JP2022521838A - 伝播遅延認識スケジューリングを含む、産業用マシンツーマシン通信のためのワイヤレスtdmaスケジューリングの方法およびシステム - Google Patents

伝播遅延認識スケジューリングを含む、産業用マシンツーマシン通信のためのワイヤレスtdmaスケジューリングの方法およびシステム Download PDF

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Abstract

それぞれの通信リンクによる第1のノードと複数の第2のノードとの間のTDMAベースの通信システムにおけるスケジューリングの方法(100)である。上記方法は、各通信リンクのための伝播時間(PT.1~PT.n)を取得するステップ(102)と、2つの通信リンクの伝播時間(PT.1~PT.n)の最大差(MAXΔ)を求めるステップ(104)とを備える。上記方法はさらに、最大差が閾値よりも小さい場合、第1モードのスケジューリング(108,109)を選択するステップと、最大差が閾値よりも大きい場合、第2モードのスケジューリング(110,112,114)を選択するステップとを含む。第1モード(108~109)は、タイムスロットの各々に適用されるガード時間を選択するステップ(109)を含み、ガード時間は、最大差に基づく。第2モードのスケジューリング(110,112,114)は、伝播遅延認識的であり、それぞれの伝播時間(PT.k)に基づいて各第2のノードからの送信をスケジューリングするステップ(110)を含む。

Description

技術分野
本発明は、産業用モニタリングおよび制御の目的(たとえば、電力システムのモニタリングおよび制御、産業用製造設備におけるモニタリングおよび制御機器、ならびに/または、他の産業オートメーション制御およびモニタリングタスクの実行)での通信方法およびシステムなどの産業用通信に関する。特に、本発明は、TDMA通信のスケジューリングに関し、ワイヤレスおよびワイヤード通信に関連している。
背景技術および先行技術
産業用通信では、センサおよび/またはアクチュエータノードなどの多数のスレーブノードが、マスタノードなどの中央ネットワークコントローラまたはゲートウェイに接続される。多くの産業用途(たとえば、変電所オートメーション)では、スレーブノードは、マスタノードまでの距離がさまざまである位置に配置される。衝突を回避するための公知の方法は、ワイヤード通信システムを使用するというものであり、スレーブノードとマスタノードとの間の各通信リンクについて光ファイバ上で同一の長さを使用することにより、各スレーブノードのマスタノードへの送信時間が同一になる。このような解決策は、衝突の回避には有効であるが、費用効果に欠けている。ワイヤレス通信を使用することが代替案であり、同等に低いコストを提供することができるが、通信距離を等しくすることによる衝突の回避を提供することはできない。
ワイヤレスTDMAシステムにおいて衝突を回避する1つの方法は、さまざまなノードからのパケット間のガード時間を利用するというものである。ノードは、スロットで送信を行うようにスケジューリングされることができ、各スロットにおけるガード時間は、送信が後続のスロットにおける送信と干渉しないことを確実にする。このようなスケジューリングは、同等に単純であるが、ガード時間の使用は、ノード間の通信レイテンシに対して悪影響を及ぼす可能性がある。スロットと比較してガード時間が短ければ、レイテンシ全体に対するガード時間の悪影響は小さいであろう。ガード時間のサイズが同等、たとえば送信スロットの期間の20%またはそれ以上であれば、ガード時間はより大きな悪影響を及ぼすであろう。多くの場合、使用されるガード時間は、同等に小さい。たとえば大きなパケットの近距離送信に関連するWi-Fi(商標)通信システムでは、ガード時間は同等に小さく、たとえば、衝突を回避するためのガード時間は、送信時間の1%未満(100μs(マイクロ秒)の長いパケットを有する、および、1μsのガード時間を使用するなど)であってもよい。他の用途では、ガード時間の使用は、より大きな悪影響を及ぼす。
チェン等による論文「LDMAC:長距離UAVネットワークのための伝播遅延認識MACスキーム」(E1)には、時間制約が厳しいワイヤレス通信における伝播遅延の問題に対処することが記載されている。E1は、具体的には、基地局と複数のドローンまたは無人航空機(UAV)との間のワイヤレス通信に関連している。UAVと基地局との間の距離はさまざまであり、それによって伝播遅延が発生する。通信衝突を回避するために、E1では、「伝播遅延認識アクセススキーム」を使用することが提案されている(E1の要約を参照)。手短に言えば、ドローン(UAV)は、GPSユニットを備え、GPSを使用して基地局からのその距離および伝播遅延を求める(E1の第4.1章を参照)。次いで、ドローンは、通信についての到達時刻スロットを選択して、対応する送信時間を計算する。
E1の方法は、主にキロメートルなどの大きな距離を意図しており、この「伝播遅延認識スキーム」は、より狭い範囲の通信におけるガード時間の使用よりも複雑であり得る。
(E1における通信よりも)近距離の通信は、同様の衝突問題に見舞われる可能性がある。産業用途(たとえば、製造オートメーションまたは変電所オートメーション)では、同等の頻度で同等に短いパケットを送信する必要がある。センサからの情報を収集して制御データまたは設定をアクチュエータまたは制御ユニットに通信するパケットの通信は、約100ビットを備えるパケットで提供されてもよく、送信時間およびそれによるスロット期間は、約1μsであり得る。電波は、1μs間に約300m進むため、30メートル離れたノード間の衝突を回避するためのガード時間は、このような1μsの長さのタイムスロット期間の約10分の1であってもよい。
ワイヤード通信では、送信時間を等しくするためにさまざまな長さの光ファイバを使用することができる。ワイヤレス送信は、設置の点でより経済的であり得て、ガード時間の設定は、衝突を回避するための有効な方法であり得るが、ガード時間は、通信のサイクル時間全体に対して悪影響を及ぼすことによって問題を生じさせる可能性がある。ガード時間が各タイムスロットの約30%に及ぶと、通信サイクルの遅延が30%増加することになる。
低レイテンシに対する需要が高い産業用途では、ガード時間は短くすべきであるが、ガード時間を短くすることにより、衝突のリスクが増大する。E1のシステムに見られるような遅延認識スケジューリングを使用することは、衝突を回避しかつレイテンシを低く保つことができるが、衝突を回避するためにガード時間を使用することは、スケジューリングの複雑さを軽減できる可能性がある。
US8086249(E2)には、スレーブノードとマスタノードと同様のワイヤレス通信デバイスとアクセスノードとの間の距離を求めるステップと、上記距離を使用して通信の遅延を求めるステップとを含む通信方法が記載されている。さらに、E2には、遅延に基づいて「スレーブ」ノードと「マスタ」ノードとの間の通信のタイミングをとることが開示されている(E2の要約および図4)。E2では、通常よりも長い遅延を生じさせるデバイス間の大きな距離(E2の第1欄第26~33行)、特に使用される通信プロトコルに従って許容されるものよりも長い遅延を生じさせる距離(E2の第9欄第43~55行)の問題に対処する。E2に係る解決策は、アクセスノードとデバイスとの間の通信リンクの遅延が予め規定された閾値を超えるか否かを判断し、閾値を超えるか否かに応じて、アクセスノードとデバイスとの間のタイミングを適合させるというものである(E2の第7欄第14行~第8欄第9行)。一般に、閾値は、使用されるプロトコルに従って通信リンクの最大許容遅延に設定される(E2の第9欄第54~55行を参照)。
発明の概要
本発明の目的は、産業オートメーションなどの産業機器に適したワイヤレス通信の方法を提供することであり、このワイヤレス通信はさらに、低レイテンシおよび高い信頼性に寄与することができ、または少なくとも先行技術のワイヤレス通信方法の代替案を提供することができる。
この目的のために、本発明の第1の局面は、TDMAベースの通信システムにおけるスケジューリングの方法を提供し、上記通信システムでは、第1のノードまたはアクセスノードが複数の第2のノードまたはスレーブノードと、それぞれの通信リンクを使用して通信する。上記方法は、複数のタイムスロットに上記通信をスケジューリングすることを含む。特に、上記スケジューリングの方法は、
各通信リンクのための伝播時間を取得するステップと、
2つの通信リンク間の伝播時間の最大差を求めるステップと、
上記最大差と閾値とを比較するステップと、
上記最大差が上記閾値よりも小さい場合、第1モードのスケジューリングを使用するステップと、
上記最大差が上記閾値よりも大きい場合、第2モードのスケジューリングを使用するステップとを備える。
上記第1モードのスケジューリングは、
上記タイムスロットの各々に適用されるガード時間を選択するステップを含み、上記ガード時間(GT)は、上記最大差に基づき、
上記タイムスロットのうちのそれぞれのタイムスロット内で送信を行うように各第2のノードをスケジューリングするステップを含む。
上記第2モードのスケジューリングは、
上記タイムスロットのうちのそれぞれのタイムスロット内で上記第1のノードに到達するように各第2のノードからの上記送信をスケジューリングするステップを含み、各第2のノードの上記送信をスケジューリングするステップは、対象の上記第2のノードの上記通信リンクの上記それぞれの伝播時間に基づく。好ましくは、上記第2モードの上記スケジューリングは、上記第2のノードの上記伝播時間に等しいタイミングアドバンスで各第2のノードをスケジューリングするステップを含む。
第1モードのガード時間は、最大差を吸収するのに十分なほどに大きくすべきである一方、第2モードでは、第2のノードからの送信をスケジューリングすることによって伝播時間または遅延に対処する。第1モードのスケジューリングは、通信衝突を回避するようにガード時間を調整する。
動作モードの選択は、伝播時間の最大差に基づく。第1モードでは、タイムスロットのガード時間の選択は、伝播時間の最大差に基づき、スケジューリングは、最大差に基づく。第2モードでは、スケジューリングは、通信リンクのそれぞれの伝播時間または伝播遅延に基づき、各(第2の)ノードからの送信のスケジューリングは、対象のノードと第1のノードとの間の伝播時間に基づく。したがって、第2モードのスケジューリングは、伝播遅延認識的であり、すなわち伝播遅延認識を使用して通信衝突を回避する。
第1の局面の実施形態において、上記第1モードはさらに、上記第1のノードから上記第2のノードへの送信をスケジューリングして、上記第2のノードからの送信から上記第1のノードからの送信に切り替えるステップを含み、上記方法はさらに、上記第2のノードからの上記送信から上記第1のノードからの上記送信に切り替えるときに、1つまたは複数の空のタイムスロットをスケジューリングするステップを含む。
第1の局面の実施形態において、上記第2モードは、上記第1のノードから上記第2のノードへの送信をスケジューリングして、上記第1のノードからの送信から上記第2のノードからの送信に切り替えるステップを含み、上記方法はさらに、上記第1のノードからの上記送信から第2のノードからの上記送信に切り替えるときに、1つまたは複数の空のタイムスロットをスケジューリングするステップを含む。
第1の局面の実施形態において、上記第2モードのスケジューリングは、上記伝播時間に等しいタイミングアドバンスで各第2のノードからの上記送信をスケジューリングするステップを含む。
本発明の第2の局面は、タイムスロットでTDMAベースの通信をスケジューリングするためのネットワークを提供する。上記ネットワークコントローラは、第1の局面のいずれかの実施形態に係るスケジューリングの方法を実行するように構成される。上記ネットワークコントローラは、
スケジューリング対象の通信ノードと通信するための通信インターフェイスと、
通信リンクの伝播時間を取得するための伝播時間取得部と、
取得された伝播時間の差を求めるための差計算部と、
計算された伝播時間の最大差に基づいて動作モードを選択するための動作モード選択部と、
第1モードのスケジューリングに従って上記TDMAベースの通信をスケジューリングするための第1モードスケジューリング部と、
第2モードのスケジューリングに従って上記TDMAベースの通信をスケジューリングするための第2モードスケジューリング部と、
上記スケジューリングを各スケジューリングされたノードに通知するためのノード通知部とを備える。
アクセスノードと複数のスレーブノードとを備えるワイヤレス通信ネットワークを示す図である。 一実施形態に係るTDMAスケジューリングを示す図である。 一実施形態に係るTDMAスケジューリングを示す図である。 一実施形態に係るスケジューリングの方法を示す図である。 本発明のネットワークコントローラの実施形態を示す図である。 コンピュータ読取可能媒体を示す図である。
実施形態の説明
図1は、ワイヤレス通信ネットワーク1を示す図であり、ワイヤレス通信ネットワーク1は、第1のノードまたはアクセスノード2が多数のスレーブノード、すなわち第2のノードまたは制御ノード3と通信する星形構成を有する。一般に、アクセスノード2は、全体制御システムとスレーブノード3との間にアクセスを提供するためにも、全体制御システムに通信可能に接続されているが、このような全体制御システムは、図1には図示されていない。一般に、各制御ノード3は、基礎をなす産業オートメーションプロセスのアクチュエータまたはセンサに接続されており、またはこのようなアクチュエータまたはセンサを備えているが、このような産業プロセスは、図1には図示されていない。ネットワークコントローラ5は、制御ノード3とアクセスノード2との間の通信をスケジューリングするように構成されている。図1の実施形態では、ネットワークコントローラ5は、アクセスノード2に含まれているが、ネットワークコントローラ5は、代替的に別個のユニットであってもよい。スレーブノード3同士を区別するために、これらは、3.1,3.2,3.3,...3.nの番号が付けられており、示されている実施形態は、複数のn個のスレーブノード3.1~3.nを示している。アクセスノード2と各スレーブノード3.1~3.nとの間のそれぞれの通信リンク4.1~4.nは、点線によって示されている。以下では、これらのスレーブノード3.1~3.nのうちのいずれか1つをスレーブノード「3.k」とも称する。
図2および図3は、アクセスノード2と3つのスレーブノード3.1~3.3によって例示される複数のスレーブノード3.1~3.nとの間のTDMA通信のスケジューリングを示す図である。
図2の下部には、本明細書において使用されるいくつかの概念が示されている。ここでは、データ通信をスケジューリングするためにタイムスロットTSが使用される。第2のノード3.kからの送信に使用されるタイムスロットTS(no 1)は、ガード時間GTから開始し、その後に、データの送信、たとえば送信時間TT中のアップリンクUL送信が続く。タイムスロットTSの期間は、送信時間TT+ガード時間GTに等しい。アップリンクデータは、第1のノード2に移動し、この移動時間は、伝播時間PTと称される。アップリンクデータは、次のタイムスロットTS(no 2)において受信され、この受信は、次のタイムスロットTS(no 2)へと伝播時間PTに等しい量を拡張する。ガード時間GTは、伝播時間PTよりも大きく、この場合、受信は、次のアップリンクデータ(破線内のUL no 2)が(不図示のさらなる第2のノードから)送信される前に終了する。アップリンクデータの受信は、送信時間TTに等しい、受信時間RTと呼ばれる時間間隔中に受信される。
本発明に従って、タイムスロット内で送信が受信および/または送信されるように通信をスケジューリングすることができる。受信および/または送信が1つのタイムスロットから別のタイムスロットに延在するように通信をスケジューリングすることができる。タイムスロットTSは、通常は、図2の下部に見られるようにガード時間GTから開始するが、代替的にタイムスロットをガード時間GTで終了させることも可能である。
図2は、本発明の第1モードに係るスケジューリングを図の上部にさらに示している。この第1モードでは、ガード時間GTは、衝突を回避するために各タイムスロットについて設定される。DL1,DL2およびDL3として例示される第1モードのダウンリンク通信は、好ましくは連続的なタイムスロットでスケジューリングされる。また、UL1,UL2,UL3として例示されるアップリンク通信は、好ましくは連続的なタイムスロットでスケジューリングされる。ダウンリンクおよびアップリンクの両方の各送信は、ガード時間の終わりに開始するようにスケジューリングされる。すなわち、各タイムスロットは、ガード時間から開始し、送信は、ガード時間が終了したときに開始するようにスケジューリングされ、その結果、タイムスロットの残りの部分において送信が実行される。分かるように、各送信は、一部が後続のタイムスロットにおいて受信される。この例では、ガード時間GTは、0.3μsに設定される。各々のそれぞれの第2の(スレーブ)ノード3.1,3.2,3.3と第1の(アクセス)ノード2との間の伝播時間PT.1,PT.2,PT.3は、それぞれ0.4μs、0.1μsおよび0.3μsである。この第1モードでは、1つまたは複数の伝播時間PT.kがガード時間GTよりも大きいということに注目すべきである。ガード時間は、最大伝播時間と最小伝播時間との間の差よりもわずかに大きく設定されるべきである。また、図2におけるノード3.1とノード2との間の最大伝播時間を有する送信は、ガード時間が終了した後に受信される、ということにも注目すべきである。最大伝播時間PTよりも小さなガード時間GTを使用することは、低レイテンシに寄与する。このようなガード時間の選択により、アップリンク送信同士は分離され、ダウンリンク送信同士は分離され、その結果、アップリンクでもダウンリンクでも衝突が回避される。しかし、アップリンク通信からダウンリンク通信に、またはダウンリンク通信からアップリンク通信に切り替えるときに、たとえばこの切替の前の最後の送信がガード時間よりも大きな伝播時間を有する場合には、空のスロットをスケジューリングすることができる。示されている例において、UL3の伝播時間(PT.3=0.3μs)が、例示されているガード時間GT>0.3μsに等しいかまたはそれよりも小さくても、空のスロットが「UL3」の後にスケジューリングされる。アップリンクとダウンリンクとの間の空のタイムスロットは、レイテンシを増加させるが、この増加は、通信サイクル全体では、特にノードの数が多い場合には、小さいことが多い。アップリンクとダウンリンクとの間に空のタイムスロットが必ずしも必要でなかったとしても、このような空のタイムスロットを含む場合にスケジューリングは容易になる。2つ以上の空のタイムスロットを使用することができる。空のタイムスロットの数は、最大伝播時間などの伝播時間PT.1~PT.nに基づき得る。スケジューリングは、スケジュールの中で最後の、最も短い、または同等に短い伝播時間を有する第2のノード3.1~3.nのうちの1つをスケジューリングするように適合されてもよく、すなわちダウンリンクに切り替える前にアップリンクのうちの最後の1つを送信するように適合されてもよい。このような短い伝播時間を有する第2のノード3.kをスケジューリングすることにより、空のスロットの必要性が減少する。
例を挙げると、スレーブノード3.1~3.nのグループがアクセスノード2から約100mのところに(互いに比較的接近して)位置する場合、伝播時間PT.1~PT.nは、0.3μs~0.4μsの間でさまざまであってもよい。ガード時間は、最大差、すなわち0.1μsに設定することができる。ガード時間を、最大伝播時間(この場合、0.4μs)よりも大きくする代わりに、最大差を吸収するよう設定して、最大差(この場合、約0.1μs)よりもわずかに大きくなるようにすることによって、ダウンリンクとアップリンクとを切り替えるまたはその逆に切り替えるときに空のスロットが追加されても、レイテンシを低く保つことができる。ノードの数が多い場合、合計サイクル時間の低減は大きい。この例のタイムスロット期間は、最大伝播時間を考慮する代わりに伝播時間の最大差を考慮してガード時間を選択する場合、約0.3μs低くなり、このような50個のタイムスロットでは、合計サイクル時間は15μs低くなり得る。各送信時間または受信時間が約1μsであるシステムでは、15μsの差はかなり大きい。
スレーブノード3.1~3.nおよびアクセスノード2の伝播時間PT.1~PT.nの最大差MAXΔが大きくなると、この第1モードでは、当然のことながら、ガード時間も大きくなる。
第2モードは、最大差MAXΔが大きすぎる、すなわち設定された閾値よりも大きいと判断される場合に本発明に従って選択される。この閾値は、基礎をなす産業プロセスの要件、特にセンサノードからの測定サンプルの周波数に関する要件、またはたとえばモニタリングされた信号に応答するアクチュエータの制御のための要件に従って設定されるべきである。第2モードは、スケジューリングに複雑さを追加するが、レイテンシ全体を低下させ、基礎をなす産業プロセスを考慮して閾値が選択されるべきである。通信システムのノードの数もサイクル時間全体に影響を及ぼし、ノードの数が同等に少ないシステムでは、同等に大きなガード時間を許容することができる。閾値は、好適には、タイムスロットの期間の割合として設定されてもよい。閾値をタイムスロットの割合として設定することによって、閾値は、通信システムにおける他の変更、たとえば基礎をなす産業オートメーションプロセスのサイクル時間によって引き起こされ得るタイムスロットの長さの変更に適合する。閾値の一般的な値は、タイムスロットの10%~30%であろう。しかし、上記のように、閾値は、基礎をなす産業オートメーションプロセスに左右され、通信ノードの数が非常に少ない(10個未満)通信システムまたは通信ノードの数が多い(200個を超える)通信システムでは、30%よりも大きな閾値または10%未満の閾値が非常に適しているであろう。
第2モードでは、通信は、伝播時間PT.1~PT.nを考慮して、すなわち各スレーブノード3.kについてそのそれぞれの伝播時間PT.kを考慮してスケジューリングされる。図3は、第2モードに従ったスケジューリングを示す。
本明細書に記載されている例では、タイムスロットTSで送信するようにスケジューリングされるアップリンクULまたはダウンリンクDL通信は、図2の下部において送信時間TTがそうであるように、ガード時間GTが終了すると送信を開始し、タイムスロットTSが終了するまで送信するようにスケジューリングされる。
また、これらの例では、ULまたはDL通信は、タイムスロットTSで受信するようにスケジューリングされる場合、ガード時間GTが終了すると受信を開始し、タイムスロットTSが終了するまで受信するようにスケジューリングされる。第2モードの遅延認識スケジューリングでは、UL通信の各々は、タイムスロット、すなわちそれぞれのタイムスロット内でアクセスノード2において受信するようにスケジューリングされる。このようなタイムスロット内での受信のスケジューリングでは、通信は、たとえば図3の上部に示されるアップリンク通信UL1,UL2,UL3のように、ガード時間GTの開始前に伝播時間PTに等しい期間を開始するようにスケジューリングされる。図3の下部には、第2モードの遅延認識スケジューリングにおいて使用可能なタイミングアドバンスの概念が示されている。第2のアップリンク「UL no 2」は、ガード時間後の第2のタイムスロット(TS no 2)においてアクセスノード2で受信されるように、第2のタイムスロット(TS no 2)の一定時間前にスレーブノード3.kから送信される。この例では、送信時点は、第2のタイムスロット(TS no 2)のガード時間GTの終了の一定時間前に発生し、この一定時間は、通信リンク4.kの伝播時間PTに等しい。この時間は、「タイミングアドバンス」TAと称することができる。
UL通信の遅延認識スケジューリングの場合、UL通信は、タイムスロットTSのガード時間GT内に、またはタイムスロットTSのガード時間GT前に、すなわち以前のタイムスロットTS中に送信するようにスケジューリングされてもよい。図3の上部に示される第2モードの実施形態においては、各々の第2のノード3.kは、受信タイムスロットのガード時間の終了の一定時間前に、すなわち「タイミングアドバンス」TA.kで送信を開始するようにスケジューリングされ、この時間は、対象の第2のノード3.kのUL通信の伝播時間PT.kに等しい。
図3に示されるように、通信は、アクセスノード2がタイムスロット内でアップリンクデータ通信を受信してダウンリンクデータ通信を送信するようにスケジューリングされる。第2のノード3.1~3.nの各ノード3.kは、そのそれぞれの伝播時間PT.kに従ってダウンリンクデータを受信する。したがって、ダウンリンクデータ通信のスケジューリングは、第2のノード3.1~3.nについての、好ましくは連続的なそれぞれのタイムスロットで送信を行うようにアクセスノード2をスケジューリングすることを含む。好ましくは、各々の第2のノード3.kについてタイムスロットは1つである。また、アップリンクデータ通信のスケジューリングは、伝播時間PT.kに等しいタイミングアドバンスTA.kで送信を行うように各々の第2のノード3.kをスケジューリングすることを含み、その結果、ULデータは、当該第2のノード3.kからのデータ通信の受信に専用のタイムスロットにおいて第1のノード2、すなわちアクセスノード2に到達する。したがって、第2のノード3.1,3.2,3.3は、それぞれのタイミングアドバンスTA.1,TA.2,TA.3でアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされ、各タイミングアドバンスは、対象の通信リンク4.kの対応する伝播時間PT.1,PT.2,PT.3に等しい。
図3の上部における実施形態の伝播遅延認識スケジューリングは、DL送信からUL送信に切り替えるときに空のスロットを使用することを含む。このような空のスロットの使用は、通信衝突を防止するための好ましい方法であり、その理由は、別のスレーブノード3.kがそのDL送信を受信する前にスレーブノード3.kがそのUL送信を開始するからである。したがって、第2モードでは、第2のノード3.1~3.nは、好ましくは、第2のノードのうちの最後のノードがそのDLを受信する前に送信を行うことを許可されるべきではない。最後のDL通信(図3の上部にDL3によって図示)の伝播時間(たとえば、PT.3)および最初のアップリンク送信(図3の上部にUL1として図示)のタイミングアドバンス(たとえば、TA.1)を考慮して、2つ以上の空のスロットが使用されてもよい。
この第2モードでは、ガード時間は、同等に低くすることができ、好ましくは第2のノードのそれぞれのクロックに基づいて、すなわちそれぞれの第2のノード3.kおよびアクセスノード2の各クロックの同期差を吸収するように設定されるべきである。ガード時間は、ネットワークにおけるノードの同期精度に従って設定されるべきである。同期プロセス自体は、本発明の特徴ではなく、本明細書でさらに説明することはしない。図3の例では、ガード時間は、0.1μsに設定され、これは、図2の0.3μsのガード時間未満であり、閾値未満である。したがって、第2の動作モードのガード時間は、伝播時間PT.1~PT.nにも最大差(MAXΔ)にも基づかず、その代わりに好ましくはスレーブノード3.1~3.nのクロックとアクセスノード2のクロックとの間のそれぞれの同期差に基づく。
図4は、ワイヤード通信およびワイヤレス通信に適用可能なTDMA通信をスケジューリングする方法100を示す図である。この方法は、通信システムにおける各リンク4.1~4.n(図1の例におけるアクセスノード2とスレーブノード3.1~3.nとの間のリンクの各リンクなど)のための伝播時間または遅延を取得するステップ102から開始する。伝播時間を取得するステップ102は、任意の公知の態様で実行することができる。たとえば、
・各ノード3.kまたはノード3のうちのいくつかは、GPSユニットまたは他の位置決定機器を備えており、それらの位置をネットワークコントローラ5に報告してもよく、ネットワークコントローラ5は、位置表示から送信時間を求める
・各ノード3.kまたはノード3のうちのいくつかとアクセスノード2との間の距離は、たとえば到達角(AoA)、到達時刻(ToA)、到達時間差(TDoA)を使用して、ノード間のメッセージに含まれる情報を見ることによって推定することができ、この距離は、ネットワークコントローラ5に報告されて、伝播時間を求めるために使用することができる、または
・アクセスノード2を含む各ノード3.kまたはノード3のうちのいくつかの位置は、特に設置後に静止したままであるノードでは、通信ノード3の設置中に求められてもよく、その後、これらの位置は、ネットワークコントローラ5に転送されて、伝播時間を求めるために使用され、またはこれらの位置は、伝播時間を求めるために使用され、その後、ネットワークコントローラ5に報告される。また、伝播時間を取得するステップ102は、例示された技術の組み合わせによって実行されてもよい。
続いて、スケジューリング方法100は、上記伝播時間を比較するステップ103を実行する。伝播時間を比較するステップ103は、通信リンク4.1~4.nの伝播時間の差を求めるステップ104を含む。特に、比較するステップ103は、ノード3.1~3.nのうちのいずれかからアクセスノード2への通信リンク4.1~4.nの伝播時間の最大差(MAXΔ)を求めるステップ104を含む。また、スケジューリング方法100は、2つの伝播時間の最大差(MAXΔ)が予め定められた閾値よりも小さいか大きいかを判断するステップ106を含む。この閾値は、好ましくは、通信によって制御および/またはモニタリングされる基礎をなす産業プロセスを考慮して設定することができる。このような産業プロセスを考慮して、通信サイクルの合計遅延または期間の最大値を使用して、通信において最大のまたはより短い合計遅延を生じさせる閾値を求めることができる。なお、同様の合計遅延を許容する、異なっているが同様の産業プロセスにおける通信のスケジューリングは、ノードの数を考慮して異なる閾値を使用してもよい。なぜなら、ノードの数は、通信サイクルの全長に影響を及ぼすからである。
閾値との比較に基づいて、方法100は、さまざまなスケジューリングモードを適用する。最大差MAXΔが閾値よりも小さい場合、通信は、特に送信時間の差によって衝突を回避するためのガード時間を利用して、送信時間の最大差に従ってスケジューリングされる(108)(第1モード)。ガード時間を利用するスケジューリング(108)は、好ましくは、連続的な送信の間のガード時間を、最大差MAXΔを吸収するのに十分なほどに大きくなるように設定するステップ(109)を含む。したがって、ガード時間は、好ましくは、求められた最大差にまたはわずかに大きくなるように設定されるべきである。そして、閾値は、最大許容可能伝播遅延差を規定する。
代替的に、この第1モードでは、ガード時間は閾値に等しくてもよい。このようなスケジューリングは、ガード時間を設定するステップ(109)を回避することによって複雑さが減少するが、遅延は、必要以上に長くなることが多い。
最大差(MAXΔ)が閾値よりも大きい場合、スケジューリング方法は、別の(第2の)制御モード(110,112,114)を選択する。第2の制御モード(110,112,114)は、伝播遅延認識制御モードであり、求められた伝播時間PT.1~PT.nに従って送信をスケジューリングするステップ110を含む。連続的な送信の間のガード時間は、好ましくは、閾値よりもはるかに小さいであろう小さな値に設定される(112)。なぜなら、このスケジューリングモードでは伝播遅延に対処するからである。この第2モードの示されている実施形態では、連続的なタイムスロットにおいてアクセスノード2に到達するように、アップリンクにおける送信がタイミングアドバンスでスケジューリングされ(114)、全てのアップリンク送信は、異なるタイムスロットにおいて到達するようにスケジューリングされる。好ましくは、各アップリンク送信は、取得された(102)伝播遅延に基づいて、当該リンクの伝播時間に等しいタイミングアドバンスでスケジューリングされる。
制御モードが決定されて、アップリンク送信およびダウンリンク送信の両方のスケジュールが計算されると、ネットワークコントローラ5は、スケジューリングをノード3.1~3.nに通知する(116)。これは、たとえば通信サイクルの最初にアクセスノード2によって送信されるブロードキャストビーコンフレームを介してなされることができる。
この方法は、スケジュールが更新される(122)ように繰り返されることができる。たとえば、この方法は、一定回数の通信サイクル後または一定時間後など、定期的に繰り返されることができる。代替的にまたは加えて、通信インターフェイスは、モニタリングされることができ、伝播時間が予め定められた量以上変化すると、ネットワークコントローラ5は、スケジュールを更新する(122)。したがって、スケジュールの更新(122)は、定期的にまたは無線通信インターフェイスの変化を考慮して行われてもよい。この目的のために、ステップ102~116は繰り返され、新たなスケジュールが作成されてノード3.1~3.nに配信される。
図5は、図4に例示されている本発明に係るスケジューリングの方法を実行するように構成されたネットワークコントローラ5の一例を示す図である。ネットワークコントローラ5は、アクセスノード2の一体部分として示されているが、独立したユニットであってもよい。ネットワークコントローラ5は、本明細書に記載されているスケジューリング方法を実行するように構成された機能ブロックによって示されるハードウェアおよびソフトウェアを備えている。この目的のために、ネットワークコントローラ5は、スレーブノード3.1~3.nとのワイヤレス通信のために構成された通信インターフェイス51を備えており、さらなる制御システム(図示せず)とのワイヤードまたはワイヤレス通信のための回路も含んでもよい。ネットワークコントローラは、第2のノード3.1~3.nの各通信リンク4.1~4.nの伝播時間PT.1~PT.nを取得して、各々の第2のノード3.kに通信スケジュールを通信するための通信インターフェイスを使用するように構成される。ネットワークコントローラ5は、スケジューリング方法100における伝播時間を取得するプロセス102に対応する伝播時間取得部52を備えており、伝播時間取得部52は、上記通信インターフェイス51を使用して上記伝播時間を取得するように構成されている。ネットワークコントローラはさらに、通信システムのタイムスロットのガード時間GTおよびそれぞれのタイミングアドバンスTA.kを通知することを含む、第2のノード3.kのスケジューリングを各々の第2のノード3.1~3.nに通知するように構成されたノード通知部66を備えている。
ネットワークコントローラ5はさらに、第2のノード3.1~3.nの間の伝播時間PT.1~PT.nの最大差を求めるように構成された差計算部54を備えており、差計算部54は、スケジューリング方法100における最大伝播遅延差を求めるステップ104を実行するように構成されている。
ネットワークコントローラ5はさらに、求められた最大差MAXΔに基づいて動作モードを選択するように構成されたモード選択部56を備えている。ネットワークコントローラ5は、モード選択部によって最大差が閾値よりも大きいか小さいかを判断するステップ106を実行して、最大差MAXΔが大きい場合には第1モードを選択し、最大差MAXΔが小さい場合には第2モードを選択するように構成されている。
ネットワークコントローラ5は、第1モード(108,109)を実行するための回路(58,59)と、第2モード(110,112,114)を実行するための回路(60,62,64)とを備えている。
ネットワークコントローラ5は、アクセスノード2と第2のノード3.1~3.nとの間の通信をスケジューリングするための第1モードスケジューリング部58を備えており、第1モードスケジューリング部58は、最大差MAXΔに基づいて通信をスケジューリングするように構成されている。第1モードスケジューリング部58は、好ましくは、最大差MAXΔに基づいてタイムスロットのガード時間を設定し、特に最大差MAXΔを吸収するのに十分なほどに大きくタイムスロットのガード時間を設定するガード時間設定部59を含む。
ネットワークコントローラ5は、アクセスノード2と第2のノード3.1~3.nとの間の通信をスケジューリングするための第2モードスケジューリング部60を備えており、第2モードスケジューリング部60は、伝播時間PT.1~PT.nに基づいて通信をスケジューリングするように構成されている。通信は、各タイムスロットにおいてアクセスノード2で受信および送信を行うようにスケジューリングされる。特に、第2モードスケジューリング部60は、対象の第2のノード3.kの伝播時間4.kに等しいタイミングアドバンスTA.kで各々の第2のノード3.kをスケジューリングするように構成されたノードスケジューリング部64を備える。また、好ましくは、第2モードスケジューリング部60は、通信タイムスロットのガード時間を設定するように構成されたガード時間設定部62を備えており、このガード時間は、モード選択部56によるモード選択106に使用される閾値よりも小さな値に設定される。
図6は、コンピュータ読取可能光媒体90を示す図である。図4の方法は、命令を備えるコンピュータプログラム91(ソフトウェア)として実現されてもよく、これらの命令は、プログラムがプログラム可能なコンピュータによって実行されると、コンピュータにこれらの方法のうちのいずれかを実行させる。特に、これらの命令は、タイムスロット(TS)でTDMAベースの通信をスケジューリングするためのネットワークコントローラ5に図4の方法を実行させるようなものであってもよく、ネットワークコントローラ5は、以下を備える。
・スケジューリング対象の通信ノード2,3.1~3.nと通信するための通信インターフェイス51
・通信リンク4.1~4.nの伝播時間を取得するための伝播時間取得部(52)
・取得された伝播時間の差を求めるための差計算部54
・計算された伝播時間の最大差に基づいて動作モードを選択するための動作モード選択部56
・第1モードのスケジューリングに従ってTDMAベースの通信をスケジューリングするための第1モードスケジューリング部58
・第2モードのスケジューリングに従ってTDMAベースの通信をスケジューリングするための第2モードスケジューリング部60
・スケジューリングを各スケジューリングされたノード2,3.1~3.nに通知するためのノード通知部66。
コンピュータプログラム91は、図6に示されるもののようなコンピュータ読取可能媒体90上に格納または配信されてもよい。さらなるコンピュータ読取可能媒体は、ランダムアクセスメモリ、磁気、光またはソリッドステートメモリ、固定式および可動式メモリドライブなどの不揮発性媒体(永久および非永久記憶装置)および揮発性媒体を含む。コンピュータ読取可能媒体はさらに、ストレージメディアを含む非一時的な媒体、および、変調された電磁波または光波搬送情報などの一時的な媒体として体系化されてもよい。
図面を参照しながら実施形態において本発明について説明してきた。これらの実施形態において、本発明は、それぞれの通信リンク4.1~4.nによる第1のノード2と複数の第2のノード3.1~3.nとの間のTDMAベースの通信システム1におけるスケジューリングの方法を提供する。また、本発明は、これらの実施形態においてスケージューリングの方法を実行するためのネットワークコントローラについても説明している。この方法は、各通信リンク(4.1~4.n)のための伝播時間(PT.1~PT.n)を取得するステップ(102)と、2つの通信リンク(4.1~4.n)の伝播時間(PT.1~PT.n)の最大差(MAXΔ)を求めるステップ(104)とを備える。この方法はさらに、最大差(MAXΔ)が閾値よりも小さい場合、第1モードのスケジューリング(108,109)を選択するステップと、最大差(MAXΔ)が閾値よりも大きい場合、第2モードのスケジューリング(110,112,114)を選択するステップとを備える。第1モード(108~109)は、タイムスロット(TS)のガード時間(GT)を選択するステップ(109)を含み、ガード時間(GT)は、最大差(MAXΔ)に基づく。第2モードのスケジューリング(110,112,114)は、伝播遅延認識的であり、それぞれの伝播時間(PT.k)に基づいて各第2のノード(3.k)からの送信をスケジューリングするステップ(110)を含む。
しかし、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で当業者によって変更されてもよい。
参照文献
E1:Chen, X. et al. LDMAC: A propagation delay-aware MAC scheme for long-distance UAV networks. Computer Networks, Volume 144, 24 October 2018, Pages 40-52(チェン,X等、「LDMAC:長距離UAVネットワークのための伝播遅延認識MACスキーム」、コンピュータネットワーク、第144巻、2018年10月24日、第40~52頁)
E2:US8,086,249 B1

Claims (7)

  1. TDMAベースの通信システム(1)におけるスケジューリングの方法であって、前記通信システム(1)では、第1のノード(2)が複数の第2のノード(3.1~3.n)と、各第2のノード(3.k)のそれぞれの通信リンク(4.k)を使用して通信し、前記方法は、複数のタイムスロット(TS)に前記通信をスケジューリングすることを含み、前記方法はさらに、
    各通信リンク(4.1~4.n)のための伝播時間(PT.1~PT.n)を取得するステップ(102)と、
    2つの通信リンク(4.1~4.n)の伝播時間(PT.1~PT.n)の最大差(MAXΔ)を求めるステップ(104)と、
    前記最大差(MAXΔ)と閾値とを比較するステップ(106)と、
    前記最大差(MAXΔ)が前記閾値よりも小さい場合、第1モードのスケジューリング(108~109)を使用するステップと、
    前記最大差(MAXΔ)が前記閾値よりも大きい場合、第2モードのスケジューリング(110,112,114)を使用するステップとを備え、
    前記第1モードのスケジューリング(108~109)は、
    前記タイムスロット(TS)の各々に適用されるガード時間(GT)を選択するステップ(109)を含み、前記ガード時間(GT)は、前記最大差(MAXΔ)に基づき、
    前記タイムスロット(TS)のうちのそれぞれのタイムスロット内で送信を行うように各第2のノード(3.1~3.n)をスケジューリングするステップ(108)を含み、
    前記第2モードのスケジューリング(110,112,114)は、
    前記タイムスロット(TS)のうちのそれぞれのタイムスロット内で前記第1のノード(2)に到達するように各第2のノード(3.k)からの前記送信をスケジューリングするステップ(110)を含み、各第2のノード(3.k)の前記送信をスケジューリングするステップ(110)は、前記第2のノード(3.k)の前記通信リンク(4.k)の前記それぞれの伝播時間(PT.k)に基づく、方法。
  2. 前記第1モードのスケジューリング(110,112,114)はさらに、前記第1のノード(2)から前記第2のノード(3.1~3.n)への送信をスケジューリングして、前記第2のノード(3.1~3.n)からの送信を前記第1のノード(2)からの送信へと切り替えるステップを含み、前記方法はさらに、前記第2のノード(3.1~3.n)からの前記送信を前記第1のノード(2)からの前記送信へと切り替えるときに、1つまたは複数の空のタイムスロット(TS)をスケジューリングするステップを含む、請求項1に記載のスケジューリングの方法。
  3. 前記第2モードのスケジューリング(110,112,114)はさらに、前記第1のノード(2)から前記第2のノード(3.1~3.n)への送信をスケジューリングして、前記第1のノード(2)からの送信を前記第2のノード(3.1~3.n)からの送信へと切り替えるステップを含み、前記方法はさらに、前記第1のノード(2)からの前記送信を第2のノード(3.1~3.n)からの前記送信へと切り替えるときに、1つまたは複数の空のタイムスロット(TS)をスケジューリングするステップを含む、請求項1または請求項2に記載のスケジューリングの方法。
  4. 第2モードのスケジューリング(110,112,114)は、前記伝播時間(PT.k)に等しいタイミングアドバンス(TA.k)で各第2のノード(3.k)からの前記送信をスケジューリングするステップ(110)を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスケジューリングの方法。
  5. 複数のタイムスロット(TS)にTDMAベースの通信をスケジューリングするためのネットワークコントローラ(5)であって、スケジューリング対象の通信ノード(2,3.1~3.n)と通信するための通信インターフェイス(51)と、通信リンク(4.1~4.n)の伝播時間を取得するための伝播時間取得部(52)と、取得された伝播時間の差を求めるための差計算部(54)と、計算された伝播時間の最大差に基づいて動作モードを選択するための動作モード選択部(56)と、第1モードのスケジューリングに従って前記TDMAベースの通信をスケジューリングするための第1モードスケジューリング部(58)と、第2モードのスケジューリングに従って前記TDMAベースの通信をスケジューリングするための第2モードスケジューリング部(60)と、前記スケジューリングを各スケジューリングされたノード(2,3.1~3.n)に通知するためのノード通知部(66)とを備え、前記ネットワークコントローラ(5)は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスケジューリングの方法を実行するように構成される、ネットワークコントローラ(5)。
  6. 命令を備えるコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信方法を実行させる、コンピュータプログラム。
  7. 請求項6に記載のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能媒体。
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