JP2022534182A - 針貯蔵容器、針マガジン、ペンアセンブリ、および針マガジン格納の複数針の使用方法 - Google Patents

Abstract

針ポスト（７０）に固定された針（７４）をそれぞれ運ぶ複数の空洞（３８）と、複数の空洞（３８）のそれぞれの近位端に配置された第１のシール（４６）および複数の空洞（３８）のそれぞれの遠位端に配置された第２のシール（４８）とを備える針マガジン（３０）であって、針ポスト（７０）の第１の位置では、針（７４）が第１および第２のシール（４６、４８）の間に囲まれ、針ポスト（７０）の第２の位置では、第１のシール（４６）が貫通されて、針（７４）が、薬剤送達のために第２のシール（４８）を貫通して延び、そして、針ポスト（７０）の第３の位置では、針（７４）がもはや第２のシール（４８）を通って延在せず、廃棄の準備ができている。

Description

本発明は、ペンアセンブリに関し、本発明の様々な例示的な実施形態は、薬剤送達ペンの針の保管、使用、および廃棄に関する。

薬剤送達ペンは、通常、患者に薬剤を注射するために使用される。定期的に投薬量の薬剤を自己注射しなければならない人は、通常、薬剤送達ペン、いくつかの使い捨てペン針、およびいくつかのクリーニング綿棒を携帯する。薬剤送達ペンは、安全性と無菌性を考慮して設計されている。ただし、非効率性や不便が生じる可能性がある。

それぞれが複数の針を運ぶ２つ以上の針マガジンを貯蔵する針貯蔵容器を提供することは、本発明の一態様である。複数の針のそれぞれは、薬剤送達のために薬剤送達ペンと係合するように構成される。具体的には、薬剤送達ペンは、複数の針のうちの１つと係合し、針が針マガジン内にある間に薬剤送達を提供する。容器とマガジンの組み合わせは、簡単な整理、正確な皮下注射、使用後の針の廃棄と同じマガジンでの使用前の保管を可能にし、セットアップ時間とスペースを削減する最適化されたワークフローで使用法を改善する。マガジンの底面は、患者の皮膚表面に実質的に垂直に挿入される針のための取り付け面を提供する。取り付け面は、患者の皮膚の挿入部位（insertion site）の周りに大きく平らな接触面を提供することによって注射の変動を低減し、それによって注射の快適さを改善する。また、マガジンから針が抜かれることがないため、針がほとんど見えず、針恐怖症を軽減している。

針マガジンはまた、いくつかの方法でニードルの再利用の可能性を減らす。まず、針マガジンの上面には、ニードルが使用されているか新品かをユーザーに示す視覚的なインジケーターとして機能するシールがある。第２に、使用後に針が引き抜かれると、針はロックされた位置にあり、それ以上の移動と再利用を防ぐ。最後に、針がロックされた後、針はマガジンの空洞内のより深い位置に配置され、ユーザーに針が使用されていることを視覚的に示す。

本発明の前述のおよび／または他の態様は、第１のコンパートメントが複数の未使用および使用済みの針を運ぶことができる針マガジンを含み、アダプターは薬剤送達ペンと係合するように構成され、第２のコンパートメントは洗浄材を運ぶように構成されて針貯蔵容器を提供することによって達成することができ、第１のコンパートメントは第２のコンパートメントから密封されている。

本発明の前述のおよび／または他の態様は、針柱（ニードルポスト）に固定された針をそれぞれ運ぶ複数の空洞を含む針マガジンを提供することによってさらに達成することができ、第１のシールは複数の空洞のそれぞれの近位端に配置され、第２のシールは複数の空洞のそれぞれの遠位端に配置され、針ポストの第１の位置では、針は第１のシールと第２のシールとの間に囲まれて、針の遠位端は第２のシールに配置され、針ポストの第２の位置では、第１のシールが貫通されて、針が薬剤送達のために第２のシールを貫通し、針ポストの第３の位置では、針はもはや第２のシールを貫通せず、廃棄の準備ができている。

本発明の前述のおよび／または他の態様はまた、薬剤送達ペン、薬剤送達ペンに係合するように構成されたアダプター、およびそれぞれが針ポストに固定された針を運ぶ複数の空洞を有する針マガジンを含むペンアセンブリを提供することによって達成することができ、アダプターが薬剤送達ペンに取り付けられ、複数の空洞の１つに配置されると、流体連絡（fluid communication）は、針ポストの針と薬剤送達ペンで確立され、そして、針ポストが空洞内の第１の位置から第２の位置に移動され、その結果、針は薬剤送達を提供するために底面を超えて延びる。針ポスト内の針と薬剤送達ペン、および針ポストとの流体連絡が確立される。針が底面を超えて延在して薬剤送達を提供するように、空洞内の第１の位置から第２の位置に移動される。

本発明の前述のおよび／または他の態様は、針マガジンに格納された複数の針を使用する方法を提供することによってさらに達成することができ、この方法は、アダプターを薬剤送達ペンに接続し、薬剤送達ペンと針との間の流体連絡を確立する針を運ぶ針ポストにアダプターを係合させ、針ポストを第１の位置から第２の位置に下向きに動かし、針を介して薬剤を投与し、針ポストを第２の位置から第３の位置に上向きに動かし、そして、マガジン内の複数の針すべてを使用した後、針マガジンを製造業者または廃棄物管理者（waste management entity）に送る。

本発明の追加的なおよび／または他の態様および利点は、以下の説明に記載されるか、説明から明らかとなり、または、本発明の実施によって知られ得る。

本発明の上記の態様および特徴は、添付の図面を参照して行われる本発明の例示的な実施形態の説明からより明らかなものとなるであろう。
図１は、針マガジンおよびアダプターを含む針貯蔵容器の斜視図の例示的な実施形態である。 図２は、図１の針貯蔵容器の左側斜視図である。 図３は、図１の針マガジンの上面斜視図である。 図４は、図３の薬剤送達ペン、アダプター、および針マガジンを含むペンアセンブリの断面図である。 図５は、薬剤送達ペンが針マガジンの空洞に位置合わせされている、図４のペンアセンブリの断面図である。 図６は、アダプターが薬剤送達ペンに接続され、針マガジンの第１のシールを貫通している、図５のペンアセンブリの断面図である。 図７は、アダプターが薬剤送達ペンに接続され、針マガジンの針ポストに係合されている、図６のペンアセンブリの断面図である。 図８は、アダプターが薬剤送達ペンに接続され、針ポストを第１の位置から第２の位置に移動させた、図７のペンアセンブリの断面図である。 図９は、薬剤送達の準備のために針マガジンからキャップが取り外された、図８のペンアセンブリの断面図である。 図１０は、薬剤送達ペンが針ポスト内の針と流体連絡しており、薬剤を患者の皮膚に送達している、図９のペンアセンブリの正面図である。 図１１は、選択された針による薬剤送達後にキャップが交換された、図８のペンアセンブリの断面図である。 図１２は、針ポストが第２の位置から第３の位置に移動された、図１１のペンアセンブリの断面図である。 図１３は、アダプターが薬剤送達ペンに接続され、針マガジンの針ポストから外されている、図１２のペンアセンブリの断面図である。

図１は、一実施形態による、第１のコンパートメント（区画）１４および第２のコンパートメント１６に分割された主ハウジング１２を含む針貯蔵容器１０を示している。第１のコンパートメントは、２つ以上の針マガジン３０およびアダプター６０を運ぶように構成され、第２のコンパートメント１６は、洗浄材１８を運ぶように構成される。仕切り壁２０は、第１および第２のコンパートメント１４、１６を仕切る。各コンパートメント１４、１６は、コンパートメントカバー２２によって覆われている。

図１および２は、本明細書に記載の構成要素を取り囲む外側の容器のような構造である主ハウジング１２を示している。第１のコンパートメント１４は、実質的に半円形であり、３つのセクションに分離されているが、多かれ少なかれセクションが企図されている。２つのセクションは、針マガジン３０のそれぞれを運ぶために使用され、第３のセクションは、アダプター６０を運ぶために使用される。針マガジン３０およびアダプター６０に関する詳細は、以下に記載されている。

第２のコンパートメント１６は、実質的に長方形の形状であり、例えば、アルコール綿棒などの洗浄材１８を含む。当業者によって一般に知られている他の洗浄材１８が本明細書で企図されている。洗浄材１８は、使用前または使用後に、アダプター隔壁（adapter septum）６２または薬剤送達ペン２の隔壁（septum）６を消毒するために使用される。

仕切り壁２０は、第１のコンパートメント１４を第２のコンパートメント１６から分離する。仕切り壁２０は、主ハウジング１２と一体であり、２つのコンパートメント１４、１６を分離し、気密、液体、または気密シールとして機能するインターフェースを提供する。あるいは、仕切り壁２０は、主ハウジング１２に挿入され、シールと統合されて、上記と同様のシールの利点を提供する特徴であり得る。

最後に、コンパートメント１４、１６のそれぞれは、コンパートメントカバー２２を含む。コンパートメントカバー２２はそれぞれ、コンパートメント１４、１６のうちの１つの上面に配置されている。コンパートメントカバー２２は、コンパートメントカバー２２が反対方向に開閉するように、仕切り壁２０の上にヒンジで固定されている。したがって、コンパートメントカバー２２は、各コンパートメント１４、１６の内容物へのアクセスを提供し、アクセスを制限するために、開閉する。

図１はさらに、薬剤送達ペン２と針マガジン３０内の複数の針７４のうちの１つとの間の流体連絡を確立するために使用されるアダプター６０を示している。アダプター６０は、アダプター隔壁６２、スナップリング部材６４、雌ネジ６６、および中空突出部分６８を含む。アダプター６０は、流体が通過できるように構成された中空部材である。

アダプター隔壁６２は、流体の流れを選択的に許可または制限するために、中空アダプター６０の遠位端および内面に配置されている。アダプター隔壁６２は、針マガジン３０内の複数の針７４のうちの１つと係合するように構成される。具体的には、針７４のうちの１つの近位端は、流体連絡を確立するためにアダプター６２を貫通するように構成される。

スナップリング部材６４は、アダプター６０の外面に配置された円周方向の突起である。スナップリング部材６４もまた、アダプター６０の遠位端の近くに配置されている。複数の針７４はそれぞれ針ポスト７０に固定され、針ポスト７０は、針７４の１つがアダプター隔壁６２を貫通するときにスナップリング部材６４と係合するように構成される。このエンゲージメントについては、以下で詳しく説明する。

図４に示されるように、雌ネジ６６は、アダプター６０の近位端に配置され、薬剤送達ペン２と係合するように構成される。アダプター６０はまた、例えば、雌ネジ６６の空洞内に配置されたスパイクまたは針を含む、中空の突出部分６８を含む。中空の突出部分６８は、薬剤送達ペン２の隔壁（septum）６を貫通するように構成される。

具体的には、薬剤送達ペン２は、当業者によって一般的に理解されるように、雄ネジ４および隔壁６を含む。雄ネジ４は、アダプター６０の雌ネジ６６にねじ込まれ、係合するように構成される。隔壁６は、薬剤送達ペン２のカートリッジ内に薬剤を選択的に保持するシールである。アダプター６０の雌ネジ６６に囲まれた中空の突出部分６８が隔壁６を貫通し、雌ネジ６６が雄ネジ４に完全に係合すると、薬剤送達ペン２とアダプター６０との間に流体連絡が確立される。

図４は、薬剤送達ペン２を含むペンアセンブリ１、ならびに針マガジン３０および針貯蔵容器（needle storage container）１０から取り外されたアダプター６０を示している。図１、３および４は、複数の針７４を保持するために使用される針マガジン３０を示している。針マガジン３０は、保持プレート３２、上面３４、底面３６、複数の空洞３８、第１および第２のシール４６、４８、およびキャップ５０を含む。針マガジン３０は、多かれ少なかれ企図されているが、複数の針７４、好ましくは７本を運ぶ円形部材である。

保持プレート３２は、図３および４に示されるように、上面３４上に配置された厚い円形のシートである。複数の針７４へのアクセスを提供するために、７つの等間隔の穴が保持プレート３２を通して配置される。具体的には、複数の空洞３８は、複数の針７４を運び、保持プレート３２の穴に整列されて、アダプター６０に取り付けられた薬剤送達ペン２を有利に配向し、アダプター６０の空洞３８の１つへの角度付き挿入を減らす。

複数の空洞３８のそれぞれは、近位端４２の空洞３８のうちの１つの直径が遠位端４４の空洞３８の直径よりも大きくなるように先細になっている。先細になっている複数の空洞３８は、針柱（ニードルポスト）７０が第１の位置から第２の位置および第３の位置に移動するときに、針ポスト７０とアダプター６０との間の摩擦および係合の増加を有利に提供する。これらの位置の詳細については、以下で説明する。

複数の空洞３８は、図１３に最もよく示されているように、突起４０を含む。突起４０は、複数の針ポスト７０のそれぞれのロッキング部材７６と係合するように構成された突出した内部三角形表面である。この係合は、針ポスト７０の第３の位置で行われ、針ポスト７０を空洞３８にロックし、それ以上の動きを防ぐ。

針マガジン３０はまた、空洞３８の近位端の近くに、および空洞３８のそれぞれと整列した上面３４上に配置された複数の第１のシール４６を含む。複数の第１のシール４６は、保持プレート３２と上面３４との間に挟まれ、上面３４に接着されている。好ましくは、第１のシール４６は、複数の空洞３８のそれぞれを個別に囲む。第１のシール４６の１つが貫通されると、第１のシール４６は再利用可能ではない。

第１のシール４６は、プラスチック、ポリマー、箔、または金属材料の任意の組み合わせで構成される。第１のシール４６の材料は、マガジン３０内の空洞３８のそれぞれに気密、液体、または気密シールを提供する。好ましくは、第１のシール４６は、例えば、緑、オレンジ、または他の視覚的に対照的な色で着色される。着色された第１のシール４６は、有利には、それぞれの空洞３８がアクセスされていないという視覚的に異なる外観を提供する。

あるいは、針マガジン３０は、上面３４にまたがり、上面３４と保持プレート３２との間に挟まれた単一のシートを含む第１のシール４６を含む。この構成では、複数の空洞３８のそれぞれに対応し、それらと整列する第１のシール４６の異なる部分は、空洞３８がアクセスされて使用されるときに貫通される。

第２のシール４８は、遠位端の近くで、底面３６に隣接して、空洞３８のそれぞれに配置されている。第２のシール４８は、再利用可能な隔壁またはバルブとしてより密接に機能する。針マガジン３０の動作中のシール４６、４８の使用を以下に説明する。

針マガジン３０を使用する前は、各針７４および針ポスト７０は、第１のシール４６、４８と第２のシール４６、４８との間の第１の位置にある。針７４の遠位端は、好ましくは、第２のシール４８の上に配置されるか、または交互に第２のシール４８に配置される。いずれの場合も、針７４の遠位端は、この位置で第２のシール４８を通って延びることはない。第１のシール４６の存在および色は、有利には、それぞれの空洞３８が以前にアクセスされていないことを示す。続いて、ユーザーは、薬剤送達ペン２に取り付けられたアダプター６０を動かして、空洞３８の１つにある第１のシール４６の１つを貫通し、針７４および針ポスト７０にアクセスする。

次に、薬剤送達ペン２に取り付けられたアダプター６０は、針ポスト７０と係合し、針ポスト７０を第１の位置から第２の位置まで下方に移動させる。第２の位置では、針７４の遠位端は、第２のシール４８を貫通し、第２のシール４８を通って、マガジン３０の底面３６を越えて延びる。これで、針７４は薬剤送達の準備ができた。

薬剤送達後、薬剤送達ペン２に取り付けられたアダプター６０は、針ポスト７０を第２の位置から第３の位置に上方に移動させる。この位置では、針７４の遠位端は第２のシール４８に配置され（図１３を参照）、針ポスト７０は、空洞３８の突起４０および針ポスト７０のロッキング部材７６を介して空洞３８にロックされる。針７４の遠位端は、この位置で第２のシール４８を通って延びることはない。貫通された第１のシール４６はもはや使用できず、ユーザーは、空洞３８内の針７４が使用されたことを視覚的に見ることができる。

図３および４はまた、針マガジン３０が、複数の空洞３８の底面３６および遠位端４４を覆う取り外し可能なキャップ５０を含むことを示している。キャップ５０は、針７４を曲がったり、不注意による固着などの誤用から保護するために底面３６に係合する透明な部材である。キャップ５０はまた、底面３６が薬剤が患者の皮膚に送達されるときに使用される取り付け面であるため、底面３６を損傷から有利に保護する。針７４が薬剤送達の準備ができており、針７４が底面３６を超えて延びるとき、針７４が露出するようにキャップが取り外される。

底面３６は、有利には、取り付け面の増加した取り付け面を提供し、圧力または注入力を取り付け面の表面積全体に均一に分散させることによって、挿入部位での局所的な圧力を低減する。取り付け面はまた、針７４の注射前に皮膚を自動的に伸ばして平らにすることによって、皮膚表面への正確で一貫した針の深さを有利に改善する。具体的には、針７４が皮膚の皮下領域を超えて挿入された場合、患者の筋肉に望ましくない方法でアクセスする可能性がある。針７４が皮下領域ではなく皮膚の真皮または表皮領域に挿入および配置された場合、患者は適切な投薬効果を経験しない可能性がある。最後に、取り付け面は、針７４が皮膚の表面に対して実質的に９０°の角度で正確に挿入され得るように、平坦な表面を有利に提供する 。このような取り付け面は、注入（injection）の再現性を向上させ、注入のばらつきを低減する。

複数の空洞３８のそれぞれは、それぞれの針７４に固定された針ポスト（needle post）７０を含む。各針ポスト７０は、スナップリング溝７２およびロッキング部材７６を含む。スナップリング溝７２は、アダプター６０のスナップリング部材６４と係合するように構成される。具体的には、アダプター６０が薬剤送達ペン２に接続され、複数の空洞３８のうちの１つに入ると、針ポスト７０のスナップリング溝７２は、アダプター６０のスナップリング部材６４と嵌合する。この係合により、薬剤送達ペン２に接続されたアダプター６０は、針ポスト７０を第１の位置から第２の位置および第３の位置に移動させることができる。

針ポスト７０のロッキング部材７６は、針ポスト７０の外面上に円周方向に配置された複数の線形スロットである。ロッキング部材７６の複数の線形スロットのうちの１つは、空洞３８のそれぞれの突起４０と係合するように構成される。あるいは、突起４０は、針ポスト７０の上面と係合して、針ポスト７０を空洞３８内にロックすることができる。針ポスト７０は、突起４０と相互作用しながら、３つの位置の間を移動する。これらの位置について、以下に簡単に説明する。

第１の位置では、針ポスト７０は第１および第２のシール４６、４８の間に配置され、針７４の遠位端は好ましくは第２のシール４８に配置され、針７４は使用の準備ができている。この位置では、針ポスト７０の外面が突起４０を圧縮する。

第２の位置では、針ポスト７０は、薬剤送達ペン２に接続されたアダプター６０によって第１の位置から下向きに動かされる。この位置で、針７４は、第２のシール４８を貫通して延在し、薬剤送達の準備ができている。さらに、針ポスト７０は、突起４０が針ポスト７０の上に配置されている空洞３８の突起４０を越えて移動する。

針７４が使用された後、針ポスト７０は第３の位置に移動される。第３の位置では、針ポスト７０が第２の位置から上方に移動し、ロッキング部材７６が空洞３８の突起４０と係合する。この位置では、針ポスト７０は空洞３８内にロックされており、第１または第２の位置に移動することができず、また空洞３８から取り外すこともできない。さらに、針７４の遠位端は、第２のシール４８内に配置され、もはや第２のシール４８を通って延びることはない。最後に、針ポスト７０の第３の位置は、第１の位置と第２の位置との間にある。したがって、針ポスト７０は、第１の位置と比較して上面３４から凹んだ位置に配置され、針７４が使用されていることをユーザーに有利に示す。

ペンアセンブリ１の詳細な動作を以下に説明する。図５は、針マガジン３０の１つおよびアダプター６０が針貯蔵容器１０の第１のコンパートメント１４から取り外されているペンアセンブリ１を示している。図１および２に示されるように、ユーザーは、任意選択で、針貯蔵容器１０の第２のコンパートメント１６に配置された洗浄材１８を使用することによって、針マガジン３０の底面３６およびアダプター隔壁６２を洗浄することができる。

アダプター６０はまた、薬剤送達ペン２に取り付けられている。具体的には、アダプター６０の雌ネジ６６は、薬剤送達ペン２の雄ネジ４と係合する。雌ネジ６６と雄ネジ４が完全に係合すると、アダプター６０の中空の突出部分６８が、薬剤送達ペン２の隔壁６を貫通して、流体の連絡を確立する。続いて、ユーザーは、薬剤送達ペン２を、針マガジン３０内の複数の空洞３８のうちの１つに位置合わせする。第１のシール４６の存在および色は、有利には、それぞれの空洞３８が以前にアクセスされていないことを示す。これで、ペンアセンブリ１を操作する準備ができた。

図６は、薬剤送達ペン２に接続されたアダプター６０を、針マガジン３０内の複数の空洞３８のうちの１つに押し込むユーザーを示している。第１に、アダプター６０は、保持プレート３２の空洞３８の１つと整列した穴の１つに入る。保持プレート３２は、有利には、薬剤送達ペン２を配向し、空洞３８の１つへのアダプター６０の角度付き挿入を低減する。次に、アダプター６０は、第１のシール４６を貫通して、空洞３８のうちの１つの針７４にアクセスする。第１のシール４６は、複数の空洞３８のそれぞれの気密、液体、または気密シールのための使い捨てシールである。

図７は、薬剤送達ペン２に接続され、第１の位置に配置された針ポスト(needle post)７０の１つに係合するアダプター６０を示し、具体的には、アダプター６０のスナップリング部材６４は、針ポスト７０のスナップリング溝７２と係合する。同時に、針７４の近位端は、アダプター６０のアダプター隔壁６２を貫通する。したがって、針７４の遠位端は、薬剤送達ペン２と流体連絡している。針ポスト７０の第１の位置において、針７４の遠位端は、好ましくは、第２のシール４８の上に配置されるか、または交互に第２のシール４８に配置される。いずれの場合も、針７４の遠位端は、この位置で第２のシール４８を通って延びることはない。また、第１の位置では、針ポスト７０の外面は、空洞３８の突起４０を圧縮する。

図８は、第１の位置から第２の位置に針ポスト７０を押す薬剤送達ペン２に接続されたアダプター６０を示している。第２の位置は、薬剤送達ペン２の遠位面が保持プレート３２の上面に接触したときに到達する。第２の位置では、針ポスト７０は、空洞３８内の突起４０を通過して移動する。針７４の遠位端は、第２のシール４８を通って延びる。

針ポスト７０が第１の位置から第２の位置に移動するにつれて、空洞３８はより狭くなる。先細りの空洞３８は、アダプター６０のスナップリング部材６４と針ポスト７０のスナップリング溝７２との間の係合を有利に強化する。この強化された係合は、針ポスト７０が動いているときに、アダプター６０が針ポスト７０に不注意に外れる可能性を低減する。図９は、針マガジン３０の底面３６から取り外されたキャップ５０を示している。これで、針７４は薬剤送達の準備ができた。

図１０は、薬剤送達ペン２に接続され、針ポスト７０の第２の位置で針マガジン３０に係合され、針７４が薬剤送達のために患者の皮膚に挿入されるアダプター６０を示している。針７４が針マガジン３０内にある間に、薬剤が有利に送達される。この構成は、針７４の視界を最小限に抑えて、使用者および／または針恐怖症を有する患者の不安を軽減する。

さらに、針マガジン３０の底面３６は、針の挿入および薬剤送達中に患者の皮膚に接触する。マガジンの底面３６は、有利には、患者の皮膚表面に実質的に垂直に挿入される針７４のための増加した平坦な取り付け面を提供する。取り付け面は、患者の皮膚の挿入部位の周りに大きく平らな接触面を提供することにより、挿入部位での局所的な圧力および注射の痛みをさらに軽減し、圧力または注射力を取り付け面全体に均一に分散させる。取り付け面はまた、針７４の注射前に皮膚を自動的に伸ばして平らにすることによって、皮膚表面への正確で一貫した針の深さを有利に改善する。

薬剤送達後、図１１は、針７４の遠位端を遮蔽するために針マガジン３０の底面３６上に配置されたキャップ５０を示している。図１２は、針ポスト７０が第２の位置から第３の位置に上方に移動したことを示している。第３の位置では、空洞３８の突起４０は、針ポスト７０のロッキング部材７６と係合して、空洞３８内のそれ以上の動きから針ポスト７０をロックする。先細りの空洞３８は、有利には、針ポスト７０が第３の位置で空洞３８にロックする前に、アダプター６０が針ポスト７０から時期尚早に外れる可能性を低減する。

第３の位置はまた、針７４が空洞３８内に引き込まれ、針７４の遠位端が第２のシール４８内に配置されることを示している。針７４の遠位端は、この位置で第２のシール４８を通って延びることはない。針ポスト７０の第３の位置は、第１の位置と第２の位置との間にある。したがって、第３の位置にある針ポスト７０は、有利には、上面３４から凹んでおり、その結果、ユーザーは、針７４が使用されたことを視覚的に見ることができる。

図１３は、薬剤送達ペン２に接続され、針ポスト７０から外され、空洞３８から取り外されているアダプター６０を示している。したがって、針７４は、もはや薬剤送達ペン２と流体連絡していない。次に、ユーザーは、複数の空洞３８のうちの別の１つで別の針７４を使用して、上記の操作ステップを繰り返すことができる。

すべての針７４が使用され、針マガジン３０の空洞３８内の第３の位置に配置された後、ユーザーは、安全かつ無菌の処分のために、例えば、製造業者または廃棄物管理エンティティに郵便で針マガジン３０を有利に送ることができる。任意選択で、製造業者は、針マガジン３０の様々な構成要素を有利にリサイクルおよび再利用することができる。

例えば、製造業者は、針マガジン３０内の空洞３８の一部またはすべてを滅菌および再利用することができる。具体的には、製造業者は、１つまたは複数の空洞３８内で使用済み針７４を未使用針７４と交換し、それぞれの空洞３８をシール４６、４８でシールすることができる。次に、針マガジン３０は、出荷され、最終的に再利用のために販売され得る。

別の例では、針貯蔵容器１０を製造業者に送り返すことができる。製造業者は、第２のコンパートメント１６内の洗浄材１８を交換することができる。さらに、マガジン３０およびアダプター６０のすべての針７４を交換することができる。次に、針貯蔵容器１０は、出荷され、最終的に再利用のために販売され得る。

針７４の保管および使用、ならびに同じ針マガジン３０内での針７４の廃棄は、多くの利点（advantages）および利益（benefits）を提供する。針７４の保管および廃棄のために別個のパッケージを用意する必要はない。これは、針マガジン３０が針７４の使用と廃棄を有利に同期させるためである。この用途の広い配置は、より良い使用法を提供し、ワークフローを最適化し、セットアップ時間を最小化し、スペースを最適化する。

特定の例示的な実施形態の上述した詳細な説明は、本発明の原理、およびその実際の用途の説明で提供されたものであり、それによって、当業者が、さまざまな実施形態に対する本発明、また、特定の使用を考慮したものに適するようなさまざまな修正を伴った本発明を理解することが可能となる。ここでの説明は、必ずしも網羅的であることを意図しものではなく、または、必ずしも本発明を説明された詳細な実施形態に限定することを意図するものではない。加えて、本明細書に開示される実施形態、特徴および／または要素のうちの任意のものは、組み合わされる実施形態、特徴および／または要素が互いに矛盾しない限り、具体的に開示されない様々な付加的な組み合わせを形成するように互いに組み合わされてもよい。したがって、追加の実施形態が可能であり、本明細書および本発明の範囲内に包含されることが意図されている。本明細書は、別の方法で達成することができるより一般的な目標を達成するための具体的な例を説明している。

本出願で使用されるとき、「前」、「後」、「上の」、「下の」、「上方へ」、「下方へ」の用語、および他の方向の記述子は、本発明の例示的な実施形態の説明を容易にすることを意図し、本発明の例示的な実施形態の構造を特定の位置または方向に限定することを意図するものではない。「実質的に」または「およそ」などの程度の用語は、所与の値の周りの合理的な範囲、例えば、記載される実施形態の製造、組み立て、および使用に関連する一般的な許容範囲を参照することが当業者によって理解される。

Claims (26)

1. 複数の未使用および使用済みの針（７４）を運ぶことができる針マガジン（３０）と、
   薬剤送達ペン（２）と係合するように構成されたアダプター（６０）と、
   洗浄材（１８）を運ぶように構成された第２のコンパートメント（１６）と、を含む第１のコンパートメント（１４）を備え、
   前記第１のコンパートメント（１４）は前記第２のコンパートメント（１６）から密閉されている、針貯蔵容器（１０）。
2. 前記第１および第２のコンパートメント（１４、１６）を含むメインハウジング（１２）と、
   前記第１のコンパートメント（１４）を前記第２のコンパートメント（１６）から分離する壁（２０）と、
   をさらに含む、請求項１に記載の針貯蔵容器（１０）。
3. 前記第１および第２のコンパートメント（１４、１６）のそれぞれを囲む（enclosing）コンパートメントカバー（２２）をさらに備える、請求項２に記載の針貯蔵容器（１０）。
4. 前記アダプター（６０）の近位端は、隔壁（６２）を含む、請求項１に記載の針貯蔵容器（１０）。
5. 前記アダプター（６０）は、前記針マガジン（３０）内の前記針（７４）を運ぶ針ポスト（７０）と係合するように構成されたスナップリング部材（６４）を含み、
   前記針（７４）は、薬剤送達の間、前記針マガジン（３０）に留まる、請求項１に記載の針貯蔵容器（１０）。
6. 針ポスト（７０）に固定された針（７４）をそれぞれ運ぶ複数の空洞（３８）と、
   前記複数の空洞（３０）のそれぞれの近位端に配置された第１のシール（４６）と、
   前記複数の空洞（３０）のそれぞれの遠位端に配置された第２のシール（４８）と、を含み、
   前記針ポスト（７０）の第１の位置では、前記針（７４）は前記第１および第２のシール（４６、４８）の間に囲まれ、
   前記針ポスト（７０）の第２の位置では、前記第１のシール（４６）が貫通され、前記針（７４）が貫通し、薬剤送達（２）のために前記第２のシール（４８）を通って延び、
   前記針ポスト（７０）の第３の位置では、前記針（７４）はもはや前記第２のシール（４８）を通って伸びず、廃棄の準備ができている、針マガジン（３０）。
7. 上面（３４）に配置された保持プレート（３２）を備え、
   前記第１のシール（４６）は、前記保持プレート（３２）と前記上面（３４）との間に配置されている、請求項６に記載の針マガジン（３０）。
8. 前記複数の空洞（３８）は、各空洞（３８）の遠位端が各空洞（３８）の近位端よりも直径が小さくなるように先細になっている、請求項６に記載の針マガジン（３０）。
9. 底面（３６）を囲むキャップ（５０）をさらに備える、請求項６に記載の針マガジン（３０）。
10. 前記第２の位置において、前記針ポスト（７０）が前記第１の位置から下向きに移動する、請求項６に記載の針マガジン（３０）。
11. 前記第３の位置において、前記針ポスト（７０）が前記第２の位置から上方に移動する、請求項６に記載の針マガジン（３０）。
12. 前記第３の位置は、前記第１の位置と前記第２の位置との間にある、請求項６に記載の針マガジン（３０）。
13. 請求項６の前記針マガジン（３０）と、
    薬剤送達ペン（２）と、
    近位端で前記薬剤送達ペン（２）と係合するように構成され、遠位端で針ポスト（７０）と係合するように構成されたアダプター（６０）と、
    を含む、ペンアセンブリ（１）。
14. 前記アダプター（６０）は、前記針ポスト（７０）のスナップリング溝（７２）と係合するように構成されたスナップリング部材（６４）を含む、請求項１３に記載のペンアセンブリ（１）。
15. 前記アダプター（６０）が、流体連絡を確立するために前記薬剤送達ペン（２）の隔壁（６）を貫通するように構成された突起を含む、請求項１３に記載のペンアセンブリ（１）。
16. 前記アダプター（６０）の遠位端は、前記針ポスト（７０）内の前記針（７４）によって貫通されるように構成された隔壁（６２）を含む、請求項１３に記載のペンアセンブリ（１）。
17. 前記アダプター（６０）が前記針ポスト（７４）を前記第１の位置から前記第２の位置に押して、前記アダプター（６０）が前記第１のシール（４６）を貫通し、前記針（７４）が第２のシール（４８）を貫通して延びる、請求項１３に記載のペンアセンブリ（１）。
18. 前記薬剤送達ペン（２）は前記アダプター（６０）に接続され、前記アダプター（６０）は前記針ポスト（７０）に係合して、
    前記針（７４）の遠位端は、前記薬剤送達ペン（２）と流体連絡して、薬剤送達の準備ができていて、
    底面（３６）は、皮膚表面に接触して注射用の取り付け面を提供するように構成されて、
    前記針ポスト（７４）の前記第２の位置にある、請求項１３に記載のペンアセンブリ（１）。
19. 前記アダプター（６０）は、前記針ポスト（７０）を前記第２の位置から前記第３の位置まで上方に引っ張って、廃棄のために前記針（７４）を引っ込める、請求項１３に記載のペンアセンブリ（１）。
20. 前記針（７４）は、前記薬剤送達ペン（２）と流体連絡しておらず、
    前記針ポスト（７０）は、前記空洞（３８）内の突起（４０）と係合して前記針ポスト（７０）を前記第３の位置にロックするロッキング部材（７６）を含む、
    前記針ポスト（７０）の前記第３の位置にある、請求項１３に記載のペンアセンブリ（１）。
21. 薬剤送達ペン（２）と、
    前記薬剤送達ペン（２）に係合するように構成されたアダプター（６０）と、
    針ポスト（７０）に固定された針（７４）をそれぞれが運ぶ複数の空洞（３８）を有する針マガジン（３０）と、を備え、
    前記アダプター（６０）が前記薬剤送達ペン（２）に取り付けられ、前記複数の空洞（３８）のうちの１つに配置されると、流体連絡は前記針ポスト（７０）の前記針（７４）および薬剤送達ペン（２）で確立され、
    前記針ポスト（７０）は前記空洞（３８）内の前記第１の位置から前記第２の位置に移動されて、前記針（７４）が薬剤送達を提供するために底面（３６）を超えて延びる、ペンアセンブリ（１）。
22. 針マガジン（３０）に格納された複数の針（７４）を使用する方法であって、
    アダプター（６０）を薬剤送達ペン（２）に接続し、
    前記針（７４）を運ぶ針ポスト（７０）に前記アダプター（６０）を係合させて、前記薬剤送達ペン（２）と前記針（７４）との間の流体連絡を確立し、
    前記針ポスト（７０）を第１の位置から第２の位置に下向きに動かし、
    前記針（７４）を介して薬剤を投与（administering）し、
    前記針ポスト（７０）を前記第２の位置から第３の位置の上方に動かし、
    前記針マガジン（３０）内の複数のニードル（７４）のすべてを使用した後、前記針マガジン（３０）を製造業者または廃棄物管理者（waste management entity）に送る、方法。
23. 前記アダプター（６０）を前記針ポスト（７０）に係合させるステップの前に、前記針マガジン（３０）の前記空洞（３８）の１つの第１のシール（４６）を貫通することをさらに含む、請求項２２に記載の方法。
24. 薬剤を投与するステップの前に、前記マガジン（３０）の前記空洞（３８）のうちの１つの第２のシール（４８）を貫通することをさらに含む、請求項２２に記載の方法。
25. 薬剤を投与するステップの前に、前記針マガジン（３０）の底面（３６）を挿入部位（insertion site）に配置することをさらに含む、請求項２２に記載の方法。
26. 前記針マガジンを製造業者に送るステップの前に、底面（３６）にキャップ（５０）を配置することをさらに含む、請求項２２に記載の方法。

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