JP2022531104A - 二量体又は多量体形態にある変異型idh阻害剤 - Google Patents

二量体又は多量体形態にある変異型idh阻害剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、二量体又は多量体形態にある変異型IDH阻害剤を提供する。詳細には、本発明は、式I:Da-Wa-L-Wb-Db (I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。本発明の化合物は、変異型IDH1に対する優れた阻害活性を有する。

Description

本発明は、医薬品化学分野に属し、詳細には、変異型IDH阻害剤に関する。
細胞エネルギー代謝に関与するトリカルボン酸サイクルの鍵酵素、即ち律速酵素であるイソクエン酸脱水素酵素(IDH)は、イソクエン酸からα-ケトグルタル酸(α-KG)及びCO2を生成する酸化的脱炭酸を触媒する。IDHには2種の異なるサブタイプが存在し、その1種は電子受容体としてNAD(+)を利用するものであり、もう1種は電子受容体としてNADP(+)を利用するものである。IDHには5種のアイソザイムが報告されており、そのうちの3種は、ミトコンドリアマトリックスに存在するNAD(+)依存性イソクエン酸脱水素酵素であり、他の2種は、NADP(+)依存性イソクエン酸脱水素酵素であり、イソクエン酸脱水素酵素1(IDH1)は細胞質に存在し、イソクエン酸脱水素酵素2(IDH2)はミトコンドリアに存在する。
イソクエン酸脱水素酵素の変異は、神経膠腫、神経膠芽腫、傍神経節腫、急性白血病、前立腺癌、甲状腺がん、結腸癌、軟骨肉腫、胆管上皮癌(bile duct epithelial carcinoma)、末梢T細胞性白血病(peripheral T cell leukemia)、メラノーマ等、多くのがんに見られる。また、IDH1変異は様々な腫瘍においても認められている。IDH1変異(IDH1m)は、IDH1の正常な機能を失わせ、α-KGを発がん性代謝物である2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)に変換し、変異腫瘍細胞内に2-HGを蓄積させ得る。α-KGの構造は2-HGの構造と類似しており、2-HGがα-KGと競合することによってα-KG依存性酵素の活性を低下させ、その結果として、ゲノムの幾つかの重要な領域のヌクレオソーム及び/又はDNAが高メチル化されることが研究によって示されている。このようなエピジェネティックな変化は正常な細胞分化を妨げ、それにより未熟な細胞が過剰に増殖することががんの発生につながると考えられている。2009年には、Bleekerらが、異なる由来の672例の腫瘍サンプル及び系統の異なる腫瘍(different tumor lineage)由来の84の細胞株からIDH1変異を検出し、これらの変異が神経膠腫に特異的且つ集中的に起こっていることを発見した。一方、その後の文献では、IDH1変異が、急性骨髄性白血病、前立腺癌、傍神経節腫等にも存在することが示されたことが報告されている。Bleekerらは、IDH1変異例の86.9%をR132Hが占め、R132C、R132G、R132L、R132V及びR132S等の他の変異型が占める割合は小さいことを見出した。
IDH1変異を有する腫瘍細胞において、変異型IDH1阻害剤は、変異酵素タンパク質の触媒領域に特異的に結合し、変異プロテアーゼの活性を有効に阻害し、アロステリック阻害により体内の発がん性代謝物である2-HGを減少させ、それにより、ヒストン及び/又はDNAの脱メチル化を誘導して腫瘍の発生を抑制することができる。現時点における唯一の市販薬である、変異型IDH1の活性を阻害するイボシデニブ(Ivosidenib)(AG-120)は、IDH1遺伝子変異を有する成人の再発又は難治性の急性骨髄性白血病の治療を目的としてAgios社により開発された新薬である。イボシデニブの医薬品ガイドには1日量が500mgと記載されている。この投薬量は多く、また、この投薬量で再発又は進行IDH1変異型神経膠腫の患者に実施した臨床試験では望ましい効果が得られなかった。IDH1変異を有する患者に認められるのは、基本的にヘテロ接合性変異である。したがって、高効率且つ低毒性の新規な変異型IDH1阻害剤が今も緊急に必要とされている。
要約すると、当該技術分野において、高効率且つ低毒性の新規な変異型IDH1阻害剤を開発することが急務となっている。
本発明の目的は、高効率且つ低毒性の新規な変異型IDH1阻害剤を提供することにある。
第1の態様において、本発明は、式I:
a-Wa-L-Wb-Db (I)
(式中、
Wa及びWbは、それぞれ独立に、存在しないか又はO、S、NRa、CO、COO、SO、SO2、CO-NRa、NRa-CO、SO-N(Ra)、N(Ra)-SO、NRa-COO、COO-NRa、NRa-SO2、SO2-NRa、CS-NRa、NRa-CS若しくはN(Ra)-CO-NRaからなる群から選択され;
aは、それぞれ独立に、H、重水素、CN、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル又は置換若しくは無置換C3~C6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは、この置換は、C1~C6アルキル置換及び/又はハロゲン置換であり;好ましくは、Raは、それぞれ独立に、H、重水素、-CH3、-C25、-CH(CH32、-CH2CH2CH3、シクロプロピルからなる群から選択され;
Lは、式II:
-(X)n- (II)
(式中、
nは、1~50の整数、好ましくは3~40の整数であり;
Xは、それぞれ同一であるか又は異なっており、Xは、それぞれ独立に、O、S、置換又は無置換C1~C6アルキレン、置換又は無置換C2~C6アルケニレン、置換又は無置換C2~C6アルキニレン、CO、SO2、NRb、C(Rc2、置換又は無置換4~10員炭素環(好ましくは4~7員炭素環式環)、置換又は無置換4~10員複素環(好ましくは4~7員複素環)、置換又は無置換6~12員芳香族環(好ましくは6員芳香族環)、置換又は無置換5~12員複素芳香族環(好ましくは5~7員複素芳香族環);又は-Wc(T)k-(式中、Wcは、3価の基、4価の基又は5価の基(好ましくはN、CH、C、樹状基(dendritic group))であり、kは、1、2又は3であり;Tは、-Rd-Wa-L’-Wb-Dc(式中、Wa及びWbは、上記と同義である)である)からなる群から選択される)で示される結合基であり;
dは、それぞれ独立に、存在しないか又は置換若しくは無置換C1~C6アルキレン、置換若しくは無置換C2~C6アルケニレン、置換若しくは無置換C1~C6ハロゲン化アルキレン、置換若しくは無置換C3-C6シクロアルキルからなる群から選択される2価の基であり;
L’は、存在しないか又は式II-A:
-(Y)m- (II-A)
(式中、
mは、1~50の整数、好ましくは3~40の整数であり;
Yは、それぞれ同一であるか又は異なっており、Yは、それぞれ独立に、O、S、置換又は無置換C1~C6アルキレン、置換又は無置換C2~C6アルケニレン、置換又は無置換C2~C6アルキニレン、CO、SO2、NRb、C(Rc2、置換又は無置換4~10員炭素環(好ましくは4~7員炭素環)、置換又は無置換4~10員複素環(好ましくは4~7員複素環)、置換又は無置換6~12員芳香族環(好ましくは6員芳香族環)、置換又は無置換5~12員複素芳香族環(好ましくは5~7員複素芳香族環)からなる群から選択される)で示される結合基であり;
bは、それぞれ独立に、H、重水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、C1~C6アルコキシからなる群から選択され;
cは、それぞれ独立に、H、重水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、C1~C6アルコキシ、OH、CN;(好ましくは、H、重水素、C1-C4アルキル又はハロゲン;より好ましくは、H、重水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)からなる群から選択され;
複素環又は複素芳香族環は、O、S又はNから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み;
但し、Xが置換炭素環、置換複素環、置換芳香族環、置換ヘテロアリールである場合、炭素環、複素環、芳香族環又はヘテロアリール上の置換基は、任意選択的に、1、2又は3個のTを含むことができ、Tは上記と同義であり;
特段の指定がない限り、「置換」という用語は、その基の1~5(好ましくは、1~3)個の水素が、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、C1~C6アルコキシ、置換又は無置換フェニル、置換又は無置換ベンジル、-N(Rb2、-C(Rc3、-CN、-OH、-COORf、-SO2f、-NHC(O)Rf;(式中、Rfは、それぞれ独立に、水素、重水素、C1~C6アルキルからなる群から選択され、Rb及びRcは、上記と同義である)からなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味し;
a、Db及びDcは、それぞれ独立に、変異型IDHタンパク質を阻害する活性基である)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及びDcは、それぞれ独立に、変異型IDH1タンパク質を特異的に阻害する活性基である。
他の好ましい実施形態において、変異型IDHタンパク質は変異型IDH1タンパク質である。
他の好ましい実施形態において、「特異的な阻害」とは、IDH2(変異型IDH2等)に対する阻害作用を有しない又は実質的に有しないことを意味する。
他の好ましい実施形態において、変異型IDH1は、IDH1/R132H及びIDH1/R132Cからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及びDcは全て同一である。
他の好ましい実施形態において、Da及びDbは同一である。
他の好ましい実施形態において、Da及びDcは同一である。
他の好ましい実施形態において、Db及びDcは同一である。
他の好ましい実施形態において、Dcは、それぞれ同一である。
他の好ましい実施形態において、式Iにおける活性基の数は、2、3、4又は5(即ち、Dcの数は、0、1、2、又は3)個である。
他の好ましい実施形態において、活性基は、活性化合物から誘導された1価又は2価の基である。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及び各Dcは、1価の基である。
他の好ましい実施形態において、活性化合物は、国際公開第2013046136(A1)号パンフレットに開示されている変異型IDHタンパク質(即ち、国際公開第2013046136(A1)号パンフレットに開示されている式(I)の化合物)を阻害する化合物から選択される。
他の好ましい実施形態において、活性化合物は:
Figure 2022531104000001
であるか;又は活性化合物は、国際公開第2013046136(A1)号パンフレットに開示されている化合物1-169、170-212、213-312、313-442、443a及び443b、444-455、456a及び456b、457a及び457b、458a及び458b、459-485、486-507、508、509-513、514、515、516-546、547-550、552-559、560-562、563、564-565、566-579、580-582、583-586、587-589、590-604から選択される。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及びDcは、それぞれ独立に、式III:
Figure 2022531104000002
(式中、
1は、2価の結合基であり;
21及びR22は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、シアノ、置換若しくは無置換C1~C6アルキルからなる群から選択されるか、又はR21及びR22は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、置換若しくは無置換C3~C5シクロアルキルを形成し;「置換」という用語は、その基の1個又は複数個(好ましくは、1~3個)のHが、重水素、ハロゲン、C1~C6アルキルからなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味し;
23は、NR62からなる群から選択され、好ましくは、R23はNHであり;
31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、N、CR61からなる群から選択され、好ましくは、CHであり;
8は、N、CR61からなる群から選択され、好ましくは、R8はNであり;
9は、Cであり;
10は、O、Sからなる群から選択され、好ましくは、R10はOであり;
41及びR42は、それぞれ独立に、O、S、C(R532からなる群から選択され;
51は、それぞれ独立に、H、重水素、置換又は無置換C1~C6アルキル、置換又は無置換フェニル、置換又は無置換ベンジル、置換又は無置換5~7員ヘテロアリール、置換又は無置換ジフェニルメチル(即ち、-CH(C652)からなる群から選択され;R52は、H、重水素、C1~C6アルキルからなる群から選択されるか;
又はR51及びR52は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、置換又は無置換C1~C6(好ましくは、C1~C4)シクロアルキル、置換又は無置換5~7員ヘテロシクリルを形成し;
53は、それぞれ独立に、H、重水素、置換若しくは無置換C1~C6アルキル、フェニル、ベンジルからなる群から選択されるか;又は2個のR53が、これらが結合している炭素原子と一緒になって、置換若しくは無置換3~7員シクロアルキル若しくは置換若しくは無置換4~7員複素環を形成し;R53基において、「置換」という用語は、その基の1~3個の水素が、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、アミノからなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味し;
61は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン(好ましくは、F、Cl、Br)、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキルからなる群から選択され;
62は、それぞれ独立に、水素、重水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキルからなる群から選択される)で示される基である。
他の好ましい実施形態において、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素、重水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキルからなる群から選択される(好ましくは、R21及びR22の一方は水素又は重水素であり;他方はC1~C6アルキルである)か;又はR21及びR22は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、C3~C5シクロアルキルを形成する。
他の好ましい実施形態において、R31は、CH、Nからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、R32は、CH、Nからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、R33は、CR61であり;好ましくは、R33は、CH又はCFである。
他の好ましい実施形態において、R34はNである。
他の好ましい実施形態において、R41はC(R532であり;好ましくは、R41はCH2である。
他の好ましい実施形態において、R42は、O、Sからなる群から選択され;好ましくは、R42はOである。
他の好ましい実施形態において、R51は、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキルからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、R52は、水素、重水素からなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、R1は、-Ar1-L1-Ar2-L2-Ar3-(式中、
Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、存在しないか又は置換若しくは無置換C6-C20芳香族環、置換若しくは無置換C3~C18芳香族複素環からなる群から選択され;
1及びL2は、それぞれ独立に、存在しない、C1~C3アルキレン又はC3~C6シクロアルキルであり;
Ar1、Ar2及びAr3のうち少なくとも1つは存在し;
1基において、「置換」という用語は、環内の1個又は複数個(好ましくは、1~3個)のHが、ハロゲン(好ましくは、F、Cl、Br)、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、C1~C6アルキルオキシからなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味する。
他の好ましい実施形態において、R1は、置換若しくは無置換C6~C20アリール(好ましくは、置換又は無置換フェニル又はナフチル)、置換若しくは無置換C3~C18ヘテロアリール(好ましくは、置換又は無置換ピリジル)、置換若しくは無置換C6~C20アリール-L1-置換若しくは無置換C6~C20アリール(好ましくは、置換又は無置換ビフェニル)、置換若しくは無置換C6~C20アリール-L1-置換若しくは無置換C3~C18ヘテロアリール又は置換若しくは無置換C3~C18ヘテロアリール-L1-置換若しくは無置換C3~C18ヘテロアリールである。
他の好ましい実施形態において、R1はピリジルである。
他の好ましい実施形態において、R1は、式VI-A又は式VI-B:
Figure 2022531104000003
(式中、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、N、CR61からなる群から選択され;R16は、それぞれ独立に、N、CR63からなる群から選択され;
63は、重水素、ハロゲン(好ましくは、F、Cl)、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロゲン化アルキル(好ましくは、フルオロアルキル)からなる群から選択される)で示される基である。
他の好ましい実施形態において、R11は、N、CR61(好ましくは、CH)からなる群から選択され;R12、R13、R14及びR15は、CR61(好ましくは、CH)である。
他の好ましい実施形態において、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、N、CH、CF、CClからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、R11は、Nであり、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、N、CH、CF、CClからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、R1は:
Figure 2022531104000004
からなる群から選択される置換又は無置換の2価の基である。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及びDcは、それぞれ独立に、式III-A又はIII-B:
Figure 2022531104000005
(式中、R21、R22、R23、R31、R32、R33、R34、R8、R9、R10、R41、R42、R51、R52、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、上記と同義である)で示される基である。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及びDcは、それぞれ独立に、式III-C:
Figure 2022531104000006
(式中、R1、R21、R22、R31、R32、R33及びR51は、上記と同義である)で示される基である。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及びDcは、それぞれ独立に、式III-D又はIII-E:
Figure 2022531104000007
(式中、R21、R22、R51、R31、R32、R33、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、上記と同義である)で示される基である。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及び各Dcは、それぞれ独立に:
Figure 2022531104000008
からなる群から選択される1価の基である。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及びDcは、同一の1価の基である。
他の好ましい実施形態において、Da、Db及びDcは:
Figure 2022531104000009
である。
他の好ましい実施形態において、Da及びDbは、同一の1価の基である。
他の好ましい実施形態において、Da及びDbは:
Figure 2022531104000010
である。
他の好ましい実施形態において、置換されたフェニルは、(a)群から選択される1~5個の置換基を有する:
(a)ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6アミノ、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、OH、CN。
他の好ましい実施形態において、置換ベンジルは、(a)群から選択される1~5個の置換基を有する。
他の好ましい実施形態において、Xは、それぞれ、2価の基である。
他の好ましい実施形態において、Xの定義はYの定義と同一である。
他の好ましい実施形態において、Xは、それぞれ、O、S、C1~C6アルキレン、NRb、C(Rc2、置換又は無置換4~7員炭素環又は複素環の任意の位置の2個の水素を失うことにより形成される2価の基からなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、Xは、それぞれ、O、S、NH、C1~C6アルキレン(好ましくはCH2、CH(CH3)、(CH22、CH2CH(CH3)、(CH23)からなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、Xは、それぞれ、O、NH又はC1~C6アルキレンからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、Xは、それぞれ、O又はCH2からなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、Lは、式II-C:
-(Y1-Y2-Y3S- (II-C)
(sは、1~15の整数、好ましくは3~40の整数;より好ましくは3~9の整数であり;
1、Y2及びY3は、それぞれ独立に、O、S、C1~C6アルキレン、C2~C6アルケニレン、C2~C6アルキニレン、CO、SO2、NRb若しくはC(Rb2又は置換若しくは無置換4~10員炭素環(好ましくは4~7員炭素環)、4~10員複素環(好ましくは4~7員複素環)、6~12員芳香族環(好ましくは6員芳香族環)若しくは5~12員芳香族環(好ましくは5~7員芳香族環)の、同一原子上の水素若しくは異なる原子上の水素を含む任意の位置の2個の水素を失うことにより形成される2価の基からなる群から選択される)で示される結合基である。
他の好ましい実施形態において、sは、2~10の整数、好ましくは3~7の整数である。
他の好ましい実施形態において、Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立に、O、S、C1~C6アルキレン、NRb若しくはC(Rc2又は置換若しくは無置換4~7員炭素環若しくは複素環の任意の位置の2個の水素を失うことにより形成される2価の基からなる群から選択され;好ましくは、それぞれ独立に、存在しないか又はO若しくはC1~C6アルキレンからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、Y1、Y2及びY3は、それぞれ独立に、O又はCH2からなる群から選択され、これらが隣接している基である場合、これらは同時にOにならない。
他の好ましい実施形態において、Lは、-(CH2-CH2-O)s-(式中、sは、2~10の整数、より好ましくは、sは、3、4、5、6又は7である)である。
他の好ましい実施形態において、少なくとも1個のXは、3価の基、4価の基又は5価の基である。
他の好ましい実施形態において、少なくとも1個のXは、3価の基である。
他の好ましい実施形態において、Lは、式II-D:
-(Y)p-Z-(Y)q- (II-D)
(式中、
Zは、-Wc(T)k-であり;
pは、0~50の整数であり、qは、0~50の整数であり、1≦p+q<50であり;
Y、Wc、T及びkは、上記と同義である)で示される基である。
他の好ましい実施形態において、pは、1~30の整数であり、qは、1~30の整数であり、2≦p+q<50である。
他の好ましい実施形態において、pは、3~30の整数であり、qは、3~30の整数であり、6≦p+q<30である。
他の好ましい実施形態において、主鎖(即ち、L)の鎖長は、H原子を除く鎖原子数が3~50個であり;好ましくは、鎖原子数は6~40個;より好ましくは、鎖原子数は9~30個;最も好ましくは、鎖原子数は9~21個である。
他の好ましい実施形態において、Wa及びWbは、それぞれ独立に、存在しないか又はO、S、CO、COO、NH、CO-NH若しくはNH-COからなる群から選択される。
他の好ましい実施形態において、Wa及びWbは、それぞれ独立に、存在しないか又はOである。
他の好ましい実施形態において、化合物は、式IV:
Figure 2022531104000011
(式中、
1、R21、R22、R31、R32、R33、R51、Wa、Wb及びLは、上記と同義である)で示される化合物である。
他の好ましい実施形態において、化合物は、式V:
Figure 2022531104000012
(式中、sは、3、4、5、6又は7であり;
1、R21、R22、R31、R32及びR51は、上記と同義である)で示される化合物である。
他の好ましい実施形態において、化合物は:
Figure 2022531104000013
からなる群から選択される化合物である。
第2の態様において、本発明は、医薬組成物であって、(i)第1の態様に記載した化合物と、(ii)薬学的に許容される担体と、を含む組成物を提供する。
第3の態様において、本発明は、第1の態様に記載した化合物を調製するための方法であって:
Figure 2022531104000014
(i)式V-Aの化合物を式V-Bと反応させることにより、式V-Cの化合物を得ることと;
Figure 2022531104000015
(ii)式V-Cの化合物の保護基を除去することにより、式V-Dの化合物を得ることと;
Figure 2022531104000016
(iii)式V-Dの化合物を式V-Eの化合物と反応させることにより、式Vの化合物を得ることと;
(各式中、R7は、F、Cl、Br、Iからなる群から選択され、好ましくは、R7は、Br又はClであり;R1、R21、R22、R31、R32、R33、R51及びsは上記と同義である)を含む方法を提供する。
第5の態様において、本発明は、第1の態様に記載した化合物の、(i)変異型IDHの活性を阻害するため、並びに/又は(ii)変異型IDHが介在する疾患を治療及び/若しくは予防するための医薬を製造するための使用を提供する。
第6の態様において、本発明は、変異型IDHが介在する疾患を治療及び/又は予防するための方法を提供し、この方法は、第1の態様に記載した化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は第2の態様に記載した医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するための工程を含む。
他の好ましい実施形態において、対象は、ヒト又はヒト以外の哺乳動物;好ましくはヒトである。
他の好ましい実施形態において、IDHはIDH1である。
他の好ましい実施形態において、変異型IDHが介在する疾患は、がんを含む。
他の好ましい実施形態において、がんは、神経膠腫、神経膠芽腫、傍神経節腫、急性白血病、前立腺癌、甲状腺がん、結腸癌、軟骨肉腫、胆管上皮癌、末梢T細胞性白血病、メラノーマ又はこれらの組合せからなる群から選択される。
本発明の範囲内において、上に述べた本発明の技術的特徴及び以下(実施例等)に具体的に記載する技術的特徴を互いに組み合わせて新規又は好ましい技術的解決策を形成することができるが、スペースの制限のため、これらは本明細書に繰り返し記載されないことを理解すべきである。
本発明者は、広範且つ綿密な研究を行うことにより、予期せぬことに、低分子化合物を結合基によって連結することにより形成された多量体化合物の阻害活性が、多量体を形成していない低分子化合物と比較して大幅に向上することを見出した。実験から、本発明の化合物の、2種の主要な変異体に対する阻害作用は、細胞レベルでは100倍を超えて増加したことが示されている。このことに基づき、本発明を完成させた。
定義
特段の指定がない限り、それ自体で又は他の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、指定された数の炭素原子(即ち、C1~8は炭素1~8個を表す)を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素を指す。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、isoブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等が挙げられる。
特段の指定がない限り、「アルケニル」という用語は、1又は複数の二重結合を有する不飽和アルキルを指す。同様に、「アルキニル」という用語は、1又は複数の三重結合を有する不飽和アルキルを指す。この種の不飽和アルキルの例としては、エテニル、2-プロぺニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-及び3-プロピニル、3-ブチニル並びにより高級の同族体及び異性体が挙げられる。
特段の指定がない限り、「シクロアルキル」という用語は、指定された数の環原子を有し、完全に飽和しているか又は環の頂点間に1以下の二重結合を有する炭化水素環を指す。「シクロアルキル」はまた、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン等の二環式又は多環式炭化水素環も指す。
特段の指定がない限り、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、O、及びSから選択される1~5個のヘテロ原子を含み、窒素及び硫黄原子は任意選択的に酸化されており、窒素原子は任意選択的に4級化されている、シクロアルキルを指す。ヘテロシクロアルキルは、単環式、二環式又は多環式の環系であり得る。ヘテロシクロアルキルの非限定的な例として、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリドン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピペリジン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-オキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジン等が挙げられる。ヘテロシクロアルキルは、炭素環又はヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。シクロアルキルアルキルやヘテロシクロアルキルアルキル等の用語に関しては、これは、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルが、分子の残部にアルキル又はアルキレン結合基を介して結合していることを指す。例えば、シクロブチルメチル-は、シクロブチル環が分子残部のメチレン結合基に結合している。
特段の指定がない限り、それ自体で又は他の置換基の一部としての「アルキレン」という用語は、-CH2CH2CH2CH2-等のアルカンから誘導された2価の基を指す。アルキル(又はアルキレン)は、一般に、1~24個の炭素原子を有し、本発明においては10個以下の炭素原子を有するものが好ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」は、より鎖長が短いアルキル又はアルキレンであり、通常、4個以下の炭素原子を有する。同様に、「アルケニレン」又は「アルキニレン」は、それぞれ、二重結合又は三重結合を有する不飽和「アルキレン」を指す。
特段の指定がない限り、それ自体で又は他の用語との組合せとしての「ヘテロアルキル」という用語は、指定された数の炭素原子並びにO、N、Si及びSから選択される1~3個のヘテロ原子から構成され、窒素及び硫黄原子は任意選択的に酸化されており、窒素ヘテロ原子は任意選択的に4級化されていてもよい、安定な線状若しくは分岐状若しくは環状炭化水素又はこれらの組合せを指す。ヘテロ原子O、N及びSは、ヘテロアルキルの内部の任意の位置に位置することができる。ヘテロ原子Siは、アルキル基が分子の残部に結合している位置を含め、ヘテロアルキルの任意の位置に位置することができる。その例としては、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH33、-CH2-CH=N-OCH3及び-CH=CH-N(CH3)-CH3が挙げられる。-CH2-NH-OCH3や-CH2-O-Si(CH33のように、ヘテロ原子は2個まで連続することができる。
同様に、特段の指定がない限り、それ自体で又は他の用語との組合せとしての「ヘテロアルケニル」及び「ヘテロアルキニル」という用語は、それぞれ、指定された数の炭素並びにO、N、Si及びSから選択される1~3個のヘテロ原子をそれぞれ含み、窒素及び硫黄原子は任意選択的に酸化されており、窒素ヘテロ原子は任意選択的に4級化されていてもよい、アルケニル又はアルキニルを指す。ヘテロ原子O、N及びSは、ヘテロアルキルの内部の任意の位置に位置していてもよい。
特段の指定がない限り、それ自体で又は他の置換基の一部としての「ヘテロアルキレン」という用語は、-CH2-CH2-S-CH2CH2-及び-CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-、-O-CH2-CH=CH-、-CH2-CH=C(H)CH2-O-CH2-及び-S-CH2-C≡C-等の、ヘテロアルキルから誘導された飽和又は不飽和又は多価不飽和の2価の基を指す。ヘテロアルキレンに関しては、ヘテロ原子は、鎖末端の任意の1又は2の位置を占めることもでき、例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等となる。
特段の指定がない限り、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「アルキルチオ」又は「チオアルコキシ」という用語は、それらの従来の意味で使用され、それぞれ、酸素原子、アミノ基又は硫黄原子を介して分子の残部に結合しているアルキルを指す。更に、ジアルキルアミノの場合、アルキルは、同一であるか又は異なっていてもよく、各アルキルに連結している窒素原子と組み合わせて3~7員環となってもよい。したがって、-NRabとして示される基としては、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル等が挙げられる。
特段の指定がない限り、それ自体で又は他の置換基の一部としての「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を指す。更に、「ハロゲン化アルキル」等の用語は、モノハロアルキル又はポリハロアルキルを含む。例えば、「C1~4ハロゲン化アルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピル等を含む。
特段の指定がない限り、「アリール」という用語は、縮合しているか又は共有結合している単環又は多環(最大で三環)であり得る多価不飽和(通常、芳香族)炭化水素を指す。「ヘテロアリール」という用語は、N、O、及びSから選択される1~5個のヘテロ原子を含み、窒素及び硫黄原子は任意選択的に酸化されており、窒素原子は任意選択的に4級化されている、アリール基又は環を指す。ヘテロアリールは、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合していてもよい。アリールの非限定的な例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルが挙げられ、ヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジル、トリアジニル、キノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリネイル(cinnolineyl)、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジル(pteridyl)、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニル等が挙げられる。上述のアリール及びヘテロアリール環系のそれぞれの置換基は、以下に記載する許容される群から選択される。
簡潔化のため、「アリール」という用語を他の用語と組み合わせて使用する場合、例えば、アリールオキシ、アリールチオ、アラルキルの場合、これは、上に定義したアリール及びヘテロアリール環を含む。したがって、「アラルキル」という用語は、アリールが、分子の残部に結合しているアルキルに結合している基、例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等の基を含むことを意味する。
幾つかの実施形態において、「アルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」等の上に述べた用語は、指定された基の置換及び無置換の両方の形態を含むことになる。それぞれの種類の基の好ましい置換基を以下に示す。簡潔化のため、アリール及びヘテロアリールという用語は、以下に示すように、置換又は無置換の形態を指すことになり、一方、「アルキル」という用語及び関連する脂肪族基は、置換されていると指定されていない限り、無置換形態を指す。
アルキル(アルキレン、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキルと一般に称される基を含む)の置換基は、-ハロゲン、-OR’、-NR’R”、-SR’、-SiR’R”R”’、-OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’、-CONR’R”、-OC(O)NR’R”、-NR”C(O)R’、-NR’-C(O)NR”R”’、-NR”C(O)2R’、-NH-C(NH2)=NH、-NR’C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R”、-NR’S(O)2R”、-CN及び-NO2からなる群から選択される様々な基となり得、その数は0~(2m’+1)の範囲にあり、m’は、そのような基の炭素原子の総数である。R’、R”及びR”’は、それぞれ独立に、水素、無置換C1~8アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換アリール、1~3個のハロゲンで置換されたアリール、無置換C1~8アルキル、C1~8アルコキシ又はC1~8チオアルコキシ又は無置換アリール-C1~4アルキルを表す。R’及びR”が同一の窒素原子に結合している場合、これらは窒素原子と一緒になって、3-、4-、5-、6-又は7-員環を形成していてもよい。例えば、-NR’R”は、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルを含むことを意味する。それ自体で又は他の基の一部として使用される「アシル」という用語は、その基が結合している位置に最も近い炭素上の2個の置換基が、置換基=Oに置き換えられていることを指す(-C(O)CH3、-C(O)CH2CH2OR’等)。
本明細書において使用される「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、及びケイ素(Si)を含むことを意図している。
本明細書に示す化合物において、置換基(通常、R基)から芳香族環(例えば、ベンゼン、ピリジン等)の中心へ向かう結合は、その結合が、芳香族環の任意の利用可能な頂点に結合していることを意味すると理解されるであろう。幾つかの実施形態において、この記載は、芳香族環に縮合している環への結合も含む。例えば、インドールベンゼンの中心に向かって引かれた結合は、インドールの6-又は5-員環の任意の利用可能な頂点に結合している結合を表すことになる。
特段の指定がない限り、本発明に登場する全ての化合物は、単一のキラル化合物又は様々な異なるキラル化合物の混合物、即ち、ラセミ体等のあらゆる可能な光学異性体を包含することを意味する。本発明の全ての化合物において、各不斉炭素原子は、任意選択的に、R配置若しくはS配置又はR配置及びS配置の混合物となり得る。
本発明の一部の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有し、ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体及び個々の異性体(例えば、分離されたエナンチオマー)は全て本発明の範囲に包含されるものとする。本明細書に示す化合物の立体化学が確定している(R若しくはSとして表されているか又は破線若しくはくさび(wedge-shaped key)で示されている)場合、当業者は、これらの化合物は他の異性体を実質的に含まず、例えば、少なくとも80%、90%、95%、98%、99%、最大100%が他の異性体を含まないことを理解するであろう。
このことに関連して、特段の指定がない限り、「置換」という用語は、その基の1個又は複数個の水素原子が、ハロゲン、無置換又はハロゲン化C1~C6アルキル、無置換又はハロゲン化C2~C6アシル、無置換又はハロゲン化C1~C6アルキル、-OH、無置換又はハロゲン化-CNからなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味する。
本明細書において使用される「含む(comprising)」、「含む(comprise)」、「含む(including)」又は「含む(includes)」という用語は、本発明の混合物又は組成物中に様々な構成成分を一緒に使用することが可能であることを指す。したがって、「主として~からなる(mainly consist of)」及び「~からなる(consist of)」は、「含む(containing)」という語に含まれる。
本明細書において使用される「薬学的に許容される」成分という用語は、毒性、刺激、アレルギー等の過度の有害な副作用をもたらすことなく、ヒト及び/又は動物に使用するのに適した物質、即ち、妥当なベネフィット・リスク比を有する物質を指す。
本明細書において使用される「治療有効量」という用語は、単独で又は他の治療剤と組み合わせて使用した場合に、以下に記載するように疾患の退行を促進し得る、薬物の任意の量を指し、その疾患の退行は、疾患の症状の重症度の低下、疾患の無症状期の頻度及び期間の増加又は疾患によって引き起こされる障害若しくは無能力の防止として現れる。本発明の薬物の「治療有効量」には「予防有効量」も含まれる。「予防有効量」は、薬物の、以下に記載する任意の量であり、疾患を発症するリスクがあるか又は疾患の再発に悩んでいる対象に、単独で又は他の治療剤と組み合わせて投与した場合に、疾患の発症又は再発を抑制することができる薬物の量である。
本発明の化合物
本発明は、変異型IDHを阻害するための化合物を提供する。本発明の化合物は、二量体又は多量体形態にある阻害剤である。
本明細書において使用される「本発明の化合物」という用語は、式I:
a-Wa-L-Wb-Db (I)
(式中、各基は、第1の態様において記載した定義と同義である)の構造を有する化合物、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、光学異性体、ラセミ体、溶媒和物を指す。
本明細書において使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物と、医薬としての使用に適した酸又は塩基とによって形成される塩を指す。薬学的に許容される塩としては、無機塩及び有機塩が挙げられる。好ましい塩の種類は、本発明の化合物と酸とで形成される塩である。塩の形成に適した酸としては、これらに限定されるものではないが:塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸;及びアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸が挙げられる。
塩形態に加えて、本発明は、この化合物のプロドラッグ形態も提供する。本明細書に記載する化合物のプロドラッグは、生理的条件下で容易に化学的に変化して本発明の化合物を提供する化合物である。更に、プロドラッグは、化学的又は生化学的方法により、ex vivo環境下で本発明の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグを、適切な酵素又は化学試薬を含む経皮パッチリザーバー内に配置した場合、プロドラッグを本発明の化合物にゆっくりと変換することができる。好ましいプロドラッグはエステル形態である。
本発明の化合物は、非晶質形態、結晶形態又はこれらの混合物の形態となり得る。
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態のみならず、水和形態を含む溶媒和形態でも存在し得る。溶媒和形態は、概して、非溶媒和形態と均等であり、本発明の範囲に包含されるものとする。本発明の特定の化合物は、多形又は非晶質形態で存在し得る。概して、本発明において検討される用途が関連する範囲内において、物理形態は全て均等であり、本発の範囲に包含されるものとする。
本発明の化合物は、化合物を構成する1又は複数の同位体原子の位置に、天然の同位体比とは異なる比率の同位体原子も含み得る。特定の同位体の天然の同位体比と異なる比率は、対象の原子の自然界で見られる量からその原子が100%の量までと定めることができる。例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)若しくは炭素14(14C)等の放射性同位体又は重水素(2H)若しくは炭素13(13C)等の非放射性同位体を化合物に組み込むことができる。本出願に記載されている使用に加えて、このような同位体的変形形態(isotopic variant)は、更なる使用を提供し得る。例えば、本発明の化合物の同位体的変形形態は、これらに限定されるものではないが、診断用及び/若しくは画像化試薬として、又は細胞毒性/放射線毒性治療剤としての更なる使用を有し得る。更に、本発明の化合物の同位体的変形形態は、薬物動態学的及び薬力学的特性が変化している可能性があり、それにより、治療中の安全性、忍容性又は有効性の向上に役立ち得る。放射性であるか否かに関わらず、本発明の化合物の同位体的変形形態は、本発明の範囲に包含されるものとする。
調製方法
本発明において、変異型IDHタンパク質を阻害するために使用されるDa、Db及びDc等の活性基又は対応する活性化合物は、先行技術を参照して調製又は購入することができる。
本発明の化合物を調製するための典型的な方法が提供され、その方法は:
Figure 2022531104000017
(i)式V-Aの化合物を式V-Bと反応させることにより式V-Cの化合物を得ることと;
Figure 2022531104000018
(ii)式V-Cの化合物の保護基を除去することにより式V-Dの化合物を得ることと;
Figure 2022531104000019
(iii)式V-Dの化合物を式V-Eの化合物と反応させることにより式Vの化合物を得ることと;
(各式中、R7は、F、Cl、Br、Iからなる群から選択され、好ましくは、R7は、Br又はClであり;R1、R21、R22、R31、R32、R33、R51は、上記と同義である)を含む。
典型的には、工程(i)において、反応は、通常、溶媒(アセトニトリル等)中、アルカリ性条件下で、室温下又は加熱下に、4時間以上(4~20時間等)実施することにより式V-Cの化合物を得ることができる。式V-Cの化合物は、単離することも、直接次の工程で使用することもできる。
工程(ii)において、反応は、通常、溶媒(メタノール等)中、酸性条件下で、室温下又は加熱下に、2時間以上(2~10時間等)実施することにより式Vの化合物を得ることができる。
工程(iii)において、反応は、溶媒(DMSO等)中、アルカリ性条件下で、室温下又は加熱下に、2時間以上実施することにより式Vの化合物を得ることができる。
医薬組成物及び投与方法
本発明の化合物は、変異型IDH1(例えば、IDH1/R132H及びIDH1/R132C)に対する優れた阻害活性を有する。したがって、本発明の化合物及び様々な結晶形、薬学的に許容される無機又は有機塩、その水和物又は溶媒和物並びに本発明の化合物を主要な有効成分として含む医薬組成物を、変異型IDH1が介在する疾患の治療、予防及び緩和するために使用することができる。
好ましくは、本発明の化合物は、がんを治療するために使用することができる。代表的ながんとしては、これらに限定されるものではないが:神経膠腫、神経膠芽腫、傍神経節腫、急性白血病、前立腺癌、甲状腺がん、結腸癌、軟骨肉腫、胆管上皮癌、末梢T細胞性白血病、メラノーマ又はこれらの組合せが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、安全且つ有効な量の本発明の化合物又はその薬理学的に許容される塩と、薬理学的に許容される賦形剤又は担体とを含む。「安全且つ有効な量」という用語は、重篤な副作用を引き起こすことなく、状態を大幅に改善するのに充分な化合物の量を意味する。概して、医薬組成物は、1投与量当たり(per one dosage)本発明の化合物を1~2000mg含み、より好ましくは、単位投与量当たり10~500mg含む。好ましくは、「1投与量(one dosage)」という用語は、カプセル剤又は錠剤である。
「薬学的に許容される担体」は、ヒトへの使用に適しており、充分な純度及び充分に低い毒性を有していなければならない、1種又は複数種の適合性のある固体又は液体の充填材又はゲル状物質を指す。本明細書における「適合性」とは、組成物の各成分が、本発明の化合物の有効性を著しく低下させることなく、本発明の化合物と、及び互いに、ブレンドすることが可能であることを意味する。薬学的に許容される担体の例としては、セルロース及びその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース等)、ゼラチン、タルク、固体滑沢剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等)、硫酸カルシウム、植物油(大豆油、ゴマ油、落花生油、オリーブ油等)、ポリオール(プロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトール等)、乳化剤(Tween(登録商標)等)、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)、着色剤、矯味剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、発熱性物質非含有水等が挙げられる。
本発明の化合物又は医薬組成物の投与方法は特に限定されないが、代表的な投与方法としては、これらに限定されるものではないが:経口、腫瘍内、直腸内、非経口(静脈内、筋肉内又は皮下)及び局所投与が挙げられる。
経口投与用固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤が挙げられる。これらの固体剤形において、活性化合物は、クエン酸ナトリウムやリン酸二カルシウム等の少なくとも1種の従来の不活性な賦形剤若しくは担体と混合されるか、又は以下に示す成分と混合される:(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸等の充填剤若しくは相溶化剤;(b)ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩(alginate)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アラビアゴム等の結合剤;(c)グリセリン等の保湿剤;(d)寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプン、タピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩(complex silicate)、炭酸ナトリウム等の崩壊剤;(e)パラフィン等の徐放化剤;(f)4級アミン化合物等の吸収促進剤;(g)セチルアルコールやモノステアリン酸グリセリル等の湿潤剤;(h)カオリン等の吸着剤、及び(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑沢剤又はこれらの混合物。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は、緩衝剤も含み得る。
錠剤、糖錠(sugar pill)、カプセル剤、丸剤、顆粒剤等の固体剤形は、腸溶性コーティング等のコーティング及びシェル材料並びに当該技術分野において知られている他の材料を用いて調製することができる。これらは乳白剤を含んでいてもよく、活性化合物又は組成物中の化合物を消化管の特定の部位で遅延放出させてもよい。使用可能な埋め込み用成分の例は、高分子物質及びワックスである。必要に応じて、活性化合物は、上に述べた1種又は複数種の賦形剤と共にマイクロカプセルを形成することもできる。
経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤又はチンキ剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当該技術分野において従来使用されている不活性な希釈剤、可溶化剤及び乳化剤、例えば、水又はエタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド及び油、特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油等の他の溶剤又はこれらの物質の混合物等を含むことができる。
これらの不活性希釈剤に加えて、組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、矯味剤及び香料等の補助剤も含み得る。
活性化合物に加えて、懸濁剤は、エトキシル化イソオクタデカノール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメトキシド、寒天等の懸濁化剤又はこれらの物質の混合物等を含むことができる。
非経口注射用組成物は、生理学的に許容される無菌の水性又は非水性の溶液、分散液、懸濁液又は乳化液及び無菌の注射用溶液又は分散液に再調製するための無菌粉末を含み得る。好適な水性及び非水性の担体、希釈剤、溶剤又は賦形剤としては、水、エタノール、ポリオール及びこれらの適切な混合物が挙げられる。
本発明の化合物の局所投与用剤形としては、軟膏剤、散剤、貼付剤、スプレー剤及び吸入剤が挙げられる。有効成分は、無菌条件下で、生理学的に許容される担体及び必要に応じて要求される任意の防腐剤、緩衝剤又は噴射剤と混合される。
本発明の化合物は、単独で又は他の薬学的に許容される化合物と組み合わせて投与することができる。
医薬組成物を使用する場合、本発明の化合物は、安全かつ有効な量で、治療を必要とする哺乳動物(ヒト等)に投与される。投与される用量(dose)は、薬学的に考慮された有効な投与量(dosage)である。体重60kgのヒトの場合、1日の投与量は、通常、1~2000mg、好ましくは20~500mgである。言うまでもなく、具体的な投与量は、投与経路、患者の健康状態等の要素も考慮すべきであり、これは熟練した医師の技術範囲内である。
本発明の主な利点は次の通りである:
(a)本発明の化合物は、非常に有効性が高く、毒性がなく、高い阻害活性を有する;
(b)本発明の多量体化合物の活性は、連結していない低分子化合物の活性と比較して、大幅に、数百倍にさえ向上している;
(c)本発明の化合物は特異性がより高い。
以下に具体的な実施形態と併せて本発明を更に説明する。これらの実施形態は本発明を例示することのみを目的として用いるものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。以下に示す実施例において、具体的な条件を伴わない実験方法は、通常、従来の条件に基づくか製造業者が提案する条件に従う。特段の指定がない限り、百分率及び部は重量百分率及び重量部である。
本特許出願に関与する化合物の説明
(1)本実施例の対照化合物は、市販されているAG-120、CAS:1448347-49-6であり、構造式は次に示す通りである:
Figure 2022531104000020
AG-120(イボシデニブ)は、潜在的な抗腫瘍活性を有する経口用の活性IDH1阻害剤である。
(2)本発明の化合物の一部は商業的に及び/又は公的な化合物ライブラリから入手することができる。例えば、本発明の化合物の一部は、Shanghai Bide Pharmatech Ltd.又はBeijing Yinuokai Technology Co.,Ltd.又はShanghai Chaolan Chemical Technology Center又はShanghai Aladdin Biochemical Technology Co.,Ltd.又はTCI Shanghai Chemical Industry Development Co.,Ltd.又はAccela ChemBio Co.,Ltd又はShanghai Yunguan Electromechanical Equipment Co.,Ltdから購入した。
(3)本発明の他の化合物は、当業者が、置換反応等の化学合成分野においてよく知られている方法を用いることにより合成することができる。例えば、本発明の化合物は、一般スキームに従い調製することができる。
実施例1:化合物1の合成
(1)(S)-3-(2-クロロピリミジン-4-イル)-4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オンの合成
Figure 2022531104000021
氷浴中、NaH(鉱油中60%、520mg、13.0mmol)を、(S)-4-(S)-4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン(1.50g、11.6mmol)及び2,4-ジクロロピリミジン(1.90g、12.8mmol)のDMF溶液に数回に分けて加えた。得られた黄色懸濁液を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を水(150mL)中に注ぎ、EtOAc(70mL×3)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水(70ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=5:1)で精製することにより、標題化合物(2.05g、収率73%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ 8.47 (d,J = 6.0 Hz,1H),8.18 (d,J = 6.0 Hz,1H),4.81-4.77 (m,1H),4.43-4.34 (m,2H),2.64-2.56 (m,1H),0.99 (d,J = 7.2 Hz,3H),0.88 (d,J = 7.2 Hz,3H)
(2)(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(4-メチルベンゼンベンゼンスルノホネート)の合成
Figure 2022531104000022
氷浴中、2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ジエタノール(3.60g、23.9mmol)のDCM溶液を、TsCl(9.50g、49.8mmol)及びTEA(7.27g、72.0mmol)のDCM(70mL)中懸濁液に滴下した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を水(80mL)及び飽和食塩水(80mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=5:1)で精製することにより、所望の化合物(8.1g、収率74%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ7.79 (d,J =8.4 Hz,4H),7.34 (d,J =8.0 Hz,4H),4.15-4.13 (m,4H),3.67-3.64 (m,4H),3.53 (s,4H),2.44 (s,6H).
(3)(S,E)-N-((5-ブロモピリジン-2-イル)))-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドの合成
Figure 2022531104000023
(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(19.5g、165mmol)及びCs2CO3(73.5g、225mmol)を、5-ブロモピコリンアルデヒド(27.9g、150mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液に加えた。得られた混合物を室温で5時間撹拌した。次いで混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)で精製することにより、所望の化合物(40.0g、収率92%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ8.80 (dd,J = 2.0,0.8 Hz,1H),8.66 (s,1H),7.97-7.91 (m,2H),1.29 (s,9H).
(4)(S)-N-((S)-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドの合成
Figure 2022531104000024
CH3MgCl(2.5M、トルエン中、75mL、187mmol)を、(S,E)-N-((5-ブロモピリジン-2-イル)メチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(30.0g、104mmol)のTHF(200mL)溶液に、-65℃のN2雰囲気下で滴下した。滴下完了後、得られた混合物を-65℃で2時間撹拌した。次いで、NH4Cl(飽和、200mL)を反応混合物に加え、混合物を-65℃で10分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液をEtOAc(200mL×3)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過して濃縮することにより、所望の生成物(31.1g、収率100%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ8.60 (d,J = 2.4 Hz,1H),7.78 (dd,J = 8.4,2.4 Hz,1H),7.21 (d,J = 8.4 Hz,1H),4.57-4.53 (m,2H),1.50 (d,J = 6.4 Hz,3H),1.25 (s,9H).
(5)(S)-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エタンアミンの合成
Figure 2022531104000025
(S)-N-((S)-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(30.0g、98.6mmol)のHCl(6M、水溶液、200mL)中の混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、NaOH(2M、水溶液)を加えてpH=7~8に調整し、水性層をEtOAc(500mL×3)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水(500mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮することにより、所望の生成物(19.7g粗生成物)を黄色固体として得、これをそのまま次の工程に使用した。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ8.60 (d,J = 2.0 Hz,1H),7.76 (dd,J = 8.4,2.4 Hz,1H),7.24 (d,J = 8.4 Hz,1H),4.13 (q,J = 6.8 Hz,1H),1.71 (s,2H),1.41 (d,J = 6.4 Hz,3H).
(6)(S)-tert-ブチル(1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エチル)カルバメートの合成
Figure 2022531104000026
TEA(29.8g、296mmol)及びBoc2O(32.2g、148mmol)を、(S)-1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エチルアミン(19.7g、98.6mmol)のジクロロメタン(300mL)溶液に加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=5:1)で精製することにより、所望の生成物(28.9g、収率96%)を黄色固体として得た。更に35.2gの生成物をキラル分取(chiral preparation)により単離した。HPLC[chiralpakIG 5μm、20×250mm;移動相(Phase):Hex(ヘキサデカン):EtOH=85:15;UV=214nm;F=18mL/min]、光学異性体として分離された(optically isomerized)(S)-tert-ブチル(1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エチル)カルバメート(27.4g)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ8.59 (d,J = 2.0 Hz,1H),7.77-7.76 (m,1H),7.16 (d,J = 8.4 Hz,1H),5.50 (br s,1H),4.89-4.74 (m,1H),1.43 (s,12H).
キラルクロマトグラフィー:(条件:chiralpak IB 5μm、4.6×250mm;移動相:Hex:EtOH=50:50;UV=230nm;F=1mL/min;T=30℃)、Rt=12.930min、100%ee。
(7)(S)-tert-ブチル(1-(5-ヒドロキシピリジン-2-イル)エチル)カルバメートの合成
Figure 2022531104000027
(S)-tert-ブチル(1-(5-ブロモピリジン-2-イル)エチル)カルバメート(5.00g、16.6mmol)、B2Pin2(5.00g、19.9mmol)、KOAc(4.9g、49.8mmol)及びPd(dppf)Cl2(364mg、0.498mmol)のジオキサン中懸濁液をN2で脱気した。得られた混合物を90℃で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を水(150mL)及びEtOAc(100mL)で分配した。水性層をEtOAc(100mL×2)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をTHF(100mL)に溶解した。NaOH(1M、41.5mL、41.5mmol)を加え、混合物を5分間撹拌した。次いで、氷浴中でH22(30%、3.76g、33.2mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をNa223水溶液(5%、200mL)中に注いだ。5分間撹拌した後、水性層をEtOAc(80mL×3)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水(80mL×3)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(石油エーテル:EtOAc=2:1)で精製することにより、所望の生成物(粗生成物5.77g)を褐色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ8.12 (s,1H),7.10 (s,2H),5.65-5.55 (m,1H),4.83-4.70 (m,1H),1.43-1.40 (m,12H).
(8)ジ-tert-ブチル((1S,1’S)-(5,5’-(((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ビス(エタン-1,1-ジイル))ジカルバメートの合成
Figure 2022531104000028
(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(1.05g、2.30mmol)、(S)-tert-ブチル(1-(5-ヒドロキシピリジン-2-イル)エチル)カルバメート(粗生成物1.30g、5.00mmol)、K2CO3(954mg、6.90mmol)及びKI(4mg、0.023mmol)のCH3CN溶液(20mL)中懸濁液を85℃で一晩撹拌した。反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、EtOAc(100mL)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(石油エーテル:EtOAc 1:1から0:1まで)で精製することにより、所望の生成物(920mg、収率68%)を黄色油状物として得た。
LC-MS[移動相:水95%及びCH3CN5%から水5%及びCH3CN95%まで、2.5分間]、Rt=1.56min;純度>90%(254nm);MS理論値:590.3;MS実測値:591.5[M+H]+
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ8.24 (d,J = 2.4 Hz,2H),7.20-7.14 (m,4H),5.65-5.54 (m,2H),4.85-4.73 (m,2H),4.16 (t,J = 4.8 Hz,4H),3.87 (t,J = 4.8 Hz,4H),3.75 (s,4H),1.43-1.41 (m,24H).
(9)(1S,1’S)-1,1’-(5,5’-(((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ジエタンアミン四塩酸塩の合成
Figure 2022531104000029
濃塩酸(2mL)を、ジ-tert-ブチル((1S,1’S)-(5,5’-(((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ビス(エタン-1,1-ジイル))ジカルバメート(620mg、0105mmol))のメタノール(10mL)溶液に室温で滴下した。得られた混合物を一晩撹拌した。次いで反応混合物を濃縮することにより、所望の化合物(640mg粗生成物、収率100%)を無色油状物として得た。
LC-MS[移動相:水95%及びCH3CN5%から水5%及びCH3CN95%まで、2.5分間]、Rt=0.29min;MS理論値:390.2;MS実測:591.3[M+H]+
(10)(4S,4’S)-3,3’-(2,2’-(((1S,1’S)-(5,5’-(((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ビス(エタン-1,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(ピリミジン-4,2-ジイル))ビス(4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン)の合成
Figure 2022531104000030
(1S,1’S)-1,1’-(5,5’-(((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ジエタンアミン四塩酸塩(粗生成物540mg、0.89mmol)、(S)-3-(2-クロロピリミジン-4-イル)-4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン(538mg、2.23mmol)及びDIEA(1.15g、8.9mmol)のDMSO(8mL)溶液を130℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層を合一し、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(EtOAc:MeOH=20:1)で精製し、更にC18(5~60%CH3CN/水)で精製することにより、所望の生成物1(110mg、収率15%)を淡黄色固体として得た。
LC-MS[移動相:水80%(NH4OAc0.02%)及びCH3CN20%から水20%(NH4OAc 0.02%)及びCH3CN80%まで、6.5分間]、Rt=4.019min;純度:95.91%(214nm)、94.56%(254nm);MS理論値:800.4;MS実測値:801.3[M+H]+
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ8.25 (d,J = 2.4 Hz,2H),8.19 (d,J = 6.0 Hz,2H),7.43 (d,J = 6.0 Hz,2H),7.19-7.14 (m,4H),6.03-5.89 (m,2H),5.16-4.98 (m,2H),4.70-4.60 (m,2H),4.28 (t,J = 8.4 Hz,2H),4.22 (dd,J = 9.2,3.2 Hz,2H),4.15 (t,J = 4.4 Hz,4H),3.86 (t,J = 4.8 Hz,4H),3.74 (s,4H),2.44-1.85 (m,2H),1.53 (d,J = 6.8 Hz,6H),0.78-0.73 (m,12H).
実施例2:化合物2の合成
(1)((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)の合成
Figure 2022531104000031
氷浴中、2,2’-((オキシビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(オキシ))ジエタノール(3.00g、15.4mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を、TsCl(6.20g、32.3mmol)及びTEA(4.70g、46.2mmol)のDCM(50mL)中懸濁液に滴下した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(60mL)、飽和食塩水(60mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc 2:1から0:1)で精製することにより、所望の化合物(5.6g、収率72%)を褐色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ 7.79 (d,J = 8.4 Hz,4H),7.34 (d,J = 8.0 Hz,4H),4.15 (t,J = 4.8 Hz,4H),3.68 (t,J = 4.8 Hz,4H),3.60-3.53 (m,8H),2.44 (s,6H).
(2)ジ-tert-ブチル((1S,1’S)-(5,5’-((((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ビス(エタン-1,1-ジイル))ジカルバメートの合成
Figure 2022531104000032
2CO3(330mg、2.39mmol)及びKI(4mg、0.024mmol)を、((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(400mg、0.796mmol)及び(S)-tert-ブチル(1-(5-ヒドロキシピリジン-2-イル)エチル)カルバメート(379mg、1.59mmol)のCH3CN(7mL)溶液に加えた。得られた混合物を85℃で一晩撹拌した。この反応混合物(第1バッチ)を他のバッチと一緒に処理した。
2CO3(659mg、4.77mmol)及びKI(8mg、0.05mmol)を、((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(800mg、1.59mmol)及び(S)-tert-ブチル(1-(5-ヒドロキシピリジン-2-イル)エチル)カルバメート(796mg、3.34mmol)のCH3CN(16mL)溶液に加えた。得られた混合物を85℃で一晩撹拌した。反応混合物を第1バッチと合一し、水(100mL)中に注ぎ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層を合一し、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(石油エーテル:EtOAc 1:1から0:1まで)で精製することにより、所望の生成物(578mg、収率38%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ 8.24 (d,J = 2.4 Hz,2H),7.20-7.14 (m,4H),5.59 (br s,2H),4.85-4.71 (m,2H),4.16-4.14 (m,4H),3.87-3.84 (m,4H),3.74-3.67 (m,8H),1.43-1.41 (m,24H).
(3)(1S,1’S)-1,1’-(5,5’-((((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ジエタンアミン四塩酸塩の合成
Figure 2022531104000033
濃塩酸(2mL)を、ジ-tert-ブチル((1S,1’S)-(5,5’-((((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ビス(エタン-1,1-ジイル))ジカルバメート(578mg、0.911mmol)のMeOH(10mL)溶液に室温で滴下した。得られた混合物を一晩撹拌した。次いで反応混合物を濃縮することにより、所望の化合物(粗生成物715mg、収率100%)を褐色油状物として得た。
LC-MS[移動相:水95%及びCH3CN5%から水5%及びCH3CN95%まで、2.5分間]、Rt=1.07min;MS理論値:434.3;MS実測値:435.4[M+H]+
(4)(4S,4’S)-3,3’-(2,2’-(((1S,1’S)-(5,5’-((((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ビス(エタン-1,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(ピリミジン-4,2-ジイル))ビス(4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン)の合成
Figure 2022531104000034
(1S,1’S)-1,1’-(5,5’-((((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ピリジン-5,2-ジイル))ジエタンアミン四塩酸塩(粗生成物715mg、0.911mmol)、(S)-3-(2-クロロピリミジン-4-イル)-4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン(660mg、2.73mmol)及びDIEA(1.18g、9.11mmol)のDMSO(8mL)溶液を130℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を水(50mL)中に注ぎ、EtOAc(30mL×3)で抽出した。有機層を合一し、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(EtOAc:MeOH=25:1)で精製し、更にC18(5~60%CH3CN水溶液)で精製することにより、所望の生成物2(155mg、収率20%)を淡黄色固体として得た。
LC-MS[移動相:水70%(NH4OAc 0.02%)及びCH3CN30%から水30%(NH4OAc 0.02%)及びCH3CN70%まで、6.5分間]、Rt=3.619min;純度:96.91%(214nm)、96.73%(254nm);MS理論値:844.4;MS実測値:845.1[M+H]+
1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ8.25 (d,J = 2.4 Hz,2H),8.19 (d,J = 5.6 Hz,2H),7.43 (d,J = 6.0 Hz,2H),7.20-7.14 (m,4H),6.12-5.90 (m,2H),5.16-4.98 (m,2H),4.69-4.60 (m,2H),4.30-4.21 (m,4H),4.15 (t,J = 4.8 Hz,4H),3.85 (t,J = 4.8 Hz,4H),3.73-3.66 (m,8H),2.35-1.82 (m,2H),1.53 (d,J = 6.8 Hz,6H),0.78-0.73 (m,12H).
実施例3:変異型IDH1/R132Hに対する化合物の細胞レベルでの阻害活性
2-ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ(2HGDH)は、2-HGの存在下にNAD+をNADHに還元することができる。後者はジアホラーゼ及びその基質であるレサズリンにより定量的に検出することができる。
変異型IDH1/R132Hを過剰発現する神経膠腫細胞U87MGを、1%ピルビン酸ナトリウム、10%FBSを含む高グルコース(high-sugar)MEMを用いて、CO2インキュベータ(37℃、5%CO2、95%空気)で培養した。
細胞をトリプシンで消化し、培地200μLを含む96ウェルプレートに1×104個の濃度で播種し、37℃のインキュベータで一晩培養した。翌日、被験化合物を添加し、DMSOで終濃度を0.1%とした。24時間培養した後、培養培地100μLをバスピレートし(vaspirated)、10KD Nanosep(登録商標)限外濾過チューブ(PALLより購入)を使用して14000gで10分間遠心分離した。結果を干渉する可能性のある培養培地中のタンパク質及び他の成分を濾過し、以下に示す方法を用いて2-HG含有量を検出した。
細胞外2-HG検出系:
(1)50μL反応系:反応緩衝液(50mM Tris、pH7.5、100mM NaCl、20mM MgCl2、0.05% BSA)中、NAD+の終濃度を40μMとし、2HGDHの終濃度を20nMとし、被験サンプルを培養培地5μLに添加し;反応液を混合して遠心分離し、25℃の暗所で1時間反応させた。
(2)25μL発色系:発色用緩衝液(50mM Tris、pH7.5、100mM NaCl、20mM MgCl2、0.05% BSA)中、ジアホラーゼの終濃度を36μg/mLとし、レサズリンナトリウムの終濃度を3μMとし;上に述べた発色用緩衝液25μLを(1)の反応系50μLに加え、混合及び遠心分離し、即座にEx544/Em590で蛍光量を測定した。
2-HGの検量線の作成:2-HGのストック溶液を反応用緩衝液で20μMに希釈し、2倍の段階希釈(gradient dilution)を合計6点になるように実施した。次いで、上に述べた2-HGを、細胞外2-HG検出系に従い測定し、検量線を求めて作成した。
細胞外2-HG含有量の計算:
細胞外2-HG検出系で得られた蛍光を、2-HG検量線を用いて算出することにより、培養培地中の2-HG含有量を求め、DMSOを陰性対照として用いて、2-HGを産生する変異型IDH1/R132Hの活性に対する化合物の阻害を算出した。
試験結果を表1に示す。表中、「-」は、IDH1/R132Hに対する阻害活性範囲がIC50≧10μMであることを意味し;「+」は、IDH1/R132Hに対する阻害活性範囲が500nM≦IC50≦10μMであることを意味し;「++」、「-」は、IDH1/R132Hに対する阻害活性範囲が5nM<IC50<500nMであることを意味し;「+++」は、IDH1/R132Hに対する阻害活性範囲がIC50≦5nMであることを意味する。
Figure 2022531104000035
この結果から、化合物1及び2はIDH1/R132Hに対する優れた阻害活性を有する(IC50≦5nM)ことが示された。
実施例4:変異型IDH1/R132Cに対する化合物の細胞レベルでの阻害活性
変異型IDH1/R132Hを過剰発現する神経膠腫細胞U87MGを、変異型IDH1/R132Cを含む線維肉腫細胞HT-1080に置き換えたことを除いて、実験の工程を実施例3と同一とした。
試験結果を表2に示す。表中、「-」は、IDH1/R132Hに対する阻害活性範囲がIC50≧10μMであることを意味し;「+」は、IDH1/R132Hに対する阻害活性範囲が500nM≦IC50≦10μMであることを意味し;「++」、「-」は、IDH1/R132Hに対する阻害活性範囲が5nM<IC50<500nMであることを意味し;「+++」は、IDH1/R132Hに対する阻害活性範囲がIC50≦5nMであることを意味する。
Figure 2022531104000036
この結果から、化合物1及び2はIDH1/R132Cに対する優れた阻害活性を有する(IC50≦5nM)ことが示された。
実施例5:変異型IDH2/R140Qに対する化合物の細胞レベルでの阻害活性
変異型IDH1/R132Hを過剰発現する神経膠腫細胞U87MGを、変異型IDH2/R140Qを過剰発現する神経膠腫細胞U87MGに置き換えたことを除いて、実験の工程は実施例7と同一とした。
試験結果を表3に示す。表4中、「+」は、IDH2/R140Qに対する阻害活性がIC50≦20μMであることを意味し;「-」は、IDH2/R140Qに対する阻害活性がIC50>20μMであることを意味する。
Figure 2022531104000037
この結果は、本発明の化合物1及び2がIDH2/R140Qを阻害せず、この化合物が優れた特異性を有することを示している。
本発明で言及した全ての文書を、各文書が個々に参考文献として引用されているかの如く本出願において参考文献として引用する。更に、上述の本発明の教示内容を読むことにより、当業者は、本発明に様々な変更又は修正を施すことができ、これらの均等な形態も全て本出願の添付の特許請求の範囲により定義される範囲に含まれることを理解すべきである。

Claims (12)

  1. 式I:
    a-Wa-L-Wb-Db (I)
    (式中、
    Wa及びWbは、それぞれ独立に、存在しないか又はO、S、NRa、CO、COO、SO、SO2、CO-NRa、NRa-CO、SO-N(Ra)、N(Ra)-SO、NRa-COO、COO-NRa、NRa-SO2、SO2-NRa、CS-NRa、NRa-CS若しくはN(Ra)-CO-NRaからなる群から選択され;
    aは、それぞれ独立に、H、重水素、CN、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル又は置換若しくは無置換C3~C6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは、この置換は、C1~C6アルキル置換及び/又はハロゲン置換であり;好ましくは、Raは、それぞれ独立に、H、重水素、-CH3、-C25、-CH(CH32、-CH2CH2CH3、シクロプロピルからなる群から選択され;
    Lは、式II
    -(X)n- (II)
    (式中、
    nは、1~50の整数、好ましくは3~40の整数であり;
    Xは、それぞれ同一であるか又は異なっており、Xは、それぞれ独立に、O、S、置換又は無置換C1~C6アルキレン、置換又は無置換C2~C6アルケニレン、置換又は無置換C2~C6アルキニレン、CO、SO2、NRb、C(Rc2、置換又は無置換4~10員炭素環、置換又は無置換4~10員複素環、置換又は無置換6~12員芳香族環、置換又は無置換5~12員複素芳香族環;又は-Wc(T)k-(式中、Wcは、3価の基、4価の基又は5価の基であり、kは、1、2又は3であり;Tは、-Rd-Wa-L’-Wb-Dc(式中、Wa及びWbは、上に記載した通りである)である)からなる群から選択される)で示される結合基であり;
    dは、それぞれ独立に、存在しないか又は置換若しくは無置換C1~C6アルキレン、置換若しくは無置換C2~C6アルケニレン、置換若しくは無置換C1~C6ハロゲン化アルキレン、置換若しくは無置換C3~C6シクロアルキルからなる群から選択される2価の基であり;
    L’は、存在しないか又は式II-A:
    -(Y)m- (II-A)
    (式中、
    mは、1~50の整数であり;
    Yは、それぞれ同一であるか又は異なっており、Yは、それぞれ独立に、O、S、置換又は無置換C1~C6アルキレン、置換又は無置換C2~C6アルケニレン、置換又は無置換C2~C6アルキニレン、CO、SO2、NRb、C(Rc2、置換又は無置換4~10員炭素環、置換又は無置換4~10員複素環、置換又は無置換6~12員芳香族環、置換又は無置換5~12員複素芳香族環からなる群から選択される)で示される結合基であり;
    bは、それぞれ独立に、H、重水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、C1~C6アルコキシからなる群から選択され;
    cは、それぞれ独立に、H、重水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、C1~C6アルコキシ、OH、CNからなる群から選択され;
    前記複素環又は前記複素芳香族環は、O、S又はNから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み;
    但し、Xが置換炭素環、置換複素環、置換芳香族環、置換ヘテロアリールである場合、前記炭素環、複素環、芳香族環又はヘテロアリール上の置換基は、任意選択的に、1、2又は3個のTを含むことができ、Tは上記と同義であり;
    特段の指定がない限り、「置換」という用語は、その基の1~5個の水素が、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、C1~C6アルコキシ、置換又は無置換フェニル、置換又は無置換ベンジル、-N(Rb2、-C(Rc3、-CN、-OH、-COORf、-SO2f、-NHC(O)Rf;(式中、Rfは、それぞれ独立に、水素、重水素、C1~C6アルキルからなる群から選択され、Rb及びRcは、上記と同義である)からなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味し;
    a、Db及びDcは、それぞれ独立に、変異型IDHタンパク質を阻害する活性基である)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. a、Db及びDcは、それぞれ独立に、式III:
    Figure 2022531104000038
    (式中、
    1は、2価の結合基であり;
    21及びR22は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、シアノ、置換若しくは無置換C1~C6アルキルからなる群から選択されるか、又はR21及びR22は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、置換若しくは無置換C3~C5シクロアルキルを形成し;「置換」という用語は、その基の1個又は複数個(好ましくは、1~3個)のHが、重水素、ハロゲン、C1~C6アルキルからなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味し;
    23は、NR62からなる群から選択され;
    31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、N、CR61からなる群から選択され;
    8は、N、CR61からなる群から選択され;
    9は、Cであり;
    10は、O、Sからなる群から選択され;
    41及びR42は、それぞれ独立に、O、S、C(R532からなる群から選択され;
    51は、それぞれ独立に、H、重水素、置換又は無置換C1~C6アルキル、置換又は無置換フェニル、置換又は無置換ベンジル、置換又は無置換5~7員ヘテロアリール、置換又は無置換ジフェニルメチルからなる群から選択され;
    52は、H、重水素、C1~C6アルキルからなる群から選択されるか;
    又はR51及びR52は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、置換又は無置換C1~C6(好ましくは、C1~C4)シクロアルキル、置換又は無置換5~7員ヘテロシクリルを形成し;
    53は、それぞれ独立に、H、重水素、置換若しくは無置換C1~C6アルキル、フェニル、ベンジルからなる群から選択されるか;又は2個のR53が、これらが結合している炭素原子と一緒になって、置換若しくは無置換3~7員シクロアルキル若しくは置換若しくは無置換4~7員複素環を形成し;R53基において、「置換」という用語は、その基の1~3個の水素が、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキル、アミノからなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味し;
    61は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン(好ましくは、F、Cl、Br)、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキルからなる群から選択され;
    62は、それぞれ独立に、水素、重水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキルからなる群から選択される)で示される基である、請求項1に記載の化合物。
  3. a、Db及び各Dcは、それぞれ独立に:
    Figure 2022531104000039
    からなる群から選択される1価の基である、請求項1に記載の化合物。
  4. Lは、式II-C:
    -(Y1-Y2-Y3S- (II-C)
    (sは、1~15の整数であり;
    1、Y2及びY3は、それぞれ独立に、O、S、C1~C6アルキレン、C2~C6アルケニレン、C2~C6アルキニレン、CO、SO2、NRb若しくはC(Rb2;又は置換若しくは無置換4~10員炭素環、4~10員複素環、6~12員芳香族環若しくは5~12員芳香族環の任意の位置の2個の水素を失うことにより形成される2価の基からなる群から選択される)で示される結合基である、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記化合物は、式IV:
    Figure 2022531104000040
    (式中、
    1は、2価の結合基であり;
    21及びR22は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、アミノ、シアノ、置換若しくは無置換C1~C6アルキルからなる群から選択されるか、又はR21及びR22は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、置換若しくは無置換C3~C5シクロアルキルを形成し;「置換」という用語は、その基の1個又は複数個のHが、重水素、ハロゲン、C1~C6アルキルからなる群から選択される置換基に置き換えられていることを意味し;
    31、R32、及びR33は、それぞれ独立に、N、CR61からなる群から選択され;
    51は、それぞれ独立に、H、重水素、置換又は無置換C1~C6アルキル、置換又は無置換フェニル、置換又は無置換ベンジル、置換又は無置換5~7員ヘテロアリール、置換又は無置換ジフェニルメチルからなる群から選択され;
    61は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン(好ましくは、F、Cl、Br)、C1~C6アルキル、C1~C6ハロゲン化アルキルからなる群から選択され;
    Wa、Wb、及びLは、請求項1に定義した通りである)で示される化合物である、請求項1に記載の化合物。
  6. 前記化合物は、式V:
    Figure 2022531104000041
    (式中、sは、3、4、5、6又は7であり;
    1、R21、R22、R31、R32及びR51は、請求項5に定義した通りである)で示される、請求項5に記載の化合物。
  7. 前記化合物は:
    Figure 2022531104000042
    からなる群から選択される化合物である、請求項5に記載の化合物。
  8. 医薬組成物であって、前記組成物は、(i)請求項1に記載の化合物と、(ii)薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
  9. 請求項6に記載の化合物を調製するための方法であって:
    Figure 2022531104000043
    (i)式V-Aの化合物を式V-Bと反応させることにより式V-Cの化合物を得ることと;
    Figure 2022531104000044
    (ii)式V-Cの化合物の保護基を除去することにより式V-Dの化合物を得ることと;
    Figure 2022531104000045
    (iii)式V-Dの化合物を式V-Eの化合物と反応させることにより式Vの化合物を得ることと;
    (各式中、R7は、F、Cl、Br、Iからなる群から選択され、好ましくは、R7は、Br又はClであり;R1、R21、R22、R31、R32、R33、R51は、請求項6に定義した通りである)を含む、方法。
  10. (i)変異型IDHの活性を阻害するため並びに/又は(ii)変異型IDHが介在する疾患を治療及び/若しくは予防するための医薬を製造するための、請求項1に記載の化合物の使用。
  11. 前記変異型IDHが介在する疾患は、がんを含む、請求項10に記載の使用。
  12. 前記がんは、神経膠腫、神経膠芽腫、傍神経節腫、急性白血病、前立腺癌、甲状腺がん、結腸癌、軟骨肉腫、胆管上皮癌、末梢T細胞性白血病、メラノーマ又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項11に記載の使用。
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