JP2022542120A - 抗原性ポリペプチドおよびその使用方法 - Google Patents

抗原性ポリペプチドおよびその使用方法 Download PDF

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Abstract

腫瘍関連ペプチドを含む新規抗原性ポリペプチド、およびそれを含む組成物が提供される。このような抗原性ポリペプチドおよび組成物は、免疫療法(例えば、がんワクチン)として特に有用である。また、このようなポリペプチドおよび組成物を使用して細胞性免疫応答を誘発する方法、このようなポリペプチドおよび組成物を使用して疾患を治療する方法、このようなポリペプチドおよび組成物を含むキット、ならびにこのような組成物を作製する方法も提供される。

Description

1.関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月24日に出願された「Antigenic Polypeptides And Methods Of Use Thereof」という題名の米国仮特許出願第62/878,157号に対する優先権を主張するものである。前述の出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
2.技術分野
本開示は、新規の抗原性ポリペプチドおよび組成物、ならびに免疫療法としてのそのような抗原性ポリペプチドおよび組成物(例えば、がんワクチン)の用途に関する。
3.背景技術
免疫療法は、がんの治療において重要なツールとなりつつある。1つの免疫療法アプローチは、がん細胞を標的とし破壊するように患者の免疫系を積極的に教育するがん特異的抗原性ペプチドを含む治療用がんワクチンの使用を伴う。しかしながら、このような治療用がんワクチンの生成は、がん特異的抗原性ペプチドの免疫原性によって制限される。
したがって、当技術分野では、免疫原性がん特異的ペプチドの改善、およびこれらのペプチドを含む効果的な抗がんワクチンの作製に対するニーズがある。
4.発明の概要
本開示は、腫瘍関連ペプチドを含む新規抗原性ポリペプチド、およびそれを含む組成物を提供する。このような抗原性ポリペプチドおよび組成物は、免疫療法(例えば、がんワクチン)として特に有用である。また、このようなポリペプチドおよび組成物を使用して細胞性免疫応答を誘発する方法、このようなポリペプチドおよび組成物を使用して疾患を治療する方法、このようなポリペプチドおよび組成物を含むキット、ならびにこのような組成物を作製する方法も提供される。
したがって、本開示は、以下の非限定的な実施形態を提供する。
実施形態1.抗原性ポリペプチドであって、
配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドと、
(配列番号1)のアミノ酸配列を含むHSP結合ペプチドであって、式中、Xは、省かれるか、N、F、またはQであり、Xは、W、L、またはFであり、Xは、LまたはIであり、Xは、R、L、またはKであり、Xは、L、W、またはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、W、G、K,またはFである、HSP結合ペプチドと、を含む、抗原性ポリペプチド。
実施形態2.MHC結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、実施形態1に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態3.HSP結合ペプチドが、以下のアミノ酸配列:
(a)XLXLTX(配列番号2)(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
(b)NXLXLTX(配列番号3)(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
(c)WLXLTX(配列番号4)(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
(d)NWLXLTX(配列番号5)(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、または
(e)NWX(配列番号6)(式中、Xは、LまたはIであり、Xは、L、R、またはKであり、Xは、LまたはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、WまたはKである)を含む、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態4.HSP結合ペプチドが、配列番号7~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号7~42からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態5.前記HSP結合ペプチドが、前記配列番号7のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、前記配列番号7のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態6.前記HSP結合ペプチドが、前記配列番号8のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、前記配列番号8のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態7.HSP結合ペプチドが、配列番号9のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号9のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態8.HSP結合ペプチドが、配列番号10のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号10のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態9.HSP結合ペプチドが、配列番号11のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号11のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態10.HSP結合ペプチドが、配列番号12のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号12のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態11.HSP結合ペプチドが、配列番号13のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号13のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態12.HSP結合ペプチドが、配列番号14のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号14のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態13.HSP結合ペプチドが、配列番号15のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号15のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態14.HSP結合ペプチドが、配列番号16のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号16のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態15.HSP結合ペプチドが、配列番号17のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号17のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態16.HSP結合ペプチドが、配列番号18のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号18のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態17.HSP結合ペプチドが、配列番号19のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号19のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態18.HSP結合ペプチドが、配列番号20のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号20のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態19.HSP結合ペプチドが、配列番号21のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号21のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態20.HSP結合ペプチドが、配列番号22のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号22のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態21.HSP結合ペプチドが、配列番号23のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号23のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態22.HSP結合ペプチドが、配列番号24のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号24のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態23.HSP結合ペプチドが、配列番号25のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号25のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態24.HSP結合ペプチドが、配列番号26のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号26のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態25.HSP結合ペプチドが、配列番号27のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号27のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態26.HSP結合ペプチドが、配列番号28のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号28のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態27.HSP結合ペプチドが、配列番号29のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号29のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態28.HSP結合ペプチドが、配列番号30のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号30のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態29.HSP結合ペプチドが、配列番号31のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号31のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態30.HSP結合ペプチドが、配列番号32のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号32のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態31.HSP結合ペプチドが、配列番号33のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号33のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態32.HSP結合ペプチドが、配列番号34のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号34のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態33.HSP結合ペプチドが、配列番号35のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号35のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態34.HSP結合ペプチドが、配列番号36のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号36のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態35.HSP結合ペプチドが、配列番号37のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号37のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態36.HSP結合ペプチドが、配列番号38のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号38のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態37.HSP結合ペプチドが、配列番号39のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号39のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態38.HSP結合ペプチドが、配列番号40のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号40のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態39.HSP結合ペプチドが、配列番号41のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号41のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態40.HSP結合ペプチドが、配列番号42のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号42のアミノ酸配列からなる、実施形態1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態41.MHC結合ペプチドが、8~50アミノ酸長、任意選択的に8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50アミノ酸長である、実施形態1~40のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態42.MHC結合ペプチドのC末端が、HSP結合ペプチドのN末端に連結されている、実施形態1~41のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態43.MHC結合ペプチドのN末端が、HSP結合ペプチドのC末端に連結されている、実施形態1~41のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態44.HSP結合ペプチドが、化学リンカーを介してMHC結合ペプチドに連結されている、実施形態1~43のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態45.HSP結合ペプチドが、ペプチドリンカーを介してMHC結合ペプチドに連結されている、実施形態1~43のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態46.ペプチドリンカーが、配列番号43のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、ペプチドリンカーのアミノ酸配列が、配列番号43のアミノ酸配列からなる、実施形態45に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態47.ペプチドリンカーが、FRのアミノ酸配列を含み、任意選択的に、ペプチドリンカーのアミノ酸配列が、FRのアミノ酸配列からなる、実施形態45に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態48.MHC結合ペプチドのN末端が、以下:
(a)XFFRK(配列番号68)のアミノ酸配列(式中、Xは、省かれるか、N、F、またはQであり、Xは、W、L、またはFであり、Xは、LまたはIであり、Xは、R、L、またはKであり、Xは、L、W、またはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、W、G、KまたはFである)、
(b)XLXLTXFFRK(配列番号69)のアミノ酸配列(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
(c)NXLXLTXFFRK(配列番号70)のアミノ酸配列(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
(d)WLXLTXFFRK(配列番号71)のアミノ酸配列(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
(e)NWLXLTXFFRK(配列番号72)のアミノ酸配列(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
(f)NWXFFRK(配列番号73)のアミノ酸配列(式中、Xは、LまたはIであり、Xは、L、R、またはKであり、Xは、LまたはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、WまたはKである)、または
(g)配列番号74~97からなる群から選択されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態49.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号74に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態50.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号75に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態51.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号76に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態52.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号77に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態53.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号78に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態54.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号79に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態55.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号80に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態56.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号81に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態57.MHC結合ペプチドのN末端は、配列番号82に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態58.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号83に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態59.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号84に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態60.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号85に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態61.MHC結合ペプチドのN末端は、配列番号86に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態62.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号87に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態63.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号88に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態64.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号89に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態65.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号90に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態66.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号91に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態67.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号92に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態68.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号93に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態69.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号94に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態70.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号95に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態71.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号96に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態72.MHC結合ペプチドのN末端が、配列番号97に記載されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態73.MHC結合ペプチドのC末端が、以下:
(a)FFRKX(配列番号44)のアミノ酸配列(式中、Xは、
省かれるか、N、F、またはQであり、Xは、W、L、またはFであり、Xは、LまたはIであり、XはR、L、またはKであり、Xは、L、W、またはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、W、G、K、またはFである)、
(b)FFRKXLXLTX(配列番号45)のアミノ酸配列(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
(c)FFRKNXLXLTX(配列番号46)のアミノ酸配列(式中、Xは、WまたはFであり、
は、RまたはKであり、XはW、F、またはGである)、
(d)FFRKWLXLTX(配列番号47)のアミノ酸配列(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
(e)FFRKNWLXLTX(配列番号48)のアミノ酸配列(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
(f)FFRKNWX(配列番号49)のアミノ酸配列(式中、Xは、LまたはIであり、Xは、L、R、またはKであり、Xは、LまたはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、WまたはKである)、または
(g)配列番号50~67からなる群から選択されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の単離ポリペプチド。
実施形態74.MHC結合ペプチドのC末端は、配列番号50に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態75.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号51に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態76.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号52に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態77.MHC結合ペプチドのC末端は、配列番号53に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態78.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号54に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態79.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号55に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態80.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号56に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態81.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号57に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態82.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号58に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態83.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号59に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態84.MHC結合ペプチドのC末端は、配列番号60に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態85.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号61に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態86.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号62に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態87.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号63に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態88.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号64に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態89.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号65に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態90.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号66に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態91.MHC結合ペプチドのC末端が、配列番号67に記載されるアミノ酸配列のN末端に連結されている、実施形態46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態92.配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態93.抗原性ポリペプチドが、15~100アミノ酸長であり、任意選択的に15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100アミノ酸長である、実施形態1~92のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態94.抗原性ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、実施形態1に記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態95.抗原性ポリペプチドが、化学的に合成されている、実施形態1~94のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態96.配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるホスホペプチドを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の抗原性ポリペプチドであって、ホスホペプチドのリン酸化アミノ酸残基が、リン酸化アミノ酸残基の非加水分解性模倣体によって置換されている、実施形態1~95のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド。
実施形態97.組成物であって、(i)実施形態1~96のいずれか1つに記載の抗原性ポリペプチドのうちの少なくとも1つ、(ii)配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのポリペプチドで、任意選択的に配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個の異なるポリペプチド、(iii)少なくとも1つのポリペプチドであって、そのポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドで、任意選択的に2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個の異なるポリペプチドであって、各ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる異なるポリペプチド;または(iv)少なくとも1つのポリペプチドであって、そのポリペプチドが、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなり、任意選択的に2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個の異なるポリペプチドであって、各ポリペプチドが配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる異なるポリペプチド、を含む、組成物。
実施形態98.実施形態1~96のいずれか一つの抗原性ポリペプチドと、精製されたストレスタンパク質との複合体を含む、組成物。
実施形態99.ストレスタンパク質が、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、カルレティキュリン、およびそれらの変異体または融合タンパク質からなる群から選択される、実施形態98に記載の組成物。
実施形態100.ストレスタンパク質が、Hsc70、任意選択的にヒトHsc70である、実施形態99に記載の組成物。
実施形態101.Hsc70が、配列番号8807のアミノ酸配列を含む、実施形態100に記載の組成物。
実施形態102.Hsc70のアミノ酸配列が、配列番号8807のアミノ酸配列からなる、実施形態100に記載の組成物。
実施形態103.ストレスタンパク質が、組換えタンパク質である、実施形態98~102のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態104.2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35,36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50個の異なる抗原性ポリペプチドを含む、実施形態97~103のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態105.異なるポリペプチドの各々が、同じHSP結合ペプチドおよび異なるMHC結合ペプチドを含む、実施形態104に記載の組成物。
実施形態106.組成物中の抗原性ポリペプチドの総量が、約0.1~20nmol、任意選択的に約3、4、5、または6nmolである、実施形態97~105のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態107.組成物中のストレスタンパク質の量が、約10μg~600μg、任意選択的に約120μg、240μg、または480μgである、実施形態98~106のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態108.抗原性ポリペプチド対ストレスタンパク質のモル比が、約0.5:1~約5:1、任意選択的に約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1である、実施形態98~107のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態109.組成物がアジュバントをさらに含む、実施形態97~108のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態110.アジュバントが、サポニンまたは免疫刺激性核酸を含む、実施形態109に記載の組成物。
実施形態111.アジュバントが、QS-21を含む、実施形態110に記載の組成物。
実施形態112.前記組成物中の前記QS-21の量が、約10μg~約200μg、任意選択的に約25μg、50μg、75μg、100μg、125μg、150μg、175μg、または200μgである、実施形態111に記載の組成物。
実施形態113.前記アジュバントが、TLRアゴニスト、任意選択的にTLR4アゴニスト、TLR5アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストを含む、実施形態109~112のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態114.薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含む、実施形態97~113のいずれか一つに記載の組成物。
実施形態115.組成物が単位剤形である、実施形態114に記載の組成物。
実施形態116.対象においてポリペプチド(例えば、抗原性ポリペプチド)に対する細胞性免疫応答を誘発する方法であって、方法が、有効量の実施形態1~96のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチドまたは実施形態97~115のいずれか一つに記載の組成物を、対象に投与することを含む、方法。
実施形態117.対象が、がん、任意選択的に急性骨髄性白血病(AML)または結腸直腸がんを有する、実施形態116に記載の方法。
実施形態118.対象における疾患を治療する方法であって、有効量の実施形態1~96のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチドまたは実施形態97~115のいずれか一つに記載の組成物を、対象に投与することを含む、方法。
実施形態119.疾患が、病原性微生物の感染である、実施形態118に記載の方法。
実施形態120.組成物が、対象に週1回4週間投与される、実施形態116~119のいずれか一つに記載の方法。
実施形態121.少なくともさらに2回の用量の組成物が、週1回4週間の投与後に2週に1回で対象に投与される、実施形態120に記載の方法。
実施形態122.少なくとも1回のブースター用量の組成物が、最終的な週1回または2週に1回の用量の3か月後に投与される、実施形態120または121に記載の方法。
実施形態123.組成物が、少なくとも1年間、3か月毎にさらに投与される、実施形態122に記載の方法。
実施形態124.レナリドミド、デキサメタゾン、インターロイキン-2、組換えインターフェロンアルファ-2b、またはPEG-インターフェロンアルファ-2bを対象に投与することをさらに含む、実施形態116~123のいずれか一つに記載の方法。
実施形態125.インドールアミンジオキシゲナーゼ-1(IDO-1)阻害剤を、対象に投与することをさらに含む、実施形態116~124のいずれか一つに記載の方法。
実施形態126.IDO-1阻害剤が、4-アミノ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N’-ヒドロキシ-1,2,5-オキサジアゾール-3-カルボキシミドアミドである、実施形態125に記載の方法。
実施形態127.対象に、免疫チェックポイント抗体を投与することをさらに含む、実施形態116~126のいずれか一つに記載の方法。
実施形態128.前記免疫チェックポイント抗体が、アゴニスト抗GITR抗体、アゴニスト抗OX40抗体、アンタゴニスト抗PD-1抗体、アンタゴニスト抗CTLA-4抗体、アンタゴニスト抗TIM-3抗体、アンタゴニスト抗LAG-3抗体、アンタゴニスト抗TIGIT抗体、アゴニスト抗CD96抗体、アンタゴニスト抗VISTA抗体、アンタゴニスト抗CD73抗体、アゴニスト抗CD137抗体、アンタゴニスト抗CEACAM1抗体、アゴニスト抗ICOS抗体、および/またはそれらの抗原結合断片からなる群から選択される、実施形態127に記載の方法。
実施形態129.実施形態1~96のいずれか一つに記載の抗原性ポリペプチド、または実施形態97~115のいずれか一つに記載の組成物を含有する第1の容器と、前記抗原性ポリペプチドに結合することができる精製されたストレスタンパク質を含有する第2の容器と、を含む、キット。
実施形態130.第1の容器中の抗原性ポリペプチドの総量が、約0.1~20nmol、任意選択的に約3、4、5、または6nmolである、実施形態129に記載のキット。
実施形態131.ストレスタンパク質が、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、カルレティキュリン、およびそれらの変異体もしくは融合タンパク質からなる群から選択される、実施形態129または130に記載のキット。
実施形態132.ストレスタンパク質が、Hsc70、任意選択的にヒトHsc70である、実施形態131に記載のキット。
実施形態133.Hsc70が、配列番号8807のアミノ酸配列を含む、実施形態132に記載のキット。
実施形態134.Hsc70のアミノ酸配列が、配列番号8807のアミノ酸配列からなる、実施形態132に記載のキット。
実施形態135.ストレスタンパク質が、組換えタンパク質である、実施形態129~134のいずれか一つに記載のキット。
実施形態136.第2の容器中のストレスタンパク質の量が、約10μg~600μg、任意選択的に約120μg、240μg、または480μgである、実施形態129~135のいずれか一項に記載のキット。
実施形態137.ポリペプチド対ストレスタンパク質のモル比が、約0.5:1~5:1、任意選択的に約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1である、実施形態129~136のいずれか一つに記載のキット。
実施形態138.アジュバントを含有する第3の容器をさらに含む、実施形態129~137のいずれか一つに記載のキット。
実施形態139.アジュバントが、サポニンまたは免疫刺激性核酸を含む、実施形態138に記載のキット。
実施形態140.アジュバントが、QS-21を含む、実施形態139に記載のキット。
実施形態141.第3の容器中のQS-21の量が、約10μg~約200μg、任意選択的に約25μg、50μg、75μg、100μg、125μg、150μg、175μg、または200μgである、実施形態140に記載のキット。
実施形態142.アジュバントが、TLRアゴニスト、任意選択的にTLR4アゴニスト、TLR5アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストを含む、実施形態138~141のいずれか一つに記載のキット。
実施形態143.ワクチンを作製する方法であって、前記方法が、実施形態1~96のいずれか一つに記載のポリペプチド、または実施形態97~115のいずれか一つに記載の組成物のうちの1つ以上を、精製されたストレスタンパク質と、前記精製されたストレスタンパク質が前記ポリペプチドの少なくとも1つに結合するように好適な条件下で混合することを含む、方法。
実施形態144.ストレスタンパク質が、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、カルレティキュリン、およびそれらの変異体または融合タンパク質からなる群から選択される、実施形態143に記載の方法。
実施形態145.ストレスタンパク質が、Hsc70、任意選択的にヒトHsc70である、実施形態144に記載の方法。
実施形態146.Hsc70が、配列番号8807のアミノ酸配列を含む、実施形態145に記載の方法。
実施形態147.Hsc70のアミノ酸配列が、配列番号8807のアミノ酸配列からなる、実施形態145に記載の方法。
実施形態148.ストレスタンパク質が、組換えタンパク質である、実施形態143~147のいずれか一つに記載の方法。
実施形態149.ポリペプチド対ストレスタンパク質のモル比が、約0.5:1~5:1、任意で約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1である、実施形態143~148のいずれか一つに記載の方法。
実施形態150.好適な条件が、約37℃の温度を含む、実施形態143~149のいずれか一つに記載の方法。
5.発明を実施するための形態
本開示は、腫瘍関連ペプチドを含む新規抗原性ポリペプチド、およびそれを含む組成物を提供する。このような抗原性ポリペプチドおよび組成物は、免疫療法(例えば、がんワクチン)として特に有用である。また、このようなポリペプチドおよび組成物を使用して細胞性免疫応答を誘発する方法、このようなポリペプチドおよび組成物を使用して疾患を治療する方法、このようなポリペプチドおよび組成物を含むキット、ならびにこのような組成物を作製する方法も提供される。
5.1 定義
本明細書に別段の定義がない限り、本明細書で使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。何らかの潜在的な曖昧性が生じた場合、本明細書に提供される定義は、任意の辞書または外部定義よりも優先される。文脈上別段の定めがない限り、単数形は複数形を含み、複数形は単数形を含むものとする。別段の記載がない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味する。「含んでいる(including)」という用語、ならびに「含む(include)」および「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は、数値または数値範囲を修飾するために使用されるとき、列挙される値または範囲の5%~10%上(例えば、最大5%~10%上)および5%~10%下(例えば、最大5%~10%下)の偏差が、列挙される値または範囲の意図される意味の範囲内にとどまることを示す。
本明細書で使用される場合、用語「抗原性ポリペプチド」は、1つ以上のペプチド(例えば、MHC結合ペプチドおよび/またはHSP結合ペプチド)を含む、非天然由来のポリマーを指す。抗原性ポリペプチドは、1つ以上の非アミノ酸-残基構造を含み得る。特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、化学リンカー、例えば、ポリペプチドの2つのペプチド部分を連結する化学リンカーを含む。
本明細書で使用される場合、用語“主要組織適合複合体”および“MHC”は互換的に使用され、MHCクラスI分子および/またはMHCクラスII分子を指す。
本明細書で使用される場合、用語「ヒト白血球抗原」および「HLA」は互換的に使用され、ヒトにおける主要組織適合複合体(MHC)を指す。HLA分子は、クラスI MHC分子(例えば、HLA-A、HLA-B、HLA-C)またはクラスII MHC分子(例えば、HLA-DP、HLA-DQ、HLA-DR)であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「主要組織適合複合体結合ペプチド」および「MHC結合ペプチド」は、互換的に使用され、MHC分子に結合するか、またはMHC分子に結合すると予測されるペプチドを指し、例えば、ペプチドがMHC分子によってT細胞に提示されることができるようにする。
本明細書で使用される場合、用語「熱ショックタンパク質結合ペプチド」および「HSP結合ペプチド」は互換的に使用されるものであり、熱ショックタンパク質(HSP)に非共有結合するペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、用語「ペプチドリンカー」は、第1のペプチドのC末端アミノ酸残基を第2のペプチドのN末端アミノ酸残基に連結するペプチド結合またはペプチド配列を指す。
本明細書で使用される場合、用語「化学リンカー」は、2つの分子(例えば、2つのペプチド)を連結することができる任意の化学結合または部分(この結合または部分はペプチドリンカーではない)を指す。
本明細書で使用される場合、用語「O-GlcNAc化(O-GlcNAcylated)」は、O-GlcNAc修飾を意味し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Malaker, S.A.et al.“Identification of Glycopeptides as Post-Translationally Modified Neoantigens in Leukemia”Cancer Immunol Res.5(5):376-384(2017)に記載されるように、O-GlcNAcは、修飾アミノ酸に直接または間接的に融合する。当業者であれば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMalaker, S.A.et al.“Identification and Characterization of Complex Glycosylated Peptides Presented by the MHC Class II Processing Pathway in Melanoma”J.Proteome Res.16(1):228-237(2017)に記載されている意味を有することを理解するであろう。
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「治療すること」、および「治療」は、疾患もしくは障害を有する対象に、またはそのような疾患もしくは障害を有する傾向にある対象に、疾患もしくは障害の1つ以上の症状を治癒、遅延、重症度の低減、もしくは改善するために、またはそのような治療がない場合に予想される対象の生存を延ばすために、薬剤(例えば、本明細書に開示されるポリペプチド)の投与を一般的に含む方法を指す。
本明細書において使用される、対象への治療の投与の文脈における用語「有効量」は、所望の予防または治療効果を達成する治療の量を指す。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。
5.2 抗原性ポリペプチド
一態様では、本開示は、腫瘍関連MHC結合ペプチドおよびHSP結合ペプチドを含む抗原性ポリペプチドを提供する。
例示的なHSP結合ペプチドは、本明細書の表1に記載される。例示的なMHC結合ペプチドは、本明細書の表2および3に記載される。例示的な抗原性ポリペプチドは、本明細書の表4~7に記載される。
Figure 2022542120000001
Figure 2022542120000002
Figure 2022542120000003
Figure 2022542120000004
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ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドと、X(配列番号1)のアミノ酸配列を含むHSP結合ペプチドであって、式中、Xは省かれるか、N、F、またはQであり、Xは、W、L、またはFであり、Xは、LまたはIであり、Xは、R、L、またはKであり、Xは、L、W、またはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、W、G、K,またはFである、HSP結合ペプチドと、を含む、抗原性ポリペプチドを提供する。
特定の実施形態では、HSP結合ペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
(a)XLXLTX(配列番号2)(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
(b)NXLXLTX(配列番号3)(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
(c)WLXLTX(配列番号4)(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
(d)NWLXLTX(配列番号5)(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、または
(e)NWX(配列番号6)(式中、Xは、LまたはIであり、Xは、L、R、またはKであり、Xは、LまたはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、WまたはKである)。
特定の実施形態では、本開示は、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドであって、任意選択的にそのMHC結合ペプチドのアミノ酸配列が配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、MHC結合ペプチドと、配列番号1~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHSP結合ペプチドであって、任意選択的にそのHSP結合ペプチドのアミノ酸配列が配列番号1~42からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、HSP結合ペプチドと、を含む抗原性ポリペプチドを提供する。
特定の実施形態では、MHC結合ペプチドのC末端は、HSP結合ペプチドのN末端に(直接的または間接的に)連結される。したがって、特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドと、配列番号1~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHSP結合ペプチドとを含み、MHC結合ペプチドのC末端は、HSP結合ペプチドのN末端に(直接的または間接的に)連結されている。
特定の実施形態では、MHC結合ペプチドのN末端は、HSP結合ペプチドのC末端に(直接的または間接的に)連結されている。したがって、特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドと、配列番号1~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHSP結合ペプチドとを含み、MHC結合ペプチドのN末端は、HSP結合ペプチドのC末端に(直接的または間接的に)連結されている。
前記MHC結合ペプチドは、8~50アミノ酸長、任意選択的に8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50アミノ酸長である。
特定の実施形態では、HSP結合ペプチドは、6,7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50アミノ酸長である。特定の実施形態では、HSP結合ペプチドは、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50アミノ酸長である。
特定の実施形態では、HSP結合ペプチドは、化学リンカーを介してMHC結合ペプチドに連結される。任意の化学リンカーを使用して、HSP結合ペプチドとMHC結合ペプチドとを結合することができる。例示的な化学リンカーには、化学的架橋(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWong,1991,Chemistry of Protein Conjugation and Cross-Linking,CRC Pressを参照されたい)、UV架橋、およびクリック化学反応(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0266512号を参照されたい)から生成された部分が含まれる。
特定の実施形態では、HSP結合ペプチドは、ペプチドリンカー(例えば、本明細書に開示されるペプチドリンカー)を介してMHC結合ペプチドに連結される。特定の実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号43またはFRのアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、ペプチドリンカーのアミノ酸配列は、配列番号43またはFRのアミノ酸配列からなる。
特定の実施形態では、MHC結合ペプチドのC末端は、配列番号43またはFRのペプチドリンカーによって、HSP結合ペプチドのN末端に連結される。したがって、特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、N末端からC末端まで、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドと、配列番号43またはFRのペプチドリンカーと、配列番号1~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHSP結合ペプチドとを含む。特定の実施形態では、MHC結合ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなり、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1~42からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
特定の実施形態では、MHC結合ペプチドのN末端は、配列番号43またはFRのペプチドリンカーによって、HSP結合ペプチドのC末端に連結される。したがって、特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、N末端からC末端まで、配列番号1~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHSP結合ペプチドと、配列番号43またはFRのペプチドリンカーと、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドとを含む。特定の実施形態では、MHC結合ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなり、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1~42からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドを含み、MHC結合ペプチドのN末端は、配列番号74~97からなる群から選択されるアミノ酸配列のC末端に連結されている。特定の実施形態では、MHC結合ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドを含み、MHC結合ペプチドのC末端は、配列番号50~67からなる群から選択されるアミノ酸配列のN末端に連結されている。特定の実施形態では、MHC結合ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原性ペプチドは、長さが、8~100アミノ酸(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100アミノ酸)である。特定の実施形態では、抗原性ペプチドの長さは、8~50アミノ酸長である。
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原性ペプチドは、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100未満のアミノ酸長である。
特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原性ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸を含むタンパク質(例えば天然に存在するタンパク質)の8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100個を超える連続するアミノ酸を含まない。
特定の実施形態では、本開示は、配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。特定の実施形態では、ポリペプチドが、15~100アミノ酸長であり、任意選択的に9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100アミノ酸長である。特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
本明細書に開示される抗原性ポリペプチドは、1つ以上のMHC結合ペプチドを含み得る。特定の実施形態では、抗原性ペプチドは、1つのMHC結合ペプチドを含む。特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、2つ以上の(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)MHC結合ペプチドを含む。2つ以上のMHC結合ペプチドは、化学リンカーまたはペプチドリンカーを介して連結することができ、ペプチドリンカーは、プロテアーゼによって認識および/または切断され得るアミノ酸配列を任意選択的に含む。
当業者であれば、本明細書に開示される抗原性ポリペプチドは、合成中または合成後に修飾される抗原性ポリペプチドの誘導体も包含することを、理解するであろう。このような修飾には、グリコシル化、アセチル化、メチル化、リン酸化(例えば、Tyr、Ser、Thr、Arg、Lys、もしくはHisの側鎖ヒドロキシルまたはアミン上のリン酸化)、ホルミル化、またはアミド化(例えば、C末端カルボキシル基のアミド化);反応化学基を用いた誘導体化(例えば、遊離NH、COOH、またはOH基の誘導体化);特定の化学的切断(例えば、シアノゲンブロミド、ヒドロキシルアミン、BNPS-スカトール、酸、NaBH、またはアルカリ加水分解によるもの);酵素的切断(例えば、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ;酸化;還元;などが含まれるが、これらに限定されない。抗原性ポリペプチドに対する前述の修飾を行うための方法は、当該技術分野で周知である。
特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、1つ以上の修飾アミノ酸残基(例えば、抗原性ポリペプチドのMHC結合ペプチド部分内)を含む。特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、リン酸化残基(例えば、側鎖ヒドロキシルまたはアミン上でリン酸化されたTyr、Ser、Thr、Arg、Lys、またはHis)を含む。特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、リン酸化模倣(phosphomimetic)残基(例えば、側鎖ヒドロキシルまたはアミン上でリン酸化されたTyr、Ser、Thr、Arg、Lys、またはHisアミノ酸の模倣体)を含む。リン酸化模倣基の非限定的な例としては、O-ボラノホスホ、ボロノ、O-ジチオホスホ、ホスホラミド、H-ホスホネート、アルキルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホジチオエートおよびホスホロフルオリデートが挙げられるが、それらのうちのいずれかが、Tyr、Thr、Ser、Arg、Lys、またはHis残基上で誘導体化され得る。特定の実施形態では、Asp残基またはGlu残基は、ペプチド中のホスホ-Tyr、ホスホ-Thr、ホスホ-Ser、ホスホ-Arg、ホスホ-Lys、および/またはホスホ-His残基の代わりにリン酸化模倣体として使用される。特定の実施形態では、リン酸化模倣残基は、リン酸化残基の非加水分解性類似体である。したがって、特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドは、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるホスホペプチドを含み、ホスホペプチドのリン酸化アミノ酸残基は、リン酸化アミノ酸残基の非加水分解性模倣体によって置換されている。
当業者はさらに、特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原性ポリペプチドは、1つ以上の天然および/または非天然アミノ酸(例えば、D-アミノ酸)、ならびにアミノ酸類似体および誘導体(例えば、二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、乳酸、4-ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸塩、ε-N,N,N-トリメチルリジン、ε-N-アセチルリジン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリン、N-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、σ-N-メチルアルギニン)を含み得ることをさらに理解するであろう。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗原性ポリペプチドは、1つ以上のレトロ-インベルソ(retro-inverso)ペプチドを含む。「レトロ-インベルソペプチド」は、2つ以上の位置におけるペプチド配列の逆転、およびキラルアミノ酸におけるLからDの配置の立体化学の逆転を有するペプチドを指す。したがって、レトロ-インベルソペプチドは、天然のペプチド配列と同様に側鎖のトポロジーをほぼ維持したまま、末端を逆転させ、ペプチド結合の方向を逆転させ、NからC末端へのペプチド配列を逆転させる。レトロ-インベルソペプチド類似体の合成は、Bonelli,F.et al.,Int J Pept Protein Res.24(6):553-6(1984)、Verdini,A and Viscomi,G.C,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1:697-701(1985)、および米国特許第6,261,569号に記載され、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
5.2.1 化学合成による抗原性ポリペプチドの生成
本明細書に開示される抗原性ポリペプチドは、ペプチド合成装置の使用を含む標準的な化学方法によって合成することができる。従来的なペプチド合成、または当技術分野で周知の他の合成プロトコルを使用することができる。
特定の実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸残基(天然または非天然)からなる。そのようなポリペプチドは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMerrifield,1963,J.Am.Chem.Soc.,85:2149によって記載されたものと同様の手順を使用する固相ペプチド合成によって合成することができる。合成中、保護側鎖を有するN-α保護アミノ酸は、そのC末端によって不溶性ポリマー支持体、すなわちポリスチレンビーズに連結された成長中のポリペプチド鎖に段階的に添加される。ポリペプチドは、N-α-脱保護アミノ酸のアミノ基を、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは2-(6-クロロ-1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロリン酸などの試薬と反応することによって活性化されているN-α-保護アミノ酸のα-カルボキシル基に連結することによって合成される。遊離アミノ基の活性化カルボキシルへの付着は、ペプチド結合の形成をもたらす。最も一般的に使用されるN-α-保護基は、酸に不安定であるBocと、塩基に不安定であるFmocとを含む。適切な化学物質、樹脂、保護基、保護アミノ酸、および試薬の詳細は当該技術分野で周知である(Atherton,et al.,1989,Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press、およびBodanszky,1993,Peptide Chemistry, A Practical Textbook,2nd Ed.,Springer-Verlagを参照されたく、各文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
さらに、ポリペプチドの類似体および誘導体は、上記のように化学的に合成することができる。所望される場合、非古典的アミノ酸または化学アミノ酸類似体は、ペプチド配列への置換または付加として導入され得る。非古典的アミノ酸には、限定されないが、一般的アミノ酸のD-異性体、α-アミノイソ酪酸、4-アミノ酪酸、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、システイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシラアラニン、β-アラニン、β-メチルアミノ酸、C-α-メチルアミノ酸、およびN-α-メチルアミノ酸などの設計アミノ酸が含まれる。
Tyr、Ser、Thr、Arg、Lys、およびHisの側鎖上でリン酸化されたポリペプチドは、適切な側鎖で保護されたFmoc-ホスホアミノ酸を使用してFmoc固相合成で合成することができる。このように、リン酸化および非リン酸化、Tyr、Ser、Thr、Arg、Lys、およびHis残基との組み合わせを有するポリペプチドを合成することができる。例えば、Staerkaer et alの方法を適用することができる(1991, Tetrahedron Letters 32:5389-5392)。その他の手順(特定のアミノ酸に関するもの)は、De Bont et al.(1987,Trav.Chim Pays Bas 106:641, 642)、Bannwarth and Trezeciak(1987,Helv.Chim.Acta 70:175-186)、Perich and Johns(1988,Tetrahedron Letters 29:2369-2372)、Kitas et al.(1990,J.Org.Chem.55:4181-4187)、Valerio et al.(1989,Int.J.Peptide Protein Res.33:428-438)、Perich et al.(1991,Tetrahedron Letters 32:4033-4034)、Pennington(1994,Meth.Molec.Biol.35:195-2), and Perich(1997,Methods Enzymol.289:245-266, Chan et al.(2000,White,Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach,Oxford University Press)、Graham et al.(1999,Org.Lett.,Vol.1,No.5)、Russell et al.,(2008 Org.Biomol.Chem.(2008,Sep 21;6(18):3270-5)に詳述され、その各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
リン酸化ポリペプチドはまた、ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸を用いて形質転換された細胞をまず培養することによっても産生され得る。細胞培養によってこのようなポリペプチドを産生した後、適切なアミノ酸のヒドロキシル基は、有機合成またはリン酸化酵素を用いた酵素法を使用してリン酸基によって置換される。例えば、セリン特異的リン酸化の場合、セリンキナーゼを使用することができる。
ポリペプチド中のリン酸化アミノ酸残基は、ホスホ模倣基で置換されているホスホペプチド模倣体も合成することができる。リン酸化模倣基の非限定的な例としては、O-ボラノホスホ、ボロノ、O-ジチオホスホ、ホスホラミド、H-ホスホネート、アルキルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホジチオエートおよびホスホロフルオリデートが挙げられるが、それらのうちのいずれかが、Tyr、Thr、Ser、Arg、Lys、またはHis残基上で誘導体化され得る。特定の実施形態では、Asp残基またはGlu残基は、ホスホ模倣体として使用される。Asp残基またはGlu残基は、ホスホ模倣基としても機能し、ペプチド中のホスホ-Tyr、ホスホ-Thr、ホスホ-Ser、ホスホ-Arg、ホスホ-Lys、および/またはホスホ-His残基の代わりに使用できる。
得られたペプチドの精製は、逆相、ゲル浸透、分配および/またはイオン交換クロマトグラフィーを使用した分取HPLCなどの従来の手順を使用して達成される。適切なマトリックスおよび緩衝液の選択は、当該技術分野で周知であり、したがって本明細書では詳細に記載されない。
5.2.2 組換えDNA技術を使用した抗原性ポリペプチドの産生
本明細書に開示されるポリペプチドはまた、当該技術分野で公知の組換えDNA方法によって調製することができる。ポリペプチドをコードする核酸配列は、アミノ酸配列の逆翻訳によって取得され、オリゴヌクレオチド合成装置の使用などの標準的な化学方法によって合成され得る。あるいは、ポリペプチドのコード情報は、特別に設計されたオリゴヌクレオチドプライマーおよびPCR方法論を使用して、DNA鋳型から取得することができる。ポリペプチドの変形および断片は、機能的に等価な分子を提供する置換、挿入、または欠失によって作製され得る。ヌクレオチドコード配列の縮退のため、同じポリペプチドまたはポリペプチドのバリアントをコードするDNA配列を本発明の実施に使用してもよい。これらには、限定されないが、配列内の機能的に等価なアミノ酸残基をコードする異なるコドンの置換によって改変されるヌクレオチド配列が含まれ、したがってサイレント変化または保存的変化が生じる。ポリペプチドをコードする核酸は、宿主細胞における増殖および発現のために発現ベクターに挿入されてもよい。
本明細書で意図される長さのペプチドのコード配列は、化学技術、例えば、Matteucci et al.,J.Am.Chem.Soc.103:3185(1981)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)のホスホトリエステル法によって合成できるので、修飾は、天然ペプチド配列をコードするものに対して適切な塩基を置換することによって、簡単に行うことができる。次いで、コード配列に適切なリンカーを付与し、当技術分野で一般的に利用可能な発現ベクター内にライゲーションし、ベクターを使用して好適な宿主を形質転換して所望のペプチドまたは融合タンパク質を産生することができる。多くのそのようなベクターおよび好適な宿主系が、現在利用可能である。ペプチドまたは融合タンパク質の発現については、コード配列に、作動可能に連結された開始コドンおよび終了コドン、プロモーター領域およびターミネーター領域、ならびに通常、所望の細胞宿主における発現のための発現ベクターを提供する複製系が提供される。
発現構築物は、適切な宿主細胞中のペプチドの発現を可能にする、1つ以上の調節領域と作動可能に連結されたポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を指す。「作動可能に連結された」とは、調節領域と発現されるペプチド配列とが結合され、転写、および最終的には翻訳を可能にするような方法で位置付けられる関連を指す。
ペプチドの転写に必要な調節領域は、発現ベクターによって提供され得る。その同族開始コドンを欠くペプチド遺伝子配列を発現させる場合、翻訳開始コドン(ATG)も提供されてもよい。適合する宿主構築物系では、RNAポリメラーゼなどの細胞転写因子が発現構築物上の調節領域に結合し、宿主生物においてペプチド配列の転写を行う。遺伝子発現に必要な調節領域の正確な性質は、宿主細胞によって変化し得る。一般に、RNAポリメラーゼに結合し、作動可能に関連する核酸配列の転写を促進する能力を有するプロモーターが必要である。このような調節領域は、TATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列など、転写および翻訳の開始に関与する5’非コード配列を含み得る。コード配列に対する非コード領域3’は、ターミネーターおよびポリアデニル化部位などの転写終結調節配列を含有し得る。
プロモーターなどの調節機能を有するDNA配列をペプチド遺伝子配列に付加するため、またはベクターのクローニング部位にペプチド遺伝子配列を挿入するために、当該技術分野で周知の技術により、適切な適合制限部位を提供するリンカーまたはアダプターをcDNAの末端にライゲーションしてもよい(Wu et al.,1987,Methods in Enzymol 152:343-349、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。制限酵素による切断の後に、ライゲーション前に一本鎖DNA末端を消化または充填することによって、平滑末端を形成するための修飾を行うことができる。あるいは、所望の制限酵素部位を、その所望の制限酵素部位を含有するプライマーを用いたPCRの使用よるDNAの増幅によって、DNAの断片内に導入することができる。
調節領域に作動可能に連結されたポリペプチドコード配列を含む発現構築物は、さらなるクローニングを行うことなく、ペプチドの発現および産生のために適切な宿主細胞に直接導入され得る。発現構築物はまた、例えば相同組換えを介して、宿主細胞のゲノムへのDNA配列の組込みを促進するDNA配列を含有してもよい。この場合、宿主細胞中でペプチドを増殖および発現するために、適切な宿主細胞に好適な複製起点を含む発現ベクターを使用する必要はない。
プラスミド、コスミド、ファージ、ファージミド、または修飾ウイルスを含む様々な発現ベクターを使用することができる。典型的には、そのような発現ベクターは、適切な宿主細胞中のベクターの増殖のための機能的な複製起点、ペプチド遺伝子配列の挿入のための1つ以上の制限エンドヌクレアーゼ部位、および1つ以上の選択マーカーを含む。発現ベクターは、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチドのヌクレオチド配列を担持するように構築されてもよい。発現ベクターは、細菌、酵母、昆虫、哺乳動物およびヒトを含むがこれらに限定されない原核生物または真核生物に由来し得る適合する宿主細胞とともに使用されなければならない。そのような宿主細胞は、例えば、本発明に開示されるポリペプチドのいずれかをコードする複数のヌクレオチド配列を含有する単一発現ベクターを用いた宿主細胞の形質転換すること、または本明細書に開示される異なるポリペプチドをコードする複数の発現ベクターを用いた宿主細胞の形質転換することなどによって、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチドを発現するように、形質転換され得る。
細菌系では、ポリペプチドを産生するためにいくつかの発現ベクターを有利に選択することができる。例えば、医薬組成物の生成のためなど、このようなタンパク質を大量に産生する場合、容易に精製される高レベルの融合タンパク質産物の発現を指示するベクターが望ましい場合がある。かかるベクターには、融合タンパク質が産生されるように、ペプチドコード配列が、lac Zコード領域とインフレームでベクター内に個別にライゲーションされ得る、E.coli発現pUR278(Ruther et al.,1983,EMBO J.2,1791、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、pINベクター(Inouye and Inouye,1985,Nucleic Acids Res.13,3101-3109、Van Heeke and Schuster,1989,J.Biol.Chem 264,5503-5509、これら各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、などが含まれる。pGEXベクターを使用して、これらのペプチドを、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)を用いた融合タンパク質として発現してもよい。一般に、このような融合タンパク質は可溶性であり、グルタチオン-アガロースビーズに吸着させた後、遊離グルタチオンの存在下での溶出によって溶解した細胞から容易に精製することができる。pGEXベクターは、ポリペプチドがGST部分から放出され得るように、トロンビンまたは第Xa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計される。
あるいは、長期的には、適切に処理されたペプチド複合体の高収率の産生、哺乳動物細胞における安定的な発現が好ましい。ペプチド複合体を安定的に発現する細胞株は、選択マーカーを含有するベクターを使用して操作されてもよい。例として、発現構築物の導入に続いて、操作された細胞を栄養強化培地(enriched media)中で1~2日間増殖させ、次いで選択培地に切り替えることができる。発現構築物中の選択マーカーは、選択に対する耐性を付与し、細胞が発現構築物をその染色体に安定的に組込み、培養で増殖し、細胞株に増殖することを最適に可能にする。そのような細胞は、ペプチドを継続的に発現させながら、長期間培養することができる。
組換え細胞は、温度、インキュベーション時間、光学密度および培地組成の標準条件下で培養することができる。しかしながら、組換え細胞の増殖の条件は、ポリペプチドの発現のための条件とは異なる場合がある。改変された培養条件および培地を使用して、ペプチドの産生を強化してもよい。例えば、その同族プロモーターを有するペプチドを含有する組換え細胞は、熱または他の環境ストレス、または化学ストレスに曝露され得る。当技術分野で公知の任意の技術を適用して、ペプチド複合体を産生するための最適な条件を確立してもよい。
本明細書に開示される一実施形態では、メチオニンをコードするコドンが、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’末端に付加されて、ペプチドの翻訳開始のためのシグナルが提供される。このメチオニンは、ポリペプチドに付着したままであってもよいか、またはメチオニンは、ペプチドからのメチオニンの切断を触媒することができる酵素または複数の酵素の添加によって除去されてもよい。例えば、原核生物および真核生物の両方において、N末端メチオニンは、メチオニンアミノペプチダーゼ(MAP)によって除去される(Tsunasawa et al.,1985,J.Biol.Chem.260,5382-5391、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。メチオニンアミノペプチダーゼは、大腸菌、酵母、およびラットを含むいくつかの生物から単離され、クローニングされている。
ペプチドは、既知の方法によって、細菌、哺乳動物、または他の宿主細胞型から回収することができる(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCurrent Protocols in Immunology,vol.2,chapter 8,Coligan et al.(ed.),John Wiley & Sons,Inc.、Pathogenic and Clinical Microbiology:A Laboratory Manual by Rowland et al.,Little Brown & Co.,June 1994を参照されたい)。
前述の方法の両方は、本明細書に開示されるポリペプチドを合成するために使用することができる。例えば、HSP結合ペプチドのアミノ酸配列を含むペプチドは、化学的に合成され、ペプチド結合を介して、任意選択的に組換えDNA技術によって産生される抗原性ペプチドに結合され得る。
本明細書に開示される範囲内には、翻訳中または翻訳後に、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化(例えば、C末端カルボキシル基の)によって、または既知の保護/遮断基による誘導体化によって、またはタンパク質切断によって修飾される本明細書に開示されるポリペプチドの誘導体または類似体が、含まれる。数多くの化学修飾のいずれも、公知の技術によって実施され得、これらは、遊離NH基、遊離COOH-基、OH-基、Trp-、Tyr-、Phe-、His-、Arg-、もしくはLys-の側基の保護または修飾に有用な試薬;臭化シアン、ヒドロキシルアミン、BNPS-スカトール、酸、またはアルカリ加水分解による特異的な化学的切断;トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBHによる酵素的切断;アセチル化、ホルミル化、酸化、還元、ツニカマイシンの存在下での代謝合成、などを含むがこれらに限定されない。
5.3 抗原性ポリペプチドを含む組成物
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される1つ以上の抗原性ポリペプチドを含む組成物(例えば、医薬組成物、ワクチン、またはそれらの単位剤形)を提供する。特定の実施形態では、組成物は、本明細書に開示される複数の抗原性ポリペプチドを含む。例えば、特定の実施形態では、組成物は本明細書に開示されるように2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50個の異なる抗原性ポリペプチドを含む。
5.3.1 ストレスタンパク質との複合体の抗原性ポリペプチドを含む組成物
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される1つ以上の抗原性ポリペプチドおよび精製されたストレスタンパク質を含む組成物(例えば、医薬組成物)を提供する。特定の実施形態では、精製されたストレスタンパク質の少なくとも一部は、組成物中の抗原性ポリペプチドに結合する。かかる組成物は、がんの治療のためのワクチンとして有用である。
本明細書では熱ショックタンパク質(HSP)とも互換的に呼称される、本発明の実施において有用なストレスタンパク質は、他のタンパク質またはペプチドを結合することができ、アデノシン三リン酸(ATP)の存在下で、または酸性条件下で結合したタンパク質またはペプチドを放出することができる任意の細胞タンパク質から選択することができる。このようなタンパク質の細胞内濃度は、細胞がストレスの多い刺激に曝露されると増加し得る。ストレスによって誘導される熱ショックタンパク質に加えて、HSP60、HSP70、HSP90、HSP100、sHSP、およびPDIファミリーは、例えば35%を超えるアミノ酸同一性を有するが、その発現レベルがストレスによって変化しないなどの、配列類似性においてストレス誘導HSPに関連するタンパク質も含む。したがって、ストレスタンパク質または熱ショックタンパク質は、ストレス刺激に応答して発現レベルが増強されるこれらのファミリーのメンバーと、少なくとも35%(例えば、少なくとも40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または99%)のアミノ酸同一性を有する他のタンパク質、それらの変異体、類似体、およびバリアントを包含する。したがって、特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、hsp60、hsp70、またはhsp90のストレスタンパク質ファミリー(例えば、Hsc70、ヒトHsc70)、またはそれらの変異体、類似体、もしくはバリアントのメンバーである。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、hsc70、hsp70、hsp90、hsp110、grp170、gp96、カルレティキュリン、それらの変異体、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、Hsc70(例えば、ヒトHsc70)である。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、配列番号8807のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、ストレスタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号8807のアミノ酸配列からなる。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、Hsp70(例えば、ヒトHsp70)である。特定の実施形態では、ストレスタンパク質(例えば、ヒトhsc70)は、組換えタンパク質である。
天然由来のHSPのアミノ酸配列およびヌクレオチド配列は、GenBankなどの配列データベースで一般的に利用可能である。例えば、ホモサピエンス熱ショックタンパク質HSP70(Heat Shock 70kDa Protein 1A)は、以下の識別子を有するHGNC:5232;Entrez Gene:3303;Ensembl: ENSG00000204389;OMIM:140550; UniProtKB: P08107およびNCBI参照配列: NM_005345.5。Entrezなどのコンピュータプログラムを使用して、データベースを閲覧し、任意のアミノ酸配列および関心対象の遺伝子配列データをアクセッション番号によって取得することができる。また、これらのデータベースを検索して、アライメントスコアおよび統計量によって類似配列をランク付けするFASTAおよびBLASTなどのプログラムを使用して、クエリー配列と様々な程度の類似性を有する配列を特定することもできる。本明細書に開示されるHSPペプチド結合断片の調製に使用され得るHSPの非限定的な例のヌクレオチド配列は、以下の通りである:ヒトHsp70、Genbank Accession No.NM_005345、Sargent et al.,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,86:1968-1972;ヒトHsc70: Genbank Accession No.P11142、Y00371、ヒトHsp90、Genbank Accession No.X15183、Yamazaki et al.,Nucl.Acids Res.17:7108;ヒトgp96: Genbank Accession No.X15187、Maki et al.,1990,Proc.Natl.Acad Sci.,87:5658-5562;ヒトBiP: Genbank Accession No.M19645;Ting et al.,1988,DNA 7:275-286;ヒトHsp27,Genbank Accession No.M24743;Hickey et al.,1986,Nucleic Acids Res.14:4127-45;マウスHsp70: Genbank Accession No.M35021、Hunt et al.,1990,Gene,87:199-204;マウスgp96: Genbank Accession No.M16370, Srivastava et al.,1987,Proc.Natl.Acad.Sci.,85:3807-3811;およびマウスBiP: Genbank Accession No.U16277、Haas et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,85:2250-2254(これらの参照の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
上述の主要なストレスタンパク質ファミリーに加えて、小胞体常在タンパク質であるカルレティキュリンも、抗原分子と複合体化したときに免疫反応を誘発するのに有用なさらに別の熱ショックタンパク質として特定されている(Basu and Srivastava,1999,J.Exp.Med.189:797-202、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。本発明に使用され得る他のストレスタンパク質としては、grp78(またはBiP)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)、hsp110、およびgrp170が挙げられる(Lin et al.,1993,Mol.Biol.Cell,4:1109-1119;Wang et al.,2001,J.Immunol.,165:490-497、それら各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。これらのファミリーの多くのメンバーが、その後、栄養欠乏、代謝破壊、酸素ラジカル、低酸素、および細胞内病原体による感染を含む他のストレス刺激に応答して誘発されることが見出された(Welch,May 1993,Scientific American 56-64;Young,1990,Annu.Rev.Immunol.8:401-420;Craig,1993,Science 260:1902-1903;Gething,et al.,1992,Nature 355:33-45;およびLindquist,et al.,1988,Annu.Rev.Genetics 22:631-677を参照されたく、その各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。これらのファミリーのすべてに属するHSP/ストレスタンパク質が、本明細書に開示される実践において使用され得ることが企図される。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、ペプチド-MHC提示を容易にする任意のシャペロンタンパク質を包含する。適切なシャペロンタンパク質には、ERシャペロンおよびタパシン(例えば、ヒトタパシン)が含まれるが、これらに限定されない。
主要なストレスタンパク質は、ストレスを受けた細胞では非常に高いレベルに蓄積することができるが、ストレスを受けていない細胞では低いレベルから中程度のレベルで発生する。例えば、高度に誘導される哺乳類hsp70は、常温ではほとんど検出されないが、熱ショック時に細胞内で最も活発に合成されるタンパク質の1つとなる(Welch,et al.,1985,J.Cell.Biol.101:1198-1211、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。対照的に、hsp90タンパク質およびhsp60タンパク質は、すべてではないが、哺乳動物細胞の大部分で常温で豊富であり、加熱によってさらに誘導される(Lai,et al.,1984,Mol.Cell.Biol.4:2802-10、van Bergen en Henegouwen,et al.,1987,Genes Dev.1:525-31、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
様々な実施形態では、熱ショックタンパク質のファミリー内またはバリアント内の熱ショックタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、低~中程度のストリンジェンシーの条件下で、HSPをコードするヌクレオチド配列を含むプローブとのハイブリダイゼーションによって特定され、取得され得る。例として、このような低ストリンジェンシーの条件を使用する手順は、以下のとおりである(Shilo and Weinberg,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:6789-6792も参照されたい)。DNAを含有するフィルターは、35%ホルムアミド、5X SSC、50mMのTris-HCl(pH7.5)、5mMのEDTA、0.1%のPVP、0.1%のFicoll、1%のBSA、および500μg/mlの変性サーモン精子DNAを含有する溶液中で、40℃で6時間前処理される。ハイブリダイゼーションは、以下の変更を有する同じ溶液中で実施される:0.02%のPVP、0.02%のFicoll、0.2% BSA、100μg/mlのサーモン精子DNA、10%(wt/vol)デキストラン硫酸。フィルターを、ハイブリダイゼーション混合物中で、40℃で18~20時間インキュベートし、次いで、2×SSC、25mMのTris-HCl(pH7.4)、5mMのEDTA、および0.1%のSDSを含有する溶液中で、55℃で1.5時間洗浄する。洗浄溶液を新鮮な溶液と交換し、60℃でさらに1.5時間インキュベートした。フィルターを吸い取り乾燥させ(blot dry)、シグナル検出のために、露出させる。必要であれば、フィルターはシグナル検出前に65~68℃で3回洗浄する。使用され得る低ストリンジェンシーの他の条件は、当技術分野で周知である(例えば、種間ハイブリダイゼーションに使用されるような条件)。
ストレスタンパク質が使用される場合、ストレスタンパク質のペプチド結合断片、ならびにそれらの機能的に活性な誘導体、類似体、およびバリアントも使用され得る。したがって、特定の実施形態では、ストレスタンパク質は全長HSPである。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、HSP(例えば、Hsp60、Hsp70、またはHsp90ファミリー、例えばHsc70、特にヒトHsc70などのメンバー)のドメインを含むポリペプチドであり、当該ドメインは、ペプチド(例えば、本明細書に記載されるHSP結合ペプチド)と非共有結合的に会合して複合体を形成できて任意選択的に免疫応答を誘発でき、ストレスタンパク質は全長HSPではない。
特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、ペプチド(例えば、本明細書に記載されるHSP結合ペプチド)と非共有結合的に会合して複合体を形成できて任意選択的に免疫反応を誘発できるポリペプチドであり、当該ストレスタンパク質は、野生型HSP(例えば、Hsp60、Hsp70、またはHsp90ファミリー、例えばHsc70、特にヒトHsc70などのメンバーの)と高度な配列類似性を共有する。2つのアミノ酸配列または核酸配列間の同一性領域を決定するため、配列は、最適な比較目的のために整列される(例えば、第2のアミノまたは核酸配列との最適な整列のために第1のアミノ酸または核酸配列の配列にギャップが導入され得る)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列の位置が、第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占められている場合、分子は、その位置で同一である。二つの配列間の同一性の割合は、配列によって共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、同一性%=同一の重複する位置の数/位置の総数×100%)。一実施形態では、2つの配列は、同じ長さである。
2つの配列間のパーセント同一性の決定はまた、数学的アルゴリズムを使用して達成し得る。二つの配列の比較のために利用される数学的アルゴリズムの非限定的な例は、Karlin and Altschul,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-2268のアルゴリズムであり、Karlin and Altschul,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5877のように変更されている(その各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。このようなアルゴリズムは、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215:403-410のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、例えば、スコア=100、ワード長=12を用いて実行されて、本明細書に開示される核酸分子に相同なヌクレオチド配列を取得することができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、例えば、スコア=50、ワード長=3を用いて実行されて、本明細書に開示されるタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を取得することができる。比較目的でギャップアライメントを得るために、Altschul et al.,1997,Nucleic Acids Res,25: 3389-3402に記載されるように、Gapped BLASTが利用され得る。あるいは、PSI-Blastを使用して、分子間の距離関係を検出する反復検索を行うことができる(Altschul et al.,1997、上記)。BLAST、Gapped BLAST、およびPSI-Blastプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを使用できる。配列の比較のため利用される数学的アルゴリズムの別の例は、Myers and Miller,1988,CABIOS 4:11-17のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、GCG配列アライメントソフトウエアパッケージの一部である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれる。アミノ酸配列を比較するためALIGNプログラムを利用する場合、PAM120重み残基テーブル(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12、およびギャップペナルティ4が使用され得る。2つの配列間のパーセント同一性は、ギャップを許容して、または許容しないで、上で記載されたものと同様の技術を使用して決定され得る。パーセント同一性を計算する際、通常、完全一致のみがカウントされる。
特定の実施形態では、ストレスタンパク質(例えば、Hsp70またはHsc70)の単離ペプチド結合ドメインが採用される。これらのペプチド結合ドメインは、ストレスタンパク質(例えば、Hsp70およびHsc70)のペプチド結合部位の三次元構造のコンピュータモデリングによって同定することができる。例えば、米国特許出願公開第2001/0034042号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているHSPのペプチド結合断片を参照されたい。
特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、天然ストレスタンパク質よりも大きい標的ポリペプチドに対する親和性を有する変異ストレスタンパク質である。このような変異ストレスタンパク質は、標的ポリペプチドがリン酸化されている場合、またはホスホペプチド模倣体(非加水分解性類似体など)である場合、もしくは何らかの他の翻訳後修飾を有する場合に有用であり得る。
ストレスタンパク質は、組織からの精製によって、または組換えDNA技術によって調製することができる。HSPは、ATPの存在下で、または酸性条件下(pH1~pH6.9)で組織から精製することができ、その後、1つ以上のポリペプチドにインビトロで複合体化することができる。Peng,et al.,1997,J.Immunol.Methods,204:13-21、Li and Srivastava,1993,EMBO J.12:3143-3151を参照されたい(これらの参照文献の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。「精製された」ストレスタンパク質は、細胞、細胞抽出物、細胞培養培地、または個体中のタンパク質と実質的に関連する物質を実質的に含まない。特定の実施形態では、組織から精製されたストレスタンパク質は、異なるHSP、例えば、hsp70およびhsc70の混合物である。
所与のHSPまたはそのペプチド結合ドメインの定義されたアミノ酸またはcDNA配列を使用して、宿主細胞にトランスフェクトされ、宿主細胞中に発現される遺伝子構築物を作製することができる。組換え宿主細胞は、HSPまたはペプチド結合断片をコードする配列を含む核酸配列の1つ以上のコピーを含有してもよく、宿主細胞中のHSP核酸配列の発現を駆動する調節領域と作動可能に連結されている。組換えDNA技術は、組換えHSP遺伝子またはHSP遺伝子の断片を生成するために容易に利用することができ、標準的な技術を使用して、こうしたHSP遺伝子断片を発現させることができる。cDNAおよびゲノムDNAを含むHSPペプチド結合ドメインをコードする任意の核酸配列を使用して、本明細書に開示されるHSPまたはペプチド結合断片を調製することができる。核酸配列は、野生型であってもよく、または同じアミノ酸配列をコードするコドン最適化バリアントであってもよい。ペプチド結合ドメインを含有するHSP遺伝子断片を適切なクローニングベクターに挿入し、宿主細胞に導入して、遺伝子配列の多くのコピーを生成することができる。限定されるものではないが、ラムダ誘導体などのバクテリオファージ、またはpBR322、pUCプラスミド誘導体、Bluescriptベクター(Stratagene)、もしくはpETシリーズのベクター(Novagen)などのプラスミドなどの、当技術分野で公知の多数のベクター-宿主系が使用され得る。当技術分野で公知の変異誘発のための任意の技術を使用して、発現ペプチド配列中のアミノ酸置換を作製する目的で、またはさらなる操作を容易にするための制限部位を作製/削除するために、DNA配列中の個々のヌクレオチドを修飾することができる。
ストレスタンパク質は、それらが発現される細胞からの回収および精製を容易にするために融合タンパク質として発現され得る。例えば、ストレスタンパク質は、培養培地への分泌のために小胞体膜を横切ってその転座を指示するためのシグナル配列リーダーペプチドを含有してよい。さらに、ストレスタンパク質は、標的ポリペプチド、例えばカルボキシル末端への結合に関与しないタンパク質の任意の部分に融合された親和標識を含有してもよい。親和標識は、親和性パートナー分子に結合することによって、タンパク質の精製を促進するために使用することができる。当技術分野で知られている様々な親和標識を使用することができ、その非限定的な例には、免疫グロブリン定常領域、ポリヒスチジン配列(Petty,1996,Metal-chelate affinity chromatography,in Current Protocols in Molecular Biology,Vol.2,Ed.Ausubel et al.,Greene Publish.Assoc.& Wiley Interscience、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST;Smith,1993,Methods Mol.Cell Bio.4:220-229、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、E.coliマルトース結合タンパク質(Guan et al.,1987,Gene 67:21-30、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、および様々なセルロース結合ドメイン(米国特許第5,496,934号、第5,202,247号、第5,137,819号、Tomme et al.,1994, Protein Eng.7:117-123、それら各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)が含まれる。
そのような組換えストレスタンパク質は、免疫反応を誘発するそれらの能力について、ペプチド結合活性についてアッセイすることができる(例えば、Klappa et al.,1998,EMBO J.,17:927-935を参照されたく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。特定の実施形態では、宿主細胞中で産生される組換えストレスタンパク質は、免疫原性組成物の意図されるレシピエント(例えば、ヒト)と同じ種のものである。
ストレスタンパク質は、ポリペプチドに非共有結合的にまたは共有結合的に結合してもよい。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、ポリペプチドに非共有結合的に結合している。そのような複合体を調製する方法は、以下に記載されている。
総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約0.01:1~約100:1の任意の比であってもよく、例えば、約0.01:1、0.02:1、0.05:1、0.1:1、0.2:1、0.5:1、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、49:1、100:1までを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、組成物は、各々が本明細書に開示されるポリペプチドとストレスタンパク質とを含む複数の複合体を含み、各複合体におけるポリペプチド対ストレスタンパク質のモル比は、少なくとも約1:1(例えば、約1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、49:1、100:1まで)である
特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約0.5:1~5:1である。特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約1:1~2:1である。特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1である。そのような比、特に1:1に近い比は、組成物が、ストレスタンパク質に結合されていない大過剰の遊離ペプチドを含まないという点で有利である。MHC結合ペプチドを含む多くの抗原性ペプチドは疎水性領域を含む傾向があるため、過剰量の遊離ペプチドは、組成物の調製および保存中に凝集する傾向があり得る。総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比が1:1に近い(例えば、1:1、1.25:1、1.5:1、または2:1)ストレスタンパク質との実質的な複合体形成は、ポリペプチドのストレスタンパク質に対する高い結合親和性によって可能になる。したがって、特定の実施形態では、ポリペプチドは、10-3M、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、または10-9Mよりも低いKで、HSP(例えば、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、またはカルレティキュリン)に結合する。特定の実施形態では、ポリペプチドは、10-3M、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、またはそれ以下の低いKで、Hsc70(例えば、ヒトHsc70)と結合する。
特定の実施形態では、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%のストレスタンパク質が、組成物中のポリペプチドに結合する。特定の実施形態では、実質的にすべてのストレスタンパク質は、組成物中のポリペプチドに結合する。
任意の数の異なるポリペプチドを、本明細書に開示される単一の組成物に含めることができる。特定の実施形態では、組成物は、100個以下の異なるポリペプチド、例えば、2~50個、2~30個、2~20個、5~20個、5~15個、5~10個、または10~15個の異なるポリペプチドを含む。
特定の実施形態では、抗原性ポリペプチドの各々は、同じHSP結合ペプチドおよび異なる抗原性ペプチドを含む。特定の実施形態では、組成物は、単一のストレスタンパク質を含み、当該ストレスタンパク質は、HSP結合ペプチドに結合することができる。
本明細書に開示されるストレスタンパク質と抗原性ポリペプチドとの複合体を含む医薬組成物は、充填剤(bulking agent)、安定化剤、緩衝剤、塩化ナトリウム、カルシウム塩、界面活性剤、抗酸化剤、キレート剤、その他の賦形剤、およびそれらの組み合わせを含む、1つ以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含有するように製剤化され得る。
充填剤は、組成物の凍結乾燥製剤の調製において好ましい。こうした充填剤は、凍結乾燥産物の結晶性部分を形成し、マンニトール、グリシン、アラニン、およびヒドロキシエチルデンプン(HES)からなる群から選択することができる。
安定化剤は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、およびアルギニンからなる群から選択することができる。これらの薬剤は、好ましくは1~4%の量で存在する。塩化ナトリウムは、好ましくは100~300mMの量で本製剤に含まれてもよく、または前述の充填剤なしで使用される場合、300~500mMのNaClの量で製剤に含まれてもよい。カルシウム塩には、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、またはグルセプト酸カルシウムが含まれる。
緩衝剤は、緩衝液として作用する能力を有する任意の生理学的に許容可能な化学実体または化学実体の組み合わせとすることができ、ヒスチジン、リン酸カリウム、トリス(TRIS)[トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン]、ビス-トリスプロパン(BIS-Tris Propane)(1,3-ビス-[トリス-(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-プロパン)、PIPES[ピペラジン-N,N’-ビス-(2-エタンスルホン酸)]、MOPS[3-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸]、HEPES(N-2-ヒドロキシエチル-ピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸)、MES[2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸]、およびACES(N-2-アセトアミド-2-アミノエタンスルホン酸)が含まれるが、これらに限定されない。通常、緩衝剤は、10~50mMの濃度で含まれる。塩基緩衝液の具体的な例には、(i)PBS、(ii)10mM KPO、150mM NaCl、(iii)10mM HEPES、150mM NaCl、(iv)10mMイミダゾール、150mM NaCl、および(v)20mMクエン酸ナトリウムが含まれる。使用され得る賦形剤としては、(i)グリセロール(10%、20%)、(ii)Tween 50(0.05%、0.005%)、(iii)9%スクロース、(iv)20%ソルビトール、(v)10mMリジン、または(vi)0.01mMデキストラン硫酸が挙げられる。
界面活性剤は、存在する場合、0.1%以下の濃度であることが好ましく、ポリソルベート20、ポリソルベート80、プルロニックポリオール、およびBRIJ35(ポリオキシエチレン23ローレルエーテル)を含むがこれに限定されない群から選択され得る。抗酸化剤を使用する場合、医薬調製物との使用に適合しなければならず、好ましくは水溶性である。適切な抗酸化剤としては、ホモシステイン、グルタチオン、リポ酸、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(トロロックス(Trolox))、メチオニン、チオ硫酸ナトリウム、プラチナ、グリシン-グリシン-ヒスチジン(トリペプチド)、およびブチルヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。カルシウム塩が組成物中に使用されている場合、キレート剤は、カルシウムよりも大きな親和性で銅および鉄などの金属を結合させることが望ましい。例示的なキレーターは、デフェロキサミンである。
当技術分野で公知の多くの製剤を使用することができる。例えば、米国特許第5,763,401号は、15~60mMのスクロース、最大50mMのNaCl、最大5mMの塩化カルシウム、65~400mMのグリシン、および最大50mMのヒスチジンを含む治療製剤を記述する。いくつかの実施形態では、治療製剤は、リン酸カリウム緩衝液中の9%スクロースの溶液である。
米国特許第5,733,873号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、0.01~1mg/mlの界面活性剤を含む製剤を開示する。この特許は、賦形剤の以下の範囲を有する製剤を開示する:少なくとも0.01mg/ml、好ましくは0.02~1.0mg/mlの量でポリソルベート20または80;少なくとも0.1MのNaCl;少なくとも0.5mMのカルシウム塩;および少なくとも1mMのヒスチジン。より具体的には、以下の特定の製剤も開示する:(1)14.7~50~65mMのヒスチジン、0.31~0.6MのNaCl、4mMの塩化カルシウム、0.001~0.02~0.025%のポリソルベート80、0.1%のPEG4000もしくは19.9mMのスクロースを含むか、含まない、ならびに(2)20mg/mlのマンニトール、2.67mg/mlのヒスチジン、18mg/mlのNaCl、3.7mMの塩化カルシウム、および0.23mg/mlのポリソルベート80。
低濃度または高濃度の塩化ナトリウムの使用が説明されており、例えば、米国特許第4,877,608号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、0.5mM~15mMのNaCl、5mMの塩化カルシウム、0.2mM~5mMのヒスチジン、0.01~10mMのリジン塩酸塩、および最大10%のマルトース、10%のスクロース、または5%のマンニトールを含む製剤など、比較的低濃度の塩化ナトリウムの製剤を教示する。
米国特許第5,605,884号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、比較的高濃度の塩化ナトリウムを含有する製剤の使用を教示している。これらの製剤には、0.35M~1.2MのNaCl、1.5~40mMの塩化カルシウム、1mM~50mMのヒスチジン、および最大10%の糖、例えばマンニトール、スクロース、またはマルトースが含まれる。0.45MのNaCl、2.3mMの塩化カルシウム、および1.4mMのヒスチジンを含む製剤が例示される。
国際特許出願第WO96/22107号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、糖トレハロースを含む製剤であって、例えば、(1)0.1MのNaCl、15mMの塩化カルシウム、15mMのヒスチジン、および1.27Mのトレハロース(48%)、または(2)0.011%の塩化カルシウム、0.12%のヒスチジン、0.002%のトリス、0.002%のTween80、0.004%のPEG 3350、7.5%のトレハロース、および0.13%もしくは1.03%のNaClのいずれか、を含む、製剤を記載する。
米国特許第5,328,694号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、100~650mMの二糖および100mM-1~1.0Mのアミノ酸、例えば、(1)0.9Mのスクロース、0.25Mのグリシン、0.25Mのリジン、および3mMの塩化カルシウム、ならびに(2)0.7Mのスクロース、0.5Mのグリシン、および5mMの塩化カルシウムを含む、製剤を記載する。医薬組成物は、凍結乾燥産物として任意に調製されてもよく、その後、経口投与のために製剤化されてもよく、または非経口投与のために液体形態に再構成されてもよい。
特定の実施形態では、組成物は、組成物が投与される対象において、1つ以上のMHC結合ペプチドを含むポリペプチドを発現または提示する細胞に対するT細胞応答を刺激する。ポリペプチドを発現する細胞は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む細胞であってもよく、ポリヌクレオチドは、細胞のゲノム中、エピソームベクター中、または細胞に感染したウイルスのゲノム中にある。ポリペプチドを提示する細胞は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まなくてもよく、細胞をポリペプチドまたはその誘導体と接触させることによって生成されてもよい。
特定の実施形態では、組成物は、対象から単離された末梢血単核細胞(PBMC)におけるT細胞のインビトロ活性化を誘発する。T細胞のインビトロ活性化には、限定されないが、T細胞のインビトロ増殖、T細胞からのサイトカイン(例えば、IFNγ)の産生、およびT細胞上の活性化マーカー(例えば、CD25、CD45RO)の表面発現の増加が含まれる。
5.3.2 抗原性ポリペプチドとストレスタンパク質の複合体の調製
別の態様では、本開示は、抗原性ポリペプチドおよびストレスタンパク質の複合体を作製する方法(例えば、ワクチンを作製する目的で)を提供し、この方法は、精製されたストレスタンパク質が抗原性ポリペプチドの少なくとも1つに結合するように好適な条件下で、インビトロで、本明細書に開示される1つ以上の抗原性ポリペプチドを精製されたストレスタンパク質と混合することを含む。本方法は、本明細書では複合体化反応(complexing reaction)とも呼称される。特定の実施形態では、2つ以上の精製されたストレスタンパク質が用いられ、各精製されたストレスタンパク質は、抗原性ポリペプチドのうちの少なくとも1つに結合する。特定の実施形態では、精製されたストレスタンパク質の少なくとも一部は、組成物中の抗原性ポリペプチドに結合する。
ストレスタンパク質は、非共有結合的にまたは共有結合的にポリペプチドに結合されてもよい。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、ポリペプチドに非共有結合的に結合している。様々な実施形態では、インビトロで形成される複合体は任意選択的に精製される。ストレスタンパク質およびポリペプチドの精製された複合体は、細胞中または細胞抽出物中のそのような複合体に関連する物質を実質的に含まない。精製されたストレスタンパク質および精製されたポリペプチドがインビトロ複合体化反応で使用される場合、用語「精製された複合体」は、遊離ストレスタンパク質および複合体ではないコンジュゲートまたはペプチドも含む組成物を除外しない。
上述の任意のストレスタンパク質は、本明細書に開示される方法に用いられてもよい。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、カルレティキュリン、その変異体、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、ストレスタンパク質は、Hsc70、例えばヒトHsc70である。別の実施形態では、ストレスタンパク質は、Hsp70、例えばヒトHsp70である。特定の実施形態では、ストレスタンパク質(例えば、ヒトHsc70またはヒトHsp70)は、組換えタンパク質である。
複合体化の前に、HSPをATPで前処理するか、または酸性条件に曝露して、対象のHSPと非共有結合的に結びついている可能性のある任意のペプチドを除去することができる。酸性条件は、pH1~pH2、pH2~pH3、pH3~pH4、pH4~pH5、pH5~pH6、およびpH6~pH6.9の範囲を含む、pH7未満の任意のpHレベルである。ATP手順を用いる場合、Levy, et al.,1991,Cell 67:265-274(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるアピラナーゼ(apyranase)の添加により過剰なATPが調製物から除去される。酸性条件を使用する場合、緩衝液は、pH調節試薬(pH modifying reagent)の添加により中性pHに再調整される。
特定の実施形態では、精製されたストレスタンパク質との複合体形成の前に、ポリペプチドは、100%DMSOにおいて粉末から再構成されてもよい。次いで、等モル量のペプチドを、滅菌水で希釈された75%DMSOの溶液中にプールしてもよい。
特定の実施形態では、精製されたストレスタンパク質との複合体形成の前に、ポリペプチドは中性水で再構成されてもよい。
特定の実施形態では、精製されたストレスタンパク質と複合体形成の前に、ポリペプチドは、HClまたは別の酸を含有する酸性水中で再構成されてもよい。
特定の実施形態では、精製されたストレスタンパク質と複合体形成の前に、ポリペプチドは、NaOH、またはNHOH、または別の塩基を含有する塩基性水中で再構成されてもよい。
特定の実施形態では、精製されたストレスタンパク質との複合体形成の前に、水中での各ポリペプチドの溶解性を試験してもよい。ポリペプチドが中性水に可溶性である場合、中性水をポリペプチドの溶媒として使用してもよい。ポリペプチドが中性水に溶解しない場合、HCl、または例えば酢酸、リン酸、または硫酸などの別の酸を含有する酸性水への溶解性が試験されてもよい。ポリペプチドが、HCl(または別の酸)を含有する酸性水に可溶性である場合、HCl(または別の酸)を含有する酸性水が、ポリペプチドの溶媒として使用され得る。ポリペプチドが、HCl(または別の酸)を含有する酸性水に可溶性でない場合、NaOHを含有する塩基性水への溶解性を試験してもよい。ポリペプチドが、NaOHを含有する塩基性水に可溶性である場合、NaOHを含有する塩基性水が、ポリペプチドの溶媒として使用され得る。ポリペプチドが、NaOHを含有する塩基性水に可溶性でない場合、ポリペプチドはDMSOに溶解され得る。ポリペプチドがDMSOに可溶性でない場合、ポリペプチドは除外され得る。次いで、溶解したポリペプチドを混合して、ポリペプチドのプールを作製してもよい。溶解ポリペプチドは、等体積で混合されてもよい。溶解ポリペプチドは、等モル量で混合されてもよい。
総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、0.01:1~100:1の任意の比であってもよく、例えば、0.01:1、0.02:1、0.05:1、0.1:1、0.2:1、0.5:1、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、49:1、100:1までを含むが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、調製される組成物は、各々、本明細書に開示されるポリペプチドとストレスタンパク質とを含む複数の複合体を含み、複合体化反応は、ポリペプチドとストレスタンパク質との混合を含み、各複合体におけるポリペプチド対ストレスタンパク質のモル比は、少なくとも1:1(例えば、約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、49:1、100:1まで)である。
特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約0.5:1~5:1である。特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1である。特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約1:1、1.25:1、または1.5:1である。そのような比、特に1:1に近い比は、組成物が、ストレスタンパク質に結合されていない大過剰の遊離ペプチドを含まないという点で有利である。MHC結合ペプチドを含む多くの抗原性ペプチドは疎水性領域を含む傾向があるため、過剰量の遊離ペプチドは、組成物の調製および保存中に凝集する傾向があり得る。総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比が1:1に近い(例えば、1:1、1.25:1、1.5:1、または2:1)ストレスタンパク質との実質的な複合体形成は、ポリペプチドのストレスタンパク質に対する高い結合親和性によって可能になる。したがって、特定の実施形態では、複合体化反応で使用されるポリペプチドは、10-3M、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、または10-9Mよりも低いKで、HSP(例えば、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、またはカルレティキュリン)に結合する。特定の実施形態では、ポリペプチドは、10-3M、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9Mまたはそれ以下のKで、Hsc70(例えば、ヒトHsc70)と結合する。
本明細書に開示される方法を使用して、組成物(例えば、医薬組成物)を大量に(例えば、30mg、50mg、100mg、200mg、300mg、500mg、または1g以上の総ペプチドおよびタンパク質)調製することができる。次いで、調製された組成物を、単回使用または複数回使用の容器に移すか、または単位剤形に配分することができる。あるいは、本明細書に開示される方法を使用して、組成物(例えば、医薬組成物)を少量で(例えば、300μg、1mg、3mg、10mg、30mg、または100mg以下の総ペプチドおよびタンパク質)調製することができる。特定の実施形態では、組成物は、任意選択的に単位剤形で、単回使用のために調製される。
特定の実施形態では、組成物中のポリペプチドおよびストレスタンパク質の総量は、約10μg~600μg(例えば、約50μg、100μg、200μg、300μg、400μg、または500μg、任意選択的に約120μg、240μg、または480μg)である。特定の実施形態では、組成物中のポリペプチドおよびストレスタンパク質の総量は約300μgである。単位剤形中のストレスタンパク質およびポリペプチドの量は、以下に開示されている。
ポリペプチドの集団を、インビトロで、ストレスタンパク質へ非共有結合的に複合体化するための例示的プロトコルが本明細書に提供される。ポリペプチドの集団は、本明細書に開示される異なるポリペプチド種の混合物を含み得る。次に混合物を、精製および/または前処理されたストレスタンパク質とともに、4℃~50℃(例えば、37℃)で15分~3時間(例えば、1時間)、好適な結合緩衝液中、例えば、任意選択的に0.01%のポリソルベート20で補充された、リン酸緩衝生理食塩水pH7.4;リン酸カリウム緩衝液中9%スクロースを含む緩衝液;2.7mMの二塩基性リン酸ナトリウム、1.5mMのリン酸二水素カリウム、150mMのNaCl、pH7.2を含む緩衝液;20mMのリン酸ナトリウム、pH7.2~7.5、350~500mMのNaCl、3mMのMgClおよび1mMのフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)を含む緩衝液;ならびに任意選択的に1mMのADPを含む緩衝液中で、インキュベートする。ストレスタンパク質と適合性のある任意の緩衝液を使用してもよい。次いで、任意選択的に、任意の非結合ペプチドを除去するため、Centricon10アセンブリ(Millipore、Billerica, MA)を介した遠心分離によって調製物を精製する。タンパク質/ペプチドのHSPとの非共有結合的会合は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析(MS)、混合リンパ球標的細胞アッセイ(MLTC)、または酵素結合免疫スポット(ELISPOT)アッセイ(Taguchi T,et al.,J Immunol Methods 1990;128:65-73、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によってアッセイすることができる。複合体が単離および希釈されると、本明細書に記載の投与プロトコルおよび賦形剤を使用して、任意選択的に動物モデルでさらに特徴付けることができる(例えば、以下の実施例2を参照されたい)。
別個の共有結合性および/または非共有結合性複合体化反応からのストレスタンパク質および抗原性ポリペプチドの複合体を調製して、対象への投与前に組成物を形成することができる。特定の実施形態では、組成物は、対象への投与前の1、2、3、4、5、6、または7日以内に調製される。特定の実施形態では、組成物は、対象への投与前の1、2、3、4、5、6、7、または8週間以内に調製される。特定の実施形態では、組成物は、対象への投与前の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月以内に調製される。組成物は、任意で、調製後および使用前に約4℃、-20℃、または-80℃で保存することができる。
特定の実施形態では、本明細書に開示される方法によって調製される複合体は、患者への投与直前にベッドサイドで、アジュバントと混合される。特定の実施形態では、アジュバントは、サポニンまたは免疫刺激性核酸を含む。特定の実施形態では、アジュバントはQS-21を含む。特定の実施形態では、QS-21の用量は、10μg、25μg、50μg、75μg、100μg、125μg、150μg、175μg、または200μgである。特定の実施形態では、QS-21の用量は約100μgである。特定の実施形態では、アジュバントは、TLRアゴニストを含む。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR4のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR7および/またはTLR8のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR9のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR5のアゴニストである。
ストレスタンパク質およびポリペプチドの非共有結合性複合体を作製する代替として、ポリペプチドは、例えば、化学的架橋またはUV架橋によって、ストレスタンパク質に共有結合的に付着され得る。当技術分野に公知の任意の化学的架橋またはUV架橋方法(例えば、Wong,1991,Chemistry of Protein Conjugation and Cross-Linking,CRC Pressを参照されたく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を用いることができる。例えば、グルタルアルデヒド架橋(例えば、Barrios et al.,1992, Eur.J.Immunol.22:1365-1372を参照されたく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を使用してもよい。例示的なプロトコルでは、1~2mgのHSP-ペプチド複合体が、0.002%のグルタルアルデヒドの存在下で2時間架橋される。グルタルアルデヒドは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に対する透析により一晩除去される(Lussow et al.,1991,Eur.J.Immunol.21:2297-2302を参照をされたく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
5.3.3 ワクチン
別の態様では、本開示は、本明細書に開示されるポリペプチド組成物(例えば、抗原性ポリペプチド組成物)を含むワクチンを提供する。ワクチンは、安定した、滅菌された、好ましくは注射用の製剤をもたらす任意の方法によって調製され得る。
特定の実施形態では、ワクチンは、本明細書に開示される1つ以上の組成物と、1つ以上のアジュバントとを含む。例えば、全身アジュバントおよび粘膜アジュバントを含む、様々なアジュバントが用いられてもよい。全身アジュバントは、非経口的に送達され得るアジュバントである。全身アジュバントには、デポー効果を生じさせるアジュバント、免疫系を刺激するアジュバント、および両方を行うアジュバントが含まれる。
デポー効果を生じさせるアジュバントは、抗原を体内でゆっくりと放出させ、それによって抗原への免疫細胞の曝露を延長させるアジュバントである。このクラスのアジュバントには、ミョウバン(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム);または鉱油、非鉱油、油中水型もしくは水中油中水型(oil-in-water-in oil)エマルション、水中油型エマルションを含むエマルションベースの配合物、例えばMontanideアジュバントのSeppic ISAシリーズ(例えば、Montanide ISA720、AirLiquide,Paris,France)、MF-59(Span 85およびTween 80で安定化された水中スクアレンエマルション、Chiron Corporation、Emeryville, Calif.、およびPROVAX(安定化洗剤およびミセル形成剤(micelle-forming agent)を含有する水中油型エマルション、IDEC,Pharmaceuticals Corporation、San Diego,Calif.)が含まれる。
他のアジュバントは免疫系を刺激し、例えば免疫細胞にサイトカインまたはIgGを産生および分泌させる。このクラスのアジュバントには、CpGオリゴヌクレオチドなどの免疫刺激性核酸;QS-21などの、Q.saponariaの木の樹皮から精製されたサポニン;ポリ[ジ(カルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン(PCPPポリマー、Virus Research Institute,USA);ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)もしくはポリリジンで安定化されたポリI:C(ポリ-ICLC[Hiltonol(登録商標)、Oncovir,Inc.]などのRNA模倣体;モノホスホリルリピドA(MPL、Ribi ImmunoChem Research,Inc.、Hamilton, Mont.)、ムラミルジペプチド(MDP、Ribi)およびトレオニル-ムラミルジペプチド(t-MDP、Ribi)などのリポ多糖(LPS)の誘導体;OM-174(リピドAに関連するグルコサミン二糖、OM Pharma SA、Meyrin, Switzerland);およびLeishmania伸長因子(精製されたLeishmaniaタンパク質、Corixa Corporation、Seattle, Wash.)が含まれる。
他の全身アジュバントは、デポー効果を生み出し、免疫系を刺激するアジュバントである。これらの化合物は、上記で特定された全身アジュバントの機能の両方を有する。このクラスのアジュバントには、ISCOM(混合サポニン、脂質を含有し、抗原を保持できる細孔を有するウイルスサイズの粒子を形成する免疫刺激複合体;CSL、Melbourne, Australia);MPLおよびQS-21を含有するリポソームベースの製剤であるAS01(GlaxoSmithKline、Belgium);AS02(GlaxoSmithKline、MPLおよびQS-21を含有する水中オイルエマルションである、GlaxoSmithKline、Rixensart,Belgium);AS04(GlaxoSmithKline、ミョウバンおよびMPLを含有する、GSK,Belgium);CpGオリゴヌクレオチド、MPLおよびQS-21を含有するリポソーム系製剤であるAS15(GlaxoSmithKline、Belgium);CRL1005などのミセルを形成する非イオン性ブロックコポリマー(これらは、ポリオキシエチレンの鎖に隣接する疎水性ポリオキシプロピレンの直鎖を含有するVaxcel,Inc.、Norcross,Ga.);およびSyntexアジュバント製剤(SAF、Tween80および非イオン性ブロックコポリマーを含有する水中油型エマルション、Syntex Chemicals,Inc.、Boulder, Colo.)が含まれるがこれらに限定されない。
本発明による有用な粘膜アジュバントは、本明細書に開示される複合体と併せて粘膜表面に投与された場合に、対象において粘膜免疫応答を誘発することができるアジュバントである。粘膜アジュバントには、CpG核酸(例えば、PCT公開特許出願第WO99/61056号、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、細菌毒素:例えば、コレラ毒素(CT)、CT Bサブユニット(CTB)を含むがこれらに限定されないCT誘導体、CTD53(ValからAsp)、CTK97(ValからLys)、CTK104(TyrからLys)、CTD53/K63(ValからAsp、SerからLys)、CTH54(ArgからHis)、CTN107(HisからAsn)、CTE114(SerからGlu)、CTE112K(GluからLys)、CTS61F(SerからPhe)、CTS106(ProからLys)、およびCTK63(SerからLys)、閉鎖帯毒素(zot)、Escherichia coli易熱性エンテロトキシン、不安定毒素(LT)、LT Bサブユニット(LTB)を含むがこれらに限定されないLT誘導体、LT7K(ArgからLys)、LT61F(SerからPhe)、LT112K(GluからLys)、LT118E(GlyからGlu)、LT146E(ArgからGlu)、LT192G(ArgからGly)、LTK63(SerからLys)、およびLTR72(AlaからArg)、百日咳毒素、PT-9K/129Gを含むPT.、毒素誘導体(以下を参照)、リピドA誘導体(例えば、モノホスホリルリピドA、MPL)、ムラミルジペプチド(MDP)誘導体、細菌外膜タンパク質(例えば、Borrelia burgdorferiの細胞表層タンパク質A(OspA)リポタンパク質、Neisseria meningitidisの細胞表層タンパク質、水中油型エマルション(例えば、MF59、アルミニウム塩(Isaka et al.,1998,1999)、およびサポニン(例えば、QS-21、例えば、QS-21 Stimulon(登録商標)、Antigenics LLC、Lexington,Mass.)、ISCOM、MF-59(Span 85およびTween 80で安定化された水中スクアレンエマルション、Chiron Corporation、Emeryville, Calif.)、MontanideアジュバントのSeppic ISAシリーズ(例えば、Montanide ISA720、AirLiquide、Paris,France)、PROVAX(安定化洗剤およびミセル形成剤を含有する水中油型エマルション、IDEC,Pharmaceuticals Corporation、San Diego,Calif.)、Syntextアジュバント製剤(SAF、Syntex Chemicals,Inc.、Boulder, Colo.)、ポリ[ジ(カルボキシラトフェノキシ)]ホスファゼン(PCPPポリマー、Virus Research Institute,USA)およびLeishmania伸長因子(Corixa Corporation、Seattle, Wash.)が含まれる。
特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物に添加されるアジュバントは、サポニンおよび/または免疫刺激性核酸を含む。特定の実施形態では、組成物に加えられるアジュバントは、QS-21を含むか、またはさらに含む。
特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物に加えられるアジュバントは、Toll様受容体(TLR)アゴニストを含む。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR4のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR7および/またはTLR8のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR9のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR5のアゴニストである。
本明細書に記載の本明細書に開示される組成物は、いくつかの方法でアジュバントと組み合わされてもよい。例えば、異なるポリペプチドを最初に一緒に混合して混合物を形成し、次いでストレスタンパク質および/またはアジュバントと複合体化して組成物を形成してもよい。別の例として、異なるポリペプチドは、ストレスタンパク質および/またはアジュバントと個別に複合体化されてもよく、その後、得られた複合体のバッチを混合して組成物を形成してもよい。
アジュバントは、ストレスタンパク質およびポリペプチドの複合体を含む組成物の投与前、投与中、または投与後に投与され得る。アジュバントおよび組成物の投与は、同じまたは異なる投与部位にすることができる。
5.3.4 単位剤形
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される組成物(例えば、医薬組成物またはワクチン)の単位剤形を提供する。
本明細書に開示されるワクチンの有効性が有効であるポリペプチド(例えば、抗原性ポリペプチド)、ストレスタンパク質、および/またはアジュバントの量および濃度は、ポリペプチド、ストレスタンパク質、および/またはアジュバントの化学的性質および効力に応じて変化し得る。典型的には、ワクチンの開始量および濃度は、例えば、筋肉内注射などの従来の投与経路を使用して、所望の免疫反応を誘発するために従来的に使用されるものである。次いで、ポリペプチド(例えば、抗原性ポリペプチド)、コンジュゲート、ストレスタンパク質、および/またはアジュバントの量および濃度を、例えば、希釈剤を使用した希釈によって調整することができ、その結果、当技術分野で公知の標準的な方法(例えば、対照製剤と比較したワクチンに対する抗体またはT細胞応答によって決定される)を使用して評価される、有効な免疫応答が達成される。
特定の実施形態では、組成物中のポリペプチドおよびストレスタンパク質の総量は、約10μg~600μg(例えば、約50μg、100μg、200μg、300μg、400μg、または500μg、任意選択的に約120μg、240μg、または480μg)である。特定の実施形態では、組成物中のポリペプチドおよびストレスタンパク質の総量は、約300μgである。特定の実施形態では、組成物中のストレスタンパク質の量は、約250μg~290μgである。
特定の実施形態では、組成物中のストレスタンパク質の量は、約10μg~600μg(例えば、約50μg、100μg、200μg、300μg、400μg、または500μg、任意選択的に約120μg、240μg、または480μg)である。特定の実施形態では、組成物中のストレスタンパク質の量は、約300μgである。ポリペプチドの量は、指定されたモル比およびポリペプチドの分子量に基づいて計算される。
特定の実施形態では、組成物の単位剤形中のポリペプチドの総モル量は、約0.1~10nmol(例えば、約0.1nmol、0.5nmol、1nmol、2nmol、3nmol、4nmol、5nmol、6nmol、7nmol、8nmol、9nmol、または10nmol)である。特定の実施形態では、組成物の単位剤形中のポリペプチドの総モル量は、約4nmolである。特定の実施形態では、組成物の単位剤形中のポリペプチドの総モル量は、約5nmolである。
総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約0.01:1~約100:1の任意の比であってもよく、例えば、約0.01:1、0.02:1、0.05:1、0.1:1、0.2:1、0.5:1、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、49:1、100:1までを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、組成物は、各々がポリペプチドとストレスタンパク質とを含む複数の複合体を含み、各複合体におけるポリペプチド対ストレスタンパク質のモル比は、少なくとも約1:1(例えば、約1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、49:1、100:1まで)である。特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約0.5:1~5:1である。
特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約1:1~2:1である。特定の実施形態では、総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比は、約1:1、1.25:1、または1.5:1である。そのような比、特に1:1に近い比は、組成物が、ストレスタンパク質に結合されていない大過剰の遊離ペプチドを含まないという点で有利である。MHC結合ペプチドを含む多くの抗原性ペプチドは疎水性領域を含む傾向があるため、過剰量の遊離ペプチドは、組成物の調製および保存中に凝集する傾向があり得る。総ポリペプチド対総ストレスタンパク質のモル比が1:1に近い(例えば、1:1、1.25:1、1.5:1、または2:1)ストレスタンパク質との実質的な複合体形成は、ポリペプチドのストレスタンパク質に対する高い結合親和性によって可能になる。したがって、特定の実施形態では、ポリペプチドは、10-3M、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、または10-9Mよりも低いKで、HSP(例えば、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、またはカルレティキュリン)に結合する。特定の実施形態では、ポリペプチドは、10-3M、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、またはそれ以下の低いKで、Hsc70(例えば、ヒトHsc70)と結合する。
単位剤形中の成分の量を計算する方法が提供される。例えば、特定の実施形態では、ポリペプチドは、約3kDの平均分子量を有し、Hsc70の分子量は約71kDである。一実施形態では、組成物中のポリペプチドおよびストレスタンパク質の総量は300μgであり、ポリペプチド対hsc70のモル比は1.5:1であると仮定する。Hsc70のモル量は、300μgを71kD+1.5×3kDで割って計算することができ、約4.0nmolになり、Hsc70の質量の量は、モル量に71kDを乗じることによって計算することができ、約280kDとなる。ポリペプチドの総モル量は、1.5×4.0nmolとして計算することができ、6.0nmolになる。10個の異なるポリペプチドを用いる場合、各ポリペプチドのモル量は0.60nmolである。別の実施形態では、300μgの用量のHsc70が単位剤形に含まれることが意図され、ポリペプチド対Hsc70とのモル比が1.5:1であると仮定する。ポリペプチドの総モル量は、300ugを71kDで割ってから、1.5をかけると計算することができ、6.3nmolとなる。10個の異なるポリペプチドを用いる場合、各ポリペプチドのモル量は0.63nmolである。1つ以上の変数が、例の変数とは異なる場合、ストレスタンパク質およびポリペプチドの量は、それに応じてスケーリングされる。
単位剤形は、上記に開示されている1つ以上のアジュバントを任意選択で含んでもよいことがさらに理解される。特定の実施形態では、アジュバントは、サポニンおよび/または免疫刺激性核酸を含む。特定の実施形態では、アジュバントは、QS-21を含むか、またはさらに含む。特定の実施形態では、組成物の単位剤形におけるQS-21の量は、10μg、25μg、50μg、75μg、100μg、125μg、150μg、175μg、または200μgである。特定の実施形態では、組成物の単位剤形におけるQS-21の量は、100μgである。特定の実施形態では、アジュバントは、Toll様受容体(TLR)アゴニストを含む。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR4のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR7および/またはTLR8のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR9のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR5のアゴニストである。
5.4 使用方法
本明細書に開示される組成物(例えば、医薬組成物およびワクチン、ならびにその単位剤形)は、細胞性免疫応答を誘発するために特に有用である。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、膜受容体(主にCD91)を介して、またはToll様受容体に結合することによって、抗原提示細胞(APC)(例えば、マクロファージおよび樹状細胞(DC))における交差提示経路を介して抗原ポリペプチドを送達することができ、それによってCD8およびCD4T細胞の活性化をもたらす。ストレスタンパク質/抗原性ポリペプチド複合体の内部移行は、ケモカインおよびサイトカイン産生を伴うAPCの機能的成熟をもたらし、ナチュラルキラー細胞(NK)、単球、およびTh1およびTh-2-媒介性免疫反応の活性化をもたらす。
一態様では、本開示は、対象において抗原性ペプチドに対する細胞性免疫応答を誘発する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に開示される組成物を対象に投与することを含む。別の態様では、本開示は、対象における疾患(例えば、がん)を治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に開示される組成物を対象に投与することを含む。本明細書に開示される組成物はまた、対象の治療のための薬剤またはワクチンの調製に使用することができる。
様々な実施形態では、こうした対象は、動物、例えば、哺乳動物、非ヒト霊長類、およびヒトであってもよい。「動物」という用語は、ネコおよびイヌなどのコンパニオン動物;動物園の動物;シカ、キツネ、およびアライグマを含む野生動物;ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、七面鳥、アヒル、およびニワトリを含む家畜、飼育動物、および家禽;ならびに齧歯類、ウサギ、およびモルモットなどの実験動物を含む。特定の実施形態において、対象はがんを有する。
5.4.1 がんの治療
本明細書に開示される組成物は、単独で、またはがんの治療のための他の療法と組み合わせて使用することができる。本明細書に開示される1つ以上のMHC結合ペプチドは、対象のがん細胞に存在することができる。特定の実施形態では、1つ以上のMHC結合ペプチドは、がんのタイプおよび/または病期に共通であるか、または頻繁に見出される。特定の実施形態では、1つ以上のMHC結合ペプチドは、5%を超えるがんに見出される。特定の実施形態では、1つ以上のMHC結合ペプチドは、対象のがんに特異的である。
本明細書に開示される組成物を使用して治療され得るがんには、固形腫瘍、血液がん(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫)、および転移性病変が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、がんは、固形腫瘍である。固形腫瘍の例としては、悪性腫瘍、例えば、肉腫およびがん腫、例えば、様々な器官系の腺がんであり、例えば、肺、乳房、卵巣、リンパ系、消化管(例えば、結腸)、肛門、生殖器および尿生殖器(例えば、腎臓、尿路上皮、膀胱細胞、前立腺)、咽頭、CNS(例えば、脳、神経細胞またはグリア細胞)、頭頸部、皮膚(例えば、黒色腫)、および膵臓に影響を及ぼすものであり、ならびに結腸がん、直腸がん、腎細胞がん、肝がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がんまたは小細胞肺がん、小腸がんおよび食道がんなどの悪性腫瘍を含む腺がんを含む。がんは、早期、中間、後期、または転移性のがんであり得る。特定の実施形態では、がんは、PD-1活性の増加(例えば、PD-1発現の増加)と関連している。
一実施形態では、前記がんが、肺がん(例えば、肺腺がんまたは非小細胞肺がん(NSCLC)(例えば、扁平上皮および/または非扁平上皮の組織型を有するNSCLC、またはNSCLC腺がん))、黒色腫(例えば、進行性黒色腫)、腎がん(例えば、腎細胞がん)、肝がん(例えば、肝細胞がんまたは肝内胆管細胞がん)、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、前立腺がん、乳がん(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、またはHer2/neuのうちの1つ、2つ、またはすべてを発現しない乳がん、例えば、トリプルネガティブ乳がん)、卵巣がん、結腸直腸がん、膵臓がん、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮細胞がん(HNSCC)、肛門がん、胃食道がん(例えば、食道扁平上皮がん)、中皮腫、上咽頭がん、甲状腺がん、子宮頸がん、上皮がん、腹膜がん、またはリンパ増殖性疾患(例えば、移植後リンパ増殖性疾患)から選択される。一実施形態では、がんはNSCLCである。一実施形態では、がんは腎細胞がんである。一実施形態では、がんは、卵巣がんであり、任意選択的に、卵巣がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関連している。特定の実施形態では、卵巣がんは、プラチナ抵抗性卵巣がんである。
一実施形態では、がんは、血液がん、例えば、白血病、リンパ腫、または骨髄腫である。一実施形態では、がんは、白血病、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性骨髄芽球性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia)(CML)、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia)(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、またはヘアリーセル白血病である。一実施形態では、がんは、リンパ腫であり、例えば B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、活性化B細胞様(ABC)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、胚中心B細胞(GCB)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、再発性非ホジキンリンパ腫、難治性非ホジキンリンパ腫、再発性濾胞性非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、または節外性辺縁帯リンパ腫である。一実施形態では、がんは、例えば多発性骨髄腫などの骨髄腫である。
別の実施形態では、がんは、がん腫(例えば、進行がん腫または転移性がん腫)、黒色腫、または肺がん腫、例えば、非小細胞肺がん腫から選択される。
一実施形態では、がんは、肺がん、例えば、肺腺がん、非小細胞肺がん、または小細胞肺がんである。
一実施形態では、がんは、黒色腫、例えば、進行性黒色腫である。一実施形態では、がんは、他の療法に応答しない進行性または切除不能な黒色腫である。他の実施形態では、がんは、BRAF変異(例えば、BRAF V600変異)を有する黒色腫である。さらに他の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、BRAF阻害剤(例えば、ベムラフェニブまたはダブラフェニブ)を伴う、または伴わない抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ)を用いた治療後に投与される。
別の実施形態では、がんは、ウイルス感染、例えば、慢性ウイルス性肝炎を伴う、または伴わない肝細胞がん、例えば、進行肝細胞がんである。
別の実施形態では、がんは前立腺がん、例えば、進行前立腺がんである。
さらに別の実施形態では、がんは、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫である。
さらに別の実施形態では、がんは、腎がん、例えば、腎細胞がん(RCC)(例えば、転移性RCC、明細胞腎細胞がん(CCRCC)または腎乳頭状細胞がん)である。
さらに別の実施形態では、がんは、肺がん、黒色腫、腎がん、乳がん、結腸直腸がん、白血病、またはがんの転移性病変から選択される。
特定の実施形態では、がんはAMLである。別の特定の実施形態では、がんは結腸直腸がんである。
本明細書に開示される組成物は、がんが検出された時、または再発のエピソードの前もしくは間に投与されてもよい。
投与は、がんまたは再発の最初の徴候で開始することができ、その後、少なくとも症状が実質的に軽減するまで、およびその後一定期間、用量をブースター投与することができる。
いくつかの実施形態では、組成物は、切除された腫瘍組織から収集された代表的な抗原のセットを含む治療有効量の自己がんワクチンの産生には、切除された腫瘍組織の量が不十分になる(例えば、7g未満、6g未満、5g未満、4g未満、3g未満、2g未満、または1g未満の切除された腫瘍組織)、腫瘍切除手術を受けたがんを有する対象に投与することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Expert Opin.Biol.Ther.2009 Feb;9(2):179-86に記載されるがんワクチンを参照されたい。
本明細書に開示される組成物はまた、がんの再発に対する免疫化に使用することができる。個体への組成物の予防的投与は、がんの将来の再発に対する保護を与えることができる。
5.4.2 併用療法
併用療法とは、がんを治療するための第2のモダリティを伴う第1のモダリティとして本明細書に開示される組成物の使用を指す。したがって、特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される対象における抗原性ペプチドに対する細胞性免疫応答を誘発する方法、または本明細書に開示される対象における疾患を治療する方法を提供し、方法は、有効量の(a)本明細書に開示される組成物および(b)第2のモダリティを対象に投与することを含む。
一実施形態では、第2のモダリティは、非HSPモダリティ、例えば、HSPを構成要素として含まないモダリティである。このアプローチは、一般的に併用療法、補助療法、または共同療法(conjunctive therapy)と呼ばれる(これらの用語は互換的に使用される)。併用療法では、相加的効力または相加的治療効果が観察され得る。相乗的成果は、治療有効性が相加的よりも大きい場合に求められる。併用療法の使用はまた、第1のモダリティまたは第2のモダリティのいずれか単独の投与よりも良好な治療プロファイルを提供することもできる。
相加的または相乗的効果は、有害作用を軽減するために、どちらかまたは両方のモダリティの投与量および/または投与頻度の低減を可能にし得る。特定の実施形態では、単独で投与される第2のモダリティは、対象を治療するのに臨床的に適切ではなく(例えば、対象は、単一のモダリティに対して非応答性または抵抗性であり)、その結果、対象は追加のモダリティを必要とする。ある特定の実施形態では、対象は、第2のモダリティに応答したが、副作用、再発、耐性発生等に苦しみ、その結果、対象は追加のモダリティを必要とする。本明細書に開示される方法は、第2のモダリティの治療有効性を改善するために、そのような対象に本明細書に開示される組成物の投与を含む。治療モダリティの有効性は、当該技術分野で公知の方法を使用して、インビボまたはインビトロでアッセイすることができる。
一実施形態では、対象において治療的利益を生じさせるために、より少ない量の第2のモダリティが必要とされる。特定の実施形態では、第2のモダリティの量の約10%、20%、30%、40%、および50%の低減を達成することができる。観察可能な治療上の利益をもたらさない範囲の量を含む第2のモダリティの量は、当技術分野で周知の方法によって動物モデルにおいて実施される用量反応実験によって決定することができる。
特定の実施形態では、第2のモダリティは、TCR、例えば、可溶性TCRまたはTCRを発現する細胞を含む。特定の実施形態では、第2のモダリティは、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞を含む。特定の実施形態では、TCRまたはCARを発現する細胞は、T細胞である。特定の実施形態では、TCRまたはCARは、本明細書に開示される組成物中の少なくとも一つのMHC結合エピトープに結合する(例えば、特異的に結合する)。
特定の実施形態では、第2のモダリティは、TCR模倣抗体を含む。特定の実施形態では、TCR模倣抗体は、ペプチド-MHC複合体に特異的に結合する抗体である。TCR模倣抗体の非限定的な例は、米国特許第9,074,000号、米国特許出願公開第US2009/0304679(A1)号および第US2014/0134191(A1)号に開示されており、それらすべては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、TCR模倣抗体は、本明細書に開示される組成物中の少なくとも一つのMHC結合エピトープに結合する(例えば、特異的に結合する)。
特定の実施形態では、第2のモダリティは、チェックポイント標的化剤を含む。ある特定の実施形態では、チェックポイント標的化剤は、アンタゴニスト抗CTLA-4抗体、アンタゴニスト抗PD-L1抗体、アンタゴニスト抗PD-L2抗体、アンタゴニスト抗PD-1抗体、アンタゴニスト抗TIM-3抗体、アンタゴニスト抗LAG-3抗体、アンタゴニスト抗CEACAM1抗体、アゴニスト抗CD137抗体、アンタゴニスト抗TIGIT抗体、アンタゴニスト抗VISTA抗体、アゴニスト抗GITR抗体、およびアゴニスト抗OX40抗体からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、本明細書に開示される方法における第2のモダリティとして使用される。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Bristol-Myers Squibbによって開発されたBMS-936558またはMDX1106としても知られるニボルマブである。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Merck & Coによって開発されたランブロリズマブまたはMK-3475としても知られるペンブロリズマブである。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、CureTechによって開発されたCT-011としても知られるピジリズマブである。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Medimmuneによって開発されたAMP-514としても知られるMEDI0680である。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Novartis Pharmaceuticalsによって開発されたPDR001である。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Regeneron Pharmaceuticalsによって開発されたREGN2810である。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Pfizerによって開発されたPF-06801591である。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、BeiGeneによって開発されたBGB-A317である。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、AnaptysBioおよびTesaroによって開発されたTSR-042である。特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、Hengruiによって開発されたSHR-1210である。
本明細書に開示される治療方法に使用され得る抗PD-1抗体のさらなる非限定的な例は、以下の特許および特許出願に開示されており、これらのすべては、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる:米国特許第6,808,710号、米国特許第7,332,582号、米国特許第7,488,802号、米国特許第8,008,449号、米国特許第8,114,845号、米国特許第8,168,757号、米国特許第8,354,509号、米国特許第8,686,119号、米国特許第8,735,553号、米国特許第8,747,847号、米国特許第8,779,105号、米国特許第8,927,697号、米国特許第8,993,731号、米国特許第9,102,727号、米国特許第9,205,148号、米国特許出願公開第2013/0202623(A1)号、米国特許出願公開第2013/0291136(A1)号、米国特許出願公開第2014/0044738(A1)号、米国特許出願公開第2014/0356363(A1)号、米国特許出願公開第2016/0075783(A1)号、およびPCT国際公開第WO2013/033091(A1)号、PCT国際公開第WO2015/036394(A1)号、PCT国際公開第WO2014/179664(A2)号、PCT国際公開第WO2014/209804(A1)号、PCT国際公開第WO2014/206107(A1)号、PCT国際公開第WO2015/058573(A1)号、PCT国際公開第WO2015/085847(A1)号、PCT国際公開第WO2015/200119(A1)号、PCT国際公開第WO2016/015685(A1)号、ならびにPCT国際公開第WO2016/020856(A1)号。
特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、本明細書に開示される方法における第2のモダリティとして使用される。ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、Genentechによって開発されたアテゾリズマブである。ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、AstraZeneca、Celgene、およびMedimmuneによって開発されたデュルバルマブである。特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、Merck SeronoおよびPfizerによって開発されたMSB0010718Cとしても知られるアベルマブである。特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、Bristol-Myers Squibbによって開発されたMDX-1105である。特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、AmplimmuneおよびGSKによって開発されたAMP-224である。
本明細書に開示される治療方法に使用され得る抗PD-L1抗体の非限定的な例は、以下の特許および特許出願に開示されており、これらのすべては、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる:米国特許第7,943,743号、米国特許第8,168,179号、米国特許第8,217,149号、米国特許第8,552,154号、米国特許第8,779,108号、米国特許第8,981,063号、米国特許第9,175,082号、米国特許出願公開第2010/0203056(A1)号、米国特許出願公開第2003/0232323(A1)号、米国特許出願公開第2013/0323249(A1)号、米国特許出願公開第2014/0341917(A1)号、米国特許出願公開第2014/0044738(A1)号、米国特許出願公開第2015/0203580(A1)号、米国特許出願公開第2015/0225483(A1)号、米国特許出願公開第2015/0346208(A1)号、米国特許出願公開第2015/0355184(A1)号、およびPCT国際公開第WO2014/100079(A1)号、PCT国際公開第WO2014/022758号(A1)号、PCT国際公開第WO2014/055897(A2)号、PCT国際公開第WO2015/061668(A1)号、PCT国際公開第WO2015/109124(A1)号、PCT国際公開第WO2015/195163(A1)号、PCT国際公開第WO2016/000619(A1)号、ならびにPCT国際公開第WO2016/030350(A1)号。
特定の実施形態では、IDO(インドールアミン-(2,3)-ジオキシゲナーゼ)および/またはTDO(トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ)などの免疫調節酵素を標的とする化合物が、本明細書に開示される方法の第2のモダリティとして使用される。したがって、一実施形態では、化合物は、インドールアミン-(2,3)-ジオキシゲナーゼ(IDO)の阻害剤などの免疫調節酵素を標的とする。特定の実施形態では、このような化合物は、エパカドスタット(epacadostat)(Incyte Corp、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO2010/005958を参照されたい)、F001287(Flexus Biosciences/Bristol-Myers Squibb)、インドキシモド(indoximod)(NewLink Genetics)、およびNLG919(NewLink Genetics)からなる群から選択される。一実施形態では、化合物はエパカドスタットである。別の実施形態では、化合物はF001287である。別の実施形態では、化合物はインドキシモドである。別の実施形態では、化合物はNLG919である。特定の実施形態では、本明細書に開示される抗TIM-3(例えば、ヒトTIM-3)抗体は、がんを治療するためのIDO阻害剤と組み合わせて対象に投与される。がんの治療に使用するための本明細書に記載されるIDO阻害剤は、錠剤、丸剤、またはカプセルなどの医薬組成物の固形剤形で存在し、医薬組成物は、IDO阻害剤および薬学的に許容可能な賦形剤を含む。したがって、本明細書に記載される抗体および本明細書に記載されるIDO阻害剤は、別個の剤形として、別々に、連続して、または同時に投与することができる。一実施形態では、抗体は非経口的に投与され、IDO阻害剤は経口投与される。ある特定の実施形態では、阻害剤は、エパカドスタット(Incyte Corporatio)、F001287(Flexus Biosciences/Bristol-Myers Squibb)、インドキシモド(NewLink Genetics)、およびNLG919(NewLink Genetics)からなる群から選択される。エパカドスタットは、PCT国際公開第WO2010/005958号に記載されており、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、阻害剤はエパカドスタットである。別の実施形態では、阻害剤はF001287である。別の実施形態では、阻害剤はインドキシモドである。別の実施形態では、阻害剤はNLG919である。
特定の実施形態では、第2のモダリティは、がんを治療するための異なるワクチン(例えば、ペプチドワクチン、DNAワクチン、またはRNAワクチン)を含む。特定の実施形態では、ワクチンは、熱ショックタンパク質ベースの腫瘍ワクチンまたは熱ショックタンパク質ベースの病原体ワクチン(例えば、WO2016/183486に記載されるワクチンであって、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)である。特定の実施形態では、第2のモダリティは、ストレスタンパク質ベースのワクチンを含む。例えば、特定の実施形態では、第2のモダリティは、第1のモダリティとは異なる、本明細書に開示される組成物を含む。特定の実施形態では、第2のモダリティは、HSP結合ペプチドの異なる配列を有することを除いて、本明細書に開示されるものと類似した組成物を含む。特定の実施形態では、ストレスタンパク質ベースのワクチンは、腫瘍調製物に由来し、ワクチンによって誘発される免疫が、それぞれの対象のがんによって発現される独特の抗原性ペプチドレパートリーに対して特異的に指向されるようにする。
特定の実施形態では、第2のモダリティは、本明細書に開示されるワクチン製剤に含まれ得る上記に開示されたものなどの1つ以上のアジュバントを含む。特定の実施形態では、第2のモダリティは、サポニン、免疫刺激性核酸、および/またはQS-21を含む。特定の実施形態では、第2のモダリティは、Toll様受容体(TLR)アゴニストを含む。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR4のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR7および/またはTLR8のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR9のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR5のアゴニストである。
特定の実施形態では、第2のモダリティは、レナリドミド、デキサメタゾン、インターロイキン-2、組換えインターフェロンアルファ-2b、およびペグインターフェロンアルファ-2bからなる群から選択される1つ以上の薬剤を含む。
ある特定の実施形態では、医薬組成物が、がんを有する対象を治療するために使用される場合、第2のモダリティは、化学療法または放射線療法を含む。特定の実施形態では、化学療法剤は、低メチル化剤(例えば、アザシチジン)である。
本明細書に開示される組成物は、同じまたは異なる送達経路によって、第2モダリティ(例えば、化学療法、放射線療法、チェックポイント標的化剤、IDO阻害剤、ワクチン、アジュバント、可溶性TCR、TCRを発現する細胞、CARを発現する細胞、および/またはTCR模倣抗体)と、別々に、連続して、または同時に投与することができる。
5.4.3 投与レジメン
本明細書に開示される組成物の投与量、および併用療法が投与される場合の任意の追加の治療モダリティの投与量は、治療される対象の体重および全般的な健康状態、ならびに治療の頻度および投与経路に大きく依存する。この使用に有効な量はまた、疾患の病期および重症度、ならびに処方医師の判断に依存するが、一般に初回免疫化(すなわち、治療的投与のため)の範囲は、70kgの患者に対し、本明細書に開示する組成物の任意の1つについて約1.0μg~約1000μg(1mg)(例えば、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、240、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、または1000μgを含む)であり、続いて、患者の血液中の特定のCTL活性を測定することによって、その患者の応答および状態に応じて数週間から数か月にわたるブーストレジメンに従って、組成物の約1.0μg~約1000μg(例えば、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、または1000μgを含む)のブースト投与を行う。部位、用量、および頻度を含む治療継続のためのレジメンは、初期応答および臨床判断によって導かれ得る。アジュバントの投与範囲およびレジメンは、当業者に公知であり、例えば、Vogel and Powell,1995,A Compendium of Vaccine Adjuvants and Excipients;M.F.Powell,M.J.Newman(eds.),Plenum Press,New York,pages 141-228を参照されたい。
好ましいアジュバントとしては、QS-21、例えばQS-21 Stimulon(登録商標)、およびCpGオリゴヌクレオチドが挙げられる。QS-21の例示的な投与量範囲は、1回の投与当たり1μg~200μgである。他の実施形態では、QS-21の投与量は、1回の投与当たり10、25、および50μgであり得る。特定の実施形態では、アジュバントは、Toll様受容体(TLR)アゴニストを含む。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR4のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR7および/またはTLR8のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR9のアゴニストである。特定の実施形態では、TLRアゴニストは、TLR5のアゴニストである。
特定の実施形態では、組成物の投与量は、投与経路および組成物中のHSPのタイプに依存する。例えば、組成物中のHSPの量は、例えば、1回の投与当たり5~1000μg(1mg)の範囲であり得る。特定の実施形態では、Hsc70-、Hsp70-、および/またはGp96-ポリペプチド複合体を含む組成物の投与量は、例えば、5、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、200、250、300、400、500、600、700、750、800、900、または1000μgである。特定の実施形態では、組成物の投与量は、1回の投与当たり約10~600μgの範囲であり、組成物が皮内投与される場合、約5~100μgの範囲内である。特定の実施形態では、組成物の投与量は、約5μg~600μg、約5μg~300μg、約5μg~150μg、または約5μg~60μgである。特定の実施形態では、組成物の投与量は、100μg未満である。特定の実施形態では、組成物の投与量は、約5μg、25μg、50μg、120μg、240μg、または480μgである。特定の実施形態では、ストレスタンパク質およびポリペプチドの複合体を含む組成物は精製される。
治療レジメンの一実施形態では、より小さな非ヒト動物(例えば、マウスまたはモルモット)で有効であることが観察された投与量と実質的に等しい投与量は、任意選択的に、そのような哺乳動物およびヒトの相対的なリンパ節サイズに基づいて、50倍を超えない補正係数を条件として、ヒトの投与に有効である。具体的には、ヒト用量に対する抗原分子と非共有結合的に結合または混合されたストレスタンパク質(またはHSP)の種間用量反応の同等性は、マウスで観察された治療用量と単一のスケーリング比の積として推定され、これは50倍の増加を超えない。特定の実施形態では、組成物の用量は、外挿によって推定される用量よりもはるかに少なくすることができる。
上述の用量は、1年または1年以上の期間にわたって、1日1回、隔日、週1回、隔週、または月1回など、1回または繰り返し投与することができる。用量は、好ましくは、約52週間以上の期間、28日に1回投与される。
一実施形態では、組成物は、追加の治療モダリティまたは複数のモダリティと合理的に同時に対象に投与される。この方法は、2つの投与が、例えば、同じ医師の診察において、1分~約5分未満、または互いに最大約60分未満という時間枠内で実施されることを提供する。
別の実施形態では、組成物および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティが同時に投与される。
さらに別の実施形態では、組成物および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティは、本明細書に開示される複合体となるように連続して一定の時間間隔内で投与され、追加の治療モダリティまたは複数のモダリティはそれらが単独で投与された場合よりも増加した利益をもたらすように一緒に作用することができる。
別の実施形態では、組成物および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティは、所望の治療的または予防的な結果をもたらすために十分に近い時間に投与される。各々は、任意の適切な形態で、任意の好適な経路によって、同時または別々に、投与することができる。一実施形態では、本明細書に開示される複合体、および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティは、異なる投与経路によって投与される。代替の実施形態では、各々は、同じ投与経路によって投与される。組成物は、同一または異なる部位、例えば、腕および脚に投与することができる。同時に投与される場合、組成物および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティは、混合物でまたは同じ投与経路で、同じ投与部位に投与されてもよいし、投与されなくてもよい。
様々な実施形態では、組成物および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティは、1時間未満の間隔で、約1時間の間隔で、1時間~2時間の間隔で、2時間~3時間の間隔で、3時間~4時間の間隔で、4時間~5時間の間隔で、5時間~6時間の間隔で、6時間~7時間の間隔で、7時間~8時間の間隔で、8時間~9時間の間隔で、9時間~10時間の間隔で、10時間~11時間の間隔で、11時間~12時間の間隔で、24時間以内の間隔で、または48時間以内の間隔で投与される。他の実施形態では、組成物およびワクチン組成物は、2~4日間隔で、4~6日間隔で、1週間間隔で、1~2週間間隔で、2~4週間間隔で、1か月間隔で、1~2か月間隔で、または2か月以上の間隔で、投与される。好ましい実施形態では、組成物および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティは、両方がまだ活性である時間枠で投与される。当業者は、投与された各構成要素の半減期を決定することによって、このような時間枠を決定することができるであろう。
特定の実施形態では、組成物は、少なくとも4週間、対象に毎週投与される。ある特定の実施形態では、4回の毎週投与後、組成物の少なくとも2回(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回)のさらなる用量が、対象に隔週で投与される。特定の実施形態では、組成物は、最終的な毎週または隔週投与の3か月後にブースターとして投与された。3か月毎に投与されるブースターは、対象の寿命の間(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50年、またはそれ以上の年)、投与され得る。特定の実施形態では、対象に投与される組成物の総投与回数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回である。
一実施形態では、組成物および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティは同じ患者の診察内で投与される。代替の特定の実施形態では、組成物は、追加の治療モダリティまたは複数のモダリティの投与の前に投与される。特定の実施形態では、組成物は、追加の治療モダリティまたは複数のモダリティの投与の前に投与される。
特定の実施形態では、組成物および追加の治療モダリティまたは複数のモダリティは、対象に周期的に投与される。サイクリング療法(Cycling therapy)は、一定期間組成物を投与し、その後、一定期間モダリティを投与し、この連続投与を繰り返すことを含む。サイクリング療法は、1つ以上の療法に対する耐性の発生を低減し、療法の1つの副作用を回避または低減し、および/または治療の有効性を改善することができる。こうした実施形態では、本開示は、組成物の交互投与、その後に、4~6日後、好ましくは2~4日後、より好ましくは1~2日後のモダリティの投与を企図し、このようなサイクルは、所望される限り何回でも繰り返され得る。特定の実施形態では、組成物およびモダリティは、3週間未満、2週間に1回、10日に1回、または週1回のサイクルで交互に投与される。特定の実施形態では、組成物は、モダリティの投与後1時間~24時間の時間枠内で対象に投与される。徐放または連続放出型のモダリティ送達システムが使用されている場合、時間枠はさらに数日またはそれ以上に延長され得る。
5.4.4 投与経路
本明細書に開示される組成物は、任意の所望の投与経路を使用して投与されてもよい。経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、粘膜、鼻腔内、腫瘍内、およびリンパ節内経路を含むがこれらに限定されない、上述の組成物を導入するために、多くの方法を使用し得る。非粘膜投与経路には、皮内投与および局所投与が含まれるが、これらに限定されない。粘膜投与経路には、経口、直腸投与、および鼻腔投与が含まれるが、これらに限定されない。皮内投与の利点は、それぞれ低用量の使用および迅速な吸収が含まれる。皮下投与または筋肉内投与の利点には、いくつかの不溶性懸濁液および油性懸濁液に対する適合性が含まれる。粘膜投与のための調製物は、以下に記載される様々な製剤に好適である。
溶解性および投与部位は、組成物の投与経路を選択する際に考慮されるべき要因である。投与様式は、上記に列挙したものを含む、複数の投与経路の間で変更が可能である。
組成物が水溶性である場合、適切な緩衝液、例えば、リン酸緩衝生理食塩水または他の生理学的に適合性のある溶液、好ましくは滅菌で製剤化され得る。あるいは、組成物が水性溶媒への溶解性が乏しい場合、Tweenなどの非イオン性界面活性剤またはポリエチレングリコールとともに製剤化されてもよい。したがって、組成物は、吸入または吹送(口または鼻のいずれかを通して)、または経口、口腔、非経口、または直腸投与によって投与するために製剤化することができる。
経口投与については、組成物は、液体形態、例えば、溶液、シロップ、もしくは懸濁液であってもよく、または使用前に水もしくは他の好適なビヒクルと再構成するための医薬品として提示されてもよい。こうした液体調製物は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用油脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、扁桃油、油性エステル、または分取された植物油(fractionated vegetable oil))、および防腐剤(例えば、メチルもしくはプロピルpーヒドロキシ安息香酸またはソルビン酸)などの薬学的に許容可能な添加剤を用いて従来的な手段によって調製され得る。組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ)、崩壊剤(例えば、馬鈴薯デンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容可能な賦形剤を用いて従来的な手段によって調製された錠剤またはカプセルの形態をとることができる。錠剤は、当該技術分野で周知の方法によってコーティングされてもよい。
経口投与のための組成物は、制御されたおよび/または持続的な様式で放出されるように適切に製剤化されてもよい。
口腔投与については、組成物は、従来的な様式で製剤化された錠剤またはトローチの形態を取り得る。
調製物は、注射による、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与用に製剤化されてもよい。注射用製剤は、例えば、アンプルまたは複数投与容器で、防腐剤を添加して単位剤形で提供することができる。調製物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルションなどの形態をとることができ、懸濁剤、安定化剤、および/または分散剤などの配合剤を含有し得る。あるいは、有効成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌されたパイロジェンフリー水で構成するための粉末形態であってもよい。
調製物はまた、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来的な座薬基剤を含有する、座薬または停留浣腸などの直腸用調製物に製剤化されてもよい。
上述の製剤に加えて、調製物は、デポー調製物として製剤化されてもよい。こうした長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内)によって、または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、調製物は、好適なポリマーもしくは疎水性材料(例えば、許容可能な油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂を用いて、または難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として、製剤化されてもよい。リポソームおよびエマルションは、親水性薬物の送達ビヒクルまたは担体の周知の例である。
吸入による投与の倍、組成物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適なガスの使用により、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー形態で都合よく送達される。加圧エアロゾルの場合、投与量の単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定することができる。例えば、吸入器または吸送器で使用するためのゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物と、ラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化されてもよい。
5.4.5 患者(対象)の評価
本明細書に開示される組成物で治療された患者は、抗腫瘍免疫応答について試験されてもよい。これに関して、患者からの末梢血を取得し、抗腫瘍免疫のマーカーについてアッセイしてもよい。標準的な検査手順を使用して、白血球を末梢血から取得し、異なる免疫細胞表現型、HLAサブタイプ、および抗腫瘍免疫細胞の機能の頻度について分析することができる。
抗腫瘍応答におけるエフェクター免疫細胞の大部分は、CD8T細胞であり、したがってHLAクラスIが制限される。他の腫瘍型における免疫療法戦略を使用して、HLAクラスI制限抗原を認識するCD8+細胞の増殖が、大多数の患者に見出される。しかしながら、例えば、CD4+ T細胞、ならびに抗原提示細胞として作用し得るマクロファージおよび樹状細胞を含む、抗腫瘍免疫応答には、他の細胞型が関与する。T細胞(CD4+、CD8+、およびTreg細胞)、マクロファージ、および抗原提示細胞の集団は、フローサイトメトリーを使用して決定できる。HLAタイピングは、Boegel et al.Genome Medicine 2012,4:102(seq2HLA)に記載される方法などの当技術分野の日常的な方法、またはTruSight(登録商標)HLAシーケンシングパネル(Illumina,Inc.)を使用して実行できる。CD8+T細胞のHLAサブタイプは、補体依存性マイクロサイト毒性試験によって決定され得る。
抗腫瘍T細胞応答の増加の有無を判定するために、酵素結合免疫スポットアッセイを実行してIFNγ-産生末梢血単核細胞(PBMC)を定量化することができる。この技術は、抗原認識および免疫細胞機能のアッセイを提供する。いくつかの実施形態では、ワクチンに臨床的に応答する対象は、腫瘍特異的T細胞および/またはIFNγ-産生PBMCの増加を有し得る。いくつかの実施形態では、免疫細胞頻度は、フローサイトメトリーを使用して評価される。いくつかの実施形態では、抗原認識および免疫細胞は、酵素結合免疫スポットアッセイを使用して評価される。
いくつかの実施形態では、アッセイのパネルは、組成物に対して単独で、または標準治療(例えば、多形神経膠芽腫に対する最大外科的切除、放射線療法、ならびにテモゾロミドによる併用化学療法およびアジュバント化学療法)と組み合わせて与えられもの対して生じた免疫応答を特徴付けるために、実行することができる。いくつかの実施形態では、アッセイのパネルは、以下の試験のうちの1つ以上を含む:全血球数、絶対リンパ球数、単球数、CD4CD3T細胞のパーセンテージ、CD8CD3T細胞のパーセンテージ、CD4CD25FoxP3調節性T細胞のパーセンテージ、およびPBL表面マーカーのその他の表現型、タンパク質レベルでの炎症促進性サイトカインを検出する細胞内サイトカイン染色、mRNAレベルでサイトカインを検出するためのqPCR、およびT細胞増殖をアッセイするためのCFSE希釈。
対象を評価する際に、対象の全体的な健康を決定するために、いくつかの他の検査を実施することができる。例えば、血液試料を、対象から採取し、血液学、凝固時間および血清生化学について分析されてもよい。CBCの血液学には、赤血球数、血小板、ヘマトクリット、ヘモグロビン、白血球(WBC)数に加えて、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、および単球の絶対数が提供されるWBC分画(WBC differential)が含まれ得る。血清生化学には、アルブミン、アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、総ビリルビン、BUN、グルコース、クレアチニン、カリウム、およびナトリウムが含まれ得る。また、プロ時間(Protime)(PT)および部分トロンボプラスチン時間(PTT)も試験されてもよい。以下の検査の1つ以上も実施できる:抗甲状腺(抗ミクロソームまたはサイログロブリン)抗体検査、抗核抗体、およびリウマチ因子の評価 尿検査は、尿中のタンパク質、RBC、およびWBCレベルを評価するために実施され得る。また、組織適合性白血球抗原(HLA)状態を判定するための採血を行うことができる。
いくつかの実施形態では、放射線腫瘍評価は、腫瘍サイズおよび状態を評価するために治療全体を通して1回以上行われる。例えば、腫瘍評価スキャンは、手術前30日以内、手術後48時間以内(例えば、切除率を評価するために)、最初のワクチン接種の1週間前(最大14日)(例えば、ベースライン評価として)、およびその後、特定の期間にわたっておよそ8週間毎に実行され得る。MRIまたはCT撮像を使用してもよい。典型的には、ベースライン評価に使用される同一の撮像モダリティが、各腫瘍評価の来診毎に使用される。
5.5 キット
本明細書に開示される予防および治療方法を実施するためのキットも提供される。キットは、任意選択的に、キットの様々な構成要素を使用する方法に関する説明書をさらに含んでもよい。
特定の実施形態では、キットは、組成物(例えば、本明細書に開示されるストレスタンパク質および抗原性ポリペプチドを含む組成物)を含有する第1の容器、および1つ以上のアジュバントを含有する第2の容器を含む。 アジュバントは、本明細書に開示される任意のアジュバント、例えば、サポニン、免疫刺激性核酸、またはQS-21(例えば、QS-21 Stimulon(登録商標))であってもよい。特定の実施形態では、キットは、追加の治療モダリティを含有する第3の容器をさらに含む。キットは、例えば、本明細書に開示されるような、組成物、アジュバント、および追加の治療モダリティの、適応、投与レジメン、および投与経路に関する説明書をさらに含み得る。
あるいは、キットは、本明細書で開示される組成物のストレスタンパク質および抗原性ポリペプチドを別個の容器に含むことができる。特定の実施形態では、キットは、本明細書に開示される1つ以上の抗原性ポリペプチドを含有する第1の容器と、ポリペプチドに結合することができる精製されたストレスタンパク質を含有する第2の容器とを含む。
第1の容器は、任意の数の異なるポリペプチドを含有してもよい。例えば、特定の実施形態では、第一の容器は、100個以下の異なるポリペプチド、例えば、2~50個、2~30個、2~20個、5~20個、5~15個、5~10個、または10~15個の異なるポリペプチドを含有する。特定の実施形態では、異なるポリペプチドの各々は、同じHSP結合ペプチドおよび異なる抗原性ペプチドを含む。特定の実施形態では、第1の容器中のポリペプチドの総量は、単位用量に好適な量である。特定の実施形態では、第1の容器中のポリペプチドの総量は、約0.1~20nmol(例えば、3、4、5、または6nmol)である。
第2の容器は、本明細書に開示される任意のストレスタンパク質を含有し得る。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、またはカルレティキュリン、およびその変異体もしくは融合タンパク質からなる群から選択される。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、Hsc70(例えば、ヒトHsc70)である。特定の実施形態では、ストレスタンパク質は、組換えタンパク質である。特定の実施形態では、第2の容器中のストレスタンパク質の総量は、約10μg~600μg(例えば、120μg、240μg、または480μg)である。特定の実施形態では、第2の容器中のストレスタンパク質の総量は、約50μg、100μg、200μg、300μg、400μg、または500μgである。特定の実施形態では、組成物中のストレスタンパク質の量は、約300μgである。特定の実施形態では、第2の容器中のストレスタンパク質の総モル量は、第1の容器中のポリペプチドの総モル量に基づいて計算され、その結果、ポリペプチド対ストレスタンパク質のモル比は約0.5:1~5:1(例えば、約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1)である。特定の実施形態では、第2の容器中のストレスタンパク質の総量は、複数回投与の量である(例えば、1mg、3mg、10mg、30mg、または100mg以下)。
特定の実施形態では、キットは、第1の容器中のポリペプチドおよび第2の容器中のストレスタンパク質から組成物を調製するための説明書(例えば、本明細書に開示されるような複合体化反応のための説明書)をさらに含む。
特定の実施形態では、キットは、1つ以上のアジュバントを含有する第3の容器をさらに含む。アジュバントは、本明細書に開示される任意のアジュバント、例えば、サポニン、免疫刺激性核酸、またはQS-21(例えば、QS-21 Stimulon(登録商標))であってもよい。特定の実施形態では、キットは、追加の治療モダリティを含有する第4の容器をさらに含む。キットは、例えば、本明細書に開示されるように、ポリペプチドおよびストレスタンパク質、アジュバント、および追加の治療モダリティから調製された組成物の、適応、投与レジメン、および投与経路に関する説明書をさらに含み得る。
特定の実施形態では、容器中の組成物、ポリペプチド、ストレスタンパク質、アジュバント、および追加の治療モダリティは、がんを治療するのに有効な所定量で存在する。必要に応じて、組成物は、組成物の1つ以上の単位剤形を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイスで提示され得る。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックホイルを含んでもよい。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与についての説明書を添付することができる。
6.実施例
このセクションにおける実施例は、説明のために提供されるものであり、限定するものではない。
6.1 実施例1: ホスホペプチド合成
以下の配列番号に示される抗原性ペプチド:
119、123、125、133、134、221、247、281、296、355、407、410、417、419、421、455、456、457、546、563、611、641、642、650、654、657、669、670、701、703、791、809、821、824、859、869、911、954、974、979、1016、1028、1032、1049、1143、1148、1149、1167、1176、1179、1199、1217、1218、1220、1228、1232、1240、1253、1254、1260、1266、1267、1274、1298、1300、1314、1343、1350、1468、1486、1493、1534、1536、1539、1550、1552、1561、1571、1574、1598、1621、1651、1658、1669、1670、1683、1694、1720、1735、1763、1767、1779、1787、1804、1811、1812、1814、1818、1822、1825、1867、1918、1927、1981年、2078、2111、2255、2265、2328、2331、2332、2355、2363、2364、2386、2400、2451、2453、2454、2463、2465、2467、2470、2471、2472、2485、2486、2505、2507、2512、2525、2557、2570、2580、2706、2740、2747、2751、2753、2784、2793、2803、2813、2816、2863、2872、2911、3124、3199、3324、3360、3553、3560、3572、4052、4157、4253、4477、4572、4682、4690、4714、4715、5231、5266、5303、5654、5656、5719、5766、5842、6015、6074、6175、6176、6330、6369、6630、6747、6751、6768、6868、6936、6947、6973、6993、7019、7069、7258、7269、7271、7290、7377、7388、7389、7402、7413、7454、7482、7498、7523、7530、7531、7586、7637、7646、7700、7797、7830、8047、8082、8119、8231、8244、8470、8472、8808、および8810を、Symphony(登録商標)X自動合成装置(Gyros Protein Technologies Inc(登録商標))中で予め装填されたポリスチレンWang(PS-Wang)樹脂を用いた標準的なFmoc固相化学合成を使用して合成した。C末端からの第1のアミノ酸を装填した樹脂の試料を、乾燥反応容器に入れ、24個の反応/予備活性化容器の各々に充填した。合成装置は、O-(1H-6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート/N-メチルモルホリンHCTU/NMM活性化化学を使用して、完全な合成サイクルを実行するようにプログラムされた。リン酸基は、セリン、トレオニン、およびチロシンそれぞれについて、N-α-Fmoc-O-ベンジル-L-ホスホセリン、N-α-Fmoc-O-ベンジル-L-ホスホトレオニン、およびN-α-Fmoc-O-ベンジル-L-ホスホチロシンを使用して組み込まれた。アミノ酸の5倍過剰、活性化試薬(HCTU)の5倍過剰、およびN-メチルモルホリンの10倍過剰を、ペプチドカップリング反応に使用した。カップリング反応を、合成全体を通して任意の不完全なカップリングについて、二重カップリングサイクルで10分間実行した。これらの工程を、所望の配列が得られるまで繰り返した。
ペプチド合成の終了時に、樹脂をジクロロメタン(DCM)で洗浄し、乾燥させた。ホスホペプチドアセンブリの完了後、樹脂を切断容器に移し、樹脂からペプチドを切断した。切断試薬(TFA:DTT:水:TIS、88:5:5:2(v/w/v/v))を樹脂と混合し、25℃で4時間攪拌した。粗ペプチドを、濾過により樹脂から単離し、Nガスで蒸発させた後、冷却ジエチルエーテルで沈殿させ、20℃で12時間保存した。
沈殿したペプチドを遠心分離し、ジエチルエーテルで2回洗浄し、乾燥させ、アセトニトリルと水の1:1(v/v)混合物中に溶解し、凍結乾燥して粗乾燥粉末を生成した。粗ペプチドを、水(0.1%TFA)-アセトニトリル(0.1%TFA)勾配を使用して、Luna(登録商標)C18分析カラム(Phenomenex(登録商標)、Inc)を用いた逆相HPLCにより分析した。ペプチドを、水(0.1%TFA)-アセトニトリル(0.1%TFA)勾配を使用して、分取Luna(登録商標)C18カラム(Phenomenex(登録商標)、Inc)を用いた分取HPLCによりさらに精製した。精製された画分を、分析HPLCを使用して分析し、純粋な画分をその後の凍結乾燥のためプールした。ペプチド純度を、分析Luna(登録商標)C18カラム(Phenomenex(登録商標),Inc)を使用して試験し、LC/MS(6550 Q-TOF、Agilent Technologies(登録商標))またはMSQ Plus(商標)(Thermo Electron(登録商標)、North America)のいずれかにより同一性を確認した。
6.2 実施例2: HLA結合
この実施例では、選択されたホスホペプチド(実施例1に記載される方法に従って合成された)のHLA結合親和性が決定された。
ホスホペプチドを、実施例1に記載の方法に従って合成した。
AlphaScreen(登録商標)アッセイを使用して、HLA分子へのペプチドの結合を評価した。ストレプトアビジンとコンジュゲートしたドナービーズ、および抗ヒトHLAクラスI抗体W6/32とコンジュゲートしたアクセプタービーズを使用して、ペプチド結合を評価した。ビオチン化HLA(A*02:01、B*07:02、C*07:01、またはC*07:02)を、固定過剰のβ2mと混合し、混合物を384ウェルマイクロプレートの各ウェルに加えた。合成されたホスホペプチドの連続希釈をウェルに加え、得られたHLA/β2/ペプチド混合物を18℃で一晩インキュベートした。W6/32コンジュゲートアクセプタービーズをその後ウェルに加え、混合物を21℃で1時間インキュベートした。 次いで、ストレプトアビジンコンジュゲートドナービーズをウェルに加え、混合物を21℃でさらに1時間インキュベートした。
PerkinElmer(登録商標)プレートリーダーを使用してマイクロプレートを読み取り、データを、ミカエリス-メンテン式を使用してプロットして、各ホスホペプチドに対するKを決定した。
表8は、指定されたHLAに対する選択されたホスホペプチドのそれぞれのKを列挙する(A*02:01、B*07:02、C*07:01、またはC*07:02)。NTは、結合が試験されなかったことを意味する。NBは、結合が検出されなかったことを意味する。LBは低結合を意味し、ある程度の結合が観察されたが、Kの正確な計算を可能にするレベルを下回っていたことを示す。
Figure 2022542120000111
Figure 2022542120000112
本発明は、本明細書において記載される特定の実施形態によって、範囲が制限されるべきではない。実際に、記載されるものに加えて、本発明の様々な変更は、前述の記載および添付の図面から当業者に明らかとなるだろう。このような変更は、添付の請求の範囲内にあることが意図される。
本明細書において引用されるすべての参考文献(例えば、公報または特許または特許出願)は、それぞれ個々の参考文献(例えば、公報または特許または特許出願)が、全目的のため、参照により全体が組み込まれることを具体的かつ個別に示されるのと同程度まで、参照により全体が、全目的のため、本明細書に組み込まれる。他の実施形態は、以下の請求項内にある。

Claims (150)

  1. 抗原性ポリペプチドであって、
    配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むMHC結合ペプチドと、
    (配列番号1)のアミノ酸配列を含むHSP結合ペプチドであって、式中、Xは、省かれるか、N、F、またはQであり、Xは、W、L、またはFであり、Xは、LまたはIであり、Xは、R、L、またはKであり、Xは、L、W、またはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、W、G、K,またはFである、HSP結合ペプチドと、を含む、抗原性ポリペプチド。
  2. 前記MHC結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1に記載の抗原性ポリペプチド。
  3. 前記HSP結合ペプチドが、以下のアミノ酸配列:
    (a)XLXLTX(配列番号2)(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
    (b)NXLXLTX(配列番号3)(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
    (c)WLXLTX(配列番号4)(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
    (d)NWLXLTX(配列番号5)(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、または
    (e)NWX(配列番号6)(式中、Xは、LまたはIであり、Xは、L、R、またはKであり、Xは、LまたはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、WまたはKである)を含む、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  4. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号7~42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号7~42からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  5. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号7の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号7の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  6. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号8の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号8の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  7. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号9の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号9の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  8. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号10の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号10の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  9. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号11の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号11の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  10. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号12の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号12の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  11. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号13の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号13の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  12. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号14の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号14の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  13. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号15の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号15の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  14. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号16の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号16の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  15. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号17の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号17の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  16. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号18の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号18の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  17. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号19の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号19の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  18. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号20の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号20の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  19. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号21の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号21の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  20. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号22の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号22の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  21. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号23の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号23の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  22. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号24の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号24の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  23. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号25の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号25の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  24. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号26の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号26の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  25. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号27の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号27の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  26. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号28の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号28の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  27. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号29の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号29の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  28. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号30の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号30の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  29. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号31の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号31の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  30. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号32の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号32の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  31. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号33の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号33の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  32. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号34の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号34の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  33. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号35の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号35の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  34. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号36の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号36の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  35. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号37の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号37の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  36. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号38の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号38の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  37. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号39の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号39の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  38. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号40の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号40の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  39. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号41の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号41の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  40. 前記HSP結合ペプチドが、配列番号42の前記アミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記HSP結合ペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号42の前記アミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の抗原性ポリペプチド。
  41. 前記MHC結合ペプチドが、8~50アミノ酸長、任意選択的に8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50アミノ酸長である、請求項1~40のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド。
  42. 前記MHC結合ペプチドのC末端が、前記HSP結合ペプチドの前記N末端に連結されている、請求項1~41のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド。
  43. 前記MHC結合ペプチドのN末端が、前記HSP結合ペプチドのC末端に連結されている、請求項1~41のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド。
  44. 前記HSP結合ペプチドが、化学リンカーを介して前記MHC結合ペプチドに連結されている、請求項1~43のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド。
  45. 前記HSP結合ペプチドが、ペプチドリンカーを介して前記MHC結合ペプチドに連結されている、請求項1~43のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド。
  46. 前記ペプチドリンカーが、配列番号43のアミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記ペプチドリンカーの前記アミノ酸配列が、配列番号43の前記アミノ酸配列からなる、請求項45に記載の抗原性ポリペプチド。
  47. 前記ペプチドリンカーが、FRのアミノ酸配列を含み、任意選択的に、前記ペプチドリンカーの前記アミノ酸配列が、FRの前記アミノ酸配列からなる、請求項45に記載の抗原性ポリペプチド。
  48. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、以下:
    (a)XFFRK(配列番号68)のアミノ酸配列(式中、Xは、省かれるか、N、F、またはQであり、Xは、W、L、またはFであり、Xは、LまたはIであり、Xは、R、L、またはKであり、Xは、L、W、またはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、W、G、KまたはFである)、
    (b)XLXLTXFFRK(配列番号69)のアミノ酸配列(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
    (c)NXLXLTXFFRK(配列番号70)のアミノ酸配列(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
    (d)WLXLTXFFRK(配列番号71)のアミノ酸配列(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
    (e)NWLXLTXFFRK(配列番号72)のアミノ酸配列(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
    (f)NWXFFRK(配列番号73)のアミノ酸配列(式中、Xは、LまたはIであり、Xは、L、R、またはKであり、Xは、LまたはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、WまたはKである)、または
    (g)配列番号74~97からなる群から選択されるアミノ酸配列のC末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  49. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号74に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  50. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号75に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  51. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号76に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  52. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号77に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  53. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号78に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  54. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号79に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  55. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号80に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  56. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号81に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  57. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号82に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  58. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号83に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  59. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号84に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  60. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号85に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  61. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号86に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  62. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号87に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  63. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号88に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  64. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号89に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  65. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号90に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  66. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号91に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  67. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号92に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  68. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号93に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  69. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号94に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  70. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号95に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  71. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号96に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  72. 前記MHC結合ペプチドの前記N末端が、配列番号97に記載される前記アミノ酸配列の前記C末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  73. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、以下:
    (a)FFRKX(配列番号44)のアミノ酸配列(式中、Xは、
    省かれるか、N、F、またはQであり、Xは、W、L、またはFであり、Xは、LまたはIであり、XはR、L、またはKであり、Xは、L、W、またはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、W、G、K、またはFである)、
    (b)FFRKXLXLTX(配列番号45)のアミノ酸配列(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、Xは、W、F、またはGである)、
    (c)FFRKNXLXLTX(配列番号46)のアミノ酸配列(式中、Xは、WまたはFであり、Xは、RまたはKであり、XはW、F、またはGである)、
    (d)FFRKWLXLTX(配列番号47)のアミノ酸配列(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
    (e)FFRKNWLXLTX(配列番号48)のアミノ酸配列(式中、Xは、RまたはKであり、Xは、WまたはGである)、
    (f)FFRKNWX(配列番号49)のアミノ酸配列(式中、Xは、LまたはIであり、Xは、L、R、またはKであり、Xは、LまたはIであり、Xは、T、L、F、K、R、またはWであり、Xは、WまたはKである)、または
    (g)配列番号50~67からなる群から選択されるアミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の単離ポリペプチド。
  74. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号50に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  75. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号51に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  76. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号52に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  77. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号53に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  78. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号54に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  79. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号55に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  80. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号56に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  81. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号57に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  82. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号58に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  83. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号59に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  84. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号60に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  85. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号61に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  86. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号62に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  87. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号63に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  88. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号64に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  89. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号65に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  90. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号66に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  91. 前記MHC結合ペプチドの前記C末端が、配列番号67に記載される前記アミノ酸配列の前記N末端に連結されている、請求項46または47に記載の抗原性ポリペプチド。
  92. 配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗原性ポリペプチド。
  93. 前記抗原性ポリペプチドが、15~100アミノ酸長であり、任意選択的に15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100アミノ酸長である、請求項1~92のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド。
  94. 前記抗原性ポリペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号3001~8806、8809、および8810からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1に記載の抗原性ポリペプチド。
  95. 前記抗原性ポリペプチドが、化学的に合成されている、請求項1~94のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド。
  96. 配列番号98~3000および8808からなる群から選択されるホスホペプチドを含み、前記ホスホペプチドのリン酸化アミノ酸残基が、前記リン酸化アミノ酸残基の非加水分解性模倣体によって置換されている、請求項1~95のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド。
  97. 請求項1~96のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチドのうちの少なくとも1つを含む、組成物。
  98. 請求項1~96のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチドと、精製されたストレスタンパク質との複合体、を含む、組成物。
  99. 前記ストレスタンパク質が、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、カルレティキュリン、およびそれらの変異体または融合タンパク質からなる群から選択される、請求項98に記載の組成物。
  100. 前記ストレスタンパク質が、Hsc70、任意選択的にヒトHsc70である、請求項99に記載の組成物。
  101. 前記Hsc70が、配列番号8807のアミノ酸配列を含む、請求項100に記載の組成物。
  102. 前記Hsc70の前記アミノ酸配列が、配列番号8807の前記アミノ酸配列からなる、請求項100に記載の組成物。
  103. 前記ストレスタンパク質が、組換えタンパク質である、請求項98~102のいずれか一項に記載の組成物。
  104. 2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50個の異なる抗原性ポリペプチドを含む、請求項97~103のいずれか一項に記載の組成物。
  105. 前記異なるポリペプチドの各々が、同じHSP結合ペプチドおよび異なるMHC結合ペプチドを含む、請求項104に記載の組成物。
  106. 前記組成物中の前記抗原性ポリペプチドの総量が、約0.1~20nmol、任意選択的に約3、4、5、または6nmolである、請求項97~105のいずれか一項に記載の組成物。
  107. 前記組成物中の前記ストレスタンパク質の量が、約10μg~600μg、任意選択的に約120μg、240μg、または480μgである、請求項98~106のいずれか一項に記載の組成物。
  108. 前記抗原性ポリペプチド対前記ストレスタンパク質のモル比が、約0.5:1~約5:1、任意選択的に約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1である、請求項98~107のいずれか一項に記載の組成物。
  109. 前記組成物が、アジュバントをさらに含む、請求項97~108のいずれか一項に記載の組成物。
  110. 前記アジュバントが、サポニンまたは免疫刺激性核酸を含む、請求項109に記載の組成物。
  111. 前記アジュバントが、QS-21を含む、請求項110に記載の組成物。
  112. 前記組成物中の前記QS-21の量が、約10μg~約200μg、任意選択的に約25μg、50μg、75μg、100μg、125μg、150μg、175μg、または200μgである、請求項111に記載の組成物。
  113. 前記アジュバントが、TLRアゴニスト、任意選択的にTLR4アゴニスト、TLR5アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストを含む、請求項109~112のいずれか一項に記載の組成物。
  114. 薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含む、請求項97~113のいずれか一項に記載の組成物。
  115. 前記組成物が、単位剤形である、請求項114に記載の組成物。
  116. 対象において抗原性ポリペプチドに対する細胞性免疫応答を誘発する方法であって、前記方法が、有効量の請求項1~96のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチドまたは請求項97~115のいずれか一項に記載の組成物を、前記対象に投与することを含む、方法。
  117. 前記対象が、がん、任意選択的に急性骨髄性白血病(AML)または結腸直腸がんを有する、請求項116に記載の方法。
  118. 対象における疾患を治療する方法であって、有効量の請求項1~96のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチドまたは請求項97~115のいずれか一項に記載の組成物を、前記対象に投与することを含む、方法。
  119. 前記疾患が、病原性微生物の感染である、請求項118に記載の方法。
  120. 前記組成物が、前記対象に週1回4週間投与される、請求項116~119のいずれか一項に記載の方法。
  121. 少なくともさらに2回の用量の前記組成物が、前記週1回4週間の投与後に2週に1回で前記対象に投与される、請求項120に記載の方法。
  122. 少なくとも1回のブースター用量の前記組成物が、最終的な週1回または2週に1回の用量の3か月後に投与される、請求項120または121に記載の方法。
  123. 前記組成物が、少なくとも1年間、3か月毎にさらに投与される、請求項122に記載の方法。
  124. レナリドミド、デキサメタゾン、インターロイキン-2、組換えインターフェロンアルファ-2b、またはPEG-インターフェロンアルファ-2bを前記対象に投与することをさらに含む、請求項116~123のいずれか一項に記載の方法。
  125. インドールアミンジオキシゲナーゼ-1(IDO-1)阻害剤を、前記対象に投与することをさらに含む、請求項116~124のいずれか一項に記載の方法。
  126. 前記IDO-1阻害剤が、4-アミノ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N’-ヒドロキシ-1,2,5-オキサジアゾール-3-カルボキシミドアミドである、請求項125に記載の方法。
  127. 前記対象に、免疫チェックポイント抗体を投与することをさらに含む、請求項116~126のいずれか一項に記載の方法。
  128. 前記免疫チェックポイント抗体が、アゴニスト抗GITR抗体、アゴニスト抗OX40抗体、アンタゴニスト抗PD-1抗体、アンタゴニスト抗CTLA-4抗体、アンタゴニスト抗TIM-3抗体、アンタゴニスト抗LAG-3抗体、アンタゴニスト抗TIGIT抗体、アゴニスト抗CD96抗体、アンタゴニスト抗VISTA抗体、アンタゴニスト抗CD73抗体、アゴニスト抗CD137抗体、アンタゴニスト抗CEACAM1抗体、アゴニスト抗ICOS抗体、および/またはそれらの抗原結合断片からなる群から選択される、請求項127に記載の方法。
  129. 請求項1~96のいずれか一項に記載の抗原性ポリペプチド、または請求項97~115のいずれか一項に記載の組成物を含有する第1の容器と、前記抗原性ポリペプチドに結合することができる精製されたストレスタンパク質を含有する第2の容器と、を含む、キット。
  130. 前記第1の容器中の前記抗原性ポリペプチドの総量が、約0.1~20nmol、任意選択的に約3、4、5、または6nmolである、請求項129に記載のキット。
  131. 前記ストレスタンパク質が、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、カルレティキュリン、およびそれらの変異体もしくは融合タンパク質からなる群から選択される、請求項129または130に記載のキット。
  132. 前記ストレスタンパク質が、Hsc70、任意選択的にヒトHsc70である、請求項131に記載のキット。
  133. 前記Hsc70が、配列番号8807の前記アミノ酸配列を含む、請求項132に記載のキット。
  134. 前記Hsc70の前記アミノ酸配列が、配列番号8807の前記アミノ酸配列からなる、請求項132に記載のキット。
  135. 前記ストレスタンパク質が組換えタンパク質である、請求項129~134のいずれか一項に記載のキット。
  136. 前記第2の容器中の前記ストレスタンパク質の量が、約10μg~600μg、任意選択的に約120μg、240μg、または480μgである、請求項129~135のいずれか一項に記載のキット。
  137. 前記ポリペプチド対前記ストレスタンパク質のモル比が、約0.5:1~5:1、任意選択的に約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1である、請求項129~136のいずれか一項に記載のキット。
  138. アジュバントを含有する第3の容器をさらに含む、請求項129~137のいずれか一項に記載のキット。
  139. 前記アジュバントが、サポニンまたは免疫刺激性核酸を含む、請求項138に記載のキット。
  140. 前記アジュバントが、QS-21を含む、請求項139に記載のキット。
  141. 前記第3の容器中の前記QS-21の量が、約10μg~約200μg、任意選択的に約25μg、50μg、75μg、100μg、125μg、150μg、175μg、または200μgである、請求項140に記載のキット。
  142. 前記アジュバントが、TLRアゴニスト、任意選択的にTLR4アゴニスト、TLR5アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストを含む、請求項138~141のいずれか一項に記載のキット。
  143. ワクチンを作製する方法であって、前記方法が、請求項1~96のいずれか一項に記載のポリペプチド、または請求項97~115のいずれか一項に記載の組成物のうちの1つ以上を、精製されたストレスタンパク質と、前記精製されたストレスタンパク質が前記ポリペプチドの少なくとも1つに結合するように好適な条件下で混合することを含む、方法。
  144. 前記ストレスタンパク質が、Hsc70、Hsp70、Hsp90、Hsp110、Grp170、Gp96、カルレティキュリン、およびそれらの変異体もしくは融合タンパク質からなる群から選択される、請求項143に記載の方法。
  145. 前記ストレスタンパク質が、Hsc70、任意選択的にヒトHsc70である、請求項144に記載の方法。
  146. 前記Hsc70が、配列番号8807の前記アミノ酸配列を含む、請求項145に記載の方法。
  147. 前記Hsc70の前記アミノ酸配列が、配列番号8807の前記アミノ酸配列からなる、請求項145に記載の方法。
  148. 前記ストレスタンパク質が、組換えタンパク質である、請求項143~147のいずれか一項に記載の方法。
  149. 前記ポリペプチド対前記ストレスタンパク質のモル比が、約0.5:1~5:1、任意選択的に約1:1、1.25:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、または5:1である、請求項143~148のいずれか一項に記載の方法。
  150. 前記好適な条件が、約37℃の温度を含む、請求項143~149のいずれか一項に記載の方法。
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