エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。公知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは一般に、電池と、制御電子回路と、エアロゾル発生装置で使用するために特別に設計されたエアロゾル発生物品を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。一部の実施例において、エアロゾル発生物品は、たばこロッドまたはたばこプラグなどのエアロゾル形成基体を備え、またエアロゾル発生装置の中に収容されたヒーターは、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中へと挿入される時に、エアロゾル形成基体の中へと、またはその周りに挿入される。
典型的に、エアロゾル発生装置は、所定の加熱プロファイルに従って電気ヒーターを使用して熱を発生するように構成されている。しかしながら、エアロゾル形成基体の変化は、ユーザー体験において望ましくない変化をもたらす場合がある。例えば、高湿度環境において、エアロゾル形成基体は高い含水量を呈する場合がある。水はエアロゾル発生装置の典型的な動作温度でエアロゾル化されるため、高い含水量はユーザーによって知覚される不必要に高いエアロゾル温度をもたらす場合がある。別の実施例において、既に加熱されているエアロゾル形成基体は、低い含水量を呈する場合がある。低い含水量は、ユーザーがエアロゾル発生装置中のエアロゾル形成基体を再加熱しようとする場合に、エアロゾル形成基体からの熱伝達の低減をもたらし得る。エアロゾル形成基体からの熱伝達の低減は、エアロゾル発生装置の過熱をもたらす場合がある。
周知のエアロゾル発生装置に伴う不都合の少なくとも一部を軽減または克服するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。特に、エアロゾル形成基体の加熱前に、エアロゾル形成基体中に存在する水の量を監視することを可能にするエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。
本発明の第一の態様によれば、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品であって、エアロゾル形成基体が誘電材料である、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置と、第一の電極および第二の電極とを備える、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル形成基体は、実質的に固体エアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、電源と、少なくとも一つのヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみとを備える。エアロゾル発生装置はさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体を加熱するための電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成されたコントローラを備える。第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように、第一の電極から間隙を介している。第一の電極、エアロゾル形成基体の一部分、および第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時にコンデンサーを形成する。エアロゾル発生装置のコントローラはさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一および第二の電極を介してコンデンサーの静電容量を測定し、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
有利なことに、コントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容されたた時に、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極との間に配設されたエアロゾル形成基体の一部分によって形成されるコンデンサーの静電容量を測定し、測定された静電容量に基づいて、少なくとも一つのヒーターへの電力供給を変化させるように構成される。
有利なことに、測定された静電容量は、第一の電極と第二の電極との間のエアロゾル形成基体中に存在する水の量を示し得る。比較的高い測定された静電容量は、比較的高い含水量を示し得る。比較的低い測定された静電容量は、比較的低い含水量を示し得る。コントローラは、測定された静電容量に基づいて、少なくとも一つのヒーターへの電力供給を変化させる。有利なことに、測定された静電容量に基づいて少なくとも一つのヒーターへの電力供給を変化させることにより、システムが一貫した特性を有するエアロゾルを発生することが可能になり得る。
エアロゾル形成基体の静電容量検知は、エアロゾル発生システムにおいて公知である。例えば、国際特許出願公開番号:WO2017/051006A1号、WO2017/051011A1号およびWO2017/051016A1号(Philip Morris Products S.A.)を参照のこと。これらの刊行物では、エアロゾル形成基体中の一つ以上の揮発性化合物の量の表示を提供するために、二つの電極間にエアロゾル形成基体を含むコンデンサーの静電容量の測定値が使用されている。その後、この情報を使用して、エアロゾル形成基体の一つ以上の揮発性化合物が枯渇した時を判定し、一つ以上の揮発性化合物が枯渇した時に基体の加熱を停止する。
本発明の発明者らは、エアロゾル形成基体の静電容量検知を使用して、ヒーターへと供給される電力を制御し、エアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの特性の一貫性を改善し、結果としてユーザーの体験を改善することもまた可能であることを認識した。
エアロゾル形成基体の含水量は、基体から発生するエアロゾルの水蒸気含有量に影響を及ぼし得る。特に、エアロゾル形成基体の含水量の増加は、基体から発生されるエアロゾルの水蒸気含有量の増加をもたらし得る。エアロゾルの水蒸気含有量は、ユーザーが知覚するエアロゾルの温度である、エアロゾルの見かけの温度に影響を及ぼし得る。典型的には、エアロゾルの水蒸気含有量の増加は、エアロゾルの見かけの温度の増加をもたらす。したがって、エアロゾル形成基体の含水量を一定レベルに維持することが概して望ましい。しかしながら、エアロゾル形成基体の含水量は、エアロゾル形成基体がどのように貯蔵されているか、およびエアロゾル発生システムが使用される環境での周囲湿度など、複数の要因によって影響を受け得る。結果として、エアロゾル形成基体の含水量を一定レベルに維持することは困難となり得る。
本発明の発明者らは、一対の電極間に配設されたエアロゾル形成基体によって形成されるコンデンサーの静電容量の測定値が、エアロゾル形成基体中の水の存在、およびエアロゾル形成基体中の水の体積分率の変化に対して特に感受性があることを認識した。コンデンサーの静電容量は、コンデンサーの電極間に配設された材料の相対誘電率の関数である。材料の相対誘電率、または誘電定数は、印加された電界に応答して分極する材料の傾向を示す。水は、たばこなどのエアロゾル形成基体、およびプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体中に存在する他の材料と比較して、比較的高い相対誘電率を有する傾向がある。したがって、エアロゾル形成基体の静電容量検知は、エアロゾル形成基体の含水量の表示を提供する際に、およびエアロゾル形成基体の含水量の変化を検知するのに特に効果的であり得る。
本発明の発明者らはまた、基体の静電容量測定値によって提供されるエアロゾル形成基体の含水量の表示を使用して、エアロゾルを発生するために基体を加熱するヒーターの温度を制御することによって、基体から発生するエアロゾルの温度を制御し得る。エアロゾルを発生するために基体を加熱するヒーターの温度を制御することは、静電容量測定値に基づいてヒーターへの電力供給を制御することによって達成され得る。したがって、エアロゾル形成基体の静電容量測定値に基づいて、エアロゾル形成基体を加熱するヒーターへの電力供給を制御することは、エアロゾル発生システムが一貫した特性を有するエアロゾルを発生することを可能にし得る。
エアロゾル発生装置は、電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するよう構成されたコントローラを備える。特に、コントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体を加熱するための電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成される。
本明細書で使用される場合、「電力」という用語は、ヒーターへ供給される瞬間的な電力を指すために使用されてもよいが、典型的には、一定期間にわたってヒーターへ供給される実電力または平均電力を指すために使用される。特に、電力が交流電圧または電流を介してヒーターへ供給される場合、「電力」という用語は、ヒーターへ供給される実電力を指す。
コントローラは、任意の適切な様態で、電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成され得る。例えば、コントローラは、システムの起動後、または毎回の吸煙ごとなどのように断続的に、電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成されてもよい。
一部の好ましい実施形態では、コントローラは、電流のパルスの形態で、電源から電気ヒーターへ電力を供給するように構成されてもよい。これらの好ましい実施形態では、コントローラは、ヒーターへの電力供給の負荷サイクルを制御することによって、ヒーターへの電力供給を制御するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「負荷サイクル」という用語は、電源の最大ワット出力と比較した電源の相対的なワット出力を指す。従って、70%負荷サイクルは、その電源が送達できる最大ワット出力のうち70%のワット出力を電源が送達することを示す。コントローラは、任意の適切な手段によって、負荷サイクルを制御するように構成され得る。例えば、コントローラは、パルス幅変調によって負荷サイクルを制御するように構成されてもよい。
コントローラは、所定の電力プロファイルに従って、電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。所定の電力プロファイルは、コントローラのメモリに格納されてもよい。コントローラは、所定の電力プロファイルに従って、一定の電力をヒーターへ供給するように構成されてもよい。コントローラは、所定の電力プロファイルに従って、経時的に変化する電力をヒーターへ供給するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、第一の所定の期間の間第一の電力をヒーターへ供給し、その後、所定の電力プロファイルに従って、第二の所定の期間の間第二の電力をヒーターへ供給するように構成されてもよい。
エアロゾル発生装置のコントローラはさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一の電極および第二の電極を介してコンデンサーの静電容量を測定するように構成される。コントローラは、測定された静電容量に基づいて、少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成される。コントローラは、任意の適切な様態で測定された静電容量に基づいて、少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成され得る。
特に、コントローラは、静電容量測定値が、エアロゾル形成基体中の含水量が通常の動作レベル内であることを示す場合に、通常の電力プロファイルを少なくとも一つのヒーターへ供給し、静電容量測定値が、エアロゾル形成基体中の含水量が通常の動作レベルを上回る、または通常の動作レベルを下回ることを示す場合に、修正された電力プロファイルを少なくとも一つのヒーターへ供給するように構成され得る。
コントローラは、静電容量測定値が、エアロゾル形成基体の含水量が通常の動作レベルを上回ることを示す場合に、低電力プロファイルを少なくとも一つのヒーターへ供給するように構成されてもよい。低電力プロファイルは、通常の電力プロファイルと比較して、より低い電力をヒーターへ供給し得る。湿ったエアロゾル形成基体を加熱するためにヒーターへ供給される電力を減少させることは、湿ったエアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの温度を、通常の電力プロファイルで供給されるヒーターによって加熱される湿っていないエアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの温度よりも低下させ得る。これは、湿ったエアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの知覚温度を、湿っていないエアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの通常の知覚温度に低下させ得る。
初期期間の間、低電力プロファイルをヒーターへ供給することによって、ヒーターが、初期期間にわたってエアロゾル形成基体から過剰な水分を除くことが可能となり、その結果、初期期間後に、エアロゾル形成基体の含水量が通常の動作レベル内に収まり得る。したがって、コントローラは、静電容量測定値が、エアロゾル形成基体の含水量が通常の動作レベルを上回ることを示す場合に、低電力プロファイルを少なくとも一つのヒーターへ供給するように構成されてもよく、さらに、所定の初期期間後に通常の電力プロファイルをヒーターへ供給するように構成され得る。
同様に、一部の実施形態では、コントローラは、静電容量測定値が、エアロゾル形成基体の含水量が通常の動作レベルを下回ることを示した場合に、高電力プロファイルを少なくとも一つのヒーターへ供給するように構成されてもよい。高電力プロファイルは、通常の電力プロファイルと比較して、より高い電力をヒーターへ供給し得る。乾燥エアロゾル形成基体を加熱するためにヒーターへ供給される電力を増加させることは、乾燥エアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの温度を、通常の電力プロファイルで供給されるヒーターによって加熱される非乾燥エアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの温度よりも上昇させ得る。これは、乾燥エアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの知覚温度を、非乾燥エアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの通常の知覚温度に上昇させ得る。
コントローラは、個別の電力プロファイルで、電源からヒーターへ電力を供給するように構成されてもよく、各電力プロファイルは、特定の範囲の測定された静電容量に関連付けられる。コントローラは、任意の適切な数の電力プロファイルで電源からヒーターへ電力を供給するように構成され得る。コントローラは、測定された静電容量の関数として、ヒーターへ供給される電力プロファイルを変更するように構成されてもよい。コントローラは、測定された静電容量の関数として、電源からヒーターへの電力供給を連続的に変化させるように構成されてもよい。
コントローラは、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
所定の範囲は、任意の適切なタイプの範囲であってもよい。
一部の実施形態では、所定の範囲は、所定の閾値を超える任意の値であってもよい。一部の実施形態では、所定の範囲は、所定の閾値以下の任意の値であってもよい。言い換えれば、所定の範囲は、オープン範囲であってもよい。
一部の実施形態では、所定の範囲は、所定の上限閾値と所定の下限閾値との間であり得る。言い換えれば、所定の範囲は、クローズド範囲であってもよい。
一部の好ましい実施形態では、所定の第一の範囲および所定の第二の範囲は、一方の範囲の上限が他方の範囲の下限と等しくなるような、連続的な範囲である。
一部の実施形態では、所定の第一の範囲はオープン範囲であり、所定の第二の範囲はオープン範囲である。これらの実施形態では、コントローラは、測定された静電容量が所定の第一の閾値を超える場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の閾値以下である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。一部の好ましい実施形態では、所定の第一の閾値は、所定の第二の閾値と等しい。これらの好ましい実施形態では、コントローラは、測定された静電容量が所定の閾値を超える場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の閾値以下である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
一部の実施形態では、所定の第一の範囲および所定の第二の範囲のうちの一方はオープン範囲であり、所定の第一の範囲のうちの他方はクローズド範囲である。
一部の実施形態では、所定の第一の範囲はクローズド範囲であり、所定の第二の範囲はオープン範囲である。これらの実施形態では、コントローラは、測定された静電容量が所定の第一の下限閾値と所定の第一の上限閾値との間である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の下限閾値と所定の第二の上限閾値との間である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成され得る。一部の好ましい実施形態では、所定の第一の下限閾値は、所定の第二の上限閾値と等しい。これらの好ましい実施形態では、コントローラは、測定された静電容量が所定の中間閾値と所定の上限閾値との間である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の下限閾値と所定の中間閾値との間である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
一部の好ましい実施形態では、コントローラはさらに、静電容量の測定値に基づいて、電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を防げるように構成される。コントローラは、静電容量測定値と所定の上限閾値および所定の下限閾値のうちの一つ以上との比較に基づいて、電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を防げるように構成されてもよい。
所定の上限閾値は、それを超えると、エアロゾル形成基体から発生するエアロゾルがユーザーにとって許容できない、エアロゾル形成基体の最大の許容可能含水量を示し得る。コントローラは、静電容量測定値が所定の閾値を超えた場合に、電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を妨げるように構成され得る。
所定の下限閾値は、それ未満であると、エアロゾル形成基体から発生するエアロゾルがユーザーにとって許容できない、エアロゾル形成基体の最小の許容可能含水量を示し得る。コントローラは、静電容量測定値が所定の下限閾値を下回る場合に、電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を妨げるように構成されてもよい。
一部の実施形態では、コントローラは、静電容量の測定値が所定の許容可能範囲外である場合に、電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を妨げるように構成されてもよく、許容可能範囲は、所定の上限閾値と所定の下限閾値との間で画定される。
一部の好ましい実施形態では、コントローラはさらに、エアロゾル形成基体を加熱するために電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給する前に、静電容量を測定するように構成される。エアロゾル形成基体を加熱するために電力が少なくとも一つのヒーターへ供給される前に取られた一つ以上の静電容量測定値は、エアロゾル形成基体を加熱するためにヒーターへ供給される初期電力を制御するのに使用され得る。有利なことに、エアロゾル形成基体を加熱するために電力がヒーターへ供給される前に静電容量を測定することにより、ヒーターへ供給される電力を加熱サイクルの開始から制御することが可能になる。
一部の好ましい実施形態では、コントローラはさらに、静電容量を定期的に測定し、測定された静電容量に基づいて、エアロゾル形成基体を加熱するためにヒーターへ供給される電力を定期的な間隔で調整するように構成される。言い換えれば、コントローラは、加熱サイクル全体を通して静電容量を繰り返し測定し、直近の静電容量の測定値に基づいて、加熱サイクル全体を通してヒーターへ供給される電力を調整するように構成され得る。有利なことに、加熱サイクル全体を通して静電容量を定期的に測定することにより、エアロゾル発生システムが加熱サイクル全体を通して一貫した特性を有するエアロゾルを発生することが可能になり得る。静電容量の連続的な定期測定間の時間の長さは、任意の適切な時間の長さとし得る。例えば、静電容量の連続的な定期測定間の間隔は、約0.5秒~約30秒の間であってもよく、または少なくとも約0.5秒、少なくとも約1秒、少なくとも約1.5秒、または少なくとも約2秒であってもよい。
一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は、吸煙を検出するための手段を含み、これらの実施形態では、コントローラは、吸煙が検出された時に静電容量を測定するように構成されてもよい。
一部の好ましい実施形態では、コントローラはさらに、測定された静電容量に基づいて、エアロゾル発生物品が、くぼみ内に受容された時を判定するように構成される。コントローラはさらに、その後、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容されたと判定された時に、第一および第二の電力プロファイルのうちの一つで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成されてもよい。したがって、有利なことに、静電容量測定値は、装置のくぼみ内のエアロゾル発生物品の存在を判定するために使用され得る。静電容量測定値を使用して、くぼみ内のエアロゾル発生物品の存在を判定することにより、エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生装置内に追加の構成要素またはセンサーを提供する必要なしに、この機能を提供することが可能になり得る。
エアロゾル発生装置は、周囲温度を感知するように配設された温度センサーを備えてもよく、コントローラは温度センサーから受信した信号に基づいて周囲温度を判定するように配設されている。温度センサーは、サーミスタを備えてもよい。温度センサーは、熱電対を備えてもよい。温度センサーは、半導体温度センサーを備えてもよい。
本発明の発明者らは、周囲温度が低い時、基体の静電容量測定値が基体の含水量が高いことを示す場合に、高い含水量を有する基体に対する電力プロファイルに従って、電力を少なくとも一つのヒーターへ供給する必要がないことを認識した。特に、有利なことに、使用中にエアロゾル発生装置に入る低温の周囲空気は、エアロゾル形成基体が高い含水量を有する時でさえも、発生したエアロゾルの温度をユーザーにとって許容可能なレベルに維持するのに十分であり得る。言い換えれば、これらの実施形態では、コントローラは、静電容量の測定値および周囲温度の測定値によって、ヒーターへ供給される電力を判定する。
一部の実施形態では、コントローラは、測定された周囲温度が所定の周囲温度閾値を下回る時、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成され得る。周囲温度閾値は摂氏約15度~摂氏約25度であることが好ましく、摂氏約17度~摂氏約23度であることが好ましい。周囲温度閾値は摂氏18度であってもよい。
コントローラは、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極との間に任意の適切な様態で配設されたエアロゾル発生物品の一部分によって形成されたコンデンサーの静電容量を測定するように構成され得る。特に、コントローラは、電源から第一の電極および第二の電極へ電力を交流電流の形態で供給することによってコンデンサーの静電容量を測定するように構成されてもよい。交流電流は、任意の適切な周波数を有してもよく、好ましくは、約100kHz~1GHzの範囲の周波数を有する。約100kHz~1GHzの周波数範囲において、特に高周波数および低周波数で発生する損失成分を無視すると、相対浸透性は一定であると考えることが可能である。
エアロゾル発生システムは、第一の電極と、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように第一の電極から間隙を介している第二の電極とを備える。有利なことに、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置のくぼみ内に受容された時、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極との間に配設されたエアロゾル形成基体の一部分は、コンデンサーを形成する。
第一の電極および第二の電極は、様々な様態でシステム内に提供され得る。一部の好ましい第一の実施形態では、エアロゾル発生装置は、第一の電極および第二の電極の両方を含む。一部の好ましい第二の実施形態では、エアロゾル発生物品が第一の電極を含み、エアロゾル発生装置が第二の電極を含む。一部の好ましい第三の実施形態では、エアロゾル発生物品は第一の電極および第二の電極の両方を含む。
エアロゾル発生装置に含まれる電極は、典型的には、有線接続を介してエアロゾル発生装置のコントローラに電気的に接続される。エアロゾル発生物品に含まれる電極は、エアロゾル発生物品が、装置に含まれる一つ以上の電気接点を介して装置のくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生装置のコントローラに電気的に接続されてもよく、電気接点は有線接続を介してコントローラに電気的に接続される。
好ましい第一の実施形態では、エアロゾル発生装置は、第一の電極および第二の電極を含む。
好ましい第一の実施形態では、第一の電極および第二の電極は、任意の適切な配設でエアロゾル発生装置内に配設されてもよい。第二の電極は、くぼみの長さに沿って第一の電極と整列することが好ましい。
一部の好ましい第一の実施形態では、第一の電極および第二の電極は、くぼみの内表面の一部を形成する。これらの実施形態では、第一の電極および第二の電極は、くぼみの内表面の対向する側面上に配設されることが好ましい。第二の電極は、第一の電極の反対側に配設されることが好ましい。第一の電極および第二の電極は実質的に同一であることが好ましい。
一部の好ましい第一の実施形態では、第一の電極および第二の電極は、コンデンサーが平行なプレートコンデンサーであるように、実質的に平行なプレートを形成する。
一部の好ましい第一の実施形態では、第一の電極および第二の電極の各々は、くぼみの周囲の実質的に半分の周りに延びる。第一の電極および第二の電極は、第一の電極および第二の電極が重複したり接触したりしないように、くぼみの周囲の半分または半分を超えて周りに延びない。
一部の好ましい第一の実施形態では、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つのヒーターの部分を形成する。これらの好ましい第一の実施形態では、第一の電極および第二の電極のうちの他方は、くぼみの内表面の一部を形成し得る。
少なくとも一つのヒーターの部分として第一の電極を形成することは、エアロゾル発生装置を製造するのに要求される多くの構成要素を減少しうる。いくつかの実施形態では、少なくとも一つのヒーターは、抵抗発熱体を含む抵抗ヒーターを含む。これらの実施形態の一部では、第一の電極は、共通の電気的に絶縁された基体上に別個に提供され得る。これらの実施形態の一部では、抵抗発熱体はまた、第一の電極を形成してもよく、これによってエアロゾル発生装置の構造をさらに簡略化し得る。
一部の特に好ましい第一の実施形態では、少なくとも一つのヒーターは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時にエアロゾル発生物品の中へと挿入するように配設された細長いヒーターを含み、第一の電極は細長いヒーターの部分を形成する。これらの好ましい第一の実施形態では、第二の電極は、くぼみの内表面の部分を形成することが好ましい。第二の電極は、くぼみの内表面の周囲の実質的に周りに延び得る。これは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第二の電極がエアロゾル発生物品の少なくとも一部分を囲むことを可能にし得る。第二の電極は、第一の電極を実質的に囲み得る。第二の電極は、第一の電極と同心であってもよい。第二の電極は、環状の電極であり得る。
好ましい第二の実施形態では、エアロゾル発生物品は第一の電極を含み、エアロゾル発生装置は第二の電極を含む。これらの好ましい第二の実施形態では、エアロゾル発生装置はさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に第一の電極と接触するための第一の電気接点を備える。
好ましい第二の実施形態では、第一の電極は、任意の適切な位置でエアロゾル発生物品に配設されてもよく、第二の電極は、任意の適切な位置でエアロゾル発生装置に配設されてもよい。第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、くぼみの長さに沿って第一の電極と整列することが好ましい。
第一の電極の少なくとも一部分は、エアロゾル発生物品の半径方向外表面の部分を形成することが好ましい。エアロゾル発生物品の半径方向外表面上に第一の電極の少なくとも一部分を提供することにより、エアロゾル発生装置の第一の電極と第一の電気接点との間の接触が促進され得る。
一部の第二の実施形態では、第一の電極は、エアロゾル発生物品の一方の側面上に延びる。
一部の好ましい第二の実施形態では、第一の電極は、エアロゾル形成基体を実質的に囲む。第一の電極は、実質的に環状であってもよい。環状の第一の電極を提供することは、くぼみ内のエアロゾル発生物品の回転配向に関係なく、第一の電極をエアロゾル発生装置の第一の電気接点と接触させることを可能にし得る。
一部の特に好ましい第二の実施形態では、エアロゾル発生物品はさらに、エアロゾル形成基体の周りに巻かれたラッパーを含み、第一の電極の少なくとも一部分はラッパーの外表面上に提供されている。有利なことに、第一の電極をラッパーの外表面上に提供することは、エアロゾル形成基体中に存在する水が第一の電極と接触するのを実質的に防ぎ得る。
一部の好ましい第二の実施形態では、エアロゾル発生装置はさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一の電極と接触するための第一の電気接点を備える。
一部の好ましい第二の実施形態では、第一の電気接点は、エアロゾル発生装置くぼみの一方の側面上に延びる。
一部の特に好ましい第二の実施形態では、第一の電気接点は、エアロゾル発生装置のくぼみを実質的に囲む。第一の電気接点は、実質的に環状であってもよい。環状の第一の電極を提供することは、くぼみ内のエアロゾル発生物品の回転配向に関係なく、第一の電気接点をエアロゾル発生物品の第一の電極と接触させることを可能にし得る。
一部の好ましい第二の実施形態では、第二の電極は、少なくとも一つのヒーターの部分を形成する。
一部の特に好ましい第二の実施形態では、少なくとも一つのヒーターは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時にエアロゾル発生物品の中へと挿入するように配設された細長いヒーターを含み、第二の電極は細長いヒーターの部分を形成する。これらの特に好ましい第二の実施形態では、第一の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に位置付けられるように、エアロゾル形成基体を実質的に囲んでもよい。
一部の好ましい第三の実施形態では、エアロゾル発生物品は、第一の電極および第二の電極を含む。これらの好ましい第三の実施形態では、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極との間に位置付けられたエアロゾル形成基体の少なくとも一部分は、コンデンサーを形成する。
一部の好ましい第三の実施形態では、第一の電極および第二の電極は、エアロゾル形成基体の外表面の部分を形成する。これらの実施形態では、第一の電極および第二の電極は、エアロゾル発生物品の外表面の対向する側面上に配設されることが好ましい。第二の電極は、第一の電極の反対側に配設されることが好ましい。第一の電極および第二の電極は実質的に同一であることが好ましい。第二の電極は、エアロゾル発生物品の長さに沿って第一の電極と整列することが好ましい。
一部の好ましい第三の実施形態では、第一の電極および第二の電極は、コンデンサーが平行なプレートコンデンサーであるように、実質的に平行なプレートを形成する。
一部の好ましい第三の実施形態では、第一の電極および第二の電極の各々は、エアロゾル形成基体の周囲の実質的に半分の周りに延びる。第一の電極および第二の電極は、第一の電極および第二の電極が重複したり接触したりしないように、エアロゾル形成基体の周囲の半分または半分を超えて周りに延びない。
これらの好ましい第三の実施形態では、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、コンデンサーの第一の電極と接触するための第一の電気接点と、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、コンデンサーの第二の電極と接触するための第二の電気接点とを備える。
一部の好ましい第三の実施形態では、第一の電気接点および第二の電気接点は、くぼみの内表面の部分を形成する。これらの実施形態では、第一の電気接点および第二の電気接点は、くぼみの内表面の対向する側面上に配設されることが好ましい。第二の電気接点は、第一の電気接点の反対側に配設されることが好ましい。第一の電気接点および第二の電気接点は、実質的に同一であることが好ましい。第二の電気接点は、くぼみの長さに沿って第一の電気接点と整列してもよい。
一部の好ましい第一の実施形態では、第一の電気接点および第二の電気接点は、実質的に平行なプレートを形成する。
一部の好ましい第一の実施形態では、第一の電気接点および第二の電気接点の各々は、くぼみの周囲の実質的に半分の周りに延びる。第一の電気接点および第二の電気接点は、第一の電気接点および第二の電気接点が重複したり接触したりしないように、くぼみの周囲の半分または半分を超えて周りに延びない。
少なくとも一つのヒーターは、少なくとも一つの抵抗発熱体を含むことが好ましい。少なくとも一つのヒーターは、複数の抵抗発熱体を含むことが好ましい。抵抗発熱体は、平行な配設で電気的に接続されていることが好ましい。有利なことに、平行な配設で電気的に接続された複数の抵抗発熱体を提供することは、望ましい電力を提供するために必要とされる電圧を低減または最小化しながら、少なくとも一つのヒーターへの望ましい電力の送達を容易にする場合がある。有利なことに、少なくとも一つのヒーターを動作させるために必要とされる電圧を低減または最小化することは、電源の物理的なサイズを低減または最小化することを容易にする場合がある。
少なくとも一つのヒーターは電気的に絶縁された基体を備えてもよく、少なくとも一つの抵抗発熱体が電気的に絶縁された基体上に提供される。
電気的に絶縁された基体は、少なくとも一つのヒーターの動作温度で安定していることが好ましい。電気的に絶縁された基体は、最高で摂氏約400度の温度で安定していることが好ましく、摂氏約500度で安定していることがより好ましく、摂氏約600度で安定していることがより好ましく、摂氏約700度で安定していることがより好ましく、摂氏約800度で安定していることがより好ましい。使用中の少なくとも一つのヒーターの動作温度は、少なくとも摂氏約200度であってもよい。使用中の少なくとも一つのヒーターの動作温度は、摂氏約700度未満であってもよい。使用中の少なくとも一つのヒーターの動作温度は、摂氏約600度未満であってもよい。使用中の少なくとも一つのヒーターの動作温度は、摂氏約500度未満であってもよい。使用中の少なくとも一つのヒーターの動作温度は、摂氏約400度未満であってもよい。
電気的に絶縁された基体は、ジルコニアまたはアルミナなどのセラミック材料であってもよい。電気的に絶縁された基体は、約40ワット/メートルケルビン以下、好ましくは約20ワット/メートルケルビン以下、理想的には約2ワット/メートルケルビン以下の熱伝導率を有することが好ましい。
少なくとも一つの抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、ならびにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
一部の実施形態において、少なくとも一つの抵抗発熱体は、電気抵抗性材料(ステンレス鋼など)の一つ以上のスタンプ加工された部分を含む。別の方法として、少なくとも一つの抵抗発熱体は、加熱ワイヤーまたはフィラメント(例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステンもしくは合金のワイヤー)を含んでもよい。
少なくとも一つのヒーターは、エアロゾル形成基体がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体の中へと挿入するように配設されてもよい。少なくとも一つのヒーターは、くぼみ内に位置付けられてもよい。少なくとも一つのヒーターは、細長いヒーターであってもよい。細長いヒーターはブレード形状であってもよい。細長い少なくとも一つのヒーターはピン形状であってもよい。細長いヒーターは円錐形状であってもよい。
一部の実施形態では、電極のうちの一つは、ヒーターの部分を形成する。これらの実施形態の一部では、電極はヒーターの電気的に絶縁された基体上に提供される。電極は、ヒーターの電気的に絶縁された基体上にパターンで提供され得る。パターンは、第二の電極と静電容量結合するための任意の適切なパターンであり得る。これらの実施形態の一部では、ヒーターは一つ以上の抵抗発熱体を備え、電極は、抵抗発熱体のうちの一つを含む。
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は抜き取り具を含む。抜き取り具は、エアロゾル発生装置のくぼみからエアロゾル発生物品を少なくとも部分的に取り外すように構成される。抜き取り具は、エアロゾル発生装置のくぼみ内で移動可能である。抜き取り具は、エアロゾル発生装置のくぼみの長さの方向に移動可能であることが好ましい。
一部の好ましい実施形態では、抜き取り具は管状である。言い換えれば、抜き取り具は、抜き取り具くぼみを画定する実質的に管状の本体を含む。抜き取り具くぼみは、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受容するように構成される。エアロゾル発生物品が抜き取り具くぼみ内に受容され、かつ抜き取り具がエアロゾル発生装置のくぼみ内に受容された時、くぼみ、抜き取り具およびエアロゾル発生物品は同軸に整列されてもよい。
抜き取り具は、エアロゾル発生物品の中へと挿入するように配設された細長いヒーターを有するエアロゾル発生装置を備えるシステムにおいて特に望ましい場合がある。抜き取り具は、エアロゾル発生物品を損傷することなく、細長いヒーターからエアロゾル発生物品を取り外すことを容易にし得る。
一部の実施形態では、抜き取り具は、第一の電極および第二の電極のうちの少なくとも一つを含む。抜き取り具の電極形成部分は、任意の適切な様態で抜き取り具内に含まれ得る。例えば、抜き取り具の電極形成部分は、抜き取り具の外表面に配設されてもよく、抜き取り具くぼみ内の抜き取り具の内表面に配設されてもよく、または抜き取り具の本体に埋め込まれてもよい。抜き取り具の外表面に電極の少なくとも一部分を提供することは、装置のコントローラへの電極の電気的接続を容易にし得る。例えば、抜き取り具の外表面にある電極の一部分は、装置のくぼみの表面上の電気接点と接触し得る。抜き取り具の内表面に電極の少なくとも一部分を提供することによって、抜き取り具くぼみ内に受容されるエアロゾル発生物品の外表面に隣接して電極を位置付けてもよく、これにより、エアロゾル発生物品中のエアロゾル形成基体の含水量に対する、第一の電極および第二の電極によって形成されるコンデンサーの感受性が高まり得る。
抜き取り具の電極形成部分は、適切な任意の様態でエアロゾル発生装置のコントローラに接続されてもよい。一部の実施形態では、抜き取り具の電極形成部分は、可撓性回路を介してエアロゾル発生装置のコントローラに接続されてもよい。一部の実施形態では、エアロゾル発生装置はさらに、抜き取り具がくぼみ内に受容された時に、抜き取り具の電極と接触させるための電気接点を含む。
一部の特に好ましい実施形態では、少なくとも一つのヒーターは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品の中へと挿入するように配設された細長いヒーターを含む。これらの特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品をくぼみから排出するための管状の抜き取り具を備え、抜き取り具はくぼみ内に配設可能であり、細長いヒーターに対してくぼみ内で移動可能である。これらの特に好ましい実施形態では、第一の電極は細長いヒーターの部分を形成し、第二の電極は抜き取り具の部分を形成する。
これらの特に好ましい実施形態では、第二の電極は、任意の適切な位置において抜き取り具内に配設されてもよい。第二の電極は、抜き取り具がくぼみ内に受容された時に、くぼみの長さに沿って第一の電極と整列することが好ましい。
一部の実施形態では、第二の電極の少なくとも一部分は、抜き取り具の外表面の部分を形成する。一部の実施形態では、第二の電極の少なくとも一部分は、抜き取り具の内表面の部分を形成する。
第二の電極は、エアロゾル発生物品の一方の側面上に延びてもよい。第二の電極は、抜き取り具を実質的に囲んでもよい。第二の電極は、実質的に環状であってもよい。
これらの特に好ましい実施形態の一部では、エアロゾル発生装置は、抜き取り具がくぼみ内に受容された時に、第二の電極と接触させるための第二の電気接点を含む。第二の電気接点は、エアロゾル発生装置のくぼみの一方の側面上に延びてもよい。第二の電気接点は、エアロゾル発生装置のくぼみを実質的に囲んでもよい。第二の電気接点は、実質的に環状であってもよい。
一部の特に好ましい実施形態では、第一の電極および第二の電極は、抜き取り具の部分を形成する。
これらの特に好ましい実施形態の一部では、第一の電極および第二の電極の少なくとも一部分は、抜き取り具の外表面の部分を形成する。これらの特に好ましい実施形態の一部では、第一の電極および第二の電極の少なくとも一部分は、抜き取り具の内表面の部分を形成する。これらの実施形態では、第一の電極および第二の電極は、抜き取り具の対向する側面上に配設されることが好ましい。第二の電極は、第一の電極の反対側に配設されることが好ましい。第一の電極および第二の電極は実質的に同一であることが好ましい。第二の電極は、抜き取り具の長さに沿って第一の電極と整列することが好ましい。第一の電極および第二の電極は、実質的に平行なプレートを形成し得る。第一の電極および第二の電極の各々は、抜き取り具の周囲の実質的に半分の周りに延び得る。
これらの特に好ましい実施形態の一部では、エアロゾル発生装置は、抜き取り具がくぼみ内に受容された時に、第一の電極と接触するための第一の電気接点と、抜き取り具がくぼみ内に受容された時に、第二の電極と接触するための第二の電気接点とを備える。第一の電気接点および第二の電気接点は、くぼみの内表面の部分を形成し得る。第一の電気接点および第二の電気接点は、くぼみの内表面の対向する側面上に配設されてもよい。第二の電気接点は、第一の電気接点の反対側に配設されてもよい。第一の電気接点および第二の電気接点は、実質的に同一であってもよい。第二の電気接点は、くぼみの長さに沿って第一の電気接点と整列してもよい。第一の電気接点および第二の電気接点は、実質的に平行なプレートを形成する。第一の電気接点および第二の電気接点の各々は、くぼみの周囲の実質的に半分の周りに延び得る。
エアロゾル発生装置はコントローラを備える。コントローラは、任意の適切なコントローラであってもよい。コントローラは任意の適切な電気回路および電気構成要素を含み得る。コントローラはプロセッサおよびメモリを含むことが好ましい。コントローラはマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。
エアロゾル発生装置は電源を備えてもよい。電源はDC電圧源であってもよい。好ましい実施形態において、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、またエアロゾル発生装置を一つ以上のエアロゾル形成基体とともに使用するために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有する場合がある。
エアロゾル発生装置はハウジングを備えることが好ましい。ハウジングは、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を少なくとも部分的に画定することが好ましい。
エアロゾル発生装置は、空洞と流体連通する少なくとも一つの空気吸込み口を備えることが好ましい。エアロゾル発生装置がハウジングを備える実施形態において、ハウジングは、少なくとも一つの空気吸込み口を少なくとも部分的に画定することが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、空洞の上流端と流体連通していることが好ましい。少なくとも一つのヒーターが、くぼみ内に位置付けられた少なくとも一つのヒーターである実施形態において、細長い少なくとも一つのヒーターは、くぼみの上流端からくぼみの中へと延びることが好ましい。
エアロゾル発生装置は、消費者が吸煙していることを示す気流を検出するためのセンサーを備えてもよい。気流センサーは電気機械装置であってもよい。気流センサーは、機械式装置、光学式装置、光学機械式装置、および微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサーのうちのいずれかであってもよい。エアロゾル発生装置は、消費者が吸煙を開始するための手動操作可能なスイッチを備えてもよい。
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つのヒーターが起動された時を示すためのインジケータを備えることが好ましい。インジケータは、少なくとも一つのヒーターが起動された時に起動されるライトを含み得る。
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別の電気的な装置に接続することを可能にする、外部プラグまたはソケットのうちの少なくとも一つと、少なくとも一つの外部電気接点とを備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別のUSB使用可能装置に接続することを可能にする、USBプラグまたはUSBソケットを備えてもよい。例えば、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置内の再充電可能電源を充電するために、USB充電装置へのエアロゾル発生装置の接続を可能にする場合がある。追加的に、または別の方法として、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置へのデータ転送、またはエアロゾル発生装置からのデータ転送、またはエアロゾル発生装置へのデータ転送とエアロゾル発生装置からのデータ転送との両方に対応する場合がある。追加的に、または別の方法として、新しいエアロゾル発生物品のための新しい加熱プロファイルなどのデータを装置に転送するために、エアロゾル発生装置をコンピュータに接続してもよい。
エアロゾル発生装置がUSBプラグまたはソケットを備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、使用されていない時にUSBプラグまたはソケットを覆う取り外し可能なカバーをさらに備えてもよい。USBプラグまたはソケットがUSBプラグである実施形態において、USBプラグは追加的に、または別の方法として、装置内に選択的に格納可能であってもよい。
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を、加熱された時に放出するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。
エアロゾル形成基体は固体のエアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体はたばこを含む固体エアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。
固体エアロゾル形成基体は、たばこのプラグを含んでもよい。たばこのプラグは、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち一つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、ストランド、細片またはシートのうち一つ以上を含み得る。用語「均質化したたばこ材料」は本明細書で使用される時、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を意味する。均質化したたばこ材料を提供することは、エアロゾル発生と、エアロゾル発生物品の加熱中に発生したエアロゾルのニコチン含有量および風味プロファイルとを改善する場合がある。具体的には、均質化したたばこを作製するプロセスは、たばこ葉を粉砕することを伴い、これは加熱時のニコチンおよび風味の放出をより効果的に可能にする。たばこプラグが均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、シートの形態であってもよい。本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。
固体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。固体エアロゾル形成材料は、均質化したたばこ材料の断片、ストランドまたは細片を含み得る。固体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料のシートを含んでもよい。
均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕またはその他の方法で細分することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱い、輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、その他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されていることが好ましい。
固体エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含み得る。本明細書に使用される「集められた」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル発生物品の長手方向軸に対して実質的に横方向に圧縮され、または収縮したシートを記述するために使用される。
一部の好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含む。本明細書で使用される「テクスチャ加工されたシート」という用語は、捲縮された、エンボス加工された、デボス加工された、穿孔された、またはその他の方法で変形されたシートを意味する。均質化したたばこ材料のテクスチャードシートの使用は有利なことに、均質化したたばこ材料シートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にしうる。エアロゾル形成基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの組み合わせを含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。
特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起またはコルゲーションを有するシートを意味する。実質的に平行な隆起または波型形状は、エアロゾル発生物品の長手方向軸に沿って、またはそれに平行に延びることが好ましい。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を都合良く容易にしてエアロゾル発生物品を形成する。しかし、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートが、別の方法としてまたは追加的に、エアロゾル発生物品の長手方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有してもよいことが認識される。
エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、単一のエアロゾル形成体または二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を説明するために使用される。適切なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、もしくはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリンなど)またはこれらの混合物である。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で5%を超えてもよい。エアロゾルエアロゾル形成基体は、乾燥重量基準でおよそ5パーセント~およそ30パーセントのエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準でおよそ20パーセントのエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料と、エアロゾル形成体と、水とを含むことが好ましい。
均質化したたばこ材料は、折り畳まれた、捲縮された、または細片に切断されたのうちの一つのシートで提供され得る。特に好ましい実施形態では、シートは、約0.2ミリメートル~約2ミリメートル、より好ましくは約0.4ミリメートル~約1.2ミリメートルの幅を持つ細片に切断される。一つの実施形態では、細片の幅は約0.9ミリメートルである。
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ13ミリメートルの外径を有してもよい。
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に位置付けられたマウスピースを備えうる。マウスピースは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。マウスピースは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さであることが好ましいが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有することができる。
エアロゾル形成基体は、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。たばこプラグは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
エアロゾル形成基体の直径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ40ミリメートル~およそ50ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有することが好ましい。
本発明の第二の態様によると、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品であって、エアロゾル形成基体が誘電材料である、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備える、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生装置は、電源と、少なくとも一つのヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみと、第一の電極および第二の電極と、コントローラとを備える。第二の電極は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように、第一の電極から間隙を介している。第一の電極、エアロゾル形成基体の一部分、および第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時にコンデンサーを形成する。コントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体を加熱するための電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成される。コントローラはさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一および第二の電極を介してコンデンサーの静電容量を測定し、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
本発明の第三の態様によれば、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備える、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生物品は、誘電材料であるエアロゾル形成基体と、第一の電極とを含む。エアロゾル発生装置は、電源と、少なくとも一つのヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみとを備える。エアロゾル発生装置はさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一の電極と接触するための第一の電気接点と、コントローラと、第二の電極とを備える。エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分は、第一の電極、エアロゾル形成基体の一部分、および第二の電極がコンデンサーを形成するように、第一の電極と第二の電極との間に位置付けられる。エアロゾル発生装置のコントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体を加熱するための電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成される。エアロゾル発生装置のコントローラはさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一の電気接点を介してコンデンサーの静電容量を測定し、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
本発明の第四の態様によると、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生物品は、誘電材料であるエアロゾル形成基体と、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極との間に位置付けられたエアロゾル形成基体の少なくとも一部分を含むコンデンサーとを含む。エアロゾル発生装置は、電源と、少なくとも一つのヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみとを備える。エアロゾル発生装置はさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、コンデンサーの第一の電極と接触するための第一の電気接点と、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、コンデンサーの第二の電極と接触するための第二の電気接点と、コントローラとを備える。コントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル形成基体を加熱するための電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成される。コントローラはさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一および第二の電気接点を介してコンデンサーの静電容量を測定し、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
本発明の第五の態様によれば、本発明の第二の態様のエアロゾル発生装置が提供されている。言い換えれば、電源と、少なくとも一つのヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみと、第一の電極および第二の電極と、コントローラとを備える、エアロゾル発生装置が提供されている。第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように、第一の電極から間隙を介している。コントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品を加熱するための電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成される。コントローラはさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一の電極および第二の電極にわたる静電容量を測定し、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
本発明の第六の態様によれば、本発明の第三の態様のエアロゾル発生装置が提供されている。言い換えれば、電源と、少なくとも一つのヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみと、第一の電極と、電気接点と、コントローラとを備える、エアロゾル発生装置が提供されている。電気接点は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容され、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容された時に、エアロゾル発生物品の第二の電極が電気接点と接触するように、第一の電極から間隙を介している。コントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品を加熱するための電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成される。コントローラはさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、電気接点と接触している第一の電極および第二の電極にわたる静電容量を測定し、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
本発明の第七の態様によれば、本発明の第四の態様のエアロゾル発生装置が提供されている。言い換えれば、電源と、少なくとも一つのヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみと、第一の電気接点および第一の電気接点から間隙を介している第二の電気接点と、コントローラとを備える、エアロゾル発生装置が提供されている。第一の電気接点および第二の電気接点は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容され、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容される時に、エアロゾル発生物品の第一の電極が第一の電気接点と接触し、エアロゾル発生物品の第二の電極が第二の電気接点と接触できるように配設される。コントローラは、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品を加熱するための電源から少なくとも一つのヒーターへの電力供給を制御するように構成される。コントローラはさらに、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、第一の電気接点および第二の電気接点にわたる静電容量を測定し、測定された静電容量が所定の第一の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給し、測定された静電容量が所定の第二の範囲内である場合に、第一の電力プロファイルとは異なる第二の電力プロファイルで電源から少なくとも一つのヒーターへ電力を供給するように構成される。
本発明の第八の態様によると、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみと、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品の中へと挿入するように配設された細長いヒーターと、エアロゾル発生物品をくぼみから排出するための管状の抜き取り具とを備える、エアロゾル発生装置が提供されている。抜き取り具は、くぼみ内に配設可能であり、細長いヒーターに対してくぼみ内で移動可能である。エアロゾル発生装置はさらに、第一の電極および第二の電極と、電源と、コントローラとを備える。第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように、第一の電極から間隙を介している。第一の電極は細長いヒーターの部分を形成し、第二の電極は抜き取り具の部分を形成する。コントローラは、第一の電極および第二の電極にわたる静電容量を測定し、測定された静電容量に基づいて、エアロゾル発生物品を加熱するための電源からヒーターへの電力供給を制御するように構成される。
本発明の第九の態様によると、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみと、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品の中へと挿入するように配設された細長いヒーターと、エアロゾル発生物品をくぼみから排出するための管状の抜き取り具とを備える、エアロゾル発生装置が提供されている。抜き取り具は、くぼみ内に配設可能であり、細長いヒーターに対してくぼみ内で移動可能である。エアロゾル発生装置はさらに、第一の電極および第二の電極と、電源と、コントローラとを備える。第二の電極は、エアロゾル発生物品がくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が第一の電極と第二の電極との間に受容されるように、第一の電極から間隙を介している。第一の電極および第二の電極は、抜き取り具の部分を形成する。コントローラは、第一の電極および第二の電極にわたる静電容量を測定し、測定された静電容量に基づいて、エアロゾル発生物品を加熱するための電源からヒーターへの電力供給を制御するように構成される。
当然ながら、本発明の一つの態様に関連して記載した特徴は、本発明の他の態様にも等しく適用され得る。本発明の第一の態様に関して説明した特徴は、本発明の第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八および第九の態様にも等しく適用可能である。
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら、本発明をさらに説明する。
図1は、ハウジング112を備えるエアロゾル発生装置110を示し、ハウジング112は、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみ114を画定する。装置110は、基部部分118と、エアロゾル発生物品がくぼみ114の中へと挿入された時にエアロゾル発生物品を貫通する細長いヒーターブレード120とを備えたヒーター116を含む。ヒーターブレード120は、くぼみ114の中へと挿入されたエアロゾル発生物品の上流端を抵抗加熱するための抵抗加熱コイル122を含む。コントローラ124は、リン酸鉄リチウム電池の形態の電源126からヒーターブレード120の抵抗加熱コイル122への電流供給を含む、装置110の動作を制御する。
抵抗加熱コイル122はまた、第一の電極128を形成する。第二の電極130は、くぼみ114の円筒形の内表面133上に提供される。図1では、第二の電極130は、くぼみ114の一方の側面に示されている。しかし、当然のことながら、他の実施形態では、第二の電極130は、くぼみ114の内表面133を囲む環状の電極であってもよい。
図2は、図1のエアロゾル発生装置110で使用するためのエアロゾル発生物品140を示す。エアロゾル発生物品140は、エアロゾル形成基体142と、中空アセテート管144と、高分子フィルター146と、マウスピース148と、外側ラッパー150とを備える。エアロゾル形成基体142は、たばこのプラグを含み、マウスピース148はセルロースアセテートファイバーのプラグを含む。
図3は、エアロゾル発生装置110のくぼみ114の中へと挿入されたエアロゾル発生物品140を示す。くぼみ114の中への物品140の挿入後、ヒーターブレード120の先の尖った先端136がエアロゾル形成基体142を貫通し、エアロゾル形成基体142は、エアロゾル形成基体142の一部分が、エアロゾル発生物品140がくぼみ114の中へと完全に挿入された時に第一の電極128と第二の電極130との間に位置付けられるように、ヒーターブレード120の上に受容される。この位置において、エアロゾル発生物品140がくぼみ114内に受容されると、第一の電極128、第一の電極128と第二の電極130との間のエアロゾル形成基体142の一部分、および第二の電極130は、コンデンサーを形成する。コンデンサーの誘電材料は、第一の電極と第二の電極との間に位置付けられたエアロゾル形成基体142の一部分によって形成される。
コントローラ124は、加熱サイクルで電源126からヒーターブレード120へ電力を供給して、エアロゾルが発生されるのに十分にエアロゾル形成基体142を加熱するように構成される。
エアロゾル発生物品140が装置110のくぼみ114内に受容されると、コントローラ124がエアロゾル形成基体142を加熱するために加熱サイクルで電源126からヒーターブレード120へ電力を供給する前に、コントローラ124は、第一の電極128、エアロゾル形成基体142の一部分、および第二の電極130から形成されるコンデンサーの静電容量を測定する。測定された静電容量は、第一の電極128と第二の電極130との間のエアロゾル形成基体142の一部分内にある水の量の表示を提供する。
コントローラ124は、測定された静電容量を使用して、加熱サイクルで電源126からヒーターブレード120へ供給される電力を調整するように構成される。ヒーター120へ供給される電力を調整することにより、加熱サイクルでヒーターブレード120が加熱される温度が調整される。コントローラ124は、測定された静電容量をコントローラのメモリ内に格納された所定の閾値と比較し、比較に基づいて、電源126からヒーターブレード120へ供給される電力を調整するように構成される。したがって、コントローラ124は、静電容量がエアロゾル形成基体中の水の量が所定の閾値未満であることを示す場合に、第一の電力をヒーターブレード120へ供給し、そしてコントローラ124は、静電容量がエアロゾル形成基体中の水の量が所定の閾値を上回ることを示す場合に、第一の電力よりも小さな第二の電力をヒーターブレード120へ供給するように構成される。言い換えれば、コントローラ124は、静電容量が第一の範囲内である場合に、第一の電力をヒーターブレード120へ印加し、そして、コントローラ124は、静電容量が第一の範囲よりも高い第二の範囲内である場合に、第一の電力よりも低い第二の電力をヒーターブレード120へ印加する。
図4は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置210を示す。エアロゾル発生装置210は、図1に示されるエアロゾル発生装置110と類似しており、同様の部分を指定するために実質的に同様の参照符号が使用される。エアロゾル発生装置210は、ハウジング212を備え、ハウジング212は、図2のエアロゾル発生物品140を受容するためのくぼみ214を画定する。装置210は、基部部分218と、エアロゾル発生物品がくぼみ214の中へと挿入された時にエアロゾル発生物品を貫通する細長いヒーターブレード220とを備えたヒーター216を含む。ヒーターブレード220は、くぼみ214の中へと挿入されたエアロゾル発生物品の上流端を抵抗加熱するための抵抗加熱コイル222を含む。コントローラ224は、リン酸鉄リチウム電池の形態の電源226からヒーターブレード220の抵抗加熱コイル222への電流供給を含む、装置210の動作を制御する。
抵抗加熱コイル222はまた、第一の電極228を形成する。電気接点230は、くぼみ214の円筒形の内表面233上に、第一の電極228の半径方向外側の位置に提供される。図4では、コネクタ230は、くぼみ214の一方の側面に示されている。しかし、当然のことながら、他の実施形態では、電気接点230は、くぼみ214の内表面233を囲む環状の接点であってもよい。
エアロゾル発生装置210はさらに、くぼみ214内に摺動可能に受容可能な管状の抜き取り具260を備える。管状の抜き取り具260は、図4および図6の装置210内に示されており、図5では装置210から取り外されて示されている。
管状の抜き取り具260は、概して円筒形の管状ハウジング262を含み、ハウジング262は、エアロゾル発生物品140を受容するための開放端と、抜き取り具260がくぼみ214内に受容された時にヒーターブレード220を摺動可能に受容するためのスリットを有する部分的に閉じた端部266とを有する。抜き取り具260は、エアロゾル発生物品140を摺動可能に受容するようなサイズの抜き取り具くぼみ264を画定する、円筒形の内表面と、抜き取り具260がくぼみ214内に摺動可能に受容可能であるように、くぼみ214の内表面233に実質的に類似した円筒形の外表面265とを有する。
抜き取り具260は、管状の抜き取り具を用いずにシステムのくぼみから取り外される物品と比較して、物品140がくぼみ214から取り外される時にエアロゾル発生物品140によって経験される力を低減する。これは、エアロゾル発生物品140がくぼみ214から取り外される時に破損する可能性を低減する。例として、物品140をくぼみ214から取り外すために抜き取り具260をくぼみ214から引き出す時に、抜き取り具260のハウジング262は、物品140のラッパー150をくぼみの内表面233の摩擦から保護する。別の例として、抜き取り具260の部分的に閉じた端部266は、物品140が抜き取り具によってくぼみ214から取り外される際に物品140の端面に押し付けられ、これにより、物品がくぼみ214から取り外される際のラッパー150への張力を低減または除去する。
装置210はさらに、抜き取り具260のハウジング262の外表面265の一部分上に配設された第二の電極268を備える。第二の電極268は、抜き取り具260のハウジング262の外表面265上に配設され、そして、抜き取り具260がくぼみ214内に受容され、ヒーターブレード220が抜き取り具260の少なくとも部分的に閉じた端部266でスロットの中へと延びる時に、くぼみ114の内表面133上の電気接点230と接触するように配設される。
この実施形態では、第二の電極268は、くぼみ214内の抜き取り具260の回転配向に関係なく電気接点230と接触するように、環状である。当然のことながら、他の実施形態では、第二の電極268ではなく接点230が環状であってもよく、または接点230および第二の電極268の両方が環状であってもよい。
第二の電極268が電気接点230と接触すると、第二の電極268は、装置210のコントローラ224に電気的に接続される。当然のことながら、一部の実施形態では、第二の電極268の少なくとも一部分が抜き取り具ハウジング262の内表面に配設されてもよく、一部の実施形態では、抜き取り具260の管状ハウジング262の少なくとも一部分が第二の電極268を形成してもよい。
図6は、抜き取り具くぼみ264の中へと挿入されたエアロゾル発生物品140、およびエアロゾル発生装置210のくぼみ214の中へと挿入された抜き取り具260および物品140を示す。くぼみ214の中への物品140および抜き取り具260の挿入後、ヒーターブレード220の先の尖った先端236が抜き取り具260の部分的に閉じた端部266内にスロット内に受容され、エアロゾル形成基体142を貫通する。エアロゾル形成基体142は、エアロゾル発生物品140が抜き取り具くぼみ264内に完全に受容され、かつ抜き取り具260および物品140がくぼみ114内に完全に受容された時に、エアロゾル形成基体142の一部分が第一の電極228と第二の電極268との間に位置付けられるように、ヒーターブレード220の上に受容される。この位置において、第一の電極228、第一の電極228と第二の電極268との間のエアロゾル形成基体142、および第二の電極268は、コンデンサーを形成する。コンデンサーの誘電材料は、第一の電極と第二の電極との間に位置付けられたエアロゾル形成基体142の一部分によって形成される。
装置210のコントローラ224は、第一の電極228、第一の電極228と第二の電極268との間のエアロゾル形成基体142の一部分、および第二の電極268によって図1に示す装置110を参照して上述する方法で形成されるコンデンサーの静電容量を測定するように構成される。
図7は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生装置310を示す。エアロゾル発生装置310は、図1のエアロゾル発生装置110と実質的に類似しており、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用される。エアロゾル発生装置310は、ハウジング312を含み、ハウジング312は、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみ314を画定する。装置310は、基部部分318と、エアロゾル発生物品がくぼみ314の中へと挿入された時にエアロゾル発生物品を貫通する細長いヒーターブレード320とを備えたヒーター316を含む。ヒーターブレード320は、くぼみ314の中へと挿入されたエアロゾル発生物品の上流端を抵抗加熱するための抵抗加熱コイル322を含む。コントローラ324は、リン酸鉄リチウム電池の形態の電池326からヒーターブレード320の抵抗加熱コイル322への電流供給を含む、装置310の動作を制御する。
抵抗加熱コイル322はまた、第一の電極328を形成する。環状の電気接点330は、くぼみ314の円筒形の内表面133上に、くぼみ314の長さに沿って第一の電極328に即した位置に提供される。
図8は、図7のエアロゾル発生装置310で使用するためのエアロゾル発生物品340を示す。エアロゾル発生物品340は、エアロゾル形成基体342と、中空アセテート管344と、高分子フィルター346と、マウスピース348と、外側ラッパー350とを備える。エアロゾル形成基体342は、たばこのプラグを含み、マウスピース348はセルロースアセテートファイバーのプラグを含む。
エアロゾル発生物品340はさらに、エアロゾル形成基体342に隣接する外側ラッパー350に固定された第二の電極352を含む。明瞭さのために、第一の電極352の厚さは、図8において誇張されている。
電気接点330は、エアロゾル発生物品340がくぼみ314内の中へと完全に挿入された時に第二の電極352と接触するように位置付けられる。電気接点330は、くぼみ314内のエアロゾル発生物品340の回転配向に関係なく第二の電極352と接触するように環状である。当然のことながら、他の実施形態では、電気接点330ではなく第二の電極352が環状であってもよく、または電気接点330および第二の電極352の両方が環状であってもよい。
図9は、エアロゾル発生装置310のくぼみ314の中へと挿入されたエアロゾル発生物品340を示す。くぼみ314の中への物品340の挿入後、ヒーターブレード320の先の尖った先端336がエアロゾル形成基体342を貫通し、エアロゾル形成基体342は、エアロゾル形成基体342の一部分が、エアロゾル発生物品340がくぼみ314の中へと完全に挿入された時に第一の電極328と第二の電極330との間に位置付けられるように、ヒーターブレード320の上に受容される。この位置において、エアロゾル発生物品340がくぼみ314内に受容されると、第一の電極328、第一の電極328と第二の電極352との間のエアロゾル形成基体342の一部分、および第二の電極352は、コンデンサーを形成する。コンデンサーの誘電材料は、第一の電極と第二の電極との間に位置付けられたエアロゾル形成基体342の一部分によって形成される。
装置310のコントローラ324は、第一の電極328、第一の電極328と第二の電極352との間のエアロゾル形成基体342の一部分、および第二の電極352によって図1に示す装置110を参照して上述する方法で形成されるコンデンサーの静電容量を測定するように構成される。
図10は、本発明の第四の実施形態によるエアロゾル発生装置410を示す。エアロゾル発生装置410は、図1のエアロゾル発生装置110と実質的に類似しており、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用される。エアロゾル発生装置410は、ハウジング412を含み、ハウジング412は、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみ414を画定する。装置410は、基部部分418と、エアロゾル発生物品がくぼみ414の中へと挿入された時にエアロゾル発生物品を貫通する細長いヒーターブレード420とを備えたヒーター416を含む。ヒーターブレード420は、くぼみ414の中へと挿入されたエアロゾル発生物品の上流端を抵抗加熱するための抵抗加熱コイル422を含む。コントローラ424は、リン酸鉄リチウム電池の形態の電池426からヒーターブレード420の抵抗加熱コイル422への電流供給を含む、装置410の動作を制御する。
この実施形態では、抵抗加熱コイル422は第一の電極を形成しない。第一の電気接点428は、くぼみ414の円筒形の内表面433上に、くぼみ414の長さに沿って抵抗加熱コイル422に即した位置に提供される。第二の電気接点430はまた、第一の電気接点428の反対側に円筒形の内表面433上に提供される。第一および第二の電気接点の両方は、装置410のコントローラ424に電気的に接続される。
図11は、図10のエアロゾル発生装置410で使用するためのエアロゾル発生物品440を示す。エアロゾル発生物品440は、エアロゾル形成基体442と、中空アセテート管444と、高分子フィルター446と、マウスピース448と、外側ラッパー450とを備える。エアロゾル形成基体442は、たばこのプラグを含み、マウスピース448はセルロースアセテートファイバーのプラグを含む。
エアロゾル発生物品440はさらに、エアロゾル形成基体442に隣接して、外側ラッパー450の一つの側面に固定された第一の電極452を含む。エアロゾル発生物品440はさらに、エアロゾル形成基体442に隣接して、外側ラッパー450の反対側に固定された第二の電極454を含む。第一の電極と第二の電極は実質的に同一であり、各々は、電極が重複または接触しないように、物品440の周囲の半分よりもわずかに小さい周りに延びる。第一の電極452、第一の電極428と第二の電極452との間のエアロゾル形成基体442の一部分、および第二の電極452は、コンデンサーを形成する。コンデンサーの誘電材料は、第一の電極と第二の電極との間に位置付けられたエアロゾル形成基体442の一部分によって形成される。
明瞭さのために、第一および第二の電極の厚さは、図11において誇張されている。
装置410の第一の電気接点428は、物品440の第一の電極452および第二の電極454のうちの一方と接触するように位置付けられ、装置410の第二の電気接点430は、エアロゾル発生物品440がくぼみ414の中へと完全に挿入された時に、物品440の第一の電極452および第二の電極454のうちの他方と接触するように位置付けられる。第一および第二の電極はそれぞれ、物品440の周囲の実質的に半分の周りに延びるため、装置410の第一および第二の接点の各々は、くぼみ414内のエアロゾル発生物品440の回転配向に関係なく、物品440の電極のうちの一つと接触する。
図12は、エアロゾル発生装置410のくぼみ414の中へと挿入されたエアロゾル発生物品440を示す。くぼみ414の中への物品440の挿入後、ヒーターブレード420の先の尖った先端436がエアロゾル形成基体442を貫通し、エアロゾル形成基体442は、エアロゾル発生物品340がくぼみ414の中へと完全に挿入された時に、第一および第二の電気接点のうちの一方が第一の電極452と接触し、第一および第二の電気接点のうちの他方が第二の電極454と接触するように、ヒーターブレード420の上に受容される。
装置410のコントローラ424は、第一の電極452、第一の電極452と第二の電極454との間のエアロゾル形成基体442の一部分、および第二の電極454によって図1に示す装置110を参照して上述する方法で形成されるコンデンサーの静電容量を測定するように構成される。
上述のエアロゾル発生装置のコントローラは、必ずしも、エアロゾル形成基体中に存在する水の体積分率を判定するように構成される必要はない。静電容量とエアロゾル形成基体中に存在する水の体積分率との所定の関係を使用して、それと測定された静電容量を比較して、ヒーターへ供給される電力を判定し得る閾値を決定してもよい。しかしながら、一部の実施形態では、コントローラは、第一の電極と第二の電極との間のエアロゾル形成基体中の水の体積分率を判定するように構成されてもよい。これらの実施形態では、エアロゾル形成基体中の水の体積分率は、以下のように計算され得る。
材料の相対誘電率は、典型的には、印加された電界の温度と周波数の関数である。水の相対誘電率は、摂氏約20度の温度、かつ約100kHz~1GHzの印加周波数において約80であると想定され得る。
電極の形状および電極間の材料が公知である場合、電極間の材料の相対バルク透過率を判定することができる。さらに、電極間の材料が公知である場合、それらのそれぞれの相対誘電率と共に、電極間の材料の体積分率が静電容量の測定値から判定され得る。
例として、ランダウ-リフシッ-ローエンガ誘電混合方程式を使用して、以下の式1に示すように、個々の誘電定数の二つの成分の混合物の相対誘電率を判定し得る。
式中、ε
bulkは、電極間の材料の相対バルク誘電率であり、ε
1は、水の相対誘電率であり、ε
2は、エアロゾル形成基体の相対誘電率であり、σは、材料中の水の体積分率である。
静電容量と電極間の材料の相対バルク誘電率との関係は、コンデンサーの形状に依存する。例えば、第一の電極がエアロゾル形成基体を通して中央に延びる発熱体によって形成され、かつ第二の電極がエアロゾル形成基体を囲む円筒形の箔ラッパーによって形成される実施形態では、コンデンサーは、円筒形のコンデンサーに近似し、コンデンサーの静電容量は以下の式2によって与えられる:
式中、Cは、測定された静電容量であり、ε
0は、自由空間の誘電率であり、r
outerは、外側の第二の電極の半径であり、r
innerは、中央の第一の電極の半径である。
第一および第二の電極の半径が既知であり、かつ水およびエアロゾル形成基体の相対誘電率が既知であるならば、第一の電極と第二の電極との間の測定された静電容量を式2に入れて、相対バルク透過率を判定することができ、相対バルク透過率を式1に入れて、エアロゾル形成基体中の水の体積分率を判定することができる。エアロゾル形成基体中の水の所定の体積分率または水の絶対体積は、ヒーターに供給される電力を制御するのに使用され得る。
当然のことながら、上記の実施形態は、本発明の例示的な実施形態に過ぎない。同じく当然のことながら、本発明の一実施形態に関連して上記で説明した特徴は、本発明の他の実施形態にも適用され得る。