JP2022527054A - 吸入可能な乾燥粉末 - Google Patents

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Abstract

本開示は、カンナビノイドを含む吸入可能な乾燥粉末組成物に関する。特にこの製剤は、医薬として肺深部に送達するために、単回使用用又は交換可能なカートリッジを備える複数回使用用乾燥粉末吸入器と共に使用することが意図されている。吸入可能な乾燥粉末は、疼痛を含む疾患及び障害の治療に有用である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月22日に出願された米国仮特許出願第62/822,303号明細書の優先権を主張するものであり、当該明細書の開示全体を参照することにより本明細書に援用する。
本開示は、カンナビノイドを含む吸入可能な乾燥粉末製剤及びその使用方法に関する。特に、この製剤は、医薬として肺深部へ送達させるために、交換可能なカートリッジ又はカプセルと一緒に使用される単回又は複数回使用用乾燥粉末吸入器と一緒に使用することが意図されている。
肺組織への薬物送達は、局所疾患又は障害を治療するための定量吸入器や乾燥粉末吸入器等の噴霧器及び吸入器をはじめとする様々な吸入器具を用いて達成されてきた。肺に医薬を送達するために使用される乾燥粉末吸入器は、粉末製剤の投薬機構を含み、この粉末製剤は、通常、バルクで供給されるか、又は個々の用量に計量されて硬ゼラチンカプセル/カートリッジ若しくはブリスターパック等の単位用量区画に収容されているかのいずれかである。バルクの容器には、吸入直前に患者が操作することによってこの粉末から単回用量を分離するための計量機構が設けられている。
投薬再現性のある吸入器を得るためには、薬物の配合が均一であることと、対象に送達される用量が一貫しており、且つ再現性のある結果をもたらすこととが必要である。したがって、理想的には、投薬機構は、患者が自身に投薬する際に吸入操作を行う間に全ての製剤を効果的に完全に排出するように動作することが必要である。一方、再現性のある投薬を達成できるのであれば、吸入器から粉末を完全に排出することは要求されない。この点に関しては、粉末製剤をバルクの容器で用いる場合、別個の単位用量区画を用いる場合と比較して、流動性並びに物理的及び機械的な長期安定性がより重要となる。ブリスター等の単位用量区画であれば、十分な防湿をより容易に達成することができる。しかし、ブリスターを製造するために使用される材料に起因して、薬物区画に空気が入り込むことが可能になり、その後、製剤を長期間保管すると、特に、送達すべき製剤が吸湿性である場合は、実用性(viability)が失われてしまう。ブリスターに入り込む環境大気は湿気を運び、有効成分の安定性を失わせる。このことに加えて、吸入により医薬を送達するためにブリスターを使用する乾燥粉末吸入器は、ブリスターのフィルムに穴を開けたりフィルムを剥がしたりすることにより生じる空気導管構造の形状がばらつくため、肺に送達される用量が一定にならないという難点が生じる可能性がある。
乾燥粉末吸入器は、呼吸作動式(breath activated)又は呼吸駆動式(breath-powered)とすることができ、担体中の薬物粒子を空気流に同伴する微細な乾燥粉末に変換し、これを患者に吸入させることによって送達することができる。したがって、肺及び体循環への効率的な薬物送達は、製剤がエアロゾル化された粒子を生成する品質、送達される薬剤の種類、及び使用される送達機構にも一部依存する。全身用薬剤を肺に送達することの利点としては、表面積が広いこと及び肺の粘膜表面に吸収され易いことが挙げられる。
経肺薬物送達機構の使用には多くの難点がある。例えば、一部の器具は噴射剤を使用しており、これは使用者及び送達すべき化合物に有害作用をもたらす可能性があり、活性薬剤(これらに限定されるものではないが、小分子や、タンパク質、ペプチド等の生物学的薬剤等)をエアロゾル化すると、その活性が変性する可能性があり、また、この器具は、エアロゾル化の際に薬剤/製剤を過剰に損失させる可能性がある。このような形態の経肺薬物送達の全てに伴う他の問題の1つが、薬物を気管の内側を覆う繊毛等の自然のバリアを全て通過させようとする際の問題並びに薬物を均一な体積及び重量で投与しようとする際の問題に起因して、肺に薬物を送達することが困難になることである。したがって、薬物の経肺送達において、特に、好適な吸入可能な製剤及び効果的な送達機構の開発に関しては改良の余地がある。
より最近になって、カンナビノイドには、健康への多くの有益な効果及び医薬用途があることが見出された。例えば、最近になって、食品医薬品局(FDA)は、ドラベ症候群(乳児の重度のミオクローヌス性てんかん)及びレノックス・ガストー症候群(LGS、幼児期に発症する重度のてんかん)の発作の治療用として、既に複数のてんかん薬物治療に失敗している患者に対し経口用カンナビノイド液剤;Epidiolex(登録商標)を承認した。カプセルに収容された油状樹脂であるマリノール(Marinol)(ドロナビノール)は、がん治療に使用される化学療法剤に伴う悪心及び嘔吐を抑えるための制吐剤として、及び食欲不振が誘発されたAIDS患者の食欲を刺激する目的で使用されている。セサメット(Cesamet)(ナビロン)も、経口用カプセルで提供される合成カンナビノイドであり、がん治療に使用される化学療法剤により引き起こされる悪心及び嘔吐を抑えるために使用されている。経口的に送達されるカプセル剤及び液剤を用いた悪心及び嘔吐の抑制ではこれらの症状を有効に治療できないことがある。
したがって、このような状態及び他の多くの状態を治療するため、並びにこの種の薬物の投薬を容易にするために、カンナビノイドの一貫性及び再現性のある送達を達成することを目的として、新規な製剤又は組成物及び新規な投与経路を開発する必要がある。したがって本発明者らは、他と明確に異なる効率的な乾燥粉末吸入器を用いてカンナビノイドを一定の有効な用量で送達する、吸入用カンナビノイド組成物を設計及び製造する必要性を確認した。
概要
本開示は、がん、てんかん、摂食障害を含む疾患、障害、及び状態、並びに疾患の治療に付随する悪心や嘔吐等の症状を治療するための、治療有効量の大麻由来分子又はカンナビノイドを含む経肺送達用乾燥粉末組成物に関する。
特定の実施形態において、組成物は、合成カンナビノイド、天然に存在するカンナビノイド、及び/又は抽出されたカンナビノイドと、経肺送達に好適な1種又は複数種の医薬的に許容される担体及び/若しくは医薬的に許容される賦形剤とを含む。幾つかの実施形態において、カンナビノイド分子は、天然に存在する抽出されたカンナビノイド又は合成カンナビノイドを含むことができ、これらに限定されるものではないが、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、及びカンナビノール、並びにこれらの誘導体、並びにこれらの組合せが挙げられる。
特定の実施形態において、医薬的に許容される担体としては、フマリルジケトピペラジン等のジケトピペラジン;1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)及び1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)等のリン脂質等の脂肪親和性化合物;マンニトール、ラクトース、及びキシリトールを含む糖類;ホスフェート、サイトレート、及びタータレート等の緩衝剤、並びに同種のものが挙げられる。一実施形態において、組成物に添加されるリン脂質の含有量は、使用されるリン脂質の種類に依存する。一実施形態において、添加されるリン脂質の量は、組成物の40%(w/w)までとすることができる。
一実施形態において、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)ジケトピペラジン等のジケトピペラジンの微結晶粒子及び活性薬剤を含む乾燥粉末医薬組成物であって、微結晶粒子微結晶粒子の平均細孔径が約23nm~約26.2nmである組成物が提供される。一実施形態において、乾燥粉末医薬組成物は、表面積が約59m/g~約63m/gの範囲にある微結晶粒子を含む。
幾つかの実施形態において、乾燥粉末医薬組成物は、微結晶粒子を含み、微結晶粒子の細孔特性は、平均細孔容積が約0.43cm/gであり、平均細孔径が23nm~約28nmである。
これに関連する他の実施形態において、気道及び肺に送達するための乾燥粉末組成物は、例えば、カンナビノイドと、自己集合性結晶形態、非晶性粉末組成物形態、及び/若しくは懸濁液中で自己集合しないジケトピペラジンの微結晶を含む微結晶性粉末形態にあるか若しくはこれらの組合せ並びに/又は結晶複合体乾燥粉末であるジケトピペラジンと、カンナビノイド活性薬剤とを含む、経肺送達用薬物製剤が挙げられる。代替的な実施形態において、乾燥粉末は、ジケトピペラジン以外の他の担体及び/若しくは賦形剤又はジケトピペラジンとの組合せ、例えば、モニト(monito)、キシリトール、トレハロース等の糖類及びカンナビノイド活性薬剤を更に含む組成物に製剤化することができる。
特定の実施形態において、乾燥粉末組成物は、単回使用用の個人用吸入器内で提供される。カンナビノイド組成物はまた、複数回使用用吸入器と一緒に使用するための交換可能な単回使用カートリッジ又はカプセル内で提供することもできる。カートリッジ及びカプセルは、吸入用乾燥粉末を含む。乾燥粉末は、肺循環に流入させる局所及び/又は全身送達用とすることができる。
一実施形態において、乾燥粉末吸入器は、小型の再使用可能な又は使い捨ての呼吸駆動式吸入器とすることができ、様々な形状及びサイズを有し、粉末医薬を肺及び体循環に有効且つ迅速に送達するための気流導管経路系統を含む。一部の実施形態において、乾燥粉末吸入器は、単回使用用粉末医薬を保持するための容器を備えている。他の実施形態において、複数回使用用吸入器は、交換可能な容器及び/又はカートリッジを備えることができる。これらの実施形態において、乾燥粉末吸入器は、使用時の吸入中における気流抵抗値が約0.05~約0.25(√kPa)/リットル毎分発生するように構成されている。この実施形態及び他の実施形態において、乾燥粉末吸入器は、乾燥粉末の用量を有効に送達するために、少なくとも2kPa、好ましくは2kPa~約8kPaの圧力差を発生させることができる。
他の実施形態において、呼吸駆動式乾燥粉末吸入器と、気道及び肺に送達させるための乾燥粉末カンナビノイド医薬等の乾燥粉末を収容したカートリッジ又はカプセルとを含む吸入機構が提供され、この医薬は、例えば、結晶が懸濁液中で自己集合して粒子を形成する結晶形態、非晶質形態、及び/若しくは結晶が懸濁液中で自己集合しない結晶複合体粉末を含む微結晶形態にあるか、又はこれらの組合せであるジケトピペラジンと、活性薬剤とを含む組成物等の、経肺送達用薬物製剤を含むことができる。代替的な実施形態において、乾燥粉末は、任意に、更にジケトピペラジン以外の他の担体及び/又は賦形剤、例えば、マンニトール、ラクトース、トレハロース、ソルビトール、キシリトール等の糖類と、活性薬剤とを含むことができる。幾つかの実施形態において、吸入機構に使用するための乾燥粉末組成物は、式3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジンであるジケトピペラジンを含む。
ある実施形態において、組成物は、天然の原料から抽出された又は合成的に製造されたカンナビノイドを含むことができ、組成物の総重量の約0.1%(w/w)~約50%又はそれを超えて含むことができる。幾つかの実施形態において、組成物は、カンナビノイドを組成物の総重量の約0.1%~約10%、約0.5%~約20%、約0.5%~約50%、又は約1%~約75%含むことができる。
一実施形態において、ジケトピペラジン結晶粒子を水性懸濁液中で析出させることと;析出物中の結晶粒子を、例えば、タンジェンシャルフロー濾過を用いて洗浄することと;カンナビノイドをエタノール溶液中で添加することと;任意に、溶液を濾過又は脱ろう処理することと;脂肪酸層を除去することと;リン脂質をジケトピペラジング(diketopiperazing)粒子を含む懸濁液に添加することと;懸濁液を噴霧乾燥させることによりバルクのカンナビノイド粉末を生成することと;を含む、カンナビノイド組成物を製造する方法。
特定の実施形態において、吸入機構は、例えば、医薬の局所又は全身送達を必要とする状態を治療するための方法、例えば、疾患及び障害、例えば、がん、緑内障、HIV/AIDS、筋攣縮発作、激痛、重度の悪心、悪液質又は著しい体重減少、筋萎縮等の疾患及び状態を治療するための方法に使用することができる。幾つかの実施形態において、方法は、治療を必要とする対象に、ジケトピペラジン及びカンナビノイドを含む組成物を有効量含む吸入器を施すことと、患者に少なくとも1回、前記吸入器を介して少なくとも1~6秒間吸入させることとを含み、この吸入器は、吸入を行うため及び対象自身の呼吸を使用するための投薬配置にある容器、カートリッジ、又はカプセルを備えることができる。
一実施形態において、カンナビノイド及びジケトピペラジンを含む用量は、高抵抗吸入器内に、粉末を約1mg~約20mg又は粉末を約1mg~約10mg含むことができる。一実施形態において、カンナビノイド組成物は、肺送達用粉末内容物を少なくとも0.1mg又は少なくとも0.5mg含む。
一部の実施形態において、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジンの微結晶粒子及びカンナビノイドを含む乾燥粉末医薬組成物を含む乾燥粉末吸入器を備える乾燥粉末薬物送達機構が提供され、カンナビノイドの量は、組成物の総重量の1%~40%(w/w)であり、BJH吸着により測定された微結晶粒子の平均細孔容積は約0.43cm/gであり、平均細孔径は約23.8nm~26.2nmの範囲にある。
一実施形態において、乾燥粉末吸入機構は、特定の疾患又は障害を治療するための組成物を含む吸入器等、吸入機構の各部品を少なくとも1つ含む、キットを備える。
ある実施形態において、患者の慢性疼痛を含む疼痛を治療するための方法が提供され、前記方法は:前記患者に、乾燥粉末吸入器と、ジケトピペラジン及びカンナビノイドを含む医薬的乾燥粉末組成物と、を含む吸入機構を提供することと、前記患者に前記乾燥粉末吸入器から前記乾燥粉末組成物を深く吸入させることにより前記患者に投与することと、を含む。
代替的な実施形態において、この吸入機構は、乾燥粉末吸入器と乾燥粉末医薬組成物とを備える吸入用薬物送達機構を含み;乾燥粉末医薬組成物は、カンナビノイド、抗ウイルス剤、抗炎症性若しくは抗生物質化合物、又はこれらの組合せの1種又は複数種を含む。一実施形態において、抗ウイルス化合物は、ウイルスにより引き起こされた呼吸器感染又は疾患を治療するためのものである。ある実施形態において、抗ウイルス化合物は、アセチルサリチル酸等のサリチレート、クルクミン、及び/又はビタミンCから選択される。一実施形態において、乾燥粉末医薬組成物は、ラクトース、マンニトール、トレハロース、キシリトール等の糖類;3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン等のジケトピペラジン及びその誘導体;サイトレート;タータレート;若しくは他の医薬的に許容される賦形剤等の肺送達に許容される賦形剤及び/若しくは担体又はその塩を含むことができる。一実施形態において、乾燥粉末組成物は、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン又はその塩及びクルクミンを、用量当たりの重量として粉末50mgまでの量で含むことができる。
他の実施形態において、乾燥粉末組成物は、ジケトピペラジン又はその二ナトリウム塩及びクルクミンのみ、及び任意にアセチルサリチル酸を、組成物の0.5wt%~約20wt%又は約1wt%~約10w%含む。
ウイルス性疾患、特に呼吸器トラック(track)感染及び肺感染を治療するための方法であって、治療を必要とする対象に、クルクミン又はその誘導体を乾燥粉末医薬組成物中に0.5wt%~約20wt%の量と、3,6-ビス(N-フマリ(fumary)-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジンの粒子と、任意に1種又は複数種の医薬賦形剤又は担体と、を含む乾燥粉末医薬組成物を治療的用量で投与することを含む、方法。他の実施形態において、乾燥粉末組成物は、アセチルサリチル酸等のサリチレートを更に含むことができる。
詳細な説明
本明細書に開示する実施形態において、医薬を含む乾燥粉末を対象に経口的に吸入させることにより送達するための乾燥粉末吸入器と一緒に使用される乾燥粉末組成物を記載する。一実施形態において、組成物は、個人の吸入動作によって呼吸駆動される乾燥粉末吸入器と一緒に使用するためのものであり、使い捨て吸入器として単回使用用に、又は複数回使用用として交換可能なカートリッジと共に提供される。例示的な実施形態において、吸入器は単回使用用として設計することができ、カンナビノイド製剤が吸入器に収容されて提供され、吸入器を手動で作動させて投薬配置にすることにより、吸入しようとするカンナビノイド製剤に到達可能になる。複数回使用用吸入器の例示的な実施形態において、吸入器は空で提供され、カンナビノイド組成物を収容したカプセル又はカートリッジが吸入器に配置/装着され、容器は挿入すると、自動的に、又はその後に、吸入器内に設けられている機構により、吸入用配置になる。例えば、支持体(carrier)機構は、吸入器を閉鎖するとカートリッジ内に空気通路を作り出し、吸入器の空気導管を介して到達することができる。一実施形態において、カプセル又はカートリッジは、これらに限定されるものではないが、医薬製剤等の吸入可能なカンナビノイド乾燥粉末を収容する。
乾燥粉末吸入器は、様々な形状及びサイズの実施形態で提供され、再使用可能であり、使い易く、製造費用が安価であり、及び/又はプラスチック若しくは他の許容される材料を使用して単純な工程で大量に製造されることができる。本明細書において乾燥粉末吸入器の様々な実施形態が提供され、一般に、吸入機構は、吸入器と、粉末が充填されたカートリッジとを備える。
本明細書において用いられる「使い捨て吸入器」という語は、一度限り使用するための用量の粉末が備えられている吸入器である。吸入器は、単回使用後又はその粉末内容物を吸入した後に廃棄される。
本明細書において用いられる、「単位用量吸入器」という語は、乾燥粉末製剤を含む単一のカートリッジ又は容器を受容するように適合されており、単一の容器から単回用量の乾燥粉末製剤を、吸入により使用者に送達する吸入器を指す。幾つかの例においては、使用者に規定の投与量を提供するために、複数回分の単位用量が必要となるであろうことを理解すべきである。一実施形態において、単位用量吸入器は、複数回使用することが可能である。
本明細書において用いられる「カートリッジ」は、乾燥粉末製剤を保持又は収容するように構成された包囲体であり、粉末を収容する包囲体は、カップ又は容器と蓋とを有する。カートリッジは高剛性材料で作製されており、カップ又は容器は蓋に対する並進動作により移動可能であるか、又はその逆である。
本明細書において用いられる「粉末塊」は、粉末粒子の凝集塊が形成されること、又は幅、直径、長さ等の形状寸法が不規則な凝集塊を指す。
本明細書において用いられる「単位用量」とは、吸入用に予め計量された乾燥粉末製剤を指す。或いは、単位用量は、1回分の量を計量して吸入により送達することができる複数回分の用量の製剤を有する単一の容器のこともある。単位用量カートリッジ/容器は、単回用量を含む。或いは、これは、それぞれ単位用量を収容した、個々に到達可能な複数の区画を含むことができる。
本明細書において用いられる、「約」という語は、ある値に、その値を測定するために採用した装置又は方法の誤差の標準偏差が含まれることを示すために用いられる。
本明細書において用いられる「微粒子」という語は、正確な外部又は内部構造に関係なく、直径約0.5~約1000μmの粒子を指す。直径が約0.5~約10ミクロンの間にある微粒子は、肺に到達することができ、自然のバリアの大部分をうまく通過する。直径が約10ミクロン未満である場合は、喉頭部で曲がるように誘導することが必要であり、直径が約0.5μm以上である場合は、吐き出されないようにすることが必要である。最も効果的に吸収されると考えられている肺深部(又は肺胞領域)に到達するためには、「吸入性画分」(RF)に含まれる粒子の比率を最大限にすることが好ましく、「吸入性画分」(RF)は、標準的な技法を用いて、例えば、Anderson Cascade Impactorを用いて測定される空気力学的直径が約0.5~約6μmの粒子であると一般に認められている(但し、一部の参考文献では幾分異なる範囲が用いられている)。空気力学的粒径の測定には、NEXT GENERATION IMPACTOR(商標)(NGI(商標),MSP Corporation)等の他のインパクタも使用することができ、その場合、吸入性画分は、類似の空気力学的径、例えば、<6.4μmと定められる。幾つかの実施形態において、粒度の測定には、レーザー回折装置、例えば、米国特許第8,508732号明細書(そのレーザー回折に関連する該当する教示全体を参照により本明細書に援用する)に開示されているレーザー回折装置が使用され、ここでは、吸入機構の性能を評価するために粒子の幾何学的体積中央径(volumetric median geometric diameter)(VMGD)を測定している。例えば、様々な実施形態において、カートリッジの≧80%、85%、又は90%が空になり、放出された粒子のVMGDが<12.5μm、<7.0μm、又は<4.8μmであることは、この順に、空気力学的性能がより優れていることを示すことができる。
充填量中の吸入性画分(Respirable fraction on fill)(RF/fill)とは、用量として使用するために充填された粉末内容物を排出する際に吸入器から放出された、該用量中の粉末のうち、吸入に適した粉末の百分率(%)、即ち、充填された用量のうち、経肺送達に適した径(size)で放出された粒子の割合を表し、これは微粒子の空気力学的性能の指標である。本明細書に記載するように、RF/fill値が40%又は40%を超えると、空気力学的性能という意味での特性が許容できることを表している。本明細書に開示するある実施形態において、充填量に対する吸入性画分は、50%超とすることができる。例示的な実施形態において、充填量に対する吸入性画分は、最大約80%とすることができ、その場合、充填量の約80%は、標準的な技法を用いて測定された粒度が<5.8μmで放出される。
本明細書において用いられる、「乾燥粉末」という語は、噴射剤又は他の液体中に懸濁又は溶解していない微細な粒子状組成物を指す。これは、必ずしも水分子が完全に存在しないことを示唆することを意味するものではない。
本明細書において用いられる「非晶性粉末」は、明確な形態、形状、又は構造の繰り返しが見られない乾燥粉末を指し、完全に非結晶性である粉末を包含する。
これに関連する例示的な実施形態において、本器具は、幾つかの方法により、及び様々な材料から製造することができる。一実施形態において、吸入器及びカートリッジは、例えば、射出成形技法、熱成形、ブロー成形、加圧、3D印刷、及び同種のものにより、ポリプロピレン、環状オレフィン共重合体、ナイロン、及び他の適合性のあるポリマー、並びに同種のもの等の様々な種類のプラスチック材料を使用して作製される。ある実施形態において、乾燥粉末吸入器は、個々の構成部品をトップダウン方式の組立て(top-down assembly)を用いて組み立てることができる。幾つかの実施形態において、吸入器は、一般に、例えば、寸法が約1インチ~約5インチの小型サイズで提供され、一般に、幅及び高さは器具の長さよりも短い。ある実施形態において、吸入器は比較的長方形の本体を含む様々な形状で提供されるが、円柱形、楕円形、筒形、正方形、長楕円形、円形等の他の形状を用いることも可能である。
これに関し記載及び例示する実施形態において、吸入器は、空気流を吸入器内に流入させる比較的剛性の高い少なくとも1つの流れ導管路を使用することにより、乾燥粉末製剤を効果的に流動化、解凝集、又はエアロゾル化する。例えば、吸入器には、乾燥粉末を収容しているカートリッジ内に進入及びそこから延出している第1空気流路と、カートリッジから延出している第1空気流路と合流することができる第2空気流路が設けられている。この流れ導管は、例えば、吸入器の構成に応じて様々な形状及びサイズを有することができる。一実施形態において、吸入器は、例えば、約0.055~約0.250(√kPa)/リットル毎分の抵抗値を有する高抵抗吸入器である。したがって、この機構において、吸入時の圧力低下のピークが2~20kPaの間にあると、その結果として、ピーク流速が約7~70リットル毎分の間となる。このような流速により、充填量が1~50mgの間にあるカートリッジ内容物の75%超が吐出される。幾つかの実施形態において、このような性能特性は、最終使用者の単回の吸入操作により達成され、カートリッジ吐出率が、カートリッジに収容されている粉末の90%超となる。
本明細書に開示する実施形態において、乾燥粉末製剤は、結晶性粉末、非晶性粉末、又はこれらの組合せからなることができ、この粉末は、吸入器から約2秒未満で一貫性をもって吐出される。本吸入器機構は、抵抗値が高く、約0.065~約0.200(√kPa)/リットル毎分である。したがって、カートリッジを備える機構において、吸入時のピーク圧力低下を2~20kPaの間とすると、その結果として得られる機構内全体のピーク流速が約7~70リットル毎分となる。このような流速により、充填量が粉末1~30mgの間又は最大50mgのカートリッジ内容物の75%超が吐出される。幾つかの実施形態において、このような性能特性は、最終使用者の単回の吸入操作により達成され、カートリッジ吐出率が、カートリッジに収容されている粉末の90%超となる。特定の実施形態において、吸入器及びカートリッジ機構は、粉末を吸入器から患者に送達される粉末の連続的な流れとして、又は1つ若しくは複数のパルスとして排出することにより、単回用量が提供されるように構成されている。一実施形態において、投薬配置において全体の気流抵抗が0.065~約0.200(√kPa)/リットル毎分の範囲の値となる流れ導管を有するように構成された乾燥粉末吸入器を含む、患者の肺に乾燥粉末製剤を送達させるための吸入機構が提供される。この実施形態及び他の実施形態において、吸入機構全体の気流抵抗は、0.5kPa~7kPaの範囲の圧力差範囲に亘り比較的一定である。
吸入器の構造的配置により、50%を超える吸入性画分及び5.8μm未満の粒子を生成する解凝集機構を得ることが可能になる。吸入器は、容器に収容されている粉末医薬の85%超を吸入操作中に排出することができる。一般に、本明細書においてこれに関連して図示する吸入器は、最大30mg又は50mgの範囲の充填量において、2~5kPaの間の圧力差で、カートリッジ内容物又は容器内容物の90%超を3秒間未満で排出することができる。
本吸入器は、主として呼吸駆動式として記載されるが、幾つかの実施形態において、吸入器は、乾燥粉末製剤を解凝集及び送達させるために必要な差圧を発生させるための発生源を備えることができる。例えば、吸入器を、空気入口ポートに設けることができる窒素缶等の、圧縮ガスを貯蔵した動力源等の気体駆動式発生源に適合させることができる。患者が楽なペースで吸入できるように、噴流を捕捉するためのスペーサを設けることができる。
これに関連し記載する実施形態において、吸入器は、単一の単位用量を送達させるための再使用可能な吸入器として提供することができる。再使用可能な吸入器とは、送達すべき製剤に応じて予め定めることができる複数回使用することが可能であり、その使用限度に達したら廃棄されることを意味する。
本粉末の経肺送達に有用な器具及び機構は幅広い特徴を示す。実施形態は、吸入器と、所望の粉末用量を含む一体型又は取付け可能な単位用量カートリッジとを備える機構を含む。粉末の経肺送達は、活性薬剤であるカンナビノイドの肺への効果的な送達を促進する担体及び賦形剤を含む。例示的な実施形態は、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン;FDKPとしても知られるフマリルジケトピペラジンである。
ジケトピペラジンを用いて製造される乾燥粉末は、様々な技法により製造された様々な所望のカンナビノイド配合物の溶液又は懸濁液を凍結乾燥又は噴霧乾燥させることにより製造することができる。一実施形態において、比表面積(SSA)が約15m/g~約67m/gである、ジケトピペラジンをベースとする結晶性微粒子は、向上した空気力学的性能や向上した薬物吸着等の、薬物を肺に送達するために有利な特性を示す。幾つかの実施形態において、特定の分子を含む製剤に使用される高容量を有する結晶性FDKP微粒子は、例えば、比表面積が35m/g未満であり、このような粒子の比表面積は、活性薬剤の量に応じて、約19m/g~約30m/gの範囲又は約28m/g~約71m/gの範囲又は約19m/g~約57m/gの範囲とすることができる。
一実施形態において、乾燥粉末医薬は、例えば、ジケトピペラジン及び医薬活性成分を含むことができる。この実施形態において、医薬活性成分又は活性薬剤は、治療すべき疾患又は状態に応じて任意の種類のものとすることができる。他の実施形態において、ジケトピペラジンは、例えば、活性薬剤を体内の標的部位に送達するための担体系として使用することができる粒子、微粒子、及び同種のものを形成するのに有用な対称分子及び非対称ジケトピペラジンを含むことができる。「活性薬剤」という語は、本明細書において、治療剤と称されるか、又はカンナビノイド等の神経伝達物質等の小分子を含む分子であり、製剤形成時に、ジケトピペラジン粒子に内包されるか、会合するか、接合するか、複合体化するか、若しくは封入されるか、若しくはその上に吸着することができる。任意のカンナビノイド形態をジケトピペラジンと組み合わせることができる。薬物送達機構は、活性薬剤を治療的、予防的、又は診断的に使用するために送達することを目的として使用することができる。
フマリルジケトピペラジン3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン;FDKPは、肺に適用するための好ましいジケトピペラジンの1種である:
Figure 2022527054000001
直径が約0.5~約10μmの間にある経肺送達用微粒子は、肺に到達することができ、体循環に到達して活性薬剤を送達することができる。直径が約10μm未満の場合は、喉頭部で曲がるように誘導することが必要であり、直径が約0.5μm以上の場合は吐き出されないようにすることが必要である。一般に、直径が10μmを超えるか又は20μmを超える微粒子は気道及び肺に局所的に送達するのに有用である。
直径が10ミクロン未満の微粒子は気道内の自然のバリアの大部分をうまく通過して肺に到達することができる。本明細書に開示する実施形態は、比表面積(SSA)が約15m/g~約75m/gの間又は約30m/g~約71m/gの間にある微粒子が、向上した空気力学的性能や向上した薬物吸着等の、薬物を肺に送達するために有利な特性を表すことを示す。これに関連する幾つかの実施形態において、特定のトランス異性体含有量である約35~約65%又は45~約63%又は45~約60%を有する結晶性フマリルジケトピペラジン(FDKP)微粒子を含む組成物が提供される。
例示的な実施形態においては、カンナビノイド活性薬剤を含む、経肺送達のためのジケトピペラジンをベースとする組成物が提供され、ジケトピペラジンはフマリルジケトピペラジンであり、複数の実質的に均一に形成された微結晶粒子を含み、粒子は実質的に中空球状の構造を有し、懸濁液が形成されても自己集合しないジケトピペラジンの微結晶のシェルを備え、粒子の幾何学的体積中央径は5μm以下であり;この粒子は、溶液中のジケトピペラジンを、界面活性剤が存在しない酢酸の溶液と合一し、それと並行して最大2,000psiの高圧下に高剪断ミキサーで均質化することにより析出物を形成させるステップと;懸濁液中の析出物を脱イオン水で洗浄するステップと;懸濁液を濃縮するステップと;懸濁液を噴霧乾燥装置で乾燥させるステップと;を含む方法により形成される。幾つかの実施形態において、フマリルジケトピペラジン及びカンナビノイドを含む組成物は、懸濁液を噴霧乾燥させる前に、リン脂質を更に含む粒子を含む。
幾つかの実施形態において、活性薬剤を含む、経肺送達用ジケトピペラジンをベースとする組成物が提供され、このジケトピペラジンは、フマリルジケトピペラジンのナトリウム、マグネシウム等の塩であり、組成物は非晶性粉末を含む。
a)カンナビノイド医薬を含む乾燥粉末と、b)粉末を収容したカートリッジと、筐体と、マウスピースと、を備える吸入器と、を備える、吸入可能な乾燥粉末を送達するための機構も提供され、カートリッジは、気体入口及び気体出口を備え、筐体は、カートリッジを取り付けるためのものであり、2つの流路である第1流路及び第2流路を画定し、第1流路は、気体をカートリッジの気体入口に流入させ、第2流路は、気体に包囲体の気体入口を迂回させ、吸入器全体に≧2kPaの圧力低下が発生すると、粒子の噴流がマウスピースから放出され、前記放出された粒子の50%はVMADが≦10μmであり、カートリッジの気体入口を迂回した流れは、包囲体から流出する流れと衝突するように、この排出される気体の流れ方向と実質的に垂直な方向に指向される。
本開示はまた、結晶性粒子組成物、改良された微結晶粒子、又は非晶性粉末を含む組成物を含む乾燥粉末組成物と、この粒子の作製方法と、対象の疾患及び障害を治療するための、肺への改良された薬物送達を可能にする方法と、を提供する。本明細書に開示する実施形態は、高い薬物吸着容量を有することにより、1種又は複数種の活性薬剤の薬物含有量が高い粉末を生成する微結晶性ジケトピペラジン粒子を含む、結晶性ジケトピペラジン組成物を提供することにより、改良された送達を達成する。本微結晶粒子を用いて製造された粉末は、より少ない量の粉末投薬量で、薬物含有量を増加して送達することができ、それにより患者への薬物送達を促すことができる。この粉末は、出発物質に応じて、界面活性剤を含まない溶液又は界面活性剤を含む溶液を利用する方法を含む、様々な方法により製造することができる。
本明細書に開示する代替的な実施形態は、複数の実質的に均一な微結晶粒子を含む吸入用乾燥粉末を含むことができ、この微結晶粒子は、実質的に中空球状の構造を有することができ、多孔質であり得る、懸濁液中又は溶液中で自己集合しないジケトピペラジンの微結晶を含むシェルを備える。ある実施形態において、この微結晶粒子は、提供される薬物及び/又は薬物含有量並びに粉末を作製するプロセスにおける他の因子に応じて、ジケトピペラジンの微結晶を含む実質的に中空球状の及び実質的に中実の粒子とすることができる。一実施形態において、この微結晶粒子は、BJH吸着により測定された平均細孔容積が約0.43cm/gであり、約0.4cm/g~約0.45cm/gの範囲にあり、平均細孔径が約23nm~約30nmの範囲又は約23.8nm~26.2nmの範囲にある、比較的多孔質である粒子を含む。
本明細書に開示する特定の実施形態は、複数の実質的に均一な微結晶粒子を含む粉末を含み、この粒子は多孔質であり得るシェルを備える実質的に球状の構造を有し、この粒子は、懸濁液中又は溶液中で自己集合しないジケトピペラジンの微結晶を含み、幾何学的体積中央径が5μm未満;又は2.5μm未満である。
本明細書における特定の実施形態において、微結晶粒子の最大約92%の幾何学的体積中央径は5.8μmである。一実施形態において、粒子のシェルは、絡み合ったジケトピペラジン微結晶から構成されており、その表面に1種又は複数種の薬物が吸着されている。幾つかの実施形態において、粒子は、薬物をその内部空隙の容積内に封入することができ、並びに/又は微結晶表面に吸着された薬物及び球体の内部空隙の容積内に封入された薬物の組合せとすることができる。
ある実施形態において、複数の実質的に均一に形成された微結晶粒子を含むジケトピペラジン組成物が提供され、この粒子は、実質的に中空球状の構造を有し、自己集合しないジケトピペラジンの微結晶を含むシェルを備え;この粒子は、トランス型異性体含有量が約45%~65%の範囲にあるジケトピペラジンの溶液を、界面活性剤が存在しない酢酸の溶液と合一し、これと並行して高剪断ミキサーで最大2,000psiの高圧下に均質化することにより析出物を形成するステップと;懸濁液中の析出物を脱イオン水で洗浄するステップと;懸濁液を濃縮し、噴霧乾燥装置で懸濁液を乾燥させるステップと、を含む方法により形成される。
この方法は、噴霧乾燥ステップの前に、薬物や生物活性剤等の活性薬剤又は活性成分を含む溶液を、活性薬剤又は活性成分が粒子上又は粒子内に吸着及び/又は封入されるように、混合しながら添加するステップを更に含むことができる。このプロセスにより作製される粒子は、噴霧乾燥前は、サブミクロン範囲のサイズを有し得る。
特定の実施形態において、複数の実質的に均一に形成された微結晶粒子を含むジケトピペラジン組成物が提供され、この粒子は、実質的に中空球状構造を有し、自己集合しないジケトピペラジンの微結晶を含むシェルを備え、粒子の幾何学的体積中央径は5μm以下であり;この粒子は、ジケトピペラジンの溶液を、界面活性剤が存在しない酢酸の溶液と合一し、これと並行して高剪断ミキサーで最大2,000psiの高圧下に均質化することにより析出物を形成するステップと;懸濁液中の析出物を脱イオン水で洗浄するステップと;懸濁液を濃縮し、噴霧乾燥装置で懸濁液を乾燥させるステップと、を含む方法により形成される。
この方法は、噴霧乾燥ステップの前に、アルコール溶液に溶解したカンナビノイド活性薬剤を含む溶液と、ジケトピペラジンとを、活性薬剤又は活性成分が粒子上又は粒子内部に吸着及び/又は封入されるように、混合しながら添加するステップを更に含む。このプロセスにより作製される粒子は、噴霧乾燥前は、サブミクロン範囲のサイズを有し得る。
ある実施形態においては、複数の実質的に均一に形成された微結晶粒子を含むジケトピペラジン組成物が提供され、微結晶粒子は実質的に中空球状の構造を有し、自己集合しないジケトピペラジンの微結晶を含むシェルを備え、体積幾何学中央径は5μm以下であり;この粒子は、ジケトピペラジンの溶液を、界面活性剤が存在せず、活性薬剤が存在しない酢酸の溶液と合一し、これと並行して高剪断ミキサーで最大2,000psiの高圧下に均質化することにより析出物を形成するステップと;懸濁液中の析出物を脱イオン水で洗浄するステップと;懸濁液を濃縮し、噴霧乾燥装置で懸濁液を乾燥させるステップと、を含む方法により形成される。
活性成分を含む出発物質が、高粘度の抽出物又はハチミツ様の粘性のある外観を呈する物質である、ある特定の実施形態において、微結晶粒子は、上に示したように形成され、抽出物又は粘性物質と合一する前に、これらを水でタンジェンシャルフロー濾過を用いて洗浄する。水で洗浄した後、得られた粒子懸濁液を凍結乾燥させることにより水を除去し、エタノール又はメタノールを含むアルコール溶液中に再び懸濁させた後、固体として又は懸濁液中、又は溶液中の活性成分を添加する。一実施形態においては、任意に、組成物を作製する方法は、活性成分と並行して又は活性成分の添加に続いて、且つ噴霧乾燥の前に、1種若しくは複数種のロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、メチオニン等のアミノ酸又は1種若しくは複数種のリン脂質、例えば、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)若しくは1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)等の任意の追加の賦形剤を添加するステップを含む。ある実施形態において、組成物の形成は、所望のカンナビノイド活性薬剤を含む抽出物を、その溶解性を高めるために任意に濾過又は脱ろうすることにより脂質等の不要な物質の層を分離及び除去するステップを含む。
この方法は、ジケトピペラジンを含む第1溶液を混合しながら添加するステップと;DPPC又はDSPCを含む第2溶液を添加するステップと;溶液を混合するステップと;を更に含むことができ、噴霧乾燥ステップの前に、カンナビジオールやTHC等のカンナビノイド活性薬剤を含む第3溶液を、活性薬剤が粒子上又は粒子内部に吸着及び/又は封入されるように添加及び混合するステップと;を更に含むことができ、この溶液は、任意に、高剪断ミキサーによる均質化を用いて又は用いずに行われることができる。このプロセスにより作製された粒子は、噴霧乾燥前にサブミクロンの結晶サイズの範囲にあり得るか、又は噴霧乾燥中に溶液から粒子が形成され得る。噴霧乾燥された粉末は、実質的に均質な、低密度の、解凝集に要するエネルギーが非常に小さい粒子を含む。
これに関連する幾つかの実施形態において、薬物内容物は、FDKPを使用しており、含有量が最大約10%、又は最大約20%、又は最大約30%、又はそれを超えるように凍結乾燥又は噴霧乾燥された結晶性粉末上で送達することができる。FDKP又はFDKP二ナトリウム塩から形成された微結晶粒子を使用しており、粒子が自己集合せず、サブミクロンサイズの粒子を含む実施形態において、薬物含有量は、通常、0.01%(w/w)を超えることができる。一実施形態において、微結晶粒子と共に送達すべき薬物含有量は、送達すべき薬物に応じて、約0.01%(w/w)~約75%(w/w);約1%~約50%(w/w)、約10%(w/w)~約25%(w/w)、又は約10%~約20%(w/w)、又は5%~約30%、又は25%超である。薬物がカンナビジオール又はTHCである例示的な実施形態において、本微粒子は、通常、組成物の総含有量の約5%~45%(w/w)又は約10%~約20%(w/w)又はそれを超えて構成する。ある実施形態において、粒子の薬物含有量は、送達すべき薬物の形態及びサイズに応じて変化し得る。幾つかの実施形態において、バルク粉末の密度、又は微結晶若しくは結晶複合体形態中にFDKPを含むバルクの密度は、約0.2g/Lとすることができる。ある実施形態において、バルク密度は約0.05g/L~約0.15g/mL又は0.10g/L~約0.15g/Lの範囲とすることができる。一実施形態において、噴霧乾燥された粉末の微結晶複合体粒子の比表面積は約30m/g~約60m/gである。
一実施形態において、本明細書における吸入器で送達するための組成物は、フマリルジケトピペラジン結晶粒子又は結晶複合体粒子と、テトラヒドロカンナビノール(THC)及び/又はカンナビジオール等のカンナビノイド等の活性薬剤とを含むことができる。カンナビノイドが活性薬剤として使用される組成物において、その誘導体及び/又は類縁体を含むカンナビノイドの含有量は、吸入器内容物の40%超及び最大99%の粉末送達で、最大40%(w/w)又はそれを超えることができる。幾つかの実施形態において、組成物中のカンナビノイド及び/又は他の活性薬剤の含有量は、粉末含有量の約0.1%~約40wt%の範囲、約1%~約30%の範囲、約5%~約25%(w/w)の範囲、又はそれを超え得る。本明細書における組成物はまた、噴霧乾燥前に、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、及び同種のもの等のアミノ酸並びに1種又は複数種のリン脂質、例えば、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)又は1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)等の1種又は複数種の賦形剤を、最大約25%(w/w)、約1%(w/w)~約25%の範囲、又は2.5%~20%(w/w)の範囲、又は5%~15%(w/w)の範囲の量で含むことができる。この実施形態において、吸入器は、単回の吸入において粉末最大50mgの組成物の約50%~100%を排出することができる。この実施形態において、組成物は、治療を必要とする対象に、必要に応じて投与することができる。活性成分を含む粉末の用量は、乾燥粉末吸入器による1回又は複数回の吸入で提供することができる。
一実施形態において、組成物の保存安定性を向上するために、フマリルジケトピペラジン二ナトリウム塩、又はフマリルジケトピペラジンの結晶複合体粒子と、ロイシン、イソロイシン、メチオニン等のアミノ酸等の賦形剤とを含むカンナビノイド組成物を製造することができる。この実施形態において、吸入可能なカンナビノイド組成物は、患者に化学療法の投薬を行う約5~30分前、好ましくは約5~15分前、又は同時に、組成物の用量を含む吸入器を使用して、単回吸入で粉末を自己投与することによって、化学療法により誘発される悪心及び嘔吐の予防及び治療に使用することができる。
代替的な実施形態において、乾燥粉末を作製するための医薬的に許容される担体は、乾燥粉末の作製に有用であり、経肺送達に好適な任意の担体又は賦形剤を含むことができる。好適な担体及び賦形剤の例としては、単糖類及び多糖類、例えばラクトース、マンノース、スクロース、マンニトール、トレハロース等の糖類;サイトレート、グリシン、L-ロイシン、イソロイシン、トリロイシン等のアミノ酸、タータレート、メチオニン、ビタミンA、ビタミンE、クエン酸亜鉛、クエン酸三ナトリウム、塩化亜鉛、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート80、ジホスホチジルコリン(diphosphotidylcholine)等のリン脂質、及び同種のもの等が挙げられる。特定の実施形態において、医薬組成物はジケトピペラジンを含む。
更なる実施形態において、疾患に付随し得る悪心、嘔吐、及び疼痛の治療方法を開示する。この方法は、治療を必要とする患者に、例えば、式2,5-ジケト-3,6-ジ(4-X-アミノブチル)ピペラジン(式中、Xは、スクシニル、グルタリル、マレイル、及びフマリルからなる群から選択される)を有するジケトピペラジンと、カンナビノイドとを含む、吸入可能な乾燥粉末組成物又は製剤を投与することを含む。この実施形態において、乾燥粉末組成物は、ジケトピペラジン塩を含むことができる医薬組成物である。一実施形態においては、乾燥粉末医薬組成物又は製剤が提供され、ジケトピペラジンは、2,5-ジケト-3,6-ジ-(4-フマリル-アミノブチル)ピペラジンであり、医薬的に許容される担体又は賦形剤及びカンナビノイドを含む又は含まない。
例示的なカンナビノイドとしては、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、及びカンナビノールが挙げられる。特定の実施形態において、医薬組成物は、3-6-ビス(4-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン;テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、若しくはカンナビノール、又はこれらの組合せ;及び1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)又は1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを、最大約105又は最大約15%(w/w)の量と、任意に、ロイシン、イソロイシン、又はメチオニン等のアミノ酸とを含む。ある実施形態において、医薬組成物は、マンニトール、ラクトース等の糖類を含むことができる。医薬組成物は、ポリソルベート80等の界面活性剤を、組成物の総含有量の0.05%~約3%(w/w)の範囲、又は約1%~約2%(w/w)の範囲の量で更に含むことができる。幾つかの実施形態において、組成物はまた、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンギリコール(gylycol)等の他の医薬的に許容される担体及び/又は賦形剤を約0.5%~約6%含むことができる。
患者の肺に乾燥粉末製剤を送達するための吸入機構が提供され、この機構は、投薬配置における全体の気流抵抗が0.055~約0.200(√kPa)/リットル毎分の範囲の値の流れ導管を有するように構成された乾燥粉末吸入器を備える。
一実施形態において、上に記載した乾燥粉末吸入器と、がんやてんかん等の障害又は疾患に起因する慢性疼痛を治療するための乾燥粉末製剤を含む1種又は複数種の医薬のカートリッジとを備える、乾燥粉末吸入キットが提供される。
一実施形態において、乾燥粉末吸入機構を用いて乾燥粉末製剤を肺に自己投与する方法も提供される。この方法は:閉止位置にあり、マウスピースを有する乾燥粉末吸入器を取得することと;収容配置にある予め計量された用量の乾燥粉末製剤を含むカートリッジを取得することと;カートリッジを取り付けるために乾燥粉末吸入器を開放することと;カートリッジを投薬位置に移動させるために吸入器を閉止することと;マウスピースを口内に配置し、乾燥粉末製剤を送達するために1回深く吸入することと;を含む。
これに関連して開示する乾燥粉末吸入器実施形態を用いて患者の疾患又は障害を治療する方法も提供する。この治療方法は、治療を必要とする患者に、上に述べた群から選択される活性成分と医薬的に許容される担体及び/又は賦形剤とを含む吸入可能な製剤の用量を収容しているカートリッジを備える乾燥粉末吸入器を提供することと;吸入可能な製剤を、乾燥粉末吸入器を介して用量を送達するために、患者に約3~4秒間深く吸入させることにより投与することと;を含む。この方法において、患者はその後、通常の呼吸パターンを再開することができる。
一実施形態において、この方法は、慢性疼痛の軽減、睡眠の改善、神経障害の緩和、及び/又は不安の低減のための治療を必要とする患者に、ジケトピペラジンと、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、及びカンナビノールから選択されるカンナビノイドとを含む粒子を含む吸入可能な乾燥粉末医薬組成物を投与することを含む。一実施形態において、ジケトピペラジンは、3,6-ビス(4-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジンである。
特定の実施形態において、患者の疼痛を治療するための方法が提供され、前記方法は:前記患者に、乾燥粉末吸入器並びにジケトピペラジン及びカンナビノイドを含む医薬的乾燥粉末組成物を備える吸入機構を提供することと、前記乾燥粉末組成物を、前記患者に前記乾燥粉末吸入器から深く吸入させることにより患者に投与することと、を含む。乾燥粉末医薬組成物は、1種又は複数種の抗炎症剤及び他の活性薬剤、例えば、アセチルサリチル酸及びその誘導体、アセトアミノフェンを更に含むことができる。
代替的な実施形態において、吸入機構は、乾燥粉末吸入器と乾燥粉末組成物とを含む、吸入用薬物送達機構を含み;乾燥粉末組成物は、抗ウイルス又は抗生物質化合物を含む。一実施形態において、抗ウイルス化合物は、ウイルスにより引き起こされる呼吸器感染又は疾患を治療するためのものである。特定の実施形態において、抗ウイルス化合物は、アセチルサリチル酸等のサリチレート、クルクミン、及び/又はビタミンCから選択される。一実施形態において、乾燥粉末医薬組成物は、ラクトース、マンニトール、トレハロース、キシリトール等の糖類;3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン等のジケトピペラジン及びその誘導体;サイトレート;タータレート等の肺送達用に許容される賦形剤;又は他の医薬的に許容される賦形剤及び/若しくは担体若しくはその塩を含むことができる。一実施形態において、乾燥粉末組成物は、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン又はその塩及びクルクミンを、用量当たりの重量で最大50mgの量の粉末を含む。
例示的な実施形態において、乾燥粉末組成物は、ジケトピペラジン、例えば、3,6-(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン又はその二ナトリウム塩及びクルクミン、その類縁体若しくは誘導体、又はこれらの組合せ、及び、任意にアセチルサリチル酸を、組成物の0.1wt%~約80wt%又は約1wt%~約20w%含む。この実施形態において、乾燥粉末組成物は、他の医薬的に許容される賦形剤、例えば、DSPC、DPPC及び同種のもの等のリン脂質;マンニトール、トレハロース、ラクトース、キシリトール等の糖類;ロイシン、イソロイシン、メチオニン、グリシン及び同種のもの等のアミノ酸を含むことができる。
ウイルス性疾患、特に、気道感染及び肺感染を治療するための方法であって、治療を必要とする対象に、クルクミン又はその誘導体を、乾燥粉末医薬組成物中に0.5wt%~約20wt%の量と、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジンの粒子と、任意に、1種又は複数種の医薬賦形剤又は担体と、を含む乾燥粉末医薬組成物を、治療的用量で投与することを含む、方法。他の実施形態において、乾燥粉末組成物は更にサリチレートを含むことができる。
一実施形態において、レトロウイルス性感染等のウイルス性感染の治療方法が提供され、この方法は:対象に、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン等のジケトピペラジンと、リバビリン、siRNA、アシクロビル、アマンタジン、ホスカルネット、グランシクロビル(glancyclovir)、オセルタミビル、バラシクロビル、ジダラビン(zidarabine)、ザナミビル、アバカビル、アンプレナビル、ジダノシン、インジナビル、エファビレンツ、ラミブジン、ロピナビル、スタブジン(stabudine)、ネルフィナビル、サキノビル(saquinovir)、ザルシタビン、ジディブジン(zudivudine)、及び同種のもの等の1種又は複数種の抗ウイルス剤を含む医薬組成物を含む乾燥粉末吸入器を提供することを含む。乾燥粉末医薬組成物は、上に定義したように、リン脂質、糖類等の1種又は複数種の医薬的に許容される賦形剤及び/又は担体を更に含むことができる。
他の実施形態において、対象の呼吸器疾患の予防としての処置のため又は治療のための方法は、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケピペラジン(dikepiperazine)粒子と、クロロキン、メフロキン、プリマキン、タフェノキン、ヒドロキシクロロキン又はその塩(硫酸ヒドロキシクロロキン等)等のキニーネ誘導体及びその塩;アセチルサリチル酸、その類縁体又は誘導体等の1種又は複数種の活性薬剤と、1種又は複数種の医薬的に許容される賦形剤と、を含む乾燥粉末医薬組成物を、治療的量で、必要とする対象に投与することを含む。活性成分は、単回使用用又は複数回使用用呼吸駆動式乾燥粉末吸入器を使用して経口吸入することにより提供することができ;組成物はカプセル又はカートリッジ内で提供することができる。
代替的な実施形態において、気道感染及び肺感染の治療方法が提供され、この方法は、治療を必要とする対象に、乾燥粉末吸入器と、ジケトピペラジンと、1種又は複数種の活性薬剤と、1種又は複数種の医薬的に許容される賦形剤と;抗生物質、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗喘息剤等の活性薬剤又はこれらの組合せと、を含む乾燥粉末医薬組成物とを備える吸入機構を提供することを含む。一実施形態において、抗生物質は、アジスロマイシン、トブラマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、シプロフラキシン(ciproflaxin)、アモキシシリン、ペニシリン、セフチン、セフトリアキソン、セファレキシン、ホスホマイシン、クリンダマイシン、レボフロキサシン、ナリジクス酸、ニトロフラントイン、トグリメトプリム(tgrimethoprim)/スルファメトキサゾール、リファンピシン、ゲンタマイシン、トリメトプリム、メトロニダゾール、セフトロザン、タゾバクタム、イミペネム、シラスタチン、レレバクタム及び同種のものから選択することができる。幾つかの実施形態において、抗喘息剤としては、長時間作用型及び短時間作用型のホルモテロール、フルチカゾン、ブデソニド、モメタゾン、ベクロメタゾン、シクレソニド、アルブテロール、イプラトロピウム、テオフィリン、レバルブテロール等のB-アゴニスト、及びプレドニゾン、メチルプレドニゾロン等のコルチコステロイドが挙げられる。この実施形態及び他の実施形態において、ジケトピペラジンは、式:
Figure 2022527054000002

を有するか、又はその塩、特に、二ナトリウム塩又はマグネシウム塩であり;ジケトピペラジンは、医薬的乾燥結晶性粉末、非晶性粉末の形態にあるか又は吸入に適した微結晶粒子を形成する。医薬的乾燥粉末は、それを必要とする患者に、乾燥粉末吸入器を用いて、単回の吸入で用量当たり最大50mgの量が投与される。一実施形態において、乾燥粉末医薬の1つ又は複数の用量は、各活性薬剤として独立に、又はこれらの組合せのいずれかで投与することができる。粉末はまた、1種の活性薬剤又は1種を超える活性薬剤と一緒に製造することもできる。乾燥粉末が単一種の活性薬剤を含む実施形態において、患者を、各粉末の1回用量で順次必要に応じて治療することができる。幾つかの実施形態において、乾燥粉末は、疾患を治療するための1種を超える活性薬剤を含むように製造することができ、患者には、1回又は1回を超える用量の乾燥粉末の組合せを投与することができる。
以下に示す実施例は、本明細書に記載する吸入器と一緒に用いるのに適した乾燥粉末を作製するためのプロセス及び乾燥粉末を用いた実験から得られたデータの一部を例示するものである。
実施例1
吸入器と一緒に使用するためのFDKP微結晶性粉末を含む界面活性剤非含有乾燥粉末:例示的な実施形態において、FDKP微結晶粒子を含む界面活性剤非含有乾燥粉末を調製した。二液供給式(dual-feed)高剪断ミキサーを用いて、ほぼ等しい質量のFDKP溶液(表1)及び酢酸溶液(表2)を約25℃±5℃に保持し、2000psiでスロート(throught)0.001-in2のオリフィスを通して均質化することにより析出物を形成した。析出物をほぼ等しい温度の脱イオン(DI)水で回収した。懸濁液中のFDKP微結晶の含有量(wt%)は約2~3.5%である。この懸濁液のFDKP濃度は、オーブン乾燥法により固形分に関し評価することが可能である。FDKP微結晶懸濁液を、任意に、脱イオン水を用いてタンジェンシャルフロー濾過により洗浄することができる。FDKP微結晶を、任意に、濾過、遠心分離、噴霧乾燥、又は凍結乾燥により単離することができる。
Figure 2022527054000003
Figure 2022527054000004
上に記載した方法により作製した微結晶粒子を含む乾燥粉末(A、B、C、及びD)の表面積、水分含有量、及び細孔特性に関する測定値を含む様々な特性について試験を行った。この実験には4種の異なる粉末を使用した。試験に供した粉末は全て残留水分含有量が0.4%であった。表3にこの実験から得られたデータを示す。
Figure 2022527054000005
表3のデータは、試験に供した試料の微結晶粒子を含む噴霧乾燥されたバルクの乾燥粉末の表面積が59m/g~63m/gの範囲にあったことを示している。細孔特性のデータは、微結晶粒子が比較的多孔性が高く、BJH吸着により測定された平均細孔容積が約0.43cm/gであり、平均細孔径が約23.8nm~26.2nmの範囲にあることを示している。特定の試料の実施形態において、粒子の細孔径は最大30nmであった。ポロシメトリーのデータは、これらの粒子が、平均細孔容積が約0.36cm/gであり、平均細孔径が約20nm~約22.6nmであることが示されている先行技術のFDKP微粒子とは異なっていることを示している。
実施例2
Δ9-THC又はCBDを含有するFDKP微結晶粒子を含む乾燥粉末の調製。実施例1に従い調製したFDKP微結晶粒子を単離し、エチルアルコール中に懸濁させた。主としてΔ9-THC又はCBDのいずれかを含む大麻抽出物の約1~4wt%のエタノール溶液及びFDKP微結晶のエタノール性懸濁液を添加した。任意に、添加剤をエタノールに溶解した溶液も加えた。混合物を、高効率サイクロンを備えたBuchi B290噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥させた。処理用ガスとして窒素を使用した(60mm)。混合物を、ポンプ能力12~15%、吸引速度70~100%、入口温度110~140℃で乾燥させた。Δ9-THC及び追加の添加剤の濃度(重量%)を表4に示す。乾燥粉末吸入器から排出された後のこれらの粉末の送達効率は約50%~70%の範囲にあった。
Figure 2022527054000006
上に記載した方法により作製した乾燥粉末を、米国特許第9,016,147号明細書に記載されている解剖学的に正確な気道(ACA)システムを使用して試験した。乾燥粉末は、室温で非常に高い安定性を示し、例えば、1ヵ月保管した時点でTHC又はCBDの90%超が活性を有するままであり、この方法を用いた送達効率は約35%~約75%の範囲にあった。
表5に、製剤の試料の3反復データを示す。上に記載したように、カンナビノイドTHCを最大30%含む製剤を、結晶複合体FDKP粒子及びここに示す様々な賦形剤成分と共に作製し、ACAシステムで試験した。粉末試料は、手作業で充填するか又はBioDotシステムを用いてカートリッジに充填するかのいずれかとした。カートリッジを乾燥粉末吸入器(MannKind Corp.)に装着し、試料を試験した。得られたデータを表5に示す。
Figure 2022527054000007

CEは、カートリッジが空になったことか、又はバッチの試験中に放出された粉末内容物全体に対する%を示す。空欄は粉末の試験を行わなかったことを示す。
このデータは、得られたCE値が吸入器内の粉末内容物全体の最大99.5%が放出されたことを示しており、様々な賦形剤を用いて作製された粉末が非常に優れた空気力学的特性を有することを示している。したがって、粉末は、界面活性剤PS80を含む粉末を除いて、粉末内容物の送達率(%)が最大72%であったことから分かるように、肺に有効に送達することができた。PS80を含む製剤は、この調製物では粉末が塊になったことが観察された。これに関連して作製された粉末は、粉末のバッチを、粉末を作製した時点並びに粉末作製後2週間及び4週間後(室温保管)でカンナビノイド含有量を測定することにより試験したところ、非常に安定しているようであった。表6に示すデータは、粉末の試料から得られた、4週間後までの様々なカンナビノイド製剤のカンナビノイド含有量を示すものである。
Figure 2022527054000008
表6のデータは、作製された粉末製剤が、少なくとも4週間保管した後に試験するまでの期間に亘り、室温で非常に安定であり、一部の試料はより長く安定であり得ることを示す。
上記の開示は実施形態の例示である。本明細書に開示する器具、技術、及び方法により、本開示を実施する際に代表的な実施形態が充分に機能することが解明されることが当業者に理解されるはずである。しかしながら、当業者は、本開示に鑑みて、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示されている特定の実施形態に多くの変更を施すことが可能であり、同様の又は類似の結果が依然として得られることを理解すべきである。
特段の指定がない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される成分の量、分子量等の特性、反応条件等を表すあらゆる数値は、全ての場合において「約」という語で修飾されることを理解すべきである。したがって、そうでないことが指示されていない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、達成しようとしている所望の特性に応じて変化し得る近似である。最低限、及び特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁の数に照らして、及び通常の丸め技術を適用して解釈すべきである。広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータが近似であるとしても、具体的な実施例に記載する数値範囲は可能な限り正確に報告される。しかしながら、どの数値も、それぞれの試験の測定において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含んでいる。
「a」、「an」、及び「the」という語並びに類似の指示代名詞は、本明細書において特段の指定がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を含むと解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、その範囲内にある別々の各値を個々に参照する簡便な方法の役割を果たすことを意図している。本明細書において特段の指定がない限り、個々の値はそれぞれ、本明細書において個々に列挙されているものとして本明細書に組み込まれる。本明細書に記載する全ての方法は、本明細書において特段の指定がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書において提供されるあらゆる実施例又は例示的表現(例えば「等」)は、単に本発明をより充分にはっきりさせることを意図しており、特に特許請求されていない限り、範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる文言も、本発明の実施に必須の任意の特許請求されていない要素を示すものと解釈すべきではない。
特許請求の範囲における「又は」という語の使用は、代替物のみを指すこと又は代替物が相互に排他的であることが明示されていない限り、「及び/又は」を意味するために使用されるが、本開示は、代替物のみを指すこと及び「及び/又は」を指すという定義を支持する。
本明細書に開示される代替的要素又は実施形態の群分けは、限定と解釈すべきではない。各群の構成要素は、個々に、又はその群の他の構成要素若しくは本明細書に見られる他の要素との任意の組合せを指すこともできるし、特許請求することもできる。ある群の1つ又は複数の構成要素は、便宜上及び/又は特許性を理由として、ある群に含まれても、又はそこから除外されてもよいことも予想される。このような包含又は除外が行われた場合、本明細書は、そのように修正された群を含むものと見なされ、したがって、添付の特許請求の範囲に用いられるあらゆるマーカッシュ群の記述を満たす。
本明細書においては、本発明者らが知っている最良の形態を含む、本発明を実施するために好ましい実施形態を記載する。言うまでもなく、これらの好ましい実施形態の変形形態は、上の記載を読むことによって当業者に明らかとなるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を必要に応じて採用することを予期しており、本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記載されたもの以外の形で実施されることを意図している。したがって、本発明は、本明細書に添付する特許請求の範囲に列挙された主題の、適用法により認められているあらゆる修正及び均等物を包含する。更に、上に述べた要素のあらゆる可能な変形形態の任意の組合せが、本明細書において特段の指定がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
本明細書に開示する具体的な実施形態は、特許請求の範囲において「からなる」又は「から本質的になる」という文言を使用して、更に限定され得る。特許請求の範囲において使用する場合、出願時のものか又は補正に従い追加されたものかに関わらず、「からなる」という移行句は、特許請求の範囲において規定されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する。「から本質的になる」は、特許請求の範囲を、規定された材料又は工程並びに基本的及び新規な特徴に実質的に影響しないものに限定する。そのように特許請求された実施形態は、本明細書において本質的に又は明示的に記載され、有効とされる。
更に、本明細書全体に亘り、多くの特許及び刊行物を参照してきた。上に引用した参考文献及び刊行物の全体は、それぞれ参照により個々に本明細書に組み込まれる。
更に、本明細書に開示した実施形態は、本発明の原理を説明するものであることを理解されたい。用いられ得る他の修正は本発明の範囲内にある。したがって、限定ではなく例示として、代替的な構成を本明細書における教示に従い利用することができる。したがって本発明は、示されたもの及び記載されたものに厳密に限定されない。

Claims (11)

  1. 3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジン及びカンナビノイドの微結晶粒子を含む乾燥粉末医薬組成物であって;前記カンナビノイドの量は、前記組成物の総重量の1%~40%(w/w)である、乾燥粉末医薬組成物。
  2. 前記カンナビノイドは、1種又は複数種のテトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、若しくはカンナビノール、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の乾燥粉末医薬組成物。
  3. 前記乾燥粉末は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン及び1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンから選択されるリン脂質を更に含む、請求項1に記載の乾燥粉末医薬組成物。
  4. 前記微結晶粒子は、平均細孔容積が約0.36cm/g~約0.43cm/gである、請求項1に記載の乾燥粉末医薬組成物。
  5. 前記微結晶粒子は、平均細孔径が約23nm~約28nmである、請求項1に記載の乾燥粉末医薬組成物。
  6. 微結晶粒子は、表面積が約59m/g~約63m/gの範囲にある、請求項1に記載の乾燥粉末医薬組成物。
  7. 前記微結晶粒子は、BJH吸着により測定された平均細孔容積が約0.43cm/gであり、平均細孔径が約23.8nm~26.2nmの範囲にある、請求項1に記載の乾燥粉末医薬組成物。
  8. 乾燥粉末医薬組成物を含む乾燥粉末吸入器であって、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、又はカンナビノールを前記乾燥粉末の総含有量の1%~約40%(w/w)の量で含む、3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジンの微結晶粒子を含む、乾燥粉末吸入器。
  9. 前記乾燥粉末は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン及び1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンから選択されるリン脂質を、前記組成物の約15%(w/w)以下の量で更に含む、請求項8に記載の乾燥粉末吸入器。
  10. 慢性疼痛を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項1に記載の乾燥粉末医薬組成物を、乾燥粉末吸入器を用いる経口吸入により投与することを含む、方法。
  11. 3,6-ビス(N-フマリル-4-アミノブチル)-2,5-ジケトピペラジンの微結晶粒子とカンナビノイドとを含む乾燥粉末医薬組成物を含む乾燥粉末吸入器を備える乾燥粉末薬物送達機構であって;前記カンナビノイドの量は、前記組成物の総重量の1%~40%(w/w)であり、前記微結晶粒子は、BJH吸着により測定された平均細孔容積が約0.43cm/gであり、平均細孔径が約23.8nm~26.2nmの範囲にある、乾燥粉末薬物送達機構。
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