JP2022528184A - 屈曲可能なフラップ及び円弧状部材を含む取り外し可能な歯科装具 - Google Patents

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Abstract

本発明は、患者の複数の歯を少なくとも部分的に囲むように構成された装具本体を備える取り外し可能な歯科装具に関する。装具本体は、初期位置において複数の歯のうちのある歯を受け入れるように構成されたシェルと、装具本体と一体的に形成されて、フラップをシェルに繋ぐ屈曲可能なフラップと、を画定する。屈曲可能なフラップは、屈曲可能なフラップの周囲に境界領域を画定し、ブリッジを含み、ブリッジは、境界領域において、又は境界領域に隣接して本体とフラップとの間に延びる。特定の一実施形態では、ブリッジは円弧状部材であり、スプリングベローズを含む。屈曲可能なフラップ及びブリッジは、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、歯を所望の位置に向かって移動させるために、歯に力を加えるように構成されている。

Description

本開示は、アライメントトレイなどのポリマーベースの取り外し可能な歯科装具に関する。
歯列矯正の分野は、機能の改善及び審美的外観のために患者の歯を再配置することに関する。歯列矯正用デバイス及び治療方法は、一般に、歯を適切な咬合構成、又は噛み合わせへと移動させるために、力を加えることを伴う。一例として、歯列矯正治療は、患者の前歯、犬歯、及び小臼歯に固定される、ブラケットとして知られるスロット付き装具の使用を伴う。アーチワイヤは、典型的には各ブラケットのスロットに配置され、所望の向きに歯の移動を案内するための軌道として機能する。アーチワイヤの端部は、通常、患者の大臼歯に固定される、バッカルチューブとして知られる装具に受容される。そのような歯科装具は、患者の口腔内に留まり、プロセスを確認して適切なアライメントが達成されるまで歯に対して適切な圧力レベルを維持するために、歯科矯正医によって定期的に調整される。
歯列矯正治療はまた、透明トレイアライナ(clear tray aligner、CTA)などのポリマーベースの歯アライメントトレイの使用を伴う場合がある。例えば、CTAによる歯列矯正治療は、1つ以上の歯に結合するシェルを有するトレイを形成することを含む。各シェルは、歯の初期位置、例えば、不正咬合位置から変形される位置に構築されてもよい。CTAのそれぞれのシェルの変形位置は、歯にとって初期位置と歯列矯正治療から生じる最終位置との間の中間位置である所望の位置に向かって、それぞれの歯に力を加える。
本開示の1つ以上の実施例の詳細を添付図面及び以下の説明に示す。本開示の他の特徴、目的及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
シェルと、患者の歯に力を加えるように構成された円弧状部材を含む屈曲可能なフラップとを含む、例示的な取り外し可能な歯科装具の顔側の図、斜めの図、及び近心断面図である。 シェルと、患者の歯に力を加えるように構成された円弧状部材を含む屈曲可能なフラップとを含む、例示的な取り外し可能な歯科装具の顔側の図、斜めの図、及び近心断面図である。 シェルと、患者の歯に力を加えるように構成された円弧状部材を含む屈曲可能なフラップとを含む、例示的な取り外し可能な歯科装具の顔側の図、斜めの図、及び近心断面図である。 シェルと、患者の歯に力を加えるように構成された円弧状部材を含む屈曲可能なフラップとを含む、例示的な取り外し可能な歯科装具の顔側の図、斜めの図、及び近心断面図である。 シェルと、患者の歯に力を加えるように構成された円弧状部材を含む屈曲可能なフラップとを含む、例示的な取り外し可能な歯科装具の顔側の図、斜めの図、及び近心断面図である。
螺旋状構成を有する屈曲可能なフラップを含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 螺旋状構成を有する屈曲可能なフラップを含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。
フラップと、フラップの対向端部上の一対のスプリングベローズと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 フラップと、フラップの対向端部上の一対のスプリングベローズと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 フラップと、フラップの対向端部上の一対のスプリングベローズと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。
屈曲可能なフラップと、装具本体の表面に正接する平面内のジャンパーを含むブリッジと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 屈曲可能なフラップと、装具本体の表面に正接する平面内のジャンパーを含むブリッジと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 屈曲可能なフラップと、装具本体の表面に正接する平面内のジャンパーを含むブリッジと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。
スロット付きヒンジ軸から延びる屈曲可能なフラップと、ヒンジ軸の反対側の装具本体の表面に正接する平面内のフラップ境界領域を架橋する複数のジャンパーと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 スロット付きヒンジ軸から延びる屈曲可能なフラップと、ヒンジ軸の反対側の装具本体の表面に正接する平面内のフラップ境界領域を架橋する複数のジャンパーと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。
フラップ境界領域全体の周りに延びるスプリングベローズから延びる屈曲可能なフラップを含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 フラップ境界領域全体の周りに延びるスプリングベローズから延びる屈曲可能なフラップを含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。
屈曲可能なフラップと、フラップ境界領域を架橋する複数のジャンパーと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 屈曲可能なフラップと、フラップ境界領域を架橋する複数のジャンパーと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。
屈曲可能なフラップと、フラップ境界領域全体の周りに延びる連続的なスプリングベローズと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。 屈曲可能なフラップと、フラップ境界領域全体の周りに延びる連続的なスプリングベローズと、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具を示す概念図である。
診療所と製造施設とが、歯科装具の製造プロセス全体を通じて情報を通信する、例示的なコンピュータ環境を示すブロック図である。
デジタル歯科構造データを生成する例示的なプロセスを示すフロー図である。
ネットワークを介して製造施設に接続された、デジタル歯科構造データを生成するためのクライアントコンピューティングデバイスの一実施例を示すブロック図である。
取り外し可能な歯科装具の構築のための例示的なコンピュータ支援製造システムを示すブロック図である。
取り外し可能な歯科装具のセットの構築のために製造施設で行われるプロセスを示すフロー図である。
取り外し可能な歯科装具の順序付けられたセットを使用した治療の連続的な繰り返しを示すフロー図である。
本開示は、装具本体と一体的に形成された少なくとも1つの屈曲可能なフラップと、シェルと対応するフラップとの間のそれぞれのフラップ境界領域内に配置された、円弧状部材であり得る少なくとも1つのブリッジと、を含む取り外し可能な歯科装具について記載する。フラップは、ヒンジ軸から延びるように形成されてもよい。取り外し可能な歯科装具による歯列矯正治療は、少なくとも1つのフラップ及びフラップ境界領域内の少なくとも1つのブリッジを使用することを含み、患者の歯に加えられる力ベクトルをより良く制御することができる。フラップ及びブリッジは、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、所望の位置に向けて歯を移動させるために歯に力を加える。例えば、フラップの静止位置は、歯の所望の位置によって画定される空間に侵入し得る。シェルは、シェルの内部に空隙を画定し、所望の位置に歯を受け入れるように成形された表面を含んでもよい。取り外し可能な歯科装具の使用中、フラップ及びブリッジは、歯によって変形位置へ変位され、力を生じる一方で、周囲のシェルは実質的に変形しないままである。変形したフラップ及びブリッジは、空隙とは反対側の歯の側に力を加えて、歯を空隙に向かって移動させる。このようにして、フラップ及びブリッジ、及び任意選択的にヒンジを含む取り外し可能な歯科装具は、フラップ、ヒンジ軸、又はブリッジのうちの少なくとも1つに変形を集中させるように構成されてもよい。
フラップ、ヒンジ軸、又はブリッジのうちの少なくとも1つに変形を集中させることによって、シェルは歯とより強く係合された状態を保ち得る。例えば、取り外し可能な歯科装具が変形状態にある、例えば、患者によって装着されたとき、シェルは、フラップを有さない取り外し可能な歯科装具と比較して、それぞれの歯とのより多くの接触点、それぞれの歯に対するより大きな接触表面積などを有することができる。このようにして、取り外し可能な歯科装具は、シェル内の歯の係合、フラップ及びブリッジの集中的な変形、又はその両方を改善することができる。力生成部材(例えば、フラップ及びブリッジ)と係合部材(例えば、シェル)を分離することによって、取り外し可能な歯科装具は、患者の歯に加えられる力のより大きな制御を可能にする。対照的に、少なくとも1つのフラップ及びブリッジ、又は他の類似の特徴を含まない取り外し可能な歯科装具では、装具本体がそれぞれの歯と係合し、歯を歯列矯正処置の過程で移動させるのに必要な力を生み出す。歯の係合の程度(例えば、シェル/歯の接触の量及び位置)は、歯に加えられる力の制御に影響を及ぼす。
フラップ及びブリッジは、それぞれの歯に加えられる力の発現の大きさ、方向、及び長さを制御するように構成される。例えば、フラップ及び/又はブリッジの位置、形状、及び寸法のうちの少なくとも1つは、それぞれの歯に所望の力ベクトルをもたらし得る。力ベクトルは、フラップ及びブリッジなしでは歯の表面に加えることができない方向又は大きさで歯に加えられてもよい。フラップ及びブリッジはまた、装具のシェルの変形に依存して力を発現する取り外し可能な歯科装具よりも長い距離にわたる力の発現を可能にし得る。例えば、フラップの静止位置は、歯の所望の位置で歯によって画定される空間内に延び得るため、歯が所望の位置で歯を受け入れるように成形された空隙内に移動するとき、フラップは、歯槽骨の再構築を引き起こすのに十分な大きさの力を引き続き発現する。歯の移動は、フラップ及び/又はブリッジの曲げモーメントの部分的緩和をもたらす。発現範囲全体にわたって正の力レベルを確保するために、いくらかの残留応力をフラップ及び/又はブリッジに残すことができる。このようにして、取り外し可能な歯科装具は、力ベクトル方向、大きさ、又は発現長のうちの少なくとも1つの制御を改善して、他の歯列矯正治療と比較して、フラップなしでは可能となり得ない所望の歯の移動、短縮された治療時間での所望の歯の移動、取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具のより少ない進行を伴う所望の歯の移動などのうちの少なくとも1つを達成することができる。
いくつかの実施例では、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットの各取り外し可能な歯科装具は、例えば、各治療段階の過程にわたって比較的一定のままである装具の実形状(例えば、トレイの円弧形状及び個々の空隙のうちの少なくともいくつか)のために、フラップ及びブリッジ(例えば、円弧状部材)を有さない取り外し可能な歯科装具と比較して、より大きな発現をもたらし得る。フラップ及びブリッジは、個々の歯に分離される力アクチュエータを形成することができるため、歯に有向の力を加えるには、装具(フラップ及び/又はブリッジ)のこれらの集束部分のみが変形する必要がある。したがって、装具の全ての他の部分を相当に剛性とすることができ、それにより、歯の移動のための案内チャネルと、移動が所望されない場所での変形に耐えるブレースとを提供する。単一の取り外し可能な歯科装具によって達成可能な発現量は、各歯受容空隙の深さと、各屈曲可能なフラップによって可能な屈曲の弾性限界とによって制限され得る。例えば、発現量は、0.25ミリメートル(mm)超の歯冠の移動、例えば、0.5mm超の歯冠の移動、又は1mm超の歯冠の移動であってもよい。一般的に使用される熱可塑性物質と比較して、より長い生体内期間にわたって審美性及び機械的特性を維持する堅牢な材料と併せて、より大きな発現及び制御は、例えば、取り外し可能な歯科装具当たりのより大きな発現のため、選択された歯の移動を達成するために必要とされる順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具の数を低減することができ、例えば、治療の進行における医師の信頼度の向上のため、医院への訪問回数を低減することができ、例えば、より連続的及び制御可能な歯係合力及び低減されたラウンドトリッピングのため、治療期間を短縮することができ、例えば、より高い装具剛性及び移動範囲全体にわたる正の力の印加のため、より正確な仕上げを可能にする。
図1A~図1Eは、複数のシェル104A~104D(集合的に「シェル104」)を含む例示的な取り外し可能な歯科装具100の一部を示す顔側図、斜め顔側図、及び近心断面図であり、シェル104Cは、患者の歯103Cに力107Cを加えるように構成されたフラップ108Cとブリッジ109Cとを含む。図示されるように、ブリッジ109Cは円弧状部材であり、図1A~図1Eを参照してそれ自体識別される。取り外し可能な歯科装具100は、患者の下顎歯列弓101の複数の歯103A~103D(集合的に「歯103」)を少なくとも部分的に囲むように構成される装具本体102を含む。装具本体102は、シェル104を含む。シェル104は、歯103を受け入れるように構成されてもよい。フラップ108C及び円弧状部材109Cは、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに、歯103Cの所望の位置に向けて歯103Cを移動させるために、歯103Cに力107Cを加えるように構成されてもよい。所望の位置は、歯列矯正治療後の初期位置と最終位置との間の中間位置を含み得る。
いくつかの実施例では、フラップ108C及び円弧状部材109Cは、歯103C上のアタッチメントに力107Cを加えて、歯103Cを所望の位置に向かって移動させるように構成されてもよい。アタッチメントは、例えば、咬頭頂部や頸部輪郭などの天然アンダーカット、人工アンダーカット、突出部、ノブ、ハンドルなどを含んでもよい。フラップ108C及び円弧状部材109Cを介して歯103Cに力107Cを加えることにより、取り外し可能な歯科装具100は、力のベクトル方向、大きさ、又は発現長のうちの少なくとも1つの制御を改善して、他の歯列矯正治療と比較して、フラップ108C及び円弧状部材109Cなしでは可能となり得ない所望の歯の移動、短縮された治療時間での所望の歯の移動、取り外し可能な歯科装具のセット内の取り外し可能な歯科装具のより少ない進行での所望の歯の移動のうちの少なくとも1つを達成することができる。
例示のために、歯103、シェル104、及びフラップ108Cのみが図1A~図1Eに示されているが、装具本体102は、任意の数の歯103、任意の数のフラップ108、及び/又は任意の数の円弧状部材109を少なくとも部分的に囲むように構成された任意の数のシェル104を含んでもよい。例えば、歯列弓101上の歯103の数は、14個、14個未満(例えば、1つ以上の歯が抜かれた患者)、又は14個超(例えば、親知らず又は過剰歯を有する患者)であってもよい。シェル104の数は、14個、14個未満(例えば、2つ以上の歯を囲むように構成された少なくとも1つのシェル)、又は14個超(例えば、1つの歯を囲むように構成された2つ以上のシェル)であってもよい。加えて、又は代わりに、装具本体102は、同じ又は異なるシェル104上に複数のフラップ108を含んでもよい。加えて、又は代わりに、フラップ108のそれぞれの1つ以上は、1つ以上の円弧状部材109を含んでもよい。
装具本体102は、患者の上顎歯列弓、又は図1A~図1Eに示されるような下顎歯列弓101のいずれかの歯103を少なくとも部分的に囲むように構成されている。例えば、装具本体102は、歯103の顔側面、舌側面、及び咬合面のうちの少なくとも1つを囲む、患者の歯肉の一部と重なり合う、などであってもよい。いくつかの実施例では、装具本体102は、異なる歯103の異なる部分を囲んでもよい。
装具本体102は、シェル104を含む。いくつかの実施例では、装具本体102は、歯103の各それぞれの歯に対してシェル104の対応するシェルを含んでもよい。他の実施例では、装具本体102は歯よりも少ないシェルを含んでもよく、例えば、シェルは、2つ以上の歯を受け入れてもよく、又は任意の数の歯103が装具本体102によって囲まれなくてもよい。他の実施例では、装具本体102は、歯103よりも多くのシェル104を含んでもよく、例えば、2つ以上のシェル104が、歯103のうちの少なくとも1つの歯の少なくとも一部を囲んでもよい。シェル104の各それぞれのシェルは、歯103のうちの少なくとも1つの対応する歯を受け入れるように成形されてもよい。いくつかの実施例では、シェル104は、歯103の顔側部、舌側部、及び咬合側部を囲むことができる。いくつかの実施例では、シェル104は、例えば、歯103の顔側部及び舌側部のみ又は顔側部若しくは舌側部のうちの一方のみなど、歯103のより少ない部分を囲むことができる。例えば、シェル104A、104B、104C、及び104Dは、歯103A、103B、103C、及び103Dの舌側部、咬合側部、及び顔側部を囲むように成形されてもよい。いくつかの実施例では、シェル104は複数の空隙を画定してもよい。例えば、装具本体102は、選択された位置で歯103に接触するように構成されたフレーム構造を画定してもよい。選択された位置は、例えば、隣接する歯の間の隣接歯間領域の部分、歯の咬合面の部分、又は歯の歯肉縁の部分を含むことができる。フレーム構造は、内部応力によって引き起こされる変形に抵抗するために、必要に応じて領域内又は線に沿って凝縮された材料を含んでもよい。これらの内部応力は、装具本体102に加えられる力及び作用する反力の両方の結果としてもたらされ、加えられる力は概して、屈曲可能なフラップ108が歯と接触する際の弾性変形の結果であり、また、反力は概して、装具本体102の他の部分(例えば、シェル104)が加えられた力の反対の歯面及びそれらの接触点に接触する結果である。フレーム構造を使用するための重要な利点としては、例えば、材料の低減、材料コストの低減、製造時間の短縮、美観の向上、及び唾液流の増加を挙げることができる。このようなフレーム構造はまた、力の線が集中して装具材料の応力を増加させる領域において厚さを増大させるという条件で、一定の厚さを有する装具よりも剛性が高い可能性がある。したがって、材料が比較的低い応力又は最小応力を受ける領域が除去される。これは本質的に、ジェネレーティブデザインのプロセスであるが、典型的には、最大剛性、最小容積、又はこれらの組み合わせなどの特定の目標に向けた最適化の点で、戻りの減少が達成される(閾値に到達する)まで応力を評価し、連続反復後の設計をさらに改良するために反復的である。このようにして、シェル104は、複数の空隙を画定して、それぞれの歯の近心の第1の隣接歯間領域、それぞれの歯の遠心の第2の隣接歯間領域、それぞれの歯の咬合面、又はそれぞれの歯の歯肉縁のうちの少なくとも1つの少なくとも一部に接触するフレーム構造を画定してもよい。
いくつかの実施例では、それぞれのシェルは、フラップ(例えば、シェル104A、104B、及び104D)を含まなくてもよい。いくつかの実施例では、それぞれのシェルは、それぞれのシェルの変形によって、それぞれの受け入れられた歯に力を加えることができる。例えば、患者によって着用されるとき、シェル104A、104B、及び104Dは変形し得る。変形は、それぞれのシェルが未変形構造に向かって移動する際に復元力をもたらし得る。復元力は、それぞれのシェルとそれぞれの歯との間の1つ以上の接触点を介して、それぞれの歯に伝達され得る。このようにして、取り外し可能な歯科装具100は、フラップを含むいくつかのシェル104と、歯103を歯103の所望の位置に移動させるために変形するいくつかのシェル104とを組み合わせることができる。他の実施例では、それぞれのシェルは、変形しないように十分な剛性を有するように構成されてもよい。変形しないそれぞれのシェルは、例えば、フラップ108を含むシェルなどの隣接シェルのためのアンカーを提供し得る。どのシェル104がフラップ108を含むかの選択は、それぞれの歯103に及ぼされる力、それぞれの歯103の移動、又はその両方に依存し得る。例えば、それぞれのシェル104の変形が隣接する歯103に及ぼされる力又は隣接する歯103の移動を妨げない場合、それぞれのシェル104はフラップ108を含まなくてもよい。逆に、それぞれのシェル104の変形が隣接する歯103に及ぼされる力又は隣接する歯103の移動を妨げる場合、それぞれのシェル104は、それぞれのシェル104の変形を低減するためにフラップ108を含んでもよい。
いくつかの実施例では、装具本体102は、1つ以上のアンカー歯を受け入れるように構成された1つ以上のアンカーシェルを含んでもよい。いくつかの実施例では、アンカー歯は、1つ以上の臼歯、前臼歯、又はその両方を含んでもよい。他の例では、アンカー歯は、1つ以上の前歯、又は1つ以上の前歯及び臼歯の組み合わせを含んでもよい。アンカーシェルは、それぞれのアンカー歯を移動させるのに十分な力をもたらすことなく、選択された歯を移動させるのに十分な力(例えば、歯槽骨の再構築を引き起こすのに十分な力)をもたらすように、装具本体102が変形することを可能にするように構成されてもよい。
シェル104Cは、歯103Cの初期位置において歯103Cと係合するように成形されてもよい。歯103Cの初期位置で係合するために、シェル104Cの内表面は、歯103Cの少なくとも1つの選択された位置、選択された表面領域、又はその両方と接触してもよい。例えば、図1Cに示されるように、シェル104Cの表面111Cは、歯103Cの咬合面と舌側面の少なくとも一部に初期位置で接触することができる。接触の位置、接触の表面領域、又はその両方は、屈曲可能なフラップ108Cによって歯103Cに加えられる力107C、その結果生じる歯103Cの移動、又はその両方に影響を及ぼし得る。
シェル104Cはまた、歯103Cの所望の位置において歯103Cを受け入れるように成形されてもよい。歯103Cの所望の位置は、歯103Cをシェル104C内で可能な限り移動させるように歯103Cに力107Cが加えられた後の位置であってもよい。例えば、表面111Cは、シェル104Cの内側に空隙119Cを画定し得る。図1Cに示されるように、空隙119Cは、歯103Cの歯肉縁付近の最大深さを有する楔形の空隙を含み、この空隙は、歯103Cの切歯縁部の回転軸116C付近で最小となるまでテーパ状である。歯103Cが表面111Cによって画定される所望の位置に向かって移動する際に、空隙119Cの楔形状は歯103Cの経路と一致し得る。歯103Cは、歯103Cが表面111Cに接触するまで、空隙119Cを通って所望の位置に向かって移動してもよい。このようにして、表面111Cは、歯103Cが所望の位置を越えて移動するのを防止することができる。
取り外し可能な歯科装具100は、少なくとも1つのフラップ108Cを含む。一般に、任意の数のフラップが、任意の数のシェル104上に配置されてもよい。フラップ108Cは、器具本体102のシェル104Cと一体的に形成されてヒンジ110Cから延び、フラップ108Cを屈曲可能なフラップとして、これにおいてフラップ108Cはシェル104C内のヒンジを中心として屈曲することができる。以下、1つ以上のブリッジ、ヒンジ点、セグメント、又は軸でシェルに繋がれたフラップは、屈曲可能なフラップとして説明することができる。ヒンジ110Cは、近心-遠心方向にシェル104Cの切歯縁に沿って延びる。一般的に、それぞれの屈曲可能なフラップ108は、それぞれのシェルの任意の部分に沿って延びるそれぞれのヒンジ軸110から任意の方向に延びてもよい。それぞれのヒンジ軸110の長さ及び向きを選択することにより、取り外し可能な歯科装具100は、それぞれの屈曲可能なフラップ108を介してそれぞれの歯の任意の部分にそれぞれの力を加えるように構成されてもよい。
図1A~図1Eに示されるように、屈曲可能なフラップ108Cは、装具本体102の顔側面上でヒンジ軸110Cから延び、取り外し可能な歯科装具100の顔側に配置される。装具本体102は、屈曲可能なフラップ108Cの周囲の第1の端部114Cから第2の端部112Cまで延びるフラップ境界領域113Cを画定する。フラップ境界領域113Cは、装具本体102の周囲部分と比較して、剪断応力及び引張応力が低減された領域を含んでもよい。例えば、フラップ境界領域113Cの少なくとも一部は、ブリッジ、ここでは、円弧状部材109Cを含む。
ブリッジ109Cは、周囲の装具本体102と比較して、フラップ境界領域113Cにおける装具本体102の可撓性を増加させることができる。図1A~図1Eに示されるように、ブリッジ109Cは、フラップ境界領域113Cの少なくとも一部の周りに延び、シェル104C及び屈曲可能なフラップ108Cに連結されるスプリングベローズ(例えば、材料のリボン)を含んでもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ109Cは、複数のスプリングベローズを含んでもよい。他の実施例では、ブリッジ109Cは、シェル104Cの表面に正接する平面内に弧を画定する、又はシェル104Cの表面に正接する平面の外側に延び、シェル104C及び屈曲可能なフラップ108Cに連結される、1つ以上のジャンパー(例えば、材料のロッド)を含んでもよい。スプリングベローズ及びジャンパーは、例示的な円弧状部材である。いくつかの実施例では、ブリッジ109Cは、1つ以上のスプリングベローズ、1つ以上のジャンパー、又は1つ以上の剪断低減領域の任意の好適な組み合わせを含んでもよい。ブリッジ109Cは、ヒンジ110Cと共に、フラップ108Cとシェル104Cとの間の少なくとも1つの接続部として機能する。以下でより詳細に検討される他の実施形態では、1つ以上のブリッジは、フラップをシェルに繋ぐ唯一の構造体として機能する。
ブリッジ109Cは、シェル104Cの表面に正接する平面及び/又はシェル104Cの表面に正接する平面に垂直な平面内に、円弧状、正弦波形状、ジグザグ形状、パルス波形状、渦巻形状状、螺旋形状、蛇行形状、又は折り畳まれた形状の断面を有してもよい。ブリッジ109Cの(例えば、シェル104C及び屈曲可能なフラップ108Cに対する)位置及び形状は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときの、屈曲可能なフラップ108Cのカンチレバー運動、及び屈曲可能なフラップ108Cを介した歯103Cへの選択された力107Cの印加を可能にするように選択されてもよい。
いくつかの実施例では、ブリッジ109Cは、シェル104Cと同じ材料で作製されてもよい。例えば、ブリッジ109Cは、シェル104Cと一体に形成されてもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ109Cは、ブリッジ109Cを画定するように装具本体102の部分をレーザ切断することによって形成されてもよい。加えて、又は代わりに、ブリッジ109Cは、装具本体102の部分を改造する(例えば、加熱して力を加える)こと、又は(例えば、接着、熱溶接、超音波溶接などによって)追加の材料を装具本体102の表面に結合することによって形成されてもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ109Cの少なくとも一部は、例えば、スプリングベローズ又はジャンパーの可撓性を高めるために、シェル104Cより薄くてもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ109Cの少なくとも一部は、スプリングベローズ又はジャンパーの剛性又は強靱性を高めるために、シェル104Cより厚くてもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ109Cは、装具本体102の材料よりも高い弾性率を有する材料、金属(ワイヤ、リボン、又はシート)などの異なる材料又は追加材料を含んでもよい。ブリッジ109Cの材料及び製造は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときの、屈曲可能なフラップ108Cのカンチレバー運動、及び屈曲可能なフラップ108Cを介した歯103Cへの選択された力107Cの印加を可能にするように選択されてもよい。
ブリッジ109Cが1つ以上のスプリングベローズを含む実施例では、スプリングベローズは、例えば、円弧状、半波形状、全波形状、ジグザグ形状、正弦波形状、パルス波形状、又は蛇行形状など、装具本体102の連続又は不連続曲線部分を含んでもよい。いくつかの実施例では、円弧状変位は、スプリングベローズの長さ及び/又は可撓性を増加させるために、少なくとも1つの折り目を含んでもよい。スプリングベローズの長さは、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに、スプリングベローズの変形から生じる選択された力を提供するように選択されてもよい。
スプリングベローズが連続曲線を含む実施例では、円弧状変位は、例えば、スプリングベローズの最外表面の外側曲率半径を画定してもよい。いくつかの実施例では、外側曲率半径は、約0.5ミリメートル~約3ミリメートル、又は約0.75ミリメートル~約1.5ミリメートル、又は約1.0ミリメートルであってもよい。曲率半径は、実質的に一定であってもよく、又は隣接境界曲線に沿って変化してもよい。スプリングベローズはまた、フラップ境界領域113Cの中線とスプリングベローズの中線との間に延びる変位距離を画定してもよい。いくつかの実施例では、変位距離は、約3ミリメートル未満、又は約1ミリメートル未満、又は約0.75ミリメートル未満、又は約0.5ミリメートルであってもよい。変位距離は、実質的に一定であってもよく、又はフラップ境界領域113Cに沿って変化してもよい。
スプリングベローズの厚さは、スプリングベローズがシェル104C及び屈曲可能なフラップ108Cよりも大きく変形して、スプリングベローズの圧縮、張力、剪断、曲げ、又はねじれを集中させるように、シェル104C及び屈曲可能なフラップ108Cの厚さより薄くてもよい。スプリングベローズの厚さは、約0.025ミリメートル~約1.0ミリメートル、又は約0.1ミリメートル~約0.75ミリメートル、又は約0.15~約0.6ミリメートル、又は約0.3ミリメートルであってよい。スプリングベローズの厚さは、実質的に一定であってもよく、又はフラップ境界領域113Cに沿って変化してもよい。
いくつかの実施例では、スプリングベローズは、少なくとも1つの剪断低減領域、例えば、スプリングベローズ内の少なくとも1つの空隙又は切欠きを画定し得る。少なくとも1つの剪断低減領域は、スプリングベローズの選択された部分に、スプリングベローズの変形を集中させることができる。シェル104C及び屈曲可能なフラップ108C上のスプリングベローズの終端の位置は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに選択された方向及び大きさの力を提供するように選択されてもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ109Cは、複数のスプリングベローズを含んでもよく、複数のスプリングベローズの各それぞれのスプリングベローズは、フラップ境界領域の対応する部分に沿って配設されている。
スプリングベローズの形状、長さ、曲率半径、及び変位距離を選択することにより、取り外し可能な歯科装具100は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに、装具本体102の変形から生じる、屈曲可能なフラップ108上の力の発現の方向、大きさ、及び長さのうちの少なくとも1つを制御することができる。他のスプリングベローズ構成は、参照により全文が本明細書に組み込まれる国際公開第2019/069162号(Rabyら)に記載されている。
ブリッジ109Cがジャンパーを含む例では、ジャンパーは、シェル104C又は異なるシェル104(例えば、屈曲可能なフラップ108Cに直接隣接していないシェル)の任意の好適な部分に連結された第1の端部と、屈曲可能なフラップ108Cの任意の好適な部分に連結された第2の端部との間で長手方向軸に沿って延びる細長い構造体を含む。力107Cの少なくとも一部は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときのジャンパーの変形から生じる。例えば、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されるとき、ジャンパーは、第1及び第2の端部の位置の選択が力107Cの方向及び大きさを制御するように、第1の端部及び第2の端部に曲げ力、捻れ力、圧縮力、引張力、又は剪断力のうちの少なくとも1つを及ぼすように変形することができる。
ジャンパーは、細長い構造体の長手方向軸に沿って、例えば、ジャンパーの第1の端部と第2の端部との間に延びる円弧状、折り目形状、ジグザグ形状、正弦波形状、渦巻形状、螺旋形状、又は蛇行形状のうちの少なくとも1つなどの任意の好適な形状を含んでもよい。いくつかの実施例では、細長い構造体は、少なくとも1つの折り目を含み得る。いくつかの実施例では、ジャンパーの中間部分(例えば、第1の端部と第2の端部との間)は、シェル104Cの表面に正接する平面から離れて延びてもよい。他の実施例では、ジャンパーの中間部分は、実質的にシェル104Cの表面に正接する平面内にあってもよい(例えば、平面から約0.5mm未満だけ逸れる)。
いくつかの実施例では、ジャンパーは、約0.5ミリメートル~約5ミリメートルの外側曲率半径(例えば、ジャンパーの最外表面)を有する円弧状形状を含み得る。いくつかの実施例では、ジャンパーは、約2ミリメートル未満、又は約1ミリメートル未満、又は約0.5ミリメートル未満、又は約0.5ミリメートルの変位距離(例えば、シェル104Cの表面に正接する平面とジャンパーの内側半径の中線との間の距離)を含み得る。ジャンパーは、選択された力を屈曲可能なフラップ108Cを提供するように選択された任意の好適な形状、面積、又はアスペクト比を有する細長い構造体の長手方向軸に垂直な平面内の断面を画定してもよい。断面の形状、面積、又はアスペクト比は、一定であってもよく、又は長手方向軸に沿って変化してもよい。
ジャンパーは、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに装具本体102の変形から生じる力107Cの大きさ及び方向又は集中位置を制御するように選択される任意の好適な厚さを含み得る。いくつかの実施例では、ジャンパーは、シェルよりも可撓性を高くして、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときのシェルの変形を低減する、又はジャンパーに応力を集中させる、のうちの少なくとも一方を達成することができる。いくつかの実施例では、装具本体102の厚さは、例えば、第1及び第2の端部と装具本体102との交点の強靱性を改善するために、ジャンパーの第1の端部又は第2の端部のうちの少なくとも一方の付近で増加する。ジャンパーの厚さは、実質的に一定であってもよく、又は細長い構造体に沿ってテーパ状又は段階的に変化してもよい。いくつかの実施例では、ジャンパーの厚さは、約0.1ミリメートル~約3.0ミリメートル、又は約0.3ミリメートル~約1.0ミリメートルであり得る。
いくつかの実施例では、装具本体は、歯肉を介して装具本体102を歯槽突起に少なくとも部分的に固定するために、ジャンパーの第2の端部に連結された歯肉部を含むことができる(第1の端部は屈曲可能なフラップ108Cに連結されている)。いくつかの実施例では、ブリッジ109Cは、複数のジャンパーを含んでもよく、複数のジャンパーのうちの各それぞれのジャンパーは、シェル上のそれぞれの位置に連結されたそれぞれの第1の端部と、屈曲可能なフラップ上のそれぞれの位置に連結されたそれぞれの第2の端部との間に延びるそれぞれの細長い構造体を含む。
ジャンパーの形状、長さ、曲率半径、及び変位距離を選択することにより、取り外し可能な歯科装具100は、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されたときに、装具本体102の変形から生じる、屈曲可能なフラップ108上の力の発現の方向、大きさ、及び長さのうちの少なくとも1つを制御することができる。他のジャンパー構造は、参照により全文が本明細書に組み込まれる国際公開第2019/069164号(Rabyら)に記載されている。
いくつかの実施例では、ブリッジ109Cが力107Cの少なくとも一部をもたらし得る、屈曲可能なフラップ108Cが変形部分で比較的屈曲しないままであり得る、又はその両方であり得る。ブリッジ109Cは、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されるか、又は歯に嵌合されるとき、屈曲可能なフラップ108Cと歯103Cとの表面接触を増大させる、フラップ境界領域113C又は装具本体102の他の部分における食物粒子又は歯垢の蓄積を低減する、屈曲可能なフラップ108Cと患者の歯科構造との間の不一致を低減する、のうちの少なくとも1つを可能にする。
いくつかの実施例では、シェル104Cは、より薄くてもよく、又はヒンジ軸線110Cに沿って1つ以上の空隙を含んでもよい。薄い材料又はヒンジ110Cに沿った空隙は、屈曲可能なフラップ108C内の曲げ応力を緩和することができる。いくつかの実施例では、フラップ境界領域113Cの少なくとも一部はまた、装具本体102内に1つ以上の切り欠き又はスリットを画定してもよい。フラップ境界領域113Cからの材料の除去は、フラップ境界領域113C内の剪断応力及び引張応力を効果的に無効にすることができる。加えて、又は代わりに、フラップ境界領域113Cの少なくとも一部は、周囲の装具本体102と比較してフラップ境界領域113Cの可撓性を高めるために、装具本体102や装具本体102の薄肉領域よりも弾性率が低いエラストマー性ポリマー又は材料を含んでもよい。このようにして、フラップ境界領域113Cは、屈曲可能なフラップ108Cが舌側-顔側方向に偏向するのを可能にするか、屈曲可能なフラップ108Cの変形量を低減させて、屈曲可能なフラップ108Cと歯103Cとの間の接触数の接触面積を増加させるか、又はその両方により、歯の移動に対する制御を改善することができる。フラップ境界領域113Cがエラストマー材料を含む実施例では、エラストマー材料は、屈曲可能なフラップ108Cが顔側-舌側方向に偏向するのを可能にする、フラップ境界領域113Cの少なくとも一部を覆って、フラップ境界領域113C又は装具本体102の他の部分における食物粒子又は歯垢の蓄積を低減する、又はその両方を行うように選択され得る。
屈曲可能なフラップ108C、ブリッジ109C、及び任意選択的にヒンジ110Cは、歯103Cの顔側面に力107Cを加えるように構成されてもよい。例えば、屈曲可能なフラップ108Cの静止位置は、歯103Cの所望の位置に歯103Cによって画定された空間に侵入することができ、それにより、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されると、歯103Cの初期位置は、屈曲可能なフラップ108C及びブリッジ109Cの変形を引き起こし得る。屈曲可能なフラップ108C及びブリッジ109Cの変形は、力107C、例えば、屈曲可能なフラップ108C及びブリッジ109Cが未変形構成に向かって移動する復元力をもたらし得る。屈曲可能なフラップ108C及びブリッジ109Cの静止位置は、取り外し可能な歯科装具100が歯に装着されるときに歯103Cの切歯縁部との衝突を低減するように選択されてもよい。加えて、又は代わりに、屈曲可能なフラップ108Cは、屈曲可能なフラップ108Cの歯肉部付近に傾斜面を含んでもよく、それにより、傾斜面が屈曲可能なフラップ108C及びブリッジ109Cを偏向させる、ないしは別の方法で、取り外し可能な歯科装具100が歯に嵌合されるときに歯103Cの切歯縁部との衝突を低減する。
力107Cに応答して、歯103Cが表面111Cに接触するまで、歯103Cは、空隙119Cを通って所望の位置に向かって移動し得る。いくつかの実施例では、歯103Cの一部のみが表面111に接触し、間隙が他の場所に残っている場合、接触点と力107Cとの間に連結が形成されてもよい。結果として生じる連結は、歯103Cを表面111とより整合している位置に移動させる、例えば、「歩かせる」ことができる。例えば、歯103Cは、歯103Cが表面111と実質的に一致する位置に完全に受け入れられるまで、交互の並進及び回転で段階的に移動してもよい。いくつかの実施例では、表面111Cは、歯103Cの中間位置又は初期位置に向かう歯103Cの戻りを補償するために、歯103Cの所望の位置を越えて配置されてもよい。このようにして、シェル104Cの表面の形状を選択することにより、力の位置、及びその結果生じる歯103Cの移動の制御を可能にすることができる。シェル104A、104B、及び104Dについても同様の効果が可能である。
力107Cは、フラップ108Cと歯103Cとの1つ以上の接触点によって、フラップ108C及びブリッジ109Cから歯103Cに伝達され得る。例えば、フラップ108Cの内表面は、歯103Cの少なくとも一部に接触してもよい。いくつかの実施例では、フラップ108Cの内表面は、歯103Cが所望の位置に向かって移動する際に屈曲可能なフラップ108Cと歯103Cとの間の接触が増加するように、歯103Cの所望の位置における歯103Cの形状に適合するように成形されてもよい。いくつかの実施例では、フラップ108Cの厚さは、接触点の数又は位置を制御するように選択されてもよい。いくつかの実施例では、フラップ108Cは、(例えば、レーザ切断によって)接触点の数又は位置を制御するために複数のフラップに分割されてもよい。他の実施例では、フラップ108Cは、屈曲可能なフラップ108Cの内面上に少なくとも1つの突出部を含んでもよい。突出部は、力107Cを歯103Cの少なくとも1つの選択された部分に伝達するように配置又は成形されてもよい。例えば、フラップ108Cは、歯103Cへの力107Cの移動が歯肉縁付近に集中するように、フラップ108Cの歯肉部付近に少なくとも1つの突出部を含んでもよい。歯肉縁付近に力の伝達を集中させることにより、フラップ108Cは、歯103Cのトルク付与又は歯根傾斜をより効果的に引き起こすことができる。このようにして、それぞれのフラップ上の突出部を使用して、例えば、並進、回転、傾斜、トルク付与、挺出、押し込み、又はこれらの組み合わせなどの歯の移動の有効性を達成又は増大させるために、それぞれの力の伝達を制御することができる。
いくつかの実施例では、図1Cに示されるように、取り外し可能な歯科装具100が患者によって装着されるとき、回転軸116Cは、例えば歯103A、103B及び103Dなどの歯科構造の他の部分に装具本体102を介して実質的に固定するか又は留めることができる。フラップ108C及びブリッジ109Cによって歯肉縁付近の歯103Cの一部に力107Cを加えることで、回転軸116Cとの連結を形成することができる。連結は、ある距離だけオフセットされた2つの対向する力を含んでもよい。例えば、力107Cが歯103Cの根元の中心付近に位置する抵抗の中心で歯103Cを移動させると、シェル104Cの固定回転軸116Cは、歯103Cの切歯縁部に第2の対向する力を加えることができる。回転軸116Cとの連結を形成することにより、力107Cは、歯103Cの空隙119Cに向かう回転118C、例えば、歯根傾斜又はトルク付与の移動をもたらすことができる。このようにして、シェル104Cの表面111Cの接触位置、接触の表面積、又はその両方は、歯103Cに加えられる力107C、結果として生じる歯103Cの移動、又はその両方に影響を及ぼし得る。
取り外し可能な歯科装具100が歯103に嵌合されるか、又は歯103から取り外されると、フラップ108C及び円弧状部材109Cが歯103Cを収容するように変形するにつれ、フラップ108C及びブリッジ109Cが舌側-顔側方向に偏向する。偏向は、ヒンジ110Cの第1の端部114C及び第2の端部112Cの近くに応力を生じさせることができる、及び/又はブリッジ109Cがシェル104C及びフラップ108Cに連結される。フラップ108C及び/又はブリッジ109Cの偏向によって引き起こされる応力を低減するために、装具本体102は、応力集中低減領域を画定し得る。円形の応力集中低減領域は、フラップ境界領域113Cの幅よりも少なくとも大きい直径を有してもよい。フラップ108C及びブリッジ109Cが偏向するにつれて、応力は、円形の応力集中低減領域の周りに分散されて、さもなければ装具本体102を引き裂くか、又は装具本体102の摩耗を引き起こす可能性がある局所応力集中を低減することができる。局所応力集中を低減することにより、装具本体102の摩耗が低減され、取り外し可能な歯科装具100の使用可能な寿命を延ばすことができる。
フラップ108Cの舌側-顔側方向への偏向を可能にすることによって、フラップ108C及びブリッジ109Cは、空隙119Cとは反対側の歯103Cの側に力107Cを加えて、歯103Cを空隙119Cに向かって移動させるように構成されてもよい。例えば、フラップ108Cは、フラップ108Cが静止位置にあるときに、歯103Cの所望の位置によって画定される空間に侵入するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、歯103Cの所望の位置は、歯103Cが、シェル104Cの内側に空隙119Cを画定する装具本体102の表面の少なくとも一部に接触した後の位置である。図1Eに示されるように、フラップ108Cは、歯103Cによって画定された空間内に侵入する。歯103Cによって画定される空間内の所望の位置に侵入することにより、フラップ108C及びブリッジ109Cは、歯103Cの空隙119Cへの移動を通じて歯103Cに力107Cを加えることができる。例えば、図1Cに示されるように、フラップ108C及びブリッジ109Cは、歯103Cが初期位置にあるときに、歯103Cに力107Cを加えることができる。図1Dに示されるように、フラップ108C及びブリッジ109Cは、歯103Cが所望の位置にあるときに、歯103Cに力107Cを加える。歯103Cが所望の位置にあるとき、力107Cは、歯槽骨の再構築を引き起こす最小力よりも大きくてもよい。このようにして、取り外し可能な歯科装具100は、空隙119Cを通って表面111と実質的に一致する位置への歯103Cの完全な発現を達成することができる。
いくつかの実施例では、装具本体102は、患者の歯肉(例えば、歯肉縁)の少なくとも一部と重なる歯肉領域106A、106B、106C、及び106D(集合的に「歯肉領域106」)を含んでもよい。例えば、歯肉領域は、シェル104の歯肉部の周囲に延びていてもよく、ここで歯103が歯肉と接する。歯肉領域106は、固定のために、歯肉、歯槽突起、又はその両方の少なくとも一部を使用するように構成され得る。例えば、患者によって装着されるとき、歯肉領域106は、歯103の移動を妨げることなく、歯槽プロセスに間接的に関わっている歯肉領域106によって提供される追加のブレースにアクセスするために、歯肉に少なくとも部分的に接触してもよい。加えて、又は代わりに、歯肉領域106でシェル104の範囲を増加させることによって、隣接する歯の代わりにアンカーとしてより剛性の高い歯槽プロセスを使用しつつ、歯103のうちの選択された歯により大きな力を加えることができる。したがって、歯肉領域106は、隣接する歯の望ましくない反応移動を引き起こすことなく、固定基準(歯槽プロセス)に対する歯の移動をより良く制御することができる。いくつかの実施例では、装具本体102は、歯肉領域106を省いてもよい。
いくつかの実施例では、装具本体102は、一体型材料、例えば、単一の均一な材料を含んでもよい。一体型材料は、単一のポリマー、又は1つ以上のポリマーの均質混合物を含んでもよい。例えば、取り外し可能な歯科装具100は、単一の連続3D印刷構成要素又は熱成形構成要素からなってもよい。他の実施例では、装具本体102は、多層材料を含んでもよい。多層材料は、異なる弾性率を有する複数の層で装具本体102の1つ以上の部分を形成することを可能にして、屈曲可能なフラップ108Cの力特性、変位特性、又は両方の選択を可能にすることができる。多層材料は、単一の材料、例えば、単一のポリマー、複数の材料の複数の層、例えば、2つ以上のポリマー、ポリマー及び別の材料の複数の層を含んでもよい。例えば、取り外し可能な歯科装具100は、多層3D印刷構成要素又は熱成形構成要素からなってもよい。好適なポリマーとしては、(メタ)アクリレートポリマー;エポキシ;シリコーン;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;チオール-エンポリマー;ウレタン(メタ)アクリレートポリマー、ポリアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、脂肪族(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどのアクリレートポリマー;ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)などのポリエチレンテレフタレート系ポリマー;ポリプロピレン;エチレン-酢酸ビニルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。装具本体102の厚さは、約0.2~約1.0ミリメートル、又は約0.3ミリメートル~約0.75ミリメートルなど、約0.10ミリメートル~約2.0ミリメートルの範囲であってもよい。同じ又は異なる実施例では、取り外し可能な歯科装具100は、装具本体102の縁及び他の空間の面取り又はフィレットを含んでもよい。このような面取り又はフィレットは、患者の快適性を向上させることがあり、かつ取り外し可能な歯科装具100の視認性を低下させることがある。同じ又は異なる実施例では、取り外し可能な歯科装具100は、装具本体102の領域(例えば、屈曲可能なフラップ108C又は円弧状部材109C)の剛性を増大させて、装具本体102の領域(例えば、ヒンジ軸110C)の強度を増大させるために、少なくとも1つの補強構造体を含んでもよい。
いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具100は、囲まれた歯のうちの1つ以上に取り外し可能な歯科装具100によって加えられる力を増強するように構成された金属部品を含んでもよい。例えば、金属部品は、屈曲可能なフラップ108C又は円弧状部材109Cなどの装具本体102の少なくとも一部を通って延びる任意の好適な断面形状(例えば、円形、直線状、又はリボン)を有する金属ワイヤを含んでもよい。いくつかの実施例では、歯ぎしり又は咀嚼などによって引き起こされる高圧咬合接触の応力に打ち勝つためにより高い耐久性が必要とされる場合、取り外し可能な歯科装具100は、金属咬合構成要素などの1つ以上の他の金属構成要素を含んでもよい。いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具100は、患者内に埋め込まれたアンカーデバイス、例えば、一時的なアンカーデバイス又は小型ねじに接続するための受け具を含んでもよい。例えば、キャッチは、アンカーシェル上に配置されて、アンカー歯上のアンカーデバイスに接続することができる。このようにして、そのような取り外し可能な歯科装具100は、金属及びプラスチックのハイブリッド構造を提供してもよい。プラスチック部品は、視認性を低下させるために略透明であってもよいが、金属部品は、患者によって装着されるときの取り外し可能な歯科装具100の視認性を低下させるためにめっき又は他の着色剤を含んでもよい。例えば、装着時に患者の歯103付近に配置された金属部品としては、例えば、ロジウム、銀、白い陽極酸化チタン、テフロン、PTFEなどの白色のコーティング又はめっきを含んでもよく、又は、例えば、ロジウム、銀、白い陽極酸化チタンなどの白色金属で形成されてもよい。他の場所に配置された金属部品は、患者の口腔内の組織色と概ね一致するように着色されてもよい。
いくつかの実施例では、それぞれのフラップ又は複数のフラップは、螺旋状構成を画定し得る。図2A及び図2Bは、螺旋状構成を有するフラップ208を含む例示的な取り外し可能な歯科装具200を示す概念図である。取り外し可能な歯科装具200は、本明細書で説明する相違点を除いて、図1A~図1Eを参照して上述した取り外し可能な歯科装具100と同じ又は実質的に同様であってもよい。
フラップ208の螺旋状構成は、フラップ(又は複数のフラップ)を可能にして、螺旋の中心付近に力を加え、螺旋の外周の周りに対応する変形を分散させることができる。これら及び図示されていない他の実施形態では、得られるカンチレバーアームの有効長を増加させるために、任意の数のフラップが螺旋状構成で配置されてもよい。例えば、図2Aに示されるように、装具本体202は、二重螺旋状構成を画定する単一のフラップ境界領域213Aを画定する2つのフラップ208Aを含んでもよい。静止位置にあるとき、フラップ208Aの中心215Aは、歯の所望の位置によって画定される空間に侵入し得る。変形位置では、患者によって着用されるとき、フラップ208Aは変形して、中心215A付近の歯に変形力を集中させることができる。フラップ208Aの変形力は、螺旋状構成の外周210の周囲で装具本体202に伝達され得る。いくつかの実施例では、図2Bに示されるように、螺旋状構成は、複数の屈曲可能なフラップ208C、208D、208E、208Fを有する四重螺旋状構成を含んでもよい。いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具200は、図1A~図1Eを参照して上述したようなブリッジを含んでもよい。
いくつかの実施例では、それぞれのフラップは、装具本体にヒンジ接続されていなくてもよく、1つ以上のブリッジによって繋がれてもよい。図3A~図3Cは、一対のスプリングベローズ309、310(即ち、ブリッジ)によって本体302に連結されたフラップ308を含む例示的な取り外し可能な歯科装具300を示す概念図である。取り外し可能な歯科装具300は、本明細書で説明する相違点を除いて、図1A~図1Eを参照して上述した取り外し可能な歯科装具100と同じ又は実質的に同様であってもよい。
図3A~図3Cに示されるように、フラップ308は、器具本体302に対して歯面に向かう方向に移動可能である(例えば、図3Cを参照)。したがって、フラップ308は、屈曲可能なフラップである。屈曲可能なフラップ308は、スロット付き側部313を画定する。スロット付き側部313は、装具本体302を通って延びる開口部を含んでもよい。他の実施例では、スロット付き側部313は、装具本体302の隣接する部分と比較して、剪断抵抗が低減された任意の好適なタイプの領域を含んでもよい。装具本体302は、フラップ308の対向端部上に提示される一対のブリッジ309、310を含む。図3Bに示されるように、ブリッジ309、310は、屈曲可能なフラップ308の表面に正接する平面から離れる装具本体302の変位を画定してもよい。図3B及び図3Cの断面図に示されるように、ブリッジ309、310のうちの少なくとも1つの厚さ314は、フラップ308及びシェル(図示せず)を含む装具本体302の他の部分の厚さよりも実質的に薄くてもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ309、310はそれぞれ、ばねとして機能し、潜在的エネルギーを貯蔵することができる。屈曲可能なフラップ308及び/又はブリッジ309、310の曲げモーメントを組み合わせることにより、曲げモーメントの合計は、屈曲可能なフラップ308及び/又はブリッジ309、310のいずれかが独立して達成できるよりも約10N多い水平線を中心とするモーメントに近似することができる。いくつかの実施例では、屈曲可能なフラップ308及び/又はブリッジ309、310は、例えば、U字型の屈曲可能なフラップを囲む連続的なスプリングベローズと比較して、より単純であり、より容易に設計及び製造することができる。例えば、U字型の屈曲可能なフラップを囲む連続的なスプリングベローズと比較して、屈曲可能なフラップ308及び/又はブリッジ309、310の力を、より容易にモデル化し計算することができる。このような簡易化モデリングは、歯に選択された力を加えて選択された治療計画を達成するために、フラップ及び円弧状部材の位置、寸法、及び形状を決定する際の計算強度を軽減する又は時間を短縮することができる。加えて、又は代わりに、屈曲可能なフラップ308及び/又はブリッジ309、310は、直線状の切断路しか必要でないことがあるため、より簡易に機械加工することができる。いくつかの実施例では、屈曲可能なフラップ308及び/又はブリッジ309、310は、予め製造された部品として大量生産され、形成された装具本体302に後で取り付けられてもよい。このような実施例では、屈曲可能なフラップ308及び/又はブリッジ309、310は、材料の連続的な直線押出を使用し、かつ屈曲可能なフラップ308及び/又はブリッジ309、310を任意の所与の幅の個々の部分に切断して形成されてもよい。いくつかの実施例では、屈曲可能なフラップ308に隣接する装具本体302の少なくとも一部は、空隙を画定し得る(例えば、スロット313が拡大され得る)。いくつかの実施例では、屈曲可能なフラップ308に隣接する装具本体302に力を直接伝達しないことによって、装具本体が変形する懸念が現実のものとなるとき、又は隣接する構造体の近接のために歯に嵌合する装具本体302がそのような変形に起因して損なわれ得る例において、装具本体308の変形を低減することができる。
いくつかの実施例では、装具本体は、装具本体の表面に正接する平面内にジグザグばねを含む一対のブリッジ409、410によって装具本体402に繋がれたフラップを含んでもよい。図4A~図4Cは、フラップ408と、装具本体402の表面に正接する面内のブリッジ409、410と、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具400を示す概念図である。フラップ108と同様、フラップ408は、屈曲可能なフラップである。取り外し可能な歯科装具400は、本明細書で説明する相違点を除いて、図1A~図1Eを参照して上述した取り外し可能な歯科装具100と同じ又は実質的に同様であってもよい。
図4A~図4Cに示されるように、屈曲可能なフラップ408は、フラップ408本体の両側のブリッジ409、410によって繋がれる。屈曲可能なフラップ408は更に、スロット付き側部413を画定する。スロット付き側部413は、装具本体402を通って延びる開口部を含んでもよい。他の実施例では、スロット付き側部413は、装具本体402の隣接する部分と比較して、剪断抵抗が低減された任意の好適なタイプの領域を含んでもよい。ブリッジ409、410は、装具本体402の表面に正接する平面内にジグザグ形状のばね412を含む。いくつかの実施例では、円弧状ブリッジ409、410は、屈曲可能なフラップ408がフラップの表面411に正接する平面に対して垂直な方向、かつ舌側-唇側方向に移動することを可能にし得る(例えば、図4Cを参照)。屈曲可能なフラップ408の移動は、いくつかの実施例では、それぞれの歯の移動中の発現を改善することができる。いくつかの実施例では、図4A~図4Cに示される構成は、シェル404を反応力から隔離するのに有効であり得る。いくつかの実施例では、屈曲可能なフラップ408及び/又はブリッジ409、410は、装具本体402の熱成形後にエンドミル又はレーザカッターを使用してそれらの要素を装具本体402に切断することができるため、より容易に機械加工することができる。これにより、図4A~図4Cに示す構成は、実質的に一定の厚さの装具を求める設計制約及び製造方法に適し得る。いくつかの実施例では、ジグザグばねに沿って材料を除去することにより、屈曲可能なフラップ408の変形を低減して、歯との接触面積を増加させるか、又はより予測可能な接触点を可能にすることができる。いくつかの実施例では、図4A~図4Cに示される構成は、舌、唇、又は頬の方向にあまり突出しないことによって、患者にとってより快適であり得る。例えば、1つ以上のジャンパー、又は1つ以上のジャンパーの振幅、幅、長さ、装着点などにおける変形など、ブリッジ409、410の多くの変形が可能である。
いくつかの実施例では、装具本体は、フラップと、フラップ境界領域上に延びる複数のブリッジと、を含むことができる。図5A及び図5Bは、スロット付きヒンジ軸510から延びるフラップ508と、ヒンジ軸510の反対側の装具本体502の表面に正接する平面内でフラップ境界領域513を架橋する複数のジャンパー509と、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具500を示す概念図である。フラップ308及び408と同様、フラップ508は、屈曲可能なフラップである。取り外し可能な歯科装具500は、本明細書で説明する相違点を除いて、図1A~図1Eを参照して上述した取り外し可能な歯科装具100と同じ又は実質的に同様であってもよい。
図5A及び図5Bに示されるように、屈曲可能なフラップ508は、スロット付きヒンジ510において装具本体502から延びる。屈曲可能なフラップ508は、フラップ境界領域513を画定する。装具本体502は、シェル504から屈曲可能なフラップ508まで延びる複数のブリッジ509を含む。6つのブリッジ509が図示されているが、他の実施例では、装具本体503は、より少ない又はより多いブリッジ509を含んでもよい。ブリッジ509は、装具本体502の表面に正接する平面内に複数のジグザグ形状のばねを含む。いくつかの実施例では、ブリッジ509は、屈曲可能なフラップ508が、装具本体502の表面に正接する平面内で、舌側-唇側方向に移動することを可能にし得る。屈曲可能なフラップ508の移動は、いくつかの実施例では、それぞれの歯の移動中の発現を改善することができる。加えて、又は代わりに、複数のブリッジ509は、屈曲可能なフラップ508によって歯の表面に加えられる力の方向又は大きさの制御を改善することができる。図5A及び図5Bに示される構成は、屈曲可能なフラップ508の側部に沿って追加のブリッジ509を配置することによって、他の構成と比較して力を増大させることができる。いくつかの実施例では、ブリッジ509が屈曲可能なフラップ508の遠位端(例えば、ヒンジ軸から最も遠い端部)から省略されて、屈曲可能なフラップ508を、隣接する歯科構造体又は力アクチュエータにより近接させて配置することができる。いくつかの実施例では、図5A及び図5Bに示される構成は、ブリッジ509の数を減少させ、ブリッジ509のうちの1つ以上の長さを増加させることによって、より可撓性の高い屈曲可能なフラップ508を可能にし得る。これは、屈曲可能なフラップ508の遠位端の領域に加えて、屈曲可能なフラップ508の横側にフラップ境界領域513を利用する際に利用可能な長さを増加させることによって可能となる。
いくつかの実施例では、装具本体は、フラップと、フラップ境界領域の少なくとも一部を架橋するスプリングベローズを画定する円弧状部材と、を含み得る。図6A及び図6Bは、フラップ608と、フラップ境界領域613全体の周りに延びるスプリングベローズ609と、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具600を示す概念図である。フラップ108、208、308、408、及び508と同様に、フラップ608は、屈曲可能なフラップである。取り外し可能な歯科装具600は、本明細書で説明する相違点を除いて、図1A~図1Eを参照して上述した取り外し可能な歯科装具100と同じ又は実質的に同様であってもよい。
図6A及び図6Bに示されるように、装具本体602は、フラップ境界領域613全体の周りに延びるブリッジ609を含む。図6A及び図6Bに示されるように、ブリッジ609は、シェル608の表面に正接する平面から離れる装具本体602の変位を画定し得る。図6Bの断面図に示されるように、ブリッジ609の厚さは、屈曲可能なフラップ608及び/又はシェルを含む装具本体602の他の部分の厚さ612よりも実質的に薄くてもよい。比較的薄いブリッジ609は、周囲の装具本体602又は屈曲可能なフラップ608よりも高い可撓性を有してもよい。加えて、又は代わりに、いくつかの実施例では、ブリッジ609の1つ以上の部分は、選択領域における剪断応力を低減するためのスロットを含んでもよい。図6Bに示されるように、ブリッジ609は、連続的なスプリングベローズを含んでもよい。連続的なスプリングベローズは、フラップ境界領域613の周囲の平面から更に突出してもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ609は、装具本体602の表面に正接する平面に向かう及び平面から遠ざかる複数の起伏を含んでもよい。このような起伏は、ブリッジ609によって屈曲可能なフラップ608に加えられる力の方向及び/又は大きさの制御を改善することができる。図6A及び図6Bに示される構成は、装具材料の露出縁部を排除することによって患者の快適性を高める、フラップの側面を含むようにスプリングベローズの有効長を増加させることによって、他の実施例よりも実質的に大きな力を提供する、及び/又は円弧状部材を画定する空隙を有する装具本体と比較して、食品及び歯垢の蓄積を低減することができる。いくつかの実施例では、装具本体602は、患者の快適性を改善するため、及び/又は装具本体602の角部又は内縁部における食物又は歯垢の蓄積を低減するためのフィレット又は面取り部を含んでもよい。いくつかの実施例では、装具本体602は、機械加工又は切断などの後加工を必要とせずに熱成形されてもよい。いくつかの実施例では、装具本体602は、プリンタ内の装具の配向に応じて、(局所支持を欠く可能性がある露出縁部の排除のために)屈曲可能なフラップ608上又はその近傍の支持構造体を必要とせずに3D印刷可能であってもよい。
いくつかの実施例では、装具本体は、フラップと、フラップ境界領域の少なくとも一部を架橋するジャンパーを画定する複数のブリッジと、を含み得る。図7A及び図7Bは、屈曲可能なフラップ708と、フラップ境界領域713を架橋する複数のジャンパー709と、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具700を示す概念図である。取り外し可能な歯科装具700は、本明細書で説明する相違点を除いて、図1A~図1Eを参照して上述した取り外し可能な歯科装具100と同じ又は実質的に同様であってもよい。
図7A及び図7Bに示されるように、装具本体702は、フラップ境界領域713を架橋して、フラップ708を本体702に繋ぐジャンパー709を含む。図7A及び図7Bに示されるように、ジャンパー709は、フラップ708に正接する平面から離れる装具本体702の変位を画定し得る。4つのジャンパー709が図示されているが、他の実施例では、装具本体702は、より少ない又はより多いジャンパー709を含んでもよい。ジャンパー709の厚さは、屈曲可能なフラップ708及びシェル(図示せず)を含む装具本体702の他の部分の厚さよりも実質的に薄くてもよい。比較的薄いジャンパー709は、周囲の装具本体702又は屈曲可能なフラップ708よりも高い可撓性を有してもよい。加えて、又は代わりに、いくつかの実施例では、ジャンパー709の1つ以上の部分は、選択領域における剪断応力を低減するためのスロットを含んでもよい。いくつかの実施例では、力は、個々の貫通孔又は剪断低減領域を有するジャンパー709の連続性を中断し、それにより、耐久性、成形性、印刷性などが損なわれる点まで厚さを減らすことなくジャンパー709の総面積を減少させることによって低減され得る。ジャンパー709はまた、屈曲可能なフラップ708の側面のみに配置して、屈曲可能なフラップ708のアスペクト比又は全長を低減することができる。いくつかの実施例では、装具本体702(例えば、ジャンパー709)によって画定される空隙は、歯の周囲及び装具を通る唾液流を増加させる場合があり、これは、歯と長時間接触した場合に、歯のエナメル質の脱灰、白斑病変、虫歯、歯肉炎などをもたらす可能性のある酸の排出にとって有益であり得る。屈曲可能なフラップ708は、フラップの中心に開口領域719を更に含んでもよく、図7Bに示されるようなリング又はドーナツに似るようにフラップ708を導く。
いくつかの実施例では、装具本体は、フラップと、フラップ境界領域の少なくとも一部を架橋するスプリングベローズを画定する円弧状部材と、を含み得る。図8A及び図8Bは、フラップ808と、フラップ境界領域813全体の周りに延びるスプリングベローズ809と、を含む例示的な取り外し可能な歯科装具800を示す概念図である。フラップ208、308、408、508、608、及び708と同様に、フラップ808は、屈曲可能なフラップである。取り外し可能な歯科装具800は、本明細書で説明する相違点を除いて、図1A~図1Eを参照して上述した取り外し可能な歯科装具100と同じ又は実質的に同様であってもよい。
図8A及び図8Bに示されるように、装具本体802は、フラップ境界領域813全体の周りに延びるブリッジ809を含む。図8A及び図8Bに示されるように、ブリッジ809は、シェル804の表面に正接する平面から離れる装具本体802の変位を画定し得る。図8Bの断面図に示されるように、ブリッジ809の厚さは、屈曲可能なフラップ808及び/又はシェルを含む装具本体802の他の部分の厚さ812よりも実質的に薄くてもよい。比較的薄いブリッジ809は、周囲の装具本体802又は屈曲可能なフラップ808よりも高い可撓性を有してもよい。加えて、又は代わりに、いくつかの実施例では、ブリッジ809の1つ以上の部分は、選択領域における剪断応力を低減するためのスロットを含んでもよい。図8Bに示されるように、ブリッジ809は、連続的なスプリングベローズを含んでもよい。連続的なスプリングベローズは、フラップ境界領域813の周囲の平面から更に突出してもよい。いくつかの実施例では、ブリッジ809は、装具本体802の表面に正接する平面に向かう及び平面から遠ざかる複数の起伏を含んでもよい。このような起伏は、ブリッジ809によって屈曲可能なフラップ808に加えられる力の方向及び/又は大きさの制御を改善することができる。
屈曲可能なフラップ808は、フラップ608と比較して低減された表面積を含み、それにより、所与の歯面上のより小さい領域又は点に力を集中させて、力が加えられる比較的明確な接触点を提供するために使用することができる。比較的小さいフラップは、特定の状況下では、より大きな歯の移動および制御(例えば、並進及び/又は回転)をもたらす、制御可能な係合力の位置、方向、大きさ、又はそれらの組み合わせを提供するのに有益であり得る。これらの考慮事項は、屈曲可能なフラップ808(及び他の表面積低減領域)が、治療の終了段階で、又は歯の動きが連結(例えば、回転)によって達成され得る段階で、移動の仕上げにとって特に有益であり得ることを示唆している。
図8A及び図8Bに示される構成は、装具材料の露出縁部を排除することによって患者の快適性を高める、フラップの側面を含むようにスプリングベローズの有効長を増加させることによって、他の実施例よりも実質的に大きな力を提供する、及び/又は円弧状部材を画定する空隙を有する装具本体と比較して、食品及び歯垢の蓄積を低減することができる。いくつかの実施例では、装具本体802は、患者の快適性を改善するため、及び/又は装具本体802の角部又は内縁部における食物又は歯垢の蓄積を低減するためのフィレット又は面取り部を含んでもよい。いくつかの実施例では、装具本体802は、機械加工又は切断などの後加工を必要とせずに熱成形されてもよい。いくつかの実施例では、装具本体802は、プリンタ内の装具の配向に応じて、(局所支持を欠く可能性がある露出縁部の排除のために)屈曲可能なフラップ808上又はその近傍の支持構造体を必要とせずに3D印刷可能であってもよい。
一般に、それぞれのフラップ及びブリッジは、それぞれの装具本体の舌側面、顔側面、又は咬合面のいずれか1つのそれぞれのシェルと一体的に形成されてもよい。屈曲可能なフラップ及びブリッジは、線形並進、回転、押し込み、押出、チッピング、及びトルク付与を達成するように配置されてもよい。いくつかの実施例では、複数の屈曲可能なフラップ及び複数のブリッジは、装具本体の対向する側にあってもよい。このような実施例における2つ以上の屈曲可能なフラップは、連結を形成するように位置付けられてもよい。力の連結は、歯のほぼ中心に位置し、咬合側-歯肉側方向に延びる軸を中心とした歯の回転をもたらし得る。別の実施例として、1つの屈曲可能なフラップは、空隙とは反対側の歯の舌側-近心側面に力を加えて、所望の位置で歯を受容するように成形された装具シェルの内側の空隙に向かって歯を移動させるように構成されてもよい。いくつかの他の実施例では、複数の屈曲可能なフラップは、装具本体の同じ側にあってもよい。このような実施例では、1つの屈曲可能なフラップ及び/又はブリッジが、歯の切歯縁部付近の表面に力を加え、別個の屈曲可能なフラップとブリッジの組み合わせが、歯肉縁部付近の表面に力を加えるように構成されてもよい。これらの力は、所望に応じて、同様の又は異なる大きさで、歯の異なる位置に集中させてもよい。いくつかの実施例では、装具本体の同じ側の複数の屈曲可能なフラップ及びブリッジが、それぞれの複数の力を集中させるように構成されてもよい。本開示の屈曲可能なフラップ及びブリッジの好適な配置は、例えば、本発明の譲受人に譲渡され、参照により全文が本明細書に組み込まれる、Rabyらの2019年4月11日に提出された米国特許仮出願第62/832,524号に見出すことができる。
図9は、診療所14と製造施設20とが、患者12用の取り外し可能な歯科装具22のセットの製造プロセス全体を通じて情報を通信する、例示的なコンピュータ環境10を示すブロック図である。取り外し可能な歯科装具22のセットは、取り外し可能な歯科装具100、200、300、400、500、600、700、又は800のうちの少なくとも1つを含んでもよい。上述のように、取り外し可能な歯科装具100、200、300、400、500、600、700、又は800は、複数のシェル、少なくとも1つの屈曲可能なフラップ、並びに少なくとも1つのブリッジ及び/又はヒンジを含む。最初に、診療所14の歯科矯正医は、任意の適切な画像化技術を使用して患者12の歯科構造の1つ以上の画像を生成し、デジタル歯科構造データ16(例えば、患者12の歯構造のデジタル表現)を生成する。例えば、医師は、デジタル走査され得るX線画像を生成し得る。あるいは、医師は、患者の歯構造のデジタル画像を、例えば、従来のコンピュータ断層撮影(computed tomography、CT)、レーザ走査、口腔内走査、歯科印象のCT走査、印象から注入された歯科用鋳造の走査、超音波計測、磁気共鳴映像法(magnetic resonance imaging、MRI)、又は3次元(3D)データ取得の任意の他の好適な方法を使用して取り込んでもよい。他の実施形態では、デジタル画像は、Brontes Technologies,Inc.(Lexington,Massachusetts)によって開発され、参照により全文が本明細書中に組み込まれる国際公開第2007/084727号(Boerjesら)に記載されているアクティブ波面サンプリング(active wavefront sampling)を用いる口腔内スキャナなどの手持式口腔内スキャナを使用して提供してもよい。あるいは、他の口腔内スキャナ又は口腔内接触プローブを使用することもできる。別の選択肢として、患者12の歯のネガ印象を走査することによって、デジタル歯科構造データ16を提供してもよい。更に別の選択肢として、患者12の歯のポジの物理的モデルを画像化することにより、又は患者12の歯のモデルに対して接触プローブを使用することにより、デジタル歯科構造データ16を提供してもよい。走査に使用されるモデルは、例えば、アルギネート又はポリビニルシロキサン(PVS)などの好適な印象材から、患者12の歯列の印象をキャスティングし、キャスティング材料(歯列矯正石膏又はエポキシ樹脂など)を印象に鋳込み、キャスティング材料を硬化させることによって作製することができる。上記のものを含む任意の好適な走査技法を用いてモデルを走査してもよい。他の可能な走査方法は、参照により全文が本明細書中に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0031791号(Cinaderら)に記載されている。
歯の露出面を走査してデジタル画像を提供することに加え、歯列の見えていない特徴部、例えば、患者12の歯根、及び患者12の顎骨を画像化することが可能である。いくつかの実施形態では、デジタル歯科構造データ16は、これら特徴部のいくつかの3D画像を用意し、続いて、それらをともに「縫い合わせる」ことによって形成される。これらの異なる画像は、同じ画像化技術を使用して提供される必要はない。例えば、CTスキャンを備えた歯根のデジタル画像は、例えば、参照により全文が本明細書に組み込まれる、Rabyらによる米国特許出願第62/787,025号に記載されているように、口腔内可視光スキャナを用いて提供される歯冠のデジタル画像と一体化されてもよい。2次元(two-dimensional、2D)歯科画像の3D歯科画像とのスケーリング及びレジストレーションについては、参照により全文が本明細書中に組み込まれる米国特許第6,845,175号(Kopelmanら)及び同じく参照により全文が本明細書中に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0029068号(Baduraら)に記載されている。参照により全文が本明細書中に組み込まれる発行済みの米国特許第7,027,642号(Imgrundら)及び同じく参照により全文が本明細書中に組み込まれる米国特許第7,234,937号(Sachdevaら)は、種々の3D源から提供されたデジタル画像を一体化する技術の使用について記載している。したがって、用語「画像化」は、これが本明細書において使用される際、視覚的に明らかな構造の、通常の写真画像化に限定されず、視界から隠れた歯科構造の画像化を含む。歯科構造としては、歯列弓の1本以上の歯冠又は根、歯肉、歯周靭帯、歯槽骨、皮質骨、インプラント、人工歯冠、ブリッジ、ベニア、義歯、歯列矯正装置、又は治療前、治療中、若しくは治療後に歯列の一部とみなされ得る任意の構造物の、任意の部分を挙げることができるが、これらに限定されない。
デジタル歯科構造データ16を生成するために、コンピュータは、画像化システムからの未加工データを、使用可能なデジタルモデルに変換しなければならない。例えば、コンピュータが受け取る歯の形状を表す未加工データにおいて、未加工データは、多くの場合、3D空間内の点群にすぎない。典型的には、この点群を表面に構成し、1本以上の歯、歯肉組織及び他の周囲口腔構造を含む患者の歯列の3Dオブジェクトモデルを作製する。このデータが歯列矯正の診断及び治療において有用となるように、コンピュータは歯列表面を「セグメント化」し、個々の歯を表す1つ以上の個別の移動可能な3D歯オブジェクトモデルを生成してもよい。コンピュータは、これら歯モデルを歯肉から別個のオブジェクトへと更に分離してもよい。
セグメント化によって、ユーザは、歯の配列を個々のオブジェクトのセットとして特性評価し、操作することが可能となる。有利には、コンピュータはこれらモデルから、歯列弓周長、噛み合わせ、隣接歯の間に介在する間隔などの診断情報、及び更にはAmerican Board of Orthodontics(ABO)の客観的評価を得てもよい。更なる利点として、デジタル歯列矯正セットアップは、製造プロセスに可撓性をもたらしてもよい。物理的プロセスをデジタルプロセスで置き換えることによって、データ取得工程とデータ操作工程とを、石モデル又は印象をある位置から別の位置へ輸送する必要なく、別々の位置で実行することが可能である。物理オブジェクトを輸送して行き来させる必要を低減する又はなくすことは、カスタマイズされた装具の顧客及び製造者の両者にとって、大幅なコストの節減につながり得る。
デジタル歯科構造データ16の生成後、診療所14は、デジタル歯科構造データ16をデータベースの患者記録内に記憶してもよい。診療所14は、例えば、複数の患者記録を有するローカルデータベースを更新してもよい。あるいは、診療所14は、ネットワーク24を介して、(任意選択的に製造施設20内の)中央データベースを遠隔に更新してもよい。デジタル歯科構造データ16を記憶した後に、診療所14は、デジタル歯科構造データ16を製造施設20に電子的に通信する。あるいは、製造施設20は、デジタル歯科構造データ16を中央データベースから取り出してもよい。あるいは、製造施設20は、既存のデジタル歯科構造データ16を、診療所14とは無関係のデータソースから取り出してもよい。
診療所14はまた、医師の診断と患者12の治療計画とに関する全般的な情報を伝える処方データ18を、製造施設20に転送してもよい。いくつかの例では、処方データ18は、より具体的であってもよい。例えば、デジタル歯科構造データ16は、患者12の歯科構造のデジタル表現であってもよい。診療所14の医師は、デジタル表現を精査し、患者12の個々の歯の所望の移動、間隔、及び最終位置のうちの少なくとも1つを示してもよい。例えば、患者12の個々の歯の所望の移動、間隔、及び最終位置は、取り外し可能な歯科装具22のセットの各取り外し可能な歯科装具によって治療の各段階で患者12の歯に加えられることになる力に影響を及ぼすことができる。上述のように、取り外し可能な歯科装具22のセットの各取り外し可能な歯科装具(例えば、取り外し可能な歯科装具100、200、300、400、500、600、700、又は800)によって加えられる力は、複数のシェル(例えば、シェル104、204、304、404、504、604、704、又は804)、少なくとも1つの屈曲可能なフラップ(例えば、屈曲可能なフラップ108C、208、308、408、508、608、708、又は808)、少なくとも1つのブリッジ(例えば、円弧状部材109C、209、309、409、509、609、709、又は809)などのうち少なくとも1つの寸法、形状、及び位置を選択することによって決定されてもよい。患者12の個々の歯の所望の移動、間隔、又は最終位置のうちの少なくとも1つによって、医師、製造施設20の技師、及び製造施設20のコンピュータが、シェル、屈曲可能なフラップ、円弧状部材、及び補強構造体のうちの少なくとも1つの選択された寸法、形状、及び位置のうちの少なくとも1つを決定することが可能になる。このようにして、デジタル歯科構造データ16は、患者12の歯の所望の移動をもたらすために、取り外し可能な歯科装具22のセットの取り外し可能な歯科装具のそれぞれのシェル、屈曲可能なフラップ、ブリッジ、及び任意選択の補強構造体のうちの少なくとも1つの、医師、技師、又はコンピュータによって選択された寸法、形状、及び位置のうちの少なくとも1つを含んでもよい。デジタル表現を精査した後に、取り外し可能な歯科装具22のセットの各取り外し可能な歯科装具のシェル、屈曲可能なフラップ、円弧状部材、及び補強構造体の選択された寸法、形状、及び位置を含むデジタル歯科構造データ16は、製造施設20に転送されることができる。製造施設20は、別の場所にあってもよく、又は診療所14内にあってもよい。
例えば、それぞれの診療所14は、臨床的環境において臨床医又は助手がローカルにインストールされたソフトウェアを使用して治療計画及びデジタル設計を完全に実施できるように、製造施設20のための現地設備を含んでもよい。製造は、3Dプリンタの使用によって(又は積層造形(additive manufacturing)の他の方法によって)診療所内でも行ってよい。3Dプリンタは、歯科装具の複雑な特徴部又は患者12の歯科構造の物理的表現の製造を積層印刷によって可能にする。3Dプリンタは、患者12の本来の歯科構造及び患者12の所望の歯科構造の繰り返しデジタル設計を使用して、複数のデジタル装具、患者12の所望の歯科構造を作成するようにカスタマイズされたデジタル装具パターン、又はその両方を作成してもよい。製造は、未硬化樹脂を除去し、支持構造を除去する、又は様々な部品を組み立てる後処理を含んでもよく、後処理は必要なことがあり、臨床的環境において実行されることもできる。
製造施設20では、患者12の歯を再配置するために、患者12のデジタル歯科構造データ16を用いて、取り外し可能な歯科装具22のセットを構築する。その後しばらく経って、製造施設20は、取り外し可能な歯科装具22のセットを診療所14に、又はその代わりに、患者12に直接送る。例えば、取り外し可能な歯科装具22のセットは、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットであってもよい。患者12は、その後、患者12の歯を再配置するために、取り外し可能な歯科装具22のセット内の取り外し可能な歯科装具22を所定のスケジュールに従って長い時間にわたり順次装着する。例えば、患者12は、取り外し可能な歯科装具22のセット内の各取り外し可能な歯科装具を約2週間~約4週間又は約3週間など、約1週間~約6週間の期間にわたって装着してもよい。任意選択的に、患者12は、取り外し可能な歯科装具22による治療の経過の定期的な観察のために診療所14に戻ってもよい。
そのような定期的な観察の間に、臨床医は、取り外し可能な歯科装具22のセット内の取り外し可能な歯科装具を長い期間をかけて順次装着する患者12の所定のスケジュールを調整してもよい。観察には、一般に、患者12の歯の目視検査を含むとともに、デジタル歯科構造データを生成するための画像化も含んでよい。いくつかの実施例では、臨床医は、例えば、新たな取り外し可能な歯科装具22のセットを作製するために、新たに生成したデジタル歯科構造データ16を製造施設20に送信することによって、取り外し可能な歯科装具22のセットによる患者12の治療の中断を決定してもよい。いくつかの実施例では、臨床医は、取り外し可能な歯科装具22による治療の所定のスケジュールの完了後に、新たに生成したデジタル歯科構造データ16を製造施設20に送信してもよい。いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具22による治療の所定のスケジュールの完了後に、臨床医は、新たな取り外し可能な歯科装具のセットを製造施設20に要求し、患者12の治療を継続してもよい。
図10は、本開示の一実施例による、診療所14で実施されるプロセス30を示すフロー図である。最初に、医師が診療所14において、患者12から患者の個人情報及び他の情報を収集し、患者記録を作成する(32)。上述するように、患者記録は、診療所14内に置かれていてもよく、任意選択的に、製造施設20内のデータベースとデータを共有するように構成されていてもよい。代わりに、又は加えて、患者記録は、ネットワーク24を介して診療所14にリモートアクセス可能な製造施設20のデータベース内に、又は製造施設20と診療所14との両方によりリモートアクセス可能なデータベース内に配置されてもよい。
次に、任意の好適な技術を用いて患者12のデジタル歯科構造データ16を生成し(34)、これにより、仮想歯科構造を作成してもよい。デジタル歯科構造データ16は、歯科構造の2次元(2D)画像、3次元(3D)表現、又はその両方から構成されてもよい。
一実施例では、歯科構造の3D表現は、(Imaging Sciences International,LLC(1910 N Penn Road,Hatfield,Pennsylvania)から入手可能な)i-CAT 3D歯科画像化デバイスなどのコーンビームコンピュータ断層撮影(cone beam computerized tomography、CBCT)スキャナを用いて生成される。診療所14は、CBCTスキャナにより生成した(放射線画像の形態の)3Dデジタル歯科構造データ16を、診療所14内、又はその代わりに、製造施設20内に配置されたデータベースに記憶する。コンピューティングシステムは、複数のスライスの形態であってもよい、CBCTスキャナからのデジタル歯科構造データ16を処理し、3Dモデリング環境内で操作することができる歯構造のデジタル表現を計算する。
2D放射線画像が使用される場合(36)、医師は、3Dデジタルデータを更に生成してもよい(38)。3Dデジタル歯科構造データ16は、例えば、患者12の歯構造の物理的印象又は鋳造物を形成し、その後、それをデジタル走査することによって生成してもよい。例えば、患者12の歯列弓の物理的印象又は鋳造は、(Laser Design,Inc.(Minneapolis,Minnesota)から入手可能な)OM-3Rスキャナ、又は(GOM GmbH(Braunschweig,Germany)から入手可能な)ATOSスキャナなどの、可視光スキャナを用いて走査してもよい。その代わりとして、医師は、咬合科の3Dデジタル歯科構造データ16を、患者12の歯列弓の口腔内走査又は既存の3D歯データを使用することで生成してもよい。一実施例では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Rabyらによる米国特許第8,491,306号に記載される、キャスティング又は印象からデジタル走査を形成する方法を使用してもよい。同じ又は異なる例では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Seeらによる米国特許出願公開第2013/0325431号に記載されているような仮想歯面及び仮想歯座標系を画定するための技術が使用されてもよい。いずれの場合においても、デジタルデータは3Dモデリング環境内にデジタルで位置合わせされ、歯根及び咬合面を含み得る歯構造の複合的なデジタル表現を形成する。
一実施例では、歯列弓の咬合面の2D放射線画像及び3Dデジタルデータは、放射線画像及び3Dデジタル走査の両方を生成する前に、最初に、レジストレーションマーカ(例えば、基準マーカ又は既知の幾何学的形状寸法を有するペデスタル)を患者12の歯構造に取り付けることによって位置合わせされる。その後、2D放射線画像及び3Dデジタルデータ内のレジストレーションマーカのデジタル表現は、米国特許第8,491,306号に記載される位置合わせ技術を用いて、3Dモデリング環境内で位置合わせしてもよい。
別の例では、歯構造の3Dデジタルデータは歯構造の2つの3Dデジタル表現を組み合わせることによって生成される。例えば、第1の3Dデジタル表現は、CBCTスキャナ(例えば、i-CAT 3D歯科画像化デバイス)から取得した根の比較的低解像度の画像であってもよく、第2の3Dデジタル表現は、患者の歯列弓の印象の産業用CT走査又は鋳造の可視光(例えば、レーザ)走査から取得した歯冠の比較的高解像の画像であってもよい。3Dデジタル表現は、3D表現をコンピュータ環境内で操作することを可能にするソフトウェアプログラム(例えば、(3D Systems,Incから入手可能な)Geomagic Studioソフトウェア、333 Three D Systems Circle(Rock Hill,South Carolina))を用いて位置合わせしてもよく、又はその代わりに、米国特許第8,491,306号に記載される位置合わせ技術を使用してもよい。
次に、3Dモデリングソフトウェアを実行するコンピュータシステムが、患者の歯列弓の咬合面及び根構造を含む歯構造の合成されたデジタル表現をレンダリングする。モデリングソフトウェアは、医師が3D空間内の歯のデジタル表現を患者の歯列弓のデジタル表現に対し操作することを可能にするユーザインターフェースを提供する。コンピュータシステムと対話することによって、医師は、患者12の個々の歯の、所望の位置の兆候、最終位置、若しくはその両方、それぞれの治療段階の持続時間、又は治療段階の数、治療段階中の患者12の歯に対する力の方向若しくは大きさなどの表現を選択することなどによって、治療情報を生成する(40)。いくつかの実施例では、屈曲可能なフラップは、治療の少なくとも1つの段階中、しかし全てよりは少ない治療段階で使用され得る。例えば、患者12の個々の歯の所望の位置、治療のそれぞれの段階の持続時間、又は治療段階の数は、取り外し可能な歯科装具22のセットの各取り外し可能な歯科装具による治療の各段階における、患者12の歯に対する力の方向又は大きさに影響を及ぼすことができる。上述のように、取り外し可能な歯科装具22のセットの各取り外し可能な歯科装具(例えば、取り外し可能な歯科装具100、200、300、400、500、600、700、又は800)によって加えられる力は、複数のシェル(例えば、シェル104、204、304、404、504、604、704、又は804)、屈曲可能なフラップ(例えば、屈曲可能なフラップ108C、208、308、408、508、608、708、又は808)、少なくとも1つのブリッジ(例えば、ブリッジ109C、209、309、310、409、509、609、709、又は809)、任意選択の補強構造体などのうちの少なくとも1つの寸法、形状、及び位置を選択することによって決定されてもよい。このようにして、診断及び治療情報でデータベースを更新すること(40)は、患者12の歯の所望の移動をもたらすために、医師、技師によって、又はコンピュータによって自動的に、取り外し可能な歯科装具22のセットの取り外し可能な歯科装具のそれぞれの複数のシェル、少なくとも1つの屈曲可能なフラップ、少なくとも1つの補強構造体などの寸法、形状、及び位置を決定又は選択することを含むことができる。
医師が3D環境内において診断及び治療計画に関する全般的な情報の伝達を完了すると、コンピュータシステムは、患者記録に関連付けられたデータベースを更新し、医師が指定した診断及び治療計画に関する全般的な情報を伝える処方データ18を記録する(42)。その後、処方データ18は、製造施設20が取り外し可能な歯科装具22などの、少なくとも1つの屈曲可能なフラップを含む1つ以上の取り外し可能な歯科装具を構築するために、製造施設20に中継される(44)。
歯科矯正診療所にいる歯科矯正医に関して記載したが、図10に関して検討した工程の1つ以上は、製造施設20にいるユーザなどの遠隔ユーザによって実施されてもよい。例えば、歯科矯正医は、放射線画像データと患者の印象又は鋳造とを製造施設20に送信するのみであってもよく、製造施設20で、ユーザがコンピュータシステムと対話し、3Dモデリング環境内において治療計画を策定する。任意選択的に、3Dモデリング環境内における治療計画のデジタル表現は、その後、診療所14の歯科矯正医に送信されてもよく、歯科矯正医は治療計画を精査し、自身の承認を返送するか所望の変更を示すかのいずれかであってもよい。
図11は、ネットワーク24を介して製造施設20に接続されたクライアントコンピュータ50の一実施例を示すブロック図である。図示される実施例では、クライアントコンピュータ50は、モデリングソフトウェア52の動作環境を提供する。モデリングソフトウェア52は、患者12の歯の3D表現をモデリングし、かつ描画するためのモデリング環境を提示する。図示される例では、モデリングソフトウェア52は、ユーザインターフェース54と、アライメントモジュール56と、レンダリングエンジン58とを含む。
ユーザインターフェース54は、患者12の歯の3D表示を視覚的に表示するグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を提供する。加えて、ユーザインターフェース54は、モデル化された歯列弓内の患者12の歯を操作するために、診療所14の医師60から、例えば、キーボード及びポインティングデバイス、タッチスクリーンなどによる入力を受け取るためのインターフェースを提供する。
モデリングソフトウェア52は、ネットワークインターフェース70を介して製造施設20にアクセス可能であってもよい。モデリングソフトウェア52は、データベース62と対話して、治療データ64、患者12の歯構造に関する3Dデータ66、及び患者データ68などの様々なデータにアクセスする。データベース62は、データ記憶ファイル、ルックアップテーブル、又は1つ以上のデータベースサーバで実行されるデータベース管理システム(database management system、DBMS)を含む、様々な形態で提示されてもよい。データベース管理システムは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)、階層型データベース管理システム(HDBMS)、多次元データベース管理システム(MDBMS)、オブジェクト指向データベース管理システム(ODBMS若しくはOODBMS)、又はオブジェクトリレーショナルデータベース管理システム(ORDBMS)であってもよい。データは、例えば、Microsoft Corporation製のSQLサーバなど、単一のリレーショナルデータベース内に記憶されてもよい。データベース62は、クライアントコンピュータ50のローカルとして示されるが、クライアントコンピュータ50からリモートに位置し、公共ネットワーク又は私設ネットワーク、例えばネットワーク24を介してクライアントコンピュータ50に接続してもよい。
治療データ64は、医師60によって選択されて、3Dモデリング環境内に配置される、患者12の歯の診断又は再配置情報を記述する。例えば、処理データ64は、治療計画全体にわたって患者の歯(例えば、歯103)に加えられる力ベクトルの選択された大きさ及び方向をもたらし得る、複数のシェル(例えば、シェル104、204、304、404、504、604、704、又は804)屈曲可能なフラップ(例えば、屈曲可能なフラップ108C、208、308、408、508、608、708、又は808)、少なくとも1つのブリッジ(例えば、ブリッジ109C、209、309、310、409、509、609、709、又は809)、任意選択の補強構造体などのうちの少なくとも1つの寸法、形状、及び位置を含んでもよい。
患者データ68は、医師60に関連する1人以上の患者の一群、例えば、患者12を記述する。例えば、患者データ68は、各患者12に関する氏名、出生日、及び歯科疾病歴などの一般的な情報を特定する。
レンダリングエンジン58は、3Dデータ66にアクセスしてレンダリングし、ユーザインターフェース54により医師60に提示される3D図を生成する。より具体的には、3Dデータ66は、3D環境内で各歯(任意選択的に根を含む)及び顎骨を表す3Dオブジェクトを画定する情報を含む。レンダリングエンジン58は、各オブジェクトを処理し、3D環境内で医師60の視点に基づき、3D三角メッシュをレンダリングする。ユーザインターフェース54は、レンダリングされた3D三角メッシュを医師60に対して表示し、医師60が3D環境内で視点を変更し、オブジェクトを操作することを可能にする。
参照により全文が組み込まれるRabyらの米国特許第8,194,067号、及び参照により全文が組み込まれるEisenbergによる米国特許第7,731,495号には、本明細書に記載される技術と共に使用され得るユーザインターフェースを有するコンピュータシステム及び3Dモデリングソフトウェアの他の例が記載されている。
クライアントコンピュータ50は、モデリングソフトウェア52を記憶し、かつ実行するために、プロセッサ72とメモリ74とを含む。メモリ74は、任意の揮発性又は不揮発性ストレージ要素を表してもよい。例としては、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)及びフラッシュメモリなどのランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。例としては、また、ハードディスク、磁気テープ、磁気又は光データストレージ媒体、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、Blu-rayディスク、及びホログラフィックデータストレージ媒体などの不揮発性ストレージを含んでもよい。
プロセッサ72は、汎用マイクロプロセッサ、特別設計のプロセッサ、特定用途用集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理のコレクション、又は本明細書中に記載される技術を実行することができる任意の種類の処理デバイスなどの1つ以上のプロセッサを表す。一実施例では、メモリ74は、プロセッサ72によって実行されて、本明細書中に記載される技術を実行するプログラム命令(例えば、ソフトウェア命令)を記憶してもよい。他の実施例では、本技術は、プロセッサ72の特別にプログラムされた回路によって実行されてもよい。これら又は他の手法では、プロセッサ72は、本明細書中に記載される技術を実行するように構成されてもよい。
クライアントコンピュータ50は、患者の3D歯構造のデジタル表現と、任意選択的に、治療データ64及び/又は患者データ68とを製造施設20のコンピュータ80にネットワーク24を通じて送信するように構成されている。コンピュータ80は、ユーザインターフェース82を含む。ユーザインターフェース82は、歯のデジタルモデルの3D表現を視覚的に表示するGUIを提供する。加えて、ユーザインターフェース82は、患者の3D歯構造のデジタル表現内の患者の歯を操作するための、例えば、キーボード及びポインティングデバイスによる入カをユーザから受け取るためのインターフェースを提供する。
コンピュータ80は、取り外し可能な歯科装具22のセットの各取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を自動的に決定するように更に構成されてもよい。取り外し可能な歯科装具22の寸法及び形状は、複数のシェル、少なくとも1つの屈曲可能なフラップ、少なくとも1つの円弧状部材、少なくとも1つの補強構造体などのうちの少なくとも1つの位置、寸法、及び形状(例えば、少なくとも1つの位置、少なくとも1つの寸法、及び少なくとも1つの形状のうちの少なくとも1つ)を含むことができ、それにより、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、取り外し可能な歯科装具22が1つ以上の歯を初期位置から最終位置に再配置するように構成される。図1~図17に関連して上述したように、複数のシェル(例えば、シェル104、204、304、404、504、604、704、又は804)、屈曲可能なフラップ(例えば、屈曲可能なフラップ108C、208、308、408、508、608、708、又は808)、少なくとも1つのブリッジ(例えば、ブリッジ109C、209、309、310、409、509、609、709、又は809)、任意選択の補強構造体などのうちの少なくとも1つの位置、寸法、及び形状は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、歯に加えられる力の発現の大きさ、方向、及び長さに影響を及ぼし得る。例えば、それぞれの屈曲可能なフラップ及び/又は円弧状部材の位置、寸法、及び形状は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに屈曲可能なフラップ及び/又は円弧状部材の変形から生じる力の発現の大きさ、方向、及び長さを、少なくとも部分的に決定することができる。円弧状部材及び/又は任意選択の補強構造体の位置、寸法、及び形状は、それぞれの屈曲可能なフラップの選択された領域における変形を集中させて、歯に加えられる力の方向を制御することができる。また、複数のシェルのそれぞれのシェルの位置、寸法、及び形状は、それぞれのシェルとそれぞれの歯との係合の位置に影響を及ぼし得る。係合の位置は、それぞれの歯に加えられる力の方向に影響を及ぼし得る。コンピュータ80は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、それぞれの屈曲可能なフラップ及び/又は円弧状部材の変形から生じる少なくとも1つの力の発現の大きさ、方向、及び長さのうちの少なくとも1つを分析して、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに患者の対応する歯の所望の移動をもたらす、それぞれのシェル、それぞれの屈曲可能なフラップ、それぞれの円弧状部材、それぞれの補強構造体などの位置、寸法、及び形状のうちの少なくとも1つを決定してもよい。
コンピュータ80は、寸法及び形状の精査を含む、ユーザが精査するための取り外し可能な歯科装具22の表現を提示してもよい。代わりに、又は加えて、コンピュータ80は、ユーザからの入力を受け入れて、患者12の取り外し可能な歯科装具22のセットの寸法及び形状を決定することができる。例えば、ユーザ入力は、自動的に決定された寸法又は形状のうちの少なくとも1つに影響を及ぼすことができる。コンピュータ80は、取り外し可能な歯科装具22のセットの製造のために、取り外し可能な歯科装具22のセットのデジタルモデル、取り外し可能な歯科装具22のセットの寸法及び形状、又はその両方をコンピュータ支援製造システム84に送信する、又は別の方法で送ってもよい。
クライアントコンピュータ50及びコンピュータ80は、例示的なコンピュータシステムの単なる概念的な表現である。いくつかの実施例では、クライアントコンピュータ50、コンピュータ80、又はその両方に関して記載した機能を単一のコンピューティングデバイスに組み合わせてもよく、又はコンピュータシステム内の複数のコンピューティングデバイス間で分散させてもよい。例えば、本明細書に記載する歯科装具のデジタル設計に、クラウドコンピューティングを用いてもよい。一実施例では、歯構造のデジタル表現が診療所の1つのコンピュータで受信される一方で、取り外し可能な歯科装具の形状及び寸法は、コンピュータ80などの異なるコンピュータを用いて決定される。加えて、コンピュータ80などの異なるコンピュータは形状及び寸法の決定のために同一データをすべて受信する必要がない場合がある。形状及び寸法は、少なくとも一部、対象症例の完全な3D表現を受け取ることなく履歴症例又は例示的症例の仮想モデルの分析を通じて得た知識に基づき決定してもよい。このような例では、クライアントコンピュータ50とコンピュータ80との間で送信される、又は別の方式で特別仕様の歯科装具を設計するために利用されるデータは、患者の完全なデジタル歯科モデルを示す全データセットよりも、大幅に小さくできる。
図12は、取り外し可能な歯科装具1522の構築のための例示的なコンピュータ支援製造システム1500を示すブロック図である。コンピュータ支援製造システム1500の例は、コンピュータ1504と通信し、かつ構築材料源1510に結合された積層造形製造システム1502を含む。いくつかの実施例では、コンピュータ支援製造システム1500は、図20のコンピュータ支援製造システム84を含むことができる。例えば、コンピュータ1504は、コンピュータ80と同じ又は実質的に同様であってもよい。構築材料源1510は、例えば、上述した装具本体102のポリマー材料のうちの少なくとも1つなどの、少なくとも1つのポリマー材料の供給源を含む。歯科装具1522は、取り外し可能な歯科装具100、200、300、400、500、600、700、又は800のうちの少なくとも1つと同じ又は実質的に同様であってもよい。いくつかの実施例では、歯科装具1522は、歯科装具22のセットの1つの歯科装具を含む。
積層造形製造システム1502は、可動プラットフォーム1508及び押出ヘッド1506を含む。可動プラットフォーム1508及び押出ヘッド1506は、歯科装具1522を製造するように構成される。例えば、コンピュータ1504は、押出ヘッド1506及び可動プラットフォーム1508を制御して、取り外し可能な歯科装具1522を製造する。コンピュータ1504によって押出ヘッド1506を制御することは、構築材料源1510から押出ヘッド1506への材料供給速度を制御すること、歯科装具1522上の構築材料の堆積速度を制御すること、押出ヘッド1506の温度を制御すること、及び押出ヘッド1506の位置を制御すること、のうちの少なくとも1つを含むことができる。材料供給速度、材料堆積速度、押出ヘッド1506の温度、及び押出ヘッド1510の位置のうちの少なくとも1つを制御することにより、コンピュータ1504は、歯科装具1522の少なくとも一部の位置、寸法、及び形状の製造を制御することができる。コンピュータ1504によって可動プラットフォーム1508を制御することは、押出ヘッド1506からの材料堆積の方向に垂直な平面内の可動プラットフォームの並進を制御すること、及び押出ヘッド1506からの材料堆積の方向と実質的に平行な軸に沿った可動プラットフォームの高度を制御することのうちの少なくとも1つを含むことができる。可動プラットフォーム1508の並進及び上昇のうちの少なくとも1つを制御することにより、コンピュータ1504は、歯科装具1522の少なくとも一部の位置、寸法、及び形状の製造を制御することができる。
図12は、熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling、FDM)用に構成されたコンピュータ支援製造システム1500を示しているが、コンピュータ支援製造システム1500はまた、光造形法(stereolithography、SLA)、逆槽重合積層造形製造、インクジェット/ポリジェット積層造形製造、又は積層造形製造の他の方法のために構成されてもよい。コンピュータ支援製造システム1500がポリジェット印刷用に構成される実施例では、コンピュータ支援製造システム1500は、単一の印刷で複数の材料を印刷するように構成され、これにより、歯科装具1522の剛性構成要素(例えば、シェル)のための高弾性率材料、及び歯科装具1522のより剛性の低い構成要素(例えば、屈曲可能なフラップ及び/又は円弧状部材)のための低弾性率材料又はエラストマー材料を可能にすることができる。更に、ポリジェット付加製造では、弾性率は、歯科装具1522にわたって選択的に変更することができ、例えば、シェル、屈曲可能なフラップ及び/又は円弧状部材の異なる部分、又はシェルの異なる部分に使用される弾性率とは異なる弾性率を屈曲可能なフラップ及び/又は円弧状部材に使用することができる。同様に、個々の歯を再配置するために使用されるシェルに使用される弾性率とは異なる弾性率が固定シェルに使用されてもよい。
加えて、又は代わりに、歯科装具を製造することは、熱成形、及び多軸ロボット又はCNC機械によって制御されたフェムト秒レーザを使用して、スロット、ヒンジ、及びばね機構を形成するための材料を切り取ることを含むことができる。いくつかの実施例では、切断深さは、例えば、より可撓性の高いヒンジ軸を形成するか、又はばね要素の可撓性を高めるために、特定の領域の材料を選択的に除去し、装具の厚さを低減するように制御されてもよい。
加えて、又は代わりに、歯科装具の製造は、装具全体でない場合には装具の少なくとも一部を、装具を固体ブロックからミリング加工するか、ないしは別の方法で機械加工することによって形成することを含んでもよい。
加えて、又は代わりに、歯科装具の製造は、特に、様々な厚さの補強材が必要とされる場合、装具本体を熱成形することと、多軸ロボットを使用して、加熱された押出ノズルを介して、熱い熱可塑性材料を、さもなければ均一な厚さとなる装具上に分注することと、を含んでもよい。このことは、より厚い領域の構造を作り出すように機能することができる。同様に、光硬化性樹脂が表面に分注され、分配直後、又は全ての特徴部が敷設された後のいずれかで光硬化されてもよい。
加えて、又は代わりに、歯科装具の製造は、屈曲可能なフラップ及び/又は円弧状部材の事前作製を含んでもよい。事前に作製された屈曲可能なフラップ及び/又は円弧状部材は、ステンレス鋼、チタン、又はニッケルチタン(NiTi)などの材料を含み、熱成形又は3D印刷などの他の手段によって形成される装具本体に接合又は締結されてもよい。このアプローチの利点は、より小さい構造でより大きな力送達を可能にすることである。そのような場合、コンピューティングデバイスが使用されて、予め製造されたフラップの個別のセットの中から、所定の移動を達成するために必要な力及び偏向基準を満たすものを選択し、各歯上に配置するための最良の位置を判定する。
図13は、取り外し可能な歯科装具22のセットの構築のために製造施設20において行われるプロセス1600を示すフロー図である。いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具22のセットは、取り外し可能な歯科装具100、200、300、400、500、600、700、又は800のうちの少なくとも1つを含むことができ、コンピュータ80は、製造施設20において、患者の1つ以上の歯の初期位置と処方データ18とを含むデジタル歯科構造データ16を診療所14から受信する(1602)。あるいは、コンピュータ80は、コンピュータ80内にある、又はそうでなければコンピュータ80によってアクセス可能なデータベースから、情報を取り出すことができる。診療所14がまだ行っていない場合には、コンピュータ80に関わる訓練されたユーザがコンピュータ80上で実行されるコンピュータ化モデリング環境と対話し、患者の歯構造のデジタル表現に対し治療計画を策定し、処方データ18を生成してもよい。他の実施例では、コンピュータ80は、患者の歯構造及び既定の設計制約のみに基づき治療計画を自動的に策定してもよい。
コンピュータ80が患者の歯構造を受信すると、コンピュータ80は、患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定する(1604)。取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに患者の1つ以上の歯をそれらの初期位置から所望の位置へと再配置するように構成される。同じ又は更なる実施例では、コンピュータ80は、順次装着されるように構成された患者の取り外し可能な歯科装具22のセットの寸法及び形状を決定する。
いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定することは、コンピュータ80によって、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を既定の設計制約のセットに従って選択することを含む。予め設計された設計制約のセットは、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着され、かつ取り囲まれた歯がそれらの初期位置にあるときに、取り囲まれた歯のうちの1つ以上に加えられる最小及び最大局所力のうちの少なくとも1つ、取り囲まれた歯のうちの1つ以上に加えられる最小及び最大回転力のうちの少なくとも1つ、取り囲まれた歯のうちの1つ以上に加えられる最小及び最大並進力のうちの少なくとも1つ、取り囲まれた歯のうちの1つ以上に加えられる最小及び最大総力のうちの少なくとも1つ、並びに取り外し可能な歯科装具に加えられる最小及び最大応力又は歪みのうちの少なくとも1つを含む1つ以上の因子を含んでもよいが、これらに限定されない。
取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状の決定時、コンピュータ80は、有限要素法(finite element analysis、FEA)技術を用いて、患者の歯及び取り外し可能な歯科装具にかかる力を分析してもよい。例えば、コンピュータ80は、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットを含む治療を示す、モデル化された歯がそれらの初期位置からそれらの最終位置へと移動する際の患者の歯のソリッドモデルにFEAを適用してもよい。コンピュータ80は、歯に所望の力を加えるための適切な取り外し可能な歯科装具を選択するために、FEAを使用してもよい。加えて、コンピュータ80は、治療中のモデル化された歯の移動全体を通した歯同士の間の接触点を決定するために、仮想咬合器を使用してもよい。コンピュータ80は、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の歯科装具の設計時、FEA力分析において、取り外し可能な歯科装具からの力と併せて、咬頭嵌合力などの咬合接触力を更に含んでもよい。コンピュータ80は、力の印加を最適化し、治療時間を短縮し、患者の快適性を改善するなどのために、歯が移動されることになる順序を更に決定することができる。
いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具(例えば、取り外し可能な歯科装具100、200、300、400、500、600、700、又は800)の寸法及び形状を決定することは、コンピュータ80を用いて、取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されたときに、患者の1つ以上の歯を初期位置から最終位置に再配置するのに好適な剛性を提供する、装具本体(例えば、装具本体102、202、302、402、502、602、702、及び802)、複数のシェル(例えば、シェル104、204、304、404、504、604、704、又は804)、屈曲可能なフラップ(例えば、屈曲可能なフラップ108C、208、308、408、508、608、708、又は808)、少なくとも1つのブリッジ(例えば、ブリッジ109C、209、309、310、409、509、609、709、又は809)、任意選択の補強構造体などのうちの少なくとも1つの厚さを選択することを含む。いくつかの実施例では、選択された厚さは、約0.2~約1.0ミリメートル、又は約0.3~約0.75ミリメートルなどの、約0.10ミリメートル~約2.0ミリメートルの範囲であってもよい。いくつかの実施例では、コンピュータ80は、既定の設計制約に従って取り外し可能な歯科装具の材料を更に選択してもよい。
患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、コンピュータ80の82のユーザインターフェースを介してユーザに提示されてもよい(1606)。取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状が82のユーザインターフェースを介してユーザに提示される例では、ユーザは、設計データがコンピュータ支援製造システム84に送られる前に、設計制約を調整する又は取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を直接調整する機会を有してもよい。いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状は、取り外し可能な歯科装具がコンピュータ支援製造システム84によって製造される際に、コンピュータ80によって直接ユーザに提示されてもよい。例えば、コンピュータ80は、取り外し可能な歯科装具のデジタルモデルをコンピュータ支援製造システム84に送ることができ、コンピュータ支援製造システム84は、取り外し可能な歯科装具をコンピュータ80からのデジタルモデルに従って製造する。
しかしながら、患者の取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状がコンピュータ80の82のユーザインターフェースを介してユーザに提示することができる実施例においても、ユーザの承認後、コンピュータ80は、取り外し可能な歯科装具のデジタルモデルをコンピュータ支援製造システム84に送り(1608)、コンピュータ支援製造システム84は、取り外し可能な歯科装具をコンピュータ80からのデジタルモデルに従い製造する(1610)。
いくつかの実施例では、コンピュータ支援製造システム84は、3Dプリンタを含んでもよい。装具本体(例えば、装具本体102、202、302、402、502、602、702、802、902、1002、及び1102)を形成することは、複数のシェル(例えば、シェル104、204、304、404、504、604、704、又は804)、屈曲可能なフラップ(例えば、屈曲可能なフラップ108C、208、308、408、508、608、708、又は808)、少なくとも1つのブリッジ(例えば、ブリッジ109C、209、309、310、409、509、609、709、又は809)、任意選択の補強構造体などのうちの少なくとも1つの表面を、3Dプリンタを用いて印刷することを含み得る。他の実施例では、装具本体を形成することは、複数のシェル、少なくとも1つの屈曲可能なフラップ、少なくとも1つの円弧状部材、少なくとも1つの補強構造体などを形成するために、患者の歯(例えば、歯103)の表現を3Dプリンタで印刷することと、患者の歯の表現の上に装具本体を熱成形することと、余分な材料をトリミングすること(任意選択的に、エンドミルやレーザカッターなどのCNC又はロボット機械によって自動化される)とを含んでもよい。患者の歯の表現は、熱成形及びトリミングされた装具本体内に、複数のシェル、少なくとも1つの屈曲可能なフラップ、少なくとも1つの円弧状部材、少なくとも1つの補強構造体などのうちの少なくとも1つを形成するのを容易にする隆起面を含んでもよい。
図13の技術は、順序付けられた取り外し可能な歯科装具22のセットのそれぞれの設計及び製造に適用してもよい。例えば、順序付けられた取り外し可能な歯科装具22のセット内の各取り外し可能な歯科装具は、患者の歯を段階的に再配置するように構成されてもよい。このようにして、順序付けられた取り外し可能な歯科装具22のセットは、取り外し可能な歯科装具22のセット内の取り外し可能な歯科装具のいずれか1つよりも大きな程度まで患者の歯を再配置するように構成されてもよい。そのような順序付けられた取り外し可能な歯科装具22のセットは、患者用の順序付けられた取り外し可能な歯科装具22のセットの取り外し可能な歯科装具が患者によって順次装着されるにつれて、患者の1つ以上の歯をそれらの初期位置から所望の位置に段階的に再配置するように特別に構成されてもよい。
いくつかの実施例では、図13に関し記載した技術を、コンピュータ50、コンピュータ80、又は両方のコンピュータ可読記憶媒体などの、コンピュータ可読記憶媒体内で具現化してもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、実行されると、図13に関して記載された技術を実行するようにプロセッサを構成する、コンピュータ実行可能命令を記憶することができる。
取り外し可能な歯科装具22のセットの設計後、製造施設20は、取り外し可能な歯科装具22のセットをデジタル歯科構造データ16及び処方データ18に従い作製する(1610)。取り外し可能な歯科装具22の構築には、3D印刷、熱成形、射出成形、ロストワックス鋳造、5軸ミリング加工、レーザ切削加工、スナップ嵌合及びオーバーモールドなどのハイブリッド式プラスチック及び金属製造技術、並びに他の製造技術を含んでもよい。
図14は、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットを使用した治療の連続的な繰り返しを示すフロー図1700である。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットは、患者の1つ以上の歯を再配置するように構成される。いくつかの実施例では、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットは、取り外し可能な歯科装具100、200、300、400、500、600、700、又は800のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
治療は、治療の第1の繰り返しから開始する(1702)。治療の第1の繰り返しの開始時、患者の歯は、隔離状態(detention state)Xによって示されるような患者の歯の初期位置にある(1704)。順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットの設計を容易にするために、患者の歯の走査が、例えば、図18に関して上記したように行われる(1706)。患者の歯の走査から、コンピュータ、例えばコンピュータ50は、例えば、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具のための異なる2つの形状及び寸法である第1のセットアップX1708A及び第2のセットアップX1708Bのうちの少なくとも1つを決定する。患者の歯のデジタルモデルを作成するための例示的な技術は、参照により全文が本明細書に組み込まれる、Cinadarらの米国特許第8,738,165号に記載されている。コンピュータは、患者の歯のデジタルモデルを最初に調整して、治療後の患者の歯の所望の位置のモデルを作成することによって、第1のセットアップX1708A及び第2のセットアップX1708Bを決定してもよい。その後、コンピュータは、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具の形状及び寸法を、患者の歯を初期位置から所望の位置に移動させるために必要な時間及び力に基づき作成してもよい。例えば、コンピュータモデルは、初期位置から所望の位置へ患者の歯を動かすのに必要な力を生じさせるために、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具の複数のシェル、少なくとも1つの屈曲可能なフラップ、少なくとも1つの補強構造体などのうちの少なくとも1つの厚さ、位置、形状、及び寸法を調節してもよい。順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具によって加えられるモデル化された力は、更に、治療中の患者の歯の段階的位置移動に基づいてもよい。このようにして、コンピュータは、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具が患者によって装着されることになる治療時に歯の予想位置で歯に加えられる予想される力に従って、順序付けられたセット内の取り外し可能な歯科装具のそれぞれを設計してもよい。
いくつかの実施例では、取り外し可能な歯科装具のセット内の少なくとも1つ、例えば3つの異なる取り外し可能な歯科装具は、第1のセットアップX1708A及び第2のセットアップX1708Bのそれぞれを用いて製造して、取り外し可能な歯科装具のセット内の少なくとも2つ、例えば6つの取り外し可能な歯科装具を製造することができる。例えば、第1のセットアップX1708Aを使用して、第1の取り外し可能な歯科装具(RDA)Xa,SOFT1710A、第2のRDA Xa,MEDIUM1710B、及び第3のRDA Xa,HARD1710Cを製造し、第2のセットアップX1708Bを使用して、第4のRDA Xb,SOFT1710D、第5のRDA Xb,MEDIUM1710E、及び第6のRDA Xb,HARD1710Fを製造することができる。第1、第2、及び第3のRDA1710A~1710Cは、実質的に同じ形状及び寸法であってもよいが、異なる剛性特性を有する材料を含んでもよい。例えば、第2のRDA1710B及び第3のRDA1710Cは、第1のRDA1710Aよりも高い剛性特性を有してもよく、第3のRDA1710Cは、第2のRDA1710Bよりも高い剛性特性を有し得る。同様に、第4、第5、及び第6のRDA1710D~1710Fは、実質的に同じ形状及び寸法であってもよいが、異なる剛性特性を有する材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1のRDA1710Aは、比較的軟質のポリマー材料などの、第4のRDA1710Dと同じ剛性特性を有してもよい。同様に、第2のRDA1710Bは、第1のRDA1710Aよりも比較的剛性の高いポリマー材料などの、第5のRDA1710Eと同じ剛性特性を有してもよい。同様に、第3のRDA1710Cは、第2のRDA1710Bよりも比較的剛性の高いポリマー材料などの、第6のRDA1710Fと同じ剛性特性を有してもよい。
順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内のRDA1710A~1710Fは、患者により長期間にわたって順次装着されてもよい。例えば、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内のRDA1710A~1710Fのそれぞれは、約2週間~約4週間、又は約3週間など、約1週間~約6週間装着されてもよい。取り外し可能な歯科装具1710A~1710Fを使用した治療計画の後、患者の歯は、隔離状態X+1によって示されるような、治療の第1の繰り返しにおける歯の最終位置にあってもよい(1712)。
患者の歯が歯列状態X+1に又はその付近にあると、患者は、臨床医の元に戻ってもよく、臨床医は、治療の第1の繰り返しの結果を評価してもよい(1714)。治療の第1の繰り返しが、患者の歯の許容可能な最終位置をもたらした場合、治療は、終了することができる(1716)。しかしながら、治療の第1の繰り返しによって、患者の歯の許容可能な最終位置がもたらされなかった場合、1回以上の追加の治療の繰り返しを実施してもよい。治療の次の繰り返しを開始するために、臨床医は、患者の歯の走査をもう一度行って、その後の順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットの設計を容易にすることができる(1706)。いくつかの実施例では、治療の第1の繰り返しの結果の評価には、患者の歯の走査をもう一度行うことを含んでもよく、この場合、治療の次の繰り返しを開始することには、患者の順序付けられた取り外し可能な歯科装具の別のセットが患者の歯の新たな位置に基づき製造することができるように、患者の歯のデジタルモデルを製造施設に送ることを単に含んでもよい。更に別の例では、新たに取得した走査を用いて、取り外し可能な歯科装具の1回以上の繰り返しを、臨床医の施設において作成してもよい。
図14の技術は、1つの特定の実施例を示すものであり、図14の技術に本開示の趣旨の範囲内において種々の改良を施してもよい。例えば、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセットは、6つよりも多い又は少ない取り外し可能な歯科装具を含んでもよい。別の例として、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の各取り外し可能な歯科装具は、固有の形状及び寸法を有してもよく、順序付けられた取り外し可能な歯科装具のセット内の各取り外し可能な歯科装具は、実質的に同じ又は同様な剛性特性を有する材料で作製されてもよい。
様々な実施例について説明してきた。これら及び他の実施例は、以下の特許請求の範囲内である。

Claims (24)

  1. 取り外し可能な歯科装具であって、
    患者の複数の歯を少なくとも部分的に囲むように構成された装具本体であって、初期位置において前記複数の歯のうちのある歯を受け入れるように構成されたシェルを画定する、装具本体と、
    少なくともブリッジによって前記装具本体に繋がれたフラップであって、前記フラップが、前記フラップの外周の周りに延びるフラップ境界領域を画定し、前記ブリッジが、前記境界領域において、又は前記境界領域に隣接して前記本体と前記フラップとの間に延びる、フラップと、を備え、
    前記フラップ及び前記ブリッジが、前記取り外し可能な歯科装具が前記患者によって装着されたときに、前記歯を所望の位置及び配向に向かって移動させるために、前記歯に力を加えるように構成されている、取り外し可能な歯科装具。
  2. 前記フラップが、前記装具本体と一体的に形成されてヒンジから延び、前記フラップが、前記ヒンジによって画定される軸を中心に屈曲可能である、請求項1に記載の取り外し可能な歯科装具。
  3. 前記ブリッジが円弧状部材であり、前記シェルの平面から離れて延びるスプリングベローズを備える、請求項1又は2に記載の取り外し可能な歯科装具。
  4. 前記取り外し可能な歯科装具が、前記患者によって装着されたときに、前記少なくとも1つのスプリングベローズに歪みを集中させる、又は前記シェルの変形を低減する、のうちの少なくとも一方を達成するように、前記スプリングベローズの厚さが、前記シェルの厚さよりも薄い、請求項3に記載の取り外し可能な歯科装具。
  5. 前記スプリングベローズの厚さが、前記フラップ境界領域に沿って変化する、請求項3に記載の取り外し可能な歯科装具。
  6. 前記スプリングベローズが、剪断低減領域を画定する、請求項3~5のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  7. 前記スプリングが、複数のスプリングベローズを含み、前記複数のスプリングベローズの各それぞれのスプリングベローズが、前記フラップ境界領域のそれぞれの部分に沿って配置されている、請求項3~6のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  8. 前記スプリングベローズが、円弧形状、ジグザグ形状、正弦波形状、パルス波形状、又は蛇行形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項3~7のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  9. 前記フラップが、前記ブリッジを介してのみ前記装具本体に繋がれている、請求項1~8のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  10. 前記スプリングベローズが、前記境界領域の全体に沿って連続的に延びる、請求項3~9のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  11. ブリッジが、前記本体に連結された第1の端部と前記フラップに連結された第2の端部との間に延びる細長い構造体を備えるジャンパーを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  12. 前記ジャンパーが、前記ジャンパーの前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる円弧形状、ジグザグ形状、正弦波形状、渦巻形状、螺旋形状、又は蛇行形状のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の取り外し可能な歯科装具。
  13. 前記ジャンパーが、前記ジャンパーの前記細長い構造体の長手方向軸に垂直な平面内に断面を画定し、前記断面の前記形状、面積、又はアスペクト比が、前記長手方向軸に沿って変化する、請求項11又は12に記載の取り外し可能な歯科装具。
  14. 前記ジャンパーが、前記取り外し可能な歯科装具が前記患者によって装着されたときに曲げ応力又は捻れ応力下にある、請求項11~13のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  15. 前記取り外し可能な歯科装具が、前記患者によって装着されたときに、前記シェルの変形を低減する、又は前記ジャンパーに応力を集中させる、のうちの少なくとも一方を達成するために、前記ジャンパーが前記シェルよりも可撓性が高い、請求項11~14のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  16. 前記ジャンパーが複数のジャンパーを含み、前記複数のジャンパーのうちの各それぞれのジャンパーが、前記シェル上のそれぞれの位置に連結されたそれぞれの第1の端部と、前記フラップ上のそれぞれの位置に連結されたそれぞれの第2の端部との間に延びるそれぞれの細長い構造体を備える、請求項11~15のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  17. 前記シェルが、前記シェルの内部に空隙を画定し、前記所望の位置に前記歯を受け入れるように成形された内表面を含み、
    前記フラップ及び前記ブリッジが、前記空隙とは反対側の前記歯の側に力を加えて、前記歯を前記空隙に向かって移動させるように構成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  18. 前記シェルの前記内表面が、前記空隙の第2の部分を更に画定し、前記取り外し可能な歯科装具が、前記装具本体に繋がれた第2のフラップを更に備え、前記第2のフラップが、前記フラップの外周を少なくとも部分的に囲む第2の境界領域を画定し、前記第2の境界領域が第2のブリッジを備え、前記第2のフラップ及び前記第2のブリッジが、前記空隙の前記第2の部分とは反対側の前記歯の第2の側に第2の力を加えて、前記空隙の前記第2の部分に向かって前記歯を移動させるように構成されている、請求項17に記載の取り外し可能な歯科装具。
  19. 前記フラップの静止位置が、前記歯の前記所望の位置で前記歯によって画定された空間内に侵入し、
    前記フラップは、前記取り外し可能な歯科装具が前記患者によって装着されたときに前記力を引き起こすように変形位置に変位させられる、請求項1~18のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  20. 前記フラップが、少なくとも2つの別個のフラップ部分を含み、前記フラップ部分が、互いに独立して移動することができる、請求項1~19のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  21. 前記装具本体が、一体型生体適合性ポリマー材料を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  22. 前記フラップが、螺旋状構成を画定する複数の境界領域を画定し、前記フラップが複数のフラップを含み、前記複数の屈曲可能なフラップが、螺旋状構成を画定する複数の境界領域を画定する、請求項1~21のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具。
  23. 方法であって、
    患者の歯科構造のモデルを形成することと、
    前記モデルに基づいて、実施形態1~22のいずれか一項に記載の取り外し可能な歯科装具を含む取り外し可能な歯科装具を形成することと、を含む、方法。
  24. 方法であって、
    コンピューティングデバイスによって、患者の3次元(3D)歯科構造のデジタル表現を受信することであって、前記歯科構造が前記患者の複数の歯の初期位置を提供する、受信することと、
    前記コンピューティングデバイスによって、請求項1~22のいずれか一項に記載の前記取り外し可能な歯科装具を含む取り外し可能な歯科装具の寸法及び形状を決定することであって、
    前記寸法及び形状が、前記取り外し可能な歯科装具が前記患者によって装着されたときに前記患者の前記1つ以上の歯を初期位置から所望の位置へと再配置するように構成され、前記寸法及び形状が、
    前記シェルの位置、寸法、及び形状と、
    前記フラップの位置、寸法、及び形状と、
    前記ブリッジの位置、寸法、及び形状と、
    を含む、決定することと、
    前記コンピューティングデバイスによって、前記取り外し可能な歯科装具の表現をコンピュータ支援製造システムに送信することと、を含む、方法。
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