JP2022530860A - ポリマーバリアフィルムを改質する方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、印刷された架橋剤を使用して乾燥ポリマーフィルムを改質する方法であって、該方法により得られた架橋ポリマーが、架橋剤とポリマーとを組み合わせ、均質溶液として塗布して作製された架橋ポリマーと比較して、より大きな不溶性を示すことを含む、方法について記載する。そのような方法によって生成された製造品も開示されている。

Description

本発明は、一般にバリアフィルムに関し、特に、架橋フィルムを作製する方法であって、このようなフィルムを形成する組成物、およびこのようなフィルムで作製された製造品を含む、方法に関する。
フィルムベースのバリアコーティングは、包装の内容物と透過物との間の接触を防止することを含め、液体、気体、匂い物質等の通過を防止するために、包装材料に広く使用されている。バリア性の改善は、食品、化粧品、農薬、医薬品等の製品を封入するために販売されるフィルムのメーカーにとって重要な目標である。プラスチック材料の使用は典型的にそのようなコーティングの一部であるが、近年では、プラスチック、特に化石燃料ベースのプラスチックの使用は、環境への永続的な影響ゆえに消費者/市場の圧力にさらされているために好まれなくなっている。
熱可塑性樹脂からなるフィルムである、ポリプロピレン、ポリエステル、およびポリアミドの延伸フィルムは、一般に優れた機械的特性、耐熱性、透明性を有し、包装材料として広く使用されている。典型的なバリア材料は、ポリマー単層、共押出もしくは積層による二層ポリマーフィルム、コーティングされた単層、または片方もしくは両方の表面に1つもしくは複数のコーティングを有する、二層もしくは多層フィルムである。他のバリア技術には、さまざまなベースフィルム構造への真空蒸着を使用したアルミニウムの薄いコーティングによるメタライゼーションが含まれる。
ポリビニルアルコール(以下、「PvOH」と略記することがある)は、水溶性の合成ポリマーとして公知である。PvOHは、他の合成ポリマーと比較して、強度とフィルム形成特性に特に優れている。したがって、PvOHは、フィルムおよび繊維の材料、紙および繊維加工用の添加剤、接着剤、乳化重合および懸濁重合のための安定剤、無機物用の結合剤などとして使用されている。このように、PvOHはさまざまな用途で頻繁に使用されている。
水性コーティングおよび/または調量、カレンダー加工、押出、プラスチゾルキャストシステム、ならびにオルガノゾルキャストシステムを含む、フィルム形成のための多くのプロセスが存在する。押出およびカレンダー加工は、凝固する前にポリマーを溶融し、プラスチックを成形するプロセスである。また、プラスチゾルとオルガノゾルのキャスティングプロセスは、可塑剤マトリックス中にポリマーを溶融させ、その後、可塑剤の溶媒作用によりフィルムを形成することを含むものである。
従来の方法および装置においては、ベースポリマー、および可塑剤、充填剤、界面活性剤、活性剤、および着色剤などの二次構成成分を含有し、最終的に移動表面にキャストされる溶液は、ベースポリマーおよび二次構成成分をタンク内で水と組み合わせ、次いで混合することによって調製される。続いて、均質な溶液または懸濁液が、脱気および濾過を含む1種または複数の操作を通してポンプで送られ、次いで移動ベルト等の移動表面にキャストするための溶液キャスティングダイに供給される。
近年、PvOH溶液の加圧流を使用し、架橋剤を含有する流体の流れを組み合わせ、PvOH溶液と架橋剤の流れとの組み合わせをインライン混合し、得られたPvOH溶液と架橋剤との均質混合物を連続的に移動表面へ塗布し、次いで混合物から溶媒を蒸発させる、溶媒キャストフィルムを連続的に作製するための方法が開発されている(例えば、引用することによってそのすべてが本明細書の一部をなすものとする、米国特許出願公開第2007/0085235号明細書を参照されたい)。しかしながら、このような方法では、複雑な機械や複数の溶媒を使用することが必要となる。
このように、所望のバリアコーティング特性を有するフィルムを得るために、より単純なプロセス工程/装置を使用する方法を考案することが望まれている。
本開示は、得られた架橋ポリマーが、架橋剤とポリマーとを溶液中で組み合わせて作製された架橋ポリマーと比較して溶解性が低くなるように、印刷された架橋剤を使用してポリマーフィルムを改質する方法を含むフィルム作製方法に関する。また、このような方法によって生成された製造品についても開示されている。
一実施形態にて、架橋フィルムを作製する方法であって、ポリマー溶液を基材に塗布すること、基材上の前記ポリマー溶液を乾燥させること、乾燥した基材に架橋剤を印刷すること、および架橋が達成されるのに十分な時間、印刷した基材を加熱することを含み、得られた架橋ポリマーが、溶液中で組み合わされた同じポリマーおよび架橋剤の塗布によって生成された架橋ポリマーと比較して、より大きな不溶性を示す方法が開示されている。関連した態様にて、方法は、任意選択的に、加熱された基材から任意選択的な溶媒を蒸発させて、架橋ポリマーフィルムを形成することをさらに含む。
一態様にて、ポリマーには、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デキストラン、デンプン、セルロース誘導体(例えば、ヘミセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよび他のセルロースエーテル)、リグニン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ペクチン、アルギネート、タンパク質、誘導体化タンパク質(例えば、ゼラチン、トウモロコシゼイン、ホエイタンパク質)、およびこれらの組み合わせが含まれる。関連した態様にて、ポリマーはポリビニルアルコールである。
別の態様にて、基材は、セルロース系材料である。
一態様にて、架橋剤には、アルデヒド、アルデヒド含有樹脂、多官能性カルボン酸、二官能性メタクリレート、N-ラクタムカルボキシレート、ジチオール、ジメチル尿素、ジイソシアネート、ホウ酸塩、多価アニオンの塩、無機ポリイオン、1B族の塩、ポリアミド-エピクロロヒドリン樹脂およびこれらの組み合わせが含まれる。
関連した態様にて、架橋剤には、アルデヒド、アルデヒド含有樹脂、ジカルボン酸、およびこれらの組み合わせが含まれる。関連した態様にて、架橋剤はアルデヒドを含む。関連した態様にて、架橋剤はジアルデヒドを含む。別の関連した態様にて、架橋剤には、グリオキサール、グルタルアルデヒド、またはこれらの混合物が含まれる。さらに関連した態様にて、架橋剤はグリオキサールである。
一態様にて、架橋剤は、ポリマーの重量に基づいて、約10重量%までの量で存在する。別の態様にて、ポリマーは、ポリマー溶液の重量に基づいて、約50重量%~90重量%の範囲の量で存在する。
別の態様にて、印刷には、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、インディゴ印刷、およびオフセット印刷が含まれる。
一態様にて、セルロース系材料には、紙、板紙、製紙用パルプ、食品貯蔵用カートン、食品貯蔵用袋、輸送用袋、コーヒーまたはティー用容器、ティーバッグ、ベーコン用板紙、おむつ、雑草阻害/バリアファブリックまたはフィルム、除草フィルム、植木鉢、梱包ビーズ、バブルラップ、油吸収物質、積層体、封筒、ギフトカード、クレジットカード、手袋、レインコート、耐油紙、買い物袋、堆肥バッグ、剥離紙、食器、ホットまたはコールド飲料を保持するための容器、カップ、紙タオル、皿、炭酸入り液体貯蔵用ビン、絶縁材料、炭酸の入っていない液体貯蔵用ビン、食品ラップ用フィルム、生ごみ処理容器、食品取扱い用具、カップ用の蓋、紙ストロー、ファブリック繊維、水の貯蔵および運搬用具、医療用途の板紙、剥離紙、アルコールまたは非アルコール性飲料の貯蔵および運搬用具、電子製品用の外部ケーシングまたはスクリーン、家具の内部または外部構成品、カーテン、室内装飾用品、フィルム、箱、シート、トレー、パイプ、導水管、医薬製品用包装、衣類、医療機器、避妊具、キャンプ用具、成形されたセルロース系材料、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。
一態様にて、方法は、疎水性および/または疎油性耐性のために基材を調節可能に誘導体化するものである。関連した態様にて、得られた基材は疎水性である。また関連した態様にて、得られた基材は疎油性である。別の関連した態様にて、得られた基材は、3~12の間の3MグリースKIT試験値を示すものである。
一態様にて、ポリマー溶液は、乳濁液として提供される。
別の態様にて、ポリマー溶液は、クレー、炭酸塩、炭酸カルシウム、二酸化チタン、プラスチック顔料、結合剤、デンプン、タンパク質、ポリマー乳濁液、ラテックス、ジルコニウム塩、ステアリン酸カルシウム、レシチンオレエート、ポリエチレン乳濁液、カルボキシメチルセルロース、アクリル系ポリマー、アルギネート、ポリアクリレートゴム、ポリアクリレート、殺微生物剤、油ベースの消泡剤、シリコーンベースの消泡剤、スチルベン、直接染料または酸性染料のうちの1種または複数を含む。
一実施形態にて、架橋ポリマーコーティング層を有する基材を含む製造品であって、架橋が実質的に層の上面に限定されて、層内には架橋が実質的に含有されない、製造品が開示されている。
関連した態様にて、架橋ポリマー層は、実質的に同様の架橋剤およびポリマーを含むが、実質的な架橋が層内に含有される製造品と比較して、より高い柔軟性、より低い剛性、および/またはより大きな伸びを製造品に与える。
架橋反応が溶液中で行われる場合に、ポリマーの架橋がフィルム上とフィルム内で起こる(上部分の反応、従来技術)、または架橋剤が硬化/乾燥ポリマーの露出表面に印刷される場合に、架橋が前記表面上で起こる(下部分の反応)、2つの反応の図を示す。留意すべき点は、2つの反応による生成物間の架橋密度の質的な相違にある。
本組成物、方法、および方法論を記載する前に、本発明は、記載された特定の組成物、方法および実験条件が変わり得ることから、このような組成物、方法、および条件に限定されないことを理解すべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に限定されるものであり、本明細書に記載の用語論は、特定の実施形態を記載する目的にすぎず、限定することを意図したものではないことも理解されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されていなければ、複数の参照物を含む。例えば、「ポリマー」への言及は、本開示等を読めば当業者にとって明らかになるであろう、本明細書に記載されるタイプの1種または複数のポリマーおよび/または組成物を含む。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。変更および変形形態は本開示における精神および範囲内に包含されることが理解されるため、本明細書に記載されるものと類似または同等の任意な方法および材料を、本発明に係る実施や試験に使用できる。
本明細書にて、「約」、「およそ」、「実質的に」および「大幅に」は、当業者によって理解され、それらが使用される文脈に応じてある程度変化する。用語が用いられている文脈を考慮し、当業者に明瞭でない用語の使用がある場合、「約」および「およそ」は、特定の用語のプラスまたはマイナス<10%を意味し、「実質的に」および「大幅に」は、特定の用語のプラスまたはマイナス>10%を意味する。「~を含む」および「~から本質的になる」は、当技術分野においてそれらの慣例の意味を有する。
架橋フィルム、特に架橋PvOHを製造するための従来の方法およびシステムは、架橋剤とポリマーとを溶液中で組み合わせて実施されたものである(図1、上部分の反応)。一方、本明細書に記載の方法は、1種または複数の架橋剤が、先に塗布されたベースポリマー上に印刷されて、最終的なフィルムを形成するものである(図1、下部分の反応)。方法のさまざまな実施形態によって得ることのできる利点の中には、フィルム表面上の-OH基へとより効果的に到達することによる、より不溶性のフィルムの作製における方法の適応性および効率がある。
本明細書に記載のように、架橋剤は、印刷、またはオーバーコートニスに近い様式での架橋剤の使用により、ポリマーフィルム表面上に塗布される。如何なる理論に拘束されるものではないが、ポリマーフィルムを硬化/乾燥(set/dried)した後、架橋剤が乾燥/硬化表面に印刷され、表面で最も利用可能な-OH基と反応する可能性が最も高くなる。塗布、および塗布後の速やかな(例えば、1分未満)加熱により、表面で反応が起こって、表面を不溶化する一方で光沢を助ける架橋網目を形成できる。
利点には、溶解性がより低く、現場での材料分解がより遅いことが保証されるagフィルム用途(意図する官能性を得るために必要なPvOH含有量がより少ないことによって全体的な節約が実現され得ることを含む)が含まれるが、これらに限定されない。同様に(In a parallel vein)、開示されている方法は、不溶性のPvOH外層が求められる製品に有用であり得る(例えば、紙ストローにおいて改善された触覚と外観を提供する)。
ポリマーや架橋剤の量を最適化することによって、このようなフィルムを含有する製品の数を増やすことができる。開示されている方法は、溶液中におけるポリマーと架橋剤の混合との明確な違いを示す。このような混合物を紙に塗布し、次いで確実に架橋させるのに十分な高温で乾燥させると、水に浸したとき、開示されている方法で製造された製品と比較してはるかに溶けやすいフィルムとなる。理論に拘束されるものではないが、実質的な架橋はフィルムの厚さ全体にわたって起こるべきではないという考えによる、得られる構造的な相違のため(図1を参照されたい)、開示されている方法によるフィルムの機械的特性は異なり、より高い柔軟性、より低い剛性、およびより大きな伸びを示すことを含むが、これらに限定されない。
本明細書にて「水性」は、通常溶媒または媒体としての水の、または水を含有することを意味する。
本明細書にて「バイオベースの(biobased)」は、生きている(またはかつては生きていた)有機体に由来する物質から意図的に作製された材料を意味する。関連した態様にて、このような物質を少なくとも約50%含有する材料は、バイオベースであるとみなされる。
本明細書にて「結合する(bind)」は、その文法上の変形を含め、本質的に単一の塊として密着するまたは密着させることを意味する。
本明細書にて「セルロース系」は、物体(例えば、袋、シート)またはフィルムもしくはフィラメントに成形または押出できる天然、合成または半合成材料であって、このような物体またはフィルムもしくはフィラメントを作製するために使用でき、セルロースと構造的および機能的に類似している材料、例えば、コーティングおよび接着剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)を意味する。別の例としては、大部分の植物における細胞壁の主成分を形成する、グルコース単位から構成される複合糖質(C10であるセルロースは、セルロース系である。
本明細書にて「コーティング重量」は、基材に塗布される材料(湿潤または乾燥)の重量である。コーティング重量は、指定された連当たりのポンド数または1平方メートル当たりのグラム数で表される。
本明細書にて「コブ値(Cobb value)」は、サンプルの吸水率(単位面積当たりの水の重量)を意味する。「コブ値」を求める手順は、TAPPI規格441-omに準拠して行われる。コブ値は、サンプルの最終重量からサンプルの初期重量を差し引き、次いで水で覆われたサンプルの面積で割ることによって計算される。報告値は、紙1平方メートル当たりに吸収された水のグラム数を表す。
本明細書にて「堆肥化可能な」は、固体の製品が土壌中に生分解可能であることを意味する。
本明細書にて「架橋」は、その文法上の変形を含め、あるポリマー鎖を別のポリマー鎖に連結させる結合を意味する。このような連結は、共有結合またはイオン結合の形をとることができ、ポリマーは、合成ポリマーまたは天然ポリマー(タンパク質等)のいずれかであり得る。架橋剤はこのような連結を形成し、アルデヒド、アルデヒド含有樹脂、多官能性カルボン酸、二官能性メタクリレート、N-ラクタムカルボキシレート、ジチオール、ジメチル尿素、ジイソシアネート、ホウ酸塩、多価アニオンの塩、無機ポリイオン、1B族の塩、ポリアミド-エピクロロヒドリン樹脂およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。一実施形態にて、架橋剤は、水溶性ポリマーの重量に基づいて、約10重量%まで、例えば、約1重量%~約10重量%、または5重量%~約10重量%の量で存在できる。
本明細書にて「架橋密度」は、ポリマー内における単位体積当たりの化学的な架橋の数を意味する。架橋密度が架橋間分子量(Mc)の逆数として定義される場合、架橋密度は、次の式で求めることができる。
Ge=pRT/Mc
式中、Geは、動的機械分析の温度掃引により求められる平衡弾性率であり、pは、密度(アルキメデス法により求めてもよい)であり、Rは、J/mol*K単位の普遍気体定数であり、Tは、ケルビン単位の絶対温度である。Geとpが実験的に見つかると、Mcを計算し、最終的には架橋密度を計算できる。関連した態様にて、本明細書に記載の方法によって得られたフィルムは、溶液中の架橋剤およびポリマーによって得られたフィルムと比較して、より低い架橋密度を有し得る。
一実施形態にて、架橋フィルムを作製する方法であって、ポリマー溶液を基材に塗布すること、基材上の前記ポリマー溶液を乾燥させること、乾燥した基材に架橋剤を印刷すること、および架橋が達成されるのに十分な時間、印刷した基材を加熱することを含み、得られた架橋ポリマーが、溶液中で組み合わされた同じポリマーおよび架橋剤の塗布によって生成された架橋ポリマーと比較して、より大きな不溶性を示す、方法が開示されている。関連した態様にて、方法は、任意選択的に、加熱された基材から任意選択的な溶媒を蒸発させて、架橋ポリマーフィルムを形成することをさらに含む。
関連した態様にて、1種または複数のポリマーは、異なるポリマーが共に架橋される場合、1種または複数のポリマーが異なっていてもよいことを含めて、基材上へ蒸着させる前にブレンドしてもよい。別の態様にて、ポリマーはより小さな分子に連結され、小さな分子は官能性のために添加される(例えば、耐水性および/または耐グリース性を得るため、基材に置換度の低いスクロースエステルを付着させるための架橋剤としての使用)。
一実施形態にて、架橋が実質的に層の上面に限定され、層内に架橋は実質的に含有されない架橋ポリマーコーティング層を有する基材を含む製造品が開示されている。一態様にて、製造品は、架橋剤とポリマーとの混合物を溶液として基材上に蒸着させる方法によって生成された製造品と比較して、より低い架橋密度を示す。
一態様にて、架橋ポリマー層は、実質的に同様の架橋剤およびポリマーを含むが、実質的な架橋が層内に含有される製造品と比較して、より高い柔軟性、より低い剛性、および/またはより大きな伸びを製造品に与える。
一実施形態では、本明細書にて「エッジウィッキング(edge wicking)」は、繊維間における細孔の毛管浸透、繊維および結合を通した拡散、ならびに繊維での表面拡散を含むがこれらに限定されない1種または複数の機構による、紙構造の外側端における前記構造への水の吸収を意味する。関連した態様にて、本明細書に記載のポリマーフィルムは、処理された製品のエッジウィッキングを防止する。一態様にて、紙または紙製品中に存在することがある折り目にグリース/油が入り込む同様の問題が存在する。このような「グリース折り目付け効果(grease creasing effect)」は、紙構造を折り畳む、プレスする、または押しつぶすことにより生み出される前記紙構造におけるグリースの吸収と定義することができる。
本明細書にて「効果」は、その文法上の変形を含めて、特定の特性を具体的な材料に付与することを意味する。
本明細書にて「疎水性物質」は、水を引き付けない物質を意味する。例えば、疎水性物質は、ワックス、ロジン、樹脂、糖脂肪酸エステル、ジケテン、シェラック、ビニルアセテート、PLA、PEI、油、脂肪、脂質、他の撥水化学物質、またはこれらの組み合わせである。
本明細書にて「疎水性」は、撥水性であり、水をはじき、吸収しない傾向がある特性を意味する。
本明細書にて、「耐脂質性」または「疎油性」は、撥脂質性であり、脂質、グリース、脂肪等をはじき、吸収しない傾向がある特性を意味する。関連した態様にて、耐グリース性は、「3M KIT」試験またはTAPPI T559 Kit試験により測定できる。
本明細書にて「積層構造体」は、接着剤によって共に接合されたシート材料の複数層から構築される製造品を意味する。例えば、紙管、飲用紙ストロー、段ボールは、すべて積層構造体である。
本明細書にて、「セルロース含有材料」または「セルロースベースの材料」は、本質的にセルロースからなる組成物を意味する。例えば、このような材料は、紙、紙シート、板紙、製紙用パルプ、食品貯蔵用カートン、硫酸紙、ケーキ用板紙、包肉用紙、剥離紙/ライナー、紙ストロー、食品貯蔵用袋、飲用紙ストロー、紙管、段ボール、買い物袋、輸送用袋、ベーコン用板紙、絶縁材料、ティーバッグ、コーヒーまたはティー用容器、堆肥バッグ、食器、ホットまたはコールド飲料を保持するための容器、カップ、蓋、皿、炭酸入り液体貯蔵用ビン、ギフトカード、炭酸の入っていない液体貯蔵用ビン、食品ラップ用フィルム、生ごみ処理容器、食品取扱い用具、ファブリック繊維(例えば、綿または綿ブレンド)、水の貯蔵および運搬用具、アルコールまたは非アルコール性飲料、電子製品用の外部ケーシングまたはスクリーン、家具の内部または外部構成品、カーテン、ならびに室内装飾用品を含み得るが、これらに限定されない。
本明細書にて「剥離紙」は、粘着性表面が接着剤またはマスチックに早まって付着することを防止するために使用される紙シートを意味する。一態様にて、本明細書に記載のフィルムは、ケイ素もしくは他のコーティングに代わりまたはその使用を低減して、低表面エネルギーを有する材料を製造するために使用できる。表面エネルギーは、接触角を測定すること(例えば、Optical Tensiometer and/or High Pressure Chamber;Dyne Testing、Staffordshire、United Kingdom)によってまたはSurface Energy Test Pens or Inksの使用(例えば、Dyne Testing、Staffordshire、United Kingdomを参照されたい)によって容易に求めることができる。
本明細書にて「基材」は、何かが堆積するまたは刻み込まれる表面を提供する材料を意味する。
本明細書にて、「溶液状態の繊維」または「パルプ」は、セルロース繊維を木材、繊維作物または紙くずから化学的または機械的に分離することによって調製されたリグノセルロース系繊維材料を意味する。本明細書に記載の方法によってセルロース繊維が処理される関連した態様にて、セルロース繊維自体は、結合しているフィルムを孤立した存在として含有し、結合しているセルロース繊維が遊離の繊維とは別個の異なる特性を有する。
本明細書にて「再パルプ化可能な」は、紙または板紙製品を、紙または板紙の製造に再使用するための定形のない軟質の塊に押しつぶすのに適したものにすることを意味する。
本明細書にて「調節可能な」は、その文法上の変形を含め、特定の結果が得られるようにプロセスを調整または適応させることを意味する。
本明細書にて「水接触角(water contact angle)」は、液体/蒸気の界面が固体表面と接する、液体を通して測定される角度を意味する。水接触角は、液体による固体表面の濡れ性を定量化する。接触角は、液体および固体の分子が互いにどれだけ強く相互作用するかを、それぞれがそれぞれ自体の種類とどれだけ強く相互作用するかと比較して反映したものである。多くの高親水性表面では、水滴は0°~30°の接触角を示す。一般に、水接触角が90°より大きい場合、固体表面は疎水性であるとみなされる。水接触角は、光学式張力計(例えば、Dyne Testing、Staffordshire、United Kingdomを参照されたい)を使用して容易に得ることができる。
本明細書にて「水蒸気透過性(water vapour permeability)」は、通気性、またはテキスタイルが湿気を移動させる能力を意味する。少なくとも2つの異なる測定方法がある。その1つであるISO 15496に準拠したMVTR(水蒸気透過率)試験は、ファブリックの水蒸気透過性(WVP)、すなわち外気への汗輸送の程度を説明する。測定により、1平方メートルのファブリックを24時間で何グラムの湿気(水蒸気)が通過するかが求められる(レベルが高いほど、通気性が高くなる)。
一態様にて、TAPPI T 530 Herculesサイズ度試験(size test)(すなわち、耐インキ性による紙のサイズ度試験)が、耐水性を求めるために使用されることがある。Hercules法による耐インキ性は、浸透度の直接測定試験と分類されるのが最善である。浸透速度試験と分類される場合もある。「サイジングを測定する」のに最善とされる1つの試験はない。試験選択は、最終用途、およびミル制御の必要性に依存する。このような方法は、サイジングレベルの変化を正確に検出するミル制御サイジング試験として使用するのに特に適している。この方法は、再現性のある結果、より短い試験時間、および自動終点決定(automatic end point determination)を提供しながら、インキフロート試験の感度を提供する。
水性液体の紙の透過または紙への吸収に対する耐性によって測定されるサイジングは、多くの紙の重要な特徴である。これらのうち典型的なものは、袋、容器用板紙、包肉用ラップ、筆記用、およびいくつかの印刷グレードである。
このような方法は、試験値と紙の最終用途性能との間に許容される相関関係が確立されているという条件で、特定の最終用途向けの紙または板紙の製造をモニターするために使用されることがある。試験および浸透物の性質により、すべての最終用途要件に適用可能であるのに十分なほど相関しているとは限らない。この方法は、浸透速度によりサイジングを測定する。他の方法では、表面接触、表面浸透、または吸収によりサイジングを測定する。最終用途における水接触または吸収の手段をシミュレートする能力に基づいて、サイズ度試験が選択される。このような方法は、サイズ化学物質の使用コスト(size chemical usage costs)を最適化するためにも使用できる。
また、実施される試験には、結合強度、硬化時間、平滑性、紙の剛性、耐水性(温水および冷水)、印刷適性、ビーム強度、切断の容易さ、成形、およびパテ接着が含まれ得るものの、これらに限定されない。
本明細書にて「酸素透過性(oxygen permeability)」は、ポリマーが気体または流体の通過を可能にする程度を意味する。材料の酸素透過性(Dk)は、拡散率(D)(すなわち、酸素分子が材料を横断する速度)および溶解度(k)(または材料における体積当たりの酸素分子の吸収量)の関数である。酸素透過性(Dk)の値は、通常10~150×10-11(cm ml O)/(s ml mmHg)の範囲内に含まれる。ヒドロゲル含水量と酸素透過性(単位:バーラー(Barrer)単位)との間に片対数関係が示された。国際標準化機構(ISO)は、圧力にSI単位のヘクトパスカル(hPa)を使用して透過性を規定した。したがって、Dk=10-11(cm ml O)/(s ml hPa)。バーラー単位は、それに定数0.75を乗じてhPa単位に変換できる。
本明細書にて「印刷」は、その文法上の変形を含め、基材の中または表面上に何かを刻印することを意味する。関連した態様にて、本明細書に記載の方法は、フレキソ印刷、UV印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、インディゴ印刷、およびオフセット印刷を含むがこれらに限定されない、水性印刷技術を含み得る。
本明細書にて「ポリマー」は、共に結合された多数の類似した単位から主にまたは完全になる分子構造を有する物質を意味する。例えば、そのようなポリマーには、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デキストラン、デンプン、セルロース誘導体(例えば、ヘミセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよび他のセルロースエーテル)、リグニン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ペクチン、アルギネート、タンパク質、誘導体化タンパク質(例えば、ゼラチン、トウモロコシゼイン、ホエイタンパク質)、およびこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。関連した態様にて、ポリマーは、ポリビニルアルコールである。
本明細書にて「生分解性」は、その文法上の変形を含め、生物の作用によって(例えば、微生物によって)、特に無害な生成物に分解され得ることを意味する。
本明細書にて「リサイクル可能な」は、その文法上の変形を含め、材料を再使用に適したものとするように、(使用済みおよび/または廃棄物と共に)処理可能な、または加工できる前記材料を意味する。
本明細書にて「ラテックス(latex)」は、水性媒体中のポリマー微粒子の安定な分散体(乳濁液)を意味する。ラテックスは自然界に見られるが、界面活性剤を用いて乳化させたスチレン等のモノマーを重合することによって合成ラテックスを作製できる。自然界に見られるラテックスは、すべての顕花植物(被子植物)の10%において見られる乳状流体である。ラテックスは、タンパク質、アルカロイド、デンプン、糖、油、タンニン、樹脂、およびゴムからなる複合体乳濁液であり、空気に曝露されると凝固する。
本明細書にて「充填剤」は、シートの光学的および物理的特性を改善するために製紙用完成紙料に添加される微細化白色鉱物(または顔料)を意味する。粒子は、繊維間の空間および隙間を埋め、これによって明るさ、不透明性、平滑性、光沢、および印刷適性が増大されるが、通常結合および引裂強さが低下したシートを生成する働きをする。一般的な製紙用充填剤には、クレー(カオリン、ベントナイト)、炭酸カルシウム(GCCとPCCの両方)、タルク(ケイ酸マグネシウム)、および二酸化チタンが含まれる。
本明細書にて、「ガーレー秒(Gurley second)」または「ガーレー数(Gurley number)」は、100立方センチメートル(デシリットル)の空気が1.0平方インチの所与の材料を圧力差4.88水柱インチ(inches of water)(0.176psi)で通過するのに必要とされる秒数を表す単位である(ISO 5636-5:2003)(多孔度)。また、剛性について、「ガーレー数」は、垂直に保持された1片の材料において、前記材料を所与の量撓ませるために必要とされる力を測定する単位(1ミリグラムの力)である。このような値は、Gurley Precision Instrumentsの装置(Troy、New York)で測定できる。
本明細書にて「湿潤強度(wet strength)」は、紙が湿潤状態であるとき、紙をまとめる繊維のウェブがいかにうまく破断の力に抵抗することができるかの尺度を意味する。湿潤強度は、Thwing-Albert Instrument Company(West Berlin、NJ)のFinch Wet Strength Deviceを使用して測定できる。このような場合、湿潤強度は、通常、キメン、カチオン性グリオキシル化樹脂、エポキシド樹脂を含む、ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミン-エピクロロヒドリン樹脂等の湿潤強度添加剤によってもたらされる。一実施形態にて、本明細書に記載のフィルムは、そのような添加剤の非存在下でそのような湿潤強度をもたらす。
本明細書にて「湿潤」は、水もしくは別の液体で覆われている、またはそれらがしみ込んでいることを意味する。
本明細書に記載のように、印刷による方法は、PvOHの量を減らして不溶性フィルムを製造できることを実証した。PvOHはそれ自体が優れたフィルム形成剤であり、セルロースと強い水素結合を形成することが当技術分野において公知であるが、水、特に温水に対してあまり耐性がない。一態様にて、PvOHは、繊維に沿って架橋するための豊富なOH基の供給源を提供し、これは、PvOH単独で可能であるものを超えて、紙の強度、例えば、特に湿潤強度、および耐水性を高める。架橋剤は、ジアルデヒド(例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒド等)を含み得る。
一実施形態にて、基材は、デンプンを含み得、デンプンは、デントトウモロコシデンプン、ワキシートウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、サゴデンプン、タピオカデンプン、モロコシデンプン、サツマイモデンプン、およびこれらの混合物などの、任意選択的な供給源に由来し得る。
より詳細には、デンプンは、未加工デンプン、または化学的、物理的もしくは酵素的な加工によって加工されたデンプンであってもよい。
化学的加工には、加工デンプン(例えば、プラスターチ材料)を生じる、化学物質によるデンプンの任意選択的な処理が含まれる。化学的加工の範囲内には、デンプンの解重合、デンプンの酸化、デンプンの還元、デンプンのエーテル化、デンプンのエステル化、デンプンの硝化、デンプンの脱脂、デンプンの疎水化等が含まれるが、これらに限定されない。化学的加工デンプンは、化学処理のいずれかの組み合わせを使用することによっても調製できる。化学的加工デンプンの例には、疎水性エステル化デンプンを生成するアルケニルコハク酸無水物、特にオクテニルコハク酸無水物のデンプンとの反応;カチオン性デンプンを生成する2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのデンプンとの反応;ヒドロキシエチルデンプンを生成するエチレンオキシドのデンプンとの反応;酸化デンプンを生成する次亜塩素酸塩のデンプンとの反応;酸解重合デンプンを生成する酸のデンプンとの反応;脱脂デンプンを生成するデンプンのメタノール、エタノール、プロパノール、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の溶媒による脱脂が含まれる。
物理的加工デンプンは、物理的加工デンプンを提供する任意の様式で物理的に処理された任意のデンプンである。物理的加工の範囲内には、水の存在下におけるデンプンの熱処理、水の非存在下におけるデンプンの熱処理、任意選択的な機械的手段によるデンプン顆粒の破砕化、デンプン顆粒を溶融するデンプンの加圧処理等が含まれるが、これらに限定されない。物理的加工デンプンは、物理的処理のいずれかの組み合わせを使用することによっても調製できる。物理的加工デンプンの例には、デンプン顆粒を顆粒破断なしに膨潤させるための、水性環境におけるデンプンの熱処理;ポリマー転位を引き起こすための、無水デンプン顆粒の熱処理;機械的離解によるデンプン顆粒の断片化;およびデンプン顆粒の溶融を引き起こすための、押出機によるデンプン顆粒の加圧処理が含まれる。
酵素的加工デンプンは、酵素的加工デンプンを提供する任意の様式で酵素により処理された任意選択的なデンプンである。酵素的加工の範囲内には、アルファアミラーゼのデンプンとの反応、プロテアーゼのデンプンとの反応、リパーゼのデンプンとの反応、ホスホリラーゼのデンプンとの反応、オキシダーゼのデンプンとの反応等が含まれるが、これらに限定されない。酵素的加工デンプンは、酵素的処理のいずれかの組み合わせを使用することによって調製できる。デンプンの酵素的加工の例には、解重合デンプンを生成するアルファアミラーゼのデンプンとの反応;脱分枝デンプンを生成するアルファアミラーゼ脱分枝酵素のデンプンとの反応;タンパク質含有量が低減されたデンプンを生成するプロテアーゼ酵素のデンプンとの反応;脂質含有量が低減されたデンプンを生成するリパーゼ酵素のデンプンとの反応;酵素加工リン酸化デンプンを生成するホスホリラーゼ酵素のデンプンとの反応;および酵素酸化デンプンを生成するオキシダーゼ酵素のデンプンとの反応が含まれる。
一実施形態にて、ポリマー溶液は、溶液の重量に対して、約10%~約90%、約10%~約20%、約30%~約40%、約50%~約60%、約70%~約80%、約80%~約90%の間のポリマー(重量/重量)を含み得る。関連した態様にて、コーティングは、コーティングの重量に対して、約80%~約99%の間のポリマー(重量/重量)を含有できる。
一実施形態にて、架橋剤は、ポリマーの重量に基づいて、約10重量%までの量で存在する。関連した態様にて、架橋剤は、ポリマーの重量に基づいて、約1重量%~約2重量%、約2重量%~約3重量%、約3重量%~約4重量%、約4重量%~約5重量%、約5重量%~約6重量%、約6重量%~約7重量%、約7重量%~約8重量%、約8重量%~約9重量%、約9重量%~約10重量%の範囲の量で存在する。
一実施形態にて、セルロースベースの材料には、紙、板紙、紙シート、製紙用パルプ、カップ、箱、トレー、蓋、剥離紙/ライナー、堆肥バッグ、買い物袋、輸送用袋、紙ストロー、紙管、段ボール、ベーコン用板紙、ティーバッグ、絶縁材料、コーヒーまたはティー用容器、パイプおよび導水管、食品用使い捨てカトラリー、皿およびビン、TVおよび携帯機器用のスクリーン、衣類(例えば、綿または綿ブレンド)、包帯、感圧ラベル、感圧テープ、女性用製品、ならびに避妊具、薬物送達デバイス、医薬品材料の容器(例えば、丸剤、錠剤、坐剤、ゲル剤等)などの身体上または体内で使用される医療機器などが含まれるが、これらに限定されない。また、開示されているコーティング技術は、家具および室内装飾用品、野外キャンプ用具等にも使用できる。
一態様にて、本明細書に記載のコーティングは、約3~約9の間の範囲のpHに対して耐性である。関連した態様にて、pHは、約3~約4、約4~約5、約5~約7、約7~約9であり得る。
一態様にて、ポリマー溶液は、接着剤、タンパク質、多糖および/または脂質(乳タンパク質、(例えばカゼイン、ホエイタンパク質等)を含むがこれらに限定されない)、コムギグルテン、ゼラチン、プロラミン(例えば、トウモロコシゼイン)、タンパク質、タンパク質分離物、デンプン、アセチル化多糖、アルギネート、ラテックス、カラギナン、キトサン、イヌリン、長鎖脂肪酸、ワックス、およびこれらの組み合わせを含有できる。
一実施形態にて、本明細書に記載のポリマー溶液は、アガライト、エステル、ジエステル、エーテル、ケトン、アミド、ニトリル、芳香族化合物(例えば、キシレン、トルエン)、酸ハロゲン化物、無水物、アルキルケテンダイマー(AKD)、雪花セッコウ、アルギン酸(alganic acid)、ミョウバン、アルバリン、にかわ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、二酸化塩素、ドロマイト、ジエチレントリアミンペンタアセテート、EDTA、酵素、ホルムアミジン硫酸、グアーガム、石膏、石灰、重硫酸マグネシウム、石灰乳、マグネシア乳、ロジン、ロジン石けん、サテン、石けん/脂肪酸、重硫酸ナトリウム、ソーダ灰、チタニア、界面活性剤、デンプン、加工デンプン、炭化水素樹脂、ポリマー、ワックス、多糖、タンパク質、ラテックス、およびこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、製紙に使用される他の化学物質を運ぶために使用できる。一実施形態にて、開示されているポリマー溶液は、1種または複数のポリマー、ならびに以下の無機粒子であるクレー(カオリン、ベントナイト)、炭酸カルシウム(GCCとPCCの両方)、タルク(ケイ酸マグネシウム)、および二酸化チタンのうちの1種または複数を含有できる。
一実施形態にて、本明細書に記載の方法によって生成されたフィルムは、開示されている方法によって作製されていないフィルムと比較してより大きな不溶性を示す。関連した態様にて、得られたフィルムは、架橋剤とポリマーとの組み合わせを含有する溶液により作製されたフィルムと比較して、より高い疎油性または耐グリース性を示し得る。さらに関連した態様にて、得られたフィルムは、生分解性、堆肥化可能、および/またはリサイクル可能であり得る。一態様にて、得られたフィルムは、疎水性(耐水性)および/または疎油性(耐グリース性)である。
一実施形態にて、本明細書に記載のようにして得られたフィルムは、この方法によって作製されていないフィルムと比較して、改善された機械的特性を有し得る。例えば、本明細書に記載のプロセスによって処理された紙袋は、増加した破裂強度、ガーレー数、引張強さおよび/または最大荷重時エネルギーを示し得る。一態様にて、破裂強度は、約0.5~1.0倍の間、約1.0~1.1倍の間、約1.1~1.3倍の間、約1.3~1.5倍の間の倍率で増加する。別の態様にて、ガーレー数は、約3~4倍の間、約4~5倍の間、約5~6倍の間、および約6~7倍の倍率で増加する。さらに別の態様にて、引張歪は、約0.5~1.0倍の間、約1.0~1.1倍の間、約1.1~1.2倍の間、および約1.2~1.3倍の間の倍率で増加する。また別の態様にて、最大荷重時エネルギーは、約1.0~1.1倍の間、約1.1~1.2倍の間、約1.2~1.3倍の間、および約1.3~1.4倍の間の倍率で増加する。
一実施形態にて、セルロース含有材料は、例えば米国特許出願公開第2015/0167243号明細書(引用することによってそのすべてが本明細書の一部をなすものとする)に記載の、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)またはセルロースナノファイバー(CNF)を含む原紙であり、MFCまたはCNFを、形成プロセスおよび製紙プロセス中に添加し、かつ/またはコーティングもしくはセカンダリ層として先に形成した層に添加して、前記原紙の多孔度を低下させる。関連した態様にて、原紙をポリマー溶液と接触させ、上記のように印刷する。さらに関連した態様にて、接触させた原紙におけるポリマーはPvOHである。一実施形態にて、得られた接触させた原紙は、調節可能に耐水性および耐脂質性である。関連した態様にて、得られた原紙は、少なくとも約10~15(すなわち、ガーレー透気度(秒/100cc、20オンスシリンダ))、または少なくとも約100、少なくとも約200~約350のガーレー値を示すことがある。一態様にて、フィルムは、1つもしくは複数の層の積層体として作用することができるか、または1つもしくは複数の層を積層体として備えることができるか、または1つもしくは複数の層のコーティングの量を低減して、同じ性能効果(例えば、耐水性、耐グリース性等)を得ることができる。関連した態様にて、積層体は、生分解性および/または堆肥化可能なヒートシールまたは接着剤を含み得る。
一実施形態にて、ポリマー溶液は、乳濁液として配合してもよく、乳化剤および使用量の選択は、組成物の性質および乳化剤がポリマーの分散を促進する能力によって決定される。一態様にて、乳化剤は、水、緩衝剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ラテックス、乳タンパク質、コムギグルテン、ゼラチン、プロラミン、ダイズタンパク質分離物、デンプン、アセチル化多糖、アルギネート、カラギナン、キトサン、イヌリン、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、スクロースエステル、ワックス、寒天、アルギネート、グリセロール、ガム、レシチン、ポロキサマー、モノグリセロール、ジグリセロール、リン酸一ナトリウム、モノステアレート、プロピレングリコール、洗浄剤、セチルアルコール、およびこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。別の態様にて、ポリマー:乳化剤の比は、約0.1:99.9、約1:99、約10:90、約20:80、約35:65、約40:60、および約50:50とすることができる。なお、最終製品に望ましい特性に応じて比を変えてもよいことは当業者にとって明らかであろう。
一実施形態にて、ポリマーは、結合剤(例えば、デンプン、タンパク質、ラテックス、ポリマー乳濁液)、添加剤(例えば、ジルコニウム塩、ステアリン酸カルシウム、レシチンオレエート、ポリエチレン乳濁液、カルボキシメチルセルロース、アクリル系ポリマー、アルギネート、ポリアクリレートゴム、ポリアクリレート、殺微生物剤、油ベースの消泡剤、シリコーンベースの消泡剤、スチルベン、直接染料および酸性染料)、およびニスを含むがこれらに限定されない、内部および表面サイジングのための1種または複数のコーティング構成成分(単独または組み合わせて)と組み合わせることができる。関連した態様にて、そのような構成成分は、微多孔性構造を構築する、光散乱表面を提供する、インキ受理性を改善する、光沢を改善する、顔料粒子を結合する、コーティングを紙、ベースシート補強材に結合させる、顔料構造の細孔を埋める、感水性を低減する、オフセット印刷におけるウェットピックに抵抗する、ブレードスクラッチングを防止する、スーパーカレンダー加工における光沢を改善する、発塵を低減する、コーティング粘度を調整する、保水を実現する、顔料を分散する、コーティング分散を維持する、コーティング/コーティング色剤の劣化を防止する、発泡を制御する、同伴空気およびコーティングクレーターを低減する、白さおよび明るさを増大させる、ならびに色および濃淡を制御することを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の特性をもたらし得る。なお、最終製品に望ましい特性に応じて組み合わせを変えてもよいことは当業者にとって明らかであろう。
開示されている方法は、必要な特性(例えば、耐水性、低表面エネルギー等)を示す材料の層を設けることにより、プライマリ/セカンダリコーティング(例えば、シリコーンベースの層、デンプンベースの層、クレーベースの層、PLA層、Bio-PBS、PEI層等)を塗布するコストを下げる、それによってその同じ特性を得るのに必要なプライマリ/セカンダリ層の量を低減するために使用されることがある。一実施形態にて、組成物は、フルオロカーボンおよびシリコーンを含まないものである。
一実施形態にて、組成物は、処理された生成物の機械的および熱的安定性の両方を高める。一態様にて、表面処理は、約-100℃~約300℃の間の温度で熱安定性である。さらに関連した態様にて、セルロースベースの材料の表面は、約60°~約120°の間の水接触角を示す。別の関連した態様にて、表面処理は、約200℃~約300℃の間の温度で化学的に安定である。
塗布前に(例えば、約80~150℃で)乾燥される基材は、印刷によって架橋剤で処理できる。基材を加熱して、表面を乾燥させることができ、その後、改質された材料はすぐに使用できる状態である。一態様にて、本明細書に記載の方法に従って、基材を、典型的に製紙工場で実施される任意選択的な好適なコーティング/サイジングプロセスにより処理してもよい(例えば、引用することのよりそのすべてが本明細書の一部をなすものとする、Smook,G.,Surface Treatments,Handbook for Pulp&Paper Technologists,(2016),4th Ed.,Cpt.18,pp.293-309,TAPPI Press,Peachtree Corners,GA USAを参照されたい)。
一実施形態にて、開示されている方法は、フィルム、剛性容器、繊維、パルプ、ファブリック等を含むもののこれらに限定されない任意選択的なセルロースベースの表面に使用できる。
供給源に応じて、セルロースは、紙、板紙、パルプ、軟材繊維、硬材繊維、もしくはこれらの組み合わせ、ナノセルロース、セルロースナノ繊維、ウィスカーもしくはミクロフィブリル、ミクロフィブリル化綿もしくは綿ブレンド、他の非木質繊維(サイザル、黄麻もしくは麻、亜麻およびわらなど)、セルロースナノ結晶、またはナノフィブリル化セルロースとすることができる。
一実施形態にて、ポリマー溶液の塗布量は、セルロース含有材料の少なくとも1つの表面を完全に被覆するのに十分である。例えば、一実施形態にて、ポリマー溶液は、容器の完全な外側表面、容器の完全な内側表面、もしくはこれらの組み合わせ、または原紙の片側もしくは両側に塗布されてもよい。他の実施形態にて、基材の完全な上側表面は、ポリマー溶液によって被覆されてもよく、または基材の完全な下側表面は、ポリマー溶液によって被覆されてもよく、またはこれらの組み合わせでもよい。いくつかの実施形態にて、機器/計器の内腔は、ポリマー溶液によって被覆されてもよく、または機器/計器の外側表面は、ポリマー溶液によって被覆されてもよく、またはこれらの組み合わせでもよい。一実施形態にて、ポリマー溶液の塗布量は、セルロース含有材料の少なくとも1つの表面を部分的に被覆するのに十分である。例えば、周囲雰囲気に曝露される表面のみ、ポリマー溶液によって被覆されるか、または周囲雰囲気に曝露されない表面のみ、ポリマー溶液(例えば、マスキング)によって被覆される。当業者に明らかであるように、ポリマー溶液の塗布量は、被覆される材料の使用に依存し得る。一態様にて、一方の表面は、ポリマー溶液でコーティングされてもよく、反対側の表面は、タンパク質、コムギグルテン、ゼラチン、プロラミン、タンパク質分離物、デンプン、加工デンプン、アセチル化多糖、アルギネート、カラギナン、キトサン、イヌリン、長鎖脂肪酸、ワックス、およびこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない作用剤でコーティングされてもよい。関連した態様にて、ポリマー溶液を完成紙料に添加することができ、ウェブ上の得られた材料には、ポリマー溶液の追加のコーティングが設けられていてもよい。
処理されるセルロース、ポリマー、架橋剤、反応温度、および曝露時間の選択が、最終製品の任意選択的な特定用途に適するようにルーチンの実験法により最適化され得るプロセスパラメータであることは、当業者にとって明らかであろう。
誘導体化された材料は、当技術分野において公知である適切な試験を使用して画定および測定できる変更された物理的特性を有する。疎水性については、分析プロトコルは、接触角測定および吸湿量を含み得るが、これらに限定されない。他の特性には、剛性、WVTR、多孔度、引張強さ、基材分解の欠如、破裂および引裂特性が含まれる。従うべき特定の標準化プロトコルは、米国材料試験協会によって定義されている(プロトコル ASTM D7334-08)。
水蒸気および酸素などのさまざまな気体に対する表面の透過性も、開示されているプロセスによって、材料のバリア機能が増強される場合に変更され得る。透過性を測定する標準単位はバーラーであり、これらのパラメータを測定するプロトコルは、パブリックドメインでも入手可能である(水蒸気にはASTM規格F2476-05、および酸素にはASTM規格F2622-8)。
一実施形態にて、本開示の手順に従って処理された材料は、微生物による腐食下の環境における分解によって測定して、完全な生分解性を示す。
フラスコ振盪法(ASTM E1279-89(2008))およびZahn-Wellens試験(OECD TG 302 B)を含めてさまざまな方法が、生分解性を画定および試験するのに利用可能である。
ASTM D6400を含むがこれに限定されないさまざまな方法が、堆肥化可能性を画定および試験するのに利用可能である。
本発明に係るプロセスによる処理に適した材料には、反応/結合に利用可能な表面を実質的な割合で有する、綿繊維、亜麻等の植物繊維、木質繊維、再生セルロース(レーヨンおよびセロファン)、部分アルキル化セルロース(セルロースエーテル)、部分エステル化セルロース(アセテートレーヨン)、および他の改質セルロース材料などさまざまな形のセルロースが含まれる。上記のように、「セルロース」という用語は、これらの材料、ならびに類似の多糖構造で類似の特性を有する他のものをすべて含む。これらのうち、比較的新しい材料のミクロフィブリル化セルロース(セルロースナノファイバー)(例えば、引用することによってそのすべてが本明細書の一部をなるものとする、米国特許第4374702号明細書、米国特許出願公開第2015/0167243号明細書および同第2009/0221812号明細書を参照されたい)が、このような用途に特に適している。他の実施形態にて、セルロースは、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース(硝酸セルロース)、硫酸セルロース、セルロイド、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースナノ結晶、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
本明細書に記載のセルロースの改質は、その疎水性の増大に加えて、その引張強さ、柔軟性および剛性も高め、それによってその使用の範囲もさらに拡がり得る。本出願に開示されている改質セルロースからまたはそれを使用することによって作製された生分解性および部分生分解性製品は、リサイクル可能および堆肥化可能な製品を含め、すべて本開示の範囲内である。
コーティング技術の考えられる用途のうち、そのような品目には、紙、板紙、製紙用パルプ、カップ、蓋、箱、トレー、剥離紙/ライナー、堆肥バッグ、買い物袋、パイプおよび導水管などのあらゆる目的のための容器、食品用使い捨てカトラリー、皿およびビン、TVおよび携帯機器用のスクリーン、衣類(例えば、綿または綿ブレンド)、包帯、感圧ラベル、感圧テープ、女性用製品、ならびに避妊具、薬物送達デバイスといった身体上または体内で使用される医療機器などが含まれるが、これらに限定されない。開示されているコーティング技術は、家具および室内装飾用品、野外キャンプ用具などにも使用できる。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであって、限定するものではないことを意図している。
[実施例1]
ロッドコーターを使用し、ポリビニルアルコール(PvOH)を20#漂白広葉樹シート上にコーティングした。PvOH(Sekisui Chemical、JapanのSelvol 425)フィルムを5g/mで塗布して、乾燥させた。グリオキサールをオフセット輪転印刷(ヒートセット)で塗布し、フィルムの耐水性を検査した。未処理紙およびグリオキサール処理紙の両方のPvOHフィルムに5mLの水を置き、15分間放置した。15分後、未処理のPvOHフィルムは水に溶解し、紙の基材には水がしみ込んだ。処理紙は、フィルム上に溜まった水によって明示されるように、表面に不溶化PvOHフィルムを保持した。
[実施例2]
完全に加水分解されたPvOHを第1の原紙にコーティングして、最終的に紙を特に耐水性にするフィルムを得た。PvOHを6g/mで塗布し、所望の特性を得た。第2の原紙において、4g/mのコーティング重量でPvOHを使用し、次いでグリオキサールを印刷して表面の-OH基を架橋することにより、ほぼ同様の特性が得られることが見出された。
上記の実施例を参照して本発明を説明してきたが、変更形態および変形形態は、本発明の精神および範囲内に包含されることが理解されよう。本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。本明細書に記載のすべての参考文献は、引用することによりそのすべてが本明細書の一部をなすものとする。

Claims (26)

  1. 架橋フィルムを作製する方法であって、
    a)ポリマー溶液を基材に塗布することと、
    b)前記基材上の前記ポリマー溶液を乾燥させることと、
    c)前記乾燥した基材に架橋剤を印刷することと、
    d)架橋が達成されるのに十分な時間、前記印刷した基材を加熱して、架橋ポリマーフィルムを形成することと
    を含み、
    前記得られた架橋ポリマーが、溶液中で組み合わされた同じポリマーおよび架橋剤の塗布によって生成された架橋ポリマーと比較して、より大きな不溶性を示す、方法。
  2. 前記ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デキストラン、デンプン、ヘミセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースエーテル、リグニン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ペクチン、アルギネート、タンパク質、ゼラチン、トウモロコシゼイン、ホエイタンパク質、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記基材が、セルロース系材料である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ポリマーが、ポリビニルアルコールである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記架橋剤が、アルデヒド、アルデヒド含有樹脂、多官能性カルボン酸、二官能性メタクリレート、炭酸ジルコニウムアンモニウム、N-ラクタムカルボキシレート、ジチオール、ジメチル尿素、ジイソシアネート、ホウ酸塩、多価アニオンの塩、無機ポリイオン、1B族の塩、ポリアミド-エピクロロヒドリン樹脂およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記架橋剤が、アルデヒド、アルデヒド含有樹脂、ジカルボン酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記架橋剤が、アルデヒドを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記架橋剤が、ジアルデヒドを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記架橋剤が、グリオキサール、グルタルアルデヒド、またはこれらの混合物を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記架橋剤が、グリオキサールである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記架橋剤が、前記ポリマーの重量に基づいて約10重量%までの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ポリマーが、前記ポリマー溶液の重量に基づいて約50重量%~90重量%の範囲の量で存在する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記印刷することが、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、インディゴ印刷、およびオフセット印刷からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記セルロース系材料が、紙、板紙、製紙用パルプ、食品貯蔵用カートン、食品貯蔵用袋、輸送用袋、コーヒーまたはティー用容器、ティーバッグ、ベーコン用板紙、おむつ、雑草阻害/バリアファブリックまたはフィルム、除草フィルム、植木鉢、梱包ビーズ、バブルラップ、油吸収物質、積層体、封筒、ギフトカード、クレジットカード、手袋、レインコート、耐油紙、買い物袋、堆肥バッグ、剥離紙、食器、ホットまたはコールド飲料を保持するための容器、カップ、紙タオル、皿、炭酸入り液体貯蔵用ビン、絶縁材料、炭酸の入っていない液体貯蔵用ビン、食品ラップ用フィルム、生ごみ処理容器、食品取扱い用具、カップ用の蓋、紙ストロー、ファブリック繊維、水の貯蔵および運搬用具、医療用途の板紙、剥離紙、アルコールまたは非アルコール性飲料の貯蔵および運搬用具、電子製品用の外部ケーシングまたはスクリーン、家具の内部または外部構成品、カーテン、室内装飾用品、フィルム、箱、シート、トレー、パイプ、導水管、医薬製品用包装、衣類、医療機器、避妊具、キャンプ用具、成形されたセルロース系材料、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  15. 疎水性および/または疎油性耐性のために前記基材を調節可能に誘導体化する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記得られた基材が、疎水性である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記得られた基材が、疎油性である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記得られた基材が、3~12の間の3MグリースKIT試験値を示すものである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ポリマー溶液が、乳濁液として提供される、請求項1に記載の方法。
  20. 前記ポリマー溶液が、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、プラスチック顔料、結合剤、デンプン、タンパク質、ポリマー乳濁液、ラテックス、ジルコニウム塩、ステアリン酸カルシウム、レシチンオレエート、ポリエチレン乳濁液、カルボキシメチルセルロース、アクリル系ポリマー、アルギネート、ポリアクリレートゴム、ポリアクリレート、殺微生物剤、油ベースの消泡剤、シリコーンベースの消泡剤、スチルベン、直接染料または酸性染料のうちの1種または複数を含む、請求項1に記載の方法。
  21. 架橋ポリマーコーティング層を含む基材を含有する製造品であって、架橋が実質的に前記層の上面に限定され、前記層内に架橋が実質的に含有されていない、製造品。
  22. 前記架橋ポリマー層が、実質的に同様の架橋剤およびポリマーを含むが、実質的な架橋が前記層内に含有される製造品と比較して、より高い柔軟性、より低い剛性、および/またはより大きな伸びを前記製造品に与える、請求項21に記載の製造品。
  23. 前記ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デキストラン、デンプン、ヘミセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースエーテル、リグニン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ペクチン、アルギネート、タンパク質、ゼラチン、トウモロコシゼイン、ホエイタンパク質、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21に記載の製造品。
  24. 前記層が、アルデヒド、アルデヒド含有樹脂、多官能性カルボン酸、二官能性メタクリレート、炭酸ジルコニウムアンモニウム、N-ラクタムカルボキシレート、ジチオール、ジメチル尿素、ジイソシアネート、ホウ酸塩、多価アニオンの塩、無機ポリイオン、1B族の塩、ポリアミド-エピクロロヒドリン樹脂およびこれらの組み合わせからなる群から選択される架橋剤で架橋されている、請求項21に記載の製造品。
  25. 前記基材が、セルロース系材料である、請求項21に記載の製造品。
  26. 前記セルロース系材料が、紙、板紙、製紙用パルプ、食品貯蔵用カートン、食品貯蔵用袋、輸送用袋、コーヒーまたはティー用容器、ティーバッグ、ベーコン用板紙、おむつ、雑草阻害/バリアファブリックまたはフィルム、除草フィルム、植木鉢、梱包ビーズ、バブルラップ、油吸収物質、積層体、封筒、ギフトカード、クレジットカード、手袋、レインコート、耐油紙、買い物袋、堆肥バッグ、剥離紙、食器、ホットまたはコールド飲料を保持するための容器、カップ、紙タオル、皿、炭酸入り液体貯蔵用ビン、絶縁材料、炭酸の入っていない液体貯蔵用ビン、食品ラップ用フィルム、生ごみ処理容器、食品取扱い用具、カップ用の蓋、紙ストロー、ファブリック繊維、水の貯蔵および運搬用具、医療用途の板紙、剥離紙、アルコールまたは非アルコール性飲料の貯蔵および運搬用具、電子製品用の外部ケーシングまたはスクリーン、家具の内部または外部構成品、カーテン、室内装飾用品、フィルム、箱、シート、トレー、パイプ、導水管、医薬製品用包装、衣類、医療機器、避妊具、キャンプ用具、成形されたセルロース系材料、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の製造品。
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