JP2022541644A - サイクリン依存性キナーゼ7のインヒビターおよびそれらの使用 - Google Patents

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ダナ-ファーバー キャンサー インスティテュート, インコーポレイテッド
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Abstract

本開示は、式(I)、(II-1)、(II-2)、(II-3)、または(II-4)で表される化合物を提供する。本開示の化合物は、キナーゼ(例として、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)(例として、CDK7))のインヒビターであってもよい。いくつかの態様において、本明細書に開示の化合物は、キナーゼ(例として、CDK7)の活性を阻害するのに、ある他のキナーゼ(例として、CDK2、CDK9、CDK12)よりも選択的である。ある態様において、化合物は、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)受容体に結合しないか、またはそれを阻害しない。また提供されるものは、本明細書の開示の化合物を伴う、医薬組成物、キット、使用の方法、および使用である。いくつかの態様において、化合物は、キナーゼの活性を阻害するのに、細胞の成長を阻害するのに、細胞のアポトーシスを誘導するのに、疾患を処置するのに、および/または疾患(例として、増殖性疾患、嚢胞性線維症)を予防するのに、有用である。

Description

関連出願
本出願は、35 U.S.C.§119(e)の下、2019年7月23日に出願された米国仮出願第62/877,788号(これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に対して優先権を主張するものである。
政府の支援
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金第R01 CA179483および国防総省によって授与された助成金第W81XWH-16-1-0252の下、政府の支援によりなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
本開示の背景
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)ファミリーのメンバーは、細胞増殖において重大な調節的役割を果たす。哺乳動物のCDKは20種知られている。CDK7~CDK13は転写との繋がりがある。CDK1、2、4および6は細胞周期との関連が示されている。哺乳動物CDKのなかでもユニークなCDK7は、キナーゼ活性を集約して、細胞周期と転写との両方を調節する。サイトゾル中CDK7はヘテロ三量体の複合体として存在し、CDK1/2活性化キナーゼ(CAK)として機能するものと思われており、このことからCDK1/2中に保存された残基のCDK7によるリン酸化が、完全な触媒CDK活性および細胞周期の進行に要求される(Desai et al.,"Effects of phosphorylation by CAK on cyclin binding by CDC2 and CDK2."Mol.Cell Biol.15,345-350(1995);Kaldis et al.,"Analysis of CAK activities from human cells."Eur.J.Biochem.267,4213-4221(2000);Larochelle et al.,"Requirements for CDK7 in the assembly of CDK1/cyclin B and activation of CDK2 revealed by chemical genetics in human cells."Mol.Cell,25,839-850(2007))。核内のCDK7はRNAポリメラーゼ(RNAP)IIの基本転写因子複合体のキナーゼコアを形成し、遺伝子転写開始に必須のステップであるRNAP IIのC末ドメイン(CTD)のリン酸化を担っている(Serizawa.et al.,"Association of CDK-activating kinase subunits with transcription factor TFIIH."Nature,374,280-282(1995);Shiekhattar et al.,"CDK-activating kinase complex is a component of human transcription factor TFIIH."Nature,374,283-287(1995);Drapkin et al.,"Human cyclin-dependent kinase-activating kinase exists in three distinct complexes."Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,93,6488-6493(1996);Liu.et al.,"Two cyclin-dependent kinases promote RNA polymerase II transcription and formation of the scaffold complex."Mol.CellBiol.,24,1721-1735(2004);Akhtar et al.,"TFIIH kinase places bivalent marks on the carboxy-terminal domain of RNA polymerase II."Mol.Cell,34,387-393(2009);Glover-Cutter et al.,"TFIIH-associated CDK7 kinase functions in phosphorylation of C-terminal domain Ser7 residues, promoter-proximal pausing, and termination by RNA polymerase II."Mol.Cell Biol.,29,5455-5464(2009))。まとめると、CDK7の2つの機能、すなわちCAKおよびCTDリン酸化は、細胞増殖、細胞周期、および転写という重大な局面を後押しすることもある。
RNAP II CTDリン酸化の乱れ(disruption)は、抗アポトーシスBCL-2ファミリーのタンパク質を包含する、半減期の短いタンパク質に優先的に影響を及ぼすことが知られている(Konig et al.,"The novel cyclin-dependent kinase inhibitor flavopiridol downregulates Bcl-2 and induces growth arrest and apoptosis in chronic B-cell leukemia lines."Blood,1,4307-4312(1997);Gojo et al.,"The cyclin-dependent kinase inhibitor flavopiridol induces apoptosis in multiple myeloma cells through transcriptional repression and down-regulation of Mcl-1."Clin.Cancer Res.,8,3527-3538 (2002))。がん細胞は、BCL-2ファミリーメンバーの上方調節を通した細胞死促進シグナリング(pro-cell death signaling)の回避能を実証する(Llambi et al.,"Apoptosis and oncogenesis: give and take in the BCL-2 family."Curr.Opin.Genet.Dev.,21,12-20(2011))。したがって、ヒトCDK7キナーゼ活性の阻害は抗増殖活性をもたらしそうであり、薬理学的な阻害は、がんを包含する増殖性障害を処置するのに有用であると考えられる。CTDキナーゼを標的にする非選択的汎CDKインヒビターであるフラボポリドールは、慢性リンパ球性白血病(CLL)の処置への効き目を実証するが、不十分な毒性プロファイルに悩まされている(Lin et al.,"Phase II study of flavopiridol in relapsed chronic lymphocytic leukemia demonstrating high response rates in genetically high-risk disease."J.Clin.Oncol.,27,6012-6018(2009);Christian et al.,"Flavopiridol in chronic lymphocytic leukemia: a concise review."Clin.Lymphoma Myeloma,9 Suppl.3,S179-S185(2009))。CDKインヒビターでのCLLおよび他のがんの処置へのニーズが依然存在する。
本開示の概要
本開示は、一側面において、式(I)、(II-1)、(II-2)、(II-3)、または(II-4):
Figure 2022541644000001

で表される化合物、およびそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグを提供する。本開示の化合物は、キナーゼの活性を阻害してもよい。ある態様において、キナーゼは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)(例として、CDK7)である。いくつかの態様において、本開示の化合物は、キナーゼの活性を阻害するのに、細胞成長を阻害するのに、および/または細胞のアポトーシスを誘導するのに、有用である。ある態様において、細胞(例として、化合物によって影響を及ぼされるか、または化合物と接触させられる細胞)は、悪性細胞または前がん状態の細胞である。ある態様において、細胞は、in vivoまたはin vitroである。キナーゼは、対象における広範な疾患(例として、増殖性疾患、嚢胞性線維症)に関係する。本開示の化合物はまた、疾患の処置および/または予防を、これを必要とする対象においてするのにも有用であってよい。
いくつかの態様において、本開示の化合物は、CDK(例として、CDK7)の活性を阻害するのに、他のキナーゼ(例として、CDK以外のキナーゼ、CDK7以外のキナーゼ)より選択的である。ある態様において、本開示の化合物は、CDK7の活性を阻害するのに、CDK2、CDK9、および/またはCDK12より選択である。いくつかの態様において、本開示の化合物は、非選択的キナーゼインヒビターまたはより選択的でないキナーゼインヒビターより、疾患の処置および/または予防を、これを必要とする対象においてするのに有利である。いくつかの態様において、本開示の化合物は、CDK(例として、CDK7)の活性を他のキナーゼ(例として、CDK以外のキナーゼ、CDK7以外のキナーゼ)より阻害するのに、他の化合物(例として、非選択的キナーゼインヒビター、より選択性の低いキナーゼインヒビター)より選択的である。他の化合物と比較すると、本開示の化合物はまた、疾患の処置および/または予防を、これを必要とする対象においてするのに使用されるとき、より強力であっても、より効果的であっても、および/またはより毒性が低くてもよく、および/または副作用の頻度を減少させてもよく、副作用の重症度を減少させてもよく、対象のコンプライアンスを増大させてもよく、および/または耐性を減少させてもよい。その上、いくつかの態様において、本開示の化合物は、より可溶性であっても、より浸透性であっても、ミクロソームでより安定していても、および/またはバイオアベイラビリティがより高くてもよく、および/または他の化合物と比較して、改善された薬物動態特性を示してもよい。いくつかの態様において、本開示の化合物は、CDK7のシステイン残基(例として、Cys312)を共有結合的に修飾することができる。CDK7のCys312は、他のCDKおよび他のあるキナーゼと比較してユニークである。いくつかの態様において、本開示の化合物の部分
Figure 2022541644000002

は、システイン残基と反応する。いずれの具体的な理論によっても拘束されることは望まないが、本発明者らは、ある化合物の、CDK7のCys312への共有結合的修飾能は、これらの化合物の、他のある化合物を超える、上の利点の1以上に寄与すると仮定する。
ある態様において、化合物は、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)受容体に結合しないか、または5-HT受容体を阻害しない。5-HT受容体は、不要なオフターゲットであってもよい。
本開示の例示化合物は、以下:
Figure 2022541644000003
Figure 2022541644000004
Figure 2022541644000005
Figure 2022541644000006
Figure 2022541644000007
Figure 2022541644000008

およびそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含する。
別の側面において、本開示は、本開示の化合物と、任意に、薬学的に許容し得る賦形剤とを包含する医薬組成物を提供する。ある態様において、医薬組成物は、有効量の化合物を包含する。ある態様において、医薬組成物は、追加の医薬品を包含する。
別の側面において、本開示は、本開示の化合物または医薬組成物;および化合物または医薬組成物を使用するための指示を含むキットを提供する。ある態様において、指示は処方情報を含む。
別の側面において、本開示は、疾患の処置を、これを必要とする対象においてする方法であって、これを必要とする対象へ、有効量の、本開示の化合物または医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
別の側面において、本開示は、疾患の予防を、これを必要とする対象においてする方法であって、これを必要とする対象へ、有効量の、本開示の化合物または医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
ある態様において、疾患(例として、本開示の方法によって処置および/または予防される疾患)は、増殖性疾患(例として、がん、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、自己免疫疾患)である。
別の側面において、本開示は、対象、生体試料、組織、または細胞におけるキナーゼの活性を阻害する方法であって、有効量の、本開示の化合物もしくは医薬組成物を対象へ投与すること、またはこれと生体試料、組織、もしくは細胞を接触させることを含む方法を提供する。ある態様において、キナーゼ(例として、キナーゼ全体の活性が、化合物および医薬組成物によって阻害される)は、CDK(例として、CDK7)である。
別の側面において、本開示は、細胞の成長を阻害する方法であって、有効量の、本開示の化合物または医薬組成物と細胞を接触させることを含む方法を提供する。
別の側面において、本開示は、細胞のアポトーシスを誘導する方法であって、有効量の、本開示の化合物または医薬組成物と細胞を接触させることを含む方法を提供する。
別の側面において、本開示は、対象、生体試料、組織、もしくは細胞におけるMYCまたはMCL-1の転写を下方調節する方法であって、有効量の、本開示の化合物もしくは医薬組成物を対象へ投与すること、またはこれと生体試料、組織、もしくは細胞を接触させることを含む方法を提供する。
ある態様において、細胞は、変則的な増殖性の(abnormally proliferative)細胞(例として、悪性細胞または前がん状態の細胞)である。
別の側面において、本開示は、本開示の化合物および医薬組成物の使用(例として、本開示の方法における使用)を提供する。
本開示の1以上の態様の詳細は本明細書に明記されている。本開示の他の特色、目的、および利点は、詳細な記載、例、およびクレームから明らかであろう。
定義
特定の官能基および化学用語の定義は、より詳細に下に記載される。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.内表紙の元素周期表CAS版に従って同定され、特定の官能基はそこに記載のとおり、一般に定義される。加えて、有機化学の一般法則、ならびに特定の官能部分および反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March,March's Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;およびCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。本開示は、形はどうあれ、本明細書に記載の置換基の例示列挙によって限定されることは意図していない。
本開示の化合物は、1以上の不斉中心を含み得、よって様々な異性体の形態、例として鏡像異性体および/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、いくつかの態様において、本開示の化合物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマー、または幾何異性体の形態であるか、または立体異性体の混合物(ラセミ混合物、および1以上の立体異性体が富化された混合物を包含する)の形態である。異性体は、当業者に知られている方法(キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、およびキラル塩の形成および結晶化を包含する)によって混合物から単離され得る;または好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,196);およびWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 197)を参照。本開示は加えて、他の異性体が実質的にない個々の異性体としても、代わりに様々な異性体の混合物としても、本開示の化合物を網羅する。
値の範囲が列挙されるとき、その範囲内の各値および部分範囲も網羅することを意図する。例えば「C1~6」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~6、C1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~5、C2~4、C2~3、C3~6、C3~5、C3~4、C4~6、C4~5、およびC5~6のアルキルを網羅することを意図する。
用語「脂肪族」は、1以上の官能基で置換されているかまたは非置換である、飽和および不飽和両方の、直鎖の(すなわち、非分枝の)、分枝状の、非環式の、環状の、または多環式の脂肪族炭化水素を包含する。当業者には当然のことならがら、「脂肪族」は本明細書中、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニルの部分を包含することを意図する。よって、用語「アルキル」は、直鎖状の、分枝の、および環状のアルキル基を包含する。類似の規則が「アルケニル」、「アルキニル」等の他の一般用語にも適用される。さらにまた、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」等は、置換基および非置換基の両方を網羅する。
ある態様において、本開示において採用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1~20個の脂肪族炭素原子を含有する。他のある態様において、本開示において採用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1~10個の脂肪族炭素原子を含有する。もう1つの他の態様において、本開示において採用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1~8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の態様において、本開示において採用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。もう1つの他の態様において、本開示において採用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1~4個の炭素原子を含有する。よって、説明に役立つ脂肪族基は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、-CH2-シクロプロピル、ビニル、アリル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロブチル、-CH2-シクロブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、シクロペンチル、-CH2-シクロペンチル、n-ヘキシル、sec-ヘキシル、シクロヘキシル、-CH2-シクロヘキシルの部分等を包含し、繰り返しになるが、これらは1以上の置換基を担持していてもよい。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル等を包含する。代表的なアルキニル基は、エチニル、2-プロピニル(プロパルギル)、1-プロピニル等を包含する。
用語「アルキル」は、1個から10個までの炭素原子を有する、直鎖または分岐の飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C1~10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する(「C1~9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~7個の炭素原子を有する(「C1~7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~5個の炭素原子を有する(「C1~5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキル」)。C1~6アルキル基の例は、メチル(C1)、エチル(C、プロピル(C3)(例として、n-プロピル、イソプロピル)、ブチル(C4)(例として、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル)、ペンチル(C5)(例として、n-ペンチル、3-ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3-メチル-2-ブタニル、三級アミル)、およびヘキシル(C6)(例として、n-ヘキシル)を包含する。アルキル基の追加例は、n-へプチル(C7)、n-オクチル(C8)等を包含する。別様に特定されない限り、アルキル基の各場合は、独立して、非置換であるか(「非置換アルキル」)、または1以上の置換基(例として、Fなどのハロゲン)で置換されている(「置換アルキル」)。ある態様において、アルキル基は、非置換C1~10アルキル(非置換C1~6アルキルなど、例として、-CH3)である。ある態様において、アルキル基は、置換C1~10アルキル(置換C1~6アルキルなど、例として、-CF3)である。「Me」は、非置換のメチルを指す。「Et」は、非置換のエチルを指す。「Pr」は、非置換のプロピルを指す。「Bu」は、非置換のブチルを指す。「Bn」は、非置換のベンジルを指す。
「アルケニル」は、2個から20個までの炭素原子と、1以上の炭素-炭素二重結合とを有するが、三重結合は有さない、直鎖または分枝の炭化水素基のラジカルを指す(「C2~20アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2~10アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。いくつかの態様において、1個以上の炭素-炭素二重結合は、内部に(2-ブテニル中に、など)または末端に(1-ブテニル中に、など)ある。C2~4アルケニル基の例は、エテニル(C、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)等を包含する。C2~6アルケニル基の例は、前述のC2~4アルケニル基ならびにペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)等を包含する。アルケニルの追加例は、ヘプテニル(C7)、オクテニル(C8)、オクタトリエニル(C8)等を包含する。別様に特定されない限り、アルケニル基の各場合は、独立して、置換または非置換である、すなわち非置換であるか(「非置換アルケニル」)、または1個以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)である。ある態様において、アルケニル基は、非置換C2~10アルケニルである。ある態様において、アルケニル基は、置換C2~10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が特定されていないC=C二重結合(例として、-CH=CHCH3または
Figure 2022541644000009

は、(E)-二重結合であっても、または(Z)-二重結合であってもよい。
「アルキニル」は、2個から20個までの炭素原子、1以上の炭素-炭素三重結合、および任意に、1以上の二重結合を有する、直鎖または分枝の炭化水素基のラジカルを指す(「C2~20アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2~10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。いくつかの態様において、1個以上の炭素-炭素三重結合は、内部に(2-ブチニル中に、など)または末端に(1-ブチニル中に、など)ある。C2~4アルキニル基の例は、限定せずに、エチニル(C、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)等を包含する。C2~6アルケニル基の例は、前述のC2~4アルキニル基ならびにペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)等を包含する。アルキニルの追加例は、ヘプチニル(C7)、オクチニル(C8)等を包含する。別様に特定されない限り、アルキニル基の各場合は、独立して、置換または非置換である、すなわち非置換であるか(「非置換アルキニル」)、または1個以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は、非置換C2~10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は、置換C2~10アルキニルである。
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、3個から10個までの環炭素原子(「C3~10カルボシクリル」)とゼロ個のヘテロ原子とを非芳香族環系中に有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10カルボシクリル」)。例示のC3~6カルボシクリル基は、限定せずに、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)等を包含する。例示のC3~8カルボシクリル基は、限定せずに、先述のC3~6カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)等を包含する。例示のC3~10カルボシクリル基は、限定せずに、先述のC3~8カルボシクリル基、ならびにシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)等を包含する。上記の例が説明するとおり、ある態様において、カルボシクリル基は、単環式であるか(「単環式カルボシクリル」)、または二環系などの縮合環系、架橋環系、もしくはスピロ環系(「二環式カルボシクリル」)を含有するかのいずれかであって、飽和であり得るか、または部分的に不飽和であり得る。「カルボシクリル」はまた、上に定義されているとおり、炭素環式の環が1個以上のアリール基またはヘテロアリール基と縮合されている環系をも包含し、ここで付着点は炭素環式の環上にあり、かかる実例において炭素数は炭素環式の環系中の炭素数を通して指定される。別様に特定されない限り、カルボシクリル基の各場合は、独立して、置換または非置換である、すなわち非置換であるか(「非置換カルボシクリル」)、または1個以上の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は、非置換C3~10カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は、置換C3~10カルボシクリルである。
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は、3個から10個までの環炭素原子を有する単環式の飽和カルボシクリル基である(「C3~10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5~6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10シクロアルキル」)。C5~6シクロアルキル基の例は、シクロペンチル(C5)およびシクロヘキシル(C5)を包含する。C3~6シクロアルキル基の例は、先述のC5~6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C3)およびシクロブチル(C4)を包含する。C3~8シクロアルキル基の例は、先述のC3~6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C7)およびシクロオクチル(C8)を包含する。別様に特定されない限り、シクロアルキル基の各場合は、独立して、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)、または1個以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は、非置換C3~10シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は、置換C3~10シクロアルキルである。
「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子とを有する3~10員の非芳香族環系のラジカルを指し、ここで各へテロ原子は、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「3~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、1個以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基中の付着点は、原子価が許す限り、炭素原子または窒素原子である。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、単環式であるか(「単環式ヘテロシクリル」)、または二環系などの縮合環系、架橋環系、もしくはスピロ環系であって(「二環式ヘテロシクリル」)、飽和であるかまたは部分的に不飽和である。ヘテロシクリル二環式の環系は、1個以上のへテロ原子を一方または両方の環中に包含し得る。「ヘテロシクリル」はまた、複素環式の環が上に定義されるとおり1個以上のカルボシクリル基と縮合している環系(ここでその付着点は、カルボシクリル環上もしくはヘテロ環上のいずれかにある)、または複素環式の環が上に定義されるとおり1個以上のアリール基またはヘテロアリール基と縮合している環系(ここでその付着点は、複素環式の環上にある)をも包含し、かかる実例において、環員数は、ヘテロシクリル環系中の環員数を通して指定される。別様に特定されない限り、ヘテロシクリルの各場合は、独立して、置換または非置換である、すなわち非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)、または1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある態様において、ヘテロシクリル基は、非置換3~10員ヘテロシクリルである。ある態様において、ヘテロシクリル基は、置換3~10員ヘテロシクリルである。
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子とを有する5~10員の非芳香族環系であるが、ここで各へテロ原子は、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子とを有する5~8員の非芳香族環系であるが、ここで各へテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子とを有する5~6員の非芳香族環系であるが、ここで各へテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
1個のへテロ原子を含有する例示の3員ヘテロシクリル基は、限定せずに、アジリジニル、オキシラニル、チイラニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の4員ヘテロシクリル基は、限定せずに、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の5員ヘテロシクリル基は、限定せずに、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示の5員ヘテロシクリル基は、限定せずに、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン-2-オンを包含する。3個のへテロ原子を含有する例示の5員ヘテロシクリル基は、限定せずに、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基は、限定せずに、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基は、限定せずに、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基は、限定せずに、トリアジニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の7員ヘテロシクリル基は、限定せずに、アゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の8員ヘテロシクリル基は、限定せずに、アゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルを包含する。C6アリール環と縮合された例示の5員ヘテロシクリル基(また本明細書中5,6-二環式複素環式の環とも称される)は、限定せずに、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾキサゾリノニル等を包含する。アリール環と縮合された例示の6員ヘテロシクリル基(また本明細書中6,6-二環式複素環式の環とも称される)は、限定せずに、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等を包含する。
「アリール」は、芳香族環系中に提供される6~14個の環炭素原子とゼロ個のへテロ原子とを有する、単環式または多環式(例として、二環式または三環式)の4n+2芳香族環系(例として、環式のアレイ中に共有される6、10、または14個のパイ電子を有する)のラジカルを指す(「C6~14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例として、フェニル)。いくつかの態様において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例として、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例として、アントラシル(anthracyl))。「アリール」はまた、アリール環が、上に定義されるとおり、1個以上のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合されている環系であるが、ここでラジカルまたは付着点が、アリール環上にある前記環系をも包含する。かかる実例において、炭素原子数は、アリール環系中の炭素原子数を通して指定される。別様に特定されない限り、アリール基の各場合は、独立して、置換または非置換である、すなわち非置換であるか(「非置換アリール」)、または1個以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある態様において、アリール基は、非置換C6~14アリールである。ある態様において、アリール基は、置換C6~14アリールである。「Ph」は、非置換のフェニルを指す。
「アラルキル」は、置換または非置換アリール基によって置換されたかまたは非置換であるアルキル基を指す。ある態様において、アラルキルは、置換または非置換ベンジルである。ある態様において、アラルキルは、ベンジルである。ある態様において、アラルキルは、置換または非置換フェネチルである。ある態様において、アラルキルは、フェネチルである。
「ヘテロアリール」は、芳香族環系中に提供される環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子とを有する5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香族環系(例として、環式アレイ中に共有された6または10個のパイ電子を有する)のラジカルを指すが、ここで各へテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、1個以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、付着点は、原子価が許す限り、炭素原子または窒素原子である。ヘテロアリール二環式の環系は、1個以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロアリール」は、ヘテロアリール環が、上に定義されるとおり、1個以上のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合されている環系であるが、ここで付着点は、ヘテロアリール環上にある前記環系を包含する。かかる実例において、環員数は、ヘテロアリール環系中の環員数を通して指定される。「ヘテロアリール」はまた、ヘテロアリール環が、上に定義されるとおり、1個以上のアリール基と縮合されている環系であるが、ここで付着点は、アリール環上またはヘテロアリール環上のいずれかにある前記環系をも包含する。かかる実例において、環員数は、縮合多環式(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員数が指定される。いくつかの態様において、1個の環がヘテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例として、インドリル、キノリニル、カルバゾリル等)において、付着点は、いずれの環、すなわちヘテロ原子を持つ環(例として、2-インドリル)またはヘテロ原子を含有しない環(例として、5-インドリル)のいずれかの上にある。
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に提供される環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子とを有する5~10員の芳香族環系であるが、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に提供される環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子とを有する5~8員の芳香族環系であるが、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~8員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に提供される環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子とを有する5~6員の芳香族環系であるが、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~6員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。別様に特定されない限り、ヘテロアリール基の各場合は、独立して、置換または非置換である、すなわち非置換であるか(「非置換ヘテロアリール」)、または1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある態様において、ヘテロアリール基は、非置換5~14員ヘテロアリールである。ある態様において、ヘテロアリール基は、置換5~14員ヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基は、限定せずに、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基は、限定せずに、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを包含する。3個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基は、限定せずに、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを包含する。4個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基は、限定せずに、テトラゾリルを包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロアリール基は、限定せずに、ピリジニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロアリール基は、限定せずに、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを包含する。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロアリール基は夫々、限定せずに、トリアジニルおよびテトラジニルを包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示の7員ヘテロアリール基は、限定せずに、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを包含する。例示の5,6-二環式ヘテロアリール基は、限定せずに、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを包含する。例示の6,6-二環式ヘテロアリール基は、限定せずに、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを包含する。
「ヘテロアラルキル」は、アルキルとヘテロアリールとの部分集合であって、置換または非置換ヘテロアリール基によって置換された置換または非置換アルキル基を指す。
「不飽和(の)」または「部分的に不飽和(の)」は、少なくとも1個の二重結合または三重結合を包含する基を指す。「部分的に不飽和(の)」環系はさらに、複数の不飽和部位を有する環を網羅することを意図しているが、芳香族基(例として、アリール基またはヘテロアリール基)を包含することは意図していない。同じく、「飽和(の)」は、二重結合も三重結合も含有しない基、すなわち、すべて単結合を含有する基を指す。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボシクリル基、ヘテロシクリル基、アリール基、およびヘテロアリール基が二価連結基であるとき、接尾辞-エンを使用し、例として、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、およびヘテロアリーレンとさらに称される。
別様にはっきりと提供されていない限り、本明細書に記載の原子、部分、または基は、原子価が許す限り、非置換であっても、または置換されていてもよい。
基は、別様にはっきりと提供されていない限り、置換または非置換である。用語「置換、非置換(の)」は、置換されているか、または非置換であることを指す。ある態様において、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボシクリル基、ヘテロシクリル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、置換されているか非置換(例として、「置換」もしくは「非置換」アルキル基、「置換」もしくは「非置換」アルケニル基、「置換」もしくは「非置換」アルキニル基、「置換」もしくは「非置換」カルボシクリル基、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル基、「置換」もしくは「非置換」アリール基、または「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)である。一般に、用語「置換(されている/された)」は、用語「任意に」が先行するか否かにかかわらず、基(例として、炭素原子または窒素原子)上に存在する少なくとも1個の水素が、許され得る置換基(例として、置換によって安定な化合物(例として、転位、環化、脱離、または他の反応によって、などの自発的に変換をしない化合物)をもたらす置換基)によって置き換えられるということを意味する。別様に示されない限り、「置換された」基は、基の1以上の置換可能な位置にて置換基を有し、いずれか所定の構造中1より多くの位置で置換されるとき、置換基は、各位置にて同じかまたは異なるかのいずれかである。用語「置換(されている/された)」は、有機化合物のすべての許され得る置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載のいずれの置換基での置換を包含することが企図される。本開示は、安定な化合物に到達するために、ありとあらゆるかかる組み合わせを企図する。本開示の目的において、窒素などのへテロ原子は、へテロ原子の原子価を満たし、かつ安定な部分の形成をもたらす、水素置換基を、および/または本明細書に記載のとおりのいずれの好適な置換基をも、有していてもよい。ある態様において、置換基は、炭素原子置換基である。ある態様において、置換基は、窒素原子置換基である。ある態様において、置換基は、酸素原子置換基である。ある態様において、置換基は、硫黄原子置換基である。
例示の炭素原子置換基は、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)3 +X-、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)2、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)2Raa、-OP(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、-P(=O)(NRbb)2、-OP(=O)(NRbb)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(NRbb)2、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員のヘテロアリールを包含し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;あるいは、炭素原子上の2個のジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccに置き換えられている;
Raaの各場合は、独立して、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のRaa基は、結び合って、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
Rbbの各場合は、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のRbb基は、結び合って、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
Rccの各場合は、独立して、水素、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のRcc基は、結び合って、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
Rddの各場合は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3 +X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2,-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員のヘテロシクリル、C6~10アリール、および5~10員のヘテロアリールから選択されるが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されているか、あるいは2個のジェミナルなRdd置換基は、結び合って、=Oまたは=Sを形成する;
Reeの各場合は、独立して、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員のヘテロシクリル、および3~10員のヘテロアリールから選択されるが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている;
Rffの各場合は、独立して、水素、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員のヘテロシクリル、C6~10アリール、および5~10員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のRff基は、結び合って、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている;ならびに
Rggの各場合は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)3 +X-、-NH(C1~6アルキル)2 +X-、-NH2(C1~6アルキル)+X-、-NH3 +X-、-N(OC1~6アルキル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アルキル)、-CO2H、-CO2(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキル)、-OCO2(C1~6アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1~6アルキル)2、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO2(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1~6アルキル),-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)2、-C(=NH)NH(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)2、-OC(NH)NH(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1~6アルキル)、-SO2N(C1~6アルキル)2、-SO2NH(C1~6アルキル)、-SO2NH2,-SO2C1~6アルキル、-SO2OC1~6アルキル、-OSO2C1~6アルキル、-SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)3、-OSi(C1~6アルキル)3、-C(=S)N(C1~6アルキル)2、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1~6アルキル)、-C(=S)SC1~6アルキル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)2(C1~6アルキル)、-P(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(OC1~6アルキル)2、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員のヘテロシクリル、または5~10員のヘテロアリールである;あるいは、2個のジェミナルなRgg置換基は、結び合って、=Oまたは=Sを形成する;ここでX-は、対イオンである。
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子的中性を維持するためにカチオン性四級アミノ基と結び付けられた、負に荷電した基である。例示の対イオンは、ハロゲン化物イオン(例として、F-、Cl-、Br-、I-)、NO3 -、ClO4 -、OH-、H2PO4 -、HSO4 -、スルホン酸イオン(例として、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10-カンファ-スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホン酸、エタン-1-スルホン酸-2-スルホン酸等)、およびカルボン酸イオン(例として、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸、グリコン酸等)を包含する。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)、またはヨウ素(ヨード、-I)を指す。
「アシル」は、-C(=O)Raa,-CHO、-CO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、または-C(=S)SRaaからなる群から選択される部分を指すが、ここでRaaおよびRbbは、本明細書に定義されるとおりである。
窒素原子は、原子価が許す限り、置換されていても、非置換であってもよく、一級、二級、三級、および四級の窒素原子を包含する。いくつかの態様において、各窒素原子置換基は、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員ヘテロアリールを包含するか、あるいは窒素原子へ付着された2個のRcc基は、結び合って、3~14員ヘテロシクリル環または5~14員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRdd基で置換されており、ここでRaa、Rbb、Rcc、およびRddは、上に定義されているとおりである。
ある態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基(またアミノ保護基とも称される)である。いくつかの態様において、各窒素保護基は、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、C1~10アルキル(例として、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員ヘテロアリール基を包含し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており、ここでRaa、Rbb、Rcc、およびRddは、本明細書に定義されるとおりである。窒素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されているものを包含する。
例えば、いくつかの態様において、少なくとも1個の窒素保護基は、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトロフェニルアセトアミド、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N'-ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロケイ皮酸アミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミド、およびo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドから独立して選択される、アミド基(例として、-C(=O)Raa)である。
いくつかの態様において、少なくとも1個の窒素保護基は、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチル、9-フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチルカルバマート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバマート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバマート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバマート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エチルカルバマート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバマート(t-Bumeoc)、2-(2'-および4'-ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバマート、t-ブチルカルバマート(BOCまたはBoc)、1-アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8-キノリルカルバマート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p-ニトベンジルカルバマート、p-ブロモベンジルカルバマート、p-クロロベンジルカルバマート、2,4-ジクロロベンジルカルバマート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9-アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2-メチルチオエチルカルバマート、2-メチルスルホニルエチルカルバマート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバマート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバマート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバマート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5-ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバマート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバマート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバマート、3,5-ジメトキシベンジルカルバマート、o-ニトロベンジルカルバマート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバマート、t-アミルカルバマート、S-ベンジルチオカルバマート、p-シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート,シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p-デシルオキシベンジルカルバマート、2,2-ジメトキシアシルビニルカルバマート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1-ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバマート、2-フラニルメチルカルバマート、2-ヨードエチルカルバマート、イソボルニルカルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p-(p'-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1-メチルシクロブチルカルバマート、1-メチルシクロヘキシルカルバマート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバマート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバマート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバマート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、および2,4,6-トリメチルベンジルカルバマートから独立して選択される、カルバマート基(例として、-C(=O)ORaa)である。
いくつかの態様において、少なくとも1個の窒素保護基は、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4',8'-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドから独立して選択される、スルホンアミド基(例として、-S(=O)2Raa)である。
いくつかの態様において、少なくとも1個の窒素保護基は、フェノチアジニル-(10)-アシル誘導体、N'-p-トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N'-フェニルアミノチオアシル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5-置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5-置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1-置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロリン-3-イル)アミン、四級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN'-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N',N'-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N'-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボロン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)から独立して選択される。
いくつかの態様において、各酸素原子置換基は、-Raa、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-CO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-S(=O)Raa、-SO2Raa、-Si(Raa)3、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、および-P(=O)(NRbb)2から独立して選択されるが、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、酸素原子上に存在する酸素原子置換基は、酸素保護基(また「ヒドロキシル保護基」とも称される)である。酸素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wut,3rd edition,John Wiley & Son,1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されるものを包含する。いくつかの態様において、少なくとも1個の酸素保護基は、メチル、t-ブチルオキシカルボニル(BOCまたはBoc)、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t-ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p-メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4-メトキシフェノキシ)メチル(p-AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t-ブトキシメチル、4-ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3-ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S-ジオキシド、1-[(2-クロロ-4-メチル)フェニル]-4-メトキシピペリジン-4-イル(CTMP)、1,4-ジオキサン-2-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロ-7,8,8-トリメチル-4,7-メタノベンゾフラン-2-イル、1-エトキシエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、2-(フェニルセレニル)エチル、t-ブチル、アリル、p-クロロフェニル、p-メトキシフェニル、2,4-ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、p-フェニルベンジル、2-ピコリル、4-ピコリル、3-メチル-2-ピコリルN-オキシド、ジフェニルメチル、p,p'-ジニトロベンズヒドリル、5-ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α-ナフチルジフェニルメチル、p-メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p-メトキシフェニル)メチル、4-(4'-ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4',4''-トリス(4,5-ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4',4''-トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4',4''-トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3-(イミダゾール-1-イル)ビス(4',4''-ジメトキシフェニル)メチル、1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-1'-ピレニルメチル、9-アントリル、9-(9-フェニル)キサンテニル、9-(9-フェニル-10-オキソ)アントリル、1,3-ベンゾジスルフラン-2-イル、ベンゾイソチアゾリルS,S-ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルヘキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ-p-キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t-ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ギ酸、ギ酸ベンゾイル、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p-クロロフェノキシ酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-オキソペンタノアート(レブリアート)、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバル酸、アダマントアート(adamantoate)、クロトン酸、4-メトキシクロトン酸、安息香酸、p-フェニル安息香酸、2,4,6-トリメチル安息香酸(メシト酸)、アルキルメチルカルボナート、9-フルオレニルメチルカルボナート(Fmoc)、アルキルエチルカルボナート、アルキル2,2,2-トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2-(トリメチルシリル)エチルカルボナート(TMSEC)、2-(フェニルスルホニル)エチルカルボナート(Psec)、2-(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボナート(Peoc)、アルキルイソブチルカルボナート、アルキルビニルカルボナート、アルキルアリルカルボナート、アルキルp-ニトロフェニルカルボナート、アルキルベンジルカルボナート、アルキルp-メトキシベンジルカルボナート、アルキル3,4-ジメトキシベンジルカルボナート、アルキルo-ニトロベンジルカルボナート、アルキルp-ニトロベンジルカルボナート、アルキルS-ベンジルチオカルボナート、4-エトキシ-1-ナフチルカルボナート、メチルジチオカルボナート、2-ヨード安息香酸、4-アジドブチラート、4-ニトロ-4-メチルペンタノアート、o-(ジブロモメチル)安息香酸、2-ホルミルベンゼンスルホン酸、2-(メチルチオメトキシ)エチル、4-(メチルチオメトキシ)酪酸、2-(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ酢酸、2,6-ジクロロ-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソ酪酸、モノコハク酸、(E)-2-メチル-2-ブテン酸、o-(メトキシアシル)安息香酸、α-ナフトアート、硝酸、アルキルN,N,N',N'-テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN-フェニルカルバマート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4-ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシラート)、ベンジルスルホン酸、およびトシル酸(Ts)から独立して選択される。
いくつかの態様において、少なくとも1個の硫黄原子置換基は、-Raa、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-CO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-S(=O)Raa、-SO2Raa、-Si(Raa)3、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、および-P(=O)(NRbb)2から選択されるが、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、硫黄原子上に存在する硫黄原子置換基は、硫黄保護基(また「チオール保護基」とも称される)である。硫黄保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wut, 3rd edition, John Wiley & Son, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されるものを包含する。ある態様において、硫黄保護基は、アセトアミドメチル、t-Bu、3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル、2-ピリジン-スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。
用語「脱離基」は、有機化学合成に係る技術分野におけるその通常の意味が与えられ、求核試薬によって置き換えられることが可能な原子または基を指す。いくつかの態様において、少なくとも1個の脱離基は、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI(ヨウ素)など)、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル-カルボニルオキシ(例として、アセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O-ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシル(pixyl)、およびハロホルマートから独立して選択される。いくつかの態様において、少なくとも1個の脱離基は、トルエンスルホナート(トシラート、-OTs)、メタンスルホナート(メシラート、-OMs)、p-ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシラート、-OBs)、-OS(=O)2(CF3CF3(ノナフラート、-ONf)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、-OTf)などのスルホン酸エステルから独立して選択される。いくつかの態様において、少なくとも1個の脱離基は、p-ブロモベンゼンスルホニルオキシなどのブロシラートから独立して選択される。いくつかの態様において、少なくとも1個の脱離基は、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシなどのノシラートから独立して選択される。いくつかの態様において、少なくとも1個の脱離基は、ホスフィンオキシド(例として、光延(Mitsunobu)反応の最中に形成される)、またはエポキシドもしくは環状スルファートなどの内部脱離基(internal leaving group)から独立して選択される。いくつかの態様において、少なくとも1個の脱離基は、水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、ハロゲン化亜鉛、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分から独立して選択される。
用語「薬学的に許容し得る塩」は、正当な医学的見識の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に好適であって、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答等がなく、妥当なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容し得る塩は、当該技術分野において周知である。例えば、Bergeらは薬学的に許容し得る塩を詳細にJ. Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19(参照により本明細書に組み込まれる)に記載している。本明細書に記載の化合物の薬学的に許容し得る塩は、好適な無機および有機の酸ならびに塩基に由来するものを包含する。薬学的に許容し得る無毒な酸付加塩の例は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸など)で、または有機酸(酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸)で、または当該技術分野において知られている他の方法(イオン交換など)を使用することによって、形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容し得る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、しょうのう酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN+(C1~4アルキル)4 -塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属の塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を包含する。さらなる薬学的に許容し得る塩は、適切な場合、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオン(ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸など)を使用して形成されたアミンカチオンを包含する。
用語「溶媒和物」は、通常ソルボリシス反応によって、溶媒と結び付いた化合物の形態を指す。この物理的な結び付きは、水素結合を包含してもよい。従来の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル等を包含する。本明細書に記載の化合物は、例として結晶形態で調製されてもよく、溶媒和されてもよい。好適な溶媒和物は、薬学的に許容し得る溶媒和物を包含し、さらに、化学量論的な溶媒和物および非化学量論的な溶媒和物の両方を包含する。ある実例において、溶媒和物は、例えば1個以上の溶媒分子が、結晶固体の結晶格子中に組み込まれるときに、単離できるであろう。「溶媒和物」は、溶液相と単離可能な溶媒和物との両方を網羅する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノラート、およびメタノラートを包含する。
用語「水和物」は、水と結び付いた化合物を指す。典型的には、化合物の水和物中に含有される水分子数が、水和物中の化合物分子数に対して一定の比である。したがって、化合物の水和物は、例えば一般的式R・xH2O(ここでRは、化合物であり、xは、0より大きい数である)によって表されてもよい。所定の化合物は、1より多いタイプの水和物を形成してもよく、例として、一水和物(xは、1である)、低級水和物(xは、0より大きくかつ1より小さい数であり、例として、ヘミ水和物(R・0.5H2O))、および多水和物(xは、1より大きい数であり、例として、二水和物(R・2H2O)および六水和物(R・6H2O))包含する。
用語「互変異性体(tautomer)」または「互変異性体の(tautomeric)」は、水素原子の少なくとも1つの形式的な移動と、原子価の少なくとも1つの変化(例として、単結合~二重結合、三重結合~単結合、またはその逆)とからもたらされる、2以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の厳密な比は、温度、溶媒、およびpHを包含する数個の因子に依存する。互変異性体化(すなわち、互変異性体の対を提供する反応)は、酸または塩基によって触媒されてもよい。例示の互変異性体化は、ケト-エノール、アミド-イミド、ラクタム-ラクチム、エナミン-イミン、およびエナミン-(異なる)エナミン互変異性化を包含する。
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序、または空間中のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれることもまた理解されるであろう。空間中のそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
相互の鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いの重ね合わせ不可能な鏡像であるものは、「鏡像異性体」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する(例えば、それが4つの異なる基へ結合している)とき、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対立体配置によって特徴付けられ得、CahnおよびPrelogのRおよびS順位則によって、または分子が偏光面を回転させる様式によって、記載され、右旋性または左旋性として(すなわち、夫々(+)または(-)異性体として)指定される。キラル化合物は、個々の鏡像異性体またはその混合物のいずれかとして存在し得る。等しい割合の鏡像異性体を含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼称される。
用語「多形」は、具体的な結晶充填配置における結晶形態の化合物(またはその塩、水和物、または溶媒和物)を指す。すべての多形は、同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬さ、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、ならびに可溶性を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、保管温度、および他の因子は、1つの結晶形態を優勢にさせ得る。化合物の種々の多形は、異なる条件下の結晶化によって調製され得る。
用語「共結晶」は、少なくとも2種の構成要素から構成される結晶構造を指す。ある態様において、共結晶は、本開示の化合物と、1以上の他の構成要素(原子、イオン、分子、または溶媒分子を包含する)とを含有していてもよい。ある態様において、共結晶は、本開示の化合物と、該化合物に関する1以上の構成要素(該化合物の異性体、互変異性体、塩、溶媒和物、水和物、合成前駆体、合成誘導体、フラグメント、または不純物を包含する)とを含有していてもよい。
用語「同位体標識された誘導体」または「同位体標識された」は、化合物中(あるいは、塩、水和物、もしくは溶媒和物の、会合イオン中または会合分子中)の1以上の原子が同じ元素の同位体に置き換えられている化合物を指す。分子中の所定の元素または位置について、同位体は、標識されていないバリアントと比べ、試料中の該分子中の該元素の全原子のうちより高いパーセンテージで、もしくはその位置での全原子のうちより高いパーセンテージで、濃縮されているかまたは存在しているであろう。ある態様において、濃縮された同位体は、安定した同位体であろう。ある態様において、濃縮された同位体は、不安定なまたは放射性の同位体(例として、放射性核種)であろう。ある態様において、濃縮された同位体は、核磁気共鳴、質量分析、赤外分光法、または放射性崩壊を測定する技法を包含する測定技法によって検出されてもよい。同位体標識された誘導体は、同位体標識された化合物であってもよい。同位体の例は、重水素および13Cを包含する。
用語「プロドラッグ」は、切断可能な基を有する化合物であって、加溶媒分解によってもしくは生理条件下で本明細書に記載の化合物(これはin vivoで薬学的に活性である)になる化合物を指す。かかる例は、コリンエステル誘導体等、N-アルキルモルホリンエステル等を包含する。本明細書に記載の化合物の他の誘導体は、それらの酸および酸誘導体の両方の形態で活性を有するが、酸感応性形態においてはしばしば、可溶性、組織適合性、または遅延放出の利点を哺乳生物に提供する(Bundgard,H.,Design of Prodrugs,pp.7-9,21-24,Elsevier,Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されたエステル、または親酸化合物と置換もしくは非置換のアミンとの反応によって調製されたアミド、または酸無水物、または混合無水物などの、当該技術分野の専門家に周知の酸誘導体を包含する。本明細書に記載の化合物上にぶら下がっている(pendant)酸性基に由来する、単純な脂肪族または芳香族のエステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかのケースにおいて、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステル型プロドラッグを調製することが望ましい。本明細書に記載の化合物の、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル、アリール、C6~C12置換アリール、およびC7~C12アリールアルキルエステルが、好ましいこともある。
用語「阻害」、「阻害すること」、「阻害する」、または「インヒビター」は、ビヒクルと比べて、細胞中の具体的な生物学的プロセスの活性(例として、サイクリン依存性キナーゼの活性)を低減、遅延、停止、または予防する化合物の能力を指す。
化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットが、第1タンパク質もしくは第1クロマチンに「選択的に」、「特異的に」、または「競合的に」結合するものとして言及されるとき、化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットは、第1タンパク質または第1クロマチンに、第1タンパク質および第1クロマチンとは異なる第2タンパク質または第2クロマチンに結合するより高い結合親和性(例として、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約30倍以上、約100倍以上、約1,000倍以上、または約10,000倍以上)で、結合する。化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットが、サイクリン依存性キナーゼの活性を「選択的に」、「特異的に」、または「競合的に」モジュレートする(例として、増大または阻害する)ものとして言及されるとき、化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットは、サイクリン依存性キナーゼの活性を、サイクリン依存性キナーゼとは異なる少なくとも1種のタンパク質の活性より大きく(例として、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約30倍以上、約100倍以上、約1,000倍以上、または約10,000倍以上)、モジュレートする。
用語「異常な活性」は、正常な活性から逸脱している活性、つまり、正常でない活性を指す。用語「増大した活性」は、正常な活性より高い活性を指す。
用語「組成物」および「製剤」は、交換可能に使用される。
投与が企図される「対象」は、ヒト(すなわち、いずれの年齢群の男性(male)もしくは女性(female)、例として、小児対象(例として、未成年者、子ども(child)、もしくは若者(adolescent))、または成年対象(例として、年少の成年者、中年の成年者、もしくは年長の成年者))、あるいは非ヒト動物を指す。ある態様において、非ヒト動物は、哺乳動物(例として、霊長目の動物(例として、カニクイザルもしくは赤毛猿)、商業的に関係のある哺乳動物(例として、畜牛(cattle)、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、もしくはイヌ)、または鳥類(例として、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、もしくはシチメンチョウなどの、商業的に関係のあるトリ))である。ある態様において、非ヒト動物は、魚類、爬虫類、または両生類の動物である。非ヒト動物は、いずれの発生段階でのオス(male)またはメス(female)であってもよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物または遺伝子学的に改変された動物であってもよい。「患者」は、疾患の処置を必要とするヒト対象を指す。対象はまた、植物であってもよい。ある態様において、植物は、陸生植物である。ある態様において、植物は、非維管束陸生植物である。ある態様において、植物は、維管束陸生植物である。ある態様において、植物は、種子植物である。ある態様において、植物は、栽培植物である。ある態様において、植物は、双子葉植物である。ある態様において、植物は、単子葉植物である。ある態様において、植物は、顕花植物である。いくつかの態様において、植物は、穀物用植物、例として、トウモロコシ(maize)、トウキビ(corn)、小麦、米、燕麦、大麦、ライ麦、またはキビである。いくつかの態様において、植物は、マメ科植物、例として、豆植物、例として、大豆植物である。いくつかの態様において、植物は、高木(tree)または低木(shrub)である。
用語「生体試料」は、組織試料(組織切片および組織の針生検など);細胞試料(例として、細胞学的塗抹標本(Papもしくは血液の塗抹標本など)または顕微解剖によって得られた試料);全生物の試料(酵母または細菌の試料など);あるいは、細胞画分、フラグメント、またはオルガネラ(細胞を溶解して、その構成要素を遠心分離によってまたは別様に分離することによって得られたものなど)を包含するいずれの試料も指す。生体試料の他の例は、血液、血清、尿、精液、排泄物、脳脊髄液、間質液、粘液、涙液、汗、膿、生検組織(例として、外科生検もしくは針生検によって得られたもの)、乳頭吸引物、乳、膣液、唾液、ぬぐい液(口腔内のぬぐい液など)、または別の生体試料に由来する生体分子を含有するいずれの材料を包含する。
用語「投与する(施す)」、「投与すること(施すこと)」、または「投与(施し)」は、本明細書に記載の化合物もしくはその組成物を、対象中へ、対象中に、または対象上に、インプラントすること、吸収させること、摂取させること、注射すること、吸入させること、あるいは別のやり方で導入することを指す。
用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本明細書に記載の疾患を食い止めること、緩和すること、その発病を遅延させること、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、処置は、疾患の1以上の兆候もしくは症状が発症した後または観察された後に、施されてもよい。他の態様において、処置は、疾患の兆候または症状の非存在下で施されてもよい。例えば、処置は、症状の発病に先立って(例として、症状の既往に照らして、および/または病原体への曝露に照らして)、罹患しやすい(susceptible)対象に施されてもよい。処置はまた、例えば、再発(recurrence)を遅延させるかおよび/または予防するために、症状が消散した後でも継続されてもよい。
用語「疾病」、「疾患」、および「障害」は、交換可能に使用される。
本明細書に記載の化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を惹起するのに、すなわち、疾病を処置するのに充分な量を指す。本明細書に記載の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されようとする状態、投与モード、ならびに対象の齢(age)および健康などの因子に依存して変動してもよい。ある態様において、有効量は、治療的に有効な量である。ある態様において、有効量は、予防的な処置である。ある態様において、有効量は、単回用量中の本明細書に記載の化合物の量である。ある態様において、有効量は、複数回用量における本明細書に記載の化合物の合わされた量である。
本明細書に記載の化合物の「治療的に有効な量」は、疾病の処置の点で治療ベネフィットを提供するのに、または疾病と関連する1以上の症状を遅延もしくは最小化するのに、充分な量である。化合物の治療的な有効な量は、治療剤単独での量、または他の治療と組み合わせた治療剤の量を意味し、この量は、疾病の処置の点で治療ベネフィットを提供する。用語「治療的に有効な量」は、治療を全面的に改善する量、疾病の症状、兆候、もしくは原因を減少または回避する量、および/または別の治療剤の治療有効性を増強する量を網羅し得る。
本明細書に記載の化合物の「予防的に有効な量」は、疾病、もしくは疾病と関連する1以上の症状を予防するのに、またはその再発(recurrence)を予防するのに、充分な量である。化合物の予防的に有効な量は、治療剤単独での量、または他の剤と組み合わせた治療剤の量を意味し、この量は、疾病の予防の点で予防的ベネフィットを提供する。用語「予防的に有効な量」は、予防法を全面的に改善する量、または別の予防的な剤の予防的な有効性を増強する量を網羅し得る。
「増殖性疾患」は、細胞の倍増による正常でない成長または伸展が原因で生起する疾患を指す(Walker,Cambridge Dictionary of Biology;Cambridge University Press:Cambridge,UK,1990)。増殖性疾患は、1)正常には静止期の細胞の、病的な増殖;それらの正常な所在からの細胞の病的な移動(例として、新生物性細胞の転移);3)マトリックスメタロプロテイナーゼなどのタンパク質分解酵素(例として、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ)の病的な発現;または4)増殖性網膜症および腫瘍転移に見られるような病的な血管新生、と関連し得る。例示の増殖性疾患は、がん(すなわち、「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、および自己免疫疾患を包含する。
用語「血管新生」は、新しい血管(blood vessels)が既存の血管(vessels)から形成される生理学的プロセスを指す。血管新生は、中胚葉細胞前駆体からの内皮細胞のde novo形成である脈管形成とは別個のものである。発生中の胚における第1の血管が脈管形成を通して形成され、その後に血管新生は、正常なまたは正常でない発生の最中のほとんどの血管成長を担っている。血管新生は、成長および発生において、ならびに創傷治癒において、および肉芽組織の形成において、欠かせないプロセスである。しかしながら、血管新生はまた、良性の状態から悪性の状態への腫瘍の移行(transition)における基本のステップでもあり、これががんの処置における血管新生インヒビターの使用に繋がる。血管新生は、成長因子(例として、VEGF)などの血管新生タンパク質によって化学的に刺激されることもある。「病的な血管新生」は、疾患になるかおよび/または疾患に関連する正常でない(例として、過度のまたは不充分な)血管新生を指す。
用語「新生物」および「腫瘍」は本明細書中、交換可能に使用され、組織の正常でない塊を指し、ここで塊の成長は、正常な組織の成長を上回り、正常な組織の成長と調和しない。新生物または腫瘍は、以下の特徴:細胞分化の程度(モルホロジーおよび機能性を包含する)、成長の速度、局所浸潤、および転移、に依存して「良性」であってもまたは「悪性」であってもよい。「良性新生物」は、一般に十分に分化しており、特徴として悪性新生物よりも低速の成長を有し、元の部位に局在したままである。加えて、良性新生物は、浸潤、侵襲、または遠隔部位へ転移する性質を有さない。例示的な良性新生物は、脂肪腫、軟骨腫、アデノーマ、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、および脂腺増殖症を包含する。いくつかのケースにおいて、ある「良性」腫瘍は、後に、悪性新生物を生じさせ得、これは腫瘍の新生物性細胞の部分集団中の追加の遺伝子変化からもたらされ得、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と言及される。例示的な前悪性新生物は、テラトーマである。対照的に「悪性新生物」は、一般に不十分に分化しており(退形成)、特徴として進行性の浸潤、侵襲、および周辺組織の破壊を伴う急速な成長を有する。しかも、悪性新生物は一般に、遠隔部位へ転移する性質を有する。用語「転移」、「転移性(の)」、または「転移する」は、原発性のまたは元の腫瘍から別の臓器または組織へのがん性細胞の拡散または移動を指し、典型的には、二次性(転移性)腫瘍が在る臓器または組織のものではなく、原発性のまたは元の腫瘍の組織型の「二次性腫瘍」または「二次性細胞塊」の存在によって同定可能である。例えば、骨へ移動した前立腺がんは、転移性前立腺がんと言われ、骨組織中で成長するがん性前立腺がん細胞を包含する。
用語「がん」は、制御不能に増殖しかつ正常な生体組織に浸潤して破壊する能力を有する正常でない細胞の発生によって特徴付けられる疾患の類を指す。例として、Stedman's Medical Dictionary,25th ed.;Hensyl ed.;Williams & Wilkins:Philadelphia,1990を参照。例示のがんは、血液悪性腫瘍を包含する。追加の例示のがんは、聴神経腫;腺癌;副腎のがん;肛門がん;血管肉腫(例として、リンパ管肉腫、リンパ管内皮性肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単一クローン性免疫グロブリン血症;胆管がん(例として、胆管癌);膀胱がん;乳房がん(breast cancer)(例として、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様癌、トリプルネガティブ乳房がん(TNBC));脳がん(例として、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例として、星状細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頚がん(例として、子宮頸部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;大腸がん(colorectal cancer)(例として、結腸(colon)がん、直腸(rectal)がん、結腸直腸腺癌);結合組織のがん;上皮癌;上衣腫;内皮性肉腫(例として、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例として、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例として、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼がん(例として、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢がん;胃部のがん(gastric cancer)(例として、胃腺癌(stomach adenocarcinoma));消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例として、頭頸部扁平上皮癌、口腔がん(例として、口腔扁平上皮癌)、咽喉がん(例として、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、口腔咽頭がん));重鎖病(例として、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫球性アミロイドーシス;腎臓がん(例として、腎芽細胞腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);肝臓がん(例として、肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞癌);肺がん(例として、気管支癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌)平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例として、全身性肥満細胞症);筋肉のがん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例として、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄様化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例として、神経線維腫症(NF)1または2型、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例として、胃腸すい管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例として、骨のがん);卵巣がん(例として、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵臓がん(例として、膵臓腺癌、管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例として、陰茎と陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例として、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺のがん;皮膚がん(例として、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例として、虫垂がん);軟部組織肉腫(例として、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺癌;小腸がん;汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例として、精上皮腫、精巣胚性癌腫);甲状腺がん(例として、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣のがん;および外陰がん(例として、外陰部パジェット病)を包含する。
用語「血液悪性腫瘍」は、血液、骨髄、および/またはリンパ節に影響を及ぼす腫瘍を指す。例示の血液悪性腫瘍は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例として、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)(例として、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)(例として、B細胞CML、T細胞CML)、および慢性リンパ球性白血病(CLL)(例として、B細胞CLL、T細胞CLL)などの、白血病;ホジキンリンパ腫(HL)(例として、B細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例として、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例として、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL、例として、活性化B細胞(ABC)DLBCL(ABC-DLBCL)))などの、B細胞NHL)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例として、粘膜内リンパ組織(MALT)リンパ腫、筋性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓周辺帯B細胞リンパ腫)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ワンデルストレームマクログロブリン血症(WM、リンパ形質細胞性リンパ腫)、有毛細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)リンパ腫(例として、CNS原発リンパ腫および二次性CNSリンパ腫)などの、リンパ腫;ならびに、前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例として、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)(例として、菌状息肉種、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪識炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞リンパ腫)などの、T細胞NHL;免疫特権部位のリンパ腫(例として、脳リンパ腫、眼リンパ腫、胎盤のリンパ腫、胎児のリンパ腫、精巣リンパ腫);上に記載のとおりの1以上の白血病/リンパ腫の混合型;脊髄形成異常症;ならびに、多発性骨髄腫(MM)を包含する。
用語「炎症性疾患」は、炎症をもたらすかまたは結果として炎症になることによって引き起こされる疾患を指す。用語「炎症性疾患」はまた、マクロファージ、顆粒球、および/またはT-リンパ球による、異常な組織損傷および/または細胞死に繋がる過剰な(exaggerated)応答を引き起こす調節不全の炎症性反応をも指すことがある。炎症性疾患は、急性または慢性いずれかの炎症性の疾病であり得、感染または非感染性の原因から生じ得る。炎症性疾患は、限定せずに、アテローム性動脈硬化、動脈硬化症、自己免疫障害、多発性硬化症、全身性の紅斑性狼瘡、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、痛風性関節炎、変形性関節炎、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、リウマチ性関節炎、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性の全身性硬化症(強皮症)、強直性脊椎炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、天疱瘡、類天疱瘡、糖尿病(例として、I型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー症候群、混合性結合組織疾患、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常型間質性肺臓炎(UIP)、石綿症、珪肺症、気管支拡張症、ベリリウム中毒、滑石肺、塵肺、サルコイドーシス、剥離性間質性肺炎、リンパ球様間質性肺炎、巨細胞性間質性肺炎、細胞性の間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症および血管炎(angiitis)の関連形態(側頭動脈炎および結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚疾患、肝炎、遅延型の過敏反応(例として、毒ツタ皮膚炎)、肺炎、気道炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳炎、即時型過敏反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性のアナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血性傷害)、再灌流傷害、同種移植片拒絶、宿主対移植片拒絶、虫垂炎、動脈炎、眼臉炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸炎、胆管炎、絨毛羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、咽頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、精巣炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎(urocystitis)、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎(angitis)、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、および壊死性腸炎を包含する。
「自己免疫疾患」は、通常身体中に存在する物質および組織に対する対象の身体の異常な免疫応答に由来する疾患を指す。言い換えれば、免疫系は、身体のある部分を病原体と誤解して、その自身の細胞を攻撃する。これは、ある器官に制限されていることもあり(例として、自己免疫性甲状腺炎において)、または種々の場所における特定の組織を伴うこともある(例として、肺と腎臓との両方における基底膜に影響を及ぼし得るグッドパスチャー病)。自己免疫疾患の処置は、典型的には、免疫抑制、例として、免疫応答を減少させる医薬による。例示の自己免疫疾患は、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、皮膚筋炎/多発筋炎、抗リン脂質抗体症候群、強皮症、尋常性天疱瘡、ANCA関連血管炎(例として、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発性血管炎)、ブドウ膜炎、シェーグレン症候群、クローン病、ライター症候群、強直性脊椎炎、ライム病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、および心筋ミオパチーを包含する。
用語「キナーゼ」は、ホスファート基をATPなどの高エネルギードナー分子から特定の基質へ移す(リン酸化と称される)酵素の一種である。キナーゼは、ホスホトランスフェラーゼのより大きなファミリーの一部である。キナーゼの最も大きな群の1つは、特定のタンパク質に作用してその活性を修飾するタンパク質キナーゼである。キナーゼは、細胞中、広範にシグナルを伝達して複雑なプロセスを制御するのに使用されている。様々な他のキナーゼは、脂質、炭水化物、アミノ酸、およびヌクレオチドなどの小分子に、シグナリングかまたは代謝経路に係るそれらを刺激するか(prime)のいずれかのために作用する。キナーゼはしばしば、それらの基質にちなんで命名される。500種超の種々のタンパク質キナーゼがヒトにおいて同定されている。例示のヒトタンパク質キナーゼは、AAK1、ABL、ACK、ACTR2、ACTR2B、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALK1、ALK2、ALK4、ALK7、AMPKa1、AMPKa2、ANKRD3、ANPa、ANPb、ARAF、ARAFps、ARG、AurA、AurAps1、AurAps2、AurB、AurBps1、AurC、AXL、BARK1、BARK2、BIKE、BLK、BMPR1A、BMPR1Aps1、BMPR1Aps2、BMPR1B、BMPR2、BMX、BRAF、BRAFps、BRK、BRSK1、BRSK2、BTK、BUB1、BUBR1、CaMK1a、CaMK1b、CaMK1d、CaMK1g、CaMK2a、CaMK2b、CaMK2d、CaMK2g、CaMK4、CaMKK1、CaMKK2、caMLCK、CASK、CCK4、CCRK、CDC2、CDC7、CDK10、CDK11、CDK2、CDK3、CDK4、CDK4ps、CDK5、CDK5ps、CDK6、CDK7、CDK7ps、CDK8、CDK8ps、CDK9、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CDKL4、CDKL5、CGDps、CHED、CHK1、CHK2、CHK2ps1、CHK2ps2、CK1a、CK1a2、CK1aps1、CK1aps2、CK1aps3、CK1d、CK1e、CK1g1、CK1g2、CK1g2ps、CK1g3、CK2a1、CK2a1-rs、CK2a2、CLIK1、CLIK1L、CLK1、CLK2、CLK2ps、CLK3、CLK3ps、CLK4、COT、CRIK、CRK7、CSK、CTK、CYGD、CYGF、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DCAMKL1、DCAMKL2、DCAMKL3、DDR1、DDR2、DLK、DMPK1、DMPK2、DRAK1、DRAK2、DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、DYRK3、DYRK4、EGFR、EphA1、EphA10、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、Erk1、Erk2、Erk3、Erk3ps1、Erk3ps2、Erk3ps3、Erk3ps4、Erk4、Erk5、Erk7、FAK、FER、FERps、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGR、FLT1、FLT1ps、FLT3、FLT4、FMS、FRK、Fused、FYN、GAK、GCK、GCN2、GCN22、GPRK4、GPRK5、GPRK6、GPRK6ps、GPRK7、GSK3A、GSK3B、Haspin、HCK、HER2/ErbB2、HER3/ErbB3、HER4/ErbB4、HH498、HIPK1、HIPK2、HIPK3、HIPK4、HPK1、HRI、HRIps、HSER、HUNK、ICK、IGF1R、IKKa、IKKb、IKKe、ILK、INSR、IRAK1、IRAK2、IRAK3、IRAK4、IRE1、IRE2、IRR、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、JNK1、JNK2、JNK3、KDR、KHS1、KHS2、KIS、KIT、KSGCps、KSR1、KSR2、LATS1、LATS2、LCK、LIMK1、LIMK2、LIMK2ps、LKB1、LMR1、LMR2、LMR3、LOK、LRRK1、LRRK2、LTK、LYN、LZK、MAK、MAP2K1、MAP2K1ps、MAP2K2、MAP2K2ps、MAP2K3、MAP2K4、MAP2K5、MAP2K6、MAP2K7、MAP3K1、MAP3K2、MAP3K3、MAP3K4、MAP3K5、MAP3K6、MAP3K7、MAP3K8、MAPKAPK2、MAPKAPK3、MAPKAPK5、MAPKAPKps1、MARK1、MARK2、MARK3、MARK4、MARKps01、MARKps02、MARKps03、MARKps04、MARKps05、MARKps07、MARKps08、MARKps09、MARKps10、MARKps11、MARKps12、MARKps13、MARKps15、MARKps16、MARKps17、MARKps18、MARKps19、MARKps20、MARKps21、MARKps22、MARKps23、MARKps24、MARKps25、MARKps26、MARKps27、MARKps28、MARKps29、MARKps30、MAST1、MAST2、MAST3、MAST4、MASTL、MELK、MER、MET、MISR2、MLK1、MLK2、MLK3、MLK4、MLKL、MNK1、MNK1ps、MNK2、MOK、MOS、MPSK1、MPSK1ps、MRCKa、MRCKb、MRCKps、MSK1、MSK12、MSK2、MSK22、MSSK1、MST1、MST2、MST3、MST3ps、MST4、MUSK、MYO3A、MYO3B、MYT1、NDR1、NDR2、NEK1、NEK10、NEK11、NEK2、NEK2ps1、NEK2ps2、NEK2ps3、NEK3、NEK4、NEK4ps、NEK5、NEK6、NEK7、NEK8、NEK9、NIK、NIM1、NLK、NRBP1、NRBP2、NuaK1、NuaK2、Obscn、Obscn2、OSR1、p38a、p38b、p38d、p38g、p70S6K、p70S6Kb、p70S6Kps1、p70S6Kps2、PAK1、PAK2、PAK2ps、PAK3、PAK4、PAK5、PAK6、PASK、PBK、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、PDGFRa、PDGFRb、PDK1、PEK、PFTAIRE1、PFTAIRE2、PHKg1、PHKg1ps1、PHKg1ps2、PHKg1ps3、PHKg2、PIK3R4、PIM1、PIM2、PIM3、PINK1、PITSLRE、PKACa、PKACb、PKACg、PKCa、PKCb、PKCd、PKCe、PKCg、PKCh、PKCi、PKCips、PKCt、PKCz、PKD1、PKD2、PKD3、PKG1、PKG2、PKN1、PKN2、PKN3、PKR、PLK1、PLK1ps1、PLK1ps2、PLK2、PLK3、PLK4、PRKX、PRKXps、PRKY、PRP4、PRP4ps、PRPK、PSKH1、PSKH1ps、PSKH2、PYK2、QIK、QSK、RAF1、RAF1ps、RET、RHOK、RIPK1、RIPK2、RIPK3、RNAseL、ROCK1、ROCK2、RON、ROR1、ROR2、ROS、RSK1、RSK12、RSK2、RSK22、RSK3、RSK32、RSK4、RSK42、RSKL1、RSKL2、RYK、RYKps、SAKps、SBK、SCYL1、SCYL2、SCYL2ps、SCYL3、SGK、SgK050ps、SgK069、SgK071、SgK085、SgK110、SgK196、SGK2、SgK223、SgK269、SgK288、SGK3、SgK307、SgK384ps、SgK396、SgK424、SgK493、SgK494、SgK495、SgK496、SIK(例として、SIK1、SIK、skMLCK、SLK、Slob、smMLCK、SNRK、SPEG、SPEG2、img src、SRM、SRPK1、SRPK2、SRPK2ps、SSTK、STK33、STK33ps、STLK3、STLK5、STLK6、STLK6ps1、STLK6-rs、SuRTK106、SYK、TAK1、TAO1、TAO2、TAO3、TBCK、TBK1、TEC、TESK1、TESK2、TGFbR1、TGFbR2、TIE1、TIE2、TLK1、TLK1ps、TLK2、TLK2ps1、TLK2ps2、TNK1、Trad、Trb1、Trb2、Trb3、Trio、TRKA、TRKB、TRKC、TSSK1、TSSK2、TSSK3、TSSK4、TSSKps1、TSSKps2、TTBK1、TTBK2、TTK、TTN、TXK、TYK2、TYK22、TYRO3、TYRO3ps、ULK1、ULK2、ULK3、ULK4、VACAMKL、VRK1、VRK2、VRK3、VRK3ps、Wee1、Wee1B、Wee1Bps、Wee1ps1、Wee1ps2、Wnk1、Wnk2、Wnk3、Wnk4、YANK1、YANK2、YANK3、YES、YESps、YSK1、ZAK、ZAP70、ZC1/HGK、ZC2/TNIK、ZC3/MINK、およびZC4/NRKを包含する。
用語「CDK」は、サイクリン依存性キナーゼを指す。CDKは、調節タンパク質であるサイクリン(例として、サイクリンH)に結合する。CDKは、それらの基質をセリンおよびトレオニンにてリン酸化する。CDK基質のアミノ酸配列中のリン酸化部位のコンセンサス配列は、[S/T]PX[K/R](配列番号1)であるが、ここでS/Tは、リン酸化されたセリンまたはトレオニンであり、Pは、プロリンであり、Xは、いずれのアミノ酸であり、Kは、リシンであり、およびRは、アルギニンである。CDKは、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13、CDK14、CDK15、CDK16、CDK17、CDK18、CDK19、およびCDK20を包含する。
「CDK7」または「サイクリン依存性キナーゼ7」は、基質がサイクリンH、MAT1(例として、MNAT1)、またはサイクリンHとMAT1であるCDKである。CDK7は、代替的に、CAK1、HCAK、MO15、STK1、CDKN7、およびp39MO15と称される。ヒトCDK7のヌクレオチドおよびタンパク質の配列の非限定例は、GenBank受託番号NP_001790(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。このCDK7のアミノ酸配列は、以下のとおりである:
MALDVKSRAKRYEKLDFLGEGQFATVYKARDKNTNQIVAIKKIKLGHRSEAKDGINRTALREIKLLQELSHPNIIGLLDAFGHKSNISLVFDFMETDLEVIIKDNSLVLTPSHIKAYMLMTLQGLEYLHQHWILHRDLKPNNLLLDENGVLKLADFGLAKSFGSPNRAYTHQVVTRWYRAPELLFGARMYGVGVDMWAVGCILAELLLRVPFLPGDSDLDQLTRIFETLGTPTEEQWPDMCSLPDYVTFKSFPGIPLHHIFSAAGDDLLDLIQGLFLFNPCARITATQALKMKYFSNRPGPTPGCQLPRPNCPVETLKEQSNPALAIKRKRTEALEQGGLPKKLIF(配列番号2)。
本開示のある態様の詳細な記載
キナーゼは、広範な疾患に関係する。とりわけ、CDKは、細胞周期の主要調節因子である。それらの一連の活性化および不活性化は周期を前へ推進する。CDKの活性は、正および負のリン酸化、サイクリン等の調節タンパク質の結合、およびCDKインヒビターなどの複数の機構によって調節される。CDK7は、タンパク質をコードする遺伝子のRNAポリメラーゼII媒介転写の調節において重大な役割を果たす。CDK7シグナリングの乱れは、転写の欠陥を引き起こすこともある。CDK7の選択的インヒビターが不在であると、正常な状態および病的な状態の下でのCDK7活性の短期(acute)阻害および長期阻害の転写的および機能的な因果関係の調査が妨げられる。
本開示は、一側面において、式(I)、(II-1)、(II-2)、(II-3)または(II-4)で表される化合物、およびそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグを提供する。本開示の化合物は、キナーゼの活性を阻害してもよい。ある態様において、キナーゼは、CDKである。ある態様において、キナーゼは、CDK7である。ある態様において、キナーゼは、CDK2、CDK9、またはCDK12である。本開示の化合物は、キナーゼ(例として、CDK7)の活性を、他のあるキナーゼ(例として、CDK2、CDK9、CDK12)より阻害するのに選択的であってもよい。また提供されるのには、本開示の化合物を伴う、医薬組成物、キット、使用の方法、および使用もある。本開示の化合物、医薬組成物、キット、使用の方法、および使用は、キナーゼの活性を阻害するのに、細胞成長を阻害するのに、および/または細胞のアポトーシスを誘導するのに、有用であってもよい。本開示の化合物、医薬組成物、キット、使用の方法、および使用はまた、疾患を処置するのにも、および/または疾患を予防するのにも、有用であってもよい。ある態様において、疾患は、増殖性疾患(例として、がん、良性新生物、病的血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、自己免疫疾患)、または嚢胞性線維症である。
5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)受容体は、多くの神経伝達物質の放出をモジュレートし、および様々な生物学的および神経学的プロセスに影響を及ぼす。キナーゼインヒビターは、5-HT受容体を阻害しないことについて有利であってもよい。本明細書に記載の化合物は、この利点もまた有するであろう。
化合物
一側面において、本開示は、式(I):
Figure 2022541644000010

で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグを提供し、式中:
R3およびR4の各々は、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル、置換もしくは非置換のフェニルであるか、またはR3およびR4は、結び合って、置換もしくは非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する;
R5は、置換もしくは非置換のC1~C6のアルキルまたは置換もしくは非置換のカルボシクリルである;
Figure 2022541644000011

は、-NRL1C(=O)-、-C(=O)NRL1-、-NRL1-、-O-、-S-、-NRL1-C(=O)-C(RL4)2-、-C(=O)-NRL1-C(RL4)2-、-C(RL4)2-NRL1-C(=O)-、-C(RL4)2-C(=O)-NRL1-、-NRL1-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NRL1-,-NRL1-C(=O)-NRL1-、または存在せず、ここでRL1の各場合は、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル、または窒素保護基であり、およびRL4の各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6のアルキルであるか、あるいはRL4の2つの場合は、結び合って、置換または非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する;
環Aは、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
R2の各場合は、独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra)2、-SRa、-CN、-SCN、-C(=NRa)Ra、-C(=NRa)ORa、-C(=NRa)N(Ra)2、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra)2、-NO2、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)N(Ra)2、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、または-OC(=O)N(Ra)2である;
Raの各場合は、独立して、水素、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、窒素原子へ付着されているときは窒素保護基、酸素原子へ付着されているときは酸素保護基、または硫黄原子へ付着されているときは硫黄保護基であるか、あるいはRaの2つの場合は、結び合って、置換もしくは非置換のヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換のヘテロアリールを形成する;
nは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11である;
Figure 2022541644000012

は、存在しない、-C(=O)-、-NRL2-、-C(=O)NRL2-、-NRL2C(=O)-、-O-、または-S-であり、ここでRL2は、水素、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル、または窒素保護基である;
環Bは、存在しないか、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、ただし環Bが存在しないとき、L2は存在しない;
R1の各場合は、独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra)2、-SRa、-CN、-SCN、-C(=NRa)Ra、-C(=NRa)ORa、-C(=NRa)N(Ra)2、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra)2、-NO2、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)N(Ra)2、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、または-OC(=O)N(Ra)2である;
mは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11である;
L3は、存在しないか、または-NRL3a-である、ここでRL3aは、水素、置換もしくは非置換のC1~6のアルキル、または窒素保護基である;
RE1は、水素、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルである;
RE2は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-CN、-CH2OREE、-CH2N(REE)2、または-CH2SREEである;
RE3は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-CN、-CH2OREE、-CH2N(REE)2、または-CH2SREEである;
REEの各出現は、独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであるか、あるいは2つのREE基は、結び合って、置換もしくは非置換のヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換のヘテロアリールを形成する;
環Cは、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換の、単環式の、5員もしくは6員のヘテロアリールである;
R7は、水素、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルである;
R8の各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルであるか、あるいはR8の2つの場合は、結び合って、置換または非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する;ならびに
R1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル、または窒素保護基であるか、あるいはR1NおよびR2Nは、結び合って、置換または非置換の、単環式の、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成する;
ただし化合物は、式:
Figure 2022541644000013

で表されるものではない。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000014

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000015

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000016

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000017

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000018

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000019

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000020

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000021

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000022

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000023

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000024

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000025

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000026

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000027

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000028

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000029

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000030

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000031

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000032

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000033

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000034

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000035

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000036

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、R3は、水素である。ある態様において、R3は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R3は、Meである。ある態様において、R3は、置換されたメチル(例として、1~3個のハロゲンで置換されたメチル)である。ある態様において、R3は、-CH2F、-CHF2、または-CF3である。ある態様において、R3は、Etである。ある態様において、R3は、置換されたエチル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたエチル)である。ある態様において、R3は、PrまたはBuである。ある態様において、R3は、置換されたプロピル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたプロピル)または置換されたブチル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたブチル)である。ある態様において、R3は、Phである。ある態様において、R3は、置換されたフェニルである。ある態様において、R3は、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル(例として、Me、-CF3、Et)、-OH、-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt)、または-CNからなる群から独立して選択される1~5個(例として、1個)の置換基で置換されたフェニルである。
ある態様において、R4は、水素である。ある態様において、R4は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R4は、Meである。ある態様において、R4は、置換されたメチル(例として、1~3個のハロゲンで置換されたメチル)である。ある態様において、R4は、-CH2F、-CHF2、または-CF3である。ある態様において、R4は、Etである。ある態様において、R4は、置換されたエチル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたエチル)である。ある態様において、R4は、PrまたはBuである。ある態様において、R4は、置換されたプロピル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたプロピル)または置換されたブチル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたブチル)である。ある態様において、R4は、Phである。ある態様において、R4は、置換されたフェニルである。ある態様において、R4は、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル(例として、Me、-CF3、Et)、-OH、-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt)、または-CNからなる群から独立して選択される1~5個(例として、1個)の置換基で置換されたフェニルである。
ある態様において、R3およびR4の各々は、-CH3である。
ある態様において、R3およびR4は、結び合って、置換もしくは非置換の(例として、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル(例として、Me、-CF3、Et)、-OH、-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt)、または-CNからなる群から独立して選択される1個以上(例として、1個または2個)の置換基で置換されたかまたは非置換の)、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する。ある態様において、R3およびR4は、結び合って、非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する。ある態様において、R3およびR4は、結び合って、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルを形成する。ある態様において、R3およびR4は、結び合って、置換または非置換のシクロプロピルを形成する。ある態様において、R3およびR4は、結び合って、非置換のシクロプロピルを形成する。
ある態様において、R5は、非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、R5は、置換されたC1~C6アルキルである。ある態様において、R5は、ハロゲン(例として、1個以上のフルオロ基)の場合で置換されたかまたは非置換のC1~3アルキルである。ある態様において、R5は、-CH3、-CH2F、-CHF2、-CF3、または-C2H5である。ある態様において、R5は、-CH3である。ある態様において、R5は、置換されたメチル(例として、1~3個のハロゲンで置換されたメチル)。ある態様において、R5は、-CH2Fである。ある態様において、R5は、-CHF2である。ある態様において、R5は、-CF3である。ある態様において、R5は、Etである。ある態様において、R5は、置換されたエチル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたエチル)。ある態様において、R5は、PrまたはBuである。ある態様において、R5は、置換されたプロピル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたプロピル)または置換されたブチル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたブチル)である。ある態様において、R5は、非置換のペンチルまたは非置換のヘキシルである。ある態様において、R5は、置換されたペンチル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたペンチル)または置換されたヘキシル(例として、1個以上のハロゲンで置換されたヘキシル)である。
ある態様において、R5は、置換されたかもしくは非置換の(例として、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル(例として、Me、-CF3、Et)、-OH、-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt)、または-CNからなる群から独立して選択される1個以上(例として、1個または2個)の置換基で置換されたかまたは非置換の)カルボシクリルである。ある態様において、R5は、非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルである。ある態様において、R5は、置換された、単環式の、3~6員のカルボシクリルである。ある態様において、R5は、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルである。ある態様において、R5は、置換または非置換のシクロプロピルである。ある態様において、R5は、非置換のシクロプロピルである。
ある態様において、R3、R4、およびR5の各々は、Meである。
いくつかの態様において、本明細書に開示の化合物は、R5の位置で同位体標識されている。例えば、いくつかの態様において、R5は、少なくとも1の同位体について濃縮されている。ある態様において、少なくとも1の同位体は、重水素を含む。
いくつかの態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000037

で表される。
ある態様において、
Figure 2022541644000038

は、-NRL1C(=O)-である。ある態様において、
Figure 2022541644000039

は、-NHC(=O)-である。ある態様において、
Figure 2022541644000040

は、-NRL1-または-NRL1-C(=O)-C(RL4)2-である。ある態様において、
Figure 2022541644000041

は、-NRL1-(例として、-NH-)である。ある態様において、
Figure 2022541644000042

は、-NRL1-C(=O)-C(RL4)2-である。ある態様において、
Figure 2022541644000043

は、-NH-C(=O)-CH2-である。ある態様において、
Figure 2022541644000044

である。ある態様において、
Figure 2022541644000045

である。ある態様において、
Figure 2022541644000046

は、-C(=O)NRL1-(例として、-C(=O)NH-)である。ある態様において、
Figure 2022541644000047

は、-O-または-S-である。ある態様において、
Figure 2022541644000048

は、-C(=O)-NRL1-C(RL4)2-(例として、-C(=O)-NH-CH2-)、-C(RL4)2-NRL1-C(=O)-(例として、-CH2-NH-C(=O)-)、-C(RL4)2-C(=O)-NRL1-(例として、-CH2-C(=O)-NH-)、-NRL1-C(=O)-O-(例として、-NH-C(=O)-O-)、-O-C(=O)-NRL1-(例として、-O-C(=O)-NH-)、または-NRL1-C(=O)-NRL1-(例として、-NH-C(=O)-NH-)である。ある態様において、L1は、存在しない。
本明細書に記載の式が、部分の2以上の場合を包含するとき、別様に提供されていない限り、部分のいずれか2つの場合は、同じであっても、または互いに異なっていてもよい。
ある態様において、RL1の各場合は、水素である。ある態様において、RL1のうち少なくとも1つの場合は、水素である。ある態様において、RL1が、水素である場合はない。ある態様において、RL1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、RL1のうち少なくとも1つの場合は、非置換のC1~C6アルキル(例として、Me、Et)である。ある態様において、RL1のうち少なくとも1つの場合は、Meである。ある態様において、RL1のうち少なくとも1つの場合は、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、Ts)である。
ある態様において、RL4の各場合は、水素である。ある態様において、RL4のうち少なくとも1つの場合は、水素である。ある態様において、RL4が、水素である場合はない。ある態様において、RL4のうち少なくとも1つの場合は、ハロゲン(例として、F、Cl、Br)である。ある態様において、RL4のうち少なくとも1つの場合は、Fである。ある態様において、RL4の各場合は、Fである。ある態様において、RL4のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、RL4のうち少なくとも1つの場合は、非置換のC1~C6アルキル(例として、Me、Et)である。ある態様において、RL4のうち少なくとも1つの場合は、Meである。ある態様において、RL4のうち少なくとも1つの場合は、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、Ts)である。ある態様において、RL4の各場合は、独立して、水素またはハロゲンである。
ある態様において、RL4の2つの場合は、結び合って、置換もしくは非置換の(例として、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル(例として、Me、-CF3、Et)、-OH、-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt)、または-CNからなる群から独立して選択される1個以上(例として、1個または2個)の置換基で置換されたかまたは非置換の)、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する。ある態様において、RL4の2つの場合は、結び合って、非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する。ある態様において、RL4の2つの場合は、結び合って、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルを形成する。ある態様において、RL4の2つの場合は、結び合って、置換または非置換のシクロプロピルを形成する。ある態様において、RL4の2つの場合は、結び合って、非置換のシクロプロピルを形成する。
ある態様において、環Aは、カルボシクリルである。ある態様において、環Aは、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、または2個の二重結合を含む、単環式の、3~7員のカルボシクリルである。ある態様において、環Aは、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、2、または3個の二重結合を含む、二環式の、5~13員のカルボシクリルである。ある態様において、環Aは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロへプチルである。
ある態様において、環Aは、ヘテロシクリルである。ある態様において、環Aは、単環式のヘテロシクリルである。ある態様において、環Aは、3~7員の、単環式のヘテロシクリルである。ある態様において、環Aは、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、またはピペラジニルである。
ある態様において、
Figure 2022541644000049

である。ある態様において、
Figure 2022541644000050

である。ある態様において、
Figure 2022541644000051

である。ある態様において、
Figure 2022541644000052

である。ある態様において、
Figure 2022541644000053

である。ある態様において、
Figure 2022541644000054

である。ある態様において、
Figure 2022541644000055

である。
ある態様において、環Aは、5~13員の、二環式のヘテロシクリルである。ある態様において、環Aは、複素環式の環系中のヘテロ原子が酸素および/または窒素であるヘテロシクリルである。ある態様において、環Aは、複素環式の環系中のヘテロ原子が酸素であるヘテロシクリルである。ある態様において、環Aは、複素環式の環系中のヘテロ原子が窒素であるヘテロシクリルである。
ある態様において、環Aは、アリールである。ある態様において、環Aは、フェニルである。ある態様において、環Aは、ナフチルである。ある態様において、
Figure 2022541644000056

である。ある態様において、
Figure 2022541644000057

である。ある態様において、
Figure 2022541644000058

である。ある態様において、
Figure 2022541644000059

である。
ある態様において、
Figure 2022541644000060

である。ある態様において、
Figure 2022541644000061

である。ある態様において、
Figure 2022541644000062

である。ある態様において、
Figure 2022541644000063

である。
ある態様において、環Aは、ヘテロアリールである。ある態様において、環Aは、単環式または二環式のヘテロアリールである。ある態様において、環Aは、単環式の、5員または6員のヘテロアリールである。ある態様において、環Aは、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、またはイソチアゾリルである。ある態様において、環Aは、ピリジニルである。ある態様において、環Aは、ピリミジニルである。ある態様において、環Aは、ピラジニルまたはピリダジニルである。ある態様において、環Aは、二環式の、9員または10員の(例として、5,6-縮合された、6,5-縮合された、または6,6-縮合された)ヘテロアリールである。ある態様において、環Aは、ベンゾフラニル、アザ-ベンゾフラニル、ジアザ-ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、アザ-ベンゾチエニル、ジアザ-ベンゾチエニル、インドリル、アザ-インドリル、ジアザ-インドリル、イソインドリル、アザ-イソインドリル、ジアザ-イソインドリル、ベンズオキサゾリル、アザ-ベンズオキサゾリル、ジアザ-ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、アザ-ベンゾチアゾリル、ジアザ-ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、アザ-ベンズイミダゾリル、またはジアザ-ベンズイミダゾリルである。ある態様において、環Aは、チエノ[2,3-d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2-d]ピリミジニルである。ある態様において、環Aは、イソキノリルである。ある態様において、環Aは、アザ-イソキノリニル、ジアザ-イソキノリニル、キノリニル、アザ-キノリニル、またはジアザ-キノリニルである。ある態様において、
Figure 2022541644000064

である。ある態様において、
Figure 2022541644000065

である。ある態様において、
Figure 2022541644000066

Figure 2022541644000067

である。ある態様において、
Figure 2022541644000068

である。ある態様において、
Figure 2022541644000069

である。ある態様において、
Figure 2022541644000070

である。ある態様において、
Figure 2022541644000071

である。ある態様において、
Figure 2022541644000072

である。ある態様において、
Figure 2022541644000073

である。ある態様において、
Figure 2022541644000074

である。ある態様において、
Figure 2022541644000075

である。
ある態様において、環Aは、単環式の、4~7員の環と縮合されたフェニルである。ある態様において、環Aは、単環式の、4~7員の(例として、単環式の5員の)カルボシクリルと縮合されたフェニルである。ある態様において、環Aは、単環式の、5員または6員のヘテロシクリルと縮合されたフェニルである。ある態様において、環Aは、単環式の、5員のヘテロシクリルと縮合されたフェニルである。ある態様において、
Figure 2022541644000076

である。ある態様において、
Figure 2022541644000077

である。ある態様において、
Figure 2022541644000078
である。ある態様において、
Figure 2022541644000079

である。
ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、ハロゲン(例として、F、Cl、Br、I)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、Fである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換アルキル(例として、ハロゲン(例として、F)の1個以上の場合で置換されたアルキル)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、非置換アルキルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、非置換C1~6アルキルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、Meである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、Et、Pr、またはBuである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換C1~6アルキルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換メチル(例として、-CF3、-CF2H、-CFH2)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-CF3である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換エチル、置換プロピル、または置換ブチルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルケニルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のC2~6アルケニル(例として、置換もしくは非置換のビニルまたは置換もしくは非置換のアリル)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキニルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のC2~6アルキニル(置換または非置換のエチニル)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、または2個の二重結合を含む、置換もしくは非置換の、単環式の、3~7員のカルボシクリル)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、置換もしくは非置換のシクロヘキシル、または置換もしくは非置換のシクロへプチルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換または非置換の、3~7員の、単環式のヘテロシクリル)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニル、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアリールである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のナフチルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換の、5~6員の、単環式のヘテロアリールである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換もしくは非置換のフラニル、置換もしくは非置換のチエニル、置換もしくは非置換のピロリル、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のオキサゾリル、置換もしくは非置換のイソオキサゾリル、置換もしくは非置換のチアゾリル、または置換もしくは非置換のイソチアゾリルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換もしくは非置換のピリジニル、置換もしくは非置換のピラジニル、置換もしくは非置換のピリミジニル、または置換もしくは非置換のピリダジニルである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換の、9~10員の、二環式のヘテロアリールである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-ORa(例として、-OH、-O(置換もしくは非置換の、C1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt、-OPr、-OBu、または-OBn)、または-O(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-OPh))である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-OMeである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-SRa(例として、-SH、-S(置換もしくは非置換の、C1~6アルキル)(例として、-SMe、-SCF3、-SEt、-SPr、-SBu、または-SBn)、または-S(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-SPh))である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-N(Ra)2(例として、-NH2、-NH(置換もしくは非置換の、C1~6アルキル)(例として、-NHMe)、または-N(置換もしくは非置換の、C1~6アルキル)-(置換もしくは非置換の、C1~6アルキル)(例として、-NMe2))である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-CNまたは-SCNである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-NO2である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-C(=NRa)Ra、-C(=NRa)ORa、または-C(=NRa)N(Ra)2である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)Ra(例として、-C(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)Me)または-C(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)ORa(例として、-C(=O)OH、-C(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)OMe)、または-C(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)N(Ra)2(例として、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)NHMe)、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-C(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-C(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-NRaC(=O)Ra(例として、-NHC(=O)(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHC(=O)Me)または-NHC(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-NRaC(=O)ORaである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-NRaC(=O)N(Ra)2(例として、-NHC(=O)NH2、-NHC(=O)NH(置換または非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHC(=O)NHMe))である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-OC(=O)Ra(例として、-OC(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)または-OC(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))、-OC(=O)ORa(例として、-OC(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)または-OC(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))、または-OC(=O)N(Ra)2(例として、-OC(=O)NH2、-OC(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)、-OC(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-OC(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-OC(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。
ある態様において、nは、0または1である。ある態様において、nは、0である。ある態様において、nは、1である。ある態様において、nは、2である。ある態様において、nは、3、4、または5である。ある態様において、nは、5である。ある態様において、nは、6、7、8、9、10、または11である。
ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、-ORa、-N(Ra)2、-SRa、-CN、-SCN、-C(=NRa)Ra、-C(=NRa)ORa、-C(=NRa)N(Ra)2、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra)2、-NO2、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)N(Ra)2、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、または-OC(=O)N(Ra)2である;およびnは、原子価が許す限り、1または2である。ある態様において、R2のうち少なくとも1つの場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、または-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1つの場合は、ハロゲン、1個以上のハロゲンで置換されたかもしくは非置換のC1~6アルキル、または-O(1個以上のハロゲンで置換されたかもしくは非置換のC1~6アルキル)である。
ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、水素である。ある態様において、Raの各場合は、水素である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合も、水素ではない。ある態様において、Raのどの場合も、水素ではない。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換アルキル(例として、ハロゲン(例として、F)の1個以上の場合で置換されたアルキル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、非置換アルキルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、非置換C1~6アルキルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、Meである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、Et、Pr、またはBuである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換C1~6アルキルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換メチルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換エチル、置換プロピル、または置換ブチルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルケニルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のC2~6アルケニル(例として、置換もしくは非置換のビニルまたは置換もしくは非置換のアリル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキニルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のC2~6アルキニル(置換または非置換のエチニル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、単環式の、3~7員のカルボシクリル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、置換もしくは非置換のシクロヘキシル、または置換もしくは非置換のシクロへプチルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換または非置換の、3~7員の、単環式のヘテロシクリル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニル、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアリールである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のナフチルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換の、5~6員の、単環式のヘテロアリールである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換もしくは非置換のフラニル、置換もしくは非置換のチエニル、置換もしくは非置換のピロリル、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のオキサゾリル、置換もしくは非置換のイソオキサゾリル、置換もしくは非置換のチアゾリル、または置換もしくは非置換のイソチアゾリルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換もしくは非置換のピリジニル、置換もしくは非置換のピラジニル、置換もしくは非置換のピリミジニル、または置換もしくは非置換のピリダジニルである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換の、9~10員の、二環式のヘテロアリールである。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、窒素原子へ付着されているとき、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、酸素原子へ付着されているとき、酸素保護基(例として、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t-Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイル)である。ある態様において、Raの2つの場合は、結び合って、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換または非置換の、3~7員の、単環式のヘテロシクリル)を形成する。ある態様において、Raの2つの場合は、結び合って、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換または非置換の、5~6員の、単環式のヘテロアリール)を形成する。
ある態様において、L2は、存在しない。ある態様において、L2は、-C(=O)-または-NRL2-である。ある態様において、L2は、-C(=O)-である。ある態様において、L2は、-NRL2-(例として、-NH-)である。ある態様において、
Figure 2022541644000080

は、-C(=O)NRL2-(例として、-C(=O)NH-)または-NRL2C(=O)-(例として、-NHC(=O)-)である。ある態様において、L2は、-O-または-S-である。
ある態様において、RL2は、水素である。ある態様において、RL2は、置換または非置換の、C1~6アルキルである。ある態様において、RL2は、Meである。ある態様において、RL2は、Et、Pr、Bu、置換メチル、置換エチル、置換プロピル、または置換ブチルである。ある態様において、RL2は、窒素保護基(例として、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、Ts)である。
ある態様において、L2の各々および環Bは、存在しない。ある態様において、環Bは、カルボシクリルである。ある態様において、環Bは、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、または2個の二重結合を含む、単環式の、3~7員のカルボシクリルである。ある態様において、環Bは、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、2個、または3個の二重結合を含む、二環式の、5~13員のカルボシクリルである。ある態様において、環Bは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロへプチルである。
ある態様において、環Bは、ヘテロシクリルである。ある態様において、環Bは、単環式のヘテロシクリルである。ある態様において、環Bは、3~7員の、単環式のヘテロシクリルである。ある態様において、環Bは、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、またはピペラジニルである。
ある態様において、
Figure 2022541644000081

である。ある態様において、
Figure 2022541644000082

である。ある態様において、
Figure 2022541644000083

である。ある態様において、
Figure 2022541644000084

である。ある態様において、
Figure 2022541644000085

である。ある態様において、
Figure 2022541644000086

である。ある態様において、
Figure 2022541644000087

である。
ある態様において、環Bは、5~13員の、二環式のヘテロシクリルである。ある態様において、環Bは、複素環式の環系中のヘテロ原子が、酸素および/または窒素であるヘテロシクリルである。ある態様において、環Bは、複素環式の環系中のヘテロ原子が、酸素であるヘテロシクリルである。ある態様において、環Bは、複素環式の環系中のヘテロ原子が、窒素であるヘテロシクリルである。
ある態様において、環Bは、アリールである。ある態様において、環Bは、フェニルである。ある態様において、環Bは、ナフチルである。ある態様において、
Figure 2022541644000088

である。ある態様において、
Figure 2022541644000089

である。ある態様において、
Figure 2022541644000090

である。ある態様において、
Figure 2022541644000091

である。
ある態様において
Figure 2022541644000092

である。ある態様において、
Figure 2022541644000093

である。ある態様において、
Figure 2022541644000094

である。ある態様において、
Figure 2022541644000095

である。
ある態様において、環Bは、ヘテロアリールである。ある態様において、環Bは、単環式または二環式のヘテロアリールである。ある態様において、環Bは、単環式の、5員または6員のヘテロアリールである。ある態様において、環Bは、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、またはイソチアゾリルである。ある態様において、環Bは、ピリジニルである。ある態様において、環Bは、ピリミジニルである。ある態様において、環Bは、ピラジニルまたはピリダジニルである。ある態様において、環Bは、二環式の、9員または10員の(例として、5,6-縮合された、6,5-縮合された、または6,6-縮合された)ヘテロアリールである。ある態様において、環Bは、ベンゾフラニル、アザ-ベンゾフラニル、ジアザ-ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、アザ-ベンゾチエニル、ジアザ-ベンゾチエニル、インドリル、アザ-インドリル、ジアザ-インドリル、イソインドリル、アザ-イソインドリル、ジアザ-イソインドリル、ベンズオキサゾリル、アザ-ベンズオキサゾリル、ジアザ-ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、アザ-ベンゾチアゾリル、ジアザ-ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、アザ-ベンズイミダゾリル、またはジアザ-ベンズイミダゾリルである。ある態様において、環Bは、チエノ[2,3-d]ピリミジニルまたはチエノ[3,2-d]ピリミジニルである。ある態様において、環Bは、イソキノリニルである。ある態様において、環Bは、アザ-イソキノリニル、ジアザ-イソキノリニル、キノリニル、アザ-キノリニル、またはジアザ-キノリニルである。ある態様において、
Figure 2022541644000096

である。ある態様において、
Figure 2022541644000097
である。ある態様において、
Figure 2022541644000098

Figure 2022541644000099

である。ある態様において、
Figure 2022541644000100

である。
ある態様において、環Bは、単環式の、4~7員の環と縮合されたフェニルである。ある態様において、環Bは、単環式の、4~7員の(例として、単環式の、5員の)カルボシクリルと縮合されたフェニルである。ある態様において、環Bは、単環式の、5員または6員のヘテロシクリルと縮合されたフェニルである。ある態様において、環Bは、単環式の、5員のヘテロシクリルと縮合されたフェニルである。
ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、ハロゲン(例として、F、Cl、Br、I)である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換アルキル(例として、ハロゲン(例として、F)の1個以上の場合で置換されたアルキル)である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、非置換のアルキルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、Meである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、Et、Pr、またはBuである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換C1~6アルキルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換メチル(例として、-CF3、-CF2H、-CFH2)である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換エチル、置換プロピル、または置換ブチルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のアルケニルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のC2~6アルケニル(例として、置換もしくは非置換のビニルまたは置換もしくは非置換のアリル)である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のアルキニルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のC2~6アルキニル(置換または非置換のエチニル)である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、または2個の二重結合を含む置換または非置換の、単環式の、3~7員のカルボシクリル)である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、置換もしくは非置換のシクロヘキシル、または置換もしくは非置換のシクロへプチルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換または非置換の、3~7員の、単環式のヘテロシクリル)である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニル、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のアリールである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のナフチルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換の、5~6員の、単環式のヘテロアリールである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換もしくは非置換のフラニル、置換もしくは非置換のチエニル、置換もしくは非置換のピロリル、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のオキサゾリル、置換もしくは非置換のイソオキサゾリル、置換もしくは非置換のチアゾリル、または置換もしくは非置換のイソチアゾリルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換もしくは非置換のピリジニル、置換もしくは非置換のピラジニル、置換もしくは非置換のピリミジニル、または置換もしくは非置換のピリダジニルである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換の、9~10員の、二環式のヘテロアリールである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-ORa(例として、-OH、-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt、-OPr、-OBu、もしくは-OBn)、または-O(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-OPh))である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-OMeである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-SRa(例として、-SH、-S(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-SMe、-SCF3、-SEt、-SPr、-SBu、もしくは-SBn)、または-S(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-SPh))である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-N(Ra)2(例として、-NH2、-NH(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHMe)、または-N(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)-(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NMe2))である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-CNまたは-SCNである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-NO2である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-C(=NRa)Ra、-C(=NRa)ORa、または-C(=NRa)N(Ra)2である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-C(=O)Ra(例として、-C(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)Me)または-C(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-C(=O)ORa(例として、-C(=O)OH、-C(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)OMe)、もしくは-C(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-C(=O)N(Ra)2(例として、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)NHMe)、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-C(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-C(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-NRaC(=O)Ra(例として、-NHC(=O)(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHC(=O)Me)または-NHC(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-NRaC(=O)ORaである。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-NRaC(=O)N(Ra)2(例として、-NHC(=O)NH2、-NHC(=O)NH(置換または非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHC(=O)NHMe))である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、-OC(=O)Ra(例として、-OC(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)または-OC(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))、-OC(=O)ORa(例として、-OC(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)または-OC(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))、または-OC(=O)N(Ra)2(例として、-OC(=O)NH2、-OC(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)、-OC(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-OC(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-OC(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。
ある態様において、mは、0または1である。ある態様において、mは、0である。ある態様において、mは、1である。ある態様において、mは、2である。ある態様において、mは、3、4、または5である。ある態様において、mは、5である。ある態様において、mは、6、7、8、9、10、または11である。
ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、-ORa、-N(Ra)2、-SRa、-CN、-SCN、-C(=NRa)Ra、-C(=NRa)ORa、-C(=NRa)N(Ra)2、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra)2、-NO2、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)N(Ra)2、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、または-OC(=O)N(Ra)2であり;およびmは、原子価が許す限り1または2である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、または-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、R1のうち少なくとも1つの場合は、ハロゲン、1個以上のハロゲンで置換されたかもしくは非置換のC1~6アルキル、または-O(1個以上のハロゲンで置換されたかもしくは非置換のC1~6アルキル)である。
ある態様において、L3は、存在しない。ある態様において、L3は、-NRL3a-である。ある態様において、L3は、-NH-である。ある態様において、L3は、-NMe-である。
ある態様において、RL3aは、水素である。ある態様において、RL3aは、置換または非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、RL3aは、非置換のC1~C6アルキル(例として、Me、Et)である。ある態様において、RL3aは、Meである。ある態様において、RL3aは、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、Ts)である。
ある態様において、RE1は、水素である。ある態様において、RE1は、置換または非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、RE1は、非置換のC1~C6アルキル(例として、Me、Et)である。ある態様において、RE1は、Meである。
ある態様において、RE2は、水素である。ある態様において、RE2は、置換または非置換のアルキル(例として、置換または非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、RE2は、置換または非置換のアルケニル(例として、置換または非置換のC2~6アルケニル)である。ある態様において、RE2は、置換または非置換のアルキニル(例として、置換または非置換のC2~6アルキニル)である。ある態様において、RE2は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、または2個の二重結合を含む置換または非置換の、単環式の、3~7員のカルボシクリル)である。ある態様において、RE2は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換または非置換の、3~7員の、単環式のヘテロシクリル)である。ある態様において、RE2は、置換または非置換のアリール(例として、置換または非置換のフェニル)である。ある態様において、RE2は、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換もしくは非置換の、5~6員の、単環式のヘテロアリール、または置換もしくは非置換の、9~10員の、二環式のヘテロアリール)である。ある態様において、RE2は、-CNである。ある態様において、RE2は、-CH2OREE(例として、-CH2O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル))または-CH2SREE(例として、-CH2S(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、RE2は、-CH2N(REE)2である。ある態様において、RE2は、-CH2N(置換または非置換のC1~6アルキル)2である。ある態様において、RE2は、-CH2N(非置換のC1~3アルキル)2である。ある態様において、RE2は、-CH2N(CH3)2である。
ある態様において、RE3は、水素である。ある態様において、RE3は、置換または非置換のアルキル(例として、置換または非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、RE3は、置換または非置換のアルケニル(例として、置換または非置換のC2~6アルケニル)である。ある態様において、RE3は、置換または非置換のアルキニル(例として、置換または非置換のC2~6アルキニル)である。ある態様において、RE3は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中に原子価が許す限り0個、1個、または2個の二重結合を含む置換または非置換の、単環式の、3~7員のカルボシクリル)である。ある態様において、RE3は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換または非置換の、3~7員の、単環式のヘテロシクリル)である。ある態様において、RE3は、置換または非置換のアリール(例として、置換または非置換のフェニル)である。ある態様において、RE3は、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換もしくは非置換の、5~6員の、単環式のヘテロアリール、または置換もしくは非置換の、9~10員の、二環式のヘテロアリール)である。ある態様において、RE3は、-CNである。ある態様において、RE3は、-CH2OREE(例として、-CH2O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル))または-CH2SREE(例として、-CH2S(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、RE3は、-CH2N(REE)2である。ある態様において、RE3は、-CH2N(置換または非置換のC1~6アルキル)2である。ある態様において、RE3は、-CH2N(非置換のC1~3アルキル)2である。ある態様において、RE3は、-CH2N(CH3)2である。
ある態様において、RE1、RE2、およびRE3の各々は、水素である。ある態様において、RE1は、水素であり、RE2およびRE3のうちの一方は、水素であり、ならびにRE2およびRE3のうちの他方は、-CH2N(REE)2である。ある態様において、RE1は、水素であり、RE2およびRE3のうちの一方は、水素であり、ならびにRE2およびRE3のうちの他方は、-CH2NMe2である。ある態様において、
Figure 2022541644000101

である。ある態様において、
Figure 2022541644000102

である。ある態様において、
Figure 2022541644000103

である。ある態様において、
Figure 2022541644000104

である。
ある態様において、REEのうち少なくとも1つの場合は、水素である。ある態様において、REEの各場合は、水素である。ある態様において、REEのいずれの場合も、水素ではない。ある態様において、REEのうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のアルキル(例として、置換または非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、REEのうち少なくとも1つの場合は、非置換のC1~3アルキル(例として、Me)である。ある態様において、REEの各場合は、置換または非置換のアルキルである。ある態様において、REEの各場合は、非置換のC1~3アルキル(例として、Me)である。ある態様において、REEのうち少なくとも1つの場合は、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである。ある態様において、REEのうち少なくとも1つの場合は、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。ある態様において、REEの2つの場合は、結び合って、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換または非置換の、3~7員の、単環式のヘテロシクリル)を形成する。ある態様において、REEの2つの場合は、結び合って、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換または非置換のピロリル)を形成する。
ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、環Cは、置換された(例として、単置換されている)フェニルである。ある態様において、環Cは、非置換のフェニルである。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、単環式の、5員または6員のヘテロアリールである。ある態様において、環Cは、置換された(例として、単置換されている)、単環式の、5員または6員のヘテロアリールである。ある態様において、環Cは、非置換の、単環式の、5員または6員のヘテロアリールである。ある態様において、環Cは、置換もしくは非置換のフラニル、置換もしくは非置換のチエニル、置換もしくは非置換のピロリル、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のオキサゾリル、置換もしくは非置換のイソオキサゾリル、置換もしくは非置換のチアゾリル、または置換もしくは非置換のイソチアゾリルである。ある態様において、環Cは、置換または非置換のピロリルである。ある態様において、環Cは、置換または非置換のイミダゾリルである。ある態様において、環Cは、置換または非置換のピリジニルである。ある態様において、環Cは、置換または非置換のピリミジニルである。ある態様において、環Cは、置換または非置換のピラジニルである。ある態様において、環Cは、置換または非置換のピリダジニルである。
ある態様において、
Figure 2022541644000105

であるか、
Figure 2022541644000106

であるか、または
Figure 2022541644000107

である。ある態様において、
Figure 2022541644000108

であるか、
Figure 2022541644000109

であるか、または
Figure 2022541644000110

である。
ある態様において、R7は、水素である。ある態様において、R7は、ハロゲン(例として、F、Cl)である。ある態様において、R7は、Fである。ある態様において、R7は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R7は、1個以上のハロゲン(例として、1個以上のF)で置換されたC1~6アルキルである。ある態様において、R7は、非置換のC1~6アルキル(例として、Me、Et)である。ある態様において、R7は、Meである。
ある態様において、R8のうち少なくとも1つの場合は、水素である。ある態様において、R8の各場合は、水素である。ある態様において、R8のうち少なくとも1つの場合は、ハロゲン(例として、F、Cl)である。ある態様において、R8のうち少なくとも1つの場合は、Fである。ある態様において、R8のうち少なくとも1つの場合は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R8のうち少なくとも1つの場合は、1個以上のハロゲン(例として、1個以上のF)で置換されたC1~6アルキルである。ある態様において、R8のうち少なくとも1つの場合は、非置換のC1~6アルキル(例として、Me、Et)である。ある態様において、R8のうち少なくとも1つの場合は、Meである。
ある態様において、R8の2つの場合は、結び合って、置換または非置換の(例として、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル(例として、Me、-CF3、Et)、-OH、-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt)、または-CNからなる群から独立して選択される1個以上(例として、1個または2個)の置換基で置換されるかまたは非置換の)、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する。ある態様において、R8の2つの場合は、結び合って、非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する。ある態様において、R8の2つの場合は、結び合って、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルを形成する。ある態様において、R8の2つの場合は、結び合って、置換または非置換のシクロプロピルを形成する。ある態様において、R8の2つの場合は、結び合って、非置換のシクロプロピルを形成する。
ある態様において、R1Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、置換または非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、R1Nは、非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、R1Nは、Meである。ある態様において、R1Nは、Etである。ある態様において、R1Nは、Prである。ある態様において、R1Nは、Buである。ある態様において、R1Nは、置換されたC1~C6アルキル(例として、1個以上のハロゲン(例として、1個以上のF)で置換されたC1~C6アルキル)である。ある態様において、R1Nは、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、Ts)である。
ある態様において、R2Nは、水素である。ある態様において、R2Nは、置換または非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、R2Nは、非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、R2Nは、Meである。ある態様において、R2Nは、Etである。ある態様において、R2Nは、Prである。ある態様において、R2Nは、Buである。ある態様において、R2Nは、置換されたC1~C6アルキル(例として、1個以上のハロゲン(例として、1個以上のF)で置換されたC1~C6アルキル)である。ある態様において、R2Nは、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、Ts)である。
ある態様において、R1NおよびR2Nの各々は、置換または非置換のC1~C6アルキルである。ある態様において、R1NおよびR2Nの各々は、非置換のC1~C3アルキルである。ある態様において、R1NおよびR2Nの各々は、-CH3である。ある態様において、R1NおよびR2Nは、結び合って、置換または非置換の、単環式のヘテロシクリルを形成する。ある態様において、REEの2つの場合は、結び合って、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルを形成する。ある態様において、R1NおよびR2Nは、結び合って、置換または非置換の、単環式のヘテロアリール(例として、置換または非置換のピロリル)を形成する。
ある態様において、化合物は、4個以下の水素結合ドナーを含む。ある態様において、化合物は、5個以下の水素結合ドナーを含む。ある態様において、化合物は、6個以下の水素結合ドナーを含む。ある態様において、化合物は、4個以下の水素結合アクセプターを含む。ある態様において、化合物は、5個以下の水素結合アクセプターを含む。ある態様において、化合物は、6個以下の水素結合アクセプターを含む。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000111
Figure 2022541644000112
Figure 2022541644000113
Figure 2022541644000114
Figure 2022541644000115
Figure 2022541644000116
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。ある態様において、化合物は、式(I-1)~(I-33)のいずれか1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、化合物は、式:
Figure 2022541644000117

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。ある態様において、化合物は、式(I-1)で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
別の側面において、本開示は、式:
Figure 2022541644000118

で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグを提供する。ある態様において、化合物は、式(II-1)~(II-4)のいずれか1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、提供される化合物(本明細書に記載の化合物、本開示の化合物)は、式(I)、(II-1)、(II-2)、(II-3)、または(II-4)、(II-1)、(II-2)、(II-3)、または(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。ある態様において、提供される化合物は、式(I)、(II-1)、(II-2)、(II-3)、または(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、もしくは立体異性体である。ある態様において、提供される化合物は、式(I)、(II-1)、(II-2)、(II-3)、または(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体、もしくは立体異性体である。ある態様において、提供される化合物は、式(I)、(II-1)、(II-2)、(II-3)、または(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、提供される化合物は、互変異性体の混合物である。ある態様において、提供される化合物は、鏡像異性体および/またはジアステレオマーの混合物(例として、ラセミ混合物)である。
ある態様において、塩の形態でも、溶媒和物の形態でも、水和物の形態でも、共結晶の形態でも、プロドラッグの形態でもない、提供される化合物の分子量は、2,000g/mol未満、1,500g/mol未満、1,200g/mol未満、1,000g/mol未満、800g/mol未満、700g/mol未満、または600g/mol未満である。ある態様において、塩の形態でも、溶媒和物の形態でも、水和物の形態でも、共結晶の形態でも、プロドラッグの形態でもない、提供される化合物の分子量は、1000g/mol未満である。ある態様において、塩の形態でも、溶媒和物の形態でも、水和物の形態でも、共結晶の形態でも、プロドラッグの形態でもない、提供される化合物の分子量は、600g/mol未満である。
ある態様において、提供される化合物は、キナーゼの活性(例として、異常な活性(例として、正常な活性より高く、増大した活性))を阻害する。ある態様において、キナーゼは、CDK(例として、野生型または突然変異のCDK)である。ある態様において、キナーゼは、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13、CDK14、CDK15、CDK16、CDK17、CDK18、CDK19、またはCDK20である。ある態様において、キナーゼは、CDK7(例として、野生型または突然変異のCDK7)である。ある態様において、キナーゼは、CDK2である。ある態様において、キナーゼは、CDK9である。ある態様において、キナーゼは、CDK12である。ある態様において、キナーゼは、ヒトキナーゼである。ある態様において、キナーゼは、非ヒト哺乳動物キナーゼである。ある態様において、キナーゼは、野生型キナーゼである。ある態様において、キナーゼは、突然変異キナーゼである。ある態様において、提供される化合物は、本明細書に記載のアッセイまたは当該技術分野において知られているアッセイにおいて測定されるとおりのキナーゼの活性を阻害する。ある態様において、提供される化合物は、キナーゼの活性を、30μM未満もしくはこれと等しいIC50、10μM未満もしくはこれと等しいIC50、3μM未満もしくはこれと等しいIC50、1μM未満もしくはこれと等しいIC50、0.3μM未満もしくはこれと等しいIC50、または0.1μM未満もしくはこれと等しいIC50にて阻害する。
あるCDK7インヒビターはまた、CDK12および/またはCDK13の活性も阻害することが報告されている(Kwiatowski et al.,Nature,511,616-620(2014))。本開示の化合物は、第1キナーゼの活性を第2キナーゼより阻害することに対して選択的であってもよく、ここで第1および第2キナーゼは互いに異なる。ある態様において、第1キナーゼは、CDKである。ある態様において、第1キナーゼは、CDK7である。ある態様において、第2キナーゼは、CDKではないキナーゼ(例として、CDK7ではないキナーゼ)である。ある態様において、第2キナーゼは、CDK2、CDK9、またはCDK12である。第1キナーゼの活性を第2キナーゼより阻害する本開示の化合物または医薬組成物の選択性は、第1キナーゼの活性を阻害する化合物または医薬組成物のIC50値分の、第2キナーゼの活性を阻害する化合物または医薬組成物のIC50値の商によって測定されてもよい。第1キナーゼの活性を第2キナーゼより阻害する本開示の化合物または医薬組成物の選択性はまた、化合物または医薬組成物と第1キナーゼとの付加体のKd値分の、化合物または医薬組成物と第2キナーゼとの付加体のKd値の商によっても測定されてよい。ある態様において、提供される化合物は、第1キナーゼの活性を第2キナーゼより(例として、in vitroアッセイまたは本明細書に記載のアッセイにおいて)阻害することに対し、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、または少なくとも1,000倍選択的である。ある態様において、提供される化合物は、第1キナーゼの活性を第2キナーゼより(例として、in vitroアッセイまたは本明細書に記載のアッセイにおいて)阻害することに対し、最大でも3倍、最大でも4倍、最大でも5倍、最大でも7倍、最大でも10倍、最大でも20倍、最大でも50倍、最大でも100倍、最大でも300倍、または最大でも1,000倍選択的である。本開示の化合物は、処置および/または予防を、これを必要とする対象おいてするのに、非選択的であるかまたはより選択性の低いキナーゼインヒビターに対して有利であってもよい。本開示の化合物は、CDK(例として、CDK7)の活性を他のキナーゼ(例として、CDK以外のキナーゼ、CDK7以外のキナーゼ、CDK7以外のCDK)より阻害することに対し、他の化合物(例として、非選択的キナーゼインヒビター、より選択性の低いキナーゼインヒビター)より選択的であってもよい。ある態様において、提供される化合物は、CDK7の活性をCDK2より(例として、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、または少なくとも1,000倍)阻害することに対し、より選択的である。ある態様において、提供される化合物は、CDK7の活性をCDK9より(例として、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、または少なくとも1,000倍)阻害することに対し、より選択的である。ある態様において、提供される化合物は、CDK7の活性をCDK12より(例として、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、または少なくとも1,000倍)阻害することに対し、より選択的である。ある態様において、提供される化合物は、可逆的に(例として、非共有結合的に)キナーゼへ結合する。ある態様において、提供される化合物は、不可逆的に(例として、共有結合的に)キナーゼへ結合する。本開示のある化合物は、CDK7の標準的なキナーゼドメイン(例として、Cys312)の外側に位置付けられるシステイン残基を、共有結合的に修飾することができてもよい。Cys312は専らCDK7に見出される。いずれの具体的な理論によっても拘束されることは望まないが、ここに開示されたある化合物の、CDK7のCys312を共有結合的に修飾する能力は、これらの化合物の他のある化合物に対する上の利点(例として、CDK7の活性を他のあるキナーゼ(例として、CDK7以外のCDK)より阻害することに対する選択性)の1以上に寄与してもよい。本開示のある化合物のCDK7への不可逆的な結合は、転写の持続的な乱れ、ならびにある悪性細胞および/または前がん状態の細胞におけるアポトーシスの誘導をもたらしてもよい。インヒビター処置に続くゲノムワイド転写産物分析は、細胞の悪性状態または前がん状態の維持における重要な遺伝子としてCDK7応答遺伝子を、とりわけMYC遺伝子およびMCL-1遺伝子を、描写する。CDK7の選択的阻害は、増殖性疾患を処置または予防するのに有用であってもよい。
他の化合物と比較すると、本開示の化合物はまた、疾患の処置および/または予防を、これを必要とする対象においてするのに使用されるとき、より強力であっても、より効果的であっても、および/またはより毒性が低くてもよい。他の化合物と比較すると、本開示の化合物はまた、疾患の処置および/または予防を、これを必要とする対象においてするのに使用されるとき、副作用の頻度を減少させてもよく、副作用の重症度を減少させてもよく、対象のコンプライアンスを増大させてもよく、および/または耐性を減少させてもよい。その上、本開示の化合物は、より可溶性であっても、より浸透性であっても、ミクロソームでより安定していても、および/またはバイオアベイラビリティがより高くてもよく、および/または他の化合物と比較して、改善された薬物動態特性を示してもよい。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)受容体(の活性)を阻害しない。5-HT受容体は、グルタマート、GABA、ドパミン、エピネフリン/ノルエピネフリン、およびアセチルコリンを包含する多くの神経伝達物質、ならびにオキシトシン、プロラクチン、バソプレシン、コルチゾール、コルチコトロピン、および数ある中でもP物質を包含する多くのホルモンの放出をモジュレートする。5-HT受容体は、攻撃性、不安、食欲、認知、学習、記憶、気分、吐き気、睡眠、および体温調節などの様々な生物学的および神経学的プロセスに影響を及ぼす。5-HT受容体は、多くの抗うつ薬、抗精神病薬、食欲低下薬、制吐薬、消化管運動促進薬(gastroprokinetic agent)、抗片頭痛剤、幻覚剤、およびエンタクトゲンを包含する様々な医薬およびレクリエーションドラッグの標的である。5-HTは、本明細書に記載の化合物の不要なオフターゲットであってもよい。
ある態様において、5-HT受容体は、5-HT1受容体である。ある態様において、5-HT受容体は、5-HT2受容体である。ある態様において、5-HT受容体は、5-HT3受容体である。ある態様において、5-HT受容体は、5-HT4受容体である。ある態様において、5-HT受容体は、5-HT5受容体である。ある態様において、5-HT受容体は、5-HT6受容体である。ある態様において、5-HT受容体は、5-HT7受容体である。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、5-HT受容体に結合しない。ある態様において、提供される化合物は、5-HT受容体を、3μMより低いIC50、10μMより低いIC50、30μMより低いIC50、100μMより低いIC50、300μMより低いIC50、または1mMより低いIC50にて阻害しない。ある態様において、提供される化合物は、1μMの化合物にて5-HT受容体を、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも10%、または少なくとも30%阻害しない。ある態様において、提供される化合物は、10μMの化合物にて、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%、阻害しない。
別の側面において、本開示は、本明細書に記載の化合物を調製する方法を提供する。ある態様において、調製する方法は、本明細書に記載の方法である。
医薬組成物、キット、および投与
別の側面において、本開示は、本開示の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグと、任意に、薬学的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。ある態様において、本開示の医薬組成物は、有効量(例として、ここで有効量は、疾患を処置するのに有効である)の本開示の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグと、任意に、薬学的に許容し得る賦形剤を包含する。ある態様において、医薬組成物は、式(I-1)の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩;および任意に薬学的に許容し得る賦形剤、を含む。
本開示の医薬組成物は、疾患(例として、増殖性疾患(例として、がん、良性新生物、炎症性疾患、自己免疫疾患、病的血管新生)、嚢胞性線維症)の処置および/または予防を、これを必要とする対象においてするのに有用であってもよい。本開示の組成物はまた、対象、生体試料、組織、または細胞におけるキナーゼ(例として、CDK)の活性も阻害するのに有用であってよい。本開示の組成物は、キナーゼ(例として、サイクリン依存性キナーゼ(CDK))の過剰発現もしくはその異常な活性に関連する疾患を処置および/または予防するのに有用である。本開示の組成物はまた、細胞(例として、悪性細胞または前がん状態の細胞)におけるアポトーシスを誘導するのにも有用であってよい。
ある態様において、有効量は、治療的に有効な量(例として、疾患の処置を、これを必要とする対象においてするのに有効な量)である。ある態様において、有効量は、キナーゼ(例として、CDK(例として、CDK7))の活性の阻害を、これを必要とする対象においてするのに有効な量である。ある態様において、有効量は、対象、生体試料、組織、または細胞におけるキナーゼ(例として、CDK(例として、CDK7))の活性を阻害するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、細胞におけるアポトーシスを誘導するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、予防的に有効な量(例として、疾患の予防を、これを必要とする対象においてするのに、および/または疾患の寛解の維持を、これを必要とする対象においてするのに有効な量)である。
ある態様において、有効量は、キナーゼ(例として、CDK(例として、CDK7))の活性を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%阻害するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、キナーゼ(例として、CDK(例として、CDK7))の活性を、10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、95%以下、または98%以下まで阻害するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、キナーゼ(例として、CDK(例として、CDK7))の活性を、この段落に記載のあるパーセンテージとこの段落に記載の別のパーセンテージとの間の範囲(両端含む)の差で阻害するのに有効な量である。
ある態様において、有効量は、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)受容体を阻害するのに有効ではない量である。ある態様において、有効量は、5-HT受容体を、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも約30%、または少なくとも50%阻害するのに有効ではない量である。
ある態様において、有効量は、疾患(例として、がん)を処置するのに、およびキナーゼ(例として、CDK(例として、CDK7))の活性を阻害するのに有効であるが、5-HT受容体を阻害するのに有効ではない。ある態様において、有効量は、疾患(例として、がん)を処置するのに有効であるが、5-HT受容体を阻害するのに有効ではない。ある態様において、有効量は、キナーゼ(例として、CDK(例として、CDK7))の活性を阻害するのに有効であるが5-HT受容体を阻害するのに有効ではない。
ある態様において、対象は、動物である。動物は、いずれの性であってもよく、発生のいずれのステージにあってもよい。ある態様において、本明細書に記載の対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、非ヒト動物である。ある態様において、対象は、哺乳動物である。ある態様において、対象は、非ヒト哺乳動物である。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの飼育動物(domesticated animal)である。ある態様において、対象は、イヌである。ある態様において、対象は、イヌまたはネコなどのコンパニオン動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜動物(livestock animal)である。ある態様において、対象は、動物園の動物である。別の態様において、対象は、齧歯動物(例として、マウス、ラット)、イヌ、ブタ、または霊長目の非ヒト動物などの研究動物である。ある態様において、動物は、遺伝子操作された動物である。ある態様において、対象は、トランスジェニック動物(例として、トランスジェニックマウス、トランスジェニックブタ)である。ある態様において、対象は、魚類または爬虫類の動物である。
ある態様において、生体試料、組織、または細胞(例として、本明細書に記載の化合物もしくは医薬組成物と接触させられている、生体試料、組織、または細胞)は、in vitroである。ある態様において、生体試料、組織、または細胞は、in vivoまたはex vivoである。ある態様において、細胞は、悪性細胞または前がん状態の細胞である。ある態様において、生体試料は、腫瘍(例として、悪性または良性の腫瘍)からの組織である。
本明細書に記載の医薬組成物は、薬理学の分野において知られているいずれの方法によっても調製され得る。一般に、かかる調製方法は、本明細書に記載の化合物(すなわち、「活性成分」)を、担体または賦形剤、および/または1以上の他の補助成分と結び付けさせること、次いで、必要ならばおよび/または所望ならば、生成物を所望の単回用量または複数回用量の単位に成形および/または梱包することを包含する。
医薬組成物は、バルクで、単回単位用量として、および/または複数の単回単位用量として、調製、梱包、および/または販売され得る。「単位用量」は、活性成分の所定量を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は一般に、対象に投与されるであろう活性成分の投薬量、および/または、かかる投薬量の2分の1または3分の1など、かかる投薬量の好都合な画分に等しい。
本明細書に記載の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤、および/またはいずれの追加の成分の相対量は、処置される対象の固有性(identity)、サイズ、および/または状態に応じて、およびさらに、組成物が投与されるべき経路に応じて、変動し得る。組成物は、0.1%と100%(w/w)との間で活性成分を含んでいてもよい。
提供される医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容し得る賦形剤は、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存料、緩衝剤(buffering agents)、平滑剤、および/または油を包含する。カカオバターおよび坐薬ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、フレーバー剤(flavoring)、および芳香剤(perfuming agents)もまた、組成物中に存在していてもよい。
例示の希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびこれらの混合物を包含する。
例示の造粒剤および/または分散剤は、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレー、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、および木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微晶質デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物、およびこれらの混合物を包含する。
例示の界面活性剤および/または乳化剤は、天然の乳化剤(例として、アカシア、寒天(agar)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイドクレー(例として、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例として、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアラート、エチレングリコールジステアラート、グリセリルモノステアラート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例として、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル類(例として、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミタート(Span(登録商標)40)、ソルビタンモノステアラート(Span(登録商標)60)、ソルビタントリステアラート(Span(登録商標)65)、グリセリルモノオレアート、ソルビタンモノオレアート(Span(登録商標)80))、ポリオキシエチレンエステル(例として、ポリオキシエチレンモノステアラート(Myrj(登録商標)45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアラート、およびSolutol(登録商標))、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例として、Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij(登録商標)30))、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウラート、トリエタノールアミンオレアート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic(登録商標)F-68、Poloxamer(登録商標)P-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサート・ナトリウム、および/またはこれらの混合物を包含する。
例示の結合剤は、デンプン(例として、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例として、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例として、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワルゴム(panwar gum)、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール殻(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum(登録商標))、および落葉松アラボガラクタン)、アルギナート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリラート、ワックス、水、アルコール、および/またはこれらの混合物を包含する。
例示の保存料は、抗酸化剤、キレート剤、抗微生物性保存剤、抗真菌性保存剤、抗原虫性保存剤(antiprotozoan preservatives)、アルコール保存料、酸性保存料、および他の保存料を包含する。ある態様において、保存料は、抗酸化剤である。他の態様において、保存料は、キレート剤である。
例示の酸化防止剤は、アルファ トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを包含する。
例示のキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩および水和物(例として、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸およびその塩および水和物(例として、クエン酸一水和物)、フマル酸およびその塩および水和物、リンゴ酸塩およびその塩および水和物、リン酸およびその塩および水和物、ならびに酒石酸およびその塩および水和物を包含する。例示的な抗菌性保存剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを包含する。
例示の抗真菌性保存料は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を包含する。
例示のアルコール保存料は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾアート、およびフェニルエチルアルコールを包含する。
例示の酸性保存料は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ カロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を包含する。
他の保存料は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant(登録商標)Plus、Phenonip(登録商標)、メチルパラベン、Germall(登録商標)115、Germaben(登録商標)II、Neolone(登録商標)、Kathon(登録商標)、およびEuxyl(登録商標)を包含する。
例示の緩衝剤は、クエン酸緩衝溶液(buffer solutions)、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、リン酸カルシウムヒドロキシド(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質非含有水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびこれらの混合物を包含する。
例示の平滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物を包含する。
例示の天然油は、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカレント種子、ルリジサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナバ、ヒマシ油、シナモン、カカオバター、ココナッツ、タラ肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヘチマ、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サザンカ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチベル、クルミ、および小麦胚芽を包含する。例示の合成油は、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびこれらの混合物を包含する。
経口および非経口の投与のための液体剤形は、薬学的に許容し得るエマルション、マイクロエマルション、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を包含する。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例として、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルなどの、可溶化剤および乳化剤、およびこれらの混合物を含んでもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤などのアジュバント、甘味料、フレーバー剤、および芳香剤を包含し得る。非経口投与のためのある態様において、本明細書に記載のコンジュゲートは、Cremophor(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルバート、シクロデキストリン、ポリマー、およびこれらの混合物などの可溶化剤と混合される。
いくつかの態様において、注射用調製物において、例えば、無菌の注射用水性または油性の懸濁液は、好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を使用して、知られている技術に従って製剤化される。いくつかの態様において、無菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒中の無菌の注射用溶液、懸濁液、またはエマルション、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液である。いくつかの態様において、本開示に従った注射用調製物に採用されるビヒクルおよび溶媒は、水、Ringer溶液(U.S.P.)、等張塩化ナトリウム溶液、およびそれらの混合物である。加えて、無菌の固定油は従来、溶媒または懸濁媒体として採用されている。この目的において、合成モノ-またはジ-グリセリドを包含するいずれの無刺激性の固定油も採用され得る。いくつかの態様において、オレイン酸などの脂肪酸が、本開示の注射用調製物の調製に使用される。
いくつかの態様において、注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過によって、または使用に先立ち、滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体に溶解または分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌される。
薬物の効果を延ばすために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、低い水溶性の、結晶または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。薬物の吸収速度は、そのときのその溶解速度に依存するが、次に、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。代わりに、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクル(oil vehicle)に溶解または懸濁することによって、達成されてもよい。
直腸または膣への投与のための組成物は典型的には、本明細書に記載のコンジュゲートを、ココアバター、ポリエチレングリコール、もしくは坐薬ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤または担体(これらは、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣腔で融解して活性成分を放出する)と混合することによって調製され得る坐剤である。
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒を含む。かかる固体剤形において、活性成分は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な、薬学的に許容し得る賦形剤もしくは担体、および/または(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、(c)グリセロールなどの保湿剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ、またはタピオカデンプン、アルギン酸、あるシリカート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent)、(f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアラートなどの湿潤剤、(h)カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、およびこれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤、および丸薬のケースにおいて、剤形は、緩衝剤を包含していてもよい。
類似するタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用する、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として採用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬、および顆粒の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬理学の技術分野において知られている他のコーティングなどのコーティングおよび外郭(shells)で調製され得る。それらは、任意に不透明化剤を含んでいてもよく、それらが、活性成分(単数もしくは複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管のある部分において、任意に遅延様式で、放出するという組成物から成り得る。使用され得るカプセル化組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。類似するタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用する、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として採用され得る。
いくつかの態様において、活性成分は、上に述べたとおりの1以上の賦形剤をもつマイクロカプセル化形態で提供される。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬、および顆粒の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野(pharmaceutical formulating art)において知られている他のコーティングなどの、コーティングおよび外郭で調製され得る。かかる固体剤形において、活性成分は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1個の不活性希釈剤と混和され得る。かかる固体剤形は、通常の実践の場合、不活性な希釈剤以外に追加の物質、例として、錠剤化潤滑剤および他の錠剤化補助剤(ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなど)を含んでいてもよい。カプセル、錠剤、および丸薬のケースにおいて、剤形は、緩衝剤を含んでいてもよい。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、それらが、活性成分(単数もしくは複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管のある部分において、任意に遅延様式で、放出するという組成物から成り得る。使用され得るカプセル化組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。
本明細書に記載の化合物の局所および/または経皮投与のための剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、および/または貼付剤を包含してもよい。一般に、活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容し得る担体または賦形剤、および/または必要とされるいずれの保存料および/または必要に応じて緩衝剤と混和される。加えて、本開示は、経皮貼付剤の使用を企図し、これはしばしば、活性成分の身体への制御送達を提供するという追加の利点を有する。かかる剤形は、例えば、活性成分を適正な媒体に溶解および/または分配することによって、調製され得る。代わりにまたは加えて、速度は、速度制御膜を提供することおよび/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲルに分散させることのいずれかにより、制御され得る。
本明細書に記載の皮内医薬組成物の送達における使用に好適なデバイスは、短針デバイスを包含する。皮内組成物は、皮膚中への針の有効侵入長を限定するデバイスによって、投与され得る。代わりにまたは加えて、従来のシリンジは、皮内投与の古典的なマントー法において使用され得る。液体ジェット注入物を介しておよび/または角質層を貫通して真皮に達するジェットを生成する針を介して、液体製剤を真皮へ送達するジェット式注射デバイスは、好適である。圧縮ガスを使用することで粉末形態の化合物を皮膚の外側の層を通って真皮へと加速させる、衝撃(ballistic)粉末/粒子送達デバイスは、好適である。
局所投与に好適な製剤は、リニメント、ローションなどの液体調製物および/または半液体調製物、クリーム、軟膏などの水中油型および/または油中水型エマルション、および/またはペースト、および/または溶液および/または懸濁液を包含する。局所的に投与可能な製剤は、例えば、約1%から約10%(w/w)までの活性成分を含んでもよいが、活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度まで高められる。局所投与のための製剤はさらに、本明細書に記載の1以上の追加の成分を含んでいてもよい。
本明細書に記載の医薬組成物は、口腔を介する経肺投与に好適な製剤において、調製、梱包、および/または販売され得る。かかる製剤は、活性成分を含み、約0.5から約7ナノメートルまで、または約1から約6ナノメートルまでの範囲の直径を有する、乾燥粒子を含んでもよい。かかる組成物は便宜上、乾燥粉末リザーバ(絶え間なく続く噴射剤がそれへと導かれることで粉末を分散させ得る)を含むデバイスを使用するか、および/または自己推進溶媒/粉末分注容器(密閉された容器中の低沸点噴射剤中に溶解および/または懸濁された活性成分を含むデバイスなど)を使用する、投与のための乾燥粉末の形態である。かかる粉末剤は、重量で少なくとも98%の粒子が、0.5ナノメートルより大きい直径を有し、数で少なくとも95%の粒子が、7ナノメートル未満の直径を有する、粒子を含む。代わりに、重量で少なくとも95%の粒子が、1ナノメートルより大きい直径を有し、数で少なくとも90%の粒子が、6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を包含してもよく、単位用量形態で便宜的に提供される。
低沸点噴射剤は一般に、大気圧にて65゜Fを下回る沸点を有する液体噴射剤を包含する。一般に噴射剤は、組成物の50~99.9%(w/w)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1~20%(w/w)を構成してもよい。噴射剤はさらに、液体非イオン性および/または固体アニオン性の界面活性剤、および/または固体希釈剤(これは、有効成分を含む粒子と同程度の粒子サイズを有してもよい)などの、追加の成分を含んでよい。
経肺送達のために製剤化された本明細書に記載の医薬組成物は、活性成分を、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で提供してもよい。かかる製剤は、活性成分を含み、任意に滅菌されている、水性のおよび/または希釈アルコール性の溶液および/または懸濁液として、調製、梱包、および/または販売され得、便宜上、噴霧および/または微粒化のいずれかのデバイスを使用して投与されてもよい。かかる製剤はさらに、サッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、および/またはメチルヒドロキシベンゾアートなどの保存料を包含する1以上の追加の成分を含んでいてもよい。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1から約200ナノメートルまでの範囲の平均直径を有していてもよい。
経肺送達に有用であるとして本明細書に記載される製剤は、本明細書に記載の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に好適な別の製剤は、活性成分を含み、約0.2マイクロメートルから500マイクロメートルまでの平均粒子を有する、粗い粉末である。かかる製剤は、鼻孔近くに保持された粉末の容器から、鼻腔を通した急速な吸入によって投与される。
経鼻投与のための製剤は、例えば、わずか約0.1%(w/w)から100%(w/w)もの活性成分を含んでもよく、本明細書中に記載される1以上の追加の成分を含んでもよい。本明細書に記載の医薬組成物は、口腔内投与のための製剤において、調製、梱包、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば、従来の方法を使用して作製された錠剤、および/またはトローチ(lozenges)の形態であってもよく、例えば、活性成分を0.1~20%(w/w)含んでもよく、その残余は、経口的に溶解可能および/または分解可能な組成物と、任意に、本明細書に記載の追加の成分の1以上とを含む。代わりに、口腔内投与のための製剤は、活性成分を含む粉末および/またはエアロゾル化および/または微粒化された溶液および/または懸濁液を含んでもよい。かかる粉末化されたか、エアロゾル化されたか、および/またはエアロゾル化された製剤は、分散されたとき、約0.1から約200ナノメートルまでの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有していてもよく、さらに、本明細書に記載の追加の成分を1以上含んでもよい。
本明細書に記載の医薬組成物は、眼への投与のための製剤において、調製、梱包、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば、水性もしくは油性の液体担体または賦形剤中、活性成分の0.1~1.0%(w/w)の溶液および/または懸濁液を包含する、例えば、点眼剤の形態であってもよい。かかる滴剤はさらに、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載の追加の成分のうち他の1以上を含んでもよい。他の眼科的に投与可能な有用な製剤は、微結晶形態でおよび/またはリポソーム調製物において、活性成分を含むものを包含する。点耳剤および/または点眼剤もまた、本開示の範囲内であるとして企図される。
本明細書に提供される医薬組成物の記載は主として、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に向けられるものであるが、かかる組成物が一般に、ありとあらゆる動物への投与に好適であることは、当業者によって理解されるであろう。種々の動物への投与に好適な組成物にするために、ヒトへの投与に好適な医薬組成物を改変することは、十分に理解されており、通常の熟練した獣医の薬理学者(the ordinarily skilled veterinary pharmacologist)は、通常の実験法を用いてかかる改変を設計および/または実施し得る。
本明細書に提供される化合物は典型的には、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために投薬量単位形態で製剤化される。しかしながら、本明細書に記載の組成物の1日の総使用量は、堅実な医学的判断の範囲内で医師によって決められるであろうことが、理解されるであろう。いずれの特定の対象または生物に対する具体的な治療有効用量レベルは、処置される疾患および障害の重症度;採用される具体的な活性成分の活性;採用される具体的な組成物;対象の齢、体重、総体的な健康、性別、および食習慣;投与の時間、投与の経路、および採用される具体的な活性成分の排出速度;処置の期間;採用される具体的な活性成分と組み合わせて、またはこれと同時に使用される薬物;ならびに医療分野において周知な同種の因子を包含する多様な因子に依存するであろう。
本明細書に提供される化合物および組成物は、経腸(例として、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、クリーム、および/または点滴剤によるとおり)、粘膜、経鼻、口腔内、舌下を包含する、いずれの経路によって;気管内注入、気管支注入、および/または吸入によって;および/または経口スプレー、鼻腔スプレー、および/またはエアロゾルとして、投与され得る。具体的に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例として、全身静脈内注射)、血液および/またはリンパ供給を介した局部投与、および/または患部への直接投与である。一般には、投与の最も適切な経路は、剤の性質(例として、胃腸管の環境においてのその安定性)、および/または対象の状態(例として、対象が経口投与を忍容できるかどうか)を包含する多様な因子に依存するであろう。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、対象の目への局所投与に好適である。
有効量を達成するために要求される化合物の正確な量は、例えば、対象の種、齢、および全身状態、副作用または障害の重症度、特定の化合物の固有性、投与のモード等に依存して、対象毎に変動するであろう。有効量は、単回用量(例として、単回経口用量)または複数回用量(例として、複数回経口用量)において包含されてもよい。ある態様において、複数回用量が対象へ投与されるか、または生体試料、組織、もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量のいずれか2つの用量は、本明細書に記載の化合物の、異なる量かまたは実質的に同じ量を包含する。ある態様において、複数回用量が対象へ投与されるか、または生体試料、組織、もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量を対象へ投与するか、または複数回用量を生体試料、組織、もしくは細胞へ適用する頻度は、1日につき3用量、1日につき2用量、1日につき1用量、1日おきに1用量、2日おきに1用量、毎週1用量、隔週1用量、3週毎に1用量、または4週毎に1用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するか、または複数回用量を生体試料、組織、もしくは細胞へ適用する頻度は、1日あたり1用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するか、または複数回用量を生体試料、組織、もしくは細胞へ適用する頻度は、1日あたり2用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するか、または複数回用量を生体試料、組織、もしくは細胞へ適用する頻度は、1日あたり3用量である。ある態様において、複数回用量が対象に投与されるか、または生体試料、組織、もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、6カ月、9カ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象もしくは細胞の寿命である。ある態様において、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、3カ月、6カ月、または1年である。ある態様において、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、対象または細胞の寿命である。ある態様において、本明細書に記載の用量(例として、単回用量、または複数回用量のいずれかの用量)は独立して、本明細書に記載の化合物の、0.1μgと1μgとの間(両端含む)、0.001mgと0.01mgとの間、0.01mgと0.1mgとの間、0.1mgと1mgとの間、1mgと3mgとの間、3mgと10mgとの間、10mgと30mgとの間、30mgと100mgとの間、100mgと300mgとの間、300mgと1,000mgとの間、または1gと10gとの間を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は、独立して、本明細書に記載の化合物の1mgと3mgとの間(両端含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は、独立して、本明細書に記載の化合物の3mgと10mgとの間(両端含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は、独立して、本明細書に記載の化合物の10mgと30mgとの間(両端含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は、独立して、本明細書に記載の化合物の30mgと100mgとの間(両端含む)を包含する。
本明細書に記載のとおりの用量範囲は、提供される医薬組成物の、成体への投与のための指針を提供する。例えば、小児または青年へ投与されるべき量は、医師または当業者によって決定され得、成体へ投与されるより少ないか、または同じであり得る。ある態様において、本明細書に記載の用量は、体重が約70kgである成人に対する用量である。
化合物または組成物は、本明細書に記載のとおり、本開示の化合物とは異なる1以上の追加の医薬品と組み合わせて投与され得る。ある態様において、追加の医薬品は、追加の治療的に活性な剤、追加の予防的に活性な剤、またはそれらの組み合わせである。化合物または組成物は、それらの活性(例として、疾患の処置を、これを必要とする対象において行うことにおける、疾患の予防を、これを必要とする対象において行うことにおける、対象、生体試料、組織、もしくは細胞におけるキナーゼの活性(例として、CDK)を阻害することにおける活性(例として、効能および/または有効性))を改善するか、対象、生体試料、組織、もしくは細胞において、バイオアベイラビリティを改善するか、安全性を改善するか、薬物耐性を低減させるか、代謝を低減および/または改変するか、排出を阻害するか、および/または分布を改変する、追加の医薬剤と組み合わせて、投与され得る。採用される治療が、同じ障害にも所望される効果を達成し得ること、および/またはそれが、異なる効果を達成し得ることもまた、解されるであろう。ある態様において、本明細書に記載の化合物および追加の医薬剤を包含する本明細書に記載の医薬組成物は、化合物と追加の医薬剤とのうち一方を包含するが両方は包含しない医薬組成物にはない相乗効果を示す。
化合物または組成物は、例として併用治療として有用であり得る1種以上の追加の医薬剤と同時に、これに先立ち、またはこれに続いて、投与され得る。医薬剤は、治療的に活性な剤を包含する。医薬剤はまた、予防的に活性な剤をも包含する。医薬剤は、薬物化合物(例として、米国連邦規則集(CFR)に提供されるとおり、米国食品医薬品局によって、ヒトへの使用または獣医学的使用が承認された化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結された小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞などの小有機分子を包含する。ある態様において、追加の医薬剤は、疾患(例として、増殖性疾患、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、遺伝的疾患、血液病、神経学的疾患、疼痛状態、精神障害、もしくは代謝障害)または前がん状態の処置および/または予防に有用な医薬剤である。各々の追加の医薬剤は、その医薬品について決定された用量にておよび/または日程で、投与されてもよい。追加の医薬剤はまた、単回用量において、互いとともにおよび/または本明細書に記載の化合物または組成物とともに投与されてもよく、または異なる用量において、別個に投与されてもよい。レジメンに採用される特定の組み合わせは、本明細書に記載の化合物の、追加の医薬剤(単数または複数)との適合性、および/または達成されるべき所望の治療的および/または予防的効果を考慮するであろう。一般に、組み合わせにおける追加の医薬剤(単数または複数)は、これらが個々に利用されるレベルを超えないレベルにて利用されることが予期される。いくつかの態様において、組み合わせにおいて利用されるレベルは、個々に利用されるレベルより低いものであろう。
追加の医薬品は、細胞毒性化学治療剤、エピジェネティック修飾因子、グルココルチコイド、免疫治療剤、抗増殖剤、抗がん剤、細胞毒性剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫抑制薬、抗細菌剤、抗ウイルス剤、心血管作動薬、コレステロール降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、避妊剤、鎮痛剤、およびそれらの組み合わせを包含する。ある態様において、追加の医薬品は、抗増殖剤(例として、抗がん剤)である。ある態様において、追加の医薬品は、アビラテロン酢酸エステル(例として、ZYTIGA)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、AC-T、ADE、アドトラスツズマブエムタンシン(例として、KADCYLA)、アファチニブ二マレイン酸塩(例として、GILOTRIF)、アルデスロイキン(例として、PROLEUKIN)、アレムツズマブ(例として、CAMPATH)、アナストロゾール(例として、ARIMIDEX)、三酸化ヒ素(例として、TRISENOX)、Erwinia chrysanthemi由来アスパラギナーゼ(asparaginase erwinia chrysanthemi)(例として、ERWINAZE)、アキシチニブ(例として、INLYTA)、アザシチジン(例として、MYLOSAR、VIDAZA)、BEACOPP、ベリノスタット(例として、BELEODAQ)、ベンダムスチン塩酸塩(例として、TREANDA)、BEP、ベバシズマブ(例として、AVASTIN)、ビカルタミド(例として、CASODEX)、ブレオマイシン(例として、BLENOXANE)、ブリナツモマブ(例として、BLINCYTO)、ボルテゾミブ(例として、VELCADE)、ボスチニブ(例として、BOSULIF)、ブレンツキシマブベドチン(例として、ADCETRIS)、ブスルファン(例として、BUSULFEX、MYLERAN)、カバジタキセル(例として、JEVTANA)、カボザンチニブ-s-リンゴ酸塩(例として、COMETRIQ)、CAF、カペシタビン(例として、XELODA)、CAPOX、カルボプラチン(例として、PARAPLAT、PARAPLATIN)、カルボプラチン-タキソール、カルフィルゾミブ(例として、KYPROLIS)、カルムスチン(例として、BECENUM、BICNU、CARMUBRIS)、カルムスチン・インプラント(例として、GLIADEL WAFER、GLIADEL)、セリチニブ(例として、ZYKADIA)、セツキシマブ(例として、ERBITUX)、クロラムブシル(例として、AMBOCHLORIN、AMBOCLORIN、LEUKERAN、LINFOLIZIN)、クロラムブシル-プレドニゾン、CHOP、シスプラチン(例として、PLATINOL、PLATINOL-AQ)、クロファラビン(例として、CLOFAREX、CLOLAR)、CMF、COPP、COPP-ABV、クリゾチニブ(例として、XALKORI)、CVP、シクロホスファミド(例として、CLAFEN、CYTOXAN、NEOSAR)、シタラビン(例として、CYTOSAR-U、TARABINE PFS)、ダブラフェニブ(例として、TAFINLAR)、ダカルバジン(例として、DTIC-DOME)、ダクチノマイシン(例として、COSMEGEN)、ダサチニブ(例として、SPRYCEL)、ダウノルビシン塩酸塩(例として、CERUBIDINE)、デシタビン(例として、DACOGEN)、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス(例として、ONTAK)、デノスマブ(例として、PROLIA、XGEVA)、ジヌツキシマブ(例として、UNITUXIN)、ドセタキセル(例として、TAXOTERE)、ドキソルビシン塩酸塩(例として、ADRIAMYCIN PFS、ADRIAMYCIN RDF)、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム(例として、DOXIL、DOX-SL、EVACET、LIPODOX)、エンザルタミド(例として、XTANDI)、エピルビシン塩酸塩(例として、ELLENCE)、EPOCH、エルロチニブ塩酸塩(例として、TARCEVA)、エトポシド(例として、TOPOSAR、VEPESID)、エトポシドリン酸塩(例として、ETOPOPHOS)、エベロリムス(例として、AFINITOR DISPERZ、AFINITOR)、エキセメスタン(例として、AROMASIN)、FEC、フルダラビンリン酸エステル(例として、FLUDARA)、フルオロウラシル(例として、ADRUCIL、EFUDEX、FLUOROPLEX)、FOLFIRI、FOLFIRI-ベバシズマブ、FOLFIRI-セツキシマブ、フォルフィリノックス、FOLFOX、FU-LV、フルベストラント(例として、FASLODEX)、ゲフィチニブ(例として、IRESSA)、ゲムシタビン塩酸塩(例として、GEMZAR)、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムシタビン-オキサリプラチン、ゴセレリン酢酸塩(例として、ZOLADEX)、Hyper-CVAD、イブリツモマブチウキセタン(例として、ZEVALIN)、イブルチニブ(例として、IMBRUVICA)、ICE、イデラリシブ(例として、ZYDELIG)、イホスファミド(例として、CYFOS、IFEX、IFOSFAMIDUM)、イマニチブメシル酸塩(例として、GLEEVEC)、イミキモド(例として、アルダラ)、イピリムマブ(例として、YERVOY)、イリノテカン塩酸塩(例として、CAMPTOSAR)、イクサベピロン(例として、IXEMPRA)、ランレオチド酢酸塩(例として、SOMATULINE DEPOT)、ラパチニブ二トシル酸塩(例として、TYKERB)、レナリドマイド(例として、REVLIMID)、レンバチニブ(例として、LENVIMA)、レトロゾール(例として、FEMARA)、ロイコボリンカルシウム(例として、WELLCOVORIN)、酢酸リュープロリド(例として、LUPRON DEPOT、LUPRON DEPOT-3 MONTH、LUPRON DEPOT-4 MONTH、LUPRON DEPOT-PED、LUPRON、VIADUR)、リポソーマルシタラビン(例として、DEPOCYT)、ロムスチン(例として、CEENU)、メクロレタミン塩酸塩(例として、MUSTARGEN)、酢酸メゲストロール(例として、MEGACE)、メルカプトプリン(例として、PURINETHOL、PURIXAN)、メトトレキサート(例として、ABITREXATE、FOLEX PFS、FOLEX、METHOTREXATE LPF、MEXATE、MEXATE-AQ)、マイトマイシンC(例として、MITOZYTREX、MUTAMYCIN)、ミトキサントロン塩酸塩、MOPP、ネララビン(例として、ARRANON)、ニロチニブ(例として、TASIGNA)、ニボルマブ(例として、OPDIVO)、オビヌツズマブ(例として、GAZYVA)、OEPA、オファツムマブ(例として、ARZERRA)、OFF、オラパリブ(例として、LYNPARZA)、オマセタキシンメペスクシナート(例として、SYNRIBO)、OPPA、オキサリプラチン(例として、ELOXATIN)、パクリタキセル(例として、タキソール)、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤(例として、ABRAXANE)、PAD、パルボシクリブ(例として、IBRANCE)、パミドロン酸二ナトリウム(例として、AREDIA)、パニツムマブ(例として、ベクチビックス)、パノビノスタット(例として、FARYDAK)、パゾパニブ塩酸塩(例として、VOTRIENT)、ペグアスパルガーゼ(例として、ONCASPAR)、ペグインターフェロンアルファ-2b(例として、ペグイントロン)、ペグインターフェロンアルファ-2b(例として、SYLATRON)、ペンブロリズマブ(例として、KEYTRUDA)、ペメトレキセド二ナトリウム(例として、ALIMTA)、ペルツズマブ(例として、PERJETA)、プレリキサフォル(例として、MOZOBIL)、ポマリドミド(例として、POMALYST)、ポナチニブ塩酸塩(例として、ICLUSIG)、プララトレキサート(例として、FOLOTYN)、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩(例として、MATULANE)、ラジウム223二塩化物(例として、XOFIGO)、ラロキシフェン塩酸塩(例として、EVISTA、KEOXIFENE)、ラムシルマブ(例として、CYRAMZA)、R-CHOP、組換えHPV二価ワクチン(例として、CERVARIX)、組換えヒト乳頭腫ウイルス(例として、HPV)九価ワクチン(例として、GARDASIL 9)、組換えヒト乳頭腫ウイルス(例として、HPV)四価ワクチン(例として、GARDASIL)、組換えインターフェロンアルファ-2b(例として、INTRON A)、レゴラフェニブ(例として、STIVARGA)、リツキシマブ(例として、リツキサン)、ロミデプシン(例として、ISTODAX)、ルキソリチニブリン酸塩(例として、JAKAFI)、シルツキシマブ(例として、SYLVANT)、シプロイセル-t(例として、PROVENGE)、ソラフェニブトシル酸塩(例として、NEXAVAR)、STANFORD V、スニチニブリンゴ酸塩(例として、SUTENT)、TAC、タモキシフェンクエン酸塩(例として、NOLVADEX、NOVALDEX)、テモゾロミド(例として、METHAZOLASTONE、TEMODAR)、テムシロリムス(例として、TORISEL)、サリドマイド(例として、SYNOVIR、THALOMID)、チオテパ、トポテカン塩酸塩(例として、HYCAMTIN)、トレミフェン(例として、FARESTON)、トシツモマブおよびヨウ素I131トシツモマブ(例として、ベキサール)、TPF、トラメチニブ(例として、MEKINIST)、トラスツズマブ(例として、ハーセプチン)、VAMP、バンデタニブ(例として、CAPRELSA)、VEIP、ベムラフェニブ(例として、ZELBORAF)、ビンブラスチン硫酸塩(例として、VELBAN、VELSAR)、ビンクリスチン硫酸塩(例として、VINCASAR PFS)、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム(例として、MARQIBO)、ビノレルビン酒石酸塩(例として、NAVELBINE)、ビスモデギブ(例として、ERIVEDGE)、ボリノスタット(例として、ZOLINZA)、XELIRI、XELOX、ziv-アフリバーセプト(例として、ZALTRAP)、またはゾレドロン酸(例として、ZOMETA)である。ある態様において、追加の医薬品は、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(例として、TKI258、CHIR-258)、BIBW 2992(例として、TOVOK(商標))、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF 1120(例として、VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(例として、AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647、および/またはXL228)、プロテアソームインヒビター(例として、ボルテゾミブ(例として、Velcade))、mTORインヒビター(例として、ラパマイシン、テムシロリムス(例として、CCI-779)、エベロリムス(例として、RAD-001)、リダフォロリムス、AP23573(例として、Ariad)、AZD8055、BEZ235、BGT226、XL765、PF-4691502、GDC0980、SF1126、およびOSI-027)、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンプトテシン、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモリド、カルミノマイシン、アミノプテリン、ならびにヘキサメチルメラミン、あるいはそれらの組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、細胞毒性化学治療(例として、細胞毒性化学治療剤(例として、ゲムシタビン、シタラビン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、l-アスパラギナーゼ、シクロホスファミド、またはエトポシド))である。ある態様において、追加の医薬品は、アザシチジンまたはロミデプシンなどの、エピジェネティック修飾因子である。ある態様において、追加の医薬品は、ルキソリチニブ、BBT594、CHZ868、CYT387、またはBMS911543である。ある態様において、追加の医薬品は、チロシンキナーゼのインヒビターである。いくつかの態様において、追加の医薬品は、トポイソメラーゼインヒビター、MCL1インヒビター、BCL-2インヒビター、BCL-xLインヒビター、BRD4インヒビター、BRCA1インヒビター、BRCA2インヒビター、HER1インヒビター、HER2インヒビター、CDK9インヒビター、ジュモンジ(Jumonji)ヒストンデメチラーゼインヒビター、またはDNA損傷誘導因子である。いくつかの態様において、追加の医薬品は、エトポシド、オバトクラックス、ナビトクラックス、JQ1、4-(((5'-クロロ-2'-(((1R,4R)-4-(((R)-1-メトキシプロパン-2-イル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-[2,4'-ビピリジン]-6-イル)アミノ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニトリル、JIB04、またはシスプラチンである。ある態様において、追加の医薬品は、キナーゼ(例として、CDK)の結合剤またはインヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、抗体またはそのフラグメント(例として、モノクローナル抗体)である。ある態様において、追加の医薬品は、チロシンキナーゼインヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、エピジェネティックまたは転写モジュレーター(例として、DNAメチルトランスフェラーゼインヒビター、ヒストンデアセチラーゼインヒビター(HDACインヒビター)、リシンメチルトランスフェラーゼインヒビター)、抗有糸分裂薬(例として、タキサンおよびビンカアルカロイド)、ホルモン受容体モジュレーター(例として、エストロゲン受容体モジュレーターおよびアンドロゲン受容体モジュレーター)、細胞シグナリング経路インヒビター(例として、チロシンタンパク質キナーゼインヒビター)、タンパク質安定性のモジュレーター(例として、プロテアソームインヒビター)、Hsp90インヒビター、グルココルチコイド、オールトランス型レチノイン酸、ならびに分化を促進する他の剤からなる群から選択される。ある態様において、追加の
医薬品は、グルココルチコイド(例として、コルチゾール、コルチゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、酢酸フルドロコルチゾン、または酢酸デオキシコルチコステロン)である。ある態様において、追加の治療は、免疫治療(例として、免疫治療モノクローナル抗体)である。ある態様において、追加の医薬品は、免疫モジュレーターである。ある態様において、追加の医薬品は、免疫チェックポイントインヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、プログラム細胞死1タンパク質(PD-1)インヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、プログラム細胞死1タンパク質リガンド1(PD-L1)インヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)インヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、T細胞免疫グロブリンドメインおよびムチンドメイン3(TIM3)インヒビター、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)インヒビター、V-setドメイン含有T細胞活性化インヒビター1(VTCN1またはB7-H4)インヒビター、表面抗原分類276(CD276またはB7-H3)インヒビター、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)インヒビター、ガレクチン9(GAL9)インヒビター、チェックポイントキナーゼ1(Chk1)インヒビター、アデノシンA2A受容体(A2AR)インヒビター、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)インヒビター、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)インヒビター、またはT細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)インヒビターである。ある態様において、PD-1インヒビターは、ニボルマブ、ピディリズマブ、ペンブロリズマブ、MEDI-0680、REGN2810、またはAMP-224である。ある態様において、PD-L1インヒビターは、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、BMS-936559、アベルマブ、またはCA-170である。ある態様において、CTLA-4インヒビターは、イピリムマブまたはトレメリムマブである。ある態様において、追加の医薬品は、アロマターゼインヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、PI3Kインヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、mTORインヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、内分泌治療である。ある態様において、化合物または医薬組成物は、外科手術、放射線治療、および/または移植(例として、幹細胞移植、骨髄移植)と組み合わせて施される。ある態様において、本明細書に開示の化合物または医薬組成物は、放射線治療と組み合わせて施される。
また本開示によって網羅されるものには、キット(例として、医薬パック)もある。ある態様において、キットは、本明細書に記載の化合物または医薬組成物、および化合物または医薬組成物を使用するための指示を含む。ある態様において、キットは第1容器を含み、ここで第1容器は化合物または医薬組成物を包含する。いくつかの態様において、キットは、第2容器をさらに含む。ある態様において、第2容器は、賦形剤(例として、化合物もしくは医薬組成物の希釈または懸濁のための賦形剤)を包含する。ある態様において、第2容器は、追加の医薬品を包含する。いくつかの態様において、キットは、第3容器をさらに含む。ある態様において、第3容器は、追加の医薬品を包含する。いくつかの態様において、第1容器に包含される化合物または医薬組成物と、第2容器に包含される賦形剤または追加の医薬品とが組み合わされて、1つの単位剤形が形成されている。いくつかの態様において、第1容器に包含される化合物または医薬組成物、第2容器に包含される賦形剤、および第3容器に包含される追加の医薬品が組み合わされて、1つの単位剤形が形成されている。ある態様において、第1、第2、および第3容器の各々は、独立して、バイアル、アンプル、瓶、シリンジ、ディスペンサ梱包、管、または吸入器である。
ある態様において、指示は、対象(例として、本明細書に記載の疾患の処置または予防を必要とする対象)へ化合物または医薬組成物を投与するためのものである。ある態様において、指示は、生体試料、組織、または細胞を、化合物または医薬組成物と接触させるためのものである。ある態様において、指示は、米国食品医薬品局(FDA)または欧州医薬品審査庁(EMA)などの、規制当局に要求される情報を含む。ある態様において、指示は、処方情報を含む。
使用の方法および使用
本開示はまた、本開示の化合物および医薬組成物を使用する方法も提供する。別の側面において、本開示は、対象におけるキナーゼの活性を阻害する方法を提供するが、方法は、有効量の本開示の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。
別の側面において、本開示は、生体試料または組織におけるキナーゼの活性を阻害する方法を提供するが、方法は、生体試料または組織を、有効量の本開示の化合物または医薬組成物と接触させることを含む。
別の側面において、本開示は、細胞におけるキナーゼの活性を阻害する方法を提供するが、方法は、細胞を、有効量の本開示の化合物または医薬組成物と接触させることを含む。
別の側面において、本開示は、対象におけるMYCまたはMCL-1の転写を下方調節する方法を提供するが、方法は、有効量の本開示の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。
別の側面において、本開示は、生体試料もしくは組織におけるMYCまたはMCL-1の転写を下方調節する方法を提供するが、方法は、生体試料または組織を、有効量の本開示の化合物または医薬組成物と接触させることを含む。
別の側面において、本開示は、細胞におけるMYCまたはMCL-1の転写を下方調節する方法を提供するが、方法は、細胞を、有効量の本開示の化合物または医薬組成物と接触させることを含む。
キナーゼは、広範な疾患に関係する。ある態様において、キナーゼは、CDK(例として、CDK7)である。真核細胞分裂のプロセスは、G1、S、G2、およびMと称される一連の逐次的な相に広く分けられてもよい。細胞周期の様々な相を通した正確な進行は、CDKとして知られているタンパク質のファミリーと、一連の多様なそれら同族タンパク質のパートナー(サイクリンと称される)との空間的かつ時間的調節に決定的に依存することが示されている。CDKは、配列依存的な文脈において多様なポリペプチドのリン酸化の基質としてATPを利用することができてもよい、CDC2(またCDK1としても知られている)相同のセリン-トレオニンキナーゼタンパク質である。サイクリンは、特定のCDKパートナータンパク質へ結合するのに、およびこれに対する選択性を定義するのに使用される、およそ100アミノ酸を含有する「サイクリンボックス」と称される相同性領域によって特徴付けられるタンパク質のファミリーである。
様々なCDKおよびサイクリンの細胞周期全体にわたる発現レベル、分解速度、タンパク質レベル、ならびに活性レベルのモジュレーションは、一連のCDK/サイクリン複合体(ここでCDKは、酵素的に活性である)の周期的な形成へ繋がる。これら複合体の形成は、個別の細胞周期チェックポイントの通過を制御し、それによって細胞分裂プロセスが継続できるようになる。所定の細胞周期チェックポイントにて予め必須となる生化学的基準を満たさなかったこと、すなわち、要求されるCDK/サイクリン複合体を形成しなかったことは、細胞周期停止および/または細胞のアポトーシスへ繋がり得る。異常な細胞増殖はしばしば、正確な細胞周期制御の喪失に起因し得る。したがって、CDK酵素活性の阻害は、変則的に分裂する細胞の分裂が停止され得る手段、および/または前記細胞が死滅され得る手段を提供する。CDKおよびCDK複合体の多様性、ならびに細胞周期を媒介することにおけるそれらの重大な役割は、明白な生化学的論拠に基づき選択される、広範囲の潜在的治療標的を提供する。
CDKファミリーのメンバーであるCDK7は、三量体であるCDK活性化キナーゼ(CAK)複合体の触媒サブユニットとして初めて単離された。この複合体は、CDK7、サイクリンH、およびMAT1からなるが、in vitroでの有糸分裂促進因子の活性化を担っている。CDK7がまた基本転写修復因子IIH(TFIIH)の構成要素でもあったという発見から、CDK7には、転写においてはTFIIHの一環として、および細胞周期の制御においては三量体CAK複合体として、二重の役割があることが暗示された。TFIIHはマルチサブユニットのタンパク質複合体であるが、RNAポリメラーゼII(RNAP II)触媒による転写に要求される因子として同定され、続いてこの複合体は、ヌクレオチド除去修復において中心的役割を果たすことが見出された。CDK7は、少なくとも3つの複合体、すなわち、三量体CAK複合体の構成要素、XPD(またはERCC2、転写共役ヌクレオチド除去修復に関与するタンパク質)との4元複合体、および9つのサブユニットのTFIIH複合体である。CAKおよびCTDリン酸化におけるCDK7の2つの機能は、細胞増殖、細胞周期、および転写という重大な局面を後押しする。CDK7の過剰発現は、アポトーシスを阻害し、転写および細胞増殖を促進し、および/またはDNA修復を妨害し、したがって、増殖性疾患を引き起こすこともある。
本明細書に記載の疾患は、キナーゼ(例として、CDK(例として、CDK7))の異常な活性に関連していてもよい。キナーゼの異常な活性は、上昇した活性および/または異常な活性であってもよい。細胞周期進行の脱調節は、増殖性疾患の特徴である。ある増殖性疾患は、キナーゼ活性において変則性(abnormalities)を有するが、そのうちいくつかは、上昇したおよび/または異常なキナーゼ活性化を通る。CDKの触媒活性の阻害は、細胞周期CDKのリン酸化をブロックすることによって細胞周期進行を阻害することが期待され、加えて細胞分裂のエフェクターの転写を阻害するであろう。ある態様において、キナーゼは過剰発現されず、かつキナーゼの活性は上昇しているかおよび/または異常である。他のある態様において、キナーゼは過剰発現されており、かつキナーゼの活性は上昇しているかおよび/または異常である。本開示の化合物および医薬組成物は、CDK7の活性を阻害してもよく、増殖性疾患の処置および/または予防するのに有用であってもよい。
本明細書に記載の疾患はまた、対象における細胞のアポトーシスの阻害にも関連していてもよい。アポトーシスは、プログラム細胞死のプロセスである。アポトーシスの阻害は、制御されない細胞増殖をもたらすこともあり、したがって、増殖性疾患を引き起こすこともある。細胞周期CDK(例として、CDK1、2、4、および6)は、CDK7/サイクリンH(またCAKとも呼ばれる)によるリン酸化によって活性化される。したがってCDK7の阻害は、細胞周期CDKを活性化し損ねたことに起因し、細胞周期の複数のポイントにて細胞周期停止をもたらしてもよい。CDK7は、RNAP IIのCTDをリン酸化することによって転写を活性化する。CTDリン酸化の阻害は、短寿命タンパク質(アポトーシス調節に関与するものを包含する)の転写を阻害し、その発現を低減させることが示されている。RNAポリメラーゼの失速によってp53(またタンパク質53もしくは腫瘍タンパク質53としても知られており、ヒトにおいてTP53遺伝子によってコードされている腫瘍サプレッサータンパク質である)が活性化され、アポトーシスへ繋がることもあることは、当該技術分野において解されている。よって、CDK7活性の阻害は、アポトーシスを誘導することによって細胞毒性を引き起こすことが期待される。本開示の化合物および医薬組成物はアポトーシスを誘導し、したがって、疾患(例として、増殖性疾患、嚢胞性線維症)を処置および/または予防するのに有用であってもよい。
別の側面において、本開示は、疾患の処置を、これを必要とする対象においてする方法を提供し、方法は、これを必要とする対象へ、有効量の本開示の化合物または医薬組成物を投与することを含む。ある態様において、有効量は、疾患を処置するのに有効である。ある態様において、有効量は、疾患を処置するのに、およびキナーゼの活性を阻害するのに、有効である。ある態様において、有効量は、疾患を処置するのに、およびMYCまたはMCL-1の転写を下方調節するのに、有効である。ある態様において、方法は、これを必要とする対象へ、有効量の式(I-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩を投与することを含む。
別の側面において、本開示は、疾患の予防を、これを必要とする対象においてする方法を提供し、方法は、これを必要とする対象へ、有効量の本開示の化合物または医薬組成物を投与することを含む。ある態様において、有効量は、疾患を予防するのに有効である。ある態様において、有効量は、疾患を予防するのに、およびキナーゼの活性を阻害するのに、有効である。ある態様において、有効量は、疾患を予防するのに、およびMYCまたはMCL-1の転写を下方調節するのに、有効である。
別の側面において、本開示は、細胞成長を阻害する方法を提供し、方法は、細胞を、有効量の本開示の化合物または医薬組成物と接触させることを含む。
別の側面において、本開示は、細胞のアポトーシスを誘導する方法を提供し、方法は、細胞を、有効量の本開示の化合物または医薬組成物と接触させることを含む。
ある態様において、対象は、哺乳動物である。ある態様において、対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、非ヒト哺乳動物である。
ある態様において、生体試料または組織は、骨髄、リンパ節、脾臓、または血液である。ある態様において、生体試料または組織は、in vitroである。ある態様において、生体試料または組織は、ex vivoである。
ある態様において、細胞は、in vitroである。ある態様において、細胞は、ex vivoである。ある態様において、細胞は、in vivoである。ある態様において、細胞は、対象にある。ある態様において、細胞は、生体試料または組織にある。ある態様において、細胞は、悪性細胞である。ある態様において、細胞は、前がん状態の細胞である。
ある態様において、疾患(例として、本開示の化合物または医薬組成物を使用して処置または予防される疾患)は、がんである。ある態様において、疾患は、キナーゼの異常な活性(例として、増大した活性、望ましくない活性)に関連する。ある態様において、疾患は、CDK(例として、CDK7)の異常な活性に関連する。ある態様において、疾患は、キナーゼの異常な活性(例として、過剰発現)に関連する。ある態様において、疾患は、CDK(例として、CDK7)の過剰発現に関連する。ある態様において、疾患は、増殖性疾患である。ある態様において、疾患は、がんである。ある態様において、疾患は、腺癌、芽腫、癌、血液悪性腫瘍、骨髄腫、または肉腫である。ある態様において、疾患は、前がん状態にある。ある態様において、疾患は、血液悪性腫瘍である。ある態様において、疾患は、血液悪性腫瘍である。ある態様において、疾患は、白血病である。ある態様において、疾患は、慢性リンパ球性白血病(CLL)である。ある態様において、疾患は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。ある態様において、疾患は、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)である。ある態様において、疾患は、慢性骨髄性白血病(CML)である。ある態様において、疾患は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある態様において、疾患は、急性単球性白血病(AMoL)である。ある態様において、疾患は、リンパ腫である。いくつかの態様において、疾患は、バーキットリンパ腫である。ある態様において、疾患は、ホジキンリンパ腫である。ある態様において、疾患は、非ホジキンリンパ腫である。ある態様において、疾患は、多発性骨髄腫である。ある態様において、疾患は、黒色腫である。ある態様において、疾患は、副腎皮質がんである。ある態様において、疾患は、大腸がんである。ある態様において、疾患は、乳房がんである。ある態様において、疾患は、三種陰性乳房がん(TNBC)である。ある態様において、疾患は、食道がんである。ある態様において、疾患は、胃部のがんである。ある態様において、疾患は、肝臓がんである。ある態様において、疾患は、卵巣がんである。ある態様において、疾患は、膵臓がんである。ある態様において、疾患は、前立腺がんである。ある態様において、疾患は、精巣がんである。ある態様において、疾患は、骨がんである。ある態様において、疾患は、骨肉腫である。ある態様において、疾患は、ユーイング肉腫である。いくつかの態様において、疾患は、脳がんである。いくつかの態様において、疾患は、神経芽細胞腫である。いくつかの態様において、疾患は、肺がんである。いくつかの態様において、疾患は、小細胞肺がん(SCLC)である。いくつかの態様において、疾患は、非小細胞肺がんである。いくつかの態様において、疾患は、良性新生物である。いくつかの態様において、疾患は、病的血管新生である。ある態様において、疾患は、炎症性疾患である。ある態様において、炎症性疾患は、リウマチ性関節炎である。いくつかの態様において、疾患は、自己炎症性疾患である。いくつかの態様において、疾患は、自己免疫疾患である。ある態様において、疾患は、嚢胞性線維症である。
ある態様において、方法は、追加の治療を対象へ施すことをさらに含む。ある態様において、追加の治療は、追加の医薬品である。ある態様において、追加の治療は、アロマターゼインヒビター、HDACインヒビター、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスファート3-キナーゼ(PI3K)インヒビター、哺乳動物を標的にする(mammalian target of)ラパマイシン(mTOR)インヒビター、ブロモドメインインヒビター、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)インヒビター、受容体チロシンキナーゼ(RTK)インヒビター、Rasインヒビター、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MEK)インヒビター、ヌクレオシド類似体(例として、5-フルオロウラシル)、内分泌治療、細胞毒性化学治療、エピジェネティック修飾因子、ステロイド(例として、グルココルチコイド)、免疫治療、または放射線治療である。ある態様において、追加の治療は、アロマターゼインヒビター、HDACインヒビター、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスファート3-キナーゼ(PI3K)インヒビター、哺乳動物を標的にするラパマイシン(mTOR)インヒビター、内分泌治療、細胞毒性化学治療、エピジェネティック修飾因子、グルココルチコイド、免疫治療、または放射線治療である。ある態様において、追加の治療は、細胞毒性化学治療である。ある態様において、追加の治療は、免疫治療である。ある態様において、追加の治療は、放射線治療である。
ある態様において、追加の治療は、ブロモドメイン含有タンパク質インヒビター(例として、ブロモドメイン含有タンパク質2(BRD2)インヒビター、ブロモドメイン含有タンパク質3(BRD3)インヒビター、ブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)インヒビター、TBP(TATAボックス結合タンパク質)関連因子タンパク質(TAF)インヒビター、CREB結合タンパク質(CBP)インヒビター、またはE1A結合タンパク質p300(EP300)インヒビター)である。ある態様において、追加の治療は、ブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)インヒビターである。ある態様において、追加の治療は、JQ1(
Figure 2022541644000119

)、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、追加の治療は、上皮成長因子受容体(EGFR)インヒビター、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)インヒビター、または血小板由来成長因子受容体(PDGFR)インヒビターである。
ある態様において、追加の治療は、EGFRインヒビターである。ある態様において、追加の治療は、エルロチニブ、ラパチニブ、AZD8931、WZ4002、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、追加の治療は、パニツムマブ、バンデタニブ、イコチニブ、アファチニブ、ブリガチニブ、CO-1688、AZD-4769、ポジオチニブ、CUDC-101、S-222611、AC-480、イムガツズマブ、サピチニブ(sapitinib)、TAS-2913、テイイアチニブ(theiiatinib)、XGFR-2421、HM-61713B、エピチニブ(epitinib)、NRC-2694、MLBS-42、JRP-890、セツキシマブ、AL-6802、TAK-285、BGB-102、AEE788、ゲフィチニブ、DMS-3008、TX-2036、KI-6783、KI-6896、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、追加の治療は、ネラチニブ、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、追加の治療は、FGFRインヒビターである。ある態様において、追加の治療は、PD173074、パゾパニブ、マサチニブ(masatinib)、ドビチニブ、ポナチニブ、レゴラフェニブ、ピルフェニドン、ニンテダニブ、ブリバニブ、レンバチニブ、セジラニブ、AZD4547、SU6668、BGJ398、ENMD2076、ピクロポドフィリン、RG1507、ダロツズマブ、フィギツムマブ、シクツムマブ(cixutumumab)、BIIB022、AMG479、FP1039、IMCA1、PRO001、R3Mab、MK-2461、SSR128129E、チロホスチンAG 1296、CH5183284、LY2874455、JNJ-42756493、ルシタニブ、オランチニブ(orantinib)、ダヌセルチブ(danusertib)、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、追加の治療は、BGJ398、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、追加の治療は、PDGFRインヒビター(例として、イマニチブ、またはその薬学的に許容し得る塩)である。
ある態様において、追加の治療は、PI3Kインヒビターである。ある態様において、追加の治療は、GDC0941、トザセルチブ、GSK1059615、PX866、LY294002、SF1126、XL147、XL765、BGT226、BYL719、BAY80946、BAY841236、GDC-0941、GDC-0032、GDC-0980、GDC-0941、PX-866、GSK2126458、CAL-101、INK1117、ZSTK474、PWT33597、AEZS-136、PKI-587、PF-4691502、PF-05212384、ワートマニン、デメトキシビリジン、ピクチリシブ、イデラリシブ、IPI-145、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、追加の治療は、BKM120、BEZ235、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、追加の治療は、mTORインヒビターである。ある態様において、追加の治療は、GDC-0980、OSI-027、AZD8055、INK-128、シロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、AP23573、ラパマイシン、シマピモド(simapimod)、AZD8055、PF04691502、デフォロリムス、細胞間タンパク質FKBP38、ワートマニン、SF1126、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、追加の治療は、Torin2、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、追加の治療は、MEKインヒビターである。ある態様において、追加の治療は、セルメチニブ、MEK162、PD325901、PD98059、XL518、CI-1040、アントロキノノール、AS-1940477、AS-703988、BI-847325、E-6201、GDC-0623、GDC-0973、RG422、RO4987655、RO5126766、SL327、WX-554、U0126、BAY869766、ベムラフェニブ、TAK-733、ピマセルチブ、ビニメチニブ、YopJポリペプチド、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、追加の治療は、トラメチニブまたはベムラフェニブ、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、追加の治療は、細胞毒性化学治療である。ある態様において、追加の治療は、白金をベースとした細胞毒性化学治療である。
本開示の化合物または医薬組成物および追加の治療は、本開示の方法および使用において相乗作用を示すこともある。
別の側面において、本明細書に提供されるのは、本開示の方法(例として、疾患の処置を、これを必要とする対象においてする方法;疾患の予防を、これを必要とする対象においてする方法;対象、生体試料、組織、または細胞におけるキナーゼの活性を阻害する方法;細胞成長を阻害する方法;細胞のアポトーシスを誘導する方法;対象、生体試料、組織、もしくは細胞におけるMYCまたはMCL-1の転写を下方調節する方法)における使用のための医薬の製造における、本開示の化合物または医薬組成物の使用である。
別の側面において、本明細書に提供されるのは、本開示の方法(例として、疾患の処置を、これを必要とする対象においてする方法;疾患の予防を、これを必要とする対象においてする方法;対象、生体試料、組織、または細胞におけるキナーゼの活性を阻害する方法;細胞成長を阻害する方法;細胞のアポトーシスを誘導する方法;対象、生体試料、組織、もしくは細胞におけるMYCまたはMCL-1の転写を下方調節する方法)における、本開示の化合物または医薬組成物の使用である。
別の側面において、本明細書に提供されるのは、本開示の方法(例として、疾患の処置を、これを必要とする対象においてする方法;疾患の予防を、これを必要とする対象においてする方法;対象、生体試料、組織、または細胞におけるキナーゼの活性を阻害する方法;細胞成長を阻害する方法;細胞のアポトーシスを誘導する方法;対象、生体試料、組織、もしくは細胞におけるMYCまたはMCL-1の転写を下方調節する方法)における使用のための、本開示の化合物または医薬組成物である。

本明細書に記載の本開示がより完全に理解され得るために、以下の例を明記する。本出願に記載の合成例および生物学的例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物、および方法を説明するために提示されるものであって、いずれにしてもそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきものではない。
例1.化合物の合成
本明細書に提供される化合物は、当該技術分野において知られている方法(例として、米国特許出願公報US 2019/0055248(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記載される方法)を使用して容易に入手可能な出発材料から調製され得る。
例1.1.(S)-3-(4-アクリルアミドベンズアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1,6,6-トリメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(化合物I-1)の合成
化合物I-1は、スキーム1に示される方法に従って合成された。
スキーム1.化合物I-1の例示の合成。
Figure 2022541644000120
5-(tert-ブチル)1-エチル3-アミノ-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-1,5-ジカルボキシラート
Figure 2022541644000121

THF(160mL)中tert-ブチル3-アミノ-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート(4g、16mmol)およびDIEA(5.2mL、32mmol)の溶液へエチルクロロホルマート(1.5mL、16mmol、40mL THF中に溶解した)を0℃にて30min滴下で加え、次いで混合物を室温にて1h攪拌した。終了後、次いで反応混合物を濃縮し、水を加えた。次いでその結果得られた混合物を酢酸エチル(EA)で抽出した。EA層を収集し、減圧下で濃縮し、次いでシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン、40%)によって精製して、白色固体として所望の化合物(1.6g、33%)が与えられた。LCMS:325[M+H]+
5-(tert-ブチル)1-エチル6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-1,5-ジカルボキシラート
Figure 2022541644000122

DCM(30mL)中5-(tert-ブチル)1-エチル3-アミノ-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-1,5-ジカルボキシラート(972mg、3mmol)およびDIEA(1.5mL、9mmol)の溶液へ4-ニトロベンゾイル塩化物(666mg、3.6mmol)を0℃にて加えた。次いで混合物を室温にて終夜攪拌した。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン、30%)によって精製して、所望の化合物(1.1g、78%)が与えられた。LCMS:474[M+H]+
tert-ブチル6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート
Figure 2022541644000123

イソプロパノール(3mL)中5-(tert-ブチル)1-エチル6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-1,5-ジカルボキシラート(1.1g、2.34mmol)の溶液へLiOH(1Maq.、3mL)を加えた。その結果得られた混合物を室温にて30min攪拌し、水を加えた。次いでその結果得られた混合物をイソプロパノール/クロロホルム(v/v=1/3)で3回抽出した。有機層を収集し、減圧下で濃縮した。次いで残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM、6%)によって精製して、所望の化合物(715mg、76%)が与えられた。LCMS:402[M+H]+
tert-ブチル1,6,6-トリメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート
Figure 2022541644000124

THF(10mL)中tert-ブチル6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート(715mg、1.78mmol)の溶液へヨードメタン(406mL、4.27mmol)を加えた。次いで混合物を80℃にて終夜攪拌した。終了後、次いで混合物を減圧下で濃縮し、次いで残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン、45%~70%)によって精製して、所望の化合物(230mg、31%)が与えられた。1H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ10.05(d,J=16.1Hz,1H),8.30-8.14(m,2H),8.04(dd,J=13.1,8.7Hz,2H),4.62(d,J=4.3Hz,2H),3.50(d,J=19.6Hz,3H),1.69(d,J=31.9Hz,6H),1.49(d,J=17.7Hz,9H)。LCMS:416[M+H]+
4-ニトロ-N-(1,6,6-トリメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ベンズアミド
Figure 2022541644000125

DCM(3mL)中tert-ブチル1,6,6-トリメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート(230mg、0.55mmol)の溶液へTFA(1mL)を加えた。混合物を室温にて1h攪拌し、次いで減圧下で濃縮して、TFA塩として所望の化合物(225mg、95%)が与えられ、これを直接次のステップに使用した。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ8.35(d,J=8.8Hz,2H),8.13(d,J=8.8Hz,2H),4.65(s,2H),3.82(s,3H),1.86(s,6H)。LCMS:316[M+H]+
(S)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1,6,6-トリメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
Figure 2022541644000126

ジオキサン(4mL)中(S)-N1,N1-ジメチル-2-フェニルエタン-1,2-ジアミン(86mg、0.52mmol)およびDIEA(430uL、2.6mmol)の溶液へホスゲン(420uL、トルエン中15%w.t.、0.62mmol)を加えた。0.5h攪拌した後、すぐ前のステップからの4-ニトロ-N-(1,6,6-トリメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)ベンズアミドを加えて、次いで混合物を反応が終了するまで再び攪拌した。次いで混合物を濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM=10%)によって精製して、所望の化合物(96mg、37%)が与えられた。LCMS:506[M+H]+
(S)-3-(4-アミノベンズアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1,6,6-トリメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
Figure 2022541644000127

MeOH(10mL)中(S)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1,6,6-トリメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(96mg、0.19mmol)の溶液へPd/C(10%ロード(loaded)、10mg)を加えた。次いで混合物を、反応が終了するまでH2雰囲気にて3h攪拌した。次いで混合物を濾過し、次いで濾過物を減圧下で濃縮して、所望の化合物(76mg、85%)が与えられ、これを精製することなしに次のステップに使用した。LCMS:476[M+H]+
(S)-3-(4-アクリルアミドベンズアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1,6,6-トリメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(化合物I-1)
Figure 2022541644000128

乾燥アセトニトリル(2mL)中(S)-3-(4-アミノベンズアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1,6,6-トリメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(76mg、0.16mmol)およびDIEA(53マイクロリットル、0.32mmol)の溶液へ塩化アクリロイル(17mg、0.19mmol、1mLアセトニトリルに溶解した)を0℃にて加えた。終了後、混合物をイソプロパノール/クロロホルム(v/v=1/3)で希釈し、飽和NaHCO3およびブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM中1.75N NH3、10%)によって精製して、白色固体として所望の化合物(50mg、60%)が与えられた。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ10.77(s,1H),10.40(s,1H),8.01(d,J=8.8Hz,2H),7.78(d,J=8.8Hz,2H),7.45-7.35(m,2H),7.30(dd,J=8.4,6.9Hz,2H),7.23-7.15(m,1H),6.47(dd,J=16.9,10.1Hz,1H),6.35-6.23(m,2H),5.82(dd,J=10.1,1.9Hz,1H),4.92-4.83(m,1H),4.57-4.45(m,2H),3.73(s,3H),2.67(t,J=10.9Hz,1H),2.39(dd,J=12.3,6.3Hz,1H),2.20(s,6H),1.71(s,3H),1.64(s,3H)。LCMS:530[M+H]+
例1.2.(S)-3-(4-アクリルアミドベンズアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1-エチル-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(化合物I-4)の合成
Figure 2022541644000129
スキーム2.化合物I-4の合成。
Figure 2022541644000130
tert-ブチル1-エチル-6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート
Figure 2022541644000131
DMF(2mL)中tert-ブチル6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート(109mg、0.27mmol)の溶液へ水素化ナトリウム(22mg、60%ロード、0.54mmol)を氷浴中で加えた。10min攪拌した後、次いでヨードエタン(43uL、0.54mmol)を加え、次いでその結果得られた混合物を反応が完了するまで室温にて1h攪拌した。次いで混合物をHPLCによって精製して、TFA塩として所望の化合物(94mg、64%)を得た。LCMS:430[M+H]+
N-(1-エチル-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-4-ニトロベンズアミド
Figure 2022541644000132
MeOH(2mL)中すぐ前のステップからのtert-ブチル1-エチル-6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート(94mg、0.17mmol)の溶液へHCl(ジオキサン中4N、1mL)を加え、次いで混合物を40℃にて0.5h攪拌した。終了後、混合物を濃縮し、次いでシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM中1.75N NH3、10%)によって精製して、HCl塩として所望の化合物(48mg、77%)が与えられた。LCMS:330[M+H]+
(S)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1-エチル-6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
Figure 2022541644000133
THF(2mL)中(S)-N1,N1-ジメチル-2-フェニルエタン-1,2-ジアミン(32mg、0.2mmol)およびDIEA(85uL、0.52mmol)の溶液へ4-ニトロクロロギ酸フェニル(47mg、0.23mmol)を加えた。混合物を室温にて1h攪拌し、次いですぐ前のステップからのN-(1-エチル-6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-3-イル)-4-ニトロベンズアミド(48mg、0.13mmol)を加え、次いでその結果得られた混合物を50℃にて4h攪拌した。冷却後、混合物を濃縮し、次いでシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM、6%)によって精製して、黄色固体として所望の化合物(38mg、57%)が与えられた。LCMS:520[M+H]+
(S)-3-(4-アミノベンズアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1-エチル-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
Figure 2022541644000134
すぐ前のステップからの化合物(38mg、0.073mmol)をMeOH(10mL)中に溶解し、次いでPd/C(4mg、10%ロード)を加え、次いで混合物をH2雰囲気にて1h攪拌した。終了後、混合物を濾過し、次いで濾過物を減圧下で濃縮して、所望の化合物が与えられ、これを精製することなしに次のステップに使用した。LCMS:490[M+H]+
(S)-3-(4-アクリルアミドベンズアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1-エチル-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
Figure 2022541644000135

DMF(1mL)中すぐ前のステップからの(S)-3-(4-アミノベンズアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1-エチル-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(0.073mmol)およびDIEA(24uL、0.15mmol)の溶液へ塩化アクリロイル(DMF中0.5M)を反応が完了するまで0℃にて慎重に加えた。次いで混合物をHPLCによって精製して、TFA塩として所望の化合物(20.7mg、2ステップで43%)が与えられた。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ10.85(s,1H),10.42(s,1H),8.02(d,J=8.9Hz,2H),7.78(d,J=8.9Hz,2H),7.48-7.35(m,4H),7.34-7.25(m,1H),6.78(d,J=9.1Hz,1H),6.47(dd,J=17.0,10.2Hz,1H),6.30(dd,J=17.0,1.9Hz,1H),5.81(dd,J=10.1,1.9Hz,1H),5.35(m,1H),4.74(d,J=11.9Hz,1H),4.53(d,J=11.8Hz,1H),4.03(q,J=7.1Hz,2H),3.55(td,J=12.5,2.7Hz,1H),3.35(ddd,J=13.0,8.9,4.0Hz,1H),2.88(d,J=4.8Hz,3H),2.84(d,J=4.8Hz,3H),1.75(s,3H),1.67(s,3H),1.36(t,J=7.1Hz,3H)。LCMS:544[M+H]+
例1.3.(S)-3-(4-アクリルアミドベンズアミド)-1-(ジフルオロメチル)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(化合物I-5)の合成
Figure 2022541644000136

化合物I-5が、最初のステップにおいてトリフルオロメタンスルホン酸ジフルオロメチルを用いた化合物I-4の合成ルートに従って得られた。
tert-ブチル1-(ジフルオロメチル)-6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート
Figure 2022541644000137

DMF(2mL)中tert-ブチル6,6-ジメチル-3-(4-ニトロベンズアミド)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキシラート(80mg、0.2mmol)の溶液へ水素化ナトリウム(16mg、60%ロード)を0℃にて加えた。10min後、トリフルオロメタンスルホン酸ジフルオロメチル(60mg、0.3mmol)を加え、次いで混合物を室温にて3h攪拌した。完了後、混合物を水で洗浄し、EAを用いて抽出し、濃縮し、次いでシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン、20%)によって精製して、所望の化合物(20mg、22%)が与えられた。LCMS:452[M+H]+
(S)-3-(4-アクリルアミドベンズアミド)-1-(ジフルオロメチル)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(化合物I-5)
Figure 2022541644000138

1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ11.22(s,1H),10.46(s,1H),8.03(d,J=8.9Hz,2H),7.92-7.65(m,3H),7.48-7.43(m,2H),7.39(dd,J=8.5,6.8Hz,2H),7.34-7.25(m,1H),6.86(d,J=9.1Hz,1H),6.47(dd,J=17.0,10.1Hz,1H),6.31(dd,J=17.0,1.9Hz,1H),5.82(dd,J=10.1,1.9Hz,1H),5.35(m,1H),4.86-4.72(m,1H),4.65-4.52(m,1H),3.60-3.30(m,2H),2.88(d,J=4.8Hz,3H),2.84(d,J=4.9Hz,3H),1.80(s,3H),1.72(s,3H)。LCMS:566[M+H]+
例1.4.(S)-3-(5-アクリルアミドピコリンアミド)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-1,6,6-トリメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(化合物I-8)の合成
Figure 2022541644000139

化合物I-8(6.6mg、15%)が、5-ニトロピコリン酸を用いた化合物I-1の合成ルートに従って得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ10.76(s,1H),10.34(s,1H),9.00(s,1H),8.93(dd,J=2.5,0.7Hz,1H),8.38(dd,J=8.5,2.4Hz,1H),8.17-7.96(m,1H),7.42(d,J=7.6Hz,2H),7.35(s,2H),7.26(s,1H),6.49(dd,J=17.0,10.1Hz,1H),6.35(dd,J=17.0,1.8Hz,1H),5.88(dd,J=10.1,1.8Hz,1H),4.68(s,1H),4.57(d,J=11.9Hz,2H),3.73(s,3H),3.32(s,6H),2.63(m,1H),2.36(m,1H),1.73(s,3H),1.65(s,3H)。LCMS:531[M+H]+
例1.5.(S)-3-(5-アクリルアミドピコリンアミド)-1-(ジフルオロメチル)-N-(2-(ジメチルアミノ)-1-フェニルエチル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド(化合物I-33)の合成
Figure 2022541644000140

化合物I-33(9.3mg、35%)が、トリフルオロメタンスルホン酸ジフルオロメチルおよび5-ニトロピコリン酸を用いた化合物I-1およびI-5の合成ルートに従って得られた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ10.76(d,J=11.1Hz,2H),8.95(dd,J=2.5,0.7Hz,1H),8.38(dd,J=8.6,2.5Hz,1H),8.21-8.10(m,1H),7.76(t,J=58.3Hz,1H),7.42-7.35(m,2H),7.30(dd,J=8.4,6.9Hz,2H),7.25-7.07(m,1H),6.51-6.45(m,1H),6.45-6.30(m,2H),5.88(dd,J=10.1,1.8Hz,1H),4.92-4.85(m,1H),4.67-4.58(m,2H),2.67(dd,J=12.3,9.1Hz,1H),2.40(dd,J=12.3,6.2Hz,1H),2.19(s,6H),1.77(s,3H),1.69(s,3H)。LCMS:567[M+H]+
例2.化合物の生物学的アッセイ
化合物を、様々なキナーゼに対しInvitrogen CDK7アッセイを使用してアッセイした。例示の結果を、表1において本開示の化合物についてのIC50値として、および表2において比較化合物(comparator compound)についてのIC50値として提示する。表1および2において、「A」は、100nM未満のIC50値を表し、「B」は、100nM以上かつ1μM未満であるIC50値を表し、および「C」は、1μM以上のIC50値を表す。アッセイにおいて各キナーゼへ使用された補因子は、以下のとおりであった:CDK7:サイクリンHおよびMNAT1;CDK2:サイクリンA;CDK9:サイクリンT1。
5-HT阻害アッセイを、2019年7月22日にアクセスされたwww.eurofinsdiscoveryservices.com/catalogmanagement/viewitem//439に記載されるアッセイなどのCerep SET Human Serotonin Transporter Binding (Antagonist Radioligand) Assayに従って実施した。いくつかの実験において、アッセイ情報は、以下に示されるとおりである:
リガンド:[3H]イミプラミン;
リガンドKd(nM):1.7;
リガンド濃度:2nM;
非特異性:イミプラミン(10μM);
インキュベーション:RTにて60min;
対照インヒビター:イミプラミン;および
試験化合物濃度:10μM。
例示の結果を、表1において本開示の化合物についての10μMの化合物での5-HT%阻害として、および表2において比較化合物についての10μMの化合物での5-HT%阻害として提示する。結果は、本開示の化合物(表1参照)が、それらがCDK7阻害を維持する一方で、より低い5-HT%阻害を有するとおり、CDK7についてより選択的であることを実証する。
表1.CDK7に対するIC50値および5-HT%阻害
Figure 2022541644000141
表2.比較化合物についてのCDK7に対するIC50値および5-HT%阻害
Figure 2022541644000142
Figure 2022541644000143
Figure 2022541644000144
Figure 2022541644000145
均等物および範囲
クレームにおいて、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、1または1より多いことを意味してもよいが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。ある群の1以上のメンバー間に「または」を包含するクレームまたは記載は、その群のメンバーのうち、1つ、1つより多いか、または、すべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係があるか、を満たすと考えるが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。本開示は、その群のうち、正確に1つのメンバーが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を包含する。本開示は、その群のメンバーのうち、1つより多いかまたはすべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を包含する。
しかも、本開示は、列挙されたクレームの1以上からの1以上の限定、要素、節、および記述用語(descriptive terms)が、別のクレーム中へ導入される、すべての変動、組み合わせ、および順列を網羅する。例えば、別のクレームに従属するいずれのクレームも、同じ基本クレームに従属するいずれか他のクレーム中に見出される1以上の限定を包含するように修飾され得る。要素が、例として、マーカッシュ群形式において列挙されたものとして提示されている場合、要素の各下位群もまた開示されており、いずれの要素(単数または複数)も群から除去され得る。一般に、本開示、または本開示の側面が、特定の要素および/または特長を含むとして見なされる場合、本開示のある態様または本開示のある側面は、かかる要素および/または特長からなるか、または実質的にそれからなると理解されるべきである。簡潔さを目的として、それらの態様は、本明細書中、in haec verbaで具体的に表明されていない。用語「含むこと(comprising)」、「包含すること(including)」、および「含有すること(containing)」が、オープンであることを意図し、追加の要素またはステップの包含を容認することにもまた留意する。範囲が与えられるとき、エンドポイントも包含される。しかも、別段の指示がないか、またはそれとは別に、文脈および当業者の理解から明らかでない場合に限り、範囲として表現された値は、いずれか具体的な値、または本開示の異なる態様において述べられた範囲内の部分範囲を、文脈が明確に別段の指図をしない限り範囲の下限の単位の10倍まで、想定し得る。
本出願は、種々の発行済み特許、公開特許出願、雑誌記事、および他の公刊物を参照し、これらのすべては参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれる参照のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書がコントロールする(control)ものとする。加えて、先行技術に属する本開示のいずれか特定の態様は、クレームのいずれかの1以上からはっきりと除外され得る。かかる態様は当業者に知られていると思われるので、それらは、除外が本明細書においてはっきりと表明されていない場合であっても、除外され得る。本開示のいずれか特定の態様は、先行技術の存在に関するか否かにかかわらず、いずれかのクレームから、いずれかの理由で除外され得る。
当業者は、本明細書に記載の具体的な態様の多くの均等物を認識するか、またはせいぜいルーチンな実験法を使用して確かめる能力があるであろう。本明細書に記載の本態様の範囲は、上の記載に限定されることを意図せず、むしろ添付のクレームに表明されているとおりである。当業者は、以下のクレームにおいて定義されるとおり、本開示の精神または範囲から逸脱せずに、この記載への種々の変化および修飾がなされてもよいことを解するであろう。

Claims (115)

  1. 式(I):
    Figure 2022541644000146

    で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中:
    R3およびR4の各々は、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル、置換もしくは非置換のフェニルであるか、またはR3およびR4は、結び合って、置換もしくは非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する;
    R5は、置換もしくは非置換のC1~C6アルキルまたは置換もしくは非置換のカルボシクリルである;
    Figure 2022541644000147

    は、-NRL1C(=O)-、-C(=O)NRL1-、-NRL1-、-O-、-S-、-NRL1-C(=O)-C(RL4)2-、-C(=O)-NRL1-C(RL4)2-、-C(RL4)2-NRL1-C(=O)-、-C(RL4)2-C(=O)-NRL1-、-NRL1-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NRL1-,-NRL1-C(=O)-NRL1-、または存在せず、ここでRL1の各場合は、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル、または窒素保護基であり、およびRL4の各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルであるか、あるいはRL4の2つの場合は、結び合って、置換または非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する;
    環Aは、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである;
    R2の各場合は、独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra)2、-SRa、-CN、-SCN、-C(=NRa)Ra、-C(=NRa)ORa、-C(=NRa)N(Ra)2、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra)2、-NO2、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)N(Ra)2、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、または-OC(=O)N(Ra)2である;
    Raの各場合は、独立して、水素、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、窒素原子へ付着されているときは窒素保護基、酸素原子へ付着されているときは酸素保護基、または硫黄原子へ付着されているときは硫黄保護基であるか、あるいはRaの2つの場合は、結び合って、置換もしくは非置換のヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換のヘテロアリールを形成する;
    nは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11である;
    Figure 2022541644000148

    は、存在しない、-C(=O)-、-NRL2-、-C(=O)NRL2-、-NRL2C(=O)-、-O-、または-S-であり、ここでRL2は、水素、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル、または窒素保護基である;
    環Bは、存在しないか、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、ただし環Bが存在しないとき、L2は存在しない;
    R1の各場合は、独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra)2、-SRa、-CN、-SCN、-C(=NRa)Ra、-C(=NRa)ORa、-C(=NRa)N(Ra)2、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra)2、-NO2、-NRaC(=O)Ra、-NRaC(=O)ORa、-NRaC(=O)N(Ra)2、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、または-OC(=O)N(Ra)2である;
    mは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11である;
    L3は、存在しないか、または-NRL3a-である、ここでRL3aは、水素、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、または窒素保護基である;
    RE1は、水素、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルである;
    RE2は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-CN、-CH2OREE、-CH2N(REE)2、または-CH2SREEである;
    RE3は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-CN、-CH2OREE、-CH2N(REE)2、または-CH2SREEである;
    REEの各出現は、独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであるか、あるいは2つのREE基は、結び合って、置換もしくは非置換のヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換のヘテロアリールを形成する;
    環Cは、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換の、単環式の、5員もしくは6員のヘテロアリールである;
    R7は、水素、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルである;
    R8の各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは非置換のC1~6アルキルであるか、あるいはR8の2つの場合は、結び合って、置換または非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する;ならびに
    R1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル、または窒素保護基であるか、あるいはR1NおよびR2Nは、結び合って、置換または非置換の、単環式の、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成する;
    ただし化合物は、式:
    Figure 2022541644000149

    で表されるものではない、
    前記化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  2. 式:
    Figure 2022541644000150

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  3. 式:
    Figure 2022541644000151

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  4. 式:
    Figure 2022541644000152

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  5. 式:
    Figure 2022541644000153

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  6. 式:
    Figure 2022541644000154

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  7. 式:
    Figure 2022541644000155

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  8. 式:
    Figure 2022541644000156

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  9. 式:
    Figure 2022541644000157

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  10. 式:
    Figure 2022541644000158

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  11. 式:
    Figure 2022541644000159

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  12. 式:
    Figure 2022541644000160

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  13. 式:
    Figure 2022541644000161

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  14. 式:
    Figure 2022541644000162

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  15. 式:
    Figure 2022541644000163

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  16. 式:
    Figure 2022541644000164

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  17. 式:
    Figure 2022541644000165

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  18. 式:
    Figure 2022541644000166

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  19. 式:
    Figure 2022541644000167

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  20. 式:
    Figure 2022541644000168

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  21. 式:
    Figure 2022541644000169

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  22. 式:
    Figure 2022541644000170

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  23. 式:
    Figure 2022541644000171

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  24. 式:
    Figure 2022541644000172

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  25. R3が、-CH3である、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  26. R4が、-CH3である、請求項1~15および25のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  27. R3およびR4の各々が、-CH3である、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  28. R5が、1以上のハロゲンの場合で置換されたかまたは非置換のC1~3アルキルである、請求項1~15および25~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  29. R5が、-CH3、-CH2F、-CHF2、-CF3、または-C2H5である、請求項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  30. R5が、-CH3である、請求項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  31. R5が、-CHF2である、請求項28または29に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  32. R5が、少なくとも1の同位体について濃縮されている、請求項1~15および25~28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  33. 少なくとも1の同位体が、重水素を含む、請求項32に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  34. 式:
    Figure 2022541644000173

    で表される、請求項1~15、25~28および32~33のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  35. R5が、非置換のシクロプロピルである、請求項1~15および25~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  36. Figure 2022541644000174

    が、-NRL1C(=O)-である、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  37. Figure 2022541644000175

    が、-NHC(=O)-である、請求項36に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  38. Figure 2022541644000176

    が、-NRL1-または-NRL1-C(=O)-C(RL4)2-である、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  39. L1が、存在しない、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  40. RL1の各場合が、水素である、請求項1~36および38のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  41. RL4の各場合が、独立して、水素またはハロゲンである、請求項1~35、38および40のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  42. RL4の2つの場合が、結び合って、置換または非置換の、単環式の、3~6員のカルボシクリルを形成する、請求項1~35、38および40のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  43. 環Aが、フェニルである、請求項1~22および25~42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  44. Figure 2022541644000177

    である、請求項43に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  45. 環Aが、単環式の、4~7員の環と縮合されたフェニルである、請求項1~22および25~42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  46. 環Aが、単環式の、5員または6員のヘテロシクリルと縮合されたフェニルである、請求項45に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  47. Figure 2022541644000178

    である、請求項45に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  48. 環Aが、単環式または二環式のヘテロアリールである、請求項1~22および25~42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  49. 環Aが、ピリジニルである、請求項48に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  50. 環Aが、
    Figure 2022541644000179

    である、請求項49に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  51. 環Aが、
    Figure 2022541644000180

    である、請求項50に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  52. 環Aが、単環式のヘテロシクリルである、請求項1~22および25~42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  53. R2のうち少なくとも1つの場合が、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、または-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)である、請求項1~52のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  54. nが、0または1である、請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  55. L2が、存在しない、請求項1~7、9~14、16~21および25~54のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  56. L2が、-C(=O)-または-NRL2-である、請求項1~7、9~14、16~21および25~54のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  57. RL2が、水素である、請求項1~7、9~14、16~21、25~54および56のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  58. L2の各々および環Bが、存在しない、請求項1~7、9~14、16~21および25~54のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  59. 環Bが、単環式のヘテロシクリルである、請求項1~7、9~14、16~21および25~57のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  60. 環Bが、フェニルである、請求項1~7、9~14、16~21および25~57のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  61. mが、0である、請求項1~7、9~14、16~21および25~60のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  62. L3が、存在しない、請求項1~23および25~61のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  63. L3が、-NH-である、請求項1~23および25~61のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  64. RE1が、水素である、請求項1、2、5、9、12、16、19および25~63のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  65. RE2が、水素である、請求項1、2、5、9、12、16、19および25~64のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  66. RE3が、水素である、請求項1~3、5、6、9、10、12、13、16、17、19、20および25~65のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  67. RE3が、-CH2N(REE)2である、請求項1~3、5、6、9、10、12、13、16、17、19、20および25~65のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  68. 環Cが、置換または非置換のフェニルである、請求項1~8および25~67のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  69. 環Cが、非置換のフェニルである、請求項68に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  70. Figure 2022541644000181

    であるか、
    Figure 2022541644000182

    であるか、または
    Figure 2022541644000183

    である、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  71. R7が、水素である、請求項1および25~70のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  72. R8の各場合が、水素である、請求項1および25~71のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  73. R1NおよびR2Nの各々が、置換または非置換のC1~C6アルキルである、請求項1~4、9~11、16~18および25~72のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  74. R1NおよびR2Nの各々が、-CH3である、請求項73に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  75. 式:
    Figure 2022541644000184
    Figure 2022541644000185
    Figure 2022541644000186
    Figure 2022541644000187
    Figure 2022541644000188
    Figure 2022541644000189
    Figure 2022541644000190
    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  76. 式:
    Figure 2022541644000191

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  77. 式:
    Figure 2022541644000192

    で表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
  78. 式:
    Figure 2022541644000193

    で表される、化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ。
  79. 請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  80. 請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ;および
    薬学的に許容し得る賦形剤
    を含む医薬組成物。
  81. 式:
    Figure 2022541644000194

    で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩;および
    薬学的に許容し得る賦形剤
    を含む、請求項80に記載の医薬組成物。
  82. 有効量の請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ;および
    薬学的に許容し得る賦形剤
    を含む、請求項80に記載の医薬組成物。
  83. 有効量が、疾患を処置するのに有効である、請求項82に記載の医薬組成物。
  84. 追加の医薬品をさらに含む、請求項80~83のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  85. 疾患の処置を、これを必要とする対象においてする方法であって、
    方法が、有効量の請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ、あるいは請求項80~84のいずれか一項に記載の医薬組成物を、これを必要とする対象へ投与することを含む、前記方法。
  86. 有効量の式:
    Figure 2022541644000195

    で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩を、これを必要とする対象へ投与することを含む、請求項85に記載の方法。
  87. これを必要とする対象へ、追加の治療を施すことをさらに含む、請求項85または86に記載の方法。
  88. 追加の治療が、アロマターゼインヒビター、HDACインヒビター、ホスファチジルイノシトール-4,5-ビスホスファート3-キナーゼ(PI3K)インヒビター、哺乳動物を標的にするラパマイシン(mTOR)インヒビター、ブロモドメインインヒビター、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)インヒビター、受容体チロシンキナーゼ(RTK)インヒビター、Rasインヒビター、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MEK)インヒビター、5-フルオロウラシル、内分泌治療、細胞毒性化学治療、エピジェネティック修飾因子、グルココルチコイド、免疫治療、または放射線治療である、請求項87に記載の方法。
  89. 追加の治療が、ブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)インヒビターである、請求項87に記載の方法。
  90. 追加の治療が、上皮成長因子受容体(EGFR)インヒビター、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)インヒビター、または血小板由来成長因子受容体(PDGFR)インヒビターである、請求項87に記載の方法。
  91. 追加の治療が、白金をベースとした細胞毒性化学治療である、請求項87に記載の方法。
  92. 疾患が、キナーゼの過剰発現またはその異常な活性に関連する疾患である、請求項83~91のいずれか一項に記載の医薬組成物または方法。
  93. 疾患が、増殖性疾患である、請求項83~92のいずれか一項に記載の医薬組成物または方法。
  94. 疾患が、がんである、請求項93に記載の医薬組成物または方法。
  95. 疾患が、腺癌、芽腫、癌、血液悪性腫瘍、骨髄腫、肉腫、または前がん状態である、請求項93に記載の医薬組成物または方法。
  96. 疾患が、副腎皮質がん、骨がん、乳房がん、脳がん、大腸がん、食道がん、ユーイング肉腫、胃部のがん、肝臓がん、肺がん、黒色腫、神経芽細胞腫、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、または精巣がんである、請求項93に記載の医薬組成物または方法。
  97. 疾患が、白血病またはリンパ腫である、請求項93に記載の医薬組成物または方法。
  98. 疾患が、多発性骨髄腫である、請求項93に記載の医薬組成物または方法。
  99. 疾患が、良性新生物、炎症性疾患、自己免疫疾患、または病的血管新生である、請求項83~92のいずれか一項に記載の医薬組成物または方法。
  100. 疾患が、リウマチ性関節炎である、請求項99に記載の医薬組成物または方法。
  101. 疾患が、嚢胞性線維症である、請求項83~92のいずれか一項に記載の医薬組成物または方法。
  102. 有効量が、キナーゼの活性を阻害するのにさらに有効である、請求項82~101のいずれか一項に記載の医薬組成物または方法。
  103. 対象、生体試料、組織、または細胞におけるキナーゼの活性を阻害する方法であって、
    方法が、有効量の、請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ、あるいは請求項80~84のいずれか一項に記載の医薬組成物を対象へ投与すること、あるいは、これと生体試料、組織、または細胞を接触させることを含む、前記方法。
  104. 対象、生体試料、組織、もしくは細胞におけるMYCまたはMCL-1の転写を下方調節する方法であって、
    方法が、有効量の、請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ、あるいは請求項80~84のいずれか一項に記載の医薬組成物を対象へ投与すること、あるいはこれと生体試料、組織、または細胞を接触させることを含む、前記方法。
  105. 対象が、ヒトである、請求項85~104のいずれか一項に記載の方法。
  106. 細胞の成長を阻害する方法であって、
    方法が、有効量の、請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ、あるいは請求項80~84のいずれか一項に記載の医薬組成物と、細胞を接触させることを含む、前記方法。
  107. 細胞のアポトーシスを誘導する方法であって、
    方法が、有効量の、請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ、あるいは請求項80~84のいずれか一項に記載の医薬組成物と、細胞を接触させることを含む、前記方法。
  108. 細胞が、in vitroである、請求項103~107のいずれか一項に記載の方法。
  109. 細胞が、変則的な増殖性の細胞である、請求項103~108のいずれか一項に記載の方法。
  110. キナーゼが、サイクリン依存性キナーゼである請求項92~109のいずれか一項に記載の方法。
  111. キナーゼが、サイクリン依存性キナーゼ7である、請求項110に記載の方法。
  112. キナーゼが、野生型キナーゼまたは突然変異キナーゼである、請求項92~111のいずれか一項に記載の方法。
  113. 有効量が、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)受容体を阻害するには有効ではない、請求項82~112のいずれか一項に記載の医薬組成物または方法。
  114. 有効量が、サイクリン依存性キナーゼ7の活性を阻害するのにさらに有効であるが、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)受容体を阻害するには有効ではない、請求項113に記載の医薬組成物または方法。
  115. 請求項1~78のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ、あるいは請求項80~84のいずれか一項に記載の医薬組成物;および
    化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグ、あるいは医薬組成物を使用するための指示
    を含む、キット。
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