JP2022529782A - シュタルガルト病(abca4)の遺伝子治療 - Google Patents

シュタルガルト病(abca4)の遺伝子治療 Download PDF

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Abstract

本開示の局面は、ミニ遺伝子を被験体に送達するために有用な組成物および方法に関する。よって、本開示は、部分的に、治療用遺伝子生成物(例えば、タンパク質またはペプチド)をコードする1またはこれより多くの遺伝子フラグメント(例えば、ミニ遺伝子)を含む単離された核酸および遺伝子治療ベクター(例えば、ウイルス(例えば、rAAV)ベクター)に基づく。いくつかの実施形態において、本開示は、ABCA4タンパク質(例えば、ABCA4遺伝子の遺伝子生成物)またはその一部をコードする遺伝子治療ベクターに関する。いくつかの実施形態において、本開示によって記載される組成物は、ABCA4遺伝子における変異と関連する疾患(例えば、シュタルガルト病)を処置するために有用である。

Description

関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年4月19日出願の米国仮特許出願第62/836,493号(発明の名称「GENE THERAPIES FOR STARGARDT DISEASE (ABCA4)」。その全内容は、本明細書に参考として援用される)の出願日の利益を主張する。
背景
シュタルガルト病は、常染色体劣性黄斑変性の最も一般的なタイプである。この疾患は、ABCA4遺伝子における変異によって引きおこされる。ヒトABCA4遺伝子は、約7kb長であり、これは、遺伝子送達のための従来のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターへとパッケージするには限界を超えている。
要旨
本開示の局面は、ミニ遺伝子を被験体に送達するために有用な組成物および方法に関する。よって、本開示は、部分的に、治療用遺伝子生成物(例えば、タンパク質またはペプチド)をコードする1またはこれより多くの遺伝子フラグメント(例えば、ミニ遺伝子)を含む単離された核酸および遺伝子治療ベクター(例えば、ウイルス(例えば、rAAV)ベクター)に基づく。いくつかの実施形態において、本開示は、ABCA4タンパク質(例えば、ABCA4の遺伝子生成物)またはその一部をコードする遺伝子治療ベクターに関する。いくつかの実施形態において、本開示によって記載される組成物は、ABCA4遺伝子における変異と関連する疾患(例えば、シュタルガルト病)を処置するために有用である。
よって、いくつかの局面において、本開示は、配列番号3~8および15~19のうちのいずれか1つに示される配列を有するABCA4ミニ遺伝子をコードする導入遺伝子を含む単離された核酸を提供する。
いくつかの局面において、本開示は、ABCA4タンパク質をコードする核酸配列を有する導入遺伝子を含む単離された核酸であって、ここで上記ABCA4タンパク質は、配列番号9~14および20~24のうちのいずれか1つに示されるとおりのアミノ酸配列を含む、単離された核酸を提供する。
いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、ABCA4ミニ遺伝子をコードする配列に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、または組織特異的プロモーターである。いくつかの実施形態において、上記プロモーターは、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーターを含む。いくつかの実施形態において、組織特異的プロモーターは、光受容体特異的プロモーターである。いくつかの実施形態において、光受容体特異的プロモーターは、ロドプシンキナーゼプロモーター(例えば、ヒトGRKプロモーター)を含む。
いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、アデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復配列(ITR)によって隣接される。いくつかの実施形態において、導入遺伝子に隣接する上記ITRのうちの少なくとも一つは、AAV2 ITRである。いくつかの実施形態において、導入遺伝子に隣接する少なくとも一つのITRは、末端分離部位(terminal resolution site)を欠く(例えば、ΔITR)。
いくつかの局面において、本開示は、本明細書で記載されるとおりの単離された核酸を含むベクターを提供する。いくつかの実施形態において、ベクターは、プラスミドDNA、または末端が閉じたDNA(closed-ended DNA)、または脂質/DNAナノ粒子、またはウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、アデノウイルス(Ad)ベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、またはバキュロウイルスベクターである。
いくつかの局面において、本開示は、本明細書で記載されるとおりの単離された核酸またはベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、細胞は、哺乳動物(ヒト)細胞、細菌細胞、酵母細胞、または昆虫細胞である。
いくつかの局面において、本開示は、本明細書で記載されるとおりの単離された核酸;およびAAVカプシドタンパク質を含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を提供する。
いくつかの実施形態において、カプシドタンパク質は、眼の細胞に対する向性を有する。いくつかの実施形態において、カプシドタンパク質は、AAV8カプシドタンパク質である。
いくつかの実施形態において、rAAVは、眼への送達のために製剤化される。いくつかの実施形態において、rAAVは、光受容細胞または網膜色素上皮(retinal pigmented endothelium)(RPE)への送達のために製剤化される。
いくつかの局面において、本開示は、本明細書で記載されるとおりの単離された核酸またはrAAV、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む組成物を提供する。
いくつかの局面において、本開示は、細胞に導入遺伝子を送達するための方法であって、上記方法は、本明細書で記載されるとおりの単離された核酸またはrAAVを細胞に投与する工程を包含する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、細胞は、被験体の中にある。いくつかの実施形態において、被験体は、哺乳動物被験体(例えば、ヒト被験体)である。いくつかの実施形態において、細胞は、眼の細胞である。いくつかの実施形態において、眼の細胞は、光受容細胞または網膜色素上皮(RPE)である。
いくつかの局面において、本開示は、それを必要とする被験体においてシュタルガルト病を処置するための方法であって、上記方法は、本明細書で記載されるとおりの単離された核酸またはrAAVを上記被験体に投与する工程を包含する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、被験体は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、被験体はヒトである。
いくつかの実施形態において、被験体は、ABCA4遺伝子において1またはこれより多くの変異を有することによって特徴づけられる。いくつかの実施形態において、被験体は、野生型ABCA4タンパク質(例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列)に対応するG1961EおよびD2177Nから選択されるアミノ酸置換を生じる1またはこれより多くの変異を有する。
いくつかの実施形態において、投与は、注射を介するものである。いくつかの実施形態において、上記注射は、網膜下注射または硝子体内注射または上脈絡膜注射である。
いくつかの実施形態において、投与は、被験体の眼への局所投与である。
図1は、MiniABCA4構築物のいくつかの実施形態の模式図である。MG-1、MG-2、MG-3、MG-4、MG-5、およびMG-6(配列番号9~14に相当するアミノ酸配列を有する)が示される。
図2は、蛍光顕微鏡検査法による、野生型ABCA4ノックアウトマウス(Abca KO)、およびミニABCA4-1(図1に記載されるMG-4構築物に相当する)を注射したABCA4ノックアウトマウスのRPE自家蛍光分析を示すグラフである。ZO-1を、細胞マーカーとして使用した。
図3は、異なる年齢の注射していないおよび注射したABCA4ノックアウトマウスのRPE自家蛍光分析の定量を示すグラフである。矢印は、自家蛍光を有意に改善したABCA4ミニ遺伝子バージョンを指す。上記注射を、P10日目またはP30日目に行った。上記分析を、各ミニ遺伝子とともに示した年齢で行った。P30での注射は、P10注射と比較して、高度に有意な改善を示した。このグラフにおいて、AB-1はMG-1に相当し、AB-2はMG-2に相当し、AB-5はMG-5に相当する。
図4は、MiniABCA4構築物のいくつかの実施形態の模式図である。MG-7、MG-8、MG-9、MG-10、およびMG-11(配列番号20~24に相当するアミノ酸配列を有する)が示される。
図5は、HEK細胞における、図4に示されるMiniABCA4の発現を示すイムノブロットである。矢印は、予測されるバンドを示す。Lipoは、ビヒクルのみでトランスフェクトした細胞を示す。
詳細な説明
いくつかの局面において、本開示は、ある特定の遺伝的疾患(例えば、シュタルガルト病)を処置するために有用な組成物および方法に関する。本開示は、部分的に、治療用遺伝子生成物(例えば、MiniABCA4タンパク質(例えば、ABCA4ミニ遺伝子の遺伝子生成物))をコードする1またはこれより多くの遺伝子フラグメントを含む単離された核酸および遺伝子治療ベクター(例えば、ウイルス(例えば、rAAV)ベクター)に基づく。
「核酸」配列とは、DNAまたはRNA配列に言及する。いくつかの実施形態において、本開示のタンパク質および核酸は、単離される。本明細書で使用される場合、用語「単離された」とは、人工的に生成されることを意味する。核酸に関して本明細書で使用される場合、用語「単離された」とは、(i)例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってインビトロで増幅される;(ii)クローニングによって組換え生成される;(iii)切断およびゲル分離によるように、精製される;または(iv)例えば、化学合成によって合成される、を意味する。単離された核酸は、当該分野で周知の組換えDNA技術によって容易に操作可能であるものである。従って、ベクターに含まれるヌクレオチド配列であって、5’制限部位および3’制限部位が既知であるか、またはこれに関するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマー配列が開示されているヌクレオチド配列は、単離されているとみなされるが、その天然の宿主の中にその天然の状態で存在する核酸配列は、そうではない。単離された核酸は、実質的に精製されていてもよいが、必ずしも必要とはされない。例えば、クローニングベクターまたは発現ベクター内で単離される核酸は、その核酸が存在する細胞中の物質のごくわずかなパーセンテージを構成し得るに過ぎないという点で、純粋ではない。しかし、このような核酸は、その用語が本明細書で使用されるように、当業者に公知の標準的な技術によって容易に操作可能であることから、単離されている。タンパク質またはペプチドに関して本明細書で使用される場合、用語「単離される」とは、その天然の環境から単離されているかまたは人工的に生成されている(例えば、化学合成によって、組換えDNA技術によってなど)タンパク質またはペプチドに言及する。いくつかの実施形態において、単離された核酸は、ABCA4タンパク質(例えば、MiniABCA4タンパク質(例えば、ABCA4ミニ遺伝子のようなABCA4遺伝子またはその一部)から発現される遺伝子生成物)をコードする。
ヒトにおいて、ABCA4遺伝子(STGDともいわれる)は、ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー4タンパク質をコードし、これは、杆体および錐体の外節円板縁部に局在し、内向きのフリッパーゼとして機能し得る。ABCA4遺伝子における変異は、黄斑変性の一形態であるシュタルガルト病を引きおこすことが観察されている。いくつかの実施形態において、ABCA4遺伝子は、NCBI Reference Sequence Accession Number NM_000350.3に示される核酸配列(配列番号1)を含む。いくつかの実施形態において、ABCA4遺伝子は、NCBI Reference Sequence Accession Number NP_000341.2に示されるアミノ酸配列(配列番号2)を有するタンパク質をコードする。
本明細書で使用される場合、「ミニ遺伝子(minigene)」とは、天然に存在するペプチドまたはタンパク質をコードする相当する遺伝子のうちの1またはこれより多くの非必須エレメントが除去される場合、および上記ミニ遺伝子によってコードされるペプチドまたはタンパク質が、その相当する天然に存在するペプチドまたはタンパク質の機能を保持する場合に、組換えペプチドまたはタンパク質をコードする単離された核酸配列に言及する。「治療用ミニ遺伝子(therapeutic minigene)」とは、遺伝的疾患の処置のために有用なペプチドまたはタンパク質(例えば、ジストロフィン、ジスフェルリン、第VIII因子、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、チロシナーゼ(Tyr)など)をコードするミニ遺伝子に言及する。ミニ遺伝子は、当該分野で公知であり、例えば、Karpati and Acsadi (1994) Clin Invest Med 17(5):499-509; Plantierら (2001) Thromb Haemost. 86(2):596-603;およびXiaoら (2007) World J. Gastroenterol. 13(2):244-9によって記載される。いくつかの実施形態において、ミニ遺伝子は、その相当する天然に存在するペプチドまたはタンパク質の配列を含まない。
いくつかの局面において、本開示は、ABCA4ミニ遺伝子をコードする単離された核酸に言及する。一般に、ミニ遺伝子(例えば、治療用ミニ遺伝子(例えば、ABCA4ミニ遺伝子))をコードする単離された核酸は、その相当する天然に存在する野生型タンパク質をコードする核酸配列(例えば、配列番号1)に関して約10%~約99%の間(例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40% 約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約90%、約99%など)が短縮される。短縮は、連続的であってもよいし(例えば、1個または連続するアミノ酸残基の短縮)、不連続的(例えば、アミノ酸の2もしくはこれより多くの短縮、例えば、1もしくはこれより多くのペプチドによって分離される2もしくはこれより多くのドメインの短縮)であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、Mini ABCA4タンパク質をコードするミニ遺伝子は、野生型ABCA4遺伝子(例えば、配列番号1)と比較して、約61%~短縮の間である(例えば、核酸配列の約50%を含む)。いくつかの実施形態において、ABCA4ミニ遺伝子は、配列番号3~8および15~19のうちのいずれか1つに示される核酸配列を含む(またはそれからなる)。いくつかの実施形態において、ABCA4ミニ遺伝子は、配列番号9~14および20~24のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む(またはそれからなる)タンパク質(MiniABCA4タンパク質といわれる)をコードする。いくつかの実施形態において、ABCA4タンパク質(例えば、MiniABCA4タンパク質)をコードする核酸は、MiniABCA4タンパク質をコードする核酸配列の前に、開始コドン(例えば、核酸配列ATG)を含む。いくつかの実施形態において、MiniABCA4タンパク質をコードする核酸配列は、コドン最適化されている。
ABCA4タンパク質をコードする単離された核酸配列は、プロモーターに作動可能に連結されていてもよい。「プロモーター」とは、遺伝子の特異的転写を開始するために必要とされる、細胞の合成機構、または導入された合成機構によって認識されるDNA配列に言及する。語句「作動可能に配置される」、「制御下」または「転写制御下」とは、プロモーターが、RNAポリメラーゼ開始および遺伝子の発現を制御するために、核酸に対して正しい位置および配向にあることを意味する。プロモーターは、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、または組織特異的プロモーターであり得る。
構成的プロモーターの例としては、レトロウイルスのラウス肉腫ウイルス(RSV) LTRプロモーター(必要に応じてRSVエンハンサーとともに)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(必要に応じてCMVエンハンサーとともに)[例えば、Boshartら, Cell, 41:521-530 (1985)を参照のこと]、SV40プロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼプロモーター、β-アクチンプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーター、およびEF1αプロモーター[Invitrogen]が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、プロモーターは、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーターを含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、増強型ニワトリβ-アクチンプロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、U6プロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーターである。
誘導性プロモーターは、遺伝子発現の調節を可能にし、外因的に供給される化合物、環境的因子(例えば、温度)、または特異的な生理学的状態(例えば、急性相の存在、細胞の特定の分化状態、または複製している細胞においてのみ)によって調節され得る。誘導性プロモーターおよび誘導システムは、種々の商業的供給元(Invitrogen、ClontechおよびAriadが挙げられるが、これらに限定されない)から入手可能である。多くの他のシステムが、記載されており、当業者によって容易に選択され得る。外因的に供給されるプロモーターによって調節される誘導性プロモーターの例としては、亜鉛誘導性ヒツジメタロチオネイン(sheep metallothionine)(MT)プロモーター、デキサメタゾン(Dex)誘導性マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、T7ポリメラーゼプロモーターシステム(WO 98/10088);エクジソン昆虫プロモーター(Noら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93:3346-3351 (1996))、テトラサイクリン抑制性システム(Gossenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:5547-5551 (1992))、テトラサイクリン誘導性システム(Gossenら, Science, 268:1766-1769 (1995)、Harveyら, Curr. Opin. Chem. Biol., 2:512-518 (1998)も参照のこと)、RU486誘導性システム(Wangら, Nat. Biotech., 15:239-243 (1997)およびWangら, Gene Ther., 4:432-441 (1997))およびラパマイシン誘導性システム(Magariら, J. Clin. Invest., 100:2865-2872 (1997))が挙げられる。この文脈において有用であり得る誘導性プロモーターのさらに他のタイプは、特異的な生理学的状態(例えば、温度、急性相、細胞の特定の分化状態、または複製している細胞においてのみ)によって調節されるものである。
いくつかの実施形態において、調節配列は、組織特異的遺伝子発現能力を付与する。いくつかの場合には、上記組織特異的調節配列は、組織特異的様式において転写を誘導する組織特異的転写因子を結合する。このような組織特異的調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)は、当該分野で周知である。いくつかの実施形態において、上記組織特異的プロモーターは、眼特異的プロモーターである。眼特異的プロモーターの例としては、レチノスキシン(retinoschisin)プロモーター、K12プロモーター、ロドプシンプロモーター、杆体特異的プロモーター、錐体特異的プロモーター、ロドプシンキナーゼプロモーター、GRK1プロモーター、光受容体間レチノイド結合タンパク質近位(IRBP)プロモーター、およびオプシンプロモーター(例えば、赤オプシンプロモーター、青オプシンプロモーターなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、プロモーターは、RNAポリメラーゼIII(pol III)プロモーターである。pol IIIプロモーターの非限定的な例としては、U6およびH1プロモーター配列が挙げられる。いくつかの実施形態において、プロモーターは、RNAポリメラーゼII(pol II)プロモーターである。pol IIプロモーターの非限定的な例としては、T7、T3、SP6、RSV、およびサイトメガロウイルスプロモーター配列が挙げられる。
本開示の局面は、本明細書で記載されるとおりの単離された核酸を含む遺伝子治療ベクターに関する。遺伝子治療ベクターは、ウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、アデノウイルス(Ad)ベクターなど)、プラスミド、末端が閉じたDNA(例えば、ceDNA)、脂質/DNAナノ粒子などであり得る。いくつかの実施形態において、遺伝子治療ベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ミニ遺伝子をコードする発現カセットは、1またはこれより多くのウイルス複製配列、例えば、レンチウイルス長末端反復(LTR)またはアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復配列(ITR)によって隣接される。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターは、バキュロウイルスベクターである。
本明細書で記載される単離された核酸はまた、望ましくは、プロモーター/エンハンサー配列と導入遺伝子との間に位置したイントロンを含み得る。いくつかの実施形態において、イントロンは、合成または人工(例えば、異種)イントロンである。合成イントロンの例としては、SV-40に由来するイントロン配列(SV-40 Tイントロン配列といわれる)およびニワトリβ-アクチン遺伝子に由来するイントロン配列が挙げられる。いくつかの実施形態において、本開示によって記載される導入遺伝子は、1個またはこれより多くの(1個、2個、3個、4個、5個、またはより多くの)人工イントロンを含む。いくつかの実施形態において、上記1個またはこれより多くの人工イントロンは、プロモーターと導入遺伝子をコードする核酸配列との間に配置される。
いくつかの実施形態において、上記rAAVは、転写後応答エレメントを含む。本明細書で使用される場合、用語「転写後応答エレメント」とは、転写された場合に、遺伝子の発現を増強する三次構造をとる核酸配列に言及する。転写後応答エレメントの例としては、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後応答エレメント(WPRE)、マウスRNA輸送エレメント(RTE)、シミアンレトロウイルス1型(SRV-1)の構成的輸送エレメント(CTE)、Mason-Pfizerサルウイルス(MPMV)に由来するCTE、およびヒト熱ショックタンパク質70の5’非翻訳領域(Hsp70 5’UTR)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記rAAVベクターは、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後応答エレメント(WPRE)を含む。
いくつかの実施形態において、上記ベクターは、上記ベクターでトランスフェクトしたかまたは本開示によって生成されるウイルスに感染させた細胞において、その転写、翻訳および/または発現を可能にする様式で、上記導入遺伝子のエレメントと作動可能に連結された従来の制御エレメントをさらに含む。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」配列は、目的の遺伝子と連続している発現制御配列および目的の遺伝子を制御するためにトランスでまたは一定の距離において作用する発現制御配列の両方を含む。発現制御配列は、適切な転写開始、終結、プロモーターおよびエンハンサー配列;効率的RNAプロセシングシグナル(例えば、スプライシングおよびポリアデニル化(ポリA)シグナル);細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を増強する配列(例えば、Kozakコンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;および望ましい場合には、コードされた生成物の分泌を増強する配列を含む。多くの発現制御配列は、天然の、構成的な、誘導性のおよび/または組織特異的であるプロモーターを含め、当該分野で公知であり、利用され得る。
ポリアデニル化配列は、一般に、導入遺伝子配列の後ろに、および必要に応じて3’ AAV ITR配列の前に挿入される。本開示において有用なrAAV構築物はまた、望ましくは、上記プロモーター/エンハンサー配列と上記導入遺伝子との間に位置したイントロンを含み得る。1つの考えられるイントロン配列は、SV-40に由来し、SV-40 Tイントロン配列といわれる。使用され得る別のベクターエレメントは、内部リボソーム進入部位(IRES)である。IRES配列は、1つの遺伝子転写物から1つより多くのポリペプチドを生成するために使用される。IRES配列は、1つより多くのポリペプチド鎖を含むタンパク質を生成するために使用される。これらおよび他の一般的なベクターエレメントの選択は、従来どおりであり、多くのこのような配列は、入手可能である[例えば、Sambrookら、ならびに例えば、3.18 3.26および16.17 16.27頁においてその中で引用される参考文献、ならびにAusubelら, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, 1989を参照のこと]。
本開示の単離された核酸は、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(rAAVベクター)であり得る。いくつかの実施形態において、本開示によって記載されるとおりの単離された核酸は、第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復配列(ITR)、またはその改変体を含む領域(例えば、第1の領域)を含む。上記単離された核酸(例えば、上記組換えAAVベクター)は、カプシドタンパク質にパッケージングされ得、被験体に投与され得る、および/または選択された標的細胞に送達され得る。「組換えAAV(rAAV)ベクター」は、代表的には、最小限で、導入遺伝子およびその調節配列、ならびに5’および3’ AAV逆方向末端反復配列(ITR)から構成される。上記導入遺伝子は、本明細書中の他の箇所で開示されるように、1またはこれより多くのタンパク質(例えば、ヒトABCA4、またはそのフラグメント)をコードする1またはこれより多くの領域を含み得る。上記導入遺伝子はまた、例えば、miRNA結合部位をコードする領域、および/または発現制御配列(例えば、ポリAテール)を含み得る。
一般に、ITR配列は、長さ約145bpである。好ましくは、実質的にITRをコードする配列全体が、分子において使用されるが、これらの配列のある程度の小さな改変は許容される。これらのITR配列を改変する能力は、当該分野の技術範囲内である(例えば、Sambrookら, 「Molecular Cloning. A Laboratory Manual」, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, New York (1989);およびK. Fisherら, J Virol., 70:520 532 (1996)のようなテキストを参照のこと)。本発明において使用されるこのような分子の例は、上記導入遺伝子を含む「シス作用性」プラスミドであり、ここでその選択された導入遺伝子配列および関連付けられた調節エレメントは、5’および3’ AAV ITR配列によって隣接される。上記AAV ITR配列は、任意の公知のAAV(現在同定されている哺乳動物AAVタイプを含む)から得られ得る。いくつかの実施形態において、上記単離された核酸(例えば、rAAVベクター)は、AAV1、AAV2、AAV5、AAV6、AAV6.2、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、およびこれらの改変体から選択される血清型を有する少なくとも1つのITRを含む。いくつかの実施形態において、上記単離された核酸は、AAV2 ITRをコードする領域(例えば、第1の領域)を含む。
いくつかの実施形態において、上記単離された核酸は、第2のAAV ITRを含む領域(例えば、第2の領域、第3の領域、第4の領域など)をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記第2のAAV ITRは、AAV1、AAV2、AAV5、AAV6、AAV6.2、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、およびこれらの改変体から選択される血清型を有する。いくつかの実施形態において、上記第2のAAV ITRは、AAV2 ITRである。いくつかの実施形態において、上記第2のITRは、機能的な末端分離部位(TRS)を欠く変異ITRである。用語「末端分離部位を欠く」とは、ITRの末端分離部位(TRS)の機能を抑止する変異(例えば、非同義変異のようなセンス変異、もしくはミスセンス変異)を含むAAV ITR、または機能的なTRSをコードする核酸配列を欠く短縮されたAAV ITR(例えば、ΔTRS ITR、またはΔITR)に言及し得る。いかなる特定の理論によっても拘束されることは望まないが、機能的TRSを欠くITRを含むrAAVベクターは、例えば、McCarthy (2008) Molecular Therapy 16(10):1648-1656によって記載されるように、自己相補的rAAVベクターを生成する。
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)
いくつかの局面において、本開示は、単離されたアデノ随伴ウイルス(AAV)を提供する。AAVに関して本明細書で使用される場合、用語「単離された」とは、人工的に生成されたかまたは得られたAAVに言及する。単離されたAAVは、組換え法を使用して生成され得る。このようなAAVは、「組換えAAV」として本明細書で言及される。組換えAAV(rAAV)は、好ましくは、ヌクレアーゼおよび/または上記rAAVの導入遺伝子が、1またはこれより多くの所定の組織に特異的に送達されるように、組織特異的標的化能力を有する。上記AAVカプシドは、これらの組織特異的標的化能力を決定するにあたって重要なエレメントである。従って、標的化されている組織に適したカプシドを有するrAAVが、選択され得る。
所望のカプシドタンパク質を有する組換えAAVを得るための方法は、当該分野で周知である(例えば、US 2003/0138772(その内容は、それらの全体において本明細書に参考として援用される)を参照のこと)。代表的には、上記方法は、AAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列;機能的rep遺伝子;AAV逆方向末端反復配列(ITR)および導入遺伝子から構成される組換えAAVベクター;ならびに上記AAVカプシドタンパク質への上記組換えAAVベクターのパッケージングを許容するために十分なヘルパー機能を含む宿主細胞を培養する工程を包含する。いくつかの実施形態において、カプシドタンパク質は、AAVのcap遺伝子によってコードされる構造タンパク質である。AAVは、3種のカプシドタンパク質、ビリオンタンパク質1~3(VP1、VP2およびVP3と称される)を含み、これらは全て、選択的スプライシングを介して単一のcap遺伝子から転写される。いくつかの実施形態において、VP1、VP2およびVP3の分子量は、それぞれ、約87kDa、約72kDaおよび約62kDaである。いくつかの実施形態において、翻訳の際に、カプシドタンパク質は、ウイルスゲノムの周りに球状の60マータンパク質シェルを形成する。いくつかの実施形態において、上記カプシドタンパク質の機能は、ウイルスゲノムを保護し、そのゲノムを送達し、宿主と相互作用することである。いくつかの局面において、カプシドタンパク質は、組織特異的様式において宿主へとウイルスゲノムを送達する。
いくつかの実施形態において、AAVカプシドタンパク質は、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAVrh8、AAV9、およびAAV10からなる群より選択されるAAV血清型のものである。いくつかの実施形態において、AAVカプシドタンパク質は、非ヒト霊長類に由来する血清型、例えば、AAVrh8血清型のものである。いくつかの実施形態において、上記AAVカプシドタンパク質は、被験体の眼に対する向性を有する血清型(例えば、他のAAVカプシドタンパク質より効率的に被験体の眼の細胞を形質導入するAAV(例えば、AAV5、AAV6、AAV6.2、AAV7、AAV8、AAV9、AAVrh.8、AAVrh.10、AAVrh.39およびAAVrh.43))のものである。いくつかの実施形態において、AAVカプシドタンパク質は、AAV8血清型のものである。
AAVカプシドの中にrAAVベクターをパッケージするために宿主細胞において培養されるべき構成要素は、宿主細胞にトランスで提供され得る。あるいは、その必要とされる構成要素(例えば、組換えAAVベクター、rep配列、cap配列、および/またはヘルパー機能)のうちのいずれか1またはこれより多くが、当業者に公知の方法を使用してその必要とされる構成要素のうちの1またはこれより多くを含むように操作された安定な宿主細胞によって提供され得る。最も適切なことには、このような安定な宿主細胞は、誘導性プロモーターの制御下でその必要とされる構成要素を含む。しかし、その必要とされる構成要素は、構成的プロモーターの制御下にあってもよい。適切な誘導性および構成的プロモーターの例は、本明細書中で、導入遺伝子とともに使用するために適した調節エレメントの考察の中で提供される。さらに別の代替法において、選択される安定な宿主細胞は、構成的プロモーターの制御下で選択された構成要素を、および1またはこれより多くの誘導性プロモーターの制御下で他の選択された構成要素を含み得る。例えば、293細胞(これは構成的プロモーターの制御下でE1ヘルパー機能を含む)に由来するが、誘導性プロモーターの制御下でrepおよび/またはcapタンパク質を含む安定な宿主細胞が、生成され得る。さらに他の安定な宿主細胞は、当業者によって生成され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、タンパク質(例えば、MiniABCA4タンパク質)をコードするコード配列を含む核酸を含む宿主細胞に関する。いくつかの実施形態において、上記宿主細胞は、哺乳動物細胞(例えば、HEK293細胞)または昆虫細胞(例えば、SF9細胞)である。いくつかの実施形態において、本開示は、上記で記載される宿主細胞を含む組成物に関する。いくつかの実施形態において、上記の宿主細胞を含む組成物は、凍結保存剤をさらに含む。
上記組換えAAVベクター、rep配列、cap配列、および本開示のrAAVを生成するために必要とされるヘルパー機能は、任意の適切な遺伝的エレメント(ベクター)を使用して、パッケージを行う宿主細胞に送達され得る。その選択した遺伝的エレメントは、任意の適切な方法(本明細書で記載されるものを含む)によって送達され得る。本開示の任意の実施形態を構築するために使用される方法は、核酸操作の当業者に公知であり、遺伝子操作、組換え操作、および合成技術を含む。例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y.を参照のこと。同様に、rAAVビリオンを生成する方法は、周知であり、適切な方法の選択は、本開示に対する限定ではない。例えば、K. Fisherら, J. Virol., 70:520-532 (1993)および米国特許第5,478,745号を参照のこと。
いくつかの実施形態において、組換えAAVは、三重トランスフェクション法を使用して生成され得る(米国特許第6,001,650号に詳細に記載される)。代表的には、上記組換えAAVは、AAV粒子、AAVヘルパー機能ベクター、およびアクセサリー機能ベクターにパッケージされるように、宿主細胞を組換えAAVベクター(導入遺伝子を含む)でトランスフェクトすることによって生成される。AAVヘルパー機能ベクターは、生産的なAAV複製およびカプシド形成のためにトランスで機能する「AAVヘルパー機能(AAV helper function)」配列(すなわち、repおよびcap)をコードする。好ましくは、上記AAVヘルパー機能ベクターは、いかなる検出可能な野生型AAVビリオン(すなわち、機能的repおよびcap遺伝子を含むAAVビリオン)をも生成することなく、効率的なAAVベクター生成を支援する。本開示とともに使用するために適したベクターの非限定的な例としては、pHLP19(米国特許第6,001,650号に記載される)およびpRep6cap6ベクター(米国特許第6,156,303号に記載される)(両方の全体が、本明細書に参考として援用される)が挙げられる。上記アクセサリー機能ベクターは、AAVが複製のために依存する非AAV由来ウイルスおよび/または細胞の機能(すなわち、「アクセサリー機能(accessory functions)」のためのヌクレオチド配列をコードする。上記アクセサリー機能としては、AAV複製のために必要とされる機能(AAV遺伝子転写の活性化、ステージ特異的AAV mRNAスプライシング、AAV DNA複製、cap発現生成物の合成、およびAAVカプシドアセンブリに関与する部分が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。ウイルスベースのアクセサリー機能は、公知のヘルパーウイルス(例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス1型以外)、およびワクシニアウイルス)のうちのいずれかに由来し得る。
いくつかの局面において、本開示は、トランスフェクトされた宿主細胞を提供する。用語「トランスフェクション」は、細胞による外来DNAの取り込みに言及するために使用され、細胞は、外因性DNAが細胞膜の内部に導入されている場合に「トランスフェクトされて」いる。多くのトランスフェクション技術が、当該分野で概して公知である。例えば、Grahamら (1973) Virology, 52:456、Sambrookら (1989) Molecular Cloning, a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York、Davisら (1986) Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier、およびChuら (1981) Gene 13:197を参照のこと。このような技術は、1またはこれより多くの外因性核酸(例えば、ヌクレオチド組み込みベクターおよび他の核酸分子)を適切な宿主細胞に導入するために使用され得る。
「宿主細胞」とは、目的の物質を有するかまたは有し得る任意の細胞に言及する。しばしば宿主細胞は、哺乳動物細胞である。宿主細胞は、AAVヘルパー構築物、AAVミニ遺伝子プラスミド、アクセサリー機能ベクター、または組換えAAVの生成と関連する他のトランスファーDNAのレシピエントとして使用され得る。その用語は、トランスフェクトされている元の細胞の子孫を含む。従って、「宿主細胞」は、本明細書で使用される場合、外因性DNA配列でトランスフェクトされている細胞に言及し得る。単一の親細胞の子孫が、天然の、偶発的な、または計画的な変異に起因して、元の親と、形態またはゲノムもしくは全DNA含量(total DNA complement)において必ずしも完全に同じである必要はないことは、理解される。
本明細書で使用される場合、用語「細胞株」とは、インビトロでの連続したまたは長期間の増殖および分裂の能力がある細胞の集団に言及する。しばしば、細胞株は、単一の前駆細胞に由来するクローン集団である。自発的なまたは誘導性の変化が、このようなクローン集団の貯蔵または移入の間に、核型において起こり得ることは、当該分野でさらに公知である。従って、言及される細胞株に由来する細胞は、祖先の細胞または培養物、およびこのような改変体を含むように言及される細胞株と正確に同一でなくてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「組換え細胞」とは、外因性DNAセグメント(例えば、生物学的に活性ナポリペプチドの転写または生物学的に活性な核酸(例えば、RNA)の生成をもたらすDNAセグメント)が導入されている細胞に言及する。
本明細書で使用される場合、用語「ベクター」とは、適切な制御エレメントと会合する場合に複製し得る、および細胞間で遺伝子配列を移動させ得る任意の遺伝的エレメント(例えば、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、人工染色体、ウイルス、ビリオンなど)を含む。従って、その用語は、クローニングおよび発現ビヒクル、ならびにウイルスベクターを含む。
方法
導入遺伝子を、被験体の眼の(例えば、杆体細胞または錐体細胞のような光受容体、網膜細胞など)組織または耳に送達するための方法は、本明細書で提供される。上記方法は、代表的には、被験体において導入遺伝子(例えば、MiniABCA4タンパク質)を発現するための核酸を含む有効量のrAAVを、被験体に投与する工程を包含する。rAAVの「有効量」は、被験体における標的組織の細胞の十分な数に感染させるために十分な量である。いくつかの実施形態において、標的組織は、眼(例えば、光受容体、網膜など)の組織である。いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、光受容細胞または網膜色素上皮(RPE)に送達される。
rAAVの有効量は、被験体における治療上の利益を有するために、例えば、上記被験体において、疾患の1またはこれより多くの症状(例えば、シュタルガルト病(例えば、ABCA4遺伝子の欠失または変異と関連する疾患)の症状)を改善するために十分な量であり得る。ABCA4遺伝子における変異の例としては、ABCA4タンパク質においてアミノ酸置換G1961EおよびD2177Nを生じる変異を含む。上記有効量は、例えば、被験体の種、年齢、体重、健康状態、ならびに標的化されるべき眼の組織のような種々の因子に依存し、従って、被験体および組織の間で変動し得る。有効量は、使用されるrAAVにも依存し得る。
ある特定の実施形態において、rAAVの有効量は、1010、1011、1012、1013、または1014 ゲノムコピー/kgである。ある特定の実施形態において、rAAVの有効量は、1010、1011、1012、1013、1014、または1015 ゲノムコピー/被験体である。
本開示の局面は、それを必要とする被験体においてシュタルガルト病を処置するための方法に関する。いくつかの実施形態において、被験体は、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類などである。いくつかの実施形態において、被験体はヒトである。
本明細書で使用される場合、用語「処置すること」とは、組成物(例えば、本明細書で記載されるとおりの単離された核酸またはrAAV)を、シュタルガルト病の1またはこれより多くの徴候または症状(例えば、霧視または乱視、暗所での視力低下、色覚の喪失、ABCA4遺伝子における1またはこれより多くの変異など)を示す被験体への、上記障害、上記疾患の症状、またはシュタルガルト病に対する素因を治癒する(cure)、治癒する(heal)、緩和する(alleviate)、軽減する(relieve)、変化させる、治す(remedy)、好転させる(ameliorate)、改善する(improve)、または影響を及ぼす目的での適用または投与に言及する。
シュタルガルト病の緩和としては、上記疾患の発生もしくは進行を遅らせるか、または疾患の重篤度の低減が挙げられる。上記疾患の緩和は、治癒的な結果を必ずしも必要としない。そこで使用される場合、シュタルガルト病の発生を「遅らせること(delaying)」とは、上記疾患の進行を延期する(defer)、妨げる(hinder)、減速させる(slow)、遅らせる(retard)、安定化する(stabilize)、および/または延期する(postpone)ことを意味する。この遅れは、処置されている疾患および/または個体の履歴に依存して、時間の長さを変動させるものであり得る。疾患の発生を「遅らせる」もしくは緩和する、または疾患の発症(onset)を遅らせる方法は、その方法を使用しないことと比較した場合に、所定の時間枠において上記疾患の1もしくはこれより多くの症状を発生させる確率を低減する、および/または所定の時間枠において上記症状の程度を低減する方法である。このような比較は、代表的には、統計学的に有意な結果を与えるために十分な数の被験体を使用する臨床研究に基づく。
疾患の「発生(development)」または「進行(progression)」は、その疾患の最初の症状発現および/または続く進行を意味する。上記疾患の発生は、当該分野で周知のとおりの標準的な臨床技術を使用して検出可能かつ評価され得る。しかし、発生は、検出不能であり得る進行にも言及する。本開示の目的のために、発生または進行は、上記症状の生物学的過程に言及する。「発生」は、出現、再発、および発症を含む。
有効量は、投与様式にも依存し得る。例えば、基質内投与(intrastromal administration)または皮下注射によって眼(例えば、光受容体、網膜など)の組織を標的化することは、いくつかの場合には、別の方法(例えば、全身投与、局所投与)によって眼(例えば、光受容体、網膜など)の組織を標的化するものとは異なる(例えば、より高いかまたはより低い)用量を必要とし得る。いくつかの実施形態において、ある特定の血清型(例えば、AAV5、AAV6、AAV6.2、AAV7、AAV8、AAV9、AAVrh.8、AAVrh.10、AAVrh.39、およびAAVrh.43)を有するrAAVの基質内注射(IS)は、眼(例えば、角膜、光受容体、網膜など)の細胞の効率的な形質導入を媒介する。従って、いくつかの実施形態において、上記注射は、基質内注射(IS)である。いくつかの実施形態において、上記投与は、注射、必要に応じて網膜下注射または硝子体内注射または上脈絡膜注射を介する。いくつかの実施形態において、上記注射は、局所投与(例えば、眼への局所投与)である。いくつかの場合には、複数用量のrAAVが投与される。
上記rAAVは、当該分野で公知の任意の適切な方法に従って組成物において被験体に投与され得る。上記rAAVは、好ましくは、生理学的に適合性のキャリアの中に(すなわち、組成物の中に)懸濁され、被験体、すなわち、宿主動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ヒツジ、ウサギ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、モルモット、ハムスター、ニワトリ、シチメンチョウ、または非ヒト霊長類(例えば、マカク))に投与され得る。いくつかの実施形態において、宿主動物は、ヒトを含まない。
哺乳動物被験体への上記rAAVの送達は、例えば、眼内注射または局所投与(例えば、点眼剤)によるものであり得る。いくつかの実施形態において、眼内注射は、基質内注射、結膜下注射、または硝子体内注射を含む。いくつかの実施形態において、上記注射は、局所投与でない。投与方法の組み合わせ(例えば、局所投与および基質内注射)がまた、使用され得る。
本開示の組成物は、rAAVを、単独で、または1またはこれより多くの他のウイルス(例えば、1またはこれより多くの異なる導入遺伝子(例えば、異なるMiniABCA4タンパク質をコードする導入遺伝子)を有する第2のrAAV)と組み合わせて、含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、各々1またはこれより多くの異なる導入遺伝子を有する1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、またはこれより多くの異なるrAAVを含む。
いくつかの実施形態において、組成物はさらに、薬学的に受容可能なキャリアを含む。適切なキャリアは、上記rAAVが指向される適応症に鑑みて、当業者によって容易に選択され得る。例えば、1つの適切なキャリアは、生理食塩水を含み、これは、種々の緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水)とともに製剤化され得る。
他の例示的なキャリアとしては、滅菌生理食塩水、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストラン、アガー、ペクチン、ラッカセイ油、ゴマ油、および水が挙げられる。上記キャリアの選択は、本開示の限定ではない。
必要に応じて、本開示の組成物は、上記rAAVおよびキャリアに加えて、他の薬学的成分(例えば、保存剤、または化学的安定化剤)を含み得る。適切な例示的保存剤としては、クロロブタノール、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、二酸化イオウ、没食子酸プロピル、パラベン、エチルバニリン、グリセリン、フェノール、およびパラクロロフェノールが挙げられる。適切な化学的安定化剤としては、ゼラチンおよびアルブミンが挙げられる。
上記rAAVは、所望の組織(例えば、眼の組織(例えば、光受容体、網膜などの組織))の細胞をトランスフェクトし、過度の有害作用なしに遺伝子移入および発現の十分なレベルを提供するために、十分な量で投与される。薬学的に受容可能な投与経路の例としては、選択した器官への直接送達(例えば、眼への網膜下送達)、経口、吸入(鼻内送達および気管内送達を含む)、眼内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腫瘍内、および他の非経口投与経路が挙げられるが、これらに限定されない。投与経路は、所望であれば、組み合わされ得る。
特定の「治療効果」を達成するために必要とされるrAAVビリオンの用量、例えば、ゲノムコピー/体重1kg(GC/kg)の用量単位は、rAAVビリオンの投与経路、治療効果を達成するために必要とされる遺伝子もしくはRNA発現のレベル、処置されている特定の疾患または障害、および遺伝子またはRNA生成物の安定性が挙げられるが、これらに限定されないいくつかの因子に基づいて変動する。当業者は、前述の因子および他の因子に基づいて、特定の疾患または障害を有する患者を処置するために、rAAVビリオン用量範囲を容易に決定し得る。
rAAVの有効量は、動物の感染を標的化する、所望の組織を標的化するために十分な量である。上記有効量は、被験体の種、年齢、体重、健康状態、および標的化される組織のような因子に主に依存し、従って、動物および組織の間で変動し得る。例えば、上記rAAVの有効量は、一般に、約10~1016 ゲノムコピーを含む約1ml~約100mlの溶液の範囲にある。いくつかの場合には、約1011~1013の間のrAAVゲノムコピーの投与量が、適切である。ある特定の実施形態において、10rAAVゲノムコピーが、眼の組織(例えば、角膜組織)を標的化するために有効である。
いくつかの実施形態において、10rAAVゲノムコピーよりも濃縮された用量は、被験体の眼に投与される場合には毒性である。いくつかの実施形態において、有効量は、rAAVの複数の用量によって生成される。いくつかの実施形態において、被験体は、rAAVを投与する前に、1またはこれより多くの免疫抑制剤(例えば、コルチコステロイド、メトトレキサート、シクロスポリンA、ミコフェノール酸モフェチル、タクロリムス、リツキシマブ、シロリムス、メチルプレドニゾロン、CTLA4Ig、非枯渇(non-depleting)CD4 Ab、およびT細胞枯渇抗胸腺細胞γグロブリン(T cell-depleting anti-thymocyte gamma-globulin)(ATG)など)を投与される。
いくつかの実施形態において、rAAVの用量は、暦日(例えば、24時間の期間)あたり1回以下で被験体に投与される。いくつかの実施形態において、rAAVの用量は、2暦日、3暦日、4暦日、5暦日、6暦日、または7暦日あたり、1回以下で被験体に投与される。いくつかの実施形態において、rAAVの用量は、歴週(例えば、7暦日)あたり1回以下で被験体に投与される。いくつかの実施形態において、rAAVの用量は、2週間に1回(例えば、2歴週の期間に1回)以下で被験体に投与される。いくつかの実施形態において、rAAVの用量は、歴月に1回(例えば、30暦日に1回)以下で被験体に投与される。いくつかの実施形態において、rAAVの用量は、6歴月あたり1回以下で被験体に投与される。いくつかの実施形態において、rAAVの用量は、1暦年(例えば、365日または閏年では366日)あたり1回以下で被験体に投与される。
いくつかの実施形態において、rAAV組成物は、特に、高rAAV濃度が存在する(例えば、~1013 GC/mlまたはこれより高い)場合、上記組成物中のAAV粒子の凝集を低減するように製剤化される。凝集を低減させるために適した方法が使用され得、例えば、界面活性剤の添加、pH調節、塩濃度調節などが挙げられる(例えば、Wright FR,ら, Molecular Therapy (2005) 12, 171-178(その全体において本明細書に参考として援用される)を参照のこと)。
薬学的に受容可能な賦形剤およびキャリア溶液の製剤は、種々の処置レジメンにおいて本明細書で記載される特定の組成物を使用するための適切な投与および処置レジメンの開発と同様に、当業者に周知である。代表的には、これらの製剤は、少なくとも約0.1%の活性化合物またはこれより多くを含み得るが、活性成分のパーセンテージは、当然のことながら変動し得、便宜上、製剤の全体の重量または容積の約1もしくは2%~約70%または80%の間またはより多くてもよい。当然に、各治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な投与量がその化合物の任意の所定の単位用量において得られるような方法で調製され得る。溶解度、バイオアベイラビリティー、生物学的半減期、投与経路、製品の貯蔵寿命のような因子、ならびに他の薬理学的考慮事項は、このような薬学的製剤を調製する当業者によって企図され、よって、種々の投与量および処置レジメンが、望ましい可能性がある。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される適切に製剤化された薬学的組成物中のrAAVは、標的組織に直接、例えば、眼の組織(例えば、光受容体、網膜などの組織)に直接送達される。しかし、ある特定の状況では、別個に、またはさらにrAAVベースの治療構築物を、別の経路を介して、例えば、皮下に、膵臓内に、鼻内に、非経口的に、静脈内に、筋肉内に、髄腔内に、もしくは経口的に、腹腔内に、または吸入によって送達することは、望ましいことであり得る。いくつかの実施形態において、米国特許第5,543,158号;同第5,641,515号および同第5,399,363号(各々具体的に、その全体において本明細書に参考として援用される)に記載されるとおりの投与モダリティーが、rAAVを送達するために使用され得る。いくつかの実施形態において、好ましい投与様式は、硝子体内注射または網膜下注射によるものである。
注射可能な使用に適した薬学的形態としては、滅菌水性液剤または分散物、および滅菌注射用液剤又は分散物の即時の調製のための滅菌散剤が挙げられる。分散物はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物中、ならびに油中で調製され得る。貯蔵および使用の通常の条件下では、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するために保存剤を含む。多くの場合、その形態は無菌であり、容易な注射針通過性(syringability)が存在する程度まで流動性である。それは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用から保護されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、および/または植物油を含む、溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、コーティング(例えば、レシチン)の使用によって、分散物の場合には、必要とされる粒度の維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)によってもたらされ得る。多くの場合、等張性剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含めることは好ましい。注射用組成物の長期吸収は、吸収を遅らせる作用物質(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の組成物中での使用によってもたらされ得る。
注射用水性液剤の投与に関しては、例えば、その液剤は、必要であれば、適切に緩衝化されていてもよく、液体希釈剤は先ず、十分な食塩水またはグルコースで等張性にされ得る。これらの特定の水性液剤は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。この関連において、適切な滅菌水性媒体が使用され得る。例えば、1投与量は、1mlの等張性NaCl溶液中に溶解され得、1000mlの皮下注入流体に添加されるか、または提唱される注入部位において注射されるかのいずれかであり得る(例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」 第15版, 第1035~1038頁および第1570~1580頁を参照のこと)。投与量におけるいくつかのバリエーションは、宿主の状態に依存して必然的に起こる。投与に責任のある人物は、いずれにしても、個々の宿主に適切な用量を決定する。
滅菌注射用液剤は、その活性なrAAVを、必要とされる場合、本明細書で列挙される種々の他の成分とともに適切な溶媒中で必要とされる量で組み込み、続いて、濾過滅菌することによって調製される。一般に、分散物は、種々の無菌の活性成分を、基本的な分散媒および上記で列挙されたものからの必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクルの中に組み込むことによって調製される。滅菌注射用液剤の調製のための滅菌散剤の場合には、好ましい調製方法は、事前に滅菌濾過したその液剤からその活性成分+任意のさらなる所望の成分の散剤を生じる、真空乾燥および凍結乾燥技術である。
本明細書で開示されるrAAV組成物はまた、中性または塩基形態で製剤化され得る。薬学的に受容可能な塩としては、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基と形成される)が挙げられ、そしてこれは、例えば、塩酸もしくはリン酸のような無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などのような有機酸と形成される。遊離カルボキシル基と形成される塩はまた、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化鉄(II)のような無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基から得られ得る。製剤化されると、液剤は、投与製剤と適合する様式でおよび治療上有効であるような量で投与される。その製剤は、注射用液剤、薬物放出カプセル剤などのような種々の投与形態で容易に投与される。
本明細書で使用される場合、「キャリア」とは、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、ビヒクル、コーティング、希釈剤、抗細菌剤および抗真菌剤、等張性剤および吸収遅延剤、緩衝液、キャリア溶液、懸濁物、コロイドなどを含む。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および作用物質の使用は、当該分野で周知である。補助的な活性成分はまた、組成物の中に組み込まれ得る。語句「薬学的に受容可能な」とは、宿主に投与される場合に、アレルギー反応または類似の有害な反応を生じない分子実体および組成物に言及する。
送達ビヒクル(例えば、リポソーム、ナノカプセル、微粒子、マイクロスフェア、脂質粒子、小胞など)は、本開示の組成物を適切な宿主細胞に導入するために使用され得る。特に、rAAVベクターが送達する導入遺伝子は、脂質粒子、リポソーム、小胞、ナノスフェア、またはナノ粒子などのいずれかに被包される送達のために製剤化され得る。
このような製剤は、本明細書で開示される核酸またはrAAV構築物の薬学的に受容可能な製剤の導入のために好適であり得る。リポソームの形成および使用は、当業者に概して公知である。近年になって、改善された血清安定性および循環半減期を有するリポソームが、開発された(米国特許第5,741,516号)。さらに、潜在的薬物キャリアとしてのリポソームおよびリポソーム様調製物の種々の方法が、記載されている(米国特許第5,567,434号;同第5,552,157号;同第5,565,213号;同第5,738,868号および同第5,795,587号)。
リポソームは、他の手順によるトランスフェクションに通常は抵抗性である多くの細胞タイプで成功裡に使用されている。さらに、リポソームは、ウイルスベースの送達システムに代表的なDNAの長さ制限がない。リポソームは、遺伝子、薬物、放射性治療剤、ウイルス、転写因子およびアロステリックエフェクターを種々の培養細胞株および動物に導入するために効果的に使用されている。さらに、リポソーム媒介性薬物送達の効果を試験するいくつかの成功した治験が、完了している。
リポソームは、水性媒体中に分散され、多層状同心性二重層小胞(多層状小胞(MLV)ともいわれる)を自発的に形成するリン脂質から形成される。MLVは一般に、25nm~4μmの直径を有する。MLVの超音波処理は、200~500Åの範囲の直径を有し、コアの中に水性液剤を含む小さな単層小胞(SUV)の形成を生じる。
あるいは、rAAVのナノカプセル製剤が使用され得る。ナノカプセルは、一般に、安定かつ再現可能な方法で物質を捕捉し得る。細胞内のポリマー過負荷に起因する副作用を回避するために、このような超微粒子(およそ0.1μmのサイズ)は、インビボで分解され得るポリマーを使用して設計されるべきである。これらの要件を満たす生分解性ポリアルキル-シアノアクリレートナノ粒子は、使用に関して企図される。
実施例1: miniABC4遺伝子構築物MG-1~MG-6
本実施例は、光受容体において機能(例えば、部分的なABCA4機能)を保持するABCA4の1またはこれより多くのドメイン(例えば、ABCA4ミニ遺伝子およびその遺伝子生成物、「MiniABCA4」)を有するAAVベクター(およびrAAV)の同定および生成を記載する。miniABCA4タンパク質の発現および安定性を、培養したHEK293細胞におけるタンパク質のMYCタグ付きバージョンとしてそれらを発現させることによって試験する。最適な発現および安定性を示すバージョンを、インビボでAbca4-/- マウスへと注射する。ウイルス粒子を偽型化し(例えば、AAV2/8)、発現を、光受容体を主に標的化するプロモーターによって駆動する。MiniABCA4構築物を、網膜下注射を使用して投与する。図1および配列番号3~8は、MiniABCA4構築物MG-1~MG-6の実施形態を示す。配列番号9~14は、MG-1~MG-6のMiniABCA4タンパク質の実施形態を示す。
網膜色素上皮(RPE)バックグラウンド自家蛍光の低減を、miniABCA4候補の有効性を試験するために代理アッセイとして使用した。Abca4-/- マウスに、生後30日でAbca4-1(MG-1)構築物を注射し、RPE自家蛍光を、蛍光顕微鏡法によって測定した。そのRPE細胞を、マーカーZO-1で染色した。代表的なデータを図2に示す。野生型コントロールと比較した場合、上記Abca4-/- マウスは、4ヶ月齢で488nM 波長においてより高いRPE自家蛍光を示した。miniABCA4-1の注射は、488nM 波長において自家蛍光の有意な減少を生じた。これは、miniABCA4-1が影響をレスキューしたことを示す。
他のABCA4ミニ遺伝子構築物を、RPE自家蛍光アッセイを使用して試験し、その結果を図3において定量化した。Abca4-/- マウスに、miniABCA4-1(MG-1)、miniABCA4-2(MG-2)、miniABCA4-4(MG-4)、またはminiABCA4-5(MG-5)を注射した。その注射を、生後10日または生後30日(P10またはP30)のいずれかで行い、RPE自家蛍光を、グラフ上に示した年齢時に測定した。データは、いくつかのminiABCA4構築物が、注射を受けなかったAbca4-/- マウスと比較して、RPE自家蛍光を有意に低減し、P30での注射が、P10での注射と比較して、RPE自家蛍光のより良好な改善を生じたことを示す。
実施例2: miniABC4遺伝子構築物MG-7~MG-11
本実施例は、さらなるABCA4ミニ遺伝子設計(MG-7~MG-11といわれる)、およびこれらABCA4ミニ遺伝子を発現するAAVベクター(およびrAAV)の生成を記載する。miniABCA4タンパク質の発現および安定性を、培養したHEK293細胞におけるタンパク質のMYCタグ付きバージョンとしてそれらを発現させることによって試験した(図5)。チューブリンを、ローディングコントロールとして使用した。図4および配列番号15~19は、MiniABCA4構築物MG-7~MG-11の実施形態を示す。配列番号20~24は、MG-7~MG-11のMiniABCA4タンパク質の実施形態を示す。
配列
いくつかの実施形態において、本開示によって記載される単離された核酸またはベクター(例えば、rAAVベクター)は、配列番号3~8および15~19のうちのいずれか1つに示される配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、本開示によって記載される単離された核酸またはベクター(例えば、rAAVベクター)は、配列番号3~8および15~19のうちのいずれか1つに示される配列に相補的(例えば、その相補体)である配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、本開示によって記載される単離された核酸またはベクター(例えば、rAAVベクター)は、配列番号3~8および15~19のうちのいずれか1つに示される配列の逆相補体(reverse complement)である配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態において、本開示によって記載される単離された核酸またはベクター(例えば、rAAVベクター)は、配列番号3~8および15~19のうちのいずれか1つに示される配列の一部を含むかまたはそれからなる。一部は、配列番号3~8および15~19のうちのいずれか1つに示される配列のうちの少なくとも25%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%を含み得る。いくつかの実施形態において、本開示によって記載される核酸配列は、核酸センス鎖(例えば、5’→3’鎖)であるか、またはウイルス配列の文脈では、プラス(+)鎖である。いくつかの実施形態において、本開示によって記載される核酸配列は、核酸アンチセンス鎖(例えば、3’→5’鎖)であるか、またはウイルス配列の文脈では、マイナス(-)鎖である。
均等物
いくつかの本発明の実施形態が、本明細書で記載および例証されてきたが、当業者は、その機能を果たすならびに/または結果および/もしくは本明細書で記載される利点のうちの1もしくはこれより多くを得るために、種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、このようなバリエーションおよび/または改変の各々は、本発明の範囲内であるとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書で記載される全てのパラメーター、寸法、材料、および構成は例示であることが意味され、実際のパラメーター、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される具体的適用に依存することを容易に認識する。当業者は、慣用的な実験のみを使用して、本明細書で記載される具体的な発明の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または確認し得る。従って、前述の実施形態が、例示によって示されるに過ぎず、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、本発明が、具体的に記載され、特許請求されるとおり以外の別の方法で実施され得ることは、理解されるべきである。本発明は、本明細書で記載される各個々の特徴、システム、物品、材料、および/または方法に関する。さらに、2またはこれより多くのこのような特徴、システム、物品、材料、および/または方法の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、および/または方法が互いに矛盾しなければ、本発明の範囲内に含まれる。
不定冠詞「1つの、ある(a)」および「1つの、ある(an)」は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、明らかに逆に示されなければ、「少なくとも1(at least one)」を意味することが理解されるべきである。
語句「および/または(and/or)」は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方(either or both)」、すなわち、いくらかの場合には接続的に示され、他の場合には離節的に示される要素を意味することが理解されるべきである。他の要素は、「および/または」の文節によって具体的に特定される要素以外に、それらの具体的に特定される要素に関連しようが関連しまいが、明確に逆に示されなければ、必要に応じて存在し得る。従って、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む、包含する(comprising)」のような制限のない文言とともに使用される場合、1つの実施形態では、BなしでA(必要に応じて、B以外の要素を含む)に;別の実施形態では、AなしでB(必要に応じて、A以外の要素を含む)に;さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(必要に応じて、他の要素を含む)に;他に言及し得る。
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「または(or)」は、上記で定義されるとおりの「および/または」と同じ意味を有することが理解されるべきである。例えば、リストの中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は、包括的、すなわち、多くの要素または要素のリスト、および必要に応じて、さらなる列挙されない項目のうちの少なくとも1を含むが、1より多くをも含むとして解釈されるものとする。「のうちの1つのみ(only one of)」もしくは「のうちの正確に1つ(exactly one of)」、または特許請求の範囲の中で使用される場合、「からなる(consisting of)」のような、逆を明らかに示す用語のみが、多くの要素または要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことに言及する。概して、用語「または」は、本明細書で使用される場合、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、」「のうちの1つのみ」または「のうちの正確に1つ」のような排他性の用語が先立つ場合、排他的な代替物(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない(one or the other but not both)」)を示すとして解釈されるに過ぎないものとする。「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲の中で使用される場合、特許法の分野で使用されるとおりのその通常の意味を有するものとする。
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、語句「少なくとも1」は、1またはこれより多くの要素のリストに言及して、要素のリストの中の要素のうちのいずれか1つまたはこれより多くから選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に列挙される各々および全ての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストの中の要素の任意の組み合わせを排除しないことを意味することが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1」が言及する要素のリスト内で具体的に特定される要素以外の要素が、それら具体的に特定される要素に関連しようが関連しまいが、必要に応じて存在し得ることを可能にする。従って、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または等しくは、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または等しくは、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態において、少なくとも1つの(必要に応じて、1より多くを含む)A、Bは存在しない(および必要に応じて、B以外の要素を含む)に;別の実施形態において、少なくとも1つの(必要に応じて、1より多くを含む)B、Aは存在しない(および必要に応じて、A以外の要素を含む)に;さらに別の実施形態において、少なくとも1つの(必要に応じて、1より多くを含む)Aおよび少なくとも1つの(必要に応じて、1より多くを含む)B(必要に応じて、他の要素を含む)に;他に言及し得る。
特許請求の範囲、および上記の明細書において、全ての移行句(例えば、「含む、包含する(comprising)」、「含む、包含する(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含む、含有する(containing)」、「包含する、関わる(involving)」、「保持する(holding)」、など)は、制限がない、すなわち、が挙げられるが、これらに限定されない、を意味すると理解されるべきである。移行句「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」のみが、それぞれ、米国特許商標庁の特許審査基準、セクション2111.03に示されるとおり、制限のまたは半制限の移行句であるものとする。
「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」などのような序数を示す用語の使用は、請求項の要素を改変するために特許請求の範囲において、それだけで、1の要素または方法の行為が行われる時間的な順序に対して、別の請求項の要素のいかなる優先順位、先立つこと、または順序をも暗示しないが、ある特定の名称を有する1つの請求項の要素を、(その序数を示す用語の使用を除いて)同じ名称を有する別の請求項の要素から区別して、その請求項の要素を区別するために、表示として使用されるに過ぎない。
数値の前にある用語「約(about)」および「実質的に(substantially)」は、その記載される数値の±10%を表す。

Claims (31)

  1. 配列番号3~8および15~19のうちのいずれか1つに示される配列を有するABCA4ミニ遺伝子をコードする導入遺伝子を含む、単離された核酸。
  2. 前記導入遺伝子は、前記ABCA4ミニ遺伝子配列に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、請求項1に記載の単離された核酸。
  3. 前記プロモーターは、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、または組織特異的プロモーターであり、必要に応じて、ここで前記組織特異的プロモーターは、光受容体特異的プロモーターである、請求項2に記載の単離された核酸。
  4. 前記導入遺伝子は、アデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復配列(ITR)によって隣接される、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離された核酸。
  5. 前記ITRのうちの少なくとも一つは、AAV2 ITRである、請求項4に記載の単離された核酸。
  6. 少なくとも一つのITRは、末端分離部位を欠き、必要に応じてここで前記ITRは、ΔITRである、請求項4または5に記載の単離された核酸。
  7. ABCA4タンパク質をコードする核酸配列を有する導入遺伝子を含む単離された核酸であって、ここで前記ABCA4タンパク質は、配列番号9~14および20~24のうちのいずれか1つに示されるとおりのアミノ酸配列を含む、単離された核酸。
  8. 前記導入遺伝子は、前記ABCA4タンパク質をコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、請求項7に記載の単離された核酸。
  9. 前記プロモーターは、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、または組織特異的プロモーターであり、必要に応じてここで前記組織特異的プロモーターは、光受容体特異的プロモーターである、請求項8に記載の単離された核酸。
  10. 前記導入遺伝子は、アデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復配列(ITR)によって隣接される、請求項7~9のいずれか1項に記載の単離された核酸。
  11. 前記ITRのうちの少なくとも一つは、AAV2 ITRである、請求項10に記載の単離された核酸。
  12. 少なくとも一つのITRは、末端分離部位を欠き、必要に応じてここで前記ITRは、ΔITRである、請求項10または11に記載の単離された核酸。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の単離された核酸を含むベクター。
  14. 前記ベクターは、プラスミドDNA、または末端が閉じたDNA、または脂質/DNAナノ粒子、またはウイルスベクターである、請求項13に記載のベクター。
  15. 前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、アデノウイルス(Ad)ベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、またはバキュロウイルスベクターである、請求項14に記載のベクター。
  16. 請求項1~12のいずれか1項に記載の単離された核酸、または請求項13~15のいずれか1項に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  17. 前記細胞は、哺乳動物(ヒト)細胞、細菌細胞、酵母細胞、または昆虫細胞である、請求項16に記載の宿主細胞。
  18. 組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)であって、
    (i)請求項1~12のいずれか1項に記載の単離された核酸;および
    (ii)AAVカプシドタンパク質、
    を含むrAAV。
  19. 前記カプシドタンパク質は、眼の細胞に対する向性を有する、請求項18に記載のrAAV。
  20. 前記カプシドタンパク質は、AAV8カプシドタンパク質である、請求項18または19に記載のrAAV。
  21. 前記rAAVは、眼への送達のために製剤化され、必要に応じてここで前記rAAVは、光受容細胞または網膜色素上皮(RPE)への送達のために製剤化される、請求項18~20のいずれか1項に記載のrAAV。
  22. 請求項1~12のいずれか1項に記載の単離された核酸、または請求項18~21のいずれか1項に記載のrAAV、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、組成物。
  23. 細胞に導入遺伝子を送達するための方法であって、前記方法は、請求項1~12のいずれか1項に記載の単離された核酸、または請求項18~21のいずれか1項に記載のrAAVを細胞に投与する工程を包含する、方法。
  24. 前記細胞は、被験体、必要に応じて哺乳動物(ヒト)被験体の中にある、請求項23に記載の方法。
  25. 前記細胞は、眼の細胞である、請求項23または24に記載の方法。
  26. 前記眼の細胞は、光受容細胞または網膜色素上皮(RPE)である、請求項25に記載の方法。
  27. シュタルガルト病の処置を必要とする被験体においてシュタルガルト病を処置するための方法であって、前記方法は、請求項1~12のいずれか1項に記載の単離された核酸、または請求項18~21のいずれか1項に記載のrAAVを前記被験体に投与する工程を包含する、方法。
  28. 前記被験体は、哺乳動物であり、必要に応じてここで前記被験体は、ヒトである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記被験体は、ABCA4遺伝子において1またはこれより多くの変異を有することによって特徴づけられる、請求項27または28に記載の方法。
  30. 前記投与は、注射、必要に応じて網膜下注射または硝子体内注射または上脈絡膜注射を介するものである、請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記投与は、前記被験体の眼への局所投与である、請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
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