JP2022520103A - 生物学的治療薬製造施設とプロセス - Google Patents

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ダブリュ. ホーマン,ブライアン
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Abstract

本明細書に記載される概念は、生物学的治療薬等の生物学的状態の治療に用いられる分子を製造することができる製造設備の実施に関する。生物学的治療薬は、タンパク質、酵素、及び抗体等の様々な分子があげられる。当該製造施設としては、生物学的治療薬の製造に用いられるプロセスの1つ以上の態様を行う特定の装置を構成する多数のモジュール式クリーンルームを含んでよい。当該モジュール式クリーンルームは、あるモジュール式クリーンルームの装置により製造される材料を、さらなる処理のために他のモジュール式クリーンルームに移すことができるように配置される。さらに、機械学習技術を用いてモデルを生成する、システム及びプロセスが記載され、当該モデルは、生物学的治療薬の生産性及び/又は効率の指標の予測に用いることができる。さらに、製造ラインに含まれる機器の動作の制御のためのモデルを生成することができる。

Description

様々な生物学的状態の治療に用いることができる分子の製造は、しばしば比較的大規模に行われる。例えば、体積が5000L~25,000 Lのバイオリアクタを利用する施設でタンパク質を製造することができる。多くの場合、これらの分子の製造に開発された製造ラインは、製造施設内で容易に変更されない特定のフットプリントに従って配置された装置を備える。特定の分子又は分子群の製造に用いられる装置のタイプ及び配置がフレキシブルでない場合、特定の製造ラインの他の分子への適用可能性が制限されうる。すなわち、既存の製造ラインを改良するか、又は異なる分子の製造用の新しい製造ラインを構築することで、当該分子の公衆への提供に関連する費用が高まりうる。一方、生物学的治療薬の製造企業は、1つの分子や分子群を製造する設備の開発に必要な資源量のため、製造する分子数の制限を決定する場合が多い。その結果、生物学的状態を治療する生物学的治療薬の製造費用は、生物学的治療薬を用いて治療できる生物学的状態数が限定される可能性があり、特定の生物学的状態の治療に利用可能な生物学的治療薬の数もまた、制限されうる。
さらに、生物学的状態の治療に用いることができる分子を製造するシステムの制御は複雑である場合があり、分子の製造を最適化するための多くの変数が考慮されうる。しかしながら、製造プロセスの修正に利用される技術はしばしば場当たり的又は偶然であり、経験的データに基づかず、分子のより効率的な製造をもたらす特定の製造プロセスに対して行うことができる修正の識別は困難でありうる。さらに、制御システムは、通常、単一施設における製造プロセスの制御に限定され、異なる施設における1つ以上の分子の製造の制御には用いられない。したがって、ある製造施設における分子の製造に関して収集されたデータは、他の製造施設での同一又は異なる分子の製造の改善に利用されない可能性がある。
ある実施形態による多数のモジュール式クリーンルームに含まれる装置を用いて、1つ以上の生物学的治療薬を製造するアーキテクチャのある実施形態の図である。
ある実施形態によるウイルス不活化プールを製造することができるモジュール式クリーンルームを含む環境の実施形態の概略図である。
ある実施形態によるウイルス濾過された生物学的治療薬を製造できるモジュール式クリーンルームを含む環境の実施形態の概略図である。
ある実施形態による精製された生物学的治療薬を製造することができるモジュール式クリーンルームを含む環境の実施形態の概略図である。
複数の製造施設から獲得されたデータを分析し、幾つかの実施例による精製された生物学的治療薬の製造ラインで用いられる装置の部品の制御用の動作パラメータを決定するアーキテクチャの図である。
1つ以上の生物学的治療薬の製造に用いられる装置の部品を含む多数のモジュール式クリーンルームを含む製造施設のレイアウトの図である。
ある実施形態による、精製された生物学的治療薬を製造する製造ラインを制御するシステムのいくつかの実施形態を示す図である。
ある実施形態による製造ラインの製造又は効率のうちの少なくとも1つに関連する値の予測に用いられるモデルを生成する例示的なプロセスのフロー図である。
ある実施形態による製造ラインの制御における製造ラインの製造又は効率のうちの少なくとも1つに関連する値の予測に用いられるモデルを行う例示的なプロセスのフロー図である。
複数のモジュール式クリーンルームを備える製造施設を用いて生物学的治療薬を製造する例示的なプロセスのフロー図である。
本明細書に記載される概念は、生物学的状態の治療に用いられうる、生物学的治療薬等の分子を製造しうる製造設備の実施に関する。本明細書で「生物学的治療薬」とは、ヒト、動物、植物、真菌、又は細菌等の生体由来の細胞を用いて、生物学的状態を治療することができる生成物を作製する分子をいう。生物学的治療薬としては、タンパク質、酵素、及び抗体等の様々な分子があげられる。また、本明細書で用いられる「生物学的状態」とは、個体における機能及び/又は構造の異常であって、その異常の検出可能な特徴を生じさせるか又は生じさせる恐れがある程度のものをいうことができる。生物学的状態は、1つ以上の集団における生物学的基準からの逸脱を示す外的及び/又は内部的特徴、徴候及び/又は症状により特徴づけることができる。生物学的状態としては、1つ以上の疾患、1つ以上の疾患、1つ以上の損傷、1つ以上の症候群、1つ以上の障害、1つ以上の感染、1つ以上の孤立した症状、又は個体の生物学的構造及び/又は機能の他の非定型変異のうちの少なくとも1つがあげられる。
本明細書に記載される製造施設としては、生物学的治療薬の製造に用いられるプロセスの1つ以上の態様を行う特定の装置を備える多数の別個のモジュール式クリーンルームがあげられる。モジュール式クリーンルームは、あるモジュール式クリーンルームの装置により製造される材料を、さらなる処理のために他のモジュール式クリーンルームに移すことができるように配置される。モジュール式クリーンルームは、100 ft当たり0.5μm未満の粒子(μm)から1000,000 ft当たり0.5μmの粒子がある滅菌クリーンルーム環境を提供することができる。さらに、モジュール式クリーンルーム間の材料の移送は、移される材料を汚染せずに行うことができる。
分離型モジュール式のクリーンルームは、溶液調製、接種材料調製、細胞培養、精製、及び最終製品の充填と仕上げに関連した操作を行う装置を備えることができる。ある例では、モジュール式クリーンルームは、様々なカートポンプ、バイオリアクタ、クロマトグラフィーシステム、灌流システム、混合容器、濾過装置、温度制御装置、試験装置、及び材料保存容器を利用することができる。材料は、保存容器に連結されたエアロックを介してモジュール式クリーンルームに供給することができる。保存容器は、製造施設のステージング領域に配置することができる。様々な実施形態では、保存容器は、緩衝溶液、中間生成物、最終生成物、供給原料、抽気操作に関連して除去された材料、製造プロセスで用いられる細胞への供給に用いられる材料、例えばグルコース、又はそれらの組み合わせを含んでよい。また、モジュール式クリーンルームには、材料移送用エアロックと、モジュール式クリーンルームの基準に準拠した作業服を着用する人員用の更衣室を含めてよい。
個々のモジュール式クリーンルームに含まれる機器は、製造される製品に基づいて修正することができる。例えば、灌流システムを用いて第1の生物学的治療薬の製造用に構成されたモジュール式クリーンルームは、バッチ法を用いて第2の生物学的治療薬の製造用に修正することができる。他の例では、第1の生物学的治療薬を製造するイオン交換クロマトグラフィーカラムを用いて精製操作を行うモジュール式クリーンルームを修正して、第2の生物学的治療薬を製造するアフィニティークロマトグラフィー技術を利用することができる。従って、新しい生物学的治療薬を製造するため、1つ以上のモジュール式クリーンルーム内に配置された装置は、新しい生物学的治療薬の製造に必要なフットプリントに対応するように修正することができる。このようにして、本明細書に記載された製造設備は、製造設備においてフレキシブルに利用しうる装置を提供し、すなわち、製造設備を修正する多大な資本を支出せずに、単一製造設備を複数の生物学的治療薬の製造に用いることができる。さらに、さらなる容量が必要な場合、さらなるモジュール式のクリーンルームを製造施設に追加して、生物学的治療薬の製造を高めることができる。特定の実施形態では、単回使用材料及び対応する装置を、生物学的治療薬の製造に用いることができる。ある装置では、単一使用材料を用いることで、システムの汚染を最小限に抑制でき、また、単一使用装置の操作に必要な洗浄及び修繕回数が低減されるため、製造費用も最小限に抑制しうる。
また、本明細書には、生物学的治療薬の製造を制御及び最適化するシステム及び技術も記載される。製造ラインから獲得されたデータは、生産性測定基準に関して統計的に有意であるプロセス変数を同定するために機械学習技術を用いて分析することができる。生産性測定基準としては、生存細胞密度、収率、及び純度があげられる。さらに、製造ラインから獲得されたデータは、機械学習技術を用いて分析され、1つ以上のプロセス変数に影響を及ぼすように修正することができる制御変数を決定することができる。プロセス変数は、制御変数に依存させることができる。すなわち、1つ以上の制御変数への変更により、1つ以上のプロセス変数が変更される場合がある。例示的な実施例では、クロマトグラフィーシステムを通して流速を変化がさせることで、生物学的治療薬用の製造ラインに沿った1つ以上のポイントにおける二酸化炭素レベルに影響を及ぼしうる。他の例示的な実施例では、バイオリアクタの流出物の温度を修正すると、流出物の溶存酸素レベルに影響を及ぼすことができる。さらなる例では、バイオリアクタ中の撹拌速度は、製造ラインの最終生成物の生存細胞密度に影響を及ぼしうる。
従来の生物学的治療薬的製造ラインでは、生化学的プロセスの予測不可能な性質のため、製造ラインの生産性メトリクスに影響を及ぼすプロセス変数は、通常、裏付けがない証拠に基づいて決定され、生産性メトリクスに影響を及ぼすプロセス変数は、しばしば見過ごされる場合がある。さらに、また、従来のシステムでは、プロセス変数に影響を及ぼすように修正することができる制御変数を同定することは困難であり、通常試行錯誤及び/又は製造の経過後に同定される。本明細書に記載される技術及びシステムは、プロセス変数が値の閾値範囲外でありうるのはいつかを識別し、プロセス変数をそれらの動作範囲内に維持するために修正されうる制御変数を決定するプロアクティブアプローチを対象とする。
さらに、生物学的治療薬用の従来の製造ラインは、しばしば個別化方法で構築され、単一の生物学的治療薬(例えば、5000 L又は10,000 Lのバイオリアクタ)を数年間にわたって比較的大規模に製造する。従って、特定の生物学的治療薬用のさらなる製造ラインのためのプロセス変数及び制御変数のデータは、通常入手できない。従って、制御変数の設定の決定に用いられるデータは、単一製造ラインから収集されるデータに限定される。製造ラインの生産性に影響を及ぼすプロセス変数及びそれら各々制御変数の同定に利用できる限られた量の情報は、結果として、いくつかの重要なプロセス変数及び/又は制御変数が同定されないか、又は生物学的治療薬の製造が終わるまで同定されえない。
本明細書に記載されるシステム及び技術は、モジュール式クリーンルームを用いて構築された多数の製造ラインからデータを獲得しうる。モジュール式のクリーンルームを用いて構築された製造ラインの設備とプロセスフローの類似性により、製造ラインの生産性に関する分析に利用可能なデータ量を高めることができる。このようにして、個々の製造ラインに対するプロセス変数及び制御変数を、生物学的治療薬用の従来の製造ラインよりも容易に同定することができる。さらに、従来のシステムから入手できるよりも多くの量のデータを分析することにより、プロセス変数及びそれらの各制御変数をより正確に同定することができ、従来のシステムよりも時間が短縮される。
図1は、多数のモジュール式クリーンルームに収容された装置を用いて1つ以上の生物学的治療薬を製造するアーキテクチャ100のいくつかの実施形態の図である。アーキテクチャ100は、生物学的治療薬を製造する製造設備102を含んでよい。加えて、アーキテクチャ100は、製造設備102に含まれる機器の動作の制御に利用可能な情報を決定する制御システム104を含んでよい。制御システム104は、製造設備102に収容された製造ラインの状態を監視するセンサからデータを獲得しうる。制御システム104はまた、製造ラインから抽出された材料の試験及び/又は分析からデータを獲得しうる。例えば、制御システム104は、製造ライン上の様々なポイントから抽出された材料について実施された分析試験の結果を獲得しうる。
制御システム104は、1つ以上の機械学習技術を用いて、製造設備102から獲得されたデータを分析することができる。特定の実施形態では、制御システム104は、部分的最小二乗分析を実施して、製造ラインの1つ以上の生産性測定基準を予測する1つ以上のモデルを開発することができる。例えば、制御システム104は、製造ラインの生存細胞密度を予測するモデルを開発することができる。モデルは、製造ラインの生存細胞密度に影響を及ぼす製造ラインの多数のプロセス変数を含んでよい。制御システム104はまた、製造設備102から獲得されたデータを分析して、プロセス変数に影響を及ぼしうる1つ以上の制御変数を決定することができる。制御システム104は、1つ以上のプロセス変数の値を変化させるために、製造設備102に含まれる様々な装置に制御命令を送信することができる。例示のため、制御システム104は、生存細胞密度が閾値範囲外であることを決定し、保存容器に保存された物質のpHを高めて生存細胞密度を閾値範囲に戻すことを決定することができる。この例の後、制御システム104は、製造設備102内のポンプに指示を送って、保存容器内に保存された物質のpHを閾値範囲内の生存細胞密度に対応するレベルに変更することができる量の酸又は塩基を保存容器に添加させることができる。
様々な実施形態では、制御システム104は、製造施設102を含む多数の製造施設からデータを取得して、製造施設における生産性測定基準を予測するモデルを決定することができる。ある場合、制御システム104は、1つ以上の生物学的治療薬用の複数の製造施設における生産性測定値の予測に用いることができる単一モデルを開発することができる。例えば、制御システム104は、複数の製造施設における生物学的治療薬の製造ラインの生存細胞密度を予測するモデルを決定することができる。さらなる場合、制御システム104は、多数の製造設備から獲得されたデータを用いて、当該多数の製造設備における生産性測定基準の予測のため、個々のモデルを決定することができる。例示のため、制御システム104は、製造施設102から獲得されたデータ及びさらなる製造施設から獲得されたさらなるデータに基づいて、製造施設102における生存細胞密度を予測するモデルを決定することができる。
製造設備102は、生物学的治療薬を製造する製造ラインの一部である装置を含む多数のモジュール式クリーンルームを含んでよい。個々のモジュール式クリーンルームは、生物学的治療薬の製造に利用される装置のサブセットを含んでよい。モジュール式クリーンルームの一つから装置により製造された材料を、最終的な生物学的治療薬が製造されるまで、さらなる処理のために他のモジュール式クリーンルームに移すことができる。特定の実施形態では、最終的な生物学的治療薬の包装又は保管は、モジュール式クリーンルームの少なくとも1つで行うことができる。
図1の例示的な実施形態では、製造設備102としては、第1のモジュール式クリーンルーム106、第2のモジュール式クリーンルーム108、第3のモジュール式クリーンルーム110、第4のモジュール式クリーンルーム112、第5のモジュール式クリーンルーム114、及び第6のモジュール式クリーンルーム116があげられる。個々のモジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116は、個々のモジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116内の空中浮遊特定レベルに関する1つ以上の国際基準に適合することができる。例えば、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116は、国際標準化機構(ISO)で規定された等級のクリーンルームに適合することができる。クリーンルームのISO分類では、クリーンルーム内に存在しうる閾値サイズの粒子数を規定する。特定の例では、クリーンルームは、サイズが0.1μm以下で最大100,000粒子/m、サイズが0.2μmで最大23,700粒子/mm、サイズが0.3μm以下で最大10,200粒子/mm、サイズが0.5μm以下で最大3520粒子/mm、及びサイズが1μm以下でサイズの最大832粒子/mのISO 5クリーンルームとして分類できる。モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116は、クリーンルームのEU(欧州連合)のGMP分類等の他のクリーンルーム基準にも準拠することができる。様々な実施形態では、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116の個々のモジュール式クリーンルームは、ISO5等級のクリーンルーム、ISO6等級のクリーンルーム、ISO7等級のクリーンルーム、ISO8等級のクリーンルーム、又はISO9等級のクリーンルームの要件に適合できる。
例示的な実施例では、製造設備102の面積は、約10,000 ft~約75,000 ft、約15,000 ft~約50,000 ft、又は約20,000 ft~約30,000 ftでありうる。さらに、個々のモジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116の面積は、約400ft~約2000 ft、約600ft~約1,500 ft、又は約700ft~約1,000 ftでありうる。製造設備102はまた、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116のうちの1つ以上に含まれる装置に供給可能な材料を保存する容器120を含むステージング領域118を含んでよい。当該ステージング領域は、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116により占有されていない製造施設102の少なくとも一部を含んでよい。図1の例示的な例では、ステージング領域は、製造設備102の内部部分内に配置された容器120(1)~120(12)を含んでよい。他の実施形態では、容器120(1)~120(12)のうちの1つ以上は、製造施設102の他の部分に配置されることができる。例えば、1つ以上の容器120(1)~120(12)は、製造設備102の周縁部に沿って配置することができ、又はモジュール式クリーンルーム106とモジュール式クリーンルーム108との間等の隣接するモジュール式クリーンルーム間に配置することができる。さらに、図1の例示的な実施例に示された製造設備102には、12個の容器120があるが、他の実施形態では、製造設備102は、より多くの容器又はより少ない容器を含んでよい。ステージング領域118及びモジュール式クリーンルーム120に加えて、製造施設102は、ロビー、会議室、ユーティリティスペース、倉庫保管、品質管理施設、管理事務所、それらの組み合わせなど、図1に示されていない他の領域を含んでよい。
容器120に保存された材料は、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116に含まれる様々な入口ポートを介して、個々のモジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116に供給することができる。例えば、容器120(1)からの材料は、入口ポート122を介してモジュール式クリーンルーム106に供給されることができ、容器120(2)からの材料は、入口ポート124を介してクリーンルーム106に供給されることができる。また、モジュール式クリーンルーム106は、モジュール式クリーンルーム106の内外に材料を移すのに用いられるさらなるポート126を含んでよい。例えば、モジュール式クリーンルーム106内の1つ以上の装置により製造された材料は、さらなるポート126を介して、保存容器(図1には図示せず)又は他のモジュール式クリーンルームに移すことができる。さらに、モジュール式クリーンルーム108は各々、容器120(3)及び120(4)からモジュール式クリーンルーム108へ材料を通すことができる入口ポート128及び130を含んでよい。また、モジュール式クリーンルーム108は、モジュール式クリーンルーム108の内外に材料を移すさらなるポート132を含んでよい。さらに、モジュール式クリーンルーム110は、入口ポート134、136及びさらなるポート138を含むことができ、モジュール式クリーンルーム112は、入口ポート140、142及びさらなるポート144を含んでよい。また、モジュール式クリーンルーム114は、入口ポート146、148及びさらなるポート150を含むことができ、一方、モジュール式クリーンルーム116は、入口ポート152、154及びさらなるポート156を含んでよい。モジュール式クリーンルーム110の入口ポート134、136は各々、容器120(5)及び120(6)に連結することができ、モジュール式クリーンルーム112の入口ポート140、142は各々、容器120(7)及び120(8)に連結することができる。さらなるポート138、144は、モジュール式クリーンルーム110、112の内外に材料を移すために用いることができる。加えて、モジュール式クリーンルーム114の入口ポート146、148は、コンテナ120(9)及び120(10)に連結することができ、モジュール式クリーンルーム116の入口ポート152、154は、コンテナ120(11)及び120(12)に連結することができ、一方、さらなるポート150、156は、モジュール式クリーンルーム114、116の内外に材料を移すのに用いることができる。図1の例示的な実施例では、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116には、2つの入口ポート及び1つのさらなるポートがあるが、他の実施形態では、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116には、入口ポート及び/又は複数のさらなるポート又はその両方があってよい。
モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116は、生物学的治療薬用の製造ラインに含まれる装置の様々な配置を含んでよい。図1の例示的な実施例では、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116は、生物学的治療薬の製造において異なる操作を行う異なる装置部を含んでよい。例えば、モジュール式クリーンルーム106は、装置158、160、162を含むことができ、モジュール式クリーンルーム108は、装置164、166、168を含んでよい。さらに、モジュール式クリーンルーム110は、装置170、172、174、176を含むことができ、モジュール式クリーンルーム112は、装置178、180、182、184を含んでよい。さらに、モジュール式クリーンルーム114は、装置186、188、190を含むことができ、モジュール式クリーンルーム116は、装置192、194、196、198を含んでよい。図1の例示的な例は、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116内の特定の数の装置を示すが、他のシナリオでは、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116は、より多い又は少ない数の装置を含んでよい。加えて、モジュール式クリーンルーム106、108、110、112、114、116は、材料交換エアロック、交換区域、完全性試験装置、事務所家具、実験室機器、計算装置、それらの組み合わせ等の装置以外の他の特徴を含んでよい。
例示的な実施例では、モジュール式クリーンルーム106は、溶液調製エリアであってよく、装置158、160、162は、生物学的治療薬の製造に用いられる溶液の製造に用いることができる。例えば、装置158、160、162は、1つ以上の保存容器、1つ以上の換気フード、それらの組み合わせ等を含んでよい。さらに、モジュール式クリーンルーム108は、接種材料調製エリアであってよく、装置164、166、168は、その後に生物学的治療薬の製造に用いられる接種材料の製造に用いることができる。いくつかの場合、生物学的治療薬の製造に用いられる細胞系は、装置164、166、168を用いて製造することができる。様々な例では、装置164、166、168は、1つ以上の反応器、1つ以上のインキュベータ、1つ以上の冷蔵庫、試験装置、それらの組み合わせ等を含んでよい。
モジュール式クリーンルーム110はまた、生物学的治療薬を含む培地を製造する細胞培養領域であってよい。装置170、172、174、176は、1つ以上のバイオリアクタ、1つ以上の灌流システム、1つ以上のクロマトグラフィーシステム、1つ以上の濾過システム、1つ以上の保存容器、1つ以上の温度制御デバイス、1つ以上のポンプシステム、それらの組み合わせ等を含んでよい。特定の実施形態では、ウイルス不活化プロセスは、モジュール式クリーンルーム110に含まれる装置で行うことができる。さらに、モジュール式クリーンルーム112は、モジュール式クリーンルーム110のバイオリアクタ内で製造された製品を精製することができる精製エリアであってよい。モジュール式クリーンルーム108で製造された生成物の精製は、モジュール式クリーンルーム108のバイオリアクタの流出物に含まれる異なる分子を分離することにより行うことができる。特に実施形態では、1つ以上のクロマトグラフィープロセスを用いてバイオリアクタ生成物を精製することができる。モジュール式クリーンルーム112に含まれる装置178、180、182、184は、1つ以上のクロマトグラフィーシステム、1つ以上のフィルタ、1つ以上の保存容器、1つ以上のポンプシステム、1つ以上の温度制御装置、それらの組み合わせ等を含んでよい。
モジュール式クリーンルーム114は、モジュール式クリーンルーム108のバイオリアクタからの流出物をさらに精製する第2の精製エリアであってよい。特定の実施形態では、装置186、188、190は、1つ以上の濾過システム、1つ以上のポンピングシステム、1つ以上の保存容器、1つ以上の温度制御装置、それらの組み合わせ等を含んでよい。特定の非限定的な実施形態では、場合によっては、モジュール式クリーンルーム114の装置により精製操作を行ってよい。さらに、モジュラークリーンルーム116は、モジュラークリーンルーム108で製造された生物学的治療薬が、移送、患者への送達、及び/又は、患者への送達用に生物学的治療薬の剤型を修正することができる施設に提供される前に前処理される生物学的治療薬領域を含んでよい。様々な実施形態では、生物学的治療薬は、滅菌濾過された溶液及び希釈剤を含んでよい。非限定的な例では、生物学的治療薬は、懸濁液、ワクチン、又は生物学的治療薬を含まなくてよい。特定の実施形態では、生物学的治療薬はバイアル及び/又は注射器に入れることができる。装置192、194、196は、1つ以上のポンプ装置、1つ以上の保存容器、又は1つ以上の充填システムを含んでよい。1つ以上の充填システムを用いて、バイアル又はシリンジ等の容器に生物学的治療薬の一定量を分注することができる。
図1の例示的な例としては、6つのモジュール式クリーンルームがあげられるが、製造設備102は、より多く又は少ないモジュール式クリーンルームを含んでよい。特定の実施形態では、製造設備102は、細胞培養領域を含むさらなるモジュール式クリーンルームを含んでよい。また、製造設備102は、精製操作及び/又は濾過操作を行う装置を含むさらなるモジュール式クリーンルームを含んでよい。
図2は、ウイルス不活化プールを生成することができるモジュール式クリーンルーム202を含む環境200の実施形態の概略図である。様々な実施形態では、環境200は、図1の製造施設102等の製造施設に含まれてよい。モジュール式クリーンルーム202は、細胞培養操作の実施に用いられうる装置を含んでよい。細胞培養操作は、生物学的治療薬の製造を支持することができる細胞株を含む培地を用いて生物学的治療薬を製造させることができる。
モジュール式クリーンルーム202は、多数の保存容器204に連結することができる。保存容器204は、モジュール式クリーンルーム202に含まれる1つ以上の装置に供給される材料、及び/又はモジュール式クリーンルーム202に収容される1つ以上の装置から移される材料を保存することができる。特定の実施形態では、保存容器204は、製造施設のステージング領域に配置することができる。保存容器204の体積は、バリエーションがあってよい。例えば、個々の保存容器の体積は、約50 L~約2000 L、又は約100 L~約1000 Lであってよい。例示的な実施例では、1つ以上の第1の容器204の体積は約100 Lの体積であってよく、1つ以上の第2の容器204の体積は約200 Lの体積であってよく、1つ以上の第3の容器204の体積は約1000 Lの体積であってよい。
材料は、モジュール式クリーンルーム202内に配置された装置と保存容器204との間でポート206を介して移すことができる。図2の例示的な例では、環境200は、ポート206(1)に連結された保存容器204(1)、ポート206(2)に連結された保存容器204(2)及び204(3)、及びポート206(3)に連結された保存容器204(4)を含んでよい。ポート206(1)、206(2)、及び206(3)は、バイオリアクタ208に連結することができる。例示的な実施例では、保存容器204(1)及び204(4)は、細胞培養培地をバイオリアクタ208に提供することができる。さらに、保存容器204(2)は、重炭酸ナトリウムをバイオリアクタ208に供給することができ、保存容器204(3)は、グルコース等の細胞増殖材料をバイオリアクタ208に供給することができる。他の実施形態では、保存容器204(3)は、細胞抽気操作の一部としてバイオリアクタ208から除去された材料を保存することができる。
バイオリアクタ208は、体積が約250L~約2000 L又は約500L~約1000 Lである容器を含んでよい。バイオリアクタ208は、ポンピング機構、撹拌機構、スパージャ、それらの組み合わせ等を含んでよい。バイオリアクタ208内の条件は、保存容器204のうちの1つ以上からバイオリアクタ208に供給される細胞培養培地を用いて特定の生物学的治療薬を産生する生物学的反応をおこすのに適する。バイオリアクタ208は、一定期間停止せずに連続的に動作することができる。例示のため、バイオリアクタ208は、約5日~約40日、約10日~約30日、又は約15日~約25日の間作動することができる。図2の例示的な例では、モジュール式クリーンルーム202内に収容された単一のバイオリアクタ208を示すが、さらなる実施形態では、モジュール式クリーンルーム202は、2つ以上のバイオリアクタを収容することができる。
例示的な例では、単一の容器体積について、バイオリアクタ208は、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約0.5gの生物学的治療薬から、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約10gの生物学的治療薬、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約1gの生物学的治療薬から、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約6gの生物学的治療薬、又は細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約2gの生物学的治療薬から、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約4gの生物学的治療薬を産生することができる。他の例では、2つの容器体積について、バイオリアクタ208は、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約0.25gの生物学的治療薬から細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約7gの生物学的治療薬、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約0.5gの生物学的治療薬から1日当たり約5gの生物学的治療薬、又は細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約1gの生物学的治療薬から細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約2gの生物学的治療薬を製造することができる。図2の例示的な実施例には示していないが、バイオリアクタ208は、温度制御システム及び/又はヒューマン・マシン・インタフェース・デバイスに連結されるか、それを含んでよい。
バイオリアクタ208は、バイオリアクタ208への供給材料の添加、及びバイオリアクタ208からの流出物の除去に1つ以上のポンプ装置を利用することができる灌流システム210に連結することができる。灌流システム210は、保存容器212に流出物を供給することができる。保存容器212に保存された流出物は、連続クロマトグラフィーシステム216により獲得しうる。場合によっては、保存容器212に保存された流出物は、流出物が連続クロマトグラフィーシステム216に供給される前に流出物の温度を変更することができる温度制御システム214を通過してよい。例示的な実施例では、温度制御システム214は、保存容器212に保存された流出物を連続クロマトグラフィーシステム216に移す際に加熱又は冷却することができる熱交換器を含んでよい。連続クロマトグラフィーシステム216は、クロマトグラフィーカラム218のグループを含んでよい。様々な実施形態では、クロマトグラフィーカラム218のグループは、2~16のクロマトグラフィーカラム又は3~9のクロマトグラフィーカラムを含んでよい。さらに、特定の実施形態では、連続クロマトグラフィーシステム216は、連続クロマトグラフィーシステム216が単一使用の連続クロマトグラフィーシステムであるように、使い捨て流路があってよい。
連続クロマトグラフィーシステム216は、様々なクロマトグラフィープロセスを利用することができる。例えば、連続クロマトグラフィーシステム216は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィープロセス、イオン交換クロマトグラフィープロセス、混合モードクロマトグラフィープロセス、疎水性相互作用クロマトグラフィープロセス、又はサイズ排除クロマトグラフィープロセスのうちの1つ以上を利用することができる。様々な実施形態では、連続クロマトグラフィーシステム216のカラム218の直径は、約40cm~約100cm、約50cm~約80cm、又は約60cm~約70cmであってよい。さらに、特定の実施形態では、連続クロマトグラフィーシステム216のカラム218の高さは、約10cm~約40cm、約15cm~約30cm、又は約20cm~約25cmであってよい。特定の実施形態では、連続クロマトグラフィーシステム216の各カラム218により生成される製造物の量は、約80g/Lの樹脂~約140g/Lの樹脂、約90g/Lの樹脂~約130g/Lの樹脂、又は約100g/Lの樹脂~約120g/Lの樹脂でありうる。さらに、バイオリアクタ208からの流出物は、連続クロマトグラフィーシステム216の多数のサイクル、例えば4~15サイクル、6~12サイクル、又は8~10サイクルに従って処理することができる。例示的な実施例では、連続クロマトグラフィーシステム216の個々のサイクルの持続時間は、約3時間~約12時間、約4時間~約10時間、又は約6時間~約8時間であってよい。
緩衝溶液は、ポート206(4)、206(5)、及び/又は206(6)を介して、1つ以上の容器204(5)、204(6)、204(7)、204(8)、204(9)、204(10)、又は204(11)から連続クロマトグラフィーシステム216に供給されうる。図2の例示的な例では、容器204(5)、204(6)、及び204(7)をポート206(4)に連結することができ、容器204(8)をポート206(5)に連結することができ、容器204(9)、204(10)、及び204(11)をポート206(6)に連結することができる。他の実施形態は、ポート206(4)、206(5)、及び/又は206(6)のうちの1つ以上に連結されたコンテナの異なる配置を含んでよい。さらに、図2には示さないが、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物の一部は、1つ以上の容器204(5)、204(6)、204(7)、204(8)、204(9)、204(10)、又は204(11)に移すことができる。
連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物は、容器220、容器222、ポンピング装置224、及びさらなる容器226を含む一連の装置に供給することができる。特に、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物は、容器220又は容器222のいずれかに供給することができる。例えば、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物の送出は、容器220と容器222との間で交互に行うことができる。例示すると、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物は、容器220に保存された流出物の体積が閾値レベルに達するまで、一定期間、又は容器220に供給することができる。一定時間の経過後、又は容器220内の流出物の体積が少なくとも閾値レベルに達した後、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物を容器222に供給することができる。続いて、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物が一定期間容器222に供給された後、又は容器222内の流出物の体積が閾値体積に達した後に、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物を容器220に供給するように切り替えることができる。連続クロマトグラフィーシステム216の流出物を用いて、容器220、222の一方を充填し、容器220、222の他方に切り替える操作は、バイオリアクタ208がもはや生成物を製造しなくなるまで続けることができる。容器220又は容器222の少なくとも1つは、連続クロマトグラフィーシステム216から生成物を少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、又は少なくとも8日間収集することができる。例示的な例では、容器220又は容器222の少なくとも1つは、連続クロマトグラフィーシステム216から生成物を0.5日~25日、1日~20日、2日~15日、3日~10日、4日~8日、5日~12日、又は6日~15日間収集することができる。特に例示的な例では、容器220又は容器222の体積は、約100リットルであり、連続クロマトグラフィーシステム216から生成物を約5日間収集することができる。
モジュール式クリーンルーム202はまた、ポンプ装置224を含んでよい。ポンプ装置224を用いて、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物に酸を添加することができる。連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物への酸の添加は、ウイルス不活化プロセスとして用いることができる。いくつかの実施形態では、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物は、流出物への酸の添加前に、容器220又は容器222から容器226に供給することができる。さらなる実施形態では、ポンプ装置224は、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物に酸を加えることができ、一方、流出物は、容器220又は容器222に保存される。これらの場合、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物が容器220、222の一方に供給されているので、ポンプ装置224は、容器220、222の他方に酸を添加して、その中に保存されている連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物をウイルス不活化できる。連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物は、連続クロマトグラフィーシステム216の流出物のウイルス不活化を達成するために、ポンプ装置224により提供される酸で、一定時間処理することができる。例えば、連続クロマトグラフィーシステム216の流出物を、ポンプ装置224により提供される酸で、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも30時間、少なくとも40時間、少なくとも4日間、又は少なくとも5日間処理することができる。例示的なシナリオでは、連続クロマトグラフィーシステム216の流出物は、ポンプ装置224により提供される酸で、4時間~6日間、12時間~5日間、1日~4日間、18時間~3日間、又は2日~5日間処理することができる。さらなる実施形態では、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物を酸で処理する代わりに、連続クロマトグラフィーシステム216からの流出物を界面活性剤で処理してウイルス不活化プールを製造することができる。
ウイルス不活化プールは、深さフィルタ230及びフィルタカート232を通してウイルス不活化プールを送るポンプ228を用いてモジュール式クリーンルーム202からポンプで排出することができる。フィルタカート232は、平均開口サイズが1ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.6ミクロン以下、0.4ミクロン以下、0.2ミクロン以下、0.1ミクロン以下、又は0.05ミクロン以下であるフィルタ装置を含んでよい。例示的な例では、フィルタカートのフィルタ装置は、開口部の平均サイズが0.05ミクロン~1ミクロン、0.1ミクロン~0.6ミクロン、又は0.2ミクロン~0.4ミクロンのであってよい。モジュール式クリーンルーム202からポンプで排出された後、ウイルス不活化プールは、製造施設に含まれるさらなるモジュール式クリーンルームに供給される前に、容器(図示せず)に保存することができる。
図3は、ウイルス濾過済み生物学的治療薬を製造することができるモジュール式クリーンルーム302を含む環境300の実施形態の概略図である。様々な実施形態では、環境300は、図1の製造施設102等の製造施設に含まれうる。モジュール式クリーンルーム302は、モジュール式クリーンルーム202により製造されたウイルス不活化プールを用いて、ウイルス濾過済み生物学的治療薬の製造において操作を行う装置を含んでよい。例えば、モジュール式クリーンルーム302は、モジュール式クリーンルーム202により製造されるウイルス不活化プールに対して精製操作を行う装置を含んでよい。
モジュール式クリーンルーム302は、モジュール式クリーンルームに含まれる機器に様々な溶液を供給する容器に連結できる多数のポート304を含んでよい。図3の例示的な実施例では、モジュール式クリーンルーム302は、第1の保存容器306に連結された第1のポート304(1)と、第2の保存容器308に連結された第2のポート304(2)を含んでよい。第1の保存容器306は、モジュール式クリーンルーム202により製造されたウイルス不活化溶出プールの一定量を保存することができる。さらに、第2の容器308は、モジュール式クリーンルーム302の1つ以上の装置により利用されうる量の緩衝溶液を保存することができる。第1の保存容器306の体積は、1000 L~3000 L、1500 L~2500 L、又は1750 L~2250 Lであってよい。さらに、第2の保存容器308の体積は、500L~2000L、750L~1500L、又は800L~1200Lであってよい。
モジュール式クリーンルーム302はまた、第3のポート304(3)、第4のポート304(4)、及び第5のポート304(5)を含んでよい。ポート304(3)、304(4)、304(5)は、さらなる緩衝溶液保存容器310、312(1)、312(2)、312(3)、312(4)、312(5)、及び312(6)に連結することができる。緩衝溶液保存容器312の体積は、緩衝溶液保存容器310の体積と異なってよい。例示のため、緩衝溶液保存容器310の体積は、50L~250L又は100L~200Lであってよい。さらに、保存容器312の体積は、500 L~2000 L、750 L~1500 L、又は800 L~1200 Lであってよい。
さらに、モジュール式クリーンルーム302は、第3の保存容器314と第4の保存容器316に連結された第6のポート304(6)を含んでよい。第3の保存容器314は、モジュール式クリーンルーム202により製造された量のウイルス不活化プールを保存でき、第4の保存容器316は、緩衝溶液を含んでよい。第3の保存容器314の体積の体積は、1000L~3000L、1500L~2500L、又は1750L~2250Lであってよく、第4の保存容器316の体積は、500L~2000L、750L~1500L、又は800L~1200Lであってよい。例示的な例では、緩衝溶液を保存する保存容器308、310、312、316は、重炭酸ナトリウム緩衝溶液を保存することができる。また、保存容器306、308、310、312、314、316は、製造施設のステージング領域に配置することができる。具体的な実施形態では、保存容器306、308、310、312、314、316の少なくとも一部は、図2の保存容器204の少なくとも一部と共に、ステージング領域に保存することができる。
容器306、314からのウイルス不活化プール及び/又は容器308、316からの緩衝溶液は、温度制御ユニット318に供給することができる。温度制御ユニット318は、いくつかの実施形態では、熱交換器を含んでよい。さらに、温度制御ユニット318はポータブルであってよい。特定の実施形態では、温度制御ユニット318は、場合によっては、ウイルス不活化プールの温度及び緩衝溶液の温度に依存してよい。
適当な温度でウイルス不活化プール及び緩衝溶液を、多数のクロマトグラフィーカラム322を含む第1のクロマトグラフィーシステム320に供給することができる。様々な実施形態では、所与のプロセスに用いられるクロマトグラフィーカラム322の数としては、2~16又は3~8があげられる。いくつかの実施形態では、第1のクロマトグラフィーシステム320は、第1のクロマトグラフィーシステム320が単一使用クロマトグラフィーシステムであるように、使い捨て流路があってよい。第1のクロマトグラフィーシステム320は、様々なクロマトグラフィープロセスを利用することができる。例えば、第1のクロマトグラフィーシステム320は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィープロセス、イオン交換クロマトグラフィープロセス、混合モードクロマトグラフィープロセス、疎水性相互作用クロマトグラフィープロセス、サイズ排除クロマトグラフィープロセス、又はイオン交換クロマトグラフィープロセスのうちの1つ以上を利用することができる。様々な実施形態では、第1のクロマトグラフィーシステム320のカラム322の直径は、約40cm~約100cm、約50cm~約80cm、又は約60cm~約70cmであってよい。さらに、第1のクロマトグラフィーシステム320のカラム322の高さは、約10cm~約40cm、約15cm~約30cm、又は約20cm~約25cmであってよい。特定の実施形態では、第1のクロマトグラフィーシステム320の各カラム322により製造される生成物の量は、約80g/Lの樹脂~約140g/Lの樹脂、約90g/Lの樹脂~約130g/Lの樹脂、又は約100g/Lの樹脂~約120g/Lの樹脂でありうる。さらに、ウイルス不活化プールは、4~15サイクル、6~12サイクル、又は8~10サイクル等の第1のクロマトグラフィーシステム320の多数のサイクルに従って処理することができる。例示的な実施例では、第1のクロマトグラフィーシステム320の個々のサイクルの持続時間は、約3時間~約12時間、約4時間~約10時間、約6時間~約8時間、又は約3時間~約6時間であってよい。
第1のクロマトグラフィーシステム320からの精製された生成物は、保存容器324に保存することができる。保存容器324の体積は、100L~1500L、250L~1250L、500L~1000L、又は600L~700Lであってよい。保存容器324に保存された第1のクロマトグラフィーシステム320からの精製された生成物は、カラム328が多数あるさらなるクロマトグラフィーシステム326に供給されうる。緩衝溶液はまた、容器310、312からさらなるクロマトグラフィーシステム326に供給されてよい。さらなるクロマトグラフィーシステム326は、いくつかの実施形態では、第1のクロマトグラフィーシステム320と同様の構成であってよい。第1のクロマトグラフィーシステム320により製造される生成物の純度に応じて、場合によっては、第2のクロマトグラフィーシステム326を行ってよい。
特定の実施形態では、所与のプロセスに用いられるクロマトグラフィーカラム328の数は、2~16又は3~8であってよい。いくつかの実施形態では、さらなるクロマトグラフィーシステム326は、さらなるクロマトグラフィーシステム326が単使用クロマトグラフィーシステムであるように、使い捨て流路があってよい。さらなるクロマトグラフィーシステム326は、様々なクロマトグラフィープロセスを利用することができる。例えば、さらなるクロマトグラフィーシステム326は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィープロセス、イオン交換クロマトグラフィープロセス、混合モードクロマトグラフィープロセス、疎水性相互作用クロマトグラフィープロセス、サイズ排除クロマトグラフィープロセス、又はイオン交換クロマトグラフィープロセスのうちの1つ以上を利用することができる。様々な実施形態では、さらなるクロマトグラフィーシステム326のカラム328の直径は、約40cm~約100cm、約50cm~約80cm、又は約60cm~約70cmであってよい。加えて、さらなるクロマトグラフィーシステム326のカラム328の高さは、約10cm~約40cm、約15cm~約30cm、又は約20cm~約25cmであってよい。特定の実施形態では、さらなるクロマトグラフィーシステム326の各カラム328により製造される生成物の量は、約80g/Lの樹脂~約140g/Lの樹脂、約90g/Lの樹脂~約130g/Lの樹脂、又は約100g/Lの樹脂~約120g/Lの樹脂でありうる。さらに、第1のクロマトグラフィーシステム320により製造された精製生成物は、4~15サイクル、6~12サイクル、又は8~10サイクル等、さらなるクロマトグラフィーシステム326のいくつかのサイクルに従って処理することができる。例示的な実施例では、さらなるクロマトグラフィーシステム326の個々のサイクルの持続時間は、約3時間~約12時間、約4時間~約10時間、約6時間~約8時間、又は約3時間~約6時間であってよい。
特に、さらなるクロマトグラフィーシステム326により精製された生成物は、さらなる保存容器330に保存することができる。さらなる保存容器330の体積は、100L~1500L、250L~1250L、500L~1000L、又は600L~700Lであってよい。さらなる保存容器330は、より小さい保存容器334に連結したポンピング装置332に連結できる。より小さい保存容器334は、ポンピング装置332によりポンピングされうるさらなる溶液、例えば、緩衝溶液を含んでよい。より小さい保存容器334の体積は、25 L~250 L、35 L~150 L、又は40 L~75 Lであってよい。
ポンピング装置332は、さらなる保存容器330に保存されたさらなるクロマトグラフィーシステム326により精製された生成物及び/又はより小さい保存容器334により保存された溶液をウイルス濾過装置336に供給することができる。ウイルス濾過装置は、濾過面積1m~10m、濾過面積2m~8m、又は濾過面積3m~6mであってよい。第1のクロマトグラフィーシステム320により、及び場合によっては、第2のクロマトグラフィーシステム326により精製された生成物の濾過時間は、5時間~15時間、7時間~12時間、又は8時間~10時間でありうる。ウイルス濾過装置336からのウイルス濾過済み生物学的治療薬は、モジュール式クリーンルーム302からウイルス濾過済み生物学的治療薬を輸送するために濾過カート338に供給することができる。
図4は、精製された生物学的治療薬を製造できるモジュール式クリーンルーム402を含む環境400の実施形態の概略図である。様々な実施形態では、環境400は、図1の製造施設102等の製造施設に含まれうる。モジュール式クリーンルーム402は、モジュール式クリーンルーム302で製造されるウイルス濾過済み生物学的治療薬を用いて精製された生物学的治療薬の製造で作動する装置を含んでよい。例えば、モジュール式クリーンルーム402は、モジュール式クリーンルーム302により製造されるウイルス濾過済み生物学的治療薬に関してさらなる精製操作を行う装置を含んでよい。
モジュール式クリーンルーム402は、モジュール式クリーンルーム402に含まれる機器に様々な溶液を供給する容器に連結できる多数のポート404を含んでよい。図4の例示的な例では、モジュール式クリーンルーム402は、モジュール式クリーンルーム302により製造されたウイルス濾過済み生物学的治療薬を、ウイルス濾過済み生物学的治療薬のさらなる精製のためにモジュール式クリーンルーム402内に配置された装置に供給する第1のポート404(1)を含んでよい。いくつかの実施形態では、ウイルス濾過済み生物学的治療薬は、ポート404(1)に連結された保存容器に保存することができる。さらに、モジュール式クリーンルーム402は、記憶コンテナ406(1)及び406(2)に接続される第2のポート404(2)及び記憶コンテナ406(3)及び406(4)に接続される第3のポート404(3)を含んでよい。コンテナ408は、モジュール式クリーンルーム402の1つ以上の装置により利用されうる量の緩衝溶液を保存することができる。保存容器406の体積は、500L~2000L、750L~1500L、又は800L~1200Lであってよい。さらに、モジュール式クリーンルーム402は、モジュール式クリーンルーム402内の装置に供給される緩衝溶液を保存することもできる保存容器408に連結された第4のポート404(4)を含んでよい。保存容器408の体積は、50L~250L、又は100L~200Lであってよい。いくつかの実施形態では、保存容器406、408は、図1の製造施設102等の製造施設のステージング領域に配置することができる。
モジュール式クリーンルーム402は、2つの領域410及び412を含んでよい。2つの領域410、412の少なくとも一部は、物理的バリアで分離することができる。特定の実施形態では、領域410、412はカーテンで分離することができる。他の実施形態では、領域410、412は、2つの領域410、412の間がアクセス可能な少なくとも部分的な壁により分離することができる。第1の領域410は濾過領域であってもよく、第2の領域412はまた、充填/仕上げ領域であってよい。いくつかの実施形態では、第2の領域412の少なくとも一部を、第2の領域412内で層流できるフードの下に配置することができる。様々な実施形態では、第2の領域412における粒子の濃度は、第1の領域410における粒子の濃度よりも低くてよい。このような状況で、第2の区域412のクリーンルーム分類は、第1の区域410のクリーンルーム分類とは異なってよい。
モジュール式クリーンルーム402の第1の領域410は、モジュール式クリーンルーム302からの一定量のウイルス濾過済み生物学的治療薬を保存できる第1の保存容器414と、一定量の緩衝溶液を保存できるさらなる保存容器416とを含んでよい。第1の保持容器414の体積は、200 L~2000 L、400 L~1500 L、又は600 L~1000 Lであってよい。加えて、さらなる保存容器416の体積は、25 L~200 L、40 L~150 L、又は50 L~100 Lであってよい。第1の保持容器414内に保存されたウイルス濾過された生成物は、緩衝溶液とともに、ある場合さらなる保存容器416から濾過装置418に供給されうる。濾過装置418は、限外濾過及び/又は透析濾過操作を行うことができる。特定の実施形態では、濾過装置418は、接線流濾過装置を含んでよい。濾過装置418は、膜の孔のサイズに基づいて分子を分離する多数の膜を含んでよい。透析濾過は、濾過装置418で行ってよい。容器406のうちの1つ以上から獲得された緩衝溶液は、限外濾過/透析濾過プロセスで用いられる濾過装置416に供給されうる。特定の実施形態では、濾過装置416は、温度制御ユニットに連結することができる。
例示的な実施例では、濾過装置416は、2m~20m、4m~15m、又は8m~12mの濾過領域を含んでよい。加えて、濾過装置416は、多数のサイクルにわたって作動させることができる。例えば、濾過装置416は、2~12サイクル、4~10サイクル、又は6~8サイクル作動して、精製された生物学的治療薬を製造できる。さらに、濾過装置416の各サイクルの持続時間は、2~20時間、4~15時間、又は6~10時間であってよい。様々な実施形態では、濾過装置416での総処理時間は、4~120時間、10~100時間、25~75時間、又は40~50時間でありうる。
濾過装置416からの濾過された生成物は、さらなる保存容器420に保存することができる。さらなる保存容器420の体積は、50L~1200L、100L~750L、又は200L~400Lであってよい。加えて、さらなる保存容器420は、保存容器408からさらなる保存容器420に緩衝溶液を添加できる第1のポンプ装置422に連結することができる。さらに、第1のポンプ装置422は、さらなる保存容器420に保存された精製された生物学的治療薬を、第2の領域412に配置された第2のポンプ装置424に提供することができる。第2のポンプ装置424は、第2の領域412内に配置された第3の保存容器426に連結することができる。第2のポンピング装置424は、さらなる保持容器420に保存された精製された生物学的治療薬への緩衝溶液の提供に用いることができる。第3の保持容器の体積は、50L~1200L、100L~750L、又は200L~400Lであってよい。
精製された生物学的治療薬は、第2の領域412において1つ以上の充填及び/又は終了操作を受けることができる。充填操作は、多数のバイアルが1分間に特定の速度で充填される自動化されたプロセスで行うことができる。例えば、充填作業の速度は、毎分5~100バイアル、毎分10~75バイアル、又は毎分20~60バイアルで行うことができる。例示的な例では、バイアルの体積は、2mL~40mL、5mL~30mL、及び10mL~20mLであってよい。
図2~4の例示的な例は、生物学的治療薬を製造する灌流系システムを指向し、モジュール式のクリーンルームを、バッチプロセスを用いた生物学的治療薬の製造に利用することもできる。これらの実施形態では、モジュール式クリーンルームは、1つ以上のバイオリアクタを含むことができ、1つ以上のバイオリアクタにより製造された生成物は、様々な保存容器に保存することができる。その後、保存容器に保存された生成物を第1のクロマトグラフィーシステムに供給することができる。様々な実施形態では、保存容器に保存された製品を、第1のクロマトグラフィーシステムに連結されたさらなる保存容器に供給することができる。第1のクロマトグラフィーシステムは、いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオリアクタと同じモジュール式クリーンルーム内に、又は他のモジュール式クリーンルーム内に配置することができる。さらなる保存容器に保存された生成物は、第1のクロマトグラフィーシステムに供給することができる。最初のクロマトグラフィーシステムで精製後、当該精製された生成物をウイルス不活化プロセスにかけることができる。その後、ウイルス不活化プールを、図3のモジュール式クリーンルーム300及び図4のモジュール式クリーンルーム400等の、1つ以上のさらなるモジュール式クリーンルームに移すことができる。
例示的な実施例では、モジュール式クリーンルーム200、300、400に含まれる装置の部品は、生物学的治療薬を製造する製造ラインを含んでよい。いくつかの実施形態では、生物学的治療薬は、治療用タンパク質を含んでよい。用語「治療用タンパク質」は、ヒトの疾患又は状態の予防、治療、又は治療に適用しうる薬理学的に活性なタンパク質をいう。治療用タンパク質の例としては、モノクローナル抗体、天然タンパク質の組換え型(例えば、受容体、リガンド、ホルモン、酵素又はサイトカイン)、融合タンパク質、ペプチボディ、及び/又はモノマードメイン結合タンパク質(例えば、LDL受容体A-ドメイン、トロンボスポンジンドメイン、サイログロブリンドメイン、トレフォイル/PDドメイン、VEGF結合ドメイン、EGFドメイン、アナトドメイン、Notch/LNRドメイン、DSLドメイン、インテグリンベータドメイン、及びCa-EGFドメインから選択されるドメインに基づく)があげられるが、これらに限定されない。「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書中では互換的に用いられ、ペプチド結合を介して共有結合した2つ以上のアミノ酸の分子鎖を含む。当該用語は、製品の特定の長さをいうものではない。
用語「組換え体」とは、物質(例えば、核酸又はポリペプチド)が人為的に、人為的又は合成的に(すなわち、非天然的に)修飾されたことをいう。当該修飾は、その天然の環境又は状態内で、その物質に対して行うことができる。本明細書中で用いられる用語「組換え体タンパク質」又は「組換え体ポリペプチド」とは、組換え体DNA分子を用いて発現される、例えば、目的の治療用タンパク質等のタンパク質分子をいう。「組換え体宿主細胞」とは、組換え体核酸を含む及び/又は発現する細胞である。
用語「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、2つ以上のヌクレオチド残基を含む一本鎖及び二本鎖ヌクレオチドポリマーの両方を包含する。ポリヌクレオチドを構成するヌクレオチド残基は、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド、又はいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾形態でありうる。本明細書中で互換可能に用いられる「ポリヌクレオチド配列」若しくは「ヌクレオチド配列」又は「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、DNA、及びRNA、核酸、又はヌクレオチド残基の一次配列を表す文字列を含む、ポリヌクレオチド中のヌクレオチド残基の一次配列である。いかなる特定のポリヌクレオチド配列から、所与の核酸又は相補的ポリヌクレオチド配列のいずれかを決定することができる。一本鎖又は二本鎖であってよく、センス鎖又はアンチセンス鎖を表す、ゲノム又は合成起源のDNA又はRNAが含まれる。特断の限り、本明細書に記載した一本鎖ポリヌクレオチド配列のいずれかの左端は5’末端であり、二本鎖ポリヌクレオチド配列の左端は5’方向という。
発現カセットは組換え発現技術の通常の特徴である。発現カセットは、目的のタンパク質をコードする遺伝子、例えば、抗体配列をコードする遺伝子、例えば、免疫グロブリン軽鎖及び/又は重鎖配列を含む。真核生物の「発現カセット」とは、哺乳動物細胞等の真核生物細胞においてタンパク質を産生させる発現ベクターの部分をいう。それは、真核細胞において機能しうる、mRNA転写用プロモーター、目的のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子、及びmRNA終結及びプロセシングシグナルを含む。組換え発現技術は、通常、発現カセットを含む組換え発現ベクター、及び発現カセット又は少なくとも発現カセットを備える組換え発現ベクターを含む哺乳動物宿主細胞の使用を含み、これは、例えば、宿主細胞ゲノムに組み込まれうる。
用語「ベクター」は、タンパク質をコードする情報を宿主細胞に移すのに用いられるあらゆる分子又は実体(例えば、核酸、プラスミド、バクテリオファージ又はウイルス)をいう。
本明細書中で用いる用語「発現ベクター」又は「発現構築物」は、特定の宿主細胞中で機能しうるように連結されたコード配列の発現に必要な所望のコード配列及び適当な核酸制御配列を含む組換えDNA分子をいう。
「細胞」、「細胞系」、及び「細胞培養」は、しばしば互換的に用いられ、本明細書中では、当該名称はすべて、細胞子孫を含む。
本明細書中で製造される生物学的治療薬は、タンパク質分泌哺乳動物細胞を、液体培地を含む1つ以上の単回使用の灌流バイオリアクタ中で、当該細胞が、少なくとも20日の製造培養期間中、当該培地中に組換え治療用タンパク質を分泌させうる条件下で培養することにより製造することができる。
「細胞培養」とは、細胞外培養培地(新鮮又は馴化)及びその中で培養された哺乳動物細胞をいう。本明細書中で互換可能に用いられる「細胞培養培地」又は「培養培地」とは、細胞、好ましくは動物細胞、より好ましくは哺乳動物細胞(例えば、CHO細胞)のインビトロ細胞培養中での増殖に適する無菌の水性培地である。「供給培地」とは、細胞を細胞培養培地に接種し、細胞増殖を開始した後に細胞培養に加える新鮮な細胞培養培地である。
用語「製造培養期間」は、組換え治療用タンパク質を分泌する哺乳動物細胞が、目的の治療用タンパク質が生理学的に、継続的に製造されうるバイオリアクタ内のインキュベーション条件で維持される期間をいう。様々な実施形態では、製造培養期間は、少なくとも10日以上、又は少なくとも20日以上、例えば、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日以上、又は10~20日以上、又は20~30日以上、又は30~45日以上、又は45~60日以上でありうる。
製造培養期間中、新鮮な無菌の液体培地が1つ以上の灌流バイオリアクタに自動的に添加され、複数の異なる濃縮培地成分溶液及び水性希釈剤から同時に混合される。用語「同時に混合される」は、新規培地の作製のため、濃縮培地成分及び希釈剤が共に混合されることを意味し、灌流式バイオリアクタの各々から除去される培地量を、透過液量又は細胞抽気(ブリード)量として交換するのに必要な場合にのみ、数秒又は数分(2分以下)以内に混合することをいう。バイオリアクタには、バイオリアクタ及びインペラ設計に基づく、特徴的な混合時間、及び撹拌速度がある。
様々な実施形態では、新鮮な無菌液体培地は、複数の異なる濃縮成分溶液を互いに一定の比率で注入して、1つ以上の灌流バイオリアクタに添加され、一方、水性希釈剤(適当な緩衝溶液又は水)もまた、複数の異なる濃縮培地成分溶液に対して様々な比率で添加され、各灌流バイオリアクタ内の培養体積を一定に維持する。さらに、複数の異なる濃縮成分溶液及び水性希釈剤(適当な緩衝溶液又は水)を互いに一定の比率で注入することで、新鮮な無菌液体培地を1つ以上の灌流バイオリアクタに添加し、各灌流バイオリアクタ内の培養体積を一定に維持する。なお他の実施形態では、複数の異なる濃縮成分溶液及び水性希釈剤(適当な緩衝溶液又は水)を互いに一定の比率で混合チャンバーに注入することで、新鮮な無菌液体培地を1つ以上の灌流バイオリアクタに添加し、ここで、新鮮な無菌液体培地を混合チャンバーに注入して、そこで新鮮な無菌液体培地を(バイオリアクタに流体接続された無菌混合容器内で)同時に混合した後、各灌流バイオリアクタに添加して一定の培養体積を維持する。
培地成分と希釈剤が適当に混合される特定の比率は、用いられる培地処方及び用いられる濃縮培地成分の濃度により異なり、適当な比率は、当業者が便利に計算することができる。
異なる濃縮媒体成分溶液及び水性希釈剤の水面下での添加(Sub-surface addition)は、好ましくは回避される。全ての培地成分溶液及び水性希釈剤を必要に応じて、別々のポートを介して供給することは、手動で、又は比率制御ポンプスキッド及び自動化を用いて、灌流バイオリアクタ内の培養体積を維持することにより達成することができる。
用語「バッファ(緩衝溶液)」又は「緩衝溶液」は、その共役酸-塩基範囲の作用によりpHの変化に抵抗する溶液をいう。有用な緩衝溶液の例としては、酢酸塩、MES、クエン酸塩、トリス、ビストリス、ヒスチジン、アルギニン、コハク酸塩、クエン酸塩、グルタミン酸塩、及び乳酸塩、若しくはこれらの2つ以上の組み合わせ、又は他の鉱酸若しくは有機酸緩衝溶液があげられるが、リン酸塩は有用な緩衝溶液の他の例である。ナトリウム、アンモニウム、カリウムのカチオンを含む塩は、しばしば緩衝溶液の製造に用いられる。
用語「抗体」又は「Ab」は、交換可能に、かつ最も広義で用いられ、抗原と結合しうる完全に組み立てられた抗体、モノクローナル抗体(ヒト、ヒト化又はキメラ抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、及び抗原を結合しうる抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、一本鎖抗体、ジアボディ)を含む。IgG、IgM、IgD、IgA、及びIgE、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2、又はいかなるアロタイプを含む、いかなるアイソタイプクラス又はサブクラスの抗体が企図される。本明細書で用いられる用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体の集団から獲得された抗体、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、微量に存在しうる自然発生的な変異を除き、同一であることをいう。
用語「免疫グロブリン」は、各々が軽鎖(LC)に共有結合する、2つの二量体化した重鎖(HC);単一の二量体化されていない免疫グロブリン重鎖及び共有結合した軽鎖(HC+LC)、又はキメラ免疫グロブリン(軽鎖+重鎖)-Fcヘテロ三量体(いわゆる「ヘミボディ」)、又は二量体化した又は二量体化されていないFcドメインを含む融合タンパク質(例えば、ペプチボディ)を含む。「免疫グロブリン」は、タンパク質であるが、必ずしも抗原結合タンパク質(例えば、臨床的に関連する標的結合部分に共有結合する担体抗体)である必要はない。
「抗体」では、各四量体は、各々が約220アミノ酸(約25kDa)の1つの「軽」鎖と約440アミノ酸(約50~70kDa)の1つの「重」鎖がある2つの同一の対のポリペプチド鎖から構成される。各鎖のアミノ末端部分には、抗原認識に主として関与する約100~110以上のアミノ酸の「可変」(「V」)領域が含まれる。各鎖のカルボキシ末端部分には、主にエフェクター機能を担う定常領域が存在する。可変領域は抗体によって異なる。定常部は抗体が異なっても同じである。各重鎖又は軽鎖の可変領域内には、3つの超可変部分領域があり、抗原結合タンパク質である抗体の場合、抗原に対する抗体の特異性の決定に役立つ。超可変領域間の可変ドメイン残基は、フレームワーク残基といい、一般に、異なる抗体間である程度相同性がある。免疫グロブリンは、その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、異なるクラスに分類される。ヒトの軽鎖はκ(カッパ)軽鎖とλ(ラムダ)軽鎖に分類される。軽鎖及び重鎖内の可変領域及び定常領域は、約12個以上のアミノ酸の「J」領域により連結され、重鎖は、約10個以上のアミノ酸の「D」領域も含む。一般には、Fundamental Immunology,第7章(Paul,W編第2版Raven Press,N.Y.(1989))参照。「抗体」はまた、組換えて作製された抗体、及びグリコシル化抗体又は非グリコシル化抗体も含む。
用語「軽鎖」又は「免疫グロブリン軽鎖」としては、結合特異性を付与するのに十分な可変領域配列がある全長軽鎖及びその断片があげられる。完全長の軽鎖は、可変領域ドメインV及び定常領域ドメインCを含む。軽鎖の可変領域ドメインは、ポリペプチドのアミノ末端にある。軽鎖には、カッパ鎖とラムダ鎖がある。
用語「重鎖」又は「免疫グロブリン重鎖」としては、結合特異性を付与するのに十分な可変領域配列を有する全長重鎖及びその断片があげられる。完全長重鎖としては、可変領域ドメイン、V、及び3つの定常領域ドメイン、CH1、CH2、及びCH3があげられる。Vドメインはポリペプチドのアミノ末端にあり、Cドメインはカルボキシル末端にあり、CH3はポリペプチドのカルボキシ末端に最も近い。重鎖はミュー(μ)、デルタ(δ)、ガンマ(γ)、α(α)、イプシロン(ε)に分類され、抗体のアイソタイプは各々IgM、IgD、IgG、IgA、IgEと定義される。重鎖は、IgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4サブタイプを含む)、IgA(IgA1及びIgA2サブタイプを含む)、IgM及びIgEを含む、いかなるアイソタイプであってよい。これらのいくつかは、サブクラス又はアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2にさらに分類することができる。
用語「抗原結合タンパク質」(ABP)としては、目的の標的リガンド又は抗原と特異的に結合する抗体又は抗体断片があげられる。抗原結合タンパク質、例えば、免疫グロブリンタンパク質等の対象の治療用タンパク質、又は抗体若しくは抗体断片は、類似の結合アッセイ条件下で、他の関連がないタンパク質に対する親和性と比較して、目的の標的リガンド又は抗原に対する結合親和性が有意に高い場合に「特異的に結合」し、その結果、その標的リガンド又は抗原を識別することができる。通常、抗原結合タンパク質は、解離定数(KD)が10-8M以下の場合に、その標的抗原と「特異的に結合」する。抗原結合タンパク質は、KDが10-9M以下の場合には「高親和性」で、KDが10-10M以下の場合には「非常に高い親和性」で特異的に結合する。「抗原結合領域」又は「抗原結合部位」は、特定の標的リガンド又は抗原に特異的に結合する、タンパク質の部分をいう。
「クロマトグラフィーシステム」とは、少なくとも1つの閉鎖されたクロマトグラフィーマトリクスの配列であり、当該少なくとも1つの閉鎖されたクロマトグラフィーマトリクスからの流体の流出及び流出のための閉鎖された導管ハードウェア(例えば、パイプ又はチューブ)を備える。当該クロマトグラフィーシステムは、1つ以上のポンプ及び/又はバルブを含み、流体の流速及び圧力を自動的に又は手動で制御する。本発明のプロセス及び設備のクロマトグラフィーシステムは、対象とする治療用タンパク質に適した順序で選択し、かつ、当業者に方法が公知である様々なクロマトグラフィーマトリクスを組み込むことができる。用語「マトリクス」には、樹脂、ビーズ、ナノ粒子、ナノファイバー、ヒドロゲル、膜(例えば、膜吸着体)、モノリス、又は関連する共有結合したクロマトグラフィーリガンド(例えば、プロテインA、プロテインG、又は標的リガンド、荷電部分等の他のアフィニティークロマトグラフィーリガンド又は疎水性部分等)を有する他の物理的マトリクスがあげられる。
用語「溶出緩衝溶液」又は「溶出液」は、マトリクスに可逆的に結合した目的のタンパク質の溶出に用いられる緩衝溶液を意味する。本明細書で用いられる用語「溶液」は、水を含む緩衝溶液又は非緩衝溶液のいずれかを意味する。用語「溶出液プール」又は「溶出液プール」は、目的の組換えタンパク質を含む、マトリクスから溶出される物質を意味する。
用語「単回使用」又は「単回使用構成要素」は、交換可能に用いられる、特定の無菌製造ライン構成要素、すなわち、本発明の自動化施設において又は本発明の方法を行う際に用いられる無菌部品が、単一の製造工程に用いられるように構築又は構成されることをいう(ただし、複数の工程に対して品質及び無菌衛生が保証されうる場合には、再利用できる)。その後、単回使用構成要素は、製造工程において構成要素の洗浄及び消毒が必要なく、その後の製造工程のため、同じ構成要素又は変更された構成要素の他の単回使用構成要素により廃棄され、交換されうる。本発明で用いることができる単回使用成分の例としては、灌流バイオリアクタ、第1のクロマトグラフィーシステム、第2のクロマトグラフィーシステム、第3のクロマトグラフィーシステム、低pH又は界面活性剤ウイルス不活化システム、中和システム、ウイルス濾過システム、又は限外濾過/透析濾過システムがあげられるが、これらに限定されない。このような単回使用構成要素は、商業的に構築又は取得することができる。
用語「フィルタバンク」又は「フィルタアセンブリシステム」は、交換可能に用いられる、少なくとも1つのフィルタを含む各フィルタアセンブリを備える複数のフィルタアセンブリを備える装置をいう。フィルタアセンブリに含まれるフィルタは、単回使用フィルタであってよく、一定期間後及び/又は使用後に交換されてよい。フィルタバンクは、ポータブル装置の部品であってよい。例えば、フィルタバンクは、自動化された設備内の様々な場所に移動させることができる濾過カート上に配置されてよい。フィルタバンクに含まれるフィルタは、深度フィルタ、0.2マイクロメートルフィルタ、メンブレンフィルタ、20ナノメートル(nm)フィルタ、ウイルス濾過装置、限外濾過装置、透析濾過装置、又はこれらの組み合わせを含む濾過システムを含んでよい。フィルタバンクは、材料がフィルタバンクの少なくとも1つのフィルタを介して流れる間、フィルタバンクの他のフィルタが未使用のままであるように構成することができる。様々な実施形態では、フィルタバンクは、フィルタバンクに含まれるフィルタへの材料の流れを制御するため、方向転換弁又は他の流れ制御装置に連結されうる。ダイバータバルブ又は流量制御装置は、空気圧制御することができる。
本明細書中に記載される生物学的治療薬の製造は、組換え治療用タンパク質分泌哺乳動物細胞の培養を含む。そのような組換え哺乳動物宿主細胞は、一過性又は安定化トランスフェクションにより作製される。生物学的治療薬は、トランスフェクト又は形質転換された宿主細胞を、細胞が組換えタンパク質を発現しうる生理的条件下で培養して獲得しうる。最も便利には、発現組換えタンパク質は、(適当な分泌指向性シグナルペプチドを用いて)細胞外培地中に直接分泌され、そこから回収される;さもなければ、発現抗体を細胞抽出物から単離するさらなる工程が必要とされる。
トランスフェクト又は形質転換された宿主細胞は、通常、バッチ、フィード-バッチ、強化フィード-バッチ、又は連続的等のいかなる慣用の培養により培養される。本明細書中に記載される生物学的治療薬又はPOI(例えば、非グリコシル化又はグリコシル化タンパク質)の産生に用いられる宿主細胞は、様々な培地中で培養されうる。
温度(哺乳動物細胞については、通常約37±1℃であるが、必ずしも約37±1℃である必要はない)、pH(通常、細胞培養培地が約6.5~7.5の範囲内に維持されるが、必ずしもその必要はない)、酸素化等の所定の培養条件は、当業者には明らかであろう。「所定の培養条件で培養する」又は「所定の培養条件で維持する」ことは、プロセス制御システムが、対象となる細胞系及び生物学的治療薬に最適な狭い範囲(すなわち、「狭いデッドバンド」)内に、各パラメータに対して所定のセットポイントで維持される、その条件に対する特定の値、すなわち、意図される体積、目標温度、pH、酸素化レベルなどに設定されることをいう。
通常、生存細胞密度は、約1.0×10~約2×10個細胞/mL、例えば、1.0×10~2.0×10個細胞/mLの範囲、又は約4×10個細胞/mL~約5×10個細胞/mLの範囲、又は約1×10個細胞/mL~約2×10個細胞/mLの範囲で用いることができる。好適な範囲の上限に対して細胞の濃度を高めると、体積生産性が改善されることが知られている。それにもかかわらず、上記のポイントの値のいずれかを含む細胞密度の範囲が、範囲の下限又は上限として想定される。組換え発現及び細胞培養の所望のスケールは、発現系のタイプ及び所望の生物学的治療薬の量に依存する。
トランスフェクト又は形質転換された宿主細胞を培養すると、組換えポリペプチド又はタンパク質が培地中に直接分泌される。組換えタンパク質の回収には、宿主細胞、細胞凝集体、及び/又は溶解細胞断片を含んでよい粒子状物質から、宿主細胞及び細胞残屑を含まない無細胞分画、すなわち、無細胞「透過物」に分離することが含まれる。このような細胞や細胞断片は、例えば、遠心分離や精密ろ過によって、条件付き培地から除去される。例えば、透過物の製造に、中空繊維膜(孔径0.2μm)又は一連の濾過工程、例えば、深度濾過を用いることができ、これは、移動式、交換式及び/又は単回使用及び「濾過カート」上に構成することができる。
組換えタンパク質の精製は、通常、アニオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー(アフィニティーリガンド又は他の異なるアフィニティーリガンドとしてプロテインA又はプロテインG又はプロテインLを使用)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、逆相HPLC、及びサイズ排除クロマトグラフィー等のいかなる一連のクロマトグラフィー工程により行われる。特に、本明細書に記載された生物学的治療薬的製剤を製造する実施形態では、無細胞の透過物中の組換え治療用タンパク質は、限定されるわけではないが、プロテインA若しくはプロテインG若しくはプロテインLアフィニティークロマトグラフィー、又は固体マトリクスに共有結合された異なるアフィニティーリガンドを用いるアフィニティークロマトグラフィー等の、タンパク質を部分的に精製及び/又は濃縮することができる第1のクロマトグラフィーシステムの1つ以上のクロマトグラフィー捕獲工程により捕獲される。
第1の、第2の、及び/又はいかなる第3のクロマトグラフィーシステムは、目的の治療用タンパク質用に必要に応じて、好ましくは連続して流体的に連結された1、2、3又はそれ以上の異なるクロマトグラフィーマトリクス(例えば、クロマトグラフィーカラム)を用いて構成され、場合によっては、移動式、交換式、又は使い捨ての、単回使用ユニット、スキッド、又は「カート」内に配置することができる。様々な実施形態では、第2のクロマトグラフィーシステムは、単回使用の膜吸着器(MA)、例えば、表面機能化膜を備える。このような膜吸着剤は、目的のタンパク質に結合せずに微量の不純物を除去するネガティブモードでのモノクローナル抗体研磨操作用の陰イオン交換基を含んでよい(いわゆる「フロースルークロマトグラフィー」)。
特に実施形態では、本明細書で生物学的治療薬を製造する方法は、組換え治療用タンパク質を含むウイルス不活化プールを得るため、第1のクロマトグラフィーシステムから獲得された又は収集されたタンパク質単離画分を、低pH又は界面活性剤ウイルス不活化システム、及び中和システム(すなわち、低pHによるウイルス不活化の後に中和が必要な場合)に切り替えることを含んでよい。
その後、獲得されたウイルス不活化プールを第2のクロマトグラフィー系に導入し(いくつかの実施形態では、少なくとも10日間、少なくとも20日間、又は少なくとも30日間保存した後)、温度制御又は冷却した保持容器(HV1)に入れて、組換え治療用タンパク質を含む精製された生成物プールを得る。第2のクロマトグラフィーシステムは、目的の治療用タンパク質をさらに精製するために必要に応じて構成され、好ましくは1、2、3以上の異なるクロマトグラフィーマトリクス(例えば、クロマトグラフィーカラム)を連続的に流体的に連結し、所望により、移動式、交換式、又は使い捨て式、単回使用ユニット、スキッド、又は「カート」に配置することができる。
ウイルス不活化産物プールの第2のクロマトグラフィー系への導入は、培養及びウイルス不活化工程に関する調整されたスケジュールに従って制御される。スケジュール調整は、ウイルス不活化製品プールの第2のクロマトグラフィーシステムへの効率的なルーティングを最大化するために計算される。調整されたスケジュールに従ってウイルス不活化製品プールを第2のクロマトグラフィーシステムに装填するには、自動(連続フォーマット)又はバッチごとのマニュアル制御(半連続フォーマット)を用いる。(Garcia,FA and Vandiver,MW,Throughput Optimization of Continuous Biopharmaceutical Manufacturing Facilities,PDA J Pharm Sci Technol 71(3):189-205(2017)も参照)。
第2のクロマトグラフィー系から、組換え治療用タンパク質を含む獲得された精製生成物プールを、いかなる第3のクロマトグラフィー系及び/又はウイルス濾過系に流体的に切り替えて、組換え治療用タンパク質を含む無ウイルスの透過液を得る。精製された生成物プールのいかなるクロマトグラフィーシステム及び/又はウイルス濾過システムへの切り替えは、自動制御又は手動制御で行う。場合により第3のクロマトグラフィーシステムは、目的の治療用タンパク質をさらに精製するために必要に応じて、好ましくは連続して流体的に連結された1、2、3以上の異なるクロマトグラフィーマトリクス(例えば、クロマトグラフィーカラム)を用いて構成され、場合によっては、移動式、交換式、又は使い捨ての、単回使用のユニット、スキッド、又は「カート」に配置することができる。有用なウイルス系は市販されており、単回使用のウイルス濾過系が含まれる。
その後、精製された目的の治療用タンパク質を含む獲得された無ウイルスの透過液を限外濾過/透析濾過システムに流体的に切り替えて、精製された組換え治療用タンパク質医薬物質を含む精製された治療用タンパク質医薬物質を得る。本発明のプロセス(又は設備)において第3のクロマトグラフィーシステムが採用されない場合、精製物プールは切り替えられ、ウイルス濾過システムに直接流体的に流れる。限外濾過/透析濾過システムへの無ウイルスの透過液の切り替えは、自動又は手動制御により行う。
精製された治療用タンパク質医薬物質の製造施設において複数の単回使用バイオリアクタが利用されるシナリオでは、各バイオリアクタに対して実施される複数の操作を同時に行うことができる。例えば、限外濾過/透析濾過操作が、第1の灌流バイオリアクタから製造された無ウイルスの透過液に関して行われている間、ウイルス不活化システム(及び、必要に応じて、中和システム)により製造されたウイルス不活化製品プールに関してクロマトグラフィー操作を行うことができる。ウイルス不活化システムは、第2の単回使用灌流バイオリアクタで培養した無細胞の透過物の第1のクロマトグラフィーシステムによる処理後に受け取ったタンパク質単離画分を処理することにより、このウイルス不活化プールを製造することができる。他の例では、限外ろ過/透析ろ過操作は、第1の単回使用灌流バイオリアクタ中での培養から本発明の方法により最終的に製造されたウイルスを含まないろ過液に関して行われるが、ウイルスろ過操作は、第2の灌流バイオリアクタ中での培養から本明細書の方法により最終的に製造されたウイルス不活化プールに関して行うことができる。さらなるでは、第1の灌流バイオリアクタから製造された無ウイルスの透過液に対して実施される少なくとも1つのクロマトグラフィープロセス及び/又はウイルス濾過プロセスは、本発明のプロセスにより第2の単回使用バイオリアクタにより製造された無細胞透過液量に対して実施される連続クロマトグラフィー捕獲又はウイルス不活化プロセスの間に実施されうる。
図5は、複数の製造施設から獲得されたデータを分析し、精製された生物学的治療薬の製造ラインで用いられる装置の部品の制御用の動作パラメータを決定するアーキテクチャ500の図である。アーキテクチャ500は、第1の製造施設504及び第2の製造施設506を含む多数の製造施設からのデータを収集及び/又は分析するグローバル制御システム502を含んでよい。グローバル制御システム502は、第1の製造施設504及び第2の製造施設506から獲得されたデータを分析して、第1の製造施設504及び第2の製造施設506に含まれる機器の部分に対する制御設定を決定することができる。グローバル制御システム502により収集されたデータは、製造設備502、504の製造ラインで用いられる様々な装置に関連するセンサからのデータに対応することができる。センサデータは、温度値、pH値、溶存酸素値、二酸化炭素値、キャパシタンス値、圧力値、1つ以上の物質の濃度、1つ以上のタイプの細胞の量、流速、又はそれらの組み合わせを含む、又は示すことができる。
第1の製造施設504は、第1のローカル制御システム508を含んでよく、又はさもなければ第1のローカル制御システム508と通信し、第2の製造施設506は、第2のローカル制御システム510を含んでよく、又はさもなければ第2のローカル制御システム510と通信することができる。第1のローカル制御システム508は、本明細書では第1の製造施設制御システムともいい、第2のローカル制御システム510は、本明細書では第2の製造施設制御システムともいう。第1のローカル制御システム508は、第1の製造施設504に含まれる装置の部品から獲得されたデータを分析することができる。第1のローカル制御システム508はまた、第1の製造設備504に含まれる装置の部品の動作を制御する信号を提供することができる。第1の製造施設504は、第1のモジュール式クリーンルーム512、第2のモジュール式クリーンルーム514、及び第3のモジュール式クリーンルーム516等の多くのモジュール式クリーンルームを含んでよい。図5の例示的な例は、第1の製造施設504内の3つのモジュール式クリーンルームを示すが、第1の製造施設504は、より多く又はより少ないモジュール式クリーンルームを含んでよい。様々な例では、第1の製造施設504は、図2のモジュール式クリーンルーム200、図3のモジュール式クリーンルーム300、又は図4のモジュール式クリーンルーム400のうちの少なくとも1つを含んでよい。
図5の例示的な実施例では、第1のモジュール式クリーンルーム512は、装置518の第1の部分、装置520の第2の部分、及び装置522の第3の部分を含んでよい。さらに、第2のモジュール式クリーンルーム514は、装置524の第4の部品、装置526の第5の部品、及び装置528の第6の部品を含んでよい。さらに、第3のモジュール式クリーンルーム516は、装置530の第7部品及び装置532の第8部品を含んでよい。図5の例示的な例は、モジュール式クリーンルーム512、514、516が特定の数の機器を含むことを示すが、モジュール式クリーンルーム512、514、516は、図3に示された数よりも多い又は少ない数の機器を含んでよい。
装置518、520、522、524、526、528、530、532の部品は、精製された生物学的治療薬の製造に用いられる様々な部品を含んでよい。例えば、装置518、520、522、524、526、528、530、532の部品のうちの少なくとも1つは、クロマトグラフィーシステムを含んでよい。他の例では、装置518、520、522、524、526、528、530、532の部品のうちの少なくとも1つは、バイオリアクタを含んでよい。さらなる実施例では、装置の少なくとも1つは、灌流システムを含んでよい。さらに、装置518、520、522、524、526、528、530、532の部品のうちの少なくとも1つは、フィルタ装置を含んでよい。様々な実施形態では、装置518、520、522、524、526、528、530、532の部品のうちの少なくとも1つは、ポンプ装置、温度制御装置、保存容器、又はそれらの組み合わせを含んでよい。
第1の製造設備504はまた、多数の容器534(1)、534(2)、及び534(3)を含んでよい。特定の実施形態では、容器534は、第1の製造施設504のステージング領域に配置されうる。容器534は、装置518、520、522、524、526、528、530、532のうちの1つ以上に供給されうる溶液又は他の材料を保存することができる。ある例では、1つ以上の容器534は、緩衝溶液を保存することができる。さらなる実施例では、1つ以上の容器534は、モジュール式クリーンルーム512、514、516により製造された材料を含んでよい。例示のため、1つ以上の容器534は、モジュール式クリーンルーム512、514、516のうちの1つに供給することができるモジュール式クリーンルーム512、514、516のうちの1つにより製造されたウイルス不活化プールを保存することができる。図5の例示的な実施例は、第1の製造施設504内に位置する3つの容器534を示すが、第1の製造施設504は、より少ない、又はより多くの容器を含んでよい。
さらに、第2のローカル制御システム510は、第2の製造施設506に含まれる装置の部品から獲得されたデータを収集し、分析することができる。また、第2ローカル制御システム510は、第2製造施設504に含まれる装置の部品の動作を制御する信号を提供することができる。第2の製造施設506は、モジュール式クリーンルーム内に装置を配置せず、精製された生物学的治療薬を製造することができる。第2の製造施設506は、装置538の第9の部品に連結された第4の容器536を含むことができ、装置540の第9の部品は装置540の第10の部品に連結され、装置542の第11の部品に連結される。第4の容器536及び装置538、540、542の部品は、精製された生物学的治療薬の製造に、製造ラインの少なくとも一部として動作することができる。図5の例示的な実施例では、第2の製造施設506は、装置548の第12の部品に連結された第5の容器544及び第6の容器546も含んでよい。装置548の第12の部品は、装置552の第14の部品に連結された装置550の第13の部品に連結することもできる。装置552の第14の部品はまた、第7の容器554に連結することができる。
容器536、544、546は、装置536及び548の部品に供給される様々な物質を保存することができる。例示的な実施例では、容器536、544、546のうちの少なくとも1つは、1つ以上の緩衝溶液を保存することができる。さらなる例示的な実施例では、容器536、544、546の少なくとも1つは、細胞培養培地を保存することができる。特に例示的な実施例では、容器544は、装置542の部品からの流出物を保存することができる。さらに、容器554は、装置552の部品からの流出物を保存することができる。図5の例示的な実施例は、特定の構成に配置された装置及び容器の特定の数を示すが、第2の製造施設506は、様々な構成に配置された装置及び容器の数をより少なくすることができる。装置の部品及び装置の部品の構成は、第2の製造施設506で製造されている精製された生物学的治療薬に基づくことができる。
装置538、540、542、548、550、552の部品は、精製された生物学的治療薬の製造に用いられる様々な部品を含んでよい。例えば、装置538、540、542、548、550、552の部品のうちの少なくとも1つは、クロマトグラフィーシステムを含んでよい。他の例では、装置538、540、542、548、550、552の部品のうちの少なくとも1つは、バイオリアクタを含んでよい。さらなる例では、装置538、540、542、548、550、552の部品のうちの少なくとも1つは、灌流システムを含んでよい。さらに、装置538、540、542、548、550、552の部品のうちの少なくとも1つは、フィルタ装置を含んでよい。様々な実施形態では、装置538、540、542、548、550、552の部品のうちの少なくとも1つは、ポンプ装置、温度制御装置、保存容器、又はそれらの組み合わせを含んでよい。
アーキテクチャ500は、グローバル制御システム502、第1のローカル制御システム508、及び第2のローカル制御システム510により収集及び/又は格納されたデータを取得及び/又は操作しようとする侵入者から、グローバル制御システム502、第1のローカル制御システム508、及び第2のローカル制御システム510を保護するためのネットワークセキュリティの複数の層を含んでよい。ネットワークセキュリティの層は、1つ以上の第1のファイアウォール556、1つ以上の第2のファイアウォール558、及び1つ以上の第3のファイアウォール560を含んでよい。ファイアウォール556、558、560は、全体制御システム502、第1のローカル制御システム508、及び第2のローカル制御システム510に出入りする通信を監視及び制御するハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせを含んでよい。ファイアウォール556、558、560は、全体制御システム502、第1のローカル制御システム508、及び第2のローカル制御システム510に指向する通信を許可又は遮断するため、いくつかのセキュリティルール実行することができる。様々な例では、1つ以上の第2のファイアウォール558又は1つ以上の第2のファイアウォール560のうちの少なくとも1つは、1つ以上の第1のファイアウォール556と組み合わせることができる。
従来の製造設備制御システムは、通常、装置のプリセット構成を制御するように設計される。これらのシナリオでは、機器間の論理的及びハードウェア結合は変化しない。従って、各装置に対して実行可能な識別子及び制御動作は静的である。本明細書に記載される第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510等の製造設備制御システムの実施形態は、製造ライン内の装置の可変構成を支持する。この場合、装置の部品は、異なる機能を有し、異なる操作を実行し、及び/又は製造ライン内の装置の部品の位置に基づいて異なる制御コマンド及び/又は変数のセットを用いて制御されうる。従って、本明細書に記載される製造ライン及び制御システムは、従来のシステムとは異なるソフトウェア構成及び物理的ハードウェアを含む。
本明細書に記載した実施形態は、精製された生物学的治療薬的製剤の製造に、プロセスの各段階を通過する物質の流れを自動的に制御することができる1つ以上のシステムにより行うことができる。あるいは、制御機能の少なくとも一部は、オペレータの介入により実行することができ、オペレータの介在が必要な状況(特に、プロセスの中断)があるかもしれない。制御機能は、精製された生物学的治療薬の製造に用いられる様々な装置に連結されたセンサから獲得されたプロセスデータを用いて行うことができる。センサは、温度センサ、pHセンサ、流量センサ、重量センサ(例えば、ロードセル)、体積センサ(例えば、誘導波レーダーセンサ)、圧力センサ、タイマー、キャパシタンスセンサ、光学濃度センサ、又はこれらの組み合わせを含んでよい。センサにより製造されたデータは、装置の部品により局所的に収集することができる。特定の実施形態では、装置の部品は、センサデータを製造設備制御システムに転送することができる。製造設備制御システムは、精製された生物学的治療薬の製造に用いられる多数の装置のセンサからデータを収集することができる。製造施設制御システムは、互いに電子的に通信する1つ以上の計算装置及び/又は1つ以上のデータ記憶装置を含んでよい。1つ以上の計算装置及び/又は1つ以上のデータ記憶装置の少なくとも一部は、いくつかのシナリオでは、同じ場所に配置することができる。さらに、1つ以上の計算装置及び/又は1つ以上のデータ記憶装置の少なくとも一部は、製造施設に含まれる装置から遠隔的に配置することができる。この場合、製造設備制御システムにより実行される操作の少なくとも一部は、クラウドコンピューティングアーキテクチャで実行することができる。
センサから収集されたデータは、本明細書では「データヒストリアン」といってよい電子データ記憶装置に記憶することができる。様々な実施形態では、第1のデータヒストリアンは、第1の製造施設504で動作する装置の少なくともサブセットについてのデータを収集し、記憶することができ、第2のデータヒストリアンは、第2の製造施設506で動作する装置の少なくともサブセットについてのデータを収集し、記憶することができる。第1のデータヒストリアン及び第2のデータヒストリアンは、一定期間データを記憶し、その後、第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510に連結された装置の部品の動作に関して収集されたデータのリポジトリである第3のデータヒストリアンにデータを転送することができる。特に、実施形態では、第3のデータヒストリアンは、グローバル制御システム502に連結されうるか、又はさもなければ通信可能である。特定の場合、第1のデータヒストリアン及び第2のデータヒストリアンはリセットされ、第1の製造施設504及び第2の製造施設506からさらなるデータをさらなる期間にわたって収集及び記憶し始めることができる。第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510はまた、精製された生物学的治療薬の特定のバッチの製造のために、第1の製造設備504及び/又は第2の製造設備506に含まれる装置の作動に関連するデータを収集し、記憶する1人以上のバッチヒストリアンを含んでよい。データヒストリアンは、グローバル制御システム502、第1のローカル制御システム508、及び/又は第2のローカル制御システム510によりアクセスされ、分析されて、制御システム502、508、510の制御下に含まれる機器の部品の動作のためのパラメータを決定することができる。
制御システム502、508、510は、第1の製造設備504及び第2の製造設備506に含まれる設備部品に関連するセンサから獲得されたデータを分析し、1つ以上の設備部品の動作条件を決定することができる。ある場合、設定ポイント及び許容可能な動作パラメータ、及び/又は装置の部品の動作用のランレシピを、オペレータにより制御システム502、508、510に入力することができる。他の場合、セットポイント及び許容可能な動作パラメータ、及び/又は装置の部品の動作用のランレシピは、制御システム502、508、510のうちの少なくとも1つを介して、製造ラインで用いられる1つ以上の装置に自動的に送ることができる。アラート及びアラーム通知はまた、第1の製造施設504及び第2の製造施設506に配置された機器の部品から獲得されたセンサデータに基づいて、制御システム502、508、510のうちの少なくとも1つにより製造することができる。例えば、センサデータが、製造ライン内の装置の部品の運転条件が閾値範囲外であることを示す場合、制御システム502、508、510の少なくとも1つは、アラームを誘導し、オペレータに通知を送信することができる。
精製された生物学的治療薬の製造に用いられる様々な装置の部品は、装置の部品間及び/又は制御システム502、508、510のうちの1つ以上のとの通信を可能にする1つ以上の通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは、製造ラインで用いられる装置の部品間及び/又は少なくとも1つの制御システム502、508、510との間でのデータ通信を可能にするハードウェア装置、ファームウェア装置、及び/又はソフトウェア実施システムを含んでよい。通信インタフェースは、ローカルエリア有線ネットワーク、ローカルエリア無線ネットワーク、ワイドエリア無線ネットワーク、及び/又はワイドエリア有線ネットワーク等の多数のネットワークを介してデータ通信が可能になる。特定の例では、通信インタフェースは、イーサネットネットワーク通信インタフェース、インターネットプロトコルネットワーク通信インタフェース、電気電子学会802.11無線ネットワーク通信インタフェース、Bluetooth通信インタフェース、又はそれらの組み合わせを含んでよい。
精製された生物学的治療薬の製造に用いられる装置の部品は、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリ装置を含んでよい。1つ以上のプロセッサは、計算システムの動作に必要な算術演算及び論理演算を実行する標準プログラマブルプロセッサ等の中央処理装置であってよい。1つ以上のメモリデバイスは、コンピュータ読取可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ等の情報の記憶のためのいかなる種類の技術で実施される揮発性及び不揮発性メモリ及び/又は着脱可能で非着脱可能な媒体を含んでよい。このようなコンピュータ読取可能記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク又は他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、固体記憶装置、磁気ディスク記憶装置、RAID記憶システム、記憶アレイ、ネットワーク接続記憶装置、記憶領域ネットワーク、クラウド記憶装置、リムーバブル記憶媒体、又は所望の情報の記憶に用いることができ、制御システム502、508、510又は製造ラインに含まれる個々の装置によりアクセスすることができる他のいかなる媒体を含むが、これらに限定されない。
制御システム502、508、510は、製造設備504、506に含まれる機器の部品の動作の制御に実行することができる1つ以上の制御モジュールを記憶することができる。制御モジュールは、製造設備504、506に含まれる装置の部品が1つ以上の動作をとるように実行することができるコンピュータ読取可能な命令を含んでよい。制御モジュールは、製造設備504、506に含まれる装置の部品が、精製された生物学的治療薬を連続的又は半連続的に製造しうる枠組みの一部でありうる。製造設備504、506に含まれる様々な装置により実行される動作は、始動プロセス、保持プロセス、シャットダウンプロセス、供給プロセス、又は製造プロセスの終了に関連させうる。
装置の様々な部品は、異なるセットの制御モジュールにより制御することができる。例えば、灌流システムは、1つ以上の第1の制御モジュールにより制御することができ、バイオリアクタは、1つ以上の第2の制御モジュールにより制御することができ、クロマトグラフィーシステムは、1つ以上の第3の制御モジュールにより制御することができる。さらに、特定の実施形態では、同一の装置の部品は、製造ライン内の装置の部品の機能に応じて、異なる制御モジュールにより制御することができる。例示すると、供給タンクとして動作する保存容器は、1組の制御モジュールで制御することができ、一方、収集タンクとして動作する同じ保存容器は、他の組の制御モジュールにより制御することができる。
特に、本明細書に記載の制御システムは、柔軟な構成を備える製造ラインの制御に用いることができる。すなわち、制御システム502、508、510は、製造ラインの他の構成要素に連結することができるポータブル装置を利用する複数の構成を収容することができる。様々な実施形態では、製造ラインは、単回使用バイオリアクタシステム、灌流システム、又は連続クロマトグラフィーシステム等の、オリジナルの製造業者の機器を含む1つ以上のスキッドを含んでよい。スキッドはまた、ポンプ等の流量制御装置を含むこともできる。さらに、スキッドは、本明細書では「ドロップ」ともいう1つ以上の通信インタフェースを含んでよく、これにより、可搬式の装置の部品をスキッドに物理的に連結することができる。装置の可搬部品とスキッドとの物理的結合は、電気ケーブルを用いて達成することができる。電気ケーブル配線は、イーサネット通信ができるように構成することができる。特定の例では、電気ケーブル配線は、推奨規格232(RS-232)ケーブル配線であってよい。
装置の携帯型部品は、各々の携帯型部品と製造設備制御システムとの間の通信を可能にするネットワークゲートウェイハードウェア装置を含んでよく、あるいはさもなければそれに連結されてよい。各ポータブル装置用のネットワークゲートウェイハードウェア装置は、各々のスキッドの通信インタフェースに連結することができる。さらに、スキッドの少なくとも一部は、様々な携帯機器に接続されるように論理的に構成することができる。このようにして、特定の製造ラインの構成に基づいて、携帯機器の部品を特定のスキッドに物理的に接続することができ、スキッドは、スキッドに連結された異なる部品に基づいて、異なる構成で動作するように構成することができる。
さらに、携帯可能な装置の部品は、ドングル等の少なくとも1つの情報通信及び/又は記憶装置に連結することができる。情報通信及び/又は記憶装置は、それが連結されている各機器に提供される情報を記憶することができ、それは、製造施設制御システムを介して、各機器の各部品を制御しうる。情報通信及び/又は記憶装置は、各々の機器の1つ以上の識別子、各々の機器の1つ以上の機能、各々の機器に対応する1つ以上の制御信号、各々の機器に関連する1つ以上のステータスフラグ、又はそれらの組み合わせを含む情報を記憶することができる。いくつかの例では、情報通信及び/又は記憶装置により記憶されたデータは、少なくとも部分的には、各々の装置の機能又はタイプに基づくことができる。ポータブル装置の部品が製造ラインに沿って異なる位置に配置される場合、及び/又は異なる機能を有する場合、ポータブル装置の部品の情報通信及び/又は記憶装置は、ポータブル装置の部品の異なる機能及び異なる識別子を示すさらなる情報通信及び/又は記憶装置に切り替えることができる。
さらに、制御システム502、508、510は、従来の制御ソフトウェア及びシステム上で用いうるさらなる論理層を含んでよい。具体的な実施形態では、制御システム502、508、510は、製造ラインに沿った特定の位置にある特定の装置の特定の一連の機能に対応する、様々な識別子、タグ、動作条件、及びフラグに装置のポータブル部品を割り当てることができる、他の抽象化層を含んでよい。このようにして、機器の部品は、機器の位置と機能が分かるまでは、制御システムにおいて論理的に表現されない。従って、装置の携帯型部品は、スキッドの構成要素を制御し、また装置の携帯型部品を制御するために利用される基本的な制御ソフトウェアを変更せずに、様々な組み合わせでスキッドと連結することができる。
例示的な実施例では、第1の製造施設504又は第2の製造施設506に含まれる製造ラインは、単一使用バイオリアクタシステムを含む第1のスキッド、灌流システムを含む第2のスキッド、及び連続第1のクロマトグラフィーシステムを含む第3のスキッドを含んでよい。第1の製造施設504にスキッドが含まれる場合、モジュール式クリーンルーム512、514、516の各々に1つ以上のスキッドを含めてよい。スキッドは、ポータブル機器の複数のポータブル部品に連結するように構成することができる。例えば、スキッドは、携帯可能な保存容器、フィルタバンク、分流バルブシステム(自動切り替えできる交互の二重流路又は多重流路ユニット動作を切り替えるため)、及び/又は他の流量制御装置に連結するインタフェース及び物理的ハードウェアを含んでよい。
さらなる例示では、制御システム502、508、510は、フィルタバンクに連結されたドングルから獲得された情報に基づいて、灌流バイオリアクタと第1のクロマトグラフィーシステムとの間にフィルタバンクを連結させることを決定することができる。この場合、フィルタバンクは、深度フィルタとして動作することができる。制御システム502、508、510は、深度フィルタ用の1つ以上の制御モジュール、フラグ、及び/又は状態識別子を識別し、フィルタバンクが製造ラインで用いられている間に1つ以上の制御モジュールを実行することができる。制御システム502、508、510は、フィルタアセンブリに含まれる圧力センサから獲得された圧力値に基づいて、フィルタバンクのフィルタアセンブリ内の圧力を監視することができる。さらに、制御システム502、508、510は、材料が流れる第1のフィルタアセンブリ内の圧力が、少なくとも閾値レベルに達したと判断することができる。圧力の閾値レベルは、フィルタにより処理可能な材料の量が減少するため、第1のアセンブリに含まれるフィルタを交換する必要があることを示すことができる。その後、制御システム502、508、510は、フィルタバンクの第2のフィルタアセンブリを通過させて材料を流れさせるため、フィルタバンクに連結されたダイバータ弁を制御する信号を送信することができる。その後、第1のフィルタアセンブリに含まれるフィルタを交換することができる。
可搬式装置の部品をスキッドに連結した後、可搬式装置の部品を制御システム502、508、510に登録することができる。携帯機器の部品は、携帯機器の部品が制御システム502、508、510に通信できる固有のアドレスを備えてよい。固有アドレスは、携帯機器の一種と、制御システム502、508、510へのユニット識別子とを示すことができる。携帯型装置の部品に連結されたドングルは、携帯型装置の部品が連結されたスキッドの位置及び携帯型装置の1つ以上の機能的役割に対応するさらなる識別子を格納することができる。例えば、混合タンクは、ポータブル装置の部品の位置及びポータブル装置の部品が連結される液滴の論理的関連に基づいて、供給タンク又は収集タンクとして識別することができる。他の例では、フィルタバンクは、製造ラインの第1の構成においてウイルス濾過装置として識別され、その後、製造ラインの第2の構成において透析濾過装置として識別されうる。この場合、第1のドングルを製造ラインの第1の構成でフィルタバンクに連結し、第2のドングルを製造ラインの第2の構成でフィルタバンクに連結することができる。さらに、フィルタバンクで用いられるフィルタのタイプは、製造ラインの異なる場所でフィルタバンクが用いられる場合に変更することができる。
制御システム502、508、510は、スキッドに連結された後にポータブル装置から情報を得ることに応答して、ポータブル装置の位置及び機能を決定し、対応する制御テンプレートをポータブル装置に割り当てることができる。例えば、保存容器が収集タンクとして機能する場合、制御システム502、508、510は、タグ、フラグ、識別子、及びセットポイントの第1のセットを保存容器に割り当てることができ、保存容器が供給タンクとして機能する場合、制御システム502、508、510は、タグ、フラグ、識別子、及びセットポイントの第2のセットを保存容器に割り当てることができる。その後、制御システム502、508、510は、スキッドに連結された後、ポータブル装置から獲得された情報に基づいて、特定の組の制御モジュールをポータブル装置に割り当てることができる。
様々な実施形態では、大型の保存容器(例えば、体積が1000 Lを超える)等の、携帯可能とは考えられない装置の部品も、スキッドに連結することができる。これらのシナリオでは、非携帯機器の部品は、制御システム502、508、510に関して、非携帯機器の部品の動的構成を可能にするハードウェア及び/又は通信及び記憶装置を含まなくてよい。非携帯型装置の部品が動的に構成されない場合、制御システム502、508、510のオペレータは、非携帯型装置の部品の動作の制御に用いられるテンプレート及び/又は制御モジュールを手動で確立することができる。
制御システム502、508、510は、製造ラインに含まれる装置の部品の制御に加えて、精製された治療用タンパク質医薬物質の製造中のバッチの減衰速度を追跡することもできる。崩壊速度は、「サブロットの製造に用いられた材料を特定し追跡できる期間」と定義することができ、例えば、獲得されたクロマトグラフィー用溶出液プールコレクション(多くのうち1つ)に用いられた材料(緩衝溶液、細胞培養液等)を特定し、動的に追跡することができる。連続的なバッチ製造工程では、制御システム502、508、510は、精製された治療用タンパク質医薬物質の製造工程に対する減衰速度を推定することができる。様々な実施形態では、制御システム502、508、510は、バッチ識別子をバッチ製造の特定部分に割り当て、現在のバッチ識別子が新しいバッチ識別子に変更され、新しいバッチ識別子のために新しい減衰モニタが実行されるまでに、減衰モニタを開始することができる。
様々な実施形態では、グローバル制御システム502は、第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510から獲得されたデータを分析して、第1の製造施設504及び/又は第2の製造施設506に含まれる機器の部品の動作を制御する1つ以上のモデルを生成することができる。グローバル制御システム502はまた、第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510から獲得されたデータを分析して、1つ以上の装置の部品の効率及び/又は生産性、及び/又は第1の製造施設504及び第2の製造施設506に含まれる1つ以上の製造ラインの効率及び/又は生産性を予測するため、1つ以上のさらなるモデルを生成することができる。複数の製造設備から獲得されたデータを用いて、製造ラインの稼動を予測し、設備や製造ラインの部分の効率や生産性を予測することで、より正確なモデルを生成し、モデルをより効率的に生成することができる。グローバル制御システム502はまた、第1の制御システム508及び/又は第2の制御システム510から獲得されたデータを分析して、第1の製造施設504及び第2の製造施設506に含まれる1つ以上の装置のプロセス変数の値を予測するモデルを生成することができる。
特に、従来の製造設備は、しばしば個別化され、従来の製造設備について各々収集されたデータは、その特定の製造設備の制御の決定にしか有用でありえない。対照的に、グローバル制御システム502は、製造設備間の類似性を利用して、従来のシステムよりも迅速に十分な量の関連データを収集することができる。このように、グローバル制御システム502は、製造ラインの効率及び/又は生産性をより迅速に、かつ従来のシステムに関してより正確に予測するため、製造ライン及びモデルの制御に用いられるモデルを生成することができる。これは、モデルの生成に用いることができるグローバル制御システム502に利用可能なデータ量が増えるためである。さらに、製造ラインを制御し、複数の製造設備の効率及び/又は生産性の予測に用いられうる1つのモデル又は1セットのモデルを生成することで、グローバル制御システム502は、異なるモデルが異なる製造設備に対して実行されなくてよく、複数の製造設備の制御に用いられる計算リソースを最小限にすることができる。さらに、単一の制御システムは、複数の製造設備に対してモデルを実行することができる。
特に実施形態では、グローバル制御システム502は、第1の製造設備504に含まれる1つ以上の製造ラインについての様々なプロセス条件を示す第1のローカル制御システム508からデータを獲得しうる。プロセス条件は、1つ以上の製造ライン内の装置の部品に関連するセンサにより得られるデータに対応することができる。いくつかの例示的な例では、プロセス条件は、pH値、温度値、キャパシタンス値、流量、体積、質量/重量値、1つ以上の物質の濃度、細胞数、又はそれらの組み合わせに対応しうる。グローバル制御システム502は、第1のローカル制御システム508から獲得されたデータを分析して、1つ以上の製造ラインの効率及び/又は生産性の指標である多数の要因を決定することができる。様々な実施形態では、グローバル制御システム502は、第1の製造施設から獲得されたデータに基づいて個々の要因に対する有意性を決定し、閾値レベルを超える有意性がある要因を同定することができる。その後、グローバル制御システム502は、少なくとも閾値有意性がある要因に対応する変数を有するモデルを生成することができる。このようにして、グローバル制御システム502は、1つ以上の製造ラインの効率及び/又は生産性に少なくとも閾値量の影響を及ぼす要因に基づいて、効率及び/又は生産性の予測に実行可能なモデルを生成することができる。
グローバル制御システム502は、第1の製造施設502の1つ以上の製造ラインの効率及び/又は生産性に少なくとも閾値量の影響を及ぼす要因を決定するため、1つ以上の機械学習技術を利用することができる。例えば、グローバル制御システム502は、推論モデル化技術を利用して、第1の製造施設502の1つ以上の製造ラインの効率及び/又は生産性に少なくとも閾値量の影響を及ぼす要因を決定することができる。例示的な実施例では、グローバル制御システム502は、部分最小二乗技術を実行して、第1の製造施設504に含まれる1つ以上の製造ラインの生産性及び/又は効率に少なくとも閾値量の影響を及ぼす要因を決定することができる。さらなる例示的な実施例では、グローバル制御システム502は、第1の製造設備504に含まれる1つ以上の製造ラインの生産性及び/又は効率に少なくとも閾値量の影響を及ぼす要因を決定するため、多項式遅延技術を実行することができる。グローバル制御システム502はまた、モデルに含まれる各要因に対応する係数を決定することができる。係数は、1つ以上の製造ラインの生産性及び/又は効率に対する各要因の影響の量を示すことができる。
様々な実施形態では、グローバル制御システム502は、部分最小二乗法を用いて、第1の製造施設504から第1の期間にわたって獲得されたデータを分析して、製造及び/又は効率に少なくとも閾値の影響を及ぼす1つ以上の要因を決定して、モデルに含め、第1の期間の後に第2の期間にわたって獲得されたデータを利用して、モデルを検証することができる。特定の実施例では、グローバル制御システム502は、設定日付及び/又は設定時間の少なくとも2日前の期間の第1の製造設備504から獲得されたデータを、部分最小二乗法を用いて分析し、その期間中に獲得されたデータに基づいてモデルを生成することができる。その後、グローバル制御システム502は、設定日付及び/又は時間の後の少なくとも1日の期間の間に獲得されたデータを利用して、モデルを検証することができる。
グローバル制御システム502は、第1の製造施設504から獲得されたデータが経時的に変化すると、モデルに含まれる要因及び/又は要因に関連する係数を修正することができる。例えば、グローバル制御システム502は、第1の製造施設504から獲得されたデータの変更に基づいて、モデルに含まれる要因を変更することができる。例示のため、グローバル制御システム502は、グローバル制御システム502により同定された初期の要因セットよりも、異なる要因セットが製造ラインの生産性及び/又は効率に及ぼす影響の閾値量を有することを決定することができる。この場合、グローバル制御システム502は、製造ラインの効率及び/又は生産性を予測するために用いられるモデルに含まれる要因を修正することができる。さらなる実施例では、グローバル制御システム502は、第1の製造施設504の1つ以上の製造ラインからグローバル制御システム502により獲得されたデータに対する変更に基づいてモデルの係数を修正すべきであると決定することができる。いくつかの実施形態では、グローバル制御システム502は、モデルを継続的に更新するために、時間のローリングウィンドウを利用することができる。すなわち、グローバル制御システム502は、第1の製造施設504から所定の時間にわたって獲得されたデータを定期的に分析し、第1の製造施設504から獲得されたデータの変化に基づいて、モデルに含まれる因子及び/又は係数の1つ以上を修正することができる。
様々な実施形態では、グローバル制御システム502は、前日の生存細胞密度、細胞生存率、溶存酸素測定値、二酸化炭素レベル、温度、及び/又はpH等の因子が、第1の製造施設504に含まれる1つ以上の製造ラインに少なくとも閾値の影響を及ぼすことを決定することができる。特定の例では、モデルに含めるべき因子を決定するためにグローバル制御システム502により分析されたデータを、第1の製造設備504に含まれるバイオリアクタから獲得しうる。さらなる実施例では、モデルに含まれる因子を決定するためにグローバル制御システム502により分析されるデータを、1つ以上のクロマトグラフィーシステムから獲得しうる。さらに他の例では、モデルに含まれる要因を決定するためにグローバル制御システム502により分析されたデータを、1つ以上のフィルタバンク、1つ以上の保存容器、1つ以上の温度制御装置、1つ以上のポンピング装置、又はそれらの組み合わせから獲得しうる。
いくつかの実施形態では、グローバル制御システム502は、第1の製造施設504の製造ラインに含まれる個々の装置のモデルを決定することができる。さらに、グローバル制御システム502は、複数の機器を含む単一の製造ラインのモデルを決定することができる。さらに、製造ラインの構成が変化すると、グローバル制御システム502は、製造ラインの異なる構成に対して異なるモデルを生成することができる。グローバル制御システム502により生成されたモデルに含まれる因子はまた、少なくとも部分的に、バイオリアクタ体積、製造ラインにより製造された精製された生物学的治療薬、生物学的治療薬の製造に利用される細胞株、予測される生産性及び/又は効率の尺度、及び/又はプロセスが灌流プロセスであるかバッチプロセスであるかに基づいてよい。製造ラインについての生産性及び/又は効率の測定の例としては、収量、力価、純度、及び生存細胞密度があげられる。ある場合、生産性及び/又は効率の単一の尺度のために、グローバル制御システム502によりモデルを生成することができ、他方、他のシナリオでは、グローバル制御システム502は、生産性及び/又は製造ラインの効率の複数の尺度用モデルを生成することができる。
特に例示的な実施例では、グローバル制御システム502は、2リットルの供給されたバッチのバイオリアクタからデータを得て、前日の生存細胞密度、細胞生存率、溶存酸素レベル、二酸化炭素レベル、温度、pH、又は最後の生存細胞密度測定以降の時間の少なくとも1つに対応する因子を含む、2リットルの供給されたバッチのバイオリアクタの将来の生存細胞密度を予測するモデルを生成することができる。他の例示的な実施例では、全体制御システム502は、灌流バイオリアクタからデータを得て、灌流バイオリアクタについてのモデルを生成して、灌流速度、前日の生存細胞密度、及び細胞生存率のうちの少なくとも1つに対応する因子を含む将来の生存細胞密度を予測することができる。
グローバル制御システム502はまた、第1のローカル制御システム508から獲得されたデータを分析して、精製された生物学的治療薬を製造する製造ラインの効率及び/又は生産性に影響を及ぼす要因に影響を及ぼす要因を決定することができる。本明細書に記載される実施形態では、プロセスの効率及び/又は生産性の指標となりうる因子は「プロセス変数」といい、プロセス変数に影響しうる因子は「制御変数」という場合がある。特に、実施形態では、制御変数は、製造ラインに含まれる装置の制御設定に関連付けることができる。例えば、温度は、バイオリアクタ又は熱交換器等の装置の部品の温度設定を変更することにより影響を受けることができる。さらなる例では、酸性緩衝溶液又は塩基性緩衝溶液をバイオリアクタ、クロマトグラフィーシステム、又は保存容器等の装置に添加することにより、pHが影響されうる。様々な実施形態では、所与のプロセス変数に対する制御変数の少なくとも一部は、他のプロセス変数に対する制御変数と同一でありうるが、さらなるシナリオでは、指定されたプロセス変数に対する制御変数の少なくとも一部は、さらなるプロセス変数に対する制御変数と異なってよい。例示のために、溶存酸素レベルに影響を及ぼす制御変数の少なくとも1つは、細胞生存率に影響を及ぼす制御変数の少なくとも1つとは異なってよい。
1つ以上のプロセス変数に影響を及ぼすように変更することができる制御変数は、直接関連しない場合がある。特定の例では、細胞密度が最小閾値未満であるプロセスは、そのプロセスに添加される細胞数の増加に応答して、細胞密度がより高くない場合がある。さらに、細胞密度が最大閾値を超えるプロセスは、例えば、出血速度を高めることにより、プロセスから取り出された細胞の数を減少させることに応答して、細胞密度がより低くなる。この場合、機械学習技術は、第1のローカル制御システム508からグローバル制御システム502により取得されたデータに関して実行され、1つ以上のプロセス変数に少なくとも閾値量の影響を及ぼしうる制御変数を決定することができる。いくつかの実施形態では、部分最小二乗法等の推論機械学習技術を用いて、個々のプロセス変数に対応する1つ以上の制御変数を決定することができる。
第1のローカル制御システム508から獲得されたデータを用いてグローバル制御システム502により生成されたモデルも、さらなる製造設備に含まれる他の製造ラインに関して利用することができる。例えば、第1のローカル制御システム508から獲得されたデータを用いてグローバル制御システム502により生成されたモデルは、第2の製造施設506に含まれる1つ以上の製造ラインに関して利用することができる。さらに、グローバル制御システム502は、第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510の両方から獲得されたデータを用いて、第1の製造施設504及び第2の製造施設506の1つ以上の製造ラインの効率及び/又は生産性の予測用に1つ以上のモデルを生成することができる。
グローバル制御システム502はまた、制御パラメータ及び/又は製造ラインに含まれる機器用の設定を決定する際に用いられうる様々なプロセス変数の値を予測するモデルを生成することができる。特に実施形態では、第1のローカル制御システム508及び/又は第2のローカル制御システム510から獲得されたデータを分析して、プロセス変数の値を予測する際に有意であり、かつプロセス値変数を予測するモデルにおいて少なくとも有意の閾値量を有する因子を含む因子を決定することができる。その後、グローバル制御システム502は、プロセス変数についての予測値を、それらのプロセス変数についての様々な閾値と比較することができる。プロセス変数の閾値は、特定の装置又はプロセスに関していつ行動をとるべきかを示すことができる。このように、1つ以上のプロセス変数が指定された閾値外にある場合、グローバル制御システム502は、閾値に関するプロセス変数の値に基づいて実行可能な1つ以上のアクションを決定することができる。様々な実施形態では、グローバル制御システム502は、プロセス変数の値を閾値内に戻すために実行可能な1つ以上のアクションを決定することができる。
様々な実施形態では、グローバル制御システム502は、製造ラインの類似の構成を有する施設における生産性、効率、及び/又は製造ラインの制御を決定するモデルを生成することができる。製造ラインの構成は、製造ラインに含まれる機器が同一又は類似の種類のものであり、かつ/又は同一又は類似の順序で配置されている場合、他の構成と同様でありうる。また、グローバル制御システム502は、複数の製造施設に含まれる個々の装置の生産性、効率、及び/又は制御を決定するためのモデルを生成することができる。すなわち、グローバル制御システム502は、複数の製造施設に含まれるバイオリアクタの生産性、効率、及び/又は制御を予測するモデルを決定することができる。様々な実施形態では、モデルは、第1の製造施設504及び第2の製造施設506等の複数の製造施設に含まれる、同一又は類似のサイズ及び/又は同一の製造会社により製造されたバイオリアクタの生産性、効率、及び/又は制御を予測することができる。さらなる例では、グローバル制御システム502は、複数の製造施設に含まれる同一の製造会社により製造された、又は同一の又は類似のサイズである連続クロマトグラフィーシステムの生産性、効率、及び/又は制御を予測することができる。特定の場合、グローバル制御システム502は、クロマトグラフィーシステムに含まれるクロマトグラフィーカラムの数、クロマトグラフィーシステムのカラムの長さ、クロマトグラフィーシステムにより処理される分子のサイズ及び/又は分子量、又はそれらの組み合わせを説明するモデルを生成することができる。
特に、実施形態では、グローバル制御システム502は、バイオリアクタ内の異なる成長相についてモデルを生成することができる。例えば、グローバル制御システム502は、1つ以上の製造施設に含まれるバイオリアクタの増殖相の生産性、効率、及び/又は制御を予測する第1のモデルを生成することができる。さらなる例では、グローバル制御システム504は、1つ以上の製造施設に含まれるバイオリアクタの定常相の生産性、効率、及び/又は制御を予測する第2のモデルを生成することができる。
さらに、グローバル制御システム502は、第1の製造施設504及び/又は第2の製造施設506の製造ラインに含まれる1つ以上の装置の生産性、効率、及び/又は制御に関して、1つ以上のモデルを適用できる期間を決定することができる。グローバル制御システム502はまた、第1の製造施設502及び/又は第2の製造施設506の製造ラインに含まれる1つ以上の装置の生産性、効率、及び/又は制御に関して1つ以上のモデルが適用できない期間を決定することができる。例示のため、グローバル制御システム502は、グローバル制御システム502により生成されたモデルによりなされた予測の精度が精度の閾値レベルを超える条件に対応するパラメータを決定することができる。いくつかの例示的な例では、グローバル制御システム502は、温度、pH値、流速、細胞培養培地、最終生成物、製造ラインで用いられる装置、生存細胞密度値、二酸化炭素レベル、溶存酸素レベル、又はそれらの組み合わせの値を、与えられたモデルに適用可能なものとして決定することができる。プロセスの条件が、1つ以上のモデルに適用可能なものから外れている場合、グローバル制御システム502は、1つ以上のデフォルト動作モードを決定し、及び/又は、プロセス条件が、グローバル制御システム502により生成された1つ以上のモデルが適用可能なものから外れていることを示す通知をオペレータに送信することができる。
グローバル制御システム502はまた、第1ローカル制御システム508及び第2ローカル制御システム510から獲得されたデータから欠落しているかもしれないデータポイントを決定することができる。例えば、グローバル制御システム502は、第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510からデータを周期的に取得することができる。ある場合、グローバル制御システム502により受信されると予想されるデータの少なくとも一部は受信されないことがある。これらのシナリオでは、グローバル制御システム502は、欠落データなしで、モデルを生成し、及び/又は第1の製造施設504及び/又は第2の製造施設506の制御に関連する計算を実行することができる。他の実施形態では、グローバル制御システム502は、欠落データを推定することができる。例示のために、グローバル制御システム502は、欠落データを推定するため、以前のデータを利用することができる。例示的な実施例では、グローバル制御システム502は、欠落データを、ある期間にわたる前の値の平均を用いて埋めることができる。他の例示的な実施例では、グローバル制御システム502は、1つ以上の前の値を複製することで、欠落データを埋めることができる。特定の例示的な実施例では、グローバル制御システム502は、第1の製造設備504に含まれるバイオリアクタから1つ以上のpH値が欠落していると判断することができる。グローバル制御システム502は、バイオリアクタのpHの以前の値を利用して、欠落データを満たすことができ、グローバル制御システム502は、欠落データを含むデータセットを用いて、バイオリアクタの生産性、効率、及び/又は制御に関連する1つ以上のモデルを行うことができる。特定の実施形態では、グローバル制御システム502は、データの閾値量が欠落する場合、例えば、データポイントの閾値数が特定の期間にわたって欠落する場合、欠落データを埋める必要があると判断することができる。
図5の例示的な例は、第1の製造設備504及び第2の製造設備506を含むが、グローバル制御システム502は、より多くの製造設備の生産性、効率、及び/又は制御を予測するモデルを生成することができる。さらに、グローバル制御システム502は、モジュール式クリーンルーム内に配置された製造ラインを含む複数の製造施設に適用可能なモデルを生成することができる。グローバル制御システム502はまた、モジュール式クリーンルーム内に位置しない製造ラインを含む複数の製造施設に適用可能なモデルを製造することができる。さらにさらなる場合、グローバル制御システム502は、モジュール式クリーンルーム内に配置された製造ラインを有する製造施設及びモジュール式クリーンルーム内に配置されない製造ラインを有する製造施設の両方に適用可能なモデルを製造することができる。さらに、グローバル制御システム502は、第1の製造施設504及び第2の製造施設506に関連して用いられうるモデルを生成し、そのモデルを第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510に渡すことができる。これらのシナリオでは、第1のローカル制御システム508及び第2のローカル制御システム510は、第1の製造施設504及び第2の製造施設506に配置された装置の部品から獲得されたデータを分析し、そのデータをグローバル制御システム502により提供されるモデルに適用することができる。このようにして、第1の製造施設504及び第2の製造施設506に関してモデルを実施するために実行される計算は、第1のローカル制御システム508、第2のローカル制御システム510、及び/又はグローバル制御システム502により実行されうる。
図6は、1つ以上の生物学的治療薬の製造に用いられる装置の部品を含む、多数のモジュール式クリーンルームを含む、製造施設600の概略図である。例えば、製造設備600は、第1のモジュール式クリーンルーム602を含んでよい。第1のモジュール式クリーンルーム602は、細胞培養培地、細胞増殖材料、及び1つ以上の緩衝溶液を用いて、組換え治療用タンパク質等の生物学的治療薬を行うことができる少なくとも1つのバイオリアクタを含んでよい。1つ以上の例では、第1のモジュール式クリーンルーム602は、さらなる機器部品を含んでよい。様々な実施形態では、第1のモジュール式クリーンルーム602は、灌流システムを含んでよい。さらなる実施形態では、第1のモジュール式クリーンルーム602は、バイオリアクタにより製造された流出物を処理する連続クロマトグラフィーシステムを含んでよい。1つ以上の例示的な実施例では、第1のモジュール式クリーンルーム602は、バイオリアクタにより製造された流出物をウイルス不活化する装置を含んでよい。例示のため、第1のモジュール式クリーンルーム602は、1つ以上のポンプ装置が、ウイルス不活化プールを製造するために1つ以上の保存容器内に保存された物質に酸又は界面活性剤を供給できるように、バイオリアクタにより製造された流出物を保存する1つ以上の保存容器を含んでよい。
図6の例示的な実施例では、製造設備600は、第2のモジュール式クリーンルーム604及び第3のモジュール式クリーンルーム606も含んでよい。第2のモジュール式クリーンルーム604は、第1のさらなるバイオリアクタを含んでよく、第3のモジュール式クリーンルーム606は、第2のさらなるバイオリアクタを含んでよい。第2のモジュール式クリーンルーム604に含まれる第1のさらなるバイオリアクタ、及び/又は第3のモジュール式クリーンルーム606に含まれる第2のさらなるバイオリアクタを用いて、第1のモジュール式クリーンルーム602に位置するバイオリアクタと同じ生物学的治療薬を製造することができる。様々な実施形態では、第2のモジュール式クリーンルーム604に含まれる第1のさらなるバイオリアクタ、及び/又は第3のモジュール式クリーンルーム606に含まれる第2のさらなるバイオリアクタは、同時に作動して、生物学的治療薬を製造することができる。さらなる実施形態では、第2のモジュール式クリーンルーム604に含まれる第1のさらなるバイオリアクタ、及び/又は第3のモジュール式クリーンルーム606に含まれる第2のさらなるバイオリアクタは、第1のモジュール式クリーンルーム602に含まれるバイオリアクタが一定量の生物学的治療薬を製造した後、第2のモジュール式クリーンルーム604に含まれる第1のさらなるバイオリアクタの少なくとも1つ、又は第3のモジュール式クリーンルーム606に含まれる第2のさらなるバイオリアクタの少なくとも1つが、さらなる量の生物学的治療薬を製造することができるように、直列的に動作することができる。
さらなる実施形態では、第2のモジュール式クリーンルーム604に含まれる第1のさらなるバイオリアクタのうちの少なくとも1つ、又は第3のモジュール式クリーンルーム606に含まれる第2のさらなるバイオリアクタを用いて、第1のモジュール式クリーンルーム602に含まれるバイオリアクタにより製造される生物学的治療薬とは異なる生物学的治療薬を製造することができる。1つ以上の実施形態では、第2のモジュール式クリーンルーム604及び/又は第3のモジュール式クリーンルーム606は、バイオリアクタに加えて、1つ以上のクロマトグラフィーシステム、1つ以上の保存容器、1つ以上のポンピング装置、1つ以上の灌流システム、1つ以上のフィルタ装置、又はそれらの1つ以上の組み合わせ等の装置の部品を含んでよい。1つ以上の例示的な実施例では、第1のモジュール式クリーンルーム602、第2のモジュール式クリーンルーム604、又は第3のモジュール式クリーンルーム606のうちの少なくとも1つは、図2に関して説明した装置の配置に対応する装置の部品の配置を含んでよい。
製造設備600はまた、第4のモジュール式クリーンルーム608を含んでよい。第4のモジュール式クリーンルーム608は、第1のモジュール式クリーンルーム602、第2のモジュール式クリーンルーム604、又は第3のモジュール式クリーンルーム606のうちの少なくとも1つに配置された1つ以上の装置により製造された材料の精製に用いられうる装置を含んでよい。例えば、第4のモジュール式クリーンルーム608は、1つ以上のクロマトグラフィーシステムを含んでよい。様々な例では、第4のモジュール式クリーンルーム608内に配置された1つ以上のクロマトグラフィーシステムは、第1のモジュール式クリーンルーム602、第2のモジュール式クリーンルーム604、又は第3のモジュール式クリーンルーム606のうちの少なくとも1つから伝達されたウイルス不活化物質を精製することができる。1つ以上の実施形態では、第4のモジュール式クリーンルーム608は、ウイルス不活化物質を製造するための装置を含むことができ、当該ウイルス不活化物質は、その後、第4のモジュール式クリーンルーム608内に配置された1つ以上のクロマトグラフィーシステムを用いて精製される。さらに、第4のモジュール式クリーンルーム608は、1つ以上のウイルス濾過装置を含んでよい。1つ以上のウイルス濾過装置は、無ウイルスの透過液を製造することができる。1つ以上の例示的な実施例では、第4のモジュール式クリーンルーム608内に含まれる装置の部品の配置は、図3に関して説明した装置の配置に対応しうる。
さらに、製造施設600は、第5のモジュール式クリーンルーム610を含んでよい。第5のモジュール式クリーンルーム610は、第4のモジュール式クリーンルーム608内に配置された装置により製造された無ウイルスの透過液に関して1つ以上の濾過操作を行うことができる1つ以上のさらなる濾過装置を含んでよい。例示のために、第5のモジュール式クリーンルーム610は、1つ以上の限外濾過操作を行うための1つ以上の濾過装置を含んでよい。1つ以上の実施形態では、第5のモジュール式クリーンルーム610は、1つ以上の透析濾過操作を行うための1つ以上の濾過装置を含んでよい。製造設備600はまた、第4のモジュール式クリーンルーム608内に配置された装置により製造された無ウイルスの透過液に関して、1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つを行うための1つ以上の装置を含んでよい第6のモジュール式クリーンルーム612を含んでよい。第5のモジュール式クリーンルーム610内に配置された装置及び第6のモジュール式クリーンルーム612内に配置された装置は、第4のモジュール式クリーンルーム608内に配置された装置により製造された無ウイルスの透過液を処理するために同時に動作することができる。さらなる実施形態では、第5のモジュール式クリーンルーム610内に配置された装置及び第6のモジュール式クリーンルーム612内に配置された装置は、第4のモジュール式クリーンルーム608内に配置された装置により製造された無ウイルスの透過液を処理するために、異なる時間で、又は連続的に動作することができる。1つ以上の例示的な実施例では、第5のモジュール式クリーンルーム610又は第6のモジュール式クリーンルーム612のうちの少なくとも1つに配置される装置の配置は、図4に関して説明した装置の配置に対応しうる。
さらに、製造施設600は、第7のモジュール式クリーンルーム614を含んでよい。第7のモジュール式クリーンルーム614は、1つ以上のセル膨張操作を実行するための1つ以上の装置を含んでよい。様々な例では、第7のモジュール式クリーンルーム614に含まれる装置の部品により製造された電池は、第1のモジュール式クリーンルーム602、第2のモジュール式クリーンルーム604、及び/又は第3のモジュール式クリーンルーム606に含まれる1つ以上のバイオリアクタにより用いることができる。
個々のモジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614は、同一又は類似の寸法であってよい。さらなる実施形態では、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ以上は、少なくとも1つの他のモジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614とは異なる寸法であってよい。1つ以上の例示的な実施例では、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614は、約15,000ft~約50,000 ftの面積であってよい。さらに、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614は、1つ以上のクリーンルーム基準に従って操作することができる。例えば、第5のモジュール式クリーンルーム610、第6のモジュール式クリーンルーム612、又は第7のモジュール式クリーンルーム614の少なくとも1つの環境は、ISO 7のクリーンルーム基準に従って維持することができる。加えて、第4のモジュール式クリーンルーム608の環境は、ISO 8クリーンルーム基準に従って維持することができる。ある状況では、第4のモジュール式クリーンルーム608の環境は、ISO 8のクリーンルーム基準に従って維持することができる。1つ以上の実施形態では、第1のモジュール式クリーンルーム602、第2のモジュール式クリーンルーム604、又は第3のモジュール式クリーンルーム606の少なくとも1つの環境は、ISO 8又はISO 7のクリーンルーム基準に従って維持することができる。
さらに、図6の例示的な実施例に示される製造設備600は、特定のレイアウトに従って配置される7つのモジュール式クリーンルームを含むが、1つ以上のさらなる実施形態では、製造設備600は、1つ以上の異なるレイアウトに従って配置される異なる数のモジュール式クリーンルームを含んでよい。さらに、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614は、図6の例示的な実施例に示されているものとは異なる位置に配置することができる。
製造設備600はまた、ステージング領域616を含んでよい。ステージング領域616は、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ以上に配置された装置に移される材料を保存することができる保存容器を含んでよい。さらに、ステージング領域616は、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ以上から移される材料を保存することができる1つ以上の保存容器を含んでよい。様々な実施例では、ステージング領域616内に配置された1つ以上の保存容器を、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、又は614のうちの少なくとも1つの少なくとも1つのポートに連結して、1つ以上の各々のモジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614の中又は外へ材料を移すことができる。
製造施設600はまた、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ以上に位置する装置により実行される操作をサポートすることができる多くのさらなる領域を含んでよい。例えば、製造設備600は、品質管理及び/又は出荷制御又はラベル表示制御に対応しうる第1の領域616を含んでよい。様々な例では、品質管理試料は、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの少なくとも1つに含まれる1つ以上の機器に関して獲得しうる。その後、品質管理試料を、品質管理領域616において試験することができる。
加えて、製造施設600は、準備領域に対応しうる第2の領域618を含んでよい。例示のために、緩衝溶液及び/又は細胞培養培地の少なくとも1つは、第2の領域618において調製されうる。製造設備600はまた、洗浄及び洗浄領域に対応しうる第3の領域620を含んでよい。1つ以上の生物学的治療薬の製造及び/又は保存に用いられる機器は、第3の領域620で洗浄及び/又は滅菌することができる。一つ以上の実施形態では、製造設備600は、計量及び/又は保存領域に対応しうる第4の領域622を含んでよい。例えば、第4の領域622を用いて、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ以上に移される材料の重量を測定することができる。第4の領域622はまた、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ以上から移される材料の重量を測定するために用いることができる。加えて、第4の領域622は、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの少なくとも1つに含まれる1つ以上の機器により用いられる材料を保存する1つ以上の保存容器を含んでよい。さらに、第4の領域622は、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの少なくとも1つに含まれる装置により製造された材料を保存する1つ以上の保存容器を含んでよい。
図6の例示的な実施例は、製造施設600が、さらなる実施形態では、4つのさらなる領域616、618、620、622を含むことを示すが、製造施設600は、1つ以上の動作が行われるさらなる領域を含んでよい。例えば、製造施設600は、事務所スペース、1つ以上の出荷エリア、1つ以上の受入エリア、1つ以上の廃棄物処分エリア、1つ以上の倉庫エリア、等のうちの少なくとも1つを含んでよい。また、様々な動作が各々の領域616、618、620、622に関連して説明されているが、これらの動作は各々の領域616、618、620、622の内外で行うことができる。さらに、各々の領域616、618、620、622のうちの1つに関連して記載された動作は、様々な実施形態では、各々の領域616、618、620、622のうちの他の領域に統合することができる。加えて、さらなる領域616、618、620、622は、製造設備600内の各々のサイズを有するように示されているが、各々の領域616、618、620、622に関連する相対的な領域は、図6の例示的な実施例に示されているものとは異なってよい。
1つ以上の例では、第1のモジュール式クリーンルーム602に含まれるバイオリアクタ、第2のモジュール式クリーンルーム604に含まれる第1のさらなるバイオリアクタ、又は第3のモジュール式クリーンルーム606に含まれる第2のさらなるバイオリアクタのうちの少なくとも1つが、第1の生物学的治療薬のための製造工程を完了し、第1のモジュール式クリーンルーム602に含まれるバイオリアクタ、第2のモジュール式クリーンルーム604に含まれる第1のさらなるバイオリアクタ、又は第3のモジュール式クリーンルーム606に含まれる第2のさらなるバイオリアクタのうちの少なくとも1つが、製造工程において用いられ、第2の異なる生物学的治療薬を製造することができる。これらのシナリオでは、装置は、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ以上のクリーンルームに移動及び/又はモジュール式クリーンルームから移動させることができる。例えば、ポンプ装置、フィルタ装置、クロマトグラフィーシステム、又は保存容器のうちの少なくとも1つは、モジュール式クリーンルーム602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ以上に含まれる装置が、第2の生物学的治療薬の製造に適当に配置されるように、製造施設内の場所を変更することができる。様々な例では、異なるバイオリアクタを用いて第2の生物学的治療薬を製造することができ、一方、バイオリアクタから下流にある1つ以上のプロセスに含まれる装置は、最初の生物学的治療薬の製造に実施されるプロセスと類似してよく、又は同一であってよい。例示のために、第1の生物学的治療薬は、第1のモジュール式クリーンルーム602に含まれるバイオリアクタにより製造することができ、精製及びウイルス後操作は、各々第4のモジュール式クリーンルーム608及び第5のモジュール式クリーンルーム610に含まれる装置により行うことができる。さらに、第2の生物学的治療薬は、第2のモジュール式クリーンルーム604に含まれる第1のさらなるバイオリアクタにより製造することができ、精製操作は、第4のモジュール式クリーンルーム608に含まれる装置でも行うことができる。その後のウイルス後操作は、第5のモジュール式クリーンルーム610又は第6のモジュール式クリーンルーム612に含まれる装置により行うことができる。1つ以上の実施形態では、第4のモジュール式クリーンルーム608、第5のモジュール式クリーンルーム610、又は第6のモジュール式クリーンルーム612のうちの少なくとも1つに含まれる機器が再利用される前に、第2の生物学的治療薬的クリーンルーム608、第5のモジュール式クリーンルーム610、又は第6のモジュール式クリーンルーム612のうちの少なくとも1つに含まれる機器に対して、第2の生物学的治療薬的クリーンルーム612の前に、第2の生物学的治療薬的クリーンルーム608、第5のモジュール式クリーンルーム610、又は第6のモジュール式クリーンルーム612のうちの少なくとも1つに含まれる機器に対して、第2の生物学的治療薬的クリーン操作を行うことができる。さらに、第4のモジュール式クリーンルーム608、第5のモジュール式クリーンルーム610、又は第6のモジュール式クリーンルーム612のうちの少なくとも1つに含まれる装置が、第2の生物学的治療薬を行うために再利用される前に、第4のモジュール式クリーンルーム608、第5のモジュール式クリーンルーム610、又は第2の生物学的治療薬を行うために用いられる第6のモジュール式クリーンルーム612のうちの少なくとも1つに含まれる装置に関して、単回使用構成要素を交換することができる。
様々な実施形態では、製造施設全体にわたる設備及び/又は材料の移送は、各々の設備に割り当てられた識別子、各々の試料に割り当てられた識別子、各々の保存容器に割り当てられた識別子、又はそれらの1つ以上の組み合わせを用いて追跡することができる。例示的な例では、個々の識別子は、英数字識別子、バーコード、クイックレスポンスコード(QR)、又は無線周波数識(RFID)他のうちの少なくとも1つにより符号化することができる。このようにして、材料及び装置が製造施設600内の場所を変更すると、材料及び装置の各々の特性は、所与の時点で識別されうる。
図7は、精製された生物学的治療薬を製造する製造ラインを制御するためのシステム700のいくつかの実施形態を示す。システム700は、1つ以上の計算装置702により実行することができるグローバルシステム502を含む。ある実施形態では、1つ以上の計算装置702は、グローバル制御システム502を実施するエンティティに代わって1つ以上の計算装置702を動作させるクラウドコンピューティングアーキテクチャに含めることができる。これらのシナリオでは、クラウドコンピューティングアーキテクチャは、1つ以上の計算装置702を用いて、グローバル制御システム502を実施するエンティティに代わって、1つ以上の仮想マシンインスタンスをインスタンス化することができる。クラウドコンピューティングアーキテクチャは、グローバル制御システム502を実施するエンティティから離れた場所に配置することができる。さらなる実施形態では、1つ以上の計算装置702は、グローバル制御システム502を実施するエンティティの直接的な制御下にあってよい。例えば、グローバル制御システム502を実施するエンティティは、1つ以上の計算装置702を維持し、1つ以上の生物学的治療薬を製造する製造ラインに含まれる機器の部品の効率、生産性、及び/又は制御に関する1つ以上のモデルの生成に関連する動作を実行することができる。様々な実施形態では、1つ以上の計算装置702は、1つ以上のサーバコンピュータを含んでよい。
グローバル制御システム502は、プロセッサ704等の1つ以上のプロセッサを含んでよい。1つ以上のプロセッサ704は、マイクロプロセッサ等の少なくとも1つのハードウェアプロセッサを含んでよい。場合によっては、1つ以上のプロセッサ704は、中央処理装置、画像処理装置、又はCPUとGPUの両方、又は他の処理装置を含んでよい。さらに、1つ以上のプロセッサ704は、プログラムモジュール、プログラムデータ、及び/又は1つ以上のオペレーティングシステムを記憶することができるローカルメモリを含んでよい。
さらに、グローバル制御システム502は、コンピュータ読取可能記憶媒体706等の、1つ以上のコンピュータ読取可能記憶媒体を含んでよい。コンピュータ読取可能記憶媒体706は、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ等の情報の記憶のためのいかなる技術で実施される揮発性及び不揮発性メモリ、及び/又は取り外し可能及び非取り外し可能媒体を含んでよい。そのようなコンピュータ読取可能記憶媒体706は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク又は他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、固体記憶装置、磁気ディスク記憶装置、RAID記憶システム、記憶アレイ、ネットワーク接続記憶装置、記憶領域ネットワーク、クラウド記憶装置、リムーバブル記憶媒体、又は所望の情報を記憶するために用いることができ、計算装置によりアクセスすることができる他のいかなる媒体を含んでよいが、これらに限定されない。グローバル制御システム502の構成に応じて、コンピュータ読取可能記憶媒体706は、有形のコンピュータ読取可能記憶媒体の一種であってよく、非一時的記憶媒体であってよい。
グローバル制御システム502は、インターネット、ケーブルネットワーク、衛星ネットワーク、ワイドエリア無線通信ネットワーク、有線ローカルエリアネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、又は公衆交換電話ネットワークのうちの1つ以上のネットワークを介して、他の計算装置と通信するための1つ以上の通信インタフェース708を含んでよい。
コンピュータ読取可能記憶媒体706は、1つ以上のプロセッサ704により実行可能な任意の数の機能成分を記憶するために用いることができる。多くの実施形態では、これらの機能成分は、1つ以上のプロセッサ704により実行可能であり、実行されると、グローバル制御システム502に帰属された動作を実行するための動作ロジックを実施する命令又はプログラムを含む。本明細書に記載される、生物学的治療薬を製造する製造ラインの制御及び操作に関連する様々な機能及び特徴を行うために1つ以上のプロセッサ704上で実行可能なグローバル制御システム502の機能構成要素は、プロセスデータ収集命令710、システム制御命令712、プロセスデータ分析命令714、及びモデル生成命令716を含む。
さらに、1つ以上の計算装置702は、1つ以上の入出力装置(図示せず)を含んでよい。1つ以上の入出力装置は、表示装置、キーボード、リモートコントローラ、マウス、プリンタ、オーディオ入出力装置、スピーカ、マイクロホン、カメラ等を含んでよい。
グローバル制御システム502はまた、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、1つ以上のハード・ディスク、ソリッド・ステート・ドライブ、光メモリ(例えば、CD、DVD)、又は他の非過渡メモリ技術を含んでよいが、これらに限定されないデータ記憶装置718を含んでよく、又はこれに連結されてよい。データ記憶装置718は、グローバル制御システム502により利用される情報を維持し、生物学的治療薬を製造する製造ラインの制御及び操作に関連した操作を実行することができる。例えば、データ記憶装置718は、プロセスデータ720及び制御モジュール722を記憶することができる。プロセスデータ720は、生物学的治療薬を製造する製造ラインに含まれる装置の部品に連結されたセンサから獲得された値を含んでよい。制御モジュール722は、生物学的治療薬を製造する製造ラインに含まれうる様々な装置を制御する命令を含んでよい。制御モジュール722は、セットポイント、閾値、ステータスフラグ、タグ、識別子、装置特性、それらの組み合わせ等を含んでよい。いくつかの例では、設備特性は、各々の設備の種類、設備のサイズ(例えば、体積)を含んでよい。
プロセスデータ収集命令710は、1つ以上のプロセッサ704により実行可能であり、1つ以上の製造ラインの部品として動作し、生物学的治療薬を製造する装置の部品上のセンサにより生成されたデータを獲得しうる。また、プロセスデータ収集命令710により得られるデータは、センサデータに基づかない診断又は試験手順に対応するデータを含んでよい。例えば、プロセスデータ収集指示710は、製造ラインの1つ以上の段階における生物学的治療薬の濃度を示すデータを獲得しうる。いくつかの例では、生物学的治療薬が抗体である場合、生物学的治療薬の濃度の測定は、本明細書中で「力価」といわれる、所与の免疫アッセイ用の抗体のストック溶液の機能的濃度又は希釈因子の決定を含んでよい。特定の実施形態では、プロセスデータ収集命令710は、プロセスデータ720の少なくとも一部を得るために、1つ以上の製造施設に要求を送信することができる。さらなる実施形態では、グローバル制御システム502は、プロセスデータ720の部品を周期的に受信し、データをプロセスデータ720としてデータ記憶装置718に格納することができる。さらに、プロセスデータ収集命令710により獲得されたデータは、グローバル制御システム502により、周期的に、所定の間隔で、不規則な時間で、又はそれらの組み合わせで、要求及び/又は受信されうる。
プロセスデータ収集命令710は、データを効率的に検索しうるスキーマに従って、製造設備から獲得されたデータを記憶することができる。いくつかの例示的な実施例では、プロセスデータ収集命令710により獲得されたデータは、データを供給する製造設備に基づいて記憶されうる。さらに、プロセスデータ収集命令710により獲得されたデータは、バイオリアクタ、クロマトグラフィーシステム、フィルタ装置、ポンプ装置、温度制御装置、保存容器など、データに関連する各々の装置の種類に基づいてデータを記憶することができる。また、プロセスデータ収集命令710により獲得されたデータは、収集されるデータのタイプ、例えば、pHデータ、温度データ、流量データ、生存細胞密度データ、キャパシタンスデータ、体積レベルデータ、重量データに基づいて記憶することができる。さらに、プロセスデータ収集命令710により獲得されたデータは、製造ライン内の様々な装置の配置及び/又は製造ラインに含まれる1つ以上の装置がモジュール式クリーンルームに収容されるか否か等、生物学的治療薬を製造する製造ラインの構成に基づいて格納することができる。様々な実施形態では、プロセスデータ収集命令710により獲得されたデータは、製造ライン、生物学的治療薬的薬剤の製造に用いられる細胞株、及び/又は生物学的治療薬的薬剤の製造に用いられる試薬により製造される生物学的治療薬に基づいて記憶することができる。
システム制御命令712は、プロセッサ704により実行可能となり、生物学的治療薬を製造する製造ラインに含まれる機器の部品に対する制御設定を決定することができる。さらに、システム制御命令712は、信号又はコマンド等の制御データを生成するためのスケジューリング命令を含むことができ、製造ラインに含まれる機器の部品の制御に用いるために製造施設に送ることができる。特に実施形態では、制御データは、装置の部品が指定された動作を実行するタイミング及び装置の部品に対する修正又は設定を示すことができる。例えば、スケジューリング命令724は、灌流システムの流量を示す灌流システムの制御データを生成することができる。スケジューリング命令724はまた、灌流システムが流量を行うタイミングを示す制御データを生成することができる。さらなる例では、スケジューリング命令724は、バイオリアクタの温度設定、バイオリアクタのpHレベル、バイオリアクタの供給速度、又はバイオリアクタの撹拌速度のうちの少なくとも1つを示すバイオリアクタの制御データを生成することができる。
具体的な実施形態では、システム制御命令712は、生物学的治療薬を製造する製造ラインに含まれる装置の部分を制御する多数の規則に関して、プロセスデータ720を分析することができる。特定の実施形態では、システム制御命令712は、1つ以上のポリシー及び/又はルールに関連してプロセスデータ720を分析し、生物学的治療薬を製造する製造ラインに含まれる機器の部品の制御設定を決定することができる。ポリシー及び/又はルールは、プロセス変数及び/又は制御変数の各々の値に対応する値の様々な閾値及び/又は範囲を示すことができる。例えば、ポリシー及び/又はルールは、バイオリアクタのpHレベルに関連して、緩衝溶液のバイオリアクタへのポンプ設定又は流量のうちの少なくとも1つを示すことができる。さらなる例では、ポリシー及び/又はルールは、バイオリアクタ中の材料の体積、1つ以上の最終生成物の成長速度、バイオリアクタに関連する温度、又はそれらの組み合わせに基づいて、バイオリアクタの撹拌速度を示すことができる。
いくつかの例示的な例では、ポリシー及び/又はルールは、保存容器の異なるボリュームレベルに対応するアクションを示すことができる。例示すると、クロマトグラフィーシステムに連結された保存容器に対応するルールは、保存容器に含まれる物質の第1の体積では、クロマトグラフィーシステムのポンプが停止され、第1の体積より大きい保存容器に含まれる物質の第2の体積では、第3の体積が第2の体積より大きい保存容器内の物質の第3の体積レベルに達するまで、クロマトグラフィーシステムのポンプが低速設定に設定されることを示すことができる。この例示的な例を続けて説明すると、このルールは、保存容器内の第4の体積では、第3の体積レベルに達するまで、クロマトグラフィーシステムのポンプが高速設定に設定され、第5の体積では、第4の体積よりも大きい場合、保存容器内に供給されている材料は、保存容器からドレイン内に向けられることを示すことができる。
さらなる例示的な実施例では、ルールは、第1の保存容器の体積レベルを示すことができ、これは、第1の保存容器内に圧送される材料をトリガーし、第2の保存容器に転用される。例えば、第1の保存容器及び第2の保存容器をクロマトグラフィーシステムに連結することができる。クロマトグラフィーシステムは、流出物を第1の保存庫にポンプで送り込むことができ、システム制御命令712は、第1の保存容器内の体積を監視し、制御データをクロマトグラフィーシステムに送るか、又は第1の保存容器内に含まれる物質の体積が閾値レベルであることに応答して流出物を第2の保存容器にポンプで送るためにオペレータに通知を送ることができる。さらなる例示的な実施例では、システム制御命令712は、フィルタバンクの部品であるフィルタアセンブリの圧力レベルを監視することができる。システム制御命令712は、フィルタアセンブリの圧力レベルが閾値レベルに達したことを判断し、スケジューリング命令724に制御データをフィルタアセンブリに送るか、又はオペレータに材料をフィルタアセンブリから閾値圧力未満の圧力を有する他のフィルタアセンブリに向けるように通知させることができる。
システム制御命令720はまた、1つ以上のプロセッサ704により実行可能であり、生物学的治療薬の製造に製造ラインに含まれる装置の部品に関して利用する制御モジュールを決定することができる。システム制御命令720は、装置の部品についてのグローバル制御システム502により受信された情報に基づいて、装置の部品の制御を実現するために、制御モジュール722又は一組の制御モジュール722を決定することができる。様々な実施形態では、システム制御命令712は、装置の部品の識別子及び装置の部品の機能を含む装置の部品に関する情報を獲得しうる。この場合、システム制御命令712は、グローバル制御システム502により受信される識別子及び機能に対応する制御モジュール722又は制御モジュール722のセットを決定することができる。例示的な実施例では、システム制御命令712は、クロマトグラフィーシステムに対応する機器の識別子及び機能を受け取ることができ、システム制御命令712は、クロマトグラフィーシステムの制御に対応する制御モジュール722のうちの1つ以上を識別し、クロマトグラフィーシステムの制御及び動作のために制御モジュール722のうちの1つ以上を実行することができる。
さらなる例示的な実施例では、システム制御命令712は、装置の部品の識別子及び/又は機能が変化することを決定し、制御モジュール722の異なるセットを識別して、装置の部品の動作を制御することができる。例示のために、システム制御命令712は、1つ以上の第1の制御モジュール722を識別して、記憶コンテナに関してグローバル制御システム502により受信された第1の識別子及び第1の機能に基づいて記憶コンテナの動作を制御することができる。この例に続いて、記憶コンテナは、製造ライン内の異なる場所で利用することができ、又は異なる製造ラインに関して利用することができ、システム制御命令712は、記憶コンテナが第2の識別子及び第2の機能に関連することを示す情報を製造施設から入手することができる。次に、システム制御命令712は、1つ以上の第2の制御モジュール722を利用することを決定して、第2の識別子及び第2の機能に基づいて記憶コンテナの動作を制御することができる。特定の例示的な例では、第1の識別子及び第1の機能は、保存容器がバイオリアクタからの流出物を回収するように動作し、第2の識別子及び第2の機能は、保存容器がクロマトグラフィーシステムからの流出物を回収するように動作することを示すことができる。
製造ラインが多数のモジュール式クリーンルーム内に配置されている場合、システム制御命令712は、モジュール式クリーンルーム間の材料の流れに対応する制御信号を生成することができる。例えば、システム制御命令712は、1つ以上の保存容器に保存された材料の体積に基づいてモジュール式クリーンルーム間で移される材料の流量を決定し、1つ以上のポンプ装置を作動させて流量を達成するために、製造施設制御システムに信号を送ることができる。様々な実施形態では、信号は、灌流システム、クロマトグラフィーシステム、及び/又は独立型ポンピング装置に送ることができる。
プロセスデータ分析命令714は、プロセッサ704により実行可能であり、プロセスデータ720を分析し、生物学的治療薬を製造する製造ラインの生産性、効率、及び/又は制御に少なくとも閾値の影響を及ぼしうる因子を決定することができる。例示的な例では、製造ラインの生産性及び/又は効率は、製造ラインにより製造される生物学的治療薬の収率に対応しうる。他の例示的な実施例では、製造ラインの生産性及び/又は効率は、製造ラインにより製造される生物学的治療薬に関連する生存細胞密度に対応しうる。さらなる例示的な例では、製造ラインの生産性及び/又は効率は、製造ラインにより製造される生物学的治療薬を含む最終製品の純度に対応しうる。様々な実施形態では、プロセスデータ720の第1の部分を用いてモデルを訓練することができ、プロセスデータ720の第2の部分を用いてモデルを検証することができる。例示すると、製造ラインに関して第1期間にわたって収集されたプロセスデータ720の部品分を用いて、製造ラインの生産性、効率、及び/又は制御に関してモデルを訓練することができ、一方、製造ラインに関して第1期間の後の第2期間にわたって収集されたプロセスデータ720の他の部品分を用いて、モデルを検証することができる。
プロセスデータ分析命令714は、製造ラインの生産性、効率、及び/又は制御に対する閾値インパクトを少なくとも有する要因の同定に、部分最小二乗技法を行うことができる。プロセスデータ分析命令714は、製造ラインの生産性及び/又は効率の予測に用いられうる1つ以上のモデルを生成することができる。プロセスデータ分析命令714はまた、製造ラインに含まれる機器の部品の制御に用いられるプロセスデータの値を予測するモデルを生成することができる。モデルは、製造ラインの生産性及び/又は効率に少なくとも閾値量の影響を及ぼす要因に対応する多数の変数を含んでよい。モデルはまた、各変数に関連する係数を含んでよい。係数は、各変数が製造ラインの生産性、効率、及び/又は制御に及ぼす影響の量に対応することができる。特定の実施形態では、モデルは、製造ラインの生産性及び/又は効率に対応するプロセス変数、及びプロセス変数に影響を及ぼすように修正できる制御変数を含んでよい。
モデル実施命令716は、プロセッサ704により実行可能で、プロセスデータ分析命令714により生成されたモデルを実施ことができる。例えば、モデル実施指示716は、製造ラインの生産性及び/又は効率に関連するプロセスデータ収集指示710により獲得されたプロセスデータ720の部品を取得し、製造ラインの生産性及び/又は効率を予測するモデルに関してプロセスデータ720の部品を適用することができる。特定の実施形態では、モデルの実施指示716は、モデルにより予測される生産性及び/又は効率が、生産性及び/又は効率に関して指定された範囲外である、又は閾値生産性及び/又は効率未満であると判断することができる。この場合、モデル実施指示716は、モデルを利用して、製造ラインの生産性及び/又は効率を指定された範囲内又は閾値生産性及び/又は効率以上に移動させるように修正することができる1つ以上の制御変数を決定することができる。モデル実施指示716はまた、製造ラインの生産性及び/又は効率に影響を及ぼしうる制御変数の設定を決定することができる。
例示的な実施例では、モデル実施指示716は、製造ラインの生存細胞密度が閾値生存細胞密度未満であることを予測することができる。モデル実施指示716はまた、バイオリアクタのpHが閾値pHレベル未満であること、及びクロマトグラフィーシステムを通る流速が閾値流速より大きいことを決定することができる。この場合、モデル実施指示716は、製造ラインの生産性に影響しうる制御変数が、バイオリアクタのブリード速度及び基本緩衝溶液のバイオリアクタへの流量であることを決定するために、モデルを利用することができる。その後、モデル実施指示716は、バイオリアクタからの抽気速度を特定の量だけ高め、塩基性緩衝溶液のバイオリアクタへの流れを特定の量だけ高めることにより、製造ラインの生産性及び/又は効率を高めることができると判断することができる。
モデル実施命令716はまた、スケジューリング命令724と関連して動作して、1つ以上の製造ラインの自動制御のスケジュールを決定することもできる。具体的な実施形態では、モデル実施指示716は、製造ラインから獲得されたデータに基づいて、プロセスデータ分析命令714により生成されたモデルを実行して、製造ラインに含まれる1つ以上の機器のプロセス変数を予測することができる。また、モデル実施指示716は、製造ラインから獲得されたデータに基づいて、モデルを実行して、生産性及び/又は製造ラインの効率測定基準を予測することができる。さらに、モデル実施指示716は、プロセス変数及び生産性及び/又は効率の測定値を特定の範囲内にすることが予測される、製造ラインに含まれる装置の部品の設定を決定することができる。その後、スケジューリング命令724は、各機器に送信するための制御信号及び制御信号のタイミングを決定して、各機器を制御設定に従って動作させることができる。
動作は、グローバル制御システム502により実行されるものとして図6に関して説明されるが、動作の少なくとも一部は、ローカル制御システムにより実行されうる。例えば、モデル実施命令716により実行される動作の少なくとも一部は、ローカル制御システムにより実行することができる。例示のために、グローバル制御システム502は、生産性、効率、及び/又は制御に関連するモデルを生成することができ、ローカル制御システムは、モデルを実行することができる。さらに、システム制御命令712の少なくとも一部は、ローカル制御システムにより実行することができる。
図8及び図9は、生物学的治療薬を製造する製造ラインの生産性、効率、及び制御に関連するモデルを生成及び適用する例示的なプロセスを示し、かつ、図10は、複数のモジュール式クリーンルームを有する製造施設を用いて生物学的治療薬を製造する例示的なプロセスを示す。これらのプロセス(及び本明細書に記載される各プロセス)は、論理フローグラフとして示され、その各操作は、少なくとも部分的には、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実施可能な一連の操作を表す。ソフトウェアのコンテキストでは、操作は、1つ以上のプロセッサにより実行されたときに列挙された操作を実行する、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令は、ルーチン、プログラム、オブジェクト、成分、データ構造等を含み、特定の機能を実行し、又は特定の抽象データ型を実施する。演算が記述される順序は、制限して解釈されることを意図するものではなく、記述される演算のいかなる数も、いかなる順序及び/又は並列に組み合わされて、プロセスを実行することができる。
図8は、製造ラインの製造及び/又は効率に関連する値の予測に用いられるモデルを生成する例示的なプロセス800のフロー図である。802では、プロセス800は、第1の期間にわたり生物学的治療薬用製造ラインからの第1のデータの獲得を含む。データは、生物学的治療薬を製造する複数の施設の動作を制御する包括的制御システムにより獲得しうる。いくつかの実施形態では、製造ラインの設備を多数のモジュール式クリーンルームに配置することができる。さらなる実施形態では、製造ラインの設備は、モジュール式クリーンルームを含まない製造施設の連続空間に配置することができる。
804では、プロセス800は、第1のデータを分析して、製造ラインの生産性及び/又は効率の測定基準に影響を及ぼすプロセス条件を示す上で有意な1つ以上の第1の変数の決定を含んでよい。1つ以上の第1の変数の尺度が生産性及び/又は効率尺度に関する統計的有意性を示す場合、1つ以上の第1の変数は、生産性及び/又は効率尺度に影響を及ぼすプロセス条件を示す上で有意でありうる。様々な実施形態では、1つ以上の第1の変数は、生産性及び/又は効率測定基準に少なくとも閾値量の影響を及ぼすことができる。例示的な実施例では、部分最小二乗法を実行して、1つ以上の第1の変数を決定することができる。いくつかの実施形態では、生産性及び/又は効率の測定基準は、生物学的治療薬の生存細胞密度、力価、収量、及び/又は純度に対応しうる。
806では、プロセス800は、第1のデータを分析して、製造ラインの少なくとも1つの態様を制御して製造メトリックの値を修正する際に有意な1つ以上の第2の変数の決定を含んでよい。特に実施形態では、1つ以上の第2の変数には、1つ以上の第1の変数に対する影響の閾値量があってよい。例示的な実施形態では、部分最小二乗法を実行して、1つ以上の第2の変数を決定することができる。
808では、プロセス800は、少なくとも1つ以上の第1の変数及び1つ以上の第2の変数を利用するモデルの生成を含んでよい。モデルはまた、各々1つ以上の第1の変数及び/又は1つ以上の第2の変数に関連する1つ以上の係数を含んでよい。このようにして、第1の期間で獲得されたデータを用いてモデルを訓練することができる。810では、プロセス800は、第1の期間の後の第2の期間での、生物学的治療薬用製造ラインからの第2のデータの獲得を含んでよく、812では、プロセス800は、第2のデータに基づき、モデルに関して1つ以上の検証操作の実行を含んでよい。特定の実施形態では、1つ以上の検証操作は、第1のデータをモデルに適用して生成された1つ以上の生産性及び/又は効率メトリックの第1の値の、第2のデータをモデルに適用して生成された1つ以上の生産性及び/又は効率メトリックの第2の値との比較を含んでよい。
814では、プロセス800は、モデルの校正が必要かを判断することを含んでよい。モデルの校正が必要でない場合、プロセス800は、モデルが実行される816に進むことができる。図9に関して、モデルの実施例を説明する。モデルの修正が必要な場合、プロセス800は、モデルが修正される818に進むことができる。特に実施形態では、モデルは、第1の値と第2の値が閾値量を超えて異なる場合に修正することができる。さらに、モデルの修正には、モデルに含まれる少なくとも第1の変数又は第2の変数の修正を含んでよい。すなわち、変数は、より多くのデータが分析されるにつれて変化する変数の有意性に基づき、除去するか又はモデルに追加することができる。他の実施形態では、モデルに含まれる少なくとも1つの係数を変更して、モデルを修正することができる。少なくとも1つの係数を修正して、より多くのデータが分析されるにつれて、第1の変数のうちの少なくとも1つ及び/又は第2の変数のうちの少なくとも1つの有意性を変化させることができる。
場合によっては、モデルの修正に用いられるさらなるデータは、第2の期間の間に得られた第2データを含んでよい。
図9は、いくつかの実施形態による製造ラインの制御では、製造ラインの製造及び/又は効率に関連する値を予測するために用いられるモデルを行うための例示的なプロセス900のフロー図である。902では、プロセス900は、生物学的治療薬を製造する製造ラインからのデータの獲得を含んでよい。いくつかの例では、プロセスデータは、製造ラインに含まれる装置の部品のセンサから獲得された情報を含んでよい。さらなる例では、プロセスデータは、製造ラインに含まれる装置の部品により製造された材料について試験を行うことにより獲得されたデータを含んでよい。
904では、プロセス900は、製造ラインの生産性及び/又は効率に関するモデルへのプロセスデータの適用を含んでよい。いくつかの実施形態では、モデルは、図8の例示的なプロセスを用いて作成することができる。プロセスデータをモデルに適用すると、プロセスデータに基づいて1つ以上の生産性及び/又は効率の測定基準を生成できる。
906では、プロセス900は、製造ラインの生産性及び/又は効率に関する1つ以上のメトリックが閾値の範囲外であることの決定を含んでよい。閾値の範囲外にある1つ以上の生産性及び/又は効率の測定基準は、所望の生産性及び/又は効率の測定基準を達成するために、様々な装置の設定を変更する必要があることを示しうる。
908では、プロセス900は、1つ以上のメトリックの変更のために修正する1つ以上のプロセス変数の決定を含んでよい。特定の実施形態では、変更される1つ以上のプロセス変数は、特定のプロセス変数の変更が生産性及び/又は効率の測定基準に及ぼす影響の量に基づくことができる。様々な例では、1つ以上の機械学習技術を実行して、修正すべき1つ以上のプロセス変数を決定することができる。
910では、プロセス900は、1つ以上のプロセス変数の変更のため修正すべき1つ以上の制御変数の決定を含んでよい。例えば、細胞数は、より多くの細胞を製造ラインに加えても改善されるとは限らない。むしろ、攪拌速度、pH、温度等の他の変数は、細胞数に影響を及ぼす可能性がある。プロセス変数に対応する制御変数は、制御変数への変更がプロセス変数に対して少なくとも閾値影響があることを示す過去のデータの分析に基づいて決定することができる。特定の実施形態では、機械学習技術を用いて、各々のプロセス変数に影響を及ぼす1つ以上の制御変数を決定することができる。
912では、プロセス900は、製造ラインの生産性及び/又は効率用の1つ以上のメトリックの修正のため、1つ以上の装置の部品に送信する制御信号を生成する、1つ以上の装置の部品の動作の変更を含んでよい。様々な実施形態では、制御変数及び/又はプロセス変数の変化量を決定することができ、制御信号は、生産性及び/又は効率の測定基準を変更するプロセス変数の変化をもたらす様々な装置の動作の変化量に対応することができる。
図10は、複数のモジュール式クリーンルームを有する製造施設を用いて生物学的治療薬を製造するための例示的なプロセス1000のフロー図である。方法1000は、1002では、第1モジュール式クリーンルームに配置されたバイオリアクタへの、少なくとも細胞培養培地、細胞増殖材料及び緩衝溶液の移入を含んでよい。少なくとも1つの保存容器は、第1のモジュール式クリーンルームの外側に配置することができる。様々な例では、緩衝溶液は、第1の保存容器に保存することができ、細胞培養培地は、第2の保存容器に保存することができ、細胞増殖材料は、第3の保存容器に保存することができる。第1のモジュール式クリーンルームは、約15,000ft~約50,000 ftの面積であってよい。
さらに、1004では、方法1000は、バイオリアクタの少なくとも1の容器における組換え治療用タンパク質を含む無細胞浸透液の製造を含んでよい。組換え治療用タンパク質は、バイオリアクタの少なくとも1つの容器中で製造することができる。バイオリアクタの少なくとも1つの容器の体積は、約250L~約2000 Lであってよい。1つ以上の実施形態では、バイオリアクタは、細胞培養培地1リットル/日当たり約0.5gの組換え治療タンパク質から、細胞培養培地1リットル/日当たり約10gの組換え治療タンパク質までの速度で、組換え治療タンパク質の一定量を産生することができる。
1つ以上の実施形態では、無細胞の透過物は、バイオリアクタにより実施される1つ以上の操作により製造することができる。さらなる例では、無細胞の透過物は、バイオリアクタにより実施される1つ以上の操作、又はバイオリアクタに連結された灌流システムにより実施される1つ以上の操作のうちの少なくとも1つにより製造することができる。1つ以上の実施形態では、バイオリアクタからの流出物を灌流システムに移し、無細胞の透過物を含む灌流システムからの流出物を保存容器に移すことができる。様々な例では、無細胞の透過物は、保存容器から温度制御システムに移すことができる。温度制御システムは、いくつかの例示的な例では、熱交換器を含んでよい。
さらに、プロセス1000は、1006では、無細胞の透過物の一定量をクロマトグラフィーシステムに移すことを含んでよい。クロマトグラフィーシステムはまた、第1のモジュール式クリーンルーム内に配置することもできる。無細胞の透過物は、無細胞の透過物を保持する保存容器からクロマトグラフィーシステムに移すことができる。さらに、無細胞の透過物をクロマトグラフィーシステムに移す前に、無細胞の透過物の温度を変更することができる温度制御システムから、無細胞の透過物をクロマトグラフィーシステムに移すことができる。クロマトグラフィーシステムは、4~15サイクルの連続クロマトグラフィーシステムの後にタンパク質分離分画を製造する連続クロマトグラフィーシステムを含んでよい。連続クロマトグラフィーシステムの個々のサイクルは、約3時間~約12時間の持続時間であってよい。連続クロマトグラフィーシステムは、約80g/Lの樹脂~約140g/Lの樹脂までのタンパク質単離画分の一定量を製造することができる。1つ以上の実施形態では、クロマトグラフィーシステムは、約40cm~約100cmの直径及び約10cm~約40cmの高さを有する各カラムを有する3~9カラムを含んでよい。
クロマトグラフィーシステムからの流出物は、1つ以上の保存容器に移すことができる。1つ以上の保存容器は、第1のモジュール式クリーンルーム内に配置することができる。1つ以上の例示的な例では、クロマトグラフィーシステムからの流出物は、2つの保存容器の間で交互に流出物の移動を伴う2つの保存容器に移すことができる。例えば、クロマトグラフィーシステムは、第1の期間の間、流出物を第1の保存容器に移すことができる。第1の保存容器の1つ以上のセンサは、第1の保存容器に保存されているクロマトグラフィーシステムからの流出物の体積を測定することができる。さらに、クロマトグラフィーシステムからの流出物の移動速度及びクロマトグラフィーシステムが流出物を第1の保存容器に移動させた時間も測定することができる。
様々な例では、第1の容器により保存されたタンパク質単離画分の体積は、制御システムにより監視することができる。制御システムはまた、クロマトグラフィーシステムからのタンパク質単離物分画の移動速度及びクロマトグラフィーシステムがタンパク質単離物分画を最初の保存容器に移動させた時間を監視することができる。1つ以上の実施形態では、制御システムは、1つ以上の閾値基準が満たされていることを決定することができ、タンパク質分離株画分の第1の保存容器への移送を停止させ、タンパク質分離株画分を第2の保存容器へ移すことができる。1つ以上の例では、制御システムは、第1の保存容器により保存されたタンパク質分離分画の体積が閾値体積に対応することを決定することができる。さらに、制御システムは、クロマトグラフィーシステムから第1の保存容器への流出物の流速に基づいて、タンパク質分離分画が第1の保存容器に移された時間の量が閾値時間に対応することを決定することができる。その後、制御システムは、1つ以上の信号を送って、クロマトグラフィーシステムから第1の保存容器への流出物の流れを停止させ、クロマトグラフィーシステムから第2の保存容器への流出物の流れを開始させることができる。例示のために、制御システムは、クロマトグラフィーシステムからの流出物の流れを指示するバルブに1つ以上の信号を送って、クロマトグラフィーシステムから第1の保存容器への流出物の流れを停止させ、クロマトグラフィーシステムから第2の保存容器への流出物の流れを開始させることができる。さらに、第2の保存容器により保存されたタンパク質単離画分の量に関して閾値条件が満たされた後、クロマトグラフィーシステムから第2の保存容器への流出物の流れを停止させ、その後、クロマトグラフィーシステムからの流出物を第1の保存容器に向けることができる。
工程1000はまた、1008では、第1クロマトグラフィーシステムの流出物に関してウイルス不活化による、組換え治療用タンパク質を含むウイルス不活化プールの製造を含み得る。ウイルス不活化プールは、クロマトグラフィーシステムにより製造されたタンパク質単離画分に酸又は界面活性剤を添加することにより製造することができる。酸又は界面活性剤は、第1のモジュール式クリーンルームの外側に配置された1つ以上の保存容器に保存することができる。酸又は界面活性剤は、タンパク質分離株画分に添加することができ、一方、タンパク質分離株画分は、保存容器に保存する。様々な例では、第1のモジュール式クリーンルームに配置されたポンプ装置を用いて、クロマトグラフィーシステムにより製造されたタンパク質単離画分を酸又は界面活性剤で処理して、ウイルス不活化プールを製造することができる。
1010では、プロセス1000は、ウイルス不活化プールの一定量を第2のモジュール式クリーンルームへの移入を含んでよい。ウイルス不活化プールは、第1のモジュール式クリーンルームの外側に配置されたさらなる保存容器にウイルス不活化プールの一定量を移すことにより、第2のモジュール式クリーンルームに移すことができる。様々な例では、さらなる保存容器は、第1のモジュール式クリーンルームのポートに連結することができる。1つ以上の実施形態では、ウイルス不活化プールは、第1のモジュラークリーンルーム内に配置されたさらなるポンプ装置を用いて、第1のモジュラークリーンルームの外側のさらなる保存容器に移すことができる。さらに、ウイルス不活化プールは、第1のモジュール式クリーンルームの外側に配置されたさらなる保存容器に移される前に、第1のモジュール式クリーンルーム内に配置された1つ以上のフィルタ装置を通過させることができる。様々な例では、ウイルス不活化プールの量は、さらなる保存容器を第2のモジュール式クリーンルームのポートに連結することにより、第2のモジュール式クリーンルームに移すことができる。さらなる例では、ウイルス不活化プールの量は、さらなる保存容器の内容物を、第2のモジュール式クリーンルームの外側に配置され、第2のモジュール式クリーンルームのポートに連結された他の保存容器に移すことにより、第2のモジュール式クリーンルームに移すことができる。第2のモジュール式クリーンルームの外側に配置された他の保存容器は、第1のモジュール式クリーンルームからウイルス不活化プールを捕捉するさらなる保存容器の体積より大きい体積であってよい。
プロセス1000は、1012では、第2のモジュール式クリーンルーム内の1つ以上の装置を用いてウイルス不活化プールを精製するために1つ以上の操作を行うことを含んでよい。ウイルス不活化プールは、第2のモジュール式クリーンルームに配置された1つ以上のさらなるクロマトグラフィーシステムを用いて精製することができる。様々な例では、ウイルス不活化プールを精製する第2のモジュール式クリーンルーム内に配置された1つ以上のクロマトグラフィーシステムに用いられる1つ以上の樹脂は、タンパク質単離画分を製造する第1のモジュール式クリーンルーム内に配置されたクロマトグラフィーシステムに用いられる1つ以上の樹脂とは異なってよい。さらに、第2のモジュール式クリーンルームに含まれる1つ以上のクロマトグラフィーシステムは、第1のモジュール式クリーンルームに配置されたクロマトグラフィーシステムにより実施される少なくとも1つのクロマトグラフィー技術とは異なる1つ以上のクロマトグラフィー技術を行うことができる。第2のモジュール式クリーンルーム内に配置された1つ以上のクロマトグラフィーシステムにより実行される精製プロセスは、精製された生成物プールを製造することができる。1つ以上の実施形態では、精製された生成物プールは、ウイルス濾過装置に移すことができる。ウイルス濾過装置は、無ウイルスの透過液を製造することができる。1つ以上の例示的な実施例では、ウイルス濾過装置は、第2のモジュール式クリーンルーム内に配置することができる。
さらなる例では、さらなる精製を行うことができる。例えば、無ウイルスの透過液は、精製されたタンパク質医薬物質の製造に、1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つを行うことができるさらなる濾過装置に移すことができる。様々な例では、さらなる濾過装置は、第3のモジュール式クリーンルーム内に配置することができる。精製した治療用タンパク質医薬物質の量を、多数のバイアルに移すことができる。例示のために、1回以上の充填操作及び/又は1回以上の仕上げ操作を行って、精製されたタンパク質医薬物質の一定量を5バイアル/分の速度で100バイアルに移すことができる。精製した治療用タンパク質医薬物質をバイアルに充てんすることは、精製した治療用タンパク質医薬物質をバイアルに充てんするための少なくとも1個の装置を用いて自動的に行うことができる。1つ以上の例示的な実施例では、バイアルの数の体積は各々、約2mL~約40mLであってよい。
プロセス1000の実施を用いて製造される生物学的治療薬は、製造施設のモジュール式クリーンルーム内の異なる装置構成を用いて複数の生物学的治療薬を製造することができる製造施設内で行うことができる。例えば、第1の生物学的治療薬の一定量が装置の第1の配置を用いて製造された後、装置の異なる配置を用いて第2の生物学的治療薬の一定量を製造することができる。1つ以上の例では、第1の生物学的治療薬を製造する装置の部品の配置について、1つ以上のモジュール式クリーンルーム内の装置の部品をさらに除去するか、又は場所を変更して、第2の生物学的治療薬の製造に用いられる製造ラインを製造することができる。例示のために、1つ以上の濾過装置を、第1の生物学的治療薬を製造するために用いられる装置の第1の配置について、1つ以上の濾過装置を除去するか、又は場所を変更して、第2の生物学的治療薬を製造することができる。さらに、1つ以上のポンピング装置及び/又は1つ以上の保存容器を、第1の生物学的治療薬の製造に用いられる装置の第1の配置について、付加、除去、又は場所を変更して、第2の生物学的治療薬を製造することができる。様々な例では、第1の生物学的治療薬の製造に用いられるクロマトグラフィーシステムは、第2の生物学的治療薬の製造に用いられなくてよい。さらに、1つ以上の実施形態では、第1の生物学的治療薬を製造しなかったさらなるクロマトグラフィーシステムを用いて、第2の生物学的治療薬を製造することができる。第1の生物学的治療薬の製造に用いられる装置の部品が第2の生物学的治療薬の製造にも用いられる場合、装置の単回使用構成要素は、第1の生物学的治療薬の製造が停止した後、第2の生物学的治療薬の製造が開始される前に、装置の部品から除去され、その後、交換されうる。例えば、一定量の精製された治療用タンパク質医薬物質が製造された後、1つ以上の第1の単回使用成分を、バイオリアクタ、クロマトグラフィーシステム、又はさらなるクロマトグラフィーシステムの少なくとも1つから除去することができる。その後、1つ以上の第1の単回使用成分を1つ以上の第2の単回使用成分に置き換えることができる。その後、バイオリアクタは、さらなる細胞培養培地、さらなる細胞増殖材料、及びさらなる緩衝溶液を、1つ以上の保存容器から得ることができ、バイオリアクタにより製造された最初の組換え治療用タンパク質とは異なるさらなる組換え治療用タンパク質を含むさらなる無細胞の透過物を製造することができる。
さらに、プロセス1000は、1つ以上のシナリオで実施され、第2のバイオリアクタが生物学的治療薬を製造し、第1のバイオリアクタからの流出物及び第2のバイオリアクタからの流出物に関する操作が同時に行われうる。1つ以上の実施形態では、第2のバイオリアクタは、第1のバイオリアクタと同じモジュール式クリーンルーム内に配置することができる。1つ以上の例では、1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つは、第1のバイオリアクタからの流出物に関連して行うことができ、一方、さらなるウイルス不活化プールの量は、1つ以上のクロマトグラフィーシステムにより精製され、ここで、さらなるウイルス不活化プールは、第2のバイオリアクタの流出物から製造される。様々な例では、限外濾過及び/又は透析濾過は、あるモジュール式クリーンルーム内で行うことができ、一方、ウイルス不活化プールの精製は、他のモジュール式クリーンルーム内で行うことができる。さらに、1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つは、ウイルス濾過装置が、第2のバイオリアクタの流出物から製造されるさらなる精製された生成物プールの一定量を処理する間に、第1のバイオリアクタにより製造される流出物に関して行うことができる。これらのシナリオでは、限外ろ過及び/又は透析ろ過は、あるモジュール式クリーンルームで、ウイルスろ過は他のモジュール式クリーンルームで行うことができる。さらに、1つのモジュール式クリーンルーム内に配置された1つ以上のクロマトグラフィーシステムにより第1のバイオリアクタからの流出物に関して実施されているクロマトグラフィー操作は、他方で、他のモジュール式クリーンルーム内に配置された1つ以上のクロマトグラフィーシステムにより、第2のバイオリアクタからの流出物に関してさらなるクロマトグラフィー操作が実施されてよい。
上記主題は、例示としてのみ提供され、限定するものと解釈されるべきではない。さらに、請求された主題は、本開示のいずれかの部分に記載されたいずれかの又はすべての欠点を解決する実施形態に限定されない。図示及び説明される例示的な構成及び用途に従うことなく、また、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の真の精神及び範囲から逸脱せずに、本明細書に記載される主題に対して様々な修正及び変更を行うことができる。
〔実施の例〕
1. 以下の:バイオリアクタシステムの第1の複数の状態を示すデータの第1のセットを取得する工程であって、前記第1のセットは、前記バイオリアクタシステムの複数のセンサのうちの少なくとも1つ、又は前記バイオリアクタシステムの動作中の異なる時点での状態を測定する1つ以上の外部アッセイを介して取得される、データの第1のセットを取得する工程;1つ以上の推論モデリング技術を用いて、前記バイオリアクタシステムを用いて製造される流出物に関連する生産性の測定値に少なくとも閾値の影響を有する1つ以上のプロセス変数の決定に、前記第1のセットを分析する工程であって、前記1つ以上のプロセス変数は、前記流出物の製造に前記バイオリアクタシステムにおいて利用される少なくとも1つの媒体成分に対応する、工程;前記1つ以上の推論モデリング技術を用いて、前記1つ以上のプロセス変数に少なくとも付加的な閾値の影響を有する1つ以上の制御変数の決定に、前記第1のセットを分析する工程;前記1つ以上のプロセス変数及び前記1つ以上の制御変数に対応する変数を含むモデルを生成する工程であって、前記モデルは、前記生産性の測定値を予測する、工程;かつ、第2のセットのデータを取得する工程であって、前記第2のデータセットは、前記バイオリアクタシステムの第2の複数の状態を示し、前記バイオリアクタシステムの前記複数のセンサ又は前記1つ以上の外部アッセイのうちの少なくとも1つを介して得られ、前記第1のデータセットの後に得られ、前記モデルに従って前記第2のデータセットを分析して、前記1つ以上の制御変数のうちの少なくとも1つに対する修正を決定し、前記生産性測定基準を修正する工程;かつ、前記修正に従って前記少なくとも1つの制御変数を修正させる、工程;を含む、方法。
2. 前記バイオリアクタシステムは第1の製造施設に含まれ、さらなるバイオリアクタシステムは第2の製造施設に含まれ、前記第1のデータセットは、さらなるバイオリアクタシステムのさらなる複数の条件を含み、前記第1のデータセットはまた、前記さらなるバイオリアクタシステムの複数のさらなるセンサ、又は前記さらなるバイオリアクタシステムの動作中に異なる時点で条件を測定する1つ以上の外部アッセイのうちの少なくとも1つを介して取得される、1に記載の方法。
3. 前記バイオリアクタシステムが、前記第1の製造施設に含まれる第1の複数のモジュール式クリーンルームのモジュール式クリーンルームに含まれ、前記さらなるバイオリアクタシステムが、前記第2の製造施設に含まれる第2の複数のモジュール式クリーンルームのさらなるモジュール式クリーンルームに含まれる、2に記載の方法。
4. 前記バイオリアクタシステムの第1体積と前記さらなるバイオリアクタシステムの第2体積とが実質的に同一であり;前記バイオリアクタシステムに供給される第1の細胞培地及び前記さらなるバイオリアクタシステムの第2の細胞培地は同一の細胞系を含み;前記バイオリアクタシステムで製造される第1の生物学的治療薬と前記さらなるバイオリアクタシステムで製造される第2の生物学的治療薬とが同一である、2又は3に記載の方法。
5. 1つ以上の推論的モデリング技術が部分最小二乗法を含む、1~4のいずれか1つに記載の方法。
6. さらに、生物学的治療薬を製造する製造ラインに含まれる複数の装置の第3の複数の状態を示す第3のデータを取得する工程であって、前記バイオリアクタシステム及びクロマトグラフィーシステムを含み、前記第3のデータセットは、前記複数の装置の複数のセンサ又は前記複数の装置の動作中に異なる時点で状態を測定する1つ以上の外部アッセイのうちの少なくとも1つを介して取得され;前記第3のデータセットを、1つ以上の推論モデリング技術を利用して、前記製造ラインを用いて製造される生物学的治療薬に関連するさらなる生産性の測定値に少なくとも閾値の影響を及ぼす1つ以上のさらなるプロセス変数を決定する工程;前記1つ以上の推論モデリング技術を利用して、前記第3のデータセットを分析して、前記1つ以上のさらなるプロセス変数に少なくともさらなる閾値の影響を与える1つ以上のさらなる制御変数を決定する工程;かつ、前記1つ以上のさらなるプロセス及び前記1つ以上のさらなる制御変数に対応するさらなる変数を含むさらなるモデルを生成する工程;を含む、1~5のいずれか1つに記載の方法であって、ここで、前記モデルはさらなる生産性測定基準を予測する、方法。
7. 生産性メトリクスが生存細胞密度を含み、前記1つ以上のプロセス変数は、装置の部品を通る材料の流量、装置の部品に含まれる材料の温度、または装置の部品に含まれる材料の撹拌速度の少なくとも1つを含む、1~6のいずれか1つに記載の方法。
8. 前記バイオリアクタシステムは灌流システムに連結されている、1~7のいずれか1つに記載の方法。
9. 前記バイオリアクシステムが、組換え治療用タンパク質の製造にバッチ技術を利用する製造ラインの一部である、1~7のいずれか1つに記載の方法。
10. 生物学的治療薬を製造するための製造施設であって、生物学的治療薬を含む流出物を製造する第1の複数の装置の部品を備える第1のモジュラークリーンルームであって、ここで前記第1の複数の装置の部品はバイオリアクタを含み;前記最終生成物を精製する第2の複数の装置の部品を備える第2のモジュラークリーンルームであって、ここで、第2の複数の装置の部品は、少なくともフィルタ装置を備え;かつ、複数の保存容器、バイオリアクタシステム用の細胞培地を貯蔵する前記複数の保存容器の第1の部品及び第1の複数の装置の部品に含まれる少なくとも1の装置の部分用の緩衝溶液を保存する前記複数の保存容器の第2の部品を備えるステージング領域;を備える、製造施設。
11. 前記第1の複数の装置の部品は、前記バイオリアクタシステムに連結されたクロマトグラフィーシステムを含み、前記クロマトグラフィーシステムは、前記バイオリアクタシステムで製造された流出物を精製して、精製された最終生成物を製造し;かつ、前記第1の複数の装置の部品は、精製された最終生成物を捕捉する保存容器を含み、かつ、緩衝溶液は、ウイルス不活化プールを製造する保存容器に添加される、10に記載の製造施設。
12. 前記バイオリアクタシステムは、第1のスキッド上に配置され、前記第1のスキッドは、第1の複数の通信インタフェースを含み、前記クロマトグラフィーシステムは、第2のスキッド上に配置され、前記第2のスキッドは、前記複数の通信インタフェースの通信インタフェースに結合された第2の複数の通信インタフェースを含む、11に記載の製造施設。
13. ドングルが前記記憶容器に連結され、前記ドングルは、識別子及び前記記憶容器に対応する機能を記憶する、12に記載の製造施設。
14. ローカル制御システムをさらに備え、前記ローカル制御システムは、前記第1の複数の装置の部品の少なくとも一部分に第1の信号を送信して、前記第1の複数の装置の部品の少なくとも一部分の動作を制御し、かつ、前記第2の複数の装置の部品の少なくとも一部分に第2の信号を送信して、前記第2の複数の装置の部品の少なくとも一部分の動作を制御し、ここで、前記ローカル制御システムは、前記ドングルから前記識別子及び前記機能を受信する、13に記載の製造設備。
15. 前記ローカル制御システムが、少なくとも部分的に、前記識別子及び前記機能に基づいて、前記機能に従って前記記憶コンテナの動作を制御するために実行可能な1つ又は複数の制御モジュールを識別する、14又は15記載の製造設備。
16. 前記ローカル制御システムは、グローバル制御システムと電子的に通信し、前記グローバル制御システムは、前記ローカル制御システム及びさらなるローカル制御システムから得られたデータを分析して、前記施設に含まれる製造ラインの生産性に対応する計量値を予測するモデルを生成し、前記さらなるローカル制御システムは、さらなる生物学的治療薬を製造するさらなる施設に配置される、14記載の製造施設。
17. 少なくとも1つのさらなるクロマトグラフィーシステムを含む第3のモジュール式クリーンルームをさらに含み、前記さらなるクロマトグラフィーシステムが、前記第1のモジュール式クリーンルームから得られたウイルス不活化プールのウイルス濾過を行う、10~15のいずれか1つに記載の製造施設。
18. 前記フィルタシステムは、前記さらなるクロマトグラフィーシステムから得られた流出物に限外濾過/透析濾過操作を行う、17に記載の製造施設。
19. 1つ以上の生物学的治療薬剤を製造するためのシステムであって、生物学的治療薬を含む流出物を製造する第1の複数の装置の部品を備える第1のモジュラークリーンルームであって、ここで前記第1の複数の装置の部品はバイオリアクタを含み;前記最終生成物を精製する第2の複数の装置の部品を備える第2のモジュラークリーンルームであって、ここで、第2の複数の装置の部品は、少なくともフィルタ装置を備え;かつ、複数の保存容器、バイオリアクタシステム用の細胞培地を貯蔵する前記複数の保存容器の第1の部品及び第1の複数の装置の部品に含まれる少なくとも1の装置の部分用の緩衝溶液を保存する前記複数の保存容器の第2の部品を備えるステージング領域を含む、システム。
20. 前記第1の複数の装置が、前記バイオリアクタに連結されたクロマトグラフィーシステムを含み、前記クロマトグラフィーシステムが、前記バイオリアクタによって製造されたバイオリアクタ流出物を精製してタンパク質単離物画分を製造し、前記第1の複数の装置が、前記精製バイオリアクタ流出物を捕捉する保存容器を含み、前記精製バイオリアクタ流出物に酸又は界面活性剤の少なくとも1つを含む溶液を加えてウイルス不活化プールを作製する、19に記載のシステム。
21. 前記第2の複数の装置の部品が、少なくとも1つのさらなるクロマトグラフィーシステムを含み、前記少なくとも1つのさらなるクロマトグラフィーシステムが、ウイルス不活化プールに関連して1つ以上のさらなる精製操作を実施して、精製生成物プールを作製する、システム20。
22. さらに、前記精製生成物プールに関して1つ以上のウイルス濾過操作を実施してウイルスフリーの透過液を製造するウイルス濾過装置フィルタシステムを含む、21に記載のシステム。23. クロマトグラフィーシステムは、各カラムの直径が約40cm~約100cm、高さが約10cm~約40cmであるカラムが3~9カラムある連続クロマトグラフィーシステムを含み、前記クロマトグラフィーシステムは、クロマトグラフィーシステムの4~15サイクル以内に、約80g/L~約140g/L量のタンパク質分離画分を製造し、ここで、各サイクルの持続時間は約3時間~約12時間である、20に記載のシステム。
24. モジュール式クリーンルームの面積は約15,000 ft~約50,000 ftであり;かつ、前記バイオリアクタは、組換え治療用タンパク質を含むバイオリアクタ流出物を製造する、約250L~約2000Lの体積である、少なくとも1つのヴェッセルを含む、20~23のいずれか1つに記載のシステム。
25. さらに、供給材料を前記バイオリアクタに移送し、前記バイオリアクタから流出物を除去する、前記バイオリアクタに連結されている、灌流システムを含む、20~24のいずれか1つに記載のシステム。
26. 1つ以上のプロセッサ;かつ、前記1つ以上の複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに以下の:バイオリアクタシステムの第1の複数の状態を示すデータの第1のセットを取得する工程であって、前記第1のセットは、前記バイオリアクタシステムの複数のセンサのうちの少なくとも1つ、又は前記バイオリアクタシステムの動作中の異なる時点での状態を測定する1つ以上の外部アッセイを介して取得される、データの第1のセットを取得する工程;1つ以上の推論モデリング技術を用いて、前記バイオリアクタシステムを用いて製造される流出物に関連する生産性の測定値に少なくとも閾値の影響を有する1つ以上のプロセス変数の決定に、前記第1のセットを分析する工程であって、前記1つ以上のプロセス変数は、前記流出物の製造に前記バイオリアクタシステムにおいて利用される少なくとも1つの媒体成分に対応する、工程;前記1つ以上の推論モデリング技術を用いて、前記1つ以上のプロセス変数に少なくとも付加的な閾値の影響を有する1つ以上の制御変数の決定に、前記第1のセットを分析する工程;前記1つ以上のプロセス変数及び前記1つ以上の制御変数に対応する変数を含むモデルを生成する工程であって、前記モデルは、前記生産性の測定値を予測する、工程;かつ、第2のセットのデータを取得する工程であって、前記第2のデータセットは、前記バイオリアクタシステムの第2の複数の状態を示し、前記バイオリアクタシステムの前記複数のセンサ又は前記1つ以上の外部アッセイのうちの少なくとも1つを介して得られ、前記第1のデータセットの後に得られ、前記モデルに従って前記第2のデータセットを分析して、前記1つ以上の制御変数のうちの少なくとも1つに対する修正を決定し、前記生産性測定基準を修正する工程;かつ、前記修正に従って前記少なくとも1つの制御変数を修正させる、工程;を含む、動作を行わせるコンピュータ読取可能な命令を格納する、1つ以上のコンピュータ読取可能記憶媒体、を含む、19~25のいずれか1つに記載のシステム。
27. 前記製造施設は第1の製造施設であり、前記バイオリアクタは第1のバイオリアクタであり、第2のバイオリアクタは第2の製造施設に含まれ、前記第1のデータセットは、前記第2のバイオリアクタのさらなる複数の条件を含み、前記第1のデータセットの一部は、前記第2のバイオリアクタの複数のさらなるセンサ又は前記第2のバイオリアクタの動作中に異なる時点で条件を測定する1つ以上の外部アッセイのうちの少なくとも1つを介して獲得される、26に記載のシステム。
28. 前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに以下の:さらに、生物学的治療薬を製造する製造ラインに含まれる複数の装置の第3の複数の状態を示す第3のデータを取得する工程であって、前記バイオリアクタシステム及びクロマトグラフィーシステムを含み、前記第3のデータセットは、前記複数の装置の複数のセンサ又は前記複数の装置の動作中に異なる時点で状態を測定する1つ以上の外部アッセイのうちの少なくとも1つを介して取得され;前記第3のデータセットを、1つ以上の推論モデリング技術を利用して、前記製造ラインを用いて製造される生物学的治療薬に関連するさらなる生産性の測定値に少なくとも閾値の影響を及ぼす1つ以上のさらなるプロセス変数を決定する工程;前記1つ以上の推論モデリング技術を利用して、前記第3のデータセットを分析して、前記1つ以上のさらなるプロセス変数に少なくともさらなる閾値の影響を与える1つ以上のさらなる制御変数を決定する工程;かつ、前記1つ以上のさらなるプロセス及び前記1つ以上のさらなる制御変数に対応するさらなる変数を含むさらなるモデルを生成する工程;を含む、さらなる動作を実行させるコンピュータ可読命令を格納したつ以上のさらなるコンピュータ可読記憶媒体を含む、26又は27に記載のシステムであって、ここで、前記モデルはさらなる生産性測定基準を予測し、前記生産性メトリクスは、生存細胞密度を含み、さらなる生産性測定基準は精製治療用タンパク質医薬物質の収量を含む、システム。
29. 前記第1モジュール式クリーンルームは、以下の:バイオリアクターに結合された灌流システム;前記バイオリアクタで製造された組換え治療用タンパク質を含む無細胞透過液を貯蔵する第1保存容器;前記第1保存容器に結合した第1連続クロマトグラフィーシステムであって、タンパク質単離画分を生成する第1連続クロマトグラフィーシステム;前記第1の連続クロマトグラフィーシステムに結合され、第1の量のタンパク質単離画分を貯蔵する第2の保存容器;前記第1の連続クロマトグラフィーシステムに結合され、第2の量のタンパク質単離画分を貯蔵する第3の保存容器;ウイルス不活化されたプールを第4の保存容器に移送する第1のポンプ装置であって、前記ウイルス不活化されたプールは、酸または界面活性剤の少なくとも1つをタンパク質単離画分に添加することによって生成される、第1のポンプ装置;かつ、前記ウイルス不活化プールを、少なくとも1つのフィルタ装置を介して、前記ステージング領域の前記第1モジュール型クリーンルームの外側の第6保存容器に移送する第2ポンプ装置を備え;第2のモジュール式クリーンルームは、以下の:第2のモジュール式クリーンルームの外側に位置する第7の保存容器から第2のクロマトグラフィーシステムにウイルス不活化プールを移送する温度制御装置;ステージング領域の第2のモジュール式容器の外側に位置する第8の保存容器から第2のクロマトグラフィーシステムに量のバッファ緩衝溶液を移送する温度制御装置を含み、第2のクロマトグラフィーシステムは、ウイルス不活化プールを精製する;前記第2のクロマトグラフィーシステムからの流出物を貯蔵する第9の保存容器;第2のクロマトグラフィーシステムからの流出物を精製して精製物プールを生成する第3のクロマトグラフィーシステムであって、前記第3のクロマトグラフィーシステムは、緩衝溶液を保存する第10の保存容器に結合され、第10の保存容器は、ステージング領域の第2のモジュール式クリーンルームの外側に配置されている、第3のポンプ装置であって、精製物プールを、第2のモジュール式クリーンルームに配置されたウイルス濾過装置に供給し、ウイルス濾過装置は、ウイルスを含まない透過液を生成する;を備え;かつ第3のモジュール式クリーンルームは、無ウイルスの透過液を保存する第11の保存容器と、無ウイルスの透過液に対して1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作の少なくとも1つを行い、精製された治療用タンパク質医薬物質を生成する濾過装置と、複数のバイアルに精製された治療用タンパク質医薬物質を充填する少なくとも1つのバイアル充填装置とを含む、19に記載のシステム。
30. 1つ以上の生物学的治療薬剤を製造する方法であって、第1のモジュール式クリーンルーム内に配置されたバイオリアクタによって、少なくとも1つの保存容器から細胞培養培地、細胞増殖材料、及び緩衝溶液を得る工程;組換え治療用タンパク質を含む無細胞の透過物を製造する工程であって、前記組換え治療用タンパク質が前記バイオリアクタの少なくとも1つの容器内で製造される工程;前記無細胞の透過物の量をクロマトグラフィーシステムに移す工程;前記クロマトグラフィーシステムの流出物に関してウイルス不活化プロセスを実施して、前記組換え治療用タンパク質を含むウイルス不活化プールを製造する工程;前記ウイルス不活化プールの量を第2のモジュール式クリーンルームに移入する工程;及び前記第2のモジュール式クリーンルーム内の1つ以上の装置を用いて1つ以上の操作を実施し、前記ウイルス不活化プールを精製する工程、を含む方法。
31. 細胞培養液1リットルあたり約0.5gの組換え治療タンパク質を1日あたり約10gの組換え治療タンパク質を1日あたり製造するバイオリアクターからの流出物を灌流システムに移す工程;無細胞透過液を含む灌流システムからの流出物を、少なくとも1つの保存容器に移す工程;かつ、無細胞透過液の量をクロマトグラフィーシステムに移す前に、無細胞透過液の量を温度制御システムに移す工程を含む、30に記載の方法。
32. 以下の:クロマトグラフィーシステムからの第1の量の流出物を第1の期間、第1の貯蔵容器に移す工程;閾値期間に対応する第1の期間に基づいて、又は閾値体積に対応する第1の保存容器内の第1の量の流出物の体積に基づいて、クロマトグラフィーシステムからの第2の量の流出物を第2の保存容器に移すと決定する工程;かつ、前記クロマトグラフィーシステムからの流出物の前記第1の保存容器への流入を停止して、前記クロマトグラフィーシステムからの流出物を前記第2の保存容器へ流入させる工程;を含む、30又は31に記載の方法。
33. 前記ウイルス不活化プールを精製する1つ以上の操作が、前記第2のモジュール式クリーンルーム内に配置されたさらなるクロマトグラフィーシステムによって行われ;前記クロマトグラフィーシステムの第1のカラムは、第1の樹脂を含み、前記さらなるクロマトグラフィーシステムの第2のカラムは、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含み;前記ウイルス不活化プールを精製する1つ以上の操作は、精製された生成物プールを製造し;かつ、前記精製された生成物プールを、前記第2のモジュール式クリーンルーム内に配置されたウイルス濾過装置に移して、ウイルスフリーの透過液を製造することを含む、30~32のいずれか1つに記載の方法。
34. 前記ウイルス不活化プールの量を前記第2のモジュール式クリーンルームに移す工程は、以下の:前記ウイルス不活化プールの量を、前記第1のモジュール式クリーンルームの外側に位置し、前記第1のモジュール式クリーンルームの1つ以上の第1のポートに連結された1つ以上の第1の保存容器に移す工程;かつ、前記ウイルス不活化プールの量を、前記1つ以上の第1の保存容器から1つ以上の第2の保存容器に移す工程であって、前記1つ以上の第2の第2の保存容器は、前記第2のモジュール式クリーンルームの外側に位置し、前記第2のモジュール式クリーンルームの1つ以上の第2のポートに連結され、前記1つ以上の第2の第2のポートは、前記第2のモジュール式クリーンルーム内に位置するさらなるクロマトグラフィーシステムに連結される、33に記載の方法。
35. 以下の:第3のモジュール式クリーンルームに含まれるフィルタ装置に、ある量の無ウイルスの透過液を移す工程;前記フィルタ装置によって、1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つを行って、精製された治療用タンパク質医薬物質を製造する工程;かつ、精製された治療用タンパク質医薬物質の量を、1分間に5バイアル~100バイアルの速度で、バイアルの数に移す工程を含む33に記載の方法であって、ここで、バイアルの数の体積は各々、約2mL~約40mLの容量である、方法。
36. 前記バイオリアクタは、さらなるバイオリアクタがある製造施設に含まれ、さらなるウイルス不活化プールの量が前記さらなるクロマトグラフィーシステムによって処理されている間、前記1つ以上の限外濾過操作又は前記1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つが実施されて、前記さらなるウイルス不活化プールは、前記さらなるバイオリアクタの流出物から製造される、35に記載の方法。
37. 前記バイオリアクタは、さらなるバイオリアクタがある製造施設に含まれ、前記ウイルス濾過装置が前記さらなるバイオリアクタの流出物から製造されるさらなる精製された生成物プールの量を処理する間、前記1つ以上の限外濾過操作又は前記1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つが実施される、35に記載の方法。
38. 前記バイオリアクタは、さらなるバイオリアクタがある製造施設に含まれ、1つ以上の第1の操作は、さらなるバイオリアクタによって製造された第1の量の流出物に関して、第1のモジュール式クリーンルーム内に位置する1以上の第1の装置によって実施され、一方、1以上の第2の操作は、バイオリアクタによって製造された流出物の第2の量に関して、第2のモジュール式クリーンルーム内に位置する1以上の第2の装置によって実施され、前記1以上の第1の操作は、クロマトグラフィーシステムによって実施され、前記1以上の第2の操作は、さらなるクロマトグラフィーシステム又はウイルス濾過装置の少なくとも1つによって実施される、35記載の方法。
39. 前記さらなるバイオリアクタは、前記第1のモジュール式クリーンルーム内に配置される、35~38のいずれか1つに記載の方法。
40. 以下の:精製された治療用タンパク質医薬物質の量の製造後、バイオリアクタ、クロマトグラフィーシステム、又はさらなるクロマトグラフィーシステムの少なくとも1つから1つ以上の第1の単回使用成分を除去する工程;1つ以上の第1の単回使用成分を1つ以上の第2の単回使用成分と交換する工程;バイオリアクタによって、1つ以上の保存容器から、さらなる細胞培養培地、さらなる細胞増殖材料、及びさらなる緩衝溶液を獲得する工程;かつ、組換え治療用タンパク質とは異なるさらなる組換え治療用タンパク質を含むさらなる無細胞の透過物を製造する工程;を含む、35~39のいずれか1つに記載の方法。
41. 精製された治療用タンパク質医薬物質が、第1のモジュール式クリーンルーム、第2のモジュール式クリーンルーム、及び第3のモジュール式クリーンルーム内に配置された第1の複数の装置の第1の製造ラインによって製造され、かつ、この方法は、第1の複数の装置の部品の第1の構成を変更して、第1のモジュール式クリーンルーム、第2のモジュール式クリーンルーム、及び第3のモジュール式クリーンルーム内に配置された第2の複数の装置の部品の第2の構成でる第2の製造ラインを製造する工程であって、第2の複数の装置の部品の第2の配置は、以下の:第1の複数の装置の部品に含まれる装置の一部を、第1のモジュール式クリーンルーム、第2のモジュール式クリーンルーム、又は第3のモジュール式クリーンルームから除去すること;第1の複数の装置の部品の第1のさらなる部品を、第1のモジュール式クリーンルーム、第2のモジュール式クリーンルーム、又は第3のモジュール式クリーンルーム内の第1のモジュール式クリーンルーム内の第1の装置の複数の部品に追加すること;又は、第1の複数の装置の部品に含まれる第2のさらなる機器の位置を変更すること;により製造される、35~39のいずれか1項に記載の方法。

Claims (23)

  1. 1つ以上の生物学的治療薬を製造するシステムであって、以下の:
    1の生物学的治療薬を含む流出物を製造する第1の複数の装置を備える、第1のモジュール式クリーンルームであって、前記第1の複数の装置はバイオリアクタを含む;
    第1の複数の装置により製造された前記流出物を精製する第2の複数の装置を備える、第2のモジュール式クリーンルームであって、前記第2の複数の装置は、少なくともフィルタシステムを備える;かつ、
    複数の保存容器を備えるステージング領域であって、前記バイオリアクタ用の細胞培地を保存する前記複数の保存容器の第1の部分及び前記第1の複数の装置に含まれる少なくとも1つの装置用及び前記第2の複数の装置に含まれる少なくとも1つの装置用の緩衝溶液を保存する前記複数の保存容器の第2の部分;
    を含む製造施設を含む、システム。
  2. 前記第1の複数の装置は、前記バイオリアクタに連結されたクロマトグラフィーシステムを含み、前記クロマトグラフィーシステムは、前記バイオリアクタにより製造されたバイオリアクタ流出物を精製して、タンパク質単離画分を製造する;及び
    前記第1の複数の装置は、前記精製されたバイオリアクタ流出物を捕捉する保存容器を備え、かつ、少なくとも1つの酸又は界面活性剤を含む溶液を前記精製されたバイオリアクタ流出物に添加してウイルス不活化プールを製造する;
    請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第2の複数の装置は、少なくとも1つのさらなるクロマトグラフィーシステムを含み、前記少なくとも1つのさらなるクロマトグラフィーシステムは、ウイルス不活化プールに関して1つ以上のさらなる精製操作を行い、精製生成物プールを製造する、請求項2に記載のシステム。
  4. さらに、前記精製生成物プールに関して1つ以上のウイルス濾過操作を実施して無ウイルスの透過液を製造するウイルス濾過装置フィルタシステムを含む、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記クロマトグラフィーシステムは、各々が直径約40cm~約100cm、高さ約10cm~約40cmである、3~9個のカラムの連続クロマトグラフィーシステムを含み;かつ、
    前記クロマトグラフィーシステムは、前記クロマトグラフィーシステムの4~15サイクル以内で、約80g/Lの樹脂~約140g/Lの樹脂の一定量のタンパク質単離画分を製造し、ここで、各サイクルの持続時間は約3時間~約12時間である、
    請求項2に記載のシステム。
  6. 前記モジュール式クリーンルームの面積は約15,000 ft~約50,000 ftであり;かつ、
    前記バイオリアクタは、組換え治療用タンパク質を含むバイオリアクタ流出物を製造するための、約250L~約2000Lの体積である、少なくとも1つのヴェッセルを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. さらに、供給材料を前記バイオリアクタに移送し、前記バイオリアクタから流出物を除去する、前記バイオリアクタに連結されている、灌流システムを含む、請求項2~6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のシステムであって、以下の:
    1つ以上のプロセッサ;かつ
    1つ以上の複数のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記1つ以上のプロセッサに以下の:
    前記バイオリアクタの第1の複数の状態を示す第1のデータセットを獲得することであって、前記第1のデータセットは、前記バイオリアクタの複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ、又は前記バイオリアクタの作動中の異なる時点における状態を測定する1つ以上の外部アッセイを介して得られ;
    前記第1のデータセットを分析して、1つ以上の推論的モデル化技術を用いて、前記バイオリアクタ流出物に関する生産性の測定基準に少なくとも第1の閾値の影響を及ぼす1つ以上のプロセス変数を決定すること;
    前記第1のデータセットを分析して、1つ以上の推論的モデル化技術を用いて、少なくとも1つ以上のプロセス変数に第2の閾値の影響を及ぼす1つ以上の制御変数を決定すること;
    前記1つ以上のプロセス変数及び前記1つ以上の制御変数に対応する変数を含むモデルを製造することであって、ここで前記モデルは生産性の測定基準を予測し;
    前記バイオリアクタの第2の複数の状態を示す第2のデータセットを取得することであって、前記第2のデータセットは、前記バイオリアクタの複数のセンサ、又は1つ以上の外部アッセイの少なくとも1つを介して取得され、かつ、前記第1のデータセットの後に取得され;
    前記モデルに従って前記第2のデータセットを分析し、1つ以上の制御変数の少なくとも1つの制御変数に対する修正を決定して、前記生産性測定基準を修正すること;かつ
    前記修正に従い、少なくとも1つの制御変数を修正させること;
    という動作を実行させるコンピュータ可読命令を記憶する1つ以上の複数のコンピュータ可読記憶媒体;
    を含む、システム。
  9. 請求項8に記載のシステムであって、
    前記製造施設は第1の製造施設であり、前記バイオリアクタは第1のバイオリアクタであり;
    第2のバイオリアクタは、第2の製造施設に含まれ;かつ
    前記第1のデータセットは、前記第2のバイオリアクタのさらなる複数の条件を含み、前記第1のデータセットの一部は、前記第2のバイオリアクタの複数のさらなるセンサ、又は第2のバイオリアクタの動作中の異なる時点における条件を測定する1つ以上の外部アッセイのうちの少なくとも1つを介して得られる、システム。
  10. 1つ以上のさらなるコンピュータ可読記憶媒体を含む、請求項8又は9のいずれか一項に記載のシステムであって、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記1つ以上のさらなるコンピュータ可読記憶媒体は、以下の:
    精製された治療用タンパク質医薬物質を製造する製造ラインの第3の複数の状態を示す第3のデータセットを得ることであって、前記製造ラインは、第1の複数の装置の部品及び第2の複数の装置の部品を含み、前記第3のデータセットは、前記製造ラインの複数のさらなるセンサのうちの少なくとも1つ、又は前記製造ラインの動作中の異なる時点における状態を測定する1つ以上の外部アッセイのうちの少なくとも1つを介して得られる、第3の複数の状態を示す第3のデータセットを得ること;
    前記第3のデータセットを分析して、1つ以上の推論的モデル化技術を用いて、前記製造ラインを用いて製造された前記精製された治療用タンパク質医薬物質に関するさらなる生産性測定値に少なくとも第1のさらなる閾値の影響を及ぼす1つ以上のさらなるプロセス変数を決定すること;
    前記第3のデータセットを分析して、1つ以上の推論的モデル化技術を用いて、少なくとも1つ以上のさらなるプロセス変数に第2のさらなる閾値の影響を及ぼす1つ以上のさらなる制御変数を決定すること;かつ、
    前記1つ以上のさらなるプロセス変数及び前記1つ以上のさらなる制御変数に対応するさらなる変数を含むさらなるモデルを生成することであって、ここで前記モデルはさらなる生産性の測定基準を予測し、前記生産性の測定基準は生存細胞密度を含み、さらなる生産性の測定基準は前記精製された治療用タンパク質医薬物質の収量を含む;
    さらなる操作を実行させるコンピュータ可読命令を記憶する1つ以上のさらなるコンピュータ可読記憶媒体。
  11. 請求項1に記載のシステムであって、ここで:
    前記第1のモジュール式クリーンルームは、以下の:
    前記バイオリアクタに連結された灌流システム;
    前記バイオリアクタにより製造された組換え治療用タンパク質を含む無細胞の透過物を保存する第1の保存容器;
    第1の保存容器に連結された、タンパク質単離画分を製造する、第1の連続クロマトグラフィーシステム;
    第1の連続クロマトグラフィーシステムに連結された、第1の量のタンパク質単離画分を保存する、第2の保存容器;
    第1の連続クロマトグラフィーシステムに連結された、第2の量のタンパク質単離画分を保存する、第3の保存容器;
    少なくとも1つの酸又は界面活性剤をタンパク質単離画分に加えて、ウイルス不活化プールを第4の保存容器に移す第1のポンプ装置;かつ、
    少なくとも1つのフィルタ装置を介してステージング領域内の前記第1のモジュール式クリーンルームの外側に配置された第6の保存容器にウイルス不活化プールを移す、第2のポンプ装置;
    を含み、
    前記第2のモジュール式クリーンルームは、以下の:
    前記ウイルス不活化プールを第2のモジュール式クリーンルームの外側にある第7の保存容器から第2のクロマトグラフィーシステムに移し、ある量の緩衝溶液を前記ステージング領域内の前記第2のモジュール式容器の外側にある第8の保存容器から前記第2のクロマトグラフィーシステムに移す、温度制御ユニットであって、前記第2のクロマトグラフィーシステムはウイルス不活化プールを精製し;
    前記第2のクロマトグラフィーシステムからの流出物を保存する第9の保存容器;
    前記第2のクロマトグラフィーシステムからの流出物を精製し、精製された生成物プールを製造する、ステージング領域内の前記第2のモジュール式クリーンルームの外側に位置する、緩衝溶液を保存する第10の保存容器に連結された第3のクロマトグラフィーシステム;かつ、
    前記精製された生成物プールを、前記第2のモジュール式クリーンルーム内に設置された、無ウイルスの透過液を製造するウイルス濾過装置に供給する第3のポンプ装置、
    を含み、かつ、
    前記第3のモジュール式クリーンルームは、以下の:
    無ウイルスの透過液を保存する第11の保存容器;
    無ウイルスの透過液に関して、1回以上の限外濾過操作又は1回以上の透析濾過操作を行い、精製された治療用タンパク質医薬物質を製造する、フィルタ装置;かつ、
    複数のバイアルに、前記精製された治療用タンパク質医薬物質を充填する、少なくとも1つのバイアル充填装置を含む、システム。
  12. 1つ以上の生物学的治療薬を製造する方法であって、以下の:
    第1のモジュール式クリーンルーム内に配置されたバイオリアクタにより、細胞培養培地、細胞増殖材料、及び緩衝溶液を少なくとも1つの保存容器から得る工程;
    組換え治療用タンパク質を含む無細胞の透過物を製造する工程であって、ここで、前記組換え治療用タンパク質は、前記バイオリアクタの少なくとも1つのヴェッセル内で製造され;
    一定量の前記無細胞の透過物をクロマトグラフィーシステムに移す工程;
    クロマトグラフィーシステムの流出物に関するウイルス不活化プロセスを行い、組換え治療用タンパク質を含むウイルス不活化プールを製造する工程;
    一定量の前記ウイルス不活化プールを第2のモジュール式クリーンルームに移す工程;かつ、
    前記第2のモジュール式クリーンルーム内の1つ以上の装置を用いて、前記ウイルス不活化プールを精製するための、1つ以上の操作を行う工程;
    を含む、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、以下の:
    流出物を前記バイオリアクタからの灌流システムに移す工程であって、前記バイオリアクタは、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約0.5gの組換え治療用タンパク質から、細胞培養培地1リットル当たり1日当たり約10gの組換え治療用タンパク質を産生する;
    前記灌流システムからの流出物を少なくとも1つの保存容器に移す工程であって、前記灌流システムからの流出物は無細胞の透過物を含む;かつ、
    一定量の無細胞の透過物を、クロマトグラフィーシステムに移す前に、温度制御システムに移す、工程;
    を含む、方法。
  14. 請求項12又は13に記載の方法であって、以下の:
    第1の量の流出物を第1の期間に前記クロマトグラフィーシステムからの第1の保存容器に移す工程;
    前記クロマトグラフィーシステムからの第2の量の流出物は、閾値期間に対応する前記第1の期間に基づいて、又は閾値体積に対応する前記第1の保存容器中の前記第1の量の流出物の体積に基づいて、第2の保存容器に移されるように決定する工程;
    前記流出物の、前記クロマトグラフィーシステムから前記第1の保存容器への流入を止める工程;
    前記流出物を、前記クロマトグラフィーシステムから前記第2の保存容器への流入させる工程;
    を含む、方法。
  15. 請求項12~14のいずれか一項に記載の方法であって、ここで、以下の:
    前記ウイルス不活化プールを精製する1つ以上の操作は、前記第2のモジュール式クリーンルーム内に配置されたさらなるクロマトグラフィーシステムにより行われ;
    前記クロマトグラフィーシステムの第1のカラムは、第1の樹脂を含み、前記さらなるクロマトグラフィーシステムの第2のカラムは、第1の樹脂と異なる第2の樹脂を含み;
    前記ウイルス不活化プールを精製する1つ以上の操作により、精製された生成物プールが製造され;かつ、
    前記方法は、前記精製された生成物プールを前記第2のモジュール式クリーンルームに設置されたウイルス濾過装置に移し、無ウイルスの透過液を製造する;
    方法。
  16. 前記一定量の前記ウイルス不活化プールを前記第2のモジュール式クリーンルームに移す工程は、以下の:
    前記一定量のウイルス不活化プールを、前記第1のモジュール式クリーンルームの外側に配置され、かつ、前記第1のモジュール式クリーンルームの1つ以上の第1のポートに連結された、1つ以上の前記第1の保存容器に移す工程;かつ、
    前記一定量のウイルス不活化プールを、前記1つ以上の第1の保存容器から前記1つ以上の第2の保存容器に移す工程であって、前記1つ以上の第2の保存容器は、前記第2のモジュール式クリーンルームの外側に位置し、かつ、前記第2のモジュール式クリーンルームの1つ以上の第2のポートに連結され、ここで、前記1つ以上の第2のポートは、前記第2のモジュール式クリーンルーム内に位置するさらなるクロマトグラフィーシステムに連結される;
    を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項15記載の方法であって、以下の:
    無ウイルスの透過液を、第三のモジュール式クリーンルームに含まれるフィルタ装置へ移す工程;
    フィルタ装置により、1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つを行い、精製された治療用タンパク質医薬物質を製造する工程;かつ、
    一定量の前記精製された治療用タンパク質医薬物質を、1分間に5バイアル~100バイアルの速度で、体積が約2mL~約40mLのバイアル数に移す工程;
    を含む、方法。
  18. 前記バイオリアクタは、1のさらなるバイオリアクタを備える製造施設に含まれ、かつ、前記方法は以下の:
    1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つを行う一方で、さらなるウイルス不活化プールの量は、さらなるクロマトグラフィーシステムにより処理され、ここで、前記さらなるウイルス不活化プールは、前記さらなるバイオリアクタの流出物から製造される工程;
    を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記バイオリアクタは、1のさらなるバイオリアクタを備える製造施設に含まれ、かつ、前記方法は以下の:
    1つ以上の限外濾過操作又は1つ以上の透析濾過操作のうちの少なくとも1つを行う間に、前記ウイルス濾過装置は、前記さらなるバイオリアクタの流出物から製造される一定量のさらなる精製された生成物プールを処理する工程;
    を含む、請求項17に記載の方法。
  20. 請求項17記載の方法であって、ここで:
    前記バイオリアクタは、さらなるバイオリアクタを備える製造施設に含まれ;
    1つ以上の第1の操作が、前記さらなるバイオリアクタにより製造された第1の量の流出物に関して、前記第1のモジュール式クリーンルーム内に配置された1つ以上の第1の装置で行われる間、1つ以上の第2の操作が、前記さらなるバイオリアクタにより製造された第2の量の流出物に関して、前記第2のモジュール式クリーンルーム内に配置された1つ以上の第2の装置で行われ;かつ、
    前記1つ以上の第1の操作が前記クロマトグラフィーシステムにより行われ、かつ、前記1つ以上の第2の操作が前記さらなるクロマトグラフィーシステム又は前記ウイルス濾過装置の少なくとも1つにより行われる;
    方法。
  21. 前記さらなるバイオリアクタは、前記第1のモジュール式クリーンルーム内に配置される、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 請求項17~21のいずれか一項に記載の方法であって、以下の:
    一定量の精製された治療用タンパク質医薬物質が製造された後、前記バイオリアクタ、前記クロマトグラフィーシステム、又は前記さらなるクロマトグラフィーシステムの少なくとも1つから1つ以上の第1の単回使用成分を除去する工程;
    前記1つ以上の第1の単回使用成分を1つ以上の第2の単回使用成分と交換する工程;
    前記バイオリアクタにより、1つ以上の保存容器からさらなる細胞培養培地、さらなる細胞増殖材料、及びさらなる緩衝溶液を得る工程;かつ、
    前記組換え治療用タンパク質とは異なるさらなる組換え治療用タンパク質を含むさらなる無細胞の透過物を産生する工程;
    を、含む方法。
  23. 前記精製された治療用タンパク質医薬物質が、前記第1のモジュール式クリーンルーム、前記第2のモジュール式クリーンルーム、及び前記第3のモジュール式クリーンルーム内に配置された第1の複数の装置の第1の配置を備える第1の製造ラインにより製造され、かつ、前記方法は、以下の:
    前記第1の複数の装置の前記第1の配置の構成を修正して、前記第1のモジュール式クリーンルーム、前記第2のモジュール式クリーンルーム、及び前記第3のモジュール式クリーンルーム内に配置された第2の複数の装置の第2の配置の構成がある第2の製造ラインを製造し、ここで、前記第2の複数の装置の前記第2の配置の構成は、以下の:
    前記第1のモジュール式クリーンルーム、前記第2のモジュール式クリーンルーム、又は前記第3のモジュール式クリーンルームから前記第1の複数の機器に含まれる機器の一部を除去すること、を含み;
    前記第1のモジュール式クリーンルーム、前記第2のモジュール式クリーンルーム、又は前記第3のモジュール式クリーンルーム内の前記第1の複数の機器に第1のさらなる機器を追加すること、又は、
    前記第1の複数の装置に含まれる第2のさらなる装置の位置を変えること;
    を含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
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