JP2022540639A - 眼疾患を治療するための装置および方法 - Google Patents

眼疾患を治療するための装置および方法 Download PDF

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Abstract

眼治療装置が開示される。眼治療装置は、隔離治療空間を画成するチャンバと、封止部分と、隔離治療空間への治療剤の導入を可能にするように構成されたポートとを含んでいてよい。眼治療装置は、上側組立体と、中央組立体と、下側組立体と、封止部分とを有するチャンバを含んでいてよい。そのような装置を用いて様々な眼疾患を治療する関連方法も開示される。

Description

連邦政府による資金提供を受けた研究または開発の記載
本発明は、米国陸軍医学研究司令部(MRMC)の臨床・リハビリ医療研究プログラム(PAD5)により裁定されたAIBS番号140024の下に、政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
眼外傷または眼周囲外傷の件数は、特に軍隊に関連して増加している。目の外傷には、重い負担および治療費が伴う。患者は長期の入院に直面する場合があり、全般的に生活の質および生産性に重大な影響が及ぶ。
角膜感染症または感染性角膜炎(IK)は、急を要する眼疾患であり、適切に十分な治療がなされなければ失明にまで進行するおそれがある。細菌性、ウイルス性、真菌性、および寄生虫性の因子によって生じるIKは、角膜混濁および失明の世界的に主要な要因である。IKの合併症は素早く進行し、角膜の潰瘍、血管新生、角膜の瘢痕および混濁、穿孔、眼内炎、ならびに最も深刻な場合には失明および/または眼損失につながるおそれがある。これらの深刻な続発症の可能性があることから、感染性角膜炎は、白内障に次ぎ眼球全体の失明の主要な原因であり続けている。IKなど、様々な眼疾患を治療するための現在の手法は、不十分である。
一態様において、眼治療装置が提供される。眼治療装置は、患者の両目にわたる領域を取り囲むように構成されたチャンバと、隔離治療空間を形成するために、患者の両目にわたる領域の周りにチャンバの周囲において固定されるように構成された、チャンバのベース部にある封止部分と、隔離治療空間との流体連通を可能にするように構成された、チャンバのポートとを備える。チャンバは、隔離治療空間を画成する内部表面を含んでいてよい。
別の態様において、眼治療装置が提供される。眼治療装置は、患者の目領域を取り囲むように構成されたチャンバを含んでいてよい。チャンバは、ポートを備えた上側組立体と、上側組立体の下側表面に接続された中央組立体と、中央組立体の下側表面に接続された下側組立体とを備えていてよい。下側組立体は、中央組立体の寸法よりも大きい最長の線形寸法を有していてよい。上側組立体、中央組立体、および下側組立体は、隔離治療空間を画成する内側表面をともに形成してよい。眼治療装置は、患者の目の周りの眼窩縁として固定されて隔離治療空間を形成するように構成された、チャンバの下側組立体にある封止部分をさらに含んでよい。
いくつかの実施形態において、チャンバのポートは、隔離治療空間との流体連通を可能にするように構成されている。いくつかの実施形態において、中央組立体は、ポートを介して送達された液体の容量を収容するように構成されている。
いくつかの実施形態において、目領域は、患者の目およびまぶたを含む。 さらなる実施形態において、眼治療装置は、ポートに接続され、隔離治療空間と流体連通するチューブを備えてよい。チューブは、隔離治療空間から流体を除去するか、または隔離治療空間に流体を導入するように構成されてよい。さらなる実施形態において、ポートは、隔離治療空間内で陰圧療法を可能にするように構成されてよい。
いくつかの実施形態において、チャンバの内部表面は、エンボス加工された複数の構造部を特徴とする。エンボス加工された構造部は、患者のまぶたに直接接触するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、エンボス加工された構造部は、チャンバの内部表面と患者の目領域との間に通路を形成するように構成されてよい。
いくつかの実施形態において、エンボス加工された複数の構造部は、互いに約0.2mm~約10mmの距離を置いて配置されてよい。いくつかの実施形態において、エンボス加工された複数の構造部は、約0.1mm~約5mmの高さを有していてよい。エンボス加工された複数の構造部は、チャンバの内部表面に一様なパターンで配置されてよい。いくつかの実施形態において、エンボス加工された複数の構造部のそれぞれは、円錐形、角錐形、五角形、六角形、半球形、ドーム形、ロッド形、丸みのある側部を有する細長い隆起部、および四角い側部を有する細長い隆起部から成るグループから選択された形状を有している。いくつかの実施形態において、エンボス加工された複数の構造部は半剛性を有していてよい。いくつかの実施形態において、エンボス加工された複数の構造部は、チャンバの内部表面のうちの約50~約100パーセントを覆ってよい。
いくつかの実施形態において、チャンバは、隔離治療空間内で、生体内での組織培養のような状態を提供するように構成されている。たとえば、チャンバは、湿潤な環境を特徴とする隔離治療空間を提供するように構成されてよい。
いくつかの実施形態において、チャンバは、患者の目と眼窩周囲組織との両方を治療するように構築および配置されてよい。
いくつかの実施形態において、封止部分は、機械的封止部または接着封止部を備える。いくつかの実施形態において、封止部分は、易感染性の組織および/または熱傷組織に付着するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、接着封止部の接着剤は、実質的に通気性を有する。たとえば、接着封止部の接着剤は、アクリル封止剤であってよい。
いくつかの実施形態において、チャンバは、実質的に順応性のある材料から構築されてよい。いくつかの実施形態において、チャンバは、所定の酸素透過性レベルを特徴とする材料から構築されてよい。たとえば、チャンバは、患者の角膜全体にわたって酸素透過率を増進する材料から構築されてよい。いくつかの実施形態において、チャンバは、半透明または実質的に透明な材料から構築されてよい。いくつかの実施形態において、チャンバは、処理された材料から構築されてよい。他の実施形態において、チャンバは、単一の材料シートから形成されてよい。特定の実施形態において、チャンバは、ポリウレタンで構築されてよい。
いくつかの実施形態において、チャンバの形状は、実質的に長円形であってよい。いくつかの実施形態において、チャンバは、患者の両目を取り囲むように構成されてよい。
特定の実施形態において、本明細書に記載の眼治療装置は、顔面創傷チャンバに組み込まれてよい。
いくつかの実施形態において、ポートは自己封止式である。いくつかの実施形態において、隔離治療空は、最適化された形状または容量を特徴とする。たとえば、隔離治療空間は、所定の容量および/または濃度の治療剤を保持するように構成されてよい。チャンバは、治療剤を患者の目および/または眼窩周囲組織に接触した状態に維持するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、隔離治療空間は、患者の目および/または眼窩周囲組織を治療剤に浸すように構成されてよい。特定の実施形態において、チャンバは、眼外傷を防護および/または防止するように構成されてよい。
いくつかの実施形態において、眼治療装置は、取外し可能および/または再封止可能であるように構成されてよい。いくつかの実施形態において、チャンバは、実質的に無菌の包装で提供される。いくつかの実施形態において、チャンバは、使い捨てでありかつ/または単回使用向けに構成されている。
いくつかの実施形態において、チャンバは、多孔性挿入物を備えていない。
さらなる実施形態において、眼治療装置は、隔離治療空間内の酸素レベル、温度、およびpHレベルのうちの少なくとも1つを検出および/または監視するように構築および配置された少なくとも1つのセンサを含んでよい。温度センサは、可撓性基材に配置された複数のフィラメント状構造部、たとえば金属製フィラメント状構造部を備えてよい。酸素センサは、可撓性基材に配置された光学酸素センサ、たとえば少なくとも1つの光源と光検出器とを含むセンサを備えてよい。pHセンサは、ポリマー膜に組み込まれた少なくとも1つのph感応染料と光検出器とを備えてよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのセンサは、収集したデータを無線で送信するように構築および配置されてよい。
さらなる実施形態において、眼治療装置は、流体トラップ、ポンプ、排出ポート、および吸引装置のうちの少なくとも1つを含んでよい。
いくつかの実施形態において、眼治療装置は、蛇腹構造を特徴としてよい。
さらなる実施形態において、眼治療装置は、保護シールドとともに臨床で使用されるように構成されてよい。
別の態様によれば、患者の細菌性角膜炎を治療する方法が提供される。この方法は、本明細書に記載の眼治療装置を、患者の眼窩周囲領域の上に固定するステップと、患者の細菌性角膜炎を治療するために、眼治療装置のチャンバの隔離治療空間に治療剤を導入するステップとを含んでよい。
いくつかの実施形態において、細菌性角膜炎は、緑膿菌性角結膜炎を含む。
いくつかの実施形態において、治療剤は、液体、懸濁液、ゲル、ハイドロゲル、軟膏、または泡として処方されたビヒクルに提供される。治療剤は、持続放出するように処方されてよい。いくつかの実施形態において、治療剤は、抗真菌剤、抗生剤、抗炎症剤、または鎮痛剤である。特定の例において、抗生剤はモキシフロキサシンであってよい。
さらなる実施形態において、方法は、隔離治療空間において湿ったまたは湿潤な環境を促進するステップを含んでよい。たとえば、方法は、患者の目の角膜を隔離治療空間内で流体環境に浸すステップを含んでよい。いくつかの実施形態において、治療は、角膜完全性を改善してよい。いくつかの実施形態において、治療は、角膜乾燥および/または角膜瘢痕を軽減してよい。
別の態様によれば、患者の眼疾患を治療する方法が提供される。この方法は、本明細書に記載の眼治療装置を、患者の眼窩周囲領域の上に固定するステップと、患者の眼疾患を治療するために、眼治療装置のチャンバの隔離治療空間に治療剤を導入するステップとを含んでよい。
別の態様によれば、患者の眼疾患を治療する方法が提供される。この方法は、本明細書に記載の眼治療装置を、患者の眼窩周囲領域の上に固定するステップと、患者の眼疾患を治療するために、装置のチャンバの隔離治療空間に治療剤を導入するステップであって、治療剤が、MICの約10倍~約1000倍の濃度で送達される、ステップとを含んでよい。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、眼感染症である。たとえば、感染症は、細菌性またはウイルス性の角膜炎を含んでよい。特定の実施形態において、眼感染症は緑膿菌性角膜炎を含む。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、眼外傷であってよい。たとえば、眼外傷は、損傷した眼窩周囲組織、まぶた外傷、および/または角膜上皮創傷のいずれかに関係することがある。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、角膜潰瘍、露出性角膜症、顔面熱傷、および/または眼瞼形成処置のいずれかに関する。いくつかの実施形態において、患者は、易感染性眼周囲構造を有することがある。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、まぶたの被覆域を再構築するために、患者のまぶたに皮膚移植を施すステップを含んでよい。皮膚移植は、分層皮膚移植または全層皮膚移植であってよい。
いくつかの実施形態において、治療剤は、液体、懸濁液、ゲル、ハイドロゲル、軟膏、または泡として処方されたビヒクルに提供される。治療剤は、持続放出するように処方されてよい。いくつかの実施形態において、治療剤は抗微生物剤を含む。いくつかの実施形態において、治療剤は、抗真菌剤、抗生剤、抗炎症剤、または鎮痛剤であってよい。特定の実施形態において、抗生剤は、バンコマイシンまたはモキシフロキサシンであってよい。
いくつかの実施形態において、治療剤は、MICの約10~約1000倍の濃度で送達されてよい。たとえば、治療剤は、最大でMICの100倍の濃度で送達されてよい。特定の実施形態において、治療剤は、少なくともMICの100倍の濃度で送達されてよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、隔離治療空間において湿った環境を促進するステップを含んでよい。たとえば、方法は、患者の目の角膜を隔離治療空間内で流体環境に浸すステップを含んでよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、装置のチャンバに酸素を導入するステップを含んでよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、装置のチャンバに生理食塩水または媒体溶液を導入するステップを含んでよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、装置のチャンバに成長因子および/または細胞を導入するステップを含んでよい。
いくつかの実施形態において、治療は、角膜完全性を改善してよい。いくつかの実施形態において、治療は、角膜乾燥および/または角膜瘢痕を軽減してよい。いくつかの実施形態において、治療は、眼創傷深度の進行を遅延または防止してよい。いくつかの実施形態において、眼創傷チャンバの接着縁の周りの組織および/またはその下の組織は、傷つけられなくてよい。いくつかの実施形態において、治療は、角膜の上皮、基質、または内皮の完全性に変化をもたらさない。いくつかの実施形態において、治療は、角膜厚さ、眼圧、または角膜の表面形態に大きな変化、すなわち剥離をもたらさない。いくつかの実施形態において、長期の視覚的損傷が防止されてよい。いくつかの実施形態において、眼瞼後退および/または眼瞼瘢痕が軽減されてよい。いくつかの実施形態において、角膜腫れ、浸潤、または血管新生が回避されてよい。いくつかの実施形態において、眼感染症は、14日以内に消散することがある。
いくつかの実施形態において、装置のチャンバは、取り替えの前に最長で7日間定位置に取り残されてよい。いくつかの実施形態において、隔離治療空間内の治療剤は、最小頻度で約24時間ごとに取り替えられてよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、患者が眼疾患を患っていることを識別するステップを含んでよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、眼創傷を汚染除去および/または創傷清拭するステップを含んでよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、患者の目を撮像するステップを含んでよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、目の環境を監視するステップを含んでよい。目の環境を監視するステップは、隔離治療空間内の温度、酸素、およびpHレベルのうちの少なくとも1つを測定するステップを含んでよい。
さらなる実施形態において、本明細書に開示する方法は、目領域に陰圧療法を施すステップを含んでよい。
いくつかの実施形態において、眼治療装置を用いた治療は、治療剤の投与のみ場合と比べて、患者における治療剤の血漿濃度を増大させる。
いくつかの実施形態において、装置のチャンバは、眼感染症または眼創傷の発現後に、患者に固定されてよい。いくつかの実施形態において、装置のチャンバは、外傷の時点で固定のために貼付されてよい。いくつかの実施形態において、装置のチャンバは、予防的に固定されてよい。
いくつかの実施形態において、患者の眼疾患は、患者の顔面創傷とともに治療されてよい。
添付図面は、原寸に比例するように描写することを意図したものではない。明瞭にするために、すべての構成要素が図面内で符号付けされているわけではない。
1つまたは複数の実施形態による、眼治療装置の拡大図である。 図1に示す眼治療装置の上方から見た図である。 図1に示す眼治療装置の垂直断面図である。 図1に示す眼治療装置の斜視図である。 1つまたは複数の実施形態による、様々なサイズの眼治療装置を示す図である。 患者の眼窩周囲領域の上に固定された図1の眼治療装置の図である。図6Aは正面図を示す。 患者の眼窩周囲領域の上に固定された図1の眼治療装置の図である。図6Bは側面輪郭図を示す。 1つまたは複数の実施形態による、患者の眼窩周囲領域の上に固定された、本明細書に記載の治療装置の図である。 患者の両目を覆うように配置された眼治療装置の実施形態を示す図である。図8Aは正面図を示す。 患者の両目を覆うように配置された眼治療装置の実施形態を示す図である。図8Bは側面輪郭図を示す。 1つまたは複数の実施形態による、眼治療装置のある場合とない場合の、角膜外傷および感染症誘発の直後、ならびに治療後0時間、24時間、および72時間に撮られた目の白色光画像を示す図である。 1つまたは複数の実施形態による、眼治療装置のある場合とない場合の、角膜外傷および感染症誘発の直後、ならびに治療後0時間、24時間、および72時間に撮られたフルオレセイン染色の目を示す図である。図10Aは、フルオレセイン染色の実施を示す図である。 1つまたは複数の実施形態による、眼治療装置のある場合とない場合の、角膜外傷および感染症誘発の直後、ならびに治療後0時間、24時間、および72時間に撮られたフルオレセイン染色の目を示す図である。図10Bは、フルオレセイン染色の定量化を示す図である。 眼瞼切開、角膜剥離、および感染の前と、角膜剥離外傷の直後、および治療後0時間、24時間、および72時間の、未治療の目、0.5%モキシフロキサシン点眼薬で治療した目、および眼治療装置で治療した目の角膜SD-OCT画像を示す図である。 細菌負荷を評価するための、治療済み眼組織におけるコロニー形成単位(CFU)の計数を示す図である。図12Aは、治療後24時間のCFU計数を示す。 細菌負荷を評価するための、治療済み眼組織におけるコロニー形成単位(CFU)の計数を示す図である。図12Bは、治療後72時間のCFU計数を示す。 細菌負荷を評価するための、治療済み眼周囲組織のCFU計数を示す図である。図13Aは、治療後24時間のCFU計数を示す。 細菌負荷を評価するための、治療済み眼周囲組織のCFU計数を示す図である。図13Bは、治療後72時間のCFU計数を示す。 抗生剤の存在を評価するための、治療後血漿試料を示す図である。図14Aは、治療後24時間の血漿試料を示す。 抗生剤の存在を評価するための、治療後血漿試料を示す図である。図14Bは、治療後72時間の血漿試料を示す。
1つまたは複数の実施形態によれば、様々な眼疾患の治療に使用するための装置が開示される。装置は、全般的に、患者の眼構造の保護手当用品として機能しながら、その治療を容易にすることができる。この装置は、患者の目領域を外部環境から遮断する隔離治療空間を提供することができる。少なくともいくつかの実施形態において、角膜保護が実現されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼疾患のための治療が、隔離治療空間内に施されてよい。たとえば、抗生剤および鎮痛剤を含む様々な治療剤が、この治療装置を介して正確に導入されかつ/または浸透することが可能である。治療装置は、浸透した治療剤を、隔離治療空間内で眼疾患の部位にさらに留めることができる。治療剤は、治療のために患者の目および/または眼窩周囲組織に接触した状態に保たれてよい。
有利には、治療装置は、眼の治癒につながる環境を提供することができる。少なくともいくつかの実施形態では、湿潤なまたは湿った環境が、隔離治療空間内に提供されて治癒を容易にしてよい。眼疾患の部位は、治療溶液内に浸されて、その治癒が促進されてよい。生体内での組織培養のような状態が、全般的にその中で促進されてよい。患者の目および/または眼窩周囲組織が治療されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼疾患の進行が止められてよく、治癒が加速されてよい。外傷が固定されて、治療が迅速に開始されてよい。開示される装置で、患者の目領域を即座にまたは早い段階で取り囲むことにより、眼疾患の進行を遅らせることができる。角膜乾燥および/または角膜瘢痕が防止されてよい。開示される装置によって提供される湿潤な環境において、熱傷深度の進行が軽減されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼装置は、患者の目領域を取り囲むように構成されたチャンバを含んでいてよい。目領域は、患者の片目の周りの区域にわたってもよいし、患者の両目にわたってもよい。いくつかの実施形態において、眼治療装置は、全般的に眼窩縁として構築および配置されてよい。本明細書において使用するとき、目領域という用語は、患者の目および/またはその周りの眼窩周囲組織、すなわちまぶたのことを指してよい。治療装置は、患者の目領域のための取外し可能なカバーを提供してよい。装置は、全般的に眼構造に一致し、その健康を支援するものであってよい。装置は、本明細書に記載する投与すべき治療剤の所望の容量および/または濃度に基づく所定のリザーバを提供するように、そのサイズおよび形状に関して最適化されて、流体で満たされた治療環境を形成してよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼治療装置は、患者の目領域を取り囲むように構成されたチャンバを含んでいてよい。チャンバは、ポートを備えた上側組立体と、上側組立体の下側表面に接続された中央組立体と、中央組立体の下側表面に接続された下側組立体とを備えていてよい。下側組立体は、中央組立体の寸法よりも大きい最長の線形寸法、たとえば直径を有していてよい。上側組立体、中央組立体、および下側組立体は、隔離治療空間を画成する内側表面をともに形成してよい。眼治療装置は、患者の目の周りの眼窩縁として固定されて隔離治療空間を形成するように構成された、チャンバの下側組立体にある封止部分をさらに含んでもよい。
眼治療装置の例示的な実施形態が、図1~図4に示してある。図1を参照すると、眼治療装置100は、注入ポート104を含む上側組立体102を含んでおり、注入ポート104は注入ポートカバー106を有している。注入ポート104は、自己封止式の注入ポート、たとえばセプタムであってよい。眼治療装置100は、透過性接着層から成る下側組立体110に接続された中央組立体108を含んでいる。上側組立体102は、封止接合部107aを使用して中央組立体108に接続されており、下側組立体110は、封止接合部107bを使用して中央組立体108に接続されている。図1において、下側組立体110は、中央組立体108の寸法よりも大きい最長の線形寸法、たとえば直径を有していてよい。下側組立体110はさらに、下側組立体110の対向する側部に配置された1対の貼用タブ112を含んでいる。上側組立体102、中央組立体108、および下側組立体110は、隔離治療空間を画成することができる内側表面をともに形成する。図2を参照すると、眼治療装置100は上側組立体102を有しており、上側組立体102の縁部の近くに、注入ポート104および注入ポートカバー106が配置されている。下側組立体110の貼用タブ112は、下側組立体110の周囲縁部の中央に配置されている。図2には、上側組立体102と下側組立体110の両方の例示的な寸法がさらに示してある。たとえば、本明細書に記載の上側組立体は、凹形状の眼治療装置を提供してよい。凹部は、特定の容量の流体、たとえば治療剤を眼治療装置内に入れることができるように最適化されてよい。
図1の眼治療装置の垂直断面を示す図3を参照すると、眼治療装置300は、注入ポート104および注入ポートカバー106を有する上側組立体102を含んでいる。中央組立体108は、上側組立体102および下側組立体110に接続されている。本明細書に注記するように、下側組立体110は、中央組立体108の寸法よりも大きい最長の線形寸法、たとえば直径を有している。示してある構成では、より大きい下側組立体110とより小さい中央組立体108との接続により蛇腹形状を形成することができ、この蛇腹の形状によって画成された容積内に、治療剤、生理食塩水、緩衝溶液などの液体を集めることができ、ひいては眼治療装置の使用中にそれらの液体を目の近くに保つことができる。眼治療装置が配置されたときに、患者の目から離れて配置される、中央組立体108と下側組立体110との間の空間にさらに流体が溜まることを、中央組立体108の蛇腹形状によってさらに防止することができる。
眼治療装置の全体的な形状は、患者の片目を覆う用途か両目を覆う用途かを考慮して、すなわち患者の目および眼窩周囲組織の所望部分を覆うように、適合性に関して最適化されることも可能である。たとえば、片方の目およびまぶたは、実質的に円形または楕円形の装置によって囲むことができる。そのような特定の非限定的な実施形態では、装置は直径約1~4インチである。様々な直径の装置を図5に示す。他の非限定的な実施形態では、患者の両目およびそれに付随する眼窩周囲組織を覆うために、実質的に長円形の、たとえば約3×約6インチの装置を実現することができる。いくつかの実施形態では、装置は、人体構造の眼領域の曲線および寸法に実質的に沿う形状を有していてよい。たとえば、目を直接取り囲む眼窩/眼窩周囲の領域、正面領域すなわち額、目の下の眼窩下および/または頬骨の領域すなわちほお骨、ならびに鼻領域すなわち鼻梁など、人間の顔構造の様々な領域のうちの少なくとも1つに一致する全体形状を、装置は有していてよい。眼治療装置の曲線部は、装置の材料に直接形成されてよい。代替的に、装置の材料は、前述した構造領域の輪郭に沿うことができるほど十分な可撓性を有していてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、チャンバは、隔離治療空間を画成する内部表面を含んでいてよい。隔離治療空間は、患者の目および/または眼窩周囲組織を治療剤に浸すように構成されてよい。チャンバおよび画成された隔離治療空間は、眼外傷を防護および/または防止するように構成されてよい。チャンバは、治療剤送達のための媒体としてその用途に一致した任意の材料から作られてよい。たとえば、治療剤投与方法が液体またはゲルである場合には、ポリウレタン材料がチャンバ向けに選択されてよい。チャンバは、患者の角膜全体にわたって安全な酸素透過率を増進する材料から構築されてよい。所定の酸素透過性レベルを有する材料が、必要に応じて選択されてよい。生体適合性も、慎重に考慮すべき事項であり得る。眼の適応症に特有の要件、たとえばエチレンオキシド残留の限度も、設計時に考慮すべきことであり得る。いくつかの実施形態では、チャンバは、実質的に順応性のある材料から作られてよい。患者と医師の両方による視認性を向上させるために、実質的に透明または半透明の材料が使用されてよい。チャンバは、目的とする用途に応じて処理された、すなわちUV処理された材料から構築されてよい。少なくともいくつかの実施形態では、チャンバは、単一の材料シートから作られてよい。いくつかの実施形態では、チャンバは、蛇腹構造を特徴としてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、装置は、チャンバのベース部に封止部分を含んでよい。封止部分は、患者の目の周りの眼窩縁として固定されて隔離治療空間を形成するように構成されてよい。封止部分は、接着封止部であってもよいし、機械的封止部であってもよい。封止部分は、易感染性の組織、すなわち熱傷組織に付着するように構成されてよい。接着剤は、生体適合性のある材料から作られてよい。たとえば、接着剤は、通気性を有するものであってよい。少なくともいくつかの非限定的な実施形態において、アクリル接着剤が使用されてよい。1つまたは複数の実施形態によれば、タブにより、患者に対する装置の取付けおよび取外しが容易になってよい。封止部は、液密封止を実現することに関して、治療剤送達のためのビヒクルとしての用途にも一致しているべきである。こうして、眼組織は、単に組織を湿潤な状態に維持するだけでなく、治療剤に浸された状態に維持されることが可能である。
1つまたは複数の実施形態によれば、装置は、チャンバへのおよび/またはチャンバからの材料の移動を容易にするためのポートを含んでいてよい。このポートを介して酸素が導入されてよい。このポートは全般的に、チャンバ材料の酸素透過特性を増強または補助するものであってよい。様々な治療方法に関連して以下で説明するように、治療剤も導入されてよい。特定の容量および/または濃度を正確に送達することが実現可能である。ポートは、流体で満たされた治療環境の提供を容易にすることができる。ポートは封止可能であってよく、いくつかの非限定的な実施形態では、自己封止式であってよい。様々な試薬および/または治療剤が、自己封止式ポートを介してチャンバに注入されてよい。いくつかの実施形態では、チューブがポートと連係してよい。チューブは、ポートに接続され、隔離治療空間と流体連通してよい。チューブは、隔離治療空間からの流体の除去、または隔離治療空間への流体の導入を容易にすることができる。
1つまたは複数の実施形態によれば、ポートおよび/またはチューブは、隔離治療空間内での陰圧療法の提供を可能にするように構成されてよい。従来の陰圧治療チャンバとは対照的に、開示される眼治療装置のチャンバは、多孔性挿入物を含んでいない。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼治療装置は、顔面全体の治療装置、すなわち顔面創傷チャンバに組み込まれてよい。装置は、保護シールドとともに使用されるように構成されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼治療装置の封止部分と連係してベース部が実装されて、たとえば患者の表皮構造に適応させるために必要になることがある付加的な高さが与えられてよい。ベース部は、装置の残りの部分とは異なる色であってよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、チャンバの内部表面は、エンボス加工された複数の構造部を特徴としてよい。他の実施形態では、チャンバの内部表面は、エンボス加工されていなくてもよい。そのような構造部は、患者の眼窩周囲組織、すなわちまぶたに直接接触するように構成されてよい。これらのエンボス加工された構造部は、チャンバの内部表面と患者の目領域との間に通路を形成するように構成されてよい。そのような通路は、陰圧療法を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、構造部は半剛性を有していてよい。エンボス加工された構造部は、チャンバの内部表面に一様なパターンで配置されてよい。エンボス加工された構造部は、互いに異なる距離を置いて配置されてよい。たとえばいくつかの非限定的な実施形態では、その間の隔たりは、約0.2mm~約10mmであってよい。これらのエンボス加工された構造部は、高さも異なっていてよく、たとえばこれらの構造部は、いくつかの非限定的な実施形態において、最小約0.1mm~最大約5mmの高さを有していてよい。エンボス加工された構造部は、様々な形状を有していてよく、たとえばこれらの構造部は、円錐形、角錐形、五角形、六角形、半球形、ドーム形、ロッド形、丸みのある側部を有する細長い隆起部、または四角い側部を有する細長い隆起部として形成されてよい。いくつかの実施形態では、エンボス加工された構造部は、チャンバの内部表面のうちの少なくとも約50%~約100%を覆ってよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼治療装置は、この装置を接着した眼窩縁を囲む眼周囲組織に対して悪影響を及ぼし得ない。接着縁の下にも副作用はない。装置は、易感染性組織、たとえば熱傷組織に十分に付着してよい。装置は、角膜完全性に対する有害作用も有し得ない。装置は、角膜全体にわたって安全な酸素透過率レベルを妨げ得ない。眼窩周囲の縁に接着される装置は、皮膚マイクログラフト、分層皮膚移植、および培養した自己移植ケラチノサイトに安全に導入することができる。角膜厚さおよび角膜表面特徴は、大きな変化を示さない。眼圧の大きな変化は生じない。眼疾患に関連する副作用はない。装置の使用に関連する炎症、浸潤、または血管新生はない。
1つまたは複数の実施形態によれば、様々なセンサが、眼チャンバに関連付けられてよい。たとえば、角膜が専用の血液供給源を有さない表面組織層であることを考慮して、酸素レベルを監視することが角膜に関して重要な場合がある。装置は、隔離治療空間内の酸素、温度、pH、細菌、または他のレベルを測定および/または監視するための1つまたは複数のセンサを含んでいてよい。1つまたは複数の実施形態によれば、温度センサは、可撓性基材に配置された複数のフィラメント状構造部を備えていてよい。たとえば、温度センサは、可撓性基材に配置された金フィラメントなど、複数の金属製フィラメント状構造部を含んでいてよい。1つまたは複数の実施形態によれば、酸素センサは、可撓性基材に配置された少なくとも1つの光源と光検出器とを含んでいてよい。たとえば、酸素センサは、電磁スペクトルの可視領域または赤外領域において発光する発光ダイオード(LED)を備えていてよい。1つまたは複数の実施形態によれば、pHセンサは、ポリマー膜に組み込まれた少なくとも1つのpH感応染料と光検出器とを備えていてよい。センサの任意の実施形態において、センサは集められたデータを、適切な無線信号を介して、たとえばセルラーネットワーク、BLUETOOTH(登録商標)無線データ送信プロトコル、または当技術分野において知られている他の無線データ送信プロトコルを介して、セルラーフォン、タブレット、コンピュータ、サーバなどの受信器に送信するように構成されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、装置は、流体トラップ、ポンプ、排出ポート、および吸引装置などであるがこれらに限定されない1つまたは複数の補助構成要素も含んでいてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、キットが、本明細書に記載の眼治療装置を単体で含んでいてもよいし、または治療剤の供給源、および/または本明細書に記載の1つもしくは複数のセンサおよび補助構成要素とともに含んでいてもよい。キットは、本明細書に記載の様々な眼疾患を治療する方法を実施するための取扱説明書を含んでいてもよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼装置は、単回使用向けに構成されてよく、たとえば使い捨てであってよい。いくつかの他の実施形態では、眼装置は取外し可能および/または再封止可能であってよい。装置は、実質的に無菌の包装で提供されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、様々な眼疾患を、開示される装置によって治療することができる。いくつかの実施形態では、眼感染性を治療することができる。たとえば、細菌性またはウイルス性の角膜炎、すなわち黄色ブドウ球菌、連鎖球菌種、および緑膿菌によって誘発される角膜炎を治療することができる。1つまたは複数の他の実施形態によれば、眼の創傷または外傷を治療することができる。いくつかの実施形態では、眼の創傷、ただれ、裂傷、剥離、または外科的切開を治療することができる。いくつかの実施形態では、眼瞼形成部位を治療することができる。損傷を受けたまたは易感染性の眼窩周囲組織または構造部を治療することができる。いくつかの特定の実施形態では、露出性角膜症を治療することができる。別の特定の実施形態では、顔面熱傷に関連するものなどの眼熱傷を治療することができる。少なくともいくつかの実施形態では、眼疾患は角膜に関するものであってよい。たとえば、さらに別の特定の実施形態では、角膜潰瘍または角膜上皮創傷を治療する。いくつかの実施形態では、眼疾患は、眼窩周囲組織、すなわちまぶたの外傷に関するものであってよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、細菌性角膜炎を治療する方法など、眼疾患を治療する方法は、図6A、図6B、図7、図8A、および図8Bに示してあるように、本明細書に記載の眼治療装置を患者の眼窩周囲領域の上に固定するステップを伴ってよい。たとえば、本明細書に記載の眼治療装置は、図6A、図6B、および図7に示してあるように、患者の片目の上に固定されてよい。代替的に、本明細書に記載の眼治療装置は、図8Aおよび図8Bに示してあるように、患者の両目の上に固定されてよい。有利には、かなりの眼露出に関連するものなどの易感染性の眼周囲構造を患者が有する場合でも、装置を眼窩周囲縁として安全かつ有効に貼付することができる。皮膚移植、すなわち分層皮膚移植もしくは全層皮膚移植、または他の技法を使用して、正常なまぶたの被覆域を増大および/または再構築することができる。有利には、移植につきものであった有害な収縮を、低下または回避することができる。患者は、治療を必要とする眼疾患を患っているとして識別されてよい。装置の貼付の前またはそれと同時に、患者の目領域を撮影してよい。眼治療の対象部位は、汚染除去しかつ/または創傷清拭されてよい。眼感染症または外傷の発現後すぐに、眼装置は患者に固定されてよい。代替的に、外傷の時点で感染を防止するために予防的に眼装置が固定され、こうして早急な外傷修復および治療の利点が提供されてよい。有利には、眼装置は、外傷の時点で固定のために貼付されてもよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、治療剤は、装置の隔離治療空間に投与されてよい。任意の認可された治療剤を導入することができる。治療剤は、眼チャンバに投与するために処方されてよい。たとえば、治療剤は、液体、懸濁液、ゲル、ハイドロゲル、軟膏、または泡として投与されてよい。いくつかの実施形態では、抗微生物剤が、眼チャンバに導入されてよい。抗生剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗真菌剤、様々な分子、成長因子、細胞、たとえば幹細胞またはマイクログラフ、および他の治療剤を送達することができる。いくつかの非限定的な実施形態において、バンコマイシンが送達されてよい。他の非限定的な実施形態において、モキシフロキサシンが送達されてよい。媒体または生理食塩水などの他の試薬が添加されてよい。1つまたは複数の実施形態によれば、治療剤は、持続放出するように処方されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼疾患を治療する方法などにおいて、高濃度の治療剤、たとえば最小阻止濃度(MCI)の約10~約1000倍の治療剤が、眼疾患の治療のために患者の目に導入されてよい。いくつかの実施形態では、MICの最大約100倍の抗生剤濃度が使用されてよい。他の実施形態では、MICの少なくとも約100倍の抗生剤濃度が使用されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、隔離治療空間において湿ったまたは湿潤な環境が促進されてよい。目領域の対象部分、すなわち目、角膜、まぶた、または他の眼窩周囲組織が、隔離治療空間内の流体環境に浸されて、実質的に連続した接触により治癒が促進されてよい。いくつかの非限定的な実施形態では、眼装置は周期的に、たとえば約72時間ごとに、または最大で約7日ごとに取り替えられてよい。同様に、いくつかの非限定的な実施形態では、治療剤は周期的に、すなわち約24時間ごとに取り替えられてよい。上述したように酸素が投与されてよい。陰圧療法も隔離治療空間に施されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、患者の目領域の環境が監視されてよい。たとえば、隔離治療空間内の温度、酸素、二酸化炭素、および/またはpHレベルが監視されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、患者の片目および/またはそれに関連する眼窩周囲組織が治療されてよい。他の実施形態では、患者の両目および/またはそれに関連する眼窩周囲組織が治療されてよい。少なくともいくつかの実施形態では、眼治療は、患者の顔面創傷の治療とともに実施されてよい。
1つまたは複数の実施形態によれば、眼疾患に関連する細菌負荷が軽減されてよい。全く炎症を呈しないか、最小限の炎症を呈することがある。熱傷の壊死厚さが低減されてよい。瘢痕および眼瞼後退が軽減されてよい。1つまたは複数の実施形態によれば、眼治療は、角膜完全性を改善し、角膜乾燥を軽減し、かつ/または角膜瘢痕を軽減することができる。1つまたは複数の実施形態による眼治療は、眼創傷深度の進行を遅延または防止することができる。眼装置の接着縁の周りの組織および/またはその下の組織は、傷つけられなくてよい。治療は、角膜の上皮、基質、または内皮の完全性に大きな変化をもたらさない。治療は、角膜厚さ、眼圧、または角膜の表面形態に大きな変化、すなわち剥離をもたらさない。長期の視覚的損傷が防止されてよい。眼瞼後退および/または眼瞼瘢痕が軽減されてよい。角膜腫れ、浸潤、および血管新生が回避されてよい。少なくともいくつかの実施形態では、眼感染が、有利なことに14日以内またはそれより早期に消散することがある。少なくともいくつかの実施形態では、角膜上皮欠損が、48時間という短期間で治癒することがある。
様々な実施形態によれば、装置および方法は、Erikssonらに対する国際(PCT)特許出願公開番号WO2018/119442に開示された1つまたは複数の態様を伴ってよく、この文献は、あらゆる目的のためにその内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
上記その他の実施形態の機能および利点は、以下の例からより深く理解することができる。これらの例は、説明的な性質のものであることを意図しており、本発明の範囲を決して限定するものとはみなされない。
本明細書において開示する眼治療装置の有効性を示すために、以下の例では、モルモットの角膜を細菌感染症に罹患させ、眼治療装置を用いた治療と、眼治療装置を用いない治療とを実施した。
動物
すべて雌のアルマン・フラピエ研究所(IAF)無毛モルモット(200~250g、Crl:HA-Hrhr)を、チャールズ・リバー・ラボラトリーズ(マサチューセッツ州ウィルミントン)から取得し、研究開始前に少なくとも72時間にわたって順化させた。ランダムにグループ分けした動物(1グループ当たりN=4)に麻酔をかけ、鎮痛剤を処方した。動物福祉法、施行動物福祉規則、および米国学術研究会議発行の実験動物の管理と使用に関する指針の原理に準拠して、調査を実施した。施設の動物管理使用委員会(IACUC)が、本研究において実施されるすべての調査を承認した。この調査を実施した施設は、AAALAC(国際実験動物ケア評価認証協会)によって全面的に認可されている。すべての動物を、機関の指針、およびARVO(視覚と眼科学研究協会会議)のStatement for the Use of Animals in Ophthalmic and Vision Researchに従って飼育および取扱いした。
眼瞼切開
上側および下側のまぶたを取り除くために眼瞼切開を実施した。簡潔に説明すると、動物に一般的な麻酔をかけた後、25ゲージニードルを使用して、エピネフリン添加(1:100,000USP)2%リドカインHCL0.05~0.1mLを、上側および下側のまぶたに注射し、出血を制御した。歯付き鉗子(#12)を使用して、上側および下側のまぶたをつかみ、ウェストコットハサミを用いて上側および下側のまぶた全体を眼窩縁から取り除いた。必要に応じて高温の手持ち式焼灼装置を用いて、うっ血を制御した。本明細書に記載の角膜上皮創傷の形成および感染導入する前の72時間、動物を眼瞼切開処置から回復させた。
緑膿菌分離
緑膿菌株27853を、American Type Culture Collection(ATCC、バージニア州マナッサス)から取得した。保存培養株を、最初にルリア・ベルター二(LB)培養液(Lennox)微生物増殖培地(ミズーリ州セントルイス、Sigma-Aldrich)内で、37℃で振とうしながら一晩成長させた。細菌コロニー分離のために、1μL接種ループを使用して、ALFA AESAR(商標)LB寒天プレート、平面(マサチューセッツ州ウォルサム、Fisher Scientific)に接種した。37℃で一晩培養した後、フルオレセインとピオシアニンの両方を産出すると見られる小形態を有するコロニーを分離し、シュードモナス分離寒天(カリフォルニア州サンタマリア、Hardy Diagnostics)で二次培養した。実験研究のために、細菌培養株を、シュードモナス分離寒天(カリフォルニア州サンタマリア、Hardy Diagnostics)で培養された分離コロニーからLB培養液内5mL内で37℃で振とうしながら一晩成長させた。一晩培養したものの分光光度読取り値(カリフォルニア州ハーキュリーズ、BioRad、520nmSMARTSPEC(商標)PLUS分光光度計)を取得し、その後、細菌濃度1×10CFU/mLに希釈した。細菌希釈物を、連続して平板培養して、目に配置されるCFU/mLを確認した。
緑膿菌角膜炎モデル
眼瞼切開処置の72時間後に、角膜錆輪リムーバ(テキサス州ラゴヴィスタ、Alger Company, Inc.ALGERBRUSH(登録商標)II)を使用して角膜上皮創傷を形成し、その直後に緑膿菌27853を導入した。簡潔に説明すると、トレフィンを使用して、左目の角膜中央に4mmの区域を画定し、その後上皮を取り除いた。フルオレセイン染色を使用して、上皮が均一に取り除かれていることを確認した。角膜上皮欠損の形成の後に、それぞれのモルモットの左目に1×10CFU/mLの緑膿菌27853を塗布した。動物を、治療開始前に24時間、回復させた。24時間後、治療される動物は、0.5%モキシフロキサシン点眼液(テキサス州フォートワース、Alcon)500μLを充填した眼治療装置を受け入れた(N=4)か、または感染した目に1日4回、0.5%モキシフロキサシン点眼液10μL滴下を投与された(N=4)。眼治療装置を受け入れた動物に対し、目およびその周囲の組織を以下のように準備した。残った眼窩周囲の毛を除毛クリームを使用して除去した後、70%アルコールで皮膚を清浄化し、眼治療装置の付着力を確保するために乾燥させた。眼治療装置を貼付した後、0.5%モキシフロキサシン点眼液500μLを、25ゲージの1”ニードルを使用しながら自己封止式シリコーンポートを介して眼治療装置に注入した。評価および撮影の後、眼治療装置および0.5%モキシフロキサシンを、24時間ごとに研究の期間にわたって交換した。
細菌定量
動物を人道的安楽死させた後、眼球全体を取り出し、すぐに氷上に置いた。セラミックビード(米国インディアナ州インディアナポリス、Roche、MAGNA LYSER(登録商標)グリーンビード)と、無菌リン酸緩衝生理食塩水1mL(ニューヨーク州グランドアイランド、Gibco、PBS)とを収容した無菌チューブに試料を入れた。ビードビータ(カリフォルニア州サンタアナ、MP BIOMEDICALS FASTPREP-24(商標)5G Instrument)を使用して、試料を5.5m/秒で60秒間均質化した。均質化の後に、ホモジネートを1/10および1/100の希釈でシュードモナス分離寒天(Hardy Diagnostics)に平板培養した。平板を乾燥させてから、反転させ37℃で一晩置いた。一晩培養してから、コロニーを手作業で数えた。以下の式を使用してCFU/mLを計算した:(コロニー数×希釈倍率)/培養平板の容量
白光およびフルオレセインの眼撮像
白光およびフルオレセインの眼撮像を実施した。カメラおよびコバルトブルーフィルタを備えた外科用顕微鏡(ドイツ、オーバーコッヘン、Carl Zeiss Surgical、OPMI VISU 200 S8)を使用して、特定時点の画像を収集した。無菌フルオレセインナトリウムの眼用フィルムUSP(フランス、オーブナ、Chauvin Laboratory、FLUORETS(登録商標))を、平衡塩類溶液(テキサス州フォートワースAlcon、BSS)100μLで濡らし、液滴を10秒間目に入れてから、BSS(Alcon)ですすいだ。フルオレセイン摂取の画像を、外科用顕微鏡を使用してコバルトブルー光の下で取得し、ImageJ(メリーランド州ベテスダ、NIH)を使用して分析した。データは、フルオレセイン摂取面積のピクセル数として報告される。
光干渉断層法
感染した目の画像を取得し、示された時点の角膜表面構造を、スペクトル領域光干渉断層法(カリフォルニア州プレザントン、Phoenix Research Laboratories、SD-OCT、Micron IV)を使用して視覚化した。
液体クロマトグラフィ-タンデム質量分析
血漿試料を、30分間氷上で解凍し、その後17,000gで20分間遠心分離した。上澄みに、1μg/mLの内部基準のバンコマイシン(Sigma-Aldrich)を添加し、液体クロマトグラフィ-質力分析-質量分析(LC-MS-MS)が実施されるまで、-70°で保管した。2.1×50mm、5μm、C18カラム(カリフォルニア州サンタクララ、Agilent Technologies、Agilent ZORBAX(登録商標) Eclipse XDB 80A)に抗菌剤を結合させることにより、LC/MS-MS分析を、40℃で30秒間100%移動相Aを用いて実施した。カラムを、0%から90%移動相Bの線形勾配で90秒間溶出した。分析時間は、1回の注入に4分であった。0~2μg/mLのモキシフロキサシン(Sigma-Aldrich)規格品を使用して、基準曲線を生成した。バンコマイシン(1μg/mL、Sigma-Aldrich)が内部対照として機能した。
エレクトロスプレーイオン化(ESI)インターフェースおよび三連四重極質量分析計を有するAB Sciex API 4000質量分析計(マサチューセッツ州フレイミングハム、AB Sciex)で、質量分光分析を実施した。質量分析計を、複数の反応監視モードで、エレクトロスプレー陽イオン化インターフェースを介して、725.5/144.0(バンコマイシン)および402.2/358.1(モキシフロキサシン)の質量対電荷比(m/z)を使用して動作させた。バンコマイシンのMS/MS分析のために、m/zが725.5/144.0に設定された状態で、デクラスタリング電位を75Vに設定し、衝突エネルギーを24Vに設定し、衝突セル出口電位を7.2Vに設定した。モキシフロキサシンのMS/MS分析のために、402.2/358.1に設定されたm/zについて、デクラスタリング電位を90Vに設定し、衝突エネルギーを26.89Vに設定し、衝突セル出口電位を7.9Vに設定した。エレクトロスプレー毛細管電圧を4.5kVに設定した。
統計的分析
フルオレセインデータ分析には、反復測定用の線形混合モデルを使用した。それぞれの回帰モデルにおいて、時間と、治療グループと、これら2つの要因の相互作用とを、固定の説明変数として使用した。外傷/感染の時点で測定された面積も、別の共変数としてモデルに含めた。それぞれの結果について、赤池情報量規準(AIC)およびベイズ情報量規準(BIC)の統計を使用して、最適合の残差共分散を特定し、フルオレセイン面積を求めるために、一次自己回帰共分散行列を使用した。フルオレセイン面積データは、平均および95%の信頼区間(95%CI)として提示される。治療グループ間での摘出した目および皮膚組織のCFU個数の差、およびモキシフロキサシン濃度が、時間点によって層別されて、クラスカル・ワリス検定を使用して分析された。適切な方法(すなわち、ドワス・スチール・クリッチロウ・フリグナーまたはテューキー・クレーマ)に従って、すべての事後の一対比較(padj)について、p値を調整した。CFUおよびモキシフロキサシンのデータは、中央値および四分位範囲(IQR)として提示される。すべての研究についてアルファ0.05を使用して、有意性を評価した。すべての分析は、SAS9.4(ノースカロライナ州ケーリー、SAS Institute)を使用して実施された。
感染した眼および眼周囲組織の臨床評価
図9に示してあるように、眼治療装置で治療した動物の外傷眼周囲における炎症は、治療を受けなかった(NT)かまたは0.5%モキシフロキサシン点眼薬で治療した動物と比較して、観察したすべての時点において軽度であることが、白光撮像データの臨床評価によって定性的に明らかになった。さらに、点眼薬で治療した目またはNTの目の角膜表面は、眼治療装置で治療した目よりも乾燥していた。結果は定性的であるが、これらの臨床的に観察された所見は、眼治療装置で治療した動物から取得した皮膚試料における炎症性サイトカインならびに線維症のレベルが大幅に低いことを示す先に公表された病理学的結果によって支持されている。
角膜形態および角膜表面の完全性を評価するために、緑膿菌27853の接種時、ならびに治療後0時間、24時間、および72時間にフルオレセイン染色を実施し(図10A)、定量化した(図10B)。未治療であるかまたは0.5%モキシフロキサシン点眼薬を受けた目と比較して、眼治療装置で治療した目の72時間におけるフルオレセイン染色は有意に広かった(p<0.05)ことが、結果によって示された(図10A、図10B)。これらのデータは、角膜表面が乾燥しておらず、フルオレセイン染色を摂取可能であることを示している。間接的に、この結果は、NTグループおよび0.5%モキシフロキサシン点眼薬グループで観察された乾燥した角膜と比較して、角膜表面構造がより健全であることを示唆している。
角膜表面構造の完全性をさらに評価するために、図11に示してあるようにOCT撮像を実施した。OCT撮像の結果は、フルオレセイン染色の観察結果を支持するものであることが見出され、NTグループおよび0.5%モキシフロキサシン点眼薬グループにおいて、異常な角膜形態を示した。眼治療装置で治療した目において、多少の実質浮腫が示されたが、それ以外はより正常な角膜形態が観察された。
眼および眼周囲組織における細菌負荷の評価
この例は、眼と眼周囲組織の両方において細菌負荷を軽減するために眼治療装置を使用できるかどうかを特定することを目的としていた。治療後24時間または72時間に、眼球全体を動物から摘出し、細菌定量化を実施した。図12Aに示してあるように、治療なしのグループと比較して、眼治療装置か0.5%モキシフロキサシン点眼薬のいずれかで治療したグループにおいて24時間の眼組織に存在するCFUの個数が有意に減少した(p=0.01)。
眼治療装置を受け入れた動物と点眼薬を受け入れた動物との間で、24時間または72時間のいずれにおいても、眼組織試料のCFU計数に有意な差はないが(図12A、図12B)、治療したグループ間で活動性感染を有する動物の数に、臨床的に有意な差があった。24時間において、NTグループおよび0.5%モキシフロキサシン点眼薬グループのすべての動物が、シュードモナス感染を維持していたが、眼治療装置で治療した動物は25%しか感染を示さなかった。72時間までに、治療を受けていない動物の100%がまだ感染していたが、0.5%モキシフロキサシン点眼薬グループと眼治療装置グループの両方の動物は25%しか感染していなかった。
いずれかの時点において摘出された皮膚組織については、3つの異なる治療グループ間でCFUの統計的差異は観察されなかった(24時間、p=0.17、72時間、p=0.24)(図13A、図13B)。しかし、24時間において、点眼薬を受けた動物から取得した皮膚試料の50%、および治療を受けなかった動物の75%が、継続的な微生物感染を示したのに比べて、眼治療装置を受けた動物の微生物感染は0%であったことが、臨床的観点から示されている。72時間には、眼治療装置で治療したか0.5%モキシフロキサシン点眼薬で治療した動物はすべて、微生物の完全除去を示したが、治療を受けなかった動物の50%はなお感染していた。
抗微生物治療剤の血漿濃度の評価
図14Aおよび図14Bは、点眼薬を受けたグループおよび眼治療装置を受けたグループから取得した血漿試料におけるモキシフロキサシンの濃度を比較した図である。これらの結果は、両方の時点24時間(p=0.06)または72時間(p=0.12)において、潜在的に有意な臨床意義を有している。治療後24時間において、眼治療装置で治療した動物の血漿モキシフロキサシン濃度中央値(中央値=1.68、IQR=0.47~4.05)は、点眼薬を受けた動物の24倍であった(中央値=0.07、IQR=0.06~0.09)。治療後72時間において、眼治療装置で治療した動物の血漿モキシフロキサシン濃度中央値(中央値=0.50、IQR=0.30~0.63)は、点眼薬を受けた動物の濃度中央値(中央値=0.07、IQR=0.05~0.15)の約7倍であった。
眼瞼切開により誘発される露出性角膜症の結果、特にNT動物グループおよび標準治療(すなわち点眼薬のみの)動物グループにおいて極度の角膜乾燥を生じることから、この動物モデルにおいて角膜上皮完全性の指標としてフルオレセイン染色を使用することには限界があることが認識されている。しかし、有意義な臨床的所見を、この実験中に行われた観察から得ることができる。たとえば、フルオレセイン染色は、通常、眼表面の疾患を識別するために使用され、健康な目においては摂取が限定的である。先の研究において、フルオレセイン染色は、角膜上皮創傷の経時的閉鎖を監視するための手段として使用されており、フルオレセインの摂取が低減するにつれ、創傷閉鎖が増大する。それとは対照的に、フルオレセイン摂取の増大は、NTまたは点眼薬のみの動物と比較して、眼治療装置で治療した動物の目の健康が増進したことを示すものと思われることが、目の乾燥に起因して見出された。理由は単純に、乾燥した目はフルオレセイン染料を摂取することができないからである。したがって、流体に満たされた環境を目に提供し乾燥を防ぐ眼治療装置の機能を考慮すると、結果的に得られる角膜構造は、NTグループおよび点眼薬のみのグループに見られるよりも、浮腫および異常な形態が少なく、全体的により正常であるように見えた。まとめると、肉眼での白光観察、フルオレセイン染色、およびOCT撮像のすべてが、点眼薬のみの目または未治療の目よりも、眼治療装置で治療された目の方が、定性的により健康であることを示唆している。
本明細書において使用する言い回しおよび専門用語は、説明を目的としており、限定とみなされるべきではない。本明細書で使用する「複数の」という用語は、2つ以上の物品または構成要素を指す。「備える」「含む」「担持する」「有する」「収容する」および「伴う」という用語は、記載した説明においても特許請求の範囲などにおいても、オープンエンドの用語であり、つまり「~を含むがこれに限定されない」を意味する。したがって、そのような用語の使用は、その後に列挙された物品、その等価物、ならびに付加的な物品を包含することを意図している。特許請求の範囲に関して「~から成る」および「本質的に~から成る」という移行句のみが、それぞれクローズドまたはセミクローズドな移行句である。特許請求の範囲における、特許請求要素を修飾するための「第1の」「第2の」「第3の」などの序数用語の使用は、1つの特許請求要素の、別の特許請求要素に対する優先順位、優位性、もしくは順序、または方法の動作を実施する時間的順番を、それ自体によって意味することはなく、特定の名前を有する1つの特許請求要素を、同じ名前を持つ(序数用語を使用する対象の)別の要素から区別して、特許請求要素を区別するためのラベルとして使用されているに過ぎない。
少なくとも1つの実施形態の複数の態様をこのように説明してきたが、様々な代替形態、修正形態、および改善形態を、当業者であれば容易に思いつくであろう。任意の実施形態において説明した任意の特徴は、任意の他の実施形態の任意の特徴に含まれてもよいし、またはそれと置換されてもよい。そのような代替形態、修正形態、および改善形態は、本開示の一部であることが意図されており、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。したがって、上記の説明および図面は、単なる例である。本明細書に記載のパラメータおよび構成は例示的なものであり、実際のパラメータおよび/または構成は、開示した方法および材料を使用する特定の用途に依存することを、当業者は理解すべきである。また、当業者は、単なる日常の実験を使用して、開示した特定の実施形態の等価物を認識するか、または確認することができるはずである。

Claims (118)

  1. 隔離治療空間を画成する内部表面を有し、患者の両目にわたる領域を取り囲むように構成されたチャンバと、
    前記隔離治療空間を形成するために、前記患者の前記両目にわたる領域の周りに前記チャンバの周囲において固定されるように構成された、前記チャンバのベース部にある封止部分と、
    前記隔離治療空間との流体連通を可能にするように構成された、前記チャンバのポートと
    を備える眼治療装置。
  2. 患者の目領域を取り囲むように構成されたチャンバと、封止部分とを備える眼治療装置であって、
    前記チャンバが、
    ポートを備えた上側組立体、
    前記上側組立体の下側表面に接続された中央組立体、および
    前記中央組立体の下側表面に接続され、前記中央組立体の線形寸法よりも大きい最長の線形寸法を有する下側組立体
    を含み、
    前記上側組立体、中央組立体、および下側組立体が、隔離治療空間を画成する内部表面を形成しており、
    前記封止部分が、前記チャンバの下側組立体にあって、前記隔離治療空間を形成するために、前記患者の目の周りの眼窩縁として固定されるように構成されている、
    眼治療装置。
  3. 前記チャンバの前記ポートが、前記隔離治療空間との流体連通を可能にするように構成されている、請求項2に記載の眼治療装置。
  4. 前記中央組立体が、前記ポートを介して送達された液体の容量を収容するように構成されている、請求項3に記載の眼治療装置。
  5. 前記目領域が、前記患者の目およびまぶたを含む、請求項2に記載の眼治療装置。
  6. 前記ポートに接続され、前記隔離治療空間と流体連通するチューブをさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の眼治療装置。
  7. 前記チューブが、前記隔離治療空間から流体を除去する、または前記隔離値量空間に流体を導入するように構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の眼治療装置。
  8. 前記ポートが、前記隔離治療空間内で陰圧療法を可能にするようにさらに構成されている、請求項1から7のいずれかに記載の眼治療装置。
  9. 前記チャンバの前記内部表面が、エンボス加工された複数の構造部を特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の眼治療装置。
  10. 前記エンボス加工された構造部が、前記患者の前記まぶたに直接接触するように構成されている、請求項1から9のいずれかに記載の眼治療装置。
  11. 前記エンボス加工された構造部が、前記チャンバの前記内部表面と前記患者の前記目領域との間に通路を形成するように構成されている、請求項1から10のいずれかに記載の眼治療装置。
  12. 前記エンボス加工された複数の構造部が、互いに約0.2mm~約10mmの距離を置いて配置されている、請求項1から11のいずれかに記載の眼治療装置。
  13. 前記エンボス加工された複数の構造部が、約0.1mm~約5mmの高さを有している、請求項1から12のいずれかに記載の眼治療装置。
  14. 前記エンボス加工された複数の構造部が、前記チャンバの前記内部表面に一様なパターンで配置されている、請求項1から13のいずれかに記載の眼治療装置。
  15. エンボス加工された各構造部が、円錐形、角錐形、五角形、六角形、半球形、ドーム形、ロッド形、丸みのある側部を有する細長い隆起部、および四角い側部を有する細長い隆起部から成るグループから選択された形状を有している、請求項1から14のいずれかに記載の眼治療装置。
  16. 前記エンボス加工された複数の構造部が、半剛性を有している、請求項1から15のいずれかに記載の眼治療装置。
  17. 前記エンボス加工された複数の構造部が、前記チャンバの前記内部表面の約50~約100パーセントを覆っている、請求項1から16のいずれかに記載の眼治療装置。
  18. 前記チャンバが、前記隔離治療空間内で、生体内での組織培養のような状態を提供するように構成されている、請求項1から17のいずれかに記載の眼治療装置。
  19. 前記隔離治療空間が、湿潤な環境を特徴とする、請求項1から18のいずれかに記載の眼治療装置。
  20. 前記チャンバが、前記患者の目と眼窩周囲組織との両方を治療するように構築および配置されている、請求項1から19のいずれかに記載の眼治療装置。
  21. 前記封止部分が、機械的封止部または接着封止部を備える、請求項1から20のいずれかに記載の眼治療装置。
  22. 前記封止部分が、易感染性組織に付着するように構成されている、請求項1から21のいずれかに記載の眼治療装置。
  23. 前記封止部分が、熱傷組織に付着するように構成されている、請求項1から22のいずれかに記載の眼治療装置。
  24. 前記接着封止部の接着剤が、実質的に通気性を有する、請求項1から23のいずれかに記載の眼治療装置。
  25. 前記接着剤が、アクリル接着剤である、請求項1から24のいずれかに記載の眼治療装置。
  26. 前記チャンバが、実質的に順応性のある材料から構築されている、請求項1から25のいずれかに記載の眼治療装置。
  27. 前記チャンバが、所定の酸素透過性レベルを特徴とする材料から構築されている、請求項1から26のいずれかに記載の眼治療装置。
  28. 前記チャンバが、前記患者の角膜全体にわたって酸素透過率を増進する材料から構築されている、請求項1から27のいずれかに記載の眼治療装置。
  29. 前記チャンバが、ポリウレタンから構築されている、請求項1から28のいずれかに記載の眼治療装置。
  30. 前記チャンバの形状が実質的に長円形である、請求項1に記載の眼治療装置。
  31. 前記チャンバが、前記患者の両目を取り囲むように構成されている、請求項2に記載の眼治療装置。
  32. 顔面創傷チャンバに組み込まれる、請求項1から31のいずれかに記載の眼治療装置。
  33. 前記隔離治療空間が、最適化された形状または容量を特徴とする、請求項1から32のいずれかに記載の眼治療装置。
  34. 前記チャンバが、半透明または実質的に透明の材料から構築されている、請求項1から33のいずれかに記載の眼治療装置。
  35. 前記チャンバが、処理された材料から構築されている、請求項1から34のいずれかに記載の眼治療装置。
  36. 前記ポートが自己封止式である、請求項1から35のいずれかに記載の眼治療装置。
  37. 前記隔離治療空間が、所定の容量および/または濃度の治療剤を保持するように構成されている、請求項1から36のいずれかに記載の眼治療装置。
  38. 前記チャンバが、治療剤を前記患者の前記目および/または眼窩周囲組織に接触した状態に維持するように構成されている、請求項1から37のいずれかに記載の眼治療装置。
  39. 前記隔離治療空間が、前記患者の前記目および/または眼窩周囲組織を治療剤に浸すように構成されている、請求項1から38のいずれかに記載の眼治療装置。
  40. 前記チャンバが、眼外傷を防護および/または防止するように構成されている、請求項1から39のいずれかに記載の眼治療装置。
  41. 取外し可能および/または再封止可能であるように構成されている、請求項1から40のいずれかに記載の眼治療装置。
  42. 前記チャンバが、実質的に無菌の包装で提供される、請求項1から41のいずれかに記載の眼治療装置。
  43. 前記チャンバが使い捨てである、請求項1から42のいずれかに記載の眼治療装置。
  44. 前記チャンバが、単回使用向けに構成されている、請求項1から43のいずれかに記載の眼治療装置。
  45. 前記チャンバが、多孔性挿入物を備えていない、請求項1から44のいずれかに記載の眼治療装置。
  46. 前記チャンバが、単一の材料シートから形成されている、請求項1から45のいずれかに記載の眼治療装置。
  47. 前記隔離治療空間内の酸素レベル、温度、およびpHレベルのうちの少なくとも1つを検出および/または監視するように構築および配置された少なくとも1つのセンサをさらに備える、請求項1から46のいずれかに記載の眼治療装置。
  48. 温度センサが、可撓性基材に配置された複数のフィラメント状構造部を備える、請求項47に記載の眼治療装置。
  49. 酸素センサが、可撓性基材に配置された少なくとも1つの光源と光検出器とを備える、請求項47に記載の眼治療装置。
  50. pHセンサが、ポリマー膜に組み込まれた少なくとも1つのpH感応染料と光検出器とを備える、請求項47に記載の眼治療装置。
  51. 前記少なくとも1つのセンサが、収集したデータを無線で送信するように構築および配置されている、請求項47に記載の眼治療装置。
  52. 流体トラップ、ポンプ、排出ポート、および吸引装置のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項1から51のいずれかに記載の眼治療装置。
  53. 蛇腹構造を特徴とする、請求項1から52のいずれかに記載の眼治療装置。
  54. 保護シールドとともに臨床で使用されるように構成されている、請求項1から53のいずれかに記載の眼治療装置。
  55. 患者の細菌性角膜炎を治療する方法であって、
    請求項1から54のいずれか一項に記載の眼治療装置を、患者の眼窩周囲領域の上に固定するステップと、
    前記患者の前記細菌性角膜炎を治療するために、前記眼治療装置のチャンバの前記隔離治療空間に治療剤を導入するステップと
    を含む方法。
  56. 前記細菌性角膜炎が、緑膿菌性角結膜炎を含む、請求項55に記載の方法。
  57. 前記治療剤が、液体、懸濁液、ゲル、ハイドロゲル、軟膏、または泡として処方されたビヒクルに提供される、請求項55または56に記載の方法。
  58. 前記治療剤が、持続放出するように処方されている、請求項55から57のいずれかに記載の方法。
  59. 前記治療剤が、抗真菌剤、抗生剤、抗炎症剤、または鎮痛剤である、請求項55から58のいずれかに記載の方法。
  60. 前記抗生剤がモキシフロキサシンである、請求項55から59のいずれかに記載の方法。
  61. 前記隔離治療空間において湿ったまたは湿潤な環境を促進するステップをさらに含む、請求項55から60のいずれかに記載の方法。
  62. 前記患者の前記目の角膜を前記隔離治療空間内で流体環境に浸すステップをさらに含む、請求項55から61のいずれかに記載の方法。
  63. 治療が、角膜完全性を改善する、請求項55から62のいずれかに記載の方法。
  64. 治療が、角膜乾燥および/または角膜瘢痕を軽減する、請求項55から63のいずれかに記載の方法。
  65. 患者の眼疾患を治療する方法であって、
    請求項1から54のいずれか一項に記載の眼治療装置を、患者の眼窩周囲領域の上に固定するステップと、
    前記患者の前記眼疾患を治療するために、前記装置のチャンバの前記隔離治療空間に治療剤を導入するステップと
    を含む方法。
  66. 患者の眼疾患を治療する方法であって、
    請求項1から52のいずれか一項に記載の眼治療装置を、患者の眼窩周囲領域の上に固定するステップと、
    前記患者の前記眼疾患を治療するために、前記装置のチャンバの前記隔離治療空間に治療剤を導入するステップであって、前記治療剤が、MICの約10倍~約1000倍の濃度で送達される、ステップと
    を含む方法。
  67. 前記眼疾患が眼感染症である、請求項65または66に記載の方法。
  68. 前記眼感染症が、細菌性またはウイルス性の角膜炎を含む、請求項66または67に記載の方法。
  69. 前記眼感染症が、緑膿菌性角膜炎を含む、請求項66または67に記載の方法。
  70. 前記眼疾患が、眼外傷である、請求項65から69のいずれかに記載の方法。
  71. 前記眼外傷が、損傷した眼窩周囲組織に関する、請求項65から70のいずれかに記載の方法。
  72. 前記眼外傷が、まぶた外傷に関する、請求項65から71のいずれかに記載の方法。
  73. 前記眼疾患が、角膜上皮創傷に関する、請求項65から72のいずれかに記載の方法。
  74. 前記眼疾患が、角膜潰瘍に関する、請求項65から73のいずれかに記載の方法。
  75. 前記眼疾患が、露出性角膜症に関する、請求項65から74のいずれかに記載の方法。
  76. 前記眼疾患が、顔面熱傷に関連している、請求項65から75のいずれかに記載の方法。
  77. 前記患者が、易感染性眼周囲構造を有している、請求項65から76のいずれかに記載の方法。
  78. 前記眼疾患が、眼瞼形成処置に関する、請求項65から77のいずれかに記載の方法。
  79. まぶたの被覆域を再構築するために、前記患者のまぶたに皮膚移植を施すステップをさらに含む、請求項65から78のいずれかに記載の方法。
  80. 前記移植が、分層皮膚移植である、請求項65から79のいずれかに記載の方法。
  81. 前記移植が、全層皮膚移植である、請求項65から80のいずれかに記載の方法。
  82. 前記治療剤が、液体、懸濁液、ゲル、ハイドロゲル、軟膏、または泡として処方されたビヒクルに提供される、請求項65から81のいずれかに記載の方法。
  83. 前記治療剤が、持続放出するように処方されている、請求項65から82のいずれかに記載の方法。
  84. 前記治療剤が、抗微生物剤を含む、請求項65から83のいずれかに記載の方法。
  85. 前記治療剤が、抗真菌剤、抗生剤、抗炎症剤、または鎮痛剤である、請求項65から84のいずれかに記載の方法。
  86. 前記抗生剤がバンコマイシンである、請求項65から85のいずれかに記載の方法。
  87. 前記抗生剤がモキシフロキサシンである、請求項65から86のいずれかに記載の方法。
  88. 前記治療剤が、MICの約10~約1000倍の濃度で送達される、請求項55から65のいずれかに記載の方法。
  89. 前記治療剤が、最大でMICの100倍の濃度で送達される、請求項65から88のいずれかに記載の方法。
  90. 前記治療剤が、少なくともMICの100倍の濃度で送達される、請求項65から89のいずれかに記載の方法。
  91. 前記隔離治療空間において湿った環境を促進するステップをさらに含む、請求項65から90のいずれかに記載の方法。
  92. 前記患者の前記目の角膜を前記隔離治療空間内で流体環境に浸すステップをさらに含む、請求項65から91のいずれかに記載の方法。
  93. 前記装置のチャンバに酸素を導入するステップをさらに含む、請求項65から92のいずれかに記載の方法。
  94. 前記装置のチャンバに生理食塩水または媒体溶液を導入するステップをさらに含む、請求項65から93のいずれかに記載の方法。
  95. 前記眼治療装置のチャンバに、成長因子および/または細胞を導入するステップをさらに含む、請求項65から94のいずれかに記載の方法。
  96. 治療が、角膜完全性を改善する、請求項65から95のいずれかに記載の方法。
  97. 治療が、角膜乾燥および/または角膜瘢痕を軽減する、請求項65から96のいずれかに記載の方法。
  98. 治療が、眼創傷深度の進行を遅延または防止する、請求項65から97のいずれかに記載の方法。
  99. 眼創傷チャンバの周囲組織および/または眼創傷チャンバの接着縁の下の組織が傷つけられない、請求項65から98のいずれかに記載の方法。
  100. 治療は、角膜の上皮、基質、または内皮の完全性に変化をもたらさない、請求項65から99のいずれかに記載の方法。
  101. 治療は、角膜厚さ、眼圧、または角膜の表面形態に変化、すなわち剥離をもたらさない、請求項65から100のいずれかに記載の方法。
  102. 長期視覚損傷が防止される、請求項65から101のいずれかに記載の方法。
  103. まぶた後退および/またはまぶた瘢痕が軽減される、請求項65から102に記載の方法。
  104. 角膜腫れ、浸潤、または血管新生が回避される、請求項65から103のいずれかに記載の方法。
  105. 眼感染性症が14日以内に消散する、請求項65から104のいずれかに記載の方法。
  106. 前記装置のチャンバが、取り替えの前に最長で7日間定位置に取り残される、請求項65から105のいずれかに記載の方法。
  107. 前記隔離治療空間内の治療剤が、最小頻度で約24時間ごとに取り替えられる、請求項65から106のいずれかに記載の方法。
  108. 前記患者が眼疾患を患っていることを識別するステップをさらに含む、請求項65から107のいずれかに記載の方法。
  109. 眼創傷を汚染除去および/または創傷清拭するステップをさらに含む、請求項65から108のいずれかに記載の方法。
  110. 前記患者の前記目を撮像するステップをさらに含む、請求項65から109のいずれかに記載の方法。
  111. 前記目の前記環境を監視するステップをさらに含む、請求項65から110のいずれかに記載の方法。
  112. 前記目の前記環境を監視するステップが、前記隔離治療空間内の温度、酸素、およびpHレベルのうちの少なくとも1つを測定するステップを含む、請求項111に記載の方法。
  113. 前記眼治療装置を用いた治療が、前記治療剤の投与のみ場合と比べて、前記患者における前記治療剤の血漿濃度を増大させる、請求項65から112のいずれかに記載の方法。
  114. 前記目領域に、陰圧療法を施すステップをさらに含む、請求項65から113のいずれかに記載の方法。
  115. 前記装置のチャンバが、眼感染症または眼創傷の発現後に、前記患者に固定される、請求項65から114に記載の方法。
  116. 前記装置のチャンバが、固定のために外傷の時点で貼付される、請求項65から115のいずれかに記載の方法。
  117. 前記装置のチャンバが、予防的に固定される、請求項65から116のいずれかに記載の方法。
  118. 前記患者の前記眼疾患が、前記患者の顔面創傷とともに治療される、請求項65から117のいずれかに記載の方法。
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