JP2022523456A - 心臓弁尖コアプター - Google Patents

Abstract

自然房室弁を治療するためのコアプテーション補助デバイス（２０，１２０Ａ，１２０Ｂ，１２０Ｃ，３２０Ａ，３２０Ｂ，４２０，７２０）が提供され、当該コアプテーション補助デバイスは、ループ状心室アンカー（３０，１３０，３３０，４３０，７３０）を含み、該ループ状心室アンカーは、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定めるアンカーループワイヤーループ（５０，１５０，３５０，４５０，７５０）を含み、かつ、心室に位置して、心室根尖端部と標的自然弁尖の下部環状表面との間を延びるように構成されており、かつ、下部環状表面、心室壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている。ネオ弁尖（３２，１３２Ａ，１３２Ｂ，１３２Ｃ，３３２Ａ，３３２Ｂ，４３２，７３２）が、ループ状心室アンカーによって支持され、かつ、標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面（３４，４３４，７３４）を提供することによって標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。その他の実施形態もまた、記載される。【選択図】図１Ａ

Description

関連出願への相互参照
本特許出願は、本願の譲受人に譲渡され、かつ、参照によって本明細書に組み込まれる、２０１９年１月１４日付け出願の米国仮出願第６２／７９２，０９２号からの優先権を主張する。

発明の分野
本発明は概して、医療デバイスおよび方法に関する。いっそう具体的には、本発明は、逆流させる心臓弁、および、その他の循環器弁の機能を改善するための補綴デバイスおよび方法に関する。

発明の背景
弁逆流症（ＶＲ）は、心臓の自然弁が適切に閉じず、心室が収縮するときに血液が心房の中へと逆行して流れることを引き起こし、その効率を低減させる疾患である。深刻な逆流症が、今日の米国において５００万人以上の患者に悪影響を与えており、かつ、世界人口の８％に悪影響を与えると見積もられている。

本発明の実施形態は、患者の自然弁を治療するためのコアプテーション（ｃоａｐｔａｔｉоｎ；接合・癒合）補助デバイスを提供する。典型的には、自然弁は、しばしば弁における弁尖の運動の欠如によって特徴付けられる、機能性僧帽弁逆流症または機能性三尖弁逆流症のような弁の病気に罹患している。自然弁は、典型的には房室弁、すなわち三尖弁または僧帽弁である。

各コアプテーション補助デバイスは、ループ状心室アンカーを有し、該ループ状心室アンカーは、心室に位置して、自然房室弁の標的自然弁尖の心室根尖端部の間を延びるように構成されており、かつ、心室壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている。いくつかの応用例では、各ループ状心室アンカーは、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定めるアンカーループワイヤーループを有し、かつ、任意選択的にはアンカーループワイヤーループに取り付けられたアンカーループカバーを有する。

各コアプテーション補助デバイスはさらに、ネオ弁尖（ｎｅо－ｌｅａｆｌｅｔ；新生弁尖）を有し、該ネオ弁尖は、ループ状心室アンカーによって支持され、かつ、ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。

したがって、本発明の発明概念１によれば、被験者の自然房室弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスが提供され、当該コアプテーション補助デバイスは：
アンカーループワイヤーループを有するループ状心室アンカーを有し、該アンカーループワイヤーループは、（ｉ）ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定め、かつ、（ｉｉ）（ａ）心室に位置して、心室根尖端部と自然房室弁の標的自然弁尖の下部環状表面との間を延びるように構成されており、かつ、（ｂ）下部環状表面、心室壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されており；かつ、
ネオ弁尖を有し、該ネオ弁尖は、ループ状心室アンカーによって支持され、かつ、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。

発明概念２。ループ状心室アンカーが、周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループにより加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３。ループ状心室アンカーが、周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念２に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４。ループ状心室アンカーが、アンカーループワイヤーループと周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５。ループ状心室アンカーが、周囲の解剖学的構造の組織を穿通しないために非侵襲的であるように構成されている、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６。当該コアプテーション補助デバイスが、組織を穿通するように構成されたいかなる要素も有さない、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７。アンカーループワイヤーループが、ループ状心室アンカーの境界全体を定める閉ループの形状である、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８。アンカーループワイヤーループが金属を有する、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９。アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、アンカーループワイヤーループの長さの少なくとも５０％に沿って湾曲し、該長さはアンカーループワイヤーループの周りで測定される、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０。アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、アンカーループワイヤーループの長さの少なくとも７５％に沿って湾曲する、発明概念９に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１１。アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、楕円形の少なくとも７５％の形状である、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１２。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループワイヤーループ上の２つの部位においてアンカーループアンカーループに連結された、少なくとも１つの支持ワイヤーを有する、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１３。アンカーループワイヤーループが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、下部環状表面、心室壁および心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１４。アンカーループワイヤーループが、２つ以上の葉（ｌоｂｅ；丸い突出部・ローブ）を定める形状である、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１５。アンカーループワイヤーループが、ちょうど２つの葉を定める形状である、発明概念１４に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１６。被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、コアプテーション表面が被験者の心周期を通して概して静止しているようにネオ弁尖が構成されている、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１７。被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、被験者の心周期の最中、コアプテーション表面が１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するようにネオ弁尖が構成されている、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１８。ネオ弁尖が、ループ状心室アンカーから直接延びる、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１９。コアプテーション表面が、２～２０ｃｍ２の面積を有する、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２０。アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、アンカーループワイヤーループの側部によって定められる最良適合平面から離れるように湾曲する最遠位部を含む、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２１。アンカーループワイヤーループが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、心室壁から離れるように湾曲するように構成された最遠位部を含む、発明概念１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２２。自然弁尖把持器をさらに有し、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するように構成されている、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２３。ネオ弁尖が、自然弁尖把持器を介してループ状心室アンカーに連結される、発明概念２２に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２４。ネオ弁尖および自然弁尖把持器を少なくとも部分的に定める形状であるワイヤーループを有する、発明概念２３に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２５。自然弁尖把持器が、第１の部分および第２の部分を定める形状であり、該第１の部分および第２の部分は、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されている、発明概念２２に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２６。第１の部分および第２の部分が、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するために、互いに向かって折り重なるように構成されている、発明概念２５に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２７。自然弁尖把持器が、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間の折り目に第３の部分をさらに定める形状であり、かつ、
自然弁尖把持器の第３の部分は、自然弁尖把持器の第１の部分および第２の部分が標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むときには、標的自然弁尖の自由縁の周りを延びるように構成されている、
発明概念２６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２８。自然弁尖把持器の第１の部分が、ループ状心室アンカーにピボット回転可能に連結され、
自然弁尖把持器の第１の部分が、自然弁尖把持器の第２の部分にピボット回転可能に連結され、かつ、
自然弁尖把持器の第２の部分が、ネオ弁尖にピボット回転可能に連結される
ように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、
発明概念２５に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念２９。自然弁尖把持器が、１つ以上の下部自然弁尖支持体を有し、該１つ以上の下部自然弁尖支持体は、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、標的自然弁尖の心室表面の１つ以上の部分を圧迫するように構成されている、発明概念２２に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３０。自然弁尖把持器がさらに、１つ以上の上部環状支持体を有し、該１つ以上の上部環状支持体は、標的自然弁尖の心房表面を圧迫するように構成されており、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、１つ以上の下部自然弁尖支持体および１つ以上の上部環状支持体が標的自然弁尖を挟み、かつ、把持するようになっている、発明概念２９に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３１。自然弁尖把持器が１つ以上の上部環状支持体を有し、該１つ以上の上部環状支持体は、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、標的自然弁尖の心房表面を圧迫するように構成されている、発明概念２２に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３２。心室壁が心室中隔壁であり、かつ、アンカーループワイヤーループが、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３３。自然房室弁が三尖弁であり、かつ、ネオ弁尖が、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、三尖弁の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３４。標的自然弁尖が三尖弁の自然中隔弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖が、アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、三尖弁の対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、中隔弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念３３に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３５。自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、ネオ弁尖が、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、僧帽弁の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３６。標的自然弁尖が僧帽弁の自然前部弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖が、アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念３５に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３７。アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、ネオ弁尖のコアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３８。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループワイヤーループに取り付けられたアンカーループカバーを有する、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念３９。アンカーループカバーが、アンカーループワイヤーループによって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延びる材料の１枚以上の薄いシートを有する、発明概念３８に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４０。アンカーループカバーが編組ワイヤーを有する、発明概念３８に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４１。アンカーループカバーが、アンカーループワイヤーループ上にコーティングを有する、発明概念３８に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４２。ネオ弁尖およびアンカーループワイヤーループを少なくとも部分的に定める形状であるコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４３。コアプテーション補助デバイスワイヤーループが、自然弁尖把持器をさらに少なくとも部分的に定める形状であり、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するように構成されている、発明概念４２に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４４。コアプテーション補助デバイスワイヤーループが、ネオ弁尖とループ状心室アンカーとの間でコアプテーション補助デバイスワイヤーループに沿って自然弁尖把持器を少なくとも部分的に定める形状である、発明概念４３に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４５。ネオ弁尖が、ネオ弁尖ワイヤーループおよびネオ弁尖カバーを有し、ネオ弁尖ワイヤーループは、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定め、ネオ弁尖カバーは、ネオ弁尖ワイヤーループに取り付けられ、かつ、コアプテーションの表面を提供する、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４６。当該コアプテーション補助デバイスが、拘束されていないときには、（ａ）アンカーループワイヤーループによって定められるアンカーループ最良適合平面と（ｂ）ネオ弁尖ワイヤーループによって定められるネオ弁尖最良適合平面との間に角度が定められ、該角度が６０～１００度であるように構成されている、発明概念４５に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４７。角度が８０～９０度である、発明概念４６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４８。当該コアプテーション補助デバイスが、拘束されていないときには、（ａ）アンカーループワイヤーループによって定められるアンカーループ最良適合平面と（ｂ）ネオ弁尖ワイヤーループによって定められるネオ弁尖最良適合平面との間に角度が定められ、該角度が１５～５０度であるように構成されている、発明概念４５に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念４９。角度が３５～４５度である、発明概念４８に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５０。さらにポーチを有し、該ポーチは、標的自然弁尖の心室表面および自然房室弁の環のうちの１つ以上に当該コアプテーション補助デバイスを押し当てるために、被験者の心臓の心周期の最中に血流によって膨張し、そのことによって、自然房室弁に関して当該コアプテーション補助デバイスを安定化させるように構成されている、発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５１。当該コアプテーション補助デバイスがさらに、自然弁尖把持器を有し、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するように構成されており、かつ、
ポーチが自然弁尖把持器によって定められる、
発明概念５０に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５２。自然弁尖把持器が第１の部分および第２の部分を定める形状であり、該第１の部分および第２の部分は、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、
ポーチが、自然弁尖把持器の第２の部分の心室側を向いた表面によって定められる、
発明概念５１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５３。当該コアプテーション補助デバイスがさらに、自然弁尖交差部を有し、該自然弁尖交差部は、標的自然弁尖を貫通する穴を通過して位置するように構成されており、かつ、
ネオ弁尖が、自然弁尖交差部を介してループ状心室アンカーに連結される、
発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５４。当該コアプテーション補助デバイスが、ネオ弁尖、ループ状心室アンカーおよび自然弁尖交差部を少なくとも部分的に定める形状であるコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する、発明概念５３に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５５。発明概念１～２１のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイスを有するシステムであって、当該システムはさらに、送達チューブであって、その中にコアプテーション補助デバイスが被験者の心臓への最小限に侵襲的または経皮的な送達のために圧縮された構成にて取り外し可能に配置される前記送達チューブを有する、前記システム。

本発明の発明概念５６によれば、被験者の自然房室弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスがさらに提供され、当該コアプテーション補助デバイスは：
アンカーループワイヤーループを有するループ状心室アンカーを有し、該アンカーループワイヤーループは、（ｉ）ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定め、かつ、（ｉｉ）（ａ）心室に位置して、心室根尖端部へと延びるように構成されており、かつ、（ｂ）心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されており；かつ、
ネオ弁尖を有し、該ネオ弁尖は、ループ状心室アンカーから直接延び、かつ、ループ状心室アンカーによって支持され、かつ、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、自然房室弁の標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。

発明概念５７。ループ状心室アンカーが、周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループにより加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５８。ループ状心室アンカーが、周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念５７に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念５９。ループ状心室アンカーが、アンカーループワイヤーループと周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６０。アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、アンカーループワイヤーループが標的自然弁尖の下部環状表面まで延びないように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６１。ループ状心室アンカーが、周囲の解剖学的構造の組織を穿通しないために非侵襲的であるように構成されている、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６２。当該コアプテーション補助デバイスが、組織を穿通するように構成されたいかなる要素も有さない、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６３。アンカーループワイヤーループが金属を有する、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６４。アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、アンカーループワイヤーループの長さの少なくとも５０％に沿って湾曲し、該長さはアンカーループワイヤーループの周りで測定される、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６５。アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、アンカーループワイヤーループの長さの少なくとも７５％に沿って湾曲する、発明概念６４に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６６。アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、楕円形の少なくとも７５％の形状である、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６７。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループワイヤーループ上の２つの部位においてアンカーループアンカーループに連結された、少なくとも１つの支持ワイヤーを有する、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６８。アンカーループワイヤーループが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念６９。アンカーループワイヤーループが、２つ以上の葉を定める形状である、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７０。アンカーループワイヤーループが、ちょうど２つの葉を定める形状である、発明概念６９に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７１。被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、コアプテーション表面が被験者の心周期を通して概して静止しているようにネオ弁尖が構成されている、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７２。コアプテーション表面が、２～２０ｃｍ２の面積を有する、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７３。被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、被験者の心周期の最中、コアプテーション表面が１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するようにネオ弁尖が構成されている、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７４。自然弁尖把持器をさらに有し、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するように構成されている、発明概念５６～７３のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７５。自然弁尖把持器が、ネオ弁尖を介してループ状心室アンカーに連結される、発明概念７４に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７６。自然弁尖把持器が、１つ以上の下部自然弁尖支持体を有し、該１つ以上の下部自然弁尖支持体は、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、標的自然弁尖の心室表面の１つ以上の部分を圧迫するように構成されている、発明概念７４に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７７。自然弁尖把持器がさらに、１つ以上の上部環状支持体を有し、該１つ以上の上部環状支持体は、標的自然弁尖の心房表面を圧迫するように構成されており、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、１つ以上の下部自然弁尖支持体および１つ以上の上部環状支持体が標的自然弁尖を挟み、かつ、把持するようになっている、発明概念７６に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７８。アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、自然弁尖把持器が標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するときには、アンカーループワイヤーループが標的自然弁尖の下部環状表面まで延びないように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、発明概念７４に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念７９。自然房室弁が三尖弁であり、かつ、ネオ弁尖が、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、三尖弁の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念５６～７３のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８０。標的自然弁尖が三尖弁の自然中隔弁尖であり、かつ、ネオ弁尖が、アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、三尖弁の対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、中隔弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念７９に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８１。自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、ネオ弁尖が、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、僧帽弁の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念５６～７３のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８２。標的自然弁尖が僧帽弁の自然前部弁尖であり、かつ、ネオ弁尖が、アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念８１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８３。アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、ネオ弁尖のコアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、発明概念５６～７３のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８４。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループワイヤーループに取り付けられたアンカーループカバーを有する、発明概念５６～７３のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８５。アンカーループカバーが、アンカーループワイヤーループによって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延びる材料の１枚以上の薄いシートを有する、発明概念８４に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８６。アンカーループカバーが編組ワイヤーを有する、発明概念８４に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８７。アンカーループカバーが、アンカーループワイヤーループ上にコーティングを有する、発明概念８４に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８８。ネオ弁尖およびループ状心室アンカーを少なくとも部分的に定める形状であるネオ弁尖ワイヤーループを有する、発明概念５６～７３のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念８９。ネオ弁尖が、ネオ弁尖ワイヤーループおよびネオ弁尖カバーを有し、ネオ弁尖ワイヤーループは、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定め、ネオ弁尖カバーは、ネオ弁尖ワイヤーループに取り付けられ、かつ、コアプテーションの表面を提供する、発明概念５６～７３のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９０。発明概念５６～７３のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイスを有するシステムであって、当該システムはさらに、送達チューブであって、その中にコアプテーション補助デバイスが被験者の心臓への最小限に侵襲的または経皮的な送達のために圧縮された構成にて取り外し可能に配置される前記送達チューブを有する、前記システム。

本発明の発明概念９１によれば、被験者の自然房室弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスがまださらに提供され、当該コアプテーション補助デバイスは：
ループ状心室アンカーを有し、該ループ状心室アンカーは、（ｉ）編組ワイヤーを有する編組フラットシートを有し、かつ、（ｉｉ）（ａ）心室に位置して、心室根尖端部と自然房室弁の標的自然弁尖の下部環状表面との間を延びるように構成されており、かつ、（ｂ）下部環状表面、心室壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造へとループ状心室アンカーによって加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されており；かつ、
ネオ弁尖を有し、該ネオ弁尖は、ループ状心室アンカーによって支持され、かつ、ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。

発明概念９２。ループ状心室アンカーが、周囲の解剖学的構造へとループ状心室アンカーにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９３。ループ状心室アンカーが、ループ状心室アンカーと周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９４。ループ状心室アンカーが、周囲の解剖学的構造の組織を穿通しないために非侵襲的であるように構成されている、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９５。当該コアプテーション補助デバイスが、組織を穿通するように構成されたいかなる要素も有さない、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９６。編組ワイヤーが金属を有する、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９７。ループ状心室アンカーが、拘束されていないときには、楕円形の少なくとも７５％の形状である、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９８。ループ状心室アンカーが、ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、下部環状表面、心室壁および心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念９９。被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、コアプテーション表面が被験者の心周期を通して概して静止しているようにネオ弁尖が構成されている、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１００。コアプテーション表面が、２～２０ｃｍ２の面積を有する、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０１。拘束されていないときには、
（ａ）アンカーループワイヤーループによって定められるアンカーループ最良適合平面と（ｂ）コアプテーション表面によって定められるネオ弁尖最良適合平面との間に角度が定められ、該角度が２０度未満であるか、または、
アンカーループ最良適合平面およびネオ弁尖最良適合平面が互いに平行であるか
のいずれかであるように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、
発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０２。被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、被験者の心周期の最中、コアプテーション表面が１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するようにネオ弁尖が構成されている、発明概念９１に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０３。自然弁尖把持器をさらに有し、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するように構成されている、発明概念９１～１０２のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０４。ネオ弁尖が、自然弁尖把持器を介してループ状心室アンカーに連結される、発明概念１０３に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０５。自然弁尖把持器が、第１の部分および第２の部分を定める形状であり、該第１および第２の部分は、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されている、発明概念１０３に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０６。第１の部分および第２の部分が、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するために、互いに向かって折り重なるように構成されている、発明概念１０５に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０７。心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ループ状心室アンカーが、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、発明概念９１～１０２のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０８。自然房室弁が三尖弁であり、かつ、ネオ弁尖が、ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、三尖弁の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念９１～１０２のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１０９。標的自然弁尖が三尖弁の自然中隔弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖が、ループ状心室アンカーが心室に位置し、かつ、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、三尖弁の対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、中隔弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念１０８に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１１０。自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、ネオ弁尖が、ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、僧帽弁の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念９１～１０２のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１１１。標的自然弁尖が僧帽弁の自然前部弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖が、ループ状心室アンカーが心室に位置し、かつ、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、発明概念１１０に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１１２。ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、ネオ弁尖のコアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、発明概念９１～１０２のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１１３。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーカバーを有し、該アンカーカバーは、編組フラットシートの全部または一部に取り付けられ、かつ、編組フラットシートの全部または一部を覆う、発明概念９１～１０２のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１１４。アンカーループカバーが、編組フラットシートに取り付けられた材料の１枚以上の薄いシートを有する、発明概念１１３に記載のコアプテーション補助デバイス。

発明概念１１５。発明概念９１～１０２のいずれか１つに記載のコアプテーション補助デバイスを有するシステムであって、当該システムはさらに、送達チューブであって、その中にコアプテーション補助デバイスが被験者の心臓への最小限に侵襲的または経皮的な送達のために圧縮された構成にて取り外し可能に配置される前記送達チューブを有する、前記システム。

本発明の発明概念１１６によれば、被験者の自然房室弁を治療するための方法が追加的に提供され、当該方法は：
心室にコアプテーション補助デバイスのループ状心室アンカーを位置させることを有し、ループ状心室アンカーのアンカーループワイヤーループが、心室根尖端部と自然房室弁の標的自然弁尖の下部環状表面との間を延びるようになっており、アンカーループワイヤーループが、下部環状表面、心室壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるようになっており、アンカーループワイヤーループが、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定め；かつ、
コアプテーション補助デバイスのネオ弁尖を位置させることを有し、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、ネオ弁尖が標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようになっており、ネオ弁尖がループ状心室アンカーによって支持される。

発明概念１１７。ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループが周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループにより加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１１８。ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループが周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１１７に記載の方法。

発明概念１１９。ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループがアンカーループワイヤーループと周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１２０。ループ状心室アンカーが非侵襲的であるように構成されており、かつ、ループ状心室アンカーを位置させることが、ループ状心室アンカーで周囲の解剖学的構造の組織を穿通することを有さない、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１２１。当該方法が、コアプテーション補助デバイスのいかなる要素でも組織を穿通することを有さない、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１２２。コアプテーション補助デバイスの自然弁尖把持器を位置させることをさらに有し、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するためのものであり、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するためのものである、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１２３。ネオ弁尖が、自然弁尖把持器を介してループ状心室アンカーに連結される、発明概念１２２に記載の方法。

発明概念１２４。ネオ弁尖および自然弁尖把持器を少なくとも部分的に定める形状であるワイヤーループを有する、発明概念１２３に記載の方法。

発明概念１２５。標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するために自然弁尖把持器を位置させることが、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことを有する、発明概念１２２に記載の方法。

発明概念１２６。標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことが、標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するために、自然弁尖把持器の第１の部分および第２の部分を互いに向かうように折り重ねることを有する、発明概念１２５に記載の方法。

発明概念１２７。自然弁尖把持器の第１の部分および第２の部分を互いに向かうように折り重ねることが、自然弁尖把持器の第１の部分および第２の間の折り目に自然弁尖把持器によって定められた第３の部分を、標的自然弁尖の自由縁の周りに延ばすことを有する、発明概念１２６に記載の方法。

発明概念１２８。標的自然弁尖の心室表面を把持するために自然弁尖把持器を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、標的自然弁尖の心室表面の１つ以上の部分に自然弁尖把持器の１つ以上の下部自然弁尖支持体を押し付けることを有する、発明概念１２２に記載の方法。

発明概念１２９。標的自然弁尖の心房表面を把持するために自然弁尖把持器を位置させることが、標的自然弁尖の心房表面に自然弁尖把持器の１つ以上の上部環状支持体を押し付けることを有し、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、１つ以上の下部自然弁尖支持体および１つ以上の上部環状支持体が標的自然弁尖を挟み、かつ、把持するようになっている、発明概念１２８に記載の方法。

発明概念１３０。標的自然弁尖の心房表面を把持するために自然弁尖把持器を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、標的自然弁尖の心房表面に自然弁尖把持器の１つ以上の上部環状支持体を押し付けることを有する、発明概念１２２に記載の方法。

発明概念１３１。ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループが下部環状表面、心室壁および心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１３２。アンカーループワイヤーループが２つ以上の葉を定める形状である、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１３３。アンカーループワイヤーループがちょうど２つの葉を定める形状である、発明概念１３２に記載の方法。

発明概念１３４。心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループが下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１３５。自然房室弁が三尖弁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、三尖弁の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１３６。標的自然弁尖が三尖弁の自然中隔弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、三尖弁の対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が中隔弁尖の機能に少なくとも部分的にとって代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１３５に記載の方法。

発明概念１３７。自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、僧帽弁の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１３８。標的自然弁尖が僧帽弁の自然前部弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的にとって代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１３７に記載の方法。

発明概念１３９。ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときに、ネオ弁尖のコアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１４０。ネオ弁尖を位置させることが、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、コアプテーション表面が被験者の心周期を通して概して静止しているようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１４１。ネオ弁尖を位置させることが、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、被験者の心周期の最中、コアプテーション表面が１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１４２。アンカーループワイヤーループが閉ループの形状である、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１４３。アンカーループワイヤーループが金属を有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１４４。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループワイヤーループに取り付けられたアンカーループカバーを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１４５。アンカーループカバーが、アンカーループワイヤーループによって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延びる材料の１枚以上の薄いシートを有する、発明概念１４４に記載の方法。

発明概念１４６。アンカーループカバーが編組ワイヤーを有する、発明概念１４４に記載の方法。

発明概念１４７。アンカーループカバーが、アンカーループワイヤーループ上にコーティングを有する、発明概念１４４に記載の方法。

発明概念１４８。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループワイヤーループ上の２つの部位においてアンカーループアンカーループに連結された、少なくとも１つの支持ワイヤーを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１４９。ネオ弁尖およびループ状心室アンカーを少なくとも部分的に定める形状のコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１５０。コアプテーション補助デバイスワイヤーループが、自然弁尖把持器をさらに少なくとも部分的に定める形状であり、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するように構成されている、発明概念１４９に記載の方法。

発明概念１５１。コアプテーション補助デバイスワイヤーループが、ネオ弁尖とループ状心室アンカーとの間でコアプテーション補助デバイスワイヤーループに沿って自然弁尖把持器を少なくとも部分的に定める形状である、発明概念１５０に記載の方法。

発明概念１５２。ネオ弁尖が、ネオ弁尖ワイヤーループおよびネオ弁尖カバーを有し、ネオ弁尖ワイヤーループは、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定め、ネオ弁尖カバーは、ネオ弁尖ワイヤーループに取り付けられ、かつ、コアプテーションの表面を提供する、発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１５３。コアプテーション補助デバイスがさらに、自然弁尖交差部を有し、かつ、ネオ弁尖が、自然弁尖交差部を介してループ状心室アンカーに連結され、かつ、
当該方法がさらに、標的自然弁尖を貫通する穴を形成すること、および、該穴を通過させて自然弁尖交差部を位置させることを有する、
発明概念１１６に記載の方法。

発明概念１５４。コアプテーション補助デバイスが、ネオ弁尖、ループ状心室アンカーおよび自然弁尖交差部を少なくとも部分的に定める形状であるコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する、発明概念１５３に記載の方法。

発明概念１５５。ループ状心室アンカーおよびネオ弁尖を位置させる前に、コアプテーション補助デバイスが圧縮された構成にて送達チューブに取り外し可能に配置されている間に被験者の心臓にコアプテーション補助デバイスを最小限に侵襲的または経皮的に送達することをさらに有する、発明概念１１６に記載の方法。

本発明の発明概念１５６によれば、被験者の自然房室弁を治療するための方法がまだ追加的に提供され、当該方法は：
心室にコアプテーション補助デバイスのループ状心室アンカーを位置させることを有し、ループ状心室アンカーのアンカーループワイヤーループが、心室根尖端部へと延びるようになっており、アンカーループワイヤーループが、心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるようになっており、アンカーループワイヤーループが、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定め；かつ、
コアプテーション補助デバイスのネオ弁尖を位置させることを有し、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、ネオ弁尖が標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、自然房室弁の標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようになっており、ネオ弁尖がループ状心室アンカーから直接延び、かつ、ループ状心室アンカーによって支持される。

発明概念１５７。ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループが周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループにより加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１５８。ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループが周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１５７に記載の方法。

発明概念１５９。ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループがアンカーループワイヤーループと周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１６０。心室にループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループが標的自然弁尖の下部環状表面まで延びないように心室にループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１６１。ループ状心室アンカーが非侵襲的であるように構成されており、かつ、ループ状心室アンカーを位置させることが、ループ状心室アンカーで周囲の解剖学的構造の組織を穿通することを有さない、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１６２。当該方法が、コアプテーション補助デバイスのいかなる要素でも組織を穿通することを有さない、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１６３。コアプテーション補助デバイスの自然弁尖把持器を位置させることをさらに有し、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するためのものであり、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するためのものである、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１６４。自然弁尖把持器が、ネオ弁尖を介してループ状心室アンカーに連結される、発明概念１６３に記載の方法。

発明概念１６５。標的自然弁尖の心室表面を把持するために自然弁尖把持器を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、標的自然弁尖の心室表面の１つ以上の部分に自然弁尖把持器の１つ以上の下部自然弁尖支持体を押し付けることを有する、発明概念１６３に記載の方法。

発明概念１６６。標的自然弁尖の心房表面を把持するために自然弁尖把持器を位置させることが、標的自然弁尖の心房表面に自然弁尖把持器の１つ以上の上部環状支持体を押し付けることを有し、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、１つ以上の下部自然弁尖支持体および１つ以上の上部環状支持体が標的自然弁尖を挟み、かつ、把持するようになっている、発明概念１６５に記載の方法。

発明概念１６７。標的自然弁尖の心房表面を把持するために自然弁尖把持器を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、標的自然弁尖の心房表面に自然弁尖把持器の１つ以上の上部環状支持体を押し付けることを有する、発明概念１６３に記載の方法。

発明概念１６８。ループ状心室アンカーを位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１６９。アンカーループワイヤーループが２つ以上の葉を定める形状である、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１７０。アンカーループワイヤーループがちょうど２つの葉を定める形状である、発明概念１６９に記載の方法。

発明概念１７１。自然房室弁が三尖弁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、三尖弁の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１７２。標的自然弁尖が三尖弁の自然中隔弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、三尖弁の対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が中隔弁尖の機能に少なくとも部分的にとって代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１７１に記載の方法。

発明概念１７３。自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、僧帽弁の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１７４。標的自然弁尖が僧帽弁の自然前部弁尖であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置し、かつ、心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的にとって代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１７３に記載の方法。

発明概念１７５。ネオ弁尖を位置させることが、アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、ネオ弁尖のコアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１７６。ネオ弁尖を位置させることが、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、コアプテーション表面が被験者の心周期を通して概して静止しているようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１７７。ネオ弁尖を位置させることが、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、被験者の心周期の最中、コアプテーション表面が１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１７８。アンカーループワイヤーループが金属を有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１７９。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループワイヤーループに取り付けられたアンカーループカバーを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１８０。アンカーループカバーが、アンカーループワイヤーループによって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延びる材料の１枚以上の薄いシートを有する、発明概念１７９に記載の方法。

発明概念１８１。アンカーループカバーが編組ワイヤーを有する、発明概念１７９に記載の方法。

発明概念１８２。アンカーループカバーが、アンカーループワイヤーループ上にコーティングを有する、発明概念１７９に記載の方法。

発明概念１８３。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループワイヤーループ上の２つの部位においてアンカーループアンカーループに連結された、少なくとも１つの支持ワイヤーを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１８４。ネオ弁尖およびループ状心室アンカーを少なくとも部分的に定める形状のコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１８５。ネオ弁尖が、ネオ弁尖ワイヤーループおよびネオ弁尖カバーを有し、ネオ弁尖ワイヤーループは、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定め、ネオ弁尖カバーは、ネオ弁尖ワイヤーループに取り付けられ、かつ、コアプテーションの表面を提供する、発明概念１５６に記載の方法。

発明概念１８６。ループ状心室アンカーおよびネオ弁尖を位置させる前に、コアプテーション補助デバイスが圧縮された構成にて送達チューブに取り外し可能に配置されている間に被験者の心臓にコアプテーション補助デバイスを最小限に侵襲的または経皮的に送達することをさらに有する、発明概念１５６に記載の方法。

本発明の発明概念１８７によれば、被験者の自然房室弁を治療するための方法もまた提供され、当該方法は：
心室にコアプテーション補助デバイスのループ状心室アンカーを位置させることを有し、ループ状心室アンカーが、心室根尖端部と自然房室弁の標的自然弁尖の下部環状表面との間を延び、かつ、下部環状表面、心室壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造へとループ心室アンカーにより加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるようになっており、ループ状心室アンカーが、編組ワイヤーを有する編組フラットシートを有し；かつ、
コアプテーション補助デバイスのネオ弁尖を位置させることを有し、ループ状心室アンカーが心室に位置するときに、ネオ弁尖が標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようになっており、ネオ弁尖がループ状心室アンカーによって支持される。

発明概念１８８。ループ状心室アンカーを位置させることが、ループ状心室アンカーが周囲の解剖学的構造へとループ状心室アンカーにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１８９。ループ状心室アンカーを位置させることが、ループ状心室アンカーがループ状心室アンカーと周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１９０。ループ状心室アンカーが非侵襲的であるように構成されており、かつ、ループ状心室アンカーを位置させることが、ループ状心室アンカーで周囲の解剖学的構造の組織を穿通することを有さない、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１９１。当該方法が、コアプテーション補助デバイスのいかなる要素でも組織を穿通することを有さない、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１９２。編組ワイヤーが金属を有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１９３。ループ状心室アンカーが、拘束されていないときには、楕円形の少なくとも７５％の形状である、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１９４。ネオ弁尖を位置させることが、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、コアプテーション表面が被験者の心周期を通して概して静止しているようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１９５。ネオ弁尖を位置させることが、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、被験者の心周期の最中、コアプテーション表面が１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１９６。コアプテーション補助デバイスの自然弁尖把持器を位置させることをさらに有し、該自然弁尖把持器は、ネオ弁尖を支持するために標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するためのものであり、かつ、自然房室弁に関してネオ弁尖を配向するためのものである、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念１９７。ネオ弁尖が、自然弁尖把持器を介してループ状心室アンカーに連結される、発明概念１９６に記載の方法。

発明概念１９８。標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するために自然弁尖把持器を位置させることが、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことを有する、発明概念１９６に記載の方法。

発明概念１９９。標的自然弁尖の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことが、標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するために、自然弁尖把持器の第１の部分および第２の部分を互いに向かうように折り重ねることを有する、発明概念１９８に記載の方法。

発明概念２００。ループ状心室アンカーを位置させることが、ループ状心室アンカーが下部環状表面、心室壁および心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念２０１。心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ループ状心室アンカーを位置させることが、ループ状心室アンカーが下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるようにループ状心室アンカーを位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念２０２。自然房室弁が三尖弁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、三尖弁の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念２０３。標的自然弁尖が三尖弁の自然中隔弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、ループ状心室アンカーが心室に位置し、かつ、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、三尖弁の対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が中隔弁尖の機能に少なくとも部分的にとって代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念２０２に記載の方法。

発明概念２０４。自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、僧帽弁の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念２０５。標的自然弁尖が僧帽弁の自然前部弁尖であり、心室壁が心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖を位置させることが、ループ状心室アンカーが心室に位置し、かつ、下部環状表面、心室中隔壁および心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、ネオ弁尖が自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的にとって代わるようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念２０４に記載の方法。

発明概念２０６。ネオ弁尖を位置させることが、ループ状心室アンカーが心室に位置するときには、ネオ弁尖のコアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るようにネオ弁尖を位置させることを有する、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念２０７。ループ状心室アンカーがさらに、アンカーループカバーを有し、該アンカーループカバーは、編組フラットシートの全部または一部に取り付けられ、かつ、編組フラットシートの全部または一部を覆う、発明概念１８７に記載の方法。

発明概念２０８。アンカーループカバーが、編組フラットシートの材料の１枚以上の薄いシートを有する、発明概念２０７に記載の方法。

発明概念２０９。ループ状心室アンカーおよびネオ弁尖を位置させる前に、コアプテーション補助デバイスが圧縮された構成にて送達チューブに取り外し可能に配置されている間に被験者の心臓にコアプテーション補助デバイスを最小限に侵襲的または経皮的に送達することをさらに有する、発明概念１８７に記載の方法。

本発明は、図面とともに考慮されるその実施形態の以下の詳細な説明からいっそう完全に理解されるであろう。

図１Ａ～Ｅは、本発明のある応用例による、被験者の自然弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１Ａ～Ｅは、本発明のある応用例による、被験者の自然弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１Ａ～Ｅは、本発明のある応用例による、被験者の自然弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図２は、本発明のある応用例による、自然弁に埋め込まれた図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図３Ａ～Ｋは各々、本発明の各々の応用例による、ループ状心室アンカーの高度に概略的な図である。 図３Ａ～Ｋは各々、本発明の各々の応用例による、ループ状心室アンカーの高度に概略的な図である。 図４Ａ～Ｂは、本発明のある応用例による、図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスの別の構成の概略図である。 図５Ａ～Ｂは、本発明のある応用例による、図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスのまだ別の構成の概略図である。 図６Ａ～Ｃは、本発明のある応用例による、図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスのさらに別の構成の概略図である。 図６Ａ～Ｃは、本発明のある応用例による、図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスのさらに別の構成の概略図である。 図７は、本発明のある応用例による、図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスの別の構成の概略図である。 図８Ａ～Ｂは各々、本発明の各々の応用例による、追加的なコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図８Ａ～Ｂは各々、本発明の各々の応用例による、追加的なコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図９Ａ～Ｈは、本発明のある応用例による、被験者の心臓に図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスを埋め込む方法の概略図である。 図９Ａ～Ｈは、本発明のある応用例による、被験者の心臓に図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスを埋め込む方法の概略図である。 図９Ａ～Ｈは、本発明のある応用例による、被験者の心臓に図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスを埋め込む方法の概略図である。 図９Ａ～Ｈは、本発明のある応用例による、被験者の心臓に図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスを埋め込む方法の概略図である。 図９Ａ～Ｈは、本発明のある応用例による、被験者の心臓に図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスを埋め込む方法の概略図である。 図９Ａ～Ｈは、本発明のある応用例による、被験者の心臓に図１Ａ～Ｅおよび２のコアプテーション補助デバイスを埋め込む方法の概略図である。 図１０Ａ～Ｃは、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１０Ａ～Ｃは、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１０Ｄ～Ｆは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１０Ｇは、本発明の応用例による、自然弁に埋め込まれた図１０Ａ～Ｃのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１１Ａ～Ｄは、本発明のある応用例による、まだ別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１１Ａ～Ｄは、本発明のある応用例による、まだ別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１２Ａ～Ｅは、本発明のある応用例による、さらに別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１２Ａ～Ｅは、本発明のある応用例による、さらに別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１３Ａ～Ｅは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１３Ａ～Ｅは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１４は、本発明の応用例による、自然弁に埋め込まれた図１２Ａ～Ｅのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１５Ａ～Ｂは、本発明の応用例による、自然弁に埋め込まれた図１３Ａ～Ｅのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１５Ａ～Ｂは、本発明の応用例による、自然弁に埋め込まれた図１３Ａ～Ｅのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１６Ａ～Ｆは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１６Ａ～Ｆは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１６Ａ～Ｆは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１７は、本発明のある応用例による、自然弁に埋め込まれた図１６Ａ～Ｆのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１８Ａ～Ｆは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１８Ａ～Ｆは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１８Ａ～Ｆは、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図１９は、本発明のある応用例による、自然弁に埋め込まれた図１８Ａ～Ｆのコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図２０Ａ～Ｂは、本発明のある応用例による、まだ別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図２１は、本発明のある応用例による、別のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図２２は、本発明のある応用例による、自然弁に埋め込まれた図２１のコアプテーション補助デバイスの概略図である。 図２３は、本発明のある応用例による、自然僧帽弁に埋め込まれたコアプテーション補助デバイスの概略図である。

実施形態の詳細な説明
図１Ａ～Ｅは、本発明のある応用例による、被験者の自然弁２２を治療するためのコアプテーション補助デバイス２０の概略図である。典型的には、自然弁は、しばしば弁における弁尖の運動の欠如によって特徴付けられる、機能性僧帽弁逆流症または機能性三尖弁逆流症のような弁の病気に罹患している。自然弁は、典型的には房室弁、すなわち三尖弁または僧帽弁である。

図２を追加的に参照すると、該図は、本発明のある応用例による、自然弁２２に埋め込まれたコアプテーション補助デバイス２０の概略図である。図２に示されている特定の埋め込みでは、自然弁２２は三尖弁である。図２は、中隔弁尖および後部弁尖のみが示されるように三尖弁の自然前部弁尖を含む心臓の前部が除去された、心臓の断面図である（自然「弁」は、本技術分野では自然「弁器官」としても知られている）。

コアプテーション補助デバイス２０は、ループ状心室アンカー３０（すなわち、ループ状の境界を有する心室アンカー）と、ネオ弁尖３２（ループ状心室アンカー３０によって支持される）を有する。ループ状心室アンカー３０は、ネオ弁尖３２に対して遠位方向に配置される。本願で用いられるとき、用語「ネオ弁尖」は「人工弁尖」を意味する。

典型的には、ループ状心室アンカー３０は、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定めるアンカーループワイヤーループ５０を有する。アンカーループワイヤーループ５０は、金属または別の半剛性材料を有する。アンカーループワイヤーループ５０の材料は、自己拡張するか、または、機械的に拡張可能であるかのいずれかである。例えば、アンカーループワイヤーループ５０は、ニチノールのような形状記憶合金を有していてもよい。いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、ワイヤーを形作ることによって製作される。その他の応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、ループ長さに沿って固定された特質またはループ長さに沿って可変である特質を特徴とするワイヤー巻き付けによって製作される；可変である特質としては、外径、ピッチ間隔および剛性のうちの１つ以上が挙げられてもよい。その他の応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、形状記憶合金（例えば、ニチノール）のような金属のチューブまたは平坦な形状のシートをレーザー切断し、かつ、形作ることによって製作される。

アンカーループワイヤーループ５０は、心室２３に位置して、心室根尖端部２４（心室２３の底部における）と自然弁２２の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５との間を延びるように構成されている。アンカーループワイヤーループ５０は、図２に示されているように、下部環状表面２５、心室壁２７および心室根尖端部２４を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている。換言すれば、アンカーループワイヤーループ５０は、尖端に据え付けられるために、かつ、心室壁２７によって安定化されるために、下部環状表面２５と接触して、標的自然弁尖２６の下および後ろに固定されるように構成されている。典型的には、アンカーループワイヤーループ５０は、心室根尖端部２４の心室乳頭筋４６の後ろを通り、または、心室根尖端部２４の心室乳頭筋４６を渡って通るように構成されている。任意選択的には、周囲の解剖学的構造（それに対して、アンカーループワイヤーループ５０が係留される）はさらに、次の項目のうちの１つ以上を含む：心室２３の反対側にある、調節帯、１つ以上の腱索および１つ以上の乳頭筋。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス２０は、組織を穿通する（例えば、突き刺す）ように構成されたいかなる要素を有さない。その他の応用例については、コアプテーション補助デバイス２０は、図２１および２２を参照して以下に記載されるように、組織を穿通するように構成された少なくとも１つの要素を有する。

ネオ弁尖３２は、図２に示されているように、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置するときには、標的自然弁尖２６と対向する１つ以上の対向自然弁尖２８のためのコアプテーションの表面３４を提供することによって、標的自然弁尖２６の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。ネオ弁尖３２は典型的には、標的自然弁尖２６の少なくとも一部を覆うように構成されている。

いくつかの応用例については、コアプテーション表面３４は、少なくとも２ｃｍ２（例えば、少なくとも１０ｃｍ２）であり、２０ｃｍ２を超えず（例えば、１５ｃｍ２を超えず）、かつ／あるいは、２ｃｍ（例えば、１０ｃｍ２）～２０ｃｍ２（例えば、１５ｃｍ２）の面積を有する。以下に記載のその他のコアプテーション表面もまた、これらの面積を有していてもよい。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖３２は、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定めるネオ弁尖ワイヤーループ３６と、ネオ弁尖ワイヤーループ３６に取り付けられたネオ弁尖カバー３８を有する。典型的には、ネオ弁尖カバー３８は、上述のコアプテーション表面３４を提供する。いくつかの応用例については、ネオ弁尖カバー３８は、材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートを有し、該材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートは、例えばポリマーもしくは生体材料（例えば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、延伸ポリテトラフルオロエチレン（ｅＰＴＦＥ）、シリコーン、ウレタンもしくは心膜）を有する繊維のような合成材料または生体組織材料を有していてもよい。ネオ弁尖ワイヤーループ３６は、閉ループの形状であってもよく、ループ状心室アンカー３０および自然弁尖把持器４０（提供されていれば）の方向に近位側で開いた開ループの形状であってもよい。ネオ弁尖ワイヤーループ３６は、金属または別の半剛性材料を有する。ネオ弁尖ワイヤーループ３６の材料は、自己拡張するか、機械的に拡張可能であるかのいずれかである。例えば、ネオ弁尖ワイヤーループ３６は、ニチノールのような形状記憶合金を有していてもよい。いくつかの応用例については、ネオ弁尖ワイヤーループ３６は、１つ以上のワイヤーを形作ることによって製作される。その他の応用例については、ネオ弁尖ワイヤーループ３６は、ループ長さに沿って固定された特質またはループ長さに沿って可変である特質（外径、ピッチ間隔および剛性のうちの１つ以上を含む）を特徴とするワイヤー巻き付けによって製作される。いくつかの応用例については、ネオ弁尖ワイヤーループ３６のワイヤーは、断面が円形である；代替的には、ワイヤーは、楕円形、長方形または略平面のような別の断面形状を有する。さらにその他の実施形態については、ネオ弁尖ワイヤーループ３６は、形状記憶合金（例えば、ニチノール）のような金属のチューブまたは平坦な形状のシートをレーザー切断し、かつ、形作ることによって製作される。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖３２は、ネオ弁尖ワイヤーループ３６および／またはネオ弁尖カバー３８の材料によって提供される、固有の剛性を有する。代替的または追加的には、ネオ弁尖３２は、心周期の最中にネオ弁尖の心室表面にわたる逆流圧力の結果としてネオ弁尖が心房において逸脱することを妨げるために、ネオ弁尖のネオ弁尖カバー３８内に１つ以上の補剛要素を有する。

典型的には、アンカーループワイヤーループ５０は、周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループ５０により加えられる力（典型的には、半径方向外側に方向付けられた力）によって、かつ／あるいは、アンカーループワイヤーループ５０と周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている。いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、アンカーループワイヤーループ５０が半径方向外側に拡張して力を加えることを引き起こす、形状記憶合金（例えば、ニチノール）のような自己拡張可能な材料を有する。これらの応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は典型的には、周囲の解剖学的構造より大きいその静止（弛緩）状態における形状を有するように構成されており、周囲の解剖学的構造がアンカーループワイヤーループ５０の拡張を制限し、かつ、アンカーループワイヤーループ５０が周囲の解剖学的構造に力を加えるようになっている（その逆もまた同様である）。さらに、下部環状～尖端方向（ｓｕｂａｎｎｕｌａｒ－ｔо－ａｐｉｃａｌ ｄｉｒｅｃｔｉоｎ）に心室壁２７を狭くすることは、アンカーループワイヤーループ５０を圧縮し、反対に働く半径方向の力を作り出し、かつ、下部弁尖心室ヒンジ高さにて（すなわち、下部環状表面２５の高さにて）アンカーループワイヤーループ５０を安定化させるようにそれ自体を方向付ける（ここで、任意選択的には、ループ状心室アンカー３０（アンカーループワイヤーループ５０のような）はまた、任意選択的には図１Ａ～Ｅおよび２を参照して以下に記載される自然弁尖把持器４０とともに、いくつかの構成において標的自然弁尖２６を把持するように機能する）。

典型的には、ループ状心室アンカー３０は、周囲の解剖学的構造の組織を穿通する（例えば、突き刺す）ことのないように、非侵襲的であるように構成されている。この目的のために、ループ状心室アンカー３０は典型的には、組織を穿通するかも知れないいかなる露出した鋭利な要素も有さない。

上述のように、いくつかの応用例については、自然弁２２は三尖弁である。これらの応用例については、ネオ弁尖３２は、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置するときには、三尖弁の１つ以上の対向自然弁尖２８のためのコアプテーション表面３４を提供することによって、標的自然弁尖２６の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。これらの応用例のいくつかについては、標的自然弁尖２６は三尖弁の自然中隔弁尖であり、心室壁２７は心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖３２は、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置し、かつ、下部環状表面２５、心室中隔壁２７および心室根尖端部２４を含む周囲の解剖学的構造（すなわち、概して下部中隔心室領域にある）に対して所定の位置に係留されたままであるときには、三尖弁の１つ以上の対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーション表面３４を提供することによって、中隔弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。図２における心臓の断面図では、図示されている唯一の対向自然弁尖２８は後部自然弁線であるが、対向前部自然弁尖もまた、それが中隔弁尖に少なくとも部分的に取って代わるときには、コアプテーション表面３４と接合する。

その他の応用例（以下に記載の図２３に示されているような）については、自然弁尖２２は僧帽弁であり、かつ、ネオ弁尖３２は、アンカーループワイヤーループ５０が心室に位置するときには、僧帽弁の対向自然弁尖のためのコアプテーション表面３４を提供することによって、標的自然弁尖２６（自然後部弁尖または自然前部弁尖のいずれか）の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。これらの応用例のいくつかについては、標的自然弁尖２６は僧帽弁の自然前部弁尖であり、心室壁２７は心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖３２は、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置し、かつ、下部環状表面２５、心室中隔壁２７および心室根尖端部２４を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーション表面３４を提供することによって、自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。

いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、図２に示されているように、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置するときには、下部環状表面２５、心室中隔壁２７および心室根尖端部２４の１つ以上の心室乳頭筋４６に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている。

いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、図１Ａ～Ｅに示されているように、ループ状心室アンカー３０の境界全体を定める閉ループの形状である。その他の応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、例えば図５Ａ、１０Ａ～Ｆ、１１Ａ～Ｄ、１２Ａ～Ｅ、１３Ａ～Ｅおよび１６Ａ～Ｆに示されているように、ネオ弁尖３２および自然弁尖把持器４０（提供されていれば）の方を向いた近位開口部を有するような形状の開ループの形状である。これらの後者の応用例については、各々図１０Ａ～Ｃ、１０Ｄ～Ｆ、１１Ａ～Ｄおよび１６Ａ～Ｆに示されるような自然弁尖把持器４０の把持器カバー１４４Ａ、１４４Ｂ、１４４Ｃおよび４４４または各々図１２Ａ～Ｅおよび１３Ａ～Ｅに示されているような自然弁尖３３２Ａおよび３３２Ｂのネオ弁尖カバー３３８Ａおよび３３８Ｂのようなコアプテーション補助デバイス２０の別の要素によって、ループ状心室アンカー３０の近位側が定められる。

いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、次の寸法のうちの１つ以上を有する：
・ 少なくとも２ｃｍ２、６０ｃｍ２を超えない、かつ／あるいは、２～６０ｃｍ２である閉鎖性の（囲まれた）面積、
・ 少なくとも４ｃｍ、１５ｃｍを超えない、かつ／あるいは、４～１５ｃｍである周長、
・ 少なくとも２ｃｍ、１２ｃｍを超えない、かつ／あるいは、２～１２ｃｍである長さ、および／または、
・ 少なくとも１ｃｍ、１２ｃｍを超えない、かつ／あるいは、１～１２ｃｍである幅。

アンカーループワイヤーループ５０は、平面を定めてもよく、湾曲した表面を定めてもよい。

いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、拘束されていない（解剖学的構造または送達システムによるものを含む任意の外部の力の印加によって）ときには、アンカーループワイヤーループ５０の長さの少なくとも５０％（例えば、少なくとも９０％のような少なくとも７５％（例えば、１００％））に沿って湾曲しており、該長さはアンカーループワイヤーループ５０の周りで測定される。

代替的または追加的には、いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５０は、拘束されていない（解剖学的構造または送達システムによるものを含む任意の外部の力の印加によって）ときには、楕円形の少なくとも７５％（例えば、楕円形の１００％のような少なくとも９０％）の形状である。

ここで図３Ａ～Ｋを参照すると、該図は各々、本発明の各々の応用例による、ループ状心室アンカー３０Ａ～Ｈの高度に概略的な図である。これらの図では、ループ状心室アンカーの近位端は、紙の上で遠位端より上に示されている（近位端は、ネオ弁尖にいっそう近い端部である）。

図３Ａのループ状心室アンカー３０Ａは、３つのワイヤーループワイヤーループ５０Ａのような複数のリンクされたアンカーループワイヤーループ５０Ａを有し、該アンカーループワイヤーループ５０Ａは、各々心室根尖端部２４に位置するように構成された複数のループ葉５２を定める。

図３Ｂおよび３Ｃのループ状心室アンカー３０Ｂおよび３０Ｃは各々、各々アンカーループワイヤーループ５０Ｂおよび５０Ｃを有する。アンカーループワイヤーループ５０Ｂは、すっきりとした砂時計の形状を有し、かつ、アンカーループワイヤーループ５０Ｂは、完全な砂時計の形状を有する。図３Ｃのループ状心室アンカー３０Ｃは、数字の８の形状であるアンカーループワイヤーループ５０Ｃを有する。

図３Ｄのループ状心室アンカー３０Ｄは、砂時計の形状を定めるようにねじれたアンカーループワイヤーループ５０Ｄを有する。

図３Ｅのループ状心室アンカー３０Ｅは、スタジアム形状を有するアンカーループワイヤーループ５０Ｅを有する。請求の範囲および発明概念を含む本願で用いられるとき、スタジアム形状は、一対の対向する側に半円を有する長方形で構成される２次元の幾何学的形状である。同じ形状が、ディスコレクタングル（ｄｉｓｃоｒｅｃｔａｎｇｌｅ）、オブラウンド（оｂｒоｕｎｄ）またはソーセージ本体としても知られている。

図３Ｆのループ状心室アンカー３０Ｆは、波形の側縁を有するアンカーループワイヤーループ５０Ｆを有する。

図３Ｇのループ状心室アンカー３０Ｇは、複数の葉（例えば、図示されているように３つ）を定める形状のアンカーループワイヤーループ５０Ｇを有する。

図３Ｈのループ状心室アンカー３０Ｈは、ループ状の空間を定める形状である複数の（例えば、少なくとも１０個のように少なくとも５つの）編組アンカーループワイヤーループ５０Ｈを有する（編組自体が、その縁がループを定めるように形成される）。

図３Ｉのループ状心室アンカー３０Ｉは、高さより大きい幅を有する。

図３Ｊのループ状心室アンカー３０Ｊは、１つ以上のバーブ３０１Ｊを有する。

図３Ｋのループ状心室アンカー３０Ｋは、きつく巻かれたワイヤー３０１Ｋを有する。

いくつかの応用例については、図１Ａ～Ｅ、図３Ａ～Ｇおよび図Ｉ～Ｋを参照したものを含む本明細書に記載のループ状心室アンカーのいずれかはさらに、アンカーループワイヤーループに取り付けられたアンカーループカバーを有していてもよい。これらの応用例のいくつかについては、アンカーループカバーは、材料の１枚以上の生体適合性の薄いシート５６を有し、該材料の１枚以上の生体適合性の薄いシート５６は、アンカーループワイヤーループによって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延び、かつ、該空間を部分的または完全に占める。典型的には、材料の１枚以上の生体適合性の薄いシート５６は、柔らかく、かつ、非侵襲的である。いくつかの応用例については、材料の１枚以上の生体適合性の薄いシート５６は、内皮化を促進するように構成されている。材料の１枚以上の生体適合性の薄いシート５６は、例えばポリマーもしくは生体材料（例えば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、延伸ポリテトラフルオロエチレン（ｅＰＴＦＥ）、シリコーン、ウレタンもしくは心膜）を有する繊維のような合成材料または生体組織材料を有していてもよい。さらにその他の応用例については、アンカーループカバーは、アンカーループワイヤーループ上にコーティング（例えば、組織、ポリエチレン テレフタレート（ＰＥＴ）、延伸ポリテトラフルオロエチレン（ｅＰＴＦＥ）または泡）を有する。代替的または追加的には、アンカーループワイヤーループの表面は、摩擦を作り出して所定の位置にループを維持することを助けるために、例えば電解研磨もしくは砂吹きによって機械的もしくは化学的に処理されてもよく、または、バーブ（図３Ｊに示されているバーブ３０１Ｊのような）を備えていてもよい。

その他の応用例については、アンカーループカバーは編組ワイヤーを有し、該編組ワイヤーは、任意選択的には、直上に記載されたような材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートによって追加的に覆われている。

図１Ａ～Ｅおよび２を再度参照する。いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス２０はさらに、自然弁尖把持器４０を有し、該自然弁尖把持器４０は、ネオ弁尖３２を支持し、かつ／あるいは、安定化させるために標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、自然弁２２に関してネオ弁尖３２を配向するように構成されている。例えば、自然弁尖把持器４０は、ネオ弁尖３２が自然交連（ｎａｔｉｖｅ ｃоｍｍｉｓｓｒｅｓ）のうちの１つに向かって傾くことを妨げることを助けてもよく、かつ／あるいは、自然弁状平面に関して所望の角度でネオ弁尖３２を配向することを助けてもよい。代替的には、本明細書に記載のコアプテーション補助デバイスは、例えば図２１～２２を参照して以下に記載されるように、自然弁尖把持器を有さない。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖３２は、図１Ａ～Ｅに示されているように、自然弁尖把持器４０を介してループ状心室アンカー３０に連結される。これらの応用例のいくつかについては、コアプテーション補助デバイス２０は、図示されているように、ネオ弁尖３２および自然弁尖把持器４０を少なくとも部分的に定める形状のワイヤーループを有する。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス２０は、図示されているように、ネオ弁尖３２、自然弁尖把持器４０およびアンカーループワイヤーループ５０を少なくとも部分的に定める形状のコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する。これらの応用例のいくつかについては、ワイヤーループは、図示されているように、ネオ弁尖３２とアンカーループワイヤーループ５０との間にワイヤーループに沿って自然弁尖把持器４０を少なくとも部分的に定める形状である。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器４０は、第１の部分４２Ａおよび第２の部分４２Ｂを定める形状であり、該第１の部分４２Ａおよび第２の部分４２Ｂは、自然弁尖把持器４０の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面を各々把持するために、互いに向かって折り重なるように構成されている。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイスは：
・ 自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａがループ状心室アンカー３０にピボット回転可能に連結されるように構成されており、
・ 自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａが自然弁尖把持器４０の第２の部分４２Ｂにピボット回転可能に連結されるように構成されており、かつ／あるいは、
・ 自然弁尖把持器４０の第２の部分４２Ｂがネオ弁尖３２にピボット回転可能に連結されるように構成されている。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器４０は１つ以上の把持器カバー４４を有し、該把持器カバー４４は集合的に、材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートを有する（任意選択的には、材料の同じ１枚以上のシート（例えば、材料の同じちょうど１枚のシート）が、上記のネオ弁尖カバー３８および１つ以上の把持器カバー４４の両方を定める；代替的には、材料の別々のシートが、ネオ弁尖カバー３８および１つ以上の把持器カバー４４を定める）。典型的には、１つ以上の把持器カバー４４のうちの少なくとも１つが、標的自然弁尖２６の心室表面および／または心房表面を押して、標的自然弁尖とコアプテーション補助デバイスとの間の血流を妨げる。これらの応用例のいくつかについては、１つ以上の把持器カバー４４は、上記のワイヤーループの一部であってもよい１つ以上のワイヤーを有していてもよい自然弁尖把持器４０のフレーム４５によって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延び、かつ、該空間を部分的または完全に占める。いくつかの応用例については、１つ以上の把持器カバー４４は、自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａ（標的自然弁尖２６の心房表面を把持するように構成されている）を定めるフレーム４５の一部によって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延び、かつ、該空間を部分的または完全に占め、かつ、１つ以上の把持器カバー４４は、自然弁尖把持器４０の第２の部分４２Ｂ（標的自然弁尖２６の心室表面を把持するように構成されている）を定めるフレーム４５の一部によって少なくとも部分的に囲まれた空間を少なくとも部分的に覆わない。

典型的には、材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートは、柔らかく、かつ、非侵襲的である。材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートは、例えばポリマーもしくは生体材料（例えば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、延伸ポリテトラフルオロエチレン（ｅＰＴＦＥ）、シリコーン、ウレタンもしくは心膜）を有する繊維のような合成材料または生体組織材料を有していてもよい。

これらの応用例のいくつかについては、自然弁尖把持器４０は、自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａと第２の部分４２Ｂとの間の折り目に第３の部分４２Ｃをさらに定める形状であり、かつ、第３の部分４２Ｃは、第１の部分４２Ａおよび第２の部分４２Ｂが標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むときには、標的自然弁尖２６の自由縁の周りを延びるように構成されている。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖３２は、標的自然弁尖２６の側面を含んで完全に標的自然弁尖を囲むように構成されており、弁状の環の近傍で心室自然弁尖ヒンジから心房ヒンジへと、かつ、交連から交連へと標的自然弁尖を閉鎖する。その他の応用例については、ネオ弁尖３２は、典型的には標的自然弁尖の少なくとも自由縁において、部分的に標的自然弁尖２６を囲むように構成されており、標的自然弁尖の一部を覆い、かつ、閉鎖する。

図１Ｄを参照する。いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス２０は、拘束されていない（解剖学的構造または送達システムによるものを含む任意の外部の力の印加によって）ときには、（ａ）アンカーループワイヤーループ５０によって定められるアンカーループ最良適合平面６２と（ｂ）ネオ弁尖ワイヤーループ３６によって定められるネオ弁尖最良適合平面６４との間に角度α（アルファ）が定められるように構成されている。典型的には、コアプテーション補助デバイス２０は、この角度を自動的にとるように構成されている；例えば、デバイスの要素が、例えば摂氏３７度（体温）にて静止した弛緩状態にあるときにデバイスがこの角度をとることを引き起こすように構成されたニチノールのような形状記憶合金を有していてもよい。請求の範囲および発明概念を含む本願で用いられるとき、ワイヤーループによって定められる「最良適合平面」は、ワイヤーループの形状にもっともよく一致する平面（すなわち、平面とワイヤーループとの間の距離の二乗の最小和をもたらす平面）である。代替的には、ネオ弁尖ワイヤーループ３６によって定められるネオ弁尖最良適合平面６４は、コアプテーション表面３４によって定められる（図８Ａ～Ｂを参照して以下に記載されるコアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂでは、アンカーループ最良適合平面６２は代わりに、各々ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂの境界によって定められてもよく、かつ、ネオ弁尖最良適合平面６４は代わりに、各々自然弁尖２３２Ａおよび２３２Ｂの境界によって定められてもよい）。

いくつかの応用例については、図１Ｄに示されているように、角度α（アルファ）は、少なくとも６０度（例えば、少なくとも８０度）であり、１００度を超えず（例えば、９０度を超えず）、かつ／あるいは、６０度（例えば、８０度）～１００度（例えば、９０度）である。角度のこの範囲は、図１２Ｄおよび１４を参照して以下に記載されるように、適切なものであってよい。その他の実施形態については、角度α（アルファ）は、少なくとも１５度（例えば、少なくとも３５度）であり、５０度を超えず（例えば、４５度を超えず）、かつ／あるいは、１５度（例えば、３５度）～５０度（例えば、４５度）である。角度のこの範囲は、図１３Ｃおよび１５Ａを参照して以下に記載されるように、適切なものであってよい。

いくつかの応用例については、すべてのコアプテーション補助デバイスが、角度の上述の範囲のうちの１つをとるように構成されていてもよい。

図１Ｅを参照する。いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス２０は、図１Ｅに示されている細長い平らな構成へと延ばされ、かつ、平らにされ得る。平らにされた後、コアプテーション補助デバイス２０は、クリンプされ、かつ、図９Ａを参照して以下に記載される送達のためにその後で送達チューブ３０４の中へとローディングされ得る。コアプテーション補助デバイス２０は典型的には、図９Ａ～Ｈを参照して以下に記載されるように、それが露出し、かつ、送達チューブ３０４から配備されるにつれて、それが徐々にその初期の静止状態を再びとるように形状記憶を有する。

図１Ａ～Ｅおよび２をまだ参照する。いくつかの応用例については、ネオ弁尖３２は、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイス２０の埋め込みの際に、コアプテーション表面３４が被験者の心周期を通して概して静止しているように構成されている。これらの応用例では、コアプテーションは、ネオ弁尖３２によって提供される概して静止したコアプテーション表面３４に対する１つ以上の対向自然弁尖２８の運動によって提供される。例えば、この概して静止した状態を達成するために、ネオ弁尖３２のネオ弁尖ワイヤーループ３２および／またはネオ弁尖カバー３８は比較的剛性であってもよく、かつ／あるいは、ネオ弁尖３２は、上記のようにネオ弁尖カバー３８内に１つ以上の補剛要素を有していてもよい。

その他の応用例については、ネオ弁尖３２は、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイス２０の埋め込みの際に、被験者の心周期の最中、コアプテーション表面３４が１つ以上の対向自然弁尖２８に向かうように、かつ、１つ以上の対向自然弁尖２８から離れるように移動するように構成されている。換言すれば、ネオ弁尖３２は、コアプテーション表面３４が心周期を通して動的であるように構成されている。これらの応用例では、コアプテーションは、ネオ弁尖３２および１つ以上の対向自然弁尖２８により提供されるコアプテーション表面３４の運動によって提供される。例えば、コアプテーション表面３４のこの運動を可能にするため、ネオ弁尖３２のネオ弁尖ワイヤーループ３６および／またはネオ弁尖カバー３８は、それが心周期の最中に移動することを可能にする程十分に可撓性であってもよい。例えば、図１Ａ～Ｅに示されているように、ネオ弁尖ワイヤーループ３６のワイヤーの直径（すなわち、ワイヤーゲージ）が、ループ状心室アンカー３０のアンカーループワイヤーループ５０のワイヤーの直径および／または提供されていれば自然弁尖把持器４０のワイヤーの直径のようなコアプテーション補助デバイス２０のその他のワイヤーの直径未満であってもよい。代替的には、ネオ弁尖は、図７を参照して以下に記載されるように、境界の少なくとも一部を定めるワイヤーループを有していなくてもよい。さらに代替的には、ネオ弁尖カバーは、図５Ａ～Ｂおよび６Ａ～Ｃを参照して以下に記載されるように、心周期の最中に膨張し、かつ、弛緩する可撓性のパラシュート様コアプテーション表面を作り出すために、ネオ弁尖ワイヤーループによって定められ、かつ、囲まれた面積より大きい表面積を有していてもよい。可撓性のパラシュート様コアプテーション表面は、心周期の最中にコアプテーションの心室表面に対して血流および圧力変動に沿って膨張し、かつ、弛緩するように構成されている（血流および血圧が両方とも上昇し、かつ、心周期の収縮期の最中にネオ弁尖の心室表面に対して方向付けられるように）。結果として、ネオ弁尖は、膨張し、かつ、１つ以上の対向自然弁尖２８のためのコアプテーションの表面を動的に増大させる。ネオ弁尖心室表面に対する血流および血圧のアクションは、拡張期の最中に減少し、ネオ弁尖が弛緩し、かつ、しぼむことを引き起こし、拡張期の最中にネオ弁尖構造体を静止形状のままにて、心房から心室へのオリフィス領域血液通路を塞がないようにする。換言すれば、拡張期の最中、ネオ弁尖はしぼみ、かつ、弛緩し、心房から心室へと血液が通過することを可能にする。

ここで図４Ａ～Ｂを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイス２０の別の構成の概略図である。この構成では、ループ状心室アンカー３０は少なくとも１つの支持ワイヤー７０を有し、該少なくとも１つの支持ワイヤー７０は、アンカーループワイヤーループ５０上の２つの部位７２Ａおよび７２Ｂにおいてアンカーループワイヤーループ５０に連結される。例えば、２つの部位７２Ａおよび７２Ｂは、図示されているようにアンカーループワイヤーループ５０の反対側にあってもよく、かつ／あるいは、これもまた図示されているようにアンカーループワイヤーループ５０の長辺にあってもよい。

ここで図５Ａ～Ｂを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイス２０のまだ別の構成の概略図である。この構成では、コアプテーション補助デバイス２０はネオ弁尖３２Ｂを有し、該ネオ弁尖３２Ｂは、以下に記載されるものを除いて上記のネオ弁尖３２と同一であり、かつ、必要な変更を加えてその特徴のいずれかを実装していてもよい。ネオ弁尖３２Ｂは、ネオ弁尖開ワイヤーループ３６Ｂと、ネオ弁尖開ワイヤーループ３６Ｂに取り付けられたネオ弁尖カバー３８Ｂを有する。ネオ弁尖開ワイヤーループ３６Ｂは、ループ状心室アンカー３０および自然弁尖把持器４０（提供されていれば）の方向に遠位側３７で開いている。ネオ弁尖カバー３８Ｂは、ネオ弁尖開ワイヤーループ３６Ｂによりほぼ３辺によって定められ、かつ、該ほぼ３辺上で囲まれた面積より大きい表面積を有する。結果として、ネオ弁尖カバー３８Ｂが可撓性である構成では、ネオ弁尖カバー３８Ｂの心室表面３９が心周期の最中に増大した血圧に曝されるときには、ネオ弁尖カバー３８Ｂは、任意選択的にはネオ弁尖カバー３８に沿って遠位方向にいっそう大きい程度でネオ弁尖開ワイヤーループ３６Ｂから離れるように栓で広げ、心周期の最中に膨張し、かつ、弛緩する可撓性のパラシュート様コアプテーション表面３４Ｂを提供する。遠位側３７に向かい、かつ、遠位側３７にあるコアプテーション表面３４Ｂの湾曲は、１つ以上の対向自然弁尖２８とのコアプテーションに増大した効率を提供する。任意選択的には、ネオ弁尖カバー３８Ｂは弾性材料を有する。その他の構成では、ネオ弁尖カバー３８は可撓性ではなく代わりに剛性であり、ネオ弁尖カバー３８Ｂが膨張および弛緩しないように構成されるようになっている。これらの構成では、ネオ弁尖の湾曲は、１つ以上の対向自然弁尖２８にコアプテーションのいっそう大きい表面を提供する。

代替的には、ネオ弁尖ワイヤーループ３６Ｂは、ネオ弁尖閉ワイヤーループの形状であり、この場合、ネオ弁尖カバー３８Ｂは典型的には、ネオ弁尖閉ワイヤーループの遠位側に取り付けられていない。

ネオ弁尖３８Ｂは、必要な変更を加えて、上記のネオ弁尖カバー３８の特徴のいずれかを実装していてもよい。

ここで図６Ａ～Ｃを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイス２０のさらに別の構成の概略図である。この構成では、コアプテーション補助デバイス２０はネオ弁尖３２Ｃを有し、該ネオ弁尖３２Ｃは、以下に記載されるものを除いて上記のネオ弁尖３２と同一であり、かつ、必要な変更を加えてその特徴のいずれかを実装していてもよい。ネオ弁尖３２Ｃは、ネオ弁尖ワイヤーループ３６Ｃと、ネオ弁尖ワイヤーループ３６Ｃに取り付けられたネオ弁尖カバー３８Ｃを有する。いくつかの応用例については、ネオ弁尖ワイヤーループ３６Ｃは、図示されているように、ループ状心室アンカー３０および自然弁尖把持器４０（提供されていれば）の方向に遠位側３７で開いており、一方でその他の応用例については、ネオ弁尖ワイヤーループ３６Ｃはネオ弁尖閉ワイヤーループの形状である。ネオ弁尖カバー３８Ｃは、ネオ弁尖開ワイヤーループ３６Ｃによりほぼ３辺によって定められ、かつ、該ほぼ３辺上で囲まれた面積より大きい表面積を有する。結果として、ネオ弁尖カバー３８Ｃの心室表面３９が心周期の最中に増大した血圧に曝されるときには、ネオ弁尖カバー３８Ｃは、ネオ弁尖開ワイヤーループ３６Ｃから離れるように栓で広げ、心周期の最中に拡張（膨張）および弛緩する可撓性のパラシュート様コアプテーション表面３４Ｃを提供する。ネオ弁尖カバー３８Ｃは、図６Ａでは弛緩した状態で示されており、かつ、図６Ｂおよび６Ｃでは血流によって拡張（膨張）した状態で示されている。ネオ弁尖カバー３８Ｃは、必要な変更を加えてネオ弁尖カバー３８の特徴のいずれかを実装していてもよい。任意選択的には、ネオ弁尖カバー３８Ｃは弾性材料を有する。

ここで図７を参照すると、該図は、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイス２０の別の構成の概略図である。この構成では、コアプテーション補助デバイス２０はネオ弁尖３２Ｄを有し、該ネオ弁尖３２Ｄは、以下に記載されるものを除いて上記のネオ弁尖３２と同一であり、かつ、必要な変更を加えてその特徴のいずれかを実装していてもよい。ネオ弁尖３２と同様に、ネオ弁尖３２Ｄは、コアプテーション表面３４を定めるネオ弁尖カバー３８Ｄを有する。しかしながら、ネオ弁尖３２とは異なり、ネオ弁尖３２Ｄは、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定めるワイヤーループであって、かつ、該ワイヤーループにネオ弁尖カバー３８Ｄが取り付けられる前記ワイヤーループを有さない。ワイヤーループの欠如は、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたようにネオ弁尖３２のコアプテーション表面３４が心周期を通して動的であることを可能にするように、コアプテーション表面にいっそう大きい可撓性を提供する。任意選択的には、ネオ弁尖３２Ｄは、心周期の最中にネオ弁尖の心室表面にわたる逆流圧力の増大の結果としてネオ弁尖が心房において逸脱することを妨げるために、ネオ弁尖カバー３８Ｄ内に１つ以上の補剛要素を有する。

ここで図８Ａ～Ｂを参照すると、該図は各々、本発明の各々の応用例による、コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂの概略図である。以下に記載されるものを除いて、コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂは、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたコアプテーション補助デバイス２０と概して同様であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂ（それらの各々のネオ弁尖、ループ状心室アンカーおよび任意選択的な自然弁尖把持器を含む）は、必要な変更を加えてコアプテーション補助デバイス２０の特徴（図３Ａ～Ｋを参照して上記された特徴および図４Ａ～Ｂを参照して上記された特徴を含む）のいずれかを実装していてもよい。

コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂは各々、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂを有し、該ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂはそれぞれ、典型的には金属を有する編組ワイヤーを有する編組フラットシート２１５を有する。編組ワイヤーは、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂにループ状の境界を提供するように配置される。コアプテーション補助デバイス２２０Ｂのループ状心室アンカー２３０Ｂはさらに、編組フラットシート２１５に取り付けられ、かつ、編組フラットシート２１５の全部または一部を覆うアンカーカバー２５３を有する（図示されているように一方の側で、または、両方の側で）。アンカーカバー２５３は、編組フラットシート２１５の編組内に浸透した合成または生体材料を有していてもよく、編組フラットシート２１５に取り付けられた材料の別個の合成または生体フラットシートを有していてもよい。アンカーカバー２５３は、必要な変更を加えて、図１Ａ～Ｅおよび図３Ａ～Ｋを参照して上記されたアンカーループカバーの特徴のいずれかを実装していてもよい。

典型的には、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂは、周囲の解剖学的構造へとループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂにより加えられる力（典型的には、半径方向外側に方向付けられた力）によって、かつ／あるいは、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂと周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている。いくつかの応用例については、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂは、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂの編組が半径方向外側に拡張して力を加えることを引き起こす、形状記憶合金（例えば、ニチノール）のような自己拡張可能な材料を有する。これらの応用例については、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂは典型的には、周囲の解剖学的構造より大きいその静止（弛緩）状態における形状を有するように構成されている（少なくとも一方向において、すなわち、心室高さより大きいループ高さを有するか、または、心室壁幅より大きいループ幅を有する）。結果として、周囲の解剖学的構造は、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂの拡張を制限し、かつ、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂは、周囲の解剖学的構造に力を加える（かつ、その逆もまた同様である）。さらに、下部環状～尖端方向に心室壁２７を狭くすることは、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂを圧縮し、反対に働く半径方向の力を作り出し、かつ、下部弁尖心室ヒンジ高さにて（すなわち、下部環状表面２５の高さにて）ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂを安定化させるようにそれ自体を方向付ける（ここで、任意選択的には、ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂはまた、各々以下に記載される自然弁尖把持器２４０Ａおよび２４０Ｂとともに、いくつかの構成において標的自然弁尖２６を把持するように機能する）。

コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂはさらに、各々ネオ弁尖２３２Ａおよび２３２Ｂを有し、該ネオ弁尖２３２Ａおよび２３２Ｂは、編組フラットシート２１７（図８Ａにおいて示され、かつ、ラベル付けされているが、図８Ｂでは視認できない。なぜなら、それが直下に記載のネオ弁尖カバー２３８によって覆われているからである）を有する。コアプテーション補助デバイス２２０Ｂのネオ弁尖２３２Ｂはさらに、ネオ弁尖カバー２３８を有し、該ネオ弁尖カバー２３８は、編組フラットシート２１７の全部または一部を覆う。ネオ弁尖カバー２３８は、編組フラットシート２１７の編組内に浸透した合成または生体材料を有していてもよく、編組フラットシート２１７に取り付けられた材料の別個の合成または生体フラットシートを有していてもよい。ネオ弁尖カバー２３８は、必要な変更を加えて、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたネオ弁尖カバー３８の特徴のいずれかを実装していてもよい。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂはさらに、自然弁尖把持器２４０Ａおよび２４０Ｂを各々有し、該自然弁尖把持器２４０Ａおよび２４０Ｂは、１枚以上の編組フラットシート２１９（図８Ａにおいて示され、かつ、ラベル付けされているが、図８Ｂでは視認できない。なぜなら、それが直下に記載の１つ以上の把持器カバー２４４によって覆われているからである）を有する。コアプテーション補助デバイス２２０Ｂの自然弁尖把持器２４０Ｂはさらに、１つ以上の把持器カバー２４４を有し、該１つ以上の把持器カバー２４４は、編組フラットシート２１９の全部または一部を覆う。１つ以上の把持器カバー２４４は、必要な変更を加えて図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記された１つ以上の把持器カバー４４の特徴のいずれかを実装していてもよい。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス２２０Ｂは、上記のカバーのサブセットのみを有する。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖２３２Ａおよび２３２Ｂは、コアプテーション補助デバイス２０について上記されたように、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂの各々の埋め込みの際に、コアプテーション表面３４が被験者の心周期を通して概して静止しているように構成されている。これらの応用例のいくつかについては、ネオ弁尖２３２Ａおよび２３２Ｂは、その上に補剛要素を有し、かつ／あるいは、ネオ弁尖２３２Ａおよび２３２Ｂの自由縁からループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂの編組体へと各々延びるワイヤー、縫合糸またはロッドによって各々ループ状心室アンカー２３０Ａおよび２３０Ｂに埋め込みの後で機械的に接続される。これらの技術は、心周期の最中に心房の中に入るネオ弁尖２３２Ａおよび２３２Ｂの移動を回避することを助ける。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖２３２Ａおよび２３２Ｂは、コアプテーション補助デバイス２０について上記されたように、被験者の心臓へのコアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂの各々の埋め込みの際に、被験者の心臓周期の最中、コアプテーション表面３４が１つ以上の対向自然弁尖２８へと向かうように、かつ、１つ以上の対向自然弁尖２８から離れるように移動するように構成されている。

ここで図９Ａ～Ｈを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、被験者の心臓にコアプテーション補助デバイス２０を埋め込む方法の概略図である。当該方法はコアプテーション補助デバイス２０について図示されているが、それは、必要な変更を加えて、本明細書に記載のその他のコアプテーション補助デバイスを埋め込むために用いられてもよい。さらに、図示されている自然弁２２は三尖弁３００であり、当該方法はまた、僧帽弁３０２を治療するために修正されてもよい。

図９Ａに示されているように、コアプテーション補助デバイス２０は、コアプテーション補助デバイス２０が圧縮された構成にて送達システムの送達チューブ３０４に取り外し可能に配置されている間に、被験者の心臓へと経皮的に（血管内に）送達される。いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス２０は、図１Ｅに示されているように細長い平らな構成へとコアプテーション補助デバイス２０を延ばし、かつ、平らにし、かつ、その後でデバイスをさらに半径方向に圧縮する（例えば、クリンプする）ことによって、送達チューブ３０４の中へと圧縮された構成にてローディングされる。例えば、送達チューブ３０４は、下または上大静脈を介して右心房３１０の中へと前進してもよい。コアプテーション補助デバイス２０が僧帽弁３０２を治療するために用いられる応用例については、送達チューブ３０４は、本技術分野において既知の経中隔的前進技術を用いて左心室３１４の中へと経中隔的に前進してもよい。代替的には、コアプテーション補助デバイス２０は、最小限に侵襲的な手順で送達される。

送達システムは典型的には、送達チューブ３０４を有し、かつ、任意選択的には、１つ以上の追加のチューブを有する。チューブのうちの１つ以上が操作可能である（例えば、２つが操作可能であり、１つは軌道のためのものであり、かつ、その他は位置決めのためのものである）。任意選択的には、コアプテーション補助デバイス２０は、送達チューブ３０４に部分的に配置され、かつ、チューブのうちの別のものに部分的に配置されて、コアプテーション補助デバイス２０の要素のシーケンシャルな配備を可能にする。コアプテーション補助デバイス２０が送達チューブ３０４内に完全に配置される構成については、典型的にはループ状心室アンカー３０は、ネオ弁尖３２よりチューブ内で遠位に（すなわち、チューブの遠位端にいっそう近くに）配置されて、ネオ弁尖３２が配備される前にループ状心室アンカー３０がチューブから配備されることを可能にする。代替的には、配置構成が逆であり、ループ状心室アンカー３０が配備される前にネオ弁尖３２がチューブから配備されることを可能にする。

図９Ａ～Ｃに示されているように、ループ状心室アンカー３０は、送達チューブ３０４から配備され、かつ、心室２３（図示されている方法では右心室）に位置して、アンカーループワイヤーループ５０が心室根尖端部２４と自然弁２２，３００の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５との間を延びるようになっており（図９Ｂ以降の図に示されているように）、アンカーループワイヤーループ５０が下部環状表面２５、心室壁２７および心室根尖端部２４を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるようになっている。典型的には、ループ状心室アンカー３０は、送達チューブ３０４を近位方向に引き込むこと、および／または、送達チューブ３０４からループ状心室アンカーを押すことによって配備される。

いくつかの応用例については、ループ状心室アンカー３０は、アンカーループワイヤーループ５０が周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループ５０により加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるように位置する。代替的または追加的には、いくつかの応用例については、ループ状心室アンカー３０は、アンカーループワイヤーループ５０がアンカーループワイヤーループ５０と周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように位置する。

いくつかの応用例については、ループ状心室アンカー３０は非侵襲的であるように構成されており、かつ、ループ状心室アンカー３０を位置させることは、ループ状心室アンカー３０で周囲の解剖学的構造の組織を穿通することを有さない。いくつかの応用例については、配備方法は、コアプテーション補助デバイス２０のいかなる要素でも組織を穿通することを有さない。代替的には、図２１～２２を参照して以下に記載されるように、または、アンカーループワイヤーループ５０の少なくとも一部に沿って配置されたバーブ（図３Ｊに示されているバーブ３０１Ｊのような）を用いて、組織が穿通される。

いくつかの応用例については、図９Ａ～Ｈに示されているように、標的自然弁尖２６は三尖弁３００の自然中隔弁尖であり、かつ、心室壁２７は心室中隔壁である。ネオ弁尖３２は、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置し、かつ、下部環状表面２５、心室中隔壁２７および心室根尖端部２４を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、ネオ弁尖３２が、三尖弁の対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面３４を提供することによって中隔弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように位置する。

その他の実施形態については、自然弁２２は僧帽弁３０２であり、かつ、ネオ弁尖３２は、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置するときには、ネオ弁尖３２が、僧帽弁の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面３４を提供することによって標的自然弁尖２６の機能に少なくとも部分的に取って代わるように位置する。これらの応用例のいくつかについては、標的自然弁尖２６は僧帽弁３０２の自然前部弁尖であり、心室壁２７は心室中隔壁であり、かつ、ネオ弁尖３２は、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置し、かつ、下部環状表面２５、心室中隔壁２７および心室根尖端部２４を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、僧帽弁３０２の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面３４を提供することによって自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように位置する。

図９Ｆ～Ｈに示されているように、ネオ弁尖３２は送達チューブ３０４から配備され、かつ、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３にあるときには、ネオ弁尖３２が、標的自然弁尖２６と対向する１つ以上の対向自然弁尖２８のためのコアプテーション表面３４を提供することによって標的自然弁尖２６の機能に少なくとも部分的に取って代わるように位置する。上述のように、ネオ弁尖３２は、ループ状心室アンカー３０によって支持される。典型的には、ループ状心室アンカー３０は、送達チューブ３０４を近位方向に引き込むことによって配備される。

ループ状心室アンカー３０は、ネオ弁尖３２の前に配備されるものとして図示および記載されているが、いくつかの構成では、配備の順番が逆になる（構成は図示せず）。

いくつかの応用例については、図９Ｆ～Ｈに示されているように、ネオ弁尖３２は、アンカーループワイヤーループ５０が心室２３に位置するときには、ネオ弁尖３２のコアプテーション表面３４が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るように位置し（自然弁尖２８が心周期の最中にネオ弁尖３２と接合するように）、自然弁尖２８の心房表面はネオ弁尖の心房表面３４５と接触するようになり、そのことによって心周期の収縮段階の最中の心室から心房への血液の通過を止める。

いくつかの応用例については、図９Ｃ～Ｅに示されているように、配備方法はさらに、自然弁尖把持器４０を位置させることを有し、該自然弁尖把持器４０は、ネオ弁尖３２を支持するために標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面を把持するためのものであり、かつ、自然弁２２，３００に関してネオ弁尖３２を配向するためのものである。図示されている方法では、自然弁尖把持器４０は、ループ状心室アンカー３０を位置させた後であって、かつ、ネオ弁尖３２を位置させる前に位置決めされる。代替的には、自然弁尖把持器４０は、配備方法における異なる時点で位置決めされる。

いくつかの応用例については、標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面を把持するために自然弁尖把持器４０を位置させることは、図９Ｄ～Ｈ（図９Ｈにおいてラベル付けされている）（図２においても同様）に示されているように、自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａと第２の部分４２Ｂとの間に標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことを有する。いくつかの応用例については、標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことは、図９Ｄ～Ｈ（図９Ｈにおいてラベル付けされている）（図２においても同様）に示されているように、自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａと第２の部分４２Ｂとの間に標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面を把持するために、自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａおよび第２の部分４２Ｂを互いに向けて折り重ねることを有する。これらの応用例のいくつについては、自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａおよび第２の部分４２Ｂを互いに向けて折り重ねることは、図９Ｄ～Ｈ（図９Ｈにおいてラベル付けされている）（図２においても同様）に示されているように、自然弁尖把持器４０の第１の部分４２Ａと第２の部分４２Ｂとの間の折り目において自然弁尖把持器４０によって定められた第３の部分４２Ｃを標的自然弁尖２６の自由縁の周りに延ばすことを有する。

いくつかの応用例については、図９Ａ～Ｃに示されているように、ループ状心室アンカー３０は、アンカーループワイヤーループ５０が下部環状表面２５、心室中隔壁２７および心室根尖端部２４の心室乳頭筋４６に対して所定の位置に係留されたままであるように位置する。

ここで図１０Ａ～Ｃを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイス１２０Ａの概略図である。図１０Ｄ～Ｆもまた参照すると、該図は、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイス１２０Ｂの概略図である。図１０Ｇを追加的に参照すると、該図は、本願のある応用例による、自然弁２２に埋め込まれたコアプテーション補助デバイス１２０Ａの概略図である。さらに図１１Ａ～Ｄを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイス１２０Ｃの概略図である。以下に記載されるものを除いて、コアプテーション補助デバイス１２０Ａ、１２０Ｂおよび１２０Ｃは、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたコアプテーション補助デバイス２０と概して同様であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。コアプテーション補助デバイス１２０Ａ、１２０Ｂおよび１２０Ｃは、必要な変更を加えて、図３Ａ～Ｋを参照して上記された特徴および図４Ａ～Ｂを参照して上記された特徴を含むコアプテーション補助デバイス２０の特徴のいずれかを実装していてもよい。

コアプテーション補助デバイス１２０Ａ、１２０Ｂおよび１２０Ｃはそれぞれ、ループ状心室アンカー１３０を有する。典型的には、ループ状心室アンカー１３０は、アンカーループワイヤーループ１５０を有し、かつ、アンカーループワイヤーループの遠位部が、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定める。アンカーループワイヤーループ１５０は、必要な変更を加えて、図１Ａ～Ｅ、２および３Ａ～Ｋを参照して上記されたアンカーループワイヤーループ５０の特徴のいずれかを実装していてもよい。

コアプテーション補助デバイス１２０Ａ、１２０Ｂおよび１２０Ｃはさらに、ループ状心室アンカー１３０によって支持されたネオ弁尖１３２Ａ、１３２Ｂおよび１３２Ｃを各々有する。ループ状心室アンカー１３０は、ネオ弁尖に対して遠位方向に配置される。

ネオ弁尖１３２Ａ、１３２Ｂおよび１３２Ｃは、アンカーループワイヤーループ１５０が心室２３に位置するときには、標的自然弁尖２６と対向する１つ以上の対向自然弁尖２８のためのコアプテーション表面３４を提供することによって標的自然弁尖２６の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。ネオ弁尖１３２Ａ、１３２Ｂおよび１３２Ｃは、典型的には標的自然弁尖２６の少なくとも一部を覆うように構成されている。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖１３２Ａ、１３２Ｂおよび１３２Ｃは、ネオ弁尖の各々の周辺部の一部を定めるネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ａ、１３６Ｂおよび１３６Ｃを各々有し、かつ、各々ネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ａ、１３６Ｂおよび１３６Ｃに取り付けられたネオ弁尖カバー１３８Ａ、１３８Ｂおよび１３８Ｃを各々有する。典型的には、ネオ弁尖カバーは、上述のコアプテーション表面３４を提供する。ネオ弁尖カバー１３８Ａ、１３８Ｂおよび１３８Ｃは、必要な変更を加えて、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたネオ弁尖カバー３８の特徴のいずれかを実装していてもよい。図示されている構成では、ネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ａ、１３６Ｂおよび１３６Ｃは、ループ状心室アンカー１３０および以下に記載の自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃの各々の方向に近位側で開いた開ループの形状である（各ループは、それが自然弁尖把持器の一部も定めるワイヤーによって定められる場合でさえ開いていると考えられる。なぜなら、ループを定めるワイヤーの一部が開いているからである）。代替的には、ネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ａ、１３６Ｂおよび１３６Ｃは、図１Ａ～Ｅに示されているように、閉ループの形状である（コアプテーション補助デバイス１２０Ａ、１２０Ｂおよび１２０Ｃについては構成を図示せず）。ネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ａ、１３６Ｂおよび１３６Ｃは、必要な変更を加えて、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたネオ弁尖ワイヤーループ３６の特徴のいずれかを実装していてもよい。

コアプテーション補助デバイス１２０Ａ、１２０Ｂおよび１２０Ｃはさらに、自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃを各々有し、該自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃは、ネオ弁尖１３２Ａ、１３２Ｂおよび１３２Ｃを各々支持するために標的自然弁尖２６の心房表面３４５および心室表面３４３を把持するためのものであり、かつ、自然弁尖２２に関してネオ弁尖を配向するためのものである。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃは、１つ以上の把持器カバー１４４Ａ、１４４Ｂおよび１４４Ｃを各々有する。１つ以上の把持器カバーは各々、集合的に材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートを有する（任意選択的には、材料の同じ１枚以上のシート（例えば、材料の同じちょうど１枚のシート）が、上記のネオ弁尖カバー１３８Ａ、１３８Ｂおよび１３８Ｃならびに１つ以上の把持器カバー１４４Ａ、１４４Ｂおよび１４４Ｃの両方を定める；代替的には、材料の別個のシートが、ネオ弁尖カバー１３８Ａ、１３８Ｂおよび１３８Ｃならびに１つ以上の把持器カバー１４４Ａ、１４４Ｂおよび１４４Ｃを定める）。典型的には、１つ以上の把持器カバーのうちの少なくとも１つが、標的自然弁尖２６の心房表面３４５を押して、標的自然弁尖とコアプテーション補助デバイスの間の血流を妨げる。これらの応用例のいくつかについては、１つ以上の把持器カバー１４４Ａ、１４４Ｂおよび１４４Ｃは、上記のネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ａ、１３６Ｂおよび１３６Ｃの各々の一部であってもよい１つ以上のワイヤーを有していてもよい自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃのフレーム１４５Ａ、１４５Ｂおよび１４Ｃの各々によって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延び、かつ、該空間を部分的または完全に占める。典型的には、材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートは、柔らかく、かつ、非侵襲的である。材料の１枚以上の生体適合性の薄いシートは、例えばポリマーもしくは生体材料（例えば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、延伸ポリテトラフルオロエチレン（ｅＰＴＦＥ）、シリコーン、ウレタンもしくは心膜）を有する繊維のような合成材料または生体組織材料を有していてもよい。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖１３２Ａ、１３２Ｂおよび１３２Ｃは各々、図１０Ａ～Ｆおよび１１Ａ～Ｄに示されているように、自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃを介してループ状心室アンカー１３０に連結される。

これらの応用例のいくつかについては、図１０Ａ～Ｆに示されているように、ループ状心室アンカー１３０のアンカーループワイヤーループ１５０は、把持器カバー１４４Ａ、１４４Ｂおよび１４４Ｃによって定められた開口部を通過することによって、自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃの把持器カバー１４４Ａ、１４４Ｂおよび１４４Ｃの各々に連結される。この構成は、自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃの各々に関して（かつ、したがって、ネオ弁尖１３２Ａ、１３２Ｂおよび１３２Ｃの各々に関して）ループ状心室アンカー１３０がピボット回転すること、および、スライドすることを可能にする。

これらの応用例のその他のものについては、図１１Ａ～Ｄに示されているように、ループ状心室アンカー１３０のアンカーループワイヤーループ１５０は、自然弁尖把持器１４０のフレーム１４５に連結される。アンカーループワイヤーループはフレーム１４５Ｃに固定（例えば、溶接）され、または、フレーム１４５に固定されていなくてもよく、自然弁尖把持器１４０Ｃ（かつ、したがって、ネオ弁尖１３２）に関してループ状心室アンカー１３０がピボット回転すること、および、スライドすることを可能にする。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃはそれぞれ、第１の部分１４２Ａおよび第２の部分１４２Ｂを定める形状であり、該第１の部分１４２Ａおよび第２の部分１４２Ｂは、自然弁尖把持器の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖２６の心房表面３４５および心室表面３４３の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面を各々把持するように構成されている。典型的には、これらの構成では、第２の部分１４２Ｂは、アンカーループワイヤーループ１５０の近位部によって定められ、かつ、第１の部分１４２Ａは、ネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ａ、１３６Ｂおよび１３６Ｃの各々の一部であるネオ弁尖把持器１４０Ａ、１４０Ｂおよび１４０Ｃの各々のフレーム１４５Ａ、１４５Ｂおよび１４５Ｃによって定められる。

上述のように、任意選択的には１つ以上の把持器カバー１４４Ａ、１４４Ｂおよび１４４Ｃは、フレーム１４５Ａ、１４５Ｂおよび１４Ｃの各々によって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延び、かつ、該空間を部分的または完全に占める（図示されているように）。典型的には、これらの箇所における把持器カバーは、心周期の一部の最中に血流に由来して膨張し、かつ、標的自然弁尖２６の心室表面を押して、標的自然弁尖とコアプテーション補助デバイスとの間の血流を妨げる。

任意選択的には、１つ以上の把持器カバー１４４Ａおよび１４４Ｂは、第２の部分１４２Ｂを定めるアンカーループワイヤーループ１５０の近位部によって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延び、かつ、該空間を部分的または完全に占める（構成は図示せず）。

いくつかの応用例については、図１０Ａ～Ｃに示されているように、ネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ａは、ネオ弁尖１３２Ａと自然弁尖把持器１４０Ａの第１の部分１４２Ａとの間の境界１４９において狭くなる。この狭くなることは、コアプテーション補助デバイスと周囲の解剖学的構造との間の相互作用を減少させるであろう。

その他の応用例については、図１０Ｄ～Ｆおよび１１Ａ～Ｄに示されているように、ネオ弁尖ワイヤーループ１３６Ｂおよび１３６Ｃは、ネオ弁尖１３２Ｂおよび１３２Ｃの各々と自然弁尖把持器１４０Ｂおよび１４０Ｃの第１の部分１４２Ａとの間の境界１４９において狭くならない。この狭くなることの欠如は、自然弁尖把持器１４０Ｂおよび１４０Ｃの把持器カバー１４４Ｂおよび１４４Ｃの各々と標的自然弁尖２６の心室表面３４３との間の接触のいっそう大きい表面を提供し、かつ／あるいは、図１０Ａ～Ｃに示されている構成より良好な把持器カバーの膨張を提供するであろう。

図１１Ａ～Ｄを参照する。いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス１２０Ｃはさらに、ポーチ１５８を有し、該ポーチ１５８は、標的自然弁尖２６の心室表面および／または自然弁２２の環にコアプテーション補助デバイス１２０Ｃを押し当てるために、心周期の最中に血流によって膨張し、そのことによって、自然弁２２に関してコアプテーション補助デバイス１２０Ｃを安定化させるように構成されている。いくつかの応用例については、ポーチ１５８は、自然弁尖把持器１４０Ｃによって（例えば、自然弁尖把持器１４０Ｃの第１の部分１４２Ａの心室側を向いた表面によって）定められる（この心室側を向いた表面は、標的自然弁尖２６の心房表面３４５と接触するように構成された第１の部分１４２Ａの側とは反対の第１の部分１４２Ａの側にある）。任意選択的には、本明細書に記載のその他のコアプテーション補助デバイス（例えば、その他のコアプテーション補助デバイスの自然弁尖把持器）が、必要な変更を加えて、ポーチ１５８を有する。

ここで図１２Ａ～Ｅおよび１３Ａ～Ｅを参照すると、該図は、本発明の各々の応用例による、コアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂの各々の概略図である。以下に記載されるものを除いて、コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂは、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたコアプテーション補助デバイス２０と概して同様であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。コアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂ（それらの各々のネオ弁尖およびループ状心室アンカーを含む）は、（ａ）必要な変更を加えて、図３Ａ～Ｋを参照して上記された特徴および図４Ａ～Ｂを参照して上記された特徴を含むコアプテーション補助デバイス２０の特徴のいずれか、ならびに／または、（ｂ）必要な変更を加えて、本明細書に記載のその他のコアプテーション補助デバイスの特徴のいずれかを実装していてもよい。

図１４Ａおよび１５Ａ～Ｂもまた参照すると、該図は、本発明の各々の応用例による、自然弁２２に埋め込まれたコアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂの各々の概略図である。

コアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂはそれぞれ、ループ状心室アンカー３３０を有し、該ループ状心室アンカー３３０は典型的には、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定めるアンカーループワイヤーループ３５０を有する。ループ状心室アンカー３３０およびアンカーループワイヤーループ３５０は、必要な変更を加えて、本明細書に記載のループ状心室アンカーおよびアンカーループワイヤーループの特徴のいずれかを実装していてもよい。コアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂはさらに、ネオ弁尖３３２Ａおよび３３２Ｂを各々有し、該ネオ弁尖３３２Ａおよび３３２Ｂは、必要な変更を加えて、本明細書に記載のネオ弁尖の特徴のいずれかを実装していてもよい。いくつかの応用例については、ネオ弁尖３３２Ａおよび３３２Ｂは、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定めるネオ弁尖ワイヤーループ３３６Ａおよび３３６Ｂを各々有し、かつ、ネオ弁尖ワイヤーループ３３６Ａおよび３３６Ｂに取り付けられたネオ弁尖カバー３３８Ａおよび３３８Ｂを各々有する。ネオ弁尖ワイヤーループ３３６Ａおよび３３６Ｂは、必要な変更を加えて、本明細書に記載のネオ弁尖ワイヤーループの特徴のいずれかを実装していてもよく、かつ、ネオ弁尖カバー３３８Ａおよび３３８Ｂは、必要な変更を加えて、本明細書の記載のネオ弁尖カバーの特徴のいずれかを各々実装していてもよい。

コアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂはそれぞれ、自然弁尖把持器３４０を有し、該自然弁尖把持器３４０は、１つ以上の下部自然弁尖支持体３４７（例えば、図示されているように２つ）を有し、該１つ以上の下部自然弁尖支持体３４７は、ループ状心室アンカー３３０が心室２３に位置するときには、標的自然弁尖２６の心室表面３４３の１つ以上の部分を圧迫するように構成されている。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖３３２Ａおよび３３２Ｂはそれぞれ、ループ状心室アンカー３３０から直接延び、かつ、ループ状心室アンカー３３０によって支持される。ループ状心室アンカー３３０は、ネオ弁尖３３２Ａおよび３３２Ｂのそれぞれに対して遠位方向に配置される。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器３４０はさらに、標的自然弁尖２６の心房表面３４５を圧迫するように構成された１つ以上の上部環状支持体３４１（例えば、図示されているように２つ）を有し、ループ状心室アンカー３３０が心室２３に位置するときには、１つ以上の下部自然弁尖支持体３４７および１つ以上の上部環状支持体３４１が標的自然弁尖２６を挟み、かつ、把持するようになっている。

いくつかの応用例については、ループ状心室アンカー３３０は、２つ以上の葉３５２（例えば、ちょうど２つの葉３５２（図示されているように））を定める形状であり、ループ状心室アンカー３３０が心室２３に位置するときには、２つの葉の間に乳頭筋４６のうちの１つのための空間を許容するようになっている。代替的には、変動する被験者の特定の解剖学的構造に依拠して、１つ以上の葉が、その他の解剖学的要素（例えば、１つ以上の腱索）のための空間を許容してもよく、または、いかなる解剖学的要素も、提供された空間を利用しなくてもよい。典型的には、１つ以上の葉３５２は、ループ状心室アンカー３３０の遠位端３５４へと延びる。いくつかの応用例については、心室壁２７は心室中隔壁であり、かつ、ループ状心室アンカー３３０は、ループ状心室アンカー３３０が心室２３に位置するときには、下部環状表面２５、心室中隔壁２７および心室根尖端部２４の１つ以上の心室乳頭筋４６を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂは、（ａ）ネオ弁尖３３２および３３２Ｂの各々、ならびに、（ｂ）ループ状心室アンカー３３０の両方を少なくとも部分的に定める形状である各々のワイヤーループを有する。

図１２Ｄ、１３Ｃ、１４および１５Ａを参照する。いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂは、拘束されていないときには（解剖学的構造または送達システムによるものを含む任意の外部の力の印加によって）、（ａ）アンカーループワイヤーループ３５０によって定められるアンカーループ最良適合平面３６２と（ｂ）ネオ弁尖ワイヤーループ３３６および３３６Ｂの各々によって定められるネオ弁尖最良適合平面３６４との間に角度α（アルファ）が定められるように構成されている。典型的には、コアプテーション補助デバイス３２０Ａおよび３２０Ｂは、この角度を自動的にとるように構成されている；例えば、デバイスの要素が、例えば摂氏３７度（体温）にて静止した弛緩状態にあるときにデバイスがこの角度をとることを引き起こすように構成されたニチノールのような形状記憶合金を有していてもよい。代替的には、ネオ弁尖最良適合平面３６４は、ネオ弁尖３３２Ａおよび３３２Ｂの各々のコアプテーション表面によって定められる。

いくつかの応用例については、図１２Ｄおよび１４に示されているように、角度α（アルファ）は、少なくとも６０度（例えば、少なくとも８０度）であり、１００度を超えず（例えば、９０度を超えず）、かつ／あるいは、６０度（例えば、８０度）～１００度（例えば、９０度）である。角度のこの範囲は、収縮期において環の高さにて特定の傾向に関する様式で１つ以上の対向自然弁尖２８より上に（より上位に）、かつ、したがって、１つ以上の対向自然弁尖２８のコアプテーション平面より上にネオ弁尖３３２Ａを配置する。結果として、１つ以上の対向自然弁尖２８は、ネオ弁尖３３２Ａの心室表面に対して接合する。この構成は、１つ以上の対向自然弁尖２８が逸脱し、または、バタバタする場合であって、かつ、とりわけ僧帽弁疾患についての場合において示される。概していくぶん水平なネオ弁尖３３２Ａは、１つ以上のコアプテーション２８が心房で、または、環の高さにて逸脱しようとするときには、それらのためのコアプテーションの表面を提供する。

その他の応用例については、図１３Ｃおよび１５Ａに示されているように、角度α（アルファ）は、少なくとも１５度（例えば、少なくとも３５度）であり、５０度を超えず（例えば、４５度を超えず）、かつ／あるいは、１５度（例えば、３５度）～５０度（例えば、４５度）である。角度のこの範囲は、収縮期において、かつ、収縮期にあるときにはネオ弁尖３３２Ｂの先端部が１つ以上の対向自然弁尖２８の自由縁より低く心室に到達する特定の傾向に関する様式で、１つ以上の対向自然弁尖２８より下に、したがって、それらのコアプテーションより下にネオ弁尖３３２Ｂを配置する。この構成は、三尖および僧帽疾患の両方における機能的疾患の場合において示され、弁尖が繋がることを伴い、かつ、弁尖コアプテーションを欠く。この構成では、コアプテーション補助デバイス３２０Ｂは、ループ状心室アンカー３３０が心室２３に位置するときには、ネオ弁尖３３２Ｂのコアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るように構成されている。

これらの角度構成のいずれにおいても、ネオ弁尖３３２Ａおよび３３２Ｂは、可撓性または剛性であり得、かつ、任意選択的には効果的であるために心拍とともに運動（開／閉）してもよい。

ここで図１６Ａ～Ｆを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、コアプテーション補助デバイス４２０の概略図である。以下に記載されるものを除いて、コアプテーション補助デバイス４２０は、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたコアプテーション補助デバイス２０と概して同様である。コアプテーション補助デバイス４２０（そのネオ弁尖およびループ状心室アンカーを含む）は、（ａ）必要な変更を加えて、図３Ａ～Ｋを参照して上記された特徴および図４Ａ～Ｂを参照して上記された特徴を含むコアプテーション補助デバイス２０の特徴のいずれか、ならびに／または、（ｂ）必要な変更を加えて、本明細書に記載のその他のコアプテーション補助デバイスの特徴のいずれかを実装していてもよい。

図１７を追加的に参照すると、該図は、本発明のある応用例による、自然弁２２に埋め込まれたコアプテーション補助デバイス６２０の概略図である。図１７に示されている特定の埋め込みでは、自然弁２２は三尖弁である。図１９は、三尖弁の自然前部弁尖を含む心臓の前部が除去された心臓の断面図であり、中隔弁尖および後部弁尖のみが示されるようになっている。

コアプテーション補助デバイス４２０は、ループ状心室アンカー４３０を有し、該ループ状心室アンカー４３０は典型的には、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定めるアンカーループワイヤーループ４５０を有する。ループ状心室アンカー４３０およびアンカーループワイヤーループ４５０は、必要な変更を加えて、本明細書に記載のループ状心室アンカーおよびアンカーループワイヤーループの特徴のいずれかを実装していてもよい。

いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ４５０（例えば、アンカーループワイヤーループ４５０の周りで測定されたアンカーループワイヤーループ４５０の長さの少なくとも５０％（例えば、少なくとも７５％））は、遠位の略円形部を定める形状である。その他の応用例については、アンカーループワイヤーループ４５０は、別の形状（例えば、本明細書に記載のループ状心室アンカー（および典型的にはアンカーループワイヤーループ）の形状のいずれか）を有する。

コアプテーション補助デバイス４２０はさらに、ネオ弁尖４３２を有し、該ネオ弁尖４３２は、必要な変更を加えて、本明細書に記載のネオ弁尖の特徴のいずれかを実装していてもよい。ループ状心室アンカー４３０は、ネオ弁尖４３２に対して遠位方向に配置される。いくつかの応用例については、ネオ弁尖４３２は、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定めるネオ弁尖ワイヤーループ４３６と、ネオ弁尖ワイヤーループ４３６に取り付けられたネオ弁尖カバー４３８を有する（説明の明確性のため、図１６Ｂにおいては、コアプテーション補助デバイス４２０は、ネオ弁尖４３８および以下に記載の把持器カバー４４４なしで示されている）。ネオ弁尖ワイヤーループ４３６は、必要な変更を加えて、本明細書に記載のネオ弁尖ワイヤーループの特徴のいずれかを実装していてもよく、かつ、ネオ弁尖カバー４３８は、必要な変更を加えて、本明細書の記載のネオ弁尖カバーの特徴のいずれかを各々実装していてもよい。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖４３２は盾状に湾曲して、標的自然弁尖の高さにおいて環状領域をいっそう良好に収容する。この盾形状はまた、１つ以上の対向自然弁尖２８が到達することが容易なコアプテーション表面４３４を提供するであろう。

コアプテーション補助デバイス４２０はさらに、自然弁尖把持器４４０を有し、該自然弁尖把持器４４０は、第１の部分４４２Ａおよび第２の部分４４２Ｂを定める形状であり、該第１の部分４４２Ａおよび第２の部分４４２Ｂは、自然弁尖把持器４４０の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖２６の心房表面３４５および心室表面３４３の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面の各々を把持するように構成されている。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器４４０の第２の部分４４２Ｂは、１つ以上の下部自然弁尖支持体４４７（例えば、図示されているように２つ）を有し、該１つ以上の下部自然弁尖支持体４４７は、アンカーループワイヤーループ４５０が心室２３に位置するときには、標的自然弁尖２６の心室表面３４３の１つ以上の部分を圧迫するように構成されている。いくつかの応用例については、下部自然弁尖支持体４４７は、近位方向に狭くなるアンカーループワイヤーループ４５０のワイヤーから延びる。任意選択的には、下部自然弁尖支持体４４７の最近位部は、ネオ弁尖４３２の最近位部とほぼ同じ高さにある。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器４４０の第１の部分４４２Ａは、把持器カバー４４４を有し、該把持器カバー４４４は、ネオ弁尖カバー４３８と１つ以上の下部自然弁尖支持体４４７との間に配置される。典型的には、把持器カバー４４４は、標的自然弁尖２６の心房表面３４５を押して、標的自然弁尖とコアプテーション補助デバイスとの間の血流を妨げる。これらの応用例のいくつかについては、把持器カバー４４４は、本明細書に記載のワイヤーループの一部であってもよい１つ以上のワイヤーを有していてもよい自然弁尖把持器４４４のフレーム４４５によって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延び、かつ、該空間を部分的または完全に占める（図１６Ｅおよび１６Ｆにおける把持器カバー４４４の陰影は説明の明確性のためのものであり、かつ、把持器カバー４４４がネオ弁尖カバー４３８とは別個の材料のピースまたはネオ弁尖カバー４３８のものとは異なるタイプの材料を有することをほのめかすものではない（それも可能ではあるが））。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖４３２は、下部自然弁尖支持体４４７および任意選択的には１つ以上の追加のワイヤー部分を介してループ状心室アンカー４３０に連結される。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス４２０は、コアプテーション補助デバイスワイヤーループを有し、該コアプテーション補助デバイスワイヤーループは、（ａ）ネオ弁尖４３２、（ｂ）アンカーループワイヤーループ４５０、（ｃ）任意選択的には、１つ以上の下部自然弁尖支持体４４７、および、（ｄ）任意選択的には、自然弁尖把持器４４０のフレーム４４５を少なくとも部分的に定める形状である。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス４２０（例えば、ネオ弁尖カバー４３８）は、１つ以上（例えば、２つ）の交連ポーチまたはパラシュート４７４を有し、該１つ以上の交連ポーチまたはパラシュート４７４は、図１１Ａ～Ｄを参照して上記されたポーチ１５８および／または上記された可撓性パラシュート様コアプテーション表面と同様の様式で、血流および圧力変動に沿って膨張および弛緩するように構成されている。図１１Ａ～Ｄにおけるポーチ４７４は、ネオ弁尖ワイヤーループ４３６およびフレーム４４５上の同じ高さにおいて始まって、各ポーチ４７４の平らな自由縁を有する。図Ｅ～Ｆにおけるポーチ４７４は、フレーム４４５上よりネオ弁尖ワイヤーループ４３６上で低く（ネオ弁尖先端部に近く）始まって、各ポーチ４７４の平らでない自由縁を作り出す。取り付け位置におけるこの相違点は、図１８Ａ～Ｄにおけるよりも図１８Ｅ～Ｆにおいてポーチ４７４のいっそう高い表面をもたらし、膨張したときには、ポーチがいっそう膨張し、かつ、いっそう高い三次元表面を覆い得るようになっている。いっそう高い表面は、いっそう良好な交連領域充填をもたらし得、結果としてかかる領域における血液の逆流が減少する。

ここで図１８Ａ～Ｆを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、自然弁２２を治療するためのコアプテーション補助デバイス５２０の概略図である。自然弁は、典型的には房室弁（すなわち、三尖弁または僧帽弁）である。説明の明確性のために、図１８Ｂは、以下に記載のネオ弁尖カバー５３８または把持器カバー５４４を示していない（コアプテーション補助デバイス５２０は典型的には、これらの要素を有するが）。

図１９を追加的に参照すると、該図は、本発明のある応用例による、自然弁２２に埋め込まれたコアプテーション補助デバイス５２０の概略図である。図１９に示されている特定の埋め込みでは、自然弁２２は三尖弁である。図１９は心臓の断面図であり、三尖弁の自然前部弁尖を含む心臓の前部が除去されており、中隔弁尖および後部弁尖のみが示されるようになっている。以下に記載されるものを除き、コアプテーション補助デバイス５２０は、上記されたコアプテーション補助デバイスと同様であり、かつ、必要な変更を加えて、それらの特徴のいずれかを実装していてもよい。

コアプテーション補助デバイス５２０は、ループ状心室アンカー５３０およびネオ弁尖５３２を有し、該ネオ弁尖５３２は、ループ状心室アンカー５３０から直接延び、かつ、ループ状心室アンカー５３０によって支持される。ループ状心室アンカー５３０は、ネオ弁尖５３２に対して遠位方向に配置される。典型的には、ループ状心室アンカー５３０は、ループ状心室アンカー５３０の境界の少なくとも一部を定めるアンカーループワイヤーループ５５０を有する。アンカーループワイヤーループ５５０は、必要な変更を加えて、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたアンカーループワイヤーループ５０の特徴のいずれかを実装していてもよい。

アンカーループワイヤーループ５５０は、（ａ）心室２３に位置し、心室根尖端部２４へと延びるように構成され、かつ、（ｂ）心室根尖端部２４（任意選択的には、心室根尖端部２４の１つ以上の心室乳頭筋４６を含む）を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている。換言すれば、アンカーループワイヤーループ５５０は、尖端に位置するように構成されている。任意選択的には、周囲の解剖学的構造（それに対して、アンカーループワイヤーループ５５０が係留される）はさらに、次の項目のうちの１つ以上を含む：心室２３の反対側にある、調節帯、１つ以上の腱索および１つ以上の乳頭筋。

典型的には、コアプテーション補助デバイス５２０は、アンカーループワイヤーループ５５０が心室２３に位置するときには、アンカーループワイヤーループ５５０が自然弁尖２２の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５まで延びない（したがって、自然弁尖２２の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５に触れない）ように構成されている。典型的には、心室３３にループ状心室アンカー５３０を位置させることは、アンカーループワイヤーループ５５０が自然弁尖２２の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５まで延びない（したがって、自然弁尖２２の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５に触れない）ように心室３３にループ状心室アンカー５５０を位置させることを有する。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス５２０は、組織を穿通する（例えば、突き刺す）ように構成されたいかなる要素を有さない。その他の応用例については、コアプテーション補助デバイス５２０は、例えば図２０Ａ～Ｂを参照して以下に記載されるように、組織を穿通するように構成された少なくとも１つの要素を有する。

ネオ弁尖５３２は、アンカーループワイヤーループ５５０が心室２３に位置するときには、標的自然弁尖２６と対向する１つ以上の対向自然弁尖２８のためのコアプテーションの表面５３４を提供することによって、自然弁２２の標的自然弁尖２６の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。

いくつかの応用例については、ネオ弁尖５３２は、ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定めるネオ弁尖ワイヤーループ５３６と、ネオ弁尖ワイヤーループ５３６に取り付けられ、かつ、コアプテーション表面５３４を提供するネオ弁尖カバー５３８を有する。ネオ弁尖ワイヤーループ５３６およびネオ弁尖カバー５３８は、必要な変更を加えて、図１Ａ～Ｅおよび２を参照して上記されたネオ弁尖ワイヤーループ３６およびネオ弁尖カバー３８のいずれかの特徴を各々実装していてもよい。

典型的には、アンカーループワイヤーループ５５０は、周囲の解剖学的構造へとアンカーループワイヤーループ５５０により加えられる力（典型的には、半径方向外側に方向付けられた力）によって、かつ／あるいは、アンカーループワイヤーループ５５０と周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって、所定の位置に係留されたままであるように構成されている。いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５５０は、アンカーループワイヤーループ５５０が半径方向外側に延びて力を加えることを引き起こす形状記憶合金（例えば、ニチノール）のような自己拡張可能な材料を有する。これらの応用例については、アンカーループワイヤーループ５５０は典型的には、周囲の解剖学的構造より大きいその静止（弛緩）状態における形状を有し、周囲の解剖学的構造が、アンカーループワイヤーループ５５０の拡張を制限し、かつ、アンカーループワイヤーループ５５０が周囲の解剖学的構造に力を加えるようになっている（かつ、その逆もまた同様である）。

典型的には、ループ状心室アンカー５３０は、周囲の解剖学的構造の組織を穿通しないために、非侵襲的であるように構成されている。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス５２０はさらに、自然弁尖把持器５４０を有し、該自然弁尖把持器５４０は、第１の部分５４２Ａおよび第２の部分５４２Ｂを定める形状であり、該第１の部分５４２Ａおよび第２の部分５４２Ｂは、自然弁尖把持器５４０の第１の部分と第２の部分との間に標的自然弁尖２６の心房表面３４５および心室表面３４３の少なくとも一部を挟むことによって、標的自然弁尖２６の心房表面および心室表面を各々把持するように構成されており、ネオ弁尖５３２を支持し、かつ、自然弁尖２２に関してネオ弁尖５３２を配向する。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器５４０は、図示されているように、ネオ弁尖５３２を介してループ状心室アンカー５３０に連結される。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器５４０の第２の部分５４２Ｂは、１つ以上の下部自然弁尖支持体５４７を有し、該１つ以上の下部自然弁尖支持体５４７は、アンカーループワイヤーループ５５０が心室２３に位置するときには、標的自然弁尖２６の心室表面の１つ以上の部分を圧迫するように構成されている。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器５４０の第１の部分５４２Ａは、把持器カバー５４４を有し、該把持器カバー５４４は、ネオ弁尖カバー５３８と１つ以上の下部自然弁尖支持体５４７との間に配置される。典型的には、把持器カバー５４４は、標的自然弁尖２６の心房表面３４５を押して、標的自然弁尖とコアプテーション補助デバイスとの間の血流を妨げる。これらの応用例のいくつかについては、把持器カバー５４４は、本明細書に記載のワイヤーループの一部であってもよい１つ以上のワイヤーを有していてもよい自然弁尖把持器５４０のフレーム５４５によって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延び、かつ、該空間を部分的または完全に占める（図１８Ｃ、１８Ｅおよび１８Ｆにおける把持器カバー５４４の陰影は説明の明確性のためのものであり、かつ、把持器カバー５４４がネオ弁尖カバー５３８とは別個の材料のピースまたはネオ弁尖カバー５３８のものとは異なるタイプの材料を有することをほのめかすものではない（それも可能ではあるが））。

いくつかの応用例については、自然弁尖把持器５４０はさらに、１つ以上の自然環支持体５４１を有し、該１つ以上の自然環支持体５４１は、自然環に対してネオ弁尖５３２をさらに支持するように構成されている。任意選択的には、自然弁尖把持器５４０はさらに、自然環支持体カバー５５１（図１８Ｆにおいてラベル付けされている）を有し、該自然環支持体カバー５５１は、１つ以上の自然環支持体５４１によって少なくとも部分的に囲まれた空間を部分的または完全に占め、かつ、標的自然弁尖とコアプテーション補助デバイスとの間の血流を妨げるために封止を追加的に提供する。いくつかの応用例については、１つ以上の自然環支持体５４１は、コアプテーション表面５３４が向く方向とは反対方向にネオ弁尖ワイヤーループ５３６から延びる。

典型的には、コアプテーション補助デバイス５２０は、アンカーループワイヤーループ５５０が心室２３に位置し、かつ、自然弁尖把持器５４０が標的自然弁尖２６の心房表面３４５および心室表面３４３を各々把持するときには、アンカーループワイヤーループ５５０が自然弁２２の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５まで延びない（したがって、自然弁２２の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５に触れない）ように構成されている。

いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５５０は、アンカーループワイヤーループ５５０が心室２３に位置するときには、心室根尖端部２４の１つ以上の心室乳頭筋４６に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス５２０は、ネオ弁尖ワイヤーループ５３６およびアンカーループワイヤーループ５５０を少なくとも部分的に定める形状のコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する。

典型的には、アンカーループワイヤーループ５５０は、ネオ弁尖ワイヤーループ５３６より大きい。

いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５５０は、ネオ弁尖ワイヤーループ５３６より可撓性である（例えば、いっそう薄いワイヤーを有することによって）。

いくつかの応用例については、アンカーループワイヤーループ５５０は概して平らであり、かつ、ネオ弁尖ワイヤーループ５３６は、湾曲したコアプテーション表面５３４を定める形状である。

図１８Ｆを参照する。いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス５２０は、拘束されていない（解剖学的構造または送達システムによるものを含む任意の外部の力の印加によって）ときには、（ａ）アンカーループワイヤーループ５５０によって定められるアンカーループ最良適合平面５６２と（ｂ）５３２のコアプテーション表面５３４によって定められるネオ弁尖最良適合平面５６４との間に角度β（ベータ）が定められるように構成されている。典型的には、角度β（ベータ）は２０度未満である。代替的には、アンカーループ最良適合平面５６２およびネオ弁尖最良適合平面５６４は、互いに平行である。典型的には、コアプテーション補助デバイス５２０は、この角度を自動的にとるように構成されている；例えば、デバイスの要素が、例えば摂氏３７度（体温）にて静止した弛緩状態にあるときにデバイスがこの角度をとることを引き起こすように構成されたニチノールのような形状記憶合金を有していてもよい。請求の範囲および発明概念を含む本願で用いられるとき、コアプテーション表面５３４によって定められる「最良適合平面」は、コアプテーション表面の形状にもっともよく一致する平面（コアプテーション表面は、典型的には湾曲しているが）（すなわち、平面とコアプテーション表面との間の距離の二乗の最小和をもたらす平面）である。

本発明のある応用例では、図１８Ａ～Ｆを参照して上記されたコアプテーション補助デバイス５２０ならびに各々図８Ａおよび８Ｂを参照して上記されたコアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂのうちの１つのハイブリッドであるコアプテーション補助デバイスが提供される。当該コアプテーション補助デバイスのループ状心室アンカーは、アンカーループワイヤーループ５５０の代わりに、コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび２２０Ｂにおけるような編組ワイヤーを有する編組フラットシートを有する。当該コアプテーション補助デバイスは、必要な変更を加えて、コアプテーション補助デバイス５２０、コアプテーション補助デバイス２２０Ａおよび／またはコアプテーション補助デバイス２２０Ｂの特徴のいずれかを実装していてもよい。

ここで図２０Ａ～Ｂを参照すると、該図は、本発明のある応用例による、自然弁２２を治療するためのコアプテーション補助デバイス６２０の概略図である。以下に記載されるものを除いて、コアプテーション補助デバイス６２０は、図１８Ａ～Ｆおよび１９を参照して上記されたコアプテーション補助デバイス５２０と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。コアプテーション補助デバイス６２０の特徴はまた、必要な変更を加えて、本明細書に記載のアンカーループワイヤーループにおいて実装されてもよい。

コアプテーション補助デバイス６２０のループ状心室アンカー６３０のアンカーループワイヤーループ６５０が、最遠位部６８０を有し、該最遠位部６８０は、アンカーループワイヤーループ６５０が拘束されていない（解剖学的構造または送達チューブによるものを含む任意の外部の力の印加によって）ときには、アンカーループワイヤーループ６５０の側部６８４Ａおよび６８４Ｂによって定められる最良適合平面６８２から離れるように湾曲し、アンカーループワイヤーループ６５０が心室２３に位置するときには、最遠位部６８０が心室壁２７から離れるように湾曲するようになっている。任意選択的には、最遠位部６８０の最遠位先端部６８６が、ネオ弁尖５３２に向かう方向に部分的に近位方向に向く。最遠位部６８０のこの湾曲は、アンカーループワイヤーループ６５０が異なる心室長さを収用することを助けるであろう。

ここで図２１を参照すると、該図は、本発明のある応用例による、自然弁２２を治療するためのコアプテーション補助デバイス７２０の概略図である。コアプテーション補助デバイス７２０は、必要な変更を加えて、本明細書に記載のその他のコアプテーション補助デバイスの特徴のいずれかを実装していてもよい。

図２２を追加的に参照すると、該図は、本発明の応用例による、自然弁２２に埋め込まれたコアプテーション補助デバイス７２０の概略図である。図２２に示されている特定の埋め込みでは、自然弁２２は三尖弁である。図２２は、中隔弁尖および後部弁尖のみが示されるように三尖弁の自然前部弁尖を含む心臓の前部が除去された、心臓の断面図である。

コアプテーション補助デバイス７２０は、ループ状心室アンカー７３０（すなわち、ループ状の境界を有する心室アンカー）と、ループ状心室アンカー７３０によって支持されたネオ弁尖７３２を有する。ループ状心室アンカー７３０は、ネオ弁尖７３２に対して遠位方向に配置される。

典型的には、ループ状心室アンカー７３０は、ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定めるアンカーループワイヤーループ７５０を有する。ループ状心室アンカー７３０およびアンカーループワイヤーループ７５０は、必要な変更を加えて、本明細書に記載のループ状心室アンカーおよびアンカーループワイヤーループの特徴のいずれかを各々実装していてもよい。典型的には、ループ状心室アンカー７３０は、周囲の解剖学的構造の組織を穿通する（例えば、突き刺す）ことがないように非侵襲的であるように構成されている。この目的のために、ループ状心室アンカー７３０は典型的には、組織を穿通するかも知れないいかなる露出した鋭利な要素を有さない。

アンカーループワイヤーループ７５０は、心室２３に位置し、心室根尖端部２４（心室２３の底部にある）と自然弁２２の標的自然弁尖２６の下部環状表面２５との間を延びるように構成されている。アンカーループワイヤーループ７５０は、図２２に示されているように、下部環状表面２５、心室壁２７および心室根尖端部２４を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている。換言すれば、アンカーループワイヤーループ７５０は、尖端に据え付けられるために、かつ、心室壁２７によって安定化されるために、下部環状表面２５と接触して、標的自然弁尖２６の下および後ろに固定されるように構成されている。典型的には、アンカーループワイヤーループ７５０は、心室根尖端部２４の心室乳頭筋４６の後ろを通り、または、心室根尖端部２４の心室乳頭筋４６を渡って通るように構成されている。任意選択的には、周囲の解剖学的構造（それに対して、アンカーループワイヤーループ７５０が係留される）はさらに、次の項目のうちの１つ以上を含む：心室２３の反対側にある、調節帯、１つ以上の腱索および１つ以上の乳頭筋。

ネオ弁尖７３２は、図２２に示されているように、アンカーループワイヤーループ７５０が心室２３に位置するときには、標的自然弁尖２６と対向する１つ以上の対向自然弁尖２８のためのコアプテーションの表面７３４を提供することによって、標的自然弁尖２６の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている。ネオ弁尖７３２は典型的には、標的自然弁尖２６の少なくとも一部を覆うように構成されており、必要な変更を加えて、本明細書に記載のネオ弁尖の特徴のいずれかを実装していてもよい。

コアプテーション補助デバイス７２０はさらに、自然弁尖交差部７９０を有し、該自然弁尖交差部７９０は、標的自然弁尖２６を貫通する穴を通過して位置するように構成されている（ループ状心室アンカー７３０自体は、上記されたように非侵襲的である（すなわち、周囲の心室解剖学的構造を穿通しない）ように構成されているが）。ネオ弁尖７３２は、自然弁尖交差部７９０を介してループ状心室アンカー７３０に連結される。いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス７２０は、コアプテーション補助デバイスワイヤーループ７９２を有し、該コアプテーション補助デバイスワイヤーループ７９２は、図示されているように、ネオ弁尖７３２、ループ状心室アンカー７３０および自然弁尖交差部７９０を少なくとも部分的に定める形状である。

いくつかの応用例については、コアプテーション補助デバイス７２０は、図１Ｅに示されているコアプテーション補助デバイス２０の平らな構成と同様に、細長い平らな構成へと延ばされ、かつ、平らにされ得る。平らにされた後、コアプテーション補助デバイス７２０は、必要な変更を加えて、図９Ａ～Ｈを参照して上記された送達のためにクリンプされ、かつ、その後で送達チューブ３０４の中へとローディングされ得る。

図９Ａ～Ｈを参照して上記された送達方法とは異なり、ループ状心室アンカー７３０の送達の最中、送達システム（例えば、その針）は、典型的には中央であって自然環の近くに標的自然弁尖２６を貫通する穴９７４を形成するために用いられる。ループ状心室アンカー７３０は、自然弁尖の心房側から心室側へと穴７９４を通過し（典型的には、まだ送達チューブに配置されている間に）、かつ、送達チューブから配備され、心室において拡張することが可能とされる。後に続いて、ネオ弁尖７３２は、自然弁尖の心房側で、送達チューブから心室の中へと配備され、ネオ弁尖が標的自然弁尖２６の心房表面の少なくとも一部を覆うようになっている。

図２３は、本発明の応用例による、自然僧帽弁２２に埋め込まれたコアプテーション補助デバイスの概略図である。

本明細書に記載のコアプテーション補助デバイスは、自然房室弁を治療するように構成されたものとして記載されてきたが、それらは代替的には、大動脈弁または肺動脈弁のようなその他の自然弁を治療するように構成されていてもよい。いくつかのかかる応用例については、ループ状心室アンカーは逆さまに配置され、アンカーループワイヤーループは流出動脈（すなわち、大動脈根および肺動脈の各々）に配置され、把持器は自然弁の尖端のうちの１つを把持する。

本発明の範囲は、本願の譲受人に譲渡され、かつ、参照によって本明細書に組み込まれる以下の出願に記載の実施形態を含む。ある実施形態では、以下の出願の１つ以上に記載の技術および装置が、本明細書に記載の技術および装置と組み合わされる：
・ 米国特許出願公開第２０１６／０３０２９１７号
・ 米国特許出願公開第２０１９／０３５０７０５号

本発明は、具体的に図示され、かつ、上記されたものに限定されないことが当業者によって把握されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記された種々の特徴の組み合わせ、および、部分的組み合わせの両方、ならびに、上記の説明を読んだ当業者が想起する先行技術にはない変形および修正を含む。

Claims (115)

1. 被験者の自然房室弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスであって、当該コアプテーション補助デバイスは：
   アンカーループワイヤーループを有するループ状心室アンカーを有し、該アンカーループワイヤーループは、（ｉ）前記ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定め、かつ、（ｉｉ）（ａ）心室に位置して、心室根尖端部と前記自然房室弁の標的自然弁尖の下部環状表面との間を延びるように構成されており、かつ、（ｂ）前記下部環状表面、心室壁および前記心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されており；かつ、
   ネオ弁尖を有し、該ネオ弁尖は、前記ループ状心室アンカーによって支持され、かつ、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、
   前記コアプテーション補助デバイス。
2. 前記ループ状心室アンカーが、前記の周囲の解剖学的構造へと前記アンカーループワイヤーループにより加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
3. 前記ループ状心室アンカーが、前記の周囲の解剖学的構造へと前記アンカーループワイヤーループにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項２に記載のコアプテーション補助デバイス。
4. 前記ループ状心室アンカーが、前記アンカーループワイヤーループと前記の周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
5. 前記ループ状心室アンカーが、前記の周囲の解剖学的構造の組織を穿通しないために非侵襲的であるように構成されている、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
6. 当該コアプテーション補助デバイスが、組織を穿通するように構成されたいかなる要素も有さない、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
7. 前記アンカーループワイヤーループが、前記ループ状心室アンカーの前記境界全体を定める閉ループの形状である、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
8. 前記アンカーループワイヤーループが金属を有する、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
9. 前記アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、前記アンカーループワイヤーループの長さの少なくとも５０％に沿って湾曲し、該長さは前記アンカーループワイヤーループの周りで測定される、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
10. 前記アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、前記アンカーループワイヤーループの前記長さの少なくとも７５％に沿って湾曲する、請求項９に記載のコアプテーション補助デバイス。
11. 前記アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、楕円形の少なくとも７５％の形状である、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
12. 前記ループ状心室アンカーがさらに、前記アンカーループワイヤーループ上の２つの部位において前記アンカーループアンカーループに連結された、少なくとも１つの支持ワイヤーを有する、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
13. 前記アンカーループワイヤーループが、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記下部環状表面、前記心室壁および前記心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
14. 前記アンカーループワイヤーループが、２つ以上の葉を定める形状である、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
15. 前記アンカーループワイヤーループが、ちょうど２つの葉を定める形状である、請求項１４に記載のコアプテーション補助デバイス。
16. 前記被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、前記コアプテーション表面が前記被験者の心周期を通して概して静止しているように前記ネオ弁尖が構成されている、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
17. 前記被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、前記被験者の心周期の最中、前記コアプテーション表面が前記の１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、前記の１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するように前記ネオ弁尖が構成されている、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
18. 前記ネオ弁尖が、前記ループ状心室アンカーから直接延びる、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
19. 前記コアプテーション表面が、２～２０ｃｍ２の面積を有する、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
20. 前記アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、前記アンカーループワイヤーループの側部によって定められる最良適合平面から離れるように湾曲する最遠位部を含む、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
21. 前記アンカーループワイヤーループが、前記アンカーループワイヤーループが心室に位置するときには、前記心室壁から離れるように湾曲するように構成された最遠位部を含む、請求項１に記載のコアプテーション補助デバイス。
22. 自然弁尖把持器をさらに有し、該自然弁尖把持器は、前記ネオ弁尖を支持するために前記標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、前記自然房室弁に関して前記ネオ弁尖を配向するように構成されている、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
23. 前記ネオ弁尖が、前記自然弁尖把持器を介して前記ループ状心室アンカーに連結される、請求項２２に記載のコアプテーション補助デバイス。
24. 前記ネオ弁尖および前記自然弁尖把持器を少なくとも部分的に定める形状であるワイヤーループを有する、請求項２３に記載のコアプテーション補助デバイス。
25. 前記自然弁尖把持器が、第１の部分および第２の部分を定める形状であり、該第１の部分および第２の部分は、前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分と前記の第２の部分との間に前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面を把持するように構成されている、請求項２２に記載のコアプテーション補助デバイス。
26. 前記の第１の部分および前記の第２の部分が、前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分と前記の第２の部分との間に前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面の前記の少なくとも一部を挟むことによって、前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面を把持するために、互いに向かって折り重なるように構成されている、請求項２５に記載のコアプテーション補助デバイス。
27. 前記自然弁尖把持器が、前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分と前記の第２の部分との間の折り目に第３の部分をさらに定める形状であり、かつ、
    前記自然弁尖把持器の前記の第３の部分は、前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分および前記の第２の部分が前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面の前記の少なくとも一部を挟むときには、前記標的自然弁尖の自由縁の周りを延びるように構成されている、
    請求項２６に記載のコアプテーション補助デバイス。
28. 前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分が、前記ループ状心室アンカーにピボット回転可能に連結され、
    前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分が、前記自然弁尖把持器の前記の第２の部分にピボット回転可能に連結され、かつ、
    前記自然弁尖把持器の前記の第２の部分が、前記ネオ弁尖にピボット回転可能に連結される
    ように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、
    請求項２５に記載のコアプテーション補助デバイス。
29. 前記自然弁尖把持器が、１つ以上の下部自然弁尖支持体を有し、該１つ以上の下部自然弁尖支持体は、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記標的自然弁尖の前記心室表面の１つ以上の部分を圧迫するように構成されている、請求項２２に記載のコアプテーション補助デバイス。
30. 前記自然弁尖把持器がさらに、１つ以上の上部環状支持体を有し、該１つ以上の上部環状支持体は、前記標的自然弁尖の心房表面を圧迫するように構成されており、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記の１つ以上の下部自然弁尖支持体および前記の１つ以上の上部環状支持体が前記標的自然弁尖を挟み、かつ、把持するようになっている、請求項２９に記載のコアプテーション補助デバイス。
31. 前記自然弁尖把持器が１つ以上の上部環状支持体を有し、該１つ以上の上部環状支持体は、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記標的自然弁尖の心房表面を圧迫するように構成されている、請求項２２に記載のコアプテーション補助デバイス。
32. 前記心室壁が心室中隔壁であり、かつ、前記アンカーループワイヤーループが、前記下部環状表面、前記心室中隔壁および前記心室根尖端部を含む前記の周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
33. 前記自然房室弁が三尖弁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記三尖弁の前記の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
34. 前記標的自然弁尖が前記三尖弁の自然中隔弁尖であり、前記心室壁が心室中隔壁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置し、かつ、前記下部環状表面、前記心室中隔壁および前記心室根尖端部を含む前記の周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、前記三尖弁の前記対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記中隔弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項３３に記載のコアプテーション補助デバイス。
35. 前記自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記僧帽弁の前記対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
36. 前記標的自然弁尖が前記僧帽弁の自然前部弁尖であり、前記心室壁が心室中隔壁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置し、かつ、前記下部環状表面、前記心室中隔壁および前記心室根尖端部を含む前記の周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、前記僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項３５に記載のコアプテーション補助デバイス。
37. 前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記ネオ弁尖の前記コアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
38. 前記ループ状心室アンカーがさらに、前記アンカーループワイヤーループに取り付けられたアンカーループカバーを有する、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
39. 前記アンカーループカバーが、前記アンカーループワイヤーループによって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延びる材料の１枚以上の薄いシートを有する、請求項３８に記載のコアプテーション補助デバイス。
40. 前記アンカーループカバーが編組ワイヤーを有する、請求項３８に記載のコアプテーション補助デバイス。
41. 前記アンカーループカバーが、前記アンカーループワイヤーループ上にコーティングを有する、請求項３８に記載のコアプテーション補助デバイス。
42. 前記ネオ弁尖および前記アンカーループワイヤーループを少なくとも部分的に定める形状であるコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
43. 前記コアプテーション補助デバイスワイヤーループが、自然弁尖把持器をさらに少なくとも部分的に定める形状であり、該自然弁尖把持器は、前記ネオ弁尖を支持するために前記標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、前記自然房室弁に関して前記ネオ弁尖を配向するように構成されている、請求項４２に記載のコアプテーション補助デバイス。
44. 前記コアプテーション補助デバイスワイヤーループが、前記ネオ弁尖と前記ループ状心室アンカーとの間で前記コアプテーション補助デバイスワイヤーループに沿って前記自然弁尖把持器を少なくとも部分的に定める形状である、請求項４３に記載のコアプテーション補助デバイス。
45. 前記ネオ弁尖が、ネオ弁尖ワイヤーループおよびネオ弁尖カバーを有し、前記ネオ弁尖ワイヤーループは、前記ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定め、前記ネオ弁尖カバーは、前記ネオ弁尖ワイヤーループに取り付けられ、かつ、前記のコアプテーションの表面を提供する、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
46. 当該コアプテーション補助デバイスが、拘束されていないときには、（ａ）前記アンカーループワイヤーループによって定められるアンカーループ最良適合平面と（ｂ）前記ネオ弁尖ワイヤーループによって定められるネオ弁尖最良適合平面との間に角度が定められ、該角度が６０～１００度であるように構成されている、請求項４５に記載のコアプテーション補助デバイス。
47. 前記角度が８０～９０度である、請求項４６に記載のコアプテーション補助デバイス。
48. 当該コアプテーション補助デバイスが、拘束されていないときには、（ａ）前記アンカーループワイヤーループによって定められるアンカーループ最良適合平面と（ｂ）前記ネオ弁尖ワイヤーループによって定められるネオ弁尖最良適合平面との間に角度が定められ、該角度が１５～５０度であるように構成されている、請求項４５に記載のコアプテーション補助デバイス。
49. 前記角度が３５～４５度である、請求項４８に記載のコアプテーション補助デバイス。
50. さらにポーチを有し、該ポーチは、前記標的自然弁尖の心室表面および前記自然房室弁の環のうちの１つ以上に当該コアプテーション補助デバイスを押し当てるために、前記被験者の心臓の心周期の最中に血流によって膨張し、そのことによって、前記自然房室弁に関して当該コアプテーション補助デバイスを安定化させるように構成されている、請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
51. 当該コアプテーション補助デバイスがさらに、自然弁尖把持器を有し、該自然弁尖把持器は、前記ネオ弁尖を支持するために前記標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、前記自然房室弁に関して前記ネオ弁尖を配向するように構成されており、かつ、
    前記ポーチが前記自然弁尖把持器によって定められる、
    請求項５０に記載のコアプテーション補助デバイス。
52. 前記自然弁尖把持器が第１の部分および第２の部分を定める形状であり、該第１の部分および第２の部分は、前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分と前記の第２の部分との間に前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面を把持するように構成されており、かつ、
    前記ポーチが、前記自然弁尖把持器の前記の第２の部分の心室側を向いた表面によって定められる、
    請求項５１に記載のコアプテーション補助デバイス。
53. 当該コアプテーション補助デバイスがさらに、自然弁尖交差部を有し、該自然弁尖交差部は、前記標的自然弁尖を貫通する穴を通過して位置するように構成されており、かつ、
    前記ネオ弁尖が、前記自然弁尖交差部を介して前記ループ状心室アンカーに連結される、
    請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
54. 当該コアプテーション補助デバイスが、前記ネオ弁尖、前記ループ状心室アンカーおよび前記自然弁尖交差部を少なくとも部分的に定める形状であるコアプテーション補助デバイスワイヤーループを有する、請求項５３に記載のコアプテーション補助デバイス。
55. 請求項１～２１のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイスを有するシステムであって、当該システムはさらに、送達チューブであって、その中に前記コアプテーション補助デバイスが前記被験者の心臓への最小限に侵襲的または経皮的な送達のために圧縮された構成にて取り外し可能に配置される前記送達チューブを有する、前記システム。
56. 被験者の自然房室弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスであって、当該コアプテーション補助デバイスは：
    アンカーループワイヤーループを有するループ状心室アンカーを有し、該アンカーループワイヤーループは、（ｉ）前記ループ状心室アンカーの境界の少なくとも一部を定め、かつ、（ｉｉ）（ａ）心室に位置して、心室根尖端部へと延びるように構成されており、かつ、（ｂ）前記心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されており；かつ、
    ネオ弁尖を有し、該ネオ弁尖は、前記ループ状心室アンカーから直接延び、かつ、前記ループ状心室アンカーによって支持され、かつ、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記自然房室弁の標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、
    前記コアプテーション補助デバイス。
57. 前記ループ状心室アンカーが、前記の周囲の解剖学的構造へと前記アンカーループワイヤーループにより加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
58. 前記ループ状心室アンカーが、前記の周囲の解剖学的構造へと前記アンカーループワイヤーループにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項５７に記載のコアプテーション補助デバイス。
59. 前記ループ状心室アンカーが、前記アンカーループワイヤーループと前記の周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
60. 前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記アンカーループワイヤーループが前記標的自然弁尖の下部環状表面まで延びないように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
61. 前記ループ状心室アンカーが、前記の周囲の解剖学的構造の組織を穿通しないために非侵襲的であるように構成されている、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
62. 当該コアプテーション補助デバイスが、組織を穿通するように構成されたいかなる要素も有さない、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
63. 前記アンカーループワイヤーループが金属を有する、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
64. 前記アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、前記アンカーループワイヤーループの長さの少なくとも５０％に沿って湾曲し、該長さは前記アンカーループワイヤーループの周りで測定される、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
65. 前記アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、前記アンカーループワイヤーループの前記長さの少なくとも７５％に沿って湾曲する、請求項６４に記載のコアプテーション補助デバイス。
66. 前記アンカーループワイヤーループが、拘束されていないときには、楕円形の少なくとも７５％の形状である、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
67. 前記ループ状心室アンカーがさらに、前記アンカーループワイヤーループ上の２つの部位において前記アンカーループアンカーループに連結された、少なくとも１つの支持ワイヤーを有する、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
68. 前記アンカーループワイヤーループが、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
69. 前記アンカーループワイヤーループが、２つ以上の葉を定める形状である、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
70. 前記アンカーループワイヤーループが、ちょうど２つの葉を定める形状である、請求項６９に記載のコアプテーション補助デバイス。
71. 前記被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、前記コアプテーション表面が前記被験者の心周期を通して概して静止しているように前記ネオ弁尖が構成されている、発明概念５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
72. 前記コアプテーション表面が、２～２０ｃｍ２の面積を有する、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
73. 前記被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、前記被験者の心周期の最中、前記コアプテーション表面が前記の１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、前記の１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するように前記ネオ弁尖が構成されている、請求項５６に記載のコアプテーション補助デバイス。
74. 自然弁尖把持器をさらに有し、該自然弁尖把持器は、前記ネオ弁尖を支持するために前記標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、前記自然房室弁に関して前記ネオ弁尖を配向するように構成されている、請求項５６～７３のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
75. 前記自然弁尖把持器が、前記ネオ弁尖を介して前記ループ状心室アンカーに連結される、請求項７４に記載のコアプテーション補助デバイス。
76. 前記自然弁尖把持器が、１つ以上の下部自然弁尖支持体を有し、該１つ以上の下部自然弁尖支持体は、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記標的自然弁尖の前記心室表面の１つ以上の部分を圧迫するように構成されている、請求項７４に記載のコアプテーション補助デバイス。
77. 前記自然弁尖把持器がさらに、１つ以上の上部環状支持体を有し、該１つ以上の上部環状支持体は、前記標的自然弁尖の心房表面を圧迫するように構成されており、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記の１つ以上の下部自然弁尖支持体および前記の１つ以上の上部環状支持体が前記標的自然弁尖を挟み、かつ、把持するようになっている、請求項７６に記載のコアプテーション補助デバイス。
78. 前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置し、かつ、前記自然弁尖把持器が前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面を把持するときには、前記アンカーループワイヤーループが前記標的自然弁尖の下部環状表面まで延びないように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、請求項７４に記載のコアプテーション補助デバイス。
79. 前記自然房室弁が三尖弁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記三尖弁の前記の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項５６～７３のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
80. 前記標的自然弁尖が前記三尖弁の自然中隔弁尖であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置し、かつ、前記心室根尖端部を含む前記の周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、前記三尖弁の前記対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記中隔弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項７９に記載のコアプテーション補助デバイス。
81. 前記自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記僧帽弁の前記対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項５６～７３のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
82. 前記標的自然弁尖が前記僧帽弁の自然前部弁尖であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置し、かつ、前記心室根尖端部を含む前記の周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、前記僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項８１に記載のコアプテーション補助デバイス。
83. 前記アンカーループワイヤーループが前記心室に位置するときには、前記ネオ弁尖の前記コアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、請求項５６～７３のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
84. 前記ループ状心室アンカーがさらに、前記アンカーループワイヤーループに取り付けられたアンカーループカバーを有する、請求項５６～７３のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
85. 前記アンカーループカバーが、前記アンカーループワイヤーループによって少なくとも部分的に囲まれた空間を渡って延びる材料の１枚以上の薄いシートを有する、請求項８４に記載のコアプテーション補助デバイス。
86. 前記アンカーループカバーが編組ワイヤーを有する、請求項８４に記載のコアプテーション補助デバイス。
87. 前記アンカーループカバーが、前記アンカーループワイヤーループ上にコーティングを有する、請求項８４に記載のコアプテーション補助デバイス。
88. 前記ネオ弁尖および前記ループ状心室アンカーを少なくとも部分的に定める形状であるネオ弁尖ワイヤーループを有する、請求項５６～７３のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
89. 前記ネオ弁尖が、ネオ弁尖ワイヤーループおよびネオ弁尖カバーを有し、前記ネオ弁尖ワイヤーループは、前記ネオ弁尖の境界の少なくとも一部を定め、前記ネオ弁尖カバーは、前記ネオ弁尖ワイヤーループに取り付けられ、かつ、前記のコアプテーションの表面を提供する、請求項５６～７３のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
90. 請求項５６～７３のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイスを有するシステムであって、当該システムはさらに、送達チューブであって、その中に前記コアプテーション補助デバイスが前記被験者の心臓への最小限に侵襲的または経皮的な送達のために圧縮された構成にて取り外し可能に配置される前記送達チューブを有する、前記システム。
91. 被験者の自然房室弁を治療するためのコアプテーション補助デバイスであって、当該コアプテーション補助デバイスは：
    ループ状心室アンカーを有し、該ループ状心室アンカーは、（ｉ）編組ワイヤーを有する編組フラットシートを有し、かつ、（ｉｉ）（ａ）心室に位置して、心室根尖端部と前記自然房室弁の標的自然弁尖の下部環状表面との間を延びるように構成されており、かつ、（ｂ）前記下部環状表面、心室壁および前記心室根尖端部を含む周囲の解剖学的構造へと前記ループ状心室アンカーによって加えられる力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されており；かつ、
    ネオ弁尖を有し、該ネオ弁尖は、前記ループ状心室アンカーによって支持され、かつ、前記ループ状心室アンカーが前記心室に位置するときには、前記標的自然弁尖と対向する１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、
    前記コアプテーション補助デバイス。
92. 前記ループ状心室アンカーが、前記の周囲の解剖学的構造へと前記ループ状心室アンカーにより加えられる半径方向外側に方向付けられた力によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
93. 前記ループ状心室アンカーが、前記ループ状心室アンカーと前記の周囲の解剖学的構造との間の摩擦によって所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
94. 前記ループ状心室アンカーが、前記の周囲の解剖学的構造の組織を穿通しないために非侵襲的であるように構成されている、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
95. 当該コアプテーション補助デバイスが、組織を穿通するように構成されたいかなる要素も有さない、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
96. 前記編組ワイヤーが金属を有する、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
97. 前記ループ状心室アンカーが、拘束されていないときには、楕円形の少なくとも７５％の形状である、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
98. 前記ループ状心室アンカーが、前記ループ状心室アンカーが前記心室に位置するときには、前記下部環状表面、前記心室壁および前記心室根尖端部の１つ以上の心室乳頭筋に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
99. 前記被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、前記コアプテーション表面が前記被験者の心周期を通して概して静止しているように前記ネオ弁尖が構成されている、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
100. 前記コアプテーション表面が、２～２０ｃｍ２の面積を有する、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
101. 拘束されていないときには、
     （ａ）前記アンカーループワイヤーループによって定められるアンカーループ最良適合平面と（ｂ）前記コアプテーション表面によって定められるネオ弁尖最良適合平面との間に角度が定められ、該角度が２０度未満であるか、または、
     前記アンカーループ最良適合平面および前記ネオ弁尖最良適合平面が互いに平行であるか
     のいずれかであるように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、
     請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
102. 前記被験者の心臓への当該コアプテーション補助デバイスの埋め込みの際に、前記被験者の心周期の最中、前記コアプテーション表面が前記の１つ以上の対向自然弁尖に向かうように、かつ、前記の１つ以上の対向自然弁尖から離れるように移動するように前記ネオ弁尖が構成されている、請求項９１に記載のコアプテーション補助デバイス。
103. 自然弁尖把持器をさらに有し、該自然弁尖把持器は、前記ネオ弁尖を支持するために前記標的自然弁尖の心房表面および心室表面を把持するように構成されており、かつ、前記自然房室弁に関して前記ネオ弁尖を配向するように構成されている、請求項９１～１０２のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
104. 前記ネオ弁尖が、前記自然弁尖把持器を介して前記ループ状心室アンカーに連結される、請求項１０３に記載のコアプテーション補助デバイス。
105. 前記自然弁尖把持器が、第１の部分および第２の部分を定める形状であり、該第１および第２の部分は、前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分と前記の第２の部分との間に前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面の少なくとも一部を挟むことによって、前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面を把持するように構成されている、請求項１０３に記載のコアプテーション補助デバイス。
106. 前記の第１の部分および前記の第２の部分が、前記自然弁尖把持器の前記の第１の部分と前記の第２の部分との間に前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面の前記の少なくとも一部を挟むことによって、前記標的自然弁尖の前記心房表面および前記心室表面を把持するために、互いに向かって折り重なるように構成されている、請求項１０５に記載のコアプテーション補助デバイス。
107. 前記心室壁が心室中隔壁であり、かつ、前記ループ状心室アンカーが、前記下部環状表面、前記心室中隔壁および前記心室根尖端部を含む前記の周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるように構成されている、請求項９１～１０２のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
108. 前記自然房室弁が三尖弁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記ループ状心室アンカーが前記心室に位置するときには、前記三尖弁の前記の１つ以上の対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項９１～１０２のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
109. 前記標的自然弁尖が前記三尖弁の自然中隔弁尖であり、前記心室壁が心室中隔壁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記ループ状心室アンカーが前記心室に位置し、かつ、前記下部環状表面、前記心室中隔壁および前記心室根尖端部を含む前記の周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、前記三尖弁の前記対向自然後部弁尖および前部弁尖のうちの１つ以上のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記中隔弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項１０８に記載のコアプテーション補助デバイス。
110. 前記自然房室弁が僧帽弁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記ループ状心室アンカーが前記心室に位置するときには、前記僧帽弁の前記対向自然弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記標的自然弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項９１～１０２のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
111. 前記標的自然弁尖が前記僧帽弁の自然前部弁尖であり、前記心室壁が心室中隔壁であり、かつ、前記ネオ弁尖が、前記ループ状心室アンカーが前記心室に位置し、かつ、前記下部環状表面、前記心室中隔壁および前記心室根尖端部を含む前記の周囲の解剖学的構造に対して所定の位置に係留されたままであるときには、前記僧帽弁の対向自然後部弁尖のためのコアプテーションの表面を提供することによって、前記自然前部弁尖の機能に少なくとも部分的に取って代わるように構成されている、請求項１１０に記載のコアプテーション補助デバイス。
112. 前記ループ状心室アンカーが前記心室に位置するときには、前記ネオ弁尖の前記コアプテーション表面が自然弁状平面の心房側から心室側へと横切るように当該コアプテーション補助デバイスが構成されている、請求項９１～１０２のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
113. 前記ループ状心室アンカーがさらに、アンカーカバーを有し、該アンカーカバーは、前記編組フラットシートの全部または一部に取り付けられ、かつ、前記編組フラットシートの全部または一部を覆う、請求項９１～１０２のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイス。
114. 前記アンカーループカバーが、前記編組フラットシートに取り付けられた材料の１枚以上の薄いシートを有する、請求項１１３に記載のコアプテーション補助デバイス。
115. 請求項９１～１０２のいずれか一項に記載のコアプテーション補助デバイスを有するシステムであって、当該システムはさらに、送達チューブであって、その中に前記コアプテーション補助デバイスが前記被験者の心臓への最小限に侵襲的または経皮的な送達のために圧縮された構成にて取り外し可能に配置される前記送達チューブを有する、前記システム。

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