JP2022541757A - リポオリゴ糖組成物およびワクチンの製造および使用方法 - Google Patents

リポオリゴ糖組成物およびワクチンの製造および使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は一般に、対象の淋菌感染症および/または淋病を治療および/または予防する組成物および方法に関する。本発明は、さらに、遺伝子配列の安定な組み込みにより、改変および/または非天然起源ナイセリアリポオリゴ糖を産生するように遺伝子改変された形質転換微生物宿主細胞(例えば、細菌細胞)の提供に関する。本発明は、またさらに、関連部分に、N.ゴノレア由来のリポオリゴ糖を含む免疫原性組成物およびワクチンに関する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月8日出願の米国特許仮出願第62/871,472号、および2019年7月11日出願の米国特許仮出願第62/872,973号の利益を主張する。これらそれぞれの特許仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は一般に、対象の淋菌感染症および/または淋病を治療および/または予防する組成物および方法に関する。本発明は、さらに、遺伝子配列の安定な組み込みにより、改変および/または非天然起源ナイセリアリポオリゴ糖を産生するように遺伝子改変された形質転換微生物宿主細胞(例えば、細菌細胞)の提供に関する。本発明は、またさらに、関連部分に、ナイセリア・ゴノレア(淋菌)由来のリポオリゴ糖を含む免疫原性組成物およびワクチンに関する。
ナイセリア・ゴノレア(Neisseria gonorrhoeae;淋菌)(「N.ゴノレア(N.gonorrhoeae)」)は、淋病として知られる性行為感染症の原因物質であるグラム陰性細菌性病原菌である。淋病は、特に、性的に活発な15~24才の人の間でよく見られる感染症である。実際に、淋菌感染症および淋病は、ますます増大している原因細菌の多剤耐性により悪化している、米国および世界全体における大きな公衆衛生上の懸念である。
2017年には、55万件を超える淋病の新症例が、米国疾病管理センター(「CDC」)に報告され、これは、2013年から67%の増加であり、一方、世界保健機関(「WHO」)は、世界の年間淋病発生率を約106.1百万症例であると推定しており、また、一部の専門家は、約176百万症例のさらに高い症例数を推定している。
N.ゴノレアは通常、生殖器、直腸、咽頭の粘膜表面に感染し、希な状況では、感染症は、播種性淋菌感染症(「DGI」)をもたらす血流を通して蔓延する場合がある。淋病に感染した男性は通常、有痛性および/または高頻度の排尿、色がさえない化膿性の分泌物、および生殖器の炎症を経験する。女性は通常、排尿時の不快、ならびに生理での出血、異常な腟分泌物、および腹部または骨盤疼痛も経験する。感染が眼(結膜炎)、咽頭(有痛性および腫脹リンパ節)、および直腸(分泌物およびそう痒)に局所化する場合、類似の症状が男女両方に生じる。この病気に感染した一定の割合の男性は無症候性である。さらに、一部の感染した女性は、感染症の症状を何ら経験することも、外部に呈することもない。女性により経験される症状は多くの場合、軽度なものに過ぎず、より一般的な膀胱または腟感染症と間違えられることがある。N.ゴノレア感染症に罹患した女性の重篤な長期合併症には、骨盤内炎症性疾患、子宮外妊娠、および不妊症が挙げられる。
米国におけるこの疾患の妊婦の発生率は通常、低い(1%未満)が、一部の特定の集団では、依然として大きな懸念事項のままである。実際に、一部の中心都市の青年期出生前クリニックでは、10%に近い発生率が観察された。米国以外、特に発展途上国では、淋病に感染した妊婦の発生頻度はさらに高い場合がある。淋病に感染した妊婦は、分娩および出産中に乳児にその病気を感染させる場合がある。この病気を新生児に伝染させるリスクは、新生児眼炎の症例で十分に研究されており、約30%~40%に及ぶ。新生児における播種性淋菌感染症(例えば、敗血症または関節炎)のリスクは、広範には研究されておらず、比較的希であると思われるが、無視できるものではない。(Alexander ER,“Gonorrhea in the newborn,” Ann.N.Y.Acad.Sci.,549:180-186(1988)を参照)。
淋病の抗生物質治療は、原因細菌が治療に使われる抗生物質に対する耐性を生ずる能力により複雑化している。N.ゴノレアのフルオロキノロン系に対する耐性は、米国では1990年代および2000年代に出現し始め、2007年までに、CDCは、治療に対しフルオロキノロン系を推奨することを止めた。これにより、セファロスポリン系抗生物質が、この疾患の治療用として推奨される唯一の残された種類の抗菌剤になっている。さらに、2010年には、CDCの淋病治療ガイドラインを、頻繁に共起する病原体(例えば、トラコーマ病原体)の増大する抗生物質耐性に関する懸念を反映し、次のように、第三世代セファロスポリン(例えば、セフトリアキソン250mgまたはセフィキシム400mg)に加えてアジスロマイシンまたはドキシサイクリンの経口投与を含むように再度修正した。
N.ゴノレアの抗菌剤耐性は、新しい現象ではなく、それは、1940年代から着実に増大しており、多剤耐性が頻繁に出現してきた。(Lewis DA,“Global resistance of Neisseria gonorrhoeae;when theory becomes reality,” Curr.Opin.Infect.Dis.,27(1):62-67(2014);およびBolan GA,et al.,“The Emerging Threat of Untreatable Gonococcal Infection,” N.Engl.J.Med.,366:485-487(2012)を参照)。セフトリアキソンに対するN.ゴノレア耐性は増大し、高レベルのマクロライド耐性が広がっているので、治療の状態は、このありふれた感染症が治療できず、かなりの女性における疾病率(骨盤内炎症性疾患)および不妊症および男性における尿道狭窄症および腎不全が存在した、抗生物質誕生前の危険と隣り合わせの時代に戻る方向に向かっている。
好結果が得られる淋病ワクチンを開発するためのいくつかの課題が、研究室において、および原因細菌それ自体の特性において存在する。これらの課題には、強力な保護の相関の欠如、好適な動物モデルの欠如、生物の高い抗原性の変動、および典型的な淋菌感染症の粘膜の表面への閉じ込めが挙げられる。さらに、N.ゴノレアは、免疫応答および樹状細胞などの自然免疫細胞と相互作用し、炎症反応を誘発し、同時に、Th1/Th2媒介特異的免疫応答を抑制するが、局在化した非特異的および非記憶誘発抗体応答が生ずる。(Jerse AE,et al.,“Vaccines against gonorrhea:current status and future challenges,” Vaccine,32(14):1579-1587(2014)を参照)。淋菌感染症は、防御免疫を誘導せず、反復感染が一般的である。(Plummer FA,et al.,“Epidemiologic evidence for the development of serovar-specific immunity after gonococcal infection,” J.Clin.Invest.,83:1472-1476(1989))。
これまでは、髄膜炎菌ワクチンは、淋菌感染症または淋病に対し保護を提供せず、髄膜炎菌ワクチンの免疫源は、これまでは、N.ゴノレアに対する保護には不適であると考えられてきた。(Jerse,et al.,同上)。
抗生物質耐性の増大および治療不能な淋菌性株の登場は、N.ゴノレアに対する新規で効果的なワクチンの開発に対する必要性を明確に示している。従って、N.ゴノレア感染症および淋病に対して保護する組成物(例えば、免疫原性組成物およびワクチン)および治療方法に対する必要性が存在する。この場合、好ましい組成物および方法は、1種または複数の投与量で、ワクチンとして(例えば、感染症を予防および/または弱めるために)、または治療用組成物として(例えば、疾患を治療および/または治癒するために)投与されることになる。
図1は、ラクト-N-ネオテトラオース(nLc4)α鎖伸長を有し、β鎖伸長を有さない例示的LOS分子を示す。nLc4α鎖は、ラクトース(Lc2)およびN-アセチルラクトサミン(LacNAc)からなり、Hep1から延びる。β鎖は、Hep2のC3から延び、これは、図中のR3ホスホエタノールアミン(PEA)により置換される。N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)は、γ鎖であり、これは伸長されない。 図2は、GalNAc-nLc4α鎖および非還元末端GalNAcの付加を示す。各糖は、別々の抗原に適合する:nLc4α鎖は4種の別々の抗原、非還元末端から順に、nLc4、nLc3、Lc2およびβ-Glcを提供する。(Plummer FA,et al.,“Epidemiologic evidence for the development of serovar-specific immunity after gonococcal infection,” J.Clin.Invest.,83:1472-1476(1989);およびSchmidt KA,et al.,“Experimental gonococcal urethritis and reinfection with homologous gonococci in male volunteers,” Sex Transm.Dis.,28(10):555-564(2001))。GalNAc-nLc4α鎖は、第5の抗原、末端GalNAcを有し、βおよびγ鎖は、追加の抗原を提供する。(Schneider H,et al.,“Expression of paragloboside-like lipooligosaccharides may be a necessary component of gonococcal pathogenesis in men,” J.Exp.Med.,174:1601-1605(1991))。この図は、Lc2は、mAb 2C7により認識される抗原に適合し、この場合、このmAbのLc2への結合は、並行α-ラクトースβ鎖の存在により強化される。血液培養(DGI株)から分離されたN.ゴノレア株は、高頻度で、α-ラクトースβ鎖を有するLOSを作る(Gibson BW,et al.,“Structure and heterogeneity of the oligosaccharides from the lipooligosaccharides of a pyocin-resistant Neisseria gonorrhoeae,” Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:17-21(1989);Yamasaki R,et al.,“The structure of lipooligosaccharide produced by Neisseria gonorrhoeae,strain 15253 isolated from a patient with disseminated infection:Evidence for a new glycosylation pathway of the gonococcal lipooligosaccharide” J.Biol.Chem.,269(48):30345-30351(1994);およびYamasaki R,et al.,“Structural and immunochemical characterization of a Neisseria gonorrhoeae epitope defined by a monoclonal antibody 2C7;the antibody recognizes a conserved epitope on specific lipooligosaccharides in spite of the presence of human carbohydrate epitopes,” J.Biol.Chem.,274(51):36550-36558(1999))。 図3は、ナイセリアlgtオペロンの高レベルの構成を示す。 図4は、Braun DCおよびStein DCに記載のナイセリアlgtオペロンの例示的構成を示す。(Braun DC and Stein DC,“The lgtABCDE gene cluster,involved in lipooligosaccharide biosynthesis in Neisseria gonorrhoeae,contains multiple promoter sequences,” J.Bacteriol.,186(4):1038-1049(2004)を参照)。 図5は、SDS-PAGEにより分離した銀染色F62 LOSを示す。 図6は、5個のLOSα鎖抗原の4個、nLc4、nLc3、Lc2およびβ-Glcに特異的な抗体に結合する免疫蛍光マイクロスフェアを充填するために1291a-eと命名された淋菌株1291のピオシン-選択変異体由来LOSを用いたアッセイを示す。
本発明は一般に、対象の淋菌感染症および/または淋病を治療および/または予防する組成物および方法に関する。本発明は、さらに、遺伝子配列の安定な組み込みにより、改変および/または非天然起源ナイセリアリポオリゴ糖を産生するように遺伝子改変された形質転換微生物宿主細胞(例えば、細菌細胞)の提供に関する。本発明は、またさらに、関連部分に、ナイセリア・ゴノレア(淋菌)由来のリポオリゴ糖を含む免疫原性組成物およびワクチンに関する。
本発明は、さらに、対象のN.ゴノレアによる感染症を予防するための免疫原性組成物および/またはワクチンを製造および投与する方法に関する。より具体的には、本発明は、前記免疫原性組成物および/またはワクチンがナイセリア細菌の共生種中で産生される方法および組成物を提供する。
ヒト対象のN.ゴノレアより引き起こされる淋病および/または関連病的状態を予防するための組成物および方法が、さらに、提供される。
本発明は、いくつかの組成物の実施形態(例えば、1種または複数の担体タンパク質とLOS分子との融合体または複合体を含むワクチン、免疫原性組成物、医薬組成物)をさらに提供する。
組成物および方法は、N.ゴノレアによる感染により対象(例えば、ヒト)で引き起こされる疾患関連合併症または後遺症の重症度、継続時間、または(再)発生を治療する(例えば、減らす)ために提供される。
本発明は、N.ゴノレア株由来のGalNAc-nLc4α鎖およびnLc4α鎖を含む免疫原性組成物(およびN.ゴノレアワクチン)を提供する。本発明は、またさらに、N.ゴノレア株由来のリピドA部分をさらに含む免疫原性組成物(およびN.ゴノレアワクチン)を提供する。さらに、免疫原性組成物(およびN.ゴノレアワクチン)は、アジュバントを任意に含んでもよい。この場合、好ましい実施形態は、金属塩(例えば、水酸化アルミニウム、アルミニウムオキシ水酸化物、水酸化リン酸アルミニウム、ヒドロキシリン酸硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、および/またはリン酸カリウムアルミニウムを含む群から選択されるアルミニウム塩)を含むアジュバントを含む。
さらに提供されるのは、共生N.ゴノレア種(例えば、N.シネレア、N.エロンガタ、N.フラヴェセンス、N.ラクタミカ、N.ムコサ、N.ポリサッカレア、N.シッカ、N.サブフラバ、N.ペルフラバ、および/またはN.フラバを含む/これらからなる群から選択される共生種)中での免疫原性組成物(およびN.ゴノレアワクチン)の製造方法である。好ましい実施形態では、共生種はN.ラクタミカである。特に好ましい実施形態では、共生種のN.ラクタミカは、病原性N.ゴノレア株F62から1種または複数の遺伝子に形質転換される(すなわち、この遺伝子を発現するように遺伝子操作される)。
さらなる追加の方法は、対象における、1種または複数の投与量または1種または複数の用量または投与スケジュールによる免疫原性組成物(およびN.ゴノレアワクチン)の医学的用途を提供する。本組成物の追加の接種または投与を提供するためのスキームも同様に考慮されている。
宿主の微生物、病原菌、特に、グラム陰性菌のナイセリア科、例えば、N.ゴノレアから選択される病原菌への前記宿主の感染時に、または感染の前に、防御免疫、免疫応答、および/または免疫学的な調節を誘発する、本発明の組成物(例えば、ワクチン)中へ組み込むための抗原および免疫原性成分を特定するのが望ましい。また、乳幼児ならびに成人に防御免疫を付与するワクチンを提供し、その保護が長期にわたることも同様に望ましい。無症候性感染症、すなわち、髄膜炎菌または淋菌感染がすぐに明らかにならない感染症に対し保護するワクチンを提供し、感染した人が病原体のキャリアとして機能し得ることも有利であり得る。全てのまたは広範囲の株ナイセリア、特にN.ゴノレアに対し、保護することはさらに有利であろう。
定義
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、通常、本発明を制限することを意図していない。
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈に別義が明示されない限り、複数形も同様に包含することが意図されている。さらに、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」またはこれらの変形体は、他に断らない限り、詳細説明および/または請求項で使用される限りにおいて、用語「含む(comprising)」と同様に、これらの用語は包括的であることが意図されている。
本出願では、「または(or)」の使用は、特に断りのない限り、「および/または(and/or)」を意味する。また、特に別段の定めのない限り、「要素(element)」、「成分(component)」、「部分(moiety)」などの用語は、1つ以上のサブユニットを含む1つの構成単位および複数要素および複数成分を含む両方の要素および成分を包含する。
「約(about)」または「約(approximately)」という用語は、当業者により定められた特定の値に対する許容可能な誤差範囲内にあることを意味する。この許容可能な誤差範囲は、その値が測定または決定される方法、すなわち、測定システムの制約に依存する部分もあろう。例えば、「約(about)」は、当該技術分野における慣行に従って、1または1を越える標準偏差値以内を意味し得る。あるいは、「約(about)」は、与えられた値の最大20%、最大10%、最大5%、最大1%までの範囲を意味し得る。あるいは、特に生体系またはプロセスに対して、この用語は、その値の10倍以内の範囲、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内の範囲を意味し得る。特定の値が本出願および請求項の範囲で記述される場合、別に定める場合を除き、特定の値に対する許容可能な誤差範囲内を意味する用語「約(about)」と見なされるべきである。
本明細書で使用される場合、用語「感染」は、宿主生物の組織内および/または組織上の病原性生物の増殖、特に宿主中のN.ゴノレアの増殖を含むことが意図されている。病原性生物は通常、細菌、ウィルス、真菌および原生動物を含むが、生物の組織内および/または組織上の任意の微生物の成長は用語「感染」の範囲内に入ると見なされる。
本明細書で使用される場合、「淋病」という用語は、N.ゴノレア感染に起因する性行為感染症(「STD」)を意味する。N.ゴノレアは、女性の子宮頸部(すなわち、淋菌性子宮頸管炎)、子宮、および卵管、および女性および男性の尿道(すなわち、淋菌性尿道炎)を含む、生殖器系の粘膜上皮膜に感染する。N.ゴノレアはまた、口内、咽頭、眼、および直腸の粘膜に感染し、ごく一部の症例では、播種性淋菌感染症に繋がる。
本明細書で使用される場合、「共生生物」または「共生微生物」は、微生物(例えば、細菌)が、疾患を生じさせることなく、宿主生物にコロニー形成できるものである。いくつかの異なる共生細菌が存在する。共生ナイセリアは、本発明での使用に好適し、これらの共生ナイセリアは通常、N.ラクタミカ、N.シネレア、N.エロンガタ、N.フラヴェセンス、N.ムコサ、N.ポリサッカレア、N.シッカ、N.ペルフラバおよびN.サブフラバからなる群より選択される。これらの共生生物の異なる種は、頬側または鼻内領域または他の粘膜にコロニー形成することが知られている。好ましい実施形態では、「共生」種(例えば、N.ラクタミカ)はカプセルを有さない。
本明細書で使用される場合、用語「抗原」または「免疫原性ポリペプチド/ペプチド」は、抗体またはT細胞受容体に結合できる分子である。抗原は、さらに、対象(例えば、ヒト)においてBおよび/またはTリンパ球の産生に繋がる液性免疫応答および/または細胞免疫反応を誘発できる。同様に、用語「免疫原」は、対象(例えば、ヒト)において、不必要である、望ましくない、および/または異種であると認識される抗原を意味する。「ワクチン抗原」は、ワクチン組成物に含有される場合、細菌感染に対し防御免疫を誘発する抗原である。本発明のワクチン組成物は、動物(例えば、哺乳動物、およびより具体的には、ヒト)の感染に対するワクチン接種に特に好適する。
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、対象(例えば、ヒト)における免疫応答を刺激および/または強化する薬剤(例えば、金属、金属塩、鉱酸塩、アミノ酸、糖類、オリゴ糖、ポリサッカライド、脂質、油、水中油型エマルション、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、など)を意味する。アジュバントは、免疫原(すなわち、抗原)の非存在下で免疫応答を刺激および/または強化できる、および/または免疫原の存在下で免疫応答を刺激および/または強化できる。本発明では、好ましいアジュバントは水酸化リン酸アルミニウムである。
本明細書で使用される場合、用語「免疫応答」は、本発明の免疫原性組成物またはワクチンに対する対象の免疫系による応答を含む。免疫応答は、細胞性免疫応答(抗原特異的T細胞および免疫系の非特異的細胞により媒介される応答)および液性免疫応答(血漿リンパ液中および組織液中に存在する抗体により媒介される応答)の両方を含む。用語の「免疫応答」は、免疫原に対する初期応答ならびに「獲得免疫」の結果である記憶応答の両方をさらに包含する。
本明細書で使用される場合、表現「免疫応答の刺激」は、本発明の組成物が投与されていない場合に対象の免疫応答のレベルに比べて、本発明の免疫原性組成物またはワクチン組成物の投与後での対象の免疫応答の増大を意味する。
本明細書で使用される場合、「免疫原性組成物」という用語は、対象の内因性免疫応答を誘発する組成物を意味する。内因性免疫応答は、例えば、Th1に偏った免疫応答のTh2に偏った免疫応答への切り替え、Tエフェクター細胞応答の活性化または強化および/またはT調節細胞応答の低下、抗原特異的未感作リンパ球の活性化した後に抗体分泌B細胞もしくは抗原特異的エフェクターおよびメモリーT細胞または両方の生成、および/または抗体分泌B細胞の直接活性化をもたらし得る。同様に、本明細書で使用される場合、「ワクチン」または「ワクチン組成物」という用語は、対象において、一定期間にわたり、疾患の罹患(例えば、淋病)から対象を保護するのに十分な、対象の免疫応答を誘発する上記の免疫原性組成物を意味する。
本明細書で使用される場合、「予防的(prophylactic)」および「予防的(preventive)」免疫原性組成物、ワクチン、または組成物は、対象(例えば、ヒト)の病原性生物(例えば、N.ゴノレア)に起因する、またはそれに関連する感染症、疾患、および/または任意の関連後遺症を防ぐように設計および投与される組成物である。
用語「投与すること」は、医薬組成物または薬剤(すなわち、免疫原性組成物またはワクチン)の対象の系または対象中または対象上の特定の領域への任意の送達方法を含む。本発明の特定の実施形態では、免疫原性組成物およびワクチンは、筋肉内、皮下、皮内、鼻腔内、経口、皮下、経皮、または経粘膜経由で対象に投与される。本明細書で使用される場合、および状況に応じて、用語「投与」または「複数投与」は、単一および複数の薬剤の対象への経時的送達事例を包含し、それにより、免疫原性的に有効な薬剤の単一送達ならびに刺激送達(第1の用量または投与)およびその後の(第2、第3の、などの用量または投与)ブースト送達が包含される。
本明細書で使用される場合、次の用語「治療」、「治療すること」、「緩和すること」および「回復させること」は、文脈に応じて、同義に使用される。これらの用語は、限定されないが、治療効果を含む有益なまたは望ましい結果を得るための取り組みを意味する。「治療効果」は、根底にある治療される疾患または障害の根絶または回復を包含することが意図される。また、治療効果は、根底にある疾患または障害に関連する生理学的症状の1種または複数の根絶または回復により達成され、その結果、対象がまだ根底にある疾患または障害に罹患している可能性があるにも関わらず、対象の改善が観察される。予防効果の場合、特定の疾患のリスクのある対象に、または疾患の生理学的症状の1種または複数を報告している対象に、たとえこの疾患の診断がなされていない場合でも、組成物が投与され得る。
本明細書で使用される場合、「相乗作用」という用語は、一緒に作用して全体効果を高めるように、組み合わせがいずれかの物質単独の場合よりも効果的である、少なくとも2種の物質を意味する。薬剤または療法の「相乗的に効果的」治療量または「相乗的に有効な」量は、効果的量または治療量以下の別の薬剤または療法と組み合わせた場合、2種の薬剤にいずれかが単独で使用される場合に比べて、大きな効果をもたらす量である。いくつかの実施形態では、薬剤または療法の相乗的に効果的な治療量または「相乗的に有効な」量は、2種の薬剤または療法が単独で使用される場合のそれぞれの相加効果よりも、組み合わせて使用される場合に、より大きな効果をもたらす。用語の「より大きな効果」は、治療される障害の症状の低減のみでなく、改善された副作用プロファイル、改善された耐容性、改善された患者の服薬遵守、改善された有効性、または任意の他の改善された臨床転帰も包含する。
用語の「同時投与」、「~と組み合わせた投与」およびそれらの文法的等価物は、2種以上の薬剤の対象への投与を含み、それにより、薬剤および/またはそれらの代謝物が対象中で同時に存在する。同時投与は、別々の組成物中に入れた同時投与、別々の組成物に入れて異なる時間での投与、または両薬剤が存在する組成物による投与を含む。同時投与薬剤は、同じ製剤中にあってもよい。同時投与薬剤は、異なる製剤中にあってもよい。
本明細書で使用される場合、「治療量」は、所望の治療効果および/または予防効果を誘発または促進するのに十分な物質(例えば、本発明の組成物)の量を包含する。予防効果は、疾患または状態の出現の遅延化または除去、疾患または状態の症状の発生の遅延化または除去、疾患または状態の進行の緩徐化、停止、または元に戻すこと、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。具体的には、本明細書で使用される場合、本組成物の「治療量」は、N.ゴノレアにより対象(例えば、ヒト)の感染の予防に成功するために十分な量である。
本明細書で使用される場合、「免疫学的有効量」という用語は、疾患を治療または予防するのに、および/または対象の内因性免疫応答に影響を与えるのに十分な量であるが、副作用または重度または過剰な免疫応答を生じさせない量である。正確な投与量は、投与される抗原および得るべき所望の効果に応じて大きく変化し得、患者の年齢、体重、健康状態、性別および目的の投与のいずれかの成分に対する感受性、投与経路、および種々の投与方法を含む医学およびワクチン学で既知の因子に従って当業者により容易に決定され得る。従って、本明細書で使用される場合、「免疫学的有効量」は、対象の臨床成績として望ましい所望の「免疫学的有効性」(例えば、疾患/感染症治療および/または予防)をもたらすのに十分な組成物の量である。「免疫学的有効量」は、秒、分、日、または年を含む一定の設定期間にわたり、1回または複数回の投与により投与され得る。
「治療量以下」の物質(例えば、本発明の組成物)またはその物質を用いた療法は、その物質の有効量未満の量または適用であるが、効果的量または治療量以下の別の物質または療法と組み合わせた場合、例えば、得られる効果的作用の相乗作用、または低減した副作用により、医師により所望される結果をもたらすことができる。
本明細書で使用される場合、表現「薬理学的に効果的担体」は、本発明の組成物の治療効果と干渉することなくそれら組成物の送達を促進する、ヒトでの使用に認可された、任意の担体を意味する。担体は、薬理的または治療作用を示さない不活性なビークルであるのが好ましい。
用語「薬学的に許容可能な塩」は、当該技術分野において周知の種々の有機および無機対イオン由来の塩を意味する。適切な薬学的に許容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸を用いて形成できる。塩を得ることができる無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、などが含まれる。塩を得ることができる有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、などが含まれる。適切な薬学的に許容可能な塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基を用いて形成できる。塩を得ることができる無機塩基には、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム、などが含まれる。塩を得ることができる有機塩基には、例えば、1級、2級、および3級アミン、天然起源置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、基礎的イオン交換樹脂、など、特に、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが含まれる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩から選択される。「薬学的に許容可能な担体」または「薬学的に許容可能な賦形剤」としては、限定されないが、ポリソルベート、ならびに高分子、より一般的には、増粘剤、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤、などが含まれる。特定の実施形態における例示的医薬製剤化方法および医薬品の製造方法は、米国特許出願公開第20030211046A1号;同第20030004182A1号;同第2002060356384号;同第20020015728A1号;米国特許第6,511,660号;同第6,406,745号;同第6,346,269号;同第6,039,977号;同第5,858,408号;同第5,631,023号;同第5,476,667号;同第5,044,091号;同第4,867,970号;および国際公開第0028969A2号に記載されている(これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。薬学的に活性な物質に対しこのような媒体および薬剤を使用することは、当該分野において周知である。いずれかの従来の媒体または薬剤が有効成分と相いれない場合を除き、本発明の治療組成物中へのその使用が意図されている。補充活性成分もまた、組成物に組み入れることができる。表現「薬学的に許容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、反応源性、またはその他の問題または合併症がなく、妥当なベネフィットリスク比に見合っており、対象(例えば、ヒト)における本発明の免疫原性組成物およびワクチンの投与による使用に好適する、物質、化合物、材料、組成物、および/または剤形をさらに意味する。
本明細書で使用される場合、用語の「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒトなどの動物を意味する。好ましい実施形態では、対象は哺乳動物であり、特に好ましい実施形態では、対象はヒトである。
用語の「インビトロ」は、対象の身体の外側で起こる事象を意味する。例えば、インビトロアッセイは、対象の外側で行われる任意のアッセイを包含する。インビトロアッセイは、生または死細胞が用いられる細胞ベースアッセイを包含する。インビトロアッセイはまた、未処理の細胞が用いられないセルフリーアッセイも包含する。
用語の「インビボ」は、対象の身体中で起こる事象を意味する。用語「インビボ」の限定された意味では、対象は、ヒト臨床試験での実施または承認された実験用途におけるヒトに加えて、実験動物(例えば、マウス、ラット、サル、イヌ、など)が含まれると理解される。
本明細書で使用される場合、用語の「試料」は、本発明の方法に従って試験またはアッセイに好適する、または疾患および/または培養した微生物の独自性を判定するための通常の分析および/または診断技術に好適する任意の試料を意味する。用語の「試料」は、細菌培養物に限定されることなく、収集された体液、滲出液、組織、細胞、および/または収集された微生物、ウィルス、プリオン、または種々の標準的手順により適切に取得され、処理、輸送および貯蔵された、上述のそれらの任意の部分またはサブユニットを記載するためにも使用できる。例えば、試料は、好適な貯蔵または輸送装置に貯蔵され、冷蔵、凍結、乾燥、希釈、培養、分割、継代、分離され、種々の添加物と混合され、スライド上に取り付けられ、一般的な分子または免疫学的な技術(例えば、増幅、塩基配列決定、免疫沈降、など)、または物理化学的技術(例えば、分光、電気泳動、クロマトグラフィー、顕微鏡、核磁気共鳴、など)に供され得る。
本明細書において値の範囲の列挙は、単に、本明細書で別段の指示がない限り、その範囲内に入る個別の各値を個々に表すことの簡略法として用いることを意図したものであり、個別の各値は、それが本明細書に個々に列挙されているかのうように本明細書に組み込まれる。
本明細書で記載の全ての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈上明らかに矛盾することがない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書に示される任意のおよび全ての例または例示的表現(例えば「などの」)の使用は、本発明をより明らかにすることを単に意図したものであり、別段の請求がなされない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に記載されているいずれの用語も、本発明の実施に不可欠であるいずれかの非請求要素を表すものとして解釈されるべきではない。
別に定めのない限り、本発明との関係で使用される科学技術用語は、当業者により一般的に理解されている意味を有するものとする。用語の意味および範囲は明確なであるべきであるが、しかし、何らかの潜在的意味不明瞭のある場合には、本明細書で提供される定義がいずれかの辞書または外来的定義より優先される。
本発明は、さらに容易に理解できるように、追加の選択用語は、以下に述べるように機能的に定義され得る。
本発明の説明
本発明は一般に、対象の淋菌感染症および/または淋病を治療および/または予防する組成物および方法に関する。本発明は、さらに、遺伝子配列の安定な組み込みにより、改変および/または非天然起源ナイセリアリポオリゴ糖を産生するように遺伝子改変された形質転換微生物宿主細胞(例えば、細菌細胞)の提供に関する。本発明は、またさらに、関連部分に、N.ゴノレア由来のリポオリゴ糖を含む免疫原性組成物およびワクチンに関する。好ましい実施形態では、これらの形質転換微生物宿主細胞は、代わりに、LOS産生系および/または構成細胞およびその細胞培養物と呼ばれる。
1.LOS抗原性構造物
N.ゴノレアリポオリゴ糖は、α、β、およびγ鎖と命名された3つのグリコースアンテナを含む抗原性複合体三分岐糖脂質分子である。本発明は、抗原性であるか、そうでないかにかかわらず、いずれか特定の機序、配列、または構造に限定されるものではないが、N.ゴノレアリポオリゴ糖の一般的構造は、例えば、Schneider H.,et al.,により考察され、従って、本明細書に組み込まれる。(Schneider H,“Expression of paragloboside-like lipooligosaccharides may be a necessary component of gonococcal pathogenesis in men,” J.Exp.Med.,174(6):1601-1605(1991)を参照)。図1および図2は、本発明により意図され、本明細書でより完全に考察される、可能な抗原組成物およびリポオリゴ糖構造を示す。
本発明の組成物は、免疫原性、およびより好ましくは、ワクチン性の(すなわち、予防または治療ワクチンとしての)、1種または複数のα、β、またはγ鎖、およびリピドA部分、ならびに任意選択で、限定されないが、アジュバント、腸溶コーティング、および/または抗原などの1種または複数の追加の成分を含む、LOS分子を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物は、α鎖およびリピドA部分をさらに含むLOS分子を含む。特定の他の実施形態では、本発明の組成物は、β鎖をさらに含むLOS分子を含む。またさらなる実施形態では、本発明の組成物は、γ鎖をさらに含むLOS分子を含む。より典型的な実施形態では、組成物は、α、β、およびγ鎖のそれぞれ1種、およびリピドA部分を含む。
本発明はいずれか特定の作用機序またはモードに限定されないが、血液からの淋菌性分離物により頻繁に作製されるβ鎖伸長の存在下では、mAb 2C7α鎖エピトープが最も強力に適合され、α鎖は、継代培養時に急速に失われるにしても、実質上全ての初代培養淋菌性培養物上に認められると考えられる。(Gibson BW,et al.,“Structure and heterogeneity of the oligosaccharides from the lipooligosaccharides of a pyocin-resistant Neisseria gonorrhoeae,” Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86(1):17-21(1989);Yamasaki R,et al.,“The structure of lipooligosaccharide produced by Neisseria gonorrhoeae,strain 15253 isolated from a patient with disseminated infection:Evidence for a new glycosylation pathway of the gonococcal lipooligosaccharide” J.Biol.Chem.,269(48):30345-30351(1994);Yamasaki R,et al.,“Structural and immunochemical characterization of a Neisseria gonorrhoeae epitope defined by a monoclonal antibody 2C7;the antibody recognizes a conserved epitope on specific lipooligosaccharides in spite of the presence of human carbohydrate epitopes,” J.Biol.Chem.,274(51):36550-36558(1999);およびChakraborti S,et al.,“Phase-variable heptose I glycan extensions modulate efficacy of 2C7 vaccine antibody directed against Neisseria gonorrhoeae lipooligosaccharide” J.Immunol.,196:4576-4586(2016)を参照)。
さらに、当業者は、LOS分子の特性を明らかにし、それにより、α、β、およびγ鎖構造を決定するために、別々にまたは組み合わせて使用される種々の方法、プロトコル、および技術(例えば、化学的、酵素的、NMR、など)が存在することを理解するであろう。(Yamasaki R,et al.,“Structural determination of oligosaccharides derived from lipooligosaccharide of Neisseria gonorrhoeae F62 by chemical,enzymatic,and two-dimensional NMR methods,” Biochemistry,30(43):10566-10575(1991)を参照)。
好ましい実施形態では、本発明の免疫原性、およびより好ましくはワクチンLOS組成物は、GalNAc-nLc4およびnLc4α鎖を含む。従って、いくつかの実施形態は、GalNAc-nLc4α鎖を有するLOS分子ならびにnLc4α鎖を有する分子を提供する。従って、本発明の最終組成物、すなわち、処方され、投与を意図される組成物は、好ましくは、下記を有するLOS分子を包含するように処方される:1)GalNAc-nLc4α鎖;または2)nLc4α鎖;または3)一定の比率のGalNAc-nLc4α鎖およびnLc4α鎖の両方を有する組み合わせ製剤。組み合わせ製剤が望ましい場合、好適な比率は、0.0001:99.9999,0.001:99.999,0.01:99.99,0.1:99.9,...0.5:99.50,...1:99,...5:95,...10:90,...25:75,...50:50、および同様に、50:50,...25:75,...10:90,...5:95,...1:99,...0.5:99.50,...0.1:99.9,...0.01:99.99,...0.001:99.999,...0.0001:99.9999、および任意のこれらの間の任意の比率から選択される比率で、それぞれに処方された、GalNAc-nLc4α鎖およびnLc4α鎖の両方を含む。
2.N.ゴノレア株F62
N.ゴノレア株F62は、特異的に、nLc4およびGalNAc-nLc4α鎖の両方を有するLOSを作る。(図5)。(Schneider H,et al.,“Stability of expression of Neisseria gonorrhoeae lipooligosaccharides.Infect Immun.,54(3):924-927(1986)を参照)。さらに図5には、株F62由来の銀染色LOSのSDS-PAGEゲルが示される。F62 lgtCはOOFであるが、そのポリG鎖は適切にプロモーターを分割し、それにより、IFである下流のlgtDは、再活性化され、強力に発現される。F62は、2つのLOS分子を作製し、1つは、nLc4α鎖(より速い移動性)を有し、1つは、GalNAc-nLc4α鎖(より遅い移動性)を有する。好ましい実施形態では、遺伝子改変LOS産生系(例えば、遺伝子改変細菌)は、従って、nLc4およびGalNAc-nLc4α鎖を有するF62 LOS分子を作製するように改変される。
好ましい実施形態では、本発明のLOS産生系は、無害共生ナイセリア種(例えば、N.ラクタミカ)から選択される。これらの実施形態のいくつかでは、好適な株N.ラクタミカは、本発明により意図される免疫原性(すなわち、ワクチン性)LOS nLc4およびGalNAc-nLc4α鎖グリコフォームを安定に発現するように遺伝子改変される。この場合、特定のグリコフォームは株F62のものと同じである、または実質的に類似している。
3.LOS産生系
特定の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、原核生物宿主細胞中、より具体的には、細菌宿主細胞中で産生される。しかし、本発明の特定の組成物は、原核細胞中で産生される代わりに、またはそれに加えて、真核細胞(例えば、真菌、酵母、など)中で産生されてもよい。いくつかの実施形態では、細菌宿主は、既知のナイセリアの共生種の1種または複数の細菌種から選択される。ナイセリアの10種の特定された種が存在し、これらの8種は、通常、健康な非免疫無防備状態の個体では非病原性である、ヒト共生生物として分類される。
本発明の組成物の産生は直接にN.ゴノレア中で可能であるが、好ましい実施形態では、N.ゴノレアはBSL2細菌であり、それは液体培地中で増殖が不十分であるというのが主な理由で、他の細胞がLOS産生系として利用される。
従って、特定の実施形態では、細菌性LOS産生系は、限定されないが、N.シネレア 、N.エロンガタ、N.フラヴェセンス、N.ラクタミカ、N.ムコサ、N.ポリサッカレア、N.シッカ、およびN.サブフラバを含む共生ナイセリア種から選択され、N.ペルフラバおよびN.フラバは、N.サブフラバの次亜種と見なされる。またさらなる実施形態では、最適の細菌宿主(すなわち、LOS産生系)は、N.ラクタミカ、N.シネレア、N.フラヴェセンス、N.サブフラバ、またはN.ペルフラバからなる共生ナイセリアから選択される。特に好ましい実施形態では、細菌宿主はN.ラクタミカを含む。N.ゴノレアに類似のN.ラクタミカは、グラム陰性双球細菌である。しかし、厳密に言えば、N.ラクタミカは、ヒト鼻咽頭にコロニー形成する共生種である。それは特に幼児に一般的で、健常な胎盤マイクロバイオームの一部を形成する。N.ラクタミカによるコロニー形成は、極めて希に、重度免疫障害を持つ個体においてのみ、侵襲的疾患に繋がる。本発明の関連LOS抗原(例えば、N.ゴノレアF62 LOS)発現させるための共生ナイセリア株の遺伝子改変は、商業規模ワクチン製造のために必要な大量の淋菌を増殖することの難しさに対する解決策を提供する。
N.ラクタミカの製造は、他の可能なLOS産生系に比べて、いくつかの追加の利点を有することが考えられる。無害の共生生物であるべきであることに加えて、N.ラクタミカのエンドトキシン部分はlptA遺伝子を欠失させることにより、さらに弱めることができる。
N.ラクタミカはまた、大量生産のために液体培養で増殖させることができ、ほとんどの細菌株は、nLc4α鎖を有し、lgtDを欠くLOSを作製出来る。(Kim JJ,et al.,“Neisseria lactamica and Neisseria meningitidis share lipooligosaccharide epitopes but lack common capsular and class 1,2 and 3 protein epitopes,” Infect.Immun.,57(2):602-608(1989);およびStein DC,et al.,“Sequence-based predictions of lipooligosaccharide diversity in the Neisseriaceae and their implication in pathogenicity,” PLoS One 6(4):e18923(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3078933/pdf/pone.0018923.pdf)を参照)。それにもかかわらず、N.ラクタミカ中のGalNAc-nLc4α鎖合成に必要な遺伝子隣接領域は通常、高度に保存されている。
さらに、N.ラクタミカは、コリスチン耐性であり、淋菌選択培地で良好に増殖し、グルコース、マルトース、およびラクトースから酸を産生するその能力、ならびにベータガラクトシダーゼを産生するその能力を特徴とする。N.ラクタミカは、ラクトースからベータガラクトシダーゼおよび酸を産生するナイセリアの唯一の種であるが、N.ラクタミカの1種のラクトース非代謝性株が存在することが知られている。増殖培地必要条件は通常、種々のナイセリア種で類似である(例えば、Mueller Hinton medium,Thayer-Martin medium,American Type Culture Collection(“ATCC”)Medium 814:GC Agar/Broth Medium,or Columbia Blood Media 693)が、それぞれの種は、識別および特定のために使用できるわずかに異なる栄養プロファイルを有する。N.ゴノレア、髄膜炎菌(N.meningitidis)、およびN.ラクタミカを含む多くのナイセリア種のための栄養必要条件は、以前に記載した。(Thayer JD and Martin JE,“A selective medium for the cultivation of N.gonorrhoeae and N.meningitidis,” Public Health Rep.,79(1):49-57(1964);Thayer and Martin,“Improved medium selective for cultivation of N.gonorrhoeae and N.meningitidis,” Public Health Rep.,81(6):559-562(1966);およびB.W.Catlin,“Nutritional Profiles of Neisseria gonorrhoeae,Neisseria meningitidis,and Neisseria lactamica in Chemically Defined Media and the Use of Growth Requirements for Gonococcal Typing,J.Infect.Dis.,128(2):178-194(1973)を参照)。
特定の好ましい実施形態では、増殖培地は、細菌の特定種(例えば、N.ラクタミカ)を選択的に維持させるために、補充され(例えば、鉱物、アミノ酸、ペプトン、ヘモグロビン、糖、塩、および/または抗生物質、などで)、CO濃縮雰囲気(例えば、3~7%CO)下、37℃またはその近傍で保持された、液体ブロスとして優先的に供給される。
N.ラクタミカのいくつかの株が、少なくとも部分的に、配列決定され、および/または生存培養物として入手可能である。これらには、限定されないが、次記が含まれる:N.ラクタミカ ST640(Wellcome Trust Sanger Institute,Hinxton,UK,ftp://ftp.sanger.ac.Uk/pub/pathogens/Neisseria/lactamica/);N.ラクタミカ Y92-1009(K.Anish,et al.,“Neisseria lactamica Y92-1009 complete genome sequence,”Standards in Genomic Sci.,12(41):1-9(2017));およびN.ラクタミカ Hollis et al.,Strains ATCC 23970,23971,23972/NCTC 10617,10618,10616(アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(“ATCC”),Manassas,VAおよび英国国家基準培養株コレクション(“NCTC”),英国公衆衛生庁,Salisbury,UK)。
共生細菌種が本発明の改変LOS組成物の製造に使用される場合、好ましくは、細胞はN.ラクタミカ種の好適な株由来であり、より好ましくは、株は、遺伝子改変され、および/または:1)低脂質リン酸置換;2)低炎症性プロファイル;3)液体培地中で良好な増殖;および4)高レベルの免疫原性淋菌リポオリゴ糖(例えば、N.ゴノレア株F62 GalNAc-nLc4およびnLc4α鎖)を発現するように遺伝子改変されるために十分な遺伝子変異性、を示すように選択されている。
共生ナイセリアの種(例えば、N.ラクタミカ、N.シネレア、またはN.フラヴェセンス)が本発明のLOS組成物の製造のために選択される場合に好ましい方法では、株は、lptA遺伝子および/または対応するオペロンの一部、または実質的に全ての欠失を含むように遺伝子改変されている。これらの実施形態では、LOS産生系細胞は、共生ナイセリアのΔlptA株を含み、より好ましくは、N.ラクタミカ、N.シネレア、またはN.フラヴェセンスのΔlptA株を含む。一般に、好適な低脂質リン酸置換および/または低炎症性のプロファイルを有すると考えられるLOS産生系の細胞に寄与する因子としては、限定されないが、TLR4を介したシグナル伝達での機能的変化の観察および/または炎症性サイトカインの発現、および/またはヒトTHP-1細胞中のTNFαの誘導に繋がる関連部分における、ピロリン酸化および/またはリピドA部分のホスホエタノールアミニル化の不足(または意図されたその低減)が挙げられる。(例えば、John CM,et al.,“Lack of Lipid A Pyrophosphorylation and Functional LptA Reduces Inflammation by Neisseria Commensals,” Infect.Immun.,80(11):4014-4026(2012)を参照)。特定の実施形態では、脂質リン酸は、好ましくは、1~3リン酸であり、より好ましくは、2リン酸である。
ナイセリア種(例えば、N.ラクタミカ)由来の発現産物の炎症性プロファイルの選択および/または定量化方法は、当技術分野で既知である。例えば、100ng/mLのLOSと共に18時間のインキュベーション後、400~1000pg/mLのTNFαがヒト単球性白血病細胞株のTHP-1の104から放出される。(例えば、Fowler Ml,et al.,“Comparison of the Inflammatory Responses of Human Meningeal Cells following Challenge with Neisseria lactamica and with Neisseria meningitidis,” Infect.Immun.,74(11):6467-6478(2006);John CM,et al.,“Lack of Lipid A Pyrophosphorylation and Functional LptA Reduces Inflammation by Neisseria Commensals,” Infect.Immun.,80(11):4014-4026(2012);およびJohn CM,et al.,“Natural phosphoryl and acyl variants of lipid A from Neisseria meningitidis strain 89I differentially induce tumor necrosis factor-a in human monocytes”,J.Biol.Chem.,280:21515-21525(2009)を参照)。
本発明は、LOS産生系(例えば、細菌宿主細胞)が、選択され、またはそれに続いて改変され、液体増殖培地中で良好な増殖特性、例えば、30~60分の産生時間、および好ましくは45分の産生時間を示すことをさらに意図している。
4.遺伝子改変共生ナイセリアおよび産生株の形質転換
本発明は、1種または複数の安定に形質転換された共生ナイセリア種を提供する。好ましい実施形態では、共生生物株は、N.ラクタミカを含み、目的とする、高信頼性、安全で、効率的なLOS抗原の産生のために、株中に組み込まれた機能的lgtA~Eオペロンをさらに含む。より具体的には、本発明は、F62 nLc4およびGalNAc-nLc4α鎖を含むLOSを作製するために使用される安定に形質転換された共生ナイセリアを提供する。
共生ナイセリア種の形質転換(すなわち、遺伝子改変)は、次の文献に記載の種々のプライマーおよび方法の1種または複数、およびその中に記載の配列、より具体的には、表1で与えられる例示的配列を用いて行われるのが好ましい:1)Cheng H,et al.,“Human lipooligosaccharide IgG that prevents endemic meningococcal disease recognizes and internal lacto-N-neotetraose structure,” J.Biol.Chem.,286:43622-43633(2011);2)Braun and Stein DC “The lgtABCDE gene cluster,involved in lipooligosaccharide biosynthesis in Neisseria gonorrhoeae,contains multiple promoter sequences,” J.Bacteriol.,186:1038-1049(2004);3)Song W,et al.,“Role of lipooligosaccharide in opa-independent invasion of Neisseria gonorrhoeae into human epithelial cells,” J.Exp.Med.,191(6):949-59(2000);4)Burch CL,et al.,“Antigenic variation in Neisseria gonorrhoeae:production of multiple lipooligosaccharides,” J.Bacteriol.,179(3):982-986(1997);5)Danaher RJ,et al.,“Genetic basis of Neisseria gonorrhoeae lipooligosaccharide antigenic variation,” J.Bacteriol.,177(24):7275-7279(1995);6)Gotschlich EC,“Genetic locus for the biosynthesis of the variable portion of Neisseria gonorrhoeae lipooligosaccharide.” J.Exp.Med.,180(6):2181-2190(1994);および/または、7)Schneider HA,et al.,Heterogeneity of molecular size and antigenic expression within lipooligosaccharides of individual strains of Neisseria gonorrhoeae and Neisseria meningitidis,” Infect.Immun.,45(3):544-549(1984)。
Figure 2022541757000002
これらの遺伝子改変方法の1つの意図された態様は、N.ゴノレア株(例えば、F62)由来のlgt遺伝子クラスターの増幅、およびlgtA、lgtCおよびlgtDコード配列の改変を含む。これらの遺伝子改変方法のさらに意図された態様は、スリップを防止するために、2つ置きにグアニンヌクレオチドを代替ヌクレオチドで置換することにより生成され、優先的に、その後に続く翻訳タンパク質産物に対する変化を回避、または最小化し、それにより、lgtA、lgtCおよびlgtDが位相不変になるように、固定されたポリグアニン鎖の提供を含む(例えば、GGGGGGGGGがGGCGGAGGTになる)。これらの遺伝子改変方法のまたさらなる態様では、lgtC内で見出される内部プロモーターが、lgtD発現を促進(例えば、強く促進する)するように改変される。
好ましい実施形態では、JS GunおよびDC Steinにより記載されたスポット形質転換法を用いて最終アンプリコンが共生ナイセリア種(例えば、N.ラクタミカ)中に導入される。(Gunn JS and Stein DC,“Use of a non-selectable transformation technique to construct a multiple restriction modification deficient mutant of Neisseria gonorrhoeae,” Mol.Gen.Genet.,251(5):509-517(1996))。GunnおよびStein法は、抗生物質選択を使用する必要なしに、DNA配列変化をナイセリア染色体中に導入することを可能にする。この方法を用いて、抗生物質耐性カセットの挿入により生ずることがある極性効果、抗生物質耐性カセットの入手可能性、および/または製造のための抗生物質耐性生物の使用に伴う共通の問題と関係なく、所定の染色体の変化を有するLOS産生株を構築できる。
DNA塩基配列決定法が、産生株に対する目的の改変を検証するために使用される。同様に、Songら(Song W,et al.,前出)に記載の方法に従って、SDS-PAGE/mAb 1-1Mを用いたウェスタンブロット分析がGalNAc-nLc4α鎖の安定な発現を検証するために使用される。
ナイセリアLOSの反応源性は、一部は、リポイド部分(lipoidal moiety)へのPEAの付加により媒介され、LptAにより触媒される(Zariri A,et al.,“Modulating endotoxin activity by combinatorial bioengineering of meningococcal lipopolysaccharide,” Sci.Rep.,6:36575(2016))。共生ナイセリア種中で唯一、N.ラクタミカ株のみが機能的lptAを有し、それらのリピドAはホスホエタノールアミニル化されている。(John CM,et al.,“Lack of lipid A pyrophosphorylation and of a functional lptA reduce inflammation by Neisseria commensals,” Infect.Immun.,80(11):4014-4026(2012))。好ましい実施形態では、病原性ナイセリアのLOSリピドAは、2~3Pおよび1~2PEAで置換され、リン酸化は、LOSおよび細菌両方の炎症の潜在能力と相関する。いくつかのN.ラクタミカ株のリピドAは、高度にリン酸化され、中程度に炎症性である。従って、本発明は、LOS産生系の一部として、高質量分解能質量分析を用いて、種々のN.ラクタミカ株のスペクトルからリピドAのホスホフォームを識別することを考えている。(John CM,et al.,“Lack of Lipid A Pyrophosphorylation and Functional LptA Reduces Inflammation by Neisseria Commensals,” Infect.Immun.,80(11):4014-4026(2012)を参照)。
LOS産生系株選択の一部として、既知のDNA塩基配列決定法(例えば、PCR)を用いて、候補共生ナイセリア(例えば、N.ラクタミカ)のlptA状態を決定するすることをさらに考えている。(例えば、Zariri A,et al.,supra and John CM,et al.,前出)。候補LOS産生株がlptAを含む場合には、上述のスポット形質転換法を使用して遺伝子が欠失される。
5.LOS生合成
本発明は、いずれかの特定の作用機序またはモードに限定されないが、LOS生合成は、主に、上流および内部プロモーターにより促進される5つの遺伝子からなるlgtA~Eオペロンにより調節されると考えられている。(図3参照)。図3に示すオペロンのサイズは、約5.8kbである。lgtEおよびlgtBは、nLc4基底ラクトースおよび端末LacNAcをそれぞれ完成させるガラクトシルトランスフェラーゼをコードし、それらは不変である。他の3つの遺伝子、lgtA、lgtCおよびlgtDは、それぞれホモポリマーグアニン(ポリG)鎖を有し、DNA複製中にスリップストランド誤対合を生じる。その結果、これらの遺伝子がスリップしてインフレームおよびアウトオブフレームになり、それらがコードする酵素(グリコシルトランスフェラーゼ)は、機能し得るか、機能し得ない。これらのスリップストランド誤対合は、異なるLOS化学種を産生する。lgtCで見出された内部プロモーターのプリブノーボックスの二等分間のポリG鎖の位置決めは、同様にLOS生合成に影響を与える。(Braun DC and Stein DC,“The lgtABCDE gene cluster,involved in lipooligosaccharide biosynthesis in Neisseria gonorrhoeae,contains multiple promoter sequences,” J.Bacteriol.,186(4):1038-1049(2004)を参照)。グアニンの数が強力プロモーターに最適である場合には、これは下流の促進の増大をもたらす。これは、5つのみの遺伝子の使用で、大きな生合成の柔軟性および複数のLOS構造を作る能力を細菌に与える。および、それは、女性尿生殖路および男の尿道などの特定の生物学的微小環境中で淋菌が小進化を受けるのを可能とする。当業者は、これらの特徴、およびその他のものを考慮して、利益を受けるように最適LOS産生系を遺伝子改変する。
図4は、図3と比較して、Braun DCおよびStein DCに記載のナイセリアlgtオペロンの例示的構成のより詳細な提示である。より具体的には、図4の図は、元々はNCBI受入番号U14554でGotschlichにより発表されたlgt遺伝子クラスターのDNA配列から誘導した。図4に与えられた配列番号は、その受け入れ資料に記載のものに対応する。図4で特定された特徴は、次のように示される:a1、glyS停止コドン;a2、lgtC停止コドン;b、BsrGI制限酵素部位;c、転写終結配列として機能し得る潜在的ステムループ構造;d、推定リボソーム結合部位;e1、推定lgtA開始コドン;およびe2、推定lgtD開始コドン。(Gotschlich EC,“Genetic locus for the biosynthesis of the variable portion of Neisseria gonorrhoeae lipooligosaccharide.” J.Exp.Med.,180(6):2181-2190(1994)を参照)。
6.LOS精製
一実施形態では、WestphalおよびJann(Bacterial lipopolysaccharides.Extraction with phenol-water and further application of the procedure,p.83-91.In R.L.Whistler(ed.),Methods in carbohydrate chemistry,Vol.5,Academic Press Inc.,New York,NY(1965))により記載された熱フェノール・水抽出法の修正された方法(Apicella MA,Griffiss JMcL and Schneider H,“Isolation and characterization of lipopolysaccharides,lipooligosaccharides,and lipid A,” Methods Enzymol.235:242-252(1994)を参照)を用いて、免疫原性組成物(すなわち、GalNAc-nLc4およびnLc4α鎖を含むF62 LOS)が、産生系から抽出および生成される。。精製されたLOSは、ゲル電気泳動、モノクローナル抗体を用いたウェスタンブロットおよび質量分析により特性解析される(Schneider,et al.1991,前出,Apicella,et al.,前出,およびJohn CM,et al.,前出)。
7.N.ゴノレア感染中の性特異的LOS IgG誘導
本発明は、いずれかの特定の作用機序またはモードに限定されないが、保護LOS免疫応答は、男性と女性の間で変わると考えられる(すなわち、淋菌感染中の性特異的保護LOS IgG誘導)。好ましい実施形態では、本発明は、男性および女性両方の淋菌感染症および/または淋病を予防(または治療)するために大いに効果的であるワクチン組成物を提供する。他の実施形態では、男性または女性の免疫応答および淋病病因に合わせて調製されているワクチン製剤が提供される。
未発表研究では、Schneiderは、女性由来の初代淋菌分離株の10/12(83%)は、GalNAc-nLc4α鎖を有するLOSを生成し、これに比べて、同じ医院であるが既知の配偶者ではない、男性由来の分離株は19/37(51%)であることを見つけた。これらの女性由来の分離株によるGalNAc-nLc4α鎖を有するLOSの発現は、継代培養では失われる。(Schmidt KA,et al.,“Experimental gonococcal urethritis and reinfection with homologous gonococci in male volunteers,” Sex Transm.Dis.,28(10):555-564(2001);およびSchneider H,et al.,“Expression of paragloboside-like lipooligosaccharides may be a necessary component of gonococcal pathogenesis in men,” J.Exp.Med.,174:1601-1605(1991)を参照)。対照的に、GalNAc-nLc4α鎖は、淋病の男性の分泌物中の多核白血球内の淋菌によっては、めったに作製されないことが、さらに明らかになった。(McLaughlin SE,et al.,“Urethral exudates of men with Neisseria gonorrhoeae infections select a restricted lipooligosaccharide phenotype during transmission,” J.Infect.Dis.,206(8):1227-32(2012)を参照)。lgtA、lgtCおよびlgtDは、尿道滲出液の診断用スライドから掻き落とした淋菌から増幅し、それらのポリグアニン鎖の配列を決定した。nLc4 LacNAcを開始するグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするlgtAは、男性の尿道由来の細菌のインフレーム(IF)であるが、lgtCはアウトオブフレーム(OOF)である。nLc4にGalNAcを付加するガラクトサミニルトランスフェラーゼであるlgtDのフレームは、広範に変化する:それはほとんどOOFであるが、全ての症例でそうであるわけではない。この遺伝子型は、最も多いnLc4α鎖の合成をもたらし得る。
しかし、少数の細菌中の活性lgtDは、女性頸部上皮細胞のGalNAc-nLc4α鎖を有する細菌内で複製を可能とし得る。
従って、本発明は、女性を保護するために、男性尿道中で淋菌により作製された(すなわち、尿道分泌物)nLc4α鎖を結合するIgGを誘導し、および同様に、男性を保護するために、女性子宮頸部から放出された淋菌により作製されたGalNAc-nLc4α鎖を結合するIgGを誘導する効果的淋菌LOSワクチンを提供することを意図している。好ましい実施形態では、本発明の免疫原性、およびより好ましくはワクチン組成物は、GalNAc-nLc4およびnLc4α鎖の両方を含む。従って、特定の実施形態は、GalNAc-nLc4α鎖ならびにnLc4α鎖を含むLOS分子を提供する。
好ましい一実施形態では、本発明は、LOS IgGプロファイリングのためのLUMINEX(登録商標)(ThermoFisher Scientific,Waltham,MA)プラットフォームに基づいて多重化間接免疫蛍光アッセイを使用する方法を提供する。(Pickering JW,et al.,“A multiplexed fluorescent microsphere immunoassay for antibodies to pneumococcal capsular polysaccharides,” Am.J.Clin.Pathol.,117:589-596(2002)を参照)。この特定のアッセイは、5個のLOSα鎖抗原の4個、nLc4、nLc3、Lc2およびβ-Glcに特異的な抗体を結合する免疫蛍光マイクロスフェアを充填するために1291a~eと命名された淋菌株1291(図6)のピオシン-選択変異体由来LOSを使用する。(Cheng H,et al.,2011,前出; Braun DC and Stein DC,2004,前出、およびMcLaughlin SE,2012,前出、も参照されたい)。好ましい実施形態では、抗ヒトIgGが検出抗体として使用される。図6は、1291変異体により作製されたLOSのSDS-PAGEを示し、列データは、左から右へ、変異体:1291、1291a、1291b、1291c、1291d、および1291eである。
1291変異体は、α鎖中に単一グリコース欠失を含むLOSを作る。(図6参照)。対照的に、1291wtはnLc4α鎖を作るが、GalNAc-nLc4α鎖は作らない;1291aはnLc3α鎖を作る(nLc3はラクト-N-ネオテトラオースであり、nLc4端末Galを含まない);1291bはGb3α鎖を作る(尿道分泌物PMN内で淋菌によっては作られない)(McLaughlin SE,2012,前出);1291cはLc2α鎖を作る(ラクトース、図2);および1291eはβ-Glcα鎖およびα鎖を有さないLOSを作る(Cheng H,et al.,2011,前出)。Cheng Hらは、1291変異体の詳細考察を提供している。アッセイは、淋菌感染した人との接触者として報告されたBaltimore City Health Departmentのクライアントの血清中のnLc4、nLc3およびLc2α鎖に特異的なLOS IgGを定量することによりさらに検証された。(McLaughlin SE,et al.,“Risk of gonococcal infection during vaginal exposure is associated with high vaginal pH and active menstruation,” Sex.Transm.Dis.,46:86-90(2019)を参照)。
好ましい実施形態では、本発明は、291wt LOSを結合するIgGは、全ての1291wt抗原を結合する総IgGを表すことが意図されている。nLc4端末Gal残基に特異的なIgGを定量するために、1291a(nLc3)LOSに結合するIgGを1291wt LOS IgGから差し引いた。さらに、nLc3内部GlcNAc残基に特異的なIgGを定量するために、1291c(Lc2)LOSに結合するIgGを1291a LOS IgGから差し引いた。結果を表2に示す。単位はμg/mLである。表2は、本発明のこの態様で使用したアッセイの精度を示す。
Figure 2022541757000003
nLc4端末Gal(nLc4-nLc3)に特異的なIgGの濃度(μg/mL)、nLc4 LacNAc(nLc3-Lc2)の内部GlcNAcおよびラクトースα鎖および基底PEA-ジヘプトシド糖脂質およびγ鎖GlcNAc(Braun DC and Stein DC,2004,前出;およびSchneider H,1991,前出)は合計して、天然の1291wt LOS(nLc4)により結合された濃度になる-28.54対28.62および21.37対21.37。
表2はまた、急性淋菌感染症中のLOS IgG抗体の誘導も示す。免疫応答が新規抗体を産生する前の、露出の7日以内の感染接触者の血清中の4種の特異的濃度は、7日後の感染接触者の血清中の値未満であった。本発明はいずれか特定の感染症または疫学に関連する理論に限定されないが、これらのデータは、初期の治療が、保護抗体の誘導を妨げることにより再発性の一因となるという仮設を裏付ける。
本発明のさらなる実施形態では、1291e、F62および15253 LOSをマイクロスフェアに結合させ、それらをアッセイに組み込むことによるGalNAc-nLc4およびmAb 2C7抗原に特異的なIgGが含まれる。(Yamasaki R,et al.,1991,前出、およびYamasaki R,et al.,1994,前出、を参照)。N.ゴノレア株F62は、ほぼ同じ存在量のnLc4およびGalNAc-nLc4α鎖を有するLOS分子を作り;15253は、短縮された、並行β-ラクトースα鎖およびα-ラクトースβ鎖を有するLOSを作る;それは、mAb 2C7を強く結合する。GalNAc-nLc4α鎖 IgGを定量するために、1291wt LOS(nLc4)により結合されるIgGの濃度は、F62 LOSに結合したものから差し引かれる。
本発明の方法のさらに他の実施形態では、mAb 2C7様IgGは以下の2種の方式で定量される:1)1291c LOS(Lc2)を結合する濃度から、1291e LOS(β-Glc α鎖および基底抗原)を結合する濃度を差し引くことにより;および2)15253 LOSを結合する濃度から、1291e LOSを結合する濃度を差し引くことにより。15253 LOSのαおよびβ鎖は、ラクトースで短縮されている(図2)ので、それらは、遠位nLc3、nLc4およびGalNAc-nLc4α鎖を結合しない。
8.アジュバント化
好ましい実施形態では、本発明の免疫原性および/またはワクチン組成物は、任意選択で、目的の対象における投与された組成物の免疫応答または免疫調節性効果を高める手段として、1種または複数のアジュバントまたはアジュバント系をさらに含む。本発明の組成物は、配位結合、共有結合、親水性結合、または疎水性結合により、アジュバントに結合(例えば、化学的結合)させることができる。結合は、任意選択で、アジュバントもしくは免疫原性組成物上の活性化部分または化学基を介して、および少なくとも一部は、フルオリド、ホスフェート、サルフェート、カーボネート基、などの反応性基または部分を介して、または1つまたは複数リンカー分子を介して、進行し得る。これらの実施形態のいくつかでは、本発明の組成物は、選択されたアジュバントに吸収され、一方、他の実施形態では、組成物はアジュバントに吸着される。しかし、本発明は、組成物と選択アジュバントおよび/またはアジュバント系との間の結合方法により限定されることを意図していない。
好適なアジュバントの例としては、限定されないが、アルミニウム塩、3D-MPL、限定されないが、AS03、AF03、AF04、MF-59、およびQS21を含む水中油型エマルションが挙げられる。好適な水中油型エマルションには、αトコフェロール、スクアレン、およびポリソルベート、TWEEN(登録商標)(例えば、20、80、など、Sigma Aldrich,St.Louis,MO)、SPAN(登録商標)(例えば、20、60、80、85、など、Sigma-Aldrich)、などが含まれる。
特に好ましい実施形態では、アジュバントは、水酸化アルミニウム、アルミニウムオキシ水酸化物、水酸化リン酸アルミニウム、ヒドロキシリン酸硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、またはミョウバン(リン酸カリウムアルミニウム)またはこれらの組み合わせを含むアルミニウムアジュバントなどの1種または複数の金属アジュバントを含む。アルミニウムに加えて、他の金属塩が抗原を吸着させるために使用されており、これらには、亜鉛、カルシウム、セリウム、クロム、鉄、およびベリリウムの塩が含まれる。さらに、これらの金属塩は、いくつかの実施形態で利用される。アルミニウムの水酸化物およびリン酸塩は、最もよく使われるアジュバントであり、従って、広範に研究され、総じて、世界中の監督官庁により使用を認可されている。
オキシ水酸化アルミニウムアジュバントの使用は本発明の組成物に特に好ましいが、必要と言うわけではない。当業者は、限定されないが、レシピエントでの所望の免疫応答、起こり得る抗原/アジュバント相互作用、および免疫原性に関連する起こり得る問題(例えば、効力、Th1/2バイアス)、処方の容易さ(例えば、吸着、電荷)、精製、最終製剤の配布と貯蔵、法規制の適合性、などを含む各種要因を考慮して、好適なアジュバント/アジュバント系を選択するであろう。
水中油型エマルション(例えば、スクアレン)を含むいくつかの実施形態では、最終製剤は、エマルションの疎水的性質に起因して所望の安定性を欠く可能性がある。従って、いくつかのこれらの実施形態では、ツイーン(登録商標)80および/またはSPAN(登録商標)85などの1種または複数の非イオン性界面活性剤乳化剤を用いて、安定なエマルションが調製される;この場合、2相は別々に調製された後、混合してエマルションが作製される。これらの製剤中の所望の均一性(例えば、サブミクロン粒径)、例えば、<0.2μm、好ましくは、40~80nm(0.04~0.08μm)は、マイクロ流動化、剪断力、および/または温度誘発性相反転を含む標準的方法により得られる。これらの方法では、ターミナル濾過により滅菌でき、冷蔵して、または冷蔵しないで投与できる状態で保存できる製剤が得られる。特定の実施形態では、スクアレンアジュバントを含む製剤は、スクアレンの酸化を遅らせるために、低温で貯蔵(または冷蔵保存)される。エマルション含有製剤の安定性は、光散乱(DLS)、ゲル電気泳動、および/またはELISAなどの標準的方法で監視できる。
9.効力および免疫原性
いくつかの実施形態では、正に帯電した水酸化アルミニウムアジュバントから、負に帯電したリン酸アルミニウムまでの範囲の一連の荷電アルミニウム表面を生成することにより、吸着および非吸着されたLOSの効力を比較できる。水酸化アルミニウムアジュバントは、アジュバントの表面電荷を低減させるために、漸増量のリン酸イオンで処理できる。溶液中のリン酸は、表面電荷の変化を生じさせるアルミニウムに対するより高い親和性のために、水酸化アルミニウムアジュバントの表面ヒドロキシルと交換できる。(例えば、Iyer S,et al.,“Effect of the degree of phosphate substitution in aluminum hydroxide adjuvant on the adsorption of phosphorylated proteins,” Pharm.Dev.Technol.,8(1):81 -86(2003);およびHansen B,“Relationship between the strength of antigen adsorption to an aluminum-containing adjuvant and the immune response,” Vaccine,25(36):6618-6624(2007)を参照)。好ましい実施形態では、これらのアジュバント表面のそれぞれを有する種々の配合物が調製され、限定されないが、DLS、ゲル電気泳動、および/またはELISAを含む標準的方法を用いて、加速条件下(例えば、高温)で吸着安定性が経時的に監視される。
10.製剤濾過
アルミニウム含有アジュバントを含む製剤配合物(例えば、免疫原性組成物およびワクチン)は通常、0.2μmより大きいアジュバントの粒径のために、標準的方法を用いて滅菌できない。アルミニウム含有アジュバントを有するワクチンを調製するために使用される材料は、従って、アジュバント化の前に優先的に滅菌され、その後、最終配合および充填工程中は、無菌で取り扱われる。
製剤配合物の成分は、処理中にフィルター膜材料と相互作用する場合があるので、これらの相互作用のいずれかが最終製剤(例えば、ワクチン)に有害な影響を与えるかどうかを判定する必要がある。従って、製造中に使用される好ましい方法は、限定されないが、濾過中に失われた抗原(例えば、GalNAc-nLc4およびnLc4α鎖)の量の定量化、フィルターに充填する前の効果的に濾過された製剤の量の特定、およびフィルターの生物学的混入物(例えば、微生物生命体)および濾過中に望ましくない他の化合物を含むいくつかの製剤パラメーターを考慮および監視する。同様に、理想的配合物は、pHおよび任意の緩衝液またはそれに使用される賦形剤の考察に基づいて、それらの安定性と有効性が最適化される。好ましい一実施形態では、LOS抗原は、20mMのコハク酸、130mMのNaCl中に溶解され、約pH6.5に調節され、本明細書記載の方法および当該技術分野において既知の方法によりさらに調製される。
特定の製剤では、再構成される場合(例えば、ミセルとして)、分離された淋菌性LOSが凝集状態で得られる。ミセル形成は、約0.02%のポリソルベート型非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート20)を添加することにより低減できる。ミセル調合されたLOS分子はその後、1種または複数の好適なタンパク質担体と配合され(例えば、複合化、凝集、など)、所望のレベルの免疫原性が達成される。
11.pH安定化
好ましい実施形態では、バルク製剤は、緩衝食塩水中、約pH5~約pH9で精製される。バルク製剤のpH安定性は、DLS、ゲル電気泳動、ELISA、およびエンドトキシン活性アッセイなどの一般的方法を用いて測定される。好ましくは、最終製剤(例えば、免疫原性組成物および/またはワクチン)は、体液と等張性である。従って、バルク/最終製剤のpHは、塩および糖または糖アルコール(例えば、塩化ナトリウム、スクロース、ソルビトール、マンニトール、など)または界面活性剤(例えば、ポリソルベート80、トリトン(商標)x-100(Sigma-Aldrich)、またはデオキシコール酸(「DOC」)など、およびアミノ酸などの安全と通常見なされている1種または複数の薬剤(すなわち、GRAS)で調節される。好ましい実施形態では、緩衝剤/浸透圧調節物質のバルク製剤の物理的安定性および/または免疫原性に対し生じ得る影響が充填前に実験的に測定される。
DOCは、バルク/製剤配合物中に含めて、LOS分子のエンドトキシン部分の反応源性を有利に低減できる。従って、特定の実施形態では、緩衝剤は、DOCを含む。
アミノ酸はまた、特定の配合物では安定剤としての使用に好適する。特に、リシン、ヒスチジン、グリシン、アルギニン、プロリン、アスパラギン酸およびポリリシン、およびこれらの組み合わせは、特定の実施形態で使用するようにさらに意図されている。ポリリシンはまた、LOS分子のエンドトキシン部分に結合でき、起こり得る反応源性を低減または最小化できる。
産生中、最終/バルク製剤配合物は、種々の温度条件下で(例えば、25℃、37℃から45℃まで)貯蔵され、その後、DLS、ゲル電気泳動、ELISA、およびエンドトキシン活性測定などの一般的的方法を用いて経時的に監視される。高温貯蔵が抗原の分解を促進するため、適切な安定化剤選択を支援することが意図されている。同様に、DLS分析を用いて、抗原凝集が検出され、他方、ゲル電気泳動およびELISAを用いて抗原安定性が監視される。
12.免疫原性アッセイ
好ましい実施形態では、最終または候補製剤の効力は、通常1種または複数のインビボおよび/またはインビトロ方法を用いて測定される。これらの実施形態の1つでは、本発明は、マウスでのインビボ試験を考えており、試験動物は、吸着性または非吸着性配合物を1種または複数の当該時間(例えば、0日目、および14日目)に投与される。血清が動物から集められ(例えば、28日目)、標準的ELISA技術を用いて得られた免疫応答が評価される。
本発明のより具体的態様では、マウスは、高、中、または低用量の最終製剤またはアルミニウムまたは水中油型エマルションアジュバントを含む候補配合物を受け、組成物のプライム用量は、0日目に送達され、14日目にブースター用量が送達される。血清が28日目に収集され、抗体応答が分析され、標準的プロトコルによるTh1/Th2バイアスのいずれかが測定される。アルミニウムアジュバント添加製剤は、Th2バイアス応答を生成するが、エマルションアジュバント添加系は、より多くのTh1バイアス応答を生成すると考えられている。
本発明のさらに他の態様では、N.ラクタミカ中で産生された最終製剤または候補配合物に対する免疫応答がN.ゴノレア株F62で産生されたLOS抗原に対し比較される。例えば、一実施形態では、C57BL/6マウスに、0日目およびお14日目にN.ラクタミカまたはN.ゴノレアから産生されたLOSで処方されたワクチンが投与される。血清が28日目に集められ、得られた免疫応答がELISAにより評価され、マルチプレックスアッセイにより確証される。
13.例示的医薬処方、追加の成分、ならびに投与および投薬上の考慮すべき事項
本発明の実施では、別途記載のない限り、当該技術分野で周知の医薬処方および/またはワクチン処方ならびに薬物送達および投与技術を採用する。一般的に言って、本発明の組成物は、当該技術分野において標準的手段により調製され得る。調製および処方上の考慮事項に関するいくつかの標準的教科書が当技術分野において既知である。(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciencesを参照)。
好ましい実施形態では、本開示の組成物(例えば、免疫原性組成物およびワクチン)は無菌であり、任意選択で、防腐剤(例えば、水銀および/またはチメロサールなどの有機水銀化合物)不含である。他の実施形態では、組成物は無菌であり、任意選択で、防腐剤不含であり、使い捨てまたは単位用量フーマットで処方される。またさらなる実施形態では、無菌製剤は、1種または複数の保存剤、安定剤、糖、または糖アルコールを含む。
本発明の方法および組成物は、対象に医薬または治療効果(例えば、N.ゴノレアおよび/または淋病感染症の治療または予防)を与えるために、1種または複数の本明細書で記載の組成物の有効量の投与により、対象(例えば、ヒト)で使用するための免疫原性組成物およびワクチンを提供する。本発明の化合物の投与方法は、1種または複数の注入装置による計量投与により行われる。組成物は、正確な投与量の単回投与に好適な単位剤形中に充填され得る。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物で提供される1種または複数の成分抗原、または他の成分の濃度は、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%w/w、w/v、もしくはv/v未満である。
さらにいくつか他の実施形態では、本発明の1種または複数の成分抗原、または他の成分の濃度は、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25% 19%、18.75%、18.50%、18.25% 18%、17.75%、17.50%、17.25% 17%、16.75%、16.50%、16.25% 16%、15.75%、15.50%、15.25% 15%、14.75%、14.50%、14.25% 14%、13.75%、13.50%、13.25% 13%、12.75%、12.50%、12.25% 12%、11.75%、11.50%、11.25% 11%、10.75%、10.50%、10.25% 10%、9.75%、9.50%、9.25% 9%、8.75%、8.50%、8.25% 8%、7.75%、7.50%、7.25% 7%、6.75%、6.50%、6.25% 6%、5.75%、5.50%、5.25% 5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%w/w、w/v、もしくはv/v超である。
さらにいくつか他の実施形態では、本発明の1種または複数の成分抗原、または他の成分は、約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%、約1%~約10%w/w、w/vまたはv/vの範囲である。
いくつか他の実施形態では、本発明の1種または複数の成分抗原、または他の成分は、約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9%w/w、w/vまたはv/vの範囲である。
いくつかの他の実施形態では、本発明の1種または複数の成分抗原、または他の成分は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、または0.0001g以下である。
いくつかの実施形態では、本発明の1種または複数の成分抗原、または他の成分は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、または10g超である。
他の実施形態は、0.0001~10g、0.0005~9g、0.001~8g、0.005~7g、0.01~6g、0.05~5g、0.1~4g、0.5~4g、1~3g、または1~10gの範囲の本発明の1種または複数の成分抗原、または他の成分の量を提供する。
標的用量は、単一用量で投与され得る。あるいは、標的用量は、約または約1、2、または3もしくはそれ超の用量で投与され得る。
投与スケジュールは、本明細書で記載のいずれかの投与スケジュールを含む、いずれかの所定の投与計画に従って反復され得る。本発明の組成物は、1用量で、または複数投与量で投与され得る。最も効果的な手段および投与量の決定方法は、当業者には周知であり、使用される特定の組成物、使用目的、標的感染細胞または組織、および治療される対象により変化するであろう。1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは、10、または50、またはそれ超の分、時間、日、週、または月にわたり、単一または複数の投与(例えば、約1、2、3もしくはそれ超の用量またはそれより多い容量)。
いくつかの特に好ましい実施形態では、医師により処方されたまたは他の理由で健康を維持するために必要と見なされる、1種または複数の用量の組成物のが投与される(例えば、筋肉内、皮下、など経由で)。投与は、服用レベルおよび治療医師により選択されたパターンで実施できる。化合物薬物動態学における対象者間変動に起因して、投与計画の個別化が必要な場合が多いことは、当該技術分野において既知である。本発明の組成物の投与は、本開示および当該分野におけるその人の技術を考慮して、ルーチン実験により見つけ得る。
さらに、医薬品化学の分野で記載の手法と同様に、好適な医薬品はまた、任意選択で、1種または複数の本発明の化合物に加えて、限定されないが、一般に既知で受け入れられている、賦形剤、希釈剤、安定剤、処方剤(例えば、ゲルおよび増粘剤)、抗酸化剤、キレート化剤、保存剤、無菌水溶液、緩衝液、糖、などを含む他の薬剤も含み得ることに留意されたい。
例示的希釈剤としては、限定されないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、無水デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
例示的保存剤としては、限定されないが、抗酸化剤、キレート化剤、抗菌性保存剤、抗真菌性防腐薬、アルコール保存剤、酸性防腐剤、および他の保存剤が挙げられる。例示的抗酸化剤としては、限定されないが、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムが挙げられる。例示的キレート化剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、およびエデト酸三ナトリウムが挙げられる。例示的抗菌性保存剤としては、限定されないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールが挙げられる。例示的抗真菌性防腐薬としては、限定されないが、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸が挙げられる。例示的アルコール保存剤としては、限定されないが、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸、およびフェニルエチルアルコールが挙げられる。例示的酸性防腐剤としては、限定されないが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸が挙げられる。他の保存剤としては、限定されないが、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテロキシムメシレート、セトリミド、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、およびメタ重亜硫酸カリウムが挙げられる。特定の実施形態では、防腐剤は抗酸化剤である。特定の他の実施形態では、防腐剤はキレート化剤である。
例示的緩衝剤としては、限定されないが、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、リン酸水素カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トリメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、滅菌処理水(pyrogen-free water)、等張食塩水、リンゲル液、およびエチルアルコール、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
他の実施形態では、1種または複数の追加の小分子薬物および/または生物学的製剤が、1種または複数の本発明の化合物と選択的に組み合わされ、対象において、有益な、あるいは相乗的結果を達成し得る。本発明の特定の化合物はまた、他の1種または複数の追加の、他のSTDに対する、現在利用可能な、またはそれらが利用可能になるときに(例えば、T.pallidum、C.tachomatis、HPV-6、11、16、18、31、33、45、52、および58、HSV-2、AIDS、など)、薬剤/医薬品有効成分、免疫原性組成物、および/またはワクチンと組み合わせて使用するための共治療化合物として有用でもある。
本明細書記載の本発明の組成物および方法の他の好適な修正および適応は自明であり、本発明の範囲からまたは本明細書で開示の実施形態から逸脱することなく、好適な等価物を使用して実施し得ることは、当業者には容易に明らかになろう。
通常、本発明の組成物は、ワクチン製剤と同一の方式、および治療に効果的なおよび/または免疫原性の量で投与される。投与される量は、個別の免疫系の抗体を合成する能力および所望される保護の程度を含む、治療される対象に依存する。投与に必要な有効成分の厳密な量は、開業医の判断に依存する。通常、約0.1から、~1、~5、~10、~20、~30、~40、~50、~60、~70、~80、~90、~100ng、μg、またはmgがワクチン接種または投与当りに投与され得る。
初期投与およびブースター投与のための投与計画は変更可能であるが、初期投与とこれに続く、接種または他の投与により典型的に表される。いくつかの実施形態では、組成物の最初の対象への投与と、それに続く投与との間に、1、2、3、4、5、...10、...20、...35、...55、...100、...1,000、...10,000、またはそれ超の単位時間(例えば、分、時間、日、週、など)が経過する。これらの実施形態のいくつかでは、任意の2回以上の投与の間隔は、一定である(例えば、等しい期間)。さらに他の実施形態では、任意の2回以上の投与の間隔は、変化する(例えば、等しい期間ではない)。変化する間隔は、ランダムまたは一定の反復であり得る
より具体的には、本発明の組成物および方法は、免疫原性および/または予防的であり、N.ゴノレアの感染症および/または疾患惹起N.ゴノレア感染症を治療およびより好ましくは予防するために対象に投与される。従って、本発明は、時間ゼロでの免疫原性組成物/ワクチンの最初の投与、およびそれに続く、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、...30、...60、...90、またはそれを超える月数後の、それぞれの投与間隔の第2、第3、第4、などの投与を提供することを特に意図している。従って、投与スケジュールは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、...30、...60、...90、またはそれを超える日数または月数間隔毎に行われる投与により進めることができる。好ましい実施形態では、本発明の免疫原性組成物/ワクチンの第1の投与の後に続けて、ブースター投与が行われる。
本組成物の単回投与は通常、組成物の約0.001mL~約5.0mL、好ましくは、単回投与は、約0.03mL~約0.05mLである。(例えば、Griffiss JMcL,et al.,“Relationship of dose to the reactogenicity and immunogenicity of meningococcal polysaccharide vaccines in adults.” Military Med.150(10):529-533(1985)を参照)。
無論、これらの量より多いまたは少ない容量を必要に応じて使用でき、熟練投与医師または保健医療コンサルタント(例えば、看護師、上級看護師、薬剤師、など)は、容易に投与量および頻度を調節して所望の結果を得ることができる。実際に、当業者は、組成物または治療法の投与スケジュールおよび/または投与順を設計および調節に必要な手順を理解している。医師は、本発明の組成物および方法の種々の実施形態の効力を判定するための標準的試験を使用できる。しかし、これらの標準的試験に加えて、医師はまた、生活の質、快適性、衛生関連の問題点、および特定の治療方式の有効性の評価での感染症伝播の予防を考慮し、具体的投与スケジュールを調節し得る。
投与方法およびスキームならびに本発明の免疫学的組成物およびワクチンの十分な投与は、本技術分野で既知であり、本明細書で記載されている。他の治療薬投与計画または薬剤を本発明の方法および組成物、タンパク質またはポリペプチドと組み合わせて使用できる。
対象への例示的投与経路は、注射(静脈内、皮下、腫瘍内、腹腔内、など)により、眼(眼部)、口(経口)、皮膚(経皮)、鼻(経鼻)、肺(吸入)、口腔粘膜(頬側)、耳などを経由できる。特定の実施形態では、好適な投与経路としては、例えば、経口または経粘膜投与、ならびに非経口送達(例えば、筋肉内、皮下、髄内、くも膜下腔内、脳室内、静脈内、腹腔内、または鼻腔内投与)が含まれる。薬物送達方法の簡潔なレビューは、Langer,Science,249:1527-1533(1990)により提供される。
本発明は、注射可能調製物、例えば、無菌注射可能水性または油性懸濁液を含む実施形態をさらに提供する。無菌注射可能調製物は、生理食塩水、リンゲル液などの水溶液、米国薬局方等張性塩化ナトリウム溶液、および植物油、高級脂肪酸エステル(例えば、エチルオレイン酸など)、アルコール(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールおよびグリセリン、など)などの非水溶液を用いた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、無毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の、無菌注射可能溶液、懸濁液またはエマルションであってよい。注射可能調製物は、変性防止のための安定化剤(例えば、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、BHA、トコフェロール、EDTA、など)で代表される医薬担体、または試薬、および調製物の固化/半固化を容易にするための技術(例えば、発砲乾燥、凍結発砲乾燥、スプレー乾燥(霧化)、噴霧-凍結-乾燥、蒸発乾燥、パーコレーター乾燥(percolative drying)、真空乾燥、凍結乾燥、マイクロペレット化、プリリング造粒法及びその変形形態及びその変形形態、など)、乳化剤、賦形剤、pH調節のための緩衝剤、および限定されないが微生物増殖を含む汚染を抑制するための防腐剤(例えば、硝酸フェニル水銀、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾール、ベンジルアルコール、など)、ならびに他の適切なGRAS試薬で補足されてもよい。注射可能製剤は、例えば、除菌フィルターを通した濾過により、または無菌水またはいくつかのその他の無菌の注射可能媒体中に使用前に溶解もしくは分散できる無菌固体組成物の形態の殺菌剤を混合することにより、滅菌することができる。
標準針送達製剤および投与方法(筋肉内および経皮など)に加えて、米国特許第4,886,499号;同第5,190,521号;同第5,328,483号;同第5,527,288;同第4,270,537号;同第5,015,235号;同第5,141,496号;および同第5,417,662号(これらの特許のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる)に記載のものなどの、特定の製剤および本発明の組成物の実施形態は、皮内送達装置(すなわち、短い単一または複数ニードルアレイ)を用いた投与に好適する。従って、皮内送達用に処方された組成物は、国際公開第99/34850号に記載の装置、およびその機能的等価物などの針の皮膚中への効果的侵入を制限する装置により投与され得るまたさらなる実施形態では、液体噴射式注射器を介して、および/または角質層を刺し通し、真皮に達する噴射を生成する針を介して、液体ワクチンを真皮に投与するジェット式注射装置が好適する。ジェット式注射装置は、例えば、米国特許第5,480,381号;同第5,599,302号;同第5,334,144号;同第5,993,412号;同第5,649,912号;同第5,569,189号;同第5,704,911号;同第5,383,851号;同第5,893,397号;同第5,466,220号;同第5,339,163号;同第5,312,335号;同第5,503,627号;同第5,064,413号;同第5,520,639号;同第4,596,556号;同第4,790,824号;同第4,941,880号;および同第4,940,460号;および国際公開第97/37705号および同第97/13537号に記載されている(これらの特許のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。さらに他の実施形態では、圧縮ガスを使用して粉末形態のワクチンを皮膚の外層を通って真皮まで加速する弾道粉末(ballistic powder)/粒子送達装置も好適する。代わりにまたは追加して、従来の注射器を古典的な皮内投与法のマントー法で使用してもよい。
経口投与用の組成物は通常、液体または固形剤形である。経口投与用の組成物は、膵臓および刷子縁プロテアーゼを抑制するために、クエン酸などの有機酸を含むプロテアーゼ阻害剤を含み得る。経口投与用の組成物は、さらに、傍細胞輸送機構により腸の管腔を通って体循環中へのペプチドの取り込みを容易にするために、アシルカルニチンおよびラウロイルカルニチンなどの吸収促進薬を含み得る。経口投与用の組成物は、さらに、ペプチドおよび賦形剤の溶解度を高め、腸内粘液との相互作用を減らすために、洗浄剤を含み得る。経口投与用の、錠剤またはカプセルなどの固体形態の組成物は通常、腸溶コーティングを含み得る。これは、胃プロテアーゼからペプチドをさらに保護し、タブレットまたはカプセルの小腸への通過を可能とする。固体形態の組成物は、非イオン性高分子などのサブコートをさらに含み得る。このような経口で利用可能な製剤の調製例は、米国特許第5,912,014号;同第6,086,918号および同第6,673,574号で開示されている。これらそれぞれの文書の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特定の経口投与を対象とする固形製剤の実施形態では、組成物はカプセル、錠剤、丸薬、粉剤、または顆粒剤で提供される。特定のこれらの固形剤形では、有効成分(例えば、LOS抗原および/またはアジュバント)は少なくとも1種の不活性の薬学的に許容可能な、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの賦形剤または担体および/または、a)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアラビアゴム、c)保水剤、例えば、グリセロール、d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、f)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物;g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール、h)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイト粘土;およびi)潤滑剤、例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含み得る。
類似の種類の固体組成物を、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使って、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルのフィラーとして用いてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬、および顆粒剤の固形剤形は、腸溶性コーティングおよび医薬品処方技術分野で公知のその他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを使って調製できる。これらは、必要に応じて、乳白剤を含んでもよく、有効成分のみを、または選択的に腸管の特定の部分で、必要に応じて、遅延方式で放出する組成物とすることもできる。使用可能な包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。類似の種類の固体組成物を、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使って、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルのフィラーとして用いてもよい。
錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬、および顆粒剤の固形剤形は、腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび医薬品処方技術分野で公知のその他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを使って調製できる。このような固形剤形では、有効成分は少なくとも1種の不活性希釈剤、例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどと混合してよい。このような剤形は、通常の実施方法と同じく、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースなどの錠剤化潤滑剤および他の錠剤化助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含み得る。これらは、必要に応じて、乳白剤を含んでもよく、有効成分のみを、または選択的に腸管の特定の部分で、必要に応じて、遅延方式で放出する組成物とすることもできる。使用可能な包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
特定の実施形態では、特定の実施形態における組成物の固化/半固化のための代表的技術および試薬は、例えば、米国特許第5,307,640号;同第5,897,852号;同第6,106,836号;同第6,458,363号;同第7,836,606号;米国特許出願公開第20080060213号;米国特許出願第12/397,140号;同第12/500,156号;およびEP0689867B1号;EP0799613B1号;EP1140152B1号;EP1794524B1号;国際公開第2003/072016号;同第2004/073652号;同第2006/008006号;FR1054443号;およびFR1056961号で見つけ得る。これらの特許のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
さらに他の実施形態では、エアロゾル投与のために、本発明の組成物およびワクチンは、サーファクタントおよび噴射剤と共に微粉化形態で供給されるのが好ましい。サーファクタントは、無論、無毒性で、好ましくは、噴射剤に可溶性である必要がある。このような薬剤の代表例は、6~22個の炭素原子を含む脂肪酸、例えば、カプロン酸、ラウリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステル酸、およびオレイン酸と、脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物を含む脂肪酸のエステルまたは部分エステルである。混合エステル、例えば、混合または天然グリセリドが採用され得る。所望であれば、鼻腔内送達のために、レシチンの封入体などの担体も含めることができる。
経鼻投与に好適する製剤は、例えば、わずか0.1%(重量/重量)および多くて100%(重量/重量)の有効成分を含み、本明細書で記載の追加の成分の1種または複数を含めてもよい。本発明のワクチンは、頬側投与に好適する製剤として調製され、包装され、および/または販売され得る。このような製剤は、例えば、従来の方法で作られた錠剤、および/またはトローチ剤であってよく、および例えば、約0.1%~20%(重量/重量)の有効成分、経口溶解可能なおよび/または分解組成物を含む残部および任意選択で、1種または複数の追加の成分を含み得る。あるいは、頬側粘膜への投与に好適する製剤は、有効成分を含む粉末および/またはエアロゾル化および/または微粒化溶液および/または懸濁液を含み得る。このような粉末状、エアロゾル化、および/またはエアロゾル化製剤は、分散させた場合、約0.1μm~200μmの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有し、1種または複数の追加の成分(構成成分)をさらに含み得る。
生物学的に、またはより具体的には、免疫学的に活性(すなわち、免疫原、抗原、アジュバント、など)であるか、または逆に不活性(例えば、賦形剤、希釈剤、緩衝液、など)であるかに関係なく、組成物の全ての成分は、組成物の他の成分と有害に反応しない(例えば、安定性または免疫学的有効性を急速に低下させる)、または対象中で、不都合なまたは有害反応生成しないように選択される。本発明の好ましい実施形態は、治療される状態に応じて処方および全身または局所投与される。
参照による組み込み
文献ならびに全ての外国特許および外国特許出願を含む、本出願を通して引用された全ての参考文献の内容は、これにより、明示的におよび具体的に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、全ての米国特許公報、米国特許出願、および米国特許、ならびに言及された全ての国際特許文書は、これにより、明示的におよび具体的に参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (23)

  1. N.ゴノレア株由来のGalNAc-nLc4α鎖およびnLc4α鎖を含む、免疫原性組成物。
  2. N.ゴノレア株由来のリピドA部分をさらに含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
  3. アジュバントをさらに含む、請求項2に記載の免疫原性組成物。
  4. 前記アジュバントが金属塩である、請求項3に記載の免疫原性組成物。
  5. 前記金属塩がアルミニウム塩を含む、請求項4に記載の免疫原性組成物。
  6. 前記アルミニウム塩が、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、水酸化リン酸アルミニウム、ヒドロキシリン酸硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、またはリン酸カリウムアルミニウムからなる群より選択される、請求項5に記載の免疫原性組成物。
  7. 対象の淋菌感染症に対するワクチンとして使用するための、請求項3に記載の免疫原性組成物。
  8. 少なくとも1種の緩衝液、希釈剤、溶媒、または賦形剤をさらに含む、請求項3に記載の免疫原性組成物。
  9. N.ゴノレア株由来のGalNAc-nLc4α鎖およびnLc4α鎖を含む、N.ゴノレアワクチン。
  10. N.ゴノレア株由来のリピドA部分をさらに含む、請求項9に記載のN.ゴノレアワクチン。
  11. アジュバントをさらに含む、請求項10に記載のN.ゴノレアワクチン。
  12. 前記アジュバントが金属塩である、請求項11に記載のN.ゴノレアワクチン。
  13. 前記金属塩がアルミニウム塩を含む、請求項12に記載のN.ゴノレアワクチン。
  14. 前記アルミニウム塩が、水酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、水酸化リン酸アルミニウム、ヒドロキシリン酸硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、またはリン酸カリウムアルミニウムからなる群より選択される、請求項13に記載のN.ゴノレアワクチン。
  15. 少なくとも1種の緩衝液、希釈剤、溶媒、または賦形剤をさらに含む、請求項11に記載のN.ゴノレアワクチン。
  16. ナイセリアの非病原性ヒト共生種のN.ゴノレア株由来のGalNAc-nLc4α鎖、nLc4α鎖、およびリピドA部分を含むN.ゴノレアワクチンを調製するための方法。
  17. 前記共生種が、N.シネレア、N.エロンガタ、N.フラヴェセンス、N.ラクタミカ、N.ムコサ、N.ポリサッカレア、N.シッカ、N.サブフラバ、N.ペルフラバ、およびN.フラバからなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記共生種がN.ラクタミカである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記N.ラクタミカがN.ゴノレア株F62由来のオペロンで形質転換される、請求項18に記載の方法。
  20. N.ゴノレアワクチンの医学的使用。
  21. 対象のN.ゴノレアによる感染が予防される、請求項20に記載の医学的使用。
  22. 請求項11に記載のN.ゴノレアワクチンの第1の用量を対象に投与することを含む、前記対象のN.ゴノレアによる感染を予防する方法。
  23. 前記N.ゴノレアワクチンの第2の用量を投与することをさらに含む、請求項22の対象のN.ゴノレアによる感染を予防する方法。

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