JP2022521579A - ピット・ホプキンス症候群の治療 - Google Patents

ピット・ホプキンス症候群の治療 Download PDF

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Abstract

本発明は、ピット・ホプキンス症候群の治療における使用のための、アミトリプチリンまたはその薬学的に許容される塩に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、ピット・ホプキンス症候群(PTHS)の治療に関する。
ピット・ホプキンス症候群は、胚神経分化に関与するTCF4の分子多様体によって引き起こされるまれな遺伝性神経障害である。
PTHSは、特有の顔の特徴(症候性の顔)、発達遅延(精神運動遅延)、知的障害、早発型近視、発作、便秘、および呼吸異常(過呼吸-無呼吸発作、すなわち、非常に速い呼吸のエピソード、しばしば続いて呼吸困難、または一時的な呼吸停止のエピソード)、ならびに低い筋緊張(筋緊張低下)を特徴とする。さらなる症状は、反復的非機能的な手の動きならびに多動性および不安などの行動異常を含む。多くの罹患個体は、自閉症スペクトラム障害の基準を満たす。
PTHSは、染色体18q21.2に見られるTCF4遺伝子の病原性多様体によって引き起こされる。症候群は、1978年に、異形の顔の特徴、発達遅延、ばち指、および異常な呼吸パターンの類似する特徴を共有した2人の無関係な個体において最初に説明された。それは、TCF4遺伝子(MIM#602272)が同定された2007年までは常染色体劣性遺伝障害であると推定され、TCF4のハプロ不全に続発する常染色体優性遺伝パターンを支持した。TCF4のタンパク質産物である転写因子4は、初期脳発生および神経分化に関与していると考えられる基本的なヘリックス-ループ-ヘリックスEタンパク質である。
現在、PTHSを治療するための有効な療法はない。PTHSの治療のための療法の必要性がある。
アミトリプチリンは、三環系抗うつ薬(TCA)である。アミトリプチリンは、ジベンゾシクロヘプタジエンの誘導体であり、中枢神経系(CNS)におけるシナプス前神経膜によるノルエピネフリンおよびセロトニンの再取り込みを阻害し、それによってノルエピネフリンおよびセロトニンのシナプス濃度を増加させる。これらの受容体への一定の刺激により、アミトリプチリンは、アドレナリン受容体およびセロトニン受容体の下方調節をもたらし得、これは、抗うつ活性に寄与し得る。
アミトリプチリンは、典型的には、アミトリプチリンHCLとして投与され、組織名3-(10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン-5-イリデン)-N,N-ジメチル-1-プロパンアミン塩酸塩である。それは、水に溶けやすい白色、無臭、結晶性化合物である。
アミトリプチリンHClは、10mg、25mg、50mg、75mg、100mg、または150mgの錠剤でELAVIL(登録商標)として販売される。各錠剤は、不活性成分:コロイド状二酸化ケイ素、ヒプロメロース、ラクトース一水和物、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、デンプングリコール酸ナトリウム、および二酸化チタンを含有する。ELAVIL(登録商標)は、うつ病を治療するために使用される。
本発明は、PTHSの治療における使用のための、アミトリプチリンまたはその薬学的に許容される塩である。以下に示されるインビボデータから明らかとなるように、アミトリプチリンは、PTHSの治療に有効である。アミトリプチリンによる慢性治療は、Tcf4+/-マウス表現型を有意に改善し、恐怖条件付け、オープンフィールド、ネスティング、セルフグルーミング、社交性、および力の試験をレスキューした。これは、アミトリプチリンがPTHSの療法に有用であるという証拠である。
本発明の第1の態様は、ピット・ホプキンス症候群の治療における使用のための、アミトリプチリン、またはその薬学的に許容される塩である。
恐怖条件付けのアミトリプチリンインビボ試験(学習および記憶)からの結果を示す。 オープンフィールドのアミトリプチリンインビボ試験(多動性)からの結果を示す。 ネスティングのアミトリプチリンインビボ試験(日常生活の試験)からの結果を示す。 セルフグルーミングのアミトリプチリンインビボ試験(常同行動、すなわち、反復運動)からの結果を示す。 社交性のアミトリプチリンインビボ試験からの結果を示す。 力の試験のアミトリプチリンインビボ試験(強度)からの結果を示す。 5つの行動試験における用量応答実験の結果を示す。
図中、「ns」は、野生型対照群との有意差がないことを意味する。これは、薬物治療済みノックアウトが、行動試験において未治療または治療済み野生型群のように行動していることを示し、化合物が、症候群の表現型の改善に有意に有効であったことを意味する。
ピット・ホプキンス症候群を有する患者には、多数の異なる徴候および症状がある。これらは、多動性および反復的非機能的な手の動きを含む反復行動;学習および記憶の困難、例えば、認知、実行、および言語パフォーマンス、短期記憶、実行機能、視覚記憶、視覚空間関係、ならびに空間作業記憶の困難などの知的障害;常同行動;社会不安(すなわち、社会的相互作用の困難);低い筋緊張(筋緊張低下);便秘、睡眠障害、発作;不規則または異常呼吸パターンおよび重度近眼(近視)を含む。
本発明では、以下のインビボデータによって示されるように、アミトリプチリンは、上記の症状のうちの1つ以上を治療するために使用され、したがって、PTHSの有効な治療である。好ましくは、アミトリプチリンは、患者が多動性、社会不安、知的障害、特に学習および記憶の困難、常同行動、および筋緊張低下を含む症候群の典型的な症状を示している、PTHSの治療のために使用される。
「知的障害」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。それは、学習および記憶の障害を包含する。学習障害は、知的障害とも呼ばれ得る。それは、認知障害、推理などの知的機能の遅延または制限を包含する。記憶障害とは、情報を短期または長期のいずれにも保持することができないことを指す。それは、認知、実行、および言語パフォーマンス、実行機能、ならびに視覚記憶の困難を含み得る。それはまた、短期記憶(すなわち、同じまたは他の情報を処理する際の情報の一時的な保存)とも呼ばれる、作業記憶の困難、および音韻記憶(または言語性作業記憶)の困難も含み得る。この症状は、「恐怖条件付け」下のマウスにおいて試験された(以下のインビボデータを参照されたい)。
「多動性」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。多動性は、非常に短い注意持続時間、視覚、聴覚、触覚、および嗅覚刺激に対する過感受性、散漫性、衝動性、不穏、ならびに/または過活動を含み得る。この症状は、「オープンフィールド」下のマウスにおいて試験された(以下のインビボデータを参照されたい)。
「日常生活の試験」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。それはまた、床敷、摂食などのような我々が行う任意の日常活動を含む、種に正常なことを行う能力を意味し得る。この症状は、「ネスティング」下のマウスにおいて試験された(以下のインビボデータを参照されたい)。
「常同行動」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。それは、反復運動または反復行動とも呼ばれ得る。この症状は、「セルフグルーミング」下のマウスにおいて試験された(以下のインビボデータを参照されたい)。
「社会不安」という用語は、当該技術分野における通常の意味を有する。それは、社会的相互作用の困難または低い社交性とも呼ばれ得る。社会不安は、アイコンタクトの乏しさ、視線をそらすこと、社会的相互作用を開始するまでの時間が長いこと、社会的回避または離脱、および仲間関係を形成する困難を有することを含み得る。この症状は、「社交性」下のマウスにおいて試験された(以下のインビボデータを参照されたい)。
「筋緊張低下」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。この症状は、「力の試験」下のマウスにおいて試験された。「力」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。それはまた、行動に投入される強度またはエネルギーを意味し得る。
本明細書で使用される場合、薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸または塩基を有する塩である。薬学的に許容される酸は、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸、または硝酸などの無機酸、およびクエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、ベンゼンスルホン酸、またはp-トルエンスルホン酸などの有機酸の両方を含む。薬学的に許容される塩基は、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)水酸化物、ならびにアルキルアミン、アリールアミン、または複素環式アミンなどの有機塩基を含む。
本発明では、アミトリプチリンは、様々な剤形で投与され得る。一実施形態では、アミトリプチリンは、経口、直腸、非経口、鼻腔内、もしくは経皮投与、または吸入もしくは坐剤による投与に適したフォーマットで製剤化され得る。
アミトリプチリンは、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒として経口投与され得る。好ましくは、アミトリプチリンは、例えば、錠剤およびカプセルなどの経口投与に適しているように製剤化される。
アミトリプチリンはまた、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内、経皮、または注入技法のいずれであっても、非経口的に投与され得る。アミトリプチリンはまた、坐剤として投与され得る。
アミトリプチリンはまた、吸入によって投与され得る。吸入医薬品の利点は、経口経路によって服用される多くの医薬品と比較して、血液供給が豊富な領域へのそれらの直接送達である。よって、肺胞は巨大な表面積および豊富な血液供給を有し、初回通過代謝が迂回されるため、吸収は非常に迅速である。
本発明はまた、アミトリプチリンを含有する吸入デバイスを提供する。典型的には、当該デバイスは、定量吸入器(MDI)であり、これは医薬品を吸入器から押し出すための薬学的に許容される化学推進剤を含有する。
アミトリプチリンはまた、鼻腔内投与によって投与され得る。鼻腔の透過性の高い組織は、医薬品に対して非常に受容性であり、それを迅速かつ効率的に吸収する。経鼻薬物送達は、注射よりも痛みおよび侵襲が少なく、患者間でもたらされる不安がより少ない。この方法によって、吸収は、非常に迅速であり、初回通過代謝は、通常迂回され、よって患者間ばらつきを低減する。さらに、本発明はまた、アミトリプチリンを含有する鼻腔内デバイスを提供する。
アミトリプチリンはまた、経皮投与によって投与され得る。局所送達のために、経皮および経粘膜パッチ、クリーム、軟膏、ゼリー、溶液、または懸濁液が使用され得る。したがって、本発明はまた、アミトリプチリンを含有する経皮パッチを提供する。
アミトリプチリンはまた、舌下投与によって投与され得る。したがって、本発明はまた、アミトリプチリンを含む舌下錠剤を提供する。
アミトリプチリンはまた、抗菌剤などの、患者の正常な代謝以外のプロセスによる物質の分解を低減する薬剤、あるいは患者に、または患者上もしくは患者内で生きている共生もしくは寄生生物に存在し得、化合物を分解することができるプロテアーゼ酵素の阻害剤とともに製剤化され得る。
経口投与用の液体分散液は、シロップ、乳濁液、および懸濁液であり得る。
懸濁液および乳濁液は、担体として、例えば、天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含有し得る。筋肉内注射用の懸濁液または溶液は、活性化合物とともに、薬学的に許容される担体、例えば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール、例えば、プロピレングリコール、および所望に応じて、適切な量のリドカイン塩酸塩を含有し得る。
注射または注入用の溶液は、担体として、例えば、滅菌水を含有し得るか、または好ましくはそれらは、滅菌、水性、等張性食塩溶液の形態であり得る。
本発明の一実施形態では、アミトリプチリンは、ピット・ホプキンス症候群の症状を治療するために有効な量で投与される。有効用量は、当業者には明らかであり、年齢、性別、体重を含む多数の因子に依存し、医療従事者であれば決定することができるであろう。
好ましい実施形態では、アミトリプチリンは、0.5~400mg、より好ましくは1~400mg、より好ましくは2.5~400mg、より好ましくは5mg~400mg、より好ましくは50mg~300mg、最も好ましくは150mg~300mgの用量で投与される。用量の下限は、好ましくは、0.5mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、または200mgである。用量の上限は、好ましくは、400mg、390mg、380mg、370mg、360mg、350mg、340mg、330mg、320mg、310mg、300mg、290mg、280mg、270mg、260mg、250mg、240mg、230mg、220mg、または210mgである。前述の範囲の下限または上限のいずれかは、互いに組み合わされ得、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、用量は、150mg~300mgである。いくつかの実施形態では、用量は、2~100mgまたは約2.5mgである。
上記用量のいずれも、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与され得る。
本発明の一実施形態では、アミトリプチリンは、少なくとも1日1回投与される。好ましくは、それは1日当たり1回の用量として投与される。好ましくは、1日当たり1回の用量は、200mg~400mgまたは2~100mgである。好ましくは、それは2.5mg、200mg、300mg、または400mgである。
小児患者では、より低用量が必要とされ得ることが理解されよう。例えば、小児患者では、約2.5mgの用量が適切であり得る。
本発明の一実施形態では、アミトリプチリンは、1日2回投与される。好ましくは、各用量は、1~20mgまたは150mg~200mgであり、総1日投与量は、2~40mgまたは300mg~400mgである。
あるいは、1日当たり3回投与され得る。好ましくは、各用量は、1~20mgまたは100mg~130mgである。
あるいは、1日当たり4回投与され得る。好ましくは、各用量は、1~20mgまたは75mg~100mgである。
好ましくは、投与レジメンは、アミトリプチリンの総1日投与量が400mg、より好ましくは300mgを超えないようなものである。
ピット・ホプキンス症候群を治療するために、アミトリプチリンは、慢性投与レジメン、すなわち、慢性長期治療で使用される。
本発明はまた、ピット・ホプキンス症候群の治療における使用のための医薬品の製造のための、アミトリプチリン、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。本発明のこの実施形態は、上記の好ましい特徴のいずれかを有し得る。
本発明はまた、患者にアミトリプチリンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、ピット・ホプキンス症候群を治療する方法に関する。本発明のこの実施形態は、上記の好ましい特徴のいずれかを有し得る。投与の方法は、上記の経路のいずれかに従い得る。
疑義を避けるために、本発明はまた、インビボで反応して本発明の化合物を与えるプロドラッグを包含する。
以下の研究は、本発明を例示する。
研究1
ピット・ホプキンス症候群(PTHS)は、認知機能障害、大きな口および独特の顔の特徴、ならびに続いて無呼吸が起こる間欠的過呼吸を特徴とする(Zweier et al.,2007)。ヒトにおける、ハプロ不全と呼ばれる、TCF4遺伝子の1つのコピーの喪失に関連する認知機能障害は、顕著な学習欠損に関連する自閉症関連障害であるピット・ホプキンス症候群を引き起こす。
ピット・ホプキンス症候群(PTHS)は、転写因子TCF4変異/欠失に関連する遺伝性神経発達障害である。TCF4はまた、統合失調症に関連し得、正確な病原性変異が、細胞、シナプス、および行動結果に関連していることを示す。
Tcf4+/-マウスモデルは、PTHSを模倣し、したがって潜在的な治療を評価するために開発された。マウスは、海馬依存性学習および記憶、空間作業記憶、社交性、常同行動、多動性、ならびに日常生活パラダイムにおいて欠損を有する。Tcf4+/-マウスは、後肢握力欠損も示す。
動物
マウスは、The Jackson Laboratoryから購入し、C57BL/6バックグラウンドで維持した。それらは、12:12明暗サイクル、餌および水の自由摂取で飼育した。対照は、TCF4+/+で構成された。ホモ接合性変異は胚性/出産後致死性をもたらすため、使用されたすべてのマウスは、Tcf4変異についてヘテロ接合性であった。
アッセイ設計
実験は、すべての試験およびデータ分析中の遺伝子型および治療に対する無作為化盲検であった。別の研究者は、コード化投与溶液を調製し、マウスを研究治療群に割り当て、動物に投与し、行動データを収集する。
治療群
研究には化合物当たり4つの治療群があり、治療群当たり10匹の雄マウスが使用された(すべて14週齢):群1:ビヒクルで治療された野生型同腹仔マウス(WT+veh)、群2:ビヒクルで治療されたTcf4+/-KOマウス(Tcf4+/-+veh)、群3:WT+薬物、群4:Tcf4+/-+薬物。
行動および強度試験
これは以下を含む:
1.恐怖条件付け(学習および記憶の試験)、
2.オープンフィールド(多動性の尺度)
3.ネスティング(日常生活の試験)
4.セルフグルーミング(常同行動の評価)。
5.社交性/パーティション試験(社会不安の評価)
6.力の試験(後肢強度の試験)。
「学習および記憶」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。それは、記憶障害とも呼ばれ得る。それは、情報を短期または長期のいずれにも保持することができないことを指す。これは、認知、実行、および言語パフォーマンス、実行機能、ならびに視覚記憶の困難を含み得る。それはまた、短期記憶(すなわち、同じまたは他の情報を処理する際の情報の一時的な保存)とも呼ばれる、作業記憶の困難、および音韻記憶(または言語性作業記憶)の困難も含み得る。
「多動性」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。多動性は、非常に短い注意持続時間、視覚、聴覚、触覚、および嗅覚刺激に対する過感受性、散漫性、衝動性、不穏、ならびに/または過活動を含み得る。
「日常生活の試験」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。それはまた、床敷、摂食などのような我々が行う任意の日常活動を含む、種に正常なことを行う能力を意味し得る。
「セルフグルーミング」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。それはまた、自己洗浄すること、および皮膚、髪、毛皮などの正常な外観を維持することを意味し得る。行為の持続的反復によってやり過ぎると、「常同行動」とも呼ばれ得る。
「社会不安」という用語は、当該技術分野における通常の意味を有する。それはまた、社会的相互作用の困難または低い社交性と呼ばれ得る。社会不安は、アイコンタクトの乏しさ、視線をそらすこと、社会的相互作用を開始するまでの時間が長いこと、社会的回避または離脱、および仲間関係を形成する困難を有することを含み得る。
「力」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。それはまた、行動に投入される強度またはエネルギーを意味し得る。
1.恐怖条件付け。
Tcf4+/_マウスは、海馬依存性記憶および学習欠陥を示す手がかり恐怖条件付け試験の文脈で低減したフリージングを示す。文脈的恐怖条件付けで使用された依存尺度は、条件付けされていない刺激(足ショック)と、特定の文脈である条件付けされた刺激との対合に従ったフリージング応答であった。フリージングは、恐怖に対する種特異的応答であり、「呼吸以外の動きの欠如」と定義されている。これは、嫌悪刺激の強度、提示の数、および対象によって達成された学習の程度に応じて、数秒~数分間続く場合がある。試験は、動物を新規環境(暗チャンバー)に入れ、嫌悪刺激(足に1秒電気ショック、0.2mA)を提供し、次いでそれを取り除くことを含んだ。
2.オープンフィールド
多動性を試験するために、オープンフィールド装置を使用した。Tcf4+/_マウスは、30分のオープンフィールドトライアル中に1分当たり移動した距離においてWT同腹仔と比較される場合に多動性を示す。装置は、10×10cmグリッドに分割された灰色のPVCで囲まれたアリーナ50×9×30cmであった。試験の5~20分前にマウスを実験室に運んだ。マウスを角の正方形に角に対向して置き、3分間観察した。全身が入った正方形の数(歩行活動)を数えた。フィールドの周りのマウスの動きをビデオ追跡デバイスで3分間記録した(バージョンNT4.0、Viewpoint)。
3.ネスティング
試験は、個々のケージで行った。通常の床敷は、床を0.5cmの深さまで覆った。各ケージには、5cm四方の圧縮精製綿である「Nestlet」(Ancare)を供給した。マウスを個別にネスティングケージに暗期の1時間前に入れ、結果を翌朝評価した。造巣は、5点尺度でスコア付けした。
スコア1:Nestletは大部分が手つかずであった(>90%インタクト)。
スコア2:Nestletは部分的に引き裂かれた(50~90%インタクトのまま)。
スコア3:Nestletはほとんど細断されたが、多くの場合、巣の場所は特定可能ではなかった:Nestletの<50%
スコア4:特定可能であるが平らな巣Nestletの<90%が引き裂かれ、材料は平らな巣に集められ、壁はその周囲の50%未満で側面で丸まっているマウスの高さよりも高かった。
スコア5:(ほぼ)完璧な巣:Nestletの>90%が引き裂かれ、巣はクレーターであり、壁はその周囲の50%超でマウス体高よりも高かった。
4.セルフグルーミング
Tcf4+/-マウスは、WTマウスよりも有意にセルフグルーミングし、対照マウスよりも高いレベルの常同行動を示す。
通常、座位では、マウスは毛皮をなめ、前足でグルーミングし、または任意の肢で引っ掻くであろう。多くの場合、マウスは、これらのグルーミング行動のすべてを混合するであろう。グルーミングは、典型的には、4つの行動のシーケンスに従う:
-楕円形ストローク:主足および副足を交互にして、鼻および鼻口部にかけての前足の楕円形の非対称の動き。
-片側ストローク:ひげおよび眼にわたる前足の交互のストローク。
-両側ストローク:耳の後ろから始まり、顔全体を通過する前足の大きな対称の両側ストローク。
-体をなめること:典型的には、吻側で始まり、尾に向かって尾側に作業して、体全体をなめること。
5.パーティション試験
3チャンバー社交性タスクでは、対象マウスを新規社会的刺激(新規マウス)のその探索について評価した。3チャンバー社会的アプローチタスクは、対象マウスに新規マウスまたは空のカップのいずれかと時間を過ごすという選択肢が提示される場合の直接的社会的アプローチ行動を監視する。社交性は、対象マウスが空のチャンバーよりもマウスを含有するチャンバーでより多くの時間を過ごすこととして定義される。社会的新規性の選好性は、新規マウスを有するチャンバーでより多くの時間を過ごすこととして定義される。装置は、長方形3チャンバーボックスであり、各チャンバーのサイズは、20cm(長さ)x40.5cm(幅)x22cm(高さ)である。仕切り壁は、各チャンバーへのアクセスを可能にする小さな開口部(幅10cm×高さ5cm)を備えた、透明なパープレックスからなる。3チャンバータスクは、下から点灯した(10ルクス)。マウスは、3チャンバー装置を3回の10分トライアルにわたって自由に探索することができた。トライアル中、1つのワイヤーカップをサイドチャンバーの一方に逆さまに置き、新規マウスを他方のサイドチャンバーで別のワイヤーカップの下に置き(新規マウス刺激)、中央チャンバーを空のままにした。トライアル全体における新規マウスの位置は、チャンバー位置の選好性による任意の潜在的な交絡を最小限に抑えるように釣り合いをとった。新規マウスの探索に費やされた時間は、探索比としてスコア付けした。
6.力の試験
Tcf4+/-マウスは、WTマウスと比較される場合、後肢強度(前肢ではない)における有意な欠損を示す。後肢の神経筋機能は、握力計(San Diego Instruments)で試験した。マウスは、首の後をつかまえ、尾で保持し、直立位置に持ち上げた。次いで、マウスを装置に向かって下げ、滑らかな金属グリッド(後肢のみ)を把持させ、水平面で後方に引っ張った。把持が解放された瞬間にグリッドに印加された力を記録した。
行動データの統計分析
データは、二元配置分散分析(ANOVA)、続いて必要に応じてテューキーの多重比較検定を使用した試験後比較によって分析した。データは、平均および平均の標準誤差(SEM)として表される。
結論
上記のデータから明らかなように、アミトリプチリンによるTcf4+/-マウスの慢性治療は、学習および記憶、多動性、日常生活の試験、常同行動、社会不安、ならびに力の試験を有意に改善した。マウスモデルはPTHSを模倣するため、これはアミトリプチリンがPTHSのための治療効果を有するという証拠である。
研究2
用量応答実験を上記プロトコルに従って実施した。結果を図7に示す。アミトリプチリンは、5および10mg/kgですべての行動試験をレスキューした。

Claims (12)

  1. ピット・ホプキンス症候群の治療における使用のための、アミトリプチリン、またはその薬学的に許容される塩。
  2. 治療の対象が、ヒトである、請求項1に記載の使用のためのアミトリプチリン。
  3. アミトリプチリンの用量が、1~400mg、好ましくは50mg~400mg、好ましくは50mg~300mg、最も好ましくは150mg~300mgである、請求項1または2のいずれかに記載の使用のためのアミトリプチリン。
  4. 投与が、1日当たり1回の用量による、いずれかの先行請求項に記載の使用のためのアミトリプチリン。
  5. 前記1日当たり1回の用量が、1~400mg、好ましくは300mg~400mgである、請求項4に記載の使用のためのアミトリプチリン。
  6. 投与が、1日当たり2回の用量による、請求項1~3のいずれかに記載の使用のためのアミトリプチリン。
  7. 前記用量が、1~5mgまたは150mg~200mgである、請求項6に記載の使用のためのアミトリプチリン。
  8. 経口投与される、いずれかの先行請求項に記載の使用のためのアミトリプチリン。
  9. 非経口、経皮、舌下、直腸、または吸入投与によって投与される、請求項1~7のいずれかに記載の使用のためのアミトリプチリン。
  10. 前記患者が、知的障害、多動性、常同行動、社会不安、および/または筋緊張低下の兆候を示している、いずれかの先行請求項に記載の使用のためのアミトリプチリン。
  11. 前記患者にアミトリプチリンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、ピット・ホプキンス症候群を治療する方法。
  12. 請求項2~9に記載の追加の特徴のいずれかを有する、請求項11に記載の方法。
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