JP2022525094A - 歯科用物品を切削又は研削するためのブランク - Google Patents

歯科用物品を切削又は研削するためのブランク Download PDF

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Abstract

歯科用物品を切削または研削するためのブランクであって、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディを有し、平板状ボディが、一つ以上のセラミック又はガラスセラミックブランク部分及び二つ以上のスルーホールを含み、各スルーホールが、CAMシステムの切削または研削工具の作業端を受けるために、セラミックまたはガラスセラミックブランク部分の少なくとも一つと隣接する、ブランク。

Description

本発明は、歯科用物品を切削又は研削するためのブランクに関する。本発明はまた、色又は色相が異なる少なくとも二つの本発明のブランクを含むパーツのキットに関する。さらには、本発明は、本発明のブランクを調製する方法に関する。そのうえ、本発明は、一つ以上の歯科用物品を調製するための、本発明のブランクが使用されるサブトラクティブ法に関する。そのうえ、本発明は、歯科用物品を調製するための、本発明のブランクが使用されるコンピュータ実装方法に関する。最後に、本発明は、本発明にしたがって歯科用物品を調製するためのコンピュータ実装方法を実施するために実行可能なプログラムを含み、さらに、本発明のブランクのデジタル表現を含む非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
本発明のブランクは、歯科CAD/CAMシステムを用いる機械加工による歯科用物品の調製に使用することができる。本発明のブランクは、複数の歯科用物品を、所定のタイプ又は形状の歯科用物品に限ることなく、迅速かつ効率的に調製することを可能にし、それにより、歯科用物品が調製されるところのセラミック又はガラスセラミック材料の高い機械的強度にもかかわらず、切削又は研削工具の耐用寿命を最適化し、同時に、ブランクの在庫を減らすのに役立ち、それにより、CAD/CAMシステムに伴う稼働コストを減らす。
サブトラクティブ法によるセラミック材料からの歯科用物品の調製は公知である。歯科用物品をコンピュータによって設計し、その設計を、セラミック又はガラスセラミックブランクからフライス盤又は研削盤を用いる機械加工によって作製するために、CAD/CAMシステムが使用される。例えば、inLab MC X5(デンツプライシロナ)は、ガラスセラミックス、ジルコニア、ポリマー、複合材、ワックス及び焼結金属を加工するための汎用製造ユニットである。従来技術から、CAD/CAMシステムのブランクホルダに取り付けることができる、約98mmの直径を有するディスクが公知である。ディスクをブランクホルダ中に確保するために、環状のアダプタがディスクの周に提供される。ディスクを所定の位置に配置するために、ディスクは、ブランクホルダの凸部と係合する凹部を備えてもよい。
高密度焼結セラミック材料又はガラスセラミック材料の高い機械抵抗のせいで、切削又は研削工具の摩耗は過度になり、その耐用寿命は限定的である。その結果、高密度セラミック又はガラスセラミック材料でできた汎用のディスクは知られていない。
むしろ、予備焼結セラミック材料が歯科用物品の成形に使用され、その後それが熱処理されて最終的な歯科用物品が調製される。例えば、米国特許第6,354,836号明細書は、バインダと混合され、ブロック又は類似の形状にプレスされてグリーンボディを形成するセラミック前駆体粉末を開示している。グリーンボディは、最終密度の約85%よりも低い密度まで軟焼結させる。次いで、軟焼結させたブロックを、所望の形状へと切削し、最終密度まで焼結させて、高強度歯科修復材を提供することができる。しかし、焼結中のセラミック材料の高い収縮率及び加熱工程に必要な時間を考慮すると、そのような方法はなおも時間消費的である。
セラミックブロックから歯科成形部品を製造するための加工時間を減らすために、特に焼結プロセスを回避するために、米国特許出願公開第2015/0125822号明細書は、少なくとも一つの歯冠の予備成形物を有するディスクの形態のブランクを開示している。ブランク中の予備成形物は、所望の形状の歯冠を調製するために、切断、鋸引き、研削、穿孔及び/又は切削によって機械加工される。米国特許出願公開第2015/0125822号明細書のブランクは、その寸法及び/又は形状/設定の点で、製造される歯科成形部品の寸法及び/又は形状/設定に近似又は適合する三次元ボディである。したがって、少なくとも部分的に適合又は予想された予備成形物の寸法及び/又は形状のおかげで、ブランクからの歯科成形部品の調製は容易になる。
しかし、米国特許出願公開第2015/0125822号明細書のブランクは、実際には効率的に使用することはできない。予備成形物がブランクホルダ中のブランクの高精度配置を必要とすることを考慮すると、予備成形物がホルダに中に誤配置されたとき、不正確さが欠陥品の歯科用物品をもたらすおそれがある。
そのうえ、咬合が歯のサイズに依存することを考慮すると、米国特許出願公開第2015/0125822号明細書によって考案された予備成形物は、様々なサイズの歯、特に大臼歯の調製を可能にするためには、歯科用物品のタイプごとに様々なサイズで提供されなければならない。すでに歯の色の違いが異なる色の複数の異なるブランクの在庫保有を要求することを考慮すると、異なるタイプ及びサイズの歯科用物品のための予備成形物の必要性は、歯科医が数多くの異なるブランクを取得することを要求する。
そのうえ、米国特許出願公開第2015/0125822号明細書のブランクが特定のブランクに関して頻繁に選択されなければならないことを考慮すると、時間消費的であり、ブランクの配置において潜在的な不正確さを招く、ブランクの頻繁な変更を避けることはできない。
欧州特許出願公開第2016922号明細書は、既存のCAD/CAMシステムのブランクホルダと係合するように構成されたフレームワークと、フレームワークに取り付けられてアドレス可能なマトリックス又はクラスタブランクを形成する複数のサブブランクとを含むクラスタミルブランクを開示している。サブブランクは、機械加工によって歯科用物品へと加工することができるケイ酸リチウム系のガラスセラミックスを含むことができる。EP2016922によって開示されたブランクは、ブランクあたり収量を最大化し、材料廃棄物を減らすことを意図したものである。
第一の局面にしたがって、本発明の課題は、歯科用物品を切削又は研削するためのブランクであって、複数の歯科用物品を、所定の形状に限ることなく、速やかかつ効率的に調製するために使用することができ、それにより、歯科用物品が調製されるところのセラミック又はガラスセラミック材料の高い機械的強度にもかかわらず、切削又は研削工具の耐用寿命を最適化し、同時に、ブランクの在庫を減らすのに役立ち、それにより、CAD/CAMシステムに伴う稼働コストを減らすブランクを提供することである。
第二の局面にしたがって、本発明の課題は、本発明のブランクを少なくとも二つ含むパーツのキットであって、異なる色の複数の歯科用物品を、所定の形状に限ることなく、速やかかつ効率的に調製するために使用することができ、それにより、ブランクが、歯科用物品が調製されるところのセラミック又はガラスセラミック材料の高い機械的強度にもかかわらず、切削又は研削工具の耐用寿命を最適化し、同時に、ブランクの在庫を減らすのに役立ち、それにより、CAD/CAMシステムに伴う稼働コストを減らす、パーツのキットを提供することである。
第三の局面にしたがって、本発明の課題は、ブランクを速やかかつ効率的に調製するために使用することができる、ブランクを調製する方法を提供することである。
第四の局面にしたがって、本発明の課題は、複数の歯科用物品を、所定の形状に限ることなく、速やかかつ効率的に調製するためのサブトラクティブ法であって、歯科用物品が調製されるところのセラミック又はガラスセラミック材料の高い機械的強度にもかかわらず、切削又は研削工具の摩耗が減って耐用寿命が延びる、サブトラクティブ法を提供することである。
第五の局面にしたがって、本発明の課題は、歯科用物品を調製するためのコンピュータ実装方法であって、複数の歯科用物品を、所定の形状に限ることなく、速やかかつ効率的に調製するために使用することができ、ブランクの配置が容易又は簡単であり、ブランクの配置の不正確さによる欠陥を生じさせず、同時に、ブランクが、歯科用物品が調製されるところのセラミック又はガラスセラミック材料の高い機械的強度にもかかわらず、切削又は研削工具の耐用寿命を最適化する、コンピュータ実装方法を提供することである。
第六の局面にしたがって、本発明の課題は、複数の歯科用物品を、所定の形状に限ることなく、速やかかつ効率的に調製するために使用することができ、ブランクの配置が容易又は簡単であり、ブランクの配置の不正確さによる欠陥を生じさせず、同時に、ブランクが、歯科用物品が調製されるところのセラミック又はガラスセラミック材料の高い機械的強度にもかかわらず、切削又は研削工具の耐用寿命を最適化する、非一時的コンピュータ可読媒体を提供することである。
第一の局面にしたがって、本発明は、歯科用物品を切削又は研削するためのブランクであって、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディを有し、平板状ボディが、一つ以上のセラミック又はガラスセラミックブランク部分及び二つ以上のスルーホールを含み、各スルーホールが、CAMシステムの切削又は研削工具の作業端を受けるために、セラミック又はガラスセラミックブランク部分の少なくとも一つと隣接する、ブランクを提供する。
第二の局面にしたがって、本発明は、本発明の第一の局面によって規定されるブランクを少なくとも二つ含み、各ブランクが、一つ以上のセラミック又はガラスセラミックブランク部分の色を識別するために色分けされている、パーツのキットを提供する。
第三の局面にしたがって、本発明は、本発明の第一の局面によって規定されるブランクを調製する方法であって、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディの表面上の二つ以上の所定の位置に二つ以上のスルーホールを形成する工程を含む方法を提供する。
第四の局面にしたがって、一つ以上の歯科用物品を調製するためのサブトラクティブ法であって、
(i)本発明の第一の局面によって規定されるブランクを提供する工程;
(ii)ブランクをCAMシステムのブランクホルダに取り付ける工程であって、CAMシステムはさらに、作業端を有する切削又は研削工具で構成されたフライス盤又は研削盤を含み;
(iii)切削又は研削工具の作業端を、ブランクの予備成形スルーホールに入れ、予備成形スルーホールの平坦な又は凹形の内壁に隣接させて配置する工程;及び
(iv)予備成形スルーホールの平坦な又は凹形の内壁を切削又は研削工具の作業端によって切削又は研削することによって予備成形スルーホールを拡大して、歯科用物品の凸形輪郭の少なくとも一部分が調製されるようにする工程
を含む方法を提供する。
第五の局面にしたがって、本発明は、歯科用物品を調製するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)CAMシステムのフライス盤のブランクホルダに取り付けられた、本発明の第一の局面によって規定される二つ以上の予備成形スルーホールを有するブランクのタイプを決定する工程;
(b)CAMシステムを制御して、フライス盤の切削又は研削工具の作業端がブランクの予備成形スルーホール中に受けられるようにする工程;
(c)切削又は研削工具の作業端を制御して、予備成形スルーホールが工具によって歯科用物品の凸形輪郭の少なくとも一部分の中へ拡大されるようにする工程
を含むコンピュータ実装方法を提供する。
第六の局面にしたがって、本発明は、本発明の歯科用物品を調製するためのコンピュータ実装方法を実施するために実行可能なプログラムを含み、さらに、本発明によって規定されるブランクのデジタル表現を含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
本発明は、切削又は研削工具がその縦軸に沿って高密度セラミックス又はガラスセラミックス製のブランクの中を動くとき起こる過度な工具摩耗により、切削又は研削工具の耐用寿命(すなわち動作性能)の劣化又は悪化が早まるおそれがあるという認識に基づく。したがって、工具は、工具の側方部分が歯科用物品の機械加工に有効であり続けるときでも、ブランクを速やかに穿孔することができない。そのうえ、本発明は、CAMシステムの切削又は研削工具の作業端を受けるための、セラミック又はガラスセラミックブランク部分と隣接する二つ以上のスルーホールをブランク中に設けることにより、工具が硬いセラミック又はガラスセラミック材料を切削又は研削しながらその縦軸に沿って貫入することを避けることにより、切削又は研削工具の耐用寿命を有意に延ばすことができるという認識に基づく。
平板状ボディが、全部がセラミック又はガラスセラミック材料で構成され、その中に一つのスルーホールが形成されているブランク部分である、本発明のブランクの第一の実施形態を示す。 歯科用物品の切削シルエットが平板状ボディ上に示されている、本発明のブランクの第一の実施形態を示す。 平板状ボディが、セラミック又はガラスセラミック材料で構成され、その中に複数のスルーホールが形成されているブランク部分を表す、本発明のブランクの第二の実施形態を示す。 平板状ボディが、セラミック又はガラスセラミック材料の複数のブランク部分を受けるための複数の開口を含み、各ブランク部分がそれ専用のスルーホールと隣接する、本発明のブランクの第三の実施形態を示す。 平板状ボディが、セラミック又はガラスセラミック材料の複数のブランク部分を含み、各ブランク部分が、複数のブランク部分によって共用されるスルーホールと隣接する、本発明のブランクの第四の実施形態を示す。 平板状ボディのフレームワークが、セラミック又はガラスセラミック材料のブランク部分を有しない状態で示されている、図5の実施形態を示す。
好ましい実施形態の詳細な説明
用語「歯科用物品」とは、歯科技工所を含め、歯科及び/又は歯列矯正分野において使用することができる物品と理解される。歯科用物品の典型的な例は、間接歯科修復物である。用語「間接歯科修復物」は、歯科分野において使用することができる、患者の口腔の外で成形された歯科修復物、例えば、インレー、アンレー、ベニア、クラウン、ブリッジ、アバットメント、歯科ポスト、義歯、義歯床及びインプラント部材を含む。このために、歯科修復物は、十分な機械的性質、例えば、少なくとも400MPaのビッカーズ硬さ(HV1)(ISO6507-1:2005(E))を提供しなければならない。歯科修復物は、歯科支え構造及び歯科ベニア若しくは前装で構成されることもできる。
用語「ガラス」とは、非晶質の固体を指し、熱力学的には凍結した過冷液体と記すこともできる。例えば、酸化物系ガラス、特にホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス又はケイ酸リチウムガラスである。
用語「セラミック(ス)」とは、無機非金属材料を指す。セラミックスは通常、硬く、多孔質かつ脆性であり、ガラス又はガラスセラミックスとは対照的に、本質的に純粋に結晶質の構造を示す。
用語「ガラスセラミック(ス)」とは、一つ以上の結晶相がガラス相によって包囲されている無機非金属材料を指す。
用語「機械加工」とは、材料を機械によって切削、研削、切断、彫刻又は成形することを指す。
歯科用セラミック物品は、900~1100℃の温度範囲で1~3時間、熱処理されているならば、「予備焼結」されたものと分類される。予備焼結された歯科用セラミック物品は通常、多孔質構造を有し、その密度は、完全焼結された歯科用セラミック物品と比べ、少なくとも10%低い。予備焼結されたブランク部分又は歯科用物品はグリーンボディ(半焼結体)と呼ばれることもある。本発明は、400MPa未満のビッカーズ硬さ(HV1)(ISO6507-1:2005(E))しか有しない予備焼結されたブランク部分には関与しない。
用語「焼結」とは、より高い密度を有する、より多孔質性が低い材料に対する、グリーンボディなど多孔質材料の稠密化を指す。
用語「鋳造」とは、液体材料を、鋳形の所望の形状の中空キャビティに流し込んだのち、固化させる製造法を指す。
「アスペクト比」とは、ブランクの形状を、そのサイズにかかわらず、ブランクの長さ及び厚さに基づいて数値的に表すための無次元形状係数である。円形のブランクの場合、該当する長さは円形の平板状ボディの直径である。非円形の場合、該当する長さは、平板状ボディの厚さに対して垂直な方向における、平板状ボディの最大寸法である。厚さ方向は、ブランクの二つ以上のスルーホールの方向と一致する。
ブランク(ミルブランク)
本発明は、歯科用物品を切削又は研削するためのブランクを提供する。歯科用物品は、インレー、アンレー、ベニア、クラウン、ブリッジ、アバットメント、歯科ポスト、義歯、義歯床及びインプラント部材をはじめとする、いかなる間接修復物であってもよい。好ましくは、歯科用物品は、クラウン、ブリッジ、インレー及びアバットメントから選択される。
ブランクは、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディを有する。好ましい実施形態にしたがって、平板状ボディを周に保持し、CAMシステムのブランクホルダにぴったり嵌まるように設計されているアダプタが提供される。このために、ブランクは、好ましくは、CAMシステムのブランクホルダ中でブランクを配向させるための一つ以上のスロットを平板状ボディの周に有する。ブランクは、ブランクホルダ中のブランクの配向を容易にするさらなる要素を備えてもよい。特に、円形ディスクの場合、ブランクがブランクホルダに取り付けられるときブランクホルダの対応する凸部と嵌合するように設計されている凹部を備えてもよい。
平板状ボディの輪郭は特に限定されず、円形、楕円形、長方形又は多角形から選択することができる。
好ましい実施形態にしたがって、ブランクの平板状ボディは、少なくとも3、より好ましくは少なくとも4のアスペクト比(直径/厚さ)を有する。
平板状ボディは円形ディスクであることが好ましい。好ましくは、ディスクは少なくとも50mmの直径を有し、より好ましくは、ディスクは少なくとも70mmの直径を有する。特定の実施形態にしたがって、平板状ボディは、少なくとも95mm、特に98.5mmの直径を有するディスクである。
平板状ボディの厚さは、3~35mm、より好ましくは7~25mmの範囲であることができ、ブランクで調製される歯科用物品に基づいて適当に選択することができる。
平板状ボディは一つ以上のセラミック又はガラスセラミックブランク部分を含む。特定の実施形態にしたって、平板状ボディは一つのセラミック又はガラスセラミックブランク部分を含む。したがって、平板状ボディは本質的にセラミック又はガラスセラミック材料からなることができる。平板状ボディはさらにアダプタを含んでもよい。アダプタは、接着剤をはじめとする任意の適当な手段によって平板状ボディに固定されることができる。アダプタは平板状ボディの周に提供されることができる。アダプタの材料は特に限定されず、好ましくは繊維又は粒子強化樹脂から選択することができる。セラミック又はガラスセラミックブランク部分は、一つ以上の歯科用物品の調製に使用されることができる。一つのセラミック又はガラスセラミックブランク部分からの複数の歯科用物品の調製は、好ましくは、第一の歯科用物品の切削シルエットをブランク部分のスルーホールに隣接させて配置し、さらなる歯科用物品の切削シルエットを、以前の一つ以上の歯科用物品の調製から得られたスルーホールに隣接させて配置することによって実施される。歯科用物品の切削シルエットは、CAM機を制御するCADソフトウェアによる使用に備えて設計され、記憶される。
さらなる特定の実施形態にしたがって、平板状ボディは、セラミック又はガラスセラミックブランク部分を保持するように適合された複数の開口を有するフレームワークを含む。したがって、平板状ボディは、少なくとも二つ、好ましくは四つ以上の個別のセラミック又はガラスセラミックブランク部分を含む。したがって、本発明は、既存のCAD/CAMシステムのブランクホルダと係合するように適合された平板状ボディと、ブランクの平板状ボディに含まれる複数のブランク部分とを含むブランクを提供する。平板状ボディはさらにアダプタを含んでもよい。アダプタは、接着剤をはじめとする適当な手段によって平板状ボディに固定されることができる。アダプタは平板状ボディの周に提供されることができる。アダプタの材料は特に限定されず、好ましくは繊維又は粒子強化樹脂から選択することができる。ブランクは、個々のブランクを異なるシステム中で使用することを可能にする組み立て式又はカスタムメイドのフレームワークを使用して、個々のブランク部分から形成されることができる。フレームワークは、歯科用物品の調製中にブランク部分を保持するのに十分な強度を有する適当な材料でできていることができる。適当な材料の例は、セラミック材料、ガラスセラミック材料、金属、樹脂、複合材及びそれらの組み合わせである。
平板状ボディは、同一のサイズ及び色相の同じ個々のブランク部分を含むこともできるし、同じサイズ及びタイプで異なる色相のブランク部分を含むこともできる。平板状ボディはまた、様々なサイズ及び色相の同じブランク部分材料を含むことができ、また、一つの又は異なる製造業者からの多様な異なるタイプのブランク部分を同じフレームワーク上でアセンブルしてハイブリッドブランクを形成することもできる。
ブランク部分は、適当な方法によって平板状ボディのフレームワークに永久的又は解放可能に取り付けることができる。適当な方法の例は、糊付け、焼結、はんだ付け、ろう付け、接着剤、ナット・ボルト・座金、ノックダウンフィッティング及びねじを伴う方法を含む。
ブランク部分は、その寸法及び/又はその形状/設計に関し、製造される歯科成形品の寸法及び/又は形状/設計に近似又は適合している三次元ボディである予備成形物を含まない。むしろ、スルーホールを除くブランク部分の全体形状は、直方体、立方体、円柱又は多角柱、例えば、三角柱、五角柱又は六角柱をはじめとする簡単な三次元幾何学形状から選択することができる。直方体及び円柱が好ましい。直方体形状の場合、ブランク部分の寸法は、好ましくは、1~5cm:1~5cm:0.5~3cmの範囲である。円柱形状の場合、ブランク部分の寸法は、好ましくは、平板状ボディの寸法と一致し、好ましくは、5~10cm:0.5~3cmの範囲である。
ブランク部分は、高い硬さを有するセラミックス又はガラスセラミックスで構成されている。ブランク部分の少なくとも一つはグリーンボディではない。むしろ、ブランク部分は、好ましくは、少なくとも400MPaのビッカーズ硬さ(HV1)(ISO6507-1:2005(E))を有する。より好ましくは、ブランク部分は、少なくとも500MPa、さらに好ましくは少なくとも600MPaのビッカーズ硬さ(HV1)を有する。したがって、本発明のセラミックブランク部分に基づいて調製された歯科用物品は、必要な機械的性質を達成するために、機械加工(切削又は研削)後に最終密度まで焼結される必要はない。したがって、設計プロセスは、歯科用物品の従来の切削及び研削プロセス(グリーンボディが使用される)に含まれる10%を超える収縮率を考慮に入れる必要はない。
本発明のブランク部分を製造することができるセラミック材料は、本発明のブランクのための出発原料として特に適当である多結晶材料(それ自体、酸化物セラミックスが好ましい)である。
用語「酸化物セラミック」又は「酸化物セラミックス」とは、「シリケートセラミックス」と呼ばれる材料とは異なる材料を指す。酸化物セラミックスは、酸化アルミニウム(Al23)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)及び酸化マンガン(MgO)をはじめとする、主に結晶相を含有する簡単な金属酸化物に基づく。好ましくは、酸化物セラミックスは二酸化ジルコニウムに基づく。
二酸化ジルコニウムは、低めの温度における二酸化ジルコニウムの高温変性を安定化させるための適当な金属酸化物の添加によって変性されてもよい。適当な金属酸化物は、例えば、酸化イットリウム(Y23)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)及び酸化セリウム(CeO、Ce23)である。
さらなる実施形態にしたがって、酸化物セラミックスは、主成分として酸化アルミニウム(Al23)及び二酸化ジルコニウム(ZrO2)に基づく混合酸化物セラミックスであることもできる。例えば、酸化アルミニウムを70%~90%含有し、残りが二酸化ジルコニウムで構成される、又は酸化ジルコニウムを70%~80%含有し、残りが酸化アルミニウムで構成される混合酸化物セラミックス。
セラミックスは、好ましくは高密度焼結され、低い残留気孔率しか有しない。具体的には、セラミックスは、残留気孔率が10%未満、好ましくは1%未満になるよう、その最大又は完全焼結密度の少なくとも約90%、好ましくは99%になるまで高密度焼結されることができる。
さらなる好ましい実施形態にしたがって、ブランク部分はガラスセラミックスで構成されている。ブランク部分は、好ましくは、重量%単位で以下の組成を有することができる。
Figure 2022525094000001
合計100重量%である。
ブランク部分は、室温への冷却中又は冷却後にガラス溶融体から形成することができ、ブランクは、その後、温度TW1で時間tW1の期間にわたり少なくとも第一の熱処理W1を受ける(620℃≦TW1≦800℃、特に650℃≦TW1≦750℃及び/又は1分≦tW1≦200分、好ましくは10分≦tW1≦60分)。フォームボディは、ブランク/熱処理ブランクから作製される。
本発明のブランクは、着色添加物、例えば、希土類元素又は周期表のd若しくはfブロックの元素の金属原子又は金属イオンを使用することによって着色することができる。
ブランク部分は、一つの色又は一つの色相で均一に着色することができる。しかし、異なる色層を提供すること、又は色が出発色から最終色へと連続的に変化するグラデーションでブランクを着色することも可能である。
平板状ボディは二つ以上のスルーホールを含み、各スルーホールが、CAMシステムの切削又は研削工具の作業端を受けるために、セラミック又はガラスセラミックブランク部分の少なくとも一つと隣接する。スルーホールは、ブランク部分の輪郭の内側にあってもよいし、ブランク部分の輪郭の外側にあってもよい。いずれの場合でも、スルーホールは、切削又は研削工具の作業端が、その縦軸に沿って切削又は研削を起こすことなく、ブランクに貫入することができるようなスルーホールである。特定の実施形態にしたがって、スルーホールは一つのブランク部分と隣接し、それにより、スルーホールは、その特定のブランク部分を機械加工するために使用される。
あるいはまた、スルーホールは複数のブランク部分と隣接してもよく、それにより、スルーホールは、それら複数のブランク部分それぞれを機械加工するために使用されることができる。
さらなる実施形態にしたがって、ブランク部分は二つ以上のスルーホールと隣接し、それにより、スルーホールのいずれかが、ブランク部分を機械加工するために使用されることができる。例えば、ブランク部分は、複数の歯科用物品を調製するために使用されることができ、各歯科用物品が異なるスルーホールを使用して調製される。
好ましい実施形態にしたがって、ブランクは、一つ以上の焼結セラミックブランク部分の表面上に分散した複数の予備成形スルーホールを有する。
スルーホールの形状は、そのサイズが、CAMシステムの切削又は研削工具の作業端をスルーホール中に受けるのに十分な大きさである限り、特に限定されない。さらなる好ましい実施形態にしたがって、一つ以上の予備成形スルーホールは円形の孔又は細長い孔である。円形スルーホールの直径は、好ましくは1~20mm、より好ましくは2~10mmの範囲である。細長い孔の長さは、好ましくは5~100mm、より好ましくは10~50mmの範囲であり、細長い孔の幅は、円形スルーホールの直径に類似するように選択することができる。好ましくは、予備成形スルーホールはディスクの重心に配置される。したがって、CAMソフトウェアは、ブランクの重心の位置を決定することにより、切削又は研削工具の作業端をスルーホールに導入することができるよう、ディスクの寸法に基づいてスルーホールの位置を決定することができる。具体的には、円柱形ディスクの場合、重心はディスクの中心である。
ブランクの重心にないスルーホールを有するブランクの場合、スルーホールの詳細な位置がCAMソフトウェアに利用可能でなければならない。好ましい実施形態にしたがって、ブランクの重心にないスルーホールを有するブランクはさらに、CAMシステムのブランクホルダの対応する特徴と係合するためのスロットなどの特徴を含む。好ましくは、特徴は、ブランクの平板状ボディの周に取り付けられたアダプタ上に設けられる。ブランクは、特徴に対するスルーホールの位置を含め、ブランクがCAMシステムのブランクホルダにぴったり嵌められたときCAMソフトウェアがスルーホールの位置を導出することができるよう、デジタル形態で表現されることができる。ブランクの表現は、好ましくは、ブランクの表面又はその一部分を、スルーホールを含め、表す。好ましい実施形態にしたがって、三次元ブランクの表面形状寸法は、コンピュータ可読フォーマット、例えば、テッセレーションの概念を使用することによって表面形状寸法をエンコードするSTLファイルで記述される。
本発明はまた、特徴に対するスルーホールの位置を含め、本発明のブランクのデジタル表現を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体に関する。好ましくは、デジタル表現はSTLファイルフォーマットにある。
パーツのキット
第二の局面にしたがって、本発明は、本発明の第一の局面によって規定されるブランクを少なくとも二つ含み、各ブランクが、一つ以上のセラミック又はガラスセラミックブランク部分の色を識別するために色分けされている、パーツのキットを提供する。
色分けは、好ましくは、VITAシェードシステムなどの、歯科分野で使用される色分けシステムに基づく。
ブランクを調製する方法
第三の局面にしたがって、本発明は、本発明の第一の局面によって規定されるブランクを調製する方法であって、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディの表面上の二つ以上の所定の位置に二つ以上のスルーホールを形成する工程を含む方法を提供する。
第一の実施形態にしたがって、平板状ボディは、その輪郭内に二つ以上のスルーホールを含むセラミック又はガラスセラミックブランク部分である。したがって、本発明の方法は、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合されているセラミック又はガラスセラミックブランク部分の表面上の二つ以上の所定の位置に二つ以上のスルーホールを形成する工程を含む。ブランク部分は、予備焼結されたセラミック材料をブランク部分の所望の形状に調製し、成形したのち、予備焼結セラミック材料を熱処理することによって形成することができる。最終的なブランク部分を調製するために、二つ以上のスルーホールを予備焼結材料中又は焼結後に形成することができる。例えば、セラミック前駆体粉末をバインダと混合し、適当な形状にプレスしてグリーンボディを形成することができる。射出成形、プレス成形および押出し成形が、グリーンボディを調製するのに適した技術である。グリーンボディを、最終密度の約85%よりも低い密度まで予備焼結させることができる。次いで、予備焼結させたブロックを所望の形状へと機械加工し、最終密度まで焼結させて、ブランク部分を提供することができる。
第二の実施形態にしたがって、平板状ボディは一つ以上のセラミック又はガラスセラミックブランク部分を含む。したがって、本発明の方法は、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合されている平板状ボディ上の二つ以上の所定の位置に二つ以上のスルーホールを形成する工程を含む。例えば、平板状ボディ中のセラミック又はガラスセラミックブランク部分と隣接するスルーホールを提供するために、セラミック又はガラスセラミックブランク部分を調製して、それをフレームワークに取り付けることができる。
ブランクを使用するサブトラクティブ法
第四の局面にしたがって、本発明は、一つ以上の歯科用物品を調製するためのサブトラクティブ法であって、
(i)本発明の第一の局面によって規定されるブランクを提供する工程;
(ii)ブランクをCAMシステムのブランクホルダに取り付ける工程であって、CAMシステムはさらに、作業端を有する切削又は研削工具で構成されたフライス盤又は研削盤を含み;
(iii)切削又は研削工具の作業端を、ブランクの予備成形スルーホールに入れ、予備成形スルーホールの平坦な又は凹形の内壁に隣接させて配置する工程;及び
(iv)予備成形スルーホールの平坦な又は凹形の内壁を切削又は研削工具の作業端によって切削又は研削することによって予備成形スルーホールを拡大して、歯科用物品の凸形輪郭の少なくとも一部分が調製されるようにする工程
を含む方法を提供する。
好ましくは、第一の局面のブランクは、約98.5mmの直径を有するディスクである。
CAMシステムのブランクホルダへのブランクの取り付けは、好ましくは、ブランクの周に設けられたスロットを使用することができる。ブランクは、CAMシステム中で使用される従来の手段によって固定することができる。
CAMシステムはさらに、作業端を有する切削又は研削工具で構成されたフライス盤又は研削盤を含む。
切削又は研削工具の作業端は、ブランクの予備成形スルーホールに入れ、予備成形スルーホールの平坦な又は凹形の内壁に隣接させて配置する。好ましくは、切削又は研削工具の作業端の側方部分だけがブランク部分と接触する。より好ましくは、所与の瞬間における作業端の接触は、切削又は研削工具の作業端の最大接線速度の少なくとも50%の範囲内にある側方点に限定される。
予備成形スルーホールは、予備成形スルーホールの平坦な又は凹形の内壁を切削又は研削工具の作業端によって切削又は研削することによって拡大されて、歯科用物品の凸形輪郭の少なくとも一部分が調製されるようになる。したがって、切削又は研削工具が予備成形スルーホール中に配置されるとき、スルーホールは歯科用物品の切削シルエットの外側にある。
ブランクを使用するコンピュータ実装方法
第五の局面にしたがって、本発明は、歯科用物品を調製するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)CAMシステムのフライス盤のブランクホルダに取り付けられた、第一の局面によって規定される二つ以上の予備成形スルーホールを有するブランクのタイプを決定する工程;
(b)CAMシステムを制御して、フライス盤の切削又は研削工具の作業端がブランクの予備成形スルーホール中に受けられるようにする工程;
(c)切削又は研削工具の作業端を制御して、予備成形スルーホールが工具によって歯科用物品の凸形輪郭の少なくとも一部分の中へ拡大されるようにする工程
を含む方法を提供する。
CAMシステムのフライス盤のブランクホルダに取り付けられた、第一の局面によって規定される二つ以上の予備成形スルーホールを有するブランクのタイプが決定される。決定は、手作業のユーザ入力、バーコード、データベースを読むことによって、又はブランクを明瞭に識別することを可能にする他の工程によって実施することができる。
好ましい実施形態にしたがって、CAMシステムは、特定のタイプのブランクのデジタル表現が利用可能であるかどうかをチェックする。特定のタイプのブランクのデジタル表現が利用可能でないならば、CAMシステムは、必要ならばインタネットなどのネットワークを介して特定のタイプのブランクのデジタル表現をダウンロードすることができる。
その後、CAMシステムは、フライス盤の切削又は研削工具の作業端がブランクの予備成形スルーホール中に受けられるように制御される。このために、ブランクの二つ以上のスルーホールの位置がCAMシステムに利用可能でなければならない。したがって、コンピュータシステムが、ブランクのデジタル表現にアクセスする、又は好ましくはSTLフォーマットでそれを記憶することが好ましい。ブランクのバーチャル表現に基づき、CAMシステムは、スルーホールがブランクの中心に配置されたときのブランクの重心を決定することができる。あるいはまた、CAMシステムは、ブランクのデジタル表現を使用して、CAMシステムに記憶された位置におけるブランクホルダ上の対応する特徴と係合するように適合されたブランクの特徴を参照して二つ以上のスルーホールの位置を導出することもできる。
切削又は研削工具の作業端は、予備成形スルーホールが工具によって歯科用物品の凸形輪郭の少なくとも一部分の中へ拡大されるように制御される。
非一時的コンピュータ可読媒体
本発明はさらに、非一時的コンピュータ可読媒体を含む。媒体は、本発明にしたがって歯科用物品を調製するためのコンピュータ実装方法を実施するために実行可能なプログラムを含む。媒体はさらに、本発明によって規定されるブランクのデジタル表現を含む。好ましくは、デジタル表現はSTLフォーマットにある。
ブランクのデジタル表現に基づいて、実行可能なプログラムは、ブランクホルダ中でブランクを配向させるために使用される、ブランクホルダ上の既知の位置に対するスルーホールの位置を決定することができる。
次に、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
図1は、歯科用物品を切削又は研削するためのブランク10の第一の実施形態を示し、図中、平板状ボディ12が、全部がセラミック又はガラスセラミック材料で構成され、その中に一つのスルーホール20が形成されているブランク部分14である。ブランク10は、CAMシステム(図示せず)のブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディ12を有する。このために、平板状ボディはアダプタ15を含む。アダプタ15は、平板状ボディ12の周囲に提供されている。あるいはまた、アダプタ15は平板状ボディと一体であってもよく、例えば、平板状ボディの周が、ブランクホルダの形状に一致するように成形されてもよい。平板状ボディは、一つのセラミック又はガラスセラミックブランク部分14と、CAMシステムの切削又は研削工具の作業端を受けるための、セラミック又はガラスセラミックブランク部分14と隣接する一つの円形スルーホール20とを含む。スルーホール20は、平板状ボディの重心にあり、かつブランク部分の輪郭内にある。したがって、CAMシステムは、ブランクホルダ中のブランクの向きにかかわらず、スルーホールの位置を容易に決定することができる。
図2は、図1のブランク10の第一の実施形態を示し、図中、平板状ボディ12が、全部がセラミック又はガラスセラミック材料で構成され、その中に一つのスルーホール20が形成されているブランク部分14である。図2は、歯科用物品40を調製するための切削シルエット30を示す。歯科用物品の調製においては、まず、スルーホール20と隣接する第一の歯科用物品を調製するために、切削又は研削工具の作業端がスルーホールの20に導入される。第一の歯科用物品の調製がスルーホール20を増大させ、増大したスルーホール20と隣接する第二の歯科用物品の切削シルエットへのアクセスを提供する。したがって、平板状ボディ12の大部分又は実質すべてが、ブランク12のスルーホール20から出発して消費されることができ、同時に、切削又は研削工具の過度な摩耗を回避することができる。図2にしたがって、スルーホール20はブランクの重心、すなわち平板状ボディの中心にあり、これは、この位置では切削又は研削工具を容易にスルーホールに挿入することができるという事実を考慮すると、好ましい。
図3は、本発明のブランク10の第二の実施形態を示し、図中、平板状ボディ12が、全部がセラミック又はガラスセラミック材料で構成され、その中に複数の細長いスルーホール20が形成されているブランク部分14である。平板状ボディを周に保持し、CAMシステム(図示せず)のブランクホルダにぴったり嵌まるように設計されているアダプタ15が提供されている。平板状ボディ12は、一つのセラミック又はガラスセラミックブランク部分14と、CAMシステムの切削又は研削工具の作業端を受けるための、セラミック又はガラスセラミックブランク部分14と隣接する15の細長いスルーホール20とを含む。スルーホール20は、平板状ボディ全体に分散し、かつブランク部分の輪郭内にある。図3は、歯科用物品を調製するための切削シルエット30を示す。歯科用物品の調製においては、スルーホール20と隣接する歯科用物品を調製するために、切削又は研削工具の作業端が細長いスルーホールの20の一つに導入される。切削又は研削工具の作業端を異なる細長いスルーホールの20に導入することにより、第二の歯科用物品及びさらなる歯科用物品を調製することもできる。したがって、15の細長いスルーホールそれぞれを使用することにより、平板状ボディ12の大部分又は実質すべてを消費することができ、同時に、切削又は研削工具の過度な摩耗を回避することができる。
図4は、歯科用物品を切削又は研削するためのブランク10の第三の実施形態のフレームワーク16を示し、図中、平板状ボディ12が、セラミック又はガラスセラミック材料の複数のブランク部分(図示せず)を含み、各ブランク部分が、それ専用の細長いスルーホール20と隣接し、フレームワーク16の対応する開口21中に固定されている。ブランク10のフレームワーク16は、CAMシステム(図示せず)のブランクホルダに受けられるように適合されている。このために、フレームワークはアダプタ15を含む。アダプタ15は、フレームワーク16の周囲に提供されている。フレームワーク16は、15のセラミック又はガラスセラミックブランク部分14(図示せず)を、CAMシステムの切削又は研削工具の作業端を受けるための15の細長いスルーホール20と隣接させて配置するための15の開口21を含む。セラミック又はガラスセラミックブランク部分14のための開口21及び細長いスルーホール20は平板状ボディ全体に分散している。歯科用物品の調製においては、スルーホール20と隣接するブランク部分を使用して歯科用物品を調製するために、切削又は研削工具の作業端が細長いスルーホールの20の一つに導入される。切削又は研削工具の作業端を異なる細長いスルーホールの20に導入することにより、第二及びさらなる歯科用物品を調製することもできる。したがって、15のセラミック又はガラスセラミックブランク部分14及び細長いスルーホールそれぞれを使用することにより、平板状ボディ12の大部分又は実質すべてを消費することができ、同時に、切削又は研削工具の過度な摩耗を回避することができる。
図5は、歯科用物品を切削又は研削するためのブランク10の第四の実施形態を示し、図中、各ブランク部分14が、複数のブランク部分によって共用されるスルーホール20と隣接する。ブランク10は、CAMシステム(図示せず)のブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディ12のフレームワーク16を有する。このために、平板状ボディ12はアダプタ15を含む。アダプタ15は、平板状ボディ12の周囲に提供されている。平板状ボディ12は、12のセラミック又はガラスセラミックブランク部分14と、CAMシステムの切削又は研削工具の作業端を受けるための、それぞれがセラミック又はガラスセラミックブランク部分14の6つと隣接する二つのスルーホール20とを含む。ブランクホルダの対応する凸部と係合するときブランクホルダ中でブランク10を所定の向きに配置するためのスロット50の形態のマーキングが周に配置されている。
図6は、図5の実施形態のフレームワーク16を示し、図中、平板状ボディのフレームワーク16が、セラミック又はガラスセラミック材料のブランク部分を有しない状態で示されている。

Claims (15)

  1. 歯科用物品を切削又は研削するためのブランクであって、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディを有し、前記平板状ボディが、一つ以上のセラミック又はガラスセラミックブランク部分及び二つ以上のスルーホールを含み、各スルーホールが、前記CAMシステムの切削又は研削工具の作業端を受けるために、前記セラミック又はガラスセラミックブランク部分の少なくとも一つと隣接する、ブランク。
  2. 前記二つ以上のスルーホールが円形の孔又は細長い孔、好ましくは細長い孔である、請求項1記載のブランク。
  3. 前記平板状ボディが、2~50、好ましくは2~30、より好ましくは2~16のスルーホールを含み;各スルーホールが円形の孔又は細長い孔、好ましくは細長い孔である、請求項1又は2記載のブランク。
  4. 前記平板状ボディが一つのセラミック又はガラスセラミックブランク部分を含む、請求項1~3のいずれか1項記載のブランク。
  5. 前記平板状ボディが、セラミック又はガラスセラミックブランク部分を保持するように適合された複数の開口を有するフレームワークを含む、請求項1~3のいずれか1項記載のブランク。
  6. 前記フレームワークが、セラミック又はガラスセラミックブランク部分を保持するように適合された2~50、好ましくは4~20、より好ましくは8~16の開口を含む、請求項5記載のブランク。
  7. 前記フレームワークが、歯科用物品の調製中に前記ブランク部分を保持するのに十分な強度を有する材料、好ましくは樹脂又は複合材でできている、請求項5又は6記載のブランク。
  8. 各スルーホールが一つのブランク部分と隣接する、請求項5~7のいずれか1項記載のブランク。
  9. 少なくとも一つのスルーホール、好ましくは各スルーホールが複数のブランク部分と隣接する、請求項5~7のいずれか1項記載のブランク。
  10. CAMシステムのブランクホルダ中で前記ブランクを配向させるための一つ以上のスロットを前記平板状ボディの周に有する、請求項1~9のいずれか1項記載のブランク。
  11. 請求項1~10のいずれか1項記載のブランクを少なくとも二つ含み、各ブランクが、前記一つ以上のセラミック又はガラスセラミックブランク部分の色を識別するために色分けされている、パーツのキット。
  12. 請求項1~10のいずれか1項記載のブランクを調製する方法であって、CAMシステムのブランクホルダに受けられるように適合された平板状ボディの表面上の二つ以上の所定の位置に二つ以上のスルーホールを形成する工程を含む方法。
  13. 一つ以上の歯科用物品を調製するためのサブトラクティブ法であって、
    (i)請求項1~10のいずれか1項記載のブランクを提供する工程;
    (ii)前記ブランクをCAMシステムのブランクホルダに取り付ける工程であって、前記CAMシステムはさらに、作業端を有する切削又は研削工具で構成されたフライス盤又は研削盤を含み;
    (iii)前記切削又は研削工具の前記作業端を、前記ブランクの予備成形スルーホールに入れ、前記予備成形スルーホールの平坦な又は凹形の内壁に隣接させて配置する工程;及び
    (iv)前記予備成形スルーホールの前記平坦な又は凹形の内壁を前記切削又は研削工具の前記作業端によって切削又は研削することによって前記予備成形スルーホールを拡大して、歯科用物品の凸形輪郭の少なくとも一部分が調製されるようにする工程
    を含む方法。
  14. 歯科用物品を調製するためのコンピュータ実装方法であって、
    (a)CAMシステムのフライス盤のブランクホルダに取り付けられた、請求項1~10のいずれか1項記載の一つ以上の予備成形スルーホールを有するブランクのタイプを決定する工程;
    (b)前記CAMシステムを制御して、前記フライス盤の切削又は研削工具の作業端が前記ブランクの予備成形スルーホール中に受けられるようにする工程;
    (c)前記切削又は研削工具の前記作業端を制御して、前記予備成形スルーホールが前記工具によって歯科用物品の凸形輪郭の少なくとも一部分の中へ拡大されるようにする工程
    を含むコンピュータ実装方法。
  15. 請求項14記載の歯科用物品を調製するためのコンピュータ実装方法を実施するために実行可能なプログラムを含み、さらに、請求項1~10のいずれか1項記載のブランクのデジタル表現を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
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