(詳細な説明)
本明細書で使用されるように、「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈によって明確に別様に示されない限り、複数参照も含む。
本明細書で使用されるように、用語「右」、「左」、「上部」、およびその派生形は、図面において配向されるように本発明に関連するものとする。用語「近位」は、ユーザおよび/または尿路アクセス部位、例えば、患者の身体内の尿道もしくは経皮的アクセス開口部の最近傍の留置カテーテルの一部によって操作または接触される、カテーテルデバイスの部分を指す。用語「遠位」は、患者の中に挿入されるように構成されるカテーテルデバイスの反対端および/または患者の尿路の最遠位に挿入されるデバイスの一部を指す。しかしながら、本発明は、種々の代替配向をとることができ、故に、そのような用語は、限定として見なされるものではないことを理解されたい。また、本発明は、反対のことが明示的に規定されない限り、種々の代替変形例および段階シーケンスをとり得ることを理解されたい。また、添付の図面に図示され、以下の明細書に説明される、具体的デバイスおよびプロセスは、実施例であることを理解されたい。故に、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的寸法および他の物理的特性は、限定として見なされるものではない。
本明細書の目的のために、別様に示されない限り、明細書および請求項において使用される成分、反応条件、寸法、物理的特性等の数量を表す全ての数字は、全事例において用語「約」によって修飾されるものとして理解されたい。反対のことが示されない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載される数値パラメータは、本発明によって取得されることが模索される所望の特性に応じて変動し得る、近似である。
本発明の広義の範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似であるが、具体的実施例に記載される数値は、可能な限り精密に報告される。しかしながら、任意の測定される数値は、本質的に、その個別の試験測定に見出される標準偏差から生じる、ある誤差を含有し得る。
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に含められる全ての下位範囲を含むことが意図されることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、1の列挙された最小値と、10の列挙された最大値とを含む、その間のあらゆる下位範囲、すなわち、1に等しいまたはそれを上回る最小値から開始し、10に等しいまたはそれ未満の最大値で終了する全ての下位範囲と、その間の全ての下位範囲、例えば、1~6.3、または5.5~10、もしくは2.7~6.1を含むものと意図される。
本明細書で使用されるように、用語「通信」および「通信する」は、1つ以上の信号、メッセージ、コマンド、もしくは他のタイプのデータの受信または転送を指す。1つのユニットまたは構成要素が別のユニットもしくは構成要素と通信することは、1つのユニットまたは構成要素が、直接もしくは間接的に、データを他のユニットまたは構成要素から受信する、および/またはそこにデータを伝送することが可能であることを意味する。これは、性質上、有線および/または無線であり得る、直接もしくは間接接続を指し得る。加えて、2つのユニットまたは構成要素は、伝送されるデータが、第1および第2のユニットまたは構成要素間で修正される、処理される、ルーティングされる、および同等物である場合でも、相互と通信することができる。例えば、第1のユニットは、第1のユニットがデータを受動的に受信し、データを第2のユニットに能動的に伝送しない場合でも、第2のユニットと通信することができる。別の実施例として、第1のユニットは、中間ユニットが、1つのユニットからのデータを処理し、処理されたデータを第2のユニットに伝送する場合、第2のユニットと通信することができる。多数の他の配列も可能性として考えられることを理解されたい。
本明細書で使用されるように、「患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持する」は、腎臓から、尿管、尿管ステント、および/または尿管カテーテルを通して、膀胱ならびに身体の外側への尿等の流体の流動を確立、増加、もしくは維持することを意味する。
いくつかの実施例では、流体流は、上部尿路および/または膀胱内に保護表面積1001を提供し、尿路内皮が流体柱または流れの中に収縮もしくは圧潰しないように防止することによって、促進または維持される。本明細書で使用されるように、「流体」は、尿路からの尿および任意の他の流体を意味する。
本明細書で使用されるように、「負圧」は、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端に印加される圧力が、負圧の印加に先立った、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端における既存の圧力を下回ること、例えば、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端と、負圧の印加に先立った、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端における既存の圧力との間に、圧力差が存在することを意味する。本圧力差は、腎臓からの流体を、それぞれ、尿管カテーテルまたは膀胱カテーテルの中に、もしくは尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させる。例えば、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端に印加される負圧は、流体が腎臓および/または膀胱から引き出されるように、大気圧未満(約760mmHgまたは約1気圧未満)、または負圧の印加に先立った膀胱カテーテルの近位端もしくは尿管カテーテルの近位端において測定される圧力未満であり得る。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端に印加される負圧は、約0.1mmHg~約150mmHg、または約0.1mmHg~約50mmHg、もしくは約0.1mmHg~約10mmHg、または約5mmHg~約20mmHg、もしくは約45mmHg(ポンプ710におけるゲージ圧または負圧源におけるゲージ)に及ぶことができる。いくつかの実施例では、負圧源は、膀胱カテーテルおよび尿管カテーテルの両方を通した負圧の印加のために患者の身体の外部にポンプを備え、これは、ひいては、腎臓からの流体を尿管カテーテルの中に、尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させる。いくつかの実施例では、負圧源は、膀胱カテーテルおよび尿管カテーテルの両方を通した負圧の印加および調整のために患者の身体の外部に真空源を備え、これは、ひいては、腎臓からの流体を尿管カテーテルの中に、尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させる。いくつかの実施例では、真空源は、壁吸引源、真空ボトル、および手動真空源から成る群から選択される、または真空源は、圧力差によって提供される。いくつかの実施例では、負圧源から受容される負圧は、手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで制御されることができる。いくつかの実施例では、コントローラが、負圧源からの負圧を調整するために使用される。負および正圧源の非限定的実施例が、下記に詳細に議論される。また、負圧療法を提供するためのシステムもまた、「Ureteral and Bladder Catheters and Methods for Inducing Negative Pressure to Increase Renal Perfusion」と題された国際公開第WO2017/015351号、および「Catheter Device and Method for Inducing Negative Pressure in a Patient’s Bladder」と題された国際公開第WO2017/015345号(それぞれ、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。
流体貯留および静脈鬱滞は、進行性腎疾患の進行における主要な問題である。排泄における相対的減少と結び付けられる過剰ナトリウム摂取は、等張体積膨張および二次コンパートメント症候群の併発につながる。いくつかの実施例では、本発明は、概して、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓からの尿もしくは廃棄物の排出を促進するためのデバイスおよび方法を対象とする。いくつかの実施例では、本発明は、概して、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓、例えば、泌尿系の少なくとも一部内で負圧を誘発するためのシステムおよび方法を対象とする。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧を膀胱、尿管、および/または腎臓、例えば、泌尿系の少なくとも一部に印加することは、いくつかの状況において、ナトリウムおよび水分の髄質腎単位尿細管再吸収を補償し得ると考えられる。ナトリウムおよび水分の再吸収の補償は、尿産生を増加させ、総体内ナトリウムを減少させ、赤血球産生を改良することができる。髄質内圧が、ナトリウム、したがって、体液量過剰によって促されるため、過剰ナトリウムの標的除去は、体液量損失の維持を可能にする。体液量の除去は、髄質鬱滞を回復させる。正常尿産生は、1.48~1.96L/日(または1~1.4ml/分)である。
流体貯留および静脈鬱滞はまた、腎前性急性腎傷害(AKI)の進行における主要な問題である。具体的には、AKIは、腎臓を通した潅流または血流の損失に関連し得る。故に、いくつかの実施例では、本発明は、静脈鬱滞を緩和または低減させる目的のために、改良された腎血行動態を促進し、尿排出量を増加させる。さらに、AKIの治療および/または阻止は、他の症状の発生にも良い影響を及ぼす、ならびに/もしくはそれを低減させることが予期され、例えば、NYHA分類III度および/または分類IV度心不全を伴う患者における腎機能の悪化の低減または阻止が挙げられる。異なるレベルの心不全の分類は、The Criteria Committee of the New York Heart Association,(1994),Nomenclature and Criteria for Diagnosis of Diseases of the Heart and Great Vessels,(9th ed.),Boston:Little,Brown and Co.pp.253-256(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。AKIおよび/または慢性的潅流減少のエピソードの低減または阻止はまた、第4期ならびに/もしくは第5期慢性腎臓疾患のための治療であり得る。慢性腎臓疾患の進行は、National Kidney Foundation,K/DOQI Clinical Practice Guidelines for Chronic Kidney Disease:Evaluation,Classification and Stratification.Am.J.Kidney Dis.39:S1-S266,2002(Suppl.1)(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。
また、本明細書に開示される尿管カテーテル、尿管ステント、および/または膀胱カテーテルは、末期腎疾患(「ESRD」)を予防する、その発症を遅延させる、ならびに/もしくは治療するために有用であり得る。平均的透析患者は、339億ドルの米国政府の総コストに関して医療利用において1年に約90,000ドルを消費する。現在、ESRD患者は、メディケアの全受益者の2.9%のみから成るが、総支出の13%超を占める。発生率および患者あたりのコストが、近年は安定しているが、活発な患者の量は、上昇し続けている。
進行性慢性腎疾患(「CKD」)の5つの段階は、糸球体濾過率(GFR)に基づく。段階1(GFR>90)の患者が、正常な濾過を有する一方、段階5(GFR<15)は、腎不全を有する。多くの慢性疾患のように、診断捕捉は、増加する症状および疾患重症度とともに改良する。
CKD 3b/4部分群は、疾患進行、医療システム関与、およびESRDへの遷移における重要な変化を反映する、より小さい部分群である。救急科への診療は、CKDの重症度とともに上昇する。米国復員軍人援護局の集団の中で、付帯的透析患者のほぼ86%が、入院に先行する5年以内に入院していた。それらのうち、63%が、透析の開始時に入院させられた。これは、透析に先立って介入する非常に大きな機会を示唆する。
他の器官よりも動脈樹をさらに下に辿るにもかかわらず、腎臓は、安静時に不均衡な量の心拍出量を受容する。糸球体膜は、尿細管の中への濾過液の最小抵抗の経路を表す。健康な状態では、腎単位は、動脈圧の正常な範囲内の自己調整の複数の複雑で冗長な手段を有する。
静脈鬱滞は、低減した腎機能に関与しており、後期のCKDで見出される全身性循環血液量過多症と関連付けられる。腎臓が、半剛性の被膜で被覆されるため、静脈圧のわずかな変化が、尿細管内圧の直接変化に変換される。尿細管内圧の本偏移は、ナトリウムおよび水分の再吸収を上方調整し、悪循環を永続させることが示されている。
初期侵襲および早期進行にかかわらず、より進行性のCKDは、(定義による)濾過の減少およびさらなる高窒素血症と関連付けられる。残りの腎単位が水分を過剰吸収しているか、または単に十分に濾過することができないかどうかにかかわらず、本腎単位損失は、流体貯留および腎機能の進行性低下と関連付けられる。
腎臓は、体積の微妙な偏移に敏感である。尿細管または毛細血管床のいずれかの中の圧力が上昇するにつれて、他方の中の圧力が続く。毛細血管床圧が上昇するにつれて、濾過液の産生および尿の排除は、劇的に減少し得る。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、腎盂に送達される軽微かつ調整された負圧は、機能している腎単位のそれぞれの間で圧力を減少させると考えられる。健康な生体構造では、腎盂は、腎杯および集合管網を介して約100万の個々の腎単位に接続される。これらの腎単位はそれぞれ、本質的にボーマン隙を腎盂に接続する流体柱である。腎盂に伝送される圧力は、全体を通して平行移動する。負圧が腎盂に印加されるにつれて、糸球体毛細管圧は、糸球体膜を横断してより多くの濾過液を押進させ、尿排出量の増加につながると考えられる。
尿路の組織が、移行上皮の一種である、尿路上皮で覆われることに注目することが重要である。尿路の内側の組織内層はまた、尿管および/または腎臓ならびに膀胱組織1004の粘膜組織1003等の尿路内皮または尿路上皮組織とも称される。尿路上皮は、非常に高い弾性を有し、顕著な範囲の圧潰性および伸展性を可能にする。尿管管腔を覆う尿路上皮は、ともに尿路上皮粘膜から成る、疎性結合組織の薄い層である、固有層によって最初に囲繞される。本粘膜は、次いで、縦筋線維の層によって囲繞される。尿路上皮粘膜を囲繞するこれらの縦筋線維および尿路上皮粘膜自体の弾性は、尿管が圧潰星状断面に弛緩し、次いで、利尿の間に完全膨張まで拡張することを可能にする。任意の正常な尿管断面の組織構造は、概して、橋渡し医学研究で使用される、ヒトおよび他の哺乳類で本星形管腔を明らかにする。Wolf et al.,“Comparative Ureteral Microanatomy”,JEU 10:527-31 (1996)。
腎臓から膀胱に尿を輸送するプロセスは、腎盂を通した収縮および尿管の残りの部分を遠位に通した蠕動によって促される。腎盂は、尿管が腎臓に進入する、漏斗形状への近位尿管の拡大である。腎盂は、実際に、同一の組織から成るが、それが収縮することを可能にする1つの付加的筋肉層を伴う、尿管の継続であることが示されている。Dixon and Gosling,“The Musculature of the Human Renal Calyces,Pelvis and Upper Ureter”,J.Anat.135:129-37 (1982)。これらの収縮は、腎盂漏斗を通して尿を押動し、蠕動波が尿管を通して膀胱まで流体を伝搬することを可能にする。
画像研究は、イヌの尿管がその安静時断面積の最大17倍まで容易に増加し、利尿の間に大量の尿を収容し得ることを示している。Woodburne and Lapides,“The Ureteral Lumen During Peristalsis”,AJA 133:255-8 (1972)。ヒト上部尿路のための最も近い動物モデルと考えられるブタの中でも、腎盂および最近位尿管は、実際に、全ての尿管区分のうちで最も柔軟であることが示されている。Gregersen,et al.,“Regional Differences Exist in Elastic Wall Properties in the Ureter”,SJUN 30:343-8 (1996)。ヒトの尿管微細生体構造との種々の研究動物のもののWolfの比較研究は、イヌにおける尿管直径全体に対する固有層の匹敵する厚さ(ヒトでは29.5%およびイヌでは34%)、ならびにブタにおける総筋肉断面積に対する平滑筋の匹敵する割合(ヒトでは54%およびブタでは45%)を明らかにした。確実に、種の間の比較に限界が存在するが、イヌおよびブタは、歴史的にヒト尿管生体構造および生理学を研究および理解する際の強力な焦点となっており、これらの参照値は、本高レベルの翻訳可能性を支持する。
ヒト尿管よりもブタおよびイヌ尿管ならびに腎盂の構造および力学で利用可能である、はるかに多くのデータが存在する。これは、部分的に、そのような詳細な分析のために要求される侵襲性、ならびにそのような小さい可撓性の動的構造のサイズおよび組成を臨床的に正確に識別しようとするための種々の画像診断法(MRI、CT、超音波等)の固有の限界に起因する。それにもかかわらず、腎盂がヒトにおいて膨張または完全に圧潰するための本能力は、尿流を改良しようとする腎臓専門医および泌尿器科医にとって障害である。
任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、本発明者らは、負圧の印加が、腎臓からの流体流を促進することに役立ち得、周辺組織が負圧下で流体柱に収縮または圧潰しないように阻止しながら、開放する、または腎盂の内部の開放を維持するために、保護表面積を展開するように設計される、非常に特定のツールが、腎盂内の負圧の印加を促進するために必要とされることを理論化した。本明細書に開示される本発明のカテーテル設計は、保護表面積を提供し、周辺尿路上皮組織が負圧下で流体柱に収縮または圧潰しないように阻止する。本明細書に開示される本発明のカテーテル設計は、カテーテル排出管腔の中心軸および保護された孔から離れた尿管壁の星状縦方向折畳を正常に維持し得、蠕動波による、尿管管腔の星状断面積を辿るカテーテルの自然摺動および/または下向き移動を阻止し得ると考えられる。
また、本明細書に開示される本発明のカテーテル設計は、吸引の間に周辺組織を保護することができない、排出管腔の遠位端における保護されていない開放孔を回避することができる。尿管を直線管と考えることが便宜的であるが、真の尿管および腎盂は、種々の角度において腎臓に進入し得る。Lippincott Williams & Wilkins,Annals of Surgery,58,Figs 3 & 9 (1913)。したがって、腎盂内にそのようなカテーテルを展開するときに、排出管腔の遠位端における保護されていない開放孔の配向を制御することは困難であろう。本単一孔は、組織壁からの確実である、または一貫した、いずれかの距離の確保の手段を有しておらず、それによって、組織が保護されていない開放孔を閉塞することを許容し、組織への損傷のリスクがある、局所的吸引点を提示し得る。また、本明細書に開示される本発明のカテーテル設計は、腎杯に対する吸引および/または腎杯の閉塞をもたらし得る、腎臓の近くの排出管腔の遠位端に保護されていない開放孔を有する、バルーンの設置を回避することができる。尿管・腎盂移行部の基底部における排出管腔の遠位端に保護されていない開放孔を有する、バルーンの設置は、腎盂組織に対する吸引および腎盂組織による閉塞をもたらし得る。また、丸みを帯びたバルーンは、バルーン上の付帯的牽引力からの尿管剥離または他の損傷のリスクを提示し得る。
負圧を患者の腎臓面積の中に送達することは、少なくとも3つの理由から、いくつかの解剖学的課題を有する。第1に、泌尿系は、容易に変形される、高度に柔軟性組織から成る。医学書は、多くの場合、膀胱内に含有される尿の体積にかかわらず、固定形状のままであり得る、厚い筋肉構造として、膀胱を描写している。しかしながら、現実では、膀胱は、軟質変形可能構造である。膀胱は、収縮し、膀胱内に含有される尿の体積に共形化する。空膀胱は、ボールよりも収縮されたラテックスバルーンに近似する。加えて、膀胱の内部の粘膜内層は、軟質であって、炎症および損傷を受けやすい。泌尿系組織をカテーテルのオリフィスの中に引き込むことを回避し、それを通して適正な流体流を維持し、周囲組織への傷害を回避することが望ましい。
第2に、尿管は、拡張および収縮し、尿を腎盂から膀胱に輸送し得る、小管状構造である。本輸送は、2つの方法、すなわち、蠕動活動と、開放システム内の圧力勾配とにおいて生じる。蠕動活動では、尿部分は、収縮性波より先に押動され、これは、管腔をほぼ完全に塞ぐ。波パターンは、腎盂面積内で開始し、尿管に沿って伝搬し、膀胱で終端する。そのような完全な閉塞は、流体流を中断し、膀胱内で送達される負圧が補助なしで腎盂に到達することを阻み得る。広開放尿管を通した圧力勾配による、第2のタイプの輸送は、大量の尿流の間に存在し得る。大量尿産生のそのような周期の間に、腎盂内の圧力頭は、上部尿路の平滑筋の収縮によって引き起こされる必要はないであろうが、むしろ、尿の前方流によって発生され、したがって、動脈血圧を反映する。Kiil F.,“Urinary Flow and Ureteral Peristalsis”in:Lutzeyer W.,Melchior H.(eds)Urodynamics.Springer,Berlin,Heidelberg(pp.57-70)(1973)。
第3に、腎盂は、少なくとも、膀胱と同様に柔軟性である。腎盂の薄壁は、例えば、水腎症を有する患者において生じるように、拡張し、複数回、正常体積を収容することができる。
より近年では、吸引の使用によって腎盂から血栓を除去するための腎盂内の負圧の使用は、腎盂の必然的圧潰により、警告されており、したがって、腎盂領域内の負圧の使用を妨げる。Webb,Percutaneous Renal Surgery:A Practical Clinical Handbook.p 92.Springer (2016)。
任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、腎盂および膀胱の組織は、負圧の送達の間、内向きに引き出されるために十分に可撓性であって、負圧を送達するために使用されているツールの形状および体積に共形化する。殻付きのトウモロコシの穂の真空シールと同様に、尿路上皮組織は、負圧源の周囲で圧潰し、それに共形化するであろう。組織が管腔を閉塞し、尿の流動を妨げないように防止するために、本発明者らは、軽微な負圧が印加されるときに流体柱を維持するために十分な保護表面積が閉塞を防止または阻止するであろうことを理論化した。
本発明者らは、カテーテルツールが、前述に説明されていない泌尿器領域内で正常に展開され、それを通して負圧を送達することを可能にする、具体的特徴が存在することを判定した。これらは、治療ゾーンおよび隣接組織の生体構造および生理学の深い理解を要求する。カテーテルは、尿路上皮を支持し、カテーテル管腔を通した負圧の印加の間に尿路上皮組織がカテーテル内の開口部を閉塞しないように阻止することによって、腎盂内に保護表面積を備えなければならない。例えば、尿路上皮組織がない、または本質的にない、3次元形状もしくは空隙体積を確立することは、100万の腎単位のそれぞれからカテーテルの排出管腔の中への流体柱または流の開存性を確実にする。
腎盂が、縦方向に配向された平滑筋細胞から成るため、保護表面積は、理想的には、保護された表面積を確立することへの多平面アプローチを組み込むであろう。生体構造は、多くの場合、3つの平面、すなわち、矢状(身体を右および左部分に分割する垂直の前から後)、冠状(身体を背部および腹部に分割する垂直の左右)、ならびに横断(身体を上および下部に分割し、矢状および冠状面と垂直である、水平または軸方向)面で説明される。腎盂内の平滑筋細胞は、垂直に配向される。カテーテルが、腎臓と尿管との間の多くの横断面を横断して半径方向表面積も維持することが望ましい。これは、カテーテルが保護表面積1001の確立において腎盂の縦方向および水平部分の両方を占めることを可能にする。加えて、組織の可撓性を前提として、カテーテルツールの管腔につながる開口部またはオリフィスからのこれらの組織の保護が、望ましい。本明細書に議論されるカテーテルは、負圧、正圧を送達するために有用であり得る、または周囲圧力で使用され得る、もしくはそれらの任意の組み合わせであり得る。
いくつかの実施例では、展開されると、腎臓とカテーテル排出管腔との間の開存している流体柱または流を生成および/または維持する、展開可能/後退可能拡張機構が、利用される。本展開可能/後退可能機構は、展開されると、尿路上皮を支持し、カテーテル管腔を通した負圧の印加の間に尿路上皮組織がカテーテル内の開口部を閉塞しないように阻止することによって、腎盂内に保護表面積1001を生成する。いくつかの実施例では、保定部分は、保定部分の直径が排出管腔部分の直径を上回る、展開位置まで延在されるように構成される。
図を参照すると、患者からの尿排出量を増加させるためのポンプ110、510、612、812を備える、概して100、500として示されるポンプアセンブリ、または概して600、800として示されるポンプシステムが、本明細書に開示される。ポンプ110、510、612、812は、患者の身体内に、例えば、尿路等の体腔または導管内に少なくとも部分的に位置付けられることができる。他の実施例では、ポンプ110、510、612、812は、患者の腹腔、腹膜、または皮下腔内等の尿路の外部で患者の身体内に位置付けられてもよい。
いくつかの実施例では、ポンプ110、510、612、812は、患者の身体の一部内に位置付けられるように構成される、留置ポンプであってもよい。「留置ポンプ」は、例えば、身体口を通して挿入されることができる。例えば、本明細書にさらに詳細に説明されるように、ポンプ110、510は、尿道口を通して患者の尿路の中に挿入され、膀胱または尿管内に展開されてもよい。
いくつかの実施例では、ポンプ110、510、612、812は、埋込型ポンプであってもよい。本明細書で使用されるように、ポンプは、患者の皮膚を通した切開を通した挿入によって「埋込型」である、または「埋め込まれる」。「埋込型ポンプ」は、縫合糸によって、例えば、体腔内の定位置に固定されてもよい。本明細書にさらに詳細に説明されるように、ポンプ610は、患者の腹腔、腹膜、または皮下腔内に埋め込まれてもよい。
本明細書に開示されるポンプアセンブリ100、500およびポンプシステム600、800は、例えば、数日、数週間、またはそれを上回る治療周期等の長期治療周期にわたって持続的もしくは周期的負圧療法を腎盂および/または腎臓に提供するために歩行可能患者によって使用されるように構成されることができる。本明細書で使用されるように、「歩行可能患者」は、負圧療法を受けながら、起立し、例えば、歩行すること、または車椅子で押動されることによって、第1の場所から第2の場所まで移動し、ポンプアセンブリ100、500またはシステム600、800の構成要素によって不便を被る、もしくは制限されることなく、通常の生活の活動を実施することが可能である患者を指す。故に、歩行可能患者のために使用されるために、ポンプアセンブリ100、500またはシステム600、800の構成要素、特に、ポンプ機構、カテーテル、電子処理および制御回路、ならびに電力供給部の構成要素は、患者が移動し、ポンプアセンブリまたはシステム構成要素によって制約されることなく通常の活動を実施し得るように、埋め込まれるか、もしくは患者によって装着されるかのいずれかである。車椅子生活の患者に関して、ポンプアセンブリ100、500またはシステム600、800のいくつかの構成要素はまた、患者によって装着されるのではなく、車椅子に取り付けられてもよい。また、患者の身体の外部のポンプアセンブリ100、500またはシステム600、800の任意のワイヤもしくは管類は、患者の移動を制約することを回避するように長さが短くあるべきである。さらに、いくつかの実施例では、歩行可能患者のためのポンプアセンブリ100、500またはシステム600、800は、いくつかの前の実施例におけるように、外部尿収集コンテナではなく膀胱に尿を排出する。いくつかの実施例では、膀胱の中に排出される尿は、当技術分野で公知であるように、尿道を通して挿入される従来の膀胱カテーテルによって膀胱から除去される。
対照的に、病院のベッドに拘束された、または座位に留まらなければならない患者等の非歩行可能患者を治療する際に使用するためのポンプアセンブリおよびシステムは、外部ポンプ、管類、およびワイヤを備える、ポンプアセンブリ等の定常である、または装着可能ではない構成要素を備えてもよい。これらの構成要素は、患者の移動を制限し得、そのような構成要素が歩行可能患者によって使用され得ないことを意味する。非歩行可能患者のためのそのようなアセンブリはまた、例えば、尿道カテーテルを通して尿路に接続される尿収集コンテナを備えてもよい。しかしながら、当然ながら、本明細書に開示されるポンプアセンブリ100、500、またはシステム600、800はまた、非歩行可能患者のための負圧療法を提供するために使用されてもよい。
いくつかの実施例では、ポンプアセンブリ100、500またはポンプシステム600、800が提供されている。ポンプアセンブリ100、500またはポンプシステム600、800は、患者からの尿排出量を増加させるように構成される。ポンプアセンブリ100、500またはポンプシステム600、800は、入口ライン146とも称される、少なくとも1つの尿管カテーテル614、814と、ポンプ110、510、612、812とを備える。ポンプアセンブリ100、500またはポンプデバイス612、812の少なくとも一部は、患者の身体内に位置付けられるように構成される。ポンプアセンブリ100、500またはポンプシステム600、800はさらに、ポンプ110、510、612、812の運動を指示するように構成される、ポンプ110、510、612、812に結合されるコントローラ112、644、844を備えてもよい。ポンプ110、510、612、812、コントローラ112、644、844、または電力供給部のうちの少なくとも1つ(1つ以上)は、患者の尿路もしくは任意の体腔内に位置付けられてもよい。他の実施例では、コントローラ112、644、844および/または電力供給部は、所望される場合、患者の身体の外側に位置付けられることができる。ポンプ110、510、612、812は、チャネルを通して流体を引き出すように流体流チャネル内に位置付けられる、少なくとも1つのポンプ要素を備えることができる。尿管カテーテルは、患者の腎臓、腎盂、および/または尿管内に位置付けられるように構成される、保定部分を備える、遠位部分と、排出管腔を備える、近位部分とを備える。保定部分は、排出管腔の中への流体流を許容する、少なくとも1つの排出ポートを備えてもよい。ポンプ110、510、612、812は、少なくとも1つの尿管カテーテルの排出管腔を通して患者の腎盂または腎臓のうちの少なくとも1つに負圧を提供するように構成される。ポンプ110、510、612、812は、患者の腎臓から流体を受容するために尿管カテーテルの近位部分の排出管腔と流体連通する、少なくとも1つの流体ポートを備えることができる。
議論を容易にするために、ポンプアセンブリ100は、ここで尿路との併用を参照して議論されるであろうが、しかしながら、当業者は、ポンプアセンブリ100が任意の体腔または導管からの流体の排出のために類似様式で使用され得ることを理解するであろう。図1Aを具体的に参照すると、概して、2として示される、患者の尿路は、患者の右腎4および左腎6を備える。腎臓4、6は、血液濾過および尿を通した身体からの廃棄化合物のクリアランスに関与する。右腎4および左腎6によって産生される尿は、尿細管、すなわち、右尿管8および左尿管10を通して患者の膀胱12の中に排出される。例えば、尿は、尿管壁の蠕動によって、ならびに重力によって、尿管8、10を通して伝導され得る。腎盂14、16として公知である尿管8、10および/または腎臓4、6の遠位部分9は、尿管8、10と腎臓4、6との間に延在する円錐形の容器形状の構造である。尿管8、10は、尿管開口部または口24、26を通して膀胱12に進入する。膀胱12は、尿が身体から排泄されるまで尿を収集するように適合される、可撓性かつ実質的に中空の構造である。膀胱12は、空位置(参照線Eによって示される)から満杯位置(参照線Fによって示される)まで遷移可能である。通常、膀胱12が実質的に満杯状態に到達すると、尿は、膀胱12の下側部分に位置する尿道開口部または括約筋20を通して膀胱12から尿道18に排出することが可能にされる。膀胱12の収縮は、尿管口24、26と尿道開口部または括約筋20との間に延在する三角形領域である、膀胱12の三角部領域22上に及ぼされる応力および圧力に応答し得る。三角部領域22は、膀胱12が充填し始めるにつれて、三角部領域22上の圧力が増加するように、応力および圧力に敏感である。三角部領域22上の閾値圧力を超えると、膀胱12は、収縮し始め、尿道18を通して収集された尿を排出する。
ここで、尿路2を示す、図1A-1D、2A、および2Bを参照すると、いくつかの実施例では、ポンプアセンブリ100は、ポンプ110を備える。本明細書にさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施例では、ポンプ110は、患者の尿管から、または尿管カテーテルの近位部分から流体を受容するための入口と、患者の膀胱の中に、または、例えば、ポンプ110から患者の膀胱に、もしくは尿路2を通して患者の外部のコンテナに流体を指向するための出口カテーテルの中に流体を排出するために構成される、出口とを備える。ポンプ110の少なくとも一部は、患者の尿管8、10の内部部分28、30、腎盂14、16の内部部分32、34、膀胱12の内部部分40、または尿道18の内部部分のうちの少なくとも1つの内側に位置付けられるように構成される。例えば、ポンプ110は、患者の尿管8、10および/または腎盂14、16の近位部分11または遠位部分9内に位置付けられるように構成されることができる。ポンプ110は、所望される場合、負または正圧を患者の尿管8、10または腎臓4、6のうちの少なくとも1つの内部に提供するために使用されることができる。
例示的ポンプアセンブリ100が、図2Aおよび2Bに示される。ポンプアセンブリ100は、負または正圧を患者の尿管8、10および/または腎臓4、6に提供するために、患者の尿管8、10の内部部分28、30(例えば、近位部分11または遠位部分9)ならびに/もしくは腎盂14、16または腎臓の内部部分32、34内に位置付けられるように構成される、ポンプ110と、尿管8、10および/または腎盂14、16の一部に、もしくは、例えば、患者の尿路2内の他の場所に、例えば、膀胱12または尿道18内に埋め込まれる、ならびに/もしくは展開されるように構成される、コントローラ112とを備える。
いくつかの実施例では、本開示は、種々の留置または埋込型ポンプを対象とする。図1A-1D、2A、および2Bに示されるように、ポンプ110は、尿路2の一部内に位置付けられることができる。他の実施例では、1つ以上のポンプが、患者の身体内の任意の便宜的な場所に埋め込まれることができる。ポンプは、概して、腎盂および/または腎臓から尿を引き出すように構成される。いくつかの実施例では、ポンプは、1つ以上の排出カテーテルを通して身体から流体を伝導する。他の実施例では、ポンプは、流体を膀胱の中に排出させ、そこで、流体は尿道を通して身体から排出されることができる。
以下のようにさらに詳細に議論されるように、負または正圧を誘発するために、ポンプ110は、尿管8、10の内部部分28、30、腎盂14、16の内部部分32、34、膀胱12の内部部分40、または尿道18の内部部分内に位置付けられている間に、ポンプ110の流動チャネル122の中に流体を引き込み、それによって、尿管8、10および/または腎臓4、6内で負または正圧を誘発するように持続的または周期的にアクティブ化される、ポンプ機構または要素126(図2Bに示される)を備える。ポンプ要素126は、アクティブ化されたときに、矢印A1の方向に筐体114の開放遠位端118と開放近位端116との間でチャネル122を通して流体を引き出すように、少なくとも部分的にチャネル122内に位置付けられることができる。ポンプ要素126は、所定の時間周期にわたって、例えば、毎日ある周期にわたって動作することができる、または持続的に動作することができる。ポンプ動作の時間周期は、所望に応じて変動し得る。ポンプ要素126は、本明細書に説明されるであろうように、ポンプを通して流体を引き出すための羽根車、ねじ山、ピストン、一方向弁、逆止弁、および類似構造を備える、当技術分野で公知であるような異なるタイプの成型または機械加工された部品を備えることができる。いくつかの実施例では、ポンプ要素126は、以下のように説明されるように、延在構成から後退構成に遷移し、ポンプを通して流体を引き出すように構成される、圧電フィルムまたは表面を備える。
作動されたとき、ポンプ110は、腎臓4、6および尿管8、10から流体F1(例えば、尿)を引き出し、流体F1を膀胱12に、または膀胱12を通して患者の身体の外側に移動させ、それによって、尿路内で負圧を誘発する。ポンプ要素126の回転または作動は、必要に応じて、正圧を提供するように逆転されることができる。
いくつかの実施例では、流体F1は、ポンプ110によって膀胱12の中に排出される。他の実施例では、流体F1は、管または導管等の出口ライン158を通して、尿道18の内側を通して、身体の外側に伝導されることができる。流体F1は、患者の身体の外側に位置する流体収集コンテナ(図示せず)内に収集されることができる。ポンプ110は、ポンプ110の流入ポートにおいて測定されるような、0~約150mmHg、または約5mmHg~約100mmHg、もしくは約10mmHg~約50mmHgの範囲内の負圧を送達するように構成されてもよい。ポンプ110は、ポンプ110の流入ポートにおいて測定されるような、約0~約150mmHg、または約1mmHg~約100mmHg,または約1mmHg~約50mmHgの範囲内の正圧を間欠的に送達するように構成されてもよい。ポンプ110は、0~約3.5mL/分、約0.2mL/分~約2.5mL/分、または約0.4mL/分~約1.25mL/分の体積流体流率を提供するように構成されることができる。概して、ポンプおよび/または体積流率によって送達される負または正圧の量は、ポンプ動作パラメータから判定される(例えば、ポンプは、所定の負圧を送達するように、または所定の流率において流体を抽出するように設定される)。しかしながら、いくつかの実施例では、ポンプ110は、ポンプ110によって尿管および/または腎臓に及ぼされる負ならびに/もしくは正圧を直接または間接的に測定するための圧力センサ、および/またはポンプ110を通して引き出される流体体積を測定するための流率センサを備えることができる。本明細書に説明されるように、負または正圧は、持続または拍動流を駆動するように、持続的に印加される、もしくは間欠的にパルス化されてもよい。
本明細書に説明されるように、ポンプ要素126は、例えば、当技術分野で公知であるような微小電気機械構成要素、例えば、Abiomed(登録商標) Impella(登録商標)ポンプ、またはDolomiteによって製造されるもの等の圧電ポンプであり得る。尿管8、10、腎盂14、16、または尿道18内の挿入のために構成される、ポンプ110の構成要素を生産するための他の加工技法は、例えば、当技術分野で公知であるような射出成型、3次元印刷、金属スタンピング、および類似加工技法を含むことができる。例えば、図7および8に示されるように、ポンプ要素126は、羽根車1、および/または変形可能、移動可能、ならびに/もしくは拡張可能な圧電要素180を備えてもよい。図11に関して下記にさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施例では、ポンプ要素126は、モータ(例えば、駆動機構228)と、電源(例えば、バッテリ226および/または誘導コイル210)と、オン/オフスイッチまたはコントローラ218とを備える、電気的構成要素に、ならびに本明細書に議論されるように患者に関してポンプ動作パラメータならびに/もしくは生理学的情報を測定するための異なるタイプの随意のセンサに、動作可能に接続されることができる。
図2Aおよび2Bを継続して参照すると、いくつかの実施例では、ポンプ110は、ポンプ要素126を少なくとも部分的に封入し得る、および/または流動チャネル122を部分的に画定し得る、筐体114を備える。筐体114の少なくとも一部は、尿管8、10の内部部分28、30、腎盂14、16の内部部分32、34、膀胱12の内部部分40、または尿道18の内部部分内に位置付けられるように構成されることができる。筐体114は、開放近位端116と、開放遠位端118と、(ポンプ110が位置付けられる場所に応じて)患者の尿管8、10の内部部分28、30、患者の腎盂14、16の内部部分32、34、患者の膀胱12の内部部分40、または患者の尿道18の内部部分を通して流体F1を伝導するため、かつ患者の膀胱12または尿道18の中に、もしくはそれを通して患者の外部まで流体を移動させるための流動チャネル122を画定する、その間に延在する側壁120とを備える。
本明細書にさらに詳細に説明されるように、筐体114の開放近位端116および開放遠位端118は、尿管等の患者の尿路2の特定の部分内に嵌合するように定寸される。筐体114は、約3mm~約8mmまたは約4mm~約7mmに及ぶ直径と、約5mm~約30mm、約10mm~約25mm、または約15mm~約20mmに及ぶ長さとを有してもよい。ポンプ流動チャネル122は、約1mm~約6mmまたは約2mm~約5mmに及ぶ直径を有してもよい。他の実施例では、筐体114は、尿管8、10、腎盂14、16、または尿道18内の筐体114の遠位部分の位置付けを促進するようにテーパ状であり得る。例えば、約0~約6度のテーパが、使用されてもよい。他の実施例では、筐体114は、非円形の断面を有することができる。例えば、筐体114の断面は、正方形、長方形、別の多角形、またはそれらの組み合わせであり得る。正方形または長方形の断面を有する、筐体114に関して、断面の各辺は、約3mm~約8mmまたは約4mm~約7mmの幅を有することができる。いくつかの実施例では、筐体114は、患者快適性を改良するための略平滑な外側表面を有することができる。
いくつかの実施例では、筐体114は、約0.5mm~約3.0mmまたは約2.0mm~約2.5mmの最大外部または外径D1を有する。外径D1は、ポンプ110が尿管内に密着して嵌合するように、平均尿管内径に対応するように選択されることができる。
いくつかの実施例では、ポンプ110は、尿管を少なくとも部分的にシールし、尿のバイパス漏出を阻止する、および/または負圧を維持し得る。いくつかの実施例では、ポンプ110の筐体114の外側断面は、尿管の内部断面を充填するように定寸されてもよい。筐体114との尿管の組織の係合は、尿管を少なくとも部分的にシールし、尿のバイパス漏出を阻止する、および/または負圧を維持し得る。一実施例では、筐体114は、略円筒形であり得、筐体114の外径は、尿管の内径に等しい、またはそれよりも大きくあり得る。いくつかの実施例では、図2Bに示されるように、好適なシールの形成を促進するために、可撓性および/または弾性エラストマ構造が、尿管を少なくとも部分的にシールするように、ポンプ110の外部の一部を中心として位置付けられることができる。例えば、ポンプ110の側壁120円周の外側表面121の周囲に延在する環状シール124が、筐体114と尿管8、10の隣接する内壁13との間にシール124を形成するように、ポンプ110の一部に取り付けられる、またはそれを中心として位置付けられることができる。シール124は、シリコーン、ポリウレタン、ポリオレフィン、またはアルギン酸塩等のヒドロゲル等の1つ以上のエラストマ生体適合性材料から形成されることができる。
筐体114は、尿管、腎盂、膀胱、または尿道内の位置付けを促進するように、かつポンプ要素(下記に議論される)および流動チャネルを収容するように、所望に応じて成形されることができる。いくつかの実施例では、筐体114は、その全長に沿って実質的に類似する環状断面を有する、略円筒形構造である。
筐体114は、医療グレードプラスチック(例えば、高密度ポリエチレン、ポリカーボネート、およびシリコーン材料)および/または金属(例えば、外科用ステンレス鋼)等の1つ以上の好適な生体適合性材料から形成されることができる。
(ポンプ要素および関連付けられる電子構成要素)
ポンプ110の例示的ポンプ要素126が、図7および8に示される。前述で議論されたように、ポンプ要素126は、ポンプ筐体114によって画定されるチャネル122内に少なくとも部分的に位置付けられることができる。アクティブ化されたとき、ポンプ要素126は、筐体114の開放遠位端118を通してチャネル122の中に腎臓によって産生される尿等の流体を引き込み、筐体114の開放近位端116を通して流体を排出する。いくつかの実施例では、ポンプ要素126はまた、コントローラ筐体128(図2Bに示される)によって画定されるチャネル122を通して患者の膀胱の中に、または膀胱および尿道を通した管を通して患者の身体の外部に流体を推進してもよい。
図7に示されるように、いくつかの実施例では、ポンプ要素126は、チャネル122内に位置付けられる回転可能な羽根車170を備える。羽根車170は、変形または屈曲することなく、長期持続時間にわたって回転するために十分に頑丈かつ剛性である、種々の医療グレード材料から作製されることができる。例えば、羽根車170は、外科用ステンレス鋼等の金属材料から、および/またはポリカーボネート等の剛性プラスチック材料から形成されることができる。例えば、羽根車170は、中心回転子174に搭載され、矢印A3の方向に中心回転子174を中心として回転するように位置付けられる、2つ以上のブレード172を備えることができる。羽根車170は、2~4つ、またはそれを上回るブレードを有することができる。ブレード172は、約8mm~約14mmまたは約10mm~約12mmの長さと、約2mm~約3mmの幅とを有することができる。ブレード172の間の遊隙は、約0.02mm~約1mmまたは約0.5mm~約0.8mmであり得る。図7に示されるように、回転子174は、その中心縦軸L4に沿ってチャネル122を通して縦方向に延在してもよい。ブレード172は、チャネル122を通して通過する流体に接触するように構成される、直線または曲面176を備えてもよい。いくつかの実施例では、ブレード172はまた、所望される場合、反対方向に回転子174を中心として回転し、正圧を尿管および/または腎臓に印加することが可能であり得る。ブレード172は、回転されたときに、チャネル122を通して流体を引き出すことが可能である、任意の好適な形状を有することができる。例えば、図7に示されるように、ブレード172の縁178は、直線、湾曲、または「S」字形構成を有してもよい。前述で議論されたように、ポンプ要素126および羽根車170は、アクティブ化されたときに、ブレード172を本明細書に説明されるように回転させる、駆動機構または電気モータに動作可能に接続されることができる。
図8に示されるように、別の例示的ポンプ要素126は、収縮位置(図8の鎖線によって示される)と拡張位置(図8の実線によって示される)との間で遷移するように構成される、圧電ダイヤフラム180を備え、圧電ダイヤフラム180は、チャネル122の中に拡張し、チャネル122を通した流動を制限し、チャネル122の容積および断面積を縮小する。圧電ダイヤフラム180は、当技術分野で公知であるようなポリマーおよび/またはエラストマフィルム等の薄い可撓性の伝導性フィルムから、もしくはステンレス鋼から形成されることができる。圧電ダイヤフラム180は、圧電ダイヤフラム180をアクティブ化するための信号発生器または電源等の駆動機構に電子的に結合されることができる。例えば、ダイヤフラム180は、ダイヤフラム180の伝導性フィルムを通して信号発生器または電源によって発生される電気信号を通過させ、ダイヤフラム180を延在位置に遷移させることによって、アクティブ化されることができる。使用の間に、圧電ダイヤフラム180の片側は、流体に暴露され、駆動機構は、圧電ダイヤフラム180の暴露されていない側に位置する。ポンプ要素126はさらに、図8に示されるように、それぞれ、チャネル122の開放遠位端118および開放近位端116に位置付けられる、一方向弁および/または逆止弁等の弁182、184を備える。一方向および/または逆止弁182、184は、当技術分野で公知であるように、流体の逆流を制限するように構成される、従来の一方向弁であり得る。例示的一方向および/または逆止弁機構は、例えば、可撓性フラップまたはカバー、ボール弁、ピストン弁、もしくは類似機構を備えることができる。
動作時、流体が、図8の矢印A1によって示されるように、圧電ダイヤフラム180の収縮によって遠位弁182を通してチャネル122の中に引き込まれる。例えば、遠位弁182のフラップ188が、矢印A4の方向に開放位置まで枢動し、流体がそれを通して通過することを可能にし得る。ダイヤフラム180の収縮または圧潰によって生成される負圧の結果として、近位弁184は、流体の逆流を防止するように、矢印A5によって示されるように閉鎖せざるを得ない。いったんダイヤフラム180が所定の量だけ収縮される、または圧潰すると、ダイヤフラム180の運動は、電気信号を伝導性フィルムに印加することによって逆転される。ダイヤフラム180が拡張するにつれて、遠位弁182は、閉鎖して流体逆流を防止し、流体は、チャネル122から開放近位弁184を通して、筐体114の開放近位端116を通して、下部尿管部分11の中に、尿道18を通して排出される。
(コントローラ)
ポンプアセンブリ100はさらに、患者の尿管8、10の第2の内部部分、患者の腎盂14、16の第2の内部部分、患者の膀胱12の第2の内部部分、または患者の尿道18の第2の内部部分のうちの少なくとも1つの内側に位置付けられるように構成される、コントローラ112を備える。コントローラ112は、1つ以上の他のモジュールまたはデバイスと有線または無線通信し、それによって、患者治療システムを形成する、モジュールまたはデバイスを備えてもよい。コントローラ112は、単一のデバイスまたはアセンブリの一部、もしくは複数のデバイスまたはアセンブリを備えてもよく、例えば、単一のデバイス筐体または複数の筐体内に封入されることができる。いくつかの実施例では、コントローラ112は、命令を実行し、実行された命令に基づいて機能を実施するように構成される、処理回路を備える。その場合、同一の処理構成要素が、ポンプアセンブリ100の異なる構成要素の機能を実施してもよい。例えば、単一のプロセッサまたはマイクロプロセッサは、遠隔デバイスから伝送されるデータを受信および処理すること等のポンプ機構またはポンプ要素126およびコントローラ112の動作を作動ならびに停止させることを含む、ポンプ110の両方の機能を実施するように構成されてもよい。
いくつかの実施例では、コントローラ112は、実行されると、ポンプ動作パラメータ(例えば、流率、動作速度、動作持続時間等)を制御する命令を備える、コンピュータ可読メモリを備える、コントローラまたはマイクロプロセッサ等の電子回路を備える。例えば、コントローラまたはプロセッサは、命令をポンプ110に出力し、ポンプ110をオンにさせる、オフにさせる、または動作速度を調節させるように構成されることができる。コントローラ112はさらに、命令をポンプ110に通信するため、かつ患者に提供される治療についての情報および測定された患者パラメータを遠隔デバイスまたはデータ収集施設に通信するための1つ以上の通信インターフェースを備えることができる。例えば、通信インターフェースは、患者健康記録に包含するために、患者および患者に提供される治療についてのデータを患者処置施設に無線で伝送するように構成されてもよい。
ポンプ110およびコントローラ112は、例えば、図2Aおよび2Bに示されるように、一体的に形成される、または直接接続されてもよい。他の実施例では、別個のポンプおよびコントローラが、図3に示されるように、無線または有線接続によって接続されることができる。いくつかの実施例では、ポンプ110とコントローラ112との間に延在するワイヤは、ポンプ110が腎盂領域内に位置付けられ得、コントローラ112が患者の膀胱12内に位置付けられ得るように、尿管の長さの大部分に延在してもよい。他の実施例では、ポンプ110は、ポンプ110から離間され得る、コントローラ112と無線通信してもよい。例えば、患者の身体の外側に位置付けられるデバイス等の遠隔制御デバイス310(図12に示される)が、ポンプ110を制御するために使用されることができる。
コントローラ112は、ポンプ要素126の運動を指向し、患者の尿管8、10、患者の腎盂14、16、患者の膀胱12、または患者の尿道18の内部部分を通して通過する流体F1の流率を制御するように、ポンプ要素126を備えるポンプ110の構成要素に動作可能に接続される、および/またはそれと通信する。
いくつかの実施例では、コントローラ112は、筐体128を備える。筐体128の少なくとも一部は、尿管8、10の内部部分28、30、腎盂14、16の内部部分32、34、膀胱12の内部部分40、尿道18の内部部分内に、および/または尿路2内の他の場所に、位置付けられるように構成される。筐体128は、遠位端132と、近位端130と、その間に延在する側壁134とを備える。コントローラ112の長さL3は、尿路内のその意図された場所に基づくことができる。例えば、コントローラ112は、約1cm~約5cmまたは約2cm~約4cmの長さL3を有することができる。コントローラ112は、いくつかの実施例では、ポンプ筐体114の最大外径D1を上回る、最大外径D2を有することができる。コントローラ112の直径D2はまた、意図された展開場所に基づいて可変である。例えば、コントローラ112は、約5mm~約20mmまたは約10mm~約15mmの直径D2を有することができる。
コントローラ筐体128は、尿管8、10、腎盂14、16、膀胱12、または尿道18内の位置付けを促進するように、かつコントローラ110および流動チャネル(存在する場合)を収容するように、所望に応じて成形されることができる。いくつかの実施例では、コントローラ筐体128は、その全長に沿って実質的に類似する環状断面を有する、略円筒形構造である。他の実施例では、コントローラ筐体114は、尿管8、10、膀胱12、または尿道18内のコントローラ筐体128の遠位部分の位置付けを促進するようにテーパ状であり得る。例えば、約0~約6度のテーパが、使用されてもよい。他の実施例では、コントローラ筐体128は、非円形の断面を有することができる。例えば、コントローラ筐体128の断面は、正方形、長方形、または別の多角形であり得る。
いくつかの実施例では、コントローラ筐体128は、略円筒形構造である。コントローラ筐体128は、随意に、それを通して流動チャネル136を備えることができる。流動チャネル136は、約1mm~約6mmまたは約2mm~約5mmに及ぶ内径を有することができる。流動チャネル136の内部の形状は、所望に応じて任意の形状を有することができ、いくつかの実施例では、それを通して流動を促進するように略円筒形であり得る。コントローラ筐体128は、上記に説明されるポンプ筐体114と類似する生体適合性金属またはプラスチック材料から形成されることができる。一般に、最大外径D2は、患者の膀胱12内にコントローラ112を位置付けるために十分であり得、したがって、コントローラ112が膀胱内に留まり、ポンプ110とともに尿管の中に引き込まれないように、尿管口24、26(図1Aに示される)の直径および尿管8、10の内径よりも広くあり得る。
コントローラ112はさらに、ポンプ流率、発生される負および/または正圧、電力使用量、および他の動作パラメータを制御ならびに調節するための構成要素を備える、ポンプ要素126を動作させるための電子回路を備える。ポンプアセンブリ100の例示的電子構成要素、特に、コントローラ112が、図11に示され、下記に詳細に説明される。
図2Aおよび2Bを再び参照すると、いくつかの実施例では、ポンプ110およびコントローラ112は、個別の筐体114、128が相互に直接接続されるように、一体的に形成されることができる。例えば、図2Aおよび2Bに示されるように、ポンプ110の近位端116は、コントローラ112の遠位端132に接続される、および/またはそれと一体的に形成される。その場合、ポンプ110のチャネル122は、流体F1が、尿管8、10、腎盂14、16、膀胱12、または尿道18から、ポンプ110の流動チャネル122およびコントローラ112の流動チャネル136を通して引き出され、コントローラ112の開放近位端130から患者の膀胱12の中に、または管類を通して排出され、膀胱12および尿道18を通して患者の身体の外側に流体を伝導するように、コントローラ112のチャネル136に直接接続され、それと流体連通する。
図3に示されるように、ポンプアセンブリ100の別の実施例では、コントローラ筐体128は、ポンプ筐体114と別個である。その場合、図3に示されるように、ポンプ110およびコントローラ112は、ポンプ110とコントローラ112との間に延在する1つ以上のワイヤ138によって形成される、無線または有線接続を介して接続される。いくつかの実施例では、ワイヤ138は、好適な絶縁を提供するように、かつワイヤ138の挿入および/または尿路からの除去を促進するように、好適な生体適合性シースもしくはコーティングでコーティングされる。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、またはシリコーン等のポリマーコーティングが、使用されてもよい。本実施例では、コントローラ筐体128は、随意に、流動チャネル136を備えることができる。
ワイヤ138は、例えば、動作速度を制御または調節するため、および/またはポンプ要素126の動作を作動または停止させるためのコントローラ112からポンプ110のポンプ要素126への動作命令を備える、電子信号をポンプ110とコントローラ112との間に伝導するように構成されることができる。ポンプ110の電子構成要素によって感知される動作パラメータおよび/または情報は、処理、分析のために、ならびに/もしくはコントローラ112から遠隔源に伝送されるために、有線接続を介してコントローラ112に伝送されてもよい。いくつかの実施例では、ポンプ110とコントローラ112との間のワイヤ138は、長さがかなり短く、ポンプ110が膀胱12の中への尿管口24、26の近傍で尿管8、10の近位部分11内に位置付けられるように構成されることを意味する。他の構成では、ワイヤ138は、ほぼ尿管8、10の長さであり、ポンプ110が腎盂14、16および/または腎臓4、6内に位置付けられ得る一方、コントローラ112が尿管8、10および/または膀胱12内に位置付けられ得ることを意味する。例えば、ワイヤ138は、成人の平均尿管長が約25cm~約30cmであるため、約1cm~約35cmまたは約15cm~約25cmの長さL1を有してもよい。
(電源)
いくつかの実施例では、コントローラ112はさらに、ポンプ110のコントローラ112およびポンプ要素126または機構の電子回路のために電力を提供するための内部電源または外部電源200を備える。電源200は、いくつかの実施例では、例えば、膀胱内に、または身体内の他の場所に、もしくは身体の外側に展開される小型誘導コイルを通した誘導電力伝達を介して、再充電され得る、使い捨てまたは再充電可能バッテリであり得る。誘導コイルは、患者の身体の外側の遠隔デバイスによって発生される電磁場に暴露されたときに、電力を発生させるように構成されてもよい。例えば、遠隔デバイスは、スマートフォンまたはコンピュータタブレット等のコンピュータ化されたデバイスであり得る。他の実施例では、遠隔デバイスは、電磁場を発生させるための回路を備える、コンピュータ化されていないデバイス回路であり得る。一実施例では、電磁場発生電磁回路を備える、ブランケットが、眠っている間に患者に巻着されることができる。電磁場発生回路は、一晩中、または少なくとも再充電可能バッテリが完全に充電されるまで、電力を発生させるように誘導コイルを誘導することができる。患者が、目覚めているときよりも眠っている間に移動する可能性が低いため、電磁場を生成するブランケットの一部が、実質的な時間周期にわたってポンプアセンブリ100および誘導コイルに近接近したままである可能性が高い。
いくつかの実施例では、ポンプアセンブリ100はさらに、図9および10に示される電源200を備える。電源200は、ポンプ110に、および/またはコントローラ112に電子的に結合される、誘導コイル210を備える。近距離無線エネルギー伝達のための誘導コイルが、公知であり、例えば、携帯電話、ラップトップコンピュータ、小型電気器具、および電動工具等のポータブル低電力電子デバイスを充電するために使用される。例示的誘導コイルは、例えば、「Inductive Coil Assembly」と題された、米国特許第6,975,198号に説明される、Fulton Innovationによって開発されたeCoupledシステムである。患者の身体内に位置付けられ、微小電気機械デバイスまたはシステムを動作させるために十分な電力を発生させるために使用され得る、他の公知である、または後に開発される誘導システムもまた、本開示の範囲内で使用されてもよい。
本明細書に説明されるように、誘導コイル210は、電力を発生させ、ポンプアセンブリ100に提供し、ポンプ110およびコントローラ112を動作させる。例えば、誘導コイル210によって生成される電力は、再充電可能バッテリを再充電し、ポンプ110内に配置されるセンサのため、および/またはポンプアセンブリ100と外部デバイスとの間の無線データ伝送のための電力を提供するために、使用されることができる。いくつかの実施例では、本明細書に議論されるように、誘導コイル210は、別のデバイスによって生成される電磁場に暴露されたときに、電力を発生させる。例えば、電磁場は、患者の身体の外側に位置付けられる遠隔制御デバイス310(図12に示される)によって発生されることができる。遠隔制御デバイス310は、例えば、ホルスタ、携帯ケース、ウエストバッグ、またはポケット内に装着され、遠隔デバイス310が、患者の身体に対して平坦に、かつ可能な限り誘導コイル210の近くに保持されるように、位置付けられることができる。
図9および10に示される実施例では、誘導コイル210は、ポリマーシート等の可撓性シート212と、可撓性シート212に埋設される、または取り付けられる伝導性ワイヤ214とを備える。例えば、ワイヤ214は、螺旋パターン、ジグザグパターン、または任意の他の好適なパターンで可撓性シート212に取り付けられることができる。誘導コイル210は、1つ以上のワイヤまたはケーブル216によって、ポンプアセンブリ110に接続されることができる。例えば、コイル210は、コントローラ112の近位端130から延在するケーブル216を通して、コントローラ112に接続されることができる。
いくつかの実施例では、可撓性シート212は、巻回構成234(図13Bに示されるような)と巻回解除または展開構成236(図9および10に示される)との間で遷移可能である。いくつかの事例では、可撓性シート212は、自動的に展開するように構成されてもよい。例えば、シート212は、展開カテーテル410(図13Aおよび13Bに示される)から解放されるときに必然的に巻回解除するように付勢されてもよい。他の実施例では、コイル210は、解放ボタンまたはトリガワイヤ等の手動解放機構を備えてもよい。ユーザが、解放ボタンを押下する、またはトリガワイヤを引動するとき、巻回構成234でコイル210を維持するための掛止機構が、解放し、可撓性シート212が巻回解除することを可能にし、それによって、シート212を展開構成236に遷移させる。
誘導コイル210は、患者の尿路2内の任意の便宜的な位置に位置付けられることができる。例えば、図10に示されるように、誘導コイル210は、コントローラ112に動作可能に接続され、コントローラ112の近位にある位置において患者の膀胱12内に位置付けられることができる。代替として、誘導コイル210は、腹腔内に、膀胱の外側に、腹膜腔内に、生体内の任意の他の便宜的な場所に、または患者の外部に位置付けられてもよい。
(ポンプアセンブリの電気的構成要素)
ポンプアセンブリ100の例示的電子構成要素が、図11の概略図に示される。前述で説明されたように、ポンプアセンブリ100は、ポンプ110と、コントローラ112と、誘導コイル210またはバッテリ226(図11に示される)等の電源200とを備える。誘導コイル210は、電力をコントローラ112に提供するために、ケーブル216によってコントローラ112に動作可能に結合されることができる。
コントローラ112は、コントローラ218と、関連付けられる一過性または非一過性のコンピュータ可読メモリ220とを備える。コントローラ218は、例えば、ポンプ110と通信し、ポンプ要素126の動作を作動または停止させる、および/または動作速度を調節し、患者に送達される負ならびに/もしくは正圧を制御することによって、ポンプを動作させるための命令を受信および実装するように構成される、例えば、1つ以上の汎用マイクロプロセッサを備えることができる。
いくつかの実施例では、コントローラ218は、ポンプアセンブリ100と患者の外部に位置する1つ以上の遠隔制御デバイス310(図12に示される)との間の通信を制御するように構成されることができる。その場合、コントローラ112はさらに、例えば、無線伝送機またはアンテナを備える、通信インターフェース222を備えてもよい。通信インターフェース222は、遠隔源(例えば、図12に示される遠隔制御デバイス310)から命令を受信するように、かつ受信された命令に基づいてポンプ要素の動作を制御する信号を放出するように構成されることができる。
コントローラ112はさらに、配電および管理回路224を備える。図11に示されるように、電力管理回路は、誘導コイル210に電気的に結合される。配電回路224は、誘導コイル210によって発生される電力を受電するように、かつ他のシステム構成要素への発生された電力の分配を制御するように構成されることができる。
いくつかの実施例では、コントローラ112はさらに、コントローラ218および配電回路224に動作可能に接続される、再充電可能バッテリ等のバッテリ226を備えてもよい。バッテリ226は、誘導コイル210によって発生される電力から再充電されることができる。電力が誘導コイル210によって発生されていないときに、システム構成要素は、バッテリ226によって提供される電力を用いて動作し続けることができる。バッテリ226は、コントローラ筐体128内に嵌合するために十分に小さく、生体内の使用のために承認されている、任意のバッテリであり得る。例えば、ペースメーカおよび類似する埋め込みデバイスで使用されるバッテリは、本明細書に説明されるポンプアセンブリ100と併用するために適切であり得る。
前述で説明されたように、コントローラ218を備える、コントローラ112の電子構成要素は、例えば、接続ワイヤ138(図3、9、および11に示される)を通して、または別の好適な電子接続によって、ポンプ110の電気的構成要素と電子通信する。誘導コイル210によって発生される電力は、ワイヤ138を通してポンプ110の電子構成要素に提供されることができる。加えて、コントローラ218によって発生される動作命令は、ポンプ動作パラメータを制御するように、ポンプ110の構成要素に提供されることができる。類似様式で、ポンプ110の構成要素によって収集または発生される情報が、さらなる処理のために、および/または遠隔デバイスに無線で伝送されるために、コントローラ218に通信されることができる。
図11に示されるように、ポンプ110は、ポンプ要素126と、関連付けられる電子構成要素とを備える。例えば、ポンプ110は、ポンプ要素126に動作可能に接続される、電気モータまたは信号発生器等の駆動機構228を備えることができる。種々の異なる駆動機構228が、使用されているポンプ要素126のタイプに応じて、ポンプ110に関連して使用されることができる。例えば、羽根車型ポンプ配列(図7に示されるような)に関して、駆動機構228は、羽根車を回転させる電気モータを備えてもよい。他の実施例では、駆動機構228は、所定のパターンでオンおよびオフになり、羽根車170を所望の速度で回転させる、羽根車170の周囲に配置される電磁要素を備えることができる。ポンプ要素126が圧電要素180である場合、駆動機構228は、電流を発生させ、収縮状態と拡張状態との間で圧電要素180を遷移させるための信号発生器を備えることができる。
いくつかの実施例では、ポンプ110はさらに、ポンプ動作条件について、および/またはチャネル122を通して通過する流体についての情報を測定するためにポンプ110の流動チャネル122内に位置付けられる、1つ以上のセンサ(例えば、ポンプセンサ230および生理学的センサ232)を備えることができる。例えば、ポンプセンサ230は、流体がチャネル122を通して通過していることを確認するため、および/または流率を測定するための流動センサを備えることができる。ポンプセンサ230はまた、発生される負および/または正圧の量もしくはポンプ羽根車回転速度を測定するためのセンサを備えることができる。生理学的センサ232は、チャネル122を通して通過する流体についての情報を測定し、患者の生理学的条件についての情報を判定するための1つ以上のセンサを備えることができる。例示的生理学的センサ232は、例えば、発生された尿の化学組成を表す情報を測定するための静電容量および/または被分析物センサ、尿の酸性を測定するためのpHセンサ、もしくは尿温度を測定するための温度センサを備えることができる。
(保定部材)
いくつかの実施例では、図4に示されるように、ポンプアセンブリ100はさらに、患者の尿路2内のポンプ110および/またはコントローラ112の位置を維持するための保定返し140および/または螺旋返し144等の1つ以上の保定部材を備えることができる。いくつかの実施例では、ポンプ筐体114および/またはコントローラ筐体128は、ポンプ筐体114の一部を、尿管8、10の内部部分28、30、腎盂14、16の内部部分32、34、膀胱12の内部部分40、または患者の尿道18の内部部分のうちの少なくとも1つに解放可能に取り付けるために側壁から延在する、1つ以上の保定部材を備える。保定部材は、尿管8、10、腎盂14、16、膀胱12、または尿道18からのポンプ110の除去を許容するように後退可能である。
保定部材または保定返し140、144は、直線隆起、湾曲隆起、鋭的突出部、釣り針フック、および/またはそれらの組み合わせ等の任意の好適なパターンもしくは配列で形成されることができる。例えば、保定返し140は、展開可能および後退可能であり得る。その場合、返し140は、ポンプアセンブリ100が尿路を通して前進されるにつれて後退位置にあってもよい。いったんポンプアセンブリ100が所望の位置まで前進されると、返し140は、尿管、腎盂、膀胱、または尿道壁の一部に係合し、所望の位置でポンプアセンブリ100を保持するように展開される。例えば、図4に示されるように、例示的ポンプアセンブリ100は、ポンプ110の側壁120から半径方向外向きに延在する、1つ以上の返し140を備える。返し140は、返し140がポンプ110の筐体114の側壁120に対して圧縮され、ポンプアセンブリ100の除去の間に尿管、腎盂、膀胱、または尿道の組織を係脱させ得るように、平坦であり得る。代替として、返し140は、三角形、円、半円、長方形、台形、または多角形等の任意の好適な構成もしくは断面形状を有することができる。返し140は、少なくとも約0.25mmまたは少なくとも約0.45mmであり得、最大約3.0mm、最大約2.5mm、または最大約1.5mmであり得る、縦方向長さL2を有してもよい。返し140は、約1.0mmまたはそれ未満、約0.8mmまたはそれ未満、もしくは約0.5mmまたはそれ未満の幅または直径を有してもよい。挿入に先立って、返し140は、ポンプ110の側壁120からの最大距離、すなわち、約1.0mmまたはそれ未満、約0.8mmまたはそれ未満、もしくは約0.5mmまたはそれ未満の距離に延在してもよい。返し140は、尿路内のポンプ110の位置付けを維持するために好適な半剛性または剛性材料から形成されることができる。例えば、返し140は、金属(例えば、外科用ステンレス鋼)またはプラスチックから形成されることができる。返し140は、尿管壁を穿孔することなく、尿管、腎盂、膀胱、または尿道壁に対して押圧し、その中にわずかに侵入し、ポンプ110の位置付けを維持するための鋭的先端142を備えてもよい。尿管壁厚が、約0.05mm~0.1mmであるため、返し140の先端142は、その量未満だけ尿管、腎盂、膀胱、または尿道壁の中に侵入するべきである。
いくつかの実施例では、返し140は、後退可能である。例えば、返し140は、尿管、腎盂、膀胱、または尿道壁に向かって半径方向外向きの方向に付勢されるが、ポンプアセンブリ100が展開カテーテルを通して患者の尿管、腎盂、膀胱、または尿道の中に前進されているときに、ポンプ筐体114の側壁120に対して後退するように構成されることができる。いったん展開位置に来ると、返し140は、図4に示されるように、展開構成まで半径方向外向きに延在するように構成されてもよい。他の実施例では、返し140は、手動でアクティブ化されるトリガ機構によって延在または後退されることができる。例えば、ユーザは、後退ボタンを押下し、またはトリガワイヤを引動し、返し140から半径方向付勢力を除去し、返し140を後退させてもよい。返し140が後退した後、ポンプアセンブリ100は、尿路から安全かつ容易に除去されることができる。例えば、ポンプ110およびコントローラ112は、膀胱および尿道括約筋を通して、次いで、尿道を通して身体から除去されることができる。
いくつかの実施例では、コントローラ112はまた、ポンプ110上の保定部材に加えて、またはその代わりに、コントローラ112を膀胱壁の内部表面に係留または保定するための1つ以上の保定部材または返し144も備える。返し144は、返し140に関して上記に議論されるものに類似し得る。例えば、図5に示されるように、螺旋保定返し等の保定返し144は、コントローラ112の遠位端132から遠位方向Dに延在する。膀胱12内に位置付けられたとき、返し144は、尿管口24、26の周囲の膀胱壁15の一部27に接触し、コントローラ112を膀胱壁15に固着させるように構成される。例えば、螺旋保定返し等の返し144は、矢印A2(図5に示される)によって示される方向への捻転操作を用いて膀胱壁と係合してもよい。螺旋返し144は、矢印A3によって示されるように、反対方向にコントローラ112を捻転させることによって膀胱壁15から除去されてもよい。いくつかの実施例では、螺旋返し144は、後退可能であり得る。その場合、ユーザは、コントローラ112の近位端が膀胱壁15と接触している状態でポンプアセンブリ100を尿路の中に前進させてもよい。いったんコントローラ112が定位置に来ると、ユーザは、返し144が膀胱壁15の中に埋設され、尿路内のコントローラ112および/またはポンプ110の位置付けを維持するように、返し144を展開する。
(入口ラインを伴うポンプ)
他の実施例では、図6に示されるように、ポンプ110は、尿管8、10内ではなく患者の膀胱12内に位置付けられるように構成されることができる。その場合、筐体114は、コンピュータプロセッサおよびバッテリ等のコントローラ112の電子構成要素を封入するためにも十分に大型であり得る。そのような構成では、ポンプアセンブリ100はさらに、ポンプ110から患者の尿管8、10および/または腎盂14、16の中に延在する、入口ライン146または排出管腔もしくはチャネルを備えることができる。例えば、入口ライン146は、ポンプ110の流体流入ポート150に搭載される近位端148と、尿管8、10および/または腎盂14、16内の設置のための遠位端152とを備える、略管状導管であり得る。いくつかの実施例では、入口ライン146は、約0.33mm~約3.0mmまたは約1.0mm~2.0mmに及ぶ外径を有することができる。いくつかの実施例では、入口ライン146の内径は、約0.165mm~約2.39mm、または約1.0mm~2mm、もしくは約1.25mm~約1.75mmに及ぶことができる。一実施例では、入口ライン146は、6Frであり、2.0±0.1mmの外径を有する。入口ライン146は、従来の尿路カテーテルのために使用される材料等の1つ以上の好適な生体適合性材料から形成されることができる。好適な生体適合性材料は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマーから成ってもよい。入口ライン146の一部はまた、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、および/またはチタン等の金属材料から成る、ならびに/もしくはそれを含浸されることもできる。
いくつかの実施例では、入口ライン146は、尿管および/または腎臓からライン146の内部管腔もしくは流動チャネルの中に流体を引き込むためにその側壁を通して延在する、複数の開口部147または排出孔を備える。他の実施例では、入口ライン146の一部は、スポンジ、メッシュ、織繊維、または類似材料等の多孔質および/または水吸収性材料から形成されることができる。その場合、流体は、多孔質材料を通して管腔または流動チャネルの内部の中に引き込まれることができる。
いくつかの実施例では、入口ライン146の遠位端152は、尿管8、10および/または腎盂14、16に近接する、もしくはその内側の所望の流体収集位置において入口ライン146の位置を維持するための、概して154において示される保定部分を備える。好適な保定部分の非限定的実施例が、米国特許第10,307,564号および第9,744,331号、ならびにPCT国際公開第WO2017/015345号(それぞれは、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。
いくつかの実施例では、保定部分154は、尿管および/または腎盂内の保定部分154の位置付けを許容するように可撓性かつ屈曲可能であるように構成される。保定部分154は、望ましくは、入口ライン146に及ぼされる力を吸収するため、かつそのような力が尿管に伝達されないように防止するために、十分に屈曲可能である。例えば、保定部分154が患者の膀胱に向かって近位方向P(図6に示される)に引動される場合、保定部分154は、尿管を通して引き出され得るように、解巻または直線化し始めるために十分に可撓性であり得る。同様に、保定部分154は、腎盂または尿管内の他の好適なより広い領域の中に再挿入されたときに、その展開構成に戻るように付勢されることができる。
いくつかの実施例では、保定部分154は、入口ライン146と一体的である。その場合、保定部分154は、所望の流体収集場所において保定部分154を保定するように定寸および成形される屈曲または変曲を入口ライン146に付与することによって、形成されることができる。好適な屈曲またはコイルは、ピグテールコイル、コルクスクリュコイル、および/または螺旋コイルを備えることができる。例えば、保定部分154は、腎盂14、16に近接して、またはその内側で尿管8、10内において入口ライン146に接触し、それを受動的に保定するように構成される、1つ以上の半径方向および縦方向に延在する螺旋コイルを備えることができる。他の実施例では、保定部分154は、入口ライン146の半径方向にフレア状またはテーパ状の部分から形成される。例えば、保定部分154はさらに、テーパ状または漏斗形状の内側表面等の流体収集部分を備えることができる。他の実施例では、保定部分154は、入口ライン146に接続され、そこから延在する、別個の要素を備えることができる。
ここで図6を参照すると、例示的保定部分154は、収縮構成と展開構成との間で移行することが可能である、1つ以上の完全コイルおよび1つ以上の半または部分コイル等の複数の螺旋コイルを備える。例えば、略直線ガイドワイヤが、略直線収縮構成で保定部分154を維持するように、保定部分154を通して挿入されることができる。ガイドワイヤが除去されるとき、保定部分154は、そのコイル状構成に遷移することができる。いくつかの実施例では、コイル156は、入口ライン146の遠位部分152において半径方向および縦方向に延在する。いくつかの実施例では、保定部分154は、1つ以上のコイル156を備えることができ、各コイルは、尿管および/または腎盂の内壁の少なくとも一部に接触し、患者の尿管ならびに/もしくは腎盂内の所望の位置で入口ライン146を維持するために十分な外側コイル直径を有する。
いくつかの実施例では、コイル状保定部分は、第1の外径162を有する、少なくとも第1のコイル160と、第1の外径162よりも小さい第2の外径166を有する、少なくとも第2のコイル164とを備える。図6に示されるように、第2のコイル164は、第1のコイル160よりも保定部分154の基部の近傍にある(すなわち、排出チャネルの遠位部分の端部に近い)。第1の外径162は、約12mm~約16mmまたは約13mm~約15mmに及ぶことができる。第2の外径166は、約16mm~約20mmまたは約17mm~約19mmに及ぶことができる。保定部分154はさらに、保定部分154の軸を中心として延在する、第3のコイル168を備えることができる。第3のコイル168は、第1のコイル外径162または第2のコイル外径166のいずれか一方を上回る、またはそれと等しい第3の外径169を有してもよい。図6に示されるように、第3のコイル168は、保定部分154の基部に(すなわち、排出チャネルの遠位部分の端部に隣接して)位置付けられる。第3の外径169は、約12mm~約20mmに及ぶことができる。コイル状保定部分154は、約14mm~約18mmに及ぶ高さHを有することができる。
いくつかの実施例では、患者の身体の中への挿入に先立って、または挿入後に、保定部分154の中心軸190は、排出管腔(入口ライン146)の流動チャネルの中心軸192と同延である、それと略平行である、および/またはそれに対して湾曲される、もしくは角度を付けられることができる。いくつかの実施例では、保定部分154の軸190の少なくとも一部は、0~約90度、または約15度~約75度、もしくは約45度の中心軸192からの角度194において延在する。
いくつかの実施例では、患者の尿路の中への挿入に先立って、保定部分の近位にある排出チャネルの一部が、直線または曲線中心軸を画定し、展開されたとき、保定部分のコイルは、流動チャネル122の一部の直線または曲線中心軸192と少なくとも部分的に同延または同延である、保定部分154の中心軸190を中心として延在する。
いくつかの実施例では、複数のコイル156は、同一の内および/または外径Dならびに高さHを有することができる。その場合、コイル156の外径162、166、169は、約10mm~約30mmに及ぶことができる。各コイル156の中心線の間の高さH2は、約3mm~約10mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、保定部分154は、腎盂のテーパ状部分内に挿入されるように構成される。例えば、コイル156の外径Dは、入口ライン146の遠位端152に向かって増加し、テーパ状または部分的テーパ状構成を有する、螺旋構造をもたらし得る。例えば、テーパ状螺旋部分の遠位または最大外径169は、腎盂の寸法に対応する、約10mm~約30mmに及ぶ。
いくつかの実施例では、コイル156の外径162、166、169、および/または高さH2は、規則的または不規則的な様式で変動し得る。例えば、コイルの外径162、166、169、またはコイルの間の高さH2は、隣接するコイル156の間で規則的な量(例えば、約10%~約25%)だけ増加または減少し得る。例えば、3つのコイル(例えば、図6に示されるような)を有する、保定部分154に関して、最近位コイルまたは第1のコイル160の外径162は、約6mm~約18mmに及ぶことができ、中央コイルまたは第2のコイル164の外径166は、約8mm~約24mmに及ぶことができ、最遠位または第3のコイル168の外径169は、約10mm~約30mmに及ぶことができる。
漏斗形状の構造、膨張可能もしくはバルーン構造、多孔質および/またはスポンジ状構造、ならびに拡張可能ケージ構造等の好適な保定部分の他の非限定的実施例が、米国特許第10,307,564号および第9,744,331号、ならびにPCT公開第WO2017/015345号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。好適なカテーテル、システム、および使用方法のいくつかの実施例もまた、米国特許出願公開第2017/0348507号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。
随意に、保定部分154はさらに、1つ以上の穿孔または排出孔147を備えることができる。穿孔または排出孔147は、尿廃棄物が入口ライン146の外側から流動チャネル122の内側まで流動することを可能にするように、例えば、保定部分154上またはそれに隣接して、入口ライン146の側壁上に、またはそれを通して配置される、入口ライン146の内部の中に流体を引き込むように構成されることができる。排出孔147は、入口ライン146の側壁に沿って離間配列に位置付けられることができる。いくつかの実施例では、保定部分154はさらに、保定部分154の遠位端152に付加的孔を備えることができる。
排出孔147は、例えば、入口ライン146の開放遠位端152に近接して位置することができる。他の実施例では、穿孔区分および/または排出孔147は、入口ライン146の遠位部分の側壁185に沿って配置される。排出孔147は、流体収集を補助するために使用されることができる。他の実施例では、保定部分154は、保定構造および流体収集専用であって、および/または負圧の付与は、入口ライン146上の他の場所における構造によって提供される。
いくつかの実施例では、入口ライン146の保定部分154は、半径方向内向きに面した側186と、半径方向外向きに面した側187とを備える、側壁185を備える。そのような事例では、半径方向内向きに面した側186の穿孔または孔147の総面積は、半径方向外向きに面した側187の穿孔または孔147の総面積を上回り得る。半径方向外向きに面した側187には、穿孔が本質的にない、またはなくあり得る。
排出孔147は、任意の形状であって、流体F1が排出孔147を通して入口ライン146の管腔の中に通過することを可能にするために好適な任意の構成で配列されることができる。例えば、排出孔147は、円形または非円形(例えば、楕円形、正方形、長方形、多角形、不規則な形状)、もしくはそれらの任意の組み合わせであり得る。排出孔147の位置およびサイズは、保定部分154の所望の流率および構成に応じて変動し得る。円形排出孔147に関して、排出孔147のそれぞれの直径は、約0.05mm~1.1mm、約0.7mm~約0.9mmに及ぶことができる。各排出孔147の断面積は、約0.002mm2~約1.0mm2または約0.35mm2~約0.65mm2に及んでもよい。隣接する排出孔147の間の距離、例えば、コイルが直線化されるときの隣接する排出孔147の中心点の間の線形距離は、約20mm~約25mmまたは約21mm~約23mmに及ぶことができる。排出孔147は、任意の配列、例えば、線形またはオフセットで離間されることができる。保定部分154上の排出孔147の全ての総断面積は、約0.002mm2~約10cm2、約0.02mm2~約8cm2、または約0.2mm2~約5cm2に及ぶことができる。いくつかの実施例では、非円形排出孔147は、約0.00002mm2~約1.0mm2または約0.02mm2~約0.8mm2の断面積を有する。
いくつかの実施例では、排出孔147は、流動チャネル122の中に引き込まれ得る流体の量を増加させるように、入口ライン146の側壁185の周辺全体の周囲に位置する。他の実施例では、排出孔147は、排出孔147の閉塞または妨害を防止するように、本質的にコイル156の半径方向内向きに面した側186の上のみに配置されることができ、コイルの外向きに面した側187は、本質的に排出孔147がなくてもよい。例えば、負圧が尿管および/または腎盂内で誘発されるとき、尿管ならびに/もしくは腎臓の粘膜組織が、保定部分154に対して引き寄せられ得、保定部分154の外周上のいくつかの排出孔147を閉塞し得る。保定構造の半径方向内向き側に位置する排出孔147は、そのような組織が保定部分154の外周に接触するときに、著しく閉塞されないであろう。さらに、排出孔147との噛込または接触からの組織の傷害のリスクが、低減または改善されることができる。
いくつかの実施例では、保定部分154は、刺激を尿管および腎盂の隣接する組織内の神経ならびに筋繊維に提供するための1つ以上の機械的刺激デバイスを備えることができる。例えば、機械的刺激デバイスは、入口ライン146の側壁185の一部に埋設され、またはそれに隣接して搭載され、低レベルの振動を発するように構成される、線形または環状アクチュエータを備えることができる。いくつかの実施例では、機械的刺激は、尿管および/または腎盂の一部に提供され、負圧の印加によって取得される治療上の効果を補完または修正することができる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、そのような刺激は、例えば、尿管および/または腎盂と関連付けられる神経を刺激すること、ならびに/もしくは蠕動筋肉を作動させることによって、隣接する組織に影響を及ぼすと考えられる。神経の刺激および筋肉の活性化は、周囲組織ならびに器官内の圧力勾配または圧力レベルの変化をもたらし得、これは、負圧療法の治療上の利点に寄与する、またはある場合には、それを向上させ得る。
いくつかの実施例では、ポンプ110はさらに、ポンプ110から患者の尿路の一部2まで延在する、出口ライン158を備える。出口ライン158は、類似材料から形成され、入口ライン146に類似する寸法を有することができる。出口ライン158は、膀胱から尿道括約筋および尿道を通して身体の外部の収集コンテナまで延在してもよい。いくつかの実施例では、出口ライン158の長さは、患者の性別および年齢に応じて、約30cm~約120cmに及んでもよい。
(負圧療法システム)
ここで図12を参照すると、ポンプアセンブリ100は、負圧療法を患者に提供するための負圧療法または治療システム300の構成要素であり得る。システム300は、ポンプアセンブリ100の動作を制御するため、かつポンプアセンブリ100の留置構成要素によって発生されるデータを受信、処理、および分析するために、患者の身体の外側に位置付けられる、1つ以上のコンピュータデバイスと通信する、ポンプアセンブリ100を備える。
いくつかの実施例では、図12に示されるように、システム300は、ポンプアセンブリ100のコントローラ112と有線または無線通信する、遠隔制御デバイス310を備える。遠隔制御デバイス310は、ポンプアセンブリ100と通信するように構成される、専用電子デバイスであり得る。他の実施例では、遠隔制御デバイス310は、ポンプアセンブリ100と通信する、および/またはその動作を制御するためのソフトウェアを実行するように構成される、汎用コンピュータデバイスを備える。例えば、遠隔制御デバイス310は、スマートフォン、コンピュータタブレット、または携帯情報端末等のハンドヘルドウェブ対応コンピュータデバイスであり得る。他の実施例では、遠隔制御デバイス310は、当技術分野で公知であるように、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、またはコンピュータサーバを備えることができる。遠隔制御デバイス310は、患者に近接近して位置することができる。例えば、前述で説明されたように、遠隔制御デバイス310は、患者によって装着されるポケット、ウエストバッグ、ホルスタ、またはハーネス内に容易に格納され、可能な限りポンプアセンブリ100の近くに遠隔制御デバイス310を位置付けるように構成される、ポータブルデバイスであり得る。他の実施例では、遠隔制御デバイス310は、BLUETOOTH(登録商標)等の短距離データ通信プロトコルまたはWiFi等の長距離データ通信プロトコルによって、ポンプアセンブリ100と通信するように構成される、例えば、患者の家または病室内に設置される、定常電子デバイスを備えてもよい。
いくつかの実施例では、遠隔制御デバイス310は、コントローラ312と、ポンプアセンブリ100および他の遠隔コンピュータデバイスまたはネットワークと通信するように構成される、通信インターフェース314と、随意に、電磁場を発生させ、誘導コイル210に電力を発生させるように構成される、電磁場発生器316とを備える。
いくつかの実施例では、遠隔制御デバイス310はさらに、視覚ディスプレイ320等のフィードバックデバイスに動作可能に接続される、フィードバックおよび/またはユーザインターフェースモジュール318を備える。フィードバックおよび/またはユーザインターフェースモジュール318は、ポンプ110と関連付けられる1つ以上のセンサ230、232によって発生される情報を受信するように、かつポンプアセンブリ100の動作条件について、および/または患者の生理学的条件についてフィードバックをユーザに提供するように構成されることができる。例えば、フィードバックおよび/またはユーザインターフェースモジュール318は、視覚ディスプレイ320に、流動チャネル122を通して通過する尿の体積ならびに/もしくは流率について、またはポンプ110によって発生されている負圧の量についての情報を表示させるように構成されてもよい。他の実施例では、表示される情報はまた、バッテリ226の残りの充電またはバッテリ226が再充電される必要があろうまでの推定時間等のポンプアセンブリ100についての情報を備えることもできる。
いくつかの実施例では、患者のための治療プロトコルについての情報もまた、表示されることができる。例えば、負圧が患者に送達され続けるであろう時間の長さについて、または患者に送達されるべき正および負圧のパターンを示す情報が、表示されてもよい。
いくつかの実施例では、通信インターフェース314は、コントローラ112の通信インターフェース314と通信するように構成される、短距離データ送受信機322を備える。例えば、短距離データ送受信機322は、Bluetooth(登録商標)送受信機、近距離通信(例えば、RFID)送受信機、または類似データ伝送デバイスを備えることができる。遠隔制御デバイス310は、可能な限りポンプアセンブリ100の近くに位置付けられるように構成されるため、短距離データ送受信機322の伝送範囲は、わずか数フィートまたはそれ未満である必要がある。いくつかの実施例では、通信インターフェース314はさらに、ポンプアセンブリ100および遠隔制御デバイス310によって収集される情報をコンピュータネットワーク326、データベース328、またはウェブベースのポータルもしくはウェブサイト330等の遠隔源に伝送するための長距離データ送受信機324を備える。例えば、患者について、および/またはポンプアセンブリ100によって提供される治療についての情報が、患者の電子健康記録内の包含のために、遠隔制御デバイス310から遠隔データベース328に伝送されることができる。治療が提供されたという確認もまた、担当医師等の医療専門家に伝送されることができる。医師は、例えば、ウェブベースのポータル330を使用して、患者についての生理学的情報とともに確認を精査することが可能であり得る。
(展開)
ポンプアセンブリ100、バッテリ226、および/または誘導コイル210は、患者の尿道を通して膀胱、尿管、ならびに/もしくは腎盂の中に挿入されるように構成される。このように設置および展開を促進するために、本明細書に説明されるポンプアセンブリ100は、カテーテル管等の展開デバイス内に嵌合するように構成され、いったん管から前進されると、展開位置に自動的に遷移するように構成される。いくつかの構成では、アセンブリ100全体、特に、ポンプ110、コントローラ112、および誘導コイル210は、例えば、12~16Frカテーテル(外径が4.0~5.3mm)を使用して、尿道を介して尿管および膀胱の中に送達されることができる。他の実施例では、ポンプアセンブリ100の一部が、腹部切開または腎瘻造設もしくは人工膀胱造設経皮手技を通して送達されることができる。
図13Aおよび13Bに示されるように、ポンプアセンブリ100と併用するための例示的展開カテーテル410は、尿道を通して尿路の中に挿入されるように構成される、開放遠位端414と、患者の身体の外側に留まるように構成され得る、近位端416と、その間に延在する、可撓性医療グレードプラスチック材料から形成される実質的に連続的な側壁等の側壁418とを備える、可撓性伸長管412を備える。例えば、伸長管412は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマーから形成されることができる。伸長管412の一部はまた、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、および/またはチタン等の金属材料から成る、ならびに/もしくはそれを含浸されることもできる。管412等のカテーテル410の少なくとも一部または全体は、挿入および/または除去を促進するように、ならびに/もしくは快適性を向上させるように、親水性コーティングでコーティングされることができる。いくつかの実施例では、コーティングは、疎水性および/または潤滑コーティングを備える。例えば、好適なコーティングは、Koninklijke DSM N.V.によって生産されたComfortCoat(登録商標)親水性コーティング、または、例えば、米国特許第8,512,795号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されているような、高分子電解質から成る親水性コーティングを備えることができる。
いくつかの実施例では、管412の近位端416は、尿道を通して膀胱および/または尿管の中にカテーテル410を位置付ける際にユーザを補助するためのガイドワイヤ管腔ポートを備える、ハブ(図示せず)を備えることができる。カテーテル410は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマーから形成される、標準展開カテーテルであり得る。前の実施例におけるように、カテーテル410の一部はまた、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、および/またはチタン等の金属材料から成る、ならびに/もしくはそれを含浸されることもできる。伸長管412は、12Fr管~16Fr管等の尿路内の挿入のための任意の標準サイズであり得る。伸長管412の長さは、患者の性別および年齢に応じて、約30cm~約120cmに及んでもよい。
図13Aおよび13Bに示されるように、ポンプ110と、コントローラ112と、誘導コイル210とを備える、ポンプアセンブリ100は、収縮構成および位置で管412内に位置付けられるように構成される。ポンプアセンブリ100は、図13Bに示されるように、プッシャロッド420によって管412を通して前進される。いったんカテーテル410の開放遠位端414が、尿路を通して膀胱、尿管、または腎臓内の所望の位置まで前進されると、ユーザは、伸長管412を通してプッシャロッド420を前進させ、ポンプアセンブリ100の構成要素を、その開放遠位端414を通して管412から退出させてもよい。いったん管412を取り除くと、ポンプ110およびコントローラ112の構造は、収縮構成または位置から展開構成または位置に展開してもよい。例えば、半径方向に延在する返し140(図4に示される)は、ポンプ110の側壁120から半径方向外向きに延在し、内部尿管壁と接触し、尿管内のポンプ110の位置付けを維持してもよい。類似様式で、いったん誘導コイル210が伸長管412の開放遠位端414を越えて延在すると、前述で説明された様式で巻曲解除してもよい。いくつかの実施例では、誘導コイル210は、その巻曲解除状態に付勢されてもよい。その場合、誘導コイル210は、伸長管412から除去されるとすぐに自動的に巻曲解除してもよい。他の実施例では、ユーザは、解放ボタンまたはトリガワイヤを作動させることによって、手動で誘導コイル210を巻曲解除させてもよい。
患者の尿路内にポンプアセンブリ100を展開するために、医療専門家が、最初に、ガイドワイヤを膀胱および/または尿管内の所望の位置まで前進させてもよい。いくつかの事例では、膀胱鏡等の可視化デバイスが、膀胱および尿管開口部の可視化を取得し、ガイドワイヤの遠位端の位置付けを補助するために使用されてもよい。送達カテーテル410は、ガイドワイヤにわたって送達されることができる。例えば、医療専門家が、ガイドワイヤにわたって送達カテーテル410を挿入し、尿管口24、26に向かってガイドワイヤにわたってカテーテル410の遠位端414を前進させてもよい。いったんカテーテル410の遠位端414が定位置に来ると、医療専門家は、展開伸長管412を通してプッシャロッド420を前進させることによって、伸長管412からポンプアセンブリ100を押動させ始めることができる。伸長管412から排出されるにつれて、ポンプ110の開放遠位端118は、尿管口24、26を通して、患者の尿管8、10の遠位端9の中に前進される。コントローラ112および誘導コイル210は、膀胱内に留まることができる。
いくつかの実施例では、前述で議論されたように、ポンプ110および/またはコントローラ112の筐体114、128は、ポンプ110および/またはコントローラ112を尿管、腎盂、膀胱、もしくは尿道の表面に搭載するための後退可能または恒久的に延在する返し140、144を備えることができる。いくつかの実施例では、いったんポンプ110およびコントローラ112を備えるポンプアセンブリ100が、患者の尿路内の定位置に来ると、ユーザは、解放機構を作動させ、返し140、144を尿管、腎盂、膀胱、または尿道の内壁に向かって延在させてもよい。他の実施例では、返し140、144は、伸長管が後退されるにつれて、自動的に延在してもよい。伸長管412の後退はまた、展開可能誘導コイル210を巻回構成から略平坦構成に巻曲解除させる。
(膀胱ポンプアセンブリ)
本開示の別の側面によると、システムおよびデバイスは、膀胱内で負圧を誘発するために構成されることができる。膀胱内で負圧を誘発するための膀胱ポンプ510を備える、概してアセンブリ500として識別される、膀胱ポンプアセンブリの実施例が、図14に図示される。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、膀胱内で誘発される負圧は、誘発された負圧がまた、尿管および腎臓に作用し、それによって、腎臓から尿を引き出し、前述で説明された例示的アセンブリに類似する療法結果を達成するように、膀胱および尿管口を通して伝送すると考えられる。前述で議論されたように、腎臓に印加される負圧は、尿産生を向上させ、静脈鬱滞の低減または急性腎臓傷害のリスクの低減等の生理学的利益をもたらすと考えられる。
図14を参照すると、膀胱ポンプ510は、前述で説明されたポンプに実質的に類似し得、例えば、図7および8に示されるような羽根車または圧電構成を備えることができる。いくつかの実施例では、膀胱ポンプ510は、患者の膀胱内の設置のために定寸される環状筐体512を備える。例えば、膀胱ポンプ510は、括約筋20が、筐体512の外側円周514を中心としてシールし、流体が膀胱12から漏出しないように防止するように、尿道開口部または括約筋20に隣接して設置されることができる。
いくつかの実施例では、膀胱ポンプ510は、ポンプ510の中心チャネル513の中に流体を引き込むためにポンプ510の側壁534を通して延在する、流体進入孔またはポート532を備える。いくつかの実施例では、排出孔またはポート532のそれぞれの直径は、約0.5mm~2.0mmまたは約0.75mm~1.0mmである。側壁534の円周を中心とする隣接する排出孔またはポート532の間の距離は、約5mm~約30mmまたは約10mm~20mmであり得る。孔またはポート532は、膀胱12から膀胱ポンプ510の中に流体を引き込むために好適なサイズおよび形状であり得る。例えば、孔またはポート532は、円形、非円形(例えば、楕円形、正方形、長方形、多角形、および/または不規則な形状)、もしくはそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施例では、孔またはポート532は、固体材料が膀胱ポンプ510の中に引き込まれないように防止するためのスクリーンまたはフィルタによって被覆されることができる。
アセンブリ500はさらに、膀胱ポンプ510から延在する、膀胱壁支持体516を備える。膀胱壁支持体516は、負圧が膀胱ポンプ510によって膀胱12、尿管8、10、および腎臓4、6に印加されるときに、膀胱壁15の上部分15a(図14に示されていない)が圧潰しないように防止するように構成される。特に、膀胱壁支持体516は、尿管口24、26が圧潰された膀胱壁15によって閉塞されていない非圧潰状態で、少なくとも膀胱12の上部分15aを維持する。負圧を膀胱、尿管、および腎臓等の尿路の一部に提供するための負圧療法システムで使用され得る、例示的膀胱壁支持体が、「Catheter Device and Method for Inducing Negative Pressure in a Patient’s Bladder」と題された、PCT公開第WO2017/015345号(その内容が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
いくつかの実施例では、膀胱壁支持体516は、圧潰状態から膨張状態に拡張するように構成される、膨張可能バルーン518を備える。バルーン518は、上部膀胱壁15aから膀胱12の三角部領域22を隔離し、それによって、負圧がそこに印加されるときに、上部膀胱壁15aが三角部領域22の中に圧潰しないように防止するように構成される。いくつかの実施例では、バルーン518は、直径が約1.0cm~2.3cm、好ましくは、直径が約1.9cm(0.75インチ)であり得る。バルーン518は、好ましくは、例えば、生体適合性ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、Teflon(登録商標))、シリコーンコーティングされたラテックス、またはシリコーンから成る、可撓性材料から形成される。
図14に示されるように、いくつかの実施例では、バルーン518は、最大膨張幅L1を有する、略平坦化または伸長断面を有する。膨張幅L1は、例えば、約15cmまたはそれ未満、もしくは約10cmまたはそれ未満であり得る。膨張幅L1は、概して、バルーン518の最大膨張高さL2を上回る。最大膨張高さL2は、約5cmまたはそれ未満であり得る、もしくは約2.5cmまたはそれ未満であり得る。幅L1は、概して、患者の膀胱の幅に対応する。いくつかの実施例では、バルーン518の底または近位表面520は、尿管口24からの尿の自由流を許容するように、膀胱の近位表面から約1cm~約3cmオフセットされる凹面である。
ポンプアセンブリ500はさらに、伸長管状部材524を備える、排出カテーテル522を備える。泌尿系内の挿入のために構成される、本明細書に説明される他のカテーテルおよび管状部材と同様に、排出カテーテル522の管状部材524は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマー等の任意の好適な可撓性材料から形成されることができる。前の実施例におけるように、管状部材524の一部はまた、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、および/またはチタン等の金属材料から成る、ならびに/もしくはそれを含浸されることもできる。いくつかの実施例では、管状部材524の少なくとも一部または全体は、挿入および/または除去を促進するように、ならびに/もしくは快適性を向上させるように、親水性コーティングでコーティングされることができる。いくつかの実施例では、コーティングは、疎水性および/または潤滑コーティングを備える。例えば、好適なコーティングは、ComfortCoat(登録商標)親水性コーティングを備えることができる。
いくつかの実施例では、伸長管状部材524は、膀胱ポンプ510の近位端511から、尿道18を通して患者の身体の外側まで延在する。排出カテーテル522は、尿収集バッグまたはパウチ(図示せず)等の流体収集コンテナに接続されてもよい。排出カテーテル522は、膀胱ポンプ510のチャネル513と流体連通する、1つ以上の排出管腔526を備える、単一または多重管腔カテーテルであり得る。いくつかの実施例では、排出カテーテル522はさらに、膨張可能バルーン518の内部530と流体連通する、膨張管腔528を備える。図14に示されるように、いくつかの実施例では、膨張管腔528は、膀胱ポンプ510を通してバルーン518の内部530の中に延在する。膨張管腔528は、生理食塩水等の充填材料を送達し、バルーン518を膨張させるために使用される。ユーザが、身体からポンプアセンブリ500を除去するために準備されるとき、バルーン518は、膨張管腔528を通して身体から外に、バルーン内部520内に含有される生理食塩水等の充填材料を空にすることによって、収縮されることができる。
いくつかの実施例では、膨張管腔528は、図14に示されるように、排出管腔526を通して延在する。例えば、膨張管腔528は、排出管腔526の縦方向中心軸X1が、膨張管腔528の縦方向中心軸と略同延であるように、排出管腔526を通して延在してもよい。しかしながら、排出管腔526および膨張管腔528の多くの異なる配列が、本開示の範囲内で使用されてもよい。例えば、別個の排出管腔526および膨張管腔528が、並んだ構成で排出カテーテル522を通して延在してもよい。排出管腔526および膨張管腔528の他の構成もまた、当業者に明白であろう。
使用時、膀胱ポンプ510と、膀胱壁支持体516と、伸長管状部材524とを備える、膀胱ポンプアセンブリ500は、尿道18を通して膀胱12の中に前進される。膀胱壁支持体516のバルーン518は、次いで、図14に示されるように、膀胱12内で拡張される。いったん伸長部材524および膀胱ポンプ510が定位置に来ると、尿道括約筋20は、膀胱ポンプ510の外側円周514の周囲にシールまたは部分的にシールすることを可能にされることができる。いったんバルーン518および膀胱ポンプ510が膀胱12内に位置付けられると、ユーザは、膀胱ポンプ510のポンプ要素を作動させ、膀胱12から流体進入ポート532を通して膀胱ポンプ510の中に尿を引き込んでもよい。膀胱ポンプ510によって発生される負圧はまた、尿路のより遠位の部分に作用する。例えば、尿管および腎臓は、本明細書に説明される様式で腎潅流を増加させるように、負圧に暴露されることができる。膀胱ポンプ510が作動されるとき、流体が、ポンプ要素の運動に起因して、膀胱ポンプ510のチャネル513を通して引き出され、膀胱ポンプ510から排出カテーテル522の排出管腔526に排出される。収集された流体は、身体から、患者の身体の外側に位置するバッグまたはパウチ等の流体収集コンテナ内に収集される、排出カテーテル522を通して排出する。収集された尿は、患者生理学的条件を監視するように、かつポンプアセンブリ510が予期される様式で動作し、負圧を提供していることを確認するように、分析されることができる。膀胱ポンプ510はさらに、膀胱ポンプ510を通して通過する尿の特性を検出し、ポンプ性能および/または患者の生理学的条件を監視するように構成される、センサ230、232を備えることができる。
(埋込型ポンプシステム)
図15A-16Cを参照して、本開示の別の側面によると、患者の身体内であるが、尿路の外側に位置付けられるように構成される、ポンプ612を備える、埋込型ポンプアセンブリまたはポンプシステム600が、提供される。前の実施例におけるように、埋込型ポンプシステム600は、患者の腎盂および/または腎臓内で負圧を提供または誘発するように構成される。
前の実施例と異なり、ポンプシステム600のポンプ612および電気的構成要素は、尿路内に位置付けられない。代わりに、図15Aおよび16Aに示されるように、ポンプシステム600のポンプ612は、尿路の外側で患者の腹腔または腹膜内に位置付けられる。本明細書で使用されるように、「腹腔」は、腹壁と脊椎との間の空間を備える、腹部内の空洞を指し得る。腹腔は、食道の下部、胃、小腸、結腸、直腸、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、および膀胱を含む、器官を含有する。「腹膜」は、腹腔を覆う、および/または腹腔内の器官を被覆する、組織もしくは膜を指す。他の実施例では、ポンプ612は、皮下腔もしくは患者の骨盤および/または泌尿系に隣接する他の好適な位置に位置付けられ得る。例えば、ポンプ612は、皮膚の底層と患者の肋骨との間の空間に埋め込まれ得る。
概して、ポンプシステム600は、腎盂または腎臓内の流体(例えば、尿)を収集するため、かつ尿管を通してポンプ612に流体を伝導するために、前述で説明された尿管カテーテルおよび流体入口ラインに類似する、尿管カテーテル614を備える。ポンプシステム600はさらに、収集された流体を、ポンプ612から、それが身体から尿道を通して必然的に排出され得る、膀胱の中に、伝導するためにポンプ612と流体連通する、流出導管またはカテーテル616を備えることができる。出口カテーテル616はまた、例えば、患者の膀胱および尿道を通して、患者の身体から流体を排出するための外部収集コンテナまで延在してもよい。図15Aおよび16Aに示されるように、アセンブリ全体または実質的に全体が尿路2内に位置付けられた、前の実施例と異なり、カテーテル614、616は、膀胱壁内の1つ以上の切開を通して通過することによって、尿路から退出する。本明細書に説明されるように、多重管腔および/または同軸カテーテル部分ならびに/もしくは管状シャントの種々の配列が、患者の身体内にポンプシステム600を埋め込んでいる間に作製される、膀胱壁内の切開の数を最小限にするように提供されることができる。例えば、カテーテル614、616は、単一の管状シャントを通して膀胱壁を通して通過する、別個の管であり得る。代替として、カテーテル614、616は、膀胱壁内の1つだけの切開が必要とされるように、1つのカテーテル(例えば、流入カテーテル614)の管が、第2のカテーテル(例えば、流出カテーテル616)の管内に完全または部分的に封入される、多重管腔配列で提供され得る。
本明細書に説明され、図15A-15Dに示されるように、いくつかの実施例では、ポンプシステム600は、身体内に少なくとも部分的または完全に埋め込まれるように構成され、例えば、有線または無線充電アセンブリを使用して、再充電されることができる。本明細書で使用されるように、ポンプシステムは、ポンプシステム600の全てまたは実質的に全ての処理および制御構成要素が、身体内に埋め込まれるポンプ612内に提供されるときに、「完全に埋め込まれる」。そのような場合において、ポンプ612は、外部源から(例えば、バッテリを再充電するように)電力を周期的に受電してもよいが、別様に独立して動作する。他の実施例では、図16A-16Cに示されるように、制御回路および/または電力供給部等のポンプシステム600の一部が、身体の外側に位置する別個の外部または遠隔デバイス内に位置付けられてもよい。外部または遠隔デバイスは、ポンプシステム600の埋め込まれた部分と有線または無線通信することができる。例えば、ポンプ612は、ポンプ612と遠隔デバイスとの間に延在する、シールド経皮的ワイヤ670(図16A-16Dに示される)を介して、外部電力供給部から電力を受電し得る。別個の電力供給部を使用することによって、バッテリまたは他の電力供給部回路が、身体内に埋め込まれるポンプ612に含まれないため、ポンプ612の寸法は、最小限にされ得る。
尿管カテーテル614は、前述で説明された例示的尿管カテーテルのうちのいずれかと形状およびサイズが類似し得る。前の実施例におけるように、尿管カテーテル614は、腎臓および/または腎盂からポンプ612に尿を伝導するための排出管腔618を備える。いくつかの実施例では、ポンプシステム600は、両方の腎臓のために同時負圧療法を提供するように同一のポンプ612に接続される、両方の腎臓および/または腎盂内に展開される、尿管カテーテル614を備える。両方の腎臓が同時に治療されるとき、いくつかの実施例では、各腎臓内に展開される尿管カテーテル614は、膀胱内でともに継合してもよく、単一の流入カテーテルまたは管が、膀胱壁内の1つの切開を通して膀胱からポンプ612まで延在する。他の実施例では、尿管カテーテル614は、例えば、膀胱壁内の管状シャントを通してポンプ612まで通過し得る、別個の管として留まってもよい。「Coated Ureteral Catheter or Ureteral Stent and Method」と題された、Erbey et al.に対する米国特許出願公開第2019/0091442号(以降では「第‘442号公開」)、および「Coated Ureteral Catheter or Ureteral Stent and Method」と題された、Erbey et al.に対する米国特許出願公開第2020/0094017号(以降では「第‘017号公開」)(参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)に開示される、尿管カテーテルの実施形態等の多種多様な尿管カテーテル設計が、本明細書に開示されるポンプシステム600と併用されることができる。
いくつかの実施例では、尿管カテーテル614の排出管腔618は、ポンプ612に接続されるように構成される、第1の端部620(他の場所では近位端と称される)と、第2の端部622(他の場所では遠位端と称される)とを備える。第2の端部622は、腎盂および/または腎臓内に、またはその近傍に位置付けられるように構成される。カテーテル614はさらに、管腔618を画定する、第1の端部620と第2の端部622との間に延在する管状側壁を備える。カテーテル614は、尿管内の展開のために好適な任意のサイズであり得る。例えば、カテーテル614は、約1Fr~約9Fr(フレンチカテーテルスケール)であり得る。いくつかの実施例では、カテーテル614の管状部分は、約0.33~約3mmに及ぶ外径を有する。一実施例では、カテーテル614は、6Frであり、2.0±0.1mmの外径を有する。いくつかの実施例では、尿管カテーテル614の内径は、約0.165mm~約2.39mm、または約1.0mm~2mm、もしくは約1.25mm~約1.75mmに及ぶことができる。前述で議論されたように、尿管カテーテル614の一部が、従来の尿路ステントおよびカテーテルのために使用される材料等の1つ以上の好適な生体適合性材料から形成されることができる。例示的材料は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマーから成ることができる。前の実施例におけるように、カテーテル614の一部はまた、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、および/またはチタン等の金属材料から成る、ならびに/もしくはそれを含浸されることもできる。
尿管カテーテル614はさらに、排出管腔618の第2の端部622の一部から半径方向外向きに延在する、前述で説明された保定部分のうちのいずれか等の保定部分624を備えることができる。保定部分624は、保定部分624の直径が排出管腔618の直径を上回る、展開位置まで延在されるように構成されることができる。いくつかの実施例では、保定部分624は、排出管腔618の中への流体流を許容するための少なくとも1つの排出ポート626を備える。いくつかの実施例では、少なくとも1つの排出ポート626は、腎臓によって産生される尿を受容するように位置付けられる、穿孔を保定部分624の内向きに面した側に備える。排出ポート626は、保定部分624の保護された表面積上に位置付けられる、保護された排出ポートであり得、負圧が腎臓および/または腎盂に印加されるときに、保護された排出ポート626が、負圧によって保定部分624に対して引き寄せられる粘膜組織によって閉塞されないことを意味する。前の実施例におけるように、保定部分624上の穿孔は、直径が約0.05mm~約1.1mm、または好ましくは、直径が約0.7mm~約0.9mmであり得る。各穿孔の断面積は、約0.002mm2~約1.0mm2または約0.35mm2~約0.65mm2に及んでもよい。
多種多様な保定部分624が、例えば、第‘442号公開および第‘017号公開に説明されるように、腎盂または腎臓内に尿管カテーテル614の第2の端部622を維持するために使用されることができる。いくつかの実施例では、図15Aおよび16Aに示されるように、保定部分624は、図6に示される螺旋コイルに形状および機能が類似する、螺旋コイルを備える。前の実施例におけるように、保定部分624の螺旋コイルは、例えば、コイル状構成でカテーテル614の第2の端部622を屈曲または捻転させることによって、形成されることができる。コイル状保定部分624は、カテーテル614の端部の近傍のコイルが、保定部分624の基部に位置するコイルよりも幅が広いように、テーパ状であり得る。本テーパ状構成は、腎盂の形状に対応するように選択されることができる。コイル状保定部分624は、カテーテル管の内向きに面した部分または側および外向きに面した部分または側を画定することができる。いくつかの実施例では、排出ポート626または穿孔は、負圧が尿管カテーテル614の排出管腔618を通して印加されるにつれて、排出ポートまたは穿孔が保定部分に向かって引き寄せられる組織によって閉塞されないように保護するように、コイルの内向きに面した側に位置付けられる。その場合、コイルの外向きに面した部分は、穿孔または開口部がなくあり得る。
ポンプシステム600はさらに、身体から収集された流体(例えば、尿)を排出するためにポンプ612から排出場所まで延在する、流出カテーテル616を備える。例えば、流出カテーテル616は、近位端とも称される第1の端部632においてポンプ612に接続される、伸長管または導管であり得る。流出カテーテル616の遠位端とも称される、第2の端部634が、患者の膀胱内に位置付けられることができる。その場合、尿管カテーテル614によって収集される尿は、流出カテーテル616を通して膀胱まで通過することができる。膀胱の中に放出される尿は、身体から尿道を通して必然的に通過することができる。
流出カテーテル616は、尿管カテーテル614に材料組成および寸法が類似し得る。例えば、流出カテーテル616は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマー等の尿管カテーテル614と類似する材料から作製されることができる。流出カテーテル616の長さは、概して、ポンプ612の位置付けに基づく。流出カテーテル616は、望ましくは、患者の膀胱から膀胱壁内の切開を通してポンプ612まで延在するために十分な長さである。流入または尿管カテーテル614および流出カテーテル616が、それらの全長に沿って別個のままである場合、流出カテーテル616は、流入または尿管カテーテル614と同一の幅または直径であってもよい。例えば、流出カテーテル616は、約1Fr~約9Fr(フレンチカテーテルスケール)であってもよい。いくつかの実施例では、流出カテーテル616は、約0.33~約3.0mmに及ぶ外径を有することができる。一実施例では、流出カテーテル616は、6Frであり、2.0±0.1mmの外または外部径を有する。いくつかの実施例では、流出カテーテル616の内径は、約0.165mm~約2.39mm、または約1.0mm~2mm、もしくは約1.25mm~約1.75mmに及ぶことができる。
本明細書にさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施例では、流入または尿管カテーテル614の一部が、流出カテーテル616の管腔内に部分的または完全に封入され、流入または尿管カテーテル614の長さの少なくとも一部に沿って、多重管腔カテーテルを形成することができる。その場合、流出カテーテル616は、流入または尿管カテーテル614を封入するために十分に幅が広い。例えば、流出カテーテル616の多重管腔部分は、約0.5mm~約5.0mmまたは約2.0mm~4.0mmの外径を有してもよい。いくつかの実施例では、流出カテーテル616の内径は、0.33mm~約4.4mmまたは約1.5mm~約3.5mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、前述で議論されたように、ポンプシステム600は、1つが患者の各腎盂および/または腎臓内に展開される、2つの尿管カテーテル614を備える。その場合、両方の尿管カテーテル616は、膀胱壁内の切開の数を削減するように、流出カテーテル616内に封入されてもよい。
ポンプシステム600はさらに、身体に埋め込まれるように構成される、ポンプ612を備える。ポンプ612は、尿管カテーテル614の排出管腔618を通して尿路の一部に負圧を提供する、または及ぼすように構成される。例えば、作動されたとき、ポンプ612は、負圧を腎盂および腎臓に及ぼし、腎臓によって産生される尿を排出管腔618の中に引き込むことができる。いくつかの実施例では、ポンプ612は、尿管カテーテル614の排出管腔618の第1の端部620において測定されるような、約0mmHg~約150mmHgの負圧を提供するように構成される。望ましくは、ポンプ612によって提供される負圧は、患者の腎臓の濾過生体構造または糸球体を横断して圧力勾配を確立し、尿管に向かって尿流を促進するために十分であり得る。
いくつかの実施例では、ポンプ612は、筐体628と、筐体628を通して延在する流体ポート630とを備える。前述で議論された実施例のように、筐体628は、身体内に位置付けられたときに分解しない、任意の好適な生体適合性材料から形成されることができる。埋込型除細動器および/またはペースメーカ等の埋込型心臓デバイスのために使用される材料が、筐体628のために使用されることができる。例えば、筐体628は、ステンレス鋼またはチタン合金等の型打ちされた金属から形成されることができる。代替として、または加えて、筐体628は、当技術分野で公知であるように、ある生体適合性剛性プラスチックから成ってもよい。筐体が尿路内の挿入のために定寸された、前の実施例と異なり、筐体628は、望ましくは、腹腔等の体腔内に、または皮膚と肋骨または筋肉組織との間の皮下腔内に位置付けられるように好適なサイズおよび形状である。筐体628は、硬質の縁および角が身体組織に炎症を起こし得るため、丸みを帯びた縁および/または曲面を備えることができる。いくつかの実施例では、図15Aに示されるように、筐体628は、高さH1と、幅W1と、より浅い深度またはより薄い厚さT1とを有する、細いボックス形状の構造を備える。いくつかの実施例では、高さH1および幅W1はそれぞれ、約25mm~約75mmであり得る。厚さT1は、約5mm~約10mmであり得る。他の実施例では、筐体628は、湾曲または丸みを帯びた縁によって接続される、対向する平坦または略平坦な前および後側を有する、略円盤形状の構造であってもよい。円盤形状の筐体の直径は、約25mm~約75mmであってもよく、円盤形状の筐体の厚さは、約5mm~10mmであり得る。
本明細書にさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施例では、身体に埋め込まれるポンプ612は、切開を通して皮下腔または体腔の中に挿入されるように好適なサイズおよび形状である。筐体628は、当技術分野で公知であるように、従来の縫合技法を使用して、筐体628の一部を身体組織に縫合することによって、皮下腔または体腔内に固着されるように定寸されることができる。当業者によって理解されるであろうように、埋込型除細動器およびペースメーカ等の電子埋込型デバイスの挿入ならびに展開のための従来の技法が、本開示の範囲内のポンプ612を埋め込むために使用されることができる。
ポンプ612の流体ポート630は、尿管カテーテル614および流出カテーテル616の端部620、632に接続し、それによって、尿管カテーテル614および流出カテーテル616の管腔618とポンプ612のポンプ構成要素との間に流体連通を確立するように構成される。流体ポート630は、尿管カテーテル614および流出カテーテル616の端部620、632に係合するように定寸され、故に、尿管カテーテル614および/または流出カテーテル616の外径よりもわずかに大きい直径を有することができる。いくつかの実施例では、ポンプ612は、尿管カテーテル614のための流入流体ポートおよび流出カテーテル616のための別個の流出流体ポート630の両方を備える。他の実施例では、図15A-16Dに示されるように、ポンプ612は、尿管カテーテル614および流出カテーテル616の両方の端部620、632を受容するように定寸される、単一の流体ポート630を備える。例えば、多重管腔配列では、流体ポート630は、外側流出カテーテル616を受容するように定寸されることができ、流体ポート630が流出カテーテル616の外径よりもわずかに大きい直径を有することを意味する。そのような実施例では、流体ポート630は、流出カテーテル616の端部632に係合するように定寸される、外側環状部分と、外側部分によって封入され、尿管カテーテル614の端部620に係合するように構成される、ノズルまたはルアーコネクタ等の内部部分とを備える。ポンプ筐体628内に単一の流体ポート630のみを含むことは、筐体628構造を単純化し、特に、埋込の間にシールされる必要があるポートの数を削減する。
(ポンプの機械的および電気的構成要素)
ポンプ612および/またはポンプシステム600の機械的ならびに電子構成要素が、さらに詳細に説明されるであろう。いくつかの実施例では、図15A-15Dに示されるように、電気的構成要素のうちのいくつかまたは全てが、ポンプ612の筐体628内に位置付けられる。他の実施例では、図16A-16Dに示されるように、ポンプシステム600のいくつかの電気的構成要素が、埋め込まれ得る、または身体の外部にあり得る、別個のデバイス内に含有されることができる。
いくつかの実施例では、ポンプ612は、筐体628を通して流体ポート630からポンプチャンバまたは要素640まで延在する、可撓性または剛性管類等の好適な導管642によって、流体ポート630に接続される、少なくとも1つのポンプチャンバまたはポンプ要素640を備える。ポンプチャンバまたは要素640は、筐体628内に少なくとも部分的に位置付けられ、流体ポート630と流体連通することができる。ポンプチャンバまたは要素640は、尿管カテーテル614の排出管腔618を通してポンプチャンバまたは要素640に流体を引き出すように構成されることができる。ポンプチャンバまたはポンプ要素640は、回転力学的ポンプおよび/または容積型ポンプを備えることができる。本明細書で使用されるように、「回転力学的ポンプ」は、回転ポンプ要素を介して運動エネルギーを圧送された流体に持続的に付与するように構成される、ポンプ機構を指す。回転ポンプ要素は、羽根車、タービン、プロペラ、スクリュ、ギヤベーン、回転子、またはそれらの組み合わせを備えることができる。「容積型ポンプ」は、空間内に固定量の流体を閉じ込め、次いで、放出導管またはパイプを通して閉じ込められた流体を押進させることによって、流体を移動させる、ポンプ要素を指す。容積型ポンプのためのポンプチャンバまたは要素640は、例えば、往復ダイヤフラムを備えることができる。いくつかの実施例では、ポンプ要素640は、圧電ダイヤフラムポンプを備える。他の実施例では、容積型ポンプのポンプ要素640は、蠕動ポンプ要素を備える。
図15A-15Dを具体的に参照すると、いくつかの実施例では、ポンプシステム600はさらに、ポンプ612と統合されるコントローラ644を備える。コントローラ644は、ポンプ612の動作を制御するためにポンプ612のポンプ要素640に動作可能に接続される、処理回路を備える。例えば、コントローラ644は、コンピュータプロセッサ646と、ポンプ612を動作させ、負圧療法を患者に送達するための命令を備える、メモリ648とを備えることができる。特に、プロセッサ646およびメモリ648は、メモリ648上に記憶される、またはコンピュータネットワーク652を経由してアクセス可能な遠隔コンピュータデバイス650等の外部源から受信される、命令に応答して、ポンプ612の動作パラメータを設定および/または調節することによって、ポンプ612を作動させるように構成されることができる。
プロセッサ646およびメモリ648はまた、ポンプシステム600と関連付けられるセンサから受信されるフィードバックに基づいて、ポンプチャンバまたは要素640を制御するように構成されることができる。ポンプシステム600は、アセンブリ600の一部を通した流体流についての情報、ならびに患者の症状についての情報を感知するために異なる場所に位置付けられる、種々の異なるタイプのセンサを備えることができる。センサは、ポンプ612、患者症状、および/または負圧療法治療についての情報をコントローラ644に提供するために、コントローラ644に電気的に接続されることができる。いくつかの実施例では、システム600は、流体導管642またはカテーテル614、616内に位置付けられる、流体センサ654を備える。流体センサ654は、導管642および/またはカテーテル614、616を通して通過する流体の特性またはパラメータを測定するように構成されることができる。ポンプ要素640を制御するために使用され得る、流体特性またはパラメータの実施例は、導管642またはカテーテル614、616内で測定される流体圧力または流量を備えることができる。
いくつかの実施例では、ポンプシステム600はさらに、腎盂内の流体圧力を測定し、腎盂に印加される負圧の大きさを判定するように構成される、尿管カテーテル614の保定部分624の近傍に位置付けられるカテーテルプローブまたはセンサ656を備える。プローブまたはセンサ656は、ポンプシステム600の動作についてのフィードバックを提供するように、尿管カテーテル614を通してポンプ612および統合コントローラ644まで延在する有線接続によって、コントローラ644およびプロセッサ646に電気的に接続されることができる。
いくつかの実施例では、ポンプシステム600はさらに、患者の身体の種々の部分における圧力を測定するためにアセンブリの構成要素の外面上に位置付けられる、圧力センサ658を備える。例えば、圧力センサ658は、腹腔または腹膜組織内に位置付けられるポンプに関して、ポンプ612の筐体628の外部表面上に位置付けられてもよい。圧力センサ658は、負圧療法が患者に提供されるにつれて患者の腹腔内圧を検出するように構成されてもよい。
いくつかの実施例では、プロセッサ646およびメモリ648は、センサ654、656、658からの情報を受信および処理し、流体流および/または患者の症状に関連するパラメータを判定するように構成される。例えば、カテーテル614、616および/または導管642内の流体センサ654からの情報が、尿管カテーテル614を通した流体の流率ならびに/もしくは尿管カテーテル614の管腔618の中に引き込まれる尿の流体体積を判定するように、処理され得る。尿管カテーテル614の保定部分624上に位置する保定部分プローブ656からの情報が、腎臓または腎盂に提供される負圧を判定するために使用され得る。筐体628上の圧力センサ658からの情報が、腹腔内圧を判定するために使用され得る。
いくつかの実施例では、コントローラ644のプロセッサ646およびメモリ648は、判定された流体流および患者パラメータに基づいて、ポンプ612の動作パラメータを制御するように構成されることができる。例えば、プロセッサ646およびメモリ648は、尿管カテーテル614を通した流体の流率または保定部分プローブ656によって測定される負圧の大きさが、期待値または閾値よりも高く、これが、尿管カテーテル614の排出管腔618の中に引き込まれる流体の流率または流量を低減させ得るときに、ポンプチャンバまたはポンプ要素640に印加される電力を削減することによって、ポンプ612を調節するように構成されてもよい。同様に、プロセッサ646およびメモリ648は、尿管カテーテル614を通した流体流または保定部分プローブ656によって腎盂において測定される負圧の大きさが、流率および/または流量を増加させるように期待値よりも低い、もしくは最小閾値よりも低いときに、ポンプチャンバまたはポンプ要素640のための電力を増加させることによって、ポンプ612を調節するように構成されることができる。
いくつかの実施例では、ポンプ612の動作パラメータは、患者の測定された腹腔内圧等の患者についての測定された生理学的情報に基づいて判定されることができる。腹腔内圧の上昇は、腎機能の低減を表し得ると考えられる。腹腔内圧の上昇に対処するために、プロセッサ646およびメモリ648は、腎盂および腎臓に印加される負圧の大きさを増加させるために、ポンプチャンバまたはポンプ要素640への電力を増加させることによって、ポンプ612を調節するように構成されることができる。前述で議論されたように、腎盂および/または腎臓に印加される負圧の大きさを増加させることは、尿排出量を増加させることが予期され、これは、静脈鬱滞および圧力を低減させることが予期される。プロセッサ646およびメモリ648は、腹腔内圧が、例えば、標的または閾値を下回って減少するまで、ポンプチャンバまたはポンプ要素640を増加した電力において動作させ続けるように構成されることができる。
いくつかの実施例では、ポンプ612はさらに、電力をポンプチャンバまたは要素640およびコントローラ644に提供するためにポンプ筐体628内に位置付けられる、再充電可能バッテリ660等の電力供給部を備える。バッテリ660は、ペースメーカおよび埋込型除細動器等の埋込型医療デバイスのために使用されるバッテリとサイズおよび電気出力が類似し得る。例えば、バッテリ660は、当技術分野で公知であるようなリチウムイオンバッテリを備えることができる。バッテリ660は、無線で、または外部電源への有線接続を介してのいずれかで、再充電可能であり得る。バッテリ660を無線で再充電するために、いくつかの実施例では、ポンプ612はさらに、電力をポンプ要素612および/または再充電可能バッテリ660に提供するためにポンプ要素612に電子的に結合される、誘導コイル662(図15Dに示される)を備える。誘導コイル662は、患者の身体外または内に位置付けられる遠隔デバイス650によって発生される電磁場に暴露されたときに、電力を発生させるように構成されることができる。ポンプ612のポンプ要素640および他の電子構成要素を動作させるために、および/またはバッテリ660を再充電するために十分な電力を発生させるための好適な誘導コイル662は、例えば、回路基板等の基板上に位置付けられる伝導性ワイヤまたはフィラメントを備えることができる。図15Dに図式的に示されるように、誘導コイル662は、ポンプ612の他の電子構成要素とともに筐体628内に位置付けられることができる。
いくつかの実施例では、ポンプ612はさらに、例えば、スマートフォン、コンピュータタブレット、コンピュータ、またはコンピュータネットワーク652等の遠隔コンピュータデバイス650からポンプ612のための動作命令を受信するように構成される、筐体628内に位置付けられる無線送受信機664を備える。前の実施例におけるように、無線送受信機664は、患者によって装着されるホルスタまたはキャリア内に位置する遠隔制御デバイス等の患者の近傍に位置付けられる遠隔コンピュータデバイス650と通信するように構成される、BLUETOOTH(登録商標)等の短距離無線データ送受信機を備えることができる。その場合、遠隔コンピュータデバイス650は、コントローラから受信される情報644を他のコンピュータデバイス、コンピュータネットワーク652、またはインターネットに伝送またはブロードキャストするように構成される、中継デバイスとして作用してもよい。無線送受信機664は、代替として、または加えて、例えば、WiFiを使用する、長距離無線送受信機を備えてもよい。長距離送受信機は、情報を、例えば、患者の住居内に位置する患者監視デバイス等の定常医療または通信デバイスに、もしくは情報をコンピュータネットワーク652および/またはインターネットに通信するように構成される無線ルータに伝送するように構成されることができる。いくつかの実施例では、コントローラ644は、ポンプ612の動作についての情報とともに、センサ654、656、658によって検出される情報等の患者に提供される負圧治療についての情報を記録するように構成される。ポンプ612の動作についての情報は、例えば、ポンプ612が動作していた時間量、ポンプ612に関する電力使用情報、または再充電可能バッテリ660に関する残りの充電を備えてもよい。プロセッサ646およびメモリ648は、周期的に無線送受信機664に、コントローラ644から遠隔コンピュータデバイス650に本記録された情報を伝送させ、ポンプ612の動作ステータスについて、ならびにポンプ612によって提供されている治療について、フィードバックを患者および/または介護者に提供するように構成されることができる。
ここで図16A-16Cを参照すると、他の実施例では、ポンプシステム600は、その独自の別個の筐体638内に封入される、患者の身体の外側に位置付けられるコントローラ644を備える。例えば、コントローラ644は、専用電子デバイス、スマートフォン、またはコンピュータタブレット等のハンドヘルドコンピュータデバイスであり得る。いくつかの実施例では、コントローラ644は、身体に埋め込まれるポンプ612に近接近して定位置に保持されるように、ホルスタ、ウエストバッグ、またはポケット内で患者によって装着される。前の実施例におけるように、外部コントローラ644は、ポンプ612の動作を制御するように構成される、プロセッサ646およびメモリ648を備える。コントローラ644は、経皮的シールドワイヤ670によってポンプ612に電気的に接続されることができる。図16A-16Cに示されるように、ワイヤ670は、コントローラ644から経皮的アクセス部位を通してポンプ612まで延在する。有益なこととして、コントローラ644の処理電子機器および他の構成要素が、患者の外部の筐体638内に位置付けられるため、ポンプ612は、前の実施例よりも小型である。より小型のポンプ612を使用することは、デバイスをより埋め込み、患者から除去しやすくし得る。
プロセッサ646およびメモリ648は、ワイヤ670を介してコントローラ644からポンプ612に動作命令を伝送することができる。また、プロセッサ646およびメモリ648は、有線接続670を介してポンプ612の動作についての情報を受信することができる。コントローラ644はまた、尿管カテーテル614および/または導管642内に位置付けられる流体センサ654等のシステム600のセンサ、保定部分プローブ656、ならびに外部圧力センサ658に電気的に接続されることもできる。前の実施例におけるように、外部コントローラ644はさらに、電力をポンプ612に提供するためのバッテリ660等の電源を備える。電力が、有線接続670を介して、コントローラ644内のバッテリ660からポンプ612に提供されることができる。いくつかの実施例では、ポンプ612は、ポンプ612を動作させるためのワイヤ670を介して受信される電力を貯蔵するように構成される、補助バッテリ666を備えてもよい。
コントローラ644はさらに、無線送受信機664を備えてもよい。前の実施例におけるように、無線送受信機664は、前述で説明されたように、ポンプ612およびセンサ654、656、658から受信される、ポンプ612、患者、および負圧療法についての情報を遠隔コンピュータデバイス650、コンピュータネットワーク652、またはインターネットに伝送するように構成されることができる。例えば、無線送受信機664は、コントローラ644からラップトップコンピュータまたはコンピュータサーバに情報を伝送することができ、そこで、情報がユーザによって精査されることができる。無線送受信機664は、概して、コントローラ644からの情報を遠隔コンピュータデバイスまたはネットワークに周期的または持続的に伝送する、長距離無線送受信機を備える。いくつかの実施例では、無線送受信機664は、無線ゲートウェイまたはルータを通してデータをコンピュータネットワークに伝送する、WiFi送受信機である。他の実施例では、無線送受信機は、セルラー送受信機(例えば、3Gまたは4Gモバイルネットワークを介してデータを伝送するように構成される送受信機)であり得る。
(カテーテルコネクタ実施例)
ポンプ612のポンプシステム600および電気的構成要素を説明してきたが、ポンプ612を通した流体工学および流体流の側面が、ここで図17Aおよび17Bを参照してさらに詳細に説明されるであろう。前述で議論されたように、ポンプ612は、尿管カテーテル614および/または流出カテーテル616とポンプチャンバまたはポンプ要素640との間に流体接続を提供するように構成される、流体ポート630を備える。流体ポート630は、尿管カテーテル614が中心管腔を形成し、流出カテーテル616が尿管カテーテル614を囲繞する環状外側管腔を形成する、同軸カテーテル等の多重管腔または同軸カテーテルまたはカテーテル区画に接続するように構成されることができる。2つの尿管カテーテル614を備えるシステムでは、流体ポート630は、尿管カテーテル614の端部620に係合するように構成される、2つの内側または中心管腔と、流出カテーテル616の端部632に係合するように構成される、外側管腔とを含み得る。前述で議論されたように、同軸または多重管腔カテーテルを使用することは、ポンプシステム600の埋込の間に膀胱壁を通して加えられる切開の数を削減する。
図17Aおよび17Bに示されるように、同軸または多重管腔カテーテルを受容するように構成される、流体ポート630は、尿管カテーテル614を受容するように構成される、第1の管状区画または部分672と、流出カテーテル616を受容するように構成される、第1の管状部分672を封入する第2の管状区画または部分674とを備える。管状部分672、674は、それぞれ、尿管カテーテル614および流出カテーテル616の対応する端部620、632に係合するように定寸される。例えば、内側管状部分672は、尿管カテーテル614の外径に対応する内径D3を有することができる。いくつかの実施例では、直径D3は、約0.33mm~約3.0mmまたは約1.0mm~2.0mmであり得る。第2の管状部分674は、流出カテーテル616の外径に対応する内径D4を有することができる。直径D4は、例えば、約0.5mm~約6.0mmまたは約2.0mm~4.0mmであり得る。
尿管カテーテル614からの流体は、矢印A1の方向に流体ポート630および流体導管642の第1の管状部分672を通してポンプチャンバまたはポンプ要素640の流入ポート676まで通過する。前述で議論されたように、ポンプチャンバまたは要素640は、尿管カテーテル614の管腔618内に負圧を生成することによって、流入ポート676の中に流体(例えば、尿)を引き込む、種々の回転力学的または容積型ポンプ機構のうちのいずれかを備えることができる。例えば、ポンプ機構は、羽根車、回転子、または圧電ダイヤフラムを備え得る。ポンプチャンバまたは要素640の流出ポート678が、流入ポート676からポンプチャンバまたは要素640の反対側に位置する。流出ポート678は、ポンプチャンバまたは要素640から排出される流体が、矢印A2の方向に、第2の管状部分674を通して流出カテーテル616の中に通過するように、流体ポート630の第2の管状部分674に流体的に接続される。前述で議論されたように、排出された流体は、次いで、流出カテーテル616を通して膀胱の中に通過する。
他の実施例では、本明細書でさらに詳細に議論されるように、同軸または多重管腔カテーテルを含むのではなく、管状シャントが、膀胱壁内に位置付けられ得る。そのような実施例では、尿管カテーテル614および流出カテーテル616は両方とも、管状シャントによって画定される膀胱壁内の開口部を通して通過してもよい。尿管カテーテル614および流出カテーテル616は、管状シャントからポンプ612まで延在し得る。そのような場合において、ポンプ612は、別個の流体ポート630を備えてもよく、1つのポートは、尿管カテーテル614の端部620に係合するように構成され、ほぼ同一のサイズの第2のポートは、流出カテーテル616の端部632に係合するように構成される。有益なこととして、管状シャントを使用することは、膀胱壁内の複数の切開の必要性を回避する一方、尿管カテーテル614および流出カテーテル616が、別個であって、ある場合には、それらの全長に沿って相互から離間されたままであることを可能にする。
(例示的多重管腔カテーテルおよび管状シャント)
本明細書に開示されるポンプシステム600と併用され得る、膀胱壁を通した挿入のための多重管腔カテーテル部分680およびシャント682のいくつかの実施例が、図18A-18Dに示される。図19Aおよび19Bは、管類部分680またはシャント682が、例えば、巾着縫合690によって、膀胱壁内の開口部を通して固着され得る様子を示す、概略図である。図18Aおよび18Dは、尿管カテーテル614の一区画が流出カテーテル616の環状管腔内に位置付けられる、多重管腔カテーテル部分680の実施例を示す。図18Bおよび18Cは、尿管カテーテル614および流出カテーテル616の両方を封入する、管状シースまたはシャント682の実施例を示す。図18A-18Dのカテーテル部分680およびシャント682はまた、使用の間の患者の移動および/または膀胱の収縮に起因して、カテーテル614、616に印加され得る、応力を低減させる、吸収する、またはそれに対抗するための構造も備える。特に、多重管腔カテーテル部分680およびシャント682は、半径方向ならびに軸方向に可撓性および/または伸張可能であるように構成される。多重管腔カテーテル部分680およびシャント682はまた、弾性材料から成ってもよい。
本明細書で使用されるように、半径方向に可撓性の構造は、破損することなく半径方向内向きに指向された力を吸収することが可能である。構造は、印加された力に起因してわずかに変形し得るが、構造は、概して、半径方向内向きに指向された力が印加されるにつれて、およびいったん力が除去されると、両方で、その意図された機能を実施することが可能なままである。弾性材料または構造は、半径方向内向きに指向された力を吸収することが可能であり、いったん半径方向内向きに指向された力が除去されると、その前の形状を回復する。同様に、軸方向に可撓性および/または伸張可能である構造は、破損することなく軸方向力が印加されるときに、長さを増加させることが可能である。弾性材料または構造は、いったん軸方向力が除去されると、その前の軸方向長さに戻る。半径方向ならびに軸方向に可撓性および/または伸張可能である、多重管腔カテーテル部分680およびシャント682は、身体組織、器官、経皮的アクセス部位、または尿路内ならびにその外部の他の構造を引動することなく、患者移動を可能にし、身体組織を傷害して苦痛を引き起こすことを回避し、身体に埋め込まれるカテーテル614、616、およびポンプ612が、歩行可能患者が通常の活動を実施しながら位置を変化させる、または移動するにつれて、定位置から引き出されないことを確実にする。
多重管腔カテーテル部分680およびシャント682は、概して、カテーテル614、616の他の部分と類似する材料から形成される。いくつかの実施例では、多重管腔カテーテル部分680およびシャント682は、部分680およびシャント682が膀胱壁の収縮力を吸収しなければならないため、カテーテル614、616の他の部分よりも可撓性、変形可能、または弾性であるように構成されることができる。多重管腔部分680およびシャント682は、従来の尿路カテーテルのために使用される材料等の好適なコーティングされた、またはコーティングされた生体適合性ポリマー材料から形成されることができる。例示的材料は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマーから成ることができる。多重管腔部分680およびシャント682の全外径D5は、望ましくは、カテーテル614、616を通して十分な流体流を許容しながら、膀胱壁内の切開のサイズを最小限にするように可能な限り小さい。例えば、外径D5は、約0.5mm~約6.0mmまたは約2.0mm~約4.0mmであり得る。
図18Aに示されるように、多重管腔カテーテル部分680は、流出カテーテル616によって封入される尿管カテーテル614を備える。尿管カテーテル614は、引動されたときに長さを増加させるように構成される、アコーディオン形状の区画684を備える。いくつかの実施例では、流出カテーテル616は、尿管カテーテル614に接続され、それに付勢力を及ぼすように構成されることができる。付勢力は、軸方向力(例えば、伸張力)がもはやカテーテル614、616に印加されなくなるときに、尿管カテーテル614を通常の長さに戻らせることができる。このように、カテーテル614の長さL5は、患者が移動するにつれて、例えば、約1cm~約10cmの通常の長さから約2cm~約15cmの延在した長さまで増加することができる。いったん患者が移動することを止めると、外側カテーテル616によって印加される付勢力は、尿管カテーテル614のアコーディオン区分684をその正常な長さに戻らせる。
図18Aの多重管腔カテーテル部分680を展開するために、カテーテル部分680は、膀胱壁内の切開を通して位置付けられることができる。カテーテル614、616は、次いで、バルーン等の膨張可能要素を使用して、拡張されることができる。膀胱の緊張状態は、膀胱が排出するにつれて、膀胱壁を拡張されたカテーテル614、616の周囲でシールさせ、それによって、縫合を必要とすることなく、膀胱壁内の定位置に多重管腔カテーテル部分680を固定すると予期される。しかしながら、図19Aおよび19Bに示されるように、緩い巾着縫合690が、多重管腔カテーテル部分680を膀胱壁にさらに固着させるために使用され得る。
図18Bに示されるように、膀胱壁の切開を通して位置付けられるように構成される、シースまたはシャント682の実施例が、図示される。流出カテーテル616および尿管カテーテル614は両方とも、シースまたはシャント682の管腔686を通して延在する。図18Bのシースまたはシャント682は、カテーテル614、616、またはシースまたはシャント682に印加される力を吸収するように構成される、エラストマ材料から形成されることができる。本明細書で使用されるように、「エラストマ材料」は、変形力を吸収し、力が除去された後にその前または通常のサイズおよび形状に戻る、材料または構造を指す。漏出を回避するため、および膀胱を完全にシールするために、シースまたはシャント682は、カテーテル614、616の一部が引動または移動されるときに生じ得る、カテーテルの移動に抵抗するように、カテーテル614、616の周囲に緊密に嵌合されることができる。
膀胱壁内にシースまたはシャント682を展開するために、シースまたはシャント682は、従来の技法を使用して、定位置に縫合されることができる。例えば、図19Aおよび19Bに示されるように、シースまたはシャント682は、巾着縫合690を使用して、膀胱壁に固着されることができる。望ましくは、縫合690は、シースまたはシャント682の周囲で膀胱壁を収縮させることを回避するように完全には緊締されない。いくつかの実施例では、図19Bに示されるように、シースまたはシャント682は、好適な距離だけ膀胱の中に突出し、患者移動または膀胱の収縮に起因して膀胱から抜け出さないことを確実にすることができる。
膀胱壁を通して通過するように構成される、シースまたはシャント682の別の実施例が、図18Cに図示される。図18Cに示されるように、シースまたはシャント682は、例えば、約5mm~5cmの長さL6の第1または内側区分または区画692を備える、伸縮配列を備える。内側区分または区画692は、例えば、約5mm~約5cmの長さL7の第2のまたは外側区分または区画694内に摺動可能に受容され、それにシールされる。伸縮シースまたはシャント682は、カテーテル614、616が相互から離れるように引動または移動されるときに、軸方向に延在するように構成される。故に、伸縮配列は、カテーテル614、616またはシース662に印加される応力を吸収する役割を果たす。いくつかの実施例では、内側区分または区画692および外側区分または区画694は、いったん付勢力が除去されると、シースまたはシャント682が収縮した長さに戻るように、内向きに付勢されることができる。
図18Dは、多重管腔カテーテル部分680の別の実施例を示す。図18Aの多重管腔カテーテル部分680の場合と同様、図18Dに示されるカテーテル614、616は、流出カテーテル616の環状管腔と、尿管カテーテル614が受容される多重管腔部分680を形成する。カテーテル614、616の多重管腔部分680は、カテーテル614、616に印加される任意の応力を吸収するように、エラストマ材料(すなわち、力が材料に印加されるときに軸方向に伸張することが可能であり、いったん力が除去されると、その前の状態に戻る、材料)から形成される。例えば、カテーテル部分680は、約1cm~約10cmの通常の長さL8から約2cm~約15cmの延在した長さまで延在するように構成されてもよい。カテーテル614、616のエラストマまたは伸張可能部分は、合成または天然ゴム、シリコーン、および他のエラストマポリマー等の生体適合性エラストマ材料から形成されることができる。
(歩行可能患者のためのポンプアセンブリを埋め込む方法)
図20を参照すると、ポンプシステム600の構成要素を患者の身体の中に挿入する、および/または埋め込むための方法は、ステップ710において示されるように、1つまたは2つの尿管カテーテル614を患者の尿路の中に導入することを含む。尿管カテーテル614、616は、尿管ステントを展開するための従来の技法を使用して、例えば、「Coated Ureteral Catheter or Ureteral Stent and Method」と題された、Erbey et al.に対する前述で参照された米国特許出願公開第2020/0094017号に説明されるように、尿道を通して尿路の中に挿入されることができる。
いくつかの実施例では、膀胱鏡が、尿道、膀胱、尿道口を通して尿管の中にカテーテルを前進させることを補助するために使用される。例えば、尿管カテーテル614を展開するために、医療専門家が、膀胱鏡を尿道の中に挿入し、ツールが膀胱に進入するためのチャネルを提供してもよい。尿管口が、次いで、可視化され、ガイドワイヤが、ガイドワイヤの先端が腎盂に到達するまで、膀胱鏡および尿管を通して挿入される。いったんガイドワイヤが腎盂に到達すると、膀胱鏡が、除去されることができ、プッシャ管が、ガイドワイヤにわたって腎盂まで送給される。ガイドワイヤは、次いで、プッシャ管が定位置に留まり、展開シースとして作用している間に除去される。尿管カテーテル614は、プッシャ管/シースを通して挿入され、腎盂に向かって前進される。
ステップ712では、いったん尿管カテーテル614のカテーテル先端または端部622が腎盂に到達すると、尿管カテーテル614は、保定部分624をその展開構成または状態に拡張させることによって、腎盂または腎臓内に展開される。いくつかの実施例では、保定部分624は、その展開位置まで必然的に付勢される。その場合、尿管カテーテル614は、いったんプッシャ管の遠位端から突出すると、自動的に展開されてもよい。他の実施例では、尿管カテーテル614の保定部分624は、尿管カテーテル614の管腔618からガイドワイヤを除去することによって、またはある他のトリガ機構によって、展開され、それによって、カテーテル614がその展開構成を採用することを可能にすることができる。
ポンプアセンブリまたはポンプシステム600を埋め込むための方法はさらに、腹腔、腹膜、または皮下腔の中にポンプ612を埋め込むためのステップを含む。ポンプ612を埋め込むために、ステップ714では、切開が、所望の埋込部位または場所へのアクセスを獲得するように加えられる。例えば、医療専門家は、腎臓または腎盂の近傍の位置において患者の腹部に約1cm~10cmまたは約5cmの切開を加えてもよい。いったん切開が加えられると、ステップ716では、ポンプ612が、切開を通して挿入され、腹腔、腹膜、または皮下腔内の所望の埋込部位または場所に設置される。例えば、ポンプ612は、腹膜に対して設置されることができる。医療専門家は、外科用縫合糸を使用し、腹膜組織に対して定位置でポンプ612を固着させてもよい。
ステップ718では、本方法はさらに、尿管カテーテル614および流出カテーテル616のために膀胱壁に1つ以上の切開を加えることを含む。前述で議論されたように、尿管カテーテル614および流出カテーテル616は、ともに継合され、図18A-18Dに示される多重管腔カテーテル部分680およびシャント682を使用して、単一の切開を通して膀胱壁を通して通過することができる。カテーテル614、616が、ともに継合されるとき、膀胱壁内の単一の切開のみが、必要とされる。
いったん膀胱壁内の切開が加えられると、ステップ720では、多重管腔カテーテル部分680またはシャント682が、切開を通して挿入され、定位置で固定される。前述で議論されたように、膀胱の緊張状態は、膀胱壁を多重管腔カテーテル部分680またはシャント682の外側表面に対して押圧させ、これは、膀胱を効果的にシールし得る。カテーテル部分680またはシャント682を定位置でさらに固着させるために、医療専門家は、膀胱壁内の開口部の周囲に緩い巾着縫合690を成し、図19Aおよび19Bに示されるように、カテーテル部分680またはシャント682に対して膀胱壁を保持することができる。前述で議論されたように、いくつかの実施例では、巾着縫合690は、完全には緊締されないが、シャント682の外側表面まで緊張した状態で膀胱を引動するために十分に緊密に縛られてもよい。図19Bに示されるように、シャント682は、少なくとも短距離だけ膀胱の中に延在され、膀胱壁内の開口部から外に滑り落ちないことを確実にし得る。
いったんカテーテル部分680またはシャント682が膀胱壁に固着されると、ステップ722では、カテーテル614、616は、膀胱壁内の開口部を通して挿入されることができ、カテーテル614、616の端部620、632は、ポンプ612に固着されることができる。例えば、尿管カテーテル614の端部620は、ポンプ612の流体ポート630の対応する部分に固着されることができる。同様に、流出カテーテル616の端部632は、同一の流体ポート630の対応する部分に、または2つの流体ポートを備えるポンプ612に関しては、異なる流体ポートに固着されることができる。カテーテル614、616と流体ポート630との間の接続は、漏出を防止するようにシールされる。
ステップ724では、随意に、シールド経皮的ワイヤ670等のワイヤが、ポンプ612から経皮的アクセス部位を通して外部コントローラ644および/または電力供給部まで延在されることができる。いったんワイヤ670が接続されると、ポンプ612は、外部デバイスから電力を受電し、患者のための負圧療法を提供するように動作し始めるように構成されることができる。代替として、無線接続に関して、遠隔電力デバイスが、ポンプ612またはコントローラ644内のバッテリ660を充電するように、ポンプ612に近接させられることができる。いったんバッテリ660が無線で充電されると、ポンプ612は、負圧療法を患者に提供するように作動されることができる。
(経皮的尿管カテーテルを使用するポンプアセンブリ)
図21Aおよび21Bを参照すると、負圧療法を患者の腎臓または腎盂に提供するように構成される、バイパスカテーテル814を含む、ポンプアセンブリまたはシステム800が、図示される。しかしながら、前の実施例と異なり、経皮的腎瘻造設管または尿路バイパスカテーテルと称され得る、バイパスカテーテル814は、尿路を通さず、経皮的アクセス部位を通して腎臓または腎盂内に展開される。経皮的アクセス部位を通して腎臓および/または腎盂にアクセスするために使用され得る、例示的カテーテルは、「Percutaneous Ureteral Catheter」と題された、Erbey et al.に対する米国特許出願公開第2019/0105465号(その開示は、参照することによってその全体として組み込まれる)に開示される。
図21Aに示されるように、バイパスカテーテル814は、近位端820(図21Bに示される)から遠位端822まで延在する排出管腔818を画定する、伸長管を備える。伸長管は、患者の腎盂802、腎臓804、および/または膀胱内に展開されるように構成される、保定部分824を備える。カテーテル814は、皮膚を通して腹部の中に針の先端を挿入すること等による従来の様式で形成され得る、経皮的アクセス部位を通して挿入されてもよい。
バイパスカテーテル814の伸長管は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマーから形成される、ならびに/もしくは成ることができる。前の実施例におけるように、カテーテル814の一部はまた、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、および/またはチタン等の金属材料から成る、ならびに/もしくはそれを含浸されることもできる。カテーテル814は、腎盂802から腎臓804を通して、図21Bに示されるように、身体に埋め込まれるポンプ812まで延在するために十分な長さであるべきである。カテーテル814のサイズは、約1Fr~約9Fr(フレンチカテーテルスケール)、または約2Fr~8Frに及ぶことができる、もしくは約4Frであり得る。いくつかの実施例では、カテーテル814は、約0.33mm~約3.0mm、または約0.66mm~2.33mm、もしくは約1.0mm~2.0mmに及ぶ外径と、約0.165mm~約2.40mm、または約0.33mm~2.0mm、もしくは約0.66mm~約1.66mmに及ぶ内径とを有することができる。
カテーテル814の保定部分824は、カテーテル814の遠位端822と一体的に形成されることができる、または従来の締結具または接着剤によってカテーテル814の遠位端822に搭載される別個の構造であり得る。腎盂802内でカテーテル814の遠位端822を保定するために好適な多くの例示的保定部分824が、尿管カテーテル614の前の例示的実施形態において提供される。例えば、コイル、漏斗、ケージ、バルーン、および/またはスポンジのうちの1つ以上を備える、保定部分824は、バイパスカテーテル814と併用するために適合されることができる。ある場合には、そのような保定部分824は、例えば、尿路バイパスカテーテル814が、尿管を通してではなく、腎臓804を通して腎盂802に進入するという事実を考慮するように、保定部分814を反転させることによって、尿路バイパスカテーテル814と併用するために適合されることができる。
選択される実施形態にかかわらず、保定部分824は、外周または保護された表面積を生成し、尿路組織が、腎臓804の腎単位とカテーテル814の排出管腔818との間に延在する流体柱を抑制または閉塞しないように防止する。いくつかの実施例では、そのような保定部分824は、腎臓804によって産生される尿等の流体を受容するための1つ以上の排出開口部、穿孔、および/またはポート826を備える、内向きに面した側または保護側または表面積と、排出ポート826がない、または実質的になくあり得る、外向きに面した側または保護表面積とを備え得る。前の実施例におけるように、望ましくは、内向きに面した側または保護された表面積および外向きに面した側または保護表面積は、負圧がカテーテル814の管を通して印加されるときに、尿が1つ以上の排出ポート826を通して管の管腔818の中に引き込まれる一方、尿管および/または腎盂802の組織等の粘膜組織が、1つ以上の排出ポート826を著しく閉塞しないように防止されるように、構成される。前述で説明された尿管カテーテルのように、排出ポート826の間のサイズおよび間隔は、本明細書に開示されるように、腎盂802および/または腎臓804内で負圧の異なる分布を達成するように変動し得る。いくつかの実施例では、1つ以上の排出ポート826はそれぞれ、約0.0005mm~約2.0mm、または約0.05mm~1.5mm、もしくは約0.5mm~約1.0mmの直径を有する。いくつかの実施例では、排出ポート826は、非円形であり得、約0.0002mm2~約100mm2、または約0.002mm2~約10mm2、もしくは約0.2mm2~約1.0mm2の表面積を有することができる。排出ポート826は、保定部分824の軸方向長さに沿って等距離に離間されることができる。他の実施例では、保定部分824の基部または近位端のより近傍の排出ポート826は、ポート826が均一に離間される実施例と比較して、より遠位の排出ポート826を通して流体流を増加させるように、ともにより密接に離間されてもよい。
図21Bを参照すると、バイパスカテーテル814の排出管腔818を画定する伸長管は、腎臓804の後面から、身体に埋め込まれるポンプ812まで延在する。前の実施例におけるように、身体に埋め込まれるポンプ812は、腹腔、腹膜、または皮下腔内に位置付けられることができる。バイパスカテーテル814の近位または第2の端部820が、前の実施例におけるように、ポンプ812の流体ポート830に接続する。本システムはさらに、同一の流体ポート830から、またはポンプ812の異なる流体ポートから延在する、流出カテーテル816を備えてもよい。流出カテーテル816は、膀胱壁内の開口部を通してポンプ812から膀胱に排出される、流体(例えば、尿)を提供するように構成される。いったん膀胱に送達されると、流体(例えば、尿)は、必然的に、または尿道を通して挿入される膀胱カテーテルを通して、身体から排出されることができる。
ポンプ812は、前の実施例に説明されるポンプ612に類似する、または同じである。前の実施例におけるように、ポンプ812は、導管842を介して流体ポート830に流体的に接続される、ポンプチャンバまたはポンプ要素840を備える。ポンプ812はさらに、コントローラ844を備える。図21Bに示されるように、コントローラ844は、ポンプ812と一体的であり、ポンプ812の筐体828内に封入される。他の実施例では、コントローラ844は、図16A-16Cに関連して説明されるように、外部コントローラであり得る。
前の実施例におけるように、コントローラ844は、ポンプ812の動作を制御するように構成される、プロセッサ846およびメモリ848を備える。コントローラ844はさらに、電力をポンプ812に提供するための再充電可能バッテリ860および/または誘導コイル862等の電源を備えてもよい。
システム800はさらに、コントローラ844のプロセッサ846およびメモリ848に電気的に接続される、センサ854、856、858を備える。具体的には、前の実施例におけるように、システム800は、例えば、尿管カテーテル814および/または導管842、保定部分プローブ856、ならびに外部圧力センサ858内に位置付けられる、流体センサ854を備えることができる。前の実施例におけるように、コントローラ844は、ポンプ812の動作を制御するため、特に、ポンプの電力出力を調節し、尿管カテーテル814の排出管腔818を通して腎臓および/または腎盂に提供される負圧の大きさを制御するために、センサ854、856、858からの情報を受信および処理するように構成される。
コントローラ844はさらに、無線送受信機864を備えてもよい。無線送受信機864は、前述で説明されたように、ポンプ812およびセンサ854、856、858から受信される、ポンプ812、患者、および負圧療法についての情報を遠隔コンピュータデバイス850、コンピュータネットワーク852、またはインターネットに伝送するように構成されることができる。無線送受信機864は、BLUETOOTH(登録商標)等の短距離送受信機または長距離送受信機を備えることができる。無線送受信機864は、コントローラ844からの情報を遠隔コンピュータデバイス850および/またはコンピュータネットワーク852に周期的または持続的に伝送するように構成されることができる。
(例示的尿管保定部分)
前述で説明され、例えば、図6、15A-15D、および16A-16Cに示される、尿管カテーテルの保定部分154、624のうちのいずれかと併用され得る、尿管カテーテルのための保定部分のさらなる実施例が、ここで提供される。本明細書に開示されるこれらの保定部分のうちのいずれかは、尿管カテーテルの他の部分と同一の材料から形成されることができ、尿管カテーテルの他の部分と一体型である、またはそれに接続されることができる。他の実施例では、保定部分は、排出管腔に関して上記に議論されるもの等の異なる材料から形成され、尿管カテーテルの他の部分に接続されることができる。例えば、保定部分は、前述の材料のうちのいずれか、例えば、ポリウレタン、可撓性ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコーン、シリコン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等のポリマーから形成されることができる。
図22A-22Fを参照すると、尿管カテーテルの保定部分130bは、患者の尿管および/または腎盂内の保定部分130bの位置付けを許容するために可撓性かつ屈曲可能であるように構成されてもよい。保定部分130bは、望ましくは、尿管カテーテル112b上に及ぼされる力を吸収するため、かつそのような力が尿管に伝達されないように防止するために十分に屈曲可能である。例えば、保定部分130bが、近位方向P(図22Aに示される)に患者の膀胱に向かって引動される場合、保定部分130bは、尿管を通して引き出され得るように、解巻または直線化され始めるために十分に可撓性であり得る。同様に、腎盂または尿管内の他の好適な領域の中に再挿入されたとき、保定部分130bは、その展開構成に戻るように付勢されることができる。
いくつかの実施例では、保定部分130bは、尿管カテーテル112bの管122bと一体型である。その場合、保定部分130bは、カテーテルを所望の流体収集場所に保定するように定寸および成形される、屈曲または変曲を管122bに付与することによって形成されることができる。好適な屈曲またはコイルは、図22A-23Fに示されるようなピグテールコイル、コルクスクリュコイル、および/または螺旋コイルを含むことができる。例えば、保定部分130bは、例えば、図22A-23Fに示されるように、腎盂に近接して、またはその内側で尿管内のカテーテル112bに接触し、それを受動的に保定するように構成される、1つ以上の半径方向および縦方向に延在する螺旋コイルを備えることができる。他の実施例では、保定部分130bは、管122bの半径方向にフレア状またはテーパ状の部分から形成される。例えば、保定部分130bはさらに、テーパ状または漏斗形状の内側表面186b等の図28A-50Bに示されるような流体収集部分を備えることができる。他の実施例では、保定部分130bは、カテーテル本体または管122bに接続され、そこから延在する、別個の要素を備えることができる。
いくつかの実施例では、保定部分130bはさらに、排出孔、穿孔、またはポート132b、1232(例えば、図22A-22E、23A、23E、24-27、34、41A、41B、42、43、および48A-50Bに示される)等の1つ以上の穿孔区分を備えることができる。排出ポート132bは、例えば、図23Dに示されるように、管122bの開放遠位端120b、121bに位置することができる。他の実施例では、穿孔区分および/または排出ポート132b、1232は、図22A-22E、23A、23E、24-27、34、41A、41B、42、43、および48A-50Bに示されるように、カテーテル管122bの遠位部分118bの側壁109bに沿って、または図48A、48B、49A、および49Bのスポンジ材料等の保定部分の材料内に配置される。排出ポートまたは孔132b、1232は、流体収集を補助するために使用されることができ、それによって、流体が患者の身体からの除去のために排出管腔の中に流入することができる。他の実施例では、保定部分130bは、保定構造および流体収集専用であって、および/または負圧の付与は、カテーテル管122b上の他の場所における構造によって提供される。
図22B-E、23D-G、28B、28C-28E、29、31A-44B、46B、47A、48B、および49A-50Bに示されるようないくつかの実施例では、排出孔、ポート、または穿孔132b、1232の少なくとも一部、大部分、または全ては、(図22Fに示される)腎臓からの組織1003が、保護された排出孔、ポート、または穿孔133bに直接接触しない、またはそれを部分的または完全に閉塞しないように、保護された表面積または内側表面積1000内の尿管カテーテル112b内に位置付けられる。例えば、図23F、28D、33B、38C、48B、49B、および50Bに示されるように、負圧が、尿管および/または腎盂内で誘発されるとき、尿管ならびに/もしくは腎臓の粘膜組織1003(図22Fに示される)の一部が、保定部分130bの外周1002または保護表面積1001または外側領域に対して引き出され得、保定部分130bの外周1002または保護表面積1001上に位置付けられる、いくつかの排出孔、ポート、または134bを部分的または完全に閉塞し得る。
保定部分130bの保護された表面積または内側表面積1000上に位置する保護された排出ポート133bの少なくとも一部は、そのような組織1003が保定部分130bの外周1002または保護表面積1001または外側領域に接触するときに、部分的または完全に閉塞されないであろう。さらに、排出ポート133bとの噛込または接触からの組織1003、1004への傷害のリスクが、低減または改善されることができる。保定部分130bの外周1002または保護表面積1001または外側領域の構成は、保定部分130bの全体的構成に依存する。概して、保定部分130bの外周1002または保護表面積1001または外側領域は、(図22Fに示される)腎臓組織1003に接触してそれを支持し、それによって、保護された排出孔、ポート、または穿孔133bの閉塞または妨害を阻止する。
例えば、図23Eに示されるように、複数の螺旋コイル1280、1282、1284を備える、例示的保定部分1230が示されている。螺旋コイル1280、1282、1284の外周1002または保護表面積1001または外側領域は、腎臓組織1003に接触してそれを支持し、螺旋コイル1280、1282、1284の保護された表面積または内側表面積1000内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート、または穿孔1233の閉塞または妨害を阻止する。螺旋コイル1280、1282、1284の外周1002または保護表面積1001または外側領域は、保護された排出孔、ポート、または穿孔1233のための保護を提供する。図23Fでは、腎臓組織1003は、螺旋コイル1280、1282、1284の外周1002または保護表面積1001または外側領域の少なくとも一部を囲繞し、それに接触して示され、これは、螺旋コイル1280、1282、1284の保護された表面積または内側表面積1000との腎臓組織1003の接触を阻止し、それによって、腎臓組織1003による、保護された排出孔、ポート、または穿孔1233の部分的または完全妨害を阻止する。
同様に、図28A-50Bに示される、尿管保定部分の構成の他の実施例も、腎臓組織1003(図22Fに示される)に接触してそれを支持し、保定部分の保護された表面積または内側表面積1000内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート、または穿孔133b、1233の閉塞または妨害を阻止し得る、外周1002または保護表面積1001または外側領域を提供する。これらの実施例はそれぞれ、下記にさらに議論されるであろう。
ここで図22A-22Eを参照すると、1つ以上の完全コイル184bおよび1つ以上の半または部分コイル183b等の複数の螺旋コイルを備える、尿管カテーテルのための例示的保定部分130bが、図示される。保定部分130bは、複数の螺旋コイルとともに、収縮位置と展開位置との間で移動可能である。例えば、略直線ガイドワイヤが、保定部分130bを通して挿入され、保定部分130bを略直線収縮位置に維持することができる。ガイドワイヤが除去されると、保定部分130bは、そのコイル状構成に遷移することができる。いくつかの実施例では、コイル183b、184bは、管122bの遠位部分118bから半径方向および縦方向に延在する。例示的実施形態では、保定部分130bは、2つの完全コイル184bと、1つの半コイル183bとを備える。例えば、線D11によって示される完全コイル184bの外径は、約18±2mmであり得、半コイル183bの直径D12は、約14mm±2mmであり得、コイル状保定部分130bは、約16±2mmの高さH10を有することができる。
保定部分130bはさらに、流体をカテーテル管122bの内部の中に引き込むように構成される、1つ以上の排出孔132b、1232(例えば、図22A-22E、23A、および23Eに示される)を備えることができる。いくつかの実施例では、保定部分130bは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれを上回る排出孔132b、1232に加え、付加的孔110bを保定部分の遠位先端または端120bに備えることができる。いくつかの実施例では、排出孔132b、1232(例えば、図22A-22E、23A、および23Eに示される)のそれぞれの直径は、約0.7mm~0.9mmに及ぶことができ、好ましくは、約0.83±0.01mmである。いくつかの実施例では、保定部分130bの遠位先端または端における付加的孔110b(例えば、図22A-22E、23A、および23Eに示される)の直径は、約0.165mm~約2.39mm、または約0.7~約0.97mmに及ぶことができる。隣接する排出孔132bの間の距離、具体的には、コイルが直線化されたときの隣接する排出孔132b、1232の最も近い外縁の間の線形距離は、約15mm±2.5mm、または約22.5±2.5mmまたはそれを上回り得る。
図22A-22Eに示されるように、別の例示的実施形態では、保定部分130bの近位の排出管腔124bの遠位部分118bは、直線または曲線中心軸Lを画定する。いくつかの実施例では、保定部分130bの少なくとも半または第1のコイル183bおよび完全または第2のコイル184bは、保定部分130bの軸Aを中心として延在する。第1のコイル183bは、管122bが、角度αによって示されるように、中心軸Lから約15度~約75度に及ぶ、好ましくは、約45度の角度αで屈曲される点から開始または起始する。図22Aおよび22Bに示されるように、身体内への挿入に先立って、軸Aは、縦方向中心軸Lと同延であり得る。他の実施例では、図22C-22Eに示されるように、身体内への挿入に先立って、軸Aは、中心縦軸Lから延在し、例えば、それに対して角度βで湾曲される、または角度付けられる。
いくつかの実施例では、複数のコイル184bは、隣接するコイル184bの間に同一または異なる内および/または外径D10ならびに高さH12を有することができる。その場合、コイル184bのそれぞれの外径D11は、約10mm~約30mmに及んでもよい。隣接するコイル184bのそれぞれの間の高さH12は、約3mm~約10mmに及んでもよい。
他の実施例では、保定部分130bは、腎盂のテーパ状部分内に挿入されるように構成される。例えば、コイル184bの外径D11は、管122bの遠位端120bに向かって増加し、テーパ状または部分的テーパ状構成を有する螺旋構造をもたらすことができる。例えば、テーパ状螺旋部分の遠位または最大外径D10は、腎盂の寸法に対応する、約10mm~約30mmに及び、各隣接するコイルの外径D11は、保定部分130bの近位端128bのより近くで減少し得る。保定部分130bの全高H10は、約10mm~約30mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、各コイル184bの外径D11および/またはコイル184bのそれぞれの間の高さH12は、規則的または不規則的方式で変動することができる。例えば、コイルの外径D11または隣接するコイルの間の高さH12は、規則的量(例えば、隣接するコイル184bの間で約10%~約25%)増加または減少することができる。例えば、3つのコイルを有する保定部分130b(例えば、図22Aおよび22Bに示されるように)に関して、最近位コイルまたは第1のコイル183bの外径D12は、約6mm~18mmであり得、中央コイルまたは第2のコイル185の外径D23は、約8mm~約24mmであり得、最遠位または第3のコイル187の外径D23は、約10mm~約30mmであり得る。
保定部分130bはさらに、保定部分130b上またはそれに隣接して、カテーテル管122bの側壁109b上に、またはそれを通して配置される、排出穿孔、孔、またはポート132bを備え、尿廃棄物がカテーテル管122bの外側からカテーテル管122bの内側排出管腔124bまで流動することを可能にすることができる。排出ポート132bの位置およびサイズは、保定部分130bの所望の流率ならびに構成に応じて変動することができる。排出ポート132bのそれぞれの直径D21は、独立して約0.005mm~約1.0mmに及ぶことができる。排出ポート132bのそれぞれの最も近い縁の間の間隔D22は、独立して約1.5mm~約5mmに及ぶことができる。排出ポート132bは、任意の配列、例えば、無作為、線形、またはオフセット配列で離間されることができる。いくつかの実施例では、排出ポート132bは、非円形であり得、約0.00002~0.79mm2の表面積を有することができる。
いくつかの実施例では、図22Aに示されるように、排出ポート132bは、カテーテル管122bの側壁109bの外周1002または保護表面積1001全体の周囲に位置し、排出管腔124bの中に引き込まれ得る流体の量を増加させる(図22Aおよび22Bに示される)。他の実施例では、図22B-22Eおよび23A-23Eに示されるように、排出孔、ポート、または穿孔132bは、本質的にコイル184bの保護された表面積または内側表面積1000または半径方向内向きに面した側1286のみに、またはその側のみに配置され、排出ポート132b、1232の閉塞または妨害を防止することができ、コイルの外向きに面した側1288は、本質的に排出ポート132b、1232がない、または排出ポート132b、1232がなくてもよい。螺旋コイル183b、184b、1280、1282、1284の外周189b、1002または保護表面積1001または外側領域192bは、腎臓組織1003(図22Fに示される)に接触してそれを支持し、螺旋コイル183b、184b、1280、1282、1284の保護された表面積または内側表面積1000内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート、または穿孔133b、1233の閉塞または妨害を阻止することができる。例えば、負圧が尿管および/または腎盂内で誘発されるとき、尿管ならびに/もしくは腎臓の粘膜組織は、保定部分130bに対して引き出され得、保定部分130bの外周189b、1002上のいくつかの排出ポート134bを閉塞し得る。保定構造の半径方向内向き側1286または保護された表面積または内側表面積1000上に位置する排出ポート133b、1233は、そのような組織1003、1004が保定部分130bの外周189b、1002または保護表面積1001または外側領域に接触するとき、著しく閉塞されないであろう。さらに、排出ポート132b、133b、1233、または保護された排出孔、ポート、または穿孔133b、1233との噛込または接触からの組織への傷害のリスクが、低減または改善されることができる。
図22Cおよび22Dを参照すると、複数のコイル184bを備える保定部分130bを有する、尿管カテーテル112bの他の実施例が、図示される。図22Cに示されるように、保定部分130bは、軸Aを中心として延在する3つのコイル184bを備える。軸Aは、湾曲弧であって、保定部分130bの近位の排出管腔181bの一部の中心縦軸Lから延在する。保定部分130bに付与される曲率は、円錐形の容器形状の空洞を備える、腎盂の曲率に対応するように選択されることができる。
図22Dに示されるように、別の例示的実施形態では、保定部分130bは、角度付けられた軸Aを中心として延在する2つのコイル184bを備えることができる。角度付けられた軸Aは、中心縦軸Lからある角度で延在し、角度βによって示されるように、排出管腔の一部の中心軸Lと略垂直な軸に対して角度付けられる。角度βは、約15~約75度(例えば、カテーテル112bの排出管腔部分の中心縦軸Lに対して約105~約165度)に及ぶことができる。
図22Eは、尿管カテーテル112bの別の実施例を示す。保定部分は、軸Aを中心として延在する3つの螺旋コイル184bを備える。軸Aは、角度βによって示されるように、水平に対して角度付けられる。前述で説明された実施例におけるように、角度βは、約15~約75度(例えば、カテーテル112bの排出管腔部分の中心縦軸Lに対して約105~約165度)に及ぶことができる。
図23A-23Eに示されるいくつかの実施例では、保定部分1230は、管1222と一体型である。他の実施例では、保定部分1230は、管または排出管腔1224に接続され、そこから延在する、別個の管状部材を備えることができる。
いくつかの実施例では、保定部分は、複数の半径方向に延在するコイル184bを備える。コイル184bは、漏斗の形状で構成され、それによって、漏斗状支持体を形成する。コイル漏斗状支持体のいくつかの実施例が、図22A-23Eに示される。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体の少なくとも1つの側壁119bは、第1の直径を有する、少なくとも第1のコイル183bと、第2の直径を有する、第2のコイル184bとを備え、第1の直径は、第2の直径未満である。第1のコイルの側壁の一部と第2のコイルの隣接する側壁の一部との間の最大距離は、約0mm~約10mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、第1のコイル183bの第1の直径は、約1mm~約10mmに及び、第2のコイル184bの第2の直径は、約5mm~約25mmに及ぶ。いくつかの実施例では、コイルの直径は、排出管腔の遠位端に向かって増加し、テーパ状または部分的にテーパ状の構成を有する、螺旋構造をもたらす。いくつかの実施形態では、第2のコイル184bは、第1のコイル183bより排出管腔124bの遠位部分118bの端部に近い。いくつかの実施形態では、第2のコイル184bは、第1のコイル183bより排出管腔124bの近位部分128bの端部に近い。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体の少なくとも1つの側壁119bは、下記に議論されるように、内向きに面した側1286と、外向きに面した側1288とを備え、内向きに面した側1286は、排出管腔の中への流体流を可能にするための少なくとも1つの開口部133b、1233を備え、外向きに面した側1288は、開口部が本質的にない、またはない。いくつかの実施例では、少なくとも1つの開口部133b、1233は、約0.002mm2~約100mm2に及ぶ面積を有する。
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、半径方向内向きに面した側1286と、半径方向外向きに面した側1288とを備える、側壁119bを備え、第1のコイル1280の半径方向内向きに面した側1286は、排出管腔の中への流体流を可能にするための少なくとも1つの開口部1233を備える。
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、半径方向内向きに面した側1286と、半径方向外向きに面した側1288とを備える、側壁119bを備え、第1のコイル1280の半径方向内向きに面した側1286は、排出管腔1224の中への流体流を許容するための少なくとも2つの開口部1233を備える。
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、半径方向内向きに面した側1286と、半径方向外向きに面した側1288とを備える、側壁119bを備え、第1のコイル1280の半径方向外向きに面した側1288は、1つ以上の開口部1232が本質的にない、またはない。
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、半径方向内向きに面した側1286と、半径方向外向きに面した側1288とを備える、側壁119bを備え、第1のコイル1280の半径方向内向きに面した側1286は、排出管腔1224の中への流体流を許容するための少なくとも1つの開口部1233を備え、半径方向外向きに面した側1288は、1つ以上の開口部1232が本質的にない、またはない。
ここで図23A-23Eを参照すると、いくつかの実施例では、遠位部分1218は、流体を排出管腔1224の中に引き込むための開放遠位端1220を備える。尿管カテーテル1212の遠位部分1218はさらに、排出管腔または管1222の遠位部分1218を尿管および/または腎臓内に維持するための保定部分1230を備える。いくつかの実施例では、保定部分1230は、複数の半径方向に延在するコイル1280、1282、1284を備える。保定部分1230は、可撓性かつ屈曲可能であって、尿管、腎盂、および/または腎臓内の保定部分1230の位置付けを許容することができる。例えば、保定部分1230は、望ましくは、カテーテル1212上に及ぼされる力を吸収し、そのような力が尿管に伝達されないように防止するために十分に屈曲可能である。さらに、保定部分1230が、近位方向P(図22A-22Eに示される)に患者の膀胱に向かって引動される場合、保定部分1230は、尿管を通して引き出され得るように、解巻または直線化され始めるために十分に可撓性であり得る。いくつかの実施例では、保定部分1230は、管1222と一体型である。他の実施例では、保定部分1230は、管または排出管腔1224に接続され、そこから延在する、別個の管状部材を備えることができる。いくつかの実施例では、カテーテル1212は、保定部分1230の近位端において管1222上に位置付けられる、放射線不透過性バンド1234(図38Aに示される)を備える。放射線不透過性バンド1234は、カテーテル1212の展開の間、蛍光透視撮像によって可視である。特に、ユーザは、蛍光透視法によって、尿路を通したバンド1234の前進を監視し、保定部分1230が腎盂内にあって、展開の準備ができた状態になるときを判定することができる。
いくつかの実施例では、保定部分1230は、穿孔、排出ポート、または開口部1232を管1222の側壁内に備える。本明細書に説明されるように、開口部1232の位置およびサイズは、開口部毎の所望の体積流率および保定部分1230のサイズ制約に応じて変動し得る。いくつかの実施例では、開口部1232のそれぞれの直径D21は、独立して約0.05mm~約2.5mmに及び、約0.002mm2~約5mm2の面積を有することができる。開口部1232は、縦方向および/または軸方向等の所望される任意の方向に管1222の側壁119bに沿って延在するように位置付けられることができる。いくつかの実施例では、開口部1232のそれぞれの最も近い隣接する縁の間の間隔は、約1.5mm~約15mmに及ぶことができる。流体は、穿孔、排出ポート、または開口部1232のうちの1つ以上を通して、排出管腔1234の中に通過する。望ましくは、開口部1232は、負圧が排出管腔1224に印加されるとき、それらが尿管または腎臓の組織1003によって閉塞されないように位置付けられる。例えば、本明細書に説明されるように、開口部1233は、保定部分1230のコイルまたは他の構造の内部部分または保護された表面積1000上に位置付けられ、開口部1232、1233の閉塞を回避することができる。いくつかの実施例では、管1222の中央部分1226および近位部分1228は、穿孔、ポート、開口、または開口部が本質的になく、もしくはなく、管1222のそれらの部分に沿って開口部の閉塞を回避することができる。いくつかの実施例では、穿孔または開口部が本質的にない、部分1226、1228は、管1222の遠位部分1218等の他の部分より実質的に少ない開口部1232を含む。例えば、遠位部分1218の開口部1232の総面積は、管1222の中央部分1226および/または近位部分1228の開口部の総面積を上回る、または実質的に上回ってもよい。
いくつかの実施例では、開口部1232は、保定部分1230を通した流体流を改良するように定寸および離間される。特に、本発明者らは、負圧がカテーテル1212の排出管腔1224に印加されると、流体の大部分が排出管腔1224の中に最近位穿孔または開口部1232を通して引き込まれることを発見した。流体がまた、より遠位の開口部を通して、および/または管1222の開放遠位端1220を通して受容されるように、流動動態を改良するために、より大きいサイズまたはより多くの数の開口部1232が、保定部分1230の遠位端1220に向かって提供されることができる。例えば、保定部分1230の近位端1228の近傍の管1222の長さ上の開口部1232の総面積は、管1222の開放遠位端1220の近傍に位置する管1222の類似サイズの長さの開口部1232の総面積未満であってもよい。特に、流体流の90%未満、好ましくは、70%未満、より好ましくは、55%未満が、排出管腔1224の中に保定部分1230の近位端1228の近傍に位置付けられる単一の開口部1232または少数の開口部1232を通して引き込まれる、排出管腔1224を通した流動分布を生産することが望ましくあり得る。
多くの実施例では、開口部1232は、概して、円形形状であるが、三角形、楕円形、正方形、菱形、および任意の他の開口部形状もまた、使用されてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、開口部1232の形状は、管1222が非コイル状または伸長位置とコイル状または展開位置との間で遷移するにつれて変化し得る。開口部1232の形状は、変化し得る(例えば、オリフィスは、ある位置では、円形であって、他の位置では、若干伸長され得る)が、開口部1232の面積は、展開またはコイル状位置と比較して、伸長または非コイル状位置において実質的に類似することに留意されたい。
(螺旋コイル保定部分)
ここで図23A-23Eを参照すると、例示的保定部分1230は、螺旋コイル1280、1282、1284を備える。いくつかの実施例では、保定部分1230は、第1または半コイル1280と、第2のコイル1282および第3のコイル1284等の2つの完全コイルとを備える。図23A-23Dに示されるように、いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、保定部分1230の曲線中心軸Aの周囲の0度~180度に延在する、半コイルを備える。いくつかの実施例では、示されるように、曲線中心軸Aは、略直線であって、管1222の曲線中心軸と同延である。他の実施例では、保定部分1230の曲線中心軸Aは、湾曲され、保定部分1230に、例えば、円錐形の容器形状を当てることができる。第1のコイル1280は、約1mm~20mm、好ましくは、約8mm~10mmの直径D12を有することができる。第2のコイル1282は、約5mm~50mm、好ましくは、約10mm~20mm、より好ましくは、約14mm±2mmの直径D13を有する、保定部分1230に沿って180度~540度延在する、完全コイルであり得る。第3のコイル1284は、540度~900度延在し、5mm~60mm、好ましくは、約10mm~30mm、より好ましくは、約18mm±2mmの直径D23を有する、完全コイルであり得る。他の実施例では、複数のコイル1282、1284は、同一内径および/または外径を有することができる。例えば、完全コイル1282、1284の外径はそれぞれ、約18±2mmであり得る。
いくつかの実施例では、保定部分1230の全高H10は、約10mm~約30mm、好ましくは、約18±2mmに及ぶ。隣接するコイル1284の間、すなわち、第1のコイル1280の管1222の側壁1219と第2のコイル1282の管122の隣接する側壁1221との間の間隙の高さH12は、3.0mm未満、好ましくは、約0.25mm~2.5mm、より好ましくは、約0.5mm~2.0mmである。
保定部分1230はさらに、最遠位湾曲部分1290を備えることができる。例えば、管1222の開放遠位端1220を含む、保定部分1230の最遠位部分1290は、第3のコイル1284の曲率に対して内向きに屈曲されることができる。例えば、最遠位部分1290の曲線中心軸X1(図23Dに示される)は、管1222の遠位端1220から保定部分1230の曲線中心軸Aに向かって延在することができる。
保定部分1230は、保定部分1230が患者の尿路の中への挿入のために直線である、収縮位置と、保定部分1230が螺旋コイル1280、1282、1284を備える、展開位置との間で移動することが可能である。概して、管1222は、コイル状構成に向かって必然的に付勢される。例えば、非コイル状または略直線ガイドワイヤは、保定部分1230を通して挿入され、保定部分1230を、例えば、図24-27に示されるように、その直線収縮位置に維持することができる。ガイドワイヤが除去されると、保定部分1230は、そのコイル状位置に必然的に遷移する。
いくつかの実施例では、開口部1232、1233は、本質的にコイル1280、1282、1284の半径方向内向きに面した側1286または保護された表面積または内側表面積1000のみ、またはその側のみに配置され、開口部1232、1233の閉塞または妨害を防止する。コイル1280、1282、1284の半径方向外向きに面した側1288は、開口部1232が本質的になくてもよい。類似実施例では、保定部分1230の内向きに面した側1286上の開口部1232、1233の総面積は、保定部分1230の半径方向外向きに面した側1288上の開口部1232の総面積を実質的に上回り得る。故に、負圧が尿管および/または腎盂内で誘発されると、尿管ならびに/もしくは腎臓の粘膜組織は、保定部分1230に対して引き出され得、保定部分1230の外周1002または保護表面積1001上のいくつかの開口部1232を閉塞し得る。しかしながら、保定部分1230の半径方向内向き側1286または保護された表面積または内側表面積1000上に位置する開口部1232は、そのような組織が保定部分1230の外周1002または保護表面積1001に接触するとき、著しく閉塞されない。したがって、排出開口部1232との噛込または接触からの組織の傷害のリスクが、低減積または排除されることができる。
(孔または開口部分布実施例)
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、開口部1232がない、または本質的になくあり得る。例えば、第1のコイル1280上の開口部1232の総面積は、完全コイル1282、1284の開口部1232の総面積未満または実質的に未満であり得る。コイル状保定部分(図23A-23Eに示されるコイル状保定部分1230等)のために使用され得る、開口部または開口部1232の種々の配列の実施例が、図24-27に図示される。図24-27に示されるように、保定部分1330は、ガイドワイヤが排出管腔を通して挿入されると生じるような、その非コイル状または直線位置に描写される。
例示的保定部分1330が、図24に図示される。保定部分1330の開口部の位置付けをより明確に説明するために、保定部分1330は、本明細書では、最近位または第1の区分1310、第2の区分1312、第3の区分1314、第4の区分1316、第5の区分1318、および最遠位または第6の区分1320等の複数の区分または穿孔区分に分割されるものとして参照される。当業者は、所望に応じて、より少ないまたは付加的区分が含まれ得ることを理解するであろう。本明細書で使用されるように、「区分」は、保定部分1330内の管1322の離散長を指す。いくつかの実施例では、区分は、長さが等しい。他の実施例では、いくつかの区分は、同一の長さを有することができ、他の区分は、異なる長さを有することができる。他の実施例では、各区分は、異なる長さを有する。例えば、区分1310、1312、1314、1316、1318、および1320はそれぞれ、それぞれ、約5mm~約35mm、好ましくは、約5mm~15mmに及ぶ、長さL11-L16を有することができる。
いくつかの実施例では、各区分1310、1312、1314、1316、1318、および1320は、1つ以上の開口部1332を備える。いくつかの実施例では、各区分はそれぞれ、単一の開口部1332を備える。他の実施例では、第1の区分1310は、単一の開口部1332を含み、他の区分は、複数の開口部1332を備える。他の実施例では、異なる区分は、1つ以上の開口部1332を備え、開口部はそれぞれ、異なる形状または異なる総面積を有する。
図23A-23Eに示される保定部分1230等のいくつかの実施例では、保定部分1230の0~約180度に延在する、第1または半コイル1280は、開口部がない、または本質的になくあり得る。第2のコイル1282は、約180~360度延在する、第1の区分1310を含むことができる。第2のコイル1282はまた、保定部分1230の約360度~540度に位置付けられる、第2および第3の区分1312、1314を含むことができる。第3のコイル1284は、保定部分1230の約540度~900度に位置付けられる、第4および第5の区分1316、1318を含むことができる。
いくつかの実施例では、開口部1332は、第1の区分1310の開口部の総面積が、隣接する第2の区分1312の開口部の総面積未満であるように、定寸されることができる。同様に、保定部分1330がさらに、第3の区分1314を備える場合、第3の区分1314の開口部は、第1の区分1310または第2の区分1312の開口部の総面積を上回る、総面積を有することができる。第4の区分1316、第5の区分1318、および第6の区分1320の開口部はまた、徐々に増加する総面積および/または数の開口部を有し、管1222を通した流体流を改良してもよい。
図24に示されるように、管の保定部分1230は、5つの区分1310、1312、1314、1316、1318を含み、それぞれ、単一開口部1332、1334、1336、1338、1340を含む。保定部分1330はまた、第6の区分1320を含み、これは、管1222の開放遠位端1220を含む。本実施例では、第1の区分1310の開口部1232は、最小総面積を有する。例えば、第1の区分の開口部1332の総面積は、約0.002mm2~約2.5mm2、または約0.01mm2~1.0mm2、もしくは約0.1mm2~0.5mm2に及ぶことができる。一実施例では、開口部1332は、カテーテルの遠位端1220から約55mmであって、0.48mmの直径と、0.18mm2の面積とを有する。本実施例では、第2の区分1312の開口部1334の総面積は、第1の区分1310の開口部1332の総面積を上回り、約0.01mm2~約1.0mm2のサイズに及ぶことができる。第3の開口部1336、第4の開口部1338、および第5の開口部1350もまた、約0.01mm2~約1.0mm2のサイズに及ぶことができる。一実施例では、第2の開口部1334は、カテーテル1220の遠位端から約45mmであって、約0.58mmの直径と、約0.27mm2の面積とを有する。第3の開口部1336は、カテーテル1220の遠位端から約35mmであって、約0.66mmの直径を有することができる。第4の開口部1338は、遠位端1220から約25mmであって、約0.76mmの直径を有することができる。第5の開口部1340は、カテーテルの遠位端1220から約15mmであって、約0.889mmの直径を有することができる。いくつかの実施例では、管1222の開放遠位端1220は、約0.5mm2~約5.0mm2に及ぶ、またはそれを上回る面積を有する、最大開口部を有する。一実施例では、開放遠位端1220は、約0.97mmの直径と、約0.74mm2の面積とを有する。
本明細書に説明されるように、開口部1332、1334、1336、1338、1340は、負圧が、例えば、排出管腔1224の近位部分1228から、カテーテル1212の排出管腔1224に印加されるとき、第1の開口部1332を通して通過する流体の体積流率が、より遠位区分の開口部の体積流率により密接に対応するように、位置付けられ、定寸されることができる。上記に説明されるように、各開口部が同一面積である場合、負圧が排出管腔1224に印加されると、第1の開口部1332の最近位を通して通過する流体の体積流率は、保定部分1330の遠位端1220により近い開口部1334を通して通過する流体の体積流率を実質的に上回るであろう。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧が印加されると、排出管腔1224の内部と排出管腔1224の外部との間の圧力差が、最近位開口部の領域内でより大きくなり、管の遠位端に向かって移動する各開口部において減少すると考えられる。例えば、開口部1332、1334、1336、1338、1340のサイズおよび位置は、第2の区分1312の開口部1334の中に流動する流体に関する体積流率が、第1の区分1310の開口部1332の中に流動する流体の体積流率の少なくとも約30%であるように選択されることができる。他の実施例では、最近位または第1の区分1310の中に流動する流体に関する体積流率は、排出管腔1224の近位部分を通して流動する流体に関する総体積流率の約60%未満である。他の実施例では、2つの最近位区分(例えば、第1の区分1310および第2の区分1312)の開口部1332、1334の中に流動する流体に関する体積流率は、負圧、例えば、約-45mmHgの負圧が、排出管腔の近位端に印加されるとき、排出管腔1224の近位部分を通して流動する流体の体積流率の約90%未満であり得る。
当業者によって理解されるであろうように、複数の開口部または穿孔を備える、カテーテルまたは管に関する体積流率および分布は、種々の異なる方法において直接測定または計算されることができる。本明細書で使用されるように、「体積流率」は、各開口部の下流およびそれに隣接する体積流率の実際の測定または下記に説明される「計算される体積流率」のための方法の使用を意味する。
例えば、経時的に分散される流体体積の実際の測定は、各開口部1332、1334、1336、1338、1340を通した体積流率を判定するために使用されることができる。1つの例示的実験配列では、保定部分1330の区分1310、1312、1314、1316、1318、1320を受容するように定寸される個々のチャンバを備える、マルチチャンバ容器が、保定部分1330の周囲でシールされ、それを封入し得る。各開口部1332、1334、1336、1338、1340は、チャンバのうちの1つ内にシールされ得る。個別のチャンバから管3222の中に各開口部1332、1334、1336、1338、1340を通して引き込まれる流体体積の量が、測定され、負圧が印加されるときに各開口部の中に経時的に引き込まれる流体体積の量を判定し得る。負圧ポンプシステムによって管3222内で収集される流体体積の累積量は、各開口部1332、1334、1336、1338、1340の中に引き込まれる流体の和に匹敵するであろう。
代替として、異なる開口部1332、1334、1336、1338、1340を通した体積流体流率は、管状本体を通した流体流をモデル化するための方程式を使用して、数学的に計算されることができる。例えば、開口部1332、1334、1336、1338、1340を通して排出管腔1224の中に通過する流体の体積流率は、物質移動シェルバランス評価に基づいて計算されることができる。
開口部2332、2334、2336、2338、2340を伴う、別の例示的保定部分2230が、図25に図示される。図25に示されるように、保定部分2230は、多数のより小さい穿孔または開口部2332、2334、2336、2338、2340を備える。開口部2332、2334、2336、2338、2340はそれぞれ、実質的に同じ断面積を有することができる、または1つ以上の開口部2332、2334、2336、2338、2340は、異なる断面積を有することができる。図25に示されるように、保定部分2330は、上記に説明されるような6つの区分2310、2312、2314、2316、2318、2320を備え、各区分は、複数の開口部2332、2334、2336、2338、2340を備える。図25に示される実施例では、区分あたりの開口部2332、2334、2336、2338、2340の数は、各区分内の開口部1332の総面積が、近位に隣接する区分と比較して増加するように、管2222の遠位端2220に向かって増加する。
図25に示されるように、第1の区分2310の開口部2332は、保定部分2230の中心軸X1と略平行である第1の仮想線V1に沿って配列される。第2の区分2312、第3の区分2314、第4の区分2316、および第5の区分2318の開口部2334、2336、2338、2340は、それぞれ、これらの区分の開口部2334、2336、2338、2340もまた、管2222の円周の周囲に整列するように、徐々に増加する数の列において、管2222の側壁上に位置付けられる。例えば、第2の区分2312の開口部2334のいくつかは、管2222の側壁の円周の周囲に延在する第2の仮想線V2が、複数の開口部2334の少なくとも一部に接触するように位置付けられる。例えば、第2の区分2312は、各開口部2334が等しいまたは異なる断面積を有する、2つ以上の列の穿孔または開口部2334を備えることができる。さらに、いくつかの実施例では、第2の区分2312の列のうちの少なくとも1つは、管2222の中心軸X1と平行であるが、第1の仮想線V1と同延ではない、第3の仮想線V3に沿って整合されることができる。同様に、第3の区分2314は、各開口部2336が等しいまたは異なる断面積を有する、5列の穿孔または開口部2336を備えることができ、第4の区分2316は、7列の穿孔または開口部2338を備えることができ、第5の区分2318は、9列の穿孔または開口部2340を備えることができる。前の実施例におけるように、第6の区分2320は、単一開口部、すなわち、管2222の開放遠位端2220を備える。図25の実施例では、開口部はそれぞれ、同一面積を有するが、1つ以上の開口部の面積は、所望に応じて、異なり得る。
開口部3332、3334、3336、3338、3340を伴う、別の例示的保定部分3230が、図26に図示される。図26の保定部分3230は、複数の同様に定寸された穿孔または開口部3332、3334、3336、3338、3340を含む。前の実施例におけるように、保定部分3230は、6つの区分3310、3312、3314、3316、3318、3320に分割されることができ、それぞれ、少なくとも1つの開口部を備える。最近位または第1の区分3310は、1つの開口部3332を含む。第2の区分3312は、管3222の側壁の円周の周囲に延在する仮想線V2に沿って整合される、2つの開口部3334を含む。第3の区分3314は、仮想三角形の頂点に位置付けられる、3つの開口部3336の群を備える。第4の区分3316は、仮想正方形の角に位置付けられる、4つの開口部3338の群を備える。第5の区分3318は、菱形を管3222の側壁上に形成するように位置付けられる、10個の開口部3340を備える。前の実施例におけるように、第6の区分3320は、単一開口部、すなわち、管3222の開放遠位端3220を備える。各開口部の面積は、約0.001mm2~約2.5mm2に及ぶことができる。図26の実施例では、開口部はそれぞれ、同一面積を有するが、1つ以上の開口部の面積は、所望に応じて、異なり得る。
開口部4332、4334、4336、4338、4340を伴う、別の例示的保定部分4230が、図27に図示される。保定部分4330の開口部4332、4334、4336、4338、4340は、異なる形状およびサイズを有する。例えば、第1の区分4310は、単一円形開口部4332を含む。第2の区分4312は、第1の区分4310の開口部4332より大きい断面積を伴う、円形開口部4334を有する。第3の区分4314は、3つの三角形の開口部4336を備える。第4の区分4316は、大きい円形開口部4338を備える。第5の区分4318は、菱形の開口部4340を備える。前の実施例におけるように、第6の区分4320は、管4222の開放遠位端4220を備える。図27は、各区分内の異なる形状の開口部の配列の一実施例を図示する。各区分内の各開口部の形状は、独立して選択されることができ、例えば、第1の区分4310は、1つ以上の菱形の開口部または他の形状を有し得ることを理解されたい。各開口部の面積は、同一または異なり得、約0.001mm2~約2.5mm2に及ぶことができる。
図28A-50Bは、カテーテル5000の排出管腔または管5002の遠位部分5004を尿管、腎盂、および/または腎臓内に維持するための保定部分5012を備える、遠位部分5004を備える、尿管カテーテル5000の付加的実施例を示す。前の実施例におけるように、保定部分5012は、可撓性および/または屈曲可能であって、尿管、腎盂、ならびに/もしくは腎臓内への保定部分5012の位置付けを許容することができる。例えば、保定部分5012は、望ましくは、カテーテル5000に及ぼされる力を吸収し、そのような力が尿管に伝達されないように防止するために十分に屈曲可能であり得る。さらに、保定部分5012が、近位方向に患者の膀胱に向かって引動される場合、保定部分5012は、尿管を通して引き出され得るように、解巻、直線化、または圧潰され始めるために十分に可撓性であり得る。
いくつかの実施例では、保定部分は、漏斗状支持体を備える。漏斗状支持体の異なる形状の非限定的実施例が、下記に詳細に議論される、図28A-50Bに示される。概して、漏斗状支持体は、少なくとも1つの側壁を備える。漏斗状支持体の少なくとも1つの側壁は、第1の直径と、第2の直径とを備え、第1の直径は、第2の直径未満である。漏斗状支持体の第2の直径は、第1の直径より排出管腔の遠位部分の端部に近い。
ここで図28A-28Dを参照すると、いくつかの実施例では、保定部分5012は、漏斗状支持体5014を備える。漏斗状支持体5014は、少なくとも1つの側壁5016を備える。図28Cおよび28Dに示されるように、外周1002または保護表面積1001は、漏斗状支持体5014の外側表面または外壁5022を備える。1つ以上の排出孔、ポート、または穿孔、または内部開口部5030は、漏斗状支持体5014の保護された表面積または内側表面積1000上に配置される。図28Cおよび28Dに示されるように、漏斗状支持体の基部部分5024に単一排出孔5030があるが、複数の孔が存在し得る。
漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、第1の(外側)直径D14と、第2の(外側)直径D15とを備え、第1の外径D14は、第2の外径D15未満である。漏斗状支持体5014の第2の外径D15は、第1の外径D14より排出管腔5002の遠位部分5004の遠位端5010に近い。いくつかの実施例では、第1の外径D14は、約0.33mm~4mm(約1Fr~約12Fr(フレンチカテーテルスケール))または約2.0±0.1mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、第2の外径D15は、第1の外径D14を上回り、約1mm~約60mm、または約10mm~30mm、もしくは約18mm±2mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016はさらに、第3の直径D17(図28Bに示される)を備えることができ、第3の直径D17は、第2の外径D15未満である。漏斗状支持体5014の第3の直径D17は、第2の直径D15より排出管腔5002の遠位部分5004の遠位端5010に近い。第3の直径D17は、辺縁に関して下記により詳細に議論される。いくつかの実施例では、第3の直径D17は、約0.99mm~約59mmまたは約5mm~約25mmに及ぶことができる。
漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、第1の(内側)直径D16を備える。第1の内径D16は、第3の直径D17より漏斗状支持体5014の近位端5017に近い。第1の内径D16は、第3の直径D17未満である。いくつかの実施例では、第1の内径D16は、約0.05mm~3.9mmまたは約1.25±0.75mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、保定部分5012の中心軸5018に沿った側壁5016の全高H15は、約1mm~約25mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、側壁の高さH15は、例えば、側壁が図33Aに示されるように波状縁または丸みを帯びた縁を有する場合、側壁の異なる部分で変動し得る。いくつかの実施例では、波状部は、所望に応じて、約0.01mm~約5mmに及ぶ、またはそれを上回り得る。
いくつかの実施例では、図28A-50Bに示されるように、漏斗状支持体5014は、略円錐形形状を有することができる。いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の近位端5017の近傍の外壁5022と漏斗状支持体5014の基部部分5024に隣接する排出管腔5002との間の角度5020は、約100度~約180度、または約100度~約160度、もしくは約120度~約130度に及ぶことができる。角度5020は、角度5020が約140度~約180度に及ぶ、図31Aに示されるように、漏斗状支持体5014の円周を中心として異なる位置で変動し得る。
いくつかの実施例では、少なくとも1つの側壁5016の遠位端5010の縁または辺縁5026は、丸みを帯びた、正方形、または所望の任意の形状であり得る。縁5026によって画定される形状は、例えば、円形(図28Cおよび32Bに示されるように)、楕円形(図31Bに示されるように)、葉状(図37B、38B、および40に示されるように)、正方形、長方形、または所望の任意の形状であり得る。
ここで図37A-40を参照すると、漏斗状支持体5300が、示され、少なくとも1つの側壁5302は、側壁5302の長さL17に沿って複数の葉状形状の縦方向折畳部5304を備える。外周1002または保護表面積1001は、漏斗状支持体5300の外側表面または外壁5032を備える。1つ以上の排出孔、ポート、または穿孔、または内部開口部は、漏斗状支持体5300の保護された表面積または内側表面積1000上に配置される。図37Bに示されるように、漏斗状支持体の基部部分に単一排出孔があるが、複数の孔が存在し得る。
折畳部5304の数は、示されるように、2~約20または約6に及ぶことができる。本実施例では、折畳部5304は、シリコーン、ポリマー、固体材料、布地、または浸透性メッシュ等の1つ以上の可撓性材料から形成され、所望の葉状形状を提供することができる。折畳部5304は、図37Bに示される断面図に示されるように、略丸みを帯びた形状を有することができる。漏斗状支持体5300の遠位端5306における各折畳部5304の深度D100は、同一であり、または変動し得、約0.5mm~約5mmに及ぶことができる。
ここで図38A-38Cを参照すると、1つ以上の折畳部5304は、少なくとも1つの縦方向支持部材5308を備えることができる。縦方向支持部材5308は、漏斗状支持体5300の全長L17または長さL17の一部に跨架することができる。縦方向支持部材5308は、感温形状記憶材料、例えば、ニチノール等の可撓性であるが部分的に剛性の材料から形成されることができる。縦方向支持部材5308の厚さは、所望に応じて、約0.01mm~約1mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、ニチノールフレームは、シリコン等の好適な防水材料で被覆され、テーパ状部分または漏斗を形成することができる。その場合、流体は、漏斗状支持体5300の内側表面5310を辿って、排出管腔5312の中に流動することが可能にされる。他の実施例では、折畳部5304は、漏斗形状の保定部分を形成するように屈曲または成型される、種々の剛性または部分的に剛性のシートまたは材料から形成される。
ここで図39および40を参照すると、折畳部5402の遠位端または縁5400は、少なくとも1つの縁支持部材5404を備えることができる。縁支持部材5404は、漏斗状支持体5408の遠位縁5400の円周全体5406または円周5406の1つ以上の部分に跨架することができる。縁支持部材5404は、感温形状記憶材料、例えば、ニチノール等の可撓性であるが部分的に剛性の材料から形成されることができる。縁支持部材5404の厚さは、所望に応じて、約0.01mm~約1mmに及ぶことができる。
図28A-28Cに示されるようないくつかの実施例では、排出管腔5002(または漏斗状支持体5014)の遠位端5010は、例えば、約0.01mm~約1mmの漏斗状支持体5014の中心に向かって配向される内向きに面した辺縁5026を有し、腎臓組織の炎症を阻止することができる。したがって、漏斗状支持体5014は、第2の直径D15未満である、第3の直径D17を備えることができ、第3の直径D17は、第2の直径D15より排出管腔5002の遠位部分5004の端部5010に近い。辺縁5026の外側表面5028は、丸みを帯びた、正方形縁、または所望の任意の形状であり得る。辺縁5026は、付加的支持を腎盂および内部腎臓組織に提供することを補助し得る。
ここで図33Aおよび33Bを参照すると、いくつかの実施例では、少なくとも1つの側壁5204の遠位端5202の縁5200が、成形されることができる。例えば、縁5200は、複数の略丸みを帯びた縁5206または扇形、例えば、約4~約20個またはそれを上回る丸みを帯びた縁を備えることができる。丸みを帯びた縁5206は、直線縁より大きい表面積を提供し、腎盂または腎臓の組織を支持し、閉塞を阻止することに役立つことができる。縁5200は、所望の任意の形状を有することができるが、好ましくは、鋭縁が本質的になく、またはなく、組織を傷害することを回避する。
図28A-28Cおよび31A-32Bに示されるようないくつかの実施例では、漏斗状支持体5014は、排出管腔5002の遠位部分5004に隣接する、基部部分5024を備える。基部部分5024は、排出管腔5002の近位部分5006の内部管腔5032の中への流体流を許容するために排出管腔5002の近位部分5006の排出管腔5002の内部管腔5032と整合される、少なくとも1つの内部開口部5030を備える。いくつかの実施例では、開口部5030の断面は、円形であるが、形状は、楕円形、三角形、正方形等、変動してもよい。
図31A-32Bに示されるようないくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の中心軸5018は、排出管腔5002の近位部分5006の中心軸5034に対してオフセットされる。近位部分5006の中心軸5034に対する漏斗状支持体5014の中心軸5018からのオフセット距離Xは、約0.1mm~約5mmに及ぶことができる。
基部部分5024の少なくとも1つの内部開口部5030は、約0.05mm~約4mmに及ぶ、直径D18を有する(例えば、図28Cおよび32Bに示される)。いくつかの実施例では、基部部分5024の内部開口部5030の直径D18は、排出管腔の隣接する近位部分5006の第1の内径D16とほぼ等しい。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016の高さH15と漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016の第2の外径D15の比率は、約1:25~約5:1に及ぶ。
いくつかの実施例では、基部部分5024の少なくとも1つの内部開口部5030は、約0.05mm~約4mmに及ぶ直径D18を有し、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016の高さH15は、約1mm~約25mmに及び、漏斗状支持体5014の第2の外径D15は、約5mm~約25mmに及ぶ。
いくつかの実施形態では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016の厚さT11(例えば、図28Bに示される)は、約0.01mm~約1.9mmまたは約0.5mm~約1mmに及ぶことができる。厚さT11は、概して、少なくとも1つの側壁5016の全体を通して均一であり得る、または所望に応じて変動してもよい。例えば、少なくとも1つの側壁5016の厚さT11は、漏斗状支持体5014の基部部分5024より排出管腔5002の遠位部分5004の遠位端5010の近傍においてより薄い、または厚くあり得る。
ここで図28A-30を参照すると、少なくとも1つの側壁5016の長さに沿って、側壁5016は、直線(図28Aおよび29に示されるように)、凹面(図30に示されるように)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。図30に示されるように、側壁5016の曲率は、Qにおいて心合される円形が曲線に衝合し、曲線と同一傾きおよび曲率を有するように、点Qからの曲率半径Rから近似されることができる。いくつかの実施例では、曲率半径は、約2mm~約12mmに及ぶ。いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014は、略半球形状を有してもよい。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、例えば、図44A、44B、47A、および47Bに示されるように、バルーン5100から形成される。バルーン5100は、漏斗状支持体を提供し、尿管、腎盂、および/または腎臓の残りの閉塞を阻止する、任意の形状を有することができる。図44Aおよび44Bに示されるように、バルーン5100は、漏斗の形状を有する。バルーンは、ガスまたは空気をガスポート5102を通して追加または除去することによって、挿入後に膨張される、または除去前に収縮されることができる。ガスポート5102は、単に、バルーン5100の内部5104と連続的であり得、例えば、バルーン5100は、内部5106に隣接する、または排出管腔5002の近位部分5006の隣接する部分の外部5108を包囲することができる。バルーン5100の側壁5110の直径D19は、約1mm~約3mmに及ぶことができ、側壁が、均一直径を有する、漏斗状支持体5116の遠位端5112に向かってテーパ状になる、または漏斗状支持体5116の近位端5114に向かってテーパ状になるように、その長さに沿って変動することができる。漏斗状支持体5116の遠位端5112の外径D20は、約5mm~約25mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、例えば、図28A、29、および30に示されるように、少なくとも1つの側壁5016の高さH15に沿って連続する。いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、固体壁を備え、例えば、側壁5016は、片側上における尿等の流体との接触から24時間後に側壁を通して浸透性ではない。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体の少なくとも1つの側壁は、少なくとも1つの側壁の高さまたは本体に沿って断続である。本明細書で使用されるように、「断続」は、少なくとも1つの側壁が、例えば、重力または負圧によって、それを通して排出管腔の中への流体または尿の流動を許容するための少なくとも1つの開口部を備えることを意味する。いくつかの実施例では、開口部は、側壁を通した従来の開口部、またはメッシュ材料内の開口部、または浸透性布地内の開口部であり得る。開口部の断面形状は、所望に応じて、円形、または長方形、正方形、三角形、多角形、楕円形等の非円形であり得る。いくつかの実施例では、「開口部」は、コイル状管または導管を備える、カテーテルの保定部分内の隣接するコイル間の間隙である。
本明細書で使用されるように、「開口部」または「孔」は、側壁の外側から内側まで、またはその逆に側壁を通した連続空隙空間またはチャネルを意味する。いくつかの実施例では、少なくとも1つの開口部はそれぞれ、同一または異なり得、約0.002mm2~約100mm2または約0.002mm2~約10mm2に及び得る、面積を有することができる。本明細書で使用されるように、開口部の「面積」または「表面積」または「断面積」は、開口部の周界によって画定された最小または極小平面面積を意味する。例えば、開口部が、円形であって、約0.36mmの直径(0.1mm2の面積)を側壁の外側に有するが、わずか0.05mmの直径(0.002mm2の面積)を側壁内または側壁の反対側上のある点に有する場合、「面積」は、側壁内の開口部を通した流動のための極小または最小平面面積であるため、0.002mm2となるであろう。開口部が、正方形または長方形である場合、「面積」は、長さ×平面面積の幅となるであろう。任意の他の形状に関して、「面積」は、当業者に周知の従来の数学的計算によって判定されることができる。例えば、不規則形状の開口部の「面積」は、形状を開口部の平面面積を充填するように適合し、各形状の面積を計算し、各形状の面積をともに加算することによって見出される。
いくつかの実施例では、側壁の少なくとも一部は、少なくとも1つ(1つ以上)の開口部を備える。概して、開口部の中心軸は、側壁の平面外側表面と略垂直であり得る、または開口部は、側壁の平面外側表面に対して角度付けられることができる。開口部のボアの寸法は、その深度全体を通して均一であり得る、または幅は、側壁の外部表面から側壁の内部表面まで開口部を通して、幅を増加させる、減少させる、または交互させることのいずれかによって、深度に沿って変動し得る。
ここで図22A-22E、23A、23E、24-27、36、41A、41B、42、および43を参照すると、いくつかの実施例では、側壁の少なくとも一部は、少なくとも1つ(1つ以上)の開口部を備える。開口部は、側壁に沿って任意の場所に位置付けられることができる。例えば、開口部は、側壁全体を通して均一に位置付けられる、または側壁の遠位端により近い、または側壁の近位端により近い等の側壁の規定された領域内に、または側壁の長さまたは円周に沿って垂直または水平またはランダム群内に位置付けられることができる。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧が排出管腔の近位部分の近位端に印加されるとき、尿管、腎盂、および/または他の腎臓組織に直接隣接する、漏斗状支持体の近位部分内の開口部は、尿管カテーテルの遠位部分における負圧を減少させ、それによって、腎臓および腎臓の腎盂からの流体または尿の引き出しまたは流動を減少させるとともに、おそらく、組織を炎症させ得るため、そのような開口部は、望ましくあり得ないと考えられる。
開口部の数は、所望に応じて、1~1,000またはそれを上回って変動することができる。例えば、図36では、6つの開口部(各側上に3つ)が、示される。上記に議論されるように、いくつかの実施例では、少なくとも1つの開口部はそれぞれ、同一または異なり得、約0.002mm2~約50mm2または約0.002mm2~約10mm2に及び得る、面積を有することができる。
いくつかの実施例では、図36に示されるように、開口部5500は、側壁5504の遠位端5502のより近くに位置付けられることができる。いくつかの実施例では、開口部は、遠位端5502に向かって側壁の遠位半分5506内に位置付けられる。いくつかの実施例では、開口部5500は、遠位半分5506の円周の周囲に、またはさらに側壁5504の遠位端5502のより近くに均一に分散される。
対照的に、図41Bでは、開口部5600は、内側側壁5604の近位端5602の近傍に位置付けられ、外側側壁5606が開口部5600と組織との間に存在するため、組織に直接接触しない。代替として、または加えて、1つ以上の開口部5600は、所望に応じて、内側側壁の遠位端の近傍に位置付けられることができる。内側側壁5604および外側側壁5606は、内側側壁5604の外側5610を外側側壁5606の内側5612に接続する、1つ以上の支持体5608または隆起によって、接続されることができる。
図22A-22E、23A、23D-23F、28B、28D、29、31A、31B、32A、32B、33A、33B、34、35、36、37A、37B、38A-38C、39、40、41A、41B、42、43、44A、44B、46B、46A、48B、49A、49B、50A、および50Bに示されるような、いくつかの非限定的実施例では、保護された表面積または内側表面積1000が、種々の異なる形状または材料によって確立されることができる。保護された表面積または内側表面積1000の非限定的実施例は、例えば、漏斗150b、5014、5116、5300、5408、5508、5614、5702、5802、6000の内部部分152b、5028、5118、5310、5410、5510、5616、5710、5814、6004、コイル183b、184b、185b、187b、334b、1280、1282、1284の内部部分164b、166b、168b、170b、338b、1281、1283、1285、多孔性材料5900、6002の内部部分5902、6003、メッシュ5704、5804の内部部分162b、5710、5814、または保護された排出孔533bを伴うケージ530bの内部部分536bを備えることができる。
いくつかの非限定的実施例では、少なくとも1つの保護された排出孔、ポート、または穿孔133b、1233が、保護された表面積1000上に配置される。カテーテルを通した負圧療法の印加に応じて、尿路上皮または粘膜組織1003、1004は、カテーテルの保定部分130b、330b、410b、500b、1230、1330、2230、3230、4230、5012、5013の外周189b、1002または保護表面積1001上に共形化または圧潰し、それによって、保護された表面積または内側表面積1000上に配置される、保護された排出孔、ポート、または穿孔133b、1233のうちの1つ以上を閉塞しないように防止または阻止され、それによって、開存している流体柱または流が、腎盂および腎杯と排出管腔124b、324b、424b、524b、1224、5002、5003、5312、5708、5808との間で確立、維持、または向上される。
いくつかの実施例では、保定部分130b、330b、410b、500b、1230、1330、2230、3230、4230、5012、5013は、外向きに面した側1288と、内向きに面した側1286とを有する、1つ以上の螺旋コイルを備え、外周1002または保護表面積1001は、1つ以上の螺旋コイルの外向きに面した側1288を備え、少なくとも1つの保護された排出孔、ポート、または穿孔133b、1233は、1つ以上の螺旋コイルの内向きに面した側1286(保護された表面積または内側表面積1000)上に配置される。
例えば、図34に示されるような漏斗形状は、腎盂の自然な解剖学的形状に共形化し、尿路上皮が流体柱を収縮させないように防止する、側壁5700を生成することができる。漏斗状支持体5702の内部5710は、それを通して流体柱が腎杯から排出管腔5708の中に流動し得る、通路を提供する開口部5706を、それを通して有する、保護された表面積1000を提供する。同様に、図35のメッシュ形態もまた、腎杯とカテーテルの排出管腔5808との間に、メッシュ5804の内部5814等の保護された表面積1000を生成することができる。メッシュ5704、5804は、それを通して排出管腔5708、5808の中への流体流を許容するための複数の開口部5706、5806を備える。いくつかの実施例では、開口部の最大面積は、約100mm2未満、または約1mm2未満、もしくは約0.002mm2~約1mm2、または約0.002mm2~約0.05mm2であり得る。メッシュ5704、5804は、上記に議論されるような任意の好適な金属またはポリマー材料から形成されることができる。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体はさらに、漏斗状支持体の遠位端にわたってカバー部分を備える。本カバー部分は、漏斗状支持体の一体部分として形成される、または漏斗状支持体の遠位端に接続されることができる。例えば、図35に示されるように、漏斗状支持体5802は、漏斗状支持体5802の遠位端5812を横断して、漏斗状支持体5802の遠位端5812から突出する、カバー部分5810を備える。カバー部分5810は、平坦、凸面、凹面、波状、およびそれらの組み合わせ等の所望の任意の形状を有することができる。カバー部分5810は、上記に議論されるように、メッシュまたは任意のポリマー固体材料から形成されることができる。カバー部分5810は、外周1002または保護表面積1001を提供し、腎臓領域内の柔軟組織を支持し、尿産生を促進することを補助することができる。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体は、例えば、図48A-49Bに示されるように、多孔性材料から成る。図48A-49Bおよび好適な多孔性材料は、下記に詳細に議論される。簡潔に、図48A-49Bでは、多孔性材料自体が、漏斗状支持体である。図48Aおよび48Bでは、漏斗状支持体は、多孔性材料の楔である。図49Aおよび49Bでは、多孔性材料は、漏斗の形状である。図42等のいくつかの実施例では、多孔性材料5900は、側壁5904の内部5902内に位置付けられる。図43等のいくつかの実施例では、漏斗状支持体6000は、側壁6006の内部6004に隣接して位置付けられる、多孔性ライナ6002を備える。多孔性ライナ6002の厚さT12は、例えば、約0.5mm~約12.5mmに及ぶことができる。多孔性材料内の開口部の面積は、約0.002mm2~約100mm2またはそれ未満であり得る。
ここで図46Aおよび46Bを参照すると、例えば、尿管カテーテル112bの保定部分130bは、いくつかの実施例では、患者の腎盂および/または腎臓内に位置付けられるように構成される、拡開ならびに/もしくはテーパ状遠位端部分を有する、カテーテル管122bを備える。例えば、保定部分130bは、尿管および/または腎臓壁に対して位置付けられるように構成される外側表面185bを備え、流体をカテーテル112bの排出管腔124bに向かって指向するように構成される内側表面186bを備える、漏斗形状の構造であり得る。保定部分は、外側表面185bと、内側表面186bとを有する、漏斗状支持体に構成されることができ、外周189bまたは保護表面積1001は、漏斗状支持体の外側表面185bを備え、1つ以上の排出孔、ポート、または穿孔133b、1233は、漏斗状支持体の基部において内側表面186b上に配置される。図41Aおよび41Bに示される別の実施例では、保定部分は、外側表面と、内側表面5616とを有する、漏斗状支持体5614に構成されることができ、外周1002または保護表面積1001は、外側側壁5606の外側表面を備える。保護された表面積1000は、内側漏斗の内側側壁5604を備えることができ、1つ以上の排出孔、ポート、または穿孔5600は、漏斗状支持体の内側側壁5604上に配置されることができる。
図46Aおよび46Bを参照すると、保定部分130bは、排出管腔124bの遠位端に隣接し、第1の直径D11を有する、近位端188bと、保定部分130bがその展開位置にあるとき、第1の直径D11を上回る第2の直径D12を有する、遠位端190bとを備えることができる。いくつかの実施例では、保定部分130bは、圧潰または圧縮位置から展開位置に遷移可能である。例えば、保定部分130bは、保定部分130bがその流体収集位置に前進されると、保定部分130b(例えば、漏斗部分)が半径方向外向きに展開状態に拡張するように、半径方向外向きに付勢されることができる。
尿管カテーテル112bの保定部分130bは、圧潰状態から展開状態に遷移することが可能である種々の好適な材料から作製されることができる。一実施例では、保定部分130bは、ニチノール等の感温形状記憶材料から形成される、尖叉または伸長部材のフレームワークを備える。いくつかの実施例では、ニチノールフレームは、シリコン等の好適な防水材料で被覆され、テーパ状部分または漏斗を形成することができる。その場合、流体は、保定部分130bの内側表面186bを辿って排出管腔124bの中に流動することが可能にされる。他の実施例では、保定部分130bは、図46Aおよび46Bに図示されるように、漏斗形状の保定部分を形成するように屈曲または成形される、種々の剛性または部分的に剛性のシートまたは材料から形成される。
いくつかの実施例では、尿管カテーテル112bの保定部分は、刺激を尿管および腎盂の隣接する組織内の神経ならびに筋線維に提供するための1つ以上の機械的刺激デバイス191bを含むことができる。例えば、機械的刺激デバイス191bは、カテーテル管122bの側壁の一部内に埋設され、またはそれに隣接して搭載され、低レベルの振動を発するように構成される、線形または環状アクチュエータを含むことができる。いくつかの実施例では、機械的刺激は、尿管および/または腎盂の一部に提供され、負圧の印加によって取得される療法的効果を補完または修正することができる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、そのような刺激は、例えば、尿管および/または腎盂と関連付けられる神経を刺激すること、ならびに/もしくは蠕動筋肉を作動させることによって、隣接する組織に影響を及ぼすと考えられる。神経の刺激および筋肉の活性化は、周囲組織ならびに器官内の圧力勾配または圧力レベルの変化をもたらし得、これは、負圧療法の治療上の利点に寄与する、またはある場合には、それを向上させ得る。
図47Aおよび47Bを参照すると、別の実施例によると、尿管カテーテル312bの保定部分330bは、螺旋構造332bおよび螺旋構造332bの近位に位置付けられる膨張可能要素またはバルーン350b内に形成され、腎盂および/または流体収集場所内に付加的保定度を提供するための遠位部分318bを有する、カテーテル管322bを備える。バルーン350bは、バルーンを腎盂または尿管内に保定するために十分であるが、これらの構造の膨張または損傷を回避するために十分に低い圧力まで膨張されることができる。好適な膨張圧力は、当業者に公知であって、試行錯誤によって容易に判別可能である。前述で説明された実施例におけるように、螺旋構造332は、カテーテル管322bを屈曲させ、1つ以上のコイル334bを形成することによって付与されることができる。コイル334bは、上記に説明されるように、一定または可変直径および高さを有することができる。カテーテル管322bはさらに、カテーテル管322bの側壁上に配置され、尿がカテーテル管322bの排出管腔324bの中に引き込まれ、例えば、コイル334bの内向きに面した側および/または外向きに面した側上の排出管腔324bを通して身体から指向されることを可能にする、複数の排出ポート336bを備える。
図47Bに示されるように、膨張可能要素またはバルーン350bは、例えば、略ハート形状の断面を有し、空洞353bを画定する表面またはカバー352bを備える、環状バルーン状構造を備えることができる。空洞353bは、カテーテル管322bによって画定された排出管腔324bと平行に延在する膨張管腔354bと流体連通する。バルーン350bは、腎盂のテーパ状部分内に挿入され、その外側表面356bが尿管および/または腎盂の内側表面に対して接触および静置するように、膨張されるように構成されることができる。膨張可能要素またはバルーン350bは、縦方向および半径方向内向きにカテーテル管322bに向かって延在するテーパ状内側表面358bを備えることができる。内側表面358bは、尿をカテーテル管322bに向かって排出管腔の324b中に引き込まれるように指向するように構成されることができる。内側表面358bはまた、膨張可能要素またはバルーン350bの周辺の周囲等、流体が尿管内に滞留しないように防止するように位置付けられることができる。膨張可能保定部分またはバルーン350bは、望ましくは、腎盂内に嵌合するように定寸され、約10mm~約30mmに及ぶ直径を有することができる。
図48A-49Bを参照すると、いくつかの実施例では、保定部分410bは、カテーテル管422bの遠位端421bに取り付けられる、多孔性および/またはスポンジ状材料から成る。多孔性材料は、尿を運び、および/または吸収し、尿をカテーテル管422bの排出管腔424bに向かって指向するように構成されることができる。保定部分410bは、外側表面と、内側表面とを有する、漏斗状支持体に構成されることができ、外周1002または保護表面積1001は、漏斗状支持体の外側表面を備え、多孔性材料内の1つ以上の排出孔、ポート、または穿孔は、多孔性材料内に、または漏斗状支持体の内側表面426b上に配置されることができる。
図49Aおよび49Bに示されるように、保定部分410bは、患者の腎盂内への挿入および保定のために構成される、多孔性楔形状の構造であり得る。多孔性材料は、複数の孔および/またはチャネルから成る。流体は、例えば、重力によって、またはカテーテル412bを通した負圧の誘発に応じて、チャネルおよび孔を通して引き出されることができる。例えば、流体は、孔および/またはチャネルを通して楔形状の保定部分410bに進入することができ、例えば、毛細管作用、蠕動によって、または孔ならびに/もしくはチャネル内の負圧の誘発の結果として、排出管腔424bの遠位開口部420bに向かって引き出される。他の実施例では、図49Aおよび49Bに示されるように、保定部分410bは、多孔性スポンジ状材料から形成される中空漏斗構造を備える。矢印Aによって示されるように、流体は、漏斗構造の内側表面426bを辿ってカテーテル管422bによって画定された排出管腔424bの中に指向される。また、流体は、側壁428bの多孔性スポンジ状材料内の孔およびチャネルを通して保定部分410bの漏斗構造に進入することができる。例えば、好適な多孔性材料は、ポリウレタンエーテル等の連続気泡ポリウレタン発泡体を含むことができる。好適な多孔性材料はまた、銀等の抗菌性添加剤の有無を問わず、かつヒドロゲル、親水コロイド、アクリル、またはシリコーン等の材料特性を修正するための添加剤の有無を問わず、例えば、ポリウレタン、シリコーン、ポリビニルアルコール、綿、またはポリエステルから成る、織布または不織布の層の積層を含むことができる。
図50Aおよび50Bを参照すると、別の実施例によると、尿管カテーテル512bの保定部分500bは、拡張可能ケージ530bを備える。拡張可能ケージ530bは、1つ以上の縦方向および半径方向に延在する中空管522bを備える。例えば、管522bは、ニチノール等の弾性形状記憶材料から形成されることができる。ケージ530bは、患者の尿路を通した挿入のための収縮状態から、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けるための展開状態に遷移するように構成される。中空管522bは、管上に、例えば、その半径方向内向きに面した側上に位置付けられ得る、複数の排出ポート534bを備える。ポート534bは、流体がポート534bを通して個別の管522bの中に流動する、または引き込まれることを可能にするように構成される。流体は、中空管522bを通して尿管カテーテル512bのカテーテル本体526bによって画定された排出管腔524bの中に排出される。例えば、流体は、図50Aおよび50Bにおける矢印532bによって示される経路に沿って流動することができる。いくつかの実施例では、負圧が腎盂、腎臓、および/または尿管内で誘発されると、尿管壁ならびに/もしくは腎盂の一部は、中空管522bの外向きに面した表面に対して引き出され得る。排出ポート534bは、尿管および/または腎臓への負圧の印加に応じて、尿管構造によって著しく閉塞されないように位置付けられ、構成される。
(コーティングおよび/または含浸された尿管カテーテル)
図51-54を参照すると、いくつかの実施例では、本明細書に説明されるカテーテルおよび/または流出カテーテルのうちのいずれかまたは全て等のデバイスの少なくとも一部または全てが、本明細書に説明されるコーティング/含浸材料のうちの少なくとも1つでコーティングならびに/もしくは含浸されることができる。カテーテル等の、概して、7010として集合的に指定される、本明細書に説明されるデバイスのうちのいずれかの一部または全てが、本明細書に説明されるコーティング/含浸材料のうちの少なくとも1つでコーティングおよび/または含浸されることができる。
いくつかの実施例では、デバイス7010は、患者の尿路内のコーティングされたデバイス7010の挿入および/または除去を促進するように構成されることができる、ならびに/もしくは、いったん挿入されると、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022が、デバイス7010の機能を改良することができる。デバイス7010は、患者の尿管、腎盂、および/または腎臓のうちの1つ以上の中の挿入のために構成されることができる。デバイス7010は、尿路内の所望の位置でデバイス7010の端部7044または保定部分7020を維持するように展開されることができる。デバイス7010は、本明細書に詳細に説明されるように、尿路内の所望の位置でしっかりと嵌合するように定寸されることができる。デバイス7010は、コーティングされたデバイス7010が容易に挿入および除去され得るように、後退状態で十分に細くあり得る。デバイス7010は、本明細書に説明される構成のうちのいずれか、例えば、カテーテルまたはステントを有することができる。いくつかの実施例では、好適なカテーテルの保定部分7020は、漏斗、コイル、バルーン、ケージ、スポンジ、および/またはそれらの組み合わせを備える。
コーティングおよび/または含浸されるべきデバイス7010は、上記に詳細に議論されるように、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、および/またはポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、ならびに/もしくはポリ(プロピレンフマラート)等の生体適合性ポリマーのうちの少なくとも1つから成る、少なくとも1つのデバイス材料から形成される、または成ることができる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、カテーテルを通した負圧の印加に応じて、粘膜組織1003が少なくとも1つの保護された排出孔、ポート、または穿孔7036を閉塞しないように阻止する、デバイス7010の少なくとも外周1002または保護表面積1001、7038上ならびに/もしくは内に存在し得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、デバイス7010の任意の部分上ならびに/もしくは内に、および/またはデバイス7010全体上ならびに/もしくは内に存在し得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、保定部分7020の少なくとも一部上ならびに/もしくは内に、または保定部分7020の全体上および/または内に存在し得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、デバイスの表面の少なくとも一部上ならびに/もしくは内に、またはデバイスの表面全体上および/または内に存在し得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、デバイスの少なくとも外側表面7028上ならびに/もしくは内に、またはデバイスの外側表面7028全体上および/または内に存在し得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、上記に説明されるカテーテルアセンブリのうちのいずれかの送達カテーテルの一部または全て等のデバイス7010の他の部分上ならびに/もしくは内に存在し得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、コーティングならびに/もしくは含浸されたデバイス7010の可撓性に著しくまたは実質的に影響を及ぼさない、1つ以上の可撓性コーティング材料から形成される。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティング7022は、1つ以上のコーティング、例えば、1~10のコーティング、または2~4のコーティングを備えることができる。いくつかの実施例では、デバイス7010が形成される材料(本明細書に議論されるデバイス材料)は、本明細書に議論されるコーティング/含浸材料のうちの少なくとも1つでコーティングされることができる。コーティング7022は、1つのコーティング層の成分が、1つ以上の隣接または近接する層の中に、および/または表面の中に、またはデバイス7010内に移行し得ることが可能性として考えられると理解した上で、層内に適用または形成されてもよい。
いくつかの実施例では、デバイス7010が形成される材料(本明細書に議論されるデバイス材料)は、本明細書に議論されるコーティング/含浸材料のうちの少なくとも1つを含浸されることができる。本明細書で使用されるように、「含浸される」は、本明細書に議論されるコーティング/含浸材料の少なくとも一部が、デバイス7010が形成されるデバイス材料の外側表面の下に、および/またはその少なくとも一部内に浸透することを意味する。いくつかの実施例では、本明細書に議論される異なるコーティング/含浸材料および/または異なる量の個別のコーティング/含浸材料が、デバイス7010の異なる部分または領域を含浸するために使用されることができる。例えば、保定部分7020が、少なくとも1つの潤滑材料および/または少なくとも1つの抗菌性材料等の本明細書に説明されるコーティング/含浸材料のうちの少なくとも1つを含浸されることができる一方、排出管は、少なくとも1つの抗菌性材料のみを含浸される。デバイス7010の一部または全ては、所望に応じて、含浸および/またはコーティングの両方を行われることができる。いくつかの実施例では、デバイス7010内の異なる深度に異なる含浸の層が存在し得る。
少なくとも1つのコーティング/含浸材料(簡潔にするために「コーティング/含浸材料」と称される、コーティング材料および/または含浸材料として使用され得る)は、潤滑剤、抗菌性材料、pH緩衝剤、または抗炎症性材料のうちの少なくとも1つ(1つ以上)から成る。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、デバイス7010の短期または長期性能を改良する、尿路の中へのデバイス7010の挿入/除去の間に苦痛を低減させる、ならびに/もしくは留置デバイスの長期使用と関連付けられるリスクを緩和するために使用されることができる。
例えば、デバイス7010の少なくとも一部は、少なくとも1つの潤滑剤から成る、少なくとも1つのコーティング/含浸材料でコーティングおよび/または含浸されることができる。少なくとも1つの潤滑剤から成る、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、例えば、コーティング/含浸されていないデバイスよりも低い摩擦係数を有する、潤滑剤として機能する、ならびに/もしくは水分または尿等の流体の存在下で潤滑状態または滑りやすくなることができる。少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の潤滑剤の存在は、デバイス7010をより展開および除去しやすくし得る。概して、いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、留置カテーテルと関連付けられる問題および不快感の原因に対処するように構成される材料から成ることができる。
代替として、または加えて、デバイス7010は、抗菌性材料、pH緩衝剤、および/または抗炎症性材料のうちの少なくとも1つでコーティングならびに/もしくは含浸されることができる。抗菌性材料、pH緩衝剤、および/または抗炎症性材料のうちの少なくとも1つは、デバイスの一部を通した組織内方成長、デバイスの一部が周辺流体ならびに/もしくは組織に接触するときに引き起こされる異物反応、デバイスを囲繞する組織への感染、および/またはデバイスの一部上の外被の形成等の留置カテーテルの長期使用と関連付けられるリスクを緩和し得る。外被は、例えば、タンパク質吸着および/または鉱物または尿中結晶の蓄積によって引き起こされ得る。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、少なくとも1つの潤滑剤から成る。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022の外側表面または層は、少なくとも1つの潤滑剤から成る。潤滑性コーティング/含浸は、それらの潤滑の程度または動摩擦係数、またはコーティングされていないデバイス、または潤滑剤コーティングされた同等のデバイスの動摩擦係数を上回る動摩擦係数を有する外側層を有する、1つ以上のコーティング/含浸を備えるデバイスと比較して提供される摩擦低減の量の観点から説明されることができる。動摩擦係数は、ASTM方法D1894-14(2014年3月)を使用して判定されることができる。剛性マンドレルが、スレッドが材料に沿って引き摺られるときに、ステント/カテーテル内側管腔の内側の開放空間および内側管腔の任意の潜在的な結果として生じる収縮の量を最小限にするように定寸される、検査されているステント/カテーテル区分の内側管腔を通して挿入されることができる。代替として、カテーテル管は、検査のための扁平シートに細長く切られ、開放されることができる。
いくつかの実施例では、潤滑剤は、少なくとも1つの親水性潤滑材料から成ることができる。例示的親水性潤滑材料は、ポリエチエレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸、ならびに他のアクリルポリマーまたは上記に列挙される材料のコポリマー、または高分子電解質のうちの少なくとも1つ(1つ以上)から成る。例示的親水性コーティング材料/含浸は、Koninklijke DSM N.V.から入手可能である、ComfortCoat(登録商標)高分子電解質含有親水性コーティングである。高分子電解質から成る、好適な親水性コーティング/含浸材料の実施例は、米国特許第8,512,795号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティング/含浸7022は、親水性ではない少なくとも1つの材料から成ることができる。例えば、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022の1つ以上の層は、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン(登録商標))、シロキサン、シリコーンまたはポリシロキサン、または他の滑りやすいならびに/もしくは低摩擦材料から成る、または形成されることができる。
いくつかの実施例では、潤滑剤は、少なくとも部分的に架橋されたポリマー材料(例えば、ゲルまたはヒドロゲル)等の少なくとも1つのポリマー材料から成ることができる。いくつかの実施例では、少なくとも1つのポリマー材料は、流体または液体を容易に取り込む、または混入する。ゲルまたはヒドロゲルは、分子間空間内に水等の流体または液体を混入する、3次元の物理的または化学的に結合されたポリマー網から成るシステムである。当技術分野で公知であるように、ゲルまたはヒドロゲルは、実質的な液体部分から成るが、定常状態であるときに流動を殆どまたは全く呈しない、少なくとも部分的に架橋された材料を指し得る。重量比では、ゲルは、概して、殆ど液体であるが、架橋構造に起因して固体のように挙動し得る。それらの高い水分含有量に適応する能力、多孔性、および軟質の稠度に起因して、ヒドロゲルは、天然生体組織を密接にシミュレートする。ゲルおよびヒドロゲルは、化学的に安定し得る、またはそれらは、分解し、最終的に崩壊および溶解し得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つの潤滑剤は、生体適合性である。
例えば、有用なゲルまたはヒドロゲルは、ポリエチエレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸、および/またはポリアクリル酸(PAA)から成るヒドロゲル、ならびに/もしくはジスルフィド架橋(ポリ(オリゴ(エチレンオキシド)モノメチルエーテルメタクリレート)(POEMA)のうちの1つ以上から成ることができる。流体(水分等)を取り込む、または混入することの結果として、いくつかの親水性材料は、ゲル状、滑らか、および/または平滑になることができる。
故に、流体(水分および/または尿等)の存在下にあるとき、潤滑剤の親水性材料は、ステントまたはカテーテルデバイス7010と患者の尿路の隣接する部分との間に増加した潤滑性を提供することができる。
親水性潤滑材料、非親水性潤滑材料、および/またはポリマー潤滑材料の組み合わせまたは混合物が、所望に応じて、同一のコーティング/含浸または異なるコーティング/含浸、またはその層で使用されることができる。いくつかの実施例では、乾燥または硬化に先立った少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の少なくとも1つの潤滑剤の濃度は、コーティング/含浸材料組成の総重量に基づいて約0.1~約99.9重量パーセントまたは100重量パーセント、もしくは約20~100重量パーセント、または約50~約100重量パーセントに及ぶことができる。いくつかの実施例では、乾燥または硬化後の少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の少なくとも1つの潤滑剤の濃度は、乾燥または硬化したコーティング/含浸の総重量に基づいて約0.1~約99.9重量パーセント、または100重量パーセント、もしくは約20~100重量パーセント、または約50~約100重量パーセントに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、例えば、組織成長を阻止するため、ならびに/もしくは感染症を予防するための少なくとも1つの抗菌性材料から成ることができる。例えば、最外層7024および/または副層7026のうちのいずれか等の少なくとも1つのコーティングならびに/もしくは含浸7022のうちのいずれかは、少なくとも1つの抗菌性材料自体、または少なくとも1つの抗菌性材料から成る1つ以上の材料、例えば、抗菌性材料を含浸された好適な生体適合性材料から形成されるポリマーマトリクスから成ることができる。代替として、または加えて、副層7026は、リポソームコーティングまたは類似材料から成ることができ、バクテリオファージまたは薬物療法を送達するように構成されることができる。抗菌性材料は、例えば、殺菌性材料、抗ウイルス性材料、抗細菌性材料、抗真菌性材料、および/または抗生物質薬剤もしくは療法薬等の抗生物質材料のうちの少なくとも1つを指し得る。好適な抗細菌、抗真菌、および/または殺菌剤ならびに材料の実施例は、クロルヘキシジン、銀イオン、酸化窒素、バクテリオファージ、シロリムス、ならびに/もしくはスルホンアミドから成ることができる。シロリムス等のいくつかの抗細菌性材料はまた、留置カテーテルによって誘発される異物応答を低減させるための免疫抑制剤としても作用し得る。少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022に含まれ得る、好適な抗生物質材料の実施例は、アムジノシリン、レボフロキサシン、ペニシリン、テトラサイクリン、スパルフロキサシン、および/またはバンコマイシンから成ることができる。そのような抗菌性薬剤の用量または濃度は、約1~約100mcg/cm3等の当業者に公知であるような感染症の発生を回避または低減させるように選択されることができる。コーティングの抗菌性および/または抗細菌性材料はまた、タンパク質吸着、生物膜形成、鉱物ならびに/もしくは結晶蓄積、および類似危険因子のうちのいずれかを阻止するためのヘパリン、ホスホリルコリン、二酸化ケイ素、および/またはダイヤモンド状炭素等の材料から成ることができる。コーティングのための有用な機能的性質を提供する、他の好適な抗菌性材料は、他の抗菌性ペプチド、カスポファンギン、キトサン、パリレン、ならびにオルガノシラン、および機械的抗菌性質を付与する他の材料から成ることができる。
いくつかの実施例では、乾燥または硬化に先立った少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の少なくとも1つの抗菌性材料の濃度は、コーティング/含浸材料組成の総重量に基づいて約0.1~約99.9重量パーセントまたは100重量パーセント、もしくは約20~100重量パーセント、または約50~約100重量パーセントに及ぶことができる。いくつかの実施例では、乾燥または硬化後の少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の少なくとも1つの抗菌性材料の濃度は、乾燥または硬化したコーティング/含浸の総重量に基づいて約0.1~約99.9重量パーセントまたは100重量パーセント、もしくは約20~100重量パーセント、または約50~約100重量パーセントに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、抗菌性材料から成る少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、デバイス7010の耐用期間全体にわたってコーティングされたデバイス7010のための好適な保護を提供するべきであるが、抗菌性質が存在する時間周期は、より短くあり得る。故に、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、約1日~約1年、または約10日~約180日、もしくは約30日~約90日であり得る、コーティングされたデバイス7010の耐用期間にわたって抗菌性質を呈し続けるために十分に厚く、十分な抗菌性材料を含有するべきである。
いくつかの実施例では、代替として、または加えて、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、尿等の尿路内の流体のpHを緩衝するための少なくとも1つのpH緩衝材料から成ることができる。そのような緩衝材料は、例えば、コーティングされたデバイス7010の表面に付着し得る、外被を低減または排除し得る。pH緩衝材料は、多くの場合、尿路内に位置付けられる留置構造に付着する、尿中結晶の形成を阻止または防止することによって、外被を低減させると考えられる。例えば、ウレアーゼ酵素を産生することが可能な有機体の存在下で、アンモニウム濃度およびpHの局所増加が、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、またはリン酸アンモニウムマグネシウムのうちの少なくとも1つの結晶の形成をもたらし得る一方、尿酸塩およびシュウ酸塩の結晶は、pHレベルの減少とともにより一般的に見られる。尿のpHは、約4.5~約8.0、典型的には、約6.0に及ぶことができる。
尿路内の流体のpHが、例えば、6.0または7.0等の所定の値を上回って上昇するとき、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、少なくとも1つの緩衝材料の一部または全てを流体の中に放出することができる。代替として、または加えて、尿路内の流体のpHが、例えば、5.5または6.0等の所定の値を下回って降下するとき、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、少なくとも1つの緩衝材料の一部または全てを流体の中に放出することができる。代替として、または加えて、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、カルシウム、マグネシウム、リン、シュウ酸塩、または尿酸のうちの少なくとも1つの濃度が所定の値に到達するときに、少なくとも1つの緩衝材料の一部または全てを流体の中に放出することができる。例えば、その流体または尿内に上昇したレベルのカルシウム、マグネシウム、リン、シュウ酸塩、または尿酸のうちの少なくとも1つを伴う患者では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022が、少なくとも1つの緩衝材料の一部または全てを流体の中に放出し得る、検体の好適な所定の値の実施例は、カルシウムに関しては少なくとも約15mg/デシリットル(dl)、マグネシウムに関しては少なくとも約9mg/dl、リンに関しては少なくとも約60mg/dl、シュウ酸塩に関しては少なくとも約1.5mg/dl、および尿酸に関しては少なくとも約36mg/dlである。カルシウムが、具体的には、尿クレアチニンに対する比として一般的に参照される、すなわち、正常値は、尿カルシウム:尿クレアチニン<0.14であろう。流体または尿内のこれらの検体のレベルは、流体または尿サンプルの比色分析、分光分析、または顕微鏡検査方法のうちの1つ以上を使用して、判定されることができる。「正常」値および参照範囲は、多くの場合、排泄が食事摂取によって高度に促され、そのために経時的に可変であると予期されるであろうため、「mg/24時間」の単位で提供される。これらの検体の排泄はまた、利尿剤等のある薬剤の使用による影響を有意に受け得る。デバイスは、コーティング層の少なくとも一部または成分への検体の結合の結果として、1つ以上の緩衝剤を放出することによって、検体レベルを本質的に「感知」し、それに反応し得る。所定の閾値は、異なるレベルの結合が、所望に応じて、種々の量の1つ以上の緩衝剤の放出を誘起するであろうように、コーティング層の結合親和性を判定するために、具体的検体に関して設定されることができる。
好適なpH緩衝材料の実施例は、例えば、溶解性ポリマー材料層に含浸された酸性塩から成ることができる。当業者によって理解されるであろうように、酸性塩が、体液または水分の存在下で溶解するにつれて、酸性溶液が、産生される。望ましくは、産生された酸性溶液は、外被の形成を阻止するが、身体組織を損傷しないようにあまり酸性ではない。好適なpH緩衝剤層として使用され得る、好適な酸性塩の実施例は、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、および/または重炭酸ナトリウム等の弱酸性塩から成ることができる。いくつかの実施例では、pH緩衝材料は、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルコポリマー等のヒドロゲル、コロイド、および/またはコポリマーマトリクス内に分散され、エチレングリコール四酢酸(EGTA)等の高親和性カルシウムまたはリン酸塩結合剤を伴って分散または層化されることができる。
いくつかの実施例では、乾燥または硬化に先立った少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の少なくとも1つのpH緩衝材料の濃度は、コーティング/含浸材料組成の総重量に基づいて約0.1~約99.9重量パーセントまたは100重量パーセント、もしくは約20~100重量パーセント、または約50~約100重量パーセントに及ぶことができる。いくつかの実施例では、乾燥または硬化後の少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の少なくとも1つのpH緩衝材料の濃度は、乾燥または硬化したコーティング/含浸の総重量に基づいて約0.1~約99.9重量パーセントまたは100重量パーセント、もしくは約20~100重量パーセント、または約50~約100重量パーセントに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、最外層7024と、単一または複数の副層7026(例えば、抗菌性副層またはpH緩衝副層のいずれかを備える)とを備えることができる。他の実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022の副層7026は、例えば、尿中結晶の外被を低減させるためのpH緩衝材料から成る、デバイス7010の外側表面7028に適用される第1の副層7030と、第1の副層7030の少なくとも一部を被覆する第2の副層7032とを、例えば、備えることができる。第2の副層7032は、例えば、抗菌性材料から成ることができる。代替として、第1の副層7030は、抗菌性材料から成ることができ、第2の副層7032は、pH緩衝材料から成ることができる。
いくつかの実施例では、代替として、または加えて、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、少なくとも1つの抗炎症性材料から成ることができる。身体の中への挿入に続いて、血漿および生物学的流体内等の身体内のタンパク質および他の生体分子は、デバイスまたはインプラントの生体材料の表面上に吸収される。「生物付着」として公知である、非特異的生体分子およびタンパク質吸着ならびに後続の白血球付着が、結果として生じ得る。タンパク質吸着、白血球動員/活性化、炎症性メディエータの分泌、およびデバイスまたはインプラントの一部または全ての線維状被包の複合反応である、生体材料介在炎症等の後続の炎症反応が、結果として生じ得る。例えば、タンパク質結合および免疫応答が伝搬する能力を低減させることによって、炎症応答を低減させることは、負圧の非存在または存在下でデバイスとの接触による、尿路組織への可能性として考えられる傷害を防止または低減させ得る。
好適な抗炎症性材料の非限定的実施例は、抗炎症薬および非付着表面処理材料から成る。好適な抗炎症薬の実施例は、デキサメタゾン(DEX)、ヘパリン、またはアルファメラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)のうちの少なくとも1つから成る。好適な非付着表面処理材料の実施例は、ポリエチエレングリコール含有ポリマー、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリルアミド)、ホスホリルコリン系ポリマー、マンニトール、オリゴマルトース、またはタウリン群のうちの少なくとも1つから成る。
いくつかの実施例では、乾燥または硬化に先立った少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の少なくとも1つの抗炎症性材料の濃度は、コーティング/含浸材料組成の総重量に基づいて約0.1~約99.9重量パーセントまたは100重量パーセント、もしくは約20~100重量パーセント、または約50~約100重量パーセントに及ぶことができる。いくつかの実施例では、乾燥または硬化後の少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022内の少なくとも1つの抗炎症性材料の濃度は、乾燥または硬化したコーティング/含浸の総重量に基づいて約0.1~約99.9重量パーセントまたは100重量パーセント、もしくは約20~100重量パーセント、または約50~約100重量パーセントに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、最外層7024と、少なくとも1つの抗炎症性材料から成る、単一または複数の副層7026とを備えることができる。いくつかの実施例では、最外層7024は、少なくとも1つのpH緩衝材料から成ることができ、1つ以上の副層7026は、少なくとも1つの抗炎症性材料から成ることができる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022の全体的厚さ、またはデバイス材料の中への含浸の深度は、コーティング/含浸の適用および乾燥ならびに/もしくは硬化後に、約0.001マイクロメートル(約1ナノメートル)~約10.0ミリメートル、または約0.001マイクロメートル~約5mm、もしくは約0.001mm~約5.0mm、または約0.01mm~約1.0mm、もしくは約0.001マイクロメートル~約0.2mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、複数のコーティング/含浸層内の各コーティング/含浸層は、コーティング/含浸層の適用および乾燥または硬化後に、約0.001マイクロメートル~約10.0ミリメートル、または約0.001マイクロメートル~約5.0mm、もしくは約0.001マイクロメートル~約500マイクロメートルに及ぶ厚さを有することができる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つの水和または膨張コーティングおよび/または含浸7022の全体的厚さ、またはデバイス材料の中への含浸の深度は、約0.1マイクロメートル~約25.0ミリメートル、または約0.1マイクロメートル~約500マイクロメートル、もしくは約20マイクロメートル±20%に及ぶことができる。
いくつかの実施例では、コーティング/含浸材料組成の密度は、乾燥または硬化に先立って約0.1~約200mg/マイクロリットル、または約1mg/マイクロリットルに及ぶことができる。乾燥または硬化に先立ってデバイス7010に適用されるべきコーティング/含浸材料はさらに、水、アルコール、ポリジメチルシロキサン等のシリカ油、および/または、例えば、ポリアクリル酸(PAA)から成るヒドロゲルならびに/もしくはジスルフィド架橋(ポリ(オリゴ(エチレンオキシド)モノメチルエーテルメタクリレート)(POEMA)等のポリマーマトリクス材料等の少なくとも1つの担体または補助剤から成ることができる。
いくつかの実施例では、乾燥または硬化に先立ったコーティング/含浸材料組成内の潤滑剤、抗菌性材料、pH緩衝剤、または抗炎症性材料のうちの少なくとも1つの濃度は、個別の層に使用されるコーティング/含浸材料組成の総重量に基づいて、約0.1~約99.9重量パーセントまたは100重量パーセントに及ぶことができる。いくつかの実施例では、コーティング/含浸材料組成は、層あたり約0.001mg/cm2~約5mg/cm2または約2mg/cm2±50%に及ぶ量で、乾燥または硬化に先立ってデバイス7010に適用されることができる。いくつかの実施例では、少なくとも1つの抗菌剤から成るコーティング/含浸材料組成に関して、コーティング/含浸は、層あたり約0.001mg/cm2~約5mg/cm2、または約2mg/cm2±50%、もしくは約0.005mg/cm2~約0.025mg/cm2に及ぶ量で、乾燥または硬化に先立ってデバイス7010に適用されることができる。
いくつかの実施例では、最外コーティング/含浸層7024は、少なくとも1つの潤滑剤から成る。いくつかの実施例では、少なくとも1つの潤滑剤(親水性材料、ゲル、またはヒドロゲル等)は、残留するように、または潤滑剤コーティングの下のカテーテルデバイス7010の少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022または外側表面7028の他の材料を露見または被覆解除するために、カテーテルデバイス7010が患者の尿路内に展開されるときに生じるような、流体(水分ならびに/もしくは尿等)に暴露されたときに少なくとも部分的または完全に消散するように構成される。例えば、潤滑剤が消散するにつれて、最外層7024の下方に位置付けられる1つ以上の副層または下位層が、露出され得る。最外層7024の潤滑剤は、埋込に続いて所望の時間周期内に周辺流体または組織の中に消散するように構成されることができる。潤滑剤が、主に、コーティングされたデバイス7010の挿入および位置付けを促進することを意図し得るため、最外層7024の一部または全ては、尿路内の挿入に続いてかなり短い時間周期内に消散し得る。例えば、最外層7024は、尿路内の挿入および/または設置に続いて6時間~10日、または12時間~5日、もしくは1日~3日以内に、完全に、実質的に、または部分的に消散するように構成されてもよい。本明細書で使用されるように、最外層7024の一部または全て等の材料は、最外層7024の少なくとも約90%、または少なくとも約95%、もしくは約95%、または約98%が、カテーテル7010の表面または最外層の下のコーティングから放出し、周辺流体および/または組織1003、1004の中に吸収された、ならびに/もしくは患者の身体から排出されたときに、実質的に消散する。いくつかの実施例では、1日~10日以内に消散する最外層7024は、水和または活性化に先立って、または水和または活性化されたときに、0.01マイクロメートル~5.0ミリメートル、または0.001mm~2.5mm、もしくは0.01mm~1.0mmに及ぶ全厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、最外層7024の厚さは、溶解し、カテーテルデバイス7010の少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022ならびに/もしくは外側表面7028の副層7026を露出する前に尿路内にあるときに、最外層7024が定位置に留まるべき時間の長さに大部分が依存し得る。
最外層7024の消散に応じて、最外層7024の下方に位置付けられる1つ以上の副層7026の材料は、定位置に留まり、長期時間周期にわたって特定の性質または機能を提供してもよい、または周辺流体および/または組織の中に放出し、例えば、周辺流体および/または組織のための所望の療法的または有益な効果を提供するように構成されてもよい。例えば、1つ以上の副層7026の材料は、約1日~約1年、または約30日~約180日、もしくは約45日~約90日に及ぶ周期にわたる周辺組織の中への徐放のために構成されることができる。いくつかの実施例では、副層7026に関する消散率は、最外層7024の厚さに依存する。例えば、副層7026は、約0.01マイクロメートル~5.0ミリメートル、または約0.01mm~4.0mm、もしくは約0.1mm~3.0mmに及ぶ全厚さを有することができる。いくつかの実施例では、副層7026の厚さは、耐用期間全体またはデバイス7010が尿路内にある時間にわたってカテーテルデバイス7010の機能を改良するために、残留する、または材料を溶解させ、放出し得るように、選択されることができる。
他の実施例では、最外層7024は、コーティングされたデバイス7010に付着したままであるように、いくつかの実施例では、コーティングされたデバイス7010が尿路内にある時間周期の一部または全ての全体を通して、その有益な性質を維持するように構成されることができる。例えば、最外層7024は、患者の尿路内にあるときに、10日、45日、90日まで、または少なくとも1年までの周期にわたって定位置に留まってもよい。少なくとも1年までにわたって有益または親水性質を維持するために、最外層7024は、0.01mmと同程度に厚い、またはそれよりも薄くあり得る、もしくは5.0mmよりも厚く、可能性として、最大10.0mmの厚さであり得る。代替として、または加えて、最外層7024は、溶解または分解しない、または尿路内にあるときのみゆっくりと分解する、材料から形成されることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、テフロン(登録商標))等のある滑りやすいまたは低摩擦非親水性材料は、長期時間周期にわたって溶解することなく定位置に留まり得る。
長期持続時間にわたって親水性質等の性質を維持するように構成されたとき、最外層7024は、副層7026のバルク材料が最外層7024を通して周辺流体および/または組織まで通過し得るように、時間依存性浸透性または放出のために構成されることができる。例えば、最外層7024は、水分または流体が最外層7024を通して1つ以上の副層7026まで浸透することを可能にするための構造および/または空隙空間を備えることができる。そのような浸透性を取得するために、最外層7024は、複合材料から成ることができ、バルク親水性が、維持される一方、最外層7024の少なくとも1つの寄与材料は、選択的拡散可能性、可溶性、および/または多孔性(例えば、微孔性、メソ孔性、または大孔性)等の性質を提供する。国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry;IUPAC)の命名法によると、微孔性、メソ孔性、および大孔性は、それぞれ、2.0ナノメートル未満、2.0~50ナノメートル、50ナノメートルを上回る直径を伴う細孔を呈する材料を説明する。多孔性材料を形成するために使用され得るプロセスは、例えば、相分離、ガス形成、および軟質ならびに硬質鋳型技法、ならびに他の選択的および付加製造方法を含むことができる。
代替として、または加えて、図53に図式的に示されるように、最外層7024は、最外層7024を通して1つ以上の副層7026まで延在する、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052を備えることができる。少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、最外層7024の材料内に内在する、自然発生する、または生成される(人工である)ことができる。例えば、最外層7024は、必然的に多孔性であり得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネルは、例えば、硬化された最外層7024を通してピンまたは穿刺針を押圧することを含む、任意の好適なプロセスによって形成されることができる。他の実施例では、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、最外層7024の一部をエッチングすること、または溶解させることによって、形成されることができる。少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、水分等の流体が、最外層7024を通して副層7026まで通過し、副層7026からの溶解された材料が、最外層7024の少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052を通して周辺流体ならびに/もしくは組織まで通過するように、構成されることができる。いくつかの実施例では、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、最初に、デバイス7010が尿路内に位置付けられるとすぐに、流体が1つ以上の副層7026に浸透し得るように、最外層7024全体を通して延在する。他の実施例では、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、部分的に最外層7024を通して延在してもよい。その場合、水分または尿等の流体は、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052内に集合し、尿路の中への挿入に続く初期周期の間に、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052の一部を溶解させ得る。経時的に、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、最外層7024の残りの部分を通して溶解し、最終的に1つ以上の副層7026の一部に接触し、それを露出する。このように、副層7026の機能的材料の放出は、デバイス7010が尿路の中に挿入された後に、ある時間周期まで遅延される。少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、水分等の流体が通過し、1つ以上の副層7026に接触することを可能にするために、かつ副層7026の溶解した材料が少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052を通して周辺体液ならびに組織まで通過することを可能にするために十分な任意のサイズおよび数であり得る。例えば、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、約0.01マイクロメートル2~約1.0ミリメートル2、または約0.1mm2~約0.5mm2、もしくは約0.2mm2~約0.4mm2の断面積を有することができる。少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、種々の構成ならびに配列で最外層7024内または上に形成されることができる。例えば、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、所望される任意の構成、例えば、断面で略円形、楕円形、または任意の形状を有する、複数の開口部であり得る。他の実施例では、少なくとも1つの開口部、孔、空間、および/またはマイクロチャネル7052は、最外層7024の表面に沿って、または最外層7024内で任意の方向に(例えば、軸方向に、ならびに/もしくは円周方向に)延在する、トラフまたは穴であり得る。
図52および53に示されるように、いくつかの実施例では、副層7026は、デバイス7010(伸長管7012等)の外側表面7028と最外層7024との間に位置付けられる。副層7026は、例えば、留置カテーテル等のデバイス7010の長期使用と関連付けられる上記に説明される問題のうちの1つ以上に対処することによって、コーティングされたデバイス7010の長期性能を改良するように構成されることができる。例えば、1つ以上の副層7026は、組織内方成長を阻止すること、展開されるコーティングされたデバイス7010を囲繞する組織に関する異物反応を軽減すること、コーティングされたデバイス7010を囲繞する組織への感染を低減させること、および/またはコーティングされたデバイス7010上への尿中結晶の外被を低減させることのうちの1つ以上によって、コーティングされたデバイス7010の長期性能を改良することができる。
いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、自然力または印加される負圧によって、デバイス7010と接触させられ得る、コーティングされたデバイス7010を囲繞する流体ならびに/もしくは組織1003、1004の一部に接触することを意図している。故に、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、デバイス7010の保定部分7020等の少なくとも一部または全ての外周1002、または外向きに面した側、または保護表面1001、7038の少なくとも一部または全てにのみに適用される必要があり得る。いくつかの事例では、前述で説明されたように、少なくとも1つの保護された排出孔、ポート、または穿孔7036を含む、保定部分7020の内周、内向きに面した側、または保護された表面積1000、7034は、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022が実質的にない、またはなくあり得る。代替として、図54に関連して説明されるように、デバイス7010の保護された表面1000、7034および保護表面1001、7038は両方とも、例えば、コーティングの前述の利益のうちの1つ以上を提供する、および/または製造可能性(例えば、デバイス7010上のコーティングの堆積)を促進するように、少なくとも1つのコーティングならびに/もしくは含浸7022でコーティングされてもよい。
本明細書に説明される少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、本明細書に説明される尿管カテーテル等のデバイス7010のいずれかまたは全てと併用するために適合されることができる。例えば、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、腎臓ならびに/もしくは腎盂内の所望の場所で展開されると、流体の少なくとも一部が拡張可能保定部分7020を通して流動するように、腎臓とデバイス7010の近位部分7014および/または近位端7016との間の流体流の開存性を維持するように定寸され、位置付けられる3次元形状7040を画定する、拡張可能保定部分7020を備える、遠位部分7018を備える、デバイス7010に適用されることができる。その場合、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、3次元形状7040の表面に接触する、保定部分7020の一部に適用されてもよい。さらに、前述で説明された実施例におけるように、腎盂のサイズおよび形状に合致するために、拡張可能保定部分7020の中心軸Aを横断する平面内の展開された拡張可能保定部分7020によって画定される、3次元形状7040の2次元スライス7042の面積は、拡張可能保定部分7020の遠位端7044に向かって増加することができる。
いくつかの実施例では、保定部分7020は、腎盂から腎臓まで半径方向に延在する、コイル状保定部分を備える。コイル状保定部分7020は、第1の直径を有する、少なくとも第1のコイル7046と、腎盂のサイズおよび形状に対応するように第1の直径より大きくあり得る、第2の直径を有する、少なくとも第2のコイル7048とを備えることができる。いくつかの実施例では、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022は、そのような外側または保護表面1001、7038のみが身体組織によって接触されるため、コイル7046、7048の外側または保護表面1001、7038のみに適用される必要がある。コイル7046、7048の保護された表面1000、7034は、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022によってコーティングされなくてもよい。
いくつかの実施例では、コイル7046、7048等のデバイス7010の保護表面1001、7038および保護された表面1000、7034の両方の少なくとも一部または全てが、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022によってコーティングされることができる。例えば、少なくとも1つのコーティングおよび/または含浸7022をデバイス7010または伸長管7012の全ての表面に適用することは、製造または生産のためにより容易であり得る。いくつかの実施例では、デバイス7010、例えば、伸長管7012全体は、伸長管7012またはデバイス7010が患者の尿路を通した挿入の間に略線形(例えば、非コイル状)構成であり得るため、親水性または最外層7024によってコーティングされてもよい。デバイス7010の長期性能を改良することに役立ち得る、副層7030、7032は、体液または組織によって接触される可能性が高いデバイス7010または伸長管7012の一部(例えば、管7012の外向きに面した部分)のみに適用される必要がある。
(連続機能性のための多層コーティング/含浸)
他の実施例では、図54に示されるように、コーティングされたデバイス7110は、複数のまたは異なる機能性を有する、1つ以上のコーティングおよび/または含浸7122を備える。コーティングおよび/または含浸7122は、デバイス7010の少なくとも一部または全てに適用されることができる。以前の実施例におけるように、コーティングおよび/または含浸7122は、1つ以上の最外層7124と、1つ以上の最内層7126とを備えることができる。コーティングおよび/または含浸7122はさらに、1つ以上の最外層7124と1つ以上の最内層7126との間に位置付けられる、複数の副層7128、7130、7132を備えることができる。複数の副層7128、7130、7132は、異なる材料から形成されることができ、それぞれ、留置カテーテルの異なる問題に対処する、および/またはデバイス7110のための異なる機能的改良を提供することができる。1つ以上の最外層7124および複数の副層7128、7130、7132は、コーティングおよび/または含浸が、所定の周期にわたって第1の性質または機能性、所定の第2の周期にわたって第2の性質、および所定の第3の周期にわたって第3の性質を提供するように、連続的に消散するように構成されてもよい。例えば、1つ以上のコーティングおよび/または含浸7122は、経時的な最外層7124および副層7128、7130、7132の消散が、限定ではないが、薬物送達の間欠的周期と循環される抗菌ならびに/もしくは抗細菌効果の周期を含む、周期的および/または間欠的効果をもたらすように、構成されてもよい。いくつかの事例では、薬物送達は、尿路の中へのコーティングされたデバイス7110の挿入に続いて、薬物送達を12時間放出、または24時間放出、もしくは48時間放出に限定すること等、事前規定された時間において生じるように制御され得る。同様に、薬物の別の12時間放出、24時間放出、または48時間放出が、コーティングされたデバイス7110の除去に先立って提供されてもよい。
最外層7124は、前述で説明された最外層に厚さおよび材料性質が実質的に類似し得る。例えば、最外層7124は、潤滑コーティングが存在しないときに、尿路内のデバイス7110の挿入および設置をより容易にするように構成される、潤滑性外側表面を提供することができる。最外層7124は、残留するように構成されることができる、または埋込の1日~10日以内等の身体内に埋め込まれた直後に消散することができる。
複数の副層7128、7130、7132は、副層が所定の周期にわたって残留し、尿路内のカテーテルデバイス7110の存続期間または意図された持続時間にわたって消散するように、選択されることができる。例えば、10~20日の周期にわたって尿路内に存在するように設計されるカテーテルに関して、5つの副層はそれぞれ、約2~4日で消散または溶解するように構成されてもよい。上記に議論されるように、別の実施例では、療法薬から成る層は、挿入の12時間、24時間、または48時間以内に消散してもよい。抗菌性材料および/またはpH緩衝材料等の他の材料を含有する副層は、1日~10日、または2日~8日、もしくは3日~5日の周期にわたって等、より長い時間周期にわたって消散してもよい。
いくつかの実施例では、複数の副層7128、7130、7132は、最外層7124の下方に位置付けられる、第1の副層7128を備える。第1の副層7128は、いったん最外層7124の一部が消散すると生じるように、水分によって接触されると周辺組織の中に消散し始めるように構成されることができる。前の実施例におけるように、第1の副層7128の材料は、留置カテーテルに関する問題に対処する、および/またはコーティング7122の機能的性質を改良するように構成されることができる。例えば、第1の副層7128は、埋込に続く数日等の所定の時間周期にわたって、コーティング7122の中または上への微生物の侵入からの保護を提供する、抗菌性層を備えることができる。
挿入に続く数時間および/または数日の経過にわたって、第1の副層7128は、消散し、第2の副層7130を流体または水分に暴露する。第2の副層7130は、デバイス7110の機能を改良するための別の性質を提供するための1つ以上のコーティングおよび/または含浸材料から成ることができる。例えば、第2の副層7130は、抗生物質の用量等の療法薬の用量から成ることができる。第2の副層7130は、短い時間周期(例えば、数時間または1日)にわたって療法薬の用量を送達するように、または若干より長い時間周期(例えば、1日~10日、または2日~8日、もしくは3日~5日)にわたる療法薬の徐放のために、いずれかで構成されることができる。いったん療法薬が放出され、第2の副層7130が周辺流体または組織の中に消散すると、第3の副層7132が、尿路の水分または流体に暴露されることができる。第3の副層7132は、付加的または異なる機能的性質を伴う材料から成ってもよい。例えば、第3の副層7132は、デバイス7110上の外被の存在を低減または排除するためのpH緩衝層であり得る。他の実施例では、第3の副層7132は、別の抗菌性および/または抗細菌性層であり得る。第3の副層7132は、以前の副層または層の場合のように、数時間または数日にわたって定位置に留まるように構成されることができる。
デバイス7110はさらに、留置カテーテルの問題に対処するため、および/またはコーティング7122ならびにコーティングされたデバイス7110の機能を改良するための異なる性質を伴う材料を含む、1つ以上の付加的副層7026を備えることができる。例えば、コーティング7122は、抗菌性材料から成る副層7026の間に位置付けられる抗生物質製剤の用量を含む、いくつかの療法的層を備え得る。故に、コーティング7122は、抗生物質が送達されていない時間周期によって分離される間欠的抗生物質用量を提供し、それによって、抗生物質濃度が好適なレベルを上回って増加するであろうリスクを低減させることができる。
いくつかの実施例では、コーティング7122はまた、デバイス7110または伸長管7112の外側表面7124と最内副層7128との間に位置付けられる、最内層7126も備える。最内層7126は、本明細書に説明される最外層7124にサイズおよび材料組成が類似し得る。例えば、最内層7126は、水分に暴露されたときに潤滑状態になる、親水性材料等の上記に議論されるコーティング材料のうちのいずれかから成ってもよい。いくつかの実施例では、最内層7126は、デバイス7110の除去の直前に暴露されることができる。いったん流体または水分に暴露されると、最内層7126は、滑りやすく、かつ潤滑性になるように構成されることができ、これは、尿路を通したデバイス7110の除去を補助する。例えば、最内層7126が潤滑状態になるとき、デバイス7110の伸長管7112は、身体組織を通してより容易に摺動し、デバイス7110の除去を促進することができる。
(経皮的尿路カテーテル)
経皮的アクセス部位を通して腎臓および/または腎盂の中に挿入されるように構成される、尿管カテーテルの実施例が、ここで議論されるであろう。これらの尿管カテーテルは、特に、図21Aおよび21Bに示される、前述で説明されたポンプシステム800と併用されてもよい。前の実施例と同様に、経皮的挿入のために構成される尿管カテーテルは、腎臓および/または腎盂内にカテーテルの遠位部分ならびに/もしくは遠位端を維持するように構成される、種々の保定部分を備えてもよい。例えば、本明細書に説明されるコイル、漏斗、拡張可能ケージ、バルーン、および/またはスポンジのうちのいずれかが、尿路内の(例えば、腎盂、尿管、ならびに/もしくは腎臓内の)所望の位置における経皮的アクセス部位を通して挿入される、カテーテルの端部を維持するための保定部分として使用されることができる。
図55を参照すると、例示的経皮的腎瘻造設管または尿路バイパスカテーテル8010が、議論されるであろう。しかしながら、本明細書に議論されるカテーテルのうちのいずれかが、下記に説明されるような類似様式で使用され得ることを理解されたい。例示的尿路バイパスカテーテル8010は、尿路内に展開されるように構成され、尿路内の所望の位置においてカテーテル8010を維持するための保定部分8016を備える。バイパスカテーテル8010の保定部分8016は、カテーテル8010の遠位部分8014と一体的に形成されることができる、または従来の締結具または接着剤によってカテーテル8010の伸長管8018の遠位端8022に搭載される別個の構造であり得る。腎盂内の伸長管8018の遠位端8022を保定するために好適な多くの例示的保定部分8016が、尿管カテーテル8010の前の例示的実施形態において提供される。例えば、コイル、漏斗、ケージ、バルーン、および/またはスポンジのうちの1つ以上を備える、保定部分8016は、バイパスカテーテル8010と併用するために適合されることができる。ある場合には、そのような保定部分8016は、例えば、尿路バイパスカテーテル8010が、尿管を通してではなく、腎臓を通して腎盂に進入するという事実を考慮するように、保定部分8016を反転させることによって、尿路バイパスカテーテル8010と併用するために適合されることができる。
選択される実施形態にかかわらず、保定部分8016は、外周または保護された表面積を生成し、尿路組織が、腎臓の腎単位と伸長管8018の管腔との間に延在する流体柱を抑制または閉塞しないように防止する。いくつかの実施例では、そのような保定部分8016は、腎臓8102によって産生される尿等の流体を受容するための1つ以上の排出開口部、穿孔、および/またはポート8026を備える、内向きに面した側または保護側または表面積8024と、排出ポート8026がない、または実質的になくあり得る、外向きに面した側または保護表面積8028とを備え得る。望ましくは、内向きに面した側または保護された表面積8024および外向きに面した側または保護表面積8028は、負圧が伸長管8018を通して印加されるときに、尿が1つ以上の排出ポート8026を通して管8018の管腔の中に引き込まれる一方、尿管および/または腎盂の組織等の粘膜組織が、1つ以上の排出ポート8026を著しく閉塞しないように防止されるように、構成される。前述で説明された尿管カテーテルのように、排出ポート8026の間のサイズおよび間隔は、本明細書に開示されるように、腎盂および/または腎臓内で負圧の異なる分布を達成するように変動し得る。いくつかの実施例では、1つ以上の排出ポート8026はそれぞれ、約0.0005mm~約2.0mm、または約0.05mm~1.5mm、もしくは約0.5mm~約1.0mmの直径を有する。いくつかの実施例では、排出ポート8026は、非円形であり得、約0.0002mm2~約100mm2、または約0.002mm2~約10mm2、もしくは約0.2mm2~約1.0mm2の表面積を有することができる。排出ポート8026は、保定部分8016の軸方向長さに沿って等距離に離間されることができる。他の実施例では、保定部分8016の遠位端8022のより近傍の排出ポート8026は、ポート8026が均一に離間される実施例と比較して、より遠位の排出ポート8026を通して流体流を増加させるように、ともにより密接に離間されてもよい。
保定部分8016は、尿路内の所望の場所に伸長管8018の遠位端8022を維持するために好適な任意の構造であり得る。例えば、十分に定寸された保定部分8016は、約5mm~約100mm、または20mm~80mm、もしくは約50mmに及ぶ、軸方向長さL11を有することができる。
いくつかの実施例では、保定部分8016は、カテーテル8010を挿入する、または患者から除去するときの後退状態から、腎盂および/または腎臓内に保定部分8016を係留または保定するように構成される、拡張または展開状態に遷移する、拡張可能構造を備える。尿路内の所望の場所でカテーテル8010を十分に保持するために、いくつかの実施例では、保定部分8016は、展開されたとき、腎臓とカテーテル8010の近位端との間に流動する流体柱の開存性を維持するように定寸され、位置付けられる、3次元形状8032を画定する。さらに、望ましくは、腎臓8102によって産生される流体の少なくとも一部は、尿管を通してではなく、保定部分8016および管8018を通して流動する。拡張可能保定部分8016の中心軸Aを横断する平面内の展開された拡張可能保定部分8016によって画定される、3次元形状8032の2次元スライス8034の面積は、拡張可能保定部分8016の遠位端8022に向かって減少し、保定部分8016に角錐または逆円錐形状を与えることができる。いくつかの実施例では、拡張可能保定部分8016の中心軸Aを横断する平面内の展開された拡張可能保定部分8016によって画定される、3次元形状8032の最大断面積は、約500mm2未満またはそれと等しい、もしくは約350mm2未満またはそれと等しい、もしくは100mm2~500mm2、または200mm2~350mm2である。
いくつかの実施例では、保定部分8016は、逆螺旋コイルを備える、コイル状保定部分を備える。コイル状保定部分8016は、螺旋コイル8036、8038、8040の外周または外側領域が、腎臓および/または腎盂の組織に接触してそれを支持し、螺旋コイル8036、8038、8040の内向きに面した側または保護された表面積内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート8026、または穿孔の閉塞または妨害を阻止するように配列される、複数の螺旋コイル8036、8038、8040を備えることができる。
コイル状保定部分8016は、第1の直径を有する、少なくとも第1のコイル8036と、第2の直径を有する、少なくとも第2のコイル8038と、第3の直径を有する、少なくとも第3のコイル8040とを備えることができる。保定部分8016が腎盂内に嵌合するために、最遠位または第3のコイル8040の直径は、第1のコイル8036または第2のコイル8038のいずれかの直径より小さくあり得る。故に、コイル8036、8038、8040の直径、および/または隣接するコイル8036、8038、8040の間の段階距離または高さは、規則的または不規則的な様式で変動し得る。いくつかの実施例では、複数のコイル8036、8038、8040は、テーパ状または逆角錐形状を形成することができる。いくつかの実施例では、コイル状保定部分8016は、複数の同様に定寸されたコイルを備えることができる、または、例えば、複数の近位の同様に定寸されたコイルと、複数のコイルのうちの他のコイルより小さい直径を有する最遠位コイルとを含むことができる。
コイル8036、8038、8040の直径、および隣接するコイルの間の段階距離または高さは、保定部分8016が所望の時間周期にわたって腎盂および/または腎臓内に留まるように選択される。特に、コイル状保定部分8016は、望ましくは、腎盂内に留まり、カテーテル8010が除去される準備ができるまで、尿管の中に、または腎臓の中に戻るようにのいずれかで通過しないように、十分に大きい。例えば、最近位または第1のコイル8036の外径は、約10mm~約30mmまたは約15mm~25mmに及ぶ、もしくは約20mmであり得る。第2のコイル8038は、約5mm~25mmまたは約10mm~20mmの直径を有することができる、もしくは約15mmであり得る。最遠位または第3のコイル8040は、約1mm~20mmまたは約5mm~15mmに及ぶ直径を有することができる、もしくは約10mmであり得る。
(経皮的尿管カテーテルの付加的例示的保定部分)
患者の腎盂の中への経皮的挿入のために構成される、尿管カテーテル8410の別の実施例が、図56Aおよび56Bに示される。前の実施例におけるように、尿管カテーテル8410は、保定部分8416を備える、遠位部分8414を備える、伸長管8418から形成される。保定部分8416は、伸長管8418の略線形または直線区画または部分8430に巻着される複数のコイルを備える、コイル状保定部分である。
コイル状保定部分8416は、保定部分8416の直線区画または部分8430の遠位端において約90度~180度の屈曲部8434から形成される、最遠位コイル8432を備える。保定部分8416はさらに、管8418の直線部分8430に巻着される、第2または中央コイル8436および第3または最近位コイル8438等の1つ以上の付加的コイルを備える。伸長管8418はさらに、最近位コイル8438に続いて、遠位端8440を備える。遠位端8440は、閉鎖されることができる、または患者の尿路から尿を受容するように開放することができる。
前の実施例におけるように、コイル8432、8436、8438のサイズおよび配向は、保定部分8416が腎盂内に留まり、尿管の中に通過しないか、または腎臓の中に戻るように後退しないかのいずれかであるように、選択される。例えば、最大または最近位コイル8438は、直径が約10mm~30mm、または直径が約15mm~25mm、もしくは直径が約20mmであり得る。コイル8436および8438は、例えば、5mm~25mm、または約10mm~20mm、もしくは約15mmのより小さい直径を有することができる。前の実施例におけるように、コイル状保定部分8416は、コイル8432、8436、8438が、次第に狭くなり、保定部分8416に逆角錐または逆円錐形外観を与える、テーパ状外観を有することができる。
また、前の実施例におけるように、保定部分8416はさらに、コイル状保定部分8416の半径方向内向き側または保護された表面積上に位置付けられる、開口部または排出ポート8442を備える。コイル8432、8436、8438が、直線部分8430の周囲に延在し、腎盂および/または腎臓の組織が直線部分8430に接触しないように防止するため、開口部または排出ポート8442はまた、保定部分8416の直線部分8430上に位置付けられることができる。前の実施例におけるように、保定部分8416は、ガイドワイヤにわたって線形配向で腎臓および腎盂を通して挿入される。ガイドワイヤが除去されるとき、保定部分8416は、コイル状または展開構成を採用する。
本発明の前述の実施例および実施形態が、種々の実施例を参照して説明された。修正および改変が、前述の実施例の熟読ならびに理解に応じて当業者に想起されるであろう。故に、前述の実施例は、本開示を限定するものとして解釈されるものではない。