JP2022519257A - 呼気フィルタ付き密着型呼吸器及び密着型呼吸器用呼気フィルタ - Google Patents

Abstract

電動式空気浄化呼吸器は、入口空気フィルタと、周囲環境からの空気を入口空気フィルタを介して流れさせ、かつ空気の圧力を周囲条件よりも高く上昇させるように構成された流れ発生器と、流れ発生器と流体連通し、かつ上昇させた圧力で空気をユーザに送達するためにユーザの顔面または頸部に密着するように構成されたマスクと、ユーザによって吐き出された空気を周囲環境に排出することができるように構成された一方向出口弁とを含む。出口フィルタは、一方向弁を介して流れる空気を濾過するために含まれてもよく、出口フィルタは後付してもよい。出口フィルタは、入口空気および出口空気の両方の濾過が望ましい場合に好ましいことがある。
【選択図】図１

Description

一般の人々に関しては、日常生活における汚染および疾病からの保護は防塵マスクまたはサージカルマスクに大きく依存している。しかしながら、これらのマスクは、そういうマスクの製作に使用される濾過材料が高効率の濾過に適すると典型的に表示されている場合であっても、マスクの周囲の漏れによって最低限の保護しか提供していない。濾過媒体によって課される余計な抵抗のために、ユーザはマスクなしで普通に呼吸する場合よりもかなり強く呼吸しなければならない。したがって、そのようなマスクを長時間にわたり快適に使用することは誰にとっても非常に困難である。また、二酸化炭素（ＣＯ₂）や湿気がマスク内部に溜まり、状況が悪化する傾向がある。さらに、濾過媒体の効率が高いほど、濾過媒体が課す流れ抵抗は高くなり、これらのマスクの長時間にわたる使用がより一層不快になる。このような影響は、高齢者、小児、ならびに喘息および慢性閉塞性肺疾患（ＣＯＰＤ；Ｃｈｒｏｎｉｃ Ｏｂｓｔｒｕｃｔｉｖｅ Ｐｕｌｍｏｎａｒｙ Ｄｉｓｅａｓｅ）の患者などの病人など、呼吸器系が虚弱な人か、または呼吸器系に障害がある人に特に顕著である。

防塵マスクおよびサージカルマスクは、その使い易さのために一般の人々によって広く使用されてきた。より効率的で快適な装置を使用したい人には、電動式空気浄化呼吸器（ＰＡＰＲ）の解決策が利用可能である。密着型ＰＡＰＲは、マスクがユーザの顔面または頸部をシールするように設計されたものである。密着型ＰＡＰＲは、呼気を解放する手段を備えなければならない。典型的には、これはマスクの前面またはその近くに配置された少なくとも１つの一方向弁（「呼気弁」）の形態をとる。したがって、ユーザが息を吐くと、肺からの空気がユーザの顔面付近の環境に放出される。

Ｖｉｒｒらの米国特許出願公開第２０１２／０１７４９２２号明細書およびＫａｏらの米国特許出願公開第２０１４／０３７３８４６号明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれており、ＰＡＰＲの解決策を開示している。ＰＡＰＲのこれらの解決策は、濾過された空気を周囲条件を超える圧力でユーザの口および／または鼻に供給し、バルブを介して呼気を大気に排出することができるようにする。

米国特許出願公開第２０１２／０１７４９２２号明細書 米国特許出願公開第２０１４／０３７３８４６号明細書

米国特許出願公開第２０１２／０１７４９２２号明細書および米国特許出願公開第２０１４／０３７３８４６号明細書に記載されている装置は、当該技術分野における著しい進歩を含んでいたが、さらなる進歩が望ましい。たとえば、ＰＡＰＲから吐き出される空気を濾過して、ＰＡＰＲのユーザが環境を汚染する可能性を低減することが望ましい場合がある。

第１の例では、電動式空気浄化呼吸器は、入口空気フィルタと、周囲環境からの空気を入口空気フィルタを介して流れさせ、かつ空気の圧力を周囲条件よりも高く上昇させるように構成された流れ発生器と、流れ発生器と流体連通し、かつ上昇させた圧力で空気をユーザに送達するためにユーザの顔面または頸部に密着するように構成されたマスクと、ユーザが吐き出した空気を周囲環境に排出することができるように構成された一方向出口弁と、一方向弁を介して流れる空気を濾過するように構成された出口フィルタとを含む。

第１の例のさらなる態様は、（ａ）出口フィルタが取り外し可能にマスクに取り付けられ、（ｂ）出口フィルタが、呼吸器を着用したときにマスクの一部とユーザの顔面との間に位置する保持部材を備え、（ｃ）保持部材がストラップであり、（ｄ）電動式空気浄化呼吸器が、流れ発生器とマスクとを流体接続する流れ導管を備え、流れ導管が出口フィルタの一部を貫通し、（ｅ）流れ導管がマスクの一部であり、（ｆ）出口フィルタが、濾過媒体と、濾過媒体を保持するフレームとを備え、（ｇ）フレームが、呼吸器を着用したときにマスクの一部とユーザの顔面との間に位置する保持部材を備え、（ｈ）フレームが可撓性であり、および／または（ｉ）フレームが可撓性プラスチックを含むことを含んでもよい。

第２の例では、空気出口を有するマスクを含む電動式空気浄化呼吸器と共に使用するための出口フィルタは、濾過媒体と、濾過媒体を支持する可撓性フレームであって、可撓性フレームが、濾過媒体の周囲で濾過媒体に取り付けられた第１の部材と、出口フィルタをマスクに取り付けるように構成された第２の部材とを含む可撓性フレームとを含む。

第２の例のさらなる態様は、（ａ）可撓性フレームが濾過媒体の中央部分を支持する第３の部材をさらに備え、（ｂ）第３の部材が、濾過媒体の高さまたは幅にわたって延在し、かつ第３の部材の両端で第１の部材に接続し、（ｃ）第３の部材が、濾過媒体が空気出口を押圧するのを防止するために濾過媒体に取り付けられ、（ｄ）可撓性フレームが、複数の第３の部材を備え、（ｅ）第２の部材が、マスクの一部が開口部を貫通して出口フィルタをマスクに保持することができるような寸法の開口部を境界付け、（ｆ）マスクの一部分が空気送達導管であり、および／または（ｇ）可撓性フレームがプラスチックを含むことを含んでもよい。

第３の例では、電動式空気浄化呼吸器を後付けする方法は、電動式空気浄化呼吸器の空気出口を覆うためのフィルタを選択するステップと、フィルタを電動式空気浄化呼吸器のマスクに取り付けるステップとを含む。マスクは、流れ導管を有するアームを含んでもよく、フィルタは、ストラップがアームの周りに巻き付いてフィルタをマスクに取り付けるようにストラップを含んでもよい。

本開示の一部であり、例として本技術の原理を示す添付図面と併せて読めば、本技術の他の態様、特徴、および利点が以下の詳細な説明から明らかになるであろう。

出口フィルタが取り付けられたＰＡＰＲ用マスクの斜視図である。

出口フィルタが取り付けられたＰＡＰＲの側面図である。

出口フィルタが取り付けられていないＰＡＰＲの斜視図である。

出口フィルタが取り付けられたＰＡＰＲ用マスクの斜視図である。

２つの出口フィルタが取り付けられたＰＡＰＲ用マスクの斜視図である。

出口フィルタが取り付けられたＰＡＰＲ用マスクの斜視図である。

２つの出口フィルタが取り付けられたＰＡＰＲ用マスクの斜視図である。

国立労働安全衛生研究所（ＮＩＯＳＨ）によれば、ＰＡＰＲの「手術室（ＯＲ）での使用は推奨されていない。というのも、この種類の装置の安全な使用および滅菌野に起こり得る影響（着用者が吐き出した未濾過の空気の汚染）を支持する科学的証拠が不足しているからである」。ｈｔｔｐｓ：／／ｗｗｗ．ｃｄｃ．ｇｏｖ／ｎｉｏｓｈ／ｎｐｐｔｌ／ｔｏｐｉｃｓ／ｒｅｓｐｉｒａｔｏｒｓ／ｄｉｓｐ＿ｐａｒｔ／ｒｅｓｐｓｏｕｒｃｅ３ｈｅａｌｔｈｃａｒｅ．ｈｔｍｌ。

密着型ＰＡＰＲが有用となり得る一部の用途では、ユーザの呼気中に存在し得る細菌、ウイルス、ＤＮＡ物質または他の異物（汚染物質）がマスク外部の環境に到達しないようにする必要がある。たとえば、救急医療では感染性因子が生命を脅かす合併症または感染症を引き起こす恐れがあるため、医療従事者の口、鼻、または肺からのエアロゾル化した感染性因子が一切、滅菌野を汚染したり、免疫無防備状態の患者を危険にさらしたりしないことが不可欠である。他の例としては、ｉ）治療に関するもの（活性成分、培地、細胞株（生物製剤）または滅菌バイアルのいずれか）の汚染を防ぐために滅菌環境を維持する必要がある薬剤の製造業務または開発業務、およびｉｉ）技術者／研究者が、細胞培養物または遺伝子組換えを施した実験動物（たとえばトランスジェニック動物など）を、貴重な実験装置または細胞／動物の系統を破壊する異質のウイルス、細菌またはＤＮＡで汚染するのを防ぐための研究実験室が挙げられる。ＰＡＰＲのこれらの例示的な使用は、一般に、吸入前に空気を濾過することをユーザが所望し、装着者の呼気が周囲環境に戻る前に濾過されることが必要な、または望ましい環境での使用として説明することができる。

手術室内の標準的な慣行ではサージカルマスクを装着する。サージカルマスクは、表面的には（呼気弁がない）Ｎ９５マスクのように見えるが、微粒子用呼吸器ではなく、大きな呼吸器粒子を含む飛沫に対するバリア保護を提供するだけである。ｈｔｔｐｓ：／／ｗｗｗ．ｃｄｃ．ｇｏｖ／ｎｉｏｓｈ／ｎｐｐｔｌ／ｔｏｐｉｃｓ／ｒｅｓｐｉｒａｔｏｒｓ／ｄｉｓｐ＿ｐａｒｔ／ｒｅｓｐｓｏｕｒｃｅ３ｈｅａｌｔｈｃａｒｅ．ｈｔｍｌまた一部の（呼気弁がない）Ｎ９５マスクも手術室での使用に適しており、疾病予防管理センター（ＣＤＣ；Ｃｅｎｔｅｒ ｆｏｒ Ｄｉｓｅａｓｅ Ｃｏｎｔｒｏｌ ａｎｄ Ｐｒｅｖｅｎｔｉｏｎ）によってサージカルマスクよりも推奨されている。このようなマスクは、１分あたり８５リットルの流量率での０．３ミクロン以上の粒子の９５％を超える濾過を提供する。

サージカルマスクおよびＮ９５マスクは共に、マスク内の熱および湿気の急速な蓄積を受ける。ユーザは、フィルタの流れ抵抗に起因する呼吸仕事量の増大によって、長時間着用することに疲れを感じる。これらのマスクは、完全に装着したときは良好な水準の全体的な保護を提供するが、不十分に装着したり、間違って調整したり、またはユーザが熱を持ったり、疲れたり、あるいはマスクのシールを確認および調整することを忘れたときに、マスクとユーザの顔面との間に漏れを生じやすい。またこれらのマスク内部の許容二酸化炭素（ＣＯ₂）レベルは、電動式呼吸器で許容される二酸化炭素レベルよりもはるかに高く（２倍）、不快感と疲労を引き起こいやすい。

一部の外科医は、フードまたはサージカルガウンの内側にヘルメット装着型ファンを使用して、空気の循環および冷却をもたらす。この種類の装置の例は、Ｓｔｒｙｋｅｒ社が販売するＴ５ Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｐｒｏｔｅｃｔｉｏｎ Ｓｙｓｔｅｍである。Ｔ５は、フードおよびガウンの内部で空気を循環させ、外科医の体温を低下させ、大抵はフード内の二酸化炭素（ＣＯ₂）の蓄積を低減させる。Ｔ５は流入する空気を濾過せず、呼気も濾過しない。代わりにＴ５は、空気が滅菌野から（比較的）遠く離れてフードおよびガウンから排出されるのに依存している。研究は、このシステムが無菌の現場において浮遊粒子状物質の濃度を低下させるのに有効であることを示唆している。

もしＰＡＰＲが呼気の適切な濾過を提供することができれば、密着型ＰＡＰＲは、これらの環境における熱および／または二酸化炭素（ＣＯ₂）の蓄積の低減など、サージカルマスクおよびＮ９５マスクを超える利点を提供することができる場合がある。現時点で、ＰＡＰＲ用呼気フィルタの濾過効率の基準となる容易に利用可能な国際規格または他の規格はない。サージカルマスクは、ＮＩＯＳＨまたはその他によって規制されておらず、低く多様な水準の濾過効率を有している。Ｎ９５呼吸器は、１分あたり８５リットルの流量で０．３ミクロン以上の粒子の９５％を超える濾過を有する必要がある。Ｎ９５呼吸器と同じ水準の保護は、ＰＡＰＲ上の呼気フィルタにとって合理的な性能目標を提供することができる。

ＰＡＰＲを有する呼気フィルタを含むことは、関連するＰＡＰＲ規格のすべての要件をさらに満たすであろう。米国における関連規格は４２ＣＦＲ Ｐａｒｔ８４であり、これは、１分あたり８５リットルの呼気流量率でマスク内の圧力が２０ｍｍＨ₂Ｏを超えて上昇しないことを要求している。この要件を満たすために、呼気フィルタは、ＰＡＰＲに装着したときに十分に低い流れ抵抗を有さなければならない。現在の濾過媒体では、呼気弁上に嵌合する単純なキャップは、この要求を満たすことが難しい場合がある。

図１は、呼気の濾過を提供するためにＰＡＰＲ５００上（図２参照）に設置することができるフィルタ１００を示す。有利には、図１の構成は、当初呼気フィルタを含まなかった既存のＰＡＰＲ５００に後付してもよい。図１には、ＰＡＰＲ５００の残りの部分から取り外されたマスク５１０が示されている。呼気弁５２０（図３に示す）はフィルタ１００によって覆われており、図１または図２では見えない。濾過媒体１１０の面積は、特にフィルタ１００が既存のＰＡＰＲ５００に後付けされる場合、目標の呼気抵抗（たとえば、１分あたり８５リットルの呼気流量率で２０ｍｍＨ₂Ｏ）を実現するために、呼気弁５２０の面積よりも大きい必要がある場合がある。必要とされる濾過媒体１１０の正確な面積は、ＰＡＰＲの設計ごとに、また使用される媒体の種類によって異なる。ある例では、静電媒体を使用する小型の呼吸反応型ＰＡＰＲ（すなわち、ユーザによる吸息に反応して流れを発生または増加させるＰＡＰＲ）の場合、５０から６０平方センチメートル（ｃｍ²）の面積が適切な場合がある。当然ながら、より大きな面積を使用することができ、流れ抵抗を低減することができるが、濾過媒体が多すぎると、ユーザの視界が不明瞭になるなどの好ましくない影響を及ぼすことがある。

ＰＡＰＲ５００の他の構成要素は、入口フィルタ（概して５４０の内部構成要素）および流れ発生器（概して５５０の内部構成要素）を含んでもよい。

フィルタ１００は、フィルタ１００が、ＰＡＰＲ５００のマスク５１０上に適合する二次マスクの形態である濾過媒体１１０の比較的大きな面積（たとえば、呼気弁５２０の寸法と比較して）を使用して形成することができる。フィルタ１００は、濾過媒体１１０が取り付けられるフレーム１２０を含んでもよい。フレーム１２０は、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはアクリルニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）などの可撓性材料から作製することができる。濾過媒体１１０は、任意の好適な方法を使用してフレーム１２０に取り付けることができ、２つの例として熱溶着および接着剤がある。

フレーム１２０は、濾過媒体１１０の縁部またはその近くに外側周辺部材１３０を含んでもよい。外側周辺部材１３０は、濾過媒体１１０の縁部を濾過媒体１１０の全周にわたってマスク５１０の外側表面に接触（または近接）させて保持するように機能することができる。濾過媒体をマスク５１０の外側表面に接触（または近接）させて保持することは、粒子が濾過媒体１１０の外側縁部の周りに漏れるのを防ぎやすくし、濾過効率を改善するであろう。もちろん、濾過媒体１１０は外側周辺部材１３０を越えて延在することもできるが、これは、外側周辺部材１３０の外側に向かって延在する濾過媒体１１０が有意な濾過の利益をもたらさない場合があるため、濾過媒体１１０の効率的な使用ではないかもしれない。

フレーム１２０は、周辺部材１３０の対向する側面の間にまたがる部材を含んでもよい。任意の数の部材を設けることができる。そのような３つのフレーム部材１２５Ａ、１２５Ｂ、および１２５Ｃが示されている。図１では、部材１２５Ａは、対向する端部が周辺部材１３０と交差するように縦方向に（たとえば、濾過媒体１１０の高さにわたって）延在し、かつ、その両方が、対向する端部が周辺部材１３０と交差するように横方向に（たとえば、濾過媒体１１０の幅にわたって）延在する部材１２５Ｂおよび１２５Ｃと中央部分で交差する。交差部は、鋭角の角部で発生する応力の集中を解消するために含まれることが多いフィレットを（図示のように）含んでもよい。ここで、フィレットはまた、交差部の表面積を増加させ、フレーム１２０を濾過媒体１１０に取り付けるためのより多くの表面積を提供するという更なる利点を有する。ＰＡＰＲ５００の正面に向かって見たとき、フレーム部材１２５Ａおよび１２５Ｂは実質的に直線状であるが、フレーム部材１２５Ｃは逆Ｕ字形である。フレーム部材１２５Ａ、１２５Ｂ、および１２５Ｃのいずれにも、他の形状を使用することができる。

フレーム１２０は、濾過媒体１１０の外側表面上に示されている。フレーム１２０は、濾過媒体１１０の内部にあってもよい。しかしながら、濾過媒体１１０の外側表面上にフレームを含むことは、濾過媒体１１０をマスク５１０に押圧させやすくなる。濾過媒体１１０は、フレーム１２０よりもマスク５１０の表面に合致しやすい場合があり、それによっていかなる粒子も濾過媒体１１０に流入し、空気から濾過される可能性が高まるであろう。

フィルタ１００は、好ましくは、マスク５１０を交換することなく取り外しおよび交換することができるようにマスク５１０に保持されるが、マスク５１０のＰＡＰＲ５００からの取り外しは、フィルタ１００を交換するためのプロセスの一部であってもよい。図１に示すように、フィルタ１００は、フィルタ１００をマスク５１０に保持するストラップ１４０の形態で示される部材を含む。図示のように、ストラップ１４０は、ＰＡＰＲ５００を装着したときにマスク５１０の一部とユーザの顔面との間に位置するようにマスク５１０のアーム５３０の周りを通るが、他の構成では、ストラップ１４０は、フィルタ１００をＰＡＰＲ５００に保持するためにＰＡＰＲ５００の任意の好適な構造の周りを通ることができる。ストラップ１４０は、フレーム１２０からの比較的薄い突出部、別個の弾性構造もしくはひも構造、またはこれら２つの組み合わせであってもよい。ストラップ１４０は、濾過媒体１１０から製作してもよいが、これは他の構成ほど堅固ではない場合がある。

フィルタ１００は、ストラップ１４０を保持するためのクリート１５０（例示的なストラップ係止機構）を含んでもよい。クリート１５０は、好ましくは、ストラップ１４０を容易に挿入させるが、取り外しに抵抗するように構成される。ある形態では、クリート１５０は、プラスチック製ケーブルタイのロック機構と同様の使い捨てであってもよい。他のストラップ係止機構は、面ファスナ、スナップまたはボタンを含んでもよい。クリート１５０が使用される場合、クリート１５０は、好ましくは、各ストラップ１４０の自由端部がアーム５３０（またはマスク５１０の他の好適な構造）の周りを通り、各クリート１５０を貫通してストラップ１４０を調整することができるように配置される。ストラップの張りを調整することによって、フィルタ１００の下側縁部とマスク５１０の下側表面との間の接触を制御および／または調整することができる。クリート１５０は、たとえば調整が不要であれば省略してもよい。

フレーム１２０は、好ましくは、マスクの多様な寸法（および異なる形状の顔面を有するユーザにマスクが装着されるときに生じるマスク形状の変化）に良好な適合を提供するのに十分な可撓性を有しながら、（流れ抵抗を低減するために）濾過媒体１１０を呼気弁５２０から離して保持するのに十分な剛性を組み合わせる。部材１２５Ａ、１２５Ｂおよび１２５Ｃならびに／または外側周辺部材１３０は、剛性と可撓性との所望のバランスを提供するように設計（たとえば、材料選択および／または幾何学的配置）することができる。フレーム１２０およびその部材は、プラスチックなどの任意の好適な材料から製作することができる。好適には、可撓性プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはＡＢＳを含むことができる。フレーム１２０は、既知の成形技術によって製作することができる。濾過媒体１１０は、少なくとも熱溶着および／または接着を含む任意の好適な方法によってフレーム１２０に取り付けることができる。

濾過媒体１１０の例示的な材料はニードルパンチ不織布であり、これは静電機構を使用して高水準の濾過を提供する。そのような媒体の１つが、Ｔｅｘｅｌ Ｔｅｃｈｎｉｃａｌ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ，Ｉｎｃ．によって製造されるＴｒｉｂｏ ４００ ＮＧＨである。

図４は、濾過媒体１１０が、呼気弁５２０（図４では見えない）の周りに直接適合し、かつ呼気弁５２０の本体またはマスク５１０の周囲表面のいずれかをシールするフレーム１１２０に装着されているフィルタ１００の別の構成を示す。材料および構造の詳細は、図１に示す構成と同様であるが、ストラップまたはクリートはない。フレーム１１２０は、既存のマスク５１０と共に使用（たとえば後付け）する場合には摩擦嵌合によって呼気弁５２０に取り付けてもよく、またはマスク５１０が他の好適な接続を受け入れるように設計されている場合には他の好適な接続（たとえば、ねじ接続またはスナップ接続）によって取り付けてもよい。好適には、低い圧力降下は、呼気弁５２０の面積よりも大きい面積を濾過媒体１１０に提供するフレーム１１２０によって実現することができる。フレーム１１２０は、呼気弁５２０に接続する比較的小型の開口部を含んでもよく、（たとえば、望ましい圧力降下を実現するために）濾過媒体１１０に十分な面積を提供する比較的大型の開口部を含んでもよい。

図５は、２つの呼気弁（見えない）を有し、各々が独自のフィルタ１００を設けられているマスク５１０を設けることによって、より低い呼気抵抗を実現することができる場合がある別の構成を示す。フィルタ１００の構造は、図４に示すものと実質的に同じであってもよいが、図４の構成よりも小さい寸法（たとえば直径）であってもよい。この構成は、弁５２０およびフィルタ１００を共にマスクの正面から移動させ、着用者の口が見やすくなり、それがコミュニケーションの容易さとより威嚇的ではない表情に寄与するため有利である場合がある。しかしながら、既存のマスク５１０は弁５２０が中央に位置しており、交換の必要がある場合がある。

代わりの媒体の使用も可能である。図６および図７は、フィルタ１００の相対的位置において、それぞれ図４および図５と同様である。これらの構成は主に、濾過媒体１１０が超微細ガラス繊維から製作されたプリーツ付き媒体である点で異なる。たとえば、Ｌｙｄａｌｌ，Ｉｎｃ．製の４４５０ーＨＳ媒体が好適である場合がある。（繊維がガラスではなくポリマーから製作される）合成媒体の使用も可能である。またフレーム２１２０は、プリーツ付き媒体の構成によって必要に応じて異なる。

本技術をいくつかの実施例に関連して説明してきたが、本技術は開示された例に限定されるものではなく、反対に、本技術の精神および範囲内に含まれる様々な修正および同等の構成を網羅することを意図していることを理解されたい。

Claims (21)

1. 電動式空気浄化呼吸器であって、
   入口空気フィルタと、
   周囲環境からの空気を前記入口空気フィルタを介して流れさせ、かつ前記空気の圧力を周囲条件よりも高く上昇させるように構成された流れ発生器と、
   前記流れ発生器と流体連通し、かつ前記上昇させた圧力で前記空気をユーザに送達するために前記ユーザの顔面または頸部に密着するように構成されたマスクと、
   前記ユーザによって吐き出された空気を前記周囲環境に排出することができるように構成された一方向出口弁と、
   前記一方向弁を介して流れる前記空気を濾過するように構成された出口フィルタとを備える電動式空気浄化呼吸器。
2. 前記出口フィルタが前記マスクに取り付けられている、請求項１に記載の電動式空気浄化呼吸器。
3. 前記出口フィルタが取り外し可能に前記マスクに取り付けられている、請求項１に記載の電動式空気浄化呼吸器。
4. 前記出口フィルタが、前記呼吸器を着用したときに前記マスクの一部と前記ユーザの顔面との間に位置する保持部材を備える、請求項１から３のいずれか一項に記載の電動式空気浄化呼吸器。
5. 前記保持部材がストラップである、請求項４に記載の電動式空気浄化呼吸器。
6. 前記流れ発生器と前記マスクとを流体接続する流れ導管をさらに備え、前記流れ導管が前記出口フィルタの一部を貫通する、請求項１から５のいずれか一項に記載の電動式空気浄化呼吸器。
7. 前記流れ導管が前記マスクの一部である、請求項６に記載の電動式空気浄化呼吸器。
8. 前記出口フィルタが、濾過媒体と、前記濾過媒体を保持するフレームとを備える、請求項１に記載の電動式空気浄化呼吸器。
9. 前記フレームが、前記呼吸器を着用したときに前記マスクの一部と前記ユーザの顔面との間に位置する保持部材を備える、請求項８に記載の電動式空気浄化呼吸器。
10. 前記フレームが可撓性である、請求項８に記載の電動式空気浄化呼吸器。
11. 前記フレームが可撓性プラスチックを含む、請求項８に記載の電動式空気浄化呼吸器。
12. 空気出口を有するマスクを含む電動式空気浄化呼吸器と共に使用するための出口フィルタであって、前記出口フィルタが、
    濾過媒体と、
    前記濾過媒体を支持する可撓性フレームであって、前記可撓性フレームが、前記濾過媒体の周囲で前記濾過媒体に取り付けられた第１の部材と、前記出口フィルタを前記マスクに取り付けるように構成された第２の部材とを含む出口フィルタ。
13. 前記可撓性フレームが、前記濾過媒体の中央部分を支持する第３の部材をさらに備える、請求項１２に記載の出口フィルタ。
14. 前記第３の部材が、前記濾過媒体の高さまたは幅にわたって延在し、かつ前記第３の部材の両端で前記第１の部材に接続する、請求項１３に記載の出口フィルタ。
15. 前記第３の部材が、前記濾過媒体が前記空気出口を押圧するのを防止するために前記濾過媒体に取り付けられている、請求項１３に記載の出口フィルタ。
16. 前記可撓性フレームが複数の前記第３の部材を備える、請求項１３から１５のいずれか一項に記載の出口フィルタ。
17. 前記第２の部材が、前記マスクの一部が開口部を貫通して前記出口フィルタを前記マスクに保持することができるような寸法の前記開口部を境界付ける、請求項１２から１６のいずれか一項に記載の出口フィルタ。
18. 前記マスクの前記一部が空気送達導管である、請求項１７に記載の出口フィルタ。
19. 前記可撓性フレームがプラスチックを含む、請求項１２から１８のいずれか一項に記載の出口フィルタ。
20. 電動式空気浄化呼吸器を後付けする方法であって、前記方法が、前記電動式空気浄化呼吸器の空気出口を覆うためにフィルタを選択するステップと、
    前記フィルタを前記電動式空気浄化呼吸器のマスクに取り付けるステップとを含む方法。
21. 前記マスクが流れ導管を有するアームを備え、前記フィルタがストラップを備え、前記方法が、前記ストラップを前記アームの周りに巻き付けて前記フィルタを前記マスクに取り付けるステップをさらに含む、請求項２０に記載の方法。

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