JP2022541912A - デュアルエネルギーx線イメージングシステム用のx線出力のバランス調整 - Google Patents

デュアルエネルギーx線イメージングシステム用のx線出力のバランス調整 Download PDF

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Abstract

第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するためのX線源100が提案される。第1及び第2のエネルギースペクトル間のX線強度の不均衡が、従来のX線源と比較して低減される。X線強度の不均衡の低減は、より低い管電圧が印加されるときと比較して、より高い管電圧が印加されるときに、アノード102上により小さな電子衝突角度141を設定することによって達成される。

Description

本発明は、第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するためのX線源、X線イメージングシステム、放射X線を生成するための方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ可読媒体に関する。
X線イメージングシステムは、医療診断、空港セキュリティ、材料分析などのさまざまな用途で利用されている。例えば、コンピュータ断層撮影(CT)システムでは、X線源及びX線検出器が患者の両側に配置される。X線源は、X線のファンビームを生成できる。X線ビームの光子は、患者の体に部分的に吸収される。これにより、骨が除脂肪組織に比べてより多くの光子を吸収する。患者の体を通過する光子は、次にX線検出器によって受信され、患者の解剖学的構造の影画像が生成される。結果として得られる画像は、患者の体の3次元構造の2次元投影である。CTシステムでは、X線源及びX線検出器は、患者を中心に回転して、さまざまな観察方向からの画像を取得する。これらの画像をコンピュータシステムで処理して、患者の解剖学的構造の3次元画像を生成できる。
X線源は通常、真空管の内部に配置されたカソードおよびアノードを含む。カソードは、電子を放出する。電子は、電源から供給される管電圧によって、アノードの方へ加速される。例えば、管電圧が80kVの場合、電子はカソードからアノードへ加速され、アノード上に衝突するときに、80keVの運動エネルギーに達する。このエネルギーは、完全又は部分的に放射X線に変換され、放射X線は、X線管のハウジングのアパーチャを通って放射される。
複数のエネルギースペクトルを有する放射X線を使用して患者をスキャンすることによって、X線イメージングシステムによって提供される画質を向上できる。これにより、スペクトル材料分解を用いた患者のイメージングが可能になる。この技術は、毒性造影剤(通常はヨウ素)の量を減らしながら、画像を向上させることが実証されている。X線管のカソードとアノードとの間に異なる管電圧を印加することによって、さまざまなエネルギースペクトルの放射X線を生成できる。例えば、80kV及び140kVの管電圧を印加して、軟放射X線及び硬放射X線をそれぞれ生成できる。
放射X線の強度が、低管電圧と比較して、高管電圧ではより高くなることが確認されている。X線強度のこの不均衡は、X線イメージングシステムのX線検出器において、高管電圧と比較して、低管電圧ではより長い積分期間を使用することによって少なくとも部分的に補正される。しかしながら、CTシステムでは、通常、X線源及びX線検出器は、一定の角速度で患者の周りを回転するので、低管電圧での積分期間が長くなると画像分解能が低下する。
そのため、異なる管電圧でのX線強度の不均衡が低減される、第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するための改良されたX線源を提供することが望ましい。
これは、独立請求項の主題によって達成され、さらなる実施形態は、従属請求項及び以下の説明に組み込まれる。なお、以下に説明されるX線源の特徴、要素、及び/又は機能はすべて、以下に説明されるX線イメージングシステム、放射X線を生成するための方法、X線源を制御するためのコンピュータプログラム、及びコンピュータ可読媒体にも同様に適用される。また、その逆も同様である。
本開示では、第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するためのX線源が提示される。X線源は、電子ビームを放出するためのカソードと、電子ビームを少なくとも部分的に放射X線に変換するためのアノードと、電子ビームの電子がアノード上に衝突する衝突角度を制御する電子光学系と、カソードとアノードとの間に第1及び第2の管電圧を印加する電源(第2の管電圧は第1の管電圧よりも高い)と、電子光学系に結合された制御回路とを含み、制御回路は、第1の管電圧が印加されるときに、電子ビームの電子が第1の平均衝突角度でアノード上に衝突し、第2の管電圧が印加されるときに、電子ビームの電子が第2の平均衝突角度でアノード上に衝突するように電子光学系を制御し、第2の平均衝突角度は第1の平均衝突角度よりも小さい。
衝突角度は、電子の伝搬路がアノードの表面に衝突する場所における、電子の伝播路と、アノード表面に対する接線面との間の角度として定義される。
第1のエネルギースペクトルを有する放射X線は、カソードとアノードとの間に第1の管電圧を印加することで生成され得る。一方、第2のエネルギースペクトルを有する放射X線は、カソードとアノードとの間に第2の管電圧を印加することで生成され得る。第2の管電圧は第1の管電圧よりも高い。電源は、例えば、80kVの第1の管電圧と、140kVの第2の管電圧を生成する。管電圧により、カソードから放出される電子は、アノードの方へ加速される。例えば、管電圧が80kVの場合、電子は、アノード上に衝突する前に、80keVの運動エネルギーに達する。アノードでは、X線光子が最大80keVのエネルギーを有するように、このエネルギーは部分的又は完全に放射X線に変換され得る。これに対して、管電圧が140keVの場合、X線光子は、最大140keVのエネルギーに達する。したがって、放射X線のエネルギースペクトルは、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧ではより高いエネルギーを含み得る。
本開示のX線源には、従来の熱カソード、フィールドエミッタカソード、ピアス式カソード、ディスペンサカソード、フォトカソード、又はプラズマカソードを含むいくつかのタイプのカソードを使用できる。X線源のアノードは、タングステンやモリブデンなど、放射X線を生成する材料を含み得る。アノードは、焦点、すなわち、電子がアノード上に衝突する表面セクションにおける熱の発生が、静止アノードと比較して、より大きい領域に広がるように回転し得る。しかしながら、本発明は、回転アノードの場合に限定されない。
カソードからアノードへの電子ビームの電子は、異なる衝突角度からアノード上に衝突し得る。衝突角度の値は0°~90°である。90°の衝突角度は、アノードの表面に直交する電子の伝播路に対応する。衝突角度が小さいほど、電子の伝播路はアノードの表面に対してすれすれ(grazing)になる。
X線源の電子光学系は、電子ビームの電子がアノード上に衝突する衝突角度を制御する。電子光学系は、静電デバイス及び/又は磁気デバイスを含み得る。例えば、電子光学系は、1つ以上の双極子、1つ以上の四極子などを含む。電子光学系は、電子ビームを形成し得る。1つのシナリオでは、電子光学系は、アノード上への電子の衝突角度がすべての電子について実質的に同じになるように、細い電子ビームを形成する。別のシナリオでは、電子光学系は、アノード上に衝突する電子が広範囲の衝突角度を形成するように、広い電子ビームを形成する。別のシナリオでは、電子光学系は、衝突の表面領域における電子ビームの幅を変更することなく、アノード上への電子の平均衝突角度を変更するように、電子ビームを偏向させる。別のシナリオでは、電子光学系は、電子ビームを偏向させ、また、電子ビームも形成する。
制御回路は、アナログ及び/又はデジタルの構成要素を含み得る。例えば、制御回路は、抵抗器、コンデンサ、若しくは電子フィルタなどの受動電子機器、増幅器若しくはアナログデジタルコンバータなどの能動電子機器、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、メモリユニットなどを含み得る。制御回路は、電子光学系に動作可能に結合され、電子光学系を制御する。さらに、制御回路は、電源に動作可能に結合され得る。また、制御回路は、電源によって生成される電圧を含む電源を制御する。あるいは又はさらに、制御回路は、電源から生成された管電圧を示す信号を受信し得る。また、制御回路は、電源から受信した信号に基づいて、電子光学系を制御し得る。
電源は、第1及び第2の管電圧を生成し、これらの電圧をカソードとアノードとの間に印加する。電源は、これらの管電圧を頻繁に切り替え得る。例えば、CTシステムでは、同様の方向からの低エネルギーX線画像の取得と高エネルギーX線画像の取得との間の期間における患者(又は患者の内臓)の動きに起因するイメージングアーチファクトを低減するために、管電圧は頻繁に切り替えられ得る。電源は、1kHz、2kHz、4kHz、又は10kHzの速度で、第1の管電圧と第2の管電圧とを切り替え得る。電源によって生成される電圧はまた、より低速又はより高速で切り替えることもできる。カソードは、このような速度での管電流の切り替えを許可しないか、又は、このような高速で切り替える能力が、意図的に低減され得る。本開示のX線管では、スキャン時間全体、又は少なくとも管電圧が変化する期間(特に管電圧の低下時)のいずれかで、管電流を一定に保つことができる。管電流は、第1及び第2の管電圧が印加される期間では、実質的に同じであり得る。第2の管電圧は第1の管電圧よりも高いため、電子ビームの電力は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方が高くなる。
医用イメージングに使用される管電圧では、電子ビームの電力の大部分が熱に変換され、第2の管電圧での電子ビームのより高い電力は、アノードの熱容量を超える場合がある。しかしながら、本開示によると、制御回路は、第2の管電圧が印加されるときに、電子ビームの電子が第2の平均衝突角度でアノード上に衝突するように電子光学系を制御し、第2の平均衝突角度は、第1の管電圧が印加されるときに設定される電子の第1の平均衝突角度よりも小さい。第2の管電圧についてより小さな衝突角度を設定することによって、電子後方散乱率が増加し、熱に変換される電子ビームの電力の割合がより小さくなる。したがって、第2の管電圧について、電子の衝突角度がより小さいことにより、電子ビームの電力をより高くできる。このことは、第2の管電圧が印加されるときに、アノードの電力制限を超えることなく、高い管電流を印加するために利用できる。
変換効率、つまり、放射X線に変換される電子ビームの電力の割合は、第1及び第2の管電圧について同様の衝突角度が設定されているときは、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方がより高くなる。さらに、医用X線イメージングシステム内の患者の体などの物体によって吸収される放射X線の割合は、第2の管電圧と比較して、第1の管電圧の方がより高くなる。したがって、第1及び第2の管電圧について同様の衝突角度及び同様の管電流が設定されていると仮定すると、X線イメージングシステムのX線検出器でのX線強度は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方が大幅により高くなる。
上記で説明したように、X線強度の不均衡は、X線イメージングシステムのX線検出器において、第2の管電圧と比較して、第1のX線電圧の方により長い積分期間を使用することよって少なくとも部分的に補正できる。しかしながら、CTシステムでは、通常、X線源及びX線検出器は、一定の角速度で患者の周りを回転するので、第1の管電圧での積分期間が長くなると画像分解能が低下する。
あるいは、X線強度の不均衡は、第2の管電圧が印加されるときと比較して、第1の管電圧が印加されるときに、管電流がより高くなるように、カソードから放出される管電流を制御することによって緩和できる。しかしながら、上記で説明したように、管電圧を頻繁に切り替えることが望ましい場合があり、管電流制御は、特に、管電圧が各積分期間の間で切り替わるときは、X線強度の不均衡を補正するには遅すぎる場合がある。例えば、従来の熱カソードでは、管電流を10Hzの速度で切り替えることができる。一方で、管電圧は10kHzの速度で切り替えることができる。
あるいは、第1の管電圧でのX線強度を上げるためには、カソードから放出される管電流を増加させてもよい。しかしながら、第1及び第2の管電圧で同じ高管電流が印加されるときは、第2の管電圧が印加される期間に、アノードの電力制限を超えてしまうことがあり、その結果、X線源の寿命が短くなる。
本開示では、X線強度の不均衡は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方により小さな衝突角度を設定することによって低減できる。変換効率は、大きな電子衝突角度と比較して、小さな電子衝突角度の方がより小さくなる。そのため、小さな電子衝突角度では、放射X線に変換される電子ビームの電力の割合はより小さい。したがって、第2の管電圧について、アノード上のより小さな電子衝突角度は、X線検出器でのX線強度の低減をもたらし、これにより、第1及び第2の管電圧間のX線強度の不均衡を低減できる。
一例では、電子ビームの電子がアノード上に衝突する第2の平均衝突角度は、70°未満である。
第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方にアノード上への電子のより小さな衝突角度を設定することによって、第2の管電圧の方の変換効率が低下し、第1及び第2の管電圧間のX線強度の不均衡を緩和できる。第1の管電圧についての第1の平均衝突角度は90°に近い場合がある。つまり、第1の管電圧が印加されるときに、電子の伝播路はアノードの表面に対して実質的に直交していることを意味する。第2の管電圧についての変換効率の大幅な低下を達成するために、電子の第2の平均衝突角度を70°未満に下げることができる。したがって、第2の管電圧が印加されるときに、90°の第2の平均衝突角度と比較して、70°未満の第2の平均衝突角度は変換効率を大幅な低下し得る。これにより、X線イメージングシステムのX線検出器におけるX線強度がすぐに低減する。他の例では、アノード上に電子が衝突する第2の平均衝突角度は60°、50°、40°、30°又は20°未満である。
別の例では、電子ビームの電子は、第1の管電圧が印加されるときに、アノードの第1の表面セクション上に衝突し、第2の管電圧が印加されるときに、アノードの第2の表面セクション上に衝突する。第1の表面セクションは第2の表面セクションに重なる。
X線源は、X線イメージングシステムに適用できる。アノードの第1及び第2の表面セクション間の差は、イメージングアーチファクトをもたらし得るため、第1及び第2のX線エネルギースペクトルについて取得されたX線画像の比較又は結合がより困難になる。したがって、アノードの第1及び第2の表面セクションを同一にすることが基本的に望ましい。つまり、第1及び第2の表面セクションは、ほぼ同じサイズであり、X線システム内のX線源のインターフェースに対してほぼ同じ場所にあることが望ましい。通常、これは、アノード上に電子が衝突する領域、アノードの第1及び第2の表面セクションが、基本的に一致していることを意味する。アノードの第1及び第2の表面セクションは、サイズが20%を超えて異なっていないときは、ほぼ同じサイズであると考えられる。したがって、制御回路は、第1の表面セクションのサイズが第2の表面セクションのサイズと、例えば、20%未満又は10%未満で異なるように電子光学系を制御できる。あるいは又はさらに、制御回路は、第1の表面セクションのサイズを示すパラメータ(例えば、特定の方向における第1の表面セクションの直径)が第2の表面セクションのサイズを示す対応するパラメータと、例えば、20%未満又は10%未満で異なるように電子光学系を制御できる。他の例では、第2の表面セクションが第1の表面セクションよりも大きい、及び/又は、第2の表面セクションが第1の表面セクションに重なることが望ましい。この結果、第1及び第2の表面セクションは、同一の第1及び第2の表面セクションと比較して、アノードの表面のより大きいセクションに広がる。したがって、電子の衝突により熱が発生するアノードの表面のセクションは、同一の第1及び第2の表面セクションを有する例と比較して、大きくなる。アノードのより大きな表面セクションにわたる熱の発生のこの拡散により、アノードの電力制限を超えることなく、電子ビームの電力を増加できる。
別の例では、第1の表面セクションの中心が、アノードの第2の表面セクションの中心と一致している。
第1の表面セクションの中心は、例えば、第1の管電圧が印加されるときに電子が衝突するアノードの表面上の平均位置として定義できる。あるいは、第1の表面セクションの中心は、例えば、第1の管電圧が印加されるときに、電子が衝突する可能性が最大となるアノードの表面上の位置として定義できる。第2の表面セクションの中心は、好ましくは、第1の表面セクションの中心と同様に定義される。したがって、第2の表面セクションの中心は、第2の管電圧が印加されるときに電子が衝突するアノードの表面上の平均位置として定義できる。あるいは、第2の表面セクションの中心は、第2の管電圧が印加されるときに、電子が衝突する可能性が最大となるアノードの表面上の位置として定義できる。
ここでかつ以下において、2つの中心が第1及び第2の表面セクションの小さい方のサイズと比較して無視できる量だけ異なるときに、第1の表面セクションの中心は、第2の表面セクションの中心と一致していると言える。特に、制御回路は、第1の表面セクションの中心が第2の表面セクションの中心と、第1及び第2の表面セクションの中心間の差の方向における第1及び第2の表面セクションの小さい方の直径に対して、20%未満で、又は、好ましくは、10%未満で異なるように電子光学系を制御できる。
別の例では、電子光学系は、第1の偏向デバイス及び第2の偏向デバイスを含み、第1の偏向デバイスは、第1の状態と第2の状態とを切り替え可能である。制御回路は、第1の管電圧から第2の管電圧への電源の切り替えに従って、第1の偏向デバイスを第1の状態から第2の状態に切り替える。第1の偏向デバイスが第2の状態にあるときに、第1及び第2の偏向デバイスは、電子ビームの偏向を提供する。
第1及び第2の偏向デバイスは、各々、1つ以上の磁気デバイス及び/又は1つ以上の静電デバイス(双極子、四極子など)を含み得る。
制御回路は、第2の管電圧が印加されるときに、第1の偏向デバイスが電子ビームを偏向するように、また、第1の管電圧が印加されるときに、第1の偏向デバイスが電子ビームを偏向させないように、第1の偏向デバイスを制御できる。あるいは、制御回路は、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧が印加されるときに、第1の偏向デバイスが電子ビームをより強い偏向させるように、第1の偏向デバイスを制御できる。制御回路は、電源によって第1の管電圧が印加されるときに第1の状態を設定できる。一方、第2の管電圧が印加されるときに第2の状態が設定され得る。
第2の偏向デバイスは、第1の偏向デバイスによって偏向されていてもよい電子ビームを、第1の管電圧が印加されるときに、アノードの第1の表面セクション上に、また、第2の管電圧が印加されるときに、アノードの第2の表面セクション上にステアリングできる。アノードの第1及び第2の表面セクションは重なっていてもよい。又は、アノードの第1及び第2の表面セクションの中心は一致していてもよい。又は、アノードの第1及び第2の表面セクションは同一であってもよい。第2の偏向デバイスも切り替え可能で、第2の偏向デバイスは、制御回路を制御できる。
第2の状態での電子ビームの偏向は、第2の平均衝突角度が第1の平均衝突角度よりも小さくなるように提供される。電子ビームの電子は、アノードの回転軸に対して半径方向に、第1の偏向デバイスによって偏向され得る。さらに又はあるいは、電子ビームの電子は、回転アノードの半径方向と回転軸との両方に、又は静止アノードのアノードターゲットの対する法線に直交する方向に、第1の偏向デバイスによって偏向されてもよい。
別の例では、電子光学系は、フォーカスデバイス及びデフォーカスデバイスを含む。電子光学系は、第3の状態と第4の状態とを切り替え可能である。制御回路は、第1の管電圧から第2の管電圧への電源の切り替えに従って、電子光学系を第3の状態から第4の状態に切り替える。第4の状態では、デフォーカスデバイスが最初に電子ビームの広がりを提供し、その後フォーカスデバイスが広げられた電子ビームの集束を提供する。
フォーカスデバイス及びデフォーカスデバイスは、各々、1つ以上の磁気デバイス及び/又は1つ以上の静電デバイス(双極子、四極子など)を含み得る。
制御回路は、第2の管電圧が印加されるときに、デフォーカスデバイスが電子ビームの幅を増加させるように、また、第1の管電圧が印加されるときに、デフォーカスデバイスが電子ビームを広げないように、デフォーカスデバイスを制御できる。あるいは、制御回路は、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧が印加されるときに、デフォーカスデバイスが電子ビームのより強い広がりを提供するように、デフォーカスデバイスを制御できる。
さらに、制御回路は、フォーカスシステムが、デフォーカスデバイスによって広げられていてもよい電子ビームを、第1の管電圧が印加されるときに、アノードの第1の表面セクション上に、また、第2の管電圧が印加されるときに、アノードの第2の表面セクション上に集束させるようにフォーカスシステムを制御できる。アノードの第1及び第2の表面セクションのサイズは、上記のように同等又は同一であってもよい。及び/又は、第1及び第2の表面セクションは重なっていてもよい。及び/又は、アノードの第1の表面セクションの中心はアノードの第2の表面セクションの中心と一致していてもよい。
制御回路は、電源によって第1の管電圧が供給されるときに第3の状態を設定できる。一方、第2の管電圧が供給されるときに第4の状態が設定され得る。第4の状態での電子ビームの広がり及びこれに続く集束は、第2の平均衝突角度を小さくするために提供される。例えば、電子ビームの中心方向は、アノードの表面に直交している。しかしながら、広い電子ビームでは、電子は、90°よりも大幅に小さな衝突角度でアノード表面上に衝突する場合がある。したがって、広い電子ビームでは、電子ビームの中心方向がアノードの表面に直交している場合でも、電子の平均衝突角度は90°よりも大幅に小さくなる。
電子ビームは、回転アノードの回転軸又は静止アノードのアノードターゲットの法線に対して半径方向に広げることができる。さらに又はあるいは、電子ビームは、回転軸又は静止アノードのアノードターゲットの法線との両方に直交する方向に、及び対応する半径方向に広げられてもよい。
別の例では、電子光学系は、第1の偏向デバイス、第2の偏向デバイス、フォーカスデバイス、及びデフォーカスデバイスを含む。電子光学系は、第5の状態と第6の状態とを切り替え可能である。制御回路は、第1の管電圧から第2の管電圧への電源の切り替えに従って、電子光学系を第5の状態から第6の状態に切り替える。第5の状態では、第1及び第2の偏向デバイスが電子ビームの偏向を提供し、フォーカス及びデフォーカスデバイスが電子ビームの広がり及びこれに続く集束を提供する。
別の例では、デフォーカスデバイスは、電子光学系が第4の状態にあるときに、第3の状態と比較して、電子ビームのより強い広がりを提供する。
電子ビームの中心方向は、アノードの表面に直交又はほぼ直交していてもよい。この結果、デフォーカスデバイスによる電子ビームの広がりと、これに続く、広げられた電子ビームのアノードの表面セクション上への集束により、電子ビームが広げられない構成と比較して、平均衝突角度が小さくなる。
別の例では、アノードは基板を含む。アノードは、少なくとも部分的に第1及び第2のコーティング層でコーティングされる。第1のコーティング層は、第2のコーティング層と基板との間に配置される。基板は、放射X線を生成する第1の材料を含み、第1のコーティング層は、放射X線及び電子ビームの電子を透過させる第2の材料を含む。第2のコーティング層は、放射X線を生成する第3の材料を含む。第2のコーティング層内で生成された放射X線をフィルタリングするために第2のコーティング層にX線フィルタが取り付けられている。
電子ビームは、最初に第2のコーティング層上に衝突し得る。電子ビームが第2のコーティング層上に衝突するときに、電子ビームの電力は部分的に放射X線に変換され得る。アノードの第2の表面セクション上への電子の平均衝突角度は、第1の管電圧が供給されるときと比較して、電源が第2の管電圧を生成するときにより小さくなる。
第2の管電圧では、電子の平均衝突角度がより小さいため、第2のコーティング層を通る伝播路は、第1の管電圧よりも第2の管電圧の方が、平均的により長くなる。したがって、第2のコーティング層を伝播する電子の割合は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方がより小さくなる。したがって、基板上に衝突する電子の割合は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方がより小さくなる。このため、第2のコーティング層及び基板内で生成される放射X線の合計に対する、第2のコーティング層内で生成される放射X線の割合は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方がより高くなる。つまり、第2の管電圧が印加されるときは、放射X線の大部分が、第2のコーティング層内で生成され、放射X線のごく一部のみが基板内で生成される。一方、第1の管電圧が供給されるときは、放射X線の大部分が基板内で生成される。
X線フィルタは、第2のコーティング層内で生成された放射X線をフィルタリングし、基板内で生成された放射X線をフィルタリングしないように配置できる。これを達成するために、第1のコーティング層は、X線フィルタが基板から十分に離れた位置に配置されるように、基板と第2のコーティング層との間に十分な隙間を提供できる。
X線フィルタは、モリブデンなどの材料を含む。第2のコーティング層内で生成された放射X線のフィルタリングによって、第1の管電圧が印加されるときに生成される放射X線の第1のエネルギースペクトルと、第2の管電圧が印加されるときに生成される放射X線の第2のエネルギースペクトルとの差の尺度が増加する。例えば、X線フィルタは、第1及び第2のエネルギースペクトルの平均光子エネルギー間の差を大きくする。より異なる第1及び第2のエネルギースペクトルを有する放射X線を提供すると、デュアルエネルギーX線イメージングシステムでより有意義なX線画像を捕捉できる。
さらに、X線フィルタは、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧が印加されるときに、より大きい割合のX線放射線をフィルタリングする。放射X線をフィルタリングすると、X線強度が低減する。したがって、X線フィルタは、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧の方がX線強度のより強い低減をもたらす。これにより、X線イメージングシステムのX線検出器でのX線強度の不均衡が低減できる。
基板の第1の材料は、レニウムであってもよい。第1のコーティング層の第2の材料は、ダイヤモンド又はカーボンベースの繊維強化複合材料であってもよい。第2のコーティング層の第3の材料は、タングステンであってもよい。X線フィルタは、モリブデン、又はX線イメージングに関連するX線スペクトルの一部分にkエッジがない別のフィルタリング材料を含んでいてもよい。これらの材料は、アルミニウム、チタン、錫、又は鉄、若しくはこれらの組合せを含んでいてもよい。
別の例では、第2のコーティング層は、電子ビームの電子が第2のコーティング層上に衝突する表面セクションにおいて、1マイクロメートル未満の厚さを有する。
第2のコーティング層の厚さは、一般的に、放射X線の第1の割合と放射X線の第2の割合との差が大きいか又は最大になるように決定され得る。放射X線の第1の割合は、第1の管電圧が印加されるときに第2のコーティング層及び基板の両方において生成される放射X線の合計に対する、第2のコーティング層内で生成される放射X線の割合である。同様に、放射X線の第2の割合は、第2の管電圧が印加されるときに第2のコーティング層及び基板の両方において生成される放射X線の合計に対する、第2のコーティング層内で生成される放射X線の割合である。第2のコーティング層の厚さは、1μmである。しかしながら、第2のコーティング層の組成、基板の組成、第1及び第2の管電圧、並びに電子衝突角度に応じて、第2のコーティング層を薄くしたり厚くしたりすることも可能である。
本開示によれば、X線イメージングシステムも提示されている。X線イメージングシステムは、前述の請求項のいずれか一項に記載されるX線源と、X線検出器とを含み、X線検出器は、X線源から放出される放射X線を受け取る。
X線イメージングシステムは、医用イメージングシステムや空港セキュリティシステムなどに適用できる。X線源が第1のエネルギースペクトルの放射X線を生成すると、X線検出器は物体の第1の画像データを取得できる。同様に、X線源が第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成すると、X線検出器は第2の画像データを取得できる。第1及び第2のエネルギースペクトルは異なっていてもよいため、第1の画像データは、第2の画像データとは異なる物体情報が提供し得る。第1及び第2の画像データは、別々に表示されてもよい。又は、第1及び第2の画像データは別々に処理されて、例えば、構造又は材料を検出できる。又は、第1及び第2の画像データを組み合わせて、第1及び第2の画像データの両方に基づいて画像をレンダリングすることもできる。
一例では、X線イメージングシステムはさらに、検出器制御回路を含み、検出器制御回路は、X線検出器を制御して、X線源のカソードとアノードとの間に第1の管電圧が印加されるときに第1の画像データを生成させ、第2の管電圧が印加されるときに第2の画像データを生成させる。これにより、第1の画像データを生成するための積分期間が、第2の画像データを生成するための積分期間と比較して、同じ時間間隔を有し得る。
本開示のX線源は、従来のX線源と比較して、第1及び第2の管電圧について強度の不均衡が低減された放射X線を提供できる。これは、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧により小さな衝突平均衝突角度を設定することによって達成できる。第1及び第2の管電圧についてのX線強度の不均衡が低減されると、第1及び第2の管電圧が印加されるときに、より同様のX線検出器積分期間を使用できる。具体的には、第1のX線検出器積分期間が、第1の管電圧が印加されるときに使用され、第2のX線検出器積分期間が、第2の管電圧が印加されるときに使用され、第1及び第2の積分期間の時間間隔は同じか、又は同様であり得る。
本開示によると、X線源を使用して第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成する方法も提示される。X線源は、電子ビームを放出するためのカソードと、電子ビームを少なくとも部分的に放射X線に変換するためのアノードと、カソードとアノードとの間に管電圧を印加するための電源と、電子ビームの電子がアノード上に衝突する衝突角度を制御する電子光学系と、電子光学系に動作可能に結合された制御回路とを含む。第1のエネルギースペクトルの放射X線を生成するステップは、必ずしもこの順序である必要はないが、次のとおりである。(i)電源によって、第1の管電圧を印加するステップと、(ii)制御回路によって、電子ビームの電子が第1の平均衝突角度でアノード上に衝突するように電子光学系を制御するステップとを含む。
さらに、第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するステップは、必ずしもこの順序である必要はないが、次のとおりである。(i)電源によって、第2の管電圧を印加するステップ(第2の管電圧は第1の管電圧よりも高い)と、(ii)制御回路によって、電子ビームの電子が第2の平均衝突角度でアノード上に衝突するように電子光学系を制御するステップ(第2の平均衝突角度は、第1の平均衝突角度よりも小さい)とを含む。
本開示によれば、コンピュータプログラムも提示される。本コンピュータプログラムは、独立請求項に定義されたX線源に、第1及び第2エネルギースペクトルの放射X線を生成する方法のステップを実行させるための命令を含む。
本開示によれば、コンピュータ可読媒体も提示される。本コンピュータ可読媒体には本開示のコンピュータプログラムが格納される。
独立請求項によるX線源、X線イメージングシステム、放射X線を生成するための方法、X線源を制御するためのコンピュータプログラム、及びそのようなコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可動媒体は、特に、従属請求項に規定されるような同様及び/又は同一の好ましい実施形態を有することが理解されるべきである。また、本発明の好ましい実施形態は、それぞれの独立請求項との従属請求項の任意の組み合わせであり得ることも理解されるべきである。
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかになり、また、当該実施形態を参照して説明される。
本発明の例示的な実施形態について、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するためのX線源の第1の実施形態を概略的かつ例示的に示す。 図2は、第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するためのX線源の第2の実施形態を概略的かつ例示的に示す。 図3は、電子ビームが大きな衝突角度からアノード上に衝突しているX線源のアノードの一部を概略的かつ例示的に示す。 図4は、電子ビームが小さな衝突角度からアノード上に衝突している図3のアノードの一部を示す。
図1は、第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するためのX線源100の第1の実施形態を概略的かつ例示的に示している。X線源は、カソード101及びアノード102を含む。カソード及びアノードは、管120の中に配置されている。管は、真空管であることが好ましい。アノードは、軸103の周りを回転し得るが、本開示では必須というわけではない。
カソード絶縁体122及びアノード絶縁体121が、それぞれカソード及びアノードに電気的に接触することを可能にするため、電源(図示せず)を使用してカソードとアノードとの間に管電圧を印加できる。電源は、第1及び第2の管電圧を供給でき、第2の管電圧は第1の管電圧よりも高い。例えば、電源は、80kVの第1の管電圧、140kVの第2の管電圧を供給できる。管電圧により、カソードから放出される電子がアノードの方へ加速される。例えば、カソードとアノードとの間に80kVの第1の管電圧が印加されると、電子は、アノード上に衝突する前に、80keVの運動エネルギーに達し得る。このエネルギーは、電子がアノード上に衝突すると、部分的又は完全に放射X線に変換される。したがって、X線光子は、第1の管電圧が印加されると最大80keV、第2の管電圧が印加されると最大140keVのエネルギーを有し得る。そのため、異なる管電圧を印加することで、異なるエネルギースペクトルを有する放射X線を生成できる。また、電源は、3つ以上の電圧を生成でき、3つ以上のエネルギースペクトルの放射X線を生成するために利用できる。X線151及び152は、X線管120のアパーチャを通る放射X線の放出を示している。
図1はまた、電子光学系110も示している。電子光学系は、電子光学系を制御する制御回路104に動作可能に接続されている。図1では、制御回路は管120の外側に配置されているが、管の内側に配置することもできる。図1では、電子光学系110は、第1の偏向デバイス111及び第2の偏向デバイス112を含む。制御回路104は、第1の管電圧が印加されるときに、カソードからアノードに向かう経路130に沿って電子が伝播し、第2の管電圧が印加されるときに、経路140に沿って電子が伝播するように、第1の偏向デバイスを制御する。これに加えて、制御回路は、第2の管電圧が供給されるときに、第1の偏向デバイスが電子ビームが偏向されるように第1の偏向デバイスを制御する。一方、第1の偏向デバイスは、第1の管電圧が供給されるときに、電子ビームを弱く偏向させるか又は偏向させない。第2の偏向デバイス112は、電子が経路130に沿ってカソードからアノードに伝播するときに、電子の経路に無視できる影響を与える。一方、第2の偏向デバイスは、電子が経路140に沿ってカソードからアノードに伝播するときに、電子の経路の方向を大幅に変化させる。図1では、細い電子ビームが仮定されている。つまり、電子は、第1の管電圧が印加されるときに、ほぼ同じ経路130に沿って伝播し、第2の管電圧が印加されるときに、ほぼ同じ経路140に沿って伝播する。
図1はまた、第2の管電圧が供給されるときに、電子が小さな衝突角度141でアノード上に衝突し、第1の管電圧が供給されるときに、電子が大きな衝突角度131でアノード上に衝突することを示している。したがって、制御回路104は、第1の管電圧が印加されるときに、電子が第1の衝突角度131でアノード上に衝突し、第2の管電圧が印加されるときに、電子がより小さい第2の衝突角度141でアノード上に衝突する電子光学系110を制御する。
電子ビームの電力の大部分は熱に変換される。管電流は、第1及び第2の電圧で同じであってもよいため、電子ビームの電気エネルギーは、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧ではより高くなる。第2の管電圧を有する電子ビームのより高い電力は、電子がアノードに90°近くの衝突角度で衝突するときに、アノードの電力制限を超えることがある。しかしながら、第2の管電圧が印加されたときに衝突角度141が小さくなるため、電子の後方散乱率が増加し、熱に変換される電子ビームの電力の割合はより小さくなる。したがって、第2の管電圧について、電子の衝突角度がより小さいことにより、電子ビームの電力がより高くなる。このことは、第2の管電圧が印加されるときに、アノードの電力制限を超えることなく、高い管電流を印加するために利用できる。
第1及び第2の管電圧について電子の衝突角度が同じであると仮定すると、変換効率、つまり、放射X線に変換される電子ビームの電力の割合は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方がより高くなる。さらに、医用X線イメージングシステム内の患者の体などの物体によって吸収される放射X線の割合は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方がより小さくなる。これにより、X線イメージングシステムのX線検出器でのX線強度は、同様の衝突角度が設定されている場合、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方が大幅により高くなる。
しかしながら、本開示では、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧に対してより小さな衝突角度が設定されている。小さな電子衝突角度では、大きな電子衝突角度と比較して、変換効率はより小さくなるので、小さな電子衝突角度では、放射X線に変換される電子ビームの電力の割合はより小さくなる。したがって、第2の管電圧について、より小さな電子衝突角度は、X線検出器でのX線強度を低減し、これにより、第1及び第2の管電圧間のX線強度の不均衡が低減できる。
図2は、第1及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するためのX線源200の第2の実施形態を概略的かつ例示的に示している。X線源は、カソード201及びアノード202を含む。カソード及びアノードは、管220の中に配置されている。管は、真空管であることが好ましい。アノードは、好ましくは、軸203の周りを回転するが、本発明は、静止アノードの場合にも適用される。
カソード絶縁体222及びアノード絶縁体221が、それぞれカソード及びアノードに電気的に接触することを可能にするため、電源(図示せず)を使用してカソードとアノードとの間に管電圧を印加できる。電源は、第1及び第2の管電圧を供給でき、第2の管電圧は第1の管電圧よりも高い。管電圧により、カソードから放出される電子がアノードの方へ加速される。アノード上に衝突するときに、電子の運動エネルギーは、部分的又は完全に放射X線に変換される。異なる管電圧を印加することで、異なるエネルギースペクトルの放射X線を生成できる。また、電源は、3つ以上の管電圧を供給でき、3つ以上のエネルギースペクトルの放射X線を生成するために利用できる。X線251及び252は、X線管220のアパーチャを通る放射X線の放出を示している。
図2はまた、電子光学系210も示している。電子光学系は、電子光学系を制御する制御回路204に動作可能に接続されている。図2では、制御回路は管220の外側に配置されているが、管の内側に配置することもできる。電子光学系210は、デフォーカスデバイス213及びフォーカスデバイス214を含む。制御回路204は、デフォーカスデバイス213が、第1の管電圧が印加されるときに、カソードからアノードに向かう電子ビームの弱いデフォーカシングを提供するか若しくはデフォーカシングを提供せず、第2の管電圧が印加されるときに、電子ビームの強い偏向を提供するように、電子光学系210を制御する。さらに、制御回路は、電子が、第1の管電圧が印加されるときに、アノードの第1の表面セクションにフォーカスし、第2の管電圧が印加されるときに、アノードの第2の表面セクションにフォーカスするようにフォーカスデバイス214を制御する。アノードの第1及び第2の表面セクションは同一である。あるいは(図示されていない)、制御回路は、第1及び第2の表面セクションが重なるように、又は第1の表面セクションが第2の表面セクション内にあるように、又は第1及び第2の表面セクションの中心が、上記のように一致するように、フォーカスデバイス214を制御する。したがって、カソードとアノードとの間に第1の管電圧が印加されると、電子ビームは伝播路232及び234によって制限され、一方、第2の管電圧が印加されると、電子ビームは伝播路242及び244によって制限される。つまり、電子光学系は、第1の管電圧が印加されると細い電子ビームを形成し、第2の管電圧が印加されると広い電子ビームを形成する。図2はまた、第1の管電圧が印加されるときの最小衝突角度233及び235も示している。電子ビームの中心方向がアノードの表面に直交しており、電子ビームがこの中心方向に対して対称であるときに、最小衝突角度233及び235は互いに等しい。同様に、第2の管電圧が印加されるときの最小衝突角度は243及び245である。明らかに、最小衝突角度243及び245は、最小衝突角度233及び235よりも小さい。すなわち、アノードへの電子の衝突角度は、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧が印加されるときにより広い範囲の角度に広がる。したがって、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧が印加されるときは平均衝突角度がより小さくなる。
第2の管電圧が印加されるときの平均衝突角度が小さくなるため、電子後方散乱率が増加し、変換効率が低下する。これにより、上記で説明したように、低及び高管電圧についてのX線強度の不均衡が低減される。
図3は、X線源のアノードの一部を概略的かつ例示的に示している。アノードは、少なくとも部分的に第1のコーティング層302及び第2のコーティング層303でコーティングされた基板301を含む。電子ビーム330が、90°である衝突角度331からアノードの第2のコーティング層上に衝突する。第2のコーティング層は、タングステンなど、放射X線を生成する材料を含む。したがって、衝突する電子のエネルギーは、部分的又は完全に放射X線に変換される。X線353及び354は、第2のコーティング層からX線源の管のアパーチャを通って放射されるX線のコーンを示している(管は図示せず)。第2のコーティング層303にはX線フィルタ304が取り付けられ、第2のコーティング層内で生成された放射X線がフィルタリングされる。電子線360によって示されるように、衝突する電子一部は後方散乱される。衝突する電子の別の一部は、第2のコーティング層及び第1のコーティング層を通って伝播する。第1のコーティング層は、好ましくは、電子を透過させる材料を含む。したがって、電子の一部が基板上に衝突する。基板は、レニウムなど、放射X線を生成する材料を含む。したがって、電子の一部が基板上に衝突し、電子のエネルギーは、部分的又は完全に放射X線に変換される。X線355及び356は、基板内で生成されたX線のコーンを示し、X線はX線管(図示せず)のアパーチャを通って放射される。
図4は、図3に示すアノードの一部を概略的かつ例示的に示している。ここでも、アノードは、少なくとも部分的に第1のコーティング層402及び第2のコーティング層403でコーティングされた基板401を含む。電子ビーム440が、衝突角度441からアノードの第2のコーティング層上に衝突する。第2のコーティング層は、タングステンなど、放射X線を生成する材料を含む。したがって、衝突する電子のエネルギーは、部分的又は完全に放射X線に変換される。X線453及び454は、第2のコーティング層からX線管のアパーチャを通って放射されるX線のコーンを示している(管は図示せず)。第2のコーティング層403にはX線フィルタ404が取り付けられ、第2のコーティング層内で生成された放射X線がフィルタリングされる。電子線460によって示されるように、衝突する電子一部は後方散乱される。衝突する電子の別の一部は、第2のコーティング層及び第1のコーティング層を通って伝播する。第1のコーティング層は、好ましくは、電子を透過させる材料を含む。したがって、電子の一部が基板上に衝突する。基板は、レニウムなど、放射X線を生成する材料を含む。したがって、電子の一部が基板上に衝突し、電子のエネルギーは、部分的又は完全に放射X線に変換される。X線455及び456は、基板内で生成されたX線のコーンを示し、X線はX線管(図示せず)のアパーチャを通って放射される。
図4では、電子は、図3の衝突角度331と比較して、より小さな衝突角度441からアノード上に衝突する。衝突角度がより小さいため、図3と比較して、図4では電子後方散乱率がより大きくなる。図4の小さな衝突角度は、X線源のカソードとアノードとの間に第2の(高)管電圧が印加されるときに設定され、一方、図3の大きな衝突角度は、第1の(低)管電圧が印加されるときに設定される。管電流は一定であると仮定すると、電子ビームの電力は、第1の管電圧と比較して、第2の管電圧の方がより大きくなる。また、より小さな衝突角度は、第2の管電圧が印加されるときに、アノードの電力制限を超えることなく、電子ビームの電力をより大きくできる。
さらに、図4の小さな衝突角度に起因して、第2のコーティング層を通る伝播路は、図3と比較してより長くなる。したがって、第2のコーティング層を通って伝播する電子の割合は、図3と比較して、図4ではより小さくなる。したがって、基板上に衝突する電子の割合は、図3と比較して、図4ではより小さくなる。このため、第2のコーティング層及び基板内で生成される放射X線の合計に対する、第2のコーティング層内で生成される放射X線の割合は、図3と比較して、図4ではより高くなる。つまり、図4では、放射X線の大部分が、第2のコーティング層内で生成され、放射X線のごく一部のみが基板内で生成される。一方、図3の場合では、放射X線の大部分が基板内で生成される。第2のコーティング層内で生成された放射X線をフィルタリングするようにX線フィルタが配置されているため、電子衝突角度が大きいときと比較して、電子衝突角度が小さいときに、X線フィルタはより効果的である。前述のように、図4の小さな衝突角度は、X線源のカソードとアノードとの間に第2の(高)管電圧が印加されるときに設定され、一方、図3の大きな衝突角度は、第1の(低)管電圧が印加されるときに設定される。したがって、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧が印加されるときに、X線フィルタはより効果的である。X線フィルタは、モリブデンなどの材料を含む。第2のコーティング層内で生成された放射X線のフィルタリングによって、第1の管電圧が印加されるときに生成される放射X線の第1のエネルギースペクトルと、第2の管電圧が印加されるときに生成される放射X線の第2のエネルギースペクトルとの差の尺度が増加する。例えば、X線フィルタは、第1及び第2のエネルギースペクトルの平均光子エネルギー間の差を大きくする。より異なる第1及び第2のエネルギースペクトルを有する放射X線を提供すると、デュアルエネルギーX線イメージングシステムでより有意義なX線画像を捕捉できる。
ここでも、図4に示すシナリオで第2の管電圧が印加され、図3に示すシナリオで第1の管電圧が印加されていると仮定すると、X線フィルタは、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧が印加されるときに、より大きな割合で放射X線をフィルタリングする。放射X線をフィルタリングすると、X線強度が低減する。したがって、X線フィルタは、第1の管電圧が印加されるときと比較して、第2の管電圧が印加されるときに、より強い割合のX線強度の低減をもたらす。これにより、X線イメージングシステムのX線検出器でのX線強度の不均衡が低減できる。
第2のコーティング層の厚さは、1マイクロメートル未満である。第2のコーティング層の厚さは、一般的に、放射X線の第1の割合と放射X線の第2の割合との差が大きいか又は最大になるように決定される。放射X線の第1の割合は、第1の管電圧が印加されるときに第2のコーティング層及び基板の両方において生成される放射X線の合計に対する、第2のコーティング層内で生成される放射X線の割合である。同様に、放射X線の第2の割合は、第2の管電圧が印加されるときに第2のコーティング層及び基板の両方において生成される放射X線の合計に対する、第2のコーティング層内で生成される放射X線の割合である。第2のコーティング層の厚さは、第2のコーティング層の材料、基板の材料、第1及び第2の管電圧、並びに電子衝突角度に応じて選択される。
なお、本発明の実施形態は、異なる主題を参照して説明されていることに留意されたい。しかしながら、当業者であれば、特に明記されていなければ、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関連する特徴の任意の組み合わせも、本出願で開示されていると見なされることを推察できるであろう。但し、すべての特徴は、特徴の単なる寄せ集め以上の相乗効果を提供するならば組み合わせることができる。
本発明は、図面及び上記の説明に詳細に例示及び説明されているが、このような例示及び説明は、例示的又は模範的と見なされるべきであって、限定的と見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態の他の変形は、図面、開示、及び従属請求項の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。
特許請求の範囲において、「含む」という語は、他の要素やステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを意味するものではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 第1のエネルギースペクトル及び第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するためのX線源であって、
    電子ビームを放出するためのカソードと、
    前記電子ビームを少なくとも部分的に放射X線に変換するためのアノードと、
    前記電子ビームの電子が前記アノード上に衝突する衝突角度を制御する電子光学系と、
    前記カソードと前記アノードとの間に第1の管電圧及び第2の管電圧を印加する電源であって、前記第2の管電圧は前記第1の管電圧よりも高い、電源と、
    前記電子光学系に動作可能に結合された制御回路と、
    を含み、
    前記制御回路は、前記第1の管電圧が印加されるときに、前記電子ビームの前記電子が、第1の平均衝突角度で前記アノード上に衝突し、前記第2の管電圧が印加されるときに、前記電子ビームの前記電子が、第2の平均衝突角度で前記アノード上に衝突するように前記電子光学系を制御し、
    前記第2の平均衝突角度は、前記第1の平均衝突角度よりも小さい、X線源。
  2. 前記電子ビームの前記電子が前記アノード上に衝突する前記第2の平均衝突角度は、70度未満である、請求項1に記載のX線源。
  3. 前記電子ビームの前記電子は、前記第1の管電圧が印加されるときに、前記アノードの第1の表面セクション上に衝突し、前記第2の管電圧が印加されるときに、前記アノードの第2の表面セクション上に衝突し、
    前記第1の表面セクションは、前記第2の表面セクションに重なる、請求項1又は2に記載のX線源。
  4. 前記第1の表面セクションの中心が、前記アノードの前記第2の表面セクションの中心と一致している、請求項3に記載のX線源。
  5. 前記電子光学系は、第1の偏向デバイス及び第2の偏向デバイスを含み、前記第1の偏向デバイスは、第1の状態と第2の状態とを切り替え可能であり、
    前記制御回路は、前記電源を前記第1の管電圧から前記第2の管電圧へ切り替えることに応じて、前記第1の偏向デバイスを前記第1の状態から前記第2の状態に切り替え、
    前記第1の偏向デバイスが前記第2の状態にあるときに、前記第1の偏向デバイス及び前記第2の偏向デバイスは、前記電子ビームの偏向を提供する、請求項1から4のいずれか一項に記載のX線源。
  6. 前記電子光学系は、フォーカスデバイス及びデフォーカスデバイスを含み、前記電子光学系は、第3の状態と第4の状態とを切り替え可能であり、
    前記制御回路は、前記電源を前記第1の管電圧から前記第2の管電圧へ切り替えることに応じて、前記電子光学系を前記第3の状態から前記第4の状態に切り替え、
    前記第4の状態では、前記デフォーカスデバイスが最初に前記電子ビームの広がりを提供し、その後前記フォーカスデバイスが前記広げられた電子ビームの集束を提供する、請求項1から5のいずれか一項に記載のX線源。
  7. 前記デフォーカスデバイスは、前記電子光学系が前記第4の状態にあるときに、前記第3の状態と比較して、前記電子ビームのより強い広がりを提供する、請求項6に記載のX線源。
  8. 前記アノードは、少なくとも部分的に第1のコーティング層及び第2のコーティング層でコーティングされた基板を含み、前記第1のコーティング層は、前記第2のコーティング層と前記基板との間に配置され、
    前記基板は、放射X線を生成する第1の材料を含み、
    前記第1のコーティング層は、放射X線及び前記電子ビームの前記電子を透過させる第2の材料を含み、
    前記第2のコーティング層は、放射X線を生成する第3の材料を含み、
    前記第2のコーティング層内で生成された放射X線をフィルタリングするために、前記第2のコーティング層にX線フィルタが取り付けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載のX線源。
  9. 前記基板の前記第1の材料は、レニウムであり、
    前記第1のコーティング層の前記第2の材料は、ダイヤモンドであり、
    前記第2のコーティング層の前記第3の材料は、タングステンであり、
    前記X線フィルタは、モリブデンを含む、請求項8に記載のX線源。
  10. 前記第2のコーティング層は、前記電子ビームの前記電子が前記第2のコーティング層上に衝突する表面セクションにおいて、1マイクロメートル未満の厚さを有する、請求項8又は9に記載のX線源。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のX線源と、
    X線検出器と、
    を含み、
    前記X線検出器は、前記X線源から放出される放射X線を受け取るように配置されている、X線イメージングシステム。
  12. 検出器制御回路をさらに含み、
    前記検出器制御回路は、前記X線検出器を制御して、前記X線源の前記カソードと前記アノードとの間に前記第1の管電圧が印加されるときに第1の画像データを生成させ、前記第2の管電圧が印加されるときに第2の画像データを生成させ、
    前記第1の画像データを生成するための積分期間が、前記第2の画像データを生成するための積分期間と比較して、同じ時間間隔を有する、請求項11に記載のX線イメージングシステム。
  13. 電子ビームを放出するためのカソードと、前記電子ビームを少なくとも部分的に放射X線に変換するためのアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に管電圧を印加するための電源と、前記電子ビームの電子が前記アノード上に衝突する衝突角度を制御する電子光学系と、前記電子光学系に動作可能に結合された制御回路と、を含むX線源を使用して、第1のエネルギースペクトル及び第2エネルギースペクトルの放射X線を生成するための方法であって、
    前記第1のエネルギースペクトルの放射X線を生成するステップは、
    前記電源によって、第1の管電圧を印加するステップと、
    前記制御回路によって、前記電子ビームの前記電子が第1の平均衝突角度で前記アノード上に衝突するように前記電子光学系を制御するステップと、
    を含み、
    前記第2のエネルギースペクトルの放射X線を生成するステップは、
    前記電源によって、第2の管電圧を印加するステップであって、前記第2の管電圧は前記第1の管電圧よりも高い、印加するステップと、
    前記制御回路によって、前記電子ビームの前記電子が第2の平均衝突角度で前記アノード上に衝突するように前記電子光学系を制御するステップであって、前記第2の平均衝突角度は、前記第1の平均衝突角度よりも小さい、制御するステップと、
    を含む、方法。
  14. 請求項1から10のいずれか一項に記載のX線源に、請求項13に記載の方法のステップを行わせるための命令を含む、コンピュータプログラム。
  15. 請求項14に記載のコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体。
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