JP2022534072A - 遺伝性血管性浮腫を、モデリング、シミュレーション、及び治療するための方法及び装置 - Google Patents

遺伝性血管性浮腫を、モデリング、シミュレーション、及び治療するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本出願の態様は、遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema:HAE)をモデリング、シミュレーション、及び治療するための方法及び装置を提供する。いくつかの態様によれば、HAE病態生理学の文脈下において薬物介入の有効性をシミュレーションするための、定量的システム薬理学(quantitative systems pharmacology:QSP)モデルが提供される。QSPモデルは、HAE患者における薬物曝露、標的エンゲージメント、及び急性発作率をシミュレーションするための1つ以上のPKモデル及び/又は1つ以上のPDモデルを含む、複数の個体モデルを含んでもよい。複数の仮想患者を表す仮想患者集団を開発し、仮想臨床試験を実行するためにQSPモデルに入力してもよい。いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、接触系の応答、及び/又はHAEを治療するための治療的介入の有効性を評価してもよい。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、これら各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「METHODS AND APPARATUSES FOR MODELING,SIMULATING,AND TREATING HEREDITARY ANGIOEDEMA」と題され、代理人整理番号D0617.70130US00の下で2019年5月23日に出願された米国仮出願第62/852,189号と、「METHODS AND APPARATUS FOR MODELING,SIMULATING,AND TREATING HEREDITARY ANGIOEDEMA USING PKA INHIBITORS」と題され、代理人整理番号D0617.70135US00の下で2020年3月11日に出願された米国仮出願第62/988,285号の、米国法典第35編119条(e)項に基づく利益を主張する。
遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema:HAE)とは、C1阻害タンパク質における問題によって引き起こされる常染色体優性遺伝疾患である。I型HAEはC1阻害タンパク質の欠損を特徴とし、一方でII型HAEはC1阻害タンパク質の機能不全を特徴とする。HAEには世界中の67,000人に1人が罹患していると推定されている。HAEは、顔面、喉頭、消化管、四肢、及び/又は生殖器の皮下又は粘膜下の浮腫(腫脹)の、予測不可能で断続的な発作として臨床的に現れる。根底にあるメカニズムは、血漿カリクレインが高分子量キニノーゲン(high molecular weight kininogen:HMWK)に作用し、ブラジキニンの放出をもたらし、内皮細胞上のB2受容体へのブラジキニンの結合に起因する血管拡張を引き起こす、「接触系」の過剰活性化に起因する。
いくつかの実施形態は、遺伝性血管性浮腫(HAE)をモデリング及びシミュレーションするためのコンピュータ実装方法であって、以下:HAEの定量的システム薬理学(quantitative systems pharmacology:QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;疾患予測記述子を決定することと;疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てることと;処理データを得るためにQSPモデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、以下:少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)をモデルリング及びシミュレーションするためのコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納した少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;疾患予測記述子を決定することと;疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てることと;処理データを得るためにQSPモデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)をモデルリング及びシミュレーションするためのコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納した、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体であって、以下:HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;疾患予測記述子を決定することと;疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てることと;処理データを得るためにQSPモデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、トリガに応じて患者の接触系の1つ以上の特徴を推定することによってトリガ強度を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;既知のデータを用いてQSPモデルを較正することと;トリガをQSPモデルに入力することであって、トリガが、接触系の第XII因子を自己活性化させることによってFXIIaを生成するように構成される、入力することと;QSPモデルから、トリガに応じて生成された接触系のある量のタンパク質を得ることと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、以下:少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、トリガに応じて患者の接触系の1つ以上の特徴を推定するためのコンピュータ実装方法を少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;既知のデータを用いてQSPモデルを較正することと;トリガをQSPモデルに入力することであって、トリガが、接触系の第XII因子を自己活性化させることによってFXIIaを生成するように構成される、入力することと;QSPモデルから、トリガに応じて生成されたある量の接触系のタンパク質を得ることと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、トリガに応じて患者の接触系の1つ以上の特徴を推定するためのコンピュータ実装方法を少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;既知のデータを用いてQSPモデルを較正することと;トリガをQSPモデルに入力することであって、トリガが、接触系の第XII因子を自己活性化させることによってFXIIaを生成するように構成される、入力することと;QSPモデルから、トリガに応じて生成されたある量の接触系のタンパク質を得ることと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;仮想患者集団内の1人以上の患者に第XII因子トリガ率を割り当てることであって、第XII因子トリガ率が、QSPモデルにおいて第XII因子の自己活性化が引き起こされる速度を含む、割り当てることと;処理データを得るために仮想患者集団内の1人以上の患者にQSPモデルを適用することであって、処理データがある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、適用することと;処理データに基づいて仮想患者集団内の1人以上の患者のHAE発作頻度を決定することと;HAE発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、以下:少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定するためのコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;仮想患者集団内の1人以上の患者に第XII因子トリガ率を割り当てることであって、第XII因子トリガ率が、QSPモデルにおいて第XII因子の自己活性化が引き起こされる速度を含む、割り当てることと;処理データを得るために仮想患者集団内の1人以上の患者にQSPモデルを適用することであって、処理データがある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、適用することと;処理データに基づいて仮想患者集団内の1人以上の患者のHAE発作頻度を決定することと;HAE発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定するためのコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;仮想患者集団内の1人以上の患者に第XII因子トリガ率を割り当てることであって、第XII因子トリガ率が、QSPモデルにおいて第XII因子の自己活性化が引き起こされる速度を含む、割り当てることと;処理データを得るために仮想患者集団内の1人以上の患者にQSPモデルを適用することであって、処理データがある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、適用することと;処理データに基づいて仮想患者集団内の1人以上の患者のHAE発作頻度を決定することと;HAE発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の有効性を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:仮想患者集団について投与された薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療において投与された薬物の有効性の指標を得ることと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の有効性を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について投与された薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)を用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療において投与された薬物の有効性の指標を得ることと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の有効性を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について投与された薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療において投与された薬物の有効性の指標を得ることと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬量の有効性を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:仮想患者集団について投与された薬物の投薬量の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療における投与された薬物の投薬量の有効性の指標を得ることと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬量の有効性を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について投与された投薬量の薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療における投与された薬物の投薬量の有効性の指標を得ることと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬量の有効性を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について投与された投薬量の薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためのHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療における投与された薬物の投薬量の有効性の指標を得ることと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの影響を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:仮想患者集団について投与された薬物の薬物動態パラメータを決定することであって、薬物動態パラメータが、投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの頻度を含む、決定することと;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療におけるノンアドヒアランスの頻度の効果を決定することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの影響を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について投与された薬物の薬物動態パラメータを決定することであって、薬物動態パラメータが、投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの頻度を含む、決定することと;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療におけるノンアドヒアランスの頻度の効果を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの影響を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について投与された薬物の薬物動態パラメータを決定することであって、薬物動態パラメータが、投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの頻度を含む、決定することと;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、HAEの治療におけるノンアドヒアランスの頻度の効果を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、遺伝性血管性浮腫(HAE)を治療する薬物の投与に応じて患者における接触系のタンパク質の量を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:仮想患者集団に対する薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成される、処理することと;処理データに基づいてタンパク質の量を決定することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、以下:少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)を治療する薬物の投与に応じて患者における接触系のタンパク質の量を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成される、処理することと;処理データに基づいて量のタンパク質を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)を治療する薬物の投与に応じて患者における接触系のタンパク質の量を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成される、処理することと;処理データに基づいて量のタンパク質を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、患者における接触系への薬物の効果を示す時間的プロファイルを決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:仮想患者集団について薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るために遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、薬物に応じた経時的な接触系のある量の1つ以上のタンパク質の尺度を決定することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、患者における接触系に対する薬物の効果を示す時間的プロファイルを決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るために遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、薬物に応じた経時的な接触系のある量の1つ以上のタンパク質の尺度を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、患者における接触系に対する薬物の効果を示す時間的プロファイルを決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るために遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、薬物に応じた経時的な接触系のある量の1つ以上のタンパク質の量の尺度を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、患者への薬物の投与に応じた遺伝性血管性浮腫(HAE)フレアアップの特徴を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:仮想患者集団について薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、患者への薬物の投与に応じたHAEフレアアップの特徴を決定することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、患者への薬物の投与に応じた遺伝性血管性浮腫(HAE)フレアアップの特徴を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読ハードウェア媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、患者への薬物の投与に応じたHAEフレアアップの特徴を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読ハードウェア媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、患者への薬物の投与に応じた遺伝性血管性浮腫(HAE)フレアアップの特徴を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読ハードウェア媒体であって、方法が、以下:仮想患者集団について薬物の薬物動態パラメータを決定すること;仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てること;処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて仮想患者集団を処理することであって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;処理データを用いて、患者への薬物の投与に応じたHAEフレアアップの特徴を決定することと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読ハードウェア媒体を提供する。
いくつかの実施形態は、遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルに入力するための複数の仮想患者を含む、仮想患者集団を開発する方法であって、QSPモデルが、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表し、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を出力するように構成され、方法が、以下:仮想患者集団に薬物動態パラメータを割り当てることと;仮想患者集団内の各患者のベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を決定することと;仮想患者集団内の各患者にベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を割り当てることと、を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態は、システムであって、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルに入力するための仮想集団を開発するための方法を実行させるプロセッサ実行可能命令を格納した少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、QSPモデルが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を出力するQSPモデルにトリガが入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、方法が、以下:仮想患者集団に薬物動態パラメータを割り当てることと;仮想患者集団内の各患者のベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を決定することと;仮想患者集団内の各患者にベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を割り当てることと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システムを提供する。
いくつかの実施形態は、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルに入力するための仮想集団を開発するための方法を実行させるプロセッサ実行可能命令を格納した少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、QSPモデルが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を出力するQSPモデルにトリガが入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、方法が、以下:仮想患者集団に薬物動態パラメータを割り当てることと;仮想患者集団内の各患者のベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を決定することと;仮想患者集団内の各患者にベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を割り当てることと、を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
本出願の様々な態様及び実施形態は、以下の図面を参照して説明される。図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。複数の図面に現れる項目は、それらが現れる全ての図において同じ参照番号で示されている。明確にする目的で、全ての構成要素が全ての図面においてラベリングされているわけではない。
図1は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの生物学的プロセスマップを示す。 図2は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEをモデリング、シミュレーション、治療するための、例示的なモデルの概要を示す。 図3は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、例示的なPKモデルを示す。 図4は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、例示的な接触活性化系PDモデルを示す。 図5は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、蛍光発生的アッセイPDモデルの形成に使用される例示的なインビトロアッセイ手順を示す。 図6は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、急性発作中のHAE患者のタンパク質レベル変化の例示的な図を示す。 図7は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAE患者における急性発作間の時間間隔の例示的な臨床的試料を示す。 図8Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、頻度(f)及び重症度(S)によって表される急性発作の薬物動態パラメータ及び傾向における、患者変異性を捕捉するHAE仮想患者集団の例示的な表現を示す。 図8Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEをシミュレーションするための複数の仮想患者を含む仮想患者集団を開発するための方法を示す。 図9Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、キニン-カリクレイン経路の自己活性化及び高レベルのブラジキニンの産生をもたらす、急性発作のトリガの例示的なモデルを示す。 図9Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、キニン-カリクレイン経路の自己活性化及び高レベルのブラジキニンの産生をもたらす、急性発作のトリガの例示的なモデルを示す。 図10は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、未治療HAE患者の報告された疼痛スコアによって示される、急性発作の異なる段階の例示的な表現を示す。 図11Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、仮想集団における急性発作モデリングの例を示す。 図11Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、仮想集団における急性発作モデリングの例を示す。 図11Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、仮想集団における急性発作モデリングの例を示す。 図12Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図3の例示的PKモデルを用いたシミュレーションされたPKプロファイルの例を示す。 図12Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図3の例示的PKモデルを用いたシミュレーションされたPKプロファイルの例を示す。 図13は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、例示的な1コンパートメントPKモデルを用いたシミュレーションされたPKプロファイルの例を示す。 図14Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、カリクレイン阻害活性の測定レベルの臨床データと比較した蛍光アッセイを表す、図5のPDモデルを用いたシミュレーション出力の例を示す。 図14Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、カリクレイン阻害活性の測定レベルの臨床データと比較した蛍光アッセイを表す、図5のPDモデルを用いたシミュレーション出力の例を示す。 図15は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、カリクレイン阻害活性の測定レベルの臨床データと比較した蛍光アッセイを表す、図5のPDモデルを用いたシミュレーション出力の例を示す。 図16は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、文献で報告されたある範囲のプレカリクレインレバー(250~650nM)に対する、ラナデルマブによるカリクレインの用量依存的阻害を示す。 図17Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、文献に報告されたHAE接触系のタンパク質の定常状態レベルと、図2の接触活性化系PDモデルを用いた予測レベルとの比較を示す。 図17Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、文献に報告されたHAE接触系のタンパク質の定常状態レベルと、図2の接触活性化系PDモデルを用いた予測レベルとの比較を示す。 図17Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、文献に報告されたHAE接触系のタンパク質の定常状態レベルと、図2の接触活性化系PDモデルを用いた予測レベルとの比較を示す。 図18Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図2のPDモデルを用いた臨床データ及び予測データにおける、ブラジキニンと第XIIa因子のレベルの例示的な比較を示す。 図18Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図2のPDモデルを用いた臨床データ及び予測データにおける、ブラジキニンと第XIIa因子のレベルの例示的な比較を示す。 図18Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図2のPDモデルを用いた臨床データ及び予測データにおける、ブラジキニンと第XIIa因子のレベルの例示的な比較を示す。 図19Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図2のPDモデルを用いた急性発作下にあるHAE患者からの臨床データ及び予測データにおける、cHMWKレベルの例示的な比較を示す。 図19Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図2のPDモデルを用いた急性発作下にあるHAE患者からの臨床データ及び予測データにおける、cHMWKレベルの例示的な比較を示す。 図19Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図2のPDモデルを用いた急性発作下にあるHAE患者からの臨床データ及び予測データにおける、cHMWKレベルの例示的な比較を示す。 図20は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、本開示の態様を実装するための例示的なコンピューティングデバイスを概略的に示す。 図21は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、異なる投薬量のラナデルマブで治療されたHAE患者における、臨床データと図2の接触活性化系PDモデルからのシミュレーション出力との、cHMWKレベルの比較を示す。 図22は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、異なる投薬量のラナデルマブで治療されたHAE患者における、臨床データと図2の急性発作PDモデルからのシミュレーション出力との、cHMWKレベルの比較を示す。 図23は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、異なる投薬量のラナデルマブで治療されたHAE患者についての、臨床データと急性発作PDモデルからのシミュレーション出力とのHAE急性発作率の比較を示す。 図24Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者についての、ブラジキニンレベル及びBDKR-B2受容体占有率の例示的な時間的プロファイルを示す。 図24Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者についての、ブラジキニンレベル及びBDKR-B2受容体占有率の例示的な時間的プロファイルを示す。 図25Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者集団における、毎月の発作率と発作重症度との間の例示的な関係を示す。 図25Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者集団における、毎月の発作率と発作重症度との間の例示的な関係を示す。 図26Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者集団における、毎月の発作率と発作頻度との間の例示的な関係を示す。 図26Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者集団における、毎月の発作率と発作頻度との間の例示的な関係を示す。 図27は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、毎月の発作率と、カリクレインに対するラナデルマブの結合親和性との間の例示的な関係を示す。 図28は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、観察されたブラジキニンレベルと、システムモデルパラメータとの例示的な関係を示す。 図29は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療をモデリングし、シミュレーションし、評価するための、コンピュータ実装システム及び方法を示すフローチャートである。 図30は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEをモデリング及びシミュレーションするための例示的な方法を示す。 図31は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、トリガに応じて患者の接触系の1つ以上の特徴を推定するための例示的な方法を示す。 図32は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAE発作頻度と第XII因子の自己活性化のトリガ率との間の関係を決定するための例示的な方法を示す。 図33は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における投与された薬物の有効性を決定するための例示的な方法を示す。 図34は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、患者への薬物の投与に応じてHAEフレアアップの特徴を決定する方法を示す。 図35は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEを治療するための薬物の投与に応じて、患者の接触系のタンパク質の量を決定するための例示的な方法を示す。 図36Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における薬物有効性と、結合親和性と、半減期との間の例示的な関係を示す。 図36Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における薬物有効性と、結合親和性と、半減期との間の例示的な関係を示す。 図36Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における薬物有効性と、結合親和性と、半減期との間の例示的な関係を示す。 図37は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、投与された薬物の毎月の発作率と阻害定数との例示的な関係を示す。 図38は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、患者の接触系に対する薬物の効果を示す時間的プロファイルを決定するための例示的な方法を示す。 図39は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における投与された薬物の投薬量の有効性を決定するための例示的な方法を示す。 図40は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、薬物曝露とHAE発作応答との例示的な関係を示す。 図41は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、例示的な関係の薬物曝露及びHAE発作応答を示す。 図42は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における投与された薬物の投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの影響を決定するための例示的な方法を示す。 図43Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、投薬レジメンに対するノンアドヒアランスと、ブラジキニンレベルとの間の例示的な関係を示す。 図43Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ノンアドヒアランス率と発作頻度との間の例示的な関係を示す。
序論
本出願の態様は、遺伝性血管性浮腫をモデリング、シミュレーション、及び治療するための方法及び装置を提供する。特に、本出願の態様は、遺伝性血管性浮腫(HAE)をモデリング、シミュレーション、及び治療するための定量的システム薬理学(QSP)モデルを提供する。いくつかの実施形態では、QSPモデルは、FXII自己活性化をトリガとして用いてHAEをモデリングするように構成され得る。例えば、QSPモデルは、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって、第XII因子の自己活性化を表すように構成され得る。いくつかの実施形態では、QSPモデルは、HAEを治療するための新規及び既存の治療様式を評価するために適用され得る。
いくつかの実施形態では、本出願に記載されたQSPモデルの使用は、臨床的に得ることが非現実的又は不可能である患者の接触系に関する、様々な種類の情報を提供し得る。例えば、QSPモデルは、他の種類の情報の中でも、接触系のタンパク質(例えば、ブラジキニン、cHMWK、血漿カリクレイン、FXIIaなど)のレベル、HAE急性発作頻度、重症度、及び持続時間を、出力として提供し得る。いくつかの実施形態では、QSPモデルは、HAEに対する治療的介入の効果を評価するための仮想臨床試験を実行するための仮想集団で実装され得る。そのような実施形態では、治療的介入の属性(例えば、半減期、結合親和性、用量、用量頻度、投薬レジメン、ノンアドヒアランス率)を、QSPモデルの出力と相関させて、治療的介入の有効性を決定してもよい。本発明者らは、そのような技術が、HAE分野における新規でより効果的な治療様式の開発を促進し得ることを認識した。
遺伝性血管性浮腫の概要
本出願のいくつかの態様によれば、本明細書に記載の装置及び方法を使用して、「クインケ浮腫」、C1エステラーゼ阻害物質欠乏症、C1阻害物質欠乏症としても知られ、以前は遺伝性血管神経性浮腫(hereditary angioneurotic edema:HAE)として知られていた、遺伝性血管性浮腫(HANE)を、モデリング、シミュレーション、治療してもよい。HAEは、身体の1つ以上の部分(例えば、四肢、顔面、生殖器、胃腸管、及び気道)に影響を及ぼし得る、重度の皮下又は粘膜下腫脹(血管性浮腫)の予測不可能な再発性発作を特徴とする。(Zuraw、2008年)。HAEの症状には、例えば、腕、脚、唇、目、舌及び/又は喉の腫脹、喉の腫脹を伴い得る気道閉塞、突然の声がれ、並びに/又は窒息による死が含まれ得る。(Borkら、2012年;Borkら、2000年)。全HAE患者のおよそ50%が生涯で喉頭発作を経験し、どの患者が喉頭発作のリスクがあるかを予測する方法はない。(Borkら、2003年;Borkら、2006年)HAE症状としてはまた、明白な原因のない腹部疝痛及び/又は腸の腫脹の反復エピソードを挙げることができ、これは、重度であり得、腹部疝痛、嘔吐、脱水、下痢、疼痛、ショック、及び/又は腹部の緊急事態に似ており、不必要な手術をもたらし得る、腸症状をもたらし得る。(Zuraw、2008年)。腫脹は、最大で5日間以上続くことがある。ほとんどの患者は、1年に複数回の発作を経験する。気道の腫脹は生命を脅かすことがあり、一部の患者では死を引き起こすことがある。HAEの死亡率は15~33%と推定され、HAEは、年間約15,000~30,000件の救急科の受診につながる。
HAEは希少障害(orphan disorder)であり、その正確な有病率は不明であるが、現在の推定値は10,000人に1人~150,000人に1人の範囲であり、多くの著者は、50,000人に1人が最も近い推定値である可能性が高いことに同意している。(バイガム、2009年;Goringら、1998年;Leiら、2011年;Nordenfeltら、2014年;Rocheら、2005年)。HAEは常染色体優性パターンで遺伝するので、罹患者は1人の罹患した親から突然変異を継承し得る。遺伝子の新たな突然変異も起こり得、したがってHAEは、家族に障害の病歴がない人に起こり得る。症例の20~25%が新たな自然突然変異に起因すると推定される。
成人と同様に、HAEを有する小児は、再発性及び消耗性の発作に苦しむことがある。症状は小児期に最初に現れることがあり、小児期の非常に早い時期に上気道血管性浮腫があり、HAE患者では3歳という若さで報告されており、思春期に悪化する。(Borkら、2003年)。49人の小児HAE患者の一症例研究では、23人が18歳までに気道血管性浮腫の少なくとも1エピソードを経験していた(Farkas、2010年)。この疾患は一般的に思春期後から悪化するので、HAEを有する小児、特に青年の間には、重要な満たされていない医学的必要性が存在する(Bennett及びCraig、2015年;Zuraw、2008年)。
いくつかの実施形態では、I型、II型、及びIII型として知られる3種類のHAEがあり、I型及びII型は、本明細書に記載の技術によってモデリング、シミュレーション、及び治療することができる。HAEは50,000人に1人が発症し、I型は症例の約85%を占め、II型は症例の約15%を占め、III型は非常にまれであると推定される。
SERPING1遺伝子の突然変異は、遺伝性血管性浮腫I型及びII型を引き起こす。SERPING1遺伝子は、炎症を制御するために重要であるC1阻害タンパク質(C1-INHタンパク質とも呼ばれる)を作製するための命令を与える。C1阻害物質は、炎症を促進する血漿カリクレインの生成を含む、特定のタンパク質の活性を遮断する。I型遺伝性血管性浮腫を引き起こす突然変異は、血中のC1阻害物質のレベルの低下をもたらす。対照的に、II型を引き起こす突然変異は、異常に機能するC1阻害物質の産生をもたらす。患者のおよそ85%は、機能的に正常なC1-INHタンパク質の非常に低い産生を特徴とするI型HAEを有するが、一方で患者の残りのおよそ15%はII型HAEを有し、正常又は上昇したレベルの機能的に障害されたC1-INHを産生する(Zuraw、2008年)。
接触活性化系のキニン-カリクレインカスケードの活性化を制御するための適切なレベルの機能的C1阻害物質がないと、高分子量キニノーゲン(HMWK)から過剰な量のブラジキニンが生成され、内皮細胞の表面上のB2受容体(B2-R)へのブラジキニンの結合によって媒介される血管漏出が増加する(Zuraw、2008年)。ブラジキニンは、血管壁を通る体液の体組織への漏出を増加させることによって、炎症を促進する。体組織における体液の過剰な蓄積は、I型及びII型HAEを有する個体に見られる腫脹のエピソードを引き起こす。
特に、図1は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの生物学的プロセスマップを示す。QSPモデルの部分は、生物学的プロセスマップ上で更に標識され、本明細書で更に説明される。本明細書に記載されるように、HAEは、接触活性化系の制御の欠陥によって引き起こされる。接触系の中心はキニン-カリクレインカスケードである。例えば、本明細書中に記載されるように、1つ以上のトリガに起因して第XII因子が自己活性化される場合、FXIIはその活性型FXIIaに変換される。FXIIの活性化は、プレカリクレインを血漿カリクレインに切断し、次に一本鎖高分子量キニノーゲン(HMWK)を切断する。一本鎖HMWKの切断は、切断された高分子量キニノーゲン(cHMWK)及び強力な浮腫促進ペプチドであるブラジキニンの遊離をもたらす。ブラジキニンは、内皮細胞の表面上のその受容体(BDKR-B2)に結合し、細胞骨格の再編成及び細胞-細胞接合部の分離をシグナル伝達し、最終的には体液が組織内に入る(浮腫)。健康個体では、キニン-カリクレインカスケードは、第XIIa因子及びカリクレインの両方に結合して阻害し、異常な経路活性化を防止する血漿C1-INHによって、平衡状態に保たれる。しかしながら、HAEを有する個体の場合、内因性C1-INHレベルが不充分であるか、又はC1-INHが異常なプロテアーゼ阻害剤機能を有し、接触系の活性化が頻繁かつ重度であり得る(本明細書では、急性発作と呼ばれる)。
外傷又はストレス、例えば、歯科的手順、病気(例えば、風邪及びインフルエンザなどのウイルス性疾患)、月経、及び手術は、血管性浮腫の発作を引き起こす可能性がある。HAEの急性発作を予防するためには、患者は、以前に発作を引き起こした特定の刺激を回避しようと試みることができる。回避は、患者の日常生活に著しい中断を構成する可能性があり、多くの場合、患者の行動に関係なく、既知のトリガなしに発作が発生する可能性がある。平均して、未治療個体は1~2週間毎に発作を起こし、ほとんどのエピソードは約3~4日間続く(ghr.nlm.nih.gov/condition/hereditary-angioedema)。発作の頻度及び持続時間は、遺伝性血管性浮腫を有する人々の間、同じ家族の人々の間でさえ大きく異なり得る。
現在、HAEには数々の治療様式が存在する。HAEのためのいくつかの治療様式は、C1阻害物質の合成を刺激し得るか、又はC1阻害物質の消費を減少させ得る。ダナゾールなどのアンドロゲン薬物療法は、C1阻害物質の産生を刺激することによって、発作の頻度及び重症度を低下させることができる。より新しい治療は接触カスケードを発作する。エカランチド(KALBITOR(登録商標)、DX-88、Dyax)は血漿カリクレインを阻害し、米国で承認されている。イカチバント(FIRAZYR(登録商標)、Shire)はブラジキニンB2受容体を阻害し、欧州及び米国で承認されている。ラナデルマブ(Takhzyro又はSHP643)、活性化血漿カリクレインの完全ヒトIgG1組換えモノクローナル抗体阻害剤を含むいくつかの治療様式は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、代理人整理番号D0617.70110WO00の下で2019年12月6日に出願された「PLASMA KALLIKREIN INHIBITORS AND USES THEREOF FOR TREATING HEREDITARY ANGIOEDEMA ATTACK」と題する、PCT出願第PCT/US2016/065980号に記載されているように、HAEを有する又はHAEを有する疑いがある対象に抗体を投与することによって、HAE又はその症状を治療し、及び/又は予防を目的とする。そのような治療では、抗体を使用して、例えばインビボで血漿カリクレインの活性(例えば、血漿カリクレインの少なくとも1つの活性を阻害する、例えば、第XIIa因子及び/又はブラジキニン産生を減少させる)を阻害する。結合タンパク質は、単独で使用され得るか、又は作用物質、例えば、細胞傷害性薬物、細胞障害性酵素、若しくは放射性同位体にコンジュゲートされ得る。HAEの既存の治療様式の概要を以下の表1に示す。
Figure 2022534072000002
本明細書に記載の技術のいくつかの態様によれば、QSPモデルが提供され、HAEの治療における治療的介入の有効性を決定するための、例えば、接触活性化系のキニン-カルクレイン(kinin-kallkrein)カスケードに対する投与された薬物の効果を決定するための、コンピュータ実装方法で使用される。図1に示されるように、いくつかの実施形態では、ラナデルマブなどの薬物の薬物動態パラメータを、QSPモデルに入力して、HAE(例えば、HAEフレア頻度の低下を評価することによる)に対する薬物の影響を決定し得る。
定量的システム薬理学モデル開発
HAE及びHAEの潜在的な治療様式をよりよく理解するために、本発明者らは、HAEをモデリング、シミュレーション、及び治療するための、定量的システム薬理学(QSP)モデルを開発した。いくつかの実施形態によれば、QSPモデルは、文献中の生物学的データと、1つ以上の臨床試験からの臨床データとを用いて、パラメータ化及び検証される。
図2は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEをモデリング、シミュレーション、治療するための、例示的なモデルの概要を示す。図2に示すように、QSPモデルは、薬物動態(pharmacokinetic:PK)モデル及び1つ以上の薬力学(pharmacodynamics:PD)モデルを含む、複数の個々のモデルを含み得る。PKモデルは、例えば、患者の特徴(例えば、身長、体重、性別、年齢など)が、患者に投与される薬物にどのように影響するか(例えば、患者の血流中の薬物の濃度に影響を及ぼす)を記述する、1つ以上のPDモデルで使用するためのPKパラメータを提供し得る。1つ以上のPDモデルは、本明細書に記載されるように、キニン-カリクレインカスケードを含む、HAEがトリガされる接触系の一部を示し得る。図示した実施形態では、1つ以上のPDモデルは、本明細書で更に説明するように、治療的介入によるカリクレインの阻害をモデリングするための蛍光発生的アッセイPDモデルと、キニン-カリクレインカスケード全体をモデリングするための接触活性化系PDモデルとを含む。
図2に示すQSPモデルは、急性発作(本明細書ではHAEフレア又はフレアアップとも呼ばれる)のトリガを説明するための接触活性化系PDモデルと統合された、急性発作モデルを更に含む。測定された臨床転帰には、浮腫、疼痛、及び急性発作が含まれ得る。PDモデルは、他の特徴の中でも、急性発作の頻度及び重症度を予測するための出力を提供することができる。
いくつかの実施形態では、QSPモデルは、FXII自己活性化をトリガとして用いてHAEをモデリングするように構成され得る。例えば、本明細書で説明するように、HAEフレアアップは、いくつかのトリガに従っていつでも発生する可能性がある。場合によっては、HAEフレアアップの原因は未知であり、特定のトリガに直接関連しない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、QSPモデルは、特定のトリガが何であるかを分析することなく、トリガがQSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって、第XII因子の自己活性化を表すように構成され得る。このようにして、異なるフレアアップトリガの不均一性は、QSPモデルによってバイパスされ得る。
いくつかの実施形態では、QSPモデルは、HAEをモデリング、シミュレーション、及び治療するためのコンピュータ実装方法で利用される。例えば、本明細書に記載の様々なPK及びPDモデルを使用して、HAEに対する新規又は既存の治療様式の有効性を評価することができる。いくつかの実施形態では、個々のモデルの一部のみが、コンピュータ実装方法でQSPモデルを実装する場合に利用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、QSPモデルは、PKモデルを用いずに実装されて、トリガに応じた接触系の応答をよりよく理解することができ、治療的介入がない。したがって、本明細書で使用される場合、定量的システム薬理学(QSP)モデルは、本明細書に記載されるPK及びPDモデルの任意の組合せを包含すると理解されるべきである。
PKモデル
いくつかの態様によれば、QSPモデルは、PDモデルにPKパラメータを提供するためのPKモデルを含む。図3は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、例示的なPKモデルを示す。PKモデルは、薬物が特定の患者によってどのように吸収及び分布されるか、より具体的には、異なる組織への薬物の分布の速度及び程度、並びに薬物の排出速度を記述することができる。PKモデルは、全身にわたる薬物の通過を記述する一連の微分方程式としてモデリングされ得る。
図3に示されるように、PKモデルは、皮下(subcutaneous:SC)デポーを有する単一コンパートメントPKモデルである。いくつかの実施形態では、非コンパートメントPKモデルが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、PKモデルは、SCデポーを有する2コンパートメントPKモデルであり得る。特に、PKモデルは、中央コンパートメントと周辺コンパートメントとに分けられ得る。中央コンパートメントは、薬物の分布がより迅速に起こる血漿及び組織からなり、一方で周辺コンパートメントは、薬物の分布がよりゆっくり起こる組織及び血漿からなる。本発明者らは、複数のコンパートメントを有するPKモデルの使用が、薬物の分布における不均一性を説明し得ることを認識した。
PKモデルは、患者における薬物のPK挙動をモデリングするために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、PKモデルを使用して、ラナデルマブなどの既存の治療様式のPK挙動をモデリングする。いくつかの実施形態では、PKモデルは、新規及び/又は以前に試験されていない薬物のPK挙動をモデリングするために使用され得る。例えば、モデリングされる薬物の吸収速度(ka)及びバイオアベイラビリティ(F)をPKモデルに入力することができ、患者における薬物の予測濃度をPDモデルに入力するために出力することができる。
PDモデル
いくつかの態様によれば、QSPモデルは、HAEをモデリングするための1つ以上のPDモデルを含む。図示した実施形態では、QSPモデルは、3つの個々のPDモデル:(1)接触活性化系PDモデル;(2)蛍光発生的アッセイPDモデル;及び(3)急性発作臨床転帰モデルを含む。図示した実施形態では、蛍光発生的アッセイPDモデルは、接触活性化系PDモデルのサブセットとして構成され、QSPモデルをパラメータ化するためのパラメータ(例えば、カリクレイン阻害に関連するパラメータ)を推定するために使用される。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、フロウロジェニック(flourogenic)アッセイPDモデルをQSPモデルの開発に使用し、接触活性化系PDモデル及び急性発作臨床転帰モデルをQSPモデルの適用に使用する。表2は、PDモデルで使用される変数のリストを示す。
Figure 2022534072000003
Figure 2022534072000004
図4は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、例示的な接触活性化系PDモデルを示す。接触活性化系PDモデルは、血管作用性ペプチド(ブラジキニン)を放出するために内皮細胞表面で活性化される、接触因子タンパク質、FXII/FXIIa、preKAL/KAL(カリクレイン)、及びHMWK(高分子量キニノーゲン)を含む接触系のキニン-カリクレインカスケードを記載する。経路は、血漿中及び上皮細胞表面上の受容体複合体付近のこれらのタンパク質及びそれらの複合体を含む、活性化及び切断反応のカスケードである。これらの反応は、図4の例示的な図に示されており、以下の表3aに列挙されている。モデルの全てのタンパク質の支配型方程式を以下の表3bに示す。
Figure 2022534072000005
Figure 2022534072000006
Figure 2022534072000007
Figure 2022534072000008
Figure 2022534072000009
Figure 2022534072000010
Figure 2022534072000011
Figure 2022534072000012
接触活性化系PDモデルに関与するタンパク質のうち1つは、第XII因子(FXII)である。FXIIは、単一のポリペプチド鎖からなる80kDaのグリコシル化タンパク質であり、健康な個体では30μg/mL(375nM)の中央濃度でチモーゲンとして血漿中を循環する。アニオン性表面と接触する際、Zn2+イオンの存在下において、FXIIはコンフォメーション再編成を受け、カリクレインによる自己活性化又は切断をもたらしてFXIIa(FXIIの活性化形態)を生成する。
接触活性化系PDモデルに関与する別のタンパク質は、プレカリクレイン(preKAL)であり、これは、健康個体において31μg/mL(365nM)の中央濃度でチモーゲンとして血漿中を循環する単一のポリペプチド鎖からなる分子量85kDaの糖タンパク質であり、推定75%がHMWKに結合している。preKALは、preKAL-HMWK複合体を介してZn2+依存性相互作用で内皮細胞、血小板、及び顆粒球に結合する。preKALはFXIIaによって切断されて、二本鎖酵素カリクレインであるKALを生じる。プロリルカルボキシペプチダーゼ(Prolylcarboxypeptidase:PRCP)は、カリクレインに対するプレカリクレインの内皮細胞活性化因子として同定されている。
接触活性化系PDモデルに関与する第3のタンパク質は、健康個体において80μg/mL(670nM)の血漿濃度を有する120kDaの非酵素的糖タンパク質である、高分子量キノーゲン(high molecular weight kinogen:HMWK)である。HMWKは、遊離形態又は複合化形態(preKAL又はKALを含む)の両方で血漿中を循環する。preKAL及びKALに対するHMWKの結合親和性は同様であり、それぞれ、12nM及び15nMのKdを有する。
図4に示す接触活性化系PDモデルは、分子反応のカスケードとして上記の接触因子に関連する、結合、切断、及び活性化工程をモデリングする。
細胞表面上のキニン-カリクレイン接触因子タンパク質の構築は、uPAR(ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化受容体)、並びに補因子gC1q-R(補体タンパク質C1q)及びCK1(サイトケラチン1)を介して媒介される。内皮細胞の表面では、gC1q-R(Zn+2イオンのレベルが上昇し、内皮細胞及び活性化血小板から放出される)が、主にFXII/HMWK/preKALの構築及び活性化を担う。このモデルは、内皮細胞上の既知の数の受容体、補因子、及びこれらの複合体に基づく、いくつかの仮定を組み込んでいる。例えば、gC1q-Rは細胞当たり100万超と最も豊富であるが、一方でuPAR(250,000/細胞)及びCK1(72,000/細胞)はあまり発現されない。gC1q-R/CK1複合体はHMWKに優先的に結合し、FXIIは主にCK1-uPAR複合体内のuPARに結合するので、このモデルは、表面接触系の活性化において受容体複合体を形成するための最小発現CK1が制限数であると仮定する。モデルは、見かけの部位数及び異なる接触因子に対する親和性によって特徴付けられ得る結合部位を有する、細胞表面を表す。結合親和性に対するZn+2依存性は明示的にモデリングされておらず、これらの因子が役割を果たす反応パラメータに効果が暗黙的に反映されると仮定された。
本明細書に記載されるように、過剰なBK(ブラジキニン)は血管透過性の増加を引き起こし、これにより、体液が血管壁を通過することを可能にし、皮下又は粘膜下の腫脹を引き起こす。カリクレインによるHMWKの切断は、二本鎖切断HMWK(cHMWK)及びBKペプチドを生成する。BKは、短い半減期(ほとんどの種の血液中で30秒未満)、及び細胞表面に対する強い親和性(0.5nM)を有する。BKのこれらの特性は、BKレベルの信頼できる測定値を得ることを困難にする。接触活性化系PDモデルは、HAE、並びに急性発作の頻度、重症度、及び持続時間のより良い理解を提供するために、BK並びにcHMWKのレベルをモデリングして出力することができる。
接触活性化系PDモデルは、寛解中及び急性発作を経験している間の両方において、健康個体及び未治療HAE患者のBK及びcHMWKの既知の血漿濃度を更に組み込むことができる。例えば、接触活性化系PDモデルは、ラナデルマブ治療の有無にかかわらず、HAE患者の測定されたcHMWKを組み込むことができる。組み込まれたデータに基づいて、接触活性化系PDモデルは、いくつかの実施形態では、分子反応としてのBK及びcHMWKの形成及び分解を表し得る。いくつかの実施形態では、接触活性化系PDモデルは、BDKR-B2へのBK結合、及び分子反応としての結合複合体の分解を表し得る。
図5は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、蛍光発生的アッセイPDモデルの形成に使用される例示的なインビトロアッセイ手順を示す。蛍光発生的アッセイPDモデルは、いくつかの実施形態では、エクスビボで測定及び確認され得る治療的介入(例えば、ラナデルマブなどの薬物の投与)によって、カリクレインの阻害をモデリングし得る。いくつかの実施形態では、蛍光発生的アッセイPDモデルを最初にモデリングして、薬物の阻害効果をパラメータ化及び検証することができる。
本明細書に記載されるように、カリクレイン(KAL)は、炎症の活性化、並びに血圧及び凝固の調節において中心的な役割を果たす、セリンプロテアーゼである。血漿では、カリクレインの活性化は、生理学的阻害物質C1-INHによって調節される。本明細書に記載されるように、HAE患者は、機能的C1-INHが欠損しており、これはキニン-カリクレインカスケードに不規則性を生じ、次いで、急性発作を引き起こし得る。例えば、ラナデルマブを含むいくつかの治療方法は、プレカリクレインの切断を予防することによって、カリクレインの過剰形成を阻害することを目的とする。本発明者らは、本明細書に記載されるように、蛍光発生的アッセイを用いてエクスビボでカリクレインの形成及び阻害を測定することが、キニン-カリクレインカスケードのサブセットを単離し、このサブセット内のパラメータをパラメータ化し検証するための貴重な方法を提供することを認識した。
図5は、治療的介入によるカリクレインのタンパク質分解活性の阻害を測定するための、インビトロアッセイ手順を示す。図示した実施形態では、ラナデルマブの投与によるカリクレインの阻害が測定される。このアッセイは、カリクレインによって触媒されるタンパク質分解時に、検出可能な蛍光を生成するためのペプチド基質を使用する。図5(b)に示される蛍光発生的アッセイPDモデルは、その前駆体であるプレカリクレインからカリクレインを形成し、生理学的阻害物質であるC1-INH、及び投与された薬物(図示した実施形態では、ラナデルマブ)によってその機能を阻害する、酵素反応によって表される。カリクレイン形成及び/又は阻害を表すためにPDモデルに含まれる反応を、図5(c)に示す。
図6は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、急性発作中のHAE患者のタンパク質レベル変化の例示的な図を示す。特に、図6は、急性発作モデルの例示的な表現を示す。図6に示す急性発作モデルは、接触活性化系の測定されたタンパク質レベルの変化の表現を提供する。測定されたタンパク質レベルの変化は、急性発作の存在及びその重症度の指標を提供し得る。経時的な測定されたタンパク質レベルの変化を研究することにより、急性発作の持続時間及び頻度の指標を提供することができる。これらの指標に対する治療的介入の効果は、本明細書に記載の1つ以上の他のモデルと組み合わせて、急性発作モデルを用いて決定することができる。
図6に示すように、急性発作モデルは、接触系(例えば刺激に応じて、例えば、治療的介入、又は第XII因子の自己活性化を引き起こす急性発作トリガを含む)の測定されたタンパク質レベルを示し得る。例えば、急性発作モデルは、FXII、FXIIa、preKAL、KAL、C1Inh、HMWK、cHMWK、及び/又は%cHMWK、及び/又はBKのいずれかの測定レベルを示し得る。本発明者らは、本明細書に記載のQSPモデルによって測定可能な特定のタンパク質が、臨床的に測定するのに非実用的又は不可能であり得る(例えば、比較的短い半減期に起因するBKのレベル)ことを認識しており、したがって、QSPモデルの使用は、HAEの効果を研究し、HAEの治療を開発するのに有利であり得る。
図6に示す矢印は、QSPモデルによって予測される急性発作中のタンパク質レベルの変化を示す。本明細書中に記載されるように、急性発作は、例えば、本明細書中に記載されるような1つ又はそれを超えるトリガに起因して第XII因子が自己活性化されて、その活性型FXIIaになる場合、HAEを有する個体において生じ得る。したがって、図6に示すように、FXIIaのレベルが増加する。FXIIの活性化は、プレカリクレインを血漿カリクレインに切断し、プレカリクレインのレベルを減少させ、カリクレインのレベルを増加させる。プレカリクレインの血漿カリクレインへの切断は、次に、一本鎖高分子量キニノーゲン(HMWK)を切断して、切断された高分子量キニノーゲン(cHMWK)にする。したがって、一本鎖HMWKのレベルは低下し、cHMWKのレベルは上昇する。HMWKの切断はブラジキニンを遊離させ、BKレベルを上昇させ、ブラジキニンが内皮細胞の表面上のその受容体(BDKR-B2)に結合することを可能にし、急性発作を引き起こす。タンパク質レベル及びタンパク質レベルの相対的変化を既知の量と比較することにより、QSPモデルが急性HAE発作の特徴を予測することが可能になり得る。
仮想集団開発
本明細書に記載されるように、HAEを有する個体において急性発作をもたらすキニン-カリクレインカスケードは、FXIIのその活性型FXIIaへの自己活性化から始まり得る。そのような自己活性化は、前兆なしにいつでも起こり得る。自己活性化トリガは、例えば、ストレス、物理的外傷、外科的又は歯科的手順、感染、ホルモン変化、及び機械的圧力を含み得る。いくつかの実施形態では、QSPモデルは、これらのトリガの各々が、HAE発作をもたらすキニン-カリクレインカスケードを自己活性化する接触系の体系的摂動をもたらし得るという仮定に基づいて構成される。
HAE発作の重症度及び頻度は、患者毎に大きく異なり得、図7に示すように、また、経時的に変化し得る。図7は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAE患者における急性発作間の時間間隔の例示的な臨床的試料を示す。急性発作の頻度及び重症度の変異性、並びに他の患者間の変異性(例えば、PKパラメータ)を考慮すると、本発明者らは、(疾患の各状態でプロトタイプの患者を使用するのとは対照的に)患者の集団にわたる急性発作をモデリングすることが、HAE及びその潜在的な治療をよりよく理解するためのより正確なモデリング及び能力を提供し得ることを認識した。したがって、いくつかの実施形態では、複数のHAE患者の仮想集団が、QSPモデルと併せて使用される。
仮想集団は、複数のデータセットを含む仮想データセットを含み得る。各データセット(例えば、患者)は、仮想集団の個々の仮想患者を表すことができ、仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数を有することができる。図8Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、頻度(f)及び重症度(S)によって表される急性発作の薬物動態パラメータ及び傾向における、患者変異性を捕捉するHAE仮想患者集団の例示的な表現を示す。仮想集団をPDモデルに入力して、HAEを有する患者の集団にわたってHAEをモデリングすることができる。
図8Aに示されるように、いくつかの実施形態では、仮想集団中の各患者には、特定の患者(例えば、治療的介入が患者の経歴(biographical)特徴によってどのように影響を受けるかを示すパラメータ)に対する薬物配置の変異性を表すPKパラメータが割り当てられ得る。いくつかの実施形態では、PKパラメータは仮想集団にランダムに割り当てられ、いくつかの実施形態では、臨床データに基づくものであり得る。PKパラメータの例には、体重、年齢、性別、身長、人種、HAE型(I型又はII型)、及び/又はHAE発作重症度が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、仮想集団内の仮想患者の各々に、疾患予測記述子を割り当てることができる。例示的な疾患予測記述子は、図8に示すように、治療的介入の非存在下で急性発作を経験する仮想患者の傾向、例えば、ベースライン発作頻度、ベースライン発作重症度、及び/又はベースライン発作持続時間を含み得る。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子、例えば発作頻度は、疾患予測記述子に関する既知のデータによって示教されるポアソン分布からのシミュレーションによって、少なくとも部分的に決定される。例えば、HAE発作は、いつでも、最後の発作からの時間から個々に独立して起こり得るが、集合的には、時間間隔及び集団にわたって、発作は一定の速度で発生する傾向がある。したがって、発作頻度はポアソン過程に基づいてモデリングすることができ、いくつかの実施形態では、モデルは、目的の患者群からの平均発作頻度の入力に基づいて発作事象を生成する。
いくつかの実施形態では、一定の疾患予測記述子を、仮想患者集団内の各患者に適用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ベースライン発作持続時間は、仮想集団の全患者について等しくてもよい(例えば、いくつかの実施形態では、24時間に設定)。
臨床研究では、発作重症度は、患者が経験している疼痛のレベルを示すスコアに基づいてもよい。QSPモデルは、疼痛スコアがFXII自己活性化によって引き起こされるBKのレベルに関連するという仮定に基づいて構成され得る。したがって、いくつかの実施形態によれば、発作重症度は、QSPモデルにおけるFXII自己活性化の増加として表され得る。
図8Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEをシミュレーションするための複数の仮想患者を含む仮想患者集団を開発するための方法800を示す。動作802において、PKパラメータを、仮想集団を表す複数のデータセットを含む仮想データセットに割り当てることができる。例えば、患者における薬物の配置を表す1つ以上のPKパラメータを、仮想データセット内の各患者に割り当てることができる。
動作804において、1つ以上の疾患予測記述子を、仮想データセット内の各患者について決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、発作頻度及び発作重症度を、仮想データセット内の各患者に割り当てることができる。動作806において、疾患予測記述子(例えば、いくつかの実施形態では、発作頻度及び発作重症度)を、仮想データセット内の各患者に割り当てることができる。いくつかの実施形態では、仮想集団を表す仮想データセットは、その後、仮想集団の患者の間のHAEをモデリングするために、QSPモデルに入力され得る。
図9A~図9Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、キニン-カリクレイン経路の自己活性化及び高レベルのブラジキニンの産生をもたらす、急性発作のトリガの例示的なモデルを示す。特に、図9A~図9Bは、FXII自己活性化とブラジキニンレベルとの間の関係を示す。本明細書に記載されるように、QSPモデルは、FXIIの自己活性化による急性発作を、その活性化型であるFXIIaにモデリングし得る。図9Bに示すように、自己活性化によって開始されるカスケードは、内皮細胞上の受容体に結合して腫脹をもたらし得るブラジキニンレベルの増加を含む、接触活性化系の下流の変化をもたらし得る。QSPモデルは、BKレベルが閾値レベルを超えて増加した場合に、急性発作が発生したと決定することができる。いくつかの実施形態では、急性発作の存在を知らせる閾値BKレベルは、文献及び/又は臨床データに基づくことができる。
発作の持続時間は、FXII自己活性化が上昇したままであり、BKレベルが設定された閾値を超えたままである期間によって表され得る。図10は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、未治療HAE患者の報告された疼痛スコアによって示される、急性発作の異なる段階の例示的な表現を示す。図10に示すように、腫脹に起因する疼痛は、最初の8~24時間の間に増加し、その後、次の24~72時間にわたって徐々に軽減し得る。図10に示す報告された臨床スコアは、仮想集団の急性発作持続時間のパラメータ化を示教することができる。
図11A~図11Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、仮想集団における急性発作モデリングの例を示す。特に、PKパラメータ及び疾患予測記述子の割り当てを伴う仮想患者集団開発の結果を、図11A~図11Cに示す。図11Aは、1000人の患者の仮想患者集団のうち20人の患者の試料採取について、1ヶ月にわたってHAEフレアを引き起こすFXII自己活性化の程度を示す。図11Cは、仮想集団における患者当たりの毎月の発作の数の分布を示す。図11Bは、HAEを有する患者群からの臨床データと比較した、仮想集団のシミュレーションされた発作頻度分布を示す。図11Bは、仮想集団の発作頻度データが、臨床データと良好な一致を示すことを示している。
本明細書で説明されるように、仮想集団はPDモデルに入力され得る。接触活性化系PDモデルは、トリガに応じて急性発作が発生したかどうかを決定するために、BKのレベルを予測することができる。例えば、トリガが発生した場合でも、接触活性化系PDモデルによって出力されたBKレベルが既知の閾値を超えるかどうかを決定することによって、急性発作の状態を予測することができる。このようにして、QSPモデルは、HAE発作中を含む接触系の分析、及びHAEの新規及び既存の治療様式の有効性の評価を提供することができる。
定量的システム薬理学モデルパラメータ化
QSPモデルは、HAEのより正確なモデリングを提供するために、既存の臨床データ及び文献データでパラメータ化することができる。例えば、蛍光発生的アッセイPDモデルは、文献から既知の酵素反応率でパラメータ化され得る。接触活性化系PDモデルは、健康対象及びHAEを有する対象のタンパク質レベルの臨床データでパラメータ化することができる。急性発作臨床転帰モデルは、HAEを有する未治療患者における、急性発作下のHAE患者のタンパク質レベル及び急性発作の時間間隔の臨床データでパラメータ化することができる。PKモデルは臨床データでパラメータ化され得る。表4は、QSPモデルのモデルパラメータのリストを示す。表5は、モデルに実装されたモデル仮定のリストを示す。
Figure 2022534072000013
Figure 2022534072000014
Figure 2022534072000015
Figure 2022534072000016
Figure 2022534072000017
本明細書に記載されるように、PKモデルは、PDモデルに用量レベルプロファイルを提供し得る。図2に示されるPKモデルのパラメータは、中央体積(V)、周辺体積(V)、中央コンパートメントと末梢コンパートメントとの間の流量(Q)、中央クリアランス速度(CL)、吸収速度(ka)、及びバイオアベイラビリティ(F)を含む。パラメータの各々は、文献及び臨床データに基づいて較正及び/又は固定することができる。
図12A~図12Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図3の例示的PKモデルを用いたシミュレーションされたPKプロファイルの例を示す。図12A~図12Bは、臨床データ(記号で示される)と比較した、図2のPKモデルに基づいてシミュレーションされたPKプロファイル(線で示される)を示す。図12Aは、HAEを有しない個体のPKプロファイルを示し、一方で図12Bは、HAEを有する個体のPKプロファイルを示す。
図13は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、例示的な1コンパートメントPKモデルを用いたシミュレーションされたPKプロファイルの例を示す。特に、図13は、異なる投薬レジメン(150mgでQ4W、300mgでQ4W、及び300mgでQ2W)に従って、ラナデルマブで治療されたHAE患者のPKプロファイルを示す。図13は、データの大部分がモデル予測の5番~95番の百分位数内に捕捉されていることを示している。シミュレーションされたPKプロファイル(線で示されている)を図13の臨床データ(記号で示されている)と比較すると、臨床データとの良好な一致が示される。
蛍光発生的アッセイPDモデルは、図5に関して記載されるインビトロアッセイ手順によって測定された治療的介入(例えば、ラナデルマブの投与)によって阻害された、カリクレイン活性の測定レベルの臨床データでパラメータ化され得る。蛍光発生的アッセイPDモデルは、入力として、血漿中のプレカリクレインレベル、血漿中のカリクレインレベル、正常集団についての血漿C1阻害物質レベル、及びI型HAE集団についての血漿C1阻害物質レベルを受け取ることができ、パラメータとして、カリクレインに対する投与された薬物の結合親和性、カリクレインに対するCInhの結合親和性、FXIIaによるプレカリクレインの活性化に対するKm、及びFXIIaによるプレカリクレインの活性化に対するkcatを含む。
図14A~図15は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、カリクレイン阻害活性の測定レベルの臨床データと比較した蛍光アッセイを表す、図5のPDモデルを用いたシミュレーション出力の例を示す。血漿カリクレイン阻害のシミュレーション結果は、健康患者、未治療HAE患者、及び治療済HAE患者の臨床データと良好に一致する。図15の点線は、FDA承認された30mg用量のエカランチド(Kalbitor)の阻害%を示す。
いくつかの実施形態では、QSPモデル、より具体的には蛍光発生的アッセイモデルを使用して、治療的介入が血漿カリクレインを阻害するかどうか、及びどの程度阻害するかを決定することによって、治療的介入の有効性を推定することができる。図16は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、文献で報告されたある範囲のプレカリクレインレバー(250~650nM)に対する、ラナデルマブによるカリクレインの用量依存的阻害を示す。いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、例えば、投薬量が血漿カリクレインを阻害するかどうか、及びどの程度阻害するかを決定することによって、薬物の特定の投薬量の有効性を決定することができる。
接触活性化系PDモデルで実装することができる反応及び支配型方程式を、表3に示す。接触活性化系PDモデルの構成要素は、文献データでパラメータ化することができ、及び/又はQSPモデルの1つ以上の他のモデルからのデータによって較正することができる。例えば、そのような構成要素は、いくつかの実施形態では、FXII、FXIIa、プレカリクレイン、遊離プレカリクレイン割合、C1-INH、HMWK、BK、cHMWK、及び/又はcHMWKの割合を含み得る。図17A~図17Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、文献に報告されたHAE接触系のタンパク質の定常状態レベルと、図2の接触活性化系PDモデルを用いた予測レベルとの比較を示す。図17A~図17Cは、接触活性化系PDモデル出力が、定常状態でのタンパク質レベルデータと良好に一致することを示す。
急性発作モデルは、急性発作下におけるシミュレーションされたHAE患者からのキニン-カリクレインカスケード(例えば、cHMWK、BKなど)中のタンパク質のレベルが、事前ドーズ(pre-does)臨床データと一致するように、発作トリガの重症度を較正するためにパラメータ化することができる。本明細書に記載されるように、発作重症度は、FXIIの自己活性化の増加によって急性発作モデルで表され得る。
図18A~図18Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図2のPDモデルを用いた臨床データ及び予測データにおける、ブラジキニンと第XIIa因子のレベルの例示的な比較を示す。図18Aは、健康な患者及びHAE患者における第XIIa因子レベルについて、シミュレーションされたデータと臨床データとの間の比較を示す。図18B及び図18Cは、FXIIaの増加に起因するBKの予測レベルを示す。
図19A~図19Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、図2のPDモデルを用いた急性発作下にあるHAE患者からの臨床データ及び予測データにおける、cHMWKレベルの例示的な比較を示す。図19Aは、HAEを有しない患者、並びに発作中及び寛解中のHAEを有する患者における、測定されたcHMWKレベル割合を示す。図19Bは、急性発作モデルによって出力された予測データが測定された臨床データと一致することを示している。図19Cは、治療的介入の前後を含む、経時的なcHMWKの時間的プロファイルを示す。cHWMK割合とは、cHMWKとHMWKとの合計に対するcHMWKの割合を表す。
例示的なQSPモデルのコンピュータ実行
本明細書に記載の技術のQSPモデル及び更なる態様は、コンピュータを用いて実装することができる。図20は、本開示の任意の態様が実装され得る例示的なコンピュータ1000を概略的に示す。図20に示す実施形態では、コンピュータ1000は、1つ以上のコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと、例えば揮発性及び/又は不揮発性メモリを含むことができる非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、システムメモリ1002)を備える、1つ以上の製造物品と、を有する処理ユニット1001を含む。メモリ1002は、本明細書に記載の機能のいずれかを実行するように処理ユニット1001をプログラムするための、1つ以上の命令を格納することができる。コンピュータ1000はまた、システムメモリ1002に加えて、ストレージ1005(例えば、1つ以上のディスクドライブ)などの他の種類の非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。ストレージ1005はまた、メモリ1002にロードすることができる、1つ以上のアプリケーションプログラム、及び/又はアプリケーションプログラム(例えば、ソフトウェアライブラリ)によって使用される外部コンポーネントを格納することができる。本明細書で説明される機能のいずれかを実行するために、処理ユニット1001は、処理ユニット1001による実行のためのプロセッサ実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体として機能することができる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ1002、ストレージ1005)に格納された、1つ以上のプロセッサ実行可能命令を実行することができる。
コンピュータ1000は、図20に示すデバイス1006及び1007などの、1つ以上の入力デバイス及び/又は出力デバイスを有することができる。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザインターフェースを提示するために使用することができる。ユーザインターフェースを提供するために使用することができる出力デバイスの例としては、出力の視覚的提示のためのプリンタ又はディスプレイ、及び出力の可聴提示のためのスピーカ又は他の音響発生デバイスが挙げられる。ユーザインターフェースに使用することができる入力デバイスの例としては、マウス、タッチパッド、及びデジタル化タブレットなどの、キーボード及びポインティングデバイスが挙げられる。別の例として、入力デバイス1007は、オーディオ信号を捕捉するためのマイクロフォンを含むことができ、出力デバイス1006は、視覚的にレンダリングするためのディスプレイスクリーン、及び/又は認識されたテキストを音声でレンダリングするためのスピーカを含むことができる。
図20に示すように、コンピュータ1000はまた、様々なネットワーク(例えば、ネットワーク10020)を介した通信を可能にするための、1つ以上のネットワークインターフェース(例えば、ネットワークインターフェース10010)を備えることができる。ネットワークの例としては、ローカル・エリア・ネットワーク、又は企業ネットワーク若しくはインターネットなどの広域ネットワークが挙げられる。そのようなネットワークは、任意の好適な技術に基づくことができ、任意の好適なプロトコルに従って動作することができ、そして無線ネットワーク、有線ネットワーク又は光ファイバネットワークを含むことができる。
いくつかの実施形態では、QSPモデルは、本明細書で説明するように、コンピュータ実装方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、コンピュータハードウェアに、本明細書に記載のQSPモデルを利用するコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
定量的システム薬理学モデル検証
パラメータ化されたモデルは、QSPモデルがHAEを正確にモデリングし、新規及び既存の治療様式の評価を提供することができることを確実にするために、シミュレーションで検証して、HAEで治療された患者のモデル結果が臨床データと一致することを決定することができる。例えば、接触活性化系PDモデルを適用して、シミュレーション結果をバイオマーカデータ(例えば、cHMWKレベル)と比較することによって、HAE患者に対する治療的介入(例えば、ラナデルマブの投与)の阻害効果を検証することができる。急性発作モデルを適用して、シミュレーション結果をバイオマーカデータ(例えば、cHMWKレベル)と比較することによって、HAE患者に対する治療的介入(例えば、ラナデルマブの投与)の阻害効果を検証することができる。急性発作モデルを更に適用して、投与された薬物(例えば、ラナデルマブ)の発作重症度、発作頻度、及び結合親和性に対する毎月の発作率の感度、並びにモデルのシステムパラメータに対するBKレベルの感度を調査することができる。
図21は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、異なる投薬量のラナデルマブで治療されたHAE患者における、臨床データと図2の接触表面活性化モデルからのシミュレーション出力との、cHMWKレベルの比較を示す。特に、図21は、臨床データからのcHMWKのレベルを、30mg、100mg、300mg、及び400mgのラナデルマブで治療したHAE患者の接触活性化系PDモデルからのシミュレーション出力と比較するグラフを示す。PKモデルから得られた血漿中のラナデルマブ濃度もまた示す。シミュレーション結果は臨床データと正確に一致し、投与された薬物の濃度とcHMWKとの間の逆相関を示す。したがって、シミュレーション結果から、投薬量とともに増加するBK(例えば、より高い投薬量ではより低い割合のcHMWK)の抑制が確認された。
図22は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、異なる投薬量のラナデルマブで治療されたHAE患者における、臨床データと図2の急性発作モデルからのシミュレーション出力との、cHMWKレベルの比較を示す。図22は、急性発作モデルによるcHMWK出力の割合と、異なる投薬レジメン(150mgでQ4W、300mgでQ4W、300mgでQ2W)で治療されたHAE患者の臨床データ、及びPKモデルから出力されたラナデルマブ濃度とを比較している。図22は、cHMWKの割合が、より高い用量(150mgでQ4W対300mgでQ4W)、及びより頻繁な用量(300mgでQ4W対300mgでQ2W)で減少することを示す。シミュレーション結果はこの傾向を裏付けている。
図23は、図22に示すものと同じデータソース及びシミュレーションを用いて、異なる投薬量のラナデルマブで治療されたHAE患者について、臨床データと急性発作モデルからのシミュレーション出力とのHAE急性発作率の比較を示す。図23は1ヶ月にわたって平均したHAE急性発作の数を比較している。臨床データ及びシミュレーション出力の両方は、全ての投薬レジメンについてHAE急性発作の数の減少を示し、全ての投薬レジメン(150mgでQ4W、300mgでQ4W、及び300mgでQ2W、ラナデルマブ)が、HAE急性発作頻度の抑制に有効であることを裏付ける。シミュレーション結果は以下の通りである。
図21~図23の臨床研究に反映されたシミュレーション出力は、1000人の仮想患者の仮想集団を有するQSPモデルを用いて得られた。しかしながら、仮想集団は、任意の好適な数の仮想患者(例えば、少なくとも100人の仮想患者、少なくとも500人の仮想患者、少なくとも1000人の仮想患者)を有し得る。急性発作の発生を決定するためのBK閾値は20pMのBKであったが、他の閾値も可能である(例えば、例として、両端値を含む15pM~90pMの任意の閾値)。
いくつかの実施形態では、急性発作の発生を決定するための閾値は、BKが結合するBDKR-B2受容体の受容体占有率(receptor occupancy:RO)に基づいてもよい。図24A~図24Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者についての、ブラジキニンレベル及びBDKR-B2受容体占有率の例示的な時間的プロファイルを示す。図24の水平線は、20pMのBKレベル及び25.8%のROに対応する、急性発作の存在を決定するための例示的な閾値を示す。
本明細書に記載のQSPモデルの正確性を検証したため、QSPモデルは、本明細書で更に説明するように、接触系に対するHAEの影響を評価し、HAEの新規及び既存の治療様式を評価するための、いくつかの異なる方法で実装することができる。
感度分析
QSPモデル、特に急性発作モデルを使用して、例えば、治療レジメン下における発作の重症度、頻度、及び薬物結合親和性を含む、異なるパラメータに対する毎月の発作率の感度を調査することができる。図示した実施形態では、治療レジメンは300mgでQ2Wのラナデルマブである。これは、1000人の仮想患者の仮想集団をモデリングしたものであった。図25は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者集団における、毎月の発作率と発作重症度との間の例示的な関係を示す。重症度の増加は150pMの平均BKレベルに対応し、急性発作中に経験する15~90pMの典型的なBK範囲をはるかに超えている。
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、図25A~図25Bに示すように、発作重症度に対する発作頻度の感度を評価することができる。図25A~図25Bは、高重症度発作下における投薬レジメンの有効性を示す。図25Aは、通常の重症度の発作のBKレベルと、重症度の増加した発作のBKレベルとを比較した、発作中の最大BKレベルの分布を示す。図25Bは、ラナデルマブで治療されたHAE患者における毎月の発作率の時間的プロファイルである(初回投与は0週目に投与され、最終投与は24週目に投与される)。図25Bは、通常の重症度のHAE発作と、重症度の増加したHAE発作とを抑制する際の、投薬レジメンの有効性を示す図である。
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、図26A~図26Bに示すように、未治療患者の毎月の発作率に対する発作頻度の感度を評価することができる。図26A~図26Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ラナデルマブで治療されている仮想患者集団における、毎月の発作率と発作頻度との間の例示的な関係を示す。図26Aは、異なるトリガ率(3.0/月、4.5/月、及び6.0/月)に対する毎月のHAE急性発作のベースライン分布を示す。図26Bは、300mgでQ2Wのラナデルマブの投薬レジメン(初回投与は0週目に投与され、最終投与は24週目に投与される)で治療された1000人の仮想患者のHAE仮想集団における、毎月の発作率の時間的プロファイルを示す。図26Bは、ある範囲の発作頻度についてのHAE発作の抑制における投薬レジメンの有効性を示す。
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、図27に示すように、異なる結合親和性に対するHAE発作頻度の感度を評価することができる。図27は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、毎月の発作率と、カリクレインに対するラナデルマブの結合親和性との間の例示的な関係を示す。図27は、異なる結合親和性(12nM、36nM、60nM)について、300mgでQ2Wのラナデルマブの投薬レジメンで治療された1000人のHAE患者の仮想集団の発作頻度を比較している(初回投与は0週目に投与され、最終投与は24週目に投与される)。図27は、より強い結合親和性(例えば、12nMのKd)が、HAE発作頻度の低減においてより効果的であることを示す。
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、図28に示すように、システムのモデルパラメータに対するBKレベルの感度を評価することができる。図28は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、観察されたブラジキニンレベルと、システムモデルパラメータとの例示的な関係を示す。特に、図28は、モデルパラメータを100%(50%増及び50%減)変化させたことに応じて報告された、ピークBKレベルの変化を示す。図28に示すピークBKレベルは、急性発作の開始から12時間後のBKレベルに対応する。
図28aは、モデルパラメータ変動に対するBKレベルの正の感度を示す。図28bは、モデルパラメータ変動に対するBKレベルの負の感度を示す。例えば、活性化率(kcat_FXII_AutoActivation、kcat_preKAL_Activation)の増加は、より多くのKALをもたらし、予想通りこれは次いで、より多くのHMWK切断をもたらし、より高いBKレベルをもたらす。Kd_FXIIa_gC1qRの増加は受容体に対するFXIIaのより弱い結合親和性につながり、より低いKAL活性化、より低いHMWK切断をもたらし、より低いBKレベルをもたらす。
モデルパラメータに対するピークBKレベルの感度を評価することにより、接触活性化系の異なる態様を標的とし得る新規治療様式の開発を容易にすることができる。例えば、本明細書に記載の感度分析の結果は、治療的介入のための接触活性化系の最も効果的な点への洞察を提供し得る。
HAEを評価するための例示的なモデル適用
更に詳述することなく、当業者は、上記の説明に基づいて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、以下の特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなる方法でも本開示の残りの部分を限定するものではない。本明細書で引用される全ての刊行物は、本明細書で参照される目的又は主題のために参照により組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のQSPモデル及び/又は仮想集団は、仮想臨床試験を実施するために実装され得る。図29は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療をモデリングし、シミュレーションし、評価するための、コンピュータ実装システム及び方法を示すフローチャートである。
動作100において、接触系をモデリングするためのQSPモデルを確立することができる。例えば、QSPモデルは、図2に示されるように、1つ以上のPKモデル及び/又は1つ以上のPDモデルを含み得る。動作102において、QSPモデルは、適切な数学的方程式(例えば、複数の常微分方程式)を用いて記述することができる。いくつかの実施形態では、数学的方程式は、例えば表3a~表3bに示すように、QSPモデルによってモデリングされた接触系を支配する反応を記述することができる。
動作104において、QSPモデルをパラメータ化するためのパラメータ推定値を、文献及び/又は臨床データから取得することができる。パラメータ推定値をQSPモデルに適用して、モデルをパラメータ化することができる。
動作106において、QSPモデルは、モデルからのシミュレーション出力を、文献及び/又は臨床データと比較することによって検証することができる。例えば、QSPモデルを適用して、1つ以上のバイオマーカ(例えば、cHMWK、KAL、BKなど)についての出力を得ることができ、この出力は、QSPモデルの正確性を検証するために臨床データからのバイオマーカ値と比較され得る。
動作108において、仮想集団の開発は、仮想患者の総数、及び仮想臨床試験の持続時間を確立することによって開始することができる。例えば、いくつかの実施形態では、仮想患者の総数は、1000人である。仮想臨床試験の持続時間は、治療的介入が患者集団に適用される期間を含む、患者集団の接触系が観察される時間の長さを指すことができる。
動作110~動作112において、PKパラメータ及び疾患予測記述子、並びにそれらの関連する変異性は、実際の患者データから得ることができる。例えば、いくつかの実施形態では、臨床データを使用して、仮想集団に適用されるPKパラメータ及び疾患予測記述子を示教することができる。動作114において、例えば、臨床データから得られたPKパラメータ及び疾患予測記述子に基づいて、仮想PKパラメータ及び仮想疾患予測記述子を得ることができる。動作116~動作118において、仮想PKパラメータ及び疾患予測記述子を、仮想患者集団における仮想患者にランダムに割り当てることができる。
動作120において、QSPモデルを使用して、仮想患者における疾患の発生をシミュレーションすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、仮想患者における急性発作の発生をシミュレーションし、接触活性化系の結果として生じるタンパク質レベルを反映することができる。動作122において、仮想患者疾患データを、HAEを有する実際の対象の疾患プロファイルと比較することができる。
動作124において、QSPモデルを使用して、HAEの治療における治療的介入の有効性を評価することができる。例えば、仮想患者集団が投薬レジメンに従ってある投薬量の薬物(例えば、ラナデルマブ)を投与されていることを示すパラメータを、QSPモデルに入力することができる。
動作126において、仮想臨床試験を実行することができる。例えば、接触系に対して動作124で適用された薬物の投与の結果として生じる効果を観察することができる。いくつかの実施形態では、接触系のタンパク質レベルを評価して、治療的介入の投与から生じるタンパク質レベルの相対的変化を決定することができる。いくつかの実施形態では、急性発作の特徴(例えば、発作頻度、発作重症度、発作持続時間など)を観察することができる。いくつかの実施形態では、仮想臨床試験データは、実際の対象からのデータと比較され得る。
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、図30に示すように、接触活性化系に対するHAEの効果を評価することができる。図30は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEをモデリング及びシミュレーションするための例示的な方法3000を示す。
方法3000は、例えば、本明細書に記載のQSPモデルを開発、パラメータ化、及び/又は検証するための技術のいずれかを用いて、HAEのQSPモデルが得られる動作3002で開始する。QSPモデルは、図2に示されるように、1つ以上のPKモデル及び/又は1つ以上のPDモデルを含み得る。いくつかの実施形態では、QSPモデルは、複数の常微分方程式を含むことができる。いくつかの実施形態では、数学的方程式は、例えば表3a~表3bに示すように、QSPモデルによってモデリングされた接触系を支配する反応を記述することができる。
動作3004において、疾患予測記述子が取得され得る。例えば、疾患予測記述子は、急性発作を経験する仮想患者の傾向、例えば、発作頻度、発作重症度、及び/又は発作持続時間を含み得る。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子、例えば発作頻度は、疾患予測記述子に関する既知のデータによって示教されるポアソン過程によって、少なくとも部分的に決定される。
動作3006において、疾患予測記述子をデータセットに割り当てることができる。例えば、データセットは、QSPモデルが適用される仮想患者集団を表すことができる。仮想集団は複数のデータセットを含むことができる。各データセット(例えば、患者)は仮想集団の個々の仮想患者を表すことができ、仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数(例えば、PKパラメータ及び/又は疾患予測記述子を割り当てるため)を有することができる。
動作3008において、データセットは、処理データを取得するためにQSPモデルを用いて(例えば、データセットをQSPモデルに入力することによって)、処理され得る。処理データは、例えば、仮想患者の接触系のタンパク質レベルを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、処理データを表示することを更に含む。
いくつかの実施形態では、本方法は更に、データセットに対するPKパラメータを決定し、割り当てることと、QSPモデルを用いて治療的介入データ及びデータセットを処理することによって治療的介入の有効性を決定することと、を含む。例えば、いくつかの実施形態では、治療的介入は、ラナデルマブを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療的介入は、小分子PKa阻害剤を投与することを含む(例えば、経口)。いくつかの実施形態では、治療的介入の有効性を決定することは、治療的介入の投与の結果として、QSPモデルによって提供される接触活性化系のタンパク質レベルを評価することを含む。
いくつかの実施形態では、図31に示すように、QSPモデルを使用して、トリガに応じて接触系の1つ以上の特徴を推定することができる。図31の例示的な方法である、方法3100は、HAEのQSPモデルが取得される動作3102で開始する。動作3104において、QSPモデルは、既知のデータ、例えば、1つ以上の臨床試験からの既知のデータで較正(例えば、パラメータ化)され得る。
動作3106において、トリガをQSPモデルに入力することができる。例えば、トリガは、第XII因子を自己活性化させて第XIIa因子を生成させるQSPモデルへの、信号入力であり得る。
動作3108において、トリガに応じて生成された接触系のタンパク質(例えば、BK、KAL、cHMWKなど)の量を、取得することができる。いくつかの実施形態では、タンパク質の量を既知の量のタンパク質(例えば、臨床データから取得)と比較して、例えば、トリガに応じて急性発作が発生したかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態では、タンパク質の量を使用して、トリガに応じて起こる急性発作の重症度及び/又は持続時間を決定することができる。
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、HAE発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定することができる。例えば、図32は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAE発作頻度と第XII因子の自己活性化のトリガ率との間の関係を決定するための例示的な方法3200を示す。方法3200は、例えば、本明細書に記載の技術のいずれかに従って、HAEのQSPモデルが取得される動作3202で開始する。
動作3204において、FXII自己活性化のトリガ率が、仮想集団に割り当てられる。例えば、仮想集団内の各患者に、トリガ率を割り当てることができる。いくつかの実施形態では、全ての患者に同じトリガ率が割り当てられるわけではないように、1つ以上の異なるトリガ率を、仮想集団に割り当てることができる。いくつかの実施形態では、仮想集団に割り当てられたトリガ率は、臨床データ(例えば、1つ以上の臨床試験から得られたHAE患者のトリガ率)に基づく。いくつかの実施形態では、トリガ率は、ポアソン分布を用いて仮想集団に割り当てることができる。
動作3206において、QSPモデルが、仮想集団に適用される。例えば、割り当てられたトリガ率を有する仮想集団データをQSPモデルに入力して、仮想集団内の各患者の接触系タンパク質レベルに関する情報を取得することができる。
動作3208において、仮想集団のHAE発作頻度を、QSPモデルから取得することができる。例えば、QSPモデルから得られたタンパク質レベルを使用して、急性発作の発生及び頻度を決定することができる。動作3210において、HAE発作頻度とトリガ率との間の関係が決定される。例えば、FXII自己活性化トリガ率は、HAE発作頻度と比較され得る。いくつかの実施形態では、HAE発作頻度とトリガ率との間の関係は、FXII自己活性化がHAE発作をもたらす頻度を反映し得る。
治療的介入を評価するための例示的なモデル適用
本明細書に記載されるように、QSPモデルを使用して、HAEを治療するための新規又は既存の治療的介入の有効性を評価することができる。本発明者らは、新規又は既存の治療的介入を評価するためのQSPモデルの使用が、臨床試験と比較した場合により迅速な評価を提供し、ヒト患者に対してそのような治療様式を試験する前に、新規の治療様式の評価を可能にするので、有利であり得ることを認識した。加えて、QSPモデルは、本出願に記載されたQSPモデルの使用が、臨床的に得ることが非現実的又は不可能である患者の接触系に関する様々な種類の情報を提供することができるので、新規又は既存の治療様式のより正確な評価を提供することができる。
HAEを治療するための新規又は既存の薬物の有効性の評価
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、HAEを治療するための新規又は既存の薬物の有効性を評価することができる。図33は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における投与された薬物の有効性を決定するための例示的な方法3300を示す。
方法3300は、仮想データセットのPKパラメータが取得され得る動作3302で開始する。本明細書中に記載されるように、PKパラメータは、患者における薬物の配置を記載するために使用され得る。仮想データセットは、QSPモデルによって実行される仮想臨床試験が行われる、仮想患者集団を反映することができる。各仮想患者に投与される薬物の投薬量及び特徴は、PKパラメータによって反映され得る。
動作3304において、疾患予測記述子(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)を、仮想データセットについて決定することができる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、臨床データによって示教され得る。
動作3306において、PKパラメータ及び疾患予測記述子が、仮想データセットに割り当てられる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、ポアソン過程を用いて割り当てられ得る。
動作3308において、仮想データセットは、処理データを得るためにQSPモデルによって処理され得る。動作3310において、投与された薬物の有効性の指標を取得することができる。いくつかの実施形態では、QSPモデルによって出力された処理データは、1つ以上のレベルの接触系タンパク質(例えば、BK、cHMWK、KALなど)を含み得る。タンパク質レベルは、投与された薬物の有効性を決定するために使用され得る。例えば、BK、cHMWK、及びKALのレベルの低下は、薬物がHAE発作を効果的に阻害していることを示し得る。いくつかの実施形態では、QSPモデルから得られたタンパク質レベルを使用して、HAE急性発作の特徴(例えば、発作頻度、重症度、及び/又は持続時間)を決定することができる。いくつかの実施形態では、急性発作特徴を使用して、投与された薬物の有効性を決定することができる(例えば、急性発作頻度の減少を観察することによる)。
より具体的には、いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、治療を受けたことに応じた患者のHAEフレアアップ(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)の特徴を決定することができる。図34は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、患者への薬物の投与に応じてHAEフレアアップの特徴を決定する方法3400を示す。
方法3400は、仮想データセットのPKパラメータが取得され得る動作3402でビーイング(beings)する。本明細書中に記載されるように、PKパラメータは、患者における薬物の配置を記載するために使用され得る。仮想データセットは、QSPモデルによって実行される仮想臨床試験が行われる、仮想患者集団を反映することができる。各仮想患者に投与される薬物の投薬量及び特徴は、PKパラメータによって反映され得る。
動作3404において、疾患予測記述子(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)を、仮想データセットについて決定することができる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、臨床データによって示教され得る。
動作3406において、PKパラメータ及び疾患予測記述子が、仮想データセットに割り当てられる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、ポアソン過程を用いて割り当てられ得る。
動作3408において、仮想データセットは、処理データを得るためにQSPモデルによって処理され得る。動作3410において、薬物の投与に応じたHAEフレアアップの1つ以上の特徴を決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、HAEフレアアップの特徴は、発作頻度、発作重症度、及び/又は発作持続時間を含むことができる。いくつかの実施形態では、HAEフレアアップの1つ以上の特徴を使用して、例えば、HAEフレアアップの1つ以上の特徴を既知のデータと比較することによって、投与された薬物の有効性を決定することができる。例えば、治療を受けている患者の仮想集団のQSPモデルから得られたHAE発作頻度を、未治療患者のHAE発作頻度と比較して、投与された薬物がHAE発作頻度を減少させるかどうかを決定することができる。
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、治療を受けたことに応じた患者の接触系のタンパク質レベルを決定することができる。図35は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEを治療するための薬物の投与に応じて、患者の接触系のタンパク質の量を決定するための例示的な方法3500を示す。
方法3500は、仮想データセットのPKパラメータが取得され得る動作3502でビーイング(beings)する。本明細書中に記載されるように、PKパラメータは、患者における薬物の配置を記載するために使用され得る。仮想データセットは、QSPモデルによって実行される仮想臨床試験が行われる、仮想患者集団を反映することができる。各仮想患者に投与される薬物の投薬量及び特徴は、PKパラメータによって反映され得る。
動作3504において、疾患予測記述子(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)を、仮想データセットについて決定することができる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、臨床データによって示教され得る。
動作3506において、PKパラメータ及び疾患予測記述子が、仮想データセットに割り当てられる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、ポアソン過程を用いて割り当てられ得る。
動作3508において、仮想データセットは、処理データを得るためにQSPモデルによって処理され得る。動作3510において、接触系のタンパク質の量は、処理データに基づいて決定され得る。特に、QSPモデルは、出力として、接触系の1つ以上のタンパク質(例えば、cHMWK、BK、KALなど)のタンパク質レベルを生成し得る。いくつかの実施形態では、投与された薬物の有効性は、タンパク質レベルの相対的変化に基づいて決定され得る。例えば、未治療HAE患者と比較して、治療患者における接触系の特定のタンパク質(例えば、cHMWK、BK、KALなど)の量の減少は、投与された薬物が急性HAE発作を効果的に阻害していることを示し得る。したがって、いくつかの実施形態では、HAEの治療を受けている仮想患者の1つ以上のタンパク質のレベルを、未治療HAE患者のタンパク質レベルの既知のデータと比較することができる。
図36A~図37は、本明細書に記載の方法の実施形態から得られた、例示的な結果を示す。図36A~図36Cは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における薬物有効性と、結合親和性と、半減期との間の例示的な関係を示す。図36Aは、20時間の半減期を有する小分子PKA阻害剤のPKパラメータ、より具体的には血漿濃度を示す。図36Bは、110mg及び150mgでQDの小分子PKA阻害剤で治療した患者における、発作頻度のシミュレーション結果を示す。また、プラセボ群も比較のために試験した。図36Bに示すように、小分子PKA阻害剤のより高い投薬量(150mgでQD)は、HAEを有する仮想患者における発作頻度の減少においてより効果的であった。
図36Cは、150mgでQDの小分子PKA阻害剤を投与されている仮想患者におけるタンパク質レベル、より具体的にはcHMWK割合(HKa%)のシミュレーション結果を示す。より強い結合親和性及びより長い14日間の半減期を有するラナデルマブからの結果と比較して、小分子PKAは、発作頻度及びcHMWK量の割合を減少させるのに有効ではなかった。シミュレーション結果は、ラナデルマブなどのより強い結合親和性及びより長い半減期を有する薬物が、HAEの治療においてより効果的であることを示唆している。
図37は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、投与された薬物の毎月の発作率と阻害定数との例示的な関係を示す。図37は、HAEの治療における薬物の有効性に対する薬物特徴の効果を評価するために、QSPモデルを用いる例を示す。特に、図37は、異なる結合親和性(30nM及び50nM)を有する薬物の発作頻度のシミュレーション結果を示す。図37で見られるように、より強い結合親和性(30nM)は、より弱い結合親和性(50nM)よりもHAE発作頻度を減少させるのに有効である。図36A~図37に示すように、QSPモデルからのシミュレーション結果を使用して、HAEの新規及び/又は既存の治療様式の開発を示教することができる。
いくつかの実施形態では、QSPモデルは、HAEに対する薬物の効果の時間的プロファイルを決定するために使用され得る。例えば、図38は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、患者の接触系に対する薬物の効果を示す時間的プロファイルを決定するための例示的な方法3800を示す。
方法3800は、仮想データセットのPKパラメータが取得され得る動作3802でビーイング(beings)する。本明細書中に記載されるように、PKパラメータは、患者における薬物の配置を記載するために使用され得る。仮想データセットは、QSPモデルによって実行される仮想臨床試験が行われる、仮想患者集団を反映することができる。各仮想患者に投与される薬物の投薬量及び特徴は、PKパラメータによって反映され得る。
動作3804において、疾患予測記述子(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)を、仮想データセットについて決定することができる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、臨床データによって示教され得る。
動作3806において、PKパラメータ及び疾患予測記述子が、仮想データセットに割り当てられる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、ポアソン過程を用いて割り当てられ得る。
動作3808において、仮想データセットは、処理データを得るためにQSPモデルによって処理され得る。動作3810において、接触系のタンパク質の量は、一定期間にわたって取得することができる。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質(例えば、cHMWK、BK、KALなど)の量を異なる時点で取得して、経時的なタンパク質の量の変化をマッピングすることができる。経時的なタンパク質の量の変化は、投与された薬物の有効性を決定するために使用され得る。例えば、経時的にほとんど又は全く変化を示さない特定のタンパク質(例えば、cHMWK、BK、KALなど)のレベルは、投与された薬物がHAEフレアアップを効果的に阻害していることを示し得る。
HAEを治療するための併用療法の有効性の評価
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、HAEを治療するための併用療法の有効性を評価することができる。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、HAEを治療するための2つ以上の薬物を投与され得る。薬物の有効性を評価するためにQSPモデルを用いるための本明細書に記載の方法は、併用療法の有効性を評価するために同様に適用され得る。
投薬量の有効性の評価
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、投与された薬物の特定の投薬量の有効性を評価することができる。例えば、図39は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における投与された薬物の投薬量の有効性を決定するための例示的な方法3900を示す。
方法3900は、仮想データセットのPKパラメータが取得され得る動作3902でビーイング(beings)する。本明細書中に記載されるように、PKパラメータは、患者における薬物の配置を記載するために使用され得る。仮想データセットは、QSPモデルによって実行される仮想臨床試験が行われる、仮想患者集団を反映することができる。各仮想患者に投与される薬物の投薬量及び特徴は、PKパラメータによって反映され得る。
動作3904において、疾患予測記述子(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)を、仮想データセットについて決定することができる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、臨床データによって示教され得る。
動作3906において、PKパラメータ及び疾患予測記述子が、仮想データセットに割り当てられる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、ポアソン過程を用いて割り当てられ得る。
動作3908において、仮想データセットは、処理データを得るためにQSPモデルによって処理され得る。動作3910において、投与された薬物の投薬量の有効性の指標を取得することができる。例えば、シミュレーション出力は、経時的なタンパク質レベルの変化、及び/又はHAEフレアアップの1つ以上の特徴(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)を含む、1つ以上のタンパク質のレベルを提供することができる。シミュレーション出力は、QSPモデルへ入力された投与された薬物の投薬量の有効性を決定するために、本明細書に記載されるように使用され得る。
図40~図41は、投与された薬物の投薬量の有効性を決定するための、本明細書に記載の方法の実施形態の結果を示す。図40は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、薬物曝露とHAE発作応答との例示的な関係を示す。特に、グラフ(a)は、HAE発作頻度を、仮想集団中のラナデルマブの濃度と比較している。グラフ(b)は、PKモデルに従って特定の投薬量(300mgでQ2W、300mgでQ4W、及び150mgでQ4W)で達成された、仮想集団中のラナデルマブの濃度の範囲を示す。
図41は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、例示的な関係の薬物曝露及びHAE発作応答を更に示す。特に、図41は、投与された薬物の異なる濃度について、HAE発作頻度を四分位数に分離する。図40~図41の結果は、より高い投薬量(したがって、より高い濃度)のラナデルマブがより低い投薬量(したがって、より低い濃度)よりもHAEの治療においてより効果的であったが、しかしながら、より高い投薬量の有効性は、約12μg/mLの濃度では収穫逓減に達することを示している。
投薬頻度及び/又は投薬レジメンの有効性の評価
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、特定の投薬頻度及び/又は投薬レジメン(例えば、用量が適用される様式、例えば経口などを評価すること)の有効性を評価することができる。薬物の有効性を評価するためにQSPモデルを用いるための本明細書に記載の方法は、同様に、投薬頻度及び/又は投薬レジメンの有効性を評価するために適用され得る。
投薬スケジュールに対するノンアドヒアランスの影響の評価
いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、投薬スケジュールに対するノンアドヒアランスの影響を評価することができる(例えば、1つ以上の予定された投薬の失敗)。例えば、図42は、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、HAEの治療における投与された薬物の投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの影響を決定するための例示的な方法を示す。
方法4200は、仮想データセットのPKパラメータが取得され得る動作4202でビーイング(beings)する。本明細書中に記載されるように、PKパラメータは、患者における薬物の配置を記載するために使用され得る。仮想データセットは、QSPモデルによって実行される仮想臨床試験が行われる、仮想患者集団を反映することができる。各仮想患者に投与される薬物の投薬量及び特徴は、PKパラメータによって反映され得る。特に、PKパラメータは、方法4200に係る1つ以上の失敗した投薬を反映し得る。
動作4204において、疾患予測記述子(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)を、仮想データセットについて決定することができる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、臨床データによって示教され得る。
動作4206において、PKパラメータ及び疾患予測記述子が、仮想データセットに割り当てられる。いくつかの実施形態では、疾患予測記述子は、ポアソン過程を用いて割り当てられ得る。
動作4208において、仮想データセットは、処理データを得るためにQSPモデルによって処理され得る。動作4210において、ノンアドヒアランスの影響(ノンアドヒアランス頻度を含む)を決定することができる。例えば、シミュレーション出力は、経時的なタンパク質レベルの変化、及び/又はHAEフレアアップの1つ以上の特徴(例えば、発作頻度、重症度、持続時間など)を含む、1つ以上のタンパク質のレベルを提供することができる。シミュレーション出力は、例えば、図43Aに示すように、1つ以上の予定された投薬を失敗した影響を決定するために、本明細書で説明するように使用することができる。いくつかの実施形態では、例えば図43Bに示すように、異なる頻度のノンアドヒアランス(例えば、完全順守、15%投薬失敗、20%投薬失敗など)の影響を比較して、HAE治療に対するノンアドヒアランスの影響を決定することができる。
図43Aは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、投薬レジメンに対するノンアドヒアランスと、ブラジキニンレベルとの間の例示的な関係を示す。特に、図43Aは、20%のノンアドヒアランス率を伴うHAEの治療について、150mgでQDの薬物を投与された仮想患者のBKレベルを示す。図43Aに示すように、BKレベルは、投与された薬物の濃度が減少する数日後に増加する(失敗した投薬に起因)。したがって、図43Aは、各失敗した投与が薬物の適用範囲を減少させ、患者がHAE発作を起こしやすくさせるので、1日投薬レジメンのノンアドヒアランスがHAE発作の抑制に悪影響を及ぼし得ることを示す。
図43Bは、本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態に係る、ノンアドヒアランス率と発作頻度との間の例示的な関係を示す。特に、図43Bは、ノンアドヒアランス率が増加するにつれて、発作頻度が増加することを示している。HAE発作の減少率は、完全順守時の53.9%から、50%投与失敗での13.2%まで減少する。より多くの投与失敗はより高いHAE発作頻度をもたらし、50%投与失敗のシナリオは、限界薬物有効性につながる。
結論
このように、少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、様々な変更、修正、及び改善が当業者には容易に想到されることを理解されたい。そのような変更、修正、及び改善は、本開示の趣旨及び範囲内にあることが意図されている。したがって、上記の説明及び図面は、単なる例である。
例えば、いくつかの実施形態では、接触系は、HAE以外の1つ以上の他の疾患、例えば接触系又は同様の生命系に関与する他の疾患(例えば、浮腫をもたらす他の疾患)をモデリングするために、修正及び/又は使用されてもよい。
加えて、キニン-カリクレインカスケードを阻害するHAE治療を評価するためのQSPモデルが本明細書に記載されているが、いくつかの実施形態では、QSPモデルを使用して、接触系の他の部分、例えばFXIIa阻害剤及び/又はBKを分解するように機能する酵素に影響を及ぼす他のHAE治療を評価することができる。
本開示の上記の実施形態は、数多くの方法のいずれかで実装することができる。例えば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組合せを用いて実装することができる。ソフトウェアに実装される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータに提供されるか、又は複数のコンピュータに分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサ又はプロセッサの集合で実行することができる。
また、本明細書で概説した様々な方法又はプロセスは、様々なオペレーティングシステム又はプラットフォームのいずれか1つを使用する、1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコーディングされてもよい。加えて、そのようなソフトウェアは、いくつかの好適なプログラミング言語及び/又はプログラミングツール若しくはスクリプトツールのいずれかを用いて記述されてもよく、また、フレームワーク又は仮想マシン上で実行される実行可能な機械言語コード又は中間コードとしてコンパイルされてもよい。
この点に関して、本明細書で開示される概念は、1つ以上のコンピュータ又は他のプロセッサ上で実行された場合、上述した本開示の様々な実施形態を実装する方法を実行する、1つ以上のプログラムでコーディングされた非一時的コンピュータ可読媒体(又は複数のコンピュータ可読媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ若しくは他の半導体デバイス内の回路構成、又は他の非一時的有形コンピュータ記憶媒体)として具現化することができる。1つ又は複数のコンピュータ可読媒体は、その上に格納された1つ又は複数のプログラムを1つ以上の異なるコンピュータ又は他のプロセッサにロードして、上述したように本開示の様々な態様を実装することができるように、輸送可能であり得る。
「プログラム」又は「ソフトウェア」という用語は、本明細書では、上述のように本開示の様々な態様を実装するためにコンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするように使用することができる、任意の種類のコンピュータコード又はコンピュータ実行可能命令のセットを指すために使用される。加えて、この実施形態の一態様によれば、本開示の方法を実行した場合、本開示の様々な態様を実装するために、単一のコンピュータ又はプロセッサ上に存在する必要はないが、いくつかの異なるコンピュータ又はプロセッサ間でモジュール方式にて分散され得る、1つ以上のコンピュータプログラムを理解されたい。
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどの多くの形態であり得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。典型的には、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望に応じて組み合わされてもよく、又は分散されてもよい。
また、データ構造は、任意の好適な形態でコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。説明を簡単にするために、データ構造は、データ構造内の位置を介して関連するフィールドを有するように示され得る。そのような関係は、フィールド間の関係を伝達するコンピュータ可読媒体内の位置を有するフィールドに、ストレージを割り当てることによって、同様に達成することができる。しかしながら、ポインタ、タグ、又はデータ要素間の関係を確立する他のメカニズムの使用を含む、任意の好適なメカニズムを使用して、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立することができる。
本開示の様々な特徴及び態様は、単独で、2つ以上の任意の組合せで、又は前述の実施形態で具体的に説明されていない様々な構成で使用することができ、したがって、その適用において、前述の説明に記載された構成要素又は図面に示された構成要素の詳細及び配置に限定されない。例えば、一実施形態に記載された態様は、他の実施形態に記載された態様と任意の様式で組み合わされてもよい。
また、本明細書に開示された概念は、例が提供された方法として具現化され得る。方法の一部として実行される動作は、任意の好適な方法で順序付けられてもよい。したがって、例示的な実施形態では連続的な動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る、図示とは異なる順序で動作が実行される実施形態を構築することができる。
「実質的に」、「およそ」、及び「約」という用語は、いくつかの実施形態では目標値の±20%以内、いくつかの実施形態では目標値の±10%以内、いくつかの実施形態では目標値の±5%以内、いくつかの実施形態では目標値の±2%以内を意味するために使用され得る。「およそ(approximately)」及び「約(about)」という用語は、目標値を含み得る。
特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」などの序数用語を使用して特許請求の範囲の要素を修飾することは、それ自体では、1つの特許請求の範囲の要素の別の要素に対する任意の優先順位、優位、若しくは順序、又は方法の動作が実行される時間的順序を意味するものではなく、単に、特定の名前を有する1つの特許請求の範囲の要素を同じ名前を有する別の要素と区別するための標識として(ただし、序数用語を使用するために)使用され、特許請求の範囲の要素を区別する。
また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであり、限定と見なされるべきではない。本明細書における「含むこと(including)」、「含婿と(comprising)」、「有すること(having)」、「含有すること(containing)」、「含むこと(involving)」、及びこれらの変形の使用は、その後に列挙される項目及びその均等物、並びに追加の項目を包含することを意味する。

Claims (149)

  1. 遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema:HAE)をモデリング及びシミュレーションするためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    HAEの定量的システム薬理学(quantitative systems pharmacology:QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    疾患予測記述子を決定することと;
    前記疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てることと;
    処理データを得るために前記QSPモデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  2. 前記処理データを表示することを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  3. 以下:
    薬物動態パラメータを決定することと;
    前記薬物動態パラメータを前記仮想患者集団に割り当てることと;
    治療的介入に基づいて治療的介入データを決定することと;
    治療的介入の有効性を決定するために、前記治療的介入データ及び前記仮想患者集団を前記QSPモデルで処理することと、
    を更に含む、請求項1又はその他請求項1~2のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  4. 前記治療的介入が、ラナデルマブを投与することを含む、請求項2又はその他請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  5. 前記治療的介入が、小分子PKa阻害剤を投与することを含む、請求項2又はその他請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  6. 前記治療的介入が、前記小分子PKa阻害剤を経口投与することを含む、請求項2又はその他請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  7. 前記1つ以上の接触系タンパク質が、ブラジキニン、cHMWK、又は血漿カリクレインのうち少なくとも1つを含む、請求項1又はその他請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  8. 前記処理データを用いてHAEフレアアップ頻度を決定することを更に含む、請求項1又はその他請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  9. 前記処理データを用いてHAEフレアアップ重症度を決定することを更に含む、請求項1又はその他請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  10. 前記処理データを用いてHAEフレアアップ持続時間を決定することを更に含む、請求項1又はその他請求項1~9のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  11. 前記QSPモデルが、接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項1又はその他請求項1~10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  12. 前記薬物動態パラメータが、前記治療的介入が投与される患者の1つ以上の経歴(biographical)特徴によってどのように影響を受けるかを示す、1つ以上のパラメータを含む、請求項3又はその他請求項1~11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  13. 前記1つ以上の経歴特徴が、身長、体重、年齢、又は性別のうち少なくとも1つを含む、請求項12又はその他請求項1~11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  14. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップを経験する患者の傾向を特徴付ける1つ以上のパラメータを含む、請求項1又はその他請求項1~13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  15. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップ頻度及び/又は重症度を含む、請求項14又はその他請求項1~13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  16. システムであって、以下:
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)をモデルリング及びシミュレーションするためのコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納した少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
    HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    疾患予測記述子を決定することと;
    前記疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てることと;
    処理データを得るために前記QSPモデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
    を含む、システム。
  17. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)をモデルリング及びシミュレーションするためのコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納した、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体であって、以下:
    HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    疾患予測記述子を決定することと;
    前記疾患予測記述子を仮想患者集団に割り当てることと;
    処理データを得るために前記QSPモデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
  18. トリガに応じて患者の接触系の1つ以上の特徴を推定することによってトリガ強度を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、前記トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    既知のデータを用いて前記QSPモデルを較正することと;
    前記トリガを前記QSPモデルに入力することであって、前記トリガが、前記接触系の第XII因子を自己活性化させることによってFXIIaを生成するように構成される、入力することと;
    前記QSPモデルから、前記トリガに応じて生成された前記接触系のある量のタンパク質を得ることと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  19. 前記量の前記タンパク質を、臨床データから得られた既知の量の前記タンパク質と比較することを更に含む、請求項18に記載のコンピュータ実装方法。
  20. 前記量の前記タンパク質を用いて、前記トリガに応じてHAEフレアアップが発生したかどうかを決定することを更に含む、請求項18又はその他請求項1~19のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  21. 前記量の前記タンパク質を用いて、前記HAEフレアアップの前記重症度を決定することを更に含む、請求項20又はその他請求項1~19のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  22. 以下:
    前記タンパク質が、ブラジキニンを含み;及び
    前記量の前記タンパク質を用いてHAEフレアアップが発生したかどうかを決定することが、前記ブラジキニンの量が閾値を超えるかどうかを決定することを含む、請求項20又はその他請求項1~21のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  23. 前記量の前記タンパク質を用いて、前記HAEフレアアップの前記持続時間を決定することを更に含む、請求項20又はその他請求項1~22のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  24. 前記タンパク質が、ブラジキニンである、請求項18又はその他請求項1~23のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  25. 前記タンパク質が、cHMWKである、請求項18又はその他請求項1~24のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  26. 前記タンパク質が、血漿カリクレインである、請求項18又はその他請求項1~25のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  27. 前記QSPモデルが、前記接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項18又はその他請求項1~26のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  28. システムであって、以下:
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、トリガに応じて患者の接触系の1つ以上の特徴を推定するためのコンピュータ実装方法を前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、前記トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    既知のデータを用いて前記QSPモデルを較正することと;
    前記トリガを前記QSPモデルに入力することであって、前記トリガが、前記接触系の第XII因子を自己活性化させることによってFXIIaを生成するように構成される、入力することと;
    前記QSPモデルから、前記トリガに応じて生成されたある量の前記接触系のタンパク質を得ることと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
    を含む、システム。
  29. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、トリガに応じて患者の接触系の1つ以上の特徴を推定するためのコンピュータ実装方法を前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、前記トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    既知のデータを用いて前記QSPモデルを較正することと;
    前記トリガを前記QSPモデルに入力することであって、前記トリガが、前記接触系の第XII因子を自己活性化させることによってFXIIaを生成するように構成される、入力することと;
    前記QSPモデルから、前記トリガに応じて生成されたある量の前記接触系のタンパク質を得ることと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  30. 遺伝性血管性浮腫(HAE)発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    仮想患者集団内の1人以上の患者に第XII因子トリガ率を割り当てることであって、前記第XII因子トリガ率が、前記QSPモデルにおいて第XII因子の自己活性化が引き起こされる速度を含む、割り当てることと;
    処理データを得るために前記仮想患者集団内の前記1人以上の患者に前記QSPモデルを適用することであって、前記処理データがある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、適用することと;
    前記処理データに基づいて前記仮想患者集団内の前記1人以上の患者のHAE発作頻度を決定することと;
    HAE発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定することと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  31. 第XII因子の前記自己活性化に応じて生成された、ある量のブラジキニンを得ることを更に含む、請求項30に記載のコンピュータ実装方法。
  32. 第XII因子の前記自己活性化に応じて、ある量のcHMWKを得ることを更に含む、請求項30又はその他請求項1~31のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  33. 第XII因子の前記自己活性化に応じて生成された、ある量の血漿カリクレインを得ることを更に含む、請求項30又はその他請求項1~32のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  34. 前記QSPモデルを既知のデータで較正することを更に含む、請求項30又はその他請求項1~33のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  35. 前記仮想患者集団内の前記1人以上の患者についての前記決定されたHAE発作頻度を、既知のデータと比較することによって、前記QSPモデルを少なくとも部分的に検証することを更に含む、請求項30又はその他請求項1~34のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  36. 前記QSPモデルが、接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項30又はその他請求項1~35のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  37. システムであって、以下:
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定するためのコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    仮想患者集団内の1人以上の患者に第XII因子トリガ率を割り当てることであって、前記第XII因子トリガ率が、前記QSPモデルにおいて第XII因子の自己活性化が引き起こされる速度を含む、割り当てることと;
    処理データを得るために前記仮想患者集団内の前記1人以上の患者に前記QSPモデルを適用することであって、前記処理データがある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、適用することと;
    前記処理データに基づいて前記仮想患者集団内の前記1人以上の患者のHAE発作頻度を決定することと;
    HAE発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
    を含む、システム。
  38. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定するためのコンピュータ実装方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを得ることであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成されている、得ることと;
    仮想患者集団内の1人以上の患者に第XII因子トリガ率を割り当てることであって、前記第XII因子トリガ率が、前記QSPモデルにおいて第XII因子の自己活性化が引き起こされる速度を含む、割り当てることと;
    処理データを得るために前記仮想患者集団内の前記1人以上の患者に前記QSPモデルを適用することであって、前記処理データがある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、適用することと;
    前記処理データに基づいて前記仮想患者集団内の前記1人以上の患者のHAE発作頻度を決定することと;
    HAE発作頻度と第XII因子トリガ率との間の関係を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  39. 遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の有効性を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    仮想患者集団について投与された薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、HAEの治療において前記投与された薬物の前記有効性の指標を得ることと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  40. 前記処理データが、ある量のブラジキニンを含む、請求項39に記載のコンピュータ実装方法。
  41. 前記処理データが、ある量のcHMWKを含む、請求項39又はその他請求項1~40のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  42. 前記処理データが、ある量の血漿カリクレインを含む、請求項39又はその他請求項1~41のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  43. 前記投与された薬物の前記有効性の前記指標が、前記処理データを既知のデータと比較することによって少なくとも部分的に得られる、請求項39又はその他請求項1~42のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  44. 前記既知のデータが、HAEを伴う未治療対象の接触系タンパク質量を含む、請求項43又はその他請求項1~42のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  45. 前記既知のデータが、HAEを伴わない対象の接触系タンパク質量を含む、請求項43又はその他請求項1~44のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  46. 前記投与された薬物が、ラナデルマブを含む、請求項39又はその他請求項1~45のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  47. 前記投与された薬物が、小分子PKa阻害剤を含む、請求項39又はその他請求項1~46のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  48. 前記投与された薬物の前記有効性を、第2の薬物の有効性と比較することを更に含む、請求項39又はその他請求項1~47のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  49. 前記QSPモデルが、接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項39又はその他請求項1~48のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  50. 前記薬物動態パラメータが、前記投与された薬物が投与される患者の1つ以上の経歴特徴によってどのように影響を受けるかを示す、1つ以上のパラメータを含む、請求項39又はその他請求項1~49のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  51. 前記1つ以上の経歴特徴が、身長、体重、年齢、又は性別のうち少なくとも1つを含む、請求項50又はその他請求項1~49のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  52. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップを経験する患者の傾向を特徴付ける1つ以上のパラメータを含む、請求項39又はその他請求項1~51のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  53. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップ頻度及び/又は重症度を含む、請求項52又はその他請求項1~51のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  54. 前記仮想患者集団が、複数のデータセットを含み、前記複数のデータセットの各データセットが、仮想患者を表し、前記仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数を有する、請求項39又はその他請求項1~53のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  55. 前記薬物動態パラメータ及び疾患予測パラメータが、各データセットの前記1つ以上の変数に割り当てられる、請求項54又はその他請求項1~53のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  56. システムであって、
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の有効性を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について投与された薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)を用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記HAEの治療において前記投与された薬物の前記有効性の指標を得ることと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
    を含む、システム。
  57. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の有効性を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記投与された薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    HAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記HAEの治療において前記投与された薬物の前記有効性の指標を得ることと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  58. 遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬量の有効性を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    仮想患者集団について前記投薬量の前記投与された薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記HAEの治療における前記投与された薬物の前記投薬量の前記有効性の指標を得ることと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  59. 前記処理データが、ある量のブラジキニンを含む、請求項58に記載のコンピュータ実装方法。
  60. 前記処理データが、ある量のcHMWKを含む、請求項58又はその他請求項1~59のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  61. 前記処理データが、ある量の血漿カリクレインを含む、請求項58又はその他請求項1~60のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  62. 前記投薬量の前記投与された薬物の有効性の前記指標が、前記処理データを既知のデータと比較することによって少なくとも部分的に得られる、請求項58又はその他請求項1~61のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  63. 前記既知のデータが、HAEを伴う未治療対象の接触系タンパク質量を含む、請求項62又はその他請求項1~61のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  64. 前記既知のデータが、HAEを伴わない対象の接触系タンパク質量を含む、請求項62又はその他請求項1~63のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  65. 前記既知のデータが、異なる投薬量の前記投与された薬物で治療された対象の接触系タンパク質量を含む、請求項62又はその他請求項1~64のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  66. 前記投与された薬物が、ラナデルマブを含む、請求項58又はその他請求項1~65のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  67. 前記投与された薬物が、小分子PKa阻害剤を含む、請求項58又はその他請求項1~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  68. 前記投薬量の前記投与された薬物の有効性を、異なる投薬量の前記投与された薬物の有効性と比較することを更に含む、請求項58又はその他請求項1~67のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  69. 前記投薬量が、4週間毎に150ミリグラムを含む、請求項58又はその他請求項1~68のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  70. 前記投薬量が、4週間毎に300ミリグラムを含む、請求項58又はその他請求項1~69のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  71. 前記投薬量が、2週間毎に300ミリグラムを含む、請求項58又はその他請求項1~70のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  72. 前記QSPモデルが、接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項58又はその他請求項1~71のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  73. 前記薬物動態パラメータが、前記投与された薬物が投与される患者の1つ以上の経歴特徴によってどのように影響を受けるかを示す、1つ以上のパラメータを含む、請求項58又はその他請求項1~72のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  74. 前記1つ以上の経歴特徴が、身長、体重、年齢、又は性別のうち少なくとも1つを含む、請求項73又はその他請求項1~72のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  75. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップを経験する患者の傾向を特徴付ける1つ以上のパラメータを含む、請求項58又はその他請求項1~74のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  76. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップ頻度及び/又は重症度を含む、請求項75又はその他請求項1~74のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  77. 前記仮想患者集団が、複数のデータセットを含み、前記複数のデータセットの各データセットが、仮想患者を表し、前記仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数を有する、請求項58又はその他請求項1~76のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  78. 前記薬物動態パラメータ及び疾患予測パラメータが、各データセットの前記1つ以上の変数に割り当てられる、請求項77又はその他請求項1~76のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  79. システムであって、
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬量の有効性を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記投与された薬物の前記投薬量の動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記HAEの治療における投与された薬物の前記投薬量の前記有効性の指標を得ることと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
    を含む、システム。
  80. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬量の有効性を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記投与された薬物の前記投薬量の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記HAEの治療における投与された薬物の前記投薬量の前記有効性の指標を得ることと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  81. 遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの影響を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    仮想患者集団について前記投与された薬物の薬物動態パラメータを決定することであって、前記薬物動態パラメータが、前記投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの頻度を含む、決定することと;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、HAEの治療におけるノンアドヒアランスの前記頻度の効果を決定することと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  82. 前記処理データが、HAEフレアアップ頻度を含む、請求項81に記載のコンピュータ実装方法。
  83. 前記処理データが、HAEフレアアップ重症度を含む、請求項81又はその他請求項1~82のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  84. 前記処理データを用いて、HAEの治療に対するノンアドヒアランスの前記頻度の前記効果を決定することが、前記処理データを既知のデータと比較することを含む、請求項81又はその他請求項1~83のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  85. 前記QSPモデルが、接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項81又はその他請求項1~84のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  86. 前記薬物動態パラメータが、前記投与された薬物が投与される患者の1つ以上の経歴特徴によってどのように影響を受けるかを示す、1つ以上のパラメータを含む、請求項81又はその他請求項1~85のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  87. 前記1つ以上の経歴特徴が、身長、体重、年齢、又は性別のうち少なくとも1つを含む、請求項86又はその他請求項1~85のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  88. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップを経験する患者の傾向を特徴付ける1つ以上のパラメータを含む、請求項81又はその他請求項1~87のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  89. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップ頻度及び/又は重症度を含む、請求項88又はその他請求項1~87のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  90. 前記仮想患者集団が、複数のデータセットを含み、前記複数のデータセットの各データセットが、仮想患者を表し、前記仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数を有する、請求項81又はその他請求項1~89のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  91. 前記薬物動態パラメータ及び疾患予測パラメータが、各データセットの前記1つ以上の変数に割り当てられる、請求項90又はその他請求項1~89のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  92. システムであって、
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの影響を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記投与された薬物の薬物動態パラメータを決定することであって、前記薬物動態パラメータが、前記投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの頻度を含む、決定することと;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、HAEの治療におけるノンアドヒアランスの前記頻度の効果を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体と、
    を含む、システム。
  93. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療において投与された薬物の投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの影響を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記投与された薬物の薬物動態パラメータを決定することであって、前記薬物動態パラメータが、前記投薬レジメンに対するノンアドヒアランスの頻度を含む、決定することと;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、HAEの治療におけるノンアドヒアランスの前記頻度の効果を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  94. 遺伝性血管性浮腫(HAE)を治療する薬物の投与に応じて患者における接触系のタンパク質の量を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    仮想患者集団に対する前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成される、処理することと;
    前記処理データに基づいて前記タンパク質の前記量を決定することと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  95. 前記タンパク質が、ブラジキニンを含む、請求項94に記載のコンピュータ実装方法。
  96. 前記タンパク質が、cHMWKを含む、請求項94又はその他請求項1~95のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  97. 前記タンパク質が、血漿カリクレインを含む、請求項94又はその他請求項1~96のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  98. 前記薬物が、ラナデルマブを含む、請求項94又はその他請求項1~97のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  99. 前記薬物が、小分子PKa阻害剤を含む、請求項94又はその他請求項1~98のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  100. 前記量の前記タンパク質を用いて前記薬物の有効性を決定することを更に含む、請求項94又はその他請求項1~99のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  101. 前記量の前記タンパク質を用いて、HAEフレアアップが発生したかどうかを決定することを更に含む、請求項94又はその他請求項1~100のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  102. 前記量の前記タンパク質を用いてHAEフレアアップが発生したかどうかを決定することが、前記量の前記タンパク質を既知の閾値と比較することを含む、請求項101又はその他請求項1~100のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  103. 前記量の前記タンパク質を用いて、前記HAEフレアアップ頻度を決定することを更に含む、請求項94又はその他請求項1~102のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  104. 前記QSPモデルが、前記接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項94又はその他請求項1~103のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  105. 前記薬物動態パラメータが、前記投与された薬物が投与される前記患者の1つ以上の経歴特徴によってどのように影響を受けるかを示す、1つ以上のパラメータを含む、請求項94又はその他請求項1~104のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  106. 前記1つ以上の経歴特徴が、身長、体重、年齢、又は性別のうち少なくとも1つを含む、請求項105又はその他請求項1~104のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  107. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップを経験する前記患者の傾向を特徴付ける1つ以上のパラメータを含む、請求項94又はその他請求項1~106のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  108. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップ頻度及び/又は重症度を含む、請求項107又はその他請求項1~106のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  109. 前記仮想患者集団が、複数のデータセットを含み、前記複数のデータセットの各データセットが、仮想患者を表し、前記仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数を有する、請求項94又はその他請求項1~108のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  110. 前記薬物動態パラメータ及び疾患予測パラメータが、各データセットの前記1つ以上の変数に割り当てられる、請求項109又はその他請求項1~108のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  111. システムであって、以下:
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)を治療する薬物の投与に応じて患者における接触系のタンパク質の量を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成される、処理することと;
    前記処理データに基づいて前記量の前記タンパク質を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
    を含む、システム。
  112. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)を治療する薬物の投与に応じて患者における接触系のタンパク質の量を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成される、処理することと;
    前記処理データに基づいて前記量の前記タンパク質を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  113. 患者における接触系への薬物の効果を示す時間的プロファイルを決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    仮想患者集団について前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るために遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記薬物に応じた経時的な前記接触系のある量の1つ以上のタンパク質の尺度を決定することと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  114. 前記1つ以上のタンパク質が、ブラジキニン、血漿カリクレイン、及びcHMWKを含む群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項113に記載のコンピュータ実装方法。
  115. 前記処理データを用いて、前記薬物に応じた経時的なHAEフレアアップ重症度の尺度を得ることを更に含む、請求項113又はその他請求項1~114のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  116. 前記処理データを用いて、前記薬物に応じた経時的なHAEフレアアップ頻度の尺度を得ることを更に含む、請求項113又はその他請求項1~115のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  117. 前記QSPモデルが、前記接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項113又はその他請求項1~116のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  118. 前記薬物動態パラメータが、前記投与された薬物が投与される患者の1つ以上の経歴特徴によってどのように影響を受けるかを示す、1つ以上のパラメータを含む、請求項113又はその他請求項1~117のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  119. 前記1つ以上の経歴特徴が、身長、体重、年齢、又は性別のうち少なくとも1つを含む、請求項118又はその他請求項1~117のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  120. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップを経験する患者の傾向を特徴付ける1つ以上のパラメータを含む、請求項113又はその他請求項1~119のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  121. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップ頻度及び/又は重症度を含む、請求項120又はその他請求項1~119のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  122. 前記仮想患者集団が、複数のデータセットを含み、前記複数のデータセットの各データセットが、仮想患者を表し、前記仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数を有する、請求項113又はその他請求項1~121のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  123. 前記薬物動態パラメータ及び疾患予測パラメータが、各データセットの前記1つ以上の変数に割り当てられる、請求項122又はその他請求項1~121のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  124. システムであって、
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、患者における接触系に対する薬物の効果を示す時間的プロファイルを決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るために遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記薬物に応じた経時的な前記接触系のある量の1つ以上のタンパク質の量の尺度を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
    を含む、システム。
  125. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、患者における接触系に対する薬物の効果を示す時間的プロファイルを決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るために遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記薬物に応じた経時的な前記接触系のある量の1つ以上のタンパク質の量の尺度を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  126. 患者への薬物の投与に応じた遺伝性血管性浮腫(HAE)フレアアップの特徴を決定するためのコンピュータ実装方法であって、以下:
    仮想患者集団について前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記患者への前記薬物の投与に応じた前記HAEフレアアップの前記特徴を決定することと、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  127. 前記HAEフレアアップの前記特徴が、HAEフレアアップ重症度を含む、請求項126に記載のコンピュータ実装方法。
  128. 前記HAEフレアアップの前記特徴が、HAEフレアアップ頻度を含む、請求項126又はその他請求項1~127のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  129. 前記HAEフレアアップの前記特徴が、HAEフレアアップ持続時間を含む、請求項126又はその他請求項1~128のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  130. 前記薬物動態パラメータが、ある投薬量の前記薬物を含み;及び
    前記方法が、前記処理データを用いて、前記患者への投薬量の前記薬物の投与に応じた前記HAEフレアアップの前記特徴を決定することを更に含む、
    請求項126又はその他請求項1~129のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  131. 前記薬物が、ラナデルマブを含む、請求項126又はその他請求項1~130のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  132. 前記薬物が、小分子PKa阻害剤を含む、請求項126又はその他請求項1~131のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  133. 前記QSPモデルが、接触系の1つ以上の生物学的反応を表す複数の微分方程式を含む、請求項126又はその他請求項1~132のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  134. 前記薬物動態パラメータが、前記投与された薬物が投与される前記患者の1つ以上の経歴特徴によってどのように影響を受けるかを示す、1つ以上のパラメータを含む、請求項126又はその他請求項1~133のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  135. 前記1つ以上の経歴特徴が、身長、体重、年齢、又は性別のうち少なくとも1つを含む、請求項134又はその他請求項1~133のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  136. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップを経験する前記患者の傾向を特徴付ける1つ以上のパラメータを含む、請求項126又はその他請求項1~135のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  137. 前記疾患予測記述子が、HAEフレアアップ頻度及び/又は重症度を含む、請求項136又はその他請求項1~135のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  138. 前記仮想患者集団が、複数のデータセットを含み、前記複数のデータセットの各データセットが、仮想患者を表し、前記仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数を有する、請求項126又はその他請求項1~137のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  139. 前記薬物動態パラメータ及び疾患予測パラメータが、各データセットの前記1つ以上の変数に割り当てられる、請求項138又はその他請求項1~137のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  140. システムであって、
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、患者への薬物の投与に応じた遺伝性血管性浮腫(HAE)フレアアップの特徴を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読ハードウェア媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記患者への前記薬物の投与に応じた前記HAEフレアアップの前記特徴を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読ハードウェア媒体と、
    を含む、システム。
  141. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、患者への薬物の投与に応じた遺伝性血管性浮腫(HAE)フレアアップの特徴を決定するための方法を実行させる、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読ハードウェア媒体であって、前記方法が、以下:
    仮想患者集団について前記薬物の薬物動態パラメータを決定すること;
    前記仮想患者集団についての疾患予測記述子を決定すること;
    前記薬物動態パラメータ及び疾患予測記述子を前記仮想患者集団に割り当てること;
    処理データを得るためにHAEの定量的システム薬理学(QSP)モデルを用いて前記仮想患者集団を処理することであって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記処理データが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を含む、処理することと;
    前記処理データを用いて、前記患者への前記薬物の投与に応じた前記HAEフレアアップの前記特徴を決定することと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読ハードウェア媒体。
  142. 遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルに入力するための複数の仮想患者を含む、仮想患者集団を開発する方法であって、前記QSPモデルが、トリガが前記QSPモデルに入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表し、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を出力するように構成され、前記方法が、以下:
    前記仮想患者集団に薬物動態パラメータを割り当てることと;
    前記仮想患者集団内の各患者のベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を決定することと;
    前記仮想患者集団内の各患者に前記ベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を割り当てることと、
    を含む、方法。
  143. 前記仮想患者集団を、HAEの前記定量的システム薬理学(QSP)モデルに入力することを更に含む、請求項142に記載の方法。
  144. 前記ベースライン発作頻度が、既知のデータによって示教されるポアソン過程を用いることによって少なくとも部分的に決定される、請求項142に記載の方法。
  145. 前記ベースライン発作頻度が、未治療患者における発作頻度を含み、前記ベースライン発作重症度が、前記未治療患者における発作重症度を含む、請求項142又はその他請求項1~144のいずれか一項に記載の方法。
  146. 前記仮想患者集団が、複数のデータセットを含み、前記複数のデータセットの各データセットが、前記仮想患者集団の前記複数の仮想患者のうち1人の仮想患者を表し、前記仮想患者の1つ以上の特徴を定義する1つ以上の変数を有する、請求項142又はその他請求項1~145のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  147. 前記薬物動態パラメータ、ベースライン発作頻度、及びベースライン発作重症度が、各データセットの前記1つ以上の変数に割り当てられる、請求項146又はその他請求項1~145のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
  148. システムであって、
    少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサと;
    前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルに入力するための仮想集団を開発するための方法を実行させるプロセッサ実行可能命令を格納した少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記QSPモデルが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を出力する前記QSPモデルにトリガが入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記方法が、以下:
    前記仮想患者集団に薬物動態パラメータを割り当てることと;
    前記仮想患者集団内の各患者のベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を決定することと;
    前記仮想患者集団内の各患者に前記ベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を割り当てることと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システム。
  149. 少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサによって実行された場合、前記少なくとも1つのコンピュータ・ハードウェア・プロセッサに、遺伝性血管性浮腫(HAE)の定量的システム薬理学(QSP)モデルに入力するための仮想集団を開発するための方法を実行させるプロセッサ実行可能命令を格納した少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記QSPモデルが、ある量の1つ以上の接触系タンパク質を出力する前記QSPモデルにトリガが入力されたという指示に応じてFXIIaのレベルを上昇させることによって第XII因子の自己活性化を表すように構成され、前記方法が、以下:
    前記仮想患者集団に薬物動態パラメータを割り当てることと;
    前記仮想患者集団内の各患者のベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を決定することと;
    前記仮想患者集団内の各患者に前記ベースライン発作頻度及びベースライン発作重症度を割り当てることと、
    を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。

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