JP2022520643A - 化学生産プラントにおける運転条件を決定するシステム、方法及びコンピュータプログラム製品 - Google Patents

化学生産プラントにおける運転条件を決定するシステム、方法及びコンピュータプログラム製品 Download PDF

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Abstract

少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの運転条件を決定するためのシステムと方法が提供される。通信インターフェースを介して、運転データと触媒老化インジケータが受信される(10)。予定された生産運転又は現在の生産運転の運転条件のための少なくとも1つ目標運転パラメータが決定される(14)。前記運転条件のための前記少なくとも1つ目標運転パラメータは化学生産プラントの監視及び/又は制御のために使用される。

Description

本開示は、少なくとも1つの触媒反応器を有する化学生産プラントの予定された又は現在の生産運転における運転条件を決定するシステム、方法及びコンピュータプログラム製品に関する。
触媒反応器は、原材料を価値ある化学物質に変換するために化学産業で広く使われている。触媒の性能(変換率、選択率及び収率など)は、反応器の運転パラメータと触媒の老化に関連する。一定の性能目標を達成するために、プラントのオペレータは、経験と工学知識に基づいて反応器のパラメータを調整しなければならない。多くの場合、動力学、熱及び物質輸送現象に基づく反応器モデルは、触媒の性能を表すこと、及び反応器運転のより直接的な制御を可能にすることのために使用される。しかし、このようなモデルは複雑であり、動力学及び輸送パラメータの実験的な決定は非常に面倒で高価である。
最近では、ハイブリッドタイプが発表され、それは部分的にプロセス知識に依存しながらも、機械学習方法をも用いている。例えば、Clough及びRamirez(AIChEJ 22,1976,1097頁)、並びにGujarati及びBabu(Chem.Eng.Sci.65,2010,2009頁)は、スチレン反応器の知識ベースモデルを発表し、それを用いてスチレン収率又はプロセス経済性を最大化するために反応器運転を最適化している。どちらの場合も、運動速度方程式及び係数は前の文献から採られている。これらのモデルは、実際の触媒ごとに運動係数を個別に計算しなければならないことを考慮すると、実用性は限られている(触媒が異なれば、系内で起こるすべての化学変換に対する反応速度が異なる)。さらに、触媒の老化速度も考慮されていない。
Tamsiianら(Comp.Chem.40,2012,1頁)は、文献に開示された運動方程式に基づいてモデルを開発し、5日間の運転からのスチレンプラントデータを用いて速度係数を適合させた。
H.Limら(Ind.Eng.Chem.Res.43,2004,6441頁)は、触媒性能(変換率及び選択率)の反応器運転パラメータ、圧力、温度、STO比及びエチルベンゼン流量への依存性を入力変数として記述する第一原理(知識ベース)部分と;第一原理モデルで使用される不活性化要因を予測するためのニューラルネットワークモデルからなるハイブリッドモデルを開発した。ニューラルネットワークは、不活性化要因、入口温度、最新のタイムステップのエチルベンゼンと蒸気の全圧と分圧に基づいて更新された不活性化要因を予測する。
Shahhosseiniら(Int.J.Chem.React.Eng.9,2011)は、断熱工業反応器システムの性能を最適化するためのハイブリッドモデルを開発した。まず、実験的な等温反応器で測定した7つのデータポイントを用いて、動力学モデルを適合させた。このようにして推定された運動係数によって、彼らはタブ検索アルゴリズム又は遺伝的アルゴリズムを用いて、エチルベンゼン変換とスチレン選択性という2つの目的関数を最大化するように運転条件を効率的に最適化した。触媒活性は時間の指数関数としてモデル化され、文献値に基づいて48ヶ月間で100%から40%まで減衰した。この方法での不活性化のモデル化は、運転特有の及びプラント特有の不活性予測に必須な異なる運転シナリオの影響を反映することができない。
Wuらの(コンピュータサイエンスの講義ノート,10357,301~312頁,2017)とWO2018/035718A1は、実際の運転データに基づくスチレン生産量をリアルタイム予測のためのデータ駆動型モデルを開示している。33のセンサベース予測子が、主成分分析(PCA)とランダムフォレストの変数重要度分析の組み合わせから特定された。一般化回帰ニューラルネットワーク(GRNN)、カルマンフィルタリング後のGRNN、及びランダムフォレスト回帰モデルの3つのモデルが、スチレンモノマーの収率を予測するために比較された。Wuらは、入手可能なセンサデータの情報が通常数時間を要する分析試験後にのみ入手可能であるとの述べられた動機によって、入手可能なセンサデータに基づいて現在のスチレン生産を予測することに集中している。しかし、提示された方法は、ユーザ定義の運転シナリオに基づく性能予測、又は将来の時点におけるスチレンモノマー収量を含む性能予想には関係していない。触媒の不活性化は考慮されていない。
このように、触媒反応器におけるスチレン生産をモデル化するために多くの知識ベース又は動力学モデルが開発され、最近では、いくつかの場合には性能モデル化自体よりも動力学モデルの最適化のためであるが、機械学習(ML)の要素が統合されている(ハイブリッドモデル)。すべてのハイブリッドモデリング及び機械学習アプローチでは、ML方法は、通常単一の実験プラント又は生産プラントの単一の運転からなる小さなデータセットで学習される。
知識ベース又は動力学ハイブリッド反応器モデルは複雑で、しばしば計算努力を低減するために仮定を単純化する必要がある。ほとんどの場合、触媒の性能と老化に寄与する物理化学的プロセスのすべてが理解されるわけではない。例えば、スチレン系触媒の場合、カリウムの損失は、触媒床の深さに沿って及び触媒粒子内で発生する温度勾配、STO比、ガス状混合物中の二酸化炭素含有量(コークスのガス化によって生じる)、及び触媒床に沿った圧力勾配によって制御されるため、カリウムの蒸発速度を正確に推定することは不可能である。触媒床内及び触媒の寿命にわたって触媒の老化速度を推定するために、反応床のすべて点におけるカリウム損失速度を先験的に計算することはできない。
WO2018/035718A1
Clough及びRamirez(AIChEJ 22,1976,1097頁) Gujarati及びBabu(Chem.Eng.Sci.65,2010,2009頁) Tamsiian他(Comp.Chem.40,2012,1頁) H.Lim他(Ind.Eng.Chem.Res.43,2004,6441頁) Shahhosseini他(Int.J.Chem.React.Eng.9,2011) Wu他(コンピュータサイエンスの講義ノート,10357,301~312頁,2017)
本開示の目的は、少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントにおける運転条件を決定する方法を提供することであって、該方法は、堅牢で安定かつ信頼性の高い反応器の運転を可能にし、触媒ベースの生産プラントのプロセス制御を向上させる。
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの運転条件を決定するためのシステムが提供される。前記システムは:
通信インターフェース及び前記通信インターフェースと通信する処理装置を含み、前記システムは:
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転のための事前に定義された運転条件を示す運転データ、又は現在の生産運転のための現在の運転条件を示す測定された運転データであって、少なくとも1つの運転データポイントが現在の運転条件の変更を示す所望の運転値を含む運転データを受信し、
- 前記通信インターフェースを介して、現在の又は予定された生産運転における触媒が使用された期間と関連する触媒老化インジケータを受信し、
- 前記処理装置を介して、好ましくはデータ駆動型機械学習モデルであるデータ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて予定された生産運転の運転条件又は現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定し、
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを提供する、
ように構成されている。
本発明の第1の態様の別の例によれば、少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの運転条件を決定するためのシステムが提供される。前記システムは、通信インターフェースと、前記通信インターフェースと通信する処理装置とを備えている。
(a)予定された生産運転のために、前記システムは:
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転のための事前に定義された運転条件を示す運転データを受信し、
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転における触媒が使用された期間に関連する触媒老化インジケータを受信し、
- 前記処理装置を介して、データ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて前記予定された生産運転の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定し、
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを提供する、
ように構成されているか、又は
(b)現在の生産運転における変更のために、前記システムは:
- 前記通信インターフェースを介して、少なくとも1つの運転データポイントが現在の運転条件の変更を示す所望の運転値を含む現在の生産運転のための現在の運転条件を示す測定された運転データを受信し、
- 前記通信インターフェースを介して、現在の生産運転における触媒が使用された期間と関連する触媒老化インジケータを受信し、
- 前記処理装置を介して、データ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定し、
- 前記通信インターフェースを介して、現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを提供する、
ように構成されている。
本発明の第2の態様によれば、化学生産プラントの予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件を最適化するシステムが提供される。前記システムは、上述のシステムと、最適化処理装置とを備え、前記最適化処理装置は:
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の1つ以上の運転条件について、決定された目標運転パラメータを受信し、
- 前記最適化処理装置を介して、各運転条件のための前記受信した目標運転パラメータに基づいて、前記目標運転パラメータの最大値又は最小値、又は前記目標運転パラメータから導出された少なくとも1つの最適化パラメータの最大値又は最小値を決定し、
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転又は現在の生産運転の最適運転条件を示す最大値又は最小値、例えば目標運転パラメータの最大値又は最小値、又は目標運転パラメータから導出される最適化パラメータの最大値又は最小値を提供する、
ように構成されている。
本発明の第2の態様の別の例によれば、化学生産プラントの運転条件を最適化するためのシステムが提供される。前記システムは、上述のシステムと、最適化処理装置とを備え、前記最適化処理装置は:
- 前記通信インターフェースを介して、(a)予定された生産運転、又は(b)現在の生産運転における変更に対して決定された複数の運転条件について、決定された目標運転パラメータを受信し、
- 前記最適化処理装置を介して、各運転条件について前記受信した目標運転パラメータに基づいて、前記目標運転パラメータの最小値又は最大値、又は前記目標運転パラメータから導出される最適化パラメータの最小値又は最大値を決定し、
- 前記通信インターフェースを介して、(a)予定された生産運転、又は(b)現在の生産運転のいずれかにおける最適運転条件を示す最小値あるいは最大値、例えば、目標運転パラメータの最小値あるいは最大値、又は目標運転パラメータから導出される最適化パラメータの最小値あるいは最大値を提供する、
ように構成されている。
本発明の第3の態様によれば、生産監視及び/又は制御システムが提供されており、前記システムは、上述の運転条件を決定するために、又は上述の運転条件を最適化するために前記システムに例えば有線接続又は無線接続を介して通信可能に結合された通信インターフェースを含む。前記生産監視及び/又は制御システムは、表示装置を含んでもよく、前記表示装置は決定された運転条件を受信し、表示するように構成されている。前記生産監視及び/又は制御システムは、制御ユニットを含んでもよく、前記制御システムは決定された運転条件を受信し、前記決定された運転条件に基づいて化学生産プラントの現在の又は予定された生産運転を制御するように構成されている。決定された運転条件は、好ましくは、決定された目標運転パラメータと、任意の所望の運転値をさらに任意に含む運転データとを含む。
本発明の第4の態様によれば、少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの、予定された生産運転のための運転条件、又は現在の生産運転における変更のための運転条件を決定するための、コンピュータ実行方法が提供される。前記方法は、以下のステップを含む:
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転の事前に定義された運転条件を示す運転データ、又は現在の生産運転を示す測定された運転データを受信するステップであって、少なくとも1つの運転データポイントが現在の運転条件の変更を示す所望の運転値を含むステップ、
- 前記通信インターフェースを介して、現在の又は予定された生産運転における触媒が使用された期間に関連する触媒老化インジケータを受信するステップ、
- 処理装置を介して、データ駆動型機械学習モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型機械学習モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定するステップ、
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを提供するステップ。
本発明の第4の態様の別の例によれば、少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの運転条件を決定するための、コンピュータ実行方法が提供される。前記方法は、以下のステップを含む:
(a)予定された生産運転について前記方法は以下のステップを含む:
- 通信インターフェースを介して、予定された生産運転のための事前に定義された運転条件を示す運転データを受信するステップ、
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転における触媒が使用された期間と関連する触媒老化インジケータを受信するステップ、
- 処理装置を介して、データ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて予定された生産運転の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定するステップ、
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを提供するステップ、又は、
(b)現在の生産運転における変更について前記方法は以下のステップを含む:
- 通信インターフェースを介して、現在の生産運転のための現在の運転条件を示す測定された運転データであって、少なくとも1つの運転データポイントが現在の運転条件の変更を示す所望の運転値を含む運転データを受信するステップ、
- 前記通信インターフェースを介して、現在の生産運転における触媒が使用された期間と関連する触媒老化インジケータを受信するステップ、
- 処理装置を介して、データ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて、現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定するステップ、
- 前記通信インターフェースを介して、現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを提供するステップ。
本発明の第5の態様によれば、化学生産プラントの、予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件を最適化するための方法が提供される。前記方法は、以下のステップを含む:
- 通信インターフェースを介して、予定された生産運転又は現在の生産運転における変更についての1つ以上の運転条件について、決定された目標運転パラメータを受信するステップ、
- 最適化処理装置を介して、各運転条件のための前記受信した目標運転パラメータに基づいて、前記目標運転パラメータの最大値又は最小値、又は前記目標運転パラメータから導出される最適化パラメータの最大値又は最小値を決定するステップ、
- 前記通信インターフェースを介して、予定された生産運転又は現在の生産運転の最適運転条件を示す最大値又は最小値、例えば目標運転パラメータの最大値又は最小値、又は目標運転パラメータから導出される最適化パラメータの最大値又は最小値を提供するステップ。
本発明の第5の態様の別の例によれば、化学生産プラントの、予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件を最適化するための方法であって、前記方法は以下のステップを含む:
- 通信インターフェースを介して、(a)予定された生産運転、又は(b)現在の生産運転における変更に対して決定された複数の運転条件について、決定された目標運転パラメータを受信するステップ、
- 最適化処理装置を介して、各運転条件のための前記受信した目標運転パラメータに基づいて、前記目標運転パラメータの最大値又は最小値、又は前記目標運転パラメータから導出される最適化パラメータの最大値又は最小値を決定するステップ、
- 前記通信インターフェースを介して、(a)予定された生産運転、又は(b)現在の生産運転のいずれかにおける最適運転条件を示す最小値あるいは最大値、例えば、目標運転パラメータの最小値あるいは最大値、又は目標運転パラメータから導出される最適化パラメータの最小値あるいは最大値を提供するステップ。
本発明の第6の態様によれば、化学生産プラントを監視及び/又は制御するための方法が提供されており、前記方法は、上述の運転条件を決定又は最適化するためのステップを含む。前記方法は、決定された運転条件を表示装置に表示すること、及び/又は決定された運転条件に基づいて化学生産プラントにおける現在の又は予定された生産運転を制御することを含んでよい。決定された運転条件は、好ましくは決定された目標運転パラメータ、及び/又は所望の運転値を任意に含む運転データを含む。
本発明の第7の態様によれば、少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの、予定された生産運転のための運転条件、又は現在の生産運転における変更のための運転条件を決定するためにデータ駆動型モデルを学習させる方法が提供される。前記方法は、以下のステップ含む:
- 通信インターフェースを介して、運転データ、触媒老化インジケータ、少なくとも1つの目標運転パラメータ、任意でプラントメタデータを含む履歴データセットに基づく学習データセットを受信するステップ、
- 処理装置を介して、学習データセットに従ってパラメータ設定を調整することにより、駆動型モデルを学習させるステップ、
- 通信インターフェースを介して、学習されたデータ駆動型モデルを提供するステップ。
本発明の第8の態様によれば、コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品、あるいはコンピュータ可読命令を含むコンピュータ可読命令不揮発性記憶媒体は、処理装置によってロードされて実行されると、本明細書で開示される方法を実行する。
本発明の第9の態様によれば、本明細書に記載された方法に従って学習されたデータ駆動型モデルに関連付けられた触媒の種類識別子を含む触媒が提供されており、前記モデルは、触媒の種類識別子によって示される触媒の種類について学習される。言い換えれば、本明細書に記載された方法に従って学習されたデータ駆動型モデルに関連付けられた触媒及び触媒の種類識別子を含む触媒システムが提供され、前記モデルは、触媒の種類識別子によって示される触媒の種類について学習される。
本発明の第10の態様によれば、本明細書に記載されたコンピュータプログラムに関連付けられた触媒の種類識別子を含む触媒が提供される。言い換えれば、本明細書に記載されたコンピュータプログラムに関連付けられた触媒及び触媒の種類識別子を含む触媒システムが提供される。
本発明の第11の態様によれば、本明細書に記載されたに従って学習されたデータ駆動型モデルに関連付けられた触媒を使用する化学反応プロセスが提供され、前記データ駆動型モデルは、特に少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの運転条件に対して、目標性能を達成するため、プラント構成要素を設計し、化学反応プロセスの運転を最適化するために使用される。
以下の開示は、本明細書に同様に開示されたシステム、方法、コンピュータプログラム、コンピュータ可読不揮発性記憶媒体、触媒、化学反応プロセス及びコンピュータプログラム製品に適用される。したがって、システム、方法、コンピュータプログラム、コンピュータ可読不揮発性記憶媒体、又はコンピュータプログラム製品の間では、区別は行われない。すべての特徴は、本明細書に開示されたシステム、方法、コンピュータプログラム、コンピュータ可読不揮発性記憶媒体、触媒、化学反応プロセス及びコンピュータプログラム製品に関連して開示される。
本発明は、単にデータ駆動型モデルに基づいて運転条件又は運転パラメータを決定するシステム又は方法を提供するものであり、これにより、より堅牢で安定した信頼性の高い反応器の運転が可能となり、触媒ベースの生産プラントにおけるプロセス制御が強化される。特に、反応速度論に関する先験的な情報がなく、したがって基礎となるプロセスに関する推定又は単純化された仮定が必要とされないため、該決定は、動力学モデル又はハイブリッドモデルに基づく既知のアプローチよりも正確である。
具体的には、現在の生産運転における触媒が使用された期間に関連する触媒老化インジケータを提供することによって、触媒の不活性化を考慮して決定する。モデルの入力パラメータに触媒老化インジケータを含めることで、モデルが本質的に触媒の不活性化又はエイジングを考慮するため、運転条件をより正確に決定することができる。触媒の不活性化を考慮することで、運転パラメータの決定は、広範囲の化学生産プラントと運転パラメータに適用できる。対照的に、触媒のエイジングを考慮しない駆動型モデルは、適用範囲が限られる。特にそのようなモデルは、モデルが学習された化学生産プラントに限定され、時には生産プラントでの1回の運転と狭い範囲の運転条件にしか適用できない。
本開示のシステム及び方法は、短期の離散的予測と時系列予想を行う。後者の場合には、生産運転全体における触媒の不活性化プロセスをカバーすることができる。方法及びシステムにより、プラントオペレータは、エネルギーコスト、原料の市場供給、又はプラント製品の需要、及び様々なプラント部品もしくは設備の停止などのプラント内で発生する可能性のある他の制限に応じて、日々の運転方針を改善及び最適化することができる。
さらに、システム及び方法は、プラントの運転データ及び触媒老化インジケータを用いて、触媒ベースの生産プラントの短期な挙動を予測及び/又は長期的な挙動を予想することを可能にする。これにより、例えば、プラントのオペレータは、生産プラントに存在する運転条件に基づいて、予定されている又は現在行われている運転を容易に評価することができるため、触媒ベースの生産プラントでのプロセス制御を強化することができる。このように、本システムは生産プロセスの計画、監視及び制御のための強力なツールを提供する。
本発明の一実施形態では、化学生産プラントは、1つ又は複数の触媒反応器を備える。本発明の文脈では、「触媒反応器」という用語は、触媒化学反応が行われる化学反応器であって、一般に触媒を含むものを意味する。触媒反応器は、固定床触媒反応器であってもよい。化学生産プラントは、スチレン生産プラントであってもよい。
本文脈において、データ駆動型モデル、好ましくはデータ駆動型機械学習モデル又は単なるデータ駆動型モデルとは、化学生産プラント又は触媒反応器の反応速度論又は物理化学プロセスを反映するように学習データセットに従ってパラメータ設定された、学習された数学的モデルのことを指す。学習されていない数学的モデルとは、反応速度論又は物理化学プロセスを反映していないモデルを指し、例えば学習されていない数学的モデルは、経験的観察に基づいた科学的一般化を提供する物理法則から導かれない。したがって、反応速度論又は物理化学的特性は、学習されていない数学的モデルに固有のものではない可能性がある。学習されていないモデルは、そのような特性を反映していない。それぞれの学習データセットを用いた特徴量エンジニアリング及び学習により、学習されていない数学的モデルをパラメータ設定することができる。このような学習の結果、単にデータ駆動型モデル、好ましくはデータ駆動型機械学習モデルであり、学習プロセスの結果として、好ましくは学習プロセスの結果としてのみ、反応速度論又は物理化学的特性を反映する。
この文脈での履歴データとは、少なくとも運転データ、触媒老化インジケータ、及び少なくとも1つの目標運転パラメータを含むデータセットを指し、各データセットは1回の生産運転に関連付けられている。したがって、各データセットは、1つの触媒の生産開始から生産終了までの生産運転に関連するデータを含む。このようなデータは、触媒の寿命にわたる生産運転中、例えば、触媒交換後の生産開始から、触媒が再び交換を必要とする生産終了までの間に測定及び記録されてもよい。
触媒となる化学反応は、本発明の範囲を制限するものではない。一例として、触媒は、脱水素化触媒であってもよい。特に、触媒反応器の触媒は、脂肪族又はアルキル芳香族炭化水素を脱水素して対応する不飽和炭化水素を形成するための酸化鉄ベースの触媒であってもよい。このような脱水素プロセスの例としては、エチルベンゼンからスチレンへの脱水素、イソプロピルベンゼンからα-メチルスチレンへの脱水素、ブテンからブタジエンへの脱水素、又はイソアミレンからイソプレンへの脱水素が挙げられる。本発明の方法及びシステムは、スチレン生産プラントにおいて特に有用である。好ましくは、化学生産プラントは、スチレン触媒を用いてエチルベンゼンをスチレンに変換するスチレン生産プラントである。スチレンの調製は、典型的には、蒸気の存在下でのエチルベンゼンの不均一に触媒された脱水素化を含む。脂肪族又はアルキル芳香族炭化水素の触媒脱水素は、通常、蒸気の存在下で500から700℃の範囲の温度で工業的に行われる。これらのプロセスでは、炭化水素と蒸気が典型的に混合され、高温低圧で酸化鉄脱水素触媒上を通過する。
運転データという用語は、化学生産プラントの運転状況を示す量を指す。特に、そのような量は、化学生産プラントの生産運転中に収集された測定データに関連しており、そのような測定データから直接又は間接的に導き出され得る。好ましい実施形態では、運転データは、化学生産プラントに設置されたセンサを介して測定されたセンサデータ、そのようなセンサデータから直接又は間接的に導き出される量、化学生産プラントから採取されたサンプルで測定された分析データ、そのような分析データから直接又は間接的に導き出される量、又はそれらの組み合わせを含む。
センサデータには、例えば温度センサ、圧力センサ、流量センサなど、設置されたセンサによって化学生産プラントで利用可能な測定量を含めることができる。分析データには、プロセスの任意の時点で、又は化学生産プラントから時間的に抽出されたサンプルの分析測定から提供される量を含むことができる。具体的には、このような分析データは、反応物、出発物質、生成物及び/又は副生成物の組成物であって、例えば触媒反応器の前又は後の、生産プロセスの異なる段階において、生産プロセス中に抽出されたサンプルから、例えばガスクロマトグラフィーを介して決定された組成物を含むことができる。分析データは、好ましくは、触媒の性能特性を決定するための基礎を形成する。
運転データのセットは、基本的な未処理の分析データ及び/又はセンサデータを指す「生データ」、又は、生データから直接又は間接的に導出される処理パラメータもしくは導出パラメータを含むことができる。化学生産プラントの場合、導出パラメータは、それぞれの温度センサから導出される複数の触媒反応器にわたる平均入口温度;蒸気流量及び反応物流量の生データから導出される蒸気対オイル比;反応器の前後の分析データから導出される変換及び選択性;触媒量又は触媒質量によって正規化された生産値などの任意のタイプの正規化データ;累積生産量、現在までの最大負荷などの時系列データから導出される任意のデータ、又はそれらの組み合わせが含まれる。
特に化学生産プラントでは、変換、選択性及び収率は分析データから導出される。ここで変換とは、分数、好ましくは反応器内で完全に変換された反応物のパーセンテージを指す。例えばスチレン生産の場合、これは、出発物質であるエチルベンゼンを任意の生成物に変換することに相当する。所望の生成物の選択性とは、変換された反応物が所望の生成物に変換される量を指す。例えばスチレン生産の場合、これはエチルベンゼンからスチレンへの反応の選択性に相当する。所望の生成物の収率は、変換の数学的生成物と生成物特有の選択性を指す。収率は、所望の生成物に変換された、反応器に投入された反応物のパーセンテージによって表すことができる。
さらなる実施形態では、物理的なプラントレイアウトを示すプラントメタデータが、通信インターフェースを介して受信される。プラントメタデータは、例えば物理的なプラントレイアウトによって事前に定義され、プラント又は反応器の性能に関連し得る、反応器の特性などを記述する反応器の特性を含むことができる。プラントメタデータは、例えば、反応物の混合物が後に通過する反応器の数(例えば、2つ又は3つの反応器)、触媒の総量、反応器ごとの触媒体積、各反応器の寸法(長さ、直径、高さ...)、プラントで使用される触媒の種類、又はそれらの組み合わせが含まれる。さらなる実施形態では、処理ユニットを介した、少なくとも1つの目標運転パラメータの決定は、データ駆動型モデルを使用してプラントメタデータに追加的に基づいており、学習データセットは、追加的にプラントメタデータを含む履歴データセットに基づいている。運転条件の決定にプラントメタデータを含めることで、異なるプラントに適用可能なデータ駆動型モデルを構築することができ、これにより、データ駆動型モデルの学習に利用できるデータポイントの数が増加する。その結果、データ駆動型モデルは、様々な運転条件で運転する様々なプラントの運転条件を、様々な物理的なプラントレイアウトで広く捉えることができ、より正確な決定を可能にする。
さらなる実施形態では、履歴データセットは、複数の生産運転、複数のプラント、及び/又は同じ種類の触媒の複数の触媒バッチからのデータが含まれる。複数の生産運転を学習に含めることで、同一又は異なるプラントの異なる運転条件をカバーすることができる。複数の触媒バッチからのデータを含めることで、触媒バッチ間の違いを考慮することができる。複数の触媒バッチからのデータは、複数の生産運転からのデータを含むことができ、少なくとも1つの生産運転は、同じタイプの触媒の異なる製造バッチが使用される。複数のプラントを含めることにより、異なるプラントからの1つ又は複数の生産運転からのデータが含められる。このように、異なるプラントの運転条件をカバーすることで、モデルの適用範囲をより広げることができる。この文脈では、同じ種類の触媒とは、同じ種類の触媒配合物を指す。複数の触媒バッチとは、異なる製造バッチ又は異なる納入日から提供された同一タイプの触媒を含む。
さらなる実施形態では、触媒老化インジケータは、時間に依存する運転データから導出される、時点、期間、量、及び/又は時間に依存する運転データから累積的に導出される量に基づいている。触媒老化インジケータは、反応物混合物と最初に接触して以来、反応条件で反応器内において触媒が費やした時間によって規定されることができる。追加的に、又は代替的に、触媒の累積負荷又は累積生産量を触媒老化インジケータとして使用してもよく、これは、好ましくは、運転開始時から予測開始時点までの反応物供給量又は変換された反応物の総量によって定義される。ここで述べたインジケータとは別に、触媒老化インジケータとして機能し得る他の任意の量を利用してもよい。触媒老化インジケータは、クライアントデバイスを介して提供されてもよく、プラントオペレータは、生産運転開始の時間又は生産運転開始から予測開始点までの期間を入力する。代替的又は追加的に、触媒老化インジケータは、好ましくは生産運転開始以降の時系列の運転データに基づいて決定されてもよく、生産運転開始は、運転データにおける運転プロファイルに基づいて決定されてもよい。そのような運転プロファイルは、特定の温度、圧力、流量プロファイル、又はそのようなプロファイルの組み合わせを含んでもよい。
現在の生産運転において予定される又は変更される運転条件とは、将来又は予測開始時点の後に化学生産プラントが運転する可能性のある運転条件を指す。このような運転条件は、離散的な時点、複数の離散的な時点、一定期間、又は複数の時間間隔の1つ又は複数についての運転条件を含んでもよい。後者の場合、運転条件は、少なくとも1つの事前に定義された又は所望の運転値が異なる間隔で異なる値を取る、異なる時間間隔を含んでもよい。複数の離散的な時点、期間、又は時間間隔は、予測開始時点から残りの生産運転を経て生産運転終了まで延長することができ、その時点で触媒の交換が必要となる。
また、予定された生産運転のための運転条件は、生産運転開始前に事前に定義された化学生産プラントの運転条件の運転データを参照してもよい。事前に定義された運転条件は、運転条件を規定する事前に定義された運転データのセットを含んでいてもよい。予定された生産運転に対する運転条件を決定することは、生産運転開始前の生産設計及び計画に特に有用である。現在の生産運転のための運転条件は、化学生産プラントで現在設定されている運転条件の変更を指していてもよい。運転条件は、現在の運転条件を規定する運転データのセットを含んでもよく、運転データは、化学生産プラントで現在設定されているような運転パラメータとは異なる少なくとも1つの運転データポイントにある。現在の生産運転に対する運転条件を決定することは、現在の生産運転中の生産を監視及び制御するために特に有用である。
運転条件の決定には、触媒や反応器の性能/挙動を予測又は予想することが含まれ、適切な入力パラメータセットに対するデータ駆動型モデルの適用を説明するために一般的に使用される。スチレン生産プラントの例では、決定とは、例えば、運転データを介して特定の運転条件が与えられた場合に、反応器の入口温度及びエチルベンゼンからスチレンへの反応の関連する選択性を決定することを指す。このようなモデルの出力パラメータの選択は、ほとんどのプラントは、オペレータが入口温度を調整して特定の所望の変換率を達成するように運転されているという事実によって行われる可能性がある。しかしながら、同じデータセットが与えられると、モデルは、以下にさらに詳述するような、例えば、運転条件下で予想される変換を予測するための入力として反応器温度を使用するなど、入力と出力の異なる割り当てを有する類似の方法で開発することができる。
一実施形態では、運転条件に対する少なくとも1つの目標運転パラメータの決定は、離散的な時点の目標運転パラメータを決定する短期モデル、又は特に将来の一定期間の目標運転パラメータを決定する長期モデルに基づいて行われる。短期モデルの場合、運転条件に関する少なくとも1つの目標運転パラメータは、短い時間枠に基づいて決定される。ここで、短い時間枠とは、離散的又は単一の時点を指すことができる。短期モデルは、例えば、線形回帰モデル、非線形回帰モデル、ベイズ線形回帰、ランダムフォレストモデル、ニューラルネットワーク、又はそれらの組み合わせなどの回帰モデルを含む、異なる機械学習技術に基づいていてもよい。他のアプローチを適用してもよい。好ましくは、短期モデルは固有の時間依存性を持たない。さらに好ましくは、短期モデルは、同じ時間tでのモデル入力に基づいて、時間tでの性能又は運転条件を予測することができる。
予定された生産運転の場合、運転データは事前に定義された運転条件を規定することができる。触媒老化インジケータは、例えば、事前に定義された運転条件が時間の経過とともに一定であるか、あるいは事前に定義された時間の経過とともに変更すると仮定して、又は先行する生産運転に基づいて、予定された生産運転について推定することができる。短期モデルによる決定は、例えば、全生産運転にわたって一定の事前に定義された運転条件について、複数の離散的な時点に適用され、触媒老化インジケータは、離散的な時点のそれぞれについて推定されてもよい。このような実装は、将来の生産運転を設計及び計画するために特に有利である。
現在の生産運転の場合、運転データは、化学生産において現在設定されている運転条件を、現在の運転条件からの変化又は逸脱を示す少なくとも1つの所望の運転値を用いて規定することができる。短期モデルを介した決定は、例えば、化学生産において現在設定されている運転条件からの逸脱を示す少なくとも1つの所望の運転値の影響を決定するために、ある時点での1つ又は複数の離散点に適用することができる。このような実装は、現在の生産運転を監視及び制御するために特に有利である。
長期モデルの場合、運転条件に関する少なくとも1つの目標運転パラメータは、長い時間枠に基づいて決定される。ここで、長い時間枠とは、将来の複数の時点を指すことができる。ポイントの数、ひいては予想ホライズンは、生産プラントにおける時間ダイナミクスの時間スケールに依存する。触媒ベースの生産プロセスの場合、このようなダイナミクスは、触媒のエイジングダイナミクスとその時間軸によって決定されることができる。スチレン生産のような不均一な触媒反応の場合、このような時間スケールは数週間、数ヶ月、又は数年の範囲にある可能性がある。長期モデルは、時系列予想法に基づいていてもよい。そのような方法としては、例えば、自己回帰モデル、特に自己回帰(AR)、移動平均(MA)、自己回帰移動平均(ARMA)、自己回帰和分移動平均(ARIMA)、ベクトル自己回帰(VAR)、ベクトル自己回帰移動平均(VARMA)、外生リグレッサーを伴うベクトル自己回帰移動平均(VARMAX)などの既知の回帰法、ランダムフォレストモデル、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、又はそれらの組み合わせなどが挙げられる。その他のアプローチも適用可能である。
一実施形態では、通信インターフェースを介して、予測開始時点までの現在又は前回の生産運転中に測定、予測、又は導出される少なくとも1つの目標運転パラメータの時系列を受信する。例えば、予定される運転の場合、前回の生産中に測定、予測、又は導出される目標運転パラメータを使用することができる。好ましくは、少なくとも1つの目標運転パラメータは、任意で所望の運転値を含む運転データ、少なくとも1つの目標運転パラメータの時系列、触媒老化インジケータ及び任意でデータ駆動型モデルを使用したプラントメタデータに基づいて、予測開始時点に続く1つ又は複数の時点で決定される。さらに好ましくは、データ駆動型モデルは、固有の時間依存性を含む。本実施形態では、少なくとも1つの目標運転パラメータは、機械設定を介して化学生産プラントで制御できない、制御不能な又は内生のパラメータを含み得る。これに対して、少なくとも1つの所望の運転値を含む運転データは、機械設定を介して化学生産プラントで制御された又は外生のパラメータを含み得る。予測開始時点tにおける目標運転パラメータの決定は、例えば、時点t、...、t+N(N>0)について、時点t-1以下までの非制御パラメータ又は非制御パラメータのサブセットに基づいて、任意に制御パラメータ又は制御パラメータのサブセットに基づいて、例えば、時点t、...、t+Nにおいて、任意に例えば、t-1、t-2、...又は選択されたモデルの特定の構造で予想を行うのに適した他の時点をさらに含めて決定することを含んでもよい。
好ましくは、長期モデルは、固有の時間依存性を含む時系列ベースのモデルであり、時点t-1までの時点でのモデル入力に基づいて、時点t、...、t+Nでの目標運転パラメータを予想する。ここで、tは時間的な予測の開始点を指す。このように、長期モデルは、予想の開始時点を超えて制御されていないパラメータの利用可能な情報がなくても、好ましくは長期間にわたって反応器又は触媒性能及び反応器又は触媒性能の変化を決定することができる。これらのモデルは、少なくともいくつかの固有の時間依存性を有し、時点t,...,t+Nでの性能を、時点t-1までの制御されていないパラメータに基づいて、及び、例えば時点t,...,t+N又は選択したモデルの特定の構造で予想を行うのに適した他の時点での任意に制御されたパラメータに基づいて予想をする。
一実施形態では、処理装置は、データ駆動型モデルを介して決定の前に、運転データを前処理するようにさらに構成される。好ましくは、前処理は、物理的なプラントレイアウトに依存しない量への変換を含む。前処理により、異なるプラント間の系統的及び非系統的な差異を考慮に入れることができる。したがって、問題のある特定のプラントからのデータがデータ駆動型モデルの学習に使用されなかったとしても、目標運転パラメータの決定の幅広い適用が可能になる。特に、この変換は、データ駆動型モデル及び/又は運転データの正規化の入力パラメータとしての系統的な要因を含む。
さらなる実施形態では、少なくとも1つの目標運転パラメータを決定する前に、データ駆動型モデルを検証する。このような検証は、決定された目標運転パラメータの解釈性と信頼性を高める。検証のために、通信インターフェースを介して、1つ以上の時点における現在の生産運転中に測定又は導出される運転データ及び少なくとも1つの目標運転パラメータを受信することができる。運転データは、測定された目標運転パラメータが利用可能な時点に対応する、少なくとも1つの目標運転パラメータを決定するために使用されてもよい。特定の時点における決定された目標運転パラメータの結果と、同じ時点に対応する測定された運転パラメータを比較してもよい。比較が有効なモデル運転につながる場合、例えば、差がしきい値よりも小さい場合、又は系統的なエラーが識別されない場合、少なくとも1つの所望の運転値を含む運転データのセットに基づいて、運転条件に対する少なくとも1つの目標運転パラメータの決定が続いてもよい。比較の結果、モデル運転が無効である場合には、そのモデル運転が現在の運転条件で対象の化学プラントを監視及び/又は制御するのに適していないことを知らせる警告が、例えば、表示装置又は音声装置を介して発せられることができる。
さらなる実施形態では、データ駆動型モデルは、少なくとも1つの目標運転パラメータを決定する前に、触媒の種類に基づいて選択される。触媒の種類は、使用される触媒の種類を示すメタデータを介して、例えば触媒の種類識別子を介して受信されてもよい。触媒の種類は、触媒配合物を特定するものであってもよい。このようなオプションにより、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム製品、及び方法を非常に柔軟に使用することができ、異なる化学生産プラントだけでなく、異なる触媒の種類もカバーすることができる。少なくとも1つの目標運転パラメータを決定する前に、入力及び出力パラメータ識別子に基づいてデータ駆動型モデルを選択することで、さらなる柔軟性を加えることができる。入力及び出力パラメータ識別子は、システム又は方法において、どのパラメータが運転データとして使用され、どのパラメータが目標運転パラメータとして使用されるかを特定することができる。このような実装では、異なるデータ駆動型モデルが、各モデルの触媒の種類及び/又はパラメータ識別子を含めてシステムのメモリに保存され、それに基づいて選択ステップが実行されてもよい。
一実施形態では、データ駆動型モデルの学習は、触媒の種類識別子を含む学習データに基づいて実行される。学習されたモデルは、触媒の種類識別子とともに保存されてもよく、好ましくは触媒の種類識別子を含むその種類の触媒とともに提供されてもよい。このような識別は、例えば、それぞれの化学生産プラントに関連して、データベース又は触媒供給容器に取り付けられたモバイル記憶媒体に保存された触媒IDを介して電子的に実施されてもよい。このような場合、モデルは、触媒の種類識別子によって示されるのと同じ触媒の種類の触媒を使用した生産運転で測定された学習データセットに基づいて学習されるのが好ましい。したがって、触媒はデータ駆動型モデルにバンドルされ、特定の触媒種類の触媒を使用している生産プラントのより堅牢な制御を支援することができる。
反応器の運転パラメータ又は運転データ、及び触媒寿命又は触媒老化インジケータの関数として、例えば固定床触媒反応器における触媒の短期的な挙動を予測し、長期的な挙動を予想する方法が提供される。この方法では、データ駆動型モデル、好ましくはデータ駆動型機械学習モデルを使用し、反応速度に関する先験的な情報を含まない。このモデルは、典型的な反応器の運転パラメータ又は運転データ及び生産プラントで利用可能なセンサ及び分析生データから導出されるパラメータなどの、入力パラメータの関数として、触媒の短期的な挙動及び長期的な挙動の両方を予測することができる。本方法を実行するためのソフトウェア製品も提供される。応用例として、本方法は、エチルベンゼンをスチレンに変換するための触媒と技術的な反応器の挙動を予測及び予想するために使用される。
本開示は、触媒のエイジング効果を含み、触媒反応器を含んだ化学生産プラントにおける触媒の短期的な性能を予測し、長期的な性能を予想する、コンピュータ実装方法を提供する。本方法は、化学生産プラント、特に触媒反応器の数学的モデルを使用することを含み、これは機械学習に基づいており、反応速度論に関する先験的な情報を含まず、センサ生データ、導出パラメータ、反応器運転パラメータもしくは運転データ、プラントメタデータ及び触媒寿命もしくは触媒老化インジケータを示すパラメータから選択される入力パラメータを使用する。
一実施形態では、運転データは、化学生産プラント、特に触媒反応器から入手可能なセンサデータ、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)分析からの分析データ、及び上述の導出パラメータから選択される。
一実施形態では、運転データは、1つ又は複数の触媒反応器の入口温度及び出口温度、好ましくは1つ又は複数の触媒反応器のそれぞれの入口温度及び出口温度、1つ又は複数の触媒反応器の入口圧力及び出口圧力、好ましくは1つ又は複数の触媒反応器のそれぞれの入口圧力及び出口圧力、ならびに1つ又は複数の触媒反応器の入口及び出口における反応混合物の組成、好ましくは1つ又は複数の触媒反応器のそれぞれの入口及び出口における反応混合物の組成を含む。
一実施形態では、特にスチレン生産プラントに適用され、運転データには、蒸気対オイル比(STO)、液体毎時空間速度(LHSV)、触媒量で正規化したスチレンの総生産量、目標エチルベンゼン変換率、スチレン選択性、平均入口温度、最後の触媒反応器後の正規化圧力、1つ以上の触媒反応器における正規化圧力降下、1つ以上の触媒反応器における温度損失、期待(変換率に基づいて計算された)値と比較した温度損失の正規化偏差を含む。このようなパラメータセットの利点は、パラメータの多くが実際の運転パラメータに対応しているか、又はその文脈で容易に解釈できるため、依然として解釈可能であることである。問題の次元数を減らすための他のアプローチ(例えばPCA又はRFAなど)では、モデル化プロセス及び予測精度に有用であるが、よく解釈性に欠けるパラメータをもたらし得る。
データ駆動型モデルは、時系列予想を行うことが好ましく、反応器システムでの全生産運転における触媒の不活性化プロセスを完全にカバーすることができる。このモデルにより、プラントオペレータは、エネルギーコスト、原料の市場供給、又はプラント製品の需要、及び様々なプラント部品もしくは設備の停止などのプラント内で発生する可能性のある他の制限に応じて、日々の運転方針を改善及び最適化することができる。
一実施形態では、予想期間は、運転条件の制限、好ましくは運転可能な最大反応器温度から決定される触媒の残りの寿命に及ぶ。このモデルでは、予想された運転条件及びこれらの運転条件の制限、例えば、運転可能な最大反応器温度又は圧力に基づいて、使用中の触媒の残りの寿命を決定することができる。これにより、オペレータは次の触媒交換までの残り時間を確実に計画することができ、また、触媒の寿命を延ばすために、必要に応じて、又は次の計画されたプラント停止までの残り時間から最大の生産量を得るために、さまざまな運転方針をシミュレートすることができる。
一実施形態では、データ駆動型モデルを使用して、データ駆動型モデルを学習するための履歴データを提供していない生産プラントの触媒の運転条件を予測する。
一実施形態では、データ駆動型モデルの出力は、化学生産プラントの予定された生産運転又は現在の生産運転の運転条件を最適化するために使用される。このような実施形態では、1つ以上の運転条件についてデータ駆動型モデルを介して決定された目標運転パラメータが受信され、最適化処理装置に供給される。最適化は、1つ以上の最適化目標を含んでもよい。最適化目標は、例えば、最適化パラメータ又は最適化される目標パラメータによって特定されてもよい。この文脈において、最適化目標は、特定の最適化パラメータ又は目標パラメータの最小値又は最大値を見つけることをさらに含んでもよい。複数の運転条件に対する目標パラメータに加えて、最適化目標を受信して最適化処理装置に供給してもよい。例えば、オペレータが可能な最適化目標の選択を提供され、ユーザの選択に基づいて選択された最適化目標が受信されてもよい。
1つ又は複数の最適化目標がある場合、1つの最適解が存在し、最適化の結果として提供され得る。そのような最適解は、監視及び/又は制御のためのシステムに提供され得る。最適解は、表示装置に表示されてもよいし、化学生産プロセスの制御に用いられてもよい。複数の最適化目標がある場合や多目的最適化の場合、1つ以上の最適解が存在し、最適化の結果として提供されてもよい。複数の最適解は、監視及び/又は制御のためのシステムに提供され、表示装置に表示されてもよい。このような場合、プラントのオペレータは、複数の最適解の中から選択することが可能であり、化学生産プラントを運転する複雑な状況下における決定プロセスを簡素化できる。
さらなる実施形態では、最適化処理装置は、データ駆動型モデルによって出力された目標運転パラメータに基づいて、目標運転パラメータの最小値もしくは最大値、又は目標運転パラメータから導出される少なくとも1つの最適化パラメータの最小値もしくは最大値を決定する。1つの例示的なシナリオでは、触媒の残りの寿命が目標運転パラメータから導かれる最適化パラメータであってよく、その最大値を見つけることが最適化プロセスの目標である。さらに、最適化問題に制約を含めることもできる。目標運転パラメータ側の制約は、最大反応器温度、最小選択性又は1日あたりの最小生産量を含むことができる。別の例示的なシナリオでは、触媒の残りの寿命又は触媒交換のために予定された時点までの生産量が、目標運転パラメータから導出される最適化パラメータであってよく、最大値を見つけることが最適化プロセスの目標である。目標運転パラメータ側の制約は、最大反応器温度、最小選択性又は1日あたりの最小生産量及び任意に最大生産量を含むことができる。
別の例示的なシナリオでは、複数の目的を組み合わせることができる。例えば、触媒寿命を超えた生産量での触媒の残存寿命は、目標とする運転パラメータから導出される最適化パラメータとなり、最大残存寿命と最大生産量の組み合わせを見つけることが最適化プロセスの目標となる。目標運転パラメータ側の制約は、最大反応器温度、最小選択率又は1日あたりの最小生産量を含むことができる。さらなる例は、複数目的は、残りの生産量、エネルギー要求、触媒交換費用又はその組み合わせなどのコスト面をさらに考慮した、触媒交換の最適なタイミングをさらに含む。複数目的最適化のためには、既知のパレート最適化技術を使用することができる。
一実施形態では、データ駆動型モデルは、触媒反応器における選択された運転データ又は運転パラメータのセットについて、予想される触媒性能、生産率(例えば、ある期間に生産されるスチレンの総量)、エネルギー要求(例えば、反応器又は蒸気反応器の加熱に関連する)、及びコスト又は利益(例えば、反応物コスト、製品の市場価格、エネルギーコストなどに関連する)をシミュレートするために使用される。ここで、生産収率、エネルギー消費量、CO排出量、コスト、副生成物、触媒交換間隔、残存寿命、又はそれらの組み合わせは、目標運転パラメータ又は目標運転パラメータから導出される最適化パラメータとすることができる。最適化においては、例えば、目標パラメータの決定が基づいている運転データに対する制約など、異なる制約が定義され得る。
一実施形態では、データ駆動型モデルは、所定のプラント設定では実際には達成できない運転データのセット(例えば、より低い圧力レベル(より深い真空)、より低いSTO比、又は追加の反応器)に対して予想される触媒性能、生産率、及びエネルギー要求をシミュレートするために使用される。これは、プラント管理者が、プラントの潜在的なアップグレードの経済性をより評価するのに役立つ。
一実施形態では、データ駆動型モデルは、触媒が以前使用されたことのない新規プラントの期待される性能及び運転条件をシミュレート及び/又は評価するために使用される。
本開示は、本開示の方法を実行するように構成されたコンピュータプログラム製品をも提供する。一実施形態では、コンピュータプログラム製品は、化学生産プラント又はスチレン生産プラント、特にそこに統合された及び/又はそれに接続されたコンピューティングユニット(コンピュータ)に実装されたコンピュータプログラムである。一実施形態では、コンピュータプログラム製品は、化学生産プラント又はスチレン生産プラントのダッシュボードに統合される。
一実施形態では、コンピュータプログラム製品は、化学生産プラントの運転条件を入力するためのインターフェースを備える。運転条件は、以前の生産運転からの履歴データ、又は現在の実行における化学生産プラントの実際の運転条件であり得る。
コンピュータプログラム製品の一実施形態では、予想のための入力パラメータ又は運転データは、コンピュータプログラム製品に手動でアップロードされ、及び/又は、コンピュータプログラム製品によってプロセス制御システムから読み出される。一実施形態では、入力パラメータ又は運転データは、フォーマットされたデータテーブルで提供される。一実施形態では、コンピュータプログラム製品にデータを手動でアップロードするために、グラフィカルユーザインターフェースが提供される。別の実施形態では、コンピュータプログラム製品にデータをアップロードするために、アプリケーションプログラミングインターフェースが提供される。
一実施形態では、コンピュータプログラム製品のユーザは、上記で指定されたすべての情報(例えば、生データ、対応するユニット、プラントメタデータ)をコンピュータプログラム製品に提供する。この情報は、手動で入力することも、構造化データファイルを介してアップロードすることも、又はアプリケーションプログラミングインターフェースを介して供給することもできる(手動又は自動)。長期的な予想については、目標運転パラメータの入力時系列は、モデルで使用されるタイムラグ構造で要求される範囲を少なくともカバーしていること好ましい。タイムラグがモデルでも使用されている場合、制御パラメータも含まれる可能性がある。
一実施形態では、例えば性能を予測したい複数の運転シナリオについて、外生の運転パラメータはユーザによって入力される。フォーマット、集計及び予測を含むすべての追加のデータ処理はソフトウェア製品によって実行される。
一実施形態では、コンピュータプログラム製品によって生じた予想は、グラフィカルユーザインターフェースを介して、構造化データファイルとして、又はアプリケーションプログラミングインターフェースを介して、ユーザに提示される。
さらなる実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、コンピューティングデバイスのメモリにロードされ、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されると上述のコンピュータで実施される方法ステップを実行するコンピュータプログラム製品である。
コンピュータプログラム製品は、スタンドアローンユニットであったり、又は例えばインターネットもしくはイントラネットなどのネットワークを介して中央コンピュータと通信する1つ以上のリモート端末やデバイスを含むコンピュータシステムとともに使用されたり、又は該コンピュータシステムに組み込まれたりすることができる。そのため、本明細書に記載されているコンピュータ又はプロセッサ及び関連コンポーネントは、ローカルコンピュータシステムの一部であっても、リモートコンピュータもしくオンラインシステムであっても、又はそれらの組み合わせであってもよい。本明細書に記載された任意のデータベース及びコンピュータプログラム製品は、コンピュータの内部メモリ又は一時的ではないコンピュータ可読媒体に保存されてよい。
本開示の別の態様は、化学生産プラントにおける触媒の性能を予想するための、又は化学生産プラントの運転条件を決定するためのコンピュータシステムである。コンピュータシステムは、運転パラメータ又は運転データ及び触媒特有のパラメータ、特に触媒老化インジケータにアクセスして読み取るように構成されたインターフェースコンポーネントと、データ駆動型モデルを実装し、インターフェースコンポーネントを介して提供された反応器運転パラメータ又は運転データ及び触媒特有のパラメータをデータ駆動型モデルに与えることによって、触媒の性能を予測するように構成されたプロセッサユニットとを少なくとも備える。一実施形態では、コンピュータシステムは、有線及び/又は無線の通信接続を介して触媒反応器を含む化学生産プラントに結合され、インターフェースコンポーネントを介して触媒反応器を含む化学生産プラントのプロセス制御システムから少なくとも部分的に自動的に反応器運転パラメータ又は運転データ及び/又は触媒特有パラメータにアクセスして読み出すように構成される。
本開示のさらなる態様は、触媒反応器における触媒の性能を予測又は予想するために、機械学習に基づいて、1つ以上の触媒反応器を含む化学生産プラントのデータ駆動型モデルを学習させるための、コンピュータで実装される方法である。この方法は、初期の基礎として数学的モデルを提供することと、履歴データ、例えば、同一種類の触媒の複数の生産運転から、及び/又は同一種類の触媒を含む複数の化学生産プラント又は触媒反応器における複数の生産運転から、及び任意的に、化学生産プラント、特に触媒反応器の以前に決定された目標運転パラメータ又は運転及び性能パラメータを提供することと、提供された履歴データにアクセスして数学的モデルにインポートすることと、データ駆動型数学的モデルのパラメータ設定を提供された履歴データに適合させることと、適合されたパラメータ設定に基づいてデータ駆動型数学的モデルの更新を提供することと、更新されたデータ駆動型数学的モデルを初期基準として設定して方法ステップを反復的に繰り返すこと、を含む。
本開示の他の態様は、1つ以上の触媒反応器を含む化学生産プラントの運転及び/又は性能パラメータ又は目標運転パラメータを決定するためのコンピュータ実装方法である。本方法は、反応器システムに存在する運転条件を示すセンサデータ及び反応器システムで現在使用されている触媒を示す触媒特有のセンサデータにアクセスすることと、データ駆動型モデルを使用して化学生産プラントの運転及び/又は性能パラメータ又は目標運転パラメータを決定することと(ここでデータ駆動型モデルは、学習データセットに従ってパラメータ設定され、該学習データセットは履歴データ、例えば、同一種類の触媒の複数の生産運転からの履歴データ、及び/又は同一種類の触媒を含む複数の触媒反応器における複数の生産運転からの履歴データ、及び以前に決定された運転及び性能パラメータ又は目標運転パラメータを含む)、及び、1つ以上の触媒反応器を含む化学生産プラントの決定された運転及び/又は性能パラメータ又は目標運転パラメータを提供すること、を含む。
本開示のさらなる態様は、1つ以上の触媒反応器を含む化学生産プラントの運転及び/又は性能パラメータを決定するためのコンピュータ実装された方法である。本方法は、反応器システムに存在する運転条件を示すセンサデータ及び反応器システムで現在使用されている触媒を示す触媒特有のセンサデータにアクセスすることと、データ駆動型モデルを使用して化学生産プラントの運転及び/又は性能パラメータ又は目標運転パラメータを決定することと(ここでデータ駆動型モデルは、学習データセットに従ってパラメータ設定され、該学習データセットは履歴データ、例えば、同一種類の触媒の複数の生産運転からの履歴データ、及び/又は同一種類の触媒を含む複数の触媒システムにおける複数の生産運転からの履歴データ、及び以前に決定された化学生産プラントの運転及び性能パラメータ又は目標運転パラメータを含む)、及び、化学生産プラントの決定された運転及び/又は性能パラメータ又は目標運転パラメータを提供すること、を含む。
本開示の別の態様は、1つ以上の触媒反応器を含む化学生産プラントを制御するための制御システムである。制御システムは、上述のコンピュータシステムと、化学生産プラントの提供された運転及び/又は性能パラメータ又は目標運転パラメータに基づいて、化学生産プラントにおける実際の及び/又は予定された生産運転を制御するように構成された制御ユニットと、を備える。
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に、又はその一部として供給される光学記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体に保存及び配布されるが、インターネット又はその他の有線又は無線の通信システムを介してなど、他の形態で配布されることもできる。
しかし、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示されることもでき、そのようなネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリにダウンロードすることもできる。
本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラムをダウンロード可能にするためのデータキャリア又はデータ記憶媒体が提供され、このコンピュータプログラムは、先に述べた本発明の実施形態の1つによる方法を実行するように配置されている。
本明細書に記載された実施形態は互いに排他的ではなく、記載された実施形態の1つ以上は、当業者によって理解されるように、様々な方法で組み合わせることができることを理解されたい。
本発明の方法のいずれかを実行するコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、一時的ではないコンピュータ可読記憶媒体)に保存されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、フロッピーディスク、ハードディスク、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)、USB(ユニバーサルシリアルバス)ドライブ、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み取り専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)であってもよい。コンピュータ可読媒体は、プログラムコードのダウンロードを可能にする、例えばインターネットなどのデータ通信ネットワークであってもよい。本明細書に記載されている方法、システム、及び装置は、デジタル信号プロセッサ、DSP、マイクロコントローラ、又は任意の他のサイドプロセッサのソフトウェアとして、又は特定用途向け集積回路、ASIC、CPLD、FPGA、又は他の適切なデバイスのハードウェア回路として実装することができる。本発明は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせ、例えば、以下でさらに詳しく説明するように、従来のモバイルデバイスの利用可能なハードウェア、又は本明細書に記載されている方法を処理するために専用の新しいハードウェアに実装することができる。
本発明の例示的な実施形態を添付図面に示す。しかしながら、添付の図面は、本発明の特定の実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと考えられてはならないことに留意されたい。本発明は、他の同等に効果的な実施形態を包含し得る。
少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの、予定された生産運転のための運転条件、又は現在の生産運転における変更のための運転条件を決定する方法の例示的な実施形態を示す図である。 個々のプラントからの生データを、モデル学習又は予測に準備されたデータセットへ、前処理するためのハイレベルなワークフローを示す図である。 モデルの基礎としての生データセットの選択を特定するための例示的なワークフローを示す図である。 化学生産プラントの予定された生産運転のため又は現在の生産運転における変更のための運転条件を決定するシステムの例示的な実施を示す図である。
発明の詳細な説明
本開示は、触媒反応器を含んだ化学生産プラントにおける触媒の短期的な性能を触媒の老化効果を含んで予測し、及び/又は長期的な性能を予想する、コンピュータ実装方法を提供する。本方法は、特に触媒反応器の数学的モデルを使用することを含み、この数学的モデルの使用は機械学習に基づいており、反応速度に関する先験的な情報を含まず、センサ生データ、導出パラメータ、反応器運転パラメータもしくは運転データ、プラントメタデータ及び触媒老化を示すパラメータから選択される入力パラメータを使用する。本明細書で開示される方法、システム、コンピュータプログラム、及びコンピュータプログラム製品は、例としてサーブするスチレン生産プラントについてさらに説明される。本明細書で開示される方法、システム、コンピュータプログラム、及びコンピュータプログラム製品は、少なくとも1つの触媒反応器、特に固定床反応器を有する他の生産プラントに適用可能である。
スチレン生産プラントの場合、エチルベンゼンを含む供給流は、ミキサーで蒸気と混合される。この混合流は、スチレンモノマーへの脱水素反応のためにカリウム促進酸化鉄ベースの触媒を含む触媒反応器に供給される。スチレン生産プラントは、様々な場所にプラントの運転条件を監視するための温度センサ、圧力センサ、流量センサなどをさらに含む。
スチレンモノマーの生産過程において、エチルベンゼンは、断熱ラジアルフロー反応器で脱水素化され得る。エチルベンゼンは、吸熱脱水素プロセスに熱を供給し、プロセスで使用されるカリウム促進酸化鉄ベースの触媒の還元やコーキングを防ぐために、蒸気対オイル(STO)比として知られている特定の比率で蒸気と混合される。反応は、通常、少なくとも2つの連続した反応器を備える構成で、高温及び大気圧未満で行われる。中間で再加熱することで、反応で消費されるエネルギーを補うことができる。低圧、蒸気による希釈、及び高温が、エチルベンゼンの脱水素化に有利に働き、より高い平衡変換率をもたらす。
触媒の寿命期間にわたって、コークスガス化促進剤であるカリウムが触媒から蒸発し、触媒床の下流に冷却出口に運ばれて、触媒のコーキングによる活性損失を引き起こす。触媒の老化を補償するために、プラントオペレータはエチルベンゼンの変換率を一定に保つために触媒の寿命期間にわたって入口温度を上昇させる。温度が高くなると、分解が促進され、ベンゼン及びトルエンなどの副生成物が生成されることによって、スチレンに対する選択率に悪影響を及ぼす。さらに、触媒床に堆積したカリウム及び触媒から生成した微粉末は、反応器の入口圧力の上昇を引き起こし、これは熱力学的に好ましくない。入口温度又は圧力がプラントの運転限界を超えて上昇した場合、運転を停止して触媒を交換する必要がある。
触媒の性能とその老化速度は、例えば、入口温度、STO比、入口圧力と出口圧力、エチルベンゼンの流量、使用する反応器の数などの反応器の運転パラメータに依存する。反応器の運転を最適化することで、プロセス経済性を大幅に向上させることができる。これは、実験反応器や工業反応器に由来する触媒の運転データに適合させたさまざまな種類の反応器モデルを使用することにより、過去に試みられてきた。これらのモデルは、主反応及び副反応の反応速度、質量、熱及びインパルスの輸送現象、システム内に存在するさまざまな化学種の吸着/脱着、コークスのガス化及びカリウム損失の速度などに関する知識又は仮定に基づいていた。本明細書に記載された方法、システム、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品は、より堅牢で信頼性の高いプロセス制御を可能にする。
図1は、少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの、予定された生産運転のための運転条件、又は現在の生産運転における変更のための運転条件を決定する方法の例示的な実施形態を示している。
決定が予定された生産運転に関する場合、予定された生産運転のための事前に定義された運転条件を示す運転データが、通信インターフェースを介して第1ステップ10で受信される。事前に定義された運転データは、前の生産運転から結果として生じたものであってよい。決定が現在の生産運転における変更に関する場合、現在の生産運転のための現在の運転条件を示す測定された運転データが、通信インターフェースを介して第1ステップ10で受信される。さらに、少なくとも1つの運転データポイントは、現在の運転条件における変更を示す所望の運転値を含むように調整されてよい。運転データは、化学生産プラントに設置されたセンサを介して測定されたセンサデータ、当該センサデータから直接的又は間接的に導出された量、化学生産プラントから採取されたサンプルで測定された分析データ、及び/又は当該分析データから直接的又は間接的に導出された量を含んでよい。
さらに、現在の又は予定された生産運転で触媒が使用された期間に関連する触媒老化インジケータが、通信インターフェースを介して受信される。触媒老化インジケータは、ある時点、ある期間、時間依存の運転データから得られる量、及び/又は時間依存の運転データから累積的に導出された量に基づいてよい。さらに、物理的なプラントレイアウトを示すプラントメタデータが、通信インターフェースを介して受信されることができる。
第2ステップ12では、少なくとも1つの目標運転パラメータを決定する前に、処理装置を介して運転データ及びプラントメタデータが前処理されてよい。好ましくは、前処理は、物理的なプラントレイアウトに依存しない量への変換を含む。
第3ステップ14では、予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件の少なくとも1つの目標運転パラメータが、データ駆動型モデルを用いて、運転データ及び触媒老化インジケータに基づいて、処理ユニットを介して決定される。少なくとも1つの目標運転パラメータの決定は、さらに、プラントメタデータに基づいてもよい。データ駆動型モデルは、学習データセットに従ってパラメータ設定される。学習データセットは、運転データ、触媒老化インジケータ、少なくとも1つの目標運転パラメータ、及び任意でプラントメタデータを含む履歴データセットに基づいていてよい。履歴データセットは、複数の運転、複数のプラント、及び/又は複数の触媒バッチからのデータを含んでよい。少なくとも1つの目標運転パラメータの決定は、離散的な時点の目標運転パラメータを決定する短期モデル、又は一定期間の目標運転パラメータを決定する長期モデルに基づいてよい。
長期モデルの場合、予測開始時点までの現在又は前回の生産運転で測定、予測又は導出される、少なくとも1つの目標運転パラメータの時系列は、ステップ10で通信インターフェースを介して受信されることができる。予測開始時点に続く1つ以上の時点での少なくとも1つの目標運転パラメータの処理ユニットを介する決定(14)は、データ駆動型モデルを用いて所望の運転値、少なくとも1つの目標運転パラメータの時系列、触媒老化インジケータ、及び任意にプラントメタデータを含む運転データに基づいてよい。好ましくは、データ駆動型モデルは、固有の時間依存性を含む。
第4のステップ16では、予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータが、通信インターフェースを介して提供されてよい。
第5ステップ18では、決定された目標運転条件が、化学生産プラントの予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件を最適化するための最適化処理装置に提供されてよい。ここで、予定された生産運転の複数の運転条件又は現在の生産運転における変更の複数の運転条件について、決定された目標運転パラメータが最適化処理装置と処理装置の間の通信インターフェースを介して受信されてよい。受信された目標運転パラメータに基づいて、目標運転パラメータの最小値もしくは最大値、又は目標運転パラメータから導出された最適化パラメータの最小値もしくは最大値は、最適化処理装置を介して決定されてよく、予定された生産運転の、又は現在の生産運転における変更のための最適運転条件を示す最小値もしくは最大値が、通信インターフェースを介して提供されてよい。
運転データの前処理
図2は、モデルの学習、短期モデルによる予測、又は長期モデルによる予想に適した形式にデータを前処理する例示的なワークフローを示している。
最初のステップでは、測定された運転データは受信され、任意でその後前処理が行われる。学習用にデータが用意されている場合、そのような運転データは、複数の運転、複数のプラント、及び/又は複数の触媒バッチからの履歴データセットを含んでよい。データが予測又は予想のために用意される場合、そのような運転データは、現在の生産運転のための現在の運転条件を示す測定された運転データを含んでよい。運転データは、好ましくは、スチレン生産プラントに設置されたセンサを通して測定されたセンサデータ、及び/又はスチレン生産プラントから採取されたサンプルで測定された分析データを含む。
各生産プラントには、通常は数百又は数千に及ぶ多くの利用可能なセンサがあり、それぞれのサンプリング速度で生データを提供している。さらに、例えばガスクロマトグラフィーからの結果などの分析データは、サンプルがプラントから採取された特定の時間について利用可能である。これらのデータをどのくらいの頻度で利用できるかはプラントによって異なるが、典型的な頻度は1日1回から1週間に1回までである。
第1の前処理ステップでは、運転パラメータは、データ駆動型モデルの入力パラメータを形成する運転データから選択されることができる。これらの入力パラメータは、センサデータ又は分析データなどの生パラメータから導出されてもよい。データ駆動型モデルを設定する際に、すべての利用可能なパラメータからこれらの生パラメータを選択する方法に関する例示的なプロセスが以下でさらに詳細に説明される。
第2の前処理ステップでは、分析及び選択されたセンサは、それらのタイムスタンプに基づいて結合され、特に共通の時間スケールに前処理され得る。多くのプラントでは、高頻度の生データではなく、生センサデータの日次収集のみが利用可能な場合があり、これは分析データが利用可能な典型的な頻度でもあり、日次平均を使用してすべてのデータを同じ時間ベースにすることができる。その他の融合技術も同様に適用可能であり、周知の技術であり、例えば、日次データ(分析及びセンサの両方)の補間、及び例えば1時間ごとのデータを作成するため、対象のより高頻度又はより低頻度のサンプリングなどが挙げられる。
さらに、プラントのメタデータが受信されてよい。プラントのメタデータ、例えば、触媒活性量及び反応器の数は、導出パラメータを含むモデルの入力パラメータセットを完成するために、数値又はカテゴリー変数としてデータセットに追加され得る。
第3の前処理ステップでは、受信及び選択された運転データをフィルタリング及び平滑化することができる。ここで、例えば、メンテナンス間隔、起動フェーズ、不規則性、外れ値などの時点と期間を特定し、任意にフィルタリングすることができる。これを達成するために、多くのオプションが当業者に知られており、そのような方法の任意の組み合わせを使用することができる。例えば、この手順は、最小反応器温度、最大蒸気対オイル比、反応器後の最大圧力など、触媒領域の知識に基づいた実行可能な絶対しきい値を適用することと;各値又は値のセットを、それぞれの生産プラントから入手可能な同じパラメータ又はパラメータセットの他のすべての値の分布と比較することにより、外れ値を特定すること、例えば、四分位範囲の6倍(例のアプリケーションで使用される保守的なしきい値)などの分布測定基準に基づく絶対しきい値を使用するか、あるいは全体的な分布から生じるデータポイントの推定尤度に基づいて及び/又はこのパラメータの月次変動係数と比較してパラメータの大きなジャンプに基づいて不規則性を識別することを含む。
第4の前処理ステップでは、共通の時間スケールにおける欠落データポイントを検出し、統計的に決定された値で置換することができる。このような潜在的に欠落しているパラメータは、代入させることができる。具体的には、分析データが選択した時間基準よりも少ない頻度でサンプリングされた場合、これらのデータを代入させることができる。代入は、単純平均値代入、フォワードフィリング又はバックワードフィリング、加重平均、又はカルマンフィルタ又は同等の推定法による推定値など、さまざまな方法から決定することができる。外れ値の置き換えにも同じ方法を適用してよい。運転開始は、専門家によって定義された基準に基づいて、例えば、スチレン触媒の例では、空間速度が毎時0.2/hを超える(>0.2/h)最初のデータポイントとして、特定されてもよい。次に、累積プラント生産量などを含め、すべての導出パラメータを計算する。
導出パラメータ、特に累積パラメータの性質に応じて、それぞれの導出パラメータを計算する前又は後に、識別された起動フェーズ、ダウンタイムなどをデータセットから削除することができる。例示的な実施形態では、実装された老化インジケータが基づいている運転開始以降の累積生産量は、起動フェーズがモデルによってカバーされている運転条件の一部ではないにもかかわらず、触媒の老化に寄与するため、データセットから起動フェーズを削除する前に計算される。
図2に示されていない、1つのさらなる前処理ステップは、異なるプラントから共通単位へのデータの変換であり得る。図2のワークフローが開始される前に行うのが好ましくて直接的であるが、プロセスの任意のステップの前又は後に行うこともできる。
この時点で、データは学習、長期モデルによる予想、又は短期モデルによる予測に使用されることができる。しかし、フィルタリング手順は、データにいくつかのギャップが生じる可能性があり、及び、予想のための時間スケールは、利用可能時間基準(例えば日)と比較して、通常はるかに長い(例えば月)あるため、長期モデルで使用する前に、追加の集計ステップ(例えば、週平均値又は中央値の集計)をデータに対して実行してもよい。
パラメータ選択プロセス
対象の運転データ又は生パラメータは、図3に概略を示すワークフローに基づいて決定され得る。触媒の専門家が利用可能なパラメータは、生センサデータ、分析データ、及びそれらから導出され典型的な運転パラメータ(例えば、変換率、空間速度、蒸気対オイル比、選択率など)の組み合わせからなり、その基礎となる。最初のステップでは、複数のプラントからのデータを使用する場合、対象となるすべてのプラントから利用可能なパラメータのみを選択し(1つのプラントのみをモデル化する場合、この基準は使われない)、冗長パラメータ(例えば、再スケールされたパラメータ)及びゼロ分散パラメータを除外することができる。
次に、残りのパラメータの相関行列を計算し、パラメータのクラスタリング、例えば階層的クラスタリングを行って、類似した情報を持つパラメータのペア又はクラスタを特定することができる。クラスタリングアルゴリズムの代わりに、高い(反)相関値に対する単純なフィルタ、例えば(>0.90又は<-0.90)又は(>0.95又は<-0.95)を適用することができる。しかし、他のすべてのパラメータとの相関値をクラスタリングすることで、直接的な相関は低いものの、他のすべてのパラメータとの相関値が非常に類似するパラメータを特定することをさらに可能にする。2つ以上のパラメータの各クラスタから、次のような特定の選択基準に基づいて、1つのパラメータのみを保持することができる:パラメータはすべてのプラントで利用可能である必要がある;オペレータによって日常的に使用される典型的なパラメータは保持される必要があり(これは、1つ以上のパラメータを保持することにつながる可能性の例外である)、パラメータは解釈可能な量を表す必要があり、これは、オペレータによって直接解釈できない特徴を生成する主成分変換又は同様の方法によって次元を減少させない理由でもある。
これらの基準に基づいて、必要に応じてクラスタのしきい値を調整することにより、パラメータセットを反復的に減少させることができる。パラメータの数は、パラメータセット(1、...、M)が残るまで、反復的に減少させることができ、パラメータ間の低い相関関係のみ存続する。残った比較的高い相関値は、オペレータにとって重要で、したがって除去されない可能性があるパラメータに由来する。
パラメータセットが減少すると、これらの残りのすべてのパラメータを得るために必要な生のセンサ及び分析データが特定される。
パラメータとプラントのメタデータの正規化
異なるプラントは生産レベルが異なり、それらの典型的な運転条件は、しばしば系統的な相違を示す。異なるプラント間のこのような差異を考慮するために、以下に示すような2つの方策のうちの1つ、又は2つの方策の組み合わせを適用することができる。
さらなる前処理ステップでは、正規化が行われてもよい。一実施形態では、物理的なプラントレイアウトを示すプラントメタデータを受信することができる。このようなプラントメタデータは、反応器の数、活性触媒量、反応器の種類、寸法、又はそれらの組み合わせなどの反応器レイアウトを含んでもよい。
運転データの正規化は、モデルの入力パラメータ(プラントのメタデータを除く)を特定のプラントのレイアウトから可能な限り独立させるために行われることができる。多くのパラメータ、蒸気対オイル比、変換率、選択性などについては、正規化の必要はない。さらに、液空間速度(LHSV)のようなパラメータは、本質的に触媒量で正規化される。追加的又は代替的に、触媒ごとの触媒生産運転における総生成物の量、又は累積総生産量を活性触媒体積で正規化してもよく、なぜならこれが各単位体積の触媒の「老化」の尺度として、(生産レベルの変動が捉えられない)流動時間又は(異なるサイズの反応器では異なる意味を持つ)正規化されていない累積生産量よりに比べて、より比較可能だからである。
追加的又は代替的に、いくつかの場合ではより顕著であるプラント間の差よりも、老化の影響に焦点を当てるために、圧力が運転開始時の初期値、例えば流れの最初90日間の中央値に正規化されてもよい。追加的又は代替的に、反応器又は熱交換器などの各ユニットの圧力損失は、混合ガスの空塔線速度に応じて変化することが知られているため、空間速度又は総流量で正規化してよい。追加的又は代替的に、複数の、例えば2つ又は3つの反応器の平均入口温度を決定してもよい。
最終的には、運転データ、分析データ、及びそれらから導出される量をプラント間で比較可能にする方法は、このセクションに記載されている例を超えて存在し;特に反応器の形状に関する他の有用な反応器/プラントメタデータがある可能性があり、それらは同様の方式で使用され得る。
このような正規化されたパラメータを見つける理由は、複数の異なるプラントからのデータを使用することは、多くの重要な利点を供するからであり:1)収集されたデータセットがカバーするパラメータ空間は、個々のプラントのパラメータ空間よりもはるかに大きく、該個々のプラントのパラメータ空間は通常オペレータが通常慣れ親しんでいる比較的狭い運転パラメータのセットの周辺で運転しており、なぜならこれから誤って逸脱すると重大な金銭的損失が生じる可能性があるからである。したがって、このような収集されたデータセットで学習されたモデルは、それ自身の履歴データから入手できない情報を含むため、特定のプラントの運転範囲外の予測を提供し得る。2)例示的なスチレン触媒の寿命が長い(2~3年)ため、ある種の触媒は1プラント当たり1~4回しか利用できず、プラントごとに観察できる不活性化プロセスの数が著しく制限される(各運転は、触媒の不活性化を1回だけ独立して観察することができる)。収集されたデータセットは、より多くの非活性化プロセスを学習データに含めることができる。3)一般的に使用されている運転パラメータの解釈可能性と利用可能性を強調するパラメータ選択プロセスと組み合わせることにより、学習したモデルを事前の実際のデータが入手できないプラント(これは新規プラントの技術提案が必要な場合によく遭遇する状況であり)に適用することができ、このことは、特定のプラントで利用可能な特定のセンサセットにモデルを厳密にリンクさせた場合には不可能である。
短期モデル
触媒の挙動の短期予測には、任意の回帰モデルを使用することができ、当業者であれば様々な典型的なモデル候補を知っている。化学プラントのデータの性質に応じて、典型的には、少数の独立した運転と(多くのパラメータを正規化した後でさえ)、比較的単純な性質であまり柔軟でないモデルのいくつかの潜在的なプラント(特有のバイアスがあり)が選択され得る。独立した運転回数が少ないシナリオでは、例えばランダムフォレスト回帰のような柔軟なモデルは、学習データセットにはより適合するが、新しいデータへの外挿が不十分な場合がある。したがって、利用可能な運転回数に応じて、適切な種類又は回帰ベースのモデルの組み合わせが選択されることができる。
1つの可能なモデルは、例えば平均反応器入口温度及び反応の選択率を予測するために、学習データのサブセットで学習させられた線形モデルのアンサンブルである。このようなアンサンブルを使用することには2つの利点がある:第1は、予測のためにモデルアンサンブルを使用することは、例えば、すべてのモデルの中央値の予測を取得することにより、より正確な予測に至ることができること(例えば、アンサンブル方法-基礎とアルゴリズム,Zhi-Hua Zhou;CRC Press 2012)、第2は、この方法でアンサンブルを学習させることは、予測値の範囲(又は、10%パーセンタイルと90%パーセンタイル、又はその他の予測クォンタイルの範囲、....)を使用することにより、モデルの不確実性の推定値を提供することである。
複数の触媒バッチ、複数の運転、及び/又は複数のプラントからの学習データを使用する場合、学習データセット及びテストデータセットは個々の運転によって分割されてよい。追加的又は代替的に、学習データセット及び検証データセットは、個々のプラント又は触媒バッチによって分割されてよい。例えば、学習セットの約75%のランダムセットが選択され、パラメータが任意に前処理中に正規化(ゼロ平均と分散単位)されてよい。残りのデータは、学習させたモデルをテストするための検証データセットとして使用されることができる。
長期モデル
時系列予想のために、自己回帰モデルからリカレントニューラルネットワークまでの数多くの数学的モデルが使用されることができる。今回の例示的な問題に適用するためのモデルの要件は以下を含む:1)多変量時系列への適用性、すなわち、例えば、圧力、入口温度又は選択率など、予想される長期的な傾向を受ける複数の内生(非制御)パラメータの予測への適用性、2)外生(制御)パラメータの統合、すなわち、既知の、又は外部から制御され、したがって、モデルによる予想を必要としない蒸気対オイル比、LHSV、目標変換などの影響力の大きいパラメータの統合。
本方法の好ましい実施形態は、複数のタイムラグが数学的モデルに含まれる場合に発生しやすい過剰適合を回避するために正則化を可能にする数学的モデルを含む。本開示の方法で使用される数学的モデルを生成する一実施形態では、主にペナライズド線形モデル及び外生変数を伴うペナライズドベクトル自己回帰モデル(VARX)の組み合わせに基づく数学的モデルのアンサンブルが実装される。異なる構造化正則化法を含むペナライズドVAR(X)モデルの概要については、例えば[arXiv:1508.07497v1(Nicholsonら 2018,VARX-L:外生変数を用いた大ベクトル自己回帰のための構造正則化)]及びその中の参照を参照されたい。
学習/テストの分割は、運転間の短期モデルの場合と同様に行われる。すべての候補モデルは、時刻tにおける外生変数及び最大タイムラグm(t-m,...t-1)までの内生変数の履歴に基づいて、時刻tにおける内生変数を予測するように学習させられることができる。このようなモデルをステップごとに繰り返し適用し、各新しいステップにおいて内生変数の予想を次のステップの入力として使用することは、先の任意の数のステップの予想を行うことを可能にする。
学習手順は、プラントのレベルでの一個残し交差検証(leave-one-out cross-validation)を用いて行われてよい。ここで、データセット内のN個のプラントについて、Nセットの学習データが生成され(他のすべてのプラントからのデータで構成される)、それらのパラメータは、任意に平均0及び同等の範囲の値を持つように標準化されることができ、学習されたモデルは、残されたプラント(検証セット)で評価されることができる。最終的には、モデルハイパーパラメータ(例えば正則化パラメータ)が選択されることができ、このことはN個の検証セットに最も堅牢な性能を与え、例えば、1ステップ先の予想の平均二乗平均平方根で測定され、該モデルは完全な学習セットで学習させられることができる。
本開示の方法で使用される数学的モデルは機械学習に基づいているため、それは少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントでの少なくとも1つの生産運転からの履歴データによって学習させられなければならず、該学習はそのような反応器システムに使用される触媒の劣化を含む短期的な性能予測又は長期的な性能予想に使用される前に行われる。本開示の方法の一実施形態では、モデルは、同じ種類の触媒の複数の生産運転からの履歴データを用いて学習させられる。本開示の方法のさらなる実施形態では、モデルは、同じ種類の触媒を含む複数の反応器システムにおける生産運転の履歴データを用いて学習させられる。これらの実施形態の双方において、履歴データは、同じ種類の触媒の異なる製造バッチから提供されてよい。本方法の一実施形態では、複数の生産運転の運転データ及び潜在的可能な触媒老化インジケータは、モデルの学習に使用する前に、例えば上記のセクションで説明したように正規化される。
複数の生産運転からの運転データを使用することは、1つで同一のプラントからの運転データであっても又は異なるプラントからの運転データであっても、予測品質を向上させ、予測又は予想モデルにカバーされる運転パラメータ範囲を拡大させることが判明した。複数の運転及びプラントから生じるデータを含めることは、モデルの学習中にデータが得られなかった生産プラントへの適用の予測又は予想の汎用性をさらに向上させる。ただし、異なる触媒はその触媒特性(反応速度)及び形態的特性(輸送特性)が大きく異なるため、モデルの学習に使用するデータはすべて、同じ触媒配合物を使用したプラントから提供されることが好ましい。これは、異なる製造バッチ又は異なる納入日から提供される同一種類の触媒の使用を含む。
一実施形態では、モデルの入力パラメータは、反応器システムから入手可能なセンサデータ、ガスクロマトグラフィー(GC)分析などの分析データ、及び上記のそれぞれのセクションに記載されている導出パラメータから選択される。
一実施形態では、運転データ又は反応器運転パラメータは、各反応器の入口温度及び出口温度、各反応器の入口圧力及び出口圧力、及び各反応器の入口及び出口における反応混合物の組成を含む。
一実施形態では、モデルの運転データ又は入力パラメータは、蒸気対オイル(STO)比、液空間速度(LHSV)、触媒量で正規化されたスチレンの総生産量、目標エチルベンゼン変換、スチレン選択性、平均入口温度、最後の反応器の後の正規化された圧力、反応器全体の正規化された圧力降下、反応器全体の温度損失、(変換に基づいて計算した)期待値と比較した温度損失の正規化された偏差を含む。
本開示の方法又はシステムで使用されるパラメータセットの利点は、パラメータの多くが実際の運転パラメータに対応しているか、又はその文脈で容易に解釈できるため、依然として解釈可能であることである。問題の次元数を減らすための他のアプローチ(例えば、PCA又はRFA)は、モデリングプロセス及び予測精度に有用であるが、しばしば解釈性に欠けるパラメータをもたらし得る。
本開示の方法で使用される数学的モデルは、時系列予想を行い、反応器システムでの全生産運転における触媒の不活性化プロセスを完全にカバーすることができる。このモデルは、プラントオペレータが、エネルギーコスト、原料の市場供給、又はプラント製品の需要、及び様々なプラント部分もしくは設備の停止などのプラント内で発生する可能性のある他の制限に応じて、日々の運転方針を改善及び最適化することを可能にする。
本開示の主題は、以下の実施例でさらに記述され,説明される。
数学モデルの学習用データセットの生成
数学モデルを構築するために、同じ種類の触媒(BASF S6-42)のいくつかの生産運転のデータを使用した。このデータセットは、2つ又は3つの反応器を有する11の工業プラント及び各プラントにおける1~4回の生産運転に関する情報をカバーしている。個々のプラントごとに、パラメータの完全なセット(分析データとセンサデータを含む)が収集された。センサデータは通常、日単位の解像度で利用可能であり、分析データは日単位から週単位の解像度で利用可能であった。
モデルのパラメータ選択のプロセスは前述のとおりである(図3)。
表1は、モデルに関連するすべてのパラメータを導出するために、各時点で選択された生のセンサと分析パラメータからの運転データを示している。これらの単位や形式の選択は、使用可能な一例に過ぎない;温度は例えば華氏で指定することもでき、圧力はmmHgで指定することもでき、別の日付と時間の形式を使用することもできる。
Figure 2022520643000002
反応器の数と総触媒量は、追加的にメタデータとして使用された。次の表2は、異なるモデルの学習に使用されたパラメータセット(導出パラメータ及びプラントのメタデータ)の表である。
Figure 2022520643000003
例示的用途:短期モデル
モデル開発
上述のとおり、50個の線形回帰モデルのアンサンブルが、学習データセットのサブセットで学習させられ、各サブセットは運転ごとに分割される。50個の減少された学習セットの各々は、利用可能な運転の最大74%(~74%)がランダムに選択されており、予測を向上させるとともに、モデル予測の局所的な不確実性に関する推定値を提供している(各モデルが運転条件などの異なるサブセットで学習されているとする)。重要なのは、データのサブセットは、学習データポイントのランダムなサンプリングではなく、運転間(あるいはプラント間)で分割される必要があるということである。さもなければ、すべてのモデルがほぼ同じ運転条件の分布で学習されるため、モデル間のばらつきがほとんどなくなってしまう。
今回の実施例では、具体的には、パラメータ「温度」(平均反応器入口温度)と(目的とするスチレンへの反応の)「選択率」は、表2の他のすべてのパラメータを用いて予測された。
この具体的な実施では、反応温度自体が観察された選択率に対する主要な影響因子の1つである。そのため、両パラメータの予測は2つのステップで行われる。まず、50個のモデルアンサンブルは、表2のすべてのパラメータ(選択性と温度を除く)に基づいて、温度を予測するために学習させられる。50個のモデルの第2アンサンブルは、表2のすべてのパラメータ(選択率」のみを除く)を入力として用いて、選択率を予測するために学習させられる。この第2のアンサンブルは、次に、入力パラメータの1つとして第1モデルアンサンブルからの予測温度を用いて選択率を予測するために使用される。
この開発したモデルの実際の使用においては、両パラメータを続けて予測するというワークフローを、入力パラメータを受け取って温度と選択性の両方を予測する単一の予測関数に実装した。したがって、両モデルアンサンブルの組み合わせは、このモデルのすべての用途において、外部からは「短期」モデルの単一の実体とみなすことができる。
表2のパラメータを直接使用するだけでなく、相互作用項も検討し、最終的に「蒸気対オイル比-変換」の相互作用を温度予測する短期モデルに統合した。このような相互作用又は高次多項式項、例えば選択率予測のための温度の二次項などは、モデルに提供される基本的なパラメータセットを拡張する必要なしに、統計的プログラミング言語を使用して予測モデルに簡単に実装することができる。
どの種類のモデルを選択するか、アンサンブル技術を使用するかどうか、入力パラメータのどの高次項、変換、相互作用を使用するかは、特定の質問とデータセットに依存し、データサイエンティストの典型的なモデル開発手順である。
短期モデル使用例1
1つの例示的な使用例は、プラントのオペレータが、以前はプラントで使用されていなかった特定の運転条件で所望の目標変換率を達成するために必要な反応器温度を推定するために、短期モデルを使用したい場合がある。スチレン生産プラントの場合、このような運転条件は、蒸気対オイル比の増加、LHSVの低下、又は供給組成の変更などがあり得る。理想的には、この予測の出発点は、正規化された老化パラメータ「totalProduction」を含む現在のプラントの状態であるべきである。
モデル実装
図4は、ユーザアプリケーションを含む処理装置を備えたクライアント側と、サービスプロバイダ用の処理装置を備えたサーバ側とを含む、生産監視及び/又は制御システムのクライアントサーバセットアップを示している。クライアント側とサーバ側は、通信インターフェースを介して、例えば有線又は無線で、通信可能に結合されてよい。クライアント側は、表示装置を含んでいてもよい。好ましくは、クライアント側のユーザアプリケーションは、運転データ、所望の値、触媒老化インジケータ、プラントメタデータ、目標運転パラメータ、又は決定された運転条件を受信して表示するように構成される。さらに好ましくは、クライアント側ユーザアプリケーションは、目標運転パラメータ又は決定された運転条件を受信し、目標運転パラメータ又は決定された運転条件に基づいて、化学生産プラントの現在又は予定された生産運転を制御するように構成される。クライアント側のユーザアプリケーションは、化学プラントのプロセス監視及び/又は制御システムの一部として組み込まれていてよい。
生のセンサデータ及び分析データは、生産運転の開始以降、必要なプラントメタデータとともに生産プラントで記録される。これらのデータは、例えば図2に示されるようなデータ前処理ワークフローに従って前処理され、具体的には、それぞれのモデルの学習データセットを準備するために使用されたものと同一のワークフロー(フィルタステップ、代入、しきい値、収集、...)を使用する。好ましくは、この前処理は、モデルを開発した当事者によって実装され、前処理機能の直接統合、又はアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、ユーザアプリケーションに提供することができる。
データが前処理された後、ユーザは、現在の運転条件における変更を示す所望の運転値を提供するために、対象の運転パラメータを調整することができる。調整された入力パラメータのセット(運転シナリオ、又は予測シナリオとも呼ばれる)は、その後、予測関数に転送される。この予測関数は、例えば、ユーザアプリケーションにローカルに実装されているか、又はAPIを介してアドレス指定可能であり、上述のようなすべての操作を実行する。結果は、例えば異なるシナリオを比較して選択するために、ユーザアプリケーションに報告される。ユーザは、入力パラメータ及び/又は予測パラメータを、例えばコスト又はプラントで使用する運転パラメータに関する決定プロセスに影響を与えるその他の量などとさらに関連付けることができる。
図4は、例示的な実施概念を視覚化したものである。生データは、生産プラントで自動的又は手動的に収集され、APIを介してサービスプロバイダに転送され、APIは、生データを上記のようなワークフローに従って正しい形式に処理する。変換されたデータセットは、プラントのオペレータなどのユーザに提供され、現在の値に基づいて、さまざまなシナリオを定義することができる。これらのシナリオは、モデルを実行している同じ又は第2のAPIに転送され、対応する予測又は予想をユーザに提供することができる。
短期モデル 使用例2
第2の使用例では、専門家は触媒がプラントに設置される前に、反応器の温度とそれに対応する選択率の開発の推定値を提供したい場合がある。このシナリオは、例えば技術提案の準備中にしばしば起こり、それは触媒の購買の決定前に1つ以上の仮定の運転シナリオとそれらの意味を顧客に提供する。したがって、モデル学習のためのデータが提供されないプラントの正確な予測が望ましい。
例えば、仮想的な運転データに基づいて「老化」パラメータtotalProductionを推定するなど、幾つかの簡略化の仮定を作ることにより、それは通常は全運転で一定の運転パラメータを含み、反応器の温度損失を運転条件に基づいた推定値に置き換えることなどを含み、上述の短期モデルは、顧客から典型的な運転パラメータのセットが提供さえるのあれば、この目的に使用されることができる。モデルがこれに役立つことにより、それはパラメータ選択のワークフロー(図3)で使用される選択基準の直接的な結果であり、特に、通常はオペレータによってプラントの監視と制御のために使用されるすべてのパラメータをモデルへの入力として維持することできる。
ユーザへのモデル提示
ユーザアプリケーションのインターフェースは、自動又は手動で入力されることができ、運転シナリオを対話的に規定するために使用されることができるモデルへの入力パラメータのブロックと;規定されたシナリオに対するモデル出力のブロック(例えば、平均反応器入口温度及び予測範囲を有する選択率)と;及び任意でさらなる出力として、対象パラメータに対するモデル予測の局所応答(例えば、目標変換範囲での予測される反応器入口温度)とを含むことができる。
入力パラメータブロックは、現在のプラント運転データが利用可能な場合は自動的に入力されることができ(例:使用例1)、あるいは、実際のプラントデータが利用できない場合は完全に手動で定義されることができる(例:使用例2)。ユーザが調整した入力パラメータに基づいて、モデルによって予測されたパラメータ(この例では、反応器入口温度とスチレンの選択率)は、例えばテキスト(1点を予測する場合)又はグラフィック形式(単一のパラメータの変動に対する局所モデル応答)でユーザに表示されることができる。これらは、そのようなモデルが使用される使用例、実装、モデルユーザへの表示に関する方法がより多く存在するため、単に例として提供される。
例示的な適用:長期モデル
モデル開発
短期モデルを開発するのに使用された処理済みデータセット(表2)から出発して、長期モデルの学習用データセットを準備するために、いくつかの追加ステップが実行される。まず、より少ない数のパラメータがリストから選択され、次に、各パラメータは週単位で収集される。
モデルの入力パラメータは、一定であったり(reactors、CatVolume)、制御されていたり(conversion、SOR、LHSV)、これらの一定又は制御された値に基づいて計算されたり(totalProduction)、対象となる運転シナリオで制御されなかったり(temperature、selectivity、pressureOut、deltaP、deltaT、dTdev_norm)する。
後者のパラメータは内生パラメータ又は非制御パラメータとラベル付けされ、一方、前者のパラメータ(運転シナリオが計画通りに実行されたとすると、予想範囲全体で知られる)は外生パラメータ又は制御パラメータとラベル付けされる。表3は、例示的な予想モデルの開発に使用されるパラメータの概容と、両タイプのパラメータへの割り当てを示す。
Figure 2022520643000004
例示モデルを開発することにおいて、異なる上述したVARX型の候補モデルのいくつかが学習させられ、該候補モデルは、例えば正則化手法(elasticnet、ridge)や最大タイムラグ数(4~10週)において異なる。
これらの異なるモデルの組み合わせのすべてに対して、学習手順は、プラントレベルでリーブワンアウト・クロスバリデーションを用いて同じように行われた。すべての学習させられたモデルは、最終的に長期モデルを含むアンサンブルの候補モデルとなる。
すべての学習は予想の1ステップ先について行われたが(それは反復的に適用されることができ、任意の数のステップを予想することができる)、モデルの最終的な選択は、より長い予想に対しても優れた性能を発揮することを要する。これを評価するために、予想は、学習データセットとテストデータセットの利用可能な各運転の複数の時点から実行され、運転シナリオとしてそれらの運転の実際の外生変数を使用し、予想の誤差分布の各ステップ先を決定した。
モデルは、学習データとテストデータの両方において、反応器入口温度と選択率について、全範囲(たとえ長い予想のための誤差分布が適度に広がると予想されるとしても)を通して明確な長期バイアスと狭い誤差分布を有するものが選択された。モデルの選択は、30のモデル候補からテストセットと学習セットで実行された予想の誤差分布に基づいて行われた。
スチレン触媒の長期モデルのこの例示的な開発においては、最終的に選択されたモデルは、異なるタイプの正則化を用いて局所的な傾きで学習させられた最大10週間のタイムラグを有する3つの2ステージモデルであった。アンサンブル予想のために、すべてのモデルは互いに独立して繰り返し実行され、完全な個別の予想のみが平均化されてアンサンブル予測を提供する。提示された例では、これは、アンサンブル予測の代替手段として1つの可能な代替的実装である各個別ステップ後に予想を収集することに比して、より効率的な実装であった。
単一モデルの場合と同様に、最終的なアンサンブルはN日先の誤差分布を得るためにテストデータで評価され、それは例示した実装での予想の誤差推定として提供される。
上記の短期的な例と同様に、アンサンブル予想と期待誤差分布は、基礎となる手順(アンサンブル平均、マルチステップモデルなど)の詳細に関わらず、ユーザがモデルを適用する際には「長期的な」モデルの単一の実体として見ることができる。
長期モデル使用例
例示的な使用例では、プラントオペレータは、プラント運転の異なるシナリオと運転パラメータのプラント固有の制限に依存して、触媒の残り寿命を推定したいかもしれない。このようなシナリオは、LHSV、蒸気対オイル比、又は目標変換レベルの変更を含むかもしれず;異なるシナリオを検討するたくさんの動機が存在するが、典型的な質問は、スチレンの価格が低い時期に低い生産レベルでプラントを運転して触媒寿命を得ることが、最終的に価値があるかどうかということである。
触媒寿命の終わりは、各生産プラントにおいて局所的に定義される多くの条件に依存する可能性があるが、触媒寿命の1つの制限は、すべての場合において、プラント固有のしきい値を超えてはならない反応器の温度又は圧力である。長期モデルからの予測により、触媒寿命の終わりは、このしきい値に基づいて推定され、異なるユーザ定義のシナリオと比較されることができる。
モデル実装
モデルは、いくつかのマイナーな変更を伴って概念的に図4で説明したものと類似して実装されることができる。例えば、ローカルに又はAPI経由で実装される処理機能は、長期モデルの学習に使用されるデータフォーマットを提供するように適合させる必要があり、この特定の例では短期モデルのデータについて実行される手順後に週ごとの収集ステップの必要がある。例えばローカルに又はAPI経由で実装された予想機能は、今や単一ポイントを予測するために運転条件のセットを受信するだけでなく、モデルが要求する遅延した内生データの替わりに、同様に外生パラメータための運転シナリオ値も受信する。同様に、モデル出力は、モデルのすべて又は一部の内生変数のみの完全な予想である。
ユーザへのモデル提示
長期モデルの実装において、モデルで使用される内生パラメータは、少なくとも過去L週間分必要となり、ここで、Lは「長期」モデルに含まれる任意のモデル要素に使用される最大タイムラグである。このデータは、データの前処理及び準備の部分で説明されたようにプラントの生データ又は適切なフォーマットのデータから自動的に取得されてもよいし、手動で入力又はアップロードされてもよい。
制御パラメータの入力ブロックが、延長された期間にわたる運転シナリオを生成するためにオペレータによって使用されてよく、例えばアプリケーションの例では、蒸気対オイル比、目標変換、LHSVは、将来の変化もシミュレートするために最大3つの独立したセグメントまで事前に計画されることができる。これらのシナリオは、ここで説明するものよりもはるかに複雑な場合もあり得る。計画された運転シナリオは、好ましくは制御の一部に連続性を持たせること容易にするために、これらのパラメータの履歴とともに表示され得る。ユーザの操作のために選択された制御パラメータは、モデルに使用されるすべての外生パラメータの任意のサブセットから構成されてよい。この特定の実装では、他の3つの外生パラメータは一定であるか、他の入力や時間から直接導出されることができる。
長期モデルによって提供される予想は、表形式で表示され、データのエクスポート及び例えば予想された傾向に基づくさらなる分析に供されることができ、又は、結果は、1つ以上の異なる計画されたシナリオの視覚的検査のためにユーザにグラフィック的に表示されることができる。
インターフェースは、選択された制御(外生)パラメータがユーザ定義の運転シナリオ(例えば目標転換率、LHSV、蒸気対オイル比;予測開始時までの実際のデータを表し及びと今後の運転シナリオのためのプロット)のために定義され得る部分を含むことができる。インターフェースの他の部分では、選択された内生パラメータがユーザに提示されることができる(例えば反応器入口温度及びスチレン選択率;予測の開始は水平の破線で示され、それ以降はすべてモデルによって予想され、予想誤差の推定値を含む)。さらに、内生パラメータのすべての又は一部の予測は、ユーザによってエクスポートされ得るデータフレームで表示され得る。

Claims (25)

  1. 少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの運転条件を決定するためのシステムであって、前記システムは通信インターフェースと、前記通信インターフェースと通信する処理装置とを備え、
    (a)予定された生産運転のために前記システムは:
    - 前記通信インターフェースを介して、前記予定された生産運転のための事前に定義された運転条件を示す運転データを受信し(10)、
    - 前記通信インターフェースを介して、前記予定された生産運転における触媒が使用された期間に関連する触媒老化インジケータを受信し(10)、
    - 前記処理装置を介して、データ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて前記予定された生産運転の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定し(14)、
    - 前記通信インターフェースを介して、前記予定された生産運転の運転条件のための前記少なくとも1つの目標運転パラメータを提供する(16)、
    ように構成され、又は
    (b)現在の生産運転における変更のために前記システムは:
    - 前記通信インターフェースを介して、少なくとも1つの運転データポイントが現在の運転条件の変更を示す所望の運転値を含む前記現在の生産運転のための現在の運転条件を示す測定された運転データを受信し(10)、
    - 前記通信インターフェースを介して、前記現在の生産運転における触媒が使用された期間と関連する触媒老化インジケータを受信し(10)、
    - 処理装置を介して、データ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて前記現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定し(14)、
    - 前記通信インターフェースを介して、前記現在の生産運転における変更の運転条件のための前記少なくとも1つの目標運転パラメータを提供する(16)、
    ように構成されている、システム。
  2. 前記運転データは、前記化学生産プラントに設置されたセンサを介して測定されたセンサデータ、そのようなセンサデータから直接的又は間接的に導き出される量、前記化学生産プラントから採取されたサンプルで測定された分析データ、及び/又はそのような分析データから直接的又は間接的に導き出される量を含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記システムは、
    - 前記通信インターフェースを介して、物理的なプラントレイアウトを示すプラントメタデータを受信し(10)、
    - 前記処理装置を介して、データ駆動型モデルを使用することにより、前記プラントメタデータにさらに基づいて少なくとも1つの目標運転パラメータを決定する(14)、ここで、前記学習データセットはプラントメタデータをさらに含む履歴データセットに基づく、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記システムが、前記少なくとも1つ目標運転パラメータの決定の前に、前記処理装置を介して前記運転データと前記プラントメタデータを前処理する(12)ように構成され、前記前処理は前記物理的なプラントレイアウトに依存しない量への変換を含む、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記履歴データセットは、複数の運転、複数のプラント、及び/又は複数の触媒バッチからのデータを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
  6. 前記触媒老化インジケータは、時点、期間、時間依存の運転データから導出される量、及び/又は時間依存の運転データから累積的に導出される量に基づく、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
  7. 前記システムが、前記処理装置を介して、離散的な時点の目標運転パラメータを決定する短期モデル、又は期間の目標運転パラメータを決定する長期モデルに基づいて、少なくとも1つ目標運転パラメータを決定する(14)、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
  8. 前記システムは、前記通信インターフェースを介して現在の生産運転中又は前の生産運転から予測時点までに測定され、予測され、又は導出された前記少なくとも1つの目標運転パラメータの時系列を受信する(10)ように構成され、前記システムはさらに、固有の時間依存性を含む前記データ駆動型モデルを使用して、前記運転データ、前記少なくとも1つの目標運転パラメータの時系列、前記触媒老化インジケータ、及び任意で前記プラントメタデータに基づいて、前記処理装置を介して前記予測時点に続く1つ以上の時点の少なくとも1つ目標運転パラメータを決定する(14)ように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 化学生産プラントの運転条件を最適化するシステムであって、前記システムは、請求項1~8のいずれか1項によるシステムと前記通信インターフェースと通信する最適化処理装置とを有し、前記最適化処理装置は:
    - 前記通信インターフェースを介して、(a)予定された生産運転又は(b)現在の生産運転の変更のいずれかについて決定された1つ以上の運転条件について決定された目標運転パラメータを受信し(18)、
    - 前記最適化処理装置を介して、各運転条件のための前記受信した目標運転パラメータに基づいて、前記目標運転パラメータの最大値又は最小値、又は前記目標運転パラメータから導出された最適化パラメータの最大値又は最小値を決定し(18)、
    - 前記通信インターフェースを介して、(a)予定された生産運転又は(b)現在の生産運転のいずれかの最適運転条件を示す最大値又は最小値提供する(18)、ように構成されている、システム。
  10. 請求項1~8のいずれか1項による運転条件を決定するシステムと通信可能に結合された通信インターフェースを含む生産監視及び/又は制御システム、又は、請求項9による運転条件を最適化するシステム。
  11. 請求項10に記載の生産監視及び/又は制御システムであって、表示装置を含み、前記表示装置は前記決定された運転条件を受信して表示するように構成され、又は、制御ユニットを含み、前記制御ユニットは前記決定された運転条件を受信し、前記決定された運転条件に基づいて前記化学生産プラントにおける現在の又は予定された生産運転を制御するように構成されている、システム。
  12. 少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの運転条件を決定するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は次のステップを含む、
    (a)予定された生産運転について前記方法は以下のステップを含む:
    - 通信インターフェースを介して、予定された生産運転のための事前に定義された運転条件を示す運転データを受信するステップ(10)、
    - 前記通信インターフェースを介して、前記予定された生産運転における触媒が使用された期間と関連する触媒老化インジケータを受信するステップ(10)、
    - 処理装置を介して、データ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて前記予定された生産運転の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定するステップ(14)、
    - 前記通信インターフェースを介して、前記予定された生産運転の運転条件のための前記少なくとも1つの目標運転パラメータを提供するステップ(16)、又は、
    (b)現在の生産運転における変更について前記方法は以下のステップを含む:
    - 通信インターフェースを介して、現在の生産運転のための現在の運転条件を示す測定された運転データであって、少なくとも1つの運転データポイントが前記現在の運転条件の変更を示す所望の運転値を含む運転データを受信するステップ(10)、
    - 前記通信インターフェースを介して、前記現在の生産運転における触媒が使用された期間と関連する触媒老化インジケータを受信するステップ(10)、
    - 処理装置を介して、データ駆動型モデルであって、前記データ駆動型モデルは学習データセットに従ってパラメータ設定され、前記学習データセットは運転データと触媒老化インジケータと少なくとも1つの目標運転パラメータとを有する履歴データセットに基づいているデータ駆動型モデルを使用することにより、前記運転データと前記触媒老化インジケータに基づいて、現在の生産運転における変更の運転条件のための少なくとも1つの目標運転パラメータを決定するステップ(14)、
    - 前記通信インターフェースを介して、現在の生産運転における変更の運転条件のための前記少なくとも1つの目標運転パラメータを提供するステップ(16)。
  13. 請求項12の方法であって、以下のステップ、
    - 前記通信インターフェースを介して、物理的なプラントレイアウトを示すプラントメタデータを受信するステップ(10)、及び
    - 前記処理装置を介して、データ駆動型モデルを使用することにより、前記プラントメタデータにさらに基づいて少なくとも1つの目標運転パラメータを決定するステップ(14)、ここで、前記学習データセットはプラントメタデータをさらに含む履歴データセットに基づく、
    をさらに含む方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、
    前記少なくとも1つ目標運転パラメータの決定の前に、前記処理装置を介して前記運転データと前記プラントメタデータを前処理するステップ(12)をさらに含み、前記前処理は前記物理的なプラントレイアウトに依存しない量への変換を含む、方法。
  15. 前記履歴データセットは、複数の運転、複数のプラント、及び/又は複数の触媒バッチからのデータを含む、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 少なくとも1つ目標運転パラメータの決定は、離散的な時点の目標運転パラメータを決定する短期モデル、又は期間の目標運転パラメータを決定する長期モデルに基づく、請求項12~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 現在の生産運転中又は前の生産運転から予測時点までに測定され、予測され、又は導出された前記少なくとも1つの目標運転パラメータの時系列は、前記通信インターフェースを介して受信され(10)、前記運転条件に基づく前記予測時点に続く1つ以上の時点の少なくとも1つ目標運転パラメータ、前記少なくとも1つ目標運転パラメータの時系列、前記触媒老化インジケータ、及び前記データ駆動型モデルを使用する任意の前記プラントメタデータは、前記処理装置を介して決定され(14)、前記データ駆動型モデルは固有の時間依存性を含む、請求項12~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 化学生産プラントの予定された生産運転又は現在の生産運転における変更の運転条件を最適化する方法であって、前記方法は以下のステップ:
    - 通信インターフェースを介して、(a)予定された生産運転又は(b)現在の生産運転における変更のいずれかについて決定された1つ以上の運転条件について、決定された目標運転パラメータを受信するステップ(18)、
    - 最適化処理装置を介して、各運転条件のための前記受信した目標運転パラメータに基づいて、前記目標運転パラメータの最大値又は最小値、又は前記目標運転パラメータから導出された最適化パラメータの最大値又は最小値を決定するステップ(18)、
    - 前記通信インターフェースを介して、(a)予定された生産運転又は(b)現在の生産運転のいずれかの最適運転条件を示す最大値又は最小値提供するステップ(18)、
    を有する方法。
  19. 請求項12~17のいずれか1項にしたがって運転条件を決定する方法を実行するステップを含む化学生産プラントを監視及び/又は制御する方法、又は、請求項18にしたがって運転条件を最適化する方法。
  20. 処理装置によって読み出され実行される時に請求項12~19のいずれか1項の方法を実行するコンピュータプログラム又はコンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読不揮発性記憶媒体。
  21. 少なくとも1つの触媒反応器を含む化学生産プラントの予定された生産運転又は現在の生産運転における変更のための運転条件を決定するための方法であって、前記方法は以下のステップ:
    - 通信インターフェースを介して、運転データ、触媒老化インジケータ、少なくとも1つの目標運転パラメータ、任意のプラントメタデータを有する履歴データセットに基づく学習データセットを受信するステップ、
    - 処理装置を介して前記学習データセットにしたがってパラメータ設定を調整することによりデータ駆動型モデルを学習させるステップ、
    - 前記通信インターフェースを介して、学習させたデータ駆動型モデルを提供するステップ、
    を含む方法。
  22. 請求項21にしたがって学習させられたデータ駆動型モデルを含むコンピュータプログラム又はコンピュータ可読不揮発性記憶媒体。
  23. - 触媒と、
    - 請求項21に記載の方法にしたがって学習させたデータ駆動型モデルと関連する触媒種類識別子と、を有する触媒システムであって、
    前記モデルは前記触媒種類識別子によって示された触媒種類について学習させられている、触媒システム
  24. - 触媒と、
    - 請求項20又は22に記載のコンピュータプログラム又はコンピュータ可読不揮発性記憶媒体と関連する触媒種類識別子と、を有する触媒システム。
  25. 請求項21に記載の方法にしたがって学習させたデータ駆動型モデルと関連する触媒を使用する化学方法であって、前記データ駆動型モデルはプラント構成要素を設計するために使用され、あるいは、目標性能を実現するために前記化学方法を最適化するために使用される、化学方法。
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