JP2022539891A - 外部固定部位を治療するための方法および装置 - Google Patents

外部固定部位を治療するための方法および装置 Download PDF

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Abstract

装置は、複数の第1のリザーバおよび複数の第2のリザーバを含む。複数の第1のリザーバの選択されたものは還元剤を含み、複数の第1のリザーバの選択されたものの第1のリザーバ表面は第1の基体表面に近接する。複数の第2のリザーバの選択されたものは酸化剤を含み、複数の第2のリザーバの選択されたものの第2のリザーバ表面は、第1の基体表面に近接する。【選択図】図1

Description

本明細書は、医療装置と共に使用される生体電気装置の位置を維持するために有用な方法および装置に関する。
外部固定は外科的治療法であり、コネクタ(たとえば、ロッド、ピン、またはワイヤー)が身体構造(たとえば、骨)に取り付けられ、その後体外に出て、体外の安定化構造に取り付けられる。これは、安定性を提供するための全ての構成が患者の体内に配置される内部固定の代替である。外部固定は、手術部位または損傷部位から離れた場所の骨および軟部組織を安定させるために使用され、初期評価、ならびに骨の連続性および機能的な軟部組織を回復するために必要な二次介入のために、関連する骨組織および軟部組織への妨げのないアクセスを提供する。しかし、これらの固定装置は、特に連結装置が体内に入る部位(挿入部)において感染をもたらし得る。
本明細書で開示されるのは、骨折を含む挫傷等の傷害を治療するための方法、システム、および装置であって、前記方法、システム、および装置は、医療装置、たとえば生体電気治療装置を含む。
また、本明細書で開示されるのは、生体適合性マイクロセルのマルチアレイマトリクスを備える生体電気医療装置である。そのようなマトリクスは、金属種を含む第1の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを形成する第1のアレイと、金属種を含む第2の導電性溶液から形成されたマイクロセルのパターンを形成する第2のアレイと、を含み、第2のアレイの金属種が、前記第1および第2のアレイが電解液に導入され、前記第1および第2のアレイが互いに物理的に接触しない場合に、第1のアレイの金属種とともに少なくとも1つの電流を自発的に生成するための、少なくとも1つのボルタ電池を規定することが可能である。
開示される方法は、医療装置、たとえば外部固定装置の身体挿入部位で生体電気医療装置を固定する方法を含む。
さらなる観点は、感染を防止、たとえば、細菌のバイオフィルム形成を阻害する方法を含む。観点は、微生物または細菌の増殖を低減する、微生物もしくは細菌を殺す、バイオフィルム層を通じて細菌を殺す、またはバイオフィルムの形成を阻害する方法、またはこれらの組み合わせも含む。実施形態は、抗生物質と組み合わせて、微生物もしくは細菌の増殖を低減する、微生物もしくは細菌を殺す、バイオフィルム層を通じて細菌を殺す、またはバイオフィルムの形成を阻害する、またはこれらの組み合わせのための本開示の装置を使用する方法を含む。
本開示の実施形態の詳細な平面図である。 本開示の実施形態に関連する電気的な導電材を適用したパターンの詳細な平面図である。 図2の適用されたパターンを用いた接着性の包帯である。 図3の3-3線断面図である。 電極に接続される導電性金属溶液の細線を含む、ここで開示された他の実施形態詳細な平面図である。 線パターンおよび点パターンを備える、別の他の実施形態の詳細な平面図である。 2本の線パターンを備えるさらに別の他の実施形態の詳細な平面図である。 創傷管理システムのアンカー領域と同様の不連続領域の位置を示す他の実施形態を示す。 創傷管理システムのアンカー領域と同様の不連続領域の位置を示す他の実施形態を示す。 創傷管理システムのアンカー領域と同様の不連続領域の位置を示す他の実施形態を示す。 創傷管理システムのアンカー領域と同様の不連続領域の位置を示す他の実施形態を示す。 創傷管理システムのアンカー領域と同様の不連続領域の位置を示す他の実施形態を示す。 Ag/Zn BED(生体電気装置;本明細書で開示される実施形態を指す)のエネルギー分散型X線分光法(EDS)分析である。A.走査型電子顕微鏡(SEM)像、B.光学顕微鏡像、CおよびD.Bの金色の点と灰色の点のそれぞれの拡大図、E.亜鉛のEDS元素マップ、F.銀のEDS元素マップ、G.酸素のEDS元素マップ、H.炭素のEDS元素マップ。スケールバーは、B、E~Hが1mm、C、Dが250μmである。 プラセボ、Ag/Zn BED、およびプラセボ+Agドレッシングで処理した浮遊性PAO1培養液の吸光度測定およびCFU測定。 プラセボ、Ag/Zn BED、およびプラセボ+Agドレッシングで処理した浮遊性PAO1培養液の吸光度測定およびCFU測定。 プラセボ、Ag/Zn BED、およびプラセボ+Agドレッシングでの阻害領域。 プラセボ、本明細書に開示の実施形態(「BED」)、およびプラセボ+Agドレッシングで処理したin vitroでのPAO1バイオフィルムの走査型電子顕微鏡画像を示す。 EPS染色を示す。 Live/Dead染色を示す。緑色の蛍光は生きたPAO1細菌を示し、赤色の蛍光は死んだ細菌を示す。 PAO1染色を示す。 PAO1染色を示す。 PAO1染色を示す。 クオラムセンシング遺伝子の発現を評価するためのリアルタイムPCRを示す。 DEPMPOを用いたEPRスペクトルを示す。開示された実施形態にPBS中で40分間曝露したときのスピンアダクト生成。 DEPMPOを用いたEPRスペクトルを示す。開示された実施形態にPBS中で40分間曝露したときのスピンアダクト生成。 Ag/Zn BEDおよび10mM DTTで処理した場合のmex遺伝子発現を評価するために実施したリアルタイムPCRを示す。 グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼの酵素活性を示す。ODはキネティックモードで測定した。 グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼの酵素活性を示す。GPDH活性は、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ活性=B/(ΔT×V)×希釈係数=nmol/分/mlで算出した。B=標準曲線からのNADH量(nmol)、ΔT=反応時間(分)、V=反応ウェルに加えたサンプル量(ml)である。 本明細書に記載されるようなドレッシングクリップを示す。 開示された装置の背面図を示す。 開示された装置の正面図を示す。 外部固定装置からの固定ロッドと共に使用される場合の開示された装置を示す。 開示された装置の底面図であり、スリットおよびロッド通過穴を示す。 使用中の外部固定装置を示す
本明細書で開示される実施形態は、外部固定装置に関連する感染を防止するシステムを含む。前記システムは、ドレッシング等の生体電気医療装置、および固定装置を含み得る。前記固定装置は、「ピンクリップ」固定装置(図18を参照)を含み得る。前記クリップは、外部固定装置のコネクタまたはパススルー(たとえば、固定ロッドまたはワイヤ)を収容することができる円形領域185を備えた「スリット」または「溝」180を含み得る。実施形態では、このスリットまたは溝は、たとえばクリップが固定ロッド上をスライドできるように、装置187の周縁から装置の中心に向かって延びることができる。図19は、装置を固定および除去するのを補助するための高い「隆起」190を備える、開示された実施形態の背面図を示す。
実施形態では、前記クリップは、医学的に許容される材料、たとえば、金属、プラスチック等から構成される。実施形態では、クリップは、たとえば放射線またはオートクレーブを用いて滅菌することができる。
前記生体電気ドレッシングは、低レベル電場(LLEF)を組織または有機体に与えることが可能であり(従って「LLEFシステム」)、または導電材料と接触させる場合、低レベル微小電流(LLMC)を組織または有機体に与えることが可能である(従って「LLMCシステム」)。このように、実施形態においてLLMCシステムは、導電材料と接触しているLLEFシステムである。ある実施形態では、微小電流または電場は、たとえば、システムの持続時間、サイズ、形、電場の深さ、電流、極性または電圧を変えるよう調節可能である。また、装置は、細胞または電極間の距離、ならびに物理的な方向および/または大きさによって決まるパターンで、局所的な電界を発生させることもできる。電界の有効深は、細胞または電極間の方向および距離、ならびに物理的な方向および/または大きさによって予め決めることができる。態様では、装置は、ハイドロゲルもしくはグルコース、薬剤、細胞栄養組成物、幹細胞、または多の生体物で、全体的または部分的にコーティングされ得る。実施形態では、電界は、たとえばハイドロゲルの使用を通じて拡張し得る。治療方法等のある実施形態では、ACまたはDC電源を利用するのが好ましい場合がある。AC電源を使用する実施形態では、電源の特定の側面を調整することができる。たとえば、周波数、振幅、位相、波形形状、周期、パルス持続時間を調節することができる。
本明細書で開示される実施形態は、たとえばファブリック等の表面上に、生物適合性電極、またはリザーバ、またはドットを備える。実施形態において、その表面は柔軟である。実施形態では、その表面はガーゼまたはメッシュを含む。本開示の実施形態における使用にとって柔軟性の表面の好適なタイプは、布、吸収性のテキスタイル、低接着性、蒸気透過性フィルム、ハイドロコロイド、ハイドロゲル、アルギナート、泡、泡状材料、ケッテンバッハファイバー(Kettenbach fiber)を含むセルロース系の材料、中空管、無水/吸湿性の材料を染みこませたもののような繊維質の材料、ビーズ等、または当該技術分野で知られているいずれかの好適な材料である。実施形態において、柔軟性の材料は、たとえば包帯、ドレッシング等を形成することができる。実施形態は、たとえば電極の上または間のような表面をコーティングすることを含むことができる。そのようなコーティングは、たとえば、シリコーンおよび電解質の混合物、低アレルギー性の試薬、薬品、生物、幹細胞、代用皮膚、血液凝固剤、または抗凝固剤等を含む。本明細書に記載されているような実施形態の使用に好適な薬品は、鎮痛剤、抗生物質、抗炎症薬等を含む。実施形態において、生成された電場または電流は、皮膚または組織表面を通じて薬品を「動かす(drive)」ことができる。
本明細書で開示されるLLMCまたはLLEFシステムは、補強部を備え得る。実施形態では、補強部は、システムの長さにわたる部分を備え得る。実施形態では、LLMCまたはLLEFシステムは、少なくとも1つの補強部、少なくとも2つの補強部、少なくとも3つの補強部、少なくとも4つの補強部、少なくとも5つの補強部、少なくとも6つの補強部等の複数の補強部を備え得る。
実施形態では、LLMCまたはLLEFシステムは、さらなる材料を含み得る。それらのさらなる材料は、活性化ゲル、rhPDGF(組換えヒト血小板由来成長因子)(REGRANEX(登録商標))、ビブロネクチン:IGF複合体、CELLSPRAY(Clinical Cell Culture社、オーストラリア)、RECELL(登録商標)(Clinical Cell Culture社、オーストラリア)、INTEGRA(登録商標)皮膚再生テンプレート(Integra Life Sciences社、米国)、BIOMEND(登録商標)(Zimmer Dental社、米国)、INFUSE(登録商標)(Medtronic Sofamor Danek社、米国)、ALLODERM(登録商標)(LifeCell社、米国)、CYMETRA(登録商標)(LifeCell社、米国)、SEPRAPACK(登録商標)(Genzyme社、米国)、SEPRAMESH(登録商標)(Genzyme社、米国)、SKINTEMP(登録商標)(Human BioSciences社、米国)、COSMODERM(登録商標)(Inamed社、米国)、COSMOPLAST(登録商標)(Inamed社、米国)、OP-1(登録商標)(Stryker社、米国)、ISOLAGEN(登録商標)(Fibrocell Technologies社、米国)、CARTICEL(登録商標)(Genzyme社、米国)、APLIGRAF(登録商標)(Sandoz AG社、スイス)、DERMAGRAFT(登録商標)(Smith&Nephew Wound Management社、米国)、TRANSCYTE(登録商標)(Shire Regenerative Medicine社、米国)、ORCEL(登録商標)(Orcell LLPC社、米国)、EPICEL(登録商標)(Genzyme社、米国)等を含み得る。実施形態では、さらなる材料は、たとえば、TEGADERM(登録商標)91110(3M社、米国),MEPILEX(登録商標)Normal Gel 0.9%塩化ナトリウム(Molnlycke Health Care AB社、スウェーデン)、HISPAGEL(登録商標)(BASF社、米国)、LUBRIGEL(登録商標)(Sheffield Laboratories社、米国)、または、総省に関する湿潤環境を維持するため、またはLLMCもしくはLLEFシステムの除去を容易にするために有用な他の組成物であり得る。ある実施形態では、LLMCまたはLLEFシステムに追加され得るさらなる材料は、たとえば、ヘモグロビンベシクル等のベシクルベースの製剤を含み得る。ある実施形態では、リポソームベースの製剤を使用することができる。実施形態は、ゲルまたは液体等の抗菌素材を含むことができる。
実施形態では、LLMCまたはLLEFシステムは、性能を最大化するためにシステムを配置する方法に関する指示または命令を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「活性化ゲル」は、治療される領域の湿潤環境を維持するため、または治療すべき領域の導電性を向上させるために有用な組成物を意味する。
本明細書で使用される場合、「付着(affixing)」は、患者または組織に本開示の装置またはシステムを接触させることを意味する。
本明細書で使用される場合、「適用された」または「適用する」は、表面に導電性のインクをたとえば印刷、塗布、またはスプレーして、導電材料を表面に接触させることを示す。あるいは、「適用する」は、患者または組織または有機体に、本開示の装置またはシステムを接触させることを意味することが可能である。
「BED」または「生体電気装置」は、本明細書で開示されるようなLLMCまたはLLEFシステムである。
「バイオフィルム」は、細胞同士が、たとえば表面で接着している任意の微生物群である。これらの接着細胞は、自己賛成した細胞外高分子物質(EPS)のマトリックスに埋め込まれていることがよくある。バイオフィルム細胞外高分子物質(「スライム」ともいう)は、一般的に、細胞外のDNA、タンパク質、多糖類で構成される高分子集合体である。バイオフィルムは、生物または非生物の表面に形成することができ、自然環境、産業環境、および病院環境に広く存在し得る。バイオフィルム中で成長する微生物細胞は、対照的に液体培地中で浮遊または遊泳し得る単細胞である同じ生物のプランクトン細胞とは生理学的に異なる。フラム陽性菌(たとえば、Bacillus spp、Listeria monocytogenes、Staphylococcus spp、ならびにLactobacillus plantarumおよびLactococcus lactisを含む乳酸菌)、グラム陰性菌(たとえば、大腸菌(Escherichia coli)または緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa))を含む多様な細菌がバイオフィルムを形成する。
本明細書で使用される場合、「導電材料」は、1つまたは複数の方向への電荷の流れを許容する材料の対象または型を示す。導電材料は、金属または炭素といった固体、または導電性金属溶液および導電ゲルといった液体を含むことができる。導電材料は、少なくとも1つのマトリクスを形成するために適用されることができる。導電性液体は、固形物質を形成するため、適用された後、乾燥、硬化または固められることが可能である。
本明細書で使用される場合、「コネクタ」は、固定装置の内部を外部と接続する、身体に出入りする機械的接続を示す。
本明細書で使用される場合、「不連続領域」は、穴、スロット等のような材料中の「ボイド」を示す。典型的にはボイドは定形であるが、その用語は、材料中のいずれのボイドも意味することができる。材料中のボイドは、全体として材料の周囲の内側にあることができ、または材料の周辺領域まで延びることができる。
本明細書で使用される場合、「ドット」は、少なくとも1つのバッテリーセルとして機能する異なるリザーバの個別のデポジット(deposit)を示す。その用語は、正方形、円、三角形、線等のいずれの好適なサイズまたは形状のデポジットを示すことができる。この用語は、マイクロセル等と同義に用いることができる。
「電極」は、同種または異種の導電材料を示す。外部電源を使用する実施形態では、電極は、同種の導電材料を備える。外部電源を使用しない実施形態では、電極はアノードおよびカソードを決定することができる異種の導電材料を備える。
本明細書で使用される場合、「拡張可能」は、構造的な一体性を維持し、破れることのなく伸縮する能力を示す。その用語は、不連続または「ボイド」領域と同様に固相領域を示し、ボイド領域と同様に固体領域は、伸縮または拡張しうる。
「外部固定用コネクタ」は、外部固定装置のフレームと患者の間の機械的な取り付けを示す。たとえば、外部固定用コネクタは、ロッド、ワイヤー等であり得る。
本明細書で使用される場合、「マトリクス」は、表面において電極によって形成されたパターンを示す。マトリクスは、生成される電場または電気微小電流を変化させるように設計されることができる。たとえば、電場または微少電流の強さおよび形は変化させられ、またはマトリクスは、所望の強度または形の電場または電流を生成するように設計されてもよい。
本明細書で使用される場合、「伸縮可能」は、構造的一体性を失わずに伸縮する実施形態の能力を示す。つまり、実施形態は、不規則な創傷表面、または表面の一部が表面の他の部分に対して動くことができる表面に適応して伸縮することができる。
本明細書で使用される場合、「創傷(wound)」は、コネクタ挿入部位、擦り傷、術創、切り傷、刺し傷、裂傷、ただれ、潰瘍、水膨れ、火傷、切断、咬傷、および、皮膚、粘膜、上皮層等のような表面組織の他の任意の穴、裂け目または断裂を含む。断裂には、炎症部位、ポリープ、潰瘍等を含み得る。瘢痕は、肥厚性瘢痕、ケロイド、または他の疾患のある個人の治癒された創傷組織のいずれかを含むことを意図する。表面組織は、下層の筋肉または結合組織のような、創傷または断裂がなければ通常は露出しない組織を含む。創傷は可視的である必要はなく、表面組織の裂傷を伴う必要もなく、たとえば創傷が細菌感染を含み得る。創傷は、有毒および有毒ではない昆虫および動物による、昆虫および動物による咬傷を含み得る。
LLMC/LLEFシステム、製造の方法
本明細書で開示されるLLMCまたはLLEFシステムの実施形態は、電極またはマイクロセルを備えることができる。それぞれの電極またはマイクロセルは、導電金属であるまたは導電金属を含むことができる。実施形態において、電極またはマイクロセルは、たとえば、電気的に導電性のあるハイドロゲル、金属、電解質、超伝導、半導体、プラズマ、およびグラファイトおよび導電性ポリマーのような非金属導電材といった、任意の導電材料を備えることができる。電気的に導電性のある金属は、銀、銅、金、アルミニウム、モリブデン、亜鉛、リチウム、タングステン、真ちゅう、炭素、ニッケル、鉄、パラジウム、白金、スズ、青銅、炭素鋼、鉛、チタン、ステンレス鋼、水銀、Fe/Cr合金等を含むことができる。電極は、アルミニウム、金、白金、または銀のような異なる金属によってコートまたはメッキされることができる。
ある実施形態では、リザーバまたは電極またはセルの幾何学的形状は、円、多角形、ライン、ジグザグ、楕円、星または任意の好適な様々な形を備えることができる。これにより、貫通の深さと同様に表面電場形状を設計/カスタマイズする能力が提供される。
リザーバまたはドットのサイズおよび濃度は、バリエーションによって、生成される電場の特性における変更が許容可能なので、様々なサイズであることが可能である。ある実施形態は、約1ボルトの電場を提供し、100kから300kオームの抵抗を有する通常の組織の下では、10μアンペアの範囲の電流を生ずる。電場の強さは、分離する距離の1/2を計算し、それをセル同士の中間点上のz軸に適用することによって決定されうる。これは、最も強い力線の理論的な位置を示す。
ある実施形態では、異種の金属を、所望の電圧の電場を生じさせるために使用することができる。ある実施形態では、リザーバのパターンが、ワット密度および電場の形状を制御することができる。
実施形態において、「インク」または「塗料」は、導電性金属溶液のような、表面に電極を形成するために好適な任意の導電性溶液を備えることができる。実施形態では、「印刷」または「塗布」は、マトリクスがその上に所望されている材料に対して、導電性液体材料のような導電材料を塗布する任意の方法を含む。
実施形態において、本開示のLLMCまたはLLEFシステムを製造するために、印刷装置を使用することができる。たとえば、実施形態を製造するために、インクジェットまたは「3D」プリンタを使用することができる。
ある実施形態では、本開示のLLMCまたはLLEFシステムを製造するために用いられるバインダまたはインクは、たとえばポリセルロースインク、ポリアクリル系インク、ポリウレタンインク、ポリシリコーンインク等を含むことができる。実施形態では、用いられるインクのタイプが、リザーバからの電子の放出速度を決定し得る。実施形態において、様々な材料をインクまたはバインダに添加することができ、たとえば、電場の形または強さを変えるために導電性または抵抗性材料を添加することができる。傷跡の低減を高めるために、シリコンのような他の材料を加えることができる。そのような材料は、リザーバ間のスペースに加えることもできる。
電源は、LLMCシステムにおいて電流を生じさせることが可能な任意のエネルギー源であることができ、たとえばAC電源、DC電源、パルスRFのようなラジオ周波数(RF)、誘導、超音波等を含むことができる。ある実施形態は、バッテリーまたはマイクロバッテリー等の電源を使用して電流を生成することができる。
本開示のLLMCまたはLLEFシステムを作るために用いられる異種金属は、たとえば、銀および亜鉛であることができ、電解液は、水中に塩化ナトリウムを含むことができる。ある実施形態では、パターンを生成するため、最も好ましくは、電極が、血液、汗、リンパ液のような生理学的液体を含むたとえば創傷液といった電解液と接触するまでは自発的に反応しないボルタ電池からなるアレイまたはマルチアレイを生成するため、電極は非導電性の表面上に塗布される。この説明のセクションは、「インク」と共に「印刷する」という用語を用いるが、それは代わりにパターンが「塗料」を用いて「印刷され」てもよいということが理解される。導電材料を塗布するため、任意の好適な方法の利用が検討される。実施形態において、「インク」または「塗料」は、導電性金属溶液を含む導電材料のような、表面に電極を形成するために好適な任意の溶液を備えることができる。実施形態において、「印刷する」または「印刷された」は、マトリクスがその上に所望される材料に、溶液を塗布する任意の方法を備え得る。有能な実務家は、任意の支援がなくとも、印刷工程において用いられる混合物を作成するために使用する選択されたバインダに含まれるべきおそらく指示よりも、どのようにして適切に溶液を塗布し、硬化させることを知っているということも推測される。
ボルタ電池または開示の実施形態のリザーバを作成するために銀と組み合わせて用いるのに好ましい材料は、亜鉛である。亜鉛は、バシトラシン亜鉛、バシトラシンの亜鉛塩のような局所抗菌薬において、感染防止における使用が、よく説明されている。亜鉛は、食細胞の壊死組織除去および創傷治癒の段階の再構築にとって重要な酵素のメタロプロテイナーゼファミリーのタンパク質に対する補因子であるという付加価値を有することに加えて、自身の抗菌性を有する二価の陽イオンである。亜鉛補因子は、これらの酵素の機能的な活性を促進および加速させるため、よりよく効果的に創傷が治癒することとなる。
図を参照すると、図1において、異種の電極、第1の電極6および第2の電極10が、物品4の所望の主表面2の上に設けられている。1つの実施形態において、主表面は、皮膚表面または創傷のような治療される領域、たとえば挿入点に直接接触することとなるLLMCまたはLLEFシステムの表面である。他の実施形態において、主表面2は、医療用具、インプラント、手術衣、手袋、靴下、テーブル、ドアノブ、または、汗を含む電解液と接する他の表面のように、抗菌性であることが望まれるものであり、ボルタ電池のパターンの少なくとも一部は、自発的に反応し、細菌または他の微生物を殺す。
様々な実施形態において、電極、またはドット、またはリザーバの間の標準電位の差は、0.05Vから約5.0Vの範囲であり得る。たとえば、標準電位は、0.05V、0.06V、0.07V、0.08V、0.09V、0.1V、0.2V、0.3V、0.4V、0.5V、0.6V、0.7V、0.8V、0.9V、1.0V、1.1V、1.2V、1.3V、1.4V、1.5V、1.6V、1.7V、1.8V、1.9V、2.0V、2.1V、2.2V、2.3V、2.4V、2.5V、2.6V、2.7V、2.8V、2.9V、3.0V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4.0V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、4.6V、4.7V、4.8V、4.9V、5.0V、5.1V、5.2V、5.3V、5.4V、5.5V、5.6V、5.7V、5.8V、5.9V、6.0V等であり得る。
特定の実施形態において、電極またはドットまたはリザーバ間の標準電位の差は、少なくとも0.05V、少なくとも0.06V、少なくとも0.07V、少なくとも0.08V、少なくとも0.09V、少なくとも0.1V、少なくとも0.2V、少なくとも0.3V、少なくとも0.4V、少なくとも0.5V、少なくとも0.6V、少なくとも0.7V、少なくとも0.8V、少なくとも0.9V、少なくとも1.0V、少なくとも1.1V、少なくとも1.2V、少なくとも1.3V、少なくとも1.4V、少なくとも1.5V、少なくとも1.6V、少なくとも1.7V、少なくとも1.8V、少なくとも1.9V、少なくとも2.0V、少なくとも2.1V、少なくとも2.2V、少なくとも2.3V、少なくとも2.4V、少なくとも2.5V、少なくとも2.6V、少なくとも2.7V、少なくとも2.8V、少なくとも2.9V、少なくとも3.0V、少なくとも3.1V、少なくとも3.2V、少なくとも3.3V、少なくとも3.4V、少なくとも3.5V、少なくとも3.6V、少なくとも3.7V、少なくとも3.8V、少なくとも3.9V、少なくとも4.0V、少なくとも4.1V、少なくとも4.2V、少なくとも4.3V、少なくとも4.4V、少なくとも4.5V、少なくとも4.6V、少なくとも4.7V、少なくとも4.8V、少なくとも4.9V、少なくとも5.0V、少なくとも5.1V、少なくとも5.2V、少なくとも5.3V、少なくとも5.4V、少なくとも5.5V、少なくとも5.6V、少なくとも5.7V、少なくとも5.8V、少なくとも5.9V、少なくとも6.0V等であり得る。
特定の実施形態において、電極またはドットまたはリザーバ間の標準電位の差は、0.05V以下、0.06V以下、0.07V以下、0.08V以下、0.09V以下、0.1V以下、0.2V以下、0.3V以下、0.4V以下、0.5V以下、0.6V以下、0.7V以下、0.8V以下、0.9V以下、1.0V以下、1.1V以下、1.2V以下、1.3V以下、1.4V以下、1.5V以下、1.6V以下、1.7V以下、1.8V以下、1.9V以下、2.0V以下、2.1V以下、2.2V以下、2.3V以下、2.4V以下、2.5V以下、2.6V以下、2.7V以下、2.8V以下、2.9V以下、3.0V以下、3.1V以下、3.2V以下、3.3V以下、3.4V以下、3.5V以下、3.6V以下、3.7V以下、3.8V以下、3.9V以下、4.0V以下、4.1V以下、4.2V以下、4.3V以下、4.4V以下、4.5V以下、4.6V以下、4.7V以下、4.8V以下、4.9V以下、5.0V以下、5.1V以下、5.2V以下、5.3V以下、5.4V以下、5.5V以下、5.6V以下、5.7V以下、5.8V以下、5.9V以下、6.0V以下、等であり得る。
実施形態において、LLMCシステムは、たとえば約1から約200マイクロアンペアの間、約10から約190マイクロアンペアの間、約20から約180マイクロアンペアの間、約30から約170マイクロアンペアの間、約40から約160マイクロアンペアの間、約50から約150マイクロアンペアの間、約60から約140マイクロアンペアの間、約70から約130マイクロアンペアの間、約80から約120マイクロアンペアの間、約90から約100マイクロアンペアの間等の低レベルの微電流を発生させることができる。
実施形態において、LLMCシステムは、たとえば約1から約400マイクロアンペアの間、約20から約380マイクロアンペアの間、約400から約360マイクロアンペアの間、約60から約340マイクロアンペアの間、約80から約320マイクロアンペアの間、約100から約3000マイクロアンペアの間、約120から約280マイクロアンペアの間、約140から約260マイクロアンペアの間、約160から約240マイクロアンペアの間、約180から約220マイクロアンペアの間等の低レベルの微電流を発生させることができる。
実施形態において、LLMCシステムは、約10マイクロアンペア、約20マイクロアンペア、約30マイクロアンペア、約40マイクロアンペア、約50マイクロアンペア、約60マイクロアンペア、約70マイクロアンペア、約80マイクロアンペア、約90マイクロアンペア、約100マイクロアンペア、約110マイクロアンペア、約120マイクロアンペア、約130マイクロアンペア、約140マイクロアンペア、約150マイクロアンペア、約160マイクロアンペア、約170マイクロアンペア、約180マイクロアンペア、約190マイクロアンペア、約200マイクロアンペア、約210マイクロアンペア、約220マイクロアンペア、約240マイクロアンペア、約260マイクロアンペア、約280マイクロアンペア、約300マイクロアンペア、約320マイクロアンペア、約340マイクロアンペア、約360マイクロアンペア、約380マイクロアンペア、約400マイクロアンペア等の低レベルの微電流を発生させることができる。
実施形態において、LLMCシステムは、10マイクロアンペア以下、または20マイクロアンペア以下、30マイクロアンペア以下、40マイクロアンペア以下、50マイクロアンペア以下、60マイクロアンペア以下、70マイクロアンペア以下、80マイクロアンペア以下、90マイクロアンペア以下、100マイクロアンペア以下、110マイクロアンペア以下、120マイクロアンペア以下、130マイクロアンペア以下、140マイクロアンペア以下、150マイクロアンペア以下、160マイクロアンペア以下、170マイクロアンペア以下、180マイクロアンペア以下、190マイクロアンペア以下、200マイクロアンペア以下、210マイクロアンペア以下、220マイクロアンペア以下、230マイクロアンペア以下、240マイクロアンペア以下、250マイクロアンペア以下、260マイクロアンペア以下、270マイクロアンペア以下、280マイクロアンペア以下、290マイクロアンペア以下、300マイクロアンペア以下、310マイクロアンペア以下、320マイクロアンペア以下、340マイクロアンペア以下、360マイクロアンペア以下、380マイクロアンペア以下、400マイクロアンペア以下、420マイクロアンペア以下、440マイクロアンペア以下、460マイクロアンペア以下、480マイクロアンペア以下、等の低レベルの微電流を発生させることができる。
実施形態において、LLMCシステムは、10マイクロアンペア以上、20マイクロアンペア以上、30マイクロアンペア以上、40マイクロアンペア以上、50マイクロアンペア以上、60マイクロアンペア以上、70マイクロアンペア以上、80マイクロアンペア以上、90マイクロアンペア以上、100マイクロアンペア以上、110マイクロアンペア以上、120マイクロアンペア以上、130マイクロアンペア以上、140マイクロアンペア以上、150マイクロアンペア以上、160マイクロアンペア以上、170マイクロアンペア以上、180マイクロアンペア以上、190マイクロアンペア以上、200マイクロアンペア以上、210マイクロアンペア以上、220マイクロアンペア以上、230マイクロアンペア以上、240マイクロアンペア以上、250マイクロアンペア以上、260マイクロアンペア以上、270マイクロアンペア以上、280マイクロアンペア以上、290マイクロアンペア以上、300マイクロアンペア以上、310マイクロアンペア以上、320マイクロアンペア以上、330マイクロアンペア以上、340マイクロアンペア以上、350マイクロアンペア以上、360マイクロアンペア以上、370マイクロアンペア以上、380マイクロアンペア以上、390マイクロアンペア以上、400マイクロアンペア以上、等の低レベルの微電流を発生させることができる。
生体適合性のバインダは、実施形態におけるボルタ電池のパターンを生成する異種の各金属と共に、実施形態において個々の混合物に混合されているため、塗布された電極またはリザーバまたはドットは、所望の主表面2に対して接着または結合させることができる。大半のインクは単純にキャリアであり、バインダは顔料とともに混合される。同様に導電性金属溶液は、導電要素と混合されたバインダであり得る。結果として得られる導電性金属溶液は、所定のパターンで主表面に電極を塗布するためのスクリーン印刷のような塗布方法とともに用いられることができる。一旦、導電性金属溶液が乾燥および/または硬化すると、離間された電極のパターンは、LLMCまたはLLEFシステムに用いられるような柔軟性のある材料の上であったとしても、実質的にそれぞれの位置を維持することができる。ここで開示されている限られた数の実施形態のシステムを作成するためには、導電性金属溶液は、一般的な接着性の包帯の上に手作業で塗布することができ、その結果、包帯の主表面上に、ほぼ1ミリメートルだけ離間する交互の電極アレイができる。アレイを破壊し、且つ要素を開放するが、怪我の電流をシミュレートすることに失敗する直接反応を引き起こす導電材料の混合がないように、表面に対して塗布される前に溶液を乾燥させる必要がある。しかし、仮に材料が混合してしまったとしても、創傷管理システムは、まだ抗菌性効果を示す。さらには、銀のみが抗菌性効果を証明しているが、実施形態は銀単体よりも優れた抗菌性活性を示す。
ポリセルロースバインダを使用する特定の実施形態では、周辺組織内にセルロースを運ぶイオン導入プロセスを通じて、または電界の存在によって、マトリクスメタロプロテアーゼの局所的な濃度を減少させる等の有益な効果をバインダ自身が有し得る。このプロセスは、周辺組織に薬剤のような他の成分を電気的に運ぶために使用することができる。
バインダは、表面への薄いコーティングとして塗布することができる導電性溶液を作製するため、導電要素(好ましくは銀または亜鉛の金属結晶)と混合させることができる任意の生体適合性液体材料を含み得る。他の好適なバインダは、Berwind Pharmaceutical Services社の一部門である、COLORCONR(登録商標)社によって製造されている(COLORCONR(登録商標) NO-TOXR(登録商標)製品群、品番NT28参照)、ポリアクリル系非毒性シルクスクリーンインクのような、溶剤による希釈可能なポリマーである。実施形態では、銀導電性溶液を作製するために、バインダは、高純度(少なくとも99.99%)の金属銀結晶と混合される。さらなる実施形態では、結晶の純度は、たとえば99%、または97%、または96%、または95%、または93%、または90%、または88%、またはそれ未満など、より低い純度であり得る。
銀を粉末に砕くことによって作製され得る銀結晶は、好ましくはサイズが100ミクロンよりも小さい、または粉とほぼ同じ程度に微細である。実施形態において、結晶のサイズは、一般的に約40ミクロンのサイズまたはそれより少し小さい、約325メッシュである。バインダは、亜鉛導電溶液を作製するためには、好ましくは標準325メッシュの網で篩にかけられた高純度(実施形態において少なくとも99.99%)の金属亜鉛粉末と別個に混合される。よりよい品質制御と、さらに一致する結果のためには、用いられる結晶の大部分は、325メッシュよりも大きく、200メッシュよりも小さくあるべきである。たとえば、用いられる結晶は、200メッシュから325メッシュの間、または210メッシュから310メッシュの間、220メッシュから300メッシュの間、230メッシュから290メッシュの間、240メッシュから280メッシュの間、250から270メッシュの間、255メッシュから265メッシュの間、等であるべきである。
他の実施形態で説明したのと同じ方法で、他の導電性金属溶液を作製するために、金属の他の粉末を使用することができる。
金属結晶のサイズ、導電液に対する表面の利用可能性、および金属のバインダに対する比は、混合物からの金属の放出速度に影響を与え得る。COLORCON(登録商標)ポリアクリル系インクをバインダとして用いる場合、より長期使用の包帯(たとえば、約10日間留め続けるもの)にとって、混合物の約10から40パーセントが、金属であるべきである。たとえば、より長期使用のLLMCまたはLLEFシステムにとって、金属であるべき混合液のパーセントは、8パーセント、または10パーセント、12パーセント、14パーセント、16パーセント、18パーセント、20パーセント、22パーセント、24パーセント、26パーセント、28パーセント、30パーセント、32パーセント、34パーセント、36パーセント、38パーセント、40パーセント、42パーセント、44パーセント、46パーセント、48パーセント、50パーセント、等であり得る。実施形態では、ポリセルロースインクをバインダとして使用することができる。
同じバインダを用いるが、混合物の金属のパーセントが60パーセント以上まで増加する場合、放出速度はより早くなり、一般的なシステムは数日しか効果的ではなくなる。たとえば、より短期の包帯のためには、金属であるべき混合物のパーセントは、40パーセント、または42パーセント、44パーセント、46パーセント、48パーセント、50パーセント、52パーセント、54パーセント、56パーセント、58パーセント、60パーセント、62パーセント、64パーセント、66パーセント、68パーセント、70パーセント、72パーセント、74パーセント、76パーセント、78パーセント、80パーセント、82パーセント、84パーセント、86パーセント、88パーセント、90パーセント、等であり得る。
ポリアクリル系インクは、自発的に反応する金属結晶がより露出するように非常に薄い皮膜として塗布するとクラックが生じ得ることに留意すべきである。衣類を備えるLLMCまたはLLEFシステムにとって、主表面が非常に長い期間、抗菌性を有し、あまりに早く消耗することのないよう、金属のパーセントは5パーセント以下まで減少させる、または結晶をより深く埋め込ませることができるバインダを用いることが望まれる。他のバインダは溶解する、または、そうでなくともポリアクリル系インクよりも早くまたはゆっくりと分解し、ボルタ電池からの自発的な反応の所望の速度を得るために、調整がなされ得る。
ボルタ電池の数を最大化させるため、様々な実施形態では、代わりに銀の塊または電極またはリザーバ、および亜鉛の塊または電極またはリザーバが、主表面をわたる電流のアレイを生成することができる。図1に示すように基本的なパターンは、実施形態にしたがって、亜鉛の4つの塊から等しく離間する銀の各塊を有し、銀の4つの塊から等しく離間する亜鉛の各塊を備える。第1の電極6は第2の電極10と間隔8だけ離隔されている。第1の電極6および第2の電極10のデザインは、単純に丸い点であり、実施形態では繰り返されている。デザインの多数の反復12がパターンとなる。創傷管理システムまたは包帯にとって、実施形態では、それぞれの銀のデザインは、それぞれの亜鉛のデザインの約2倍の大きさの塊である。図1のパターンにとって、銀のデザインは、最も近い4つの亜鉛のデザインから約1ミリメートルであることが最も好ましく、逆も同じである。異種の金属の塊の結果として得られるパターンが、電解液に導入された場合にボルタ電池のアレイを定義する。マイクロアレイを製造する方法に関するさらなる開示は、2010年10月12日に発行されたCURRENT PRODUCING SURFACE FOR TREATING BIOLOGIC TISSUEというタイトルの米国特許公報第7,813,806号で見られ、参照によりその全体が本明細書に援用される。
図1の交互の丸いドットのようなドットパターンの塊は、ドットは材料の柔軟性に重大な影響を与えることがないため、創傷ドレッシング材のために用いられるような、柔軟性のある材料に導電材料を適用する場合に好ましい。一般的な使用には図1のパターンが好適である。主表面の電流密度を最大化させるためには、図2のパターン14を用いることができる。図2の第1の電極6は巨大な六角形状のドットであり、第2の電極10は、互いに離間する一対のより小さい六角形状のドットである。第1の電極6と第2の電極10との間の間隔8は、これらのデザインの隣接する辺の間に比較的一致する距離を維持する。デザインの多数の反復12は、結果として、6つの第2のデザインの六角形状のドットによって第1のデザインの少なくとも1つが囲まれて表され得るパターン14となる。図2のパターン14は、細菌または微生物または他の有機体が昆虫から運ばれるものを含む昆虫咬傷と同様に擦過傷および火傷によく適している。当然ながら、同様の効果が得られる他のパターンが印刷され得る。
図3および4は、接着性の包帯を作製するために図2のパターンがどのようにして用いられ得るかを示す。図2に詳細に示されているパターンは、創傷ドレッシング材料の主表面2に設けられる。印刷されたドレッシング材料の背面20は、コットンのような吸収性の創傷ドレッシング層22に固定される。吸収性のドレッシング層は、創傷管理システムを創傷の上に固定するために用いられることができる伸縮性接着層の少なくとも1つの重複部分またはアンカー18が存在するように、伸縮性接着層16に接着剤で固定される。
図5は、弱い電解液における電流の流れを開始させるデザインの間に加えられることができる付加的な特徴を示す。細線24は、導電金属溶液の1つを用いて各ボルタ電池の電流パスに沿って印刷される。細線は、最初は直接反応するが、最大電圧が実現するところに電極間の距離が増加するまでに、使い果たされる。生成された初期電流は、LLMCシステムが効果的となるよう、浮腫をコントロールすることを助けることを意図している。仮に電解液が高い導電性の場合、システムが最初に適用される場合、細線は速やかに使い果たされ、あたかも細線が存在していなかったようにドレッシング材が機能する。
図6および7は、少なくとも1つの線のデザインを用いた代わりのパターンを示す。図6の第1の電極6は、図1で用いられている第1のデザインに似た円形のドットである。図6の第2の電極10は線である。デザインが繰り返される場合、それらは、多数の離間するドットによって分離された平行な線のパターンを定義する。図7は、線のデザインのみを使用する。図7のパターンは、特に線が傷に対して垂直な場合、切り傷によく適している。仮に酸化還元反応で、第2の導電要素(第2のデザインの導電性金属溶液内に混合される)と比べて第1の導電要素(第1のデザインの導電性金属溶液内に混合される)からより多くの金属が求められる場合、第1の電極6を、第2の電極10よりも厚くまたは幅広くすることができる。線は、破線とすることができる。他のパターンは、グリッドの各セルの中心に亜鉛塊を有する銀のグリッド線とすることもできる。おそらくブランド名、または患者の血液型のような情報を識別するメッセージが主表面の上に印刷されることができるように、パターンは代わりの導電材料から印刷された文字とすることができる。
銀と亜鉛の自発的な酸化還元反応は、1部の亜鉛に対して、ほぼ2部の銀の比を使用したので、実施形態では、銀デザインは、亜鉛デザインの約2倍の大きさの塊を含むことができる。最も近接した異種の金属間(最も近接する端に対して最も近接する端)は約1mmの間隙で、創傷液の中にある各ボルタ電池は、真皮と新皮とを通じて実質的に浸透する約1ボルトの電位を生ずることができる。ドットの間隔を狭めると抵抗が減少され、より低い電位が提供され、そして電流は深くは浸透しない。間隔が1ミリメートルの約1/10を下回った場合、自発反応の利点は、また直接反応にも存在するものであり、銀は電気的に創傷に運ばれるが、傷の電流は実質的にはシミュレートされないことがある。それゆえ、最も隣接する導電材料の間の間隔は、0.1mm、は0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3mm、3.1mm、3.2mm、3.3mm、3.4mm、3.5mm、3.6mm、3.7mm、3.8mm、3.9mm、4mm、4.1mm、4.2mm、4.3mm、4.4mm、4.5mm、4.6mm、4.7mm、4.8mm、4.9mm、5mm、5.1mm、5.2mm、5.3mm、5.4mm、5.5mm、5.6mm、5.7mm、5.8mm、5.9mm、6mm等とすることができる。
実施形態では、外部電源を利用して、最も近接する導電材料間の間隔を、たとえば、0.01mm未満、0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.07mm、00.8mm、0.09mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3mm、3.1mm、3.2mm、3.3mm、3.4mm、3.5mm、3.6mm、3.7mm、3.8mm、3.9mm、4mm、4.1mm、4.2mm、4.3mm、4.4mm、4.5mm、4.6mm、4.7mm、4.8mm、4.9mm、5mm、5.1mm、5.2mm、5.3mm、5.4mm、5.5mm、5.6mm、5.7mm、5.8mm、5.9mm、6mm等に減らすことができる。
実施形態では、導電材料の密度は、たとえば、1平方インチあたり20(/in)、または30/in、または40/in、または50/in、または60/in、または70/in、または80/in、または90/in、または100/in、または150/in、または200/in、または250/in、または300/in、または350/in、または400/in、または450/in、または500/in、または550/in、または600/in、または650/in、または700/in、または750/in、またはさらに大きい等であり得る。
ある実施形態では、最も近接する導電材料の間の間隔は、0.1mm以下、または0.2mm以下、0.3mm以下、0.4mm以下、0.5mm以下、0.6mm以下、0.7mm以下、0.8mm以下、0.9mm以下、1mm以下、1.1mm以下、1.2mm以下、1.3mm以下、1.4mm以下、1.5mm以下、1.6mm以下、1.7mm以下、1.8mm以下、1.9mm以下、2mm以下、2.1mm以下、2.2mm以下、2.3mm以下、2.4mm以下、2.5mm以下、2.6mm以下、2.7mm以下、2.8mm以下、2.9mm以下、3mm以下、3.1mm以下、3.2mm以下、3.3mm以下、3.4mm以下、3.5mm以下、3.6mm以下、3.7mm以下、3.8mm以下、3.9mm以下、4mm以下、4.1mm以下、4.2mm以下、4.3mm以下、4.4mm以下、4.5mm以下、4.6mm以下、4.7mm以下、4.8mm以下、4.9mm以下、5mm以下、5.1mm以下、5.2mm以下、5.3mm以下、5.4mm以下、5.5mm以下、5.6mm以下、5.7mm以下、5.8mm以下、5.9mm以下、6mm以下等であり得る。
ある実施形態では、最も近接する導電材料の間の間隔は、0.1mm以上、または0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、0.7mm以上、0.8mm以上、0.9mm以上、1mm以上、1.1mm以上、1.2mm以上、1.3mm以上、1.4mm以上、1.5mm以上、1.6mm以上、1.7mm以上、1.8mm以上、1.9mm以上、2mm以上、2.1mm以上、2.2mm以上、2.3mm以上、2.4mm以上、2.5mm以上、2.6mm以上、2.7mm以上、2.8mm以上、2.9mm以上、3mm以上、3.1mm以上、3.2mm以上、3.3mm以上、3.4mm以上、3.5mm以上、3.6mm以上、3.7mm以上、3.8mm以上、3.9mm以上、4mm以上、4.1mm以上、4.2mm以上、4.3mm以上、4.4mm以上、4.5mm以上、4.6mm以上、4.7mm以上、4.8mm以上、4.9mm以上、5mm以上、5.1mm以上、5.2mm以上、5.3mm以上、5.4mm以上、5.5mm以上、5.6mm以上、5.7mm以上、5.8mm以上、5.9mm以上、6mm以上、等であり得る。
実施形態では、導電材料の密度は、たとえば、20/in超、または30/in超、または40/in超、または50/in超、または60/in超、または70/in超、または80/in超、または90/in超、または100/in超、または150/in超、または200/in超、または250/in超、または300/in超、または350/in超、または400/in超、または450/in超、または500/in超、または550/in超、または600/in超、または650/in超、または700/in超、または750/in超、またはさらに大きい等であり得る。
本明細書の開示は、柔軟性材料の主表面であって、柔軟性材料が組織の領域に適用されるよう適応される表面と、ポリマーおよび第1の要素の混合物を含む第1の導電溶液から形成された第1の電極デザインであって、第1の導電性溶液は主表面に接する位置に塗布され、第1の要素は金属種を含み、および、当該第1の電極デザインが少なくとも1つのドットまたはリザーバを含み、少なくとも1つのドットまたはリザーバの選択されたものが約1.5mm+/-1mmの平均直径を有する第1の電極デザインと、ポリマーと第2の要素の混合物を含む第2の導電性溶液から形成された第2の電極デザインであって、第2の要素は第1の要素とは異なる金属種を含み、第2の導電性溶液は主表面に接触する位置に印刷され、および当該第2の電極デザインが少なくとも1つの他のドットまたはリザーバを含み少なくとも1つの他のドットまたはリザーバの選択されたものが約2.5mm+/-2mmの平均直径を有する第2の電極デザインと、第1の電極デザインが物理的に第2の電極デザインと接触しないような第1の電極デザインと第2の電極デザインの間にある主表面上の間隔であって、間隔は約1.5mm+/-1mmであり、少なくとも第1の電極デザインと第2の電極デザインとが少なくとも1回反復し、第1の電極デザインの少なくとも1回の反復は、実質的に第2の電極デザインに隣接しており、第1の電極デザインと第2の電極デザインとの少なくとも1回の反復は、第1の電極デザインと第2の電極デザインとの間の間隔と併せて、電解液に導入された場合に、少なくとも1つの電流を自発的に生ずる少なくとも1つのボルタ電池の少なくとも1つのパターンを規定する間隔と、を含むLLMCまたはLLEFシステムを含む。それゆえ、電極、ドット、またはリザーバは、0.2mm、または0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3.0mm、3.1mm、3.2mm、3.3mm、3.4mm、3.5mm、3.6mm、3.7mm、3.8mm、3.9mm、4.0mm、4.1mm、4.2mm、4.3mm、4.4mm、4.5mm、4.6mm、4.7mm、4.8mm、4.9mm、5.0mm等の平均直径を有し得る。
さらなる実施形態において、電極、ドットまたはリザーバは、0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、0.7mm以上、0.8mm以上、0.9mm以上、1.0mm以上、1.1mm以上、1.2mm以上、1.3mm以上、1.4mm以上、1.5mm以上、1.6mm以上、1.7mm以上、1.8mm以上、1.9mm以上、2.0mm以上、2.1mm以上、2.2mm以上、2.3mm以上、2.4mm以上、2.5mm以上、2.6mm以上、2.7mm以上、2.8mm以上、2.9mm以上、3.0mm以上、3.1mm以上、3.2mm以上、3.3mm以上、3.4mm以上、3.5mm以上、3.6mm以上、3.7mm以上、3.8mm以上、3.9mm以上、4.0mm以上、4.1mm以上、4.2mm以上、4.3mm以上、4.4mm以上、4.5mm以上、4.6mm以上、4.7mm以上、4.8mm以上、4.9mm以上、5.0mm以上等の平均直径を有することができる。
さらなる実施形態において、電極、ドットまたはリザーバは、0.2mm以下、0.3mm以下、0.4mm以下、0.5mm以下、0.6mm以下、0.7mm以下、0.8mm以下、0.9mm以下、1.0mm以下、1.1mm以下、1.2mm以下、1.3mm以下、1.4mm以下、1.5mm以下、1.6mm以下、1.7mm以下、1.8mm以下、1.9mm以下、2.0mm以下、2.1mm以下、2.2mm以下、2.3mm以下、2.4mm以下、2.5mm以下、2.6mm以下、2.7mm以下、2.8mm以下、2.9mm以下、3.0mm以下、3.1mm以下、3.2mm以下、3.3mm以下、3.4mm以下、3.5mm以下、3.6mm以下、3.7mm以下、3.8mm以下、3.9mm以下、4.0mm以下、4.1mm以下、4.2mm以下、4.3mm以下、4.4mm以下、4.5mm以下、4.6mm以下、4.7mm以下、4.8mm以下、4.9mm以下、5.0mm以下等の平均直径を有することができる。
第1および第2のリザーバ内、および/または第1および第2のリザーバの相対的な大きさ(たとえば、大きさまたは表面積)の材料の濃度または量は、システムの挙動の様々な特性を達成するために意図的に選択することができる。たとえば、第1および第2のリザーバ内の材料の量は、ほぼ所望の速度で使い果たす、および/または活性化後のおおよその期間の経過後に「死ぬ」運転挙動を有する装置を提供するように選択されることができる。実施形態において、1つ以上の第1のリザーバおよび1つ以上の第2のリザーバは、活性後のおおよそ予め定めた時間の間、1つ以上の電流を維持するように構成される。電流が維持される時間の量は、外部条件と因子(たとえば、活性化物質の量および種類)に依存し、活性化物質の存在または非存在に依存して断続的に電流が発生するということが理解されるべきである。おおよそ予め定めた時間の間1つ以上の電流を維持するように構成されたリザーバの製法に関するさらなる開示は、2011年3月8日に発行された、SUBSTANTIALLY PLANAR ARTICLE AND METHODS OF MANUFACTUREというタイトルの米国特許第7,904,147号明細書で見られ、参照によりその全体が本明細書に援用される。
様々な実施形態で、第1および第2のリザーバの標準電位の差は、0.05Vから約5.0V.の範囲にあることができる。たとえば、標準電位は、0.05V、0.06V、0.07V、0.08V、0.09V、0.1V、0.2V、0.3V、0.4V、0.5V、0.6V、0.7V、0.8V、0.9V、1.0V、1.1V、1.2V、1.3V、1.4V、1.5V、1.6V、1.7V、1.8V、1.9V、2.0V、2.1V、2.2V、2.3V、2.4V、2.5V、2.6V、2.7V、2.8V、2.9V、3.0V、3.1V、3.2V、3.3V、3.4V、3.5V、3.6V、3.7V、3.8V、3.9V、4.0V、4.1V、4.2V、4.3V、4.4V、4.5V、4.6V、4.7V、4.8V、4.9V、5.0V等であることができる。
特定の実施形態において、第1および第2のリザーバの標準電位の差は、少なくとも0.05V、少なくとも0.06V、少なくとも0.07V、少なくとも0.08V、少なくとも0.09V、少なくとも0.1V、少なくとも0.2V、少なくとも0.3V、少なくとも0.4V、少なくとも0.5V、少なくとも0.6V、少なくとも0.7V、少なくとも0.8V、少なくとも0.9V、少なくとも1.0V、少なくとも1.1V、少なくとも1.2V、少なくとも1.3V、少なくとも1.4V、少なくとも1.5V、少なくとも1.6V、少なくとも1.7V、少なくとも1.8V、少なくとも1.9V、少なくとも2.0V、少なくとも2.1V、少なくとも2.2V、少なくとも2.3V、少なくとも2.4V、少なくとも2.5V、少なくとも2.6V、少なくとも2.7V、少なくとも2.8V、少なくとも2.9V、少なくとも3.0V、少なくとも3.1V、少なくとも3.2V、少なくとも3.3V、少なくとも3.4V、少なくとも3.5V、少なくとも3.6V、少なくとも3.7V、少なくとも3.8V、少なくとも3.9V、少なくとも4.0V、少なくとも4.1V、少なくとも4.2V、少なくとも4.3V、少なくとも4.4V、少なくとも4.5V、少なくとも4.6V、少なくとも4.7V、少なくとも4.8V、少なくとも4.9V、少なくとも5.0V等であることができる。
特定の実施形態において、第1および第2のリザーバの標準電位の差は、0.05V以下、0.06V以下、0.07V以下、0.08V以下、0.09V以下、0.1V以下、0.2V以下、0.3V以下、0.4V以下、0.5V以下、0.6V以下、0.7V以下、0.8V以下、0.9V以下、1.0V以下、1.1V以下、1.2V以下、1.3V以下、1.4V以下、1.5V以下、1.6V以下、1.7V以下、1.8V以下、1.9V以下、2.0V以下、2.1V以下、2.2V以下、2.3V以下、2.4V以下、2.5V以下、2.6V以下、2.7V以下、2.8V以下、2.9V以下、3.0V以下、3.1V以下、3.2V以下、3.3V以下、3.4V以下、3.5V以下、3.6V以下、3.7V以下、3.8V以下、3.9V以下、4.0V以下、4.1V以下、4.2V以下、4.3V以下、4.4V以下、4.5V以下、4.6V以下、4.7V以下、4.8V以下、4.9V以下、5.0V以下、等であることができる。非常に小さなリザーバ(たとえば、ナノメータスケール)を有する実施形態において、標準電位の差は、実質的に少ない、または多い。第1のリザーバと第2のリザーバとの間を通る電子は、標準電位の差の結果として生成され得る。標準電位に関するさらなる開示は、2012年7月17日付で発行された、BATTERIES AND METHODS OF MANUFACTURE AND USEというタイトルの米国特許第8,224,439号明細書で見られ、参照によりその全体が本明細書に援用される。
治療部位に存在する電圧は、一般的にミリボルトの範囲内であるが、開示された実施形態は、既に説明した異種の金属を1mmの間隔で用いた場合、さらに高い電圧、たとえば1ボルト近い電圧を導入することができる。さらに、AC電力を利用する実施形態では、電圧は、時間と共に変化、または周期的であり得る。実施形態では、より高い電圧は、真皮および新皮が傷のシミュレートされた電流からの利益を受けるように、電流をより深く治療領域に運ぶことができる。このように、電流は銀および亜鉛を治療領域へと運ぶだけでなく、全体の表面領域が同時に治癒するように、刺激電流をも提供することができる。実施形態において、電流は、たとえば、微生物を殺すことができる。実施形態において、電界は、たとえば、微生物を殺すことができる。
病気または状態または症状の治療に関する本開示の実施形態は、病気または状態または症状の治療を必要とする、または治療により利益を得る患者もしくは組織の選択も含み得る。
様々な実施形態を図示し説明してきたが、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、変更および修正がなされ得ることが理解されるであろう。
本明細書で開示されるある実施形態は、実質的に平面なLLMCまたはLLEFシステムを製造する方法を含み、その方法は、基体と複数の第1のリザーバとを結合することであって、複数の第1のリザーバの選択されたものは、還元剤を含み、複数の第1のリザーバの選択されたものの第1のリザーバ表面は、第1の基体表面に近接する、該結合することと、基体と複数の第2のリザーバとを結合することであって、複数の第2のリザーバの選択されたものは、酸化剤を含み、複数の第2のリザーバの選択されたものの第2のリザーバ表面は、第1の基体表面に近接する、当該結合することと、を含み、複数の第1のリザーバを結合することおよび複数の第2のリザーバを結合することは、刺青を使用して結合することを含むことを特徴とする。実施形態において、基体は、ドットまたは電極を備えるガーゼを備え得る。
さらなる実施形態は、LLMCまたはLLEFシステムを製造する方法を含むことができ、その方法は、基体と複数の第1のリザーバとを結合することであって、複数の第1のリザーバの選択されたものは、還元剤を含み、複数の第1のリザーバの選択されたものの第1のリザーバ表面は、第1の基体表面に近接する、当該結合することと、基体と複数の第2のリザーバとを結合することであって、複数の第2のリザーバの選択されたものは、酸化剤を含み、複数の第2のリザーバの選択されたものの第2のリザーバ表面は、第1の基体表面に近接する、当該結合することと、を含み、複数の第1のリザーバを結合することおよび複数の第2のリザーバを結合することとは、平面を横切る第1の方向に配列されたパターン反復を生ずるように複数の第1のリザーバと複数の第2のリザーバと複数の平行な絶縁体を組み合わせることを含み、パターンの反復は、平行な絶縁体の第1のものと複数の第1のリザーバの1つと平行な絶縁体の第2のものと複数の第2のリザーバの1つとからなる配列を含み、織られた装置を形成するため、第1の平行な絶縁体と1つの第1のリザーバと第2の平行な絶縁体と1つの第2のリザーバを通じて平面を横切る第2の方向に、複数の横方向の絶縁体を織ることを特徴とする。
さらに開示された実施形態は、本明細書に記載されるような「クリップ」、および生体適合性マイクロセルのマルチアレイマトリクスを含むドレッシングまたは基体を備えるシステムを含む。実施形態では、前記クリップは、固定用コネクタロッドへの装置の取り付けを可能にするために、装置の中心から装置の周縁に延びる「スリット」を含む装置を備える(図21にみられるように)。
クリップの開示された実施形態は、図18に示すように、スリット中に、「穴」形状またはボイドを備える。実施形態では、穴は、たとえば、直径2mm、直径3mm、直径4mm、直径5mm、直径6mm、直径7mm、直径8mm、またはさらに大きい。さらなる実施形態では、穴は、たとえば、なくとも直径2mm、少なくとも直径3mm、少なくとも直径4mm、少なくとも直径5mm、少なくとも直径6mm、少なくとも直径7mm、少なくとも直径8mm、またはさらに大きい。実施形態では、装置は、スリットに沿って複数の穴を備える。実施形態では、装置の中心に最も近い穴は、複数の穴の中で最も小さく、周縁に近づくに従って大きくなる(図18、図22の220に示すように)。
LLMC/LLEFシステム-使用方法
外部固定装置挿入部位の治療
開示される実施形態は、外部固定装置の挿入部位における感染を防止、または制限するための方法を含む。たとえば、開示される方法は、生体電気医療装置、たとえば、ドレッシングおよび固定装置を、外部固定装置での治療を受けている患者に適用することを含み得る。前記固定装置は、「ピンクリップ」固定装置を含み得る。前記クリップは、外部固定装置のパススルーを収容することができる円形領域を備えた「スリット」または「溝」を含み得る。実施形態では、このスリットまたは溝は、装置の周縁から装置の中心に向かって延びることができる。
開示された実施形態は、たとえば、
a.重度の開放骨折の安定化
b.感染した偽関節の安定化
c.四肢のずれと長さの不一致の修正
d.多発外傷患者の軟部組織および骨破壊の初期安定化(損傷制御整形外科)
e.重症軟部組織損傷に関連する閉鎖骨折
f.骨端部および関節周囲に生じた重度の粉砕病変
g.重症軟部組織・靭帯損傷の一時的な経関節的安定化
h.骨盤輪列の乱れ
i.特定の小児骨折
j.関節固定術
k.リガメントタキシス(ligamentotaxis)
l.骨切断
m.軟部組織の破壊が著しい開放骨折(たとえば、II型またはIII型開放骨折)
n.軟部組織損傷(火傷等)
o.寛骨臼および骨盤骨折
p.重度の粉砕骨折および不安定骨折
q.骨欠損に関連する骨折
r.四肢延長術
s.感染または偽関節に関連する骨折
と関連する外部固定治療を含む。
実施形態において、外部固定挿入部位の治療またはドレッシングのための方法は、局所的に創傷の表面上に、または生体適合性のマイクロセルのマトリクス上に付加的な材料を投与するステップを含む。このような付加的な材料は、たとえば、活性化ゲル、rhPDGF(REGRANEX(登録商標))、ビブロネクチン:IGF複合体、CELLSPRAY(登録商標)、RECELL(登録商標)、INTEGRA(登録商標)皮膚再生テンプレート、BIOMEND(登録商標)、INFUSE(登録商標)、ALLODERM(登録商標)、CYMETRA(登録商標)、SEPRAPACK(登録商標)、SEPRAMESH(登録商標)、SKINTEMP(登録商標)、MEDFIL(登録商標)、COSMODERM(登録商標)、COSMOPLAST(登録商標)、OP-1(登録商標)、ISOLAGEN(登録商標)、CARTICEL(登録商標)、APLIGRAF(登録商標)、DERMAGRAFT(登録商標)、TRANSCYTE(登録商標)、ORCEL(登録商標)、EPICEL(登録商標)、等を備えることができる。実施形態において、活性化ゲルは、たとえば3MによるTEGADERM(登録商標)91110、MEPILEXノーマルゲル0.9%塩化ナトリウム、HISPAGEL(登録商標)、LUBRIGEL(登録商標)、または創傷の周囲の湿潤環境の維持に有用な、または別のメカニズムを介して創傷を治癒するのに有用な他の組成物であり得る。
本明細書の観点は、部分的には、挿入部位に関連する症状を軽減する方法を提供する。この実施態様の観点では、低減する症状は、感染、浮腫、充血、紅斑、あざ、圧痛、硬直、膨れ、発熱、悪寒、呼吸問題、体液貯留、血液凝固、食欲不振、心拍数の増加、肉芽腫、線維、膿、もしくは非粘性漿液、潰瘍の形成、または疼痛である。
バイオフィルムの処理
開示されるLLMCおよびLLEFシステムの実施形態は、抗微生物作用を提供することができる。たとえば、本明細書で開示される実施形態は、細菌のシグナル伝達に介入することによってバイオフィルムの形成を防止、制限、または低減することができる。たとえば、開示される方法および装置は、外部固定装置の挿入部位におけるバイオフィルム形成を防止することができる。
さらなる実施形態は、確立されたバイオフィルムを通して細菌を殺すことができる。
(実施例)
以下の非限定的な実施例は、単に代表的な実施形態をより完全に理解することを容易にするため、説明の目的のために提供される。これらの実施例は、創傷を治癒する方法に関連するものを含む本明細書で説明された実施形態のいずれをも限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1)
(細菌の遺伝子発現および酵素活性の調節)
バイオフィルム中に存在する細菌は、宿主の免疫応答に対する防御力が高く、抗生物質に対する耐性が著しく高いため、バイオフィルムの処理は大きな課題である。バイオフィルム中に存在する細菌は、埋め込まれた細菌と周囲環境の間の核酸障壁として働いて抗菌剤の浸透を妨害する、多糖類およびDNAを含む数個の構成要素からなる細胞外マトリクスに包まれている。さらに、栄養物の近接を制限されているために、バイオフィルム中に存在する細菌は、低代謝かつ休止の生理状態で、抗生剤に対する耐性を高めている。
慢性創傷には社会経済的な問題があり、西洋人口の推定1~2%が慢性潰瘍で苦しんでおり、先進国における国民医予算のおおよそ2~4%が慢性創傷の治療および合併症に費やされている。非治癒性創傷の発生は、長寿命、および肥満、糖尿病、心血管疾患等のライフスタイルの変化による自然の結果として上昇すると考えられている。非治癒性皮膚海洋は、バイオフィルムに感染しやすい。慢性創傷中には複数の細菌主が存在し、特に大きな創傷では、緑膿菌(Pseudomonas aeruginos)最も一般的である。緑膿菌は、下腿潰瘍の治癒を遅らせることが疑われている。また、緑膿菌による臨床感染がある場合、中間層皮膚移植の手術成功率および慢性静脈性潰瘍の全体的な治癒率が低下すると推定される。
緑膿菌バイオフィルムは、慢性創傷感染と関連する場合がある。BED(本明細書で開示される「BED」もしくは「生体電気装置」または「PROCELLERA(登録商標)」は、銀-亜鉛結合の生体適合性マイクロセルのマトリクスで構成され、導電性の創傷滲出液の存在下で活性化し、電界を発生させる(0.3~0.9V)。LB培地中の病原性緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)株PAO1の生育(ODおよびcfuとして測定)は、BEDの存在下で著しく抑制された。in vitroでポリカーボネートフィルターモデルを使用して、PAO1バイオフィルムが作られた。LB培地で37℃で一晩生育した細菌を、LBアガープレート上に置いた滅菌ポリカーボネートメンブレンフィルター上で培養して、48時間、発達したバイオフィルムを形成させた。バイオフィルムをその後24時間、BEDまたはプラセボに暴露させた。走査型電子顕微鏡を使用した構造解析は、BEDは、創傷治療に一般的に使用される市販の銀のドレッシングでは顕著な効果が見られなかったのと比較して、バイオフィルムの完全性を著しく破壊したことを示した。細胞外高分子物質の染色、PAO1染色、および生体染色は、BEDの存在下で、バイオフィルムの厚さおよび生細菌細胞数が減少したことを示した(n=4)。BEDは、クオラムセンシング遺伝子lasRおよびrhlRの発現を抑制した(p<0.05、n=3)。また、BEDは、還元剤として知られ、レドックスセンシングによる多剤排出系mexABおよびmexEFの遺伝子を抑制するスーパーオキシドをマイクロモル量発生させることも判明した(n=3、p<0.05)。また、BEDは、電場感受性酵素であり、細菌の呼吸、解糖およびリン脂質生合成に関与するグリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼをダウンレギュレートした(p<0.05、n=3)。
(材料と方法)
(in vitroバイオフィルムモデル)
in vitroでポリカーボネートフィルターモデルを使用して、PAO1バイオフィルムが作られた。細胞をLB培地で37℃で一晩生育させ、細菌をLBアガープレート上に置いた滅菌ポリカーボネートメンブレンフィルター上で培養して、48時間、発達したバイオフィルムを形成させた。バイオフィルムをその後24時間、BEDまたはプラセボに暴露させた。
(エネルギー分散型X線分光法(EDS))
環境走査型電子顕微鏡(ESEM、FEI XL-30)で25kVで、Ag/ZN BEDのEDS元素分析が行われた。導電性を高めるために、ドレッシングの表面に炭素を薄く蒸着させた。
(走査型電子顕微鏡)
円形メンブレン上にバイオフィルムを生育させ、その後4℃で48時間、4%ホルムアルデヒド/2%グルタルアルデヒドで固定し、リン酸緩生理食塩水バッファーで洗浄し、段階的なエタノール系列で脱水し、臨界点乾燥し、アルミニウムスタブにマウントした。その後サンプルを白金(Pt)でスパッタコートし、5kV、二次電子モードで、SEMで撮像した(XL30S;FEG、FEI社、ヒルスボロ、OR)。
(Live/Dead染色)
LIVE/DEAD BacLight Bacterial Viability Kit for microscopy and quantitative assaysを使用して、細菌群の生存能をモニタリングした。損傷した膜を有する、死んでいると考えられる細胞または死細胞は赤色に染色され、無傷の膜を有する細胞は緑色に染色される。
(EPR分光法)
TM110キャビティを有し、Xバンドで作動するBruker ER 300 EPR分光計を用いて、室温でEPR測定を行った。マイクロ波周波数は、EIP575型ソースロック式マイクロ波計数器(EIP Microwave社、サンホセ、CA)で測定した。スピントラップ試験において使用した機器設定は以下の通りである:変調振幅0.32G、時定数0.16秒間、走査時間60秒間、変調周波数100kHz、マイクロ波出力20mW、マイクロ波周波数9.76GHz。サンプルを石英EPRフラットセルに入れ、周囲温度(25℃)でスペクトルを記録した。1分間のEPR測定を連続的に行った。スペクトルの成分を、報告されているように、同定、シミュレーション、定量した。DEPMPO実験スペクトルの二重積分を、同じ設定で測定された1mM TEMPOサンプルの二重積分と比較して、スーパーオキシド付加物の濃度を推定した。
(mRNAおよびmiRNA発現の定量)
miRNAを含む総RNAは、Norgen RNA isolation kitを製造者のプロトコールに従って用いて単離した。遺伝子発現レベルは、リアルタイムPCRシステムおよびSYBR Green(Applied Biosystems)により定量し、ハウスキーピング遺伝子としてnadBおよびProCで標準化した。発現レベルは、2(-ΔΔct)比較定量法を用いて定量した。
(グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼアッセイ)
Biovision社のアッセイキットをメーカーの指示に従って使用し、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼアッセイを行った。手短に言うと、細胞(~1×10)を、200μLの氷温のGPDHアッセイバッファーとともに氷上で10分間ホモジナイズし、上清を用いてO.D.を測定し、結果からGPDH活性を算出した。
統計
対照サンプルと処理サンプルを対応t検定により比較した。その他の平均値間の比較のためにスチューデントのt検定を用いた。P<0.05を有意とした。
(Ag/Zn BEDは緑膿菌のバイオフィルムを破壊する)
ドレッシングの化学組成を確認するために、我々は、環境制御型走査電子顕微鏡を用いて高解像度電子顕微鏡写真を収集した。我々の元素マッピングは、銀粒子がポリエステル布の金色のドットに、亜鉛粒子が灰色のドットに集中していることを示す。
図9Aに示すように、緑膿菌を連続振とうでLB培地で、丸底チューブで生育させ、各時点で600nmの光学密度を算出することにより、吸光度を測定した。Ag/Zn BEDおよび等量の銀を有する対照ドレッシングは、細菌の増殖を抑制することが確認された(n=4)(図9B、C)。Ag/Zn BEDドレッシングとともに寒天培地で、またはプラセボを埋め込んだ寒天培地で細菌を培養した場合、Ag/Zn BEDの場合は、抑制領域がはっきりと確認でき、静菌性を示した一方、銀ドレッシングを有するプラセボはより小さい抑制領域が見られたことから、局所的な接触と比較して電場の効果的な役割を示している(図9D)。しかし、走査型電子顕微鏡像(図10)、EPS染色(図11)、およびlive/dead染色(図12)から明らかなように、Ag/Zn BEDはバイオフィルムをよく破壊するが、銀はバイオフィルムの破壊に影響しない。銀は、何世紀もの間、その抗微生物作用が認められてきた。銀の抗菌効果に関する研究、特に創傷治癒に重点を置いたもののほとんどは、浮遊細菌で行われたものである。タンパク質および酵素と結合して反応する銀イオンは、それにより細菌の細胞壁および膜における構造変化を引き起こし、細胞崩壊および細菌の死を誘導する。また、銀はDNAおよびRNAと結合し、それにより基礎的な生命現象を阻害する。
銀は、緑膿菌の成熟したバイオフィルムに対して効果的な薬剤であるが、高濃度の場合のみである。5~10μg/mLの濃度のスルファジアジン銀はバイオフィルムを根絶するが、より低濃度(1μg/mL)では効果がないことが報告されている。したがって、現在入手可能な創傷ドレッシング中の銀濃度は、慢性バイオフィルム創傷の治療には低すぎる。図13は、Ag/Zn BED処理したサンプルでは、キノコ状の高次構造が見られないことを示しているバイオフィルムのPAO1染色を示す。
(Ag/Zn BEDはクオラムセンシング遺伝子をダウンレギュレートする)
緑膿菌の病原性は、様々な病原因子に起因し得る。これらの細胞外病原因子の多くは、細菌の細胞密度が閾値(クオラム)に達したときにのみ産生される。クオラムセンシングは、lasおよびrhlと呼ばれる2つの細胞-細胞シグナル伝達系により主に調節されており、これらは両方とも転写調節因子(それぞれLasRおよびRhlR)、および自己誘導物質合成酵素(それぞれLasIおよびRhlI)で構成されている。緑膿菌では、LasIが3OC12-HSLを産生する。その後、LasRがこのシグナルに応答し、LasR:3OC12-HSL複合体が、クオラムセンシング受容体[26-30]をコードするrhlRを含む多くの遺伝子を活性化させ、RhlRはRhlIにより産生される自己誘導物質C4-HSLに結合する。また、RhlR:C4-HSLは、大規模な遺伝子調節を司る。QSを欠損した緑膿菌は、バイオフィルムを形成する能力が損なわれている。クオラムセンシング阻害剤は、複数の種類の抗生物質に対するバイオフィルムの感受性を高める。
クオラムセンシング遺伝子における電界の影響を試験するために、我々は、成熟したバイオフィルムをAg/Zen BEDまたはプラセボに12時間供し、遺伝子発現レベルを観察した。先行実験において、24時間までにAg/Zen BED処理下のほとんどの細菌が死滅したため、我々はより早い時点を選択した。我々は、lasRおよびrhlRの有意なダウンレギュレートを見出した(n=4、p<0.05)。lasRの転写は、lasA、lasB、toxAおよびaprAの転写と弱い相関があることが報告されている。しかし、24時間の時点(データは示さず)ではAg/Zen BED処理のサンプルにおいてそれらをダウンレギュレートすることがわかったが、この時点ではそれらの発現レベルに有意な差は見られなかった(図14)。
(Ag/Zen BEDは緑膿菌におけるレドックスセンシング多剤排出系を抑制する)
Ag/Zen BEDは、還元剤として機能し、タンパク質のチオールを還元させる。酸素分子O2の1電子還元により、スーパーオキシドアニオンが生成する。分子状酸素(酸素分子)は、2つの不対電子を含む。2個目の電子の追加により、縮退している分子軌道の1つが満たされ、常磁性を示す不対電子を1個有する荷電イオン種が生成される。生物学的還元剤として機能し、ジスルフィド結合を還元することができるスーパーオキシドアニオンは、最終的に過酸化水素に変換され、抗菌特性を有することが知られている。本稿では、電子常磁性共鳴(EPR)を使用して生体電気ドレッシングにさらされたスーパーオキシドを直接検出する。DEPMPO(2-(ジエトキシホスホリル)-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール1-オキシド)を用いてスーパーオキシドスピントラップを行い、40分間のAg/Zen BEDへの暴露により~1μMのスーパーオキシドアニオンが検出された(図15)。MexRおよびMexTは、酸化感知機構を利用した緑膿菌の多剤排出制御因子である。MexRとMexTの両方の酸化により、分子内ジスルフィド結合が形成されて活性化され、プロモーターDNAからの乖離を引き起こし、MexAB-oprMおよびMexEF-oprNがそれぞれ抑制解除されるが、還元状態ではオペロンを転写することができない。Mexオペロンの誘導は、抗菌耐性の増加だけでなくクオラムセンシングカスケードおよびいくつかの毒性因子の抑制をもたらす。Ag/Zen BED処理したサンプルでは、MexRおよびMexTが還元型で不活性型であり、下流のMex遺伝子MexA、MexB、MexE、およびMexF(ただしMexCおよびMexDは除く)のダウンレギュレーションが観察された(n=4、p<0.05)。Ag/Zen BEDの還元活性を確認するために、10mMのDTTを使用して実験を繰り返し、同様の結果が得られた(図16)。
(Ag/Zen BEDはグリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ酵素活性を減少させる)
電場は、多くの酵素において分子電荷分布に影響し得る。グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼは、呼吸、解糖、およびリン脂質生合成に関与する酵素であり、緑膿菌の外部電場の影響を受けると考えられる。緑膿菌バイオフィルムに12時間Ag/Zen BEDを処理することにより、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ酵素活性の有意な減少が見られた(n=3)。
(実施例2)
(バイオフィルム特性へのLLMCの影響)
本研究では、LLMCの抗バイオフィルム特性を評価するために、慢性創傷感染に関連する10種の臨床創傷病原体を使用した。バイオフィルム抑制における創傷ドレッシングの効果の評価のために、ハイドロゲルおよびドリップフローリアクター(DFR)バイオフィルムモデルを使用した。Acinetobacter baumannii、Corynebacterium amycolatum、大腸菌(Escherichia coli)、Enterobacter aerogenes、Enterococcus faecalis CI 4413、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、Serratia marcescens、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、およびStreptococcus equiの臨床分離株で形成されたバイオフィルムを評価した。バイオフィルムの抗微生物感受性試験では、両方のバイオフィルムモデルで、10CFU/mLの細菌を用いた。ポロキサマーハイドロゲルモデルでは、LLMC(直径25mm)を、30%ポロキサマーハイドロゲル上、およびMuller-Hinton寒天培地上に形成された細菌バイオフィルムに直接アプライし、37℃で24時間インキュベートして、増殖阻害を観察した。DFRバイオフィルムモデルにおいて、非生物表面としてポリカーボネートメンブレン上に細菌を付着させ、サンプルドレッシングをメンブレン上に適用した。DFRバイオフィルムは、希釈したトリプチケースソイブロス(TSB)中で、室温で72時間インキュベートした。光学顕微鏡下でのクリスタルバイオレット染色によりバイオフィルム形成を評価し、細菌数の減少により抗バイオフィルム効果を評価した。
(実施例3)
(哺乳類の遺伝子発現および酵素活性の調節)
LB培地で、37℃で一晩生育させた初代ヒト皮膚線維芽細胞を、LB寒天プレート上に置いた滅菌ポリカーボネートメンブレンフィルター上で48時間培養する。その後、細胞をBEDまたはプラセボに24時間暴露する。BEDは、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼの発現を抑制する。また、BEDは、グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼの活性をダウンレギュレートした。
(実施例4)
(昆虫の遺伝子発現および酵素活性の調節)
LB培地で、37℃で一晩生育させたショウジョウバエS2細胞を、LB寒天プレート上に置いた滅菌ポリカーボネートメンブレンフィルター上で48時間培養する。その後、細胞をBEDまたはプラセボに24時間暴露する。BEDは、昆虫のP450酵素の発現を抑制する。BEDは、昆虫のP450酵素の活性をダウンレギュレートした。
(実施例5)
(脚部骨折の治療)
40歳の男性がバイク事故で下腿を粉砕した。骨折を外部固定装置で固定した。装置を骨に取り付けるロッドは、上述の生体適合性電極の配列を含むドレッシングを介して体内に入る。ドレッシングは、本明細書に記載され、図18~20にみられるようなクリップを用いて、身体挿入点でロッドに固定される。
(実施例6)
(脚部骨折の治療)
40歳の女性がボート事故で上脚部を粉砕した。骨折を外部固定装置で固定した。装置を骨に取り付けるロッドは、上述の生体適合性電極の配列を含むドレッシングを介して体内に入る。ドレッシングは、本明細書に記載され、図18~20にみられるようなクリップを用いて、身体挿入点でロッドに固定される。
(実施例7)
(足首骨折の治療)
20歳の女性がサッカーの事故で足首を粉砕した。骨折を外部固定装置で固定した。装置を骨に取り付けるロッドは、上述の生体適合性電極の配列を含むドレッシングを介して体内に入る。ドレッシングは、本明細書に記載され、図18~20にみられるようなクリップを用いて、身体挿入点でロッドに固定される。
最後に、特定の実施形態を参照することで、本明細書の観点は強調されているが、当業者は、これらの開示された実施形態は、単に本明細書で開示された主題の原理を説明するものであることを容易に理解するだろう、ということが理解されるべきである。したがって、開示された主題は、本明細書で説明されている特定の方法論、プロトコールおよび/または試薬等に限定されるものではないということが理解されるべきである。このように、開示された主題の様々な修正または変更または代替的な構成は、本明細書の意図から逸脱することなく、本明細書の教示に従ってなされることができる。最後に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態だけを説明する目的のためであり、特許請求の範囲によってのみ定義される本開示の範囲を限定する意図ではない。したがって、本開示の実施形態は、正確に示され記載されているようなものに限定されない。
特定の実施形態は、本明細書に記載される方法および装置を実施するための、発明者に知られるベストモードを含み、本明細書に記載されている。もちろん、これらの説明されている実施形態におけるバリエーションは、前述の説明を読めば当業者には明らかとなるであろう。したがって、本開示は、適用される法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に記載された主題の全ての修正および均等物を含む。さらに、本明細書において特に明記しない限り、または他に文脈によって明らかに矛盾しない限り、全ての可能なバリエーションにおいて上記の実施形態の任意の組み合わせが、本開示に包含される。
本開示の代替的な実施形態、要素、またはステップのグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループの構成要素は、個別に、または本明細書に開示される他のグループの構成要素との任意の組み合わせで参照され、主張され得る。利便性や特許性の理由から、グループの1以上の構成要素が、グループに含まれるか、またはグループから削除されることが予想される。そのような包含または削除が発生した場合、本明細書は変更されたグループを含むものと見なされ、添付の特許請求の範囲で使用されるマーカッシュグループのすべての記載を満たす。
他が示されているのでない限り、本明細書および請求項で用いられている特徴、品目、数量、パラメータ、特性、用語等を表す全ての数字は、「約」という用語によって全ての場合において修正されるものと理解されるべきである。ここで用いられているように、「約」という用語は、そのように修正された特徴、品目、数量、パラメータ、特性、または用語が、特徴、品目、数量、パラメータ、特性、または用語を、+10パーセント上回るまたは-10パーセント下回る範囲を包含することを意味する。したがって、反対に示されない限り、本明細書および添付する特許請求の範囲に示す数値パラメータは、変動し得る近似値である。少なくとも、等価物としての適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値表示は、少なくとも報告された有意な数字の数に照らして、通常の丸め手段を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。本開示の広い範囲を説明する数値範囲および値は近似値であるにもかかわらず、特定の実施例で示す数値範囲および値は、可能な限り正確に報告されている。ただし、いかなる数値範囲または値にも、それぞれの試験測定で見られる標準偏差から必然的に生じる誤差が本質的に含まれている。本明細書では、数値範囲を示すことで、その範囲内にある個々の数値を個別に参照するための略記法を単に意図している。本明細書で特に明記しない限り、数値範囲の個々の数値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
本開示を説明する文脈で(特に以下の請求項の文脈で)使用される用語「a」、「an」、「the」、および類似の言及は、別段の記載がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるあらゆる全ての実施例、または例示的な言語(たとえば、「のような」)の使用は、本開示をよりよく明らかにすることを意図しており、別途請求項に記載された発明の範囲を限定するものではない。本明細書中の記載は、本明細書に記載の実施形態の実施に不可欠な、請求項以外の要素を示すものと解釈されるべきではない。
本明細書に開示された実施形態のいくつかは、「からなる」または「本質的にからなる」という文言の使用により、特許請求の範囲においてさらに限定され得る。請求項中で使用される場合、出願時ものであれ、補正によって追加されたものであれ、「からなる」という移行句は、請求項で指定されていない要素、ステップ、または成分を除外する。「から本質的になる」という移行句は、請求項の範囲を、特定の材料またはステップ、および基本的かつ新規の特徴(複数可)に実質的に影響しないものに限定する。そのようにクレームされた本開示の実施形態は、本明細書において本質的または明示的に記載され、可能になる。
(付記)
(付記1)
クリップ、および、
低レベル電場(LLEF)または低レベル微小電流(LLMC)の少なくとも1つを生成するように構成された1以上の生体適合性電極を含む生体電気装置、
を含む、
医療治療装置の身体挿入点を治療するためのシステム。
(付記2)
前記生体適合性電極は、第1の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを含む第1のアレイと、第2の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを含む第2のアレイと、を備える、
付記1に記載の生体電気装置。
(付記3)
前記第1の導電材料および前記第2の導電材料は同一の材料である、
付記2に記載の生体電気装置。
(付記4)
前記第1および第2のアレイは、それぞれディスクリート回路を備える、
付記3に記載の生体電気装置。
(付記5)
電源をさらに含む、
付記4に記載の生体電気装置。
(付記6)
前記第1のアレイおよび前記第2のアレイは、自発的にLLEFを生成する、
付記2に記載の生体電気装置。
(付記7)
前記第1のアレイおよび前記第2のアレイは、電解液に接触したときに自発的にLLMCを生成する、
付記6に記載の生体電気装置。
(付記8)
低レベル電場(LLEF)または低レベル微小電流(LLMC)の少なくとも1つを生成するように構成された1以上の生体適合性電極を含む、基体を含む、
外部固定装置の挿入点を治療するための生体電気装置。
(付記9)
前記生体適合性電極は、第1の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを含む第1のアレイと、第2の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを含む第2のアレイと、を備える、
付記8に記載の生体電気装置。
(付記10)
前記第1の導電材料および前記第2の導電材料は同一の材料である、
付記9に記載の生体電気装置。
(付記11)
前記第1および第2のアレイは、それぞれディスクリート回路を備える、
付記10に記載の生体電気装置。
(付記12)
電源をさらに含む、
付記11に記載の生体電気装置。
(付記13)
前記第1のアレイおよび前記第2のアレイは、自発的にLLEFを生成する、
付記9に記載の生体電気装置。
(付記14)
前記第1のアレイおよび前記第2のアレイは、電解液に接触したときに自発的にLLMCを生成する、
付記13に記載の生体電気装置。
(付記15)
外部固定装置の身体挿入点を治療する方法であって、
前記身体挿入点に、クリップと、低レベル電場(LLEF)または低レベル微小電流(LLMC)の少なくとも1つを生成するように構成された1以上の生体適合性電極を含む生体電気装置と、を含むシステムを適用すること、を含む、
方法。
(付記16)
適用することには、表面に生体適合性マイクロセルのマルチアレイマトリクスを有する柔軟な基体を備えるLLMCシステムを付着させることが含まれる、
付記15に記載の方法。
(付記17)
前記マルチアレイマトリクスは、
導電材料を含むマイクロセルのパターンを含む第1のアレイ、および、
導電材料を含むマイクロセルのパターンを含む第2のアレイ、
を備え、
そのような両アレイは、前記第1および第2のアレイが電解液に導入されたときに、前記第1のアレイの導電材料とともに少なくとも1つの電流を自発的に生成するための少なくとも1つのボルタ電池を規定することができる、
付記16に記載の方法。

Claims (17)

  1. クリップ、および、
    低レベル電場(LLEF)または低レベル微小電流(LLMC)の少なくとも1つを生成するように構成された1以上の生体適合性電極を含む生体電気装置、
    を含む、
    医療治療装置の身体挿入点を治療するためのシステム。
  2. 前記生体適合性電極は、第1の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを含む第1のアレイと、第2の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを含む第2のアレイと、を備える、
    請求項1に記載の生体電気装置。
  3. 前記第1の導電材料および前記第2の導電材料は同一の材料である、
    請求項2に記載の生体電気装置。
  4. 前記第1および第2のアレイは、それぞれディスクリート回路を備える、
    請求項3に記載の生体電気装置。
  5. 電源をさらに含む、
    請求項4に記載の生体電気装置。
  6. 前記第1のアレイおよび前記第2のアレイは、自発的にLLEFを生成する、
    請求項2に記載の生体電気装置。
  7. 前記第1のアレイおよび前記第2のアレイは、電解液に接触したときに自発的にLLMCを生成する、
    請求項6に記載の生体電気装置。
  8. 低レベル電場(LLEF)または低レベル微小電流(LLMC)の少なくとも1つを生成するように構成された1以上の生体適合性電極を含む、基体を含む、
    外部固定装置の挿入点を治療するための生体電気装置。
  9. 前記生体適合性電極は、第1の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを含む第1のアレイと、第2の導電材料から形成されたマイクロセルのパターンを含む第2のアレイと、を備える、
    請求項8に記載の生体電気装置。
  10. 前記第1の導電材料および前記第2の導電材料は同一の材料である、
    請求項9に記載の生体電気装置。
  11. 前記第1および第2のアレイは、それぞれディスクリート回路を備える、
    請求項10に記載の生体電気装置。
  12. 電源をさらに含む、
    請求項11に記載の生体電気装置。
  13. 前記第1のアレイおよび前記第2のアレイは、自発的にLLEFを生成する、
    請求項9に記載の生体電気装置。
  14. 前記第1のアレイおよび前記第2のアレイは、電解液に接触したときに自発的にLLMCを生成する、
    請求項13に記載の生体電気装置。
  15. 外部固定装置の身体挿入点を治療する方法であって、
    前記身体挿入点に、クリップと、低レベル電場(LLEF)または低レベル微小電流(LLMC)の少なくとも1つを生成するように構成された1以上の生体適合性電極を含む生体電気装置と、を含むシステムを適用すること、を含む、
    方法。
  16. 適用することには、表面に生体適合性マイクロセルのマルチアレイマトリクスを有する柔軟な基体を備えるLLMCシステムを付着させることが含まれる、
    請求項15に記載の方法。
  17. 前記マルチアレイマトリクスは、
    導電材料を含むマイクロセルのパターンを含む第1のアレイ、および、
    導電材料を含むマイクロセルのパターンを含む第2のアレイ、
    を備え、
    そのような両アレイは、前記第1および第2のアレイが電解液に導入されたときに、前記第1のアレイの導電材料とともに少なくとも1つの電流を自発的に生成するための少なくとも1つのボルタ電池を規定することができる、
    請求項16に記載の方法。
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