JP2022522077A - 生物学的効果を誘起するための照明デバイス - Google Patents

生物学的効果を誘起するための照明デバイス Download PDF

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Abstract

たとえば患者の体腔内の組織に光を投射して種々の生物学的効果を誘起するための照明デバイスが開示される。生物学的効果は、1つまたは複数の病原体の増殖を不活化しおよび/または阻害すること、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の内因性貯蔵を増大すること、内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに抗炎症効果を誘起することのうち少なくとも1つを含み得る。生物学的効果は、標的組織内における炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御することを含み得る。光の波長は、標的の組織型および標的の病原体の1つまたは複数についての意図された生物学的効果に基づいて選択される。光治療は、単一波長の光を用いて、または多数の波長を有する光を用いて、多数の病原性生物学的効果を提供し得る。増大した有効性および低減した細胞毒性を有し、種々の標的病原体および標的組織に対して生物学的効果を誘起するための光量を提供する光治療のためのデバイスが開示される。

Description

関連出願の声明
[0001]本出願は、2020年12月10日出願の米国特許出願第17/117,889号の一部継続出願である2021年1月29日出願の米国特許出願第17/162,259号の一部継続出願である2021年2月11日出願の米国特許出願第17/173,457号の利益を主張する。本出願はまた、2020年12月10日出願の米国特許出願第17/117,889号の一部継続出願である2021年1月29日出願の米国特許出願第17/162,283号の利益を主張する。上で特定した出願の開示は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
[0002]米国特許出願第17/117,889号は、2020年12月10日出願の米国仮特許出願第63/123,631号、2020年9月4日出願の米国仮特許出願第63/075,010号、2020年9月4日出願の米国仮特許出願第63/074,970号、2020年8月13日出願の米国仮特許出願第63/065,357号、および2020年3月19日出願の米国仮特許出願第62/991,903号の利益を主張する。これらの開示は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
[0003]ここで開示する主題は一般に、組織に光を投射(たとえば光線療法または光療法)して1つまたは複数の生物学的効果を誘起するためのデバイスおよび方法に関する。さらに、病原体と接触しまたはこれに感染した組織のための治療処置として光を送達するための方法およびデバイスが開示される。
[0004]ウイルス感染、特にオルトミクソウイルス科(たとえばインフルエンザ)およびコロナウイルス科(たとえばSARS-CoV-2)のファミリーの気道感染は、ヒトの健康に重大な挑戦を課している。さらに、パポバウイルス科ファミリー(たとえばヒトパピローマウイルス(HPV))を含むDNAウイルスは極めて広い罹患率を有しており、その結果、低リスクの皮膚のパピローマおよび高リスクの粘膜上皮組織のパピローマを引き起こしている。ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染は、現在のところ最も一般的な性感染疾患(STD)である。
[0005]種々の光療法(たとえば低レベルの光療法(LLLT)および光線力学療法(PDT)を含む)は、毛髪増加の促進、皮膚もしくは組織の炎症の治療、組織もしくは皮膚の治癒もしくは若返りの促進、創傷治癒の強化、疼痛管理、しわ、瘢痕、皮膚線条、静脈瘤、およびくも状静脈の低減、心臓血管系疾患の治療、勃起不全の治療、微生物感染の治療、高ビリルビン血症の治療、ならびに種々の腫瘍性および非腫瘍性の疾患または障害の治療を含むが、これらに限らない種々の健康に関連する医学的利益を提供することが公に報告されまたは主張されてきた。
[0006]治療的利益を提供することが示唆されてきた光線療法の種々の機構には、循環の増加(たとえば新生毛細血管の形成の増加による)、コラーゲンの産生の刺激、アデノシン三リン酸(ATP)の放出の刺激、ポルフィリンの産生の強化、神経系組織の興奮性の低減、線維芽細胞の活性の制御、ファゴサイトーシスの増大、熱的効果の誘起、組織の肉芽化および結合組織の突出の刺激、炎症の低減、ならびにアセチルコリンの放出の刺激が含まれる。
[0007]光線療法はまた、細胞を刺激して一酸化窒素を生成させることが示唆されてきた。一酸化窒素に帰せられる種々の生物学的機能には、シグナル伝達メッセンジャー、サイトトキシン、抗アポトーシス剤、抗酸化剤、および微小循環のレギュレーターとしての役割が含まれる。一酸化窒素は血管平滑筋を弛緩させ、血管を拡張し、血小板の凝集を阻害し、T細胞媒介免疫応答を調節することが認識されている。
[0008]一酸化窒素は組織中の多数の細胞型から産生され、一酸化窒素合成酵素(NOS)の酵素作用によって媒介されるアミノ酸L-アルギニンのL-シトルリンおよび一酸化窒素への変換によって形成される。NOSは下記の反応:
Figure 2022522077000002
を触媒するNADPH依存性酵素である。
[0009]哺乳動物においては、3つの異なる遺伝子がNOSアイソザイム、即ちニューロン性(nNOSまたはNOS-I)、サイトカイン誘起性(iNOSまたはNOS-II)、および内皮性(eNOSまたはNOS-III)をコードしている。iNOSおよびnNOSは可溶性で細胞質ゾル中に主として見出され、一方eNOSは膜結合性である。哺乳動物中の多くの細胞は炎症性状態に応答してiNOSを合成する。
[0010]皮膚は、照射ストレスに応答して誘起性一酸化窒素合成酵素の発現を上方制御し、続いて一酸化窒素を産生することが報告されている。一酸化窒素は、照射に応答して生成される高レベルで主として抗酸化剤の役割を果たしている。
[0011]一酸化窒素は膜を通過して種々の組織の中に拡散することができる遊離ラジカルであるが、これは非常に反応性が高く、半減期は僅かに数秒である。その不安定な性質のため、一酸化窒素は他の分子と迅速に反応してより安定な生成物を形成する。たとえば血液中では、一酸化窒素は迅速に酸化されて亜硝酸塩となり、次いでオキシヘモグロビンでさらに酸化されて硝酸塩を生成する。一酸化窒素はまたオキシヘモグロビンと直接反応してメトヘモグロビンおよび硝酸塩を生成する。一酸化窒素はまた、ニトロソグルタチオン(GSNO)、ニトロソアルブミン、ニトロソヘモグロビン、およびその他の重要な血液/組織のタンパク質の上に多数のニトロソシステイン残基を含む種々のニトロソ化された生化学的構造の上に内因的に貯蔵される。用語「ニトロソ」は、S-ニトロソ化またはN-ニトロソ化を介するニトロソ化化合物(ニトロソチオール(RSNO)またはニトロソアミン(RNNO))として定義される。ニトロソ化化合物の例には、GSNO、ニトロソアルブミン、ニトロソヘモグロビン、およびニトロソ化されたシステイン残基を有するタンパク質が含まれる。金属ニトロシル(M-NO)複合体は、体内で第一鉄ニトロシル複合体として最も一般的に見出される循環する一酸化窒素の別の内因性貯蔵であるが、ニトロソ化はヘモ基および銅中心でも起こるので、金属ニトロシル複合体は鉄を含む金属中心を有する複合体に限定されない。金属ニトロシル複合体の例には、(2つのヘムおよび2つの銅結合部位を表わす)チトクロームcオキシダーゼ(CCO-NO)、(ヘム中心結合を表わす)チトクロームc、および(ヘモグロビンおよびメトヘモグロビンへのヘム中心結合を表わす)ニトロシルヘモグロビンが含まれ、一酸化窒素の内因性貯蔵を具現化している。
[0012]本開示の態様は、たとえば哺乳動物の体内および/または患者の体腔内の組織に光を投射するためのデバイスおよび方法に関し、光は組織内または組織上に少なくとも1つの生物学的効果を発揮しまたは誘起する少なくとも1つの特徴を含み得る。生物学的効果は、とりわけウイルス、細菌、真菌、およびその他の微生物を含むがそれらに限定されない微生物および病原体の1つまたは複数の組合せの増殖を不活化することおよび阻害することのうち少なくとも1つを含み得る。生物学的効果はまた、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大すること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに抗炎症効果を誘起することのうち1つまたは複数を含み得る。光の波長は、標的組織および標的とした微生物または病原体の1つまたは複数について少なくとも1つの意図された生物学的効果に基づいて選択され得る。ある特定の態様では、光の波長は意図された生物学的効果に基づく任意の数の波長範囲の可視光を含み得る。さらなる態様は、単一ピーク波長の光または2つ以上のピーク波長を有する光の組合せを用いて多数の微生物および/または多数の病原性生物学的効果のために光を組織に投射することを含む。増大した有効性および低減した細胞毒性を有し、種々の標的病原体および標的組織に対して生物学的効果を誘起するための光量を提供する光治療のためのデバイスおよび方法が開示される。光量は照度、波長、および曝露時間の種々の組合せを含み、そのような光量は連続的に、またはいくつかのパルス曝露によって不連続的に、投与され得る。
[0013]経済的ならびに患者の健康および幸福感における相対的なコストのため、組織、特に頸部、口、鼻、咽喉、および肛門のような粘膜上皮表面におけるウイルス感染を阻止しまたは根絶する新たな治療は極めて必要とされている。したがってそのような治療およびデバイスが本明細書で提供される。
[0014]光線療法は種々の疾病および病態のための治療処置として顕著な注目を引いてきた。ウイルス感染を阻止しまたは根絶するための光線療法を送達するデバイスおよびそれを使用する方法が、本明細書で開示される。上皮組織の生存性を維持しながらウイルスを不活化しまたはウイルス感染を治療するために有効な1平方センチメートルあたりジュール(J/cm)で表わした治療線量を得るための所与の期間にわたる閾時間についての特定の波長において1平方センチメートルあたりミリワット(mW/cm)で表わした光の照度が提案された。これらの治療は、処置される特定の組織ならびに媒体中の種々の流体、たとえば血液、痰、唾液、頸部流体、および粘液に合わせて調節することができる。感染を治療するための全線量(J/cm)を多数の投与に展開して、特定の組織に対する損傷を最小化しながら感染を治療する個別の線量で、各線量を数秒または数分にわたって適用し、多数の線量を数日または数週にわたって適用することができる。
[0015]一態様では、照明デバイスは、体腔内の組織に光を照射するように配置された少なくとも1つの光源であって、光が生物学的効果を誘起するように構成され、生物学的効果が、体腔内の1つまたは複数の病原体の濃度を変更することおよび体腔内の1つまたは複数の病原体の増殖を変更することのうち少なくとも1つを含む、光源、少なくとも1つの光源からの光を受容するように構成された光ガイド、ならびに体腔内の組織に光を提供するための光ガイドを固定するように構成された光ガイド位置決め材を含む。ある特定の実施形態では、生物学的効果は、体腔内の1つまたは複数の病原体の濃度を変更することおよび体腔内の1つまたは複数の病原体の増殖を変更することの両方を含む。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の病原体はウイルス、細菌、および真菌のうち少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の病原体はコロナウイルス科を含む。ある特定の実施形態では、コロナウイルス科はSARS-CoV-2を含む。ある特定の実施形態では、生物学的効果は、体腔内の局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成の少なくとも1つを刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、および一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させることのうち少なくとも1つをさらに含む。ある特定の実施形態では、生物学的効果は、体腔内の無細胞環境中の1つまたは複数の病原体を不活化することを含む。ある特定の実施形態では、生物学的効果は、体腔内の細胞関連環境中の1つまたは複数の病原体の複製を阻害することを含む。
[0016]ある特定の実施形態では、光ガイド位置決め材は使用者の口腔の1つまたは複数の表面と係合するように構成されたマウスピースを含む。ある特定の実施形態では、マウスピースは光ガイドを保護し固定するための1つまたは複数の咬合ガードを含む。ある特定の実施形態では、照明デバイスは光を中咽頭に提供するために使用者の舌を押圧するように構成された舌圧子をさらに含む。ある特定の実施形態では、舌圧子は光ガイドの一部によって形成されている。ある特定の実施形態では、照明デバイスは少なくとも1つの光源を含むハウジングをさらに含み、光ガイドおよび光ガイド位置決め材はハウジングに除去可能に取り付けられるように構成されている。ある特定の実施形態では、照明デバイスは照明デバイスを充電することおよび照明デバイスに保存されたデータにアクセスすることのうち少なくとも1つのために構成されたポートをさらに含む。
[0017]ある特定の実施形態では、光は410ナノメーター(nm)~440nmの範囲のピーク波長を含む第1の光の特徴を含む。ある特定の実施形態では、体腔内の組織に光を照射するステップは、1平方センチメートルあたり0.5ジュール(J/cm)~100J/cmの範囲の光量を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、体腔内の組織に光を照射するステップは、2~250の範囲の光治療指数で光量を投与するステップを含み、光治療指数は、組織生存率を25%低減する用量濃度を1つまたは複数の病原体の細胞内パーセンテージを50%低減する用量濃度によって除したものとして定義される。
[0018]別の態様では、照明デバイスは、使用者の中咽頭の組織に光を照射して生物学的効果を誘起するように配置された少なくとも1つの光源であって、生物学的効果が、1つまたは複数の病原体の濃度を変更することおよび1つまたは複数の病原体の増殖を変更することのうち少なくとも1つを含む、光源、ならびに使用者の口腔の1つまたは複数の表面と係合して中咽頭に前記光を提供するように構成されたマウスピースを含む。ある特定の実施形態では、生物学的効果は、1つまたは複数の病原体の濃度を変更することおよび1つまたは複数の病原体の増殖を変更することを含む。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の病原体はウイルス、細菌、および真菌のうち少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の病原体はコロナウイルス科を含む。ある特定の実施形態では、コロナウイルス科はSARS-CoV-2を含む。
[0019]ある特定の実施形態では、生物学的効果は、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成の少なくとも1つを刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、および一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させることのうち少なくとも1つをさらに含む。ある特定の実施形態では、マウスピースは使用者の口腔を拡張するように構成されている。ある特定の実施形態では、照明デバイスは少なくとも1つの光源からの光を受容するように構成された光ガイドをさらに含む。ある特定の実施形態では、マウスピースは光ガイドに除去可能に取り付けられるように構成されている。ある特定の実施形態では、マウスピースは光ガイドを保護し固定するための1つまたは複数の咬合ガードを含む。ある特定の実施形態では、光ガイドの一部は光を中咽頭に提供するために使用者の舌を押圧するように構成された舌圧子を形成する。ある特定の実施形態では、光は410nm~440nmの範囲のピーク波長を含み、中咽頭の組織に光を照射するステップは、0.5J/cm~100J/cmの範囲の光量を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の病原体はコロナウイルス科を含み、中咽頭の組織に光を照射するステップは、2~250の範囲の光治療指数で光量を投与するステップを含み、光治療指数は、組織生存率を25%低減する用量濃度を1つまたは複数の病原体の細胞内パーセンテージを50%低減する用量濃度によって除したものとして定義される。
[0020]別の態様では、照明デバイスは少なくとも1つの光源、通信モジュール、ならびに通信モジュールおよび少なくとも1つの光源と関連付けられたドライバー回路を含み、ドライバー回路は通信モジュールを介してサーバーから少なくとも1つのパラメーターを受信し、少なくとも1つの光源を制御して哺乳動物組織に光を照射して少なくとも1つの生物学的効果を誘起するように構成されている。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのパラメーターは、光の継続時間、強度、ピーク波長、またはピーク波長の範囲のうち1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのパラメーターは、照明デバイスが哺乳動物組織を照射するための光学系、ロケーター、光源位置決め材、および光ガイド位置決め材のうち1つまたは複数の特定を含む。ある特定の実施形態では、哺乳動物組織は、耳道、鼻腔、口腔、口腔咽頭区域、咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、食道、肺、内皮組織、および胃腸管組織のうち1つまたは複数の組織を含む。照明デバイスは、哺乳動物組織からデータを収集するためのカメラおよびセンサーのうち少なくとも1つをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、通信モジュールは哺乳動物組織からサーバーにデータを通信するように構成されている。ある特定の実施形態では、哺乳動物組織からのデータは哺乳動物組織の画像および哺乳動物組織のセンサーデータのうち1つまたは複数を含む。
[0021]別の態様では、方法は、哺乳動物組織に関連するデータにアクセスするステップ、哺乳動物組織に関連するデータに基づいて少なくとも1つのパラメーターを生成するステップ、および少なくとも1つのパラメーターに基づいて哺乳動物組織に光を照射することができる照明デバイスに少なくとも1つのパラメーターを送信して少なくとも1つの生物学的効果を誘起するステップを含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのパラメーターは、光の継続時間、強度、ピーク波長、またはピーク波長の範囲のうち1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのパラメーターは、照明デバイスが哺乳動物組織を照射するための光学系、ロケーター、光源位置決め材、および光ガイド位置決め材のうち1つまたは複数の特定を含む。ある特定の実施形態では、哺乳動物組織は、耳道、鼻腔、口腔、口腔咽頭区域、咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、食道、肺、内皮組織、および胃腸管組織のうち1つまたは複数の組織を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのパラメーターを生成するステップは、哺乳動物組織に関連するデータと以前に特定された哺乳動物組織の特徴に対応するデータとの比較に基づいて哺乳動物組織の特徴を推察するステップを含む。
[0022]別の態様では、システムは、哺乳動物組織に光を照射するように配置された少なくとも1つの光源を含む照明デバイスおよびネットワークを介して照明デバイスと通信するサーバーを含み、サーバーは照明デバイスが哺乳動物組織に光を照射して少なくとも1つの生物学的効果を誘起するための少なくとも1つのパラメーターを提供するように構成されている。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのパラメーターは、光の継続時間、強度、ピーク波長、またはピーク波長の範囲のうち1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのパラメーターは、照明デバイスが哺乳動物組織を照射するための光学系、ロケーター、光源位置決め材、および光ガイド位置決め材のうち1つまたは複数の特定を含む。ある特定の実施形態では、哺乳動物組織は、耳道、鼻腔、口腔、口腔咽頭区域、咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、食道、肺、内皮組織、および胃腸管組織のうち1つまたは複数の組織を含む。ネットワークは、イントラネット、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、電力線通信(PLC)、およびセルラーネットワークのうち少なくとも1つを含み得る。
[0023]ある特定の実施形態では、サーバーは以前に特定された哺乳動物組織の特徴に対応するデータが投入される人工知能ライブラリーを含む。ある特定の実施形態では、サーバーは他の照明デバイスから使用データを収集し、その使用データを人工知能ライブラリーに付加するように構成されたサーバー側アプリケーションを含む。ある特定の実施形態では、サーバー側アプリケーションは哺乳動物組織から収集したデータと以前に特定された哺乳動物組織の特徴に対応する人工知能ライブラリーのデータとの比較に基づいて哺乳動物組織の特徴を推測し、その少なくとも1つのパラメーターを照明デバイスに提供するように構成されている。
[0024]ある特定の実施形態では、哺乳動物組織から収集したデータは、哺乳動物組織の1つまたは複数の測定値を含み得る。ある特定の実施形態では、哺乳動物組織から収集したデータは、哺乳動物組織の1つまたは複数の画像を含む。1つまたは複数の画像は、可視光画像、赤外画像、紫外画像、所定の波長範囲内の光を測定する画像、および2つ以上の異なる所定の波長範囲内の光を測定する画像のうち少なくとも1つを含み得る。ある特定の実施形態では、哺乳動物組織から収集したデータは、哺乳動物組織のセンサーデータを含む。照明デバイスはカメラおよびセンサーのうち少なくとも1つをさらに含み、哺乳動物組織から収集したデータは、照明デバイスのカメラおよびセンサーのうち少なくとも1つによって捕捉される。ある特定の実施形態では、哺乳動物組織から収集したデータは、照明デバイスから別個に提供される他の組織診断をさらに含む。ある特定の実施形態では、以前に特定された哺乳動物組織の特徴は、病原体、疾患、がん病巣、前がん病巣、腫瘍、ポリープ、流体の蓄積、および炎症のうち少なくとも1つの存在を含む。ある特定の実施形態では、システムはサーバーおよび照明デバイスと通信する計算デバイスをさらに含み得る。計算デバイスはラップトップコンピューター、タブレット、デスクトップコンピューター、別のサーバー、セルラー電話、個人用デジタル補助装置(PDA)、マルチメディアプレーヤー、埋め込みシステム、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、スマート眼鏡、およびゲーム用コンソールのうち1つまたは複数を含み得る。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの生物学的効果は、無細胞環境中の1つまたは複数の病原体を不活化すること、細胞関連環境中の1つまたは複数の病原体の複製を阻害すること、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに抗炎症効果を誘起することのうち少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、照明デバイスは有線および無線の接続のうち少なくとも1つを介してサーバーと通信するように構成されている。ある特定の実施形態では、照明デバイスは外部電源から電力を受容するように構成された充電可能な電源を含む。ある特定の実施形態では、外部電源はヒトの動作に応答して電力を供給するように構成されている。ある特定の実施形態では、外部電源は太陽エネルギー源を含む。
[0025]別の態様では、照明デバイスは、使用者の口腔内に位置決めするためのマウスピースを形成するハウジング、ハウジング内に配置されて哺乳動物組織に光を照射する少なくとも1つの光源、およびハウジング内に配置され、少なくとも1つの光源を駆動するように構成されたドライバー回路を含む電子モジュールを含む。ある特定の実施形態では、ハウジングは、少なくとも1つの光源から哺乳動物組織に光を通過させるように構成された少なくとも1つの光学ポートを含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの光学ポートはハウジングの連続部分である。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの光学ポートはハウジングに取り付けられた不連続な要素である。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの光学ポートは、少なくとも1つの光源によって提供される光の1つまたは複数の波長に対して、ハウジングの他の部分と比較して増大した透光性を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの光学ポートは少なくとも1つの光源のためのレンズを形成する。ある特定の実施形態では、レンズは少なくとも1つの光源に関して外側に曲がった形状を形成する外表面を含む。ある特定の実施形態では、レンズは少なくとも1つの光源に関して内側に曲がった形状を形成する外表面を含む。照明デバイスはカメラおよびセンサーのうち少なくとも1つをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、照明デバイスはネットワークを介してサーバーと通信するように構成され、サーバーは照明デバイスのために少なくとも1つのパラメーターを提供し、哺乳動物組織に光を照射して少なくとも1つの生物学的効果を誘起するように構成されている。ある特定の実施形態では、マウスピースは手術の間に使用者の歯の上の列を受容するように構成された上表面および使用者の歯の下の列を受容するように構成された下表面を含み、上表面と下表面との間のハウジングの厚みは1mm~50mmの範囲である。
[0026]別の態様では、照明デバイスは、使用者の口腔内に位置決めするためのマウスピースを形成するハウジング、ハウジングに取り付けられ、哺乳動物組織に光を照射するように配置された少なくとも1つの光源および少なくとも1つの光源を駆動するように構成されたドライバー回路を含む電子モジュール、ならびにハウジングを通って少なくとも1つの光源から光を伝播するように構成されたハウジング内の光ガイドを含む。ある特定の実施形態では、ハウジングは、光ガイドから哺乳動物組織に光を通過させるように構成された少なくとも1つの光学ポートを含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの光学ポートはハウジングの連続部分である。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの光学ポートはハウジングに取り付けられた不連続な要素である。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの光学ポートは、少なくとも1つの光源によって提供される光の1つまたは複数の波長に対して、ハウジングの他の部分と比較して増大した透光性を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの光学ポートは光ガイド内を伝播する光のためのレンズを形成する。ある特定の実施形態では、レンズは光ガイドに関して外側に湾曲した形状を形成する外表面を含む。ある特定の実施形態では、レンズは光ガイドに関して内側に湾曲した形状を形成する外表面を含む。照明デバイスはカメラおよびセンサーのうち少なくとも1つをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、照明デバイスはネットワークを介してサーバーと通信するように構成され、サーバーは照明デバイスが哺乳動物組織に光を照射して少なくとも1つの生物学的効果を誘起するために少なくとも1つのパラメーターを提供するように構成されている。ある特定の実施形態では、マウスピースは手術の間に使用者の歯の上の列を受容するように構成された上表面および使用者の歯の下の列を受容するように構成された下表面を含み、上表面と下表面との間のハウジングの厚みは1mm~50mmの範囲である。
[0027]別の態様では、方法は、光の特徴を有する光を発するように構成された照明デバイスを用意するステップであって、照明デバイスが、光源、光源からの光を受容するように構成された光ガイド、および使用者の口腔内に光ガイドの少なくとも一部を固定するように構成された光ガイド位置決め材を含む、ステップ、ならびに使用者の口腔から接近可能な組織に光を照射して生物学的効果を誘起するステップであって、生物学的効果が、組織内の局所免疫応答を変更することを含むステップを含む。組織は上気道の組織を含み得る。ある特定の実施形態では、局所免疫応答は炎症性免疫応答を含む。ある特定の実施形態では、局所免疫応答を変更することは、炎症性免疫応答分子を上方制御することおよび下方制御することのうち少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、炎症性免疫応答分子はサイトカインを含む。ある特定の実施形態では、サイトカインはインターロイキン1アルファ(IL-1α)分子、インターロイキン1ベータ(IL-1β)分子、およびインターロイキン6(IL-6)分子のうち1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、炎症性免疫応答分子を上方制御することおよび下方制御することのうち少なくとも1つはIL-1α分子およびIL-1β分子のうち1つまたは複数を上方制御する一方、IL-6分子を下方制御することを含む。本方法はカスパーゼ3または乳酸脱水素酵素B(LDH-B)タンパク質の発現増大を伴わずに炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御するステップをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、光の特徴は、385nm~450nmの範囲もしくは410nm~440nmの範囲のピーク波長、または5ミリワット(mW)~5000mWの範囲の放射フラックスを含む。放射フラックスは5mW/cm~200mW/cmの範囲の照度を前記組織に提供するように構成されている。ある特定の実施形態では、組織に照射するステップは1平方センチメートルあたり0.5ジュール(J/cm)~100J/cmの範囲の光量を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、光量は2J/cm~50J/cmの範囲である。ある特定の実施形態では、生物学的効果は、体内の無細胞環境中の1つまたは複数の病原体を不活化すること、および体内の細胞関連環境中の1つまたは複数の病原体の複製を阻害することをさらに含む。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の病原体はウイルス、細菌、および真菌のうち少なくとも1つを含む。生物学的効果は、一酸化窒素の酵素的生成の少なくとも1つを刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、および一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させることをさらに含み得る。
[0028]別の態様では、方法は、光の特徴を含む光を発するように構成された光源を用意するステップ、および体内の哺乳動物組織に光を照射して生物学的効果を誘起するステップであって、生物学的効果が、組織中の炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御することを含む、ステップを含む。ある特定の実施形態では、炎症性免疫応答分子はサイトカインを含む。ある特定の実施形態では、サイトカインはインターロイキン1アルファ(IL-1α)分子、インターロイキン1ベータ(IL-1β)分子、およびインターロイキン6(IL-6)分子のうち1つまたは複数を含む。ある特定の実施形態では、炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御することは、IL-1α分子およびIL-1β分子のうち1つまたは複数を上方制御する一方、IL-6分子を下方制御することを含む。本方法は、カスパーゼ3または乳酸脱水素酵素B(LDH-B)タンパク質の発現増大を伴わずに炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御するステップをさらに含み得る。ある特定の実施形態では、光の特徴は385nm~450nmの範囲または410nm~440nmの範囲のピーク波長を含む。ある特定の実施形態では、哺乳動物組織に照射するステップは1平方センチメートルあたり0.5ジュール(J/cm)~100J/cmの範囲の光量を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、生物学的効果は、体内の無細胞環境中の1つまたは複数の病原体を不活化すること、および体内の細胞関連環境中の1つまたは複数の病原体の複製を阻害することをさらに含む。
[0029]別の態様では、上記の態様のいずれか、および/または本明細書に記載した種々の個別の態様および特徴は、さらなる利点を得るために組み合わせてよい。本明細書に開示した種々の特徴および要素のいずれも、本明細書にそれに反する指示がない限り、他に開示した1つまたは複数の特徴および要素と組み合わせてよい。
[0030]当業者であれば、添付した図面と関連して以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読んだ後で、本開示の範囲を認識し、そのさらなる態様を理解するであろう。
[0031]本明細書に組み込まれ本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を示し、本記述と一緒になって本開示の原理を説明する働きをする。
[0032]一部の実施形態による、生体組織内の未結合一酸化窒素の濃度を増大させるための例示的な照明デバイスの、ブロック図である。 [0033]一部の実施形態による、図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [0034]一部の実施形態による、例示的な一酸化窒素調節光に関する強度対波長を示す、スペクトル図である。 [0035]一部の実施形態による、例示的な内因性貯蔵増大光および例示的な内因性貯蔵放出光に関する強度対波長を示す、スペクトル図である。 [0036]図5Aは、iNOSによって触媒された一酸化窒素(NO)の光活性化生成、およびその後のNOとCCOとの結合を示す、反応順序である。 [0037]図5Bは、未結合一酸化窒素を放出し、NADPHをNADPに還元し、およびアルギニンをシトルリンに変換するのに、アルギニンがNOS1/nNOS、NOS2/iNOS、およびNOS3/eNOSの存在下で酸素およびNADPHとどのように反応するかを示す図である。 [0038]図5Cは、ケラチノサイトの曝露後24時間から照射の10分まで、様々な波長の光に曝露されたとき、iNOSを発現する細胞%として一酸化窒素の酵素発生(ケラチノサイトにおける)を示すチャートである。 [0039]図6Aは、青、緑、および赤色波長に曝露した後の、光受容体GSNOからの一酸化窒素の放出(μmol/秒)対時間(分)を示すチャートである。
[0040]図6Bは、複合体CCO-NOを形成するための、一酸化窒素と光受容体CCOとの結合と、その後に続く、内因性貯蔵放出光に曝露した後のこの複合体からのNOの放出とを示す図である。
[0041]一部の実施形態による、図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [0042]一部の実施形態による、図7に示される例示的な一酸化窒素調節光に関する強度対波長を示す、スペクトル図である。 [0043]一部の実施形態による、追加の発光体(複数可)を含む図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [0044]一部の実施形態による、カメラセンサーを含む図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [0045]一部の実施形態による、追加の発光体(複数可)およびカメラセンサーを含む図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [0046]一部の実施形態による、体腔内に実質的に適合するようサイズ決めされた図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [0047]一部の実施形態による、体腔内に一酸化窒素調節光を方向付けるための光ガイドを含む図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [0048]一部の実施形態による、図13の例示的な照明デバイスの例示的な手持ち式構成の、側面図である。 [0049]一部の実施形態による、図14の例示的な手持ち式構成の、正面図である。 [0050]一部の実施形態による、図13の例示的な照明デバイスの例示的な手持ち式構成の、側面図である。 [0051]一部の実施形態による、図16の例示的な手持ち式構成の様々な構成要素の、斜視図である。 [0052]一部の実施形態による、図16の例示的な手持ち式構成の、正面図である。 [0053]一部の実施形態による、図13の例示的な照明デバイスの例示的な手持ち式構成の、斜視図である。 [0054]一部の実施形態による、図13の例示的な照明デバイスの例示的な手持ち式構成の、部分透視図である。 [0055]図21Aは、一実施形態による、患者の内腔の組織に一酸化窒素調節光を送出するための例示的な照明デバイスの少なくとも一部の、概略立面図である。
[0056]図21Bは、一実施形態による、患者の頚部組織に一酸化窒素調節光を送出するための凹面発光表面を含む発光デバイスの少なくとも一部の、概略立面図である。
[0057]図21Cは、患者の頚部組織に一酸化窒素調節光を送出するために膣腔内に挿入された、図21Bのデバイスを示す。
[0058]図21Dは、別の実施形態による、患者の頚部組織に一酸化窒素調節光を送出するためのプローブ画定発光表面を含む発光デバイスの少なくとも一部の、概略立面図である。
[0059]図21Eは、患者の頚部組織に一酸化窒素調節光を送出するための、頚部開口内に挿入された発光表面のプローブ部分を備えた、膣腔内に挿入された図21Dのデバイスを示す。
[0060]図22Aは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な真っ直ぐな光ガイドの斜視図である。
[0061]図22Bは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な屈曲した光ガイドの斜視図である。
[0062]図23Aは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な真っ直ぐな光ガイドの側面図である。
[0063]図23Bは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な屈曲した光ガイドの側面図である。
[0064]図23Cは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な先細りの光ガイドの側面図である。
[0065]図23Dは、少なくとも1つの実施形態による、例示的なアップテーパー型光ガイドの側面図である。
[0066]図23Eは、少なくとも1つの実施形態による、90度の屈曲を有する例示的な屈曲した光ガイドの側面図である。
[0067]図24Aは、少なくとも1つの実施形態による、多数の屈曲を有する例示的な屈曲した光ガイドの側面図である。
[0068]図24Bは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な膨らんだ光ガイドの側面図である。
[0069]図24Cは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な湾曲した光ガイドの側面図である。
[0070]図25Aは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な先細りの光ガイドの側面図である。
[0071]図25Bは、少なくとも1つの実施形態による、図25Aの例示的な先細りの光ガイドの正面図である。
[0072]図25Cは、少なくとも1つの実施形態による、図25Aの例示的な先細りの光ガイドの上面図である。
[0073]図26Aは、少なくとも1つの実施形態による、例示的な先割れ状態の光ガイドの側面図である。
[0074]図26Bは、少なくとも1つの実施形態による、図26Aの例示的な先割れ光ガイドの正面図である。
[0075]図26Cは、少なくとも1つの実施形態による、図26Aの例示的な先割れ光ガイドの、上面図である。
[0076]図27Aは、少なくとも1つの実施形態による、円形断面領域および円形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0077]図27Bは、少なくとも1つの実施形態による、六角形断面領域および六角形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0078]図27Cは、少なくとも1つの実施形態による、楕円形断面領域および楕円形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0079]図27Dは、少なくとも1つの実施形態による、長方形断面領域および長方形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0080]図27Eは、少なくとも1つの実施形態による、五角形断面領域および五角形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0081]図27Fは、少なくとも1つの実施形態による、八角形断面領域および八角形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0082]図27Gは、少なくとも1つの実施形態による、卵形断面領域および卵形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0083]図27Hは、少なくとも1つの実施形態による、三角形断面領域および三角形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0084]図27Iは、少なくとも1つの実施形態による、半円形断面領域および半円形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0085]図27Jは、少なくとも1つの実施形態による、異ならせて成形された断面領域および面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[0086]図28Aは、少なくとも1つの実施形態による、類似の面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0087]図28Bは、少なくとも1つの実施形態による、類似していない面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0088]図28Cは、少なくとも1つの実施形態による、不規則に成形された面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0089]図28Dは、少なくとも1つの実施形態による、円錐面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0090]図28Eは、少なくとも1つの実施形態による、多面形成された面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0091]図28Fは、少なくとも1つの実施形態による、平らな面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0092]図28Gは、少なくとも1つの実施形態による、凸面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0093]図28Hは、少なくとも1つの実施形態による、凹面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0094]図28Iは、少なくとも1つの実施形態による、丸みの付いた面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0095]図28Jは、少なくとも1つの実施形態による、面取りがなされた面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0096]図28Kは、少なくとも1つの実施形態による、角度が付けられた面を有する例示的な光ガイドの側面図である。
[0097]図29Aは、少なくとも1つの実施形態による、円形断面領域および円形面を有する例示的な光ガイドの、別の斜視図である。
[0098]図29Bは、少なくとも1つの実施形態による、クラッド加工されていないコアを有する図29Aの光ガイドの断面図である。
[0099]図29Cは、少なくとも1つの実施形態による、正方形断面領域および正方形面を有する例示的な光ガイドの斜視図である。
[00100]図29Dは、クラッド加工されていないコアを有する図29Cの光ガイドの断面図である。
[00101]図29Eは、少なくとも1つの実施形態による、クラッド加工されたコアを有する例示的な光ガイドの断面図である。
[00102]図29Fは、少なくとも1つの実施形態による、クラッド加工されたコアを有する例示的な光ガイドの別の断面図である。
[00103]図30Aは、少なくとも1つの実施形態による、例示的なマルチコア光ガイドの斜視図である。
[00104]図30Bは、少なくとも1つの実施形態による、図30Aの例示的なマルチコア光ガイドの断面図である。
[00105]図30Cは、少なくとも1つの実施形態による、例示的なフレキシブル光ガイドの斜視図である。
[00106]図31Aは、少なくとも1つの実施形態による、例示的なマルチコア光ガイドの側面図である。
[00107]図31Bは、少なくとも1つの実施形態による、図31Aのマルチコア光ガイドの例示的な構成の正面図である。
[00108]図31Cは、少なくとも1つの実施形態による、図31Aのマルチコア光ガイドの例示的な構成の正面図である。
[00109]図31Dは、少なくとも1つの実施形態による、図31Aのマルチコア光ガイドの例示的な構成の正面図である。
[00110]図32Aは、少なくとも1つの実施形態による、円形断面領域を有する例示的な中空光ガイドの断面図である。
[00111]図32Bは、少なくとも1つの実施形態による、長方形断面領域を有する例示的な中空光ガイドの断面図である。
[00112]図32Cは、少なくとも1つの実施形態による、楕円形断面領域を有する例示的な中空光ガイドの断面図である。
[00113]図32Dは、少なくとも1つの実施形態による、六角形断面領域を有する例示的な中空光ガイドの断面図である。
[00114]少なくとも1つの実施形態による、例示的な中空光ガイドの斜視図である。 [00115]少なくとも1つの実施形態による、別の例示的な中空光ガイドの斜視図である。 [00116]少なくとも1つの実施形態による、内側反射面を有する例示的なu字形光ガイドの上面図である。 [00117]図36Aは、少なくとも1つの実施形態による、カバーキャップを有する例示的な光ガイドの断面図である。
[00118]図36Bは、少なくとも1つの実施形態による、バットドームキャップを有する例示的な光ガイドの断面図である。
[00119]図36Cは、少なくとも1つの実施形態による、バットフラットキャップを有する例示的な光ガイドの断面図である。
[00120]図36Dは、少なくとも1つの実施形態による、円錐形シールドを有する例示的な光ガイドの断面図である。
[00121]図36Eは、少なくとも1つの実施形態による、角度付き円錐形シールドを有する例示的な光ガイドの断面図である。
[00122]図36Fは、少なくとも1つの実施形態による、片側シールドを有する例示的な光ガイドの断面図である。
[00123]図36Gは、少なくとも1つの実施形態による、穴あきシールドを有する例示的な光ガイドの断面図である。
[00124]一部の実施形態による、例示的なスイッチングメカニズムのブロック図である。 [00125]一部の実施形態による、図37の例示的なスイッチングメカニズムの、別のブロック図である。 [00126]照明デバイスを制御および/または管理するための例示的なシステムの、ブロック図である。 [00127]一部の実施形態による、生体組織の測定に基づいて光線療法施術を行うための例示的な方法の流れ図である。 [00128]一部の実施形態による、光遮断光ガイドを含む図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [00129]一部の実施形態による、光遮断光ガイドを含む図1の例示的な照明デバイスの、別のブロック図である。 [00130]一部の実施形態による、図1の例示的な照明デバイスの例示的な手持ち式構成の側面図である。 [00131]一部の実施形態による、図43の例示的な手持ち式構成の正面図である。 [00132]一部の実施形態による、図43の例示的な手持ち式構成の斜視図である。 [00133]一部の実施形態による、図43の例示的な手持ち式構成の分解図である。 [00134]一部の実施形態による、図43の例示的な手持ち式構成の断面図である。 [00135]図48Aは、一部の実施形態による、図43の例示的なマウスピースの斜視図である。
[00136]図48Bは、一部の実施形態による、図43の例示的なマウスピースの後面図である。
[00137]図48Cは、一部の実施形態による、図43の例示的なマウスピースの側面図である。
[00138]図48Dは、一部の実施形態による、図43の例示的なマウスピースの正面図である。
[00139]図49Aは、一部の実施形態による、図43の例示的な光ガイドの斜視図である。
[00140]図49Bは、一部の実施形態による、図43の例示的な光ガイドの後面図である。
[00141]図49Cは、一部の実施形態による、図43の例示的な光ガイドの側面図である。
[00142]図49Dは、一部の実施形態による、図43の例示的な光ガイドの正面図である。
[00143]図50Aは、一部の実施形態による、図43の例示的なマウスピースおよび光ガイドを含む例示的な除去可能なアセンブリの、斜視図である。
[00144]図50Bは、一部の実施形態による、図50Aの例示的な除去可能なアセンブリの、後面図である。
[00145]図50Cは、一部の実施形態による、図50Aの例示的な除去可能なアセンブリの、側面図である。
[00146]図50Dは、一部の実施形態による、図50Aの例示的な除去可能なアセンブリの、正面図である。
[00147]図51Aは、一部の実施形態による、図50A~50Dの除去可能なアセンブリのない、図43の例示的な照明デバイスの例示的な手持ち式構成の、側面図である。
[00148]図51Bは、一部の実施形態による、図50A~50Dの除去可能なアセンブリのない、図43の例示的な手持ち式構成の、正面図である。
[00149]図51Cは、一部の実施形態による、図50A~50Dの除去可能なアセンブリのない、図43の例示的な手持ち式構成の、斜視図である。
[00150]一部の実施形態による、図1の例示的な照明デバイスの、別の例示的な構成の側面図である。 [00151]一部の実施形態による、図1の例示的な照明デバイスの、別の例示的な構成の側面図である。 [00152]図54Aは、中咽頭を含む使用者の口腔の内部または付近の生体組織に光を送出するための照明デバイスの、例示的な手持ち式構成の正面斜視図である。 [00153]図54Bは、図54Aの照明デバイスの後面斜視図である。 [00154]図54Cは、図54Aの照明デバイスの正面図である。 [00155]図54Dは、図54Aの照明デバイスの側面図である。 [00156]図54Eは、図54Aの照明デバイスの上面図である。 [00157]口腔の図である。 [00158]図56Aは、ある特定の実施形態による、例示的な口角鉤の斜視図である。
[00159]図56Bは、光治療処置中にある特定の波長の光を遮断するように構成されたフィルターなどの材料を含む、口角鉤の斜視図である。
[00160]使用者の鼻孔に光源を固定するためのデバイスの、斜視図である。 [00161]ヒト細胞へのエンドサイトーシスを容易にするためコロナウイルスにより使用される活性スパイク(S)タンパク質の一酸化窒素不活化を示す図である。 [00162]図59Aは、種々の例示的なLEDアレイに関する波長に対して測定されたスペクトルフラックスを示すチャートである。
[00163]図59Bは、1つまたは複数のLEDアレイから生体被験物に光を供給するための試験装置の斜視図である。
[00164]図60Aは、ある範囲の線量に関して385nmのピーク波長に関する生存率パーセントを示すチャートである。 [00165]図60Bは、図60Aの同じ線量に関して405nmのピーク波長での生存率パーセントを示すチャートである。 [00166]図60Cは、図60Aの同じ線量に関して425nmのピーク波長での生存率パーセントを示すチャートである。 [00167]図61Aは、様々な細胞播種密度で、96ウェルプレート上で行われた抗ウイルスアッセイでの、Vero E6細胞の生存率パーセントを示すチャートである。 [00168]図61Bは、様々な細胞播種密度で、48ウェルプレート上で行われた抗ウイルスアッセイでの、Vero E6細胞の生存率パーセントを示すチャートである。 [00169]図61Cは、様々な細胞播種密度で、24ウェルプレート上で行われた抗ウイルスアッセイでの、Vero E6細胞の生存率パーセントを示すチャートである。 [00170]図62Aは、1時間、0.001 SARS-CoV-2単離株USA-WA1/2020のMOIに感染したVero E6細胞に関する様々な線量範囲での、425nmに光に関するミリリットル(ml)当たりの組織培養感染量(TCID50)を示すチャートである。
[00171]図62Bは、図62Aに示された光の線量に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞の細胞毒性パーセントを示すチャートである。
[00172]図63Aは、1時間、0.001 SARS-CoV-2単離株USA-WA1/2020のMOIに感染したVero E6細胞に関する様々な線量範囲での、425nmの光に関するTCID50/mlを示すチャートである。 [00173]図63Bは、図63Aに示される光の線量に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞の細胞毒性パーセントを示すチャートである。 [00174]図63Cは、図63A~63BのTCID50アッセイで収集した試料に関する、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(rRT-PCR)によるSARS-CoV-2 RNAの評価を示す表である。 [00175]図64Aは、0.001 SARS-CoV-2のMOIに感染したVero 76細胞に関する様々な線量範囲での、425nmの光に関するTCID50/mlを示すチャートである。
[00176]図64Bは、図64Aに示される光の線量に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞の細胞毒性パーセントを示すチャートである。
[00177]0.01のMOIに感染したVero E6細胞の、TCID /ml対625nmの赤色光の様々な線量を示すチャートである。 [00178]図66Aは、第1の研究室からの、SARS-CoV-2に関するVero E6細胞での、TCID50によるウイルスアッセイを示すチャートである。 [00179]図66Bは、第1の研究室からの、SARS-CoV-2に関するVero E6細胞での、TCID50によるウイルスアッセイを示すチャートである。 [00180]図67Aは、Vero E6細胞が、0~180J/cmに及ぶ線量で530nmの光の下、低下した生存率を示さないことを示す、チャートである。 [00181]図67Bは、Vero E6細胞が、0~240J/cmに及ぶ線量で625nmの光の下、低下した生存率を示さないことを示す、チャートである。 [00182]図68Aは、Vero E6細胞密度の種々の播種に関する生のルミネッセンス値(RLU)と、光の様々な線量(J/cm)とを示すチャートである。 [00183]図68Bは、Vero E6細胞密度の種々の播種に関する生存率パーセントと、図68Aの光の様々な線量(J/cm)とを示すチャートである。 [00184]図68Cは、上記10 Vero E6細胞の細胞密度を測定するのにCTGが有効な試薬であることを示すため、RLU対全細胞数を比較するチャートである。 [00185]図69Aは、SARS-CoV-2に感染したCalu-3細胞に関する、感染後24時間および48時間でのTCID50/ml対線量のチャートである。
[00186]図69Bは、図69AのCalu-3細胞に関する、細胞毒性パーセントと比較した、SARS-Cov-2の低減パーセントを示すチャートである。
[00187]図70Aは、425nmで光の様々な線量後、0.01のMOIに感染したVero E6細胞に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞の細胞毒性パーセントを示すチャートである。 [00188]図70Bは、425nmで光の様々な線量後、0.001のMOIに感染したVero E6細胞に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞の細胞毒性パーセントを示すチャートである。 [00189]図70Cは、425nmで光の様々な線量後、単一ドナーからの一次ヒト気管/気管支組織に関する様々な線量での生存率パーセントを表すチャートである。 [00190]図71Aは、450nmで光の様々な線量後、0.01のMOLに感染したVero E6細胞に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞の細胞毒性パーセントを示すチャートである。 [00191]図71Bは、450nmで光の様々な線量後、0.001のMOLに感染したVero E6細胞に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞の細胞毒性パーセントを示すチャートである。 [00192]図71Cは、450nmで光の様々な線量後、単一ドナーからの一次ヒト気管/気管支組織に関する、様々な線量での生存率パーセントを表すチャートである。 [00193]図70A~70Cおよび71A~71Cに示された結果をまとめた表である。 [00194]図73Aは、425nmの光の種々の線量で処置した後の、種々の初期ウイルス用量に関する、残りのウイルス負荷に基づくWTインフルエンザAウイルスの力価を示すチャートである。
[00195]図73Bは、425nmの光の種々の線量で処置した後の、単一初期ウイルス用量に関する、残りのウイルス負荷に基づくタミフル耐性インフルエンザAウイルスの力価を示すチャートである。
[00196]図74Aは、0.01のWTインフルエンザAに関するMOIで、様々な線量で425nmの光で処置したWTインフルエンザAに関する、TCID50/ml対エネルギー用量を示すチャートである。 [00197]図74Bは、インフルエンザAに感染したMadin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞が425nmの光に様々な線量で曝露されたときの、およびWTインフルエンザAに関するMOIが0.01で提供されたときの、WTインフルエンザAのウイルス負荷の低減パーセントと、処置した細胞に対する細胞毒性パーセントとを示すチャートである。 [00198]図74Cは、WT-インフルエンザAに感染した、および0.1のWT-インフルエンザAに関するMOIで様々な線量の425nmの光で処置した細胞の、TCID50を示す。 [00199]図74Dは、インフルエンザAに感染したMadin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞を425nmの光に様々な線量で曝露したときの、およびWT-インフルエンザAに関するMOIが0.1で提供されたときの、WT-インフルエンザAのウイルス負荷の低減パーセントおよび処置した細胞に対する細胞毒性パーセントを示す。 [00200]図75Aは、緑膿菌(P. aeruginosa)死滅時の、曝露後の時間に関する、405、425、450、および470nmでならびに58.5J/cmの線量で投与された、光の有効性を示すチャートである。
[00201]図75Bは、黄色ブドウ球菌(S. aeurus)死滅時の、曝露後の時間に関する、405、425、450、および470nmでならびに58.5J/cmの線量で投与された、光の有効性を示すチャートである。
[00202]図76Aは、緑膿菌の死滅時に、425nmでならびに1から1000J/cmに及ぶ線量で投与された、光の有効性を示す、チャートである。
[00203]図76Bは、黄色ブドウ球菌の死滅時に、425nmでならびに1から1000J/cmに及ぶ線量で投与された、光の有効性を示す、チャートである。
[00204]図77Aは、緑膿菌の死滅時に、405nmでならびに1から1000J/cmに及ぶ線量で投与された、光の有効性を示す、チャートである。
[00205]図77Bは、黄色ブドウ球菌の死滅時に、405nmでならびに1から1000J/cmに及ぶ線量で投与された、光の有効性を示す、チャートである。
[00206]一次ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)における、405nmおよび425nmの光の毒性を示すチャートである。 [00207]図79Aは、405nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、感染したAIR-100組織の細菌log10低減および生存率損失%を示すチャートである。 [00208]図79Bは、425nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、感染したAIR-100組織の細菌log10低減および生存率損失%を示すチャートである。 [00209]図79Cは、405nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、グラム陰性菌(たとえば、緑膿菌)に感染したAIR-100組織の細菌log10低減および生存率損失%を示すチャートである。 [00210]図79Dは、425nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、グラム陰性菌(たとえば、緑膿菌)に感染したAIR-100組織の細菌log10低減および生存率損失%を示すチャートである。 [00211]図79Eは、405nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、グラム陽性菌(たとえば、黄色ブドウ球菌)に感染したAIR-100組織の細菌log10低減および生存率損失%を示すチャートである。 [00212]図79Fは、425nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、グラム陽性菌(たとえば、黄色ブドウ球菌)に感染したAIR-100組織の細菌log10低減および生存率損失%を示すチャートである。 [00213]図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 図80A~80Jは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌生存率対線量(J/cm)に関する、種々の線量レベルにある405nmおよび425nmの光の作用を示す、一連のチャートである。 [00214]図79A~80に示される細菌実験に関して、光治療指数(LTI)の計算および対応する殺菌線量をまとめた表である。 [00215]0時間、2時間、4時間、および22.5時間からの期間にわたる、緑膿菌死滅時の、様々な線量にある425nmの光の作用を示すチャートである。 [00216]光(J/cm)の全てが1回の線量で投与されてもまたは一連の少量ずつの線量で投与されても、投与後8時間および48時間での抗菌作用(平均CFU/ml)対線量(J/cm×処置回数)がほぼ同じであることを示すチャートである。 [00217]図84Aは、曝露後24時間での、様々な薬物耐性細菌の処置(平均CFU/ml)対線量(J/cm)を示すチャートである。 [00218]試験された細菌種および株をまとめた表である。 [00219]図84Cは、治療困難な臨床肺病原体に対する、425nmの光の1日2回投与の有効性をまとめた表である。 [00220]図39のシステムに類似した光治療処置を提供するためのシステムの概略図であり、体組織に任意の数の生物学的影響を誘発させるために調整された光治療処置を提供するためのさらなる詳細を含む。 [00221]図86Aは、施術中に使用者の口腔内に位置決めするためのマウスピースの形状因子を含む、光治療デバイスの斜視図である。
[00222]図86Bは、図86Aの光治療デバイスの上面図である。
[00223]図86Cは、図86Aの光治療デバイスのハウジングの端部の1つの、端面図である。
[00224]図87Aは、標的組織に放出をもたらすための、図86Aの光治療デバイスの全てまたは一部において実現され得るデバイス部分の断面図である。
[00225]図87Bは、1つまたは複数の光学ポートが外向きに湾曲した外面を含む、標的組織に放出をもたらすための図86Aの光治療デバイスの全てまたは一部において実現され得るデバイス部分の断面図である。
[00226]図87Cは、1つまたは複数の光学ポートが内向きに湾曲した外面を含む、標的組織に放出をもたらすための図86Aの光治療デバイスの全てまたは一部において実現され得るデバイス部分の断面図である。
[00227]図87Dは、標的組織に放出をもたらすためのおよび/または標的組織から画像およびその他のセンサーデータを獲得するための、図86Aの光治療デバイスの全てまたは一部において実現され得るデバイス部分の断面図である。
[00228]図88Aは、電子モジュールがハウジング内に組み込まれているのではなくハウジングに取着されている配置構成に関し、図86Aの光治療デバイスに類似する光治療デバイスの斜視図である。
[00229]図88Bは、図88Aの光治療デバイスの上面図である。
[00230]図89Aは、標的組織に放出をもたらすための、図88Aの光治療デバイスの全てまたは部分で実現され得るデバイス部分の断面図である。
[00231]図89Bは、1つまたは複数の光学ポートが外向きに湾曲した外面を含む、標的組織に放出をもたらすために図88Aの光治療デバイスの全てまたは一部で実現され得るデバイス部分の断面図である。
[00232]図89Cは、1つまたは複数の光学ポートが内向きに湾曲した外面を含む、標的組織に放出をもたらすために図88Aの光治療デバイスの全てまたは一部で実現され得るデバイス部分の断面図である。
[00233]図89Dは、標的組織に放出をもたらすためのおよび/または標的組織から画像およびその他のセンサーデータを獲得するための、図88Aの光治療デバイスの全てまたは一部で実現され得るデバイス部分の断面図である。
[00234]図90Aは、照射されなかった対照組織試料と比較した、光の385nm、425nm、および625nm波長に応答するAIR-100組織でのインターロイキン1アルファ(IL-1α)分子の誘発発現を示すチャートである。 [00235]図90Bは、対照組織試料と比較した、図90Aからの光のちょうど385nm波長に関するIL-1αの誘発発現を示すチャートである。 [00236]図90Cは、対照組織試料と比較した、図90Aからの光のちょうど425nm波長に関するIL-1αの誘発発現を示すチャートである。 [00237]図90Dは、対照組織試料と比較した、図90Aからの光のちょうど625nm波長に関するIL-1αの誘発発現を示すチャートである。 [00238]図90Eは、照射されていない対照組織試料と比較した、光の385nm、425nm、および625nmの波長に応答した、AIR-100組織におけるインターロイキン1ベータ(IL-1β)分子の誘発発現を示すチャートである。 [00239]図90Fは、照射されていない対照組織試料と比較した、光の385nm、425nm、および625nmの波長に応答した、AIR-100組織におけるインターロイキン6(IL-6)分子の誘発発現を示すチャートである。 [00240]図90Gは、照射されていない対照組織試料と比較した、光の385nmおよび425nmの波長に応答した、AIR-100組織における乳酸デヒドロゲナーゼB(LDH-B)タンパク質の誘発発現を示すチャートである。 [00241]図90Hは、照射されていない対照組織試料と比較した、光の385nmおよび425nmの波長に応答した、AIR-100組織におけるカスパーゼ-3の誘発発現を示すチャートである。 [00242]施術中の、図54A~54Eの照明デバイスの配置を実証する、部分断面図である。 [00243]図91に示される照明デバイスによる光処置の急性安全性および認容性(たとえば、反応源性)を評価するための、ヒト初回I相試験をまとめた表である。 [00244]図93Aは、外来患者のCOVID-19によるSARS-CoV-2感染個体に関する、図91に示される照明デバイスによる光処置の安全性および有効性を評価するための、I/II相臨床試験に関する研究対象集団の人口統計を表す表である。 [00245]図93Bは、I/II相臨床試験中の、唾液中のSARS-CoV-2ウイルス負荷を示すチャートである。 [00246]図93Cは、陽性ベースライン値を持つ全対象の、Log10SARS-CoV-2ウイルス負荷のベースラインからの平均変化を示すチャートである。 [00247]図93Dは、I/II相臨床試験に関する、日ごとの、Log10SARS-CoV-2ウイルス負荷有効性データ(平均プラスマイナスSE)をまとめた表である。 [00248]図93Eは、I/II相臨床試験の、症状の持続的解決に関するKaplan-Meier時間対事象解析を示すチャートである。 [00249]図93Fは、積極的および偽処置群間での、I/II相臨床試験におけるその他の重要な有効性観察をまとめた表である。 [00250]図93Gは、I/II相臨床試験の日または4日後に生じたベースラインよりも高い重症度のレベルに達する、任意の日の症状スコアの発生率および重症度を実証する表である。
[00251]以下に説明する実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にし、実施形態の実施における最良モードを説明するために必要な情報を表わす。添付した図面に照らして以下の説明を読むことにより、当業者は本開示の概念を理解し、本明細書で特に対処していないこれらの概念の応用を認識することになる。これらの概念および応用は本開示および添付した特許請求の範囲に含まれることを理解されたい。
[00252]本明細書において第1、第2等の用語は種々の要素を記述するために使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されないことを理解されたい。これらの用語は1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。たとえば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と名付けてよく、同様に第2の要素を第1の要素と名付けてもよい。本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連するリスト化された項目の1つまたは複数のいずれかおよび全ての組合せを含む。
[00253]層、領域、または基材等の要素が別の要素の「上に」あるかもしくはその「上に」延在すると称される場合には、その要素は他の要素の上に直接あるかもしくはその上に直接延在することができ、または介在する要素が存在してもよいことを理解されたい。対照的に、要素が別の要素の「上に直接」あるかもしくはその「上に直接」延在すると称される場合には、介在する要素は存在しない。同様に、層、領域、または基材等の要素が別の要素の「上方に」あるかもしくはその「上方に」延在すると称される場合には、その要素は他の要素の上方に直接あるかもしくはその上方に直接延在することができ、または介在する要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「上方に直接」あるかもしくはその「上方に直接」延在すると称される場合には、介在する要素は存在しない。要素が別の要素に「接続され」または「連結され」ていると称される場合には、その要素は他の要素に直接接続されもしくは連結されることができ、または介在する要素が存在してもよいことを理解されたい。対照的に、要素が別の要素に「直接接続され」もしくは「直接連結され」ていると称される場合には、介在する要素は存在しない。
[00254]用語「上」、「下」、「底」、「中間」、「中」、「頂」等は本明細書において種々の要素を記述するために使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきでないことを理解されたい。これらの用語は1つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。たとえば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素は「上」の要素と称することができ、同様に第2の要素はこれらの要素の相対的な配向に応じて「上」の要素と称することができる。
[00255]本明細書において使用する用語は特定の実施形態を記述する目的のためのみであり、本開示を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって他が明確に指示されない限り、複数形をも含むことを意図している。用語「含む(comprises、comprising、includes、および/またはincluding)」は、本明細書で使用される場合、記述した特色、整数、ステップ、操作、要素、および/または成分の存在を特定するが、他の1つまたは複数の特色、整数、ステップ、操作、要素、成分、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されよう。
[00256]他に定義しない限り、本明細書で使用する全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されると同じ意味を有する。本明細書で使用する用語は、本明細書および関連する技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、本明細書において明示的にそのように定義しない限り、理想化されまたは過度に形式的な意味で解釈すべきでないこともさらに理解されよう。
[00257]実施形態は、本明細書において本開示の実施形態の概略図を参照して記載される。したがって、層および要素の実際の寸法は異なることがあり、たとえば製造技術および/または許容範囲の結果として説明図の形状からの変動が予想される。たとえば、正方形または長方形として図示しまたは記載した領域は丸くされたまたは曲線状の外観を有することがあり、直線として示された領域はいくらかの不規則性を有することがある。したがって、図示した領域は概略であり、それらの形状はデバイスの領域の正確な形状を図示することを意図しておらず、本開示の範囲を限定することを意図していない。さらに、構造または領域のサイズは説明の目的のため他の構造または領域に対して誇張されていることがあり、したがって本主題の一般的な構造を説明するために提供されており、縮尺通りに描かれた場合もそうでない場合もある。図の間の共通の要素は共通の要素番号とともに本明細書中に示し、引き続いて再記述しないことがある。
[00258]本開示の態様は、たとえば体内および/または患者の体腔内の哺乳動物組織に光を投射するためのデバイスおよび方法に関し、光は組織内または組織上に少なくとも1つの生物学的効果を発揮しまたは誘起する少なくとも1つの特徴を含み得る。生物学的効果は、とりわけウイルス、細菌、真菌、およびその他の微生物を含むがそれらに限定されない微生物および病原体の1つまたは複数の組合せの増殖を不活化することおよび阻害することのうち少なくとも1つを含み得る。生物学的効果はまた、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大すること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに抗炎症効果を誘起することのうち1つまたは複数を含み得る。光の波長は、標的組織および標的とした微生物または病原体の1つまたは複数について少なくとも1つの意図された生物学的効果に基づいて選択され得る。ある特定の態様では、光の波長は意図された生物学的効果に基づく任意の数の波長範囲の可視光を含み得る。さらなる態様は、単一ピーク波長の光または2つ以上のピーク波長を有する光の組合せを用いて多数の微生物および/または多数の病原性生物学的効果のために光を組織に投射することを含む。増大した有効性および低減した細胞毒性を有し、種々の標的病原体および標的組織に対して生物学的効果を誘起するための光量を提供する光治療のためのデバイスおよび方法が開示される。光量は照度、波長、および曝露時間の種々の組合せを含み、そのような光量は連続的に、またはいくつかのパルス曝露によって不連続的に、投与され得る。
[00259]病因性病原体を含む微生物は、典型的には2つの主な経路、即ち気道の粘膜(mucous membraneまたはmucosae)等の体腔内の粘膜表面、および体外の上皮表面を介して人体の組織に侵入する。ウイルスおよび細菌を含む病因性物質によるいくつかの気道感染が存在する。その例にはオルトミクソウイルスス科(たとえばインフルエンザ)、風邪、コロナウイルス科(たとえばコロナウイルス)、およびピコナウイルス感染、結核、肺炎、ならびに気管支炎が含まれる。多くの感染は対象が病原体粒子に曝露され、これが口、鼻、および耳を通して体内に侵入するときに開始される。ウイルス感染については、個別の宿主において感染の成功が確実になるためには典型的には3つの条件が満たされなければならない。即ち、感染を開始するために十分な量のウイルスが利用可能でなければならず、感染の部位における細胞がウイルスにとって接近可能で感受性があり、許容可能でなければならず、また局所における宿主の抗ウイルス防御系が存在しないか初期に無効でなければならない。
[00260]気道感染に対する従来の治療は典型的には抗微生物剤の全身投与を含んでおり、これは残念ながら薬物耐性および胃腸管の苦痛をもたらすことがある。病原体が口、鼻、および/または耳の中に存在している間に、またこれらが肺または体内の他の場所に移動する前に、病原体の生物学的活性を処置し、防止し、または低減するためのデバイスおよび方法は、これとは対照的に特に有益であろう。特にそのようなデバイスおよび方法は、病原体が肺に進入する前に微生物による負荷を低減し、感染の部位における細胞中への浸透の能力を減少させ、宿主の防御系を増幅させることによって感染を防止することができ、これらの全てにより従来の抗微生物医薬の必要性を最小化しまたは回避することができる。
[00261]本開示は一般に、1つまたは複数の治療用生物学的効果を誘起するために生体組織に光を投射するための照明デバイス、装置、および方法に方向付けられている。種々の態様においては、誘起される生物学的効果は、無細胞環境中の微生物を不活化すること、細胞関連環境中の微生物の複製を阻害すること、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに抗炎症効果を誘起することのうち少なくとも1つを含み得る。ある特定の態様では、光は生体組織中の非結合の一酸化窒素の濃度を増大させる一酸化窒素調節光と称し得る。以下により詳細に説明するように、本開示の実施形態は、(1)耳、鼻、口、咽喉、またはその他の体腔の組織の中またはその上における病原体を除去し、および/または(2)宿主の防御系を増幅するために、曝露前予防(PrEP)または曝露後予防(PEP)として1つまたは複数の波長の光を投与し得る。本開示の実施形態は、気道感染およびその他の感染疾患を防止しおよび/または治療するために使用し得る。たとえば、一実施形態では、手持ちの照明デバイスは、SARS-CoV-2ウイルスに感染したか、または曝露されたと考えられる個体におけるCOVID-19のウイルス感染力および罹患率を低減するための予防的手段として、1つまたは複数の波長で光を投与し得る。ある特定の態様では、本開示の照明デバイスは、光線療法および/または光線療法用デバイスとして提供され、または称され得る。
[00262]用語「光線療法」は、光の治療的使用に関する。本明細書で使用される場合、光線療法は膣腔、肛門管、口腔、耳道、上気道、および食道における粘膜上皮組織を含む体のウイルス感染を含む微生物感染を治療しまたは防止するために使用される。
[00263]光の波長が有効である機構は投与される波長に応じて変動し得る。抗微生物効果を含む生物学的効果はUV範囲、可視光範囲、および赤外範囲を含む広範囲の波長にわたって提供され得る。効果は光が抗微生物性である機構およびこれらの機構をもたらす波長に応じて変動する。
[00264]病原体に感染した組織の治療のためおよび/または1つもしくは複数の生物学的効果を誘起するための照明デバイスは、感染した組織に光を送達するために適した任意の形態をとり得る。デバイスは、1つもしくは複数の直接的または間接的な生物学的効果を提供できる好適な光のプロファイルを発することができる光源を含むことになる。光のプロファイルは、任意の特定の光源についての発光強度と光の波長とのグラフで表わすことができる。可視スペクトルにおける光のプロファイル、たとえば主として400nm~700nmの範囲のピーク波長を有する発光を有する光源が本明細書で開示される。目的の用途に応じて、光のプロファイルはまた、700nmもしくはそれを超える赤外もしくは近赤外ピーク波長、または400nmもしくはそれより低い紫外ピーク波長を含み得る。ある特定の実施形態では、発光は200nm~900nmの範囲、または400nm~490nmの範囲、または400nm~435nmの範囲、または400nm~420nmの範囲、または410nm~440nmの範囲、または420nm~440nmの範囲、または450nm~490nmの範囲、または500nm~900nmの範囲、または490nm~570nmの範囲、または510nm~550nmの範囲、または520nm~540nmの範囲、または525nm~535nmの範囲、または528nm~532nmの範囲、または320nm~400nmの範囲、または350nm~395nmの範囲、または280nm~320nmの範囲、または320nm~350nmの範囲、または200nm~280nmの範囲、または260nm~270nmの範囲、または240nm~250nmの範囲、または200nm~225nmの範囲の単一ピーク波長を有し得る。さらなる実施形態では、発光は目的の用途および所望の生物学的効果に応じて上に列挙した範囲のいずれかから選択される多数のピーク波長を含み得る。目的の用途に応じて、上記のピーク波長範囲のいずれかに対する半値全幅(FWHM)値は100nmより小さいかこれに等しく、または90nmより小さいかこれに等しく、または40nmより小さいかこれに等しく、または20nmより小さいかこれに等しくてよい。ある特定の態様では、低いFWHM値は典型的には上記の波長帯域のいずれかのうちの単一発光色LEDに付随する。大きなFWHM値(たとえば40nm~100nm)は蛍光体変換LEDに付随し、ここではスペクトル帯域幅はLED発光と蛍光体変換発光の組合せである。本開示に適用可能な例示的な蛍光体変換LEDは、585nm~600nmの範囲のピーク波長および70nm~100nmの範囲のFWHM値を有する蛍光体変換アンバーLED、ならびに520nm~560nmの範囲のピーク波長を有する蛍光体変換ミントおよび/またはライムLEDである。本開示のさらなる実施形態は、400nm~470nmの範囲のピーク波長を有するLEDおよび広幅発光スペクトルを提供する1つまたは複数の蛍光体を含み得る広幅スペクトルの白色LEDにも適用可能であり得る。そのような実施形態では、広幅スペクトルのLEDは、1つまたは複数の生物学的効果を誘起するある種の波長を提供する一方、照明のために標的区域に広幅スペクトルの発光を提供し得る。これに関して、単一のおよび/もしくは多数の微生物ならびに/または多数の病原性生物学的効果のための組織への光の投射は、単一ピーク波長の光または2つ以上のピーク波長の光の組合せによって提供され得る。
[00265]1つまたは複数の生物学的効果を誘起する光量は、ピーク波長、放射フラックス、および標的組織への照度を含む1つまたは複数の光の特徴とともに投与され得る。標的組織への照度は、1平方センチメートルあたり0.1ミリワット(mW/cm)~200mW/cmの範囲、または5mW/cm~200mW/cmの範囲、または5mW/cm~100mW/cmの範囲、または5mW/cm~60mW/cmの範囲、または60mW/cm~100mW/cmの範囲、または100mW/cm~200mW/cmの範囲で提供され得る。そのような照度範囲は、上記の範囲のいずれかで標的組織を照射するのに適した出力(放射フラックス)で構成されるLED系光子デバイスを含む連続波およびパルス構成のうち1つまたは複数で投与され得る。そのような照度範囲を提供するための光源は、少なくとも5mW、または少なくとも10mW、または少なくとも15mW、または少なくとも20mW、または少なくとも30mW、または少なくとも40mW、または少なくとも50mW、または少なくとも100mW、または少なくとも200mW、または5mW~200mWの範囲、または5mW~100mWの範囲、または5mW~60mWの範囲、または5mW~30mWの範囲、または5mW~20mWの範囲、または5mW~10mWの範囲、または10mW~60mWの範囲、または20mW~60mWの範囲、または30mW~60mWの範囲、または40mW~60mWの範囲、または60mW~100mWの範囲、または100mW~200mWの範囲、または200mW~500mWの範囲、または本明細書で特定する別の範囲の光源からの放射フラックス値を提供するように構成され得る。光源、対応する照明デバイス、および標的組織からの距離のうち1つまたは複数の構成に応じて、光源の放射フラックスの値は組織における照度の値より高いことがある。
[00266]組織に対する顕著な損傷を生じずに1W/cmまでの照度である標的組織型に対するあるピーク波長を投与することができるが、他のピーク波長および対応する組織型に対する安全性の考慮により、特に連続波の応用において、より低い照度を必要とすることがある。ある特定の実施形態では、光のパルス照度を投与することができ、それにより顕著に高い照度の安全な適用が可能になる。パルス照度は安全範囲内の平均照度として特徴付けられ、それにより適用された組織に対して損傷がないか最小の損傷が提供される。ある特定の実施形態では、0.1W/cm~10W/cmの範囲の照度が標的組織に安全にパルス照射される。
[00267]投与した光の線量、即ち光量は、ある特定の態様では、治療光量と称し得る。光量は、ピーク波長、標的組織への照度、および曝露時間の種々の好適な組合せを含み得る。種々の型の病原体および対応する組織型に1つまたは複数の生物学的効果を誘起するための安全で効果的な光を提供するために調節される特定の光量が開示される。ある特定の態様では、光量は連続的またはパルスの様式で単一時間の間に投与され得る。さらなる態様では、光量は数回にわたって繰り返し投与され、集積された時間にわたって集積量または全量が提供され得る。例として、本明細書に開示した単一の光量が10マイクロ秒から1時間を超えない範囲、または10秒から1時間を超えない範囲の単一の時間にわたって提供される一方、単一線量を少なくとも2回繰り返して、24時間等の集積された時間にわたって集積された線量が提供されてもよい。ある特定の実施形態では、1平方センチメートルあたり0.5ジュール(J/cm2)~100J/cmの範囲、または0.5J/cm~50J/cmの範囲、または2J/cm~80J/cmの範囲、または5J/cm~50J/cmの範囲で提供される光量が記載されており、一方対応する集積線量は、他の開示した範囲の中でも1J/cm~1000Jcmの範囲、または1J/cm~500Jcmの範囲、または1J/cm~200Jcmの範囲、または1J/cm~100Jcmの範囲、または4J/cm~160Jcmの範囲、または10J/cm~100Jcmの範囲で提供され得る。特定の例では、単一線量を10J/cm~20J/cmの範囲で投与してよく、また単一線量を4日連続で1日2回繰り返して80J/cm~160J/cmの範囲の集積線量を提供してもよい。別の特定の例では、単一線量を約30J/cmで投与してよく、また単一線量を7日連続で1日2回繰り返して420J/cmの集積線量を提供してもよい。
[00268]またさらなる態様では、1つまたは複数の生物学的効果を誘起するための光は、標的組織に異なる光量を投与して異なる標的病原体について1つまたは複数の生物学的効果を誘起するステップを含み得る。本明細書で開示するように、生物学的効果は体内の1つまたは複数の病原体の濃度を変更することおよび体内の1つまたは複数の病原体の増殖を変更することを含み得る。生物学的効果は、無細胞環境中の第1の病原体を不活化すること、細胞関連環境中の第1の病原体の複製を阻害すること、哺乳動物組織中の局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して哺乳動物組織中の一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、哺乳動物組織中の一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに哺乳動物組織における抗炎症効果を誘起することのうち少なくとも1つを含み得る。本明細書でさらに開示するように、病原体はウイルス、細菌、および真菌、または感染を惹起し得る他の任意の型の微生物を含み得る。注意すべきことに、本明細書で開示する光量は標的組織に非全身的かつ継続する効果を提供し得る。光は局所的に、かつ全身に広がることがある従来の薬物療法に付随するオフターゲット組織効果または全身効果を伴わずに、適用することができる。これに関連して、光線療法は、体の他の部分に同じまたはその他の生物学的応答を誘発することなしに、標的組織において生物学的効果および/または応答を誘起し得る。本明細書に記載した光線療法は、永続的で安全かつ効果的な線量を投与することができる。たとえば、線量は一度に数分間、1日に1回または数回、適用してよく、光線療法の有益な効果は治療と治療の間でも継続し得る。
[00269]光源はLED、OLED、レーザー、および本開示の態様による他のランプのうち1つまたは複数を含み得る。レーザーは光ファイバーまたはその他の送達機構と組み合わせて照射に使用し得る。レーザーを使用することの不利益は、これが適正なレーザー照射の保護を保証するために高い技術を有する専門家によって操作される精巧な装置を必要とし、そのためにコストが高くなり、アクセス性が低減することである。LEDは電気的に活性化された際に発光することができる固相電子デバイスである。LEDは高い効率および比較的安いコストで、多くの異なる標的発光スペクトル帯域にわたって構成され得る。これに関して、LEDはずっと広い範囲の電流および温度で操作される比較的単純なデバイスであり、それにより、高価なレーザー系に対して効果的な選択肢が提供される。したがって、LEDは光線療法用途のための光子デバイスにおける光源として使用され得る。LEDからの光は、標的の治療区域または組織に必須の出力を送達することができるデバイスを使用して投与される。高出力のLED系デバイスは、種々の異なる医療応用のための種々のスペクトルおよび出力の需要を満たすために採用することができる。本明細書に記載したLED系光子デバイスは、所望の波長範囲において100mW/cmまたは200mW/cmと高い照度を提供するために適した出力で構成され得る。このデバイスにおけるLEDアレイは、照射ヘッド、ハンドピースに、および/または外部ユニットに組み込むことができる。ハンドピースまたは照射ヘッドに組み込んだ場合には、眼または他の臓器が有害な照射に曝露される危険が回避され得る。
[00270]本開示の態様によれば、光治療の例示的な標的組織および標的細胞は、上皮組織、粘膜組織、結合組織、筋肉組織、頸部組織、皮膚組織、膣腔の粘膜上皮組織、肛門管、口腔、耳道、上気道および食道、角化細胞、線維芽細胞、血液、痰、唾液、頸部液、および粘液のうち1つまたは複数を含み得る。光治療はまた、臓器におよび/または臓器の中に、体外表面に、ならびに任意の哺乳動物の体内および/または体腔内、たとえばとりわけ口腔、食道腔、咽喉、および膣腔内に、適用し得る。
[00271]本明細書に記載した実施形態のいずれの特色も、本明細書に記載した一般的原理に従って相互に組み合わせて使用し得る。これらのおよびその他の実施形態、特色、および利点は、添付した図面および特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明を読むことによってさらに完全に理解される。
[00272]図1は、体組織104に光130を送達して少なくとも1つの生物学的効果を誘起するための照明デバイス102の例示的な構成100の説明図である。既に述べたように、誘起される生物学的効果は、無細胞環境中の微生物を不活化すること、細胞関連環境中の微生物の複製を阻害すること、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに抗炎症効果を誘起することのうち少なくとも1つを含み得る。ある特定の態様では、光130は体組織104の中の非結合一酸化窒素の濃度を増大させるために一酸化窒素を調節する光として構成され得る。図1に示すように、照明デバイス102は、体組織104の治療区域140に光130を発するように作動可能な1つまたは複数の発光器(複数可)120を含み得る。発光器(複数可)120は、光130の1つまたは複数の部分が治療区域140にプラスマイナス10°の許容度をもって90°の入射角で投射するように位置決めされ得るが、他の入射角も採用し得る。発光器(複数可)120はまた、治療区域140に、平均値から約20%を超えず、または約15%を超えず、または約10%を超えない範囲の光130のビーム均一性を提供するように構成され得る。そのようなビーム均一性の値は、発光器(複数可)120の光学系および/または導波管の選択に基づいて決定され得る。ある特定の実施形態では、発光器(複数可)120は、治療区域140から約96mmの距離に位置決めされたときに約45mW/cmまで、または治療区域140から約83mmの距離に位置決めされたときに約60mW/cmまで、または治療区域140から約70mmの距離に位置決めされたときに約80mW/cmまでの照度を治療区域140に提供することができる。上記の照度値は例として提供される。実際上、照度値は用途に基づいて他の範囲に構成され得る。発光器(複数可)120は、生物学的効果の1つまたは複数を発しまたは刺激することができる任意の光源を含み得る。発光器(複数可)120の例は限定なく、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、超発光ダイオード(SLD)、レーザー、および/またはそれらの任意の組合せを含み得る。発光器がある波長またはある波長範囲の光を発すると記述され、光がある波長(たとえば415ナノメートル(nm)の波長)を有すると称される場合には、大部分の発光器(特にレーザーダイオード以外の発光器)はある波長範囲内の異なる波長の光を発し得るので、波長値は光の優勢な波長、光のピーク波長、光の中心波長、および/または光の発光スペクトルの少なくとも50%の3nm以内である波長を意味し得ることを理解されたい。本開示において他に特定しない限り、種々の実施形態はピーク波長を参照して以下に提供される。
[00273]照明デバイス102は、(1)発光器(複数可)120の出力を制御するために作動可能な発光器駆動回路110および(2)照明デバイス102、発光器(複数可)120、一酸化窒素調節光130、治療区域140、体組織104、および/またはその中で照明デバイス102が作動する環境の属性を検知しまたは測定するために作動可能な1つまたは複数のセンサー(たとえばセンサー115および125)をさらに含み得る。以下により詳細に説明するように、発光器駆動回路110は、センサー115および125を介して収集された情報に基づいて発光器(複数可)120の出力を制御し得る。センサー115および125の例は限定なく、温度センサー、光センサー、画像センサー、近接度センサー、血圧またはその他の圧力のセンサー、化学センサー、バイオセンサー(たとえば心拍数センサー、体温センサー、化学種もしくは生物種の存在または濃度、またはその他の状態を検出するセンサー)、加速度計、湿度センサー、パルスオキシメーター等のオキシメーター、電流センサー、電圧センサー、その他を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で開示した方法の操作は、センサー115および/もしくは125またはその他の要素の1つまたは複数によって生成した1つまたは複数のシグナルに応答し得る。
[00274]図2は、2種の光230、240を体組織104に送達するための照明デバイス102の例示的な構成200の説明図である。2種の光230、240は少なくとも2つの生物学的効果、たとえば無細胞環境中の微生物を不活化すること、細胞関連環境中の微生物の複製を阻害すること、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに抗炎症効果を誘起することのうち少なくとも2つを誘起するように構成され得る。2種の光230、240はまた、体組織104の中の非結合一酸化窒素の濃度を増大させるための2つの異なる種類の一酸化窒素調節光のような同様の生物学的効果を提供するように構成され得る。さらに、2種の光230、240は体組織104の中に存在し得る異なる種類の微生物および/または病原体に対して同一のまたは異なる生物学的効果を提供するように構成され得る。
[00275]ある特定の実施形態では、発光器(複数可)120は、内因性貯蔵増大光230を発するように作動可能な1つまたは複数の発光器(複数可)210および内因性貯蔵放出光240を発するように作動可能な1つまたは複数の発光器(複数可)220を含み得る。発光器(複数可)210および220は好適な光を発することができる任意の光源を含み得る。発光器(複数可)210および220の例は限定なく、LED、OLED、SLD、レーザー、および/またはそれらの任意の組合せを含み得る。
[00276]図3は、一酸化窒素調節光を含む上記の生物学的効果のいずれかを誘起するように構成され得る図1の例示的な光130についての強度と波長を示すスペクトルダイアグラムである。図4は、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240のような上記の生物学的効果のいずれかを誘起するようにそれぞれ構成され得る図2の例示的な光230、240についての強度と波長を示すスペクトルダイアグラムである。例として、光130はピーク波長304にピーク強度308を有するように図示され、光230はピーク波長404にピーク強度414を有するように図示され、光240はピーク波長410にピーク強度414を有するように図示されている。これらの例において、ピーク波長304は波長302~波長306の範囲内の任意の波長であってよく、ピーク波長404は波長402~波長406の範囲内の任意の波長であってよく、ピーク波長410は波長408~波長412の範囲内の任意の波長であってよい。
[00277]図3および図4に示す特定のピーク波長は非限定的な例として提供している。実際上、図1の光130ならびに図3および図4の光230、240は、目的の用途、1つもしくは複数の標的微生物および/または病原体、ならびに標的の組織型に応じて多くの異なるピーク波長範囲で提供され得る。例示的な波長範囲は、目的の用途および標的の組織型に応じて200nm~900nm、または400nm~900nm、または400nm~700nm、または400nm~450nm、または400nm~435nm、または400nm~420nm、または420nm~440nm、または450nm~490nm、または500nm~900nm、または490nm~570nm、または510nm~550nm、または520nm~540nm、または525nm~535nm、または528nm~532nm、または200nm~280nm、または260nm~270nm、または280nm~320nm、または320nm~350nm、または320nm~400nm、または350nm~395nm、または600nm~900nm、または600nm~700nm、または620nm~670nm、または630nm~660nmを含む。特定の例示的な波長範囲は、本開示の原理に従う特定の目的の用途に関連して以下に提供される。
[00278]本明細書で使用される場合、用語「光」は一般に任意の波長もしくは任意の波長の組合せの電磁放射および/または1つもしくは複数の光子を意味する。したがって用語「光」は、本明細書で使用される場合、可視光または非可視光(特に紫外光または赤外光)を意味し得る。用語「光」は、本明細書で使用される場合、単一波長の単一光子を意味し、または同じ波長であってよい複数の光子を意味し、または2つ以上の波長のそれぞれの1つまたは複数の光子を意味し得る。用語「投射する」は、目標物に投射する光に関して本明細書で使用される場合(たとえば「第1のピーク波長を有する光を皮膚組織に投射するように構成された少なくとも1つの第1の固相発光デバイス」という表現において)、その光がその目標物に入射することを示し得る。
[00279]用語「ピーク波長」は本明細書で一般に、発光器によって発せられる光の最大の照度である波長を意味するために使用される。用語「優勢な波長」は本明細書で一般に、スペクトルの知覚された色、即ち光源によって発せられた色を見ることによって知覚される色感に最も類似した色感を生じる光の単一波長(即ちこれは「色合い」とほぼ同じである)を意味するために使用され、一般に光源のスペクトル出力分布における最大の出力を有するスペクトル線を意味する「ピーク波長」とは対向している。ヒトの眼は全ての波長を等しく知覚せず(たとえばヒトの眼は黄色および緑色の光を赤色および青色の光より良く知覚する)、また多くの固相発光器(たとえばLED)によって発せられる光は実際にはある範囲の波長であるので、知覚される光(即ち優勢な波長)は最大出力の波長(ピーク波長)と必ずしも等しくない(またしばしばこれと異なる)。レーザーのような真に単色の光は、優勢な波長とピーク波長とが同一であり得る。
[00280]本明細書で使用される場合、用語「一酸化窒素調節光」は一般に、生体組織に投射された場合に、その生体組織の中で非結合の一酸化窒素の濃度を増大させる光を意味する。用語「一酸化窒素調節光」は、内因的に一酸化窒素を増大させる光および/または内因的に一酸化窒素を放出させる光を包含し得る。用語「一酸化窒素調節光」は、(たとえば図5Aおよび図5Bに図示したプロセスと同様のプロセスを通して)一酸化窒素の天然の産生および/または(たとえば図6Aおよび図6Bに示したプロセスと同様のプロセスを通して)生体組織中に見出される一酸化窒素の備蓄の即時放出を刺激する特定の波長の光を意味し得る。用語「一酸化窒素調節光」は、さらにまたはその代わりに、(1)(たとえば図5Aおよび図5Bに示したプロセスと同様のプロセスを通しての)生体組織中の非結合の一酸化窒素の酵素的生成または(2)(たとえば図6Aおよび図6Bに図示したプロセスと同様のプロセスを通しての)生体組織中の結合した一酸化窒素の内因性貯蔵からの一酸化窒素の放出のうち少なくとも1つを刺激することができる任意の光を意味し得る。
[00281]図5Aおよび図5Bは、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現の(たとえば光230による)光活性化上方制御およびそれに続くiNOSによって触媒される非結合一酸化窒素の産生、ならびに一酸化窒素のCCOへの結合を示す反応系列を図示する。一酸化窒素が自己酸化されてニトロソ化中間体(たとえばニトロソグルタチオン、ニトロソアルブミン、ニトロソヘモグロビン、ニトロソチオール、ニトロソアミン、および/または金属ニトロシル複合体を含む一酸化窒素の内因性貯蔵)を生じる際には、一酸化窒素は体内で(「結合した」状態で)共有結合し得る。図5Cは、光に曝露しない場合ならびに青色光、第1の波長の赤色光、第2の波長の赤色光、および赤外光に曝露した場合の、角化細胞を10分間の照射に曝露した24時間後のiNOSを発現する細胞の%として表わした(角化細胞中の)一酸化窒素の酵素的生成を示すチャートである。
[00282]図6Aは、青色、緑色、および赤色の波長の光に曝露した際の光受容体GSNOからの一酸化窒素の放出(μモル/秒)と時間(分)を示すチャートである。図6Bは、複合体CCO-NOを形成する一酸化窒素の光受容体CCOへの結合と、それに続く内因性貯蔵放出光240への曝露によるこの複合体からのNOの放出を示す説明図である。
[00283]用語「内因性貯蔵増大光」は、本明細書で使用される場合、一般に、内因性貯蔵における結合一酸化窒素の増大を光開始し、および/または内因性貯蔵の中に天然に共有結合し得る非結合一酸化窒素の酵素的生成を刺激する波長または波長範囲の光を包含する。内因性貯蔵増大光の例は限定なく、青色光、約410nm~約440nmの範囲のピーク波長を有する光、約400nm~約490nmの範囲のピーク波長を有する光、約400nm~約450nmの範囲のピーク波長を有する光、約400nm~約435nmの範囲のピーク波長を有する光、約400nm~約420nmの範囲のピーク波長を有する光、約420nm~約440nmの範囲のピーク波長を有する光、約400nm~約500nmの範囲のピーク波長を有する光、約400nm~約430nmの範囲のピーク波長を有する光、約415nmに等しいピーク波長を有する光、約405nmに等しいピーク波長を有する光、および/またはそれらの任意の組合せを含む。
[00284]用語「内因性貯蔵放出光」は、本明細書で使用される場合、一般に、一酸化窒素の内因性貯蔵から非結合の一酸化窒素の放出を光開始する波長または波長範囲の光を包含する。内因性貯蔵放出光の例は限定なく、緑色光、約500nm~約540nmの範囲のピーク波長を有する光、約500nm~約900nmの範囲のピーク波長を有する光、約490nm~約570nmの範囲のピーク波長を有する光、約510nm~約550nmの範囲のピーク波長を有する光、約520nm~約540nmの範囲のピーク波長を有する光、約525nm~約535nmの範囲のピーク波長を有する光、約528nm~約532nmの範囲のピーク波長を有する光、約530nmに等しいピーク波長を有する光、および/またはそれらの任意の組合せを含む。
[00285]用語「内因性一酸化窒素増大光および/または内因性一酸化窒素放出光」は、本明細書で使用される場合、内因性一酸化窒素の産生速度を増大させる波長または波長範囲の光、内因性一酸化窒素の放出速度を増大させる波長または波長範囲の光、内因性一酸化窒素の産生速度および内因性一酸化窒素の放出速度の両方を増大させる波長または波長範囲の光、ならびに内因性一酸化窒素の産生速度を増大させる波長または波長範囲の光を発する発光器の少なくとも1つの第1の群からの光と、内因性一酸化窒素の放出速度を増大させる波長または波長範囲の光を発する発光器の少なくとも1つの第2の群からの光との組合せを包含する。
[00286]図2に戻って、一部の実施形態では、光240は生物学的効果の1つまたは複数を誘起する第1のピーク波長および第1の放射フラックスを有し、光230は生物学的効果の1つまたは複数を誘起する第2のピーク波長および第2の放射フラックスを有し得る。
[00287]ある特定の実施形態では、第2のピーク波長は第1のピーク波長より少なくとも25nm、少なくとも40nm、少なくとも50nm、少なくとも60nm、少なくとも75nm、少なくとも85nm、少なくとも100nm、または本明細書で特定する別の閾値だけ大きくてよい。そのようなピーク波長の差は、光230が内因性貯蔵増大光であり光240が内因性貯蔵放出光である実施形態を含む上記の生物学的効果のいずれかを誘起するために存在し得る。
[00288]内因性貯蔵増大光および内因性貯蔵放出光を含む一酸化窒素調節光に関連して以下に例示的な実施形態を提供する。以下に記載する実施形態のいずれも、無細胞環境中の微生物を不活化すること、細胞関連環境中の微生物の複製を阻害すること、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに組織中の抗炎症効果を誘起することを含む既述の生物学的効果の1つまたは複数を誘起する任意の光および/または光の組合せに等しく関連し得ることが理解される。様々な光の組合せおよび誘起される生物学的効果が、様々な体組織ならびに様々な標的の微生物および/または病原体に合わせて調節され得る。
[00289]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230と内因性貯蔵放出光240のそれぞれ(および/または光130)は、少なくとも5mW、または少なくとも10mW、または少なくとも15mW、または少なくとも20mW、または少なくとも30mW、または少なくとも40mW、または少なくとも50mW、または少なくとも100mW、または少なくとも200mW、または少なくとも500mW、または少なくとも2500mW、または少なくとも5000mW、または5mW~200mWの範囲、または5mW~100mWの範囲、または5mW~60mWの範囲、または5mW~30mWの範囲、または5mW~20mWの範囲、または5mW~10mWの範囲、または10mW~60mWの範囲、または20mW~60mWの範囲、または30mW~60mWの範囲、または40mW~60mWの範囲、または60mW~100mWの範囲、または100mW~200mWの範囲、または200mW~500mWの範囲、または5mW~5000mWの範囲、または5mW~2500mWの範囲、または本明細書で特定する別の範囲の放射フラックスを有し得る。浸透を増大させ、必要であれば本明細書で特定する別の範囲で微生物汚染の除去効果を得るために、たとえばパルス光を使用する場合のフラックスを含む0.1W~10W、または10W~10GWのより高いフラックスを使用することができる。
[00290]内因性貯蔵増大光230と内因性貯蔵放出光240のそれぞれ(および/または光130)は、0.1mW/cm~200mW/cmの範囲、または5mW/cm~200mW/cmの範囲、または5mW/cm~100mW/cmの範囲、または5mW/cm~60mW/cmの範囲、または60mW/cm~100mW/cmの範囲、または100mW/cm~200mW/cmの範囲の標的組織への照度で投与し得る。そのような照度範囲は、標的組織に上記の範囲のいずれかを照射するために適した出力(放射フラックス)で構成されたLED系光子デバイスを含む連続波およびパルス構成のうち1つまたは複数で投与され得る。光源、対応する照明デバイス、および標的組織からの距離のうち1つまたは複数の構成に応じて、光源の放射フラックス値は組織における照度値より高くてよい。ある特定の実施形態では、放射フラックス値は組織への照度値より大きい値で構成され得る。たとえば、放射フラックスは、他の範囲の中でおよび実施形態に応じて、照度より5~20倍大きい範囲、または照度より5~15倍大きい範囲であってよい。
[00291]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230は内因性貯蔵放出光240より大きな放射フラックスを有し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は内因性貯蔵増大光230より大きな放射フラックスを有し得る。
[00292]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240の一方または両方は、治療ウィンドウの間に実質的に一定であり得る放射フラックスプロファイルを有し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240のうち少なくとも1つは、治療ウィンドウの間に経時的に増大する放射フラックスプロファイルを有し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240のうち少なくとも1つは、治療ウィンドウの間に経時的に減少する放射フラックスプロファイルを有し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230または内因性貯蔵放出光240の一方は、治療ウィンドウの間に経時的に減少する放射フラックスプロファイルを有し、内因性貯蔵増大光230または内因性貯蔵放出光240の他方は、治療ウィンドウの間に経時的に増大する放射フラックスプロファイルを有し得る。
[00293]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は第1の時間ウィンドウの間に組織に適用され、内因性貯蔵増大光230は第2の時間ウィンドウの間に組織に適用され、第2の時間ウィンドウは第1の時間ウィンドウと重複し得る。他の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は第1の時間ウィンドウの間に組織に適用され、内因性貯蔵増大光230は第2の時間ウィンドウの間に組織に適用され、第2の時間ウィンドウは第1の時間ウィンドウと重複しないか、または部分的にのみ重複し得る。ある特定の実施形態では、第2の時間ウィンドウは第1の時間ウィンドウの終了後1分を超え、5分を超え、10分を超え、30分を超え、または1時間を超えて開始し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は第1の時間ウィンドウの間に組織に適用され、内因性貯蔵増大光230は第2の時間ウィンドウの間に組織に適用され、第1の時間ウィンドウと第2の時間ウィンドウは実質的に同じであり得る。他の実施形態では、第2の時間ウィンドウは第1の時間ウィンドウより長くてよい。UVA/UVB/UVC光が同じもしくは異なる時間ウィンドウで、または同じもしくは異なる組織に投与されるこれらの実施形態の態様も意図される。
[00294]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240の一方または両方は、パルスすることなしに長期にわたって実質的に一定であり得る放射フラックスを提供する定常状態の光源によって提供され得る。
[00295]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240の一方または両方は、2つ以上の離散した光のパルス(たとえば複数のパルス)を含み得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240の2つ以上の離散したパルスは第1の時間ウィンドウの間に組織に投射され、および/または内因性貯蔵増大光230の2つ以上の離散したパルスは第2の時間ウィンドウの間に組織に投射される。ある特定の実施形態では、第1の時間ウィンドウと第2の時間ウィンドウは同一の広がりを有してよく、重複するが同一の広がりを有さなくてよく、または重複しなくてもよい。
[00296]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240の放射フラックスおよびパルス継続時間のうち少なくとも1つは、第1の時間ウィンドウの一部の間に最大値から0でない低減した値まで低減し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240の放射フラックスおよびパルス継続時間のうち少なくとも1つは、第1の時間ウィンドウの一部の間に0でない値から高い値まで増大し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230の放射フラックスおよびパルス継続時間のうち少なくとも1つは、第2の時間ウィンドウの一部の間に最大値から0でない低減した値まで低減し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230の放射フラックスおよびパルス継続時間のうち少なくとも1つは、第2の時間ウィンドウの一部の間に0でない値から高い値まで増大し得る。
[00297]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230と内因性貯蔵放出光240のそれぞれは、非コヒーレント光からなり得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230と内因性貯蔵放出光240のそれぞれは、コヒーレント光からなり得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230または内因性貯蔵放出光240の一方は非コヒーレント光からなり、内因性貯蔵増大光230または内因性貯蔵放出光240の他方はコヒーレント光からなり得る。
[00298]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は少なくとも1つの第1の発光デバイスによって提供され、内因性貯蔵増大光230は少なくとも1つの第2の発光デバイスによって提供され得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は発光デバイスの第1のアレイによって提供され、内因性貯蔵増大光230は発光デバイスの第2のアレイによって提供され得る。
[00299]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230または内因性貯蔵放出光240のうち少なくとも1つは、少なくとも1つの固相発光デバイスによって提供され得る。固相発光デバイスの例は、発光ダイオード、レーザー、薄膜エレクトロルミネセンスデバイス、粉末化エレクトロルミネセンスデバイス、電場誘起ポリマーエレクトロルミネセンスデバイス、およびポリマー発光電気化学セルを含む(がこれらに限定されない)。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は少なくとも1つの第1の固相発光デバイスによって提供され、内因性貯蔵増大光230は少なくとも1つの第2の固相発光デバイスによって提供され得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240は単一の固相エミッターパッケージの中に含まれる異なるエミッターによって生成されてよく、隣接するエミッターの間の密接な間隔が統一的な混色を提供し得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は固相発光デバイスの第1のアレイによって提供され、内因性貯蔵増大光230は固相発光デバイスの第2のアレイによって提供され得る。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの第1のエミッターと少なくとも1つの第2のエミッターをそれぞれ含む固相エミッターパッケージのアレイが提供され、固相エミッターパッケージのアレイは内因性貯蔵放出光240を生成するように配置された固相エミッターの第1のアレイを具現化し、内因性貯蔵増大光230を生成するように配置された固相エミッターの第2のアレイを具現化する。ある特定の実施形態では、固相エミッターパッケージのアレイは第3の、第4の、および/または第5の固相エミッターをさらに含むパッケージを具現化し、それにより固相エミッターパッケージの単一のアレイは固相エミッターの3つ、4つ、または5つのアレイを具現化して、それぞれのアレイは異なるピーク波長を有する発光を生成するように配置され得る。
[00300]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230または内因性貯蔵放出光240のうち少なくとも1つは、波長変換材料を含まない少なくとも1つの発光デバイスによって提供され得る。他の実施形態では、内因性貯蔵増大光230または内因性貯蔵放出光240のうち少なくとも1つは、蛍光体材料、蛍光染料材料、量子ドット材料、および蛍光材料等の波長変換材料を刺激するように配置された少なくとも1つの発光デバイスによって提供され得る。
[00301]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240は、実質的に単色光からなり得る。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は25nm未満(または20nm未満、または15nm未満、または5nm~25nmの範囲、または10nm~25nmの範囲、または15nm~25nmの範囲)の第1の半値全幅値を有する第1のスペクトル出力を含み、および/または内因性貯蔵増大光230は25nm未満(または20nm未満、または15nm未満、または5nm~25nmの範囲、または10nm~25nmの範囲、または15nm~25nmの範囲)の第2の半値全幅値を有する第2のスペクトル出力を含み得る。ある特定の実施形態では、第1のスペクトル出力の5%未満は400nm未満の波長範囲にあり、第2のスペクトル出力の1%未満は400nm未満の波長範囲にあり得る。
[00302]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵放出光240は単一の第1のピーク波長を有する1つまたは複数の第1の発光器によって産生され、内因性貯蔵増大光230は単一の第2のピーク波長を有する1つまたは複数の第2の発光器によって産生され得る。他の実施形態では、内因性貯蔵増大光230は異なるピーク波長を有する少なくとも2つの発光器(たとえば少なくとも5nm、少なくとも10nm、少なくとも15nm、少なくとも20nm、または少なくとも25nm異なる)によって産生され、および/または内因性貯蔵放出光240は異なるピーク波長を有する少なくとも2つの発光器(たとえば少なくとも5nm、少なくとも10nm、少なくとも15nm、少なくとも20nm、または少なくとも25nm異なる)によって産生され得る。
[00303]紫外光(たとえば350nm~395nmの範囲にピーク波長を有するUV-A光、および320nm~350nmの範囲にピーク波長を有するUV-B光)はES増大光として効果的であり得るが、紫外光への過剰曝露は、早すぎる皮膚の老化およびある種のがんの危険の増大の可能性を含む有害な健康への影響をもたらし得る。UV-C光も微生物感染の治療に特に有効であり得る。これらの波長に曝露される組織への損傷は抗微生物療法の経過の間に最小にすべきであるが、長期の曝露においてこれはいくらかの有害な影響を惹起し得る。したがって、UV光の場合には非UV光より短いサイクルを使用することが望ましい。ある特定の実施形態では、(たとえば320nm~399nmの範囲にピーク波長を有する)UV光がES増大光として使用され得るが、他の実施形態ではUV光は避けられ得る。これらの(UVA、UVB、および/またはUVC)波長と抗炎症性光との組合せによって、これらの影響を最小化することができる。
[00304]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230および内因性貯蔵放出光240は実質的にUV光を含まなくてよい。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230の5%未満は400nm未満の波長範囲にあってよく、内因性貯蔵放出光240の出力の1%未満は400nm未満の波長範囲にあってよい。ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230は、400nm~490nm、または400nm~450nm、または400nm~435nm、または400nm~420nm、または410nm~440nm、または420nm~440nmの範囲のピーク波長を含む。
[00305]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230は、光を受容する哺乳動物組織の中またはその上で病原体(たとえば細菌、ウイルス、真菌、原生生物、および/またはその他の微生物)の存在、濃度、または増殖を変更し得る波長範囲および照度を含み得る。UV光および近UV光は特に微生物の増殖に影響し得る。微生物の増殖に対する影響は波長範囲および線量による。ある特定の実施形態では、ES増大または内因性貯蔵放出光240は、400nm~420nmの範囲にピーク波長を有する近UV光を含み、(たとえば9mW/cm未満の照度を有するパルス光で)静菌効果を提供し、(たとえば9mW/cm~17mW/cmの範囲の照度を有する実質的に定常状態の光で)殺菌効果を提供し、または(たとえば17mW/cmより大きく、たとえば18mW/cm~60mW/cmの範囲の照度を有する実質的に定常状態の光で)抗微生物効果を提供し得る。ある特定の実施形態では、照度値および範囲は約60~約100mW/cmまたは約100~約200mW/cmに高く拡張し得る。
[00306]ある組織およびある波長に関しては、1W/cmまでの照度は組織に顕著な損傷を生じずに適用され得る。光がパルスの場合には、平均照度がこの範囲内にあり、これが適用される組織に生じる損傷が最小であれば、これより顕著に高い範囲で照射を適用することができる。パルス設定における照度は0.1W/cmと低く、10W/cmまで、またはそれより高くてもよい。
[00307]ある特定の実施形態では、近UV範囲(たとえば400nm~420nm)の光も、創傷治癒、座瘡、またはアトピー性皮膚炎の治療等の使用のために微生物の増殖に(静菌範囲、殺菌範囲、または抗微生物範囲のいずれかで)影響し得る。そのような機能(複数可)は、生体組織中の一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させる内因性貯蔵増大光230の機能に追加され得る。
[00308]410nmの光と530nmの光の等部分の組合せも、530nmの光単独と等しく有効であり得る。410nmの青色LEDは530nmの緑色LEDより顕著に効率的であり、したがって同じ放射フラックスを適用するために操作した場合に、410nmのLED発光と530nmのLED発光の等部分の組合せが530nmのLED発光単独の場合よりも電力使用が26%少ないので、そのような組合せは有益であろう。
[00309]660nmの光はHb-NOからのNOの放出において530nmの緑色の光よりも顕著に効果が低いであろう。Hb-NOからのNOの放出は、0秒から約2000秒の間の時間ウィンドウについては530nmの緑色光、660nmの赤色光、および530nmの緑色光と660nmの光の組合せの間で同じのようであるが、異なる光源の有効性はその後で相違する。この現象について何ら特定の理論または説明に縛られる意図はないが、NOは多数の部位でHb-NOに結合すること、およびHb-NOから最初のNO分子を除去するより2番目または次のNO分子を除去する方がより多くのエネルギーを必要とすることが示唆され、これはおそらく最初のNO分子の除去の後でHb-NOの形状が変化することによると思われる。
[00310]ある特定の実施形態では、第1のピーク波長を有する抗炎症性の光が生体組織に投射され、第2のピーク波長を有する光を含むES増大光またはES放出光が生体組織に投射され、さらに、第3のピーク波長を有する光(即ちES放出光またはES増大光)が生体組織に投射され得る。ある特定の実施形態では、第3のピーク波長を有する光は、抗炎症性の光ならびにES増大光および/またはES放出光の一方または両方と実質的に同じ時に(またはそれらの少なくとも1つの時間ウィンドウと重複する時間ウィンドウの間に)提供され得る。
[00311]ある特定の実施形態では、第3のピーク波長を有する光は、第1のピーク波長および第2のピーク波長のそれぞれと少なくとも10nm異なる。ある特定の実施形態では、第3のピーク波長を有する光は、第2のピーク波長より少なくとも20nm上回る。ある特定の実施形態では、第3のピーク波長を有する光は、5mW/cm~60mW/cm、または60mW/cm~100mW/cm、または100mW/cm~200mW/cmの範囲のまたはそれより大きい照度を提供する。ある組織およびある波長に関しては、1W/cmまでの照度は組織に顕著な損傷を生じずに適用され得る。光がパルスの場合には、平均照度がこの範囲内にあり、これが適用される組織に生じる損傷が最小であれば、これより顕著に高い範囲で照射を適用することができる。パルス設定における照度は0.1W/cmと低く、10W/cmまで、またはそれより高くてもよい。
[00312]ある特定の実施形態では、約630nm~670nmの範囲(たとえば約630nmおよび約670nmの特定の波長を含む)の抗炎症性の光は、抗炎症性効果を提供するためおよび/または血管拡張を推進するために有用であり得る。抗炎症性効果は障害、特に鼻腔または口腔内の炎症をもたらす微生物による障害を治療するために有用であり得る。
[00313]抗ウイルス線量の光は、5mW/cm~60mW/cm、約60mW/cm~約100mW/cm、または約100mW/cm~約200mW/cmの範囲で投与することができる。ある組織およびある波長に関しては、1W/cmまでの照度は組織に顕著な損傷を生じずに適用することができる。光がパルスの場合には、平均照度がこの範囲内にあり、これが適用される組織に生じる損傷が最小であれば、これより顕著に高い範囲で照射を適用することができる。パルス設定における照度は0.1W/cmと低く、10W/cmまで、またはそれより高くてもよい。
[00314]ほぼ400~700nmの可視光については、光線療法は、循環の増加(たとえば新生毛細血管の形成の増加による)、コラーゲンの産生の刺激、アデノシン三リン酸(ATP)の放出の刺激、ポルフィリンの産生の強化、神経系組織の興奮性の低減、線維芽細胞の活性の制御、ファゴサイトーシスの増大、熱的効果の誘起、組織の肉芽化および結合組織の突出の刺激、炎症の低減、ならびにアセチルコリンの放出の刺激を含む治療上の利益を提供することが示唆されている。
[00315]ある特定の実施形態では、内因性貯蔵増大光230は、500nm~900nmの範囲、または490nm~570nmの範囲、または510nm~550nmの範囲、または520nm~540nmの範囲、または525nm~535nmの範囲、または528nm~532nmの範囲、または約530nmの範囲のピーク波長を含み得る。660nmの波長は抗炎症性かつNO放出性であり得る。
[00316]図7は、光モジュレーションによる体組織104の重複する治療ゾーン730および740において生物学的効果を誘起するように作動可能な照明デバイス102の例示的な構成700の説明図である。例として発光器(複数可)120は体組織104に第1のエネルギーおよび/またはピーク波長の光子(たとえば光710)を供給して一酸化窒素の酵素的生成を刺激して治療ゾーン730における一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させ、発光器(複数可)120は治療ゾーン730の中またはこれと重複する領域において体組織104に第2のエネルギーおよび/またはピーク波長の光子(たとえば光720)を供給して内因性貯蔵からの一酸化窒素の放出を誘発し、それにより治療ゾーン740を創成し得る。ある特定の実施形態では、増大する波長の光(たとえば一酸化窒素調節光710および/または一酸化窒素調節光720)の連続的または同時の投射は、単一の(たとえば長い)波長の光を使用することによって得られるよりも深い一酸化窒素拡散ゾーンを体組織104の中に「押し込む」ように作用し得る。図示するように、治療ゾーン730および740は体組織104の中で異なる深さに提供され得る。発光器(複数可)120は、体組織104の中の異なる深さを含む同じまたは異なる治療ゾーンにさらなるエネルギーおよび/またはピーク波長の光子をさらに供給し得る。既述の実施形態と同様に、実施例は一酸化窒素調節光に関して提供されているが、照明デバイス102は治療ゾーン730、740において既述の生物学的効果のいずれかを誘起するように構成され得る。これに関して、光710は第1の深さに提供され、光720は体組織104の中の第1の深さより深い第2の深さに提供され得る。1つまたは複数のさらなる発光は、体組織104の中のさらなる深さに、さらに供給され得る。ある特定の実施形態では、治療ゾーン730、740は、体組織104の中の実質的に異なる深さに提供され得る。さらなる実施形態では、光710は第1の生物学的効果を提供するように構成され、光720は第2の生物学的効果を提供するように構成され、任意のさらなる光は第1または第2の生物学的効果と同じまたは異なる生物学的効果を提供するように構成され得る。
[00317]図8は、例示的な一酸化窒素調節光710および720の強度と波長を示すスペクトルダイアグラムである。この例では、一酸化窒素調節光710はピーク波長804にピーク強度814を有するように図示され、一酸化窒素調節光720はピーク波長810にピーク強度814を有するように図示されている。これらの例では、ピーク波長804は波長802~波長806の範囲内の任意の波長であってよく、ピーク波長810は波長808~波長812の範囲内の任意の波長であってよい。
[00318]図9は、光920を発するように作動可能なさらなる発光器(複数可)910を有する照明デバイス102の例示的な構成900の説明図である。図示するように、さらなる発光器(複数可)910は発光器(複数可)120とは異なる発光角から治療区域140に発光を提供するように構成され得る。たとえば、発光器(複数可)120は治療区域140の表面に対して約90°の発光角で構成され得る一方、発光器(複数可)910は90°とは異なる任意の発光角で構成され得る。他の構成では、発光器(複数可)910は発光器(複数可)120と同じ発光角を治療区域140に提供するように同じ位置に提供され得る。一部の実施形態では、光920は体組織104の中で一酸化窒素を実質的に調節しない光を表わし得る。光920の例は限定なく、体組織104の中の血流を制御するための血管調節光、無細胞環境中の微生物を不活化することおよび/または細胞関連環境中の微生物の複製を阻害することを含む体組織104における微生物の生物学的活性を制御するための微生物制御光、体組織104の中の炎症を低減するための抗炎症光、局所免疫応答の上方制御、ならびに/またはそれらの任意の組合せを含み得る。
[00319]図10は、1つまたは複数の波長において治療区域140の画像を取得するためのカメラセンサー1010を有する照明デバイス102の例示的な構成1000の説明図である。一部の実施形態では、画像は(1)治療区域140がどのように光療法に応答するかをモニターするため、(2)光治療区域140がどれだけ曝露されるかをモニターするため、(3)治療区域140の炎症をモニターするため、および/または(4)体組織104のどの部分が治療されたかまたは治療されているかを追跡するために、解析され得る。図10に示す実施形態では、カメラ1010は光130と同じ波長で治療区域140の画像を取得し得る。図11に示す代替の構成1100では、照明デバイス102は、光130の波長とは異なる波長を有し得る画像取得光1120で治療区域140を照明するためのさらなる発光器(複数可)1110を含み得る。図示したように、さらなる発光器(複数可)1110は発光器(複数可)120とは異なる発光角から治療区域140に発光を提供するように構成され得る。他の構成では、さらなる発光器(複数可)1110は発光器(複数可)120と同じ発光角を治療区域140に提供するように同じ位置に提供され得る。
[00320]本明細書に記載したシステムおよびデバイスは、種々の体腔内の組織を治療するように構成され得る。たとえば、本明細書に記載したシステムおよびデバイスは、口腔および/または耳道(即ち口、鼻、および耳)、ならびに咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、および/または食道に存在する病原体の生物学的活性を処置し、防止し、および/または低減するように構成され得る。本方法を実行するために使用できる光送達デバイスおよび/または本明細書に記載した光送達デバイスの代表的な種類は、患者の口、鼻、および耳、ならびに咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、および/または食道の任意の部分(複数可)に光を送達できる(および/またはこれらの部分にもしくはこれらの部分を通して位置決めできる)デバイスを含む。ある特定の実施形態では、400nm~490nmの範囲のピーク波長を有する光を含むがそれに限らない安全な可視光を発して中咽頭の中もしくはその周囲の侵入する呼吸器系病原体を除去し、周囲組織における宿主の防御を刺激するように構成された例示的な照明デバイスが提供される。
[00321]その例は、それだけに限らないが、(たとえば鼻腔および/または耳道等の患者の口腔に挿入されるもしくは挿入され得る形状および寸法の)発光デバイス、発光エレメント(複数可)および/または光送達部品(複数可)を有する検眼鏡等のスコープ類、発光エレメント(複数可)および/または光送達部品(複数可)を有する管、その他を含む。種々の実施形態では、光源はワンド、フラッシュライト、検眼鏡、または光パネルであってよい。
[00322]患者の口腔および/または鼻腔に挿入されるもしくは挿入され得る形状および寸法の発光デバイスは一般に、患者の口腔および/または鼻腔への挿入に適し、所望の特徴を有する光を発することができる任意のデバイスを含む。その例は、平坦でも曲線状でもよいパネル、ワンド、フラッシュライト、スピーカーに加えてもしくはその代わりに光源を有するヘッドフォン、スコープ類、管、および口腔内デバイスを含む。これらのデバイスのそれぞれは、口腔、耳道、その他の中に光を照らすためのLED、OLED、SLD、レーザー、およびそれらの組合せ等の発光源を含み得る。
[00323]図12は照明デバイス102の例示的な構成1200の説明図である。この構成では、照明デバイス102は体腔1210の中に部分的にまたは完全に合致する寸法および形状にされ得る。図13は光ガイド1320を有する照明デバイス102の例示的な構成1300の説明図である。この実施形態では、発光器(複数可)120は体腔1310の外部で光130を生じるように作動可能であり、光ガイド1320は発光器(複数可)120からの光130を体腔1310内の治療区域140に送達し得る。光ガイド1320は、体腔内の生体組織に光を送達するように作動可能な任意の光送達部品(光ファイバーケーブル、導波管、レンズ、その他等)を含み得る。光ガイド1320は熱的および/または電気的に絶縁性の材料から構築され得る。ある特定の実施形態では、光ガイド1320は光の内部吸収を最小化し、効率的な光の伝達を最大化し、および/または光の内部反射を最大化するように構成され得る。
[00324]光ガイド1320は、それが挿入される体腔に基づいて好適に賦形され得る。たとえば、光ガイド1320は、鼻腔、耳腔、咽喉腔、喉頭腔、咽頭腔、気管腔、食道腔、尿道腔、膣腔、または頸管腔のうち少なくとも1つに添いまたは合致するように賦形され得る。一実施形態では、体腔1310は口腔であってよく、光ガイド1320は口に合致して光130を口腔内の生体組織に導くように賦形され得る。少なくとも1つの実施形態では、光ガイド1320は約85mm~約115mmの範囲内の長さおよび約10mm~約20mmの範囲内の幅を有し得る。既述の実施形態と同様に、実施例は光に関連して提供しているが、照明デバイス102および光ガイド1320は体腔1310内の治療区域140に既述の生物学的効果のいずれかを誘起するように構成され得る。
[00325]本明細書に記載した方法の実行における使用のためのデバイスのある特定の実施形態(および本明細書に記載したデバイスのある特定の実施形態)は、光を散乱しまたは光の散乱を促進する1つまたは複数の特色および/または成分を含み得る。そのような特色および成分の代表的な例は、(1)(たとえば光ファイバー要素の末端に位置決めされ、光ファイバー要素を出る光をたとえば球状320°に拡散させることができる)デジタル光プロセッサー、(2)光拡散および/または散乱材料(たとえば酸化亜鉛、二酸化ケイ素、二酸化チタン、その他)、(3)テクスチャー加工された光散乱表面、(4)パターン化された光散乱表面、および/または(5)(球状に再発光しやすい)蛍光体またはその他の波長変換材料を含む。ある特定の実施形態では、低吸収性で光散乱性の粒子、液体、および/または気体を、それらの粒子、液体、および/または気体が逃散することを防止する低吸収性の要素の中に位置決めすることができる。
[00326]図14および図15は、中咽頭を含む使用者の口腔の中またはその付近の生体組織に光を送達するための照明デバイス102の例示的な手持ちの構成1400のそれぞれ側面図および前面図を示す。種々の態様では、光は、無細胞環境中の微生物を不活化すること、細胞関連環境中の微生物の複製を阻害すること、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させること、ならびに抗炎症効果を誘起することのうち少なくとも1つを含む、使用者の口腔内またはその付近における既述の生物学的効果の1つまたは複数を誘起するように構成され得る。図14および図15において、照明デバイス102は、発光器(複数可)、発光器駆動回路、および/または既述の1つもしくは複数のセンサーのうち1つまたは複数を含み保護するための外部ハウジング1402を含み得る。一部の実施形態では、外部ハウジング1402は、ハンドグリップ1404、照明デバイス102および/または発光器(複数可)120を活性化するためのボタン1406、ならびに照明デバイス102に充電しおよび/または照明デバイス102に保存されたデータにアクセスしもしくはこれをアップデートするためのポート1408を含み得る。図14に示すように、光ガイド1320は使用者の口腔への挿入に適した寸法および形状とされた湾曲したプロファイルを有し得る。一部の実施形態では、光ガイド1320の長さは、使用者の口腔の外側から使用者の口腔の裏側および/または中咽頭にもしくはその付近に光を搬送するために十分であり得る。一部の実施形態では、楕円形の開口部1502を有する円錐形のシールド1410が光ガイド1320の発光末端1504に固定されまたは除去可能に取り付けられている。一部の実施形態では、照明デバイス102は、照明デバイス102の使用者がそれを用いて光ガイド1320ならびに/または光ガイド1410を保護しおよび/もしくは使用者が咬合ガード1414を噛むことによって光ガイド1320を固定することを可能にするための上部および下部の咬合ガード1414の適正な挿入深さを測ることができる位置決めプレート1412を含み得る。一部の実施形態では、位置決めプレート1412は、使用者の口の外表面に接した際に、光ガイド1320の光伝達表面を使用者の口腔内の適当な深さに指示することを助け得る。一実施形態では、位置決めプレート1412は、光ガイド1320を使用者の口腔内の光130に曝露される組織の面積が約25cmに等しくなる深さに指示し得る。一実施形態では、位置決めプレート1412は、光ガイド1320を使用者の口腔内の光130の組織への照度が約160mW/cm未満になる深さに指示し得る。
[00327]図16~図18は、中咽頭を含む使用者の口腔内またはその付近の生体組織に光を送達するための照明デバイス102の別の例示的な手持ちの構成1600を図示する。図16は照明デバイス102の側面図である。これらの図において、照明デバイス102は、発光器(複数可)、発光器駆動回路、および/またはセンサーの1つもしくは複数のうち1つもしくは複数を含み保護するための外部ハウジング1602を含み得る。一部の実施形態では、照明デバイス102は、ハンドグリップ1604ならびに/または照明デバイス102および/もしくは発光器(複数可)120を活性化するためのボタン1606を含み得る。図16~図18に示すように、照明デバイス102は、使用者の口腔への挿入に適した寸法および形状とされた直線状の光ガイドアセンブリ1608を含み得る。図17の分解図に最もよく図示されるように、図16の光ガイドアセンブリ1608は光ガイド1320を取り囲み、これを保護するマウスピースハウジング1610を含み得る。マウスピースハウジング1610は任意の好適な透明または不透明の材料から形成され得る。マウスピースハウジング1610は、同様の断面形状を有する光ガイド1320を許容する形状とされた六角形の中空コア1702を有し得る。一部の実施形態では、保持フェルール1704が光ガイド1320に固定され得る。一部の実施形態では、照明デバイス102は、照明デバイス102の使用者がそれを用いて光ガイド1320の適正な挿入深さを測ることができる調節可能な位置決めプレート1612を含み得る。一部の実施形態では、位置決めプレート1612は、マウスピースハウジング1610に一体化されたノッチ1614のいずれの1つにおいても再位置決め可能であってよい。一部の実施形態では、位置決めプレート1612は、使用者の口の外表面に接した際に、光ガイド1320の光伝達表面を使用者の口腔内の適当な深さに指示することを助け得る。図18の前面図に示すように、ハンドグリップ1604は除去可能であり、照明デバイス102の中のバッテリー1802へのアクセスを可能にし得る。
[00328]図19は、中咽頭を含む使用者の口腔内またはその付近の生体組織に光を送達するための照明デバイス102の別の例示的な手持ちの構成1900を図示する。この図では、照明デバイス102は、発光器(複数可)、発光器駆動回路、および/または既述の1つもしくは複数のセンサーのうち1つまたは複数を含み保護するための外部ハウジング1902を含み得る。この実施形態では、光ガイド1320はテーパー状のプロファイルを有し、丸くされた発光チップ1904および露出した発光サイド1906を含み得る。
[00329]図20は、中咽頭を含む使用者の口腔内またはその付近の生体組織に光を送達するための照明デバイス102の別の例示的な手持ちの構成2000を図示する。この実施形態では、照明デバイス102は、発光器(複数可)120、発光器駆動回路110、ファン2004、および発光器(複数可)に連結されたヒートシンク2006のうち1つまたは複数を含み保護するための外部ハウジング2002を含み得る。一部の実施形態では、外部ハウジング2002は、それを通してファン2004がヒートシンク2006に空気を引き込むための1つまたは複数の通気口2008を含み得る。図20に示すように、光ガイド1320は使用者の口腔内への挿入に適した寸法および形状とされた湾曲したプロファイルを有し得る。一部の実施形態では、光ガイド1320の長さは、使用者の口腔の外側から使用者の口腔の裏側および/または中咽頭に光を搬送するために十分であり得る。一部の実施形態では、照明デバイス102はバットドームキャップ2010を含み得る。
[00330]図21A~図21Eは、患者の内腔(たとえば膣腔)内の組織に光を送達するための照明デバイス102の他の例示的な構成を図示する。図21Aに図示した実施形態では、照明デバイス102は、硬質、半硬質、または連接されていてよいボディ2101を含み得る。処置ヘッド2103はその中またはその上に1つまたは複数の発光機構2105を含み、これはシリコーンまたはその他の好適な光伝達可能な材料から形成されまたはその中にカプセル化され得る。ある特定の実施形態では、発光機構2105は処置ヘッド2103の中にカプセル化された発光器(複数可)120を表わし得る。代替の実施形態では、発光器(複数可)120はボディ2101の外にあってよく、ボディ2101と処置ヘッド2103は光ガイド1320の全てまたは一部を形成し得る。この実施形態では、発光器(複数可)120の発光はボディ2101の中で伝達され、発光機構2105に対応するアパチャーまたは位置で処置ヘッド2103から出てよい。
[00331]図21Bに図示した実施形態では、照明デバイス102は、一実施形態に従って患者の頸部組織に光を送達するための1つまたは複数の発光機構2115を含む凹面状の発光表面2114を含み得る。この実施形態では、照明デバイス102は、硬質、半硬質、または連接されていてよいボディ2111を含み得る。ジョイント2112がボディ2111と処置ヘッド2113との間に配置され得る。処置ヘッド2113はその中またはその上に1つまたは複数の発光機構2115が配置され、これはシリコーンまたは別の好適な光伝達可能な材料から形成されまたはその中にカプセル化され得る。ある特定の実施形態では、発光機構2115は処置ヘッド2113の中にカプセル化された発光器(複数可)120を表わし得る。代替の実施形態では、発光器(複数可)120はボディ2111の外にあってよく、ボディ2111、ジョイント2112、および処置ヘッド2113は光ガイド1320の全てまたは一部を形成し得る。この実施形態では、発光器(複数可)120の発光はボディ2111、ジョイント2112、および処置ヘッド2113を通して伝達され、発光機構2115に対応するアパチャーまたは位置で処置ヘッド2113から出てよい。図21Cは、膣腔2150に挿入されて頸管開口部2156に近接した患者の頸部組織2155に光を送達する図21Bの照明デバイス102を図示する。凹面状の発光表面2114は頸部組織2155の凸面外形とほぼ一致するように構成され得る。
[00332]図21Dに図示した実施形態では、照明デバイス102は、患者の頸部組織に光を送達するための突出したプローブ部分2126を有する発光表面2124を含み得る。プローブ部分2126は、頸管開口部に光を送達するように配置された発光機構2125を含み得る。この実施形態では、照明デバイス102は、硬質、半硬質、または連接されていてよいボディ2121を含み得る。ジョイント2122がボディ2121と処置ヘッド2123との間に配置され得る。処置ヘッド2123はその中またはその上に1つまたは複数の発光機構2125が配置され、これはシリコーンまたは別の好適な光伝達可能な材料から形成されまたはその中にカプセル化され得る。ある特定の実施形態では、発光機構2125は処置ヘッド2123の中にカプセル化された発光器(複数可)120を表わし得る。代替の実施形態では、発光器(複数可)120はボディ2121の外にあってよく、ボディ2121、ジョイント2122、および処置ヘッド2123は光ガイド1320の全てまたは一部を形成し得る。この実施形態では、発光器(複数可)120の発光はボディ2121、ジョイント2122、および処置ヘッド2123を通して伝達され、発光機構2125に対応するアパチャーまたは位置で処置ヘッド2123から出てよい。図21Eは、膣腔2150に挿入されて頸管開口部2156に近接したおよびその中の患者の頸部組織2155に光を送達する図21Dの照明デバイス102を図示する。主要な発光表面2124は、膣腔2150と境界を接する頸部組織に光を投射するように配置されてよく、一方、プローブ部分2126は頸管開口部2156に挿入されてその中にさらなる光を送達し、病原体(たとえばHPV)の中和を含む1つまたは複数の病態に対処するための光の受容に供する頸部組織の量を増大させ得る。
[00333]本開示の原理による光ガイドは、用途に応じた種々の方法で賦形され得る。図22Aおよび図22Bを参照して、光ガイド1320は種々のプロファイルおよび断面積を有し得る。図22Aに図示した実施形態では、光ガイド1320は、発光器(複数可)120からの光の少なくともいくらかが六角形の端面2202に進入して内部反射されずに六角形の端面2204から出ていくことを可能にする直線状のプロファイルを有し得る。図22Bに図示した実施形態では、光ガイド1320は湾曲したプロファイルを有し得る。この実施形態では、光ガイド1320は、円形の端面2206から進入して円形の端面2208から出ていく発光器(複数可)120からの光の全てが内部反射されることを惹起する屈曲部2210を有し得る。ある特定の実施形態では、屈曲部2210は光130を混合されたおよび/または均一化された状態で光ガイド1320を出ることを惹起し得る。
[00334]図23A~図23Eを参照して、光ガイド1320は種々のプロファイルを有し得る。図23Aに図示した実施形態では、光ガイド1320は、発光器(複数可)120からの光の少なくともいくらかが端面2302に進入して内部反射されずに端面2304から出ていくことを可能にする直線状のプロファイルを有し得る。図23Bに図示した実施形態では、光ガイド1320は湾曲したプロファイルを有し得る。この実施形態では、光ガイド1320は、端面2308から進入して端面2310から出ていく発光器(複数可)120からの光の全てが内部反射されることを惹起する屈曲部2306を有し得る。図23Cに図示した実施形態では、光ガイド1320は、それを通って発光器(複数可)120からの光が光ガイド1320を出ていく端面2314よりも比較的大きな、それを通って発光器(複数可)120からの光が光ガイド1320に進入する端面2312を有するテーパー状のプロファイルを有し得る。図23Dに図示した実施形態では、光ガイド1320は、それを通って発光器(複数可)120からの光が光ガイド1320を出ていく端面2318よりも比較的小さな、それを通って発光器(複数可)120からの光が光ガイド1320に進入する端面2316を有する上向きテーパー状のプロファイルを有し得る。図23Eに図示した実施形態では、光ガイド1320は90°に湾曲したプロファイルを有し得る。この実施形態では、光ガイド1320は、端面2322から進入して端面2324から出ていく発光器(複数可)120からの光の全てが内部反射されることを惹起する90°屈曲部2320を有し得る。
[00335]図24A~図24Cを参照して、光ガイド1320は種々の追加的なプロファイルを有し得る。図24Aに図示した実施形態では、光ガイド1320は湾曲したプロファイルを有し得る。この実施形態では、光ガイド1320は、端面2408から進入して端面2410から出ていく発光器(複数可)120からの光の全てが内部反射されることを惹起する多数の屈曲部(たとえば屈曲部2402、2404、および2406)を有し得る。図24Bに図示した実施形態では、光ガイド1320は、それを通って発光器(複数可)120からの光が光ガイド1320を出る球根状の端面2414より比較的小さな、それを通って発光器(複数可)120からの光が光ガイド1320に進入する平坦な端面2412を有する球根状のプロファイルを有し得る。図24Cに図示した実施形態では、光ガイド1320は曲線状のプロファイルを有し得る。この実施形態では、光ガイド1320は、端面2416から進入して端面2418から出ていく発光器(複数可)120からの光の全てが内部反射されることを惹起する均一な曲率を有し得る。
[00336]図25A~図25Cを参照して、光ガイド1320は多数の寸法でテーパー状および/または上向きテーパー状になり得る。この実施形態では、光ガイド1320は図25Aに図示した寸法のテーパー状プロファイルおよび図25Cに図示した寸法の上向きテーパー状プロファイルを有し得る。ある特定の実施形態では、端面2502の円形の表面積は端面2504の楕円形の表面積より大きく、小さく、または等しくてよい。
[00337]一部の実施形態では、光ガイド1320は分割された構成を有し得る。これらの実施形態では、光ガイド1320は異なる数の、光が進入する端面および光が出ていく端面を有し得る。たとえば、図26A~図26Cに図示した実施形態では、光ガイド1320は光が進入する単一の端面2602と光が出ていく2つの端面2604を含み得る。ある特定の実施形態では、光が進入する端面2602の表面積は光が出ていく端面2604の表面積より大きく、小さく、または等しくてよい。
[00338]本開示の光ガイドは、種々の形状を有する断面および/または端面を含み得る。たとえば、図27Aに図示した実施形態では、光ガイド1320は円形の断面および円形の端面2702を有し得る。図27Bに図示した実施形態では、光ガイド1320は六角形の断面および六角形の端面2704を有し得る。図27Cに図示した実施形態では、光ガイド1320は楕円形の断面および楕円形の端面2706を有し得る。図27Dに図示した実施形態では、光ガイド1320は長方形の断面および長方形の端面2708を有し得る。図27Eに図示した実施形態では、光ガイド1320は五角形の断面および五角形の端面2710を有し得る。図27Fに図示した実施形態では、光ガイド1320は八角形の断面および八角形の端面2712を有し得る。図27Gに図示した実施形態では、光ガイド1320は卵形の断面および卵形の端面2714を有し得る。図27Hに図示した実施形態では、光ガイド1320は三角形の断面および三角形の端面2716を有し得る。図27Iに図示した実施形態では、光ガイド1320は半円形の断面および半円形の端面2718を有し得る。
[00339]本開示の光ガイドは、均一に賦形された断面と、同様に賦形された端面を有し得る。たとえば、図28Aに図示した実施形態では、光ガイド1320は同様の形状および寸法を有する円形の端面2802および2804を有し得る。他の実施形態では、光ガイド1320は異なって賦形された断面と、異なって賦形された端面を有し得る。たとえば、図27Jおよび図28Bに図示した実施形態では、光ガイド1320は六角形の端面2720と円形の端面2722を有し得る。この実施形態では、光ガイド1320の断面は六角形、円形、および/または六角形と円形の組合せであってよい。
[00340]本開示の光ガイドは、種々の種類の表面を有する端面を含み得る。たとえば、図28Aおよび図28Bに図示した実施形態では、光ガイド1320は実質的に平坦な端面を有し得る。図28Cに図示した実施形態では、光ガイド1320は不規則に賦形された表面2806を有する端面を有し得る。図28Dに図示した実施形態では、光ガイド1320は円錐状の表面2808を有する端面を有し得る。図28Eに図示した実施形態では、光ガイド1320は多角的な表面2810を有する端面を有し得る。図28Fに図示した実施形態では、光ガイド1320は平坦な表面2812を有する端面を有し得る。図28Gに図示した実施形態では、光ガイド1320は凸状の表面2814を有する端面を有し得る。図28Hに図示した実施形態では、光ガイド1320は凹状の表面2816を有する端面を有し得る。図28Iに図示した実施形態では、光ガイド1320は丸くされた表面2818を有する端面を有し得る。図28Jに図示した実施形態では、光ガイド1320は面取りした表面2820を有する端面を有し得る。図28Kに図示した実施形態では、光ガイド1320は角度の付いた表面2822を有する端面を有し得る。
[00341]本開示の光ガイドは1つまたは複数のコアを有してよく、光ガイド1320のそれぞれのコアは被覆加工されもしくは被覆加工されず、および/または緩衝処理されもしくは緩衝処理されなくてよい。たとえば、図29Aおよび図29Bに図示した実施形態では、光ガイド1320は、円形の断面2904を有する単一の被覆加工および緩衝加工がされていない円形のコア2902を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、光ガイド1320の屈折率は断面2904にわたって均一であり得る。図29Cに図示した実施形態では、光ガイド1320は、正方形の断面2908を有する被覆加工および緩衝加工がされていない正方形のコア2906を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、光ガイド1320の屈折率は断面2908にわたって均一であり得る。図29Eに図示した実施形態では、光ガイド1320は、被覆2912によって取り囲まれた円形のコア2910を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、円形のコア2910は被覆2912の屈折率より大きな屈折率を有するように設計されてよく、それにより円形のコア2910の中における光の全内部反射が惹起され得る。図29Fに図示した実施形態では、光ガイド1320は、被覆2916によって取り囲まれた円形のコア2914を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、被覆2916はさらなる被覆または緩衝材2918によって取り囲まれ得る。一部の実施形態では、円形のコア2914は被覆2916より大きな屈折率を有するように設計され得る。さらに、被覆2916は被覆2918より大きな屈折率を有するように設計され、それにより円形のコア2914の中におけるより効率的な光の全内部反射が惹起され得る。
[00342]図30A~図30Cに図示した実施形態では、光ガイド1320は多数の繊維3002を含み得る。一部の実施形態では、多数の繊維3002は可撓性または硬質の緩衝材3004の中にカプセル化され得る。緩衝材3004が可撓性材料から形成され、多数の繊維3002が可撓性であれば、光ガイド1320も可撓性であり、種々の湾曲した形状(たとえば図30Cに図示した湾曲した形状)を取ることができる。一部の実施形態では、多数の繊維3002のそれぞれが発光器(複数可)120の異なる1つに連結され得る。他の実施形態では、多数の繊維3002の2つ以上が同じ発光器(複数可)120に連結され得る。ある特定の実施形態では、多数の繊維3002の1つまたは複数は、さらにまたはその代わりに、光学センサーに連結され得る。
[00343]図31Aは、1つまたは複数のコア3102が発光器(複数可)120に連結される一方、他の1つまたは複数のコア3104が光学センサー3106に連結される光ガイド1320のいくつかの例示的なマルチコア構成を図示する。代替の実施形態では、コア3102は光学センサー3106に連結されてよく、コア3104は発光器(複数可)120に連結されてよい。図31B~図31Dは、コア3102および3104の例示的な断面を図示する。図31Bに図示した実施形態では、断面3108および3110はそれぞれ、コア3102および3104の断面を表わす。図31Cに図示した実施形態では、断面3112および3114はそれぞれ、コア3102および3104の断面を表わす。図31Dに図示した実施形態では、断面3116および3118はそれぞれ、コア3102および3104の断面を表わす。
[00344]ある特定の実施形態では、本開示の光ガイドは、1つまたは複数の中空コアおよび/または中空コア断面を有し得る。たとえば、図32Aに図示した実施形態では、光ガイド1320は、円形の中空コア3202および/または円形の中空コア断面3204を有し得る。図32Bに図示した実施形態では、光ガイド1320は、長方形の中空コア3206および/または長方形の中空コア断面3208を有し得る。図32Cに図示した実施形態では、光ガイド1320は、楕円形の中空コア3210および/または楕円形の中空コア断面3212を有し得る。図32Dに図示した実施形態では、光ガイド1320は、六角形の中空コア3214および/または六角形の中空コア断面3216を有し得る。
[00345]ある特定の実施形態では、中空コア3202、3206、3210、および/または3214は反射表面を有してよく、光ガイド1320は中空コア3202、3206、3210、および/または3214を介して光を送達するように構成され得る。さらにまたはその代わりに、光ガイド1320は断面3204、3208、3212、または3216を介して光を送達するように構成され得る。たとえば、図33に図示した実施形態では、光ガイド1320は人工呼吸器の一部を形成してよく、それを通って空気3304が流れる一方、光130が発光器(複数可)120から光ガイド1320を通って患者の口腔内の組織に伝達される中空コア3302を含み得る。同様に、図34に図示した実施形態では、光ガイド1320は、それを通って空気3404が流れる一方、光130が発光器(複数可)120から光ガイド1320を通って患者の口腔内の組織に伝達される中空コア3402を含み得る。この実施形態では、光ガイド1320は、それを通って流体3408が吸引されおよび/または排出される一方、光ガイド1320が患者の口(または他の体腔)の中に挿入される管3406をさらに含み得る。
[00346]図35は、使用者の口に挿入されたときに使用者の頬に向けて光を方向付けるための光ガイド1320の例示的なU形状の構成3500を図示する。示すように、光ガイド1320は反射コーティング3504を有する内表面3502を含み得る。反射コーティング3504は光130を、光ガイド1320から放射状におよび/またはそこから光130が光ガイド1320に進入した方向を横断する方向に反射し得る。
[00347]ある特定の実施形態では、光ガイド1320は、光ガイド1320を保護するためおよび/または光ガイド1320に近接する組織を過剰の曝露から保護するためのキャップまたはシールドを含み得る。図36Aに図示した実施形態では、光ガイド1320はカバーリングキャップ3602を含み得る。図36Bに図示した実施形態では、光ガイド1320はバットドームキャップ3604を含み得る。図36Cに図示した実施形態では、光ガイド1320はバットフラットキャップ3606を含み得る。図36Dに図示した実施形態では、光ガイド1320は、それを通って光が通過し得る開口部3610を有する円錐形のシールド3608を含み得る。図36Eに図示した実施形態では、光ガイド1320は、それを通って光が通過し得る開口部3614を有する角度の付いた円錐形のシールド3612を含み得る。図36Fに図示した実施形態では、光ガイド1320は、それを通って光が通過し得る開口部3618を有する片側だけのシールド3616を含み得る。図36Gに図示した実施形態では、光ガイド1320は、それを通って光が通過し得る多数の開口部3624を有する穿孔されたシールド3620を含み得る。
[00348]本開示による照明デバイスは種々の方法で制御し得る。たとえば、照明デバイスは単純なオンオフスイッチまたはボタンを介して(たとえば上で論じたボタン1406またはボタン1606を介して)オンオフし得るが、他の制御機構も提供され得る。図37および図38は、照明デバイス102が使用者の口の中に挿入された後で照明デバイス102に電力を供給しおよび/またはこれを制御するための例示的なレバーに基づくスイッチ機構3700を図示する。この実施形態では、照明デバイス102は、発光器(複数可)120および/またはエミッター駆動回路110に電力を供給する電源3702、電源3702を発光器(複数可)120および/またはエミッター駆動回路110に接続しまたは切断するスイッチ3704、およびスイッチ3704を閉鎖しまたは開放するように位置決めされたピボットレバー3706を含み得る。ばね3708はピボットレバー3706に力を印加して、反作用が働かないときにはピボットレバー3706によってスイッチ3704を開放させる。使用者はピボットレバー3706を噛むことによって、ばね3708によって印加された力に反作用を加え、それによりピボットレバー3706にスイッチ3704を閉鎖させ、図38に示すように電源3702が発光器(複数可)120および/またはエミッター駆動回路110に電力を印加することを可能にすることができる。
[00349]本開示による照明デバイスは、別のデバイスについて実行するアプリケーションによって少なくとも部分的に制御されまたは管理され得る。1つの例では、照明デバイス102は、図39に図示する例示的なシステム3900の全てまたは一部によって制御されまたは管理され得る。図39に示すように、システム3900は、ネットワーク3904を介してクライアント側デバイス3906と通信するサーバー3902を含み得る。1つの例では、サーバー3902は照明デバイス102を管理し、制御し、またはこれと通信するサーバー側アプリケーション3908を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、サーバー側アプリケーション3908は、多数の照明デバイスからの使用データを(たとえば臨床試験の部分として)収集するように構成され得る。
[00350]さらにまたはその代わりに、クライアント側デバイス3906は、照明デバイス102を管理し、制御し、またはこれと通信するためのクライアント側アプリケーション3910を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、クライアント側アプリケーション3910は、照明デバイスからのセンサーデータおよび/または使用者のフィードバックを(たとえば臨床試験の部分として)収集するように構成され得る。
[00351]サーバー3902およびクライアント側デバイス3906は一般に、コンピューター実行可能な命令を読み取ることができる任意の種類または形態の計算デバイスを表わす。サーバー3902およびクライアント側デバイス3906の例は限定なく、ラップトップ、タブレット、デスクトップ、サーバー、セルラー電話、個人用デジタル補助装置(PDA)、マルチメディアプレーヤー、埋め込みシステム、ウェアラブルデバイス(たとえばスマートウォッチ、スマート眼鏡、その他)、ルーター、スイッチ、ゲームコンソール、それらの1つもしくは複数の組合せ、またはその他の任意の好適な計算デバイスを含む。少なくとも1つの例では、クライアント側デバイス3906は、使用者が照明デバイス102をそれと対にした使用者の計算デバイスを表わし得る。
[00352]ネットワーク3904は一般に、通信またはデータの移送を容易にすることができる任意の媒体またはアーキテクチャーを表わす。ネットワーク3904の例は限定なく、イントラネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、インターネット、電力線通信(PLC)、セルラーネットワーク(たとえば移動通信用のグローバルシステム(GSM)ネットワーク)等を含む。ネットワーク3904は、無線または有線の接続を使用して通信またはデータ移送を容易にし得る。一実施形態では、ネットワーク3904は、サーバー3902とクライアント側デバイス3906または照明デバイス102との間の通信を容易にし得る。
[00353]図40は、センサー測定に基づいて光線療法操作を実施するための例示的なコンピューター実行方法4000のフローダイアグラムである。図40に示すステップは、図39に図示するシステム(複数可)を含む任意の好適なコンピューター実行可能なコードおよび/または計算システムによって実施し得る。1つの例では、図40に示すステップのそれぞれは、その構造が多数のサブステップを含みおよび/またはそれによって表されるアルゴリズムを表わしてよく、その例は以下により詳細に提供される。
[00354]図40に図示するように、ステップ4010において、本明細書に記載したシステムの1つまたは複数によって、生体組織の第1のセットの測定を得ることができる。たとえば、既述の実施形態のいずれかによる照明デバイスは、温度センサーを介して標的体組織の温度を得ることができ、および/またはカメラセンサーを介して標的体組織の1つまたは複数の画像を捕捉することができる。少なくとも1つの実施形態では、照明デバイスは、1つまたは複数の可視光画像、1つまたは複数の赤外画像、1つまたは複数の紫外画像、所定範囲内の波長の光を測定する1つまたは複数の画像、および/または2つ以上の異なる所定範囲内の波長の光を測定する1つまたは複数の画像を捕捉し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載したシステムの1つまたは複数は、第1のセットの測定を使用してベースライン測定を確立し、それにより引き続く光線療法処置の安全性または有効性をバリデートし、および/または使用者の健康状態をモニターすることができる。
[00355]ステップ4020で、本明細書に記載したシステムの1つまたは複数は、光線療法処置の間に、生体組織に光を投射し得る。次にステップ4030で、本明細書に記載したシステムの1つまたは複数は、生体組織の第2のセットの測定を得ることができる。一部の実施形態では、第2のセットの測定は、第1のセットの測定に含まれる同じ種類の測定を含み得る。例示的なコンピューター実行方法4000は光に関して提供しているが、開示した原理は既述の生物学的効果のいずれかを誘起し得る任意の光に適用可能である。
[00356]ステップ4040で、本明細書に記載したシステムの1つまたは複数は、第1のセットの測定および第2のセットの測定のうち少なくとも1つに基づいて操作を実施し得る。1つの例では、クライアント側アプリケーション(たとえば図39の3910)は、発光デバイス(たとえば図39の102)からの第1のセットの測定および第2のセットの測定の解析のためにサーバー側アプリケーション(たとえば図39の3908)に中継し得る。一実施形態では、サーバー側アプリケーションは、第1のセットの測定および/または第2のセットの測定を使用し、第1のセットの測定と第2のセットの測定との比較に基づいて、生体組織に光を投射することの安全性または有効性をバリデートすることができる。
[00357]別の例では、図39に図示する照明デバイス102および/またはクライアント側アプリケーション3910は、第1のセットの測定と第2のセットの測定の比較に基づいて、引き続く光線療法処置のパラメーターを調節し得る。たとえば、照明デバイス102および/またはクライアント側アプリケーション3910は、引き続く光線療法処置の継続時間、強度、ピーク波長、または光の波長範囲を調節し得る。
[00358]一部の実施形態では、照明デバイス102は、光130を受容することを意図していない体組織104の部分(たとえば図41および図42における保護区域4150等の、治療区域140とみなされない体組織104の任意の部分)に光130が到達することを防止する1つまたは複数の光ブロック要素を含み得る。図41は、光をブロックする光ガイド4120を有する照明デバイス102の例示的な構成4100の説明図である。この構成では、照明デバイス102は体腔4110に部分的または完全に合致するような寸法および形状とされ得る。この実施形態では、発光器(複数可)120は1つまたは複数の経路(たとえば経路4130および4140)に沿って体腔4110の中で光130を発するように作動可能であってよく、光をブロックする光ガイド4120は、(1)光130が直接の経路4130に沿って治療区域140まで進むことを可能にするが、(2)光130がブロックされた経路4140に沿って保護区域4150まで進むことを防止するように賦形され得る。図42は、光をブロックする光ガイド4220を有する照明デバイス102の例示的な構成4200を図示する。この実施形態では、発光器(複数可)120は、多数の経路(たとえば経路4230および4240)に沿って体腔4210の外の光130に作動可能であってよく、光をブロックする光ガイド4220は、(1)光130が直接の経路4230に沿って体腔4210内の治療区域140まで進むことを可能にするが、(2)光130がブロックされた経路4240に沿って保護区域4150まで進むことを防止するように賦形され得る。
[00359]光をブロックする光ガイド4120および/または4220は、実質的な光の量をブロックし、反射し、または吸収することによって、光が使用者の体のある部分に到達することを防止するように作動可能な任意の光ブロック成分を含み得る。一部の例では、光をブロックする光ガイド4120および/または4220は、光がその領域を通って自由に伝達されることを可能にする1つもしくは複数の中空もしくは透明の領域および/または光がその領域を通って自由に伝達されることを防止する1つもしくは複数の固体状、反射性、もしくは不透明の領域を含み得る。光をブロックする光ガイド4120および/または4220の例は限定なく、中空円筒、管類、パイプ、シュラウド、ファネル、スヌート、およびコリメーターを含む。一部の例では、光をブロックする光ガイド4120および/または4220は、体腔の拡張ならびに組織の拡大および/または移動等のさらなる機能を実施し得る。たとえば、図43~図53に関して図示するマウスピースおよび/または光ガイドは、(たとえば使用者の頬または舌が光に曝露されることを防止するための)1つまたは複数の光をブロックする領域を含み得る。
[00360]光をブロックする光ガイド4220は、これが挿入される体腔に基づく好適な形状であってよい。たとえば、光をブロックする光ガイド4220は、鼻腔、耳腔、咽喉腔、喉頭腔、咽頭腔、気管腔、食道腔、尿道腔、膣腔、または頸管腔のうち少なくとも1つに添いまたはその中に合致するように賦形され得る。一実施形態では、体腔4110は口腔であってよく、光をブロックする光ガイド4220は口に合致して光130を口腔内の生体組織に方向付けるように賦形され得る。
[00361]図43~図52は、中咽頭を含む使用者の口腔内またはその付近の生体組織に光(たとえば一酸化窒素調節光および/または既述の生物学的効果のいずれかを誘起する光)を送達するための照明デバイス102の例示的な手持ちの構成4300の種々の図面を図示する。示すように、照明デバイス102は、(1)発光器(複数可)120を含み、保護するためのハウジング4302、(2)少なくとも発光器駆動回路110、照明デバイス102および/もしくは発光器(複数可)120を活性化するためのボタン4306、ならびに/またはキャリア4308を含み、保護するためのハウジング4304、ならびに(3)少なくともバッテリー4312を含み、保護するためのハウジング4310を有する外部ハウジングを含み得る。一部の実施形態では、ハウジング4304は、ボタン4306を係合するための触知できる要素4316ならびに照明デバイス102を充電しおよび/もしくは照明デバイス102に保存されたデータにアクセスするためのポート4318を有するスリーブまたはオーバーモールド4314によって包まれ得る。図46の分解図では、発光器(複数可)120は印刷回路ボード4320に取り付けられ、印刷回路ボードはねじ4322(または他の任意の好適な固定具)によってハウジング4302に固定され得る。さらに、照明デバイス102は、使用者の口腔内および/またはその付近に光130を送達するためのレンズ4324を含み得る。一部の実施形態では、保持リング4326がレンズ4324をハウジング4302に固定し得る。この例では、保持リング4326とレンズ4324との間にレンズワッシャー4328を位置させてよく、レンズ4324とハウジング4302との間にレンズガスケット4330を位置させてもよい。示すように、照明デバイス102は、使用者の口腔内への挿入に適した寸法および形状とされた光ガイド4332およびマウスピース4334を含み得る。
[00362]図48A~図48Dに示すように、マウスピース4334は、使用者の口腔(たとえば使用者の唇および頬)の表面に対面しまたはこれと係合する外表面4802、使用者の歯と対面する咬合表面4804、および使用者の歯の裏側に係合する突起4806を含み得る。一部の実施形態では、外表面4802は、光線療法処置の間に使用者の口腔を拡張するために、使用者の唇および/または頬に外向きの力を印加し得る。一部の実施形態では、咬合表面4804および/または突起4806は、使用者が咬合表面4804を噛むことによって照明デバイス102を使用者の口の中に固定することを可能にし得る。一部の実施形態では、マウスピース4334は、照明デバイス102を使用者の口腔内の適切な深さに指示することを助け得る。一実施形態では、マウスピース4334は、照明デバイス102を使用者の口腔内の光130に曝露される組織の面積が約25cmに等しくなる深さに指示し得る。一実施形態では、マウスピース4334は、光ガイド1320を使用者の口腔内の光の組織への照度が約160mW/cm未満になる深さに指示し得る。これに関して、マウスピース4334は、光ガイド4332を少なくとも部分的に口腔内またはその付近に位置決めし保持して、発光器(複数可)120から発する光が標的組織、たとえば中咽頭に照射するための好適な位置で光ガイド4332を出ることを保証するように構成された光ガイド位置決め材と称し得る。少なくとも一部の実施形態では、マウスピース4334は、光が使用者の口腔の部分に到達することをブロックするように機能し、その目的に適するような形状および寸法とされ得る。一部の実施形態では、マウスピース4334は照明デバイス102から取り外し得る。
[00363]図49A~図49Dに示すように、光ガイド4332は、使用者の口の中に挿入された際に使用者の舌を押圧するための舌圧子4900を含み得る。一部の実施形態では、舌圧子4900は、使用者の咽喉の裏側、中咽頭(または別の治療区域)を発光器(複数可)120によって発せられる光に曝露させるように、使用者の舌を移動させ得る。舌圧子4900は任意の好適な寸法および形状を有してよく、光が使用者の舌に到達することをブロックするように機能し得る。一部の実施形態では、光ガイド4332は、それを通って光が通過する光伝達経路4904を画定する円筒状の壁4902を含み得る。少なくとも一部の実施形態では、円筒状の壁4902は光が使用者の口腔の部分に到達することをブロックするように機能してよく、その目的に適した形状および寸法とされ得る。一部の実施形態では、光ガイド4332は取り外し可能であり得る。図49A~図49Dに図示する実施形態では、光ガイド4332はハウジング4302のノッチ5102および5104と対面するように賦形された固定タブ4906を含み得る。図52に図示する代替の実施形態では、光ガイド4332はハウジング4332の対応する突起(たとえば突起5202)と固く係合するように賦形された固定ノッチ(たとえばノッチ5204)を含み得る。
[00364]一部の実施形態では、光ガイド位置決め材とも称され得るマウスピース4334および光ガイド4332は、単一の分離できない構造の部分であってよい。あるいは、マウスピース4334および光ガイド4332は、互いに固く接合されて取り外し可能なアセンブリを形成する分離可能な構造であってもよい。いずれの場合も、マウスピース4334(たとえば光ガイド位置決め材)および光ガイド4332の組合せは、照明デバイス102に取り外し可能に取り付けられる組合せアセンブリを形成し得る。図50A~図50Dは、マウスピース4334および光ガイド4332の例示的な取り外し可能なアセンブリ5000を図示する。この実施形態では、光ガイド4332は、マウスピース4334の対応するノッチと対面して光ガイド4332をマウスピース4334から工具なしに分離することを容易にするように賦形された固定突起4908を含み得る。
[00365]図51A~図51Cはそれぞれ、一部の実施形態による図50A~図50Dのマウスピース4334と光ガイド4332の取り外し可能なアセンブリ5000を取り外した図43の照明デバイス102の側面図、前面図、および透視図である。ある特定の実施形態では、図49A~図49Dに図示する固定タブ4906は、ハウジング4302のノッチ5102および5104にスナップ嵌合しまたはその他の方法で取り付けられるように構成され得る。これに関して、マウスピース4334および光ガイド4332は、清掃および/または交換のために照明デバイス102から容易に取り外し得る。
[00366]図52は、マウスピース4334および光ガイド4332が照明デバイス102から容易に取り外される実施形態についての、例示的な照明デバイス102の別の例示的な構成5200の側面図である。図示するように、光ガイド4332は、ハウジング4302の対応する突起(たとえば突起5202)と固く係合するように賦形された固定ノッチ(たとえばノッチ5204)を含み得る。
[00367]図53は、中咽頭を含む使用者の口腔内またはその付近の生体組織に光を送達するための照明デバイス102の例示的な手持ちの構成5300を図示する。図示するように、照明デバイス102は、発光器(複数可)、発光器駆動回路110、および/または既述の1つもしくは複数のセンサーのうち1つまたは複数を含み保護するための外部ハウジング5302を含み得る。一部の実施形態では、外部ハウジング5302は、ハンドグリップ5304、ならびに照明デバイス102および/または発光器(複数可)を活性化するためのボタン5306を含み得る。一部の実施形態では、照明デバイス102は、使用者の口、頬、および/または歯と対面するためのマウスピース5310ならびに使用者の舌を移動させるための舌圧子5308を含み得る。一部の例では、照明デバイス102は、照明デバイス102の使用者がそれを用いて照明デバイス102の適正な挿入深さを測ることができる位置決めプレート5312ならびに/または使用者が咬合ガード5314を噛むことによって照明デバイス102を固定することを可能にするための上部および下部の咬合ガード5314を含み得る。一部の実施形態では、位置決めプレート5312は、使用者の口の外表面に接した際に、照明デバイス102を使用者の口腔内の適切な深さに指示することを助け得る。一実施形態では、位置決めプレート5312は、照明デバイス102を使用者の口腔内の光に曝露される組織の面積が約25cmに等しくなる深さに指示し得る。一実施形態では、位置決めプレート5312は、光ガイド1320を使用者の口腔内の光の組織への照度が約160mW/cm未満になる深さに指示し得る。
[00368]図面には示していないが、好適な寸法および形状とされたマウスピースおよび/または光ガイドは(図43~図53に関連して記述したマウスピースおよび光ガイドと同様)、図14~図21に図示する照明デバイス102の例示構成に一体化することもできる。さらに、図43~図53に関連して記述したマウスピースおよび光ガイドは、光ガイド1320の特色のいくつかまたは全てを含み得る。
[00369]図54A~図54Eは、中咽頭を含む使用者の口腔内またはその付近の生体組織に光(たとえば一酸化窒素調節光および/または既述の生物学的効果のいずれかを誘起する光)を送達するための照明デバイス102の例示的な手持ちの構成5400の種々の図面を図示する。図54Aは照明デバイス102の例示的な手持ちの構成5400の前面透視図、図54Bは背面透視図、図54Cは前面図、図54Dは側面図、図54Eは上面図である。図54A~図54Eの例示的な手持ちの構成5400は、既述の図43~図52の例示的な手持ちの構成4300と同様であり、舌圧子4900は、ハウジング4302により近い舌圧子4900の対応する幅より大きい舌圧子4900の端部における幅を含む形状をさらに画定する。このようにして、舌圧子4900の端部は使用者の口に挿入された際に使用者の舌の大きな部分を押圧するように構成され得る。さらに、ハウジング4302は、ハウジング4302の熱の放散を提供し得る1つまたは複数の機構4302’を形成し得る。同様の機構4302’を図43に図示するが、これはハウジング4302の多くの側面を包むような方式で提供される一方、図54A~図54Eの実施形態では、機構4302’はハウジング4302の背面に沿って提供され、光ガイド4332に隣接したハウジングの部分の周囲を包んでいる。
[00370]本明細書に記載した光線療法は口腔、耳道、咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、および/または食道の選択した部分に適切なデバイスを使用して投与され、デバイスの選択は光が投与される位置に依存する。本明細書に記載した治療方法は、所望の領域に所望の特徴(たとえば波長特性、放射フラックス、継続時間、パルスまたは非パルス、コヒーレント性、その他)を有する光を送達することができる任意の光送達デバイス(複数可)を使用して行なうことができる。
[00371]上記の照明デバイスに加えて、光線療法の実施において使用することができる代表的な種類の光送達デバイスおよび/または本明細書に記載した光送達デバイスは、患者の口腔、耳道、その他の任意の部分(複数可)に光を送達するために使用することができる(および/またはそれらの部分の中に位置決めしもしくはそれらを通過することができる)任意のデバイスを含む。その例は、(たとえば患者の口および/または鼻腔に挿入されまたは挿入され得る形状および寸法とされた)発光デバイス、口、咽喉、耳、および鼻に到達する検眼鏡、咽喉により深く、また喉頭、咽頭、食道、気管、その他に到達するための気管支鏡等のスコープ類、発光要素(複数可)および/または光送達部品(複数可)を有する管類、その他を含むが、それらに限定されない。
[00372]例は、(たとえば患者の鼻腔等の口腔、および/または耳道に挿入されまたは挿入され得る形状および寸法とされた)発光デバイス、発光要素(複数可)および/または光送達部品(複数可)を有する検眼鏡等のスコープ類、発光要素(複数可)および/または光送達部品(複数可)を有する管類、その他を含むが、それらに限定されない。種々の実施形態では、光源はワンド、フラッシュライト、検眼鏡、または光パネルである。
[00373]患者の口および/または鼻腔に挿入されまたは挿入され得る形状および寸法とされた発光デバイスは一般に、患者の口および/または鼻腔への挿入に適し、所望の特徴を有する光を発することができる任意のデバイスを含む。その例は、平坦でも曲線状でもよいパネル、ワンド、フラッシュライト、スピーカーに加えてもしくはその代わりに光源を有するヘッドフォン、スコープ類、管類、および口腔内デバイスを含む。これらのデバイスのそれぞれは、口腔、耳道、その他の中に光を照らすための発光ダイオード(LED)、OLED、超発光ダイオード(SLD)、レーザー、およびそれらの組合せ等の発光源を有する。
[00374]発光要素(複数可)および/または光送達部品(複数可)を含むスコープ類は、本明細書に記載した方法において使用することができる。そのようなスコープ類は、患者の呼吸管の任意の領域への(および/または任意の領域を通る)挿入に適した任意のデバイスを含む。少なくとも1つの光送達部品および/または少なくとも1つの発光要素が、スコープの中に配置されおよび/またはスコープによって支持される。
[00375]好適なスコープ類の代表的な例は、気管支鏡、鼻咽頭鏡、ファイバースコープ、その他を含む。好適な光送達部品の代表的な例は、光学ファイバーデバイスおよびその他の導波管を含む。
[00376]1つの特定の実施形態では、臨床医が患者の口、耳、および鼻を観察することを可能にするよりも、1つまたは複数の特定の抗微生物波長の光を発するLED、OLED、レーザー、その他の光源を装備した検眼鏡が開示される。この実施形態の態様では、検眼鏡は耳および/または鼻に光の焦点を当てるための付属品を有する。
[00377]検眼鏡は、眼の媒質(角膜、水様液、水晶体、および硝子体)および網膜を検査することを意図した、照明用および観察用の光学部品を含む手持ちの、典型的にはバッテリー駆動されるデバイスである。しかし、検眼鏡はまた、典型的にはデバイスが耳、鼻孔、口、および咽喉を照明するために使用されることを可能にする種々の付属品を含む。
[00378]1つのそのような付属品は耳鏡付属品であり、これは使用者が耳道および鼓膜を照明することを可能にする。
[00379]別の種類の付属品は(しばしば耳鏡付属品と併せて使用される)鼻鏡アダプターである。耳鏡付属品を鼻鏡アダプターとともに使用する際には、デバイスは、鼻道を通る視線を維持しながら、一方の鼻道を一度に、鼻孔(小鼻)を照明することができる。
[00380]ベントアーム照明器は、患者の口および上咽頭を照明するために使用することができる手持ちの光源である。これは副鼻腔の透過照明にも使用することができる。典型的な検眼鏡または気管支鏡はオンオフスイッチを含むがタイマーを含まない一方、本明細書に記載した気管支鏡はタイマーを含むことができ、これは治療がいつ完了したかを使用者が知ることを可能にする。タイマーは、光が投与される場所、投与される波長、その他に基づいて異なる治療時間を含み得る。
[00381]患者の喉頭蓋を通過するデバイスのある特定の実施形態(たとえば患者の口または鼻腔を通り、喉頭蓋を通過して気管に入るスコープ類および管類を含むデバイス)は、デマンド弁型の部品を含むことができる。これはスキューバダイビング用のデバイスにおけるデマンド弁と同様であり、喉頭蓋がデバイス(たとえばスコープまたは管)の挿入をブロックすることを防止することを補助する。
[00382]発光要素(複数可)および/または光送達部品(複数可)、たとえばLED、OLED、またはレーザー光を発するもしくは送達する部品を有する管類は、本明細書に記載した方法において使用することができる。これは患者の口腔の任意の領域への(および/または任意の領域を通る)挿入に適した任意のデバイスを含み、少なくとも1つの光送達部品および/または少なくとも1つの発光要素が、管の中に配置されおよび/または管によって支持される。別の実施形態では、管は管の前におよび管の周囲の種々の場所に位置決めされた光源を含み、それにより使用者の咽喉、口蓋、舌、歯茎、および頬を同時に照らすことができる。好適な管類の代表的な例は、気管切開管、気管内管、および経鼻栄養管、ならびに発光要素(複数可)および/または光送達部品(複数可)を有する管類の代表的な例を含む。管の中に配置されおよび/または管によって支持される少なくとも1つの光学ファイバーおよび/またはその他の導波管、ならびに光学ファイバー(複数可)および/またはその他の導波管(複数可)に光を供給するように位置決めされ配向された少なくとも1つの発光要素を有する管類が特に含まれる。
[00383]別の態様では、光源は直線状でも曲線状でもよいパネル(即ち光パネル)であり、使用者はたとえば口角鉤を用いて口を開くことによって光に曝露することができ、光源を保持するよりむしろ患者が座りまたは横たわってパネルに曝露されるようにパネルを位置決めすることができる。パネルは、パネルの位置を合わせることを容易にするクリップまたはスタンドを含んでよく、それにより使用者の口、鼻、および/または耳を抗微生物光に曝露することができる。
[00384]上で注記したように、本明細書に記載した方法の実施(および本明細書に記載したデバイスのある特定の実施形態)における使用のためのデバイスは、患者の呼吸管の所望の領域に所望の特徴(たとえば波長特性、放射フラックス、継続時間、パルスまたは非パルス、コヒーレント性、その他)を有する光を送達することができる少なくとも1つの発光要素を含む。波長特性は、飽和、波長スペクトル(たとえば波長範囲、半値全幅値)、優勢な波長、および/またはピーク波長)を含む。
[00385]ある特定の実施形態では、発光要素(複数可)の少なくとも1つは、固相発光デバイスである。固相発光デバイスの例は、LED、OLED、SLD、レーザー、薄膜エレクトロルミネセンスデバイス、粉末化エレクトロルミネセンスデバイス、電場誘起ポリマーエレクトロルミネセンスデバイス、およびポリマー発光電気化学セルを含むが、これらに限定されない。
[00386]LEDおよびレーザーの両方が変動出力の光源であるが、LEDの方がこれに関する順応性が高い。レーザーは、それ未満では出力が得られず、それを超えるとより大きな駆動電流が印加されるとともに出力が指数的に増大する閾電流を有する。対照的にLEDは極めて低い駆動電流で発光が始まり、発光は駆動電流の増加にほぼ比例する。レーザーに対するLEDのこの利点は、組織を損傷するほど大きなフラックスを提供せずに標的の疾患を治療するために十分なフラックスを供給するために重要であり得る。この特色は、様々で複雑な局所形態に対処するために同じ医用デバイスが使用される肺等の体内の区域において特に重要であり得る。
[00387]LEDはレーザーのように狭いスペクトル幅を有するコヒーレントな光源ではないが、LEDは光バイオモジュレーション(PBM)においてレーザーに対してある種の利点を提供し得る。これらの利点は、光受容体分子によるPBM吸収の1つの成分に直接応用可能である。LEDはUVからIRまでの広い波長範囲でレーザーより容易に利用できる。広い波長範囲にわたって利用可能であることに加えて、LEDはその範囲内のより離散した波長でより容易に利用可能である。LEDはレーザーよりスペクトル幅が広いという特徴があり、そのため、標的分子による吸収は、数nm幅のレーザーの発光波長を間違って選択することによって失われる可能性が低い。LEDにはまた、レーザーより遠距離場が広いという特徴があり、これにより、直接の発光であろうと、他の光学要素を介した標的の照明であろうと、大きな面積のより均一な処置がレーザーを用いる場合より簡単にできる。最後に実用的な見地から、LEDはレーザーより発光mWあたりのコスト効率が高く、より容易に利用可能であり、光学系における使用がより容易である。したがって一実施形態では、本明細書に記載した治療方法は光源としてLEDを使用する。ある特定の実施形態では、発光要素の1つ、いくつか、または全ては、25nm未満(または20nm未満、または15nm未満、または5nm~25nmの範囲、または10nm~25nmの範囲、または15nm~25nmの範囲)の半値全幅値を有する。
[00388]ある特定の実施形態では、単一の固相エミッターパッケージの中に異なる発光要素が含まれる。ある特定の実施形態では、発光要素は1つのアレイまたは2つ以上のアレイに配置される。ある特定の実施形態では、発光要素は1つまたは複数の波長変換材料を含み、その例は蛍光体材料、蛍光染料材料、量子ドット材料、および蛍光材料を含む。
[00389]本明細書に記載した方法の実行における使用のためのデバイスのある特定の実施形態(および本明細書に記載したデバイスのある特定の実施形態)は、デバイスのマイクロコントローラーの少なくとも1つによる使用のための少なくとも1つの条件づけられた電力シグナルを提供するように配置された電力供給回路を含み得る。
[00390]本明細書に記載した方法の実行における使用のためのデバイスのある特定の実施形態(および本明細書に記載したデバイスのある特定の実施形態)は、光を散乱しまたは光の散乱を促進する1つまたは複数の機構および/または部品を含み得る。
[00391]当業者は種々のそのような機構および部品を熟知しており、そのような機構および部品のいずれも、本明細書の範囲内である。
[00392]そのような機構および部品の代表的な例は、(1)(たとえば光ファイバーの末端に位置決めされ、光ファイバーを出る光をたとえば球状320°に拡散させることができる)デジタル光プロセッサー、(2)光拡散および/または光散乱材料(たとえば酸化亜鉛、二酸化ケイ素、二酸化チタン、その他)、(3)テクスチャー加工された光散乱表面、(4)パターン化された光散乱表面、(5)(球状に再発光しやすい)蛍光体またはその他の波長変換材料を含む。
[00393]ある特定の実施形態では、低吸収性で光散乱性の粒子、液体、および/または気体を、それらの粒子、液体、および/または気体が逃散することを防止する低吸収性の要素の中に位置決めすることができる。
[00394]ある特定の実施形態では、光抽出機構を提供することができ、これは様々な寸法および/または形状を含み得る。ある特定の実施形態では、光抽出機構は可撓性の印刷回路ボードの上に均一にまたは不均一に分布し得る。ある特定の実施形態では、光抽出機構はテーパー状の表面を含み得る。ある特定の実施形態では、異なる光抽出機構は1つまたは複数の連結された部分または表面を含み得る。ある特定の実施形態では、異なる光抽出機構は互いに離散しまたは空間的に分離され得る。ある特定の実施形態では、光抽出機構は線、列、ジグザグの形状、またはその他のパターンで配置され得る。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の波長変換材料が、1つまたは複数の光抽出機構の上にまたはその付近に配置され得る。
[00395]本明細書に記載した方法の実行における使用のためのデバイスのある特定の実施形態(および本明細書に記載したデバイスのある特定の実施形態)は、1つまたは複数の任意の種類のセンサーを含み得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載した方法の操作は、1つもしく複数のセンサーまたはその他の要素によって生成される1つまたは複数のシグナルに関与し得る。
[00396]温度センサー、光センサー、画像センサー、近接度センサー、血圧またはその他の圧力のセンサー、化学センサー、バイオセンサー(たとえば心拍数センサー、体温センサー、化学種もしくは生物種の存在または濃度、またはその他の状態を検出するセンサー)、加速度計、湿度センサー、パルスオキシメーター等のオキシメーター、電流センサー、電圧センサー、その他を含む種々の種類のセンサーを採用することができる。
[00397]光の投射および/または本明細書に開示したデバイスの操作に影響し得る他の要素は、タイマー、サイクルカウンター、オンオフスイッチ等の手動操作される制御要素、(おそらくトランシーバーにおいて具現化される)無線の送信機および/または受信機、ラップトップまたはタブレットコンピューター、モバイルフォン、または別の携帯型デジタルデバイスを含む。本明細書に開示したデバイスと1つもしくは複数のシグナル発生またはシグナル受信要素との間の有線および/または無線の通信が提供され得る。これらの態様のいずれにおいても、使用者は、使用者を過度に光に曝露することなく、所望の抗微生物効果をもたらすために十分な出力および十分な時間で、光に曝露されることができる。
[00398]ある特定の実施形態では、本明細書に記載した方法の実行における使用のためのデバイス(および本明細書に記載したデバイスのある特定の実施形態)は、1つまたは複数のセンサーシグナルを指示する情報またはその他の任意の情報を保存するように構成された1つまたは複数の記憶要素を含み得る。
[00399]本明細書に記載した方法の実行における使用のためのデバイスのある特定の実施形態(および本明細書に記載したデバイスのある特定の実施形態)は、デバイスの外部の電子デバイスと電子的に通信するように構成された1つまたは複数の通信モジュールを含み得る。
[00400]使用者は眼の保護材を着用しているので、使用者は投与される波長を見ることができないことがある。したがって、気管支鏡等の光源は、光治療が終了したという聴覚または触覚によるシグナルを提供し得る。これらの実施形態の一部の態様では、光源はアプリを使用して制御することができる。他の態様では光源自体がタイマーを含み、それにより使用者は光が投与される時間を設定することができる。
[00401]対象が抗微生物波長で光に曝露される際には、使用者の眼をこれらの波長への曝露から保護することが重要である。それを行なうためにいくつかの方法がある。青色の波長またはUV波長の光が使用される一実施形態では、これらの波長をカットする眼鏡、ゴーグル、または日焼けベッドで使用されるようなアイシールドで対象の眼を保護することができる。別の実施形態では、眼は、ゴーグル、アイマスク、その他の形態であってよい不透明なカバーで覆われる。
[00402]使用者がある波長に供されることを防止するコーティングは当技術で周知である。その例はUV保護コーティング、抗青色コーティング、その他を含む。一部の実施形態では、特に眼科用レンズおよびゴーグルに関して、レンズ/ゴーグルの両主面の一方は、青色光等の望ましくない光を低減し、それにより着用者の網膜に対するいずれの光誘起光毒性効果をも低減することを意図した光学フィルターを含み得る。一態様では、これは波長範囲および入射角に関して定義される。本明細書で使用する場合、「x~yの範囲」は、「xからyまでの範囲内」を意味し、両方の限界xおよびyはこの範囲内に含まれる。
[00403]ヒトに対する可視光は約380ナノメートル(nm)波長から780nmまでの波長範囲の光スペクトルにわたって延在する。約380nm~約500nmの範囲のこのスペクトルの部分は高エネルギーの実質的に青色の光に対応する。多くの研究が、青色光はヒトの眼の健康、特に網膜に対して光毒性効果を有していることを示唆している。網膜に対する光毒性の青色光の伝達を防止しまたは制限する適切なフィルターを有するレンズ/ゴーグルを使用して、これらの波長およびその他の波長に対する曝露を制限することができる。
[00404]他のフィルターは、網膜を有害な波長に曝露することなしに、465nmより大きい波長の可視光を効率的に伝達し、それにより着用者の良好な視力を維持する。したがって、一実施形態では、レンズは465nm~495nmの波長範囲内の顕著な伝達を可能にする一方、420nm~450nmの波長範囲で眼が受容する青色光の量をカットする。これを達成する1つの方法は、典型的には複数の誘電体層を含む全体として厚い積み重ねからなる高選択性の狭い帯域のフィルターを使用することである。そのようなフィルターは、既に述べたような狭帯域の光学フィルターが堆積された前主面に適用することができる。これに関して、眼科用レンズの前主面は、眼鏡の着用者の眼から最も遠い眼科用レンズの前主面である。対照的に、眼鏡の着用者の眼に最も近い眼科用レンズの主面は、後主面である。
[00405]眼科用レンズの前主面への光の直接入射が前主面に堆積された狭帯域フィルターに対する反射によって効率的に排除されたとしても、ある場合には着用者の背景から発する間接的な光が眼鏡の着用者の眼に反射される。この理由により、日焼けベッドとともに使用される型の日焼けゴーグルのようなゴーグルを使用することが好ましい場合がある。
[00406]理想的には、十分な眼の保護は使用される光の波長に適合され、それにより、着用者の網膜に到達する光毒性の青色光のような光毒性の光の量を安全なレベルまで顕著に低減させることができる。一実施形態では、眼鏡またはゴーグルは前主面および後主面を有する眼科用レンズを含み、両主面のうち少なくとも1つはフィルターを含み、フィルターは前記フィルターを含む主面に以下の特性を提供する。即ち420nm~450nmの波長範囲内、0°~15°の範囲の入射角で、5%より高くまたはこれに等しい平均青色立体面反射率(Rm、B)、0°~15°の範囲の入射角における分光反射率曲線で、その反射率曲線が435nm未満の波長で最大の反射率、および80nmより大きい半値全幅(FWHM)を有し、0°~15°の範囲の入射角Θおよび30°~45°の範囲の入射角Θ’についてパラメーターΔ(Θ、Θ’)が式Δ(Θ、Θ’)=1-[RΘ’(435nm)/RΘ(435nm)]で定義され、このパラメーターΔ(Θ、Θ’)は0.6より大きくまたはこれに等しい様式であり、ここでRΘ(435nm)は入射角Θで波長435nmにおける前記フィルターを含む主面の反射率値を表わし、RΘ’(435nm)は入射角Θ’で波長435nmにおける前記フィルターを含む主面の反射率値を表わす。
[00407]別の実施形態では、本発明は前主面と後主面を有する眼科用レンズに関し、両主面のうち少なくとも1つはフィルターを含み、フィルターは前記フィルターを含む主面に以下の特性を提供する。即ち420nm~450nmの波長範囲内、0°~15°の範囲の入射角で、5%より高くまたはこれに等しい平均青色立体面反射率(Rm、B)、0°~15°の範囲の入射角における分光反射率曲線で、この反射率曲線が435nm未満の波長で最大の反射率、および70nmより大きいかこれに等しく、好ましくは75nmより大きいかこれに等しい半値全幅(FWHM)を有し、0°~15°の範囲の入射角Θおよび30°~45°の範囲の入射角Θ’についてパラメーターΔ(Θ、Θ’)が式Δ(Θ、Θ’)=1-[RΘ’(435nm)/RΘ(435nm)]で定義され、このパラメーターΔ(Θ、Θ’)は0.5より大きくまたはこれに等しい様式であり、ここでRΘ(435nm)は入射角Θで波長435nmにおける前記フィルターを含む主面の反射率値を表わし、RΘ’(435nm)は入射角Θ’および/または0°~15°の範囲の入射角で波長435nmにおける前記フィルターを含む主面の反射率値を表わし、パラメーターΔspectralは式Δspectral=1-[R0°-15°(480nm)/R0°-15°(435nm)]で定義され、このパラメーターΔspectralは0.8より大きいかこれに等しい様式であり、ここでR0°-15°(480nm)は対応する入射についての波長480nmにおける前主面の反射率を表わし、R0°-15°(435nm)は対応する入射についての波長435nmにおける前主面の反射率を表わす。これらの型の眼科用レンズは、420nm~450nmの波長範囲内の平均反射率を提供することによって、使用者の網膜への光毒性の青色光の伝達を最小化することを可能にする。
[00408]口腔内に挿入するために構成されたデバイスについては、口角鉤が含まれ得る。口角鉤は頬を口から引き出して、術式の間に口が露出されたままになるように頬を適所に保持するために使用される医療装置である。より具体的には、口角鉤は粘膜骨膜弁、頬、唇、および舌を治療区域から離して保持し、それにより光が口/口腔の全体を処置することを容易にする。本明細書で開示するように、口角鉤は上記の照明デバイスのための光ガイド位置決め材および/またはマウスガードの部品として組み込まれ得る。
[00409]口角鉤の例を図56Aおよび図56Bに示す。図56Aは例示的な口角鉤5600の透視図である。口角鉤5600は、口もしくは口腔の他の部分または咽喉で術式を実施するために十分広い開口を臨床医または歯科医に提供するように設計されたプラスチック等の透明な材料を含み得る。これらを使用することができ、また透明なプラスチックを透過する有害な波長から使用者の眼を保護するために眼の保護材を使用することができるが、全ての波長に不透明か、または有害な波長をカットするコーティングを有する口角鉤を使用することが好ましい。臨床医または歯科医は口にアクセスするために鈎を使用する必要はなく、また必要な全ては光源にアクセスすることであり、使用者の眼をこれらの波長の光に曝露することを最小化しまたは防止することが有利であるので、これは特に正しい。
[00410]図56Bは、光線療法の間にある波長の光をブロックするように構成されたフィルター等の材料を含む口角鉤5610の透視図である。たとえば、中咽頭にまたはその付近に光を投射するために、光が、送達する青色光または400nm~450nmの範囲のピーク波長を有する光を含むならば、口角鉤5610はそのような青色光または400nm~450nmのピーク波長範囲内の光をカットする材料を含み得る。他の実施形態では、口角鉤5610は用途に応じて上記のピーク波長範囲のいずれかをカットしおよび/またはブロックする材料を含み得る。さらなる実施形態では、口角鉤5610は大部分の光が通過することをブロックするように構成された実質的に不透明または黒色でさえある材料を含み得る。ある特定の実施形態では、(たとえばカットおよび/または光のブロックのための)材料は口角鉤5610の全体を形成してよく、および/または材料がプラスチック等のホストバインダー材料の中に埋め込まれてもよい。さらなる実施形態では、カットおよび/または光ブロック材料は口角鉤5610の表面のコーティングとして提供され得る。
[00411]ある特定の実施形態では、口角鉤5610は、光源を受容するように適合された中央部の穴5620をも形成し得る(図示せず)。これに関して、1つまたは複数の光源は、光の送達のための穴5620にまたはその中に合致するようにまたは他の方法で位置決めされるように適合され得る。光源と口角鉤5610の一方または両方はガスケットに合致させることができ、それにより穴5620への光の押圧嵌合が影響され得る。あるいは、口角鉤5610にねじを形成して光源が適所にねじ込まれるようにしてもよい。これらの実施形態のいずれでも、使用者は光源を適所に保持する必要なく使用することができ、口角鉤5610は発光が使用者の口腔から外に出ることをブロックし得る。別の態様では、口角鉤5610は光が口腔に進入することを可能にすることを意図しているが、歯科医または臨床医が口腔内で手術処置を実施するために十分な開口を提供するために働く必要はないので、口角鉤5610は従来の口角鉤よりも狭い形状を形成してもよい。一実施形態では、口角鉤5610は光源を受容するように適合され、それにより使用者は口角鉤5610を口の中に挿入することによって光源を適所に維持することができる。たとえば、口角鉤5610は、光源を受容する開口部(たとえば穴5620)を含むことによって光源を受容するように構成することができ、光源は開口部に合致するように適合され得る。一態様では、口角鉤5610はねじ山を含んでよく、光源はこれらのねじにねじ込まれるように適合される。これに関して、口角鉤5610は、口角鉤5610の中に提供された不透明、黒色、および/もしくは光カット材料、または望ましくない方向への光の伝達を最小化するコーティングを含み得る。これは光源が口の中に挿入された際に使用者の眼を保護するように働き、それにより口角鉤5610を通過して口腔外に出る光の量を低減し得る。別の態様では、口角鉤5610はそれ以外にはプラスチックの固体片であるが、光源を受容する寸法とされた開口を含み、それにより使用者は光源を保持する必要なしに光を受容するために口を開けておくことが可能になる。
[00412]他の実施形態では、光を耳に伝達するように適合された1組の光源が開示される。これらの実施形態の一部の態様では、光への耳の曝露を容易にするために、光源は耳内ヘッドフォン、または標準のヘッドフォンの形状とすることができるが、デバイスは音を発する代わりに、またはそれに加えて、抗微生物波長の光を発する。本実施形態の一態様では、光源は耳上ヘッドフォンと類似した形態で提供され、これは音の伝達に加えてまたはその代わりに、抗微生物波長の光を耳に向けて発するための光源を含む。
[00413]一部の実施形態では、光源は鼻孔(小鼻)への光の伝達を容易にするように適合され得る。例として、図57は光源を使用者の小鼻に固定するためのデバイス5700の透視図である。デバイスはクリップ5710を含んでよく、それによりデバイス5700と光学的に連絡される光源(複数可)は小鼻にクリップ止めされ得る。光源(複数可)はデバイス5700に含まれてもよく、デバイスから離れて光学ケーブルおよび/または光ガイドによってデバイス5700の受光末端5720に連結されてもよい。両方の小鼻に同時に光を投与することを容易にするため、二重の光源、または二重のデバイス5700を使用することができる。これらの実施形態では、鼻道中の微生物を除去するために鼻内光線療法を使用することができる。
[00414]本開示の原理は、口、鼻、および/または耳に存在する微生物の生物学的活性を処理し、防止し、または低減するための光線療法キットを提供するためによく適し得る。そのようなキットは、抗微生物波長の光を口、鼻、および/または耳に送達するために使用することができる光源を含む既述の照明デバイスのいずれかの1つまたは複数の組合せを含み得る。そのような光線療法キットは、着用者の眼を抗微生物波長および/または全ての波長から遮蔽する保護眼鏡、ゴーグル、シールド、および/もしくはマスク、使用者の口に光を投与することを容易にするための上述の口角鉤、ならびに/または使用者の首をアーチ状にして口の中に伝達される光が使用者の咽喉および/または中咽頭等の標的の感染区域まで直線状の経路を進むように設計されたピロー等の他のデバイスおよびアクセサリーを含んでもよい。
[00415]ある特定の実施形態では、照明デバイスおよび治療は、肺まで進行する感染症および/または他の特定の肺障害にも適用され得る。処置に続いて、治療の経過は様々な方法で続けることができる。微生物感染の治療または防止は、たとえば症状の重症度、熱の有無、パルスオキシメトリーの使用、その他を追跡することによって、追跡することができる。肺の炎症障害の防止は、X線、肺機能検査、その他によって追跡することができる。チャレンジ検査は喘息の診断の確認を補助するために使用される肺機能検査であり、患者はヒスタミンまたはメタコリン等の喘息患者の症状を誘発することが知られている少量の物質を吸入する。物質を吸入した後、肺機能が評価される。1つまたは複数の生物学的効果を誘起する光送達の後、これらの物質の吸入に続く肺機能の低下が光線療法の開始前と比較して低減したか否かを決定することができ、これがそのような患者に光線療法が効果的であることの指標となる。
[00416]COVID-19を含むコロナウイルス感染と診断される恐れ、ならびにそれに続く迅速な入院および重篤な肺の機能不全による死亡は現実である。しかし、本明細書に記載した照明デバイスおよび方法を使用することにより、口腔を通って肺に進むウイルス粒子の数が不十分である限り、COVID-19への曝露の後でさえ、コロナウイルス科およびコロナウイルスへの感染を避け得る。これは、宿主細胞の受容体へのスパイクタンパク質の付着によって中咽頭腔および肺の粘膜組織に感染するSARS-CoV-2についても真実である。
[00417]インフルエンザを引き起こすオルトミクソウイルス科(たとえばインフルエンザ)ウイルスについても、同じことが真実である。コロナウイルス科およびオルトミクソウイルス科のウイルスは同様の症状を引き起こし、本明細書に記載した方法はある適用においてこれらのウイルスが口腔から肺へと移動することを防止するために有効である。
[00418]一実施形態では、コロナウイルスによる感染は一酸化窒素によって防止され得る。医薬品によるアプローチとは対照的に、一酸化窒素は口腔、耳道、喉頭、咽頭、中咽頭、咽喉、気管、および/または食道において、たとえばとりわけ425nmおよび430nmを含む400nm~450nmの範囲のピーク波長の可視青色光で上皮細胞を刺激することによって産生され得る。光によって開始される一酸化窒素の放出は、ヒト細胞への進入を停止することおよびウイルスの複製を不活化することによって、SARS-CoV-2およびその他のコロナウイルス、ならびにインフルエンザAおよびインフルエンザB等のインフルエンザウイルスに対する防御を強化する。最初の感染の後でウイルス粒子が呼吸器感染を引き起こすために十分な数で肺に進入する前にこれが達成できれば、その結果はコロナウイルスまたはインフルエンザによる呼吸器感染の感染後の防止となる。
[00419]いくつかの広く展開可能な医用デバイスの対処手段が想定され得る。コロナウイルスに曝露されたまたは曝露されたと考えられる患者に対する1つの具体的なアプローチは、気管支鏡(HopeScope)の標準的操作チャネルを経由して口、咽喉、喉頭、咽頭、気管、および食道に通される細い青色光の光ファイバーに適合する通常の気管支鏡の術式を利用することである。この戦略によって感染を制限し、SARS-CoV-2等のコロナウイルス、またはインフルエンザウイルスの肺組織への進展を停止させることができる。さらに、既述の照明デバイスのいずれも、コロナウイルスおよびインフルエンザウイルスに対する使用のための光の送達によく適し得る。
[00420]一酸化窒素(NO)は、侵入する病原体に対する先天性免疫応答の天然の部分であり、上皮組織における誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)によって高いマイクロモル濃度で産生される。in vitroの前臨床試験により、一酸化窒素はヘルペスウイルスシンプレックス、エプスタインバーウイルス、およびワクチニアウイルスを含むDNAウイルスの複製を阻害することが示されている。インフルエンザ感染も一酸化窒素の存在によって軽減され、感染の前にビリオンが一酸化窒素に曝露されると、試験した3つの株の全てにおいて感染の完全な阻害が達成されたという結果が示されている。HPV-18に感染したヒトラフト上皮培養に対するウイルス複製の一酸化窒素による阻害および選択的抗ウイルス活性も、実証されている。一酸化窒素の広いスペクトルの抗ウイルス活性はよく報告されているが、これまで口腔または耳道においては報告されていなかった。
[00421]一酸化窒素が効果的であり得る1つの方法は、これがSARS-CoVのヒト細胞への進入を停止することである。一酸化窒素およびその誘導体は、発生期に発現するスパイク(S)タンパク質とその宿主細胞受容体であるアンギオテンシン変換酵素2との融合に影響するSタンパク質のパルミトイル化の低減を惹起する。図58は、ヒト細胞へのエンドサイトーシスを促進するためにコロナウイルスが用いる活性なスパイク(S)タンパク質の一酸化窒素による不活化の説明図である。
[00422]一酸化窒素はまた、SARS-CoVの複製を含むウイルス複製を阻害し得る。特定の理論に縛られることを望まないが、一酸化窒素がウイルス複製を阻害する方式において以下の機構の1つまたは複数が関与していると考えられる。一酸化窒素への曝露に続いて、SARS-CoVのOrf1aにおいてコードされるシステインプロテアーゼ類の一方または両方に対する効果によって、ウイルス複製の初期のステップにおいてウイルスRNAの複製の低減が観察された。コロナウイルスが利用する既知の病原機構を検討すると、一酸化窒素はRNAウイルスがアポトーシスおよび肺組織の迅速な破壊を誘起するために利用するその他の重要な酵素(たとえばカスパーゼ)を阻害することもできる。カスパーゼの阻害は、コロナウイルスのヒト-ヒト感染性を低下させる。ビリオンの伝達に用いられるカスパーゼ依存性アポトーシスの阻害は、治療または防止のためのいずれの一酸化窒素系アプローチにも顕著な利点を提供する。カスパーゼの活性化および活性に対する内因性阻害剤について記述されているが、NO以上に有力であることが示されたものはない。全てのカスパーゼプロテアーゼは、NOの存在下で効率的にS-ニトロシル化され得る単一のシステインを酵素触媒部位に含む。in vivoにおけるカスパーゼ-3およびカスパーゼ-1のS-ニトロシル化の証拠が実証された。
[00423]一酸化窒素が抗ウイルス性である別の機構は、免疫応答を低減させるNF-κBの阻害によるものである。NF-κBタンパク質は遺伝子の発現を規制して広範囲の生物学的プロセスを制御する転写因子のファミリーであり、SARS-CoV感染において重要な役割を果たしていることが示されている。一酸化窒素によるNF-κBの阻害は、COVID-19患者における炎症による死をもたらす炎症性サイトカインラッシュを制限し得る。一酸化窒素はNF-κBタンパク質ファミリーのDNA結合活性を直接阻害することができ、細胞内NOがNF-κB応答性遺伝子の発現の調節において別の制御機構を提供していることを示唆している。
[00424]一酸化窒素を送達するための医薬品アプローチが試みられてきた。中国で臨床濃度のNOガスがSARS患者に安全に投与され、一酸化窒素ガスが(1)退院までの期間を短縮し、(2)人工呼吸による補助の必要性を低減し、(3)胸部X線による肺の感染所見を改善したことが観察された。しかし、たとえばその開示が参照により全体として組み込まれる米国特許第10,569,097号に記載されているように、一酸化窒素は正確な色の可視光で上皮細胞を刺激することによって産生することができる。本明細書に記載した他の波長も一酸化窒素を生じるまたは放出させるために効果的であるが、特に425nmおよび430nmを含む400nm~450nmの範囲の青色光が、内因性貯蔵からの結合したNOの放出を誘発し、かつ一酸化窒素の細胞内酵素産生を上方制御するための特定の波長であることが見出された。一酸化窒素が天然に産生される際には、生理学的組織の中におけるガスの半減期は1秒未満である。一酸化窒素およびその代謝物は、光によって刺激された放出の後で生理活性なNOにリサイクルされ得るニトロソチオールおよび金属ニトロシル中心として細胞中で長期に継続する濃度を有する。一酸化窒素が酵素によって持続的に産生されることは全く予期しなかった結果である。培地中の上皮細胞のiNOSおよびeNOSタンパク質の上方制御によって測定して、青色光による単回の10分の光処置で、24時間にわたって10倍のレベルの酵素産生が維持された。
[00425]ある特定の実施形態では、光の波長はUV範囲内でなくてもよく、したがってUVCまたはUVBの波長によるいずれの消毒アプローチとも別で異なるが、そのような波長は本明細書に記載した他の実施形態において確かに意図される。
[00426]標的された光の波長のこの画期的な使用は、SARS-CoV-2による感染および肺の深部組織への進展を制限することを助ける急速に展開可能な戦略である。本明細書に記載した照明デバイス、または他の生物学的効果の中でも一酸化窒素を生じるまたは放出することができる周波数で光を送達するための他のデバイスを使用することによって、鼻腔、中咽頭区域、その他を含む口腔に、またはそれを通して光を送達して粘膜上皮細胞を刺激し、コロナウイルスに対する一酸化窒素の産生を増大させることができる。これにより、十分な数のウイルス粒子が口腔を移動して肺に達する前に、ヒト細胞への進入を阻害し、ウイルスの複製を阻害し、ウイルス粒子の数を除去し、または少なくとも低減させることを助けることができる。
[00427]特に咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、食道、および気管に光を投与するための1つの特定のデバイスは、青色光を発するように適合された気管支鏡である。米国では毎年50万回を超える気管支鏡検査が実施されており、多数のこれらのデバイスが全国の医療機関で既に利用可能であるので、気管支鏡は容易に利用可能である。気管支鏡には、流体の送達/抽出および生検に使用される気管支鏡の標準的操作チャネルを通過することができる細い青色光の光ファイバーを取り付けることができる。
[00428]感染初期の患者が、ウイルスが肺に侵入してしまう「転換点」に達し、結果的に重篤な急性呼吸器症候群に陥る前に、患者を光線療法用の光で救出することが有益である。一酸化窒素は口腔、耳道、その他の中またはその周囲でウイルスの複製を阻害し、ウイルスの増殖を低減させるので、光(流束量=J/cm)および投与の頻度を適切に決定することによって、SARS-CoV-2に対する青色光の有効性を活用して細胞内一酸化窒素産生を安全に刺激することができる。一酸化窒素の抗ウイルス活性は線量依存的であるので、最も適切な線量は、組織に対する視認できる有害効果または日常の血液化学および血液学の検査の間の臨床的毒性の全身バイオマーカーの上昇が観察されない光線療法用の光の最大量またはその付近における線量であると考えられる。
[00429]代表的な線量パラメーターは、本明細書に記載した他の線量の中でも、単回および/または多回の5J/cm、10J/cm、20J/cm、または30J/cmの曝露、および1日またはそれ以上、2週またはそれ以上までの期間の、毎週1回、毎週3回、または毎日1回、もしくは毎日2回の繰り返し曝露を含む。
[00430]一酸化窒素は周知で詳しく研究された体内で天然に存在する分子である。これは一次的にヘモグロビンと相互作用して、酸素を輸送しないメトヘモグロビンを形成する。メトヘモグロビン血症および上昇した硝酸塩のレベルの既知の影響は吸入用一酸化窒素ガスの臨床的探索において日常的に観察され、モニターされている。これらのマーカーによって、患者の安全性の連続的なモニタリングが可能である。気体状一酸化窒素の有害効果は周知であり、メトヘモグロビンレベルの上昇(>5%)の観察に際して線量を減少させることによって軽減することができる。パルスコオキシメトリーは、非侵襲的かつ連続的に血中メトヘモグロビンを測定する方法を提供する。血中硝酸塩レベルも体内の一酸化窒素の周知の代謝物であり、安全性をモニターして有害効果を回避するために使用することができる。NOx種およびMetHbの上昇の毒性学的な帰結は詳しく研究されている。
[00431]以下は、本明細書に記載した方法の使用による望ましい臨床的評価項目である。
感染の解決。7日、14日、および/または28日でウイルスが不検出となること。
酸素補給なしで12時間を超えて持続する93%未満のSpO2、または12時間を超えて持続する300mmHg未満のPaO2/FiO2比、または7日、14日、28日にわたる高流量の経鼻カニューラ酸素もしくは挿管および機械的人工呼吸もしくはECMO療法の必要性によって定義される疾患の重症状態に進行する初期患者の割合が減少すること。
口腔から肺へのウイルス粒子の移動によってもたらされる症状の悪化が進行する患者のパーセンテージの減少。
SARSが進行する患者のパーセンテージの減少。
7日、14日、28日、および90日における全生存率の増加。
[00432]上記の考察に基づき、治療および/または防止の方法は、コロナウイルスを殺滅して、それにより肺におけるコロナウイルス感染を防止するために十分な波長の光を十分な出力で十分な時間、患者の口腔もしくは耳道、または咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、食道、および/または気管のうち1つまたは複数の領域に適用するステップを含む。同じアプローチは、口腔内に存在するが感染をもたらすために十分な量で肺に移動していないインフルエンザウイルス等の他のウイルスによる呼吸器感染を防止するためにも使用することができる。
[00433]一実施形態では、典型的には400~500nm、好ましくは405nmまたは415nm等の400~430nm付近の強力な青色光を使用することができる。405nmの青色光と880nmの赤外光の組合せも使用することができる。本実施形態の態様では、450~495nmの波長の光が使用される。上では主として青色光について考察したが、UVA、UVB、またはUVCの光もコロナウイルス感染の治療に有効であり、UVC光が好ましい。これらの波長の光への曝露は、長時間にわたって実施すると組織に損傷を与えることがある。理想的には、組織は顕著な損傷を惹起する時間にわたってこれらの波長に曝露されない。そうは言うものの、UVA/UVB/UVCの光およびその他の波長は異なる機構によって作動するので、特定の波長の可視光を単独でまたはUVA/UVB/UVCの光と組み合わせて使用することもできる。
[00434]光は、患者の感染の状況によって口腔、耳道、または咽喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、または食道に沿ってどこにでも投与することができる。ウイルスが肺に大量に存在せず、主として患者の口、鼻、および咽喉に限定されている場合には、これらの領域に限定した光線療法によって呼吸器感染を防止することができる。このアプローチは、コロナウイルス科に感染した個人と接触したか接触したと疑われるという理由によってコロナウイルス科への感染が進行している危険がある患者について予防的に使用することもできる。
[00435]抗微生物性である波長の光を投与することに加えて、またはその代わりに、抗炎症性である波長の光を投与することもできる。そのような波長は鼻道または口内の炎症を阻害することができ、それによりさらに、感染が肺に広がることを防止するための助けとなり得る。抗炎症性波長は、特に鼻道において、細菌によって惹起され、しばしばウイルス感染に続く気管支炎または肺炎をもたらすことがある副鼻腔感染症等の二次感染を防止するための助けにもなり得る。二次感染の危険を最小化することは、一部の場合には、根底にあるウイルス感染の治療よりも重要でさえあり得る。
[00436]治療経過を追跡することは、特に患者が肺感染をもたらすほど十分に肺に移動していない活性な感染を有している場合に重要であり得る。防止が成功しないと患者は重篤で有害な帰結を経験することがあり、したがって疾患の進行をモニターすることは重要であり得る。
[00437]治療の進行を追跡する方法は、パルスオキシメーターを定期的に読み取ること、および胸部X線/超音波/CTスキャンを定期的に取ることを含む。たとえばELISA検査またはある種の微生物感染に特異的な抗体を探索する他の検査を使用して、ならびに残存する感染について血液または痰の試料を分析して、残存微生物感染をチェックすることもできる。特に短期間における微生物感染の治療を追跡するために、患者の体温を追跡することもできる。
[00438]安全な可視波長の光の送達は、SARS-CoV-2およびその他の呼吸器ウイルス感染に対する現在の介入戦略のポートフォリオを従来のワクチン、抗体、および薬物治療のアプローチよりさらに拡大する、病原体によらない抗ウイルス性の効果的な治療対処手段となり得る。LEDアレイを採用すれば、特定波長の可視光は、種々の標的生物学的表面にわたって均一な送達のために利用され得る。本開示のある特定の態様では、初代3Dヒト気管/気管支由来の上皮組織は、波長および線量に応じて光に対する異なる耐性を示すことが実証されている。初代3Dヒト気管/気管支組織は、高線量の425nmピーク波長の青色光に耐えた。これらの研究はVero E6細胞に拡張され、SARS-CoV-2のアッセイに従来から使用されている哺乳動物細胞系の生存率に光がどのように影響するかの理解を提供している。Vero E6細胞の単一細胞単層を類似の線量の425nm青色光に曝露すると、線量および細胞密度に応じた生存率がもたらされた。Vero E6細胞がよく耐える線量の425nm青色光は、5分間の単回の光曝露の後、感染後24時間におけるSARS-CoV-2の複製を、99%を超えて阻害した。625nmの赤色光はSARS-CoVの複製または細胞の生存率に影響がなく、SARS-CoV-2の複製の阻害は青色光によって引き起こされる抗ウイルス環境に特異的であることが示された。さらに、425nmの可視光は無細胞のSARS-CoV-2を線量依存的に99.99%まで不活化した。重要なことに、SARS-CoV-2の感染および複製を劇的に妨害する線量の425nmの光はまた、初代ヒト3D気管/気管支組織によってよく耐えられる。これに関して、安全で送達可能な線量の可視光は、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)を防止するためのSARS-CoV-2の治療用対処手段の開発のための戦略的ポートフォリオの一部であると考えられる。
[00439]SARS-CoV-2を治療するための他のアプローチの中で、いずれも個別にCovid-19の患者の回復のための時間を短縮することが実証されたレムデシビル等のヌクレオシドアナログ、および回復期の血漿がある。またグルココルチコイド、デキサメタゾンは、酸素のみまたは機械的呼吸補助を受けた個体における死亡率を低下させることが実証された。従来の薬物療法のための臨床的な安全性および有効性の試験に伴う長い期間を抑制するため、研究者らはSARS-CoV-2に対してFDA承認済みの薬物療法を評価するために活発に働いている。勇気付けられるものではあるが、現在の戦略の多くはSARS-CoV-2に特異的であり、細胞の外(無細胞ウイルス)または細胞の中(細胞関連の複製しているウイルス)のウイルスを標的としている。治療のための武器を従来の戦略を超えて拡張することにより、無細胞および細胞関連のウイルスを不活化することができる非特異的抗ウイルス特性を有する治療用対処手段の利用可能性が促進され得る。
[00440]光療法は、コロナウイルス科およびオルトミクソウイルス科を含む無細胞および細胞関連のウイルスの両方を不活化する能力を有している。光療法によってSARS-CoV-2感染を軽減するためには、どの波長の光が宿主の組織および細胞の損傷を最小化しつつ最も効果的にウイルスの感染および複製を妨害するかについての知識が必要である。膨大な数の文献が、紫外光、主として波長254nmのUVCが表面上の、エアロゾル化した、または液体中の無細胞コロナウイルスの不活化に高度に効果的であることを実証している。UVCは、RNA骨格中のピリミジンがUVC光子を吸収してピリミジンダイマーの形成がもたらされ、これがコロナウイルスのゲノムの複製を妨害することによって、コロナウイルスならびにその他の多くのRNAおよびDNAウイルスを不活化する。UVCは複製する哺乳動物細胞にも高度に損傷を与え、ゲノムDNAの混乱を惹起し、これが変異事象の危険を増大させ得る。したがって、UV光によるウイルスの不活化は、主として無細胞環境における応用に限定されている。本開示では、安全な(たとえば400nmを超える)可視光によるコロナウイルスの不活化が、SARS-CoV-2の感染および複製を妨害する新規なアプローチとして提示される。
[00441]光バイオモジュレーション(PBM)または光療法は、ヒト等の哺乳動物におけるウイルス感染の転帰を軽減するためのアプローチである。PBMは、本明細書で開示したように光線療法とも称される。PBMは、可視/近赤外スペクトル(400nm~1050nm)内の発光ダイオード(LED)または低レベルレーザー療法(LLLT)を使用する安全で低出力の細胞および組織の照明である。重要なことに、治療効果は生物システムの中の光受容体と光との相互作用によって駆動されるものであり、光増感剤または化学物質を外部から添加して反応性酸素種を誘起する光線力学療法(PDT)と混同すべきではない(ただし、光増感剤または化学物質を添加して反応性酸素種を誘起することは、本明細書に記載した方法の範囲内の別の実施形態である)。
[00442]450~490nmの範囲の青色光PBMの安全で効果的な使用は、1960年代に高ビリルビン血症によって惹起された新生児黄疸を治療するための主流の臨床使用のために導入され、今日でも高ビリルビン血症の一次治療として病院で採用され続けている。本開示の態様によれば、目標の用途に基づいて可視光の波長を変更することによって、治療用途の範囲を拡張することができる。可視光を用いるPBMはin vitroでRNAおよびDNAウイルスの複製を不活化するように機能し得ることが研究によって示されている。重要なことに、PBM療法は口腔および鼻腔に安全に適用されて多彩な病気を治療できることがいくつかの研究によって実証されている。本明細書で論じるように、口腔および鼻腔、ならびに肺または内皮組織におけるPBM療法は、これが治療される組織の生存率に顕著に影響しない線量で実施され得る限り、上部呼吸管におけるSARS-CoV-2の複製を軽減する有効な手段であり得る。1つまたは複数の可視光の単色波長と組み合わせた(たとえばmW/cmでの)光学照度の厳密な選択をより深く探索することによって、呼吸器系医学における治療用途の範囲を広げることができる。
[00443]これに関して、in vitroの細胞系アッセイにおいて無細胞および細胞関連のSARS-CoV-2の両方を不活化するための安全な低出力(<100mW/cm)の可視波長の青色光の第1の使用を記載した本開示の実施形態が提供される。重要なことに、SARS-CoV-2を効果的に不活化する線量の青色光は、初代ヒト気管/気管支呼吸器組織によってよく耐えられる。
[00444]in vitroにおける細胞および組織に対する可視光の安全性ならびにSARS-CoV-2感染アッセイにおける可視光の有効性を評価するために、波長385nm、405nm、425nm、および625nmのピーク波長を有する狭帯域発光スペクトルを有するLEDアレイの慎重な設計を図59Aおよび図59Bに提供し、まとめる。このようにして、LEDアレイは繰り返し可能で均一な光の線量を提供するように適正に較正され、それにより照明は多くのアッセイおよび多数の実験室にわたって信頼性をもって生じ得る。それぞれのLEDアレイについての適正な機能および1ナノメーターあたりの光子密度を確認するために、ピーク発光波長の周囲の全発光スペクトルを測定することが必要である。これに関して、文献で発表された結果のばらつきを調和させることを助けるため、重要な特徴解析のステップとしての測定が推奨される。図59Aは、様々な例示的なLEDアレイについての波長に対して測定したスペクトルフラックスを図示するチャート5900である。それぞれのLEDアレイを、波長(nm)に対してW/nmで測定されるスペクトルフラックスを測定することによって独立に特徴解析した。図59Aでは、385nmのピーク波長を有するLEDアレイは明らかにUVAスペクトル(315~400nm)の上側境界内であるが、405nmのピーク波長の光を有するLEDアレイの少数(たとえば約10%)のみがUVAスペクトルまで拡張し、425nmのピーク波長の光を有するLEDアレイは99%が可視光スペクトル(400~700nm)の中である。図59Bは、1つまたは複数のLEDアレイ5920から生物学的試験物品5930に光を提供するための試験装置5910の透視図を図示する。発光スペクトルを含むLEDアレイ5920の設計に加えて、生物学的試験物品5930に対する温度のいかなる影響をも低減するために、LEDアレイ5920の生物学的試験物品5930からの距離D(たとえば90mm)、照明出力(波長に応じて25mW/cmまたは50mW/cm)、および指示された線量(J/cm)を含むその他の重要な実験条件を慎重に較正した。さらに、光がマルチウェル組織培養プレートにわたって均一に分布することが保証され、それによりそれぞれの重複測定ウェル中の生物学的試験物品が均一な線量の光を受容するように、それぞれのLEDアレイをバリデートする。
[00445]上気道中の標的組織がどのように青色光に耐えるかを理解することは、SARS-CoV-2についての光誘導抗ウイルスアプローチの開発において重要である。LEDアレイの初期評価を、単一ドナーの気管支/気管の領域から単離した細胞から開発した3D組織モデルについて実施した。3D EpiAirway組織モデルは、繊毛のある先端面を有する粘膜繊毛上皮層を含む3~4細胞の厚みの層である。これらの組織によって最も耐えられる光の波長および線量を評価するため、重複測定用の組織試料を種々の線量で385nm、405nm、または425nmの光に曝露した。指示した光の線量および波長を使用して曝露した3時間後に生存率を評価し、データを+/-標準偏差として表わす。3D EpiAirway組織モデルのために最適化された確立されたMTT細胞毒性アッセイを使用して、組織の生存パーセントを評価した。図60Aは、0~120J/cmの範囲内の線量での385nmのピーク波長における生存パーセントを図示するチャート6000である。図60Bは、図60Aと同じ線量での405nmのピーク波長における生存パーセントを図示するチャート6010である。図60Cは、図60Aと同じ線量での425nmのピーク波長における生存パーセントを図示するチャート6020である。図60A~図60Cに図示するように、組織の生存パーセントは明らかに波長依存的および線量依存的に影響された。385nmの光による照射は最も劇的な生存率の損失を示し、45J/cmの線量でほぼ50%低下した(図60A)。385nmの光は実際に15J/cmの線量で細胞の生存率が増大した。それほど劇的ではないが、405nmは線量依存的な生存率の低下を示し、60J/cmで25%超の損失、120J/cmで約50%の損失を示した(図60B)。注目すべきことに、425nmの光は120J/cmまでの光の線量でよく耐えられた(図60C)。許容できる細胞毒性の閾値として生存率75%を用いれば、385nmの光は30J/cmまでの出力レベルでこれらの組織に安全に投与され、405nmの光は45J/cmまでの出力レベルでこれらの組織に安全に投与され、425nmの光は120J/cmまでの出力レベルでこれらの組織に安全に投与されて、90~120J/cmで無視できる生存率の損失のみを伴い、425nmの約75J/cmまでの線量は実際に細胞生存率の増大を示した。
[00446]これに関して、425nmの青色光はヒト上気道由来の3D組織モデルに殆どまたは全く影響しないことが示される。したがって、UVAスペクトルに染み出さない425nmおよびそれを超える長波長の可視光は、上部呼吸管から誘導された初代ヒト組織の組織生存率に対する影響が低減し得る。特に、そのような長波長における高い線量では、20%未満の組織損失が実現され得る。これらの研究に基づいて、SARS-CoV-2の感染および複製を評価するために従来から使用されている広く利用可能なVero E6細胞系における引き続く評価のために、425nmの可視青色光を選択した。
[00447]Vero E6細胞は、ストックの調製、増殖曲線の実施、およびSARS-CoV-2に対する治療的対処手段の評価のために、広く使用されている。実施するアッセイの種類に応じて、播種する細胞の密度およびマルチウェル組織培養プレートフォーマットを変更する必要があり得る。治療薬の抗ウイルス特性が治療薬によって誘起される細胞毒性効果の可能性によって説明できるかを判定するために、細胞生存率を評価することが多い。425nmの青色光への曝露に際して細胞密度およびマルチウェルプレートフォーマットが細胞生存率に影響し得るかを判定するため、実験を実施した。細胞生存率を効果的に評価するため、1×10細胞までのVero E6細胞の密度を使用して細胞毒性のアッセイを最適化した。96ウェルプレートで実施する抗ウイルスアッセイは一般に、1×10および2×10細胞の細胞播種密度で評価される。
[00448]図61Aは、1×10、2×10、および4×10細胞の細胞播種密度で、96ウェルプレートで実施した抗ウイルスアッセイにおけるVero E6細胞の生存パーセントを図示するチャート6100である。これらの条件下で、425nmの青色光が30J/cmおよび60J/cmの線量で照射後24時間までに細胞生存率の低下(たとえば25~50%)をもたらし得ることが示される一方、4×10細胞の播種密度は高線量の光曝露に耐える。図61Bは、2×10、4×10、および8×10細胞の細胞播種密度で、48ウェルプレートで実施した抗ウイルスアッセイにおけるVero E6細胞の生存パーセントを図示するチャート6110である。予期しないことに、48ウェルプレートに播種した4×10細胞はよく耐えることができず、60J/cmの線量で8×10細胞の場合と比較して約50%の細胞生存率の低下を示した。これらの結果により、培養ウェルの表面積に対する細胞播種密度が425nmの光への感受性に影響することが実証された。図61Cは、5×10、1×10、および2×10細胞の細胞播種密度で、24ウェルプレートで実施した抗ウイルスアッセイにおけるVero E6細胞の生存パーセントを図示するチャート6120である。図示するように、1×10および2×10の細胞播種密度による図61Cの24ウェルプレートフォーマットは、試験した全ての線量で許容できる生存率を実証した。対照的に、高線量の625nmの光によるVero E6細胞の照明は細胞生存率に影響がなく、425nmの光に対するVero E6細胞の細胞密度依存的な感受性は短波長の光に特徴的なものと考えられることを示している。Vero E6の播種密度が高いと照明前の100%の細胞コンフルエンスがもたらされ、3D EpiAirwayモデルを模倣する細胞間接触が示された。したがって、高コンフルエンスのVero E6細胞単層は、3D EpiAirway組織モデルと同様に425nmの青色光に容易に耐える。
[00449]無細胞および細胞関連のコロナウイルスを不活化するための可視光の使用は前例がない。425nmの青色光がSARS-CoV-2を不活化する能力を評価するため、Vero E6細胞を感染多重度(MOI)0.001のSARS-CoV-2分離株USA-WA1/2020に1時間感染させた。感染の1時間後(h.p.i.)、7.5~60J/cmの範囲の線量の425nmの青色光の単回照明で細胞関連ウイルスを処理した。図62Aは、MOI 0.001のSARS-CoV-2分離株USA-WA1/2020に1時間感染させたVero E6細胞について、7.5~60J/cmの範囲の線量の425nmの光での1ミリリットル(ml)あたりの組織培養感染線量(TCID50)を図示するチャート6200である。感染後24時間(h.p.i.)で、SARS-CoV-2のTCID50/mlの明らかな線量依存性の減少があった。低線量の425nmの光は、7.5J/cmで少なくとも2ログ、15J/cmで少なくとも3ログ、30J/cmで少なくとも5ログの低減でSARS-CoV-2を低減させるために十分であった。同様の傾向が48h.p.i.でも観察されたが、ウイルスの複製が継続したことは、7.5J/cm~15J/cmの低線量で観察されたTCID50/mlにおける類似性の説明となり得る。このデータは、425nmの青色光が線量依存的にSARS-CoV-2の複製を妨害することを実証している。特定のTCID50/ml値を提示して、互いに関連するデータの傾向およびデータの値を実証する。実際の値は実験室によって変動し、限定的であることを意味しない。図62Bは、図62Aに図示する線量の光についての、SARS-CoV-2の複製の低減パーセントと細胞毒性の細胞パーセントとの関係を図示するチャート6210である。Vero E6細胞の生存率に殆ど影響しない線量の光(たとえば7.5、15、および30J/cm)で、SARS-CoV-2の複製の99.99%までの低減が観察された。注目すべきことに、細胞生存率は45J/cmおよび60J/cmでは図60A~図60Cに示すデータよりやや低かったが、SARS-CoV-2の実験は独立した実験室で異なる細胞播種、細胞継代、および細胞培地を用いて実行したので、細胞毒性アッセイにおける僅かな変動は予想されている。
[00450]図63Aおよび図63Bは図62Aおよび図62Bと同様の実験データを表わすが、MOIは0.01に増加している。図63Aは、MOI 0.01のSARS-CoV-2分離株USA-WA1/2020に1時間感染させたVero E6細胞について、7.5~60J/cmの範囲の線量の425nmの光でのTCID50/mlを図示するチャート6300である。特定のTCID50/ml値を提示して、互いに関連するデータの傾向およびデータの値を実証する。実際の値は実験室によって変動し、限定的であることを意味しない。図63Bは、図63Aに図示する線量の光についての、SARS-CoV-2の複製の低減パーセントと細胞毒性の細胞パーセントとの関係を図示するチャート6310である。図示するように、MOIを0.01に増加させても、図62Aおよび図62BのMOI 0.001について既に図示したと同様のSARS-CoV-2の複製の線量依存性低減が得られた。インプットウイルスの量を10倍に(たとえばMOI 0.001からMOI 0.01に)増加させても、425nmの青色光による7.5J/cmの短い2.5分の線量で、24h.p.i.で少なくとも2ログのSARS-CoV-2の複製の低減が実証された。
[00451]図63Cは、図63A~図63BのTCID50アッセイのために収集した試料についての逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(rRT-PCR)によるSARS-CoV-2 RNAの評価を示す表6320である。検出のためのサイクル数が基礎的な試験結果であり、定量サイクル(Cq)と称し得る。ここで低いCq値は標的の高い初期量を表わす。示されるように、SARS-CoV-2のゲノムRNAの線量依存性低減が存在し、SARS-CoV-2に対する425nmの光の効果をさらに立証している。rRT-PCR試験検出における425nmの光の線量間の倍数低減は、複製に適したウイルスについて観察されたものより低く(TCID50検出)、SARS-CoV-2のウイルスRNAが感染性ビリオンの減少にも関わらず容易に検出可能であることを示している。これらのデータは、425nmの青色光がウイルス粒子の不活化に比べてウイルスRNAの複製およびRNAのパッケージングに対してより少ない影響を有していることを暗示している。
[00452]図64Aおよび図64Bは、MOI 0.01で感染させたVero76細胞を使用し、48h.p.i.における第2の独立した実験室評価によって得られた、図63Aおよび図63Bと類似の実験データを表わす。図64Aは、MOI 0.01のSARS-CoV-2に感染させたVero76細胞について、7.5~60J/cmの範囲の線量の425nmの光でのTCID50/mlを図示するチャート6400である。特定のTCID50/ml値を提示して、互いに関連するデータの傾向およびデータの値を実証する。実際の値は実験室によって変動し、限定的であることを意味しない。図64Bは、図64Aに図示する線量の光についての、SARS-CoV-2の複製の低減パーセントと細胞毒性の細胞パーセントとの関係を図示するチャート6440である。図63Aおよび図63Bと一致して、SARS-CoV-2の複製に対する425nmの青色光の線量依存性効果において同様の傾向が図64Aおよび図64Bで観察される。重要なことに、細胞の型(Vero76)、SARS-CoV-2ウイルスストックの調製、細胞培養培地、および生存率のアッセイにおける相違にも関わらず、線量依存性の傾向は同様のログ低減を示した。
[00453]SARS-CoV-2に対する光の抗ウイルス活性が425nmの青色光に特異的であるか否かを理解するために、0.01のMOIに感染したVero E6細胞を、高線量の赤色光に曝露した。この点に関し、図65は、0.01のMOIに感染したVero E6細胞に関する、TCID50/ml対様々な線量の625nm赤色光を示すチャート6500である。特定のTCID50/ml値は、互いに関連するデータの傾向およびデータの値を実証することが提示され、実際の値は実験室ごとに変化する可能性があり、これは限定することを意味しない。15J/cmから240J/cmに及ぶ線量による広範な照明時間は、24h.p.i.でTCID50/mlに低減がないことを示し;425nmの青色光は、SARS-CoV-2不活化をもたらす独自の抗ウイルス環境を引き出すことを実証している。この点に関して425nmの光は、VeroE6細胞系において比較的安全な(たとえば、細胞毒性25%未満)、および内皮細胞においてさらに高い線量で、気道および全血管で見られるもののように、有効な殺ウイルス線量で投与することができる。赤色光は、24/48時間にわたってTCID50により測定されるように、SARS-CoV-2複製に対してほとんどまたは全く影響を及ぼさない可能性があり、および/またはウイルス負荷を高める。しかしながら赤色光は、青色光への曝露からもたらされる炎症を減少させることができ、これは細胞生存率に良い影響を及ぼすことができ、それによって細胞毒性が低下する。炎症の減少は、ウイルス感染の処置の場合、特にウイルスがサイトカインストームを誘発させる可能性がある場合および/または炎症が二次細菌感染をもたらす可能性がある場合、有益とすることができる。したがって、425nm程度の光などの青色光、および1つまたは複数の抗炎症波長にある赤色光の組合せは、生物学的効果の望ましい組合せを提供することができる。
[00454]細胞関連SARS-CoV-2に対する425nmの青色光の有効性は、細胞内に抗ウイルス環境を誘発させるおよび無細胞ビリオンを不活化させる青色光の組合せとすることができる。これらの間で区別するために、図66Aおよび66Bは、2つの独立した実験室で評価された無細胞SARS-CoV-2不活化を表す。均等な約10および約10TCID50/mlを含有する2種の異なるウイルス懸濁体を、指示される線量の425nm青色光で照らした。照らした後、ウイルスをTCID50により、第1の実験室では図66Aのチャート6600に示されるようにVero E6細胞上で、および第2の実験室では図66Bのチャート6610に示されるようにVero 76細胞上でアッセイした。図66Aに示されるように、第1の実験室では、低線量の425nm光は、7.5J/cmで少なくとも1log低減(または90%超)で、15J/cmで少なくとも2log低減(または99%超)で、30J/cmで少なくとも3log低減(または99.9%超)で、および60J/cmで少なくとも4log低減(または99.99%超)で、10TCID50/mlのSARS-CoV-2を不活化するのに十分であった。データにおける類似の傾向は、図66Bに示されるように、Vero 76細胞に関して第2の実験室で観察された。SARS-CoV-2不活化のそれほど劇的ではない低減にも関わらず、少なくとも2log低減が60J/cmで依然として観察された(または少なくとも99%)。ウイルスをアッセイするために使用されるSARS-CoV-2ウイルスストック調製、細胞培地、および細胞型を含む実験室同士での技術的な相違は、感受性の大きさに影響を及ぼす因子となり得る。全体として、2つの独立した実験室からの結果は、低線量の425nm青色光(たとえば、≦15J/cm)が、無細胞および細胞関連SARS-CoV-2の感染および複製を効果的に阻止し、細胞生存率に対する影響は最小限に抑えられることを実証した。特定のTCID50/ml値は、互いに関連するデータの傾向およびデータの値を実証することが提示され、実際の値は実験室ごとに様々になる可能性があり、これは限定を意味するものではない。
[00455]収集されたデータを完成するために、図67Aおよび67Bは、緑色光の線量または赤色光の線量に曝露されたときにVero E6細胞が低下した生存率パーセントを示さないことを、示すために提供される。図67Aおよび67Bの両方において、細胞の数は細胞2×10個、細胞1×10個、および細胞5×10個で提供された。図67Aは、Vero E6細胞が、0~180J/cmmに及ぶ線量の530nmの光の下で低下した生存率を示さないことを示す、チャート6700である。図67Bは、Vero E6細胞が、0~240J/cmに及ぶ線量の625nmの光の下で低下した生存率を示さないことを示す、チャート6710である。
[00456]SARS-CoV-2およびその他の呼吸器ウイルス病原体に対する治療上の対策が益々必要とされることにより、既存の公衆衛生対策を補うことができる新規な手法の迅速な開発が求められている。本明細書に開示されるLEDアレイは、安全な可視青色425nm光が、線量依存的な手法で無細胞および細胞関連の両方のSARS-CoV-2感染および複製を阻止できることを初めて実証するため、慎重に設計された。2つの独立した実験室からの結果は、低線量の425nm青色光(たとえば、≦15J/cm)が、SARS-CoV-2の感染および複製を有効に阻害し(たとえば、>99%)、Vero E6細胞生存率に対する影響は最小限に抑えられることを実証する。重要なことは、425nm光の線量≦60J/cmが、ヒト気管/気管支組織から確立された3D EpiAirway組織モデルにおいて十分耐用性があることであった。
[00457]EpiAirwayモデルは、障壁特性および代謝機能を備えた差別化in vivo様上皮構造を提供するために、空気/液体界面で培養されたヒト粘液毛様気道上皮の、市販のin vitro器官型モデルである。臨床前試験で使用される動物の数を低減させるため、動物モデル試験を関連あるin vitroヒト由来試験システムで置き換える、強力な世界的気運がある。吸入毒性に関して経済協力開発機構(OECD)により確立された現行の試験指針(TG403、TG433、およびTG436)は、LC50(たとえば、試験動物の50%の死亡を引き起こすのに必要とされる濃度)を決定するのに動物の使用を述べている。EpiAirway in vitro組織モデルは、試験物のIC25値(組織生存率をビヒクル対照処置組織の25%低減させるのに必要とされる濃度)を決定するのに使用することができる。曝露から3時間後、モデルは、世界調和システム(GHS)急性吸入毒性カテゴリー1および2ならびに環境保護庁(EPA)急性吸入毒性カテゴリーI~II分類による化学物質を使用して、呼吸器組織生存率を予測することを示している。毒性化学物質による延長された曝露時間(たとえば、24および72時間)は、in vivo応答も反映し、ヒトの呼吸器毒素に関するEpiAirwayモデルの予測値を実証した。さらに、そのような均一in vitroモデルは、光の光学送出の規模を適切な小さいげっ歯類の解剖学的構造に合わせようとするのではなく、固定表面領域に適用される光の安全性の線量(J/cm)を評価するのに、理想的に適している。
[00458]図60A~60Cで既に示したように、EpiAirwayモデルを、385nm、405nm、および425nmの波長を持つ光で様々な線量範囲に曝露した。385nmのUVA光への曝露は、45J/cm超で25%超の生存率損失を示し、EpiAirwayモデルにおける急性細胞毒性に関して確立されたIC25閾値を突破する線量を特定した。対照的に、より高い線量の425nm青色光線量は、検証された急性気道刺激に関するIC25閾値に達した。100%超の組織生存率が、60J/cmの抗ウイルス(たとえば、SARS-CoV-2で>99.99%の低減)425nm青色光線量による照明後に観察された。385nm、405nm、および425nmで観察された明確な生存率プロファイルは、3D EpiAirway組織モデルで、線量および波長依存的な手法で光治療に関連した急性呼吸器作用を特定し易いことを実証する。425nmで120J/cmまでの生存率の最小損失は、3Dヒト呼吸器組織モデルが、この波長に対して非常に耐用性があることを示す。図61Aから61Cにおいて、2D Cero E6細胞培養物は、15J/cm以上の425nmの線量に対して細胞密度依存的生存率応答を示し、表面積当たりの低い播種密度は、光誘発性細胞毒作用をさらに受け易かった。2D Vero E6細胞培養物と比較した、425nm青色光に対する3D EpiAirway組織モデルの高い耐用性は、3D培養物中の細胞が薬物処置に対してしばしばさらに耐性があり、薬物代謝がさらに有効であり、および薬物誘発性アポトーシスに対して高い耐性があることを考えるなら意外なことではない。3D組織モデルの特徴は、in vivoでの組織の文脈において観察された細胞属性をさらに緊密に反映する。3D呼吸器組織モデルにおけるSARS-CoV-2感染および複製に関する最適な状態の開発は、SARS-CoV-2を不活化する425nm青色光の能力を支配するメカニズムを解明するのを助けることになる。
[00459]SARS-CoV-2を不活化する425nm青色光の基礎をなすメカニズムは、依然として開発されており;しかしながら推定上の分子寄与体に対する簡単な導入が現実的になっている。非着色細胞に対する青色光の影響を支配する分子メカニズムは、明らかになり始めたばかりである。青色光の影響は、光が影響を及ぼすには吸収されなければならないという光化学の第1の法則に従う。非着色細胞において、青色光に対する光受容体としてはひとにぎりが、シトクロムcオキシダーゼ、フラビン、ポルフィリン、オプシン、およびニトロソ化タンパク質を含め特定されている。光受容体による光吸収は、無細胞または細胞関連環境でSARS-CoV-2を不活化するように機能し得る、反応性酸素種(ROS)および/または一酸化窒素(NO)の放出をもたらすことができる。反応性酸素種および/または生物活性NOは、活性化B細胞の核因子カッパ軽鎖エンハンサー(NF-κB)およびマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)シグナル伝達などの、免疫シグナル伝達に関わる転写因子の活性化を誘発させてもよい。NFκBおよびMAPK経路は、SARS-CoV-2複製を妨げ得る先天性および炎症性免疫応答分子の転写活性化をもたらすことができる。一酸化窒素は、ウイルスコード化酵素タンパク質の活性部位にあるシステイン残基のS-ニトロシル化を通して、細胞関連SARS-CoV-2の不活化を媒介してもよい。反応性酸素種および/またはNOは、無細胞ビリオンを不活化するように機能してもよい。細胞培地に存在する光増感剤は、感染および複製が防止されるように、ビリオンタンパク質および/またはウイルス性RNAに直接影響を及ぼすROSおよび/またはNOの発生を容易にし得る。405nm光による無細胞ネコカリシウイルス(FCV)の不活化は、培地中の天然に存在する光増感剤に依存したことも、実証されてきた。重要なことは、FCVが、人工唾液および血漿中で4log不活化されたことであり、これは無細胞ウイルスの光誘発性不活化が、生物学的に関連ある条件下で得ることが可能であることを示している。SARS-CoV-を、NOドナー分子の外からの添加によりまたはおそらくは単一酸素により不活化できることを実証する証拠は、一酸化窒素によるSARS-CoV-2不活化の可能性を立証する。
[00460]上述の実験において、材料および方法は、参考のため、以下にさらに詳細に提示する。細胞、組織、およびウイルスに関し、Vero E6細胞をATCCから購入し、10%FetalClonell(HyClone)および1%抗生剤-抗真菌剤(Gibco)が補われたDMEM(Sigma-Aldrich)中で維持した。Vero 76細胞(ATCC CRL-1587)を、2mM L-グルタミンおよび5%FBSが補われたMEM中で維持した。一次ヒト気道上皮(EpiAirway AIR-100、MatTek Corporation)を、MatTek社によるトランスウェルインサート中で28日間培養した。培養組織を、基底区画内でアガロースが埋め込まれた24ウェルプレートで輸送した。到着後、トランスウェルインサートを取り出し、基底区画に低温維持培地を含む6ウェルプレートに入れ;頂端表面に培地は添加しなかった。細胞を、実験で使用する前に、37℃および5%COで終夜インキュベートした。生きているウイルスでの全ての作業は、2つの独立したバイオセーフティレベル3(BSL-3)の実験室、MRI GlobalのKansas City施設およびthe Institute for Antiviral Research、Utah州立大学で実行し、確立された安全性の指針を順守した。両方の実験室で、SARS-CoV-2(USA_WA1/2020)を、the World Reference Center for Emerging Viruses and Arboviruses(WRCEVA)から得、僅かな修飾により伝播させた。MRI Globalでは、Vero E6細胞を、10%FBS(Avantor、97068-085)、1%非必須アミノ酸(Corning 25-025-Cl)、および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(VWR 97063-708)が補われたDMEM(Gibco;12320-032)で終夜培養した。マスターストックを発生させるため、細胞を、感染培地(上述のように5%FBSで)中で、0.08の近似MOIにより感染させる前に感染させた。細胞を、細胞変性効果に関して毎日モニターし、CPEが100%に達したとして感染後4日目に収集した。作用ストックを、0.005のMOIで、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンが補われたDMEM/F12培地(Gibco;11330-032)で、Vero E6細胞中で培養した。細胞を、CPEに関してモニターし、CPEが70%に近付いたとして感染後2日目に収集した。細胞培養デブリを、500×gで5分間遠心分離することによりペレット化し、ウイルスストックを-80℃で保存した。ウイルスストックの感染力を、TCID50アッセイにより決定した。Utah州立大学では、SARS-CoV-2(USA_WA1/2020)を、Vero 76細胞で伝播させた。感染培地は、2mM I-グルタミン、2%FBS、および50μg/mLゲンタマイシンが補われた最小必須培地であった。
[00461]ヒト組織に関する細胞毒性アッセイの場合、照明前に、維持媒体を、ヒト組織トランスウェルインサート上で変えた。組織を、385nm、405nm、または425nmの光で照明し、37℃および5%COで3時間、インキュベートした。細胞毒性を、製造業者の使用説明書に従い、EpiAirway MTTアッセイを使用して決定した。簡単に言うと、組織をTEER緩衝剤ですすぎ、事前に温めたMTT試薬中に入れ、37℃および5%COで90分間インキュベートした。MTT溶液を、2時間振盪させることにより、MTT抽出剤溶液で抽出した。組織インサートを廃棄し、抽出剤溶液を96ウェルプレートに添加して、570nmで読み取った。抽出剤溶液は、実験ブランクとして働き、細胞生存率は、照明されていないプレートに対して計算した。
[00462]細胞系に関する細胞毒性アッセイでは、Vero E6細胞を、透明な24ウェル、48ウェル、および96ウェルプレート(Corning)で、様々な播種密度でインキュベートし、37℃および5%COで終夜インキュベートした。細胞を、385nm、405nm、または425nmの光で照明し、37℃および5%COで24時間、照明後にインキュベートした。24時間後、細胞毒性を、修正を加えてCellTiterGlo One Solution(Promeg)を使用して決定した。CellTiterGlo One Solution(「CTG」)の量を、予備実験で最適化した。24ウェルプレートの場合、100μlの溶液を使用し、60μlの溶液を48および96ウェルプレートに使用した。細胞を、オービタルシェーカーに2分間入れ、化学ルミネセンスシグナルを10分間安定化させ、その後、溶液50μlを黒色ウェル、黒色底部96ウェルプレートに添加し、GloMax(Promega)上でCellTiterGloプログラムを使用して読み取った。CellTiterGlo One solutionは、ブランクとして働き、細胞生存率を、照明されなかったプレートに対して計算した。
[00463]細胞毒性分析は、照明後48時間で実行した。細胞を、細胞毒性に関して、0.01%のニュートラルレッドで2時間処置した。過剰な色素を、PBSで細胞からすすぎ落とした。吸収された色素を、50%のSorensenクエン酸緩衝剤/50%のエタノールで30分間、細胞から溶出した。緩衝剤を、複製物当たり10ウェルに添加した。光学密度を560nmで測定し、細胞生存率を、照明されていない細胞に対して計算した。
[00464]抗ウイルスアッセイを、修正を加えて別々の実験室で実行した。MRI Globalでは、細胞に、0.01および0.001の多重の感染(MOI)で、3重に、SARS-CoV-2を感染させた。感染後1時間で、感染した細胞に425nmの光を、指定された線量で照らした。細胞培養上澄みを、感染後24時間および48時間で収集して、TCID50の決定およびqPCR分析を行った。照明対照およびウイルス対照は、それぞれウイルス成長に関するおよび細胞毒性に関する陽性対照として含めなかった。細胞毒性分析は、上述のように照明後24時間で、実行した。
[00465]Vero 76細胞に、0.01および0.001のMOIでSARS-CoV-2に感染させた。感染後1時間で、感染細胞に425nmの光を指定された線量で照らした。細胞培養上澄みを、感染後48時間で収集し、TCID50の決定を行った。照明対照およびウイルス対照は、それぞれウイルス成長に関するおよび細胞毒性に関する陽性対照として働かなかった。細胞毒性分析を、照明後48時間で実行した。
[00466]殺ウイルスアッセイを、別の実験室と並行して実行した。1つの実験室では、10および10TCID50/mlを含有する1mL溶液に、様々な線量の光を照明した。次いでウイルスを、TCID50アッセイを介して、3重に、Vero E6細胞上に播いた。照明対照は、ウイルス成長の陽性対照として働かなかった。
[00467]第2の実験室では、10および10TCID50/mlを含有する1mLの溶液に、様々な線量の光を当てた。次いでウイルスを、TCID50アッセイを介して三重に、Vero 76細胞上に播いた。照明対照は、ウイルス成長の陽性対照として働かなかった。
[00468]SARS-CoV-2試料に関するウイルスRNAレベルを、CDC N1アッセイを使用して定量的RT-PCRによって決定した。RT-PCR反応用の試料は、核酸抽出なしの培養上澄み中の生きているウイルスであった。N1ヌクレオカプシド遺伝子標的領域のプライマーおよびプローブは、Integrated DNA Technologies(2019-nCoV CDC RUOキット、No.10006713)から供給された。TaqPath 1-ステップRT-qPCR Master Mix、CGは、ThermoFisher(No.A15299)から供給された。反応体積および熱サイクルパラメーターは、CDC 2019-Novel Coronavirus(2019-nCoV)実時間RT-PCR診断パネル:使用説明書に公開されたものに従った。RT-PCR反応では、調製されたマスターミックス15mLを、各ウェルに添加し、その後、各試料5mLを添加し、最終的には反応ウェル当たりの総体積が20mLになるようにした。反応を、Bio-rad CFX実時間PCR機器で実行した。
[00469]TCID50アッセイは、僅かな修正を加えて両方の実験室で、下記の通り実行した。1つの実験室では、Vero E6細胞を、0.1ml/ウェルの完全培地中(DMEM/F12、10%ウシ胎児血清および1×ペニシリン/ストレプトマイシンを含む)、10,000細胞/ウェルで、96ウェルプレートに播き、37℃、5%CO加湿インキュベーター内で、終夜インキュベートした。翌日、ウイルス試料を、0.1mlのウイルスを0.9mlの希釈剤に添加し、簡単に撹拌し、所望の希釈回数に達するまで繰り返すことによって、1:10希釈で、補われていないDMEM/F12培地中に連続希釈した。培地を96ウェルプレートからデカンテーションし、各ウイルス希釈の0.1mlを、5または8ウェルに分取した。37℃、5%COでのインキュベーション4日後、プレートを、細胞変性効果の存在に関してスコアを付けた。TCID50/mlは、Reed & Muench方法を使用して得た。第2の実験室では、細胞培養試料を連続希釈し、4通りに新鮮なVero 76細胞上に播いた。プレートを、感染後6日後にCPEに関して目視検査した。ウェルは、陽性または陰性であると示され、ウイルス力価を、Reed-Muenchエンドポイント希釈方法を使用して計算した。
[00470]図68Aは、Vero E6細胞密度の種々の播種および光の様々な線量(J/cm)に関する生のルミネッセンス値(RLU)を示す、チャート6800である。図68Bは、図68AのVero E6細胞密度の種々の播種および光の様々な線量に関する生存率パーセントを示す、チャート6810である。図68Bは、Vero E6細胞の生存率が、細胞密度が細胞10個を超えるまで飽和に達しない可能性があることを示す。光の様々な線量に基づくRLUおよび生存率パーセントは、100μLおよび200μLの両方のCellTiter-Glo(CTG)が、種々のVero E6細胞密度で播種した後の細胞生存率を測定するのに有効な体積であることを実証する。図68Aおよび68Bでは、100μL CTGで細胞2×10個の細胞密度、100μL CTGで細胞1×10個、100μL CTGで細胞5×10個、200μL CTGで細胞2×10個、200μL CTGで細胞1×10個、および200μL CTGで細胞5×10個が表される。図68Cは、10個よりも高いVero E6細胞の細胞密度を測定するのにCTGが有効な試薬であることを示すために、RLU対総細胞数を比較する、チャート6820である。RLU値対総細胞数は、500μL CTG、250μL CTG、および100μL CTGに関して提供され、データは、±標準偏差として表される。
[00471]図69Aは、SARS-CoV-2に感染したCalu-3細胞の、感染後24時間および48時間後の、TCID50/ml対線量のチャート6900である。図69Bは、図69AのCalu-3細胞に関し、細胞毒性パーセントと比較したSARS-CoV-2の低減パーセントを示すチャート6910である。特定のTCID50/ml値は、互いに関連するデータの傾向およびデータの値を実証することが提示され、実際のデータ値は実験室ごとに様々になる可能性があり、限定することを意味するものではない。図69Bの場合、SARS-CoV-2の低減パーセントおよび細胞毒性パーセントのチャートのラインは、図69Aに示される線量に基づく、非線形回帰曲線として提供される。図示されるように、425nmでの可視光は、ヒト呼吸器細胞系、Calu-3におけるSARS-CoV-2のウイルス複製を阻止する。Calu-3細胞は、0.1のMOIでSARS-CoV-2に感染し、感染後1時間で、指示される425nmの線量に曝露される。SARS-CoV-2試料を収集して、感染後24時間および48時間でTCID50アッセイを行った。ウイルスの99%超の低減が、15J/cmの線量での単一処置の後に観察された。図69Bに示されるSARS-CoV-2ウイルスの低減パーセントを、各線量および時点ごとに計算した。前述のように、SI(即ち、選択指数)は、処置された細胞に関するCC50とEC50との比として特定されてもよい。図69Bに示されるように、感染後24時間および48時間でのSARS-CoV-2の50%の低減は、比較的低い線量値で示される。この点に関し、ウイルス複製を阻止する光の線量は、感染後24時間で100より大きい所望の選択指数(SI)値を有し、ウイルスに感染していないCalu-3細胞の細胞生存率を考慮した場合に25よりも大きい値を有する。
[00472]図70Aは、0.01のMOIで感染したVero E6細胞の、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞毒性パーセントを示すチャート7000である。図70Bは、0.001のMOIで感染したVero E6細胞の、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞毒性パーセントを示すチャート7010である。図70Aおよび70Bの両方において、光の指示される線量を、感染後1時間で適用し、線量応答を感染後24時間で決定した。線量は、50mW/cmの放射照度で、2.5分間(7.5J/cmの場合)、5分間(15J/cmの場合)、10分間(30J/cmの場合)、15分間(45J/cmの場合)、および20分間(60J/cmの場合)の、425nmの光の適用により、投与した。先に提示したチャートに矛盾することなく、類似の傾向が、両方のMOI値に関するSARS-CoV-2複製に対する425nm青色光の線量依存的効果に関して観察された。細胞毒性曲線は、約30.2のCC50を示す。図70Aにおいて、SARS-CoV-2の低減パーセントは、7.5J/cm程度に低い線量に関して100%に近く、対応する非線形回帰曲線は、0J/cmの線量でまたはその付近で急激な減少を有する。SI計算の目的で、1の保存的値は、約30のSI値(たとえば、CC50/EC50)が得られるEC50値に関して選択された。図70Bで、SARS-CoV-2の低減パーセントは、7.5J/cmに関して100%よりもはるかに離れており、それによって、0J/cmの線量よりも僅かに高い線量で、減少が0%に向かう、対応する非線形回帰曲線が提供される。このように、約3.4の値は、約9のSI値(たとえば、CC50/EC50)が得られるEC50値に関して示されてもよい。実験の変動性に起因して、データ集合の僅かな差が予測され得る。この点に関し、図70Aおよび70Bに示される結果は類似しておりかつ通常の実験のばらつきの範囲内と考えられる。
[00473]図70Aおよび70Bは、EC50値を決定するために細胞レベルでSARS-CoV-2の低減パーセントを提供するが、標的組織のIC25値は、適切なLTI処置値を決定するのに必要である。図70Cは、425nmの光に関し、単一ドナーからの一次ヒト気管/気管支組織に関する様々な線量での生存率パーセントを表すチャート7020である。組織生存率は、MTTアッセイ、MTT色素からホルマザンに還元するNAD(P)H依存性細胞オキシドレダクターゼの能力の酵素活性を評価することによる細胞生存率の手段により、曝露後3時間で決定される。チャート7020から、IC25値は、生存率曲線が75%(たとえば、組織生存率が25%低減)である線量に該当する。図70Cにおいて、IC25値は、重ね合わせた破線により示されるように、約157である。図70Aおよび70BのEC50値と組み合わせて、対応するLTI値は、図70Aに関して157と、および図70Bに関して約46と決定されてもよい。
[00474]図71A~71Cは、図70A~70Cの実験を繰り返すが、光は450nmのピーク波長を有する。図71Aは、0.01のMOIで感染したVero E6細胞に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞毒性パーセントを示す、チャート7100である。図71Bは、0.001のMOIで感染したVero E6細胞に関する、SARS-CoV-2複製の低減パーセント対細胞の細胞毒性パーセントを示す、チャート7110である。先に提示されたチャートと矛盾することなく、類似の傾向が、両方のMOI値に関し、SARS-CoV-2複製に対する450nm青色光の線量依存的効果に関して観察された。細胞毒性曲線は、50%の細胞毒性にまで延びないので、この曲線は60より高いCC50を示す。一方、60よりも高いCC50値に基づくSI値は、特定のSI値より高いとも見なされ得る。図71Aにおいて、約7.2の値は、8よりも大きいSI値(たとえば、CC50/EC50)を与えるEC50値に関して示されてもよい。図71Bでは、約4.1の値は、約15よりも大きいSI値(たとえば、CC50/EC50)を与えるEC50値に関して示されてもよい。前述のように、実験の変動性に起因して、データ集合の僅かな差が予測され得る。この点に関し、図71Aおよび71Bに示される結果は、類似と、および通常の実験のばらつきの範囲内と見なされてもよい。
[00475]図71Cは、450nmの光に関し、単一ドナーからの一次ヒト気管/気管支組織に関する様々な線量での生存率パーセントを表すチャート7120である。図70Cの場合のように、組織生存率は、MTTアッセイにより、曝露後3時間で決定される。チャート7120から、IC25値は、約330と決定されてもよい。図71Aおよび71BのEC50値との組合せにより、対応するLTI値は、図71Aに関して約46と、および図71Bに関して約80と決定されてもよい。図71Cは、360J/cmの線量で約63%の生存率を示すが、生物学的反復間でのばらつきは、この線量で高かった。この点に関し、IC25値は、330の近似値よりもさらに大きくてもよく、著しい毒性が観察される前に、非常に高い線量が投与され得ることを示す。
[00476]図72は、図70A~70Cおよび図71A~71Cの実験をまとめた表7200である。450nmの光に関する、より高いSIおよびLTI値は、主として、425nmの光に対してより低い細胞毒性の結果である。より低いEC50値は、425nmでより有効なウイルス阻害を実証するが、これは450nmよりも、より低い光量でのより高い細胞毒性値に関連付けることができる。理想的には、光治療は、可能な限り高いCC50値でより低いEC50値を含んでいてもよい。種々の標的病原体および組織型は、種々のLTI値を提供し得る。この点に関し、本開示によるLTI値は、適用例に応じて、2以上の値で、または2から100,000の範囲で、または2から1000の範囲で、または2から250の範囲で提供されてもよい。実験の変動を考慮すれば、425nmから450nmの範囲の光によるSARS-CoV-2の処置に関して提供される例示的なデータは、上記範囲のいずれかのLTI値が実現され得ることを示す。
[00477]SARS-CoV-2に対する425nmから450nmの光の抗ウイルス活性を測定するため、上記使用されるものに類似の技法を使用して、野生型(WT)およびタミフル耐性インフルエンザAに対する425nmの光の抗ウイルス活性を、調査した。図73Aは、425nmの光の種々の線量での処置後、種々の初期ウイルス用量に関する残りのウイルス負荷に対するWTインフルエンザAウイルスの力価を示す、チャート7300である。初期ウイルス用量は1×10および1×10に設定され、0J/cm、60J/cm、および120J/cmの投与量の、425nmの光による処置後の、残りのウイルス負荷(たとえば、コピー数)が示される。データは、60J/cmまたは120J/cmのいずれかの線量が投与されたときの、野生型インフルエンザAウイルス負荷の著しい低減を実証し、さらに凡そ0.5-logのウイルス負荷の低減が、より高い投与量で観察された。
[00478]図73Bは、425nmの光の種々の線量による処置後の、単一の初期ウイルス用量に関する残りのウイルス負荷に基づく、タミフル耐性インフルエンザAウイルスの力価を示すチャート7310である。初期ウイルス用量は1×10に設定され、0J/cm、60J/cm、および120J/cmの投与量の、425nmの光による処置後の、残りのウイルス負荷(たとえば、コピー数)が示される。初期用量は約1×10で提供され、0J/cm、30J/cm、60J/cm、120J/cm、180J/cm、および240J/cmの線量で、425nmの光で処置した後の残りのウイルス負荷(たとえば、コピー数)が、示される。データは、光が投与されなかった場合のウイルス負荷の増加を示し、約180J/cmまでの、ウイルス負荷の線量依存的低減を示し、合計でウイルス負荷は、凡そ2-log低減になる。
[00479]図74Aは、様々な線量の、425nmの光で処置されたWT-インフルエンザAに関する、TCID50/ml対エネルギー線量を示すチャート7400である。WT-インフルエンザAに関するMOIは、0.01で提供された。選択された線量は、0J/cm2、3J/cm2、7.5J/cm2、15J/cm2、30J/cm2、45J/cm2、60J/cm2、および90J/cmで提供された。結果を、24時間後および48時間後に収集した。光が適用されない場合(たとえば、0J/cmの線量)、ウイルス負荷は24時間で10コピーまで増大し、48時間で10コピーまで増大した。約7.5J/cm2から60J/cm2の間の線量で、ウイルス負荷の線量依存的減少が24時間で観察されたが、ウイルスは48時間までに有意にリバウンドした。しかしながら90J/cmの線量で、ウイルス負荷は24時間までに著しく減少し、48時間で有意に増加しなかった。特定のTCID50/ml値は、互いに関連するデータの傾向およびデータの値を実証することが提示され、実際の値は実験室ごとに様々になる可能性があり、限定するものではない。
[00480]図74Bは、インフルエンザAに感染したMadin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞を425nmの光に様々な線量で曝露したときの、WT-インフルエンザAのウイルス負荷の低減パーセントおよび処置した細胞に対する細胞毒性パーセントを示す、チャート7410である。WT-インフルエンザAに関するMOIは、0.01で提供された。例示されるように、線量は、0J/cm2、7.5J/cm2、15J/cm2、30J/cm2、45J/cm2、60J/cm2、および90J/cm2で提供された。ウイルス負荷および細胞毒性の低減を、照射後24および48時間でモニターした。事実上、細胞毒性は、どの線量のどの期間に関しても観察されなかった。ウイルス負荷の低減は線量依存的であり、45J/cm2、60J/cm2、および90J/cm2の線量は、ウイルス負荷のほぼ完全な低減を実証した。
[00481]図74Cは、図74Aに類似したチャート7420であるが、開始時のMOIは0.1である。この点に関し、図74Cは、WT-インフルエンザAに感染しかつ425nmの光により0J/cm2、3J/cm、7.5J/cm2、15J/cm2、30J/cm2、45J/cm2、60J/cm2、および90J/cm2で処置した、細胞のTCID50を例示する。結果を24時間後および48時間後に収集した。ウイルス負荷は、0から15J/cmの線量に関して24時間でかなり一定のままであり、線量が90J/cmに増加するにつれて線量依存的な手法で減少した。次の24時間にわたり(即ち、合計で曝露後48時間)、ウイルス負荷は、90J/cm以外の全ての投与量で著しくリバウンドした。
[00482]図74Dは、図74Bに類似したチャート7430であるが、開始時のMOIは0.1である。この点に関し、図74Dは、インフルエンザAに感染したMadin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞が425nmの光に様々な線量で曝露されたときの、WT-インフルエンザAのウイルス負荷の低減パーセントおよび処置された細胞に対する細胞毒性パーセントを示す。WT-インフルエンザAのMOIは、0.1で提供された。示されるように、線量は、0J/cm2、7.5J/cm2、15J/cm2、30J/cm2、45J/cm2、60J/cm2、および90J/cm2で提供された。ウイルス負荷および細胞毒性の低減を、照射後24および48時間でモニターした。図74Bの場合のように、事実上、細胞毒性は、どの線量のどの期間でも観察されず、ウイルス負荷の低減は線量依存的であり、45J/cm2、60J/cm2、および90J/cm2の線量は、ウイルス負荷の高度なまたはほぼ完全な低減を実証した。特定のTCID50/ml値は、互いに関連するデータの傾向およびデータの値を実証することが提示され、実際の値は実験室ごとに変化する可能性があり、限定するものではない。
[00483]知見のまとめとして、治療的光処置は、とりわけSARS-CoV-2およびインフルエンザを含む様々なウイルスに関して上記にて論じたような、波長、放射照度、および処置時間の様々な組合せを含む最適な線量から選択することができる。理想的には、光治療は、単一の酸素および/または一酸化窒素を使用して脂質膜を損傷させることを含む、ウイルスに対する作用の二重のメカニズムを誘発させ得る。処置は、感染前の細胞がない状態での細胞外、ならびに感染後の細胞の存在下での細胞内の、両方の有効性を実証する。抗ウイルス作用は、著しく速くすることができる。たとえば、SARS-CoV-2ウイルスの不活化は、処置されていない患者においてまたはレムデシビルで処置された患者においてもSARS-CoV-2ウイルスが体内から一掃されたとき、臨床的に観察されたウイルス負荷低減の過程と比較して、24から48時間以内に実証された。
[00484]「光治療指数(Light Therapeutic Index)」または「LTI」、細胞および組織上で使用される光に関するIC25とEC50の値の比を、考慮することは重要である。理想的には、光処置は、過度に細胞毒性ではない電力レベルで、1種または複数の標的ウイルスの死滅時に有効になる。好ましくは、IC25/EC50の比は、可能な限り高く、2より大きい値を含む。各ウイルスに関する細胞系は、全ての細胞型に関して単一のLTIを有するのを難しくするいくつかの変数(たとえば、細胞密度、増殖性感染に関する種々の細胞型、培地など)を有する。全てのウイルス全体にわたる、特に呼吸器ウイルスに関する細胞系の、LTIを評価するための重要な態様は、大きな気道(AIR-100)および鼻(NAS-100)組織の両方からのEpiAirwayなど、これらのウイルスが感染し易いヒト組織の型を評価することを含む。EpiAirwayは、正常なヒト間質線維芽細胞と共に培養系としても入手可能な(EpiAirwayFT)、正常なヒト由来気管/気管支上皮細胞からなる、使用できる状態にある3D粘膜繊毛組織モデルである。75分の1という低減が、50mW/cmでの2.5分の処置線量後に観察された。光治療は、感染後に有意な抗ウイルス活性を示し、ウイルス複製の約50%を阻止する。さらに、この処置は、8.5J/cmよりも大きい線量での、WT-インフルエンザAにおけるウイルスの完全log不活化を示す。8.5J/cmの線量は、感染後のインフルエンザに対するIC50を提供する線量であった。これに関し、10J/cm未満の線量は、1つまたは複数の別々のメカニズムを介して種々のウイルスを排除することができる多病原性処置を提供することができる。特定の例において、5分間にわたる425nmの光および50mW/cmの放射照度の多病原性処置は、SARS-CoV-2およびインフルエンザAの両方を処置するのに有効であり得る。さらに、60J/cm程度の線量で、殺ウイルス性活性の2-logよりも大きい低減が、425nmの光を使用して、50mW/cmでの20分間の曝露により観察された。
[00485]ちょうど425nmでの、SARS-CoV-2およびインフルエンザの特定の組織に関する抗ウイルスアッセイでのLTI計算(たとえば、IC25/EC50の比)を考慮すれば、投与することができる光の安全で有効な線量があることが観察された。ウイルス膜は、その他の呼吸器ウイルスに似ているので、そのような処置は全ての呼吸器ウイルスに対して有効にすることができると考えられる(SARS-CoV-2およびインフルエンザAで首尾良く得られた結果に基づく)。425nmの光による結果と、405nmまたは385nmでの結果とを比較した場合、LTIはより小さくなり得るが、組織タイプに応じて変化することが予測されることになる。ここで得られたデータを外挿すると、表面を消毒するため過去に使用された比較的高い電力の光(たとえば、数百J/cmでの線量)は、in vivoで安全に使用することができない。重要なのは、光の投与量(J/cm)が、十分に非細胞毒性でなければならないことである(即ち、EC50をもたらす線量で、25%を超えて、生存率を低減させないと考えられる)。得られたLTIは、光治療に曝露された細胞の型に応じて変化することが予測されるが、所与の細胞型の場合、理想的には有効な治療域があり、たとえば、適用例に応じてLTIが少なくとも2であり、または2から100,000の範囲にあり、または2から1000の範囲にあり、または2から250の範囲にある。SARS-CoV-2、インフルエンザ、およびその他のウイルスは脂質膜を有するので、ならびに光がウイルスを死滅させる方法の一部は、これらの膜に対する酸化的損傷であると考えられるので、この処置は、その他の呼吸器ウイルスに対しても十分うまく働くことになると考えられる。さらに、本明細書に記述される処置は、脂質膜を持たないウイルス(たとえば、より一般的な風邪を引き起こすライノウイルス)に対しても働くことができる。
[00486]本明細書に開示される光治療は、抗ウイルス剤、抗凝固剤、抗炎症剤、および同様のものなどの従来の医薬品と組み合わされてもよく、抗ウイルス波長は、ウイルスによって、ウイルスにより誘発されたサイトカインストームによって、および/または抗ウイルスNO生成/NO放出/一重項酸素生成波長での光治療によって引き起こされた炎症性損傷を低減させるように、抗炎症波長と組み合わせることができる。
[00487]上述の例は、ウイルス適用例の文脈で提供されるが、本開示の原理は、細菌感染の処置にも適用可能になり得る。細菌性呼吸器感染、即ちAMRおよび不応性の肺感染症を処置するときに、現行の問題がある。抗菌耐性は、多くの一般的な抗生剤に耐性のある細菌に感染した肺を持つ多くの患者をもたらしてきた。新しい抗生剤が開発されるにつれ、細菌耐性もそれについてきた。この問題に対する1つの潜在的な解決策は、本明細書に記述される可視光を、有効な抗菌波長および投与量で、単独でまたは従来の抗生剤治療と併せて使用することと考えられる。細菌は、抗生剤に対する耐性を発生させることができるが、可視光を使用する抗菌治療に対する耐性を発生させることは、より難しい。潜在的な使用は広範囲におよび;光が安全な治療投与量で送出される限り、患者は、いくつかの呼吸器微生物感染、たとえば結核、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス、および同様のものに対し、特に胞子形成細菌によって引き起こされるものも含めて、効果的に処置されることができる。胞子形成細菌によって引き起こされる細菌感染は、従来の抗生剤で処置することが特に難しくなる可能性があるが、それは抗生剤が、胞子形態にない場合にのみ細菌を死滅させるからである。本明細書に開示されるように、光のある特定の波長は、胞子形成微生物を、その活性形態にあるときだけでなくその胞子形態にあるときも、死滅させる場合に有効である。
[00488]以下に論じるように、青色波長の全ての光が等しいわけではない。一部は、感染した組織に対してより高い細胞毒性を有し、一部は、より高い抗菌有効性を有する。曝露された組織に対する抗菌活性と安全性との組合せである、光治療指数(LTI)を考慮することが、有用である。したがって一連の実験は、安全で有効な抗菌処置をもたらすのに適切な、波長および投与量レベルを特定するために行った。
[00489]実験では、細菌培養物を、1×リン酸緩衝食塩水(PBS)またはCAMHBを、106CFU/mlで調製し、200μlを、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルに分取した。光が細菌を照り付けるようにLEDアレイが最上部に配置されている白色照明ボックス下に、蓋付きプレートを配置した。ファンは、照明ボックスの排気口を通してデバイス全体に吹き付け、その結果、LED光により発生した熱が最小源に抑えられた。全てのセットアップは、クラスIIバイオセーフティキャビネットの内側で行った。光を所与に時間点灯し、次いで細菌を試料採取し、連続希釈して、MHA上に播いて、数え上げた。
[00490]この研究で使用される細菌株は、American Type Culture Collection(ATCC)から、CDC-FDA’s Antimicrobial Resistance Bank(AR-BANK)、Dr.John LiPuma、Burkholderia cepacia Research Laboratory and Repository(BcRLR)、ミシガン州立大学から、またはNorth Carolina Chapel Hill大学、Dr.Mark Schoenfischの研究室から得た。BcRLRからの株は、16S配列決定により緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)であることが確認され、その他の株は、シュードモナス単離寒天上の成長による緑膿菌であることが確認された。株を、20%グリセロールストック中に、-80℃で保存した。株を、トリプチックソイ寒天(TSA)上で、30℃または37℃で1~2日間、またはカチオン調節Mueller-Hintonブロス中で培養した。化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)およびインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)を、5%COパケットを持つチャンバー内で、ブレインハートインフュージョンを使用して成長させた。全ての細菌を、37℃でインキュベートした。細胞毒性を、抗ウイルスデータに対して上述のように測定した。
[00491]図75Aは、緑膿菌を死滅させるときの(CFU/ml)、曝露後の時間に対する、405、425、450、および470nmの光であって、58.5J/cmの線量で投与された光の有効性を示す、チャート7500である。データは、405nmまたは425nmの波長で、濃度の5-log低減がほぼ瞬時に観察され、その効果が曝露後4時間にわたり維持されたことを示す。
[00492]図75Bは、黄色ブドウ球菌(S. aeurus)を死滅させるときの(CFU/ml)、405、425、450、および470nmの、58.5J/cmの線量で投与された光の有効性を、曝露後の時間に関して示すチャート7510である。データは、405nmの波長で、曝露後半時間以内に3-log低減が観察され、これが曝露後2時間で4-log低減まで増大したことを示す。425nmで、濃度の2-log低減が2時間以内に観察され、これは曝露後4時間で4-log低減に増大した。450nmで、濃度の2-log低減が3時間以内に観察され、これは曝露後4時間で4-log低減に増大した。470nmの光は、事実上効果がなかった。
[00493]図76Aは、緑膿菌を死滅させるときの(CFU/ml)、425nmでのおよび1から1000J/cmに及ぶ線量で投与された光の有効性を示す、チャート7600である。データは、425nmの波長で、60J/cm程度の線量で、濃度の4-log低減が観察され、それに対して100J/cm以上の線量で、5-log低減が観察されたことを示す。
[00494]図76Bは、黄色ブドウ球菌を死滅させるときの(CFU/ml)、425nmのおよび1から1000J/cmに及ぶ線量で投与された光の有効性を示す、チャート7610である。データは、425nmの波長で、ほぼ100J/cm以上の線量で、濃度の4-logまたはさらに5-log低減が観察されたことを示す。
[00495]図77Aは、緑膿菌を死滅させるときの(CFU/ml)、405nmのおよび1から1000J/cmに及ぶ線量で投与された、光の有効性を示す、チャート7700である。データは、405nmの波長で、60J/cm程度の線量で、濃度の4-log低減が観察され、それに対して100J/cm以上の線量では、5-log低減が観察されたことを示す。
[00496]図77Bは、黄色ブドウ球菌を死滅させるときの(CFU/ml)、405nmのおよび1から1000J/cmに及ぶ線量で投与された光の有効性を示す、チャート7710である。データは、波長405nmで、凡そ100J/cm以上の線量で、濃度の5-log低減が観察されたことを示す。
[00497]図78は、一次ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)における405nmおよび425nmの光の毒性を示す、チャート7800である。様々な指示される線量に関し、405nmおよび425nmの光の効果を示すデータが提供される。99J/cmまでの投与量であっても、細胞の生存率は、処置の安全性を決定するのに有用な閾値である75%よりも下まで決して降下しなかった。
[00498]図79Aは、405nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、細菌log10低減および感染したAIR-100組織の生存率の損失%を示す、チャート7900である。図79Bは、425nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、細菌log10低減および感染したAIR-100組織の生存率の損失%を示す、チャート7910である。両方の波長(405nmおよび425nm)で、注目すべき細菌log10低減は、線量レベルが組織生存率の25%損失に達する前に、実現される。
[00499]類似の手法で、図79Aおよび79Bに関してこれまで述べてきた追加のデータを収集し、図79C~79Fに示されるように提示した。このデータは、類似の結果を実証し、それによって、安全で有効な操作域の詳細が確認される。図79Cは、405nmで4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、細菌log10低減およびグラム陰性菌(たとえば、緑膿菌)に感染したAIR-100組織の生存率の損失%を示す、チャート7920である。図79Dは、425nmで、4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、細菌log10低減およびグラム陰性菌(たとえば、緑膿菌)に感染したAIR-100組織の生存率の損失%を示す、チャート7930である。図79Eは、図79Aおよび79Cと同様の手法で、405nmで、4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、細菌log10低減およびグラム陽性菌(たとえば、黄色ブドウ球菌)に感染したAIR-100組織の生存率の損失%を示す、チャート7940である。図79Fは、図79Bおよび79Dと同様の手法で、425nmで、4から512J/cmに及ぶ光の線量に組織を曝露した後の、細菌log10低減およびグラム陽性菌(たとえば、黄色ブドウ球菌)に感染したAIR-100組織の生存率の損失%を示す、チャート7950である。
[00500]細菌に対するほとんどのin-vitroアッセイは、無細胞系内で実行される。抗細菌活性に関する、2つの古典的または工業規格による測定がある。第1は、成長の阻止に関し、最小発育阻止濃度(MIC)に関して定量化され得る。MICは、ブロス/成長培地における24時間にわたる細菌の成長を完全に阻止するのに必要とされる線量を指す。細菌の急速に分裂する性質を前提として、任意の成長は、高濃度の微生物をもたらす。別の言い方をすれば、50%の低減は、細菌感染に十分ではない。第2の規格は、殺菌の結果に関し、最小致死濃度(MBC)に関して定量化され得る。MBCは、細菌の3log低減(たとえば、99.9%)をもたらすのに必要とされる線量を指す。アッセイは、PBSまたはブロス/成長培地中で実行して種々の結果をもたらすことができ、時間も変えることができる。一般に、上述の細菌実験に関し、所与の生物に関するMIC線量は、典型的には、リン酸緩衝食塩水中で決定されたMBCよりも大きくなっていた。
[00501]図80A~80Jは、細菌生存(CFU/ml)対線量(J/cm)に関し、種々の投与量レベルでの405nmおよび425nmの光の効果を示す、一連のチャートである。データは、緑膿菌および黄色ブドウ球菌の両方の細菌に関して提供される。示されるように、405nmの光はこれらの細菌を死滅させるのに特に有効であり、425nmの光も、より高い線量ではそれほど有効でないまたは有効でないものの、有効である。MBC値は、細菌の3-log低減を示すように、図80A~80Jのチャートに示される。
[00502]本発明の細菌実験の目的で、LTI計算は、安全で有効な光治療処置を提供するために上記参照されたデータから実現されてもよい。前述のように、LTIは、ウイルスの文脈においてEC50でIC25を除した関係から決定されてもよい。図79A~80Jに提示される細菌データに関し、EC50値は、図80A~80Jに示されるようなMBC値で置き換えられても置換されてもよい。IC25値は、図79A~79Dにおける組織生存率の25%損失を示す水平破線によって決定されてもよい。
[00503]図81は、図79A~80に示した細菌実験の、LTI計算および対応する殺菌線量をまとめた表8100である。特に、細菌性病原体は、細菌性肺炎に一般に関連付けられるものとして選択される。示されるように、この実験によるグラム陰性緑膿菌株に関する安全で有効な光治療処置は、1.5から2.5の範囲のLTI値を有していてもよく、それによって、少なくとも1.5以上の値が提供され得るそのような株のLTI値が示される。グラム陽性黄色ブドウ球菌活の場合、この実験のLTI値は、緑膿菌よりも線量のいくつかに関して低い。
[00504]図82は、0時間、2時間、4時間、および22.5時間にわたる、緑膿菌を死滅させるときの(CFU/ml)様々な線量での425nmの光の効果を示す、チャート8200である。120J/cmなどのより高い光の線量で、細菌濃度は時間と共に実際に減少する。重要なことは、同量の光が細菌のリバウンド前に投与される限り、光の全投与量(J/cm)が1回の線量で投与されるのかまたはより少ない線量の複数回の組合せで投与されるのか、大部分が無関係なことである。
[00505]図83は、光(J/cm)の全てが1回の線量で投与されるのかまたはより少ない一連の線量で投与されるのかを示すチャート8300であり、抗菌効果(平均CFU/ml)対線量(J/cm×処置回数)は、投与後8時間および48時間で大部分が同じである。
[00506]図84Aは、曝露後24時間での、様々な薬物耐性細菌の処置(平均CFU/ml)対線量(J/cm)を示すチャート8400である。80~120J/cmの線量(40、50、または60J/cmの2つの処置の組合せ)で、種々の薬物耐性細菌株の全てを効果的に死滅させた。この点に関し、本明細書に記述される処置は、a)薬物耐性が処置後に観察されず、b)処置が薬物耐性細菌に対して有効にすることができる点で、抗生剤処置に勝る利点を提供する。図84Aに示されるように、40、50、または60J/cmの2つの処置と組み合わせた80~120J/cmの線量で、処置が様々な薬物耐性細菌に適用されたとき、種々の薬物耐性細菌株の全てを有効に死滅させた。
[00507]図84Bは、試験がなされた細菌種および株をまとめた表8410である。ATCCは、アメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)を指す。BcRLRは、ミシガン州立大学のDr.John LiPumaによるBurkholderia cepacia Research Laboratory and Repositoryを指す。MDRは、多剤耐性、たとえば≧3クラスの抗生剤に対する耐性を指す。XDRは、超多剤耐性、たとえば≧5クラスの抗生剤、たとえばアミカシン(AMK)、アズトレオナム(ATM)、セフェピム(FEP)、セフタジジム(CAZ)、セフタジジム-アビバクタム(CZA)、セフトロザン-タゾバクタム(C/T)、シプロフロキサシン(CIP)、コリスチン(CST)、ドリペネム(DOR)、ゲンタマイシン(GEN)、イミペネム(IPM)、レボフロキサシン(LVX)、メロペネム(MEM)、ピペラシリン-タゾバクタム(TZP)、またはトブラマイシン(TOB)に対する耐性を指す。
[00508]図84Cは、処置が難しい臨床肺病原体に対する、425nmの光の1日2回投与の有効性をまとめた表8420である。殺菌線量は、PBS中であり、かつ暗所対照試料に対して3-log低減に関するものである。MIC線量は、ブロス中であり、開始時のCFU/mlに対してCFU/mlに変化はない。MBC線量は、ブロス中であり、暗所対照試料に対してCFU/mlは3-log低減である。したがって、薬物耐性細菌によって引き起こされたものも含む種々の細菌感染に対して安全で有効な抗菌処置を施すために、本明細書に記述される処置を使用することができる。さらに、本明細書に開示される照明デバイスおよび処置は、単一波長および/または多重波長の光処置で、多数の病原体の利益(たとえば、ウイルス、細菌、および真菌に関して)を提供し得る。
[00509]1つまたは複数の生物学的効果を誘発させるための、上述のデバイスおよび対応する光衝突の様々な詳細が提供されてきたが、例示的なデバイスは、その他の要素および特徴を含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、本明細書に記述されるおよび/または例示されるデバイスおよびシステムは、本明細書に記述されるモジュール内に含有されるものなどのコンピューター可読命令を実行することが可能な、任意のタイプまたは形のコンピューティングデバイスまたはシステムを広く表す。それらの最も基本的な構成において、これらのコンピューティングデバイス(複数可)は、それぞれ、少なくとも1つのメモリーデバイスおよび少なくとも1つの物理プロセッサーを含んでいてもよい。
[00510]一部の実施例において、「メモリーデバイス」という用語は一般に、データおよび/またはコンピューター可読命令を記憶することが可能な任意のタイプまたは形の揮発性または不揮発性の記憶デバイスまたは媒体を指す。一実施例では、メモリーデバイスは、本明細書に記述されるモジュールの1つまたは複数を記憶し、ロードし、および/または維持してもよい。メモリーデバイスの例には、限定するものではないがランダムアクセスメモリー(RAM)、リードオンリーメモリー(ROM)、フラッシュメモリー、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、光ディスクドライブ、キャッシュ、その1つまたは複数の変形例または組合せ、または任意のその他の適切な記憶メモリーが含まれる。
[00511]一部の実施例では、「物理プロセッサー」という用語は一般に、コンピューター可読命令を解釈しおよび/または実行することが可能な任意のタイプまたは形のハードウェア実装型処理ユニットを指す。一実施例では、物理プロセッサーは、上述のメモリーデバイスに記憶される1つまたは複数のモジュールにアクセスしおよび/または修正してもよい。物理プロセッサーの例には、限定するものではないがマイクロプロセッサー、マイクロコントローラー、中央処理装置(CPU)、ソフトコアプロセッサーを実装するフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、その1つまたは複数の部分、その1つまたは複数の変形例または組合せ、または任意のその他の適切な物理プロセッサーが含まれる。
[00512]様々なモジュールが別々の要素として提供されてもよいが、本明細書に記述されおよび/または例示されるモジュールは、単一のモジュールまたはアプリケーションの部分であってもよい。さらに、ある特定の実施形態では、これらのモジュールの1つまたは複数は、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションまたはプログラムであってもよく、コンピューティングデバイスによって実行されたときにコンピューティングデバイスで1つまたは複数のタスクを行わせてもよい。たとえば、本明細書に記述されるおよび/または例示されるモジュールの1つまたは複数は、本明細書に記述されるおよび/または例示されるコンピューティングデバイスまたはシステムの1つまたは複数を実行するように記憶され構成されるモジュールであってもよい。これらのモジュールの1つまたは複数は、1つまたは複数のタスクを行うように構成された1つまたは複数の専用コンピューターの全てまたは部分であってもよい。
[00513]さらに、本明細書に記述されるモジュールの1つまたは複数は、データ、物理デバイス、および/または物理デバイスの表現を、1つの形から別の形に変換してもよい。たとえば、本明細書に列挙されたモジュールの1つまたは複数は、変換されるセンサーデータを受信し、センサーデータを変換し、変換の結果を出力して生体組織上への光の衝突を制御し、変換の結果を使用して、生体組織上への光を調節する一酸化窒素の衝突を制御し、および/または変換の結果を記憶して、生体組織上への光を調節する一酸化窒素の衝突を制御してもよい。さらに、またはあるいは、本明細書に列挙されたモジュールの1つまたは複数は、プロセッサー、揮発性メモリー、不揮発性メモリー、および/または物理コンピューティングデバイスの任意のその他の部分を、コンピューティングデバイス上で実行し、データをコンピューティングデバイス上に記憶し、および/またはそうでない場合にはコンピューティングデバイスと相互に作用することによって、1つの形から別の形に変換してもよい。
[00514]一部の実施形態では、「コンピューター可読媒体」という用語は一般に、コンピューター可読命令を記憶し伝達することが可能な任意の形のデバイス、キャリア、または媒体を指す。コンピューター可読媒体の例には、限定するものではないが伝送型媒体、たとえば搬送波、および非一時的媒体、たとえば磁気記憶媒体(たとえば、ハードディスクドライブ、テープドライブ、およびフロッピーディスク)、光記憶媒体(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、およびブルーレイディスク)、電子記憶媒体(たとえば、ソリッドステートデバイス、およびフラッシュ媒体)、およびその他の分散システムが含まれる。
[00515]前述のように、ならびに図39および40に示されるように、本開示による照明デバイスは、光治療処置のための制御および/または管理を行うことができる、より大きいシステム3900の部分として組み込まれてもよい。この点に関し、光治療デバイス102は、図39に示される例示的なシステム3900の全てまたは一部によって少なくとも部分的に制御されまたは管理され得る本明細書に開示された光治療デバイスのいずれかを含む、任意の形状因子を表してもよい。その他の実施形態の場合のように、光治療デバイス102は、照明デバイスと呼んでもよい。システム3900は、ネットワーク3904を介してサーバー3902に提供される標的体組織104の1つまたは複数の特徴に基づいて、照明デバイス102によって提供される光治療処置の制御および/または管理を提供するように構成されてもよい。1つまたは複数の特徴は、標的体組織104の温度など、測定され得る標的体組織104および/またはその他の特徴の、獲得された画像を含んでいてもよい。サーバー3902およびサーバー側アプリケーション3908は、多数のその他の照明デバイスから収集されたデータに基づいて、光治療デバイス102の制御および/または管理をさらに行ってもよい。
[00516]図85は、図39のシステム3900に類似しておりかつ体組織104上に任意の数の生物学的効果を誘発させるために調整された光治療処置を提供するためのさらなる詳細を含む、光治療処置を提供するためのシステム8500の概略図である。サーバー3902は、サーバー側アプリケーション3908で標的体組織104に特異的なデータを受信可能にし、そのデータを人工知能ライブラリー8510と比較可能にし、調整された光治療処置を体組織104に合わせて定式化可能にする、臨床試験データ、および実際にその他の照明デバイスにより獲得されたデータ(たとえば、画像およびその他のセンサーデータ)を含むがこれらに限定されない適切なデータが集められている、人工知能ライブラリー8510を含んでいてもよい。人工知能ライブラリー8510は、病気の検出および対応する調整済み光治療処置を高い有効性で行うためのサーバー側アプリケーション3908の能力を連続して改善するために、追加投入されたデータに基づいて、連続してアップデートされ精製されてもよい。本明細書で使用される場合、人工知能ライブラリー8510は、とりわけ組織の特徴および状態の中でも、病原体、疾患、がん病変または前がん病変、腫瘍またはポリープ、体液貯留、および炎症の存在を含むがこれらに限定することのない、先に特定された体組織の特徴に対応するデータ集合(たとえば、画像および/またはセンサーデータ)を指してもよい。このように、人工知能ライブラリー8510は、体組織104の1つまたは複数の特徴および/または状態が推察されるよう、標的体組織104から収集された画像および/またはセンサーデータのパターンを認識するために、サーバー側アプリケーション3908およびクライアント側アプリケーション3910の1つまたは複数によって利用されてもよい。したがって、システム8500は、推察される状態に応答して、体組織104に対して任意の数の生物学的効果を誘発させるため、光治療デバイス102によって施用され得る調整された光治療処置が提供されるように、構成されてもよい。この点に関し、システム8500およびサーバー3902は、体組織104に関するデータにアクセスすること、体組織104に関するデータに基づき少なくとも1つのパラメーターを発生させること、およびパラメーターを、少なくとも1つの生物学的効果を誘発させる少なくとも1つのパラメーターに基づいて体組織104を照射することが可能な照明デバイス(たとえば、光治療デバイス102)に送信することを含む方法に関する、例示的な実施形態を提供してもよい。そのような方法は、図85のシステム8500によって提供された例示的な実施形態を超えた任意のシステムおよび/またはデバイス構成で実現されてもよい。前述のように、生物学的効果は、無細胞環境にある1種または複数の病原体を不活化すること、細胞関連環境にある1種または複数の病原体の複製を阻止すること、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の内因性貯蔵を増加させるために一酸化窒素の酵素的発生を刺激すること、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出すること、抗炎症作用を誘発させること、およびこれらの任意の組合せの、少なくとも1つを含んでいてもよい。
[00517]光治療デバイス102は、前述の1つまたは複数の発光体120とエミッター駆動回路110とを含んでいてもよい。さらに、光治療デバイス102は、分析のために元のサーバー3902にリレーされ得る体組織104の画像またはその他の診断情報を獲得するために、前述のカメラ1010およびセンサー115の1つまたは複数を含んでいてもよい。光治療デバイス102はさらに、クライアント側デバイス3906およびクライアント側アプリケーション3910との通信を容易にする通信モジュール8520を含んでいてもよい。あるいは、通信モジュール8520は、クライアント側デバイス3906なしで、ネットワーク3904およびサーバー3902と直接通信するように構成されてもよい。通信モジュール8520は、クライアント側デバイス3906およびネットワーク3904の1つまたは複数と、ブルートゥース(登録商標)、有線および/または無線インターネット接続、セルラーネットワーク、アナログ通信、たとえば光治療デバイス102の1つまたは複数の事前にプログラムされたボタン、またはアナログもしくはデジタル通信の任意のその他の形を含めた任意の数の手法を介して通信を行なってもよい。
[00518]光治療デバイス102は、任意のタイプの内部電源および/または外部電源への接続を含む、電源8530を含んでいてもよい。たとえば電源8530は、交換可能なバッテリーおよび/または再充電可能なバッテリーなど、光治療デバイス102内に設けられる可搬式電源および/またはエネルギー貯蔵デバイスを具体化してもよい。再充電可能な実施形態の場合、光治療デバイス102は、再充電のための外部電源または別のデバイス、たとえばクライアント側デバイス3906との接続をもたらすための、ポート(たとえば、ユニバーサルシリアルバスポート、電源プラグ、または同様のもの)を含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、ポートは、通信モジュール8520を介したデータ転送および通信を容易にすることもできる。電源8530は、外部電源に対する有線および/またはプラグ指向構成を含む、再充電能力を備えたまたは備えない外部電源との直接接続のために構成されてもよい。本明細書で使用される場合、外部電源は、ハードワイヤード電気接続、たとえば壁プラグ、または任意のタイプの有線もしくは可搬式外部エネルギー貯蔵デバイスを含んでいてもよい。さらに他の実施形態では、光治療デバイス102の電源8530に連結された外部電源は、ユーザーによる歩行および/または咀嚼などの人の動きに応答して電力を供給する、クライアント側のヒューマンファクター電源を具体化してもよい。外部電源はさらに、電源8530に電力を供給するおよび/または電源8530を再充電する、太陽光および/または風力発電を含む再生可能なエネルギー源を具体化してもよい。ある特定の適用例では、システム8500は、ソーラーハット、ソーラースリーブ、または任意のその他の形のソーラークロスなど、光治療デバイス102の、ユーザーが着用できるソーラー素子またはパネルを含んでいてもよい。
[00519]本明細書に記述される光治療デバイス102は、サーバー3902から受信したデータに基づいて、エミッター駆動回路110に関する様々な駆動アルゴリズムおよび/または制御スキームを記憶するメモリーデバイス8540を含んでいてもよい。メモリーデバイス8540はさらに、サーバー3902との通信のために標的体組織104で収集されたデータおよび診断情報を記憶するように構成されてもよい。上述のように、メモリーデバイス8540は、任意のタイプまたは形の揮発性および/または不揮発性記憶デバイス、またはデータおよび/またはコンピューター可読命令を記憶することが可能な任意の媒体を含んでいてもよい。たとえば、メモリーデバイス8540は、限定するものではないがRAM、ROM、フラッシュメモリー、HDD、SSD、光ディスクドライブ、キャッシュ、およびその1つまたは複数の変形例または組合せ、または任意のその他の適切な記憶メモリーを含んでいてもよい。
[00520]エミッター駆動回路110、通信モジュール8520、およびメモリー8540は、図85の概略図において別々のブロックまたは要素として示されるが、エミッター駆動回路110、通信モジュール8520、およびメモリー8540のそれぞれは、光治療デバイス102用に組み合わされた全制御回路モジュール内の要素を表してもよい。
[00521]上述のように、光治療デバイス102は、任意の数のカメラ1010およびセンサー115を介して分析するために、体組織104の画像および/またはその他の診断情報を獲得するように構成されてもよい。獲得された画像は、1つまたは複数の可視光画像、1つまたは複数の赤外線画像、1つまたは複数の紫外線画像、波長の所定範囲内の光を測定する1つまたは複数の画像、2つ以上の異なる所定範囲内の波長の光を測定する1つまたは複数の画像、反射型共鳴画像、反射型波画像、および超音波画像を含んでいてもよい。センサー115は、温度センサー、光センサー、画像センサー、近接センサー、血圧またはその他の圧力センサー、化学センサー、バイオセンサー(たとえば、心拍数センサー、体温センサー、化学または生物種の存在または濃度を検出するセンサー、またはその他の条件)、加速度計、水分センサー、オキシメーター、たとえばパルスオキシメーター、電流センサー、電圧センサー、および同様のものの1つまたは複数を含んでいてもよい。カメラ1010およびセンサー115は、様々な組織、懸濁粘液、硬化した膿袋、臓器、および骨を含むがこれらに限定することのない、体組織104の疾患場所に対する発射レンズまたは平面の場所を特定することを含む様々な機能を発揮するよう、必要に応じて一緒に働いてもよい。カメラ1010はさらに、とりわけカメラ画素化測定、全地球測位システム(GPS)データに基づき、体組織104に関する精密な位置情報を提供し得る。
[00522]光治療デバイス102によって収集され得る画像および/またはその他の診断情報と組み合わせてまたはこれらの代わりに、システム8500は、光治療デバイス102とは別に収集されたその他の組織診断8550を受信するように構成されてもよい。他の組織診断8550は、センサー115およびカメラ1010の上述の実施形態のいずれかに類似する外部カメラおよびセンサーを含んでいてもよい。さらに、その他の組織診断8550は、超音波、x線、磁気共鳴画像法、および同様のものを含む、任意の数のその他の医療デバイスによって収集されてもよい。さらなる実施形態では、その他の組織診断8550は、体組織104および該当するユーザーに施用された身体検査および/または診断試験に基づいて、ユーザーおよび/または医療専門家により提供された情報を含んでいてもよい。
[00523]光治療デバイス102から獲得されたおよび/またはその他の組織診断8550によって提供された、画像および/またはセンサーデータは、分析のためにネットワーク3904を介してクライアント側デバイス3906および/またはサーバー3902の1つまたは複数にリレーされてもよい。したがって、獲得された画像および/またはセンサーデータは、公知の疾患組織の大容量の写真および対応するセンサーデータであって人工知能ライブラリー8510に保存したものと、比較されてもよい。この点に関し、システム8500は、存在する1つまたは複数の病原体の名称および株、体組織104の影響を受けた領域のサイズ、任意のがん性または前がん性病変、腫瘍またはポリープ、体液貯留、および炎症の、1つまたは複数を含むがこれらに限定することのない体組織104の特徴を決定してもよい。人工知能ライブラリー8510には、最初に可能な限り多くの画像が集められ、これらの画像がその後、それぞれ後の新しい患者データと共に付加されてもよい。これはシステム8500に、改善された病気の識別を拡張し発展させる能力を提供して、適切な最新の処置が体組織104に送達できるようになる。システム8500はさらに、実時間ビリング、適切な保険請求、および為替支払いを提供するための該当する処置費用を決定することを含む、機能性を提供し得る。ある特定の実施形態では、システム8500はさらに、体組織104をモニターしかつ疾患の消散に応じて後続の抗炎症処置を推奨するのに使用されてもよい。
[00524]このように患者の転帰は、大容量の種々の体組織全体にわたって光治療デバイス102の多数のものにより受信された収集情報に基づき、サーバー3902によって継続して最適化され得る。最適化は、最も良く利用可能なまたは継続的に改善される医学的転帰、たとえば存在し得る1つまたは複数の状態の予防、処置、治癒、および追跡処置の1つまたは複数を、指してもよい。サーバー3902はさらに、医学的転帰をさらに改善しまたは最適化するよう施用され得る1つまたは複数の医療など、光治療デバイス102と組み合わせて実現され得る体組織104に関するその他推奨される処置を特定してもよい。
[00525]サーバー3902によって提供される処置アルゴリズムは、1つまたは複数のピーク波長、放射フラックス、放射照度、曝露時間、および対応する、発光体120によって体組織104に供給され得る線量など、光治療デバイス102に関して任意の数の変更可能な属性を含んでいてもよい。処置は、例として処置または線量当たりの全光治療デバイス102操作の0.05から360秒の範囲を含む、前述のような任意の時間範囲にわたって施用され得る。線量は、前述の実施形態のいずれかによる単独のまたは多数の手法で展開され得る、一連のエネルギー源または同じエネルギー源の代替例(たとえば、光の種々のピーク波長)によって提供されてもよい。本明細書に記述されるように、処置および/または線量には、1つまたは複数の標的病原体、疾患、またはその他の状態と闘う際に最良の可能性ある転帰を実現するために、処置当たりの適切な安全性、有効性、および時間が提供されてもよい。
[00526]ある特定の実施形態では、発光体120の1つまたは複数は、LED、OLED、白熱光源、蛍光光源、液晶ディスプレイ、レーザー、ハロゲン光源、タングステン-ハロゲン光源、ナトリウム蒸気源、ガスレーザー光源、マイクロ波光子、生物学的供給源、たとえば渦鞭毛藻、ならびにフィルタリングされたおよびフィルタリングされていない日光を含む、日光から利用される光の1つまたは複数など、可視光源から変化可能な属性を提供してもよい。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の発光体120は、紫外(UV)光源、クイックフラッシュUV-C光または任意の適切なUV光源からのその他の急速UV放出、および赤外(IR)光源を含むがこれらに限定することのない、単なる可視光を超えた光源を含んでいてもよい。前述の実施形態は、光の様々な光源の文脈において提供されてきたが、本開示の原理は、指向型エネルギー源の1つまたは複数のその他のタイプに適用可能でもある。本明細書で使用される場合、指向型エネルギー源は、前述の様々な光源、および/または熱、IR加熱、抵抗加熱、ラジオ波、マイクロ波、音波、超音波、電磁障害、および電磁放射であって、体組織104に向けることができるものの、1つまたは複数を提供することが可能なエネルギー源の、いずれかを含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、サーバー3902によって提供された変更可能な属性は、体組織104に、上記列挙された指向型エネルギー源のいずれかを投与するための、プロトコールを含んでいてもよい。たとえば光治療デバイス102は、可視およびUV光を超えた指向型エネルギーを体組織104に提供することが可能な、光源および別の指向型エネルギー源を含んでいてもよい。他の実施形態では、可視およびUV光を超えた指向型エネルギーを提供することが可能な他の指向型エネルギー源は、光治療デバイス102に関して記述された類似の手法で依然としてサーバー3902と通信しながら、光治療デバイス102とは別々に提供されてもよい。変更可能な属性は、粘膜上皮細胞を刺激するために、上気道、外耳道、鼻腔、口腔、口腔咽頭、喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、食道、および同様のものの1つまたは複数の組織などの種々のタイプの体組織104に、特定された光の線量が送出されるよう、光治療デバイス102によって取着され得るまたはそうでない場合には利用され得る光学部品、ロケーター、光源ポジショナー、および光ガイドポジショナーの1つまたは複数の組合せの特定を含んでいてもよい。他の実施形態では、体組織104は、肺および内皮細胞の1つまたは複数の組織を含んでいてもよい。さらに他の実施形態では、体組織104は、粘膜を処理する胃腸組織を含む、呼吸器疾患に関係する任意の下位領域を含んでいてもよい。
[00527]他の実現例によれば、システム8500の上述の要素および機能のいずれかには、それほど自動化されていない構成が設けられていてもよい。たとえば、より単純化したタイプのシステム8500は、ユーザーが、特定の処置プログラムを選択するために光治療デバイス102および/またはクライアント側デバイス3906上のメニューをクリックスルーすることのできるまたは単に事前に構成されたボタンを押すことのできる構成を含んでいてもよい。別の例では、ユーザーは、光治療デバイス102を介してまたは既製品のテストキットもしくはその他の院内での施術を介して、画像またはその他の診断情報を得るために、光治療デバイス102および/またはクライアント側デバイス3906での1つまたは複数のステップを進行してもよい。ある特定の実施形態では、クライアント側デバイス3906および光治療デバイス102の1つまたは複数は、外部サーバー3902との通信を有することなく処置アルゴリズムが提供され得るように、局所人工知能ライブラリーを含んでいてもよい。そのような実施形態では、局所人口知能ライブラリーは、ルーチンインターバルに従いサーバー3902の人工知能ライブラリー8510と周期的にシンクロナイズしてもよい。
[00528]ある特定の適用例では、本明細書に開示される光治療デバイスは、より大きい診療所設備、手持ち式および/または可搬式デバイス、単独でまたは少なくとも図39および85に記載されるシステムの部分として使用され得る装着可能なデバイスを含むがこれらに限定することのない、様々なサイズにわたる様々な形状因子に従い提供されてもよい。そのような使用のための例示的な光治療デバイスについて、これまで記述しかつ図14~21Eおよび図43~54Eに図示してきた。本明細書に開示される例示的な光治療デバイスは、単独でまたは図39および85の前述のシステムの部分として使用され得る、任意の数の小型化形状因子を含んでいてもよい。この点に関し、図86A~89Dは、さらに小型化された光治療デバイスの様々な実施例を示す。
[00529]図86Aは、施術中にユーザーの口腔内での位置決めするためのマウスピースの形状因子を含む光治療デバイス8600の斜視図である。光治療デバイス8600は、ユーザーの歯の形状に従い湾曲する形状を共に画定する外側部分8604および内側部分8606を含む、ハウジング8602を含んでいてもよい。電子部品モジュール8608が、ハウジング8602内に設けられてもよい。電子部品モジュール8608は、前述のような発光体、センサー、カメラ、エミッター駆動回路、電源、通信モジュール、およびメモリーの1つまたは複数を含んでいてもよい。ある特定の実施形態で、ハウジング8602は、ユーザーの口内に位置決めされるとき、電子部品モジュール8608を完全に包封するように設けられる。
[00530]図示されるように、ハウジング8602は、重ね合わせた矢印によって示されるように、電子部品モジュール8608の発光体から標的組織に光を通すように構成された、1つまたは複数の光学ポート8610をさらに含んでいてもよい。さらに、光学ポート8610は、電子部品モジュール8608の任意のカメラおよび/またはセンサーから、画像を獲得するようにおよび/またはその他のセンサー情報を受信するように構成されてもよい。光学ポート8610は、光の通過を促進させるための種々の形状および/または材料を含み得る、ハウジング8602の連続部分を具現化してもよい。たとえば、光学ポート8610およびハウジング8602は、光学ポート8610の形状がレンズを画定する、連続成形されたシリコーンを含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、光学ポート8610は、材料が種々の光学的性質を有するハウジング8602の部分を含む。たとえば、光学ポート8610は、光治療デバイス8600により提供された光の波長に対し、光学的に光伝達性および/または光透過性であるように構成された材料を含んでいてもよく、一方、ハウジング8602のその他の部分は、光治療デバイス8600により提供された光の波長に対してより光学的に不透明な、光吸収性の、または光遮断性の付加物またはコーティングを含んでいてもよい。さらに他の実施形態では、光学ポート8610は、ハウジング8602に圧入されまたはその他の手法で取着される、不連続要素を含んでいてもよい。適用例に応じて、光学ポート8610は、光の放出を提供しおよび/または画像もしくはセンサーデータを受信するために、ハウジング8602の内側部分8606および外側部分8604の1つまたは複数に沿った多数の場所に配置構成されてもよい。ある特定の実施形態では、ハウジング8602の内側部分8606に沿って位置付けられた光学ポート8610は、上気道状態を標的にするために、喉、咽頭、および中咽頭を含む、口腔の後部のまたはその付近の組織を標的にするように、配置構成されてもよい。例示されるように、内側部分8606および外側部分8604が終端するハウジング8602の端部8615は、喉、咽頭、および中咽頭を含む、口腔の後部のまたはその付近の組織を標的にするために、1つまたは複数の光学ポート8610を含んでいてもよい。
[00531]光治療デバイス8600が口腔に挿入されたとき、ハウジング8602の外側部分8604は、舌から離れた方向に向いたユーザーの歯の外周に沿って存在するように構成され、ハウジング8602の内側部分8606は、舌に面するユーザーの歯の内周に沿って存在するように構成される。外側部分8604および内側部分8606の間を接続する、ハウジング8602のより狭い部分は、ハウジング8602の上面8612および下面8614を形成する。上面8612は、ユーザーの歯の上の列を受容するように構成され、下面8614は、ユーザーの歯の下の列を受容するように構成され、それによって、光治療デバイス8600を位置決めするためのオフセットを備えた事実上の咬合ガードが形成される。ある特定の実施形態では、ハウジング8602は、1つまたは複数の標準サイズを含んでいてもよく、またはハウジング8602は、特定の使用者の口および歯のスキャンまたは印象に従い成型されてもよい。ハウジング8602は、シリコーンおよび様々なプラスチック材料を含むがこれらに限定されない任意の数の材料を含んでいてもよい。
[00532]図86Bは、図86Aの光治療デバイス8600の上面図である。図示されるように、光治療デバイス8600は、電子部品モジュール8608に電気的に連結される電子部品ポート8616を含んでいてもよい。電子部品ポート8616は、電源が電子部品モジュール8608に組み込まれているときに光治療デバイス8600を充電するために、または外部電源から光治療デバイス8600に電力を供給するために、構成されてもよい。ある特定の実施形態では、電子部品ポート8616は、電子部品モジュール8608のメモリー内に記憶されたデータにアクセスしまたはアップデートするために構成されてもよい。さらに他の実施形態では、電子部品ポート8616は、クライアント側デバイス3906、ネットワーク3904、およびサーバー3902の1つまたは複数の組合せなど、図39および85に記載されるシステムレベル・ヒエラルキーのいずれかへのまたはいずれかからの通信を容易にするように構成されてもよい。電子部品ポート8616は、電力および/または通信接続用に、USBポート、USB-Cポート、または任意のその他のタイプのポートを具現化してもよい。ある特定の実施形態では、バスライン8618は、電子部品ポート8616を電子部品モジュール8608と電気的に連結してもよい。前述のように、電子部品モジュール8608はさらに、クライアント側デバイス3906、ネットワーク3904、およびサーバー3902の1つまたは複数の組合せなど、図39および85に記載されるシステムレベル・ヒエラルキーのいずれかとの無線通信用に構成されてもよい。
[00533]図86Cは、図86Aの光治療デバイス8600のハウジング8602の、端部8615の1つの端面図である。図示されるように、内側部分8606および外側部分8604の間を接続するハウジング8602の上面8612および下面8614は、厚さTを形成する。厚さTは、ユーザーの上および下の歯に静止時ギャップまたは咬合ガードを提供する。さらに、厚さTは、口腔のまたは口腔付近の組織を標的とするのに適した開口を提供し得る。ある特定の実施形態では、厚さTは、ユーザーの口および標的組織のサイズに応じて、1mmから50mmまたはそれよりも大きい範囲で提供されてもよい。他の実施形態では、厚さTは、1mmから25mmの範囲で、または1mmから15mmの範囲で、または5mmから25mmの範囲で、または5mmから15mmの範囲で提供されてもよい。
[00534]図87A~87Dは、標的組織に放出をもたらすためのおよび/または画像およびその他のセンサーデータを標的組織から獲得するための、図86Aの電子部品モジュール8608および光学ポート8610の種々の構成を表す様々な断面である。図87Aは、図86Aの光治療デバイス8600の全てまたは一部で実現され得るデバイス部分8700の断面である。図示されるように、ハウジング8602は、電子部品モジュール8608の一部を取り囲むようにまたはその他の手法で包封するように構成される。電子部品モジュール8608は、光学ポート8610にその印象が残された1つまたは複数の発光体120を含んでいてもよい。このように、図87Aの破線矢印によって表される発光体120からの光は、光学ポート8610を通過し、標的組織に向かうことができる。図87Aで、各光学ポート8610の外面8610’には、ハウジング8602のその他の部分と同一平面になり得る平面が設けられる。前述のように、光学ポート8610は、ハウジング8602に対して連続的なおよび一体的に形成された材料、または別々に形成された材料であってハウジング8602に取着された材料を、具現化してもよい。図87Bは、図86Aの光治療デバイス8600の全てまたは一部で実現され得る代替のデバイス部分8710の断面である。図示されるように、光学ポート8610の1つまたは複数の外面8610’には、図87Aに図示される平面よりも広い放出角で光を成形するためのレンズを形成する部分的なドームまたは凸状メニスカスなど、1つまたは複数の発光体120に対して外向きに湾曲した形状が設けられてもよい。図87Cは、図86Aの光治療デバイス8600の全てまたは一部で実現され得る、別の代替デバイス部分8720の断面である。図示されるように、光学ポート8610の1つまたは複数の外面8610’には、図87Aに図示される平面よりも狭い放出角で光を成形するためのレンズを形成する、反転部分ドームまたは凹状メニスカスなど、1つまたは複数の発光体120に対して内向きに湾曲した形状が設けられてもよい。図87Dは、図86Aの光治療デバイス8600の全てまたは一部で実現され得る、さらに別の代替デバイス部分8730の断面である。1つまたは複数の発光体120に加え、電子部品モジュール8608はさらに、標的組織から画像およびその他のセンサーデータを受信するために光学ポート8610の1つまたは複数に印象を与えた1つまたは複数のカメラおよび/またはセンサー(図87Dでは、まとめて8732と標識する)を含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、図87A~87Dに示される構成のいずれかは、図86Aの光治療デバイス8600の1つにおいて、互いに組み合わせて設けられてもよい。あるいは、図86Aの光治療デバイス8600は、実施形態に応じて図87A~87Dに示される構成の1つにより配置構成されてもよい。
[00535]図88Aは、電子部品モジュール8810が、ハウジング8602内に組み込まれるのではなくハウジング8602に取着される、配置構成に関して図86Aの光治療デバイス8600に類似した光治療デバイス8800の斜視図である。図88Bは、図88Aの光治療デバイス8800の上面図である。図示されるように、電子部品モジュール8810は、電子部品ポート8616に連結されてもよい。この点に関し、光治療デバイス8800のハウジング8602は、前述のようにユーザーの口内に位置決めされ、電子部品モジュール8810は、ユーザーの口の外に位置決めされてもよい。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の発光体が、エミッターボード8820上などの電子部品モジュール8810に設けられてもよい。したがって、1つまたは複数の発光体は、施術中にユーザーの口の外側に位置決めされてもよい。ある特定の実施形態では、施術中に発光体から発生し得る熱を益々冷却することができる。図88Bに示されるように、電子部品モジュール8810は、施術中の光治療デバイス8800の改善された熱管理のために増大した表面積を提供する、フィンまたは同様のものなどの1つまたは複数の形状8810’を含んでいてもよい。光治療デバイス8800はさらに、電子部品ハウジング8810から光学ポート8610に光をカップリングするために、ハウジング8602が設けられた光ガイド8830を含んでいてもよい。このように光ガイド8830は、電子部品モジュール8810の1つまたは複数の発光体からハウジング8602を経て光学ポート8610に光を伝搬させてもよい。ある特定の実施形態では、光ガイド8830は、電子部品ポート8616に直接連結される部分8830’を含んでいてもよい。
[00536]図89A~89Dは、標的組織への放出をもたらすためのおよび/または画像およびその他のセンサーデータを標的組織から獲得するための、図88Aの光ガイド8830および光学ポート8610の種々の構成を表す様々な断面である。図89Aは、図88Aの光治療デバイス8800の全てまたは一部で実現され得る、デバイス部分8900の断面である。図示されるように、ハウジング8602は、光ガイド8830の部分を取り囲むようにまたはその他の手法で包封するように構成され、光ガイド8830内を伝搬する光は、標的組織に向かう方向で破線矢印によって表されるように光学ポート8610を介して逃げるよう構成されてもよい。図89Bは、図88Aの光治療デバイス8800の全てまたは一部で実現され得る代替デバイス部分8910の断面である。図示されるように、光学ポート8610の1つまたは複数の外面8610’には、図89Aに示される平面よりも広い放出角で光を成形するために、レンズを形成する部分的なドームまたは凸状メニスカスなど、光ガイド8830に対して外向きに湾曲した形状が設けられてもよい。図89Cは、図88Aの光治療デバイス8800の全てまたは一部で実現され得る、別の代替のデバイス部分8920の断面である。図示されるように、光学ポート8610の1つまたは複数の外面8610’には、図88Aに示される平面よりも狭い放出角で光を成形するために、レンズを形成する反転部分ドームまたは凹状メニスカスなど、光ガイド8830に対して内向きに湾曲した形状が設けられてもよい。図88Dは、図88Aの光治療デバイス8800の全てまたは一部で実現され得る、さらに別の代替のデバイス部分8830の断面である。図示されるように、1つまたは複数のカメラおよび/またはセンサー(図88Dでは、まとめて8732と標識される)は、標的組織から画像およびその他のセンサーデータを受信するために、光学ポート8610の1つまたは複数の外面8610’に印象を残してもよい。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のカメラおよび/またはセンサー8732は、ハウジング8602および光ガイド8830であって図88Aの電子部品モジュール8810を備えたものの1つまたは複数に設けられた電気接続8940を通して有線により通信できてもよい。ある特定の実施形態では、図89A~89Dに示される構成のいずれかは、図88Aの光治療デバイス8800の1つにおいて互いに組み合わせて設けられてもよい。あるいは、図88Aの光治療デバイス8800は、実施形態に応じて、図89A~89Dに示される構成の1つにより配置構成されてもよい。
[00537]上述の照明デバイスに加え、本開示の原理は、口腔および/または外耳道(即ち、口、鼻、および耳)、ならびに喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、および食道の内部または付近に存在する微生物の生物活性を処置し、予防し、または低減させるための、その他のデバイス、およびこれらのデバイスを含むキットに適用可能である。
[00538]口腔、鼻腔、および/または耳(外耳道)、ならびに喉、喉頭、咽頭、中咽頭、および食道における微生物感染を処置しまたは予防するための該当する方法も、開示される。微生物が、口腔(鼻腔を包含する)および/または外耳道から肺に移動したときに、呼吸器感染をもたらす可能性のある微生物である場合、デバイスおよびキットは、そのような呼吸器感染を予防するのに使用することができる。
[00539]方法は、a)実際の微生物を処置し、b)炎症を低下させ、および/またはc)脈管/血液流を改善するように選択される、1つまたは複数の波長の光を投与することを含む。たとえば、1つのメカニズムまたは2つ以上の種々のメカニズムを介して微生物病原体を阻止することができ、または抗菌および抗炎症作用の組合せを提供することができる、波長の組合せを使用することができる。抗炎症作用は、鼻詰まり処置しまたは予防するのに、ならびに口腔内でおよびそれを超えて抗炎症性サイトカインの生成を低下させるのに、特に有用とすることができる。
[00540]光の放射照度(mW/cm)は、所与の持続時間にわたり、閾値時間に関する可視光の特定の波長で開示され、その結果、上皮組織の生存率を維持しながら、ウイルスを不活化するのにまたはウイルス感染を処置するのに有効な治療投与量(J/cm)がもたらされる。これらの処置は、処置がなされる特定の組織に対して、ならびに血液、カッタン、唾液、頚管粘液、および粘液などの媒体中の様々な流体に対して、調整することができる。感染を処置する全投与量(J/cm)は、多数回の投与にわたって拡げることができ、各線量は何秒または何分にわたり適用され、多数の線量が何日または何週にわたって個々の線量で適用され、特定の組織に対する損傷を最小限に抑えながら感染を処置する。
[00541]本発明は、以下の定義を参照することによって、より良く理解されよう。本明細書で使用される場合、口腔は、硬口蓋および軟口蓋により上方で、ならびに舌によりおよびそれを下顎の内部に接続する粘膜により下方で結合された、歯茎および歯の後ろの口の部分を含む。本明細書で使用される場合、鼻腔は、外鼻孔から咽頭に延びる、高等脊椎動物の頭蓋骨の床と口蓋との間に在る円天井型チャンバーであり、骨または軟骨によって取り囲まれており、通常は横半分に鼻中隔によって不完全に分割されており、その壁は、静脈叢に富む粘膜と並んでおり、呼吸経路の開始を形成する下部で線毛化され、吸入された空気を温めかつ濾過し、上方嗅覚部で上皮として修正されている。本明細書で使用される場合、外耳道は、耳介、または肉質の外側で目に見える耳の部分と、鼓膜(tympanic membraneまたはeardrum)とを接続する管である。
[00542]本明細書に記述される方法およびデバイスは、口腔への光の投与として記述されるが、ある特定の実施形態では、光が喉、食道、喉頭、咽頭、中咽頭、および/または気管に投与されることも意図される。口腔を、図55に示す。図示されるように、中咽頭は、喉の中間部分として位置決めされ、軟口蓋の部分および口腔に接続される部分を含んでいてもよい。中咽頭は、細菌、ウイルス、および真菌を含む病原体による、初期感染の場所になり得る。特に中咽頭は、曝露直後にかつ感染から数日以内に位置決めされることになる、SARS-CoV-2ウイルスを含むコロナウイルスの場所になり得る。この点に関し、上述の照明デバイスを含む本開示の態様は、中咽頭および周囲組織の無細胞環境でコロナウイルスを不活化するためにおよび/または中咽頭および周囲組織の細胞関連環境でコロナウイルスの複製を阻止するために、中咽頭に治療光量を提供するように構成されてもよい。全ての微生物に関し、本開示の原理は、無細胞環境にある微生物を不活化し、細胞関連環境にある微生物の複製を阻止し、局所免疫応答を上方制御し、一酸化窒素の酵素的発生を刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させ、一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出し、および抗炎症効果を誘発させるのに、適用可能になり得る。
[00543]一部の実施形態では、光の波長は、マクロファージを含む、先天性および/または獲得免疫応答の免疫細胞を活性化し得る。
[00544]前述のように、NOは、侵入病原体に対する哺乳動物組織における先天性免疫応答の天然部分であり、上皮組織において誘発性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)により高いマイクロモル濃度で生成される。反応性酸素種および/または生物活性NOは、SARS-CoV-2などの侵入病原体の複製を妨げ得る先天性および炎症性免疫応答分子の転写活性化をもたらし得る、免疫シグナル伝達に関わる転写因子の活性化を引き起こしてもよい。前述のように、光治療線量の光は細胞を刺激して一酸化窒素を発生させ、炎症性免疫応答分子の発現を含む様々な生物学的効果を誘発させてもよい。
[00545]炎症性免疫応答分子は、様々な感染、疾患、および/または侵入病原体に対する炎症性応答を活性化する際に重要な役割を提供する、様々なサイトカインを含んでいてもよい。例示的な炎症誘発性サイトカインは、様々なインターロイキンファミリー、たとえばインターロイキン1アルファ(IL-1α)分子、インターロイキン1ベータ(IL-1β)分子、およびインターロイキン6(IL-6)分子を含んでいてもよい。先天性炎症性免疫応答は、侵入病原体を撃退しかつ該当する疾患および/または感染と闘うのに重要であるが、免疫応答は時々、サイトカイン放出症候群および/またはサイトカインストームと呼ばれる可能性のあるサイトカインの過剰活性化を誘発させる可能性がある。たとえば、COVID-19患者の負の転帰は、サイトカインストームによってもたらされる重症肺炎、急性呼吸困難、および/または多臓器不全に関連付けられる可能性がある。COVID-19患者における高いIL-6レベルはサイトカインストームに関連付けられており、したがってIL-6は、重症の転帰を予測する際の関連あるマーカーと見なされる。この点に関し、IL-6活性の阻害を含む治療処置は、サイトカインストームが生じるのを低減させる処置プロトコールを提供することが評価されている。本開示の態様によれば、光を哺乳動物の組織に提供する光源および方法は、負の患者の転帰に寄与し得るその他の炎症性免疫応答分子を下方制御しながら局所免疫応答をブーストする、ある特定の炎症性免疫応答分子を上方制御するなどの、1つまたは複数の生物学的効果を誘発させることを含む。特定の実施例では、生物学的効果は、IL-6分子を下方制御しながらIL-1αおよび/またはIL-1β分子の1つまたは複数を上方制御することを含んでいてもよい。
[00546]図90A~90Hは、様々な波長および線量の光が照射されたAIR-100組織での、IL-1α、IL-1β、IL-6、乳酸デヒドロゲナーゼB(LDH-B)、およびカスパーゼ-3分子の誘発発現を示す、様々なチャートである。AIR-100組織上のいくつかの実験にわたり、図90A~90Hに示されるように、選択された波長は385nm、425nm、および625nmを含み、選択された線量は15J/cm、30J/cm、60J/cm、および120J/cmの単一線量を含む。照射後、ミリリットル当たりのピコグラム数(pg/mL)を単位とする様々な分子の濃度を、蛍光ベースの検出システムにより、照明後の様々な時点で頂端組織表面で定量した。これらの実験のそれぞれは、単一ドナーからのAIR-100組織上で収集され、種々のドナーは、ドナー同士の環境および/または遺伝的相違に起因して種々の応答を示し得ることに留意されたい。しかしながら単一組織の結果は、IL-6分子を下方制御しながらIL-1αおよび/またはIL-1β分子の1つまたは複数を上方制御するための組織応答において、統計的有意差を示し、類似の傾向がその他のドナーにおいて予測され得る。
[00547]図90Aは、照射されていない対照組織試料と比較した、光の385nm、425nm、および625nmの波長に応答したAIR-100組織におけるIL-1αの誘発発現を示すチャート9000である。図90Bは、対照組織試料と比較した、図90Aからの光のちょうど385nmの波長に関して、IL-1αの誘発発現を示すチャート9010である。図90Cは、対照組織試料と比較した、図90Aからの光のちょうど425nmの波長に関する、IL-1αの誘発発現を示すチャート9020である。図90Dは、対照組織試料と比較した、図90Aからの光のちょうど625nmの波長に関する、IL-1αの誘発発現を示すチャート9030である。図90A~90Dに示されるように、425nmの光は、24時間を通した照明後の時間にわたり、様々な線量で、IL-1αの増大した濃度を実証し、385nmの光は、30J/cmで、IL-1αの増大した濃度を実証し、625nmの光は、IL-1αの濃度に対して影響がないようであった。この点に関し、より短いピーク波長を持つ、ある特定の線量の光は、IL-1αの増大した発現を有益に提供し得る。特に、425nmまたは410nmから440nmの範囲または415nmから435nmの範囲の、より短い可視ピーク波長による光処置プロトコールは、可視光スペクトルよりも低い、より短いピーク波長に関連した細胞毒性の懸念を低下させた状態で、IL-1αの濃度を安全に増大させるために施用されてもよい。ある特定の実施形態で、細胞毒性を低減させた状態でIL-1α濃度を安全に増大させるための本開示の原理は、385nmから450nmの範囲のピーク波長による光処置プロトコールを含んでいてもよく、種々の線量が、使用される特定のピーク波長に基づいて投与される。たとえば、385nm付近のピーク波長の光は、425nmまたは450nmのピーク波長の光と比較して、より小さい相対線量で投与されてもよい。
[00548]図90Eは、照射されていない対照組織試料と比較した、光の385nm、425nm、および625nmの波長に応答した、AIR-100組織におけるIL-1βの誘発発現を示すチャート9040である。図示されるように、425nmの光はIL-1βの増大した濃度を実証し、一方、385nmおよび625nmの光は影響を及ぼさないようであった。この点に関し、425nmまたは410nmから440nmの範囲または415nmから435nmの範囲などのより短い可視ピーク波長による光処置プロトコールは、IL-1α(たとえば、図90C)およびIL-1βの両方の濃度を安全に増大させるように施用されてもよい。上述のように、細胞毒性を低減させた状態でIL-1αおよびIL-1βの両方の濃度を安全に増大させるための本開示の原理は、385nmから450nmの範囲のピーク波長による光処置プロトコールを含んでいてもよく、種々の線量が、使用される特定のピーク波長に基づいて投与される。
[00549]図90Fは、照射されていない対照組織試料と比較して、385nm、425nm、および625nmの波長の光に応答したAIR-100組織におけるIL-6の誘発発現を示す、チャート9050である。特に、425nmの光が照射された組織は、対照組織およびその他の波長の光が照射された組織と比較して、照明後の全期間にわたってより低い濃度のIL-6を示した。たとえば、照明後3時間で、425nmの光が照射された組織は、500pg/mlよりも低いIL-6濃度を実証し、一方、対照を含むその他全ての試料は、1000pg/ml付近またはそれよりも高いIL-6濃度を測定した。照明後24時間で、425nmおよび385nmで照射された組織中のIL-6濃度は減少し続け、一方、対照および625nmの試料は増加し始めた。この点に関し、425nmまたは410nmから440nmの範囲または415nmから435nmの範囲または385nmから450nmの範囲などのより短い可視ピーク波長での光処置プロトコールは、IL-1α(たとえば、図90C)およびIL-1β(たとえば、図90E)の両方の濃度を安全に増加させるように、一方で負の患者の転帰の有病率の増大に関連し得るIL-6の濃度も減少させるように、施用されてもよい。
[00550]図90Gは、照射されていない対照組織試料と比較した、385nmおよび425nmの波長の光に応答したAIR-100組織におけるLDH-Bタンパク質の誘発発現を示す、チャート9060である。LDH-Bは、細胞代謝プロセスにおいてピルベートおよびラクテートの生成を媒介することが公知である。細胞外LDH-Bは、細胞ストレスの指標として働いてもよく、細胞内LDH-Bは、アポトーシスのサプレッサーとして働いてもよい。図90Gに示されるように、425nmの、線量が30J/cmの光で照射された組織は、8時間で組織を制御するために類似のLDH-B濃度を示し、一方、385nmの同等の線量の光および425nmのより高い線量の光は、より高いLDH-Bの濃度を実証した。照明後24時間で、高濃度のLDH-Bは、全ての光の波長で安定であるように見える。このように結果は、より高い線量の425nmの光および選択された線量の385nmの光が、より高い細胞ストレスを示し得るLDH-Bのより高い発現をもたらし得ることを示し、一方、より低い線量の425nmの光は、LDH-Bの増大した発現をもたらさない可能性があることを示す。さらに、より低い線量の385nmの光は、LDH-Bの低減した発現を示すことも予測され得る。
[00551]図90Hは、照射されていない対照組織試料と比較した、385nmおよび425nmの波長の光に応答したAIR-100組織におけるカスパーゼ-3の誘発発現を示す、チャート9070である。カスパーゼ-3は、細胞死およびアポトーシスに関連した活性プロテアーゼである。図90Hに示されるように、増大した濃度のカスパーゼ-3タンパク質は、385nmの光で照射された組織に関しておよび425nmの光のより高い線量に関して示された。30J/cmのより低い線量で、425nmの光で照射された組織は、対照組織の実験範囲内にあるカスパーゼ-3の濃度を示し、細胞死およびアポトーシスが425nmの光のある特定の線量で軽減することができることを示した。
[00552]まとめると、図90A~90Hに提示される実験結果は、425nmの光および対応する範囲の光が、IL-1αおよび/またはIL-1β分子を好ましく上方制御することができると共にIL-6分子を下方制御することができ、それによって所望の炎症性免疫応答が得られると共にサイトカインストームに関連したリスクも低減されることを実証する。さらに、そのような波長範囲での安全で有効な線量の光は、細胞および対応する組織でのアポトーシスを軽減しながら実現され得る。特定の実施形態では、安全で有効な線量の光は、鼻腔、口腔、喉、喉頭、咽頭、中咽頭、鼻咽頭、咽頭喉頭、気管、および/または食道を含めた上気道の1つまたは複数の組織に投与され得る。他の実施形態では、安全で有効な線量の光が、本明細書に開示される原理に従いその他の体組織に投与され得る。
[00553]適切な全線量(J/cm)に到達するよう光を投与したとき、波長、放射照度(W/cm)、および曝露時間の適切な組合せで、多数回の曝露で、J/cmを単位とする全線量をもたらすこれらの条件で、治療投与量の光を提供するのが重要とすることができる。
[00554]波長は、照射されている組織に対して安全であるべきであり、放射照度も同様に、組織に対して安全であるべきであり、理想的には、安全でない温度まで組織を加熱せず、累積曝露時間は、所望の臨床適用例に一致すべきである。一部の実施形態では、光を投与するのに使用されるデバイスは、光が安全な限界を超えないように、タイマー、アクチュエーター、線量計、および同様のものなどの投与される光の量を制御するための手段を含むことができる。
[00555]たとえば、光は理想的には、安全な投与量でおよびウイルスまたはその他の微生物を死滅させるのに有効な投与量で投与される。この点に関し、本開示の態様は、IC25(対照処置組織と比較したときに組織生存率を25%低減させるのに必要とされる濃度または線量)と、EC50(細胞レベルで定量されたように処置される特定の組織に関してウイルスまたはその他の微生物を50%死滅させるのに必要とされる線量)との比であって、2以上の比を提供する。本明細書に開示されるように、IC25/EC50比または分率は、安全で有効な光投与量を定量する光治療指数(LTI)と呼んでもよい。別の文脈では、in vitro設定において、CC50(細胞生存率を50%低減させる治療の濃度)と処置された細胞のEC50との比(即ち、選択性指数または「SI」)(即ち、選択性指数または「SI」)を考慮することができる。この比は、曝露された細胞または組織のタイプに応じて変わることになり、たとえば一部の細胞は、その他の細胞とは異なる耐性を酸化的損傷に対して有する。
[00556]ある特定の光処置プロトコールの有効性および安全性を評価するために、第I相および第I/II相臨床試験を、少なくとも図54A~54Eに示される構成5400に関して既に述べたような照明デバイス102を使用して実行した。図91は、臨床試験を含む、施術中の照明デバイス102の配置を実証する、部分断面図9100である。図示されるように、照明デバイス102のマウスピース4334は、ユーザーの上歯および下歯、特に使用者の切歯がマウスピース4334上に載るように、ユーザーの口腔内に位置決めされてもよい。この点に関し、マウスピース4334は、特定の組織、この場合は中咽頭9110および周囲組織の標的照明のために、光ガイド4332を位置決めする光ガイドポジショナーの少なくとも一部を形成してもよい。光ガイド4332の延長部であってもよい舌抑制器4900は、標的照明中にユーザーの舌を抑制する働きをしてもよい。施術中、照明デバイス102の発光体(複数可)120は、任意選択のレンズ4324を通過し、光ガイド4332を通過し、および標的方向で口腔内に入って中咽頭9110を照射する、光9120を提供してもよい。図91に示されるように、光9120は、光ガイド4332から出て行く破線矢印によって表される。光ガイド4332は、通常なら発光体(複数可)120のさらに近くに放出され得る任意の鋭く高い強度の光からもユーザーを遮蔽しながら、宿主組織への最終的な送出のためにレンズ4324内を伝送される光9120を成形してもよい。例として、光ガイド4332の出口での最大放射照度が176mW/cmである構成では、標的組織(たとえば、中咽頭9110)での放射照度が、ユーザーの口腔のサイズまたは深さに応じて70mW/cm未満または60mW/cm未満であってもよい。ある特定の実施形態では、光ガイド4332の形状およびサイズ、多数の発光体(複数可)120間の相対的間隔、および/またはレンズ4324の形状は、改善された光線均一性を持つ光を標的組織に提供するように構成されてもよい。例として、光9120の30mm直径のセンター光線が定められてもよく、この光9120には、標的組織に向けて最高強度が与えられている。30mm直径のセンター光線において、光線均一性指数が、式(最大放射照度-最小放射照度)/平均放射照度によって定義されてもよい。ある特定の実施形態では、光ガイド4332の構成および/または発光体(複数可)120の間隔は、0.5未満、または0.4未満、または0.15から0.35の範囲、または0.2から0.3の範囲の光線均一性指数を提供してもよい。ある特定の実施形態では、発光体120の隣接するもの同士の間隔は、様々な構成において2mm未満、または0.5mmから1.5mmの範囲、または1mm以下であってもよい。ある特定の実施形態では、光ガイド4332は、内径が20mmから30mmの範囲の円形の断面として配置構成されてもよく、照明デバイス102のヘッド部から測定された光ガイド4332の長さは、内径に類似したおよび/または重なり合う範囲で提供されてもよい。舌抑制器4900は、35mmから55mmの範囲または40mmから50mmの範囲の長さで設けられてもよい。上述の寸法は、照明デバイス102を、ユーザーの一般集団の95%の解剖学的構造に基づいて、中咽頭および周囲組織に対する安全かつ繰り返し可能な照射に向けて位置決めするように選択されてもよい。開示される原理は、その他のサイズのユーザーに順応するように、その他の寸法(より小さい、またはより大きい)に縮尺を合わせてもよい。
[00557]マウスピース4334および舌抑制器4900と組み合わせて、光ガイド4332を口腔内に配置構成して、図91の実施例における中咽頭9110などの解剖学的形体を繰り返し標的としてもよい。ある特定の実施形態では、光ガイド4332の少なくとも80%または少なくとも90%または少なくとも95%が、ユーザーの口腔内に挿入されるよう構成されてもよい。光ガイド4332および/または舌抑制器4900は、哺乳動物の体組織および/または体腔の上部および/または内部で使用するのに適した、任意の数の医療グレードのデバイス材料を含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、光ガイド4332および/または舌抑制器4900は、機械加工されても成型されてもよいポリフェニルスルホン熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。前述のように、光ガイド4332、舌抑制器4900、およびマウスピース4334のいずれかは、清浄化のために、および/または異なる構成および/またはサイズの1つまたは複数の光ガイド、舌抑制器、およびマウスピースであって異なる形状を持つものを照明デバイス102に取着するために、使用と使用の間で照明デバイス102から取外し可能であってもよい。第I相および第I/II相試験では、照明デバイス102は、ピーク波長が415nmから435nmの範囲にあり放射照度が47~57mW/cmの範囲にある光を、ユーザーの切歯から中咽頭9110の後壁まで測定された83mmの距離にある組織に提供するように構成された。83mmの距離は、ユーザーの集団の95%を含み得る、70mmから96mmの範囲の中間点を表す。光のUVA含量は2%未満であり、UVB/UVC含量が検出できなかった。処置当たりの対応する線量は、16J/cm+/-3J/cmに設定された。
[00558]図92は、図91に示される照明デバイス102による光処置の急性安全性および耐容性(たとえば、局所反応源性)を評価する、ヒト初回投与第I相試験をまとめた表9200を表す。第I相試験の場合、18才から45才の間の25名の健常者に、連続14日間の評価期間にわたり、少なくとも4時間の間隔を空けて1日2回の間隔で、一度に3分の投薬スケジュールでエネルギー密度9.2J/cmを投与した。安全性および耐容性を、ベースラインで、7および14日目に、ならびに介在する非来診日に、対象完結型の毎日の日記カードによりデータを収集することによって、積極的に評価した。包括的代謝パネル、ならびに示差を伴う全血球計算、尿分析、および妊娠試験を、スクリーニングおよび14日目に行った。メトヘモグロビンレベルの評価を全ての来診時に行った。対象を、クリニック内で、照明後少なくとも60分間観察した。照明部位を検査し、使用後反応源性評価を行い、任意の処置中に発生した有害事象(TEAE)および/または重篤な有害事象(SAE)を記録した。中咽頭および周囲組織を7および14日目に検査した。合計すると、対象は、毎週128J/cmの線量を受けていた。試験中、SAEは観察されず、実験室の知見に基づくTEAEは観察されず、ベースラインレベルを超えたメトヘモグロビンの有意な上昇は観察されなかった。この研究で求められた反応源性およびTEAEは、照明部位疼痛、紅斑、浮腫/硬結、頭痛、嚥下困難、吐き気、熱、および寒気を含んでいた。
[00559]表9200に示されるように、14名の研究対象は、合計で35のTEAEが報告された。報告された合計で35のTEAEの中で、29は、軽症またはグレード1と分類され、6は中等症またはグレード2と分類され、重症またはグレード3のTEAEは報告されなかった。さらに、TEAEの中で、試験における研究対象の参加に対して医学的介入または変更を必要とするものはなく、TEAEを理由として試験から撤退する研究対象はなかった。全てのTEAEは、持続時間が短いものであり、その回復は、典型的には同じ日または24時間以内に実現された。研究対象は、連続14日間にわたり照明デバイス102をほぼ12時間ごとに使用したので、研究の過程で照明デバイス102の使用および全てのTEAEに対して連続した時間的関連性があった。定義により、全ての局所部位反応は、照明デバイス102を原因とし;全ては一時的であり、繰り返される累積投与に関する増大した頻度の証拠はなかった。頭痛に関する集団ベースの疫学的データは、デバイス属性を確立するときに考慮された。一般成人集団の約40%には、毎週頭痛がある。研究で報告された頭痛の頻度が、集団ベースの疫学的研究で報告されたものより少ないとすれば、照明デバイス102との関係を決定することはできない。まとめると、図92にまとめた第I相試験は、在宅環境において意図されるように、安全に照明デバイス102を使用できることを実証した。
[00560]図93A~93Gは、COVID-19外来患者と共にSARS-CoV-2感染個体に関して、図91に示される照明デバイス102による光処置の安全性および有効性を評価するために、第I/II相試験をまとめたデータを表す。光処置は、偽対照と比較して、各線量群での時間対症状回復および対応するSARS-CoV-2ウイルス負荷の低減を評価する投与スケジュールまたはコホートで提供された。偽デバイスは、図91の照明デバイス102(本明細書では、能動的デバイスと呼ぶ)と外観およびユーザーの経験が同一になるように、しかし、SARS-CoV-2に対して有効ではないように既に試験がされている、より長いピーク波長およびより低いエネルギー密度<1J/cmの青色光を放出するように、設計された。より長い波長の物理的性質により、偽デバイスによって放出された光は、その外観を、能動的デバイス(たとえば、照明デバイス102)により放出された光と類似させることが可能になり、その結果、研究の二重盲検的性質が保存される。症状の発症から3日未満の症状で提示される、FDAの認可を受けたSARS-CoV-2抗原試験により診断されたSARS-CoV-2に感染した個体を、採用しかつコホート内の2つの処置アームに無作為化した。第1のアームでは、感染個体に対し、能動的デバイスによって128J/cmの合計線量(たとえば、有効線量)を与え、第2のアームでは、感染個体に偽線量を与えた。有効線量を受けた個体と偽線量を受けた個体との比は、約2:1であった。有効線量は、処置当たり5分で16J/cmを、1日に2回、4日間持続して送出した。部位は、複雑ではない軽症から中等症COVID-19を持つ基本的なリスクのある集団を反映する、標的集団を登録するように選択した。計画された非盲検中間解析を、終了後に実行し、安全性データを、SMC定款の下で運用される安全性モニタリング委員会(SMC)により検討した。
[00561]研究に関する組入れ基準は、FDAが承認したSARS-CoV-2抗原試験を使用して検出された、検診時またはその24時間以内に鼻スワブを介してSARS-CoV-2抗原に関して陽性であると試験され、COVID-19の徴候および症状の発症(CDCにより定義された)は長くても過去3日以内である、年齢18から65才の男性または非妊娠女性対象を含んでいた。参加基準は、対象がa)少なくとも38℃(100°F)の熱、または少なくとも2つの中等症もしくは重症の症状(咳、喉の痛み、鼻詰まり、頭痛、悪寒/汗、筋肉または関節痛、疲労、および吐き気)のいずれかをスクリーニング時に有する必要があった。対象は、プロトコールごとに、鼻咽頭スワブ、口咽頭スワブ、口内唾液の検体収集、および静脈血検体を収集することにも同意しなければならなかった。除外基準は、BMI≧36、または急性呼吸困難または差し迫った深刻な医学的転帰を示す症状COVID-19の徴候および症状を持つ、対象を含んでいた。COVID-19に関連した下記のより深刻な下気道、心臓、または神経学的徴候のいずれかを提示する潜在的研究対象は、即座になされる医学的ケアに差し向けられ、研究対象とはしなかった:熱>40℃(104°F)、喀痰生成のある咳、ラ音および/または水泡音、呼吸速度≧30/分により定義される呼吸困難または呼吸窮迫、心拍数≧125/分、海面での室内空気でSpO≦93%、またはPaO/FiO<300、胸の持続疼痛または圧迫、および錯乱。さらに、過去30日以内の全身抗ウイルス治療の履歴、またはスクリーニング時のB型肝炎表面抗原、C型肝炎ウイルス抗体、もしくはHIV-1抗体に関する最近の陽性試験結果(過去6カ月以内)を報告する対象を、除外した。安全性および耐容性(たとえば、局所反応源性)を、治験のための検診の1、2、3、5、および8日目に評価した。代謝、肝臓、および腎臓の安全性の実験室評価、ならびに尿分析を、スクリーニング時、および8日目、または来診の早期終了時(および潜在的に予定外の期間中)に行った。生物検体(たとえば、唾液および口喉頭スワブ)の分析を介した定量的ウイルス負荷によって測定された、処置応答の評価を、研究の1、3、5、および8日目または早期終了時に収集した。さらに、対象には、それらの自己評価されたCOVID-19の徴候および症状を、毎日2回、日記カードに記入するように指示した。8つの症状のそれぞれ(咳、喉の痛み、鼻詰まり、頭痛、悪寒/汗、筋肉または関節痛、疲労、および吐き気)を、なし(0)から重症(3)までの4点スケールでランク付けした。31名のボランティアがコホート研究に参加し、20名のボランティアが有効線量を受け、11名が偽線量を受けた。図93Aは、第I/II相臨床試験に関する研究集団の人口統計、および平均SARS-CoV-2ウイルス負荷、およびCOVID-19重症度スコアをベースラインで表す、表9300である。
[00562]様々な有効性の評価を利用して、COVID-19の徴候および症状の臨床的低減とそれに対応するLog10SARS-CoV-2ウイルス負荷の低減に対する、積極的処置の影響を調査した。症状の回復のエンドポイントを、ベースラインからのCOVID-19重症度スコアの変化と共に評価した。COVID-19重症度スコアは、全ての個々の症状の重症度スコアの合計を、評価した症状の総数(8)で割った値と定義した。ウイルス学的有効性評価は、1日目から8日目までのRT-qPCRによるベースラインからの唾液ウイルス負荷の時間荷重平均変化、各来診時のRT-qPCRによる唾液中の幾何平均ウイルス負荷、および各来診時のRT-qPCRによるウイルス負荷の低減≧95%を実証する対象の割合を含んでいた。口咽頭スワブを介してウイルス負荷を定量し、生きている複製競合ウイルスに関して喉培養物を滴定する、探索的有効性エンドポイントも行った。先進の生物検体サンプリングプログラムを実施して、上気道内のいくつかの場所でのおよび別々の唾液および口咽頭スワブ収集技法を介して、ウイルス負荷の一時的な変化を評価した。鼻咽頭スワブを、スクリーニング時に収集して、急速抗原試験を介してSARS-CoV-2を検証した。陽性と試験されかつI/E基準を満たす対象は、TCID50およびRT-qPCRを介した探索的エンドポイント評価に関して、対応する口咽頭スワブと共に、1、3、5、および8日目にRT-qPCRを介した有効性に関して唾液試料を提供した。口腔内のSARS-CoV-2ウイルス負荷を評価するための唾液収集技術の最近の進歩は、能動的デバイスの有効性を評価する非侵襲的方法を提供した。唾液は、FDAからEUAステータスが最近与えられたDNA GenotekのOmnigene口内収集デバイス(OME-505)を使用して収集した。SARS-CoV-2 RNAを唾液から調製し、CDC指針に相応しい検証済みプロトコールを使用してCLIA認証済み実験室でRT-qPCRによって分析した。実時間RT-qPCRを、SARS-CoV-2ヌクレオカプシド遺伝子を標的とするCDCにより定められたN1およびN2プライマー/プローブのセットを使用して実行した。各患者からの生体材料の、首尾良くなされる収集/精製を確実にするために、RNase Pを検出するひと組のCDCで定められたプライマー/プローブを、内部対照として含めた。コピー/mlとして報告されたSARS-CoV-2データは、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)から得られた合成RNAを使用して、RT-qPCR中に作成された標準曲線に基づいて決定された。31名のうち28名の対象全体にわたり10から10mRNAコピー/mlに及ぶベースラインSARS-CoV-2ウイルス負荷は、無作為化後の唾液RT-qPCRを介して陽性と確認された。
[00563]図93Bは、第I/II相臨床試験中の、唾液中のSARS-CoV-2ウイルス負荷を示すチャート9310である。結果は、全ての対象に関する、SARS-CoV-2 N1コピー/ml、平均±SEMの、RT-qPCR分析を含んだ。結果を、1日目のベースラインの来診から、ならびにやはり3、5、および8日目に収集した。図示されるように、能動的デバイスから有効線量を受けた個体は、1日目のベースラインの来診と8日目との間で、唾液中のSARS-CoV-2ウイルス負荷の約99.9%の平均低減を経験した。偽処置対象は、事実上、算術平均の比較により、ベースラインからの変化を見なかった。
[00564]図93Cは、陽性ベースライン値を持つ全ての対象の、Log10SARS-CoV-2ウイルス負荷のベースラインからの平均変化を示すチャート9320である。有効線量処置群に関する8日目のベースラインからの平均変化は、偽処置群の場合の-1.81と比較して、-3.29であり、デルタ(Δ)は-1.48Log10ウイルス負荷であった。好ましい分離が、より低いウイルス負荷を持つ対象により主に推進されなかったことを確認するために、ベースラインで≧10の対象にのみ関するウイルス負荷の平均変化を評価し、有効線量で処置した対象で観察された低減が実際にはより高く、この集団での偽処置対象と比較して分離が増大した(Δが-3.1)ことを実証した。事前に指定された主な有効性エンドポイントは、8日目のベースラインからの、RT-qPCRによるlog10変換ウイルス負荷の時間荷重平均(TWA)変化と定義され、このTWAは台形規則を使用して誘導され、能動的デバイスからの各有効線量は、共変量としてlog10スケール上のベースラインのウイルス負荷を持ち、独立変数として処置群を持つ、共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して、偽と比較した。積極的および偽処置アームの間の最小二乗平均差は、-0.48(p=0.294)の好ましい処置上の利益を示した。TCID50アッセイにより、生きている複製競合SATS-CoV-2を評価する探索的エンドポイントは、数個の陽性試料が、唾液および口咽頭スワブの収集物の組合せ(たとえば、7つが有効で3つが偽)から高いCt値(<25)を持つ検体でのみ存在することを明らかにした。両方のサンプリング技法により、積極的処置を受けた対象では観察可能な傾向があり、感染後3および5日で平均TCID50/ml値の減少を示したが、これと比較して同様の時点で偽デバイスを受けた対象では、減少がほとんどまたは全くなかった。
[00565]口咽頭検体を、SARS-CoV-2 RNAを測定するためにRT-qPCRを介して評価した。図93Dは、第I/II相臨床試験に関して日ごとののLog10SARS-CoV-2ウイルス負荷有効性データ(平均±SE)をまとめた表9330である。N2プライマー-プローブのセットを使用して得られたデータは、N1唾液データと強力に相関した(ピアソンのrは0.992)。ベースラインからの平均変化は、8日目までに有効線量を受けた対象において約3logの減少を示し、偽線量を受けた対象と比較したときに1 logの改善があった。
[00566]全体として、種々のサンプリング技法および種々の技術的アッセイによってウイルス負荷を評価することにより、偽デバイスを利用した対象と比較して、能動的デバイスを利用する対象のウイルス負荷が一貫して減少する有効性の傾向が実証された。能動的デバイスの臨床上の利益を正確に評価するため、試験エントリー基準は、中等症(2)またはそれよりも高いスコアを持つ少なくとも2つの症状に関し、COVID-19関連の症状に関して最小ベースラインの重症度スコアを含んでいた。対象は、それらの症状を毎日2回、1週間持続する研究期間中、日記カードに記録した。
[00567]排除されるまでまたはほぼ排除されるまでの時間を評価するために、患者が報告した症状が軽減するまでのメジアン時間を評価する2次的有効性エンドポイントは、8つ全ての症状(咳、喉の痛み、鼻詰まり、頭痛、悪寒/汗、筋肉または関節痛、疲労、および吐き気)が対象によってなし(0)または軽症(1)と評価された時間と定められた。研究の終わりに、積極的処置群の患者の85.0%は、偽処置群の患者の81.8%と比較して、明らかなまたはほぼ明らかな応答を得た。Kaplan-Meier解析から、積極的処置群は、偽処置群に関する95.5時間(95%信頼区間[38.7、167.3])と比較して、排除されるまでまたはほぼ排除されるまでの時間に関するメジアン値、76.0時間(95%信頼区間[49.5、117.7])を実証した。このことは、偽処置対象と比較して、排除されるまでまたはほぼ排除されるまでのメジアン時間の19.5時間の減少をもたらす積極的処置に該当する。Logランク検定は、このエンドポイントにおいて処置群間で非有意差を示した。
[00568]別の解析測量は、持続した臨床的回復までの時間であり、持続回復は、事前に指定された閾値よりも高い重要なCOVID-19関連の症状が臨床上意味のある期間にわたって存在しない場合に、生ずると定義され得る。図93Eは、第I/II相臨床試験に関する症状の持続回復のための事象解析までのKaplan-Meier時間を示すチャート9340である。症状が緩和するまでのメジアン時間の症状の定義の持続回復は、8つの症状の全てが対象によってなし(0)または軽症(1)と評価されたときまで測定され、軽症(1)よりも高いレベルで1つの症状も再発しなかった。第I/II相臨床試験の終わりに、積極的処置群の患者の85.0%は、偽処置群の患者の54.6%と比較して、完全な回復が得られた。積極的処置群に関するKaplan-Meier解析から、回復が完了するまでの時間に関するメジアン値は、104.2時間(95%信頼区間[69.3、131.4])であり、これと比較して偽処置群に関しては161.4時間(95%信頼区間[38.7、推定不可能])であり、積極的処置群に関して実現された完全な回復までのメジアン値の57時間の減少に該当した。
[00569]この31名の患者の研究は、Log-Rank検定の下、群有意性試験間で推進されなかったが、積極的処置群は、偽群よりも(p値=0.046)、持続的回復まで著しく短い時間をもたらすことが実証された。処置およびベースラインの両方の症状の重症度スコアが含まれるとき、コックス比例ハザードモデルを使用して、推定されたハザード比は0.363(95%信頼区間[0.137、0.958])であり、積極的処置群は偽群(p値=0.041)よりも、持続的回復までに著しく短い時間を有していた。
[00570]図93Fは、積極的および偽処置群の間の第I/II相臨床試験におけるその他の重要な有効性の観察をまとめた表9350である。図示されるように、数多くの有効性評価は独立して、図91に示される照明デバイス102を使用して積極的処置の利益を実証する。たとえば、全ての症状の完全なクリアランスを持つ対象の数および疾患が悪化した対象の数は、共に実証可能に、持続的な症状の回復まで統計的に有意な時間を持つ能動的デバイスを支持する。
[00571]第I/II相臨床試験での主要な安全性対策には、デバイス関連のSAE、または重症度グレード2以上のデバイス関連TEAEのシステム次数分類クラスター化パターンがなかった。TEAEは、口咽頭および/または口内粘膜反応(疼痛、発赤、腫脹)の存在を含んでいた。安全性および耐容性(局所反応源性)を、必要に応じて、潜在的なTEAEおよび標的身体検査を検討することによって各来診の際に積極的に評価した。代謝、肝臓、腎臓、および血液学的研究評価を、ベースラインおよび8日目または早期終了時(および潜在的には予定外の間)の来診時に行った。メトヘモグロビン評価は、ベースラインおよび8日目に行った。重要な安全性観察は、処置過程の全体を通して任意の研究対象において、報告されたまたは観察された局所口咽頭または口内粘膜反応を含まない。デバイスは十分耐容性があり、ボランティアは、デバイス使用の難しさがないことおよびデバイスの故障がないことを報告した。検査標準の範囲外にある、メトヘモグロビンを含む臨床検査値は、なかった。TEAEを示す臨床観察はなかった。入院または急性医療介入の必要性はなく、研究からの撤退ななかった。
[00572]研究中のCOVID-19の徴候および/または症状の出現または悪化は、有効性エンドポイント(たとえば、疾患の重症度)対TEAEとして文書化された。COVID-19の徴候および症状に関する登録基準を満たす研究対象は、まだCOVID-19疾患の発病の段階にあり、スクリーニングで現れない追加のCOVID-19の徴候および症状が、かなりの確率で出現する可能性があった。したがって、研究3日目までのおよび3日目を含む時間枠は、新しいCOVID-19関連の徴候および症状として文書化され、疾患重症度ソース文書に記録された。研究4日目にまたはその後に最初に生じた新しいまたは悪化した徴候および症状を、TEAEとして文書化した。図93Gは、第I/II相臨床試験に関して4日目にまたはその後に生じたベースラインよりも高い重症度のレベルに達する、任意の日記症状スコアの発生率および重症度を実証する、表9360である。表9360のデータ以外に、局所施用部位反応を含むその他のTEAEは、研究の過程にわたって観察されなかった。
[00573]本開示の他の実施形態では、光治療的光処置は、UVA(320~400nm)、UVB(280~320nm)、および/またはUVC(200~280nm)の波長で投与され得る光を含んでいてもよい。これらの中で、UVC(波長200~280nm)が最も殺菌力があると考えられる。UVCは、微生物中のRNAおよびDNA塩基によって吸収され、2つの隣接するピリミジンの光化学融合を引き起こして共有結合ダイマーをもたらし、次いでそれが不対合塩基になる可能性がある。UVBは、ピリミジンダイマーの誘発を引き起こすこともできるが、UVCほど効率的ではない。UVAは、DNAおよびRNAによって弱く吸収され、ピリミジンダイマーを誘発させるのにUVCおよびUVBよりもはるかに有効ではなく、反応性酸素種の生成を通して追加の遺伝的損傷を引き起こすと考えられ、そのことが塩基の酸化およびストランドの破壊を引き起こす。
[00574]一酸化窒素は抗菌剤であることも公知である。一酸化窒素(NO)が様々な細胞内病原体を死滅させその複製を阻害する厳密なメカニズムは、完全に理解されていない。しかしながら、システインプロテアーゼが標的とされるようである。NOは、ある特定のウイルスプロテアーゼの活性部位でシステイン残基をS-ニトロシル化し、プロテアーゼ活性を阻害し、ウイルスのライフサイクルを妨げる。システインプロテアーゼは、多くのウイルス、細菌、および寄生虫の病原性または複製に極めて重要であり、NOの生成および放出を使用して微生物感染を処置することができる。したがって一部の実施形態では、光は、内因性NO生成および/または放出を高めるのに有効な波長で投与される。これらの波長について、以下により詳細に論じる。
[00575]他の実施形態では、光は、炎症を低減させる波長で投与される。ウイルス感染後、ウイルスが肺に入って行くと、対象はしばしば、気管支炎および肺炎を含む細菌性呼吸器感染症に罹患する。2次細菌感染症は、気管支および肺の内側を覆う細胞をウイルスが破壊したときに、通常は鼻および喉に住む細菌が創出された経路に沿って肺に侵入したときに、引き起こされる可能性がある。ウイルス感染症は、「サイトカインストーム」も引き起こす可能性があり、体内の免疫系が過剰反応し、免疫細胞および炎症性分子を急速に放出する。このことは、重篤な炎症をもたらす可能性がある。肺、特に気管支における流体の蓄積は、2次感染の機会を増大させる。
[00576]一酸化窒素は、様々なニトロソ化生化学構造上に、内因性に貯蔵される。必要とされる励起エネルギーを受けた後、ニトロソおよびニトロシルの両方の化合物は、S-N、N-N、またはM-N結合の溶血切断を受け、その結果、フリーラジカル一酸化窒素が得られる。ニトロソチオールおよびニトロサミンは光活性であり、光誘起されて波長特異的励起により一酸化窒素を放出することができる。
[00577]NOは、最大約500ミクロン距離まで、哺乳動物組織に拡散し得ることが報告されている。ある特定の実施形態では、第1のエネルギーhν1の光子が組織に供給されて、NOの酵素発生を刺激し、その結果、第1の拡散ゾーン1でのNOの内因性貯蔵が増大し得る。第2のエネルギーhν2の光子は、第1の拡散ゾーン1の内部またはそれに重なる領域の組織に供給されて、内因性貯蔵からのNOの放出を誘起させ、それによって第2の拡散ゾーン2が創出され得る。あるいは、またはさらに、第2のエネルギーhν2の光子は、NOの酵素発生を刺激するように供給されて、第2の拡散ゾーン2におけるNOの内因性貯蔵を増大させ得る。第3のエネルギーhν3の光子は、第2の拡散ゾーン2の内部またはそれに重なる領域の組織に供給されて、内因性貯蔵の放出を誘起させ、それによって第3の拡散ゾーン3を創出し得る。あるいは、またはさらに、第3のエネルギーhν3の光子は、NOの酵素発生を刺激するように供給されて、第3の拡散ゾーン3内のNOの内因性貯蔵を増大させ得る。ある特定の実施形態では、第1、第2、および第3の拡散ゾーン1~3は、外側表皮面に対して種々の平均深さを有していてもよい。ある特定の実施形態では、第1の光子エネルギーhν1、第2の光子エネルギーhν2、および第3の光子エネルギーhν3が、種々のピーク波長で供給されてもよく、これら種々のピーク波長は哺乳動物の皮膚に種々の深さまで浸透する可能性があるが、それはより長い波長が典型的にはより大きな浸透深さを提供するからである。ある特定の実施形態では、増大した波長の光の逐次または同時の衝突は、通常なら単一(たとえば、長い)波長の光を使用して得ることができる場合よりも、哺乳動物の組織内で一酸化窒素拡散ゾーンをより深く「押す」働きをし得る。
[00578]一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させるように一酸化窒素の酵素発生を刺激する、第1のピーク波長および第1の放射フラックスを有する光を、本明細書では内因性貯蔵増大光またはES増大光と呼んでもよい。内因性貯蔵から一酸化窒素を放出する、第1のピーク波長および第1の放射フラックスを有する光を、本明細書では内因性貯蔵放出光またはES放出光と呼んでもよい。抗炎症効果を有する光を、本明細書では抗炎症光と呼んでもよい。
[00579]ある特定の実施形態では、抗炎症効果をもたらす1つのピーク波長を、ES放出光のピーク波長および/またはES増大光のピーク波長と組み合わせて含む、2つまたは3つのピーク波長で光が使用される。他の実施形態では、ES増大またはES放出光の代わりにまたは加えて、UVA、UVB、またはUVC範囲の1つまたは複数の波長の光が使用される。
[00580]本開示の実施形態は、様々なウイルス感染症を処置するのに使用されてもよい。代表的なウイルスには、ベータコロナウイルス(SARS-COV-2およびMERS-COV)、コロナウイルス、ピコルナウイルス、インフルエンザウイルス(AおよびB)、風邪、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、アデノウイルス、パラインフルエンザ、レジオネラ症、ライノウイルス、Epstein-Barrウイルス(EBV)(ヒトヘルペスウイルス4としても公知である)、およびSARSが含まれる。気管支、副鼻腔炎、および/または肺炎を引き起こす、呼吸器感染症に関連付けられるウイルスに加え、ヒトパピローマウイルス(HPV)は、ある特定の咽喉がんおよび喉頭パピローマに関連付けられる。下記は、ウイルスのリストであり、その1つまたは複数は、ウイルス粒子が口、鼻、または耳を通して体内に進入し、呼吸器系または胃腸管に移動したときに感染をもたらす可能性があり、またはそれらが口、鼻、または耳に位置付けられたときに感染を引き起こす可能性がある:アルファウイルス属を含むトガウイルス科(Togaviridae)、その例にはチクングニア(Chikungunya)、セムリキ森林(Semliki Forest)、東部馬脳炎(Eastern equine encephalitis)、ベネズエラ馬脳炎(Venezuelan equine encephalitis)、および西部馬脳炎(Western equine encephalitis)が含まれる;カルジオウイルスおよびレオウイルス属を含むレオウイルス科(Reoviridae)、その例にはレオおよびロタウイルスが含まれる;オルソポックスウイルス属を含むポックスウイルス科(Poxviridae)、その例には、牛天然痘およびワクシニアが含まれる;エンテロウイルス、カルジオウイルス、およびライノウイルス属を含むピコルナウイルス科、その例にはエンテロウイルス71、ポリオウイルス1型、ポリオウイルス3型、脳心筋炎(Encephalomyocarditis)、およびECHO 12が含まれる;フレボウイルス属を含むフェヌイウイルス科、その例にはサシチョウバエ熱、ハートランド、プンタトリー(Punta Tory)、ZH501、およびMP-12ウイルスが含まれる;モルビリウイルス、レスピロウイルス、およびニューモウイルス属を含むパラミクソウイルス科、その例には麻疹、パラインフルエンザ、およびRSVが含まれる;アルファインフルエンザウイルスおよびインフルエンザウイルスB属を含むオルトミクソウイルス科、その例にはインフルエンザAおよびインフルエンザBが含まれる;単純ヘルペスウイルス属を含むヘルペスウイルス科、ヘルペスがその例であり、オルトハンタウイルス属を含むハンタウイルス科、その例はドブラバ(Dobrava)、ハンターン(Hantaan)、シンノンブレ(Sin Nombre)、アンデス(Andes)、およびマポラル(Maporal)である;コロナウイルスおよびベータコロナウイルス属を含むコロナウイルス科、その例には中東呼吸器症候群(MERS-CoV)、コロナ、窮迫性急性呼吸器症候群(SARS-CoV)、窮迫性急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)、およびCovid-19が含まれる;ノロウイルス属を含むカリシウイルス科;アレナウイルス属を含むアレナウイルス科、その例にはフニン(Junin)、タカリベ(Tacaribe)、ピキンデ(Pichinde)、およびリンパ球性脈絡髄膜炎が含まれ;およびマストアデノウイルス属を含むアデノウイルス科、その例はアデノウイルスである。本明細書に記述される方法は、上記列挙された個々のウイルス感染症を処置しまたは予防することも含む。
[00581]現在、RNAウイルスには5つの認識された目および47の科があり、多くの割り当てられていない種および属もある。RNAウイルスに関連するがRNAウイルスとは異なるものに、ウイロイドおよびRNAサテライトウイルスがある。
[00582]いくつかの主な分類群:レビウイルスおよび関連するウイルス、ピコルナウイルス、アルファウイルス、フラビウイルス、dsRNAウイルス、および-veストランドウイルス(-ve strand viruses)がある。
[00583]1本鎖プラス鎖RNAウイルスは、30ファミリーを持つRNAウイルスの単一の最大群である。これらの中に、3つの認められた群がある。ピコルナ群(ピコルナウイルス科)は、ビモウイルス、コモウイルス、ネポウイルス、ノダウイルス、ピコルナウイルス、ポティウイルス、オベモウイルス、およびルテオウイルスの下位集合(ビートウエスタンイエローウイルス(beet western yellows virus)およびジャガイモリーフロールウイルス)を含む。フラビ様群(Flavivirata)は、カルモウイルス、ジアントウイルス、フラビウイルス、ペスチウイルス、スタトウイルス、トムブスウイルス、1本鎖RNAバクテリオファージ、C型肝炎ウイルス、およびルテオウイルスの下位集合(オオムギ黄化萎縮ウイルス)を含む。アルファ様群(Rubivirata)は、アルファウイルス、カルラウイルス、フロウイルス、ホルデイウイルス、ポテックスウイルス、ルビウイルス、トブラウイルス、トリコルナウイルス、ティモウイルス、リンゴクロロティックリーフスポットウイルス、ビートイエローウイルス、およびE型肝炎ウイルスを含む。
[00584]アルファ様(Sindbis様)スーパーグループの、2つの提案される群に分割することが提案されてきた。「アルトウイルス」群は、アルファウイルス、フロウイルス、E型肝炎ウイルス、ホルデイウイルス、トバモウイルス、トブラウイルス、トリコルナウイルス、およびルビウイルスを含み、「ティポウイルス」群は、リンゴクロロティックリーフスポットウイルス、カルラウイルス、ポテックスウイルス、およびティモウイルスを含む。4、3、3、3、および1つの目をぞれぞれ含有する、1本鎖プラス鎖RNAウイルスの5つの群がある。これら14目は、31種のウイルス科(17科の植物ウイルスを含む)および48属(30属の植物ウイルスを含む)を含有する。アルファウイルスおよびフラビウイルスは、2つの科、トガウイルス科およびフラビウイルス科に分離することができる。この分析は、dsRNAウイルスが互いに密接に関係しておらず、代わりに4つの追加のクラス、ビルナウイルス科、シトウイルス科、パルチチウイルス科、およびレオウイルス科に属することも示唆しており、1本鎖プラス鎖RNAウイルスとして同じ亜門におけるプラスssRNAウイルスのクラスの1つの、1つの追加の目(トチウイルス科)に属することも示唆している。2つの大きな系統群があり:1つは、カリシウイルス科、フラビウイルス科、およびピコルナウイルス科を含み、第2はアルファテトラウイルス科、ビルナウイルス科、サイトウイルス科、ノダウイルス科、およびペルムトトレトラウイルス科(Permutotretraviridae)を含む。サテライトウイルスは、アルベトウイルス、アウマイウイルス、パパニウイルス、ビルトウイルス、およびサウトロウイルス科を含み、これはマクロノウイルス属を含むものである。2本鎖RNAウイルス(dsRNAウイルス)は12の科と、この群で認められたいくつかの割り当てられていない属および種を含む。この科は、アマルガウイルス科、ビルイナウイルス科、クリソウイルス科、シストウイルス科、エンドルナウイルス科、ヒポウイルス科、メガビルナウイルス科、パルチチウイルス科、ピコビルナウイルス科、ロタウイルスを含むレオウイス科、トチウイルス科、クアドリウイルス科を含む。ボチビルナウイルスは1つの属であり、割り当てられていない種は、ボトリチスポリRNAウイルス1、サーキュリファーテネルスウイルス1(Circulifer tenellus virus 1)、コレトトリクムカメリエフィラメントスウイルス1(Colletotrichum camelliae filamentous virus 1)、ククルビットイエロー関連ウイルス(Cucurbit yellows associated virus)、スクレロチニアスクレロチオルム衰弱関連ウイルス(Sclerotinia sclerotiorum debilitation-associated virus)、およびスピッシスチルスフェスチヌスウイルス1(Spissistilus festinus virus 1)を含む。プラスセンスssRNAウイルス(プラスセンス1本鎖RNAウイルス)は、3目および34科、ならびにいくつかの分類されていない種および属を含む。ニドウイルス目は、アルテリウイルス科、SARS-CoVおよびSARS-CoV-2などのコロナウイルスを含むコロナウイルス科、メソニウイルス科、およびロニウイルス科を含む。ピコルナウイルス目は、ジシストロウイルス科(Dicistroviridae)、イフラウイルス科(Iflaviridae)、マルナウイルス科(Marnaviridae)、ポリオウイルス、ライノウイルス(風邪ウイルス)、およびA型肝炎ウイルスを含むピコルナウイルス科(Picornaviridae)、下位ファミリーのコロノウイルス科を含むセコウイルス科(Secoviridae)、ならびにバシラリオルナウイルス(Bacillariornavirus)属、およびケルプフライウイルス種を含む。ティモウイルス目は、アルファフレキシウイルス科、ベータフレキシウイルス科を含む。
[00585]ガンマフレキシウイルス科、およびティモウイルス科。いくつかの科は、これらの目のいずれかに割り当てられておらず、これらには、アルファテトラウイルス科(Alphatetraviridae)、アルベルナウイルス科(Alvermaviridae)、アストロウイルス科(Astroviridae)、バルナウイルス科(Barnaviridae)、ベニウイルス科(Benyviridae)、ボツルミアウイルス科(Botourmiaviridae)、ブロモウイルス科(Bromoviridae)、ノーウォークウイルス(即ち、ノロウイルス)を含むカリシウイルス科(Caliciviridae)、カルモテトラウイルス科(Carmotetraviridae)、クロステロウイルス科(Closteroviridae)、黄熱ウイルス、西ナイルウイルス、C型肝炎ウイルス、デング熱ウイルス、およびジカウイルスを含むフラビウイルス科(Flaviviridae)、フサリウイルス科(Fusariviridae)、ヘペウイルス科(Hepeviridae)、ヒポウイルス科(Hypoviridae)、レビウイルス科(Leviviridae)オオムギ黄化萎縮ウイルスを含むルテオウイルス科(Luteoviridae)ポリシピウイルス科(Polycipiviridae)、ナルナウイルス科(Narnaviridae)、ノダウイルス科(Nodaviridae)、ペルムトテトラウイルス科(Permutotetraviridae)、ポティウイルス科(Potyviridae)、サルトロウイルス科(Sarthroviridae)、スタトウイルス、ルベラウイルス、ロスリバーウイルス、シンドビスウイルス、およびチクングニアウイルスを含むトガウイルス科(Togaviridae)、トムブスウイルス科(Tombusviridae)、およびビルガウイルス科(Virgaviridae)が含まれる。割り当てられていない属には、ブルナーウイルス(Blunervirus)、シレウイルス(Cilevirus)、ヒグレウイルス(Higrevirus)、イデオウイルス(Idaeovirus)、ネゲウイルス(Negevirus)、オウルミアウイルス(Ourmiavirus)、ポレモウイルス(Polemovirus)、シナイウイルス(Sinaivirus)、およびソベモウイルス(Sobemovirus)が含まれる。割り当てられていない種には、エンドウヒゲナガアブラムシウイルス(Acyrthosiphon pisum virus)、バストロウイルス(Bastrovirus)、ブラックフォードウイルス(Blackford virus)、ブルーベリーネクロティックリングブロッチウイルス(Blueberry necrotic ring blotch virus)、カジシストロウイルス(Cadicistrovirus)、チャラオーストラリスウイルス(Chara australis virus)、エキストラスモールウイルス(Extra small virus)、ゴジベリークロロシスウイルス(Goji berry chlorosis virus)、ハルモニアアキシリジスウイルス1(Harmonia axyridis virus 1)、ヘパリウイルス、(Hepelivirus)、ジングメンチックウイルス(Jingmen tick virus)、ルブランウイルス(Le Blanc virus)、ネジシストロウイルス(Nedicistrovirus)、タバコカスミカメウイルス1(Nesidiocoris tenuis virus 1)、ニフラウイルス(Niflavirus)、ニランデリアフルバウイルス1(Nylanderia fulva virus 1)、オルセイウイルス(Orsay virus)、ホネクイハナムシRNAウイルス1(Osedax japonicus RNA virus 1)、ピカリウイルス(Picalivirus)、プラナリアン分泌細胞ニドウイルス(Planarian secretory cell nidovirus)、プラスモパラハルステジイウイルス(Plasmopara halstedii virus)、ロセリニアネカトリックスフサリウイルス1(Rosellinia necatrix fusarivirus 1)、サントゥイユウイルス(Santeuil virus)が含まれる。セカリウイルス、ヒアリウイルス3(Solenopsis invicta virus 3)、および武漢大豚回虫ウイルス(Wuhan large pig roundworm virus)。
[00586]サテライトウイルスには、サルトロウイルス科、およびアルベトウイルス属、アウマイウイルス属、パパニウイルス属、ビルトウイルス属、および慢性ハチ麻痺ウイルス属が含まれる。6クラス、7目、および24科が、現在この群で認められている。いくつかの割り当てられていない種および属が、まだ分類されていない。
[00587]マイナスセンスssRNAウイルス(マイナスセンス1本鎖RNAウイルス)は、D型肝炎ウイルスを除き、単一の門、ネガルナウイルス門(Negarnaviricota)にあり、2つの亜門、ハプロウイルス亜門(Haploviricotina)およびポリプロウイルス亜門(Polyploviricotina)、4つのクラス、チュンチウウビリセテス(Chunqiuviricetes)、ミルネビリセテス(Milneviricetes)、モンジビリセテス(Monjiviricetes)、およびユンチャンビリセテス(Yunchangviricetes)にある。ポリプロウイルス亜門には2つのクラス、エリオビリセテス(Ellioviricetes)およびインストビリセテス(Insthoviricetes)がある。
[00588]同様にいくつかの割り当てられていない種および属がある。ネガルナウイルス門には、ハピロウイルス亜門(Haploviricotina)、チュンチウビリセテスのクラス(Class Chunqiuviricetes)、ムビレール目(Order Muvirales)、チンウイルス科(Family Qinviridae)が含まれる。ミネビリセテスのクラスは、セルペントウイルス目(Serpentovirales)およびアスピウイルス科(Aspiviridae)を含む。モンジビリセテス(Monjiviricetes)のクラスは、ジンチュウイルス目(Jingchuvirales)およびチュウイルス科(Chuviridae)を含む。モノネガウイルス目(Mononegavirales)は、ボルナ疾患ウイルスを含むボルナウイルス科(Bornaviridae)、エボラウイルスおよびマーブルグウイルスを含むフィロウイルス科(Filoviridae)、ミモナウイルス科(Mymonaviridae)、ニアミウイルス科(Nyamiviridae)、麻疹、おたふく風邪、ニパ、ヘンドラ、およびNDVを含むパラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、RSVおよびメタニューモウイルスを含むニューモウイルス科(Pneumoviridae)、狂犬病を含むラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、およびサンウイルス科(Sunviridae)、ならびにアンフェウイルス(Anphevirus)属、アーリウイルス(Arlivirus)属、チェンティウイルス(Chengtivirus)属、クルスタウイルス(Crustavirus)属、およびワストリウイルス(Wastrivirus)属を含む。ユンチャンビリセテス(Yunchangviricetes)のクラスは、勾践ウイルス(Goujianvirales)目およびユエウイルス科(Yueviridae)を含む。ポリプロウイルス亜門は、エリオビリセテス(Ellioviricetes)のクラス、ブンヤウイルス目(Bunyavirales)、およびラッサウイルスを含むアレナウイルス科(Arenaviridae)、クリリウイルス科(Cruliviridae)、フェラウイルス科(Feraviridae)、フィモウイルス科(Fimoviridae)、ハンタウイルス科(Hantaviridae)、ジョンウイルス科(Jonviridae)、ナイロウイルス科(Nairoviridae)、ペリブンヤウイルス科(Peribunyaviridae)、ファスマウイルス科(Phasmaviridae)、フェヌイウイルス科(Phenuiviridae)、トスポウイルス科(Tospoviridae)、ならびにチラピネウイルス属(Tilapineviridae)を含む。
[00589]インストビリセテスのクラスは、アーチキュラウイルス目(Articulavirales)、およびターストラップ(Taastrup)ウイルスを含むアムヌーンウイルス科(Amnoonviridae)、およびインフルエンザウイルスを含むオルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)を含む。デルタウイルス属は、D型肝炎ウイルスを含む。
[00590]特定のウイルスは、ベータコロナウイルス(SARS-CoV-2およびMERS-COV)、ライノウイルス、インフルエンザウイルス(インフルエンザAおよびBを含む)、パラインフルエンザを含む、気道の粘膜表面の感染に関連したものを含む。一般に、オルトミクソウイルスおよびパラミクソウイルスを処置することができる。
[00591]DNAウイルスは、その遺伝的材料としてDNAを有し、DNA依存的DNAポリメラーゼを使用して複製するウイルスである。核酸は通常、2本鎖DNA(dsDNA)であるが、1本鎖DNA(ssDNA)であってもよい。DNAウイルスは、ウイルスに関するバルチモア分類システムのグループ1またはグループIIのいずれかに属する。1本鎖DNAは通常、感染細胞内で2本鎖に拡張される。B型肝炎などのグループVIIウイルスはDNAゲノムを含有するが、それらはバルチモア分類によればDNAウイルスとは見なされず、むしろ、RNA中間体を通して複製されるので逆転写ウイルスと見なされる。天然痘、ヘルペス、および水疱瘡のような注目すべき疾患は、DNAウイルスによって引き起こされる。
[00592]いくつかは、環状ゲノム(バキュロウイルス科(Baculoviridae)、パポバウイルス科(Papovaviridae)、およびポリドナウイルス科(Polydnaviridae))を有し、一方その他は、線状ゲノム(アデノウイルス科(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、および一部のファージ)を有する。一部の科は、循環置換された線状ゲノム(ファージT4および一部のイリドウイルス科)を有する。その他は、共有結合により閉鎖された端部を持つ線状ゲノムを有する(ポックスウイルス科およびフィコドナウイルス科)。
[00593]ヘルペスウイルス目(Herpesvirales)および以下の科:アスコウイルス科(Ascoviridae)、アムプラウイルス科(Ampullaviridae)、アスファルウイルス科(Asfarviridae)、バキュロウイルス科(Baculoviridae)、フセロウイルス科(Fuselloviridae)、グロムブロウイルス科(Globuloviridae)、グッタウイルス科(Guttaviridae)、ヒトロサウイルス科(Hytrosaviridae)、イリドウイルス科(Iridoviridae)、リポトリクスウイルス科(Lipothrixviridae)、ニマウイルス科(Nimaviridae)、およびポックスウイルス科(Poxviridae)の順で3つの科の全てを含む、15の科が包封されている。
[00594]これらの中で、アロヘルペスウイルス科(Alloherpesviridae)、ヒトヘルペスウイルスおよび水痘帯状疱疹ウイルスを含むヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、およびヒトアデノウイルス感染を引き起こすウイルスを含むアデノウイルス科(Adenoviridae)、およびマラコヘルペスウイルス科(Malacoherpesviridae)を含むヘルペスウイルス目(Herpesvirales)は、脊椎動物に感染する。
[00595]アフリカ豚熱ウイルスを含むアスファウイルス科(Asfarviridae)、イリドウイルス科(Iridoviridae)、パピロウイルス科(Papillomaviridae)、シミアンウイルス40、JCウイルス、およびBKウイルスを含むポリオーマウイルス科(Polyomaviridae)、および牛痘ウイルスおよび天然痘ウイルスを含むポックスウイルス科(Poxviridae)は、脊椎動物に感染する。アネロウイルス科(Anelloviridae)およびシロコウイルス科(Circoviridae)も動物(それぞれ哺乳動物および鳥類)に感染する。
[00596]スマコウイルス科(Smacoviridae)は、様々な哺乳動物の糞便から単離されたいくつかの1本鎖DNAウイルスを含み、この科には、6つの属、即ちボビスマコウイルス(Bovismacovirus)、コスマコウイルス(Cosmacovirus)、ドラグスマコウイルス(Dragsmacovirus)、ドロスマコウイルス(Drosmacovirus)、フキスマコウイルス(Huchismacovirus)、およびポルプリスマコウイルス(Porprismacovirus)を含む43種がある。環状ウイルス、ブラジルhs1およびhs2も、ヒトの糞便から単離された。ssDNAウイルスに関係のない群は、ウシの糞便に関連した環状ウイルスおよびチンパンジーの糞便に関連した環状ウイルスの種を含む。
[00597]動物ウイルスは、線状1本鎖DNAゲノムを有するパラボウイルス様ウイルスを含むが、パルボウイルスとは異なって、ゲノムは二分されている。この群は、胆膵管パルボ様ウイルスおよびリンパ系パルボ様ウイルスを含む。パルボウイルスは、哺乳動物を含む多様な動物種の生殖細胞系に頻繁に侵入した。
[00598]ヒト呼吸器関連PSCV-5様ウイルスが、気道から単離された。
[00599]本開示の実施形態は、様々な細菌感染を処置するのに使用されてもよい。処置することができる病原体の例には、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、A.バウマニ(Acinetobacter baumannii)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・ワルネリ(Staphylococcus warneri)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ミレリ/アンギノス(Streptococcus milleri/anginous)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci)、非結核性抗酸菌(nontuberculosis mycobacterium)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、バークホルデリア種、(Burkholderia spp.)、アクロモバクター・キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans)、パンドレアスプトルム(Pandoraeasputorum)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、アルカリゲネス・キシロソキシダンス(Alcaligenes xylosoxidans)、ヘモフィルス・ピットマニエ(Haemophilus pittmaniae)、セラチア菌(Serratia marcescens)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、薬物耐性カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・グイリエルモンディイ(Candida guilliermondii)、カンジダ・アウリス(Candida auris)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、クロコウジカビ(Aspergillus niger)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、モルガン菌(Morganella morganii)、インキリヌス・リモサス(Inquilinus limosus)、ラルストニア・マンニトリリチカ(Ralstonia mannitolilytica)、パンドレア・アピスタ(Pandoraea apista)、パンドレア・ノメヌサ(Pandoraea pnomenusa)、パンドレア・スプトラム(Pandoraea sputorum)、ブデロビブロ・バクテリオボラス(Bdellovibrio bacteriovorus)、気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)、バンピロビブリオ・クロレラボーラス(Vampirovibrio chlorellavorus)、A.バウマニ(Actinobacter baumanni)、キュプリアジダス・マテリデュランス(Cupriadidus metallidurans)、キュプリアビダス・パウキュラス(Cupriavidus pauculus)、キュプリアビダス・レスピラキュリ(Cupriavidus respiraculi)、デフチア・アシジボルダンス(Delftia acidivordans)、エキソフィリア・デルマチチディス(Exophilia dermatitidis)、ヘルバスピリラム・フリシンゲンス(Herbaspirillum frisingense)、ヘルバスピリラム・セロペジセ(Herbaspirillum seropedicae)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、パンドレア・ノリムベルゲンシス(Pandoraea norimbergensis)、パンドレア・パルモニコラ(Pandoraea pulmonicola)、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonasmendocina)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、ラルストニア・インシジオサ(Ralstonia insidiosa)、ラルストニア・ピケッティ(Ralstonia pickettii)、淋菌(Neisseriagonorrhoeae)、NDM-1陽性大腸菌(NDM-1 positive E. coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloaca)、バンコマイシン耐性E.フェシウム(Vancomycin-resistant E. faecium)、バンコマイシン耐性E.フェカリス(Vancomycin-resistant E. faecalis)、E.フェシウム(E. faecium)、E.フェカリス(E. faecalis)、クリンダマイシン耐性S.アガラクチエ(S.Clindamycin-resistant S. agalactiae)、アガラクチア菌(S. agalactiae)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、クロストリジウム・ディフィサイル(Clostridium difficile)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumonia)、モラキセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、ヘモフィラス・ヘモリティカス(Haemophilus haemolyticus)、ヘモフィラス・パラインフルエンザ(Haemophilus parainfluenzae)、肺炎クラミジア(Chlamydophilia pneumoniae)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、アトポビウム(Atopobium)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、サッカリバクテリア(Saccharibacteria)、レプトトリキア(Leptotrichia)、カプノサイトファーガ(Capnocytophaga)、オリバクテリウム(Oribacterium)、アクアバクテリウム(Aquabacterium)、ラクトアネロバキュラム(Lachnoanaerobaculum)、カンピロバクター(Campylobacter)、アシネトバクター(Acinetobacter)、アグロバクテリウム(Agrobacterium);ボルデテラ(Bordetella);ブレブンジモナス(Brevundimonas);クリセオバクテリウム(Chryseobacterium);デルフチア(Delftia);エンテロバクター(Enterobacter);クレブシエラ(Klebsiella);パンドレア(Pandoraea);シュードモナス(Pseudomonas);ラルストニア(Ralstonia)、およびプレボテラ(Prevotella)が含まれる。代表的な非結核菌(non-tuberculosis mycobacterium)には、マイコバクテリウム・アブセッサス(Mycobacterium abscessus)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラレ(Mycobacteriumintracellulare)、マイコバクテリウム・フォルツイタム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・ゴルドネ(Mycobacterium gordonae)、マイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobacterium kansasii)、マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(Mycobacterium avium complex)、マイコバクテリウム・マリナム(Mycobacteriummarinum)、マイコバクテリウム・テラエ(Mycobacterium terrae)、およびマイコバクテリウム・チェロニ(Mycobacterium cheloni)が含まれる。代表的なバークホルデリア種には、バクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、バークホルデリア・セパシア・コンプレックス(Burkholderia cepacia complex)、バークホルデリア・マルチボランス(Burkholderia multivorans)、バークホルデリア・セノセパシア(Burkholderia cenocepacia)、バークホルデリア・スタビリス(Burkholderia stabilis)、バークホルデリア・ベトナミエンシス(Burkholderia vietnamiensis)、バークホルデリア・ドロサ(Burkholderia dolosa)、バークホルデリア・アムビファリア(Burkholderia ambifaria)、バークホルデリア・アンチナ(Burkholderia anthina)、バークホルデリア・ピロシニア(Burkholderia pyrrocinia)、バークホルデリア・グラジオリ(Burkholderia gladioli)、バークホルデリア・ウボネンシス(Burkholderia ubonensis)、バークホルデリア・アルボリス(Burkholderia arboris)、バークホルデリア・ラテンス(Burkholderia latens)、バークホルデリア・ラタ(Burkholderia lata)、バークホルデリア・メタリカ(Burkholderia metallica)、バークホルデリア・セミナリス(Burkholderia seminalis)、バークホルデリア・コンタミナンス(Burkholderia contaminans)、およびバークホルデリア・ディフサ(Burkholderia diffusa)が含まれる。一部の実施形態では、細菌は薬物耐性であってもよく、これらの実施形態の一部の態様では、細菌が多剤耐性であってもよい。たとえば、細菌は、アミカシン、アズトレオナム、メチシリン、バンコマイシン、ナフシリン、ゲンタマイシン、アムピシリン、クロラムフェニコール、ドキシサイクリン、コリスチン、デラマニド、プレトマニド、クロファジミン、ベダキリン、および/またはトブラマイシンなどの抗生剤に対して耐性があってもよい。これらの細菌は、これらの薬物に対して耐性を発現させるが、しかしながら本明細書に記述される光治療ベースの手法に対しては耐性を容易に発現させることができない。
[00600]本開示の実施形態は、様々な真菌感染症を処置するのに使用されてもよい。処置することができる代表的な真菌感染症には、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、薬物耐性カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・ギリエルモンディイ(Candida guilliermondii)、カンジダ・アウリス(Candida auris)、カンジダトロピカリス(Candidatropicalis)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、および/またはアスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)が含まれる。
[00601]本明細書に記述される光送出方法は、口腔、耳道、喉、喉頭、咽頭、中咽頭、気管、および/または食道内の1つまたは複数の感染に関連した症状および感染を処置し、予防し、管理し、または重症度を低下させるのに、および/または対象の肺感染症を予防するのに、使用することができる。
[00602]一部の実施形態では、方法は、既存の微生物感染を光で処置することができ、この感染は、鼻腔を含む口腔内の粘膜表面にあり、肺まで進行しなかった。この点で、微生物感染はこれらの領域で局所的に処置されるが、肺感染症の感染後予防でもある。
[00603]一部の態様では、この処置(または感染後予防)は、一酸化窒素依存的メカニズムを介して運用され、他の実施形態では、一酸化窒素に依存しないメカニズムを介して運用される。さらに他の態様では、波長の組合せが使用され、したがって処置は、両方のタイプのメカニズムを含むようになる。
[00604]さらに他の実施形態では、微生物病原体に対する対象の先天性免疫応答をブーストさせるのに光を使用することにより、光への曝露によって感染が生じるのを防止する。
[00605]一部の態様では、免疫系のこのブーストは、一酸化窒素に依存するメカニズムを介して運用され、他の実施形態では、一酸化窒素に依存しないメカニズムを介して運用される。さらに他の態様では、処置が両方のタイプのメカニズムを含むように、波長の組合せが使用される。
[00606]一部の実施形態では、開示された方法では、光で微生物病原体を直接死滅させることによって感染を予防する。これらの実施形態では、光は微生物上で作用することができ、宿主のみではない。
[00607]さらに他の実施形態では、光治療を、本明細書に記述される抗菌剤と組み合わせて使用する。微生物感染のタイプに応じて、光治療を抗生剤、抗真菌剤、または抗ウイルス剤と組み合わせる必要があってもよい。一部の実施形態では、光治療の手法によって、微生物は抗菌化合物に対してさらに感受性が高くなる可能性があるので、併用治療は、単に付加的ではなく相乗的である。
[00608]一部の態様では、合理的に設計された光増感剤を可視光と共に使用して、任意選択でヨウ化カリウムなどの無機塩による増強作用を使用して、抗菌性光力学的不活化が行なわれる。代表的な光増感剤には、カチオン性ポルフィリン、クロリン、バクテリオクロリン、フタロシアニン、フェノチアジニウム色素、フラーレン、BODIPY-色素、ならびにいくつかの天然産物が含まれる。特定の例には、メソ-テトラ(N-メチル-4-ピリジル)ポルフィンテトラトシレート(TMP)、トルイジンブルーO、フォトフリン、およびメチレンブルー(MB)が含まれる。代表的な波長、光増感剤、および塩は、たとえばHamblinおよびA brahamse、Drug Dev Res. 2019;80:48-67に開示されている。
[00609]他の態様では、微生物細胞中に既に存在するポルフィリンは、青色または紫外光によって活性化され、これらの内因性光活性ポルフィリンの活性化は、微生物細胞を排除するのに有効である。
[00610]他の態様では、UVC光は、宿主哺乳動物細胞に損傷を与えることなく微生物細胞を死滅させることができる、200nmから230nmの間の波長で使用される。これらの波長は、多剤耐性細菌に対して有効にすることができ、光化学的経路は、耐性を誘発させない。さらに、局所化感染を、非侵襲的バイオルミネッセンス撮像によってモニターすることができる。
[00611]他の実施形態では、光治療は、感染に関連した炎症を減少させる働きをする。これらの実施形態の一部の態様では、微生物感染の根本的な原因の処置に加えまたはその代わりに、処置は症状緩和をもたらす。これらの実施形態の他の態様では、光治療は、増殖し分裂するプロセスの一部としてウイルスによって引き起こされた炎症を、減少させる。たとえば、伝達を増幅させるコロナウイルスによって使用されるNF-kBおよび/またはカスパーゼを、阻害することを含むことができる。
[00612]一部の実施形態では、「予防する(preventing)」という用語は、感染が生じるのを完全に防ぐことに関する。他の実施形態では、予防することは、曝露後予防(post-exposure prevention)(PEP)としても公知の曝露後予防(post-exposure prophylaxis)に関し、これは感染が生じるのを防ぐために病原体への曝露後に開始される予防的医療処置を指すものである。呼吸器感染の文脈において、曝露後予防は、口腔、耳道、喉、喉頭、咽頭、気管、および/または食道の感染後に、呼吸感染を予防することを指す。
[00613]方法では、1つまたは複数の波長の光を対象に、口腔、耳道、喉、喉頭、咽頭、口咽頭、気管、および/または食道に投与する。一部の実施形態では、波長は、抗菌的である。他の実施形態では、波長は、炎症を低減させまたは血管新生を増大させる。波長の組合せを使用することができ、波長は、連続的にまたは同時に投与することができる。
[00614]光は、耳道、口および鼻腔を含む口腔、および/または喉、食道、喉頭、咽頭、口咽頭、および気道、およびこれらの組合せに投与することができる。
[00615]一部の実施形態では、UVC光を使用して、コロナウイルスなどのウイルスによって引き起こされたものを含む微生物感染を、処置または予防する。200から400nmの全範囲が有効になり得る。他の実施形態では、UVBおよび/またはUVA光が使用される。約400から約430nmの波長も、ウイルスおよび細菌の両方に対して有効である。さらに、本明細書で論じるように、内因性一酸化窒素の生成または放出を促進させる光の波長を、使用することができる。これらの波長は、UVA/UVB/UVC波長とは異なる経路を介して抗菌的であってもよく、これらの波長の組合せは、経路の組合せを介して抗菌効果をもたらすように使用することができる。
[00616]ある特定の細菌感染、および全ての真菌感染は、胞子に関連する。ほとんどの医薬品は、胞子形態にない場合の細菌または真菌に対してのみ活性であるので、処置は長期間にわたって行わなければならず、したがって胞子は活性細菌/真菌になる可能性があり、その後、抗菌剤で処置することができる。
[00617]ある特定の波長の光は、活性細菌/真菌を死滅させるときだけではなく、胞子に対しても有効である。したがって、本明細書に記述される方法を使用して、処置の持続時間を短縮することができる。例として、結核またはNTM(非結核性マイコバクテリア感染)などの感染症の処置は、胞子が継続して存在するという多大な理由で、有効な処置のために1年程度行う。処置の持続時間はしばしば、不十分な患者のコンプライアンスをもたらす。本明細書に記述される方法は、これらの感染を、肺に至る前に死滅させるのに使用することができ、したがって処置時間、および抗生剤への長期曝露が最小限に抑えられる。
[00618]予防することができる肺感染症の例には、気管支拡張症感染、肺炎、バレー熱、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、人工呼吸器による肺炎、院内肺炎、市中肺炎、人工呼吸器による気管気管支炎、下気道感染、非結核性抗酸菌症、炭疽病、レジオネラ症、百日咳、気管支炎、細気管支炎、COPD関連感染症、および肺移植後が含まれる。ある場合には、予防される肺感染症は、1つまたは複数の細菌または真菌病原体による感染からもたらされたと考えられる。
[00619]肺感染症がCF関連肺感染症である場合、本明細書に記述される方法は、CF関連肺感染症を予防し、管理し、または重症度を低下させるのに使用することができる。
[00620]細菌性病原体は、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌とすることができ、細菌性バイオフィルムおよびプランクトン菌の1つまたは複数を含むことができる。
[00621]光は、バイオフィルムに侵入し破壊することができ、したがって細菌性バイオフィルムが存在する実施形態では、方法は、(1)細菌性バイオフィルムを低減させること、(2)細菌性バイオフィルムの成長を減じること、および(3)細菌性バイオフィルムの再形成を予防することを含むことができる。
[00622]さらに他の実施形態では、プランクトン真菌および/またはバイオフィルム真菌を含むことができる、真菌病原体が存在する。
[00623]本明細書に記述される方法は:細菌もしくは真菌病原体による感染の予防、または肺系に進入することができる前の細菌もしくは真菌病原体の低減、またはこれら組織において微生物を死滅させることによる口腔、耳道、および同様のものの感染の処置もしくは予防の1つまたは両方によって、肺感染症を予防し、管理し、または重症度を低下させるのに使用することができる。
[00624]本明細書に記述される光治療の手法を使用して死滅させることができる代表的な病原体には、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・ワルネリ(Staphylococcus warneri)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ミレリ/アンギノス(Streptococcus milleri/anginous)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、非結核性抗酸菌(nontuberculosis mycobacterium)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、バークホルデリア種(Burkholderia spp.)、アクロモバクター・キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans)、パンドレアスプトルム(Pandoraeasputorum)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、アルカリゲネス・キシロソキシダンス(Alcaligenes xylosoxidans)、ヘモフィルス・ピットマニエ(Haemophilus pittmaniae)、セラチア菌(Serratia marcescens)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・グイリエルモンディイ(Candida guilliermondii)、モルガン菌(Morganella morganii)、インキリヌス・リモサス(Inquilinus limosus)、ラルストニア・マンニトリリチカ(Ralstonia mannitolilytica)、パンドレア・アピスタ(Pandoraea apista)、パンドレア・ノメヌサ(Pandoraea pnomenusa)、パンドレア・スプトラム(Pandoraea sputorum)、ブデロビブロ・バクテリオボラス(Bdellovibrio bacteriovorus)、気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)、バンピロビブリオ・クロレラボーラス(Vampirovibrio chlorellavorus)、A.バウマニ(Actinobacter baumanni)、キュプリアジダス・マテリデュランス(Cupriadidus metallidurans)、キュプリアビダス・パウキュラス(Cupriavidus pauculus)、キュプリアビダス・レスピラキュリ(Cupriavidus respiraculi)、デフチア・アシジボルダンス(Delftia acidivordans)、エキソフィリア・デルマチチディス(Exophilia dermatitidis)、ヘルバスピリラム・フリシンゲンス(Herbaspirillum frisingense)、ヘルバスピリラム・セロペジセ(Herbaspirillum seropedicae)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、パンドレア・ノリムベルゲンシス(Pandoraea norimbergensis)、パンドレア・パルモニコラ(Pandoraea pulmonicola)、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonasmendocina)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、ラルストニア・インシジオサ(Ralstonia insidiosa)、ラルストニア・ピケッティ(Ralstonia pickettii)、淋菌(Neisseriagonorrhoeae)、NDM-1陽性大腸菌(NDM-1 positive E. coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloaca)、バンコマイシン耐性E.フェシウム(Vancomycin-resistant E. faecium)、バンコマイシン耐性E.フェカリス(Vancomycin-resistant E. faecalis)、E.フェシウム(E. faecium)、E.フェカリス(E. faecalis)、クリンダマイシン耐性S.アガラクチエ(S.Clindamycin-resistant S. agalactiae)、アガラクチア菌(S. agalactiae)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、クロストリジウム・ディフィサイル(Clostridium difficile)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumonia)、モラキセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、ヘモフィラス・ヘモリティカス(Haemophilus haemolyticus)、ヘモフィラス・パラインフルエンザ(Haemophilus parainfluenzae)、肺炎クラミジア(Chlamydophilia pneumoniae)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、アトポビウム(Atopobium)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、サッカリバクテリア(Saccharibacteria)、レプトトリキア(Leptotrichia)、カプノサイトファーガ(Capnocytophaga)、オリバクテリウム(Oribacterium)、アクアバクテリウム(Aquabacterium)、ラクノアネロバキュラム(Lachnoanaerobaculum)、カンピロバクター(Campylobacter)、アシネトバクター(Acinetobacter)、アグロバクテリウム(Agrobacterium);ボルデテラ(Bordetella);ブレブンジモナス(Brevundimonas);クリセオバクテリウム(Chryseobacterium);デルフチア(Delftia);エンテロバクター(Enterobacter);クレブシエラ(Klebsiella);パンドレア(Pandoraea);シュードモナス(Pseudomonas);ラルストニア(Ralstonia)、およびプレボテラ(Prevotella)が含まれる。
[00625]一般的な肺感染症には、吸入炭疽、百日咳(whooping cough)(百日咳(pertussis)としても公知であり、百日咳菌(Bordetella pertussis)によって引き起こされる)、レンサ球菌(streptococcus)(ニューモコッカス(pneumococcus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae))、結核菌(mycobacteria tuberculosis)および非結核性抗酸菌(Nontuberculous mycobacterial)(NTM)肺疾患(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス(MAC)、M.アブセッサス(M abscessus)、M.カンサシイ(M.kansasii)、M.マルモエンス(M.malmoemse)、M.スズルガイ(M.szulgai)、およびM.キセノピ(M.xenopi))を含むマイコバクテリアが含まれる。
[00626]本明細書に記述される光治療の手法は、従来の抗菌治療と組み合わせることができる。たとえば気道の部分を、感染症を処置しまたは予防するのに十分な期間にわたりかつ十分なエネルギーで、複数の波長の光に曝露することに加え、患者には、従来の抗菌剤を投与することもできる。従来の抗菌剤の例には、アミカシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、ピペラシリン、メズロシリン、チカルシリン、イミペネム、シプロフロキサシン、セフタジジム、アズトレオナム、チカルシリン-クラブラネート、ジクロキサシリン、アモキシリン、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、セファレキシン、ピペラシリン-タゾバクタム、リネゾリド、ダプトマイシン、バンコマイシン、メトロニダゾール、クリンダマイシン、コリスチン、テトラサイクリン、レボフロキサシン、アモキシリン、およびクラブラン酸、オーグメンチン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、セフジニル、セフプロジル、セファクロル、セフロキシム、エリスロマイシン/スルフィソキサゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、チゲサイクリン、イミペネム、メロペネム、コリスチメテート/コリスチン、メチシリン、オキサシリン、ナフシリン、カルベニシリン、アズロシリン、ピペラシリン、およびタゾバクタム/ゾシン、セフェピム、エタムブトール、リファムピン、およびメロペネムが含まれるがこれらに限定するものではない。
[00627]これらの抗生剤は、細菌毒素と結合するまたは吸着する化合物と組み合わせることもでき、これは細菌毒素が組織損傷をもたらす場合に特に有用とすることができる。例として、緑膿菌は、細胞溶解および組織損傷を宿主にもたらす様々な毒素を生成する。II型毒素は、真核細胞の細胞膜を分解して溶解をもたらすエキソトキシンU(Exo U)、細胞リン脂質に損傷を与えて組織損傷を引き起こしかつ炎症を刺激するホスホリパーゼC(PLC)、組織損傷をもたらすアルカリプロテアーゼ、白血球の細胞膜に損傷を与えかつ微小血管の損傷を引き起こすサイトトキシン、エラスチンを破壊するエラスターゼ、肺組織の成分であるタンパク質、およびピオシアニン、緑から青色の水溶性顔料であって、組織損傷毒性酸素ラジカルの形成を触媒し、毛様体機能を損なわせ、炎症を刺激するものを含む。これらの毒素を結合する化合物の例には、ポリフェノールおよびポリアニオン性ポリマーが含まれる。
[00628]抗真菌剤は、微生物が真菌である場合に同時投与することもできる。使用することができる代表的な抗真菌剤には、フルコナゾール、ポサコナゾール、ビロコナゾール、イトラコナゾール、エチノカンジン、アムホテリシン、およびフルシトシンが含まれる。適切な抗真菌剤の選択は主治医が行うことができ、下記は、真菌肺感染症およびその処置の概要である。
[00629]ヒストプラズマ症は、真菌ヒストプラズマ・カプスラタム(Histoplasma capsulatum)によって引き起こされ、従来の処置は、軽度慢性肺疾患に関してはイトラコナゾールを、および中等症から重症のヒストプラズマ症に関しては、イトラコナゾールと共にアムホテリシンB(AmB)を含む。
[00630]ブラストミセス症は、ブラストマイセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)によって引き起こされ、従来の処置は、軽症から中等症疾患に関するイトラコナゾールを含み、生命を脅かす肺感染症に関しては、イトラコナゾールの後のリポソームAmB(L-AmB)を含む。
[00631]スポロトリコーシスは、スポロトリックス・シェンキイ(Sporothrix schenckii)によって引き起こされ、軽症から中等症の肺疾患に関する従来の処置はイトラコナゾールを必要とし、それに対して、AmBの後のイトラコナゾールは、重症疾患に推奨される。
[00632]コクシジオイデス症は、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)およびコクシジオイデス・ポサダシイ(Coccidioides posadasii)によって引き起こされる。免疫能力がある感染宿主は処置を必要としなくてもよく、免疫不全患者は、フルコナゾールまたはイトラコナゾールで処置され、深刻な場合には、AmBの後にアゾールで処置される。日和見真菌感染は、主に、先天性または後天性疾患プロセスを経て免疫不全になる傾向を持つ患者で引き起こされる。代表的な日和見感染を、以下に論じる。
[00633]アスペルギロシスはアスペルギリ(Aspergilli)によって引き起こされ、関連ある障害には、侵襲性肺アスペルギロシス(invasive pulmonary aspergillosis)(IPA)、慢性壊死性アスペルギロシス(chronic necrotizing aspergillosis)、アスペルギルス腫、およびアレルギー性気管支肺アスペルギロシスが含まれる。IPAに関する従来の処置には、ボリコナゾール、脂質系AmB製剤、エキノカンジン、およびポサコナゾールが含まれる。
[00634]クリプトコックス症は、HIVまたはAIDS患者を含む免疫不全の個体および臓器移植レシピエントに見られる日和見感染である。従来の処置は、AmBを、フルシトシンありまたはなしで含み、その後、口内フルコナゾールが続く。軽症-中等症の症状を示す免疫抑制または免疫応答患者の場合、フルコナゾール治療が推奨される。
[00635]カンジダ症は、肺実質がカンジダ種によりコロニー化するようになったときに引き起こされる可能性がある。多くの重篤患者は、広域抗生剤で経験的に処置される。さらに、これらの症例の臨床的憎悪および改善の欠如は、経験的な抗真菌治療の開始を示唆する。トリアゾール抗真菌剤およびエキノカンジンは、優れた肺浸透を示し、したがってAmB製剤に加えて、肺カンジダ症を処置するのに使用することができる。
[00636]ムコール菌症はしばしば、糖尿病、臓器または造血幹細胞移植、好中球減少症、または悪性腫瘍の患者で生じる。肺ムコール菌症は主に、好中球減少症またはコルチコステロイドの使用の素因的状態を持つ患者で観察される。内皮細胞への真菌の接着および内皮細胞の損傷、真菌血管侵入、血管血栓症、および連続組織壊死に起因して、従来の抗真菌剤には、肺組織を経た侵入が困難な時間がある。この理由で、従来の処置は、壊死組織の清拭除去および抗真菌治療であって、AmB製剤、ポサコナゾール、および鉄キレート化治療を使用するものを含む。
[00637]ニューモシスチス・ジロベッチ(Pneumocystis jirovecii)肺炎(PCP)は、HIV/AIDS、血液および固形腫瘍、臓器移植、および免疫抑制剤を必要とする疾患の患者で生じる。PCPは、AmB製剤およびトリアゾール抗真菌剤を含む通常の抗真菌治療に対して極めて耐性があるが、トリメトプリム/スルファメトキサゾールで処置することができる。セカンドラインの薬剤はプリマキンに加えてクリンダマイシン、アトバクオン、IVペンタミジン、またはダプソンである。
[00638]本明細書で特定された抗真菌剤は、本明細書に記載される光治療の手法と同時に投与することができる。しかしながら光治療の使用は、そのような抗真菌処置の持続時間を短縮しおよび/または有効性を増大させることができる。患者がウイルス性肺感染症である場合、そのようなウイルスに使用される従来の抗ウイルス剤を、投与することができる。抗ウイルスの選択は、典型的には、処置されるウイルス感染症に依存する。インフルエンザウイルスは、典型的には、オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、またはペラミビル(ラピバプ)、およびRSVとリバビリン(ビラゾール)で処置される。コロナウイルスは、タミフル、リバビリン、ある特定の抗-HIV化合物、ある特定のインターフェロンであってベータフェロン、アルフェロン、マルチフェロン、およびウェルフェロンを含むものでも処置されている。
[00639]本明細書に記載されおよび/例示されるプロセスパラメーターおよびステップの順序は、単なる例として与えられ、望みに応じて変えることができる。たとえば、本明細書に例示されおよび/または記載されたステップは特定の順序で示されまたは論じられてもよいが、これらのステップは、例示されまたは論じられる順序で行うことを必ずしも必要としない。本明細書に記載されおよび/または例示される様々な例示的方法は、本明細書に記載されまたは例示されるステップの1つまたは複数を省略してもよく、または開示されたものに加えて追加のステップを含んでもよい。
[00640]前述の態様、および/または本明細書に記載される様々な個別の態様および特徴はいずれも、さらなる利点のために組み合わせてもよいことが企図される。本明細書に開示される様々な実施形態はいずれも、本明細書で反対の内容が示されない限り、1つまたは複数のその他の開示された実施形態と組み合わせてもよい。
[00641]当業者なら、本開示の好ましい実施形態の改善および修正が理解されよう。全てのそのような改善および修正は、本明細書および以下の特許請求の範囲に開示された概念の範囲内にあると見なされる。

Claims (58)

  1. 体腔内の組織に光を照射するように配置された少なくとも1つの光源であって、前記光が生物学的効果を誘起するように構成され、前記生物学的効果が、前記体腔内の1つまたは複数の病原体の濃度を変更することおよび前記体腔内の前記1つまたは複数の病原体の増殖を変更することのうち少なくとも1つを含む、光源、
    前記少なくとも1つの光源からの前記光を受容するように構成された光ガイド、ならびに
    前記体腔内の前記組織に前記光を提供するための前記光ガイドを固定するように構成された光ガイド位置決め材
    を含む、照明デバイス。
  2. 前記生物学的効果が、前記体腔内の前記1つまたは複数の病原体の前記濃度を変更することおよび前記体腔内の前記1つまたは複数の病原体の前記増殖を変更することの両方を含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  3. 前記1つまたは複数の病原体がウイルス、細菌、および真菌のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  4. 前記1つまたは複数の病原体がコロナウイルス科を含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  5. 前記コロナウイルス科がSARS-CoV-2を含む、請求項4に記載の照明デバイス。
  6. 前記生物学的効果が、前記体腔内の局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成の少なくとも1つを刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、および一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させることのうち少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  7. 前記生物学的効果が、前記体腔内の無細胞環境中の前記1つまたは複数の病原体を不活化することを含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  8. 前記生物学的効果が、前記体腔内の細胞関連環境中の前記1つまたは複数の病原体の複製を阻害することを含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  9. 前記光ガイド位置決め材が使用者の口腔の1つまたは複数の表面と係合するように構成されたマウスピースを含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  10. 前記マウスピースが前記光ガイドを保護し固定するための1つまたは複数の咬合ガードを含む、請求項9に記載の照明デバイス。
  11. 前記光を中咽頭に提供するために前記使用者の舌を押圧するように構成された舌圧子をさらに含む、請求項9に記載の照明デバイス。
  12. 前記舌圧子が前記光ガイドの一部によって形成されている、請求項11に記載の照明デバイス。
  13. 前記少なくとも1つの光源を含むハウジングをさらに含み、前記光ガイドおよび前記光ガイド位置決め材が前記ハウジングに除去可能に取り付けられるように構成されている、請求項1に記載の照明デバイス。
  14. 前記照明デバイスを充電することおよび前記照明デバイスに保存されたデータにアクセスすることのうち少なくとも1つのために構成されたポートをさらに含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  15. 前記光が410ナノメーター(nm)~440nmの範囲のピーク波長を含む第1の光の特徴を含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  16. 前記体腔内の前記組織に前記光を照射するステップが、1平方センチメートルあたり0.5ジュール(J/cm)~100J/cmの範囲の光量を投与するステップを含む、請求項1に記載の照明デバイス。
  17. 前記体腔内の前記組織に前記光を照射するステップが、2~250の範囲の光治療指数で光量を投与するステップを含み、前記光治療指数が、組織生存率を25%低減する用量濃度を前記1つまたは複数の病原体の細胞内パーセンテージを50%低減する用量濃度によって除したものとして定義される、請求項1に記載の照明デバイス。
  18. 前記光ガイドおよび前記光ガイド位置決め材が単一の分離できない構造を形成する、請求項1に記載の照明デバイス。
  19. 使用者の中咽頭の組織に光を照射して生物学的効果を誘起するように配置された少なくとも1つの光源であって、前記生物学的効果が、1つまたは複数の病原体の濃度を変更することおよび前記1つまたは複数の病原体の増殖を変更することのうち少なくとも1つを含む、光源、ならびに
    前記使用者の口腔の1つまたは複数の表面と係合して前記中咽頭に前記光を提供するように構成されたマウスピース
    を含む、照明デバイス。
  20. 前記生物学的効果が、前記1つまたは複数の病原体の前記濃度を変更することおよび前記1つまたは複数の病原体の前記増殖を変更することを含む、請求項19に記載の照明デバイス。
  21. 前記1つまたは複数の病原体がウイルス、細菌、および真菌のうち少なくとも1つを含む、請求項19に記載の照明デバイス。
  22. 前記1つまたは複数の病原体がコロナウイルス科を含む、請求項19に記載の照明デバイス。
  23. 前記コロナウイルス科がSARS-CoV-2を含む、請求項22に記載の照明デバイス。
  24. 前記生物学的効果が、局所免疫応答を上方制御すること、一酸化窒素の酵素的生成の少なくとも1つを刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、および一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させることのうち少なくとも1つをさらに含む、請求項19に記載の照明デバイス。
  25. 前記マウスピースが前記使用者の前記口腔を拡張するように構成されている、請求項19に記載の照明デバイス。
  26. 前記少なくとも1つの光源からの前記光を受容するように構成された光ガイドをさらに含む、請求項19に記載の照明デバイス。
  27. 前記マウスピースが前記光ガイドに除去可能に取り付けられるように構成されている、請求項26に記載の照明デバイス。
  28. 前記マウスピースおよび前記光ガイドが単一の分離できない構造を形成している、請求項26に記載の照明デバイス。
  29. 前記マウスピースが前記光ガイドを保護し固定するための1つまたは複数の咬合ガードを含む、請求項26に記載の照明デバイス。
  30. 前記光ガイドの一部が前記光を前記中咽頭に提供するために前記使用者の舌を押圧するように構成された舌圧子を形成する、請求項26に記載の照明デバイス。
  31. 前記光が410ナノメートル(nm)~440nmの範囲のピーク波長を含み、前記中咽頭の前記組織に前記光を照射するステップが、1平方センチメートルあたり0.5ジュール(J/cm)~100J/cmの範囲の光量を投与するステップを含む、請求項19に記載の照明デバイス。
  32. 前記1つまたは複数の病原体がコロナウイルス科を含み、前記中咽頭の前記組織に前記光を照射するステップが、2~250の範囲の光治療指数で光量を投与するステップを含み、前記光治療指数が、組織生存率を25%低減する用量濃度を前記1つまたは複数の病原体の細胞内パーセンテージを50%低減する用量濃度によって除したものとして定義される、請求項19に記載の照明デバイス。
  33. 光の特徴を有する光を発するように構成された照明デバイスを用意するステップであって、前記照明デバイスが、光源、前記光源からの前記光を受容するように構成された光ガイド、および使用者の口腔内に前記光ガイドの少なくとも一部を固定するように構成された光ガイド位置決め材を含む、ステップ、ならびに
    前記使用者の口腔から接近可能な組織に前記光を照射して生物学的効果を誘起するステップであって、前記生物学的効果が、前記組織内の局所免疫応答を変更することを含む、ステップ
    を含む方法。
  34. 前記組織が上気道の組織を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記局所免疫応答が炎症性免疫応答を含む、請求項33に記載の方法。
  36. 前記局所免疫応答を変更することが、炎症性免疫応答分子を上方制御することおよび下方制御することのうち少なくとも1つを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記炎症性免疫応答分子がサイトカインを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記サイトカインがインターロイキン1アルファ(IL-1α)分子、インターロイキン1ベータ(IL-1β)分子、およびインターロイキン6(IL-6)分子のうち1つまたは複数を含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記炎症性免疫応答分子を上方制御することおよび下方制御することのうち前記少なくとも1つが、前記IL-1α分子および前記IL-1β分子の1つまたは複数を上方制御する一方、前記IL-6分子を下方制御することを含む、請求項38に記載の方法。
  40. カスパーゼ3または乳酸脱水素酵素B(LDH-B)タンパク質の発現増大を伴わずに炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記光の特徴が385nm~450nmの範囲のピーク波長を含む、請求項33に記載の方法。
  42. 前記光の特徴が410nm~440nmの範囲のピーク波長を含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記光の特徴が5ミリワット(mW)~5000mWの範囲の放射フラックスを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記放射フラックスが5mW/cm~200mW/cmの範囲の照度を前記組織に提供するように構成されている、請求項43に記載の方法。
  45. 前記組織に照射するステップが、1平方センチメートルあたり0.5ジュール(J/cm)~100J/cmの範囲の光量を投与するステップを含む、請求項33に記載の方法。
  46. 前記光量が2J/cm~50J/cmの範囲である、請求項45に記載の方法。
  47. 前記生物学的効果が、体内の無細胞環境中の1つまたは複数の病原体を不活化すること、および前記体内の細胞関連環境中の前記1つまたは複数の病原体の複製を阻害することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
  48. 前記1つまたは複数の病原体がウイルス、細菌、および真菌のうち少なくとも1つを含む、請求項47に記載の方法。
  49. 前記生物学的効果が、一酸化窒素の酵素的生成の少なくとも1つを刺激して一酸化窒素の内因性貯蔵を増大させること、および一酸化窒素の内因性貯蔵から一酸化窒素を放出させることをさらに含む、請求項33に記載の方法。
  50. 光の特徴を含む光を発するように構成された光源を用意するステップ、および
    体内の哺乳動物組織に前記光を照射して生物学的効果を誘起するステップであって、前記生物学的効果が、前記哺乳動物組織中の炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御することを含む、ステップ
    を含む方法。
  51. 前記炎症性免疫応答分子がサイトカインを含む、請求項50に記載の方法。
  52. 前記サイトカインがインターロイキン1アルファ(IL-1α)分子、インターロイキン1ベータ(IL-1β)分子、およびインターロイキン6(IL-6)分子のうち1つまたは複数を含む、請求項51に記載の方法。
  53. 炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御することが前記IL-1α分子および前記IL-1β分子の1つまたは複数を上方制御する一方、前記IL-6分子を下方制御することを含む、請求項52に記載の方法。
  54. カスパーゼ3または乳酸脱水素酵素B(LDH-B)タンパク質の発現増大を伴わずに炎症性免疫応答分子を上方制御および下方制御するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
  55. 前記光の特徴が385nm~450nmの範囲のピーク波長を含む、請求項50に記載の方法。
  56. 前記光の特徴が410nm~440nmの範囲のピーク波長を含む、請求項55に記載の方法。
  57. 前記哺乳動物組織に照射するステップが、1平方センチメートルあたり0.5ジュール(J/cm)~100J/cmの範囲の光量を投与するステップを含む、請求項50に記載の方法。
  58. 前記生物学的効果が、前記体内の無細胞環境中の1つまたは複数の病原体を不活化すること、および前記体内の細胞関連環境中の前記1つまたは複数の病原体の複製を阻害することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
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