JP2022542087A - 輸送可能なコンテナおよび結び付けられた分配装置を含む、尿素溶液を分配するためのシステム - Google Patents

Abstract

分配システム（１２）は、輸送可能なコンテナ（１６）を含み、かつコンテナ（１６）内部に、尿素溶液を格納する少なくとも１つの第１の容器（２４）と；尿素溶液用の添加剤を格納する少なくとも１つの第２の容器（２６）と；少なくとも１つの第１の流体回路セット（３０）であって、第１の容器（２４）を接合部（３５）に連結する第１の流体回路（３４）、第２の容器（２６）を接合部（３５）に連結する少なくとも１つの第２の流体回路（３６）であって、第１および第２の流体回路（３４、３６）が流体連通状態にある開放位置と閉鎖位置との間で構成され得るバルブ（４４）を含んでいる第２の流体回路（３６）、および第１の分配回路（４０）を含む第１の流体回路セット（３０）と；を含む。【選択図】図１

Description

本発明は、車両用、詳細にはディーゼル車両用の、少なくとも尿素溶液を格納する第１の容器を含む、尿素溶液分配用分配システムに関する。

ディーゼル車両の排気ライン内では、選択的触媒還元（ＳＣＲ）後処理ステップが提供されており、このステップの間に、白金およびパラジウムを含有する触媒の中で、および気体アンモニアの存在下で、ＮＯｘすなわち窒素酸化物の還元が実施される。

気体アンモニアを排気中に導入するためには、概して２００℃から４００℃までを上下する平均温度に置かれて漸進的に気体アンモニアへと分解する尿素水溶液を蒸発させることによって、ＳＣＲの前に導管内で直接気体アンモニアを生成することが知られている。しかしながら、一部のＳＣＲおよび尿素注入装置構成においては、ＳＣＲ入口の前の排気管内に堆積物が出現し、これが排気管の部分的または全面的な閉塞をひき起こし、こうしてエンジンの出力損失を創出する可能性があることを、メーカが指摘している。

この尿素水溶液を使用する場合には、尿素溶液がディーゼル車両の排気ガス中の窒素酸化物の濃度をさらに削減し、エンジン出力損失をひき起こす被着物を回避することを可能にするために、少なくとも１つの追加の添加剤を添加する必要がある。この目的で、少なくとも１つの添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液を選択的に調製し分配することができるように、尿素溶液生産センタ内に調製システムを設置することができる。

しかしながら、このような分配システムは完全に満足のいくものではない。生産センタ内で尿素溶液に添加剤を添加することは、尿素溶液および添加剤コンテナの管理を難しくする。さらに、アクセスが困難な遠隔の場所については、尿素溶液を調製するためにこれらの場所に大きなコンテナを輸送することは実現困難である。詳細には、尿素溶液の分配は、ガソリンスタンドがほとんどまたは全く存在しない場所については困難である。

さらに、個別の消費者のニーズに適した添加剤を伴うまたは伴わない少量の尿素溶液を調製することは極めて困難である。

本発明の目的は、分配システムをより融通性のあるものにし、遠隔エリアにおいても、添加剤を伴うまたは伴わない尿素溶液を分配できるようにすることにある。

このために、本発明は、輸送可能なコンテナを含む、尿素溶液を分配するための分配システムにおいて、コンテナ内部に、
－ 尿素溶液を格納する少なくとも１つの第１の容器と、
－ 尿素溶液用の添加剤を格納する少なくとも１つの第２の容器と、
－ 少なくとも１つの第１の流体回路セットであって：
－ 第１の容器を接合部に連結する第１の流体回路、
－ 第２の容器を接合部に連結する少なくとも１つの第２の流体回路であって、接合部が、この第２の流体回路を第１の流体回路と流体連通状態に置いており、
第１の流体回路が尿素溶液と添加剤とを混合するために第２の流体回路と流体連通状態にある開放位置と、第１の流体回路と第２の流体回路の間の流体連通が中断される閉鎖位置との間で構成可能な第１のバルブを含んでいる第２の流体回路、および
－ 接合部に連結された第１の分配回路であって、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤無しの尿素溶液を送出するように適応された第１の出口を含む第１の分配回路、
を含む第１の流体回路セットと、
を含む、分配システムに関する。

添加剤を伴う尿素溶液を分配すべき場合、添加剤は、遠隔の生産センタではなく分配する場所で、すなわち消費者により近い場所で尿素溶液に添加される。これにより、尿素溶液および添加剤をより良く管理することが可能になり、分配システム全体が輸送可能になり、遠隔の場所に大きな槽を移動させる問題が回避される。さらに、分配システムは、ガソリンスタンドへのアクセスを必要とすることなく個別のニーズを満たすために、添加剤を伴うまたは伴わない少量の尿素溶液を調製する能力を有する。

特定の実施形態によると、分配システムはさらに、単独でまたは考えられるあらゆる組合せの形で、以下の任意の特徴の１つ以上を有する：
－ 尿素溶液は、尿素水溶液であり、水溶液中の尿素濃度は実質的に３２．５％に等しく、ＩＳＯ２２２４１規格を遵守するものである；
－ 分配システムは、
－ 第１の容器を追加の接合部に連結する第１の追加の流体回路、
－ 第２の容器を追加の接合部に連結する少なくとも１つの第２の追加の流体回路であって、追加の接合部が、この第２の追加の流体回路を第１の追加の流体回路と流体連通状態に置いており、
第１の追加の流体回路が尿素溶液と添加剤とを混合するために第２の追加の流体回路と流体連通状態にある開放位置と、第１の追加の流体回路と第２の追加の流体回路の間の流体連通が中断される閉鎖位置との間で構成可能な第２のバルブを含んでいる第２の追加の流体回路、および
－ 追加の接合部に連結された第２の分配回路であって、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤無しの尿素溶液を送出するように適応された第２の出口を含む第２の分配回路、
を含む第２の流体回路セットを含む；
－ 第１の流体回路セットの第２の流体回路および／または第２の流体回路セットの第２の追加の流体回路は、それぞれの接合部まで流れる添加剤の量を調節する能力を有する定量ポンプを含む；
－ 第１の流体回路セットの第１の分配回路および／または第２の流体回路セットの第２の分配回路は、添加剤を伴うまたは伴わない尿素溶液をそれぞれの出口まで移送するように構成された移送ポンプを含む；
－ 第２の流体回路セットは、第１の容器を第２の流体回路セットの第２の出口に連結する尿素溶液の直接流体回路を含み、直接流体回路はポンプ無しである；
－ 第１の容器は、１ｍ^３以上の容積を有する；
－ 添加剤は、好ましくはエトキシル化基および／またはプロポキシル化基を有し、好ましくは７～１７の間の親水性／親油性バランスを有する、ポリアルコキシル化アルコール類の中から選択される；
－ 分配システムは、コンテナの内部に、
－ 尿素溶液のための追加の添加剤の少なくとも１つの第３の容器と、
－ 第３の容器を接合部に連結する少なくとも１つの第３の流体回路であって、接合部が、第３の流体回路を第１および第２の流体回路と流体連通状態に置いており、
第１および第２の流体回路が、尿素溶液と添加剤および／または追加の添加剤とを混合するために第３の流体回路と流体連通状態にある開放位置と、第１および第２の流体回路と第３の流体回路の間の流体連通が中断される閉鎖位置との間で構成可能なバルブを含んでいる、第３の流体回路、
を含み、
第１の出口は、添加剤と混合された尿素溶液、追加の添加剤と混合された尿素溶液、添加剤および追加の添加剤と混合された尿素溶液、または添加剤および追加の添加剤を伴わない尿素溶液を送出する能力を有している。

本発明は、前述の通りの分配システムおよび第１の出口に対して流体連結された槽を含む分配設備において、分配システムが、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液をキャニスタ内に注入する能力を有する、分配設備にも関する。

特定の一実施形態によると、分配設備は、第２の出口に対して流体連結された最終製品タンクをさらに含み、分配システムは、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液を最終製品タンクに注入する能力を有し、最終製品タンクの容積はキャニスタの容積よりも厳密に大きい容積を有する。

本発明は、添付図面を参照して、単なる一例として記されている以下の説明からより良く理解されるものである。

本発明の一実施形態に係る、尿素溶液を分配するための分配設備の概略図である。 本発明の一実施形態に係る、分配設備の分配システムの概略的斜視図である。 図２の分配システムの第１および第２の流体回路ならびに第１の分配回路の斜視図である。 別の実施形態に係る、尿素分配設備の斜視図である。

図１は、分配設備１０を示す。この設備１０は、尿素溶液を分配するための分配システム１２を含む。有利には、設備１０は、以下で説明するように、添加剤と混合された尿素溶液または前記添加剤を伴わない尿素溶液を充填すべき分配システム１２に対して流体連結されるように適応された槽（図示せず）をも含んでいる。有利には、設備１０は、分配システム１２に対して流体連結されるように適応された、尿素溶液の貯槽１４をも含んでいる。有利には、設備１０は、分配システム１２に対して流体連結されるように適応された、最終製品タンク（図示せず）をも含んでいる。

図２および３は、固体尿素および脱塩水から誘導された尿素水溶液を分配するための分配システム１２を例示する。このような尿素水溶液は、排気ガス中の窒素酸化物の大部分を窒素と水蒸気に転換させるためのディーゼル排気流体を形成する。水溶液中の尿素濃度は、およそ３２．５％であり、ＩＳＯ ２２２４１規格を満たしている。このような尿素溶液は、例えば仏国特許第３０５３６０３号明細書に記載されている。このような溶液は、一般に「Ａｄｂｌｕｅ」の商品名で知られている。

尿素は、例えば固体尿素凝集体の形態で提供される。凝集体は例えばボール形状である。固体尿素は次に水中で溶解させられて、尿素溶液を形成する。その後、尿素溶液は、容器内に入れられる。

分配システム１２は、輸送可能なコンテナ１６を含む。輸送可能なコンテナ１６は、詳細にはＩＳＯ ６６８およびＩＳＯ １４９６コンテナ製造規格にしたがった貨物輸送コンテナである。

図２では、図面を明瞭にするために、コンテナ１６は一点鎖線で概略的に示されている。

図２～３に例示されている本発明の第１の実施形態によると、輸送可能なコンテナ１６は、４０フィートコンテナである。第２の実施形態によると、コンテナは２０フィートコンテナである。

「輸送可能な」とは、コンテナ１６がトラック、自動車または鉄道車両などの輸送車両に組付け可能であり、かつこの輸送車両により移動可能であることを意味する。

輸送可能なコンテナ１６は、天井１７、床１８および４つの側壁１９を含む。天井１７、床１８および側壁１９は、輸送可能なコンテナ１６の内部容積を画定する。

任意には、輸送可能なコンテナ１６は、内部容積内に配設された間仕切り壁２０を含む。間仕切り壁２０は、内部容積を第１の区画２１および第１の区画２１とは別個の第２の区画２２に分離する。

第１の区画２１は、上述の通りに調製された液体尿素溶液を格納する少なくとも１つの第１の容器２４、尿素溶液用の添加剤を格納する少なくとも１つの第２の容器２６、および第１の流体回路セット３０を含む。任意の有利な実施形態によると、第１の区画２１は、第２の流体回路セット３２をも含む。

第１の容器２４は好ましくは、１ｍ^３以上の容積、好ましくは２ｍ^２以上の容積、好ましくは５ｍ^３以上の容積、好ましくは１０ｍ^３以上の容積、好ましくは２０ｍ^３以上の容積、さらに一層好ましくは３０ｍ^３以上の容積を有する。

第１の容器２４は、有利には、輸送可能なコンテナ１６内で、例えば側壁１９の１つかまたは間仕切り壁２０に対して固定されるように適応されている。第１の容器２４のこの固定により、特に、輸送可能なコンテナ１６を移動する際の漏出を回避することが可能になる。

第２の容器２６は好ましくは、５Ｌ～１０００Ｌの間の容積を有し、好ましくは２０８Ｌに等しい。本出願全体を通して、別段の指示の無いかぎり、値範囲の限界値は、「・・・の間」および「・・・から・・・まで変動する／・・・から・・・までの範囲にある」といった言い回しを含め、その範囲内に含められる。

有利には、第２の容器２６は、輸送可能なコンテナ１６内で、好ましくは側壁１９の１つまたは間仕切り壁２０に固定されるように適応されている。詳細には、第２の容器２６のこの固定により、輸送可能なコンテナ１６を移動する際の漏出を回避することが可能になる。

第２の容器２６内の添加剤は、好ましくは、７～１７の間の親水性／親油性バランスを有し、エトキシル化基および／またはプロポキシル化基を有するポリアルコキシル化アルコール類の中から選択された多官能性添加剤である。

親水性／親油性バランスは、グリフィン法によってまたはディヴィス法によって測定可能である。

より厳密には、ポリアルコキシル化アルコール類は、３～４０個の炭素原子の炭素鎖および５～１０個のアルコキシレート単位を含み、好ましくは１０から１５までの範囲にある親水性／親油性バランスを有する、直鎖または分岐ポリアルコキシル化脂肪アルコール類の中から選択される。

第１の流体回路セット３０は、第１の容器２４を接合部３５に連結する第１の流体回路３４、第２の容器２６を接合部３５に連結する少なくとも１つの第２の流体回路３６、および接合部３５に連結された第１の分配回路４０を含む。したがって、接合部３５は、第２の流体回路３６を第１の流体回路３４と流体連通状態に置く。

好ましくは、第１の流体回路３４に対する第１の容器２４の連結は、第１の流体回路３４の一方の端部に具備され第１の容器２４の連結バルブに嵌め込まれたノズルを介して行なわれる。

第２の流体回路３６は、開放位置と閉鎖位置の間で構成可能な第１のバルブ４４を含む。第１のバルブ４４が開放しているとき、第１の流体回路３４は、尿素溶液と添加剤を混合するために第２の流体回路３６と流体連通状態にある。第１のバルブ４４が閉じているとき、第１の流体回路３４と第２の流体回路３６の間の流体連通は中断される。

第１のバルブ４４は好ましくは、手動操作可能である。一変形形態において、第１のバルブ４４の起動は自動化されている。

有利には、第２の流体回路３６は、接合部３５に流れる添加剤の量を制御する能力を有する第１の定量ポンプ４６を含む。第２の流体回路３６の第１の定量ポンプ４６は好ましくは、４５ｍＬ／ｍｉｎ～７０ｍＬ／ｍｉｎの間の流量、有利には５６ｍＬ／ｍｉｎに等しい流量で液体を移送する能力を有する。この比較的低い流量は、比較的少量の添加剤を必要とする比較的小さい内部容積を有する個別槽向けの最終製品の調製と相容れるものである。

第２の流体回路３６は好ましくは、第１の水平導管５２および第１の垂直導管５４を含む。第１の水平導管５２は、その第１の端部で第２の容器２６に連結されている。第１の垂直導管５４は、その第１の端部で第１の水平導管５２に連結され、その第２の端部で接合部３５に連結されている。第１の水平導管５２は、床１８に対し実質的に平行に延在する。第１の垂直導管５４は、実質的に、床１８に直交するエレベーション方向に延在する。

第１の水平導管５２は、接合部３５との関係において好ましくは１４００ｍｍ～１６５０ｍｍの間、有利には１５６０ｍｍという、エレベーション方向に沿って測定した高さを有する。詳細には、第１の水平導管５２の高さは、第１の水平導管５２が輸送可能なコンテナ１６内のオペレータの上方を通過してこのオペレータがより容易にコンテナの周りを移動できるようにすることを可能にしている。

有利には、第１の水平導管５２は、側壁１９に沿って延在し、第１の水平導管５２と前記側壁１９の間の最大距離は１００ｍｍ以下である。この構成は、詳細にはさらに内部容積内の空間を解放して、オペレータがより容易にコンテナ１６の周りを移動することを可能にする。

第１の分配回路４０は、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液を分配する能力を有する。

第１の分配回路４０は、第１の自由出口５６を含む。第１の出口５６は、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液を直接送出する能力を有する。

第１の出口５６は、第２の区画２２内に開放している。第１の出口５６は、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液をオペレータが第２の区画２２内で回収する場合にオペレータがアクセスできる高さに延在している。このために、第１の出口５６は、実質的に床１８との関係においてオペレータの高さに延在している。

有利には、第１の出口５６は、分配用ガロースに対して流体連結可能である。第１の出口５６が分配用ガロースに連結される場合、第１の分配回路４０は、個別槽を充填する能力を有する。

有利には、第１の分配回路４０は、第１の分配バルブ５８（図１に見られる）をも含み、このバルブは第１の分配回路４０内の流体が第１の出口５６を通って送出可能である開放位置と、第１の分配バルブ５８を通る第１の分配回路４０内の液体の流れが中断される閉鎖位置との間で構成可能である。

有利には、第１の分配バルブ５８は、第２の区画２２内に配設される。こうして、第２の区画２２内のユーザが、第１の出口５６を通る液体の流れを開始または停止させる目的で第１の分配バルブ５８を開放または閉鎖することができる。

有利には、第１の分配回路４０はさらに、添加剤を伴うまたは伴わない尿素溶液を第１の出口５６まで移送するように構成された第１の移送ポンプ６２を含む。第１の移送ポンプ６２は、２５Ｌ／ｍｉｎ～５０Ｌ／ｍｉｎの間の流量、好ましくは３５Ｌ／ｍｉｎに等しい流量で液体を移送する能力を有する。第１の移送ポンプ６２の比較的低い流量は、例えば１０リットル～１０００リットルの間といった比較的小さい内部容積を有する個別のコンテナの充填に適応されている。

第１の流体回路３０と同様に、第２の流体回路３２は、追加の接合部６８にある第１の追加の流体回路６６、第２の容器２６を追加の接合部６８に連結する少なくとも１つの第２の追加の流体回路７０、および追加の接合部６８に連結された第２の分配回路７２を含む。したがって、追加の接合部６８は、第２の追加の流体回路７０を第１の追加の流体回路６６と流体連通状態に置く。

第１の追加の流体回路６６、追加の接合部６８、第２の追加の流体回路７０、および第２の分配回路７２の特性は、それぞれ第１の流体回路３４、接合部３５、第２の流体回路３６、および第１の分配回路４０と同一であり、再度詳述することはしない。

詳細には、第２の追加の流体回路７０は、第１の追加の流体回路６６が尿素溶液と添加剤を混合するために第２の追加の流体回路７０と流体連通状態にある開放位置と、第１の追加の流体回路６６と第２の追加の流体回路７０の間の流体連通が中断される閉鎖位置との間で構成可能な第２のバルブ４５を含んでいる。

有利には、第２の追加の流体回路７０は、上述の第１の定量ポンプ４６とは異なり、追加の接合部６８に流れる添加剤の量を調節する能力を有する第２の定量ポンプ７６を含む。第２の追加の回路７０の第２の定量ポンプ７６は、２０Ｌ／ｈ～４５Ｌ／ｈの間の流量、好ましくは３３Ｌ／ｈに等しい流量で液体を移送する能力を有する。第２の定量ポンプ７６は、こうして、第１の定量ポンプ４６よりも高い流量を有する。このため、第２の定量ポンプ７６は、個別のキャニスタの容積よりも大きな容積の大容量容器向けの最終製品の調製と相容れるものとなっている。前記大容量容器は、例えば２０ｍ^３～３５ｍ^３の間、有利には２５ｍ^３に等しい内部容積を有する。

第２の分配回路７２は、第２の出口７８を含む。第２の出口７８は、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液を直接送出する能力を有する。第２の出口７８は、尿素溶液貯槽１４から送出された尿素溶液を収容する能力も有する。

第２の出口７８は、コンテナ１６がトレーラに設置された場合にオペレータがアクセスできる高さに延在して第２の出口７８において液体を容易に回収できるようにする。このために、第２の出口７８は、実質的にコンテナ１６の床１８に延在する。

第２の出口７８は、尿素溶液貯槽１４に対して流体連結可能である。第２の出口７８は、例えば管を介して尿素溶液貯槽１４に対して離脱可能な形で連結される。

第２の出口７８は、輸送可能なコンテナ１６の側壁１９に開放している。

有利には、第２の流体回路３６はさらに、上述の第１の移送ポンプ６２と異なり、添加剤を伴うまたは伴わない尿素溶液を第２の出口７８まで移送するように構成された第２の移送ポンプ８０を含む。第２の移送ポンプ８０は、２５０Ｌ／ｍｉｎ～６００Ｌ／ｍｉｎの間の流量、好ましくは４１７Ｌ／ｍｉｎに等しい流量で液体を移送する能力を有する。したがって、第２の移送ポンプ８０は、第１の移送ポンプ６２よりも高い流量を有する。このため、第２の移送ポンプ８０は、個別のキャニスタの容積よりも大きい容積の大容量容器のより早い速度での充填と相容れるものとなっている。

有利には、第２の流体回路３６はさらに、第１の容器２４を第２の出口７８に連結する尿素溶液の直接流体回路８４を含む。尿素溶液貯槽１４は、第１の追加の流体回路６６または第２の追加の流体回路７０を通過することなく、直接流体回路８４を通って直接第１の容器２４を充填するように適応されている。

したがって、直接流体回路８４は、尿素溶液貯槽１４から尿素溶液を分配システム１２に補充することを可能にする。

有利にも、直接流体回路８４はポンプを備えていない。実際、尿素溶液貯槽１４は尿素溶液貯槽１４の出口に貯槽ポンプ（図示せず）を含み、この貯槽ポンプは、尿素溶液貯槽１４から直接流体回路８４まで尿素溶液を移送するように意図されている。

この実施形態によると、第２の出口７８は、第１の容器２４を補充するために尿素溶液貯槽１４からの尿素溶液を収容する能力、および添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液を尿素溶液貯槽１４以外の最終製品タンクに送出する能力の両方を有する。

一変形形態においては、尿素溶液貯槽１４の代りに、第１の容器２４は、分配システム１２から送出される尿素溶液の量を増大させるために尿素溶液を格納する追加の容器に連結されることができる。第１の容器２４と追加の容器の間の連結は、好ましくは連結管を介して行なわれる。連結管は、第１の容器２４の連結バルブ上に嵌め込み可能な第１の端部および、追加の容器出口に連結可能な第２の端部を有する。嵌め込みは、例えばホースカップリングタイプの単純な嵌め込みによって実施される。

前記追加の容器は好ましくは、「ＩＳＯタンクコンテナ」としても知られるタンクコンテナである。このタンクコンテナは、尿素溶液を格納する。

第２の区画２２は、第１の区画２１の容積よりも小さい容積を有する。

第２の区画２２は、第１の出口５６を通して充填すべき個別のキャニスタを有するユーザに対応するように意図され得る。分離壁２０による第１および第２の区画２１、２２の分離は、第１の流体回路セット３０から個別のキャニスタを有するユーザを隔離して、ユーザの安全を保証することを可能にしている。有利にも、分離壁２０は、第２の流体回路セット３２から第２の区画２２を隔離することをも可能にする。

有利には、第２の区画２２は、尿素溶液および／または添加剤を格納する少なくとも１つのタンクコンテナを収容する能力を有する。タンクコンテナは、８００Ｌ～１２００Ｌの間、好ましくは１０００Ｌに等しい内部容積を有する。

有利には、輸送可能なコンテナ１６は、移送ポンプに向かって開放しており、そこへのアクセスを容易にするための少なくとも１つのウィンドウをその壁の中に含んでいる。

個別のキャニスタは、好ましくは、１５Ｌ以下、有利には１０Ｌ以下、さらに有利には２．５Ｌ以下の容積を有する。

最終製品タンクは好ましくは、トラックなどの輸送車両のタンクである。このタンクは、個別のキャニスタの容積よりも厳密に大きい容積を有する。このタンクは好ましくは、２０ｍ^３～３５ｍ^３の間、有利には２５ｍ^３に等しい体積を有する。

以上で説明した本発明により、今や、いかなる容器タイプに対しても添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液を送出することが可能である。実際、第１の出口５６は、個別の使用のニーズを満たすため、好ましくは１０リットル以下、詳細には５リットル以下の容積を有する、手作業で輸送が可能な容器に連結可能である。必要な場合には、第２の出口７８を、好ましくは１０ｍ^３以上のより大容量の容器、または尿素溶液を分配するためのポンプに対して連結することが可能である。第１および第２の容器２４、２６が中に配設されているコンテナ１６が輸送可能であることによって、ガソリンスタンドにおいて尿素溶液を大型タンクまたはポンプに補充することと同時に、添加剤と混合された尿素溶液または添加剤を伴わない尿素溶液を、尿素溶液の大型容器またはポンプを備えたガソリンスタンドの無い場所で直接個人に供給することも可能になる。

さらに、分配システム１２全体が輸送可能である。したがって、尿素溶液および添加剤と混合された尿素溶液を提供するために分配システム１２を遠隔の場所に移動させることが可能である。

図４に示した本発明の第２の実施形態によると、輸送可能なコンテナ１６は２０フィートコンテナである。

この実施形態によると、輸送可能なコンテナ１６は好ましくはいかなる分離壁も有しておらず、単一の区画２１を含む。第１および第２の容器２４、２６は、この単一の区画２１内に配設されている。

この実施形態によると、第１の容器２４は、実質的に１５ｍ^３に等しい容積を有する。

任意には、図１に例示されているように、分配システム１２は、第２のタイプの添加剤の第３の容器８８と、第３のコンテナ８８を第１の分配回路４０、詳細には接合部３５に連結する第３の流体回路９０とを含んでおり、こうして、添加剤を伴わない尿素溶液、第２の容器２６中に格納された第１のタイプの添加剤と混合された尿素溶液、第３の容器８８内に格納された第２のタイプの添加剤と混合された尿素溶液、または第１および第２のタイプの添加剤と混合された尿素溶液のうちの１つの最終製品を出口５６において提供することが可能となっている。

好ましくは、第２のタイプの添加剤は、尿素溶液用のまたは第１のタイプの添加剤用の着色剤である。一変形形態において、第２のタイプの添加剤は、ＮＯｘを処理する上で尿素溶液の効率を改善するための性能添加剤、すなわち第２のアルコール、金属などである。

尿素溶液を異なるタイプの添加剤と混合する必要性に応じて、他の容器および対応する流体回路を追加することができることが理解される。

１０ 分配設備
１２ 分配システム
１６ 輸送可能なコンテナ
２４ 第１の容器
２６ 第２の容器
３０ 第１の流体回路セット
３２ 第２の流体回路セット
３４ 第１の流体回路
３５ 接合部
３６ 第２の流体回路
４０ 第１の分配回路
４４ 第１のバルブ
４５ 第２のバルブ
４６、７６ 定量ポンプ
５６ 第１の出口
６２、８０ 移送ポンプ
６６ 第１の追加の流体回路
６８ 追加の接合部
７０ 第２の追加の流体回路
７２ 第２の分配回路
７８ 第２の出口
８４ 直接流体回路

Claims (11)

1. 輸送可能なコンテナ（１６）を含む、尿素溶液を分配するための分配システム（１２）において、前記コンテナ（１６）内部に、
   － 尿素溶液を格納する少なくとも１つの第１の容器（２４）と、
   － 前記尿素溶液用の添加剤を格納する少なくとも１つの第２の容器（２６）と、
   － 少なくとも１つの第１の流体回路セット（３０）であって、
   － 前記第１の容器（２４）を接合部（３５）に連結する第１の流体回路（３４）、
   － 前記第２の容器（２６）を前記接合部（３５）に連結する少なくとも１つの第２の流体回路（３６）であって、前記接合部（３５）が、前記第２の流体回路（３６）を前記第１の流体回路（３４）と流体連通状態に置いており、
   前記第１の流体回路（３４）が前記尿素溶液と前記添加剤とを混合するために前記第２の流体回路（３６）と流体連通状態にある開放位置と、前記第１の流体回路（３４）と前記第２の流体回路（３６）の間の流体連通が中断される閉鎖位置との間で構成可能な第１のバルブ（４４）を含んでいる第２の流体回路（３６）、および
   － 前記接合部（３５）に連結された第１の分配回路（４０）であって、前記添加剤と混合された前記尿素溶液または前記添加剤無しの前記尿素溶液を送出するように適応された第１の出口（５６）を含む第１の分配回路（４０）、
   を含む第１の流体回路セット（３０）と、
   を含む、分配システム（１２）。
2. 前記尿素溶液が、尿素水溶液であり、前記水溶液中の尿素濃度が実質的に３２．５％に等しく、ＩＳＯ２２２４１規格を遵守するものである、請求項１に記載の分配システム（１２）。
3. － 前記第１の容器（２４）を追加の接合部（６８）に連結する第１の追加の流体回路（６６）、
   － 前記第２の容器（２６）を前記追加の接合部（６８）に連結する少なくとも１つの第２の追加の流体回路（７０）であって、前記追加の接合部（６８）が、前記第２の追加の流体回路（７０）を前記第１の追加の流体回路（６６）と流体連通状態に置いており、
   前記第１の追加の流体回路（６６）が前記尿素溶液と前記添加剤とを混合するために前記第２の追加の流体回路（７０）と流体連通状態にある開放位置と、前記第１の追加の流体回路（６６）と前記第２の追加の流体回路（７０）の間の流体連通が中断される閉鎖位置との間で構成可能な第２のバルブ（４５）を含んでいる第２の追加の流体回路（７０）、および
   － 前記追加の接合部（６８）に連結された第２の分配回路（７２）であって、前記添加剤と混合された前記尿素溶液または前記添加剤無しの前記尿素溶液を送出するように適応された第２の出口（７８）を含む第２の分配回路（７２）、
   を含む第２の流体回路セット（３２）を有する、請求項１または２に記載の分配システム（１２）。
4. 前記第１の流体回路セット（３０）の前記第２の流体回路（３６）および／または前記第２の流体回路セット（３２）の前記第２の追加の流体回路（７０）が、前記それぞれの接合部（３５、６８）まで流れる添加剤の量を調節する能力を有する定量ポンプ（４６、７６）を含む、請求項３に記載の分配システム（１２）。
5. 前記第１の流体回路セット（３０）の前記第１の分配回路（４０）および／または前記第２の流体回路セット（３２）の前記第２の分配回路（７２）が、添加剤を伴うまたは伴わない前記尿素溶液を前記それぞれの出口（５６、７８）まで移送するように構成された移送ポンプ（６２、８０）を含む、請求項３または４に記載の分配システム（１２）。
6. 前記第２の流体回路セット（３２）が、前記第１の容器（２４）を前記第２の流体回路セット（３２）の前記第２の出口（７８）に連結する前記尿素溶液の直接流体回路（８４）を含み、前記直接流体回路（８４）がポンプ無しである、請求項３から５のいずれか一つに記載の分配システム（１２）。
7. 前記第１の容器（２４）が、１ｍ^３以上の容積を有する、請求項１から６のいずれか一つに記載の分配システム（１２）。
8. 前記添加剤が、好ましくはエトキシル化基および／またはプロポキシル化基を有し、好ましくは７～１７の間の親水性／親油性バランスを有する、ポリアルコキシル化アルコール類の中から選択される、請求項１から７のいずれか一つに記載の分配システム（１２）。
9. 前記コンテナ（１６）の内部に、
   － 前記尿素溶液のための追加の添加剤の少なくとも１つの第３の容器と、
   － 前記第３の容器を前記接合部（３５）に連結する少なくとも１つの第３の流体回路であって、前記接合部（３５）が、前記第３の流体回路を前記第１および第２の流体回路（３４、３６）と流体連通状態に置いており、
   前記第１および第２の流体回路（３４、３６）が、前記尿素溶液と前記添加剤および／または前記追加の添加剤とを混合するために前記第３の流体回路と流体連通状態にある開放位置と、前記第１および第２の流体回路（３４、３６）と前記第３の流体回路の間の流体連通が中断される閉鎖位置との間で構成可能なバルブを含んでいる、第３の流体回路、
   を含み、
   前記第１の出口（５６）が、前記添加剤と混合された前記尿素溶液、前記追加の添加剤と混合された前記尿素溶液、前記添加剤および前記追加の添加剤と混合された前記尿素溶液、または前記添加剤および追加の添加剤を伴わない前記尿素溶液を送出する能力を有している、
   請求項１から８のいずれか一つに記載の分配システム（１２）。
10. 請求項１から９のいずれか一つに記載の分配システム（１２）および前記第１の出口（５６）に対して流体連結された槽を含む分配設備（１０）において、前記分配システム（１２）が、前記添加剤と混合された前記尿素溶液または前記添加剤を伴わない前記尿素溶液をキャニスタ内に注入する能力を有する、分配設備（１０）。
11. 前記第２の出口（７８）に対して流体連結された最終製品タンクをさらに含み、前記分配システム（１２）が、前記添加剤と混合された前記尿素溶液または前記添加剤を伴わない前記尿素溶液を前記最終製品タンクに注入する能力を有し、前記最終製品タンクの容積が前記キャニスタの容積よりも厳密に大きい容積を有する、請求項１０と組合わせた請求項３に記載の分配設備（１０）。
    
    

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