JP2022529029A - 液状濃縮界面活性剤組成物 - Google Patents

Abstract

アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびカチオン性界面活性剤を含む液体濃縮界面活性剤組成物が開示される。この液体濃縮界面活性剤組成物は、実質的に水や溶媒を含まず、実質的に界面活性剤からなる。濃縮された液体界面活性剤組成物は、洗浄組成物として有効である。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、２０１９年４月１８日に出願されたLIQUID CONCENTRATED SURFACTANT COMPOSITIONSと題された米国仮特許出願番号62/835,727および２０１９年９月１２日に出願されたLIQUID CONCENTRATED SURFACTANT COMPOSITIONSと題された米国仮特許出願番号62/899,448の優先権の利益を主張するものであり、本明細書に各出願をそれぞれの全体を参照して組み込む。

発明の分野
本開示は、一般に、実質的に水を含まず、少なくともアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびカチオン性界面活性剤を含む液体濃縮界面活性剤組成物に関するものである。

背景
界面活性剤は、そのユニークな特性から多くの産業分野で広く使用されている。例えば、洗浄剤には、洗浄効果を高めるために、水やその他の溶剤に分散させた界面活性剤が含まれている。このような組成物では、界面活性剤が主な洗浄成分として働き、組成物に付着した油や汚れなどの望ましくない汚れを可溶化して除去する。一般的に、洗浄組成物には、アニオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤などの複数の界面活性剤が含まれており、複数の界面活性剤を使用することで、さまざまな種類の汚れを除去することができるからである。界面活性剤を含む組成物は、洗浄だけでなく、エマルションの形成、殺生物剤、インク、塗料などの他の用途にも有用である。また、界面活性剤を含む組成物は、石油増進回収用途、発泡用途、金属加工、その他の多くの用途にも有用である。

概要
一実施形態によれば、液体組成物は、１つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤、１つ以上の非イオン性界面活性剤、および１つ以上の親水性カチオン性界面活性剤を含む。液体組成物は、約９０重量％以上の界面活性剤である。

別の実施形態によれば、液体組成物は、１つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤、１つ以上の非イオン性界面活性剤、１つ以上の親水性カチオン性界面活性剤、および場合によりプロピレングリコールおよび両性界面活性剤の１つ以上から本質的に構成される。液体組成物は、約９０重量％以上が界面活性剤である。

別の実施形態によれば、液体濃縮界面活性剤組成物を形成する方法は、１つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤、１つ以上の非イオン性界面活性剤、および１つ以上の親水性カチオン性界面活性剤を、実質的に透明で均質になるまで一緒に混合することを含む。液体濃縮界面活性剤組成物は、約９０重量％以上の界面活性剤である。

図面の簡単な説明
図１は、濃縮液状の界面活性剤組成物の粘度を水性希釈率の関数として示したグラフである。

詳細説明
本開示は、実質的に水を含まず、少なくともアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびカチオン性界面活性剤を含む液体濃縮界面活性剤組成物を一般的に開示する。界面活性剤の使用を必要とするあらゆる用途に有用であるが、本明細書に記載の液体濃縮界面活性剤組成物は、様々な汚れを除去するための濃縮洗浄組成物として特に有用である。一般的に、液体濃縮界面活性剤組成物は、実質的に１００重量％の界面活性剤を含む組成物中で利用可能な適切な界面活性剤を選択し、次にその組成物を一緒に混合することによって形成される。

定義
ここでいう「界面活性剤」とは、表面活性剤のことである。界面活性剤は、一般に、表面張力または界面張力を低下させる両親媒性（両性）化合物である。「界面活性剤」という用語は、界面活性剤の塩を含む、すべての形態の界面活性剤への言及を含み、界面活性剤の重量パーセントへの言及は、キレート剤および／または任意の界面活性剤の塩の対イオンのような指定された形態の完全な重量を含む。

ここでいう「アニオン性界面活性剤」とは、親水性基または極性基がアニオン性の電荷を持つ界面活性剤のことである。

ここでいう「非イオン性界面活性剤」とは、親水性基または極性基がイオン電荷を持たない界面活性剤のことである。

ここでいう「カチオン性界面活性剤」とは、親水性基または極性基がカチオン性の電荷を持つ界面活性剤のことである。

本明細書で使用する用語「土壌」は、汚れ、油、食物、生物学的汚染物質などの望ましくない汚染物質を指す。土壌は、基板から除去し、界面活性剤によって可溶化することができる。

本明細書で使用される用語「％活性」は、参照されるアイテムにおける活性成分の重量パーセントを意味する。例えば、９５％活性組成物とは、９５重量％の活性成分と約５重量％の不活性成分を含む組成物を指す。

「活性成分」とは、不活性成分以外の組成物中のすべての成分を指す。不活性成分とは、水、溶媒、または充填剤などの成分を指す。

「液状濃縮界面活性剤組成物」とは、約１００重量％の界面活性剤で形成された組成物を指し、９０重量％以上の界面活性剤、約９１重量％以上の界面活性剤、約９２重量％以上の界面活性剤、約９３重量％以上の界面活性剤、約９４重量％以上の界面活性剤、約９５重量％以上の界面活性剤、約９６重量％以上の界面活性剤、約９７重量％以上の界面活性剤、約９７重量％以上の界面活性剤、約９８重量％以上の界面活性剤、約９９重量％以上の界面活性剤、約１００重量％の界面活性剤、および１００重量％の界面活性剤で形成された組成物が明示的に含まれるものである。特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物の残りの部分は、微量の添加剤、微量の成分、および／または不慮の量の不活性成分を含むことができる。特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、約５％以下の不活性成分；約３％以下の不活性成分；約１％以下の不活性成分を含むことができ；または実質的に不活性成分を含まないことができる。別段の記載がない限り、液体濃縮界面活性剤組成物のｐＨへの言及は、１０重量％の液体濃縮界面活性剤組成物と９０重量％の脱イオン水で形成された組成物のｐＨを指す。

「実質的に含まない」とは、指定された成分が意図的に組成物に含まれておらず、存在するとしても約５％以下の偶発的な量でしか見られないことを意味する。

HCPA DCC-17とは、the Tough Greasy Kitchen Soil Test Method for Evaluating Cleaners Used to Clean Hard Surfaces evaluation standard promulgated by the Household and Commercial Products Association (“HCPA”) under Designation DCC-17 (April 2018)を指す。ASTM D5343とは、ASTM International evaluation standard D5343 (2018)を指す。

ここで開示されている液体濃縮界面活性剤組成物のための界面活性剤は、組成物に含まれる他の界面活性剤との互換性や、物理的および化学的特性に基づいて選択することができる。本明細書で使用される「相溶性」とは、界面活性剤が一緒に混ざり合い、例えば、塩または他のイオンコンプレックスの形成から沈殿、凝集、相分離などが生じないことを意味する。

物理的および化学的特性に関して、適切な界面活性剤は、好ましくは、約１００重量％の界面活性剤、またはその塩もしくは他の誘導体の形態である液体組成物として形成されるか、または供給されることができ、そのような界面活性剤は、低い処理エネルギーで所望の液体濃縮界面活性剤組成物に容易に加工することができるからである。特定の実施形態では、約１００重量％の界面活性剤を含む好ましい界面活性剤組成物は、約５℃～約５０℃の温度、または約１５℃～約３０℃のような約５℃～約５０℃の間の任意の温度、および室温（例えば、約２３℃）で液体にすることができる。しかし、理解できるように、適切な界面活性剤は、液体濃縮界面活性剤組成物中の他の界面活性剤との相互作用により、界面活性剤が液体濃縮界面活性剤組成物中で液体を形成することになる場合、約１００重量％のゲルまたは固体であることもできる。理解できるように、本明細書に記載の液体濃縮界面活性剤組成物を形成するために使用される界面活性剤の適切な組成物は、特定の実施形態において少量の溶媒または他の化合物を含むことができる。例えば、１００重量％未満の界面活性剤で形成された組成物は、その形成された液体濃縮界面活性剤組成物が界面活性剤の十分な重量割合（例えば、９０重量％以上の界面活性剤）を維持していれば、好適であり得る。

ある実施形態では、適切なアニオン性界面活性剤は、スルホン化界面活性剤およびその関連化合物から選択することができる。例えば、適切なスルホン化界面活性剤は、スルホネートおよびそのようなスルホネートを形成するために使用される関連スルホン酸の両方から選択することができる。特定の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、スルホン酸部分で独立して置換されることができるフェニル部分などの芳香族部分を含むことができ、さらに１つ以上の直鎖状または分岐状のＣ_４－Ｃ_２４アルキル基で独立して置換されることができる。例えば、アニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート（式Ｉで表されるような）またはそのスルホン酸前駆体を含むことができる。

ここで：
Ｒ^１－は、水素、または直鎖状もしくは分枝状のＣ_４－Ｃ_２４アルキルを表す；
Ｒ^２－は、水素、または直鎖状もしくは分枝状のＣ_４－Ｃ_２４アルキルを表す；
Ｍ－は、アルカリ金属、Ｎ（Ｒ^４）_４で表されるアンモニウム、Ｃ_１－Ｃ_６アルカノールまたはＣ_１－Ｃ_６アルコキシル化アミノアルコールを表すか、またはＳＯ_３ＭはＳＯ_３Ｈであり、各Ｒ^４は独立して、水素、または直鎖状もしくは分岐状のＣ_１－Ｃ_６アルキルを表す；そして
ここで、Ｒ^１およびＲ^２の少なくとも１つは、直鎖状または分岐状のＣ_４－Ｃ_２４アルキルを表す。

アニオン性スルホン化界面活性剤の１つ以上の直鎖状または分枝状のＣ_４－Ｃ_２４アルキル基は、直鎖状または分枝状のＣ_４－Ｃ_８アルキル、Ｃ_６－Ｃ_１０アルキル、Ｃ_８－Ｃ_１４アルキル、Ｃ_１２－Ｃ_１６アルキル、Ｃ_１４－Ｃ_１８アルキル、Ｃ_１６－Ｃ_２０アルキル、および／またはＣ_１８－Ｃ_２４アルキルの混合物であるか、またはそれらを含むことができる。例えば、特定の実施形態では、式Ｉで表されるアニオン性スルホン化界面活性剤の基Ｒ^１およびＲ^２は、直鎖状または分岐状のＣ_６－Ｃ_２４アルキル、例えば、直鎖状または分岐状のＣ_４－Ｃ_８アルキル、直鎖状または分岐状のＣ_６－Ｃ_１０アルキル、直鎖状または分岐状のＣ_８－Ｃ_１４アルキル、直鎖状または分岐状のＣ_１２－Ｃ_１６アルキル、直鎖状または分岐状のＣ_１４－Ｃ_１８アルキル、直鎖状または分岐状のＣ_１６－Ｃ_２０アルキル、および／または直鎖状または分岐状のＣ_１８－Ｃ_２４アルキル、またはそれらの混合物を表し得る。特定の実施形態において、式Ｉで表されるアニオン性スルホン化界面活性剤の基Ｒ^１および／またはＲ^２は、直鎖状のＣ_６－Ｃ_２４アルキル、例えば、直鎖状のＣ_４－Ｃ_８アルキル、直鎖状のＣ_６－Ｃ_１０アルキル、直鎖状のＣ_８－Ｃ_１４アルキル、直鎖状のＣ_１２－Ｃ_１６アルキル、直鎖状のＣ_１４－Ｃ_１８アルキル、直鎖状のＣ_１６－Ｃ_２０アルキル、および／または直鎖状のＣ_１８－Ｃ_２４アルキル、またはそれらの混合物を表し得る。

特定の実施形態では、式Ｉで表されるアニオン性スルホン化界面活性剤の基Ｒ^１および／またはＲ^２は、分岐状のＣ_６－Ｃ_２４アルキル、例えば、分岐状のＣ_４－Ｃ_８アルキル、分岐状のＣ_６－Ｃ_１０アルキル、分岐状のＣ_８－Ｃ_１４アルキル、分岐状のＣ_１２－Ｃ_１６アルキル、分岐状のＣ_１４－Ｃ_１８アルキル、分岐状のＣ_１６－Ｃ_２０アルキル、および／または分岐状のＣ_１８－Ｃ_２４アルキル、またはそれらの混合物を表し得る。スルホン化界面活性剤組成物内に含まれる、アニオン性スルホン化界面活性剤の１つのスルホン酸部位の塩（例えば、ＳＯ_３Ｍで表される部位の少なくとも１つがＳＯ_３Ｈではない場合）または両性スルホン化界面活性剤は、アルカリ金属塩（例えば、ナトリウム塩（例えば、ＭがＮａ）またはカリウム塩（例えば、ＭがＫ）など）、アンモニウム塩（例えば、ＭがＮ（Ｒ^４）_４を表す）、またはアミノアルコール塩などが挙げられる。

特定の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、直鎖状または分枝状のアルキルベンゼンスルホネート（アルキルアミンアルキルベンゼンスルホネートまたはアルキルアンモニウムアルキルベンゼンスルホネートと呼ばれることもある）であり得る。このようなアルキルベンゼンスルホネートの例としては、直鎖状または分岐状のヘキシルベンゼンスルホネート、直鎖状または分岐状のドデシルベンゼンスルホネート、イソプロピルアミン直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、イソプロピルアミン分岐状アルキルベンゼンスルホネート、イソプロピルアミン直鎖状または分岐状のヘキシルベンゼンスルホネート、イソプロピルアミン直鎖状または分岐状のドデシルベンゼンスルホネート、およびイソプロパノールアミン直鎖状アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。

特定の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、スルホン酸として添加することができ、液体濃縮界面活性剤組成物中、または前駆体組成物中で実質的にスルホネートに変換することができる。

特定の実施形態では、アニオン性界面活性剤は商業的に入手することができ、例えば、直鎖状または分岐状のアルキルベンゼンスルホン酸またはスルホン酸などのCalsoft（登録商標）型またはCalimulse（登録商標）型の界面活性剤からなるか又は含む、アニオン性スルホン化界面活性剤、またはアニオン性スルホン酸とすることができる。適切なCalsoft（登録商標）界面活性剤は、Pilot Chemical Co.(Cincinnati, OH)から販売されており、Calsoft（登録商標）LAS-99およびCalsoft（登録商標）LPS-99が含まれる。

特定の実施形態において、特に有利なアニオン性界面活性剤は、９７重量％の線状アルキルベンゼンスルホン酸を含む９９％の活性液体として市販されているCalsoft（登録商標）LAS-99又はCalsoft（登録商標）LPS-99などの直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を含むか、または当該直鎖アルキルベンゼンスルホン酸から形成される。

一般的に、本明細書に記載されている液体濃縮界面活性剤組成物は、一般的に、約２５重量％から約７５重量％のアニオン性スルホン化界面活性剤、または約２５重量％から約６０重量％の間の任意の量、例えば約３０重量％から約４５重量％の間の量を含むことができる。

特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、組成物のｐＨを修正するために中和剤を含むことができる。理解できるように、そのような中和剤の使用は、任意のアニオン性スルホン酸をアニオン性スルホン化界面活性剤に変換することもできる。ある実施形態では、十分な中和剤を液体界面活性剤組成物に添加して、ｐＨを約１０以下のｐＨ、約８以下のｐＨ、約５～約８のｐＨ、または約７～約８のｐＨに調整することができる。しかし、理解できるように、ある実施形態では、濃縮液体界面活性剤組成物を、すでに中和剤を含む組成物に添加する場合や、非中性のｐＨで使用することを意図する場合など、中和剤の使用を場合によるものとすることができる。

中和剤を含む特定の実施形態では、好ましい中和剤としてアミノアルコールが挙げられる。一般に、第二級アミンをジエポキシドやトリエポキシドなどの適切なエポキシドと反応させることで調製されるアミノアルコールは、低発泡性の有用な中和剤である。

ある実施形態では、アミノアルコールの製造に適したアミンは、下記の式ＩＩで示される。

ここで：
Ｒ^１ は、ヒドロキシ基を含み、Ｃ_２－Ｃ_４エポキシドの１つ以上の反応性付加物から形成されるアルコキシ鎖を表し；そして
Ｒ^２ およびＲは^３ 、それぞれ独立して、水素、Ｃ_１－Ｃ_４アルキル、またはＣ_２－Ｃ_４エポキシドの反応性付加から形成されたヒドロキシル基を含むアルコキシ鎖を表す。

ある実施形態では、中和剤は、モノイソプロパノールアミン（「ＭＩＰＡ」と呼ばれることもある）およびモノエタノールアミンの１つ以上を含むことができる。ｐＨを変更し、スルホン酸をスルホネートに変換することに加えて、中和剤を含めることで、液体濃縮界面活性剤組成物に含まれる界面活性剤と他の界面活性剤との適合性をさらに高めることができ、組成物が特定の種類の汚れを除去する能力を高めることができる。

中和剤が含まれる場合、本明細書に記載されている液体濃縮界面活性剤組成物は、一般に、中和剤の約７重量％～約１０重量％などの中和剤の５重量％～約１５重量％の間の任意の量を含む中和剤を含むことによって形成することができる。特定の実施形態では、中和剤の量は、所望のｐＨを参照して決定することができる。例えば、１０重量％の濃度の液体組成物で脱イオン水に分散させたときに、約７～約８の最終ｐＨを有する濃縮液体界面活性剤組成物を形成するために、十分な中和剤を添加することができる。

理解できるように、本明細書に記載されている液体濃縮界面活性剤組成物は、中和剤が任意の、例えばスルホン酸に正確な化学量論的量で添加されない場合があるため、特定の実施形態において中和剤の残留量を含む場合がある。

当然のことながら、カチオン性界面活性剤を配合することで、布地の柔軟性、殺生物剤としての効果、土壌除去性の向上など、濃縮された液体界面活性剤組成物の性能が向上する。カチオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤は、通常、塩またはイオンコンプレックスの形成、凝集、または相分離につながる相溶性の問題を抱えているが、特定のアニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤は驚くべき相溶性を持つことが発見されている。

具体的には、十分な親水性を有するカチオン性界面活性剤が、スルホン化されたアニオン性界面活性剤と相容れることが発見されている。このようなカチオン性界面活性剤の例としては、脂肪アミンなどの脂肪酸化合物から形成されるアルコキシル化、好ましくはエトキシル化された第４級アンモニウム化合物が挙げられる。特定の実施形態において、好適な親水性を示す好適なカチオン性界面活性剤のより具体的な例としては、コカミンや脂肪酸タロウなどの長鎖脂肪酸アミンのアルコキシル化された、または好ましくはエトキシル化されたポリエチレングリコール誘導体を挙げることができる。理解できるように、そのような親水性修飾カチオン性界面活性剤のポリエチレングリコール基は、下記の式ＩＩＩに描かれた構造を有することができる。

ここで：
Ａ^－は、ハロゲンなどの適切なアニオンである：
Ｒ^１およびＲ^２は、Ｃ_１－Ｃ_３０直鎖または分岐のアルキルであり、結合した炭素の数は合計で少なくとも８である

Ｒ^３は、Ｃ_２－Ｃ_４エポキシドの反応性付加に由来するヒドロキシル基を含むアルコキシ鎖である；
Ｒ^４は、水素、Ｃ_１－Ｃ_４アルキル、またはＣ_２－Ｃ_４エポキシドの反応性付加に由来するヒドロキシル基を含むアルコキシ鎖である；そして
ここで、アルコキシ単位の結合数は、第四級アンモニウム化合物を親水的に修飾するのに十分である。

特定の実施形態では、好適な第四級アンモニウム化合物は、ポリエチレングリコールから誘導することができる。そのような実施形態では、Ｒ^３およびＲ^４はそれぞれ、以下のとおりであることができる。
－（ＣＨ_２ＣＨ_２Ｏ）_ｘＨ
ここで、Ｒ^３およびＲ^４のそれぞれのｘは、独立して、１から１５までの整数を表す。

国際命名法化粧品成分（ＩＮＣＩ）の用語では、ポリエチレングリコール（ＰＥＧ）成分は、Ｒ^３とＲ^４のｘの合計の平均値で呼ばれる。例えば、ＰＥＧ－１５は、Ｒ^３とＲ^４のｘの平均値が１５であるＰＥＧ誘導体を意味する。

特定の実施形態では、カチオン性界面活性剤は、プロポキシル化第四級アンモニウム界面活性剤およびプロポキシル化アミン界面活性剤などのプロポキシル化カチオン性界面活性剤であり得る。プロポキシル化カチオン性界面活性剤は、本明細書に記載の濃縮液体界面活性剤組成物が減少したジオキサン含有量を示すことを可能にすることが発見されている。理解できるように、健康への懸念から、規制当局は化学製品に含まれる１，４ジオキサンの量を減らすことを要求している。適切なプロポキシル化界面活性剤の例は、ポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリドである。ある種の適切なプロポキシル化界面活性剤は、Evonik Industries A.G. (Essen, DE)から入手可能である。

他の特定の実施形態では、スルホン化アニオン性界面活性剤と互換性のある適切なカチオン性界面活性剤は、ココアルキルメチルＰＥＧ－１５アンモニウムクロリドである。Pilot Chemical Co.(Cincinnati, OH)からMaquat（登録商標）C-15として入手可能であり、有利には、室温で９５重量％の濃度のココアルキルメチルＰＥＧ－１５アンモニウムクロリドを含む液体である。

一般に、適切なカチオン性界面活性剤は、約１％～約３０％の重量、約２．５％～約２５％の重量、約２．５％～約１０％の重量、約３％～約７．５％の重量、および約３％～約５％の重量など、約０．５％～約３５％の間の任意の重量％を含む液体濃縮界面活性剤組成物の約０．５％～約３５％の重量で含むことができる。特定の実施形態では、カチオン性界面活性剤は、液体濃縮界面活性剤組成物の約３重量％で含むことができる。

理解できるように、非イオン性界面活性剤は、イオン電荷を持たないため、一般に、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤の両方と互換性がある。したがって、既知の非イオン性界面活性剤は、本明細書に記載されている液体濃縮界面活性剤組成物に一般的に適している。好ましい非イオン性界面活性剤は、約１００重量％の界面活性剤として供給することができ、室温（例えば、約２３℃）で液体であるものである。

特定の実施形態では、適切な非イオン性界面活性剤は、Ｃ_８－Ｃ_２２アルキルラジカルを有する長鎖、脂肪族、合成または天然のアルコールのアルコキシレート、好ましくはエトキシレートを含むことができる。特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、約１ｍｏｌ～約２５ｍｏｌのエチレンオキシドを含むことができる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖または分岐、一次または二次、および飽和または不飽和であることができる。

適切な非イオン性界面活性剤の追加の例としては、当技術分野で知られているように、アルキルフェノールエトキシレート、タローアミンエトキシレート、エーテルアミンエトキシレート、エチレンオキシド／プロピレンオキシドブロックコポリマー、アミドエーテル縮合物、アルキルポリグルコシド、およびココアミンエトキシレートを挙げることができる。

特に好ましい非イオン性界面活性剤は、特定の実施形態において、直鎖アルキルアルコールエトキシレートを含むことができる。そのような非イオン性界面活性剤の例としては、平均１ｍｏｌ～１０ｍｏｌのエチレンオキシドを有するＣ_８－Ｃ_１６直鎖アルキルアルコールエトキシレートが挙げられる。このような非イオン性の界面活性剤は、Pilot Chemical Co.(Cincinnati, OH)がMasodol（登録商標）という商品名で販売している。

特定の実施形態では、本明細書に記載されている液体濃縮界面活性剤組成物は、一般に、約２０重量％から約６０重量％の間の任意の量、例えば、約２０重量％から約６０重量％、約２５重量％から約５０重量％、約３０重量％から約４５重量％、および約３５重量％から約４５重量％を含む非イオン性界面活性剤を含むことができる。

理解できるように、水を実質的に、または完全に排除することで、本明細書に記載されている液体濃縮界面活性剤組成物に多くの利点をもたらす。例えば、水のような不活性物質を排除することで、不活性物質の輸送や保管にかかるコストや環境への影響を低減することができる。また、液体濃縮界面活性剤組成物は、その所定の重量に対してより効果的である。

特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、低粘度の、琥珀色の、液体であり得る。液体濃縮界面活性剤組成物は、均一な、または等方的な、液体であり得る。液体濃縮界面活性剤組成物の低粘度は、そのような粘度が組成物の取り扱いおよび使用を容易にすることができるので、有利であり得る。例えば、粘度は、液体濃縮界面活性剤組成物のポンピングおよび注出に適している。

特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、約１００，０００ｃＰ以下の動的粘度、約５０，０００ｃＰ以下の動的粘度、約１０，０００ｃＰ以下の動的粘度、約５，０００ｃＰ以下の動的粘度、約１，０００ｃＰ以下の動的粘度などの範囲内の動的粘度を有することができる。また、約１００ｃＰ～約２，０００ｃＰの動的粘度、約１５０ｃＰ～約１，０００ｃＰの動的粘度など、その範囲内の任意の動的粘度を持つことができる。

一般的に、液体濃縮界面活性剤組成物は、任意の適切な容器または装置に保存することができる。例えば、適切な容器および器具には、単回使用の容器または器具、詰め替え可能な容器または器具、およびそれらの詰め替え品が含まれる。より具体的な例では、適切な容器および器具は以下を含む。エアゾール容器、金属ボトル、金属缶、アンプル、静電防止バッグ、バッグインボックス、バッグおよびフレキシブルコンテナ、バレル、生分解性バッグ、ブリスターパック、ボイルインバッグ、ボトル、ボックス、バルクボックス、ケージ、ケース、カーボイ、カートン、チャブ、クラムシェル、段ボール箱デザイン、クレート、使い捨てカップ、ドラム、エンドキャップ、フレキシブル中間バルクコンテナ、折りたたみカートン、ガラス瓶、断熱輸送容器。中間バルクコンテナ、ジャー、ジェリカン、水差し、ケグ、マルチパック、オイスターペール、パケット（容器）、パッド付きメーラー、ペール缶、紙袋、紙サック、プラスチックバッグ、プラスチックボトル、レトルトパウチ、サシェ、セキュリティバッグ、輸送用コンテナ、スキンパック、スプレーボトル、Tetra Briks（登録商標）、ブリキ缶、サーマルバッグ、加圧式エアゾール缶、タブ（容器）、チューブ、ユニットロード、バイアル、木箱などが挙げられます。容器や装置は、同時に塗布または使用することができる追加の液体、固体、気体などの追加のコンポーネントのためのストレージを含むことができる。さらに、容器や装置は、ホースやアプリケーターパッドなどの付属品を含むこともできる。

本開示のある態様では、容器または器具は、液体濃縮界面活性剤組成物を塗布するための１つ以上の塗布システムを含むことができる。例えば、容器または装置は、ノズルおよびネブライザの１つ以上を含むことができる。適切なノズルとしては、一流体ノズル、プレーンオリフィスノズル、シェイプトオリフィスノズル、表面阻止型一流体ノズル、圧力旋回型一流体スプレーノズル、ソリッドコーン型一流体ノズル、複合ノズル、二流体ノズル、内部混合型二流体ノズル、外部混合型二流体ノズル、二流体ノズルの制御、回転式アトマイザー、超音波アトマイザー、静電式アトマイザーなどを挙げることができる。適切なネブライザには、機械的ネブライザ、ソフトミスト吸入器、電気的ネブライザ、ジェットネブライザ、超音波ネブライザ、および振動メッシュ技術ネブライザが含まれる。エアゾールノズルは、ステムが上部アクチュエータの一部である「雌」バルブを有するペイントバルブシステムを含むことができる。バルブは、圧力充填の前に、バルブカップと一緒にあらかじめ組み立てられ、一体として缶に取り付けられる。操作部は後で追加することができる。

容器や装置は、ある実施形態では、例えば不活性ガスを用いて加圧することができる。代わりに、容器または装置は、電子的にまたは化学反応によって加圧することができる。

特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、洗濯や食器洗いを目的とした単回使用の溶解可能なパケットまたは「ポッド」に含めることができる。理解できるように、液体濃縮界面活性剤組成物に水または溶媒が含まれていないことは、そのような用途のためのサイズおよび重量を考慮する上で特に有利であり得る。

特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、液体濃縮界面活性剤組成物の１０重量％の濃度で水に分散させたときに、実質的に中性のｐＨ（例えば、約７～約８）を有することができる。理解できるように、中性のｐＨを有することは、安全性および互換性の理由から有利である。例えば、中性のｐＨを有することは、液体濃縮界面活性剤組成物を他の非中性（例えば、酸性または塩基性）の洗浄組成物と一緒に使用することができることを意味する。また、中性のｐＨは、液体濃縮界面活性剤組成物が適用されるユーザーの化学的火傷や基板の損傷を防ぐことができる。

高濃度の界面活性剤組成物は、非濃縮（例えば、約５０％以下の濃縮）、あるいは従来から知られている高濃度の界面活性剤組成物（例えば、約９０％以下の界面活性剤を有する）と比較して、多くの利点を示すことが発見された。例えば、本明細書に記載されている液体濃縮界面活性剤組成物は、水に迅速に分散するが、９０重量％以下の界面活性剤濃度を有する既知の高濃縮界面活性剤組成物は、水に分散することが困難な場合がある。

本明細書に開示されている液体濃縮界面活性剤組成物は、様々な有用な特性を示すため、家庭用、工業用、および施設用の洗浄組成物として有用である。例えば、液体濃縮界面活性剤組成物は、優れた微粒子および油性土壌の除去、瞬時の濡れ性、乳化性およびグリースカット性、ヘビーデューティークリーナー用の透明なＤ’リモネンマイクロエマルション、取り扱いおよび保管が容易な低粘度、防腐剤フリー、および生分解性を示すことができる。

特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、洗剤、家庭用および施設用クリーニングのためのランドリー組成物、ハードサーフェイスクリーナー、乳化剤、ファインファブリックウォッシュ組成物、ランドリープレスポッター組成物、カーペットシャンプー組成物、テキスタイルスカラー組成物、手動および自動食器洗い組成物、鍋・フライパンクリーナー、手動またはバケットタイプの洗車組成物および自動洗車組成物を含む洗車組成物、プラスチックおよびビニールクリーナー組成物、レザークリーナー組成物、ガラスクリーナー組成物に有用である。金属洗浄剤、木材洗浄剤、大理石洗浄剤、コンクリート洗浄剤、セメント用空気混入防止剤、万能洗浄剤組成物、台所用洗浄剤および剥離剤、台所用脱脂剤組成物、台所用カウンター洗浄剤、浴槽およびタイル洗浄剤、浴室洗浄剤、便器洗浄剤、床洗浄剤、床剥離剤、重度の工業用洗浄剤。フロアストリッパー、重工業用クリーナー、乳製品用クリーナー、食品加工工場用クリーナー、脱脂剤組成物、農薬用乳化剤を含む農業用乳化剤、乳化重合組成物、Ｄ’リモネンマイクロエマルション、香水用可溶化剤、油田用起泡剤組成物などがある。しかし、理解できるように、ここに開示された液体濃縮界面活性剤組成物は、当技術分野で知られているような他の洗浄用途にも適している。

特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、より大きな洗浄製品または組成物の中間成分として使用することができる。例えば、特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、濃縮された（例えば、２倍、３倍、４倍、またはそれ以上の）食器洗い用石鹸を配合するために使用することができる。他の特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、任意の他の家庭用、工業用、または施設用の洗浄製品のための界面活性剤ブレンドとして使用することができる。さらに他の特定の実施形態では、濃縮界面活性剤ブレンドは、塗料、油、エマルション、金属加工液、油田作業、発泡用途などのための界面活性剤ブレンドとして使用することができる。

特定の実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、様々な添加剤と相容れることができる。例えば、ビルダー、フィラー、酵素、漂白剤、キレート剤、カプラー、分散剤、土壌捕獲剤、ｐＨ剤、電解質、ポリマー（例えば、ポリカルボキシレート、エトキシル化ポリエチレンイミン）、消泡剤、香料、着色剤、硬水調整剤、蛍光増白剤（例えば、蛍光染料）、および乾燥剤を適切な添加剤として加えることができる。

特定の実施形態において、適切な添加剤の例は、プロピレングリコールおよび両性界面活性剤の１つ以上を含むことができる。例えば、プロピレングリコールは、分散剤として、粘度調整剤として、および／または低温安定性向上剤として、本明細書に記載された濃縮液体界面活性剤組成物に含まれ得る。

両性界面活性剤は、カップリングの改善、ハイドロトローピングの改善、および／または液状濃厚界面活性剤組成物の分散の改善に有用である。中性ｐＨでは、そのような両性界面活性剤は、液体濃縮界面活性剤組成物の安定性を低下させるのではなく、安定性を増加させるので、様々な両性界面活性剤が適していると一般的に考えられている。特定の実施形態では、好適な両性界面活性剤は、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウムであり得る。

特定の実施形態では、粘度調整剤を添加剤として含めることができる。このような添加剤は、液体濃縮界面活性剤組成物を水で希釈して、例えば、洗浄製品を形成する際に特に有用である。一般に、既知の粘度調整剤が好適に使用できる。特に好適な粘度調整剤としては、疎水性変性アクリレートポリマーおよびミリスチルジメチルアミンオキシドを挙げることができることが分かっている。

例えば、８０％超の水を含み、初期粘度が低い液状濃縮界面活性剤組成物を含む希釈液の粘度を高めるために、疎水性変性アクリレートポリマー溶液を約１重量％～約５重量％で含有させることができる。水が約５０％～約８０％の中程度の希釈率では、疎水性変性アクリレートポリマーまたはミリスチルジメチルアミンオキシドを使用して粘度を高めることができる。水が２０％から４０％の低希釈率では、液状の濃縮界面活性剤組成物の初期粘度はゲルになることがある。ゲルを破壊し、粘度を下げるために、約１％から約５％のプロピレングリコールを加えることができる。水分量が５％から約１５％の間の非常に低い希釈率では、粘度を上げるために約１％から約５％のレベルのミリスチルジメチルアミンオキシドを使用することができる。

添加剤の添加は、液体濃縮界面活性剤組成物がより大きな洗浄組成物または製品に組み込まれることなく直接適用されることを意図している場合、または貯蔵安定性のような様々な他の特性を改善するために特に有用である。

ある実施形態では、液体濃縮界面活性剤組成物は、実質的に、または完全に、防腐剤を含まないことができる。理解できるように、防腐剤を含む必要がないことは、健康上の理由だけでなく、他のコンポーネントとの互換性のためにも有益である。

一般的に、液状の濃縮界面活性剤組成物は、各界面活性剤を、均質な混合物が形成されるまで、従来の混合装置を用いて混合することにより形成することができる。

例示的な洗浄剤の処方
本明細書では、液体濃縮界面活性剤組成物を使用して形成された様々な洗浄製品のための例示的な処方を説明する。各例示的な製剤では、各成分が一定の混合をしながら記載された順序で加えられる。混合は、各成分が添加された後に行われ、その後、ダマや粒子のない滑らかで均質な組成物が形成される下で、最後に続けて行われる。クエン酸または水酸化ナトリウムを用いてｐＨを約８～９に調整する。

例示した各クリーナーは、HCPA DCC-17, Tough Greasy Soil Test Methodなどの業界標準の評価試験において、比較対象となる市販製品と同等以上の性能を示した。例えば、「浴槽・タイル用クリーナー」は、ASTM D5343の石鹸カス評価試験で、市販品の４．９％～９８．１％の値に比べて、９８．６％の汚れ除去率を示した。

例
様々な例の液体濃縮界面活性剤組成物を製造し、その洗浄能力を評価した。各例の組成物は、適切な容器内であるすべての成分を、透明で等方性の均質なバッチが生成されるまで一定に混合することによって形成された。

物理的および評価的テスト
ｐＨ測定
VWR Scientific社(Radnor, PA)製のSymphony B-10 P pH meterを用いて、実施例の組成物のｐＨを評価した。測定は、メーカーの基準に従って実施した。実施例の組成物を水で希釈して、１０％水溶液を形成した。

泡の高さ
実施例組成物の泡の高さを、評価組成物の１％溶液を用いて評価した。測定はRoss-Miles法(ASTM D 1173)に基づいて行い、初期、５分後、１０分後を報告した。

濡れ時間
実施例の組成物の湿潤時間測定は、評価組成物の１％溶液と綿スジを用いて評価した。測定は、Draves Wetting試験に準拠して行った。
粘度測定
実施例の組成物の粘度は、Brookfield Ametek(Middleboro, MA)社製のBrookfield LV粘度計を用いて測定した。粘度は、スピンドル＃３を用いて、温度２５℃で２０ＲＰＭの速度で測定した。

固形分の測定
実施例の組成物の固形分の割合は、Ohaus Corp.(Parsippany, NJ)製のOhaus MB-45水分計を用いて測定した。測定は、メーカーの基準に従って行った。

土壌の除去テスト
実施例の組成物の土壌除去能力は、独立した実験室(Sterling Labs, Sylvania, OH)において、粘土、埃の皮脂、メイクアップ、草、クラン・グレープ・ジュース、スパゲッティ・ソース、泥、コーヒー、ココア、および血液／ミルク／インクでコーティングされたサンプル・スウォッチを洗濯して決定した。すべての反射率は、Photovolt Instruments社（ミネソタ州ミネアポリス）製のPhotovolt 577 Reflectometerを用いて，緑色の三刺激フィルタを用いて測定した。

スイス・デュベンドルフのEidgenossische Materialprufungs- und Forschungsanstalt（以下、ＥＭＰＡ）（直訳すると「スイス連邦材料科学技術研究所」）で製造された清潔な綿のスウォッチに土を塗布して、粘土、ダスト・セバム、メイクアップ、草をコーティングしたサンプルスウォッチを用意した。粘土、ダストの皮脂、化粧品、草はScientific Services S/D Inc.(Sparrowbush, NY)から入手した。クラン・グレープ・ジュース，スパゲッティ・ソース，泥，コーヒーを塗布したサンプル・スワッチは，ラボで提供された土壌とScientific Services S/D Inc.のサンプル・スワッチを用いて調製した。ココアと血液／ミルク／インクで汚れたプレ土壌ド・スワッチは、ＥＭＰＡからＥＭＰＡ １１２とＥＭＰＡ １１６のスワッチとして入手した。

汚れていないスウォッチと、その後に汚れたスウォッチの反射率を測定した。

洗濯するために、各土壌の３枚の汚れた見本を、ＧＥモデルGTW330ASK0WWの洗濯機で、中程度の洗濯負荷（１５ガロン）に対して十分な量の各テスト製品のサンプルを入れて洗った。各洗濯機の水は、塩化マグネシウムと塩化カルシウムを１Ｍｇ対２Ｃａの割合で濃縮したものを用いて、水の硬度が１５０ｐｐｍになるように調整した。サンプルは３２．２℃（９０°Ｆ）で、通常のサイクルで１２分間動作させた。スウォッチはパーマネントプレス設定で乾燥させた。乾燥後、洗濯前のスウォッチと同じ機械と手順で各サンプルの反射率を測定した。

土壌除去率は、汚れていない各スワッチの反射率の値を、汚れたスワッチおよび洗浄したスワッチの反射率の値と比較して算出した。結果は、各セットの複製について平均した後、各実施例組成物について合計した。値が高いほど、実施例の組成物の洗浄性が良好である。また、９５％の信頼水準で統計的に有意な平均値の差を求めた。

表１は、実施例１～９に使用した成分を重量比で表したものである。モノイソプロパノールアミンまたはモノエタノールアミンは、実施例の組成物のｐＨを約７～約８に調整するのに十分なレベルで添加された。モノイソプロパノールアミンまたはモノエタノールアミンはまた、実施例の組成物において、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を直鎖アルキルベンゼンスルホン酸に実質的に変換した。

実施例１～３では、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の比率を変化させた場合の効果を評価した。実施例４では、親水性－親油性バランス（以下、ＨＬＢ）の低い非イオン性界面活性剤と、ＨＬＢの高い非イオン性界面活性剤の違いを評価した。実施例５は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩とモノイソプロパノールアミン直鎖アルキルベンゼンスルホネートの違いを評価したものである。実施例６では、親水性カチオン界面活性剤を含有させる効果を評価した。実施例７では、低ＨＬＢ非イオン性界面活性剤、高ＨＬＢ非イオン性界面活性剤、親水性カチオン性界面活性剤を含む効果を評価した。実施例８では、モノエタノールアミン直鎖アルキルベンゼンスルホネートと、モノイソプロパノールアミン直鎖アルキルベンゼンスルホネートの違いを比較した。実施例９では、ハイドロトロープ、カプラー、分散剤の添加による効果を評価した。

実施例１０、１１は市販の液状濃縮界面活性剤組成物で、そのまま使用した。実施例１０は９１％の活性で、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ノニルフェノールエトキシレート、ラウレス硫酸ナトリウム、コカミドジエタノールアミンを含んでいた。実施例１１は１００％活性で、アニオン性界面活性剤とアミド性界面活性剤の独自のブレンドを含んでいた。

表２は、実施例１～１１を「土壌除去試験」で評価した結果である。

表２に示されるように、親水性カチオン界面活性剤を含み、ほぼ１００重量％の界面活性剤で形成された実施例６および７は、様々な土壌の除去において非常に優れた性能を示した。また、親水性カチオン界面活性剤を含有することで、土壌除去性能に加えて、実施例６および７はユニークな特性を示すことが期待される。

表３は、液体濃縮界面活性剤組成物のさらなる例を示す。表３において、実施例１２から１４は、表３に示されている順序で成分を連続的に混合することによって形成された。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の添加に続いて、モノイソプロパノールアミンまたは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のいずれかをさらに添加することにより、ｐＨを約７～約９のｐＨに調整した。ｐＨ調整の後、残りの成分を表３に記載された順序で、塊、粒子、ゲルスポットのない、透明で滑らかな均質なバッチが形成されるまで一定の混合を行った。

表４は、表２の実施例１～１１と同様の方法で実施例１２～１４を試験した結果を示したものである。

表４の結果から分かるように、実施例１２～１４のそれぞれは、土壌の除去において同様の性能を発揮し、有利な組成物であった。

実施例１３の物理的特性をさらに評価し、表５に示した。表６は、実施例１３の温度および粘度依存性をさらに示している。

表５および６に描かれているように、実施例１３の物理的特性は、多数の泡ケア、工業、および施設のクリーニング用途に望ましい。

理解できるように、様々な用途に応じて組成物の粘度を調整する必要がある。例えば、洗濯用洗剤は、典型的には約１００ｃＰ～約５００ｃＰの粘度を有し、一方、手動の食器用洗剤は、約４００ｃＰ～約８００ｃＰの粘度を有し得る。図１は、実施例１３に対する水の重量比の関数として、実施例１３の粘度を示すグラフを示している。

図１に描かれた希釈溶液の粘度を修正できるかどうかを判断するための実験を行った。様々な希釈液の粘度を修正する方法の説明が、表７に報告されている。

また、脱イオン水で実施例１３の５％ｗ／ｗ溶液を調製することで、実施例１３と各種添加剤との相性を評価した。その後、酸、アルカリ、塩を含むさまざまな添加剤を，5% w/w溶液の１００ｇのアリコートに，溶液が白濁するまで加えた。混合物を白濁させた添加剤の量と、最終溶液のｐＨを表８に描いた。

表８に描かれているように、実施例１３は、多くの一般的な洗浄剤、添加剤、改質剤と互換性がある。

表９は、低下した量のジオキサン（例えば、１，４ジオキサン）を示す液体濃縮界面活性剤組成物の例を示している。実施例１５は、連続的に混合しながら、表９に示されている順序で成分を組み合わせることによって形成された。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の添加後、組成物を約４０℃の温度に冷却し、モノイソプロパノールアミンまたは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のいずれかをさらに添加して、ｐＨを約７．０～約８．０のｐＨに調整した。ｐＨ調整後、残りの成分を表９に記載された順序で、塊、粒子、ゲルスポットのない、透明で滑らかな均質なバッチが形成されるまで、一定の混合を行った。同様の組成物は、プロポキシル化第４級アンモニウムをプロポキシル化アミンに置き換えても形成することができる。

ここに記載されている寸法や値は、厳密に記載されている数値に限定されるとは理解されない。むしろ、特に指定のない限り、各寸法は、記載された値と、その値の周囲の機能的に同等な範囲の両方を意味することを意図している。

本明細書を通して与えられるすべての最大の数値制限は、あたかもそのような低い数値制限が本明細書に明示的に書かれているかのように、すべての低い数値制限を含むことを理解すべきである。この明細書を通して与えられたすべての最小数値制限は、あたかもそのような高い数値制限がここに明示的に書かれているかのように、すべての高い数値制限を含みます。本明細書中に記載されているすべての数値範囲は、あたかもそのような狭い数値範囲がすべて本明細書中に明示的に書かれているかのように、そのような広い数値範囲の中に入るすべての狭い数値範囲を含みます。

本文書で引用されているすべての文書は、相互参照されているか、関連する特許または出願を含め、明示的に除外されているかまたは制限されていない限り、参照によりその全体が本文書に組み込まれている。文書の引用は、その文書が本文書で開示または請求された発明に関する先行技術であること、またはその文書が単独で、あるいは他の参考文献との組み合わせで、そのような発明を教示、示唆、または開示していることを認めるものではありません。さらに、本文書における用語の意味または定義が、参照することにより組み込まれる文書における同一用語の意味または定義と矛盾する場合には、参照することにより組み込まれる文書においてその用語に割り当てられた意味または定義が適用されるものとする。

前述の実施形態および実施例の説明は、説明のために提示されたものである。記載された形態を網羅的に、または限定することを意図したものではない。上記の教示に照らして、多数の修正が可能である。それらの変更のいくつかは議論されており、他のものは当業者によって理解されるであろう。実施形態は、様々な実施形態の説明のために選択され、記載されたものである。本明細書に開示された特定の実施形態は、当業者に理解されるように、他の実施形態と組み合わせることができる。もちろん、その範囲は、本明細書に記載された例または実施形態に限定されるものではなく、当業者による任意の数の用途および同等の物品に採用することができる。むしろここでは、添付の特許請求の範囲によって範囲が定義されることを意図している。

Claims (56)

1. 以下を含む液体組成物：
   １つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤；
   １つ以上の非イオン性界面活性剤；および
   約１つ以上の親水性カチオン性界面活性剤；および
   ここで、組成物の約９０重量％以上が界面活性剤で構成されている。
2. １つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤、１つ以上の非イオン性界面活性剤、および１つ以上の親水性カチオン性界面活性剤が、液体組成物中の界面活性剤の約９０重量％以上を占めることを特徴とする、請求項１に記載の液体組成物。
3. 液体組成物中の界面活性剤が、１つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤、１つ以上の非イオン性界面活性剤、および１つ以上の親水性カチオン性界面活性剤から本質的に構成されている、請求項１に記載の液体組成物。
4. １つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤が、直鎖状または分岐状のアルキルベンゼンスルホン酸の塩を含むことを特徴とする、請求項１に記載の液体組成物。
5. １つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の塩を含むことを特徴とする、請求項１に記載の液体組成物。
6. 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の塩が、１つ以上の中和剤で形成されていることを特徴とする、請求項５に記載の液体組成物。
7. １つ以上の中和剤が、アミノアルコールを含むことを特徴とする、請求項６に記載の液体組成物。
8. アミノアルコールが、モノイソプロパノールアミン及びモノエタノールアミンの１種以上を含むことを特徴とする、請求項７に記載の液体組成物。
9. １つ以上の中和剤の残留量をさらに含む、請求項６から８のいずれかに記載の液体組成物。
10. 約２５重量％～約７５重量％の１つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤を含む、請求項１に記載の液体組成物。
11. １つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤を約３０重量％～約４５重量％含む、請求項１に記載の液体組成物。
12. １つ以上の親水性カチオン性界面活性剤が、第４級アルコキシル化脂肪アミンまたはその誘導体を含む、請求項１に記載の液体組成物。
13. １つ以上の親水性カチオン性界面活性剤が、コカミンのポリエチレングリコール誘導体から形成された第４級アンモニウムを含む、請求項１に記載の液体組成物。
14. １つ以上の親水性カチオン性界面活性剤が、ココアルキルメチルＰＥＧ－１５アンモニウムクロリドを含むことを特徴とする、請求項１に記載の液体組成物。
15. １つ以上の親水性カチオン性界面活性剤がエトキシル化されていることを特徴とする、請求項１２～１４のいずれかに記載の液体組成物。
16. １つ以上の親水性カチオン性界面活性剤がプロポキシル化カチオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項１に記載の液体組成物。
17. プロポキシル化カチオン性界面活性剤が、プロポキシル化第４級アンモニウムまたはプロポキシル化第４級アミンを含むことを特徴とする、請求項１６に記載の液体組成物。
18. １つ以上の親水性カチオン性界面活性剤を約０．５重量％以上含有している、請求項１に記載の液体組成物。
19. １つ以上の親水性カチオン性界面活性剤を約１重量％～約５重量％含有する、請求項１に記載の液体組成物。
20. １つ以上の非イオン性界面活性剤がＣ_８－Ｃ_２２アルキルアルコールアルコキシレートを含むことを特徴とする、請求項１に記載の液体組成物。
21. １つ以上の非イオン性界面活性剤がＣ_８－Ｃ_２２アルキルアルコールエトキシレートを含むことを特徴とする請求項１に記載の液体組成物。
22. １つ以上の非イオン性界面活性剤が、Ｃ_８－Ｃ_１６直鎖アルキルアルコールエトキシレートを含み、Ｃ_８－Ｃ_１６直鎖アルキルアルコールエトキシレートは、平均約３モル～約１０モルのエチレンオキシドを有する、請求項１に記載の液体組成物。
23. １つ以上の非イオン性界面活性剤を約２５％～約５０％の重量で含んでいる、請求項１に記載の液体組成物。
24. 以下を含む、請求項１に記載の液体組成物：
    直鎖アルキルベンゼンスルホネート；
    ココアルキルメチルＰＥＧ－１５アンモニウムクロリド；および
    Ｃ_８－Ｃ_１６直鎖アルキルアルコールエトキシレート。
25. 直鎖アルキルベンゼンスルホネート、ココアルキルメチルＰＥＧ－１５アンモニウムクロリド、およびＣ_８－Ｃ_１６直鎖アルキルアルコールエトキシレートが、液体組成物中の界面活性剤の約９０重量％を占める、請求項２４に記載の液体組成物。
26. 以下を含む、請求項１に記載の液体組成物：
    約３０％～約４５％の重量で、１つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤；
    約１％～約５％の重量で、１つ以上の親水性カチオン性界面活性剤；および
    約３５％～約５０％の重量で、１つ以上の非イオン性界面活性剤。
27. 以下を含む、請求項１に記載の液体組成物は：
    約３５％～約４５％の重量で、直鎖アルキルベンゼンスルホネート；
    約１％～約３％の重量で、プロポキシル化第四級アンモニウムまたはプロポキシル化第四級アミン；および
    約４０％～約５０％の重量で、Ｃ_８－Ｃ_１６直鎖アルキルアルコールエトキシレート。
28. １つ以上の添加剤をさらに含む、請求項１に記載の液体組成物。
29. １つ以上の添加剤が、プロピレングリコールと両性界面活性剤のうち１つ以上を含む、請求項２８に記載の液体組成物。
30. 両性界面活性剤がラウリミノジプロピオン酸ナトリウムを含むことを特徴とする、請求項２９に記載の液体組成物。
31. 約１０重量％以下の１つ以上の添加剤を含んでいる、請求項２８から３０のいずれかに記載の液体組成物。
32. 約３重量％～約５重量％の両性界面活性剤を含んでいる、請求項２９に記載の液体組成物。
33. 重量で約５％～約３５％のプロピレングリコールを含んでいる、請求項２９に記載の液体組成物。
34. 約１０，０００ｃＰ以下の動的粘度を有する、請求項１に記載の液体組成物。
35. 約１００ｃＰ～約２，０００ｃＰの動的粘度を有する、請求項１に記載の液体組成物。
36. 液体組成物の１０重量％の濃度で脱イオン水に分散させると、約５～約８のｐＨを有する、請求項１に記載の液体組成物。
37. 液体組成物の１０重量％の濃度で脱イオン水に分散させると、約７～約８のｐＨを有する、請求項１に記載の液体組成物。
38. 約９５重量％の界面活性剤を含んでいる、請求項１に記載の液体組成物。
39. 約９９重量％の界面活性剤を含んでいる、請求項１に記載の液体組成物。
40. 約１００重量％の界面活性剤を含んでいる、請求項１に記載の液体組成物。
41. 本質的に界面活性剤で構成されている、請求項１に記載の液体組成物。
42. 実質的に防腐剤を含まない、請求項１に記載の液体組成物。
43. クリーニング組成物である、請求項１に記載の液体組成物。
44. ランドリー組成物である、請求項１に記載の液体組成物。
45. 液状濃縮界面活性剤組成物である、請求項１に記載の液体組成物。
46. 基板または物品を洗浄するための、請求項１に記載の液体組成物の使用。
47. 請求項１の液体組成物を約１重量％～約６０重量％含むクリーニング製品。
48. 下記を本質的に含む液体組成物：
    アニオン性のスルホン化界面活性剤；
    非イオン性界面活性剤；
    親水性のカチオン性界面活性剤；および
    場合により１つ以上のプロピレングリコールと両性界面活性剤；および
    液体組成物の約９０重量％以上が界面活性剤で構成されている。
49. 以下を含む、液体組成物の形成方法であって：
    実質的に透明で均一になるまで下記を一緒に混ぜること：
    １つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤；
    １つ以上の非イオン性界面活性剤；および
    １つ以上の親水性カチオン性界面活性剤；および
    ここで、液体組成物は、約９０重量％以上の界面活性剤を含んでいる、前記の形成方法。
50. １つ以上のアニオン性スルホン化界面活性剤が、アニオン性スルホン酸を中和剤と反応させることによって形成される、請求項４９に記載の方法。
51. アニオン性スルホン酸と中和剤を反応させることが、液体組成物の混合と実質的に同時に行われる、請求項５０に記載の方法。
52. アニオン性スルホン酸と中和剤の反応が、液体組成物の混合とは別に行われる、請求項５０に記載の方法。
53. 中和剤が、１０％の液体組成物の濃度で脱イオン水に分散させたときに、液体組成物のｐＨを約５～約１０のｐＨに調整する、請求項５０に記載の方法。
54. 中和剤が、１０％の液体組成物の濃度で脱イオン水に分散させたときに、液体組成物のｐＨを約７～約８のｐＨに調整する、請求項５０に記載の方法。
55. 中和剤がアミノアルコールを含む、請求項４９から５４のいずれかに記載の方法。
56. 中和剤が、モノイソプロパノールアミンおよびモノエタノールアミンの１つ以上を含む、請求項４９から５４のいずれかに記載の方法。

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