JP2022521180A - スマートな埋め込み式の頭蓋－顎の顔伸延装置のためのシステムおよび方法 - Google Patents

Abstract

改善された頭蓋－顎の顔伸延のためのシステムおよび方法が提供される。本開示の主題は、患者の皮下に埋め込まれるように構成された伸延装置と、伸延装置に動作可能に結合するハンドヘルド装置とを含むことができる。伸延装置は、骨の対向する骨片に取り付けられ、骨について伸延骨形成を実行するように構成された伸延要素と、伸延要素に結合した回転可能な磁気要素とを含むことができ、磁気要素の回転が伸延要素を制御する。ハンドヘルド装置は、伸延装置の磁気要素に動作可能に結合かつ磁気的に整列する磁気要素を含むことができ、ハンドヘルド装置の磁気要素の回転が、伸延装置の磁気要素の対応する回転を生じさせる。さらに、本開示の主題は、骨の対向する骨片に伸延装置を埋め込み、そのような装置を使用するための技術を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によって本明細書に組み込まれる２０１９年２月１３日に出願された米国仮特許出願第６２／８０４，９５５号の優先権を主張する。

伸延骨形成（ｄｉｓｔｒａｃｔｉｏｎ ｏｓｔｅｏｇｅｎｅｓｉｓ）は、骨の自然の治癒プロセスを使用する骨延長の技術である。特定のいくつかの技術は、外科的な骨の切断の位置において、２つの対向する骨片に取り付けられたプレートをゆっくりと引き離すことによって新たな骨を生成することで、頭蓋骨および下顎骨の成長の制限を矯正する。

頭蓋－顎の顔伸延は、何週間かの過程にわたって伸延装置を手動で係合させることができるように、皮膚を貫いて突出する半埋め込みの構成要素を利用することができる。そのような外部の構成要素は、患者が軟部組織感染症、患者および／または親の非順守、患者の不快感、および／または伸延期間の全体における鎮痛剤の使用の増加、ならびに不運な瘢痕などの不健全に陥る可能性を高めかねない。不健全の増大に加えて、手動で伸延装置を係合させる方法は、所定の伸延基準からの逸脱の検出および伸延の一般的な合併症の診断のために伸延プロセスの最中にフィードバックを監視および記録する可能性を、なくしてしまいかねない。

したがって、伸延プロセスの最中にフィードバックを監視および記録することができる頭蓋－顎の顔伸延を実行するための技術について、ニーズが存在する。さらに、皮膚を貫いて突出することがなく、患者の完全に外側に位置する外部構成要素を係合させることができる完全に埋め込むことができる伸延装置について、ニーズが依然として存在する。

改善された頭蓋－顎の顔伸延のためのシステムおよび方法が、本明細書に開示される。

本開示の主題は、患者の皮下に埋め込まれるように構成された伸延装置と、伸延装置に動作可能に結合するハンドヘルド装置とを含むことができる。

伸延装置は、骨の対向する骨片に取り付けられ、骨について伸延骨形成を実行するように構成された伸延要素と、伸延要素に結合した回転可能な磁気要素とを含むことができ、磁気要素の回転が伸延要素を制御する。いくつかの実施形態においては、回転可能な磁気要素を、直径方向磁極となるように構成することができる。いくつかの実施形態において、伸延装置は、ハンドヘルド装置のマイクロプロセッサに通信可能に結合する電子要素を含むことができ、電子要素は、回転可能な磁気要素の１つ以上の回転をカウントすることによって伸延の距離を決定するように構成される。

ハンドヘルド装置は、伸延装置の磁気要素に動作可能に結合かつ磁気的に整列する磁気要素をさらに含むことができ、ハンドヘルド装置の磁気要素の回転が、伸延装置の磁気要素の対応する回転を生じさせる。磁気要素を、１つ以上の伸延パラメータに基づいて回転するように構成することができる。いくつかの実施形態においては、磁気要素を、伸延装置の磁気要素との磁気的整列にずれが存在する場合でもトルク発生能力が失われないように構成することができる。いくつかの実施形態において、磁気要素は、少なくとも２つの磁石を備えることができ、第１の磁石と第２の磁石とが反対の極性を有するように構成される。

ハンドヘルド装置は、ハンドヘルド装置の磁気要素に結合して、この磁気要素の回転を生じさせるモータをさらに含むことができる。ハンドヘルド装置のマイクロプロセッサを、伸延パラメータに基づいてモータを制御するように構成することができる。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、回転可能なねじキャップをさらに含むことができ、このねじキャップの回転により、伸延装置の磁気要素に対するハンドヘルド装置の磁気要素の距離が調整される。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、ハンドヘルド装置の磁気要素を始動させるように構成されたボタンまたはレバーの少なくとも一方を含むことができる。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、伸延の発生が予定されているときに患者に警告するように構成された光要素と、伸延の発生が予定されているときに患者に警告するように構成された音要素とを含むことができる。いくつかの実施形態において、光要素は、ハンドヘルド装置を操って伸延装置に磁気的に整列させる患者を補助するようにさらに構成される。いくつかの実施形態において、音要素は、伸延パラメータからの逸脱に関して患者に警告するようにさらに構成される。いくつかの実施形態においては、ハンドヘルド装置を、伸延装置の磁気要素との磁気的整列にずれが存在する場合でもトルク発生能力が失われないように構成することができる。

いくつかの実施形態において、本開示の主題は、伸延パラメータを変更してハンドヘルド装置のマイクロプロセッサに送信するように構成されたユーザ装置を含むことができる。いくつかの実施形態においては、ユーザ装置を、患者の非順守および安全事象を記録および報告するようにさらに構成することができる。

さらに、本開示の主題は、患者の皮下において骨の対向する骨片に伸延装置を埋め込み、そのような装置を使用するための技術を提供する。いくつかの実施形態においては、ハンドヘルド装置が、１つ以上の伸延パラメータでプログラムされ、ハンドヘルド装置の磁気要素の回転によって伸延装置の磁気要素の対応する回転が生じるように、伸延装置に磁気的に結合する。ハンドヘルド装置を、ハンドヘルド装置の磁気要素が１つ以上の伸延パラメータに基づいて回転するように始動させることができる。

いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、伸延が所定の時間パラメータに従って発生していることを確認することができる。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、１つ以上の伸延パラメータについてユーザの順守を監視することができ、ユーザの非順守を患者の医師に報告することができる。

いくつかの実施形態において、本開示の主題は、ハンドヘルド装置上のねじを回転させて、伸延装置の磁気要素に対するハンドヘルド装置の磁気要素の距離を調整することを含むことができる。いくつかの実施形態において、本開示の主題は、伸延の距離を監視することを含むことができ、ハンドヘルド装置は、伸延の距離が、伸延パラメータによって示される伸延の最大距離を超え、あるいは超えそうになった場合に、伸延を終了させる。いくつかの実施形態においては、伸延の距離を、伸延装置の磁気要素の回転数をカウントすることによって決定することができる。

いくつかの実施形態において、本開示の主題は、伸延の速度を監視することを含むことができ、速度は、速度が１つ以上の伸延パラメータの範囲内にない場合に調整され、かつ／あるいは伸延が、伸延の速度が伸延パラメータに適合できない場合に終了させられる。いくつかの実施形態において、本開示の主題は、伸延のレートを監視することを含むことができ、レートの急な変化の検出が、警報を発生させる。いくつかの実施形態において、本開示の主題は、ハンドヘルド装置の磁気要素に加えられるトルクを監視することを含むことができ、トルクの急な変化または総トルクの増大の検出が、警報を発生させる。

本開示に組み込まれて本開示の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、本開示の原理を説明する役に立つ。

本開示の主題のいくつかの実施形態による伸延システム用の伸延装置の図である。 本開示の主題のいくつかの実施形態による伸延システム用の伸延装置の組立図である。 本開示の主題のいくつかの実施形態による伸延システム用の伸延装置の例示的な磁気要素を示している。 本開示の主題のいくつかの実施形態による頭蓋－顎の顔伸延システム用のハンドヘルド装置の図である。 本開示の主題のいくつかの実施形態による伸延システム用のハンドヘルド装置の例示的な磁気要素を示している。 本開示の主題のいくつかの実施形態に従って実施される方法を説明する図である。

図面の全体を通して、同じ参照番号および符号が、とくに明記されない限り、図示される実施形態の同様の特徴、要素、構成要素、または部分を示すために使用される。さらに、ここで図を参照して本発明を詳細に説明するが、説明は例示的な実施形態に関連して行われる。

頭蓋－顎の顔伸延のための技術が提示される。伸延装置が、対向する骨片に取り付けられて、患者の皮下に埋め込まれる。伸延装置は、伸延要素および磁気要素を有する。伸延要素は、骨片に取り付けられ、骨片を引き離すことによって伸延骨形成を実行する。ハンドヘルド装置が、伸延装置の磁気要素を動作可能に結合させるために使用される。ハンドヘルド装置は、磁気要素、モータ、およびマイクロプロセッサを含むことができる。マイクロプロセッサは、伸延パラメータを使用してモータを制御し、モータがハンドヘルド装置の磁気要素を回転させる。ハンドヘルド装置の磁気要素が回転するとき、伸延装置の磁気要素も回転する。伸延装置の磁気要素の回転は、骨片を引き離すときの伸延要素を制御する。

図１および図２は、本開示の主題のいくつかの実施形態による頭蓋－顎の顔伸延システム用の例示的な伸延装置の図である。伸延装置を、患者の皮下に埋め込むことができる。伸延装置は、伸延要素１０１および回転可能な磁気要素１０２を含むことができる。伸延要素１０１は、任意の埋め込み可能な剛体材料であってよい。例えば、伸延要素１０１は、ステンレス鋼またはチタンであってよい。磁気要素１０２は、埋め込みのために充分に小さく、かつ骨セグメントを伸ばすために必要なトルクを発生させるために充分に大きい限りにおいて、任意のサイズであってよい。例えば、磁気要素１０２は、０．８３インチポンドのトルクを発生させる１２ｍｍの磁石であってよい。

図３が、直径方向磁極を有する伸延装置の例示的な磁気要素を示している。直径方向磁極の磁石は、Ｎ極３０２およびＳ極３０３が直径３０１の両側に位置するように、その直径３０１を横切って磁化される。直径方向磁極の磁石は、磁気要素１０２を磁気要素の幾何学的な軸線を中心にして回転させることを可能にできる。いくつかの実施形態において、磁気要素１０２を、磁石の極性をパイの構成にて交互にする単純な磁気カプラと比べ、より大きなトルクを発生させるように構成することができる。

伸延要素１０１を、骨の対向する骨片に取り付け、骨について伸延骨形成を実行することができる。磁気要素１０２を、磁気要素１０２の回転によって伸延要素が制御されるように、伸延要素１０１に結合させることができる。伸延要素１０１は、骨フットプレート１０３、駆動シャフト１０４、ウォーム１０５、およびギア１０６を含むことができる。磁気要素は、磁石１０７、磁気カバー１０８、および磁気ハウジング１０９を含むことができる。磁石１０７が回転すると、ギア１０６を回転させることができる。ギア１０６は、ウォーム１０５にトルクを伝達することができ、ウォーム１０５が、駆動シャフト１０４を回転させることができる。駆動シャフトが、骨フットプレート１０３を引き離すことによって対向する骨片の間の隔たりを増大させ、したがって伸延骨形成を生じさせることができる。骨フットプレート１０３を、伸延装置を取り外すことができるように、吸収性の材料で構成することができる。いくつかの実施形態において、伸延要素は、１日当たり約１～２ミリメートルの伸延を実行することができる。

いくつかの実施形態において、伸延装置は、ハンドヘルド装置のマイクロプロセッサに通信可能に結合する電子要素を含むことができる。電子要素は、回転可能な磁気要素の１つ以上の回転をカウントすることによって、伸延の距離を決定することができる。例えば、電子要素は、ＮＦＣ ＲＦＩＤタグであってよい。ＮＦＣ ＲＦＩＤタグは、磁気要素のＳ極上のフェライト片によって引き起こされる磁場の中断を検出することができる。各々の中断が、伸延装置の磁気要素の１回転に対応する。

図４が、本開示の主題のいくつかの実施形態による頭蓋－顎の顔伸延システム用の例示的なハンドヘルド装置の図である。このハンドヘルド装置を患者が使用することができる。ハンドヘルド装置は、磁気要素４０１、モータ４０２、およびマイクロプロセッサ４０３を含むことができる。

磁気要素４０１を、ハンドヘルド装置の磁気要素４０１の回転によって伸延装置の磁気要素１０２の対応する回転が生じるように、伸延装置の磁気要素１０２に動作可能に結合させ、磁気的に整列させることができる。いくつかの実施形態においては、ハンドヘルド装置を、磁気要素４０１が発生させる磁場の大きさを増加させるために、鋼製ベースに取り付けることができる。いくつかの実施形態においては、磁気要素４０１を、伸延装置の磁気要素１０２との磁気的整列にずれが存在する場合でもトルク発生能力が失われないように構成することができる。

図５が、少なくとも２つの磁石を備えるハンドヘルド装置の例示的な磁気要素を示している。第１の磁石５０１と第２の磁石５０２とが、反対の極性を有するように構成される。第１の磁石５０１は、Ｎ極またはＳ極が磁気要素の遠位端５０３に位置するように構成される。第２の磁石５０２は、第１の磁石５０１の反対の極性が磁気要素の遠位端５０３に位置するように構成される。例えば、磁気要素の遠位端５０３に、第１の磁石５０１はＳ極を有することができ、第２の磁石５０２はＮ極を有することができ、あるいはその逆も可能である。いくつかの実施形態において、磁気要素は、第１の磁石５０１と第２の磁石５０２との間に配置されるように構成された第３の磁石をさらに備えることができる。第３の磁石を、第１の磁石および第２の磁石に結合させることができ、第３の磁石は、第１の磁石および第２の磁石が第３の磁石の周りを回転するように回転可能である。磁気要素４０１の対向する極性は、直径方向磁極の伸延装置の磁気要素１０２を回転させることができる。

モータ４０２を、モータ４０２によってハンドヘルド装置の磁気要素４０１が回転するように、ハンドヘルド装置の磁気要素４０１に結合させることができる。いくつかの実施形態において、モータの回転の数が、伸延の距離に対応することができる。例えば、モータの３４回転が、伸延装置の１ミリメートルの動きに対応することができる。

マイクロプロセッサ４０３を、マイクロプロセッサ４０３によってモータ４０２が伸延パラメータに基づいて制御されるように、モータ４０２に電気的に結合させることができる。伸延パラメータとして、磁気的整列、伸延の時間、伸延の距離、伸延の速度、伸延のレート、およびハンドヘルド装置の磁気要素に加えられるトルクを挙げることができる。

バッテリを、マイクロプロセッサ４０３に電気的に結合させることができる。バッテリは、マイクロプロセッサ４０３およびモータ４０２に電力を供給することによって磁気要素４０１を回転させることができる。

いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、回転可能なねじキャップ４０４を含むことができる。回転可能なねじキャップ４０４を回転させて、伸延装置の磁気要素に対するハンドヘルド装置の磁気要素の距離を調整することができる。いくつかの実施形態において、回転可能なねじキャップ４０４は、ねじキャップ４０４が回転させられるときに、ユーザが埋め込まれた装置を覆う皮膚上にハンドヘルド装置を配置することを可能にする。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、ボタン４０５およびレバーのうちの少なくとも一方を含むことができる。ハンドヘルド装置の磁気要素を作動させるために、ボタン４０５を押すことができ、かつ／あるいはレバーを放すことができる。ボタン４０５が押され、かつ／あるいはレバーが放されると、伸延を開始できることがマイクロプロセッサ４０３に伝達される。次いで、マイクロプロセッサ４０３は、伸延パラメータに基づいてモータ４０２を始動させる。

いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、１つ以上の光要素および音要素を含むことができ、各々の光要素および音要素は、伸延の発生が予定されているときに患者に警告するように構成される。マイクロプロセッサ４０３は、内部クロックを含むことができる。クロックは、伸延パラメータに基づいて、伸延の発生がいつ予定されているかを監視することができる。伸延の発生が予定されているときに、マイクロプロセッサ４０３は、光要素および／または音要素を作動させて患者に警告することができる。

光要素は、ハンドヘルド装置を操って伸延装置に磁気的に整列させる患者を補助することができる。マイクロプロセッサ４０３が、ハンドヘルド装置と伸延装置との間の磁気的整列を監視することができる。磁気的整列が達成されると、マイクロプロセッサ４０３は、光要素を作動させて患者に知らせることができる。音要素が、伸延の発生が予定されているときに患者に警告し、伸延パラメータからの逸脱について患者に警告することができる。マイクロプロセッサ４０３は、伸延の間、伸延パラメータを監視することができる。次いで、マイクロプロセッサは、伸延パラメータからの逸脱を患者に警告するために音要素を作動させることができる。

頭蓋－顎の顔伸延システムは、ユーザ装置（図示せず）をさらに含むことができる。ユーザ装置は、伸延パラメータを変更してマイクロプロセッサ４０３に送信することができ、患者の非順守および安全事象を記録および報告することができる。例えば、ユーザは、伸延パラメータの更新をスマートフォンまたはコンピュータなどのユーザ装置に入力することができる。次いで、ユーザ装置は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈなどの無線モジュールまたはＵＳＢなどの有線モジュールを介して、更新されたパラメータをマイクロプロセッサ４０３に送信することができる。

図６が、本開示の主題のいくつかの実施形態に従って実施される方法を説明する図である。この方法を、図１および図２のシステム上で実施することができる。６００において、伸延装置を患者の皮下に埋め込むことができる。伸延装置が骨の対向する骨片に取り付けられ、骨について伸延骨形成を実行することができる。６１０において、１つ以上の伸延パラメータをハンドヘルドへとプログラムすることができる。これは、医師が伸延パラメータでハンドヘルド装置をプログラミングすること、または患者が伸延パラメータの更新をハンドヘルド装置にプログラミングすることを含むことができる。

６２０において、ハンドヘルド装置を伸延装置に磁気的に結合させることができる。磁気的結合は、ハンドヘルド装置の磁気要素の回転によって伸延装置の磁気要素の対応する回転を引き起こすことを可能にする。６３０において、ハンドヘルド装置のねじキャップカバーを回転させることができる。ねじキャップカバーは、伸延装置の磁気要素に対するハンドヘルド装置の磁気要素の距離を調整することができる。ねじキャップカバーを回転させることにより、患者を過度の磁気的な引っ張りから保護することができる。ねじキャップカバーを、埋め込まれた装置を覆っている皮膚上にハンドヘルド装置を配置する前または配置した後に回転させることができる。

６４０において、ハンドヘルド装置を始動させることができる。ハンドヘルド装置の始動は、伸延パラメータに基づいてハンドヘルド装置の磁気要素を回転させることができる。ハンドヘルド装置の磁気要素の回転は、伸延装置の磁気要素の対応する回転を生じさせる。伸延装置の磁気要素の回転は、対向する骨片の間の距離を制御することができる。対向する骨片が伸延装置の磁気要素の回転によって引き離されるにつれて、伸延骨形成が生じる。

６５０において、ハンドヘルド装置は、伸延パラメータを監視することができる。例えば、ハンドヘルド装置は、伸延の距離を監視し、伸延の距離が、伸延パラメータによって示される伸延の最大距離を超え、あるいは超えそうになった場合に、伸延を終了させることができる。例えば、ハンドヘルド装置は、伸延の速度を監視し、伸延の速度が伸延パラメータの範囲内に収まらない場合に、速度を調整し、伸延の速度が伸延パラメータに適合しない場合に、伸延を終了させることができる。例えば、ハンドヘルド装置は、伸延のレートを監視し、レートの急な変化を検出したときに警報を発生させることができる。例えば、ハンドヘルド装置は、ハンドヘルド装置の磁気要素に加えられるトルクを監視し、トルクの急な変化または総トルクの増加を検出したときに警報を発生させることができる。６２０～６５０を、骨を伸ばすために必要に応じて繰り返すことができる。

いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、６３０においてハンドヘルド装置を始動させる前に伸延が所定の時間パラメータに従って発生していることを確認することができる。ハンドヘルド装置は、伸延パラメータに基づいて伸延の発生がいつ予定されているかを監視する内部クロックを含むことができる。所定の時間パラメータ外で伸延が開始されたとき、ハンドヘルド装置は、その開始を停止させることにより、伸延を防止することができる。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド装置は、１つ以上の伸延パラメータについてユーザの順守を監視することができ、ユーザの非順守を患者の医師に報告することができる。

以上は、あくまでも本開示の主題の原理を例示しているにすぎない。上述の実施形態に対するさまざまな修正および変更が、本明細書の教示に鑑みて、当業者にとって明らかであろう。例えば、本システムは、身体全体の伸延骨形成に使用することが可能である。例えば、本システムを、骨格全体の小骨における骨治癒の合併症を防止するために使用することができ、伸延装置は、２つの骨セグメントを広げるのではなく、２つの骨セグメントを圧縮するように、逆に作動することができる。したがって、本明細書に明示的には記載されていないが、本開示の主題の原理を具体化し、したがって本開示の主題の技術的思想および技術的範囲の範囲内にある多数の技術を、当業者であれば考案することができることを、理解できるであろう。

Claims (20)

1. 患者の骨の伸延のためのシステムであって、
   患者の皮下に埋め込まれるように構成される伸延装置であって、
   前記骨の対向する骨片に取り付けられて、前記骨について伸延骨形成を実行するように構成された伸延要素と、
   前記磁気要素の回転によって前記伸延要素の動きを制御するように、前記伸延要素に結合した回転可能な磁気要素と、
   を備える伸延装置と、
   前記伸延装置に動作可能に結合するハンドヘルド装置であって、
   前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素の回転が、前記伸延装置の前記磁気要素の対応する回転を生じさせるように、前記伸延装置の前記磁気要素に動作可能に結合しかつ前記伸延装置の前記磁気要素と磁気的に整列する磁気要素を備え、前記磁気要素は、１つ以上の伸延パラメータに基づいて回転するように構成されている、ハンドヘルド装置と、
   を備えるシステム。
2. 前記ハンドヘルド装置が、回転可能なねじキャップをさらに備え、該ねじキャップの回転により、前記伸延装置の前記磁気要素に対する前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素の距離が調整される、請求項１に記載のシステム。
3. 前記ハンドヘルド装置が、前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素を始動させるように構成されたボタンまたはレバーの少なくとも一方をさらに備える、請求項１に記載のシステム。
4. 前記伸延装置が、前記ハンドヘルド装置のマイクロプロセッサに通信可能に結合する電子要素をさらに備え、前記電子要素が、前記回転可能な磁気要素の１つ以上の回転をカウントすることによって伸延の距離を決定するように構成される、請求項１に記載のシステム。
5. 前記電子要素が、前記回転可能な磁気要素が発生させる磁場の１つ以上の中断を検出することによって前記回転可能な磁気要素の前記１つ以上の回転をカウントするように構成され、各々の中断が、前記回転可能な磁気要素の１回転に対応し、前記回転可能な磁気要素上のフェライト片が、前記磁場を中断させるように構成されている、請求項４に記載のシステム。
6. 前記１つ以上の伸延パラメータに基づいて前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素の回転を制御するように構成されたマイクロプロセッサをさらに備える、請求項１に記載のシステム。
7. 前記伸延パラメータを変更して前記ハンドヘルド装置の前記マイクロプロセッサに送信するように構成されたユーザ装置をさらに備える、請求項６に記載のシステム。
8. 前記ハンドヘルド装置が、患者の非順守および安全事象を記録および報告するようにさらに構成される、請求項１に記載のシステム。
9. 前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素に結合し、該磁気要素の回転を生じさせるモータをさらに備える、請求項１に記載のシステム。
10. 前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素が、前記伸延装置の前記磁気要素との磁気的整列にずれが存在する場合にもトルク発生能力を失わないように構成される、請求項１に記載のシステム。
11. 前記伸延装置の前記磁気要素が、直径方向磁極となるように構成され、前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素が、少なくとも２つの磁石を備え、第１の磁石と第２の磁石とが反対の極性を有するように構成される、請求項１に記載のシステム。
12. 患者の骨の頭蓋－顎の顔伸延のための方法であって、
    伸延装置を患者の皮下において骨の対向する骨片に埋め込むステップと、
    ハンドヘルド装置を１つ以上の伸延パラメータでプログラムするステップと、
    前記ハンドヘルド装置の磁気要素の回転によって前記伸延装置の磁気要素の対応する回転が生じるように、前記ハンドヘルド装置を前記伸延装置に磁気的に結合させるステップと、
    前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素が前記１つ以上の伸延パラメータに基づいて回転するように、前記ハンドヘルド装置を始動させるステップと、
    を含む方法。
13. 前記ハンドヘルド装置が、所定の時間パラメータに従って伸延が生じていることを確認する、請求項１２に記載の方法。
14. 前記ハンドヘルド装置が、前記１つ以上の伸延パラメータについてユーザの順守を監視する、請求項１２に記載の方法。
15. 伸延の距離を監視するステップをさらに含む、請求項１２に記載の方法。
16. 前記監視するステップが、前記伸延装置の前記磁気要素の回転の数をカウントして伸延の距離を決定する、請求項１５に記載の方法。
17. 伸延の速度を監視するステップをさらに含み、前記速度は、該速度が前記１つ以上の伸延パラメータの範囲内にない場合に調整され、かつ／あるいは伸延が、伸延の前記速度が前記伸延パラメータに適合できない場合に終了させられる、請求項１２に記載の方法。
18. 伸延のレートを監視するステップをさらに含み、前記レートの急な変化の検出が、警報を発生させる、請求項１２に記載の方法。
19. 前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素に加えられるトルクを監視するステップをさらに含み、前記トルクの急な変化または総トルクの増大の検出が、警報を発生させる、請求項１２に記載の方法。
20. 回転可能なねじキャップを回転させるステップをさらに含み、該ねじキャップの回転により、前記伸延装置の前記磁気要素に対する前記ハンドヘルド装置の前記磁気要素の距離が調整される、請求項１２に記載の方法。

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