たとえば、基地局、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイントもしくはアクセスポイントステーション(AP STA)などの無線アクセスノード、アクセスコントローラ、基地局、たとえばノードB、エボルブドノードB(eNB、eノードB)、gNB、ベーストランシーバ局、無線リモートユニット、アクセスポイント基地局、基地局ルータ、無線基地局の伝送配置、スタンドアロンアクセスポイントなどのなどの無線基地局、または、第1のRATおよび使用される用語に応じてそれぞれのソースアクセスノード111およびターゲットアクセスノード112によってサーブされるサービスエリア内の無線デバイスと通信することが可能な他のネットワークユニットとすることができる。それぞれのソースアクセスノード111およびターゲットアクセスノード112は、サービング無線アクセスノードと呼ばれることがあり、UEへのDL送信およびUEからのアップリンク(UL)送信によってUEと通信する。
UE120などのいくつかのUEは、無線通信ネットワーク100で動作する。UE120は、移動局、非アクセスポイント(非AP)STA、STA、ユーザ機器、および/または無線端末とすることができ、これらは、1つまたは複数のアクセスネットワーク(AN)、たとえばRANを介して、たとえばソースおよび/またはターゲットアクセスノード111、112を介して、たとえばCNノード130を含む1つまたは複数のCNと通信する。「UE」が、任意の端末、無線通信端末、ユーザ機器、マシンタイプ通信(MTC)デバイス、デバイス間(D2D:Device to Device)端末、またはノード、たとえば、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、携帯電話、センサ、中継器、モバイルタブレット、さらにはセル内で通信する小型基地局を意味する非限定的な用語であることが当業者によって理解されるべきである。
本明細書の方法は、第1の態様では、UE120によって実行されてもよく、第2の態様では、ターゲットアクセスノード112によって実行されてもよい。代替として、本方法を実行するため、または部分的に実行するために、図11に示すクラウド140に含まれる分散ノード(DN)および機能性が使用されてもよい。
本明細書の実施形態のいくつかの例において、UE120は、ソースセルへの接続を解放した後、PDCPステータスレポート、厳密には、UE120に設定されたRLC-AMベアラごとに1つのPDCPステータスレポートを、ターゲットアクセスノード112に送信する。このようにして、ターゲットアクセスノード112は、HO完了およびPDCPステータスレポートをターゲットアクセスノード112に送信した後、UE120がソースアクセスノード111から受信した追加のDLパケットを認識し、したがって、ターゲットアクセスノード112は、重複するDLパケットをUE120に送信することを回避することができる。
本明細書の実施形態によるハンドオーバはセカンダリノード変更も含むことに留意されたい。
本明細書の実施形態により、ターゲットアクセスノード112は、UE120によってソースアクセスノード111から受信されたすべてのDLパケット、およびUE120がターゲットセルに接続されてHO完了を送信した後に受信されたパケットも知ることが可能になる。これにより、パケットの重複が低減し、ダウンリンクリソースが自由化される。さらに、ダウンリンクパケットの遅延が減少する。
本明細書の特定の実施形態において、特にソースアクセスノード111からのダウンリンクが依然として良好であるシナリオでは、ソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのダウンリンクパケットの転送は、さらに後に開始されてもよい。
図12は、無線通信ネットワーク100において、1つまたは複数の無線ベアラのソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのデュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)ハンドオーバを実行するときにPDCP SDUをハンドリングするためにUE120によって実行される方法の例示的な実施形態を示す。セカンダリノード変更という表現は、本明細書ではハンドオーバと呼ぶこともある。
最初に方法について簡単に説明し、その後より詳細に説明する。方法は、以下のアクションのうちの1つまたは複数を含む。
アクション1201において、UE120は、ハンドオーバを実行するようにトリガされる。UE120は、トリガを取得することによって、前記少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのハンドオーバを実行するようにトリガされる。その後、アクション1202において、UE120は、少なくとも1つの無線ベアラのための、ターゲットアクセスノード112との無線接続を確立する。アクション1203において、ターゲットアクセスノード112との無線ベアラのための無線接続を確立した後、UE120は、確立された接続を介して、PDCP SDUのアップリンク(UL)送信をソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112に切り替える。
アクション1206において、UE120は、ソースアクセスノード111との無線接続を解放する。アクション1206においてソースアクセスノード111との無線接続を解放した後、UE120は、アクション1207において、1つまたは複数の無線ベアラのうちの設定済みの無線ベアラごとに、ステータスレポート、すなわち、PDCPステータスレポートをターゲットアクセスノード112に送信する。それぞれのステータスレポートは、ソースアクセスノード111またはターゲットアクセスノード112のうちのいずれか1つまたは複数によってどのPDCP SDUが受信されたかを指示する。言い換えれば、それぞれのPDCPステータスレポートは、欠落したPDCP SDUのPDCP SNを指示する。
次に、以下の本文において、UE120における方法アクションについて、より詳細に説明および例示する。
アクション1201:UE120は、少なくとも1つの無線ベアラのソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのハンドオーバを実行するためのトリガを取得する。したがって、UE120は、ターゲットアクセスノード112へのハンドオーバを実行するようにトリガされる。トリガは、条件付きハンドオーバを実行するための条件が満たされるように、拡張メイクビフォアブレイクハンドオーバ/SCG変更またはUE内部トリガを実行するための、LTEにおけるRRCConnectionReconfigurationまたはNRにおけるRRCReconfigurationなどの、ハンドオーバコマンドトリガメッセージまたはセカンダリノード変更トリガメッセージを受信することであり得る。ターゲットアクセスノードへのハンドオーバのタイプは、DAPSハンドオーバ、すなわち、拡張メイクビフォアブレイクハンドオーバであり得る。
アクション1202:UE120は、典型的にはランダムアクセス手順を使用して、ターゲットアクセスノード112との無線接続を確立する。
アクション1203:ターゲットアクセスノード112からの最初のUL許可の受信などの特定の時点において、UE120は、PDCP SDUのそのアップリンク送信を、ソースアクセスノード111によって提供されるソースセルから、ターゲットアクセスノード112によって提供されるターゲットセルに切り替える。ハンドオーバは、拡張メイクビフォアブレイクタイプ、すなわち、DAPSハンドオーバであるので、UE120は、ソースアクセスノード111との無線接続を継続し、したがって、ULユーザデータ送信をターゲットアクセスノード111に切り替えた後も、ソースアクセスノード111からDLパケットを受信し続けることができる。UE120は、典型的には、LTEにおけるRRCConnectionReconfigurationCompleteまたはNRにおけるRRCConnectionReconfigurationなど、ハンドオーバ完了タイプのメッセージまたはセカンダリノード変更完了タイプのメッセージを、ターゲットアクセスノード112に送信する。この時間的ポイントから、UE120は、ソースアクセスノード111とターゲットアクセスノード112の両方からDLパケットを受信することができる。
アクション1204:いくつかの実施形態において、UE120は、ソースアクセスノード112との無線接続を解放する前に、第1のステータスレポートを送信する。この場合、ソースアクセスノード111との無線接続を解放した後に送信されるPDCPステータスレポートを、第2のPDCPステータスレポートと呼ぶ。
アクション1205:いくつかの実施形態において、UE120は、ソースアクセスノード112との無線接続の解放をトリガするメッセージを受信し得る。このようなメッセージの例は、ターゲットアクセスノード112からのRRCConnectionReconfigurationメッセージ、またはNRにおけるターゲットアクセスノードからのRRCReconfigurationメッセージであり得る。
アクション1206:UE120はソースアクセスノード111との無線接続を解放する。ソースアクセスノードもしくはターゲットアクセスノードから受信されたメッセージによって、またはソースアクセスノード111から受信された帯域内インジケータ、たとえばPDCP「エンドマーカ」パケットによって、または通常ランダムアクセス手順の完了時もしくはハンドオーバコマンドの受信時に開始されるタイマが満了するなど、UE120における特定の条件が満たされることによって、ソースセルの解放がトリガされてもよい。ソース接続の解放はまた、UE120によって、たとえば非アクティブタイマの満了時または無線リンク障害の検出時に、暗黙的に行われてもよい。
アクション1207:UE120がソースセル接続を解放した後、UE120は、ターゲットアクセスノード112に、無線ベアラごとにPDCPステータスレポートを送信する。したがって、PDCPステータスレポートを送信するステップ1207は、UE120がソースセル接続を解放した後に実行される。UE120は、ターゲットアクセスノード112に、少なくとも1つまたは複数の無線ベアラのうちの設定済みの無線ベアラごとに、PDCPステータスレポートを送信する。UE120に設定されたRLC-AMベアラごとに、1つのPDCPステータスレポートが送信されることが好ましい。このPDCPステータスレポートは、どのSDUがソースセルで受信されたか、または最初の欠落したPDCP SDUのPDCP SNを指示する。代替として、PDPCステータスレポートは、ソースセルまたはターゲットセルのいずれかで、どのSDUが受信されたか、または最初の欠落したPDCP SDUのPDCP SNを指示する。
いくつかの代替実施形態では、アクション1206において、UE120は、ソースセル接続を解放したことを示すメッセージ、たとえば、新しい「ソースセル接続解放済み」RRCメッセージを、ターゲットアクセスノード112に送信する。この代替案では、PDCPステータスレポートは、このRRCメッセージと多重化されたメッセージとしてUE120から送信されるか、あるいはこのRRCメッセージ内で送信される。
いくつかの他の代替実施形態では、アクション1206において、UE120は、新しいRRC「ソースセル解放」メッセージなどの特定のメッセージがターゲットアクセスノード112から受信されたとき、ソースセル接続を解放する。この代替案では、PDCPステータスレポートは、RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージとしてUE120から送信されるか、あるいはこのRRCメッセージ内で送信されてもよい。
いくつかの他の代替実施形態では、UE120は、ターゲットアクセスノード112からRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信したとき、NRの場合はRRCReconfigurationメッセージを受信したとき、アクション1206において、ソースセル接続を解放する。この指示は、アクション1205で受信されてもよい。この代替案では、PDCPステータスレポートは、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージと、NRの場合はRRCReconfigurationCompleteメッセージと多重化されて、UE120から送信される。
いくつかの他の代替実施形態では、アクション1207において、PDCPステータスレポートを送信する代わりに、UE120は、ハンドオーバ完了制御PDUなどの新しいタイプのPDCP制御PDUを送信する。この場合、このハンドオーバ完了制御PDUは、PDCPステータスレポート制御PDUとは異なるので、UE120がソースセル接続を解放したという信号として、ターゲットアクセスノード112によって識別されてもよい。一代替案では、ハンドオーバ完了制御PDUの内容は、PDCPステータスレポート制御PDUの内容と同じであってもよい。
いくつかの他の代替実施形態では、アクション1206において、ソースアクセスノード111との無線接続がUE120によって暗黙的に解放されるか、またはソースアクセスノード111から受信した帯域内インジケータ、たとえばPDCP「エンドマーカ」パケットによって解放がトリガされるとき、最初に送信されるULデータパケットとともに、PDCPステータスレポートがターゲットアクセスノード112に送信される。
いくつかの他の代替実施形態では、UE120は、アクション1204において、「ハンドオーバ完了」指示を構成するRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ(LTEの場合)またはRRCReconfigurationCompleteメッセージ(NRの場合)とともに/それらメッセージと多重化されて、第1のPDCPステータスレポートを(ベアラごとに)送信する。DL PDCP SNステータスが変更された場合、すなわち、UE120がソースセル内のDL接続を解放する前に、UE120がソースノードから1つまたは複数の追加のDL PDCPパケットを正常に受信した場合、UE120は、関係するベアラについて、第2のPDCPステータスレポート、または同等の情報を含むメッセージ、場合によっては第3のPDCPステータスレポートなどを送信する。追加のPDCPステータスレポートをどのように送信するか/いつ送信するかについては、いくつか代替案がある場合がある。
1.ソースノード111から追加のDL PDCPパケットが受信された直後。UE120は、場合によってはPDCPステータスレポート/情報を伝達するという目的だけの、新しいメッセージまたは新しいタイプのメッセージを使用してもよい。
- 任意選択として、PDCPステータスレポート(または同等の情報)は、ソースノード111から追加のDL PDCPパケットを受信するごとに送信されてもよい。追加の任意選択として、たとえば、(場合によっては、同じベアラについての)最後のPDCPステータスレポート/情報がターゲットノードに送信されてから少なくとも時間Tが経過しない限り、PDCPステータスレポート(または同等の情報)を送信できないように、PDCPステータスレポート/情報の送信にレート制限が適用されてもよい。Tは、設定可能/設定済みであるか、標準化されているか、またはUEの実装に委ねられてもよい。
2.UE120がソースアクセスノード111から一定数N個の追加のDL PDCPパケットを受信したとき、および/またはその場合。上記のように、UE120は、場合によってはPDCPステータスレポート/情報を伝達するという目的だけの、新しいメッセージまたは新しいタイプのメッセージを使用してもよい。
- 任意選択の1つとして、Nは、たとえば、ハンドオーバをトリガするRRCメッセージ、すなわちLTEの場合はRRCConnectionReconfigurationメッセージもしくはNRの場合はRRCReconfigurationメッセージを使用して、またはシステム情報を介して、または他のメッセージもしくはプロトコルを使用して、設定可能である。ハンドオーバをトリガするRRCメッセージが使用される場合、ターゲットノードまたはソースノードのいずれかがNを設定してもよい。
- 別の任意選択として、Nは、UEの実装により選ばれたものである。
- さらに別の任意選択として、Nは、標準仕様で指定されている。
- 任意選択として、PDCPステータスレポート(または同等の情報)は、ソースノードから追加のDL PDCPパケットをn回受信するごとに送信されてもよい。追加の任意選択として、たとえば、(場合によっては、同じベアラについての)最後のPDCPステータスレポート/情報がターゲットノードに送信されてから少なくとも時間Tが経過しない限り、PDCPステータスレポート(または同等の情報)を送信できないように、PDCPステータスレポート/情報の送信にレート制限が適用されてもよい。Tは、設定可能/設定済みであるか、標準化されているか、またはUEの実装に委ねられてもよい。
3.UE120がソースセルのDL接続を解放するとき。この代替案では、UE120は、ソースセル解放と併せて、PDCPステータスレポート/情報を伝達するための前述の手段/メッセージのいずれかを使用してもよい。
4.代替案1または2として、ターゲットアクセスノード112に最後のPDCPステータスレポートが送信されて以降にソースアクセスノード111からさらにDL PDCPパケットが受信された場合、UE120がソースセルでDL接続を解放したときに、同様に、PDCPステータスレポート(または同等の情報)を送信する。
5.1または2として、最後のPDCPステータスレポート以降にソースアクセスノード111からさらにDL PDCPパケットが受信された場合、UE120がターゲットアクセスノード112からRRCConnectionReconfigurationメッセージ(LTEの場合)またはRRCReconfigurationメッセージ(NRの場合)を受信したときに、同様に、PDCPステータスレポート(または同等の情報)を送信する。PDCPステータスレポート(または同等の情報)は、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ(LTEの場合)またはRRCReconfigurationCompleteメッセージ(NRの場合)とともに送信されることになる。
6.UE120が最後のPDCPステータスレポート/情報をターゲットアクセスノード112に送信してから、PDCP SNステータスが変更された場合(すなわち、UEがソースアクセスノード111から1つまたは複数の追加のDL PDCPパケットを受信した場合)、UE120は、(たとえば、含まれる/ピギーバックされた/多重化された)すべての(またはUEの選択で任意の)ULパケットとともに、ターゲットセルにおいて送信する。
7.UE120が最後のPDCPステータスレポート/情報をターゲットアクセスノード112に送信してから、PDCP SNステータスが変更された場合(すなわち、UE120がソースアクセスノード111から1つまたは複数の追加のDL PDCPパケットを受信した場合)、UEは、(たとえば、含まれる/ピギーバックされた/多重化された)N回ごとのULパケットとともに、ターゲットセルにおいて送信する。Nは、設定可能/設定済みであるか、標準化されているか、またはUEの実装に委ねられてもよい。
UE120が最後のPDCPステータスレポート/情報をターゲットアクセスノード112に送信してから、UE120がソースアクセスノード111から少なくともN個のDL PDCPパケットを受信したことを条件として、UE120は、(たとえば、含まれる/ピギーバックされた/多重化された)ULパケットとともに、ターゲットセルにおいて送信する。Nは、設定可能/設定済みであるか、標準化されているか、またはUEの実装に委ねられてもよい。
UE120が複数のPDCPステータスレポート、またはPDCPステータス情報の複数のインスタンスを送信するときに可能な任意選択は、圧縮されたPDCPステータス情報を差分情報の形式で、すなわち最後に送信されたPDCPステータスレポート/情報以降の変更のみを含めて送信することであってもよい。
上記の代替実施形態の変形形態は、ターゲットアクセスノード112への第1のPDCPステータスレポートが、「ハンドオーバ完了」指示を構成するRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ(LTEの場合)またはRRCReconfigurationCompleteメッセージ(NRの場合)とともに送信されないことである。代わりに、第1のPDCPステータスレポートは、UE120がソースセル内のダウンリンクを解放する前の任意の時点で、別個のメッセージとして、または(たとえば、含まれる/ピギーバックされた/多重化された)別のアップリンクパケットとともに送信されてもよい。その他は、すべての可能な任意選択、代替案、および変形形態を含む、上記の代替実施形態の原理に従う。
図13は、無線通信ネットワーク100において、ソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのUE120の1つまたは複数の無線ベアラのDAPSハンドオーバ中にPDCP SDUをハンドリングするためにターゲットアクセスノード112によって実行される例示的な方法を示す。
最初に方法について簡単に説明し、その後より詳細に説明する。方法は、以下のアクションのうちの1つまたは複数を含む。
アクション1301において、ターゲットアクセスノード112は、ソースアクセスノード111から、UE120の1つまたは複数の無線ベアラのハンドオーバが実行されているとの指示を受信する。
アクション1302において、ターゲットアクセスノード112は、ソースアクセスノード111から、転送されたPDCP SDUをさらに受信する。
アクション1305において、ターゲットアクセスノード112は、UE120から、1つまたは複数の無線ベアラのうちの設定済みの無線ベアラごとに、ステータスレポート、たとえば、PDCPステータスレポートを受信する。それぞれのステータスレポートは、ソースアクセスノード111またはターゲットアクセスノード112のうちのいずれか1つまたは複数によってどのPDCP SDUが受信されたかを指示し、UE120がソースアクセスノード111との無線接続を解放したとの指示。それぞれのステータスレポートは、欠落したPDCP SDUのPDCP SNを指示する。
次いで、ターゲットアクセスノード112は、アクション1306において、UE120に転送されるはずの受信済みの重複するPDCP SDUを破棄する。ターゲットアクセスノード112は、重複するPDCP SDUをUE120に転送することを回避するために、受信したPDCPステータスレポートに基づいて、ソースアクセスノード111から受信したPDCP SDUを破棄する。したがって、ターゲットアクセスノード112は、受信したPDCPステータスレポートに基づいて、ソースアクセスノード111によってどのPDCP SDUがすでにUE120に送信されたかを特定することができる。これらのPDCP SDUは破棄され、したがって、UE120に転送されない。
次に、以下の本文において、ターゲットアクセスノード112における方法について、より詳細に説明および例示する。
アクション1301:ターゲットアクセスノード112は、ソースアクセスノード111から、ハンドオーバ要求メッセージなど、UE120の拡張メイクビフォアブレイクハンドオーバ/SCG変更がソースアクセスノード111からこのノードへと実行されているとの指示を取得する。
アクション1302:DLでのロスレスハンドオーバを保証するために、ソースアクセスノード111は、再送信バッファに格納されたDL PDCP SDUおよびゲートウェイから受信した新規のDL PDCP SDUを、(再)送信のためにターゲットアクセスノード112に転送する。ターゲットアクセスノード112は、ソースアクセスノード111からそれらの転送されたデータパケットを受信する。
アクション1303:いくつかの実施形態において、ターゲットアクセスノード112は、第1のPDCPステータスレポートを受信し、第1のPDCPステータスレポートは、UE120がソースアクセスノード111との無線接続を解放したとの指示が受信される前に受信される。この場合、UE120がソースアクセスノード111との無線接続を解放したとの指示に関連して受信されるPDCPステータスレポートは、第2のPDCPステータスレポートと呼ばれる。
アクション1304:いくつかの実施形態において、ターゲットアクセスノード112は、UE120に、ソースアクセスノード111との無線接続の解放をトリガするメッセージを送信する。メッセージは、RRC接続再設定メッセージ(LTEの場合)またはRRC再設定メッセージ(NR)であり得る。
アクション1305:ターゲットアクセスノード112は、UE120から、PDCPステータスレポートまたは設定済みの無線ベアラごとに1つのPDCPステータスレポートと、UE120がソースセル接続を解放したとの指示とを受信する。一代替案では、この指示は、新しいタイプのRRCメッセージ、たとえば「ソースセル接続解放済み」RRCメッセージなどのRRCメッセージである。
別の代替案では、この指示は、新しいRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージである。
さらに別の代替案では、この指示は、ターゲットアクセスノード112から送信されたRRCConnectionReconfigurationメッセージ(LTEの場合)またはRRCReconfigurationメッセージ(NRの場合)に応答して送信される、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージ(LTEの場合)またはRRCReconfigurationCompleteメッセージ(NRの場合)である。この場合、PDCPステータスレポートは、RRCConnectionReconfigurationComplete/RRCReconfigurationCompleteメッセージに含まれる(多重化される)。
別の代替案では、この指示は、ハンドオーバ完了制御PDUなどの新しいタイプのPDCP制御PDUである。後者の代替案では、ハンドオーバ完了制御PDUもPDCPステータスレポートの機能に類似しており、したがって、PDCPステータスレポートは必要ない。また、ここでは、ハンドオーバ完了制御PDUは通常、無線ベアラごとに受信されるか、またはベアラごとの指示を含む単一のハンドオーバ完了制御PDUである。
さらに別の代替案では、PDCPステータスレポート自体が、UEがソースセル接続を解放したとの指示として機能する。この代替案は、たとえば、ソースセルがUE120によって、たとえばターゲットアクセスノード112からの明示的なメッセージではなくタイマに基づいて解放されるときに有用であり得る。
さらに別の代替案では、ソースセル接続が解放されたことをターゲットアクセスノード112に指示するものは、ソースアクセスノード111である。
アクション1306:ターゲットアクセスノード112は、受信したPDCPステータスレポート内の情報を使用して、本来であればSDU/PDCP破棄機能を使用して無線ベアラごとにUE120に転送されるはずの重複するパケットを破棄する。これらの破棄されたパケットは、ターゲットアクセスノードでバッファリングされ、UE120への送信を保留しているパケット、またはUE120からのPDCPステータスレポートの受信後にソースアクセスノードから受信されたパケットであり得る。
(上記のUEの観点から説明する)異なる実施形態の代替案は、ハンドオーバ手順における異なる時点でPDCPステータスレポート(または同等の情報)を送信することを含み、複数のPDCPステータスレポート(または同等の情報)を送信することを含み得る。したがって、これらの代替案のいくつかは、図13およびそれに関連する本文に示す実施形態から逸脱している。しかしながら、特にターゲットアクセスノード112の観点からは、主な原理は類似しており、いずれの場合でも、ターゲットアクセスノード112は、最後に受信したPDCPステータスレポート(または同等の情報)に従って作用する。
いくつかの実施形態において、
1.ハンドオーバまたはセカンダリノード変更を実行するためのUE120における方法は、
a.ソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのハンドオーバまたはセカンダリノード変更をトリガすることと、
b.ターゲットアクセスノード112との無線接続を確立することと、
c.ソースアクセスノード111との無線接続を解放することと、
d.ターゲットアクセスノード112にステータスレポートメッセージを送信することと
を含む。
2.1の方法において、ステータスレポートメッセージは、ソースアクセスノード111またはターゲットアクセスノード112のいずれかから最後に受信したパケットのシーケンス番号を指示する。
3.2の方法において、ステータスレポートで指示されるシーケンス番号は、ターゲットアクセスノード112との無線接続を確立した後の、ソースアクセスノード111またはターゲットアクセスノード112のいずれかからのパケットに対応する。
4.1の方法において、UE120は、拡張メイクビフォアブレイクハンドオーバを実行するようにトリガされる。
5.1の方法において、UE120は、拡張メイクビフォアブレイクSCG変更を実行するようにトリガされる。
ソースセルの解放前にPDCPレポートが送信され得るが、場合によっては、第1のPDCPステータスレポートがターゲットアクセスノードに送信された後、かつソースアクセスノードとのリンクが解放される前にDL PDCP SNステータスが変更された場合(すなわち、ソースセルがソースアクセスノードからDL PDCPパケットを受信した場合)、その後に1つまたは複数の追加のPDCPステータスレポートが続く実施形態もある。
図14aおよび図14bは、UE120の一例を示し、図15aおよび図15bは、ターゲットアクセスノード112の一例を示す。
図14bおよび図15bを参照すると、UE120およびターゲットアクセスノード112は、互いに通信するように設定されたそれぞれの入出力インターフェース141および151を備え得る。入出力インターフェース141、151は、無線受信機(図示せず)および無線送信機(図示せず)を含み得る。
図14aを参照すると、UE120は、トリガユニット142、切替えユニット143、解放ユニット144、および送信ユニット145をさらに備え得る。
図15aを参照すると、ターゲットアクセスノード112は、受信ユニット152、破棄ユニット153、および送信ユニット154をさらに備え得る。
本明細書の実施形態は、本明細書の実施形態の機能およびアクションを実行するためのコンピュータプログラムコード148、158とともに、図14bおよび図15bに示すターゲットアクセスノード112内およびUE120内の処理回路のプロセッサ146、156など、それぞれのプロセッサまたは1つまたは複数のプロセッサを通じて実装され得る。上記のプログラムコードは、たとえば、ターゲットアクセスノード112およびUE120それぞれにロードされたときに本明細書の実施形態を実行するためのコンピュータプログラムコード148、158を保持するデータキャリア149、159の形式で、コンピュータプログラム製品として提供され得る。このようなキャリアの1つは、CD ROMディスクの形式であり得る。しかしながら、このようなキャリアは、メモリスティックなどの他のデータキャリアによっても実現可能である。コンピュータプログラムコードはさらに、サーバ上に純粋なプログラムコードとして提供されて、ターゲットアクセスノード112およびUE120それぞれにダウンロードされてもよい。
ターゲットアクセスノード112およびUE120は、1つまたは複数のメモリユニットを含むそれぞれのメモリ147、157をさらに備え得る。メモリは、ターゲットアクセスノード112およびUE120それぞれの中のプロセッサによって実行可能な命令を含む。
メモリ147、157は、ターゲットアクセスノード112およびUE120それぞれで実行されたときに本明細書の方法を実行するための、たとえば、情報、データ、設定、およびアプリケーションを記憶するために使用されるように配置される。
いくつかの実施形態において、それぞれのコンピュータプログラム148、158は、少なくとも1つのプロセッサ146、156によって実行されたときに、ターゲットアクセスノード112およびUE120それぞれの少なくとも1つのプロセッサ146、156に上記のアクションを実行させる命令を含む。
いくつかの実施形態において、それぞれのキャリア149、159は、それぞれのコンピュータプログラム148、158を含み、キャリアは、電子信号、光信号、電磁信号、磁気信号、電気信号、無線信号、マイクロ波信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
上記のユニット内のユニットが、アナログ回路およびデジタル回路、ならびに/または上記のプロセッサ146、156などのそれぞれの1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、たとえばターゲットアクセスノード112およびUE120それぞれに記憶されたソフトウェアおよび/またはファームウェアを有するように設定された1つまたは複数のプロセッサの組合せを指す場合もあることが、当業者には理解されよう。これらのプロセッサのうちの1つまたは複数、および他のデジタルハードウェアは、単一の特定用途向け集積回路(ASIC)に含まれ得るか、または、複数のプロセッサおよび様々なデジタルハードウェアは、個別にパッケージ化されているかシステムオンチップ(SoC)に組み込まれているかにかかわらず、いくつかの個別の構成要素に分散され得る。
以下では、1~24の番号を付したいくつかの例示的な実施形態について説明する。次の実施形態では、とりわけ、図12、図13、図14a~b、および図15a~bを参照する。
実施形態1.無線通信ネットワーク100において、1つまたは複数の無線ベアラのソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのハンドオーバを実行するためにユーザ機器(UE)120によって実行される方法であって、
ハンドオーバを実行するようにUE120をトリガする(1201)ことと、
ターゲットアクセスノード112との無線ベアラの無線接続を確立した後に、確立された接続を介して、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サービスデータユニット(SDU)のアップリンク(UL)送信をソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112に切り替える(1202)ことと、
ソースアクセスノード111との無線接続を解放した(1203)後、ターゲットアクセスノード112に、1つまたは複数の無線ベアラのうちの無線ベアラごとに、ステータスレポート、たとえば、PDCPステータスレポートを送信する(1204)ことであって、それぞれのステータスレポートが、ソースアクセスノード111またはターゲットアクセスノード112のうちのいずれか1つまたは複数によってどのPDCP SDUが受信されたかを指示する、ステータスレポートを送信することと
を含む、方法。
実施形態2.ソースアクセスノード112との無線接続を解放する(1203)前に第1のステータスレポートが送信され、ソースアクセスノード111との無線接続を解放した(1203)後に送信されるステータスレポートが、第2のステータスレポートである、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.UE120がソースアクセスノード112との無線接続を解放する前に、UE120がソースアクセスノード111から1つまたは複数の追加のSDUを正常に受信したときに、第2のステータスレポートが送信される、実施形態2に記載の方法。
実施形態4.ステータスレポートが、
- 無線リソース制御(RRC)と多重化された状態、
- RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージ、もしくはこのRRC応答メッセージ内のメッセージ、
- RRC接続再設定完了メッセージと多重化されたRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージ、
- RRC再設定完了メッセージ、
- PDCP制御PDUメッセージ、
- ハンドオーバ完了制御PDUメッセージ、または
- ターゲットアクセスノード112に最初に送信されるULデータパケットを伴う状態
のうちのいずれか1つで送信される、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
実施形態5.ハンドオーバが、セカンダリノード変更、拡張メイクビフォアブレイクハンドオーバ、または拡張メイクビフォアブレイクSCG変更のうちのいずれか1つによって表される、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
実施形態6.プロセッサによって実行されると、プロセッサに実施形態1から5のいずれかに記載のアクションを実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
実施形態7.キャリアが、電子信号、光信号、電磁信号、磁気信号、電気信号、無線信号、マイクロ波信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、実施形態6に記載のコンピュータプログラムを含むキャリア。
実施形態8.無線通信ネットワーク100において、ユーザ機器(UE)120の1つまたは複数の無線ベアラのソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのハンドオーバをハンドリングするためにターゲットアクセスノード112によって実行される方法であって、
ソースアクセスノード111から、UE120の1つまたは複数の無線ベアラのハンドオーバが実行されているとの指示を受信する(1301)ことと、
ソースアクセスノード111から、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サービスデータユニット(SDU)を受信する(1302)ことと、
UE120から、1つまたは複数の無線ベアラのうちの設定済みの無線ベアラごとに、ステータスレポート、たとえばPDCPステータスレポートであって、それぞれのステータスレポートが、ソースアクセスノード111またはターゲットアクセスノード112のうちのいずれか1つまたは複数によってどのPDCP SDUが受信されたかを指示する、ステータスレポートと、UE120がソースアクセスノード111との無線接続を解放したとの指示とを受信する(1303)ことと、
UE120に転送されるはずの受信済みの重複するPDCP SDUを破棄する(1304)ことと
を含む、方法。
実施形態9.第1のステータスレポートが、UE120がソースアクセスノード111との無線接続を解放する前に受信され、UEがソースアクセスノード111との無線接続を解放した後に受信されるステータスレポートが、第2のステータスレポートである、実施形態8に記載の方法。
実施形態10.第2のステータスレポートが、UE120がソースアクセスノード112との無線接続を解放する前に、UE120がソースアクセスノード111から1つまたは複数の追加のSDUを正常に受信したときに受信される、実施形態9に記載の方法。
実施形態11.ステータスレポートが、
- 無線リソース制御(RRC)と多重化された状態、
- RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージ、もしくはこのRRC応答メッセージ内のメッセージ、
- RRC接続再設定完了メッセージと多重化されたRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージ、
- RRC再設定完了メッセージ、
- PDCP制御PDUメッセージ、
- ハンドオーバ完了制御PDUメッセージ、または
- ターゲットアクセスノード112に最初に送信されるULデータパケットを伴う状態
のうちのいずれか1つで受信される、実施形態8から10のいずれかに記載の方法。
実施形態12.ハンドオーバが、セカンダリノード変更、拡張メイクビフォアブレイクハンドオーバ、または拡張メイクビフォアブレイクSCG変更のうちのいずれか1つによって表される、実施形態8から11のいずれかに記載の方法。
実施形態13.プロセッサによって実行されると、プロセッサに実施形態8から12のいずれかに記載のアクションを実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
実施形態14.キャリアが、電子信号、光信号、電磁信号、磁気信号、電気信号、無線信号、マイクロ波信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、実施形態13に記載のコンピュータプログラムを含むキャリア。
実施形態15.無線通信ネットワーク100において、1つまたは複数の無線ベアラのソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのハンドオーバを実行するように設定されたユーザ機器(UE)120であって、
たとえばUE120内のトリガユニットによって、ハンドオーバを実行するようにUE120をトリガし、
たとえばUE120内の切替えユニットによって、ターゲットアクセスノード112との無線ベアラの無線接続を確立した後に、確立された接続を介して、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サービスデータユニット(SDU)のアップリンク(UL)送信をソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112に切り替え、
たとえばUE120内の解放ユニットによって、ソースアクセスノード111との無線接続を解放した後、たとえばUE120内の送信ユニットによって、ターゲットアクセスノード112に、1つまたは複数の無線ベアラのうちの無線ベアラごとに、ステータスレポート、たとえば、PDCPステータスレポートを送信することであって、それぞれのステータスレポートが、ソースアクセスノード111またはターゲットアクセスノード112のうちのいずれか1つまたは複数によってどのPDCP SDUが受信されたかを指示するように適合される、ステータスレポートを送信する
ようにさらに設定される、ユーザ機器(UE)120。
実施形態16.第1のステータスレポートが、ソースアクセスノード112との無線接続を解放する前に送信されるように適合され、ソースアクセスノード111との無線接続を解放した後に送信されるステータスレポートが、第2のステータスレポートであるように適合される、実施形態15に記載のUE120。
実施形態17.第2のステータスレポートが、UE120がソースアクセスノード112との無線接続を解放する前に、UE120がソースアクセスノード111から1つまたは複数の追加のSDUを正常に受信したときに送信されるように適合される、実施形態16に記載のUE120。
実施形態18.ステータスレポートが、
- 無線リソース制御(RRC)と多重化された状態、
- RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージ、もしくはこのRRC応答メッセージ内のメッセージ、
- RRC接続再設定完了メッセージと多重化されたRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージ、
- RRC再設定完了メッセージ、
- PDCP制御PDUメッセージ、
- ハンドオーバ完了制御PDUメッセージ、または
- ターゲットアクセスノード112に最初に送信されるULデータパケットを伴う状態
のうちのいずれか1つで送信されるように適合される、実施形態15から17のいずれかに記載のUE120。
19.ハンドオーバが、セカンダリノード変更、拡張メイクビフォアブレイクハンドオーバ、または拡張メイクビフォアブレイクSCG変更のうちのいずれか1つによって表されるように適合される、実施形態15から18のいずれかに記載のUE120。
20.無線通信ネットワーク100において、ユーザ機器(UE)120の1つまたは複数の無線ベアラのソースアクセスノード111からターゲットアクセスノード112へのハンドオーバをハンドリングするように設定されたターゲットアクセスノード112であって、
たとえばターゲットアクセスノード112内の受信ユニットによって、ソースアクセスノード111から、UE120の1つまたは複数の無線ベアラのハンドオーバが実行されているとの指示を受信し、
たとえばターゲットアクセスノード112内の受信ユニットによって、ソースアクセスノード111から、転送されたパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サービスデータユニット(SDU)を受信し、
たとえばターゲットアクセスノード112内の受信ユニットによって、UE120から、1つまたは複数の無線ベアラのうちの設定済みの無線ベアラごとに、ステータスレポート、たとえばPDCPステータスレポートを受信することであって、それぞれのステータスレポートが、ソースアクセスノード111またはターゲットアクセスノード112のうちのいずれか1つまたは複数によってどのPDCP SDUが受信されたかを指示するように適合される、ステータスレポートと、UE120がソースアクセスノード111との無線接続を解放したとの指示とを受信し、
たとえばターゲットアクセスノード112内の破棄ユニットによって、UE120に転送されるはずの受信済みの重複するPDCP SDUを破棄する
ようにさらに設定される、ターゲットアクセスノード112。
実施形態21.第1のステータスレポートが、UE120がソースアクセスノード111との無線接続を解放する前に受信されるように適合され、UEがソースアクセスノード111との無線接続を解放した後に受信されるステータスレポートが、第2のステータスレポートであるように適合される、実施形態20に記載のターゲットアクセスノード112。
実施形態22.第2のステータスレポートが、UE120がソースアクセスノード112との無線接続を解放する前に、UE120がソースアクセスノード111から1つまたは複数の追加のSDUを正常に受信したときに受信されるように適合される、実施形態21に記載のターゲットアクセスノード112。
実施形態23.ステータスレポートが、
- 無線リソース制御(RRC)と多重化された状態、
- RRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージと多重化されたメッセージ、もしくはこのRRC応答メッセージ内のメッセージ、
- RRC接続再設定完了メッセージと多重化されたRRC「ソースセル解放」メッセージのRRC応答メッセージ、
- RRC再設定完了メッセージ、
- PDCP制御PDUメッセージ、
- ハンドオーバ完了制御PDUメッセージ、または
- ターゲットアクセスノード112に最初に送信されるULデータパケットを伴う状態
のうちのいずれか1つで受信されるように適合される、実施形態20から22のいずれかに記載のターゲットアクセスノード112。
実施形態24.ハンドオーバが、セカンダリノード変更、拡張メイクビフォアブレイクハンドオーバ、または拡張メイクビフォアブレイクSCG変更のうちのいずれか1つによって表されるように適合される、実施形態20から23のいずれかに記載のターゲットアクセスノード112。
図16を参照すると、一実施形態によれば、通信システムは、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク1611と、コアネットワーク1614とを含む3GPPタイプのセルラネットワークなどの通信ネットワーク1610を含む。アクセスネットワーク1611は、ソースアクセスノード111およびターゲットアクセスノード112、AP STA NB、eNB、gNB、または他のタイプの無線アクセスポイントなどの複数の基地局1612a、1612b、1612cを含み、それぞれが、対応するカバレッジエリア1613a、1613b、1613cを規定する。各基地局1612a、1612b、1612cは、有線または無線接続1615を介してコアネットワーク1614に接続可能である。カバレッジエリア1613c内に位置する非AP STA1691などの第1のユーザ機器(UE)は、対応する基地局1612cに無線で接続するか、または対応する基地局1612cによってページングされるように設定される。カバレッジエリア1613a内の非AP STAなどの第2のUE1692は、対応する基地局1612aに無線で接続可能である。この例では複数のUE1691、1692が示されているが、開示する実施形態は、カバレッジエリア内にただ1つのUEがある状況、または対応する基地局1612にただ1つのUEが接続している状況にも等しく適用可能である。
通信ネットワーク1610は、それ自体がホストコンピュータ1630に接続されており、ホストコンピュータ1630は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/もしくはソフトウェアにおいて、またはサーバファーム内の処理リソースとして具現化され得る。ホストコンピュータ1630は、サービスプロバイダの所有下または管理下にあり得るか、またはサービスプロバイダによって、もしくはサービスプロバイダに代わって動作され得る。通信ネットワーク1610とホストコンピュータ1630との間の接続1621、1622は、コアネットワーク1614からホストコンピュータ1630まで直接的に延在し得るか、または任意選択の中間ネットワーク1620を経由し得る。中間ネットワーク1620は、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク、またはホストされたネットワークのうちの1つ、またはそれらのうちの2つ以上の組合せであり得る。中間ネットワーク1620がある場合、中間ネットワーク1620はバックボーンネットワークまたはインターネットであり得、具体的には、中間ネットワーク1620は、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を含み得る。
図16の通信システムは全体として、たとえばUE120などの接続されたUE1691、1692のうちの1つと、ホストコンピュータ1630と間のコネクティビティを可能にする。コネクティビティは、オーバザトップ(OTT)接続1650として説明され得る。ホストコンピュータ1630および接続されたUE1691、1692は、アクセスネットワーク1611、コアネットワーク1614、任意の中間ネットワーク1620、および可能なさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介とし使用して、OTT接続1650を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するように設定される。OTT接続1650は、OTT接続1650が通過する参加する通信デバイスが、アップリンク通信およびダウンリンク通信のルーティングを認識しないという意味で、透過的であり得る。たとえば、基地局1612は、接続されたUE1691に転送される(たとえば、ハンドオーバされる)べき、ホストコンピュータ1630から発生したデータを伴う着信ダウンリンク通信の過去のルーティングについて、通知されない場合があるか、または通知される必要がない場合がある。同様に、基地局1612は、UE1691から発生してホストコンピュータ1630に向かう発信アップリンク通信の将来のルーティングを認識する必要はない。
次に、一実施形態による、前の段落で述べたUE、基地局、およびホストコンピュータの例示的な実装について、図17を参照して説明する。通信システム1700において、ホストコンピュータ1710は、通信システム1700の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するように設定された通信インターフェース1716を含むハードウェア1715を備える。ホストコンピュータ1710は、記憶能力および/または処理能力を有し得る処理回路1718をさらに備える。具体的には、処理回路1718は、命令を実行するように適合された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を含み得る。ホストコンピュータ1710はソフトウェア1711をさらに備え、ソフトウェア1711は、ホストコンピュータ1710に記憶されるかまたはホストコンピュータ1710によってアクセス可能であり、処理回路1718によって実行可能である。ソフトウェア1711は、ホストアプリケーション1712を含む。ホストアプリケーション1712は、UE1730およびホストコンピュータ1710において終端するOTT接続1750を介して接続するUE1730など、リモートユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。リモートユーザにサービスを提供する際、ホストアプリケーション1712は、OTT接続1750を使用して送信されるユーザデータを提供し得る。
通信システム1700は、通信システムにおいて提供される基地局1720をさらに含み、基地局1720は、基地局1720がホストコンピュータ1710およびUE1730と通信することを可能にするハードウェア1725を備える。ハードウェア1725は、通信システム1700の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インターフェース1726、ならびに基地局1720によってサーブされるカバレッジエリア(図17に図示せず)内に位置するUE1730との少なくとも無線接続1770をセットアップおよび維持するための無線インターフェース1727を備え得る。通信インターフェース1726は、ホストコンピュータ1710への接続1760を容易にするように設定され得る。接続1760は直接であり得るか、または、接続1760は、通信システムのコアネットワーク(図17に図示せず)および/もしくは通信システムの外部の1つまたは複数の中間ネットワークを通過し得る。図示の実施形態において、基地局1720のハードウェア1725は、処理回路1728をさらに含み、処理回路1728は、命令を実行するように適合された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイまたはこれらの組合せ(図示せず)を含み得る。基地局1720は、内部に記憶されるかまたは外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア1721をさらに有する。
通信システム1700は、すでに言及したUE1730をさらに含む。UE1730のハードウェア1735は、UE1730が現在位置しているカバレッジエリアにサーブする基地局との無線接続1770をセットアップおよび維持するように設定された無線インターフェース1737を含み得る。UE1730のハードウェア1735は、処理回路1738をさらに含み、処理回路1738は、命令を実行するように適合された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を含み得る。UE1730は、ソフトウェア1731をさらに備え、ソフトウェア1731は、UE1730内に記憶されるか、またはUE1730によってアクセス可能であり処理回路1738によって実行可能である。ソフトウェア1731は、クライアントアプリケーション1732を含む。クライアントアプリケーション1732は、ホストコンピュータ1710のサポートを用いて、UE1730を介して人間または人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ1710において、実行中のホストアプリケーション1712は、UE1730およびホストコンピュータ1710で終端するOTT接続1750を介して、実行中のクライアントアプリケーション1732と通信し得る。ユーザにサービスを提供する際、クライアントアプリケーション1732は、ホストアプリケーション1712から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供し得る。OTT接続1750は、要求データとユーザデータとの両方を転送し得る。クライアントアプリケーション1732は、クライアントアプリケーション1732が提供するユーザデータを生成するために、ユーザと対話し得る。
図17に示すホストコンピュータ1710、基地局1720、およびUE1730はそれぞれ、図16のホストコンピュータ1630、基地局1612a、1612b、1612cのうちの1つ、およびUE1691、1692のうちの1つと同一であり得ることに留意されたい。すなわち、これらのエンティティの内部の働きは図17に示すようなものであり得、周囲のネットワークトポロジは個別に、図16のネットワークトポロジであり得る。
図17において、OTT接続1750は、中間デバイスおよびこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングについて明示的な言及なしに、基地局1720を介したホストコンピュータ1710と使用機器1730との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャは、ルーティングを決定し得、ネットワークインフラストラクチャは、UE1730から、もしくはホストコンピュータ1710を動作させるサービスプロバイダ、またはその両方からルーティングを隠すように設定され得る。OTT接続1750がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャはさらに、(たとえば、ネットワークの負荷分散考慮または再設定に基づいて)ネットワークインフラストラクチャがルーティングを動的に変更する判断を行い得る。
UE1730と基地局1720との間の無線接続1770は、本開示全体を通して説明した実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続1770が最後のセグメントを形成するOTT接続1750を使用して、UE1730に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、データレート、レイテンシ、電力消費を改善し、それにより、ユーザ待ち時間の短縮、ファイルサイズの制限の緩和、応答性の向上、バッテリ寿命の延長などの利点を提供し得る。
データレート、レイテンシ、および1つまたは複数の実施形態が改善する他の要因を監視することを目的とする測定手順が提供され得る。さらに、測定結果の変動に応じてホストコンピュータ1710とUE1730との間のOTT接続1750を再設定するための、任意選択のネットワーク機能が存在し得る。測定手順および/またはOTT接続1750を再設定するためのネットワーク機能は、ホストコンピュータ1710のソフトウェア1711において、もしくはUE1730のソフトウェア1731において、またはその両方において実装され得る。実施形態では、OTT接続1750が通過する通信デバイス内に、またはその通信デバイスに関連して、センサ(図示せず)が展開され得る。センサは、上記で例示した監視量の値を提供すること、またはソフトウェア1711、1731が監視量を計算もしくは推定し得る他の物理量の値を提供することによって、測定手順に参加し得る。OTT接続1750の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましいルーティングなどを含み得、再設定は、基地局1720に影響を与える必要はなく、再設定は、基地局1720には未知であるか、または知覚不可能であり得る。このような手順および機能は、当技術分野では知られており、実践され得る。特定の実施形態において、測定は、スループット、伝搬時間、レイテンシなどのホストコンピュータの1710の測定を容易にする独自のUEシグナリングを含み得る。測定は、ソフトウェア1711、1731が伝搬時間、エラーなどを監視する間に、ソフトウェア1711、1731がOTT接続1750を使用してメッセージ、具体的には空のまたは「ダミー」メッセージを送信させるという点において実装され得る。
図18は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図16および図17を参照して説明したものであり得る、ホストコンピュータと、AP STAなどの基地局と、非AP STAなどのUEとを含む。本開示を簡単にするために、このセクションでは図18への図面参照のみが含まれる。方法の第1のステップ1810において、ホストコンピュータが、ユーザデータを提供する。第1のステップ1810の任意選択のサブステップ1811において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。第2のステップ1820において、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに搬送する送信を開始する。任意選択の第3のステップ1830において、基地局が、本開示全体を通して説明した実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが開始した送信において搬送されたユーザデータを、UEに送信する。任意選択の第4のステップ1840において、UEは、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行する。
図19は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図16および図17を参照して説明したものであり得る、ホストコンピュータと、AP STAなどの基地局と、非AP STAなどのUEとを含む。本開示を簡単にするために、このセクションでは図19への図面参照のみが含まれる。方法の第1のステップ1910において、ホストコンピュータが、ユーザデータを提供する。任意選択のサブステップ(図示せず)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。第2のステップ1920において、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに搬送する送信を開始する。送信は、本開示全体を通して説明した実施形態の教示に従って、基地局を通過し得る。任意選択の第3のステップ1930において、UEは、送信において搬送されたユーザデータを受信する。
図20は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図16および図17を参照して説明したものであり得る、ホストコンピュータと、AP STAなどの基地局と、非AP STAなどのUEとを含む。本開示を簡単にするために、このセクションでは図20への図面参照のみが含まれる。方法の任意選択の第1のステップ2010において、UEが、ホストコンピュータによって提供された入力データを受信する。追加としてまたは代替として、任意選択の第2のステップ2020において、UEは、ユーザデータを提供する。第2のステップ2020の任意選択のサブステップ2021において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。第1のステップ2010のさらなる任意選択のサブステップ2011において、UEは、ホストコンピュータによって提供された受信した入力データに応答して、ユーザデータを提供するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際、実行されたクライアントアプリケーションはさらに、ユーザから受け取ったユーザ入力を考慮し得る。ユーザデータが提供された特定の方法に関係なく、UEは、任意選択の第3のサブステップ2030において、ユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。方法の第4のステップ2040において、ホストコンピュータは、本開示全体を通して説明した実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
図21は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図16および図17を参照して説明したものであり得る、ホストコンピュータと、AP STAなどの基地局と、非AP STAなどのUEとを含む。本開示を簡単にするために、このセクションでは図21への図面参照のみが含まれる。方法の任意選択の第1のステップ2110において、本開示全体を通して説明した実施形態の教示に従って、基地局が、UEからユーザデータを受信する。任意選択の第2のステップ2120において、基地局は、受信したユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。第3のステップ2130において、ホストコンピュータは、基地局によって開始された送信において搬送されたユーザデータを受信する。
「備える(comprise)」または「備える(comprising)」という用語を使用する場合、この用語は非限定的である、すなわち「少なくとも~からなる」を意味するものとして解釈されるものとする。
本明細書の実施形態は、上記の好ましい実施形態に限定されない。様々な代替、変更、および均等物が使用されてもよい。
略語
5G 第5世代
5GS 5Gシステム
5GC 5Gコアネットワーク
AMF アクセスモビリティ管理機能
ARQ 自動再送要求
CHO 条件付きハンドオーバ
C-RNTI セルRNTI
CU 中央ユニット
DU 分散ユニット
eICIC 拡張セル間干渉調整
eNB エボルブドノードB
E-UTRAN 拡張ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク
EPC エボルブドパケットコアネットワーク
gNB 5GノードB
HARQ ハイブリッド自動再送要求
HO ハンドオーバ
ICIC セル間干渉調整
MAC 媒体アクセス制御
MBB メイクビフォアブレイク
MME モビリティ管理エンティティ
NCC ネクストホップチェイニングカウンタ
NG 5G/NRにおけるRANとCNとの間のインターフェース/参照点
NG-C (gNBとAMFとの間の)NGのコントロールプレーン部分
NG-U (gNBとUPFとの間の)NGのユーザプレーン部分
NG-RAN 次世代無線アクセスネットワーク
NR 新無線
PHY 物理レイヤ
RA ランダムアクセス
RACH ランダムアクセスチャネル
RAR ランダムアクセス応答
ROHC ロバストヘッダ圧縮
RNTI 無線ネットワーク一時識別子
Rx 受信
S1 LTEにおけるRANとCNと間のインターフェース/参照点
S1-C (eNBとMMEとの間の)S1のコントロールプレーン部分
S1-U (eNBとSGWとの間の)S1のユーザプレーン部分
SGW サービングゲートウェイ
TS 技術仕様
Tx 送信
UPF ユーザプレーン機能
URLLC 超高信頼性低レイテンシ通信
X2 2つのeNB間のインターフェース/参照点
X2AP X2アプリケーションプロトコル
Xn 2つのgNB間のインターフェース/参照点
XnAP Xnアプリケーションプロトコル