JP2022522939A - 産業環境におけるエネルギー消費量を診断する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品 - Google Patents

産業環境におけるエネルギー消費量を診断する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品 Download PDF

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Abstract

産業プラントのエネルギー消費量を診断するコンピュータ実装方法が、複数の時点において産業プラントの少なくとも1つのレベルからセンサデータを複数のセンサで取り込む段階であって、上記複数のセンサはエネルギー測定センサを含む、取り込む段階と、上記センサデータから複数のエネルギー消費曲線xjをデジタル的に求める段階であって、エネルギー消費曲線は所定の期間Tに沿って、上記期間Tを分割した時間間隔Δtに対応するエネルギー消費量の個別の値を表している、取得する段階と、上記複数のエネルギー消費曲線xjから、複数のK個のエネルギー消費パターンCkをデジタル的に演算処理するためにクラスタリングアルゴリズムを適用する段階であって、それぞれのエネルギー消費パターンCkは類似性指標に従って一緒にグループ化されたエネルギー消費曲線xjの集合を表しており、それぞれのエネルギー消費パターンCkは上記期間Tを分割した上記時間間隔Δtに対応するエネルギー消費量の個別の値を含む、適用する段階と、産業プラントの上記少なくとも1つのレベルにおける上記期間Tにおいて実現される生産量のデータを取り込む段階と、各パターンに属するエネルギー消費曲線ごとに、上記期間Tにおけるエネルギー消費量の個別の値の総和を計算し、こうして上記期間Tにおけるエネルギー消費曲線ごとの総エネルギー消費量を求める段階と、上記期間Tにおけるエネルギー消費曲線ごとの総エネルギー消費量と取り込まれた上記生産量のデータとの関係をデジタル的に設定する段階とを備える。

Description

本発明は、産業環境におけるエネルギー消費量の監視及び分析の分野に関する。
過去数十年の間に、ほぼ全ての国でエネルギー効率が、公式のエネルギー政策目標になっている。産業環境及び他の建造物におけるエネルギー効率の改善に関する議論は、生産者及び消費者のエネルギーコスト削減、エネルギー供給のセキュリティ、快適さの向上、温室効果ガス排出の低減、及び持続可能な開発目標への多大な貢献に重点を置いている。
産業界では、エネルギー効率の改善が、提供されるサービスのレベルに影響を与えずに、単位出力当たりのエネルギー使用を削減する、生産者によって行われるあらゆる行動とみなされることになる。したがって、エネルギー効率の改善は、様々なレベルの産業環境のあらゆる段階で考慮されてよい。
今日、いわゆるIndustry 4.0では、ビッグデータのフレームワーク及びインフラストラクチャに基づくデータ駆動型ソリューションを含むサイバーフィジカルシステム(CPS)を実装することによって、組み込み知能が用いられると予見されている。例えば、Lee J.、Kao H. A.、及びYang S.による「Service innovation and smart analytics for Industry 4.0 and big data environment(Industry 4.0及びビッグデータ環境向けのサービス革新とスマート分析)」(The 6th CIRP Conference on Industrial Product-Service Systems, Elsevier, 第16巻、3~8ページ、2014年)には、適応型学習アルゴリズムを用いて、機械劣化及び物理的世界での性能挙動を表すCPSが開示されている。
Bhatnager R.及びRao Ch.による「Energy Resource Management Based on Data Mining and Artificial Intelligence(データマイニング及び人工知能に基づくエネルギー資源管理)」(ACEEE Summer Study on Energy Efficiency in Industry、2005年)には、ユーティリティ消費の代表的な時間的挙動とその発生頻度を求めるためのデータマイニングアルゴリズム一式が説明されている。したがって、ある装置に対応する電力消費の様々なプロファイルに対して、当該装置の関連使用パターンが求められる。しかしながら、提案された手法では、産業プラント全体の統合エネルギー管理を行うことはできない。
したがって、産業プラントのエネルギー管理の改良方法を開発する必要性がある。
本開示で説明される、産業環境でのエネルギー消費量を診断するためのコンピュータ実装方法及びシステムは、そのための先行技術による方法及びシステムの欠点を解決することを目的としている。
本開示の方法は、産業プラントのエネルギー消費量の分析及び診断を一体的に行う。本発明の実施形態では、産業プラントは、ユーティリティの接続ポイントの観点からすれば、様々な二次計量レベルでグループ化された負荷の集合体とみなされてよい。IoT(モノのインターネット)の展開のおかげで、計器やゲートウェイのような機器による、様々な物理量の測定及び産業部品の接続が可能になり、二次計量レベルでのデータ収集が可能になる。これまで監視することも相関を確認することもできなかったパターン及び生産量データの分析を通じて、エネルギー挙動を解明することができる。本発明の実施形態では、生産工程でのエネルギー非効率性も検出することができ、これらの非効率性の原因を診断することができる。したがって、本開示の方法により、発見されたエネルギー挙動が生産量変更に起因するのかどうかを評価することができる。
本発明の第1態様は、産業プラントのエネルギー消費量を診断するコンピュータ実装方法に関する。本方法は、複数の時点において複数のセンサを用いて、産業プラントの少なくとも1つのレベルからセンサデータを取り込む段階であって、上記複数のセンサはエネルギー測定センサを含む、取り込む段階と、上記センサデータから複数のエネルギー消費曲線xをデジタル的に求める段階であって、j=0、1、2、…、J-1であり、Jは自然数であり、エネルギー消費曲線は所定の期間Tに沿って、上記期間Tを分割した時間間隔Δtに対応するエネルギー消費量の個別の値を表している、求める段階と、上記複数のエネルギー消費曲線xから、複数のK個のエネルギー消費パターンCをデジタル的に演算処理するためにクラスタリングアルゴリズムを適用する段階であって、k=0、1、2、…、K-1であり、Kは自然数であり、K<Jであり、それぞれのエネルギー消費パターンCは類似性指標に従って一緒にグループ化されたエネルギー消費曲線xの集合を表しており、それぞれのエネルギー消費パターンCは上記期間Tを分割した上記時間間隔Δtに対応するエネルギー消費量の個別の値を含む、適用する段階と、産業プラントの上記少なくとも1つのレベルにおける上記期間Tにおいて実現される生産量のデータを取り込む段階と、各パターンに属するエネルギー消費曲線ごとに、上記期間Tにおけるエネルギー消費量の個別の値の総和を計算し、こうして上記期間Tにおけるエネルギー消費曲線ごとの総エネルギー消費量を求める段階と、上記期間Tにおけるエネルギー消費曲線ごとの総エネルギー消費量と取り込まれた上記生産量のデータとの関係をデジタル的に設定する段階とを備える。
本発明の実施形態において、複数のセンサを用いて産業プラントの少なくとも1つのレベルからセンサデータを取り込む段階は、時間間隔Δtで分割された周期的時点で行われる。
本発明の実施形態において、産業プラントの少なくとも1つのレベルは、産業プラント、ライン、工程、機械、又は機械の構成要素のうちの少なくとも1つである。
本発明の実施形態において、それぞれのエネルギー消費パターンCは、上記パターンに属するそれぞれのエネルギー消費曲線xの各成分xijの平均値として計算される。
本発明の実施形態において、クラスタリングアルゴリズムは、クラスタを形成する要素とその対応するパターンとの距離を最小にするために次の反復プロセスを適用する。
Figure 2022522939000002
ここで、xijはj番目のエネルギー消費曲線xのi番目の成分であり、Cik は時点tにおけるk番目のエネルギー消費パターンのi番目の成分であり、Kはエネルギー消費パターンの総数であり、Iは全期間内の測定値の数であり、曲線x(j=1、…、J)の集合全体の最適数K個のパターンは、曲線の集合からの選択の全分散により分類されたグループ間の分散の表現における最大偏差のポイントによって与えられ、すなわち、
Figure 2022522939000003
となる。ここで、VARinはグループ又はクラスタの要素間の分散であり、VARin
Figure 2022522939000004
と定義され、Kはエネルギー消費パターンの総数、すなわち、グループに定められた類似性指標により関連づけられたエネルギー消費曲線のグループの総数であり、nはk番目のグループ又は曲線を形成する要素の数であり、C はk番目のグループの曲線の特性パターンであり、
Figure 2022522939000005
はエネルギー消費曲線の選択全体の平均パターンである。
本発明の実施形態では、新たな期間Tにおいてセンサデータから求められた新たなエネルギー消費曲線について、現在のパターンに対する類似性/相違性の程度が、新たなエネルギー消費曲線と既に定められているK個のパターンとを比較することにより診断され、新たなエネルギー消費曲線が類似性指標に関して、既定のパターンに数学的に一致する場合には、新たなエネルギー消費曲線が一致する上記パターンに上記新たなエネルギー消費曲線が属すると判定される。
本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線が類似性指標に関して、既定のパターンに数学的に一致する場合、新たなエネルギー消費曲線は、当該パターンによって表されるクラスタに属するエネルギー消費曲線の全てとデジタル的に比較され、こうして、新たな曲線は最大エネルギー消費量の曲線及び最小エネルギー消費量の曲線と比較される。
本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線が既存のエネルギー消費パターンに属している場合、新たなエネルギー消費曲線は上記パターンで表される曲線のグループに関連づけられ、上記パターンは新たなエネルギー消費曲線を考慮して更新される。
本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線が類似性指標に関して、既定のパターンに一致しない場合、新たなエネルギー消費曲線が異常消費を表しているのかどうか、又は新たなエネルギー消費曲線が新たなタイプのエネルギー消費パターンの出現を表しているのかどうかが判定される。
本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線が異常消費を表していると判定された場合、エネルギー消費量に関連したアラームを起動させる。
本発明の実施形態では、本方法はさらに、新たなエネルギー消費曲線の同じ期間Tにおいて実現された生産量のデータを取り込む段階と、過去の曲線から推定されるエネルギー量対生産量の関係を用いて、新たなエネルギー消費曲線の上記期間におけるエネルギー消費量と関連生産量とをデジタル的に比較する段階とを備える。
本発明の実施形態では、デジタル的な比較の結果として、エネルギー非効率性があると判定された場合、生産量に関連したアラームを起動させる。
本発明の実施形態では、本方法はさらに、異常消費の原因となるエネルギー消費量の差異を解明するために、二次計量測定値を用いる段階を備える。
本発明の実施形態では、エネルギー量アラームが起動した場合、且つ/又は生産量アラームが起動した場合、最終的なアラームが起動して、過度のエネルギー消費を示し得る異常な挙動を示してよい。
本発明の第2態様は処理手段を備えたシステムに関する。本システムは既に開示されている方法の各段階を実行するように構成されている。
本発明の第3態様は、本発明の第1態様の方法を実行するためのコンピュータプログラム命令/コードを備えたコンピュータプログラム製品に関する。
本発明の第4態様は、本発明の第1態様の方法を実行するためのプログラム命令/コードを格納するコンピュータ可読メモリ/媒体に関する。
本発明のさらなる利点及び特徴が、続く詳細な説明から明らかになり、添付した特許請求の範囲で詳しく示されることになる。
本明細書を完成させるために、また本発明の十分な理解を提供するために、図面一式が提供される。上記図面は、本明細書の不可欠な部分を形成しており、本発明の実施形態を示している。これらの図面は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、本発明をどのように実行できるかについての単なる一例として解釈されるべきである。これらの図面には、以下に挙げる図が含まれる。
ある企業の産業インフラストラクチャの概略図を示している。
本開示の方法を実行するのに好適なサイバーフィジカルシステムの構成を示している。
本開示の実施形態に従って求められるエネルギー消費曲線の一例を示している。
本開示の実施形態に従って求められるエネルギー消費曲線の集合と、これらの曲線の集合が属する、結果として得られるエネルギー消費パターンとに関する一例を示している。
本開示の実施形態に従って求められる、生産量対エネルギー消費量を表すグラフを示している。
図1は、産業プラントのインフラストラクチャが分類され得るレベルを概略的に示している。上位レベル1000には、産業プラントが表されている。産業プラントが属している企業は、例えば、様々な国に又は一般には様々な場所に他の産業プラントを有するかもしれないが、本開示の目的のために、1つの産業プラントが図示されている。プラント1000は、第2レベルを形成するいくつかの産業ラインで構成されている。一例として、図1にはプラント1000の4つのライン1100、1200、1300、1400が示されている。第3の展開レベルが、各産業ラインの一部を形成する各機械で構成されている。例えば、図1には、ライン1100に属する2つの機械1101、1102が図式的に配置されている。ライン1100に属する機械1101、1102は、いくつかの構成要素を含んでいる。例えば、機械1101は、機械加工ユニット1101a、ツール1101bなどを有する工作機械であってよい。次に、各構成要素はいくつかの要素を有してよく、例えば、機械加工ユニットは、3軸に沿って機械加工ユニットを動かすためのサーボモータとスピンドルとを有してよい。次にスピンドルは、モータ及び軸受などの、制御される別のサブ要素を有する。図1の構成は、産業プラントの電気接続階層を表している。さらに、産業ラインがいくつかの工程を包含してもよい。例えば、ある工程がいくつかの機械を必要としてよい。図1に図式的に配置された産業プラントの構造は、例示的であり、産業プラントの階層的エネルギー監視区分を示すこと、したがって、様々な階層的エネルギー監視レベルのデータを用いて動作する本開示の方法の可能性を反映することを目的としている。したがって、示されている構造は限定的な意味で考えられるべきではなく、他の階層的な産業構造もあり得る。
産業プラントにおける異なるレベルでの異なる構成要素の一部又は全部が、図1に示されていないセンサに関連づけられている。これらのセンサは、電気測定センサ又はガス測定センサなどのエネルギー測定センサであってよく、また、温度、気圧、及び流量(ガス、オイル、又は水の流量など)などの他の物理的エネルギー関連の量を測定するためのセンサであってもよい。本発明の範囲外である通信プロトコルによって、コントローラ信号の記録が可能になり得る。例えば、産業プラントの異なるレベルにあるセンサによって取り込まれる、産業プラントの総プラント消費量、生産ラインの消費量、工程の消費量、機械の消費量、機械の様々な構成要素の消費量などの測定値を収集するのに、エネルギー管理システム(EMS)が用いられてよい。本方法は、間接的な測定、すなわち、間接的推定に基づく測定も包含する。例えば、エネルギー保存則が用いられる場合、監視対象負荷及び監視対象外負荷の両方が接続されている変圧器の全エネルギーと変圧器に関連した監視対象負荷のエネルギーとを把握するだけで、監視対象外負荷に関連したエネルギーを差し引くことができる。変圧器の全エネルギーから監視対象負荷のエネルギーを差し引くと、監視対象外負荷のエネルギーが求められる。つまり、本方法は、直接的測定と、既に行われた測定から推定される間接的測定も包含している。一例として、40台の機械を有するプラントで消費される全エネルギーを監視する計器があり、このプラントの40台の機械のうち30台のエネルギー消費量も監視される場合、プラントの計器により測定された消費量から30台の機械の監視対象消費量の総計を差し引くことで、10台の監視対象外機械の総消費量を推定することが可能である。
測定は、生産負荷の測定(生産負荷は生産に関連した負荷である)、補助負荷の測定(補助負荷は生産に直接的に関連していない負荷である)、及び監視対象外負荷の測定に分類することもできる。産業レベル及び要素又は負荷の種類に応じて、消費量は測定センサから直接的に求められてもよく(これは例えば、機械の構成要素の場合であってよい)、又は別の測定センサから(これは例えば、生産ライン又はプラントの場合であってよい)若しくは既に説明した間接的推定から間接的に求められてもよい。測定値は通常、後の分析、診断、監視、及び/又は処理のために、ローカルに又はクラウドに格納される。測定値は、定期的に取られるなど、様々な時点で取られる。好ましくは、取り込まれたデータの一部又は全部が、同じ時間離散化になっていなければならない。この理由から、産業プラントの1つ又は複数のレベルで行われる測定の一部又は全部については、一貫したデータセットを取得するのに時間均一化機能が用いられてよい。
さらに、現在では多くの産業プラントで、例えば、通常EMSから独立している製造実行システム(MES)によって、生産量データも測定され且つ格納されている。生産量データとは、所定の期間に(限定しないが、1日当たりなどに)所定のレベル(例えば、ラインレベル又は機械レベル)で実現される生産量(例えば、被加工材などの何かのキログラム(kgr、10gr)重量、又は単に生産された品目の数)を意味する。
図2は、本開示の方法の実行に必要な要素のブロック図(4000)を示している。ブロック1000は、図1に示した産業プラントなどの、少なくとも1つの産業プラント1000を表している。少なくとも1つの産業プラント1000は、サイバーフィジカルシステムを形成する。サイバーフィジカルシステムは、互いに双方向に接続され且つ産業プラントのオペレーションに従って互いにやり取りできる機械の集合として理解される。ブロック図(4000)は、図2にサーバとして表されている少なくとも1つの処理手段2000も示している。本開示の方法は、少なくとも1つの処理手段2000に適用される且つ/又はそこで実行される。産業プラント1000は、物理的世界、すなわち、ライン、工程、機械、構成要素、関連センサなどの集合を表しており、処理手段2000はコンピュータによる世界を表している。ブロック図(4000)は格納手段3000も示しており、ここには、産業プラント1000の様々な階層レベルから収集されるデータ測定値が格納されている。示されていない監視プラットフォームが、機械、構成要素、ライン、工程などからデータを収集し、そのデータをデータベース3000に格納する役割を担う。格納手段3000は、例えば産業プラントのローカルネットワーク内にローカルに配置されても、例えばクラウドに遠く離れて配置されてもよい。サーバ2000などの処理手段は、格納されるデータを収集し、本開示の方法を実行する。処理手段2000は、例えば産業プラントのローカルネットワークにローカルに配置されても、例えばクラウドに又は十分な計算能力を提供する任意の他の環境に遠く離れて配置されてもよい。したがって、産業プラント1000のエネルギー消費量を診断するために、収集されたエネルギー消費量データは、必要な分析を行うために処理手段2000によって用いられる。このエネルギー消費量データは、プラントレベル、ラインレベル、機械レベルなどの様々なレベルで測定され、可能性のある間接的推定を含み、データベース3000に格納される。さらに、生産量データを測定して取り込むためのシステムを産業プラントが備えている場合、産業プラント1000の様々な階層レベルの生産量データも取り込まれ、格納されてよい。処理手段2000へのデータロードが、毎日、好ましくは所定の時間ごとなどに、定期的に行われてもよく、エネルギー消費量が診断される予定の任意の時点で行われてもよい。
産業プラントの様々な階層レベルから収集されるデータ測定値から、様々な性質の負荷が分類されてよい。
いくつかの実施形態では、負荷(エネルギー測定値)が次に挙げる3つのグループに分類される又は分割される。すなわち、(1)生産エネルギー測定値(これは生産に関連したエネルギー測定値であり、生産エネルギー測定値はエネルギー量分析(例えば、パターンの作成に寄与し得る)及び生産量分析を必要とし得る)、(2)補助エネルギー測定値、及び(3)監視対象外のエネルギー測定値である。補助エネルギー測定値及び監視対象外のエネルギー測定値は、生産に直接的に関連していないので、生産量分析ではなく、エネルギー量分析しか必要としなくてよい。
異なる性質のエネルギー測定値を分類することで、これらの測定値を一緒に処理しないようにすることができる。異なる性質のエネルギー測定値は、例えば、現に生産に関連していないエネルギー測定値が実際には生産に関連することになるため、エネルギー非効率性を検出する場合に不確実性の原因となる。これにより、次に開示される特性パターン及びその自然なばらつきにより占有される空間の利用価値が損なわれることになり、また重なり合うことさえあって、異なる挙動を区別できないかもしれないため、クラスタリング技法が無効になる可能性がある。エネルギー消費量データが所定の期間T(例えば、限定しないが1日)の異なる時点で(例えば、所定の周期性で、すなわち、15分ごとなどの所定の時間間隔Δtで)センサによって取り込まれると、複数のJ個のエネルギー消費曲線xが取得される。言い換えれば、エネルギー消費曲線xが、所定の時間離散化Δtを用いて、すなわち15分間隔などの所定の周期性の間隔Δtで測定されるエネルギー消費量のプロファイルを表している。サブインデックス「j」は、特定のエネルギー消費曲線を示す正の整数である。言い換えれば、j=0、1、2、…、J-1であり、Jは自然数である。この文脈では、エネルギー消費曲線が、所定の構成要素、機械、工程、ライン、プラントなどの、所定の期間T(例えば、1日)に沿った、上記期間T内の個別の時点Δtにおけるエネルギー消費量の分布を表している。言い換えれば、エネルギー消費曲線が、所定の期間Tに沿った、上記期間Tが細分化される時間間隔Δtに対応するエネルギー消費量の個別の値を表している。エネルギー消費曲線を表す期間Tは、例えば1日であってよいが、半日であっても、1時間若しくはそれより短くてもよい。この期間の離散化又は細分化は、エネルギー消費量が示される時間間隔Δtで行われる。これらの間隔は、好ましくは、周期的な測定サンプリングによって等しくなければならない。期間Tの離散化は、1時間単位、30分単位、15分単位、又はさらに短くてもよい。したがって、xijはj番目のエネルギー消費曲線のi番目の成分であり、「i」はエネルギー消費量が測定される個別の時間間隔を表している(時点m=i-1とiとの間の平均電力)。例えば、24時間の期間が定められ、期間Tが15分の離散化間隔Δtに分割された場合、iは0~95まで変わる。言い換えれば、エネルギー消費曲線が、全期間T(例えば、毎日)において一定の時間間隔Δtで示される(測定される、間接的推定を含む)構成要素、機械、工程、ライン、又はプラントのエネルギー消費量を表す。
時間範囲Hが、特性パターンを抽出するのに用いられる期間T(1日単位、半日単位、1時間単位など)の集合として定められる。時間範囲Hは、毎日のデータが比較され得る過去のデータを取得するために、トレーニング範囲とみなされてよい。例えば、時間範囲Hは、1か月(30日)になるように選択されてよく、エネルギー消費曲線が表される期間Tは1日になるように選択されてよく、エネルギー消費曲線の時間離散化間隔(時間間隔)Δtは15分になるように選択されてよい。この場合、選択された時間範囲Hには、30個のエネルギー消費曲線があり、それぞれのエネルギー消費曲線は96個の値を有する。図3は、エネルギー消費曲線の一例を示している。具体的には、図3は、3つの異なる24時間の期間に沿った、産業プラントの3つのエネルギー消費曲線を示している。したがって、時間範囲は72時間である。時間的な離散化間隔は15分であり、すなわち、エネルギー消費量は15分ごとに測定されている。したがって、各曲線は、24時間の期間に対応する96個の値を有する。
既に説明したように、エネルギー消費プロファイルは、生産負荷の測定に対応するだけではなく、補助負荷の測定及び監視対象外負荷の測定にも対応してよい。そのほかに、エネルギー消費曲線が対応する産業プラントの要素に応じて、曲線は、直接的なエネルギー消費量(これは例えば、スピンドルなどの低レベル構成要素の場合である)又は間接的なエネルギー消費量(これは、産業プラントの上位レベルに含まれる様々な構成要素の総測定値に対応する)などの様々な構成要素の累積エネルギー消費量を表してよい。言い換えれば、エネルギー消費曲線は異なる二次計量レベルで、例えば図1に示す産業プラントの異なるレベルなどで取得されてよい。この文脈では、「二次計量レベル」という表現は、産業プラントにおける異なる階層的なエネルギー監視レベルのそれぞれであると理解される。
必要に応じて、産業プラントの要素ごとに、例えば時間範囲Hを形成するJ日の間に毎日取得される、J個の生成済みエネルギー消費曲線xのそれぞれに対して、データが全部そろっているかどうかを確認してよい、すなわち、例えば1つ又は複数の測定センサの誤動作、通信リンクの障害、又は何らかの他の理由に起因して、何らかの測定値欠損が生じているかどうかを確認してよい。データの欠損が検出された場合、データが補充されてよい。本発明の実施形態では、データの欠損が、しきい値として前もって設定された所定の最大期間を超える時間に拡大しない場合に限り、データが補充される。数学的定式化に基づく別の技法が、エネルギー消費曲線にデータを補充するのに用いられてよい。例えば、限定しない方法であるが、同じクラスタ又はパターンに属するエネルギー消費曲線の平均値を用いて(これは次に説明される)、欠落時点での平均値を選択することで、欠落データが補充されてよい。
所定の時間範囲Hの間に、複数のJ個のエネルギー消費曲線xが、産業プラントの所定の要素に対して、すなわち言い換えれば所定の二次計量レベル(集約レベルとも呼ばれる)に対して取得され、任意で必要に応じて補充されたとすると、複数のK個のエネルギー消費パターンCが当該レベルで作成される。エネルギー消費パターンCは、エネルギー消費曲線xの集合の類似性に基づく関係性から求められる。したがって、エネルギー消費パターンは同じ二次計量レベル又は集約レベルに対して抽出され、類似したエネルギー消費曲線が期待されてよい。サブインデックス「k」は、特定のエネルギー消費パターンを示す正の整数である。言い換えれば、k=0、1、2、…、K-1であり、Kは自然数である。一般に、K≦Jであり、実際にはK<Jである。エネルギー消費パターンCはエネルギー消費曲線xの集合から取得される。エネルギー消費パターンCは、その集合のエネルギー消費曲線を所定の数学的指標に従って比較し、近接性指標とも呼ばれる類似性指標に従って、類似したエネルギー消費曲線xを識別することで求められる。言い換えれば、この文脈において類似性とは、所定の数学的指標に対する近接性を意味する。したがって、エネルギー消費パターンは、エネルギー消費曲線(類似したエネルギー消費曲線)の集合を表すエネルギー挙動又はモデルを表している。限定しない例において、エネルギー消費曲線をパターンごとにグループ化するのに用いられる類似性指標は、曲線同士のユークリッド距離である。通常、それぞれのエネルギー消費パターンによって、エネルギー消費曲線がグループにまとめられる。言い換えれば、エネルギー消費パターンは、所定の類似性指標によって課せられた又は所定の類似性指標による類似性制約条件を満たす実際のエネルギー消費曲線の所定のグループを表す仮想(合成)エネルギー消費曲線とみなされてよい。つまり、取り込まれたデータは整理され、(類似性に関して)既存のエネルギー消費曲線同士の関係が調査されるので、パターンごとに表される様々な挙動パターンが作成/取得される。これは、クラスタリングアルゴリズムとも呼ばれるクラスタリング技法を適用することで行われる。本発明の実施形態では、K平均法によるクラスタリング技法が用いられ、ここでは最適数のクラスタがエルボー法を用いて求められる。エルボー法によって累積分散が調査されるが、これは本発明の範囲外である。
こうして、エネルギー消費パターンが、所定の時間範囲Hにおけるエネルギー消費曲線を分析することで求められる。この段階は、トレーニング段階とみなされてよい。トレーニング段階では、過去のデータ、すなわち期間T内のトレーニング時間範囲Hを設定する所与の時間離散化間隔Δtにおけるエネルギー消費値によって定められるエネルギー消費曲線が分析される。それぞれのエネルギー消費パターンは、同じ個別の時間間隔Δt(例えば、15分)を有する。そのほかに、全てのエネルギー消費曲線は同じ期間T(例えば1日)を有していなければならない。トレーニング段階では、時間間隔Δtごとに(例えば、15分ごとに)、パターンは、当該パターンによって表される集合に属する様々なエネルギー消費曲線の、同じ時間間隔Δtに対する、対応する値から計算される値を有する。あるパターンの(各時点での)各値が、例えばこの集合の全てのエネルギー消費曲線に対応する全ての値の平均値を対応する時点で計算することで求められる。この計算の目標は、エネルギー消費パターン、すなわち、量(エネルギー消費の値)と形(傾向とも呼ばれる)の面で、定められた時間範囲で計算に関与したエネルギー消費曲線の集合に最も類似した曲線を求めることである。
次の数式は、J個のエネルギー消費曲線xからK個のエネルギー消費パターンCを求めるのに用いられ得るクラスタリングアルゴリズム又は計算を表しており、K<Jである。
Figure 2022522939000006
ここで、xijはj番目のエネルギー消費曲線xのi番目の成分であり、Cik はk番目のエネルギー消費パターンのi番目の成分であり、Kはエネルギー消費パターンの総数であり、Iは全期間内の測定値の数である(例えば、1日に96個の測定値が取られる、すなわち1つの測定値が15分ごとに取られる)。
本発明の実施形態では、各パターンは、各成分iにおける、上記パターンに属するエネルギー消費曲線の平均値として計算される。先に示した数式は、クラスタを形成する各要素と、そのクラスタの対応するパターンとの距離を最小にすることによって、あるパターンに属する曲線を識別するための反復プロセスを表している。
K平均法によるクラスタリングが適用される実施形態において、曲線x(i=1、…、J)の集合全体に対する最適数のパターンCは、曲線の集合からの選択の全分散により分類されたグループ間(クラスタ間)の分散の表現における最大偏差のポイントによって与えられる。すなわち、エルボー法が用いられる場合、
Figure 2022522939000007
となる。ここで、VARinはグループ又はクラスタの要素間の分散であり、VARは選択の全分散であり、VARin
Figure 2022522939000008
と定義され、Kはクラスタの総数であり、各クラスタは、類似性指標により関連づけられたエネルギー消費パターンとその全てのエネルギー消費曲線によって表され、nはk番目のグループ又は曲線を形成する要素の数であり、C はこれらの曲線のk番目のグループの特性パターンであり、
Figure 2022522939000009
はエネルギー消費曲線の選択全体の平均パターンである。
K平均法などのクラスタリングアルゴリズムは、反復アルゴリズムであり、ここでは、各エネルギー消費曲線が1対1で比較され、各エネルギー消費曲線が各パターンに関連づけられる。全てのエネルギー消費曲線が1つのパターンに関連づけられるまで、各パターンが繰り返し再計算される。
現在のパターンに対する新たなエネルギー消費曲線の類似性/相違性の程度は、次のように診断されてよい。
Figure 2022522939000010
ここで、xはj番目のエネルギー消費曲線であり、C はk番目のパターンである。
パターンを取得するプロセスは反復である。様々な挙動が選択した時間範囲内の様々なエネルギー消費曲線の間で識別されるのと同じくらい多くのパターンが存在することになる。パターン作成プロセスが終了するのは、同じパターン内の全てのエネルギー消費曲線が別のパターンに属するどの他の曲線よりも互いに類似したときである。後に、例えば、エネルギー消費量の毎日の診断に本開示の方法を毎日実行する際に、新たなエネルギー消費曲線が、例えば毎日のエネルギー挙動のさらなる診断のために、取得済みのパターンと比較されることになる。
図4は、エネルギー消費曲線の集合体から、上述した数式を用いて行われる、パターン計算の一例を表している。エネルギー消費曲線は、産業プラントの送電網接続ポイントで収集された電気消費量データによって定義された。トレーニング時間範囲Hは、50日になるように選択された。エネルギー消費パターンを一致させるのに用いられる期間Tは24時間であり、15分の時間間隔Δtで測定した。したがって、50個のエネルギー消費曲線があり、それぞれ24時間の期間Tを有している。エネルギー消費量はkWh(キロワット時)で表されている。この図には、明確に異なる3つのエネルギーパターンが示されており、その対応するエネルギー消費曲線がはっきりと認識される。第1のエネルギーパターン(図4の約200kWhあたりにある実線)が10個のエネルギー消費曲線(細線)をグループ化し、第2のエネルギーパターン(図4の約300kWhあたりに一部分があり、約800kWhあたりに一部分がある実線)が20個のエネルギー消費曲線(細線)をグループ化し、第3のエネルギーパターン(図4の約600kWhあたりにある実線)が20個のエネルギー消費曲線(細線)をグループ化している。各パターンでは、当該パターンによって表される曲線の対応する値の(各時点における)平均値として各値が求められてよい。
今までのところ、トレーニング段階が開示されており、ここでは、構成要素、機械、生産ライン、工程などについて、新たなエネルギー消費曲線が様々な期間T(Tは例えば1日である)に対して繰り返し求められてよい。これは、1か月又はそれ以上などといったような、所定の時間範囲の間に繰り返されてよい。エネルギー消費曲線は、さらなる分析及び/又は処理のために格納されてよい。構成要素ごと、機械ごと、ラインごとなどに、データベース(例えば図2に示すデータベース3000)は、選択した任意の時間範囲におけるエネルギー消費量の記録(エネルギー消費曲線)を含んでよい。この過去のデータは通常、本開示の方法を毎日実行する前に行われるトレーニング段階に用いられる。
所定の期間Tを有するK個のエネルギー消費パターンCの集合が利用可能になり、例えば、所定の時間範囲Hで取得されたデータを用いて行われるトレーニング段階で取得され、分析が本開示の方法のエネルギー消費量データに適用されると、エネルギー消費曲線から導出されるあらゆる特徴的な挙動(統計的挙動)を、それがめったに起きなくても、識別することが可能である。例えば、本開示の方法によって、過去のトレーニングデータセットから抽出された特性パターンのそれぞれに関連づけられた最大エネルギー消費日及び最小エネルギー消費日を、産業プラントの構成要素ごと、機械ごとといったように抽出することができる。
本発明の実施形態では、所定の期間Tを有するK個のエネルギー消費パターンCの集合が利用可能になり、上記所定の期間Tに対応する生産量データを用いると、生産量は、例えば、可能性のあるエネルギー非効率性を検出するために、複数のエネルギー消費パターンのそれぞれに含まれるエネルギー消費曲線と比較される。生産量データは通常、エネルギー消費量がセンサで測定される離散化時間間隔Δtより大きい時間間隔で取得される。例えば、センサは産業プラントの所定の構成要素(又は機械など)において15分ごとに(離散化時間間隔Δtごとに)消費エネルギーを測定するように構成されてよく、上記構成要素(又は機械など)に関連づけられた生産量データだけは、通常、8時間(稼働期間)ごとに又はさらに長い周期で利用可能になり得る。この理由から、同じ期間Tに対してエネルギー消費量と生産量とを比較するために、期間Tごとの総エネルギー消費量が、当該期間(例えば1日)のエネルギー消費曲線から求められるのが好ましい。
言い換えれば、総エネルギー消費量の値が所定の期間に対して求められ、生産量の値が同じ期間に対して求められると、エネルギー量対生産量が表され、エネルギー量と生産量との関係が、図5に図示するように推定される。ここには、類似した消費パターンを有する期間の総エネルギー消費量対生産量の関係が示されている。図5は、ある産業プラントに対応する所与のエネルギー量・生産量分析期間における、生産量(kg単位)対総エネルギー消費量(kWh単位)を表すグラフを示している。それぞれのドットの種類(黒色ドット、白抜きドット、横線入りドットなど)は、対象期間(例えば1日)におけるエネルギー消費曲線の、同じ期間の生産量に対する総エネルギー消費量を表している。したがって、ドットの総数は、分析する時間範囲内の期間の長さ(すなわち、日)に対応している。各クラスタは、様々な種類のドット(黒、白、横線入り、斜線入りなど)で表されている。言い換えれば、それぞれの種類のドットによって、同じパターンに関連づけられたエネルギー消費曲線が識別される。この例では、示されていない事前のパターン計算訓練(トレーニング段階)の結果として、選択した時間範囲におけるエネルギー消費曲線が、6つのエネルギーパターンにグループ化された。実線は内挿線を表している、すなわち、表示されたポイントの集合に最も良く適合する直線である。この場合、この直線は最小二乗法の調整によって求められた直線である。この直線は、エネルギー量対生産量の関係を表すのに役立つ。最小二乗法で調整する場合、この調整は統計量(カイ二乗値)を特徴とする。この指標は、例えば新たな日を対比させるときに、この日が過去の関係に対応するのか(これはカイ二乗値を悪化させない)、対応しないのか(これはカイ二乗値を悪化させるので、この場合、生産量アラームを起動させてよい)を判定するのに用いられる。したがって、例えば、生産量データが24時間ごとに利用可能な場合、24時間の総エネルギー消費量は、各パターンを形成する曲線ごとに求められる。後に、例えば本開示の方法を毎日実行する際に、所定の要素又は機械の毎日の生産量(又は一般に産業プラントの二次計量レベル)と、K個のパターン(この例では、K=6)を形成する全ての曲線の総エネルギー消費量とを比較することで、誤ったエネルギー非効率性アラーム(すなわち、エネルギー非効率性に関連したアラーム)を防ぐことが可能になる。言い換えれば、エネルギー消費量の増加が生産量の増加で生じた場合は、アラームを起動してはならない。一方、エネルギー消費量の増加が生産量の増加に関連していない場合は、アラームを起動したほうがよい。したがって、誤ったアラームを防ぐためには、生産量が極めて重要である。
したがって、図5に示すように、エネルギー量対生産量比率を2次元的に表すことが可能である。この比率を表す数学的定式化が、次に説明される。言い換えれば、本発明の実施形態に従って、エネルギー量対生産量比率をどのように計算するかが説明される。目標は、期待される消費量より高く、生産量の増加と関連していない激しいエネルギー消費量を検出することである。
数学的観点から、過去の生産量データ(通常、1日につき1つの値)及び過去のエネルギー消費量データ(エネルギー消費曲線の値の集約又は積算として)の集合が与えられると、生産量対エネルギー量のグラフ表示が行われる。このグラフ表示には、過去の日数(期間)と同じだけ多くのポイントがあり、エネルギー消費パターンを求めるための分析(トレーニング段階)に用いられる。これについては、図5に示されている。
エネルギー量対生産量のペアの集合における関係が、
Figure 2022522939000011
であり、特定の実施形態においてE及びPはそれぞれ、エネルギー量及び生産量の毎日の値であり、Nはトレーニング段階に用いられる日数(時間範囲)の集合であり、次のように表現されてよい。
Figure 2022522939000012
言い換えれば、目標は、誤差を最小にする関数fを解くことである。
Figure 2022522939000013
そうするために、二乗平均平方根誤差(RMSE)が用いられてよい。
Figure 2022522939000014
したがって、目標はRSMEを最小にする一定値cを解くことであり、その値は次式によるガウス正規方程式から求められる。
Figure 2022522939000015
その数式及び数学的解決法はよく知られている。
例えば、E=aP+bの場合、既定のガウス正規方程式を解くことで、係数a及びbが次のようになる。
Figure 2022522939000016
つまり、二乗平均平方根誤差(RMSE)を最小にすることで、エネルギー量対生産量比率の計算の良否が診断される。言い換えれば、RMSEを最小にする曲線が、エネルギー量対生産量比率の良否を診断するのに用いられる。後に、例えば、本開示の方法を毎日実行する際に、任意の新たな日が同様の方法で表され、分析されてよく、こうして、一定の生産量(kg)を生産するのに必要なエネルギー消費量の増加がエネルギー非効率性なのかどうかが診断される。
図5のグラフと同じようなグラフによって、非効率性を検出することができる。すなわち、同様のエネルギー消費挙動(パターン)を有する期間(例えば、日数)の集合体について、総エネルギー消費量と得られた生産量とを比較することができ、同様の生産量であるが異なる(より多い又は少ない)エネルギー消費量を有する期間(日数)を識別することができ、又は同様のエネルギー消費量であるが異なる(より多い又は少ない)生産量を有する期間(日数)を識別することができ、また、ある期間(日)が当該パターンの期間の傾向に従ったエネルギー消費量対生産量比率を有するのか、それより大きい比率を有するのか、又はそれより小さい比率を有するのかを監視することができる。
今までのところ、図4に示すパターンなどの過去のパターンを分析することによって、産業プラントのエネルギー挙動(又はより一般的には、産業プラントの二次計量レベル)を分析してきた。次に、産業プラントから取り込まれたデータから新たなエネルギー消費曲線が得られるたびに行われる分析を、この統計的推定による挙動に基づいて説明する。所定の時間範囲で収集したデータを用いて、いくつかの(K個の)パターンがトレーニング段階で求められると、新たなエネルギー消費曲線が求められるたびに(例えば毎日)、この新たな曲線がどのパターンに属するかが判定される(何らかの曲線に属する場合については、後で説明する)。この判定は、新たな曲線とK個のパターンとを比較することで行われる。この比較は、類似性指標によって行われる。
既存のパターンに対する新たなエネルギー消費曲線の類似性/相違性の程度は、次のように診断されてよい。
Figure 2022522939000017
ここで、xはj番目のエネルギー消費曲線であり、C はk番目のパターンである。
本発明の実施形態では、診断中の新たなエネルギー消費曲線は、最小距離を有するK個のパターンの集合のパターンに関連づけられる。ただし、上記最小距離が上記パターン内の最も遠く離れた曲線からの距離より大きくないことが条件である。
言い換えれば、新たな日(一般には、期間)のエネルギー消費曲線が与えられると、その曲線は、各パターンで表される分析済みのエネルギー挙動と比較されてよい。言い換えれば、新たなエネルギー消費曲線がエネルギー挙動の個別のモデルに対して(すなわち、エネルギー消費パターンに対して)診断されてよい。
新たなエネルギー消費曲線xについて、この診断が次のように数学的類似性/相違性に関する数式などを用いて行われてよい。
Figure 2022522939000018
ここで、A はi番目のグループであり、xはj番目のエネルギー消費曲線であり、C はi番目のグループのパターンであり、Kはパターンの総数である。
すなわち、新たなエネルギー消費曲線が所定のパターンに属するのは、上記所定のパターンの重心までの距離があらゆる他の重心(あらゆる他のパターンの重心)までの距離より小さい場合である。ただし、上記最小距離が上記所定のパターン内の最も遠く離れた曲線からの距離より大きくないことが条件である。
今までのところ、新たな期間Tにおいてセンサデータから求められるあらゆる新たなエネルギー消費曲線について、現在のパターンに対する類似性/相違性の程度を、新たなエネルギー消費曲線と既に(例えばトレーニング段階で)定められたK個のパターン(又は各パターンに属する各曲線)とを比較することで診断した。新たなエネルギー消費曲線が、類似性指標に関して既定のパターンに数学的に一致する場合、新たなエネルギー消費曲線は、新たなエネルギー消費曲線が一致する当該パターンに属すると判定される。
ここで2つのシナリオが発生し得る。第1シナリオでは、新たなエネルギー消費曲線が先の個別のエネルギーモデル(パターン)で説明される。すなわち、新たなエネルギー消費曲線は類似性指標に関して既定のパターンに数学的に一致する。この場合、新たなエネルギー消費曲線は、それが属するパターンで表されるクラスタに属する全てのエネルギー消費曲線とデジタル的に比較される。これは、処理手段で、例えば図2に示す処理手段2000で行われる。本発明の実施形態では、この診断の結果として、新たなエネルギー消費曲線が所定のエネルギー消費パターンに属すると判定された場合、新たなエネルギー消費曲線は、上記パターンで表される曲線のグループに関連付けられ、エネルギー消費パターンは新たなエネルギー消費曲線を含めることで更新される。新たなエネルギー消費曲線が、それが属するパターンで表されるクラスタに属する全てのエネルギー消費曲線とデジタル的に比較される場合、新たな曲線は、とりわけ、当該クラスタ内の最大エネルギー消費量の曲線及び最小エネルギー消費量の曲線と比較される。
第2シナリオでは、新たなエネルギー消費曲線は、選択した時間範囲において生成される個別のエネルギーモデル(パターン)で説明されない。言い換えれば、新たなエネルギー消費曲線は、類似性指標に関して既定のパターンに一致しない。この場合、新たなエネルギー消費曲線は、異常消費を表しているかもしれない。その場合、エネルギー消費量に関連したアラーム(エネルギー量アラーム)を発生させても起動してもよい。あるいは、新たなエネルギー消費曲線は、新たなタイプの消費挙動、すなわち新たなパターンの出現を表しているかもしれない。言い換えれば、新たなエネルギー消費曲線ごとに(例えば、毎日)、この新たなエネルギー消費曲線がエネルギー量アラームの原因になるのかどうかが確認される。この確認は、新たなエネルギー消費曲線と、例えば過去データの分析段階又はトレーニング段階において既に定められているK個のパターンとを比較することで行われてよい。
この診断の結果として、新たなエネルギー消費曲線がK個のエネルギー消費パターンのいずれにも属さないと判定された場合、新たなエネルギー消費曲線は、任意のパターンのエネルギー消費曲線又はエネルギー消費曲線に関連づけられた生産量データと比較されてよい。
本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線は最も近いエネルギー消費曲線と比較される。本発明の実施形態では「最も近い」とは、所定の距離に基づいて「最も近い」と理解されるべきである。例えば、「最も近い」はユークリッド距離の点で最も近いかもしれない。本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線は最小エネルギー消費量の日(曲線)と比較される。本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線は最大エネルギー消費量の日(曲線)と比較される。新たなエネルギー消費曲線が、比較されるこれらの曲線のうちのどれかに類似していない場合、エネルギー消費量アラームを発生させてよい。この比較は、自動的に行われても、要求があり次第行われてもよい。
さらに、新たなエネルギー消費曲線はエネルギー量対生産量に関して診断されてよい。新たなエネルギー消費曲線の期間に実現される生産量が取り込まれて、例えばデータベース3000に格納される。新たなエネルギー消費曲線が、それがエネルギー挙動(パターン)の個別のモデルに属するかどうかを判定するための診断を受けたとすれば、診断に続いてエネルギー消費量に関連するアラームの発生があってもなくても、新たなエネルギー消費曲線は(例えば図5に表示されているように、例えば過去データの分析段階又はトレーニング段階で取得された)エネルギー量対生産量の期待される関係と比較されている。本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線の同じ期間で実現される生産量のデータが取り込まれる。新たな曲線の期間におけるエネルギー消費量及び関連生産量は、過去の曲線から推定されるエネルギー量対生産量の関係と比較されてよい。本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線のエネルギー量対生産量の関係が、トレーニング段階で推定されるモデルの統計的ばらつきで説明できない場合、生産量アラームを発生させてよい。言い換えれば、デジタル的な比較の結果として、エネルギー非効率性があると判定された場合、生産量に関連したアラームを起動する。図5に戻ると、図5のグラフに新たなドットとして表示される新たなエネルギー消費曲線が、上述したカイ二乗値が悪化する原因となった場合、上記エネルギー消費曲線が導出済みの生産量対エネルギー量比率に対応しないことが推測され得る。したがって、生産量アラームを起動してよい。そうでない場合には、上記新たなエネルギー消費曲線が期待される挙動を表していることが確認されてよい。
本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線は最も類似した生産量の日と比較され、その場合、新たなエネルギー消費曲線は連続した内挿線(例えば図5を参照)と比較されるべきである。これにより、生産量アラームの発生がもたらされてよい。この比較は、自動的に行われても、要求があり次第行われてもよい。
本発明の実施形態では、上記異常エネルギー消費の原因となった産業プラントの1つ又は複数の負荷が識別される。すなわち、どの1つ又は複数の負荷が、識別されたパターン(曲線のクラスタ)のいずれにも産業プラントの新たなエネルギー消費曲線が属さない原因となったのか、あるいは総エネルギー量(新たなエネルギー消費曲線から求められる)対生産量の関係が過去のデータを用いて求められたプロファイル(直線)に従わない原因となったのかが識別される。
本発明の実施形態では、アラーム(エネルギー消費量アラーム及び/又は生産量アラーム)の原因となる新たなエネルギー消費曲線が比較されることになる日(又は一般には期間)が識別されたとすれば、二次計量測定値が、エネルギー消費量の差異を解明するために用いられてよい。これは、監視対象負荷と選択した参照プロファイルとを比較することで行われてよく、参照プロファイルは、例えば、同じクラスタの曲線のうちの最小エネルギー消費量の日(曲線)、又は同じクラスタの曲線のうちの最大エネルギー消費量の日(曲線)、又は最も類似した生産量の日、又は何らかの他の参照プロファイルである。これらの監視対象負荷は、例えば図1に示すように、分析中のより高い階層のレベルの二次計量レベルに対応する。二次計量とは、例えば、識別された2つの期間(新たな期間と比較用に選択された期間)における特定の工程(すなわち、ホットスタンピング)に関連したエネルギー消費量の分析を意味する。例えば、当該工程に必要な機械のエネルギー消費量は、個別に分析されてよい。あるいは、例えば、空調、照明、又は何らかの他の目的に使用されるエネルギー消費量が分析されてもよい。したがって、全て含んだ総エネルギー消費量に対して、それぞれの下位レベルの負荷(二次計量負荷)に対応するエネルギー消費割合が決定される。この比較は、下位の階層レベルに関連した個々のエネルギー消費量を対比するパイチャートなどのグラフで表されてよい。過度のエネルギー消費を識別するのに用いられ得る他の数学的なインジケータが、残差(エネルギー量アラームに関連した曲線と比較に用いられる参照プロファイルとの差異)と下位の階層レベルに関連した個々の負荷との相関である。相関が強いほど、非効率性の原因となる問題を識別できることを意味する。
そこで、二次計量データを用いると、所定の生産レベル(ライン、工程、機械など)の様々な構成要素に起因するエネルギー消費割合に分類できる。これにより、例えば、エネルギー非効率性の原因となる(したがって、例えばアラームの原因となる)要素を識別することができる。この手順は、例えば、診断中のエネルギー消費曲線の新たなエネルギー挙動に最も類似したエネルギー消費パターンと関連した最低消費量又は最高消費量を有する毎日のエネルギー消費曲線の識別の後に生じる。上記選択は、例えば、最も類似したパターン及びそのパターンに関連した最も極端な(最低及び最高)エネルギー消費曲線を識別した後に生じ、これらは可能性のある候補になる。
そのほかに、ときどき、設定可能なパラメータで定められる場合、エネルギー消費パターンの生成は、現在のエネルギー消費パターンがトレーニング段階に用いられる時間範囲で取得された後に測定された新たなエネルギー消費曲線を用いて更新されてよい。言い換えれば、例えば、トレーニングに用いられる過去のデータは更新されてよい。したがって、新たなエネルギー消費パターンが、新たなエネルギー消費曲線を考慮して取得されてよい。本発明の実施形態では、新たなエネルギー消費曲線が取得されるたびに、各パターンが更新される。新たなエネルギー消費曲線が、既に定められているK個のエネルギー消費パターンのそれぞれと比較される。また、ときどき、設定可能なパラメータで定められる場合、エネルギー消費量対生産量の新たなモデルが取得されてよい。上述した2つのシナリオをあらためて参照すると、第1シナリオでは、新たなエネルギー消費曲線が既定のパターンに数学的に一致し、次いで、新たなエネルギー消費曲線は当該パターンを形成する曲線のグループに関連づけられ、特徴的挙動(パターン)が再計算される。第2シナリオでは、新たなエネルギー消費曲線が、既に生成されている個別のエネルギーモデル(パターン)で説明されず、新たな曲線が異常消費を表していると判定された場合、新たな曲線はパターンの更新に寄与してはならない。一方、新たな曲線が異常消費を表していないと判定された場合、これは、新たなタイプの消費挙動(すなわち、新たなパターン)の出現を表していると判定されてよい。
本発明は、本明細書で説明された特定の実施形態に限定されないことが明らかであり、特許請求の範囲に定められる本発明の一般的範囲において、(例えば、材料、寸法、構成要素、構成などの選択に関して)当業者が考え得るあらゆる変形も包含する。

Claims (16)

  1. 産業プラントのエネルギー消費量を診断するためのコンピュータ実装方法であって、
    複数の時点において複数のセンサを用いて、前記産業プラントの少なくとも1つのレベルからセンサデータを取り込む段階であって、前記複数のセンサはエネルギー測定センサを含む、取り込む段階と、
    前記センサデータから、複数のエネルギー消費曲線xをデジタル的に求める段階であって、j=0、1、2、…、J-1であり、Jは自然数であり、エネルギー消費曲線が所定の期間Tに沿って、前記期間Tを分割した時間間隔Δtに対応するエネルギー消費量の個別の値を表している、求める段階と、
    前記複数のエネルギー消費曲線xから、複数のK個のエネルギー消費パターンCをデジタル的に演算処理するためにクラスタリングアルゴリズムを適用する段階であって、k=0、1、2、…、K-1であり、Kは自然数であり、K<Jであり、それぞれのエネルギー消費パターンCは類似性指標に従って一緒にグループ化されたエネルギー消費曲線xの集合を表しており、それぞれのエネルギー消費パターンCは前記期間Tを分割した前記時間間隔Δtに対応するエネルギー消費量の個別の値を含む、適用する段階と、
    前記産業プラントの前記少なくとも1つのレベルにおける前記期間Tにおいて実現される生産量のデータを取り込む段階と、
    各パターンに属するエネルギー消費曲線ごとに、前記期間Tにおけるエネルギー消費量の前記個別の値の総和を計算し、こうして前記期間Tにおけるエネルギー消費曲線ごとの総エネルギー消費量を求める段階と、
    前記期間Tにおけるエネルギー消費曲線ごとの総エネルギー消費量と取り込まれた前記生産量のデータとの関係をデジタル的に設定する段階と
    を備える方法。
  2. 複数のセンサを用いて前記産業プラントの少なくとも1つのレベルからセンサデータを取り込む段階は、時間間隔Δtで分割された周期的時点で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記産業プラントの前記少なくとも1つのレベルは、産業プラント、ライン、工程、機械、又は機械の構成要素のうちの少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 各構成要素のエネルギー消費パターンCが、前記各パターンに属するそれぞれのエネルギー消費曲線xの対応する成分xijの平均値として計算される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記クラスタリングアルゴリズムは、クラスタを形成する要素とその対応するパターンとの距離を最小にするために次の反復プロセスを適用し、
    Figure 2022522939000019
    ここで、xijはj番目のエネルギー消費曲線xのi番目の成分であり、Cik は時点tにおけるk番目のエネルギー消費パターンのi番目の成分であり、Kはエネルギー消費パターンの総数であり、Iは全期間内の測定値の数であり、曲線x(j=1、…、J)の集合全体の最適数K個のパターンは、曲線の集合からの選択の全分散により分類されたグループ間の分散の表現における最大偏差のポイントによって与えられ、すなわち、
    Figure 2022522939000020
    となり、ここで、VARinはグループ又はクラスタの前記要素間の分散であり、VARin
    Figure 2022522939000021
    と定義され、Kはエネルギー消費パターンの総数、すなわち、グループに対して定められた類似性指標により関連づけられたエネルギー消費曲線のグループの総数であり、nはk番目のグループ又は曲線を形成する要素の数であり、C はk番目のグループの曲線の特性パターンであり、
    Figure 2022522939000022
    はエネルギー消費曲線の選択全体の平均パターンである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 新たな期間Tにおいてセンサデータから求められた新たなエネルギー消費曲線について現在のパターンに対する類似性/相違性の程度が、前記新たなエネルギー消費曲線と既に定められているK個のパターンとを比較することにより診断され、前記新たなエネルギー消費曲線が類似性指標に関して、既定のパターンに数学的に一致する場合には、前記新たなエネルギー消費曲線が一致する前記パターンに前記新たなエネルギー消費曲線が属すると判定される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記新たなエネルギー消費曲線が類似性指標に関して、既定のパターンに数学的に一致する場合、前記新たなエネルギー消費曲線は、前記パターンによって表されるクラスタに属する前記エネルギー消費曲線の全てとデジタル的に比較され、こうして、前記新たな曲線は最大エネルギー消費量の曲線及び最小エネルギー消費量の曲線と比較される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記新たなエネルギー消費曲線が既存のエネルギー消費パターンに属している場合、前記新たなエネルギー消費曲線は前記パターンで表される曲線のグループに関連づけられ、前記パターンは前記新たなエネルギー消費曲線を考慮して更新される、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記新たなエネルギー消費曲線が類似性指標に関して、既定のパターンに一致しない場合、前記新たなエネルギー消費曲線が異常消費を表しているのかどうか、又は前記新たなエネルギー消費曲線が新たなタイプのエネルギー消費パターンの出現を表しているのかどうかが判定される、請求項6に記載の方法。
  10. 前記新たなエネルギー消費曲線が異常消費を表していると判定された場合、前記エネルギー消費量に関連したアラームを起動させる、請求項9に記載の方法。
  11. 前記方法はさらに、
    前記新たなエネルギー消費曲線の同じ期間Tにおいて実現された前記生産量のデータを取り込む段階と、
    過去の曲線から推定されるエネルギー量対生産量の関係を用いて、前記新たなエネルギー消費曲線の前記期間における前記エネルギー消費量と関連生産量とをデジタル的に比較する段階と
    を備える、請求項6から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記デジタル的な比較の結果として、エネルギー非効率性があると判定された場合、前記生産量に関連したアラームを起動させる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記方法はさらに、異常消費の原因となるエネルギー消費量の差異を解明するために、二次計量測定値を用いる段階を備える、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 処理手段を備えたシステムであって、前記システムは、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法の各段階を実行するように構成されている、システム。
  15. 請求項1から13のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  16. 請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラム命令/コードを格納するコンピュータ可読メモリ/媒体。
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