本明細書中では「供給システム」なる用語は、ユーザーに物質を供給するシステムを包含することを意図し、
電子タバコ、タバコ加熱製品、エアロゾル化可能な材料の組み合わせを使用してエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムなどのエアロゾル化可能な材料を燃焼させずにエアロゾル化可能な材料から化合物を放出する非燃焼系エアロゾル供給システム、
エアロゾル化可能な材料を含み、これらの非燃焼系エアロゾル供給システムの1つの内部に使用されるように構成された物品および
トローチ、ガム、パッチ、パッチ吸入可能な粉を含む物品などのエアロゾルを含まない供給システムおよびエアロゾルを形成せずにユーザーに材料を供給するスヌースおよび嗅ぎタバコなどの無煙タバコ製品を含む。
本開示では「非燃焼」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(またはその部材)の構成エアロゾル化可能な材料をユーザーへ供給しやすくするために燃焼させないまたは燃やさないシステムである。
1つの実施態様では供給システムは、電動非燃焼系エアロゾル供給システムなどの非燃焼系エアロゾル供給システムである。
1つの実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムはベイピングデバイスまたは電子ニコチン供給システム(END)としても知られている電子タバコである。
1つの実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは非燃焼加熱システムとしても知られているタバコ加熱システムである。
1つの実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能な材料の組み合わせを使用し、そのうちの1つまたは複数を加熱することでエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムである。これらエアロゾル化可能な材料のそれぞれは、例えば固体、液体またはゲルの形体であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは、液状またはゲル状エアロゾル化可能な材料および固体のエアロゾル化可能な材料を含む。固体エアロゾル化可能な材料は、例えばタバコ材または非タバコ製品を含んでもよい。
通常は非燃焼系エアロゾル供給システムは、本明細書ではエアロゾル発生デバイスとも称する非燃焼系エアロゾル供給装置および非燃焼系エアロゾル供給システムに使用する物品を含んでもよい。しかしながら、それ自体がエアロゾル発生部材に動力を供給する手段を含む物品は、それ自体非燃焼系エアロゾル供給システムを形成することも想定される。
1つの実施態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、動力源と、コントローラとを含んでもよい。動力源は、電力源または発熱動力源であってもよい。1つの実施態様では発熱動力源は、これに隣接するエアロゾル化可能な材料または伝熱材に熱の形体で動力を配分するようにエネルギーが加えられてもよいカーボン基材を含む。1つの実施態様では発熱動力源などの動力源は非燃焼エアロゾル供給を形成するために物品に供される。
1つの実施態様では非燃焼系エアロゾル共有デバイスに使用するための物品は、エアロゾル化可能な材料と、エアロゾル発生部材と、エアロゾル発生領域と、マウスピースおよび/またはエアロゾル化可能な材料を収容するための領域とを含んでもよい。
1つの実施態様ではエアロゾル発生部材はエアロゾル化可能な材料と相互作用してエアロゾル化可能な材料から1つ以上の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成することができるヒーターである。1つの実施態様ではエアロゾルはエアロゾル化可能な材料から加熱せずにエアロゾルを発生させることができる。例えば、エアロゾル発生部材は、エアロゾル化可能な材料からそれに熱を加えずに例えば振動、機械、加圧または静電手段によってエアロゾルを発生させることができる。
1つの実施態様ではエアロゾル化可能な材料は、活性材、エアロゾル形成材および任意の1つ以上の機能材を含んでもよい。活性材は、ニコチン(任意にタバコまたはタバコ派生物に含まれる)と、1つ以上の他の無臭の生理的に活性な材料とを含んでもよい。無臭の生理的に活性な材料は、臭覚以外の生理的な反応を達成するためにエアロゾル化可能な材料に含まれる材料である。
エアロゾル形成材は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリトリトール、メソ-エリトリトール、バニリン酸エチル、エチルラウレート、ジエチル基材、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、ベンジルベンゾエート、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸およびプロピレンカーボネートのうちの1つ以上を含んでもよい。
1つ以上の機能材は、風味料、キャリアー、pHレギュレーター、安定剤および/または酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
1つの実施態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品は、エアロゾル化可能な材料またはエアロゾル化可能な材料を収容するための領域を含んでもよい。1つの実施態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品は、マウスピースを含んでもよい。エアロゾル化可能な材料を収容するための領域は、エアロゾル化可能な材料を貯蔵するための貯蔵領域であってもよい。1つの実施態様ではエアロゾル化可能な材料を収容するための領域は、エアロゾル発生領域から離れてもよい、あるいは組み合わされてもよい。
本明細書ではエアロゾル発生材およびエアロゾル発生基材とも称するエアロゾル化可能な材料は、例えば加熱、照射または他の何らかの方法で活性化されると、エアロゾルを発生させることができる材料である。エアロゾル化可能な材料は、例えばニコチンおよび/または風味剤を含むまたは含まない固体、液体またはゲルの形体であってもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料は「非晶質固体」を含んでもよく、これはこれとは別に「モノリシック固体」(即ち、非繊維性)とも言われる。一部の実施態様では非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料は、例えば約50wt%、60wt%または70wt%の非晶質固体~約90wt%、95wt%または100wt%の非晶質固体を含んでもよい。
エアロゾル化可能な材料は、基材上に存在してもよい。基材は、例えば紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生されたエアロゾル化可能な材料、プラスチック材、セラミック材、複合材料、ガラス、金属または金属合金であってもあるいは含んでもよい。
エアロゾル変性剤は、使用の際エアロゾルを変性することができる物質である。変性剤はそのようにエアロゾルを変性して人体に生理的または感覚的影響を与えてもよい。エアロゾル変性剤の例としては風味剤および感覚惹起剤などがある。感覚惹起剤は冷たいまたは酸っぱいなどの感覚を通して知覚される感覚刺激性感覚を生じさせる。
サセプタは、交番磁界などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。加熱材は、導電性材料であってもよく、変動磁場の侵入によって加熱材の誘導加熱を生じさせるようにしてもよい。加熱材は、導電性材料であってもよく、変動磁場の侵入によって加熱材の磁気ヒステリシス加熱を生じさせるようにしてもよい。加熱材は、導電性および磁力の両方によるものであってもよく、これにより加熱材は両方の加熱機構で加熱可能になる。
誘導加熱は、導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すための装置を備えることができる。加熱しようとする物体と電磁石が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するような適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が発生すると、渦電流が物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱することができる物体は、サセプタとして知られている。
1つの実施態様ではサセプタは閉回路の形体である。サセプタが閉回路の形態のときは、使用時におけるサセプタと電磁石との磁気結合が強くなり、その結果、ジュール加熱が増大し、又は改善されることが分かっている。
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場が侵入することによって物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場、例えば、電磁石によって生じたものなどの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が発生する。
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、変動磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
上記のプロセスのそれぞれにおいて、熱は、外部熱源によって熱伝導により発生するのではなく、物体自体の内部で発生するので、物体内の急速な温度上昇と、より均一な熱分布を達成することができる。これは、特に、物体の材料及び幾何形状を適切に選び、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適切に選ぶことによって達成することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱では、変動磁場の源と物体との間に物理的な接続部を設ける必要がないので、設計自由度及び加熱プロファイルの制御性を高めるとともに、コストを抑えることができる。
例えばロッド状の物品などの物品は、しばしば、製品の長さに従って次のように命名される。「標準」(通常は68~75mm、例えば約68mm~約72mmの範囲)、「ショート」または「ミニ」(68mm以下)、「キングサイズ」(通常は75~91mm、例えば約79mm~約88mmの範囲)、「ロング」または「スーパーキング」(通常は91~105mm、例えば約94mm~約101mmの範囲)、および「超ロング」(通常、約110mm~約121mmの範囲)。
それらはまた、タバコの円周に従って次のように命名される。「標準」(約23~25mm)、「ワイド」(25mmを超える)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)、「マイクロスリム」(約16mm未満)。
従って、キングサイズの超細型規格の紙巻きタバコは、例えば、長さが約83mm、円周が約17mmである。
各フォーマットは異なる長さのマウスピースが設けられてもよい。マウスピースの長さは約30mm~50mmになる。チッピング紙はマウスピースをエアロゾル発生材に接続し、通常は例えば3~10mmの長さでマウスピースより長く、これによりチッピング紙がマウスピースを覆い、例えば基材からなるロッドの形体のエアロゾル発生材に重なり、マウスピースをロッドに接続する。
本明細書に記載の物品、エアロゾル発生材およびマウスピースは上記フォーマットのいずれかで作製できるがこれらに限定されない。
本明細書で使用する「上流」および「下流」なる用語は、使用の際物品またはデバイスを介して引き込まれる主流煙エアロゾル発生材の方向に対して定義される相対的な用語である。
本明細書で説明するフィラメント状のトウ材料はセルロースアセテート繊維トウを含んでもよい。フィラメント状のトウ材料は、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポルカプロラクトン(PCL)、ポリ(1,4-ブタンジオールスクシナート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、スターチ系材料、紙、綿、脂肪族ポリエステル材および多糖ポリマーまたはこれらを組み合わせたものなどの繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成してもよい。フィラメント状のトウ材料は、フィルター材がセルロースアセテートトウである場合、トリアセチンなどのフィルター材に適した可塑剤で可塑化してもよく、または可塑化されなくてもよい。トウは、「Y」字状または「X」字状などの他の断面、フィラメント当たり2.5~15デニール、例えばフィラメント当たり8.0~11.0デニールの繊維のデニール値および5,000~50、000、例えば10,000~40,000の総デニール値などのあらゆる好適な仕様を使用することができる。
本明細書中では「タバコ材」なる用語は、タバコまたはその派生物または代替え品を含むあらゆる材料を意味する。「タバコ材」なる用語はタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。タバコ材は、粉タバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押し出しされたタバコ、葉タバコ、タバコ葉柄、再生タバコおよび/またはタバコ抽出物のうちの1つ以上を含んでもよい。本明細書中では「葉タバコ」は刻み葉身タバコを意味する。
本明細書中で使用する「香味料」および「香味剤」なる用語は各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。
本明細書中で使用する「香味料」および「香味剤」なる用語は各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形態であってもよい。
好ましくはエアロゾル発生材または基材3は、タバコ成分を含む本明細書に記載のようなタバコ材から形成される。タバコ成分は葉タバコを含む。一部の実施態様ではタバコ成分は、押し出しされたタバコ、バンドキャストされたタバコおよびこれらの混合物からなる群から選択されるタバコ材を含む。
本明細書に記載のタバコ組成物に使用してもよい葉タバコは、バージニア(熱風乾燥されたおよび/または空気乾燥された)および/またはバーレーおよび/またはオリエンタルを含む単独グレードまたはブレンド、刻まれたクズまたは葉全体などのあらゆる好適なタバコであってもよい。タバコ組成物はこれらの葉タバコ材のいずれかの混合物を含んでもよい。
葉タバコは、タバコ成分の重量で約10%~約90%の量で存在する。一部の実施態様では葉タバコは、タバコ成分の重量で約11%~約48%、約12%~約46%、約13%~約44%、約14%~約42%、約15%~約40%、約16%~約38%、約17%~約36%、約18%~約34%または約19%~約32%の量で存在してもよい。好ましい実施態様ではタバコ成分は、タバコ成分の重量で約15%~約25%、約35%~約45%または約55%~65%の葉タバコを含む。好ましい実施態様ではタバコ成分は、タバコ成分の重量で約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%または約30%の量で葉タバコを含んでもよい。
一部の実施態様ではタバコ成分は、約31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%または50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%または70%の量の葉タバコを含む。
本明細書に記載の組成において、量を重量%で示した場合、誤解を避けるためにこれは、特段の記載がない限り乾燥重量基準を意味する。従って、タバコ組成物またはそのあらゆる成分中に存在するすべての水は、重量%の測定の目的のために完全に無視する。本明細書で説明するタバコ組成物の水分量は異なってもよく、例えば5~15重量%であってもよい。本明細書で説明するタバコ組成物の水分量は、例えばその組成物が維持される温度、圧力および湿度条件に応じて異なってもよい。水分量は、本明細書中で説明するようにKarl-Fisher分析によって測定してもよい。
一方、誤解を避けるためにエアロゾル形成材がグリセリンまたはプロピレングルコールなどの液相にある成分の場合であっても水以外のあらゆる成分はタバコ組成物の重量に含まれる。しかしながら、エアロゾル形成材がタバコ組成物に別個に加えられる代わりにまたは加えることに加えてタバコ組成物のタバコ成分またはタバコ組成物の充填部材(ある場合)に供される場合、エアロゾル形成材はタバコ組成物または充填部材の重量で含まれず、本明細書で規定する重量%で「エアロゾル形成材」の重量で含まれる。タバコ組成物に存在する全ての他の成分は、非タバコ由来であっても(例えば、紙再生タバコの場合の非タバコ繊維)タバコ成分の重量で含まれる。
本明細書で説明するタバコ成分は、ニコチンを含む。ニコチン含有量は、タバコ成分の重量で0.5~2%であり、例えば、タバコ成分の重量で0.5~1.75%であってもよく、タバコ成分の重量で0.8~1.2%またはタバコ成分の重量で約0.8~約1.75%であってもよい。いくつかの実施態様ではニコチン含有量は、タバコ成分の重量で0.8~1.0%であってもよい。
本開示の1つの態様ではタバコ成分とエアロゾル形成材とを含むタバコ組成物が提供され、タバコ成分はタバコ成分の重量で約10%~約90%の量の葉タバコを含み、葉タバコは葉タバコの重量で1.5%超のニコチン含有量を有する。
組成物のニコチン含有量を調整することは重要である場合がある。従来のタバコ加熱製品ではタバコ組成物は再生タバコ材を含む。再生タバコ材のニコチン含有量は、一般に相対的に少ない。例えば、再生タバコ材は再生タバコ材の重量で約1.5%未満の量でニコチンを含む。このような組成物のニコチン含有量を増やすことは課題である。
本発明者は、タバコ組成物のニコチン含有量を再生タバコ材に加えて葉タバコを組成物に組み込むことによって入念に調整されることを発見した。特にニコチン含有量が1.5%(組成物の重量で)超の葉タバコを組成物内に組み込むと特に有利であることを発見した。約1.5重量%超のニコチン含有量を有する葉タバコを組み込むことは加熱された際のタバコ組成物の感覚刺激特性(例えば味)を高めることが分かっている。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、葉タバコ材の重量で1.5%超のニコチン含有量を有する葉タバコ材を組成物に組み込むことでタバコ組成物から成分を放出しやすくし、それがエアロゾル発生デバイスによって加熱される際にタバコ組成物の知覚特性に有益な影響を与えると考えられている。葉タバコ材の重量で1.5%超のニコチン含有量を有する葉タバコ材を含むタバコ組成物からユーザーへエアロゾル発生デバイスで加熱される際に供給されるニコチンの量は、従来の燃焼系喫煙品のユーザーに供給されるニコチンの量に近い。
ある実施態様ではタバコ材は、実質的に本明細書で規定するようなタバコ成分と本明細書で規定するようなエアロゾル形成材とからなる。ある実施態様ではタバコ材は本明細書で規定するようなタバコ成分と本明細書で規定するようなエアロゾル形成材とからなる。
タバコ組成物は、タバコ成分とエアロゾル形成材とを含む。タバコ成分はタバコ成分の重量で約10%~約90%の量の葉タバコ材を含んでもよく、葉タバコ材は葉タバコ材の重量で約10%以下の量の前記エアロゾル形成材を含んでもよい。タバコ組成物はタバコ組成物の重量で約10%~約30%の量の前記エアロゾル形成材を含んでもよい。好ましくはタバコ組成物は、タバコ組成物の重量で約10%~約20%の量のエアロゾル形成材を含む。
タバコ組成物の重量で約10%~約30%の量のエアロゾル形成材を組み込むことはエアロゾル発生デバイスで加熱される際にタバコ組成物の知覚特性をさらに向上させることが分かっている。タバコ組成物の重量で約約10%~約30%の量のエアロゾル発生材を充填することは組成物の知覚特性を従来の燃焼系喫煙品の知覚特性に近いものにするので有利である。
タバコ組成物はタバコ成分とエアロゾル形成材とを含んでもよく、タバコ成分はタバコ成分の重量で約10%~約90%の量の葉タバコ材を含み、タバコ成分は約3mg~約16mgの量のメンソールを含む。タバコ成分の重量で約3mg~16mgの量でメンソールを充填することは、エアロゾル発生デバイスによって加熱される際にタバコ組成物の知覚特性を改善するので有利である。
葉タバコは、葉タバコの重量で1.5%超のニコチン含有量を有する。一部の実施態様では葉タバコは、葉タバコの重量で1.5%~約5%、好ましくは約1.5%~約4%のニコチン含有量を有する。葉タバコは葉タバコの重量で1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%または5%のニコチン含有量を有してもよい。一部の実施態様では葉タバコは、葉タバコ材の重量で約1.5%超そして約4%以下のニコチン含有量を有する。
タバコ成分の残りは、紙再生タバコ、押し出しされたタバコ、バンドキャストされた再生タバコまたはバンドキャストされた再生タバコとタバコ粒などのタバコの別の形体との組み合わせを含んでもよい。好ましくはタバコ成分は紙再生タバコ材を含む。
紙再生タバコとは、タバコ原料が可溶分の抽出物と繊維材を含む残渣となるように溶媒で抽出され、次に抽出物(通常濃縮した後、そして任意にさらなる処理をした後)を残渣からの繊維材(通常、繊維材から不純物を除いた後、そして任意に非タバコ繊維を僅かに加えて)と抽出物を繊維材に堆積させることによって再結合する工程によって形成されるタバコ材を意味する。再結合工程は製紙工程に似ている。
紙再生タバコは、当業界で知られているあらゆる種類の紙再生タバコであってもよい。特定の実施態様では紙再生タバコは、タバコ条片、タバコ葉柄、および全葉タバコのうちの1つ以上を含む原料から製造される。別の実施態様では紙再生タバコはタバコ条片および/または全葉タバコおよびタバコ葉柄からなる原料から製造される。しかしながら、他の実施態様ではくず、微粉およびもみ殻をこれとは別にまたは加えて原料に採用してもよい。
本明細書に記載のタバコ材に使用するための紙再生タバコは、紙再生タバコの調製のための当業者に知られている方法で調製してもよい。
図1を参照すると葉、条片、茎、くず、微粉および/またはもみ殻(一部の実施態様では葉、条片および茎)などのタバコ原料が最初に水性溶媒(例えば水およびエタノールなどの水混和性溶媒)と混ぜられる。蒸留水、脱イオン水または水道水を採用してもよい。溶媒中のタバコの懸濁物を例えばタバコの繊維質部分から可溶部分を抽出する速度を速くするためにかき混ぜまたは振動によって撹拌する。撹拌は通常30分~6時間以下で行われる。撹拌は容器と撹拌を行うブレードとを含む攪拌機で実行される。懸濁液中の溶媒の量は、タバコ原料、溶媒の種類および攪拌装置(特にブレードのタイプ)および懸濁液の温度によって懸濁液の重量で約75%~99%で広い範囲で異なってもよい。懸濁液の典型的な温度範囲は約10℃~約100℃である。
タバコ原料の可溶部分は、例えば空気圧、水圧または機械的プレスまたはろ過によってタバコの不溶繊維部分から分離される。分離の後、タバコの繊維質部分は繊維パルプを製するために機械的精製に典型的には付される。好適な精製機は、典型的にはディスクまたはコニカル精製機である。繊維パルプは、タバコ繊維パルプを含むベースウェブにFourdrinier型製紙機械上で形成される。ベースウェブは過剰な水が重力排水または吸引排水によって除去される平らなワイヤベルト上に置かれる。セルロース、小麦繊維または木繊維などの非タバコ繊維はこの段階でタバコ由来の繊維質部分に含有させてもよい。タバコ原料の可溶部分は、フィルム蒸発器または真空蒸発器などの従来の種類の濃縮器を使用して濃縮される。濃縮後、エアロゾル形成材(本明細書で規定した)、ケーシング、例えばココア、甘草、およびリンゴ酸などの酸類または風味料(本明細書で規定した)などの成分を加え、濃縮されたタバコ可溶分を混ぜられる。次に潜在的にエアロゾル形成材および/またはケーシングおよび/または風味料を含む濃縮されたタバコ可溶分は、乾燥させたタバコ繊維シートと組み合わせて再生タバコを形成する。濃縮された可溶分は、スプレー、コーティング、飽和、サイジングなどの種々の方法で繊維ウェブに戻すことができる。
最後に再生タバコを乾燥する。選択的に再生タバコは条片に切断し、ロール状に巻かれ、ボビン状にスリットが入れられるまたは刻まれたくずに裁断してもよい。本明細書中では「風味」および「香味料」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物、息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形体であってもよい。本発明に使用可能な紙再生タバコの例は実施例に示されている。
タバコ成分は、葉タバコと紙再生タバコ材の混合物を含んでもよい。紙再生タバコ材は同重量の葉タバコのニコチン含有量より少ないニコチン含有量を有してもよい。例えば、再生タバコ材は再生タバコ材の重量で1.5%未満のニコチン含有量を有してもよい。
ニコチン含有量が1.5%超のタバコ葉を紙再生タバコなどの低ニコチンベース材料と組み合わせて使用することで適当な量のニコチンを含むが、紙再生タバコ単独で使用するより良好な知覚性能を有するタバコ材を得られるという有利なことが分かっている。
タバコ成分はタバコ成分の重量で約10%~約90%の量の紙再生タバコを含んでもよい。いくつかの実施態様では紙再生タバコはタバコ成分の重量で10%~80%または20%~70%の量で存在する。一部の実施態様ではタバコ成分はタバコ成分の約50%~約90%の量で紙再生タバコ材を含む。
一部の実施態様では再生タバコは、タバコ成分の重量で約10%~約89%、約20%~約88%、約30%~約87%、約40%~約86%、約50%~約85%、約60%~約84%、約70%~約83%の量で存在してもよい。一部の実施態様ではタバコ成分は、タバコ成分の重量で約75%~約85%の量の再生タバコを含んでもよい。
好ましい実施態様ではタバコ成分は、タバコ成分の重量で約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%または約85%の量の再生タバコを含んでもよい。
1つの実施態様では葉タバコはタバコ成分の重量で少なくとも10%の量で存在してもよく、タバコ成分の残りは、紙再生タバコ、バンドキャストされた再生タバコまたはバンドキャストされた再生タバコおよびタバコ粒などの別の形体のタバコの組み合わせを含む。
再生タバコ材は、1立方センチメートル当たり約700ミリグラム(mg/cc)の密度を有してもよい。
そのようなタバコ材は、高密な材料と比較してエアロゾルを放出するために速く加熱することができるエアロゾル発生材を供するという点で特に有効であることが分かっている。例えば、本発明者は、バンドキャストされた再生タバコ材および紙再生タバコ材などの種々のエアロゾル発生材の加熱した際の特性を試験した。各所与のエアロゾル発生材の場合、熱を材料に加えている間、特定のゼロ熱流温度が存在し、それ以下では正味熱流が吸熱性になり、言い換えれば材料を出るよりより多くの熱が材料に入り、それ以上では正味熱量が発熱性になり、言い換えれば材料に入るより材料を出る熱が多くなる。700mg/cc未満の密度の材料は低いゼロ熱流温度であった。材料を出る熱流のかなりの部分がエアロゾルの形成を介しているので、低いゼロ熱流温度を有することはエアロゾル発生材から最初にエアロゾルを放出するのにかかる時間に亘って有益な効果を有する。例えば、700mg/cc未満の密度を有するエアロゾル発生材は、700mg/ccを超える密度を有し、ゼロ熱流温度が164℃超だった材料と比較して、ゼロ熱流温度が164℃未満であることを発見した。
エアロゾル発生材の密度は、材料を伝わる熱の速度にも影響を与え、低い密度、例えば700mg/cc未満の密度では材料を伝わる熱の速度が遅くなり、従ってより持続性のあるエアロゾルの放出を可能にする。
紙再生タバコ材に対する葉タバコの重量比は、10:90、11:89、12:88、13:87、14:86、15:85、16:84、17:83、18:82、19:81、20:80、21:79、22:78、23:77、24:76、25:75、26:74、27:73、28:72、29:71、30:70、31:69、32:68、33:67、34:66、35:65、36:64、37:63、38:62、39:61、40:60、41:59、42:58、43:57、44:56、45:55、46:54、47:53、48:52、49:51、50:50、51:49、52:48、53:47、54:46、55:45、56:44、57:43、58:42、59:41、60:40、61:39、62:38、63:37、64:36、65:35、66:34、67:33、68:32、69:31、70:30、71:29、72:28、73:27、74:26、75:25、76:24、77:23、78:22、79:21、80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10であってもよい(葉タバコの重量:紙再生タバコの重量)。
好ましくはエアロゾル発生材3は、約700mg/cc未満の密度を有する再生タバコ材、例えば紙再生タバコ材を含む。より好ましくはエアロゾル発生材3は、約600mg/cc未満の密度を有する再生タバコ材を含む。これとは別にまたは加えてエアロゾル発生材3は、好ましくは材料を介した充分な量の熱伝導を可能にすると考えられている少なくとも350mg/ccの密度を有する再生タバコ材料を含む。
タバコ組成物はエアロゾル形成材を含む。本文脈において「エアロゾル形成材」は、エアロゾルの発生を促進させる化学物質である。エアロゾル形成材は、気体の初期の気化および/または吸入可能な固体および/または液体エアロゾルへの凝集を促進することによってエアロゾルの発生を促してもよい。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、エアロゾル発生材からの風味の供給を向上させてもよい。
一般にあらゆる好適なエアロゾル形成材または形成剤を本発明のエアロゾル発生材に含有させてもよい。好適なエアロゾル形成材としては、ソルビトール、グリセリンおよびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールのようなグリコール類などのポリオール、一価アルコールなどの非ポリオール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸類、グリセリン誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸エステルなどのエステル類およびステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様ではエアロゾル形成材はグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチル、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
エアロゾル形成材は、タバコ材からの風味化合物などの化合物の消費者への移行を補助することによってタバコ組成物を含むエアロゾル発生デバイスに使用するための物品の知覚性能を向上させることが分かっている。
エアロゾル形成材は、タバコ組成物のあらゆる成分に含有させてもよい。これとは別にまたは加えてエアロゾル形成材をタバコ組成物に別個に添加してもよい。いずれの場合においてもタバコ材中のエアロゾル形成材の総量は本明細書で規定される量でなければならない。
葉タバコ材は、葉タバコ材の重量で約10%以下の量のエアロゾル形成材を含んでもよい。他の実施態様では葉タバコは葉タバコの重量で約20%以下または約15%~約20%の量のエアロゾル形成材を含んでもよい。葉タバコは、葉タバコの重量で約5%、約10%または約15%の量のエアロゾル形成材を含んでもよい。
タバコ材の重量で10%~20%のエアロゾル形成材の総量を達成するためにこれを再生タバコ材などのタバコ材別の成分に高い重量パーセンテージに加えると有利であることが分かっている。
本開示の1つの態様ではタバコ成分とエアロゾル形成材とを含むタバコ組成物が提供され、タバコ成分はタバコ成分の重量で約10%~約90%の量の葉タバコ材を含み、葉タバコ材は葉タバコ材の重量で約10%以下の量の前記エアロゾル形成材を含み、タバコ組成物はタバコ組成物の重量で約10%~約30%の量の前記エアロゾル形成材を含む。好ましくはタバコ組成物は、タバコ組成物の重量で約10%~約20%の量のエアロゾル形成材を含む。
一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、グリセリン、プロピレングリコールまたはグリセリンとプロピレングリコールの混合物であってもよい。好ましくはエアロゾル形成材はグリセリンを含む。グリセリンは、タバコ材の重量で10~20%、例えば組成物の重量で13~16%、または組成物の重量で約14%または15%の量で存在してもよい。プロピレングリコールは、もし含まれるのであれば、組成物の重量で0.1~0.3%の量で存在してもよい。
エアロゾル形成材は、タバコ組成物の成分中に含有されてもよい。例えば、エアロゾル形成材は、再生タバコおよび/またはもしあれば充填材成分に含有されてもよい。
これとは別にまたは加えてエアロゾル形成材はタバコ材に別個に加えられてもよい。いずれの場合においてもタバコ材中のエアロゾル形成材の総量は本明細書で規定される量でなければならない。
紙再生タバコ材はエアロゾル形成材を含んでもよい。紙再生タバコ材は、再生タバコ材の重量で約10%~約20%の量のエアロゾル形成材を含んでもよい。一部の実施態様では紙再生タバコ材は、再生タバコ材の重量で約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%または約20%の量のエアロゾル形成材を含んでもよい。
本明細書に記載のタバコ材は本明細書に記載のような風味料のいずれかのようなエアロゾル変性剤を含んでもよい。1つの実施態様ではタバコ材は、メンソール化された物品を形成するメンソールを含む。タバコ材は、3mg~20mgのメンソール、好ましくは5mg~18mg、そしてより好ましくは8mg~16mgのメンソールを含んでもよい。本例ではタバコ材は16mgのメンソールを含む。タバコ材は、2重量%~8重量%のメンソール、好ましくは3重量%~7重量%のメンソール、そしてより好ましくは4重量%~5.5重量%のメンソールを含んでもよい。1つの実施態様ではタバコ材は4.7重量%のメンソールを含む。メンソールのこのような高い充填量は、例えば重量で50%超のタバコ材などの高いパーセンテージの再生タバコ材を使用することで達成される。これとは別にまたはこれに加えて高い容量のエアロゾル発生材、例えばタバコ材を使用することで例えば約500mm3超、または好適には1000mm3超のタバコ材などのエアロゾル発生材が使用される場合に達成されるメンソール充填量を増加させることができる。
タバコ材は刻みくずタバコの形体で供されてもよい。刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも15切断片の切断幅(1センチ当たり5.9切断部、約1.7mmの切断幅に等しい)に有する。好ましくは刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも18切断片の切断幅(1センチ当たり約7.1切断片、約1.4mmの切断幅に等しい)、より好ましくは1インチ当たり少なくとも20切断片(1センチ当たり7.9切断片、約1.27mmの切断幅に等しい)の切断幅を有する。1つの例では刻みくずタバコは、1インチ当たり22切断片の切断幅(1センチ当たり8.7切断片、約1.15mmの切断幅に等しい)を有する。好ましくは刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも40切断片以下の切断幅(1センチ当たり約15.7切断片、約0.64mmの切断幅に等しい)を有する。0.5mm~2.0mm、例えば0.6mm~1.5mmまたは0.6mm~1.7mmの切断幅は、特に加熱された際の表面積対体積比および基材3の総合密度および圧力降下の点で好ましいタバコ材が結果として得られることが判明している。刻みくずタバコはタバコ材の形の混合物、例えば葉タバコと、紙再生タバコ、押し出しタバコおよびバンドキャストされたタバコのうちの1つ以上との混合物から形成することができる。好ましくはタバコ材は紙再生タバコを含む。
葉タバコおよび/または紙再生タバコ材は、約0.5mm~約2mm、約0.6mm~約1.75mm、約0.6mm~約1.7mmまたは約0.7~約1.5mmの幅を有する。
本明細書に記載のタバコ組成物において、タバコ組成物は充填材成分を含んでもよい。充填材成分は、一般に非タバコ成分、即ちタバコ由来の成分を含まない成分である。充填材成分は、木繊維またはパルプまたは小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。充填材成分は、チョーク、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機材料であってもよい。充填材成分は、非タバコキャスト材または非タバコ押し出し材であってもよい。
充填材成分は、タバコ材の重量で0~20%または組成物の重量で1~10%の量で存在してもよい。好ましい実施態様では、タバコ組成物はタバコ組成物の重量の約5%~約10%の充填材成分を含む。一部の実施態様では充填材成分は含まれない。
押し出しされたタバコを本明細書に記載のタバコ組成物に任意で含有させてもよい。押し出しされたタバコが含有される場合、それは、例えばタバコ成分の重量で10~30%または10~20%の量で存在してもよい。本明細書に記載のタバコ組成物に使用してもよい押し出しされたタバコは、押し出しされたタバコの調製のための当業者に知られている方法で調製されてもよい。一部の実施態様では押し出しされたタバコは、次のように調製することができる。タバコ構成物はヴァージニア(熱風乾燥された)タバコ、バーレータバコおよび/またはオリエンタルタバコを含んでもよい。タバコ構成物は、茎、くず、条片、微粉またはもみ殻であってもよい。追加の成分としては、麦わら繊維またはコムギ繊維などの非タバコ繊維、バインダー、例えばセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどの変性セルロースおよびケーシング、例えばリンゴ酸などの酸類が挙げられる。
図2に示すようにタバコ構成物とあらゆる追加の成分は混合サイロで混合され、計量投入スクリューおよび搬送スクリューによって押し出し機に搬送され、そこで水と混ぜられ、この段階でエアロゾル形成材も添加される。押し出し後、押し出しされたタバコは冷却ベルト上で冷却される。
上述のセクションに記載の材料と類似しているが小麦繊維または木質繊維などの非タバコ繊維のみを使用して製せられた材料もタバコ組成物の充填材成分として使用してもよい。
本開示の1つの態様の一部の実施態様では本明細書に記載のタバコ組成物の製造方法が提供され、この方法は本明細書に記載のエアロゾル形成材をタバコ材に加えることを含む。
本発明の方法は、葉タバコ材を紙再生タバコ材の重量で10%~20%の量のエアロゾル形成材を含む紙再生タバコ材と組み合わせることを含む。
図3に示すようにタバコ組成物はエアロゾル形成材を葉タバコに加えること、次にエアロゾル形成材を含む葉タバコを再生タバコ材と組み合わせることを含む方法によって製造される。
例えば、エアロゾル形成材は葉タバコにそれを葉タバコにスプレーするまたは葉タバコをエアロゾル形成材に浸すことによって加えられてもよい。これとは別にまたは加えてタバコ組成物は、エアロゾル形成材を再生タバコ材に加えることによって製造されてもよい。
本開示の態様による実施態様では本明細書に記載された方法によって製造されたタバコ組成物が提供される。
本開示の態様による実施態様では本明細書に記載のタバコ組成物は、エアロゾル発生デバイスに使用するための物品に使用される。タバコ組成物は、エアロゾル発生デバイスに使用するための物品の製造工程に使用してもよい。
本開示の態様による実施態様では本明細書に記載のタバコ組成物を含むエアロゾル発生デバイスに使用するための物品が提供される。エアロゾル発生デバイスに使用するための物品は、タバコ組成物のロッドを含む。ロッドは約250mg~約350mgの総重量を有してもよい。
ある実施態様ではタバコ組成物は100コレスタ単位未満の通気性を有するラッパーに包まれてもよい。
エアロゾル発生デバイスに使用するための物品は1立方センチメートル当たり約700ミリグラム未満の密度を有する再生タバコ材を含んでもよい。
エアロゾル発生デバイスに使用するための物品は、少なくとも19mm、好ましくは約19mm~約23mmまたは約21mmの外周を有してもよい。これはエアロゾル発生デバイスに使用するための物品をエアロゾル発生デバイス内に挿入しやすくする。
本開示の態様による実施態様では本明細書に記載のタバコ組成物とタバコ組成物を加熱してタバコ組成物からエアロゾルを発生させるために配されたデバイスとを含むシステムが提供される。
一部の実施態様ではこのシステムは、本明細書に記載のエアロゾル発生デバイスに使用するための物品を含み、エアロゾル発生デバイスは、タバコ組成物を含むエアロゾル発生デバイスに使用するための物品の少なくとも一部を収容し、タバコ組成物を含むエアロゾル発生デバイスに使用するための物品の前記一部を加熱し、タバコ組成物からエアロゾルを発生させるために配されている。
図4は、非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品1の側部断面図である。
物品1は、マウスピース2と、マウスピース2に接続される本例ではタバコ材のエアロゾル発生材からなる円筒状ロッド3とを含む。ここではエアロゾル発生基材3とも言われるエアロゾル発生材3は、少なくとも1つのエアロゾル形成材を含む。本例ではエアロゾル形成材はグリセリンである。これとは別の例ではエアロゾル形成材は本明細書に記載の別の材料またはそれらを組み合わせたものであってもよい。このエアロゾル形成材はエアロゾル発生材からの風味化合物などの化合物の消費者への移行を補助することによって物品の知覚性能を向上させることが分かっている。しかしながら、そのようなエアロゾル形成材を非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品内のエアロゾル発生材に添加することにはエアロゾル形成材が加熱時にエアロゾル化される際にそれが物品によって供給されるエアロゾルの質量を増加させ、この増加した質量がそれがマウスピースを通過する際に高い温度に維持されるという問題がある。エアロゾルがマウスピースを通過する際にエアロゾルが熱をマウスピース内に移送し、これが使用時に消費者の唇と接触する領域を含むマウスピースの外面を温める。マウスピースの温度は、消費者が例えば紙巻きタバコを喫煙する際に慣れている温度よりかなり高くなり、これはこのようなエアロゾル形成材に使用によって生じる望ましくない効果になり得る。
消費者の唇に接触するマウスピースの部分は、通常は中空またはフィルター材からなる円筒状の本体を囲む紙の管を有している。
図4に示すように物品1のマウスピース2はエアロゾル発生基材3に隣接する上流端2aと、エアロゾル発生基材3から遠い下流端2bとを含む。下流端2bではマウスピース2はフィラメント状のトウから形成された中空の管状部材4を有する。これは物品1の使用時に消費者の唇に接触するマウスピースの下流端2bでマウスピース2の外面の温度が著しく低下させるという有利な発見があった。加えて管状部材4の使用は、管状部材4の上流であってもマウスピース2の外面の温度を著しく低下させるということも分かっている。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、これは管状部材4がマウスピース2の中央に近いところでエアロゾルを向かわせ、従ってエアロゾルからの熱のマウスピース2の外面への移行を低減することによると推定される。
本例では物品1は約21mmの外周を有する(即ち、物品はデミ-スリムフォーマットである)。他の例では、物品は、例えば15mm~25mmの外周を有する本明細書に記載のいずれのフォーマットで提供することができる。物品は加熱されてエアロゾルを放出するものであるので、加熱効率の改善は、この範囲内でより小さい外周、例えば23mm未満の円周を有する物品を使用することによって達成することができる。好適な製品長さを維持しつつ加熱によるエアロゾルの改善を達成するために19mm超の物品円周は特に有効であることが分かっている。19mm~23mm、より好ましくは20mm~22mmの円周を有する物品は、効果的にエアロゾルを供給しつつ効率的な加熱を良好に両立することが分かっている。
マウスピース2の外周は実質的にエアロゾル発生材のロッド3の外周と同じであり、これによりこれらの部材間が円滑になる。本例ではマウスピース2の外周は約20.8mmである。チッピング紙5がマウスピース2の全長およびエアロゾル発生材のロッド3の一部に亘ってに巻かれ、その内面に接着剤を有し、マウスピース2とロッド3を接続する。本例ではチッピング紙5は、エアロゾル発生材ロッド上を5mmに亘って延びるが、これとは別にロッド上を3mm~10mm、より好ましくは4mm~6mmに亘って延び、マウスピース2とロッド3を確実に取り付けられるようにしてもよい。チッピング紙5は、物品1に使用されるプラグラッパーの坪量より大きい坪量を有してもよく、例えば40gsm~80gsm、より好ましくは50gsm~70gsm、本例では58gsmの坪量を有してもよい。これらの範囲の坪量は、許容できる引張強度を有しつつ、物品1を包むのに充分に可撓性であり、紙の長手方向の抑え継ぎ目に沿ってそれ自体に接着するチッピング紙が結果として得られることが分かっている。チッピング紙5の外周は、マウスピース2に巻かれると約21mmになる。
中空の管状部材4の「壁厚」は、半径方向の管4の壁の厚さに対応する。これは、例えばノギスを使用して測定される。壁厚は0.9mm超、より好ましくは1.0mm以上であると有利である。好ましくは壁厚は中空の管状部材4の全壁の周囲で実質的に一定である。しかしながら、壁厚が実質的に一定でない場合、壁厚は中空の管状部材4の周囲の任意のポイントで好ましくは0.9mm超、より好ましくは1.0mm以上である。
好ましくは中空の管状部材4の長さは、約20mm未満である。より好ましくは中空の管状部材4の長さは、約15mm未満である。さらにより好ましくは中空の管状部材4の長さは、約10mm未満である。さらにまたは別例として中空の管状部材4の長さは少なくとも約5mmである。好ましくは中空の管状部材4の長さは少なくとも約6mmである。一部の好ましい実施態様では中空の管状部材4の長さは、約5mm~約20mm、より好ましくは約6mm~約10mm、さらに好ましくは約6mm~約8mm、最も好ましくは約6mm、7mmまたは約8mmである。本例では中空の管状部材4の長さは6mmである。
好ましくは中空の管状部材4の密度は、1立方センチメートル当たり少なくとも約0.25グラム(g/cc)、より好ましくは少なくとも約0.3g/ccである。好ましくは中空の管状部材4の密度は、1立方センチメートル当たり少なくとも約0.75グラム(g/cc)、より好ましくは0.6g/cc未満である。一部の実施態様では中空の管状部材4の密度は、0.25~0.75g/cc、より好ましくは0.3~0.6g/cc、より好ましくは0.4g/cc~0.6g/ccまたは約0.5g/ccである。これらの密度は高密度な材料によって生じた良好な堅さと低密度材料の低い熱伝導性とが良好に両立されることが分かっている。本発明の目的のために中空の管状部材4の「密度」は、組み込まれているなんらかの可塑剤を含む部材を形成するフィラメント状のトウの密度を意味する。密度は、中空の管状部材4の総重量を中空の管状部材4の総容積で割ることによって定められ、総容積は、例えばノギスを使用して中空の管状部材4の適当な測定を使用して算出することができる。必要であれば適当な寸法を顕微鏡を使用して測定してもよい。
中空の管状部材4を形成するフィラメント状のトウは、好ましくは、45,000未満、より好ましくは42,000未満の総デニールを有する。この総デニールによって高密度過ぎない管状部材4を形成することができることが分かっている。好ましくは総デニールは、少なくとも20,000、より好ましくは少なくとも25,000である。好ましい実施態様では、中空の管状部材4を形成するフィラメント状のトウは、25,000~45,000、より好ましくは35,000~45,000の総デニールを有する。好ましくはフィラメント状のトウの断面形状は、「Y」字形状であるが、他の実施態様では「X」字形状フィラメントなどの他の形状も使用可能である。
中空の管状部材4を形成するフィラメント状のトウは、好ましくはフィラメント当たりデニールが3超である。フィラメント当たりのこのデニールよって高密度過ぎない管状部材4を形成することができることが分かっている。好ましくはフィラメント当たりのデニールは少なくとも4、より好ましくは少なくとも5である。好ましい実施態様では、中空の管状部材4を形成するフィラメント状のトウは、4~10、より好ましくは4~9のフィラメント当たりのデニールを有する。1つの例では中空の管状部材4を形成するフィラメント状のトウは、セルロースアセテートから形成され、例えばトリアセチンなどの18%可塑剤を含む8Y40,000トウを有する。
中空の管状部材4は、好ましくは3.0mm超の内径を有する。これより小さい内径はマウスピース2を通って消費者の口へと移動するエアロゾルの速度が望ましい速度より速くなり、これによりエアロゾルが温かくなりすぎ、例えば40℃超または45℃の温度に達してしまう。より好ましくは中空の管状部材4は、3.1mm超、さらに好ましくは3.5mmまたは3.6mm超の内径を有する。1つの実施態様では中空の管状部材4の内径は約3.9mmである。
中空の管状部材4は、好ましくは15重量%~22重量%の可塑剤を含む。セルロースアセテートトウの場合、可塑剤は、好ましくはトリアセチンであるが、ポリエチレングリコール(PEG)などの他の可塑剤も使用可能である。より好ましくは管状部材4は、16重量%~20重量%の可塑剤、例えば約17重量%または約19重量%の可塑剤を含む。
マウスピース、例えばエアロゾル発生材3の下流の物品1の部分の圧力降下または圧力差(吸引抵抗とも言われる)は、好ましくは約40mmH20未満である。このような圧力降下は、風味化合物などのを含む充分なエアロゾルがマウスピース2を介して消費者に移動できるようにすることが分かっている。より好ましくはマウスピース2の圧力降下は、約32mmH20未満である。一部の実施態様ではが31mmH20未満、例えば約29mmH20、約28mmH20または約27.5mmH20の圧力降下を有するマウスピース2を使用することで特にエアロゾルが改善された。これとは別にまたはこれに加えてマウスピース圧力降下は、少なくとも10mmH20、好ましくは少なくとも15mmH20そしてより好ましくは少なくとも20mmH20である。一部の実施態様ではマウスピース圧力降下は、約15mmH20~40mmH20であってもよい。これらの値によりマウスピース2がエアロゾルがマウスピース2を通過する際にエアロゾルを減速させ、これによりエアロゾルの温度がマウスピース2の下流端2bに到達する前に低下する時間がある。
本例のマウスピース2は、本例では中空の管状部材4に隣接し、当接して中空の管状部材4の上流にある材料体6を含む。材料体6と中空の管状部材4は、それぞれ実質的に全体的に円筒状の外形を画定し、共通の長手方向軸を共有する。材料体6は第1プラグラッパー7に包まれている。好ましくは第1プラグラッパー7は、50gsm、より好ましくは約20gsm~40gsmの坪量を有する。好ましくは第1プラグラッパー7は、30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。好ましくは第1プラグラッパー7は、例えば100コレスタ単位未満、例えば50コレスタ単位未満の通気性を有する非孔性プラグラッパーである。しかしながら、他の実施態様では第1プラグラッパー7は、例えば200コレスタ単位超の通気性を有する多孔性プラグラッパーであってもよい。
好ましくは材料体6の長さは約15mm未満である。より好ましくは材料体6の長さは約10mm未満である。さらにまたは別例として材料体6の長さは、少なくとも約5mmである。
好ましくは材料体6の長さは少なくとも約6mmである。一部の好ましい実施態様では材料体6の長さは、約5mm~約15mm、より好ましくは約6mm~約12mm、さらにより好ましくは約6mm~約12mm最も好ましくは約6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmである。本例では材料体6の長さは10mmである。
本例では材料体6はフィラメント状のトウから形成される。本例では材料体6に使用されるトウは、8.4のフィラメント当たりデニール(d.p.f.)および21,000の総デニールを有する。これとは別にトウは、例えば9.5のフィラメント当たりのデニール(d.p.f.)と12,000の総デニールを有してもよい。本例ではトウは可塑化されたセルロースアセテートトウを含む。トウに使用される可塑剤は約7重量%のトウを含む。本例では可塑剤はトリアセチンである。他の例では異なる材料を材料体6を形成するために使用することができる。例えば、トウではなく、材料体6は、例えば紙巻きタバコに使用するための従来の紙フィルターと同じように紙から形成することも可能である。
これとは別に材料体6は、セルロースアセテート以外のトウ、例えばポリ乳酸(PLA)、フィラメント状のトウについて本明細書で説明した他の材料または類似の材料から形成することも可能である。トウはセルロースアセテートから形成されるのが好ましい。セルロースアセテートまたは他の材料から形成されるに関係無くトウは、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも6およびさらにより好ましくは少なくとも7のd.p.f.を有する。フィラメント当たりデニールのこれらの値は、比較的粗く、厚く、これより小さいd.p.f.値を有するトウよりマウスピースの圧力降下を小さくする狭い表面積を有するトウを供する。好ましくは充分に均一な材料体6を得るためにトウは12d.p.f.以下、好ましくは11d.p.f.以下そしてさらに好ましくは10d.p.f.以下のフィラメント当たりのデニールを有する。
材料体6を形成するトウの総デニールは、好ましくは最大で30,000、より好ましくは最大で28,000およびさらにより好ましくは最大で25,000である。総デニールのこれらの値によってマウスピース2の断面積の占める割合が少ないトウが供され、結果としてこれより高い総デニール値を有するトウよりマウスピース2の圧力降下が低くなる。材料体6の適度な硬度のためにトウは、好ましくは少なくとも8,000、より好ましくは少なくとも10,000の総デニールを有する。好ましくはフィラメント当たりのデニールは、5~12であり、総デニールは、10,000~25,000である。より好ましくはフィラメント当たりのデニールは、6~10であり、総繊度は、11,000~22,000である。好ましくはトウのフィラメントの断面形状は、「Y」字形状であるが、他の実施態様では本明細書で供されるd.p.f.と総デニール値と同じ値の「X」字形状フィラメントなどの他の形状も使用可能である。
本例では中空の管状部材4は、第1の中空の管状部材4であり、マウスピースは、第1の中空の管状部材4の上流に冷却部材とも言われる第2の中空の管状部材8を含む。本例では第2の中空の管状部材8は、材料体6の上流にあり、これに隣接し、当接している。材料体6および第2の中空の管状部材8は、それぞれ実質的に全体的に円筒状の外形を画定し、共通の長手方向軸を共有する。第2の中空の管状部材8は、平行に巻かれ、接合された継ぎ目を有する管状部材8を形成する複数の紙の層から形成される。本例では第1および第2の紙の層は二重の管に供されるが、他の例では3、4またはそれ以上の層を使用して3重、4重またはそれ以上重ねた管を形成してもよい。他の構造、例えばらせん状に巻かれた紙の層、ボール紙管、混凝紙型工程を使用して形成された管、成型または押し出しされたプラスチック管または類似するものも使用できる。第2の中空の管状部材8は、本明細書に記載の第2のプラグラッパー9および/またはチッピング紙5として堅いプラグラッパーおよび/またはチッピング紙を使用して形成してもよく、これは別個の管状部材を必要としないことを意味する。この硬質のプラグラッパーおよび/またはチッピング紙は、製造中そして物品1が使用されている間に生じるかもしれない軸方向の圧縮力および曲げ運動に充分耐える堅さを有するように製造される。例えば、硬質のプラグラッパーおよび/またはチッピング紙は、70gsm~120gsm、より好ましくは80gsm~110gsmの坪量を有してもよい。さらにまたはこれとは別に硬質のプラグラッパーおよび/またはチッピング紙は、80μm~200μm、より好ましくは100μm~160μmまたは120μm~150μmの厚さを有してもよい。第2のプラグラッパー9およびチッピング紙5は、第2の中空の管状部材8のための許容できるレベルの堅さを得るためにこれらの範囲の値を有するのが望ましい。
第2の中空の管状部材8は、第1の中空の管状部材4と同じ方法で測定された壁厚が少なくとも約100μm、約1.5mm以下、好ましくは100μm~1mmより好ましくは150μm~500μmまたは約300μmである。本例では第2の中空の管状部材8は約290μmの壁厚を有する。
好ましくは第2の中空の管状部材8の長さは約50mm未満である。より好ましくは第2の中空の管状部材8の長さは約40mm未満である。さらにより好ましくは第2の中空の管状部材8の長さは約30mm未満である。さらにまたは別例として第2の中空の管状部材8の長さは好ましくは少なくとも約10mmである。好ましくは第2の中空の管状部材8の長さは少なくとも約15mmである。一部の好ましい実施態様では第2の中空の管状部材8の長さは、約20mm~約30mm、より好ましくは約22mm~約28mm、さらにより好ましくは約24~約26mm、最も好ましくは約25mmである。本例では第2の中空の管状部材8の長さは25mmである。
第2の中空の管状部材8は、マウスピース2の周囲に位置し、マウスピース内に空隙を画定し、これは冷却セグメントとして作用する。空隙は、エアロゾル発生材3によって発生させた加熱された揮発成分が流れるチェンバーを供する。第2の中空の管状部材8は、エアロゾルの堆積のためのチェンバーを供するために中空であり、それでも製造中そして物品1が使用されている間に生じるかもしれない軸方向の圧縮力および曲げ運動に充分耐える堅さを有する。第2の中空の管状部材8はエアロゾル発生材3と材料体6の間を物理的に移動する。第2の中空の管状部材8による物理的移動は、第2の中空の管状部材8の長さに亘って温度勾配を供する。
好ましくはマウスピース2は450mm3超の内部容積を有するキャビティを含む。少なくともこの容積のキャビティを設けることで良好なエアロゾルを形成できることが分かっている。加熱された揮発成分は温かくなりすぎたエアロゾルになってしまうので、このようなキャビティの大きさによってその揮発成分を冷やせる充分な空間をマウスピース2内に設けることができ、従ってもしそうでなければそれより高い温度にエアロゾル発生材3を晒されることになる。本例ではキャビティは第2の中空の管状部材8によって形成されるが、別の構成ではマウスピース2の異なる部分内に形成することも可能である。より好ましくはマウスピース2は、例えば第2の中空の管状部材8内に形成され、内部容積が500mm3、さらにより好ましくは550mm3超であって、さらにエアロゾルを向上させるキャビティを含む。一部の例では内部キャビティは、約550mm3~約750mm3、例えば約600mm3または700mm3の容積を含む。
第2の中空の管状部材8は、第2の中空の管状部材8の第1の上流端部に入る加熱されて揮発した成分と第2の中空の管状部材8の第2の下流端部を出る加熱されて揮発した成分との間で少なくとも40℃の温度差を設けるように構成することができる。第2の中空の管状部材8は、好ましくは第2の中空の管状部材8の第1の上流端部に入る加熱されて揮発した成分と第2の中空の管状部材8の第2の下流端部を出る加熱されて揮発した成分との間で少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃およびより好ましくは少なくとも100℃の温度差を供するように構成される。第2の中空の管状部材8の長さに亘るこの温度差は、温度感受性の材料体6が加熱された際のエアロゾル発生材3の高温から保護する。
別の物品では第2の中空の管状部材8は、別の冷却部材、例えばエアロゾルを長手方向に通過させ、エアロゾルの冷却機能も行う材料体から形成された部材に置き換えることもできる。
本例では第1の中空の管状部材4、材料体6および第2の中空の管状部材8は、これら3つのセクションすべてに巻かれる第2のプラグラッパー9を使用して組み合わされる。好ましくは第2のプラグラッパー9は、50gsm未満、より好ましくは約20gsm~45gsmの坪量を有する。好ましくは第2のプラグラッパー9は、30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。第2のプラグラッパー9は、好ましくは100コレスタ単位未満、例えば50コレスタ単位未満の通気性を有する非孔性プラグラッパーである。しかしながら、別の実施態様では第2のプラグラッパー9は、例えば200コレスタ単位超の通気性を有する多孔性プラグラッパーであってもよい。
本例ではエアロゾル発生材3はラッパー10に包まれている。ラッパー10は、例えば紙または紙に支持された箔のラッパーであってもよい。本例ではラッパー10は実質的に空気を通さない。別の実施態様ではラッパー10は、好ましくは100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気性を有する。低通気性、例えば100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気性のラッパーは、結果としてエアロゾル発生材3でのエアロゾルの形成を向上させることになることが分かっている。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、これはラッパー10を介したエアロゾル化合物の損失が少なくなることによると推定される。ラッパー10の通気性は、シガレットペーパー、フィルタープラグラッパーおよびフィルター接合ペーパーとして使用される材料の空気透過度の測定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
本実施態様ではラッパー10はアルミニウム箔を含む。アルミニウム箔は、エアロゾル発生材3内でエアロゾルの形成を高める上で特に効果的であることが分かっている。本例ではアルミニウム箔は厚さが約6μmの金属層を有する。本例ではアルミニウム箔は台紙を有する。しかしながら、別の構成ではアルミニウム箔は、他の厚さ、例えば4μm~16μmの厚さであってもよい。またアルミニウム箔は、台紙を必要としないが、例えば箔に適度な引っ張り強度を供するのに役立つ他の材料から形成された裏当て材を有することも可能であり、あるいは裏当て材を持たなくてもよい。アルミニウム以外の金属層または箔も使用可能である。ラッパーの厚さの合計は、好ましくは20μm~60μm、より好ましくは30μm~50μmで、適した構造的完全性および伝熱特性を有するラッパーを供することができる厚さである。ラッパーが破れるまでのラッパーに加えることができる張力は、3,000グラム重量超、例えば3,000~10,000グラム重量または3,000~4,500グラム重量である。
物品は物品を介して引き込まれるエアロゾルの約75%の換気レベルを有する。別の実施態様では物品は物品を介して引き込まれるエアロゾルの50%~80%、例えば65%~75%の換気レベルを有してもよい。これらのレベルの換気は、マウスピース2を介して引き込まれるエアロゾルの流れの減速を補助し、これによりエアロゾルをそれがマウスピース2の下流端2bの到達する前に冷ますことができる。換気は物品1のマウスピース2内に直接設けられる。本例では換気は、第2の中空の管状部材8内に設けられ、これはエアロゾル発生プロセスを補助する上で特に有益であることが分かっている。換気は、マウスピース2の下流吸い口端2bからそれぞれ17.925mmおよび18.625mmの位置で、この場合レーザーによる穿孔として形成された第1および第2の平行な列のミシン目12を介して設けられる。これらのミシン目は、チッピング紙5、第2のプラグラッパー9および第2の中空の管状部材8を通る。別の実施態様では換気は、マウスピース内の他の場所、例えば材料体6または第1管状部材4内に設けることも可能である。
本例ではエアロゾル発生基材3に加えられるエアロゾル形成材は、重量で14%のエアロゾル発生基材3を含む。好ましくはエアロゾル形成材は、重量で少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%のエアロゾル発生基材を含む。好ましくはエアロゾル形成材は、重量で25%未満、より好ましくは20%未満、例えば10%~20%、12%~18%または13%~16%のエアロゾル発生基材を含む。
好ましくはエアロゾル発生材3はエアロゾル発生材からなる円筒状ロッドとして提供される。エアロゾル発生材の形に関係無く、エアロゾル発生材は約10mm~100mmの長さを有する。一部の実施態様ではエアロゾル発生材の長さは、好ましくは約25mm~50mmの範囲内、より好ましくは約30mm~45mmの範囲内およびさらにより好ましくは約30mmから40mmである。
設けられるエアロゾル発生材3の容積は、約200mm3~約4300mm3、好ましくは約500mm3~1500mm3、より好ましくは約1000mm3~約1300mm3で異なってもよい。例えば約1000mm3~約1300mm3といったエアロゾル発生材これらの容積を設けることは、その範囲の下方端部から選択された容積で達成される視認性および知覚性能より良好な視認性および知覚性能を有する優れたエアロゾルを達成することが有利に示されている。
設けられるエアロゾル発生材3の質量は、200mg超、例えば約200mg~400mg、好ましくは約230mg~360mg、より好ましくは約250mg~360mgであってもよい。より質量の大きいエアロゾル発生材を供することは、結果として質量の小さいタバコ材から発生するエアロゾルと比較して良好な知覚性能が得られるという有利なことが分かっている。
好ましくはエアロゾル発生材または基材は、タバコ成分を含む本明細書に記載したタバコ材から形成される。
図5aはカプセル含有マウスピース2’を含む別の物品1’の側部断面図である。図5bは図5aに示したカプセル含有マウスピースの図5aのA-A’線を介した断面図である。物品1’とカプセル含有マウスピース2’は、エアロゾル変性剤が材料体6内に本例ではカプセル11の形体で設けられ、耐油性の第1プラグラッパー7’が材料体6を囲んでいること以外図4に例示した物品1およびマウスピース2と同じである。他の例では、エアロゾル変性剤は、材料体6内に注入された材料などの他の形体で設けられてもよく、あるいはより糸、例えば風味剤または他のエアロゾル変性剤を担持したより糸に設けられてもよく、これも材料体6内に配置されてもよい。
カプセル11は、壊れやすいカプセル、例えば液体ペイロードを囲む固体の脆弱なシェルを有するカプセルを含んでもよい。本例では1つのカプセル11が使用される。カプセル11は材料体内に完全に埋め込まれる。言い換えればカプセル11は材料体6によって完全に囲まれる。他の例では、複数の壊れやすいカプセル、例えば2、3またはそれ以上の壊れやすいカプセルを材料体内に配置してもよい。材料体6の長さは必要とされる数のカプセルを収容するように長くしてもよい。複数のカプセルが使用される例では個々のカプセルは互いに同じであってもよく、あるいは大きさおよび/またはカプセルペイロードが異なってもよい。他の例では、それぞれが1つ以上のカプセルを含む複数の材料体6を設けてもよい。
カプセル11はコア-シェル構造を有する。言い換えれば、カプセル11は、例えば本明細書に記載した風味剤またはエアロゾル変性剤のうちの1つであってもよい風味剤または他の助剤などの液剤をカプセル化するシェルを含む。カプセルのシェルは風味剤または他の助剤を材料体6内に放出するためにユーザーが破裂させることができる。第1のプラグラッパー7’は、プラグラッパーの材料をカプセル11の液体ペイロードに対して実質的に非通気性にするバリアコーティングを含んでもよい。これとは別にまたは加えて第2のプラグラッパー9および/またはチッピング紙5は、プラグラッパーおよび/またはチッピング紙の材料をカプセル11の液体ペイロードに対して実質的に非通気性にするバリアコーティングを含んでもよい。
本例ではカプセル11は球形であり、約3mmの直径を有する。他の例では、他の形状および大きさのものも使用可能である。カプセル11の総重量は、約10mg~約50mgの範囲内であってもよい。
本例ではカプセル11は材料体6内に長手方向中央の位置に配置される。即ち、カプセル11は、その中心が材料体6の両端から4mm離れるように位置決めされる。他の例では、カプセル11は材料体6の長手方向の中心位置以外の位置、即ち上流端より材料体6の下流端に近いまたは下流端より材料体6の上流端に近い所に配置してもよい。好ましくはマウスピース2’は、カプセル11と換気孔12がマウスピース2’内で互いに長手方向にオフセットするように構成されている。
マウスピース2’の断面を図5bに示し、これは図5aのA-A’線に沿っている。図5bは、カプセル11、材料体6、第1および第2のプラグラッパー7’、9およびチッピング紙5を示している。本例ではカプセル11はマウスピース2’の長手方向軸(図示せず)の中心にある。第1および第2のプラグラッパー7’、9およびチッピング紙5は材料体6の周囲に同心に配置されている。
壊れやすいカプセル11はコア-シェル構造を有する。即ち、カプセル化材またはバリアー材はエアロゾル変性剤を含むコアの周囲にシェルを形成する。シェル構造は物品1’の貯蔵時のエアロゾル変性剤の移動を妨げるが、使用時にはエアロゾル修飾剤とも言われるエアロゾル変性剤の放出の制御を可能にする。
場合によってはバリアー材(カプセル化剤とも言われる)は壊れやすい。カプセルはユーザーによって潰されるあるいはそうでなければ砕かれるまたは壊されてカプセル化されているエアロゾル修飾剤を放出する。典型的にはカプセルは加熱が開始される直前に壊されるが、ユーザーがエアロゾル修飾剤をいつ放出させるかを選択することができる。「壊れやすいカプセル」なる用語は、シェルがコアを放出するための圧力によって壊れるカプセルを意味し、より具体的にはシェルは、ユーザーがカプセルのコアを放出させたいときにユーザーの指によって加えられる圧力によって破裂させることができる。
場合によってはバリアー材は耐熱性である。即ち場合によってはバリアーは、破裂せず、エアロゾル供給デバイスの作動中にカプセルが到達する温度で溶けるまたは機能しなくなる。具体的にはマウスピース内に位置するカプセルを例えば30°C~100°Cの範囲内の温度に露して、バリアー材は少なくとも約50°C~120°Cまで液体コアを保持し続けるようにしてもよい。
別の場合ではカプセルは、加熱時に例えばバリアー材を溶かすまたはバリアー材を破裂させるカプセルの膨潤によってコア組成物を放出する。
カプセルの総重量は、約1mg~約100mg、好適には約5mg~約60mg、約8mg~約50mg、約10mg~約20mgまたは約12mg~約18mgの範囲であってもよい。
コア製剤の総重量は、約2mg~約90mg、好適には約3mg~約70mg、約5mg~約25mg、約8mg~約20mgまたは約10mg~約15mgの範囲であってもよい。
本発明によるカプセルは、上述のようにコアと、シェルを含む。カプセルは、約4.5N~約40N、より好ましくは約5N~約30Nまたは約28N(例えば、約9.8N~約24.5N)の破砕強度を呈してもよい。カプセル破砕強度は、カプセルを材料体6から取り除き、カプセルが2つの平らな金属プレートの間でプレスされた際に破裂した力を測定するゲージを使用して測定することができる。好適な測定装置は、平らな頭部があるアタッチメントを有するSauter FK 50フォールゲージであり、これはそのアタッチメントに類似する面を有する平らな硬い面に対してカプセルを砕くために使用することができる。
カプセルは実質的に球体であってもよく、少なくとも約0.4mm、0.6mm、0.8mm、1.0mm、2.0mm、2.5mm、2.8mmまたは3.0mmの直径を有してもよい。カプセルの直径は、約10.0mm、8.0mm、7.0mm、6.0mm、5.5mm、5.0mm、4.5mm、4.0mm、3.5mmまたは3.2mm未満であってもよい。具体的にはカプセルの直径は、約0.4mm~約10.0mm、約0.8mm~約6.0mm、約2.5mm~約5.5mmまたは約2.8mm~約3.2mmの範囲であってもよい。場合によってはカプセルは、約3.0mmの直径を有してもよい。これらの大きさは、本明細書に記載の物品にカプセルを組み込むのに特に適している。
カプセル11のその最も大きい断面領域での断面積は、一部の実施態様ではカプセル11が設けられているマウスピース2’の部分の断面積の28%未満、より好ましくは27%未満、さらにより好ましくは25%未満である。例えば、直径3.0mmの球体カプセルの場合、カプセルの最大断面積は、7.07mm2である。ここに記載した円周が21mmのマウスピース2’の場合、材料体6は20.8mmの外周を有し、この部材の半径は3.31mmになり、34.43mm2の断面積に相当する。カプセルの断面積は、この例ではマウスピース2’の断面積の20.5%である。別例として、カプセルの直径が3.2mmの場合、その最大断面積は8.04mm2になる。この場合カプセルの断面積は材料体6の断面積の23.4%になる。カプセル11が設けられているマウスピース2’の部分の断面積の28%未満の最大断面積を有するカプセルは、マウスピース2’の圧力降下がそれより大きい断面積を有するカプセルと比較して減少し、エアロゾルのための適当な空間がカプセルの周囲に残り、エアロゾルがマウスピース2’を通過する際にかなりの量のまとまったエアロゾルを材料体6が除去することなくエアロゾルが通過できるという利点がある。
好ましくは開放圧力降下(即ち、換気開口部が開いている)として測定される圧力降下または圧力差(吸引抵抗とも言われる)は、カプセルが壊れたときに8mmH2O未満減少する。より好ましくは、開放圧力降下は、6mm未満、より好ましくは5mm未満減少する。これらの値は同じ設計で作製された少なくとも80の物品によって得られる平均として測定される。そような小さい圧力降下の変化は、所与の製品圧力降下の正しい換気レベルの設定などの製品設計の他の態様を消費者がカプセルを壊すことを選択するかしないかに関係無く達成できることを意味する。
バリアー材は、ゲル化剤、増量剤、バッファー、着色剤および可塑剤の1つ以上を含んでもよい。
好適には、ゲル化剤は、例えば多糖またはセルロース系ゲル化剤、ゼラチン、ゴム、ゲル、ワックスまたはそれらの混合物であってもよい。好適な多糖類は、アルギン酸塩類、デキストラン類、マルトデキストリン類、シクロデキストリン類およびペクチン類を含む。好適なアルギン酸塩類は、例えばアルギン酸の塩、エステル化されたアルギン酸塩またはアルギン酸グリセリルを含む。アルギン酸の塩としてはアルギン酸アンモニウム、アルギン酸トリエタノールアミンおよびアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウムおよびアルギン酸マグネシウムのようなIまたはII族金属イオンのアルギン酸塩などが挙げられる。エステル化アルギン酸塩としてはアルギン酸ポリプロピレングリコールおよびアルギン酸グリセリルが挙げられる。ある実施態様ではバリアー材はアルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸カルシウムである。好適なセルロース系材料は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートおよびセルロースエーテル類などである。ゲル化剤は1つ以上の加工デンプンを含んでもよい。ゲル化剤はカラギーナンを含んでもよい。好適なゴムは、寒天、ジェランガム、アラビアゴム、プルランゴム、マンナンガム、ガッチゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、イナゴマメ、アカシアゴム、グァー、マルメロ種子ゴムおよびキサンタンガムなどである。好適なゲルは寒天、アガロース、カラギーナン、フロイダンおよびフルツセレランなどである。好適なワックスはカルナウバワックスなどである。場合によってはゲル化剤はカラギーナンおよび/またはジェランゴムを含んでもよく、これらのゲル化剤は、得られるカプセルを壊すのに必要とされる圧力が特に適している際のゲル化剤として含有させるのに特に好適である。
バリアー材は、スターチ、加工スターチ(酸化スターチなどの)およびマルチトールなどの糖アルコールなどの増量剤を1つ以上含んでもよい。
バリアー材は、エアロゾル発生デバイスの製造工程においてエアロゾル発生デバイス内にカプセルの配置を簡単にする着色剤を含んでもよい。着色剤は、好ましくは着色料および顔料の中から選択される。
バリアー材は、クエン酸塩化合物またはリン酸化合物などの少なくとも1つのバッファーをさらに含んでもよい。
バリアー材は少なくとも1つの可塑剤をさらに含んでもよく、これはグリセリン、ソルビトール、マルチトール、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールまたは可塑性を有する別の多価アルコールそして特にクエン酸、フマル酸、リンゴ酸等の任意の一酸、二酸または三酸型の内の1つの酸などである。可塑剤の量は、シェルの合計乾式重量の1~30重量%、好ましくは2~15重量%、さらにより好ましくは3~10重量%の範囲である。
またバリアー材は1つ以上の充填材料を含む。好適な充填材料は、デキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン(アルファ、ベータまたはガンマ)などのスターチ誘導体またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシ-メチルセルロース(CMC)などのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリオールまたはこれらの混合物などである。デキストリンは好ましい充填材である。シェル中の充填材量は、シェルの総乾式重量で最大で98.5重量%、好ましくは25~95重量%、より好ましくは40~80重量%、さらにより好ましくは50~60重量%である。
カプセルシェルは疎水性の外層を追加で含んでもよく、これはカプセルが水分によって崩壊しないようにするためのものである。疎水性の外層は、好適にはワックス、特にカルナウバワックス、カンデリラワックスまたは蜜ろう、カルボワックス、セラック(アルコール溶液または水性溶液に入った)エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ラテックス組成物、ポリビニルアルコール、またはこれらを組み合わせたものを含む群から選択される。より好ましくはその少なくとも1つの水分バリアー剤は、エチルセルロースまたはエチルセルロースとセラックの混合物である。
カプセルコアはエアロゾル変性剤を含む。このエアロゾル変性剤は、エアロゾルの少なくとも1つの特性を変えるあらゆる揮発性物質であってもよい。例えば、エアロゾル物質は、pH、知覚特性、水分量、供給特性または風味を変えるものであってもよい。場合によってはエアロゾル変性剤は酸、塩基、水または風味剤から選択してもよい。一部の実施態様ではエアロゾル変性剤は1つ以上の風味剤を含む。
風味剤は、好適にはリコリス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、ミント風味剤、好適にはメンソールおよび/またはペパーミント油および/またはスペアミント油などのハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、またはラベンダー、ウイキョウまたはアニスであってもよい。
場合によっては風味剤はメンソールを含む。
場合によってはカプセルは、少なくとも約25%w/wの風味剤(カプセルの総重量基準で)、好適には少なくとも約30%w/wの風味剤、35%w/wの風味剤、40%w/wの風味剤、45%w/wの風味剤または50%w/wの風味剤を含んでもよい。
場合によってはコアは、少なくとも約25%w/wの風味剤(コアの総重量基準で)、好適には少なくとも約30%w/wの風味剤、35%w/wの風味剤、40%w/wの風味剤、45%w/wの風味剤または50%w/wの風味剤を含んでもよい。場合によってはコアは約75%w/w以下の風味剤(コアの総重量基準で)、好適には約65%w/w以下の風味剤、55%w/wの風味剤、または50%w/wの風味剤を含んでもよい。具体的には、カプセルは25~75%w/w(コアの総重量基準で)、約35~60%w/wまたは約40~55%w/wの範囲内の量で風味剤を含んでもよい。
カプセルは、少なくとも約2mg、3mgまたは4mgのエアロゾル変性剤、好適には少なくとも約4.5mgのエアロゾル変性剤、5mgのエアロゾル変性剤、5.5mgのエアロゾル変性剤または6mgのエアロゾル変性剤を含んでもよい。
場合によっては消耗品は、少なくとも約7mgのエアロゾル変性剤、好適には少なくとも約8mgのエアロゾル変性剤、10mgのエアロゾル変性剤、12mgのエアロゾル変性剤または15mgのエアロゾル変性剤を含む。
あらゆる好適な溶媒を使用してもよい。
エアロゾル変性剤が風味剤を含む場合、溶媒は好適には短鎖または中鎖油脂を含んでもよい。例えば、溶媒は、C2-C12トリグリセリドなどのグリセリンのトリエステル類、好適にはC6-C10トリグリセリドまたはCs-C12トリグリセリドを含んでもよい。例えば、溶媒は、中鎖トリグリセリド(MCT-C8-C12)を含んでもよく、これはパーム油および/またはココナッツ油由来のものであってもよい。
エステル類はカプリル酸および/またはカプリン酸で形成してもよい。例えば、溶媒はカプリル酸トリグリセリドおよび/またはカプリン酸トリグリセリドである中鎖トリグリセリドを含んでもよい。例えば、溶媒は、Nos.73398-61-5、65381-09-1、85409-09-2によってCAS登録に特定されている化合物を含んでもよい。そのような中鎖トリグリセリドは、無味無臭である。
溶媒の親水性親油性バランス(HLB)は、9~13、好適には1~12の範囲内であってもよい。カプセルの製造方法は、押し出しなどであり、選択的にその後遠心分離そして硬化および/または乾燥を行ってもよい。国際出願公開2007/010407A2の内容をその全体において参照することにより組み込まれる。
上記の例ではマウスピース2、2’は、それぞれ単独の材料体6を含む。他の例では図4または図2aおよび2bのマウスピースのいずれかは複数の材料体を含んでもよい。マウスピース2、2’は、材料体の間にキャビティを含んでもよい。
一部の例ではエアロゾル発生材3の下流にあるマウスピース2、2’は、ラッパー、例えば第1または第2のプラグラッパー7、9、またはチッピング紙5を含んでもよく、これは本明細書中で説明するようにエアロゾル変性剤を含んでもよい。エアロゾル変性剤はマウスピースラッパーの内方または外方に向いた面に配置してもよい。例えば、エアロゾル変性剤は、使用中消費者の唇と接触するチッピング紙5の外方に向いた面などのラッパーの領域に設けてもよい。エアロゾル変性剤をマウスピースラッパーの外方に向いた面に配することによって、使用中にエアロゾル変性剤を消費者の唇に移行させるようにしてもよい。物品の使用中のエアロゾル変性剤の消費者の唇への移行は、エアロゾル発生基材3によって発生されるエアロゾルの感覚刺激特性(例えば味)を変えるまたはそうでなければ消費者に別の知覚経験を与える。例えば、エアロゾル変性剤は、エアロゾル発生基材3によって発せられたエアロゾルを風味を付与してもよい。エアロゾル変性剤は、少なくとも部分的に水に可溶であって、それが消費者の唾液を介してユーザーに移行するようにしてもよい。エアロゾル変性剤は、エアロゾル供給システムによって発せられた熱によって揮発するものであってもよい。これによりエアロゾル発生基材3によって発せられたエアロゾルにエアロゾル変性剤が移行しやすくなる。
非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、本明細書に記載の物品1、1’のエアロゾル発生材3を加熱するために使用される。非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、好ましくはコイルを含み、これは他の構成と比較して物品1、1’への熱伝導を向上させることが分かっている。
一部の例ではコイルは、使用時、少なくとも1つの導電性加熱エレメントを加熱するように構成され、これにより熱エネルギーがその少なくとも1つの導電性加熱エレメントからエアロゾル発生材へと伝導可能になり、これによりエアロゾル発生材の加熱を引き起こす。
一部の例ではコイルは、使用時少なくとも1つの加熱エレメントの中を通るための変動磁場を発生させるように構成されており、これにより少なくとも1つの加熱エレメントの誘導加熱および/または磁気ヒステリシス加熱を引き起こす。このような構成では該または各加熱エレメントは、本明細書で定義されるように「サセプタ」と言ってもよい。使用時に1つの導電性加熱エレメントの中を通るための変動磁場を発生させ、これにより少なくとも1つの導電性加熱エレメントの誘導加熱を引き起こすように構成されているコイルは、「誘導コイル」または「インダクタコイル」と言ってもよい。
本発明のデバイスは、例えば1つ以上の導電性加熱エレメントなどの1つ以上の加熱エレメントを含み、これら1つ以上の加熱エレメントはこれら1つ以上の加熱エレメントの加熱ができるように好適にはコイルに対して配置するまたは配置可能であってもよい。1つ以上の加熱エレメントはコイルに対して固定されてもよい。これとは別に少なくとも1つの加熱エレメント、例えば少なくとも1つの導電性加熱エレメントは、デバイスの加熱領域への挿入のために物品1、1’に含まれてもよく、物品1,1’は、エアロゾル発生材3を含み、使用後加熱領域から取り除かれる。これとは別にデバイスとそのような物品1、1’は、少なくとも1つのそれぞれ用の加熱エレメント、例えば少なくとも1つの導電性加熱エレメントを含んでもよく、コイルは、物品が加熱領域にあるとき、デバイスと物品それぞれの1つ以上の加熱エレメントの加熱を引き起こす。
一部の例ではコイルはらせん形である。一部の例ではコイルは、エアロゾル発生材を収容するように構成されたデバイスの加熱領域の少なくとも一部を囲む。一部の例ではコイルは加熱領域の少なくとも一部を囲むらせんコイルである。
一部の例ではデバイスは、加熱領域を少なくとも部分的に囲む導電性加熱エレメントを含み、コイルは、導電性加熱エレメントの少なくとも一部を囲む。一部の例では導電性加熱エレメントは管状である。一部の例ではコイルはインダクタコイルである。
一部の例ではコイルを使用することによって非燃焼系エアロゾル供給デバイスを非コイルエアロゾル供給デバイス装置より速く作動温度に到達させることができる。例えば、上述のようにコイルを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、最初にパフがデバイス加熱プログラムの起動から30秒未満、好ましくは25秒未満で提供できるように作動温度に到達することができる。一部の例ではデバイスは、デバイス加熱プログラムの起動から約20秒で作動温度に到達することができる。
エアロゾル発生材の加熱を引き起こすためにデバイスに本明細書に記載したようなコイルを使用することは生成されるエアロゾルを向上させることが分かっている。例えば、消費者は本明細書に記載したもののようなコイルを含むデバイスによって発せられたエアロゾルは、他の非燃焼系エアロゾル供給システムによって製せられたエアロゾルより工場製紙巻きタバコ((factory made cigarette)、FMC)に感覚的に近いと報告している。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、これはコイルを使用した際に必要とされる加熱温度に到達する時間の短縮、コイルを使用した際に達成される高い加熱温度および/またはコイルによってそのようなシステムが比較的多量のエアロゾル発生材を同時に加熱することを可能にし、結果としてFMCのエアロゾル温度に似た温度のエアロゾルが得られると推定される。FMC製品では、燃えている燃えさしがエアロゾルがロッドを通して引き込まれる際にその燃えさしの後のタバコロッドのタバコを加熱する熱いエアロゾルを発生させる。この熱いエアロゾルが燃えている燃えさしの後のロッドのタバコから風味化合物を放出させていると理解されている。本明細書に記載したようなコイルを含むデバイスは、本明細書に記載したようなタバコ材などのエアロゾル発生材を加熱して、風味化合物を放出させることもでき、結果としてFMCエアロゾルにより類似していると報告されたエアロゾルが得られると考えられている。
本明細書に記載したようなコイル、例えばエアロゾル発生材の少なくとも一部を少なくとも200℃、より好ましくは少なくとも220℃に加熱する誘導コイルを含むエアロゾル供給システムを使用することでFMC製品のエアロゾルにより類似すると考えられている特定の特性を有するエアロゾルをエアロゾル発生材から発生させることができる。例えば、ニコチンを含むエアロゾル発生材を2秒間少なくとも250℃に誘導ヒーターを使用して加熱した場合、次の特徴のうちの1つ以上が観察された、
少なくとも10μgのニコチンがエアロゾル発生材からエアロゾル化される、
発生したエアロゾル中のニコチンに対するエアロゾル形成材の重量比は少なくとも約2.5:1、好適には少なくとも8.5:1である、
少なくとも100μgのエアロゾル形成材がエアロゾル発生材からエアロゾル化される、
発生したエアロゾル中の平均粒径または滴径は約1000nm未満である、
エアロゾル密度は少なくとも0.1μg/ccである。
場合によっては少なくとも10μgのニコチン、好適には少なくとも30μgまたは40μgのニコチンが、その2秒間の間少なくとも1.50L/mの空気流の下エアロゾル発生材からエアロゾル化される。場合によっては約200μg未満、好適には約150μg未満または約125μg未満のニコチンがその2秒間の間、少なくとも1.50L/mの空気流の下エアロゾル発生材からエアロゾル化される。
場合によっては少なくとも100μgのエアロゾル形成材、好適には少なくとも200μg、500μgまたは1mgのエアロゾル形成材がその2秒間の間少なくとも1.50L/mの空気流の下エアロゾル発生材からエアロゾル化される。好適にはエアロゾル形成材はグリセリンを含んでもよいまたはグリセリンからなる。
本明細書で定義される「平均粒径または滴径」なる用語は、エアロゾルの固体または液体成分(即ち、気体中に懸濁している成分)の大きさの平均を意味する。エアロゾルが懸濁した液滴および懸濁した固体粒子を含む場合、その用語はすべての成分を合わせた大きさの平均を意味する。
場合によっては発生したエアロゾルの平均粒径または滴径は約900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、450nmまたは400nm未満であってもよい。場合によっては平均粒径または滴径は約25nm、50nmまたは100nm超であってもよい。
場合によっては上記期間の間に発生するエアロゾルの密度は、少なくとも0.1μg/ccであってもよい。場合によってはエアロゾル密度は少なくとも0.2μg/cc、0.3μg/ccまたは0.4μg/ccである。場合によってはエアロゾル密度は約2.5μg/cc、2.0μg/cc、1.5μg/ccまたは1.0μg/cc未満である。
非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、物品1、1’のエアロゾル発生材3を好ましくは少なくとも160℃の最大温度に加熱するように構成されている。好ましくは非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスによる加熱工程中に少なくとも一度、物品1、1’のエアロゾル形成材3を少なくとも約200℃、または少なくとも約220℃または少なくとも約240℃、より好ましくは少なくとも約270℃の最大温度に加熱するように構成されている。
本明細書中で説明したようなコイル、例えば少なくともエアロゾル発生材の一部を少なくとも200°C、より好ましくは少なくとも220°Cに加熱する誘導コイルを含むエアロゾル供給システムを使用することで、エアロゾルがマウスピース2、2’の吸い口端を出る際にFMC製品により近いと考えられているエアロゾルの発生に貢献する以前の装置より本明細書に記載した物品1、1’のエアロゾル発生材からより高い温度のエアロゾルを発生させることができる。例えば、物品1、1’の吸い口端で測定される最大エアロゾル温度は、好ましくは50°C超、より好ましくは55°C超、さらにより好ましくは56°Cまたは57°C超である。さらにまたはこれとは別に物品1、1’の吸い口端で測定される最大エアロゾル温度は、62°C未満、より好ましくは60°C未満、より好ましくは59°C未満である。一部の実施態様では物品1、1’の吸い口端で測定される最大エアロゾル温度は、好ましくは50°C~62℃、より好ましくは56°C~60°Cである。
図6は、本明細書に記載した物品1、1’のエアロゾル発生材3などのエアロゾル発生媒体/材料からエアロゾルを発生させるための非燃焼系エアロゾル供給デバイス100の一例を示している。大筋においてデバイス100は、デバイス100のユーザーによって吸入されるエアロゾルまたは他の吸入可能な媒体を発生させるためにエアロゾル発生媒体を含む交換可能な物品110、例えば本明細書に記載の物品1、1’を加熱するために使用してもよい。デバイス100と交換可能な物品110は共にシステムを形成する。
デバイス100は、デバイス100の種々の部品を囲み、収容するハウジング102(外方カバーの形体)を含む。デバイス100は、一端部に開口部104を有し、それを介して物品110が加熱集合体による加熱のために挿入される。使用時、物品110は、加熱集合体に完全にまたは部分的に挿入され、そこで加熱集合体の1つ以上の部品によって加熱される。
この例のデバイス100は、第1端部部材106を含み、これは蓋108を含み、この蓋は、物品110が所定の位置に無いときに開口部104を閉じるために第1端部部材106に対して可動である。図6では蓋108は開放構造に示されているが、蓋108は閉鎖構造に移動してもよい。例えば、ユーザーは矢印「B」の方向に蓋108をスライドさせる。
デバイス100は、押されるとデバイス100を作動させるボタンまたはスイッチなどのユーザーが操作できる調整部材112を含んでもよい。例えば、ユーザーはスイッチ112を操作してデバイス100をオンにしてもよい。
またデバイス100は、ソケット/ポート114などの電機部品を含み、これらはデバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを収容してもよい。ソケット114はUSB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
図7は、図6のデバイス100を外方カバー102が外され、物品110が存在しない状態を示している。デバイス100は長手方向軸134を画定する。
図7に示すように第1端部部材106がデバイスの一端部に配置され、第2端部部材116がデバイス100の反対の端部に配置されている。第1および第2の端部部材106、116は、共にデバイス100の端部面を少なくとも部分的に画定している。例えば、第2端部部材116の底部面は、少なくとも部分的にデバイス100の底部面を画定している。外方カバー102の縁部も端部面の一部を画定している。この例では蓋108もデバイス100の上面の一部を画定している。
開口部104に近い方のデバイスの端部は、使用時にユーザーの口に近くなるのでデバイス100の近位端(または吸い口端)としても知られている。使用時、ユーザーは、開口部104に物品110を挿入し、ユーザー制御部を操作してエアロゾル発生材の加熱を開始し、デバイスに発生したエアロゾルを吸い込む。これによりデバイス100の近位端に向かう流路に沿ってデバイス100内をエアロゾルが流れるようにする。
開口部104から離れている装置の他端部は、使用時にユーザーの口から離れる方の端部となるので、デバイス100の遠位端としても知られている。ユーザーがデバイスに発生したエアロゾルを吸い込むと、エアロゾルはデバイス100の遠位端から離れるように流れる。
デバイス100は電源118をさらに含む。電源118は、例えば充電可能なバッテリーまたは充電不可のバッテリーなどのバッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例としては、リチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなどの)、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなどの)およびアルカリバッテリーなどが挙げられる。バッテリーは加熱集合体に電気的に接続され、エアロゾル発生材を加熱するために必要に応じてそしてコントローラ(図示せず)の制御の下電力を供給する。この例ではバッテリーはバッテリー118を所定の位置に保持する中央支持部120に接続される。
デバイスは、少なくとも1つの電子モジュールをさらに含む。電子モジュール122は、例えば印刷回路板(PCB)を含んでもよい。PCB122は、少なくとも1つのプロセッサーおよびメモリーなどのコントローラを支持してもよい。またPCB122は、デバイス100の種々の電子部品を共に電気的に接続する1つ以上の電気トラックを含んでもよい。例えば、バッテリー端子がPCB122に電気的に接続され、電力をデバイス100全体に配分することができるようになっている。またソケット114は電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合されてもよい。
デバイス100の例では加熱集合体は、誘導加熱集合体であり、誘導加熱工程を介して物品110のエアロゾル発生材を加熱するための種々の部材を含む。誘導加熱は、電磁誘導によって導電性の物体(サセプタなどの)を加熱する工程である。誘導加熱集合体は、誘導部材、例えば1つ以上のインダクタコイルと、交流電流などの変動電流を誘導部材に通すためのデバイスとを含んでもよい。誘導部材内の変動電流は変動磁場を発生させる。変動磁場は、好適には誘導部材に対して位置決めされたサセプタに侵入し、サセプタの内側に渦電流を発生させる。サセプタは渦電流に対して電気抵抗を有し、従って、この抵抗に対する渦電流の流れによってサセプタがジュール加熱によって加熱されるようにする。サセプタが鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性材を含む場合、熱がサセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、即ち変動磁場と合致することの結果として磁性材の磁気双極子の向きの変化によって発せられてもい。誘導加熱では例えば伝導による加熱に較べて熱がサセプタの内側に発せられ、素早い加熱を可能にする。さらに誘電ヒーターとサセプタとの間になんら物理的な接触の必要が無く、構造および用途の自由度を高めることができる。
デバイス100の例の誘導加熱集合体は、サセプタ構造体132(以下、「サセプタ」とする)、第1のインダクタコイル124と、第2のインダクタコイル126とを含む。第1および第2インダクタコイル124、126は、導電性材料から作製される。この例では第1および第2インダクタコイル124、126は、リッツ線/ケーブルから作製され、これはらせん状に巻かれ、ヘリカルインダクタコイル124、126を供する。リッツ線は、複数の個別の線を含み、これらは個別に絶縁され、一緒にねじられて1本の線を形成する。リッツ線は、導体中の表皮効果損失を減らすように設計されている。デバイス100の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、矩形断面の銅リッツ線から作製される。他の例ではリッツ線は円形などの他の形状の断面を有してもよい。
第1インダクタコイル124は、サセプタ132の第1セクションを加熱するための第1の変動磁場を発生させるように構成され、第2インダクタコイル126は、サセプタ132の第2セクションを加熱するための第2の変動磁場を発生させるように構成されている。この例では第1インダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸134に沿った方向に第2インダクタコイル126と隣接する(即ち、第1および第2インダクタコイル124、126は、重ならない)。サセプタ構造体132は、単独のサセプタまたは2つ以上のサセプタを含んでもよい。第1および第2インダクタコイル124、126の端部130はPCB122に接続される。
当然のことながら一部の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、少なくとも1つの互いに異なる特徴を有してもよい。例えば、第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは少なくとも1つの異なる特徴を有してもよい。より具体的には1つの例では第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは異なるインダクタンスの値を有してもよい。図7では第1および第2インダクタコイル124、126は、第1インダクタコイル124が第2インダクタコイル126よりサセプタ132の小さいセクションに巻かれるように長さが異なる。従って、第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは巻き数が異なってもよい(個々の巻き間の間隔は実質的に同じだと仮定して)。さらに別の例では第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは異なる材料から作製されてもよい。一部の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、実質的に同じであってもよい。
この例では第1および第2インダクタコイル124、126は、反対方向に巻かれて示されている。これはインダクタコイルが異なる時間にアクティブな時に役に立つ。例えば、最初に第1インダクタコイル124が物品110の第1セクション/部分を加熱するために作動させて、その後に第2インダクタコイル126は物品110の第2セクション/部分を加熱するために作動させてもよい。異なる方向にコイルを巻くことは、特定の種類の制御回路と使用する場合にインダクタコイルに誘導される電流の減少の補助をする。図7のデバイス100で第1インダクタコイル124が右巻きらせんで、第2インダクタコイル126は左巻きらせんである。しかしながら、別の実施態様ではインダクタコイル124、126は同じ方向に巻かれてもよく、あるいは第1インダクタコイル124は、左巻きらせんで、第2インダクタコイル126は、右巻きらせんであってもよい。
この例のサセプタ132は中空であり、従って中にエアロゾル発生材が収容される受け部を画定する。例えば、物品110はサセプタ132内に挿入される。この例ではサセプタ120は管状で円形の断面を有する。
サセプタ132は1つ以上の材料から作製されてもよい。好ましくはサセプタ132はニッケルまたはコバルトのコーティングを有する炭素鋼を含む。
一部の例ではサセプタ132は、少なくとも2つの材料を含んでもよく、これはその少なくとも2つの材料の選択的なエアロゾル化のための2つの異なる周波数で加熱することが可能である。例えば、サセプタ132の第1セクション(第1インダクタコイル124によって加熱される)は、第1の材料を含んでもよく、第2インダクタコイル126によって加熱されるサセプタ132の第2セクションは、異なる第2の材料を含んでもよい。別の例では第1セクションは第1および第2の材料を含んでもよく、第1および第2の材料は第1インダクタコイル124の作動に基づいて別に加熱されてもよい。第1および第2の材料はサセプタ132によって画定された軸に沿って隣接してもよく、あるいはサセプタ132内に異なる層を形成してもよい。同様に第2セクションは第3および第4の材料を含んでもよく、これら第3および第4の材料は第2インダクタコイル126の作動に基づいて別に加熱されてもよい。第3および第4の材料はサセプタ132によって画定された軸に沿って隣接してもよく、あるいはサセプタ132内に異なる層を形成してもよい。例えば、第3の材料は第1の材料と同じでもよく、第4の材料は第2の材料と同じであってもよい。これとは別にこれら材料のそれぞれは異なってもよい。サセプタは、例えば炭素鋼またはアルミニウムを含んでもよい。
図7のデバイス100は、一般に管状であり、少なくとも部分的にサセプタ132を囲む絶縁部材128をさらに含む。絶縁部材128は、例えばプラスチックなどの任意の絶縁材から構成されてもよい。この特定の例では絶縁部材はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成される。絶縁部材128は、デバイス100の種々の部品をサセプタ132内に発せられる熱から絶縁するのに役立つ。
また絶縁部材128は、完全にまたは部分的に第1および第2インダクタコイル124、126を支持してもよい。例えば図7に示すように第1および第2インダクタコイル124、126は、絶縁部材128の周囲で位置決めされ、絶縁部材128の半径方向外方の面と接触する。一部の例では絶縁部材128は第1および第2インダクタコイル124、126と当接しない。例えば、小さい隙間が絶縁部材128の外面と第1および第2インダクタコイル124、126の内面の間に存在してもよい。
具体的な例ではサセプタ132、絶縁部材128および第1および第2インダクタコイル124、126は、サセプタ132の中央長手方向軸を中心に同軸である。
図8はデバイス100の一部断面にて示した側面図である。外方カバー102がこの例では示されている。第1および第2インダクタコイル124、126の矩形の断面形状がより明らかに視認できる。
デバイス100は、サセプタ132を所定の位置に保持するためにサセプタ132の一端と係合する支持体136をさらに含む。支持体136は第2端部部材116に接続されている。
またデバイスは調整部材112に関連付けられた第2プリント基板138を含む。
デバイス100は、デバイス100の遠位端の方に配置された第2の蓋/キャップ140およびバネ142をさらに含む。バネ142は第2の蓋140を開けて、サセプタ132に触れられるようにする。ユーザーは第2の蓋140を開けてサセプタ132および/または支持体136を掃除してもよい。
デバイス100は、サセプタ132の近位端から離れてデバイスの開口部104の方に延びた膨張チェンバー144をさらに含む。少なくとも部分的に膨張チェンバー144内に配置されているのは、デバイス100内に収容された際に物品110と当接し、保持する保持クリップ146である。膨張チェンバー144は端部部材106に接続されている。
図9は外方カバー102が省略されている図8のデバイス100の分解図である。
図10Aは図8のデバイス100の一部の断面図である。図10Bは図10Aのある領域の拡大図である。図10Aおよび10Bは、サセプタ132内に収容された物品110を示し、物品110は、その外面がサセプタ132の内面と当接するような寸法になっている。これにより加熱が最も効率的になる。この例の物品110は、エアロゾル発生材110aを含む。エアロゾル発生材110aはサセプタ132内に位置決めされる。また物品110は、フィルター包装材および/または冷却構造体などの他の部材を含んでもよい。
図10Bはサセプタ132の外面がサセプタ132の長手方向軸158に垂直な方向に測定して距離150の分だけインダクタコイル124、126の内面から離れていることを示している。1つの特定の例では距離150は約3mm~4mm、約3~3.5mmまたは約3.25mmである。
図10Bは絶縁部材128の外面がサセプタ132の長手方向軸158に垂直な方向に測定して距離152の分だけインダクタコイル124、126の内面から離れていることをさらに示している。1つの特定の例では距離152は約0.05mmである。別の例ではその距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128と当接し、触れるように実質的には0mmである。
1つの例ではサセプタ132の壁厚154は約0.025mm~1mmまたは約0.05mmである。
1つの例ではサセプタ132の長さは、約40mm~60mm、約40mm~45mmまたは約44.5mmである。
1つの例では絶縁部材128の壁厚156は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mmまたは約0.5mmである。
使用時、本明細書に記載の物品1、1’は、図6~10を参照して説明したデバイス100などの非燃焼系エアロゾル供給デバイス内に挿入される。物品1、1’のマウスピース2、2’の少なくとも一部は、非燃焼系エアロゾル供給デバイス100から突出し、ユーザーの口の中に入れられる。エアロゾルがデバイス100を使用してエアロゾル発生材3を加熱することによって生成される。エアロゾル発生材3によって生成されたエアロゾルは、マウスピース2を通ってユーザーの口へと移動する。
本明細書に記載の物品1、1’は、例えば図6~10を参照して説明したデバイス100などの非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用した場合に特に有利である。特に驚異的なことにフィラメント状のトウから形成された第1管状部材4は、物品1、1’のマウスピース2、2’の外面の温度に特にかなりの影響を与えることが分かっている。例えば、フィラメント状のトウから形成された中空の管状部材4が外方ラッパー、例えばチッピング紙5に包まれている場合、外方ラッパーの外面は、使用時42℃未満、好適には40℃未満、より好適には38℃未満または36℃未満の最大温度に到達することが分かっている。
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
実施例
実験
ニコチンおよびエアロゾル発生材含有量の測定
ニコチンおよびエアロゾル形成材の量は次の方法を使用して測定してもよい。
抽出液を次のように作製する。2.5±0.01gのn-ヘプタデカンを計量容器に秤量し、400~500mLのメタノールが入った5L容量のフラスコに加え、フラスコの内容物をよく混ぜてn-ヘプタデカンを溶かす。溶けたらメタノールを容量フラスコの正しい容量の補正するために加え、抽出溶液を形成する。
エアロゾル発生材(5~10mm幅のピース)を密閉されたプラスチックの袋または気密容器に分析前に入れておく。サンプルを使用前に確実に均一になるように袋の中で混ぜる。
1.0g(±0.01g)のサンプルを150mL三角フラスコ内に秤量する。目盛り付きピペットから1.00mLの脱イオン水を加え、混合物を5分間放置する。50mLの抽出溶液(上記参照)を目盛り付きディスペンサで加える。フラスコを栓で塞ぎ、次に150rpmで3時間、Orbital/水平シェーカー上において振動させる。
5mLのプラスチック注射器を使用して抽出物の一部を0.45μmPVDFフィルターを介して2mLのGCバイアル内にろ過する。
GCバイアル中の抽出物を次にGC(パラメータについては下記表を参照)を使用して予め調製しておいた常用キャリブレーション溶液に対して分析する。
サンプルを分析カラムに接続された注入ポートに注入する。キャピラリーGCカラム(phenomenex ZB-WAXplus (30m×0.53mm id×1.00μm))およびフレームイオン化検出器(FID)を分析に使用してもよい。
ニコチンおよびエアロゾル形成材の最終結果[CNH(%)(dwb)]は、下記式を使用して水分量で補正された乾燥サンプルのパーセントとして表される。水分量はKarl-Fisher法で測定してもよい。
NH:ニコチンおよび/または湿潤剤(プロピレングリコールおよびグリセリン)検体
CNH(mg/g):mg/gで表される検体の濃度
CNH(%)(dwb):乾燥サンプルの%で表される検体の濃度
Dwb:乾式重量基準
CWater (%):%で表される水の濃度
ANH:検体(ニコチン、グリコールおよびグリセリン)の領域
AISTD:内部標準の領域
INT:線形回帰のy軸切片
CISTD:抽出溶液中の内部標準の濃度(mg/mL)
V:抽出溶液(mL)+1.00mLの脱イオン水の容量
D:線形回帰の傾き
m:抽出に使用された全THP再生タバコの質量
本明細書でのニコチン目標%は一連のサンプル(例えば、20~40サンプル)のニコチン含有量を分析し、次に平均を取ることによって測定してもよい。
水分量の測定
本明細書に記載の組成物において重量%は特に断りの無い限り乾式重量基準を言う。従って、タバコ組成物またはそのあらゆる成分中に存在するすべての水は、重量%の測定の目的のために完全に無視する。従って、タバコ組成物中またはそのあらゆる成分中に存在するすべての水は重量%の測定の目的のために完全に無視される。しかしながら、エアロゾル形成材などの他の液体成分は重量%に含まれる。本明細書に記載のタバコ組成物の水分量は異なり、例えば5~15重量%であってもよい。水分量はKarl-Fisher分析によって測定することができる。
Karl-Fisher分析による水分量
Karl-Fisher水分析はMettler Toledo Karl Fisher V30 Volumetric Titratorによって行ってもよい。サンプルテストの前に抽出溶液(メタノール)のバックグラウンド水分量が測定され、その値はその分析法に記録される。
約0.5gの分析される材料が100mLの三角フラスコ内に正確に秤量され(小数第4位まで)、重量を記録する。50mLの乾燥メタノールを三角フラスコ内に分出し、フラスコは次に密閉され、30分間平床式のシェーカー上で揺すられる(155rpm)。約2mLのサンプル抽出物を注射器に取って、滴定装置内に注入する(注射器のバック秤量によって測定された重量)。結果は重量によるサンプルの%水分量として報告される。サンプルは3回測定され、平均値が標準偏差ともに報告される。
葉材
葉材からなる9つのブレンドを調製した。ブレンドの重量での各ブレンドのニコチンの量を測定する。結果を表5および5aに示す。
比較例
低ニコチン再生タバコ(LNRT)および/または中ニコチン再生タバコ(MNRT)および/または高ニコチン値再生タバコ(HNRT)を含む6つのタバコ材再生タバコ材(再生タバコ1~6)を調製し、次にそれらのニコチン含有量を確認するために分析した。結果を表6および表6aに示す。
注目すべきは再生タバコ材のニコチン含有量は1.5重量%以下であったということである。
注目すべきは再生タバコ材のニコチン含有量は1.5重量%以下であったということである。
実施例1~3
葉タバコ、低ニコチン再生タバコ(LNRT)および/または中ニコチン再生タバコ(MNRT)および/または高ニコチン値再生タバコ(HNRT)を含む3つのブレンドを調製し、次にそれらのニコチン含有量を確認するために分析した。結果を表7に示す。
実施例4-21
葉タバコおよび再生タバコ材を含む18のさらなるブレンドを調製し、そのニコチン含有量を分析した。結果は表8、9、9a、9bおよび9cに示す。
結果はタバコ組成物のニコチン含有量は再生タバコ材をニコチン含有量が葉タバコの約1.5重量%超の葉タバコと組み合わせることによって調製することができることを示している。従って、広範囲のニコチン濃度を有する種々のタバコ組成物を製造することができる。
表10は、本明細書で図6~10Bを参照して説明したデバイス100を使用して加熱した際の本明細書で図4を参照して説明した物品1の外面の温度を示している。第1、第2および第3温度測定プローブを物品1のマウスピース2に沿った対応する第1、第2および第3の位置として使用した。第1の位置(表10で位置1として番号付けされている)はマウスピース2の下流端部2bから4mm、第2の位置(表10では位置2として番号付けされている)はマウスピース2の下流端部2bから8mm、そして第3の位置(表10では位置3として番号付けされている)はマウスピース2の下流端2bから12mmの所であった。
従って、第1の位置は第1管状部材4が配置されているマウスピース2の部分の外面であり、第2および第3の位置は材料体6が配置されているマウスピース2の部分の外面であった。
対照物品を本明細書で説明したフィラメント状のトウ管状部材4との比較として試験し、フィラメント状のトウ管状部材4の代わりに本明細書で説明した第2の中空の管状部材8と同じ構造を有するが、長さが25mmではなく、6mmの長さの従来のらせん状に紙が巻かれた管を使用した。
試験は物品の最初5回のパフについて行った。というのは5回目のパフまでに温度は徐々に最高点に達し、そこから下降し始め、最高温度が観測されるからである。各サンプルは5回試験され、それにより得られる温度はこれら5回の試験の平均である。公知のHealth Canada Intenseパフ型(puffing regime)(30秒ごとに2秒間55mlのパフ容量が適用される)を標準試験装置を使用して適用した。
下記表に示すように驚異的なことにフィラメント状のトウから形成された管状部材4を使用することによって対照物品と比較して各パフごとそしてマウスピース2のすべての試験位置においてマウスピース2の外面温度が下がったことが分かった。フィラメント状のトウから形成された管状部材4は、消費者の唇が物品1を使用する際に位置する第1のプローブ位置での温度の低下に特に効果的であった。特に第1のプローブ位置でのマウスピース2の外面温度は、最初に3回のパフで7℃超そして4回目、5回目のパフで5℃超低下した。
図11は非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品の製造方法を説明している。工程S101では、それぞれがエアロゾル形成材を含むエアロゾル発生材の第1および第2部分をマウスピースロッドの第1および第2長手方向端部それぞれに隣接して位置決めされ、マウスピースロッドは、第1および第2端部の間に配置されたフィラメント状のトウから形成された中空の管状部材ロッドを含む。本例では中空の管状部材は、第1および第2材料体6の間に配置された2本分の長さの管状部材4を含む。各材料体6の外方端部には対応する第2管状部材8が位置決めされており、それはエアロゾル発生材の第1および第2部分が位置決めされているこれらの管状部材8の外方端部に隣接している。マウスピースロッドは本明細書に記載したような第2プラグラッパーに包まれている。
工程S102ではエアロゾル発生材の第1および第2部分がマウスピースロッドに接続される。本例ではこれは本明細書で説明したようなチッピング紙5をマウスピースロッドとエアロゾル発生材3の各部分の少なくとも一部の周りに巻いて行われる。本例ではチッピング紙5はエアロゾル発生材3の部分のそれぞれの外面上を約5mm長手方向に延びている。
工程S103では中空の管状部材が切断されて第1および第2の物品を形成し、各物品はマウスピースを含み、これはマウスピースの下流端で中空の管状部材の一部を含む。本例ではマウスピースロッドの2本分の長さの第1中空の管状部材4がその長さの約半分の所で切断され、実質的に同一の第1および第2の物品を形成する。
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。