JP2022533769A - 不正開封防止鞄およびその安全システム - Google Patents

Abstract

鞄（Ａ）は、細長い支持片（Ｌ）のそれぞれの縁部に固定される対向する歯（Ｄ）の２つの列に沿って、長軸に合わせて摺動可能な滑動部本体（Ｃｕ）を備えるジッパー（Ｃ）によって閉鎖しやすい少なくとも閉鎖可能な開口縁を備え、細長い支持片（Ｌ）は閉鎖可能な開口部に固定され、ジッパー（Ｃ）は、歯（Ｄ）に隣接して部分的に重なり合う２つの薄板（７、８）と、閉鎖可能な開口部の内側に、細長い支持片（Ｌ）から取り付けられる片持ち梁とを有する、ことが記載される。

Description

本発明は、不正開封防止鞄、特に、ジッパー開口部を備える、及び不正開封防止安全機能を有する鞄、に関連する。

知られるように、鞄産業は、非常に異なる要求が共存する、複雑な分野を構成する。しばしば調整することが困難である要件の中には、ファッションと技術とがある。実際のところ、美的に満足な態様と、「ファッションテック」とも呼ばれる付加的な技術的価値を有する解決策との組み合わせは、多くの多様な種類の鞄において現在求められており、最も洗練された肩掛け鞄、肩掛けひも又はクラッチバッグから、バックパック、ポシェット、バケットバッグ及びダッフルバッグなどのよりスポーティな鞄まで、及び、学生鞄、キャリーバッグ、スーツケース、書類用鞄などのようなより専門的な鞄等まである。

したがって、技術に頼ることは、鞄のいわゆる「大成功な効果(wow effect)」に寄与するだけでなく、例えば、鞄を衝撃、耐水性、耐切断性および耐引裂性に対して極めて耐久性があるものとし、同時に水、火および塵埃からの保護を保証する高性能材料を使用することなどの、包まれた物品の保護に特に適した解決策の開発においても最重要であることが示された。

しかしながら、これらの有利な技術的側面は、鞄のより伝統的な美的要求と必ずしも良好に両立せず、それに適合するわけではないことが指摘されなければならない。例えば、洗練された及び／又は日常的な鞄は、通常、尾錠、スナップフック、自動ボタン、リベット、留め金具、小さなひも、小さな組みひも、ジッパーなどの閉鎖要素を有し、これらは、強力な穿孔の奮闘の下で、安全な閉鎖、丈夫さ、及び有効性を保証する要求に適さない。

特に、これらの閉鎖要素の中で、ジッパーは、迅速かつ封じ込む方法で、２つの対向するフラップを結合し、固体および流体のいずれの通過を可能にせず、同時に、明らかに美的外観を示すのに最も適した解決策であり、ジッパーの滑動部と歯とは、非常に用途が広く、適している。しかし、本来、ジッパーは、不許可の開口に関して重大な安全を保証するものではない。

従来技術では、それにもかかわらず、鞄に適用される安全要素とシステムとが示される、いくつかの解決策が利用可能である。一例として、国際公開第201914504号は、剛性内骨格と、剛性内骨格の上部に配置される外装と、内骨格と結合される固定組立品と、生体センサと、マイクロ制御装置とを含む鞄を開示する。固定組立品は、固定組立品が施錠状態にあるとき、内部空間への出入りを防止する。固定組立品は、ハンドルと駆動装置とを含む。駆動装置は、固定組立品の内側に配置され、固定組立品が施錠状態から解錠状態に選択的に切り替わることを可能にする。マイクロ制御装置は、生体センサに与えられる入力が許可されたユーザに対応するか否かを判定して、肯定の場合には、駆動装置を起動して、固定組立品が解錠状態に到達することを可能にし、否定の場合には、固定組立品が解錠状態に到達することを可能にしないように、プログラムされる。また、利用者識別システムは、スーツケースに適用される閉鎖装置を例示する、国際公開第2017118919号に示される。

しかしながら、公知技術の解決策は、特殊な構造的構成、例えば装甲されたもの、と、許可されたユーザの識別のための生体読取器に関連する内室への有効な電気機械式出入りシステムと、を使用するにもかかわらず、かさばり、あまり魅力的でない固定システムに依存して、鞄の美観に対して企画の制約を課し、典型的には、それらはジッパーの使用を提供しない。

代わりに、鞄またはスーツケースはジッパーを使用するが、万引き防止機能を取得するため、格納容器の外側に配置されるジッパー固定装置を頼る。次に、固定装置は、通常、引っ張るつまみ（若しくはジッパーのつまみ）の外側から、２つのそれぞれの対向する滑動部の渡し金のいずれかを連結するために、または引っ張るつまみ若しくは滑動部の渡し金を、ジッパーの移動停止位置に固定される停止部材に連結するために、適用される。この技術の典型的な例は、仏国特許出願公開第3008285号明細書に開示される。このような固定装置は、ジッパーの近傍に視覚的に収容され、盗難行為と、その有効寿命を必然的に減少させる大気の影響(atmospheric agent)との両方によりさらされることが容易に理解される。

さらに、固定装置を固定する配置は、必然的に、盗難行為に与えられるツールに対して取付けと留め金とのポイントを提供し、それによって、より高い成功の見込みで不正開封を達成するためのレバー動作を容易にする。

滑動部の固定が視界から隠れる別の解決策が、米国特許出願公開第2009/226050号に例示される。この文献では、ジッパーの滑動部固定機構が開示され、この機構は、電磁弁によって駆動される旋回固定レバー構成によって、内部から動作する。しかしながら、この機構は、滑動部の運動の軸の方向において特定の嵩を有する。さらに、ジッパーの開閉方向においてある程度の自由度を有する作動要素を提供すると、それらは、滑動部に直接加えられる力の動作に対してより脆弱である。

国際公開第2018197170号は、同様の構成を例示する。

最後に、国際公開第2018186257号は、ジッパーのための別の安全な固定構成を示す。ここで、固定要素は、ジッパーの長軸に対して交差方向に移動する。しかしながら、この構成は、特別な滑動部を構築することを必要とし、さらに複雑でかさばる作動を伴うと考えられる。

さらに、南京錠または滑動部に適用される盗難動作に加えて、従来のジッパーは、縁部の布が切断および／または穿孔に耐性のある材料であるにもかかわらず、または縁部の結合が鞄の布と強固であるにもかかわらず、それでも、ジッパーの歯による結合中に形成される隙間の間に正確に向けられる穿孔攻撃に対する耐性の低下を提供することに留意されなければならない。特に、ジッパーの歯の間に突き錐を用いて圧力動作を与えると、ジッパーの歯を相互に分離する力の構成要素を取得して、したがってジッパーの不許可の開口を決定付けることが可能である。

したがって、ジッパーに適用される堅固な構造と安全な固定システムとによって、その内容物を保護することができる鞄を提供する必要性が感じられ、それらは、鞄の内室を閉じるように配置され、大気の影響と盗難行為とにさらされないように収容され、さらに、ジッパーの長手方向に向けられる力に対して脆弱である構成を回避する。最後に、突き錐を用いる穿通動作に対しても耐性のある構成を提供することが望まれる。

従って、本発明の目的は、公知技術の欠点を解決することであり、閉鎖具がジッパーを与えられる場合に、美観と盗難防止技術的性能との間の有利な組み合わせを取得することを可能にする鞄構造を提供することである。

このような目的は、請求項１に定義される特徴を有する鞄によって、達成される。本発明の他の好ましい特徴は、従属請求項に定義される。

本発明による鞄のさらなる特徴と利点とは、非限定的な例として純粋に提供され、添付の図面に例示される、同様のいくつかの好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、いずれにせよ、より明らかになるであろう。

本発明の好ましい実施形態による、例示的な鞄の斜視図である。 本発明の可能な実施形態による、生体認証装置に接続される、固定装置の斜視図である。 図２の固定装置の一部透明な隆起正面立面図である。 図２の固定装置の係留システムの斜視図である。 ３つの異なる動作ステップにおける、図３のものと同様の図である。 ３つの異なる動作ステップにおける、図３のものと同様の図である。 ３つの異なる動作ステップにおける、図３のものと同様の図である。 本発明による、固定装置の別の実施形態の概略側面立面図である。 本発明の好ましい実施形態による、ジッパーの、部分的に誇張された比率における、断面図である。 図７Ａにおいて記載されたものに従って製造された、様々なジッパーの実施形態の写真である。 図７Ａにおいて記載されたものに従って製造された、様々なジッパーの実施形態の写真である。 本発明による、鞄の壁の層状態の断面図である。

本出願の文脈において、鞄という用語によって、携帯容器は、肩掛けひもを用いて、または車輪を用いて引かれて、手によって運搬可能であり、個人的な物品、その中でも価値のある物品、を安全に保管して運搬することと理解される。

この種類の鞄は、典型的には、閉鎖される容器から成り、この容器は、外側の美観を満足する、柔らかいまたは半硬質の壁を有し、閉鎖可能な口を画定する。この最後の１つは、残存する鞄の壁に蝶番式または柔軟に結合される、少なくとも２つの対向する端部を提供し、これらの端部は、ジッパーの２つの対向する構成要素を用いて備えられ、それによって、鞄の口を閉鎖するように、それらは互いに隣り合わせに確実に保たれることができる。

ジッパーは、それ自体公知の方法で、歯に沿って拘束されて摺動するように構成される、適切な形状の滑動部の助力を用いてスナップ係合するような、金属歯（または他の適切な材料）の２つの対向する列から成る。２つの一連の対向する歯は、それぞれの対向する細長い片Ｌの縁部に拘束され、細長い片Ｌは、蝶番の２つの構成要素を構成し、鞄の口縁部に（播種(sowing)または接着によって）固定される。

図１は、例示的な鞄Aを示す。この鞄は、１つ以上の内部区分への出入りを与える口を閉鎖するように配置されるジッパーＣを備える。ジッパーＣは、それ自体公知の方法で、引っ張るつまみ（図示せず）に接続するための、渡し金Ｐを上方に備えた滑動部本体Ｃｕを含む。

本発明の第１の実施形態によれば、滑動部本体Ｃｕは、係合小穴Ｅｉを備える半円形部Ｅを下方に備える。好ましくは、係合小穴Ｅｉは、滑動部本体Ｃｕの長手方向平面、すなわち、滑動部本体Ｃｕが、ジッパーの開閉運動において摺動可能に導かれる平面、に直交する軸を有する円筒穴の形状である。

ジッパーＣに沿う滑動部Ｃｕの移動停止端、つまり、ジッパーＣの閉鎖を決定付ける移動端、に対応して、鞄Ａは、終端側面を有し、終端側面には、固定装置１が配置され、固定装置１は、ジッパーＣの平面の下方、つまり鞄Ａの内、に完全に収容される。

固定装置１は、図２と図３とに同様に示されるが、キャッチクリップ２と、位置決め機構３と、適切に制御される駆動装置４と、を含む。

固定装置１は、鞄Ａ内に配置される区分内に収容され、例えば、剛性（例えば、樹脂または金属の薄板で作られる）または柔軟な内骨格に一体的に固定される、鞄Ａの壁を構成する層の間に適切に備えられる。

キャッチクリップ２は、交互に並進運動を行うように配置される駆動装置４の駆動ロッド４ａに拘束される伝動アーム２ａ、好ましくは金属材料の平面棒、で構成される。キャッチクリップの並進運動は、ジッパーの長軸に直交し、それに沿って滑動部Ｃｕが摺動する。これは、施錠を不正開封しようとすることに対して、システムの固有の頑強性を決定付ける。

伝動アーム２ａ上に、係止ピン２ｄがさらに備えられる。係止ピンは、駆動ロッド４ａの交互の運動方向と平行な軸心を有するように配置される。係止ピン２ｄは、半円形部Ｅの小穴Ｅｉの穴に嵌合するのに適した形状と断面とを有する。係止ピン２ｄの自由端２ｅは、好ましくは、例えば半球状に丸められ、以下に例示されるように、その動作を容易にする。

係止ピン２ｄは、小穴Ｅｉと係合するように意図されるので、固定装置１と滑動部Ｃｕの摺動面との間の相対位置は、滑動部Ｃｕがその移動端部にあるとき、係止ピン２ｄが小穴Ｅｉの位置と一致する並進軸上に位置するように定められる。

伝動アーム２は、駆動装置４によって、その交互な並進運動において制御される。前述の駆動装置は、手動制御とすることができるが、電気機械式駆動装置４であることが好ましい。

図示の実施形態による駆動装置４は、ソレノイド型である。ソレノイドは、強磁性電機子と電気コイルとを含み、電流によって貫流して、電気コイルの中心軸上に摺動可能に取り付けられる強磁性制御ロッド４ａの並進運動を生じさせる。

また、このシステムは、電池などの電力蓄圧器を提供する。電力蓄圧器は、固定装置１の容器内、又は離れた位置、例えば鞄の底部の下、に設置される。

電磁駆動装置４は、２つの方向にロッド４ａを能動的に運動させるように構成されることができる。しかしながら、好ましくは、駆動装置４の簡単な構成とその制御とのために、一方向にのみ能動的な駆動が起こり、一方、反対方向には、後で参照されるように、位置決め機構３に備えられる弾性要素によって運動が保証されることが提供される。

駆動装置４の動作は、起動ユニットによって制御される。この起動ユニットは、ユーザが鞄Ａの開口を決定付けるために動作することができる。起動ユニットは固定装置１の近傍に配置されるが、少なくともその一部は、ユーザが動作しなければならず、通常、滑動部Ｃｕの移動停止位置の隣接の鞄の側面Ａに対応して、壁の厚さを通して鞄Ａの外側に向かって突出することができるように構成される。

電気機械式駆動装置４の場合では、適切な回路が備えられ、それによって、鞄Ａの基板に配置される電気蓄電器などの電気エネルギー源に接続される。

起動ユニットは、例えば、生体認証装置５の形状である。好ましくは、前述の生体認証装置５は、指紋読み取りおよび認証装置である。

代替的に又は追加的に、起動ユニットは、機械結合装置６を含む。機械結合装置６は、例えば、ユーザが、能動的な駆動装置４を、駆動ロッド４ａ上で、又は駆動装置４のソレノイドと電気エネルギー源との間の電気接続を確立する手動切換器（例えば、ボタン切換器）上で、直接動作させることを可能にする。

結合装置６は、それ自体公知の方法で、正しい数字又は英数字の組合せが、複数の操作し易い選択器、例えば、番号付けされた小さな回転円板、に入力されたときはいつでも切換器を解放する機械式システムを含む。結合装置６は、生体認証装置を置き換えることができる、又は、電子故障の場合、若しくは電源の完全な消耗の場合、若しくは電子構成要素がオフライン状態にある時、生体認証装置５の代わりに使用されることができる。

生体装置５及び／又は結合装置６の選択器の少なくともセンサは、鞄Ａの外側に突出する。

好ましい実施形態によれば、駆動装置４は、単一効果型であり、従って、一方向への伝動アーム２ａの並進を制御する。

この場合、位置決め装置３は、伝動アーム２の安定位置と不安定位置とを定めるように備えられる。例えば、位置決め装置３は、中空の円筒形本体３ａを有し、その内部には、伝動アーム２ａと共に一体的に運動する歯車プランジャー３ｂと、戻りばね３ｃとが収容される。位置決め装置３は、ボールペンで使用されるスナップ機構と同様の方法で、先端部を伸ばすまたは引っ込めるように動作する。

特に、歯車プランジャー３ｂの構成と中空本体３ａの格納容器の壁の構成とのおかげで、戻りばね３ｃに対向するプランジャー３ｂの軸の変位は、２つの異なる安定状態を見いだす。第１の安定状態は、図５Ａに示されるものであり、プランジャー３ｂは定位置にあり、戻りばね３ｃは、圧縮され、従って、弾性に負荷される。このような位置では、伝動アーム２ａは、丸みを帯びた端部２ｅを除いて、半円形部Ｅによって動かされる軌跡の外側に係止ピン２ｄを維持するように配置される。第２の安定状態は、図５Ｂに例示されるものであり、プランジャー３ｂは、完全に引き出された位置にあり、戻りばね３ｃは、伸長されて、無負荷状態である。以下、本発明による、固定装置１の動作が簡単に説明される。

第１のステップでは、ジッパーＣの開いている状態から開始して、位置決め装置３は定位置に静止する。図５Ａにおいてはっきりと見えるように、伝動アーム２ａは、頂部２ｅを除いて、上方に横たわる滑動部Ｃｕの軌跡から離間して係止ピン２ｄを保持する。滑動部Ｃｕは、ユーザによって押されて、その移動端位置に動かされ、ジッパーＣを閉じるとき、半円形部Ｅは、丸みを帯びた頂部２ｅ上の接合点に嵌まり、従って、係止ピン２ｄを押し、その結果、伝動アーム２ａをさらに後方に動かす（矢印Ｒ）。この戻り運動を引き起こすと、戻りばね３ｃは、さらに押圧され、位置決め機構はその安定状態を失う。

このとき、戻りばね３ｃに蓄積された弾性負荷は、解除され、顕著な力を用いて係止ピン２ｄを前方（矢印Ｒと反対方向）に付勢する。滑動部Ｃｕの移動端部では、ピン２ｄは、半円形部Ｅの穴Ｅｉと面一になるため、係止ピン２ｄは穴Ｅｉ内に強く付勢される（図５Ｂ）。係止ピン２ｄの挿入は、ジッパーの長軸に沿う滑動部Ｃｕの開閉方向と直交する方向において発生することに留意されたい。

これにより、新たな安定状態は到達されて、係止ピン２ｄは、半円形部Ｅの穴Ｅｉと係合する。したがって、滑動部Ｃｕは、固定装置１によって捕捉されたままであり、ジッパーＣに沿うその摺動はもはや許されず、それゆえ、安全な閉鎖を決定付ける。

したがって、滑動部Ｃｕの固定された閉鎖状態は、弾性機構の自動スナップによって取得され、ユーザによるさらなる能動的な介入は必要ない。

その代わりに、滑動部Ｃｕの解放に進む必要があるとき、ジッパーＣを開けることができるようにするために、ユーザは、起動ユニットを動作して、駆動装置４に、伝動アーム２を再び後退（矢印Ｒ）させ、係止ピン２ｄを小穴Ｅｉから引き出させなければならない（図５Ｃ）。このような目的のために、ユーザは、生体装置５または別の同等の機構を動作して、切換器を切換えて、駆動装置４のソレノイドに電力を供給する。

生体認証装置５は、鞄に搭載される電気蓄電器からくる電気供給によって入状態に保たれることが理解される。指紋の読み取りが有効な許可の肯定的な結果をもたらす場合、生体認証装置５は駆動装置４を作動させる。

駆動装置４は、それ自体が電気蓄電器によって供給され、プランジャー３ｂを円筒本体３ａ内に完全に押し込み、同時に戻りばね３ｃの新しい弾性負荷を引き起こす（従って、これは、その後の閉鎖サイクルのために適切に備えられる（アーミング）される）。滑動部Ｃｕは、ピン２ｄから外され、ジッパーＣに沿って自由に摺動する。駆動装置４の動作が解除されたとき、プランジャー３ｂは、戻りばね３ｃの付勢によって、図５Ａに例示される第１の安定位置に戻るまで、わずかに外側に押し出される。

要約すると、許可されたユーザが起動ユニットを動作する限り、引っ張るつまみを用いて、滑動部Ｃｕを引っ張り、それを安全装置１との係合位置から離して、それによってジッパーＣを開くことが可能である。ユーザが起動ユニットを解くと、例えば、指を生体読み取り位置から外すと、駆動装置４は、停止され、移動ロッド４ａに与えられる電磁力を停止する。この時点で、押す力が終了したとき、戻しばね３ｃは、伸び始め、位置決め装置を図５Ａの安定状態に戻すことを引き起こす。

前述されたように、生体認証装置５と結合されるソレノイド駆動装置４を使用することの代替として、結合装置６の完全な機械式装置を使用することが可能である。

さらに、生体認証装置５と結合装置６との両方は、生体認証装置５が適切な長さの電気線の配線によって駆動装置４に電気的に接続され、結合装置６が、適切な長さのロッドの適切なシステムによって、または別の機械式装置によって、係留システム２の伝動アーム２ａに機械的に接続される状態で、安全装置組立体１から物理的に分離され、離れて提供されることができる。これは全て、生体認証装置５及び／又は結合装置６をその収容から除去することに成功する可能性のある盗難行為を防止するためである。これにより、安全装置１に対するさらなる保護を保証することが可能であり、生体認証装置５と結合装置６とが犯罪目的のために意図的に除去されたとき、生体認証装置５と結合装置６との収容を介して（手動でまたは盗難手段を介して）到達することが困難な位置において、布層の間に埋め込まれた区画内に安全装置１を収容する。

図６は、本発明による固定の実践的な実施形態を示す。ここで、様々な構成要素は、鞄の壁に埋め込まれる格納容器本体に収容される。

本発明のさらなる態様によれば、鞄Ａの安全機能を向上させるために、ジッパーＣの特有の構造が提供され、これは、過度の開封の試みに対するジッパーＣの耐性をより高める。

特に、図７Ａに例示されるように、半剛性材料、例えば高分子材料、の２つの薄板７、８は、ジッパーＣの２つの構成要素の下に、すなわち鞄Ａの内側に、提供されて配置される。

２つの薄板７、８は、ジッパーの２つの対向する構成要素から突出して、少なくとも１０ｍｍだけジッパーの長軸に対して交差方向に延び、２～１５ｍｍの幅について部分的に相互に重なる。

好ましくは、前述の薄板７、８は、例えば、高分子マトリックス繊維を用いて強化されるナイロン糸によって、ジッパーの２つの列の係合歯Ｄの細長い支持片Ｌ上に縫い付けられる唇の形状である。

図６に表されるように、２つの対向する薄板７、８は、滑動部Ｃｕの長軸に対応して、部分的に重なるように取り付けられる。滑動部Ｃｕの通過時に、２つの薄板７と８とは、部分的に内側に曲がることができ、半円形部Ｅによって押される。

実験的試験により、２つの薄板の有効性は、重合体、重合体布、金属、厚紙、または材料の性質を与えられる他のものなどの、一連の異なる材料について維持され（図７Ｂおよび図７Ｃを参照のこと）、薄板の厚さは、片持ち梁様式でジッパー部分上に結合される薄板の自己支持を保証するようなものであることが決定付けられた。自己支持とは、薄板が、その全長をジッパーと交差して沿わして、細長い支持片Ｌに対する取り付け線から片持ち支持され、（非常に柔らかい材料で生じるように）それから自然に曲がることなく、実質的に平面に自身を維持することを意味する。この特徴は、薄板７と８とに、ジッパーが閉じられるときに、互いに、及び歯Ｄの列に対して、接触することを保持させる。

このような解決策は、非常に単純であり、強盗の試みに耐えて、同時にジッパーＣの屈曲の変形能に堅固な増大を与えるのに非常に効果的であることを示す。特に、このような解決策は、結合される歯の間の隙間に加えられる先端部の負荷による穿通動作を大きな範囲で防止し、ジッパーＣに加えられるこのような圧力動作のエネルギーを分配して減衰させる。

本発明のさらなる態様によれば、鞄Ａを画定する容器または包装の構造は、複雑で層状の構成を有する。

特に、安全装置１（例えば鞄Ａの横側面に配置される）を収容しやすい剛性内骨格の一部を除いて、包装の壁は、図７に示されるように異なる材料の層が重なり合うことによって画定される。

最外層９について、皮が使用され、例えば、０．８ｍｍと１．８ｍｍとの間の範囲にある厚さの牛皮であり、これは、防水性および耐摩耗性であることに加えて、所望の美的仕上げを達成するのに適していることを示す。

さらに、より内部には、異なる材料の少なくとも２つの重なり合う層、特に、耐火材料の２つの層１１（例えば、米国デラウェア州ウィルミントンのデュポンによって製造されるNomex（登録商標）の材料）の間に挿入される、剪断力に耐性のある層１０（英国ウェザビーのＰＰＳＳグループによって製造されるCut?Tex（登録商標）Pro材料）を含むサンドイッチ状配置、から成る保護多層が使用される。最内層１２は、保護及び仕上げ裏打ちである。

したがって、このような層状化は、剪断動作と穿孔動作とに対して耐性があり、有効な耐炎性の断熱を構成する包装を取得することを可能にする。最後に、内側裏打ちは、例えば、ポリエステル又は綿と混合されたポリエステルの合成繊維などの、美的用途に適した従来の布から成る。他の材料、例えばアラミド合成繊維または他の技術的材料の層、の使用は除外されない。

好ましくは、鞄Ａの底部には、保護容器が、鞄Ａの内側の適切な区画に設けられ、配置されて、装置１のための電気供給ユニットを保持する。供給ユニット（図示せず）は、例えば、リチウムイオン（Ｌｉ－Ｉｏｎ）蓄電器又はリチウムポリマー蓄電器（Ｌｉ－Ｐｏ）、並びにマイクロ制御装置又は一般的な電子プロセッサを含む主電子基板を含み、例えば、生体認証装置５と駆動装置４となどの装置１に搭載する周辺電気機械式構成要素を管理するのに適しており、なおさらに、例えば、ミニＵＳＢソケット又は同様のユニバーサルソケットを介して、充電器に接続されることができる供給電池の充電／放電サイクルを管理するのに適している。

また、備えられることができる電子構成要素の中で、少なくとも通信モジュールは、好ましくは、例えばＧＳＭ、４Ｇ、５Ｇ、ＷｉＦｉ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈの種類の電子基板、および／または、例えばＧＰＳの種類の地理的位置情報モジュールに取り付けられる。

また、必要に応じて、鞄Ａの内側または外側に配置される、例えば、ブザーなどの、少なくともスピーカーが備えられ、スピーカーは、適切な動作センサが鞄Ａの区画内の不許可の侵入を検出すると、音響警報信号を発することを意味する。

さらに、鞄Ａでは、追跡システム（それ自体知られている）が備えられる。この追跡システムは、送受信回路によって外部と通信する。この送受信回路は、鞄Ａに絶えず注意して、相対位置を専用のサーバに送信するために、様々なデータ伝送モジュール（いくつかは前述した）を使用することができる。したがって、盗難の場合には、鞄Ａの位置をリアルタイムで知ることができ、それを取り戻すことをより容易にするであろう。

さらに、前述の送受信装置は、剛性容器の内側の鞄Ａの側面に収容されることが提供される。

さらに、運動センサ、例えばＭＥＭＳ加速度計、が備えられ、これは、エネルギー節約状態における様々な電子装置の管理を可能にするために、鞄Ａの運動状態を検出する。

以上の説明から明らかに理解されることができるように、本発明による鞄Ａは、設定された目的を完全に達成することを可能にする。

実際のところ、本明細書に記載される鞄Ａは、内部に保管される品物の安全性に効果的に寄与する適切な装置を全体的に備えると同時に、安全なジッパーを提供するという事実により、美的観点から過度の制約のない製品である携帯用容器を利用可能にする必要性に効果的な解決策を表す。

特に、安全装置１の存在により、それは、上述の問題を効果的に解決して、ジッパーＣの滑動部Ｃｕの丈夫な、正確な、迅速に作動する、及び構成的に単純な閉塞システムを有する。さらに、前述の安全装置１は、直接的な盗難攻撃にさらされないように区画内に配置される。

さらに、ジッパーＣの下の薄板によって提供される強化効果は、ジッパーＣ上の穿孔動作に耐えるための適切な解決策であることを示し、前述のジッパーは、従来、容易かつ迅速な閉鎖手段であるが、垂直剪断圧力に対する耐性を低減されることによって特徴付けられる。

また、異なる材料の重なり合う層の使用は、それぞれがそれ自体の機能を実行して、高い剪断耐性、穿孔耐性、および耐炎性を有し、防水特徴を有する鞄Ａを定める。

最後に、盗難が行われる場合には、鞄Ａは、補強された布の内部に埋め込まれ、頑丈な容器によって保護され、鞄Ａの主構造体に着実に固定される、追跡装置と地理的位置情報装置とによって容易に追跡されることができ、これにより、悪人の不正開封の意思を抑止する。

しかしながら、本発明は、その例示的な実施形態のみを構成する、上記に例示された特定の構成に限定されると見なされるべきではなく、以下の特許請求の範囲によってのみ定義される、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、当業者が及ぶ全ての範囲内で、異なる変形が可能であることが理解される。

例えば、ジッパーの滑動部の内側部分の半円形部を常に参照してきたが、その形状は、係合小穴を有していれば、必ずしも半円形の円の形である必要はないことが理解される。

Claims (12)

1. 細長い支持片（Ｌ）のそれぞれの縁部に固定される対向する歯（Ｄ）の２つの列に沿って、長軸に合わせて摺動可能な滑動部本体（Ｃｕ）を備えるジッパー（Ｃ）によって閉鎖しやすい少なくとも１つの閉鎖可能な開口縁を備える鞄（Ａ）であって、前記細長い支持片（Ｌ）は前記閉鎖可能な開口縁に結合され、
   前記ジッパー（Ｃ）は、前記歯（Ｄ）に隣接して部分的に重なり合う２つの薄板（７、８）と、前記閉鎖可能な開口縁の内側に、前記細長い支持片（Ｌ）から取り付けられる片持ち梁とを有すること、
   を特徴とする、鞄（Ａ）。
2. 請求項１に記載の鞄（Ａ）において、前記薄板（７、８）は、少なくとも２ｍｍの幅で重なり合う、鞄（Ａ）。
3. 請求項１または請求項２に記載の鞄（Ａ）において、前記薄板（７、８）は、前記長軸に直交する方向において、少なくとも１０ｍｍ延在する、鞄（Ａ）。
4. 請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の鞄（Ａ）において、
   滑動部（Ｃｕ）は、前記ジッパー（Ｃ）の前記内側に、下部の半円形部（Ｅ）を備え、前記滑動部本体（Ｃｕ）を所定の位置に固定する固定装置（１）をさらに含み、
   前記半円形部（Ｅ）は、前記滑動部本体（Ｃｕ）の長手方向の平面に実質的に直交する軸を有する穴を備える係合小穴（Ｅｉ）を備え、
   前記固定装置（１）は、前記滑動部本体（Ｃｕ）の移動停止端の近傍に収容され、前記ジッパー（Ｃ）の前記内側の完全に下にあり、キャッチクリップ（２）と位置決め機構（３）とを少なくとも含み、
   前記キャッチクリップ（２）は、少なくとも伝動アーム（２ａ）を有し、前記伝動アーム（２ａ）は、前記位置決め機構（３）と駆動装置（４）の駆動ロッド（４ａ）とに拘束され、前記キャッチクリップ（２）は、係止ピン（２ｄ）を保持し、前記係止ピン（２ｄ）は、前記駆動ロッド（４ａ）の交互の運動の方向に平行な軸を有するように配置され、前記滑動部本体（Ｃｕ）が前記移動停止端にあるとき、前記係合小穴（Ｅｉ）と一致し、
   前記位置決め機構（３）は、少なくとも２つの異なる安定位置を有し、そのうちの１つにおいて、弾性要素（３ｃ）が弾性に負荷される、
   鞄（Ａ）。
5. 請求項４に記載の鞄（Ａ）において、前記駆動装置（４）は、電気機械式制御を含む、鞄（Ａ）。
6. 請求項４または請求項５に記載の鞄（Ａ）において、前記駆動装置（４）は、起動ユニットによって制御され、前記起動ユニットは、前記鞄（Ａ）の外側に向かって突出する、鞄（Ａ）。
7. 請求項６に記載の鞄（Ａ）において、前記起動ユニットは、生体認証装置（５）の形である、鞄（Ａ）。
8. 請求項４から請求項７のいずれか１項に記載の鞄（Ａ）において、前記駆動装置（４）は、機械式選択装置（６）を含む、鞄（Ａ）。
9. 請求項４から請求項８のいずれか１項に記載の鞄（Ａ）において、電源ユニットは、少なくとも前記駆動装置（４）にさらに備えられ、電気蓄電器と電子制御基板とを含む、鞄（Ａ）。
10. 請求項７に記載の鞄（Ａ）において、前記電子制御基板は、移動体電話通信モジュールと、地理的位置情報モジュールと、Bluetooth（登録商標）通信モジュールと、前記電気蓄電器の再充電モジュールとをさらに含む、鞄（Ａ）。
11. 請求項１０に記載の鞄（Ａ）において、前記電子制御基板は、運動センサモジュールをさらに含む、鞄（Ａ）。
12. 請求項１から請求項１１のいずれか１項に記載の鞄（Ａ）において、前記鞄（Ａ）の包装は、少なくとも美的材料（９）の外層と、耐切断層（１０）と、耐炎層（１１）と内仕上げ裏打ち層（１２）とから成る層状の壁を含む、鞄（Ａ）。
    

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